第1号 令和7年3月7日(金曜日)
本国会召集日(令和七年一月二十四日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。委員長 堀内 詔子君
理事 中曽根康隆君 理事 星野 剛士君
理事 山田 賢司君 理事 源馬謙太郎君
理事 鈴木 庸介君 理事 太 栄志君
理事 西岡 秀子君
逢沢 一郎君 英利アルフィヤ君
大空 幸星君 新藤 義孝君
高木 啓君 広瀬 建君
松島みどり君 松本 尚君
茂木 敏充君 小熊 慎司君
亀井亜紀子君 篠原 豪君
竹内 千春君 武正 公一君
渡辺 周君 杉本 和巳君
西田 薫君 和田有一朗君
深作ヘスス君 西園 勝秀君
山崎 正恭君 阪口 直人君
令和七年三月七日(金曜日)
午後零時三十分開議
出席委員
委員長 堀内 詔子君
理事 中曽根康隆君 理事 星野 剛士君
理事 山田 賢司君 理事 源馬謙太郎君
理事 鈴木 庸介君 理事 太 栄志君
理事 杉本 和巳君 理事 西岡 秀子君
逢沢 一郎君 英利アルフィヤ君
大空 幸星君 高木 啓君
中野 英幸君 広瀬 建君
松島みどり君 松本 尚君
茂木 敏充君 小熊 慎司君
亀井亜紀子君 篠原 豪君
竹内 千春君 武正 公一君
渡辺 周君 西田 薫君
和田有一朗君 深作ヘスス君
西園 勝秀君 山崎 正恭君
八幡 愛君
…………………………………
外務大臣 岩屋 毅君
外務副大臣 藤井比早之君
外務副大臣 宮路 拓馬君
外務大臣政務官 英利アルフィヤ君
外務大臣政務官 松本 尚君
外務大臣政務官 生稲 晃子君
外務委員会専門員 山本 浩慎君
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委員の異動
三月七日
辞任 補欠選任
新藤 義孝君 中野 英幸君
阪口 直人君 八幡 愛君
同日
辞任 補欠選任
中野 英幸君 新藤 義孝君
八幡 愛君 阪口 直人君
同日
理事青柳仁士君一月二十二日委員辞任につき、その補欠として杉本和巳君が理事に当選した。
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本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
国政調査承認要求に関する件
国際情勢に関する件
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○堀内委員長 これより会議を開きます。
理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に杉本和巳君を指名いたします。
――――◇―――――
○堀内委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
国際情勢に関する事項について、本会期中国政に関する調査を行うため、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
――――◇―――――
○堀内委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。
外務大臣から国際情勢に関して説明を聴取いたします。外務大臣岩屋毅君。
○岩屋国務大臣 外務委員会の開催に当たり、堀内委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げますとともに、外交政策の所信を申し述べます。
ウクライナ侵略が国際秩序を揺るがし、安全保障環境も厳しさを増しています。国際社会の随所で法の支配に大きな挑戦がもたらされる中、日米同盟の強化、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた同盟国、同志国との連携、グローバルサウスとの連携の三点を重視しながら、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持することにより、我が国の平和と地域の安定を実現し、国際社会を分断から協調に導いてまいります。
我が国の外交、安全保障の基軸である日米同盟の充実と強化は、石破政権の最優先事項です。先般の日米首脳会談の成果を踏まえ、日米同盟を新たな高みに引き上げてまいります。
日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化、拡大抑止の信頼性と強靱性の強化、在日米軍の態勢の最適化に向けた取組を進めてまいります。同時に、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指して辺野古移設を進めるなど、沖縄を始めとした地元の負担軽減と米軍の安定的駐留に取り組んでまいります。
また、経済面では、双方に利益のある形で貿易を推進しつつ、両国における投資と雇用の拡大、先端技術分野における協力、そして、成長するインド太平洋の活力の取り込みを通じ、日米のパートナーシップを更に高い次元に引き上げてまいります。重層的な人的交流も拡充してまいります。
自由で開かれたインド太平洋の実現に向けては、G7、ASEAN諸国、豪州、インド、韓国、EU、NATOなどとの協力関係を更に強化し、日米豪印、日米韓及び日米比を始め、実践的な協力を進めてまいります。
我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、国家安全保障戦略の下、防衛装備移転、政府安全保障能力強化支援、OSAの推進や、サイバー対応能力の向上に取り組んでまいります。
また、テロ及びサイバー犯罪を含む国際組織犯罪分野での協力も強化してまいります。
サプライチェーンの強靱化や経済的威圧への対応、重要・新興技術の保全と促進など、経済安全保障の課題にも全力で取り組んでまいります。
偽情報の拡散などの情報戦には、情報の収集と分析、適時適切な発信、情報セキュリティー基盤の強化に取り組んでまいります。同時に、外交政策に対する国民の理解と支持を得るための発信にも努めてまいります。
近隣諸国などとは、難しい問題に正面から対応しつつ、未来志向の安定的な関係を築いてまいります。
中国との間では、様々な可能性とともに、尖閣諸島情勢を含む東シナ海、南シナ海における力による一方的な現状変更の試みや、我が国周辺での一連の軍事活動を含め、多くの課題や懸案が存在しています。台湾海峡の平和と安定も重要であり、さらに、中国の人権状況や香港情勢についても深刻に懸念しています。
同時に、日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に対して大きな責任を負っています。価値を共有する同盟国、同志国との確固たる連携を前提とした上で、戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、建設的かつ安定的な関係を構築するという大きな方向性の下、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくために互いに努力していくことが必要です。
ALPS処理水の海洋放出と日本産水産物の輸入規制に関する日中両政府による発表に基づき、中国による日本産水産物の輸入の早期再開を引き続き求めてまいります。また、拘束されている邦人の早期釈放、在留邦人の安全確保にも全力を尽くしてまいります。
韓国は国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国です。目下、韓国には内政上の動きがあり、また、日韓間には、隣国であるがゆえに難しい問題もありますが、現下の戦略環境の下、日韓関係の重要性はいささかも変わりません。北朝鮮への対応も含め、日韓、日米韓の緊密な連携を強化するべく、今後も緊密に意思疎通してまいります。
竹島については、歴史的事実に照らしても、国際法上も、日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応してまいります。
日中韓の協力についても、議長国としての取組を着実に進めてまいります。
北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて容認できません。また、北朝鮮兵士のウクライナに対する戦闘への参加といったロ朝軍事協力の進展は、ウクライナ情勢のみならず、我が国周辺地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に懸念しています。引き続き、関連安保理決議の完全な履行に向け、国際社会と緊密に連携してまいります。
日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するとの方針に変わりはありません。
全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸課題を解決するため、総理自身の強い決意の下、総力を挙げて最も有効な手だてを講じてまいります。
ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。
その上で、現在行われている米国、欧州を含む各国による外交努力が、国際社会の結束の下、長年にわたる戦闘行為の終結と一日も早い公正かつ永続的な平和の実現につながることが重要です。こうした我が国の立場に基づき、G7と連携しつつ、今後もウクライナ支援と対ロ制裁を継続してまいります。
日ロ関係は引き続き厳しい状況にあります。ロシア側による一方的な発信や措置には毅然と対応してまいります。同時に、漁業や我が国周辺の安全に係る問題のように、隣国として解決しなければならない懸案事項があり、ロシア側と適切に意思疎通を行っていく必要もあります。
北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持しつつ、最優先事項の一つである北方四島交流訪問事業の再開については、特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を強く求めてまいります。
中東情勢は、引き続き予断を許しません。ガザ情勢については、人質の解放と停戦に関する合意の誠実かつ着実な履行が必要です。
シリアにおいては、シリア人による対話を通じた包摂的な政治的解決の実現のための支援を行ってまいります。イスラエルとレバノンの停戦合意の完全な履行も不可欠です。
引き続き、関係国、機関と緊密に連携しながら、事態の早期鎮静化、人道状況の改善、イスラエルとパレスチナの二国家解決の実現、そして中長期的な地域の平和と安定の確立に向け、外交努力を重ねてまいります。
グローバルサウスとの連携も極めて重要です。今月のルーラ・ブラジル大統領の国賓訪日、八月の第九回アフリカ開発会議、TICAD9などの機会も捉え、様々な課題への解決策を共につくり上げてまいります。ODAやOSAも活用し、対話を通じたきめ細やかな外交を進め、ODAについては、民間資金動員の促進などの新しい仕組みを導入したいと考えております。
東南アジアや太平洋島嶼国、中南米諸国とも連携を進めてまいります。
各国との人的交流の一層の推進、精力的な文化外交を通じ、対日理解の促進に注力してまいります。
日本企業の海外展開や日本産食品の輸出拡大、対日直接投資を後押ししてまいります。在外公館長自ら先頭に立ち、経済広域担当官や日本企業支援担当官も活用して日本企業をバックアップしてまいります。
本年の大阪・関西万博、二〇二七年国際園芸博覧会の成功に向けた取組を推進してまいります。
ルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持拡大も重要です。多角的貿易体制の強化のためのWTO改革、CPTPPなどを通じた経済連携の推進、安全、安心で信頼できるAIの実現や、信頼性のある自由なデータ流通、DFFTの推進を含む新興分野での国際的なルール作りにOECDなどとも連携し、取り組んでまいります。
本年、国連が創設八十周年を迎える中、安保理改革を始めとする国連の機能強化に取り組んでまいります。
女性・平和・安全保障、いわゆるWPSに関する国連加盟国ネットワークの共同議長国として、人権や女性参画に根差した外交を推進してまいります。
NPT体制を維持強化し、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を行ってまいります。また、被爆八十年に当たる本年、被爆の実相の理解を一層促進してまいります。
ALPS処理水の海洋放出の安全性については、IAEAと緊密に連携し、科学的根拠に基づき、高い透明性を持って国内外に説明し、理解を得てまいります。
気候変動、国際保健、防災といった地球規模課題については、人間の安全保障の理念の下、SDGsの達成に向けた取組を加速し、ポストSDGsを見据えた国際的なルール形成を主導してまいります。国際機関における邦人職員の活躍も後押ししてまいります。
これらの取組に向けて、外交・領事実施体制の抜本的強化に取り組んでまいります。また、緊急事態対応や邦人保護、情報保全対策などに万全を期すため、在外公館の強靱化を推進してまいります。
最後に、今国会において外務省から提出予定の法律案と条約について、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
これまで平和国家とした築いてきた国際社会からの信頼の土台の上に、対話と協調の外交を全力で進めてまいります。
議員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。
○堀内委員長 以上で説明は終わりました。
次に、令和七年度外務省関係予算について、その概要説明を聴取いたします。外務副大臣藤井比早之君。
○藤井副大臣 令和七年度外務省所管予算案について、その概要を説明いたします。
令和七年度一般会計予算案において、外務省予算は七千四百四十八億六十五万四千円を計上しております。また、そのうち、四千三百七十九億八千七百五十六万二千円が外務省所管のODA予算となります。
なお、そのほか、外務省関連のシステム予算については、デジタル庁所管分として百六十九億九十八万三千円が計上されています。
ウクライナ侵略が国際秩序を揺るがし、安全保障環境も厳しさを増す中、日米同盟の強化、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた同盟国、同志国との連携、グローバルサウスとの連携の三点を重視し、我が国の平和と地域の安定を実現し、国際社会を分断から協調に導く外交を展開してまいります。
予算案作成に当たっては、五本の柱を掲げ、めり張りをつけて、必要な予算を計上しました。また、対ウクライナ支援や中東情勢への対応などの喫緊の課題には、令和六年度補正予算も活用し、早急に対処しているところです。
第一の柱は、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化」です。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組、OSA、政府安全保障能力強化支援の強化を含め、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境への対応を強化します。
第二の柱は、「新たな時代における国際協力の実施」です。オファー型協力や民間資金動員の促進を含め、マルチステークホルダーとの連携による効果的、戦略的なODAを推進します。
第三の柱は、「新たな時代における経済外交の推進」です。オール・ジャパンでの官民連携、また、第二の柱で述べた新しい国際協力の実践も通じて、我が国の経済力を強化します。
第四の柱は、「情報戦時代への取組の強化」です。偽情報の拡散を含む情報操作への対応や戦略的対外発信の推進を含め、情報戦にしっかりと対応してまいります。また、対日理解促進のため、文化外交、人的交流を推進します。
第五の柱は、「外交・領事実施体制の抜本的強化」です。在外公館の強靱化、機能強化、情報セキュリティー基盤の強化を進めます。また、中国における日本人学校の警備対策に対する支援を含め、邦人保護体制を強化します。
以上が、令和七年度外務省所管予算案の概要です。
堀内委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御賛同をいただけますようお願い申し上げます。
○堀内委員長 以上で説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時四十七分散会