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法律第百二十一号(平一五・七・一六)

  ◎児童福祉法の一部を改正する法律

 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。

 目次中「放課後児童健全育成事業(第二十一条の二十六)」を「子育て支援事業(第二十一条の二十六―第二十一条の三十五)」に、「第五十九条の七」を「第五十九条の八」に改める。

 第八条第一項中「児童、妊産婦及び知的障害者の福祉に関する」を「第七項、第二十七条第八項、第四十六条第四項及び第五十九条第五項の規定によりその権限に属させられた」に改め、同条第三項中「第一項に規定する審議会その他の合議制の機関(以下「都道府県児童福祉審議会」という。)」を「都道府県児童福祉審議会」に改め、同条第七項中「都道府県児童福祉審議会」の下に「(第一項ただし書に規定する都道府県にあつては、地方社会福祉審議会とする。第二十七条第八項、第四十六条第四項並びに第五十九条第五項及び第六項において同じ。)」を加え、同条第四項を削り、同条第一項の次に次の一項を加える。

  前項に規定する審議会その他の合議制の機関(以下「都道府県児童福祉審議会」という。)は、同項に定めるもののほか、児童、妊産婦及び知的障害者の福祉に関する事項を調査審議することができる。

 第二章第二節第三款の款名を次のように改める。

     第三款 子育て支援事業

 第二十一条の二十六中「第六条の二第七項に規定する児童の放課後児童健全育成事業の利用に関し相談に応じ、及び助言を行い、並びに」を削り、「当該児童」を「第六条の二第十二項に規定する児童」に改め、第二章第二節第三款中同条を第二十一条の二十八とし、同条の前に次の二条を加える。

第二十一条の二十六 市町村は、次条に規定する子育て支援事業に係る福祉サービスその他地域の実情に応じたきめ細かな福祉サービスが積極的に提供され、保護者が、その児童及び保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他の状況に応じて、当該児童を養育するために最も適切な支援が総合的に受けられるように、福祉サービスを提供する者又はこれに参画する者の活動の連携及び調整を図るようにすることその他の地域の実情に応じた体制の整備に努めなければならない。

第二十一条の二十七 市町村は、児童の健全な育成に資するため、その区域内において、放課後児童健全育成事業及び子育て短期支援事業並びに次に掲げる事業であつて主務省令で定めるもの(以下「子育て支援事業」という。)が着実に実施されるよう、必要な措置の実施に努めなければならない。

 一 児童及びその保護者又はその他の者の居宅において保護者の児童の養育を支援する事業

 二 保育所その他の施設において保護者の児童の養育を支援する事業

 三 地域の児童の養育に関する各般の問題につき、保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行う事業

 第二章第二節第三款に次の七条を加える。

第二十一条の二十九 市町村は、子育て支援事業に関し必要な情報の提供を行うとともに、保護者から求めがあつたときは、当該保護者の希望、その児童の養育に必要な支援の内容その他の事情を勘案し、当該保護者が最も適切な子育て支援事業の利用ができるよう、相談に応じ、必要な助言を行うものとする。

  市町村は、前項の助言を受けた保護者から求めがあつた場合には、必要に応じて、子育て支援事業の利用についてあつせん又は調整を行うとともに、子育て支援事業を行う者に対し、当該保護者の利用の要請を行うものとする。

  市町村は、第一項の情報の提供、相談及び助言並びに前項のあつせん、調整及び要請の事務を当該市町村以外の者に委託することができる。

  子育て支援事業を行う者は、前二項の規定により行われるあつせん、調整及び要請に対し、できる限り協力しなければならない。

第二十一条の三十 前条第三項の規定により行われる情報の提供、相談及び助言並びにあつせん、調整及び要請の事務(次条及び第二十一条の三十二第一項において「調整等の事務」という。)に従事する者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

第二十一条の三十一 市町村長は、第二十一条の二十九第三項の規定により行われる調整等の事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その事務を受託した者に対し、当該事務に関し監督上必要な命令をすることができる。

第二十一条の三十二 市町村長は、第二十一条の二十九第三項の規定により行われる調整等の事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その事務を受託した者に対し、報告を求め、又は当該職員に、関係者に対し質問させ、若しくは当該事務を受託した者の事務所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

  第十八条の十六第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

第二十一条の三十三 国、都道府県及び市町村以外の子育て支援事業を行う者は、厚生労働省令で定めるところにより、その事業に関する事項を市町村長に届け出ることができる。

第二十一条の三十四 国及び地方公共団体は、子育て支援事業を行う者に対して、情報の提供、相談その他の適当な援助をするように努めなければならない。

第二十一条の三十五 国及び都道府県は、子育て支援事業を行う者が行う福祉サービスの質の向上のための措置を援助するための研究その他保護者の児童の養育を支援し、児童の福祉を増進するために必要な調査研究の推進に努めなければならない。

 第四十六条第四項中「(第八条第一項ただし書に規定する都道府県にあつては、地方社会福祉審議会とする。第五十九条第五項及び第六項において同じ。)」を削る。

 第四十八条の二を第四十八条の三とし、第四十八条の次に次の一条を加える。

第四十八条の二 乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設の長は、当該施設の所在する地域の住民に対して、その行う児童の保護に支障がない限りにおいて、児童の養育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めなければならない。

 第五十六条の七の次に次の四条を加える。

第五十六条の八 保育の実施への需要が増大している市町村(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。以下この条において「特定市町村」という。)は、保育の実施の事業及び主務省令で定める子育て支援事業その他児童の保育に関する事業であつて特定市町村が必要と認めるものの供給体制の確保に関する計画を定めるものとする。

  特定市町村は、前項の計画(以下「市町村保育計画」という。)を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

  特定市町村は、市町村保育計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に提出しなければならない。

  特定市町村は、毎年少なくとも一回、市町村保育計画に定められた事業の実施の状況を公表しなければならない。

  特定市町村は、市町村保育計画の作成及び市町村保育計画に定められた事業の実施に関して特に必要があると認めるときは、保育所の設置者、子育て支援事業を行う者その他の関係者に対し調査を実施するため必要な協力を求めることができる。

第五十六条の九 保育の実施への需要が増大している都道府県(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。以下この条において「特定都道府県」という。)は、市町村保育計画の達成その他の市町村における保育の実施の事業及び主務省令で定める子育て支援事業その他児童の保育に関する事業であつて特定都道府県が必要と認めるものの供給体制の確保に資するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、当該供給体制の確保に関する計画を定めるものとする。

  特定都道府県は、前項の計画(以下「都道府県保育計画」という。)を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

  特定都道府県は、都道府県保育計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、厚生労働大臣に提出しなければならない。

  厚生労働大臣は、前項の規定による都道府県保育計画の提出があつたときは、遅滞なく、これを第一項の主務省令で定める子育て支援事業を所管する他の大臣に通知しなければならない。

  特定都道府県は、毎年少なくとも一回、都道府県保育計画に定められた事業の実施の状況を公表しなければならない。

  特定都道府県は、都道府県保育計画の作成及び都道府県保育計画に定められた事業の実施に関して特に必要があると認めるときは、市町村長、保育所の設置者、子育て支援事業を行う者その他の関係者に対し調査を実施するため必要な協力を求めることができる。

第五十六条の十 都道府県は、市町村に対し、市町村保育計画の作成上の技術的事項について必要な助言その他の援助をするように努めなければならない。

  主務大臣は、都道府県に対し、都道府県保育計画の作成の手法その他都道府県保育計画の作成上重要な技術的事項について必要な助言その他の援助をするように努めなければならない。

第五十六条の十一 国及び地方公共団体は、市町村保育計画又は都道府県保育計画の達成に資する事業を行う者に対し、当該事業の円滑な実施のために必要な援助をするように努めなければならない。

 第五十九条の五第二項中「(第八条第一項ただし書に規定する都道府県にあつては、地方社会福祉審議会とする。第五十九条第五項及び第六項において同じ。)」を削る。

 第五章中第五十九条の七を第五十九条の八とし、同条の前に次の一条を加える。

第五十九条の七 第五十六条の十第二項における主務大臣は、厚生労働大臣とする。ただし、同項の援助のうち他の大臣が所管する子育て支援事業(第五十六条の九第一項の主務省令で定めるものに限る。)に係るものに関する事項については、厚生労働大臣及びその事業を所管する大臣とする。

  この法律における主務省令は、厚生労働省令とする。ただし、第二十一条の二十七各号に掲げる事業に該当する事業のうち厚生労働大臣以外の大臣が所管するものに関する事項については、厚生労働大臣及びその事業を所管する大臣の発する命令とする。

 第六十条第一項中「これを十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」を「十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」に改め、同条第二項中「若しくは」を「又は」に改め、「又は同条第二項」を削り、「これを一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」を「三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に、「免かれる」を「免れる」に、「但し」を「ただし」に改め、同条第四項中「又は第二項」を「から第三項まで」に、「外」を「ほか」に、「各同項」を「当該各項」に改め、同項ただし書を削り、同条第二項の次に次の一項を加える。

  第三十四条第二項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 第六十条の二から第六十条の四までを削る。

 第六十一条中「六箇月」を「一年」に、「十万円」を「五十万円」に改める。

 第六十一条の二を次のように改める。

第六十一条の二 第十八条の二十二の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

  前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 第六十一条の三中「二十万円」を「三十万円」に改め、同条を第六十一条の五とし、第六十一条の二の次に次の二条を加える。

第六十一条の三 第十八条の八第四項、第十八条の十二第一項又は第二十一条の三十の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第六十一条の四 第四十六条第四項又は第五十九条第五項の規定による事業の停止又は施設の閉鎖の命令に違反した者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

 第六十二条中「二十万円」を「三十万円」に改め、第三号を第六号とし、第二号を第五号とし、第一号を第四号とし、同号の前に次の三号を加える。

 一 第十八条の十九第二項の規定により保育士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、保育士の名称を使用したもの

 二 第十八条の二十三の規定に違反した者

 三 正当の理由がないのに、第二十一条の三十二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。ただし、第八条、第四十六条第四項及び第五十九条の五第二項の改正規定並びに附則第三条及び第四条の規定は、平成十六年四月一日から施行する。

 (少年法の一部改正)

第二条 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)の一部を次のように改正する。

  第三十七条第一項第四号中「第六十二条第二号」を「第六十二条第五号」に改める。

 (母子及び寡婦福祉法の一部改正)

第三条 母子及び寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第七条中「第八条第三項」を「第八条第二項」に、「同条第三項」を「同条第四項」に、「ほか、同項」を「ほか、同条第二項」に、「の、同項」を「の、同条第四項」に改める。

 (母子保健法の一部改正)

第四条 母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。

  第七条中「第八条第三項」を「第八条第二項」に、「同条第三項」を「同条第四項」に、「ほか、同項」を「ほか、同条第二項」に、「の、同項」を「の、同条第四項」に改める。

 (児童虐待の防止等に関する法律の一部改正)

第五条 児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)の一部を次のように改正する。

  第九条第二項中「第六十二条第一号」を「第六十二条第四号」に改める。

(法務・厚生労働・内閣総理大臣署名) 

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