衆議院

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第4号 令和8年3月3日(火曜日)

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令和八年三月三日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 坂本 哲志君

   理事 勝俣 孝明君 理事 齋藤  健君

   理事 笹川 博義君 理事 とかしきなおみ君

   理事 鳩山 二郎君 理事 藤原  崇君

   理事 長妻  昭君 理事 池下  卓君

   理事 長友 慎治君

      東  国幹君    阿部 弘樹君

      安藤たかお君    石川 昭政君

      石橋林太郎君    石原 正敬君

      井出 庸生君    伊藤信太郎君

      稲田 朋美君    井上 信治君

      上杉謙太郎君    上野 宏史君

      小田原 潔君    尾身 朝子君

      勝目  康君    加藤 鮎子君

      神田 潤一君    岸 信千世君

      北神 圭朗君    小寺 裕雄君

      後藤 茂之君    坂本竜太郎君

      塩崎 彰久君    菅原 一秀君

      鈴木 英敬君    鈴木 淳司君

      平  将明君    高木  啓君

      武井 俊輔君    谷川 とむ君

      土田  慎君    中山 泰秀君

      西田 昭二君    橋本  岳君

      深澤 陽一君    福原 淳嗣君

      藤沢 忠盛君    藤丸  敏君

      本田 太郎君    牧島かれん君

      丸川 珠代君    三ッ林裕巳君

      山田 美樹君    吉田 真次君

      鷲尾英一郎君    渡辺 博道君

      伊佐 進一君    落合 貴之君

      後藤 祐一君    中野 洋昌君

      西村智奈美君    浜地 雅一君

      山崎 正恭君    山本 香苗君

      渡辺  創君    東   徹君

      うるま譲司君    横田 光弘君

      小竹  凱君    橋本 幹彦君

      福田  徹君    村岡 敏英君

      木下 敏之君    豊田真由子君

      和田 政宗君    高山 聡史君

      峰島 侑也君    武藤かず子君

      辰巳孝太郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       高市 早苗君

   総務大臣         林  芳正君

   法務大臣         平口  洋君

   外務大臣         茂木 敏充君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       片山さつき君

   文部科学大臣       松本 洋平君

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      赤澤 亮正君

   国土交通大臣       金子 恭之君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    石原 宏高君

   防衛大臣         小泉進次郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   国務大臣

   (デジタル大臣)

   (サイバー安全保障担当) 松本  尚君

   国務大臣

   (復興大臣)       牧野たかお君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)

   (海洋政策担当)     あかま二郎君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (消費者及び食品安全担当)

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)

   (地方創生担当)

   (アイヌ施策担当)

   (共生・共助担当)    黄川田仁志君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)

   (規制改革担当)     城内  実君

   国務大臣

   (外国人との秩序ある共生社会推進担当)

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)

   (人工知能戦略担当)

   (経済安全保障担当)   小野田紀美君

   財務副大臣        中谷 真一君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    岩尾 信行君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中間 秀彦君

   政府参考人

   (内閣官房防災庁設置準備室次長)

   (内閣府政策統括官)   横山 征成君

   政府参考人

   (内閣官房内閣情報調査室次長)          町田 達也君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  岡  素彦君

   政府参考人

   (内閣府地方分権改革推進室長)          稲原  浩君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            恒藤  晃君

   政府参考人

   (こども家庭庁成育局長) 中村 英正君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   荻原 直彦君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           長谷川 孝君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            湯本 博信君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 三宅 浩史君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山本 文土君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            岩本 桂一君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          塩見みづ枝君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            合田 哲雄君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房長) 宮崎 敦文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            森  真弘君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  森光 敬子君

   政府参考人

   (厚生労働省健康・生活衛生局長)         大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長)   鷲見  学君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            岸本 武史君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 辺見  聡君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房長) 宮浦 浩司君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         押切 光弘君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         河南  健君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房技術総括審議官)       堺田 輝也君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           坂  勝浩君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  山口  靖君

   政府参考人

   (農林水産省畜産局長)  長井 俊彦君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官)         伊藤 禎則君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           奥家 敏和君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      久米  孝君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        楠田 幹人君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  宿本 尚吾君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  萬浪  学君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  伊藤 晋哉君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)   廣瀬 律子君

   政府参考人

   (防衛装備庁技術戦略部長)            嶺  康晴君

   予算委員会専門員     藤井 宏治君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月三日

 辞任         補欠選任

  石橋林太郎君     上野 宏史君

  石原 正敬君     土田  慎君

  井出 庸生君     阿部 弘樹君

  稲田 朋美君     武井 俊輔君

  神田 潤一君     東  国幹君

  塩崎 彰久君     吉田 真次君

  谷川 とむ君     鈴木 英敬君

  西田 昭二君     岸 信千世君

  福原 淳嗣君     本田 太郎君

  伊佐 進一君     西村智奈美君

  中野 洋昌君     落合 貴之君

  山本 香苗君     山崎 正恭君

  福田  徹君     小竹  凱君

  村岡 敏英君     橋本 幹彦君

  豊田真由子君     木下 敏之君

  高山 聡史君     武藤かず子君

同日

 辞任         補欠選任

  東  国幹君     坂本竜太郎君

  阿部 弘樹君     井出 庸生君

  上野 宏史君     深澤 陽一君

  岸 信千世君     西田 昭二君

  鈴木 英敬君     高木  啓君

  武井 俊輔君     藤丸  敏君

  土田  慎君     勝目  康君

  本田 太郎君     福原 淳嗣君

  吉田 真次君     上杉謙太郎君

  落合 貴之君     渡辺  創君

  西村智奈美君     浜地 雅一君

  山崎 正恭君     山本 香苗君

  小竹  凱君     福田  徹君

  橋本 幹彦君     村岡 敏英君

  木下 敏之君     豊田真由子君

  武藤かず子君     峰島 侑也君

同日

 辞任         補欠選任

  上杉謙太郎君     藤沢 忠盛君

  勝目  康君     石原 正敬君

  坂本竜太郎君     神田 潤一君

  高木  啓君     尾身 朝子君

  深澤 陽一君     石橋林太郎君

  藤丸  敏君     稲田 朋美君

  浜地 雅一君     伊佐 進一君

  渡辺  創君     中野 洋昌君

  峰島 侑也君     高山 聡史君

同日

 辞任         補欠選任

  尾身 朝子君     安藤たかお君

  藤沢 忠盛君     塩崎 彰久君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤たかお君     小寺 裕雄君

同日

 辞任         補欠選任

  小寺 裕雄君     谷川 とむ君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 公聴会開会承認要求に関する件

 委員派遣承認申請に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和八年度一般会計予算

 令和八年度特別会計予算

 令和八年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

坂本委員長 これより会議を開きます。

 令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算、令和八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官中間秀彦君外四十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。平将明君。

平委員 おはようございます。自由民主党の平将明です。よろしくお願いいたします。

 総理始め閣僚の皆さん、連日、予算委員会、お疲れさまでございます。

 昨年、前政権で私はサイバー安全保障担当大臣をしておりまして、国家のサイバーセキュリティー能力を抜本的に強化をするためにサイバー対処能力強化法を成立をさせていただき、国家サイバー統括室、NCOを創設をするところまでできました。

 これは余り広く知られていないんですが、日本を経由するグローバルな通信情報を利用、分析をして、そして、結果として悪さをするサーバーを見つけたら、そのサーバーが世界のどこにあったとしても日本の自衛隊、警察がアクセスをして無害化をするという画期的な法律になっています。能力構築とか同盟国、同志国との連携強化というのはまさにこれからなので、サイバー安全保障担当大臣の松本大臣、しっかり頑張ってやっていただきたいというふうに思います。

 一方で、こういうマッチョな、マッチョなという言い方はおかしいな、本格的な法律を作りましたが、幾つかまだ足りないところがあるという認識がありますので、その点について今日は質問をさせていただきたいと思います。

 私の問題意識は、強化すべきポイントは三つです。一つは、認知戦に対する対応。もう一つは、AIが攻撃をする時代になりました。前はハッカーがカチャカチャやって攻撃してくる、よく映画で見られたと思いますけれども、最近はAIです。このAIが攻撃をしてくる時代にあって我々はどういう備えをするのか。三つ目が、中小企業のサイバーセキュリティー能力の強化の対応であります。

 まず最初の質問ですが、添付資料を見ていただきたいんですけれども、これは二月二十三日の読売新聞ですね。日本批判三千アカウント群、衆議院選挙前から、X投稿、中国系の工作かということで、X上で衆議院公示前の一月中旬から、三千件規模のアカウント群が協調的に高市首相や日本の政策を批判する内容を投稿、拡散していることがSNS分析会社の調査で分かった。四段落目を見ると、アカウントが三千あって、要は、約千が投稿用、残りの二千が投稿をリポストする、要はブーストをかける用ということで、前回私が衆議院の予算委員会で、ここで解説したのと全く同じ構造で、あのときはロシア系と言われていましたけれども、今度は中国系、どっちもやっているんですけれども、というのが明らかになったということであります。アカデミアも、一番下の真ん中辺ですが、今でも活動は続いている、長期的な工作を行っている可能性がある、そういった指摘があるわけであります。

 実は、私は、サイバー安全保障担当大臣のときに、前政権の残り一か月のときに、この認知戦に対する問題意識を持って、当時官房長官だった林官房長官に御相談申し上げて、内閣情報調査室と国家安全保障局が連携をして、ヘッドは事務系の官房副長官がヘッドになって、こういった認知戦の対応をする組織というものをつくっていただいたわけでありますが、今後AIも進化をしてきますし、更なる取組の強化が必要だと思いますので、この辺、意気込みを含めて木原官房長官にお伺いしたいと思います。

木原国務大臣 おはようございます。

 これまでの平委員の御尽力によって、昨年九月、外国による影響工作に対応するために、内閣官房副長官をヘッドにして、内閣情報調査室、国家安全保障局、内閣広報室、内閣官房副長官補室、それから総務省、また国家サイバー統括室を始めとする関係省庁が緊密に連携をして一体的に取組を推進する体制を構築したところであります。大変ありがとうございました。

 この新しい体制の下で、外国による影響工作に対して、情報収集、また分析の充実、情報流通プラットフォーム対処法の運用の徹底、正確な情報発信の強化、各種リテラシー施策の向上、そういったことに対する対策に政府一体で現在取り組んでおりまして、また、先般、衆議院総選挙もございました、その際に、更に体制を強化して集中的に分析等の取組を行ったところであります。

 外国による影響工作への対応強化という委員の問題意識というのは、官房長官を引き継いだ私としてもしっかり共有をしております。

 政府としては、現在、インテリジェンス施策の推進に当たり、国家情報会議や、また国家情報局を設置する法案の提出のための準備を進めているところであり、外国による影響工作の対応の更なる強化に資するように、新しい組織の運営についてもしっかりと取り組んでまいります。

平委員 ありがとうございます。

 是非お願いしたいのは、多分、国家安全保障局、内閣情報調査室、あと国家サイバー統括室が連携してやっているんですね、官房副長官ヘッドなんですけれども。横軸でタスクフォースみたいな形でやっているんですが、名前がついていないんですね。名前がついていないとどうしてもやはり受け身になりがちなので、オーストラリアなんかは、カウンター・フォーリン・インターフェアレンス・タスクフォース、外国からの干渉に対抗するタスクフォースみたいに、横軸で入ってもタスクフォースの名前がついていたりして、責任の所在とかそういうのが明らかになっているので、是非名前をつけていただきたいと思います。

 その上で、将来的には、これからの法案審議ですが、内調が国家情報局になったりしたときにはどこかで引き取ってもらうということですけれども、是非名前をつけていただきますよう御検討いただければと思います。

 官房長官のタイミングでどうぞ御退出してください。

 次に、AIのところのお話をさせてもらいたいんですが、実は、先ほど申し上げたとおり、サイバー攻撃をしてくるのがハッカーじゃなくてAIだということで、これもちょっとお手元の資料を配らせていただきました。アンソロピックのレポートです。去年の十一月十三日で、これは英語なので平事務所で和訳もつけさせていただいておりますが、この概要だけちゃちゃっと説明をさせていただきたいと思います。

 このアンソロピックのレポートは何て書いてあるかというと、二〇二五年十一月十四日、初めて報告されたAI主導のサイバースパイ活動を阻止したと書いてあります。AIエージェントが防御、攻撃の両面で実際に有用となるレベルに達した。サイバー能力が六か月で倍増した。その進化が極めて短期間に、しかも大規模に起きている。具体的には、昨年の九月中旬にこれを察知したということでありますが、中国の国家支援グループと高い確度で評価されている攻撃者による高度に洗練されたスパイ活動を検知した。攻撃者はAIエージェントを過去にないレベルで活用した。だから、AIは今までは助言者だったんですけれども、単なる助言者じゃなくて攻撃の実行者として利用されて、そのときのターゲットが約三十のグローバル企業と組織、大手テック企業、金融機関、化学製造企業、政府などですが、大規模なサイバー攻撃が行われたんです。それで、ほぼ人間の介入なく実行された。しかも、そのAIエージェントは、タスクというかプロンプトを与えると長期間にわたり自律的に動作をし、複雑なタスクをほぼ独立して遂行するんですよ、人間と一緒ですよね、ということになった。

 それで、そのアンソロピックは、去年の九月の時点で、一年前には存在しなかった、こういうことはと。一年前には存在しなかったものが、こういうことが起きて、しかも物すごい勢いで進化をしていて、タスクによっては、人間のハッカー、トップのハッカーよりも数倍の速度があるということになっています。なので、もう人間では対応できないということになっているということになります。

 そのAIエージェントは実際に何ができるかというと、タスクを与えると、どこの会社のどのサーバーにどういう情報があるかというのを分析をし、それに対する攻撃をするコードも自分で作ります。その結果、盗み出したデータを分析をして、さらに、そのネットワーク全体の脆弱性もちゃんとレポートにしてまとめてくるというところまで今やっている。

 何が問題かというと、去年の九月の時点で、アンソロピックみたいな会社のレポートが、一年前にはなかった、更に半年間で急激に進化をしたと。あれからもう半年たっているので更に進化しているというふうに考えるのが大事で、そうなると、サイバー安全保障として、国家としてもサイバー対処能力にAIの活用で支援する、支える専門組織が必要だということになります。

 そこで質問なんですが、高市総理が大臣のときに主導されてAISIというのをつくった、AIセーフティ・インスティテュートです。これはアジアでは日本が一番早かった組織であります。こういう組織はできていて、今、経産省のIPAの下にあるんですが、このAISIがイギリスだとか同盟国、同志国のAISIと一緒になって対応する必要があるというふうに思っているんですが、今のAISIはセキュリティークリアランスを取っていないんですよ。セキュリティークリアランスを取っていないので、安全保障上重要な情報は共有できない。

 それで、AISIができたのは二年前ですけれども、その三か月前にロンドン、イギリスはAISIをつくった、AIセーフティーインスティテュートをつくったんだけれども、イギリスは一年前にAIセーフティーからセキュリティーに変えているんですね。これは、AIの安全性も大事だけれども、安全保障の問題だというので、AIセーフティーインスティテュートをAIセキュリティーインスティテュートに名前まで変えて対応しているということであります。

 なので、せっかくつくったAISIなので、さっき言った認知戦においてもこれからAIはどんどん入ってきますので、このAISIを是非機能強化をしてもらいたい。

 具体的には、英国並みのAISIにしてもらいたいと思うのと、セキュリティークリアランスの世界にしっかり持ってきて対応してもらう。そして、国家安全保障局からも、内閣情報調査室からも、国家サイバー統括室からも頼りにされるAISIにする必要があると思いますけれども、総理、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 AIを悪用したサイバー攻撃、これは深刻な問題だと理解しております。

 昨年末に策定しましたAI基本計画におきまして、御指摘のAISIの機能、体制強化、これを重要施策として盛り込んでおります。AISIを抜本的に強化してAIセキュリティーに万全を期すよう、小野田大臣と赤澤経済産業大臣に指示をしました。今おっしゃったセキュリティークリアランスの話も検討課題であると思います。

 また、国境を越えて行われるサイバー攻撃への対応、これは国際的な連携が絶対に重要です。AISIにおいて、国内外の関係機関や企業と協力してAIセキュリティーの評価機能を構築する、必要な専門人材を始めとした人的基盤、そして体制を強化することでAIセキュリティーに万全を期してまいりたいと存じます。

平委員 これは、セキュリティークリアランスを取っていないと海外のカンファレンスの本当に重要なセッションに入れてもらえないということが起きますので、すぐにでも対応していただきたいと思います。

 その上で、AIエージェントが攻めてくる世界で、アメリカ以外の国が、今回名指しされたのは中国ですが、中国のAI企業がアメリカのビッグテックのそういうモデルを、蒸留といって、蒸留というのは蒸留水の蒸留ですね、というような技術を使って、いいとこ取りで高性能のAIを作るんだけれども、この蒸留をすると、元々のAIの会社が作っていたガードレールが外れちゃうんですね。こういうAIが世界に散らばっていくと、本当に危ない世界になっているんです。

 なので、小野田大臣にお願いしたいのは、こういったAIが攻撃をしてくる世界になったといったこととか、こういった蒸留問題、主に中国の、アンソロピックが二月二十三日にレポートを出しているんですが、アンソロピックのAIを蒸留して中国系のAI企業がAIを作っちゃって、高性能のやつを、それで様々な問題、リスクが起きているという指摘もあるので、こういったことを、同盟国、同志国や、普遍的な価値、重要な価値観を共有する国々でやはり話合いをして、問題意識を共有する必要があると思います。

 OECDだとかG7とか、そういったところで是非そういったセッションをつくるべきだ、日本からも提案すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

小野田国務大臣 昨年末に策定したAI基本計画において、基本的な方針の一つとして、「AIの信頼性を高める」を掲げております。AIが国境を越えて展開されるものだからこそ、国内だけでなく国際的なガバナンスが重要で、我が国としてこれを主導するということをうたっておるものです。

 具体的には、広島AIプロセスの推進、そしてAISIネットワーク等の国際的な枠組みの活用を通じて、国際的なAIガバナンスを主導していくこととしております。

 先ほど先生から、英国並みと。そうすると二百人体制だと思うんですが、今、まずは三十人から六十名体制へと、六十以上と増やそうとしておりますので、そういったAISIネットワーク等も活用し、御指摘の件への対応を含め、これからの枠組みを活用しながら、我が国が国際的なガバナンス構築を主導できるように、関係省庁と連携し、適切な対応を行ってまいりたいと思います。

平委員 ありがとうございます。

 私も、サイバー安全保障担当大臣やデジタル大臣として、OECDとかダボス会議とか、あとバイの会談もしましたが、問題提起として、やはり価値観を共有しない国から非常に高性能なAIが出てきて、しかもそれがオープンソースなので使いやすい、ガードレールを引いていない。これは、日本が主導して通信インフラのリスク、バックドアのリスクなどを指摘をして国際社会に働きかけてきたように、通信インフラ以上にこのAIの問題は深刻なので、是非、問題の共有を、いろいろな国際会議の場やバイ会談で日本から提案をしていただきたいと思います。

 最後に、中小企業の対応でありますが、これだけサイバー攻撃が、アサヒビールとかアスクル、アスクルなんてヤフーの下にある会社ですからリテラシーが高いんですよね、それでもやられちゃうという中で、今サイバー攻撃をされると企業が潰れる可能性もあるという中で、じゃ、サプライチェーンでつながっている中小企業はどうしたらいいんだと。

 経産省の下にIPAがあって、そこにサイバーお助け隊というメニューがあって、名前はダサいんですけれども結構いいことをやっていて、非常に安価で、見守り、駆けつけ、保険というのをやっているんです。

 私、これは応援したいと思うんですが、これから中小企業の格付もされると言っているし、経産省は国内のサイバーセキュリティー会社を支援するというのもやっているんですが、是非、サイバーセキュリティー会社のエントリーとか評価とかリスト化をしてもらって、中小企業が安心して選べるような環境をつくってもらいたいし、アイデアソン、ハッカソンとかアワード型研究開発をして活性化をしてもらいたいんですよね。

 そこのエコシステムというか、そこがちょっと足りないような気がするので、そこも含めてサイバーお助け隊を強化をしていただきたいんですが、経産大臣、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 中小企業のサイバーセキュリティー対策をワンパッケージで支援をする、名前はともかく、サイバーセキュリティお助け隊サービスについては、現在九千件を超える導入実績があるなど中小企業の間で普及が進んでいるが、中小企業に必要なセキュリティー対策は多様であり、セキュリティーサービスの選択の幅を広げていくことがまず必要だと思っています。

 このため、平委員から頂戴した御提案も踏まえつつ、多様な事業者が参入するとともに、中小企業が自社に適したサービスを選択できるよう、サイバーセキュリティお助け隊サービスの拡充を検討をいたします。

 また、御指摘のとおり、我が国発のサイバーセキュリティー製品が生み出されるような環境を整備することも必要です。独立行政法人情報処理推進機構、おっしゃるIPAでありますけれども、による、有望なスタートアップによるセキュリティー製品、サービスの調達、検証あるいは公表などなどを通じて、こうした製品の開発や活用が促進されるような取組を同時に進めてまいります。

 こうした取組を通じて、我が国で多様なセキュリティー事業者が生まれ、競争が働き、中小企業等にとって選択の幅の広がるようなエコシステムの構築を目指してまいります。

平委員 ありがとうございます。

 もう時間が来たので終わりたいと思いますが、しっかり対応していただきたいと思いますし、特に、官房長官、認知戦のところはこれからいろいろなことが起きてきます。AIがいよいよ人間をマインドコントロールできるレベルまで達しているので、今後何が出てくるかというと、AIロマンス詐欺みたいなのが出てくるでしょうし、AI教祖様みたいなのも出てくる、AIインフルエンサーも出てくる。実は、そのAIの背景に、情報を読ませていたのがあの国だったりあの国だったりするみたいなリスクも出てくるということなので、かなりテクノロジーに対してアンテナを高くしてもらって、イマジネーションを働かせて。

 日本は、ハードローというか、大陸法の国なので、法律を作らないと何もできないので、フォワードルッキングで対策を立てていかないと、なかなか、日本の国、安全も守れないし国民も守れないということですので、是非、体制の強化をするのと、総理、AISIの機能強化、総理のリーダーシップで実現をしていただきたい、そのように思います。

 それでは、時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて平君の質疑は終了いたしました。

 次に、本田太郎君。

本田委員 おはようございます。自民党の本田太郎です。

 本日、お時間を頂戴いたしましたので、私、自民党の国防部会長を今拝命しておりますその関係で、本日は三つ質問させていただきたいと存じます。

 まず防衛力強化、そして防衛装備移転三原則の話、そして戦略三文書の話でございます。

 まず初めに、アメリカ、イスラエルによるイランへの攻撃に関しまして一言申し上げますと、やはり、早く、政府としても情報を的確に早急に収集をしていただきまして、それに基づいて、確実な邦人の救出、安全確保、そして、早期にこういった戦いが終結するように、日本としてできることをお力添えいただきたい、このように考えるところでございます。

 質問に入らせていただきます。

 まず初めに、私思うんですけれども、世界中が平和でまるでユートピアのような世の中であれば、そもそも防衛力など不要です。しかし、残念ながら現実はそうではなく、自分の国を守るために、どの国も防衛力や軍事力を必要としております。そのような中にあって、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑な状況にあります。私は、これを単なる修辞ではなく、現実の脅威認識として直視すべきだと考えています。

 本日は、今後の重要な安全保障政策の策定に向けた政府の決意と覚悟を伺いたいと存じます。

 まず、防衛装備移転についてです。自民党の考え方をここで示しつつ、政府の見解を伺いたいと思います。

 自民党と日本維新の会との間での連立合意を踏まえ、自民党としては、防衛装備移転三原則の運用指針の見直しに向けて議論を積み重ねてまいりました。

 まず強調しなければならないのは、防衛装備移転は、戦争を行うためではなく、我が国の平和と独立、そして国民の皆様の命と生活を守り抜くために必要だということです。

 具体的には、防衛装備移転の推進により、我が国との相互運用性の向上を伴う形で、同盟国、同志国の抑止力を強化し、我が国に望ましい安全保障環境を創出することが可能となってまいります。また、より多くの同盟国、同志国が我が国と同じ装備を保有することによって、相互支援、つまりお互いさまの環境を構築し、その継戦能力の向上につながる点からも、我が国の防衛に資するものだと考えております。

 さらに、ウクライナ侵略の教訓によって、装備や弾薬等が大量消費される現実が明らかとなりました。防衛装備移転を推進することで、有事の継戦能力を支える国内の防衛生産、産業基盤が強化されます。この観点からも、我が国の防衛にとって装備移転は極めて重要です。

 このような観点から、自民党としては、今般の五類型見直しによって、自衛隊法上の武器を含め、あらゆる防衛装備の移転を原則可能にすべきだと考えています。

 ここで、木原官房長官に対し、今般の五類型の見直しの背景や必要性、その意義について、政府のお考えをお示ししていただきたいと存じます。

木原国務大臣 まず、本田委員におかれては、今回、五類型の見直しに当たって、与党の主要メンバーとして御尽力をいただいておりますことに感謝を申し上げます。

 御指摘のとおり、特にウクライナ侵略では、あらゆる種類の装備や弾薬などが大量に消費されるという現実、これが明らかになったところです。そのような中で、防衛装備移転というのを更に推進し、地域の抑止力、対処力を向上させるということが必要だと考えております。

 また、防衛装備品の開発、生産また維持整備を担う防衛産業、これはいわば防衛力そのものであり、力強い防衛産業の構築というものがこれまで以上に重要な課題となっています。

 政府としては、与党における御議論、これをしっかりと受け止めて、防衛装備移転三原則運用指針の見直しを早期に実現すべく、引き続き、与党とも相談しながら、具体的な検討というのを加速してまいります。

本田委員 ありがとうございます。

 次の質問に移りたいと思います。

 我が国は、平和国家としての歩みを重ねてきました。だからこそ、防衛装備移転に当たっては、国際法の遵守、透明性の確保といった責任ある制度設計が不可欠です。

 先ほど申し上げましたとおり、自民党としては、自衛隊法上の武器を含め、あらゆる防衛装備の移転を原則可能とする考えであります。しかし同時に、防衛装備移転が国際社会に与える影響を適切に管理する必要があります。

 殺傷、破壊能力がない非武器の移転先には制約を設けませんが、一方で、殺傷、破壊能力がある武器については、移転先を我が国と協定を締結している国に限定をしたい、そしてまた、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国へは移転が原則不可としたいと考えています。その上で、武器移転については、しっかりとした審査手続の下で移転の可否を判断するということが重要だと考えています。

 また、国家安全保障会議で審議する場合には、政治的な観点からも審査を行う必要があるため、あらかじめ与党と調整することを政府に求めることとしています。

 加えて、国会や国民への説明を更に充実させる方法について、政府に検討を求めることとしております。国民の皆様の中には、どのような装備品が、どの国にも移転できるのか、そういった懸念を持たれる方がいらっしゃいます。我々責任与党としては、こうした不安を持たれる方々の存在にも十分に意を用いる必要があります。

 五類型の見直しは、単に制度を緩和するといった話ではなく、国益と国際社会への責任を両立させる制度を構築していく意思を示すことが必要だと考えております。木原官房長官に政府の見解を伺いたいと思います。

木原国務大臣 防衛装備の移転を進めていく中で、それを責任ある形で管理するという観点から、我が国は、従前から、防衛装備移転三原則に基づき、個別の案件ごとに厳格に審査をし、そして、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得るということとしてまいりました。

 政府としては、今後も、運用指針を見直すに当たっては、ただいま申し上げたようなそういった基本的な考え方を維持しつつ、与党における議論も踏まえて、責任ある形で防衛装備の移転を管理してまいる所存です。

本田委員 ありがとうございます。責任ある形でということで、よろしくお願い申し上げます。

 次の質問に移ります。

 繰り返しになりますが、五類型の見直しは、原則として武器を含む完成品の移転を認め得る、装備移転に係るこれまでの政策の大転換となるものであります。

 新たな制度を実効的に運用するためには、政府が主導して、官民連携を含む政府全体の体制についても転換を図る必要があると考えております。産業界とのコミュニケーションを密にすることによって、企業の予見可能性を高め、装備移転の推進に必要な支援ニーズを聞き取る。同時に、同盟国、同志国とも綿密に連携をして、我が国の優れた技術に対するニーズを把握する。こうした取組が必要だと考えています。このように防衛装備移転を戦略的かつ効率的に推進していくため、議論の中でもしっかりと検討を進めていただきたいと考えています。

 この点について、官房長官の御見解をお願いいたします。

木原国務大臣 防衛装備移転ですが、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出などのための重要な政策的手段であるということは申し上げてきたところであります。

 委員の御指摘のあったとおり、これを実効的かつ戦略的に推進していくためには、運用指針の見直しのみならず、政府として様々な取組を進めていく必要がございます。

 これまでも、円滑な防衛装備移転を実現するため、例えば、「もがみ」型護衛艦の能力向上型をベースにしたオーストラリア向けの次期汎用フリゲートの国際共同開発、生産などの案件において、これは官民一体となって対応してきてまいりました。

 政府として、防衛装備移転を更に推進していくため、更なる官民連携の強化や、また同盟国、同志国とのより緊密な議論を行っていく考えであり、そのための政府全体の体制についても強化する必要があると考えております。与党としっかりと議論をしながら検討してまいります。

本田委員 ありがとうございます。与党と連携、また産業界との連携、しっかりお願い申し上げます。

 次に、防衛力の抜本的強化の必要性について伺いたいと存じます。

 法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを増しています。特に、ロシアによるウクライナ侵略は、主権国家に対する明白な侵略であるとともに、国際秩序の根幹を揺るがす事態であり、断固として受け入れられません。

 既に四年を超えましたウクライナ戦争を教訓に、各国は、無人機の大量運用を含む新しい戦い方や長期戦への備えを急いでいます。我が国周辺でも、中国や北朝鮮、そしてロシアといった国々の軍事力の増強が見られます。また、ロシア、朝鮮、軍事協力も進展をしており、実戦経験を積んだ北朝鮮の軍事力が中長期的に底上げされる可能性もございます。これは我が国にとって憂慮すべき事態です。さらに、中国、ロシアも、各種演習、爆撃機の共同飛行、艦艇の共同航行などを通じて軍事連携を強化させています。

 こうした厳しい状況に対処するために、防衛力の抜本的な強化が必須だと考えています。同時に、広く国民の皆様の御理解を得るための積極的な広報と丁寧な説明も重要だと考えています。

 なぜ、今、防衛力の抜本的な強化が必要なのか、改めて小泉防衛大臣の見解を伺います。

小泉国務大臣 おはようございます。よろしくお願いいたします。

 今、本田委員からお話をいただきました我が国を取り巻く厳しい安全保障環境の認識につきましては、私からも申し上げるまでもなく、全く同感、同じ認識であります。

 その上で申し上げたいのは、そしてまた今日、テレビはやっていませんか、ネットを含めて見ていただいている国民の皆様に御理解をいただきたいのは、こうした厳しい安全保障の現実の中で、専守防衛の下で我が国防衛を全うするためには、我が国として十分な抑止力を持たなければならないということであります。

 言うまでもないかもしれませんが、専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいいます。

 ただ、これについては全く基本的な方針に変わりはありませんが、例えば、今日、技術の進展によりまして、相手方のミサイルの発射、特に第一撃を事前に察知することは難しくなりつつあり、一たび攻撃が発生すれば、先制的な精密打撃などにより、自衛隊の部隊が一方的に被害を受けることも考えられます。先に攻撃した方が圧倒的に有利だというのが現実であります。

 こうした中で、専守防衛の方針を堅持しつつ、同時に、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜いていく上では、武力攻撃そのものの可能性を低下させ、まず第一撃を撃たせない、このことが何よりも重要であります。

 そのためにも、侵攻の目的を達成することは容易ではない、侵攻はやめた方がよいと相手に思わせる体制を整えることが不可欠であるということも御理解をいただけるように、この防衛力整備の我々の思い、そして取り巻く現状、こういったものを丁寧に説明をさせていただきたいと思っております。

本田委員 ありがとうございました。

 まさに相手が誤解をして日本を攻めても大丈夫だと思うことが危険でありますから、抑止力の強化に取り組んでいただきたい、このように考えるところです。

 次の質問に入ります。

 ウクライナにおいては、無人機が大量に使用されました。また、今後、AIやネットワークによる意思決定の迅速化や、宇宙、サイバー、電磁波領域における戦い、情報戦も現在大量に行われていると言われております。また、長期戦への戦いを念頭に置いた生産力を平時から確保、維持し、有事には更に生産力を拡大できるような体制を整えていくことも重要だと考えています。

 特に、ドローンの分野においては、ウクライナが実施したクモの巣と呼ばれる作戦で、大量のドローンでロシア国内の複数の基地を攻撃をいたしました。また、アメリカは、今後二、三年で少なくとも百万機の無人機の調達計画を発表しております。

 こうした動向がある中で、我が国の平和と安全を守るためには、現在の戦い方をなぞるだけではなく、将来的に起こり得る事態を想定し、これに対応できるように防衛力を抜本的に強化することが必要です。

 我が国として、どのような分野を重点的に強化していくべきとお考えですか。防衛大臣から答弁をお願いいたします。

小泉国務大臣 どのような分野をということで申し上げると、やはり大きく分けて二つだと思います。

 一つは、新しい戦い方を、今、世界の中で現実に行われている中で、それをいかに日本独自の新しい戦い方をしっかりと構築できるか。

 こういった観点から、例えばロシアによるウクライナ侵攻の中で、今までには考えられないようなイノベーションサイクルで、二、三週間のうちにドローンの技術がアップデートされる、こういったことが起きていることに我々はキャッチアップしなければなりませんし、アメリカの陸軍長官が最近言っていますけれども、二、三年でアメリカはドローンを百万機調達をすると。この百万というスケールは、今の世界の中では、一つの、指標とは言いませんが、それぐらいのスケールで調達を考えて、安価で大量に運用する。しかも、それをAI、サイバー、そして宇宙、様々な新しい領域と連携をして、そして通常の兵力ともそれをミックスをさせて、戦い方が行われている現実があります。

 こういったことに、我々だけではなくて、例えば北朝鮮から一万人以上もの兵士がロシアに送られ、ロシアがその兵士をウクライナに送り、そして新しい戦い方を学んだ北朝鮮の兵士が自国に持ち帰り、それを一体どこに向けようとしているのか、こういったことを想像していただきたいと思います。

 そして、我々、海洋国家でありますから、海洋国家独自の新しい戦い方を見出す、こういったことも不可欠です。

 そして、今、ロシア、ウクライナの戦争が四年以上続いている中で、継戦能力をいかにつけていくかという観点から、やはり防衛産業を、いかに日本自前のものをしっかりと育成をしていくかという観点で、先ほど本田委員からお話のありました五類型の撤廃も含めた、こういった我々の、防衛力、防衛産業、これを大きくしていく努力も不可欠であります。

 もう一点加えさせていただければ、やはり、我が国の太平洋側における周辺国の軍事活動が活発化する中で、太平洋側の防衛体制の強化も喫緊の課題だと考えております。

 こういった点を踏まえて、本年中に三文書の改定をせよとの高市総理からの指示の下、しっかりと議論を積み上げ、国民の皆様にも丁寧に説明をして、議論を積み上げてまいります。

本田委員 ありがとうございました。

 今、防衛大臣からも言及がございましたが、高市総理から三文書を改定にとの指示が出たということでございますが、その三文書の改定について、総理に御質問を申し上げます。

 二〇二二年に現行の三文書を策定した際、これらの文書は今後おおむね十年間の期間を対象としているとしていましたが、なぜ四年後に改定する必要が生じたのか、改めて総理のお考えをお示しいただきたいということと、三文書の改定を通じ、我が国の平和と安全、そして国民の命と財産を守っていくという決意も、併せて総理の方から御答弁をお願いしたいと存じます。

高市内閣総理大臣 なぜ今年、三文書を改定することにしたかということですが、急激なこの安全保障環境の変化については、先ほど来、本田委員が指摘をしていただいたとおりです。たくさんのことが起きていますので、こうした急激な変化に適切に対応して、強い覚悟を持って我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くために、まず三文書を改定するということ。

 そして、我が国の平和と独立は、言うまでもなく、我が国自身が自らの判断と責任の下で守り抜いていくべきものです。自らの国を自らの手で守る、その覚悟なき国を、誰も助けてくれない。こういった問題意識の上に立ちながら、防衛力の抜本的強化をこれまで以上のスピード感で進めていかなければならないと考えております。

本田委員 御決意、ありがとうございました。

 自民党としましても、政府としっかりと連携をして、我が国の平和と安全、そして国民の皆様の命と生活を守り抜くために頑張ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

坂本委員長 これにて本田君の質疑は終了いたしました。

 次に、岸信千世君。

岸委員 おはようございます。自由民主党・無所属の会、岸信千世でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、理事各位の皆様、本当にありがとうございます。

 早速、質問させていただきたいと思います。

 今日は、トップバッター、平先生、そして本田太郎先生でございました。デジタル、国防、私もお伺いをしてみたかったんですが、今日はあえて、党で籍を置かせていただいている文科から先に質問させていただきたいと思います。

 まず、高校就学支援金制度の拡充と義務教育標準法の改正について、これを二つ、松本大臣にお伺いいたします。これら二つは、四月には必ず制度が実施されなければいけない、いわゆる年度内の成立が不可欠な日切れ法案であります。

 一つ目の、いわゆる高等教育無償化に資する高校就学支援金制度の拡充におきましては、自民党、維新の会、そして公明党の三党合意に基づくものであります。今回の改正によりまして、所得制限が撤廃され、全世帯が支援の対象となる。さらには、経済状況に左右されずに、学生の皆さんが、お子さんが希望の進路を選択できる、そういった環境づくりに大きく貢献できるものだと思います。

 二つ目の義務標準法の改正でありますけれども、今回、約四十年ぶりとなる中学校三十五人学級化でございます。これは我が国の教育制度にとっても大変意義深いものと思っております。

 ただ、現場からは不安の声も上がっております。高校無償化については、既に進路選択を終えた生徒も多い中で、タイトな日程で、本当に四月から実施をされるのかという懸念もございます。また、三十五人学級におきましても、平成二十三年の小学校一年生の導入時には、法案の成立が年度をまたいでしまったために、一部の自治体では年度の途中でクラス替えをしなければいけない、そういった混乱も起きたと聞いております。この高校無償化、また義務標準法、二つの混乱が起きないように、しっかりとこの国会で法案を通す必要があると考えます。

 特に、高校無償化においては、公立高校への影響も少し気になるところであります。生徒の選択肢が広がることは喜ばしいんですけれども、その一方で、私立高校を選択する生徒が急激に増えて、そして公立高校の志望が急激に減ってしまう、そういったおそれもあります。特に地方においては、公立高校がその地域の産業を支える人材供給の中核にもなり得ます。公立の高校の魅力向上についてもしっかりと取り組んでいただきたいところでありますが、まず、この日切れの二法案の意義と取組につきまして、松本大臣、よろしくお願いいたします。

松本(洋)国務大臣 お答えをいたします。

 高等学校等就学支援金法の改正、所得制限の撤廃や支給対象の見直しなどを行うことによりまして、高校教育に係る費用の中心となる授業料を社会全体で負担し、生徒などがその経済的な状況にかかわらず自らの希望に応じた教育を受けることのできる環境の整備を図るものであります。

 また、今般の義務標準法の改正は、約四十年ぶりの中学校の学級編制の標準の引上げなどを通じまして、子供たち一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導体制の整備と教師の働き方改革の推進を図るものであります。

 いずれも我が国の学校教育にとって非常に重要な法案であり、また、保護者の皆さん、生徒の皆さん、そして学校現場の皆さん、これらが今もう準備に入っているところでもありますし、それを前提とした様々な決定というものもなされているところでもありまして、そういう意味では、四月からの新学期に間に合わせることができるよう、先週、国会に法案を提出させていただいたところであります。

 生徒や保護者に混乱が生じることがないよう、また、学校の教育活動、学校運営、子供たちの学校生活に支障が生じることのないように、年度内の成立を目指して、我々といたしましても全力を尽くしてまいりたいと存じます。

岸委員 松本大臣、ありがとうございます。

 この人材育成につきまして、また、高校教育の改革の促進の基金と文科省が考えるネクストハイスクール構想についても、教育に関連してお伺いをしたいと思います。

 高市総理が掲げる新技術立国や人材力の強化というのには、やはり高校やまた大学等を通じた教育システムの抜本的な改革も必要不可欠だと考えております。

 現在、我が国の十八歳の人口は減少の一途をたどっておりまして、大学入学者数は、二〇二四年には約六十三万人だったのが、二〇四〇年には約四十六万人にまで落ち込む見込みとされています。

 産業界の人材のニーズもかなり変化していると思います。経済産業省の推計によれば、二〇四〇年には、典型的な事務職が約四百四十万人も余剰となる一方で、AI、ロボットを利活用する専門技術職は三百四十万人以上も不足すると予想がされております。学歴別に見ても、文系が余剰になって、そして理系の学生が足りなくなる、そうしたデータも出ておりますし、理工系の学生というのが特に地方では地域産業の担い手にもなり得ます。産業とまた職場とのミスマッチ、これも懸念がされているところであります。

 我が国の子供たちというのは、義務教育段階では国際的に極めて高い理数リテラシーを持っております。しかしながら、高校進学後に多くの生徒が文系を選択し、理数系の科目から離れていってしまう現状があるということです。この状況というものを、今回のいわゆる高校無償化によりまして、都心部で、そして私立、文系、こっち側に人が流れてしまって、地方、公立、理工系の学科に人が来なくなってしまうんじゃないか、そうした懸念もございます。

 政府が考えているネクストハイスクール構想におきましては、三千億円規模で基金を令和七年度に設立をして、地域の特性に合わせた高校教育改革を先導する拠点を構築するとされておられます。また、高校だけではなくて、大学や高専についても成長分野転換基金等で支援をしていく、そのようにも伺っております。

 ただ、文から理にそのまま人を流すというのはいささか安直な考えでありまして、未来の予測というのは本当に困難だと考えています。

 二〇一三年にオックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授らがAIが代替する職業を予想しましたけれども、現在、米国では、AIを開発していたビッグテックの従業員がまさにそのAIによって仕事を奪われる、解雇をされる、そういった状況にもなっておりますし、最新技術を活用した現場職の皆様、高度な技術者の皆様が、年収が十万ドルを超えるようなブルーカラーミリオネアと呼ばれて、今アメリカでも脚光を浴びています。

 変化に即応するためには、文系、理系という従来の区分、これにとらわれず、双方の素養を兼ね備えたハイブリッドな人材教育が必要だ、そのようにも考えております。高校、高専、そして大学、大学院までしっかりと支援をして、我々が、社会情勢、技術革新が変化をしても対応できるようにどのような教育をしていくのか、人材育成の在り方につきまして、松本大臣の見解をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 済みません。まず、お答えをする前に、先ほどの岸議員からの義務標準法等の意義において、学級編制の標準の引上げというふうに誤って答弁を申し上げましたが、実際には三十五人に引き下げるということでありますので、訂正をさせていただきたいと存じます。大変申し訳ございませんでした。

 その上で、御質問にお答えをさせていただきたいと思いますが、今後見込まれる就業構造の変化というものが、推計によると、労働力の需給ギャップ、いわゆる理系人材の不足が生じる可能性があるというふうに指摘をされているところであります。こうした社会の変化というものに教育行政がどのように対応をしていくのかということは、我々文部科学省としても大変重要な課題であるというふうに位置づけをしているところでありまして、高校、大学には、地域社会、経済を支えるアドバンストエッセンシャルワーカーや理系人材の育成が今後一層求められてくるものと考えているところであります。

 文部科学省におきましては、先般、こうした高校改革の方向性などを示したグランドデザインを公表をさせていただきました。また、グランドデザインに沿った高校改革を後押しをするために、公立高校を対象に、令和七年度補正予算で高校教育改革促進基金、約三千億円になりますけれども、これらをつくりまして、アドバンストエッセンシャルワーカー等育成支援、理数系人材育成支援、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保といった先導的な学びの在り方を構築する高校改革のパイロットケースの創出に取り組むこととしております。

 また、高等教育段階におきましても、成長分野転換基金を活用した、大学、高等専門学校における理工、デジタル系分野の人材育成の強化、人口減少下でも地域に不可欠となる人材を育成する方策を地域で協議、実行する仕組みの推進などの取組を進め、高等教育の構造改革に取り組むこととしているところであります。

 御指摘がありましたように、今はこうした理系人材をいかに生かすかという話をしておりますが、最終的には、将来的には、文系、理系という枠というものをやはり融合させていく方向というものも大変重要だと思っているところでもあります。

 また、加えて、当然、社会の変化というものに都度都度対応をしていく教育行政という観点におきましては、子供たちの教育のみならず、こうした我が国が持つ教育の機関というものを通じて、社会人も含めた国民全体の学び直しなどにも、文部科学省として、こうした教育機関が大きな役割を果たしていくべきではないかということも同時に議論をしているところであります。

 このように、高校だけではなくて、大学、大学院まで一貫して改革を進めていくことが重要だと思っております。現在、日本成長戦略会議人材育成分科会の場なども活用いたしまして議論を進めているところでありまして、スピード感を持って、関係省庁とも連携し、取り組んでまいりたいと思います。

岸委員 ありがとうございます。

 資源が少ない我が国、勝負をできるところといえば、しっかりと人材を育てて、その人材に活躍をしてもらう、そうしたことが必要になってくると思います。

 これはちょっと質問を用意していたんですが、あえて触れるだけにしておきます。

 今回、科学の再興に向けた研究力の抜本的強化というものもしっかりと、文科省の中でも、そして政府の中でも予算を組んでいると思います。

 日本の基盤的な研究力、これが深刻な危機に直面しています。去年、党本部にお越しいただいた北川先生、そして坂口先生からも、基礎研究への危機感、これをお話しいただきました。科研費をしっかりと拡充をしていく。そして、トップ一〇%論文、これも今十三位まで後退しておりますので、しっかりとこの引上げも行っていく。またさらには、AIなど最新の技術、こうしたものも駆使をしてこの研究成果に取り込んでいく。そうした動きが必要になると思いますので、是非ともここの領域も文科省でしっかりとリードしていただきたいと思います。

 続きまして、今回、アメリカの、イランによる攻撃において、やはり我々の様々なエネルギー戦略というものもしっかりと直視をしなければいけないという現実を突きつけられました。第七次のエネルギー基本計画におきまして、我が国のエネルギー政策は策定をされておられます。我が国の産業競争力だけではなくて、まさに存立を揺るがす、これを確保できるか否か、そういった大変重要な国家の戦略だ、そのようにも考えております。

 我が国のエネルギー自給率は現在一二%程度でございますけれども、今回の米国そしてイスラエルのイランへの攻撃、世界情勢、中東情勢が極めて緊迫化している中で、我が国のエネルギーの供給網、そしてシーレーンの確保、これが本当に一番の課題となっております。我が国の経済的な安全保障における急所でもある、そのようにも考えております。

 これは、ただ外交的な課題にとどまらず、製造業を始めとする我が国の産業が国際競争を勝ち抜くためにも、しっかりとしたエネルギーを供給する、電力を供給するということが不可欠であります。ただ、このままだと、エネルギーのコストというのも高止まりをして、そして国際的に競争力を維持できなくなってしまうかもしれない。特に地方にそういう産業が多いことにもなっておりますので、どのように電源を確保するかは重要です。

 脱炭素電源として、今回、第七期の計画の中で原子力の活用が盛り込まれております。原子力、核燃料サイクルをしっかりと回すということが我々の国にとって不可欠だ、そのようにも考えております。このフロントサイド、回すだけが、稼働させる、再稼働させていくというフロントサイドだけが注目されがちなんですけれども、是非バックエンドこそ整えることが重要だ、私はそのように考えております。

 二〇二六年度、今年度に予定されている六ケ所村の再処理工場の稼働、そして二〇二七年にはMOX燃料の受入れを開始する、こうしたことも基本計画の中に書き込まれております。カーボンニュートラルの実現とベースロード電源の確保、これをしっかりと行っていくということを是非とも経産大臣からお話をいただきたいと思います。

 そして、山口県も提出したんですけれども、GXの戦略地域という制度も昨年創設されました。山口県では、宇部、小野田でクリーンアンモニア、そして、周南では脱炭素のエネルギーの供給、岩国、大竹でもリサイクル素材の製造等々がございます。夏頃の選定と聞いておりますけれども、こうした日本各地で戦略拠点を設けることで、一層、脱炭素電源を確保する、そして強靱なエネルギー供給網を確保するという戦略について、しっかりと前向きに党を挙げて推していかなければならないと思っておりますが、赤澤大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

赤澤国務大臣 二問まとめて聞かれましたので、お答えをいたします。

 低いエネルギー自給率や火力発電への高い依存といった課題を克服する観点でも、御指摘の原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することが不可欠でございます。

 また、御指摘のとおり、原子力を長期的に利用していくためには、核燃料サイクルを始めとするバックエンドへの対応は重要な課題でございます。我が国は、一貫して、高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度の低減、あるいは資源の有効利用などの観点から、核燃料サイクルの推進を基本的方針としており、この方針は第七次エネルギー基本計画においても明記をしております。

 核燃料サイクルの確立に向け、特にその中核となる六ケ所再処理工場の竣工は、必ず成し遂げるべき重要課題でございます。同工場の竣工に向け、審査対応の進捗管理や必要な人材確保などについて、官民一体で責任を持って取り組んでいるところでございます。

 このように、直面する課題を一つ一つ解決し、核燃料サイクルの確立に総力を挙げてまいります。

 また、GXは、脱炭素への対応に加え、エネルギー安全保障や経済成長を同時実現するための取組であり、この取組の柱として、昨年、御指摘のGX戦略地域制度を創設をいたしました。

 具体的には、貴重な産業資源を有するコンビナートの活用ニーズや、再生可能エネルギーなどの脱炭素電力を利用した投資ニーズが増えつつあるところ、こうした動きを後押しし、新しい産業クラスターを形成していく取組です。

 本年二月十三日まで地域の公募を行い、委員の御地元も含めて、全国から多数の申請をいただきました。今後、外部有識者による厳正な審査を経て、夏頃にはGX戦略地域を選定する予定です。

 自治体の強いコミットメントを前提としつつ、選定地域に対しては、GX経済移行債などを活用した支援と国家戦略特区も活用した規制・制度改革を一体的に講じることで、世界に勝てる拠点の形成を目指してまいります。

岸委員 ありがとうございました。

 済みません、時間が来てしまいましたが、最後に高市総理に少しお話をさせていただきます。

坂本委員長 申合せの時間が過ぎております。

岸委員 分かりました。

 この大きなテーマがあります。是非、総理の持ち味を全面に生かして頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

坂本委員長 これにて岸君の質疑は終了いたしました。

 次に、西村智奈美さん。

西村(智)委員 中道改革連合・無所属の西村智奈美です。

 まず冒頭、昨日の予算委員会の理事会で、与党側から、三月十三日の予算委員会での予算案の通過ですね、衆議院の通過を提案があったということに強く抗議を申し上げたいと思っております。

 去年の予算委員会の質疑時間は九十二時間。今年は、昨日、何か日程案というのが理事会で示されたようで、これも前代未聞なんですけれども、このとおりにいきますと五十八時間の審議時間にしかならないんです。

 委員長にお尋ねします。

 こんなに例年に比べて短い審議時間でよいとお考えなのか。また、私は立法府の一員として、また国権の最高機関として、やはり政府の下請機関ではない、国会はというふうに思っておりますので、どうしてこういう判断になったのか、不思議でしようがないんです。

 総理あるいは総理周辺から、直接間接に及んで、そういった、予算を早く上げろという指示があったのかどうか、予算委員長に伺います。

坂本委員長 審議を促進するという観点から、理事会及び私の判断でこの議事を進めております。御理解いただきたいと思います。

西村(智)委員 職権でありますね。職権であしたからの日程が決まっているということは大変大きな問題だと思っております。例年ですと、集中審議も四日そして半日行われるということが常になっておりますので、くれぐれも、そういったことを念頭に、国会での議論が軽視をされないように、是非委員長にはお願いをしたいと思っております。

 さて、私、まず一つ目は、米国とイスラエルがイランを攻撃したということに関連して伺いたいと思います。

 このことは、私自身は国際法違反だというふうに思っておりますけれども、官房長官の会見においても、また昨日の予算委員会の質疑においても高市総理の答弁を見たんですけれども、官房長官は、詳細な事実関係を十分把握する立場にないというふうにおっしゃり、また総理は、詳細な情報を持ち合わせているわけではないというふうにおっしゃり、そういった理由から、我が国として確定的な法的評価をすることは差し控えさせていただくというふうに答弁をしておられました。

 ちょっとここで思い出したいのは、二〇二二年の二月二十四日、ロシアのウクライナへの軍事行動が行われた日であります。このときは、即日、二月二十四日に、日本政府は、国際法の深刻な違反だというふうに非難声明を発出しておられます。林大臣、御記憶だと思います。このとき、我が国は、詳細な事実関係を十分に把握する立場にあったのか、詳細な情報を持ち合わせていたのか、お答えいただきたいと思います。

 総理に通告をしておりますので、よろしくお願いいたします。

茂木国務大臣 ロシアによりますウクライナ侵略につきましては、二〇二二年二月二十四日に、ロシアが一方的にウクライナの領土内に侵略をして、ウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、現在もこの状態が続いているという事実がありまして、明確な国際法違反だと考えております。

 こうした評価は、同日二十四日に発出されましたG7の首脳声明であったり、また、三月二日に採択された国連総会決議でも明確に表明されているもの、このように承知をいたしております。

西村(智)委員 今のは、私の質問にはお答えになっておられません。

 その事実があったということを含めて、詳細な事実関係を十分に把握する立場にあったのかどうかということをお尋ねしているんですけれども、総理、いかがですか。

高市内閣総理大臣 当時、日本政府として有していた情報から総合的に判断を行ったものと聞いております。

 そして、今、茂木大臣も答弁をしましたが、同日、G7の首脳声明、G7には当然日本も入っております、また、三月二日に採択された国連総会決議でも明確に表明されたと承知をいたしております。

西村(智)委員 当時、日本政府が持ち合わせていた情報を総合的に判断して、この非難声明を発出したということだと思うんですね。だったら、今回も、そういったことというのは私は可能だというふうに思うんですよ。二〇二二年はできて、今回はできないというのは、私はやはりダブルスタンダードではないかというふうに思っております。

 仮に、本当に詳細な情報がないということであれば、私はあるというふうに思っておりますけれども、では、その情報を集め次第、軍事行動についての法的評価については判断できますよね。

 茂木大臣は、昨日、予算委員会の答弁の中で、先制攻撃は国連憲章第五十一条違反だと明確に答弁をしておられます。大変これは心強い答弁でありました。こういったことに当たるのかどうかということも含めて、情報収集をしていただいた上で評価していただけるということでよろしいでしょうか、茂木大臣。

茂木国務大臣 私が昨日、共産党の田村委員の質問に対してお答えしましたのは、イスラエル及び米国が先制攻撃をしたであったりとか、先制攻撃がこれは国際法違反に当たるというお話をしたわけではありませんで、先制攻撃だと指摘されたのは田村委員の方でありまして、私は、今回の事態に対して、イスラエル、米国及びイランが国際憲章法等のうちのどこの部分を根拠にして発言をしているかという紹介をさせていただきました。

西村(智)委員 私、個別のケースについて答弁をされたというふうには申し上げておりません。先制攻撃は国際法違反だというふうに、一般的な話として茂木大臣が答弁をしてくださったということを評価した上で、今回はそれに当たるのかどうか情報収集をしていただきたいということでございます。

 やはり、こういったことも含めて、集中審議というのは必要なんだというふうに思うんですよ。是非、委員長にはお取り計らいをお願いしたいと思います。

 委員長、集中審議をお願いしたいと思います。

坂本委員長 理事会で協議をいたします。

西村(智)委員 次に、再審制度について伺います。

 四十二年前に滋賀県の日野町で起きた殺人事件で無期懲役が確定した阪原弘さんは、受刑中の二〇一一年に病死をされました。先月二十四日に、検察の特別抗告を裁判所が棄却して、再審開始が決定をしました。いわゆる死後再審であります。

 この事件は、最初の再審請求から開始決定までに、実に十四年という長い時間がかかっております。国が無実の人を有罪であるとおとしめて、人の一生を取り返しのつかないほど損ねてしまうということは、これは余りにも理不尽なことだと言わなければならないと思います。

 総理、冤罪は最大の人権侵害であるという認識、共有していただけますでしょうか。

高市内閣総理大臣 一般論として申し上げましたら、犯人でない人を処罰するということは、その人権を著しく侵害するものであって、当然あってはならないことだと認識をしております。

 そのようなことが起こらないように、適正な捜査、公判が遂行されることが肝要だと考えます。

西村(智)委員 冤罪被害者のための再審法改正を早期に実現する超党派の議員連盟がございます。ここでは再審法の改正の議論を行っておりまして、昨年は、野党六党の提出で、この議連での議論を基にした改正案が国会に提出をされております。

 同時に、法制審議会、こちらの方でも議論が行われて、先般答申がなされたところであるんですけれども、私の目から見ますと、この法制審議会の答申は主に二つの点で極めて不十分だというふうに考えております。一つは、検察の証拠開示が不十分であるという点、もう一つは、検察の不服申立てが残っている点であります。ほかにもいろいろ論点はありますが。

 ところで、こういった中で、先月二十七日、ここの予算委員会で後藤祐一委員が質問をしたんですけれども、そのときの高市総理の答弁は、私は本当にすばらしいと思いました。こういうふうにおっしゃっているんです。法制審の答申というのは非常に重いものですけれども、審査がこれからありますので、例えば与党内、そして超党派議連でも御議論いただいていますから、そういった御意見もしっかりと踏まえて適切に判断すると述べておられます。よろしいですよね。

 法務大臣、総理と同じお考えであるということでよろしいでしょうか。

平口国務大臣 総理と同じ考えでよろしいと思います。

西村(智)委員 ということは、これまで平口大臣は、法制審の答申の中身を丁寧に説明をして理解を得てまいりたいというふうに答弁をされておられましたけれども、その答弁からは変わったということでよろしいですか。

平口国務大臣 法制審の答申については、様々な御意見があるということは承知をしております。

 その上で、法制審においては、証拠の提出命令制度について、必要十分な証拠が裁判所に提出されることとなり、少なくとも現在の運用から後退することはない旨の意見が大勢を占めたものと承知しておりますし、また、再審開始決定に関しては、三審制の下で確定した有罪判決を一回限りの判断で確定的に覆せるというのは不合理であるなどの理由から反対意見が大勢を占めて、答申に盛り込まれなかったものと承知をしております。

 法制審においては、様々な立場の構成員により、幅広い観点から丁寧な議論が行われたものと承知しておりまして、法務省としては答申を重く受け止めているというところでございます。

 今後とも、答申を踏まえて、今国会への法案提出に向けて準備されると思いますが、その過程で与党の審査を経たりしておりますので、その辺を十分考慮したいというふうに考えております。

西村(智)委員 総理は超党派議連でも御議論いただいていますからというふうにもおっしゃっているんですけれども、ここはちょっと私は、総理の答弁と同じ考えだというふうに平口大臣がおっしゃったことと、やはりまだそごがあるというふうに思っております。

 この点についても集中審議を求めたいと思いますが、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

坂本委員長 理事会を通じて協議をいたします。

西村(智)委員 今の話は、本当に、総理にもう一度、やはりちゃんと時間をかけてお話をお伺いしたいところでございます。

 次に、選択的夫婦別氏制度について質問をいたします。

 私は、一日も早く選択的夫婦別氏制度を導入すべきであるという立場でございます。その上で、昨年十一月の十日、予算委員会で、自民党と日本維新の会の政策合意書にあります旧姓使用の法制化について、これは単記を考えているのか、それとも併記を考えているのかというふうに総理の見解をお尋ねしたんですけれども、そのときは全く答えていただけませんでした。

 その後、二月の十八日に、総理が、旧姓を公的証明書に単独で記載する、旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を平口大臣と黄川田大臣に指示をされたということで、ああ、単記の方にかじを切られたんだなというふうに思いました。

 それで、今日はそれを基に質問をしようというふうに考えておりましたら、昨日の予算委員会の総理の答弁を伺って、また、私、ひっくり返っちゃったんです。そこで総理は、パスポートと免許証とマイナンバーカード、これらに併記、戸籍氏と、通称と言ったらいいのか、旧氏ですね、これを、併記を求める検討が当然必要になるというふうに答弁をされたんです。

 パスポートと免許証とマイナンバーカードというのは、これは、実は、個人の身分を表す上で一番大事な三つだと思うんですけれども、そこに併記を検討するということを昨日おっしゃったということは、総理指示にあった旧姓単記の基盤整備の検討という指示は、これは撤回されたということなんでしょうか。

高市内閣総理大臣 私が内閣発足時に黄川田大臣と平口法務大臣に対して指示をしたのは、旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進めるようにということでございました。

西村(智)委員 旧姓の単記も可能とする基盤整備の検討ということは、これは、じゃ、元々旧姓の単記もあり得たし、それから併記も元々含めていた、こういう理解なんでしょうか。

 平口大臣と黄川田大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、この指示を、では、お二人はどういうふうに受け止めてこれまで検討しているのか、それぞれ両大臣に伺いたいと思います。

平口国務大臣 今般の総理指示において、内閣府特命担当大臣を始め関係大臣と協力して、旧氏の使用の拡大、周知を一層推し進めるとともに、単記を可能とする基盤整備の検討を進めるという御指示をいただいたわけでございます。

 御指摘の基盤整備の検討とは、法制度を含めた制度面やシステム面の検討などを含むものと考えておりまして、単記も可能とするかどうかということについては今後の検討課題というふうに考えております。

黄川田国務大臣 今、平口法務大臣がおっしゃったとおりなんですが、この御指示、旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進めるに当たりまして、やはり、厳格な本人確認に用いられる書類については戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討は当然必要になってくるというふうに考えております。

西村(智)委員 何か、指示と答弁とこれまでの経過を考えると、非常に混乱している状況だというふうに思います。

 私は、先ほど申し上げたように、選択的夫婦別氏制度を一日も早く導入すべきだという立場ではあるんですけれども、旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討ということを総理の指示として出されたときに、ああ、やはり単記の方にかじを切られたんだなというふうに思ったんですよ。

 ところが、その後、やはり戸籍制度の形骸化につながるんじゃないかという批判が保守派の方から出てきた。これを総理の方でどういうふうにお考えになったかは分からないけれども、それに対する対応として、今回、その重要な三つについて併記を検討するというふうにおっしゃったんじゃないかというふうに私の目には映るんですけれども、総理、いかがですか。

高市内閣総理大臣 最初に両大臣に出した指示書、単記もと書いてございます。

 そもそも、戸籍というのは、日本国民の親族的身分関係を登録、公証する唯一の公簿です。真正な身分変動の登録、公証を行うという重要な機能を有していると認識しています。

 旧氏使用の法制化については、一組の夫婦及びこれと氏を同じくする子を編製単位とする現行の戸籍制度を維持しつつ、住民基本台帳の旧氏を活用していくということを考えています。だから、戸籍制度の形骸化とか、そういうことではなくて、住民基本台帳、この旧氏を活用するということです。

 マイナンバーカードですとか運転免許証とかいった厳格な本人確認に用いられる書類については戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討、これは当然必要になると思います。今でも多くの方が旧氏を通称として使っておられます。私も使ってきました。例えば、併記の身分証を持っておりましたよ。

 だけれども、それを更に便利にしていこうということで、今回、役所によって対応が違うとか、そういうことじゃなくて、全部の省庁、都道府県など地方自治体、それから公私の団体、民間事業者に至るまで、本人が希望して、通称として旧氏を使いたいという場合にはそれを幅広く認めていこう、それが利便性につながっていくということで、既に旧氏を通称として使用されている方の利便性をより高めることを考えています。

 現在においても、旧氏の通称使用にあって、単記で届出ができるものもあれば、併記でなければいけないものもございます。各役所などへの届出などのもので、そういったものが混在しているということです。でも、やはり本人の身分、厳格な本人確認に用いられるものについては、併記ということも検討するべきだと私は考えております。

西村(智)委員 今総理が、これまでの取組をやってこられたことについては、私、前回も質問しておりますし、よく承知をしております。

 ただ、今言った三つ、パスポートと免許証とマイナンバーカード、これは、一番、選択的夫婦別氏制度を望んでいる人たちにとっても非常に重要な、何というか、柱になる部分なんですよね。これを併記というふうに言われたら、いや、一体何なんですかと。これまでいろいろな指示が出てきたけれども、一体何を政府として目指そうとしているのかというのは分からないというふうに私は申し上げざるを得ません。

 ここも集中審議が必要なところだと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いしたいと思います。

坂本委員長 理事会で後ほど協議いたします。

西村(智)委員 総理の指示でございますので、私はこの場でお伺いをいたしております。今、答弁席の方からやじがあったようなんですけれども、本当にいかがなものかと思います。

 次に、行政の隙間問題について伺いたいと思います。

 これは非常に命に関わる大事な問題で、昨年の年末に、赤坂のサウナで命を落とすというような御夫婦の死亡事件がありました。また、こちらも年末に、北海道小樽市のスキー場のエスカレーターで五歳の男の子が亡くなったという事件がありました。

 ちょっと時間が限られてきますので、はしょります。

 実は、サウナの規制については、消防庁の方で、火を使いますところがありますので、防火という観点での規制があるところはあるし、また、衛生という観点での規制はあるようなんですけれども、例えば、今回、赤坂のサウナでは、サウナの扉の構造とか非常ベル、そういったことについては、国は全く関与していないというふうに見受けるんです。

 こういったことが、本当に、また同じようなことが起きないかどうかというのを、防ぐことができるのか。私は、厚労省の中でもいろいろ法律がある、消防庁の方でも防火という点での所管はしている、だけれども、そういった構造的なものについての規制というのが役所の隙間に落ちていってしまっているというふうに思うんです。

 これは総理にお伺いするんですけれども、サウナの安全規制について、どこでもいいです、どこの役所でもいいんですけれども、規制をすべきだということを指示していただけないでしょうか。

高市内閣総理大臣 サウナ施設の安全確保については、これまでも、厚生労働省では旅館業法、公衆浴場法に基づいて、営業者に関して、衛生上必要な事項に加えて、利用者の安全の確保に関する留意事項、これをお示ししている。消防庁では消防法に基づいて、火災予防等の観点から安全対策を講じることを求めるといった対応をしております。

 今回の事案を受けて、今年一月には、自治体に対して、保健衛生部局と消防の連携によるサウナ施設の避難経路の安全確認の実施などの要請を行い、また、自治体において、緊急時の従業員との連絡体制などの状況確認の調査を行っています。今後ですけれども、この調査結果を踏まえまして、関係省庁に必要な検討を行わせます。

西村(智)委員 これまでは、先ほど総理から答弁がありましたとおり、自治体にお任せしていたんですよ、消防点検とか保健所の点検。どのくらいの定期検査をやっているのかということも把握していない、全国にサウナが何か所あるのか、これすらも分かっていないという状況なんですよ。こういう状況ですので、是非、先ほどの総理の答弁どおりにお願いしたい、急いでお願いをしたいというふうに思います。

 次に、スキー場のエスカレーターの事故。

 建物の外にあるスキー場のエスカレーターというのは、国土交通省の射程外だというふうに聞きました。これも、私はやはり安全規制の対象にすべきだというふうに思います。これも担当の役所を決めて検討するように、どこの大臣でも構いません、総理、御指示いただけませんでしょうか。

坂本委員長 国土交通大臣金子恭之さん。(西村(智)委員「いや、本当にあと三分なので」と呼ぶ)いやいや、時間配分は自分の責任でやってください。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 今委員から御説明いただきましたが、今回のエスカレーター事故は国土交通省の所管ではございません。しかしながら、現行法令では規制の対象となっておりませんが、今回の悲惨な事故を踏まえ、全国の索道事業者を通じて速やかにスキー場における移動設備の実態調査を行うとともに、その調査結果を踏まえ、関係省庁と連携して再発防止策の検討を行ってまいります。

西村(智)委員 再発防止策というのは、どのようなレベルでしょうか。

 私は、二〇二二年に本会議でゴーカートの事故について質問したんですよ。このときも、役所でちゃんと規制を検討すべきだというふうに申し上げたら、業界団体のガイドラインができただけで。まあ、できただけと言ったらちょっと言い過ぎです、を作って、国としての関与はそれを周知するだけということになってしまっているんですよ。

 私は、業界団体が作るガイドライン、それはそれで意味はあると思うけれども、やはり所管官庁がきちんと規制をするということが、業務上過失致死傷に至らないように、イベントの主催者であったり、あるいは事業者であったり、それはやはり気をつけるようになると思うんですよね。

 再発防止策というのはどういうことを考えていられるか、総理に伺いたいと思います。今度は総理にお願いします。

高市内閣総理大臣 前回、西村委員から御指摘いただいたゴーカートの件でございますけれども、これにも共通するんですが、消費者庁が、消費者安全法に基づいて、広く国民の皆様から消費生活相談窓口に寄せられた事故の情報を一元的に集約しています。このいただいた情報を規制所管省庁に共有することで新たな規制の創出につなげておりますので、こうした取組を強化していきたいと思っております。

 未然の事故防止ということで対応していくというのはとても重要なことですので、これは黄川田消費者担当大臣に、消費者安全法の趣旨にのっとって適切に対応させます。

西村(智)委員 私の質問時間ですので、これで終わらせていただきますけれども、やはり今のことについても、本当は消費者担当大臣の答弁を求めたいんです。

 やはり予算委員会での質疑時間は、私は取っていただきたい。まだ質問したいことはいっぱいあります。今日もたくさん省略をしてしまいましたので、是非、委員長には、その観点からお願いをしたいということを申し上げて、質問を終わります。

坂本委員長 これにて西村さんの質疑は終了いたしました。

 次に、落合貴之君。

落合委員 中道改革連合の落合貴之でございます。

 本日は総理入りの予算委員会の質疑ですので、本年度予算につきまして、省庁横断的に重要だということについて質問をさせていただきます。

 まず、今回、イスラエルと米国がイランに対して武力攻撃を行いました。一方で、イランは中東エリアの米軍基地へ攻撃を実行しています。多くの死傷者も出て、事態が非常に緊迫した状況にあります。原油価格等もかなり高騰をしているわけでございます。これは、生活コスト、生産コストを大幅に押し上げるのではないかということ等、広範にわたって経済に影響が出るものと想定されます。

 今回の事態を受けて経済対策を打つ必要があるというふうに思いますが、この点、いかがかという点が一点。それから、加えまして、この経済対策の中身。先般、去年の補正予算で、今年の一月から三月まで電気代、ガス代補助を復活させましたが、それを拡大、延長させるという手もあると思います。それから、影響を受ける中小企業に、こういうときは制度融資等を緊急的に設けますが、そういった処置も考えられると思います。それから、場合によっては、一旦取りやめているガソリン価格の手当て、これも復活させるということもあり得ると思います。

 いろいろ中身もありますが、これらについて、総理、いかがでしょうか。

片山国務大臣 委員おっしゃるとおり、中東情勢の方は非常に急変をしておりますし、原油価格の動向も含め、また、これに伴いまして、国際貿易、物流にもいろいろと影響が出ておりますので、非常にいろいろなことが考えられるのは事実ですが、余りにも状況が流動的でもありまして、現時点で、今確定的なことを申し上げられるような段階ではないと考えております。

 その上で、まずは、物価高対策やエネルギー・資源安全保障の強化を盛り込んだ昨今の経済対策や令和七年度補正予算がまだ全部執行されておりませんので、着実かつ迅速に執行するとともに、今お諮りしている令和八年度予算案及び関連法案の早期成立を図っていくことがまず必要ではないかと考えております。

 具体的にいろいろと御示唆をいただきまして、ガソリンの補助金等もございますが、昨年十二月末に暫定税率を廃止して、現時点では百四十円から百五十円というところで、もちろん急変は予想されますが、その先の、いつ、どのぐらいにということが確定的にならない状況にはありますので、様々な状況を考えながら、もちろん遅過ぎるということがないように、きちっと対応をしてまいりたいと思っております。

高市内閣総理大臣 主に電力供給などについてお答えします。

 ホルムズ海峡が閉鎖された場合の電力供給への影響ということを考えてみますと、石油火力発電所は我が国の電力供給の約七%を占めるにすぎない、一方で、LNG火力は約三割を占めていますので、LNGの調達ですとか価格の動向に、より強い関心を持っております。

 LNGにつきましては、ホルムズ海峡を経由する輸入というのは我が国の輸入量全体の六%程度でございます。加えて、電力、ガス会社は、日本全体の消費量の約三週間分相当の在庫を有しています。ですから、仮にLNGの安定供給に支障が生じる場合には、他の供給国からの供給やスポット市場からの代替調達の増加により対応をしてまいります。

 また、電気・ガス料金ですが、二か月から四か月前の燃料輸入価格を参照して価格が決定されるということが一般的ですから、仮に今般の事案を受けてLNGの輸入価格は上昇したとしても、電気・ガス料金が直ちに上昇することはないと考えております。

 現時点では、原油やLNG価格の動向、それからエネルギー価格の変動が物価に与える影響、他のものも含めてですね、これをよく見ていくということが先決でございますので、今直ちに電気・ガス代の支援延長を判断するという段階にはございません。

 また、石油につきましても、官民合わせて約二百五十日分の石油備蓄を保有しておりますので、IEAとも連携しながら適時適切に対応してまいります。

落合委員 LNGへの言及もありましたが、石油と比べて備蓄もやりづらい、備蓄の期間も短いということで、これには注目をしていかなければならないポイントだと思います。

 予備費も、あることはあります。我々は、急ぐものは、我々が提案している、暫定予算を組むべきじゃないかというところに入れることも選択肢としてあるんじゃないかなというふうに考えています。

 今のところは大丈夫というような御見解ですが、今後、補正予算も検討するのかということ、それから、急ぐものは、我々が提案している暫定予算という方法でそこに入れるということもあり得ると思いますが、そういった予算の組み方については、総理、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 先ほど財務大臣から答弁しましたが、今も令和七年度補正予算を執行中でございます。令和八年度予算にありましても、例えば予備費も積んでおりますし、臨機応変にここは対応してまいります。

 それから、本当にこれが長期化して必要なことが出てきたら、私自身は、必要な予算というのは当初に積むべきという改革に取り組んでまいりますけれども、しかし、緊要性があるような場合、これは補正予算というようなことも、長期化した場合には可能性としてはゼロではないということでございます。

 今直ちに、来年度の予算を御審議いただいているときに、暫定予算ということについて申し上げることはございません。

落合委員 こういった問題は、経済全体にかなりのインパクトを与え得る今回の問題だというふうに思います。

 資料一を御覧いただければと思いますが、今、賃金、特に実質賃金を上げなきゃいけないというところに、ある程度焦点が当てられてきました。

 これは何でそういうことになったかというと、アベノミクスが始まって以来、断続的にちょっとずつちょっとずつ実質賃金が下がってきてしまっている。ここで上げなきゃいけないというときに、ちょうど二〇二二年あたりから、きゅうんと物価が上がってしまっています。これはなぜかというと、ロシアがウクライナに侵攻した時期です。ここから完全に経済政策も厳しいものになってしまっているわけでございます。

 物価に対する対応、これは、急いでやらなければサナエノミクスが成功しないという重要なポイントだと思いますので、是非ここには注視をいただければと思います。

 これは経済に対する影響は大きいですので、委員長、先ほど西村委員からもありました予算委員会の日程の見通し、これに今回はいつもやっている集中審議が入っていないということでございます。こういうときこそ集中審議をやるべきであるというふうに思いますので、是非理事会で協議をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。

坂本委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

落合委員 これはまた改めて取り上げさせていただきます。

 次に、政治改革についてでございます。

 昨日、企業・団体献金を大幅に制限する法律案を国民民主党と中道改革連合で出させていただきました。

 先日、金曜日、中野委員がテレビ入りの予算委員会で総理にも企業・団体献金について質問をされているんですが、私が去年の予算委員会と今回の総理の答弁を比べてみると、言う内容がかなり短くなっていて、しかも、皆様方の議論にお任せをしますというような形になってしまっているんですが、総理のこういった政治資金のルールはしっかり常に強化をしていくべきだという思いは今回の衆議院選挙の前と後で変わっていないという確認をしたいんですが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 解散によって、昨年の臨時国会で提出された議員立法案が一度廃案になっております。

 その上ででございますけれども、昨年中も、もう議員立法が提出をされた、国会での御審議に付されたという段階で、内閣総理大臣としてその細かな内容についてコメントをするのは、これは適切ではないと考えました。今国会でも、恐らく各党からまた議員立法の案が提出されるものだと思っておりますので、そこはしっかりと見守らせていただきたいと思います。

 政治資金については、国民の皆様の信頼を得られるように、不断に努力を続けるということは重要だと考えております。

落合委員 重要だということでございます。

 政治改革の委員会でも、例えば今申し上げた企業・団体献金の議論でも、政治活動にはお金がかかるというようなことで企業・団体献金は必要だという話が様々な自民党の議員の方々からありました。しかし、今回報道されている問題を見てみますと、政治家同士の贈答をやめれば政治資金はかなり減るんじゃないかというふうにも思います。

 総理、御自身の政治団体、政党の支部等の政治資金の使い方として、贈答品をやめていくことが企業・団体献金も減らしていくことにつながると思うんですが、総理、いかがですか。

高市内閣総理大臣 企業・団体献金を減らしていくことになるかどうかということですけれども、これは、企業や団体の皆様の御意思によって、例えば私が支部長を務めております自由民主党奈良県第二選挙区支部に寄附がなされるかどうかということで、その使途によって企業・団体献金が増えるとか減るとかいう話ではないと考えております。あくまでも私は適法に使用をしております。

 贈答ということで、確かに総額は第二選挙区支部にとっては大きなものでございました。会計責任者とも相談をしましたけれども、でかいですという話でございました。先週でしたか、予算委員会でも答弁をいたしました。ちょっと言葉の使い方がどうだったかとは思いますが、やはり私自身、昭和の中小企業のおやじ、社長的なところがあって、やはり自分の会社の社員に何らかのねぎらいの気持ち、これは示したいなと思いました。それにしても人数が多過ぎると考えました。でも、分け隔てなく、これは、この人にはねぎらいをしてこの人にはしないということはいかぬなと思いまして、考えに考えに考えた挙げ句、大体結婚式のお祝儀だったらこれぐらいかなという金額で、私なりのねぎらいの気持ち、今、自民党総裁でもありますので、そういった意味から、かなり例外的なことをいたしました。

 でも、そういったことが批判を受けるのであれば、これは法律には抵触をしないものではございますけれども、慎みたいなと思っております。

落合委員 私は十二年前に初当選をしていますが、五回当選していますが、残念ながら当選祝いを議員からいただいたことがありません。昔は与党も野党も、もしかしたらあったのかもしれませんが、野党側は十年以上は少なくともやっていないわけですので、こういった、政治にお金がかからない文化をつくっていくということは、私は、政治資金のお金を集める上での苦労ですとか、いろいろとそれにばかり力を注いでしまうことを改善していくためには必要であるというふうに思います。見直していくというようなことですので、是非、これは与野党を超えてやるべきだという問題であるということを指摘をさせていただきたいと思います。

 政治改革の分野は、ほかにも野党からいろいろな案が出ております。例えば、自民党が企業・団体献金等の禁止よりは公開だというふうにおっしゃっている中で、もっとデータベースに載せて、ばっと公開させるというようなやり方もあるわけで、その法律案も我々は提出をしておりました。それから、政治資金だけでなく、十八歳から立候補できるようにしよう、政治参加を促していこう、こういった問題も、与野党で何となくの共通の認識ができつつありました。それから、我々からは、無税で政治団体を世襲する、これは問題があるのではないかということで、法案も出させていただいておりました。そして、与野党で別途、協議会を既に開いていて、政治資金を監視する第三者機関や、それからSNSの在り方の検討、こういったものも、具体的に法改正案も作って進んでいます。

 これが、去年の秋までは、かなり速度を速めてどんどん法改正に向けて進んでいたのですが、高市政権が始まってからほかの議題も、こっちの方が重要だというようなことも出てきまして、政治改革が残念ながら停滞をしてしまっています。

 これは、総理にも、与野党での議論の進捗に御理解をいただいて、是非バックアップをいただければと思いますが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 先ほど来、被選挙権年齢の引下げを含めたお話もありましたが、やはり内閣総理大臣としては、選挙制度の在り方については、民主主義の根幹に関わることでありますから、各党各会派で丁寧に御議論いただくべき課題だと思っております。旧立憲民主党や日本維新の会などにおいて、政治資金世襲禁止法案を国会に提出されたことも承知をいたしております。

 また、企業・団体献金ということですが、企業、団体にとって献金というのは自らの政治的意見を表明するための重要な活動であり、憲法と最高裁判例により政治活動の自由の一環として保障されているもの、これは過去に総務大臣として答弁をしてきたことでございます。これも、企業、団体の政治活動の自由に関わるものですので、必要性や相当性について慎重に議論をする必要があると思っております。

 これも、やはり各党各会派で丁寧に議論されるべきものですから、内閣総理大臣の立場から具体的に言及するということは難しいということを御理解いただけたらと思います。

 また、企業・団体献金の透明性の確保についても、これも令和七年の臨時国会、自民党、公明党、国民民主党の実務者が昨年の三月に合意した内容を盛り込んで、政党が寄附を受け取ることができる政党支部を指定した上で、寄附を受け取る政党支部にオンラインでの収支報告書提出を義務づけるといった内容を含む政治資金規正法の改正案を提出したということも承知をいたしております。

 いずれにしましても、国会で十分な御議論をされることを期待いたしております。

落合委員 細かいことは委員会でやっていきますが、そのオンライン化も、結構、私から見てもかなり穴がある。しかし、それを取りあえずは通さざるを得なかった状況ですので、是非御理解をいただければと思います。

 どんな政策を通していくにも、やはりその土台となる清廉、清潔な政治を実現すること、そしてそれによって国民との信頼関係をつくっていくことというのは、政治の世界にとっては重要なことだと思いますので、是非その進捗に御理解をいただければというふうに思います。

 それでは、経済の問題に入らせていただきます。

 デジタル赤字の拡大についてなんですが、総理もおっしゃっています、経済安全保障の観点からも、国民生活に必要不可欠な分野はしっかり国内で自給できるようにするんだと。今まで指摘がされてきたのが、食料であり、エネルギーでした。

 今指摘がされ始めているのはデジタル分野で、なかなか日本の企業がデジタルサービスを提供できないので外国の企業に頼む、そうなると、経済でいうと輸入していることと同じになるので、どんどん海外への赤字が膨らんでいってしまう、それが将来的に円が安くなってしまう要因にもなるんじゃないか、プラス、産業競争力の強化にもつながらないんじゃないかという指摘がされています。

 このデジタル赤字について、問題意識をお持ちでしょうか。

高市内閣総理大臣 非常に強い問題意識を持っております。

 クラウドなどのデジタルサービスが社会活動の基盤として役割を増している中で、デジタル関連収支の赤字、いわゆるデジタル赤字が拡大し続けるということは、我が国の経済成長や、それから先ほどおっしゃっていただいた経済安全保障の観点から望ましくないと考えております。

 日本成長戦略におけるAI・半導体、デジタル・サイバーセキュリティーなどの戦略分野において、フィジカルAIなど新たなデジタル技術の研究開発、あと、企業など事業者の現場データのAI化、データセンターの国内投資、こういったことを促進することで、いわゆるデジタル赤字の解消につなげていきたいと思っております。

 クラウドについても、デジタル・サイバーセキュリティーにおいて対象とすることにしております。

落合委員 前の内閣からも、AIですとかあとDXについてかなり進めていくという話がありました。しかし、これは全て、ほとんどクラウドを使うわけで、クラウドの国産化なしにそれを進めてもどんどんデジタル赤字が膨らんでいく、AIを使えば使うほどデジタル赤字が膨らんでいくということになってしまいます。

 今、食料に関しては対外的な赤字が十兆円近く、エネルギーは二十兆円以上ですけれども、クラウドだけでも七兆ぐらい赤字なんです、今の時点でもですね。今の時点でもこれなんですから、政府が進めているDX化やAIを進めていくと、もっともっと赤字が膨らんでいくことが予想されていきますので、クラウドも入っていますということですが、クラウドこそまずは一番最初に投資をして国産化をするべきものであるということは強調させていただければと思います。

 それで、こういった産業育成の観点からも、高市政権では政府調達の在り方を見直していきますということを打ち出しています。私も、これは重要だと思います。

 私は何年か前にも取り上げているんですが、このクラウド、政府のデジタル化を進める上でのクラウドを採用しましたけれども、残念ながら、日本の企業ではなく海外の企業に委託をするということになりました。そのときは高市大臣だったというふうに思います。私は、これはクラウド産業の成長にはかなりマイナスであるということを指摘をさせていただきました。大臣の当時の記者会見を見ても、かなり悩んでいるなという感じがします。

 今、総理大臣になりました。これから、クラウドの政府調達も国産に切り替えていくということも重要ではないか。総理になったんですから、決断できる立場にあります。これは重要な問題ですが、やるべきじゃないでしょうか。

高市内閣総理大臣 当時、総務大臣でした。

 要は、ガバメントクラウドというのは、政府情報を取り扱いますから最新かつ最高レベルのセキュリティーが必要で、その確保のための技術要件というのを定めています。ガバメントクラウドとして選定するためには、この技術要件を満たす事業者のクラウドサービスであることが必要です。

 私の前任大臣が既に海外企業のクラウドの採用を決めておられました。私が就任しまして、いやあ、これはやはり国産でやりたいなというので一度止めて、そこからちょっと数か月、セキュリティーも含めて、それから、何か攻撃を受けた場合、トラブルがあった場合のメンテナンスとかそういった体制も含めて、総合的に比較をしてもらいました。国内のものと海外の事業者のものを比較してもらいましたら、残念ながらそのときは雲泥の差で、海外のものの方がセキュリティー的には優れているということでございました。

 令和五年度からは、公募時点で全ての技術要件を満たしていなくても、二〇二五年度末までに全要件を満たす計画を提出すればガバメントクラウドに参加することを認める条件付選定が導入されています。ですから、国内事業者の育成を目指した取組をもう既に進めているということです。

 この要件の下で、さくらインターネット株式会社のさくらのクラウドを国内事業者として初めて採用したところです。まずは、このさくらのクラウドが本年度末までに条件を満たして、国内事業者によるガバメントクラウドの提供が可能になることを期待しています。

落合委員 残念ながらクラウドの技術が弱いので国内の事業者を選定できなかったということですので、ここはかなり力を入れていかなきゃいけない分野だと思います。是非御注力をいただければというふうに思います。

 最後に、岡本政調会長も取り上げていましたコーポレートガバナンス改革についてです。

 資料二を御覧いただければと思いますが、売上げが四半世紀ほぼ横ばいなのに、利益が五倍になりました。これは、やはり従業員の給与とそれから将来への投資を抑えてきた、だから経常利益が何倍にもなりましたということです。

 利益を出すことは悪いことではないんですが、人を育てないで、しかも将来に投資をしない、これでは日本経済が永続的に発展をしないわけです。コーポレートガバナンス改革は絶対にやらなければならない、この四半世紀の方向性は修正しなきゃいけないというふうに思います。

 この四半世紀の改革、特に小泉改革あたりの要点は、四半期決算の導入などで、とにかく短期で利益を出せるようにするんだというようなことに力が注がれておりました。だからこそ、中長期的な投資も人材育成も遅れてしまっているというところがあります。

 高市政権ではこれを反転させるということでよろしいですね。

坂本委員長 申合せの時間が過ぎております。簡潔に、財務大臣片山さつきさん、お願いします。

片山国務大臣 コーポレートガバナンス・コードの見直しをやっておりまして、その方針がまさに、反転させる、しっかりと経営資源の配分を適切にして、成長投資や人材に向かっていくようにする、こういう方向でございます。

落合委員 これで終わります。

 是非実効ある策をお願いしたいと思います。また取り上げます。

 ありがとうございました。

坂本委員長 これにて落合君の質疑は終了いたしました。

 次に、浜地雅一君。

浜地委員 浜地雅一でございます。

 私からは、高市総理、第二次高市政権の発足、まずお喜びを申し上げたいと思います。そして、全閣僚の皆様方も、再任をされましたので、私からもお喜びを申し上げたい、そのように思っています。

 今日はやはり、イランに対する攻撃がありましたので、一問質問を追加いたしました。

 予算委員会の質疑を見ておりますと、総理は、アメリカ、イスラエルのイランに対する攻撃については法的評価は述べられませんので、私はその法的評価を聞こうと思いましたが、なぜ法的評価を行わなければならないのかという観点から少し質問をさせていただきたいと思います。

 まずは、そうはいいましても、現在は情報収集が大事、特に邦人保護が大事でございますので、今すぐこの法的評価を求めるというのは早急だろうと思っています。しかし、ある程度事態が落ち着きましたら法的評価は行うべきだと思っています。その理由が二つございます。

 まずは、総理は、国家安全保障戦略を始めとする三文書の改定を指示をされております。そこにおいて、やはり今回のイラン攻撃は法的評価は避けられないだろうと思っています。

 なぜかといいますと、我が国の防衛戦略は一貫して抑止論で説明をしてまいりました。我が国の周辺では、法の支配という我が国が最も大事にしている普遍的な価値、また、我が国が否定する力による一方的な現状変更の試みを行う動きがある、しかし、それをさせない、思いとどまらせる、抑止を働かせるということであります。防衛力の整備はそのためにも必要である、そして、スタンドオフを用いた反撃能力もあくまでこれは抑止のためということで、国民の多くの皆様方に説明をされてきたわけでございます。

 加えて、日米同盟が基軸である、法の支配という普遍的価値を共有する同志国であるアメリカ、そしてその有志国との連携をもって日本の防衛をしっかりと強固にしていくというのが、我が国の一貫した姿であります。したがいまして、防衛装備品の移転もその連携の強化のために行っていくというのがこれまでの政府の姿勢だったわけでございます。

 そうであるならば、この基軸となる、一番最も日本が大事とする日米同盟のその相手でありますアメリカが武力行使に対してどういうスタンスを持っているのか、そのパートナーである我が国はアメリカの武力行使に対してどういう評価をしているのかということは、今後、我が国の安全保障戦略を国民に理解してもらうための私は前提条件になるんだ、そのように思っております。

 二〇二二年のロシアのウクライナ侵略は、まさに侵略ということで法的評価を行ったわけでございます。今回の米国の武力行使は評価しないということは、やはりダブルスタンダードになるんだろうと私は思います。

 アメリカは、今回のイラン攻撃は、国連憲章五十一条の自衛権、これを根拠にどうも安保理で発言をしているようでございますが、ただ、この五十一条の武力行使は、武力行使の発生、相手方のですね、これを要件としておりますので、アメリカが言うイランによる差し迫った危険、これを法的に評価をすると、恐らくこれは、予防的な自衛権若しくは先制的な自衛権としてアメリカは評価しているかもしれないということであります。

 当然、我が国は予防的な自衛権の発動は行えないわけでございますけれども、米国が自衛権を根拠にしている以上は、これは果たして国際法上許容されるのか、これは必ず我が国の安全保障政策の態度として問われていく問題になるんだろう、そのように、まず一点目、思っております。

 そして、もう一つの理由でございますけれども、中東に対して武力介入をした場合は往々にして戦闘は長引くというのがこれまでの我々の経験でございます。

 二〇〇三年のジョージ・ブッシュ大統領が、当時、イラクを空爆をいたしました。あのとき我が国はイラク特措法という時限立法で対応したわけでございますが、私は、戦闘が長引くと、これはない方がいいんですけれども、後方支援ということも視野に入れていかなければならないと思っています。当然もう総理御案内のとおり、時限立法は恒久化をされまして、国際平和支援法という形に変わっております。

 あのときどういう議論をしたかというと、私も一年生議員でありましたけれども、国際平和支援法を行うためには、その根拠となる前提の他国軍隊の行動が国連決議にしっかりのっとっていること、国際法を遵守していること、これがやはり前提だということでありました。

 イラク特措法のときは、なかなかその根拠が見つからず、結果、日本は、イラク特措法は人道支援、復興支援というたてつけで何とか後方支援をしてきたわけでございますが、今回は、この国際平和支援法は、正面から、国際平和共同対処事態というものについては、しっかりと国連決議がある、若しくは正当性があるということを突き詰めて、あのとき自公政権で議論をしたわけでございます。

 したがいまして、国際平和支援法を仮に現実化して発動する場面が来るとなると、やはり、今回のスタートとなる米国又はイスラエルの武力行使が本当に国際社会上正当性を持つものかどうか、これは必ず議論になっていくんだろうと私は思っております。しかも、国際平和支援法は、国会の事前承認が義務づけられておりますね。ですので、そのときになって慌てて法的評価をしても、私は、国会での議論又は国民の理解は得られないと。

 その二点から、私は、総理は事態が落ち着いた段階では今回の米軍の行動については法的評価を行うべきであろう、そのように思っておりますが、総理の御見解を頂戴いたします。

高市内閣総理大臣 現在の段階では、G7も含め、また国連も含め、明確な法的評価をしている段階ではございません。我が国においてもまさにそうでございます。

 どの段階でということでございますけれども、例えば、お許しが出ればですけれども、今月訪米ができましたら、トランプ大統領ともお会いいたします。その他の外交案件も、ちょっと、外交案件については事前に言ってはいけないらしいので申し上げられませんが、三月かなり入ってきていますので、トランプ大統領に対しても今回のイランの問題についても率直に話をしてきます。いましばらくこれは時間をいただかないと、現段階で法的な評価ができるというものではないと考えております。

浜地委員 総理、ありがとうございます。

 今、総理が御答弁で、トランプ大統領ともお会いしたときに、今は法的評価はできないけれども、世界の情勢を見ながら、やはりいずれは法的評価を行われるんだろうというような御答弁に私は感じました。

 委員長、今回のイラン攻撃は我が国の安全保障戦略に深く関わる問題であります。是非、集中審議していただくよう、委員長には御要請をさせていただきたいと思います。

坂本委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

浜地委員 それでは、今日、本来私が質問しようと思っていました厚生労働の分野に質問を移したいと思っています。今回、私は中道改革連合の厚労部会長になりました。少し総理に質問したいと思っています。

 まず、社会保障といわゆる財政フレームの中の目安対応について議論をさせていただきたいと思います。

 目安対応とは、言うまでもなく、毎年の社会保障費を自然増から高齢化の伸びの範囲に抑えて予算組みをして、社会保障費の適正化を図ろうという制度でございます。しかし、総理は、施政方針演説の中で、長年続いてきた過度な緊縮志向を断ち切るんだ、今年の骨太の方針で政府の予算を根本から改める、そのように言われました。それを聞いたときに、私は、この文脈の中に、社会保障の目安対応についてどうされるんだろうな、そのように疑問が生じたわけでございます。

 御案内のとおり、昨今の物価、資材高、又は賃上げの流れを受けて、一昨年、昨年の骨太の方針は、目安対応について変化が生じてきているわけでございます。その資料が資料一と二でございますけれども、特に資料一の赤線の最後のところ、「具体的には、高齢化による増加分に相当する伸びに」、ここが目安対応のところを目指していますが、「こうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する。」ということであります。

 やはり、社会保障の適正化のために目安対応を行って、しかし、現実の物価高や賃上げに対応するために加算をするというのは、一見いいように見えるんですが、この文章を読むと、そうはいっても、社会保障の伸びを自然増から高齢化の伸びに抑える数値をまず見て、その上で物価、賃金対応について加算をするということでありますので、一度、目安対応を行う段階が私はあるんだと思っています。その上で物価、賃金に対応をしているんだろうと思っています。

 実際に、これまでの目安対応でどういうところで歳出削減努力が行われたかといいますと、資料三にございますけれども、令和七年が初めて骨太の方針で目安対応を変化をさせました。したがいまして、最終的には一千百億円の歳出削減努力をいたしました。ただ、その中の主なものとして、毎年の薬価改定ということで六百億出ております。

 目安対応が若干変化をする前の、その前の数字を見てみますと、例えば令和四年、これは、二千二百億円、目安対応を行ったわけでございますが、二千二百億のうちの一千六百億円がこれも薬価改定。令和五年におきましては、一千五百億円のうちの七百億円を薬価改定ということで、ほかの制度を加えて目安対応をしているわけでございます。

 総理も、目安対応はやはりしっかり守らなきゃいけないということで、昨年の診療報酬改定又はその前の補正予算、大変努力をされたんだろうと思います。これは恐らく、目安対応はデフレ下での社会保障を削減するスキームでありまして、急にコロナ後にインフレになりましたので、これまでのツケがたまって、総理はやはり苦労されたんだろうと思っています。

 しっかり病院、施設や介護の従事者を守るための大きな予算をつけていただきました。これも令和八年の予算案にも引き続き継続をされておりますので、そこは大変評価をしたいと思いますが、やはりこの目安というものが今キャップになっているんだろう、そのように思っています。

 今、薬価の話をしましたけれども、総理は、戦略十七分野の一つに、創薬又は先進医療、バイオが含まれております。様々これまでのそういった施策はされていますが、やはりどうしても薬価改定に安易に目安対応の財源を求めているところに私は創薬等の成長の少しキャップがかかっているんだろう、そのように思います。

 今年の骨太の方針で、総理はこの目安対応を継続されるのか。文書によると、来年度まで行うという三年間のキャップがついておりますが、そこは思い切って目安対応を改定されるのか、継続されるのか、総理の見解をお聞きしたいと思います。

高市内閣総理大臣 なかなか難しい御質問ではありますが。

 いわゆる目安対応というのは、従来、社会保障関係費について、毎年度の予算編成においてその実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びに収めるということとされてきました。しかしながら、先ほど御紹介いただいた骨太方針二〇二五においては、高齢化による増加分に相当する伸びに経済、物価動向を踏まえた対応に相当する増加分を加算するということになりました。

 さらに、先ほど御紹介いただきましたが、総理就任後、令和七年度の補正予算で、とにかく、これほど多くの病院が赤字で、そしてまた介護施設の倒産が過去最高、この状況に何とか歯止めをかけようということで大型の措置をしました。

 令和八年度予算案、まさに今御審議いただいていますが、医療制度改革などにより保険料負担の抑制に取り組みつつ、医療、介護等報酬改定における賃上げ、物価対応など、的確な対応を図り、その分を加算したものです。

 この結果、診療報酬改定率もプラス三・〇九%、本体改定率が三十年ぶりに三%を超える水準の予算です。それから、介護報酬改定も、本来令和九年度の定例改定ですが、令和八年度介護報酬改定を行って、改定率はプラス二・〇三です。

 ですから、あくまでも国民の皆様に安心していただける社会保障制度の構築に向けて議論を進める、これが私の方針です。

浜地委員 ありがとうございます。

 私は、今、質問の趣旨をお聞きになって分かるとおり、目安対応というのはそろそろ考える時期じゃないかという趣旨で質問しましたが、ただ、私も、野方図に社会保障費を伸ばしてはならないと。当然、制度改革は必要でございます。

 特に、子供、子育て資金の約一兆円、歳出削減をしていかなきゃなりませんので、歳出削減の努力は怠ってはいけない。そして、今、各党、全党共通でやっているのが、社会保障を削減することによって国民の皆様方の社会保険料を下げるという議論もしなければなりません。ですので、私は、やはり社会保障費の適正化、そして社会保険料の低減ということについてはしっかりと主張してまいりたいと思っています。

 そこで、現在、本予算の中で政府が考えているのが、社会保障の適正化として高額療養費の見直し、昨年は凍結をいたしました。今回は、当然、長期療養者の皆様方や低所得者の皆様方に配慮した措置を取られているというふうに聞いていますが、ちょっと我が党の中でこれについて賛否はまだこれからなんですね、しっかり議論をしていきたいと思いますが。

 じゃ、果たしてこの高額療養費の見直しで、負担増だけじゃなくて、全体の国民の社会保険料はおおむね大体どれぐらい下がるのか、そういう議論をしていかないと、実は国民の皆様方の議論はできないと思っています。私がちまたで聞くと、高額療養費、それ以上の金額は全部国費で持っているというふうに誤解をされている方もいらっしゃいます。健保組合あたりは、全て保険者の負担になって社会保険料に跳ね返っているんだと。

 それともう一つ、社会保険料の見直しとして、OTC類似薬の自己負担額の見直しも検討されております。そして加えて、令和七年の補正予算で行いました、コストがかかる病院の病床を削減し、社会保険料を下げていくという施策が具体的な現在の社会保険料低減のための施策なんだろうと思っております。

 そこで、今申し上げました高額療養費の見直し、OTC類似薬の自己負担の見直し、そして令和七年補正予算事業で行っています病床削減の各施策によって、各それぞれこの施策でどの程度社会保険料は低減をされるのか、上野厚労大臣にお聞きをしたいと思います。

上野国務大臣 お答えをいたします。

 まず、医療保険制度の具体的な見直しの内容に関します基本的な考え方でありますが、まず、必要な受診は確保した上で、日常的な医療に関わる比較的少額な薬剤に関しましては一定の御負担をいただく。また、長期に治療が必要となった場合のセーフティーネット機能は強化をしていきますが、その上で、全世代型社会保障という観点から、負担能力に応じた御負担をいただく。そうした考え方に立って改革を進めているところであります。

 今御指摘のありましたOTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し、また高額療養費制度の見直しによる最終的な保険料、通年ベースになりますが、この影響額につきましては、加入している保険者によって異なりますけれども、機械的に算出をいたしますと、平均で加入者一人当たり、一年当たり約二千二百円の減少を見込んでおります。また、健保組合に加入をされている被保険者一人当たりの数字については、一年当たりで約四千五百円の保険料減少を見込んでおるところであります。

 また、御質問にありました病床の減少につきましては、これから補正予算の施行をさせていただく予定でございますので、現在のところ、確たることは申し上げられませんし、また、それを取りやめることによって、代替する在宅であったり外来の医療費分が増加をいたしますので、そうしたものを踏まえて精査をする必要がありますので、現在のところ、それでの効果ということは数字をお答えすることはできないわけでありますが、いずれにいたしましても、そうした各般の施策を通じて、保険料負担の軽減に我々としてもしっかり取り組んでいきたいと考えています。

浜地委員 ありがとうございます。

 ある程度具体的な数字が出ましたが、総理、やはり社会保障改革は、今、本当にポイントになっているのは、国民の皆様方の社会保険料がどの程度下がるかということであります。今の御答弁ですと、高額療養費とかOTC類似薬をやると大体二千二百円という具体的な数字が出てきました。しかし、病床削減、これは一兆円削減できるとも言われておりますので、ここの削減効果は非常に大きいんだろう、そのように思っております。

 ですので、やはりこういったものの理解を深めるためには、具体的に国民の皆様方にどの程度、この社会保険料の低減が裨益をするのか、これをやはり議論をしないと、これは今年の予算にものっておりますし、今年の関連法案にものっております。私は、これについてもう少し総理と深く議論をさせていただきたいと思います。それがやはり、最後は、社会保険料の低減又は社会保障費の適正化に向けての国民の理解が広がることになるんだろうと思っております。是非総理、この予算委員会でも、更に集中審議で、これは委員長に聞くことでございますが、是非議論をしたいと思います。

 総理には、やはりそういった社会保険料の低減効果、これを具体的に国民に示す姿勢がおありになるのかどうか、そこについて御答弁をいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 まず、持続可能な社会保障制度をつくる、これは大事なことです。それから、特に若い方々も含めた社会保険料の低減を図っていく、これは手取りを増やすことにもなります。大事なことです。その上で、本当に長期療養だったり、難病だったり、おつらい思いをされている方々、低所得の方に配慮をするということも大事です。

 委員が御指摘いただいて、さっき厚労大臣がお答えしたとおり、どの程度の保険料の低減、削減効果があるのか、これを分かりやすく国民の皆様にお示しして御理解をいただくということ、いずれも大事だと思っています。

浜地委員 総理は、国民の皆様方に具体的に分かりやすくとおっしゃいましたので、これはやはりこの予算委員会で、私はその具体的な数字というものを議論したいと思います、これは予算案に係りますから。当然、国費も入っている問題でございますので。

 ですので、委員長、この社会保障費の、保険料の低減について具体的な審議をするために、社会保障関係の集中審議を私は提案をしたい、そのように思います。

坂本委員長 後刻、理事会で協議いたします。

浜地委員 それでは、またテーマを、今度は創薬に戻したいと思います。

 総理は、戦略十七分野で創薬をうたわれております。私も旧政党時代は、創薬力強化PTというものをつくりまして、本当に、視察を重ねて、政府にも二回提言をさせていただいたところでございます。

 ただ、その中においては、やはり特許期間中の薬価を維持してほしいとか様々な意見がありましたが、今ここに来て、少し国際的に問題になっている点がございます。

 それは、もう総理御案内と思いますけれども、アメリカの最恵国価格制度、MFNといいますけれども、どういうことかというと、アメリカで販売している薬のうちで、G7等世界各国で売っている金額と比べてアメリカは高い価格で薬を販売をしている、ならば、G7及びそのプラスの国の中で一番安い薬価の価格で日本で販売をしてほしいという要望をトランプ大統領は書簡で送っております。実際に、主要国の十七の製薬メーカーに対してそういった書簡を送ったということは総理も御存じだろうと思っています。

 何が問題かというと、日本は皆保険でありますので、確かに、ほかのアメリカやヨーロッパよりもアクセスがしやすいですから、ある程度薬価が安いということは理解もできます。しかし、一つの新薬を取って、よく言われていることは、日本の新薬の価格はアメリカの三分の一から四分の一だと言われます。EUと比べても、日本の新薬の価格はEUで売っている価格の大体四割から五割安いというのが問題点なんですね。ですから、MFNをまともに適用されてしまうと、トランプ大統領は、日本で売っている薬価が一番安いんだから、ほかの欧米各国に対してもその金額でアメリカで売れと言う可能性があるわけです。

 その後どういうことが起きるかというと、じゃ、日本で新薬を上市、要は承認をして売るのをやめようという、そうなるとドラッグロスにつながります。そして、これから投資をしようとしている内資、外資とも、もう日本での創薬開発をやめた方がいいんじゃないかと、投資を。なぜかというと、日本で開発して安い薬価がつきますと、結局世界の標準になってしまう。だったら日本を避けようという動きがある可能性があるわけであります。

 そして、もう一つ、イギリスは今回ディールをしました。イギリスは、そういった形で、アメリカからの要望に応じる形で、アメリカ国内でのイギリス企業の薬の設備投資を増やしますと。かつ、イギリスの国内で売っている薬価の金額も引き上げますということで、どうもトランプ大統領はこれをディールに使っているんだろうというふうに思います。

 恐らく、今度訪米されたときにはこういうことも話題になる可能性もございますけれども、ここは、所管大臣でございます上野厚労大臣に、その対応、日本はどういう形で今対応しているのか、御答弁を頂戴したいと思います。

上野国務大臣 いわゆるMFN価格に引き下げることをトランプ政権としては求められているわけでありまして、現在、十六社と薬価の引下げについて合意したというふうに承知をしております。

 また、委員から御紹介もありました英国との関係でありますが、英国が医薬品への政府支出を二五%増やす代わりに米国は英国の医薬品を分野別関税措置の対象外とする、そうした内容の合意が発表された、その旨も承知をしているところであります。

 日本につきましては、米国政府との間で、昨年の七月に、医薬品関税に関し、仮に将来、米側により分野別関税が課される場合も他国に劣後する形では扱わない旨を合意をしているところでありますが、その上で、そうした状況、あるいは、仮定の質問にお答えさせていただくのはなかなか難しいわけでありますけれども、引き続き米側の動向はしっかり注視をしていきたいと思いますし、関係業界の皆さんとも十分に意見交換をして、今後仮にそのような事態が生じた場合には必要な対応が取れるようにしっかり準備をしなければいけないと考えています。

浜地委員 ありがとうございます。

 もう少し時間がありますが、最後の質問にしたいと思っています。総理と、一問、バイオ医薬品についてちょっと議論をしたいと思います。

 先日、うれしいニュースがございました。我が国のシーズでございますiPS細胞を用いた、iPS細胞由来の二つの再生医療製品が条件、期限付承認となったわけでございます。一つは心筋細胞、そしてもう一つはパーキンソン病のドパミン神経細胞に働く薬でございます。本当にこれがすばらしいのは、日本のシーズを使い、日本で研究開発をして、かつ日本で生産をするという、まさに創薬エコシステムの目指す姿の明るい未来がiPS細胞で開くことができました。

 しかし、一方で、バイオ医薬品全体を見ると、これは医療健康安全保障上でも私は懸念がございます。今のバイオ医薬品の新薬も、開発は日本でするんですが、治験の段階又は生産の段階になると今は全部海外で製造をして、輸入になっているということであります。

 それともう一つが、バイオシミラーですね。バイオの後続品、いわゆるジェネリック版のようなものについては、原薬はほとんど日本で手に入りません。中国、インドから今輸入をしております。かつ、製造については、韓国が国策としてこのバイオシミラーのCDMO、受託、開発、製造、販売を一手に引き受けております。

 このままいくと、バイオの新薬は二〇三〇年に特許が切れてきますので、バイオシミラーになってくると全てを輸入に頼ってしまうという私は問題意識があります。

坂本委員長 浜地君、申合せの時間が来ております。簡潔にお願いします。

浜地委員 今年、現在でも赤字が七千億円、バイオ医薬品は出ておりますので、これについて、もう少し投資を増やして、国策として頑張っていただきたいと思いますが、最後に御答弁をいただきたいと思います。

坂本委員長 内閣総理大臣高市早苗さん、簡潔な答弁をお願いいたします。

高市内閣総理大臣 簡潔な答弁、大変ですが。

 海外依存度が高いバイオ医薬品の原薬、この調達を支援するために、国内製造施設の整備、国内製造人材の育成に支援を行います。国内製造拠点の整備、しっかり努めてまいります。

 また、これは、夏の日本成長戦略の策定に向けて、合成生物学・バイオワーキンググループで、創薬・先端医療ワーキンググループで議論を行っておりますので、しっかりとバイオ医薬品産業の育成に向けて必要な支援を講じてまいります。

浜地委員 時間になりました。終わります。済みません、ありがとうございました。

坂本委員長 これにて浜地君の質疑は終了いたしました。

 次に、渡辺創君。

渡辺(創)委員 中道改革連合の渡辺創でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 本題に入る前に、予算委員会の運営や運びに関連して総理の見解を問わざるを得ないと思っております。

 確認するまでもないかと思いますが、今国会が特別会なのは、一月二十三日に召集だった常会を総理が一日で解散されて、総選挙があった結果であるというふうに思っています。特別会でありながら、常会が果たす役割を求められているのでこの予算審議も行われているというふうに私は認識しておりますが、総理の認識は同じでしょうか。お伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 確かに、通常国会冒頭で解散をさせていただきました。それはまさに、今御審議をいただいている来年度予算案、ここに盛り込んだ高市内閣の哲学、そしてまた予算編成の方針、そしてかなり大きな政策変更、これが入っている、この御審議をいただく前に、国民の皆様に新しい方針について信を問いたいということでございました。ですから、それによって非常に国会日程が窮屈になっているということは認めさせていただきます。

 ただ、とにかく、国民の皆様の生活、これを第一にということは、与野党を超えて共通の理解をしていただけると信じておりますし、今、イランへの攻撃もあり、予算の予見可能性というものは一層高めるべき時期でもあります。何とか、早期の成立、これをお願いできたらと思っております。

渡辺(創)委員 ありがとうございました。

 ちょっと重ねて、通告していませんのでお答えになれる常識的範囲で結構ですが、国会法二条では、常会は毎年一月中に召集するのを常例とするというふうに定められています。また、十条では、常会の会期は百五十日とするとされています。この条文の目的はどこにあるというふうに総理は思われますか。

坂本委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

坂本委員長 速記を起こしてください。

 内閣総理大臣高市早苗さん。

高市内閣総理大臣 済みません。国会法の解釈について内閣総理大臣が答弁をするのは困難であることを御理解くださいませ。

渡辺(創)委員 それでは、憲法六十条の第二項は、参議院が予算を三十日以内に議決しない場合に、いわゆる三十日ルールですね、そのことを定めているわけですが、この条項の目的は何だというふうに総理はお考えになりますか。一般論でも結構です。

高市内閣総理大臣 通告がないままでございますけれども、参議院が衆議院を通過した後三十日以内にということ、これは、国民の皆様の生活に大きな影響を与えないために、国がちゃんとその次の年度動いていくようにということなんだろうと思っております。

渡辺(創)委員 国会法のところは立場上御答弁いただけないということでしたが、私は、常識的に考えれば、予算審議は十分な時間が必要なので一月召集が求められていて、予算審議と重要法案の審議が行われる常会は、十分な審議時間が必要だから最低限でも百五十日が必要で、延長も可能。参議院の予算審議にも、三十日とまでは言わなくても、それに準ずる時間を費やしてこそ十分だということを示しているんだというふうに私は理解をしています。

 なぜこれを聞いているのかというと、昨日の夜に、この予算委員会の理事会で、与党の皆さんから、今後集中審議はゼロで、地方公聴会は日曜開催で、十三日には締めくくりの総括質疑で採決も想定され得るというスケジュールが提起をされたわけであります。

 総理は、国会の運営については国会の問題だとおっしゃられるというふうに思いますけれども、総理が提出された予算案の審議をめぐってこの状況になっているので、極めて経験も豊富な総理に、予算委員会の、つまり審議の、国会の在り方として、先ほど総理が冒頭で御答弁されたように、国民生活に影響を及ぼさないように努力をするというのは与野党共に同じだと思いますし、総理がお示しになった意向はよく分かるところでありますが、こういう特別会になっている理由は解散があったからというところでありますので、今の在り方というのが、総理が考えられる中で予算審議の在り方として妥当というか、真っ当な姿だと思われるか、総理の見解をお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 来年度予算案の審議の在り方についても、これはやはり国会の運びですから国会でお決めいただくことだと思っております。私どもは誠実に対応してまいります。

渡辺(創)委員 今総理ありましたように、誠実に対応ということでありますので、自民党総裁の立場でもあります。私は、やはり国民生活に影響をできるだけ最低限にするというのは重要な考え方でありながらも、同時に、やはり国会の予算審議というのは大事なことだというふうに思いますので、ここ以上はありません、止めますが、国民の皆さんがどう御判断されるかという問題だと思いますので、そのことを指摘して、次のテーマに移りたいというふうに思います。

 まずは、予算編成の在り方について議論をしたいというふうに思います。

 総理は施政方針演説で、政府予算の作り方を根本から見直すというふうにされ、補正予算を組むことを前提にした予算編成と決別すると宣言をされました。そこには異存はありません。民間や地方自治体に対して、政府予算の予見可能性をきちんと確立しておくということは真っ当な姿だというふうに思います。

 私たちは、これまでも、拡大する補正予算に対して、緊要性の観点からも疑問を提起し、特に、農業予算については、必要な予算は本予算でと繰り返し主張をしてきました。

 配付資料を御覧いただきたいというふうに思いますが、特に、農業予算は、今年度、令和七年度を見ても、本予算が二兆二千七百六億円に対し、補正予算が九千六百二億円、補正予算が年間予算の三割を占めます。資料で三十年の変化を記していますが、近年はまさに補正予算への依存度を高めてきたということがよく分かります。

 まず、総理にお伺いをしますが、補正予算への依存度が実に高い構造になっている農林水産省の予算も、補正予算前提の編成と決別するということでよろしいでしょうか。もちろん災害対応の部分はあったりしますので、それは例外だというふうに思っておりますので、基本認識をお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 そのとおりでございます。

 選挙期間中にも農林水産関係の予算を私は例に挙げてまいりましたけれども、令和七年度補正予算で約一兆円、令和八年度当初予算で約二・三兆円ということで、合計約三・三兆円を計上させていただいております。

 これはなぜかというと、やはりちょっとここで力を入れないと、供給と需要共に伸ばして我が国の食料安全保障を強化するために必要な予算にならないと考えたからでございます。

 やはり、農林水産関係予算を含めて、民間事業者や地方自治体の取組を後押ししようと思うと、政府の予算の予見可能性を確保するということは重要でございます。ですから、本当に必要な予算を可能な限り当初予算で措置する。

 まさにこれは、令和八年度予算はもう概算要求も終わった後に総理になりましたので、第一歩といったところでございますが、今年の夏の令和九年度予算の概算要求から本格的に取り組んで、約二年がかりの大改革になりますけれども、必ずやり抜いてまいります。

渡辺(創)委員 予算に関連して、今少し話も出ましたが、政府・与党は、令和七年度から十一年度で、農業構造転換集中対策の期間と位置づけて、既存予算とは別枠で、国費ベース一・三兆円を確保するというふうに取り組まれていらっしゃいます。今お話ありましたが、自民党さんの衆議院選挙の政策の中でも、そのことは改めて触れてあるところでございます。

 確認したいと思いますが、予算編成が本予算集中に変わっても、五年間で別枠一・三兆円という政府予算の方針は引き続き変わることはないと理解してよろしいでしょうか。

高市内閣総理大臣 当然、変わることはございません。

渡辺(創)委員 その前提でお伺いしたいと思いますが、令和七年度では別枠措置が幾ら予算化されていて、今回審議対象となっている令和八年度予算では別枠が幾ら措置されているのか、農林水産大臣にお伺いします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 この農業構造転換集中対策につきましては、まず、これまでに、令和六年度補正から合わせまして計約四千百億円を計上しているところであります。

 この中で、ちょっと内訳を申し上げますと、四つの分野があるわけですが、まず農地の大区画化等については、初年度で、これは令和六年補正と令和七年当初で約三百億円、そして二年目の令和七年補正と令和八年当初で約七百億円。そして、共同利用施設の再編、集約、合理化は、初年度で約五百億円、二年目で約一千億円。そして、三つ目のスマート農業技術の開発、普及は、初年度で約三百億、二年目で約一千億。そして、四つ目の輸出産地の育成は、初年度で約百億円、二年目で約二百億円を計上しております。

 今後とも、必要な分野に的確に予算を確保できるよう取り組んでまいります。

渡辺(創)委員 今、数字の話が出てきましたが、私、ちょっと今まで不思議に思っていたんですが、農水省に、今聞いた質問の内容を、現年度で幾ら増えて来年度はどうしようと思っているのかという話を具体的に数字を示して聞いても、今まで一度も回答いただけたことがなかったんですよ。

 一・三兆円、別枠と言ってきているのに、もしかしたら与党には御説明されていたのかもしれないんですが、なぜ野党には聞いても出てこないのかが分からなくて、別枠で一・三兆円と国民に言っているのだから、検証可能な状況にしておかないと、国民の皆さんに、これは本当の数字なのか、まやかしなのか分からないという状況なので、説明責任をきちんと果たしていただく必要があるなということを今まで感じていて、私たちは別に削れと言っているわけじゃなくて、しっかり確保しましょうと言っているわけなので、是非、そこを国民の皆さんにきっちり分かるような取組を続けていただきたいというふうに思います。

 こういう意味で、まさにこの農業の取組も、総理がおっしゃる責任ある積極財政の一環だとも思いますし、経済政策全般としても重要なテーマだと思いますので、是非この予算委員会で集中審議をお願いしたいと思いますので、委員長にお取り計らいをお願いしたいというふうに思います。

坂本委員長 後刻、理事会で協議します。

渡辺(創)委員 次に、米政策、水田政策についてお伺いをしたいと思います。

 米価の高騰が収まりません。資料を御覧いただきたいと思いますが、記載が抜けていますが、これはお米の精米一キロ当たりのスーパーの店頭販売価格をまとめたデータです。ブルーが令和五年から六年にかけて、オレンジが六年から七年にかけて、そしてグレーが七年から八年にかけての推移を表しています。

 令和六年から七年、オレンジのラインで、二千円から一気に四千円程度に上昇したものが、令和七年夏場の緩やかな谷は備蓄米の大量放出の影響ですが、多少の変動はともかくとして、下がり切らずに今に至っているという状況です。

 総理に基本的な認識を、立ち位置をお伺いしたいと思いますが、消費者サイドから見た場合に、今の米価格について国民はどう受け止めているというふうにお感じですか。

高市内閣総理大臣 お米を購入する消費者の立場としての自分と政策の責任者としての自分と、両方の立場から現状の価格に対する評価を申し上げることは難しい、そこは御理解いただきたいと思います。

 その上で、生産者の再生産が可能で、かつ消費者にも御理解いただけるような水準に落ち着いていくということが大事だと思っています。だからこそ、私は、需要を増やして供給力も増やすと申し上げております。

渡辺(創)委員 今のお立場での発言というのはよく分かりますが、やはり少なくとも生活者の皆さんからすれば楽な状況ではないというのはベースにお持ちだというふうに思いますので、その認識に立って続けたいと思いますが、では、次、逆に、生産者の皆さんの状況についての認識をお伺いしたいというふうに思うんです。

 長く、この資料で言うところのブルーのラインのような状況が続いてきました。このような状況が多くの米農家にとって、産業の未来に期待感を持って、再生産が可能で社会生活を営むに十分な所得を確保することが可能な状況であったか否か、総理の認識を伺いたいというふうに思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 通告がない質問だというふうには思いますけれども、あえてお答え申し上げますと、ブルーのところの状況につきましては、生産者の規模によっても再生産可能な取引価格であるケースもあろうと思いますが、平均的にはなかなか厳しい状況であったのではないかなというふうに私としては認識をしております。

渡辺(創)委員 ちょっと大臣、通告しています。やり取りの中でも説明をしていますので。しかも、今、基本認識を伺いたかったので総理に伺ったつもりですが、いかがでしょうか、委員長。

高市内閣総理大臣 私に対しても通告がないと思うのですが。

 昨年の米生産、これは一昨年より大幅な増産となっています。民間在庫も積み増されています。取引関係者との間では、今後、米の価格は低下していくとの見方が強まっていると承知をいたしております。

 いずれにしても、生産者の方がちゃんと生産を続けることが可能で、消費者にとっても納得がいく価格というところに落ち着いていくということが大事だと思っております。

渡辺(創)委員 昨年の通常国会は、米騒動に多くの時間が費やされました。私も予算委員会で当時の江藤大臣や石破総理に、備蓄米放出という大きな決断をしたのだから、いっそのこと備蓄米の位置づけを思い切って見直して、備蓄量の幅に弾力を持たせて、高騰時には放出し、価格低迷時には買い入れるオペレーションを可能にするようなスタビライザー機能を持たせるぐらいの検討をしてもいいのではないか、頭の体操としてはそのぐらいのことをやってもいいのではないかと提案をしました。

 一年後となる今国会では、食糧法の改正が提出される予定です。備蓄制度の目的には、生産量減少による供給不足のみならず、需要量の増加等による供給不足を加えていて、いわば、対応できる幅を広げて、政府備蓄に加え、民間業者にも一定の備蓄を求める制度を創設するというのがポイントだろうというふうに思います。

 一連の米騒動の中で、需要量と生産量の実態の見通しを誤って、当初、流通の目詰まりに原因を見出そうとしたことなども踏まえ、さらに、政府備蓄の放出にかなり手間取ったことを前提にして、消費者に近い流通過程の中に一定の備蓄を含有させておくことによって、機動性も高く、そういうのが合理的であるという判断をされているんだろうと推察をするところでありますが。

 ただ、現時点で分からないのは、この新制度は政府備蓄と併存するわけでありますから、現在の政府備蓄は放出していた分を戻せば百万トンぐらいが前提ということになるわけですけれども、この新しい民間備蓄との併用によって米の備蓄制度の総量に変化があるのか、つまり、総量が増えるということを想定しているのか、また、備蓄制度の運用に必要な経費は増えるのか、変わらないのか、この辺りの見通しはどうなるのかを農水大臣にお伺いします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 今委員からも御指摘がありましたが、今般の備蓄米の売渡しに当たりましては、出庫に時間を要するなど機動性に課題があるということが明らかになったところであります。また、民間事業者が保有する民間在庫につきましても既に売り先がほぼ決まっているものであって、実際には機動的に対応することが昨年来難しかったということであります。

 ですので、供給不足時に機動的に対応していく環境を確保するために、売渡しの決定や出荷を日常的に行っている民間事業者の商流を活用させていただいて、引き続き百万トンの適正備蓄水準を前提としつつ、政府備蓄を補完するものとして民間備蓄制度を位置づけることとしております。

 その上で、官民の役割分担や具体的な運営方法等につきましては、令和八年度に実施予定の民間備蓄に係る実証事業や民間事業者の意見も踏まえた上で、その具体的な仕組みについて検討を進めてまいりたいと考えております。

渡辺(創)委員 今の御答弁を聞いていると、備蓄総量は変わらないという理解でいいんですか。うなずいていらっしゃるので、そういうことですね。分かりました。

 今日はこのぐらいにとどめますけれども、米騒動を振り返れば、米の出荷、流通、販売の過程が実に複雑で、緊急時に各種課題の実情を国民に理解してもらうためには膨大なエネルギーと時間がかかったということを教訓にしなければならないというふうに思います。その状態に対処するための新しい民間備蓄の仕組みでありますから、そのシステムの概要を分かりやすく、きちんと国民の皆さんに理解をしてもらうことが不可欠だと思いますので、できるだけ方向性を分かりやすく早期に示していただきたいというふうに思います。

 引き続き、新しい水田政策についてお伺いをします。

 政府は、二〇二七年度から新しい水田政策を導入する方針を示しています。六月に新制度の概要をまとめるというお話ですが、その方針にお変わりはありませんか。できれば総理に確認したいと思います。

高市内閣総理大臣 水田政策ですが、これは、令和九年度から見直しを行うべく、遅くとも本年六月までに取りまとめを行うという方向で農林水産省において検討を進めています。

渡辺(創)委員 高市総理が先日の施政方針の中でも全ての田畑をフル活用というふうにおっしゃっているわけでありますので、そのためにも、水田政策は極めて重要だというふうに思います。

 水田活用交付金を柱にした現行制度を転換するというのも大転換であるというふうに思いますし、農地の形態が田か畑かを問わずに生産性向上を重視するというのにも関心が集まっています。ただ、なかなか具体的な話が見えてこないところに関係者はやきもきしていらっしゃるんじゃないかなというふうに思います。

 そこで、私が気になっているのは、制度維持の根幹となる生産性向上の取組に対するインセンティブというのは果たして客観的に分かりやすい基準になるのかということであります。

 現行の水活は、財政審からいわゆる水張り要件をめぐる指摘等を繰り返し受けたことによって制度が揺れて、農業者の皆さんにも繰り返し動揺を与えてきたというのは事実だと思います。今回の水田政策の転換は、日本の農業が置かれている現状を踏まえた上での大きなフレームチェンジだというふうに理解をしていますが、水活の制度的な揺らぎが全く無影響だったとは言い切れないのではないかと私は感じています。

 制度の安定的継続性を考えるときに、対応する財政規模から見ても、要件は大きなポイントになると思います。要件をめぐって再びやり玉に上がるようなことがあれば大変だと思いますので、生産性向上に対するインセンティブというのは分かりやすく評価することができるのか、農林水産大臣のお考えを伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 お答えを申し上げます。

 水田政策につきましては、昨年四月に閣議決定をした食料・農業・農村基本計画に基づきまして、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換するということで、根本的に見直しをします。

 見直しに当たりましては、生産現場の皆様から見て今後も安心してやっていける形にするということが必要であるというふうに考えておりまして、特に、今委員から御指摘のありました生産性向上の要件が生産現場の皆さんにとって受入れ可能なのかどうか、そしてシンプルに御理解いただけるものなのかどうか、その点をよく踏まえて、現場の皆さんとの意見交換も重ねながらしっかり方向性を打ち出してまいりたいというふうに考えております。

渡辺(創)委員 私は元々立憲民主党の所属でありましたので、昨年の参院選の前に、令和版の直接支払いへの大転換ということで、食料確保、農地維持支払い制度、食農支払いの創設を取りまとめて、主張してきました。

 この制度は、農産物を安定的に国民、消費者に供給するための基礎として、農地維持に着眼した新たな交付金を創設して、農地を農地として維持する農業者に基礎的な交付金を約八千億円規模で出した上で、その上で、条件不利補正である中山間地域加算や多面的機能、環境加算を重ねて、水田活用交付金の後継対策としての自給率向上直接支払いや、米価が生産コストを割り込んだときの米トリガーを必要に応じて重ねていくという制度にしています。

 ここに込めた思いというのは、農業の現状に対する強い危機感であります。農業者の減少、農地維持の危機というのは与野党共通認識だというふうに思いますし、政府・与党が生産性の向上にこだわるというのも、農業者が減少する中で、土地利用型農業の耕作面積が減っていって耕作放棄になりかねないという問題意識があるというのはよくよく分かっています。

 ただ、端的に言えば、私たちは、事はもっと深刻だというふうに思っています。生産性向上の取組は当然重要ですが、それは少しでも多くの利益を上げるためにおのずと働くものだというふうに思うので、そこにこだわるのではなくて、支援や政策誘導の水準は、もっと基本的な農地維持という設定でもいいのではないかというふうに私たちは思っています。

 その点では、私どもの唱える食農支払いの方が、高市総理が総裁選のときに強く訴えていらっしゃった農政は現場が第一という観点からもかなっているのではないかというふうに思いますが、農水大臣、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 まず、委員にも是非御理解をいただきたいというか、御理解いただいているというふうに思いますが、やはり農業者の急減という農業構造の変化に対応して農業生産の維持拡大を図り、結果として食料安全保障、国民への食料の安定供給を確立をするということが求められております。そのためには、限られた面積の田畑をフル活用して、更に単収の向上などで生産性を上げて食料供給力を向上させていくという必要があるというふうに思います。

 その上で、委員から御提案をされている農業者への直接支払いの創設につきましては、様々な意見や御議論があるというふうに考えております。

 私自身は、例えば主食用の米について申し上げれば、基本的に、今の取引の状況を見れば、価格でしっかりと報われて、再生産、再投資が可能な状況になるというのが望ましい姿ではないかというふうに考えておりますが、ただ、これは、令和九年度以降の水田政策の見直しの中でまたこうしたことについてはしっかりと議論をさせていただければというふうに思います。

渡辺(創)委員 畜産と地域計画についても通告しておりましたが、ちょっと時間がないので飛ばさせていただいて、最後に農林中金についてお伺いをします。

 農林中金については、昨年の通常国会の予算委員会で二回にわたって、その時点で二兆円に及ぶ巨額な経営赤字の決算が確実になっていた農林中金について、その経営上の課題や管理体制の不備などを指摘して、当時の江藤大臣や石破総理と議論をいたしました。今回の法改正は、その質疑を通して明らかになった問題意識に沿ったものだというふうに思っていますが、農水大臣にその狙いをお伺いします。

鈴木国務大臣 農林水産省では、農林中金が巨額の赤字を発生させる事態となったことを重く受け止めまして、令和六年九月から有識者検証会を開催をし、検証を行ってまいりました。

 令和七年一月には有識者検討会から、農林中金のガバナンスの強化や農業融資、出資の拡大について提言がなされ、農林水産省といたしましては、検証会の提言を尊重し、今後、農林中金の対応を確認し指導するとともに、法改正が必要な提言については、農林中央金庫法の改正に向け必要な検討を進めていくという方針で対応してきたところであります。

 現在、農林中金は、検討会の提言を踏まえまして、財務戦略や投資執行に関する独立性、説明責任を高めるために、新たに設置をした財務戦略委員会に外部有識者も招聘し、経営判断に当たって多様な視点を確保する、そして、農林水産業の生産基盤強化に貢献するため、担い手経営体や大規模施設への融資、出資を拡充する、そしてまた、担い手の事業サポートやDX化などの支援を通じて経営高度化に貢献をするなどといった取組に着手をしていると承知をしております。

 農林水産省といたしましても、農林水産業向け融資、出資の促進に向けた農林中金の目的業務の見直しや出資規制の緩和、また、外部専門人材の理事への登用が可能となるよう、理事の兼職、兼業制限の緩和などの内容を盛り込んだ農林中央金庫法の一部改正法案を今国会に提出すべく、準備を進めているところであります。

渡辺(創)委員 ありがとうございました。

 今、最後にありましたが、これまで農林中金、国内の農林水産事業への投資が制約的だった部分があると思います。そこを、これから一次産業の保護をし、強化するために必要な投資の推進を図る牽引役になってもらうという狙いもあると思われますので、是非そのことを指摘をいたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

坂本委員長 これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山崎正恭君。

山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。

 私が最後のバッターになります。よろしくお願いいたします。

 まず、高市総理に、アメリカ、イスラエルによるイランへの攻撃についてお伺いします。

 核不拡散の観点からいえば、イランの核開発を抑止し、核兵器の拡散を防いでいくことは、国際社会全体の安全保障にとっても極めて重要な課題であり、日本としても一貫して取り組んできたテーマであります。

 その一方で、アメリカは、昨年来、イラン情勢をめぐる緊張が続く中で、中東での軍事行動に加え、今年一月にはベネズエラに対して軍事攻撃を行い、マドゥーロ大統領を拘束するという行動に踏み切りました。

 このベネズエラへの武力行使については、各国の間でも、国際法との整合性や主権の尊重、武力行使の正当性をめぐって、議論と懸念が示されているところでもあります。高市総理御自身も、発生直後に、ベネズエラの民主主義の回復の重要性や国際法の原則の尊重に言及しつつも、米国の行動そのものについては賛否を明言しない慎重な姿勢を示してこられました。

 しかし、我が国は、法の支配、主権の尊重、武力行使の自制を重んじる立場から、ロシアによるウクライナ侵略や中国による一方的な現状変更の試みを厳しく批判してきております。その日本が、同じく武力行使をめぐる重大な問題である今回の米国の行動について曖昧な姿勢を取り続ければ、国際社会に対する我が国のメッセージが二重基準ではないかとの疑念を招きかねません。

 そこで、今日午前中のうちの浜地委員の質問の中、なかなか、今、アメリカのこの行動については法的評価はできないということだったんですけれども、これについては、総理、ではいつまでにされるのでしょうか。やはり、高市総理、今後トランプ大統領との首脳会談を持たれるというふうに思うんですけれども、ここでイランのことについて話をされるということを今日午前中も言われていたと思うんですけれども、ここまでにはしておかないと、実際、話になったときに、自衛隊の後方支援等の話になったときも、ここまでに評価しておかないといけないと思うんですけれども、その点についてお伺いいたします。

高市内閣総理大臣 まず、イランによる核兵器開発、これは決して許されないというのは我が国の一貫した立場です。我が国としては、関係国と連携しながら、イランの核問題の解決に向けた外交努力も行ってまいりました。そして、米国とイラン間の協議はイランの核問題の解決のために極めて重要として、我が国としてはこれを強く支持してまいりました。我が国として、イランに対して、核兵器開発及び周辺国への攻撃を含む地域を不安定化をさせる行動をやめるとともに、交渉を含む外交的解決を強く求めております。

 エネルギー安全保障を含む中東地域の平和と安定、そして国際的な核不拡散体制の維持は我が国にとっても極めて重要でございますので、事態の早期鎮静化に向けて、国際社会とも連携しながら、必要なあらゆる外交努力を行ってまいります。来る日米首脳会談においても、イラン問題を始めとする中東情勢や厳しさを増す国際情勢について、議論を深めてまいります。

 国際法上の評価をいつまでにするのかということですが、それを現段階で申し上げることはできません。それぞれの国にもそれぞれの立場があり、また、事実関係、詳細が分かりませんので、現段階で明言することはできません。

山崎委員 分かりました。そうしたら、それがいつになるかという、だから、アメリカに行った場合にも、そこについてはそれ以上踏み込んだ話にはなかなかならないというふうな捉えでいいということだと。

 だけれども、そこまでには決めておかないと、国際支援法上の後方支援とかとなった場合に、そこの場合は国会承認が必要になると思いますので、そこまでには、そういった要請があった場合にはするというふうな捉えでよろしいんでしょうか。

高市内閣総理大臣 今もあらゆるレベルで日米間で情報交換はしております。そしてまた、私とトランプ大統領の会談におきましては、前回もそうでしたが、かなり率直な、踏み込んだ意見交換もしておりますので、しっかり、米国側の考え方、そして、これからのことも含めて踏み込んだ話をさせていただきます。

山崎委員 分かりました。そうしたら、やはり後方支援等の話になった場合には国会の承認が必要なので、やはりそれについては、非常に重要なことですので、集中審議等を取って、しっかりと時間をかけて審議するような形を是非お願いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、現在、中東では、米軍基地に対するイラン側からの攻撃が断続的に続き、これに対する報復措置等の応酬が重なれば、局地的な衝突が一気に拡大し、戦火が中東全体へと広がりかねない、極めて危うい状況にあります。日本として何よりも避けなければならないのはこの戦火の中東全域への拡大であり、その防止こそが、我が国外交、安全保障政策の最重要課題の一つであると考えます。

 中東地域での武力紛争の拡大は、地域の人々の生命と暮らしを脅かすだけでなく、エネルギー供給の混乱や価格高騰を通じて我が国経済と国民生活にも深刻な打撃を与えますし、在留邦人や日本企業の安全確保、シーレーンの安全といった観点からも、戦火の拡大は決して許されません。日本は、これまで中東諸国との間で築いてきた信頼関係を生かし、戦火を広げない、エスカレーションを止めるという一点に全力を挙げて取り組むべきだと考えます。

 そこで、米軍基地への攻撃とそれに対する報復の連鎖が中東全域を巻き込む大規模な軍事衝突へと発展することを防ぐために、日本政府としてどのような具体的な外交努力を展開しようとしているのか、高市総理にお伺いします。

茂木国務大臣 今般の事態発生後、総理の御指示も受けまして、関係国との間で緊密にやり取りを行ってきております。

 事態発生翌日の三月一日の午前七時にはG7の外相会談を実施したりもしまして、米国から最新の動向及び今後の見通しについて説明を受け、我が国の考え方を伝達するとともに、米国を始めとするG7各国との間で意見交換を行ったところであります。その際に、委員の方から御指摘のありました法的評価等々の議論というのは行っておりません。

 また、昨晩でありますが、イスラエル、イランの大使、これとは個別に、また、周辺地域の駐日大使等とは、それぞれの大使に集まっていただきまして面会いたしまして、事態の鎮静化が重要であり、我が国としても必要なあらゆる外交努力を行っていく考えを伝えました。また、これはイランそしてイスラエルだけではなくて、各国に邦人が滞在をしておりますので、邦人の安全確保に協力を求めたところであります。

 事態の早期鎮静化に向けて、引き続き関係国と緊密に連携して、必要な外交努力を続けていきたいと思っておりまして、早期の鎮静化を図っていくということが今多くの国のコンセンサスになっているのではないかなと思っておりまして、そういった中で、今、少なくとも、委員御指摘の後方支援をどうするか、こういう仮定の話というのはまだ議論すべき段階ではない、こんなふうに考えております。

山崎委員 総理に聞いていますので、総理からもいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 政府として、イランによる周辺国への攻撃によって被害が発生しているということを憂慮しています。

 イランに対して、今外務大臣も言いましたけれども、周辺国への攻撃を含む地域を不安定化させる行動をやめるということ、それから、交渉を含む外交的解決、これは強く申入れをしております。また、私自身も、ちょっと外交日程ですから日などは言えませんけれども、近々、中東諸国の周辺国も含めた大使と面会をして様々お話をいたします。

山崎委員 是非、具体的な動きをお願いしたいと思います。

 そこで、次に、我が国はこれまで、エネルギー分野での協力や長年にわたる経済、文化交流、さらには人と人との往来を通じて、イランとの関係を丁寧に育んできました。単なる資源供給国という位置づけを超え、相互の信頼を基礎とした比較的良好な二国間関係を保ってきたと認識しております。こうした歴史的な経緯と蓄積は、現在の緊迫した情勢下においてこそ冷静な対話のパイプとして生かされるべきであり、我が国の重要な外交資産であると考えます。イランとの対話のパイプを維持しつつ、国際社会と歩調を合わせた対応をどのように両立させていくのかがまさに問われていると思います。

 特に、日本として、イランの国としての対応だけではなく、そこに暮らす人々、すなわちイランの国民の皆さんをどのように守り、支えていくのかという視点が極めて重要であります。

 紛争や制裁の激化は、とりわけ一般市民や子供たち、社会的に弱い立場にある人々の生活を直撃します。既に昨晩のマスコミ報道等でも五百人以上の方が死亡したとも言われており、邦人保護や現地在住の日本人コミュニティーの安全確保に加え、イラン国民の権利や尊厳が損なわれないよう、国際社会と連携しつつ働きかけていく必要があると考えます。

 そこで、紛争の激化を防ぎ、戦火の拡大を食い止めるという大きな目標の中で、日本政府は今後イランとの関係をどのようにしていくのか。まだ判断が難しいところも当然あると思いますが、日本としてイランの国民を守っていくという点については是非何らかの動きが必要だと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。

高市内閣総理大臣 イランですけれども、地域の大国でもあり、豊富な天然資源を有し、我が国との間でも長年にわたる関係を築いてきた国でございます。

 その上で、先ほど外務大臣からも私からも答弁をしましたとおりの強い申入れは行っております。

 日本としては、イランが国際社会の懸念にしっかり応えて中東地域の平和と安定のために建設的な役割を果たすということが情勢の鎮静化につながり、ひいてはイラン国民の皆様の平穏な生活の回復にもつながっていくと考えております。

 G7各国からも、やはりイランにお住まいの国民の皆様に対する心配、また支持をする声、これは上がっていると承知をいたしております。

山崎委員 最初に質問したアメリカとの関係も含めて、一日も早くイランの皆様方の命が守れるような対策を是非働きかけていただきたいと思います。

 それでは、次の質問につきましては、午前中にもう既に聞いておりますので、これは飛ばしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 次に、私は、法案が通ればこの四月から実施予定の高等学校等就学支援金制度の拡充、いわゆる私立高校の授業料の実質無償化と、小学校の給食の抜本的な保護者支援について、自民党、日本維新の会、公明党の三党協議の実務者として関わってまいりました。

 これにつきましては、我が党の後藤祐一議員が先日の予算委員会で、国民生活への影響の大きなものは暫定予算の中に組み込むことも視野に入れ、省庁の準備を進めるべきとの質疑の中で、代表的な例として出しましたけれども、そのときにも確認していましたが、この予算委員会に籍のある各野党は、子供たち、また保護者等の皆さん、また地方行政への影響が大きいという観点から、暫定予算に入れることについては賛同をいただいています。

 非常に、現場は、今、国からの何の連絡もないということで、子供たち、保護者等の皆さん方、行政機関、また私立高校の方からも不安の声が届いておるところでございます。通常は予算成立前に事務手続を進めることは国会軽視との指摘がありますが、今回は野党も先ほど言ったような状況ですので、本予算成立前でも子供たちのために例外的な柔軟な対応として必要な事務手続を進めるということには協力いたしますので、予算審議の時間につきましては十分確保すべきだと思いますので、どうかその辺のところで必要な事務手続は進めていただくよう、よろしくお願いしたいと思います。

 では、質問に入りたいと思います。

 私は、この私立高校の授業料の無償化の議論に関しては、当初から、授業料を無償化して入口を広げるだけでは不十分であり、高校教育の質をどう底上げするのかということ、そして、私立高校の無償化と同時に、公立高校の機能と魅力をどう高めるのかが重要だと一貫して訴えてきました。

 こうした流れの中で、文部科学省は、二〇四〇年を見据えた高校教育改革のグランドデザインとしてネクストハイスクール構想を打ち出し、その中核として、各都道府県公立高校に改革先導拠点パイロット校を設ける方針を示しています。約三千億円の高等学校教育改革促進基金も活用しながら、各都道府県が高校教育改革を先導する拠点となる学校を位置づけることが求められています。

 高校教育改革の方向性の視点は三つで、AIに代替されない能力や一人一人の個性の伸長、我が国、地域の経済、社会の発展を支える人材育成、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会、アクセスの確保です。

 パイロット校はこの三つの視点を体現するものとして大きく三類型が示されており、一つ目はアドバンストエッセンシャルワーカー等の育成で、具体的に言えば、専門高校の機能強化、高度化で、社会の基盤を支えるエッセンシャルワーカーの皆さんに、デジタル技術を入れて、今よりも高い付加価値と処遇を実現する人材を育成すると言われております。しっかり探求的な実践的学びを積み重ねて、AIに代替されない力を備えた人材を高校段階から育成しようというもので、理論と実践の往還によるカリキュラムの実施で地域と連携した教育を進めるというふうにあります。

 二つ目は理数系人材の育成で、これは、普通科改革をしながら、文理融合の学びで理系高校教育者の割合を増加させようという試みであります。イノベーションを牽引する理数系人材の裾野と質を高めるため、理数的要素を身につけつつ、自ら問いを立て、解決する研究を大学や研究機関とも連携して行うと言われています。

 三つ目は、多様な学習ニーズへの対応として、具体的に言うと、地方の高校の魅力化で、少子化への対応、地理的アクセスの確保を留意しつつ、人口減少地域に魅力ある学びの選択肢を増やすために、地域の教育資源を生かした遠隔授業の活用や、社会の課題を主体的に探求、解決できる人材育成を目指すものと理解しています。

 そこで、それらの三つの類型ごとに位置づけられる改革先導パイロット校は、一部の先進校だけで高度で魅力的な学びを享受する特区で終わらせてはならず、その成果を地域内の他校、さらには全国の高校へと波及させていく仕組みを制度設計の段階から組み込んでおくことが不可欠だと考えますが、文部科学大臣の見解をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 お答えをいたします。

 まずは、山崎委員におかれましては、三党協議実務者として大変議論をリードしていただいたことに心から敬意を表したいと思います。

 文部科学省におきましては、先般、高校改革の方向性等を示したグランドデザインを公表し、また、公立高校を対象に、令和七年度補正予算で設けました高校教育改革促進基金を通じまして、三つの類型に応じた改革先導拠点のパイロットケースの創出に取り組むこととしております。今委員から御指摘があったとおりであります。

 大切なのは、おっしゃるとおりで、こうした先導拠点の創出と併せて、その成果を広く他の高校にも広げていくことだというふうに考えております。この点につきましては、グランドデザインに基づきまして、今後、各地域の実情を十分に踏まえながら、各都道府県において計画を作っていただくことにしているところでもあります。

 各都道府県には、こうした我々の目的というものも理解をしていただきながら計画を策定をしていただきたいと思いますし、また、文部科学省としても、そうした各都道府県の計画策定にも伴走していくことによりまして、こうした思いというものを具体的な計画に入れ込んでいきたいと思います。

 また、文部科学省としては、安定財源を確保した上で、交付金などの新たな財政支援の仕組みについても検討することとしております。このほか、地域の実情に応じて高校改革の取組を進められるよう、創設される高等学校教育改革等推進事業債の活用も期待されるところであります。

 こうした取組、そして財政面も含めてしっかりと支援できるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

山崎委員 ありがとうございました。

 三つの形とも、これからの時代の人材育成としては非常に重要な取組であると思いますけれども、それぞれの取組に肝がありますけれども、やはり、三つの共通する肝として大きく三点あると思います。

 やはり、それぞれ課題解決の能力の育成を挙げていますけれども、その手前で、しっかりとした独自の観点で課題を見つけ出す能力が重要であり、それこそAIで代替できない力だと思います。

 二点目は、そこに行くためには探求学習が大事で、じゃ、その源泉は何かというと、まず、そのテーマに対して好きかどうかというところが重要だと思いますので、やはり、しっかり、そういった学習というのは、高校でいきなりやるのではなくて、小中学校からそういった芽を育成していくことが重要だと思いますので、こういった観点を是非小中学校でも共にやっていただきたいと思います。

 そして、三点目は、社会との往還学習。より実践的で、学びと生活がつながる楽しさ、これがやはり学びを深めていく源泉だと思います。

 そういった中で一つ思うのは、今、例えば、東京都立六郷高校なんかは既に理論と実践の融合をやっていまして、理論は学校で学びながら、実践は一般の会社でやっていくというふうな取組を、例えば、二年生、三年生は約二か月間の長期実習をやっています。この中で、全体の約半数が実習先に就職したり、就職率は一〇〇%、マッチングもうまくいって離職率が少ないというふうなこともあるんですけれども。

 一個だけちょっとこの専門高校の改革のところで気になったのが、多分、結構な予算をつぎ込んで設備を整えていこうというふうに考えているんじゃないかなと思います。そして、そのパイロット校にいろいろな学校から実習に来るパターンというのを考えていると思うんですけれども、私は、そうやるよりも、やはり、どんどん技術革新が進んでいきますので、新しい機械も出てきます、そのたびに莫大な予算もかかっていくので、そういう発想でやりますとまた同じことになると思いますので、是非思い切って、そういった技術的な機械等の購入は企業にあるものを使っていくというふうなぐらいの発想の方が、この理念の教育も深まっていくと思いますし、無駄にそういった多額のところをパイロット校につぎ込んでいくということについては少し検討が必要ではないかなというふうに思いますので、その点にも考慮して進めていただけたらと思います。

 次に、高校改革の議論を進めていく上で、もう一点、現場から強く寄せられている声について伺います。

 高校の先生方からは、大学入試に出ない探求学習に力を入れても生徒や保護者に理解されにくいという切実な声が根強くあります。実際、カリキュラム上は探求学習やプロジェクト型学習を位置づけていても、大学入試の評価と十分につながらなければ、どうしても従来型の受験対策に引き戻されてしまうという現場の声であります。

 今回示された高校教育のグランドデザインの中には、高校の学びを適切に評価できる大学入試の検討を進めることが明記されていますが、その具体的な工程表や、いつまでにどのような形で入試に反映されていくのかという道筋は必ずしも示されていませんけれども、この高校教育改革のデザインと整合性を図りながら安心して新しい学びに踏み込めるように、今後、この過程等については、どのような具体的な方向性を持って、スケジュール感で検討されているのか、大臣の見解を求めます。

松本(洋)国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 高校において生徒自らが問いを設定する探求的な学びを進めて、大学入試などでそれをどのように評価をしていくのかということは、重要な課題であるというふうに承知をしております。

 文部科学省といたしましても、能力、意欲、適性などを多面的に総合的に評価する大学入試改革を既に進めているところでありまして、令和七年度には、五割以上の大学入学者が総合型選抜や学校推薦型選抜で入学をしているところであります。

 今般の高校、大学、大学院一体改革におきましては、高校において、文理双方の素養を有する人材の育成や専門高校の機能強化を進めるとともに、大学において、数理、デジタルの学びの充実などによる文理分断からの脱却や学びの質と量の両面にわたる充実を図ることとしております。

 このように、高校の学びと大学の学びの双方が変わることで、両者をつなぐ大学入試も更に改善が必要になると考えております。つまり、文理分断の限られた科目や、その細かな知識の有無で評価する入試からの転換とともに、大学入学以降の大学教育での伸びが重視される必要があると考えているところであります。

 文部科学省としては、今後とも、高校教育、大学入試、大学教育を通じて子供たちの力を引き出すとの観点から、探求的な学びを含む高校までの学習成果が適切に評価される大学入試が行われるよう、必要な取組を進めてまいりたいと存じます。

 現時点で細かなスケジュールをお示しすることは困難でありますけれども、こうした方向性に沿って我々としても検討を進めてまいりたいと存じます。

山崎委員 高校教育改革、最後に総理に一点だけお伺いします。

 二〇四〇年には高校一年生の数が現在より三六%減少すると見込まれる中で、なかなか全て今の形のまま維持することは困難であります。定員充足率を上げることだけを目的に安易に統合を進めるべきではなくて、教育アクセスの確保を大切にしながら高校教育の質の向上を両立させる観点から、地域住民の反発も予想される高校の統廃合、再編問題に対して、やはり、一定、国として方向性を示していく必要があるというふうに思いますけれども、どのように総理として政治的なリーダーシップを発揮されるのか、お伺いいたします。

高市内閣総理大臣 高等学校の配置、規模の適正化は非常に大きな課題です。

 公立高等学校の配置は、高校標準法に基づきまして、これは都道府県において判断される事柄ですので、都道府県で地域住民の皆様の御意見を伺いながら御判断いただくものになります。

 その上で、政府としましては、公立高校については全国どこにいても多様で質の高い学びを保障することが重要でありますので、先般策定した高等教育改革に関するグランドデザインにおきまして、地理的アクセスの確保に留意した学校配置、規模の適正化を図るということとともに、小規模校の教育条件の改善につきましては、学校間連携による遠隔授業の活用、専門人材の派遣など大学や産業界等との連携強化を図るということにしております。

 昨年末にお認めいただきました補正予算で新たに都道府県に創設する高等学校教育改革促進基金などを活用させていただいて、このような取組を支援してまいります。

山崎委員 改めまして、中道の最後の質問者になりますので、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃につきましては、やはり、日本がどのような考えでどのような対応をしていくかということが非常に重要なことであると思いますので、しっかりと集中審議をして、協議をさせていただきたいということを最後にお願いいたしまして、理事会で是非審査していただきたいと思います。

坂本委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

山崎委員 以上で質問を終わります。

坂本委員長 これにて山崎君の質疑は終了いたしました。

 次に、池下卓君。

池下委員 日本維新の会の池下卓です。

 総理また閣僚の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 今回、初めて与党の一員として質問の方をさせていただきますけれども、当然、我々維新の会も、高市政権のアクセル役としてしっかりと御支援させていただくとともに、見直すべきところはしっかりと見直すべきだということも申し上げつつ、質問の方をさせていただきたいと思います。

 先週、社会保障国民会議が開催をされました。まさにこれから、食品消費税の問題であったり、給付つき税額控除の問題であったり、こういうことが様々議論されてくるかという具合に思います。

 ただ、やはり、幾らいい政策であったとしても、そこに裏づけとなる財源というものがしっかりと議論されていかなければならないという具合に承知をしております。

 そこで、以下、質問させていただきたいと思います。

 租税特別措置及び補助金の見直し、いわゆる日本版のDOGEということになりますけれども、例えば租税特別措置に関しましては、二〇二四年度の法人税減税額というのが三・二兆円になるという具合に言われております。

 日本維新の会と自民党の連立合意の中では、租税特別措置及び高額補助金については総点検を行い、政策効果の低いものは廃止をしていく、そのための事務を行う主体として政府効率化局(仮称)を設置するという具合に明記をされています。

 政府効率化局といいますのは、改革を掲げてきました我が党が是非とも推し進めていきたい組織であるということになっておりますが、私自身も、今現在、党内のタスクフォースの責任者に指名されているということですので、積極的に党として取組を進めさせていただきたいという具合に思っています。

 そこで、まず財務大臣の方にお伺いをしたいと思いますが、政府として今後どのような工程でこの見直しを行っていくのか、また、かつての、事業仕分というのがあったかと思いますけれども、過去の取組と比べてどこに新規性があるのか、加えて、具体的にどのような成果を見出していくのか、この点につきまして、明確な御答弁をお願いしたいと思います。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 租特及び補助金の見直しについては、日本維新の会と自民党の連立政権合意書において、「総点検を行い、政策効果の低いものは廃止する。」とされているところでございまして、昨年十二月二日には既に、官房長官や関係大臣、遠藤補佐官、各府省庁の副大臣にも御参加をいただき、租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議を開催をしております。その際、各府省庁の副大臣には、国民の皆様に対し政策効果の説明責任を十分に果たすため、これまで会計検査院や行政事業レビュー等における様々な指摘を踏まえた自己点検などを進め、見直しに積極的に取り組んでいただくこと、今後の取組を政務レベルから強力にリードしていただくことをお願いいたしました。

 また、関係省庁にはすぐに併任で、事実上、効率化局があるような体制をつくっておるものと自負しております。

 令和八年度予算、税制改正では、直ちに、見直し可能なものから早速見直しを行っており、次の令和九年度予算編成、税制改正プロセスにおいては、夏の要求、要望段階から一貫した対応ができるように、既存の取組とも連携しながら、しっかり取り組んでまいります。

 そういった取組の一環として、一月の五日から先週二月二十六日まで、国民の皆様から見直し提案を直接募集をしておりました。数多くの御提案をいただいておりまして、途中で切れているものとか、精査が必要なものまでは外せていないんですが、単純集計で合計三万六千件以上の御提案をいただいておりまして、この取組への国民の関心の高さを本当に実感をしております。

 御指摘の事業仕分など、これまでも様々な取組があったかと存じますが、この度は、今申し上げましたように、各省庁と連携した要求、要望段階からの対応や、国民の皆様から広く集めた提案募集など、新たな取組も入ってきておるところでございます。

 今後は、国民の皆様からの御提案も分析した上で、与党ともしっかり連携しながら見直しの検討を進めるなど、歳出歳入両面からの改革を推進し、強い経済を実現するとともに、債務残高対GDP比の安定的な引下げを通じ、財政の持続可能性との両立に取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

池下委員 御答弁ありがとうございます。

 この日本版DOGEについてなんですけれども、財源を確保していくことは非常に大事でありますけれども、やはりこれは、数値目標としてかちっとこの金額を出していかなきゃいけないよねという具合になりますと、本来必要なものまで削ってしまうということになってしまいますと余り意味がありませんので、やはりこれは丁寧な積み重ねで数値を出していくということも私は大事だと思っておりますので、その点、よろしくお願いをしたいと思います。

 次に、初めてですが、総理にお伺いをさせていただきたいと思います。

 総理は施政方針演説におきまして、長期的な基金による投資促進策を大胆に進めるという具合に述べられておりました。

 基金といいますのは、当然、複数年度において、政策にわたって行っていくものですから、非常に有効な手段であるという具合に思っております。ただ一方、これまで多額の基金が補正予算の中で計上されながら、十分に執行されずにそのまま残っているというものもあるということも事実であります。

 令和六年度末の時点では、基金残高が、聞いたところによりますと十七・六兆円、ここまで上っていると聞いております。中には、ほとんど使われていない基金、基金を維持するための人件費などの経費だけがかさんでいる場合、また、本来は国庫に返納すべきであるけれども予算が返されていないケース、こういったものも見受けられるという具合に聞いております。

 そういった中で、このような状況は総理が重視される民間の予見可能性とはちょっと違うのではないかな、影響を及ぼすのではないかなという具合に思います。租税特別措置、補助金の見直しと併せて、基金の在り方そのものも見直すべきではないかという具合に考えますけれども、総理の御見解をお伺いいたします。

高市内閣総理大臣 財政支出の予見可能性を高める、危機管理投資や成長投資に関して、事業者の皆様に安心して研究開発と設備投資をしていただきたいんです。そのため、複数年度予算と併せて、長期的な基金による投資促進策を大胆に進めてまいります。早速、昨年末にお認めいただいた補正予算の中でも、一部、大切な基金を措置させていただきました。

 これまで、基金の活用に当たっては、予算措置においては適切な金額を適切なタイミングで計上する、予算措置後においては基金の執行状況や残高を定期的に検証して国庫返納も含めた必要な見直しを行うということで、その適正化を図ってきております。

 今後は、成果管理を徹底するということを前提に、多数の基金の中でもめり張りづけを行います。それで必要な複数年度の財政出動にコミットする仕組みを構築することといたしております。

 政策効果を高めるためにも、事業の進捗や成果、これは適切に管理して、必要に応じた見直しを行うということは不可欠です。ですから、これまで以上に、租税特別措置や補助金の見直しと併せて、基金の活用の在り方についても、国会審議での御指摘ですとか会計検査院の検査報告も踏まえながら、不断の検証と適正化を行ってまいります。

池下委員 総理、御答弁ありがとうございます。

 今言っていただいた基金の問題でありますけれども、やはり、政策実現をしていくために、御答弁では成果管理というのをしていかなければならないということをおっしゃっていただきました。

 当然賛同させていただきますけれども、一方で、やはり国民の皆様が理解できるような形でその成果管理というものを御提示していただくということが、国民の皆様がせっかく納めていただいた税金でありますので、その点も十分御留意いただければという具合に思います。是非、抜本的な改革を進めていただきたいと思っております。

 次に、政府の効率化といいますのは、租税特別措置や補助金、また基金の見直しにとどまりません。規制改革、地方分権というのも併せて非常に重要な問題だと認識をしております。

 現在内閣府が実施しております、地方分権改革に関する自治体からの提案の中には、現場の声を生かしました実効性のある改革案というものが非常に多く含まれていると承知をしております。

 実際、私も野党時代に、全国の市町村からお寄せいただいた声で、狂犬病予防注射の実施時期の見直しというものを委員会の中で取り上げさせていただきまして、これも提案させていただきました。そういった中で、おかげさまで、政府の方も見直しに着手をしていただいたということになっていくわけなんですけれども。

 今現在、我々も連立政権の中に入れさせていただいているわけでございます。地方分権に関する自治体案件、提案、これを今後どのようにしっかりと政策立案に反映させていくのか。これをしっかりとやっていくことで、更に地方分権というものが進んでいきますし、地域のニーズに近いお声が実現できるという具合に思いますので、黄川田大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。

黄川田国務大臣 地方分権改革の推進は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図り、質の高い行政サービスを実現するための基盤となるものでありまして、極めて重要なテーマであります。

 平成二十六年から導入した提案募集方式においては、令和七年までの十二年間で約二千九百件の提案について関係府省庁と調整し、その八割以上で実現、対応してまいりました。今委員がおっしゃったように、狂犬病の案件もこの中に入っております。地方からも、地方分権改革の歩みを着実に進めるものとして評価をいただいております。

 こうした中、昨年十二月に閣議決定しました地方創生に関する総合戦略におきましては、持続可能な地方行財政の確保に向けまして、提案募集方式の下、自治体の事務の簡素化、効率化や、人口減少地域等における行政サービスの確保に重点的に取り組むこととしております。具体的には、令和八年の提案募集方式においては、事務処理方法の見直し、デジタル化、地域におけるサービスの維持向上等を重点募集テーマとしております。自治体からの提案を受け、そして、地域が直面する喫緊の課題にしっかりと取り組むこととしております。

 今後とも、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立ちまして、提案募集の取組を着実かつ強力に進めてまいりたいというふうに考えております。

池下委員 実は、私も十年ほど大阪で地方議員の経験がございまして、やはり地方のお声といいますのは非常に重要なものだと認識をしております。その中で、喫緊の対策をやっていきたい。そして、今全国で、法律で縛られている部分につきましても、いや、現場と話が違うんだよなということも多分にあるかと思いますので、そういう地域の声というものをしっかりと聞いていただきまして、政策に反映させていただくことが日本の明るい未来につながっていくんじゃないかなという具合に思っておりますので、是非推進の方をしていただければという具合に思っております。

 それでは、少しテーマを変えまして、次は厚生労働関係についてお伺いをしたいと思いますので、上野厚生労働大臣、いつも委員会でこれまでもお世話になっておりましたけれども、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。

 今日、まずお伺いをしていきたいと思いますのが、攻めの予防医療とCKD対策ということでお伺いをしていきたいと思うんです。

 総理が施政方針演説の中で、いわゆる攻めの予防医療を掲げられました。健康寿命の促進であったりとか社会保障制度の持続可能性は非常に大事だと私も思っておりまして、また、社会保障改革を進めていく上でも、医療制度、医療費の抑制の観点からも、この予防医療というのは私は非常に重要だと考えております。

 ときに、三月の十二日、これが世界腎臓デーという日でありまして、本日は、先ほど申し上げました慢性腎臓病、いわゆるCKD対策、これをお伺いをしていきたいと思います。

 現在、人工透析の患者さんの数が全国で約三十四万人、医療費になりますと年間約一・六兆円、かなりの金額に上っていると推測をされております。この金額は社会保障の観点からも非常に負担が大きいことでありますし、加えて、やはり患者さんの生活の質、QOLを非常に脅かすものだという具合に考えております。やはり、CKD、慢性腎臓病になる手前でいかに食い止めていくのかということが私は非常に大きな課題だと認識をしております。

 政府は、二〇二八年までに新規透析患者さんの数を年間三万五千人以下に抑える目標を掲げられていますが、残念ながら、現状のところ、そこまでは至っていないというのが今のところの現状でございます。

 そこで、昨年、私、厚生労働委員会の方で、事業者、またそこで働く従業員の皆様が対象となる労働安全衛生法、いわゆる安衛法と呼ばれるものでありますけれども、それに基づく定期健康診断におきまして、これまでの尿検査に加えまして、血清クレアチニンというものの検査をつけ加えたらどうですかということを提案させていただきました。

 私が提案させていただいてから、その後、十二月に有識者の会議がございまして、その中で、健診項目の中に血清クレアチニンが追加されることになりました。ここは私は非常に評価をさせていただきたいと思います。これは、尿検査と血清クレアチニン、両方やることによってより精度の高い健診ができる、そういう趣旨であります。

 しかしながら、やはり問題になりますのはその実効性なんですよね。検査項目が幾ら追加されたとしても、健診の実施がされなければやはりそこは効果が生まれませんし、そしてまた、異常値が出た場合に早期に精密検査であったりとか早期治療を進めていかなければやはり無駄に終わってしまいますので、その体制整備というのが私は非常に重要だという具合に認識をしております。

 特に小規模事業者におけます実施状況には私は課題があると認識しておりますが、攻めの予防医療の観点から、事業者及び労働者双方に対して、定期健康診断の実施率を実効的に高めて、更に早期治療につなげていくため、政府として今後どのような対策を行っていくのか、厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

上野国務大臣 委員におかれましては、この問題に対しまして大変熱心にお取り組みをいただきまして、ありがとうございます。

 まず、CKDにつきましては、近年、新しい治療薬の登場などによりまして重症化予防が可能になっておりますので、先ほど委員お示しのありましたような目標を立てて、これからもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。

 その上で、委員からの御提案のありました血清クレアチニンにつきましては、お話しいただきましたとおり、昨年の十二月、検討会におきまして、健診項目に入れるのが適当だというようなお答えをいただきましたので、それに向けまして関係省令等の改正をこれから進めていきたいというふうに思っております。

 その中で、定期健康診断でありますが、事業者にこれは実施義務を課しております。今、全体として、五十人以上の事業場では九七%の実施でありますけれども、やはり小規模なところではそこまでの数にはなっていないので、小規模事業者に対しましてもこうした定期健診の重要性をよく認識していただけるように、それの周知徹底は是非やらせていただきたいというふうに考えております。

 その上で、今のところ、健診の結果につきましては、法律上におきましては就業上の措置を講ずるということになっておりまして、何か課題があった場合には、例えば労働時間を短縮をしたり、あるいは働く場所を変えたりということを事業者の方にしていただくことになるわけでありますが、更にこれからはそれを一歩進めまして、やはり、予防医療の観点からも、必要があればしっかり受診勧奨をさせていただくということが大事だというふうに思っております。

 委員から御指摘のありました血清クレアチニンにつきましても、何らかの異常が見つかればしっかり医師に診断をしてもらえるように、働きかけを事業者の方にやっていただくことが必要だと思いますので、そうした観点を踏まえて、法制上の仕組み等につきましてもしっかり検討していきたいというふうに思います。

池下委員 非常に前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。先ほど私が質問した後に総理が小さく拍手をしていただいたので、非常にうれしく思わせていただきました。

 そこで、今私が御質問させていただいたのが、安衛法、労働安全衛生法の定期健診について御質問させていただいたんですけれども、昭和四十七年にこれは法制定がされて、それに基づいて今実施されているわけでございます。

 ただ、この安衛法の制定背景といいますのが高度経済成長期の労働災害対策でございまして、その主目的というのが、就業の可否判断、適正配置、労働環境の評価というものでありました。本気でこれから攻めの予防医療というものを目指していくということでありましたら、この安衛法の定期健診の位置づけというものを、疾病予防対策中心に再構築する、法制度の見直しということも私は一定必要なのかなということで思っておりますので、よろしくお願いします。

 また、今回はちょっと時間がありませんけれども、今回の血清クレアチニンの検査項目の追加といいますのは、安衛法、いわゆる会社で働かれている皆様だけが対象になっています。ですので、会社で働いていない皆様、いわゆる国保の対象の皆様にはこの網がかかっていないということもありますので、是非、対策を進めるために、保険者努力支援制度、こういったものを使って保険者へのサポートというのも併せてお願いをしたいという具合に思います。

 それでは、最後に御質問をまた別の項目でさせていただきたいと思います。

 次は、AI時代に対応した規制改革の実効性の確保ということでお伺いをしていきたいという具合に思いますけれども、こちらの方は高市総理の方にお伺いをしたいと思います。

 ちょうど昨日、我が党の藤田文武共同代表も御質問させていただいたところなんですが、AIやデジタル技術といいますのは、医療、法務、教育などの幅広い分野で今、急速に活用が進んでいます。人手不足の解消とサービス向上の両立を可能にする非常に重要な技術だと思っておりますが、一方で現場からは、AIが存在しなかった時代の法令と関係が不明確で導入に時間がかかるという声もあります。しかし、新技術の導入に関しまして、丁寧な審議のプロセスというものは必要であるかと思いますが、技術革新のスピードを踏まえれば、より迅速で柔軟な意思決定も必要かと思います。

 例えば、原則自由、禁止行為のみ明確化する考え方や、事後監督型への転換などの検討というものが考えられるかと思います。また、法令適用事前確認手続、いわゆるノーアクションレター制度のように、趣旨はよくても十分活用されていない制度については実効性の観点から総点検し、必要なら抜本的な見直しも必要と考えております。

 そこで、AI時代にふさわしい意思決定の迅速化と制度の実効性確保につきまして、総理の御見解をお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 AIが普及する中で、政策がテクノロジーに追いついていないという現状があるということを認識いたしております。

 例えば、規制・制度改革で、従来でしたら、まず制度所管官庁で予算を確保して、調査事業や実証事業を通じて特定の規制・制度改革に関する論点を事前に洗い出して、有識者会議で議論を行ってから実際の規制・制度改革を意思決定する、こういう進め方でございましたけれども、AIに関するイノベーションの物すごい速い進展では、対応できない面もあると考えられます。

 内閣府で現在、AIの社会実装において障害となる可能性のある規制、制度について情報提供を募集していますので、いただいた情報を、今後の規制改革推進会議での審議ですとか、AI基本計画の改定に向けての参考にさせていただくこととしております。

 それから、様々な社会課題の解決のため、日本社会全体でAIを徹底的に活用できるように、おっしゃっていただいたノーアクションレター制度ですとか、またサンドボックス制度など、既存制度の積極的な活用も促しながら、必要となる規制・制度改革にスピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。

 こうしたAI時代に対応した規制・制度改革に関する論点については、城内規制改革担当大臣を中心に検討をさせます。

池下委員 ありがとうございます。

 日本の技術、そして海外の競争力、これを、負けないためにも、しっかりと対策をよろしくお願いしたいと思います。

 時間になりましたので、これで質問を終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて池下君の質疑は終了いたしました。

 次に、小竹凱君。

小竹委員 国民民主党の小竹凱です。

 本日は、質疑の機会をいただき、ありがとうございます。

 私は石川県金沢市からやってまいりました。まずは、総理に被災者生活再建支援金法について伺いたいと思います。

 能登半島地震から二年二か月がたちまして、昨年末、総理も、能登の現地を見ていただいたことはありがたく思います。公費解体もおおむね終了しまして、いよいよ今年から本格的な復興のフェーズへと変わってきているというふうに考えます。

 復興といっても、一番には住まいの復興、ここなしでは何事も進めることはできません。国民民主党はこれまで、被災者生活再建支援金を倍増してほしいということを申し上げてきました。一昨年の臨時国会では、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会の三党で、この被災者生活再建支援金を現行の最大三百万円から倍増させる改正案を衆議院に提出いたしております。

 これに対して、今つくられております地域福祉推進支援臨時特例給付金という交付制度では、あくまでも福祉的位置づけでありまして、支援の対象が奥能登六市町に限定をされております。また、対象者は、高齢者のいる世帯、資金の借入れや返済が容易でない、そんな世帯に限られておりますので、最大六百万円という意味で同じにはなっておりますが、やはりこの対象が限定されているということは国会でも度々議論をされております。

 元々、阪神・淡路大震災が起こってつくられたこの被災者生活再建支援金ですけれども、当時は年齢制限や所得制限が入っておったものの、やはり分断を生むということでこういったものが外れた、議論の中でなくなっていったという経緯があります。また、今回、支援金の倍増を三党で共同で求めた理由といたしましても、資材の高騰であったり人手不足、こういったことによる建築費自体がかなり高騰しているということもありまして求めたわけでありますが、ここに高齢者であったり障害者ということは関係ないというふうに私は考えます。

 特に、奥能登というのは、元々、震災前から高齢化率が五割を迎えるような、そういった地域になっておりまして、もちろん、高齢者の支援、大切であります。一方で、今回つくられた臨時特例給付金では全体の八割をカバーできているというようなことも伺っておりますけれども、だからこそ、この残された一割強、二割弱の方をしっかりと、支援の手から抜けることなく、現役世代のみの世帯についてもしっかりとお支えいただきたいというふうに考えております。

 奥能登四市町の人口もかなり減ってきておりますし、六市町、今回限定されておりますけれども、七尾市以北であっても十一万人ほどしかいない中で、その中での一割、二割に満たない現役世代のみの世帯というところを後回しにせず、しっかりとお支えいただきたいというふうに思っております。

 以前の総理、たくさんの方に聞かれておりますけれども、高市総理に関しては今回初めて、改めてお伺いさせていただきたいというふうに思います。同一災害にもかかわらず対象になる方と対象にならない方がいないように、国としてはシンプルに、改めて被災者生活再建支援金を拡充する、倍増する、そういった方向で対応していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 被災者生活再建支援金でございますが、その財源の半分は相互扶助の観点から全国の都道府県が負担するという仕組みになっておりますので、拡充については、これまでも全国知事会と協議の上、実施してきております。ですから、更なる拡充については、自治体の財政負担や過去の災害との公平の確保という点を含めて、全国知事会など関係者の御意見を十分に踏まえる必要があります。

 拡充ということで御提案がありましたけれども、これはやはり、全国知事会など関係者の意見も踏まえながら検討すべきものだと思っております。

 被災者の生活再建に向けましては、この支援金に加えて、給付金ですとか自治体独自の支援策など、被災状況に応じて様々な支援策、総合的に活用することが重要ですから、政府としてもしっかりと支援をしてまいります。

小竹委員 ありがとうございます。

 であれば、今行われている臨時特例給付金、これに関しても、世帯を対象とすることなく、全体をお支えいただきたいというふうに思います。六市町に限定をされているということは御承知かと思いますが、それ以外にでも、県としては能登創生住まい支援金など様々な施策を行っておりますが、これはあくまでも県独自の支援ですので、まずは国として全体を、対象の人とそうでない人、また対象でない市町ということがないように、引き続きの御支援をお願いしたいというふうに思います。

 県の支援の方では、今回、被災者生活支援金の対象になっていない半壊世帯まで対象になっておりますので、国の方でも半壊までの拡充というところも引き続き求めていきたいと思いますので、この点におきましても、石川県の立場でもちろん申し上げている部分もありますが、これからの被災地のためにもこういったことを、同一災害であれば全ての方を救済するというようなメッセージを、引き続き取り組んでいただきたいというふうにお願い申し上げますが、改めていかがでしょうか。

    〔委員長退席、笹川委員長代理着席〕

上野国務大臣 地域福祉推進支援臨時特例交付金でありますが、御案内のとおりでありますけれども、極めて甚大な被害と半島という地理的制約など地域コミュニティーの再生が大きな課題であること、あるいは、高齢者の割合が著しく高い地域では長期の貸付けという手法がなじみにくいことといった事情を勘案し、石川県とも調整の上で、能登半島六市町を対象とし、住宅半壊以上の高齢者、障害者がいる世帯、あるいは資金の借入れや返済が容易でないと見込まれる世帯に対し実施をしているものであります。

 この特例交付金の支給対象外となる地域や世帯についても、被災者の状況に応じて、復興基金を活用した石川県による事業の活用が可能となっているところでありますので、引き続き、被災者の方の生活再建が図られますように、これらの取組を組み合わせて総合的な支援を進めていきたいと考えています。

小竹委員 ありがとうございます。

 本当に、現場の声に対応していただいて、引き続き、被災者生活再建支援金の窓口もまた延長されておりますので、その分これからまた復興に関してのスピードが上がっていくと思いますから、取り組んでいただきたいというふうに思います。

 それから、被災地の復興工事について伺いますけれども、地震などにより復旧工事、膨大な量が見込まれて、これに関して、災害復旧工事ということもありまして作業効率なども低下するため、復興歩掛かりを導入することを取り組んでいただきたいというような質問を通告しておったんですが、私が質問を通告をした当日、国交省が、石川県の中能登、奥能登地域に関しては土工やアスファルト舗装工に関して復興歩掛かりを導入していただくということを発表いただきまして、これは本当にありがとうございます。

 なので質問としては省略いたしますが、引き続き、現場の実態なども踏まえて、工種自身の枠の拡大であったりとか、補正率、今回二〇パーの低減ということになっておりますが、補正率の見直しなども行っていただきたいというふうに考えております。よろしくお願いします。

 それで、質問に関しては、住宅の四号特例に関してお伺いをさせていただきます。

 昨年四月から施行されました建築基準法におけるいわゆる四号特例の縮小、廃止に関しては、住宅の構造安全性を確保する観点から非常に重要な見直しであり、その方向性には異論はありませんが、能登半島の地域又は被災地の事業者の声を聞く中で、この届出によって様々な遅れが生じているということは私はお伺いしております。安全を守る制度ではありますが、こういったことによってスピードが更に遅れるということはあってはならないかと思います。

 今回の法改正で、いわゆる一般的な二階建て、木造戸建ての住宅で行われる修繕、リフォームに関しては建築確認申請が必要となるケースが増加するということでありまして、特に、例えば屋根工事、部分的な被害が幾つかありまして、至る所から雨漏りがする、結果として全体を修繕する必要があるというときに、原状回復工事ではありますが大規模な工事ということで建築確認申請が必要ということであれば、被災地はただでさえ職人不足、資材不足、かなり逼迫している中で、更に復旧が遅れる可能性がありますから、ここはもう少し、四号特例廃止後においても、災害時の住宅修理などについては手続の簡素化であったり運用の柔軟な見直し、こういったことを取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘の、災害により破損した住宅の応急修繕をする場合につきましては、建築基準法第八十五条第一項に基づきまして建築確認を不要としております。

 なお、この応急修繕の実施時期について特段の定めはなく、例えば応急修繕を待つ間に生じた雨漏りなどによる損傷の拡大部分の修繕も含めて、建築確認は不要と取り扱って差し支えないと考えております。

 こうした措置や取扱いについて、被災地において十分に共有され、円滑に利用されますよう、審査機関はもとより、建築士会などの関係団体を通じて改めて周知をしてまいります。

小竹委員 ありがとうございます。

 応急の修繕であれば不要ということは確認できたんですが、これは結構大事というか、この四号特例が廃止された以降の被災地における、毎回この問題が出てくるんじゃないかと私は懸念しておりまして、元々古いお宅に関しては、震災は関係なくかなり傷んできておりますし、いわゆる既存不適格になってしまっているものもあると思います。

 その中で、事業者としては、修繕に関わる以上は責任が伴いますから、応急処置だけでなく補強、改善に走るというふうに考えられる中で、そうすると建築確認申請がもちろん必要になってくるわけでありますが、昨年末、石川県に聞いた時点で、平均で大体二か月待ち、申請の二か月待ちということを聞いております。平均ということで、もっと長いケースもあったというふうに聞いております。

 この申請待ちの期間が長いと、見えない負担が様々かかってくるわけでありまして、当然、工事中は住宅に住めなくなるわけでありますから、一旦、仮のアパートなのか何かを借りるにしても、申請待ちの期間が長いといつから借りていいのか分からない、借りたはいいものの必要がなかったとか、いろいろな見えない負担が増えてきて、こういったことが復興復旧の遅れになっているというふうに聞いています。

 なので、例えばですけれども、災害救助法の適用地域に限定して、建築確認検査機関の出張所などを更に国の方で増設するであったりとか、四号特例は縮小になっていますが、いまだに建築確認不要の部分もありますから、不要であっても建築基準法に適合させなければならないということはそのとおりになっておりますので、これを加味しますと事後届出制度を法的に整備するとか、いろいろな検討の必要があるんじゃないかと思いますが、決して安全性を損なうことなくこの建築確認申請のスピードを上げていく、国として何か検討をしていただけますでしょうか。

宿本政府参考人 委員御指摘のとおり、これまで小規模の木造住宅などにつきましては建築士に基準の適合の判断を委ねておりましたところ、昨年四月の改正建築基準法の施行によりまして、小規模住宅についても、構造安全性の確認をするという観点から、建築主事や民間審査機関が審査するように見直したところです。

 御指摘のとおり、一部の機関、一部の地域におきましては、私どもが法施行前に想定をしていたものを上回って審査が長期化をしたというような状況があることも承知をしております。

 法施行から約一年弱を経過したわけでございます。現在におきましては、審査者、申請者双方の努力によりましておおむね審査期間が予見できるような状態になっていると伺っております。しかしながら、引き続き、状況を注視するとともに、委員御指摘のように、体制の整備も含めて審査の円滑化に向けて必要な措置は講じてまいりたいと考えております。

小竹委員 ありがとうございます。

 石川県の方でもいろいろと対応していただきまして、申請待ちの期間というのはどんどん短くなっているというふうには聞いておりますけれども、今後の被災地のことも考えますと、復旧工事がある際に、毎回、一時的に申請待ちの期間がかなり長くなってしまっては、これはスピードが遅くなりますから、しっかりと現場の声を聞いて、今後のためにもこの備えというのはしていただきたいというふうに思っています。

 次に、医療保険への子ども・子育て支援金上乗せについてお伺いさせていただきます。

 本年四月分保険料から本制度が開始するわけであります。国民民主党としては、先般の衆議院選挙公約で、子ども・子育て支援金の廃止、これを掲げておりました。私としても同意でありまして、この制度は社会保障制度という仕組み自体を壊しかねないというか、本当にこれでいいのかと私自身も疑問に思っております。

 来月から施行されるということでありますけれども、いろいろお聞きしたいことはありますが、これはなぜそもそも医療保険に上乗せという形なのか。子育て、少子化というみんながなかなかノーと言いづらいテーマを掲げて、本当になかなかずるい制度だなというふうに思うんですけれども。

 厚労大臣にまずお伺いしたいと思います。

 社会保険制度は、医療や介護といった明確な目的に対して、その受益と負担を連動させることで財政規律を維持してきたという制度設計であるということは確認させてください。

上野国務大臣 お答えいたします。

 まず、我が国の社会保険制度でありますが、病気など人生における様々なリスク、これに対しまして、あらかじめ保険料を出し合って、実際にリスクに遭遇した方に必要なお金やサービスを支給をする、支え合いの仕組みでございます。医療保険、介護保険等でございます。

 さらに、こうした支え合いの仕組みでございますが、それを広げて、例えば、後期高齢者医療制度のように、医療費が特に高くなる後期高齢者医療を世代を超えて支えるための現役世代からの支援金制度、あるいは、後期高齢者医療制度における出産一時支援金のように、出産育児一時金の支給を受けない後期高齢者もその費用の一部を支援をする仕組みなど、受益と負担の関係は基本ではありますが、社会保険制度全体の持続可能性を高めることにも資するものもこの社会保険制度に組み込んで社会全体で支え合う仕組み、これを構築をしてきたものであります。

小竹委員 ありがとうございます。

 後期高齢者医療制度に関しての、現役世代からの仕送りというか、送られているのもいろいろ問題はあると思いますけれども、あくまでも医療の枠に限定をされていると認識している中で、一番のテーマが子育てであったりとか少子化というところに、医療保険に上乗せして徴収する仕組みということは、医療や介護の直接的な対価関係というか結びつきはないように考えられるんですが、先ほど大臣もおっしゃられたように、受益者負担、受益と負担の連動という原則とどういうふうに子ども・子育て支援金が整合されるのか、是非御説明いただきたいというふうに思います。

黄川田国務大臣 お答えいたします。

 医療保険制度においては、先ほど厚生労働大臣が答弁されたとおり、受益と負担の関係を基本にしつつも、後期高齢者支援金や出産育児支援金など支え合いの仕組みを広げておりまして、この子ども・子育て支援金は社会保険の考え方と整合的なものと考えております。

 そして、この子ども・子育て支援金は、こども未来戦略の加速化プランで拡充することとされた施策のうち、児童手当の抜本的拡充やこども誰でも通園制度など広く一般の子育て世帯を対象とする制度に充当するものでありまして、子供や子育て世帯を全世代、全経済主体で支える、支え合いの仕組みであります。

 当支援金により支えられた子供は、やがて成長し、将来、経済社会の支え手となり、医療保険の持続可能性を高めることにつながるものというふうに考えており、整合的なものだと考えております。

小竹委員 ありがとうございます。

 支え合いであったり、子供たちが将来のいわゆる担い手になるということで、正面からその必要性を訴えるのであれば、それこそ新たに財源を必要とする場合は税で議論をするべきだというふうに思いますし、私たちは、国民民主党としては、子育てや教育、科学技術予算、こういうところには、将来リターンが見込める投資的経費として、教育国債というものの発行を認めるべきだということは従来訴えさせていただいております。

 総理もその方向には御賛同いただけているというふうに考えておりますが、あくまでも、何度も言いますが、社会保険料という目的型財源のところに異なる性質の歳出を入れてしまうと、受益と負担のリンクが断ち切られてしまいまして、今言ったように、全体で支え合うので必要だという政策であれば社会保険料に上乗せしていいということを一度認めてしまうと、ほかの制度でも同様の、歳出を上乗せすることは歯止めが利かないような気がして、そこを危惧しております。

 この制度改変が将来的に社会保険料の持続可能性というか社会保障の信頼性を損なう懸念については、どのように評価されていますでしょうか。

黄川田国務大臣 繰り返しとなりますが、子ども・子育て支援金は、後期高齢者支援金や出産育児支援金などと同様に、社会連帯の理念を基盤として、全ての世代や企業が子育て世代を支える、支え合いの仕組みであります。その使い道は、法律上、児童手当の抜本的拡充等、子育て世帯への給付に限定しております。そして、医療保険制度の持続可能性を高めることにつながることから、医療保険料と併せて徴収することとしたものであります。

 したがいまして、委員が懸念している、将来的に社会保険の信頼性を損なうということには当たらないというふうに考えております。

小竹委員 ありがとうございます。

 私が懸念しているのは、その目的、それ以外のことにも利用されるということではなくて、社会保険料にこれを上乗せするということ自体が考え方としてどうなんだろうということを申し上げさせていただきました。

 総理としても、この子ども・子育て支援金、子供、子育ての重要性というのは共有させていただいていると思います。だからこそ、国民民主党の教育国債、これも案の一つとして、正面から改めて国会で子供、子育ての重要性を議論させていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 先般来お答えしておりますけれども、教育国債という名前にするかどうかは別といたしまして、危機管理投資ですとか将来の成長に結びつく、そういった新たな財源について検討していくという方向性については共有をさせていただいております。

 その上で、先ほど来御指摘いただいておりました子ども・子育て支援金については、法律制定時の経済財政状況や、全ての世代や企業が子育て世代を支えるという社会連帯の理念に基づいて、医療保険料と併せて拠出いただくことにしたというものです。もう既に成立した法律ですから、これに基づいて令和八年度から円滑に施行をしてまいります。

小竹委員 ありがとうございます。

 既に決まったということは重々承知の上で、引き続きこの子ども・子育て支援金の廃止については訴えていきたいというふうに思っています。

 最後に、建設業界の手取りを増やす改革について、大臣にお伺いさせていただきたいと思います。

 私、元々建設業界にいた人間として、大変厳しい現状と、社会のインフラを守る重要な役割であるということは、しっかりと理解しているつもりであります。

 先般、国交省が発表されておりましたが、令和八年三月から、今月から適用される公共工事の設計労務単価については、今回の決定によりまた引き上げていただきました。ありがとうございます。前年度比で全国全職種単純平均で四・五%引き上げられることになりました。

 しかし、設計労務単価は上がっているにもかかわらず、現場にしっかりと利益が届いていないということも聞きまして、私はかねてから、その要因の一つに多重下請構造というものがどうしても影響としてあるんじゃないかというふうに考えております。中間段階で経費や管理費が積み重なることによって、末端まで利益がしっかりと届いていない、適正な労務費が行き渡っていないということは考えます。

 資料二の方を御覧いただきたいと思いますが、三重、福井、京都、鳥取、徳島、和歌山、長崎の七府県では、下請次数を制限するなど、独自の取組も見られます。全国統一の取組にはなっておりません。

 特に建設業というのは工種が細分化されますので、専門性の高い工事がしばしばありますから、一定の下請層があるということは、効率的であり、専門性のある施工を可能にする側面があるということは十分理解しますし、一定の遊びを持たす必要性もあると思います。

 しかし、ある程度の次数制限はかけるべき、国の方でリーダーシップを発揮していくべきだというふうに考えております。一定の次数制限をかけることによって中間経費の累積が抑えられて、実際に施工する業者への配分が増えやすいということであったり、品質管理や安全確認についても責任の明確化がしっかりとできます。また、監視の目が行き届きやすくなるため、時々問題になります社会保険の未加入者の対策にもつながるというふうに私は考えております。

 金子大臣にお聞きいたしますが、国として、公共工事における下請次数の在り方、多重下請構造の是正について制度的な検討を行うべきというふうに思いますが、見解を求めたいと思います。

金子国務大臣 お答えいたします。

 小竹委員におかれましては、大手ゼネコンで、技術者として現場のことを一番よく御存じなわけであります。

 委員御指摘のとおり、過度に重層的な請負構造につきましては、施工責任の不明確化や、品質、安全性の低下のおそれ、現場の技能者の労務費へのしわ寄せ、処遇低下のおそれなどが懸念されるため、是正に取り組んでいくことが必要であります。

 一方で、一部の地方公共団体や大手建設業者において原則二次下請までに限定するなどの取組を始めたところもあると承知しておりますが、建設業の現場では、先ほどお話がありましたように、様々な専門的作業があり、また業務量の変動に対応する必要もあるため、全国一律で請負次数を制限することには慎重な検討が必要だと考えております。

 請負次数を直接制限するものではありませんが、国土交通省では、昨年十二月に改正建設業法を全面施行し、国が定める労務費の基準を著しく下回る契約を禁止いたしました。また、請負業者と最終的な請負先となる業者との間に入る専門工事業者において適正な労務費を確保する必要があり、重層的な請負構造の下では利益を確保しづらくなる結果、よりシンプルな、請負構造が合理的なものとなり、請負次数の縮減に対する一定の効果が期待されます。

 このため、改正建設業法に基づく労務費の確保、そして行き渡りの徹底など、適正な取引環境の整備を着実に進めながら、地方公共団体や大手建設業者の取組の動向も注視し、重層的な請負構造について引き続き問題意識を持って検討してまいります。

小竹委員 ありがとうございます。

 時間になりましたので、最後の質問にさせていただきます。

 現場入場時に安全指導、安全確認ということはどの現場でも必要になるわけでありまして、これも多くの方から言われておりますが、いわゆる各社ゼネコン、元請側がそれぞれのクラウドベンダーを使うことによって、協力会社はゼネコンごとに異なる電子様式へと何度も同じ内容を入力し直すということで、いわゆる安全書類業務に関してかなりの非効率が生じていることは聞いております。

 国としてこの現状を把握されているかということと、安全書類業務の効率化、省力化をしていくべきというふうに考えますが、これはいかがでしょうか。

金子国務大臣 委員御指摘の安全書類、すなわち施工体制台帳などの建設業法等で安全な施工のために作成を求めている書類については、各元請業者が異なる様式を使用する等の理由から、複数の元請事業者から業務を請け負う中小の専門工事業者にとって大きな負担となることも少なくないと承知しており、働き方改革の観点からも大変重要な課題と認識をしております。

 このため、改正建設業法に基づき令和六年十二月に策定した指針において、元請業者が中小の専門工事業者に求める書類のやり取りを合理化することについて明記するとともに、説明会や会議などあらゆる機会を捉えて業界への周知と取組の働きかけを行っているところであります。

 また、建設技能者の経験や技能を登録、蓄積する建設キャリアアップシステムに建設業者が入力した情報を安全書類の作成にそのまま活用できるよう、建設キャリアアップシステムと各元請業者における安全書類等の作成システムの連携を進めているところであります。

 引き続き、中小の専門工事業者の意見にも真摯に耳を傾けながら、書類作成に関する負担を軽減し、建設業における働き方改革をしっかり前に進めてまいります。

小竹委員 ありがとうございます。

 この無駄な労務を是非減らしていただきたいというふうに思います。

 終わります。ありがとうございました。

笹川委員長代理 これにて小竹君の質疑は終了いたしました。

 次に、橋本幹彦君。

橋本(幹)委員 国民民主党の橋本幹彦でございます。

 今、国民の最大の願いは、停滞した日本経済から脱却して、そして、手取りが増えるような、生活が豊かになるような日本経済を取り戻すことを期待しています。私自身、平成七年生まれ、三十歳です。この三十年間ずっと停滞してきた日本経済、是非とも脱却していただきたいと私も切に願っているところであります。

 高市総理が、今回の予算で、これまでにない姿勢でいろいろな投資に取り組んでいく、積極財政に取り組んでいく、そこには私も国民の多くも期待しているところでありますが、しかし、気がかりなところもあります。それは、成長の果実がどのように国民に回っていくのか、そのビジョンをはっきりと示しているだろうかということであります。実質賃金の目標というのは、その端的な指標と言えると私は考えております。

 高市政権になってから、実質賃金の目標、将来の目標ですね、これについて新たに示されているでしょうか。昨年来、これは内閣委員会で私も城内大臣に対して質問してきたんですけれども、明確な答えというところを避けられてきたところでありますので、是非総理の口からお答えいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 実質賃金の目標に限定して申し上げますね。

 現段階においては、骨太方針二〇二五において示した「二〇二九年度までの五年間で、日本経済全体で年一%程度の実質賃金上昇、すなわち、持続的・安定的な物価上昇の下、物価上昇を一%程度上回る賃金上昇をノルムとして定着させる。」という目標は維持されております。

 その上で、この目標を含めた高市内閣成立以前の政府決定の取扱いにつきましては、今後の消費者物価上昇率、一般的な賃金の状況、それから事業者の経営状況といった経済動向などを踏まえまして、夏の成長戦略の取りまとめに向け、具体的に検討させていただきます。

橋本(幹)委員 実質賃金プラス一%ということでありましたが、それは、おっしゃるように、石破政権から変わらない話になってきます。是非、高市政権において、もう政権が発足してからかなり時間もたちましたから、いち早くこの明るいビジョンというところを示していただきたいと思います。

 例えば、実質賃金二%という目標を掲げたとしましたら、これは、日銀の物価上昇のめど二%というところと合わせると、年間、名目で四%上がります。四%上がりますと、十八年間で国民の所得は倍になります。こういった明るい展望を示すことができるのも総理の力でありますから、是非とも、そのためにもメッセージを出していただきたいと思いますし、その実現に向けてあらゆる壁を打ち破っていただきたいと思っているところであります。

 突然ですが、総理、最近、結婚式の御祝儀三万円という発言をされました。三万円というこの相場は、いつから続いていると御認識されているでしょうか。

高市内閣総理大臣 これは人によって様々だと思います。一万円の方もいるでしょうし、三万円の方もいるでしょうし、親戚のおじさんとかだったら五万円包まれる方もいらっしゃるかもしれません。

 ただ、私が二十八歳ぐらいのときに、友人の結婚式に行ったときに、三万円はきついと思いましたが、でも、二というのは駄目だと言われて、一じゃ少な過ぎるし、引き出物をもらって帰るので、思い切って三万円包んだのを覚えております。

 今はどんな感じですかね。

橋本(幹)委員 今も相場は大体三万円でありますけれども、これは諸説ありますけれども、昭和の終わりから平成に入る頃から三万円という相場があるのではないかと言われております。

 この三万円という相場、この三十年間ずっと変わらないわけですけれども、ただ、当然、物価も高くなっている、賃金も高くなっている、食品も高くなっているという中で、やはり、ブライダル業界、賃上げがなかなか進んでいない業界でありますけれども、この御祝儀の相場というところも一つ制約事項になっているのではないかと思います。

 これはあくまでちょっと分かりやすい例えなんですけれども、似たような壁が日本にはたくさんあるわけであります。

 例えば、中小企業や個人事業主の皆さんがふだん意識されている十万円の壁や二十万円の壁。これは確かに、仕事用の例えばパソコンですとか備品を買うときに、十万円未満であれば、その年の消耗品として一括で計上できて、固定資産税も非課税になるというもの。十万円以上になってきますと、そこが固定資産として取り扱われるということであります。この十万円の壁、二十万円の壁というところが、ある意味で、物価高騰にもかかわらず価格転嫁を制約していたのではないか、そのような指摘もあります。

 この十万円の壁というのは、実は、これは平成十年から変わっていないところであります。今回の税制改正で、三十万円の壁については平成十五年以来初めて引上げになるということではありますけれども、併せて十万円の壁、二十万円の壁についても引き上げていくというところを是非検討していただければと思いますが、総理、いかがでしょうか。

片山国務大臣 御指摘いただき、ありがとうございます。

 おっしゃったように、企業の資産取得の場合に、資産管理の事務負担を軽減するという観点もありまして、減価償却の例外として、大企業も含めた全法人対象で、十万円未満、取得時に全額損金算入、二十万円未満は三年間での償却を可能とする、これは全企業、大企業も含めて、としてきております。

 特に中小企業については、租特により、例の租特により、三十万円未満の資産は取得時に全額損金算入を可能としてきたわけでございますが、今般、一連の、官公需も含めて、様々な価格の見直しですよということの中で、令和八年度の税制改正において、主要な対象資産の価格動向等を踏まえまして、三十万円未満が四十万円未満に引き上げられたということでございます。

 その趣旨は委員御指摘のとおりですが、その上で更に十万円未満、二十万円未満もということをどうするかにつきましては、これは大企業も対象とした全部のものでございますので、今後、大企業等がこれをどのように使ってきて、どうしているかという実態も考慮した上で、元々が事務負担軽減だったという制度趣旨も踏まえつつ、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

橋本(幹)委員 似たようなこういった制約事項が多々あります。是非、総理のリーダーシップでこのような壁を打ち破っていただきたいと思いますが、総理からも意気込みをいただければと思います。

高市内閣総理大臣 壁を取っ払うのがお好きな御党に巻き込まれながら、昨年来、財源はこっちで考えろということで、いろいろ賛同できる部分は共にやってまいりましたけれども。

 今、財務大臣から答弁しましたとおり、これは大企業も含むものですので、少しこれは検討する余地があると思っております。全部の壁を取っ払ったら、えらいことになるんやないでしょうか。一緒によく財源も含めて考えましょう。

 ありがとうございます。

橋本(幹)委員 続いて、危機管理の観点から質問いたします。

 新設される防災庁について、この防災庁の設置、あるいは防災大学校(仮称)の新設は、私も一貫して訴えてきた政策でもあります。これが実現することは、大変うれしく思っております。ただ、箱だけつくっても、司令塔だけつくっても、やはり災害対処、防災において一番大事なのは現場であります。この防災庁の新設というところが、現場の、ある意味これも壁がいろいろあるんだと思っていますけれども、そこを取り払う役割を果たせるかどうかが大変肝であると考えています。

 例えば、私は、現場で一番の壁となり得るのは、自治体の境界だと考えております。

 これは、具体例で話しますと、例えば、私は地元が埼玉県でございますけれども、埼玉県ですと、地震は少ないですが、水害というのが非常に多いです。八十年前、カスリーン台風という、大きな水害もありました。利根川が氾濫したときに、では、基礎自治体だけで対処できるだろうか。とてもじゃないけれども、避難先も含めて対処できないわけであります。では、消防も、組合にしていたらある程度広域連携にはなりますけれども、広域連携している組合ばかりではない。あるいは、では、都道府県の単位で災害対処をするということになっても、当然、利根川の氾濫であれば、群馬も、栃木も、茨城も、千葉も、場合によっては東京都も巻き込んだことになってきますから、ここについて、自治体あるいは広域連携の壁というところを取り払う役割を是非防災庁に担っていただきたいと思っております。

 そこで、具体的に申しますと、広域連携というところをある程度前提とした防災の取組というのを進めていくべきなんだと考えています。東京都においては、もう消防本部というのを一本化しているわけですけれども、例えば、埼玉県においては消防本部が多々あります。広域連携しているところもあれば、単独でやっているところもある。ここに大変な、現場に負担もかかっていますし、働く人たちの将来の展望というところでも限界を感じているところであります。

 是非、広域連携を前提とした防災の取組というのを防災庁において推進していただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。

牧野国務大臣 防災庁設置準備担当大臣の牧野でございます。私から橋本議員の御質問にお答えをさせていただきます。

 今年中に設置を目指しております防災庁は、徹底した事前防災の推進、そして、発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔機能を担うことといたしております。

 今、橋本議員がおっしゃった広域連携というのは、これからの地域防災力を抜本的に強化するという意味で大事な観点でありまして、防災庁におきましても、これから人材を拡充し、地域に伴走する体制を整えつつ、広域連携への取組を促進してまいります。

橋本(幹)委員 防災庁の行政上のトップは総理でもあります。総理の口からも是非その意気込みをお示しいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 今、設置準備担当大臣から答弁したとおりです。広域連携、非常に重要だと考えております。

橋本(幹)委員 続いて、医療の体制について伺います。

 質の高い医療を提供するために、地域医療構想というのを定めて、二次医療圏というのを推進してきたというところであります。ここについて大変現場で混乱があるところであると思いますので、是非ここで整理させていただきたいと思っております。

 まず、この二次医療圏について、医療体制の整備は都道府県で行うべきものと認識しておりますけれども、その認識でよいでしょうか。

上野国務大臣 お答えいたします。

 地域における効率的な医療提供体制の確保については、御指摘のとおり、都道府県が主体となって、医療計画等によって必要な取組を進めていただくことが重要だと考えております。

橋本(幹)委員 ありがとうございます。

 病院や病床の整備において、これも国民の命を守る危機管理の体制からも大変重要なことでありますけれども、ただ、どこでもそこでも病院を造って、病床を増やしていく、そういう話ではないはずですね。今、大臣からも言われましたけれども、限られた資源をどのように効率的に、効果的に配分していくかというときに、都道府県が計画を立てていく。これはあたかも、まあ、これはよく、全国どこでもある話なんだと思うんですけれども、自治体間の病院、病床の奪い合いとなっている構図があります。

 ここは、本来であれば都道府県の計画に基づいて整備していくべきところ、基礎自治体における民主主義であるだとか、議論であるだとか、こういったところで、ここで、本来、国全体で考えているビジョンとはちょっと違う方向で議論が進んでいるところであります。是非、今、大臣から明確なお答えをいただきましたので、都道府県においてこの医療体制というのは引き続き推進していただきたいと思っているところであります。

 続いて、インテリジェンス改革について伺います。

 国家情報局の設置というところを内閣としては予定しているということでありますけれども、ここに関して、特に人材確保、そして育成の観点から質問します。

 司令塔の強化、司令塔の強化ということは、内閣もずっと言っていることであります。司令塔あるいは各インテリジェンス関連機関にどのような機能を持たせていくのかというのもこれから検討していくところだということだと思いますが、人材の確保はどのような状況でも非常に重要であろうかと考えております。

 この人材の確保、高市政権のインテリジェンス改革においても重視されているかどうか、この方針を総理からお伺いしたいです。

木原国務大臣 政府としましては、インテリジェンス施策の推進に当たって、まずは、委員今御指摘のあったように、司令塔機能の強化に向けて、国家情報会議や国家情報局を設置する法案の提出のための準備を今進めているところであります。

 こうした組織の設置というのは我が国の情報力を強化していくためのまず出発点であろうと考えておりますが、政府のインテリジェンス機能を十分発揮させていくためには、現在検討中の国家情報局やまた各省庁で情報収集や情報分析に従事する人材の確保、そして育成、これも重要という認識をしております。

 インテリジェンス機能の強化に向けて様々な施策を推進する必要がありますが、まさにこうした全体的な検討の中で、人材の確保や育成に関する課題についても丁寧に検討を進めてまいりたいと思っています。

橋本(幹)委員 丁寧に検討を進めるのは大変重要だと思うんですけれども、今回の予算においても、インテリジェンス、特に内閣情報調査室、国家情報局の前身となるべき組織ですね、ここについて人員の拡充がそこまで行われている予算ではありません。

 そして、内閣情報調査室、いつもはどういう状況かということを申しますと、プロパーの職員が三分の一ぐらいいます。このプロパーの職員は、幹部になる、部長級以上になるということがないんですね。これは今もないですし、過去も一度もありません。

 司令塔機能を強化するということは本当に重要だと思いますけれども、今の内閣情報調査室であっても、この人事の慣行については大変問題があろうかと思います。こういったプロパーで頑張っている職員、あるいは現場で頑張っている職員、こういったところに光が当たるような、そういった改革を進めていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。

木原国務大臣 まさに委員のおっしゃるとおりでありまして、内調の実員は今約六百八十名おりますけれども、プロパーは三分の一程度になっております。その割合を引き上げるべく、今後の採用数、本年四月の新人は約二十名を増やすことにはなっておりますが、これからそういった長期的な計画の中で採用はしっかりと考えていかなきゃいけません。

 そのためには、まず、魅力ある職場であるということの発信に努力をしたり、また、専門人材の中途採用なんかも積極的に進めたりしていくことも途中の段階では必要かなというふうに思っております。

    〔笹川委員長代理退席、委員長着席〕

橋本(幹)委員 今、官房長官のお答え、ちょっとかみ合っていなかったんですが。

 プロパーの職員が部長級以上になることが今までもなかったし、現在もないということです。こういう状況において、では、魅力ある職場になるんでしょうか。志を持って内閣情報調査室に入った職員が、どんなに頑張っても課長までにしかなれない。もちろん課長も立派な職責かもしれないですけれども、そこで限界を感じて退職していく方もいらっしゃると思うんですね。是非、足下から固めていただきたいと思います。

 内閣情報調査室、現時点においても大変いろいろな問題があります。それがこのまま国家情報局に発展していったとしても、その問題が内包されたままだと思いますので、是非、この観点を持って、インテリジェンスの強化、現場の方を大事にしていただきながら強化していただきたいと思っております。

 自衛隊について伺います。

 今国会で政府から出されている法案で、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改称するであるだとか、あるいは階級の国際標準化なるものを進めていくですとか、そういった方針も出されておりますけれども、はっきり言って、現場はさめていると思います。そんなことより、やれるべきことはたくさんあります。

 例えば、自衛官の団体生命保険、これは、事に臨んでは危険を顧みずという自衛官の職責の特徴をカバーするために団体生命保険という割安の生命保険が用意されておりますけれども、ほとんどの自衛官がその手取りから毎月掛け捨ての保険金を払っているということであります。

 これは額としては少ないかもしれないですけれども、事に臨んでは危険を顧みずという宣誓をする隊員に対して自腹を切って団体生命保険に入りなさいというと、これは、私は、やはり名誉や誇りという観点からも大変問題がある状況だと思います。今まで石破政権以来ずっと続けてきた処遇改善の方向性というところよりかは予算を食わないはずですから、是非この団体生命保険の国費負担というところを進めていただきたいと思います。

 あるいは、もっと予算を食わないやり方もありますね。例えば、下宿の在り方の見直しということもあろうかと思います。海上自衛隊であるだとか防衛大学校においては、下宿というところが伝統としてなっています。これは、要件を満たした隊員なり学生なりが基地、学校の近傍で下宿を借りることができるということでありますけれども、実態としては、ほぼ強制的に下宿を借りているというところであります。限られた手取りの中でこの下宿費を払わなければならない、ここも大変隊員としては不満もあるところだろうかと思います。

 あるいは、海上自衛隊の迷彩服ですけれども、これも枚数を増やすというところで宣伝されていますけれども、そもそも、海上自衛隊のあの青い迷彩服ですね、これは海中に転落したときに大変視認性が悪いというところで、かつて米軍でも採用していたものでありますけれども、もう米軍でも使用していないものでもあります。

 こういったところ、大変細かな話かもしれないですけれども、今政権が進めていこうとしているところと併せて、こういった足下のところの施策を是非拾っていただきたい、これこそがまさに自衛官の処遇改善であると私は思っております。是非そういった現場の声を拾った処遇改善を進めていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。

小泉国務大臣 今、かなり問数が多かったものですから、五問、六問ぐらいありましたが、最初の、例えば航空自衛隊が航空宇宙自衛隊になるところとか、階級のところとか、どこからお答えしたらいいかなと思っているんですが、恐らく関心の一つは生命保険とかそういったところだと思いましたので、そこからお答えをさせていただきます。

 まず、今、橋本委員が言われた自衛官の生命保険、これでありますが、危険な任務に従事する隊員やその御家族を支える一役を担う防衛省独自の団体保険制度であり、隊員の任意によって加入口数が選べる商品となっております。他方、自衛官が公務上の災害により死傷した場合においては、国家公務員災害補償法の規定に基づいて国が補償する公務災害補償の制度が整備されております。

 防衛大学校の下宿の話などもありますし、迷彩服などもありますが、全部お答えした方が。(橋本(幹)委員「ええ」と呼ぶ)どれから行きましょうか。では、一回戻りますね。

橋本(幹)委員 細かいところは、私も安全保障委員会に所属しておりますので、そこで議論したいと思いますけれども。

 どうしても、政治家が処遇改善とか改革というと、華々しいところに注目しがちですね、給与を改善する、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に変えるですとか。そういったところではなくて、こういう足下にたくさん課題は落ちています。でも、これを防衛省に言うと、アンケートを取っていますと言いますけれども、そもそも、現場でアンケートに答える隊員がどういう状況で答えているかというところも見ていただきたいと思います。

 最近、小泉大臣のいろいろなSNSに自衛隊の家族を名のる方からのいろいろな提言があろうかと思いますけれども、私は、これ、本当に家族なんだろうか、現場の声なき声なのではないかと思っておりますから、是非、そのアンケートの取り方も含めて、現場の声を拾うというやり方についてはよくよく再考していただきたいと思っております。

 次の質問に行きます。防衛省のスタートアップ支援について。

 高市総理も、スタートアップ支援というところは、防衛省に限らず力を入れていらっしゃるところだと思います。ただ、この技術的な査定が十分だろうかというところについて伺いたいと思います。

 もちろん、スタートアップです、芽が出るもの、出ないものはあるかもしれません。種をまいて、水をやって、それで芽が出なかったものもある、そこも含めて許容していかなければならないのがスタートアップの支援かもしれません。ただ、今防衛省の行っているスタートアップの支援というところ、その査定が大変甘いと考えております。

 個別具体的な名前は伏せたいと思いますが、例えば、そのスタートアップの主体の中に特定の国の方々が大変多く入っている、邦人の方もいらっしゃいますけれども、その特定の国の政府といろいろなやり取りをしている、一緒に研究開発もしている、その国がやはり安全保障上のリスクでもある、懸念先である、そういった事例も、開示情報から読み取れるような事例というのは現時点でもあります。

 スタートアップ支援も是非やっていただきたいとは思いますけれども、国民の大切な財産を使ってスタートアップ支援をやるわけですから、是非そこをよくよく精査していただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。

小泉国務大臣 橋本委員が例えば具体的にどのスタートアップ支援案件を指して今のような問題意識を持たれているかというのは、また委員会等で具体的にお伺いをすることかもしれませんが。

 今、防衛省としての問題意識は、今までのプライムに限らず、スタートアップも含めて、防衛産業の方に目を向けていただきたい。そういった中で、今まで防衛省としてはやってこなかったSBIRですとか、あとアジャイル型ですとか、そしてまたスタートアップの皆さん向けの随意契約の制度ですとか、こういったファストパスも含めて、スタートアップ支援を今、拡充をしているところであります。

 そういった中で、先生がおっしゃるような、防衛産業を育成するためにスタートアップの皆さんに門戸を開くのは大事だけれども、そこの目利きというものはしっかりしなければならないという御指摘だとしたら、それはもちろんそのとおりでありますし、しっかり適切に運用されるように努めたいと思います。

橋本(幹)委員 国情局の設置もそうです。防衛省のいろいろな改革もそうです。これは私は是非必要だと思いますし、そこについてはいろいろな提案をしたいと思いますけれども、ただ、大上段に掲げるキャッチフレーズ、そういうところだけではなくて、是非細かなところを見ていただきたいと思います。本当にこれは懸念しております。

 さて、続いて、政治改革について伺います。

 高市総理、代表質問の際に、お答えで、不記載の問題があった方々について、記者会見あるいは国会の政治倫理審査会への出席などを通じて事実関係を明らかにしてきた、説明を行ってきた、そのように答弁されておりましたけれども、それはいかなる事実認識に基づくんでしょうか。果たして、この不記載の問題があった方々全員がこのような対応をされた、そのような認識でいらっしゃるんでしょうか。

高市内閣総理大臣 過去に起きた自民党議員による政治資金収支報告書の不記載については、私の答弁ですが、検察による捜査が行われた上で、それぞれの議員が記者会見、国会の政倫審への出席などを通じて事実関係を明らかにし、説明を行ってきた旨申し上げていると思います。そのなどには、コメントを発表したり地元での説明などが含まれております。

 これは、この問題が明らかになった後、検察による捜査もあり、自民党も調査をしました。そして処分もありました。議員本人による説明などが行われるその過程で、党からも発表した記者会見や政倫審の主張、報道、様々な媒体を通じて私自身が承知したことを踏まえて申し上げております。

 何か誤りがあれば、御教授ください。

橋本(幹)委員 などの意味するところは大変広いと思いますが、ただ、記者会見や政倫審への出席、この二つとしたときに、やっていない方もいらっしゃいますし、今回政倫審の委員になった方の中には、それに該当する方もいらっしゃいます。それはまず事実認識として私は甘いと思いますし、しっかりと御説明なさったらいいと思います。ただ、そういう方を政倫審のメンバーとして自民党として配置しているのも、私は、それは有権者に対する態度としていかがなものかと考えております。

 最後に、るるいろいろな質問をしてまいりました。実質賃金を上げていく、あるいは新たな投資分野、スタートアップ支援をしていく、こういったところも是非応援したいと思いますけれども、ただかけ声だけどんどんどんどん進んでいって、中身の議論というのはやはりいろいろな懸念事項もあります。そういったことを予算委員会ではしっかりと議論して、そして国民に開かれた場で議論していくというのは、これは行政府の長としての務めであると思います。

 是非、国民会議ですとかそういったところに逃げずに、この国会の開かれた場で、しっかりと総理自身の口から国民に対して様々なことを説明いただきたいと思いますし、ビジョンを示していただきたいと思っております。

 私からの質問は以上です。

坂本委員長 これにて橋本君の質疑は終了いたしました。

 次に、福田徹君。

福田(徹)委員 国民民主党、福田徹です。

 まず、高市総理と上野厚労大臣に御礼申し上げたいと思います。

 昨年の十二月、予算委員会で、私から高度急性期医療や外科医療、これを守ってほしいというお願いをして、前向きな答弁をいただきました。そして、今の診療報酬改定で、少しずつ確実に実現に向かっております。一緒に命のために一生懸命働いた仲間から、多くの驚きの声、喜びの声が届いております。やっと救急医療に光が当たったとか、もう今までどれだけ手術しても報われる気がしなかったけれども、これからはもっと手術したいと思えるとか、多くの声が届いております。本当にありがとうございました。

 私はまだ議員になって一年数か月ですが、政治が人の喜びになる、生きがいになる、そういう体験をさせていただけたと思っております。政治というのは本当にすばらしい仕事だなと思いましたので、二期目も必ず国民のために働くとお誓いし、今日も人の命とそれを支える医療者のための質疑をさせていただきます。

 まず、正常分娩、いわゆるお産の保険適用についてお聞きします。

 令和五年十二月二十二日に閣議決定されたこども未来戦略において、令和八年度をめどに、出産費用の保険適用の導入を含めた検討を進めるとあります。

 私は、出産の無償化には大賛成です。今の、幾らかかるか分からないみたいな不安、もうこういうのは消し飛ばして、すぱっと無償と言えるような状態にしたいと思います。

 一方で、その方法として保険適用という方法を取る場合は、とても慎重な議論が必要だと思っております。今ある日本の多くの課題の根本原因というのは少子化だと思うのですが、その少子化を、もしかしたら促進してしまうかもしれない、そういう状況は見過ごせないと思い、取り上げさせていただきます。

 まず、上野厚労大臣にお聞きします。

 お産の保険適用に関する懸念点を把握されていらっしゃいますでしょうか。

上野国務大臣 ありがとうございます。

 現行の出産育児一時金につきましては、支給額を引き上げても、出産費用の上昇によって実際の妊婦の経済的負担の軽減につながらない、そのような課題があります。そのため、妊娠、出産に伴う経済的負担を軽減できるように、所要の制度改正を行う方向で検討しております。

 見直しの具体的な内容につきましては、これまで審議会等で議論を重ねてまいりましたけれども、その中では、例えば、妊産婦の方々からは、出産に伴う経済的負担に加え、費用に関する十分な情報がない、このことについて改善を望む声がございました。また一方、産科医療関係者からは、出生数が年々減少する中、物価、賃金上昇に直面をしており、周産期医療体制の堅持のために経営環境の改善が必要、そうした指摘もございました。

 政府といたしましては、こうした妊産婦の皆さんの声や、産科医療関係者が感じておられる御不安、その声の両方をしっかりと受け止めながら、妊産婦の経済的負担の軽減と地域の周産期医療体制の確保、この両立を図る、これが非常に大事でありますので、そうした観点から丁寧に検討を進めていきたいと考えています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、今挙げられた課題の解決策として、保険適用というのは一つの方法となり得ると思います。

 一方で、お産を低い診療報酬の保険適用とした場合、地域の周産期医療体制が崩壊するのではないかという懸念が言われております。

 日本産婦人科医会が令和六年に実施した、地域における産科診療施設の事業継続見込みに関する調査によりますと、お産が保険適用となった場合、分娩取扱いをやめる、若しくは、制度内容により中止を考えると回答した産科診療所は、五百九十施設中、四百一施設。約六八%もの産科診療所が分娩から手を引く可能性があるとされています。

 この調査は日本産婦人科医会のものですので、もしかしたら偏りがあるかもしれないと思いまして、私自身で多くの産婦人科医師にヒアリングを行いました。やはり、その結果、ほとんどの産婦人科医師はこの保険適用について強い懸念を示しております。特に診療所の院長だけではなくて、大病院の勤務医であったり、いわゆる立場を問わずです。保険適用となり、一旦公定の診療報酬が決まると、その後、上がることがない、むしろ下げられる可能性がある、そう思われているからなんですよね。過去の診療報酬の歴史を見れば、そう思っても不思議ではありません。

 今、もちろん地域差は多いのですが、厚生労働省の保険局の調査では、出産費用は大体平均五十万六千五百四十円とされています。もし、これに近い金額の診療報酬が一度設定されると、近年の物価上昇や人件費上昇、これですぐに赤字になってしまう、そう予想されています。

 だから、御想像のとおり、産婦人科診療所というのは、小規模でも入院設備を持っていたり、二十四時間三百六十五日、お産や急変対応のために、当直医であったり待機医を置いていたり、もちろん助産師さんも置いている。こうやって、産科診療所の運営というのは経済的にも体力的にも物すごく厳しいものなんですよね。私の専門とする救急医療にすごく似ていると思って、気持ちがよく分かるんです。

 そして、極めて重要な点が、現時点で日本の周産期医療において、町の産婦人科診療所というのが極めて大きな役割を果たしております。現在、我が国の分娩の約半数、四五・一%が、病院ではなく診療所で行われております。もし、この保険適用で、町の産婦人科診療所がお産から一気に手を引くと、リスクの低いお産がみんな、いわゆる周産期母子医療センターみたいな、本来はハイリスク分娩を扱うような施設に一気に流れ込む。そうすると、当然ですけれども、受け入れる大規模施設側がそれを受け入れる余裕はなく、地域の周産期医療体制が破綻します。そうすると、お産難民が生まれて、これは逆に少子化促進策になってしまうと思うんですよね。

 私自身は、長期的には、お産の集約化、大規模施設への集約化というのは必要だと思っております。実際、現在、何もせずとも、医師の高齢化であったり、あとはお産の減少で、町の産婦人科診療所というのはどんどん減っているんですよね。徐々に大規模施設に集約化されていっています。そして、このトレンドはしばらく変わらないと思います。

 でも、そのトレンドを、今回、保険適用というワンプッシュで一気に進めてしまうと、いわゆる大規模施設側の、集約化される側の施設の体制が整わないうちにそれが起こると、本当にお産の行く末がなくなる、破綻してしまうんじゃないかと危惧しております。

 そして、高市総理にお願いしたいと思います。妊産婦の経済的負担の軽減、そして地域の周産期医療提供体制の確保、この二つを同時に実現すること、これが少子化対策です。そのために、出産費用の保険適用は慎重に議論すること。特に、保険適用を行う場合は、毎年の物価の上昇、人件費の上昇、それだけじゃない、出産費用の毎年の確認、これをしていただいた上で、もし上がっていく場合はそれに見合うように、その価格をスライドして一緒に上げていく、これをルール化した上で保険適用とすること、これをお願いできないでしょうか。

高市内閣総理大臣 出産に対する給付体系の見直しに当たりましては、保険料への影響も勘案しながら、産科医療機関等の経営実態に配慮したものとする必要があると考えております。

 最も重要なのは、妊婦の方々が地域で安心して安全に出産できる環境を確保することでございます。今御指摘いただいた提案も受け止めさせていただきながら、制度の詳細については、今国会における改正法案の提出に向けて、引き続き丁寧に検討してまいりたいと存じます。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 次に、救急医療についてお聞きします。

 令和六年中の救急車出動件数は、七百七十一万八千三百八十件、前年と比べて約八万件増加し、過去最多を記録しています。

 昨年の補正予算で、救急車受入れ件数に応じて給付金を出していただいた。これはもう本当に救急医療に奮闘する病院や職員に報いていただくもので、本当に感謝しております。

 一方で、今後の懸念点も申し上げたいと思います。それは、今もこれからも、救急医療の中でも高齢者救急、特に軽症から中等症の高齢者救急が圧倒的に多くを占めるという点です。令和六年版救急・救助の現況によりますと、救急車による搬送人員のうち、六十五歳以上の高齢者が六一・九%、軽症と中等症を合わせると九一・四%です。

 上野厚労大臣にお聞きします。今後、これらの救急症例はどのような医療機関が対応すると見込まれているでしょうか。

上野国務大臣 福田委員におかれましては、救急医として臨床に携わってこられましたし、昨年でしたが、新幹線の中で救命救急に当たられたというような報道も拝見をいたしました。敬意を表したいと思います。

 今御指摘のありましたように、二〇四〇年頃を見据えますと、日本全体で見て、医療と介護の複合ニーズを抱えられる八十五歳以上の高齢者の増加に伴って、高齢者救急の増加が見込まれます。

 高齢者救急の増加に対しましては、新たな地域医療構想における医療機関機能のうち、高齢者救急・地域急性期機能を担う医療機関が中心となって対応することが想定をされておりますが、それぞれの地域における高齢者救急への対応に関する具体的な役割分担、これにつきましては、地域の医療需要や医療資源、こうしたものを踏まえて、関係者間での協議を通じて進めていただければというふうに考えています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、高齢者救急・地域急性期機能に手を挙げた医療機関が対応するはずです。そしてそれは、具体的には、現在、二次救急病院と言われる医療機関だと思うんです。もっと具体的に言うと、主に民間の中規模病院が手を挙げるだろうと予測されると思います。

 私の懸念は、果たしてこれらの病院がそれまでもつかという点です。

 より重症な症例を受け入れる救命救急センター、これは七五%が公立、国立、公的病院です。これらは守られると思うんです。一方で、先ほど申したように、多くの軽症、中等症の高齢者救急を受ける、我が国の全救急搬送の半数以上は、実は民間の医療機関が受け入れています。これまでも、これからも、救急医療においては、民間の中規模病院というのが物すごく大事な役割を担います。

 一方で、これらの病院からは物すごく大きな悲痛な声が届いておりまして、まず、病院はどこも赤字と言われますが、公立病院に対しては、繰入金という形で年間八千五百億円以上投入されているんですよね。そして、税金は非課税です。それに対して、民間の病院というのは、決まった補助金はなくて、税金も課される。

 最近よく聞くのが、人事院勧告に従って公立の病院の職員の給料は上がるけれども、民間がそれで給料が勝てなくて、人材が流れているという話も聞きます。

 高市総理にお聞きします。

 昨年の予算委員会で、私、まず、高度な医療を行う救命救急センターを始め、高度急性期病院の支援をお願いして、この診療報酬改定に反映していただきました。次は、多くの救急医療を担ってくださっている、今は病院だけじゃないんですよね、診療所でも救急診療所といって頑張っていただいているところがあります。そういう特に民間の病院も報いられるような施策、お願いできませんでしょうか。

上野国務大臣 民間病院の支援は大変重要な課題だというふうに認識をしております。

 委員御案内のとおりでありますが、令和七年度の補正予算に盛り込みました医療・介護等支援パッケージにおきましても、病院への相当な支援をさせていただいているところでありますし、さらに、加算分といたしまして、救急車の受入れ件数の多寡などに応じて上乗せの補助も設定をしております。

 また、診療報酬での対応につきましても、令和八年度の診療報酬改定で、三十年ぶりとなる三%を上回る改定率を確保した上で、物価上昇や賃上げの対応に加えまして、救急の受入れをより重視をした報酬体系とさせていただいているところであります。

 こうした取組を通じまして、民間病院も含めまして、日夜救急医療に取り組んでいただいている医療機関を支えていきたいというふうに考えておりますし、こうした診療報酬等の実施状況も勘案しながら、今後の対応につきましても十分検討していきたいと思います。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 是非、これからも、民間病院の経営状況をできる限り正しくウォッチしながら、それに対応した政策をいただけるとありがたいと思っております。

 次に、高額療養費制度の見直しについてお聞きします。

 まず、前提として、私、高額療養費制度の見直しで医療費の適正化を図ること自体には余り賛成ではありません。高額療養費制度というのは、救命救急やがんの治療といった、いわゆる確実に効果のある、価値の大きい医療を抑制してくる傾向があるものですので、本来であれば、残薬であるとか、検査の重複であるとか、効果の小さい薬とか、あと、必要以上の頻回の受診とか、こういう価値の小さい医療で医療費の適正化を行うべきだと思っております。

 確かに、現役世代からは、社会保険料を抑えてほしい、この声はよく聞きます。でも、一方で、もし病気になったとき、これほど高い自己負担を負わなければいけないのかという現役世代の声もよく聞いております。

 この見直しというのは、所得のある人、つまりは現役世代なんですよね、現役世代の自己負担を上げるというものですので、多くの人が心配しているというのが実情だと思っております。

 高額療養費制度に関する答弁は、以下のようなものが多いです。高額療養費制度については、高齢化や高額薬剤の普及などにより高額療養費が増加する中で、持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指して見直すこととしていますといったものです。

 私は、高額療養費制度の持続可能性を、高額療養費制度の中で自己負担を上げることによって実現しなくてもよいと思うんですよね。高額療養費制度の外の、別の、価値の小さい医療を抑えることによって財源をつくってくることもできると思っております。

 あえて高額療養費制度の中でやるとすれば、恐らく、軽症の医療が入り込む外来特例の上限を上げるとか廃止を検討するとか、こういう方法が考えられるのではないかと思っております。

 これも上野厚労大臣にお聞きします。

 改めて、高額療養費制度の見直しが必要か、お考えをお聞かせください。そして、更なる外来特例の見直し、これは検討されますでしょうか。

上野国務大臣 高額療養費制度につきましては、セーフティーネット機能、これを充実したものにする必要がある一方で、やはり制度自体の持続可能性も十分確保していくことが必要でありますので、その両面からの見直しということは大切だと考えています。

 その上で、今、外来特例のお話がございました。これにつきましても、専門委員会におきまして、制度の必要性は理解できるものの、医療費全体が増加をしている中で一定の見直しが必要という点で、意見がおおむね一致をいたしました。本年八月以降、外来特例の自己負担額を見直すこととしているところであります。

 一方、外来特例の対象年齢の在り方等につきましても、専門委員会において議論がありまして、この中におきましては、全体感を持った検討を進め、高齢者の経済的負担に急激な変化が生じないような制度の在り方とすべきというような整理がされているところであります。

 高齢者の窓口負担の割合についても、今後、その在り方については議論をしていくことになろうかと思いますが、外来特例の対象年齢の在り方についても、その一環として、それと関連をして検討していく、そうしたことも考えられるかなと考えています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 私は、全面的に賛成でないとしても、少しでもよいものをつくるために一生懸命協力していきたいという立場です。

 その中で、外来特例の対象となっている外来診療の内容をもう少し精査して、どのような外来が行われているのか、それを確認することで、必須でない外来診療が多く含まれていないかということを検証して、より適切な見直しにつなげられるのではないかなと思っております。

 あと、やはり、一旦凍結となった後再度出てきたものに関しては、多数回該当の上限を、金額を据え置いていただけることとか、年間上限が設定されたことというのは、とても評価できることだと思っております。

 一方で、その上で、私の考える理想的な高額療養費制度の見直しということで一つ提案させていただきたいのですが、それは、年齢や所得区分で上限を決めるのではなくて、医療の価値で上限を決めるという案です。

 医療というのは、同じ医療を行っても、その対象によって見込まれる効果は全然違うと思うんですよね。具体的には、同じ抗がん剤を使っても、大きな効果が期待できる症例とそうではない症例があります。現在はこれは全く同じ扱いになります。社会保険という制度の下では、大きな効果が見込まれるケースに関しては上限を下げる、むしろ効果が見込まれない場合は上限を上げる、こういう設計もあり得ると思うんですよね。

 医療の価値を見分けるということは簡単なことではありませんが、幸いにも医療の分野というのはたくさん研究されていて、現在でも様々な医療の効果に関するエビデンスというものがそろっております。これからは、場合によっては政策決定のための研究というのも行われてもいいと思うんですよね。

 総理に御提案させていただきたいと思います。今すぐは難しいかもしれないけれども、今後、時間をかけて、医療の価値に基づいた高額療養費制度の見直し、これを行うことはいかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 委員がおっしゃる医療の価値の客観的な評価の在り方につきましては、現状、医薬品の費用対効果評価制度はありますけれども、広く医療行為全般に適用するというのは、恐らく技術的な課題も多い状況なんだろうと思います。

 現時点で、いわゆる風邪に対する抗菌薬の処方は、効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療だと。こういったことを順次探索して、その周知を図っているような段階だと考えております。

 政府としても、医療の価値に基づく政策が推進されるべきという委員の御指摘の趣旨は真摯に受け止めたいのですが、まずは今の取組を着実に進めることで医療の適正化を図っていきたいと思います。特に、残薬ですとか重複投与とか、こういった問題というのはすぐに取り組めることですので、しっかりと進めてまいりたいと思います。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 次に、後期高齢者医療制度における窓口負担についてお聞きします。

 私たち国民民主党は、原則二割を提案しております。先日行われました施政方針演説に対する質問で、我が党の玉木代表の質問に対して高市総理は、丁寧に検討を進めてまいりますとお答えいただきました。本日は、その丁寧な検討を後押しするような質疑ができたらと思います。

 上野厚労大臣にお聞きします。

 後期高齢者医療制度における窓口負担を二割とすることにする課題は、現時点ではどんなものがありますでしょうか。

上野国務大臣 後期高齢者の自己負担割合を検討するに当たりましては、一般的に所得が低い、その一方で医療費が高い傾向にあるということで、例えば現役世代の四十代と八十代を比較いたしますと、収入は八十代の方が半分以下になりますけれども、それにかかる平均的な医療費というのは七倍、八倍、あるいは十倍、そうした数値になろうかというふうに思っております。

 そうした傾向があるということであったり、あるいは、窓口負担割合を引き上げることによって必要な受診が抑制されるのではないか、そういった懸念も寄せられておりますので、そうしたことを総合的に勘案していくことが必要かと考えています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 この必要な受診が抑制されるおそれというのが一番大切なポイントだと思うんですね。その点について、窓口負担を上げることは、国内外の研究からは、健康に大きな悪影響を与えず医療費を抑制することができると示されております。

 その領域の研究で、世界で初めてアメリカで行われた、ランド医療保険実験と訳せばいいですかね、無作為に自己負担を〇%、二五%、五〇%、九五%のグループをつくって、その後の受診行動、健康状態の評価をしております。その結果、自己負担〇%群と比較して、自己負担二五%群では、医療費は二〇%削減されております。なおかつ、自己負担〇%群と比較して、自己負担がある群の健康指標については、ごく一部を除き、大きな悪影響はありませんでした。

 これは、窓口負担が上がることで抑制されるのが主に軽症の受診だからと考えられております。つまり、必要な受診が抑制されるおそれの、必要な受診でない可能性が高いということです。これが高額療養費制度と全く違う点です。同じ結果が複数の日本の研究でも示されております。

 この研究結果から、外来窓口負担を上げることというのは、健康に大きな悪影響を与えず医療費を抑制できる、かなり望ましい政策だと思われます。その上で、国民民主党は、後期高齢者の二割負担を求めております。

 高市総理にお尋ねします。

 これらの根拠の上で、後期高齢者医療制度における窓口負担を上げること、この検討を加速できそうでしょうか。ほかにもし懸念点がございましたら、それを判断するための必要な根拠を是非提案させていただきたいと思います。

上野国務大臣 済みません、重ねてで恐縮でございますが、先ほども申し上げましたとおり、所得の水準であったり、かかる医療費であったり、そうしたものをやはり勘案していくことは必要だというふうに思いますし、また、介護保険における負担の状況、そうしたものも検討していく必要があろうかというふうに思っております。

 委員から御指摘のあった研究でありますが、これは相当前のアメリカでの研究でもありますし、皆保険制度のないアメリカでの研究で、しかも六十五歳未満対象の研究でもありますので、なかなかそれをもって日本でも大丈夫だということにはならないのではないかなというふうに考えておりますが、様々な研究結果もあろうかと思いますので、そういったものをしんしゃくしながら検討することは大切かと考えております。

福田(徹)委員 そうですね。高齢者は、医療だけではなくて、介護でもお金がかかることは事実です。

 ただ、実は、今も高額医療・高額介護合算制度という制度があり、一年間の医療費と介護費の自己負担が一定金額を超えたら払い戻されるという制度があります。そして何より、先ほど議論させていただいた外来特例が、窓口負担の過重な負担とならないようなセーフティーネットになっておりますので、それも窓口負担を上げることができる一つのセットなのかな、セーフティーネットなのかなと思っております。

 最後に、ここは予算委員会ではありますが、全くお金の話ではない、一〇〇%命のための質疑をさせてください。

 アナフィラキシーという病気があります。アナフィラキシーという病気に対する救急救命士による緊急処置について、お願いさせてください。

 アナフィラキシーは、重症のアレルギーで、命に関わるものです。今でも年間五十人から七十人ぐらい亡くなっています。私は、救急医として、アナフィラキシーで絶対に人を逝かせない、これを一生懸命やってきました。今、政治家として日本中のアナフィラキシーを守れるかもと、チャンスだと思っております。

 アナフィラキシーというのは特効薬があって、アドレナリンという薬を筋肉内投与すると、それだけで救命できるんですね。今、自分でエピペンというものを持って、打っている人もいます。そして、学校の先生も児童のために打てるようにしております。でも、今、アナフィラキシーで救急車を呼んで、救急隊が現場に到着すると、傷病者がエピペンを持っていればそれを代わりに打ってあげることはできるけれども、持っていない場合は打つことができない、病院まで行かなきゃいけない、それで間に合わないことがあるんですね。でも、実は、今も救急車の中にアドレナリンは載っているんです。心肺停止の症例に使う用にアドレナリンが載っていて、それを使えば助けられるかもしれないのに、できない。それが今の状況です。これを是非、直したいと思っているんです。

 厚労大臣にお願いしたいです。

 今、救急隊がエピペンを正しく安全に使えるという実証実験が二〇二五年十二月までに行われました。もし、結果、正確に安全に投与できるということになったら、できる限り早急に、救急救命士がエピペンを使用できるような処置拡大をお願いしたいです。どうかお願いします。

上野国務大臣 お答えいたします。

 今後も救急搬送件数の増加が見込まれます。そうした中にありまして、医師の業務のタスクシフト・シェアの観点から、救急救命士の皆さんに現場で頑張っていただく、そうした環境づくりを検討することは大切だと考えております。

 今御指摘のありました、アナフィラキシーに対するアドレナリンの筋肉内投与につきましては、令和五年度と六年度に研究を実施をいたしました。その上で、昨年三月から十二月までの十か月間、一部の地域で時限的な実証を行っております。現在この実証結果を取りまとめているところでありますので、今後、それらを踏まえて、また関係者の御意見も伺って、処置の全国的な拡大について検討を進めていきたいと考えています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 この変更は、多くの命を確実に救う変更ですので、是非お願いしたいと思います。

 今日はありがとうございました。

坂本委員長 これにて福田君の質疑は終了いたしました。

 この際、約十分間休憩いたします。

    午後三時二十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時三十一分開議

坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。木下敏之君。

木下委員 参政党の木下敏之と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 これまで参政党は、どちらかというと消費税それから外国人問題、そういったことをずっと主張してまいりましたが、余り触れることのなかった農業問題について、参政党の公約を引用しながら、総理そして関係大臣の御答弁をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 参政党の農業分野の公約の中で、米の備蓄、それから食料の安全保障、そして食品の輸出、それから加工食品に含まれるミネラルの不足が女性の健康にどう影響を与えるかといった問題について、順番に質問してまいりたいと思います。

 まず、米の備蓄でございます。

 参政党は、食料備蓄を強化することとしておりまして、米につきましては、令和十年に国内消費の三か月分、約百七十万トンまで備蓄を増やすということを打ち出しております。折しも、アメリカとイランとの戦争が始まりまして、石油の輸入も心配されるところではございますが、北欧の国々は、ロシアとウクライナとの戦争の影響で国内の穀物備蓄の量を増やしてきております。

 それに比べて、我が国の米の備蓄量ですが、現在三十二万トン。そして、これは国内消費の半月分程度しかございませんが、これで十分と言えるのかどうかと思っております。そして、先日の国会答弁におきましても、令和八年度産米で二十一万トン更に積み増す、三十二万トンから積み増すということでございますが、それに放出した備蓄米の買戻しも検討しているとのことですが、一体いつまでに、備蓄量を政府が目標としている百万トンに戻すのでしょうか。

 先ほども述べたように、ヨーロッパ諸国、特に北ヨーロッパは、安全保障を理由に備蓄量を増やしている国もありますが、日本も備蓄量を百万トン以上に増やすべきではないでしょうか。この点につきまして、まず鈴木農林水産大臣の御見解を伺います。

鈴木国務大臣 木下委員は農林水産省の私の先輩でございますので、またお手柔らかに御指導いただければというふうに思います。

 お答え申し上げます。

 まず、百万トン備蓄水準にいつ戻すのかというお話でありますが、不作時に備えた政府備蓄米は食料安全保障の観点から不可欠でありまして、米の安定供給を図り、備蓄水準百万トン程度まで回復させるということが何よりも必要だというふうに認識はしております。

 このため、昨年中止をした政府備蓄米の買入れを再開することとしております。令和八年産米については二十一万トンを買い入れることとしておりまして、作付の状況もよく踏まえて今準備を進めさせていただいておりますので、なるべく早くこれについては買入れを再開をさせていただきます。

 また、主食用として売り渡しました約五十九万トンについてでありますが、今後の需給の状況等をよく見定めた上で、買戻しについても行わせていただきたいというふうに考えております。

 また、水準が百万トンでどうなのかという話であるんですが、米については国内で自給できる穀物であります。そのことから、備蓄米の適正水準は、国内の不作時に対応できる数量として、米の基本指針において百万トン程度というふうにさせていただいております。この百万トンの量は、十年に一度の不作、若しくは通常程度の不作が二年連続した事態にも対応できる数量として、平成十三年に決定をしている量であります。

 農林水産省といたしましては、現行の需要量に加え、急激な需要増や災害への対応等も考慮した上で、引き続き百万トンの適正備蓄水準を前提としつつ、効率的な備蓄運営の在り方について、関係者の御意見を伺いながら検討してまいりたいというふうに考えます。

木下委員 食料の備蓄が必要となる最も現実的な想定は、私は、南海トラフ、それも三連動タイプが最悪の水準で来た場合ではないかと思っています。特に太平洋側ですね、名古屋港それから鹿児島の志布志港、ここは、食用小麦それから飼料用作物、大きなサイロ等、荷受けの施設がございますが、これに対しては、最大規模の揺れ、最大規模の津波が来た場合でも対応できるような工事が既に行われているのかどうか。

 そして、もしそれが不十分であったとしたら、数か月間輸入が止まることも考えられると思います。その場合に、米だけではなくて、食用小麦それから飼料用作物、それらを含めて備蓄量が十分なのかどうか。その点について御見解をお願いいたします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 農林水産省におきまして、主な製粉企業、配合飼料メーカー及び倉庫業者に確認をさせていただきました。

 まず、小麦及び飼料穀物の保管場所のいずれも、南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さに備えた工事は完了しているというふうに伺っております。

 さらに、小麦も飼料穀物も、リスク分散の観点から、南海トラフ地震で被害が想定される地域以外にも分散をして保管をされているところであります。例えば、小麦については、備蓄量八十七万トンのうちの約五割が南海トラフ地震の想定地域外での備蓄となっておりますし、飼料穀物についても、備蓄量百一万トンの約六割がそれ以外の地域での備蓄というふうになっております。

 また、備蓄量につきましては、米は先ほど申し上げたとおりでありまして、百万トンを保管しており、これは輸入量に左右されることはありません。また、小麦については、需要の約八割のほぼ全量を米国、カナダ、豪州から輸入をしておりますが、輸入の途絶等が発生した場合に、欧州等の代替輸入先からの輸入期間を考慮した上で、二・三か月分、約九十万トン保管をしておりまして、こうした考え方の下に不測の事態に備えているところであります。

木下委員 では、続きまして、食料安全保障についてお伺いしたいと思います。

 参政党は、現在のカロリーベースの食料自給率三八%を、十年後の二〇三五年頃に倍の七六%、そして、二〇五〇年には一〇〇%にするとの公約を掲げております。大変困難な目標ではございますが、いざというときのために食料自給力を早急に高めておく必要があると思っています。

 この食料自給力を維持し高めていくためには、農地が耕作可能な状態で維持されているということ以上に、担い手の数が維持されていくということが非常に重要なことだと思っております。しかし、大変残念なことに、昨年十一月に公表された農林業センサス、この速報値を見ましても、この五年で基幹農業従事者は二五%減っておりますし、平均年齢は六十七歳に達しております。

 いよいよ高齢農家が引退する時期が迫ってきておりますが、後継者が確保できるかどうかということは、その売上げだけではなくて、農業経営体の所得が十分に得られているかどうかということに懸かっているのではないかと思います。ですから、稲作の場合ですと、生産調整をして米価を上げようが、生産拡大をしようが、結局、農家の所得として十分な額が確保されているかどうかということを考えております。

 ただ、残念ながら、現状は大変に低所得でございまして、今お手元に関連資料ということで配らせていただいておりますが、東京大学の鈴木先生が作成をいたしました資料ですね。鈴木先生は、よく稲作農家は時給十円だということを言われますが、実際に法人経営に絞って見ると、個人経営を外しますと、時給は三百円でございます。

 二ページ目に、私も一応経済学者の端くれでございますので、農林省の資料を基に自分で計算をしてみましたが、コロナの影響を受ける前でも時給は百八十円、二〇二三年が時給が百円ぐらいということでございます。私の知り合いの、農業経営体をよく見ている税理士に聞きますと、去年は米の値段が上がったので時給が四百円から五百円ぐらいになったという話は聞きますが、しかし、これはなかなか、後継者が後を継ぎたいと思う数字ではないんだと思っております。

 七十歳を過ぎて引退する人が増えるこの五年が担い手確保にとって大変重要だということは、農林水産省もよく理解されていることだと思うんですが、全産業の平均程度の所得を補償できる仕組みの導入が必要だというふうに考えております。

 参政党の公約は、第一次産業の担い手の公務員化というものでございまして、私も最初にこれを聞いたときはちょっとはてなマークはついたんですが、その思うところは、農業経営体にある程度の所得を長期間にわたって確保する、それが狙いでございます。これは、過去に、民主党の時代ですかね、所得補償制度が導入されまして、その後廃止されたわけでありますが、改めて所得補償制度を導入するべきではないかと思います。

 農業後継者を維持するためには、高齢者が引退するであろうこの五年が勝負ということは、関係者は共通の認識だと思うんですが、そのために、もし所得を補償するとすれば、例えば八十万の農業経営体に三百万円を補償すると二兆四千億、今の農林省の予算のほぼ倍の金額となります。こういった思い切った大方針の転換、巨額の財政投入は、農林水産大臣だけではなくて、総理の御決断なくてはできないことと思いますが、この所得補償制度の導入について、総理の御見解を伺います。

高市内閣総理大臣 農業者の高齢化、減少が進む中で、食料安全保障が確保されますように、全ての田畑をフル活用するため、若い方の就農や法人の参入などによって農業の担い手を継続的に確保する必要があると考えます。そのためには、稼げる農林水産業を創出するということを申し上げてまいりました。

 このため、農地の大区画化、スマート農業技術の導入の加速化などによる、生産性の抜本的な向上、あと、品種保護によるブランド化ですとかきめ細かなマーケティングによる付加価値の向上、農業の収益力を高める取組を進めておりまして、これからも重点的に実施をしてまいります。

 農業者への新たな所得補償の創設につきましては、様々な御意見があると思うのですが、税金が原資であることも踏まえますと、まず国民の皆様の御理解を得るために検討しなければならないことも多く、慎重に考える必要があると認識をしております。

 更に詳細な答弁が必要でしたら、農林水産大臣に答弁をさせます。

木下委員 御答弁ありがとうございました。

 農地の規模拡大とかAI農業、それが具体的に農家の所得にどのようにつながるかという点については、この場ではなくて、農林水産委員会で鈴木大臣としっかり議論をしていきたいと思います。ただ、あくまで、やはり農業経営体の所得がどう増えることにつながるか、そこが非常に重要ではないかと思います。

 では、次の三番目の質問に参ります。

 総理が積極的に言われていらっしゃる海外展開のお話でございますが、私も、五年前から、ポーランドに日本食の食材団地を造るという仕事に関わっておりました。

 ヨーロッパは、冷蔵コンテナで運ぶにも大体三か月から四か月かかりますので、大体現地生産が中心になると思うんですが、イギリスも含めると五億人ほどのマーケットで、しかも東南アジアと比べると所得の高い方が多い、大変魅力的なマーケットでございます。

 ヨーロッパは、総理も御存じのことと思いますが、日本食はもう完全に定着をしておりまして、どんな小さな町に行ってもラーメン屋があり、そしてスーパーではおすしが売られております。たまたま、アニメを通じて日本を大好きになったポーランドのお金持ちがいらっしゃいまして、その方たちと組んで、ともかく日本の食品メーカーに現地生産をしてもらいたい、そんな仕事をずっとやっておりました。

 配った資料の三ページにポーランドの現地の地図などが書いてございますが、むしろ見ていただきたいのは、三ページの下の写真なんですね。これは、現地の、パリで最大のスーパーマーケットのおかき売場でございまして、今、ヨーロッパの飲食店では、特にお酒を飲むところでは、ピーナツじゃなくてミックスおかきが中心になっております。ところが、大変残念なことに、これは全て中国製です。全て中国製なんですね。

 需要はどんどんどんどん伸びておりまして、こういったこともありまして、ポーランドの人たちからは、ともかく日本の食材のメーカーはどんどん来てくれと。ということで、私はずっとおかきを、九州の企業を中心に声をかけているんですが、現地に行かないかということをずっと声をかけておりました。

 それから、現地の食材問屋さんからは、キッコーマンに次ぐ二番手のしょうゆメーカーを出してくれと。ほかにもいっぱいありまして、お酢を出してくれ、それから、豚カツがいよいよ定着し始めましたので、パン粉を出してくれ、ともかく日本製のパン粉はめちゃくちゃうまい、それから、ウエスターソースも全然違っておいしい、それから、ついに最近はどら焼きが定着し始めまして、どら焼きの会社を出してくれ、これは、やっと全自動どら焼き機のメーカーが出ていくんですけれども。

 ところが、それ以外のところが全然見つからないんです。ミックスおかきも見つかりません。何が原因かというと、スーパーなどの量販店にさんざんたたかれてしまっていて、内部留保が薄いんですね。これはパン粉のメーカーの場合なんですが、現地に出ようとしても、地銀さんの融資が下りませんでした。

 結局、ここにいらっしゃる皆さんが海外をばんばん開拓されると思うんですね。それを実際に地場産業に下ろした場合に、融資がつかないということが恐らく十分に想定されるんですね。私がミックスおかきの会社を見つけに行くときも、そもそも地銀さんは、えっ、ヨーロッパですか、そんなところへ行ってもうかるんですかみたいな対応で、はなから腰が引けているわけなんですね。

 私、高市首相の海外に展開するというのは大賛成で、私もまだ引き続きポーランドに日本の企業を出すということは続けていきたいと思うんですが、是非、金融担当大臣、片山大臣にお願いしたいんですが、地銀に指導をしていただきたいんです。

 金融検査の項目でも何でも結構なんですが、地場企業の海外展開に対して、何をどんな支援をしているかとか努力しているかとかですね。それから、できればプロジェクトファイナンスをやるように言っていただきたいですね。この間のパン粉のメーカーでも、経営体はやはり苦しいんですが、プロジェクトとして十分に採算が取れるにもかかわらず、やはり不動産の担保がないとお金を貸せないとか、すぐそういう話になるんですね。

 それで、海外展開の鍵を握っているのは私は実は金融庁ではないかと思っておりますので、片山大臣の御見解をいただきたいと思います。

片山国務大臣 委員御指摘のとおり、特にヨーロッパは、日本食や日本の食材について十分御理解をいただいて、末永くファンになっていただけるような土壌がしっかりあると思います。私もヨーロッパ留学経験者でございますが。そこに進出しようとするときにファイナンスがつかないというのは、誠に残念なことですが。

 地域金融力強化のプログラムをつくっておりまして、委員の御地元の福岡県は、私も後援会がございますのでよく参りますが、日本全国の中では地銀が非常にスタートアップなどに熱心で、しかも規模も大きく、比較的打って出る方でございますが、確かに、海外への設備投資ということになると完全プロジェクトファイナンスになりますから、今までにそれほど多く手がけてこなかったケースもあるかもしれません。

 調べてみたところ、実際に御地元の大手の地銀さんでも、食料品ではないところなんですけれども、海外進出の融資を出しているところがありました。だから、数がまず全く少ないんでしょうから、今般、地域金融力強化の対策というか、大きなプラットホームを広げておりますので、そういったことの中に新たに食の産業のようなものもしっかり入れて、ビジネスチャンスをとことん追求して、今年の金融界のテーマはリスクを取ることというふうに申しておりますので、そのように展開をしていただけるようにさせていただきたいと思います。

 それから、それに加えまして、いわゆる成長力分野の方でも、金融という部会、座会を新たにつくりまして、私が金融担当大臣として座長をしておりますが、これも恐らく成長投資、危機管理投資両方の成否を握るのが金融になると思いますので、ある意味似たところもございますし、ようやく始まったばかりの企業価値担保の融資もあります。そういったところを合わせ技で、また、輸出においてはJBICとの協調等も考えながら、御趣旨に沿うように発展、展開を後押しできるようにしてまいりたいと思います。

木下委員 前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 もう時間の問題で、日本企業が出なかったら、このおかきのように、中国企業が日本人の技術者、引退した方を雇って現地で工場を造るということになりかねませんので、どうぞ御指導の方、よろしくお願いいたします。

 続きまして、最後の四番目の質問に入りたいと思いますが、これは、参政党の公約とも関わるんですが、参政党は、有機そして自然栽培促進を更に加速する、それから、食品表示法を改正して、食品情報は包み隠さず、国民の食の知る権利を守るということを公約としております。これは食品添加物だとか農薬の安全性についての公約だと思いますが、実は、国内で提供されている食品、加工品、ここが、添加物の問題とは別として、ミネラルが不足しているという問題がございます。

 食品と暮らしの安全という、今はなくなりましたNPOがございまして、この団体が二〇一七年頃に、百八十の食品について、そこに含まれる鉄、マグネシウム、亜鉛などについて実測を行っております。

 お手元の資料、配付した資料の六ページを見ていただくといいかと思いますが、実測をしてまいりますと、一日に必要な栄養素が、実はミネラルが十分に取れていないという結果が出ておりまして、推奨量の下に推定平均必要量となっていますが、この推定平均必要量というのは、これぐらい取っていると、半分の人にはリスクがあるという数字なんですね。ところが、実際に鉄など、コンビニの幕の内弁当を見ても、鉄はもう全然入っていない。

 何でこうなるかというと、今、食品の製造過程で鉄を抜くんですね。鉄は色が変わるので、本当に鉄を徹底的に抜きます。それから、マグネシウム、これも非常に必要な要素なんですが、苦みがあると消費者が好みませんので、マグネシウムも徹底的に抜くんですね。言ってみれば、ミネラルが不足したすかすかなものが多い状態ということに今なっております。

 厚生労働省の方はだんだんと検査項目も増やしていただきまして、大体、日本食品成分表を見ていただくと、加工食品には十分に鉄が入っていない、マグネシウムも入っていないということがデータでは分かるんですね。ただ、現場の管理栄養士さんなんかは昔の感覚を持っている方が非常に多くてですね。

 まず厚生労働大臣にお聞きしたいんですが、この実際のデータ、こんなふうにもうマグネシウムも鉄も抜けておりますので、それを踏まえて、管理栄養士がこれまでと違う栄養指導をするように是非御指導いただきたいと思うんですが、厚生労働大臣の御見解をいただきたいと思います。

上野国務大臣 お答えをいたします。

 まず厚生労働省では、国民の健康の保持増進、また生活習慣病の予防を目的にして、食事摂取基準というものを策定をいたしまして、御指摘のミネラル等の栄養素の摂取量の基準、これを定めております。御案内のことだと思います。

 この食事摂取基準は、管理栄養士さんが給食施設等において、ミネラルを含め栄養素を適切に摂取できる食事を提供する際に参照していただくものでございますが、厚労省といたしましては、今、日本栄養士会を通じまして、管理栄養士さんに対しまして、この食事摂取基準を活用していただくように通知をさせていただいております。

 引き続き、管理栄養士の皆様には、食事摂取基準を適切に活用いただいて、栄養管理の対象となる方に対して適切な食事の提供など必要な支援に努め、国民の健康を守っていただきたいと考えております。

木下委員 時間も余りありませんが、最後に、総理に一つお伺いしたいと思います。

 私は、女性の貧血と生理痛をなくすという研究をずっと福岡大学でやってまいりました。ただ、そのためには非常に横断的な対応が必要でして、例えば、健康診断では今ヘモグロビンしか測りませんが、本当はフェリチンを測らないと貧血の状態が分かりません。

 貧血だと分かったとしても、次はそれに対する栄養指導、これは先ほどの厚労大臣の所管になりますし、それから、今御説明したとおり、加工食品を中心にして栄養素がどんどん抜けているんですね。だから、ちゃんと栄養素を入れてくれという指導、これは多分農林省になると思います。そして、今度は健康経営というのは経済産業省になりまして、働いている皆さんに対して女性の健康をどう守るかということは、その所管大臣。要するに、四つぐらいの省庁にまたがる問題になります。

 私は、総理が言われている、施政方針演説にございました、女性の生涯にもわたる健康支援、この第一歩が実は貧血をなくすことではないかと思っておりまして、そのためには鉄をどう補給するかということが非常に重要ですので、その総合的な対策について総理がどう取り組むか、御所見をお願いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 女性の生涯にわたる健康に御関心をお示しいただき、また、専門的にも取り組んでいただき、ありがとうございます。

 元々私が始めたのは、主に女性のホルモンバランスの変化によって生じる様々なしんどいこと、初潮から始まって、周産期もそうですし、あとは、更年期障害、更年期にかかりやすい病気ですとか、また、高年になって骨粗鬆症ですとか、こういったものをできるだけ広く周知したり、解決しようと思いました。

 委員がおっしゃる貧血、これは二割弱の女性が抱える健康問題で、鉄不足もその原因だと認識しております。厚生労働省と農林水産省で連携して、主食、主菜、副菜を組み合わせたバランスのよい食事の普及啓発を行っています。

 とにかく私の内閣では、攻めの予防医療、これを推進していますので、女性の健康問題にも是非これからも委員の御知見を賜りたいと思っております。

 配っていただいた資料を見て、大分ショックを受けました。絶対、鉄、足りません。ありがとうございます。

木下委員 時間になりましたので、終わります。どうもありがとうございました。

坂本委員長 これにて木下君の質疑は終了いたしました。

 次に、和田政宗君。

和田(政)委員 参政党の和田政宗です。

 早速、質問に入ります。

 米国、イスラエルによるイラン攻撃時における初動対応についてお聞きをします。

 事前にイラン攻撃について米国から連絡があったか、総理にお聞きします。

高市内閣総理大臣 米国との間では、イラン情勢も含め、平素から様々な事項についてやり取りを行ってきておりますが、その詳細は、外交上のやり取りですから、お答えは差し控えます。

和田(政)委員 これはそうなるというふうに思います。

 これは、もし連絡があったとしても、攻撃前に急に総理が予定を変更すれば、何かあるのではないかと思われますので、変更はなかなかできないと思います。

 ただ、石川県知事選の応援演説に行くための飛行機に乗る前に攻撃が始まり、総理はそれを知りました。なぜ、官邸に戻らず、知事選の応援に行ったのでしょうか。総理に聞きます。

高市内閣総理大臣 今回の攻撃については、かねてより懸念がありました。だから、一月十六日、もう先々月ですね、一月十六日の段階でイランの在留邦人には退避勧告を出し、二月中もずっと、様々な情報、軍の動きなど、そういった情報をチェックしながら、起き得る可能性、その場合にいかに邦人を守るか、様々なシミュレーションもしてまいりました。

 今回、もう早めに万一に備えた対応を取っていたこと、それから、第一報を受けてすぐに、これは各省庁に対して、情報収集の徹底、それから、退避勧告をしてもなお現地に残っておられる邦人の方々の安全確保に万全の措置を講じてほしいということを指示し、そして、飛行機に乗る前にちゃんと設置を確認したのがイラン情勢に関する情報連絡室、これはもう十六時に官邸に設置をして、情報収集に当たる体制を構築をいたしました。

 そこで、秘書官も同行しておりますので相談したんですが、情報収集の対策室を設置しても、そこから幅広く情報が集まるまでに数時間を要します。ですから、出張の道中も、今、情報通信が発達していますから数分置きにいろいろな情報が入ってきますので、逐次報告を受け、必要な情報も確実に把握しながら向かいました。

 その道中ですけれども、その後、少し事態の拡大がありましたので、イランやイスラエルだけじゃなくて、バーレーン、カタール、UAEといった周辺国の邦人の安否情報の把握、安全の確保、それから海路、空路の状況把握、それから関係事業者への情報提供、さらには今後予想される経済的影響の洗い出しと、追加的に必要な指示を出しながら動いておりました。

 出張中でも継続的に報告を受け、必要な指示を出し続けられる体制を構築して対応しましたし、官房長官が東京に残って対応に当たってくれていましたので、そのような判断を、出張はキャンセルをしないという判断をいたしました。

和田(政)委員 今総理から途中で事態の拡大があったということもございましたけれども、飛行機に乗っている一時間というのは電話は通じないわけですよね。イランには約二百人の在留邦人、イラン周辺国には七千七百人の邦人がいます。まさに総理が知事選の応援に行っているさなかに、イランや周辺国の在留邦人は、ミサイルや砲弾が飛び交う中、命を守るための懸命の行動をしていたわけです。

 国家は国民を守るためにあります。こうした在留邦人のことを考えれば、知事選の応援より、官邸に戻って国民保護の陣頭指揮を執るという考えにならなかったのか、総理にお聞きします。

高市内閣総理大臣 仮に、事態が発生してから四時間、私が官邸の総理室にいたとして、そこでまた私の対応をする、常にそばにいて、まだ情報収集も終わっていないのにそばにいなきゃいけない各省庁の幹部というのも出てきます。合理的に考えますと、やはり情報がしっかりと集まって、まとまって報告を受ける。

 移動中も、電話が通じないとおっしゃいましたが、情報通信、つまりインターネット、メールは来ますので、どんどんどんどん情報は来ますので、数分置きに最新の情報を受け取りながら、こちらからも必要な指示を出しながら移動したということでございます。

 石川県に行くのが不適切かといいましたら、私も去年の年末、被災地の視察に入り、一生懸命復興に取り組んでおられるさなかのことでございますので、これが全く無駄な話であるとは思っておりません。不適切な対応であったとも思っておりません。

 邦人が、砲弾が飛び交う中、逃げ惑っている中とおっしゃいましたけれども、そのような事実はなく、もう一月十六日に退避勧告を出して、事態が発生した日の時点では民間企業の方も含めてほとんどの邦人がもう国外に退避をされ、残っておられるのは、現地の方と結婚しておられる方、そして国際機関にお勤めの数人、それから日本大使館の方々も、これは、最後、結婚して現地にとどまっておられる邦人の最後の一人まで安全確認をするということで残っておられましたけれども、非常に限定された形で、しかも、逃げ惑っているという状況ではなく、そして、邦人が退避をする場合にバスが必要だろうということで、それらの手配も既に行っていたということになります。

和田(政)委員 私は、逃げ惑うとは言っていないわけでありまして、命を守るための懸命の行動を取っていたと。これは、イラン国内だけではなく、周辺国にもイランが攻撃を行ったということがありますので、途中で事態の拡大ということも含めて、これは攻撃、戦争ですから、やはり私は、不測の事態というものにしっかりと備えるべき、官邸にお戻りになるべきではなかったかというふうに思いますが、総理はそうではないということでありましたので、それはそれとして、答弁としていただいたということで承りたいというふうに思います。

 次に、旧氏の使用法案について聞きます。

 参政党は、選択的夫婦別姓に反対する一方で、不便の解消のため、旧氏の通称使用を希望する方についての法案を準備しています。参政党の考えは、戸籍は記載を含め全く触らず、住民基本台帳に旧氏の使用の根拠を持たせる新法を制定する、若しくは住民基本台帳法を改正する案を考えています。

 高市総理は担当大臣に、旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進めることを指示しましたが、住民票、パスポート、マイナンバーカードなどへの旧氏の単記が進めば、実質的な選択的夫婦別姓推進になります。

 昨日の我が会派の吉川里奈委員の質問に対し、総理は、これら厳格な本人確認に用いられる書類については併記を求める検討が必要と答弁いたしましたけれども、住民票、パスポート、マイナンバーカードについては旧氏の単記は認めないということでよろしいでしょうか。

高市内閣総理大臣 旧氏使用の法制化の検討に関しましては、私どもも住民基本台帳の旧氏を活用することを念頭に置いておりまして、戸籍の記載事項を変更することは考えておりません。そこは誤解をなさらないでください。

 現在におきましても、例えばパスポート、免許証、住民票、マイナンバーカード、これは併記でございます。私も併記のものを使っておりました。ですから、これはこれから法律案としてまとめていくものでございますから、私がここで断定的に、これはこうということは決めつけるわけにはいきません。これは担当大臣もおりますので、そういうわけにはまいりませんけれども、基本的に、厳格な本人確認に用いられる書類については旧氏の併記を求める検討、これは当然必要になると考えております。

和田(政)委員 済みません、総理、これは確認なんですが、そうすると、旧氏の単記も、住民票やマイナンバーカード、パスポートでは、あり得るということなんでしょうか。

坂本委員長 国務大臣黄川田仁志君。(和田(政)委員「ごめんなさい、委員長、要求大臣は、私、総理のみでございますので」と呼ぶ)いえ、所管大臣の方にまず答弁させてもらいます。

黄川田国務大臣 私が指示を受けてその法制化を検討する担当でございますので、私から答えさせていただきます。

 総理からは、旧氏の単記も可能とする、そういう制度の整備を指示されているところでございます。そういう中で、この法制化の検討に当たっては、旧氏の単記も可能とすることで検討しておりますが、それによって生じる課題もいろいろと考慮する必要があります。

 そういう中で、やはり、厳格な本人確認に用いられる書類については、戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討は当然必要になってくるという中で、厳格な本人確認に用いる書類の中には住民票、マイナンバーカード、パスポート等が含まれているということで、今総理がおっしゃったように、今、断定的に、これは絶対入らないとか入るとかいうふうに述べることはできませんが、やはり、犯罪に使われたりとかマネーロンダリングに使われたりとか、いろいろと課題がございます。そういうことがないように、皆さんの心配が生じないように、これからしっかりと検討していくということでございます。

和田(政)委員 現時点での答弁ということは分かりました。ただ、旧氏の単記が、住民票、パスポート、マイナンバーカードになれば、これは実質的な選択的夫婦別姓になりますので、我が党、そして私は、取るべきではないということを申し述べておきたいというふうに思います。

 次に、外国人政策について聞きます。

 政府が一月に閣議決定した、二〇二八年度末までに外国人労働力最大百二十三万人の受入れですけれども、特定技能の受入れ上限数は八十万五千七百人と、二〇一九年の制度当初の二・三倍になります。そして、現在の受入れ実績人数からも二・三倍になります。

 本会議の代表質問では、特定技能の受入れ上限数について、現在の二・三倍と間違えて述べてしまい、これは大変申し訳ありませんでした。正確には二〇一九年の制度発足当初の二・三倍で、現在の二・三倍というのは、現在の特定技能受入れ実績数と比べたものです。

 制度発足当初と比べても、現在の受入れ実績数と比べても、特定技能受入れ上限八十万五千七百人というのは、かなり積極的な受入れ人数と考えます。現在の受入れ計画より減っていると総理は述べますが、僅か一万四千人を減らしたにすぎません。

 高市政権の外国人労働力の受入れは、現在の受入れ実績数から見ても拡大に変わらないわけですけれども、今後も受入れを拡大しているのか、答弁願います。

平口国務大臣 お答えいたします。

 人口減少に伴う人手不足の状況において、外国人を労働力人口の一部として考えるべき分野があることは否定できない事実であると考えております。もちろん、外国人の受入れに当たっては、我が国の社会経済に及ぼす影響の分析や、労働需要といった受入れに関連する将来推計に加え、AIやロボットの技術の活用を含む生産性向上の視点も踏まえ、中長期的かつ多角的観点からの検討が必要であると考えております。

 法務省としては、これらを踏まえた上で、政府で取りまとめました外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策に基づいて、外国人の受入れの基本的な在り方について、中長期的かつ多角的観点から、関係省庁と緊密に連携しつつ、総合的な検討を進めてまいりたいと考えております。

和田(政)委員 要求大臣は総理だけなんですけれども、委員長。

坂本委員長 委員長といたしましては、総理の発言というのは非常に重たいものがあります。ですから、そのほかに、法律的なもの、数字的なもの、概況的なもの、より丁寧に答弁するために、やはりまずは所管担当大臣、所管大臣に答弁を求めます。

 そして、総理が積極的に答弁をするということであれば、それは総理の方に答弁を求めます。また、様々な総理自身の決断もございますので、その折には総理に答弁を求めます。

和田(政)委員 ちょっと要求大臣の登録の在り方などについては、しっかりと調べて、こちら側からも提起をいたします。

坂本委員長 理事会で協議をいたします。

和田(政)委員 特定技能二号について聞きます。

 私は、このまま特定技能二号の制度を進めることに疑問を持っています。特定技能二号は受入れ上限数が設定されていない、設定しないことが質疑で改めて明らかになりました。特定技能二号は、更新回数の上限がなく、家族帯同が可能、将来の永住許可申請も可能であり、実質的な移民政策です。

 特定技能二号の受入れ数は、おととし十二月は八百三十二人でしたが、昨年六月には三千七十三人と三・七倍に急増しています。そして、特定技能一号での受入れを進めていけば特定技能二号への移行も進み、実質的な移民拡大になります。特定技能二号をこのままの制度で推進していくのか、総理にお聞きします。

高市内閣総理大臣 特定技能二号についての御懸念ですが、特定技能二号は、一定の実務経験に加え、上級技能者と同等程度の評価試験に合格することが求められる、長年の実務経験等により身につけた熟達した技能が求められる在留資格でございます。人口減少に伴う人手不足の状況にある日本社会において、有用な在留資格の一つとして適切に運用を図っていくべきというのが、現時点における政府としての基本的考え方です。

 通算在留期間の上限がなく、更新を繰り返すことにより永住許可要件を満たし得ることは委員の御指摘のとおりですが、そのことは、特定技能一号及び育成就労を除く他のほとんどの在留資格においても同様でございます。もちろん、特定技能二号に限らず、社会情勢の変化に応じて、問題が明らかになれば、必要に応じて制度や運用の見直しを検討すべきことは当然でございます。

 政府としては、先般取りまとめた外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合対応策に基づいて、しっかりと対応をしてまいります。その際、多様な御意見、御議論にも丁寧に耳を傾けながら検討を進めてまいります。

 外国人に係る諸課題、かなり幅広く整理ができてきていると考えております。

和田(政)委員 次に、LGBT理解増進法について聞きます。

 高市総理は、総理就任前でございますけれども、LGBT理解増進法の採決時に賛成しましたけれども、なぜ賛成をされたのか、また、総理として、理解増進法に書かれていること、また理解増進法の内容を積極的に推進していくのか、お聞きをいたします。

高市内閣総理大臣 お尋ねの理解増進法については、他党との修正協議まで行っていただいた上で、自民党で党議決定を経て国会に提出されたものでございます。当時、私は経済安全保障担当大臣でございましたが、これは議法でございます、しかも、党議決定されている、他党との修正協議も終わっている、ですから、党議決定に従って法律案に賛成をいたしました。

 これからでございますが、内閣総理大臣としては、この成立をした理解増進法に基づいて必要な取組を進めていくという考えでございます。

和田(政)委員 高市総理、代表質問で私が、学校教育現場でLGBT教育を進めるのかとの質問に対して、児童生徒の発達段階に応じて多様性に対する理解を育む取組を進めていると答弁しました。

 多様性に対する理解を育む取組とは具体的にどのような内容なのか、総理に聞きます。

高市内閣総理大臣 理解増進法では、多様性に関する国民の理解増進に関する施策は、性的指向及びジェンダーアイデンティティーを理由とする不当な差別はあってはならないとの認識の下に行う旨が規定されております。

 このため、学校現場において、家庭や地域との連携を図りつつ、人権教育や学校生活における生徒指導の場面において、性的マイノリティーの方々に対するいじめや差別、偏見は許されないとの意識が醸成されるよう、児童生徒の発達段階に応じた形で取組を進めています。

 詳細が必要でしたら、文部科学大臣が答弁いたします。

坂本委員長 申合せの時間が来ておりますので、これで質問を終了してください。

和田(政)委員 では、質問を終了いたします。

坂本委員長 これにて和田君の質疑は終了いたしました。

 次に、峰島侑也君。

峰島委員 チームみらい、峰島でございます。

 早速質問させていただきます。

 まず私からは、一つ目、複数年度主義について財務大臣にお伺いしたいと思います。複数年度主義、いわゆる多年度で別枠管理する仕組みの導入についてお伺いしたいと思います。

 先般の施政方針演説や、又は先週ございました予算委員会の方でも、高市総理から、特に、投資を上回るリターンを通じてGDPの成長にも資する危機管理投資、成長投資などについては、債務残高の対GDP比引下げにもつながるよう、予算上、多年度で別枠で管理する仕組みを導入するという趣旨の御発言があったかに思います。これは、従来の単年度主義を前提とした予算編成の枠組みに対して、戦略分野への成長投資をより安定的かつ計画的に実施するための新たな財源フレームを構築する、そんな趣旨であるというふうに理解をしております。

 我が国の財政構造を俯瞰いたしますと、令和八年度一般会計予算は約百二十兆円の規模であり、そのうち社会保障関係費が約四十兆円、そして国債費が約三十兆円を占めております。歳出の六割が義務的経費、そして裁量的経費は相対的に限られている、そんな状況だと理解をしております。このような財政状況の下で成長投資を安定的に確保するためには、財源の在り方について慎重かつ現実的な検討が不可欠であると考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 経済安全保障上重要な分野における投資に関して新たな財源の枠組みについて着手するとおっしゃいましたが、この戦略分野における成長投資を多年度で管理するに当たり、追加的な国債発行以外に有力な財源としてどのような選択肢を想定されていますでしょうか。例えば、既存歳出の再構成による恒常的財源の確保や、又は政府保有資産の売却といった税外収益の想定、又は官民ファンドといった、そういった取組もあるかと思います。現状、想定されている具体的な取組があれば是非御教示いただければと思います。

片山国務大臣 御質問ありがとうございます。

 総理が施政方針演説等でお述べのとおり、今後、予算編成改革の一環として、投資を上回るリターンを通じてGDP成長にも資する危機管理投資、成長投資などについては、予算上、多年度で別枠管理する仕組みを導入し、当初予算で計画的に計上していく考えでありまして、現在検討を進めております。

 既に昨年秋に、GXあるいはAI、半導体に続き、造船、量子、重要鉱物など経済安全保障上重要な分野における投資に関し、新たな財源確保の枠組みについての検討に着手することを決定しております。

 これまでも、例えばGX経済移行債を活用した先行投資支援に当たっては、カーボンプライシングで得られる将来の財源を裏づけとしておりますし、AI・半導体産業基盤強化フレームにおいては、基金からの国庫返納金の活用等により必要な財源を確保してきたところです。

 今後、別枠管理の仕組みの導入に当たっても、歳出歳入全般のあらゆる見直しによって必要な財源を確保していくことが考えられますが、今は、令和九年度予算からの導入を目指して検討を鋭意進めているということで、このように進捗してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

峰島委員 御回答ありがとうございます。

 先ほど言及されました昨年のGXや造船、そういった戦略領域に対して、新たな財源フレームの検討に着手するというようなお話があったかに思います。来年、令和九年度の予算から導入していくということを予定されているとのことでしたが、ここの財源フレームについて具体的な検討のスケジュール、時期、そのようなものが決まっていれば御教示いただけますでしょうか。

片山国務大臣 大要は今申し上げたようなことなんですけれども、まず、先ほどいろいろな分野で御質問を予算に関していただいておりますが、その中で、まさに補助金それから租税特別措置の見直し、これも、政府として既に、いわゆる見直し担当会議のようなものを設置して、また国民の皆様からも御意見を聞いて、三万六千人の方からのコメントも得て着手をしておりますし、そういったものがこの春先から様々な準備期間に入ってきて、さらに、夏に向けては概算要求をいかなることにするかということがございます。

 これも、複数年度ということになれば抜本的に新しい形になっていくのは当然で、その前に、皆さん御存じのように、骨太の方針の議論というのもございますから、何段階にもわたって準備に向けての議論もございますが、そういったことの中でこういった別枠管理の仕組みの導入についても随時検討が進み、そのために、関係者の合意を得て具体化していくということになろうかと思います。

峰島委員 ありがとうございます。

 御回答にもありました補助金の見直し等については、後段の御質問でも是非お伺いしたいことがございますので、このまま進ませていただきたいと思います。

 次にお伺いしたいところとしては、同じ項目です、財政におきまして、産業政策の予見可能性と機動性の両立という点についてお伺いしたいと思います。

 多年度で予算規模を示すことによって予見可能性を高めていきたい、そういった御趣旨のものだと考えております。特に、民間投資の呼び水とするということを考えたときに、三年や四年、そういった規模ではなく、十年間といった、そういった長期の投資計画を見せていく、そういったことは非常に民間企業にとっても有益だというふうに私自身も考えております。特に、半導体や自動運転、そういった多額の設備投資を必要とするような産業が今後急成長していくだろうというふうに見込まれている中にあって、このような取組は非常に有益だというふうに考えております。

 しかし、一方で、対象となる政策を始めた後、政策効果が限定的であると判断される場合、又は技術革新や市場環境の変化によって政策の前提が崩れる場合もございます。こういった多年度で別枠管理することによって、いわば予算が固定化し、機動的な見直しが困難になる、そんな懸念も否定できません。

 しかし、一方で、機動的に予算を見直ししていくことは、同時に、長期的な計画の変更や中止の可能性をはらむものだと理解をしております。具体的な政策評価の方法や、評価の結果どの程度予算規模が変化し得るか、そういったことをレンジで示していく、そういった対策も考えられると思います。

 政府としては、予見可能性と機動性、これをどのように両立させるか、どのようにお考えなのかをお聞かせいただければと思います。

片山国務大臣 御指摘いただきましたように、予見可能性を高めるということは総理も再三御発言をいただいているところでございまして、このために、複数年度の枠をある程度、固定した枠であってもあるいはレンジであっても示しまして、その上に加えて、当年度の当初予算にできるだけ本格的に計上するということになれば、民間から見た、あるいは当事者から見た予見可能性はかなり従来よりも高まってくるとは思います。

 ただし、他方、まさに最先端の分野、AIですとか半導体ですとか、あるいはフュージョンですとか様々な分野がございますが、こういったところには、突然の、段階を飛び越えた技術革新の変化等もございます。また、市況の変化、国際情勢の変化等もございますから、様々なことに対応できるような、毎年毎年の成果管理のようなシステムも必要で、AI、半導体につきましては、衆知を集めた専門家の委員会のようなものをおつくりいただいて、そこで毎年ある程度の管理をしていただいて御意見をいただくというようなこともやっております。

 当然必要かと思いますが、複数年度、財政出動をコミットする以上は、その政策の効果検証によって非常に合理的なものとなるような取組は当然必要なので、様々な御意見も聞きながら、行政事業レビューとか多くのことをやっておりますが、加えて、新たに、新しい分野だからということもございますので、決して今までの手法だけにとらわれることなく、様々な知恵を生かした上で、一番よりよい、予見可能性と機動性の両立を図ってまいりたいと思っております。

峰島委員 ありがとうございます。

 先ほど、行政事業レビューの件が言及されましたが、行政事業レビューについても様々な賛否の意見があるというふうに理解をしております。例えば、行政事業レビュー、かなり事業が細かく分割をされていて、プロジェクト全体としてどういったアウトカムを目指したものなのか、そういったものが逆に不透明になっている、又は、記載する方も、前年の記載を踏襲してそれを作文しているというような声も聞かれます。

 そういった中で、今、財務大臣として、行政事業レビュー、それのメリット、デメリット、どのようにお考えなのか、そういったところについて御意見をお聞かせいただければと思います。

片山国務大臣 委員御指摘の行政事業レビューもございますし、昔からの伝統的な制度として会計検査院もございますし、また、それから政策評価もございます。

 今、国会に出させていただいている令和八年度予算案におきましても、予算案におきまして、どのようなものを活用するか、また活用してきたか、前年度予算についてどのような活用をしたかについては、財務省のホームページでもきちっと公開をしておりますが、大体五千件以上について行っておりますが、確かに、議員御指摘のように、年を重ねるごとに、ある意味で、非常に切り込んだような、強いような姿勢の評価があるよりは、どちらかというと、オブラートに包んだようなものが増えたり、あるいはアウトカム指標についても余りはっきりしなくなったりしているのではないかという御指摘は、あちこちから伺うところがございます。

 今般、複数年度、しかも投資効果、GDPに将来戻ってくる、そういった様々な面で今までと違うことをやろうとしている以上は、今までの反省点を十分生かして、その面から見て検証に堪え得るようなものを是非考えてまいりたいと思いますので、委員や御党の御意見もしっかりと伺ってまいりたいと思います。

峰島委員 ありがとうございます。

 そういたしましたら、次の質問項目に移らせていただきます。次は、機動的な支出、こちらも近いテーマではあるんですが、こちらは可能であれば総理大臣にお伺いしたいと思います。

 まず、令和八年度予算についてお伺いします。

 補正予算に頼らない予算編成をしていくということを施政方針演説でもおっしゃっていたかに理解をしております。現実に目を向ければ、これまで我が国の予算編成においては、当初の予算の策定後に、経済対策や緊急の施策や事業を名目として大型の補正予算が編成されるということが特にこの数年常態化してきたというふうに理解をしております。結果として、歳出規模についても当初から大きく拡大するという事態が繰り返されております。

 もちろん、補正予算そのものを全面的に否定するものではありません。コロナのときもそうでしたが、大規模な自然災害の緊急対応であったりとか、又は経済状況の変化、そういったものに対応する、そういった柔軟な予算の存在は必要だというふうに理解をしております。しかしながら、他方で、本来であれば当初予算に計上すべきであった政策的な経費が補正予算に先送りされている、事後的に積み増されている、そういった状況もまた完全には否定できないものだというふうに理解をしております。

 この点は、財政規律の維持、さらには国民に対する財政の透明化又は説明責任という観点からも、有識者の方々からも課題として指摘されていた部分だと思います。こういった課題を考えたときに、補正予算に依存しない予算編成、これは非常に重要なことだとして、我が党としても賛同しております。

 しかし、問題となるのは、その方針が具体的にどのようなプロセスになっていくのか、その点だというふうに考えております。特に、令和八年度予算、こちらにつきましては、昨年の概算要求の段階から積み上げられた予算であるというふうに理解をしております。すなわち、従来型の予算編成プロセスの中で組み立てられたものであって、総理がおっしゃる補正予算に頼らない予算編成という新たな理念を完全に反映したものではないというふうに理解をしております。

 しかし、この中で、令和八年度予算において、補正予算に依存しない財政運営の実現に向けて具体的に取り組んだことがあれば、是非お伺いしたいというふうに考えております。

高市内閣総理大臣 私はかねがね、経済成長を実現するために必要な財政出動を行うに当たっては、特に、民間事業者や地方自治体の取組を後押しするために、政府の予算の予見可能性を確保することが必要だと考えてきました。

 そのため、先ほど来おっしゃっていただいているとおり、毎年度補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別して、必要な予算は可能な限り当初予算で措置することにいたしました。特に補正予算の場合は、毎年組まれるかどうかも分からないし、組まれる時期も分かりませんから、予見可能性というのは非常に低いということになります。

 令和八年度予算は、おっしゃっていただいたとおり、もう既に私の内閣総理大臣就任時には概算要求も終わっていましたから、本当に第一歩、小さな半歩かもしれませんが、令和七年度の補正予算、これは高市内閣で編成しましたから、そこでも少し頭出しをした上で進めている重要政策分野について例示しますと、GXやAI、半導体分野について、複数年度の財源フレームに基づいて、エネルギー対策特別会計において前年度当初予算比で約一兆円の予算増を実現しました。また、外国人施策に係る費用も大体これまで補正で見ていたんですが、これも措置しました。あとは重要物資などの確保対応、それから国立大学法人運営費交付金や科学研究費助成事業、いわゆる科研費、こういったものについて、予算全体のめり張りづけ、それから必要な財源を確保した上で、前年度当初予算からの増額を図っています。

 令和九年度予算については、今年の夏の令和九年度予算の概算要求から本格的に取り組んで、約二年がかりの大仕事になりますが、必ずやり抜いてまいりたいと思っております。

峰島委員 ありがとうございます。

 次に、令和九年度の予算編成に向けてどのような取組をしていくのかということをお伺いしようと思っていたんですが、今いただいた回答の方針、これまで、政策をやる予定だけれども、そこが十分に予算として見込めていないものが補正予算に入っていた点であるとか、長期的な投資については予見可能性を高めていくということ、ほかの議員の方からこの予算委員会の中でも同様の質問があったかに思っているので、この質問については飛ばさせていただきます。

 次に、機動的な追加予算の在り方について御質問させていただきたいと思います。

 まず、最初に申し上げておきますと、機動的に追加予算を出していくということについては、我が党としては肯定的に捉えております。特に近年、世界経済及び技術環境の変化のスピード、これはかつてないほど加速しております。また、デジタル化の進展や地政学リスクの高まり、サプライチェーンの再編成、そういったものは同時並行で進行しており、政策決定の時間軸そのものが短縮されていくべきだというふうに考えております。とりわけテクノロジー分野においては、半年単位、若しくは一か月単位で競争環境が大きく変化することも珍しくございません。

 しかしながら、我が国の予算制度は原則として年一回の編成を基本としております。また、政策資源の大規模な配分、これは年度単位でしか行えない仕組みとなっております。この制度、当然重要性も重々に理解をしています。財政規律を保っていくこと、また国会の統制を利かせていくこと、そういった重要性は理解をしておりますが、一方で、それが理由となって、技術革新分野については対応の遅れを生じさせるリスクもまたあるというふうに理解をしております。

 特に、AI分野はその象徴的な例でございます。現在、各国が国家戦略として位置づけ、巨額の投資を競い合っている状況です。この中で、投資の遅れが致命的なミスになるということも十分あり得る状況です。こういった分野で、仮に予算編成が年一回のみであって、追加的な対応が補正予算に依存する形でしか行えないとすれば、迅速性の面で制約が生じます。特に、予見可能であったとの理由で補正予算が困難となる場合や、政治日程との関係で審議が長期化する場合には、機会損失が生じかねません。

 このような柔軟な投資を可能にしていく上で、例えば一定規模の可変枠を設ける仕組み、成果指標連動型で追加拠出が可能な基金制度、こういったものは既に取組がされている部分があるというふうに先ほど財務大臣から御回答ございましたが、今後、より柔軟にこういった成長分野に対して新たな財源フレームをつくっていく、そういった予定はございますでしょうか。

高市内閣総理大臣 既に去年の年末にお認めいただいた補正予算でもかなり長期の基金というものを積みました。

 年度途中に予算の機動的な支出、増額があるということは、これは当然出てくると思います。先ほどおっしゃったような自然災害であったり、それから戦争など海外の要因による物価高だったり、様々対応しなきゃいけないこと、感染症もそうでしょう、あるかと思います。それからAIですね、物すごいスピードで進んでいくAI。こういったものについて、AIなどの方はやはり基金で対応したいと思います。だからこそ、基金の長期化ということでこの方針を出しました。

 それから、自然災害その他予想していなかったことが起きたというようなことにつきましては、これはもうちゅうちょなく補正予算で対応させていただきたいと思います。

峰島委員 ありがとうございます。

 そういたしましたら、質問を移りまして、次はEBPMについて、特に、ここについては教育分野を例にしてお伺いしたいというふうに考えております。

 総理は、責任ある積極財政を掲げておられます。その具体的内容に対して、国民に対して明確に説明をしていく上で、歳出を拡大するだけでなく、各政策の効果を客観的に評価し、限られた財源を最も効果的な分野に配分していくこと、これが大切であることは論をまたないかと思います。特に今回、政府全体の予算規模が百二十兆円を超えるということが予想されている中で、特に政策効果の測定、予算配分の見直しというところは非常に重要になってくるというふうに考えております。また、この点については既に財務大臣が複数回言及されているとおり、定期的な見直しを行っていく、そういった姿勢も示されているというふうに考えています。

 この前提で、まず総理に確認という形でさせていただければと思うんですが、責任ある積極財政を実現する上で、政策効果の測定については、データやエビデンス、こういったものを十分に活用した上で、予算の縮小や政策の中止も含めて柔軟に検討されるという理解で正しいでしょうか。

高市内閣総理大臣 その御理解で正しいと申し上げます。

 責任ある積極財政ですから、やはり歳出歳入両面からの改革をしっかり推進して、マーケットからの信認も得る。そして、EBPMの視点、事業の性質によっては必要な見直しを随時行ってまいります。

峰島委員 ありがとうございます。

 そういたしましたら、以上を踏まえて、政策評価の一例として、高校無償化政策について文部科学大臣に御質問させていただきます。

 高校教育の実質無償化につきましては、大阪府を始めとする複数の自治体において、国の制度に先行する形で独自の支援策が展開されてまいりました。とりわけ大阪府では所得制限の段階的な撤廃や私立高校への授業料支援の拡充が行われ、全国的にも大きな注目が集められました。こうした事例は全国展開に向けた貴重な政策実験としての価値を有するものであり、その効果と課題を精緻に検証した上で制度設計に反映させることがまさにEBPMの実践そのものだというふうに考えます。

 例えば、進学率への影響があります。無償化により、経済的理由で進学を断念していた層の高校進学率にどの程度の変化が見られたのか。特に、低所得世帯や生活保護世帯における進学率の変動について定量的なデータは把握されているのでしょうか。

 また、家計負担の軽減効果もございます。授業料以外の教育関連費用、すなわち教材費や通学費、部活動費なども含めた総合的な家計負担は施策の導入前後でどの程度変化しているのか。また、負担軽減の恩恵が所得階層ごとにどのように分布しているのか。

 このような観点で先行事例を評価し、結果をどのように測定し、そして、その結果をどのようにこれから国全体に広げていく中で活用されていくのか、そのような点について文部科学大臣にお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 今般のいわゆる高校無償化についてでありますが、三党間で累次の協議が行われたものと承知をしております。

 この過程におきましては、先行自治体である大阪府及び東京都の実施状況についてもヒアリングが行われ、議論に活用されたものと承知をしているところであります。また、全国知事会からも要望をいただいているところであります。

 文部科学省としては、この三党での協議や合意を踏まえて制度の具体化を行い、先日、制度拡充を実施するための法律案を国会に提出をさせていただきました。今後、国会での御審議を経てこの制度改正がお認めいただけた場合には、制度の実施状況とともに、先行自治体の取組の分析も含めまして、三年以内の期間に十分な検証を行うこととしております。

 文部科学省としては、検証の中で適切に評価を行ってまいりたいと考えております。

峰島委員 ありがとうございます。

 今いただいた御回答につきまして、二点追加の御確認がございます。

 今、多少、言葉ぶりだけだったかもしれませんが、三党の合意に基づいて政策が組まれようとしている、法案が提出されているというような形がございますが、こちらは政府の方でも効果の検証というものが行われているというふうに理解をしてよろしいでしょうか。

 また、二つ目に、三年以内に検証を行うということでしたが、具体的にどのような項目をどのように検証していくのか、また、その検証の場はどこであるのか、そういったことについて、もし決定されていたらお伺いできればと思っております。

松本(洋)国務大臣 大阪、東京が先行自治体として既に行っているわけでありますけれども、ここでの実施状況等につきましても、三党協議の場でそれらをヒアリングをした上で制度設計が行われ、そしてそれが提言としてなされ、今回こうした法案として提出に至っているというところだというふうに承知をしておりますので、三党協議の場でその先行自治体に関する様々なヒアリング等を行っていただいた上でこうした提言というものはやってきているというふうに承知をしているところであります。

 また、就学支援金制度自体でありますけれども、この制度はもう既にあるものでありまして、今回はそれを拡大をするということであります。実際に、これまでの就学支援金制度の政策効果に関しましては、経済的理由による高等学校中退者の数を設定をしてこれまで調査をしておりまして、制度導入以降、減少傾向にあることを確認をしているところであります。

 また、今後どのような観点で検証を行うのかということでありますが、今後の社会情勢や国民からの様々な意見、そして新たな制度の実施状況、そして各自治体によります取組等というものもしっかりと見ていかなければいけないと思います。

 いずれにいたしましても、この拡大をする制度というものはまだ施行をされておりません。当然これから国会で御審議をいただくものでありますから、これらがしっかりと成立をした暁、そしてこの制度というものが実施をされる暁には、具体的な検証方法を今後検討をし、そして速やかに検証を開始してまいりたいと存じます。

峰島委員 ありがとうございます。

 まず一点、私からのコメントになるんですが、今回、就学支援金制度の方で一つの指標の変化を検証したということでしたが、今回仮にこの法案が可決された場合に、検証するという項目は多岐にわたっていくべきだというふうに私自身は考えております。既に、公立高校の状況がどう変わっていくのか、そういったところについて懸念が集まっている、そんな声もお伺いします。そういった面についても多角的に是非御評価いただければというふうに考えております。

 また、今回、私立高校も含めた高校の無償化についてはこれから本国会で議論がなされていく、そういった理解ですが、一方で、かなり審議の時間が限られているというふうにも伺っております。そういった中で、これは御意見を伺うような形になってしまいますが、こういったこれまでの政策の効果検証、そういったものも含めた上で御審議が可能なのか、そこについて文部科学大臣の御意見を伺えればというふうに考えております。

松本(洋)国務大臣 国会、委員会の運営はそれぞれの国会並びに委員会の現場で決められることでありますので、私の方からなかなかコメントできないわけでありますけれども、ただ、一般的には、法案質疑だけではなくて、今日はこういう形で基本的質疑ということで予算委員会で行われているわけでもありますし、また、文部科学省が行います様々な事業に対しましては、文部科学委員会におきまして当然審議の時間、場というものは設定をされているところでありますので、そうした場で文部科学省に対して、また私に対して御質問をいただくことでそうした確認をしていただくことは可能かと考えております。

峰島委員 ありがとうございます。

 そういたしましたら、最後に、在外投票におけるネット投票導入について総務大臣にお伺いしたいと思います。

 現在、海外に在住されている日本人有権者は百五万人に上ると推計されていますが、実質的な投票率は二%程度にとどまっているとの報道がございました。国内の国政選挙における投票率がおおむね五〇%前後で推移していることと比較すると、その差は極めて大きく、制度が十分に機能しているとは言い難い状況になっております。実際、海外在住の有権者からは、郵便投票に関する具体的な課題等も指摘されています。投票用紙の請求、郵送、そして到着、それまでに十営業日以上を要する、そんなケースもあり、実質的に投票ができないというようなお声もいただいております。

 もちろん、公職選挙法の枠組みの中で、厳格な本人確認や、公正確保の観点から制度設計がなされていることは理解をしております。しかしながら、権利保障の観点から見たとき、現行制度が実態に即しているのか、不断の見直しが必要ではないかというふうに考えております。

 まず、在外選挙人名簿への登録制度についてお伺いをいたします。

 現行制度では本人からの申請を前提として登録が行われていますが、海外転居届や住民基本台帳の情報など、行政が既に保有しているデータを活用すれば、一定の要件を満たす方については職権で仮登録を行い、本人確認後に確定登録するなどの仕組みを導入する余地はないでしょうか。行政のデジタル化が進み、マイナンバー制度も整備されている現状も踏まえれば、手続負担を軽減し、登録漏れを防ぐ制度設計が可能ではないかというふうに考えております。

 次に、在外投票におけるインターネット投票の導入についてお伺いいたします。

 エストニアを始めとする一部の国ではオンライン投票が実施され、一定の成果を上げております。一方で、我が国においては、サイバー攻撃への対応、成り済まし防止、投票の秘密保持、そういった慎重に検討すべき論点も多いことも事実ですが、技術環境の変化によって、これらを適切に組み合わせることで一定水準の安全性を確保することは技術的に可能な域に入っています。

 そういった中で、インターネット投票全面導入が難しかったとしても、まずは、このように投票率が非常に低い在外投票において、対象地域や選挙種別を限定しながら実証実験を行うこと、これは現実的に選択肢の一つではないでしょうか。是非、ここについて総務大臣の答弁を求めます。

林国務大臣 まず、一点目のお尋ねでございます在外選挙は、国外に居住する日本国民に選挙権の行使の機会を保障する、今委員からおっしゃられたとおりでございます。

 この登録ですが、公職選挙法第三十条の四の規定に基づきまして、選挙人が国外に住所を有しているということが要件となっております。御案内のように、国内は住民基本台帳制度が整備をされておりますので選挙人名簿がきちっとしているわけですが、在外選挙人名簿、これは、実際に国外に居住しているのかということを含めて、在外邦人の動向を正確に把握する方法がないわけでございますので、やはり国外居住の要件に該当することも含めて、本人からの申請に基づき登録することが必要であると考えております。

 仮登録というお話もありましたが、今、総務省としては、申請される方の負担軽減を図るために、国外への転出届の提出時に在外選挙人名簿への登録申請をその時点で行うことができる出国時申請、これをやっておりますので、国外転出予定者に対する案内を一生懸命周知に取り組んでいるところでございます。

 それから、二番目のインターネット選挙でございますが、これは、システムのセキュリティー対策、また、確実な本人確認や投票の秘密保持、自由意思によって投票できる環境の確保がされているかなど、選挙特有の重要な課題、これを十分に検討する必要があると思っております。

 投票管理者ですとか立会人が不在ということで行われる新たな投票方法になるわけでございますので、これは選挙制度の根幹にも関わりますので、選挙の公正確保の観点も含めて、各党各会派で十分に御議論いただくことが必要だと考えております。

峰島委員 それでは、私からの質問は以上になります。御回答ありがとうございました。

坂本委員長 これにて峰島君の質疑は終了いたしました。

 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 今日は、統一協会の問題について聞いてまいります。

 明日、統一協会への解散命令決定の可否の判断が高裁で下されます。東京地裁では、法令に違反する行為は約四十年間全国的に行われ、類例のない膨大な規模の被害を生じさせた、今も類似の被害を生じさせるおそれがある状況が残っているとし、被害は少なくとも一千五百五十九人、計二百四億円に上ったと認定をしております。

 しかし、これらは氷山の一角であり、全国霊感商法対策弁護士連絡会がまとめた資料によりますと、全国にある弁護団及び消費者センターに寄せられた相談件数は、一九八七年から二〇二三年までで三万五千二百八十七件、被害総額は一千三百三十九億円。まさに史上空前の相談件数と被害総額となります。

 まず、総理にお伺いします。

 総理、そもそも、なぜこのような反社会的カルト教団が何十年も野放しにされてきたと認識をされていますか。いかがですか。

高市内閣総理大臣 過去数十年にわたり旧統一教会の被害が続いてきたことについて、政府としても深刻に受け止めなければならないと考えます。

 これまで、所轄庁が文部大臣となった平成八年以降、文化庁において任意のヒアリングを実施し、宗教法人としての適正な管理運営や個別事案への誠実な対応を強く求めてきたと承知をしております。その上で、平成二十八年以降、法人自体の組織的な不法行為責任を認めた民事裁判で複数の判決が下り、被害を訴える声が数多く寄せられています。

 こうした状況を踏まえて、政府におきましては、旧統一教会の問題に関し、実態把握や被害者救済等の取組を進めるとともに、令和五年十月、解散命令請求を行ったと承知をしております。

 旧統一教会への対応につきましては、これからも政府として被害者救済に最大限取り組んでまいりたいと存じます。

辰巳委員 総理、そうではなくて、何か被害がつい最近ということではなくて、統一協会の被害というのは、もう四十年も前から、霊感商法を含めてかなり社会問題になってきたわけであります。今回解散命令が出されたのは、ついこの間ですから。

 私が問うたのは、なぜこのような反社会的カルト教団が何十年もの間野放しにされてきたと、総理の認識を問うています。

松本(洋)国務大臣 所管官庁でありますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、改めまして、多くの被害者の方々が存在することにつきましては、深刻に受け止めなければならないと考えております。

 先ほど総理もお答えになられましたが、所轄庁が文部大臣となった平成八年以降、旧統一教会に関する報道、訴訟に関する情報等を基に活動状況を聴取するとともに、民事事件の確定判決で認定された使用者責任も踏まえまして、宗教法人としての適正な管理運営や個別事案への誠実な対応をするよう強く求めてきたところであります。

 他方、解散命令の要件は、法律に厳格に定められております。宗教法人がこの要件に該当するかの判断に当たっては、法人の活動に係る十分な実態把握と具体的な証拠の積み上げが不可欠でありまして、このことに相当の努力が必要であったということから、解散命令請求に当たっては様々な取組を丁寧に進めてきたところであります。

 加えて、憲法に定める信教の自由の保障の観点から、解散命令請求の判断に慎重を期するため、宗教法人審議会にも意見を聞いて、相当であるとの意見を聞いた上で……

坂本委員長 文科大臣、簡潔に答弁をお願いします。

松本(洋)国務大臣 今回の請求を行ったところであります。

辰巳委員 なぜこの簡単な質問にストレートに答えることができないのか、全く理解ができません。

 なぜ統一協会が、ついこの間まで解散命令が出されずに被害を拡大させてきたのか。それは、自民党が統一協会とまさにこの教団の反社会的行為に事実上のお墨つきを与えてきた、まさに自民党と統一協会の癒着があったからにほかなりません。

 我が党は、霊感商法という言葉を一九八四年に初めて国会で取り上げ、韓国でこの度明らかになったTM特別報告書でも、日本共産党との四十年にわたる闘いになったと書かれました。自民党は、デマ、誹謗中傷、暴力で日本共産党への卑劣な攻撃を続けてきたこの統一協会と、政策的にも共鳴をしてきたわけですね。まず、この自民党や総理自身の統一協会との関係を、うそなく包み隠さず国民に明らかにすることが絶対的に必要だと私は思います。

 そこで、改めて総理に確認をしたいと思います。

 今年二月八日の選挙の特番で、総理は統一協会との接点についてこう述べています。これまで党に報告をした、私が統一協会の関係団体とは知らずに過去に受けたインタビュー、それ以外のものはございません。この党に報告したというのは、二〇二二年、安倍晋三元首相が銃撃された事件の後、教団関係の月刊誌とは知らずに取材を受けたとする二〇〇一年の「ビューポイント」ということになります。総理、これで間違いないでしょうか。

高市内閣総理大臣 過去に、旧統一教会の関係とは知らずに取材やインタビューを受けたことがあったのは事実です。

 お尋ねの記事につきましては、「ビューポイント」と、日刊紙、世界日報ですか、これは令和四年に実施された自民党調査に対して報告をしました。ですから、判明した時点で報告をいたしております。そのため、何か隠蔽しているといった御批判は一切当たりません。

 旧統一教会ですけれども、様々な形態、名称で活動していたため、多くの自民党議員も網羅的に把握することが難しく、結果的に、判明した時点で党にきちっと報告をするという形で対応しております。自民党としては、将来にわたって関係を遮断するということをお誓いしておりますので、今後もその方針は変わりません。

辰巳委員 総理、二〇〇一年の月刊誌「ビューポイント」、これは世界日報なんですけれども、総理がおっしゃっているのはこの一件なんだと二月八日のインタビューでもおっしゃっているわけですけれども、それ以外にもあるんじゃないですか。

高市内閣総理大臣 自民党に報告したのは、「ビューポイント」という雑誌と、それから「ビューポイント」と同じ、世界日報ですか、関係があるもののインタビューについては、報告を追加的にいたしております。

辰巳委員 追加的というのは、一九九四年の世界日報からのインタビューを受けたと。

 総理は、世界日報のインタビューを、九四年、九五年、九六年、九七年、そして二〇〇一年の五回受けておられます。当初の自民党の報告には、二〇〇一年の一回、そういう報告だったと思います。一九九四年からの五回の世界日報でのインタビュー、それに答えたということをお認めになるということでよろしいですね。

高市内閣総理大臣 これは、旧統一教会の関係とは知らずに取材もインタビューも受けております。月刊誌「ビューポイント」に一回、二〇〇一年、それから世界日報、一九九四年から二〇〇一年にかけて、判明したもの五回、これらは報告をいたしております。

辰巳委員 総理、それは通らないんですよ。

 今年の二月八日に至るまで、総理が、統一協会との関係というのは二〇〇一年の一件だったという答弁なんです。しかし、総理、五回、一九九四年から五回受けているということは、二〇二三年のしんぶん赤旗で既に報道されております。あるいは、去年、東京新聞も報道をしております。あるいは、フラッシュという雑誌の報道でも、総理が一回ではなくて計五回、九〇年代から世界日報のインタビューを受けているという報道がされているにもかかわらず、なぜ今年二月のインタビューに至るまでそれを認めてこなかったのかということを私は問うております。

高市内閣総理大臣 ちょっと、本当に、そういう言い方をされると私は不本意なんですけれども。

 まず……(辰巳委員「不本意じゃないでしょう」と呼ぶ)いやいや、その「ビューポイント」という雑誌も、旧統一教会系ということは全く知りませんでした。非常に有名な評論家の方からお誘いを受けて、インタビューを受けました。それは、多分御党の広報紙だと思いますけれども、それらでも書かれました。それで、調べました。それで、報告を党にいたしました。その世界日報というのも旧統一教会系のものだということで取材がありましたので、調べました。計五回受けていたということで、これも党に報告をいたしました。追加的に報告をしたものがその世界日報というものでございます。

 だから、通らないということじゃないです。ちゃんと党で定められたとおり報告をしている。

 ほかの自民党国会議員も、残念ながら、安倍元総理の事件が起きるまで、いろいろな名称、様々な形態で活動しているこの団体について、全てを分かっていたわけじゃないです。だから、関係のある新聞だと知って取材を受けたわけでもないし、関係のある雑誌だということで取材を受けたわけでもないということです。

辰巳委員 総理、五回出ているんです。しかも、これは九四年ですから、九〇年代、霊感商法や、あるいは、総理がテレビで共演されていた飯星景子さんが集団結婚式なりで出て大変社会的な問題になっていたような時期に、それこそ自民党の議員が統一協会との距離を空けようとした時期に、九四年から五回、世界日報のインタビューを受けているということなんですね。余りにもこれは筋が通らない、説明が通らないと私は思います。

 もう五回も認めましたから。今まで言っていなかったこと、五回は認めましたので、もう答弁はいいです。答弁は結構でございます。

 名称変更について確認をしたいというふうに思います。

 霊感商法で悪名をはせ、社会的な批判から活動が困難になった統一協会は、二〇一五年、二十年来の悲願とされる世界平和統一家庭連合への名称変更を、これまで一貫して拒否をし続けてきた文科省に認めさせました。統一協会の内部文書であるTM特別報告書にも、名称変更について、保岡興治元法務大臣と原田義昭元環境大臣が、教団からの相談を受け、文科省に働きかけたことが記されています。

 二〇二二年、当時の永岡文科大臣は、政治家の政治的な関与や圧力はなかったと我が党の宮本岳志衆議院議員に答えております。これは虚偽答弁だと思うんです。自民党と統一協会との関係を再調査するべきだというふうに私は思います。

 委員長、この両議員の働きかけの記録を当委員会に出していただきたい。

坂本委員長 後ほど理事会で協議をいたします。

辰巳委員 この二〇一五年、名称変更がされたときの大臣が下村博文氏であります。今回、自民党の公認を得て、衆議院議員に復帰をされました。

 下村氏は、文科大臣として、二〇一四年、先ほどの世界日報の記事で、大臣室に招いて対談を行っているほどの密接な関係を持っていた方でもあります。その一年後にこの名称変更が認証されました。名称変更の申請を受理したときと認証決定の決裁時の説明文書が存在することを文科省は認めておりますけれども、この開示を拒否をしております。

 ところが、昨年、これらの不開示決定の取消しを求めた訴訟において、大阪地裁は、不開示の一部は違法との判断を下しました。

 これは政府は控訴しているんですけれども、統一協会との関係、これは、やはり反省というのであれば、文書を政府として開示をしていただきたい。いかがですか。

松本(洋)国務大臣 旧統一教会の名称変更をめぐりまして不開示とした行政文書につきましては、文部科学省としては、これまでも、国会等の場を通じまして、情報公開法上の不開示情報に該当するという見解を示してきたところであります。

 しかしながら、御指摘の第一審判決では、不開示情報の該当性に係る国側の主張につきまして十分な理解が得られなかったことから、関係省庁とも協議を行い、改めて処分の適法性を主張するため、昨年十二月十一日に大阪高裁に控訴をしたところであります。

 また、もう一点、先ほど名称変更について……

坂本委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

松本(洋)国務大臣 はい、分かりました。

 以上であります。

坂本委員長 辰巳孝太郎君、申合せの時間が過ぎております。

辰巳委員 この文書の予算委員会への提出を求めたいと思います。

坂本委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

辰巳委員 以上です。

坂本委員長 これにて辰巳君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして基本的質疑は終了いたしました。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後五時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後五時三十七分開議

坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。

 三案審査の参考に資するため、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣の期日は来る八日日曜日、派遣地は鹿児島県及び岩手県、派遣委員の人選等は委員長に御一任願うことに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

坂本委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 次に、公聴会の件についてお諮りいたします。

 令和八年度総予算について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じます。

 公聴会は来る三月十日とし、公述人の選定等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

坂本委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

 次回は、明四日午前九時から委員会を開会し、一般的質疑、特に省庁別審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三十九分散会


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