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法律第百七号(平一一・七・二二)

  ◎地方公務員法等の一部を改正する法律

 (地方公務員法の一部改正)

第一条 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。

  第二十八条の二第一項中「定める日」の下に「(以下「定年退職日」という。)」を加える。

  第二十八条の三第一項中「同項の規定に基づく条例で定める日」を「定年退職日」に改め、同条第二項ただし書中「前条第一項の規定に基づく条例で定める日」を「定年退職日」に改める。

  第二十八条の四を次のように改める。

  (定年退職者等の再任用)

 第二十八条の四 任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等(第二十八条の二第一項の規定により退職した者若しくは前条の規定により勤務した後退職した者又は定年退職日以前に退職した者のうち勤続期間等を考慮してこれらに準ずるものとして条例で定める者をいう。以下同じ。)を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する職に採用することができる。ただし、その者がその者を採用しようとする職に係る定年に達していないときは、この限りでない。

 2 前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、条例で定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。

 3 前二項の規定による任期については、その末日は、その者が条例で定める年齢に達する日以後における最初の三月三十一日までの間において条例で定める日以前でなければならない。

 4 前項の年齢は、国の職員につき定められている任期の末日に係る年齢を基準として定めるものとする。

 5 第一項の規定による採用については、第二十二条第一項の規定は、適用しない。

  第二十八条の四の次に次の二条を加える。

 第二十八条の五 任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の職(当該職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種のものを占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。第三項及び次条第二項において同じ。)に採用することができる。

 2 前項の規定により採用された職員の任期については、前条第二項から第四項までの規定を準用する。

 3 短時間勤務の職については、定年退職者等のうち第二十八条の二第一項から第三項までの規定の適用があるものとした場合の当該職に係る定年に達した者に限り任用することができるものとする。

 第二十八条の六 第二十八条の四第一項本文の規定によるほか、地方公共団体の組合を組織する地方公共団体の任命権者にあつては当該地方公共団体が組織する地方公共団体の組合の定年退職者等を、地方公共団体の組合の任命権者にあつては当該地方公共団体の組合を組織する地方公共団体の定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する職に採用することができる。この場合においては、同項ただし書及び同条第五項の規定を準用する。

 2 前条第一項の規定によるほか、地方公共団体の組合を組織する地方公共団体の任命権者にあつては当該地方公共団体が組織する地方公共団体の組合の定年退職者等を、地方公共団体の組合の任命権者にあつては当該地方公共団体の組合を組織する地方公共団体の定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の職に採用することができる。この場合においては、同条第三項の規定を準用する。

 3 前二項の規定により採用された職員の任期については、第二十八条の四第二項から第四項までの規定を準用する。

  第二十九条第一項中「左の」を「次の」に改め、同条第二項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。

 2 職員が、任命権者の要請に応じ当該地方公共団体の特別職に属する地方公務員、他の地方公共団体の地方公務員、国家公務員又は地方公社(地方住宅供給公社、地方道路公社及び土地開発公社をいう。)その他その業務が地方公共団体若しくは国の事務若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち条例で定めるものに使用される者(以下この項において「特別職地方公務員等」という。)となるため退職し、引き続き特別職地方公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合(一の特別職地方公務員等として在職した後、引き続き一以上の特別職地方公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合を含む。)において、当該退職までの引き続く職員としての在職期間(当該退職前に同様の退職(以下この項において「先の退職」という。)、特別職地方公務員等としての在職及び職員としての採用がある場合には、当該先の退職までの引き続く職員としての在職期間を含む。次項において「要請に応じた退職前の在職期間」という。)中に前項各号の一に該当したときは、これに対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。

 3 職員が、第二十八条の四第一項又は第二十八条の五第一項の規定により採用された場合において、定年退職者等となつた日までの引き続く職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)又はこれらの規定によりかつて採用されて職員として在職していた期間中に第一項各号の一に該当したときは、これに対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。

 (地方自治法の一部改正)

第二条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  第九十二条第二項中「及び常勤の職員」を「並びに常勤の職員及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員(以下「再任用短時間勤務職員」という。)」に改める。

  第百三十八条第九項中「身分取扱」を「身分取扱い」に、「除く外」を「除くほか」に改め、「(昭和二十五年法律第二百六十一号)」を削る。

  第百四十一条第二項中「及び常勤の職員」を「並びに常勤の職員及び再任用短時間勤務職員」に改める。

  第百九十六条第三項中「職員」の下に「及び再任用短時間勤務職員」を加える。

  第二百三条第一項中「職員」の下に「(再任用短時間勤務職員を除く。)」を加える。

  第二百四条第一項中「普通地方公共団体の常勤の職員」の下に「並びに再任用短時間勤務職員」を加える。

 (外国の地方公共団体の機関等に派遣される一般職の地方公務員の処遇等に関する法律の一部改正)

第三条 外国の地方公共団体の機関等に派遣される一般職の地方公務員の処遇等に関する法律(昭和六十二年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中「臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員、非常勤職員その他」を削る。

 (育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正)

第四条 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)の一部を次のように改正する。

  第五十二条第六項中「職員(」の下に「同法第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員以外の」を、「除く」の下に「。第九項において同じ」を加え、同条第九項中「(非常勤職員を除く。)」を削る。

 (地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正)

第五条 地方公務員の育児休業等に関する法律(平成三年法律第百十号)の一部を次のように改正する。

  第九条第一項中「非常勤職員」の下に「(地方公務員法第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員を除く。)」を加える。

 (地方公務員災害補償法の一部改正)

第六条 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

  附則第八条に次の一項を加える。

 3 補償を受ける権利を有する者が、同一の事由について船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)による保険給付であつて、この法律の規定による補償に相当するものを受ける場合には、基金は、当分の間、この法律の規定による補償を行わない。

 (教育公務員特例法の一部改正)

第七条 教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項中「官職」の下に「又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職」を加える。

  第八条の三を次のように改める。

 第八条の三 公立大学の教員に対する地方公務員法第二十八条の二第一項、第二項及び第四項の規定の適用については、同条第一項中「定年に達した日以後における最初の三月三十一日までの間において、条例で定める日」とあるのは「定年に達した日から起算して一年を超えない範囲内で評議会の議に基づき学長があらかじめ指定する日」と、同条第二項中「国の職員につき定められている定年を基準として条例で」とあるのは「評議会の議に基づき学長が」と、同条第四項中「臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員」とあるのは「臨時的に任用される職員」とする。

 2 公立大学の教員については、地方公務員法第二十八条の二第三項及び第二十八条の三の規定は、適用しない。

 3 公立大学の教員への採用についての地方公務員法第二十八条の四から第二十八条の六までの規定の適用については、同法第二十八条の四第一項、第二十八条の五第一項並びに第二十八条の六第一項及び第二項中「任期を定め」とあるのは「教授会の議に基づき学長が定める任期をもつて」と、同法第二十八条の四第二項(同法第二十八条の五第二項及び第二十八条の六第三項において準用する場合を含む。)中「範囲内で」とあるのは「範囲内で教授会の議に基づき学長が定める期間をもつて」とする。

  第十一条第二項中「(昭和二十五年法律第二百六十一号)」を削る。

 (地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正)

第八条 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第六条中「職員」の下に「若しくは地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員」を加える。

  第十六条第三項ただし書中「(昭和二十五年法律第二百六十一号)」を削る。

  第四十七条第一項の表第二十八条の四第一項の項中「地方公共団体を退職した者」を「当該地方公共団体」に、「市町村を退職した者」を「市町村」に、「当該地方公共団体」を「常時勤務を要する職」に改め、「区域内の市町村」の下に「の常時勤務を要する職」を加え、同表第二十八条の四第一項の項の次に次のように加える。

第二十八条の五第一項

当該地方公共団体

市町村

短時間勤務の職(

当該市町村を包括する都道府県の区域内の市町村の短時間勤務の職(

 (女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部改正)

第九条 女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律(昭和三十年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項中「官職」の下に「又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職」を加える。

  第四条中「(昭和二十五年法律第二百六十一号)」を削る。

 (へき地教育振興法の一部改正)

第十条 へき地教育振興法(昭和二十九年法律第百四十三号)の一部を次のように改正する。

  第五条の二の前の見出しを「(ヘき地手当等)」に改め、同条第一項中「指定するへき地学校」を「指定するへき地学校」に、「へき地学校等」を「ヘき地学校等」に改め、「職員」の下に「(地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の四第一項、第二十八条の五第一項又は第二十八条の六第一項若しくは第二項の規定により採用された教員及び職員(次条第一項において「再任用教職員」という。)を除く。)」を加え、「へき地手当」を「ヘき地手当」に改める。

  第五条の三第一項中「職員(」の下に「再任用教職員を除く。」を加え、「へき地学校等」を「ヘき地学校等」に、「へき地手当」を「ヘき地手当」に改める。

 (農業、水産、工業又は商船に係る産業教育に従事する国立及び公立の高等学校の教員及び実習助手に対する産業教育手当の支給に関する法律の一部改正)

第十一条 農業、水産、工業又は商船に係る産業教育に従事する国立及び公立の高等学校の教員及び実習助手に対する産業教育手当の支給に関する法律(昭和三十二年法律第百四十五号)の一部を次のように改正する。

  第二条中「官職」の下に「又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職」を加える。

 (国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部改正)

第十二条 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和四十六年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項中「官職」の下に「又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職」を加える。

  第十条中「(昭和二十五年法律第二百六十一号)」を削る。

 (土地収用法の一部改正)

第十三条 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。

  第五十二条第四項中「職員」の下に「若しくは地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員」を加える。

 (地方公営企業法の一部改正)

第十四条 地方公営企業法(昭和二十七年法律第二百九十二号)の一部を次のように改正する。

  第七条の二第三項中「職員」の下に「若しくは地方公務員法第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十三年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 次条の規定 公布の日

 二 第一条中地方公務員法第二十九条の改正規定(同条第一項の次に二項を加える部分(同条第三項に係る部分を除く。)に限る。)及び附則第三条第一項の規定 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日

 (実施のための準備)

第二条 第一条の規定による改正後の地方公務員法(以下「新法」という。)第二十八条の四から第二十八条の六までの規定の円滑な実施を確保するため、任命権者(地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者をいう。以下同じ。)は、長期的な人事管理の計画的推進その他必要な準備を行うものとし、地方公共団体の長は、任命権者の行う準備に関し必要な連絡、調整その他の措置を講ずるものとする。

 (懲戒処分に関する経過措置)

第三条 新法第二十九条第二項の規定は、同項に規定する退職が附則第一条第二号の政令で定める日以後である職員について適用する。この場合において、同日前に同項に規定する先の退職がある職員については、当該先の退職の前の職員としての在職期間は、同項に規定する要請に応じた退職前の在職期間には含まれないものとする。

2 新法第二十九条第三項の規定は、同項の定年退職者等となった日がこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後である職員について適用する。この場合において、附則第一条第二号の政令で定める日前に新法第二十九条第二項に規定する退職又は先の退職がある職員については、これらの退職の前の職員としての在職期間は、同条第三項の定年退職者等となった日までの引き続く職員としての在職期間には含まれないものとする。

 (改正前の地方公務員法の規定により再任用された職員に関する経過措置)

第四条 施行日前に第一条の規定による改正前の地方公務員法第二十八条の四第一項の規定により採用され、同項の任期又は同条第二項の規定により更新された任期の末日が施行日以後である職員に係る任用(任期の更新を除く。)については、なお従前の例による。

 (特定警察職員等への適用期日)

第五条 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)附則第二十五条の二第一項第一号に規定する特定警察職員等(次条において「特定警察職員等」という。)である者については、施行日から平成十九年四月一日までの間において条例で定める日から、新法第二十八条の四から第二十八条の六までの規定を適用する。

 (任期の末日に関する特例)

第六条 平成二十五年三月三十一日(特定警察職員等である職員にあっては、平成三十一年三月三十一日)までの間における新法第二十八条の四第三項(新法第二十八条の五第二項及び第二十八条の六第三項において準用する場合を含む。)の条例で定める年齢に関しては、国の職員につき定められている任期の末日に関する特例を基準として、条例で特例を定めるものとする。

(文部・労働・建設・自治・内閣総理大臣署名) 

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