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法律第二十一号(平一〇・三・三一)

  ◎沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律

 沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第二十二条」を「第二十二条の二」に、「自由貿易地域」を「自由貿易地域及び特別自由貿易地域」に改める。

 第二条中第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。

4 この法律において「情報通信産業」とは、情報記録物(新聞、書籍等の印刷物を除く。)の製造業、電気通信業、映画、放送番組その他影像又は音声その他の音響により構成される作品であつて録画され、又は録音されるものの制作の事業、放送業(有線放送業を含む。)、ソフトウェア業及び情報処理・提供サービス業をいう。

 第十四条の見出しを「(設備の新増設の場合の課税の特例)」に改め、同条中「ある場合には、」を削り、「新たに」の下に「機械及び装置並びに建物及びその附属設備を」を加え、「機械及び装置並びに建物及びその附属設備について」を「場合に」に、「特別償却を行うことができる」を「課税の特例の適用があるものとする」に改める。

 第十八条の二を第十八条の七とし、同条の次に次の一条を加える。

 (輸入品を携帯して出域する場合の関税の払戻し)

第十八条の八 沖縄から出域する旅客が個人的用途に供するため空港内の旅客ターミナル施設(沖縄開発庁長官が関係行政機関の長と協議して指定する部分に限る。)において購入する物品で当該旅客により携帯して沖縄以外の本邦の地域へ移出されたものについては、関税暫定措置法(昭和三十五年法律第三十六号)で定めるところにより、当該物品について納付された関税に相当する金額を払い戻すものとする。

 第十八条の次に次の五条を加える。

 (情報通信産業振興地域の指定)

第十八条の二 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、情報通信産業の振興を図るため必要とされる政令で定める要件を備えている地域を情報通信産業振興地域として指定することができる。

2 沖縄県知事は、前項の申請をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴かなければならない。

3 沖縄開発庁長官は、情報通信産業振興地域を指定するときは、当該情報通信産業振興地域の名称及び区域を官報で公示しなければならない。

4 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、情報通信産業振興地域の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。この場合においては、前三項の規定を準用する。

5 前項に定める場合のほか、沖縄開発庁長官は、情報通信産業振興地域の区域の全部又は一部が第一項の政令で定める要件を欠くに至つたと認めるときは、沖縄県知事の意見を聴き、かつ、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、当該情報通信産業振興地域の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。

6 第三項の規定は、前項の規定により沖縄開発庁長官が情報通信産業振興地域の指定を解除し、又はその区域を変更する場合に準用する。

 (課税の特例)

第十八条の三 情報通信産業振興地域内において情報通信産業の用に供する設備を新設し、又は増設した法人が当該新設又は増設に伴い新たに機械及び装置、建物及びその附属設備並びに構築物を取得し、又は製作し、若しくは建設した場合には、租税特別措置法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。

 (準用)

第十八条の四 第十五条の規定は、地方税法第六条の規定により、地方公共団体が、情報通信産業振興地域内において情報通信産業の用に供する設備を新設し、又は増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくはその事業に係る機械及び装置、建物若しくは構築物若しくはこれらの敷地である土地に対する固定資産税を課さなかつた場合又はこれらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が自治省令で定める場合に該当するものと認められるときに準用する。

 (観光振興地域の指定)

第十八条の五 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、観光の振興を図るため観光関連施設(スポーツ又はレクリエーション施設、教養文化施設、休養施設、集会施設、販売施設及び宿泊施設をいう。第二十二条において同じ。)の整備を特に促進することが必要とされる政令で定める要件を備えている地域を観光振興地域として指定することができる。

2 沖縄県知事は、前項の申請をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴かなければならない。

3 沖縄開発庁長官は、観光振興地域を指定するときは、当該観光振興地域の名称及び区域を官報で公示しなければならない。

4 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、観光振興地域の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。この場合においては、前三項の規定を準用する。

5 前項に定める場合のほか、沖縄開発庁長官は、観光振興地域の区域の全部又は一部が第一項の政令で定める要件を欠くに至つたと認めるときは、沖縄県知事の意見を聴き、かつ、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、当該観光振興地域の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。

6 第三項の規定は、前項の規定により沖縄開発庁長官が観光振興地域の指定を解除し、又はその区域を変更する場合に準用する。

 (準用等)

第十八条の六 第十八条の三の規定は、観光振興地域内において特定民間観光関連施設(スポーツ若しくはレクリエーション施設、教養文化施設、休養施設若しくは集会施設又は販売施設(小売業の業務を行う者の事業の用に供される施設と観光の振興に資する施設とが一体的に設置される施設で政令で定める要件に該当するものであつて、当該施設が当該要件に該当するものとして沖縄開発庁長官が指定するものに限る。)であつて民間事業者が設置及び運営するものをいう。第四項において同じ。)を新設し、又は増設した法人について準用する。

2 沖縄開発庁長官は、前項の指定を受けた販売施設が同項の要件を欠くに至つたと認めるときは、その指定を取り消すことができる。

3 第一項の指定に必要な申請その他の手続は、政令で定める。

4 第十五条の規定は、地方税法第六条の規定により、地方公共団体が、観光振興地域内において特定民間観光関連施設を新設し、又は増設した者について、当該特定民間観光関連施設に係る事業に対する事業税、当該特定民間観光関連施設の用に供する建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくは当該特定民間観光関連施設の用に供する機械及び装置、建物若しくは構築物若しくはこれらの敷地である土地に対する固定資産税を課さなかつた場合又はこれらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が自治省令で定める場合に該当するものと認められるときに準用する。

 第二十一条の見出しを「(指定業種に属する中小企業等の課税の特例)」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (研究開発等事業を行う中小企業等の課税の特例)

第二十一条の二 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(平成七年法律第四十七号)第二条第一項各号に掲げる者又は同条第二項に規定する組合等であつて同法第四条第一項の規定により都道府県知事の認定を受けた法人のうち、沖縄においてその業種における事業活動の活性化の促進が沖縄の経済の振興に資すると認められる業種であつて政令で定めるものに属する事業を行い、又は行おうとするものが、当該認定に係る同項の研究開発等事業計画に従つて沖縄において機械及び装置並びに建物及びその附属設備を取得し、又は製作し、若しくは建設した場合には、租税特別措置法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。

 第二十二条中「施設」の下に「、情報通信産業振興地域内の情報通信産業の用に供する施設又は観光振興地域内の観光関連施設」を加え、第三章中同条の次に次の一条を加える。

 (公共施設の整備)

第二十二条の二 国及び地方公共団体は、情報通信産業振興地域における情報通信産業の振興を図るために必要な公共施設及び観光振興地域における観光の開発を促進するために必要な公共施設の整備の促進に努めるものとする。

 「第四章 自由貿易地域」を「第四章 自由貿易地域及び特別自由貿易地域」に改める。

 第二十三条第一項中「地域を」を「地域(次条第一項に規定する地域に該当する地域を除く。)を」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (特別自由貿易地域の指定)

第二十三条の二 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、企業の立地が進んでいない地域(その面積が政令で定める規模以上であることその他政令で定める要件に該当する地域に限る。)であつて、相当数の従業員を使用する企業等の集積を促進すること等が沖縄における産業及び貿易の振興に資するため必要とされる地域を特別自由貿易地域として指定することができる。

2 沖縄県知事は、前項の申請をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴かなければならない。

3 沖縄開発庁長官は、特別自由貿易地域を指定するときは、当該特別自由貿易地域の名称及び区域を官報で公示しなければならない。

4 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、特別自由貿易地域の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。この場合においては、前三項の規定を準用する。

5 前項に定める場合のほか、沖縄開発庁長官は、特別自由貿易地域の区域の全部又は一部が第一項の政令で定める要件を欠くに至つたと認めるときは、沖縄県知事の意見を聴き、かつ、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、当該特別自由貿易地域の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。

6 第三項の規定は、前項の規定により沖縄開発庁長官が特別自由貿易地域の指定を解除し、又はその区域を変更する場合に準用する。

 第二十四条の見出し及び同条第一項中「自由貿易地域」の下に「又は特別自由貿易地域」を加え、同条の次に次の一条を加える。

第二十四条の二 特別自由貿易地域内において前条第一項の認定(同項第二号に掲げる事業に係るものに限る。)を受けた法人で当該特別自由貿易地域内において設立され、専ら当該地域内において製造業、倉庫業又はこん包業を営むものは、常時使用する従業員の数が政令で定める数以上であることその他政令で定める要件に該当する旨の沖縄開発庁長官の認定を併せて受けることができる。

2 前項の認定に関し必要な事項は、政令で定める。

 第二十五条第一項中「自由貿易地域」の下に「又は特別自由貿易地域」を加え、同条第二項中「前条第一項」を「第二十四条第一項」に改め、「自由貿易地域」の下に「又は特別自由貿易地域」を加え、同条第三項中「前条第一項」を「第二十四条第一項」に改める。

 第二十五条の二の次に次の一条を加える。

 (課税物件の確定に関する特例)

第二十五条の三 第二十五条第二項の規定により許可を受けた総合保税地域又は同条第三項の規定により許可を受けた保税工場における保税作業(関税法第五十六条第一項に規定する保税作業をいう。)による製品である外国貨物が輸入される場合における当該外国貨物に係る関税の確定については、関税暫定措置法で定めるところにより、関税法第四条第一項第二号に係る同項ただし書の規定にかかわらず、同項本文の規定を適用することができるものとする。

 第二十六条中「法人で自由貿易地域」の下に「又は特別自由貿易地域」を加え、同条の次に次の一条を加える。

 (課税の特例)

第二十六条の二 第二十四条の二第一項の認定を受けた法人の同項に規定する製造業、倉庫業又はこん包業に係る所得については、租税特別措置法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。

 第二十七条中「自由貿易地域」の下に「及び特別自由貿易地域」を加え、同条の次に次の二条を加える。

 (資金の確保等)

第二十七条の二 国及び地方公共団体は、事業者が行う自由貿易地域又は特別自由貿易地域内の事業の用に供する施設の整備のために必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。

 (公共施設の整備)

第二十七条の三 国及び地方公共団体は、自由貿易地域及び特別自由貿易地域における企業の立地を促進するために必要な公共施設の整備の促進に努めるものとする。

 第二十八条第一項中「自由貿易地域」の下に「又は特別自由貿易地域」を加え、「行なう」を「行う」に改める。

 第三十一条中「電気事業者(電気事業法第二条第一項第八号に規定する電気事業者をいう。)が」を削り、「場合における当該設備」を「電気事業者(電気事業法第二条第一項第八号に規定する電気事業者をいう。)」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十年四月一日から施行する。ただし、第十八条の二を第十八条の七とし、同条の次に一条を加える改正規定(第十八条の二を第十八条の七とする部分を除く。)及び第二十五条の二の次に一条を加える改正規定は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (租税特別措置法の一部改正)

第二条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第三十七条第一項の表の第二十号の上欄のロ及び第六十五条の七第一項の表の第二十一号の上欄のロ中「第二条第四項」を「第二条第五項」に改める。

(内閣総理・大蔵・自治大臣署名) 

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