第4号 令和7年11月5日(水曜日)
令和七年十一月五日(水曜日)―――――――――――――
議事日程 第四号
令和七年十一月五日
午後一時開議
一 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
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○本日の会議に付した案件
国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
午後一時二分開議
○議長(額賀福志郎君) これより会議を開きます。
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国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
○議長(額賀福志郎君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。吉田はるみ君。
〔吉田はるみ君登壇〕
○吉田はるみ君 立憲民主党・無所属の吉田はるみです。
会派を代表して質問いたします。(拍手)
高市総理、内閣総理大臣の御就任、誠におめでとうございます。女性初の総理大臣として注目を集め、その重責は想像をはるかに超えるものとお察しします。男性中心の政治の世界に風穴を空けられました。政治への信頼を回復し、是は是、非は非、党派を超えて活発な議論をする国会に変える、その先頭に立ち、リードされることを御期待申し上げます。
高市政権の最優先は物価高対策。私たちも同じです。国民は今何を望んでいるか、明らかです。直近のJNNの世論調査によれば、物価高対策で期待する政策として、食料品の消費税ゼロが三〇%で、二位以下を引き離してトップです。
立憲民主党は、まさに食卓の危機とも言えるこの状況を乗り越えるため、十月三十一日に食料品消費税ゼロ法案を衆議院に提出しました。
円安が物価高に追い打ちをかけており、命と直結する食料がますます値上がりしています。来年四月からは小学校の給食が無償になります。しかし、その給食の食材購入には消費税が重くのしかかっています。その分を子供たちの給食の質の向上に使いましょう。また、子供食堂では、米の高騰も相まって、食材購入費の負担が非常に厳しい状況です。
直接暮らしに届ける食料品消費税ゼロ法案の審議、是非やりましょう。
自民、維新の連立合意に、飲食料品に関しては、二年間に限り消費税の対象としないことも視野に、法制化につき検討を行うと書かれていますが、法制化につき検討とは、具体的にどこで何をすることなのでしょうか。総理、お答えください。
食料品の値上がりで国民不安が高まっています。とりわけ、私たちの主食である米の高騰です。
時事通信のスーパーでの販売数量、価格推移報道によりますと、十一月二日現在、全国のスーパーで販売された米の平均価格は五キロ四千四百七十九円です。昨年の五月は二千百二十二円ですから、僅か一年半で二倍以上に値上がりしています。これは異常事態です。
しかし、多くの国民はその原因がよく分かりません。米価が二倍になった、その原因の究明なくして、米の安定供給、そして消費者の望む価格の実現はできません。この一年半で米の価格が倍になった、その原因は何だと分析していますか。高市総理にお伺いいたします。
この米高騰の対策として、新しく農水大臣になられた鈴木農水大臣は、お米券を明日にも配りたいと意欲を見せていらっしゃいます。お米券を実施する場合、発行のための行政コストも気になるところです。
そこで、伺います。お米券の補助をこの臨時国会で補正予算に入れますか。配付する範囲はどこまでですか。全世帯に配られますか。また、その予算規模は幾らと見積もっていらっしゃいますか。総理にお伺いいたします。
米が高くなれば消費者は苦しい。一方で、価格が下がれば生産者が苦しい。消費者と生産者を対立させてはなりません。実は私も、鈴木農水大臣の選挙区と同じ、米どころ山形県の出身です。親戚に農家も多く、農業に携わる方々の御苦労を身近に見て育ちました。そして今は、お米の最大の消費地である東京の衆議院議員として、消費者の切実な声を聞いています。
瑞穂の国である日本、価格が高いからとお米離れを起こしてはなりません。輸入米ではなく、国内で自給できる国産のおいしいお米を国民に届ける、これが政治の使命ではないでしょうか。
僅か二か月前は米の増産を指示しましたが、鈴木農水大臣は需要に応じた生産を打ち出されました。これまで減反政策の際によく使われた言葉です。生産現場からは、この方針の大転換に大きな混乱と先行きに対する不安が広がっています。米の価格の乱高下、増産、減産と、消費者も生産者も振り回されてはなりません。
立憲民主党が提案している、生産者の所得を保障する食農支払い制度を導入するなど、生産者に十分なセーフティーネットの手当てをした上で、消費者が安定した適正な価格で国産米を入手できる施策を取るべきと考えますが、お米券と生産調整で対応するのでしょうか。総理の方針を伺います。
高市総理は厚労大臣に対して、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うことを指示しました。いわゆる残業規制の緩和です。この方針は、過重労働や過労死を助長するおそれがあります。
そもそも、残業時間の規制は、二〇一七年、当時の安倍総理が不退転の決意で取り組むとおっしゃった働き方改革です。過労死、過労自殺ゼロの実現への強い意思で、労働政策審議会において労使間であまたの厳しい議論を経て、ようやく到達した合意です。この合意をほごにして、際限なく残業し放題にすることは許されません。
二〇一七年合意で規定された、過労死ラインと言われる、発症前の直近一か月の時間外労働が月百時間を超える労働を総理はよしとするのでしょうか。これは、現代社会に、ブラック労働を推進するという大きなマイナスメッセージを発することになります。それでも総理は、過重労働や過労死を助長するおそれのある労働時間の規制緩和を進めるのでしょうか。総理の御答弁を求めます。
厚労省の労働政策審議会では、労働基準法改正に向けた検討が行われ、使用者側の委員から、裁量労働制の適用範囲の拡大が必要といった意見が出されています。しかし、制度が悪用され、実際に残業代がつかない長時間労働に陥る危険性があります。裁量という名の働かせ放題。安易な裁量労働の適用拡大はすべきではありません。総理が目指す労働時間規制緩和には、裁量労働制の適用拡大も含まれるのでしょうか。総理の答弁を求めます。
現行の時間外労働の上限規制は過労死認定ラインであり、これを緩和することは、働き方改革の逆行にほかなりません。本来目指すべきところは、仕事と生活の調和を図りながら働き続けられる環境整備と基本給のベースアップ、賃上げです。
立憲民主党は、ワーク・ライフ・バランスの取れた生活を支援するため、残業代割増し率の引上げ、勤務間インターバル十一時間以上の義務化、自分の希望に応じて短時間正社員を選べる環境の整備などを提案しています。立憲民主党の提案に対する総理の見解を伺います。
労働経済白書によると、介護士、保育士など社会を支えてくださっているエッセンシャルワーカーの平均賃金は、それ以外の職種と比べて百万円低く、五十代後半ではその差が二百万円に広がっています。
賃金が上がらない一つの要因が、人材紹介会社に支払われる報酬です。例えば、一人の保育士さんの紹介料で百万円近くが人材紹介会社に支払われていますが、この紹介料は、四か月後にその人が辞めた場合、返金されません。四か月ごとに百万円を支払って欠員の補充をしている保育園の運営者は、この紹介料は人材紹介会社ではなく保育士さんのお給料として支払ってあげたいと嘆いていました。
ハローワークなどの機能強化や、紹介手数料の高騰に歯止めをかける実効的な措置を講じるなど、求められると思いますが、総理はどう受け止めていらっしゃいますか。お伺いいたします。
次に、高市総理の教育観についてお伺いします。
総理のホームページのコラムにおいて、国家の基本は教育であると述べられ、教育勅語を見事と称賛され、次のように述べていらっしゃいます。現代においても尊重すべき正しい価値観ですし、子供も大人も覚えて繰り返し唱和することで、日本人全体が心を合わせて道徳を実践する空気を醸成したものだと思います。
しかし、教育勅語は、一九四八年に、日本国憲法や教育基本法に反するとして、軍人勅諭とともに衆参両院の全会一致で排除、失効が決議されています。
高市総理は、教育勅語を今の教育に組み込むお考えがあるのでしょうか。お伺いいたします。
総理は所信で、地方から人口流出が激しいのは女性や若者世代であり、住み続けたいと思えるかが重要だと御指摘されました。
近年、地方から都市へ転出する若い女性が増えています。この点、内閣府の調査では、家事、育児、介護は女性の仕事というような固定的な性別役割分担意識が特に地方において強く、若い女性が地方から都市へ転出する要因の一つになっていると分析しています。
これ以上地方から人が流出しないよう、固定的な性別役割分担意識を解消すべきと考えますが、高市総理の見解を伺います。また、その解消のための対策があれば、お聞かせください。
例えば、結婚すれば女性は男性の名字になるのが当然という意識が根底にある夫婦同氏から、夫婦の希望に合わせて同じ氏も別の氏も選べる選択的夫婦別姓制度を導入することは、固定的な性別役割分担意識を解消する一つの突破口になります。
選択的夫婦別姓制度は、法制審議会が一九九六年に制度の導入を盛り込んだ民法の改正案の答申を出しており、立憲民主党はその法制審の答申に沿った民法改正案を本年四月に衆議院に提出し、現在、継続審議となっています。
選択的夫婦別姓は、女性活躍の一丁目一番地だと経団連は強く要請していますし、労働組合の連合からも、各党が力を合わせて実現してほしいと要望が寄せられています。労使とも、旧姓の通称使用では根本的な解決にならず、駄目だと明言しています。しかし、自民と維新は、旧姓の通称使用の法制化法案を二六年通常国会に提出し、成立を目指すと合意しています。総理は、経済界そして労働界の声を無視してこれを進めようとされているのでしょうか。お伺いいたします。
選択的夫婦別姓は、同姓、別姓、どちらでもいいという選択肢を広げるものであり、まさに多様な生き方を肯定し、そしてアイデンティティーへの尊重を進めるものです。選べる道が多いほど未来は輝くと日本弁護士連合会も後押ししています。自由と選択肢を増やす選択的夫婦別姓の実現に向けて、一緒に議論してまいりましょう。総理の見解を伺います。
二〇二四年時点で、不本意な非正規雇用労働者は女性が約九十一万人、男性は約八十九万人です。合計で百八十万人。規模からいうと、福岡市の人口と同規模です。それだけ多くの労働者が、正社員になりたいと願いながらも非正規雇用の状態にあるということになります。一方で、企業の内部留保は約六百三十八兆円と、十三年連続で過去最高を更新しています。大企業は十分に、正社員の数を増やす、そして賃金を上げる体力があります。内部留保は労働者に還元すべきです。
人手不足が大きな社会問題になっていますが、現在仕事をしていないが就業意欲のある男性は七十六万人、女性は百四十九万人に上ります。この方々が就職できるように、正社員の採用を増やし、そしてリスキリングや学び直しへの予算を拡充すべきです。不本意非正規雇用の百八十万人と就業希望者を合わせて四百五万人、この雇用対策が急務と考えますが、総理の御認識を伺います。
企業の利益などのうち人件費に回る割合を示す労働分配率は二四年度に六四・二%と、ここ数年は下落傾向です。企業は株主へは手厚く還元し、株の配当金はこの十年右肩上がり。一方、労働者の給与はこの三十年横ばいが続きました。そして、今は実質賃金がマイナスです。株価は先週五万円を超え、今日はちょっと下がっているようですけれども、高騰しています。株などの金融資産を持たない人にとっては、恩恵はありません。
金融資産を持ち、収入がどんどん増えた人と、一生懸命に働いても収入がなかなか増えない勤労者との格差がより一層拡大しています。この格差を是正し、分厚い中間層をつくることこそ、最大の経済政策です。高市総理は、この格差を是正するためには何が必要で、どんな政策を実行しますか。お伺いいたします。
日本の相対的貧困率は一五・四%と、OECD加盟国の平均値より高く、七人に一人が貧困状態にあります。とりわけ一人親世帯の貧困率は四四・五%となっており、一人親の二人に一人は貧困状態です。特に母子世帯では、非正規雇用者が多く、低所得で、仕事も安定しません。子供の教育機会に格差が生じており、経済格差の再生産につながり、苦しい生活から抜け出せない構造になっています。二〇二一年の例でいうと、一人親家庭の半数近くが等価可処分所得が百二十七万円未満で暮らしており、厳しい生活実態です。
その原因の一つに、養育費の不払いがあります。母子世帯の約七〇%が養育費を受け取っていません。そんな状況を改善すべく、自治体が養育費を一時的に立て替えているさいたま市や明石市の例などもあります。養育費の一時的な立替え払い、国として取り組みませんか。総理のお考えを伺います。
デジタル時代の今、若年層の性被害、そして性加害が広がっています。生まれたときからスマホがある世代の若者たちは、簡単に写真や動画を撮り、友人同士で交換し合っています。それが近年、非常に個人的な性的なものまでがその対象となっています。
私自身も信じられない思いでありましたが、女子大学生数名にヒアリングをし、実際、隠し撮りをされて、それが恋人の男性からその友人に回っているケースは身近に多数あると、皆声をそろえてその実態の深刻さを語ってくれました。こうして恋人同士で撮られた性的な写真や動画は、二人の関係が崩れたときに、リベンジポルノとして脅しのツールになってしまいます。
これまでの日本の性教育は、妊娠しないように、性被害に遭わないようにと、女性の側に防衛を求めるものでした。しかし、このデジタルネイティブ、そしてAIネイティブの子供たちの時代においては、子供たちを守るためには、性暴力を個人の問題として片づけるのではなく、しっかりとした、性加害は許されないという教育と、性暴力を生まない法整備が必要と考えますが、総理の見解を伺います。
総理はかつて、さもしい顔してもらえるものはもらおうとか、弱者のふりをして少しでも得をしようという言葉を使われたと承知しています。この発言に深く傷つき、不安を覚える方々が少なくありません。
今回、総理の所信演説の中に、障害者、貧困、また弱い立場の方々に寄り添う政策への言及がありませんでした。障害者支援や貧困対策、そして福祉政策に力を入れる方針はあるのか、総理に伺います。
次に、憲法の理念と総理の姿勢に関して伺います。
そもそも憲法とは、国民を縛るものではなく、権力の行使に歯止めをかけ、国民の自由と尊厳を守るための最高法規です。歴史を振り返れば、国のための大義が掲げられたときほど、権力が暴走し、自由が奪われ、社会が戦争へと突き進みました。戦後日本が歩んできた立憲主義とは、この苦い歴史への反省に根差した、二度と過ちを繰り返さないという誓いそのものです。
憲法は、国家のためにあるのではなく、主権者である国民のためにあります。
総理は所信で、総理の在任中に憲法発議を実現したいと述べられました。それは、具体的に憲法の何を変えることを想定しているのでしょうか。連立政権合意書では、日本維新の会の提言、二十一世紀の国防構想と憲法改正を踏まえ、憲法九条改正に関する両党の条文起草協議会を設置する、設置時期は二五年臨時国会中とするとされていますが、憲法九条改正に関する条文起草協議会をこの臨時国会中に設置するのでしょうか。維新の求めに応じるのでしょうか。総理の答弁を求めます。
総理は所信演説で副首都構想に言及され、首都及び副首都の責務と機能に関する検討を急ぎますと述べられました。地方制度にも関わる問題であり、自民と維新の二党が協議して合意すればいいという問題ではありません。総理の諮問機関である地方制度調査会などで、丁寧に、幅広い角度から議論すべきではないでしょうか。副首都構想の検討を急ぐとのことですが、どこの場で検討を行い、誰が参加し、いつ検討会が開かれる予定ですか。お伺いいたします。
副首都という発想自体は、首都直下地震や大規模災害に備えたリスク分散の観点から一定の意味があります。ただし、大阪を副首都とすることだけを目的化すべきではなく、慎重な検討が必要です。副首都として想定されているのは大阪以外もあり得ますか。副首都は一つの都市とは限らず、複数の都市もあり得ますか。総理の御見解を伺います。
総理は所信で、インバウンド観光も重要ですと述べられました。昨年の訪日外国人の数は三千六百八十七万人で、本年は、伊藤忠総研の調査によると、四千六百二十三万人と予測されています。急増しています。政府は、二〇三〇年までに訪日観光客六千万人の目標を定めていますが、この方針は変わりませんか。総理に伺います。
このような状況で、観光公害と言われるオーバーツーリズムの問題が顕在化しています。住民がバスや電車などの公共交通が利用できず、日常生活に支障が生じています。ホテルや旅館など宿泊施設の人手不足、そして宿泊施設の不足により、民泊が急増しています。民泊として稼働している件数は、二〇二二年九月時点では一万八千百九十件でしたが、本年九月時点で特区の民泊も含めると四万二千五百十一件と、この三年で二・三倍と急増しています。現在、近隣住民の苦情や不安の声が聞かれるようになりました。こうした状況にしっかりとした対策を講じなければ、住民と外国人観光客の間でトラブルが生じてしまい、排外主義を助長しかねません。この事態は避けなければなりません。
受入れ体制が十分でないと、外国人に対していたずらに偏見や差別をあおってしまうことにもなります。二年前に出入国在留管理庁が行った外国人との共生に関する意識調査によると、ふだんの生活で外国人と交流する頻度がある人は全体の約二七%、一方で、外国人に対する偏見や差別があると答えた人は約七割に上ります。つまり、ふだんは外国人との交流はないけれども、偏見や差別を持っている人が多いという結果です。
人は知らないことに対して恐怖を抱きます。遠ざけます。差別のない共生社会の実現は、まず相手を知り尊重することからと考えますが、総理はどのようなお考えをお持ちなのか、伺います。
次に、外国人政策に関連し、総理は、土地取得等のルールの在り方について検討を進めるとおっしゃいました。私たちは、正確な事実関係に基づいた施策の立案、実行のために、まずは早急な実態把握が重要との視点に立った検討を進めているところです。
政府の検討の方向性について、また、検討の前提となる実態把握の重要性について、総理の答弁を求めます。
立憲民主党は、一人一人との対話を通して実現する草の根の民主主義を掲げ、信頼の政治を取り戻します。科学技術、研究、そして教育で人の力を引き出し、日本経済が再び世界の先頭に立ち、格差を是正し、豊かな暮らしを実現します。安心の社会保障で国民を支え、平和主義を堅持し、ぶれることなく、ひるむことなく、力強く前に進みます。
立憲民主党は、全ての人が尊重され、あらゆる違いを力に変える、自由で寛容な、活力に満ちた日本をつくる、その決意を申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 吉田はるみ議員の御質問にお答えいたします。
自民党と日本維新の会の連立合意書における消費税の記載についてお尋ねがございました。
今般の連立合意におきましては、消費税について御指摘の内容が記載されておりますが、連立合意を受けた具体的な対応については、今後、両党の間で検討されていくものと考えており、政府の立場から予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。
なお、物価高対策としては、内閣として、すぐに対応できることをまず優先すべきと考えております。
その上で、消費税率の引下げにつきましては、事業者のレジシステムの改修等に一定の期間がかかるとの課題にも留意が必要であると考えております。
米の価格高騰の原因とその対応策についてお尋ねがございました。
米の価格については、インバウンドや家計購入量が増加した結果、昨年の生産量が需要に対して不足し、民間在庫を取り崩さざるを得ず、市場に不足感が生じたことに加え、本年につきましても、生産量は大きく増加したものの、米の集荷をめぐって業者間で競争が続いたことなどを要因として高止まりしていると考えております。
国民の主食である米の安定供給は、食料安全保障の観点から不可欠であります。そのためにも、生産者の再生産が可能で、かつ、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことが重要だと考えています。政府として、市場に対し、需要動向等に関する情報発信をしているところです。
その上で、米も含めた足下の物価高に対しては、影響を受ける生活者の皆様に対し、地域の実情に合った的確な支援をお届けできるよう、重点支援地方交付金の拡充などについて検討の指示をしたところです。
米政策についてお尋ねがありました。
平成三十年より、国による個々の農業者に対する米の生産数量目標の配分は行っておりませんが、高市内閣としても、輸出促進や米粉の消費拡大など国内外の需要拡大に取り組みつつ、引き続き、生産者自らの経営判断により生産に取り組みやすい環境を整備するなど、米の安定供給に必要な取組を推進してまいります。
直接支払いを含む農業者への支援の在り方につきましては、新たな食料・農業・農村基本計画を踏まえ、令和九年度に向けた水田政策の在り方を検討していく中で、現場の実態を調査、検証し、議論を深めていく考えでございます。
労働時間規制についてお尋ねがございました。
働き方改革関連法の施行から五年以上経過したことを踏まえ、現在、厚生労働省の審議会において議論が行われていると承知しています。
労働時間規制については、人手不足で、仕事があるのに受注できないといった御意見や、月百時間の残業は過労死認定ラインであり変更すべきではないといった意見など、様々な御意見があると承知しております。
私自身も、過労死に至るような残業をよしとはいたしません。残業代が減ることによって、生活費を稼ぐために無理をして慣れない副業をすることで、健康を損ねてしまう方が出ることを私は心配しております。
今般、私から厚生労働大臣など関係大臣に対しまして、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うことについて指示をいたしました。
これは、様々な御意見をお伺いしながら、働き方の実態とニーズを踏まえ、検討を深めていくべきものと考えております。
裁量労働制の適用拡大や、立憲民主党の御提案についてお尋ねがありました。
労働時間制度には、上限規制のほかにも、裁量労働制、割増し賃金、勤務間インターバルなど様々な制度がございます。
これらに対しては、御党からの御提案も含め、様々な御意見があると承知をしております。働き方の実態とニーズを踏まえて、検討を深めていくものと考えています。
また、短時間正社員を始めとした多様な正社員制度の普及促進に取り組んでおり、労働者のニーズに応じた多様な働き方を実現できる環境整備に取り組んでまいります。
職業紹介事業者への紹介手数料についてお尋ねがありました。
介護、保育の現場で人材確保が切実な課題であることや、紹介手数料への負担感、これは十分に認識をしております。
紹介手数料をめぐる課題に対しましては、就職お祝い金や転職勧奨を禁止し、適正な事業者を認定する制度の活用を促進するとともに、手数料実績の公開を義務化するなど、取り組んでまいります。
あわせて、全国の主要なハローワークに介護、保育分野等の専門コーナーを設けて、人材確保に向けた取組を推進してまいります。
教育勅語についてお尋ねがありました。
私の公式サイトには、かなり古いコラムもあえて掲載をいたしております。
教育勅語につきましては、おっしゃるとおり、日本国憲法及び教育基本法の制定等をもって、法制上の効力が喪失しています。
政府としては、教育現場において教育勅語の活用を促すという考えはなく、改正された教育基本法等の趣旨を踏まえながら、適切に学校教育が行われるように対応をしてまいります。
地方からの人の流出と、固定的性別役割分担意識の解消についてお尋ねがございました。
まず、地域に魅力的な職場を創出することが重要です。
そのため、地域を超えたビジネス展開を図る中堅企業を支援し、大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講ずることで、地方に大規模な投資を呼び込み、地域ごとに産業クラスターを戦略的に形成していくことで、地域未来戦略を推進します。
また、若者や女性を含めて、地方に住み続けられるようにするため、質の高い教育を始め、必要な行政サービスを受けられるよう措置を講じます。
さらに、地方における固定的性別役割分担意識や無意識の思い込みなどの問題に対応をしてまいります。
具体的には、男女共に働きがいと働きやすさを感じられる、魅力ある職場づくりを進める地方自治体の取組を後押しし、全国的な波及を図ってまいります。
また、固定的性別役割分担意識等の解消に向けた広報啓発を進めてまいります。
旧氏の通称使用の法制化についてお尋ねがございました。
政府におきましては、これまで二十年以上にわたり、旧氏の通称使用の拡大ですとか、その周知に取り組んでまいりました。
私自身も、総務大臣在任中には、総務省単独で措置できる手続等につき、千百四十二件を旧氏や併記で対応できるようにしました。
これが、全ての省庁、地方公共団体、公私の団体、事業者において同様の取組を行えば、婚姻による氏の変更により社会生活で不便や不利益を感じる方を減らせると考えています。
旧氏の通称使用の法制化について、連立合意の内容を踏まえ、与党と緊密に連携しつつ、必要な検討を進めていく考えでございます。
就業希望者及び不本意非正規雇用労働者の雇用対策と格差是正についてお尋ねがありました。
誰もが希望する働き方の実現に向けて取り組むこと、そして労働者の待遇改善を図っていくことは重要な課題です。
このため、ハローワークにおける就職支援やリスキリングの支援、望まない非正規雇用を減らすための正社員への転換支援、同一労働同一賃金の遵守徹底といった取組に加えて、賃上げに向けた環境整備を進めることで、格差の是正に取り組んでまいります。
養育費の立替え払いについてお尋ねがございました。
養育費を必要とする一人親家庭への公的支援として、公的機関による立替え払いの仕組みの導入を要望する声があることは承知しております。
議員御指摘のとおり、現に一部の自治体においては、一時的な立替え払いを実施している例がございます。この立替え払いを実施した場合には、債務を履行しない債務者に対して自治体が民事執行手続を取るといった選択肢も考えられると思っております。国としても、こういった立替え払いを実施するかどうかについては、今後の検討課題であると認識をいたしております。
性加害は許されないという教育と、性暴力を生まない法整備についてお尋ねがございました。
子供たちを性暴力の加害者、被害者、また傍観者にさせないための取組は、我々大人に課せられた大きな責任です。
このため、政府としては、子供たちが自分や相手、一人一人を尊重する態度を身につけ、性暴力を生むことのないよう、全国の学校で生命の安全教育に取り組んでいます。
また、性暴力を生まない法整備については、子供に接する業務の従事者への性犯罪前科の有無の確認や、従事者への研修義務などを含む子供性暴力防止法について、来年十二月末の施行に向けて万全を期してまいります。
引き続き、性犯罪、性暴力から子供たちを守るため、こうした取組を着実に実施してまいります。
福祉政策についてお尋ねがございました。
全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築する中で、障害者や生活困窮者に関する福祉施策についてもしっかりと取り組みます。
国民の皆様が自らの能力を生かしながら自らが望むような暮らしができるよう、必要な支援を行ってまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法改正につきましては、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しています。
その上で、自民党総裁としてあえて申し上げましたら、憲法はあるべき国の形を示す国家の基本法であり、時代の要請に応えられる憲法を制定することは喫緊の課題だと考えています。
先般、日本維新の会との間では、憲法九条や緊急事態条項に関する改正について、両党の条文起草協議会を設置すること等を合意しました。自民党としては、合意内容を誠実に履行する考えです。
もとより、憲法改正には主権者である国民の皆様の御理解と御支持を得られることが重要です。
今後、これまでの各党における論点整理や議論の蓄積を踏まえ、各会派の御協力も得ながら、改正案を発議し、少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、取り組んでいく考えでございます。
いわゆる副首都構想についてお尋ねがございました。
まずは、連立政権合意書に基づき、令和七年臨時国会中に、与党による協議体を設置し、首都及び副首都の責務及び機能を整理した上で、早急に検討を進めていただきたいと考えております。
その上で、いわゆる副首都の場所や数なども含めて、与党における検討を受け、政府として検討すべき事項がありましたら、必要に応じて、地方制度調査会など政府の場での検討も考えてまいりたいと思っております。
訪日観光客の目標と観光客の受入れ体制についてお尋ねがございました。
インバウンド観光はとても重要ですが、オーバーツーリズムにより国民生活に支障が出ている現状もございます。
このため、昨日の外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議において、排外主義とは一線を画しつつも、観光客の過度な集中の防止と地方分散の推進や、オーバーツーリズム対策の強化について、国土交通大臣に検討を指示いたしました。
二〇三〇年の政府目標も踏まえつつ、オーバーツーリズム対策などの取組を強化する中で、観光客の受入れと住民生活の質の確保の両立を図ってまいります。
外国人政策についてお尋ねがありました。
これも、排外主義とは一線を画しつつ、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、政府として毅然と対応し、国民の皆様の不安や不公平感を解消することは、外国人との秩序ある共生社会の実現に必要なものだと考えております。
土地取得等のルールの在り方につきましても、御指摘のとおり、外国人による不動産保有の実態把握を進めます。新たな担当大臣の下、政府一体となって総合的な検討を行ってまいります。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
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○議長(額賀福志郎君) 玉木雄一郎君。
〔玉木雄一郎君登壇〕
○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。
まず、高市内閣の発足に心からお喜びを申し上げます。おめでとうございます。
今回の質問に当たっては、高市総理に聞きたい質問をインターネットを通じて募集し、二千件を超える御提案やアイデアをいただきました。この場をかりて御協力いただいた皆様に感謝するとともに、その思いを背負って質問したいと思います。高市政権は約束を守る政権であることを期待して、質問に入ります。(拍手)
まず冒頭、高市総理、昨年十二月十一日に自民党、公明党、国民民主党の三党の幹事長間で結んだ、公党間の約束である三党合意を守るつもりがあるのか、改めて確認をします。
今すぐやるべき物価高騰対策、たった二項目です。暫定税率廃止でガソリンをリッター二十五円十銭値下げする。百三万円の年収の壁を百七十八万円を目指して引き上げ、所得税の負担を軽くして手取りを増やす。高市総理がこの二つを決断していただければ、国民民主党は政治の安定に向けた環境づくりに協力する方針です。
その意味で、国民民主党が二〇二一年の衆議院選挙から訴え続けてきたガソリンの暫定税率の年内廃止が決まったことは、大きな前進です。高市総理のリーダーシップに、そして、片山財務大臣を始めとした政府及び与野党各党の関係者の御尽力に感謝を申し上げます。
ただし、見合いの財源については、物価高騰対策による負担軽減策であることを忘れず、急いで安易な増税をするべきではないことを念押しをしておきます。ガソリン減税についても、高市総理のおっしゃる増税なき税収増を目指す方針を堅持するのか、伺います。
次に、いわゆる百三万円の壁について伺います。
所信表明演説では、いわゆる百三万円の壁については、これまでの政党間の協議を踏まえ、今年の年末調整では百六十万円まで対応すると述べられましたが、それは、年収二百万円以下の約三百万人、納税者の約五%にすぎません。そもそも、生きるための最低限のコストには課税しないための基礎控除に複雑な年収制限を設けることは、税の原則の一つである簡素からかけ離れたもので、基礎控除の額を一律に引き上げるべきではないでしょうか。
また、所信表明では、基礎控除を物価に連動した形で更に引き上げる税制措置について、真摯に議論を進めますとも述べられましたが、物価だけではなく賃金にも連動させないと、働き控えはなくなりません。今年も最低賃金が上がったことを踏まえれば、百七十八万円でも足りないぐらいです。働き控えをなくすなら、基礎控除をインフレだけでなく最低賃金の上昇に連動させる必要があると考えますが、高市総理の考え方をお聞かせください。
総理、国民はインフレに苦しんでいます。一刻も早く物価高騰対策を打つべきです。十二月末までの年内に講じることができる物価高騰対策として、具体的にどのようなメニューを考えているのか、検討中のものも含め、可能な限りお示しください。
特に、電気代、ガス代対策は、具体的にどのような水準を考えていますか。また、積雪寒冷地帯では灯油の支援も必要です。灯油についても支援対象に加えるべきではないでしょうか。また、補正予算の規模はどの程度を考えているのか、お示しをください。
所信表明演説では、今年一月の石破前総理の施政方針演説にあったプライマリーバランス黒字化の文字がなくなっていました。高市政権は、財政健全化目標としてのプライマリーバランス黒字化を撤回するのか、維持するのか、お答えください。また、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくと述べられましたが、高市総理は今後、何を財政健全化の指標とするのか、伺います。
国民民主党は、経済が成長すれば、増税しなくても税収を増やすことは可能だと考えます。その意味で、高市総理が述べられた、税率を上げずとも税収を増加させることを目指す考えには賛成です。任期中、増税はしないという方針で間違いないのか、高市総理の基本方針をお聞かせください。
今年六月に石破内閣で決定した骨太方針二〇二五では、プライマリーバランスの黒字化を達成した後、黒字幅が一定水準を超えた場合には、経済成長等に資するような政策の拡充を通じて経済社会に還元することをあらかじめルール化することについても検討に着手していくとありますが、このプライマリーバランス黒字分の使い道に関するルール化は、いつまでに、どのように決めるのでしょうか。全て国債の発行抑制に充てるのではなく、減税や成長投資に回すべきではありませんか。高市内閣の成長投資に関する方針を伺います。
国民民主党は、名目GDPを約十年で一千兆円に引き上げる成長戦略、新三本の矢を参議院選挙で訴え、若い世代を中心に大きな反響がありました。手取りを増やす、投資を増やす、教育、科学技術予算を増やすの三本です。経済成長を実現するためには、経済学的には、労働投入量を増やす、資本蓄積を増やす、生産性を向上させる、この三つを組み合わせるしかありません。簡単に言えば、人手、お金、タイパです。
労働投入を増やすためには、まず、人手不足を解消する必要があります。そこで、国民民主党は、働き控えをなくすために、年収の壁の引上げを提案しました。それが第一の矢、手取りを増やすです。次に、第二の矢として、投資を増やすために、投資額以上の減価償却を認め、企業が投資すればするほど得をするハイパー償却税制を提案しています。そして、第三の矢として、イノベーションを起こし、日本経済全体の生産性を向上させるために、教育、科学技術予算の倍増を訴えています。名目GDPが一千兆円になれば、税収は百二十兆円程度になると見込まれ、財政も健全化します。
高市内閣には、この国民民主党の掲げる新三本の矢も取り入れた新たな経済成長戦略を立てるべきだと考えますが、高市総理の考えをお聞きします。
現役世代の社会保険料負担が限界に達しています。国民民主党としても、公的保険の対象範囲を見直すなど、医療制度改革には賛成ですが、与党になった日本維新の会が主張する医療費四兆円、社会保険料年間六万円の削減は、高齢化に伴う医療費の自然増がある中で、困難な目標に思われます。責任与党として実現は可能なのか、高市総理の考えを伺います。
現在、物価や人件費の高騰に制度が追いつかず、全国の病院経営が危機的な状況に陥っています。速やかな財政支援や抜本的な診療報酬の引上げが必要な一方、それでは社会保険料も上がってしまいます。赤字病院の経営を支援すると同時に、現役世代の社会保険料負担を抑制するために、高市総理はどのような具体策を考えているのか、お聞かせください。
薬価制度について伺います。
薬の原材料価格も高騰するインフレの中、医療費削減を毎年の薬価引下げに依存し続けた結果、薬不足やイノベーションを阻害するなど深刻な弊害が出ています。海外では使える薬も日本では使えないドラッグロスも発生しています。
高市総理、薬価を毎年引き下げる中間年改定を決めた二〇一六年末の四大臣会合をやり直すつもりはありませんか。名目GDP成長率が医療費の伸び率を大きく上回っていることを踏まえた新たな財政フレームに移行すべきです。薬価制度の見直しこそ新たな経済政策への転換の象徴になると考えますが、高市総理の考えをお尋ねします。
年収の壁には、税の壁と社会保険料の壁があります。いわゆる百六万円、百三十万円の社会保険料の壁については、来年三月までの時限措置が講じられています。しかし、日本経済新聞が二〇二三年十二月に、年収の壁を意識しながら働いているパート職など二十代から四十代の女性千人に調査したところ、対策があっても就労時間を増やす人は三割にとどまっているとされています。
政府として、これまで講じてきた年収の壁・支援強化パッケージの効果をどのように評価していますか。また、対策が終わったら就労調整をするとの回答が六五%もある中で、来年三月に時限措置が終了した後の抜本改革をどう考えているのか、併せて伺います。
国民民主党は、ケアマネジャーの更新研修の廃止を昨年の衆議院選挙から訴えてきました。時間もお金もかかる更新研修の負担が原因でケアマネを辞める方もいて、今のままでは人材不足が深刻化します。
先日、厚生労働省の審議会でも廃止の方向性が示されましたが、現行のケアマネ更新研修は一旦廃止し、オンライン研修や日々の業務の中で学べる仕組みを導入するなど、制度を見直すべきだと考えますが、高市総理の見解を伺います。
公明党が連立を離脱した最大の理由が政治と金、中でも企業・団体献金への自民党の対応への不満だと理解していますが、自民、維新の連立合意では、政治と金については具体的な合意がなく、全て先送りをしています。
今日の混乱した政治状況を招いた一番の理由が政治と金であれば、せめて企業・団体献金を受け取る主体を、原則、党本部や都道府県連に限定する受け手規制を導入すべきです。これを今年三月から共に訴えてきた国民民主党と公明党で法案を提出するので、自民党にも賛成していただけないでしょうか。
仮に議員定数を減らしても、個々の議員が不正を行ってしまえば問題の解決にはつながりません。企業・団体献金の禁止を訴えてきた日本維新の会には、自民党を説得して、受け手規制法案に与党として賛成いただきたいと思います。自民党に企業・団体献金の禁止を求めなくなったのであれば、せめて受け手規制には賛成していただけないでしょうか。
日本維新の会の大臣がいらっしゃらないので、代わりに高市総理に答弁を求めます。
国民民主党は、議員定数の削減について、自民、維新で法案をまとめて、この国会冒頭に提出するなら賛成すると申し上げましたが、いまだ法案提出の動きが見えません。連立合意書の中でも、臨時国会を目指すとトーンダウンし、高市総理の所信表明演説でも言及がありませんでした。
高市総理、議員定数削減法案はいつ国会に提出されますか。自民党総裁として伺います。また、法案の内容は選挙制度改革の議論と整合性の取れたものであるべきだと考えますが、現在進んでいる国会における選挙制度改革議論の結論を前倒しするつもりはありませんか。併せて伺います。
国民民主党としても、選挙制度改革と整合性の取れた定数削減案を取りまとめる予定ですので、与野党各党に協力を求めてまいります。
なお、与党の中からは、議員定数削減を争点に、年内にも解散・総選挙との話も出ているやに聞きますが、そのようなことを考えているのか、高市総理の考えをお聞かせください。
自民、維新の連立合意で絶対条件とされた副首都構想でありますが、そもそも首都の定義がないと議論が始まりません。首都の法的定義について総理の見解を伺います。
その上で、日本維新の会の骨子素案では、指定都市の廃止が副首都の要件になっていますが、二重行政を解消する方法には、指定都市の廃止だけでなく、指定都市の強化、拡張をする特別市制度もあります。副首都制度の検討に入る前提条件として特別市の制度化が必要であると考えており、いずれ法案を国会に提出するので、賛成していただけないでしょうか。高市総理の見解を伺います。
次に、賃上げについて伺います。
国民民主党は、名目賃金上昇率を経済政策の重要指標としており、日本を挙げて賃上げに取り組む環境整備を訴えてきました。そのために重要な役割を果たしてきた政府、労働界、経済界の代表者による政労使会議や地方版政労使会議を、高市政権においても続けるつもりがあるのか、方針をお聞かせください。
中小企業からは賃上げが難しいという声をよく聞きます。特に、社会保険料の事業主負担の重さが原因の一つです。賃上げした中小企業には法人税を減税する制度がありますが、これは法人税を課税されている黒字企業しか恩恵を受けられません。賃上げした中小企業に対し、中小企業の六割以上を占める赤字法人も負担している社会保険料の事業主負担を減免することで、賃上げを促してはどうでしょうか。高市総理の見解をお尋ねします。
責任ある積極財政というのであれば、財源調達にこそ従来とは異なる新しい手法を取り入れるべきです。国民民主党は、教育、科学技術など人的資本形成に資する予算には教育国債という新たな国債を充てることを提案し、法案も提出しました。
高市内閣では、取りやすい社会保険料で現役世代から徴収するのではなく、子育て、教育、科学技術分野など未来への投資には、建設国債のように使い道を限定して発行される教育国債を充てるべきだと考えますが、高市総理の考えを伺います。教育国債の発行による未来への投資の拡充こそが、責任ある積極財政の象徴になると考えます。
世界的に見て我が国の研究開発力が失速しており、強い危機感を持っています。高市総理、競争的資金に偏ったこれまでの政策を見直し、大学の運営費交付金を増額するなどして、成果がすぐに出ないような基礎研究にも研究者が腰を据えて取り組めるようにすべきではありませんか。総理の考えを伺います。
学生だけでなく、既に大学等を卒業した人も多額の奨学金の返済に苦しんでいます。国民民主党は、上限百五十万円の奨学金債務の免除を提案しています。高市総理、二十代、三十代の結婚を応援する観点からも、奨学金債務の一部を免除してはどうでしょうか。又は、住宅ローン減税のように、奨学金の債務残高に応じて所得税の控除額を引き上げる奨学金減税を導入すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
今、全国を回って、子育て世代から一番要望が多いのが、十六歳未満の子供の年少扶養控除の復活です。シンプルに年少扶養控除を復活させることが、効果の高い子育て支援策になると考えます。国民民主党はこの国会に年少扶養控除復活法案を提出しましたが、年少扶養控除復活に対する高市総理の見解をお示しください。
障害児福祉のうち、補装具の補助について所得制限が撤廃されたことは評価をいたしますが、福岡市や鎌倉市は独自に、通所支援や福祉サービスについて所得制限のない低額化や無償化を決めました。総理、成人の障害年金には所得制限はないのに、児童の障害年金とも言える特別児童扶養手当や障害児福祉手当に所得制限があるのはおかしいと思いませんか。障害児福祉の所得制限は全廃すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
障害のある子供たちの十八歳の壁について伺います。
特別支援学校を卒業するまでは放課後デイサービスで午後六時や七時まで安心して過ごせますが、卒業後に通う生活介護事業所などは多くが午後三時や四時で終了してしまいます。特に医療的ケア児が夕方以降安心して過ごせる場所がなく、親が離職に追い込まれることもあります。さいたま市では夕方支援として居場所を提供する制度を始めていますが、特に医療的ケア児が成人後も地域で安心して暮らせるような社会資本の整備が必要です。総理の考えをお聞かせください。
就職氷河期課題への対策について伺います。
総理、これまで政府が行ってきた就職氷河期対策の効果をどのように評価していますか。また、高市政権でも就職氷河期世代への支援を継続していく方針ですか。継続するとして、どのような支援メニューを考えているのか、高市総理の考えを伺います。
日米首脳会談は、まさにグッドスタートだったと思います。高市総理自身の御尽力、そして外交当局、防衛当局を始め関係者の御努力に心から敬意を表します。
その上で、気になることを何点か指摘します。
まず、なぜ過去の首脳会談では出されていた日米共同声明を出さなかったのでしょうか。特に、歴代の総理大臣がアメリカ大統領と発表する共同声明には、米国の対日防衛義務を定める安保条約五条の尖閣諸島への適用が明記されていましたが、今回はこうした文書がありません。口頭ででも適用について確認したのか、伺います。また、従来、日米共同声明に盛り込まれていた台湾海峡への言及もありませんでした。こちらも、口頭などで確認したのか、お尋ねします。
防衛費増額について、具体的にどのような計画で進めようとしているのか、また、新たな財源が必要なのか、必要ならその財源に新たな増税を考えているのか、高市総理の考えを伺います。また、安倍元総理は防衛国債の発行を考えていたとされていますが、高市総理の防衛国債発行についての考えを伺います。
国民民主党は、三年前にまとめた国民民主党の安全保障政策二〇二二において、防衛装備や技術移転を通じて、外交的影響力を高めるため、防衛装備移転三原則の運用指針見直しを打ち出しています。国際共同開発、生産に関する海外移転を除けば、救難、輸送、警戒、監視、掃海の五分野に限定されている運用指針を見直し、移転対象の防衛装備を拡大する必要があると考えますが、いつまでに見直すつもりか、高市総理に伺います。
日米関税交渉の結果、日本がアメリカに輸出する自動車・自動車部品には一五%の関税が課せられ、米国内での販売が減少する可能性があることから、国内販売をサポートする必要があると考えます。そのために、自動車取得税の事実上の後継として導入された、自動車価格に最大三%上乗せされている環境性能割を廃止すべきと考えますが、高市総理の見解をお示しください。
現在、国民民主党安全保障調査会の作業部会でスパイ防止法の起草作業を行っています。我が党案は、単にインテリジェンス機関の設置や能力向上を目指すだけでなく、国民の自由と人権の尊重や、インテリジェンスの最前線で働く同胞の保護も含む、バランスの取れた内容になっています。高市政権でも、まずは国家インテリジェンス戦略を策定し、スパイ防止に係る大原則を定めるべきではありませんか。また、現在最前線で働いている方々やその家族を守るための安全確保策を強化すべきと考えますが、高市総理の考えを伺います。
拉致問題の解決に向けて、高市総理が手段を選ばないと強い決意を示されたことを支持します。高市政権では、北朝鮮による拉致問題をどのように解決しようとしているのか、その具体的な方針を伺います。
今年八月に鈴木前法務大臣がまとめた報告によれば、日本の総人口に占める外国人比率一〇%台が、想定される二〇七〇年よりも早く到達する可能性があるとされています。高市総理も同じ認識か、伺います。
これまで政府は、外国人を多数受け入れておきながら移民とは認めなかったために、いわゆる移民政策を実施せず、外国人の受入れや共生に関する政策のほとんどを地方自治体に丸投げしてきました。もし今後も外国人の受入れを増やすのであれば、国として統一的な外国人政策を実行する司令塔機能を政府に設け、受入れ上限数を設定するなどが必要だと考えますが、高市総理の考えをお尋ねします。
次に、外国人による土地取得規制について伺います。
私たち国民民主党は、防衛施設や国境離島などが対象となっている重要土地等調査法を見直す法案を国会に提出しています。防衛、外交安全保障分野のみならず、経済安全保障、すなわち科学技術やインフラ、文化、水源等の各分野に係る土地取得を規制すべきと考えますが、高市総理が所信表明で述べた土地取得等のルールの在り方の検討において、対象をどこまで拡大するのか、お聞かせください。
バブルのときでさえ、年収の五倍で家が買えることを目指していましたが、今、都会では年収の十倍以上となっており、とても手が届きません。投機目的の不動産売買が都市における現役世代の住宅取得を難しくしています。
国民民主党は、カナダのような投機・空室税の創設や、バブル時代に導入していた五年以内の短期の不動産譲渡に対する課税強化を検討しています。高市総理は適正価格の住宅取得をどのように実現するつもりか、伺います。
政府は、二〇三〇年に年間六千万人の外国人観光客の受入れと、観光消費額を約十五兆円に拡大するという目標を掲げていますが、他方で、オーバーツーリズム対策を的確に取らないと国民の生活に混乱が生じます。その財源として、国民民主党は、出国税の増税や入国税の創設、外国人観光客に対する消費税免税措置の見直しなどを提案していますが、オーバーツーリズム対策として、高市総理の見解をお示しください。
世界でデータセンター等の電力消費量が急増しています。デジタル化や経済成長の前提は安価で安定的な電力供給であり、そのために原子力発電所の早期再稼働が欠かせません。とりわけ、西日本に比べて割高となっている東日本の安価で安定的な電力供給のためには、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を急ぐべきです。再稼働への技術的準備が整い、あとは新潟県の同意のみとなっていますが、国として柏崎刈羽の再稼働に向けて具体的にどのような役割を果たすつもりか、総理の見解を伺います。
また、再エネ賦課金が高い電気代の要因となっていますが、お手本としたドイツは、二〇二二年七月に再エネ賦課金を廃止し、今、原子力回帰にかじを切りました。日本も再エネ賦課金の徴収をやめて、電気代を下げるべきではないですか。高市総理の見解をお尋ねします。
今、世界ではレアアースの取引が注目されています。中国はレアアースの国際取引の大半を占めていますが、中国に過度に依存することは経済安全保障上も問題です。
政府は来年一月から南鳥島沖海域においてレアアースの試掘を始めるようですが、海底からのレアアースの採掘は世界初の試みで、成果が期待されます。また、日本の海底に眠るメタンハイドレートの開発も期待されています。
日本は海洋国家であり、もっと海洋開発、技術革新を進め、鉱物資源の確保とエネルギー自給率の向上を目指すべきだと考えますが、高市総理の考えを伺います。
石破前総理は、私との党首討論で、米の適正価格は五キロ三千円台が適当と答弁しましたが、高市総理は米の適正価格をどの程度と考えていますか。現在の五キロ四千円台は高いと思いますか。
また、鈴木農相は今後増産方針を見直すと述べていますが、石破前総理は不快感を示しておられます。政策がころころ変わる、猫の目農政にしてはいけません。
高市政権では、事実上の生産数量目標の割当て、事実上の減反政策は継続して、国による生産量や米価のコントロールを継続するのか、伺います。その場合、米の値段が高止まりする可能性があります。備蓄米の放出はやめるとのことですが、では、政府として米の高騰対策をどのように考えているのか。お米券を配るのかなど、具体的にお示しください。
熊被害が深刻です。十月三十一日に国民民主党として官房長官に緊急要請し、特に、自治体職員等によるガバメントハンターを含む捕獲技術者、専門職員の確保、育成の支援を求めました。
昨日、秋田県の猟友会の会長さんからも直接お話を伺いましたが、人手が足りないそうです。政府として、熊駆除に当たる人材確保、育成支援を具体的にどのように考えているのか、高市総理の見解を伺います。
歴代の総理も所信表明演説では憲法改正の意欲を示すのですが、結局できないまま今日に至っています。しかも、今、発議に必要な衆参で総議員の三分の二を確保することは容易ではありません。高市総理は、いつまでに、どのような憲法改正を必要と考えているのか、憲法改正の必要性と目指す改正の時期についての基本認識をお聞かせください。
安定的な皇位継承や皇族数確保に関する与野党協議が停滞しています。二〇二一年の政府有識者会議の報告書が出て、もう四年がたちます。女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案と、養子縁組による男系男子の旧皇族の皇室復帰案が有力な二案とされていますが、自民党と立憲民主党との見解の相違が埋まらないまま今日に至っています。高市総理として、この停滞をどのように打開するつもりか、お考えを伺います。
私たち国民民主党は、これからも、対決より解決の姿勢で、未来を先取りする政策を先手先手で打ち出していきます。我が党の掲げる現役世代の手取りを増やす政策や成長志向の経済政策については、高市内閣の掲げる政策との重なりが多いのも確かです。
他方、高市政権への期待が高い分、できなかったときの失望も大きくなります。現役世代、若い人たちの期待を裏切らないよう、高市総理にはまさに決断と前進を求めます。
私たち国民民主党も、国家国民のためであるならば、決して諦めません。これが、私たち国民民主党の不動の方針です。
これからも、対決より解決、政策本位で、高市総理に負けず劣らず、停滞する日本経済を再び元気にする政策に全力で取り組むことをお誓い申し上げ、国民民主党を代表しての質問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 玉木雄一郎議員の御質問にお答えいたします。
自民党、公明党、国民民主党の三党合意等についてお尋ねがございました。
昨年十二月の自公国の三党幹事長合意については、その内容に基づき、引き続き政党間で誠実に協議が行われるものと承知をしております。
いわゆるガソリンの暫定税率については、今般、与野党六党の間で、本年十二月三十一日の廃止で一致したと承知しています。
その際、廃止のための安定財源の確保についても、与野党六党で合意された方針に基づいて検討し、結論を得ることとされたと承知しています。
政府としては、政党間の御議論の結果を踏まえてしっかりと対応してまいります。
また、所得税の控除が定額であるために、物価上昇局面に実質的な負担増が生じるという所得税の課題については、国民民主党、公明党、自民党の三党の幹事長間で結んだ公党間の約束である三党合意も踏まえつつ、本年末までの令和八年度税制改正プロセスにおいて、基礎控除を物価に連動した形で更に引き上げる税制措置の具体化を図ることとしております。
与党税制調査会の御議論などを踏まえながら、具体化を図ってまいります。
物価高対策についてのお尋ねがございました。
物価高への対応としては、一人二万円から四万円の所得税減税、年末の、いわゆるガソリン税の暫定税率廃止までの間、既存基金を活用した補助を年内から進めてまいります。
電気・ガス料金につきましては、寒さの厳しい冬の間、支援を行うこととしております。
また、灯油等の油種につきましては、拡充を予定している重点支援地方交付金により、地域のニーズにきめ細かく支援するなど、必要な対応を行ってまいります。
補正予算の規模については、今後、必要な施策を積み上げていくことによって決まるものと考えておりますので、その規模についてあらかじめ言及することは差し控えたいと思います。
財政健全化に向けた取組、増税の有無、成長投資の方針などについてお尋ねがございました。
この内閣におきましては、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動を行い、強い経済を構築し、経済成長率を高めるとともに、中期的に債務残高対GDP比の引下げを安定的に実現する中で、必要に応じてプライマリーバランスの目標年度についても再確認を行うということによって、強い経済の実現と財政健全化を両立してまいります。
こうした道筋を通じまして、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
成長戦略の肝は、危機管理投資です。AI・半導体、造船、量子等の戦略分野において、リスクや社会課題に対し、先手を打って供給力を抜本的に強化するため、官民連携の戦略的投資を促進します。
これにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させることを目指してまいります。
お尋ねの具体的方針については、責任ある積極財政の考え方の下、こうした取組を進める中で、今後の状況をしっかりと見極めながら検討していくべきものと考えております。
経済成長戦略についてお尋ねがございました。
この内閣は、今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済をつくり、日本の供給構造を強化し、強い経済を実現するための成長戦略を強力に推進してまいります。
昨日設置した日本成長戦略本部におきまして、戦略分野における官民投資促進策の検討に加えて、労働市場改革や新技術立国についての戦略策定も指示したところでございます。
政府の成長戦略の策定は、国民民主党の御提案も真摯に受け止め、幅広い御意見をいただきながら進めてまいります。
赤字病院の経営支援と社会保険料の抑制についてお尋ねがありました。
社会保障制度を持続可能なものにしていくため、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築することが重要です。
そのため、日本維新の会、公明党、自民党の三党合意を踏まえ、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しや、金融所得の反映など応能負担の徹底、医療機関の電子化を通じた効率的で質の高い医療の実現などについて、迅速に検討を進めてまいります。
一方で、赤字に苦しむ医療機関などを支援するため、診療報酬などに賃上げ、物価高を適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たず、経営の改善及び従業者の処遇改善につながる補助金を措置して、効果を前倒しいたします。
少子高齢化の進行等により、社会保障給付費は今後も増加が見込まれますが、様々な改革を通じて、現役世代の保険料負担をできる限り抑制できるように議論を進めてまいります。
薬価制度についてお尋ねがございました。
薬価改定については、市場実勢価格を適時適切に反映して国民負担を抑制することが重要であると同時に、近年指摘されている革新的な新薬の開発力の強化や、暮らしに不可欠な薬の安定供給の確保などの要請にも応えていく必要がございます。
このため、診療報酬改定のない年の薬価改定も含め、薬価改定の在り方については、骨太の方針二〇二五を踏まえ、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった要請について適切に対応をしてまいります。
社会保険料の年収の壁の対策についてお尋ねがございました。
年収の壁・支援強化パッケージについては、現時点でも、一定数の方がいわゆる年収の壁を乗り越えて社会保険に加入するなど、成果を着実に上げています。
加えて、更なる取組として、キャリアアップ助成金の拡充や、被扶養者の認定方法の見直しを行ったほか、更なる被用者保険の適用拡大に取り組むこととしており、こうした取組を着実に実行してまいります。
ケアマネジャーの更新研修についてお尋ねがありました。
この更新研修は、専門知識の向上を図るために重要ですが、時間的、経済的負担が大きいとの御意見があると認識をいたしております。
このため、厚生労働省の審議会で、定期的な研修受講は求めつつ、受講を要件とした資格の更新制は廃止し、研修受講の負担軽減のため、柔軟に受講できる環境を整備することを議論しておりますので、引き続き検討を進めてまいります。
企業・団体献金の規制についてお尋ねがありました。
企業、団体にとって献金は自らの政治的意見を表明するための重要な活動であり、憲法と最高裁判例により政治活動の自由の一環として保障されているものです。
そのため、更なる規制の強化については、企業、団体の政治活動の自由に関わるものでありますので、必要性や相当性について慎重に議論をする必要があると考えます。
その上で、政治資金の在り方につきましては、各党の成り立ちや組織のありよう、規模にも十分留意しつつ、真に公平公正な仕組みとなるよう、不断に検討していくことが重要だと考えています。
この度の政権発足に当たりましては、自民党と日本維新の会との間で、企業、団体からの献金、政治団体からの献金、受け手の規制、金額上限規制、機関誌などによる政党の事業収益及び公開の在り方などを含め、政党の資金調達の在り方について議論する協議体を二五年臨時国会中に設置するとともに、第三者委員会において検討を加え、私の任期中に結論を得るとの合意を行い、国民に信頼される政治資金の在り方について検討していくこととしました。
今後、両党で合意した考え方に沿って検討を進めるとともに、御党を含む他党とも真摯な議論を重ね、政治改革の取組を着実に進めてまいります。
そして、維新の閣僚がいないので答弁ができない話なのでございますが、他党に関するお尋ねについて、当該他党にしていただきますようお願いをいたします。
議員定数の削減と解散・総選挙についてお尋ねがございました。
国会議員の定数の在り方につきましては、本来は内閣総理大臣の立場で議論の具体的な方向性についてコメントを行うことは差し控えるべきではありますが、おっしゃいましたとおり、自民党総裁の立場から申し上げますと、先般、自民党と日本維新の会との間で、一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指すという内容の合意書を交わしました。
議員定数の削減は身を切る改革として重要な課題であると認識しており、合意書の内容を踏まえて取り組む決意です。
具体的な削減案の策定及びその実現に向けては、できるだけ幅広い賛同を得ることが重要であり、今後、与党内での検討とともに、御党を含む各党各会派とも真摯な議論を重ねていきたいと考えております。
解散・総選挙につきましてでございますけれども、今とにかく急ぐべきは物価高対策と申し上げてまいりました。経済対策を始め、お約束した政策を実行し、政策を前に進めていくことが重要であると考えておりますので、今は解散について考えている余裕がございません。
首都の法的定義と、いわゆる特別市制度についてお尋ねがございました。
まず、首都の定義について、直接規定した法令はございません。しかしながら、東京都が日本の首都であることは、広く社会一般に受け入れられているものと考えております。
また、特別市について、御党の法案が提出された場合の取扱いにつきましては、これは国会で御議論をいただくべきものと考えております。
その上で、特別市については、その意義に関して様々な評価がありますほか、残された道府県への影響ですとか、その対応策などの課題も指摘されていると承知しております。十分な議論が必要だと考えております。
賃上げの環境整備についてお尋ねがございました。
この内閣が最優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応です。
物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては、事業者の経営が苦しくなってしまうだけでございます。継続的に賃上げできる環境を整えることこそが、政府の役割だと考えています。
昨日設置した日本成長戦略本部では、賃上げ環境整備担当大臣に対しまして、物価上昇を上回る賃上げが継続する環境整備に向けた戦略策定を指示いたしました。
御指摘の政労使の意見交換や地方版政労使会議についても、開催する予定でございます。
中小企業に対して社会保険料の事業主負担を助成すべきとの御提案につきましては、社会保険料が医療や年金の給付を通じて労働者を支えるための事業主の責任であるとともに、働く方々の健康保持や労働生産性の増進を通じて事業主の利益にも資するものであることから、慎重な検討が必要だと考えております。
教育国債についてお尋ねがありました。
現在の我が国が直面する少子化を克服する子育て支援や、強い経済の基盤となる優れた科学技術力の確保、イノベーションを起こす人材育成のため、必要な子育て、教育、科学技術予算を措置してまいります。
なお、教育国債とするか否かは未定ですが、リスクを最小化し、未来を創造するための投資に係る新しい財源調達の在り方については、前向きに検討しているところでございます。
我が国の研究開発力の強化についてお尋ねがありました。
強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力であり、イノベーションを起こすことのできる人材です。
このような人材の確保のため、研究者が多様で独創的な研究に取り組む競争的研究費のみならず、大学における研究活動を安定的、継続的に支える国立大学法人運営費交付金を着実に確保することが必要だと考えております。
こうした施策を通じて、基礎研究を含め、我が国の研究開発力の抜本的な強化に取り組んでまいります。
奨学金の債務負担軽減についてお尋ねがありました。
奨学金の返還については、政府として、返還の猶予や毎月の返還額を減額する制度などにより、負担軽減を図っています。
御指摘の奨学金債務の一部免除につきましては、既に返還を完了した方との公平性、また、貸与型奨学金事業が返還金を次の世代の学生への奨学金の原資としていること、御指摘のような税制上の措置での対応につきましては、所得が小さく所得税の税額がない方や少ない方にはその効果が限定的であるということなどを踏まえますと、慎重な検討が必要だと考えます。
扶養控除についてお尋ねがございました。
十六歳未満を対象としたいわゆる年少扶養控除の復活につきましては、税負担軽減効果が低所得者に比べ高所得者に大きくなっているといったことを踏まえて、平成二十二年度税制改正において、所得控除から手当へという考え方の下、子ども手当の創設に伴って所得控除が廃止されたという経緯がございます。こうした経緯なども踏まえる必要があると考えております。
障害児福祉についてお尋ねがございました。
御指摘の特別児童扶養手当等の所得制限は、障害児の生活の安定に寄与するよう必要な範囲で支給するという制度趣旨や、他の所得制限を有する制度との均衡を踏まえたものです。引き続き、適正に運用してまいります。
また、医療的ケア児を含む障害児が成人後も地域で安心した暮らしを送ることができるよう支援することはとても重要です。
令和六年度報酬改定では、成人後の生活介護サービスについて、時間を延長して支援を行った場合の加算を拡充しております。引き続き、必要な支援に努めてまいります。
就職氷河期世代への支援についてお尋ねがありました。
二〇一九年からの五年間にわたる集中的な取組の結果、正規雇用が十一万人増加するなど、一定の成果を上げてきました。
引き続き、個々人のニーズに応じたきめ細かい支援を効果的に実施するため、今年六月に、新たな就職氷河期世代等支援プログラムの基本的な枠組みを決定しています。
これに基づきまして、就労、処遇改善に向けた支援、社会参加に向けた段階的支援、高齢期を見据えた支援の三本柱に沿って、今年度内を目途に新たな支援プログラムを取りまとめます。
日米首脳会談についてお尋ねがありました。
首脳会談の成果として共同文書を作成するかどうかについては、相手国とやり取りをしながら、その都度、適切に判断しております。
その上で、今回は包括的な共同文書は作成しませんでしたが、私とトランプ大統領との間で、日米間の合意の実施に関する文書や、重要鉱物、レアアース分野での協力に関する文書に署名するなどの成果がございました。
米国は、トランプ第二期政権発足直後に行われた今年二月の日米首脳会談を含む累次の機会に、日米安保条約第五条は尖閣諸島にも適用されることや、日米安保条約の下での米国の条約上の義務へのコミットメントを確認してきております。
先日の日米首脳会談におきましては、トランプ大統領との間で、力や威圧による一方的な現状変更の試みに反対し、日米で緊密に連携していくこと、また、御指摘の台湾海峡の平和と安定の重要性についても改めて確認したところでございます。
防衛費増額についてお尋ねがありました。
一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえまして、主体的に防衛力の抜本的強化を進めてまいります。
そのため、まずは、現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準を前倒しして措置するとともに、国家安全保障戦略を始めとする三文書改定の検討を開始することといたしました。
今後の防衛力の具体的な内容につきましては、我が国の主体的な判断の下、具体的かつ現実的な議論を積み上げていく考えです。
こうした議論の結果、今後の防衛力の抜本的強化のための裏づけとなる予算を確保する上で必要な財源の在り方について議論をしてまいります。
なお、防衛国債とするか否かは未定でございますが、リスクを最小化し、未来を創造するための投資に係る新しい財源調達の在り方については、前向きに検討しているところです。
防衛装備移転三原則の運用指針見直しについてお尋ねがありました。
防衛装備移転は、力による一方的な現状変更を抑止し、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出するために重要な政策的手段です。
我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、防衛装備移転を更に推進していくことが必要です。
今般、自民党と日本維新の会との間で五類型の撤廃が合意されたことも踏まえ、玉木議員の御提案のとおり、防衛装備移転三原則運用指針の見直しを早期に実現すべく、検討を進めてまいります。
自動車税、軽自動車税の環境性能割についてお尋ねがありました。
自動車関係諸税については、令和七年度与党税制改正大綱において、日本の自動車戦略、インフラ整備の長期展望、カーボンニュートラル目標実現等の観点を踏まえ、国、地方を通じた安定的な財源確保を前提に、中長期的な観点から、公平、中立、簡素な課税の在り方を検討するという基本的考え方が示されております。
また、同大綱では、御指摘いただいた環境性能割を含めた車体課税については、国、地方の税収中立の下で、取得時の負担軽減や保有時の税負担の在り方等について検討することとされております。
政府といたしましては、これらの検討を踏まえて適切に対応をしてまいります。
スパイ防止法及び国家インテリジェンス戦略の策定などについてお尋ねがございました。
今般、自民党と日本維新の会との間で締結した連立政権合意書において、総合的なインテリジェンス改革、スパイ防止関連法制の検討などが盛り込まれました。
政府としては、与党と緊密に連携し、玉木議員から御指摘のあった点も含め、早急に論点を整理し、検討を進めてまいります。
拉致問題についてお尋ねがございました。
具体的な方法ということですが、拉致問題の解決のためには、国際社会への働きかけと同時に、我が国が主体的に行動するということが何より重要でございます。
全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、私自らが先頭に立って、様々な状況に応じて果敢に行動することで、具体的な成果に何とか結びつけたいと考えております。
あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したいとの決意でございます。
総人口に占める外国人比率と外国人の受入れについてお尋ねがございました。
御指摘のありました、日本の総人口に占める外国人比率が一〇%台となる時期が二〇七〇年よりも早まる可能性があるとの報告は承知しております。そうした可能性も踏まえて、必要な施策を進めていく必要があると考えます。
政府におきましては、昨日、司令塔として、外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議を設置しました。
外国人の受入れの基本的な在り方に関する基礎的な調査、検討を含め、外国人との秩序ある共生社会の実現のための施策について、新たな担当大臣の下、政府一体で検討を進めてまいります。
外国人による土地取得等のルールの在り方の検討についてもお尋ねがございました。
政府においては、昨日立ち上げました外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議によりまして、新たな担当大臣の下で、土地取得等のルールの在り方についても、外国人による不動産保有の実態把握を進め、政府一体となって総合的な検討を行ってまいります。
まずは、来年一月を目途に、基本的な考え方や取組の方向性をお示しできるように取り組んでいく考えでございます。
適正価格での住宅取得についてお尋ねがございました。
近年のマンション価格の上昇の背景には、需要と供給の両面で様々な要因があると認識をしております。
この点、まずは実態把握が重要でございます。昨日、国土交通大臣に対して、マンションの取引実態の早急な把握と結果の公表を指示したところでございます。
この内閣が最優先で取り組むことは、物価高への対応でございます。住宅取得を望む方が安心して住宅を確保できる環境整備にも力を尽くしてまいります。
オーバーツーリズム対策についてお尋ねがございました。
インバウンド観光はとても重要ですが、オーバーツーリズムにより国民生活に支障が出ている現状もございます。
このため、昨日の外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議において、国際観光旅客税の拡充も含めまして、オーバーツーリズム対策の強化について、国土交通大臣に検討を指示いたしました。
オーバーツーリズム対策の強化を通じて、観光客の受入れと住民生活の質の確保の両立を図ってまいります。
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働、再エネ賦課金の停止についてお尋ねがありました。
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働は、東日本における電力供給の脆弱性の解消、電気料金の抑制、脱炭素電源確保の観点から極めて重要です。
安全性の確保と地域の御理解を大前提に対応を進めます。
政府としましては、原子力防災の充実強化、東京電力のガバナンス強化、地元の実情や要望を踏まえた地域振興策などについて、地域への説明や取組の具体化を進め、引き続き柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向けて取り組んでまいります。
再エネ賦課金は、再生可能エネルギー特別措置法に基づき、電気の利用者の皆様に御負担をいただいております。
この法律は、再生可能エネルギー源の利用を促進し、もって我が国の国際競争力の強化及び我が国産業の振興、地域の活性化その他国民経済の健全な発展に寄与することを目的としております。
この再エネ賦課金の在り方については、今後の技術の進展やその必要性について検証をしてまいります。
なお、物価高対策として、電力・ガス料金につきましては、寒さの厳しい冬の間、支援を行ってまいります。
レアアースなど海洋鉱物資源、エネルギーの確保についてお尋ねがありました。
南鳥島沖海域に存在するレアアース泥については、来年一月に水深約六千メートルからレアアース泥を引き揚げるための技術的な実証試験を予定しています。
メタンハイドレートについては、生産技術の開発や賦存状況の調査などを進めてきております。我が国周辺海域での安定的な生産が実現するよう、取組を継続してまいります。
こうした我が国の領海や排他的経済水域に存在する鉱物資源、エネルギーは、商業化がなされれば、国際情勢や地政学リスクに左右されず、我が国のエネルギー自給率向上に資する貴重な国産資源です。
その開発、技術革新をしっかり推進してまいります。
米政策についてお尋ねがありました。
国民の主食である米の安定供給は、食料安全保障の観点から不可欠であり、そのためにも、現下の状況において具体的な価格水準に言及するのは適切ではないものの、生産者の再生産が可能で、かつ、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことが重要だと考えます。
平成三十年から、国による個々の農業者に対する米の生産数量目標の配分は行っておりませんが、輸出促進や米粉の消費拡大など国内外の需要拡大に取り組みつつ、引き続き、生産者自らの経営判断により生産に取り組みやすい環境を整備するなど、米の安定供給に必要な取組を推進してまいります。
備蓄米の小売店等への引渡しは現在も続いておりますが、米も含めた足下の物価高に対しては、影響を受ける生活者に対し、地域の実情に合った的確な支援をお届けできるよう、重点支援地方交付金の拡充などについて検討の指示をしたところです。
熊の駆除に当たる人材確保、育成支援についてお尋ねがありました。
政府は、十月三十日にクマ被害対策等に関する関係閣僚会議を開催し、議長である木原官房長官から、追加的、緊急的な対策のパッケージを今月中旬までに取りまとめ、実効性の高い対策を着実かつ段階的に実行することを指示いたしました。
具体的な施策としては、例えば、警察官によるライフル銃を使用した熊の駆除について早急に対応していくこととしています。
また、御党が御提案しておられるように、狩猟免許を持つ者を公務員として任用する、いわゆるガバメントハンターの確保等も進めていくことを想定しています。
その際には、研修や訓練を充実させるほか、自衛官や警察官のOBを含む、経験と能力を有する多くの人材の確保に努めてまいります。
憲法改正についてお尋ねがございました。
内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しています。
あえて自民党総裁として申し上げれば、憲法はあるべき国の形を示す国家の基本法であり、時代の要請に応えられる憲法を制定することは喫緊の課題と考えております。
今後、これまで行ってきた論点整理や議論の蓄積を踏まえ、各会派の協力も得ながら、改正案を発議し、少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、粘り強く取り組んでいく覚悟です。
安定的な皇位継承等についてお尋ねがありました。
皇室典範に関する議論は、国家の基本に関わる先送りのできない重要な課題であると認識をしております。
この議論は、現在、国会において行われていることから、内閣総理大臣の立場で、議論の具体的な進め方についてお答えすることは差し控えます。
その上で、自民党総裁としましては、これまで党の議論に深く関わってこられた麻生副総裁に引き続き対応をお願いしております。自民党及び日本維新の会の連立合意書において、政策の実現にはできるだけ幅広い賛同を得ることが重要であり、他党とも真摯な議論を重ねていくこととされていることを踏まえ、連立を組む日本維新の会、そして御党を始め各党各会派と幅広く連携し、この喫緊の課題を解決すべく、皇室典範の改正に向けた検討を着実に進展させたいと考えております。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
――――◇―――――
○議長(額賀福志郎君) この際、十分間休憩いたします。
午後二時五十分休憩
――――◇―――――
午後三時三分開議
○副議長(玄葉光一郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
――――◇―――――
○副議長(玄葉光一郎君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。斉藤鉄夫君。
〔斉藤鉄夫君登壇〕
○斉藤鉄夫君 公明党の斉藤鉄夫です。
私は、公明党を代表して、高市総理の所信表明演説に対し質問いたします。(拍手)
高市総理、御就任、誠におめでとうございます。我が国にとって初の女性総理の誕生であり、新しい時代を自らの力で開かれたことに、心からお祝い申し上げ、敬意を表します。
私たち公明党は、政治改革への揺るぎない決意の下、原点に立ち返り、野党として新出発いたしました。一九九九年以来、連立政権を担ってきた自由民主党の皆様とは、あるときは共に野党として苦難を一緒に乗り越えてきました。次々と直面する内政、外交の重要課題に一歩も引くことなく、両党の考え方に違いはあっても、政治の安定と国民のために、一つ一つの政策課題に責任を持って合意を見出し、多くの政策実現を果たすこともできました。改めて、この間の自由民主党の皆様の御協力に対し、心から感謝申し上げます。
今後、私たちは是々非々の立場で、国民生活向上につながる予算や法律、政策の実現には協力し、一方で、懸念のある政策には、我々の考え方を示し、建設的な議論をしてまいります。ただし、その議論の大前提は、政治への信頼です。国民の信頼なくして、いかなる政策の論議も説得力を持ちません。
信なくば立たず。どこかで行き詰まる。このことを、先般の衆院選、参院選の与党への審判を通じて国民の皆様に教えていただきました。もう二度と政治の停滞を招かないために、いつまでたっても終わらない政治と金の問題に一刻も早く決着をつけるべきです。選挙後に明らかになった事実もあります。高市総理が先頭に立って、問題の全容解明に当たっていただきたい。
総理の言葉をおかりするなら、とにかく実行です。今こそ、四半世紀を超えて議論されてきた抜本的な政治改革を、与野党の枠を超えて、断固実現していこうではありませんか。
これから公明党は、いまだ解消し切れていない日本社会の構造的課題に真摯に向き合い、中道改革の軸となります。中道とは、人間中心ということです。
国家でもイデオロギーでもなく、目の前の一人に焦点を当てた、持続可能で、一人一人が幸福を実感できる社会を構築したい。そのために、まず、国内外の平和や安定をもたらす現実的な外交防衛政策と、信頼を取り戻す政治改革を実行します。
その基盤の上に、一人一人のポテンシャルを最大化し、イノベーションを起こす、異次元の科学技術投資による成長と経済、エネルギー、食料の安全保障政策、そして、選択肢と可能性を広げる教育、ジェンダー、秩序ある共生等の包摂的な社会政策を推進します。
これらの政策を総動員して、経済、財政、人的基盤を整えつつ、少子高齢化とインフレに対応した持続可能な社会保障制度改革の実行によって、全ての世代が共感し、連帯し、生きがいある人生を謳歌し、誰もが誇れる日本を目指します。
こうしたビジョンから、まず高市総理の基本姿勢を伺います。
総理は所信で、力強い日本を目指すと強調されました。私も、国や経済に強さは必要だと思います。しかし、同時に、個人の尊厳や社会的弱者を守る包容力こそ政治の役割です。その意味で、総理の所信は、歴代総理と比べても、多様性の尊重、格差や孤独に寄り添う姿勢、包摂的社会づくりへの決意が薄く、これまでの高市総理の御経験や御主張を思うと意外に感じました。
かつて大平正芳元首相は、政治とは、明日枯れる花にも水をやることだと言われました。花はいずれ枯れるけれども、どんな花にも分け隔てなく水やりを続ける心が大事だという意味ではないでしょうか。費用対効果、経済合理性も大切ですが、それを超えたところに政治の真髄がある、私はこのように思います。
そこで、総理に、包摂性や多様性の尊重に対する政治家としてのお考えを伺います。
次に、具体的な政策についてお尋ねします。
まずは、何といっても、喫緊の課題である物価高対策です。
長引く物価高が国民生活を圧迫しています。その要因は、昨今の原材料高や物流費、労務費の上昇によるところが大きく、飲食料品の値上げは今後も長期化、恒久化するのではないかと言われています。
そうした中で、中小・小規模企業で働く方々や、公定価格で運営される医療、介護分野などの従業員、年金生活者は生活が苦しくなる一方で、じわじわと貧困化が進んでいます。さらに、中低所得世帯の税と社会保険料の負担率は、諸外国に比べて高水準との指摘もあります。
したがって、今求められている物価高対策は、足下の支援のみならず、物価上昇時代を生きる国民の所得を継続的に支えることができる抜本的な改革であると考え、公明党は生活応援減税を訴えてきました。
本年、所得税の基礎控除などを三十年ぶりに引き上げる歴史的な改正が実現しました。この年末に、いよいよ一人二万円から四万円の減税が実現します。これは、中間層も含めた幅広い家庭を支えるため、控除額を更に上乗せする公明案を基にしたものです。今後は、物価上昇に応じて基礎控除等の額を適時適切に引き上げていくことも法定化いたしました。
また、いわゆるガソリン暫定税率の廃止など自動車ユーザー減税、子育て世帯の年少扶養控除の復活も含めた扶養控除の見直し、奨学金減税の創設などを公明党は提案しています。新政権においても、しっかりと家計の可処分所得を継続的に底上げする減税を断行していただきたい。
その上で、所信の内容では、電気、ガス、ガソリンをめぐる対応策をもってしてもなお、物価高で苦しんでいる方々への即効性のある支援策が薄いと言わざるを得ません。公明党提案の重点支援地方交付金の拡充や医療、介護施設への対応は評価いたしますが、これだけでは幅広い対策とは言えません。減税が実現するまでの間、物価高から幅広い国民生活を守り抜くため、即効性ある新たな対策を打つべきと考えます。総理のお考えを伺います。
また、総理の掲げる責任ある積極財政についてお尋ねします。
財政支出を大幅に増やし、円安が更に進めば、物価高に拍車がかかり、家計には更に重い負担がのしかかるのではないかと指摘されています。株価だけが上がって、日々の生活に恩恵がなければ不十分です。責任ある積極財政によって国民生活をどう豊かにしていくのか、総理の見解を伺います。
そして、持続的な賃上げこそ、物価高の克服に不可欠です。特に重要な課題は、非正規社員と正社員の間に横たわる賃金やスキルアップの機会などの格差です。多様な働き方が進む現代、雇用形態にかかわらず、同一労働同一賃金を実現し、全ての労働者が正社員並みの待遇を受けられる公平な仕組みを整えることが不可欠です。
また、医療、介護、保育、物流、建設など人々の生活に欠かせない仕事をする人たち、いわゆるエッセンシャルワーカーの賃金は、他業種に比べて月額約五万円低いとの調査結果もあります。低賃金が、社会の基盤を支えてくださっている現場の人材不足を招いています。
特に、公定価格で成り立つ医療、介護、障害福祉、子供、子育て分野では、物価上昇や賃上げコストを報酬に適切に反映させるべきです。建設業については、公明党の主張で大きく引き上げてきた設計労務単価の更なる引上げや事業間取引での労務費適正転嫁を通じて、所得の抜本的向上を図る必要があります。これらを実現するための積極的な支援について、総理の決意を伺います。
次に、世界の平和と安定を図る現実的な外交防衛政策について伺いたい。
広島、長崎への原爆投下から八十年。世界では紛争が相次ぎ、人類の生存を脅かす核兵器使用のリスクがかつてなく高まっています。今年八月に会談したICANの事務局長の、核廃絶は今こそ緊急に必要だとの訴えは決して忘れられません。
また、本日までパグウォッシュ会議世界大会が二十年ぶりに広島で開催されており、世界の科学者と被爆者、市民による核兵器廃絶を目指した対話が行われております。対立よりも対話、拡散よりも軍縮を選び、核兵器廃絶へと世界の潮流を変えるべきです。
公明党は、唯一の戦争被爆国であり非核三原則を堅持する日本こそ、核兵器のない世界の実現に向けて、首脳外交を積極的に展開し、核兵器禁止条約への署名、批准に向けた環境整備に全力を挙げるべきだと考えます。
まずは、来年十一月の核兵器禁止条約第一回再検討会議へのオブザーバー参加を強く要請します。核廃絶に向けた具体的な取組について、総理の御決意を伺います。
先日の日米首脳会談では、安全保障や通商の分野などの協力が確認され、拉致被害者家族との面会も実現しました。両国の信頼関係が再確認された、意義ある会談だったと思います。
一方、今回の会談では、防衛費増額を前倒す方針を米国側に伝えたとの報道があります。物価高騰に苦しむ国民の負担はどれだけ増えるのか、財源をどうするのか、国民へ丁寧に説明する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
また、世界で最も偉大な同盟として日米の新たな黄金時代を築くとされる中で、経済、気候変動、公衆衛生、先端技術などのグローバルな課題の対応へ、日米の連携を基盤としつつ、日本が国際協調を主導していくべきではないでしょうか。
今後も、トランプ氏が掲げる米国第一主義の政策と日本の経済、外交、安保政策をどのように調和させ、同盟を深めていくかが極めて肝要です。今回の会談を踏まえ、日米同盟をどのように深化させていくのか、総理の見解を伺います。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、防衛力、抑止力と外交の両輪で国民の平和と安全を守る対応が必要です。国家安全保障戦略では、外交が日本の安保政策の最上位に位置づけられています。防衛費の増額など防衛力だけを強め、外交とのバランスを崩すことは、真の安全保障にはつながりません。経済援助、環境問題、人道支援など、非軍事的な分野での国際協力を積極的に行い、国際社会における日本のソフトパワーを高める平和外交の強化こそが、憲法の理念にかなった最も重要な安全保障の手段であると強く訴えたい。今後の外交、安全保障政策について、総理の見解を伺います。
また、自民、維新の政権合意には、防衛装備品移転の五類型撤廃が明記されました。自公政権下で決定し、その後、慎重に議論してきた五類型を全面的に撤廃すれば、平和貢献、国際協力の目的が揺るぎかねません。また、当然ながら、紛争当事国へ殺傷兵器が供与されないよう、明確な歯止めが必要です。防衛装備品移転の五類型について、どういった必要性を踏まえて、どこまでの撤廃を目指すお考えなのか、総理の具体的な説明を求めます。
次に、改めて政治改革の断行を求めます。
総理は総裁選中に、政治資金パーティーをめぐる収支報告書への不記載問題に関して、既に決着済みと発言されました。しかし、みそぎが済んだと言われる国政選挙後に、元政策秘書が略式起訴されたり、還流再開を求めた幹部名が法廷で明らかになったり、検察審査会の議決により、不起訴不当として再捜査が始まるなど、新たな問題が起きています。国民に対してどう説明されるのか。
また、企業・団体献金に関して、自民、維新の連立政権合意書には、政党の資金調達の在り方について議論する協議体を設置し、総裁の任期中に結論を得るとしか書かれていません。そもそも、さきの通常国会で結論を出すことが期限だったはずであり、これ以上の先送りは国民の政治への不信を増大させるだけです。
公明党は、国民民主党とともに、政治資金の透明性の確保と、寄附の受け口を党本部と県連に絞るなどの規制強化を提案しています。政治と金の問題を今国会中に決着させるため、高市総理の決断を求めたいと思います。
また、自民、維新の連立合意には、今国会で衆議院の議員定数の一割削減を目指すと記載されました。
まず、公明党は、定数削減の議論には反対しません。
しかし、現在の衆議院の定数は、現行の選挙制度を導入した際、民意を集約する小選挙区と幅広い民意を反映する比例区のバランスが大きな議論となり、最終的に三対二の割合を決めた経緯があります。定数を削減するならば、この理念、比率を守るべきです。比例区のみの削減という声も聞きますが、それは、多様性を排除し、少数の民意は切り捨てても構わないという考えで、民主主義の破壊にほかなりません。
そもそも、選挙制度の改正は民主主義の根幹に関わることであり、選挙制度協議会において、与野党で丁寧な意見交換を続けていく重たい課題です。政治活動の共通のルールですから、当然のことながら、政権与党だけで決めるのではなく、各党の幅広い合意が必要だと考えます。
総理は、政治と金の問題と衆議院の定数削減についてどう取り組むお考えなのか、明快な答弁を求めます。
次に、科学技術投資の拡大について伺います。
坂口志文博士、北川進博士のノーベル賞の受賞、誠におめでとうございます。資金も理解も少ない環境で粘り強く続けてこられた基礎研究が花開いた姿を拝見し、昔、研究者を志したこともある技術者の端くれとして、こんなにうれしいことはありません。また、基礎研究の抜本的強化こそが日本の科学技術再興の道だと確信しました。
科学技術は暮らしに密着しています。認知症やがん治療などの医療や介護分野を始め、スマートフォンなどの情報通信技術、防災やカーナビに役立つ衛星技術の活用など、人手不足や災害などの課題を乗り越え、活気ある温かい社会をつくる鍵は、新技術の社会実装にあります。
そこで、実質GDP成長率一%の着実な実現に向けて、官民の研究開発投資を対GDP比で世界トップクラスの水準に引き上げるため、思い切って政府の科学技術予算の倍増を目指すことを提案します。
基礎研究の強化から実用化まで、これまでにない大胆な投資促進策を実現する国家戦略を掲げ、日本の規格の国際標準化戦略を進めるべきです。これが国民の暮らしの豊かさと日本経済に大きく返ってくることは間違いありません。日本の科学技術に対する総理の決意をお尋ねします。
もう一つ提案があります。大胆な投資や新しい政策を実現するためには、財源を探さなければなりません。公明党は、その解の一つとして、日本版ソブリン・ウェルス・ファンドの創設を掲げました。
物価も賃金も上昇する成長型経済へ転換し行く今こそ、財源も探すからつくり出すへ発想を転換し、国の資産の一部を大胆な運用へと見直すべきです。我が国には、外為特会やGPIF、日本銀行が保有するETFを始め、合計五百兆円を超える資産があります。仮に年一%の運用益を活用できれば、毎年五兆円となります。これは、食料品の軽減税率をゼロにすることや、現役世代の社会保険料を年間七万円程度減らすことができるほどのインパクトです。
公明党は、こうした資産をもっと効果的に活用して、新たな財源をつくり、多くの国民の皆様の利益となる政策実現につなげていきたいと考えています。是非とも前向きな検討を開始していただきたいと思いますが、総理の御所見を伺います。
高校の無償化について質問します。
私立高校を含めた高校の無償化について喜びの声がある反面、先行して無償化した地域は私立高校に生徒が集まり公立高校がなくなっている、公立高校がなくなると一気に過疎化が進むといった悲痛な声が全国から寄せられています。
特に、地方の公立高校はその地域の最高学府であり、文化、スポーツの拠点になっています。その公立高校がなくなるということは、地方創生の考え方に反するとも思います。懸命に働いて、何とか我が子を希望する高校に行かせたいと必死に頑張る保護者や、地域に活力を取り戻そうと奔走している地方の人々の声を聞かなければなりません。こうした不安に応え、子供や家庭の選択肢が狭まらないよう、公立高校をしっかり支援することも必要と考えます。単なる無償化ではない、多様で質の高い高校教育改革に向けた総理の決意を伺います。
今日、十一月五日は津波防災の日です。また、国連が定める世界津波の日でもあります。
ここで、防災、減災について質問いたします。
能登半島地震から一年十か月が経過しました。避難所は本年三月末でその役目を終えたものの、生活インフラの復旧の途上にあり、多くの被災者の生活再建も緒についたばかりです。総理、いち早く被災地に足を運んでいただき、不安を抱える皆様に、いつまでに復興を成し遂げるとの強いメッセージを届けていただきたい。あわせて、能登地域の創造的復興における現下の課題である深刻な人手不足、担い手不足の解消に向けた国による全面的な支援を求めます。
東日本大震災から十四年を迎えた本年三月、私は、東京電力福島第一原子力発電所と中間貯蔵施設を視察し、改めて、廃炉が着実に進んでいることやALPS処理水の海洋放出が安全に進捗していることを自分の目で確認いたしました。中間貯蔵施設への除去土壌等の搬入、貯蔵はおおむね進展しましたが、今後の再生利用、県外最終処分が最大の課題です。約束の期限までに最終処分を実現するには、処分量低減とともに、復興再生土の利用先の創出、拡大を、国民の理解の下、着実に進めていかなければなりません。
近年、風水害等の自然災害が頻発し、南海トラフ地震や首都直下地震等の大災害が切迫しています。その意味でも、災害対応の司令塔となる防災庁の設置は急務です。政治の使命は、いかなる状況においても国民の命と暮らしを守り抜くことであるにもかかわらず、連立政権合意書には防災、減災の言葉がなかったのは極めて残念です。様々な災害対策や復旧復興の課題について、総理の答弁を求めます。
最後に、社会保障制度について質問します。
日本において、人口減少、少子高齢化が今後も進むことは避けられず、社会保障制度の持続可能性を確保することは最大の課題です。生活に直結する課題であり、国民は強い関心を持っています。
こうした中で、総理が提唱された有識者を交えた超党派の国民会議の設置について、公明党は大いに賛同します。ただし、我が国の将来を決する大きなテーマであるだけに、可能な限り多くの合意を得られるよう、丁寧な議論を求めます。現役世代の保険料負担の軽減や高額療養費制度の持続、OTC類似薬の保険適用除外、医療、介護従事者の給与引上げ、給付つき税額控除の導入など、テーマは数多くあります。
公明党は、高額療養費制度は今後も堅持すべきであると考えます。また、福祉的な観点から消費税の軽減税率を深掘りすることと、給付つき税額控除の両立はできると訴えています。
社会保障改革は、年金、医療、介護などの分野について、総合的視点から給付と負担の在り方を検討しなければなりません。国民会議では、与野党の枠を超え、広く国民の意見を伺いながら、財源を含めた新たな社会保障と税の一体改革を徹底的に議論し、幅広い合意を得て、実行に着手すべきです。公明党は、安心できる社会保障制度改革に向けて、合意形成の要として、全力で一体改革の議論をリードしていく決意です。
社会保障制度の持続可能性の確保について、総理の答弁を求めます。
結びに一言申し上げます。
強い国家も強い経済も大切です。しかし、その政策の先に人の顔は見えているのか。私たち政治家は、常にその基本に立ち返ることを忘れてはならないと思います。
大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく。公明党のこの立党の精神を胸に、公明党は、徹底して現場に飛び込み、声を聞き、中道改革の軸として新たな一歩を踏み出します。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 斉藤鉄夫議員の御質問にお答えいたします。
まず、自民党総裁として、二十六年の長きにわたり共に歩んでくださった公明党の皆様に心より感謝を申し上げます。
包摂性や多様性の尊重に対する政治家としての考えについてお尋ねがございました。
全ての方々が生きがいを感じ、尊厳が損なわれることなく、多様性が尊重される包摂的な社会を実現することは大変重要であると考えています。
性別や障害の有無等にかかわらず、お互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に向けて、取組を着実に進めてまいります。
物価高対策についてお尋ねがございました。
家計の可処分所得を継続的に底上げしていく上では、まずは、継続的に賃上げできる環境を整えることが重要と考えております。
その上で、税制面では、例えば、所得税の控除額が定額であるために、物価上昇局面において実質的な負担増が生じるという課題についての、本年末までの令和八年度税制改正プロセスにおいて、基礎控除を物価に連動した形で更に引き上げる税制措置の具体化を図ることとしております。
実質賃金の継続的上昇が定着するまでの間の物価高対策につきましては、御指摘の所信表明演説でお示しした、ガソリン税や軽油引取税の暫定税率の早期廃止、電気・ガス料金の支援、重点支援地方交付金の拡充、医療機関や介護施設の賃上げや経営改善支援といった様々な施策も含め、策定中の経済対策に盛り込み、国民の皆様の暮らしの安心を確実かつ迅速に届けてまいります。
責任ある積極財政についてお尋ねがございました。
この内閣では、経済あっての財政の考え方の下、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行います。
これにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させることを目指していきます。
この好循環を実現することによって、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変えてまいります。
非正規雇用労働者やエッセンシャルワーカーの待遇についてお尋ねがございました。
非正規雇用労働者の待遇改善は重要な課題であり、同一労働同一賃金の遵守徹底に取り組んでまいります。
また、医療、介護等の分野を支えるエッセンシャルワーカーにつきましては、賃上げや物価高を公定価格に適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たず、職員の方々の処遇改善につながる措置を講じるなど、スピード感を持って対応いたします。
御苦労いただきました建設業につきましても、公共工事の設計労務単価を十三年連続で引き上げてまいりましたが、今年中に改正建設業法を全面施行し、適正な賃金の支払いに向けた施策を強化してまいります。
核廃絶に向けた取組に対する決意についてお尋ねがございました。
我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んでまいりました。これは世界に誇るべきことだと考えております。
核兵器のない世界に向けた国際社会の取組を主導することは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命でございます。
一方で、我が国は今、自国の周辺において核軍拡に直面しています。
こうした中で、政府としては、抑止力を維持強化し、安全保障上の脅威に適切に対処していくとの大前提に立ちつつ、核兵器不拡散条約、NPT体制の下で、引き続き現実的で実践的な取組を進めてまいります。
核兵器禁止条約へのオブザーバー参加につきましては、国際社会の情勢を見極めつつ、我が国の安全保障の確保と核軍縮の実質的な進展のために何が真に効果的かという観点から慎重に検討する必要があると考えます。
防衛費の増額及び日米同盟の深化についてお尋ねがございました。
一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国として主体的に防衛力の抜本的強化を進めていくことが必要です。
そのために、政府として、まずは、現在の取組を加速すべく、現行の国家安全保障戦略で定める対GDP比二%水準について、補正予算と併せて、今年度中に前倒しして措置を講じることとしました。
前倒しに必要となる予算を手当てする財源については、補正予算の編成において適切に対応し、国民の皆様の御理解をいただけるよう、丁寧な説明に努めてまいります。
日米首脳会談についてもお触れいただきましたが、今後とも、トランプ大統領との強固な信頼関係を一層深めて、御指摘の地球規模の課題への対応も含めて、国際社会における米国の関与を後押ししつつ、日米同盟を更なる高みに引き上げていく考えでございます。
今後の外交、安全保障政策についてお尋ねがございました。
現行の国家安全保障戦略は、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主要な要素の一つとして、まず外交力を掲げています。
我が国は、長年にわたる国際社会の平和と安定、繁栄のための外交活動や国際協力を通じて、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出するために、力強い外交を展開してまいりましたし、これからもそうしていくこととしています。
同時に、このような外交力、しっかりとした外交力には裏づけとなる防衛力が必要でございます。防衛力の強化も進めてまいります。
その上で、現行の国家安全保障戦略を含む三文書を策定した二〇二二年と比べ、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じております。
こうした急速な変化に適切に対応し、強い覚悟を持って、我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くために、三文書の来年中の改定を目指し、検討を進めてまいります。
同時に、こうした国際情勢の下、国際社会の平和と繁栄に、より大きく役割を果たしていきたいと考えています。
そのためのビジョンとして、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを外交の柱として引き続き強く推進し、時代に合わせて進化させてまいります。
そのビジョンの下で、同盟国である米国はもちろん、基本的価値を共有する同志国やグローバルサウス諸国との連携強化に取り組んでまいります。
防衛装備移転の五類型撤廃についてお尋ねがございました。
防衛装備移転は、力による一方的な現状変更を抑止し、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出するために重要な政策的手段です。
我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、防衛装備移転を更に推進していくことが必要であり、今般、自民党と日本維新の会の間で五類型の撤廃が合意されております。
その上で、我が国からの防衛装備移転は、三原則に基づき、個別の案件ごとに厳格に審査し、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得るとしています。
政府としては、こうした基本的な考え方は維持しつつ、防衛装備移転三原則運用指針の見直しを早期に実現すべく、具体的な検討を進めてまいります。
不記載の問題及び衆議院の定数削減についてお尋ねがございました。
お尋ねについては、内閣総理大臣の立場から申し上げることは適当ではありませんが、自民党総裁としてお答えをいたします。
まず、自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する問題につきましては、検察による厳正な捜査が行われ、関係議員がそれに対して真摯に対応し、その結果、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきました。また、外部の弁護士を交えた聞き取り調査や当事者自身による会見などでの説明、また、様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力は進められてきました。その中で、それぞれの議員が丁寧に、真摯に説明責任を尽くしてきたものと考えています。
しかしながら、この問題によりまして政治への信頼を損ねることになったことについては、自民党総裁として、国民の皆様、そして全国民の代表でいらっしゃる国会議員の皆様に改めておわびを申し上げます。
企業・団体献金についてでございますが、企業、団体にとって献金は自らの政治的意見を表明するための重要な活動であり、憲法と最高裁判例により政治活動の自由の一環として保障されているものです。
そのため、更なる規制の強化については、企業、団体の政治活動の自由に関わるものでありますことから、必要性や相当性について慎重に議論する必要があると考えます。
その上で、政治資金の在り方につきましては、各党の成り立ちや組織のありよう、規模にも十分留意しつつ、真に公平公正な仕組みとなるよう、不断に検討していくことが重要だと考えています。
この度の連立政権発足に当たりましては、我が党と日本維新の会との間で、企業、団体からの献金、政治団体からの献金、受け手の規制、金額上限規制、機関誌などによる政党の事業収益及び公開の在り方などを含め、政党の資金調達の在り方について議論する協議体を二五年臨時国会中に設置するとともに、第三者委員会において検討を加え、私の任期中に結論を得るとの合意を行い、国民に信頼される政治資金の在り方について検討していくこととしました。
今後、両党で合意した考え方に沿って検討を進めるとともに、御党を含む他党とも真摯な議論を重ね、政治改革の取組を着実に進めてまいります。
衆議院の議員定数の削減については、先般、自民党と日本維新の会との間で、一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指すとの内容の合意書を交わしました。
議員定数の具体的な削減案の策定及びその実現に向けましては、できるだけ幅広い賛同を得ることが重要でございます。
今後、与党内での検討とともに、各党各会派とも真摯な議論を重ねていきたいと考えております。
科学技術の発展についてお尋ねがございました。
強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力であり、イノベーションを起こすことのできる人材です。
昨日設置した日本成長戦略本部において、新技術立国・競争力強化について、経済産業大臣を指名し、戦略策定を指示しました。
公教育の強化や大学改革を進めるとともに、科学技術、人材育成に資する戦略的支援を行い、新技術立国を目指します。
また、AI・半導体等の各戦略分野について、研究開発、事業化、事業拡大、販路開拓、海外展開といった事業フェーズを念頭に、多角的な観点からの総合支援策の立案も指示しております。
来年の夏にはこれらを踏まえた成長戦略を取りまとめ、我が国の強い経済の基盤となり得る科学技術力の強化のため、戦略的に政策を講じてまいります。
日本版ソブリン・ウェルス・ファンドの創設についてお尋ねがありました。
外国為替資金特別会計の保有資産やGPIFの運用資産を含め、公的部門の保有する資産は、一般に、税金や保険料、市場からの借入れ等を原資とするものであります。この運用に当たっては、各々の資産の保有目的等も踏まえ、安全性にも配慮する必要があると考えております。
また、日銀が保有するETFは、金融政策の一環として日銀が買い入れ、保有しているものでございます。その取扱いは、日銀の金融政策決定会合において決定する事項とされているものと承知しております。
いずれにしましても、政府としては、保有資産の運用改善や有効活用の有用性の検討も行いつつ、今後の予算編成におきましても、必要な財源の確保に取り組み、効率的かつ効果的な予算の策定に努力をしてまいります。
高校教育についてのお尋ねがございました。
高校教育の質の向上については、政党間の議論を踏まえ、国として高校教育改革のグランドデザインを今年度中に提示し、各都道府県が策定する計画に基づく取組を支援する交付金等の仕組みの構築について、税制による対応も含め安定財源の確保と併せて検討し、公立高校が地域の人材育成といった役割を果たすことができるよう取り組んでまいります。
様々な災害対策や、能登半島地震、東日本大震災からの復旧復興の課題についてお尋ねがございました。
能登半島地震からの復興については、被災前の活気を一日も早く取り戻すため、被災地の復旧と創造的復興を着実に進めてまいります。
また、被災地への訪問につきましても、できる限り速やかに行いたいと考えております。
法律に規定された国の責務に基づき、福島県内除去土壌等の県外最終処分を進める方針です。
昨年設置した閣僚会合の下、復興再生土の利用における先行事例の創出、県外最終処分に向けた検討、国民の皆様の理解醸成等の取組を着実に推進してまいります。
そして、これまでの教訓を生かして、災害対応の司令塔となる防災庁の設立準備を加速し、大規模災害等に対する徹底した事前防災、発災時の応急対策、復旧復興について取り組んでまいります。
社会保障制度の持続可能性の確保についてお尋ねがございました。
社会保障制度を持続可能なものにしていくため、全ての世代で能力に応じて負担し合い、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築するということが必要です。
そのため、公明党、日本維新の会、自民党で合意した効率的で質の高い医療の実現などについて、迅速に検討を進めます。
また、給付と負担の在り方や、給付つき税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について、国民的議論を行うための国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
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○副議長(玄葉光一郎君) 高井崇志君。
〔高井崇志君登壇〕
○高井崇志君 れいわ新選組の高井崇志です。(拍手)
れいわ新選組は、六年半前、山本太郎がたった一人で党を立ち上げたときから、一貫して消費税廃止を訴えてきました。当時は、どの政党もばかにして取り合いませんでした。それでも、一切空気を読まず、ぶれずに、諦めずに訴え続けてきた結果、今では、国民の実に八割が消費税の廃止、減税を望み、七月の参議院選では、全ての野党が消費税廃止、減税を公約に掲げるまでになりました。
国民の六割が生活が苦しいと答え、年間一万社が倒産する中、悠長に給付つき税額控除を検討している場合ではありません。イギリスでも実現に十数年かかり、総理自身が制度設計に三年はかかると認めています。三十年続く不況に、コロナに、物価高。三重苦に苦しむ国民が望んでいるのは、消費税廃止です。このままでは、失われた三十年は四十年になります。消費税廃止、少なくとも一律五%減税とインボイスの廃止、加えて十万円の現金給付、これこそまず第一にやるべきではないですか。
れいわ新選組が消費税廃止にこだわるのは、日本経済が三十年成長していない最大の原因だからです。一回の消費増税で起きる消費の落ち込みは、百年に一度と言われたリーマン・ショックをはるかに上回ります。つまり、日本では、百年に一度の経済恐慌が三十年間で四回起きたことになります。ほかに原因があるなら、それは何ですか。人口減少がとか、企業の内部留保がといった、財務省お決まりの他人事、無責任答弁でなく、総理自身の言葉でお答えください。
消費税は社会保障の財源だは、まやかしです。法律に後からつけ加えたお題目にすぎません。消費税は、紛れもなく直間比率是正のために導入されました。現に、消費税導入以来、国民が納めた消費税総額四百九十九兆円のうち、実に六一%、三百五兆円は法人税減税の穴埋めに使われています。国民の皆さん、皆さんがこつこつ払っている消費税の実に六割は大企業のために払っているんですよ。ばかばかしくないですか。消費税が社会保障の財源だと言い張るならば、なぜ特別会計ではなく一般会計なんですか。納得できる説明ができますか。
物価高対策が急務なのに、自民党のお家騒動による三か月もの政治空白は断じて許せません。しかし、野党も同罪です。なぜ、八月一日にガソリン暫定税率廃止法案を提出しながら、採決せず、五日間で国会を閉じたのですか。国民民主の玉木代表は、通ってしまうからと本音を漏らしていますが、やはり六月に出した法案は通らない前提だったんですか。これだから、与党も野党も茶番だと言われるんです。参議院選で全ての野党が消費税廃止、減税を公約にしているのに、なぜこの三か月間、消費税の協議をしないんですか。全く理解できません。
総理は、雑誌「WiLL」本年九月号の中でこう述べています。石破総理の我が国の財政状況はギリシャよりもよろしくないとの答弁、この答弁書を書いた財務省に対しては苦言を呈しました。債務だけでなく資産を含めたネットで見ると、日本の財政はG7中二位です。市場の評価もそうなっています。クレジット・デフォルト・スワップ、これは各国の国債の保険料のようなものですが、日本はG7中二位です。自国の通貨を持っていないギリシャの破綻の例や、需要超過の下で更に景気を刺激しようとしたイギリスのトラス・ショックの例を持ち出して危機感をあおる人がいますが、我が国の状況とは全く異なっています。
これらの総理の言葉は、れいわ新選組が主張し、財務省にことごとく否定されてきた考えです。れいわ新選組の主張と財務省の主張、どちらが正しいのでしょうか。
総理が政調会長のときに立ち上げた財政政策検討本部は、昨年六月、提言を出しています。この主要メンバーは、片山財務大臣や城内経済財政担当大臣です。プライマリーバランス黒字化に固執することは断固反対する、建設国債の発行をちゅうちょすべきではない、国債発行は孫子の借金ではない、孫子への貯蓄であるといった提言内容は、れいわ新選組も全く同じ考えですが、総理も同じ考えですか。
自民党議員七十名がメンバーの、責任ある積極財政を推進する議員連盟。松本大臣、城内大臣、黄川田大臣、小野田大臣の四閣僚、及び官房副長官二名、副大臣十四名も顧問やメンバーです。
この議連の昨年五月の提言では、国債六十年償還ルールを撤廃し、歳出から債務償還費を除外すること。財政健全化を叫んで財政を抑えると経済成長を阻害し、かえって財政再建が遅れてしまう。総債務を殊更に強調することは日本の財政状況に対する誤った認識を国民に与え、官僚らが日本国債の信用失墜につながる発言を繰り返すことは過度な円安を招くことから、厳に慎むべきである。バランスシートで見ると、我が国の財政は他国と比較して健全であり、日本国債のクレジット・デフォルト・スワップはドイツに次いで信用がある。この事実が忖度のないマーケットの評価である。などなど、れいわ新選組がこれまで主張してきたことと全く同じですが、総理も同じ考えですか。
多くの国会議員やマスコミが財務省の悪質な印象操作にだまされ、薄っぺらな知識だけで日本財政は破綻寸前などと発言し正義漢面しているのは、国家の財政を企業、家計の財政と混同し、正しい経済学を学ぼうとしない勉強不足が原因と考えますが、いかがですか。
れいわ新選組は、無限に国債を発行できるとは一言も言っていません。当然、上限はあります。それは、日本の供給力、生産能力です。この能力を上回る国債を長期的に過度に発行し続ければ、悪いインフレを招き、経済が混乱します。しかし、今の日本は、むしろ需要が弱く、供給力も十分で、国債発行をちゅうちょするときではありません。今の物価高は、コストプッシュインフレが多分に含まれています。何より、国民生活に密着する業種が過去最多の倒産。むしろ、政府が国内にお金を出して需要を喚起し、日本の供給力を守るべきです。なぜアメリカに八十兆円も投資して、マーケットの円安への不安を無駄にあおるのですか。やっていることと逆じゃないですか。アメリカではなく日本国内に、国民生活と国内生産増強のために、国債発行してください。
一方で、さきの大戦の反省から、戦費調達のために国債を発行することは断じて許されず、防衛国債などあり得ません。自民党は、野党が減税を提案するたびに財源がと騒ぎ立てますが、防衛費増額になると、財源の当てもないままに、防衛費GDP二%引上げを国会の承認も得ずに約束しています。おかしくないですか。
自民と維新の連立合意は、支持率低下が著しい自民と維新が延命するための悪魔合体です。アメリカ、財界の意向を優先し、国民生活は切捨て。気に入らない者はスパイ扱いで弾圧。物価高対策や経済活性化策は具体策ゼロなのに、人々の負担を増やすだけの社会保障改革や戦争準備はやけに具体的です。
医療費削減のためのOTC類似薬の保険外し、病床十一万床削減、高齢者の窓口負担増は論外ですし、緊急事態条項の憲法条文案の国会提出やスパイ防止法の策定なども、言語道断です。何より恐ろしいのは、安保戦略三文書の前倒し改定や抑止力の大幅強化など、戦争への道へ突き進もうとしていることです。
今年二月の予算委員会で、我が党の八幡議員から、原発をミサイル攻撃されたらどうするのかとの問いに、中谷防衛大臣は、イージス艦やPAC3で全て撃ち落とす旨の答弁をしています。日本には六十基の原発があり、中国は二千発のミサイルを持っていると言われていますが、総理は本気で全て撃ち落とせるとお考えですか。防衛費を幾ら増やせば国は守れるんですか。
世界中に核兵器が一万二千発もある時代に、そしてウクライナ戦争のように原発施設が戦場になる時代に、防衛費を増やせば国を守れるという発想こそがお花畑です。自分に向けた核弾頭である原発を一刻も早く廃止し、ミサイルを撃たせない軍縮外交を行うしか、国を守るすべはありません。対米従属一辺倒の外交を改め、ASEAN諸国を見習い、東アジア諸国とより緊密に対話できる関係を築くべきではないですか。
福島原発事故の悲惨さを描いた映画「太陽の蓋」を制作した橘民義さんは、自らが主宰する武蔵野政治塾の講演でこう言っています。あのとき爆発したのは建屋です、原子炉の爆発は奇跡的に防ぐことができた、もし原子炉が爆発していたら東京も人が住めなくなっていた、原発はこの世で最大の損害を与える装置で、一つの事故で国を崩壊させてしまうほどの力を持つのですと。
東日本大震災の十倍以上の被害が想定される南海トラフ地震が起きたとき、原発が安全である保証がありますか。一千四百万東京都民を避難させる計画など作れますか。
なぜ再生可能エネルギーを本気で進めないんですか。メガソーラーなど造らなくても、我が国は、風力、水力、小水力、波力、潮力、地熱、地中熱、バイオマスなどなど、世界でも有数の再エネを生かせる自然環境があります。再エネが進まないのは、原発を動かしたい経済産業省がやる気ないからではありませんか。原発を推進する者にとって、再エネは邪魔でしかありません。再エネを担当する省庁を、原発を推進する経産省ではなく、別の省庁に移管する考えはありませんか。
最後に、万感の怒りを込めて議員定数削減について質問します。
維新の吉村代表や藤田共同代表がどれだけ言い訳をしようが、企業・団体献金禁止に代わる改革ネタであることを馬場顧問が白状しています。議員定数については、本年一月から十会派の代表者が集まって衆議院選挙制度協議会を八回開き、来春までに結論を出すべく協議中です。民主主義の根幹である選挙制度を、与党だけの、しかも過半数にも達しない少数与党だけのエゴで決めていいはずがありません。身を切る改革などと言いますが、比例定数削減で得をするのは自民と維新であり、身を太らせる改革の間違いではありませんか。速やかに維新を説得し、撤回すべきです。
企業・団体献金禁止については、維新は憲法上許される一番厳しい法案を出したと豪語しておりました。実は、れいわの法案の方が更に厳しいのですが、それはさておき、そこまで豪語しておきながら、自民党だけでなく公明党、国民民主党までをも激しく批判していた維新が、いきなり自民党に妥協するのは笑止千万です。
そもそも、政党交付金の導入は企業献金禁止とセットでした。自民党は文書に残っていないなどと言い訳をしていますが、文書になっていなければ何でもありですか。当時、自民党の河野洋平総裁は、企業・団体献金をやらないために政党交付金を導入したと明言しています。私は当時大学生でしたが、はっきり覚えています。コーヒー一杯分、二百五十円は払いたくないけれども、企業献金が禁止されるんだから仕方ないと納得したことを。皆さん、三十年前を思い出してくださいよ。我々はだまされたんですか。企業・団体献金を廃止しないのは、明らかに約束違反ではないですか。
維新の連立入りにより、与党も野党も茶番であることがよりはっきりしました。れいわ新選組が、だるだるにたるみ切った国会に緊張感を与えます。この国のオーナーの皆さん、本気で闘う野党を再編し、本物の政権交代を実現させましょう。れいわ新選組が、何があっても心配するな、そんな国をあなたと一緒につくります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 高井崇志議員の御質問にお答えいたします。
まず、物価高対策としての消費税減税と現金給付についてお尋ねがございました。
内閣としては、物価高対策として、すぐに対応できることをまず優先すべきと考えております。
その上で、消費税率の引下げについて、一定の時間がかかるとの課題にも留意が必要であると考えております。
インボイス制度につきましては、今の複数税率の下では、課税の適正性を確保するために必要であると考えております。
現金給付につきましては、自民党が夏の参議院議員選挙で公約として掲げた給付金について、国民の皆様の御理解が得られなかったことから、御党御提案の現金給付も含め、実施はいたしません。
いわゆる失われた三十年についてお尋ねがございました。
我が国の経済につきましては、一九九〇年代のバブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレにより、企業は賃金を抑制し、消費者も将来不安などから消費を抑制し、結果として、需要が低迷し、デフレが加速するという悪循環が生じたものと認識しております。消費税だけを切り出していわゆる失われた三十年の原因について論じることは、適当ではないと考えております。
また、消費税は、納税者の皆様に御負担をいただく一方で、福祉目的化されて以降、社会保障給付という形で家計に還元されていることにも十分留意する必要があると考えております。
いずれにしましても、高市内閣では、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動することにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がる好循環を実現することにより、不安を希望に変える強い経済をつくってまいります。
消費税収の経理の在り方についてのお尋ねがございました。
消費税収につきましては、消費税法でその使途を社会保障四経費に定めているほか、毎年の一般会計予算総則において、その収入が充てられる経費を明示しております。
その上で、特別会計の新設は抑制すべきだとされている中、一般会計の最大の歳出項目である社会保障四経費が消費税とともに切り出されれば、一般会計による財政の総覧性が失われることから、一般会計で経理してきております。
日本の財政についてお尋ねがございました。
御指摘の石破前総理の御発言は、日本の財政状況について議論する中で、例えば、債務残高対GDP比がギリシャを含めた他国と比べて高い水準にあることを念頭に置いて、日本の財政が厳しい状況にあることについて言及されたものと承知しておりますが、各国の財政状況を比較する際には、様々な指標から多角的に評価する必要があると考えております。
また、トラス・ショックにつきましては、経常収支などについて我が国の状況とは異なっていたものの、どの国においても、一たび経済財政運営に対する信認が損なわれると市場が鋭く反応しかねないという点では、一つの教訓として受け止めております。
この内閣では、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
自民党内の財政に関する提言についてお尋ねがありました。
党による御提言の個々の内容について政府としてお答えすることは差し控えますが、こうした御提言も踏まえつつ、我が国の財政状況については、様々な指標から多角的に評価する必要があると考えております。
その上で、この内閣では、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
我が国の財政状況と財政に関する情報発信についてお尋ねがございました。
我が国の財政状況については、各指標の特徴を踏まえながら、様々な指標を用いて多角的に議論していくことが重要だと考えております。
政府としては、我が国の財政状況について国民の皆様に広く関心を持っていただくことは重要だと思っておりますので、適時適切な情報発信に努めてまいります。
日米の投資イニシアティブ及び国債発行についてお尋ねがございました。
先般合意された日米投資イニシアティブに沿った投資は、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保に向けた協力の拡大や、我が国の経済成長の促進にもつながるものでございます。
本イニシアティブに係る外貨の調達につきましては、民間金融機関及びJBICによる融資等を活用することとしていますが、JBICがその原資として相当規模の外貨を市場調達をすることで外国為替相場の安定に悪影響を及ぼすことがないよう、JBICによる融資の原資の一部については、外為特会が保有する外貨をJBICに貸し付けることといたしております。
また、この内閣においては、強い経済を構築するため、責任ある積極財政の考え方の下、日本の供給構造を強化しながら、戦略的に財政出動を行います。
今後の国債発行については、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保しつつ、経済あっての財政の基本的な考え方の下、今後、取組を進める中で具体的に検討をしてまいります。
防衛費についてお尋ねがございました。
一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国として、主体的に防衛力の抜本的強化を進めます。
そのために、政府として、まずは、現在の取組を加速すべく、現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準について、補正予算と併せて、今年度中に前倒しして措置を講じることといたしました。
令和七年度予算に追加で必要となる経費につきましては、現下の安全保障環境を踏まえれば、例えば、自衛隊の人的基盤の強化、ドローン対処器材の整備などの自衛隊の活動基盤の強化、自衛隊の運用態勢の早期確保などに必要な経費の計上を考えており、これらが一定の額に達するものと見込まれますため、対GDP比二%水準についても、結果として達成するものになると考えております。
なお、前倒しに必要となる予算を手当てする財源につきましては、補正予算の編成において適切に対応するとともに、防衛力の抜本的強化に当たり、国民の皆様の御理解をいただけるよう、一層丁寧な説明に努めてまいります。
また、国会の場でも、政府として、補正予算を提出させていただいた後、しっかりと御説明をいたします。
ミサイル防衛についてお尋ねがありました。
原子力発電所に対する弾道ミサイルによる攻撃に対しては、イージス艦とPAC3を機動的に展開して対応します。
加えて、迎撃能力を更に向上させること、これも重要です。飛来するミサイルを防ぐとともに、反撃能力を保有することにより、ミサイル攻撃そのものを抑止していく考えです。
その上で、一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、来年中の三文書の改定に向け、我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守るため、これまでの取組に加えて何が必要か、検討してまいります。
原子力発電所の廃止及び国の安全保障、並びに東アジア諸国との関係構築についてお尋ねがありました。
電力の需要の増加が見込まれる中、原子力については、安全性の確保と地域の理解を大前提に、最大限活用していきます。
その上で、政府としては、抑止力を維持強化し、安全保障上の脅威に適切に対処していくという大前提に立ちつつ、核軍縮に向けた現実的で実践的な取組を進めてきており、引き続きこれを推進してまいります。
また、東アジア諸国との関係構築につきましては、日米同盟を基軸としつつ、様々な国との連携を深め、重層的な関係構築に取り組み、自由で開かれたインド太平洋を推進するための協力を一層強化していきます。
南海トラフ地震が起きた際の原子力発電所の安全性、避難計画の策定、再生可能エネルギーの推進についてお尋ねがございました。
原子力発電所については、原子力規制委員会の新規制基準に基づく適合性審査において、その立地に応じて南海トラフ地震による揺れや津波の影響も想定した上で審査を行っているものと承知をしています。
原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めない限り原子力発電所の再稼働が認められることはないというのが政府の方針であり、この方針は変わりません。
原子力災害時の避難については、原子力規制委員会が策定した指針において、原子力災害対策を重点的に実施すべき区域を原子力施設からおおむね半径三十キロメートルを目安とするとされており、東京都はその区域に含まれておりません。
再生可能エネルギーと原子力は脱炭素電源として重要であり、二項対立ではなく、これまでどおり、経済産業政策と一体のものとして、共に最大限活用していくのが政府の方針です。
強い経済の実現に向け、引き続き、責任あるエネルギー政策を実施してまいります。
議員定数の削減についてお尋ねがございました。
内閣総理大臣の立場で議論の具体的な方向性についてのコメントは差し控えたいところでございますが、あえて自民党総裁の立場から申し上げますと、先般、自民党と日本維新の会との間で、一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指すとの内容の合意書を交わしました。
議員定数の削減は身を切る改革として重要な課題であると認識しており、合意書の内容を踏まえて取り組む考えです。
具体的な削減案の策定及びその実現に向けましては、できるだけ幅広い賛同を得ることが重要であり、今後、与党内での検討とともに、各党各会派とも真摯な議論を重ねていきたいと考えております。
企業・団体献金を廃止しないのは約束違反ではないかとのお尋ねがありました。
自民党総裁としての立場で申し上げますが、政党助成金を導入した当時、企業・団体献金の禁止がセットであるとの約束があったとは認識しておりません。
企業・団体献金の規制の強化については、憲法と最高裁判例で保障された政治活動の自由にも関わるものであり、その必要性や相当性について慎重に議論する必要があると考えます。
政治資金の在り方については、各党の成り立ちや組織のありよう、規模にも十分留意しつつ、真に公平公正な仕組みとなるよう、不断に検討していくことが重要だと考えております。
この度の連立政権発足に当たっては、自民党と日本維新の会との間で、国民に信頼される政治資金の在り方について幅広く検討していくこととしました。
今後、両党で合意した考え方に沿って検討を進めるとともに、各党との協議を重ね、政治改革の取組を着実に進めてまいります。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
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○副議長(玄葉光一郎君) 田村智子君。
〔田村智子君登壇〕
○田村智子君 私は、日本共産党を代表し、高市首相の所信表明演説に対し質問をいたします。(拍手)
衆議院に続き、参議院でも与党が過半数割れに追い込まれて、初めての国会論戦です。国民の審判をどう受け止めるのか、高市首相の政治姿勢が問われます。
第一に、しんぶん赤旗が暴いた裏金に対する国民の厳しい審判です。
ところが、総理は、所信表明演説で政治と金の問題に一言も触れず、昨日の答弁でも従来の言い訳を繰り返しただけです。国民は、裏金に関わった議員の重用にも、この問題を幕引きすることにも、納得していません。国民にどう説明されるのですか。
その上、維新の会との合意によって、企業・団体献金の扱いも不問に付し、衆議院議員定数削減に問題をすり替える。これでは、政治と金の問題に蓋をするのと同じではありませんか。
もう一つの審判は、消費税の減税です。
物価高騰は止まらず、実質賃金も前年同月を下回り続け、暮らしの苦しさは深刻になるばかりです。それなのに、自民党は減税より給付金だと主張して、参院選で過半数割れとなり、消費税減税を求める議員が国会の多数となりました。総理は、給付金は国民の理解を得られなかったので実施しないと表明された。ならば、国民が求める消費税減税を行うことが民意に応える道ではありませんか。
この三十年間、消費税は三度増税され、法人税は七回も税率が引き下げられ、富裕層への減税と税優遇も続いています。空前の利益を上げる大企業や大資産家には減税、食費さえ切り詰める庶民には消費税の重い負担、この税制の在り方を総理はどう思われますか。大企業には、今よりも税金を負担する力、担税力があると認めますか。消費税の減税で所得の再分配を行うことが必要ではありませんか。
暮らしのためにも、経済のためにも、物価高騰を上回る賃上げが必要です。そして、それは可能です。
財務省の法人企業統計調査によれば、二〇二四年度の労働分配率が五十一年ぶりの低水準となり、特に、大企業の労働分配率は、二〇一二年度の五三・四%から二四年度は三七・四%へと急降下しました。
同じ十二年間で、大企業の純利益は四・六倍、株主配当は二・八倍、大企業の内部留保は、二百兆円以上増え、五百六十一兆円です。働く人が生み出す富が賃上げに回らずに、株主への配当と大企業のため込みに流れている。
総理、労働分配率の急降下は異常だと思いませんか。ここを正すことが大幅賃上げを実現する鍵ではないでしょうか。
大企業の内部留保を賃上げに活用する、そのために、日本共産党は、内部留保の一部に課税して中小企業への賃上げ直接支援に充てることを繰り返し訴えてきました。働く人が生み出した富を働く人の元へ回す、その仕組みをつくることが政治の責任ではありませんか。答弁を求めます。
賃上げとともに、労働時間の短縮が国民の切実な願いです。
日本の労働時間はヨーロッパの国々よりも三百時間も長く、労働組合も、賃上げとともに、生活時間の拡大、自由な時間をと求めています。
ところが、高市総理は、就任早々、労働時間規制の緩和の検討を指示された。経団連が働きたい改革などと労働時間の更なる規制緩和を求めたことに呼応し、長時間労働を強いる労働法制の規制緩和を行おうというものではありませんか。
厚生労働省の資料では、月平均八十時間という残業規制を超えて働きたいという労働者は僅か〇・一%です。それでも規制緩和しようというのですか。
長時間労働による命と健康への被害は、近年、急増しています。過労死対策白書では、精神障害事案の労災保険の請求件数は年々増加しており、特に令和五年度に大きく増加していると指摘。この十二年間では三倍です。
働き方改革といって進めた政策は命と健康を守るものになっていない、事態はますます深刻になっている、総理、この認識がありますか。
健康の問題だけではありません。一日八時間労働でも子育てや介護との両立はぎりぎりで、仕事を辞める、非正規雇用に変わらざるを得ない女性たちが大勢います。まともな生活時間が欲しい、自由な時間が欲しい、これが働く人たちの声であり、日本の経済の大きな課題です。この願いに応えてこそ、消費と需要の活性化にもなるでしょう。
賃上げと一体で労働時間の短縮を、総理、これこそが政府が目指すべき大方針ではありませんか。
医療危機が深刻となっています。病院の六割が赤字、倒産、閉鎖も相次いでいます。総理は、緊急の財政措置を行うと述べましたが、そもそも、これほどの危機がなぜ起きたのか。社会保障抑制政策の下、人件費や物価高騰に全く見合わない診療報酬にとどめてきた、この失策が今日の危機を招いたのではありませんか。
その上、維新の会との合意によって、医療への公費を四兆円も削減したらどうなるか。患者の自己負担は激増し、医療基盤が崩壊しかねないのではありませんか。国民の命を脅かす社会保障切り捨てを、断じて許すわけにはいきません。
日米首脳会談で、総理は、防衛力強化と防衛予算の増額に取り組むと表明しました。トランプ政権がGDP比三・五%という途方もない軍事費の増額を要求している下で、このような表明を行えば、この要求を受け入れることになるのではありませんか。
総理は、会談に先立つ所信表明で、GDP比二%への軍事費増額を二年前倒しで、今年度中に達成すると表明しましたが、選挙で自民党の公約に掲げることさえしていません。なぜ、憲法と平和、暮らしに関わる重大な問題を勝手に持ち出し、対米公約したのですか。国民不在の対米従属外交そのものではありませんか。
総理、一体、軍事費拡大の目標をどこまで引き上げるつもりですか。明確にお答えいただきたい。
異常な軍事費拡大、その目的は、外国を攻撃するミサイルの大量配備、米国からの戦闘機の大量購入など、日米一体で戦争するための準備にほかなりません。
長射程ミサイル配備、大型弾薬庫の建設、戦闘機の大量配備などが進む地域では、住民の不安が高まっています。ミサイル対ミサイル、軍事対軍事の悪循環がエスカレートすることは、むしろ東アジアの軍事的緊張を高め、武力衝突につながりかねません。必要なのは、武力衝突も戦争も起こさないための平和外交です。
中国との関係も、二〇〇八年の日中首脳会談での、互いにパートナーであり、互いに脅威とならないという合意に基づいて、前向きに打開する外交に継続的に取り組むことが大切ではありませんか。総理、お答えください。
今問われているのは、トランプ大統領の下で、アメリカ言いなりでよいのかということです。
沖縄で米兵等による性暴力被害が繰り返されています。米軍の戦闘機やオスプレイの訓練は、市民生活などお構いなしです。市民も自治体も強く抗議し、日米地位協定の改定を要求しています。こうした問題に日米首脳会談で言及しなかったのはなぜですか。
トランプ大統領は、日米首脳会談直後に、核実験の再開を指示したと表明しました。唯一の戦争被爆国として、トランプ大統領に抗議し、核実験をやめるよう要請すべきではありませんか。
また、九月の国連総会の演説で、トランプ大統領は、パリ協定による気候変動対策について、世界史上最大の詐欺と罵倒しました。この発言に、ハリウッド俳優のハリソン・フォード氏が、本当に恐ろしい、世界が地獄へと向かっているというのに信じられないと述べるなど、世界中から厳しい批判の声が起きています。総理は、トランプ大統領のこの発言を容認しますか。
トランプ政権が気候危機打開の国際的な取組を妨害することに、日本政府として、どう対応するのですか。気候危機は日本国民の命にも関わる緊急の課題であり、トランプ大統領の発言をいさめ、妨害をやめさせるべきではありませんか。また、日本自身、温室効果ガス削減目標を大幅に引き上げ、責任を果たすべきではありませんか。答弁を求めます。
人権に関わって、端的に二点お聞きします。
一つは、排外主義を許さないということです。
犯罪や治安の悪化を外国人と結びつける、このこと自体が、深刻な差別と分断を生み、今、日本に暮らす外国の人たちに大きな不安をもたらしています。
総理、こうした主張を政党や政治家が喧伝することによって、外国人への恐怖心や憎悪があおられ、その結果、外国人やそのコミュニティーに危害がもたらされる、このようなことはあってはならないと考えますが、いかがですか。
いま一つは、選択的夫婦別姓です。
総理は、通称使用の法制化を主張し、それぞれの名前での結婚を選択できるようにすることに反対しています。通称使用を徹底しても、自分の名前を変えて結婚することが強制されます。そのことに、多くの人々、特に女性たちが、名前はアイデンティティー、人権だ、名前を変えずに生きていく選択をさせてほしいと訴えているのです。そういう人々に、二つの名前で生きていけというのですか。名前は人格です。自分の名前のままで生活するには、二つの人格を持てということでしょうか。
多様な生き方、多様な家族がそれぞれに幸せを追求できる社会へ、私たちは決して屈することなく歩んでいきます。
最後に、衆議院議員定数削減について述べます。
衆議院の総定数は、既に戦後八十年で最も少ない水準となり、OECD加盟三十八か国中三十六番目の少なさです。議員定数削減の積極的理由や理論的根拠は見出し難い、これが二〇一六年の国会での議論の結論です。こうした経緯を一切無視して、政権与党が、突如、議員定数削減を持ち出すこと自体が大問題です。
しかも、憲法九条改憲、大軍拡、スパイ防止法制定、医療費四兆円削減など、自民、維新の合意を実現する突破口が議員定数一割削減だと維新の会の吉村代表は明言しています。定数削減によって、国民の反対意見を国会から排除して、強権政治を進めるという宣言にほかなりません。
日本共産党は、議員定数削減反対の一点で、広範な世論を結集し、各党会派、議員の皆さんとも共同して、この危険なたくらみを打ち砕くために全力を尽くすことを表明し、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 田村智子議員の質問にお答えいたします。
不記載の問題に関連した国民の皆様への説明についてお尋ねがございました。
自民党総裁としてあえて申し上げますと、自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する問題については、検察による厳正な捜査が行われ、関係議員はそれに対して真摯に対応し、その結果、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきました。また、外部の弁護士を交えた聞き取り調査や当事者自身による会見等での説明など、様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力が進められてきました。その中で、それぞれの議員が丁寧に、真摯に説明責任を尽くしてきたものと考えています。
この問題により政治への信頼を損ねることになったことについては、自民党総裁として、国民の皆様及び同僚議員の皆様に改めておわびを申し上げます。
大切なのは、二度とこのような事態を繰り返さないということでございます。私は、政治と金の問題には厳しい姿勢で臨み、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立してまいります。そして、国民の皆様のために誠心誠意働き、結果を出していけるように取り組む決意でございます。
議員定数の削減についてでございますが、これは、身を切る改革として重要な課題であると認識をしているからこそ取り組んでいるものであります。政治と金の問題に蓋をするとの指摘は当たりません。
いずれにしても、この議員定数の具体的な削減案の策定及びその実現に向けましては、できるだけ幅広い賛同を得ることが重要であります。
今後、与党内での検討とともに、各党各会派とも真摯な議論を重ねていきたいと考えております。
税制の在り方についてお尋ねがありました。
御指摘の富裕層や大企業の税負担の在り方については、これまでも、経済社会の構造変化を踏まえて見直しが進んできております。
その上で、消費税につきましては、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、現役世代など特定の層に負担が集中することがないなどの特徴を有しており、社会保障給付という形で家計に還元されていることにも留意する必要があると考えております。
税制については、今後とも、応能負担を通じた再分配機能の向上などの観点も踏まえながら、また給付つき税額控除も含め、不断に見直しを進めてまいります。
賃上げについてお尋ねがございました。
物価上昇を上回る賃上げを実現するためには、継続的に賃上げできる環境を整えることが政府の役割です。
現在、労働分配率は低下傾向ですが、政府としては、中小企業、小規模事業者の皆様が労働分配率を高めることができるよう、生産性向上支援や更なる取引の適正化等を通じ、事業者の皆様の取組を強力に後押ししてまいります。
なお、内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘もありますことから、慎重な検討が必要であると考えております。
労働時間規制と賃上げについてお尋ねがございました。
働き方改革関連法の施行から五年以上経過したことを踏まえ、現在、厚生労働省の審議会において議論が行われていると承知をしております。
この労働時間規制については、様々な御意見があると承知をしております。
今般、私から、厚生労働大臣など関係大臣に対しましては、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制緩和の検討を行うということについて指示をしたところです。
様々な御意見をお伺いしつつ、働き方の実態とニーズを踏まえ、検討を深めていくべきものと考えております。
また、事業者が継続的に賃上げできる環境を整えるために、生産性向上支援や更なる取引適正化等を通じ、中小企業、小規模事業者の皆様を強力に後押ししてまいります。
病院経営の現況及び三党合意の内容についてお尋ねがありました。
診療報酬の改定は、これまでも社会経済の変化や医療機関等の経営状況、医療保険制度の持続可能性の観点などを総合的に勘案して決められてきました。
その上で、国民の皆様の命を守り、安心して必要なサービスを受けていただくために、経営難が深刻化する医療機関への支援は急を要します。
このため、診療報酬について、賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、診療報酬改定の時期を待たず、経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる措置を講じるなど、スピード感を持って対応します。
また、日本維新の会、公明党、自民党の合意については、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しなどについて迅速に検討を進め、現役世代の保険料負担を抑えるとともに、地域の実情に応じて病床の適正化に取り組むことで、高齢化に対応した医療体制の再構築を図ってまいります。
防衛力強化及び防衛費増額についてお尋ねがございました。
一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守るため、主体的に防衛力の抜本的強化を進めてまいります。
そのために、まずは、現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準を前倒しして措置するとともに、国家安全保障戦略を始めとする三文書改定の検討を開始することとしました。
これらの取組は、我が国自身の主体的判断に基づくものであり、米国の要求を受け入れる、対米従属外交などといった御指摘は当たりません。
また、政府として、今後の防衛力の具体的な内容や、これを実現するための防衛費の水準についても、我が国の主体的な判断の下、具体的かつ現実的議論を積み上げていく考えでございます。
日中関係についてお尋ねがありました。
御指摘の二〇〇八年の日中共同声明は認識しています。
他方、日中間では、尖閣諸島を含む東シナ海での中国によるエスカレーションを始め、我が国として深刻に懸念すべき状況があり、こうした懸案や意見の相違があるからこそ、首脳間で直接かつ率直に会話することが重要です。
先日の習近平国家主席との会談では、戦略的互恵関係の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係の構築という日中間の大きな方向性を確認するとともに、懸案についても議論をいたしました。
大きな方向性に沿って、あらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通をより一層強化し、双方に利益となる協力を進めていく考えです。
日米首脳会談におけるやり取り、核実験や気候変動対策をめぐるトランプ大統領の発言等についてお尋ねがありました。
先日、トランプ大統領と初の対面での首脳会談を行いました。
日米同盟は、日本の外交、安全保障政策の基軸です。同時に、日本は、米国にとり、インド太平洋における不可欠なパートナーであります。
今回の会談では、日米地位協定そのものについては取り上げませんでしたが、幅広い分野で率直な議論を通じて、そうした点についてトランプ大統領と確認するなど、大きな成果を上げることができました。
在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の皆様の御理解と御協力を得ることが不可欠です。
沖縄県を含む基地負担軽減に引き続き取り組みます。
また、御指摘のトランプ大統領による核実験に関する発言は承知しておりますが、かねてから米国とは核軍縮の問題や日本の考え方について緊密に意思疎通してきており、今後もこれを継続してまいります。
さらに、トランプ米国大統領の気候変動に関する発言についても承知していますが、他国の政策について我が国としてコメントする立場にはありません。
いずれにしても、気候変動は人類共通の待ったなしの課題です。
我が国としては、本年二月にパリ協定の一・五度目標と整合的で野心的な新たな温室効果ガス削減目標を国連に提出しており、この目標の実現に向けて政府一丸となって取り組んでまいります。
外国人政策についてお尋ねがございました。
排外主義とは一線を画しつつ、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、政府として毅然と対応し、国民の皆様の不安や不公平感を解消することは、外国人との秩序ある共生社会の実現に必要だと考えております。
旧氏の通称使用についてお尋ねがありました。
政府においては、これまで二十年以上にわたり、旧氏の通称使用の拡大やその周知に取り組んでまいりました。
旧氏の通称使用の法制化につきましては、連立合意の内容を踏まえ、与党と緊密に連携しつつ、必要な検討を進めていく考えでございます。
また、様々な党から国会に提出されている法律案について、その内容につき内閣総理大臣としてコメントをする立場にはございません。
以上です。ありがとうございます。(拍手)
○副議長(玄葉光一郎君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
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○副議長(玄葉光一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後四時四十七分散会
――――◇―――――
出席国務大臣
内閣総理大臣 高市 早苗君
総務大臣 林 芳正君
法務大臣 平口 洋君
外務大臣 茂木 敏充君
財務大臣 片山さつき君
文部科学大臣 松本 洋平君
厚生労働大臣 上野賢一郎君
農林水産大臣 鈴木 憲和君
経済産業大臣 赤澤 亮正君
国土交通大臣 金子 恭之君
環境大臣 石原 宏高君
防衛大臣 小泉進次郎君
国務大臣 あかま二郎君
国務大臣 小野田紀美君
国務大臣 城内 実君
国務大臣 黄川田仁志君
国務大臣 木原 稔君
国務大臣 牧野たかお君
国務大臣 松本 尚君
出席内閣官房副長官
内閣官房副長官 尾崎 正直君
出席政府特別補佐人
内閣法制局長官 岩尾 信行君

