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法律第百九号(平一二・六・二)

  ◎電波法の一部を改正する法律

 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第二十七条の十一」を「第二十七条の十七」に改める。

 第五条第三項中「左の各号の一」を「次の各号のいずれか」に改め、同項第一号中「終り」を「終わり」に改め、同項第二号中「取消」を「取消し」に改め、同項に次の一号を加える。

 三 第二十七条の十五第一項(第三号を除く。)の規定により認定の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者

 第六条に次の二項を加える。

7 次に掲げる無線局(郵政省令で定めるものを除く。)であつて郵政大臣が公示する周波数を使用するものの免許の申請は、郵政大臣が公示する期間内に行わなければならない。

 一 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動する無線局(一又は二以上の都道府県の区域の全部を含む区域をその移動範囲とするものに限る。)

 二 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動しない無線局であつて、前号に掲げる無線局を通信の相手方とするもの

 三 電気通信業務を行うことを目的として開設する人工衛星局

 四 放送をする無線局

8 前項の期間は、一月を下らない範囲内で周波数ごとに定めるものとし、同項の規定による期間の公示は、免許を受ける無線局の無線設備の設置場所とすることができる区域の範囲その他免許の申請に資する事項を併せ行うものとする。

 第七条第三項中「第二十六条の規定により作成された表」を「第二十六条第一項に規定する周波数割当計画」に改める。

 第二十条第二項中「第四項及び第五項」を「第五項及び第六項」に改め、「除く」の下に「。以下この項及び次項において同じ」を加え、同条第七項中「前六項」を「前各項」に改め、同項を同条第八項とし、同条第四項から第六項までを一項ずつ繰り下げ、同条第三項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 免許人が無線局をその用に供する事業の全部の譲渡しをしたときは、譲受人は、郵政大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。

 第二十六条中「及び」を「の表(以下「周波数割当計画」という。)及び」に、「供しなければ」を「供するとともに、周波数割当計画については、これを公示しなければ」に改め、同条に次の一項を加える。

2 周波数割当計画には、割当てを受けることができる無線局の範囲を明らかにするため、割り当てることが可能である周波数ごとに、次に掲げる事項(放送をする無線局に係る周波数にあつては、第一号に掲げる事項)を記載するものとする。

 一 無線局の行う無線通信の態様

 二 無線局の目的

 三 周波数の使用に関する条件

 四 第二十七条の十三第四項の規定により指定された周波数であるときは、その旨

 第二十七条の十一第二項中「第二十条第三項」を「第二十条第四項」に改め、第二章中同条の次に次の六条を加える。

 (特定基地局の開設指針)

第二十七条の十二 郵政大臣は、陸上に開設する移動しない無線局であつて、電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動する無線局(一又は二以上の都道府県の区域の全部を含む区域をその移動範囲とするものに限る。)の移動範囲における当該電気通信業務のための無線通信を確保するために、同一の者により相当数開設されることが必要であるもののうち、電波の公平かつ能率的な利用を確保するためその円滑な開設を図ることが必要であると認められるもの(以下「特定基地局」という。)について、特定基地局の開設に関する指針(以下「開設指針」という。)を定めることができる。

2 開設指針には、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 開設指針の対象とする特定基地局の範囲に関する事項

 二 周波数割当計画に示される割り当てることが可能である周波数のうち当該特定基地局に使用させることとする周波数及びその周波数の使用に関する事項

 三 当該特定基地局の配置及び開設時期に関する事項

 四 当該特定基地局の無線設備に係る電波の能率的な利用を確保するための技術の導入に関する事項

 五 当該特定基地局の円滑な開設の推進に関する事項その他必要な事項

3 郵政大臣は、開設指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公示しなければならない。

 (開設計画の認定)

第二十七条の十三 特定基地局を開設しようとする者は、通信系(通信の相手方を同じくする同一の者によつて開設される特定基地局の総体をいう。次項第四号及び第四項第三号において同じ。)ごとに、特定基地局の開設に関する計画(以下「開設計画」という。)を作成し、これを郵政大臣に提出して、その開設計画が適当である旨の認定を受けることができる。

2 開設計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 特定基地局の開設を必要とする理由

 二 特定基地局の通信の相手方である移動する無線局の移動範囲

 三 希望する周波数の範囲

 四 当該通信系に含まれる特定基地局の総数並びにそれぞれの特定基地局の無線設備の設置場所及び開設時期

 五 電波の能率的な利用を確保するための技術であつて、特定基地局の無線設備に用いる予定のもの

 六 その他郵政省令で定める事項

3 第一項の認定の申請は、郵政大臣が公示する一月を下らない期間内に行わなければならない。

4 郵政大臣は、第一項の認定の申請があつた場合において、その申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、周波数を指定して、同項の認定をするものとする。

 一 その開設計画が開設指針に照らし適切なものであること。

 二 その開設計画が確実に実施される見込みがあること。

 三 開設計画に係る通信系に含まれるすべての特定基地局について、周波数の割当てが可能であること。

5 郵政大臣は、前項の規定にかかわらず、第五条第三項各号のいずれかに該当する者に対しては、第一項の認定をしてはならない。

6 第一項の認定の有効期間は、当該認定の日から起算して五年を超えない範囲内において郵政省令で定める。

7 郵政大臣は、第一項の認定をしたときは、当該認定をした日及び認定の有効期間、第四項の規定により指定した周波数その他郵政省令で定める事項を公示するものとする。

 (開設計画の変更等)

第二十七条の十四 前条第一項の認定を受けた者は、当該認定に係る開設計画(同条第二項第三号に掲げる事項を除く。)を変更しようとするときは、郵政大臣の認定を受けなければならない。

2 前条第四項の規定は、前項の認定に準用する。この場合において、同条第四項中「ときは、周波数を指定して」とあるのは、「ときは」と読み替えるものとする。

3 郵政大臣は、前条第一項の認定を受けた開設計画(第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)に係る特定基地局を開設する者(以下「認定開設者」という。)が周波数の指定の変更を申請した場合において、混信の除去その他特に必要があると認めるときは、その指定を変更することができる。

4 郵政大臣は、認定開設者が認定の有効期間の延長を申請した場合において、特に必要があると認めるときは、前条第一項の認定を受けた日から起算して六年を超えない範囲内において、その期間を延長することができる。

5 郵政大臣は、第一項の認定(前条第七項の郵政省令で定める事項についての変更に係るものに限る。)をしたとき、第三項の規定により周波数の指定を変更したとき又は前項の規定により認定の有効期間を延長したときは、その旨を公示するものとする。

 (認定の取消し等)

第二十七条の十五 郵政大臣は、認定開設者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。

 一 正当な理由がないのに、認定計画に係る特定基地局を当該認定計画に従つて開設していないと認めるとき。

 二 不正な手段により第二十七条の十三第一項若しくは前条第一項の認定を受け、又は同条第三項の規定による指定の変更を行わせたとき。

 三 認定開設者が第五条第三項第一号に該当するに至つたとき。

2 郵政大臣は、前項(第三号を除く。)の規定により認定の取消しをしたときは、当該認定開設者であつた者が受けている他の開設計画の第二十七条の十三第一項の認定又は無線局の免許を取り消すことができる。

3 郵政大臣は、前二項の規定による処分をしたときは、理由を記載した文書をその認定開設者に送付しなければならない。

 (合併等に関する規定の準用)

第二十七条の十六 第二十条第一項から第四項まで及び第七項の規定は、認定開設者について準用する。この場合において、同条第四項中「第五条及び第七条」とあるのは「第二十七条の十三第四項及び第五項」と、同条第七項中「第一項及び前二項」とあるのは「第二十七条の十六において準用する第一項」と読み替えるものとする。

 (認定計画に係る特定基地局の免許申請期間の特例)

第二十七条の十七 認定開設者が認定計画に従つて開設する特定基地局の免許の申請については、第六条第七項の規定は、適用しない。

 第四十一条第三項を削る。

 第四十二条中「左の各号の一」を「次の各号のいずれか」に改め、同条第一号中「終り」を「終わり」に改め、同条第二号中「無線従事者」を「第七十九条第一項第一号又は第二号の規定により無線従事者」に、「取消」を「取消し」に改める。

 第四十八条の二第三項に後段として次のように加える。

  この場合において、同条第二号中「第七十九条第一項第一号」とあるのは、「第七十九条第二項において準用する同条第一項第一号」と読み替えるものとする。

 第七十六条第四項中「前二項」を「第二項(第四号を除く。)及び前項(第五号を除く。)」に、「取消」を「取消し」に改め、「の免許」の下に「又は第二十七条の十三第一項の開設計画の認定」を加える。

 第九十九条の十一第一項第一号中「呼出名称の指定)」の下に「、第六条第七項(無線局の免許申請期間)」を、「(包括免許の有効期間)」の下に「、第二十七条の十三第六項(開設計画の認定の有効期間)」を加え、同項第二号中「とき」の下に「、第二十六条第一項の周波数割当計画(同条第二項第四号に係る部分を除く。)を作成し、又は変更しようとするとき及び第二十七条の十二第一項の開設指針を定め、又は変更しようとするとき」を加え、同項第三号中「第三十八条の六第三項」を「第二十七条の十五第一項若しくは第二項の規定による開設計画の認定の取消し若しくは同項の規定による無線局の免許の取消しの処分、第三十八条の六第三項」に改め、「無線局の免許の取消し」の下に「、同項の規定による開設計画の認定の取消し」を加え、同項第四号中「包括免許」の下に「、第二十七条の十三第一項の規定による開設計画の認定」を加える。

 第百三条第一項中第十八号を第十九号とし、第七号から第十七号までを一号ずつ繰り下げ、第六号の次に次の一号を加える。

 七 第二十七条の十三第一項の規定による認定を申請する者

 第百十六条第一号中「第二十条第六項(同条第七項」を「第二十条第七項(同条第八項及び第二十七条の十六」に改める。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二十条及び第二十七条の十一第二項の改正規定並びに第百十六条第一号の改正規定(第二十七条の十六に係る部分を除く。)は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

2 この法律の施行の日の三月前の日前に改正前の電波法第四十一条第三項に規定する者となったことにより無線従事者の免許を受けることができる資格を得た者の当該資格に係る無線従事者の免許の申請の期限については、なお従前の例による。ただし、この法律の施行の際無線従事者の免許を受けていた者が、当該免許を取り消された後に再免許の申請を行うときは、この限りでない。

(郵政・内閣総理大臣署名) 

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