第4号 令和7年11月26日(水曜日)
令和七年十一月二十六日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 階 猛君
理事 木原 誠二君 理事 高見 康裕君
理事 武村 展英君 理事 有田 芳生君
理事 寺田 学君 理事 米山 隆一君
理事 池下 卓君 理事 円 より子君
井出 庸生君 伊藤 忠彦君
稲田 朋美君 上川 陽子君
小泉 龍司君 河野 太郎君
高村 正大君 寺田 稔君
平沢 勝栄君 本田 太郎君
宮路 拓馬君 森 英介君
鎌田さゆり君 黒岩 宇洋君
篠田奈保子君 柴田 勝之君
藤原 規眞君 松下 玲子君
山 登志浩君 藤巻 健太君
三木 圭恵君 小竹 凱君
平林 晃君 山口 良治君
本村 伸子君 吉川 里奈君
島田 洋一君
…………………………………
法務大臣 平口 洋君
内閣府副大臣 鈴木 隼人君
内閣府副大臣 津島 淳君
法務副大臣 三谷 英弘君
外務副大臣 堀井 巌君
厚生労働大臣政務官 神谷 政幸君
最高裁判所事務総局刑事局長 平城 文啓君
最高裁判所事務総局家庭局長 馬渡 直史君
政府参考人
(内閣官房外国人との秩序ある共生社会推進室室長代理)
(出入国在留管理庁次長) 内藤惣一郎君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 由布和嘉子君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 服部 準君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 松田 哲也君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 鈴木 敏夫君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 源河真規子君
政府参考人
(法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 滝田 裕士君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 堤 良行君
政府参考人
(法務省大臣官房司法法制部長) 内野 宗揮君
政府参考人
(法務省民事局長) 松井 信憲君
政府参考人
(法務省刑事局長) 佐藤 淳君
政府参考人
(外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官) 三宅 史人君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 橋爪 淳君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 伊澤 知法君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 蒔苗 浩司君
政府参考人
(国土交通省物流・自動車局次長) 久保田秀暢君
法務委員会専門員 三橋善一郎君
―――――――――――――
委員の異動
十一月二十六日
辞任 補欠選任
高村 正大君 本田 太郎君
同日
辞任 補欠選任
本田 太郎君 高村 正大君
―――――――――――――
十一月二十五日
選択的夫婦別姓制度を直ちに導入することを求めることに関する請願(津村啓介君紹介)(第六四号)
性虐待・性搾取等子供への性加害を根絶するため関係法規の更なる改正とサバイバーの声を生かした施策強化に関する請願(大河原まさこ君紹介)(第九二号)
治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(高松智之君紹介)(第一一三号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
――――◇―――――
○階委員長 これより会議を開きます。
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房外国人との秩序ある共生社会推進室室長代理兼出入国在留管理庁次長内藤惣一郎君外十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○階委員長 次に、お諮りいたします。
本日、お手元に配付いたしておりますとおり、最高裁判所事務総局刑事局長平城文啓君外一名から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○階委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高村正大君。
○高村委員 おはようございます。自由民主党の高村正大であります。
それでは、まず、法務省が力を入れて推し進めている司法外交について伺いたいと思います。
法務省ではこれまで、日本が法の支配を浸透させる中心的な役割を果たすべく、様々な形で司法外交を推し進められてこられたと承知をしております。私自身、法務副大臣として、ASEANの会議でマレーシアを、APECの会議で韓国を訪問して、それぞれの会議に出席するなどして司法外交の推進に取り組みました。
そして、先日、大臣は早速、フィリピンで開催されたASEANの会合に御出席になったと伺いました。
そこで、まず、現在法務省が取り組んでいる司法外交について、その意義や施策の内容を法務大臣に伺います。
○平口国務大臣 お答えいたします。
司法外交とは、法の支配や基本的人権の尊重といった価値を日本から世界に発信し、国際社会に浸透させていくための取組でございます。法の支配は、全ての人がルールの下で安全、安心に暮らせる社会を実現するためにも重要であり、司法外交を推進することには大きな意義があるものと考えております。
司法外交の主な施策としては、京都コングレスなどの国際会議の開催とその成果の具体化、戦略的司法対話の実施等を通じたパートナー国との連携強化、法の支配等の価値の定着に向けた積極的な法制度整備支援の推進などがございます。
法務省といたしましては、これらの施策を通じて、全ての人がルールの下で安全、安心に暮らせる社会の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
○高村委員 ありがとうございます。
ただいまの答弁で京都コングレスへの言及がありました。来年、二〇二六年には、次のコングレスがアラブ首長国連邦のアブダビで開催予定と聞いています。同国との関係では、今年の九月、法務副大臣であった私は、大臣政務官であった神田先生とともに同国から招待を受けて、関西万博の同国ナショナルデーイベントに参加をいたしました。
京都コングレスの成果の具体化として、保護司について言及されている再犯防止国連準則の策定が進んでいたと承知していますが、その進捗とアブダビ・コングレスに向けた意気込みについて、法務副大臣に伺います。
○三谷副大臣 お答えいたします。
京都コングレスでは、その成果文書である京都宣言に再犯防止施策の充実について詳細な記載が設けられるなど、この分野に対する各国の高い関心が示されたところです。これを踏まえて、我が国は再犯防止国連準則の策定を主導してきておりまして、この準則は年内にも国連総会で採択される見込みとなっております。
国連準則とは、各国における立法や施策の立案、実施の際に参照されることを通じ、各国の施策の充実に重要な役割を果たすものでございます。この再犯防止国連準則には、約百三十年の歴史を有する保護司制度について、アルファベットでHOGOSHIの文言が明記されております。また、同制度等の我が国が誇る官民連携やマルチステークホルダー・パートナーシップ、すなわち多機関連携による再犯防止の知見が盛り込まれております。
来年開催されるアブダビ・コングレスにおいては、こうした成果も踏まえた取組を紹介するなどし、今後も、各国における再犯防止施策の充実に向け、日本がリーダーシップを発揮してまいりたいと考えています。
○高村委員 副大臣、ありがとうございました。
ただいまの御答弁で、コングレスなどの大きな国際会議等のマルチの場面においてリーダーシップをしっかりと発揮していくことが重要だという話がありました。
それに加えて、いわゆるバイ、つまり、パートナー国や地域との関係を強化していくことも重要であると思います。私自身、日本・太平洋島嶼国経済フォーラムに出席するなどして、太平洋島嶼国との関係強化に努めてまいりました。
そこで、今後、どのような国や地域と関係を強化する必要があるとお考えでしょうか。法務副大臣に伺います。
○三谷副大臣 お答えいたします。
司法外交を戦略的に推進する上では、今委員が御指摘いただきましたとおり、法の支配等の価値を共有するパートナー国や地域との戦略的な連携強化は極めて重要でございます。
高村委員も、先ほどお話しいただきましたとおり、副大臣時代にASEANやAPECなどにも出席をされただけではなく、太平洋島嶼国との関係強化にも取り組まれていただいたというふうに承知しております。
私自身も、パートナー国との関係強化という点では、先日、ベトナムを訪問させていただいて、法制度整備支援に関する高官会議に出席し、日本とベトナムの間の新たな協力関係の在り方等について意見交換を行い、関係の深化に取り組んできたところでございます。
法務省では、これまで法制度整備支援等を通じて緊密に協力してまいりましたASEAN諸国に加えて、太平洋島嶼国や中央アジア諸国との関係も強化すべく、法務、司法分野において継続的に政策対話を行うものとして、戦略的司法対話を実施しております。さらに、中央アジアとの関係では、来年度、中央アジア諸国と日本の法務大臣会合を開催すべく、準備を進めております。
今後も、法の支配や基本的人権の尊重といった価値を共有するパートナー国や地域との関係強化をしっかりと進めたいと考えております。
○高村委員 外交関係について、最後に大臣に伺いたいと思います。
先ほどの答弁にもありましたが、長年にわたり友好協力関係を築いてきたASEAN諸国との関係では、大臣は先日、フィリピンに出張して、ASEAN法務大臣会合に出席されました。この会合の成果や、今後のASEANとの関係強化に向けた意気込みについて、大臣に伺いたいと思います。
○平口国務大臣 お答えいたします。
先日私が出席した日・ASEAN法務大臣会合は、閣僚レベルで定期的に対話を行うものでありまして、この会合では、日・ASEAN間の法務、司法分野における協力関係を更に強化していくことを改めて確認をいたしました。
この会合では、私から新たに、日・ASEAN再犯防止協力対話の実施を提案し、ASEAN諸国から賛同する意見が相次ぎました。この再犯防止協力対話の実施により、ASEAN地域における再犯防止施策の充実に貢献してまいりたいと考えております。
ASEANとの間では、再犯防止のほかにも、法務、司法分野で協力して取り組むべきものは数多くあり、今後もますます連携協力関係を強化してまいりたいと考えております。
○高村委員 ありがとうございます。
続いて、裁判員裁判における刺激証拠の問題について取り上げたいと思います。
刺激証拠という言葉は余り聞きなじみのない言葉だと思いますが、先日都内で開催された、犯罪被害者支援弁護士フォーラムと日本法医病理学会の共催によるシンポジウムの報道でも取り上げられ、改めて注目をされております。皆様のお手元には、資料として同シンポジウムのパンフレットをお配りさせていただいておりますので、御覧になりながらお聞きいただければと思います。
刺激証拠というのは、被害者の御遺体の写真や血のついた凶器等といった、文字どおり刺激的な証拠を指しているようですが、問題は、現在の裁判員裁判において、こうした客観的な証拠がほとんど証拠採用されておらず、裁判員のみならず、一般に審理を行う職業裁判官ですらそうした証拠を見ずに判決が下されているとのことであります。
このシンポジウムには、御家族を犯罪により亡くされた御遺族の方もVTRで登場いたしました。御遺族によると、被害者の方は、ゴルフクラブで複数回にわたって頭部、顔面を強打されて亡くなりました。被告人は裁判で、強く殴っていないなどと主張して殺意を否認していましたが、裁判所は、御遺体の写真を証拠として取り調べず、イラストを取り調べ、結果として殺意を認定せず、殺人罪の成立を認めなかったとのことであります。これに対し、御遺族はVTRの中で、遺体の写真を見れば被告人の主張と合致しないことはすぐに分かったはずだなどと述べられたとのことです。
そこで、法務省にお伺いいたしますが、先ほど述べたシンポジウムで指摘されたように、裁判員裁判において、被害者の御遺体の写真や血のついた凶器などの客観証拠が、いわゆる刺激証拠という名の下にほとんど証拠採用されていないという問題について認識をされていますでしょうか。よろしくお願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの刺激証拠という用語については、法令上の用語ではありませんので、どのような証拠が刺激証拠に該当するかについて統一的な見解は存在していないものと承知しております。
その上で申し上げますと、近時、裁判員裁判におきましては、被害者の御遺体の写真や凶器等のほか、被害者のけがの写真や犯行時に録音された音声、犯行現場の防犯カメラ映像なども含めた広範な証拠が、いわゆる刺激証拠ということで証拠として採用されにくい傾向にあるとの指摘があることは承知しております。
○高村委員 ありがとうございました。
今お答えいただいたこうした現状に対して、検察ではどのように対応しているのかについても教えていただけますか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
一般に、写真や証拠物などといった客観証拠は、それ自体によってありのままの事実を証明でき、それから供述証拠の裏づけともなるものでありまして、犯罪事実や情状事実の立証にとって極めて重要でございます。
その上で、検察当局におきましては、御遺体の写真や凶器、犯行時の音声や映像などの客観証拠について、個別の事案に応じて、裁判員に与える心理的負担の観点にも配慮しつつ、事案の真相を明らかにするという刑事訴訟法の目的や刑事裁判における事実の認定は証拠によるとされていることを踏まえながら、立証すべき事実との関係でこれを取り調べる必要があると認められる場合には、当該証拠が適切に採用されるよう裁判所に求めるなどの対応に努めているものと承知しております。
○高村委員 ありがとうございます。
個別の事件についてではなく、あくまで一般論として私の意見を申し上げますと、刑事裁判の目的は事案の真相を明らかにすることにあり、そのために必要な証拠がいわゆる刺激証拠の名の下に取り調べられないということは、刑事裁判が真相解明のためにあるということをないがしろにしかねないものだと思います。
先ほども申し上げたとおり、特に御遺体や犯行現場といった、ありのままの真実を知ることのできる客観的証拠は極めて重要なものであると思います。他方で、裁判員の方々の精神的負担を軽減することにも十分配慮する必要があるわけでありますが、それは、必要な証拠の取調べを制限することによってではなく、例えば、裁判員に証拠を見せる際の事前の説明やアナウンスであったり、証拠を見た直後に裁判員同士で自身の心情を打ち明け合うなどの事後的なメンタルケアなどを駆使して行うべきだと思います。
このように、証拠として必要なものを取り調べていくことを前提に裁判員の負担にも配慮していくことが大切だと思いますが、この点、法務大臣、どのようにお考えでしょうか。お願いいたします。
○平口国務大臣 お答えいたします。
委員の御指摘のとおり、刑事訴訟の目的は、事案の真相を明らかにしつつ、刑罰法令を適正迅速に適用実現することにあり、裁判員が参加する刑事事件においてもそのことは同様であるから、いわゆる刺激証拠の問題を考えるに当たっても、このような刑事訴訟の目的が十分に果たされるようにしつつ、裁判員の精神的負担へのケアを考えていく必要があると思われます。
個別事件における裁判所の判断についてではなく、一般論として申し上げますと、事案の真相を明らかにするため、必要な証拠が公判廷に顕出され、それにより適正な事実認定や量刑判断が行われることで刑事訴訟の目的が果たされるものと考えております。
私自身、今後も引き続き十分な関心を持って裁判員裁判の運用状況を見守ってまいりたいと考えております。
○高村委員 ありがとうございます。
刑事裁判においてどのような証拠を取り調べるか、また裁判員に対してどのようなケアを行うかといった事柄は裁判所において判断すべき事柄だと思いますが、裁判員裁判が適切に運用され、刑事裁判の目的が十分に果たされるよう、法務省ではこれからもしっかりと運用を見守っていただきたいと思います。
入管に関しても質問を用意していたんですが、時間でございますので、これで終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○階委員長 次に、山登志浩君。
○山委員 おはようございます。立憲民主党の山登志浩です。
法務委員会で初めて質疑をする機会を与えていただきました。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
早速質疑をさせていただきます。
刑事事件における取調べの全件、全過程の可視化を目指して質疑をいたします。
我が国は、捜査機関が一般の市民を長時間取調べ室に留め置き、心証に沿う供述を得ることを目的とした取調べが長年行われてきました。その過程では、不利益の告知や精神的圧迫を伴う言動が用いられ、違法、不当な取調べが冤罪の温床となってきました。
二〇一六年の刑事訴訟法改正により、裁判員裁判対象事件などで取調べの録音、録画が義務化をされましたが、対象は推計で全体の数%にとどまっており、警察は対象外の事件の可視化を事実上拒否し、検察も一部の試行にとどまっております。
刑訴法の改正後も、プレサンス事件や大川原化工機事件など冤罪事件が後を絶ちません。虚偽供述の強要や黙秘権を侵害する取調べが発覚し、録音、録画をしていても違法な取調べが行われています。さらに、無罪を主張する被告人を長期間勾留するいわゆる人質司法や、証拠開示の遅延、不十分さも改善されておりません。
法務省の改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会は、今年の七月に報告書をまとめ、録音、録画の対象拡大など、制度改正に向けた検討を政府に求めましたが、法務省主導の、法務省の事務局の主導の検討体制の下で、実現の時期や範囲は依然不透明でございます。刑事司法の信頼回復のためには、全ての事件において、逮捕、勾留されている被疑者はもとより、在宅の被疑者や参考人を含め、取調べの全過程の録音、録画を義務づける法改正が不可欠であります。
以上の問題認識の下で、法務大臣に幾つかお尋ねをいたします。
一点目、現在の取調べの実態を大臣はどの程度把握されておりますでしょうか。昨今問題視されたような冤罪事案に象徴される取調べが果たして適切なものとお考えなのでしょうか。いかがでしょうか。
○平口国務大臣 お答えいたします。
近時、国会等の場において、検察の活動、特に取調べが適正に行われていないのではないかとの厳しい指摘がされているものと承知をいたしております。
個別の事案に関わる事柄について法務大臣として所感を述べることは差し控えますが、一般論として申し上げれば、取調べを含め、検察の捜査、公判活動が適正に行われなければならないということは当然なことでございます。
「検察の理念」においても「取調べにおいては、供述の任意性の確保その他必要な配慮をして、真実の供述が得られるよう努める。」などとされているところであります。
検察の活動は国民の信頼の上に成り立っており、検察権の行使の適正さに疑いが生ずるようなことがあれば検察の活動の基盤を揺るがしかねないものでございます。
個々の捜査、公判活動が適正に行われるべきことについて、まずは検察当局において適切に対応していくものと承知しておりますが、私も法務大臣として検察の活動を注意深く見守っていきたいと考えております。
○山委員 録音、録画が義務化をされて以降も、残念ながら、冤罪事件が発生をしておりますし、違法な取調べ、非常に威圧的な取調べも問題視をされています。
昨日の夜、私は、ちょっと妻と一緒に、ユーチューブに公開をされている違法な取調べの事案の音声を聞きました。三重県鳥羽警察署事件と言われるものでありまして、これは結果的に被疑者は不起訴になっておりますし、在宅の事件で対象外のため録音はございませんが、被疑者が独自に多分ICレコーダーですとかスマホで録音していたということから発覚をしているということで、裁判にもなっております。損害賠償も命じられておりますけれども、その中で、おまえというような言葉を使っているんですよね。
あるいは、プレサンス事件の関係被疑者に対する取調べもネット上で公開をされておりますが、これは義務化の対象で、検察による録画がある中でですけれども、なめんなよとか、ふざけんなと、非常に汚い言葉で被疑者を威圧しております。
幾ら被疑者という立場であっても人権が保障されなければなりませんし、そういう状況の中で、非常に閉鎖的な状況の中でこんなことがまかり通ってしまっているんですよ、残念ながら、許し難いことですけれども。
妻に感想を聞きましたら、私だったら、やっていなければやっていないと言うし、もっと強く主張するし、おまえなんて言われる覚えはないというふうに、ぎゃふんといってやるというようなことを言っていましたが、普通の、今、平場でそういうふうに考えるかもしれませんけれども、いざ、突然被疑者にされ得るということも実はあるわけですよね、数々の冤罪事件で。
大臣、個々の事件のことはなかなか立ち入って発言できませんけれども、おまえとか、ふざけるなとか、このやろうだとか、本当に汚い言葉ですけれども、こうしたことは絶対許されないというメッセージを、感想で結構ですから、発していただけませんか。
○平口国務大臣 お答えをいたします。
取調べにおける個々の言動については、一連一体となる前後のやり取りなども踏まえ、全体としてその当否が判断されるべきものと思われますが、一般論として申し上げれば、相手方を威圧するような取調べは差し控えるべきものと承知をいたしております。
○山委員 全体を見てとおっしゃいましたけれども、部分だけでも駄目ですよ、おまえとか、そんな言葉を使ったら。きちっとした供述を得られないですよ。そこははっきりと述べていただけませんか。
○平口国務大臣 一般論として申し上げれば、相手方を威圧するような取調べは差し控えるべきものと承知をいたしております。
○山委員 おまえという言葉自体、平場で親しい間柄であれば、それは個人のプライベートな話ですけれども、これは被疑者ですよ。場合によっては、国家権力によって身柄を拘束されて、その供述を基に有罪ということだってあり得るわけで、絶対に駄目だということを、一言でもいいから、大臣から発していただけませんか。
○平口国務大臣 同じ答えになりますが、一般論として申し上げれば、相手方を威圧するような取調べは差し控えるべきものと承知をいたしております。
○山委員 こういう答弁の独特な用語はあるかもしれませんけれども、差し控えるんじゃなくて、絶対駄目だということを私は言ってほしい、そのことを強調しておきます。
裁判員裁判もそうですけれども、この間の刑事司法に関わる問題というのは、やはり市民の感覚から離れたところで行政が行われているということが問題視されてきたわけで、やはり市民の感覚というものを法曹界、刑事司法の場にもしっかりと反映させていかなきゃいけないということを強く私は主張したいと思います。
その上で、厚労省の村木厚子さんの事件を契機に、二〇一一年、検察の在り方検討会議から、「検察の再生に向けて」という提言が発せられております。ここの中に書いているものを幾つか引用いたしますが、有罪判決の獲得のみを目的としてはならないですとか、検察に批判的な外部の有識者等による辛口の研修を実施するなど教育、研修の充実を図る、あるいは女性幹部の登用を図るですとか、検察組織の不断の見直しでありますとか、引き返す勇気を実効化させるといった、当然いいことですけれども、これは当たり前のことです。
こういったことを書かれていますけれども、あれから十年の時を経過していますが、検察は本当に再生したと断言できますか。こうした約束というのは完全に履行されていますか。いかがですか。
○平口国務大臣 御指摘の提言において、検察の再生とは、古きよき検察への郷愁と回顧ではなく、社会に目を向け、検察の果たすべき使命、役割等を問いただすことであるとされているものと承知をいたしております。
そこで、検察当局においては、提言等を踏まえ、検察職員が職務を遂行するに当たって指針とすべき基本的な心構えを定めた基本規程である「検察の理念」の策定及びその浸透、実践、取調べの録音、録画の試行拡大、最高検監察指導部の設置等、違法、不適正行為に対する監察体制の構築など、提言によって求められた検察の再生のための各種取組を推進するとともに、その進捗状況について適時適切に公表するなどとしております。
私としても、検察当局において引き続き、検察の再生に向けて進められてきた各種取組を着実に実践し、適正な検察権行使の確保に努めていくことが肝要であると考えております。
○山委員 この提言を受けていろいろやってきたというような趣旨の答弁はありましたけれども、残念ながら、不祥事ですとか冤罪事件も発生してしまっているわけで、不断の見直しですとか、やはり緊張感を持って不断の改革をやっていただかなきゃいけないわけですが、今答弁の中の一つにございました可視化でございます。
この検察への提言にも記載がございましたけれども、可視化条項が二〇一六年の刑訴法の改正で新設をされたわけですけれども、こうした経緯と昨今の冤罪事件を踏まえて、可視化そのものや可視化を拡大すべきだという訴えをどのように大臣は認識しておりますか。お聞かせください。
○平口国務大臣 平成二十八年の刑事訴訟法の改正によりまして、裁判員制度対象事件及び検察官独自捜査事件については、逮捕、勾留されている被疑者の取調べの録音、録画が法律上の義務とされたところでございます。
この制度の趣旨、目的は、被疑者供述の任意性等についての的確な立証を担保するとともに、取調べの適正な実施に資することを通じて、より適正、円滑かつ迅速な刑事裁判の実現に資することにあると考えております。
○山委員 なかなか質問と答弁がかみ合わないんですけれども。
具体的に伺います。
可視化の現状を大臣はどの程度御認識でしょうか。義務づけ対象というのは全体の公判請求されたものの数%にすぎないわけです。あと、知的障害の方とか精神障害の方への捜査では可視化が実施されていると伺っておりますけれども、この点、警察ではほとんど、義務化された以外のものは可視化をされていません。この状況をどのように認識しておりますでしょうか。
○平口国務大臣 お答えいたします。
検察当局においては、特捜部において被疑者を逮捕した事件による取調べや、知的障害のある被疑者等に対する取調べの録音、録画の施行を開始したものと承知しております。
また、検察当局においては、平成二十八年の刑事訴訟法改正により義務づけられた事件の取調べの録音、録画に加え、取調べを録音、録画することの有用性や問題点も踏まえ、事案の内容や証拠開示等に照らし、被疑者等の取調べを録音、録画することが必要であると考えられる事件については、その運用により積極的に録音、録画を実施してきたものと承知しております。
○山委員 今これは現状の御報告でありまして、日弁連さんの推計などによると、全体の数%、三%未満だというふうに言われていますし、警察では義務化されているもの以外は全くやっていないわけですよ。この点についての認識はどうかということをお尋ねしたいんです。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
まず、事実関係について申し上げますと、先ほど大臣が申し上げたとおり、検察当局におきましては、令和六年度に取り扱った身柄事件の被疑者の取調べのうち約九九%について録音、録画を実施しているところであると承知しております。
加えまして、検察当局においては、取調べの適正確保に資する取組の一つとして、本年四月一日から、一定の在宅事件の被疑者の取調べについても録音、録画の試行を開始したものと承知しているところでございます。
済みません、まずは事実関係だけお答えさせていただきました。
○山委員 じゃ、その上で、大臣、今の答弁を聞いて何か、答弁いただきたい。
○平口国務大臣 ただいま刑事局長が答弁したとおりでございます。
○階委員長 大臣、質問をちゃんと聞いて。
もう一回お願いします。
○山委員 今の政府参考人の答弁を受けて、警察、検察、この全体における可視化の状況をどう認識されているか、改めてお尋ねいたします。
○平口国務大臣 試行錯誤を重ねながら、努力を続けているものと考えております。
○山委員 政府参考人にお尋ねしますけれども、警察のこの実施状況をもう少し詳細に説明いただけませんか。
○松田政府参考人 お答えいたします。
警察においては、刑事訴訟法で定められた制度対象事件の録音、録画に加えまして、犯罪捜査規範に基づき、被疑者が精神に障害を有する場合の取調べについても、必要に応じて録音、録画するよう努めなければならないとしております。
令和六年度中においては、裁判員裁判対象事件等に係る取調べの録音、録画は三千七百九十九件、精神に障害を有する被疑者に係る取調べの録音、録画は一万三千百三十七件実施したところであります。
また、そのほかの事件についても、通達において、任意事件の取調べを含めまして、必要に応じて録音、録画を実施することができるとしております。
近年の任意の取調べの録音、録画実施件数を申し上げると、令和五年度中は二十都道府県警察において五十件、令和六年度中は十七都道府県警察において五十三件実施したところであります。
○山委員 義務化されているものをやるのはこれは当たり前で、それ以外のものについてもやはり問題があるのでやりなさいという趣旨で私は質問しているわけですし、全国の警察の取調べ室、一万二千ほどある中で、四千ほどの取調べ室にカメラ、録音、録画の装置がついているわけですので、その五十件とか四十何件だとか、これでは全然足りないし、やっていることにはならないということを申し上げておきます。
その上でお尋ねをいたしますが、先ほど取り上げた法務省の在り方協議会で、二〇二二年から三年間議論してきましたが、今の答弁にもありましたように、可視化に向けた具体的な道筋は全然示されていないわけでありまして、取調べの録音、録画の対象範囲の拡大を含む制度の改正や運用の見直しについては、新たな検討の場を設けて、具体的な検討を行うなど、所要の取組を推進することを期待したいということで、結論が出ていないわけですね。
じゃ、これから検討の場は設けられるのか、いつから議論するのか、その会議体のメンバーをどうするのか、会議を公開するかどうかですとか、冤罪事件の被害者や代理人の弁護士などを会議体のメンバーに加えるべきではないか。この点について、大臣の見解をお尋ねいたします。
○平口国務大臣 録音、録画について協議会で取りまとめましたけれども、その取りまとめにおいては、取調べの録音、録画の拡大や、そのほか刑事手続における新たな制度の導入等について、新たな検討の場を設けるなど、所要の取組を推進することを期待したいとされたところであり、法務省としては、同協議会の取りまとめの結果を踏まえ、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
○山委員 何も、ゼロ回答なんですよ。いつ頃からやるのかとか、少なくとも人選をしっかりして、関係者の方を入れるとか、そういったことを答弁していただきたいんですが、いかがですか。
○平口国務大臣 お尋ねの点については、現時点において検討中であることから、いずれもお答えすることは困難でございますが、取りまとめ結果も踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○山委員 もう早くやっていただきたいし、スピーディーに対応していただかなきゃ困るんですよ。冤罪事件というのは、今、現在進行形の問題です。こうした問題、先日も大川原化工機の事件がございましたけれども、こうした問題をずるずるずるずる引きずると、国民の刑事司法に対する信頼が失われますし、もう既に失われているんですよ。この状況を重く受け止めていただきたい、そのことを強く申し上げて、次の質問に移ります。
関連しまして、取調べへの弁護人の立会いについてお尋ねをいたしますが、刑事訴訟法におきましては、弁護人の立会いを明確に規定している条文はございませんが、逆に、別の言い方をすると、弁護人の立会いを禁止している条文もないわけでございますので、弁護人の立会いを妨げる事情は何ら存在しないものと考えております。
ところが、検察段階の取調べにおいては、弁護士の立会いが実施された事例は、日弁連の調査等によっても一件も報告がございませんでした。しかしながら、違法な取調べの言動が国賠訴訟などでも明らかになっておりますので、弁護人の立会いが望ましい事件が一定程度存在するものと私は認識をしております。
そこで、お尋ねいたします。
警察庁及び法務省は、弁護士の立会いの実施件数を把握しておりますか。それ以外に、弁護士等から立会いの申入れですとか要請があったのか、あるいはお問合せがあったのか、件数は分かりますか。
○松田政府参考人 お答えいたします。
警察庁においては、都道府県警察における取調べへの弁護人の立会いについて統計を取っておらず、その件数や内容については把握しておりません。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの件数につきましては、法務省として網羅的、統計的に把握しておりませんので、具体的な事例についても承知していないところでございます。
○山委員 まず、統計をしっかり取ってください。
その上で質問しますが、令和三年五月二十四日付で警察庁刑事局刑事企画課刑事指導室長から全国の警察の刑事部長等に宛てまして、「取調べにおける弁護人の立会い申出への対応について」という指導連絡の文書が発出をされております。
その中の一文を読み上げますが、「取調べにおける弁護人の立会いについては、その必要性と捜査への影響等を総合的に勘案しつつ慎重に検討する必要があることから、警察署に対して、弁護人等から立会いの申出等があった場合には、警察署独自で判断させることなく、警察本部への報告を求め、組織的に対応するよう徹底されたい。」というふうに記述をされています。
こうした通知を出して把握しようとしているのに、実際、していないのですか。本当はしているんじゃないですか。なぜしていないんですか。警察にお尋ねします。
○松田政府参考人 お答えいたします。
取調べへの弁護人の立会いについては、御指摘のように、その必要性と捜査への影響等を総合的に勘案し、都道府県警察において組織的に検討の上、対応がなされているものと承知しておりますが、現時点において、警察庁においては網羅的に件数等を把握すべき必要性はないと考えております。
○山委員 四十七都道府県の警察本部に大至急問い合わせて、きちっと法務委員会に報告していただけませんか。
委員長、よろしくお願いします。
○階委員長 質問してください。
○山委員 どうですか、やっていただけますか。
○松田政府参考人 お答えいたします。
繰り返しになりますが、現時点、都道府県警察において組織的に検討の上、対応がなされているものと承知しておりまして、網羅的に件数等を把握するべき必要性はないものと考えております。
○山委員 通知を出して、こういうふうにやりなさいという指導をしているわけで、きちっと全国の警察を指導して監督しなきゃいけないわけですから、きちっと把握してください。
なぜできないんですか。なぜする必要がないんですか。こういう文書を出しているわけですよね。必要性はあるんじゃないですか。
○松田政府参考人 お答えいたします。
警察庁においては、全国警察における斉一性を確保する観点から、警察署に対して、弁護人等から立会いの申出等があった場合には、警察署独自で判断させることなく、警察本部への報告を求め、組織的に対応するよう都道府県警察を指導してきたところでございまして、引き続き、このような必要な指導を行ってまいりたいと考えております。
○山委員 だからこそ把握できるのではないかということと、斉一性という、これがちょっと私は理解できないわけです。
この文書も、受け止め方によっては、弁護士の立会いは余り認めない方がいいというふうにも見えるんですよ。
今すぐ答えられないのであれば、きちっと、後刻理事会に報告してください。いかがですか。
○松田政府参考人 現時点、統計的な必要性がないと考えておりますが、検討させていただきます。
○山委員 きちっと報告してください。この点、是非お取り計らいをお願いいたします。
○階委員長 後刻、理事会で協議します。
○山委員 時間がなくなってまいりましたので、次に進みますけれども、この取調べへの弁護人の立会いの明文化、法律への明記を検討すべきではないか。大臣にお尋ねいたします。
○平口国務大臣 お答えをいたします。
被疑者取調べへの弁護人立会いについては、様々な御議論があることは承知しております。
被疑者取調べへの弁護人立会いの制度化については、以前、法制審議会において議論されたものの、証拠収集の方法として重要な機能を有する取調べの在り方を根本的に変質させて、その機能を大幅に損なうおそれが大きいなどの問題点が指摘され、法整備の対象とされなかったものと承知しております。
また、近時、法務省で開催した改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会においても議論が行われましたが、必要な説得、質問を通じて被疑者からありのままの供述を得ることはおよそ期待できなくなるなど指摘され、法整備を行う方向性は示されなかったものと承知をいたしております。
したがいまして、現時点において、被疑者取調べへの弁護人立会いを制度化することについては慎重な検討を要すると考えております。
○山委員 冤罪が起きて問題になったから録音、録画が始まった。でも、その後も、残念ながら、許し難いことですけれども、冤罪事件が少なくない件数、発生をしている。だから、明文化ということを言っているわけです。今の大臣の御答弁、報告書の一部を引用していますけれども、すごく偏っていると思います。両論併記だったと思います。
この点、大臣、再度、慎重に検討とおっしゃいましたけれども、もうちょっと前向きに考えていただけませんか。
○平口国務大臣 いずれにしても、法整備を行う方向性が示されなかったと承知をいたしております。
○山委員 方向性が示されなかったのであれば、大臣がやはり政治決断をして、きちっと方向性を示していただきたいと思います。
最後に、大川原化工機について、一点、最高裁の事務局にお尋ねをいたします。
来年の一月に司法研修所で保釈判断に関する研究会を行うとの報道を承知しておりますが、具体的にどのようなことを検討しているのか。この研究会に大川原化工機の事件の関係者、大川原氏ですとか島田氏、あるいは経済界の方など外部の方を招いてきちっと御意見をお聞きすべきではないのか。この点についてお尋ねをいたします。
○平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
御指摘の研究会では、いわゆる大川原化工機事件等を踏まえ、当事件の保釈の判断においても問題となった罪証隠滅のおそれの有無、程度や、被告人の健康状態等をどのように正確に把握し、これを保釈の要否についての判断に生かしていくのかといったテーマに焦点を当てつつ、保釈の判断の在り方について議論をすることを予定しております。
今回の研究会において、御指摘の大川原化工機事件の関係者や経済人の方、そういう方から直接お話をお聞きすることは予定していませんが、保釈請求事件を含む刑事事件の経験が豊富な弁護士の方に来ていただき、また、検察官の方にも来ていただいて、講師としてお招きをし、それぞれの立場から見た保釈の実情や御意見を率直に伺いたいと考えているところでございます。
○山委員 ある程度、第三者的な方を呼ぶというのはよしとしても、やはり、つらい思いをして、実際亡くなった方がいるんですよね。こういうことはやはり重く受け止めていただきたいですし、時間がないので最後に一言申し上げますけれども、この被告となった島田さんですけれども、六回目でやっと保釈請求が認められて、三百三十二日間も拘束されておりますし、三人の元被告の方、合計で保釈請求を二十回やって、判断に当たった裁判官は二十三人ですよ。一度だけこの亡くなった方に保釈が認められましたが、すぐ検察が不服申立てをして覆っております。
こういう過酷な実態があるということを重く受け止めて、当事者の意見をしっかり聞くということをもう一度答弁していただけませんか、最後に。
○階委員長 最後の答弁です。簡潔にお願いします。
○平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
今後同様の研究会を実施するか、また、その場合にどのような内容にしていくのか、誰をお呼びするのか、研究会の内容自体については、今回実施する研究会の結果も踏まえて検討したいと思っているところでございます。
○山委員 しっかり当事者の意見を聞いてください。
終わります。
○階委員長 次に、米山隆一君。
○米山委員 それでは、会派を代表して御質問いたします。
まずは、皆さん、お手元の資料一を御覧ください。こちらは、高市総理大臣が、九月二十二日、総理大臣になる前ですけれども、自民党総裁選における所見発表演説、これは自民党のホームページに出されているんですけれども、それなんですけれども、この中で、高市大臣、アンダーラインしておりますが、外国人を雇う方が得になるといった制度もあることや、警察で逮捕しても通訳の手配が間に合わず、勾留期間が来て不起訴にせざるを得ないと聞く、これはおかしいと明確に述べておられます。これは今ほど言ったとおり、それが現在も与党自民党のホームページに掲載されております。
そこで確認させていただきますが、外国人を雇う方が得になる、これは通常、コスト以上に補助されるとか、コストと無関係に補助されるという意味だと思いますけれども、そのような制度はあるのか。これは他省庁の所轄だとしても、法務省も把握しているはずだと思いますので、法務省で確認できている範囲でそのような制度があるか、述べてください。
また、雇用に関することは厚労省の所轄かと思いますので、雇用に関するものに関しましては厚労省の方が、具体的な補助制度の中身とともに答えてください。
○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の発言は、自民党総裁選挙におけるものであり、出入国在留管理庁としてお答えすることは差し控えさせていただきますが、その上で、あえて申し上げれば、出入国在留管理庁が所管する制度の中に、外国人を雇用することに対する補助金、助成金等に関するものはございません。
なお、出入国在留管理庁としては、政府全体の施策を網羅的に把握し、評価すべき立場にないため、政府全体に係る制度の有無についてお答えすることは困難でございます。
以上でございます。
○蒔苗政府参考人 お答え申し上げます。
外国人を雇う方が得になるという前提や御趣旨が定かではないため、政府として一概にお答えすることは困難ではありますが、厚生労働省が所管している外国人関係の雇用に関する助成金としては、一つは、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)におきまして、外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して助成する制度がございます。対象経費といたしましては、通訳の手配費用や社内標識の多言語化等がございます。
もう一点、二点目でございます。また、特別な配慮を要する方や就職困難者の方につきまして、ハローワーク等の紹介により継続雇用又は試行雇用する事業主に対して支給している特定求職者雇用開発助成金やトライアル雇用助成金では、要件を満たせば外国人の方も支給対象になり得ます。実際にウクライナ避難民等の方が対象となってございます。
厚生労働省としては、引き続き、こうした助成金も活用しつつ、外国人労働者の方々の雇用管理改善に努めてまいりたいと考えております。
○米山委員 私、外国人を雇う方が得になる、そういう制度はありますかということに対して、しかも、ちゃんとその中身も言って、コスト以上に補助される、コストと無関係に補助されるような制度はありますかと聞いたのに、それに対して誰も端的に答えていないんですよ。
これは、政府の施策自体が非常に疑問を呈されているわけですよね、政府がそんな無駄なことをしていると。しかも、総理大臣になられた人が総理大臣になるほんの一か月前におっしゃったことですよね。それを誰も否定しないんですね。
じゃ、外国人の方を雇えば雇うほど得になる制度があるんですかね。それをお答えするのは、誰も答える人がいないというお答えになったんですけれども、通告はしていないんですけれども、ちょうど外国人担当の内閣府副大臣がおられますから、お答えください。そういう制度はあるんですか、ないんですか。御存じのはずですよね。
○鈴木副大臣 通告を私にいただいておりませんので、お答えすることができません。
○米山委員 通告がないと答えられないということは、知らないということですか。内閣府外国人政策担当大臣として、そういう政策があるかないか、知らないんですか。しかも、私、通告がないといったって、ほかの方の、事務官の政府参考人でいいけれどもと通告しているので、その内容を見ているはずだと思うんですよ。それは御覧にならないんですかね。御存じない。
○鈴木副大臣 委員会での議論を充実したものにするために、事前にその通告先も含めて通告いただくものと存じております。
以上です。
○米山委員 いや、通告というのは、それはあくまで任意ですよね。それは、だって、しかも、私は別に通告しているわけですよ。ちゃんとそちらに通告して、その内容を見ているはずだと思うし。
しかも、政府の外国人担当の副大臣が、外国人を雇えば雇うほど得になる制度があるかないか知らない。それが、今自民党がやっていらっしゃる政治だ、外国人政策だということなんですかね。これ以上言ってもきっと答えないので、まあいいんですけれども。
でも、先ほど厚労省がおっしゃられたこと、それでは厚労省の政府参考人に確認しますけれども、結局、コストの一部を上限を持って補助する、そういう制度ですよね。コストを超えて補助されたり、コストと無関係に補助されたりという制度だとはおっしゃらなかったと思うんですけれども、それでいいですね。それは確認できるはずですよね、通告していますから。
○蒔苗政府参考人 お答え申し上げます。
前者の助成金に関しましては、対象経費に対して一定の上限額が設けられておりまして、そういう意味では費用に関しての助成でございます。
後者のトライアル雇用につきましては、一定期間、試行雇用三か月、事業主が雇用している間に、受入れ料的なもので月四万円払っております。ちょっとこれをどう評価するかというのは難しいところでございます。
○米山委員 後者の方は、これは日本人も一緒なので、それは別に、外国人を雇えば雇うほど得になるというのは関係ないわけですよね、そちらは日本人も外国人も同じですから。そうすると、外国人向けの政策としては、外国人を雇えば雇うほど得になる政策はないわけです。
鈴木副大臣にお伺いしますけれども、今、鈴木大臣の前に政府参考人が答えた中身から、それを通告してあるということは分かるでしょう。だって、今答えたわけです、鈴木大臣の言う前に。そうでしょう。鈴木大臣が言う前に政府参考人が言った答えというのは、いや、そんな制度はありませんよという答えだったんです。にもかかわらず、鈴木大臣は……
○階委員長 副大臣。
○米山委員 あっ、鈴木副大臣は、通告されていないから答えられませんとおっしゃったんですけれども、それは国会軽視じゃありませんか。だって、聞いたら分かることですよ。聞いたら分かることでも、通告されていないことに関しては、しかも通告されているのに、自分を指されて通告されていないことは一切合切答えられないというのが鈴木副大臣の在り方なんですか。高市内閣の在り方なんですか。お答えください。
○鈴木副大臣 少なくとも今回については、私宛てに御通告をいただいておりませんので、お答えをすることができません。
○米山委員 今、もう政務官、答えました。答えましたよね。委員会の質疑というのは、今話している内容を基に答弁するものですよね。通告したことを、紙を読むだけじゃないですよね。今、たった今、そういう制度はないということを、鈴木副大臣、今聞いたんですけれども、聞いてもなお答えられないんですか。
今聞いたので、あえて伺います。外国人を雇えば雇うほど得になる制度はありますか、ありませんか。
○鈴木副大臣 具体の制度については、所管省庁からお答えをさせていただきたいと思います。
○米山委員 これが高市内閣の姿勢ですよ。たった今聞いた明らかな事実をお答えになれない。それはもう議論の否定ですよね。非常にがっかりしましたけれどもね。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
でも、いずれにせよ、これはもうないんですよ、そんな制度。高市総理がおっしゃられた、それはまあ総理になる前ですけれども、でも、たった一か月前ですよ、外国人を雇う方が得になるといった制度、ないんです。
そんな政府の在り方に大きな誤解をもたらすような発言というのを自民党のホームページに堂々とそのまま載せて、しかも、それは注釈も何にもない。何だったら、これは注釈を書いたらいいと思うんですよ、削除できないなら。いや、これは間違いです、そんな制度はありませんと、後ろに米印をやって書けばいいわけですよ。そうしないと、これはデマ、誤情報の発信源になるわけです。
法務大臣、外国人政策は誰も所轄じゃないみたいなことをおっしゃるのかもしれませんけれども、法務大臣は、少なくともデマ、誤情報に関しては一定の所轄じゃないですか。外国人問題だって所轄だと思いますよ。それはちゃんと高市総理に、これは撤回した方がいいですよ、若しくは、少なくともこれは誤りですよと進言されたらいかがですか。そして、進言できないにしたって、これは通告していますから、今現在、ちゃんと、そんな制度はありませんと、この委員会で明言されたらいかがですか。
○平口国務大臣 お答えいたします。
御指摘の発言は自民党総裁選挙におけるものでありまして、法務大臣としての立場で、一国会議員としての御発言や自民党ホームページを始めとした広報についてコメントすることは差し控えたいと思います。
○米山委員 今ほど、一国の法務大臣が、外国人に対してデマ、誤情報が流れていることに関して一切コメントしないと公式に答弁されたわけですよね。つまり、もう高市内閣は、そういった誤情報を自ら発信して恥じない、一切それに対して対処しない、そう御答弁されたのかなとそれは取らせていただきますよ。
厚労副大臣にもお伺いしたいんですけれども、これは厚労省所轄ですよね。これはさすがに、厚労省がそんないいかげんな制度をやっている、そういう誤情報を流す発信源になっているわけですから、内閣の一員として、総理に、この発言、撤回した方がいいですよ、自民党の一員として、ホームページにこれは間違いですとちゃんと書いた方がいいですよ、そうおっしゃるべきではありませんか、行政の担当者として。御所見を伺います。
○階委員長 政務官ですか。
○米山委員 政務官。ごめんなさい。
○神谷大臣政務官 お答えします。
御指摘の発言は、高市内閣総理大臣が、当時、自民党総裁選挙の候補者であったときの発言のものと承知をしており、政府の一員としての立場から、ホームページを始めとした自民党の広報に対してのコメントをすることは差し控えさせていただきます。
○米山委員 発言が、それは議員のときだったのかは知っていますよ。だから、最初からそう言っていますよね。でも、今現在、それは誤情報となって、厚労省の行政に対して誤った情報を流しているわけですよ。厚労省はそれに対処しないんですね。
じゃ、つまり、これは高市総理がそうだったから対処しないのかもしれませんけれども、誰かほかの人が流しても対処しないんですね。誰かほかの人が厚労省の政策について全く異なることを言っている、おかしいなと思っても、もうそれは対処しません、そうおっしゃったということでいいですか。
○神谷大臣政務官 お答えします。
委員の御質問の元々の趣旨というものが総理の発言であったというふうに理解をしております。
その上で、委員の御指摘のあった、例えば誤情報等という場合、その趣旨や前提が定かではありませんので、そういったことに対してお答えすることは一概には困難であると考えております。
○米山委員 済みません、誤情報の趣旨が定かでないという意味が分からないんですけれども。
厚労省がしていない制度をしていると書いているのは誤情報ですよね。それ以上、何が分からないんですか。僕は、聞いたら答えてあげますので。
私の言ったことの何が分からないんですか。誤情報というものの何が分からないか、答えてもらえますか。
○神谷大臣政務官 お答えします。
御質問に関しまして、前提が分からないものになりますので、答弁を控えさせていただきます。
○米山委員 済みません、前提とは何ですか。本当に、これは議論の場ですから、そういうむちゃくちゃなことを言わないでもらえますか。
私、ちゃんと日本語として、極めて分かりやすいことを言っていますよ。厚労省がしていないことをしていると言っている、それを誤情報と言っている。定義していますよね。どこにもあやふやな言葉を使っていないですよね。それなのに、前提が分からない、趣旨が分からないというのは、それはもう答える気がないと言っているのと同じですよ。おかしいでしょう。それだったら、本当に委員会を止めなきゃいけなくなりますよ。
厚労省は、自分がやっていない政策をやっているという誤情報を発信しているところに対して、何の対処もするのかしないのか、答えてください、明確に。イエスかノーかで答えられるはずですよ。
○階委員長 神谷政務官、明確に。
○神谷大臣政務官 御質問の元々の趣旨が、外国人を雇う方が得になるという発言に対してだったと思います。そのことに関しましては、前提や御趣旨が定かではないため、政府として一概にお答えすることは困難だと考えております。
○米山委員 もう止めていただきたいんですけれども。今、私、それを聞いていないです。
一般論として、お得意ですよね、一般論として、厚労省がやっていない政策をやっているという誤情報が流されたら、対処するんですか、しないんですか。それ以外のことは答えないでください。それについてイエスかノーかで答えてください。
○階委員長 神谷政務官、質問に答えてください。
○神谷大臣政務官 誤情報と疑われるものがあった場合は、その真偽を確認をした上で、それに応じた対応をするものと承知をしております。
○米山委員 対処するんですね。
では、自民党ホームページにある、この高市元議員、今総理、ちょっと言い方がおかしいけれども、今も議員ですね、済みません。高市、当時、今は総理ですよ、まあいいです、高市総理の発言は誤情報です。確認しましたね。どのような対処をされるんですか。対処するんでしょう。それとも、一般の方の誤情報には対処するけれども、高市総理の、自民党の誤情報には対処しないんですか。それが厚労省のやることですか。ちゃんと言ってください。
○神谷大臣政務官 お答えします。
外国人を雇う方が得になるという発言に関しては、前提や御趣旨が定かでないため、政府として一概にお答えすることは困難だと考えております。
その上で、御指摘の発言は、高市内閣総理大臣が、当時、自民党総裁選挙の候補者であったときに発言したものと承知をしており、政府の一員としての立場から、ホームページを始めとした自民党の広報に対してコメントすることは差し控えさせていただきます。
○米山委員 もうこれで終わりにしますけれども、これも自民党、高市内閣の姿勢ですよ。一般の誤情報については対処すると言いながら、自民党が出している明らかな誤情報、それには対処しないわけですね。それで本当に公正な外国人政策なんかできるんですかね。
次に、お伺いします。
ちなみに、これはもっと深刻で、高市さん、警察で逮捕しても通訳の手配が間に合わず、勾留期限が来て不起訴にせざるを得ないとおっしゃっているわけです。これも記載されているんです、今も。これが仮に事実であれば、日本の司法に対する信頼性を大きく損なうものですし、仮に事実でないとしても、これは、ああそうか、では日本語が分からないと言えば不起訴になるんだ、では犯罪をしてもいいじゃないと思って、犯罪を惹起する可能性もある。極めて有害な誤情報なんです。
まずもって、背景となる事実を確認したいんですけれども、日本にいる在留外国人、一位中国人、二位ベトナム人、三位韓国人、四位フィリピン人、五位ネパール人ですので、中国人、ベトナム人、韓国人、フィリピン人、ネパール人のそれぞれについて、年間の逮捕件数と、中国語、ベトナム語、韓国語、タガログ語、ネパール語の司法通訳を行える人が全国に何人いて、その方々がどのような方法で、平均で年間何人通訳をしているのか、教えてください。
○松田政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの被疑者の国籍別の年間の逮捕人員については、令和六年においては、中国千八百三十一人、ベトナム二千九百九十九人、韓国八百二十五人、フィリピン五百二十四人、ネパール百八十人であります。
また、お尋ねの各言語に関する通訳人の人数については、令和七年四月現在、全国の都道府県警察において、中国語、これは北京語でありますが、約二千四百八十人、ベトナム語約千三百七十人、韓国語約九百七十人、タガログ語約五百人、ネパール語約二百五十人を確保しております。
通訳の方法については、対面での通訳を原則としつつ、必要に応じ、遠隔地に所在する通訳人による通訳も実施することとしているところであります。
通訳の件数については、お答えできるのは、被疑者の取調べに限らない警察活動全般における通訳の件数となってしまいますが、お尋ねの各言語に関する令和六年度中の全国の都道府県警察における通訳件数は、中国語、これは北京語でありますが、約三万七千件、ベトナム語約三万九千百件、韓国語約三千三百件、タガログ語約四千六百件、ネパール語約二千百件であります。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
全国の地方検察庁において通訳人として登録されている人数ですけれども、令和七年一月末時点で、北京語、広東語等の中国語が千百二十五人、それからベトナム語が四百五十六人、韓国語が三百三十人、タガログ語が二百四十七人であると承知しております。一方で、ネパール語については統計的に把握しておりませんで、お答えができないことをお許しください。
これらの通訳人につきまして、検察官の取調べに実際に同席して、あるいは、いわゆる遠隔通訳システムによりましてモニター中継される取調べを通訳する方法によって取調べの通訳を実施しているところでございますが、これらの総数でいきますと、通訳人の登録人数が年間を通じて増減し得るので一概に申し上げるのは困難ですが、例えば、令和六年一月から十二月までの間に通訳人に通訳を依頼した総回数を令和七年一月時点における各言語の通訳人の登録総数で割りますと、中国語は一人当たり約五・八回、ベトナム語は一人当たり約二十・三回、韓国語は一人当たり一・八回、タガログ語は一人当たり約七・三回となるということになっております。
○米山委員 どうですか。どう見ても、別に通訳できないなんという数じゃないですよ。だって、年間ですからね。一番多いので年間二十回ですから、できるでしょう。月二回ですよ。
ということで、あえて確認的にお伺いしますけれども、警察、検察それぞれの参考人に聞きますけれども、高市総理大臣が自由民主党の総裁選における九月二十二日の所見発表演説において述べた、警察で逮捕しても通訳の手配が間に合わず、勾留期限が来て不起訴にならざるを得ない、これは警察から検察まで続くと思うんですけれども、こういう、逮捕しても通訳ができなくて不起訴にせざるを得ないという事案は実際に存在するのか、お答えください。
○松田政府参考人 お答えいたします。
警察においては、平素から通訳人の確保に努めているところでありまして、先ほどお答えしたとおり、対面での通訳を原則としつつ、必要に応じ、取調べ室とは別の場所の遠隔地に所在する通訳人との間で電話を用いた通訳も実施しているところであります。
警察庁として、都道府県警察における個別具体の事件捜査について網羅的に把握しているものではありませんけれども、外国人被疑者の取調べに当たっては、適切に対応しているものと承知しております。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
一般に、検察当局が不起訴処分をするに至る事情については、個別の事件ごとに様々でありまして、法務当局において網羅的に把握しているものではありません。
外国人を被疑者として逮捕した事案につきまして、通訳人の手配が間に合わず、通訳人が確保できないうちに被疑者を不起訴にせざるを得なかったような事例があったか否かは承知していないところでございます。
その上で、あくまで一般論として申し上げれば、検察庁においては、平素から有能な通訳人の確保に努め、通常必要な言語及び人数を確保した上で、外国人被疑者の取調べについて適切に行っているものと承知しているところでございます。
○米山委員 ねえ、ないんですよ、そんな事案。立派に警察庁も法務省も仕事しているんです。
また、もう一点確認させていただきたいんですけれども、十一月十九日の本委員会の質疑において、吉川委員から、犯罪が起こったような場合でも、相手が外国人であれば警察官がなかなか取り合ってくれないというお困りの声がある旨発言されていますが、警察庁参考人に、そのような事実があるか、御確認させていただきます。
また同時に、このような事案は検挙件数等の統計に表れないため実態が把握されない、されづらいとおっしゃいましたけれども、犯罪が起こり警察に相談した以上、完全に門前払いでもしない限りは刑法犯認知件数という統計により把握できるはずだと思いますので、この点も確認させてください。
また、あわせて、理由を問わず、外国人犯罪者の方が起訴率が高いという言説が流布しているんですけれども、直近のデータで外国人犯罪者と日本人犯罪者の起訴率を教えてください。
○松田政府参考人 お答えいたします。
まず、吉川委員の御発言ですが、警察庁において、吉川委員が御発言になった具体的事案について承知していないため、お答えすることは困難でありますが、一般論として、警察としては、引き続き、被疑者の国籍にかかわらず、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて厳正に対処してまいります。
また、認知件数の件でございますけれども、警察では、犯罪について被害の届出や告訴、告発を受理するなどした場合は、警察庁でまとめている犯罪統計の刑法犯認知件数に計上しております。
○佐藤政府参考人 委員が先ほど、外国人犯罪者の方が起訴率が高いというふうにお聞きしたんですけれども……(米山委員「ごめんなさい、低いの間違いです」と呼ぶ)低いという趣旨での質問だと理解して、答弁差し上げます。
起訴、不起訴の割合というのは個別具体的な事案に即した検察官の判断の集積の結果でありまして、その数字のみを比較して何らかの評価をするというのは基本的には適切でないというふうには考えているわけですけれども、その上で、お尋ねの数値につきまして、令和六年一年間の一般刑法犯の起訴人員数をその年の起訴人員数と不起訴人員数の合計数で割るという方法で算出してみますと、一般刑法犯全体では約三七・七%でありまして、外国人被疑事件に限って見ますと約三九・三%でございまして、一般刑法犯全体との比較で見ると、この数値については、外国人被疑事件についてはやや起訴率が高いという数値になっているということでございます。
○米山委員 確認したとおりなんです。通訳の不足で不起訴になる事案なんか確認されていないし、そもそも、数からいってそんなことが起こりそうにないわけですよ。さらに、外国人の方が起訴率が低いこともなくて、むしろ若干高いんですね。外国人の方が起訴されているわけです。
しかも、これは何と、何も、高市総理が全然知らずに誤解して言ったのかもしれませんけれども、少なくとも、この九月二十二日の所見発表演説を行う一年半前に、当時、自由民主党の和田政宗参議院議員が二〇二四年三月二十二日に法務委員会で行った質疑、答弁において既に確認されていることなんです。とっくに確認されている事実です。
にもかかわらず、しかも、こんな、犯罪を惹起しかねない。そうでしょう、何度も言っていますけれども、だって、日本語分かりませんと言えば起訴されないのかと思って、犯罪を惹起しかねないわけですよ。そんな誤情報が堂々と自民党のホームページに載って、今現在もそういう誤情報を流している、流され続けているわけなんですけれども、それはさすがに法務大臣として、こういう誤情報は撤回した方がいいですよ、少なくとも間違いですと注釈をつけた方がいいですよ、そう自民党に進言しつつ、今ここで法務大臣から、高市総理のあの、通訳が足りなくて、警察で逮捕しても通訳の手配が間に合わず、勾留期限が来て不起訴にせざるを得ないという事実はありませんと、今法務大臣として明言していただきたいんですけれども、明言していただけますか。
○平口国務大臣 お答えいたします。
高市総理が自民党総裁選時にされた御発言については、あくまで一国会議員としての立場からなされたものと承知しており、行政府の一員である私からその当否等についてコメントすることは差し控えたいと思います。
○米山委員 では、もういいです。高市総理の御発言は関係ありません。
しかし、法務省トップとして、今ここで、警察で逮捕しても通訳の手配が間に合わず、勾留期限が来て不起訴にせざるを得ないという事案はありません、そう明言することはできると思います。しなければいけないと思います。明言していただけますか。
○平口国務大臣 一般に、検察当局が不起訴処分をするに至る事情については、個別の事件ごとに様々であり、法務当局において網羅的に把握しているものではなく、外国人を被疑者として逮捕した事案について、通訳人の手配が間に合わず、通訳人が確保できないうちに被疑者を不起訴にせざるを得なかったような事例があったか否かは承知しておりません。
○米山委員 それでいいんですね。それでいいんですね。
法務大臣が今、日本の司法行政は、通訳がいなくて逮捕したのに起訴できない事案があるかどうか知らない、法務行政トップがそう言ったということでいいんですね。知らないんですね。だって、知らないと今言いましたよ。
○平口国務大臣 お答えに対しては、承知をしておりませんとお答えをいたします。
○米山委員 いや、本当に驚いたんですけれども、自由民主党、高市内閣、だって大問題ですよ、司法行政の。
司法行政において、外国人を捕まえても、通訳がいなくて、しかも、私がちゃんと聞いたとおり、通訳の人数はいっぱいいるのに、いっぱいいるんですよ、どう考えても、年に二十回しかしていないんだから、普通に考えたらできるのに、していないんですか。できるのに、それを起訴しないという事案が、まあ、正確にはあるかないか分からないと言っているわけですけれども、あるかないかだって、疑念が呈されているんだから、行政トップとして確認しなきゃいけないわけですよね。しかも、総理が疑義を呈しているんだから。それについて、今に至るまで、今に至るまでもう二か月ぐらいたっているんですけれども、今に至るまで法務大臣として何ら対処をせず、しかも、私、ちゃんと金曜日には質問通告しているのに、確認もしない、知らない、ほったらかしです。これが自民党のやっていらっしゃる司法行政なんですね。
いや、もう、それならそうですと言ってください。そんな政権に司法行政を任せられませんので。どっちなんですか。そうなんですね。
○平口国務大臣 お答えいたします。
あくまで一般論として申し上げれば、適切な刑事手続の実現のためには有能な通訳人を付すことが不可欠であることから、検察庁においても、平素から有能な通訳人の確保に努め、各地方検察庁が、通常必要な言語及び人数を確保した上で、取調べについて適切に行っているものと承知をいたしております。
○米山委員 いや、もういいんですけれども。だって、まず、平口さん、平口大臣、先ほどの承知していないというのを撤回していないわけです。だから、幾らそんなこと、今の話はむしろ自分のお話と矛盾していてね。だって、平素から通訳人はいっぱいいるんでしょう。いっぱいいるんだし、疑念も呈されているんだから、本来ならそんなことはありませんと言えるはずなのに、それを知らないそうですよ。
自民党の皆さん、法務大臣は知らないんですよ。通訳が足りなくて起訴されていないかどうか、知らないそうです。そんな行政をされているそうです。それをまた撤回もされずに、しかも、矛盾されていることを上書きされたので、もう結構ですけれども。
いや、もう自民党にまともな法務行政はできないです。できないでしょう、だって知らないんだもの。現状を知ろうともしない人に、そんなまともな行政ができるとは思えないですよ。
ちょっと時間も迫ってきたので、済みませんね、外務省の方、ちょっとはしょりますけれども。
じゃ、そんな現状を、大臣、全く知らない中で、資料四を御覧ください。資料四、何と、内閣府副大臣鈴木隼人さん、これは個人のビラですけれども、個人のビラとして、これは政府のビラじゃないですよ、個人の、鈴木隼人事務所という名前で、政府への御意見、御要望をお寄せください、東京第十選挙区選出の衆議院議員鈴木隼人です、この度、内閣府副大臣を拝命し、外国人政策を担当させていただくことになりました、外国人政策をめぐっては、既に多くの社会課題が生じていますが、豊島区、文京区は特に多くの外国人が住む地域であることから、皆様の中には、日頃から不安、不満、疑問などを抱えている方もおられるのではないかと思います、このため高市内閣では、この分野の担当閣僚を創設し、力を入れていくことといたしました、つきましては、皆様のお声を国政に反映させるため、是非意見、御要望をLINEにてお寄せいただきたいと思っております、何とぞ御協力をお願い申し上げます、個別の返信は難しいかもしれませんが、全て私自身が読ませていただきますと。
法務大臣は何にも知らないのに、内閣府副大臣は、なぜか、政府としてではなく個人のビラでこれをやっていらっしゃる。びっくりするんですけれども、しかも、これはどう見ても、最初から不安、不満、疑問だけを集めているわけですよ。
私なんかは、コンビニに行って、外国人の方が働いてくれて、居酒屋に行って、働いてくれていたら、ありがたいな、そういう感謝の思いを持ったりもするんですけれども、そういう人だっているんでしょうけれども、そういう声は聞かないわけですよ。最初から、不安、不満、疑問などを寄せてくれ、そうおっしゃっているわけなんです。
私、これは幾ら何でも不適切だと思いますよ。しかも、議員の立場なのか内閣府副大臣の立場なのか、もはや公私混同でしょう。こんなビラはもうやめるべきだと思いますけれども、副大臣の御所見を伺います。これは通告していますから、答えられますよね。
○鈴木副大臣 御指摘の点は、私の一議員としての活動に関わる事柄であり、政府の立場でお答えすることは差し控えさせていただきますが、その上で、あえて申し上げれば、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた取組を検討するに当たっては、住民の皆様の実際の声や御意見に耳を傾けることも重要であると考えております。
御指摘の文書は、できるだけ多くの皆様からそうした御意見等を直接伺うために配布したものであり、委員御指摘のような不安や排外感情をあおることを目的としたものではありません。また、当該文書において、全ての日本人に不安、不満、疑問が生じていることを確定的な事実としているわけでもありません。
私としましては、当該文書の内容が国民の不安や排外感情をあおるものであるとも、配布をやめるべき不適切なものであるとも考えておりません。
○米山委員 これも高市内閣のありようですよ。だって、この文書、どう見たって、聞いていることは、皆様の中には、日頃から不安、不満、疑問などを抱えている方もおられるのではないかと思います、皆様のお声を国政に反映させるためと。不安、不満、疑問しか反映させないわけでしょう。しかも、これは不適切じゃないわけですよね。
しかも、これは普通に考えて公私混同ですよ。それもやめないわけですよね。ずっとこれを配り続けるわけです。どこが排外主義じゃないんですか。どこからどう見ても、外国人への排外感情を内閣府副大臣自身が、内閣府副大臣だと明言してあおっていらっしゃるわけです。しかも、こうやって委員会で聞かれても、全くそれを改めようとしない。驚きますよね。
そういう、何せ聞いても全部それでいいとおっしゃるので、もうこれ以上押し問答しませんけれども、そういう内閣だと申し上げさせていただきます。
ちょっと時間をはしょらせていただいて、あと三分ですけれども、最後にこの質問をさせていただこうと思うんですが。
ちなみに、鈴木大臣、女子差別撤廃委員会、日本政府の第九回報告に対する最終勧告について、二〇二四年の十月、これについて、二月十日の予算委員会において、資料五を御覧ください、今回の事案は、我が国の国体の変革を図ろうという企てであります、やっていいことと悪いことがある、私は、この女子差別撤廃条約の破棄も含めて、更に踏み込んだ対応が必要だと発言されておられますが……(発言する者あり)いや、発言されているんですよ。これは、でも、女子差別撤廃条約は日本が正式に批准した条約で、そこから別に普通に出てきた勧告に対して、我が国の国体の変革を図ろうとする企てだとおっしゃられているわけです。しかも、ほんの半年前。そのお考えに変わりはないということでいいですか。
○鈴木副大臣 本委員会へは内閣府の副大臣として答弁するために出席をしており、当時の一議員として発言した所管外の事項に関する見解についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○米山委員 じゃ、所管の中についてお伺いしたいんですけれども、女子差別撤廃条約は女性の医療についてもちゃんと提言されているんですよ。内閣府副大臣として、医療政策担当ですよね。そうしますと、この中で提言されている女性医療について、しかも、これは高市さんの肝煎り政策ですよ、それについて、この提言をどうお考えなんですか。女子差別撤廃条約から来たものだから、しかも、これは政府に来ているものですから、ちゃんと所轄内だと思うんですけれども、その部分についてはどのようにお考えなんですか。
○鈴木副大臣 繰り返しになりますが、私は、本日、この委員会に内閣府の副大臣として出席をしておりまして、当時の一議員として発言した内容への見解について、お答えは差し控えさせていただきます。
○階委員長 米山君、そろそろ。
○米山委員 はい。これが最後です。
当時のことじゃなくて、内閣府副大臣として、医療政策御担当で、この勧告は今も生きていますから、女性の医療についてちゃんと提言されているんですけれども、それについてどう考えますかと今聞いているんです。それは通告していますからね。
○階委員長 鈴木副大臣、最後の答弁ですので、簡潔にお願いします。
○鈴木副大臣 委員が条約について御質疑をされるのであれば、条約を所管している部局にお尋ねをいただきたいと思います。
○米山委員 もういいです。
これは本当にひどいですよ。自分の所轄について、ちゃんと正式に出てきた勧告をまるで知らない。このような方に到底まともな政策はできないと申し上げさせていただきます。残念ですよ。
○階委員長 次に、藤巻健太君。
○藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速質問の方に入らせていただきます。
先日、とある女優の方が高速道路で追突事故を起こして、過失運転致傷の疑いで書類送検されました。事故当時の速度は百八十五キロ近くあった、そういった報道があります。この報道を受けて、大臣、どうお感じになられたでしょうか。
○平口国務大臣 お答えいたします。
お尋ねは、現在捜査中の個別事件における捜査の具体的内容に関わる事柄でありまして、法務大臣として所感を述べることは差し控えたいと思います。
○藤巻委員 危険運転致傷罪、これの構成要件の一つは、進行を制御できない速度での運転です。しかし、今回の事故は、書類送検の際、適用されたのは、危険運転致傷罪ではなく過失運転致傷罪でございます。百八十五キロでの運転は、過失運転ではなく、危険運転そのものなんじゃないでしょうか。過失という言葉を辞書で調べてみると、不注意からの失敗というふうに出てきます。不注意で百八十五キロを出しますでしょうか。
一般論で構わないんですけれども、大臣は、百八十五キロでの走行が過失運転なのか、それとも危険運転なのか、どちらに当たると思われるでしょうか。
○平口国務大臣 お答えいたします。
犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄でありまして、お答えは差し控えたいと思います。
なお、一般論として申し上げれば、その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為を行い、よって人を負傷又は死亡させた者は自動車運転死傷処罰法第二条第二項の危険運転致死傷罪が、自動車の必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は自動車運転死傷処罰法五条の過失運転致死傷罪がそれぞれ成立し得るものと承知しております。
○藤巻委員 じゃ、ちょっと言い方を変えるんですけれども、百八十五キロは、危険運転致死傷罪の構成要件である進行を制御できない高速度に当たるのか、それとも、あくまで進行を制御できる高速度なのか、これはどちらに当たるのか、お考えをお聞かせください。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
先ほど申し上げたとおり、この事案についての犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄であると考えております。
その上で、一般論として申し上げますと、今の危険運転致死傷罪における進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為というのは、道路の状況に応じて進行することが困難な状態となる高速度をいうというふうにされているところでありまして、速度に加えて、道路状況に応じて判断されることになるものと理解しております。
○藤巻委員 危険運転致死傷罪の構成要件の観点から、はっきり言えない、個別のケースにということは分かってはいるんですけれども、社会通念上、百八十五キロ、これはもう進行を制御できない速度に当たると思います、私は。
百八十五キロの走行というのは危険運転そのものであるのかなというふうに感じるところであるんですけれども、百八十五キロで事故を起こしたら人を殺してしまう可能性が極めて高い、そういうことが果たして分かっているのでしょうか。今回の事故で死者が出なかったのは、ただ単に幸運な偶然にすぎないかなというふうには考えております。百八十五キロで事故を起こしたら、普通は死者が出るわけです。
これは、今まさに法務省で、一定以上の速度で自動車を運転する行為を危険運転致死傷罪の対象とする検討がなされているというふうに承知しております。
私は、百八十五キロでの走行など、明らかに異常な速度での走行は明確に重く罰していくべきかなというふうに考えるんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○平口国務大臣 お答えいたします。
現在、法制審議会の部会において、法令で定める速度以上の速度で自動車を運転する行為を危険運転致死傷罪の対象とすることなどについて議論が行われているところでございます。同部会における検討のたたき台では、道路の最高速度に応じて、最高速度を四十キロメートル毎時ないし六十キロメートル毎時を超える速度以上の速度で自動車を運転する行為を一般に危険運転致死傷罪の対象とする案が示されておりまして、今後更に検討が行われるものと承知しております。
しかしながら、諮問をしている立場である法務大臣としては、現段階で法整備の在り方について所見を述べることは差し控えますが、いずれにしても、危険、悪質な運転行為による死傷事犯への対応は喫緊の課題であり、できる限り早期に答申をいただき、それを踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○階委員長 ちょっと訂正があるようです。
○平口国務大臣 済みません、一般と申し上げましたが、一律の間違いでございます。
○藤巻委員 まさに喫緊の課題でありますし、やはりそういった異常な高速度での事故を防ぐという観点から、まさに今検討中だとは思うんですけれども、しっかり検討を進めていっていただければと思っております。
異常な高速度での運転、これはもう酌量の余地はないのかなというふうに考えております。これはもう言い訳のしようはないですし、普通の感覚であればそんな速度は出さないわけです。これは、うっかり車線変更禁止のところで車線変更してしまったとか、Uターン禁止のところでUターンしてしまったとか、そういうレベルとは全く訳が違うというふうに考えておりまして、百八十五キロというのは、確かな強い意思を持って出しているのかなというふうにも感じるところで、うっかり出るような速度ではないわけです。百八十五キロで事故を起こせばとんでもないことになる、人を殺してしまうかもしれないというようなことを考えれば、そんな異常な高速度は絶対に出さないわけです。
今回の事故で、行政処分としては、恐らく当人には数年の免許取消処分が下されることとは思うんですけれども、果たして数年というところで十分なのでしょうか。
私は、正直、百八十五キロというような数字、異常な高速度を出してしまう、そういった危機管理感覚の人は、はっきり言って、永久に免許取消しでもいいのかなというふうにも考えております。車の運転はすべきではないかなというふうに考えておりまして、移動の際は電車かバスかタクシーでしていただくというふうにするべきかなというふうに思っているんですけれども、警察庁としてはどのようにお考えになられているでしょうか。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
速度超過違反につきましては、例えば、高速道路、一般道路を問わず、速度超過が五十キロ以上の場合、それのみで九十日の免許停止処分となります。
また、これに交通事故が伴う場合は、免許が取り消され、免許を取得できない期間として、事故に応じて一年又は二年の欠格期間が指定されることとなっております。
さらに、ほかの交通違反や行政処分の前歴がある場合、最長で五年の欠格期間が指定される、こういうようになっております。
また、救護義務違反など、極めて危険で悪質な交通違反を伴う場合には、最長で十年の欠格期間が指定される、このようになってございます。
このように、現状におきましても、速度超過違反をした者について、超過速度や交通事故、他の違反の状況などに応じた行政処分が行われることとなっております。
お尋ねの、著しい速度超過を犯した者に対して免許を与えないことにつきましては、自動車が主要な移動手段となっていることや、他の許可制度において一定の期間、欠格期間が定められていることなどを踏まえ、慎重に検討する必要があるものと考えているところでございます。
引き続き、運転免許の行政処分を事案に応じて適切に運用するとともに、行政処分を受けた者が受講する取消処分者講習や停止処分者講習において再び違反を行わないように教育を行うなどし、運転者の交通ルールの遵守と事故の防止に努めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○藤巻委員 欠格期間が十年が長いか短いかというのはちょっと議論の余地はあるのかなというふうに思っているところであるんですけれども、そもそも二百キロ、三百キロ、そんな速度が出る車が何で日本で売っているんでしょうか。シートベルトをしないと警告音、ピーピー鳴ることが義務づけられている一方、三百キロは出せる、これはおかしいんじゃないかなというふうに思うわけで、日本の一体どこで、一般道で三百キロを出すんでしょうか。
F1をやるわけじゃないわけですから、日本で売る車は、せいぜい百五十キロとか百六十キロとか、そういったリミッターとか速度抑制装置をつけて売るというような規制をするべきじゃないかなというふうに思っているんですけれども、お考えをお聞かせください。
○久保田政府参考人 お答えいたします。
日本の場合、大型トラックにつきましては、事故発生時の被害が甚大でございますので、平成十三年に道路運送車両の保安基準を改正いたしまして、速度が時速九十キロを超えないように制限するリミッターを義務づけており、この状況は諸外国と同様となってございます。
一方、乗用車につきましては、高速道路において大幅に制限速度を超過した速度で発生した事故が少ないという状況を踏まえまして、リミッターの義務づけは行っておりません。
なお、我々の把握しております限り、欧米等諸外国におきましても、乗用車にはリミッターを義務づけてはいないと承知しております。
○藤巻委員 諸外国は、ドイツのアウトバーンみたいに三百キロ出せるところがあるわけですから、それは、ないのはある意味当然かなと。この狭い日本で、三百キロ出せる車を果たして売る必要があるのか。
あと、さっき、甚大な被害がトラックの場合はあると言いましたけれども、一般車でも、百八十五キロで事故を起こせば、それは甚大な被害は起こり得るわけです。
そして、昨日も報道で、二百五十だか六十でしたか、判決が出た、それで死亡事故を起こした判決、これが危険運転致死には当たらないというような判決が、ごめんなさい、たしか出ていると記憶しているんですけれども。
実際問題として、異常な高速度での事故というのは定期的に起きてしまっているわけですから、やはりリミッター、速度抑制装置というのはつけてしかるべきかなというふうに私は考えておりますので、そこは検討いただければなというふうに思っております。
最後になりますけれども、異常なそういった高速度での運転あるいは飲酒運転、これはもう絶対に許さない、社会として、立法府として絶対に許さないというメッセージを出していくべきというふうに私は考えているんですけれども、最後に大臣のお考えをお聞かせください。
○平口国務大臣 御指摘の点は、重大な問題として受け止めたいと思います。
○藤巻委員 しっかり受け止めていただいて、メッセージを出してください。よろしくお願いします。
これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○階委員長 次に、円より子君。
○円委員 国民民主党の円より子です。
一年前に法務委員会に所属いたしまして、ちょうど鈴木法務大臣の所信を聞かせていただきました。その中に、困難を抱える方々に手を差し伸べて社会正義が保たれた状態に戻すことが、法務省に課せられた使命であると考えておりますという文言がございました。
そこで、この一年間でどの程度、ますます法務行政が活性化して進んだのでしょうか。また、困難を抱える方々への取組や国民の権利擁護への取組が進んだのかどうか、特に子供に重点を置いて私は質問させていただきたいと思っております。
まず最初に、離婚時に選べる共同親権についての質問です。
来年の四月一日からの施行でございますが、昨年、親の離婚を経験した未成年の子供の数から推定して、どの程度、来年、共同親権を選ぶケースがあるとお考えでしょうか。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
改正法では、父母が協議上の離婚をするときは、父母の協議で、その双方又は一方を親権者と定めることとされており、父母の協議が調わないときは、裁判所が子の利益の観点から、親権者を父母双方とするか、その一方のみとするかを判断することとされております。
そして、離婚後の親権者を父母双方とするか、その一方のみとするかについては、父母と子の関係、父と母との関係、その他一切の事情を考慮して個別具体的に判断されるべきものでございまして、離婚後に父母双方が親権者となる件数や割合を具体的に予測することが困難であるということを御承知ください。
○円委員 困難であると申されましても、今はおっしゃったとおり単独親権です。それをわざわざ、子供の最善の利益のために共同親権を制定なさったわけですよね。そうしましたら、当然、全くゼロなんということは考えていらっしゃらないと思うんですよね。だから、どの程度、例えば、それは予測するのは難しいですけれども、ある程度予測はできてこの法制定をなさったのではないかと思いますが、いかがですか。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、離婚後の親権者を父母双方とするか、一方のみとするかについては、事案ごとに、委員御指摘のとおり、子の利益の観点から最善の判断がされるべきということを考えておりまして、いずれが原則というものではございません。
その観点から、先ほども述べたような、割合を申し上げることは難しいということを、お許しください。
○円委員 全く予想せずに制定なさったのかもしれませんね、そうしますと。
そうしますと、せっかく作ったというか、わざわざ共同親権を選べるようにしたということは、共同親権の方が単独親権よりも子供にとって利益があると考えられたから作られたように私は思っているんですが、もちろん、ドメスティック・バイオレンスの方々、そういった方々の反対もありましたけれども、わざわざ制定なさったんですから、メリットがあると考えられたと思うんですね。
共同親権と単独親権について、そのメリット、デメリットをどのように捉えていらっしゃるか、教えてくださいますか。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
離婚後の親権者を父母双方とするか否かは、子の利益の観点から最善の判断がされるべきでございます。
その上で、一般論とすれば、共同親権は、離婚後も父母双方が親権者として子の養育に関わり、その責任を果たすことを可能にする点で子の利益にとって望ましく、そのようなメリットがあると考えております。
他方で、改正法の審議の過程においては、共同親権を選択した場合には、父母の意見対立が生じたときに、子の身上監護や財産管理に関する意思決定、法定代理人の行使が適時に行われないおそれがあるとの指摘がございました。
改正法は、そのような事態が生じないよう、共同親権を選択した場合であっても、子の利益のため急迫の事情があるときや監護及び教育に関する日常行為をするときは、親権の単独行使が可能であるということを明確化しているものでございます。
○円委員 ちょっと大臣にお聞きしたいんですが、今、もう少しちゃんとメリット、デメリット、私だったら十ぐらいだあっと出せるんですけれども、お話をお聞きなされば大臣もお答えしやすかったかもしれませんが、大臣は、離婚時の子供の最善の利益というのはどのようにお考えでしょうか。
○平口国務大臣 改正法は、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たすことが子の利益の観点から重要であるとの理念に基づくものであります。
離婚後の親権者を父母双方とするか、その一方のみとするかについては、事案ごとに子の利益の観点から最善の判断がされるべきものでございます。改正法も、離婚後の共同親権と単独親権のいずれかを原則とするものではないわけであります。もっとも、父母の双方が親権者になることが子の利益に沿う場合には、適切に共同親権が選択されるべきであると考えております。
委員の問題意識も考慮しながら、引き続き改正法の趣旨、内容の周知、広報に努めてまいりたいと思っております。
○円委員 最善の利益とおっしゃるだけで、法務省の担当者も大臣も余り、どういったことが本当に子供たちにとっていいかということが余りはっきり私には伝わってこないんですけれども。
でも、とにかくこの制定をなさったということは、共同親権をやはり選んだ方が、まあ、どちらがいいとは限らないが、選んでほしい、また選ぶ人たちが出てくることも考えて、そのための今おっしゃった啓発もしていきたいとおっしゃいましたが、どんな形で啓発をしていくおつもりか。
御存じのように、今は調停離婚、裁判離婚が少なくて、日本では圧倒的に協議離婚が多いわけですから、共同親権ができましたよ、選べますよ、子供のためにはこういうメリットがあるんですよということを啓発するのはとても難しいと思うんです。どのようになさるおつもりですか。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、離婚を検討している方々に、親子交流の重要性を含む改正法の趣旨、内容が正しく理解されるよう、適切かつ十分な周知、広報に取り組むことが重要であると認識をしております。
法務省では、改正法について解説する動画を公開しているほか、関係府省庁等連絡会議での検討も経て、親子交流に関する改正も含め、改正の趣旨、内容を分かりやすく解説したパンフレットを作成し、関係府省庁等の協力も得て、関係諸機関等に配布をしているところでございます。
例えば、法務省から各自治体の戸籍窓口に対し、離婚届の用紙を取りに来られた方々への配布を依頼しており、必要な方々にパンフレットが届くよう取組を行っております。
引き続き、政府全体で連携して、改正法の趣旨、内容の周知、広報に努めてまいりたいと考えております。
○円委員 しっかりやっていただきたいと思いますが、例えば共同親権一一〇番なんというのをおつくりになってはいかがでしょうか。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
今御提案のあったような在り方も含めて、今後の周知、広報の在り方について引き続き検討してまいりたいと考えております。
○円委員 よろしくお願いします。
それでは、親権争いというのは今までもございました、単独親権のときでも。今度共同親権が選べるとなるとますます増えるように思いますが、家裁の調査官の方々は、子供の意見を聞くなり、親の間の紛争を解決するのに、調査官も子供の意見を聞いたり、また調停委員の方々も大変苦労なさっております。
人員不足ではないかという、仕事がもっと増えるのではないかという、そういった懸念もございますが、いかがでしょうか。
○馬渡最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
改正法施行後におきまして調査官の関与をどうしていくかというのは、各裁判体において、子の利益を最も優先して考慮するという中で判断していくものでございます。
そもそも、家族法施行後の事件動向につきましては、具体的な予測は困難でありますが、裁判所としては、期待される役割を適切に果たすためにも、改正法の趣旨、内容を踏まえた適切な審理が着実に行われるように、各家庭裁判所におきまして、改正法下における適切かつ合理的な審理運営の在り方が検討されているところでございまして、その中で、家裁調査官がその専門性を発揮すべき局面において確実に関与するという観点等も踏まえた検討が進められているというふうに承知しているところでございます。
○円委員 私は、共同親権もそうですし、単独親権のときもそうなんですが、離婚時に子供の意見というのが本当に聞かれていないと思っているんですね。
なぜそういうことを話すかと申しますと、これは一九八一年にアメリカで出た本なんですが、アメリカではたくさんの離婚の本を心理学者などが出していたんですが、それは自分たちの気持ちに全然沿った本がないということで、子供たちがみんなで学校の先生と一緒に話し合って作った本なんです。ですから、親の夫婦げんかやらいろいろなのを見ていて、別居だとか離婚で傷ついた気持ち、そのときどういう相談の場があったらいいかということを書いた本なんですね。子供が書いた離婚の本なんです。その次の年に私が訳した本が、この「子どもが書いた離婚の本」なんです。
こういうのを見ておりますと、アメリカだけではなくて、日本でも本当に子供たちが相談できる場がなくて悩んでいる。学校の先生や保育園の先生やいろいろな人たちが、何か調子が悪いんじゃないかなと思って聞いてあげるなんてこともあるかもしれませんが、もっと子供の話せる場があった方がいいと思うんですね。子どもの権利条約の中にも、子供の意見表明権というのも大事な要素になっております。
こうした子供の声を聞く場、また、親子交流をできるように親にアドバイスする、そういったことは、こども家庭庁なのか裁判所なのか法務省なのか、どういった形でこれから進めていくのか、お聞きしたいと思います。
〔委員長退席、有田委員長代理着席〕
○源河政府参考人 お答えいたします。
子供の意見表明につきましては、先生から御指摘もいただきましたとおり、子どもの権利条約でも、それからこども基本法の基本理念にもございまして、非常に重要なことだというふうに考えてございます。
こども家庭庁といたしましては、離婚前後家庭支援事業という事業を行っておりまして、その中で、自治体が親支援講座を開催し、離婚前後の父母に対して、子供の気持ちや離婚後の生活について考える機会を提供する取組を実施しているところでございます。
また、子供が悩んだときに相談窓口を探すことができるよう、こども家庭庁のホームページの中に子供向けページを設けまして、そこで相談内容や住んでいる場所から相談窓口を探せるようにしているところでございます。
今年度、法務省において、子の意思の把握、反映の在り方に関する調査研究を行っていらっしゃるというふうに承知しておりまして、その結果なども踏まえながら、子供の最善の利益を確保する観点から、法務省や関係省庁と連携してまいりたいというふうに思ってございます。
それから、親子交流についても御質問いただきました。親子交流につきましては、離婚前後家庭支援事業のメニューの一つとして位置づけておりまして、当事者のみで親子交流を実施することが困難な場合に子供への付添いなどを行う親子交流支援を配置する自治体に対して補助を行っているところでございます。
引き続き、円滑な親子交流の実施が図れるよう、自治体の取組をしっかり支援してまいりたいと思います。
○平口国務大臣 子供の意見表明権を保障する仕組みについて、法務省の方からお答えをいたします。
改正法では、父母が子の人格を尊重すべきことを明確化しており、ここに言う子の人格の尊重には、子の意見が適切な形で考慮され、尊重されるべきであるという趣旨を含んでおります。
御指摘のとおり、協議離婚における子の意見の尊重は重要な課題でございます。まずは、子の意見を適切に考慮し、尊重することの重要性が広く理解されるよう、引き続き周知、広報に努めてまいりたいと考えております。
また、法務省では、今年度、子の意見の把握、反映に関し、情報提供や支援の在り方についての調査研究を委託しているところでございます。そこで得られた成果の活用の在り方について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
〔有田委員長代理退席、委員長着席〕
○円委員 今大臣もお答えいただきました調査研究がされているようですが、それが出るのが来年の三月で、四月一日から施行ですから、いろいろな、それこそ、子供のための離婚一一〇番ですとか、子供のための離婚講座とか、私はずっと国会議員になる前にやってきたんですけれども、そういったことや、先ほど申し上げたような共同親権一一〇番とか、いろいろな形で予算をつぎ込んで人を入れて、これを徹底して、子供のための意見表明ができる、子供が意見表明できるような場をつくっていただきたいとは思っているんですが、こども家庭庁さんも一生懸命やってくださっていますが、まだまだ実態の数も少ない。これをもっとしっかりやっていただきたいと思っております。
そこで、弁護士を子供につけたらどうか。先ほどの、アメリカの子供たちは日本と離婚の制度が少し違いますけれども、親が勝手に決めないでほしい、子供の意見もちゃんと弁護士に言って、その弁護士が子供の利益を代弁してほしいということまで言っているんですね。
弁護士というのは日本ではつけられますか、民事事件で。
○内野政府参考人 お答えします。
法テラスにおきましては、資力の乏しい方を対象に、無料法律相談等の民事法律扶助、これを御案内しております。必要な方に対しまして契約弁護士等による法的支援を行っておりまして、未成年者につきましても、利用要件を満たせば無料法律相談の利用が可能でございます。
引き続き、法務省といたしましては、必要な方に対し必要な法的支援が行き届くように努めてまいりたいと考えております。
○円委員 必要な人にとかといっても、それから、資力がない人にといっても、それは子供たちにちゃんと伝わっているでしょうか、法テラスは子供も使えるんですよということが。
○内野政府参考人 お答えします。
委員御指摘のとおり、実際に必要なそういう未成年者の方々も含めて、実際、法テラスの営みということを御理解いただくのは非常に重要だと思います。
我々も、一生懸命、ホームページ等も利用したり、様々な関係機関の協力も得て周知、広報をやっておりますが、その点につきましては、更に努力、いろいろな工夫、これをしていきたいと考えております。
○円委員 子供のというのが本当に抜けているんですね、この日本の社会というのは、残念ながら。子供が生まれないから大変だ、少子化対策をどうしようとかいろいろ言ってはいるんですが、じゃ、今いる子供たちに、本当にその子たちを大事にしているかというのが、この後、また時間があれば性被害のことも話したいと思うんですが、子供の声が本当に聞かれておりません。
離婚したときには、親が単独親権にしようが共同親権にしようが、アメリカなどでは、共同親権などの場合は、お父さんのところに三日間、お母さんのところに三日間と、それぞれの居場所に、近くに住むなんということもやっているんですが、それも結構子供には負担だったりして、もうだんだん中学生ぐらいになると嫌だというような子供もいるんですが、そういう子供たちの声をしっかりと、離婚時だけじゃなくて、後々もずっと聞けるようなことがあって、親子交流がすごくちゃんとできているからこそ、そういうことができると思うんですが。
ちょっと皆さんにお配りした離婚届出用紙があるんですが、皆さん、多分、こんな離婚届用紙、御覧になったことは余りないと思うんですけれども。
昔、離婚というのが物すごいスティグマみたいな、離婚したなんていうと、もうそれだけで人格欠損者みたいに言われていた時代があったときに、離婚届を取りに行くのも恥ずかしいという人がたくさんいたものですから、私は、そんな大変なのかしらと思って、区役所に離婚届下さいと大きな声でわざわざ言いに行ったことがあるんですね。
そうしたら、区役所の窓口の人たち、後ろに座っていたデスクワークの人、それから待っている人たち全員がぱっと私の方を見てから、あっ、見ちゃいけなかったと下を向かれて、ああ、やはり離婚というのはそれだけ社会的に大変なんだ、まあ、今は大分変わってきたと思うんですが。ですから、多分、皆さん、離婚届用紙を御覧になったことがないと思うんですが。
なぜこれを出したかというと、この右の方に、面会交流や養育費の分担のことが書いてあるんですよ。今、さっきから親子交流、親子交流と言っていますが、最初私が離婚講座を始めた頃、皆さん本当に悩んでいらして、離婚の知識をもっと持ってもらいたい、福祉の知識を持ってもらいたいと思って、弁護士さんと月一回ですが始めた頃は、面接交渉権なんて言っていたんですよね。その後、面会交流になり、そして今は親子交流と言っています。届出用紙はまだ面会交流なんです。
そして、これはすごく小さいと思いませんか。これは、協議離婚が九割ということは、ほとんどの人は、先ほど一生懸命啓発するとおっしゃっていましたが、余り分からないんです、この面会交流とか親子交流は子供のために大事かということが。
やっと離婚届を出しに行くときに、もらいに行ったときに、ここにも何か書いてあるなといっても、こっちを書くだけで、左側を書くだけでなかなか大変で、この面会交流のところまで、女の人は特に、離婚した後どうやって食べていくか、再就職が物すごく大変ですし、子供をどう育てていくか、そのことに夢中で、残念ながら親子交流のことまで気が回らないんですね。そんなときに、こんなちょっとしか書いていない。
私は、もっとこれは、今度、面会交流じゃなくて親子交流と変わるのかもしれませんが、もう少し工夫をして、届出用紙だけでも親子交流という大事なことを目立つようにしていただけないかなというので、ちょっと小さなことですが皆さんにお見せいたしました。
それで、最後に、ちょっと本当に申し訳ないんですが、性的被害者のことについてお聞きしたいと思います。
大臣、今日は刑事局長も来ていただいたのに、お答えいただける時間があるかどうか分からないんですが、買春という言葉があります、それから売春という言葉があります。
大臣は、買春という言葉と売春という言葉について、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○平口国務大臣 売春というのは春を売るということですから、主に女性の立場で考えており、買春というのは春を買うという意味で、主に男性のことを言っているものと思います。
○円委員 買春という言葉ができましたのは、児童買春、児童ポルノ禁止法を作ったときなんですね。それまでは法律用語の中になかったんです。
私はその発議者の一人だったんですが、子供が春を売るなんてこと、まずあり得ないんです、買う人がいるから。だから売春ではなくて、特に子供の場合は買春という言葉を使うべきだと発議者の人たちみんなを説得して、やっと買春という言葉ができて、でも、法務省や、まあ、法務省は松尾刑事局長と一緒で、松尾さんは、それがいい、円さんと言ってくださったんですけれども、法制局は、買春なんという言葉は法律用語にないから作れないと物すごく抵抗なさったんですが、やっと買春という言葉ができた。
なぜ、私が、売春ではなくて、児童売春、児童ポルノ禁止法ではなくて、児童買春、児童ポルノ禁止法という名前にしたかったか。まず、買う人の方を処罰する、需要をなくせば、女の人やこの間のタイの女の子なんかにわざわざ性的なことをやらせてという、そういう人たちも取り締まることができる。需要がなければ、そういう人たちの商売だってなくなるわけですよね。ですから、まず買春を厳しくして、買春という言葉をもっと社会に浸透させたいと思ったのがその法律を作ったときの思いだったんです。
買春についてもっと厳しくすることともう一つ、子供のときに性的被害を受けた子、実の父親の子供を産んだ子供たちもいます。だから、そういう子供たちがようやくその被害を言えるようになると、もう時効があったりする。刑事でも民事でも、子供のときの性的被害についての時効は、私は撤廃すべきではないかと思っております。そのことと、買春をもっと懲罰を厳しくするような、そんなことについて、もし法務省の御意見があれば、お願いいたします。
○階委員長 では、最後の答弁です。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
買春側の行為の処罰化につきましては、先日、高市総理大臣から御指示のあったところでございまして、法務省としても、近時の社会情勢などを踏まえた売買春に係る規制の在り方について必要な検討を行ってまいります。その上で、今の御指摘も踏まえて検討していきたいと思っております。
もう一つ、子供の性被害の公訴時効ということですけれども、一昨年の刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律において、公訴時効期間が五年延長されたり、それから被害者が十八歳になるまでは公訴時効期間が進まないということが改正されまして、その附則では、この施行後五年を経過した場合に性的な被害の実態等を踏まえつつ検討を加えることという附則がついておりますので、この規定の趣旨を踏まえて、今の御指摘も含めて、関係府省庁とも連携して適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○円委員 昔で言う強姦罪についても、本当に、二十数年前から法務委員会で訴えさせていただいてきました。是非、ですから、かなり変わってきたことを、大変改正されたことを喜ばしく思っておりますが、時効の撤廃も含めてお考えいただけたらと思います。
ありがとうございました。
○階委員長 次に、平林晃君。
○平林委員 公明党、平林晃です。
先週、ちょうど一週間前の大臣所信表明の質問が終わりませんでしたので、その続きで質問をさせていただけたらと思っております。
大川原化工機事件についてでございます。本事件におきましては、勾留執行停止中に亡くなられた相島静夫さんに関しましては、八度にわたり保釈請求が行われてきましたが、その都度、保釈は不相当である旨の反対意見が検察官によって述べられ、そして裁判所によって却下されてまいりました。
令和三年二月一日にも、これが八回目の保釈請求になったわけですけれども、二月四日、弁護人によって保釈請求が取り下げられてしまいまして、相島さんは、二月七日、勾留執行停止中だったわけですけれども、このとき進行胃がんになられていて、亡くなられてしまったわけでございます。
ここに至るまで、相島さんの病状はどんどん悪化していき、一刻を争うものになっていきます。その裏では、当該噴霧乾燥機のいわゆる要件ハへの該当性について、弁護人からの実験結果の報告によって再検討がなされていくわけであります。このように疑義が揺らいでいく状況において、国賠で違法と認定されることとなる勾留請求が行われ、保釈が認められなかったのは本当になぜだったのかと疑問をやはり強く感じてしまうところでございます。
こうした保釈請求の対応については、報告書の中でも五ページ余りを費やしておられ、一つのポイントになっていると考えます。その一節には、本件においては、客観的構成要件該当性に関して罪証隠滅のおそれがあったとは考え難く、その考え方に検討の余地があったと思われるとされています。
このような見解に基づきまして、我々が、前の法務大臣、鈴木法務大臣に提出を申し上げました提言におきましては、保釈の例外規定、これは、本来、保釈というものはなされるべきところ、例外として、罪証隠滅のおそれであるとか重大犯罪など、こういった例外規定で保釈が認められない、こういうことなわけですけれども、それが反対とも感じられるようなこういう運用、これを適切な運用にしていっていただきたい、こういったことを求めたり、あるいはまた、罪を認めないと保釈がなされない、いわゆる人質司法と呼ばれるような状況、こういった指摘があることも受け止めていただいて、そういった指摘がないような対応に努めること、こういったことを要望いたしているところでございます。
本件に関しまして、検討状況を伺えたらと存じます。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
一般論として申し上げれば、被疑者、被告人の勾留、保釈については、被疑者、被告人が無罪を主張し、又は黙秘権を行使していることのみを理由として長期間身柄を拘束することはあってはならないものと承知しております。
その上で、最高検察庁におきましては、今般の検証の結果を踏まえまして、保釈請求に対してより適切に対応することについて、本年八月に全国の検察庁に向けて通知を発出したものと承知しております。
具体的には、罪証隠滅のおそれの有無及び程度について、被告人の供述状況のみならず、当該事案の証拠関係、立証構造及び公判における手続の進行状況をも的確に踏まえつつ、被告人を釈放した場合、罪証隠滅の客観的可能性及び実効性があるか、それから罪証隠滅の主観的な可能性があるかなどを具体的、実質的に検討し、適切に判断する必要があることなどを徹底するという旨の通知が発出されたものと承知しております。
また、最高検におきましては、この保釈請求の対応を含めて様々な取組を実施しているところでありますが、その一つとして、本年十月から十一月にかけて最高検察庁の検事が全高等検察庁を回り、管内の検察官に対して、この検証の結果、明らかになった問題点、反省点を直接説明し、議論を行うキャラバンを実施したものと承知しているところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。本当に丁寧に御答弁いただきました。
通知を発出していただいて、多角的に検討していく、こういったことをキャラバンをしてもより徹底をしていただいているということでございます。中身としては本当にそのとおり実行していただきたいと思いますけれども、それが、ケース・バイ・ケース、その場面においてしっかり実行されるということ、この担保をするというのはそう簡単ではないのかなと思っておりますので、是非注意深く進めていただきたいというふうに思います。
これは、保釈を実際に認めるか認めないか判断をする裁判所においても同じであると考えているところでございます。
この保釈の申請に関しましては、最高裁判所が二〇二六年、明年の一月、司法研修所において、全国の刑事裁判担当裁判官が保釈について意見交換を行う研究会を開催する予定であると報じられているところでございます。これは有意義なことだというふうに考えております。
その上で、その中では、当事者の意見、これは聴取することが極めて重要だと考えていますけれども、そういった場面は実際に起こり得るのか、内容は含まれているのか、最高裁の見解を伺います。
○平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
保釈の運用をどうしていくかにつきましては、各地の裁判官の間で不断に議論が重ねられてきておりましたが、いわゆる大川原化工機事件等を契機にいたしまして、その議論が活発に行われるようになっていると聞いております。
最高裁としても、各地で行われている議論を共有し、深掘りするための場を設けることは、適切な運用を確保する上で非常に有益だと考えておりまして、御指摘の研究会はまさにそのために行うものでございます。
御指摘の研究会では、その事件の保釈の判断においても問題となった罪証隠滅のおそれの程度、有無や、被告人の健康状態等をどのように正確に把握し、これを保釈の要否についての判断に生かしていくのかといったテーマに焦点を当てつつ、保釈の判断の在り方について議論することを予定しております。
このような研究会の目的を達成する上では、保釈請求事件等を含む刑事事件の経験が豊富な弁護士の方々に来ていただく、また検察官の方にも来ていただく、それぞれの立場から御意見、実情を伺うことが有益であると考えておりまして、講師としてお招きする予定でございます。
○平林委員 当事者の意見、これは本当にしっかりと聞いていただくということが実務の改善につながるというふうに考えておりますので、是非しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
関連は最後になりますけれども、前回も申し上げましたとおり、この事件というのは日本の刑事事件の歴史においても重大な意味を持つものではないかと推察をするところでございます。だからこそ、世間の関心も高く、ネット上には臆測も交えた真偽不明の言説も飛び交っているところもあろうかと認識をしております。国民に正しい情報をしっかり伝えていくということは重要であります。
こうした観点で当該報告書を拝見いたしますと、これは必ずしも国民にとって分かりやすいものにはなっていないような印象を持っております。私は技術者出身ですので、私の学んできた文の書き方とは全く異なりますし、報道の文とも異なっているように感じます。やはり司法の文であったり行政の文に近い文体で記述されていまして、第一次バージョンとしては正しいと思うんですけれども、ただ、やはり専門用語が多かったり、個々の一文がすごく長かったり、あるいは、独特の表現ですよね、同年、同月とか、こういったこともあったりして、あと図もなかったりしまして、結構読みづらい、そういう感覚を強く持っているところでございます。
正しい情報を国民に提供するという意味においては、こうした表現とは異なる、一般国民でも読みやすい報告書を作成するなども重要なことのように考えますし、より広い意味では、国民に適切に情報を伝えること、こういったことに関する取組をしていただきたいと思いますけれども、法務大臣の御見解を伺います。
○平口国務大臣 お答えをいたします。
最高検察庁においては、御指摘のような事案を二度と繰り返さないようにするため、捜査、公判上の問題点を検証し、令和七年八月七日、ホームページに検証結果報告書の全文を掲載し、広く一般に公表しているものと承知をいたしております。
また、検証結果報告書の内容をより分かりやすく伝えるため、内容を簡潔にまとめた概要についても併せてホームページに掲載しているものと承知しております。
検察の活動は国民の信頼の上に成り立っており、検察当局においては、国民の信頼という基盤に支えられ続けることができるよう、御指摘のような点も踏まえ、今後とも適正な捜査、公判活動の遂行と必要な周知、広報活動に努めていくものと考えております。
○平林委員 努めていくものと、若干ちょっと客観的な表現でしたので、是非努めていっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、話は少し変わりまして、司法手続のデジタル化について質問をさせていただきたいというふうに思います。
民事手続のデジタル化に関しましては、改正民事訴訟法が令和四年に成立をしている。また、本年の通常国会では民事データベース法が成立しております。これらの施行に向けた準備状況について、政府の見解を伺います。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
まず民事裁判手続のデジタル化についてお答えいたしますと、民事訴訟手続については、令和四年五月に成立した民事訴訟法等改正法が段階的に施行され、ウェブ会議による口頭弁論期日への出席等が可能となっております。
この改正法は、公布の日から四年を超えない範囲内、すなわち来年五月二十四日までの政令で定める日に全面施行されることになっておりまして、全面施行により、判決書を含む訴訟記録の電子化、オンラインによる訴え提起等が可能になります。
また、民事執行などの民事訴訟以外の民事裁判手続についても、令和五年六月に成立した改正法により、令和十年六月までにデジタル化が行われ、事件記録の電子化やオンラインによる申立て等が可能となります。
法務省におきましては、今後も引き続き周知、広報に努めてまいりたいと考えております。
○内野政府参考人 お答えします。
民事裁判情報の活用の促進に関する法律は、第二百十七回通常国会において成立させていただきまして、本年五月三十日に公布されたところでございます。
本法律のうち、国の責務や民事裁判情報の提供等の業務を行う指定法人の指定に関する諸規定については公布後九月以内に、その余の規定につきましては公布後二年以内にそれぞれ政令で定める日から施行することとされております。
現在、本法律のうち、指定法人の指定等に関する諸規定の施行に向けた準備といたしまして、民事裁判情報の仮名処理基準等を規定する施行規則の制定、施策に関する基本事項や民事裁判情報の提供等に関する基本的事項等を定める基本方針、この策定に向けた作業を行っているところでございます。また、今後、本法律の全面施行に向けましては、指定法人の指定等、こういった事務作業、こういったことも進めていくことを予定しております。
民事裁判情報は、民間におけますAIの研究開発を含む様々な分野で活用されることが期待されておりまして、法務省といたしましては、民事裁判情報の適正かつ効率的な活用のための基盤整備を図ることを目的といたします本法律の円滑な施行に向けて、万全を期してまいりたいと考えております。
○平林委員 ありがとうございます。
一方で、刑事デジタル法は本年の通常国会で成立したわけですけれども、こちらの準備に関しましても伺います。
○佐藤政府参考人 御指摘のとおり、刑事手続のデジタル化につきましても、前の通常国会において情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律が成立し、本年五月二十三日に公布されたところでございます。書類の電子データ化などの主な規定につきましては、令和九年三月三十一日までの間に政令で定める日から施行するものとされているところでございます。
そのため、現在、新たなシステムの開発を行うとともに、運用に向けた準備を進めているところでございまして、今後は、新たなシステムの開発終了後、テスト工程を経て、令和八年の夏頃には裁判所や警察のシステムと連携するためのテストを開始し、新システムの運用に遺漏なきよう、その習熟に努めるなどの十全の準備を行った上で施行日を迎えることを想定しているところでございます。
引き続き、関係機関と緊密に連携しつつ、施行に向けた準備を万全なものとしてまいりたいと考えているところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。
当然といえば当然ですけれども、民事も刑事も準備がしっかり進められているということでございまして、基本的には、書類なりなんなり、手続が電子化されて、また、オンラインで面接ができる等々が行われていくということでございまして、これはしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
続いてなんですけれども、今日お配りしております資料が一枚ございます。こちらを御覧いただきましたら、これは本年五月にデジタル庁が公表した行政の進化と革新のための生成AIの調達、利用に関するガイドラインの概要でありまして、よく御存じだと思います。
これは、生成AIの利活用促進とリスク管理を表裏一体で進めるために、政府における生成AIの推進、ガバナンス、各府省庁における調達、利活用時のルールを定めるガイドラインでありまして、デジ庁にアドバイザリーボードが設置され、各省庁にはAI統括責任者、CAIOという立場の方が設置されるということになっております。
ここで強調されていますのは、高リスクAIへの取組であります。この資料の真ん中の下あたりに緑色の部分で高リスク生成AIということが書いてございますけれども、相対的に高リスクである可能性がある生成AIの利活用であっても、行政の進化や革新をもたらす取組については、適切なリスク対応を行った上で可能な限り安全かつ効果的なAIプロジェクトとして実施していけるよう、その取組を後押しするとされているわけでございます。
その高リスクというものが何かというと、例としては、個人情報を使用し、人間の生命、身体、財産に影響を及ぼす業務における活用を想定しているなど、二つほど例がありますけれども、法務省の業務は結構どちらも関連するように感じているところでございます。そういう高リスク業務であってもCAIOにはAIの活用推進が求められている、こういう状況になっているわけでございます。
実際に法務省に設置されたCAIOは現在どのような取組を進めており、また、今後どのように進めていこうとされているのか、御見解を伺います。
○滝田政府参考人 お答えします。
御指摘のガイドラインでは、各府省庁においてAI統括責任者であるCAIOを設置するなどし、AIガバナンス体制を整備するものとされております。
法務省においては、本年七月に、CAIOを、私でございますけれども、大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官とする管理体制を整備するとともに、法務省における生成AIの適切な利活用を促進するため、生成AIシステム利活用ルールを策定し、省内に周知の上、省内各部局における生成AIの導入に向けた検討状況の把握、その推進やリスク管理などを行っております。
法務行政は国民生活に密接に関わるものでございますので、国民の利便性向上のためにも、法務省として生成AIの利活用を適切に推進することが必要と認識しており、引き続き、CAIOが司令塔となって、AI等の知見を有する外部有識者の御助言も得ながら、生成AIの利活用の促進とリスク管理に取り組んでまいりたいと考えております。
○平林委員 ありがとうございます。
デジ庁の中のアドバイザリーボードともしっかり連携をしていただいて進めていただけるというふうに思いますけれども、その上で、当然のことかもしれませんけれども、各部局は各部局で自分たちのことを進めていくということはあろうかと思いますけれども、それだけではどうしても部局最適化となってしまって、省内全体の利活用も見据えた設計、推進というものが見えてきません。
例えば、昔、同じ会社の製品なのにワープロソフトと表計算ソフトで操作性が何でこんなに違うんだろうみたいな、こんなこともありましたけれども、しっかり連携をしていかないと、民事と刑事、あるいはそのほかの部局において開発されるシステムが異なってしまう、こういったこともありますので、しっかりとそこら辺を、CAIO、またデジタル統括責任者も上にいらっしゃいますけれども、そういったことのリードをしていっていただきたいと思いますけれども、この辺に関しまして御見解を伺えたらと思います。
○階委員長 滝田さん、最後の答弁です。
○滝田政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘のとおり、部局を超えて、法務省全体として国民の利便性向上に向けて生成AIの利活用を促進することが重要でございまして、また、業務効率化などの観点からも重要な課題であると考えております。
法務省においては、先ほど申し上げた法務省における生成AIシステム利活用ルールに基づいて、CAIOが定期的に各部局から報告を受けるなどして生成AIの利活用状況等を把握し、必要に応じ、利活用ルールの見直しの検討や省内における利活用状況の共有等を行うこととしております。
具体的には、各部局の連携を目的として、法務省におけるデジタル化推進に向けた情報共有や方針決定を行う場としてデジタル・ガバメント推進会議というのを設置しておりまして、この会議の場で法務省内の各部局における生成AIの利活用状況等を共有するとともに、AI等の知見を有する外部有識者の助言も得ながら、利活用の促進を図ることとしております。
引き続き、CAIOとして、議員御指摘の国民の利便性向上という視点も踏まえまして、法務省全体として生成AIの利活用を推進してまいりたいと考えております。
○平林委員 しっかりと進めていただくことを御期待申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○階委員長 次に、本村伸子君。
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
非核三原則の堅持について、まずは質問をさせていただきたいと思います。
私の父は、長崎の被爆者です。父の弟は、原爆の光を浴び、八十年前、命を奪われました。被爆者の方々は、自分と同じような思いを二度と誰にもさせたくないという思いで、核兵器の廃絶のために御尽力をいただいているというふうに認識をしております。
平口大臣は、爆心地にも近い広島二区から選出をされている衆議院議員であり、そして大臣です。原爆で命を奪われた方々、人の形で死ぬことさえできなかった方々の無念の思いや、命は助かったけれども苦しみ続けてこられた方々のこと、人生を懸けて、命を懸けて、核兵器の廃絶、恒久平和と魂の声を上げ続けてこられた被爆者の方々のそうした思いをずっと聞いてこられたというふうに思います。昨日も、超党派の勉強会で日本被団協の皆様が、核兵器廃絶と、そして非核三原則の堅持、法制化を訴えておられました。
広島二区選出の大臣として、非核三原則の堅持をする、その決意を是非お聞かせください。
○平口国務大臣 お答えをいたします。
この場は法務大臣として答弁しているのでありまして、お尋ねの非核三原則については所管外の事柄でありまして、お答えする立場にないことを御理解いただきたいと思います。
○本村委員 十一月十八日、中国新聞のウェブ版で、平口法務大臣は、三原則は守ってもらいたいというふうにお答えになっております。そういう思いということでよろしいでしょうか。
○平口国務大臣 同じ答えになりますが、この場は法務大臣として答弁しているのであって、お尋ねの非核三原則についてはお答えする立場にないことを御理解いただきたいと思います。
○本村委員 政治家として答えていただきたいというふうに思います。
今日お配りをしております資料の中に、日本被団協の皆様の声明をお配りをさせていただきました。二〇二五年十一月二十日に出されている声明です。
高市内閣は、安保関連三文書の改定に伴い、非核三原則の見直し議論を与党内で開始させる検討を今月二十日にも始める、と報じられています。日本被団協はこれまで一貫して日本政府に対し「非核三原則の法制化」を求めてきましたが、この要請に政府は「国是であるからあえて法制化の必要なし」と答え続けてきました。今年の外務省要請でも「非核三原則は我々の大事な政策で、一丁目一番地である」と回答しています。
これまでの政府見解を覆し、見直し議論を開始することについて日本被団協は強く抗議します。
私たちは長年、原爆被害の実相を語り、核兵器は人間と共存できないことを訴えてきました。被爆者は身を持って体験した“地獄”の苦しみを二度とだれにも味わわせたくないからです。「ふたたび被爆者をつくるな(ノーモア・ヒバクシャ)」は、わたしたち被爆者のいのちをかけた訴えです。核兵器は絶対に許してはなりません。
というふうに書かれております。
閣議を出させない、そして閣議が出てきたときにはノーと言う、署名をしない、そういうふうに動いていただきたいと思います。そして、被爆者の思いを踏みにじることがあってはならないということで行動していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○平口国務大臣 重ねて申し上げますが、お尋ねの非核三原則については所管外の事項であり、お答えする立場にないことを御理解いただきたいと思います。
○本村委員 広島二区から選出をされた衆議院議員として、政治家として動いていただきたい、被爆者の思いを伝えていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○平口国務大臣 一政治家としてのお答えは、ここでは差し控えたいと思います。
○本村委員 核兵器廃絶、非核三原則の堅持、法制化、是非実現をしていただきたいというふうに思います。
次のテーマに移らせていただきます。
性購買者への処罰について質問をさせていただきます。
今の売春防止法は、性を売る女性が処罰の対象であり、性を買う者は処罰の対象ではございません。売春防止法や人身売買禁止条約の中では性売買と尊厳に関してどのように規定されているのか、伺いたいと思います。法務省と外務省、お願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
売春防止法では、一条において、「売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることに鑑み、売春を助長する行為等を処罰することによつて、売春の防止を図ることを目的とする。」と規定されているところでございます。
○三宅政府参考人 お答え申し上げます。
我が国が一九五八年に締結いたしました人身売買及び他人の売春からの搾取の禁止に関する条約の前文におきましては、「売春及びこれに伴う悪弊である売春を目的とする人身売買は、人としての尊厳及び価値に反するもの」と規定されているところでございます。
以上です。
○本村委員 法務大臣にお伺いをいたします。
性売買において誰の尊厳が害されるということなのか、伺いたいと思います。
○平口国務大臣 お答えをいたします。
売春防止法制定時の所管部局担当者によれば、売春をし、又はその相手方となるという行為は、それ自身で人間の尊厳を汚し、現在社会に認められている性道徳に著しく違反するものと説明をされております。少なくとも売春をする者の尊厳は害されるものと考えられます。
○本村委員 今大臣が言われたのは、「売春が人としての尊厳を害し、」というのは、買われる女性の尊厳が害されているという理解でよろしいですね。
○階委員長 平口大臣、端的にお願いします。
○平口国務大臣 売春をし、又はその相手方となるという行為は人間の尊厳を汚すということなので、通常女性ですけれども、女性だけでなくて相手方の男性の方も尊厳が害されるというふうに考えております。
○本村委員 性を買う者の尊厳が害されるということをおっしゃっているんですか。
○平口国務大臣 双方が該当するということでございます。
○本村委員 性を買う側の尊厳はどのように害されるんでしょうか。買う側ですよ、買う側。
○階委員長 平口大臣、明確に答弁してください。
○平口国務大臣 性を買う側の方の尊厳も害されるということでございます。
○階委員長 ちょっと政府参考人からも答弁させます。お願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
この売春防止法、昭和三十一年に制定されるわけですけれども、その制定当時の担当者によりますと、今大臣が答弁したとおり、売春をし、又はその相手方となる行為は、それ自身で人間の尊厳を汚しという形で、そのような文献が現在残っているということでございまして、その趣旨を大臣は答弁したものだと理解しておりますが、それをどのように評価するかというのは、またいろいろな議論があり得るところではないかと思われるところでございます。
○階委員長 ちょっと、そこ、食い違っているよ。食い違っている。
○佐藤政府参考人 この文章によりますと、買う側の尊厳も害されているということが読める文章になっているということでございまして、今これをどのように評価するかというのは、また御議論のあるところかと思います。
○本村委員 じゃ、性売買において健康を害される側はどちらでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
健康を害される側という意味にもよると思いますけれども、一般に、先ほどから大臣が答弁されているとおり、女性が不特定の相手方と性交等する場合が実情として、数としては多いだろうと。どちらもあるわけですけれども、そういう中でいきますと、委員の趣旨は、女性が売春をする場合の方にいろいろな、何といいましょうか……(本村委員「PTSD」と呼ぶ)まあ、PTSDに限らず、人権侵害的な法益の侵害があるということは事実だろうと思います。
○本村委員 尊厳を害されている、買われる女性が今処罰の対象となっているわけです。これはおかしいというふうに思いませんか。
○平口国務大臣 お答えをいたします。
まず、売春防止法においては、売春を助長する行為等が処罰の対象とされているところ、男性が当該行為に及んだ場合には男性も処罰の対象とされ得るのであり、女性のみが処罰の対象とされているものではないと承知をいたしております。
その上で、売春防止法第五条が売春を勧誘する行為等を処罰の対象としているのは、売春の行為そのものの違法性に着目したものというよりも、そうした行為が社会で行われることによる風紀の乱れというようなものに着目したものであると承知しております。こうした規制の在り方そのものについては、必ずしも不合理なものではないと考えております。
○本村委員 売春防止法の保護法益ですけれども、なぜ、女性の尊厳より、風紀を乱すことを是正することに重きを置いて保護法益にしているのか、個人の尊厳に重きを置いた保護法益にするべきだというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○平口国務大臣 現行の売春防止法第五条においては、売春の行為そのものの違法性に着目したものというよりも、社会の風紀の乱れというようなものに着目し、売春を勧誘する行為等を処罰対象としたものと承知しております。こうした規制の在り方そのものについては、必ずしも不合理なものではないと考えております。
○本村委員 個人の尊厳に重きを置いた保護法益にするべきです。
現行法では、性を買われる女性が処罰される体系であるということで、性を買う者が性を買われる人に性暴力や暴力、様々な意に反する強要などあっても泣き寝入りせざるを得ない状況があります。性を購入する者、性購買者を処罰することによって、何らかそういう暴力、性暴力があれば、性販売者が今よりも通報できる、性を売る側が、何かそういう暴力的なことがあったら通報できるようになるということで、力関係を変えることになると考えます。
尊厳を害される、性を買われる女性を処罰するのではなく、性購買者を処罰をし、力関係を変えるべきだというふうに考えますけれども、法務大臣、いかがでしょうか。
○階委員長 最後の答弁になります。
○平口国務大臣 売春防止法による処罰の在り方が現在のようになっておりますのは、性の問題に関しては、判断能力の十分な者については、私生活上の行為としてあえてこれを処罰の対象とすることまでは適当ではないものの、売春を助長する行為等については、私生活上の行為を超え、売春を蔓延させる可能性があるなどといった様々な議論を踏まえた結果であります。売春行為及びその相手方となる行為を処罰の対象とせず、売春を助長する行為等を処罰することによって、売春による種々の弊害を防止しようとしたものであるものと承知しております。
その上で、売春防止法五条に規定する行為は、社会の風紀を乱し、公衆に迷惑を及ぼすことから、処罰対象とされているものと承知しております。
売春の相手方の行為を処罰することについては、その保護法益をどのように考えるか、当該行為をめぐる実態に照らし、その保護法益が当該行為によってどの程度侵害されていると言えるか、処罰の対象とすべき行為を明確かつ過不足なく規定することができるか、男女の性に関わることであり、機微にわたる部分もあるところ、国民の自由を不当に制限することとならないかなどの点について、十分に検討していくことが必要であると考えられます。
いずれにせよ、先日、高市総理大臣から御指示があったとおり、売春防止法を所管する法務省において、近時の社会情勢などを踏まえた売買春に係る規制の在り方について、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○階委員長 本村君、まとめてください。
○本村委員 はい。
今日、津島副大臣も来ていただいて、答弁できずに申し訳ありません。
是非、性売買、性搾取の実態調査をしていただきたいと思います。性販売者、性を売る側の方々の健康被害も含めてしっかりと実態調査を行って、どんな状況なのかということが分かっていないから大臣はそういうふうにおっしゃるんだというふうに思います。是非実態をしっかりと把握をしていただき、個人の尊厳を守る立場で法改正を是非していただきたいということを強く求めまして、質問を終わらせていただきます。
○階委員長 次に、吉川里奈君。
○吉川(里)委員 参政党の吉川里奈です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず冒頭に、先ほど米山議員より、十九日の私の質疑の内容について政府参考人に事実確認をされましたが、警察が取り合ってくれない事件を警察庁が事件があったものとして処理しているわけがなく、私は、紙の上のデータの話ではなく、現場の声、国民の声を拾い上げていただきたいということが主張であって、これは何ら事実に反するものではないということを述べさせていただきます。
さて、本題に入りますが、本日は、特定技能制度についてお伺いいたします。
令和四年十二月から令和五年十一月まで、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議が開催され、特定技能制度の見直しに向けて様々な提言が取りまとめられました。その中には、政府の判断で受入れ見込み数や受入れ対象分野は適時適切に変更できるという極めて重要な提言が含まれており、政府はこれを受け入れております。その結果、令和六年三月二十九日の閣議決定において、特定産業分野に自動車運送業など四業種が新たに追加され、今後五年間で八十二万人を受け入れる方針が決定されたという経緯があります。
ここでお伺いいたします。
令和四年十二月から令和五年十一月までに開催された技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議、これの座長はどなたでしたでしょうか。また、座長や構成員、ヒアリング先の選定は誰がどのような基準で選定しているのか、教えてください。
○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議については、独立行政法人国際協力機構、JICAの理事長に座長をお務めいただいておりました。
当該会議は、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議、これは当時のものですが、の下に開催されており、座長や構成員は関係閣僚会議の座長が決定し、関係者ヒアリングの対象者は、有識者会議、ここにおいて決定されていたものでございます。
○吉川(里)委員 ありがとうございます。
座長はJICAの理事長であったということですけれども、大手運送会社の特定技能による外国人労働者の受入れの報道について、SNS等では否定的な意見が多い一方で、もう十分な外国人材が集まらないのではないかという声もあって、東南アジア諸国からは日本がもう選ばれない国になるのではという意見もあります。こうなると、次はアフリカから人材を確保しようという流れになるのではといった懸念がございます。
ここでお聞きします。
今後、アフリカ諸国と特定技能に関する二国間協定を締結する予定はありますか。例えば、JICAのアフリカ・ホームタウンとして指定されたナイジェリア、ガーナ、モザンビーク、タンザニアの四か国は締結国候補となっているのか、教えてください。
○内藤政府参考人 済みません、冒頭ちょっと訂正がございます。
先ほど、私、答弁で、座長や構成員は関係閣僚会議の座長が決定しと申し上げたようなんですけれども、正確には議長が決定しでございます。訂正させていただきます。済みませんでした。
今のお尋ねでございますけれども、現時点で、ナイジェリア、ガーナ、モザンビーク及びタンザニアを含むアフリカ諸国との間で、特定技能に関する二国間取決めに係る協議は行っておりません。
また、特定技能に関する二国間取決めに係る協議については、特定技能外国人の受入れ状況などを踏まえ、その必要性を今後も適切に判断してまいりたいと考えております。
○吉川(里)委員 ありがとうございます。
JICAのアフリカ・ホームタウン構想というのは、国民の強い反対を受けて撤回となりました。こういった政府の方針に対する不安というのは確実に存在しています。
また、ナイジェリア政府が、日本が特別なビザを作ると発表したことについて、今後日本が二国間取決めを進めることになれば、これはあながち誤情報ではなかったのではないか、つまり、特定技能のことだったのではないかということにもなりかねません。
さらに、ナイジェリアに関しては、一部地域に対して外務省の渡航中止勧告が出るほど今治安の悪化が続いていて、女子学生の拉致といった事件も続いております。こういった問題であったり、アフリカ諸国の中には、WHOや外務省が感染症リスクについて注意喚起を出している地域もあり、国ごとの公衆衛生体制の違いを踏まえると、やはり感染症対策の観点からも極めて慎重な検討をお願いしたいというふうに考えております。
この有識者会議の構成を見ると、先ほどの座長がJICA理事長、中の構成員は、北海道知事、商工会議所、経団連、そして、そのヒアリング先は、一般財団法人外国人材共生支援全国協会、NAGOMi、NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク、国際労働機関、国際交流基金、国際人材協力機構といった国際機関や産業界といった外国人受入れに対して推進派、主に積極的な方々、あるいは受益者の方々が中心となっているように感じます。しかし、外国人受入れは必ずしも国益に資するとは限らず、むしろ、地域社会や労働現場では受入れに慎重な立場の意見というものもあるのではないかと思います。
現在、特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議が行われていると思いますが、こういった構成員やヒアリング先について大臣に前向きなお考えをお述べいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○平口国務大臣 お答えいたします。
御指摘の有識者会議は、入管法等において、特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針を定めるに当たって、あらかじめ制度に知見を有する者の意見を聞く旨規定されていることを受けて、内閣官房長官を議長とする外国人の受入れ・秩序ある共生社会の実現に関する関係閣僚会議の下、開催されております。
有識者会議の構成員は関係閣僚会議の議長が指名するとされており、また、関係者ヒアリングの実施については、その都度、その必要性を踏まえて、有識者会議において決定されることとなります。
そのため、会議の構成員や関係者ヒアリングについて法務大臣としてお答えすることは差し控えたいと思いますが、関係閣僚会議の副議長として、また制度の所管大臣として、外国人の受入れが適正に行われるよう努めてまいりたいと考えております。
○吉川(里)委員 ありがとうございます。
是非、今しっかりと検討していくということをお答えいただきましたので、やはり、副議長として双方の、推進派と受入れ慎重派と両方の観点からの意見を反映させていただきたいというふうに思います。
さて、特定技能ですけれども、本来、国内で人材確保を努力してもなお難しい分野に限るという限定的な在留資格かと思います。しかし、企業だけに賃上げを求めても、中小企業には余力がなく、限界があります。政府がまず取り組むべきは、減税と積極財政によって賃上げ可能な環境を整えることであると我が党は考えております。
先日の参議院予算委員会でも、我が党の安藤議員が賃上げ妨害税と指摘した消費税の問題、これはまさに賃上げを阻害している要因であって、政府が賃上げを本気で進めるのであれば、減税、特に消費税の見直しを、避けて通れない課題であり、早急な対応をしていただきたいと考えております。
また、以前、大学生向けのサイトで底辺職業ランキングというものがSNSで炎上したことがあるんですけれども、ここに挙げられた職業の多くが特定技能の分野なんです。社会を支える基幹的な職務であるにもかかわらず、長年低賃金構造と低評価が放置され、人材が集まらない状況を生んでいます。
さらに、人手不足だから外国人という議論が広まっておりますが、その前に、日本国内には、完全失業者が百八十万人以上、そして、働く意欲はあるのに求職活動に至っていない潜在的な働き手、こういうのが数百万人規模で存在しています。まずは国内人材の掘り起こし等、就業支援こそ私は最優先すべきかと思います。
戦後の時代も氷河期世代も、厳しい環境でも懸命にみんな働いてきました。今は仕事があるのに日本人がやらない状況というのも広まっていて、将来AIが進むと、事務職やホワイトカラーといった仕事こそが大きく減っていく可能性というものがあると考えられます。
若者に、働くとは何か、そして家庭や学校でもこれを伝えていく、教育も見直す必要があると考えますが、こういった減税と積極財政による賃上げ、そして価値観教育と意識改革による国内人材の確保、これを私は車の両輪として進めるべきと考えるんですが、大臣の御見解を伺います。
○階委員長 時間が経過しております。端的に、短くお願いします。
○平口国務大臣 特定技能制度による外国人の受入れは、生産性向上や国内人材確保のための取組を行った上でなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限って行っております。
国内人材確保のための取組には、各分野における国内人材の就業促進のための取組や人手不足を踏まえた処遇の……
○階委員長 簡潔にお願いします。
○平口国務大臣 処遇の改善が含まれるものでありまして、各分野において分野の実情を踏まえた取組をいただいているものと認識しております。
○吉川(里)委員 適切にされていると言いますけれども、育成就労も特定技能も、やはりこれは政府が受入れ数や対象分野というのは随時見直せる制度でありますので、人手不足だから外国人と外国に依存するような国になってしまうと、やはり、今後、日本人比率が下がると、日本の文化、モラル、風習といった面からも日本の社会基盤そのものが揺らぎかねないと考えますので、是非、先日もお伝えしましたが、蛇口を閉めるといった選択も考慮に入れていただいた上で、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
ありがとうございました。
○階委員長 次に、島田洋一君。
○島田(洋)委員 日本保守党の島田です。
最近、政党の街頭演説に対する妨害行為がエスカレートしています。街宣車の横に近づいてきて、拡声機を使って演説が聞こえないようにする。しかも、その模様をビデオに撮って、SNSに上げて収益を上げる。演説妨害というのはもうかるななんということをうそぶいている人々もいるわけで、これを放置すると、収益が入ってくる話なので、模倣犯がどんどん現れかねない。これは厳正な対処が必要だと思います。
我々の党が受けた最近の被害を一例挙げておくと、十一月二日に名古屋駅前で街頭演説したんですけれども、我々で道路使用許可を事前に取って、時間を決めてやっていた。ところが、道路使用許可も取っていないヘイト集団が来て、街宣車のすぐ横でずっと拡声機で演説妨害する。その場にいた人は内容が聞こえなかったと。これは、憲法二十一条に規定された表現の自由、聞く自由の完全な侵害だと思っています。
我々としては、参議院議員の北村晴男議員中心に、既に告訴状を所轄署に出しています、威力業務妨害ということで。かつ、そういう連中の阻止に当たっていた人一人が、耳元でずっと拡声機をやられたので、聴覚障害で一週間入院する。こちらの方は被害届を出しています。
こういう状況というのは放置してはならないと思いますけれども、大臣の見解を伺います。
○平口国務大臣 一般論として申し上げれば、選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会でありまして、選挙が公正に行われるためには、選挙運動は自由に行われなければならず、運動の妨害はあってはならないと考えております。
法務省の所管する法律ではございませんが、公職選挙法二百二十五条においては、いわゆる選挙の自由妨害罪として、選挙に関し、交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し云々と、不正の行為をもって選挙の自由を妨害するなどの行為をした者は、四年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する旨規定されているものと承知をしております。
その上で、お尋ねの法整備については、選挙運動に関する事柄であることから、各党会派で御議論いただくべきものであると考えております。
○島田(洋)委員 私、五分しかないので、大臣の答弁は質問妨害に当たるとすら言えるんですが。
ちょっと警察庁の方に伺いますけれども、いわゆる会場整理とか通常の秩序維持というのはもちろんその党のスタッフが行うことであって、襲撃等を防ぐために警察官が配置される、そういう役割分担になっていると思うんですが、この拡声機を使って云々というのはグレーゾーンだと思うんですけれども、これはやはり、例えば我々のスタッフが一時的にそういう拡声機を押さえて、そして演説が終わってから返還するというようなことはできますけれども、当然、もみ合いになって暴力を振るわれるかもしれない。これは、やはり警察がきちんと、そういったような拡声機、演説妨害に使われているものは一時的に押収するといった措置に私は出るべきだと思いますが、いかがですか。
○階委員長 警察庁鈴木長官官房審議官、最後の答弁になります。
○鈴木政府参考人 お答えを申し上げます。
街頭演説において拡声機を用いた抗議行動が行われた場合の対応につきましては、個別具体の状況に応じ法令に則して対応することとなるため、一概にお答えをすることは困難でございます。
なお、警察は、不偏不党、公平中正を旨としつつ、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、公共の安全と秩序の維持に当たることがその責務でありますことから、街頭演説に関しましても、必要に応じ、政治活動を行う政党側と十分な連絡を取り、関係者の安全確保、トラブル防止等のための措置を講じているところでございます。
○島田(洋)委員 これは全ての党が被害者になり得る話なので、しっかり警察においても法務省においても対応いただきたいと思います。
では、時間が来ましたので、これで終わります。
○階委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時七分散会

