第1号 令和6年10月9日(水曜日)
令和六年十月九日(水曜日)午後一時開会
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委員氏名
衆議院
委員長 根本 匠君
理事 小渕 優子君 理事 佐藤 勉君
理事 平井 卓也君 理事 御法川信英君
理事 青柳陽一郎君 理事 後藤 祐一君
理事 藤田 文武君 理事 石井 啓一君
麻生 太郎君 小野寺五典君
金子 恭之君 金田 勝年君
小泉進次郎君 坂本 哲志君
菅 義偉君 鈴木 俊一君
丹羽 秀樹君 西村 明宏君
葉梨 康弘君 福田 達夫君
森山 裕君 岡田 克也君
中村喜四郎君 長妻 昭君
野田 佳彦君 徳永 久志君
馬場 伸幸君 志位 和夫君
玉木雄一郎君
参議院
委員長 浅田 均君
理事 松山 政司君 理事 森屋 宏君
理事 榛葉賀津也君 理事 小池 晃君
こやり隆史君 古賀友一郎君
上月 良祐君 滝沢 求君
柘植 芳文君 馬場 成志君
船橋 利実君 斎藤 嘉隆君
田名部匡代君 森本 真治君
谷合 正明君 西田 実仁君
片山 大介君 田村 智子君
木村 英子君
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出席委員
衆議院
委員長 根本 匠君
理事 小渕 優子君 理事 佐藤 勉君
理事 平井 卓也君 理事 御法川信英君
理事 青柳陽一郎君 理事 後藤 祐一君
理事 藤田 文武君 理事 石井 啓一君
麻生 太郎君 小野寺五典君
金子 恭之君 金田 勝年君
小泉進次郎君 坂本 哲志君
菅 義偉君 鈴木 俊一君
丹羽 秀樹君 西村 明宏君
葉梨 康弘君 福田 達夫君
森山 裕君 岡田 克也君
中村喜四郎君 長妻 昭君
野田 佳彦君 徳永 久志君
馬場 伸幸君 志位 和夫君
玉木雄一郎君
参議院
委員長 浅田 均君
理事 松山 政司君 理事 森屋 宏君
理事 榛葉賀津也君 理事 小池 晃君
こやり隆史君 古賀友一郎君
上月 良祐君 滝沢 求君
柘植 芳文君 馬場 成志君
船橋 利実君 斎藤 嘉隆君
田名部匡代君 森本 真治君
谷合 正明君 西田 実仁君
片山 大介君 田村 智子君
木村 英子君
出席国務大臣
内閣総理大臣 石破 茂君
総務大臣 村上誠一郎君
法務大臣 牧原 秀樹君
外務大臣 岩屋 毅君
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担当大臣(金融)) 加藤 勝信君
文部科学大臣 あべ 俊子君
厚生労働大臣 福岡 資麿君
農林水産大臣 小里 泰弘君
経済産業大臣
国務大臣
(内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)) 武藤 容治君
国土交通大臣 斉藤 鉄夫君
環境大臣
国務大臣
(内閣府特命担当大臣(原子力防災)) 浅尾慶一郎君
防衛大臣 中谷 元君
国務大臣
(内閣官房長官) 林 芳正君
国務大臣
(デジタル大臣)
(内閣府特命担当大臣(規制改革)) 平 将明君
国務大臣
(復興大臣) 伊藤 忠彦君
国務大臣
(国家公安委員会委員長)
(内閣府特命担当大臣(防災、海洋政策)) 坂井 学君
国務大臣
(内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画、共生・共助)) 三原じゅん子君
国務大臣
(内閣府特命担当大臣(経済財政政策)) 赤澤 亮正君
国務大臣
(内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、経済安全保障)) 城内 実君
国務大臣
(内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、地方創生、アイヌ施策)) 伊東 良孝君
出席政府特別補佐人
内閣法制局長官 岩尾 信行君
委員外の出席者
衆議院事務局
国家基本政策委員会専門員 菅野 亨君
参議院事務局
常任委員会専門員 金子 真実君
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本日の会議に付した案件
○国家の基本政策に関する調査
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〔浅田均君会長席に着く〕
○会長(浅田均君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。
この際、一言御挨拶申し上げます。
参議院国家基本政策委員長の浅田均でございます。
衆議院の根本匠委員長とともに、衆参両院の皆様方の御協力を賜りまして、その職責を全うしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
この際、合同審査会における発言に関して申し上げます。
野党党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が進められるために、御発言はそれぞれ簡潔にされるようお願いいたします。また、本日は時間表示装置を使用いたします。表示装置は発言者の持ち時間を示します。持ち時間が終了したときに表示がゼロとなり、赤色のランプが点灯しますので、御承知願います。
なお、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に控えていただきますよう、御協力をお願いいたします。
それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。野田佳彦君。(拍手)
○野田佳彦君 立憲民主党の代表の野田佳彦です。
石破総理、今日はよろしくお願いいたします。
総理とは同い年です。一九五七年生まれです。総理は二十九歳のときに衆議院議員に当選をされました。私は二十九歳のときに県会議員に当選をしました。キャリアとしてのスタートは同じ年齢ですが、私が初めて衆議院議員に当選をしたのが九三年でございました。もうそのときは、石破総理におかれましては、政治改革の旗手として、若手の論客として注目をされる存在でございました。私にとっても、党派は違いましたけれども、ある意味リスペクトの念を持つ先輩政治家でありました。
共に九三年から九四年の政治改革国会を経験をいたしました。忘れられないのは、九四年の一月に、最後の最後は細川総理と河野自民党総裁が万年筆を交換をしてサインを交わして政治改革関連四法案が成立をしたということです。雪の降る夜だったと思います。六時間から七時間の長い議論を経た末に合意をしたんですね。私は、政治というのは懸命に議論しながらも最後は一致点を見出す、その原点を見た思いでありました。同じ経験を総理もされているわけです。共通体験だと思います。
あのときの法律の柱は、一つは小選挙区比例代表並立制、もう一つの大きな柱は、国民の皆様から、コーヒー一杯分と言っていましたけれども、お一人当たり二百五十円を払っていただいて政党の活動を助けてもらうという政党交付金の導入、あわせて、残念ながら不正の温床になったり政策をねじ曲げたりする可能性のあった企業・団体献金は廃止をしていくという方向、この確認があったと思います。
確認はされましたけれども、企業・団体献金については、個人はもらえなくなっても政党本部や支部はもらえる、あるいは、今は形を変えて、政治資金パーティーという形で企業からたくさんお金をいただくということが一般的になっています。
もう一回、政治改革の原点に立って、政治資金規正法の見直しを行うときには、この企業、団体の献金の禁止からスタートするのが私は大事だと思います。総理の御見解をお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 代表とは本当に、同じ昭和三十二年生まれで、同じように政治改革を体験をいたしてまいりました。
代表のおっしゃいますように、あのときの政治改革の議論、本当に真摯なものでありましたし、我々自由民主党は、あのときに、宮澤内閣、政権を失い、野に下り、細川連立政権が成立をし、その後の経緯は代表御指摘のとおりであります。
私どもがあの頃考えておりましたのは、お金に左右されない政治をつくりたいと思ってまいりました。ある程度、民主主義にコストは掛かります。それがどれだけ掛かるかはいろんな議論があるでしょう。ある程度のコストは掛かる、それをお金持ちでなければ出れないとか、そういうことであってはいかぬと。国民の皆様方に御負担もお願いする、自らも努力をしてお金をつくる、あるいは企業、団体からいただく、そこにおいての考え方は左右されないということでございました。
企業、団体であっても、それが社会の構成員である以上、いろんな政治的な考え方を持つ以上、そこからお金をいただいてはならないということには相なりません。それは、私ども、三十五年前の政治改革大綱というのを自由民主党で決めました。そこにも明記をいたしております。
大事なことは、誰から幾らもらったのか、どの企業から幾らいただいたのか、そしてそれによって政治が、政策が左右されないかどうか、そのことをきちんと有権者の方々にお見せするということが必要だと思ってまいりました。政治資金規正法の趣旨はそういうことであったと思っております。きちんと示し、お金に左右されない政治ということで、企業・団体献金というものはこれから先も認められるべきものだと思っております。
しかしながら、そこにおいて、御党にもいろんな御議論がございます。御党の中にも企業・団体献金が必要だと言っておられる方がおられますね。そこについてはいろんな議論があります。大切なのは、そこにおいてお金によって左右されない政治をつくるということが極めて重要なことであり、そこにおいて透明性がきちんと担保されるよう、これから先、私どもも努力をいたしてまいります。
○野田佳彦君 透明性を大事にすると、これはもうもちろん大事だと思います。
私どもも、企業・団体献金は廃止するけど、逆に、税制の優遇措置で個人献金は助長していこうという考え方で、献金全体を否定しているわけではありません。
ただ、先ほど申し上げたとおり、政治改革の原点は、政党助成金、政党交付金を導入する代わり、企業・団体献金は廃止の方向、これが原点なんですね。今はどうでしょうか。企業・団体献金はもらいっ放し、一方で政党交付金は、例えば自民党の場合は議員が多いから、令和六年だけでも百六十億円じゃないですか。百六十億円のお金をもらいながら、一方で企業・団体献金もらいっ放し。これ二重取りというのは、私は、国民の理解を得ることは私はできないというふうに思います。透明性はもちろんですけど、原点に立ち返った議論をしてほしいというふうに思うんですね。
今日は、今政治と金の問題からスタートしましたけれども、本当は、党首討論というのは、大所高所から、内外本当に様々な課題があります、外交、経済、大いに議論をしたいと思うんですけれども、我々が要求してきた予算委員会が残念ながら開かれないんです。どうしても私は、裏金の問題は予算委員会的に討論しなければいけないというふうに思っております。そこは是非御理解をいただきたいというふうに思います。
今日も大きな動きがございました。裏金議員と言っていいんでしょうか、いわゆる裏金議員、政治資金規正法上の不記載の議員の皆さんの公認するかしないかの対応です。
先日夜、総理が表明をされた方針というのは、既に重たい党の処罰を受けている人、あるいは政治倫理審査会で出てきていない人、説明していない人、地元の理解を得ていない人、このような三つの基準の中で公認するかしないかを判断をするということでございましたよね。既に、既に重たい処罰の人とか、あるいは政倫審に出てこないで役職停止のような人、該当する人が六人だったと思います。今日、加えて、地元での理解が進んでいない等々で新たに六人加わって、結局十二人が非公認ということになりました。
相当程度非公認と総理はおっしゃっていたと思います。これ、相当程度非公認なんでしょうか。公認される人が三十人超えるんじゃないんですか。正確な日本語で言うと、相当程度が公認じゃないんですか。もっと正確に言うと、大半が公認じゃないんですか。私は言葉の使い方間違っているというふうに思います。
しかも、公認するということは、重複立候補を認めるか認めないかということは別として、公認するわけですよね。お墨付きを与えるわけですよね。公認料を払うわけですよね。公認料は大体、自民党どれぐらいなんでしょうか。千五百万ぐらいですか。あるいは、支部への活動費が出ますよね。五百万ぐらいなんですか。それは、さっき言った百六十億円の税金も関わってくるんじゃないんですか、政党交付金も。
脱税まがいのことをやった人たちに血税が支払われるかもしれない。私は国民感情から到底理解することはできないと思います。御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 代表は本当に言葉を大切にされる方だということは、長いお付き合いでよく存じております。
裏金というのは、私は決め付けだと思っております。それは不記載ということであって、つまり、誰から幾らいただき、それをどのように使ったか、それの出入りがきちんと示されるということが重要なのであって、その記載をしなかったということであります。そのことは、政治資金規正法が正しいという字を書くように、誰からどれだけいただいたかということをきちんと書くということは極めて重要なことなのであって、それを書かなかったということであります。不記載でございました。そのことは本当におわびをしていかなければなりません。でありますから、そこの当該議員はそれをきちんと正したということだというふうに承知をいたしております。
そして、今脱税というお話をなさいました。
誰かがどんな脱税をしたかということが立件をされているのでしょうか。議員がどれだけの脱税をしたということが実際に立件をされ、つまり、そのお金を、税金を払うことなく自分のものとして使ったというようなことが立件になった例は一件もございません。
したがいまして、脱税ということは決め付けであって、私どもは、政治資金規正法、正しく記載しなかったということについては極めて良からぬことだと思っております。おわびを申し上げます。
そしてまた、公認したではないかというお話でございます。
それは最終的に主権者たる国民の皆様方が御判断になるということでございます。ですから、私どもとして公認ということ、ですから、代表のお言葉を使えばお墨付きということになるのかもしれません。そこにおいては本当に厳正な議論を経てまいりました。
私も、党をお預かりする者として、長い間同志として活動してきた人たち、そういう人たちに対していろんな思いがございます。公認できないということがどれほど重いものであるかということはよく存じております。私自身、今当選十二回でありますけれども、二回無所属で戦いました。公認がないということがどんなにつらいことであるかということは百も万も承知をいたしております。
そこにおいて、公認しないという決断をいたしました。どれほど相当と判断をするかは、それは人によって違うのでしょう。ですけども、私は、できれば、できれば同志の人たち、国民の皆様方にお願いをしたいと、気持ちはやまやまでございました。しかしながら、到底御理解が得られない、国民の皆様方のお怒りというものがそれほど強いものであるということを、総理・総裁に就任して以来、本当に肌身に感じております。
そういうことで、大変つらい決断ではございましたが、公認しないという方を出しました。それが少ないとおっしゃいますけれども、それがどれほど厳しいものであるか、それぞれの人にとってどれほどつらいものであるかということは、よくよく判断をした上のことでございます。
最終的な判断は主権者たる国民の皆様方にお任せをいたします。しかし、私は、これが甘いとかいいかげんだと、そのようなことは一切考えておりません。
○野田佳彦君 私は脱税と断定した言い方はしていません。脱税の疑いのあるという言い方をしました。疑いがあるというのは、きちっと政治資金として使ったか、全部説明し切れていない人が結構いますよね。じゃ、疑いがあるじゃないですか。
ある方は、二千八百万円近くを机の中に入れていたというんです。使っていないということじゃないんですか。雑所得として考えられないんですか、それは。疑いはあるんです、いっぱい。正確に私は言葉を使っているつもりであることは、まず御指摘をさせていただきたいというふうに思います。
じゃ、その上で、ちょっと、じゃ、端的に聞きますよ。非公認で立候補された場合、当選しますよね、追加公認されるんですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは仮定のお話でございますが、主権者たる国民の皆様方が、これは、憲法によって、全ての国民の代表者としてふさわしいというふうに主権者たる国民の皆様方が御判断をされた場合には、それは公認するということはございます。
○野田佳彦君 かなり本音のお話であって、早く総選挙やって、みそぎを終わらせて、早く要職に就けようというお考えだと私は思いました。思いました。
その上で、よくよく考えて御判断をされたという今回のお話をさっきされましたけど、果たしてそうなんですかね。私にとっては、二転三転、右往左往しながら決めてきたと見えました。
そもそも解散ありきでしたね。御祝儀相場があるうちに解散をすれば勝てるだろうという思いから早期解散を決めた。その上で、元々の方針は、全てのいわゆる裏金に関わった、まあ非記載ですか、未記載の人たちを要は全員公認する方針で、全員重複立候補させる、誓約書書かせる、それが最初の方針だったんじゃないんですか、元々は。
ところが、本音をおっしゃっているんですよ、全国幹事長会議で、総理は。どうおっしゃっているかというと、どうすれば我が党が勝てるかを判断した、政治資金問題に対する批判は私ども思っているよりはるかに強い。
要は、批判が強いから厳しいような対応に見せているということじゃありませんか。どうぞお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) お答えを申し上げます。
全員を公認するとか、全員を重複で認めるとか、あるいは誓約書を取るとか、私はそのようなことを申し上げたことは一度もございません。
そういう報道が一部にあることは承知をいたしております。そういう報道が、私であり、あるいは幹事長であり、選対委員長であり、今回の決定に関わった者、誰かがそういう取材を受けたというような事実はございません。そしてまた、その報道には、石破茂総理、括弧、自民党総裁というふうに書いてございました。私は、そのような取材を受けたこと一度もございません。したがいまして、そのような報道というのは、それはどういう根拠に基づいて書かれたものかは存じませんが、そういうことは一切ないということを申し上げておきます。
その上で、今代表が御指摘のような、自民党が勝つためにはどうすればよいかということは党利党略だというようなお話かと思います。
私は、我が党が公明党と連立政権を組んで、このデフレを脱却するにはどうすればいいか、そしてまた、この激変する安全保障環境の中でどうやって我が国の独立と平和を守り抜くか、さらには、今回、代表も同じ日においでになりましたが、能登に行きました。あそこで被災者の方の話を聞いて、代表も多分涙されただろうと思っております。こういう方々のために何ができるかということを考えてまいりました。
また、この後、補正予算の議論があるんだろうと思いますが、私どもとして、日本国を守り、国民を守り、そしてデフレを脱却しというためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくということが最も肝要であるというふうに考えておる次第でございます。
したがいまして、今回、国会を解散をし、正々堂々、国民の皆様と御審判仰ぐ、これが我々の姿勢でございます。
○野田佳彦君 最初申し上げた、全員公認するかどうかという報道が流れたことは、これは御自身の考えではなかったと、それはそのとおりとして、じゃ、お認めいたしましょう。
ただ、先ほど言った全国幹事長会議の発言は、これは間違いなくおっしゃった言葉ですから、これは報道だけではなくて御自身がおっしゃった言葉ですね。ただ選挙に勝たなければいけないという観点からやったとおっしゃった。これは、(発言する者あり)いや、これ大事な話なんですよ。大事な話なのは、要は、事の悪質度とかということを関係なく決めているように聞こえるんですよ、これは。これは誤解を呼びますよ、間違いなくということは指摘をしておきたいというふうに思います。
その上でです。十月一日に総理就任のときの会見で総理は、裏金、いわゆる、また言っちゃいましたけどね、不記載の問題について、不記載、まあ、でも裏金って報道もみんな書いているから言いますよ。裏金問題、裏金問題を新しい事実が出てこない限りは再調査しないと十月一日にも言って、ずっと言い続けていますよね。でも、新しい事実は次々出てきているんです。
あの北海道の堀井学さんは、前総理は、いわゆる裏金を原資として違法なことは使っていないと言って、違法なこと使っていたじゃないですか。これ、新しい事実でしょう。今、麻生先生もいらっしゃいますけど、麻生グループだって、二〇一二年以前はキックバックあったということも出てきましたよね。これ、みんな新しい事実。
しかも、十月一日の会見の前の九月三十日には間違いなく新しい事実が出たんですよ。それは何かというと、安倍派の会計責任者に対する有罪判決が出ましたね、有罪判決。ここでどんなことが判決の根拠になっているかというとですと、ノルマ超過分の還付継続について、清和研、これ、いう安倍派です、安倍派の幹部らで話し合われたと。そして、判決文に出てくるんですよ、被告人は、収支報告書の虚偽記入の前提となるノルマ超過分については、清和研会長や幹部らの判断に従わざるを得ない立場にあったと書いてあるんです。
これは、六月に彼が法廷で証言をしたときに、二〇二二年の四月に安倍元総理はキックバックやめるようにと指示を出したと、それを受けて中止になったけれども、安倍元総理が残念な、お亡くなりになられて、その七月だったんですよね、七月の後半に幹部が協議をして再開をしたということを法廷で証言しました。法廷で証言したことが、これ事実認定されたんです、裁判所で。新しいファクトじゃないですか。これ以上のファクトないじゃないですか。裁判所で事実認定したんですよ。新しい事実が出てきたならば、再調査すべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 御指摘のように、裁判所においてそういう事実認定がなされたということでございます。そういうような認定に基づいて判決が下されたものというふうに承知をいたしております。その事実につきましては、そこにおいて、裁判の過程において明らかになったということでございますから、そこにおいて事実が確定したということだと承知をいたしております。
○野田佳彦君 新しい事実だと確定したとおっしゃいましたね。何度も何度も、新しい事実ができたら再調査するとあなたは言っています。再調査すべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) そこにおいてはいろんな事実関係があるのだろうと思っております。
裁判所において、いろんな方の証言とか、あるいは捜査権とか、そういうものに基づいてそういうような判決がなされたものというふうに承知をいたしております。
そこにおいて、私どもとして、有権者の皆様方に対していかなる責任を負うべきかということについては、党内におきましてもこれからまた議論の必要はございましょう。その点においては、これから先、再調査ということも、それは全く否定をするものではございません。そういう形で出たということ自体は厳粛に受け止めなければならないと思っております。
○野田佳彦君 言葉ぼかしていますね。いろいろな事実関係って言いましたね。新しい事実じゃないですか、これは。事実じゃないですか。事実が出たら再調査すると言ったんじゃないですか。それをやるかやらないかを聞いているんです。
○内閣総理大臣(石破茂君) 党において、誠実に、そしてまた綿密に今までも調査をいたしてまいりました。当然のことでありますが、私どもとして捜査権を持っておるわけではございません。その中において、どうしても限界がある中で最大限の努力は今までいたしてまいりました。そしてまた、いろんな関係書類というものも、有効期限が過ぎた等々で、もはや確認のしようのないものもございます。その中で今まで最大限の努力をして調査をいたしてまいりました。
今後とも、そういう必要があれば、そういうことは否定はいたしません。
○野田佳彦君 今までも調査してきたというのは、二月までの間ですよ。それは、安倍派あるいは二階派に対する調査を第三者の方も入れてやってきましたよ。でも、それは二月までの話であって、新しい事実については何にも調査していないじゃないですか。だから再調査すべきだと言っているのに、やろうとしないということがよく分かりました。よく分かりました。
よく分かったということはですよ、これは再調査もしないでうやむやにして、早く解散をすると。これ、裏金隠し解散じゃありませんか。じゃないですか、だって。じゃなかったら、じゃなかったら、党として再調査しないんだったら、是非会期延長して予算委員会開こうじゃありませんか。だって、これ、安倍派の幹部の皆さんは政倫審に出てきたんですよ。これ、裁判所で事実認定されたことと違うことを皆さんがおっしゃいましたね、私は知らない、関係ないと。これはうそだった可能性が十分高いんじゃないんですか。ならば、党がやらないんだったら予算委員会で証人喚問させてください。いかがでしょう。
○内閣総理大臣(石破茂君) 予算委員会を開くかどうかは、一にかかって国会がお決めになることでございます。内閣として予算案を提出をいたしました場合には、当然その御審議を予算委員会においてお願いをするものでございますが、今代表が御指摘のような場合は、予算委員会を開くかどうかは国会における議論においてお決めをいただくことだと承知をいたしております。
その上で、これは議論を先取りするようで恐縮でございますが、私として、この能登半島で苦しんでおられる方々にどうすれば本当に一番良い対策ができるかということ、これは憲法の規定に基づきましても、財政法の規定に基づきましても、それは、財務大臣をお務めになり、そしてまた内閣総理大臣をお務めになった野田代表が一番御案内のとおりでございます。こういうときのために憲法の規定に予備費というものがございます、予測できない事態が生じた場合。私どもとして、能登半島の方々のこの困窮の事態を一日も早く改善をするために予備費を使って今回対応をいたしました。
その上で、これもまた代表が一番御存じのとおりと思いますが、予算、補正予算の編成、そしてまた、御審議を賜り成立するまでに大体二か月というのが通例でございます。そうしますと、これはもう全部過去の例を調べてまいりました、二か月は掛かります。この予算編成は既に指示をしたところでございますが、国民の皆様方の御判断を賜りました後に補正予算の審議を賜り、早期成立を期し、そしてまた本予算、切れ目のない予算審議をお願いするということが国家のために必要なことであり、国民のために必要なことだというふうに考えております。
予算委員会を開くべきだという御指摘をいただきましたので、このようにお答えを申し上げました。
○野田佳彦君 予算委員会を開くか開かないか、国会に任せるみたいな話をお話しですけど、会期延長しなきゃできないんですよね。そこのところをちゃんと答えていないじゃないですか。
で、また能登の話持っていきました。そちらからも反論する権利があるので、それには私も答えたいと思います。当然これは、党首討論のこれはルールだと思いますので、お答えしたいと思いますけど。
私もずっと財政担当してきました。補正予算に二か月掛けるというのは、それは違いますよ。最初は、災害は予見し難いことですから、予備費を充てる、これは憲法にも認められていることであります。これは一般的です。だから、一月一日の能登の大きな地震の後も、最初は予備費充てた。これは、これまでもよくあることです。だけど、阪神・淡路大震災のときも、最初は予備費充てたけど、程なく一か月でほぼ閣議決定して国会で補正予算成立させているんです。東日本大震災のときは、本当に大きな被害でした。あのとき、私、財務大臣です。最初は予備費充てましたけれども、復旧復興に向けてのまず大型の補正予算を御党の御協力もいただきながら、これもほぼ一か月で作っています。一か月で作っています。あの熊本の地震もそうです。一般的には、最初は予備費なんです。だけど、能登は、二回、三回、四回、五回、六回、小刻みに使ってきて、今回、七回目やろうとしているんでしょう。
補正予算は、制度をきちっと設計して、雇用調整助成金などどうするかなど決めて、まさに生活の見通しや事業の見通しが立つようにすることに補正予算の意味がある。二か月も掛からない。我々も協力する。だから、会期延長して補正予算を通そうじゃありませんか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 阪神・淡路のときに、極めて短い期間で補正予算というものを編成をし、そして審議を賜るということがあったことは確かに事実でございます。しかし、それは年度をまたぐという特別な事情もございました。そしてまた、それに限定した補正予算でございました。
今回の補正予算は、それにとどまるものではございません。広く、国民生活をいかに向上するか、このデフレの状況をいかに脱却をするか、そういうようなことを全て盛り込んだ補正予算でございまして、阪神・淡路の例がそのまま当てはまるわけではございません。
私どもとして、切れ目のない予算、そしてまた、それの御審議、補正予算があり、そしてまた本予算があり、切れ目のない予算執行、当然、濃密な御審議を賜るものでございます。それが最も国民生活のためだ、国家のためだというふうに考えて、このようなスケジュールにいたした次第でございます。決して補正予算審議を逃げておるつもりは私はございません。それは、この予算編成の間に、これは能登だけに限定をしたものではございません、あらゆる方面に配慮をした補正予算を編成し、国会の御審議を賜りたいと考えております。
能登を置き去りにするというつもりは全くございません。そのようないいかげんなことを私どもはいたしません。
○野田佳彦君 一つの大きな災害で七つの予備費重ねる。予備費って、要はその効果の検証できないんですよ。検証できないことを続けている異常な形だと思います。と同時に、財政民主主義に反すると思います。こういう悪弊は断ち切らなければ私はいけないということを申し上げたいと思います。
その上で、また、じゃ解散の話になりますけれども、今回、被災地行かれました。涙も流れる、そういう場面もあったと思います。あの被災地を見て、選挙できると思いましたか。
例えば、輪島だけで土砂災害が六十か所あるんですよ。道路の寸断、交通止め、通行止め、四十か所あるんですよ。投票所、避難所にせざるを得なくなっているところもあるんですよ。大事な道路がなくなってしまって、海底の隆起したところに慌てて道路を造っているところもあるんですよ。そこが、要は、投票箱回収したら集票所に持っていくためのどうしても欠かせない道路。危なくてしようがないと思いますね。電灯もない。
あの場面を見るならば、到底選挙なんかできないと思うはずです。見てこなかったんですか。節穴ですか、その目は。失礼な言い方して申し訳ないけど。おかしいですよ。あれで選挙執行できると思ったんですか。
私は、今回、あの能登地域においては、投票時間短くするとかいって何とか対応されようとしている。私はそれでいいのかと思うんですよ。一番訴えたい気持ちをある人たちが投票時間短くなる。期日前投票だってやりにくいんじゃないんですか。それで民意を表すというやり方がいいんですか。そこまで急ぐんですか。
ならば、提案があるんですけど、繰延べ投票というの、今まであるんですよ、過去に。例えば、東日本大震災のときには地方選挙を半年ずらしたんですよね。同じように、過去に参議院選挙でも二回、集中豪雨等があって、それも投票日近かったんだけど、一定の地域は繰り延べたということがあるんです。
むしろ、通行止めとかなくなったりとかするような環境を整えて、繰延べ投票を認めた方がよろしいんじゃないですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 予備費というものが代表が御指摘になるような財政民主主義に反するものでありとせば、なぜ憲法に規定があるんでしょう、なぜ財政法に規定があるんでしょう。それは、そういう必要性があるからこそ、憲法に規定があり、財政法に規定があるものでございます。それは、執行しました後に国会に報告をし、そしてまた国会の了承を賜るということでございまして、私は予備費が財政民主主義に反するものだとは思っておりませんが、それがどのように使われたかということにつきましては、もっと私どもとして注意をすべきものだというふうに考えております。
予備費の使い方が本当にそれでふさわしいものであるのかどうか、被災地の方々の生活の困窮を救うために本当に役に立っているものであるか、そして予備費といいながら本当に自由に使えるようなものであるかどうかということについては、私自身、かなり問題意識を持っております。これが財政民主主義に……(発言する者あり)そのようなことはございません。きちんと予備費の執行につきましては国会に御報告するということが法律の規定でございまして、財政民主主義に反するという御指摘は全く当たらないというふうに考えておるものでございます。
その上で、選挙の執行についてお話がございました。
私は、被災地の方々が本当にいろんな願いを持っておられる、代表に対してもそうだったでしょう、私に対してもそうです。これはこうならないのか、ああならないのか、そういうような切実なお声を聞きましたし、本当にあなた方は分かっているんですかというような厳しいお声もいただきました。そういう方々の御審判を賜るということも私たちは必要なことだと思っております。
その上で、今回、被災地にそういう問題に通暁いたしましたアドバイザーという者を派遣をいたしました。ここにおいて本当に投票が可能であるのかどうか。今の政治に対していろんな思いを最も持っておられるのは、ひょっとしたら被災地の方々かもしれません。そういう方々の思いが決してないがしろになることがないよう、この選挙の執行に関しましては、私は責任を持って万全を期してまいります。
○野田佳彦君 予備費の解釈で、私はまた見解が違います。憲法に規定しているのは予見し難い支出でしょう。一回目は予見し難いんです。六回も七回も予備費使う。予見できているんです、もう。既成の事実があるんです。それを踏まえては補正予算で。私が申し上げているのは、予備費の濫用は財政民主主義に反する、そこは是非御理解ください。濫用しています。
時間なくなってきちゃいましたけど、本当は日ロ外交とかアベノミクスの評価とか行きたいんです。ただ、どうしても聞かなきゃいけない。
石破グループでも、あの政治資金の、いわゆる裏金問題が、この間、国会でも答弁されていましたね、複数の議員が関わっていたというお話が、複数の議員。
これ、構造的に言うと、収支報告書を見ると、二〇一九年から二〇二一年の三年間じゃなくて、二〇一六年からあるんですよ。政治団体からお金を、パーティー券買ってもらう、その差があると、受け取った側との。ずっと同じような額が続いている。六年のうち五回あるんです。これ、構造的に続いているというのは、安倍派とか二階派の裏金問題と同じ状況なんですね。
だとすると、複数の議員の名前、明らかにしてください。説明責任が必要だと思いますよ。どうせ小さなグループだったんだから分かるでしょう、それぐらい、複数の議員って。ちょっとこれも失礼な言い方だけど、分かるでしょう。その人たちに説明責任を果たしてもらうというのは当然じゃないですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) おっしゃいますように、予備費の濫用というのは厳に戒めたいと思っております。私の内閣におきまして、代表が御指摘になりましたように、予備費の濫用ということがないように厳に心掛けてまいります。またお気付きの点があれば御指摘を賜りたいと思います。
どうせ小さなグループだったというその言い方は少し、やや悲しいところがございますが、小さなグループでございました。ただ、そこにおいて、構造的に不正がなされたとか、そういうものではございません。
そういうお金を使って、明らかにしないままに何か不正を働いたということではなくて、これは、個名は明らかにいたしません、それは必要があればまたいたしますが、それが事の本質に関わるものではございませんので、Aという議員、Bという議員といたしましょう。ある団体からAという議員が、Bという議員が、その水月会の催物をやるのでパーティー券を買ってくださいというふうにお願いをいたしました。A、Bそれぞれにとってみれば規制の範囲内でございました。ところが、それを合算してみると規制を超えていた、二十万円を超えていたというものでございます。
そこにおいて何らかの不正があったとか、そういうことではございません。単なる事務ミスだということで逃れるつもりはもうございませんので、そのことは、事務ミスであれ何であれ、そういうことが生じましたことにつきましては心からおわびを申し上げます。申し訳ございません。
しかしながら、そこにおいて何らかの不正が行われ、代表の言葉を、いわゆるという言葉を使えば裏金化をして誰かが利益を得たというようなことは一切ございません。
○野田佳彦君 複数名、明らかにしなきゃおかしいですよ。だって、ほかの派閥の皆さんには説明責任を果たせと言っていて、何で御自身のグループは、ちっちゃいというのは訂正しますけどね、それ、おかしいですよ。ダブルスタンダードですよ。
じゃ、その複数の中に石破総理は入っていますか。石破グループだった閣僚は入っていますか。これはほかの人の名前じゃないですよ。御自身が入っているか、入っていないか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 入っておりません。
○野田佳彦君 基本的には、明らかにして説明責任を果たすように。どこの派閥も、うっかりミスから始まったと言って、結局は裏金になっているんです。同じ疑いを持たざるを得ません。
時間がなくなりましたからもう終わりますけれども、やはり、トップ替えただけでは政治は変わらない、政権交代こそ最大の政治改革だと思いました。
ありがとうございました。(拍手)
○会長(浅田均君) 以上で野田佳彦君の発言は終了いたしました。
次に、馬場伸幸君。(拍手)
○馬場伸幸君 日本維新の会代表の馬場伸幸でございます。
今日、石破総理の下で解散がされることが決定をいたしました。これ、石破総理、この解散は国民の皆様方に何を問おうとされておられるのでしょうか。まず冒頭、お答えください。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、新しい内閣が発足をいたしました。憲法の規定に基づきまして、第六十九条は、代表御存じのとおり、不信任案が可決された場合あるいは信任案が否決をされた場合には、総辞職しない限り解散ということになっておるわけでございます。そういう場合には全く該当いたしません。
しかしながら、新しい内閣ができたことは事実でございます。そしてまた、そこにおいて、私として、いろんなことを皆様方とお諮りをしながら、いろんな審議を経ながら実現をしてまいりたいと思っております。そこにおいて、内閣の信任を主権者たる国民の皆様方に賜るということは極めて重要なことだと思っております。私どもは私どもとして、御党を始め野党の皆様方、新しい政権の枠組みをお示しになるかどうか私は存じませんが、それぞれの信任を問うために選挙をなさるのだというふうに考えております。
私は何を問うのだというふうなお尋ねをいただきましたので、私どもの内閣がやろうとしておりますこと、私どもの政権としてやろうとしておりますこと、そういうことに対して御信任を賜るということが今回の解散・総選挙の意義だというふうに考えておる次第でございます。(発言する者あり)
○馬場伸幸君 今、後ろからいろいろおっしゃっていただいていますが、これが国民の声だと思いますよね。何を問われているのかよく分からない。
総理は、総裁選挙の前、最中には、すぐに解散はやらないとおっしゃった。自分が総理になれば、予算委員会を開いて、この日本の国内外の大きな課題を議論したいとおっしゃった。それはどこかに行ってしまった。そして、政策もそうですよ。アジア版NATOやりたい、所得課税、金融所得課税を拡充したい、憲法九条二項を削除したい、いろんなことをおっしゃっていましたが、総理になられた瞬間にその考え方は全て雲散霧消している。今これ、国民が石破総理に対して感じているところだと思います。
今、国民の皆さん方からは、石破総理は、議員時代は党内野党であると胸を張っておっしゃっておられましたが、それが全ておっしゃっていることが変わっていく中で、国民の中からは、何だと、単なる自民党の非主流派だったんだなと、こういう声が上がってきているんですね。私は、この総理の一連のアクションは非常に国民からは疑問を持たれていると思います。
私は、この解散、命名するとすれば、猫の目解散、くるくるくるくるとリーダーである総理・総裁の言うことが変わるという解散ではないかなということで、是非、そういう観点で国民の皆さん方も選挙に臨んでいただきたいということをこいねがうところであります。
そして、この党首討論の場は、先ほど野田代表もおっしゃっていました、本来、我々の議論を聞いていただいて、この国民の皆さん方が、これからの日本そうなるんだな、新しい形になっていくんだな、夢や希望があふれるな、そういう場でなければならないと思うんですね。
総理は昭和三十二年生まれですか。私は昭和四十年生まれ。時同じくして、この高度経済成長期のときに幼少期を過ごしたという状態だと思います。あの頃は国民全てが夢や希望を持っていました。今日よりあしたが良くなる、あしたより来年が良くなる、そして家の中の調度品や電化製品はどんどん質が良くなって数が増えていく、普通に働けば、普通にこの仕事を終えるまで、そしてまた引退してからは安心な状況の中で老後を送っていける、そういう時代だったと思うんですね。ですから、私は、是非、この党首討論という場がそういう場であってほしい、夢や希望を感じていただけるような場であってほしい、そういうことを思っています。
しかしながら、やはり今の状況を考えると、政治とお金の問題に触れざるを得ないということであります。
まず、私は、そもそも論として、石破総理が、この問題が惹起したときにテレビ等でもおっしゃっていました。この問題は、平成元年に石破総理も主たるスタッフで関与された自民党版政治改革大綱で処理をしていくべきだ、あれを実行していけば、今回の問題も包含されて、より分かりやすい、可視化された、そして曇りのない政治が実現するんだと。これ、テレビ等でもおっしゃっておられました。なぜやらないんですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私、総裁選挙の最中も、信を問うべきだということは申し上げてまいりました。信を問わねばならないということと、主権者たる国民の皆様方に御判断をいただく、そういうような材料という言い方がいいかどうかは別でございますが、提供してということを申し上げました。
例えば、本当に参議院の御努力をいただいて、この党首討論、国家基本政策委員会、今まで四十五分でした、ほぼ倍の八十分ということに相なっております。そしてまた、本会議におきましても、私なりに一生懸命答弁をさせていただきました。二時間に近づけるように大変な御努力をいただいたというふうに考えております。そこにおいて、精いっぱいいろんな議論をさせていただき、足らざる点は御指摘を賜りたいと思っております。
その上で、今代表がおっしゃいますような高度経済成長期、ちょうど昭和四十五年、一九七〇年、大阪万博がございました。私は鳥取の中学二年生でございました。本当に、特急に乗って五時間ぐらい掛けて、月の石を見るのに五時間並びました。あれは、あの全部の施設ができたのは開会式のたしか四十時間前だったと聞いております。そしてまた、掛かる予算も決められた予算とほとんどぴったりでした。当時の日本はそういうものでした。お金もぴたっと決められたとおり、工期もぴたっと決められたとおりにできました。もう一回、ああいう日本を取り戻していきたいと私は思っております。
同時代を生きました我々として、なぜこういうことになってしまったのかということはきちんと探求をしていかねばなりません。ここ二十年、三十年の間、日本はどうなったかということであります。GDPはほとんど伸びてこなかった、そしてまた実質賃金も伸びてこなかった、そういう問題は多くございます。そういうお話を……
○会長(浅田均君) 簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) きちんとできるように今後とも努めてまいりたいと思っております。
是非、代表ともそういう議論をできる機会をいただきたいと思っております。
○馬場伸幸君 いや、私は、リクルート事件に端を発して石破総理が主体的に関わられた平成元年の政治改革大綱をなぜ今までやらなかったのか、やれなかったのかということをお聞きをしています。時間がないから、もう結構です。
私は、この政治改革大綱をやっていれば、自民党のみならず、政治の世界が非常にクリーンな世界になっていたと思います。よくできています、あの政治改革大綱は。
ですから、選挙が終わった後、石破総理がどういうポジションに就かれるか、自民党がどういうポジションに就かれるか、これは分かりません、選挙やってみないとね。ですから、もしそういうお立場を継続されるということであれば、是非あのときの政治改革大綱を実行していくんだということをお願いを申し上げたいというふうに思います。
裏金、いわゆる裏金問題について、先ほど野田代表の方から衆議院選挙におけるこの候補者の公認、非公認という話もありました。これ、もうこれ以上触れませんけれども、これ、いわゆる裏金議員というのは衆議院だけではありません。参議院にもたくさんいらっしゃいます。
これ、もうこの衆議院選挙が終われば、即来年の参議院選挙に戦略を打っていかなければなりません。対策を考えていく。そういう中で、いわゆる裏金参議院議員の方々は、今回と同じ物差しで公認、非公認をお決めになるんでしょうか。お答えください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 済みません、政治改革大綱は私も読み直しました。本当に、なぜこれを忘れてしまったのかという思いは、私自身、強くございます。
つまり、確かに私も閣僚のときにパーティーは開催をいたしませんでした。それは、閣僚はそういうことをやってはいかぬということなので、いたしませんでした。じゃ、党役員のときにどうだったかといえば、私自身、忘れておったと思っております。
そしてまた、そこにおいて、代表もよく御覧になったことかと思いますが、これから先、政党法の議論をしていかねばならないという記載がございます。つまり、政治資金規正法にしましても政党助成法にいたしましても、お金のことについてはかなり法整備をいたしました。まだまだ十分ではない点もございます。
しかし、政党のガバナンスはどうなのか、政党の統治とは何なのかということについての議論が欠けておりました。政党法の制定につきましては、断固反対という党が野党の中にあられることもよく承知をいたしております。権力が政党の自由に介入することはあってはならぬということはよく承知をいたしております。
しかしながら、私どもと維新の会、あるいは私どもと日本共産党、全く政党は違います。しかし、その政党がどういう政党であり、どのようにして代表が決められ、どのように意思決定がなされるのかということは有権者の前に明らかにする責務があると私は思っております。そこも含めてよく議論をし、成案を得たいと思っております。
その上で、先ほど、おまえはアジア版NATOとか地位協定とかそういうことを言っておったではないかという御質問をいただきましたのでお答えを申し上げます。
私どもは独裁政党ではございません。総裁が、代表はこうだから、それがそのまま政策になるわけではございません。これから先……
○会長(浅田均君) 総理、簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 我が党の中で丁寧に議論をしながら、我が党の在り方を確立してまいります。
その上で……
○会長(浅田均君) 質問にだけお答えください。
○内閣総理大臣(石破茂君) お答え申し上げますが、参議院議員に対してどうなのかということでございます。同じ国会議員でございますので、衆議院と参議院と違う対応をするということはございません。
○馬場伸幸君 今、石破総理から、はっきりと来年の参議院選挙に向けた御党の公認に対する考え方、お聞かせをいただきましたので、国民の皆様方としっかりそこは注視をさせていただきたいと思います。
先ほど答弁の中では、お金に左右されない政治を目指していくんだということをおっしゃいました。その言葉から今度は質問させていただきたいと思いますが、石破総理御本人は、企業・団体献金、過去三年で五千五百六十六万円お受け取りになられています。で、五千五百六十六万円から今後増えるか減るかと。これ、一般的に考えた場合に、一議員から総理になられたわけですから、どんどんどんどんと献金のお申出が増えてくるのではないかと邪推をいたしております。
これ、今後、石破総理は、企業・団体献金の新しいお申出があった場合にどういう対応をされますか。
○内閣総理大臣(石破茂君) お恥ずかしい話ですが、うちはお金がないので結構有名な議員でございまして、それだけ企業、団体から頂戴をしておるということは確かに委員がお調べになったとおりでございます。しかしながら、それはどの団体から幾ら頂戴をしたかということは全て明らかにいたしておりますし、幾らもらったからその企業さんや団体さんに対して有利な計らいをするような政治行動を取ったことは一切ございません。
おまえは総理になったので、これから先、わらわらと寄附の申出があるのではないかということでございます。それは、それによって政治活動が左右されるというようなことがないように厳に心していかねばなりませんし、私がこの職を務めております間は政治資金パーティーをやるつもりは全くございません。
○馬場伸幸君 その考え方で企業・団体献金の新規のお申込みは是非お断りをいただきたいと思いますし、今おっしゃられたように、どこの企業、団体から幾らのお金をオープンにしてきたと胸を張っておられるわけです。
そこでお伺いしますが、石破総理が幹事長をお務めになられた二年間、この二年間で政策活動費十七億五千万円、総理に支給がされています。これ、ざっとでも結構ですから、どういうことにお使いになったか、ここでつまびらかに御説明をお願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) ざっとつまびらかにって結構難しい御指摘でございますが、それは、これから先、政策活動費というのは、それぞれの選挙において、あるいは私どもが自由民主党として活動します際において、いろんな必要なお金がございます。そういうことに使ってまいりました。選挙のときもそうでしょう。あるいは、政治活動を行う上においてもそうでしょう。あるいは、国会でいろんな御議論を賜るときに、それを円滑にするための費用というものも、それは適法な範囲で行っております。そういうことを今まで使ってまいりました。何に幾らということは、私自身、ここでつまびらかにざっとお話をすることはいたしかねます。
しかし、代表質問でもお答えで申し上げましたが、これから先、政策活動費は、我が党として廃止も含めて議論をしてまいりたいと思っております。何に使われたか訳分からぬというようなことがこれから先も続くことはあっていいとは思っておりません。政策活動費に税金は入っておりませんが、だからといって何に使ってもいいというものではございませんでしょう。そのことをこれから先、廃止なら廃止、私どもとしても党内できちんと議論をいたしてまいります。お金によって政治が左右されないように、そういうことはこれから先も努力をいたしてまいります。
以上です。
○馬場伸幸君 今の御説明では、国民の皆さん方、全く理解ができないというふうに思います。
石破総理のこの改革に対する御答弁、ずっと聞かせていただいているんですが、そういう方向で検討するとか、法律ができればやるとか、かなり後ろ向きな、今までとは違う、石破議員であったときとは違う方向での私は御答弁がやたら目に付くというふうに思います。
我々、自慢をさせていただくと、身を切る改革というのをやっていまして、毎月給料から二割、ボーナスからは三割カットをして、石川県のああいった被災地にもタイムリーにお届けをさせていただいてまいりました。何とその金額、平成二十八年から始めて、その金額、七億一千万円に到達をいたしました。これ、総理、皆さん方が今問題になっている、いわゆる裏金のトータル金額を計算しましたら五億六千万なんです。自民党さんは五億六千万をいわゆる裏金として使っている。我々は、自分の財布から出したお金を、身を切る改革で拠出したお金を、各地の被災地の皆さん方に、僅かでありますけれども、お届けをさせていただいています。
文通費についても法律は通っていません。申合せもまだ一〇〇%できていません。御党と私との約束はあります。これ、文通費をオープンにすると言った以上、我々は有言実行の政党ですから、もう既にやっています。総理は、御自身、一人でもできますから、法律がなくてもできますから、総理というお立場に立った以上、毎月百万円の、全て原資税金であるお金の使い道をオープンにすべきだというふうに思います。
やっぱり石破総理がこの国民的、党員的な人気が圧倒的であったのは、石破総理というのは筋を通す、正論を言う、実行をする、そういうことが皆さん方から評価をされていたと思います。今、そのことは、私は失礼ながら地に落ちてしまっていると思いますので、是非有言実行をやっていただきたいと思います。
最後に、政治とお金の話ばかりではいけませんので、全ての行政の根元になっている憲法改正の話を少しだけさせてください。
憲法改正は衆参の今憲法審査会で議論されていますが、ぎりぎりのところに来ると進みません。総理も憲法審査会の委員であった。私も当選以来、一貫して憲法審査会のメンバーです。これなぜかと。はっきりしています。これは、通常国会始まって、予算の審議がされる。その後、重要法案の議論が始まる。その間は一切突っ込んだ議論というのは審査会で行われません。それは御経験上よくお分かりだと思います。
ですから、その壁を突破するには、これは総理・総裁のスタートボタンを押さなければ、現場の皆さん方が幾ら努力をしても前に進まないんです。総理がやれと、何をおいてもやれと、予算の審査が止まってもやれ、そして重要法案の議論を止めてでもやれという、その意気込みがないとできません。ですから、総理も任期中に必ず発議をするとおっしゃっているわけですから、最後に、私が申し上げたことを踏まえた意気込みをおっしゃっていただきたいと思います。
○会長(浅田均君) 申合せの時間を過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私も、憲法審査会、あるいは憲法調査会と申しておりました、政府におりますとき以外は常にあの委員会に籍を置いてまいりました。何でこれが進まないのだろうという思いはずっと持ってまいりました。つまり、あそこでいろんな議論だけしておっても、ちっとも前に進みません。
総理大臣としてそういう指示はいたしかねますが、自由民主党総裁として、私どもとして、憲法改正を党是といたしております以上、これが発議がなされ、そしてまた、国民の権利であります国民投票に付する日が一日も早かるべく、自由民主党総裁として可能な限りの努力をいたしてまいりますので、今後とも御教示を賜りますようお願いを申し上げます。
○馬場伸幸君 御党と日本維新の会で改革合戦やりましょう。
○会長(浅田均君) 時間が参っております。
○馬場伸幸君 是非お願いします。(拍手)
○会長(浅田均君) 以上で馬場伸幸君の発言は終了いたしました。
次に、田村智子君。(拍手)
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
今日は、私は総理と日本の社会の在り方について議論をしたいんです。本当に豊かな社会というのは、人間らしい暮らしを支える収入とそして自由な時間、これが必要だと、不可欠だというふうに思えるんですね。それこそが本当に豊かな社会と言えるのではないかと思います。
まず収入についてなんですが、これ、これだけの物価高ですから、政治の責任でどうやって賃上げを進めるのか。最大の鍵は、中小企業、働く人の七割を占めています、この中小企業への直接の支援が必要だと。最低賃金時給千五百円、これ手取りで月収二十万円程度ですから、これはもうすぐにでも引き上げなきゃいけない、物価高騰の下ですから。その実現のためには、やはり中小企業への支援不可欠だと。
昨日の代表質問でも、私、このことを強調して、直接支援をというふうに求めました。しかし、総理の答弁は、間接的な支援、価格の転嫁などですね、こういう答弁だけだったんです。
もう一度端的にお聞きします。
やはり最低賃金の大幅な引上げのためには、中小企業への直接の支援、ここが鍵だ、必要だ、不可欠だと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 委員と目指すところは一緒だと思っております。問題は、その手法をどうするかということでございます。
私どもは全体主義国家ではございませんので、社会主義国家ではございませんので、政府が主導してそこに直接お金を払うやり方が必ずしも正しいと私は思っておりません。中小企業の皆様方が従業員の方々に、労働者の方々に十分な賃金が支払えるだけの、そういうような生産性を上げ、付加価値を上げ、そしてまた労働分配率、中小企業の方が労働分配率が高いことはよく承知をいたしております。そうしますと、いかにして付加価値を上げ、生産性を上げ、従業員の皆様方にお支払をする、そういうような原資ができるかということに私どもは努力をいたしてまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、どうすれば物価上昇を上回る賃金上昇が実現するかということにおきましては、これから先も御党とよく議論をさせていただきたいと思っております。
○田村智子君 結局、直接支援はやらないということになるんですよ。
これを求めているのは日本共産党だけではありません。今年の地方最賃審議会、もう大多数の都道府県委員会から、何らかの支援、中小企業への支援が必要なんだと。私たちと同じように直接支援を求める声というのは次々と上がっているんですよ。ほかの国だって直接支援やって、最低賃金の大幅引上げやって、これをやらないから日本はいつまでたっても賃金が上がらない国ということになっているんじゃないかというふうに私は言わざるを得ないんですね。
私たちは、中小企業への直接支援を本当に具体的に提案してきました。大体、大企業の内部留保が驚くほど増えていると。せめて、アベノミクス以降で増えた分に時限的な課税をして、そして十兆円の財源つくって中小企業の賃上げの直接支援に充てようじゃないかと。それをやれば、最低賃金千五百円、直ちに、速やかに引き上げることできるんだと。これね、慎重に検討と言い続けているんですよ。慎重じゃなくて、真面目に、どうしたらできるのかと、こういう立場で検討していただきたい。
今日時間ないので次に行きたいんですけど、賃上げと一体の労働時間の短縮、これ、新しい私たちの提案なんです。自由な時間を増やすには労働時間短縮する、それでこそ人間らしい働き方、人間らしい生活送れるようになるじゃないかということなんですね。
実際、日本の労働時間、長過ぎます。欧州の諸国と比べて年三百時間長いというデータもあるわけですね。実際に過労死、メンタル疾患、今も深刻な社会問題となっています。
これ、博報堂の若者調査、最近注目されているんですけれども、一番欲しいものランキングで、第一位がお金、二位が時間、三位が自由と。これ、若い人たちが、自分の時間大切にしたい、自由な時間欲しい、こういう思い強めているということの表れだというふうに私は思います。これね、わがままじゃないと思う。封じ込めていい思いでもないと思う。当然の要求。
そしてもう一つ、私自身の実感もあるんですよ。子育て中、定時で帰っても、やることが多過ぎる。頑張り過ぎないと仕事と家事、育児は両立ができない。そして、この頑張り過ぎることを勲章にするようにしていては後が続かない。そして、社会が発展しない。これ、私の痛感でもあるんです。
だから、ジェンダー平等社会つくる上でも、労働時間をやはり短くするということが急がれていると。ただ働いて食べて寝るだけのそういう毎日は、人間らしい生活と言えるんだろうかと。学びたいこと、やりたいことに向き合える、家族との時間大切にできる、社会とのつながりを築いて様々な社会活動に取り組む、そのためには自由な時間が必要だと。
昨日の質問では、労働時間の短縮をというふうに求めましたら、総理も答弁で、それは必要だというふうにお認めになった。
そこで、ならば提案したいんです。ゆとりが欲しい、自由な時間が欲しい、この切実な声に応えて、一日七時間、週三十五時間労働制を大きな目標として、これを実現するために政治の責任果たしていくと、これやるべきだと思うんです。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 内部留保課税につきましては、私も随分勉強させていただきました。
御党の機関紙も、私、大臣在任中から、大臣、赤旗読んでて大丈夫ですかみたいな御指摘もいただいたのですが、やっぱりどの党が何を言っておられるかはそれぞれ、立憲民主党であれ国民民主党であれ、私は可能な限り目を通すようにいたしております。
そして、内部留保課税につきまして、東大の醍醐先生でしたかしら、会計学の先生でありますが、議論しておられるのも相当に精読はいたしました。だから、それが二重課税になるかならないかという問題、あるいは韓国で実施して本当にうまくいったかどうかという検証、そういうものは必要なんだろうと思っています。どうすれば労働者の賃金が上がっていくかということにつきましては、私も強い問題意識を持っておりますので、今後とも議論をさせていただきたいと思っております。
その上で、今の労働時間のお話がありました。これはもっと短くなければいけないと思っております。長ければ長いほど生産性が上がるかといえば、そんなことは全くございません。
私も都市銀行に四年ぐらい勤めていたことがございますが、終電以外で帰ったことはほとんどございません。大体、十時、十一時になると、物すごい能率が下がるんですね。で、上司が帰らないと帰れないみたいなことがございました。そして、日本の場合に、通勤時間がまた異様に長いということがございます。そうしますと、家に帰ってきたら、もう十二時過ぎるということになります。本当にそんなことがあっていいと私は思っておりません。
と同時に、日本の女性の睡眠時間が恐らく世界で一番短いということは決していいことだと思っておりませんし、男性の家事分担率が低いということはいいことだとも思っておりません。私も最近、掃除、洗濯、炊事を余りしなくなっちゃったのでありますが、やはりそういうことは育児にしてもそうで、お母さんのワンオペであっていいはずがないのであって、私はフランスの育児政策というのを随分勉強したつもりでございますが、いかにして、男親というんでしょうか、それが赤ちゃんの抱き方、ミルクのあげ方、離乳食の作り方、お風呂の入れ方、そういうことをきちんと学んでいかないと、女性の自由な時間は増えません。そういうことのために今後とも取り組んでまいることはお約束を申し上げます。
○田村智子君 お考えは分かったんですけど、私の問いに答えてないんですよ。一日七時間、週三十五時間労働に踏み出していくと、これ必要でしょうというふうに質問したんです。
私たちは自由時間拡大推進法というのを提案しています。法定労働時間、一日七時間、週三十五時間労働制に速やかに移行する、これを国の目標とするんだと。そして、そのためにやっぱり中小企業支援なんですよ。これ、欠かせられないんです。
人手不足が言われている分野もあります。医療、教育、運輸、そして建設など、こういうところでも、労働条件の改善など必要な条件、採っていくための対策を取る、これをやっぱり政府やっていかなきゃいけない。で、一日八時間さえ崩されている現状、これも正すためには、残業規制の強化、サービス残業、これ、不払残業はもう根絶しなければならないと、こういう言わばパッケージの提案なんですよ。
今のお気持ちを本当に政治の責任で実現するためには、私たちのこのパッケージ提案、検討していただきたい、具体化していただきたい。どうでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 手法はいろいろございます。いずれにいたしましても、どうすれば労働時間が減るかということ、そして余暇をつくり、それが人間らしい暮らしをしていく上においてできるか。そして、中小企業がそういうことを可能にしていくためには価格転嫁がきちんと行われていかなければなりません。きちんと価格転嫁が行われるか。そしてまた、生産性を上げるための、今業種の御指摘がございましたが、そういうところにおきまして生産性の向上に対する支援がいまだ十分だとは思っておりません。生産性を向上し、価格転嫁を円滑に行うことによって、労働者の方々に十分な賃金をお支払いし、そして十分それが可能な、時間はもっと短くて可能だと思っております。その実現のために、私ども全力を挙げて取り組んでまいります。
○田村智子君 今、石破総理の考えのところは……
○会長(浅田均君) 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○田村智子君 新しい答弁がいろいろあった。だけれども、政治の責任でどうやって賃上げするのか、政治の責任でどうやって労働時間短縮するのか……
○会長(浅田均君) 申合せの時間が過ぎております。簡潔にお願いします。
○田村智子君 ここについては、これまでの答弁、古い答弁の使い回しですよ。これでは変わらない。
政治を変えなきゃ駄目だということを申し上げて、終わります。(拍手)
○会長(浅田均君) 以上で田村智子君の発言は終了いたしました。
次に、玉木雄一郎君。(拍手)
○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。
憲法審査会で長く御一緒させていただいたので、石破総理の論理的な思考、また、非常に最も真っ当な憲法議論をしていたということで、私も非常に尊敬をいたしております。
ただ、石破総理、その石破総理は変わってしまったのではないかということを私も非常に懸念しているし、残念な思いでいます。自民党を変える、変えられる、それが石破茂だと。党内の人だけではなく、党外の人も含めて期待をしたからこそ石破内閣は誕生したんだと思っています。その石破内閣が、政治不信を払拭してくれると期待された石破内閣が、今新たな政治不信を生み出しつつあるのではないか、そのことを心配しております。
今から、まず政治と金の問題をお伺いします。
これまで様々なことを御発言をされていたので、真摯にお答えをいただきたい。まず政策活動費について伺います。
先ほども総理からもありましたが、政策活動費については廃止も含めて議論するということを発言がありました。報道では、公約にも廃止を含めて検討していくと、そういった趣旨が書かれるやに聞いております。
伺います。
今日解散して来週公示、十二日間選挙戦行われます。この選挙に関して、一円も政策活動費は使わないということをここで明言してください。
○内閣総理大臣(石破茂君) これから先、選挙を行うに当たりまして、現在認められております政策活動費ということを使うことはございます。
それは、いろいろな選挙区におきましていろんな事情もございます。そして、我が党の中で、御党を始めいろんな党と厳しい戦いをしておる、そういう地域もございます。そこにおいて、適法な範囲内において現在許されております政策活動費を使うということは、可能性としては否定はいたしません。
○玉木雄一郎君 これね、結構問題発言ですよ。
森山幹事長、そして小泉選対委員長、まあ政策活動費は幹事長、選対委員長が使うんですが、我が党も使っていました。ただ、不透明なので、言っておきますが、飲食とかには一切使っていません。ただ、使途の報告が義務付けられていないので不透明だということで、我々もやめました。旧文通費についても、二年前から全てホームページに出して公開しています。旧文通費を公開して、そして政策活動費廃止した。これ、現に二つ実行しているのは国民民主党だけです。だから私は申し上げています。
総理、今結構大事な発言をされていて、選挙に仮に使うんであれば、選挙としての支出が報告に必ず求められますね。その収入に関して、分からないもの、それを計上して選挙を戦うんですか。
今、選挙に使うとおっしゃいましたね。選挙にどのように使うんですか。じゃ、その選挙に使った政策活動費は、支出は、受け取った総支部長がどこかで計上するんですか。お答えください。
○内閣総理大臣(石破茂君) それは、法律に許された範囲内で適切に使うということでございます。
○玉木雄一郎君 であれば、出す支出についても、誰々に出したということは公開をしますね。
先般の通常国会で成立した政治資金規正法の改正案は、施行日が二〇二六年一月一日です。それまでは、大きな箱に分けてやるという義務さえ掛からない。だから、今回の衆議院選挙で幾ら何に自民党が使おうが、報告する義務は全くないんですね。党から例えば総支部あるいは誰か議員に出したということについては、出す必要もないし、分からないんですね。
じゃ、それはむしろ積極的に公開をされるということですか。明言してください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 現在法律で許されている範囲内で適法、適切に行ってまいります。
○玉木雄一郎君 現在の法律では、政策活動費については公表は義務付けられておりません。ということは、報告をしないということですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 現在法律で許される範囲内において適切に使用をいたしてまいります。
それは、そこにおいて、お金で政治をねじ曲げるとか、そういうようなことは一切考えておりません。いかにして我が党としてこの選挙を円滑に行うか。そしてまた、多くの地域において困難な選挙をいたしておるところがございます。そこにおきまして、どの党も一緒でしょう、我が党も一緒です、そこにおいて適法な、適切な範囲内で使うということでございます。
○玉木雄一郎君 いや、どの党も一緒じゃないですよ。我々は使いませんし。
そんな何に使ったか分からない、誰に渡したか分からないお金を使って選挙をやったら、選挙自体がゆがむじゃないですか、それは。全て公開されたお金で、入りも出もきちんとお示しをする、そういった公平なルールで各党戦うからこそ選挙の公正性は担保されるんじゃないですか。
それが、自由民主党だけ、これまでは幹事長には年間約十億、五年で五十億とか、まあ石破幹事長も使われたということですけれども、それを今、総理自身、この石破内閣の中で、内閣総理大臣たる石破茂自民党総裁は、間もなく始まる選挙に公開義務のまだ掛かっていない政策活動費を使うと明言された。それはこれから行われる選挙の公正性を担保することになるんでしょうか。
あるいは、仮に、仮に百歩譲ったとして、合法だと思いますよ、まだ法施行なされていませんから。でも、これだけのことを自民党は起こしておいて、政治の透明性や資金の透明性や政治の公平性ということが問われる中で、自民党は公開義務の掛かっていない何十億と言われるお金を使って間もなく始まる選挙を戦うんですか。やめましょうよ、総理。やめたって、自民党、十分お金があるじゃないですか。うち、ないけど。だから、これ、問われているんですよ、政治のありようが。
総理、私は、対決より解決、政策本位でやってきました。だから、御党の政策であっても、協力できるところは協力してきましたよ。でも、政治に対する信頼が失われてしまったら、難しい政策なんか何一つできないんですよ。だから、御党の危機じゃないんです、今総理が見ているのは。日本の危機なんですよ。
だから、身を律しましょうよ。そういった公開の義務が掛かっていないようなお金は一切使わず、この選挙をお互い堂々と戦う、そして、新しい議席の中で新しい政治をつくり上げていこうと、総理、明言してください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 問題意識は委員と一緒です。これは自民党の危機ではなくて日本政治全体の危機だという認識は、私自身、強く持っておるところでございます。そしてまた、委員御指摘のように、政治に対する信頼がなくて、何を言っても意味がないということもよく存じていますし、委員と長い間議論してきた憲法改正だってそうでしょう、誰もそれに耳を傾けてくれるとは私は思いません。
ですから、委員がおっしゃいますように、この選挙何だったんだと、自民党は何でもやるのかというような指弾を浴びることがないよう、私自身、お金の使い道には心して臨みたいと思っております。
○玉木雄一郎君 違うんですよ。もう行動で示してほしいんですよ。
将来、その政策活動費の廃止も含めて検討。もう検討、検討、検討は前の内閣でもいっぱい聞きました。もう第二次検討使みたいになっているんですよ、総理。だから、そこは、総理に求められているのは決着と決断ですよ。
これを、分かりやすいじゃないですか、これだけの政治と金の問題を起こして行われる総選挙、お互い、外に出さなくていいようなお金を一切使わずやると、入りも出も明確にすると。
一つは、政策活動費を使わないということを自由民主党が率先してやることによって政治を変えていく第一歩になるんじゃないですか。もう一回お答えください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私は、初めて防衛庁長官になったのが今から二十二年前です。そのときから、庁内の文書は検討するで終わることは絶対にいたしてまいりませんでした。検討し、いついつまでに成案を得るということでなければ防衛庁の文書として認めないということを言ってまいりました。それは農林水産省においてもそうでした。内閣府においてもそうでした。
検討、検討、検討で終わるということは結局何もしないと一緒だということは、私自身、強い意識を持っております。その点は委員と全く一緒でありまして、これから先、政策活動費を……
○会長(浅田均君) 石破総理、申合せの時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○内閣総理大臣(石破茂君) どうするかということにつきましては、きちんと結論を得てまいります。
その上で、今委員がおっしゃいましたこと、よく心してこの選挙に臨ませていただきます。
○玉木雄一郎君 いや、結局、何でそんなことに自民党は拍手しているんですか。反省がないんですか。
石破総理、自民党を変える前に石破総理自身が変わってしまった……
○会長(浅田均君) 申合せの時間が参っております。
○玉木雄一郎君 そのことを厳しく指摘して、終わりたいと思います。(拍手)
○会長(浅田均君) 以上で玉木雄一郎君の発言は終了いたしました。
本日の合同審査会はこれにて散会いたします。
午後二時二十六分散会