衆議院

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第4号 令和7年1月23日(木曜日)

会議録本文へ
令和七年一月二十三日(木曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 逢坂 誠二君

   理事 國場幸之助君 理事 島尻安伊子君

   理事 鈴木 貴子君 理事 新垣 邦男君

   理事 川内 博史君 理事 屋良 朝博君

   理事 高橋 英明君 理事 許斐亮太郎君

      上田 英俊君    小林 鷹之君

      小森 卓郎君    鈴木 隼人君

      西銘恒三郎君    広瀬  建君

      向山  淳君    山本 大地君

      若山 慎司君    川原田英世君

      篠田奈保子君    西川 将人君

      松木けんこう君    藤巻 健太君

      深作ヘスス君    山口 良治君

      吉田 宣弘君    山川  仁君

      赤嶺 政賢君

    …………………………………

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 伊東 良孝君

   外務副大臣        宮路 拓馬君

   環境副大臣        小林 史明君

   環境副大臣        中田  宏君

   防衛副大臣        本田 太郎君

   内閣府大臣政務官     今井絵理子君

   文部科学大臣政務官    金城 泰邦君

   会計検査院事務総局第一局長            佐々木規人君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 河合 宏一君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   水野  敦君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  齊藤  馨君

   政府参考人

   (内閣府北方対策本部審議官)           原  典久君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 中井  亨君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     大村 真一君

   政府参考人

   (総務省統計局統計調査部長)           永島 勝利君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 熊谷 直樹君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 門脇 仁一君

   政府参考人

   (外務省欧州局長)    北川 克郎君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   中山 光輝君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       日向 信和君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           橋爪  淳君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文部科学戦略官)       中原 裕彦君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           平中 隆司君

   政府参考人

   (水産庁資源管理部長)  魚谷 敏紀君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 飯田 博文君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 伯野 春彦君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 伊藤 哲也君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 井上 主勇君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 中村 晃之君

   衆議院調査局第一特別調査室長           松本 邦義君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十三日

 辞任         補欠選任

  小林 鷹之君     小森 卓郎君

  吉田 宣弘君     山口 良治君

同日

 辞任         補欠選任

  小森 卓郎君     山本 大地君

  山口 良治君     吉田 宣弘君

同日

 辞任         補欠選任

  山本 大地君     小林 鷹之君

    ―――――――――――――

令和六年十二月二十四日

 一、沖縄及び北方問題に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 沖縄及び北方問題に関する件


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     ――――◇―――――

逢坂委員長 これより会議を開きます。

 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 この際、宮路外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。宮路外務副大臣。

宮路副大臣 本日、申し訳ありませんが、岩屋大臣は、米国大統領就任式出席等のため米国出張中です。また、特に本委員会を担当する藤井副大臣は、WTO非公式閣僚会合出席等のためスイス出張中です。

 岩屋大臣の訪米については、トランプ新政権や米豪印のカウンターパート等との間で信頼関係を構築する上で大変重要な意義を有しています。また、WTO非公式閣僚会合では、WTOのルールメイキング機能や紛争解決制度の改革に向けた取組等について議論が行われる予定であり、トランプ新政権発足を受け、国際的なルールやガバナンスの維持強化に我が国が一層リーダーシップを取って議論を主導していく必要があります。本委員会に出席できないことについて、委員長を始め委員各位の御理解をいただき、深く感謝申し上げます。

 本日は、私、副大臣の宮路が対応させていただきますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

    ―――――――――――――

逢坂委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官河合宏一君、内閣府政策統括官水野敦君、内閣府沖縄振興局長齊藤馨君、内閣府北方対策本部審議官原典久君、総務省大臣官房審議官中井亨君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長大村真一君、総務省統計局統計調査部長永島勝利君、外務省大臣官房審議官熊谷直樹君、外務省大臣官房参事官門脇仁一君、外務省欧州局長北川克郎君、財務省主計局次長中山光輝君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官日向信和君、文部科学省大臣官房審議官橋爪淳君、文部科学省大臣官房文部科学戦略官中原裕彦君、農林水産省大臣官房参事官平中隆司君、水産庁資源管理部長魚谷敏紀君、環境省大臣官房審議官飯田博文君、環境省大臣官房審議官伯野春彦君、防衛省大臣官房審議官伊藤哲也君、防衛省大臣官房審議官井上主勇君、防衛省大臣官房審議官中村晃之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、会計検査院事務総局第一局長佐々木規人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢坂委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鈴木貴子君。

鈴木(貴)委員 質問の機会を頂戴しまして、ありがとうございます。また、今回の沖北担当大臣は、まさに隣接地域を御地元とされる伊東大臣であられます。日頃の取組もあられる大臣に、こうして大臣というポストで取組をいただけることも地元としても大変心強く思っている次第であります。

 早速質問に入らせていただきます。

 今日は大臣の所信の質疑であります。大臣所信の中で、大臣は、北方領土の部分に関しまして、北方領土問題に対する国民の関心が薄れることを懸念していると述べていただいております。まず、この啓発に関連して質問をさせていただきたいと思います。

 政府の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太でありますけれども、この骨太には、従来、「北方領土隣接地域の振興等」という文言がある種定番化していたところであります。しかしながら、昨年の骨太におきましては、「北方領土隣接地域の振興を更に地域一体で進める取組等を推進する。」となったところであります。この変更に当たりましては、一市四町の首長の皆さん方にも大変お骨折りをいただきました。

 というのも、地域それぞれが頑張るよりも、一体となって、まさに啓発の部分であるとか、この問題をどうやって善処、前進させていくのか、それぞれの自治体の強みであるとか特徴をなお一層生かしながら取組を進めていく必要がないか、こういったお話をさせていただいたところ、速やかに北方領土隣接地域グランドデザインの策定に関する要望書という形で取りまとめいただきました。そして、当時の担当大臣は自見はなこ先生であったわけでありますが、当時の自見はなこ大臣の下に、それこそ伊東代議士とともに、この要望書を首長の皆さん方とともに手交もさせていただきました。

 そこで、北方領土隣接地域の一体となった振興という新しい書きぶりはまさにこれまでとどう異なるのか、政府としてこのことにどのように注力していくのか、目的、展望を含めてお聞かせいただきたいと思います。

伊東国務大臣 鈴木先生には、日頃から、領土返還運動及び日ロ友好団体との協議など、大変お世話になっているところでございます。

 今お話にありましたように、昨年六月に、北方領土隣接地域の一市四町から北方領土隣接地域グランドデザインの策定について御要望をいただいたところであります。私も同席させていただいたわけであります。

 今お話しのとおり、日ロ関係が冷え切っている中でビザなし交流も墓参も自由訪問もなかなかできないという中で、マスコミにこれらのことが取り上げられる機会がどんどん減ってきて、国民の関心が薄れてくる。マスコミの取り扱う量が大幅に減ってしまうものですから、どうしても日ロの関係が冷え切った状態をそのまま表すような形になるわけであります。

 しかしながら、令和七年度の政府関係予算では、北方領土隣接地域に多くの人を継続的に呼び込み、北方領土問題に関する関心の喚起あるいは理解の促進を図るとともに、隣接地域の振興にも資するように、北方領土隣接地域における地域一体となった啓発促進策についての調査研究を新たに盛り込んだところであります。

 今後、実際に調査研究を行う際には、有識者会議を開催し、北方領土隣接地域における啓発活動の現状と課題、北方領土隣接地域に所在する啓発施設の在り方、また、交流人口が増加し、地域振興にも資するような仕組みを構築するための方策などについて、専門的かつ幅広い観点から御議論いただくことを考えております。

 地元自治体や関係団体、関係省庁と緊密に連携協力し、様々な方からの知見もいただきながら、北方領土問題に関する効果的な啓発の在り方等についてしっかり考えていきたいと思っております。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 これまで北方領土隣接地域の書きぶりはある種固定化していた中で、このような形で地域の声を、要望を酌み取っていただくような形で書きぶりも変わり、それを予算に新規事業の形で反映していただいたことは大変心強く思っております。

 その上で、地元としましては、北方領土隣接地域グランドデザインと銘打っているわけであります。

 というのも、根室管内一市四町の中においても、それぞれの自治体にいわゆる啓発のための資料館であるとか展示館が複数箇所所在しております。そして、それらに共通しているのが老朽化であります。日本が抱える三大地震の一つ、日本海溝沖、千島海溝沖地震、こういったリスクもある中で、お客さんを呼び込む施設としての耐震化であるとか耐浪化、こういった安全にもしっかりと目配り、気配りしていかないといけない。

 今までの既存の施設をそのまま維持させてくれというのでは駄目であって、それぞれの地域の強み、それぞれの地域の特色をなお一層際立たせるような形、引き出すような形で発展させていく必要がある。それがまさにグランドデザインに込めた我々の思いであります。

 地域一体となった啓発促進策についての調査研究というところで、啓発のいわゆる展示であるとか運営にだけ重きを置いたということではなくて、まさに地域の皆さん方が求めていらっしゃる施設の整備促進も含めてグランドデザインを描いていく作業、プロセスに含まれているという理解でよいか、改めて確認させていただきたいと思います。

伊東国務大臣 お答えいたします。

 私も、地元ですから、回っていて、随分古くなっているな、あるいは、観光客はこれではなかなか寄ってくれないなと思うような印象を受けるところが何か所もあります。しかし、それぞれの目的とそれぞれの予算といきさつがあってでき上がっている施設でありますので、それらを含めて、今お話しのとおりのグランドデザイン、地域一体となった啓発施設の在り方というものを考えていかなければならない、このように思っているところであります。

 現在、北方四島交流等事業が実施できていない状況にあることから、領土問題につきましては取り上げられる機会が減少し、先ほども申し上げましたけれども、北方領土問題に対する国民の関心が薄れていくことを懸念しているところであります。そのため、多くの国民の関心を今新たに喚起し、理解を促進していくことが重要であると思っております。

 また、北方領土隣接地域は返還要求運動の拠点であり、引き続き北方領土問題の解決に向け重要な役割を担っていただけるよう、この地域の振興を図ることが重要だと考えております。

 引き続き、地元自治体、関係者の方々から丁寧に話をお伺いしながら、隣接地域に所在する啓発施設の在り方について調査研究の中でしっかり対応していきたい、このように考えております。

 以上です。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 この調査の中で建て替えも含めて、見せ方も含めて幅広く議論していただければと思いますし、伊東大臣のことでありますので、しっかり地元の声を酌んでいただけるようなスキームであることを真に切望しておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 大臣からも何度となくありました。今まさに、四島交流事業、いわゆるビザなしが完全にストップしてしまっている中であります。大臣の所信の中でもそのことはもちろん触れていただいておりまして、「再開は、日ロ関係における最優先事項の一つです。政府として、ロシア側に対し、今は特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を引き続き強く求めていきます。」と触れていただいております。

 外務省にお尋ねしたいと思いますが、過去の例といいますか、墓参の再開に向けての具体的なアプローチというものをしっかり見せてほしいというのが我々の思いです。

 毎年二月七日の北方領土の日の式典で総理は御挨拶をいただきますが、二〇二三年の挨拶で、北方墓参を始めとした四島交流等事業の再開は、今後の日ロ関係の中でも最優先事項の一つであり、一日も早く事業が再開できるような状況になることを強く期待していますと述べられました。

 強い違和感を感じました。期待している、そこに日本の主体性はあるのか。正直申し上げて、机をたたきたいと思ったぐらいの憤りを感じました。余りにも人ごとではないか、あなたたちしか、つまり政府しか交渉はできないんだ、元島民の思いを酌んでくれと何度となく要請させていただきまして、おかげさまでその翌年には、今は特に北方墓参に重点を置いて、事業の再開を引き続き求めてまいりますと変わったところであります。

 しかしながら、平均年齢は八十八・五歳なんです。求めてまいります。足りないんじゃないでしょうか。元島民の皆さんは一歩でも、いや半歩でもという表現をされるんです。本来であれば一歩でも二歩でもと言いたい。そこを一歩でも、いや半歩でもと言うところにこそ平均年齢八十八・五歳の皆さんの思いが込められている、そして、それを受け止めるのが政治であると私は思っております。

 外務省にお尋ねします。具体的にどのように再開、どのようなアプローチで突破口を開こうとされているのか、できるだけ具体的に教えていただければと思います。

宮路副大臣 お尋ねの北方墓参については、これまで外務省として、八十八・五歳というお話がございました、まさに御高齢となられた元島民の方々の切実なるお気持ちに何とか応えるべく、ロシア側に対して様々な機会を捉えて事業の再開を強く求め、働きかけを行ってきております。

 例えば、昨年六月そして九月には欧州局長をモスクワに派遣し、ロシア外務省の担当局長に対し、北方墓参が有する人道的な性格を改めて強調しつつ、直接対面で強く働きかけを行うなどの努力を行ってきております。

 累次の働きかけを通じ、ロシア側としても北方墓参についてはその枠組みを維持していることについては確認ができておりますが、事業の再開にいまだ至っていないことを重く受け止めております。

 具体的な成果を得るべく、引き続き全力で外交上の努力を傾注してまいりたいと考えております。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 今、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、日ロのありとあらゆるものを止めるべしというような風潮もある中で、止まってはいけないのは対話です。外交です。そういった意味では、六月、そして三か月空いて新旧両局長が訪ロしていただいて対面で外交の扉を開いていただいていることは一定の評価をしております。

 ただ、一方で、六月のときには官房長官の定例記者会見でも記者による質問があったんです。日本とロシアの外務省の局長がモスクワで会談されたんですね、どういう内容でしたかと。一方で、三か月たって九月のときには定例会見でも取り上げられていないんです。まさに伊東大臣が懸念されているメディアで取り上げられている量が少ない。

 本来であれば、まさに元島民に対して我々は今の厳しい状況の中においても頑張っているという姿勢を示す上でも、プレスリリースというか貼り出しはされているのは存じ上げておりますが、積極的にこの取組を可視化することも私は一つ真摯な姿勢ではないのかなと思うんですが、外務省、いかがでしょうか。

北川政府参考人 お答え申し上げます。

 北方墓参につきましては、我々外務省といたしましても、ロシア側に対して様々な形で様々な機会を捉えて強く申し入れているところでございますが、まさに委員御指摘のとおり、この問題が風化しないように様々なところで情報発信もやっていきたいと思っております。

 現在、ウクライナ情勢等もございまして日ロ関係は非常に厳しい状況にありますが、日ロ関係全体を俯瞰する中で北方墓参の再開につながるような環境整備も含めて取り組んでまいりたいと思っており、ロシア側との意思疎通も含めて図ってまいりたいと思っております。

鈴木(貴)委員 是非とも、時間との勝負です、そして交渉ができるのは政府しかありません。この思いをしっかり酌んでいただいて、具体的な、入口論ではなくて出口論、解決に向けた外交というものを引き続き展開していただきますように強く望みまして、私の質疑といたします。

 ありがとうございました。

逢坂委員長 次に、屋良朝博君。

屋良委員 委員長、大臣、副大臣、そして野党の理事の皆様と委員各位、今日は、閉会中にもかかわらず、このように閉会中審査を開いていただきまして、本当に感謝いたします。ありがとうございます。質問の機会をいただきました。これまた感謝したいと思います。本日はよろしくお願いいたします。

 まずは、沖縄振興特定事業推進費というのが沖縄の予算の中にあります、それについて質疑をさせていただきます。

 二〇一九年、令和元年度に三十五億円の予算で創設された沖縄振興特定事業推進費は、令和七年度、来年度予算で九十五億円と大幅に増額されております。一方で、補助対象地域に偏りがあるとの指摘もあります。最近、特定事業推進費の増額要請が地元市長会からもあったようですけれども、この制度を活用しているのは、資料一に示したとおり、年度ごとに見ると、県内四十一市町村のうち三分の一にも至っておりません。三分の一の自治体に補助金が集中投下されているというふうな現状があります。

 内閣府の交付決定資料によると、特に交付先が中北部に偏っており、南部・先島が余りにも手薄になっているというふうな状態が分かると思います。那覇、中部地域と中北部の差は二倍、中北部と南部・先島との差は実に約四倍、そのような格差が生じているということです。

 そして、裏側ですけれども、資料二でお示ししたとおり、この推進費は民間事業へも交付されております。これまた中北部に交付額、件数とも偏っておりまして、地域別のパーセンテージを見ると、中北部が全体の交付決定額の五四%を占めております。那覇市部は三〇%、中部は一二%、南部・先島は僅か四%にとどまっております。中北部は額にして南部・先島の実に十四倍も多く交付されているというふうな状態があるわけです。

 市町村そして民間事業者への交付は南部・先島地域はとても手薄になっているということが気になるところでございますけれども、なぜこうした地域の偏りがあるのか、実に不可解である。県土の均衡ある発展という振興の大前提に合致していない制度ではないかというふうに思うんですけれども、公平性に問題はないのか、大臣の御所見を伺います。

伊東国務大臣 屋良議員の御質問にお答えいたします。

 推進費につきましては、ソフト交付金を補完し、迅速、柔軟に対応すべき事業を推進することを目的としておりまして、県内の全市町村等を対象として交付し得るものであり、交付要綱に定められた要件に沿って公平公正に対応しているところであります。

 民間事業につきましては、県内の全市町村が認定市町村となることが可能でありまして、市町村と密接に連携する事業が対象であります。

 一般論として申し上げますと、規模の大きな自治体ほど、規模の小さな自治体に比べ、抱える政策課題等は多岐にわたることが多く、結果として配分額が多くなることはあり得るものと考えております。

 比較的小さな自治体にあっても推進費を活用いただいている事例は多数あるところでありまして、内閣府といたしましては、これまでに推進費を活用いただいていない市町村を含め、定期的な説明会等を通じ、制度の理解を深めていただいているところであります。多くの市町村等で一層有効活用いただけるよう、引き続き周知を図ってまいりたいと思います。

 町村の皆さんの評判はいいものと私は聞いているところであります。

屋良委員 大臣も御承知のとおり、沖縄の人口はかなり偏りがあって、那覇を中心とした中南部に人口の八割が集中しているんです。そういうふうな状況を鑑みた場合、この偏重ぶりはちょっと不自然だと思うんです。

 市町村にとっては非常に人気がある推進費ですから、もっと広く活用してもらうために運用を見直すことが必要じゃないかと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。

伊東国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、活用されている市町村にとっては非常に便利な使い勝手のいいものだ、また、使っていない市町村はまるっきりゼロのところもあるように聞いているところでありまして、それぞれの市町村の取組、あるいは工夫、熱意、そういったものによって少し差があるのかなという思いがあります。

 それと同時に、今お話がありましたように、中南部の方に人口が集中し、北部の方はなかなかそうなっていない、それを補完する、活性化させる意味でこの交付金が使われているのではないか、そんな推測もできるわけでありまして、各町村に、この交付金を活用できるように、何回も申し上げますけれども、PRをしてちゃんと相談に乗りたい、こう考えております。

屋良委員 交付先の地域の偏りに加えてもう一つ問題を指摘させていただきたいんですけれども、この予算の執行率が余りよくないことが資料で分かると思います。

 資料三の上の方の表ですけれども、執行率が多くて五割少々なんです。例えば、二〇二二年度は翌年度繰越額が六十三億円になっております。二三年度が八十五億で予算現額が百四十八億円なんですけれども、次の年への繰越額が四十四億で、不用額が何と二十二億円。八十数億円の予算規模に対して不用額が二十二億円。これは形として、余り活用されていないどころか、使い切れていない。先ほど大臣がおっしゃったようにPRがうまくされていないし、活用方法が余り知れ渡っていないということは余りよろしくないというふうに指摘せざるを得ないと思います。

 推進費の目的を内閣府のホームページで見てみますと、沖縄県のソフト交付金を補完する、そして、年度途中でも交付できるので機動性が高い、臨機応変にいろいろなもので使えるのでそうした活用ができるというのが売りなんですね、この交付金は。

 ところが、継続事業が非常に大きいんです。来年度予算を見てみると、九十五億円が計上されていますけれども、そのうち継続が八十億円なんです。そうすると、新規が十五億円。十五億円は何に使うんですかと聞いたところ、いや、特に積み上げじゃないので分かりませんと言われちゃう。これは需要予測ですというふうに言われて、予測を積み重ねていって、結局、継続が多くなるし、不用が多くなるしというふうな状態の運用がこの推進費の実態であると受け止めざるを得ないんです。

 制度の運用の改善が必要ではないか。五年間やってみてこういうふうな状態であるわけですから、運用を改善するべきだと思うんですけれども、大臣、御見解をお願いします。

伊東国務大臣 お答えいたします。

 運用を変えるより、まずは制度そのものをみんなに活用してもらえるような方策に変えていく方が大事だろうというふうに思います。

 各年度や事業によりまして個別の事情があるため、一概にお答えすることはなかなか困難でありますけれども、翌年度繰越しや不用額等については、交付決定以降の事業進捗等を通じて、当初予見し得なかった事象の発生等に伴い生じた結果、これもあると認識しております。

 例えば、令和五年度におきましては、翌年度繰越しについては設計計画変更や資材の入手難、不用については事業計画の変更や市町村等からの申請が想定を下回ったことなどによりまして発生したものであり、それぞれの事業の事情により様々な理由によるものとなっております。

 内閣府といたしましては、御指摘の点も踏まえ、引き続き適切に執行してまいりたいと考えております。

屋良委員 二〇一九年に始まったこの事業は三十五億円でスタートしていますけれども、約三倍、来年度は九十五億円なので、どんどんどんどん増額しているんだけれども、積み上げじゃないので、見込みだと。見込みでやってみても、年度年度の事情でこういうふうな実態になっているということは事実だと思うんです、大臣。年度年度の事情は当然ございましょう。しかし、私は思うんですけれども、毎年度、使っている自治体が全体の三分の一しかないということだとすると、需要と供給のミスマッチが起きているんじゃないかという気がするんです。

 そこで提案があるんですけれども、この制度は現場に近い沖縄県に預けて運用してもらうことはできないものかと思うんです。今、交付先の地域の偏りがあるわけです。現場に近いところで沖縄県が推進費を運用すれば地元のニーズにきめ細かく対応できるはずなので、なくせとは言いません。大臣も先ほど人気が高いとおっしゃっていた。だから、人気が高いほどもっと活用してもらいましょうというような制度にすべきだと思うんです。

 その一つの提案ですけれども、制度そのものを沖縄県に運用してもらう。どうでしょうか、大臣。

伊東国務大臣 推進費につきましては、ソフト交付金を補完して、迅速、柔軟に対応すべき事業を推進することを目的としているわけであります。内閣府が市町村等と直接調整を図ることにより、多様な政策課題に機動的に対応することが可能となると考えております。

 いわゆる国から市町村直轄という形でありますけれども、機動的に対応できるのではないか、こう思っているところでありまして、この点につきまして、市町村等から相談があれば引き続き迅速に対応してまいりたいと思う次第であります。

屋良委員 沖縄県のソフト交付金の制度は、財政力が弱いところに対して裏負担を半額持つ仕組みがあるんです。そうすると、沖縄県にこの仕組みを入れてしまえば、これは十分の八の補助率なので、市町村は半分の負担でこの制度が使えることになるんじゃないか、そういうふうな仕組みにつくり変えればいいんじゃないかと私は思うんです。なぜわざわざ国直轄の事業にずっとしておくのかということが非常に不思議。

 市町村にとっても優しいし、地域でもバランスが取れるだろうし、もっともっときめ細かく活用してもらう、地域の現場に近い行政がやった方がいいんじゃないかと思いますので、どうか御検討いただきたいということを要望しまして、次の質問に移ります。

 事業評価が、市町村に対する交付後の事業評価の公表義務と民間事業者に対する事業評価が全然違っています。民間は公表しないでいいということになっているわけですけれども、昨日問取りレクで説明を受けました。民間事業が裏負担分を自腹を切ってやっているんだから、事業者の秘密の保持もあるでしょうということで公表していないんですよというような説明を受けたんですけれども、どうも二重基準になっているような気がします。

 同じ仕組みの中で、同じ制度の中で、一方は公表義務があるけれども、もう一方は全く公表する必要がない。そうすると、どのような事業に使ってどのような効果が上がったのかということが全く分かりません。これは交付金なので、ある程度、建物を造ったのか、それとも何かの研究に使って新しい素材を開発したのか、新しい技術を開発したのか、そういったことぐらい分かれば、地域でも、これはすごいね、これは地域の活性化につながるねというふうなことがPRできると思うんですけれども、こういったことが全くないんです。何か分からない。ブラックボックス。

 運用を変えた方がいいんじゃないかと思うんですけれども、この二重基準を見直す必要があると大臣はお考えになりませんか。

伊東国務大臣 お答えいたします。

 補助対象事業等の成果目標の達成状況に関して、交付要領において市町村事業分については公表を義務づけているところであります。民間事業分につきましては、他の補助金における取扱いも参照した上で、補助金事業の一部は民間資金を財源としており、事業全体の評価を民間事業者に求めることは慎重になる必要があること、また、民間事業者は業種、業務内容、事業規模などが様々であり、事業者自身が対外的な情報発信を行う基盤環境にも差があることなど、画一的な取組が困難と考えられていること等を総合的に踏まえて、民間事業については公表は求めないとしているところであります。

 なお、成果目標の達成状況の評価につきましては、市町村事業、民間事業、いずれについても内閣府に報告いただき、必要に応じて助言や改善を求めることができることとされており、今後とも、評価状況等についてしっかり把握の上、適切に対応したいと考えております。

屋良委員 国には行政評価の仕組みがいろいろあって、総務省と財務省と会計検査院に実は来ていただいて、調査の対象になるんじゃないのというような質問をやろうと思っていたんですけれども、時間がなくて、ごめんなさい。次にまた質問させていただきます。ありがとうございます。

 次の質問に移りたいと思います。

 沖縄の予算、国直轄予算と県の直轄の予算が非常にアンバランスになっているんじゃないかということを指摘させていただきたいと思います。

 資料三の下の表ですけれども、不用額が過去五年間で計千五億円、平均して毎年二百億円ぐらい不用額を出しているんです。繰越しも過去五年で平均千二百六十八億円に上っているんです。その次の裏側を見ていただきたいんですけれども、国が使い切れないのにもかかわらず、沖縄県の予算がどんどんどんどん減らされている。平成二十六年度は一括交付金を含めた沖縄県側の予算は二千三百億円あったんです。ところが、今、千四百億円に減額されている。国の予算はほとんど変わっていません。使い切れないで持ち越しあるいは不用にしている額がどんどんどんどん増えているにもかかわらず、沖縄県の予算をがんがんがんがん削っている。これはちょっとおかしいなと思うわけでございます。

 何が起きているかというと、水道管の整備事業が滞って、有機フッ素化合物のPFOSを取り除く対応費も沖縄県が持っているので、水道料金が全国で今一番高いんですよ、大臣。鉄道も調査費ばかり十五年間つけてきて、毎年約一億円から八千万円。鉄道が全然走らない状態がずっと続いている。ところが、一年間の沖縄県の渋滞による経済損失は大体毎年千四百五十五億円なので、過去十五年分を足せば、その損失分だけで鉄道は多分那覇―名護間を往復していますよ。

 こんな状態にもかかわらず、国は使い切れていないにもかかわらず、どんどん県の予算を削って、不用にした額を沖縄県に回してあげれば、水道料金を下げることとか、鉄道を造るとか、今、二年前の台風でずっと道路が不通になっていて、それが沖縄県の県道なので予算が足りなくてというような状態が続いている。ちょっといびつだと思うんです。

逢坂委員長 屋良君、申合せの時間が過ぎております。まとめてください。

屋良委員 はい。

 予算がいびつになっているので、是非とも改善をお願いして質疑を終わりたいと思います。よろしくお願いします。

逢坂委員長 次に、新垣邦男君。

新垣委員 立憲民主党・無所属会派、社民党の新垣邦男です。よろしくお願いいたします。

 先ほど屋良委員からも沖縄関連の予算があったんですが、沖縄関係予算の減額傾向に歯止めが利かない状況になっています。

 政府は毎年、厳しい財政状況の中、所要額を確保していると説明を繰り返しているんですが、私は、沖縄振興計画の策定主体が沖縄県である以上、所要額の判断主体も沖縄県であることが理想だ。厳しい財政の中にあっても、可能な限り事業主体が県や市町村となるよう、地方向け補助金を充実させるべきだろうと私は思っております。

 そういう中で、沖縄関係予算において国直轄事業が占める割合が非常に増えております。一括交付金など、沖縄県や市町村が使える地方向け補助金の割合は、二〇一二年度の七一・五%から二〇二四年度には五四・三%まで減少する、そういう状況であります。逆に、いわゆる国直轄が二八・五%から四五・七%に増加しているわけです。この要因について内閣府にお尋ねしたいと思います。

水野政府参考人 お答えいたします。

 沖縄振興予算につきましては、各年度で必要な所要額を計上しているということでございます。このため、地方向け補助金の比率が下がってきている理由を、こうです、ああですと一概にお答えすることはなかなか難しゅうございます。

 その上で申し上げれば、委員御指摘の一括交付金の減額だけではなくて、那覇空港第二滑走路の整備であったり、西普天間地区の沖縄健康医療拠点の整備など、事業費の大きい国直轄の事業を行ってきたことも要因の一つであると考えてございます。

 なお、沖縄健康医療拠点の整備が今年度、令和六年度で完了いたします。また、来年度、七年度予算に駐留軍用地跡地先行取得事業などの地方向け補助金を新たに計上するといったことから、令和七年度の地方向け補助金の比率は全体の五九%程度ということで、六年度と比べると四%ポイントの増になる見込みでございます。

 以上でございます。

新垣委員 減額傾向にあるということを認識していただいて、次年度からは少し上がるということですから、是非その辺は期待をしたいと思っております。

 さらに、沖振法は、第五次以降、県の主体性を尊重する観点から、振興計画の策定主体が国から県に変更されるとともに、使途の自由度が高い一括交付金の制度創設などが行われ、現行の六次振計へと引き継がれています。

 地方向け補助金が減って国直轄事業が増えていく流れは、沖振法に定める県の主体性の発揮とは逆行するものではないのかというふうに考えるんですが、伊東大臣の御所見をお聞きかせください。

伊東国務大臣 沖縄振興特別措置法の基本理念の下で、ソフト交付金を補完し、迅速、柔軟に対応すべき事業を推進するというのがこの推進費の本筋であります。

 また、今お話がありましたけれども、空港の第二滑走路であるとか、OISTであるとか、相当国家的な予算をつぎ込んでこれを完成させてきた今日までの経緯があり、これをどこに含めて沖縄から外してしまっていい形なものか、そうでないものか、これも沖縄振興策として工事が進められてきたもの、そしてまた、大学院大学、OISTも立派に成果を上げて今日に至っておりますこと等を総合的に踏まえますと、推進費及びソフト交付金等々について、今、金額の多少の目減りの話はありましたけれども、プラスアルファで予算増額に向けて皆さんと一緒にこれから取り組んでまいりたいと思う次第であります。

 いずれにいたしましても、沖縄の関連のこれからのポイントは、起業家を目指すスタートアップ支援にも力を入れておりまして、大学発スタートアップ創出数がOISTで五十一社となるなど、着実に成果を上げているところだと思っておるところであります。

 鋭意先生の御提言をいただきながら、しっかり受け止めてまいりたいと考えております。

新垣委員 今大臣からOISTの話が出たんですが、OISTの話は後でお尋ねしたいと思っております。

 先ほど屋良委員からもあった特定事業推進費の件なんですが、政府が市町村に直接交付するこの推進費なんですが、執行率が二〇一九年度の制度創設以降、五年間で六割に達していないということです。一括交付金は執行率が悪いから減額してきたというのがあります。ところが、推進交付金はどんどんどんどん増額していくということで、これはいかがなものかなと思っているんです。

 その辺が非常にいびつだなと思っている推進費について、私は幾つかの市町村を回ってヒアリングをしてきました。そうすると、内閣府に補助申請しても交付決定されにくいとか、機動性の要件を満たすことに苦慮しているという声が聞かれました。特に町村が使い勝手が悪いと。町村は職員が少なくて多岐にわたって仕事を抱えているので企画力が難しいということもあって、恐らくそうなのかなと思っているんです。

 年度が始まってから、緊急性が必要とされているということなんですが、機動性について、一つは、先ほど大臣がおっしゃっていた沖縄の直面する課題に迅速、柔軟に対応する事業、あるいは、ソフト交付金の事業計画に記載されたことがないもの、かつ特別枠配分に基づき申請されたことがないものと規定されているんですが、その機動性というのは何を指すのか、そのことをまずお尋ねしたいと思います。

水野政府参考人 お答えいたします。

 推進費につきましては、沖縄振興特別措置法の基本理念の下、ソフト交付金を補完するもので、迅速、柔軟に対応すべき事業を推進するものということで、まさにソフト交付金を補完するものとしてやっているものでございます。

 ソフト交付金は、委員も御存じだと思いますが、事業を計画的に実施するための財源であるという一方で、推進費は、ソフト交付金では対応し難い多様な地域課題に、まさに緊急に生じた行政ニーズに機動的、柔軟に対応するための財源というふうに位置づけているわけでございます。そうすると、機動性を外してしまうと、ソフト交付金を補完するという制度の趣旨から外れてしまうのではないかと考えてございます。

 ですから、緊急に出てきた行政ニーズに適切に対応するためにというのが機動性と我々は考えてございます。

 内閣府としましては、引き続き、各自治体から相談があれば、丁寧にお話を伺いながらしっかり対応してまいりたい。委員がおっしゃるように、町村の方だと、ほかの仕事で手いっぱいなところもあろうかと思います。そんな中で、我々としては、町村も含めた自治体の声に前広に耳を傾け、相談に応じながら、この推進費が活用されるように力を尽くしてまいりたい、このように考えてございます。

新垣委員 この推進費は三つの要件があると思うんです。機動性、そして先導性、広域性。

 まず、機動性、要するに緊急性ですよ、が第一に求められる。ただ、緊急性というのは、例えば震災とか台風で災害があったとか、そういう場合は確かに緊急性が必要だろうと思っているんですが、通常の計画は自治体で毎年毎年計画を立てていくわけです。当然、一括交付金は使えない、できないというんだったら緊急性というんですが、この辺はどうもやりづらい。何が緊急性なのか、機動性なのか。ある意味全て機動性といえば機動性、そして先導性といえば先導性、広域性といえば広域性なんですね。文言で何か変わるのかなと思って不思議でしようがないんです。そうなると、特に小さな町村は非常に使い勝手が悪くなる。先ほどの屋良議員の資料にもあったんですが、都市部はそれぞれに人もいて対応が早いかもしれないんですが、町村に行くと、機動性と言われたらやりようがないということなんです。

 ですから、見直した方がいいんじゃないか。何も推進費をなくせと言っているわけじゃなくて、これだけ執行率が悪いというのが現実にあるわけですから、市町村の職員の皆さんの意見を聞いて、課題は何なのかということを踏まえて、もう少し使い勝手のいい推進費にしてもらいたいと思っているんです。

 例えば、ソフト交付金の中に市町村枠をもう少し拡充して広げていくとか、機動性のみならずもう少し広域的にとか、そういうのができないのかどうなのか。例えば、自治体によっては、地域のコミュニティー施設の建て替えとかいろいろあるんですよ。なかなかこれは補助がないということで、それは町民の皆さんの、市民の皆さんの寄附とか、こういうことで賄うわけです。

 例えばこの辺も機動性といえば機動性ですし、広域性といえば広域性ですし、この辺をもう少し見直して使い勝手のいい推進費にできないのかどうなのか、大臣の御所見を伺いたいと思います。

伊東国務大臣 先生のおっしゃられていることはよく分かるところでありまして、私も自治体を代表していたことがあるものですから、よく分かるわけであります。

 しかし、沖縄県の二重のいわゆる交付金、一方では使い勝手がいい、一方では全く使われていないというお話もあるところでありまして、もう少し改善する余地はあるなという気はいたします。

 もっと地元で、沖縄県内の市町村がそういう話できちっと話合いをして方針を決めていただく、そういうことが必要ではないかなというふうに私は思うところでありまして、内閣府を通じて皆さんの話を聞くようにしていきたいと思います。

新垣委員 大臣、是非そういう視点で見直しも考えていただきたい。

 確かに大臣がおっしゃるとおり使い勝手がいい、例えば都市部の皆さんにとっては非常にありがたい話なんです。企画力もあるし、相談もできるし。しかし、小さな町村になると、国の皆さんに遠慮してなかなか本音で話せないというようなこともあるものですから、やはり丁寧にやっていただいて、例えば、国との担当者間では、いい計画だね、分かりました、やってみましょうと言ったんだけれども、上に持っていかれたら蹴られたというような状況もあると聞いていますので、その辺は先ほどの機動性、先導性、広域性という要件があるはずなんですが、私は要件にほとんど合うと思うんです。例えばほかの補助金を使えということもあろうかと思うんですが、それが使えないから高率の推進費を是非使いたいという声はあるんです。ですから、もう少し丁寧に聞いていただいて使い勝手のいい推進費に是非やっていただきたいということをお願いしたいと思っております。

 次に、先ほど大臣からもあったんですが、OISTです。

 沖縄関係予算でも二百億円のOIST関連経費が計上されています。OISTに関して、私は、本委員会での質疑等を通じて、OISTの姿がなかなか県民に見えにくい、さらには、沖縄予算の枠組みで措置する必要が本当にあるのかどうなのかという疑問を以前も呈しました。御意見を申し上げたんです。

 その上で、二〇二一年八月三十一日付のOISTの今後の諸課題に関する検討会の中で、もう少し地域に根差したOISTの活用というんですかね、OISTを否定するわけじゃないんです、大変すばらしい研究施設がある。その中に、沖縄振興予算でやっているものですから、もう少し地元に、研究施設も踏まえてやれないものかどうなのかということで考えているんです。

 その中で、三つ内閣府にお尋ねしたいんですが、現在、OIST内で稼働している全ての研究ユニット数に対して何%の研究ユニットが沖縄の特性や資源を生かした研究を行っているのか。二点目が、OISTにおける基礎研究と地域に根差した研究の予算配分はどうなっているのか。そして三点目に、OISTと沖縄県、県内市町村とが対話を通じて抱える課題を明確化し、組織的な連携により、各課題とOISTの研究と連携させるような取組、これがあるんです、この取組について、現時点で具体的に、いつ、どのような取組がされているのかをお答えいただきたいと思います。

齊藤政府参考人 お答えいたします。

 OISTは、世界最高水準の科学技術に関する教育研究を目的としており、その研究内容は基礎的なものから応用的なものまで多岐にわたりますが、あくまでも学術研究でございます。したがいまして、その研究成果が直接沖縄の課題解決に資する場合もあれば、様々な過程、プロセスを経て課題解決に資する場合もあります。したがって、一概に研究内容自体で判断することができないことなどから、委員が御質問の沖縄の課題解決に資する研究ユニットの数ですとか研究予算の配分の割合をお答えすることは困難でございます。

 また、地元の自治体や産業界との連携に関してでございますけれども、沖縄県の支援によりスタートアップ支援プログラムを実施しており、OISTが持っている研究力、それから学内のインキュベーター施設の利用とも相まって、大学発スタートアップの創出数が現在五十一社と着実に増加しているところでございます。そして、その中には、例えば、吸水性の高い資材が県内のJAにおいて販売され、沖縄の農業生産性の向上に寄与するなど、成果を上げているスタートアップ企業も出ているところでございます。

 また、地元産業界との連携でございますけれども、例えば、令和六年に沖縄電力株式会社と脱炭素及び持続可能な社会の実現を目指した連携推進に関する覚書を締結してございまして、実際に担当者同士の打合せを重ねている状況でございます。

 これら沖縄の課題解決のために、地元の自治体、産業界と連携を更に深めてまいりたいところでございます。

 以上でございます。

新垣委員 私が言っているのは、沖縄振興予算に二百億も入っているわけです。当然、研究施設はすばらしいですよ、ノーベル賞をもらう方もいらっしゃるわけですから。これを沖縄につくった。それは、沖縄振興も一緒になってやるから沖縄振興予算に二百億をやるわけです。そうでなければ文科省でもいいんじゃないかと私は思っているんです。あえて沖縄にOISTをつくって沖縄振興予算で運営していくわけですから、沖縄県民にとって、OISTがあってよかった、五十一社あったというんですが、大臣がいつもおっしゃるように強い沖縄経済をつくるんだということですから、例えば、第一次産業、もう少し農業、水産業に特化した、ある意味OISTの中に沖縄関連予算、沖縄振興予算みたいなものをつくって、そこに研究者を投入していく。

 実は、これは私の個人的な意見なんですが、沖縄県でこれから有望なのは、例えばシイタケとかキノコとか、菌床を施設でやる、それを今一生懸命やっている方々がいらっしゃって、その研究をしたいんだと言っているんですが、OISTには今そういう研究者がいないから駄目だと言われたということも聞いております。

 ですから、その辺は、せっかくOISTが沖縄で長くこれまでやっていて、すばらしい研究も、世界からもいらっしゃるわけですから、もう少し沖縄、地元に還元するような施策というんですかね、そういうことがもっと目に見えるような形で是非やっていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

逢坂委員長 大臣、答弁は簡潔にお願いします。

伊東国務大臣 つい先日、OISTを視察し、学長からお話を聞かせていただきました。ノーベル賞をもらうような先生がたくさんいたり、世界最高水準のレベルの大学院大学ということで分かったわけでありますけれども、今お話がありますように、農業系、工業系、実務上の一般社会人のニーズに合わせた大学か、そのかなり上を行くレベルの本当の大学というものなのかという、そんな思いで見てきたところであります。

 最初は私も、これだけのお金をかけたんだから、沖縄にどれほどの利益をもたらし、効果をもたらすんだろうと思ったんですけれども、そこに一日いて、中を全部話を聞かせていただいて効果を聞かせていただいて、これはこれで日本としてこれだけの大学院大学を設置してきたという日本全体に及ぼす影響の方が大きいなという思いをいたしました。

 長い目で見るのが正しいのかな、私はそう感じたところであります。

新垣委員 分かりました。私も長い目で見て、次回また同じような質問をさせていただきます。

 ありがとうございました。

逢坂委員長 次に、篠田奈保子君。

篠田委員 立憲民主党・無所属、篠田奈保子でございます。北方領土隣接地域から選出をされております。

 先ほど、同じ選挙区の鈴木委員から、北方墓参、本当に緊急的な課題だという御指摘がございました。先ほど外務副大臣からはそれについて答弁がございましたけれども、改めて、伊東沖縄北方大臣からも、この北方墓参の実施について具体的にどのような行動を予定されているのか、決意をお聞かせいただきたいと思います。

伊東国務大臣 篠田委員におかれましても、北方領土問題、そして日ロ関係の改善に大変な御尽力をいただいておりまして、感謝を申し上げる次第であります。

 現時点で、先ほどからも申し上げておりますけれども、北方墓参を始めとする北方四島交流等事業の今後の具体的な見通しにつきまして、なかなかいい答えを出す、あるいはいい見通しを示すということにはなっていない状況であります。

 問題なのは、先ほどもございましたけれども、残された島民の平均年齢は八十八・五歳ということで、本当にもう余り時間がないんだという切実な思いを皆さんなされているところであります。

 政府としては、元島民の方々のその切実な思いを、何とかそれに対してお応えしたいという考え方でいささかも変わりはなく、引き続き、ロシア側に対し、今は特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を強く求めているところであります。十二月に行われます街頭行動をとっても、あるいは各地域で行われる領土返還運動の大会にいたしましても、まさに、自分たちは忘れていないんだぞということを内外に示す、ロシア側にもそれを示すということが大事だと思っておりまして、特にやはり、もう時間がないという元島民の切実な思いを受けて、北方墓参だけはまた一段別格で我々も対応しているところであります。

篠田委員 是非よろしくお願いいたします。

 次に、北方領土に関する国民の関心が薄れるという懸念から、とりわけ次世代の若い世代に関心を持っていただくことが何よりも重要だと考えております。

 例えば、北方四島交流事業船の「えとぴりか」を利用した啓発事業として、修学旅行生とか学生とか若者を対象とした洋上視察研修などの事業化、行うべきではないでしょうか。

伊東国務大臣 私も択捉島に「えとぴりか」で行ったことがございます。中に八十名ぐらいの会合の開ける場所があって、そこで大型スクリーンを見ながら北方領土の今日までの歴史を勉強する。そして、本来であれば日本とロシアの北方四島の中間ラインまでしか行けないのでありますけれども、日本側のラインのぎりぎりまでそばに寄って、目の前に北方四島を見ることができる。こんなに近かったのかとみんなが言うほどのやはり距離感でその島を見ることができる。こうした体験を、小中学生、高校生、大学生、あるいは国内各地の県民会議の皆さんの運動の一環として見ていただければ、改めてその歴史やそういった重みが分かるのではないかという、そんな思いで私も北方墓参に力を入れているところであります。

篠田委員 是非前向きに御検討いただきたいと思います。

 それから、「えとぴりか」の待合所ですね。これは多分、伊東大臣が様々に御尽力されて、今、簡易なものはありますけれども、ここの待合所なんかも、しっかりと展示なども充実した施設にしていくというようなことも、是非先ほどのグランドデザインの中でお考えをいただきたいと思います。

 それでは、次の質問に移ります。

 いわゆる旧漁業権者法に基づくいわゆる北対協貸付けについて、まず現状をお伺いしたいと思います。比較のために、平成二十六年度の事業資金貸付けの合計人数と貸付金額、生活資金貸付けの合計人数と資金合計額、それから、比較のために、令和五年の最新の貸付けの合計金額、資金金額などをお教えいただけますでしょうか。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 北対協の融資事業は、旧漁業権者法に基づき、北方四島の旧漁業権者、元居住者等の事業の経営とその生活の安定を図ることを目的として実施しております。

 お尋ねの貸付実績でございますけれども、平成二十六年度の貸付実績のうち、事業に必要な資金の貸付決定人数は百九十一人、貸付決定金額は九億一千九百五万円となっております。また、生活に必要な資金の貸付決定人数は二百人、貸付決定金額は三億五百九十九万円となっております。また、令和五年度の貸付実績のうち、事業に必要な資金の貸付決定人数は五十四人、貸付決定金額は一億七千四百八十八万円となっております。また、生活に必要な資金の貸付決定人数は八十七人、貸付決定金額は八千八百六十七万円となっております。

篠田委員 御回答ありがとうございました。

 今の件数、そして金額で分かるように、事業資金貸付けの件数は三割以下、金額は二割以下、そして、生活資金貸付けについては、件数は四割以下、金額は二割に減少になっております。

 この状況、激減している理由についてはいかがお考えでしょうか。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 貸付実績の減少につきましては、様々な要因が考えられるために一概には申し上げられませんけれども、例えば、北方四島の旧漁業権者、元居住者等の高齢化に伴う借入れニーズの低下であるとか、水産物の不漁に伴う投資意欲の低下、また、令和二年度以降は、新型コロナウイルス感染症の影響による特別資金への乗換え等々が影響していると考えられます。

篠田委員 このような形で、いわゆる北対協貸付けがなかなか旧漁業権者の実態に沿っていない、どんどんと縮小していくということになっております。効果的に機能していない現状について、今後どのような展開を考えているのか。

 北対協貸付けの今後の展開について、是非大臣から御意見をいただきたいと思います。

伊東国務大臣 融資事業を適切に実施するため、北対協においては、北方四島の旧漁業権者、元居住者等に対する融資事業の制度や内容の周知、また、融資相談会等の開催や、親身で細やかな相談対応、また、貸付業務を行う関係機関との連携強化の取組を行っております。

 こうした取組とも並行いたしまして、北対協において、融資メニューの必要な見直し、これも念頭に、貸付けに至らなかった事案などこれまで北対協で受け付けた相談内容の精査、各種会合における意見、要望等の洗い出し、また、根室管内の主要漁協へのヒアリングを行い、利用者ニーズの収集を行っているところであります。

 把握した利用者ニーズ等を踏まえ、どのようなことができるか、北対協とともに検討してまいりたいと考えております。

篠田委員 ありがとうございます。

 今ある制度を様々に使い勝手よくする、それは大切なんですけれども、結局は、本当に、この隣接地域の漁業者の皆さんの具体的な窮状、それを考えたときには、やはり、私は、この沿岸の皆さんの漁業に対して、新たに別途の制度が必要であるというふうに考えています。

 この北方領土に隣接されている漁業者の皆さん、本当に、昔は使えた海が自由に使えなくなって、危険を伴う中で漁業をしている。そして、ロシアとの漁業交渉、大変今厳しい状況にもございます。ロシアの大型トロール船が根こそぎ資源を持っていってしまう。海の異変もある。こんな中で、北方領土隣接地域の漁業者、彼らは、私たちにおいしいお魚を提供してくれているだけではなくて、実は、この北方領土沿岸の広い海岸線を、いわゆる日常的にしっかり守って、見届けていただいているわけですよね。ここに漁業者がいなくなれば、やはりそれこそ国防的にも大きな大きな課題があると思っております。

 ですので、北対協貸付けの枠組みにとらわれず、この沿岸の漁業者の皆さんの振興のために大胆な予算づけが必要というふうに考えておりますので、是非善処いただきたいというふうに思います。

 それでは、時間がないので、次の質問に移ります。

 矢臼別演習場での日米共同訓練と北方領土返還問題についてお伺いしたいと思います。

 日米共同訓練が北方領土隣接地の矢臼別にて開催をされております。令和二年度から六年度までそれぞれに、年何回開催されて、矢臼別演習場に関連をする演習の日米を合わせた参加人数をお答えいただけますでしょうか。

伊藤政府参考人 お答えいたします。

 矢臼別演習場を利用した日米共同訓練の実施回数及び当該日米共同訓練全体の参加者数につきましては、令和二年度の実績はありませんでした。令和三年度、二回、日本全国で約七千百名。令和四年度、一回、日本全国で約三千五百名。令和五年度、二回、日本全国で約九千九百名。令和六年度、二回、日本全国で四万七千六百名となっております。

篠田委員 今、数字を聞いて、皆さんお思いになったと思うんですが、年々参加人数が拡大しているんですよね。

 それで、この北方領土の隣接地域である矢臼別演習場での日米共同軍事訓練が年々規模を拡大している。このことは、北方領土返還の観点からは、私は解決を遠ざける要因になっているというふうに考えています。これについての政府の見解をお伺いいたします。

宮路副大臣 まず北方領土返還について申し上げますと、ロシアによるウクライナ侵略によって日ロ関係は厳しい状況にあり、現在、平和条約交渉について何か具体的に申し上げられる状況にはありませんが、やはり、日ロ間最大の懸案である北方領土問題について、政府として、北方四島の帰属の問題を解決し、そして平和条約を締結するとの方針は、これは堅持してまいります。

 一方、我が国及び国際社会を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟の重要性は一層高まっております。その意味で、同盟の抑止力、対処力の更なる強化に向けた取組を継続していくことも大変重要です。

 御指摘については、いずれも日本外交の主要課題であり、それぞれについて引き続き適切に対処してまいります。

篠田委員 今の外務副大臣の御回答なんですけれども、やはり、実際に北方領土の近隣の矢臼別の演習場を使って行っているという実態に対しての御回答ではなかったのかなというふうに考えております。

 北方領土の返還後も見据えて、様々に、今どうあるべきか、それは考える必要があります。今交渉がストップしているからといって、こちらがどのような対応をしていくのか、それが重要ではないでしょうか。

 今の矢臼別で年々規模が拡大している現状、これが交渉の相手から見てどのように見えているか、そしてそれがどのような影響を与えているか。やはり、これについてのしっかりとした検討と準備が必要と考えますが、いかがですか。

宮路副大臣 いずれにしましても、日ロ間最大の懸案である北方領土問題について、政府として、北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していく中で、一方で、日米同盟の抑止力、対処力の更なる強化に向けた取組、これも非常に重要ですから、いずれも日本外交の主要課題であり、引き続き適切に対処してまいります。

篠田委員 北方領土の隣接の矢臼別での軍事演習が拡大している。やはり、この地理的なことをしっかりと踏まえた上で対応していただきたいと思います。

 最後に、北方領土の返還後のことを見据えますと、やはり、返還をされても北方領土には米軍基地は置かないんだという、そういったメッセージを強く出す必要が私はあると思っています。

 日米地位協定の見直しも含めまして、この辺のところを是非、外務副大臣に御見解を伺いたいと思います。

北川政府参考人 お答え申し上げます。

 委員から、ロシアとの間の平和条約交渉、返還後の北方領土の扱いについて御質問がございました。

 現在、日ロ関係は厳しい状況で、平和条約に向けた交渉は行われるような状況にございませんけれども、今後、状況が変わった日を見据えて、我々もいろいろと準備をしておるところでございます。

 そういった中で、実際に平和条約締結に向けた交渉についてどのように考えるかについては、交渉の内容そのものに関わりますので、答えることは差し控えたいと思います。

 いずれにいたしましても、政府として、この領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針、これは全く変わりませんので、引き続き粘り強く取り組んでまいりたいと思っております。

篠田委員 国際情勢が様々に動いていく可能性がございます。ですので、やはり様々な現状を想定をしながら外務省には是非御準備をいただきたいというふうに思っておりますし、特に、返還後、どのような形でこの地域を発展させていくのか、その大きな大きな未来も見据えた議論も是非お願いをしたいというふうに思います。

 本日は大変ありがとうございました。

逢坂委員長 次に、高橋英明君。

高橋(英)委員 日本維新の会の高橋英明でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 時間もないので早速始めさせていただきたいと思いますけれども、まずは領土問題についてお聞きしたいというように思います。

 尖閣、竹島、北方領土といろいろあるわけでございますけれども、今回、とにかく北方領土問題、これを風化させないということでございます。領土問題というのは本当に大きな問題で、国家形成の三要素の大きな一つですから、領土、国土があり、そこに民が住み、そして主権を持つ、これが国家ですから、この一つの枠組みですので、これはしっかりやっていかなければいけない。そして、もちろん風化をさせないためには、やはり子供の頃から学校等々、授業等々でもこれをしっかり教えていくべきだというように思っています。

 昨年度のこの委員会のときも、しっかり授業で教えているのかという質問をさせていただきました。答えは、たしか四、五年ぐらい前から教科書に載せているという答弁だったと思いますけれども、私も教科書を幾つか見ましたけれども、確かに載っているんですね、本当にこんなにちっちゃく。本当にちょっとだけしか載っていないんです。

 これは、本当にしっかりと教えているのかどうかをまずは確認をさせていただきたいというように思います。

伊東国務大臣 領土問題について、学校の授業でしっかり教えているのかというお話であります。

 直接の所管は文部科学省になるわけでありますけれども、我が国の領土に関する教育等の一層の充実を図る観点から、平成二十九年、三十年に改訂された小中学校の社会科、高等学校の地理歴史科、公民科、この学習指導要領等において、北方領土や竹島、尖閣諸島について、それぞれの領土が我が国の固有の領土であること、我が国の立場が歴史的にも国際法上も正当であることなどが新たに明記をされたところであります。

 この指導要領を踏まえまして作成された教科書は、小学校は令和二年度から、中学校は令和三年度から、高等学校は令和四年度から使用され、それぞれの学校において指導の充実が図られていると承知をいたしております。

 また、教科書を用いた授業に加え、関係省庁が連携して、子供向けの教材やリーフレットなどの提供や教員研修の実施など、領土に関する学校教育の充実に向けた様々な支援を行っているところであります。

 今後とも、関係省庁と連携しながら、こうした取組を通じて北方領土学習の充実にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 これは北海道では既にやっているとお聞きしました、さすがだなと思いましたけれども、高校入試でこの領土問題を出しているというふうに聞き及んでいます。これは、全国全ての高校受験でこの問題を是非やっていただきたいというように思うんですけれども、大臣はいかがですか。

伊東国務大臣 高校入試の中身について内閣府が言うのはどうなのかな、こう思うのでありますけれども。

 北方対策本部といたしましては、各都道府県に対しまして、公立高等学校入学試験における北方領土に関する出題状況の調査を依頼するとともに、出題への協力をお願いしているところであります。

 同調査結果によりますと、令和五年度に実施された公立高等学校入学試験におきましては、北海道など六自治体で出題が確認されております。

 今後とも、北方領土に関する出題について積極的に取り上げてまいるよう協力をお願いしてまいりたいと考えております。

高橋(英)委員 先ほども言いましたけれども、これはやはり、領土問題、これを教えずして何を教えるんだというふうに私は思っているので、しかも、多分、先生にもよるだろうし、学校にもよるだろうし、教え方の厚さというのも多分違うんだろうなというふうに思います。

 高校入試に出るとなればやはりそれなりの教え方もすると思いますので、是非これはお願いしたいと思いますので、伊東大臣、強い心意気でちょっと、もう一丁お願いします。

伊東国務大臣 これは、北特法という法律ができたのが、あれは平成二十六、七年でしたか、富山選出の宮腰先生がもう血眼になって走り回って、北特法の改正があり、その中で、教科書あるいは学校の指導要領の中に北方領土を含めるようにという運動を展開された経緯があって、その結果、北海道以外の五自治体、六自治体しかまだ広がっていないわけでありますけれども、やはり、認識を新たにしていただき、学校教育の中でももう一歩進める意味でも、これは要請はしてまいりたいと思う次第であります。

高橋(英)委員 ありがとうございます。是非頑張っていただきたいというように思います。

 次に、岩屋外務大臣に質問したかったんですけれども、いないということなので、副大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 先般、中国にお出かけになったようですけれども、本当に、何かにこにこして、随分楽しそうだったなとテレビを見ていると思うんです。

 これはまさに、今言った、領土を脅かさんとする国ですよね、はっきり言って。台湾はもちろん、尖閣にまで言及しているようなことも聞いておりますので。

 これは、台湾有事についてどのようにお考えなのか、ちょっとお聞かせください。

宮路副大臣 台湾有事についてお尋ねがございました。

 台湾有事という仮定の質問についてはお答えすることは差し控えますが、あくまで一般論として申し上げれば、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、我が国及び我が国国民の安全と繁栄を確保するため、政府として、いかなる事態に対しても対応できるよう、平素からの体制の整備を含め、万全を期してまいりたいと考えております。

高橋(英)委員 これは、台湾有事が起きれば、やはり真っ先に危機にさらされるのは沖縄だというふうに思いますので、まさにこの委員会では取り上げるべきものだろうというふうに思っています。

 そして、所信で戦略的互恵関係という話をしましたけれども、今回、ビザの緩和をしたような気がしていますけれども、それに対する中国からの何か、互恵関係ですから、見返りみたいなものはあるんでしょうか。

宮路副大臣 戦略的互恵関係についてお尋ねがございました。

 中国との間では、御指摘のとおり、戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築するという大きな方向性の下、課題と懸案を減らし、そして協力と連携を増やしていくためにお互いに努力していくことを確認しております。

 先ほど、ビザ、いわゆる中国人観光客に対する査証緩和措置についての御指摘がございましたが、その関連で申し上げると、我が国は、観光立国推進基本法に基づき、政府を挙げてインバウンドの推進に取り組んでおります。二〇三〇年に訪日外国人旅行者数六千万人、消費額十五兆円を目標に掲げ、昨年は、約三千七百万人の訪日外国人旅行者数、そして消費額は八兆円となっており、目標達成のためには更なる努力が必要と考えております。

 その一環として、中国人の訪日査証について、地域活性化や雇用機会の増大など経済波及効果が大きい観光の推進といった観点に加え、人的交流の促進を通じた相互理解の増進、治安に与える影響などを総合的に勘案して関連の緩和措置をこれまでも実施してきており、今回の査証緩和についても以上の点を踏まえたものとなっております。

 中国との懸案が多いことについては事実でありますが、あらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通をより一層強化するとともに、必要な協議と作業を加速化し、首脳、外相を含むハイレベルの意思疎通、往来の機会も活用しながら、具体的な成果を上げるために最大限努力していくということが我が国の方針であります。

高橋(英)委員 これは聞くかどうか悩んでいたんですけれども、インバウンドのお話が出たのでちょっとお聞きしたいんです。

 先ほど言いましたけれども、中国は我が国の領土を脅かさんとする国なんです。インバウンドは大事なんでしょうけれども、領土とインバウンドと一体どちらが大事なのか、ちょっとお聞かせください。

宮路副大臣 まず、政府としましては、当然、国民の生命財産及び我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くという考えです。そうした決意の下、冷静かつ毅然と対応をしてきております。引き続き、緊張感を持って、関係省庁と連携し、情報収集、警戒監視活動等に万全を期してまいります。

 一方、インバウンドにつきましては、二〇一六年に、政府は、先ほど申し上げたとおり、二〇三〇年に訪日外国人旅行者数六千万人、消費額十五兆円を目標に掲げており、外務省としてインバウンドの促進に関係省庁と連携して取り組んでおります。

 このように、領土を守ることは主権に関わる問題であり、一方、インバウンドを促進するということも大事ではありますが、両者は質的に異なるものであって、二者択一の問題であるとは考えておりません。中国との関係においても、いずれについても政府としてしかるべく取り組んでいく考えであります。

高橋(英)委員 今の答弁、領土の方が重いんだというふうに受け止めたいというように思います。

 もう時間がないので一遍にお話をしたいと思いますけれども、まず、種々の問題があります。尖閣、日本人の拘束、子供の殺害、あと日本産水産物の輸入規制とか、もう数え上げたら切りがないというように思いますけれども、これは何か解決のカードを具体的にお持ちなのかどうかというのをまずお聞きしたいということ。

 あと、先日、トランプ大統領が就任しまして、すばらしいスピーチだったなというふうに、日本語版、全文を読みましたけれども、いや、本当に感動しました。あのような大統領と、今回の中国のを見ていると、中途半端な気持ちだったらこれは絶対やられると思うので、この辺のちょっと心意気、トランプ大統領に対する対峙の仕方というのを聞かせてください。

逢坂委員長 宮路外務副大臣、申合せの時間が経過していますので、簡潔にお願いします。

宮路副大臣 はい。

 まず、中国との間においては、戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていくというのが日本政府の一貫した方針であり、日中首脳間でも、首脳レベルを含むあらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通をより一層強化し、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくために共に努力することを確認しております。

 こうした考え方の下、中国との間では様々な課題や懸念について対話を積み重ねており、こうした外交上のやり取りについて詳細をつまびらかにすることは差し控えますが、中国側の対応も見極めながら、引き続き適切に対応してまいりたいと思います。

高橋(英)委員 ありがとうございました。

逢坂委員長 次に、藤巻健太君。

藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 調べたところ、択捉島にもどうやら熊、ヒグマがいるということらしいです。択捉島に限った話ではないんですけれども、人を殺害し得る熊とどう向き合っていくか、これは我が国にとっても一つ重要なテーマかなというふうに考えておりまして、本日は、熊との向き合い方、これをちょっとテーマに議論させていただければと思っております。

 まず伺いたいんですけれども、北海道それから東北を中心に熊による被害が相次いでいます。おととし、二〇二三年度の人的被害は、統計のある二〇〇六年以降、過去最多となりました。そういった状況をどのように捉えられているのでしょうか。また、そもそも論として、熊は、人間を殺す害獣として駆除の対象なのか、それとも同じ地に生きる生き物として共生、共存の対象なのか。どうなっているのか、環境省としてのお考えをお聞かせいただければと思います。

小林副大臣 今、熊が、全国的に生息域が大体一・四倍ぐらいに増えてきているという状況になってきています。なので、当然、まず人身被害を防止しなきゃいけないというのが大前提にあると思っていますが、そのためにはちゃんと熊を管理するということもありますけれども、一方で、じゃ、絶滅させていいかというと、そういうわけではありませんので、保護をしていくということが、この両方を目指していくというのが大前提だというふうに考えています。

 それでいくと、じゃ、どういうふうに線引きしていくかというと、やはり、熊類が本来生息している奥山でちゃんと個体群が維持される、一方で、人の日常生活圏に出没しないようにどうやって抑制するか、これをしっかり徹底していくということだと思っていまして、この両立を目的として、しっかり実現していきたいというふうに考えております。

藤巻委員 環境省は、昨年四月十六日に省令を改定して、熊を指定管理鳥獣に指定いたしました。これで自治体が行う対策などで国の支援を受けられることになったわけですけれども、そんな中、昨年五月、北海道の奈井江町では、報酬が低いことなどを理由に、地元猟友会が熊の駆除の辞退、これを表明いたしました。当時、町が示した日当が最大一万三百円。一万三百円で命懸けで熊と戦えというのですから、辞退も致し方ないところかなというふうに感じるところでございまして、昨年七月には、町からの報酬、これの改定が行われたそうなんですけれども、それでも十分ではないというようなところではあるというふうに考えております。

 熊を指定管理鳥獣に指定することでこのような問題は解決に向かうのでしょうか。熊を指定管理鳥獣に指定したその意図をお答えいただければと思っております。

飯田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの指定管理鳥獣でございますけれども、生物の多様性の確保、生活環境の保全又は農林水産業の健全な発展を図る観点から、その生息数を適正な水準に減少させ、又はその生息地を適正な範囲に縮小させることが必要な鳥獣を指定しておりまして、昨年四月に、既に指定しているニホンジカ、イノシシに加えまして、四国の個体群を除く熊類を指定したところでございます。

 指定管理鳥獣への指定によりまして、都道府県が行う指定管理鳥獣の調査、対策計画の策定、捕獲、出没防止対策、人材育成などの被害防止対策に対しまして環境省の交付金による財政支援を可能とする仕組みとしておりまして、熊類の指定後、本年度は、要望に基づき、二十三道府県に対しまして一・三億円規模の財政支援を実施しております。

 指定管理鳥獣に指定した効果としまして、熊類の地域個体群に配慮しながら、人と熊類のすみ分けを図り、人の日常生活圏への出没を抑制することで、人身被害等の低減につながると考えております。

藤巻委員 ここに「豊かな森の生活者 クマと共存するために」という冊子があるんですけれども、これは環境省が発行しているものになります。

 指定管理鳥獣にして駆除を支援する一方、共存も目指していく。先ほど副大臣からもあったように、駆除はしていかなければならない一方、絶滅させるわけにはいかないというような御答弁があったと思うんですけれども、私は、一方で、そういった御主張が、ある意味相反する部分はあるのかなというふうに考えておりまして、ちょっと中途半端な姿勢も感じざるを得ません。

 環境省としてのある意味中途半端な姿勢というのが熊による犠牲者を出し続ける遠因ともなってしまうのではないかなという思いもあるんですけれども、そこについて御見解をお聞かせください。

小林副大臣 藤巻委員の問題意識はよく分かりますというか、共感するポイントはあると思っています。実際に人が被害を受けているじゃないか、そして命を失っている人がいるじゃないか、やはりそれに厳しく対処すべきではないか、こういう御指摘なんだと思っていますので、我々もそこは強い覚悟を持ってやりたいと思っています。

 ただ、難しいのは、自然の状況ですので、増えたり減ったりするわけですよね。ずっと守ってきた結果、すごく増えてきたというのが、今現状としてなってきたわけです。だからこそ、環境省としても、覚悟を示して、指定をするということで法律に位置づけたわけでありますので、そこはきっちり対処をしていくという覚悟を示してこれからやっていきたいと思います。

 それを考えていく上で、やはり、じゃ、どれぐらいの数にしたいんだっけということを考えると、じゃ、どれぐらいの捕り手が必要なんですかねということになりますし、じゃ、それをどのように処理するのかという処理があり、その後の流通があるわけですね。そこを一体でしっかり考えて戦略を作ってやっていくべきかなと思っていますので、そこはしっかり対応していきたいと思います。

 人と熊がどうやって共存していくかというと、先ほど言ったように、やはり、奥山に本来すんでいるものがなぜ町中に出てきているのかということを考えると、緩衝地帯が減ってきているとか、山の中で手入れが行き届かないことによって様々弊害が出てきて町に出てきているということもありますので、捕るだけではなくて、環境を整えることですみ分けをつくっていくということで考えていきたいと思っています。

藤巻委員 環境省さんがそういった、熊とどう向き合っていったらいいのか一生懸命考えられていることはよく分かるんですけれども、一方で、じゃ、何で熊だけそんなに一生懸命考えて、一生懸命向き合っていくのかというふうな思いもあるわけですよ。

 海に入ればサメやらクラゲやら危険生物がいるんですけれども、日本の陸上で、私たちが生活している中で私たちの命を奪いに来るのは、熊とスズメバチとマムシ、恐らくそれぐらいだと思うんですよ。日本の陸上に生息する何千何百の生き物の中で私たちの命を奪いに来るのは、熊とスズメバチとマムシだけなわけです。

 熊と一生懸命向き合って共存を目指していくということは、つまりはスズメバチとも共存を目指していくというようなことになるんでしょうか。

小林副大臣 元々、熊もスズメバチも日本国内にずっと生息している中で、我々は共存してきたわけですよね。その中でバランスが取れなくなってきたものについてきちっと対応するということでいくと、スズメバチも実際には実は多くの人の命を奪っているというのが藤巻さんの問題意識だと思っていますが、ここについては、むしろ自治体でこれまでも対処してきておりまして、駆除する仕組みもあったりしますので、そこはそこで対応できている。一方で、かなり広域に動く鳥獣みたいな話は国もしっかり見ているということで、そこは役割分担があるかと思っています。

藤巻委員 役割分担があるということで。

 では、環境省は奄美大島でマングースを徹底駆除して絶滅させましたよね、去年。昨年、マングースの根絶宣言を奄美大島でしているわけですけれども、人を殺さないマングースは絶滅させておいて、人を殺す熊は共存の対象、これはちょっとおかしいというふうに感じておりまして、これはある意味命の選別をしているんじゃないかな、そんなことが果たして許されるんでしょうかという疑問を感じているんですけれども、そこについてはどうお考えでしょうか。

小林副大臣 大事な問いなんだと思うんですよね。

 でも、整理の中では、マングースは外来種ですので、日本古来の生物多様性を守るということと外来種を駆除するというのは、やはりこれまた違う話だと思っています。

 なので、幾つかの軸がある中で整理をされている。そもそも、国が対処すべきなのか、自治体で十分、個人と自治体が気をつけていけば対処できるのかというレベル感と、元々の日本の生態系をどう守っていくかという話ということがあると思っていますので、その中でしっかり整合性の取れた政策をやっていきたいと思っています。

藤巻委員 済みません、ちょっと話が少し脱線をしているんですけれども、元々の日本古来の生物とか生態系というのは、生態系は地球が誕生してからもう何十年と刻々と変化している中で、これが古来のあるべき生態系だ、日本の古来の生物だということもこれまたおかしいのかなというふうに思っておりまして、今そこにあるものこそが生態系かなというふうに考えるところでもございますし。

 また、ちょっと同じような、少し堂々巡りになってしまうところはあるんですけれども、やはり、駆除の基準、外来種であるかどうか、日本に古来からいたかどうかということよりも、人に危害を加え得るのか、人を殺すのか殺さないのか、ここが一つ大きな基準であるべきじゃないかなというような思いはあるんですけれども。一番大事なのは人間の命ですから、そこを基準としていくべきじゃないか。外来種かそうじゃないかよりも人を殺し得るのかというところを駆除の対象としないとロジックがおかしくなっちゃうのかなとも思うんですけれども、ちょっと最後に御意見をお聞かせください。

小林副大臣 人の命は大事だ、これはもう大前提だと思うんですね。なので、それを、自治体レベルで対処可能なのか、国が法的に位置づけなきゃいけないのかということでいくと、先ほどの問題意識の、スズメバチみたいな話は自治体で対処していけていますね、こういうことの整理なんだと思っています。

 生態系の話は、地球の温暖化とか変化があって、例えば海の中だと魚が捕れる位置が変わってきたりとか、様々起こってきていますが、マングースとか外来種の話は、人がわざわざ持ち込んできて、それによって繁殖が広がった、こういう話ですので、明らかに、自然環境の変化というよりは人為的なものによって大きく自然環境が変わってしまう、ほかの生態系に悪影響を及ぼしてしまうということになってしまっているというのは、やはり駆除すべきものだという整理かなというふうに考えています。

藤巻委員 ちょっといろいろ話が脱線してしまったんですけれども、いずれにせよ、熊による人的被害が増加しているのは事実でございます。熊に限らずスズメバチ、マムシを、そういった被害者を一人でも減らすべく、環境省の方には最大限の対策をしていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

逢坂委員長 次に、許斐亮太郎君。

許斐委員 国民民主党・無所属クラブの許斐亮太郎でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私は、去年まで二十五年間、NHKで報道カメラマンに従事しておりました。その中で沖縄局での勤務も経験いたしました。その経験を踏まえて質問させていただきたいと思います。加えて、私は誕生日が二月の七日でございます。北方領土の日です。この委員会を心から希望してまいりました。

 それでは、人生初の議会での質問に入りたいと思います。よろしくお願いします。

 まずは、沖縄の戦後八十年について質問いたします。

 戦争体験者や遺族にとっては節目などない、そう思いますが、国としては、この沖縄が歩んできた八十年の歴史、節目、そしてこの現状をどう捉えているのか、伊東大臣、宮路副大臣の思いをお聞かせください。

伊東国務大臣 許斐委員の御質問にお答えするところであります。

 特にこの沖北の委員会では、この後、沖縄問題、北方領土問題に集中してお話が進むものだと思います。

 中でも沖縄は、私も、大臣に就任してすぐ、一週間たたないうちに、一番最初に訪問したのが沖縄でありまして、さきの大戦で大変に筆舌に尽くし難い悲惨な地上戦を経験し、サンフランシスコ平和条約の発効以降も、本土復帰まで多くの時間を要することになり、県民は多大な苦難を経験したところであります。

 また、本土と違いまして、国土面積〇・六%の県土に在日米軍軍用施設、米軍の専用施設・区域の七四%が集中をしておりまして、戦後八十年という節目を迎え、なお県民は大きな基地負担を担っているところでもあります。

 この後、様々な御質問があろうかと思いますけれども、実は、私も北海道の連合の遺族会の会長をしておりまして、大臣として、沖縄訪問のとき、初めて北霊碑という、北海道の道民が四万人、沖縄から南方にかけて犠牲になられている、その慰霊碑があるわけでありますけれども、そこもお参りさせていただきました。

 本当に、沖縄はやはり特別な地域であるというのが私の正直な感想であります。この地域のためにまた頑張ってやりたいと思います。

宮路副大臣 外務省としての沖縄政策への思いを外務副大臣として答弁させていただきます。

 本年は、戦後八十年の節目の年になります。さきの大戦中、沖縄では国内最大の地上戦が行われ、多くの県民が犠牲になられたこと、そして、戦後二十七年間、沖縄が米国の施政下に置かれたことは、決して忘れてはならないというふうに考えております。

 私の地元選挙区においても、十島村というところがあります。悪石島の沖において、対馬丸、沖縄からの避難民の方が乗った船が沈没し、多くの命が犠牲になりました。また、その十島村についても、沖縄と同様、戦後、占領下に置かれ、日本復帰したという経緯がございます。

 そうした、沖縄には、現在、多くの米軍施設・区域が集中しており、政府として県民の皆様に大きな負担を引き受けていただいていることを重く受け止めております。沖縄の負担軽減については、政府の最重要課題の一つとして、引き続き全力で取り組んでまいります。

 その中で、沖縄の国際化の支援、明るい話題だと思っておりますが、その沖縄の国際化を支援すべく、沖縄の高校生、大学生の米国派遣プログラム、いわゆるTOFUプログラムという名称になりますが、等を通じて、国際社会で活躍する沖縄の人材育成にも外務省として積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 伊東大臣、更なる質問で恐縮ですが、沖縄振興についてのお考えをお聞かせください。

 沖縄戦を戦った海軍司令官、大田実中将が、昭和二十年六月六日、自らの命を絶つ前に、海軍次官に送った電報があります。御存じと思いますが、内容は、地上戦の惨状と県民の献身ぶりを訴えたものです。そして、その最後には、「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」、つまり、県民はこのように戦いました、県民に対して後世特別の御配慮をと結ばれています。我々が引き継ぐべきことではないかと私は思っています。

 戦後八十年、改めてこの言葉についての伊東大臣の感想と、沖縄振興に何が必要かということをお聞かせください。

伊東国務大臣 私も、沖縄に二十年以上前に初めて来たんですけれども、そのときに大田中将の送った電文の文面を読んで、これも涙なしには読めないような話でありますし、また、知覧を始めとする、ここから旅立った特攻隊の皆さんの遺書なども、全く同様の思いで読ませていただいたところでありまして、後世に、沖縄に対する特別な配慮という言葉がありますけれども、それも、聞いていて、今の我々にとってはこれは当たり前の話だな、当たり前にこれはその義務を果たさなきゃならぬなという、そんな思いをしたところであります。

 それだけに、沖縄戦の悲惨さから立ち直ろうとする沖縄でありますので、我々としても、二十七年もの間米軍の統治下に置かれているという苦難の歴史もあるわけでありますので、基地の返還などなども含めてこれから沖縄をしっかりと支えて、振興、発展するように努めていきたいと考えております。

許斐委員 ありがとうございます。思いが共有できたと思っています。

 私は、沖縄振興で欠かせないのが、大臣もおっしゃった、やはり基地の返還だと思います。

 これまで様々な基地の返還が行われてきたことは、外交を始めとして、政府の努力のたまものだと思っています。そして、その返還された土地が利用されて、新たな産業を生み出しています。だからこそ、急ぐべきは普天間基地の返還だと私は思っています。その後の開発が沖縄の飛躍的な発展につながると私は信じています。

 そして、その観点から、移設先である辺野古新基地についてお伺いします。

 本田副大臣に単刀直入に質問します。辺野古新基地はいつ完成するんですか。実現可能な時期をはっきりとお示しください。

本田副大臣 お答えいたします。

 普天間飛行場代替施設建設事業の工期につきましては、計画変更後の令和六年一月から数えまして、つまり工事に着手してからですが、埋立工事に要する期間として八年、工事完了までに九年三か月、提供手続の完了までに十二年を要する旨、これまでも御説明をしてまいったところでございます。

 引き続き、防衛省としては、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現して、そして基地負担の軽減を図るために、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいる所存でございます。

許斐委員 本当にできるんですか。そう言って、ずっとずっと遅れてきている、私はそう思っています。

 私がNHK放送局でカメラマンとして勤務していたときに、まさに辺野古でのボーリング調査の開始がありました。およそ十年半前、二〇一四年八月十八日午前十一時のことです。私は、辺野古の海にボーリングの機材がまさに水面に入る瞬間を大浦湾がよく見える瀬嵩の高台から撮影していました。

 その時点で、工事完了の予定のアナウンスは二〇二〇年、普天間基地の返還は何と二〇二二年の予定でした。本来なら、もう返還されていてもおかしくないですよね。しかし、その時点でも、実は、二〇二〇年度若しくはそれ以降というただし書という保険があったことも私は覚えています。ですが、もう既に十三年がたちました。

 これはいつまで我々は待てばいいんですか。裁判や地元の対策で工事が遅れたことは理解しています。しかし、やはり、国の見積りの甘さ、大浦湾側の軟弱地盤の発覚で設計変更があったことが私は大きいと思います。

 そこで、その軟弱地盤の対応についてお尋ねいたします。

 設計変更後の工事、特に、海上で砂を使って地盤改良を行うサンド・コンパクション・パイル工法そしてサンドドレーン工法、これで使用される砂ぐいの本数、そしてそれを行う船の数、そして船の規模、そういうのを教えてください。お願いします。

中村政府参考人 お答えいたします。

 普天間飛行場代替施設建設事業におきましては、サンド・コンパクション・パイル工法又はサンドドレーン工法に用いる地盤改良船を最大六隻使用することとしております。

 地盤改良船の高さにつきましては、最大のもので海面下七十メートルまで貫入するケーシングパイプを収納できるということを承知をいたしております。

 それから、砂ぐいの打設作業につきましては、地盤の状況や気象、海象状況などを踏まえながら行っていくものであり、一日当たりの施工本数というのは一概に出ないということは御理解いただければというふうに考えてございます。

許斐委員 一日当たり何本打てるか分からない、これは結構私は将来不安だと思います。私が認識している上では、四・七万本は打たなきゃいけない。それで、一日当たり何本打てるか。これが今後のスケジュールに大きく大きく関わってくると思います。

 そこで、地盤改良工事のスケジュールを改めてお伺いします。たしか、二〇二四年中に地盤改良工事を開始する予定でしたが、これはいつから始まるんですか。始まっているんですか。

中村政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、本年一月十九日及び二十日、大浦湾側の地盤改良工事に用いる地盤改良船がキャンプ・シュワブに入域し、現在必要な準備作業を行っている真っ最中ということになってございます。当該作業が完了次第、砂ぐいの打設作業を実施するものと承知いたしております。

 その上で、具体的な開始の時期でございますけれども、準備状況や気象、海象条件等を踏まえる必要があることから、現時点では決まっていないものと承知しております。

許斐委員 これから実際に砂ぐい打ち作業が始まるということですが、やはりこれは相当な難工事が予想されます、七十メーター近く打つわけですから。

 この信頼性と工事の安全性は担保されているんでしょうか。お伺いいたします。

中村政府参考人 お答えいたします。

 まず、本事業におきまして、主たる工事の対象になります大浦湾側の地盤で確認されている粘性土、これを確認しましたところ、非常に固い粘性土から中くらいの粘性土という結果に分類されたというところでございます。

 本事業におきます地盤改良等の設計は、羽田空港等の多くの海上埋立空港で使用されております国土交通省が監修した基準に基づいて行われております。海面下最大七十メートルまでの砂ぐいを打設して必要な地盤改良を全て行うことで、構造物等の安定性を十分に確保できるものと考えているところでございます。

 その地盤改良の規模につきましては、羽田空港の再拡張事業や関西国際空港の建設事業よりも少ない砂ぐい等で施工可能なものであり、また、日本企業において、韓国で海面下七十メートルまで、横浜で海面下六十五メートルまで施工した実績があるものと承知いたしております。

 また、その工法につきましても、羽田空港や関西国際空港、那覇空港でも用いられている、長年にわたり多数の施工実績があるものが採用されているというところでございます。これらにつきましては、有識者で構成される技術検討会において技術的な御確認をいただいているというところでございます。

 このように、大浦湾側の地盤において確認されている粘性土は、一般的で施工実績が豊富な地盤改良工法により、護岸の安定性を十分に確保することができる強度の地盤になり、問題なく埋立地を完成させ、飛行場を建設できるものと考えてございます。

 防衛省としましては、引き続き、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、そして基地負担の軽減を図るため、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいります。

許斐委員 地盤の問題、そしてその強度については理解できました。ただ、現場はやはり沖縄です。沖縄は台風の影響、風の影響、そして波の影響が懸念されます。

 これからの作業の継続には、私は波の高さが重要になると思います。

 一般的な、これまでのサンド・コンパクション・パイル船とサンドドレーン船のいわゆる作業限界、特に波の高さの限界値を調べました。そうしたら、波の高さの指標の有義波という値で〇・七というものが作業限界でした。それを超えたら作業が難しいと。

 そこで、これは辺野古から少し離れた中城湾の値ですけれども、先月、十二月のその有義波を調べたら月平均〇・九五でした。これはやはり作業は厳しいと思います。さらに、去年一年間、波の高さを調べたら、その作業限界である〇・七を下回る月は七月しかありませんでした。年に一月だけ。これは月の平均なので日々は違うと思いますけれども、やはり波を考慮すると今後の作業の遅れは否めないと思います。

 そして、波が高くても強行的に作業するのであれば、安全性と、そして確実性の問題が出てくる、私はそう考えています。

 一旦この工事のやり方そのものを見直すという考えはございませんか、お答えください。

中村政府参考人 お答えいたします。

 一般的に、港湾工事の実施に当たりましては、荒天日等の不稼働日を考慮し、工期を設定することとしております。本事業においても、計画段階から沖縄県の荒天日等の不稼働日を考慮しているというところでございます。このため、気象、海象条件により一時的に施工を中断したとしても、直ちに事業に遅れが生じるものとは考えておりません。

 いずれにいたしましても、一日も早い全面返還に向けて協力してまいります。よろしくお願いいたします。

許斐委員 本当にこれから前代未聞の難工事、大変な作業が続きます。そうしたら、きっとこれは予算も変わってくるんじゃありませんか。今まで総額九千三百億円と言っていますけれども、この予算内で本当にできますか。

 副大臣、お答えください。

本田副大臣 お答えいたします。

 普天間飛行場の代替施設建設事業等の経費につきましては、令和元年十二月に沖縄防衛局が、地盤改良工事の追加に伴う工事計画の見直しの結果や当時の工事状況などを踏まえて、経費の概略として確かに約九千三百億円とお示しをしているところです。

 また、平成十八年度から令和五年度までの支出済額の支出総額は五千三百十九億円となって、それを示しております。

 防衛省としましては、引き続き、こういった様々な経費の抑制に努めてまいって、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいる所存でございまして、現時点において、おっしゃられた経費について、どういった見通しかということについては、現状のもので大丈夫なんじゃないかと。ただ、必要に応じて必要な検討は進めてまいるという所存でございます。

許斐委員 私の認識では、今、辺野古の工事、埋立地の割合、大体、今まで全体の三割というふうに私は認識しております。それで既に半分以上の五千三百十九億円を今使っているというふうにお答えがありました。

 これは私、一兆円は軽く超えると思うんですけれども、副大臣、どう思われますか。一兆を超えるんじゃないですか。

本田副大臣 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、令和元年十二月、沖縄防衛局におきまして約九千三百億円とお示しをしたところでございます。

 その上でですけれども、当該経費の概略につきましては、工事の進捗等を踏まえつつ検討する必要があることから、現時点では具体的にその額を見直す段階ではないと考えておりまして、今後の大浦湾側の工事の進捗等を踏まえて、必要に応じた検討はしてまいるということでございます。

 辺野古移設に係る経費は、普天間飛行場の一日も早い全面返還と、そして地元の基地負担の軽減を図るためにも、不可欠な経費だと考えております。防衛省といたしましては、引き続き、経費の抑制に努めながら、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいりたいと考えております。

許斐委員 考え直すべきは今なんじゃないですか。予定以上の時間とお金を使うのであれば、やはり一旦考え直した方が私はいいと思います。今までやってきたことが無駄になるから続けなきゃというサンクコストにとらわれて不合理な意思決定になっているのなら、これはなおさらです。既に当初の計画から世界の情勢、沖縄を取り巻く状況も変わってきています。そして、何より防衛の在り方も変わってきているではありませんか。ここで、みんなで知恵を出し合って、新しい答えをつくらなきゃいけないと私は思います。

 しかし、でも、答弁を聞いていると、工事は続けるという意思は伝わってきます。ならば、普天間返還について、その後の速やかな町づくりのために、何よりも沖縄振興のために、スケジュール、そして予算に関しては、隠さず、常にオープンにしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 防衛省、ありがとうございました。

 続けて、戦後八十年を受けての平和活動についてお尋ねいたします。

 令和七年度予算で実質五千二百万円盛り込まれている、先ほどお話しになった対馬丸記念館を通じた平和学習の充実、これは具体的に何を行うんでしょうか。伊東大臣、お聞かせください。

伊東国務大臣 対馬丸事件の生存者の高齢化によりまして語り部が減少する中で、事件の記憶を風化させることなく次世代に継承できるよう、対馬丸記念館を通じた平和学習の充実のために水中等調査を実施し、その結果も踏まえ、館における魅力ある展示物の作成等の支援を行う予定であります。

 対馬丸記念館におきましては、これらの支援を活用し、遭難学童への哀悼や世界の恒久平和への願いを発信していくことに期待をしてまいりたいと考えております。

許斐委員 重ねてお尋ねいたします。

 新たな対馬丸の映像を撮るというようなお考えはありませんか。私、元カメラマンですので、そこにすごく興味があります。

齊藤政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のあった対馬丸の新たな映像についてでございますが、先日成立させていただいた補正予算におきまして水中等調査を実施するための経費を盛り込んでございまして、それを用いまして、来年の八月二十二日の対馬丸の日までの間に映像を撮るように準備を進めているところでございます。

許斐委員 ありがとうございます。

 以前の映像は、四対三の映像、古い映像。今は格段に技術も向上しています。4K、8K、そして立体映像、そういうものも撮影可能だと思います。そういうことをやると、それこそ、沈没の真相、悲劇の真相、そして遺留品などが見つかるかもしれません。これが、やはり映像として次の世代につないでいく、こういうことも大切と思いますので、是非その取組を行っていただきたい、そう考えております。

 続きまして、今井政務官に、戦争の記憶を……

逢坂委員長 許斐亮太郎君、申合せの時間が過ぎております。新たな質問に入る時間はないと思います。

許斐委員 分かりました。失礼いたしました。

 一言いいですか。

 今井政務官、戦後八十年を迎えた今、戦争の惨禍を被った沖縄を担当する、そして沖縄出身の政務官としての平和の思いを聞かせていただきたかったんですが。今井政務官、発信力があります、そして手話などのスキルもあります。今以上にどんどんどんどん、この沖縄、そして領土問題、戦争と平和を次世代につないでいってほしい、そういうふうに思います。ありがとうございます。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

逢坂委員長 次に、吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘でございます。

 まず、沖縄の観光政策についてお聞かせいただきたいと存じます。

 沖縄経済の柱ともいうべき観光産業は、コロナで大打撃を受けたと推察しております。ただ、政府も全力で沖縄の観光産業をお支えいただいたものと承知もしております。

 そこでまず、政府には、コロナ禍において持続化給付金や雇用調整助成金の運用緩和など、ありとあらゆる施策で沖縄を含む全国の観光産業を守っていただいたと、まずは心から感謝申し上げるところでございますけれども、沖縄に限ってこの部分を確認したく、何を確認申し上げたいかといいますと、様々な施策を打って、そして、その効果を雇用の維持の観点からお聞きしたいと思います。

 コロナ前後における沖縄の宿泊業及び飲食サービス業の就業者数の推移によって確認したいと思っておりますので、総務省からこの点を御答弁いただければと思います。

永島政府参考人 お尋ねのデータについてお答え申し上げます。

 沖縄県の宿泊業、飲食サービス業の就業者ですけれども、労働力調査の結果から見ますと、二〇一八年から二〇二二年につきましてはいずれの年も六万人で推移してございまして、二〇二三年には八万人と、二万人増加してございます。

吉田(宣)委員 今御答弁いただきましたけれども、コロナで観光客が激減しているにもかかわらず、二〇一八年度以降、コロナがはやり始めてからでございますが、観光業に従事する方の数は維持されていたということが分かりますし、コロナ明けの二〇二三年、これはもう実に二万人増加しているということがここで明らかになったわけでございます。

 今の答弁は非常に重要でございまして、観光客が維持されたから、今、多くの観光客が沖縄にお越しいただいておりますけれども、受入れが可能なのであって、その施策がなければ、もしかすると観光の方を沖縄に受け入れることはかなわなかったかもしれないという意味におきましては、コロナ禍における政府の取組には、私は感謝してもし切れない思いで、感謝でいっぱいでございます。本当にありがとうございます。

 ただ、本当に多くの観光客が来ていただいておりまして、まだまだ多くの観光客に沖縄に来ていただきたいという思いがございます。年間を通じて平準的にお越しいただけるような、観光内容の進化をしていくべきだと考えております。

 この点、私も少し調べてみました。沖縄を訪れる観光客の月別の推移というもの、沖縄県が公表している沖縄県入域観光客統計概況というものがございまして、これを見てみると、コロナ前の一番観光客がお越しになった平成三十年でございますけれども、これまでの傾向を見てみますと、夏に多くて冬に少ないということがはっきり示されております。やはり沖縄観光は夏が魅力でございますから、季節観光だなという思いでございますけれども。

 ただ、少し驚いたのは、コロナ収束後の観光客の月別推移を同じ統計から見てみると、実は八月よりも三月の方が多くなってきているということが分かります。コロナ前とは違う傾向なんですね。これは恐らく、私はいろいろな要因があるんだと思っていますが、コロナでの経験を生かして何か工夫がされているんじゃないかなという思いもいたします。この点、季節にかかわらず一定数の観光客を呼び込む工夫として、観光庁が促進しております文化観光に注目しているところでございます。

 そこで、沖縄における文化観光について文化庁から御説明をいただきますとともに、伊東大臣から沖縄の文化観光促進に向けての決意をお聞かせいただきたく存じます。

中原政府参考人 お答え申し上げます。

 沖縄県におきましては、世界遺産、琉球王国のグスク及び関連遺産群が所在いたしますほか、いわゆる人間国宝を含め多くの重要無形文化財の保持者、保持団体が認定されておりまして、さらに、沖縄県浦添市にございます国立劇場おきなわにおきまして組踊などの沖縄伝統芸能の上演が精力的に行われるなど、委員御指摘のとおり、沖縄の文化資源の魅力は大変大きなものというふうに認識してございます。

 文化庁におきましては、この文化資源の魅力を生かして観光の振興と地域の活性化につなげ、これによる経済効果が文化の振興に再投資される好循環を創出するため、文化観光の推進に取り組んでいるところでございます。

 具体的には、令和二年に成立した文化観光推進法に基づきまして、博物館等の文化観光拠点施設の機能強化等に関する計画を認定し、その実現に係る御支援等を行っておりますが、この中で、今年度、沖縄空手会館展示施設を中核とした文化観光拠点計画を新たに認定したところでございます。今後、同計画に基づく取組につきまして、文化庁としましても、伴走して支援を進めてまいりたいと存じます。

 これに加えまして、文化庁が地域の歴史や伝統のストーリーを認定する日本遺産の仕組みにおきましても、沖縄県の琉球王国時代から連綿と続く沖縄の伝統的な琉球料理と泡盛、そして芸能を認定させていただいておりまして、これらの取組の御支援を通じまして、沖縄県を含めて、文化観光の一層の推進に取り組んでまいりたいと存じます。

伊東国務大臣 ただいま沖縄の文化の魅力につきましては説明があったところでありますけれども、この沖縄の持つ魅力や特色のうち、歴史、文化は観光客を引きつける極めて重要な要素であると認識いたしております。私も、昔の琉球文化のあの色濃い名残がやはりほかの日本の各地とは違う特色ある景観をもたらしている、文化の薫りがするものだなという、そんな思いをしているところでもございます。

 歴史、文化は観光客を引きつける重要な要素となるわけでありますし、文化観光の促進に関しましては、これまで内閣府では、歴史や文化に関連する施設整備や祭りの開催等について支援を行ってきたところであります。

 また、観光需要の年間を通じた平準化も大事な視点であると認識しております。

 先ほど、一年に波が大きいというお話もございました。これまで内閣府では、ソフト交付金等により、沖縄での修学旅行の更なる魅力向上及び受入れ体制整備、リゾートウェディングの推進による誘客、沖縄アリーナ等の整備によるスポーツコンベンションの誘致などに対する支援を通じ、観光需要の平準化を図る取組を推進してまいりました。

 更なる沖縄観光の振興を目指して、こうした取組とともに、富裕層をターゲットにした高付加価値化、長期滞在化による収益向上、さらに、質の高いサービスを提供できる人材の育成等について、各種政策ツールを活用し、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 これだけでは語り切れないぐらい沖縄の文化の魅力を感じているところでありまして、私自身も大切にしたいと思っております。

吉田(宣)委員 伊東大臣、本当にありがとうございます。

 今の大臣の御答弁を本当にうれしく思うんですけれども、このことを実践する意味合いというのは、年間を通じての観光客が一定程度ずっと常時多く来てくださるということは、観光産業にとってみたら、お客様がどのぐらい来るかということの予見可能性、これを高めることにもつながりますし、人員配置をたやすくすることができますので、雇用も、ピーク時にばっと人を集めてオフシーズンのときにばっとちょっとお休みいただくというふうなことが防げるわけで、観光産業に従事する人材育成にもつながるところでございます。更なる観光産業の発展のために、オフシーズンの集客に向けて、文化観光の促進を是非お願いしたく存じます。

 次に、北海道に関連してお話をお聞きしたいと思います。

 中国への水産物の輸出について伺います。

 外務省の資料によりますと、昨年の九月に、中国側は、IAEAの枠組みの下での長期的かつ国際的なモニタリングに有効に参加し、参加国による独立したサンプリング等のモニタリング活動を実施後、科学的証拠に基づき、当該措置の調整に着手し、基準に合致した、ここからが重要なんですけれども、日本産水産物の輸入を着実に回復させるとの認識を共有されたとお聞きしております。

 このことは、昨年の十一月に石破総理が訪中した際にも、習近平国家主席との間で、ALPS処理水の海洋放出と日本産水産物の輸入規制に関する発表を両国できちんと実施していくことを確認する形で、改めてさきの九月の内容について確認をされ、さらに、昨年の十二月、これは岩屋大臣が訪中なさっておられますけれども、王毅外交部長との間で、ALPS処理水の海洋放出と日本産水産物の輸入規制に関する、冒頭に申し上げました九月の発表を両国できちんと実施していくことで一致したと承知しております。繰り返し繰り返しこれが確認されてきているこの数か月間でございます。

 言うまでもなく、北海道ではホタテの生産が盛んで、中国の禁輸措置で大打撃を受けたことは記憶に新しいところでございます。

 そこで、宮路副大臣にわざわざお越しいただきましたけれども、政府としてこの中国への水産物輸出を着実に実現することに向けてスピーディーに取り組むべきと考えておりますけれども、副大臣の所感をお聞かせいただきたく存じます。

宮路副大臣 今ほど吉田委員の方から御指摘がありましたとおり、昨年九月、ALPS処理水の海洋放出と日本産水産物の輸入規制について日中政府間で共有された認識を発表し、IAEAの枠組みの下での追加的モニタリングを実施後、中国側が輸入規制措置の調整に着手し、日本産水産物の輸入を着実に回復させることとなりました。

 そしてまた、その後も、昨年十一月の日中首脳会談において、石破総理から習近平国家主席に対し、また、昨年末の日中外相会談においても、岩屋大臣から王毅外交部長に対して直接働きかけたところでありまして、我が国としては、昨年九月の発表を踏まえ、引き続き、中国側に対してあらゆるレベルで日本産水産物の輸入回復を早期に実現するよう求めてまいります。

吉田(宣)委員 この輸入禁止で、ホタテで北海道ということで私も取り上げさせていただきましたけれども、私は地元九州で活動させていただいておりますが、九州の水産物も非常に中国に実は入っていたところでございますが、これも今止まっているということでございます。

 全国的な課題でもございますので、是非、宮路副大臣、早期の全面解禁に向けてお力をいただきたくお願い申し上げて、私の質問を終わります。

逢坂委員長 次に、山川仁君。

山川委員 れいわ新選組の山川仁です。本日はよろしくお願いいたします。

 まずは、普天間飛行場に近い普天間第二小学校のPFAS問題について少し質問をさせていただきたいと思います。

 まず、この普天間第二小学校の土壌から米国環境保護庁の基準値を上回るPFASの検出がされ、健康を守るという観点から様々な施策を取るべきだとの声があります。また、国内には土壌に関する明確な国の基準はなく、分析方法も確立をしていないようですが、宜野湾市普天間第二小学校グラウンドのPFAS、有機フッ素化合物、土壌汚染が放置され続けております。その中で、沖縄振興を担当する大臣、外務大臣、また環境副大臣等々、今日お越しですが、基地被害は沖縄振興の最大の阻害要因だと私たちは考えておりますが、各大臣、いかがでしょうか。

伊東国務大臣 山川議員にお答えを申し上げます。

 委員が今お尋ねのPFAS、有機フッ素化合物等をめぐる事案につきましては、地元住民の皆様が大きな不安を抱えていると承知しておりまして、関係省庁が連携しながら、政府全体としてこの問題に真剣に取り組んでいるところであります。

 政府といたしましては、沖縄の基地負担の軽減に対し全力で取り組んでいく考えであり、沖縄振興を担当する立場としては、県民の皆様の思いを受け止めながら、関係閣僚と連携の上、最善を尽くしてまいりたいと思います。

宮路副大臣 まさに基地負担の軽減のお話かと思います。現在、沖縄県には多くの米軍施設・区域が集中しており、政府として県民の皆様に大きな負担を引き受けていただいているということを重く受け止めております。

 沖縄の基地負担の軽減については、政府の最重要課題として、外務省としても引き続き全力で取り組んでまいります。

中田副大臣 お答え申し上げます。

 PFASのうち、特に有害性が指摘をされているというのはPFOS、PFOAでありますけれども、これについては、住民の皆様から不安の声が上がっているということについては真摯に受け止めているところであります。

 PFOS等の健康リスクでありますけれども、水や食品の摂取が主な経路というふうに考えられていますので、土壌汚染が確認されている場合において地下水経由の摂取を防止する、このことが重要だというふうに認識しています。

 そういう意味から、環境省においては、地下水等における暫定目標値を設定するとともに、自治体と連携しまして、暫定目標値を超過した場合に井戸水から水道水への切替えというようなことなど、飲用摂取防止の取組を進めております。

 お尋ねの普天間第二小学校のグラウンドの土壌中のPFOS等のことでありますけれども、土壌粒子を直接摂取するということによる影響を宜野湾市が試算したところ、健康への影響は極めて少ないという評価がなされていると承知をしております。

 いずれにしても、引き続き環境省としては、正確で分かりやすい情報の発信によってリスクコミュニケーションの促進、土壌から地下水へのPFOS等の移行などに関する科学的知見の収集を努めてまいりたいというふうに考えますし、地元自治体あるいは関係省庁への必要な助言を行ってまいりたいというふうに思います。

山川委員 ありがとうございました。

 聞いたことは、基地被害は沖縄振興の最大の阻害要因でしょうかと聞いているんですが、全くそれに対して触れることなく事務方が書いた文章を読み上げているという状況。

 次に、文科政務官にお聞きしたいんですが、今の各大臣の答弁の中で、これで今後日本を支える将来、未来ある子供たちの人材、また成長が守れると思いますか。私たちはそのグラウンドをしっかりと見ていただきたい。負担軽減にしっかりと全力で取り組むと言いつつも、たったこれだけの小さいことすら何のこともなく、るるいろいろなやらない理由だけを述べて全く前へ進もうとしない。その対応を文科省としてしっかりと正していく、子供たちの安全を守るためにしっかりやっていくんだという答弁をいただきたいんですが、いかがでしょうか。

金城大臣政務官 委員御指摘の部分でございますが、文科省として取り組むものとしては、学校保健安全法、この法律に基づいていきますと、学校の設置者は、その設置する学校の児童生徒等の心身の健康の保持増進を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとされているところでございまして、このために、学校の設置者である宜野湾市教育委員会におきまして、関係機関とも連携して適切に対応していただく必要があると思っておりまして、その上で、文科省に対して具体的な御相談があった場合には、文科省としても関係省庁とも連携して適切に対応してまいりたいと思っております。

山川委員 金城政務官、今のお言葉を沖縄県民の様々な方々がインターネット配信を通じて確認していると思います。声を届ける、届けた上でしっかりと対処をしていただきたいなと思いますが、基準がなければ基準をしっかり作った上で国民を守る、そしてまた未来の子供たちを守るような基準値をしっかりと定めていただきたいと思います。あやふやなままで沖縄の負担軽減をというような表現を使わないでいただきたい。

 沖縄県民、戦後八十年、負担だけが押しつけられ、その中で大変苦労をされている方々が多くいます。今なお、その思いがまだ、政府にとって温度差があり過ぎて、沖縄特別、北方もそうですけれども、この特別委員会の中で何を議論するんですか、皆さん。こういう状況をつくっちゃいけないと思いますよ。しっかりとその内容を受け止めて、特段の配慮、まずは普天間第二小学校の土壌の改良対策、そしてまた周辺の市民や子供たちの血液検査等をしっかりと行っていただきたいと思います。

 少し時間もないので次に行きます。

 昨年の十一月に沖縄本島内において米兵による性的暴行事件があり、本年一月八日には県警が不同意性交致傷の容疑で容疑者を書類送検したと報道されました。報道から二日後、れいわ新選組沖縄選出議員として私が抗議要請文を外務省沖縄大使へ届けましたが、その後、再発防止に向け、米国側に対しどのような働きかけを行ったのか。また、日米合同委員会の開催及び日米地位協定の改定を求めていますが、見解を伺います。

宮路副大臣 御指摘の事案につきましては、捜査当局において捜査中の事案と承知をしておりまして、本事案について政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。

 その前提で申し上げれば、一般に、米軍人による事件、事故は、地元の皆様に大きな不安を与えるものであり、あってはならないと考えております。重要なことは、これまでにアメリカ側が発表した一連の再発防止策が実際に事件、事故の再発防止につながることだというふうに考えておりまして、米側に対しましては、在日米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を働きかけており、こうした働きかけを行うとともに、日米間で協力してまいりたいというふうに考えております。

 あわせて、日米地位協定の改正についての御指摘がございました。この点については、今自民党で、アジアにおける安全保障のあり方特命委員会が開催されておりまして、議論が行われていると承知をしております。今後、自民党において議論を重ねていくものと承知しておりますが、党における議論も踏まえつつ、日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、同盟の強靱性そして持続性を高めていくという観点から検討し、対応していくものと考えております。

山川委員 今お聞きのように、連続して起こっている事件に対して全く何もしていないというような回答だったと思います。

 そういった中で、沖縄県民は、なかったことにさせません、そのような強い思いで、毎日ですよ、連日、地元の皆さん方は、沖縄の新聞を見ていますか、毎日事件、事故の報道ですよ。それが外務省や沖縄振興をつかさどる皆さん方の役割ですか。そういったことをしっかりと対処して、前向きな答弁をいただいてこそ、沖縄県民の負担軽減が図れるんじゃないですか。そういったことがない中で、なぜ皆さん方は今足踏みだけをしているんですか。

 この沖縄の、外務省の沖縄トップが、宮川大使が抗議要請文を受領したときに、できることは全てやっていくとおっしゃっていました。何やっていないんですか、皆さん方。全く連携を取っていないじゃないですか。沖縄の声が何も聞こえていないんですか。そういう状況をつくっているんですか、皆さん方は。そういう話になっていくんですよ。しっかりとした建設的な議論をするために、皆さん方がもっと汗をかいて、政府としてやっていただかねばいけないでしょうが。

 今回の日米地位協定についても、日米合同委員会についても直ちに開催され、日米地位協定の協議も既に行われているはずです、本来は。総理も政府もこの問題に真剣に取り組んでいない、そう言わざるを得ません。国民の大方が味方であり、今回の要請も踏まえ、日米地位協定の改定、日米合同委員会の開催、そしてその情報公開を約束できずに主権国家と名のる資格は皆さん方にはありません。

 その中で、今の政府にそのような責任のある、国民の民意を米側へ伝え、しっかりと実行に移せるかどうか、また確認したいと思います。外務副大臣、お願いします。

宮路副大臣 まず、御指摘のあった抗議要請文、こちらは宮川大使の方が受領いたしましたが、受領した後も含めて米側とは平素からやり取りを行っており、在日米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を働きかけ続けております。

 重要なことは、先ほども申し上げたとおり、これまでに米側が発表した一連の再発防止策が実際に事件、事故の再発防止につながることだというふうに考えておりますので、在日米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を働きかけていくとともに、この問題について日米間で協力をしてまいります。

山川委員 ありがとうございます。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 皆さん方に認識していただきたいのは、沖縄は異常事態なんです。外務省が渡航レベルであの国はレベル一だよ、二だよ、三だよというような話で、もし沖縄県に渡航レベルがついたときに、どのレベルですか、皆さん。事件、事故、空も自由に飛べない、米軍基地のやりたい放題、そのような状況で、よくぞ負担軽減、沖縄のためにと言えますね。そのような状況をしっかりとやった上で胸を張って言ってくださいよ、その言葉は。

 沖縄のこの戦後八十年もかかった異常事態をしっかりと政治の責任の中で非常に重く受け止め、異常事態をつくらないために日米地位協定が私はあると思います、一九六〇年に締結されてから一度も改定されていないこの内容を、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは、次に移りたいと思います。

 二〇二五年度の沖縄振興予算案二千六百四十二億円で、どのように強い沖縄経済を実現するのか。主な事業項目、若しくは、強い沖縄経済という表現の真意は何か、伺います。

伊東国務大臣 山川議員の御質問にお答えをいたします。

 今回の令和七年度予算によってどのように強い沖縄をつくるか、その見解でありますけれども、沖縄は、東アジアの中心に位置する地理的特性や、日本一高い出生率といった多くの優位性、潜在力を有しているところであります。ちなみに、全国平均一・二〇、沖縄県は出生率一・六〇であります。

 しかしながら、一人当たり県民所得がいまだ全国最下位であることや子供の貧困問題など、なお解決すべき課題が存在しており、引き続き強みを生かしながら沖縄振興に取り組んでいく必要があります。

 そのため、令和七年度の沖縄振興予算案において、観光業、農林水産業、IT関連産業、クリーンエネルギー等の各般の産業振興施策を引き続き進めることといたしております。

 例えばIT関連産業につきましては、コールセンターなどの労働集約型が多いとされているところ、より高付加価値化を目指した物づくりやソフトウェア開発への支援や若者や女性を含めた人材育成に向けて取り組むこととしております。

 加えて、税制上の措置や政策金融など、各般の政策手段を最大限に活用して、強い沖縄経済の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 以上でございます。

山川委員 大臣、ありがとうございます。全く沖縄の思いが伝わりません、済みませんが。

 今回の沖縄振興予算、強い沖縄経済をつくると言いつつも、大臣、御承知だと思いますけれども、十二月十九日、大臣の所信発言の中で、二千八百二十億と約束していますよね。その中で、一週間たたないうちに二百億を減額した今回の二千六百四十二億円の予算案を提示してきている。この一週間、何があったんですか。どうやって強い沖縄経済をつくるんですか。量より質と言いたいんですか。この質をつくるために量が必要なんです、沖縄は今。

 先ほど来、朝から一括交付金の話、国直轄事業の話をしていましたけれども、そういった状況で何を負担軽減するんですか。沖縄振興特措法に基づいた目的の趣旨に全く反していませんか、皆さん。そういった状況をなぜつくるのか。

 今、沖縄経済、この文案の中で二回表現されています。しかしながら、この大事な予算案の中には、観光・リゾート、持続可能な国際観光景観モデル事業三億円、見せる観光といっていますけれども、国際通りの雑草を処理するような費用だというふうに聞いています。それでどうやって人が育つんですか。まだ商店街の皆さん方に、是非お願いしますといって一括交付金なりソフトでしっかりと対応するべきじゃないですか、そういったことは。

 その中で、いろいろなことが、今回一週間もならないうちに減額した二百億の中で、科学技術、産学間は十八億あった予算から九億に減らされ、子供の貧困も一億減らされています。社会資本整備はマイナス十四億、一括交付金事業はマイナス六十二億、離島活性化はマイナス五億、小規模離島生活環境というものがありましたけれども、それが名前すらなくなって、五億円がなくなっています。

 そのいろいろな、様々なことが沖縄振興に大事なものだと皆さん方はなぜ事務方に言わないんですか。事務方の言われるがままに全てオーケーしてしまって、何が強い経済ですか。そういう状況をつくるからおかしくなるんですよ。その中で、時間もありませんので大きなことはたくさん言えませんけれども、その状況にしっかりと対応していただきたい。増額を検討して、次の中ではやっていただきたい。

 私は、今の振興予算は、国直轄事業と切り離し、また本来の特措法の目的に合った中身でなければならないと考えています。この先も、県民所得がワースト、全国の二倍の貧困率も脱却することが、それをしていただかないとできないものだと私は考えます。

 沖縄振興の柱、県民がどのように豊かになるのか、その柱として東京と同じような交通網の整備をしたりとか、そういった大胆な発想で、アジアの平和の拠点、アジアの経済のゲートウェーとなるような、貧困、紛争、また、経済、教育格差、少子高齢化など、沖縄がフロントランナーとなるように、しっかりと、アジア数十億人のモデル都市となるような大きなビジョンを持った沖縄振興予算の在り方を今後提案していきたいと考えます。

 大臣、どうでしょうか。二百億も減らすよりも、財源がないと言う政治家は経済音痴だと言わざるを得ませんが、国民のため、しっかりと財源を確保し、世界の潮流にのまれないためにも大きな強い日本をつくるため、小さな政治ではなく大胆な政治力を発揮していただきたいと思います。

 時間がありませんので、最後に質問をしたいと思います。

 沖縄の一括交付金、安倍元総理がおっしゃっていた三千億円台の確保の話です。先ほど来、国直轄事業が切り離された場合、沖縄の地方自治の分担金に当たるものが切り離されていると、三千億円をやはり下回ります。二千億円も下回るような状況です。沖縄振興特別措置法、沖縄振興予算、そういった中では約束を果たしていないと私は考えておりますが、この国直轄事業について、沖縄の試算を基に、当初の予算で地方向けの補助金が平成十四年二千二百九十七億円を維持しておりますが、その中で、なぜこのように国直轄が増えていきながら沖縄の振興予算、地方自治の分担金が減らされ続けているのか、大臣の見解をお聞かせください。

逢坂委員長 伊東大臣、簡潔にお願いします。

伊東国務大臣 平成二十五年の十二月に、かなり前でありますけれども、閣議におきまして安倍総理大臣が毎年三千億円台を確保するという発言をされました。第五次沖縄振興計画期間である平成二十四年度から令和三年度までにおいて、沖縄振興予算のうち地方公共団体向け補助金の予算額の平均は千九百六十六億円となったところであります。

 これは、沖縄の予算が減ってくるという見方の一つに、OISTに係る経費あるいは沖縄総合事務局の経費等が含まれる、これらを念頭に、国直轄事業は国のための事業であり県民のための事業ではないという議員の主張だと、このようにお聞きするところでありますけれども、国全体の予算の中でこれが計上されて今日に至っているということも併せて御理解をいただきたいと思います。

逢坂委員長 山川仁君、時間が過ぎております。

山川委員 沖縄の課題は、皆さん方が思うように、しっかりと重く受け止めながら、公平公正にまた対応していただきたいと思います。

 質問を終わります。

逢坂委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 沖縄の農業振興に関わって質問をいたします。

 最初に、沖縄農林水産物条件不利性解消事業について伺います。

 この事業は、沖縄の地理的不利性を解消するために、県内の農水産物を本土に出荷する際の輸送費の一部を補助するものです。これまで沖縄県の一括交付金を活用して行ってきているもので、農家にとっては命綱とも呼べる事業の一つでした。ところが、一括交付金の減額の影響を受けて、二〇二二年から航空輸送の補助単価が船舶輸送の補助単価に合わせる形で引き下げられてしまいました。

 こうした制度の変更に対しては、JAや農家から航空輸送の補助単価を元に戻してほしいという声が一斉に上がりました。私も、石垣島や各地の農村を回って、強い訴えを聞いてまいりました。これがなくなるのであればもう農業をやめるというような悲痛な訴えを聞いてきました。それで、二〇二三年の十二月のこの特別委員会で一括交付金の増額を求めたところです。

 政府は、来年度から一括交付金から外出しして内閣府の事業として行うということですが、大事なことは、必要となる支援が農家に行き渡ることであります。農家の強い要望であった航空輸送の補助単価はきちんと確保されるんですか。

水野政府参考人 お答えいたします。

 ただいまの赤嶺委員の御指摘でございますが、航空輸送の補助単価、今度、七年度、内閣府の事業に移るわけですけれども、航空輸送の補助単価につきましては要綱に書き込むということになりますので、現在、沖縄県とも意見交換をしながら検討を進めているところでございます。

 委員御指摘のとおり、実際のコストにちゃんと見合った形の補助単価を設定するということは非常に大切なことだと思っておりますので、その実情をしっかり把握するために、現在、県と意見交換をしているところでございます。

赤嶺委員 実際に見合ったものにしていくという。

 例えば、この制度が、航空便が廃止される前は、沖縄本島から県外へ航空輸送で花卉類を出荷する場合、二〇二一年度までは補助単価は一キログラム当たり八十円でした。それが、二二年度以降は三十円台にまで引き下げられてきました。

 これが以前のような航空輸送の補助単価に戻るのか。先ほどの答弁でいえば単価を保障するということでしたが、農家の手取りがきちんと確保される仕組みになっていくのか、この点、いかがですか。

水野政府参考人 お答えいたします。

 先ほど答弁いたしましたように、現在、意見交換して単価を設定する作業中でございますけれども、実際、航空運賃相当の補助がしっかり実現するように実情把握をしているところでございます。

 以前の航空運賃コスト、そのときの航空運賃コスト相当の補助だと思いますけれども、その後時間も経過していまして、コストもいろいろ変動があると思いますので、その変動もしっかり加味して、現状にしっかり合ったコスト設定をしたいと思っております。

赤嶺委員 沖縄は小菊類の出荷数は日本一なんですよね。その菊の値段が、当時八十円で済んだけれども、今の実態に合わせるんだという。まさか下がるわけではないですよね。前の単価よりも引き下げるということはあり得ませんよね。だって、燃料代も上がっているじゃないですか。諸物価も上がっているじゃないですか。だから、蓋を開けてみたら、要綱を作ったら下がっていたということになったら、これは泣きっ面に蜂ですからね。この点、いかがですか。

水野政府参考人 お答えいたします。

 今、具体的にコストがどうなるかという、手元に持っているわけではございませんので、どうなるかというのは分かりませんというのが正直な答えです。ですが、そこはしっかりコストを反映させる形で単価は設定したいと思っております。

 なので、泣きっ面に蜂という状況がどういう状況かというのはありますけれども、そこはしっかりとお支えできるような、適切なコスト設定をしたいと考えてございます。

赤嶺委員 その適切な単価の設定が農家と内閣府と認識が違うことにならないように、本当にそうしたんだなというようなものをつくってほしいと思うんです。

 ただ、来年度から内閣府の事業として行うというわけですね。そうすると、事業の交付要綱については、これはどこが作成するんですか。

水野政府参考人 お答えいたします。

 こちらは七年度から内閣府の事業で実施するということでございますので、実施要綱の作成主体は内閣府ということになります。

 当然、要綱を作成するに当たって、県の事業を引き継ぐということでもございますので、県ともしっかり意見交換をしながら、ただ、最後の作成主体は内閣府ということになります。

赤嶺委員 先ほど新垣邦男議員や屋良議員からもありましたように、沖縄振興特別措置法、この法律の中では、沖縄の自主性の尊重を法の目的に掲げているんですよね。これは、その前の沖縄振興措置法と違うところなんですよ、沖縄の自主性を尊重すると。それを無視していろいろなことを取り上げてきているというのは屋良議員も新垣議員もるる述べていたわけですが、自主性の尊重という意味で、一括交付金の増額、これを求めてきたわけです。

 ところが、今度の場合には、この不利性解消事業は来年度から、一括交付金を増額するのではなく、私は航空運賃も入るということを聞きましたので、これは一括交付金が増額するんだな、ソフトがと思っていたら、それは、そういう予算を確保するやり方を外出しした形で今のような措置を取っています。

 私は、こうしたやり方は法律の趣旨に沿ったものとは言えないんじゃないかという不安があるのですが、いかがですか。

水野政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、沖縄における農林水産物の輸送条件の不利性解消は、沖縄の農林水産業の振興にとってとても重要な課題だと私どもも考えてございます。まさに委員からも御指摘がございましたが、地元農業関係団体から、航空輸送を活用せざるを得ない実情に配意した事業内容とするよう強い要望をいただいたこともございました。こうしたことも踏まえまして、国としてしっかりと財源を確保するという趣旨で今回新たに事業を設けさせていただきたいと考えてございます。

 今般、この事業について、国による個別補助事業としたことをもって直ちに沖縄県の自主性を損なうという御指摘は当たらないのではないかと考えてございます。

 以上でございます。

赤嶺委員 当たる当たらないというよりも、自主性の事業としてやっていた一括交付金事業が外出しですから、不安を持つのは当然じゃないですか。この不安に対して応えないと駄目ですよ。

 先ほどちょっと答弁で言っていたんですが、一番農家の実情を知っているのは沖縄県です。そこを飛び越えて何かやるようなものじゃなくて、要綱は沖縄県と協力して作るわけですね。

水野政府参考人 お答えいたします。

 要綱については、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。

 この事業の実施についてですけれども、具体的な実施については、引き続き沖縄県に業務を委託する形で実施させていただきたいと思っております。

 したがいまして、財源が国の事業にはなるんですけれども、結果としては、沖縄県を通じて農林水産物の輸送費補助という事業は六年度と同じように実施されるということでございます。

赤嶺委員 強い沖縄経済という言葉がはやっていまして、当時、西銘沖縄担当大臣に聞いたんですよね、強い沖縄経済とは何か。農業だと。農業一つしか言わなかったですよ、農業だと。

 それで、沖縄の農業を左右する問題が今出てきているんですが、沖縄の病害虫についてであります。

 これは農水省も先刻御承知の問題ですが、昨年の三月に沖縄県の北部地域でセグロウリミバエという新たな病害虫が二十一年ぶりに県内で確認されました。農林水産省に伺いますが、これはどういう病害虫で、どのような対策を取っていますか。

平中政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、ウリ科等の果実に大きな被害をもたらすセグロウリミバエが、昨年、令和六年三月に沖縄県名護市におきまして、県としては二十一年ぶりに発見されたところでございます。それ以降、名護市、今帰仁村、本部町を中心に、トラップへの誘殺や幼虫が寄生した果実が確認されているところです。

 現在、本虫の根絶を目指しまして、沖縄県等と連携して、トラップの増設や寄主果実の調査、また殺虫剤の散布や繁殖源となる不要な寄主果実の除去、さらに、地域の市民に対しまして寄生果実を発見した際の通報の呼びかけなどの取組を徹底しているところでございます。

 農林水産省としましては、今後も沖縄県等と緊密に連携しまして、その根絶に向けて防除対策を進めてまいるところでございます。

赤嶺委員 このセグロウリミバエというのはゴーヤーが大好きらしいですね。それとヘチマ、大臣は御存じだと思いますが、沖縄には食用ヘチマがあって、とてもおいしいんですよね。ところが、その病害虫、セグロウリミバエが入ってしまうと移動禁止になるわけですよね。そこを一番恐れているわけです。ゴーヤーも後で話しますが、ウリミバエの根絶で、本土に移動できるようになりました。沖縄農業をとても発展させております。

 セグロウリミバエの根絶について、大臣も全力を尽くして努力していただきたいと思うんですが、いかがですか。一般的なところでいいです。

伊東国務大臣 昔と言ったらおかしいですけれども、私、農水の副大臣を二回やらせていただきまして、そのときも、九州に行ったとき、ミカンの中にコミバエが入っていて、かつて山中貞則先生が絶滅に御努力されたという話も聞き、重大なテーマだというふうに認識しているところであります。

赤嶺委員 時間があればまた大臣の農業の見識も聞きたいところだったんですが。

 ウリミバエの根絶というのをやったんですよね。それを復帰から二十年かかってやりまして、それが、虫を放して虫を滅ぼすという言い方で、不妊虫を、放射線を当てて数千万匹毎週ヘリコプターから散布していって、害虫が野菜につかないようにする。この間その研究所のところへ行ってきたら、ヘリコプターから飛ばして、元気なウリミバエだと畑に落ちないで飛んでいくらしいですね。ところが、沖縄では、その不妊虫を、地上に降りるところまでは寝かせておいて、地上に降りる瞬間になったら目を覚ましていくという、不思議なものだなと思いました。

 そういう不妊虫を研究開発してやった。これは世界でも一つ、二つしかないらしいんですよね。私は、だから、大学院大学がノーベル賞級のと言いましたけれども、沖縄の農業でノーベル賞を与えるならば、本当にこの不妊虫の研究者たち、沖縄県、あるいは農水省、内閣府も一緒にやりましたよ、七〇年代、そういうところなんです。莫大な予算がかかるんです。それはソフト交付金になっているんですよ。

 ところが、ソフト交付金を減らしていくと、こういう農業インフラを支えている病害虫の根絶にも影響が出てくるんですね。今はないですよ。しかし、今までのように、一千億円もの一括交付金、どんどんどんどん一千億円も減らしていたら、そういう農業の研究にも影響を与えるんですよね。だから、一括交付金、ソフト交付金は減らすべきではないということを申し上げるんですが、いかがですか、大臣。

伊東国務大臣 それぞれの交付金にそれぞれの不安もついており、そしてまた存在の意味も意義もある、こう思っておりますが、赤嶺先生の今のお話を聞きながら、その有効な使い道、大切な使い道の一つだという認識はしっかりさせていただきます。

赤嶺委員 そういう病害虫の根絶、これには莫大な予算も、何せ放射線をさなぎに当てていくわけですから、その管理だけでも大変ですよね。物価も高騰している。ところが、沖縄県に聞いたら、これは沖縄の農業を支える事業だから、インフラとしては優先的につけていますと。しかし、今、ソフト交付金やハード交付金をめぐって、やはり各部署が奪い合いになっているんですよ。みんな必要性がある、だから奪い合いだと、血眼になっているんですね。これをつくったのは、政府が減額しているからですよ。

 やはり病害虫は、北海道も同じような課題を抱えておりますけれども、安定した予算をつけていくという意味でも一括交付金は減らしてはいけない、ソフト交付金で賄っている事業はきちんとやる。農業そのものを潰す話ですからね、これは。そういうことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

逢坂委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十分散会


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