第4号 令和8年4月9日(木曜日)
令和八年四月九日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 藤井比早之君
理事 東 国幹君 理事 笹川 博義君
理事 野中 厚君 理事 平沼正二郎君
理事 和田 義明君 理事 野間 健君
理事 池畑浩太朗君 理事 村岡 敏英君
石坂 太君 伊東 良孝君
江藤 拓君 門 寛子君
加藤 大博君 今 洋佑君
西條 昌良君 鈴木 拓海君
俵田 祐児君 中川こういち君
西田 昭二君 西山 尚利君
葉梨 康弘君 広瀬 建君
藤田ひかる君 宮下 一郎君
簗 和生君 山本 深君
庄子 賢一君 角田 秀穂君
渡辺 創君 柏倉 祐司君
関 健一郎君 佐々木真琴君
田中 健君 長友 慎治君
木下 敏之君 林 拓海君
…………………………………
農林水産大臣 鈴木 憲和君
内閣府副大臣 山田 賢司君
農林水産副大臣 根本 幸典君
農林水産大臣政務官 広瀬 建君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 服部 準君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 今井 裕一君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 古舘 哲生君
政府参考人
(農林水産省大臣官房総括審議官) 押切 光弘君
政府参考人
(農林水産省大臣官房技術総括審議官) 堺田 輝也君
政府参考人
(農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官) 中澤 克典君
政府参考人
(農林水産省農産局長) 山口 靖君
政府参考人
(農林水産省畜産局長) 長井 俊彦君
政府参考人
(農林水産省経営局長) 小林 大樹君
政府参考人
(農林水産省農村振興局長) 松本 平君
政府参考人
(林野庁長官) 小坂善太郎君
政府参考人
(水産庁長官) 藤田 仁司君
政府参考人
(海上保安庁総務部長) 澤井 俊君
農林水産委員会専門員 千葉 諭君
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委員の異動
四月九日
辞任 補欠選任
長友 慎治君 佐々木真琴君
同日
辞任 補欠選任
佐々木真琴君 田中 健君
同日
辞任 補欠選任
田中 健君 長友 慎治君
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四月八日
農林中央金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)
三月十三日
農業予算を抜本的に拡充すること等に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三八号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第三九号)
同(田村智子君紹介)(第四〇号)
同(畑野君枝君紹介)(第四一号)
食料の安定供給と自給率向上に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一三〇号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第一三一号)
同(田村智子君紹介)(第一三二号)
同(野間健君紹介)(第一三三号)
同(畑野君枝君紹介)(第一三四号)
同月三十一日
食料の安定供給と自給率向上に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一八三号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第一八四号)
同(田村智子君紹介)(第一八五号)
同(畑野君枝君紹介)(第一八六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
農林中央金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)
農林水産関係の基本施策に関する件
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○藤井委員長 これより会議を開きます。
農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、お手元に配付のとおり、政府参考人の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○藤井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊東良孝君。
○伊東(良)委員 おはようございます。
久しぶりの質問でありまして、お許しをいただきたいと思いますが、いずれも北海道に大きく関わる諸問題についてであります。酪農問題、またサケ・マスの増養殖、ふ化事業、あるいは鳥獣被害対策等々について順次聞いてまいります。
我が国の酪農、畜産業を次世代に引き継ぐ、また将来にわたって持続可能なものとするためには、地域農業の中核を成す中小・家族経営を含めた経営の継承、そしてまた継続が必要であります。外部環境に左右されない国産飼料に立脚した足腰の強い酪農、畜産農家の育成が重要である、こう思います。
また一方、これまで生産性向上を目指して推進をされてまいりました畜産クラスター事業がありますが、近年、政府の方針が若干変わって、これが一時ストップしておりました。ようやく新年度からまた再開される可能性が出てきているわけでありますけれども、施設の大型化に伴う負債も多額になるわけでありまして、これが牛乳消費の低迷と相まって経営の硬直化を図っているのではないか、特に中小規模の農家にとりまして、このクラスター事業の活用や円滑な継承が高いハードルになっているという声も根強くあるわけであります。
また、輸入飼料価格の高騰が長期化する、こうした中で、子実用トウモロコシの導入拡大や、あるいは耕畜連携による自給飼料の増産は、今、一刻の猶予も許されないところであります。
加えて、過酷な労働環境や高齢化が離農に拍車をかけておりまして、経営を維持、継承する上での大前提となる酪農ヘルパーの確保も、人手不足によりまして限界に近い状況にあります。
そこで、政府にお伺いしますが、中小・家族経営が地域の中で役割を果たし続け、着実に次世代へバトンを渡せるよう、施設整備支援、これに加えて、経営のソフト面や段階的な継承を支える支援をどのように進めていくのか、農水省のお考えをお聞きします。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
我が国の酪農を持続可能なものとしていくためには、規模拡大による収益性の向上に加えまして、中小・家族経営に資する取組も含め、支援することが重要だというふうに認識をしております。今までは規模拡大、規模拡大と言いがちだったんですけれども、やはり採草地などがしっかりとあれば、家族経営で、ある種、足腰の強い経営が可能だということもよく存じ上げております。
このため、令和七年度補正予算では、新たに持続性向上タイプというのを措置をいたしたところであります。牛舎などの施設や搾乳ロボットなどの機械の導入、施設の補改修や中古機械の導入を支援するに当たり、新規就農者や経営継承者などの中小・家族経営に対して、経営や営農技術などを助言する計画を地域で策定し、経営のソフト面や段階的な継承を支えることとしております。
今後とも、今、伊東先生から御指導がありましたとおり、中小の家族経営が地域酪農業でしっかりと役割を果たし、次世代に着実に経営継承がなされるように努力させていただきます。
○伊東(良)委員 自給食料の増産が一番叫ばれているところでありますけれども、農家への直接的なインセンティブ強化、あるいはこれを助ける酪農ヘルパーの安定的な人員確保、処遇改善に向けた具体的な支援策、それからまた、共同事業ではありますが、コントラクター、TMRセンターの事業をどう安定させていくのか、これによって中小の農家が非常に大きく助かる、こう言われておりますので、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○長井政府参考人 お答えいたします。
酪農におきましては、輸入飼料への依存を減らしまして、できるだけ国産飼料基盤に立脚することが経営の安定につながることから、畜産農家と耕種農家の連携や草地整備等によります生産性向上の取組を支援しているところでございます。
また、コントラクターやTMRセンターにつきましては、オペレーターの確保でありますとか機械の価格上昇等が運営上の課題となっておりまして、人材の確保、育成や機械導入等の取組を支援しているところであります。
特に、畜産クラスター事業におきましても、令和七年度からは、飼料製造用の機械の導入への支援を強化するとともに、一頭当たりの飼料作付面積を有する酪農家に対しまして搾乳牛舎の整備の支援を再開するなど、国産飼料の生産、利用の拡大を推進しているところであります。
また、酪農ヘルパーにつきましては、特に中小規模の酪農家が休みを確保し、持続的な経営を実現するために極めて重要であると認識しておりまして、新人ヘルパーの募集への支援でありますとか、給与を上げた組合への支援を令和八年度から大幅に拡充をいたしまして、安定的な人員確保、処遇改善を強力に推進しているところでございます。
農林水産省といたしましては、これらの取組をしっかりと推進してまいりたいと考えております。
○伊東(良)委員 これは本当に大事なことでありますので、是非しっかり検証し、そしてまた支援策をまとめていただきたい、こう思います。
続きまして、昨今の夏季の異常な猛暑、これにつきましては、北海道各地でも、夏の需要期における生乳生産の拡大に大きな影響を及ぼしております。酪農を持続可能なものとするために、現場の切実な課題である暑熱対策をどのように推進していくのか、お伺いをいたしたいと思います。
○長井政府参考人 お答えいたします。
近年の夏季の異常な猛暑によりまして夏の受胎が難しくなることによりまして、生産のピークが秋以降にずれることによりまして、夏の牛乳不足でありますとか冬の牛乳余りが拡大するおそれがございます。
これに対処するためには、まずは、換気扇でありますとかミスト、二重屋根等の設置によります飼養環境の改善、また、暑熱により受胎率が低下しやすい人工授精から、比較的高い受胎率が期待できる受精卵利用等の取組が効果的であると考えております。
農水省といたしましても、気候変動への適応を推進するための支援を令和七年度補正予算で措置したところでございますので、生産者の飼養管理の向上を後押ししてまいりたいと考えております。
○伊東(良)委員 酪農における課題はたくさんあるわけでありますけれども、最近のまた大きな課題は、牛乳・乳製品、脱脂粉乳等の需要低迷であります。
牛乳の需要が減少すれば、生産者の所得減少に直結をいたします。昨年末には、鈴木大臣を始め閣僚からも牛乳の消費拡大の呼びかけが行われたところでありまして、感謝をするところでありますけれども、今後も、ゴールデンウィーク期間などで、需給の緩みが懸念される時期が到来してまいります。国内の消費拡大に向けた取組はもちろんでありますが、長年課題となってきた牛乳・乳製品の輸出拡大や、あるいは発展途上国等への食料支援として提供するなど、具体的かつ実効性のある出口戦略を国としても強力に進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
牛乳・乳製品の消費拡大につきましては、牛乳でスマイルプロジェクトの旗の下、多様な主体による各取組の実施時期の集中や連携を進めており、全農等のニッポンエールプロジェクトや、ホクレン等のミルクランド北海道といった企画が展開されていると承知をしております。
農水省といたしましても、こうした民間の取組を支援しているほか、昨年末には、委員から御指摘がありましたように、鈴木農林水産大臣を始めとして複数の大臣や、与野党を問わず国会議員とともに、消費拡大に向けたPRを実施したところであります。
また、海外マーケットも取り込んでいくことは大変重要であると認識しております。農水省といたしましても、商流の構築等をオール・ジャパンでできる体制の構築等を支援をしているところであります。実際、日本の小売店の海外展開等に併せて販路を広げており、飲用牛乳の輸出実績は十年で二倍以上に拡大しております。また、販売店舗数が数年で二倍以上になった事例も承知をしているところであります。
脱脂粉乳を用いた食料支援につきましては、脱脂粉乳を無償で提供する必要があり、既に在庫低迷対策として行われている飼料への転用などの方が生産者の所得につながることには留意する必要があることに加え、現状、案件形成及び被援助国等からの要請には至っていないと承知をしておりますが、国会で御議論があったことを踏まえ、外務省から、ニーズがないか各国に打診し、その後もフォローを繰り返しているところであります。引き続き、外務省を始め関係省庁と連携してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○伊東(良)委員 外国から援助の要請がないというお話でありましたけれども、世界の人口の約一割近くが、今は恐らく七億、八億が飢餓人口の国々であろうと思います。そういったところから要請がないというのも不思議な話ではありますけれども、今御答弁いただきました外務省を通じて、日本ができることはないのかということをやはりしっかり受け止めていただく、その上で、乳製品等々の輸出が可能であれば、あるいは援助が可能であれば、そうすべきだと私は思うところであります。
時間がちょっとないものでありますから、次の質問に入ります。
漁業問題でありますが、我が国、特に東北、北海道の地域経済と食文化を長年にわたりまして支えてまいりましたサケ・マス増殖事業でありますが、今まさに事業開始以来の存亡の危機に立たされております。
北海道における昨年度のアキサケの来遊数は約六百八十五万尾であり、五十年ぶりに一千万尾の大台を割り込むという極めて異常な事態となっております。この歴史的な不漁は、親魚が確保できないことで、次の世代を担う種卵、卵でありますが、これが決定的に不足し、放流数の減少が更なる回帰率の減少を招くという底なしの負のサイクルに突入していると言わざるを得ません。
水産庁として、この不漁の根本原因をどう分析されるのか、また、その対策等につきまして考えをお聞かせいただきたいと思います。
○藤田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、我が国のサケの漁獲量につきましては、ふ化放流事業の振興と発展に伴いまして、昭和の末から平成にかけて増加し、ピーク時は二十万トンを超える漁獲量がございました。その後、平成の終わり頃に減少に転じまして、令和に入ってからは五万トン前後で推移しながらも、昨年は、それを大きく下回る一・六万トンまで激減しているという状況でございます。
このようなサケの不漁につきましては、近年の海水温の変動によりまして、放流した稚魚が海に下りて成長する時期の適水温の期間が短くなっていること、あるいは、稚魚が沿岸を回遊する時期の餌の環境が悪化していることなどの海洋環境が生き残りに影響しているというふうに考えております。
このため、その生き残りをよくするための、大型の稚魚をできるだけ放流するための技術開発に取り組んでいるところでございます。
○伊東(良)委員 もう時間がないので、最後に一言だけ。
経営破綻の危機に瀕している、こう言わざるを得ないわけでありますけれども、漁業者に対し、もはや既存の積立ぷらす等々の枠組みだけでは限界があるわけでありまして、その枠組みに縛られない所得補償でありますとか経営継続のための強力な手当てを講ずる考え方があるのか、政府としての明確な見解をお聞かせいただきたいと思います。
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
海洋環境の変化は、北海道、東北のサケに限らず、サンマの不漁だとか、昨年発生した瀬戸内海のカキのへい死、これらにも出てきていると思います。
このため、農林水産省としても、積立ぷらす等のセーフティーネットの活用に加えて、サケに代わる養殖への取組であったり、サンマ船でイカ釣りを兼業するなどの新たな操業体制の構築に向けた取組を支援したり、魚種等の変化に柔軟に対応した加工原料の転換や多様化に伴う新たな商品開発等の取組への支援などを進めているところでありまして、海洋環境の変化に対応できる持続的な水産業の実現を目指して取り組んでまいりたいと思っております。
○伊東(良)委員 先ほど言いましたように、鳥獣被害等々について質問する予定でありましたが、時間がもう過ぎてしまいましたので、また次回にしたいと思います。
今日はありがとうございました。
○藤井委員長 次に、西田昭二君。
○西田(昭)委員 おはようございます。自民党、石川県能登半島選出の西田昭二でございます。
この度は、質問の機会をいただきましたことに改めて感謝を申し上げるところでございます。
令和六年に発生をいたしました能登半島地震から二年と三か月、その後に発生をいたしました奥能登豪雨災害から一年と半年余りが経過をいたしたところでございます。本当にこれまで全国の皆様方からの温かい御支援、御協力、そしてまた政府、自治体による懸命な取組によって、復旧復興は着実に進んでいるところでございます。深く感謝を申し上げるところでございます。
しかしながら、現場では、まだまだ元の暮らしに戻れない、先が見えない、被災地は今なお厳しい状況に置かれているところでございます。特に農林水産業においては、地域の暮らしそのものを支える基盤であり、その再建なくして真の復興はあり得ないと思っております。
私は、被災者の一人として、また被災地の声を届ける立場として質問をさせていただきたいと思います。
まず、農地及び農業用施設についてお伺いをさせていただきたいと思います。
奥能登地域では、地震からの復旧途上において豪雨により再び被災する、いわゆる二重被災が発生をいたしたところでございます。何度でもやり直すしかないと踏ん張る声がある一方で、心が折れた、もう目の前が真っ暗だ、様々なお言葉をいただく、切実な声も現場から多く上がっておりました。
そのような中でも、昨年は作付、収穫に至った地域もあり、復興への一歩が見え始めているところであります。しかし、依然として耕作再開に至らない農地、そしてまた水利施設の復旧が遅れている箇所も多く存在するわけでございます。
そこで、お伺いをさせていただきますが、二重被災をした農地及び農業用施設の復旧は、現時点ではどの程度進んでいるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
能登半島の地震から復旧復興の途上で、令和六年九月の豪雨により被災した約四百ヘクタールの農地のうち、約百七十ヘクタールは令和七年春の作付までに農地、農業用施設の復旧を行い、被災前の七割を超える約二千ヘクタールの水田において作付が行われたところであります。
現在、本年春の作付に向け、国も県と連携して建設業者の確保に努め、新たに約二百ヘクタールの水田で営農が可能となるよう、農地、農業用施設の復旧を鋭意進めているところであります。
今後とも、県や市町村と緊密に連携し、地震と豪雨からの復旧を一体的に推進できるよう、支援に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○西田(昭)委員 ありがとうございます。
復旧する業者もなかなか手当てができないという声も多く聞かれる中でありますので、政府においても着実な復旧をお願いしたいと思っております。
次に、営農再開と担い手の問題について伺いたいと思います。
被災地では、農地が戻っても続けられない、将来の見通しが立たないといった声が多く、度重なる被災により営農継続への意欲そのものが揺らいでいるところでございます。また、やむなく離農や地域外へ転出を選択された方々もおられ、地域の担い手の確保は極めて深刻な課題となっております。
そこで、伺いますが、被災した地域のインフラ復旧だけでなく、地域の重要な産業である農業が復活できるよう、離農防止や新たな担い手となる新規就農者の確保に向けてどのような具体策を講じていくのか、政府の見解をお伺いをさせていただきます。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年能登半島地震の被害によりまして被災された方々が離農されることなく、一日も早くなりわいを再開できるよう、可能な限りの支援を行ってきたところでございまして、農林水産省といたしましては、令和六年一月二十五日に策定された政府の被災者の生活となりわい支援のためのパッケージに基づきまして、被災された農業者に対しまして、金融支援のほか、営農の再開に向けた農業用機械の修繕、再取得、それから施設の再建などの支援を行ってきたところでございます。
これによりまして、石川県では、営農再開に向けまして、農業用機械でありますとかハウス等につきまして、あくまでも令和六年度末までの段階でも約九百五十の経営体に対しまして支援を行ったほか、雇用就農資金でありますとか経営開始資金を活用いたしまして、これは令和七年度末までに、奥能登の四市町で九人の新規就農者が出てきたところということでございます。
引き続き、被災地の声にしっかり耳を傾けながら、被災自治体等とも連携して、地域農業の再生を支援してまいりたいと考えてございます。
○西田(昭)委員 ありがとうございます。
新規就農者であったり、またもう一度やってみよう、そういう意欲につながるように是非とも御支援のほど、よろしくお願いをいたします。また、最近では、JAの収穫祭であったり、季節ごとのイベントも開催をされております。私も参加して、両手いっぱいに買物をさせていただいたりさせていただいておりますが、またそういう活気が戻ってきつつありますので、引き続き応援のほど、よろしくお願いを申し上げます。
次に、水産業について伺いたいと思います。
漁業の復旧が進む地域では、徐々に活気が戻りつつある一方で、港は直っても海に出られない、様々な事情で漁業に戻れないといった声も多く聞かれるわけでございます。
そこで、お伺いをさせていただきますが、漁業施設の復旧状況と実際の操業再開率はどの程度なのか、また、若い方々も含めて、地域に戻り、安心して操業できる環境を整備することが必要だと考えておりますが、政府の見解を伺いたいと思います。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
漁港の復旧につきましては、まずは、なりわいを再開させるため短期的な仮の復旧と、次に、機能の向上を図るための中長期的な本復旧の二つの段階に分けて復旧を進めております。
このような考え方の下、石川県内、被災した六十の漁港につきまして仮復旧工事を進めまして、地盤隆起のない四十四の漁港全てと、地盤隆起が顕著な輪島市、珠洲市の十六漁港のうち十三漁港の陸揚げ機能を回復してございます。
このような復旧の進展と地元の皆様の御尽力によりまして、石川県の北部六市町におきましては、令和七年一月から十二月の漁獲金額の合計は九十三億九千万円で、震災前の令和五年の同期間の八五%まで回復してございます。
現在、被災した漁港施設の本復旧を加速させている段階でございまして、まだ漁業者の皆様におかれましては御不便な状況の下で操業されている面もあると承知してございますので、更なる機能の回復に向けまして、順次本復旧を進めてまいります。
農林水産省といたしましても、今後、若い方々を含めまして、将来にわたって皆様が安心して操業できることが必要と考えておりますので、石川県が策定されました復旧方針に掲げられている創造的復興にも配慮しつつ、伴走型の支援を進めるなど現地に寄り添いながら、スピード感を持って復旧に取り組んでまいります。
○西田(昭)委員 ありがとうございます。
奥能登では、最大隆起が、輪島、門前地区でありましたけれども、漁港が四メートルも隆起をした、そして輪島港では二メートル隆起をした中で、大臣も御視察もいただいたところでもありますが、本当に様々な工夫をして、うまく水揚げできるような仕組みとか、様々な対策を国と県と地元自治体と一緒になって取り組んでいただいている成果が徐々に見えてきているところでございます。引き続き、しっかりとした対策、支援をよろしくお願いを申し上げます。
最後に、農林水産業の持続的な再建についてお伺いをさせていただきたいと思います。
鈴木農林水産大臣、そして根本副大臣、また広瀬政務官におかれましては、発災直後からこれまで幾度となく現地に足を運ばれ、被災地の声に真摯に向き合いながら御対応いただいていることに、地元としても深く感謝を申し上げるところでございます。また、鈴木大臣におかれましても、本年も年明け早々、能登にお越しをいただき、本当に農林水産関係者に対して復興への力強いメッセージを発信をしていただいたことは大きな励みとなっているところでございます。
改めて大臣に伺いますが、能登の農林水産業の持続的な再建に向け、単なる復旧にとどまらず、将来を見据えた産業の再生をどのような決意で進めていくのか、力強い御答弁をお願いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
能登には、これまで、発災後、副大臣としては二回、そしてまた大臣になってからも二回、訪問させていただいております。その都度、現場も見せていただきながら、現地の農林漁業者の皆様から、創造的復興に向けた現場での取組、そして御苦労、こういったことを多数伺ったところであります。その思いに必ず応えていかなければならないというふうに考えております。
特に、創造的復興に向けては、単なる復旧をすればいいということだけではなくて、しっかりと改良して、もう一度豪雨が来たとしても対応ができるような、そういう改良復旧であったり、また、農林水産施設の機能向上、集約、再編化を進めることが重要であると考えております。
これらの取組を進めるには地域の合意形成が必要不可欠でありますが、ただ、現場の自治体の皆さんもマンパワーが当然不足をしておりますので、農林水産省としては、でき得る限り職員を現地に派遣をさせていただいて、基盤整備の実施を通じた将来像の絵姿の素案をこちら側から提示をするなど、石川県、能登地域の市町と協力をして、プッシュ型で地域の合意形成、そしてその後の創造的復興を後押ししてまいりたいというふうに考えております。
また、私も西田先生と一緒に輪島港で海女の皆さんからお話を伺ったのが大変印象的でありまして、漁港も、ハードは、やれば着実に進んでいると思いますが、海底の漁場みたいな考え方を言うと、なかなか、土砂がまだまだ流れ込んでいて、漁場の回復までは当然至っていないという現状も海女の皆さんからお伺いをして、やはり山の方のしっかりとした整備もこれから加速化をしてやっていきたいというふうに思っています。
いずれにしても、これからも、西田先生からも御地元の状況をしっかりと教えていただきながら、また必要に応じて現場にも伺わせていただいて、一つ一つではありますけれども、能登の復興が前に進むように精いっぱいやらせていただきます。
○西田(昭)委員 ありがとうございます。
力強い御答弁、本当に感謝を申し上げます。
復旧復興が進む一方で、燃油価格の高騰が漁業や農業者の再生に大きな負担となっております。現場の声を踏まえて、政府として実効性のある支援策を講じていただくよう強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、庄子賢一君。
○庄子委員 中道改革連合の庄子でございます。
御質問させていただきますが、まず、去る三月二十五日に、私、地元宮城県ですが、塩釜港で発生をいたしました巡視船からの重油の流出案件について、海上保安庁に来ていただいておりますので、何点かお尋ねをさせていただきます。
まず、日頃、海保の皆様には、海洋全般にわたる安心、安全のために日々厳しい訓練と、そして過酷な任務を担当していただいておりますことに敬意を表し、御尊敬申し上げるということを申し上げた上で、ただ、今回の案件はやはり漁業者を中心にかなり大きな被害になっていますので、原因究明と再発防止という観点も踏まえましてお伺いをさせていただきます。
塩釜港に停泊中の巡視船から重油が大量に海洋に流出をいたしました。当初、発表では一千リットルという報道だったんですけれども、調べてみると、その十五倍に当たりますおおよそ一万五千リットルが海洋に流れ出たということでございました。これは、いわゆる発電用のタンクに別のタンクから重油を移送している間、発電用のタンクがいっぱいになったにもかかわらずポンプが作動し続けたということが原因だというふうに言われております。
説明によりますと、三月二十五日の午前五時四十九分頃、漁業者から第二管区海上保安本部に、海上に油が流れていると一一八番通報がございました。その後、午前九時二十分頃に、関係各所に対してメールやファクス等で第一報が発出をされました。この間、約三時間半もの時間を要しておりますけれども、初動対応について問題がなかったのか、海上保安庁の認識を伺いたいと思います。
○澤井政府参考人 答弁申し上げます。
まずは、この度、海上保安庁の巡視船が油を流出させ、漁業関係者を始めといたします地域の皆様に多大なる御迷惑と御心配をおかけしていることにつきまして、深くおわびを申し上げます。
御質問につきましては、三月二十五日午前五時四十五分頃、本件に係る通報を受け、海上保安庁におきましては、流出した油の種類、量、範囲の調査及び防除を行うため、直ちに巡視船艇、航空機等を発動するとともに、午前六時十六分以降、仙台地方振興事務所、ここから漁協等の関係者に連絡することになっておりますので、この仙台地方振興事務所それから消防本部等の関係機関に対しまして連絡をいたしたというところでございます。
その後、九時二十分頃、それまでに油の浮遊状況などが分かってきましたので、その状況や対応状況等について広報を実施するとともに、その内容を関係機関や漁協等の事業者の皆様に一斉連絡をいたしました。
その間も地元の宮城海上保安部の勢力で油の防除作業を続けており、さらに、近隣部署の巡視船艇や、油の防除の専門家であります機動防除隊の派遣を受け、流出した油の回収作業、航走攪拌等を速やかに実施したところでございます。
○庄子委員 時間軸はよく分かりました。
改めて、初動について少し伺っておきたいんですが、この流出の発生源が当該巡視船だということを海上保安庁が認識をしたのは何時頃で、そして、吸着マットあるいはオイルフェンスといった防除作業に具体的に着手をしたのは何時頃なのか、お答え願います。
○澤井政府参考人 お答え申し上げます。
巡視船艇、航空機等による調査の結果、通報がありました海域を含む広い海域において浮遊油が確認されたため、油吸着マット等による回収作業を行いつつ更に調査を進めまして、二十五日の午前七時五十分頃に、油の流出源が海上保安庁の巡視船であることを確認いたしました。
流出源を特定したときには、既に巡視船からの油の流出は止まっておりましたが、巡視船の付近海面には油が滞留していたことから、油を回収して拡散を防止するために、九時十分頃から油吸着マットを巡視船の全周にぐるっと展張いたしまして、周囲を囲んでおります。
そして、翌二十六日までに巡視船艇付近の油を回収しましてほぼなくなっておりましたが、巡視船が係留していた桟橋に油がまだ付着しておりまして、これが潮が満ちてくるのに伴いまして再び海上に浮遊し始めたことから、拡散防止のために、二十六日の午後一時頃から、巡視船及び桟橋の周囲にオイルフェンスを展張したというところでございます。
○庄子委員 その手順が適正だったかどうかということについては、今捜査段階でもありますので、今後よく確認をさせていただいて、また御質問する機会があれば、再発防止ということも含めてお伺いをしたいと思うんですけれども。
私も、この事案発生四日後かな、船に乗って塩釜港をぐるっと回ってまいりましたが、油臭くて、海産物が油まみれになって全て台なしでございましたが、今後の補償の問題について、ちょっと、大事な観点なので伺っておきたいと思います。
ワカメの収穫の最盛期を迎えようとしていましたし、昆布はこれから収穫に入ろうとしていた時期でもございました。その量は、全体の量は、まだ日々積み上がっているので全体はまだ分かりませんけれども、千五百トンになると見られておりまして、被害額は七千万円を優に超える見込みであります。
塩竈の隣、七ケ浜はノリのブランドでございますけれども、先月二十八日、漁協の支所において、生産中止と廃棄を決定をしました。枚数にして約二千二百万枚、平均入札価格で三億円前後になると見られております。
今後の補償については、何よりも迅速な対応を求めたいというふうに思っております。収入を断たれた多くの生産者の皆様からは、自らの生活はもちろん、従業員を守るための緊急的な支援を求める声が届いています。
この事案の原因者たる海上保安庁には、鑑定人任せにせずに、補償支払い、査定と支払いの前面に立って対応していただきたいと思いますが、どのように対応されるか伺います。
○澤井政府参考人 お答え申し上げます。
まず、収入を断たれた漁業者の生活を守るためには、一刻も早く賠償金をお支払いする、このことが大事だというふうに考えております。このため、賠償に向けて早期に被害状況を確認するため、損害査定の専門家であるサーベイヤーと契約をいたしまして、被害に遭った海産物等の調査を実施しております。また、先般、漁業者の皆様に補償の関係も含みます説明会を実施いたしたところでございます。
海上保安庁は、損害を発生させた原因者として、漁業者の皆様から誠意を持ってお話を伺い、被害に遭われた皆様の生活を守るため、可能な限り早期に賠償ができるよう努めてまいります。
済みません、あと、一問目のときに、漁業者の方から通報を受けた時間、五時四十五分と申し上げたようでございますが、正しくは四十九分でございます。訂正させていただきます。
○庄子委員 今、サーベイヤーと契約をしている、こうおっしゃって、サーベイヤーの鑑定人がこの被害の査定をする、支払いの額を決めていくということになるんですけれども、浜値は、これはサーベイヤーが必ずしも全部詳しく知っているわけではないので、よく海上保安庁が知っておいてほしいんですけれども、浜値というのは十日に一回変わっていきますから、どの段階を査定の基準にするかというのは日々違ってきているということもよく分かって適正な賠償金額になっていくように、私は、むしろ、サーベイヤーではなくて、海上保安庁が現場の状況をよく調べた上で現実的な対応を是非していただきたい、こう思っています。
加えて、四月三日から、海産物や漁具の引揚げ作業が始まっています。海産物はすぐに陸に揚げて燃やせるかというと、そうではありません。一回乾燥機にかけて水分を抜いて、そして焼却ということになってまいりまして、ふだん全くしなくていい仕事、作業、労務、これが漁業者の負担になっております。
こうしたふだん必要としない労務や作業、こういったものをきちんと査定に組み入れるということを、サーベイヤーとともに海上保安庁は責任を持ってやっていただきたい。この認識も伺っておきます。
○澤井政府参考人 お答え申し上げます。
海産物そのものの損害費用に加えまして、廃棄に係る費用、それからそれに伴います人件費といったものを含めまして、油の流出によって生じた損害について漁業者の方に賠償するということとしておるところでございます。
○庄子委員 よろしくお願いします。
最後に、海上保安庁さん、もう一問だけ伺います。
いわゆる海業という取組を近年始めているんですけれども、この地域も例えば体験型漁業といったものに積極的に取り組んでいる地域でございまして、こうしたことを通じて、漁業、そして漁村の振興を支えていただいておりました。例えば、めかぶとか海藻狩り体験など、全て予約はキャンセルになっています。また、水産加工、あるいは輸送や配送、資材、こうしたものも全部キャンセルということになっていますので、直接の水揚げ被害以外の関係する実害についてしっかりと補償していっていただきたい。このことを最後に御答弁願います。
○澤井政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の体験型漁業を営む方を含め、本件に係る被害に遭われた方々からの相談については、個別の状況に応じて、一つ一つ誠意を持って対応させていただきたいと思っております。
そのため、現在、宮崎海上保安部等のホームページに被害に遭われた方々への相談窓口を設けまして、詳細な被害状況の把握に努めているところでございます。(庄子委員「今、宮崎と言いましたが、大丈夫ですか」と呼ぶ)申し訳ございません、宮城海上保安部でございます。失礼しました。
○庄子委員 しっかり対応をお願いしたいと思います。
水産庁長官、この問題について、水産庁が何か前面に出てやるというテーマではないかもしれませんが、今海上保安庁に答弁いただいたとおり、是非、目詰まりなくしっかり補償が行くように、また県や市町村とよく連携を取りながら進行管理をお願いしたいと思いますが、御発言をお願いします。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
水産庁におきましても、現場の方で油が流出した、あるいは養殖業に被害が生じているという話につきましては、海上保安庁から情報提供を受けております。
私どもといたしましても、引き続き、県と緊密に連絡を取りながら被害の状況ですとか漁業への影響の把握に取り組んでいくとともに、海上保安庁による対応が円滑に行われますように、漁業に関する情報提供やアドバイスを行うなどの対応をしていきたいと考えてございます。
○庄子委員 水産庁には是非漁業者を守ってほしいんですね。海上保安庁宮城海上保安部と漁業者の関係でいえば、つまり、にらまれている側ですよね、漁業者の方は。そこにいわゆる被害を申告をする、あるいは損害賠償請求をしていくというのは、ふだんの関係性からいうと非常に漁業者としても苦しい立場だし、あえて申し上げれば、にらまれたくないという本音でいらっしゃると思います。水産庁が、ここはしっかり、矢面に立っていただく部分もあろうかと思いますので、漁業者を守っていただきたい、こう思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次の質問に入らせていただきますが、大臣に。
今、中東情勢も、そして為替円安の進行も、今後どうなっていくのか非常に不透明でございます。二週間の停戦というニュースが飛び込んでもきていますが、確実にこれが停戦につながる保証はまだありませんので、一定程度長期化するということも想定をしておかなければならない、こう思います。
そこで、調達コストが全般的に高止まりしているという状況の中で、例えばJA全農は、この四月から六月の配合飼料供給価格につきましては、一月から三月期に比べて全畜種平均で一トン当たり約千二百五十円引上げを発表しております。また、各地の農協を通じて販売をいたします肥料につきましても、今後値上げは避けられないという見通しを先般示したわけであります。農業用のビニールあるいはマルチといった資材につきましても、原料調達費の増大あるいは輸送コストの上昇といったことがあるので、値上げが避けられない。
先般、地元宮城の施設園芸の事業者を回っておりましたところ、メーカーの側から、四月後半ぐらいからビニールやマルチが五割増しから倍ぐらいになるから、今のうち早く注文しておいた方がいいよ、こういう連絡が入っておりまして、前倒しで発注をせざるを得ない、こんな話も伺いました。
大臣の御地元はサクランボの一大生産地ですが、耳にも入っていらっしゃると思いますけれども、いわゆる凍霜の被害などが今この時期心配されますので、油をたいて園地内を暖めるという作業が必要ですが、これも、油代が非常に上がっていて、また入手が困難だという声も届いております。
第一次産業は農業だけではありませんが、水産業も林業もいわゆる燃油が絶対的に必要な産業でございまして、供給途絶あるいは供給制限、急激な高騰といったものは死活問題になってまいりますので、中東情勢や今後の為替動向の不安定さを踏まえて、第一次産業の保護及び支援に万全を期していただきたい、そのように思っておりますが、大臣の認識を伺います。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
中東情勢による農業経営への影響について、現時点で予断を持ってお答えすることは難しいわけなんですが、ただ、足下で原油等の価格が高騰する中、緊張感を持って動向を注視し、農業者の皆様が、農業者だけではなくて、これは漁業の皆さんも林業の皆さんも安心して経営を継続いただけるよう対応していかなければなりません。
こうした中で、まず燃料について申し上げますと、農業者の皆様の負担を軽減するため、政府全体として、小売価格を全国平均で、A重油は百三十五円程度、軽油が百五十八円程度、ガソリンが百七十円程度に抑制するよう激変緩和措置を講じたところでありますし、また、これに加えて、施設園芸及びお茶については、農林水産省として補填金を交付をしているところであります。
また、肥料につきましては、肥料だけではなく、農業用のビニールなどの資材、様々あるんですが、本年の春作業に使用する資材は既に調達済みであるのでいいんですけれども、今後調達が必要なものについて、当然、例えば尿素でも国際価格がもう既に上昇をしておりますので、調達する様々な資材価格に影響を及ぼす可能性が大きいというふうに考えておりまして、この価格動向もしっかり見ていかなければならないと思います。
さらに、餌についても、価格が高騰した場合には、配合飼料価格安定制度により補填金を交付をしております。
私としても、要するに、資材費がどういう状況になると経営上どういうインパクトがあるのかということを、これは事業の、事業というか、どういう営農形態かによっても与える影響はかなり変わってきますので、そうしたことをちょっと細かく我々としても内々でシミュレーションをして、与える影響が大きいということであれば、それは当然経営を支えていかなければならないというふうに考えますので、先手先手でいろいろ考えさせていただきたいというふうに思います。
○庄子委員 先手を打つという大臣の御答弁、本当に感謝を申し上げます。
肥料は直接的に中東由来ということではないので影響はすぐには出ないと言われてはおりますけれども、しかし、国際社会の中で取り合いになってしまうと価格高騰になってまいりますので、今大臣おっしゃっていただいた先手先手の対応を、是非大臣の下でお願いを申し上げたいというふうに思います。
次に、米のコスト指標についても、まず大臣にお伺いをさせていただきます。
おととい、米穀機構のコスト指標作成委員会が米のコスト指標を公表をいたしました。精米換算で五キロ二千八百十六円ということでございます。生産、集荷、卸売、小売、この四段階で、それぞれ指標に基づいて合理的な取引が期待をされるところでございますし、費用を考慮した取引が実際に行われることを通じて、米を含む食料の持続的な供給の実現が図られる、こんなことを期待するものでございます。
ただ、その上で、懸念される問題もございます。それは、今申し上げた、生産、集荷、卸、小売というこの四段階、消費者に届くまでにこの四段階でそれぞれコストを反映をさせた結果、消費者が求める価格帯と乖離し、消費につながらないという結果にならないかという問題でございます。
消費者の理解を得るということはもちろん大事なんですけれども、しかし、理解したからといって価格が高騰したものを購買できるかというと、理解と購買能力は違いますので、その購買能力を超えないようにしなければいけないんだろうと思いますが、合理的価格形成と、そして安心して米にアクセスができるというこの環境の両立をどのように図っていかれるか、大臣の認識を伺います。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
米のコスト指標は、昨年十二月から、米穀機構において、生産、流通から販売、消費に至るまでの関係者が議論を重ねていただいて、一昨日に、五キロ当たり二千八百十六円、税込み、これはコストだけということになりますが、これを公表したというふうに承知をしております。
農林水産省といたしましては、今般のコスト指標の活用を通じて、生産者の再生産、再投資が可能で、かつ消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことを期待をしているところであります。
ただ、その上で、今、庄子先生からも御指摘ありましたように、米の需要というのも様々な需要があります。特に多様な需要があると考えておりまして、その中で、多様な価格帯の米が供給できるように、生産コストの低減なんかも必要であります。農地の大区画化などの基盤整備、多収品種の普及、開発の拡大、スマート農業や省力栽培技術の導入なども支援をしてまいります。
まずは、食料システム法、我々みんなで作ったものでありますから、ずっと米の世界、米だけに限らず農産物の世界はデフレ経済だったというのもあって、なかなかコストを価格に転嫁することが難しかったという状況の中で、どうやって農業現場の再生産を図っていくのかという観点で、適正な取引というものの指標にするというのが今回の趣旨でありますから、まず、これについて一歩進ませていただくことについて消費者の皆さんにも我々は御理解をいただく努力はしなければならないと思っております。
ただ、その上で、やはり、様々な需要に応え切れる米の生産の在り方も追求していかなければならないというふうに思いますので、しっかりとやらせていただきたいと思います。
○庄子委員 前段申し上げたように、燃料の高騰、それに伴っての資材、機材の高騰がコスト指標にどう働きかけてくるのかというところも不安材料でございますので、是非、この難しい両立を、バランスを取って実施をお願いを申し上げたいと思います。
指標はあくまで指標ですから、価格交渉のときの参考値ではありますけれども、一方で、この指標が価格の下支え効果として機能していればいいんですけれども、逆に上限となって取引の材料として使われてしまうと、例えば中山間地域のように、条件不利地域、よりコストがかかって米を作っている地域にとっては今度は不利な材料になってしまいかねないということもありますので、こうした中山間地域等、いわゆる指標以上にかかっているところ、こうしたところについての考え方、また配慮等があればお話を伺いたいと思います。
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
米のコスト指標作成委員会におきましては、指標の作成方法につきまして、生産段階の委員から、まずは全国一本で作成することが適当、地域別データは必要に応じて地域段階で工夫するとの御意見がございました。これを踏まえて、流通、販売段階の委員も含めた議論の中で、全国一つの指標を作成することになったというふうに承知をしております。
その上ででございますが、各産地におきまして必要に応じて例えば中山間地域などの実情を反映するための工夫を行っていただくことは農水省としても重要だというふうに考えておりますので、農水省としても、産地からの必要なデータに関する御相談などあれば丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
○庄子委員 今の質問にもちょっと関連をして、最後に伺いますけれども、今回の米の指標の策定に当たりましては、収量条件として、いわゆる食用目的の水稲を作付し、玄米ベースで六百キロ以上を販売する経営体という階層を用いています。そして、面積においては、最も多い階層であります一・〇ヘクタール以上三・〇ヘクタール未満の平均的作付面積を条件として、これもこの階層を加味して指標を作っています。
一方で、今も少し局長お答えをいただいておりますが、産地については全国一律で、区分はありません。当然、東北、北海道と九州等では気候が違いますし、かかってくるコストも当然違ってまいりますが、今後、今回作った米の指標をベースに、産地による、よりちょっときめ細かな指標作り、そうした在り方についてどのように考えていらっしゃいますか。
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
庄子委員御指摘のとおり、生産コストは経営規模あるいは地理的条件などにより変動するものでございますので、実際の取引におきましては、各産地において、コスト指標を参考に、必要に応じて地域別のデータの活用など工夫を行って交渉するということが想定されるところでございます。
農水省としては、先ほども先生に申し上げたとおり、必要なデータなどの御相談には丁寧に対応させていただきますが、実際このような形で各地域ごとの取引現場において工夫がいろいろなされている、こういうような地域の情報を、コスト指標と併せて例えばどんなデータを使ったのかとか、そういうような活用の仕方につきましても情報を収集いたしまして、各地域で実態に即した議論が進むように、積極的に地域に提供してまいりたいというふうに考えております。
○庄子委員 きめ細かに、相談体制もそうですし、実際の地域に見合った指標になっていただくように、今回は米でスタートをして、今後、豆腐とか、あるいは野菜とかいろいろまた品目が広がってまいりますので、この米のコスト指標がしっかりワークできるように、農水省としてはしっかり対応をお願いを申し上げたいと思います。
終わります。
○藤井委員長 次に、角田秀穂君。
○角田委員 中道改革連合の角田秀穂でございます。
本日は、質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。
今回は、前回の質問に続いて、農業人材の確保についてまずお伺いをしていきたいと思います。
農地の大区画化であるとか中山間の環境整備、あるいはスマート農業の開発導入の促進、これから集中的に進めようとしている農業構造の転換、やはりその鍵を握るのはそれを担っていく人材をいかに確保、育成していくかということになろうかと思います。
そこで、まず最初に大臣にお伺いをしたいんですけれども、これからの農業を支える人材の確保と育成について、具体的にどのような取組を行っていこうとしているのか、お考えを伺いたいと思います。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
委員御指摘のとおり、これからの農業を支える人材、とりわけ新規就農者を育成、確保していくことが極めて重要であると考えております。
このため、まずは、多くの方に農業に興味を持ち、職業としての魅力を感じていただけるようにすること、そして、就農準備の段階から経営や営農技術をしっかりと習得できる環境を整えていくこと、また、農業法人への就職など、就職先としての農業という選択肢を増やしていくこと、独立自営を目指す方の経営開始時のリスクを低減し、早期に経営安定が図られるようにすることといった対策を切れ目なく行っていくことが必要だと考えております。
このため、農林水産省では、職業としての農業の魅力発信、そして、就農相談窓口の設置や相談会の開催、また、農業大学校、農業高校などにおける農業教育の高度化や研修期間中の資金支援、例えば学位の取れる専門職大学というのもつくらせていただいておりますので、今、静岡と山形にありますけれども、そういった学ぶ場の選択肢を拡充していくということ、そしてまた、雇用就農を通じた技術習得への支援、経営開始時の資金支援や機械、施設などの初期投資への支援など、新規就農者の育成、確保に向けた取組を総合的に支援をしているところであります。
さらに、地域のサポート体制を構築をし、新規就農を目指す者が実践的に技術習得できるトレーニングファームの整備を強力に推進するなど、引き続き必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えます。
また、農業に参入していただくには、そもそもやはり農業が稼げるのかどうかというのが一番きっかけになることだと思いますので、そうした観点も政策全てに持って取り組んでまいりたいと思います。
○角田委員 その上で、幾つか具体的に質問を進めていきたいと思いますけれども、まずは農業高校について伺います。
私立高校の授業料を今年度から実質無償化をする改正就学支援金法が成立をいたしました。就学支援金の私立高校への加算によって、農業高校であるとか工業高校などの専門高校や公立高校離れが進むんじゃないかということが懸念をされております。
今、農業高校は全国に約三百校あり、約七万人の生徒が学んでいますが、現場では、施設の老朽化や指導者の確保など、困難を抱えている高校も多くあります。今はスマート農業など技術の進歩への対応など、質の向上もこれからますます求められようとしております。
農業高校について、生徒数の推移や、就農など卒業後の進路なども含め、現状と課題をどのように捉えているのか、また、今般、衆議院の附帯決議でも、公立高校離れが進まないように、公立高校等への支援を更に充実させることへの特段の配慮が求められておりますけれども、文科省として、今後どのように充実を図っていこうとしているのか、お伺いしたいと思います。
○今井政府参考人 お答え申し上げます。
農業高校の生徒数の推移につきましては、十年前と比較しますと、平成二十七年度の約八万三千人から、令和七年度は約六万六千人と約二〇%の減少となっているところでございます。
また、卒業後の進路について、十年前と比較いたしますと、就農率は約二・六%から約二・四%と〇・二ポイント減少する一方で、大学等の進学率は約四三%から四九%と六ポイント以上上昇するなど、進路の多様化が進むような状況となっております。その上で、地域社会、経済を支える、いわゆるアドバンストエッセンシャル等の不足が懸念されるといった課題もあろうかと考えているところでございます。
農業高校を始めとする専門高校は、農業、林業といった地域産業を担う人材を育成するとともに、地域の経済、社会を支える重要な役割を果たしていることから、文部科学省としては、こうした専門高校への支援を充実させていく必要があると考えているところでございます。
このため、昨年末の令和七年度補正予算では、約三千億円の高校教育改革促進基金を創設し、農業高校を始めとする専門高校等を対象に、産業教育施設の設備の整備に対する支援も含め、各都道府県において先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出に取り組むこととしております。
また、今年度から、地方債の一つとして、高等学校教育改革等推進事業債が新たに創設され、農業高校など専門高校の機能強化、高度化に資する施設設備等の整備への活用が期待されているところであります。
さらに、文部科学省としては、今後、各都道府県において策定される高校改革の実行計画を着実に実施できるよう、安定財源を確保した上で、交付金などの新たな財政支援の仕組みの構築についても検討することとしており、財政面も含めた支援を通じて、専門高校を始めとする公立高校の支援の向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○角田委員 ありがとうございます。
それで、農業高校の卒業生の進路の一つである農業大学校について、先週、地元の千葉県の農業大学校に伺ってまいりました。千葉県は農業産出額が全国で第四位という農業県でありますけれども、県の農業大学校の昨年度の一年生のうち、農家出身の方が四分の一程度で、四分の三は非農家出身が占めている、そういう状況で、二年間の農学科修了後に就農する人は三分の一で、うち六割が雇用就農という状況になっています。この十年は、年々雇用就農の割合が増えてきております。
ただ、農学科の入学者は毎年定員を下回っているような状況で、令和七年度には、定員八十名に対して三十名の入校にとどまっているということでした。その一方で、社会人を対象とした研修コース、こちらは定員の三倍を超える申込みがあり、就農率も毎年八割から九割に上っております。
これは農業高校についても言えることだろうと思いますけれども、農業大学校の設立当初の目的は、主として農家の子弟を対象とした後継者の確保だったものから、今後は、農業人材の育成、確保のためには、非農家の生徒、学生の増加や就農者の減少の一方で、社会人就農希望者の増加、雇用就農の増加といった変化に対応した改革を進める必要があると考えますけれども、農業大学校の課題と、その課題解決のために今後必要となる支援等についてどのように捉えているのか、農水省にお伺いしたいと思います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、農業大学校においては、非農家の学生の増加や、キャリアチェンジを行う社会人就農希望者の受入れといった状況変化への対応が求められていると承知をしております。
こうした変化への対応として、農業大学校では、非農家出身の学生の増加や、それに伴う雇用就農の増加に対しては、例えば、地域の先進的な農業者による出前授業、さらには現地研修の実施によって、学生が現場の農業法人等から直接学ぶカリキュラムを強化したり、就農支援員の設置によって雇用就農に結びつける取組を行っているところであります。また、就農を希望する社会人の受入れに対しては、数か月から一年程度の短期間で、就農希望品目に特化して技術や経営を学ぶ社会人の就農希望者向けのコースを新たに設置するなどの取組が行われているところであります。
農林水産省といたしましては、こうした農業大学校における取組を、農業機械、設備の導入や施設整備、教育カリキュラムの強化などといった面から支援しているところであり、引き続き、新規就農を目指す方々のニーズの変化にも対応しながら、農業大学校を始めとする農業教育環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○角田委員 千葉県の農業大学校では、令和七年度には入学者が定員を大きく下回ってしまいました。そうしたことがあって、県外各地の農業高校にリクルートに積極的に出向いて、離島にも出向いたとおっしゃっていますけれども、学校見学にも来ていただいて、今年度は何とか五十四名の新入生が確保できたということですけれども、この中には、秋田県であるとか愛知県など、県外の高校から入ってきた人もいらっしゃるということでした。
県内の農業高校を卒業後に就農した人、これは令和元年から五年間の平均で一・七%にとどまっております。こうした状況は、先ほど御答弁にもありましたけれども、全国の農業学校でも二%台というような状況で、就農を目的とした農業大学校や大学への進学を合わせても一割に満たないと言われる状況、これは非常にもったいない話であると思っております。
高校生に農業に目を向けてもらう、農業の魅力であるとか、そうしたやりがいを知ってもらうためには、高校とこうした農業大学校の交流や連携、これがもっと図られるようにすることが重要ではないかというふうに考えております。
農水省としても、積極的にこうした支援に取り組んでもらいたいと思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、農業高校の生徒に農業の魅力ややりがいを知ってもらうために、高校と農業大学校の交流や連携を進めていくということは重要だと考えてございます。
既に農業大学校においても、例えば、高校生と農業大学校の学生とが地域の農業者から一緒に講義を受ける取組でありますとか、農業大学校のオープンキャンパスに高校生が参加する、こういった取組を実施している事例がいろいろあるというふうに承知してございます。
農水省といたしましては、こうした取組への支援を通じまして、農業高校と農業大学校との交流や連携の取組が行われるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
○角田委員 より多くの生徒、学生に、学んだことを生かすことができる進路としても農業を選んでもらう、そのためには、将来の見通しを持てるということが極めて重要だろうと思います。
何年ぐらいかけて、どんな経験を積んで、栽培技術だけではなくて農場経営にも携わり、将来的に農場を任せてもらう、あるいは独立営農の道が見通せるのか、こうしたキャリアパスを示せる農業生産法人が増えてほしいと思いますし、農水省としても、こうした面にもより積極的に支援に取り組む必要があると考えますけれども、この点について見解をお伺いしたいと思います。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
雇用就農が増加する中で、農業法人等が社員のキャリアパスをしっかり示していくことは、就農希望者が将来設計をしやすくなりますし、農業を職業として選んでいただく、こういった上でも有効なものと考えてございます。
このため、農林水産省で実施しております雇用体制強化事業におきましては、農業法人等が行う、社員が目指すべき姿とその実現のための必要な道筋を示す取組、例えば、営農の中で必要なタスクを洗い出して社員の評価項目を作成するでありますとか、スキルの習得状況に応じた役職の設定をする、こういったキャリアパスを設定する農業法人等の取組を支援しているところでございます。
農林水産省といたしましては、引き続き、こうした支援を通じまして、できるだけ多くの方に農業が進路として選ばれるようになるための環境づくりというのを推進してまいりたいと考えてございます。
○角田委員 これから人材の確保を進めていく上で、農業の現場を知ってもらう、そうした機会を積極的に提供していくこと、これが重要になってくると思います。
その一つとして、国の補助事業として実施をしていた農業インターンシップ事業というものがあります。学生や社会人を対象に、農業法人等で就業体験をすることで農業を知ってもらい、農業界への定着率向上を図ることを目的に、平成十一年度のスタート以来、年々体験者数も増え、令和四年度には一千人を超えるまでになって、体験者、受入先の農業法人共に評価が高かった、そういう事業なんですけれども、これは令和六年度で事業が終了をしてしまいました。令和五年度実績で、高校生も約百五十人が体験をしております。農業に関心を持つ人に勧められるよい事業だったと終了を惜しむ声も現場からは伺っております。
なぜこうした事業を廃止をしたのか、理由とともに、こうした農業体験の機会の提供は今後ますます重要になってまいりますけれども、今後どのように取組を進めていくお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
短期の農業研修は、職業としての農業を経験する、こういうことを通じまして自身の適性を見極めることができますので、就農希望者に円滑に就農し、定着していただくという上でも有効なものと考えてございます。
御指摘の農業インターンシップ支援事業につきましては、令和六年度までに毎年多くのインターン生が様々な農業経営体に受け入れていただきまして事業を実施してきたところでございますけれども、就農実績が低調であるといった課題があったところでございます。
このため、令和七年度から事業を見直しまして、農業者や市町村など地域の関係者が連携いたしまして、新規就農者の呼び込みから育成、定着までをサポートする、こういった取組の一環として、栽培技術や農業経営について学ぶことができます短期農業研修の実施を支援するとともに、それから、正規雇用により就農する意思を示している方々を対象とした三か月程度のトライアル雇用就農を支援する、こういった事業を実施しているところでございます。
農林水産省といたしましては、こうした事業による支援等を通じまして、引き続き、農業に関心のある方々が自分の適性を見極めた上で就農を実現していただいて、しっかり農業界に定着していただけるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
○角田委員 新しい事業のメニューの一つとして短期農業研修、インターンシップのようなものができるというようなことなんですけれども、これは、やるかどうかはあくまでも地域の判断に委ねられることになろうかと思います。
このインターンシップ事業は、全国各地で多種多様な体験機会が提供され、参加者、受入先双方からも非常に満足度の高かった事業でもあります。就農に結びついた実績が低いと言いますけれども、こうした経験の場の提供はこれからますます重要になってくると思いますので、そうした機会を更に拡大する取組、これを是非今後進めていただきたいというふうに要望させていただきます。
関連しまして、農業の担い手不足に対応するため、機械化、自動化による省力化、効率化というものが求められております。そのために、現在スマート農業の導入促進が図られようとしておりますけれども、この際、新しい技術を使いこなせるスキルを持った人材の養成、これが非常に求められるようになっております。
そして、その新しい農業人材の拠点である農業大学校、あるいは農業高校などでも、スマート農業技術習得のためのカリキュラムを設けるというところも出てきておりますけれども、ドローンやセンシング技術など、一口にスマート農業技術といっても多種多様であります。特に、農業機械、ロボットトラクター、オートコンバイン、直進アシストつき田植機などは、値段的にも高額なものが多く、導入の費用が大きなハードルとなります。各地の農業大学校では、スマート農業機器メーカーに委託をして、最新の機器の実演、操作体験を行ったりしておりますけれども、日常的に各種の農業機械を操作する機会というものは乏しいようであります。また、新しい技術は日々進歩もしているため、常に最新の知識とスキルを身につけていく必要というものがあります。
スイスの企業が開発した農業機械のシミュレーターがあります。世界では累計三千万本が販売をされており、元々中央ヨーロッパを舞台としたシミュレーションゲームですけれども、昨年発売された最新版では、東アジアの水田での稲作というものも追加をされました。日本企業の井関、クボタを始め、世界を代表する農機メーカー百五十社以上から、四百以上の機械やアイテムを操作することが可能です。日本の企業が開発したハンドルやアクセル、ブレーキなど、実際の機械に近い感覚で操作できるコントローラーを使って、私自身も体験させてもらいましたけれども、現実の農地で作業しているような臨場感があり、農業教育にも有効なツールであるというふうに感じました。
聞けば、このシミュレーターの購入者は、今、ほとんどがゲーマー、農業関係者以外とのことでしたけれども、時間や場所を選ばず機器の操作を体験できる、また、昨年には拡張版がリリースされましたけれども、世界の農機メーカーの協力を得て常に最新の機器の操作を学ぶことができるこうしたシミュレーターは、農業高校や農業大学校にも積極的に導入をするための支援、こうしたものもしてもらいたいと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
農業機械操作が体験できますシミュレーターは、操作体験を通じまして、現場で実際に使われている機械操作方法を学ぶことができますので、農業者として必要な技能を学ぶ際に非常に有効なものというふうに承知してございます。
例えば、千葉県立農業大学校におきましては、ドローンシミュレーターを活用してドローンの飛行訓練を行って、その操作資格の取得を目指す、こういった取組も行っているというふうに承知してございます。
農水省としては、こうした新たな学習方法、こういったものを取り入れたカリキュラムの強化等の取組を支援する中で、こういったシミュレーターにつきましても支援ができることになってございます。引き続き、農業大学校等の教育環境の充実について、こういったシミュレーターも取り入れながら、努めてまいりたいと考えてございます。
○角田委員 農業人材の育成、確保に関して、いわゆる就職氷河期世代への支援についてもお伺いをしたいと思います。
就職氷河期世代への支援は、二〇二〇年度に集中的に支援をするために支援プログラムが創設をされて、それに基づいて様々な支援が行われてきましたけれども、二〇二三年度からの第二ステージを経て、今年度から新たな支援プログラムに基づく支援がスタートをしようとしております。
不本意ながら非正規等で働いている方がよりよい処遇や就労環境を求めて相談に出向く先、行動を起こす入口の一つがハローワークになろうかというふうに思います。この窓口を充実させることが支援を推進する上で極めて重要だというふうにも思っております。
今、ハローワークでは、専門窓口を設置して、就職氷河期世代を含むミドルシニアに、必要に応じてキャリアコンサルティングであるとか職業訓練など、専門担当者がチームを組んでの伴走型の支援を行っていますが、就農希望者への支援はどのように行っているのか。例えば、ハローワークでは、求職者の相談を通じて、再就職のために必要な訓練を実施していますけれども、農業関係ではどのような訓練が行われているのか。また、地方創生のため、自治体でも居住支援など様々な支援を用意していますけれども、こうした国や自治体の支援に関する情報なども提供されているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○古舘政府参考人 お答え申し上げます。
ハローワークにおきましては、農業分野への就職希望者を含め、求職者御本人の希望や状況を踏まえたきめ細かな就職支援を実施しておりまして、就職氷河期世代の方々に対する専門の窓口を設置をし、就職から職場定着まで一貫した支援に取り組んでおります。
また、地域の実情等に応じまして、農業の基本的な知識や農作業用機械の運転技能などの習得に関する農業分野の公的職業訓練を実施しておりまして、ハローワークにおきまして、求職者の方々の職業能力あるいは求職条件等を踏まえながら、職業訓練への受講のあっせんを行っているところでございます。
さらに、大都市圏になります東京、大阪のハローワークにおきましては、地方就職支援コーナーというコーナーを設置しておりまして、地方への就職希望者に対しましては、地方公共団体の支援施策を含めた情報提供を行っております。
引き続き、就職氷河期世代の方が必要な支援を受けながら、希望に応じた就職に結びつけることができるように、ハローワークとしてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○角田委員 次は農水省の方にお伺いしたいと思うんですけれども、農水省でも、就職氷河期世代を含む就職希望者に対して、令和七年度から、農業法人等への就農希望者が利用可能なトライアル雇用のマッチング支援を実施をしておりますけれども、この応募状況、参加人数、実際に雇用に結びついた人数など、初年度の実績はどのようになっているのか、まずお伺いしたいと思います。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
農林水産省では、就農に関心がある求職者が雇用就農にチャレンジしやすくするということを目的としまして、七年度からトライアル雇用就農促進事業を開始しております。
現在、令和七年度の実績報告を精査しているところでございますけれども、四府県において事業が活用されまして、四十七人がトライアル雇用就農を実施し、このうち少なくとも三十八人が、就農先で正規雇用へと移行済み又は移行の準備中というふうに把握しているところでございます。
○角田委員 厚生省の方で行っているトライアル雇用は、就職氷河期世代を対象に実施をしております担当者制個別支援、伴走支援を受けている人も対象となっており、こちらの年齢要件は、令和七年度から、五十五歳未満から六十歳未満に引き上げられております。
一方で、農水省のトライアル雇用就農促進事業の事業目標は、農業分野における生産年齢人口のうち四十九歳以下のシェアを全産業並みに引き上げるということを目標にしておりまして、果たしてこれで就職氷河期世代への支援と言えるのかどうかという疑問がありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
トライアル雇用就農促進事業におきましては、その対象となります就農希望者につきまして、正規雇用により就農する意思を示している、こういうことは要件としているわけでございますけれども、年齢について特に要件は設けていないところでございます。
実際に、令和七年度に本事業を活用してトライアル雇用就農をした方は四十七名いらっしゃるわけでございますが、このうち四十代が九名、五十代が八名と約三割が就職氷河期世代と呼ばれる方々でございました。
このように、実際にこの事業は幅広い年代の方に御活用いただいているところでございますけれども、御指摘のとおり、就職氷河期世代の就農にも活用いただける支援であることについて、今後もしっかり周知してまいりたいと考えてございます。
○角田委員 ありがとうございます。
事業目標として四十九歳以下だと掲げていれば、実施主体はやはり四十九歳以下だなと思ってしまうんじゃないかというふうに思うんですね。ほかのところでもやはり四十九歳以下ということを掲げている事業はたくさんありますけれども、いいかげんにそれはもう見直した方がいいんじゃないかと思います。今はそんなことを言っている場合でもなくて、若い世代がこれからどんどん減っていく中でいかに農業人材をしっかり確保していけるかということが課題ですので、この点も是非見直しも含めて検討していただきたいということを要望いたしまして、時間となりましたので、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、池畑浩太朗君。
○池畑委員 日本維新の会、池畑浩太朗でございます。兵庫県の西播磨、中播磨から参りました。
私は、農業高校出身、農業大学校出身でありまして、就農できずに申し訳ないと思っております。気を取り直して質問に移らせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
去る三日、食糧法の改正案が閣議決定をされました。改正案では、生産調整方針の規定を削除する一方で、生産者は需要に応じた生産に主体的に努力をすること、そして、政府は需要に応じた生産を促進することを新たに位置づけたと承知をしております。その中で、この需要に応じた生産という規定については、言葉は変わったけれども、実質的に生産調整は維持されたままであるという意見があるというふうに承知をしております。
日本維新の会では、二月の衆議院解散・選挙の公約に掲げておりました、そしてまた農業新聞でも、我が党の代表、吉村代表が述べておりますとおり、食料安全保障の根幹である食料の安定供給を確保するために、日本の風土に最も適した米の生産量拡大を推進する、そのために、農地の集積、集約を進めて、多収品種の導入などにより生産コストの削減と生産性向上を図り、米の輸出を大幅に拡大をして、国内需要と輸出需要に対応した生産体制を構築していくことを掲げております。
このために、この改正案が実質的に生産調整を維持するということであれば私も反対ではありますが、そもそも、生産調整方針の規定は、家庭用の米需要が減少する中、米から麦、大豆等への、減反を促進することを目的として、二〇〇三年の食糧法改正で位置づけられたものであります。
しかし、二〇一八年に、生産調整に関わる目標数量は配分を停止、廃止しております。現在は減反は実施されていないものと認識をしておりますが、今回、外食などの業務用、パック御飯などの加工用、輸出用、さらには米粉などの需要が拡大をしておりまして、減反ではなく、米の増産が求められているというふうに思っております。その中で需要に応じた米の増産を求めるもの、そして進めるものであり、我が党の公約にも合致しているというふうに今の段階では思っておりますし、極めて妥当であるというふうに思っております。
現に、今、農水省においても、食料・農業・農村基本計画の中で、米の生産量を、二〇二三年の七百九十一万トンから二〇三〇年の八百十八万トンに増やすということを明記したところで、この段階でも、需要に応じた米の増産にかじを切ったというふうに考えております。
今回の改正案にある需要に応じた生産の意味は、生産調整を維持するということではなくて、国内外の様々な需要拡大を図りながら増産をするというふうに理解をしておりますが、これは参議院の方でも質問させていただいたと思いますが、鈴木農林水産大臣の現在の見解を改めてお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
食糧法改正案における需要に応じた生産とは、需要減少を前提とした生産調整方針を廃止する一方で、需要開拓や輸出促進、生産性向上などにより生産の持続的な発展を図るということでありまして、減反を意味するものではありません。
現に、農林水産省としては、今先生からもお話がありましたが、平成三十年産より、国から個々の農業者に対する生産数量目標の配分は行わない政策に移行しております。また、食料・農業・農村基本計画においても、二〇三〇年の生産目標を二〇二三年比で増大することとしておりまして、今般の改正内容も踏まえて、政府が前面に立って需要の創造に取り組んでまいります。
○池畑委員 ありがとうございます。
党内でも、この需要に応じた生産という言葉に対してすごく意見が出ます。今大臣から答弁がありましたように、我々もそういった方向であるというふうに認識をしておりますので、今後ともしっかり連帯をして頑張っていきたいというふうに思います。
それでは、時間もありませんので、次の質問に移らせていただきます。
日本型直接支払制度の見直しについて質問させていただきたいと思います。
昨年四月に策定をされました食料・農業・農村基本計画では、水田政策を令和九年度から根本的に見直すというふうにされております。水田活用の直接支払交付金に焦点が当たっている感がありますが、見直しの中では、中山間地域等直接支払いについて、条件不利の実態に配慮し、支援を拡大をする、多面的機能支払いについては、活動組織の体制を強化すると日本型直接支払制度の見直しも明記をされております。
日本型直接支払制度の見直しに当たっては、農村では、都市に先駆けて人口減少や高齢化が進行しているという状況にあることを十分念頭に置く必要があるというふうに思います。地元を回っていて、やはりこういった意見をよく聞かせていただきますし、皆様の地元でもよく聞かれることだというふうに思っております。その上で、現行制度、特に中山間地域等の直接支払制度に求める課題については指摘をさせていただきたいと思っております。
その中で、平場、平らな場所と中山間地域等の生産条件の格差を是正するために、農業者が五年間の集落協定を結んで耕作を行う場合に、農地の傾斜度に応じて交付金が支払われる制度というふうに認識をしておりますが、これは二〇〇〇年度から開始をされました。制度開始から二十五年が過ぎまして、今、基幹的農業従事者は、よく皆様からもお話が出ます、二〇〇〇年の二百四十万人から、二〇二四年には約百十一万人と減少しております、平均年齢も約六十九歳と高齢化が加速をしております。
この中で、農林水産省では、集落の広域化を支援するためにネットワーク加算措置を講じておりますが、山を越えた集落同士が連帯するのは容易ではありません。農業者だけで協定を結ぶのは限界に来ているのではないかというふうに私は感じております。
また、集落の総戸数が九戸以下になると、農地や農業水路の保全など、集落活動の実施率は急激に低下をしてまいりますが、中山間地域等では、二〇〇〇年から二〇二〇年の二十年間で、九戸以下の農業集落の割合は倍増しております。集落という観点からしても、農業者だけに頼るのは困難ではないかというふうに思っております。
また、これも地域でよく聞く話でありますが、交付金の単価については、制度開始から一度も見直されたことはありません。二〇二三年度末の水田整備率を見ると、三十アール以上は約六九%、制度導入によって一〇%を超えてくるということになって進んでおりますが、平場と中山間地域等の生産条件の格差はますます拡大をしているというふうに認識をしております。
私は、農業者と非農業者が一緒になって共同活動を行うことこそ農業、農村の持続的な維持発展につながるというふうに考えておりますが、このような観点を踏まえて、先ほどるる説明をさせていただきました中山間地域等直接支払制度の見直しに当たっては、やはり将来を支える若者農業者などの意見を聞いて、条件不利地の農業を支えるということが大事だというふうに思っておりますので、是非そのような仕組みを見直していく必要があるというふうに考えておりますが、今の段階での鈴木大臣の思いを聞かせていただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 昨年四月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画におきまして、中山間地域等直接支払いの見直しについて、条件不利の実態に配慮し、支援を拡大することとしております。
制度の見直しに向けては、私が設置をいたしました日本の農林水産行政の戦略本部の中に中山間地域振興ワーキンググループというのをつくりまして、現在、中山間地域で頑張っている若手生産者を中心に現場の御意見を伺っているところでありまして、その中で、多様な人材によるサポートを求める意見などが出ているところであります。
これはやはり現場で結構大変な条件の中で頑張っていて、また、十年先も二十年先もそこで暮らして頑張るんだという方はたくさんいらっしゃいますから、そういう今やっている皆さんが、将来にわたって営農して、その地域で稼ぎ、暮らしていけると感じられるよう、多様な人材の参画促進の観点も大事ですし、また、外部人材との連携に向け、連携も大事ですので、そうしたことをしっかりと踏まえて、検討を進めてまいりたいと考えております。
○池畑委員 大臣も随分現場を見られておられますし、今の答弁を聞いていましても、やはり地域を回っていないとなかなか難しい答弁だったというふうに思います。
また改めてなんですが、農業者と非農業者の共同活動を支援する、先ほど大臣からも話がありました、多面的機能支援制度をベースに、中山間地域等の直接支払制度を統合してはどうかというふうに考えますが、鈴木農林水産大臣の現段階での見解を聞かせていただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 多面支払いと中山間地域等直接支払い、これはダブルカウントでもらっている地域もあれば、そうでない地域もあって、ちょっと今地域ごとに様々な状況であります。
一番やはりどこの現場に行っても皆さんから言われるのは、書類が面倒くさいという話が何しろ多いので、要するに、公務員を辞めて、得意な人がいればそういうのはいいんだけれども、そうじゃなくて、農家だけしかいなかったらそれは得意ではない可能性が高いわけですから、そういうちょっと今様々な御意見もいただきながら、どのようなことができるか、両制度の趣旨や現場の意見をしっかり勘案して、検討させていただきます。
○池畑委員 大臣、ありがとうございました。
やはり書類がなかなか難しいところもあります。特に多面的の方はやりにくいところもあるというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。現場の声をよく吸い取っていただきたいと思います。
四問あったんですが、三問になってしまいますが、太陽光発電についての質問をさせていただきたいと思います。メガソーラーに対する森林規制の方ですね。
東日本大震災の翌年であります二〇一二年にFIT制度が開始をされまして、脱原発の旗印の下で、全国各地で導入が急速に拡大をしましたが、釧路湿原国立公園の周辺などのメガソーラーの建設などがよく報道されたところであります。
維新の会でも、昨年の自民党との連立政策合意書の中で、我が国が古来より育んできた美しい国土を保全する重要性を確認して、森林伐採や不適切な開発による環境破壊及び災害リスクを抑制して、適切な土地利用及び維持管理を行う観点から、メガソーラーを法的に規制する施策を実行するというふうに明記をさせていただきました。
これを受けて、政府におきましては、昨年十二月、メガソーラーに関する対策パッケージを取りまとめておられます。不適切な事業者、事業に対しては厳格に対応する必要がある、本年の三月には、二〇二七年度以降のメガソーラーに補助金支援は廃止をするという方針が打ち出されました。
その中で、二〇三〇年代後半から大量の産業廃棄物が排出をされるとか、経済安全保障上、環境面の問題をたくさん抱えているというふうに認識をしております。
その中で、森林法で定められました開発許可を得ずに工事が進められて、また、千葉県の鴨川市の事例では、同じく森林法の開発許可条件に違反をしたという伐採が行われました。
こうした事態を受けて、政府のパッケージの中では、森林開発を適正に規制する観点から、昨年成立した改正森林法に基づいて、森林開発許可制度の規制を強化するということが明記をされました。
この林地開発許可制度の規律強化の具体的内容について、林野庁長官から端的にお答えをいただきたいと思います。
○小坂政府参考人 お答えいたします。
太陽光発電施設に係る林地開発許可制度につきましては、これまでも累次にわたり規律の強化をしてきました。
令和元年には、防災施設に関する許可基準を強化する、さらには、四年には、許可を要する面積を、太陽光については〇・五ヘクタール超に引き下げる、こういったことに加えまして、議員御指摘のとおり、先般の太陽光発電施設の対応パッケージ、これに基づきまして、本年四月から、昨年五月に改正した森林法による許可条件違反に対する罰則や命令に従わない者を公表する仕組みの施行、さらには、大規模な太陽光発電施設について、開発面積に対する残す森林の割合を大幅に引き上げる、そういった基準の強化をしているところでございます。
○池畑委員 長官、答弁ありがとうございました。
やはりこれは強化をしていただいているというふうに思っております。その中で、今答弁もいただきました改正森林法により、林地開発許可制度の実効性は強化をされたというふうに思っておりますが、私はまだまだ弱いというふうに感じております。
森林法では、森林の取得は市町村長への届出制であるために、森林の取得を止めることは今の段階ではできません。私は、太陽光発電の導入を抑制するためにも、森林の取得そのものを厳しくする必要があるというふうに考えておりますが、最後に鈴木農林水産大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 メガソーラーに係る森林の開発行為につきましては、先ほどのメガソーラーに関する対策パッケージを受けて、本年四月より、開発面積に応じて、残す森林の割合を二五%から六〇%へと大幅に引き上げます。あとは、都道府県知事による開発許可の事前措置である関係市町村長の意見提出に当たり、市町村長が利害関係者の意見を聴取する旨の規定を新たに設けるなどの規制強化策を講じたところであります。
また、森林法に基づき、森林の取得の段階において提出される森林の土地の所有者届出書について、本年四月から、森林の土地の用途や届出者の国籍を記載するよう見直しをしたところでありまして、取得段階において用途や国籍を把握できるように取組を強化したところであります。
肝腎なのは、地域の住民の皆さんにとって、木が伐採されちゃって、誰がやっているんだかよく分からないみたいな開発がされるということが一番不安でありますから、そうしたことが今後起こらないようにそういう規制の強化をさせていただいたということで御理解をいただければと思います。
○池畑委員 是非現場の方を見ていただきながら進めていただきたいと思います。
これで終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、佐々木真琴君。
○佐々木(真)委員 皆様、こんにちは。国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴でございます。
質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
本日は、私、岩手から参りましたので、同じ東北の鈴木大臣に、我が国の水産業の未来を左右する資源管理と漁業経営の在り方について伺ってまいります。
私の祖父は遠洋漁業の船に乗り、東日本大震災による津波で自宅が流れてしまいましたけれども、遠洋漁業で各地、世界中で買ってきたものが自宅にたくさん置いてある家で私は育ちました。今は、東日本大震災でさっぱ船が流れてしまったので、そこで漁業をやめてしまいましたけれども、本当に、きっすいの漁師だったなと思っております。海への畏怖と、地域を支える漁師の誇りを私に教えてくれたなと感じております。
今、地元三陸の漁師の皆様と対話をして聞こえてくるのは、誇りではなくて、絞り出すような悲鳴の声であると感じております。資源を守らなければ未来がないということは、現場の皆様も私たちも重々理解をしているところでございます。しかし、彼らは同時に、雇用も、家族も、地域の未来も背負っております。三陸の屋台骨である漁業を何とか維持するんだという気持ちで、皆さん海に向かっています。
特に、スルメイカでありますけれども、今年が来年以降のTAC管理の在り方を決める正念場の一年になると感じております。単なるルールの見直しだけではなくて、現場がこれなら共に歩めると思っていただけるような納得感のある体制を構築できるか、そこを軸に伺ってまいります。
まず、一点目、大臣に伺います。
昨年のスルメイカ漁におきましては、想定を超える来遊がありまして、TACの期中改定を二度行ったと思います。これは、予測の難しさを皆様とともに再認識したと同時に、現行制度の現場感覚とのずれを浮き彫りにしたのではないかと感じております。
私は、今年一年を、数字をいじる一年ではなくて、先ほども申しましたけれども、漁業の現場の納得感を再構築する一年にすべきであると考えております。
スルメイカの期中改定が行われた件を踏まえて、昨年の課題の総括と、今後一年をどのように位置づけ、具体的にどのような課題を整理していくおつもりか、大臣のお考えを伺います。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
スルメイカの管理につきましては、資源評価と資源管理の両面が重要であります。
令和七管理年度においては、資源評価の面では、TAC設定時の予測を上回る資源量となったこと、また、資源管理の面では、小型スルメイカ釣り漁業において漁業者から迅速かつ的確に漁獲量の積み上がりを把握できなかったこと、これらが明らかになったところでありまして、クロマグロ以外では初めて、小型スルメイカ釣り漁業者に採捕停止命令が発出をされました。
これを受けまして、令和八管理年度においては、資源評価については、漁期前の調査範囲や頻度の見直しに加えて、海流データなどを用いて産卵場からの回遊状況を予測することによって、資源状況の迅速な把握及び資源量の推定精度を上げることとしております。
また、資源管理につきましては、漁業者のほか、漁業団体や産地市場と連携をして、迅速に漁獲量の積み上がりを把握する体制の整備を進めているところでありまして、これらの取組を通じて、スルメイカの資源管理を適切に行ってまいりたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
再構築の一年になると皆様も御認識だと思いますけれども、是非、現場の声も聞きながらやっていけるといいなと思っているところです。
では、あわせて、漁業の現場の声の反映についても伺ってまいります。
これまでも様々なステークホルダー会議であるとか資源管理方針に関する検討会も多数行われてきたと存じております。
二月四日の第八回資源管理方針に関する検討会では、会場参加が九十名に加えて、ウェブ参加二百九十六名と、本当に多くの方々が参加をされていたことも聞いておりますし、地域の皆様もたくさん参加していたというふうに聞いています。私自身も資料をくまなく読ませていただきましたけれども、これは東北の皆さんかなとか、南の皆さんの方言だなと思いながら、読み物としても非常に私は関心を持って、面白い、すてきな速記録だったなというふうに拝見をしております。丁寧な記録をありがとうございます。
その中でも、現場の皆様から様々御指摘があったと思います。現場では、結局数字は上で決まっているんじゃないか、政府が決めているんでしょうというような空気感や、制度との距離感が生まれてしまっているのではないかということを、皆様の発言の節々から感じていたところです。
漁師の皆さんや船主さんたちが経営判断を下すタイミングのことであったり、定置網のように入ってくる魚を拒めない実情など、地域の実情をより解像度高く、制度設計に関する大臣や農林水産省の皆様の頭の中に置かれていくべきではないかと感じております。
今後、どのようなプロセスをもちまして現場の声を聞き、それを具体的に制度の中に反映をしていくのか。現場が、自分たちの声はちゃんと聞かれているんだ、漁獲量の、資源管理はもちろん大切ですけれども、それと同時に、現場に寄り添った設計ができるのかというところを踏まえて、実感できる仕組みをつくるためにも、声を聞く制度は非常に大切であると感じております。是非とも大臣のお考えをお聞かせください。
○鈴木国務大臣 今、佐々木先生がおっしゃっていただいたことは、大変大切な視点であるというふうに考えております。
TACは、対象となる漁業関係者を始め、地方公共団体や研究機関など、誰もが参加可能な資源管理方針に関する検討会において資源管理の目標やTACの設定方法などについて議論を行い、その取りまとめ内容を踏まえて定めました資源管理基本方針に基づき設定をしているところであります。
四月に始まった令和八管理年度のスルメイカのTAC管理については、関係団体との協議に加え、昨年度中に資源管理方針に関する検討会を二回開催をさせていただきました。関係者の理解を得て、小型スルメイカ釣り漁業において、特定の地域における漁獲の集中による不公平を防ぐための期間別管理の導入などを行ってきているところであります。
令和九管理年度以降の管理の在り方についても、今年度中に資源管理方針に関する検討会を複数回開催する予定にしておりますので、よりよいスルメイカTAC管理の実現に向けて、現場の皆さんの意見もしっかりと聞いて、丁寧に議論を進めさせていただきます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
やはり、スルメイカは本当に資源評価が非常に難しいということは私自身も聞いておりますし、皆様も一番頭を悩ませている部分かなというふうに感じております。ですので、今年一年で目指していくスルメイカのTAC管理について、もう少し具体的に聞いていきたいなと思うんですけれども。
先ほどから申し上げておりますとおり、一年魚であり、科学的予測が非常に難しいというところで、昨年の混乱を経て、現場では、そもそも前提となる数字が実態と乖離しているし、なかなか、みんながこれを根拠に、そうだ、理解しよう、納得しようと思える数字を出し切れないなというところを感じております。
資源評価の在り方、TAC設定の考え方、そして、突発的な来遊もあるかもしれないですので、その辺りの期中改定含め期中の対応について、どのような論点を重点的に議論をされていくのか、現時点での整理をお示しいただけたらと思います。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
令和七管理年度におきます期中改定につきましては、委員が読んでいただいた議事録の中に相当ありましたとおり、様々な意見がございました、特に、その際には、まさしく数量や根拠といったものについてもいろいろな意見があったと承知してございます。
このため、まず、TACの期中変更につきましては、七管理年度中の期中の推定結果、これを研究機関の方でしっかりレビューをしていただきたいと考えてございます。
その上で、今後、資源管理方針に関する検討会におきまして、令和九管理年度以降の、漁獲シナリオと申しておりますけれども、どういう資源状況のときにどういう形で捕っていくか、さらには、仮に期中変更をするとした場合にはどういう要件のときに期中改定するのかということにつきましてしっかり議論をしてまいりたいと考えてございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
是非とも、ゼロベースでとまではいかないかもしれないですけれども、昨年の反省を受けて、様々な角度から多角的な検証をいただければなというふうに思っております。
では、続いて、先ほど冒頭の一番目の質問に大臣からもありましたとおり、数量の実態をリアルタイムでどうやって把握していくかというところについて伺っていきたいなと思います。漁獲のデータ管理についてです。
今の漁獲報告は国に届くまで二か月ぐらいかかっているんじゃないかなというふうに聞いております。まず翌月十日までに県に報告を上げて、翌々月十日までに国に上げるという流れであるというふうに認識をしておりますので、資源評価が難しい上に、ほかのTACもそうかもしれないですけれども、リアルタイムで数字を追っていくことが非常に厳しい構造が今の現状あるかなというふうに感じております。
来年度以降の見直しにおいて、漁獲データを電子化していくことであったりとか、リアルタイムで数字を追っていくというようなところも、単なる効率化ではなくて、資源管理の前提条件として位置づけていくことも可能性としてあるのかというところを、見解を伺いたいと思います。
○藤田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、先ほど大臣から申し上げましたとおり、課題をしっかり踏まえまして、一気に積み上がって採捕停止命令が生じる、こういった事態を生じさせないために、今、小型スルメイカ釣り漁業では、漁獲量の迅速かつ的確な数量把握を行う、これに向けた整備に取り組んでいるという状況でございます。
この的確な数量管理ということにつきましては、単にデータを迅速に把握するということだけではなくて、関係者がどういう状況になっているかというのを認識できるようにする、さらには、それを踏まえまして、関係する漁業者が、漁獲がいつの間にか急激に積み上がりまして配分量の上限に達してしまって採捕停止命令が来るということにならないように、自主的に漁獲を抑制する、こういった取組ができないかということも併せて検討をしているところでございます。
令和九管理年度に向けましては、こうした令和八管理年度におけます管理の状況を踏まえつつ、漁業者を始めといたします関係者と、適切な管理が行えるように、丁寧に議論を進めてまいりたいと考えてございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
是非とも、現場の認識も含めて、急に、漁獲枠いっぱいで捕れません、操業停止ですとならないように、現場の皆様もそうですし、皆様もより管理しやすい体制になっていくといいなと思っているところです。よろしくお願いを申し上げます。
では、続いて運用面についてでございます。
三陸では、岩手、青森、宮城などでは、令和八年の管理年度においては都道府県による数量明示が進みます。これは現場にとっても極めて重い責任であり、大きな転換だなというふうに感じております。
特に定置網ですけれども、網に魚が入るのを止められない漁獲方法でありますので、漁獲量の割当て枠がいっぱいになってしまうと、ほかの魚種まで含めて逃がす作業をしていくことが発生しまして、経営にも大きな打撃を受けているところであります。
その中で、県と県の間の漁獲量の融通についても、国はサポートするという発言を先日の検討会の中でもたくさん言っていただいておりますけれども、参加者の皆様からも、結局責任はどこなんだ、都道府県なのか、県なのか国なのかというところも理解が難しいなというふうに思っているところでありました。最後は、県や漁業者の責任で資源をみんなで管理していきましょうというところは、もちろん理解をいたしております。
定置網のような特定の魚種のみを回避するということが不可能な漁業への配慮と、県間融通への国の関与については、具体的にどのように支えていく方針なのかというところを伺います。
○藤田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、各都道府県におかれましては配分数量を管理をする責任がございますので、昨年の配分数量の超過により採捕停止命令を出さざるを得なかったこういう事情を踏まえれば、各都道府県におきまして、例えば都道府県の中で留保枠を設けるとか、そういった、配分数量を守るということを前提とした管理を行っていただきたい、これは第一にございます。
その上で、配分数量が逼迫する都道府県から融通の仲介の申出があった場合には、消化率等を鑑みまして、配分数量の猶予があります大臣管理区分ですとか、あと都道府県との間の融通の仲介を国の方で行いまして、円滑にこれが行われるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
是非とも的確なサポートであるとかを一緒にやっていけるといいなと思っているところです。ありがとうございます。
では、続いて、スルメイカだけではなくて、同じTAC規制に関しまして、クロマグロについても二点だけ伺いたいなと思っております。
クロマグロの資源管理については、国際的な枠組みの中で厳格に管理をされて、資源も回復傾向にあるというところも理解をいたしております。資源管理の重要性と、科学的根拠にのっとって規制をするとこのように成果が出るんだというところも感動いたしているところでございます。
その上で、現場の声として強く聞いておりますのが、制度上は新規参入が可能、可能というか、見直しのたびに新規加入は可能ではあるんですけれども、なかなか、多くの枠がもちろんあるわけではないので、非常に困難であるという声を地域からは聞いております。
現在の配分は過去の漁獲実績をベースとして配分される仕組みになっておりますので、過去の実績を重視するということによって、新規参入や担い手の確保といったこれからの視点が十分反映されていないのではないかというふうに現場の皆様は感じております。
漁業界では担い手不足も非常に深刻であります。岩手県沖のように今来遊が多く見られる地域におきましては、魚はいるのに捕れないという状況で、非常に皆さん困惑をいたしております。
資源の状況の変化や配分の見直しが行われる際には、今、少ないところには既に上乗せいただいているというふうにもお聞きしておりますけれども、実績比率にとどまらない、新規参入のバランス感であるとか、来遊が増加している地域の実態をどのように評価して配分に反映されていくのかというところについても伺いたいなと思います。
資源管理を前提にはもちろんしますけれども、地域の担い手や地域の実態とのバランス感をどのように確保していくのか、今後の配分の考え方について、大臣から見解を伺いたいと思います。
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
現在のクロマグロの配分につきましては、水産政策審議会の下に設置をされたくろまぐろ部会で取りまとめられた配分の考え方に基づき、漁業種類ごとの近年の漁獲実績をベースとしつつ、特に大型の魚については、放流などの負担の大きい沿岸漁業に配慮をして行っているところであります。
配分の考え方なんですけれども、資源と漁獲の状況、そして各漁業の漁獲が親魚資源に与える影響の度合いなどを踏まえ、見直しを行うことも規定をされております。
また、資源管理の取組の結果として、今先生から御指摘のように、私も様々な海域で操業している皆さんから、そこら中にマグロがいるのに捕れないというお話をいただいているところでありますので、将来、国際的に漁獲上限の更なる増枠が決定した場合において、そこに向けてまず頑張るわけですけれども、関係者の御意見も丁寧に伺いながら、国内配分の在り方については検討させていただきます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
続いて、混獲についても伺いたいんです。
それこそ、はえ縄とかにもかかってしまったものを、一本だけでもいいから揚げられないのかというところの要望も多数あります。一方で、本当にそれが混獲なのか、意図的に捕りに行っているのかという判断が難しいので混獲を認めることはできないなというところも非常に理解をしつつ、現場の実態に即した柔軟な仕組みというものは考えられないのかというところを一点お聞きしたいなと思います。
○藤田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、漁獲枠を遵守するために、現場の方では、放流ですとか混獲回避のために非常に御苦労いただいているというふうに我々の方も認識をしてございます。
これまでもその混獲回避のための放流手法の技術開発をしておりまして、例えば、クロマグロが入網した場合に網の外へ出すための操業方法の工夫ですとか、定置網への入網状況を陸上から把握する、混獲を回避しやすくするための定置網用の魚群探知機の開発がされておりまして、一定の成果が得られてございます。
農林水産省といたしましては、放流の取組に対する作業経費ですとか、あと、混獲回避のための必要な機器の導入について支援をしているところでありまして、こういう放流技術ですとか機器等の普及に努めてまいりたいと考えてございます。
今後とも、そういった混獲回避の取組に対する支援に加えまして、漁獲枠を遵守するために放流等を行わなければならない、こういう状況を最小限にするために、併せて漁獲枠の融通につきましても努力をしてまいりたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございました。
最後に、大臣になんですけれども、資源管理は、資源を守ることと同時に、人と地域も漁業を通じて守っていくことも必要であると考えております。今回の一年間を、血の通った制度へとつくり直す非常に重要な一年であると感じておりますので、現場に寄り添ってやっていくんだというお約束の一言をいただけないでしょうか。
○鈴木国務大臣 私も現場にお邪魔をさせていただいてお話も伺いたいと思いますし、しっかりそういう認識でやらせていただきます。
○佐々木(真)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、田中健君。
○田中(健)委員 国民民主党の田中健です。
今日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私からは、中東情勢の緊迫化におきます燃油また資材の供給不足についてをお伺いしたいと思っています。私の地元静岡でも、一次産業の現場に現実の問題として多くの影響が及び始めています。これについて取り上げたいと思います。
春漁が、私の地元由比ではサクラエビが始まりました。御案内のとおり、ピンクの小さなエビでありますが、今、漁獲量を制限しながら、年に二回、春漁、秋漁を行っておりまして、三日から春漁が始まったばかりであります。そして、お隣の田子の浦港ではシラス漁が始まっています。この燃料供給で、不安が大きく広がっています。現場では、少しでも燃料の消費を抑えるために、漁へ出る日を減らしたり、漁場を近場に絞ったり、また、プール操業を行ったりしながら、何とか今、漁を継続しているのが現実です。
また、農家さんを訪れますと、ビニールマルチなど石油由来の資材が入らない、今後の入荷の見通しが立たないというような声も、切実な声でありますが、届いています。
先ほど来、価格の議論はありまして、燃料の負担軽減や、また激変緩和措置といったことの対応は述べられていましたが、今起きているのは、単なる価格が上がっている燃料高騰という問題ではなく、そもそも農林水産業の生産継続における供給の問題ではないかと思っています。
そこで、まず大臣に伺いますが、政府は、この問題を単なる価格上昇という課題としてではなく、農林水産業の生産継続に関わる重要な供給上の課題だという認識はありますでしょうか。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
農林水産省といたしましても、農林水産事業者の皆様に安心して経営を継続いただくため、燃油などが安定的に供給されることが重要と認識をしております。まさに価格の問題ももちろんあるんですけれども、物がなくては話が始まりませんので、そういう観点で問題意識を持っております。
燃料油については、石油備蓄も活用しつつ、全体としては十分な量を確保しているところなんですが、ただ一方で、足下で一部の供給に偏りが生じているというのも事実でありまして、農林漁業者の皆様の中からも石油の入手が困難となっているとのお声を伺っているところであります。
こうしたことから、三月三十一日にこの相談窓口を農林水産省及び地方農政局などに設置をいたしまして、情報収集を行い、実態把握を行っているところであります。
引き続き、燃料油などの調達が困難といった情報提供を受けた場合には、もし、先生からも、地元でこういう案件があるという話があればすぐにお寄せをいただければと思いますが、具体的な状況を確認をさせていただいて、経済産業省、エネ庁と連携を取りまして、個別の事案ごとに、円滑な供給が行われるようにスピード感を持って対応させていただきます。
○田中(健)委員 大臣から十分に燃料はあるということでありますし、総理からも年内の原油の確保はできているというお話は聞いています。確かにその確保はできたんでしょうが、実際、現場ではもう支障が出ているということを是非御理解いただきたいと思います。
また、今、大臣から相談窓口の設置の件もありました。確かに、相談窓口、ホームページも拝見しました。しかし、公表内容の中心は、情報の受付と、また関係省庁との共有ということが書かれていましたが、現場が求めているのは、困り事を、窓口がありますから受け付けますよということではなく、実際に必要な燃油や資材が届くことだと思います。
ですから、相談窓口を開いたと言ってもう一週間たちますから、それで終わりでは漁船は動きませんし、また農作業はできませんので、やはり、農林水産省としては、経済産業省との連携ということを予算委員会の中でも参議院等でも聞いていましたが、元請や卸や、またJAや漁協などと連携して、必要に応じて農林水産業向けの優先供給をしたり、また、実動的な需給調整まで踏み込んで行うということに取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○押切政府参考人 お答えをいたします。
今先生お話ありましたように、農林水産省では、相談窓口を設置しまして、関係の団体の皆様、事業者の皆様から情報を収集し、関係省と共有を図っているということでございますが、そうした事案につきましては、単に供給不足に係る情報を経済産業省に一度つないで終わりということではなくて、必要に応じまして、例えば需要者側の事情を更にうちの省で伺って、その具体的な情報を基に、流通経路とつながっていく、そういうところまで経産省と連携を図っているというところでございます。
具体的に事案がございましたら、先ほど大臣からもお話がありましたように、是非農水省の方にお伝えいただければ、一つ一つ経産省の方ともしっかり連携を取って、実際に物が届くというところまでちゃんとしっかり取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○田中(健)委員 今、私の地元のサクラエビやシラスの例を挙げましたけれども、もう実際、操業できないという声が出ているわけですから、声を届けてくださいというよりも、私は、農水省がリーダーシップを取って、先頭に立って調査をするべきだと思っています。
具体的に言いますと、今言いました由比のサクラエビやシラス漁、春漁は六月五日までと決まっているんですが、組合長からは、正直申し上げて、今の現状ではもつ可能性はない、軽油の入荷の予定も立っていない、これから先、現状でどうやって操業していくのか、それだけに頭を悩ませていると言うんですね。
ですから、もう起きていますから、起きているのを教えてくださいではなくて、実態把握や、ないしは、燃油の供給状況の点検を今しているという話もありましたけれども、必要な場合は優先供給の要請をしたり、また操業維持支援というもの、一体化の中で、農水省がリードして対応を講じてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○鈴木国務大臣 今先生から御地元のサクラエビ漁、シラス漁のお話をいただきましたので、我々の方から、そちらの漁協さんとかを含めて、確認をまずさせていただきたいと思います。その上で、足りないという状況があるのであれば、しっかりとそこに十分な量のものが回るようにしっかり対応させていただきます。
○田中(健)委員 私たちの地元のみならず、恐らく全国でいろいろな供給不足が今起きていると思いますので、対応をお願いしたいと思っています。
さらに、農業資材についても伺いたいと思いますが、冒頭に取り上げましたビニールマルチです。
私、地元、富士宮というのもあるんですけれども、ネギが大変盛んでありまして、ビニールマルチが大変必需品です。皆さんも見たことがあると思いますが、黒いビニールで農地を覆いまして、雑草の防止や保湿をしたり、また地温の調整をしたりだとか、作物の成長を助けるには非常に大切な農業資材であります。これは実際もう手に入らないということです。
これも、価格上昇ならまだ価格転嫁をするなどして何とか対応できるけれども、入るか入らないか分からないとなりますと、そもそも作付判断をどうしようかということで困っているという声も届いています。やはり農業者にとって一番困るのは将来の不確実性というか不透明さでありまして、高いなら高いでいいんですけれども、来るか来ないか分からない、また、いつ入荷するか分からないというのでは生産計画が立ちません。
そこで伺いますが、これもビニールマルチだけではないと思っています。いろいろなそれぞれの、皆さんの地元でそれぞれの農業で足りない資材があると思うんですけれども、資材不足の実態というのも把握をしていただきまして、例えば、代替資材があるのか、又は優先出荷をしてくれるのか、ないしは需給見通しがどうなっているのか、私も分かりませんので、そういうものを可視化して、農家の皆さんを安心させる、また安心して入ってもらうということができるような情報と、また調整機能というのを是非農水省にお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど大臣からも御発言ありましたが、我々も先生の地元のネギの話というのは今回初めて伺いましたので、後で担当の者を派遣しますので、どなたに接触していったらいいのかというのを教えていただければ対応したいと思いますし、当然のことながら、先ほど押切総括審議官からも発言ありましたけれども、経産省に連絡して終わりということではなくて、経産省と連絡を取って、円滑な供給が行われるというところまでの対応ということで考えております。
ただ一方で、我々の方で、今窓口に寄せられている情報からいきますと、現在のところ、プラスチック製の農業資材など懸念のあるものにつきましては、地域とか品目に明らかな偏りがあるというような情報は寄せられていないというところですが、先生からのお話もありまして、そういうのをちゃんと拾い上げて、しっかり見える化を図っていきたいというふうに思います。
プラスチックの農業資材の需給見通しについて、現在、我々予断を持って申し上げるようなことはできないと思っていますが、一方で、赤澤大臣もナフサについては、米国からの代替調達の進展により、川下の在庫の活用、国内の精製と合わせて、化学品の全体の国内需要の約四か月分を確保しているというような話でもございますので、経産省さんとの連携を図りながら、資材や原料の供給の状況の把握に努めて、農業者の皆様の経営に影響が生じないような情報提供をしてまいりたいと考えております。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
迅速な対応をしていただけるということなんですけれども、やはり、先ほどの原油の話もそうですが、総理が年内は大丈夫だ、赤澤大臣はナフサも確保できていると。確保できているとこれだけ政府が言ったりテレビで言っているのに、やはり現場では様々な資材不足が起きているということも是非理解をしていただきたいと思いますし、全国一律ではもちろんないと思います、それぞれの地域によって偏りや、また需給の必要性も違いますから、是非そこまで小まめに農水省が対応していただきたいと思います。
というのも、今日の日本農業新聞、御覧になった方いらっしゃると思いますけれども、一面は、「農業の倒産過去最多」です。過去三十年で最多ということで、生産資材の価格の上昇等で特に小規模農家の倒産が目立ったということを拝見しました。
このような今厳しい中で、資材高騰のみならず、需給逼迫の中で資材が来ないことで生産ができないことで更なる農業生産者を苦しめるようなことがないように、もちろん適宜農水省で取り組んでいただいていると思いますけれども、両方、力を合わせて、また情報を皆さんで収集して対応していただきたいと思っています。
次に、先ほど赤澤大臣の話がありました、タスクフォースをつくっているということであります。政府は、赤澤大臣を担当大臣として、重要物資の安定供給に向けたタスクフォースを設置しているとは承知をしていますが、政府の説明や報道では、医療物資、公共インフラが前面に出ており、農林水産業向けの燃油や資材というのが政府全体の対応の中でどのような位置づけになるかということが必ずしも明確ではありません。
もちろん医療も重要ですし、インフラ設備も重要です。それは当然なんですけれども、農林水産業もまた国民生活を支える基盤でありますし、食料供給、地域経済に直結する分野であります。
そこで、農林水産業向けの燃油や資材というのは、政府全体の対応の中でどの程度の優先順位で今扱われているのか、まだ今逼迫はないとお話がありましたが、どの段階で重要な対応案件とするのか、地域や品目ごとの逼迫状況を誰が集約して政府全体の調整につなぐのかというのを、担当している内閣官房からお聞きしたいと思います。済みません、副大臣から。
○山田副大臣 お答え申し上げます。
まず冒頭に、繰り返しになりますけれども、石油備蓄の放出や各国からの代替調達等を通じて、原油や石油関連製品について、日本全体として必要となる量については確保されているということを申し上げた上で、一方、委員御指摘のように、一部では供給の偏りや流通の目詰まりが生じているとの認識を持っております。担当大臣である赤澤大臣の下に設置いたしましたタスクフォースにおいて、関係省庁が連携し、医療、農業や物流を含め、分野横断で、中東情勢の影響を受ける重要物資の供給状況を総点検しております。
このように、特に国民の皆様の命に直結する医薬品、医療機器、医療物資や国民生活の基盤となる公共インフラサービスなどについて万が一にも支障がないよう、関係大臣とともに取り組んでおりますが、これに限らず、農林水産業も含め、サプライチェーンに関する情報も踏まえて、一件一件細かく対応しております。
先ほど来、参考人の方もおっしゃられているように、相談を受け付けて終わりということではなくて、個別に、どこで詰まっているのか、最終需要家なのか小売なのか卸、こういったことを一件一件潰して、目詰まりを解消するように取り組んでおるところでございます。
その際、農林水産省におかれては、タスクフォースにおける総点検のため、現場実態の集約に主体的に取り組んでいただくことになっております。
引き続き、中東情勢が日本経済に及ぼす影響についても注視をし、国民の皆様の命、暮らしを守るため、全力を尽くしてまいります。
○田中(健)委員 政府を挙げて今取り組んでいただいているということでありますので、是非ともタスクフォースの中で、農業資材を含め、取組も進めていただければと思っています。
済みません、時間がありませんので、次に移りたいと思いますが、茶業の方に移りたいと思っています。
一次産業という意味では、静岡は、これからお茶の初競り、初取引が始まりまして、本格的なシーズンを迎えます。一方で、なかなか、今皆さんもお茶を飲む機会が少なくなっているかもしれませんが、現状は大変厳しい現状です。経営主体というのも、この二十年間で、全国で、五万四千軒から二〇二〇年は一万二千軒と、四分の一になりました。静岡県においても、二万四千から五千七百と、四分の一に更に減っています。背景には、どの農業も同じかと思いますが、高齢化また後継者不足、長年の価格の低迷というものがあります。
一方で、抹茶というのが今若い人を含め、また海外でも人気でありまして、緑茶の輸出というのは、令和七年では七百二十一億と、過去最高となりました。しかし、需要があっても、担い手不足のため規模を拡大できない。特に、私の静岡では、段々畑で中山間地域の中にありまして、小規模な農家が、茶業が多いということで、厳しい現状が続いています。
大臣は、こうした茶業の担い手の急減、また産地維持の危機というのはどのように認識しているのかをお聞きしたいとともに、先ほども、人材確保の中で、四十九歳というお話がありました、就業準備金や経営開始資金というのが四十九歳以下を対象にしているという現行制度がありますけれども、年齢にとらわれず、意欲ある人を、新規就農を後押しできる、ないしは、五十歳でも六十歳でもやりたいという人を後押しできるような仕組みに見直す考えはないのか、併せてお聞きしたいと思います。
○鈴木国務大臣 お茶につきましては、近年、輸出が大きく伸びておりまして、世界的にもマーケットが拡大をしていますが、御指摘のとおり、生産者の高齢化や減少などにより生産量が減少傾向にありまして、国内外の需要を満たすことができない状況になりつつあるというふうに懸念をしております。
こうした状況を踏まえまして、昨年四月に策定をした茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針では、新規就農者を含む意欲ある担い手への茶園の継承、集積、集約化の推進、また、老齢化した茶園の改植や、スマート農業技術の開発、導入による生産性の向上、抹茶の原料となる碾茶や、有機栽培茶など、需要の変化に対応したお茶の生産の推進などに取り組むことで、産地の生産基盤を強化することとしております。
また、お茶も含めて、新規就農者向けの就農準備資金及び経営開始資金については、農業従事者の年齢構成のアンバランスが大きな課題となっていることから、四十九歳以下の者を対象に支援をしておりますが、六十五歳未満の新規就農者についても、従来から行っている青年等就農資金の融資に加えて、令和七年度補正予算では、新たに機械などの導入を補助する事業も創設をしたところであります。
静岡、私も山の中の茶園にお邪魔をさせていただきましたが、確かに大変条件的に難しいんだけれども、その場所だからいいお茶が取れるというのも事実であるのもよく認識をさせていただきましたので、お茶の生産、供給力のアップに向けて、しっかり努力させていただきたいと思います。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
大臣が現場に行っていただきまして分かっていただけるというのは、大変に心強い発言であります。是非、お茶の輸出が増えているということでありましたので、輸出拡大、これにいろいろ制度の障壁がありますから、これについても今後の議論の中でまた推進をしていただければと思っております。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、木下敏之君。
○木下委員 参政党の木下敏之でございます。
質問の機会をいただきまして、心から感謝をいたします。
今回の質問は、イランとアメリカの戦争に関しまして、肥料の供給に関する質問でございます。
日本は農業生産に必要な肥料の大部分を輸入しておりますが、今後、価格が急上昇するだけではなくて、供給の確保も危ぶまれるのではないか、その点を考えると、肥料だけではなくて、米や麦の備蓄を今のうちから増やしていくべきではないかという質問でございます。
三月二十四日、参議院の農林水産委員会で、ある議員からの肥料の供給に関する質問に対しまして、鈴木農林水産大臣がこのようにお答えになりました。春先の分までは大体確保をしておりますが、秋以降の肥料価格がどうなるかということについては先が見通せる状況ではありませんという御答弁でございました。秋以降の肥料が確保されているかということについては何も触れられておりませんでした。
皆さんのお手元に資料一、資料二という一枚の紙を配付をしておりますが、この資料一は、農林水産省が令和八年の三月に公表した資料の二ページの抜粋でございまして、食料生産に欠かせない肥料として、ちょうど真ん中に上から並んでおりますが、青い色で塗られておるものですね、窒素肥料に尿素と硫安とそれからリン安、それから、リンの肥料としてリン安と過石、そういったものが並んでおるわけでございます。
そして、これらの主要な肥料でございますが、原油と天然ガスの生産に大きく依存をしております。
例えば、尿素、それからリン安は、アンモニアがなくては製造できないわけでございますが、これは天然ガスから製造をいたします。そして、天然ガスは、石油と違いまして、長期の保存に向いていないという特性がございます。
それから、真ん中の上から二つ目の硫安、それからリン安、これを製造する際に硫酸を使いますが、硫酸は硫黄を原料としておりまして、硫黄は原油を精製するときに出る副産物でございます。なお、硫黄につきましては、日本の国内は製油所から出る硫黄がございますので、国内で必要な量は自給できておりまして、余った分は中国に輸出しているということでございました。
昨日、農林水産省からレクを受けた際には、一番上の尿素、それから上から三つ目のリン安、これは一〇〇%に近い状態で輸入をしているということでございました。
最近のイランとアメリカの状況でございますが、毎朝毎朝、起きるたびに目まぐるしく動いておりまして、四月八日の時点では、アメリカとイランの戦争は二週間ほど停戦をするということでございまして、ホルムズ海峡を貨物船が自由に航行できるようになったら解決するのではないかというふうに考えている方も多いようですが、肥料の確保や価格高騰の問題は、全てが解決するわけではないと私は考えております。
なぜならば、湾岸諸国のLNG製造設備、それから尿素の製造施設、これがイランのミサイル攻撃で被害を受けているようでございまして、例えば、カタールにございますラスラファンLNGコンプレックス、これは世界最大級のLNGの生産、輸出拠点と言われてございますが、これが三月の十八日にイランのミサイル攻撃を受けまして、カタールのLNG輸出能力の一七%が長期的に喪失をしたというような報道がございました、修復には三年から五年ぐらいかかるだろうと。それから、同じくカタールの肥料会社のメサイード工場、これは世界最大級の尿素の生産工場でございますが、被害の程度はよく分かっておりませんけれども、三月四日に操業を完全に停止したというような報道がなされておりまして、ホルムズ海峡を貨物船が通過できるようになったからといって、肥料が戦争前と同じように供給されるわけではないことを示唆していると思います。
ちょっと前置きが長くなりましたが、ここから質問でございますが、農林省が定める肥料原料備蓄ガイドライン、令和五年三月に定められたもので、これはロシアとウクライナの戦争を受けてのことだと思いますが、代替国からの調達に要する期間が三か月程度であることを踏まえて、年間需要量の三か月分相当の備蓄を行う体制を構築するということでございました。リン安は現状では二・四か月分、それから塩化カリが三か月分備蓄している。そして、尿素は備蓄の対象外ではございますが、全農から農林水産省が聞き取ったところによると、二か月分の備蓄量があるということでございました。
ここで改めて政府参考人に伺いますが、三月末時点で、この備蓄量で間違いないのかどうか、そして、特に輸入が一〇〇%近い尿素とリン安につきまして今後の輸入量の見通し、特に、これから秋の施肥の時期を迎えようとしておりますので、五月末には全農が価格を提示するとも聞いておりますので、その秋の施肥に使う肥料の確保の見通し、それから価格の上昇の見通し、それにつきまして政府参考人の御答弁をいただきたいと思います。
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
まず、リン安につきましては、原料備蓄も含めて、肥料関係事業者などが保有する三月末時点の在庫量は、年間需要量の四か月分を超える水準にございます。尿素につきましては、肥料関係事業者等が保有する三月末時点の在庫量は、年間需要量の二か月程度の水準だというふうに承知しております。
あと、リン安につきましても尿素につきましても、イラン情勢の変化以降、現在までに新たな調達不安につながる情報は、リン安につきましては得ていない、尿素につきましては、やはりサウジアラビアを除いて、調達不安につながるような情報は得ていないというところでございます。
価格につきましては、どちらのものも世界全体での需給で決まることから、いつ、どの程度の影響を生ずるかということを現時点で予測することは困難であり、今後の輸入通関価格などを注視してまいりたいと考えております。
○木下委員 お答えありがとうございました。
今、リン安は四か月分ということですね、二・四か月じゃなくて。
○山口政府参考人 年間需要量の約四か月分と承知しております。
○木下委員 ありがとうございました。
この間お聞きしたときよりも在庫の量が増えているということで、とても喜ばしいことだと思っております。
では、今度はこの資料の二に基づいてお伺いいたしますが、例えば尿素、これは今マレーシアから七四%、ベトナムから一〇%を輸入しているということでございます。マレーシアは天然ガスの産地でもございますので、中東と関係がないから安心だというお考えなのかもしれませんが、天然ガスの価格が上がれば、当然高く売れるものに需要が回っていくということも考えられると思います。
ここで政府参考人にお伺いいたしますが、なぜ尿素を肥料備蓄制度の対象としていないのか、対象とするべきではないかと私は考えますが、御見解はいかがでしょうか。
例えば、窒素肥料の硫安があるから大丈夫というふうにお考えなのかもしれませんけれども、窒素肥料の供給が滞ったときに本当に硫安の供給量を増やしてカバーできるのか、そういった点も疑念が持たれますので、やはり重要な窒素肥料として尿素も備蓄制度の対象にするべきではないでしょうか。
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、現在、経済安全保障推進法に基づいて、資源の偏在によって供給国が限られているリン安と塩化カリにつきまして備蓄を行っているということでございます。
尿素につきましては、近隣のアジアを含め、ガスを生産する多くの国で製造が可能であること、吸湿性があり、長期保管ができないことから備蓄対象にはしていないところでございます。
また、委員御指摘の硫安に関してでございますが、これは化学繊維原料ですとか鉄鋼を製造する際の副産物で、多くが国内で生産され、国内の肥料用途として供給されており、余剰は輸出もされているという状況でございます。
まず、化学繊維の原料生産に必要なナフサにつきましては、足下において、米国からの代替調達の進展により、化学品全体の国内需要の四か月分が確保されているほか、鉄鋼の生産に必要な石炭につきましては、イラン情勢の影響を直接受けておりませんので、これらの副産物である硫安の生産を引き続き期待できるような状況であるとは考えてございます。
いずれにしても、これら肥料原料につきましては注意深く調達状況を把握し、肥料の安定供給に向けてしっかり対応してまいりたいと考えております。
○木下委員 では、続いてリン安についてお伺いをしたいと思います。
リン安は、供給国が中国とそれからモロッコという二つの大産地に依存しているわけでございますが、中国は、リン安の製造に必要な硫酸そして硫黄、この六割を中東から輸入している模様でございます。中国は既にリン安肥料の輸出を制限しているという話も聞いておりますが、秋以降の安定供給に非常に疑問が残るのではないかと思っております。
また、モロッコが新しく大産地として登場してきておるわけですけれども、モロッコは確かにリン鉱石の大産地でありますが、製造に必要な天然ガスそれから硫酸、これは全て中東に依存しております。
本当にこれから安定供給ができるものでしょうか。政府参考人の御見解をお伺いいたします。
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
リン安につきましては、平時の調達は、調達期間が短いという経済合理性の観点から、近隣の中国が我が国の主要な調達国となっておりますが、安定的な供給確保の観点からは、輸入先国の多角化が重要であるというふうに考えております。
このため、令和四年以降、遠方の国ではありますが、資源の偏在性の高いリン鉱石の経済埋蔵量が最も大きいモロッコから一定量の調達が継続されているところでございます。
御指摘のとおり、リン安の生産には、リン鉱石以外にも、アンモニアですとか硫黄ですとか、そういった原料が必要になるところでございますが、天然ガスや原油などから生産されるこれらの原料につきましては、リン鉱石よりも世界の供給国が多角化されている状況にございます。
そういう状況の中で、我が国の輸入の事業者などからは、モロッコのリン安の調達不安につながるような今具体的な情報がないというふうに聞いておりますので、引き続き調達状況の把握に努めまして、肥料の安定供給に万全を期してまいりたいと考えております。
○木下委員 御答弁ありがとうございました。
今、世界の食糧の援助機関においては、肥料の不足の問題の本番は来年に生じるのではないかという意見も出ておりまして、それで、ちょっと価格の上昇の話は飛ばしまして、稲作における肥料不足の影響についてお伺いしたいと思います。
稲作については、追肥の部分はそんなに大きな影響がないと思うんですけれども、もし万が一ですが、来年春の基肥を施肥する時期に、例えば窒素肥料ですとか、そういった主要な肥料が二割又は五割程度減った場合に収穫量にどの程度影響が出るとお考えなのか、大体平均的な事例で結構ですので、政府参考人のお答えをいただきたいと思います。
○堺田政府参考人 お答えいたします。
まず、本年の春作業に使用する肥料につきましては、既にほとんどの農業者が調達済みと考えられるとともに、イラン情勢の変化以降、現時点までに調達不安につながる情報は得ていないところでございます。
その上で、稲作について、仮に化学肥料を減らした場合の収量への影響でございますが、土壌中の肥料成分量による差異があったり、また、家畜ふん尿、下水汚泥の活用、それから施肥技術面での対策もございます。こうしたことから、単純に論じることは適切ではないと考えますが、これまでの試験結果から申し上げますと、基肥の施肥量を五割減らした場合に、その年の収量が二割程度減少するとのデータを把握しているところでございます。
○木下委員 ありがとうございました。
五割基肥が減ると収量が二割減る、貴重な情報をありがとうございます。
そのようにならないようにしていきたいと思うんですが、やはり先ほど申し上げたように、FAOですとかWFP、来年が肥料不足による悪影響の本番、千万人単位で世界中で飢餓が拡大するのではないかと危惧されているところでございます。
そこで、最後に農林水産大臣に伺いたいと思いますが、これから、そうならないでほしいと思うんですけれども、来年の春の時期に十分に窒素肥料だとか、ここに出てくるいろいろな、リン安とかが確保できないことが全く想定されないわけではないと思うんですね。そして、今までの食料の備蓄というのは一九九二年の冷害を前提にしてつくられたものだと思いますが、冷害のときというのは、大体、どこかが気候が悪くても、世界全体で見るとどこかは豊作だということで、バランスが取れていたわけですね。
ただ、今回のように、中東の紛争が起こって天然ガスや石油が十分に取れないということになりますと、世界全体で肥料不足が起こるというこれまで想定されない事態が生じるわけでありまして、そういったときに備えて、やはり早く備蓄量を戻しておくべきではないかと思うんですね。今年は五十六万トンまで戻すのか、百万トンまで戻すのは何か年かに分けてのお考えだと思うんですが、そして、このままいくと、最悪の事態では、来年、アメリカだとか、世界のいろいろなところの小麦の生産量が落ちてしまって、そちらの面でも日本の食料の安定供給に課題が生じることがあると思うんですね。
ですから、今のうちに備蓄量をできるだけ増やしておいて、そして中東のいろいろな施設の被害状況は衛星写真などで既によく見られていると思うんですけれども、見ていただいて、どの程度の肥料不足がこれから生じそうなのか見ていただいた上で、できれば早急に備蓄量を元に戻していただく、さらには、備蓄量を増やしていただくように御検討いただきたいと思うんですが、最後に大臣の御見解をいただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
まず、いかなる事態においても国内生産をしっかりとやれる体制をつくることは大事だと思いますので、肥料の確保も含めて、我々として万全を期してまいりたいというふうに思います。
その上で、確かに世界的に、イラン情勢は先が見通せませんので、そういう中で様々な世界の食料生産に与える影響というのが当然出てくるんだろうというふうには思いますので、そうした影響もよく考えながら、国民の皆様への食料の安定供給という責任は、農林水産省として、これは最大の使命でありますから、備蓄の在り方も含めて、確保ができるように最大限努力させていただきます。
○木下委員 御答弁ありがとうございました。
農林省の事務方の皆さんと話しておると、私がこういうふうに、もしかしたら肥料が不足して大変なことになるよという話をしても、何か皆さんは、そんなことは絶対起こりませんような雰囲気が漂ってくるわけですね。これは、やはり食料安全保障の点では、人に先んじて憂うということが非常に大事なことだと思いますので、これからも中東の施設がどれだけ破壊されているのか、そういった情報を手に入れて、万全の対策を講じていただきたいと思います。
時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、林拓海君。
○林(拓)委員 チームみらいの林拓海です。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、前回、フードテックの、特に新規食品に対する規制について、我が国が先導して国際的なルール作りをすることで、その新規食品について我が国の利として進めていきたい、そういった趣旨で質問をさせていただきました。
今回は、日本のフードテック産業の課題と今後の成長戦略についてお聞きいたします。
高市政権が重点投資対象とする戦略十七分野のうちの一つとして掲げるフードテックの中で、先行して検討を進めている製品、技術等として、植物工場と陸上養殖が挙げられています。そのうち、今回は特に植物工場についてお聞きいたします。
植物工場は、畑の土で植物を育てるのではなく、建物の中で計画的に作るシステムのことですが、その中には、太陽光を一切使わない完全人工光型の植物工場もございます。近年のLED技術の進化やAIによる自動化技術の向上により、新たな産業として非常に注目をされています。密閉された空間になるので、気象災害に左右されず、三百六十五日、一定の収量を確保できる、また、虫が入りにくい、あるいは入らないので、農薬が不要になったり、工場さえ建てられればどこでも植物を収穫できるというふうな新しい技術でございます。
これは戦略十七分野の一つとして入っているということなんですが、政府として、この植物工場を成長戦略の中でどのように位置づけているのか、お聞きいたします。
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
昨年十一月に設置された日本成長戦略本部において、官民投資を促進すべき戦略分野の一つにフードテックが位置づけられたところでありまして、それも踏まえて、昨年末に、私が座長となるフードテックワーキンググループを立ち上げをし、今、様々な関係者の皆さんが集まって議論を重ねているところであります。
植物工場なんですけれども、本ワーキンググループにおいて、世界が人口が増えるし、気候変動で結構気候が振れていくということで、世界の食をめぐる社会課題に対応するために、日本の先端技術の粋の詰まった世界に打って出られる領域の勝ち筋を見極めた上で、稼げる農林水産業の創出、食料安全保障の確保に植物工場というのが資するものではないかというふうに考えているところであります。
今、林さんからもお話があったとおりで、植物工場は、気候変動の影響に左右されませんし、また、災害が起こりづらい場所に立地をするということも可能です。もちろん、何でもかんでも作れるというわけではないですが、安定的な食料生産が一部の品目では可能でありますし、また、我が国が世界市場をリードすることが可能な技術や、ビジネスとして運営、継続させてきた実績という強みも有する分野であるというふうに考えておりますので、今、集中的にこの議論を進めているところであります。
○林(拓)委員 ありがとうございます。
我が国の技術でまさに植物工場を進めていく、利があるというところも御説明いただいたかと思っておりまして、私自身も、こういった新しい技術分野にチャレンジしていくことで、まさにこういったところで日本として一番進んでいるんだというような技術をつくり上げていくというところも進めていきたいというふうに考えております。
それでは、植物工場、まさにこれから力強く進めていくということで、戦略十七分野の一つになっているかと思うんですが、この目玉政策を花開かせるための前提として、現状、国内で主にどのような品目の植物工場が稼働し、どの程度の市場規模を得ているのか、お伺いいたします。
○堺田政府参考人 お答えいたします。
民間のレポートのデータになりますが、日本の植物工場では、栽培品目の大部分をレタス類が占めております。二〇二三年度の市場規模は二百十億円と推計されているところでございます。
○林(拓)委員 先ほど大臣もおっしゃっていただいたかと思うんですが、植物工場は何でも作れるという現状ではなく、葉物類、主にレタスが植物工場で生産される植物のほとんどであるという現状をお伺いできたかなと思います。
この現状をお伺いした上で、目標について伺います。政府として、国内外の市場シェアのうち三割を二〇四〇年に獲得するという目標を立てているかと思うんですが、この目標について具体的に教えてください。
○堺田政府参考人 お答えいたします。
こちらも、まず実態として、民間レポートを基にした推計になりますが、二〇二三年に植物工場で生産されるレタス類等の葉菜類の出荷額でございますけれども、日本は、国内外の市場を合わせて約二割のシェアを占めていると考えられるところでございます。
今後でございますが、葉菜類につきましては、我が国の強みを生かして国内外の展開を進めることにより、特に世界市場のシェアを拡大する、それから、現時点で市場が確立されていない果菜類、あるいは漢方原料なども有力な品目かと思いますけれども、こういったものにつきましては、量産化技術の確立を進め、世界市場の一角を取る、こういうことで、双方を合わせた全体で国内外の市場の三割獲得を目指してまいりたい、このような考えを位置づけているところでございます。
○林(拓)委員 現状が二割であって、三割を目指す、あと、今、レタスを主として、葉菜類を主として栽培しているということだったんですが、これを更に広げていく、別の品目についても植物工場で生産できるようにしていくということを目指しているというふうにおっしゃっていただいたかと思います。是非達成していきたいと私も思う一方で、やはりそこに至る具体的なロードマップが必要不可欠だと考えています。
その上で、更に現状について深掘ると、一般社団法人日本施設園芸協会によると、人工光型の植物工場は、光熱費の高さなどが要因で約半数が赤字とされているそうです。これを見ると、事業者が主体になって次々と植物工場を立ち上げていって進めていこう、それをもって市場シェアが更に高まっていき、あるいは、ほかの品目も次々研究開発なり、実際に栽培できるようになっていくというところに向かっていくことがなかなか難しいという素朴な感覚を持つのですが、現状から目標達成に向けてどのような課題があると認識しているのか、教えてください。
○堺田政府参考人 お答えいたします。
植物工場の課題についての認識でございますけれども、現在のところ、人工光型植物工場では、委員御指摘のように、光熱費等のランニングコストが高いことに加えまして、先ほど来御説明しておりますとおり、商業栽培品目は、現状、葉菜類等に限定されているということ、それから、やはり施設整備費の回収に長期間を要することなど、収益性、事業性の向上の観点で改善すべき課題があるというふうに考えているところでございます。
○林(拓)委員 まさに施設設備費など、運営費、また建築費なども含めて非常にコストがかかる、ランニングコストがかかるというところかなと思います。
では、こういったランニングコストの関係から、まさに今おっしゃっていただいたとおり、採算事業化するまでに一定の期間が必要ということなのですが、現状、植物工場の整備や運営を推進して国内外の三割シェアを獲得するというところに向けて、どのような支援メニューを用意しているのか、また用意している支援メニューがあったとしたら、それは植物工場に特化したものなのかをお伺いいたします。
○堺田政府参考人 お答えいたします。
現時点におきまして、植物工場に取り組む事業者だけに特化した支援メニューはございませんが、植物工場施設の整備に活用できる支援として、産地生産基盤パワーアップ事業や強い農業づくり総合支援交付金、植物工場の環境制御等の研究開発、実証の支援として、スタートアップ大規模技術実証支援事業、また植物工場を含むフードテックを活用した新商品、サービスの実証への支援として、フードテックビジネス実証事業を措置しているところでございます。
○林(拓)委員 既存の様々な支援メニューの中で、植物工場にチャレンジしようという事業者の方も、そういった既存のメニューを使ってやっていこうということを前提とされているようにお聞きしたんですが、植物工場は、先ほどおっしゃっていただいたように、建築費、またランニングコストも含めて、かなり費用も含めてかかってくるものになるという中で、技術的には我が国に利がある、そういった領域でもあるというところで、どうやったらこの目標を達成していき、さらに、国際的にも植物工場という技術を展開というか、売っていくというか、そういったことにもつながっていくようなところに向けて、やはり明確な目標達成までのロードマップをしくことも含めて、既存の赤字とされている事業者の方々がしっかり黒字に転換していくような、そういったメニューも含めて、目標達成まで明確なロードマップとまた方針の策定が望まれると思うんですが、いかがでしょうか。
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
植物工場は、先ほど来出ているように、多くの課題、様々な課題があります。操業に係る費用だとか、初期の投資に係る回収の年数だとか、葉物類だけなのかどうなのか、この後、いろいろ課題を乗り越えなければなりません。
植物工場の課題を解決して稼ぎの柱としていくべく、今ロードマップという話が出ましたけれども、いろいろなプレーヤーがいる中で、例えば、大きく言うと、植物工場の開発供給や工場運営を行う民間企業の方々、栽培技術や品種開発等の植物工場に共通する課題の解決に向けた基盤技術の開発を行う農研機構等の研究機関の方々、それから企業等の取組への支援や環境整備を行う農林水産省といったこうした重立ったプレーヤーがそれぞれの役割を果たしながら、官民を挙げて取り組んでいくことが必要であろうと考えております。
フードテックワーキンググループ等での議論をこれからまだまだ深めていって、勝ち筋をしっかりと見極めた上で、戦略的な官民投資促進策を検討して、ロードマップの精緻化を、深掘りをしていきたいと考えているところです。
○林(拓)委員 是非ロードマップの策定までお願いできますと幸いです。
植物工場は日本の強みを生かせる領域だと考えておりまして、国際的な競争を勝ち抜くための重要な戦略的分野であるというふうに思っています。
先ほど私も課題について触れさせていただいて、政務官の方からも課題について触れていただいたんですが、課題があるから駄目というよりも、やはりそれをどうやって乗り越えていくかということで、これを我が国の一つの強い産業にしていく、そういった意気込みでやっていけたらなというふうに思っているんです。
最後に大臣に、植物工場が軌道に乗れば、私も東北選出でありますし、大臣の御地元の山形のような雪国であっても、三百六十五日、新鮮な食料を国民に届けることができる。まさにどこに建築したとしても安定的に食料を生み出すことができるというような技術になっております。しかし、現状は、光熱費の高騰などで約半数が赤字という厳しい現実にあるのも事実である。
この植物工場を、単なる実証実験ではなく、日本の食料安全保障を支える重要な産業として、省庁の枠を超えて、大臣自らが先頭に立って推進していくという決意をお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○鈴木国務大臣 林先生に是非御理解いただきたいのは、今、赤字の企業が確かに多いというか、あるんですけれども、この状況下においても黒字の植物工場もあるわけですね。これは何でかといったら、要するに、電気代が、もちろん上がり切っちゃうと、なかなかどこも採算は厳しいということになりますが、今の状況であったとしても赤字と黒字はどういう差があるかといったら、同じ単位面積当たりでどのぐらい収穫がちゃんと取れているか、そして、それを価値に変えることができているか、できるかできないかでその境目があるわけですので、そこを是非これから我々は、どういったモデルだったらちゃんとこれが黒字化をするのかということを考えなければならないと思っています。
総理も、日本が世界最先端のテクノロジーを有している分野であって、海外にも展開することで日本に富を呼び込むことができる、植物工場はそういうことだというふうにおっしゃっていますし、私自身も同様の考えです。
ただ、思い切った投資をしないと前に進みませんので、これから官民の思い切った投資と挑戦、これをしていかなければならないと思いますし、その結果として、食の分野で日本は世界に貢献することができるんだ、そんな国をつくっていきたいというふうに思います。
そして、そのためにこのロードマップを真に実効性あるものにすべく、精力的に検討を進めて、また食料安全保障をめぐる世界的な課題解決に貢献をしてまいりたいと考えております。
○林(拓)委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたのは、まさにレタス、葉菜類が大半を占めるというところにも触れていただいたと思っていて、まさにほかの品目でも栽培できるようになることで、今おっしゃっていただいたような価格、黒字化していけるようになるであったり、あるいは生産性を上げるであったりが可能になっていくというのは私も理解しておりますので、そこの技術開発等も含めて前に進めていく、そしてマイルストーンを設定していくということをお願い申し上げまして、時間になりましたので、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
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○藤井委員長 次に、内閣提出、農林中央金庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
これより順次趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣鈴木憲和君。
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農林中央金庫法の一部を改正する法律案
農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○鈴木国務大臣 農林中央金庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業経営の規模拡大や物流、加工、輸出等の取組の進展等により、農業分野の資金需要は拡大している状況にあります。
さらに、今後、地域計画に位置づけられた者を中心に地域の農地の受皿となる担い手の規模拡大や事業多角化等に伴う資金需要が一層拡大する見込みであります。
このような資金需要に的確に対応する必要があることから、農林中央金庫の農林水産業向けの資金供給を促進するため、本法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、農林中央金庫の目的及び業務の見直しであります。
農林中央金庫の目的を見直し、現行の農業協同組合等の協同組織に加え、その構成員である農林水産業者のために金融の円滑を図ることを追加することとしております。また、現在は農林中央金庫の任意業務とされている会員の構成員たる農林水産業者向けの融資等を必須業務に追加することとしております。
第二に、農林中央金庫の出資手続の緩和であります。
農林中央金庫が一定の基準に適合する場合、地域の農林水産業の発展に資する会社の百分の十から百分の五十までの議決権の保有については、主務大臣の許可を不要とし、事前届出とすることとしております。
第三に、農林中央金庫の理事の兼職及び兼業制限の緩和であります。
外部の専門人材の理事への登用が可能となるよう、外部理事を兼職及び兼業規制の対象から外すほか、これに伴う所要の規定を整備することとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
続きまして、農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
農業経営の規模拡大や物流、加工、輸出等の取組の進展等により、農業分野の資金需要は拡大している状況にあります。
さらに、今後、地域計画に位置づけられた者を中心に地域の農地の受皿となる担い手の規模拡大や事業多角化等に伴う資金需要が一層拡大する見込みであります。
このような資金需要に的確に対応する必要があることから、民間金融機関が取り扱う長期かつ低利の制度資金である農業近代化資金の内容の充実を図るため、本法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、貸付けの最高限度額を引き上げることであります。
現在、貸付限度額については、農業者で政令で定めるものに貸し付ける場合にあっては二億円、それ以外の者に貸し付ける場合にあっては四千万円の範囲内で政令で定める額とされておりますが、これらについて、今般、前者は七億円、後者は二億円の範囲内で政令で定める額に、それぞれ引き上げることとしております。
第二に、貸付対象者の範囲の拡大であります。
農林中央金庫が主たる出資者等となっている団体又は法人を貸付対象者に追加することとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
済みません、言い間違いがありましたので、訂正させていただきます。申し訳ありません。
農林中央金庫法の一部を改正する法律案の説明のうち、第二にのところで、農林中央金庫の出資手続の緩和のところでありますが、主務大臣の認可を不要としのところを許可と先ほど読んでいましたので、認可と訂正をさせていただきます。申し訳ありません。
○藤井委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る十四日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時八分散会

