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法律第七十四号(平一八・六・一五)

  ◎住民基本台帳法の一部を改正する法律

 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第五十二条」を「第五十四条」に改める。

 第十一条の見出しを「(国又は地方公共団体の機関の請求による住民基本台帳の一部の写しの閲覧)」に改め、同条第一項中「何人でも」を「国又は地方公共団体の機関は、法令で定める事務の遂行のために必要である場合には」に改め、「この条」の下に「、次条」を加え、「第五十条」を「第五十一条」に、「の閲覧」を「を当該国又は地方公共団体の機関の職員で当該国又は地方公共団体の機関が指定するものに閲覧させること」に改め、同条第二項及び第三項を次のように改める。

2 前項の規定による請求は、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

 一 当該請求をする国又は地方公共団体の機関の名称

 二 請求事由(当該請求が犯罪捜査に関するものその他特別の事情により請求事由を明らかにすることが事務の性質上困難であるもの(次項において「犯罪捜査等のための請求」という。)にあつては、法令で定める事務の遂行のために必要である旨及びその根拠となる法令の名称)

 三 住民基本台帳の一部の写しを閲覧する者の職名及び氏名

 四 前三号に掲げるもののほか、総務省令で定める事項

3 市町村長は、毎年少なくとも一回、第一項の規定による請求に係る住民基本台帳の一部の写しの閲覧(犯罪捜査等のための請求に係るものを除く。)の状況について、当該請求をした国又は地方公共団体の機関の名称、請求事由の概要その他総務省令で定める事項を公表するものとする。

 第十一条の次に次の一条を加える。

 (個人又は法人の申出による住民基本台帳の一部の写しの閲覧)

第十一条の二 市町村長は、次に掲げる活動を行うために住民基本台帳の一部の写しを閲覧することが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該申出を行う者(以下この条及び第五十一条において「申出者」という。)が個人の場合にあつては当該申出者又はその指定する者に、当該申出者が法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この条において同じ。)の場合にあつては当該法人の役職員又は構成員(他の法人と共同して申出をする場合にあつては、当該他の法人の役職員又は構成員を含む。)で当該法人が指定するものに、その活動に必要な限度において、住民基本台帳の一部の写しを閲覧させることができる。

 一 統計調査、世論調査、学術研究その他の調査研究のうち、総務大臣が定める基準に照らして公益性が高いと認められるものの実施

 二 公共的団体が行う地域住民の福祉の向上に寄与する活動のうち、公益性が高いと認められるものの実施

 三 営利以外の目的で行う居住関係の確認のうち、訴訟の提起その他特別の事情による居住関係の確認として市町村長が定めるものの実施

2 前項の申出は、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

 一 申出者の氏名及び住所(申出者が法人の場合にあつては、その名称、代表者又は管理人の氏名及び主たる事務所の所在地)

 二 住民基本台帳の一部の写しの閲覧により知り得た事項(以下この条及び第五十一条において「閲覧事項」という。)の利用の目的

 三 住民基本台帳の一部の写しを閲覧する者(以下この条及び第五十一条において「閲覧者」という。)の氏名及び住所

 四 閲覧事項の管理の方法

 五 申出者が法人の場合にあつては、当該法人の役職員又は構成員のうち閲覧事項を取り扱う者の範囲

 六 前項第一号に掲げる活動に係る申出の場合にあつては、調査研究の成果の取扱い

 七 前各号に掲げるもののほか、総務省令で定める事項

3 個人である申出者は、前項第二号に掲げる利用の目的(以下この条及び第五十一条において「利用目的」という。)を達成するために当該申出者及び閲覧者以外の者に閲覧事項を取り扱わせることが必要な場合には、第一項の申出をする際に、その旨並びに閲覧事項を取り扱う者として当該申出者が指定する者の氏名及び住所をその市町村長に申し出ることができる。

4 前項の規定による申出を受けた市町村長は、当該申出に相当な理由があると認めるときは、その申出を承認することができる。この場合において、当該承認を受けた申出者は、当該申出者が指定した者(当該承認を受けた者に限る。以下この条及び第五十一条において「個人閲覧事項取扱者」という。)にその閲覧事項を取り扱わせることができる。

5 法人である申出者は、閲覧者及び第二項第五号に掲げる範囲に属する者のうち当該申出者が指定するもの(以下この条及び第五十一条において「法人閲覧事項取扱者」という。)以外の者にその閲覧事項を取り扱わせてはならない。

6 申出者は、閲覧者、個人閲覧事項取扱者又は法人閲覧事項取扱者による閲覧事項の漏えいの防止その他の閲覧事項の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

7 申出者、閲覧者、個人閲覧事項取扱者又は法人閲覧事項取扱者は、本人の事前の同意を得ないで、当該閲覧事項を利用目的以外の目的のために利用し、又は当該閲覧事項に係る申出者、閲覧者、個人閲覧事項取扱者及び法人閲覧事項取扱者以外の者に提供してはならない。

8 市町村長は、閲覧者若しくは申出者が偽りその他不正の手段により第一項の規定による住民基本台帳の一部の写しの閲覧をし、若しくはさせた場合又は申出者、閲覧者、個人閲覧事項取扱者若しくは法人閲覧事項取扱者が前項の規定に違反した場合において、個人の権利利益を保護するため必要があると認めるときは、当該閲覧事項に係る申出者、当該閲覧をし、若しくはさせた者又は当該違反行為をした者に対し、当該閲覧事項が利用目的以外の目的で利用され、又は当該閲覧事項に係る申出者、閲覧者、個人閲覧事項取扱者及び法人閲覧事項取扱者以外の者に提供されないようにするための措置を講ずることを勧告することができる。

9 市町村長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置を講じなかつた場合において、個人の権利利益が不当に侵害されるおそれがあると認めるときは、その者に対し、その勧告に係る措置を講ずることを命ずることができる。

10 市町村長は、前二項の規定にかかわらず、閲覧者若しくは申出者が偽りその他不正の手段により第一項の規定による住民基本台帳の一部の写しの閲覧をし、若しくはさせた場合又は申出者、閲覧者、個人閲覧事項取扱者若しくは法人閲覧事項取扱者が第七項の規定に違反した場合において、個人の権利利益が不当に侵害されることを防止するため特に措置を講ずる必要があると認めるときは、当該閲覧事項に係る申出者、当該閲覧をし、若しくはさせた者又は当該違反行為をした者に対し、当該閲覧事項が利用目的以外の目的で利用され、又は当該閲覧事項に係る申出者、閲覧者、個人閲覧事項取扱者及び法人閲覧事項取扱者以外の者に提供されないようにするための措置を講ずることを命ずることができる。

11 市町村長は、この条の規定の施行に必要な限度において、申出者に対し、必要な報告をさせることができる。

12 市町村長は、毎年少なくとも一回、第一項の申出に係る住民基本台帳の一部の写しの閲覧(同項第三号に掲げる活動に係るものを除く。)の状況について、申出者の氏名(申出者が法人の場合にあつては、その名称及び代表者又は管理人の氏名)、利用目的の概要その他総務省令で定める事項を公表するものとする。

 第二十条第一項中「第五十条」を「第五十二条」に改める。

 第三十条の二十二第二項中「講ずべき」を「講ずる」に改める。

 第三十条の四十三第四項中「中止すべき」を「中止する」に、「講ずべき」を「講ずる」に改める。

 第五十二条中「前二条」を「前三条」に改め、同条を第五十四条とする。

 第五十一条を第五十三条とする。

 第五十条中「、第十一条第一項の規定による住民基本台帳の一部の写しの閲覧をし」を削り、同条を第五十二条とする。

 第四十九条を第五十条とし、同条の次に次の一条を加える。

第五十一条 偽りその他不正の手段により第十一条の二第一項の規定による住民基本台帳の一部の写しの閲覧をし、若しくはさせた者又は同条第七項の規定に違反して、当該閲覧事項を利用目的以外の目的のために利用し、若しくは当該閲覧事項に係る申出者、閲覧者、個人閲覧事項取扱者及び法人閲覧事項取扱者以外の者に提供した者は、三十万円以下の過料に処する。ただし、第四十六条の規定により刑を科すべきときは、この限りでない。

 第四十八条中「法人の代表者」を「法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人」に、「又は前条」を「、第四十六条又は第四十七条」に改め、同条に次の一項を加える。

2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

 第四十八条を第四十九条とし、第四十七条を削り、第四十六条を第四十八条とし、第四十五条の次に次の二条を加える。

第四十六条 第十一条の二第九項又は第十項の規定による命令に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第四十七条 第十一条の二第十一項若しくは第三十四条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (過料に関する経過措置)

第二条 この法律の施行前にした行為に対する過料に関する規定の適用については、なお従前の例による。

(総務・内閣総理大臣署名) 

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