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法律第六十二号(令二・六・二四)

  ◎マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律

 (マンションの管理の適正化の推進に関する法律の一部改正)

第一条 マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。

  目次中「−第五条」を「・第二条」に、「第二章 マンション管理士」を

第二章 基本方針及びマンション管理適正化推進計画等(第三条−第五条の二)

第三章 管理計画の認定等(第五条の三−第五条の十三)

第四章 マンション管理士

 に、「第三章」を「第五章」に、「第四章」を「第六章」に、「第五章」を「第七章」に、「第六章」を「第八章」に、「第七章」を「第九章」に改める。

  第一条中「かんがみ、」を「鑑み、基本方針の策定、マンション管理適正化推進計画の作成及びマンションの管理計画の認定並びに」に、「を定め、」を「及び」に、「登録制度を実施する等」を「登録制度等について定めることにより、」に、「を推進するための措置を講ずることにより」を「の推進を図るとともに」に改める。

  第百六条中「該当する」の下に「場合には、その違反行為をした」を加え、同条各号中「者」を「とき。」に改める。

  第百七条第一項第一号中「第十八条第一項」を「第五条の十三第二項又は第十八条第一項」に改める。

  第百九条中「該当する」の下に「場合には、その違反行為をした」を加え、同条第五号中「者」を「とき。」に改め、同号を同条第十号とし、同条第四号中「第五十六条第三項」の下に「又は第八十八条第一項」を加え、「者」を「とき。」に改め、同号を同条第五号とし、同号の次に次の四号を加える。

  六 第七十三条第一項の規定に違反して、書面を交付せず、若しくは同項各号に掲げる事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付したとき、又は同条第三項に規定する方法により提供する場合において、同項に規定する事項を欠いた提供若しくは虚偽の事項の提供をしたとき。

  七 第七十三条第二項の規定による記名押印のない書面を同条第一項の規定により交付すべき者に対し交付したとき。

  八 第八十条又は第八十七条の規定に違反したとき。

  九 第八十六条第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

  第百九条第三号中「者」を「とき。」に改め、同号を同条第四号とし、同条第二号中「者」を「とき。」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号中「者で」を「者が」に、「もの」を「とき。」に改め、同号を同条第二号とし、同号の前に次の一号を加える。

  一 第五条の八、第六十七条又は第八十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

  第百九条に次の一号を加える。

  十一 第九十九条第一項の規定による事業計画書若しくは収支予算書若しくは同条第二項の規定による事業報告書若しくは収支決算書の提出をせず、又は虚偽の記載をした事業計画書、収支予算書、事業報告書若しくは収支決算書を提出したとき。

  第百九条に次の一項を加える。

 2 前項第八号の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

  第百十一条を削る。

  第百十二条中「第百九条第三号から第五号まで又は前条第一項(第四号」を「第百九条第一項(第二号、第三号及び第八号」に改め、同条を第百十一条とし、第百十二条の二を第百十二条とする。

  第七章を第九章とする。

  第百四条の次に次の二条を加える。

  (町村によるマンション管理適正化推進行政事務の処理)

 第百四条の二 町村及びその長は、当該町村の区域内において、都道府県及び都道府県知事に代わってマンション管理適正化推進行政事務(第二章及び第三章の規定に基づく事務であって都道府県又は都道府県知事が処理することとされているものをいう。以下この条において同じ。)を処理することができる。

 2 町村及びその長が前項の規定によりマンション管理適正化推進行政事務を処理しようとするときは、当該町村の長は、あらかじめ、これを処理することについて、都道府県知事と協議しなければならない。

 3 前項の規定による協議をした町村の長は、マンション管理適正化推進行政事務の処理を開始する日の三十日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

 4 町村及びその長が第一項の規定によりマンション管理適正化推進行政事務を処理する場合におけるマンション管理適正化推進行政事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

  (国土交通省令への委任)

 第百四条の三 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

  第六章を第八章とし、第五章を第七章とする。

  第九十二条の次に次の一条を加える。

  (センターの都道府県知事又は市町村長による技術的援助への協力)

 第九十二条の二 センターは、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成十四年法律第七十八号)第百一条第二項、第百六十三条第二項又は第二百十六条第二項の規定により都道府県知事又は市町村長から協力を要請されたときは、当該要請に応じ、同法第百一条第一項、第百六十三条第一項又は第二百十六条第一項に規定する技術的援助に関し協力するものとする。

  第四章を第六章とする。

  第四十七条中第十一号を第十三号とし、第十号を第十二号とし、同条第九号中「第七号」を「第八号」に改め、同号を同条第十号とし、同号の次に次の一号を加える。

  十一 暴力団員等がその事業活動を支配する者

  第四十七条中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号の次に次の一号を加える。

  七 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第十一号において「暴力団員等」という。)

  第四十八条第二項中「前条第八号から第十号まで」を「前条第九号、第十号又は第十二号」に改める。

  第七十二条第一項中「当該建設工事の完了の日から」を「分譲に通常要すると見込まれる期間その他の管理組合を構成するマンションの区分所有者等が変動することが見込まれる期間として」に、「期間を経過する日までの間」を「期間中」に改め、同条第三項に次のただし書を加える。

   ただし、当該説明は、認定管理者等から重要事項について説明を要しない旨の意思の表明があったときは、マンション管理業者による当該認定管理者等に対する重要事項を記載した書面の交付をもって、これに代えることができる。

  第七十二条に次の一項を加える。

 6 マンション管理業者は、第一項から第三項までの規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等又は当該管理組合の管理者等の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって前項の規定による措置に準ずる措置を講ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。

  第七十三条に次の一項を加える。

 3 マンション管理業者は、第一項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該管理組合の管理者等又は当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって前項の規定による措置に準ずる措置を講ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。

  第八十三条第一号中「第九号」を「第十一号」に改める。

  第三章を第五章とする。

  第十八条第二項中「(明治四十年法律第四十五号)」を削る。

  第三十条第一項第五号中「第三章」を「次章」に改める。

  第三十三条第二項中「から第四十二条まで」を「、第四十一条又は第四十二条」に改める。

  第四十一条の十第一項中「第百十二条の二」を「第百十二条」に改める。

  第二章を第四章とする。

  第二条の次に次の章名を付する。

    第二章 基本方針及びマンション管理適正化推進計画等

  第三条の見出しを「(基本方針)」に改め、同条中「、管理組合によるマンションの管理の適正化に関する指針」を「の基本的な方針」に、「マンション管理適正化指針」を「基本方針」に、「定め、これを公表するものとする」を「定めなければならない」に改め、同条に次の三項を加える。

 2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

  一 マンションの管理の適正化の推進に関する基本的な事項

  二 マンションの管理の適正化に関する目標の設定に関する事項

  三 管理組合によるマンションの管理の適正化に関する基本的な指針(以下「マンション管理適正化指針」という。)に関する事項

  四 マンションがその建設後相当の期間が経過した場合その他の場合において当該マンションの建替えその他の措置が必要なときにおけるマンションの建替えその他の措置に向けたマンションの区分所有者等の合意形成の促進に関する事項(前号に掲げる事項を除く。)

  五 マンションの管理の適正化に関する啓発及び知識の普及に関する基本的な事項

  六 次条第一項に規定するマンション管理適正化推進計画の策定に関する基本的な事項その他マンションの管理の適正化の推進に関する重要事項

 3 基本方針は、住生活基本法(平成十八年法律第六十一号)第十五条第一項に規定する全国計画との調和が保たれたものでなければならない。

 4 国土交通大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

  第三条の次に次の二条を加える。

  (マンション管理適正化推進計画)

 第三条の二 都道府県(市の区域内にあっては当該市、町村であって第百四条の二第一項の規定により同項に規定するマンション管理適正化推進行政事務を処理する町村の区域内にあっては当該町村。以下「都道府県等」という。)は、基本方針に基づき、当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の適正化の推進を図るための計画(以下「マンション管理適正化推進計画」という。)を作成することができる。

 2 マンション管理適正化推進計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

  一 当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の適正化に関する目標

  二 当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の状況を把握するために当該都道府県等が講ずる措置に関する事項

  三 当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の適正化の推進を図るための施策に関する事項

  四 当該都道府県等の区域内における管理組合によるマンションの管理の適正化に関する指針(以下「都道府県等マンション管理適正化指針」という。)に関する事項

  五 マンションの管理の適正化に関する啓発及び知識の普及に関する事項

  六 計画期間

  七 その他当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の適正化の推進に関し必要な事項

 3 都道府県等は、当該都道府県等の区域内において地方住宅供給公社(以下「公社」という。)によるマンション(当該マンションに係る第二条第一号イに掲げる建物の建設後国土交通省令で定める期間を経過したものに限る。次条第一項において同じ。)の修繕その他の管理に関する事業の実施が必要と認められる場合には、前項第三号に掲げる事項に、当該事業の実施に関する事項を定めることができる。

 4 都道府県等は、マンション管理適正化推進計画に公社による前項に規定する事業の実施に関する事項を定めようとするときは、当該事項について、あらかじめ、当該公社の同意を得なければならない。

 5 都道府県等は、マンション管理適正化推進計画を作成し、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県にあっては関係町村に通知しなければならない。

 6 都道府県等は、マンション管理適正化推進計画の作成及び変更並びにマンション管理適正化推進計画に基づく措置の実施に関して特に必要があると認めるときは、関係地方公共団体、管理組合、マンション管理業者その他の関係者に対し、調査を実施するため必要な協力を求めることができる。

  (委託により公社の行うマンションの修繕その他の管理の業務)

 第三条の三 前条第三項の規定によりマンション管理適正化推進計画に公社による同項に規定する事業の実施に関する事項が定められた場合には、公社は、当該都道府県等の区域内において地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)第二十一条に規定する業務のほか、委託により、マンションの修繕その他の管理の業務を行うことができる。

 2 前項の規定により公社が同項に規定する業務を行う場合には、地方住宅供給公社法第四十九条第三号中「第二十一条」とあるのは、「第二十一条に規定する業務及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第三条の三第一項」とする。

  第四条及び第五条を次のように改める。

  (国及び地方公共団体の責務)

 第四条 国及び地方公共団体は、マンションの管理の適正化の推進を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

 2 国及び地方公共団体は、マンションの管理の適正化に資するため、管理組合又はマンションの区分所有者等の求めに応じ、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

  (管理組合等の努力)

 第五条 管理組合は、マンション管理適正化指針(管理組合がマンション管理適正化推進計画が作成されている都道府県等の区域内にある場合にあっては、マンション管理適正化指針及び都道府県等マンション管理適正化指針。次条において同じ。)の定めるところに留意して、マンションを適正に管理するよう自ら努めるとともに、国及び地方公共団体が講ずるマンションの管理の適正化の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

 2 マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努めなければならない。

  第五条の次に次の一条及び一章を加える。

  (助言、指導等)

 第五条の二 都道府県等は、マンション管理適正化指針に即し、管理組合の管理者等(管理者等が置かれていないときは、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等。次項において同じ。)に対し、マンションの管理の適正化を図るために必要な助言及び指導をすることができる。

 2 都道府県知事(市又は第百四条の二第一項の規定により同項に規定するマンション管理適正化推進行政事務を処理する町村の区域内にあっては、それぞれの長。以下「都道府県知事等」という。)は、管理組合の運営がマンション管理適正化指針に照らして著しく不適切であることを把握したときは、当該管理組合の管理者等に対し、マンション管理適正化指針に即したマンションの管理を行うよう勧告することができる。

    第三章 管理計画の認定等

  (管理計画の認定)

 第五条の三 管理組合の管理者等は、国土交通省令で定めるところにより、当該管理組合によるマンションの管理に関する計画(以下「管理計画」という。)を作成し、マンション管理適正化推進計画を作成した都道府県等の長(以下「計画作成都道府県知事等」という。)の認定を申請することができる。

 2 管理計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 当該マンションの修繕その他の管理の方法

  二 当該マンションの修繕その他の管理に係る資金計画

  三 当該マンションの管理組合の運営の状況

  四 その他国土交通省令で定める事項

  (認定基準)

 第五条の四 計画作成都道府県知事等は、前条第一項の認定の申請があった場合において、当該申請に係る管理計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をすることができる。

  一 マンションの修繕その他の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

  二 資金計画がマンションの修繕その他の管理を確実に遂行するため適切なものであること。

  三 管理組合の運営の状況が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

  四 その他マンション管理適正化指針及び都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること。

  (認定の通知)

 第五条の五 計画作成都道府県知事等は、前条の認定をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を当該認定を受けた者(以下「認定管理者等」という。)に通知しなければならない。

  (認定の更新)

 第五条の六 第五条の四の認定は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

 2 前三条の規定は、前項の認定の更新について準用する。

 3 第一項の認定の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この項及び次項において「認定の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の認定は、認定の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

 4 前項の場合において、認定の更新がされたときは、その認定の有効期間は、従前の認定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

  (認定を受けた管理計画の変更)

 第五条の七 認定管理者等は、第五条の四の認定を受けた管理計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、計画作成都道府県知事等の認定を受けなければならない。

 2 第五条の四及び第五条の五の規定は、前項の認定について準用する。

  (報告の徴収)

 第五条の八 計画作成都道府県知事等は、認定管理者等(第五条の四の認定を受けた管理計画(前条第一項の変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定管理計画」という。)に係るマンション(以下「管理計画認定マンション」という。)に係る管理組合に管理者等が置かれなくなったときは、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等。次条及び第五条の十において同じ。)に対し、管理計画認定マンションの管理の状況について報告を求めることができる。

  (改善命令)

 第五条の九 計画作成都道府県知事等は、認定管理者等が認定管理計画に従って管理計画認定マンションの管理を行っていないと認めるときは、当該認定管理者等に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置を命ずることができる。

  (管理計画の認定の取消し)

 第五条の十 計画作成都道府県知事等は、次に掲げる場合には、第五条の四の認定(第五条の七第一項の変更の認定を含む。以下同じ。)を取り消すことができる。

  一 認定管理者等が前条の規定による命令に違反したとき。

  二 認定管理者等から認定管理計画に基づく管理計画認定マンションの管理を取りやめる旨の申出があったとき。

  三 認定管理者等が不正の手段により第五条の四の認定又は第五条の六第一項の認定の更新を受けたとき。

 2 計画作成都道府県知事等は、前項の規定により第五条の四の認定を取り消したときは、速やかに、その旨を当該認定管理者等であった者に通知しなければならない。

  (委託により公社の行う管理計画認定マンションの修繕に関する企画又は実施の調整に関する業務)

 第五条の十一 公社は、地方住宅供給公社法第二十一条に規定する業務のほか、委託により、管理計画認定マンションの修繕に関する企画又は実施の調整に関する業務を行うことができる。

 2 前項の規定により公社が同項に規定する業務を行う場合には、地方住宅供給公社法第四十九条第三号中「第二十一条」とあるのは、「第二十一条に規定する業務及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第五条の十一第一項」とする。

  (長期優良住宅の普及の促進に関する法律の特例)

 第五条の十二 管理計画認定マンションの区分所有者が長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成二十年法律第八十七号)第十条に規定する認定計画実施者である場合における同条の規定の適用については、同条中「の承認を受けて」とあるのは「に届け出て」と、同条第一号中「認定計画実施者」とあるのは「認定計画実施者(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第五条の八に規定する管理計画認定マンションの区分所有者に限る。次号において同じ。)」とする。

  (指定認定事務支援法人)

 第五条の十三 マンション管理適正化推進計画を作成した都道府県等(第四項において「計画作成都道府県等」という。)は、第五条の四の認定及び第五条の六第一項の認定の更新に関する次に掲げる事務の一部を、法人であって国土交通省令で定める要件に該当し、当該事務を適正に実施することができると認められるものとして計画作成都道府県知事等が指定するもの(以下「指定認定事務支援法人」という。)に委託することができる。

  一 マンションの修繕その他の管理の方法、マンションの修繕その他の管理に係る資金計画及び管理組合の運営の状況について調査すること。

  二 その他国土交通省令で定める事務

 2 指定認定事務支援法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、前項の規定により委託された事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

 3 指定認定事務支援法人の役員又は職員で、第一項の規定により委託された事務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 4 計画作成都道府県等は、第一項の規定により事務を委託したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

 5 前各項に定めるもののほか、指定認定事務支援法人に関し必要な事項は、政令で定める。

 (マンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部改正)

第二条 マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成十四年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第百五条」を「第百五条の二」に、「第四節 区分所有者等の居住の安定の確保に関する国及び地方公共団体の責務(第百十五条)」を

第四節 区分所有者等の居住の安定の確保に関する国及び地方公共団体の責務(第百十五条)

第五節 敷地分割決議等(第百十五条の二−第百十五条の四)

 に、

第五章 雑則(第百六十四条−第百六十九条)

第六章 罰則(第百七十条−第百七十九条)

 を

第五章 敷地分割事業

 第一節 敷地分割組合

  第一款 通則(第百六十四条−第百六十七条)

  第二款 設立等(第百六十八条−第百七十三条)

  第三款 管理(第百七十四条−第百八十五条)

  第四款 解散(第百八十六条・第百八十七条)

  第五款 税法上の特例(第百八十八条)

 第二節 敷地権利変換手続等

  第一款 敷地権利変換手続

   第一目 手続の開始(第百八十九条)

   第二目 敷地権利変換計画(第百九十条−第百九十八条)

   第三目 敷地権利変換(第百九十九条−第二百七条)

  第二款 雑則(第二百八条−第二百十二条)

 第三節 敷地分割事業の監督等(第二百十三条−第二百十六条)

第六章 雑則(第二百十七条−第二百二十二条)

第七章 罰則(第二百二十三条−第二百三十二条)

 に改める。

  第一条中「措置及び」を「措置、」に、「について」を「及び敷地分割事業について」に改め、「倒壊」の下に「、老朽化したマンションの損壊」を加える。

  第二条第一項中第十八号を第二十一号とし、第十二号から第十七号までを三号ずつ繰り下げ、同項第十一号中「建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「」及び「」という。)」を削り、同号を同項第十四号とし、同項第十号の次に次の三号を加える。

  十一 敷地分割 団地内建物(建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第六十九条第一項に規定する団地内建物をいい、その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下同じ。)の団地建物所有者(区分所有法第六十五条に規定する団地建物所有者をいう。以下同じ。)の共有に属する当該団地内建物の敷地又はその借地権を分割することをいう。

  十二 敷地分割事業 この法律で定めるところに従って行われる敷地分割に関する事業をいう。

  十三 分割実施敷地 敷地分割事業を実施する団地内建物の敷地をいう。

  第二条第二項中「区分所有法第六十九条第一項に規定する」及び「(その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下「団地内建物」という。)」を削り、「、区分所有法第七十条第一項」を「、同項」に改める。

  第三条中「(以下」を「若しくは敷地分割(以下」に改める。

  第四条第二項中第九号を第十号とし、第八号の次に次の一号を加える。

  九 敷地分割事業その他の除却する必要のある団地内のマンションに係る敷地分割の円滑な実施に関する事項

  第四条第三項中「全国計画」の下に「及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第三条第一項に規定する基本方針」を加える。

  第五十七条第二項第一号中「区分所有法第六十五条に規定する」及び「(第九十四条第三項において単に「団地建物所有者」という。)」を削る。

  第六十四条第二項中「区分所有法第七十条第四項において」を削り、「規定を」の下に「区分所有法第七十条第四項において」を加える。

  第七十二条中「この条において」を削り、「区分所有法第六十七条第三項においてこれらの規定を」を「これらの規定を区分所有法第六十七条第三項において」に改める。

  第八十四条中「借家権」を「賃借権」に改める。

  第九十二条の見出しを「(代位による分筆又は合筆の登記の申請)」に改め、同条中「土地の分割又は合併の手続をする」を「分筆又は合筆の登記を申請する」に改める。

  第百一条に次の一項を加える。

 2 都道府県知事及び市町村長は、前項の規定による技術的援助を行うために必要があると認めるときは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第九十一条に規定するマンション管理適正化推進センター(以下「センター」という。)に必要な協力を要請することができる。

  第百二条第一項中「建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成七年法律第百二十三号)第二条第一項に規定する耐震診断が行われた」を削り、「をいう」の下に「。第百五条の二において同じ」を加え、同条第二項中「地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認める」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 当該申請に係るマンションが地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認められるとき。

  二 当該申請に係るマンションが火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認められるとき。

  三 当該申請に係るマンションが外壁、外装材その他これらに類する建物の部分(第百八条第六項第二号ハ(1)において「外壁等」という。)が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当すると認められるとき。

  四 当該申請に係るマンションが給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして国土交通省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当すると認められるとき。

  五 当該申請に係るマンションが高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認められるとき。

  第三章第一節中第百五条の次に次の一条を加える。

  (独立行政法人都市再生機構の行う調査等業務)

 第百五条の二 独立行政法人都市再生機構は、独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号)第十一条第一項に規定する業務のほか、第百二条第一項の認定を申請しようとする者又は要除却認定マンションの管理者等からの委託に基づき、マンションの建替え、マンション敷地売却又は敷地分割を行うために必要な調査、調整及び技術の提供の業務を行うことができる。

  第百六条中「の認定」の下に「(同条第二項第一号から第三号までのいずれかに係るものに限る。以下「特定要除却認定」という。)」を加え、「要除却認定マンション」を「特定要除却認定を受けたマンション(以下「特定要除却認定マンション」という。)」に改める。

  第百八条第一項中「第百二条第一項の認定」を「特定要除却認定」に、「要除却認定マンション」を「特定要除却認定マンション」に改め、同条第二項第一号中「要除却認定マンション」を「特定要除却認定マンション」に改め、同条第六項第二号を次のように改める。

  二 次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める事項

   イ 特定要除却認定マンションが第百二条第二項第一号に該当する場合 次に掲げる事項

    (1) 建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成七年法律第百二十三号)第二条第二項に規定する耐震改修((2)において単に「耐震改修」という。)又はマンションの建替えをしない理由

    (2) 耐震改修に要する費用の概算額

   ロ 特定要除却認定マンションが第百二条第二項第二号に該当する場合 次に掲げる事項

    (1) 火災に対する安全性の向上を目的とした改修又はマンションの建替えをしない理由

    (2) (1)の改修に要する費用の概算額

   ハ 特定要除却認定マンションが第百二条第二項第三号に該当する場合 次に掲げる事項

    (1) 外壁等の剥離及び落下の防止を目的とした改修又はマンションの建替えをしない理由

    (2) (1)の改修に要する費用の概算額

  第百八条第六項第三号を削り、同条第十項中「第二条第一項第十七号」を「第二条第一項第二十号」に改める。

  第百九条第一項中「要除却認定マンションについて」を「特定要除却認定マンションについて」に、「当該要除却認定マンション」を「当該特定要除却認定マンション」に、「要除却認定マンション(」を「特定要除却認定マンション(」に、「決議要除却認定マンション」を「決議特定要除却認定マンション」に改め、同条第二項第一号から第三号まで及び第五号中「決議要除却認定マンション」を「決議特定要除却認定マンション」に改める。

  第百十条各号、第百十三条、第百十四条第一項及び第二項並びに第百十五条中「決議要除却認定マンション」を「決議特定要除却認定マンション」に改める。

  第三章に次の一節を加える。

     第五節 敷地分割決議等

  (団地建物所有者集会の特例)

 第百十五条の二 特定要除却認定を受けた場合においては、団地内建物を構成する特定要除却認定マンションの敷地(当該特定要除却認定マンションの敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者(以下「特定団地建物所有者」という。)は、この法律及び区分所有法の定めるところにより、団地建物所有者集会(区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第三十四条の規定による集会であって、当該特定団地建物所有者で構成される区分所有法第六十五条に規定する団体又は区分所有法第六十六条において読み替えて準用する区分所有法第四十七条第二項に規定する団地管理組合法人に係るものをいう。以下同じ。)を開くことができる。

  (団地建物所有者集会の招集の通知に関する特例)

 第百十五条の三 区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第三十五条第一項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が次条第一項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。

  (敷地分割決議)

 第百十五条の四 特定要除却認定を受けた場合においては、団地建物所有者集会において、特定団地建物所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該特定団地建物所有者の共有に属する団地内建物の敷地又はその借地権を分割する旨の決議(以下「敷地分割決議」という。)をすることができる。

 2 前項の団地建物所有者集会における各特定団地建物所有者の議決権は、区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第三十八条の規定にかかわらず、区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第三十条第一項の規約に別段の定めがある場合であっても、当該団地内建物の敷地又はその借地権の共有持分の割合によるものとする。

 3 敷地分割決議においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 除却マンション敷地(敷地分割後の特定要除却認定マンション(敷地分割決議に係るものに限る。)の存する敷地をいう。以下同じ。)となるべき土地の区域及び非除却マンション敷地(敷地分割後の除却マンション敷地以外の敷地をいう。以下同じ。)となるべき土地の区域

  二 敷地分割後の土地又はその借地権の帰属に関する事項

  三 敷地分割後の団地共用部分の共有持分の帰属に関する事項

  四 敷地分割に要する費用の概算額

  五 前号に規定する費用の分担に関する事項

  六 団地内の駐車場、集会所その他の生活に必要な共同利用施設の敷地分割後の管理及び使用に関する事項

 4 前項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、各特定団地建物所有者の衡平を害しないように定めなければならない。

 5 第一項に規定する決議事項を会議の目的とする団地建物所有者集会を招集するときは、区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該団地建物所有者集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。

 6 前項に規定する場合において、区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第三十五条第一項の通知をするときは、前条に規定する議案の要領のほか、次に掲げる事項をも通知しなければならない。

  一 特定要除却認定マンションの除却の実施のために敷地分割を必要とする理由

  二 敷地分割後の当該特定要除却認定マンションの除却の実施方法

  三 マンションの建替え等その他の団地内建物における良好な居住環境を確保するための措置に関する中長期的な計画が定められているときは、当該計画の概要

 7 第五項の団地建物所有者集会を招集した者は、当該団地建物所有者集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について特定団地建物所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。

 8 区分所有法第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。この場合において、区分所有法第三十五条第一項中「区分所有者」とあるのは「特定団地建物所有者(マンションの建替え等の円滑化に関する法律第百十五条の二に規定する特定団地建物所有者をいう。以下同じ。)」と、同項ただし書中「伸縮する」とあるのは「伸長する」と、同条第二項及び第三項中「専有部分」とあるのは「建物又は専有部分」と、同条第二項中「第四十条」とあるのは「区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第四十条」と、同条第三項及び第四項並びに区分所有法第三十六条中「区分所有者」とあるのは「特定団地建物所有者」と、同項中「建物内」とあるのは「団地内」と読み替えるものとする。

 9 敷地分割決議をした団地建物所有者集会の議事録には、その決議についての各特定団地建物所有者の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。

 10 敷地分割決議に賛成した各特定団地建物所有者(その承継人を含む。)は、敷地分割決議の内容により敷地分割を行う旨の合意をしたものとみなす。

  第百二十四条第三項中「、区分所有法第六十三条第五項」を「、同条第五項」に、「第二条第一項第十七号」を「第二条第一項第二十号」に改める。

  第百六十三条に次の一項を加える。

 2 都道府県知事等は、前項の規定による技術的援助を行うために必要があると認めるときは、センターに必要な協力を要請することができる。

  第百七十九条中「又は第百十九条第二項」を「、第百十九条第二項又は第百六十七条第二項」に、「又はマンション敷地売却組合」を「、マンション敷地売却組合又は敷地分割組合」に改め、同条を第二百三十二条とし、第百七十八条を第二百三十一条とする。

  第百七十七条中「第百二十九条」の下に「及び第百七十八条」を加え、同条を第二百三十条とする。

  第百七十六条中第十一号を第十二号とし、第十号を第十一号とし、同条第九号中「又は第百五十八条第二項」を「、第百五十八条第二項又は第二百十一条第二項」に改め、同号を同条第十号とし、同条第八号中「又は第百五十八条第一項」を「、第百五十八条第一項又は第二百十一条第一項」に改め、同号を同条第九号とし、同条第七号中「第百三十八条」の下に「及び第百八十七条」を加え、同号を同条第八号とし、同条第六号中「第百三十八条」の下に「及び第百八十七条」を加え、同号を同条第七号とし、同条第五号中「又は第百三十七条第三項」を「、第百三十七条第三項、第百八十三条第三項又は第百八十六条第三項」に改め、同号を同条第六号とし、同条第四号中「及び第百三十一条第四項」を「、第百三十一条第四項、第百七十八条及び第百八十条第四項」に改め、同号を同条第五号とし、同条第三号中「第百二十六条第三項」の下に「及び第百七十五条第三項」を加え、同号を同条第四号とし、同条第二号の次に次の一号を加える。

  三 敷地分割組合が敷地分割事業以外の事業を営んだとき。

  第百七十六条を第二百二十九条とし、第百七十三条から第百七十五条までを五十三条ずつ繰り下げる。

  第百七十二条第一号中「又は第百六十条第一項」を「、第百六十条第一項又は第二百十三条第一項」に改め、同条第二号中「又は第百六十一条第三項」を「、第百六十一条第三項、第二百十三条第二項又は第二百十四条第三項」に改め、同条第三号中「又は第百六十一条第一項若しくは第二項」を「、第百六十一条第一項若しくは第二項又は第二百十四条第一項若しくは第二項」に改め、同条を第二百二十五条とし、第百七十一条を第二百二十四条とし、第百七十条を第二百二十三条とする。

  第六章を第七章とする。

  第百六十九条中「並びに第九十七条第一項」を「、第九十七条第一項並びに第百七十条第一項(第百八十三条第二項において準用する場合を含む。)」に改め、第五章中同条を第二百二十二条とし、第百六十八条を第二百二十一条とし、第百六十七条を第二百二十条とし、第百六十六条を第二百十九条とする。

  第百六十五条第一項第一号中「又は第三十四条第一項」を「、第三十四条第一項、第百六十八条第一項又は第百八十三条第一項」に改め、同項第二号中「。)」の下に「又は第百七十条第三項(第百八十三条第二項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第二項中「若しくはマンション敷地売却組合」を「、マンション敷地売却組合若しくは敷地分割組合」に改め、同条を第二百十八条とし、第百六十四条を第二百十七条とする。

  第五章を第六章とし、第四章の次に次の一章を加える。

    第五章 敷地分割事業

     第一節 敷地分割組合

      第一款 通則

  (敷地分割事業の実施)

 第百六十四条 敷地分割組合(以下この章において「組合」という。)は、敷地分割事業を実施することができる。

  (法人格)

 第百六十五条 組合は、法人とする。

 2 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第四条及び第七十八条の規定は、組合について準用する。

  (定款)

 第百六十六条 組合の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 組合の名称

  二 分割実施敷地に係る団地の名称及びその所在地

  三 事務所の所在地

  四 事業に要する経費の分担に関する事項

  五 役員の定数、任期、職務の分担並びに選挙及び選任の方法に関する事項

  六 総会に関する事項

  七 総代会を設けるときは、総代及び総代会に関する事項

  八 事業年度

  九 公告の方法

  十 その他国土交通省令で定める事項

  (名称の使用制限)

 第百六十七条 組合は、その名称中に敷地分割組合という文字を用いなければならない。

 2 組合でない者は、その名称中に敷地分割組合という文字を用いてはならない。

      第二款 設立等

  (設立の認可)

 第百六十八条 第百十五条の四第十項の規定により敷地分割決議の内容により敷地分割を行う旨の合意をしたものとみなされた者(特定団地建物所有者であってその後に当該敷地分割決議の内容により当該敷地分割を行う旨の同意をしたものを含む。以下「敷地分割合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。

 2 前項の規定による認可を申請しようとする敷地分割合意者は、組合の設立について、敷地分割合意者の四分の三以上の同意(同意した者の第百十五条の四第二項の議決権の合計が敷地分割合意者の同項の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。

 3 前二項の場合において、団地内建物の敷地に現に存する一の建物(専有部分のある建物にあっては、一の専有部分)が数人の共有に属するときは、その数人を一人の敷地分割合意者とみなす。

  (事業計画)

 第百六十九条 事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、団地内建物の状況、分割実施敷地の区域、敷地分割の概要、除却マンション敷地及び非除却マンション敷地の区域、事業実施期間、資金計画その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。

 2 事業計画は、敷地分割決議の内容に適合したものでなければならない。

  (事業計画の縦覧及び意見書の処理)

 第百七十条 第百六十八条第一項の規定による認可の申請があった場合において、分割実施敷地となるべき土地の所在地が市の区域内にあるときは、当該市の長は当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供し、当該土地の所在地が町村の区域内にあるときは、都道府県知事は当該町村の長に当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供させなければならない。ただし、当該申請に関し明らかに次条各号のいずれかに該当しない事実があり、認可すべきでないと認めるときは、この限りでない。

 2 分割実施敷地となるべき土地について権利を有する者は、前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見があるときは、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事等に意見書を提出することができる。

 3 都道府県知事等は、前項の規定により意見書の提出があったときは、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。

 4 前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法第二章第三節(第二十九条、第三十条、第三十二条第二項、第三十八条、第四十条、第四十一条第三項及び第四十二条を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第二十八条中「審理員」とあるのは「都道府県知事等(マンションの建替え等の円滑化に関する法律第九条第一項に規定する都道府県知事等をいう。以下同じ。)」と、同法第三十一条、第三十二条第三項、第三十三条から第三十七条まで、第三十九条並びに第四十一条第一項及び第二項中「審理員」とあるのは「都道府県知事等」と読み替えるものとする。

 5 第百六十八条第一項の規定による認可を申請した者が、第三項の規定により事業計画に修正を加え、その旨を都道府県知事等に申告したときは、その修正に係る部分について、更にこの条に規定する手続を行うべきものとする。

  (認可の基準)

 第百七十一条 都道府県知事等は、第百六十八条第一項の規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。

  一 申請手続が法令に違反するものでないこと。

  二 定款又は事業計画の決定手続又は内容が法令(事業計画の内容にあっては、前条第三項に規定する都道府県知事等の命令を含む。)に違反するものでないこと。

  三 敷地分割が特定要除却認定マンションの除却のために必要であること。

  四 除却マンション敷地となるべき土地と非除却マンション敷地となるべき土地との境界線上に建物が存しないこと。

  五 事業実施期間が適切なものであること。

  六 当該敷地分割事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分であること。

  七 その他基本方針に照らして適切なものであること。

  (組合の成立)

 第百七十二条 組合は、第百六十八条第一項の規定による認可により成立する。

  (認可の公告等)

 第百七十三条 都道府県知事等は、第百六十八条第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、組合の名称、分割実施敷地に係る団地の名称、分割実施敷地の区域、事業実施期間その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、関係市町村長に分割実施敷地に係る団地の名称、分割実施敷地の区域その他国土交通省令で定める事項を表示する図書を送付しなければならない。

 2 組合は、前項の公告があるまでは、組合の成立又は定款若しくは事業計画をもって、組合員その他の第三者に対抗することができない。

      第三款 管理

  (組合員)

 第百七十四条 分割実施敷地に現に存する団地内建物の特定団地建物所有者(その承継人(組合を除く。)を含む。)は、全て組合の組合員とする。

 2 分割実施敷地に現に存する一の建物(専有部分のある建物にあっては、一の専有部分)が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。

 3 第十八条及び第十九条の規定は、組合の組合員について準用する。この場合において、第十八条第一項及び第二項中「第九条第一項」とあるのは「第百六十八条第一項」と、同条第一項中「第十四条第一項」とあるのは「第百七十三条第一項」と、「並びに建替え合意者等である組合員又は参加組合員の別その他」とあるのは「その他」と、第十九条中「施行マンション」とあるのは「分割実施敷地」と、「有する区分所有権又は敷地利用権」とあるのは「有する分割実施敷地持分(第百七十九条に規定する分割実施敷地持分をいう。以下この条において同じ。)」と、「その区分所有権又は敷地利用権」とあるのは「その分割実施敷地持分」と読み替えるものとする。

  (役員)

 第百七十五条 組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置く。

 2 組合に、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める。

 3 第二十一条から第二十五条まで(同条第一項後段を除く。)の規定は、組合の役員について準用する。

  (総会の組織)

 第百七十六条 組合の総会は、総組合員で組織する。

  (総会の決議事項)

 第百七十七条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。

  一 定款の変更

  二 事業計画の変更

  三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法

  四 経費の収支予算

  五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約

  六 賦課金の額及び賦課徴収の方法

  七 敷地権利変換計画及びその変更

  八 組合の解散

  九 その他定款で定める事項

  (総会の招集及び議事についての規定の準用)

 第百七十八条 第二十八条の規定は組合の総会の招集について、第二十九条の規定は組合の総会の議事について、それぞれ準用する。この場合において、第二十八条第五項中「第九条第一項」とあるのは「第百六十八条第一項」と、第二十九条第三項中「次条」とあるのは「第百七十九条」と読み替えるものとする。

  (特別の議決)

 第百七十九条 第百七十七条第一号及び第二号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第八号に掲げる事項は、組合員の議決権及び分割実施敷地持分(分割実施敷地に存する建物(専有部分のある建物にあっては、専有部分)を所有するための当該分割実施敷地の所有権又は借地権の共有持分をいう。以下同じ。)の割合の各四分の三以上で決する。

  (総代会)

 第百八十条 組合員の数が五十人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。

 2 総代会は、総代をもって組織するものとし、総代の定数は、組合員の総数の十分の一を下らない範囲内において定款で定める。ただし、組合員の総数が二百人を超える組合にあっては、二十人以上であることをもって足りる。

 3 総代会が総会に代わって行う権限は、次の各号のいずれかに該当する事項以外の事項に関する総会の権限とする。

  一 理事及び監事の選挙又は選任

  二 前条の規定に従って議決しなければならない事項

 4 第二十八条第一項から第四項まで及び第六項並びに第二十九条(第三項ただし書を除く。)の規定は組合の総代会について、第三十一条第五項の規定は総代会が設けられた組合について、それぞれ準用する。

  (総代)

 第百八十一条 総代は、定款で定めるところにより、組合員が組合員(法人にあっては、その役員)のうちから選挙する。

 2 総代の任期は、三年を超えない範囲内において定款で定める。補欠の総代の任期は、前任者の残任期間とする。

 3 第二十一条第二項及び第二十三条の規定は、組合の総代について準用する。この場合において、同項中「前項本文」とあるのは、「第百八十一条第一項」と読み替えるものとする。

  (議決権及び選挙権)

 第百八十二条 組合員及び総代は、定款に特別の定めがある場合を除き、各一個の議決権及び選挙権を有する。

 2 組合員は書面又は代理人をもって、総代は書面をもって、議決権及び選挙権を行使することができる。

 3 組合と特定の組合員との関係について議決をする場合には、その組合員は、議決権を有しない。

 4 第二項の規定により議決権及び選挙権を行使する者は、第百七十八条及び第百八十条第四項において準用する第二十九条第一項の規定の適用については、出席者とみなす。

 5 代理人は、同時に五人以上の組合員を代理することができない。

 6 代理人は、代理権を証する書面を組合に提出しなければならない。

  (定款又は事業計画の変更)

 第百八十三条 組合は、定款又は事業計画を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。

 2 第百七十条の規定は事業計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)の認可の申請があった場合について、第百七十一条及び第百七十三条の規定は前項の規定による認可について、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項中「組合の成立又は定款若しくは事業計画」とあるのは「定款又は事業計画の変更」と、「組合員その他の」とあるのは「その変更について第百八十三条第一項の規定による認可があった際に従前から組合員であった者以外の」と読み替えるものとする。

 3 組合は、事業に要する経費の分担に関し定款又は事業計画を変更しようとする場合において、敷地分割事業の実施のための借入金があるときは、その変更についてその債権者の同意を得なければならない。

  (経費の賦課徴収)

 第百八十四条 組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。

 2 賦課金の額は、組合員の有する建物の位置若しくは床面積又は分割実施敷地持分の割合等を考慮して公平に定めなければならない。

 3 組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって組合に対抗することができない。

 4 組合は、組合員が賦課金の納付を怠ったときは、定款で定めるところにより、その組合員に対して過怠金を課することができる。

  (審査委員)

 第百八十五条 組合に、この法律及び定款で定める権限を行わせるため、審査委員三人以上を置く。

 2 審査委員は、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する。

 3 前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。

      第四款 解散

  (解散)

 第百八十六条 組合は、次に掲げる理由により解散する。

  一 設立についての認可の取消し

  二 総会の議決

  三 事業の完了又はその完了の不能

 2 前項第二号の議決は、敷地権利変換期日前に限り行うことができるものとする。

 3 組合は、第一項第二号又は第三号に掲げる理由により解散しようとする場合において、借入金があるときは、解散について債権者の同意を得なければならない。

 4 組合は、第一項第二号又は第三号に掲げる理由により解散しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。

 5 都道府県知事等は、組合の設立についての認可を取り消したとき、又は前項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

 6 組合は、前項の公告があるまでは、解散をもって組合員以外の第三者に対抗することができない。

  (組合の解散及び清算についての規定の準用)

 第百八十七条 第三十八条の二から第四十三条までの規定は、組合の解散及び清算について準用する。

      第五款 税法上の特例

 第百八十八条 組合は、法人税法その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条の規定を適用する場合には同条第四項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(敷地分割組合並びに」と、同法第六十六条の規定を適用する場合には同条第一項中「普通法人」とあるのは「普通法人(敷地分割組合を含む。)」と、同条第二項中「除く」とあるのは「除くものとし、敷地分割組合を含む」と、同条第三項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(敷地分割組合及び」とする。

 2 組合は、消費税法その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法別表第三に掲げる法人とみなす。

     第二節 敷地権利変換手続等

      第一款 敷地権利変換手続

       第一目 手続の開始

 第百八十九条 組合は、第百七十三条第一項の公告があったときは、遅滞なく、登記所に、分割実施敷地に現に存する団地内建物の所有権(専有部分のある建物にあっては、区分所有権。次項において同じ。)及び分割実施敷地持分(既登記のものに限る。次項において同じ。)について、敷地権利変換手続開始の登記を申請しなければならない。

 2 前項の登記があった後においては、組合員は、当該登記に係る団地内建物の所有権及び分割実施敷地持分を処分するときは、国土交通省令で定めるところにより、組合の承認を得なければならない。

 3 組合は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。

 4 第二項の承認を得ないでした処分は、組合に対抗することができない。

 5 敷地権利変換期日前において第百八十六条第五項の公告があったときは、組合の清算人は、遅滞なく、登記所に、敷地権利変換手続開始の登記の抹消を申請しなければならない。

       第二目 敷地権利変換計画

  (敷地権利変換計画の決定及び認可)

 第百九十条 組合は、第百七十三条第一項の公告後、遅滞なく、敷地権利変換計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。

 2 組合は、前項後段の規定による認可を申請しようとするときは、敷地権利変換計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに、組合員以外に分割実施敷地について所有権を有する者があるときは、その者の同意を得なければならない。ただし、その所有権をもって組合に対抗することができない者については、この限りでない。

  (敷地権利変換計画の内容)

 第百九十一条 敷地権利変換計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 除却マンション敷地及び非除却マンション敷地の区域

  二 分割実施敷地持分を有する者で、当該分割実施敷地持分に対応して、除却敷地持分(除却マンション敷地に存する建物(専有部分のある建物にあっては、専有部分)を所有するための当該除却マンション敷地の所有権又は借地権の共有持分をいう。以下同じ。)を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所

  三 前号に掲げる者が有する分割実施敷地持分及びその価額

  四 第二号に掲げる者に前号に掲げる分割実施敷地持分に対応して与えられることとなる除却敷地持分の明細及びその価額

  五 分割実施敷地持分を有する者で、当該分割実施敷地持分に対応して、次に掲げるいずれかの権利(以下「非除却敷地持分等」という。)を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所

   イ 非除却マンション敷地に存する建物(専有部分のある建物にあっては、専有部分)を所有するための当該非除却マンション敷地の所有権又は借地権の共有持分

   ロ 非除却マンション敷地に存する建物(専有部分のある建物を除く。)の敷地又はその借地権

  六 前号に掲げる者が有する分割実施敷地持分及びその価額

  七 第五号に掲げる者に前号に掲げる分割実施敷地持分に対応して与えられることとなる非除却敷地持分等の明細及びその価額

  八 第二号及び第五号に掲げる者で、その有する団地共用部分の共有持分に対応して、敷地分割後の団地共用部分の共有持分が与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所、与えられることとなる団地共用部分の共有持分並びにその価額

  九 第二号及び第五号に掲げる者で、この法律の規定により、敷地権利変換期日においてその有する団地共用部分の共有持分を失い、かつ、当該共有持分に対応して、敷地分割後の団地共用部分の共有持分を与えられないものの氏名又は名称及び住所、失われる団地共用部分の共有持分並びにその価額

  十 第三号及び第六号に掲げる分割実施敷地持分について担保権等の登記に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利

  十一 前号に掲げる者が除却敷地持分又は非除却敷地持分等の上に有することとなる権利

  十二 清算金の徴収に係る利子又はその決定方法

  十三 敷地権利変換期日

  十四 その他国土交通省令で定める事項

 2 分割実施敷地持分に関して争いがある場合において、当該分割実施敷地持分の存否又は帰属が確定しないときは、当該分割実施敷地持分が存するものとして、又は当該分割実施敷地持分が現在の名義人に属するものとして敷地権利変換計画を定めなければならない。

  (敷地権利変換計画の決定基準)

 第百九十二条 敷地権利変換計画は、関係権利者間の利害の衡平に十分の考慮を払って定めなければならない。

  (除却マンション敷地及び非除却マンション敷地)

 第百九十三条 敷地権利変換計画においては、除却マンション敷地となるべき土地に現に存する団地内建物の特定団地建物所有者に対しては、除却敷地持分が与えられるように定めなければならない。

 2 敷地権利変換計画においては、非除却マンション敷地となるべき土地に現に存する団地内建物の特定団地建物所有者に対しては、非除却敷地持分等が与えられるように定めなければならない。

 3 前二項に規定する者に対して与えられる除却敷地持分又は非除却敷地持分等は、それらの者が権利を有する建物の位置、環境、利用状況等及びそれらの者が有する分割実施敷地持分の割合等を総合的に勘案して、それらの者の相互間の衡平を害しないように定めなければならない。

 4 敷地権利変換計画においては、第百九十一条第一項第二号に掲げる者に敷地分割後の団地共用部分の共有持分が与えられる場合は、当該団地共用部分は除却敷地持分を与えられることとなる者全員の共有に属するように定めなければならない。

 5 敷地権利変換計画においては、第百九十一条第一項第五号に掲げる者に敷地分割後の団地共用部分の共有持分が与えられる場合は、当該団地共用部分は非除却敷地持分等を与えられることとなる者の所有(当該者が二以上あるときは、当該二以上の者の共有)に属するように定めなければならない。

  (担保権等の登記に係る権利)

 第百九十四条 分割実施敷地持分について担保権等の登記に係る権利が存するときは、敷地権利変換計画においては、当該担保権等の登記に係る権利は、その権利の目的たる分割実施敷地持分に対応して与えられるものとして定められた除却敷地持分又は非除却敷地持分等の上に存するものとして定めなければならない。

 2 前項の場合において、関係権利者間の利害の衡平を図るため必要があるときは、組合は、当該存するものとして定められる権利につき、これらの者の意見を聴いて、必要な定めをすることができる。

  (分割実施敷地持分等の価額の算定基準)

 第百九十五条 第百九十一条第一項第三号、第四号又は第六号から第九号までの価額は、第百七十三条第一項の公告の日における近傍類似の土地又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額とする。

  (認可の基準)

 第百九十六条 都道府県知事等は、第百九十条第一項後段の規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。

  一 申請手続又は敷地権利変換計画の決定手続若しくは内容が法令に違反するものでないこと。

  二 敷地分割決議の内容に適合していること。

  三 分割実施敷地持分について先取特権等を有する者の権利を不当に害するものでないこと。

  四 その他基本方針に照らして適切なものであること。

  (敷地権利変換計画の変更)

 第百九十七条 第百九十条第一項後段及び第二項並びに前条の規定は、敷地権利変換計画を変更する場合(国土交通省令で定める軽微な変更をする場合を除く。)について準用する。

  (審査委員の関与)

 第百九十八条 組合は、敷地権利変換計画を定め、又は変更しようとするとき(国土交通省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)は、審査委員の過半数の同意を得なければならない。

       第三目 敷地権利変換

  (敷地権利変換の処分)

 第百九十九条 組合は、敷地権利変換計画若しくはその変更の認可を受けたとき、又は敷地権利変換計画について第百九十七条の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、及び関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならない。

 2 敷地権利変換に関する処分は、前項の通知をすることによって行う。

 3 敷地権利変換に関する処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない。

  (敷地権利変換期日等の通知)

 第二百条 組合は、敷地権利変換計画若しくはその変更(敷地権利変換期日に係るものに限る。以下この条において同じ。)の認可を受けたとき、又は第百九十七条の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、分割実施敷地の所在地の登記所に、敷地権利変換期日その他国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。

  (敷地に関する権利変換)

 第二百一条 敷地権利変換期日において、敷地権利変換計画の定めるところに従い、分割実施敷地持分は失われ、除却敷地持分又は非除却敷地持分等は新たにこれらの権利を与えられるべき者が取得する。

 2 分割実施敷地に関する権利で前項及び第二百三条の規定により権利が変換されることのないものは、敷地権利変換期日以後においても、なお従前の土地に存する。この場合において、敷地権利変換期日前において、当該権利のうち地役権又は地上権の登記に係る権利が存していた分割実施敷地持分が担保権等の登記に係る権利の目的となっていたときは、敷地権利変換期日以後においても、当該地役権又は地上権の登記に係る権利と当該担保権等の登記に係る権利との順位は、変わらないものとする。

 3 敷地権利変換期日において、敷地権利変換計画の定めるところに従い、団地共用部分の共有持分は失われ、敷地分割後の団地共用部分の共有持分は新たに当該共有持分を与えられるべき者が取得する。

  (区分所有法の規約とみなす部分)

 第二百二条 敷地権利変換計画において定められた敷地分割後の団地共用部分の共有持分が区分所有法第六十七条第三項において準用する区分所有法第十四条第一項から第三項までの規定に適合しないとき、又は敷地権利変換計画において定められた敷地分割後の専有部分のある建物の敷地利用権の割合が区分所有法第二十二条第二項本文の規定に適合しないときは、敷地権利変換計画中その定めをした部分は、それぞれ区分所有法第六十七条第三項において準用する区分所有法第十四条第四項の規定による規約又は区分所有法第二十二条第二項ただし書の規定による規約とみなす。

  (担保権等の移行)

 第二百三条 分割実施敷地持分について存する担保権等の登記に係る権利は、敷地権利変換期日以後は、敷地権利変換計画の定めるところに従い、除却敷地持分又は非除却敷地持分等の上に存するものとする。

  (敷地権利変換の登記)

 第二百四条 組合は、敷地権利変換期日後遅滞なく、分割実施敷地につき、敷地権利変換後の土地及びその権利について必要な登記を申請しなければならない。

 2 敷地権利変換期日以後においては、分割実施敷地に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。

  (清算)

 第二百五条 除却敷地持分、非除却敷地持分等又は敷地分割後の団地共用部分の共有持分の価額とこれらを与えられた者がこれらに対応する権利として有していた分割実施敷地持分又は敷地分割前の団地共用部分の共有持分の価額とに差額があるときは、組合は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。

  (清算金の供託及び物上代位)

 第二百六条 前条に規定する分割実施敷地持分が先取特権等の目的となっていたときは、これらの権利者の全てから供託しなくてもよい旨の申出があったときを除き、組合は、同条の規定により交付すべき清算金の交付に代えてこれを供託しなければならない。

 2 第七十六条第四項及び第五項の規定は、前項の規定により供託する場合について準用する。この場合において、同条第四項中「前三項」とあり、及び同条第五項中「第一項から第三項まで」とあるのは「第二百六条第一項」と、同条第四項中「施行マンション」とあるのは「分割実施敷地」と、同条第五項中「施行者」とあるのは「第百六十四条に規定する組合」と、「取得すべき者(その供託が第二項の規定によるものであるときは、争いの当事者)」とあるのは「取得すべき者」と読み替えるものとする。

 3 第一項の先取特権、質権又は抵当権を有していた者は、同項の規定により供託された清算金に対してその権利を行うことができる。

  (清算金の徴収)

 第二百七条 第二百五条の規定により徴収すべき清算金は、敷地権利変換計画で定めるところにより、利子を付して分割して徴収することができる。

 2 組合は、第二百五条の規定により徴収すべき清算金(前項の規定により利子を付したときは、その利子を含む。)を滞納する者があるときは、敷地権利変換計画で定めるところにより、利子を付して徴収することができる。

      第二款 雑則

  (処分、手続等の効力)

 第二百八条 分割実施敷地、除却マンション敷地又は非除却マンション敷地について権利を有する者の変更があったときは、この法律又はこの法律に基づく定款の規定により従前のこれらの者がした手続その他の行為は、新たにこれらの者となった者がしたものとみなし、従前のこれらの者に対してした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となった者に対してしたものとみなす。

  (代位による分筆又は合筆の登記の申請)

 第二百九条 組合は、敷地分割事業の実施のために必要があるときは、所有者に代わって分筆又は合筆の登記を申請することができる。

  (不動産登記法の特例)

 第二百十条 分割実施敷地、除却マンション敷地及び非除却マンション敷地の登記については、政令で、不動産登記法の特例を定めることができる。

  (関係簿書の備付け)

 第二百十一条 組合は、国土交通省令で定めるところにより、敷地分割事業に関する簿書(組合員名簿を含む。次項において同じ。)をその事務所に備え付けておかなければならない。

 2 利害関係者から前項の簿書の閲覧の請求があったときは、組合は、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。

  (書類の送付に代わる公告)

 第二百十二条 組合は、敷地分割事業の実施に関し書類を送付する場合において、送付を受けるべき者がその書類の受領を拒んだとき、又は過失がなくて、その者の住所、居所その他書類を送付すべき場所を確知することができないときは、政令で定めるところにより、その書類の内容を公告することをもって書類の送付に代えることができる。

 2 前項の公告があったときは、その公告の日の翌日から起算して十日を経過した日に当該書類が送付を受けるべき者に到達したものとみなす。

     第三節 敷地分割事業の監督等

  (組合に対する報告、勧告等)

 第二百十三条 都道府県知事等は、組合に対し、その実施する敷地分割事業に関し、この法律の施行のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその実施する敷地分割事業の円滑な実施を図るため必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。

 2 都道府県知事等は、組合に対し、敷地分割事業の促進を図るため必要な措置を命ずることができる。

  (組合に対する監督)

 第二百十四条 都道府県知事等は、組合の実施する敷地分割事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは敷地権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、その組合の事業又は会計の状況を検査することができる。

 2 都道府県知事等は、組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、その組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは敷地権利変換計画に違反する疑いがあることを理由として組合の事業又は会計の状況の検査を請求したときは、その組合の事業又は会計の状況を検査しなければならない。

 3 都道府県知事等は、前二項の規定により検査を行った場合において、組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは敷地権利変換計画に違反していると認めるときは、組合に対し、その違反を是正するため必要な限度において、組合のした処分の取消し、変更又は停止その他必要な措置を命ずることができる。

 4 都道府県知事等は、組合が前項の規定による命令に従わないとき、又は組合の設立についての認可を受けた者がその認可の公告があった日から起算して三十日を経過してもなお総会を招集しないときは、敷地権利変換期日前に限り、その組合についての設立の認可を取り消すことができる。

 5 都道府県知事等は、第百七十八条において準用する第二十八条第三項の規定により組合員から総会の招集の請求があった場合において、理事長及び監事が総会を招集しないときは、これらの組合員の申出に基づき、総会を招集しなければならない。第百八十条第四項において準用する第二十八条第三項の規定により総代から総代会の招集の請求があった場合において、理事長及び監事が総代会を招集しないときも、同様とする。

 6 都道府県知事等は、第百七十五条第三項において準用する第二十三条第一項の規定により組合員から理事又は監事の解任の請求があった場合において、組合がこれを組合員の投票に付さないときは、これらの組合員の申出に基づき、これを組合員の投票に付さなければならない。第百八十一条第三項において準用する第二十三条第一項の規定により、組合員から総代の解任の請求があった場合において、組合がこれを組合員の投票に付さないときも、同様とする。

 7 都道府県知事等は、組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、総会若しくは総代会の招集手続若しくは議決の方法又は役員若しくは総代の選挙若しくは解任の投票の方法が、この法律又は定款に違反することを理由として、その議決、選挙、当選又は解任の投票の取消しを請求した場合において、その違反の事実があると認めるときは、その議決、選挙、当選又は解任の投票を取り消すことができる。

  (資金の融通等)

 第二百十五条 国及び地方公共団体は、組合に対し、敷地分割事業に必要な資金の融通又はあっせんその他の援助に努めるものとする。

  (技術的援助の請求)

 第二百十六条 組合又は組合を設立しようとする者は、国土交通大臣及び都道府県知事等に対し、敷地分割事業の実施の準備又は実施のために、敷地分割事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。

 2 都道府県知事等は、前項の規定による技術的援助を行うために必要があると認めるときは、センターに必要な協力を要請することができる。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第一条中マンションの管理の適正化の推進に関する法律第九十二条の次に一条を加える改正規定及び同法第三十三条第二項の改正規定、第二条中マンションの建替え等の円滑化に関する法律の目次の改正規定(「第百五条」を「第百五条の二」に改める部分に限る。)、同法第八十四条の改正規定、同法第百一条に一項を加える改正規定、同法第百二条第一項の改正規定(同項中「をいう」の下に「。第百五条の二において同じ」を加える部分に限る。)、同法第三章第一節中第百五条の次に一条を加える改正規定及び同法第百六十三条に一項を加える改正規定並びに次条第一項並びに附則第三条第一項、第四条及び第八条の規定 公布の日

 二 第一条中マンションの管理の適正化の推進に関する法律第百六条の改正規定、同法第百九条の改正規定、同法第百十一条を削る改正規定、同法第百十二条を改め、同条を同法第百十一条とし、同法第百十二条の二を同法第百十二条とする改正規定、同法第四十七条の改正規定、同法第四十八条第二項の改正規定、同法第七十二条の改正規定(同条第三項にただし書を加える部分を除く。)、同法第七十三条に一項を加える改正規定、同法第八十三条第一号の改正規定及び同法第四十一条の十第一項の改正規定並びに次条第二項の規定 公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日

 三 第二条中マンションの建替え等の円滑化に関する法律第一条の改正規定(同条中「倒壊」の下に「、老朽化したマンションの損壊」を加える部分に限る。)、同法第百二条の改正規定(第一号に掲げる改正規定を除く。)、同法第百六条の改正規定、同法第百八条の改正規定(同条第十項の改正規定を除く。)、同法第百九条の改正規定並びに同法第百十条各号、第百十三条、第百十四条第一項及び第二項並びに第百十五条の改正規定並びに附則第三条第二項の規定 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日

 (マンションの管理の適正化の推進に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第二条 前条第一号に掲げる規定の施行の日からこの法律の施行の日の前日までの間における第一条の規定による改正後のマンションの管理の適正化の推進に関する法律第九十二条の二の規定の適用については、同条中「、第百六十三条第二項又は第二百十六条第二項」とあるのは「又は第百六十三条第二項」と、「、第百六十三条第一項又は第二百十六条第一項」とあるのは「又は第百六十三条第一項」とする。

2 前条第二号に掲げる規定の施行の日からこの法律の施行の日の前日までの間における第一条の規定による改正後のマンションの管理の適正化の推進に関する法律第百九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「第五条の八、第六十七条」とあるのは、「第六十七条」とする。

 (マンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第三条 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日からこの法律の施行の日の前日までの間における第二条の規定による改正後のマンションの建替え等の円滑化の促進に関する法律第百一条第二項及び第百五条の二の規定の適用については、同項中「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」とあるのは「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)」と、「以下」とあるのは「第百六十三条第二項において」と、同条中「、マンション敷地売却又は敷地分割」とあるのは「又はマンション敷地売却」とする。

2 附則第一条第三号に掲げる規定の施行前に第二条の規定による改正前のマンションの建替え等の円滑化に関する法律第百二条第一項の認定を受けたマンションは、第二条の規定による改正後のマンションの建替え等の円滑化に関する法律第百二条第一項(同条第二項第一号に係る部分に限る。)の認定を受けたマンションとみなす。

3 この法律の施行の際現にその名称中に敷地分割組合という文字を用いている者については、第二条の規定による改正後のマンションの建替え等の円滑化に関する法律第百六十七条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

 (政令への委任)

第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (検討)

第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後のマンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (地方自治法の一部改正)

第六条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第二マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成十四年法律第七十八号)の項中「並びに第九十七条第一項」を「、第九十七条第一項並びに第百七十条第一項(第百八十三条第二項において準用する場合を含む。)」に改める。

 (日本勤労者住宅協会法の一部改正)

第七条 日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)の一部を次のように改正する。

  第四十条第一項中「第三章」を「第五章」に改める。

 (独立行政法人都市再生機構法の一部改正)

第八条 独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第十一条第二項中第七号を第八号とし、第三号から第六号までを一号ずつ繰り下げ、第二号の次に次の一号を加える。

  三 マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成十四年法律第七十八号)第百五条の二に規定する業務を行うこと。

(総務・国土交通・内閣総理大臣署名) 

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