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法律第九十一号(平二五・一二・四)

   ◎裁判官の配偶者同行休業に関する法律

 (目的)

第一条 この法律は、配偶者同行休業の制度を設けることにより、裁判官の継続的な勤務を促進し、もって裁判事務等の円滑な運営に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律にいう「配偶者」には、届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。

2 この法律において「配偶者同行休業」とは、裁判官が、外国での勤務その他の最高裁判所規則で定める事由により外国に住所又は居所を定めて滞在するその配偶者と、当該住所又は居所において生活を共にするため、職務に従事しないことをいう。

 (配偶者同行休業の承認)

第三条 最高裁判所は、裁判官が配偶者同行休業を請求した場合において、裁判事務等の運営に支障がないと認めるときは、三年を超えない範囲内の期間に限り、当該裁判官が配偶者同行休業をすることを承認することができる。

2 前項の請求は、配偶者同行休業をしようとする期間の初日及び末日並びに当該裁判官の配偶者が当該期間中外国に住所又は居所を定めて滞在する事由を明らかにしてしなければならない。

 (配偶者同行休業の期間の延長)

第四条 配偶者同行休業をしている裁判官は、当該配偶者同行休業を開始した日から引き続き配偶者同行休業をしようとする期間が三年を超えない範囲内において、延長をしようとする期間の末日を明らかにして、最高裁判所に対し、配偶者同行休業の期間の延長を請求することができる。

2 配偶者同行休業の期間の延長は、最高裁判所規則で定める特別の事情がある場合を除き、一回に限るものとする。

3 前条第一項の規定は、配偶者同行休業の期間の延長の承認について準用する。

 (配偶者同行休業の効果)

第五条 配偶者同行休業をしている裁判官は、裁判官としての身分を保有するが、その配偶者同行休業の期間中報酬その他の給与を受けない。

 (配偶者同行休業の承認の失効等)

第六条 配偶者同行休業の承認は、次に掲げる場合には、その効力を失う。

 一 当該配偶者同行休業をしている裁判官が裁判官弾劾法(昭和二十二年法律第百三十七号)第三十九条の規定により職務を停止された場合

 二 当該配偶者同行休業に係る配偶者が死亡し、又は当該配偶者同行休業をしている裁判官の配偶者でなくなった場合

2 最高裁判所は、次に掲げる場合には、配偶者同行休業の承認を取り消すものとする。

 一 当該配偶者同行休業をしている裁判官から配偶者同行休業の承認の取消しの申出があった場合

 二 当該配偶者同行休業をしている裁判官が当該配偶者同行休業に係る配偶者と生活を共にしなくなった場合

 三 その他最高裁判所規則で定める場合

 (配偶者同行休業をした裁判官についての国家公務員退職手当法の特例)

第七条 国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第六条の四第一項及び第七条第四項(最高裁判所裁判官退職手当特例法(昭和四十一年法律第五十二号)第三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定の適用については、配偶者同行休業をした期間は、国家公務員退職手当法第六条の四第一項に規定する現実に職務をとることを要しない期間に該当するものとする。

2 配偶者同行休業をした期間についての国家公務員退職手当法第七条第四項の規定の適用については、同項中「その月数の二分の一に相当する月数(国家公務員法第百八条の六第一項ただし書若しくは特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)第七条第一項ただし書に規定する事由又はこれらに準ずる事由により現実に職務をとることを要しなかつた期間については、その月数)」とあるのは、「その月数」とする。

 (最高裁判所規則)

第八条 この法律の実施に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次項の規定は、国家公務員の配偶者同行休業に関する法律(平成二十五年法律第▼▼▼号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

 (国家公務員の留学費用の償還に関する法律の一部改正)

2 国家公務員の留学費用の償還に関する法律(平成十八年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

  第十条の表第三条第三項第六号の項中「裁判所職員臨時措置法」を「裁判官の配偶者同行休業に関する法律(平成二十五年法律第▼▼▼号)第三条第一項又は裁判所職員臨時措置法」に改める。

 (調整規定)

3 この法律の施行の日が国家公務員の配偶者同行休業に関する法律の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間における国家公務員の留学費用の償還に関する法律第十条において準用する同法第三条第一項第二号の規定の適用については、同号中「在職期間が五年」とあるのは、「在職期間(裁判官の配偶者同行休業に関する法律(平成二十五年法律第▼▼▼号)第三条第一項の規定による配偶者同行休業をした期間を含まない。以下この号において同じ。)が五年」とする。

(総務・法務・内閣総理大臣署名)

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