衆議院

メインへスキップ



第5号 令和8年4月14日(火曜日)

会議録本文へ
令和八年四月十四日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 藤井比早之君

   理事 東  国幹君 理事 笹川 博義君

   理事 野中  厚君 理事 平沼正二郎君

   理事 和田 義明君 理事 野間  健君

   理事 池畑浩太朗君 理事 村岡 敏英君

      安藤たかお君    石坂  太君

      伊東 良孝君    江藤  拓君

      門  寛子君    加藤 大博君

      今  洋佑君    西條 昌良君

      鈴木 拓海君    俵田 祐児君

      中川こういち君    西田 昭二君

      西山 尚利君    葉梨 康弘君

      広瀬  建君    藤田ひかる君

      藤田  誠君    宮下 一郎君

      簗  和生君    山本  深君

      山本 大地君    庄子 賢一君

      角田 秀穂君    渡辺  創君

      柏倉 祐司君    関 健一郎君

      長友 慎治君    木下 敏之君

      林  拓海君

    …………………………………

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   農林水産副大臣      根本 幸典君

   農林水産大臣政務官    広瀬  建君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            若原 幸雄君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           古舘 哲生君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           坂  勝浩君

   政府参考人

   (農林水産省輸出・国際局長)           杉中  淳君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  山口  靖君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君

   政府参考人

   (林野庁長官)      小坂善太郎君

   参考人

   (農林中央金庫代表理事専務執行役員)       長野 真樹君

   農林水産委員会専門員   千葉  諭君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十四日

 辞任         補欠選任

  鈴木 拓海君     藤田  誠君

  西田 昭二君     安藤たかお君

  簗  和生君     山本 大地君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤たかお君     西田 昭二君

  藤田  誠君     鈴木 拓海君

  山本 大地君     簗  和生君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 農林中央金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)

 農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

藤井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、農林中央金庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として農林中央金庫代表理事専務執行役員長野真樹君の出席を求め、意見を聴取し、また、お手元に配付のとおり、政府参考人の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。平沼正二郎君。

平沼委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の平沼正二郎でございます。

 本日は、質問の機会をいただきましたことを理事、委員各位に御礼を申し上げる次第でございます。

 本日は、農林中金法、農業近代化資金融通法の金融関連二法案に関して質問をさせていただきます。

 まず、本法律案の改正の趣旨として、農業経営の規模拡大や物流、加工、輸出などの取組の進展などにより、農業分野の資金需要が拡大をしておりまして、また、今後、地域計画に基づく規模拡大等により、農業分野の資金需要は拡大します。事業拡大に伴って、やはり資金需要が大きくなる見込みであるからとされておりまして、皆さん御承知おきのとおりかと思いますけれども、農業においては担い手の高齢化に直面をしておりまして、今後ますます深刻になる可能性が高いわけであります。また、今後の担い手である若手及び現役世代の確保も大変厳しくなっている状況の中、食料安全保障の観点からも、生産量の維持そして拡大をやはりしていかなければならない状況下であります。

 そうなると、これを解決するためには、必然的に、省力化だったり省人化というのをしっかり図っていかなければなりません。そのためには、やはり機械導入だったり、こういったことによって自動化をしたり、あとは徹底したDX化によって効率化を図っていく。それに伴って、設備の大規模化などなどを導入して、生産性の向上をやはり徹底的に図っていく必要性が非常に高まっていると私も感じております。

 それらを踏まえますと、今回の農林中金の農業金融化に向けた役割は大変大きいと考えておりますけれども、今回の法改正を踏まえて、農林中金にどのようなことを期待しているのか、まず、鈴木農林水産大臣にお伺いをいたします。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 今、平沼先生がおっしゃるとおり、農業経営の規模拡大などによりまして農業分野の資金需要が拡大をしていますし、これからも拡大をし続けるだろうというふうに考えております。こうした中で、農林中金には、豊富な資金力や幅広いネットワークなどを生かして、農林水産業向け融資を強化することで、農林水産業の更なる発展に貢献をしていくことが期待をされております。

 今回の法改正で、農林中金においても、農林水産業の生産基盤強化と食料供給力の向上に貢献するため、担い手経営体や大規模施設、フードテックなどへの融資、出資を拡充することに加えまして、担い手の事業サポートやDX化などの支援を通じた経営高度化への貢献、そして生産者、海外ネットワークを活用した業界再編の後押しや輸出増加への貢献などに取り組む方針と承知をしております。

 農林水産省としても、農林中金が目に見える成果を上げていただくことを期待をしております。

平沼委員 大臣、ありがとうございます。

 やはり様々なところで大規模化、効率化を図っていく必要性が非常に高まっているということで期待をしているところでありますけれども、今回の法改正を経て、先ほど御答弁いただいたメリット、こういったものをやはり実効性のあるものとして実施をしていただきたいと思っております。

 一方で、今回の法改正では、大規模化や効率化に主眼が置かれていると承知をしておりますけれども、これは先ほども申し上げたとおり、効果を是非とも発揮をしていただきたいと思っております。しかしながら、大規模化、効率化できるというところはあるんですけれども、中山間地とかこういったところは、やはりなかなか、こういったことに課題が多いというのも事実であります。

 私の地元の岡山の県北の中心部だったりというところはほとんど中山間地域でありまして、すごい斜面が丘陵だったり、田畑が点在をしていたりということで、大規模に、かつ効率的に行おうにも、やはり機械の導入や一括の管理だったりというのが、場所によってはほぼほぼ不可能であったりしているわけであります。

 やはり大規模化、効率化は平野部での導入がメインであると考えておりますけれども、一方で、日本全体においては、中山間地の農業において、四割ほどの農産物の産出があるともされております。そして、このような地域で農業を担っているのは多くの中小、小規模の農家でありまして、やはり農業の再構築、再発展を図るためには、このような条件不利地の対応、中小、小規模農家の維持も必須であるかと考えております。

 そこで、お伺いをいたしますけれども、大規模化の進展で効率的に農業経営が行われることは食料安全保障上極めて重要でありますけれども、一方で、先ほど述べたとおり、中小、小規模農家も非常に重要である。こうした中小、小規模農家が今回の改正で何か影響があるかどうか、教えてください。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 民間農業融資の大部分を担う農協系統におきましては、これまでも中小規模の農業者に対する融資など農協等が対応できるものは農協等で対応いたしまして、農協等では対応が困難な大規模案件等につきましては農林中金が対応する、こういうのが基本でありまして、今回の法改正においてもこの役割分担に変更はございません。

 特に、農業近代化資金につきましては、これまでも農協等を通じまして、中小規模の農業者に活用いただいてきたところでございますけれども、今回の法改正によりまして、近代化資金につきましては貸付限度額が引き上げられるなど、資金内容の充実が図られることから、中小規模の方々も含めた農業者の資金ニーズにより的確に対応できるものになると考えてございます。

平沼委員 ありがとうございます。

 役割分担の話はよく分かりました。しかしながら、今回の改正によって、必ずしも大規模のところが、メインであるとはいえ、先ほど御答弁をいただいたとおり、中小、小規模を対象としている農協の副次的な効果だったり、こういうものもあるかと思っております。農政全体をやはりサポートするという意味でも、中山間地域及び中小、小規模農家に関しても、政府及び農林中金も含めて、引き続きしっかり取り組んでいただければと思っております。

 次に、今回の法改正の契機の一つになっている部分に関してお伺いをいたします。

 農林中金においては、欧米諸国による金利の上昇などを受け、農林中金の令和六年度決算において約一・八兆円の赤字を計上するという事態となりました。当然、完璧な資金運用というのはなかなか難しいとは思っております。

 今までも農林中金様は比較的安定的な運用が行われていたと認識はしておりますが、近年、国際情勢が非常に複雑化、緊迫化、そして著しい変化というのを踏まえますと、やはり更なる運用執行の改善を図っていく必要性が非常に高まっているのではないかと考えております。そこでやはり必要なのが私はレビューであると思っておりまして、同じ轍を二度と踏まないというのが重要であります。

 そこで、お伺いをいたしますけれども、令和六年度における約一・八兆円の赤字発生について、このレビュー、原因分析はどのように行われているのかということを政府及び農林中金にお伺いをいたします。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 農林水産省では、農林中金が巨額の赤字を発生させる事態となったことを重く受け止めまして、令和六年の九月から有識者検証会を開催いたしまして、赤字発生の原因等を検証してきたところでございます。

 この有識者検証会におきましては、今回のこうした運用損失の発生原因といたしまして、農林中金において、市場運用に係る理事会、市場運用部門、財務部門、リスク管理部門といった各部門の組織体制、権限と責任が不明確であったことに加えまして、農林中金の理事はいずれも職員を経て理事になっているため、同質的でありまして、理事会に外部の視点がなく、経済情勢や組織運営などに関する多様な視点が確保できていなかったことなどが指摘されているところでございます。

平沼委員 済みません、農林中金さんは次の質問でした。申し訳ないです。

 ありがとうございます。

 令和六年度の損失処理においては、会員からやはり七千億円程度の資本増強を受けておりまして、これは会員にとって多額の負担であると思っております。会員の皆様から預かった資金を適切に運用する必要性があるわけで、今回の改正で、専門性の向上によるポートフォリオのリスク低減措置と組織内のガバナンスの強化はやはり重要であると考えております。

 また、これはちょっと更問いになりますけれども、こうしたことが繰り返されないように、農林中金を監督する農水省において、金融機関のモニタリング、指導に関する専門家をやはりもっと育成すべきではないかと考えておりますけれども、その辺りはいかがでしょうか。

鈴木国務大臣 ありがとうございます。

 今、大変大切な御指摘をいただいたと思っておりまして、今後とも、金融業務がますます複雑化、高度化をしていくことが見込まれる中で、農林水産省においても、農林中金に対するモニタリング、指導などをこれまで以上にしっかりと行うことができるプロフェッショナルな金融の専門人材を確保、育成すべきということについては、平沼先生から御指摘のとおりだというふうに思っております。

 今委員からの御指摘もいただきましたので、例えばですけれども、民間金融機関との人事交流などを通じて、農林中金とより高度なコミュニケーションを行うことで、よりよい指導監督につなげたりしていきたいというふうに思います。

 やはり農林水産省における監督機能の更なる強化が必要で、このために、外部からのプロ人材の活用も含めて、金融専門人材の育成、確保は今よりもより一層図ってまいりたいと考えております。

平沼委員 大臣、ありがとうございます。

 御答弁いただいたとおり、やはり農林水産省内でも人材の育成と確保をしっかりと行っていただきたいと思いますし、農林中金の経営状況や財務運営に関してしっかりとモニタリングをしていただいて、必要であれば是正等々を行っていただく必要があるかと思っております。人材確保もなかなか大変な部分もあるかと思いますけれども、多方面にわたっていろいろと当たっていただいて、頑張っていただければと思っております。

 続いての質問に参ります。

 続いての質問としては、今回、理事への外部人材の登用というのが検討されているということであります。今回の改正により、理事の兼職、兼業の禁止に関しては、専門性や広く高い見識を持つ人材登用の観点から、外部理事に関して兼職、兼業を認めるとしております。

 そうした中、ある種、この規制の緩和に関して、私のところに、農林中金を、ややもすると外資が乗っ取ろうとしているのではないかというような、何か郵政民営化のときと同じじゃないのかみたいな話がちょっと幾つか来ておりまして、これは私のバックグラウンドゆえの質問が多いのではないかとも推測をしているんですけれども、このような懸念が入っております。

 そこで、農林中金にお伺いをいたしますけれども、外部人材登用について、特に外資関係者の規制というのが今回入っておりませんけれども、農林中金資金が国外から狙われているのではないかという臆測が、先ほど述べたとおり出ておりまして、その懸念はないのかを政府及び農林中金にそれぞれお伺いをいたしたいと思います。

小林政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、農林中金は、一会員が原則一個の議決権を有する協同組織でございます。業務の基本方針等の重要事項の決定や理事の選任は、会員によって選ばれ、会員の代表者を中心に構成されております経営管理委員会が行うこと、こういったことが農林中金法において規定がされてございます。

 したがって、農林中金は、株式会社のように特定の株主が資金力によって議決権を独占し、意思決定を掌握する、こういったことはできない仕組みとされておりまして、今回の法改正においても、こうした農林中金の基本的性格に変更を加えるものではございません。

 さらに、今回の法改正で兼職、兼業規制を緩和する外部理事につきましては、業務の執行権を持たないことに加えまして、ほかの理事と同様に経営管理委員会によって選任されることから、こうした外部理事が会員の意思に反して農林中金の業務運営を支配するということは想定し難いと考えております。

長野参考人 改めまして、農林中央金庫の長野と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、御質問に御回答させていただきます。

 改正農林中金法の趣旨、それと会員の皆様の意思に反しまして、協同組織でなく外国企業のために行動する者が外部理事に就任して、農林中金の資金を国外に流出させるような状況にはいたしません。

 具体的な外部理事の選定方法を申し上げますと、主に会員の代表で構成される役員推薦委員会で理事候補者の選定を審議いたしまして経営管理委員会、総代会に推薦する事前のプロセスがございます。

 理事就任後につきましては、農林中金法で理事の忠実義務等、こういったものが定められてございまして、理事が自己又は第三者のために農林中金と取引をしようとする際には、経営管理委員会におきまして、当該取引につき重要な事実を開示いたしまして、その承認を受けなければならないとされてございます。

 以上から、外国企業のために行動する者が外部理事に就任して、農林中金の資金を国外に流出させるようなことは事実上ございません。

平沼委員 政府及び農林中金、本当にありがとうございます。

 はっきりと、ありませんと言っていただきましたので、安心をいたしました。あと、政府の方からも、制度上、そういったことはないのではないかという答弁をいただいたことであります。

 今後、やはりこういった間違った認識が生まれないようにということも大変重要だと思っておりますので、政府においても農林中金さんにおいても、正確な情報発信などに引き続き努めていただければと思います。

 また、あわせて、先ほどこれは申し上げましたけれども、外部の専門性や知識をお持ちの方というのを登用するのは、なかなか、そんなに簡単ではないかと思っておりますので、これも引き続き努力をしていただいて、よりよい農林中金の運営にしっかりと努めていただければと思います。

 次に、農業近代化資金融通法に関して質問をいたします。

 こちらの法案も、農業経営の規模拡大や物流、加工、輸出などの取組の進展で資金需要の増加を見込まれていることから改正をするものと理解をしておりますけれども、近年の実績を見ると、昭和五十二年度の三千三百四十億円をピークに減少傾向で、令和五年度は約五百五十億円となっております。

 農林中金だけでなく、農協による融資も重要でありますけれども、農業近代化資金の拡充によって、農協等が行う農業融資の促進にどのような効果を期待しておりますでしょうか。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、農業近代化資金につきましては、従来の一般資金に加えて、農業経営高度化資金という新たな資金メニューを追加いたしまして、地域計画に位置づけられた農業者等に対して、貸付限度額は、従来の一般資金の限度額を大幅に超える個人二億円、法人七億円まで引き上げるとともに、償還期限を最長二十年に延長するほか、資金使途につきましても、これまでの設備資金や長期運転資金に加えて、農地取得や借換えも含めるといったような資金内容の拡充を行うところでございます。

 これによりまして、農業近代化資金が農業者の資金ニーズにより的確に対応できるものとなりまして、農協を始めとする民間金融機関による農業融資が促進されることを期待してございます。

平沼委員 ありがとうございます。

 先ほども御答弁いただいたとおり、様々効果があると認識をしておりますけれども、今回、貸付限度額の引上げも行われるということで、個人に対しては四千万円から二億円の範囲内で政令で定める額以内、法人等は二億円以内から七億円以内ということでありますけれども、農業近代化資金融通法の改正による貸付限度額の引上げ、これによって、今までなかなかできなかったような投資というのが今後増えてくるのではないかなということを期待をしておりますけれども、今回の引上げによって、具体的にどのような投資がしっかりと行われて、農業の今後の発展に効果をすると考えているのかをお伺いをしたいと思っております。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば、農業物価統計調査における建築資材の物価指数は、令和二年平均を一〇〇とした場合に、令和七年三月は一三九と上昇傾向にありまして、例えば、ハウスを設置する場合に必要となる費用も上昇しているというふうに考えられるわけでございますが、今回の農業近代化資金の貸付上限額の引上げによりまして、こうした高額化する資金需要に対しても、農業近代化資金でしっかり対応できる場合が増加するというふうに考えてございます。

 このほか、今回の農業近代化資金の貸付内容の拡充によりまして、農業経営の規模を拡大しようとする場合に行う大型農業機械の導入でありますとか、農産物の付加価値向上に取り組む場合に行います加工施設の整備などに対しましても、農業近代化資金で対応できる場合が増えていくというふうに考えられますので、地域の農地の受皿となる担い手の規模拡大でありますとか、農産物の付加価値向上を図る取組を行う農業者の投資の後押しになることを期待してございます。

平沼委員 ありがとうございます。

 具体的な事例を挙げていただいたと思っております。

 少々時間がありますので、問題意識を少し共有をさせていただきたいんですけれども、先ほど申し上げていただいたとおり、やはり資材価格の高騰だったり、今、様々な物価が上がっているという状況の中で、私の地元から最近よく伺うのは、やはり農業機械が物すごく高くなっているというお話をよく聞きます。

 ここはやはりいろいろ対応していかないといけないんだろうなと思いますし、私が食料安全保障上ちょっと懸念しているのは、今、国内のメーカーでまだ農業機械というのは結構回っていますけれども、一方、中国とかが物すごく安価なものを出してきたときに、それに流れちゃった後にこれを武器化されて、入らないみたいなところをやはり今後生む可能性があるんじゃないかと非常に危惧をしておりますので、そういった観点からもこの辺りはしっかり注意していただいて、引き続き、農政をしっかり頑張っていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、渡辺創君。

渡辺(創)委員 中道改革連合の渡辺創でございます。

 本題に入る前に、宮崎県都城市の養豚農場で確認された家畜伝染病、豚熱について伺います。

 八日に疑われる患畜が見つかり、十日に正式に確認をされ、昨日、十三日には約五千六百頭の殺処分を終えたという状況であります。国内では百三例目ということのようでありますが、宮崎県内の養豚場で感染が確認されたのは一九八〇年以来ということで、四十六年ぶりというふうになっています。また、県内では、昨年四月以降、幾つかの県でいわゆる野生のイノシシ等での感染が確認をされている状況でもありました。

 この地帯は、鹿児島県境をまたぐような形で日本有数の畜産地帯という状況でもありますので、関係者の皆さんの緊張感も高まっているというところであります。現場の方々の懸命な御努力もあって、殺処分等は順調に進んで、感染拡大を防ぐための取組も懸命に行われていますけれども、ちょっとこの機会でありますので、農林水産省の現状認識と基本姿勢を大臣に確認をしておきたいと思います。

坂政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、先週四月十日金曜日に宮崎県都城市の養豚農場において豚熱の発生が確認されたところでございますけれども、これは、再発以降、南九州の農場の豚では初めての発生ということでございます。

 御指摘のとおり、宮崎県を含む南九州は、我が国の豚の飼養頭数の約四分の一を占める養豚の主産地でございます。農林水産省におきましても、四月十日の患畜の確定後、直ちに本省におきまして豚熱等防疫対策本部を開催いたしまして、最大限の警戒をもって防疫措置に万全を期すよう、対応方針を決定したところでございます。農場におきましては、宮崎県における迅速な対応によりまして、御指摘のとおり、殺処分は昨日、四月十三日の夕方に短期間で終了しております。現在、引き続き農場の清掃や消毒、埋却等の防疫措置を継続しているところでございます。

 今回の発生農場の所在する都城市周辺では、隣接する県にまたがる形で野生イノシシの豚熱感染事例が多数確認されているところでございます。更なる発生の防止のための対応といたしまして、宮崎県、熊本県及び鹿児島県の三県に対しまして、農場への野生イノシシの接近防止対策を講ずること、農場への病原体の侵入を防止するため消毒を徹底すること、適時適切なワクチン接種を徹底すること、これらの内容の通知を発出したところでございます。

 まずは、現在継続中の防疫措置につきまして宮崎県と緊密に連携して迅速かつ的確に実施するとともに、これらの対応策の着実な実施を通じまして、続発の防止に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

渡辺(創)委員 済みません、ありがとうございました。

 かつては口蹄疫もありました。豚熱もありますし、毎年のように起こる鳥インフルエンザもあります。現場で対応する皆さんは複雑な感情を持ちながら、とにかく、なかなかつらい思いを持って作業に当たられていると思うので、ちょっと大臣に一言、そういう皆様に対する思いみたいなところを伺えないかと思いますが、お願いいたします。

鈴木国務大臣 私自身も、農林水産省の職員時代、宮崎県の口蹄疫への対応、消費・安全局という部局にいましたので、当たらせていただいたところでありまして、その際にも、本来であればしっかりと出荷をして食べていただくべき家畜が殺処分せざるを得ないということで、獣医師の皆さん、そして都道府県の皆さん、地元の自治体、当然、飼養されている皆さんもそうですけれども、本当に複雑な思いで迅速に防疫対応に当たっていただいたということを今でも思い返します。

 今回、家畜伝染病予防法の改正法案をこれから国会で御審議をいただくことになりますが、なるべく、豚熱も含めてなんですけれども、例えば選択的殺処分を可能とするとか、そうしたことで現場の負担感、もちろん防疫措置はしっかりとやりつつも、やはり現場の負担感も和らげていくということも大切かと思いますので、そうした観点でこれからも農林水産省として取組をさせていただきます。

渡辺(創)委員 ありがとうございました。

 本題に入りたいと思います。

 今回の法案質疑には、農林中央金庫からもお越しをいただいております。ありがとうございます。また、要請に応じていただいたことに感謝を申し上げるとともに、御尽力をいただいた各会派の理事にも感謝を申し上げたいと思います。

 今回の二法、農林中金法と農業近代化資金融通法の改正は、二〇二四年から二五年にかけて明らかになった農林中金の巨額赤字決算問題が引き金となっています。その規模は、二〇二四年度単年度決算で、先ほどもありましたが、一兆八千七十八億円という記録的な規模に上っています。

 農林中金の赤字転落は、この三十年間で、住専問題のとき、さらにはリーマン・ショックに続く三回目ということになります。今回も、リーマン・ショックのときと同じく、JAグループの出資で資本増強を図って損失を補填し、金融機関としての健全性や安定性を担保したということだと思っています。

 リーマン・ショックのときには、メガバンクも含めて、他の金融機関も軒並み大変御苦労されたということでありますが、ちょっと言いづらい状況でありますし、背景はいろいろあるのは分かっておりますが、今回は農林中金の独り負けという状態であるということは踏まえなきゃいけないと思っています。偏ったポートフォリオなど、有価証券運用に大きく依存した体質が影響してこの状態を招いたと言わざるを得ないかなと思っています。

 端的に言えば、ほかのメガバンクと比較したときに、収益に占める貸出金利息の割合が極めて低くて、そして有価証券の関係が極めて高い。さらに、国際分散投資の推進を進めた、これはこれで理屈は分かっておるんですけれども、その結果が、有価証券に占める外国債への依存度が突出して高くなって、二〇二二年度以降、先ほど平沼委員の中にもありましたけれども、欧米諸国の複数回の利上げの結果、調達金利である短期金利が運用利回りの長期金利を上回る逆ざやが発生して、外国債券への依存度が高い状況があだになってしまったという状況だと思っています。さらには、含み損が拡大していく中で、経営判断として損切りのタイミングをうまく判断することができなかったというのが事態の概要であったというふうに思っています。

 私は、去年、通常国会の予算委員会で二度この件を議論させていただいておりまして、当時、石破総理や江藤大臣と議論をさせていただきましたけれども、その中で、いろいろヒアリングをしていく中で、あるメガバンクの役員の方が、そもそも、金融機関にとって、資本を毀損しないというのが極めて重要なことであって、増強しなければならないほど資本を毀損したというのは実に責任の重いことであると受け止められるという発言をされた言葉を紹介をしました。

 これは、事態の深刻さというか、事の深刻さを表していたというふうに思っておりますが、もちろん、一民間金融機関の経営の話ですから、法令違反等がある状況ではないので、非常に言いぶりは難しいところがありますけれども、一方では、会員たるJAバンクの構成組織の皆さんから集まったお金が原資でありますし、そこには農林水産従事者の皆さんや准組合員の皆さんが預けている資金が大本となっているところでありますので、これはやはり極めて容易ならざる事態だというふうに思ったところです。

 今日、幾つか確認をしたいと思いますが、農林中金は、一連の事態を受けて、国会審議や、さらには農林水産省が設置した有識者検討会などで様々な課題が指摘をされたところでありますが、まず、基本的にどのように一連の事態を受け止めているのか、状況改善に取り組んでいるのか、またあわせて、その状況改善の取組は今どのような段階、状況にあるというふうにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。

長野参考人 御回答の前に、まずもって、会員を始めとするステークホルダーの皆様方に対しまして多大なる御心配と御迷惑をおかけしたこと、こちらにつきまして深くおわびを申し上げたいと思います。

 それでは、御回答させていただきたいと思います。

 農林中金におきましては、巨額の赤字を発生させる事態となったことを重く受け止めておりまして、有識者検証会で御提言をいただいた取組をこれから着実に実施してまいります。

 検証会におきましては、多額の有価証券売却損を計上する事態に至った原因につきまして、農林中金が能動的にポートフォリオ運営方針等の変更を行えなかったといった内部要因も大きいのではないかという問題認識の下に、資産運用に係る組織体制、理事の専門性、運用先の分散、こういったことなどにつきまして御提言をいただいておるところでございます。

 市場運用に係る組織体制につきましては、各部門の組織体制、権限と責任を明確化することによりまして、迅速に意思決定できるような機動性、それと実効性のある仕組みの構築を御提言いただきました。

 この御提言を踏まえまして、財務と投資を分離いたしまして、理事会の傘下に新たに財務戦略委員会を設置し、また外部有識者をその中に招聘するなど、多様性を高めることで、財務運営の強化を昨年度より図ってきておるところでございます。

 また、理事につきましては、市場運用経験者の増加及び理事を含め組織全体で専門性の高い外部の見識の導入を御提言いただいております。

 この御提言を受けまして、現在の役員体制において、市場運用経験者は当時よりも増やしてございます。また、農林中央金庫法が改正された際には、経済、金融やガバナンスなどの分野に専門性をお持ちの方に複数名、外部理事になっていただき、経営判断に当たりましては多様な視点を確保してまいりたいというふうに考えてございます。

 また、検証会では、高度で専門的な人材の確保、計画的な育成を御提言いただいてございます。

 農林中金では、職員一人一人が専門性を醸成する領域を定める人事制度を運用してございまして、中長期的にプロフェッショナルとなる職員の育成、確保に取り組んでおるところでございます。また、多様な思考を持った専門性ある人材群の形成に向けまして、キャリア採用の強化、目標採用数の引上げに取り組んでおるところでございます。

 さらに、運用先の分散につきましては、債券に偏った運用ポートフォリオを改め、可能な限りリスク分散された運用ポートフォリオに改善し、収益源の多様化を図るべきという御提言をいただいてございます。

 引き続き不透明感が強い環境でございますので、市況変化には十分留意しながら、強固な収益基盤の確立に向けてポートフォリオの質的な改善を図ってまいりました。中長期的には、良質なクレジット資産の積み上げですとか、グループ会社活用も含めた事業戦略投資などを通じまして、金利リスクと非金利リスクのバランスが取れたポートフォリオの構築を目指し、慎重に取組を進めてまいる所存でございます。

 引き続き、安定的な黒字と強固な収益基盤の確立に向けた取組を進展させてまいります。

渡辺(創)委員 一点だけ確認をしたいと思いますが、昨年二月に、一旦は続投表明をされていた当時の理事長が退任を表明されて、実際に理事長が交代されました。この交代は、理事長の辞任というのは巨額赤字の責任を受け止めての引責だというふうに理解をしていますが、その認識でよろしいでしょうか。

長野参考人 御質問にお答えいたします。

 委員御指摘のとおり、前理事長の引責につきましては、今回の大規模赤字を受けての御判断ということでございます。

渡辺(創)委員 あと何点か質問、確認をしたいと思いますが、今回の改正のポイントの一つは、社会情勢が変化する中で、農業を取り巻く環境も個人から法人へ移行が徐々に進みつつあり、事業規模も拡大する傾向にあることを踏まえて、一次産業に対する融資、投資の可能性や幅を広げていくというところにあるというふうに思います。その状況の中で、農林中金には現状よりもより幅広く、より細かく融資対応を行っていただきたい、その牽引役になることが要請をされていると言ってもいいかと思います。

 そこで、確認をしておきたいんですが、農林中金の組織体制等を踏まえた上で、例えば、地方の営業拠点とかは限られているというふうに思いますけれども、十分な対応が可能なのか、課題があるようであれば、お伺いをしておきたいと思います。

 また、改正案の中では、これまで現場での融資の先頭に立ってきた農協等との関係について、農協等の事業を補完することによってというふうにされていますが、具体的には、今後どのような形での融資が拡大されていくイメージなのか、御教示いただければと思います。

長野参考人 御質問にお答えいたします。

 まず、前段の我々農林中金の今後の農業融資強化に向けての体制、こういったところについてでございますが、まさにこれまで農林水産業向けの融資につきましては、JA、信連、農林中金が役割を分担して取り組んできたということでございます。

 そうした中で、農林中金が取り組むべき領域、こちらにつきましては、これまで御議論がございましたとおり、農業の大規模化でございましたり集約化が進展している中で、JAなどが対応できないような大規模案件や県域をまたぐようなケース、こういった部分を対応させてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 これに対しまして、農林中金の体制面での整備といったところでございますが、人員を今年度より一割増員するような形で体制面の強化をさせていただいているというところでございます。

 また、後段の役割分担の部分でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、JA、信連、農林中金で役割分担を農林水産業向けの融資に関して行っておるところでございますが、農林中金におきましては、JAによる農業融資への利子補給、こういった支援も行ってきているところでございます。

 こうしたJAとの役割分担、あるいはJAへの支援、こうしたところにつきましては、今次法改正の後も引き続き変わるところではございません。

渡辺(創)委員 重要なポイントは、実際に一次産業の分野に投資が増えていくか否かだというふうに思っています。

 現状を見ると、冒頭でも申したように、農林中金の融資というのは、ほかのメガバンクと比べたときに低水準にとどまっていますし、農林中金は、融資の金融機関というよりは、資金運用中心の金融機関という印象が強くあると思います。今回の法改正、改正した暁には、これは質問しようと思っていましたが、ちょっと質問はやめますけれども、できるだけ具体的に将来の青写真というか、それが描けるということが関係する皆さんにとっても重要なことだと思いますので、是非その点を御留意いただきたいというふうに思います。

 次の質問に行きたいと思いますが、農林中金の組織構成について確認をしたいと思います。

 先ほどもちょっと関連する質問がありましたけれども、巨額赤字の問題が指摘された際に、農林中金の理事構成がプロパーのみで、市場運用の経験者も少ないというポイントが指摘をされています。

 これは、もちろん農林中金側の問題もあったと思いますが、それだけではなくて、法規制が時代の要請とマッチしていなかったというのも大きなポイントだと思っています。そういう意味では、こういう法的な矛盾を放置してしまっていたことは、政府や国会側、法改正に関わるような立場の方も、ある種の責任があることは少し意識しなければいけないんじゃないかなというふうに思っています。

 こういう制約があったことが明らかだからこそ、今回の法改正では、理事の兼職、兼業規制の緩和が提起をされているわけであります。

 そこで、できるだけ簡潔にお答えをいただきたいんですが、今回の改正が成立した場合に、農林中金としては今後どのような理事登用、組織運営を想定をしているのか、現状を踏まえて、できるだけ簡潔にお答えいただければと思います。

長野参考人 御回答いたします。

 農林中金といたしましては、検証会での御指摘を真摯に受け止めまして、農林中央金庫法が改正された際には、経済、金融やガバナンスなどの分野に専門性をお持ちの方に複数名、外部理事になっていただきまして、経営判断に当たって多様な視点を確保していきたいというふうに考えてございます。

渡辺(創)委員 ありがとうございました。

 私は、農林中金は、日本の一次産業を支えるという立場で大きな貢献を果たしてきたというふうに、少なくとも敬意を持って見ています。特に、構造的な赤字体質を抱えるJA組織等が少なくない中で、農林中金の高い運用益が奨励金などの形で会員組織に還元されていることを踏まえれば、そのことは明らかだというふうに私は思います。

 一方で、金融機関としてのリスクヘッジを高めるためには、組織や体質を改めて見直す必要もあるというふうに思いますし、今回の法改正に当たって議論されているような融資という側面での機能強化を新しい役割と考えるか役割の深化と考えるかはともかくとして、新たな貢献が期待をされているわけですので、是非その点を十分に踏まえて今後の取組をお願いをしたいというふうに思っております。

 続いて、金融庁にお伺いをしたいと思います。

 昨年の通常国会の予算委員会でこの問題を議論してきたのは既に述べたとおりでありますが、昨年二月十日の予算委員会の質疑で金融庁にも見解を確認しておりますけれども、その中で、金融庁としては、通年検査等の重点的なモニタリングなどを通して、リスク分析し、フィードバックレターなどで、指導監督する立場としてコミュニケーションを重ねてきていたということを明らかにした上で、ポートフォリオの分散化や収益源の多様化、有価証券運用に伴う金利リスクの大きさに見合ったリスク管理体制の構築など、改善を促してきたにもかかわらず、大幅な有価証券運用の損失が出たことは大変遺憾に思っているとの認識を示されています。

 また、金融庁も農林水産省が立ち上げた有識者検討会にも参加をし、今回の法改正のきっかけとなる報告書にも一定の関与があるという立場だというふうに思います。昨年の質疑の中でも、農林水産省の問題認識と同様の意識を持っているというふうにおっしゃっています。

 そこで、金融庁に確認しておきたいのですが、有識者会議等で指摘された農林中金の課題について、その改善に向けた取組は十分に図られていると理解しているのでしょうか。見解を確認したいと思います。

若原政府参考人 お答えいたします。

 金融庁といたしまして、個別のモニタリングの内容等々につきましてはお答えを差し控えているところでございますけれども、今般の損失につきましては、先ほど御紹介いただいたとおり、リスクの大きさに見合ったリスク管理体制の構築等を促していたにもかかわらず、損失が生じたことは遺憾であるというような御答弁をさせていただいたところでございます。

 これも御指摘のとおりでございますけれども、有識者検証会、こちらにつきましては、金融庁としてもその検討の場に当時から立ち会ってきておりますけれども、現在、農林中金におきましては、この報告書も踏まえながら、ポートフォリオの改善でございますとか組織体制の見直しといったリスク管理の高度化やガバナンスの強化に取り組んでいるというふうに認識をしているところでございます。

 金融庁といたしましては、農林水産省と連携しながら、引き続き、経済金融市場の動向が農林中金に与える影響を的確に把握するとともに、的確なリスク管理体制の構築などを求めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

渡辺(創)委員 ありがとうございました。

 金融庁は、お答えになれること、なれないことはあるだろうと思いますので、理解をしたいと思います。

 ただ、一方で、ポートフォリオの改善はまだ限定的ではないかという指摘もいろいろ出ています。時間がまだ短いので当然といえば当然だと思いますけれども、実際に外国債券の割合は下がったとはいえ、他のメガバンク等と比べればまだ比率がかなり違う、これは一律に単純比較すればいい話でもないとは思っておりますが、ありますので、その取組がまだ道半ばだという認識で是非取り組んでいただきたいと思います。

 先ほど大臣は、農水省の方でも監督機能の強化を図る必要性があるというような御答弁をされていますので、是非力を合わせて、全体で前進するように取組をお願いしたいというふうに思います。

 ここからは農林水産省に確認をしたいと思いますが、今回の法改正は、先ほどから申しているように、農林中金の一連の経営課題が発端となった昨年の国会での議論や有識者検討会がスタートになっていると認識しています。その意味では、法改正に含まれる内容も、大方去年提起されていた内容だと思いますし、そう強い違和感は持っておりません。

 その上で、昨年の問題発覚時に、当時の江藤大臣は、状況について、農林中金という名前に恥ずべきようなことだと思っていると発言されるなど、大変厳しい姿勢を取られていらっしゃいました。予算委員会の場においても、現場のJAや農協組織、信連や林業関係の皆さんの御苦労に触れた上で、やはり信頼の下に組織は成り立つのであるから、農林中金もしっかり、地方あってこその組織であることをこの機会に改めて自覚してもらいたいと踏み込んだ発言をされ、私は危機感をあらわにされたんだと思っています。

 そのことを踏まえ、この機会に改めて確認をしておきたいと思いますが、事態発覚後の農林中金の取組をどのように評価しているのか。理事長の退任等もありました、また状況改善の取組等も今いろいろお話があったところでありますが、この機会に政府の見解を大臣に確認したいと思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 農林水産省では、農林中金が巨額の赤字を発生させる事態となったことを重く受け止めまして、有識者検証会を開催をし、検証を行ってきたところであります。農林中金のガバナンスの強化や農業融資、出資の拡大についての検証会の提言を尊重し、農林中金の対応を確認し、指導するという方針で現在対応しているところであります。

 これまでのところ、農林中金では、新たに設置をした財務戦略委員会に外部有識者も招聘をし、経営判断に当たって多様な視点を確保すること、担い手経営体や大規模施設、フードテックなどへの融資、出資を拡充すること、そして、担い手の事業サポートやDX化などの支援を通じて経営高度化へ貢献することなどの方針を公表し、いずれの取組も既にスタートが切られているものと認識をしております。大切なことは、これからが大切でありまして、農林中金が、先ほど申し上げた取組を着実に実施をし、目に見える成果を上げていただくことが大切であるというふうに考えております。

 このため、農林中金の対応状況については、これからも金融庁と連携をして、モニタリング、指導を続けてまいります。

渡辺(創)委員 ありがとうございます。

 私は、農林中金というのは、これまで全国にネットワークを張ったJAバンク等で集約した大きな資金を運用して、その運用益を各組織に還元をしてきたという大きな役割を果たしてきたというふうに思っています。

 ただ、一方で、高い運用益を上げて構成組織に還元をしなければならないというミッションを抱えていたからこそ、その面の機能が拡大していくことで、本来の使命と若干乖離が生じていってしまった。その一つの帰着として、今回の昨年発覚したような巨額の赤字決算に至るという、先ほどるるお話ししましたけれども、私は、おもんぱかれば、仕方がないなと思う面もありつつ、これはそういう矛盾を含んでここに至っているというふうに非常に思っていますので、そのことをしっかり踏まえることが大事かなと思っています。

 今回の一連の改正は、農林中金の社会的使命に変化を与えるものだというふうに思っています。農業環境の変化も踏まえて、農林中金に融資業務の見直しを求めるものですから、これは食料・農業・農村基本法であったり基本計画の趣旨とも合致をするというふうに思いますし、そういう意味では、政府が考えるこれからの農業の在り方を意識したときに、その意向を強く反映した法改正と言うこともできるだろうというふうに感じています。

 そこで、確認をしておきたいのですが、今改正によって、具体的にどの程度の農林中金による融資拡大を想定しているのか、また、今回の改正がきっかけとなり、金融機関等による農業分野への投資がどのように変化していくことを期待しているのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 農林中金は民間金融機関でもありますので、私の立場から、どの程度の農業融資や出資を行うべきかについて具体的に数字を申し上げることは適当でないと考えております。

 ただ、その上で、農林水産省としては、地域の農地の受け手、受皿となる担い手の規模拡大や、またフードテックなども進んでまいります、今後、大規模投資が増えていくことも想定をされることから、とりわけ農林中金には、大規模案件への融資、出資にこれまで以上に積極的に取り組んでいただくことを想定をしております。

 今回の法改正を契機として、農林中金には、その豊富な資金力や幅広いネットワークなどを生かして、農林水産業とその関連産業への融資、出資の強化について目に見える成果を上げていただくことで、結果として、農林水産業の生産基盤強化と食料供給力の向上に向けた民間投資が円滑に進んでいく、このことを強く期待をしております。

渡辺(創)委員 ありがとうございました。

 私は、今回の法改正を大きな機会にして、農林中金が更に日本の一次産業へ大きく貢献をしていただく、そういう存在であってもらいたいというふうに思います。

 去年、予算委員会で議論をさせていただいたときに、現場の一次産業の従事者の皆さんの声からすると、農林中金という存在との間に、これは去年、当時の江藤大臣もおっしゃっていましたが、やはり物すごい乖離があって、距離があって、何か遠いところで大きな損失が生まれちゃって、そこには自分たちがためているというか、提供している資金が使われていくことに対する強い違和感みたいなものをやはり感じました。

 やはりそういう痛い思いをしたわけでもありますので、そのことをしっかり踏まえて、これからの日本の一次産業に確実に、農水省等とも力を合わせて貢献できる組織になっていただきたいと思いますので、その期待を込めて、そのことを表明し、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、野間健君。

野間委員 中道改革連合の野間健です。

 渡辺委員に引き続き、質問させていただきますが、冒頭、今、渡辺委員からもお話がありましたとおり、私も南九州、鹿児島の選出でありまして、先日発生した都城での豚熱の問題、これ以上拡大しないように、是非、鈴木大臣におかれましても、防疫措置、万全の体制をよろしくお願いしたいと思います。

 そしてまた、本日は、農林中金から長野専務理事にわざわざお越しをいただきまして、どうもありがとうございます。

 金融二法について質問をさせていただきます。

 まず、農林中金さんが巨額の損失を発生させたわけですけれども、これは資料一にもあるんですが、当時の奥理事長さん、これは退任の会見の際のお話ですけれども、巨額の含み損を抱えて三年前から退任を考えていた。三年間、ですから、いろいろな損失が出て、いつ損切りをしようか、どうしようか、非常に呻吟して、悩みに悩んでおられたと思うんですけれども、ただ、三年間というのはかなり長い期間ですよね。この間、どうしようか、やろうかやるまいか、そういうことをいろいろ悩まれたということはよく分かるんですが、ちょっと余りに長い期間、そうやって、どうしようかどうしようかという間にどんどんどんどん損失も膨らんだということだと思うんです。

 この間の経緯、そういうことが許されたと言ったらなんですけれども、そういうことが、どうしようどうしようという間に来てしまった、そういう経緯というのは、農林中金さんの体質の問題もあると思うんですけれども、どんなものだったんでしょうか。

長野参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の、巨額損失までに相当長期間、時間を要したというところの背景等についてということでございますが、まず、私ども農林中央金庫は、安定した利息配当が見込め、市場流動性が高く、バーゼル規制におけるリスクウェートが低い、こういったことなどから、高格付の外国債券、こちらをポートフォリオの中心とする運用というものを行ってきたところでございます。

 リーマン・ショック以降、安定的にこういったポートフォリオが利益を上げてきたわけなんですけれども、コロナ禍、そして地政学リスクの顕在化、こういったことなどによりまして世界的な物価上昇を背景に、欧米諸国の中央銀行が二〇二二年以降、複数回にわたって利上げを行った結果、御案内のとおり、短期の外貨調達金利が長期の運用利回りを上回る、いわゆる逆ざやの状態になったということでございます。

 当時の判断といたしましては、こうした状態が早期に解消するという見通し、こういった考え方の下に債券の保有を続けてきたわけなんですけれども、二〇二四年度に入りましてからもこの厳しい逆ざや状態が継続してございまして、その後も見通しとしても厳しい環境が続くことが想定されるということから、この状況を打破して中長期的な収益性を強化していくことを目的に、外国債券等のいわゆる低利回り資産を売却した、そういったことでございます。その結果といたしまして、連結ベースで一兆八千億円に及ぶ純損失を計上するに至ったということでございます。

 その後ということでございますが、低利回り資産の売却と、会員の皆様に御協力いただいた資本増強、こういったものを土台に、ポートフォリオ全体のバランスを意識しながら様々な資産にリスクを分散して、慎重な投融資を着実に進めてまいりました。その結果といたしまして、足下におきましては、外貨建ての運用の利回りは上昇し、調達の利回りは低下したということで、手前ども農林中金の収支の方は改善基調に転換しているということでございます。

野間委員 そういう流れというかあれは分かるんですけれども、やはり、そうやって、どうしようもなくなると、農家あるいは水産業等の皆さんの汗と涙の結晶ですよね、これを、表現は悪いですけれどもおねだりして、また一兆数千億円の資本増強をして何とか助けてもらったということでありますので、先ほどもありましたけれども、これで三度目になりますので、こういったことがこれから繰り返されてはならないと思います。

 ただ、どうなんでしょうか、今回いろいろな再発防止の措置もされていますけれども、農林中金さんの体質として、例えば、七名理事がいらっしゃっていたそうですけれども、奥理事長は、専務とか常務とか全部取っ払って、理事長直轄型の組織にするんだということで、全部を理事、平理事といいますか、にして、理事長が全部やるんだということをされたようであります。

 そしてまた、以前の河野理事長さんですかは、やはり定点観測をこういう投資の場合はしなきゃいけないということで、年二回は欧米の機関投資家とか投資銀行、証券会社を訪問して、いろいろな金融情勢についてヒアリングを行った。しかし、奥理事長はそういったこともなく、それほどの情報収集もされていなかったのではないかということもありました。

 こういったことが許されてきた、あるいは放置されてきた、そういった理事会の中、あるいは農林中金さんの体質がやはり依然としてあるのではないかと私は思うんですけれども、今回、理事長は確かに責任を取って引責をされましたけれども、それについても、その前、損失の発表をされたときは、もう一期三年やるんだということで再任されていますよね。そういった内部の体質として本当にこれが変わっているのかどうか、内部にいらっしゃる専務としてどう感じておられますか。

長野参考人 御質問にお答えいたします。

 委員御指摘のとおり、これまで、農林中央金庫、とりわけ奥前理事長下における経営体制につきましては、そういった意味で、その間、こういった大規模損失に至るような形になってしまったというその背景の一つとして、やはり組織の同調性といったところがあろうかというふうに思ってございます。

 外部に対して様々な情報収集は行ってきていたものの、なかなか、内部で議論をする際にどうしても一つの意見にまとまりやすいと申しますか、そういった意味では、ある種不健全な雰囲気の中で議論がなされていた部分というのはあったのかもしれません。

 そういった意味で、今年度より経営陣を刷新いたしまして、新たな体制の下、経営の方を進めておるところでございますが、今年度に入りまして、委員御指摘のとおり専務制の復活でございましたり、そういったある種ピラミッド形の構造の下、経営の方を行ってきておるところでございます。

 それぞれの専務が、それぞれの分掌の下で責任を重く感じながら、それぞれのビジネスを進めているというところでもございますし、それに基づいたレポーティングというものを理事会の中でしっかり行って、それを基に健全な議論がなされているというふうに今感じておるところでございます。

野間委員 そうしたことでの今回いろいろな改革案の一番目玉としては、やはり、外部理事を導入しようということだと思うんです。

 これは、先ほども質問がありましたけれども、現在七名の理事に対してどれぐらい外部理事を入れるおつもりなのか。また、外部理事の役割といいますか、これはちょっと資料もつけさせてもらっていますけれども、資料二ですね、これは経産省がいわゆる社外取締役の心得ということで、社外取締役が経営を監督する、必要な場合は社長やCEOの交代も勧告すべきだという、強い、そういう心得を持ってやりなさいと経産省は言っておりますけれども、どういうふうに外部理事を想定し、考えているんでしょうか。

長野参考人 お答え申し上げます。

 現時点では決まっているところはございませんけれども、農林水産省様の有識者検証会からの御提言を真摯に受け止めて、外部理事につきましては、経済、金融及びガバナンス、こういった分野に専門性、御知見をお持ちの方に複数名、外部理事になっていただくことを想定しておるといったところでございます。

野間委員 今のお話も分かるんですけれども、御承知のとおり、例えばメガバンクですと、三菱UFJなんかですと、十六人の役員のうち、社内出身が七名、外部が九名。あるいは、三井住友フィナンシャルグループも、十三名の取締役のうち、社内六名、外部が七名。外部の人の方が多いところもあります。

 ですから、複数名、二名とかそれぐらいで、七名の内部出身の、しかも、一つの意見にまとまりやすいとさっきおっしゃいましたけれども、そういう中で本当にこの役割が果たせるのか少々疑問ですけれども、そこは本当に、体質を変える形で活動していっていただければと思います。これはそういうことを申し上げておくということであります。

 それから、今後、今までの、農業者に対してもきちんと投融資をしていくんだということが法的にも担保されたわけですけれども、とはいえ、確かに、農業あるいは食品加工業、資金需要が増えているといいますけれども、食品産業にしても、ちょっと、資料三でつけておりますけれども、もう釈迦に説法で申し訳ないんですけれども、海外の食品産業の利益率というのはすごいんですよね。一〇%以下というところがないですよね。二割、三割、四割、七割、そういったところがほとんどであります。収益を非常に上げているところが多いです。

 それに比べて、三ページの下の我が国の大手の食品メーカーですけれども、やはり一〇%以下のところがほとんどであります。ですから、そんなに物すごくもうかるというものでは食品産業はありませんし、また、資料の四でも、我が国の食品産業のいろいろ推移がありますけれども、この一番下の利益率はほとんど三%台、二%台ですね。

 ということでありますので、確かにこういったところの融資、投資を増やしていただきたいのはやまやまですけれども、それで物すごく農林中金さんの収益が改善するかとか、もうかるかということにはならないと思います。

 また、そういったところへの融資、農業法人も含めて、非常に大変ですよね、よくそこをウォッチしていないと。今年も農業関係の法人の倒産が非常に増えていますよね。イラン情勢もあります。そういった意味で、相当な目利きでないと、そういったところの与信をどうやって管理していくか、難しいと思うんですけれども、その辺はどう認識されていますでしょうか。

長野参考人 御質問にお答えいたします。

 まず、農林中金の市場運用資産規模でございますけれども、こちら、約四十四兆円、昨年の九月末時点ということになってございます。適切なリスク管理の下で、国際分散投資を通じまして会員への安定的な収益還元の役割を果たしてきておるところでございます。これにより、農協等の経営の安定、あるいは農林水産業に貢献する取組、こういったものをサポートしておるところでございます。

 一方で、農業融資残高につきましては、農協、信連を含めたJAバンク全体で、二〇二四年度末時点で約二兆五千億円弱ということでございます。国内の約五割を占める残高ということになってございます。

 農林中金といたしましては、農協等と一体的な事業運営を行う中で、農業者が必要とする融資を、適切なリスク管理を行いながら従来以上に積極的に行い、農業生産、販売の拡大ですとか、生産効率の向上を引き続き支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 あわせまして、委員御指摘のような、加工、流通関係、あるいは輸出関係の企業、こういったところにつきましても、積極的に投融資の方は進めてまいる所存でございます。これをもって、農業者、食品産業の市場拡大、こういったものにつなげていきたいというふうに考えてございます。

 いずれにしましても、我々金融機関ということでございますので、適切なリスク管理の下で健全性をしっかりと維持しながら、国際分散投資を通じた収益還元と、農協等と一体となった農業者、食品産業、こういったものに対する投融資、これを両輪でしっかりと運営をさせていただきながら、農林水産業の発展にしっかりと貢献をしてまいりたいというふうに考えてございます。

野間委員 おっしゃることはよく分かるんですけれども、なかなか、今後もこのビジネスモデル、今までのものについて、多様な分散投資をしていくということはよく分かることなんですけれども、資料の日経新聞の一昨年の記事ですけれども、非常に単純化して申し上げれば、今資産が八十兆ぐらいになるんでしょうか、それを使って全国の農協さんに約三千億ぐらいの奨励金、還元をするということですよね。この資産を使って三千億を生み出して分配する、還元していく、これが最大の役割かと思いますけれども、今までの外債の運用で非常に安定的に成功はしていたんですけれども、これからはやはり金利のある世界になってきております、調達の金利も上がるでしょうし、当然、また、それじゃ、運用はどうするかなんですけれども。

 これは同じ質問になるかと思うんですけれども、非常に厳しいですよね。八十兆を使って三千億を生み出していく。しかも、それ以外のこともいろいろな投融資をして、そこのきめ細かないろいろな目配りをして管理もしていかなきゃいけない。先ほど、一割人員を増やすといっても、二十名ぐらいですよね。一割といっても、二百名の二十名。ちょっと、本当にそんなもので大丈夫かなとも思いますし、いろいろな、地方に分散したそういった産業を細かく見ていくということ。

 本当に今おっしゃったような青写真で実現できるのかなというのは非常に不安なんですが、そこはできるということなのでしょうか。

長野参考人 御質問にお答えさせていただきたいと思います。

 繰り返しになるところがございますけれども、我々農林中金は、引き続き、適切なリスク管理の下で健全性を維持し、国際分散投資を通じた市場からの収益の獲得、それと農協等と一体となった農林水産業、食品産業に対する投融資、これを両輪として回しながら、農林水産業の発展にしっかり貢献していきたいということでございます。

 その上で、二四年度決算におきましては、主に欧米国債の売却を積極的に行ったわけですけれども、その外債の割合につきましては、全ポートフォリオの五四%から、五割弱、四八%程度まで低下しておるといったところでございます。

 まずは、こういった市場ポートフォリオ運営、先行き不透明感は強いというところでございますので、引き続き、市況環境に十分に留意しながら、強固な収益基盤の確立に向けて、ポートフォリオの質的な改善、こういったものに努めてまいりたいということでございます。

 具体的には、クレジット資産の積み上げですとか、いわゆるその非金利リスク、こういったものでしっかりとポートフォリオ全体のバランスを取りながら、リスク管理の高度化を踏まえ、ポートフォリオの運営による収益獲得というのを図っていきたいということ。

 それに加えまして、農林中金の今次目的規定の改正を踏まえまして、国内農業、それと食料システムの構造変化、それに伴う資金ニーズ、こういったものの適切な把握を通じまして、融資、出資等、これまで以上に積極的に取り組むことによって、先ほど、冒頭申し上げた両輪というものを一層しっかりと回させていただく。

 それに必要な人材に関しましても、いわゆるジョブトレーニングでの育成でございましたり、研修の機会を積極的に設けるということでありましたり、はたまた、中途採用を含めたキャリア採用、こういったものも積極的にすることで、人材面での体制を整えてまいりたいというふうに考えてございます。

野間委員 これは指摘にとどめますけれども、資料六でつけさせてもらっていますけれども、農林中金と三井物産が四割ずつ出資するリース会社がアメリカのやはり債券の問題で五百億ぐらいのまた赤字が出るということですけれども、こういう何か今まで出てきていないようなものがまた出てくると、本当に大丈夫かなという気がいたしますので、しっかりとした経営を心からお願いしたいと思います。

 続いて、農業近代化資金の問題について、大臣に御質問させていただきたいと思います。

 先ほど平沼委員からもお話がありましたように、私も地域を回っていますと、新規で就農したいという方、やりたいんだけれども農業機械がべらぼうに高くて手が出ない、農業をしたいんだけれどもやれないという声も聞きます。

 配付資料の五では、じゃ、お米の生産でどれぐらい機械代というのはかかっているのか。耕地面積の広さによって違いますけれども、大体三割以上なんですが、三割ぐらいかというふうには思うんですけれども、実際は、この次の資料八、九を御覧いただくと、就農一年目でどれぐらいお金がかかるか、新規参入で八百九十六万円、そのうち機械代が六百七十万円もかかるんだ。

 その裏のページは、新規就農者のいろいろなアンケートを取ったものですけれども、とにかく、一、二年目で、いろいろな費用を考えると、これは一年目というところに書いていますけれども、費用は全部で四百三十万円かかった。そのうち機械代が三百三十万ですよね。だから、八割以上です。あるいは、五年目になってもやはり八割ぐらいが機械代でかかっています。

 ですから、もうちょっと長くしている方にとっては三割ぐらいの負担になるわけですけれども、やはり、新規に新しくやろうという方は機械代の負担が非常に大きいのが現実でありまして、このお金をどうしていこうかということで、今回、近代化資金の融通法で額を上げたり融資額の枠を広げたりはしていただいているんですけれども、そういうことではなくて、先ほどもお話があったように、機械の性能が余りによ過ぎて高いというのがありますね。ですから、もうちょっと簡易なもので、手が出るようなもので、負担にならないようなもので、農業が始められる、そういった機械も開発をしていただきたいし、中古市場も当然あると思うんですけれども、中古ですと十五年、二十年たつとやはり部品がないということでの苦情もいろいろ聞きます。

 そういった意味で、大臣、機械代が高くて資金需要があるというのは何か一見いいことなんですけれども、ちょっと、そういう資金需要が増すというのはやはり新規就農を阻害する要因になりますので、機械をもっと安くしてもらって、何かそういう意味で資金需要が増えるのがいいことではなくて、資金需要が低くても、農業に入れるようになるということが私は必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 農業物価統計調査における農機具の物価指数は、令和二年平均を一〇〇といたしますと、令和七年三月で一一一・三と上昇傾向となっております。

 今回の改正により、民間金融機関が取り扱う長期、低利の農業近代化資金について、貸付上限額を従来の上限額を大幅に超える個人二億円、法人七億円まで引き上げるなどの資金内容の拡充を行うこととしておりまして、高度化する農業機械購入に係る資金ニーズに対応することが可能となります。

 ただ、野間先生おっしゃるように、どんどん高くなっちゃって、これじゃなかなか新規参入のハードルが高いというのも現実としてそうだという一方で、ただ、規模拡大も、担い手は特に今必要になってきておりますから、そうすると、一定程度の設備投資がないと更にそこから先、規模拡大するというのは難しいわけなので、そこにはしっかりと今回の法改正で応えていけるというふうには考えております。

 ただ、やはり農機具のコスト低減は大事だというふうに思いまして、農業支援サービスを効果的に活用し、農機具を所有ではなくて利用に転換することが有効でありますので、農林水産省において、農作業の受託などを行う農業支援サービス事業者における機械導入などへの支援を積極的に行っているところであります。

 また、このように機械導入を支援する補助事業では、中古も含めて支援対象とすることで、低いコストでの農機具の調達も可能としているところであります。

 さらに、やはり私も現場を回っていてそういうお話を多々伺いますので、新規で就農される皆さんはいきなり新規で全部新しい機械をそろえるということではなくて、地域でやめていく皆さんの機械の中でまだ使えるものというのをちゃんと引き継いでいくような、そういった地域での取組なんかも進んでいくとより新規参入が進むのではないかというふうに考えております。

野間委員 本当に、おっしゃるように、大学生が多額の奨学金を抱えて、卒業後もお金を返さなきゃいけないというような、同じような環境に新規就農者もありますので、そこは重々配慮していただきたいと思います。

 最後に、今回の農業近代化資金の償還期限、二十年以内となっていますが、そして据置期間は七年ですけれども、実際は政令によって原則十五年以内と言われるんですね。これはやはり二十年以内にすべきだと思います。これで借りたくないという方も多くおられます。

 そしてまた、融資機関が都道府県から利子補給を受ける、この手続が非常に面倒で、時間がかかって、せっかく融資を受けたいタイミングに受けられないという苦情もよく聞きます。この辺はどう改善策、あるんでしょうか。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、現行の農業近代化資金の償還期限は、原則として十五年以内とする旨が政令で規定されているところでございますが、今回の資金内容の拡充に伴いまして、農業近代化資金に新たに設ける農業経営高度化資金の償還期限については最長二十年にするという方針でございます。

 また、御指摘のとおり、農業者のニーズに応じた融資実行が迅速かつ簡単になされるということが極めて重要であると認識しておりまして、各都道府県とも連携いたしまして、一つは、都道府県の利子補給手続に必要となる書類等を検証しまして、その簡素化を図る。それから、二つ目は、融資機関、信用基金協会、都道府県等の関係機関の審査を同時並行で実施することによりまして、借入れの申込みから融資可否の回答までの期間を短縮する。こういったことによりまして融資手続の簡素化、迅速化を図ることに努めてまいりたいと考えてございます。

野間委員 是非、二十年、そして今の事務の簡素化、やっていただきたいと思います。

 時間になりました。終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、柏倉祐司君。

柏倉委員 日本維新の会の柏倉祐司でございます。

 本日は、農林中央金庫からも執行役員の長野さんに来ていただきまして、誠にありがとうございます。

 それでは、まず早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 農林資金というものの需要がますます拡大している、そして多様化しているというところはもう明らかでございます。構造転換を背景として更にそれは助長されていくだろうというふうに予想されるわけですが、農協のプロパーだけの貸付けではやはり自由度が乏しいような、そういう印象がございます。どんどん多様化していくそういうニーズに応える、それがやはり農林中金さんの責務ではないかなというふうに考えております。

 そこで、お伺いさせていただきたいんですけれども、農林分野の資金需要が今までになく拡大している、その一つの背景として、農地の大規模化というものがあると思います。政府は、資金需要拡大と大規模化というところの関連性をどのように考え、分析しているのか、まずお伺いさせていただきたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 農業分野の資金需要が拡大している背景といたしましては、地域の農地の受皿となります担い手の規模拡大でありますとか、物流、加工、輸出等の取組の進展に伴う事業の多角化等が考えられるところでございます。

 農業経営の規模を拡大する場合には、例えば農業機械の追加取得でありますとか、今あるものをより大型の農業機械に替えてそれを導入するということのほか、ハウスなどの農業用施設の増設又は農地の取得、こういったことなどが必要となりまして、これらに伴う資金需要の拡大が想定されるところでございます。また、事業の多角化を行う場合については、加工や流通施設の整備なども必要になりまして、これらに伴う資金需要の拡大が想定されるところでございます。

柏倉委員 資金需要に関する政府見解はよく分かりました。

 大規模化というものに関して、これはやはり、大規模化も効率化という面で大切だというふうに思います。一方で、中小の農家さんというものもやはりしっかりと存続させていくというところ、両面しっかりにらんだ政策、両方に満遍なく資金供給をしていくというところが大切かなというふうに思っております。

 そこで、また改めてお伺いしますが、大規模化の流れをどのように推進をしていくのかに関しても、総論で結構ですので、政府からお伺いしたいと思います。

小林政府参考人 お答えいたします。

 高齢化や人口減少の影響によりまして、今後、農業者が減少し、農地を手放す方も見込まれますので、農地の集約を進めながら、そうした農地をいかに担い手に引き継いでいくかということが重要になると認識してございます。

 また、このような状況にありましても、将来にわたって農業生産の維持拡大を図り、食料安全保障を確保するためには、少数の農業者がより多くの農業生産を担う、こういった農業構造への転換が必要不可欠と認識してございます。

 このため、地域計画に基づく農地の集積、集約化とともに、農業構造転換集中対策によりまして、農地の大区画化などの基盤整備、スマート農業の導入加速化等を進めているところでございます。

 農林水産省といたしましては、御審議いただいている金融面での支援と併せて、関係者への周知を進めながら、こうした取組を後押ししてまいりたいと考えてございます。

柏倉委員 食料安全保障の観点から、できるだけたくさんの方に農業に携わっていただくという趣旨はよく分かりました。

 それが世代をまたいでいくと、今度は分断化ということになっていくというふうな側面もあると思います。私の地元宇都宮なんですけれども、やはり、近郊に行きますと、そういったところ、かなり顕著に目にすることがございます。そういった分断化にならないように、包括的な底上げができるような農地の維持というものを是非政府にはお願いをしたいというふうに思います。

 次に、日本政策金融公庫との比較についてお伺いしたいと思います。

 もちろん、日本政策金融公庫の性質上、競合するというようなものではなく、どちらかがどちらかに足らないものを相補的にやっていけばいいというふうに理解はしております。

 ただ、どちらにしようかなというふうに考える人は現実的には多いわけでございまして、それを考えますと、政府の金融公庫、スーパーLというような認定農業者への貸付け、これはかなり限定された方への貸付けになるんですけれども、個人三億、法人十億という融資がございます。今回、近代化資金の改正によって、個人は二億、法人は七億となっております。物価高、規模、平均の融資額というものを勘案して決定したというふうに聞いております。

 政府政策金融公庫より比較優位として近代化資金というもの、どういうところをアピールして今後顧客を獲得していこうとしているのか、そこのところを教えていただきたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 日本政策金融公庫資金と比較した場合の農業近代化資金の強みといたしましては、先ほど御指摘ございましたとおり、日本政策金融公庫のスーパーL資金は、貸付対象が認定農業者に限られるのに対しまして、農業近代化資金でありますと、新たに設ける農業経営高度化資金の貸付対象は地域計画に位置づけられた者などとされてございまして、より幅広い農業者を貸付対象にできることが挙げられます。また、このほか、農業近代化資金では、農業者が日頃から取引がある農協などの民間金融機関から直接融資を受けることができることでございますとか、また、農業近代化資金では、例えば、融資機関が更なる金利の引下げを独自に行うなど、金融機関が貸付けに際して創意工夫ができることなどが挙げられると考えてございます。

 農水省といたしましては、農協を始めとする民間金融機関には、こうした農業近代化資金の特色も生かしながら、農業融資に積極的に活用してもらいたいと考えてございます。

柏倉委員 ありがとうございます。

 より窓口が広いというところが一つの売りだというところだと思います。あとは、やはり事務手続の煩雑さ等々、これは必ず皆さん口にすることでございます。そこのところの簡略化というものも要望して、この件に関しては終わりにしたいと思います。

 次に、農林中金の出資に係る案件についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 今回、地域における農林水産業の持続的な発展に資する国内会社への投資、これの緩和が取られるというふうに理解をしております。この緩和についてなんですが、その出資先というものが、当該県に、県単位で縛られるものなのか、それとも全国的なものなのか、それとも全世界的なものなのか、そういったところ、出資先の所在というものをまずお伺いしたいと思います。

 具体的にどのような設計イメージをしているのか。そしてどういうものに出資していくのか。これはやはり、DXとかAIというものがどんどんどんどん農業領域にも入っていって、担い手不足というものを始めとした様々な課題を解決していくということが理想だというふうに思っております。

 その出資の対象も含めて教えていただきたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法改正におきましては、農業生産の増大その他の地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務を専ら営む国内の会社に対する出資につきまして出資手続を緩和することとしておりますけれども、これは、地域の活性化でありますとか生産性向上など、地域の農林水産業の持続的な発展に寄与する会社等を想定してございます。

 このため、対象となる会社の事業活動の地理的な範囲につきましては、具体的な制約を設けることを想定しているわけではございませんで、地域の農林水産業の持続的な発展に貢献する限りにおいては、農林水産業を営む法人はもちろんのこと、農林水産物や食品の製造、流通、販売、輸出などの業務を営む会社などのほか、御指摘のように、先端技術を活用して農業の生産性向上を支援する会社なども対象になると考えてございます。

柏倉委員 ありがとうございます。

 やはり、特にAI等々の会社は全国的に分散をしていると思います、より厳しい目でそれを選んでいただいて、地域にとらわれない、総合的な発展に資するような選択をしていただきたいというふうに思います。

 それでは、最後に、農林中金さんの投資に関して質問させていただきたいと思います。

 先ほど来、厳しい質疑がございました。その大きな損失の問題については私はあえて質問はいたしません。私が今回質問させていただきたいと思いますのが、いわゆるESG投資というものでございます。環境、社会、企業統治というものですね。こういったものの投資、この価値というものを議論するのではなくて、この領域における投資が、収益がこれは担保されるのかというところ、この不安が若干あります。

 トランプ政権になりまして、このESG投資、あとはDEIですね、多様性、公平性、包摂というような社会的な価値に対するバックアクションがかなり取られていると思います。バンク・オブ・アメリカとかシティ銀行、こういった超大手も、気候変動のイニシアチブの銀行グループ、NZBAですね、そこも撤退してしまっているというような状況。さらには、グーグル、ディズニー、マクドナルドといったような大手企業も、そういったところ、今、かなり後ろ向きな姿勢になっております。投資の領域としてこれは大丈夫なのかなと、トランプさんの政治を見ているとそのように考えます。

 一方で、日本は、まだまだこれはやるんだというような、ファイティングポーズを取っているようにも思えます。証券取引所、東京証券取引所なんかはどんどんやるというような雰囲気をつくろうとしております。これは、ESGそのものの価値がいいのか悪いのかではなくて、何度も言いますけれども、この領域の投資というものが安全なのか、利益が上がるのかというところの疑問が、これはトランプさんになってからかなり大きくなっていると思います。年金の運用のGPIFもESG投資を減らしているというふうに認識しています。

 こういうところから考えて、日本の農業を下支えしていると言っていい農林中金さんのESG投資は今後どのように考えて行っていくのか。ホームページですか、見ますと、二〇三〇年には、十五兆円の目標、このESG投資ですね、やっていくんだというようなことも載っております。

 収益の見込みがあればこれはいいと思うんです。ただ、今、なかなか、トランプさんになってバックギアが引かれている状況で、農林中金さんとして巨額損失を出したばかりですので、このESG投資に対する客観的な分析、方針転換するのであれば迅速な方針転換というのが必要かと思いますが、そこに関してどのようにお考えになっているのか、伺わせていただきたいと思います。

長野参考人 御質問に御回答させていただきたいと思います。

 まず、我々農林中央金庫のサステーナブルファイナンスのこれまでの取組実績でございますが、二〇三〇年度までに十兆円という目標を立てて取組を進めてまいりました。

 具体的には、農業法人による温室効果ガス、いわゆるGHGの排出量の削減でございましたり、食農関連企業による地域社会への貢献、こういったものを数値目標とする貸出し、こういったものに加えまして、自然災害リスクマネジメントを重要テーマとする債券でございましたり、学校、病院、こういった社会インフラ等を対象とするプロジェクトファイナンス、こういったものへの投資を進めてまいりました結果、委員御指摘のとおり、二〇二五年度の上期に先ほど申し上げました十兆円の目標を早期に達成したということもございまして、新たに十五兆円という目標を足下で設定させていただいておるというところでございます。

 また、委員御指摘のとおり、海外の政治あるいは規制の情勢、こういったものが大きく変わっている中で、金融機関、いわゆるサステーナブルファイナンスの融資主体、こういったスタンスも、国ごとかもしれませんけれども、変わってきておるところもあろうかと思ってございます。

 しかしながら、我々農林中央金庫は、農林水産業を支える協同組織の一員として、我々自らのビジネスが、農林水産業の営みによる命ですとか自然の循環、地域社会における人々の豊かな暮らし、こういったものと共にあるということを十分認識した上で、サステーナブルファイナンスを通じた社会課題の解決を目指しているところでございます。

 したがいまして、投融資案件、こういったものにつきましては、金融機関としてのリスク、リターンに見合ったそういったものを吟味した上で、しっかりと収益性を確保し、繰り返しになりますけれども、海外の政治、規制情勢、こういったものには十分留意しながら、環境、社会へのポジティブインパクトを創出した二〇五〇年ネットゼロの目標に向けまして、引き続き本取組の方は進めてまいりたいというふうに考えてございます。

柏倉委員 どうもありがとうございました。

 時間が参りましたので、これで終了いたします。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、長友慎治君。

長友委員 国民民主党の長友慎治です。

 農業経営の規模拡大や物流、加工、輸出等の取組の進展等により、農業分野の資金需要が拡大している中、今回、農林中央金庫法と農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案が審議をされています。

 今回の法改正の背景として、担い手の規模拡大や事業多角化等に伴う資金需要が一層拡大することが見込まれるとされているわけですけれども、今回の農林中央金庫法の改正によりまして、農業、林業、漁業、それぞれの分野でどのような取組が増えることが想定されるのか、また、農業近代化資金融通法の改正によって、どのような取組が期待されるのか、まずは農水省に見解を伺います。

広瀬大臣政務官 お答えをいたします。

 今回の法改正により、農業分野については、農業近代化資金の貸付限度額の引上げなどにより、例えば、農業経営の規模を拡大する場合における農業機械の追加取得、ハウスなどの農業用施設の増設等に対する農協等による融資、また、農林中金法の改正等により、担い手の規模拡大に加え、物流、加工、輸出等の取組やフードテックの進展などに伴い生じてくる、農協、信連では対応ができない大規模案件等における農林中金による融資、これらがそれぞれ強化されて、農業者等の資金ニーズに的確に対応した融資が行われることを期待されております。

 また、農林中金法の改正等により、農林中金には、林業分野においては、林業事業体の経営規模拡大に必要な森林の取得であったり林業機械の導入、漁業分野においては、漁法や漁獲対象魚種の複合化などに必要な漁船の導入などに伴う資金需要に対応した融資の強化にも期待がされております。

 農林水産省としては、今回の法改正により、農業近代化資金を活用した、農協を始めとする民間金融機関による農業融資、農協等では対応できない大規模案件についての農林中金による農林水産業とその関連産業向け融資、出資がそれぞれ強化されて、農林水産業の生産基盤強化と食料供給力の向上にしっかりと貢献していただくことを期待しているところです。

長友委員 ありがとうございます。

 今回の法改正によって、食料供給の安定化にも寄与していこうということを期待されているとお話がありました。

 一方で、融資の規模が大きくなる、JA等では対応し切れない範囲まで融資ができるようにしていこうということに対して、御確認をさせていただきたいことがあります。

 農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案では、農業者で政令で定めるもの以外の者、個人に貸し付けることができる最高限度額が、二億円の範囲内で法令で定める額に引き上げられます。もし個人に貸し付けた融資が返済不可能になった場合はどうなるのか、農水省の見解を伺います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 農業近代化資金の融資に当たりましては、過剰な投資が行われたり、返済不能な負債を借入者に生じさせることがないよう、民間金融機関におきまして、融資により導入しようとする施設等が借入者の経営規模や経営内容等に見合ったものであるのかでありますとか、借入者の事業内容等から見て借入者の返済可能性に問題はないのか等の審査を適正に実施した上で、必要な額が貸し付けられるようにする必要があると認識してございます。

 また、融資をした後におきましても、債務者の状況把握等を適切に行うとともに、融資後の様々な事情によりまして借入者が融資の返済が困難になったという場合には、まずは、資金繰り支援のために、元本の返済猶予等の条件変更でありますとか借換え資金の活用等を検討して、経営の再生を図ることが想定されます。

 今般、近代化資金の貸付上限額を引き上げることとなるわけでございますけれども、農林水産省といたしましては、改めて民間金融機関に対しまして、農業者の財務状況でありますとか借入状況などを十分踏まえた融資を行うとともに、再生可能性があるうちの早期再生でありますとか再生後の持続可能な経営再建に向けた支援につきましてもしっかり取り組んでいただくよう指導してまいりたいと考えてございます。

長友委員 万が一返済が不可能になった場合には、しっかりとその方、債務者に寄り添っていくという姿勢を御説明をいただいたのはありがたいと思いますが、事実としてこういう事例があったということを御紹介したいと思います。

 私の地元宮崎のJAの青年部長を務めたこともあるトマト農家さんが、農林水産省の産地生産基盤パワーアップ事業の補助金を活用して、オランダ式の最新の水耕栽培のハウスを取り入れて、水耕栽培に取り組んでおりました。

 これは、二〇一八年頃から事業を活用して、トマトを一生懸命作っていたんですけれども、私もそのハウスにお邪魔して、本当にすばらしいハウスで、これが収益が上がっていけば、産地としても、大変周りの生産者の皆様にも励みになると思っていたんです。すばらしいハウスなんです。この資金を活用させていただいて、温度、湿度、二酸化炭素などがデータ化されて、日々変化するハウス内の環境に素早く自動で対応する近代化されたハウス、高く成長したトマトの葉には、自動で天井からミストが噴射されるようになっていて、導入当時、宮崎では最新式のハウスだと注目をされていました。

 しかし、その彼が昨年末、自殺しました。事業計画どおりの売上げを目指して頑張っていたんですけれども、水害を受け、そして事業計画時の半分の面積で生産するしかなくなりました。経営悪化のため、離農するしかなくなりまして、債務の返済ができなくなったのが理由です。また、精神的なストレスからうつ病も発症し、事業継続が難しく、事業を中止せざるを得なくなった。その際は、当然、補助金を国庫に全額返済しなければならなくなります。その国庫への返済が彼を悩ませていました。

 高収益トマト第四組合という組合をつくって、三人で二億六千万円の事業を活用した産地パワーアップ補助金だったんですけれども、その彼は、一人で七千五百万円ほど返さないといけない。八年前に完成して、JAに年間三百万円ずつ返してきた。残りの返済が三千四百万円ほど残っているという段階で、返済することが無理だというふうに彼は考えまして、周りの人間も手助けができず、自ら命を絶ったという人物を私は目の当たりにしております。私は、国の事業を活用した生産者が自殺に追い込まれるというようなことがあってはならないと思うんです。

 このようなことが、最高限度額を二億円の範囲内で政令で定める額に引き上げることで、また起きたりするようなことはないと言えるのか、農水省に改めてお答えをいただきたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、農業近代化資金の融資限度額を引き上げるわけでございますけれども、この額が引き上げられたからといって、過剰な投資が行われたり、返済不能な負債を借入者に生じさせる、こういうことはあってはならないということでございます。御指摘のとおり、金額が多くなれば、先ほど申し上げましたような民間金融機関等の融資機関による審査をやはりしっかり適正に実施していただくということがより大事になってまいります。

 繰り返しになりますけれども、私どもといたしましては、今回の近代化資金の貸付上限額を引き上げるに当たっては、改めて民間金融機関に対しまして、農業者の財務状況でありますとか借入状況などを十分に踏まえて、しっかりとした融資審査を行って融資を行っていただいて、また、再生可能性があるうちの早期再生等につきましてもしっかり取り組んでいただけるように改めて指導してまいりたいと考えてございます。

長友委員 もちろん、事前の融資審査はしっかり厳しく、そして目利きをしていただくことは当然なんですけれども、事業をやっているうちに、環境の変化、また災害に見舞われる、本人が病気になる等、予見できないことが起きたときに、どれだけ地元の金融機関も含めて、農協も含めて寄り添えるかどうかということが、今回の彼にもできていたのかなと私は感じているわけですね。

 彼は、九州農政局にも、返済を減免してもらえないかとか、返済をどのように繰り越していけばいいか等、質問をして、回答をもらっているんです。しかし、九州農政局からの回答は、国庫に全額返済するのが基本であるということで、この件は上にも話を上げています、本省にも上げています、そういう回答を、紙を持っていたんですね。しかし、その後の回答がなく、自分で判断をしてしまったということが起きております。

 もう少し彼に親身に寄り添える、地元の人間もですし、この事業を一緒にやっていた仲間もそうですし、彼を孤立させないようなことができれば命を落とすまでにはならなかったというふうに私は今でも自問自答をしております。二度とこのようなことが繰り返されることがないように、JAや金融機関、農林中金の皆様にもしっかりと生産者に寄り添っていただきたいということをお伝えしたいと思います。

 次に、同じく農業者で政令で定めるもの、法人等に貸し付ける場合にあっては、最高限度額が二億円から七億円に引き上げられます。その法人が返済不可能になった場合にはどうなるのか、農水省の見解を伺います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 農業法人への融資につきましても、個人経営の場合と同様に、やはり過剰な投資が行われたり、返済不能な負債を借入者に生じさせることがないように、しっかり民間金融機関が適正に融資の審査を行うということが必要でございます。

 その上で、融資後に様々な事情によりまして農業法人等が返済困難となった場合の対応につきましても、これは個人経営の場合と基本的には同じでございますけれども、やはりまずは、資金繰り支援のために、元本の償還猶予等の条件変更でありますとか借換え資金の活用、こういったものを検討するでありますとか、先ほども御指摘がありましたように、農業法人に寄り添った形で様々な再生支援というものをやっていただくということが基本になります。

 繰り返しになりますけれども、農水省といたしましては、これは個人、法人経営を問わないわけでございますけれども、再生可能性があるうちの早期再生でありますとか再生後の持続可能な経営再建に向けた支援につきましても融資機関にしっかり指導してまいりたいと考えてございます。

長友委員 今、現状の状況として、東京商工リサーチの調査によって、農業事業者の二〇二五年度の倒産件数が前年度比一四・一%の百五件となったということが四月八日に報道をされたとおりです。これは過去三十年間で最多、負債総額は前年度比で二倍以上の約四百二十二億円。生産資材価格の上昇で、特に小規模農家の破産が目立ちますけれども、大規模な農業法人の倒産も事実あります。長引く円安で輸入に頼る資材や飼料の価格が上昇する中、価格転嫁が進まなかったことが影響したのが原因と見られております。

 大規模な農業法人の倒産例としては、大規模菜園とバイオマス発電を手がけていた岡山県の株式会社サラが、過大な設備投資で約百五十八億円、茨城県のKファーム稲敷は、ミニトマトの病害による販売不振で約十八億円の負債を抱え、倒産しています。

 物価や人件費の上昇が経営を圧迫していますが、イラン情勢の悪化が長期化すれば、倒産は更に増えることが予想されます。そのようなリスクも十分に考慮し、農協系統の金融機関、地方銀行等の一般金融機関が融資する先が倒産することがないように十分な対策を取っていただきたいと思います。これも、先ほど個人も法人も関係なくという答弁をいただいておりますので、是非融資が過剰な状況になって倒産するということがないような寄り添うサポートを強くお願いをしておきたいと思います。

 次に、担い手の規模拡大や事業の多角化に合わせて資金需要が一層拡大する見込みの一方で、農林水産業の経営体のほとんどが人の確保に苦労をしています。

 そんな中、タイミーなどの有料人材紹介、有料職業紹介事業は、農業と水産業の分野には活用できても、林業の植栽、地ごしらえなどの仕事の紹介、あっせんが禁止されています。これはなぜでしょうか。厚生労働省と林野庁の見解を伺います。

古舘政府参考人 お答え申し上げます。

 委員から御指摘をいただきました林業に関連する業務のうち、地ごしらえ及び植栽の業務につきましては、職業安定法上、建設業務に該当するものと解釈をし、有料職業紹介事業の対象外となっております。

 この解釈につきましては、林野庁さんや林業の関係団体などの関係者との調整も踏まえ、整理をされたものと認識をいたしております。

小坂政府参考人 お答えいたします。

 林業については、例えば日雇とか季節雇用、そういった形態が多く、所得が他産業に比べて低位な水準にある、さらには労働災害の発生率が極めて高い、こういった実態にあることから、林野庁におきましては、林業従事者の通年雇用化、さらには月給制の導入、労働安全対策の強化等を図り、長く林業に従事していただけるような労働環境を整えていくということが喫緊の課題というふうに考えております。

 こうしたことから、労働者保護の観点から、このような課題解決を推進しながら、議員御指摘の林業分野における有料職業紹介事業につきましては、まずは現場実態とかニーズの把握をしていきたいと思いますし、さらには、本制度が平成十一年にできたとき、関係団体等の御意見を踏まえながら定めた経緯もございます、そういった団体等の意見も聞きながら、その上で、必要に応じて検討は進めていきたいなというふうに考えているところでございます。

長友委員 林野庁の方から、現場の実態やニーズも調査してという答弁をいただきました。

 無料の職業紹介というのは、つまりハローワークですけれども、林業関係者の方に聞いても、ハローワークに求人を出しても人が来るわけがないと諦めています。来ないんです、実際。

 一方で、有料職業紹介事業の個社名を幾つか出しますけれども、インディードであったり、リクナビNEXTであったり、バイトル等の情報サイトなどは業種や雇用形態が豊富で、インターネットで即座に応募が可能ということで、そこを是非活用をしたいという声があるんですね。

 四月の初めに、宮崎の林業を営む経営者の方がSNSにこんな投稿をしておりました。

 タイミーで原木シイタケ駒打ちを募集したよというタイトルでSNSに載っていた、フェイスブックに載っていたのをそのまま読ませていただきますけれども、そしたら、すぐ集まったよ、美郷町渡川地区という集落の人口が三百人ほどの限界集落に現地集合でも、タイミーに求人を出したら翌日には埋まった、画期的だ、駒打ちの人手なんか美郷町で探しても永久に見つからないのに、タイミーなら即だった、田舎では無理でしょ、林業じゃ無理でしょ、が無理じゃなかった、林業×タイミーで林業の人材不足解決に率先してチャレンジしていきます、次は植林後の防護柵の設置、資材運搬や設置補助をしてもらいましょう、行く行くは下刈りもやります、農業や漁業は既にタイミーの活用が定着していますと。

 実際、タイミーを活用して、これは原木シイタケの駒打ちですから、建設業に当たらないということで活用ができたんですけれども、そもそも、有料職業紹介所の中で地ごしらえや植栽のあっせんを行うことが法律で禁止されているということを知っている人はどのくらいいるのかというふうにも思うんですね。

 地ごしらえとは、林業において、木を伐採、搬出した後の土地に新しい苗木を植え付ける前に行う地面の整理、準備作業のことです。残った枝やこずえや伐根、雑草を片づけて植栽しやすい環境を整える重要な作業で、地あけというふうにも呼ばれます。この地ごしらえと、草木を植え付けて栽培する植栽が建設業の範疇に整理されているので、紹介、あっせんできなくなっているということだと思います。

 これまで建設業、港湾運送が有料職業紹介でのあっせんが禁止されてきたのには、先ほど御説明もありましたけれども、次のような背景があったからというふうに私は思うんですね。

 労働者が集まる寄せ場に設置される日雇労働専門の安定所に出てくる求人を見ますと、ほとんどが建設業、ダンプ運転、港湾の荷役等になります。不安定雇用であるものの、日によっては多くの人手が必要だったりすることから、昔から手配師という非合法な方たちが安定所やいわゆるドヤ街の周りをうろうろしていて、人足出しで合法的にお金を得ていた。このようなことがないように、不安定雇用の方たちの収入になるべき経費が中抜きされることを防ぐ、労働者を守るためにということも背景にあるんだと思います。

 職業安定法で有料職業紹介所による建設業務のあっせんが禁止されている理由は、建設業務は重層的な下請関係の下に業務処理が行われている中、建設労働者の雇用の改善等に関する法律により、労働者を雇用する者と指揮命令する者が一致する請負という形態となるような雇用関係の明確化、雇用管理の近代化等の雇用改善を図るための措置が講じられているため、この措置に委ねる方が適切であるとの記載がありました。雇用形態が直営か下請かで判断するのであれば、地ごしらえや植栽だけでなく、下刈り、除間伐、主伐も下請で行っている事業体も少なくないというのが実態です。

 一方、地ごしらえや植栽が建設現場の整地業務と作業内容が類似していることや、植栽が、土地の改変が行われるため建設業務に該当するとの見方も聞いたことがありますが、禁止業務とされていない作業路の開設を伴う利用間伐や、作業路、搬出路の開設を伴う車両系による素材生産が主流となっている中で、後者の業務の方が建設業務に近いため、これは整合性が取れていないというふうに感じます。

 土砂災害や山地災害の防止が目的であれば、伐採後に放置せず、再造林を行う方が好ましく、全国的に、伐採後の植栽未済地、つまり、はげ山が増加している中、再造林の推進が課題となっておりまして、その担い手確保が大きな課題となっている中、有料職業紹介で地ごしらえ、植栽のあっせんができないことは、再造林の推進に規制がかかっているようにも感じられます。

 さらに、国土利用計画法で土地利用基本計画が定められていますが、森林地域、農業地域などの五地域に区分され、関係行政監督官庁の法令の下、土地利用については規制が設けられており、一部重複しているところがありますが、法律の二重の網がかからないように調整し、区域指定がされています。例えば、森林地域については、ある一定の規模を超えて林地開発を行う場合は、森林法の林地開発許可制度で都道府県知事の許可が必要となります。また、保安林で土地の地形の変更を行う場合は、都道府県知事の作業許可が必要となります。

 このように、土地利用の保全が懸念されるのであれば、関係監督官庁の関係法令により網がかけられていますので、厚労省の労働者派遣法や職業安定法で別途規制する必要はないものと私は思うわけです。

 そこで、大臣に伺いたいと思います。

 今るるいろいろな背景を述べさせていただきましたが、人口減少社会の移行に伴い、労働力が不足している中、林業分野への外国人材の活用として、技能実習制度や特定技能制度が見直され、門戸が広がりました。林業労働力の確保の促進に関する基本方針では、多様な担い手の確保が新たに記述され、働き方改革で、隙間時間を活用した短期雇用やアルバイトも、多様な担い手の確保に通ずるところがあるんだと私は思います。

 短期雇用等を進める上で、安全第一を旨として、安全教育や労災保険料率の適切な適用など、トラブルにならないように注意しながら、有料職業紹介で林業分野の地ごしらえ、植栽があっせんできるように検討をしていただけないでしょうか。鈴木農林水産大臣に伺います。

鈴木国務大臣 今、長友先生からすごく細かく様々お話をいただきまして、ちょっと全部は、私も今お話を伺ったので、頭には入らないわけですが。

 ただ、今お話を伺っていて、人手不足の中で、現場でやらなきゃいけない作業が、人が集まればそれはできるんだということですから、先ほどのフェイスブックの事例もありますけれども、これから有料職業紹介事業の対象を拡大することについては、林業従事者の保護への影響などを勘案していくことが必要なんですが、まずは、林野庁に現場実態やニーズを把握をさせて、しっかりと検討させていただきます。

長友委員 大臣、ありがとうございます。

 林野庁に是非現場のニーズと実態調査をしっかり行っていただいて、前向きな検討をお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。

 今回の法改正は、今後、地域計画に位置づけられた者を中心に、地域の農地の受皿となる担い手の規模拡大を進めていくことが前提となっていますが、そもそも農地の受皿となる規模拡大を進めるには、農地の集約が不可欠です。しかし、現場の声を聞いてみると、この農地の集約がなかなかに難しく、うまくいかない現実があります。

 この農地の集約を責任を持って進めなければならないのは誰でしょうか。農林水産省の見解を伺います。

根本副大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、農地の受皿となる担い手の規模拡大に当たっては、担い手が分散した農地をそのまま引き受けるのではなく、農地を集約化し、一団のまとまった農地を利用できるようにすることが重要であるというふうに認識をしております。

 農地の集約化については、将来の農地利用の姿を明確化した地域計画に基づいて進めることとしており、地域計画の策定を担う市町村が中心となって進めていくものでありますが、現場の農地の利用調整を行う農業委員会、農地の権利設定等を担う農地バンク、市町村等のサポートを担う都道府県といった関係機関がそれぞれの役割をしっかりと果たしながら、連携して取り組んでいく必要があるというふうに考えております。

 農林水産省といたしましても、職員が市町村に直接出向き、現場の課題解決につながる方策を一緒に考えていく取組を展開するとともに、地域計画に基づく農地の集約化に向けて、農家負担ゼロの基盤整備事業であったり、地域ぐるみで取り組む農地の集約化の支援などを講じているところであり、引き続き、市町村を中心とした地域における農地の集約化の取組を支援してまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

長友委員 様々なプレーヤーが出てきております。まず、目標地図の素案を作成するのが農業委員会であって、地域計画を策定するのが市町村の農林課というところだと思います。そして、農地バンク、また県や国もサポートしていく。

 これだけ関係する方が多いと、例えば、私が農業委員会の皆さんのところに話を聞きに行って、農地の集約がうまくいかないのは何ででしょうねと聞くと、地域計画を策定する町村の窓口がなかなか機能していないという声が出てきたりします。一方で、本当にそうなんですかと聞きに行くと、いや、農業委員会の皆様がなかなか目標地図が作れなくてですねというようなことも出てきますし、首長の方に聞くと、町村の、少ない自治体では、農林課といっても専門職員が少なくて、町村の職員は一人で複数の業務を兼務するケースがほとんどで、特に小規模な自治体では、専門的な部署が細分化されていないので、一人の担当者が幅広い行政サービスをカバーする必要がある中で、農地の集約や地域計画の策定だけに集中できる職員はいないんだよと。だから、なかなか難しいというふうに皆さん言うんですね。中には、農家さんが協力してくれないという声もあります。この状況をこのままにしておいても、結局進まないと思うんです。

 改めて伺いたいんですけれども、このような状況を見守っている都道府県、そして国は、農地の集約についてどのような立場でサポートすべき、若しくはするのでしょうか。農水省に伺います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、地域計画に基づいて農地の集約化をするというのは簡単にできる作業ではございません。

 先ほど様々なプレーヤーについての御紹介もありましたけれども、主として担うという部分のところにつきましては、地域計画を策定する市町村というのが中心になるということではございますけれども、目標地図を作る農業委員会でありますとか、その関連で様々なサポートをする団体もそうですし、あとは、権利の設定という意味では農地バンク、それから、先ほど市町村の方でもマンパワーがないという御指摘もございましたけれども、この市町村をサポートするのは都道府県という形で、様々な主体が協力してやっていくということが極めて大事だと思ってございます。

 国といたしましては、まずは地域の実施体制というのがしっかりできるということ、推進体制がしっかりできるということが大事だと思ってございますので、この推進体制をつくる部分につきましてもしっかり支援をしていきたいと思いますし、それから、先ほど御指摘のありました、市町村ではやはりマンパワーが足りない、こういう市町村のサポートをするという都道府県の機能、ここについてもしっかりサポートしたいと思ってございます。

 それから、これは従来からやっているところでございますが、行政機関の方で様々進めていったときに、受け止める地域の側には、既にまとまって、農地バンクに集約して農地を出そうという地域に対して支援金を交付したりとか基盤整備で支援したり、又は農地を引き受ける担い手に対する機械導入を支援したり、こういうふうに受皿となる地域の方の支援も引き続き進めていきたいと考えてございます。

長友委員 ありがとうございます。

 農水省が取りまとめた、令和七年の十二月という記述になっています、「地域計画の分析・検証について」を読ませていただきました。これによりますと、将来の受け手に集約化することが明確化されている目標地図は全体の約一割にとどまっております。残りの目標地図は、現況地図にほぼ近い状態の目標地図になっているが五割、将来受け手が不足することを明確化したのが四割、また、将来の受け手の特定を保留しているもの等というのが残りということです。

 地域計画が目標としている、目標地図の本来の役割という将来の受け手に集約化することが明確化されたものというものは、まだ今、現時点で一割だという状況の中で、この残りの九割については、地域計画のブラッシュアップを行い、担い手への農地の集約や受け手不在農地の解消、担い手の育成、確保に向けた目標を再設定する必要があるというふうにまとめられています。

 このブラッシュアップは誰がすることになるのでしょうか。農水省に伺います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 地域計画は、一度作って終わりということではありませんで、やはりその完成度を高めていくということが重要でございます。

 委員御指摘のとおり、非常に集約された完成度の高い地域計画というのはまだ全体の一割ということで、一部に限られておるわけでございますけれども、御質問にお答えいたしますと、地域計画を作る主体と、それを見直してブラッシュアップしてより完成度の高いものにしていく主体、これは同じでございまして、策定するのは市町村でございますけれども、やはり市町村だけでということではありませんで、先ほど申しましたように、農業委員会その他を含めて、現地でしっかりこういう地域計画の見直しができる体制を組んでやっていただくということが重要だと考えてございます。

長友委員 取りあえず期限を切って地域計画を作っていただいた、目標地図を作っていただいたという中で、今の現状なわけですよね。これを更にブラッシュアップしていくに当たっては、同じやり方をしていても、なかなか、成果、効果が得られるのかというと、少し私も疑問を感じざるを得ないんですね。

 話を聞いてみると、地元でキーマンとなる人をしっかり立てて、その方が農家さんを説得したり、また推進役に立ってもらったりというふうにしないと無理だよということが聞かれます。そのキーマンというのは、その土地その土地でいろいろな立場の人が出てくると思います。例えば、区長さんであったり、農業委員の方であったり、土地改良区の方であるときもあるかもしれません。ですので、そういうキーマンになる方に対する協力の要請等なんかも市町村がしっかりやっていくということを改めて指針として出していただく必要があるのかなと思っております。

 この地域計画の分析・検証を見ておりまして、ページ数でいうと三十二ページ、三十三ページのところなんですけれども、目標地図において、農地の汎用化や、大区画化のための農地交換、若しくは畦畔の撤去が必要だということを今後の課題に挙げているところがあります。さらには、一区画当たりの面積が小さいため、集約化と畦畔除去を進めるべく、地権者との継続した話合いが必要と。

 これは、実は私の地元でも、畦畔の除去をすることが、区画を大きくすることで効率化をできるということを分かってはいるんですけれども、じゃ、この経費は誰が出すんだ、畦畔の除去の費用は誰が負担するべきなんだというふうに質問を受けております。大区画化のための畦畔の撤去にかかる費用は誰が持つべきでしょうか。農水省の見解を伺います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、農地を集約化した上で大区画化するという中で、畦畔の除去というのは時として必要なことになってまいります。

 先ほど少し紹介いたしましたけれども、そういった畦畔の除去というのは地域でやっていただくということになるわけなんですけれども、これに必要な費用につきましては、基盤整備の様々な事業の一環で支援ができるように事業を仕組んでおりますので、こういった事業も活用していただきながら畦畔の除去をしていただくということは可能かと考えてございます。

 また、先ほど申しました集約を進める地域に対して支援金を交付する事業もやってございます。この支援金については、使い道は地域で決めていただくということになりますので、ここは様々なものに使えるということでございますので、こういったお金も必要に応じて活用していただきながら畦畔の除去も行っていただければと考えてございます。

長友委員 ありがとうございます。

 最後に、大臣に質問をさせていただきたいと思います。

 四月一日の農林水産省の入省式で鈴木大臣が、スーツを脱いで現場に出かけてという訓示を、触れられていたということを伺いました。私も農林水産省の職員の皆様に、是非、全国津々浦々、特に中山間地域や漁村、林業の現場に出かけて、各生産者の皆さんと直接対話をしていただきたいと強く感じております。

 そこで、大臣に伺います。

 職員の皆さんが現場に出るときの交通費などの経費は職員の自己負担でしょうか。また、週末に地方を回った際には、平日に代休は取れるのでしょうか。大臣の見解を伺います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 委員御指摘の訓示は、新規採用者に対して、私自身も昔、新規採用された立場から、農林水産行政に向き合う私なりの姿勢というのを皆さんにお話をさせていただいたものであります。

 肝腎なことは、職務として、仕事として現場に行くという場合は旅費の支給や代休の付与などを行うということが当然になりますが、私が訓示の中でお伝えをしたかったことは、これは私自身の体験でもありますけれども、職員として仕事で現場に行ってお話を伺うということも私自身もさせていただきましたが、どうしてもそれでは建前のお話になってしまうということが多々あったように思っております。

 ですから、私としては、仕事として行くんじゃなくて、できれば一個人として、要は休日を使って、これは職務ではありませんから、自分の自由な意思で、農林水産業に携わる皆さんの気持ちや本音を人として聞き出すということ、それが結果としてはいい農林水産行政につながっていくんだということを申し上げたかったわけですので、私は別にこれを強制をするわけではありません。

 ただ、現場の皆さんからは、私が一年目のときに言われたのは、土日で、別にこれは職務ではなく、鳥取県に何度もお邪魔をしましたが、あんた、自分の金で来たの、偉いねと言われました。だから、本音でいろいろ教えてあげるという話をされたのが私の原体験でありますから、そういう職員が増えると、いい農林水産行政になるのではないかと考えております。

長友委員 大臣、ありがとうございます。

 大臣御自身の、職務としてじゃなくプライベートで、自分の小遣いで出張、各地に週末出かけていたことが、実は建前ではない、生産者の皆様との本音の会話が引き出せたんだということを、是非ほかの省庁の職員の皆さんが実践をいただくことを私も望みたいと思います。

 先ほど農地の集約の話でも、具体的に農業委員会の方に話を聞いたり、地元の農林課の皆様に話を聞いたり、そのようなことをしていただければもっと地域計画はうまくいくと思いますので、改めてそのことを皆さんにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、木下敏之君。

木下委員 参政党の木下敏之でございます。

 本日も質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 私、今からちょうど三十年前、一九九五年から一九九七年にかけて、栃木県の農協担当の課長として、農林水産省から出向を命ぜられておりました。主に何をしていたかと申しますと、当時バブルが崩壊して数年たったというときでございましたが、栃木県信連が日経二二五連動債券にひっかかりまして巨額の赤字を出しまして、ほかにも、栃木県は首都圏から近いものですから、ゴルフ場関係の融資にひっかかった農協がやはり幾つかございまして、その後始末を手伝ってこいということで三年間過ごしておりました。

 改めて、今回、農林中央金庫法の改正のお話を伺うと、正直に申し上げて、当時と余り状況が変わっていないなと。今日は参考資料で一枚紙を出させていただいておりますが、当時から農協が資金運用先に非常に困っていて、困っているのでお金を県レベルの信連に預ける、そこでなかなか融資先が見つからないので、結構危ないものに手を出してしまう、その構造はなかなか変わっていないなと改めて思っております。

 ですから、これは質問ではありませんけれども、農協組織が貸出先が厳しい、だから農林中金に預ける、信連に預ける、そして、ローリスクでハイリターンを求めるという体質があるように当時から感じておりましたので、この点についてやはり踏み込んでいかないと同じ問題がこれから生じていくのではないかとつくづく思っております。

 それでは、質問に入ります。

 まず、今回の農林中央金庫法の改正でございますが、一兆八千億円の赤字を出したということがきっかけでなっているわけでありますが、最初に農林中央金庫の御参考人にお伺いいたしますけれども、当時農林中金は理事会で運用方針を決定したということでございますが、なぜここまで損失が拡大するまでに方針転換ができなかったのか。

 例えば、この十年のイールドカーブを見ておりますと、二〇一九年前後に逆イールド状況にもなりかけておりまして、また、二〇二一年から急速に長短金利差が縮まっていたりもしておるわけであります。その時点で見直しをかけなかったのはなぜなのでしょうか。

長野参考人 御質問にお答えいたします。

 我々農林中央金庫は、一九九八年より本格的な国際分散投資に向けました対応を開始してございます。その中で、高格付の外国債券をポートフォリオの中心とする運用の方を行ってまいりました。リーマン・ショック以降、安定的に利益を上げてきたわけなんですけれども、委員御指摘のとおり、コロナ禍、それと地政学リスクの顕在化、こういった背景などによりまして世界的な物価上昇が進んだということで、欧米諸国の中央銀行が複数回にわたって利上げを行った結果、いわゆる逆ざやの状態に陥ったということでございます。有価証券の評価損益、こちらにつきましては、二〇二三年三月期で評価損に転じてしまったという状況でございました。

 こうしたことを受けてということでございますが、当時の判断といたしましては、こうしたいわゆる逆ざやの状態が早期に解消する、そういった見通しを持ち、債券の保有を続けたということでございます。そうしたことではございますが、二〇二四年度に入ってからもその逆ざやが継続したということもございまして、我々農林中金自身の経営判断といたしまして、外国債券等の低利回り資産、こちらの売却に踏み切ったということでございます。

木下委員 御答弁ありがとうございました。

 次の質問は、金融庁にだけ御質問をしたいと思います。

 これまで何度も何度も金融危機がありまして、その際に政府の監督責任を問う声が上がりましたので、検査機能の強化をされてこられたことと思います。それで、今回の損失についてですが、長短金利の逆転が近づいてきている段階で、金融商品のリスク拡大について、拡大しているということは誰でも分かったことではないかと思います。

 既にほかの先生方への答弁の中で、農林中金がなかなか指導に従ってくれなかったという感じのことをお答えになったと思いますが、検査に従わないと、そのままにしておいていいような話ではなかったと思うのですが、この点について金融庁はどのようにお考えなのか、御見解を伺いたいと思います。また、検査の中で損切りするような指導をされなかったのかどうかについても御見解を伺いたいと思います。

若原政府参考人 お答えいたします。

 金融庁といたしましては、農林中央金庫に対しましては、欧米諸国の金利が上昇する二〇二二年よりも前の段階から、有価証券運用に伴う金融リスク等の大きさに見合ったリスク管理体制の構築等を促してきたところでございます。

 ただ、こちらの方、何がしかの違法状態であるとか、そういったようなことがあったわけではございませんで、あくまで、私ども、いわゆる対話を通じましてよりよい経営を目指していただくという中で、そういったリスク管理体制の強化も必要ではないかということを申し上げてきたわけでございまして、それが直ちに行政上の何がしかのアクションが必要な違法状態であったかというと、そういうことではなかったというふうに認識をいたしております。

木下委員 御答弁ありがとうございます。

 これからも巧妙にリスクを隠した新しい金融商品がどんどん出てくると思いますので、是非それを注意深く見ていただいて、できれば強めな御指導をしていただけたらいいかなと思っております。

 続いて、これは農家の方の中からも出る意見なんですが、二〇二四年に損切りをせずにそのまま持ち続けていればよかったのではないかという意見が結構あるわけですね。

 そこで、改めて聞きますが、農林省はあえて損切りを指導して、理事会に外部の人を呼び込むために損切りを強要したのではないかといったような意見を言う人もいるんですが、この点についてどのようにお考えなのか、農林省のお考えを聞きたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 農林水産省では、農林中金における適切なリスク管理体制の構築などを指導、確認するためにモニタリングを行っているわけでございますけれども、農林水産省から直接、個別の有価証券に対する売買等を指図するということはございません。

 農林水産省といたしましては、二〇二四年度の低利回り資産の売却は、あくまでも農林中金の経営判断として、当該年度は赤字を計上したとしても、二〇二五年度以降の安定的な黒字と収益基盤の確立に向けて、投融資のポートフォリオの改善の一環として行われたものであると理解しているところでございます。

木下委員 それでは、続いて、外部理事の選任の話に移っていきたいと思います。

 再発防止策のうち、いろいろな対策が報告書でも出ておりましたけれども、なぜ理事会に外部人材を登用する対策がよいと思われたのか。いろいろな農林省と一緒にまとめられた報告書の図の四ですね、有識者検証会の報告書ですが、ここには外部有識者を起用した組織の事例が引用されてございます。他の金融機関は外部理事を登用することによって経営が改善したというところまで検証をされたのでしょうか。そのことも含めて、理事会に外部人材を登用する対策がよいと考えた理由をお伺いしたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の農林中金の外部理事の登用につきましては、有識者検討会におきまして、農林中金は、理事全員が職員出身となっているため、同質的であり、専門性の高い外部の理事の意見を聞く体制が必要ではないかでありますとか、農林中金においても、専門的な知見を有する者を非常勤の外部理事として登用することができれば、多様な視点が確保されることによりガバナンスの強化につながるのではないか、こういった御指摘があったことを踏まえまして、農林中金の経営判断に当たって多様な視点を確保し、そのガバナンスを強化する、こういうことを狙いとしまして行われるものであると承知してございます。

 なお、この有識者検討会におきましては、三メガバンクは今回少なくとも農林中金のような赤字は計上していない、こういうことを前提にいたしまして、三メガバンクにおいては多様な経歴を持つ社外取締役を取締役会に入れることで多角的な視点を業務執行の決定の際に反映することができている、こういう評価をしているところでございます。

木下委員 お答えありがとうございます。

 外部人材を、外部取締役を登用するということは欧米が先進的に行ってきたわけでございますが、私も幾つか外部取締役をやった経験もありますけれども、たまに会議に参加しても、いきなり資料を見せられても状況というのはよく分からないんですね。それで、欧米では本当に外部取締役が有効なのかどうかという議論が出始めているときに、農林中金さん、外部理事を登用されるわけですので、本当にどういう方を使ったら有効かということはよくお考えをいただきたいと思います。

 ここから農林中央金庫の方にまたお伺いいたしますけれども、今回、外部理事を入れることについて、信連、それから各農協組織、皆さんはどのようにこのことについて意見をお持ちだったんでしょうか。外部の人材を入れることについて納得されていたのでしょうか。

長野参考人 御質問にお答えいたします。

 農林水産省における農林中金の投融資・資産運用に関する有識者検証会におきまして、理事が同質的であり、専門性の高い外部の意見を聞く体制が必要であるということ、経済情勢や組織運営などに関する多様な視点が確保できていない、こういった点を御指摘いただいたところでございます。

 これに対しまして、二〇二五年二月に、農林中金法が改正された場合は、法改正の趣旨を踏まえた外部理事の登用を検討する旨公表を行ってございます。

 こうした中で、会員の皆様にも御説明の方をさせていただいておるところでございます。会員の皆様方からは、外部理事としてどのような方を招聘する予定なのか、あるいはどの程度の人数を想定しているのか、こういったお声を多くいただいておるところでございます。

 我々農林中金といたしましては、こうした点につきまして、改めて、外部理事の就任に係る総代会での承認に向けたプロセスの中におきまして、会員の皆様に丁寧に説明をしてまいりたいというふうに考えてございます。

木下委員 お答えありがとうございます。

 事前レクのときに農林中金の担当の方にいろいろお話を伺ったわけですが、非常勤の方を数名登用する、そしてお給料は常勤理事よりは上げないというお話であったかと思います。そうなると、逆に、外国債の運用にたけた人を入れるのは非常に難しいなと思っております。

 それで、実際にどういう役割を持たせた方を登用されるおつもりなのでしょうか。リスクが非常にある運用をしているよ、これはやめなさいという、みんながおかしいと思っていても言いにくいことを言わせるということを期待して使われるのでしょうか。

長野参考人 御質問にお答えいたします。

 外部理事の招聘につきましては、まだ決まったところはございませんけれども、やはり、今回の反省を踏まえた上で、そういったスキルセットをお持ちの方に参画をいただくのが適切ではないかというふうに考えてございます。

 具体的に申し上げれば、市場運用の御経験、ないしはマクロ経済の先行きを展望するそういった御知見をお持ちの方、加えまして、我々、組織の全体のガバナンス、そういった御経験を有する方、そういった方々が適切な外部理事の候補になってくるものというふうに認識してございます。

 今回の反省の一環といたしまして、我々、経営の同調性といったものを一つ挙げさせていただいておるところでございますので、外部からの視点を取り入れることによって、我々が気づけないようなそういった情報、あるいはこれまでの御知見を生かした御助言、そういった形での参画を外部理事として期待をさせていただいているというところでございます。

木下委員 お答えありがとうございました。

 次の質問は、ちょっと時間の関係もありますので、政府参考人だけにお伺いしたいと思いますが、今回の法改正は、農協組織が外資に売り渡されるきっかけをつくったという批判もあるわけですね。しかし、先ほどの、これまでの先生方への御答弁の中で、農林中金は農協組織しか会員になれないという御説明もございましたし、やはり、一般の方は農協組織を株式会社と混同している方もとても多いんですね。

 そのような誤解を解いていくために、今回の法律改正に合わせて、農協の方に対してはもちろんですけれども、一般の方に対してどのようなPRをしていくつもりなのかをお伺いしたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど説明申し上げましたとおり、農林中金は、一会員が原則一個の議決権を有する等の協同組織でございまして、業務の基本方針の重要事項の決定でありますとか理事の選任は経営管理委員が行う、こういうことが農林中金法に規定されておりまして、株式会社のように特定の株主が資金力によって議決権を独占して意思決定を掌握するといったことはできない仕組みというふうになっていて、今回の法改正でもこの基本的性格に変更は加えられることはないということであります。

 農水省としましては、こうした農林中金の組織としての性格が株式会社とは基本的に異なることでありますとか、今回の法改正によってこれらが変更されるものではない、こういったことにつきまして、様々な情報の発信媒体を使いまして、正確に情報発信をしてまいりたいと考えてございます。

木下委員 御答弁ありがとうございます。

 これは要望なんですけれども、特にSNS上ですね、こちらも、世界において分かりやすい発信をしていただくようにお願いをいたします。

 では、続いて、農林中金さんの出資、貸出しの増加策についてお伺いしたいと思います。

 私、これまで農協金融をいろいろ見てまいりましたが、やはり、最初に申し上げたように、融資先、出資先、これが少ないということがずっと課題であったと思います。今回は農業分野の資金需要が拡大しているということでしたが、これを過去十年、二十年で長期的に見ていくと余り拡大していないのではないかと思うんですけれども、その点について、資金需要の推移、これからの見通し、政府委員にお伺いしたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 日本政策金融公庫、農協系統、国内銀行、信用金庫の二〇一五年から二〇二四年までの十年間における農業分野の新規融資額の推移を見ますと、これは各年によって額の増減というのはあるわけでございますけれども、まず、二〇一五年から二〇一九年までの五年間で見ますと、各年の平均新規融資額は約八千二百億円となっております一方で、直近の二〇二〇年から二〇二四年までの五年間の各年の平均新規融資額は約九千億円というふうになってございまして、増加傾向にあるというふうに考えてございます。

木下委員 御答弁ありがとうございます。

 十年で見ますと、途中で大きな経済的な事態があった場合に傾向が分からなくなりますので、できれば、二十年、さらには三十年で見ていただいて、資金需要の見通しを御判断いただきたいと思っております。

 では、時間の関係でちょっと先を急ぎます。

 今、資金需要は増えているのではないかということでありましたが、私は、資金需要というのは基本的には国内の人口の推移でほぼ決まっていくのではないかと思っております。そういった点で、これから特に地方は人口減少が更に加速してまいりますので、国内での貸出し、これは非常に厳しくなっていくのではないかと思っています。その点で、これからやはり農林中金のような巨大な金融組織は海外案件の出資を増やしていくしかないのではないかと思っております。

 これまで予算委員会や農林水産委員会で、私が取り組んでいる海外の案件、例えばポーランドでしょうゆ工場を造るとかいうお話を御紹介させていただきましたが、こういう案件になりますと、投資額はやはり十億円単位になるわけでございます。

 また、これは双日がベトナムで手がけている話ですけれども、ベトナム最大の乳業メーカー、ビナミルクさんと組んで、乳雄の肥育事業を始めておりまして、技術指導は鹿児島の最大の畜産農家、畜産企業が手がけております。本来ならば全農さんと農林中金さんがやっていただくのが本当によかったんじゃないかと思うような事業でありますが、しかし、これから先、農林中金さんが海外の事業を単独で手がけるというのも、担当の方は余り海外案件のノウハウはないということでしたので、そこは非常にリスクもあるわけなんですね。

 ただ、リスクのあるところを取り組んでいかないとなかなか資金需要というのは見込めないなと思っておりまして、こうなってくると、やはり、政府が食料安全保障と絡んだ案件を率先していく。例えば、多分、次回も一般質疑でまたお伺いすることになると思うんですが、これからは世界的に肥料不足になりますので、モロッコから安定的に肥料を日本に入れるための案件。一番いいのは、多分、全農さんがそういった会社に資本参加するか、買収をされる、そのために資金提供をメインバンクの農林中金さんがする。ただ、海外案件は、いきなりやるというのは非常に難しいので、政府として何らかの支援策をするか、別の公的な長期金融をやる金融機関と組ませる、そういったことが必要ではないかと思うんですね。

 そこで、最後に農林水産大臣にお伺いいたしますが、効果が出るまでに数年かかるようなプロジェクトではありますが、やはり積極的に日本企業が海外に出ていくことを組み合わせて、農林中金さんが融資先を増やすようなプロジェクトを政府として取り組んでいくお考えはないのかどうかを伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 国内市場は、木下先生おっしゃるように、国内は人口が減るわけですから、そういう中で農林水産業、食品産業の持続的な発展を図るためには、成長する海外からの稼ぎを増やしていくということが必要不可欠であるというふうに考えております。このため、輸出だけではなくて、食品産業の海外展開に取り組むこととしたところでありまして、我々も、食文化産業振興ワーキンググループというのをつくりまして、食品産業の海外展開支援策を今現在検討しているところであります。

 このほかにも、例えば日本由来のフードテック、こうした投資なんかも、別に国内だけではなくて、当然様々なニーズのあるマーケットというのがありますから、そこに要は展開をしていくといった際に、例えば植物工場でいえば、大型のものでいうと、一件当たり二百億円とか三百億円という規模になりますし、陸上養殖はもっと更に規模がでかくなってきます。

 そうしたところに対して、政府一体となってまず案件形成をして、また、それは他国との関係性もありますから、そうしたこともよく踏まえて戦略的にやり、そこに是非、様々な観点で、農林中金の皆さんからも御参画をいただけたらありがたいというふうに考えております。

木下委員 前向きな御答弁ありがとうございました。

 海外案件はやはり非常にリスクがあって、最初のうちは損失も出るかと思うんですが、外国債、よく分からない仕組み債に突っ込んで損を出すよりははるかにいいと思いますので、是非、農林中金さんも海外案件への投資に軸足を移されるように要望いたしまして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、林拓海君。

林(拓)委員 チームみらいの林拓海でございます。

 本日は、農林中央金庫法と農業近代化資金融通法の一部改正について質問をいたします。

 質疑に入るに当たり、まず、私の基本的な立場を申し上げます。

 今回の二つの法案は、これまで壁となっていた融資上限を緩和し、民間資金が農林水産業へとより円滑に流れる仕組みを整えるものであり、時代の要請に応える前向きな一歩であると評価しております。しかし、制度をつくったとしても、それが実際に使い勝手のいいものとなり、農林水産業者の方々の挑戦を後押しするものでなければ意味がないと考えています。

 本日は、制度の実効性が現場の目線で確保されているのかという点に重きを置いて、将来のインフレへの備えや農林中央金庫の組織の在り方など、幾つか踏み込んだ質問をさせていただきたいと思います。

 まず、農業近代化資金融通法の一部改正について、農林水産分野の金融支援の実効性と機動性について絞って伺います。

 現行の法令では、個人融資について、法律上の上限は四千万とされながら、実際には政令によって一千八百万円という半分以下の枠に長年制限されてきました。

 まずは、なぜ法定額を大きく下回る制限を政令でかけ続けてきたのか、いつからその制限をかけてきたのか、その具体的な理由をお伺いいたします。

 さらに、今回の改正によって上限額がもし引き上げられた場合に、再び政令によって、法定額を下回るようないわゆるキャップ、上限制限を設ける予定があるのかについても教えてください。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで、御指摘のとおり、個人経営体に対する農業近代化資金の貸付上限額は、法律で四千万円の範囲内で政令で定める額というふうに規定した上で、これに基づく政令におきましては一千八百万というふうに規定されています。この規定は平成五年からということでございます。これは、法律では、主に、農業者の当面の資金需要の増加にも応えられる水準を勘案して額を設定した上で、政令では、そのほかの事情、借入依存の回避など、例えばそういうものでありますけれども、こういったその他の事情も考慮して、具体的な貸付上限額を定めてきたということでございます。

 今回どうするのかということでございますけれども、今回の見直しに当たっては、まず、個人経営体に対する貸付上限額につきましては、現行が一千八百万円ということでございます、これを設定した当時と比較しまして、一経営体当たりの借入額が約十倍になっている、こういったこと等を踏まえまして、当面の資金需要の増加にも応えられる水準として、法律上は、二億円の範囲内で政令で定める額というふうに規定しているところであります。

 その上で、今回、政令では、個人経営体に対する政令で定める貸付上限額につきましては、法定上限額と同じ二億円とする考えでございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいたことをお聞きすると、これまで、法令上で定められていた額と政令上で定められていた上限の額が、いわゆる実態が異なっていたというところがあったかと思うんですが、今回の改正では、法令で定める上限額と政令上の上限額を同じにする予定であるというような御答弁をいただいたかと思いますので、ここは実態と法令上の数値が同じになるというような解釈ができるかなというふうに思います。ありがとうございます。

 平成五年からというふうに御答弁いただいたかと思うんですが、実に三十年ほど、この枠組み、法令の枠が据え置かれてきたという事実は非常に重いというふうに考えておりまして、三十年前と現在では、農業を取り巻く経営環境も、必要となる資材のコストも劇的に変化しています。今回の改正を、数字の引上げに終わらせるのではなく、時代に即した柔軟な運用への大きな一歩としていただきたいというふうに要望したいと思います。

 次に、将来のインフレ等への対応についてお伺いしたいんです。

 今回の改正法案では融資上限が引き上げられるということになっていますが、先ほどから委員の先生方もおっしゃっているように、スマート農業に当たるための農機の価格が値上がりしているですとか、あるいは、農業物価指数を見ても、肥料価格は直近数年で高止まりしているというような声もあります。

 今後、更にインフレ等が継続して、農業近代化に必要となる資金が、今回、個人で二億円、法人で七億円という枠が設定されているかと思うんですが、更にそれを超えて必要になるという可能性もあるのではないかなというふうに考えております。そのときに、また、前回から今回まで期間が三十年あった、次回、農業近代化資金についても更に三十年後の改正ということになると、なかなか、その間に起き得る時代の変化に対応し切れないのではないか、成長のチャンスを摘み取ってしまうことになりかねないのではないかという危惧も聞かれるところかと思うのですが、ここに関しての政府の認識と、今後の機動的な制度運用の在り方について見解をお伺いいたします。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 農業近代化資金の貸付上限額につきましては、一経営体当たりの投資の状況でありますとか、必要な設備資金や運転資金の額、それから、一方で、貸し付ける側の民間金融機関の貸付実態、こういった要素を勘案しまして、農業者の資金需要に応えられる水準として設定しているところでございます。

 このため、想定を超えるような大幅な物価上昇が発生した場合に上限引上げの可能性というものを否定するものではございませんけれども、今回の法改正によりまして当面の資金需要の拡大にも対応できるものと考えてございます。

 それで、今の農業近代化資金の仕組みでございますけれども、仮に、法律、政令で規定する貸付限度額を超えるような資金ニーズが個別に生じてきた場合でございますが、そうした場合には、個別の融資案件ごとに都道府県知事や農林水産大臣の承認を受けることで法律、政令の貸付上限額を超える融資を可能とする仕組みが法令上設けられているところでございますので、まずはこの制度の定着をしっかりと図りながら対応してまいりたいというふうに考えてございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 上限を超えた利用というものも不可能ではないということも法令上措置しているということでお答えいただいたかと思います。ありがとうございます。

 そういった周知徹底も重要だと思うのですが、やはり、ある意味、法令で上限を定める以上は、一定、特例的な対応としてそういった措置もあるという扱いになるかと思いますので、やはり、時代の変化に応じて様々な資金需要が発生する、増えることもあれば下がることもあるかなと思うんですが、そういった状況に応じて機動的にこういった借入額の上限なんかを動かしていくような仕組みというものも必要なのではないかなというふうに考えております。

 更に踏み込んでお聞きしたいのが、今後、一定期間ごとに、こちらの今回の制度を含めて見直しを行う際に、そのときの判断で数字を決めるということではなく、物価ですとか設備コストの変動に応じて上限額が見直される仕組みを構築するべきではないかというふうに考えています。

 具体的には、農林水産省が公表している農業物価指数ですとかあるいは農機具の価格の変動なんかを見ながら、そこに上限額を連動させて、一定の変動幅、物価指数等が一定の変動幅を超えた場合には、必ずしも法律改正を伴わなくとも機動的に貸付額の上限が修正されるような仕組みを将来的に取り入れることも検討できるのではないかなと思っています。

 これは農業従事者の方が社会情勢に左右されずに適切な投資環境を維持できるようになるのではないかと思うのですが、こういったスキームの今後の検討について、農水省としての見解をお伺いいたします。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 御提案ありましたように、農業物価指数でございますとか農機具の価格指数等に連動させまして貸付上限額が自動的に見直される仕組み、こういった仕組みも制度としては考えられるというふうに私どもも考えておりますけれども、先ほども御説明いたしましたように、農業近代化資金につきましては、現行の制度におきましても、大臣承認などを活用しまして様々な資金ニーズに柔軟に対応できる仕組みが設けられているところでございます。

 まずは、今回の制度の改正の定着をしっかり図りながら、農業近代化資金を農業者にとってよりよいものとする工夫については、また引き続き検討していきたいと考えてございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 今回引上げがなされるので、すぐに、今お伝えした仕組みが必要かというと、そうではないのかもしれないなと私も思うのですが、前回の法律改正から今回まで三十年かかっているというところも事実だとは思っているので、次の改正までまた期間が必要だということも考えると、こういった変動型の仕組みの導入なんかも是非考えていただきたいということを要望したいと思います。

 続きまして、農林中央金庫法の改正に伴う農林中央金庫の位置づけについてお伺いいたします。済みません、時間の関係で、事前に通告していたものを省いたり、ちょっと順番が前後したりしていて申し訳ないんですが、位置づけについてお伺いいたします。

 今回の改正では、農林水産業者のために金融の円滑化を図る目的が追加されているということです。農林中央金庫の農林水産業者の方向けの金融を更に促進するということは私も重要だろうと思っているんですが、これまでの質問で各委員の先生方が御指摘されているように、農林中央金庫、公式ホームページにも、機関投資家としての側面を併せ持っているというふうに書かれているわけなんですけれども、今回の農林中央金庫法の改正によって、これまでの機関投資家としての顔が、農業融資を更に強めていくというような方向性でその役割を変えていくという認識でよろしいんでしょうか。それをお伺いしたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法改正によりまして、農林中央金庫の目的に、農林水産業者のために金融の円滑を図ることが追加されるわけでございますけれども、これは、引き続き、農協等のために金融の円滑を図ることという従来の目的も存置されているところでございます。今後は、この両方が農林中央金庫の目的として位置づけられることになります。

 したがいまして、今回の法律改正後も、農林中金は、従来から引き続き、農協等の資金を預かり、運用し、還元する、こういった側面を持ち続けることになるということを想定しているわけでございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 これまでの顔も維持しながら、融資も強化していくといった趣旨の御回答だったかなと思います。

 その上で、もちろんどちらもしっかりやっていっていただくということはお願いしたいなと思いながら、難しい側面もあるのかなと思っています。というのも、今回の外部理事を登用しやすくするというところに関連してお聞きしたいところになっていくんですけれども、そもそも、世界市場で巨額の資金を動かす運用投資と、地域の農業経営を支える農業融資では、必要とされる人材の専門性、審査体制、そして何より組織文化がかなり異なるんじゃないかなと思うんですね。となると、今回、外部理事を登用しやすくしている、まあ、多様な視点が入るということはいいことだと思うのですが、ここで懸念されるのはその中身だと考えています。

 これまでどおり方針を継続するということであれば、やはり、運用投資によって一定の利益を上げてきたという実績もあることを考えると、外部理事も含めて、運用投資の専門家ばかりで固められてしまうのではないかという懸念も聞かれるところかと思っています。

 そこで、お伺いしたいんですが、今回、外部理事を登用するに当たって、外部理事の方々の構成が運用部門に偏ってしまうことはないのか、お伺いしたいと思います。

 というのも、もし投資の専門家ばかりが意思決定の場を占めるということになれば、なかなか、農業金融の促進という今回の改正趣旨、つまり、農業金融をより促進していくというところよりも、投資の方にかなり重きを置いた実運用になってしまうのではないかといった懸念も聞かれるかと思いますので、こうした農業融資の目利きができる人材や農政に精通した人材を責任のある地位に確実に配置する担保はあるのかというところを具体的にお聞きしたいと思います。

長野参考人 御回答いたします。

 繰り返しになりますが、農林中央金庫は、適切なリスク管理の下で金融機関としての健全性を維持しつつ、国際分散投資を通じた収益還元という側面と、農協等と一体となった農業者、食品産業に対する投融資、こういった側面、これらを両輪として、農林水産業の発展にしっかりと貢献をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 有識者検証会におきまして、理事における市場運用経験者、この数を増加する、また、組織全体での専門性の高い外部の見識の導入、こういった御提言をいただいたことを踏まえまして、外部理事には、経済、金融やガバナンスなどの分野に精通した方を複数名招聘することを考えているというところでございます。

 あわせまして、委員御指摘のとおり、収益還元と投融資の両輪で農林水産業の発展に貢献するという重要な部分を忘れてはいけませんので、理事の構成が市場運用に偏ることがないように、農林水産業に係る知見を有する常勤理事、こういった者をバランスよく配置をしていきたいというふうに考えてございます。

 また、検討してございます外部理事につきましても、農林水産業及び協同組合など、協同組織中央機関として、こういった特色もしっかりと御理解いただきながら、農林中金の経営判断に当たって多様な視点から御意見を賜るということを考えているということでございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 バランスよく配置するという御答弁をいただきました。前向きな答弁と受け止めたいと思います。ありがとうございます。

 是非、今回の外部理事の登用を含めて、農業金融の強化という方向性を実態としても反映していくような、そういった運営をお願いしたいというふうに思います。

 最後に、大臣にお伺いしたいのですが、今回の改正、農業金融を強化する、民間資金を更に現場の農林水産業従事者の方々が活用できるような方向での法改正になるかなと思うんですけれども、今回の改正を通じて、日本の農業のどの分野をどういうふうに強化していきたいのかといった、こういったお考えをお聞かせください。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 とにかくこれでやらなければならないとか、やりたいことは、日本は人口が減る中においても食料供給力を上げていく、このことに尽きていくんだというふうに思っております。特に農業の分野では人が減るわけですから、その中で、担い手にどんどん生産が集中をしていく、そうすると、規模拡大もしなければいけないし、設備投資も必要になる、結果として、それで生産性がアップしていくということになるというふうに考えております。

 そして、もう一つは、気候変動や温暖化の中で災害が増えていく、そういう中でも食料供給をしっかりと担うために、やはりフードテック、ここへの投資が欠かせません。植物工場や陸上養殖、また、先ほども議論がありましたけれども、外食を含めて、これを国内外に大きく展開をしていくということになります。

 これをいかに金融面で支えていくかというのが今回の法改正の一番の趣旨かというふうに思いますので、金融を通じて、食の分野が日本の成長を支える、そういう柱になれるように、そんな未来をつくれるように努力させていただきます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 前向きな答弁をいただいたと思っています。フードテックについても触れていただいて、もちろん農林水産省としても推進していると思いますが、なかなか、あした、あさってうまくいくということよりも、長い目でどうやって成功させていくのかというところをしっかり考えなければいけない領域も多いところではありますが、私としても考えていきたいと思います。

 今回の法改正で、そういった民間資金がしっかりと流れるということを私としても望む一方で、やはり忘れてはならないのは、融資拡大には常に返済義務という重い責任が伴うということもありますので、今回の上限が引き上がることによって、一個人、一法人当たりで借り入れる額というのが増えたときに、そこで生まれるリスクなんかもあるかなと思いますので、そこについても是非農林水産省としても寄り添うという気持ちを持っていただきたいということも最後に要望でつけ加えさせていただきまして、時間になりましたので、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

藤井委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 これより両案に対する討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 まず、内閣提出、農林中央金庫法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、野中厚君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。庄子賢一君。

庄子委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文を朗読して趣旨の説明に代えさせていただきます。

    農林中央金庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  農林水産業を取り巻く環境が大きく変化する中、拡大かつ多様化する農林水産業者等の資金需要に応えるため、農林水産業の発展に寄与することを使命とする農林中央金庫が金融機能を強化することは一層重要となっている。

  よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

      記

 一 農林中央金庫は、経済情勢や組織運営等に関する専門的な知見を有する外部理事の登用などガバナンスを強化するとともに、専門性を有する人材の確保・育成を行うことにより、その業務の執行に最善を尽くすこと。

 二 農林中央金庫は、その基盤をなす全国の農水産業協同組合が行う信用事業との役割分担を意識し、また、リスク管理を適切に行いながら、資金需要に適切に応えられるよう、農林水産業者への融資の拡大に積極的に取り組むこと。

 三 農林中央金庫は、農林水産業の成長産業化等に貢献するため、出資対象会社の選定基準等を適切に定めるなど業務の健全かつ適切な運営を確保しつつ、地域の農林水産業の発展に資する農林水産・食品関連会社等への出資に積極的に取り組むこと。

 四 農林中央金庫の業務の範囲や出資規制を見直すことに伴い、農林中央金庫が行う出融資の状況等についてモニタリングを行うとともに、経営の健全性確保の観点から農林中央金庫に対して適切な監督を行うこと。

 五 農林中央金庫は、農林水産業者等の所得の向上に資するため、その出融資先に対する販路拡大など経営課題の解決策の提案に積極的に取り組むこと。

  右決議する。

以上です。

 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

藤井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤井委員長 起立総員。よって、本法律案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣鈴木憲和君。

鈴木国務大臣 ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

    ―――――――――――――

藤井委員長 次に、内閣提出、農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、野中厚君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。庄子賢一君。

庄子委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文を朗読して趣旨の説明に代えさせていただきます。

    農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  農業経営をめぐる状況が大きく変化する中、農業経営の改善に係る農業者等の取組の促進に向けて、民間金融機関が取り扱う長期・低利の制度資金である農業近代化資金が積極的に活用されることは一層重要となっている。

  よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

      記

 一 農業協同組合、地方銀行、信用金庫等の民間金融機関や農業者等に対し、農業近代化資金の貸付上限額の引上げ等貸付条件の拡充内容とともに、制度の利点についても丁寧に説明すること。

 二 農業者等の資金ニーズにあわせて時宜に応じた融資実行が可能となるよう、融資手続の簡素化などの環境整備を行うこと。その上で、民間金融機関においてリスク管理等が適切に行われるよう必要な助言を行うこと。

 三 農業者等の資金ニーズに応じて必要な融資が確実に行われるよう、都道府県とも緊密に連携して、適切な措置を講ずること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

藤井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤井委員長 起立総員。よって、本法律案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣鈴木憲和君。

鈴木国務大臣 ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

    ―――――――――――――

藤井委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

藤井委員長 次回は、来る十六日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十四分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.