衆議院

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第1号 令和7年11月26日(水曜日)

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令和七年十一月二十六日(水曜日)

   午後三時開会

    ─────────────

 委員氏名

  衆議院

   委員長 小川 淳也君

   理事 新藤 義孝君 理事 鈴木 貴子君

   理事 御法川信英君 理事 青柳陽一郎君

   理事 石川 香織君 理事 吉川  元君

   理事 中司  宏君 理事 玉木雄一郎君

      麻生 太郎君    梶山 弘志君

      小林 鷹之君    鈴木 俊一君

      萩生田光一君    藤丸  敏君

      古屋 圭司君    宮内 秀樹君

      武藤 容治君    村井 英樹君

      安住  淳君    逢坂 誠二君

      野田 佳彦君    本庄 知史君

      笠  浩史君    藤田 文武君

      斉藤 鉄夫君    高井 崇志君

      鈴木  敦君    河村たかし君

  参議院

   委員長 浅田  均君

   理事 松山 政司君 理事三原じゅん子君

   理事 水岡 俊一君 理事 神谷 宗幣君

      神谷 政幸君    清水 真人君

      高橋 克法君    舞立 昇治君

      山下 雄平君    山本 啓介君

      青木  愛君    斎藤 嘉隆君

      徳永 エリ君    榛葉賀津也君

      山田 吉彦君    谷合 正明君

      西田 実仁君    柴田  巧君

      小池  晃君

    ─────────────

 出席委員

  衆議院

   委員長 小川 淳也君

   理事 新藤 義孝君 理事 鈴木 貴子君

   理事 御法川信英君 理事 青柳陽一郎君

   理事 石川 香織君 理事 吉川  元君

   理事 中司  宏君 理事 玉木雄一郎君

      麻生 太郎君    梶山 弘志君

      小林 鷹之君    鈴木 俊一君

      萩生田光一君    藤丸  敏君

      古屋 圭司君    宮内 秀樹君

      武藤 容治君    村井 英樹君

      安住  淳君    逢坂 誠二君

      野田 佳彦君    本庄 知史君

      笠  浩史君    藤田 文武君

      斉藤 鉄夫君    高井 崇志君

      鈴木  敦君    河村たかし君

  参議院

   委員長 浅田  均君

   理事 松山 政司君 理事三原じゅん子君

   理事 水岡 俊一君 理事 神谷 宗幣君

      神谷 政幸君    清水 真人君

      高橋 克法君    舞立 昇治君

      山下 雄平君    山本 啓介君

      青木  愛君    斎藤 嘉隆君

      徳永 エリ君    榛葉賀津也君

      山田 吉彦君    谷合 正明君

      西田 実仁君    柴田  巧君

      小池  晃君

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   高市 早苗君

       国務大臣

       (内閣官房長官) 木原  稔君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官  岩尾 信行君

 委員外の出席者

  衆議院事務局

       国家基本政策委員会専門員    大野雄一郎君

  参議院事務局

       常任委員会専門員        金子 真実君

    ─────────────

  本日の会議に付した案件

国家の基本政策に関する調査


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    ─────────────

   〔浅田均君会長席に着く〕

会長(浅田均君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。

 議事に先立ち、一言御挨拶を申し上げます。

 参議院国家基本政策委員長の浅田均でございます。

 衆議院の小川淳也委員長とともに、衆参両院の皆様方の御協力を賜りまして、その職責を全うしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

    ─────────────

会長(浅田均君) この際、御紹介いたします。

 ヨルダン・ハシェミット王国のファイサル・アーケフ・アル・ファーイズ上院議長御一行が本合同審査会の傍聴にお見えになりました。

 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと存じます。

   〔総員起立、拍手〕

会長(浅田均君) 御着席ください。

    ─────────────

会長(浅田均君) この際、合同審査会における発言に関して申し上げます。

 野党党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が進められるために、御発言はそれぞれ簡潔にされるようお願いいたします。また、本日は時間表示装置を使用いたします。表示装置は発言者の持ち時間を示します。持ち時間が終了したときに表示がゼロとなり、赤色のランプが点灯しますので、御承知願います。

 なお、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に控えていただきますよう、御協力をお願いいたします。

 それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。野田佳彦君。(拍手)

野田佳彦君 総理、今日はよろしくお願いいたします。

 総理は、そうですね、四十年以上前から存じ上げております。まさかこの時期にお互いに政党の党首となって、こうして党首討論で相まみえるとは、まさかとは思っておりましたけれども、これも天の計らいかもしれません。

 政党が違いますし、主義主張、立場が違いますので、意見の異なるところはたくさんあるかもしれませんけれども、国家百年の大計に立って、将来世代にいい国を残していきたいなという思いは共有できると思いますので、大所高所から討論をさせていただきたいというふうに思います。

 まずは、とても今心配している日中関係、まずこの外交案件から討論をさせていただければなというふうに思うんです。

 私は、日米同盟は我が国の外交・安全保障の基軸だと思っています。最も大事な二国間関係でありますけれども、日中関係も、先ほど百年の計と申し上げましたけれども、百年たっても隣国であることは変わりませんので、お互いに引っ越しすることはできません。いろんな課題がこれまでもあったし、これからも起こるかもしれませんけれども、基本的にはウィン・ウィンの関係にしていくということが大事だと思っています。

 その意味では、十月の末に日中首脳会談が行われて、戦略的互恵関係など、大局観に立った基本的な方針がお互いに確認できたことは私は一定の評価をさせていただいております。よかったなと思いました。

 ところが、程なくして、一週間後、十一月七日に衆議院の予算委員会において、台湾有事をめぐって存立危機事態に関わる具体的な事例を挙げて総理が答弁をされました。それ以降、残念ながら日中関係は極めて冷えた関係になってしまいました。経済においても、人的交流の面においてもいろんな影響が出始めています。

 それだけではなくて、お互いにちょっと激しく罵り合うような感情が生まれてきてしまっていて、例えば、私はやっぱりけしからぬとは思っているんですけれども、特に中国の外交当局の威圧的な言動あるいは態度、これは我が国の国民感情を害するものだと思います。お互いにヒートアップしてきていますので、ここは時間が掛かるかもしれませんけれども、冷静な関係に持っていくということが極めて大事な場面ではないかと思います。

 そのような中で、私は、総理の御発言というのは事前に政府内や自民党内で調整をした上での発言ではなかったと思うんです。あるいは、同盟国であるアメリカは台湾については曖昧戦略をずっと取ってきましたね。だとするならば、日本も曖昧戦略で、同一歩調でいくべきところを、日本だけ具体的に明らかに、姿勢を明らかにしていくということは、これも国益を損なうことだと私は思いました。独断専行だったんではないんでしょうか。

 そのことによってこのように日中関係が悪化をしてしまったことについて総理はどのような責任を感じていらっしゃるのか、まずはお答えをいただきたいというふうに思います。

内閣総理大臣(高市早苗君) まず、日中関係でございますけれども、首脳会談で確認をし合いましたとおり、戦略的互恵関係、これを包括的に構築をしていく、そしてまた、この安全、安定的でですね、また建設的な関係を構築していくということを確認しました。そして、お互いに懸念や課題があった場合には、これはコミュニケーション、首脳同士のコミュニケーション、こういったことを通じて解決をしていく、これを確認したわけでございます。

 現在、私の高市内閣ではこの方針を堅持いたしております。そして、日本は、常に中国に対して対話に関しては建設的そしてまたオープンでございます。ですから、今後、やはりこの対話を通じてより包括的な良い関係をつくっていく、そして国益を最大化する、これが私の責任だと感じております。

野田佳彦君 総理の発言から端を発してこうした状況が生まれたことについてどのように責任を感じているかというお尋ねをさせていただきました。

 今、残念なのは、質問をした人が批判にさらされているということなんですね。これは筋違いな批判だと私は思っているんですけれども、やっぱり発言者の責任は重たいと思っているんです。

 その発言の背景について改めてお伺いをしたいと思うんですけれども、私は、日本のトップが台湾有事の際に様々なシミュレーションでいろんなことを考え巡らせていくということは、私は大事なことだと思っているんですよね。特に、邦人保護のためにどうしたらいいかなどは、やっぱり責任ある立場の人が真剣に考えておかなければいけないというふうに思います。

 総理は、ふだんから、一議員の頃からこういうことを考えていらっしゃったんだろうと思うんです。そのこと自体を否定するものではありません。ただし、一議員の頃から考えていたことを、総理大臣になって、自衛隊の最高指揮官として言葉にしていいかどうかというのは、これは別の問題だと私は思うんですね、思うんです。自衛隊の最高指揮官ですから、言ってはならないこともあるだろうと。持論をうっかり発言するということは、これは軽率なことになると思います。私は、今回はそうしたケースに当てはまるのではないかなと思うんですね。

 私は、私自身も実は日中関係を悪化させたことのある当事者であります。

 それは二〇一二年の九月にいわゆる尖閣の国有化をいたしました。これは、尖閣諸島は歴史上を見ても国際法上見ても我が国の固有の領土であることは間違いありません。その固有領土の中で、島は個人が所有をされていました、民間人が所有されていましたけれども、都が買い取ろうとしておりましたので、それよりは国が所有した方が尖閣諸島の安定的な維持管理ができるだろうという政治判断の下で、チームをつくって戦略的に取り組みました。少数でありましたけれども、役割分担をして、そして仕事をしたんですね。うっかりでも何でもなく、戦略的に取り組みました。当然、日中関係はハレーションが起こるだろうと予想はしていましたし、今もその影響が残っているというふうに思います。

 でも、それと今回は違うと思うんですよね、それと今回は違うと思うんです。明らかに総理の独断で出てきたあの言動で始まり、チームがあったとは思えません。

 改めて、なぜこうした発言をされたのかどうか、その真意についてお尋ねをしたいというふうに思います。

 尖閣の場合は、我が国の固有の領土で国内問題だと自負をしながら内外に説明し続けています。一方で、今回は、中国の場合は、台湾は、台湾の問題というのは国内問題だと逆に中国が思っているんですね、思っている。核心的利益の核心と言っている。ですから、尖閣の国有化によって生まれた摩擦よりも、私は影響は深刻ではないかと思っているんです。

 ですから、改めて総理の御発言の真意というものをお聞かせをいただきたいというふうに思いますし、これ、改めてこれ岡田さんが質問をしたことをもう一回私も繰り返してお伺いしたいと思うんですけれども、中国が台湾を海上封鎖した場合、それが戦艦を使って、そして武力の行使を伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースと答弁をされましたね。

 今申し上げたこのお話をされた真意と、改めて、改めて政府の公式見解をお伺いをしたいというふうに思います。

内閣総理大臣(高市早苗君) まず、私の答弁でございますが、存立危機事態の認定、いかなる事態が存立危機事態に該当するかということについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して判断するということ、これは繰り返し答弁をいたしております。これは平和安全法制成立当時の安倍総理の御答弁もそうでしたけれども、私も繰り返し述べてきたものでございます。

 そして、じゃ、なぜそういう答弁をしたかということなんですが、予算委員会で御質問をいただいて、今ほど申し上げた答弁を私はいたしました。その後、質問者の方が我が党の麻生副総裁や私の名前を挙げ、私の場合は、前回、その前の、二回前の総裁選挙のときに、フジテレビの番組の中で橋下徹さんから具体的に台湾有事などについて問われた、そのときに答えたことを申し述べられ、そして質問者の方から、台湾有事に限定して、またシーレーンの封鎖ということにも言及されての御質問がございました。

 そのときに、私も具体的なことに言及したいとは思いませんでしたけれども、事予算委員会でございます。ですから、政府のこれまでの答弁をただもう一度もう一度と繰り返すだけでは、場合によってはこれは予算委員会を止められてしまう可能性もあるということで、やはり国会議員、国会議員の皆様は全国民の代表でございます。具体的な事例を挙げて聞かれましたので、その範囲で私は誠実にお答えをしたつもりでございます。

 ただ、これ、政府の見解というのは、繰り返しますが、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての状況を総合して判断するということ、これも何度もお答えをしております。

 なお、台湾につきましては、これは非政府間の実務関係として維持をしているというものでございます。そしてまた、サンフランシスコ平和条約で我が国は台湾に関する全ての権利、権原を放棄しておりますので、台湾の法的地位や、認定をする立場にはございません。

 あくまでも、これを聞かれたことに対して、これ言える範囲で答弁をさせていただきましたが、日本国政府の統一見解というものは、昨日閣議決定をさせていただきましたが、先ほど来答弁をしたとおりでございます。それ以上でもそれ以下でもございません。

野田佳彦君 公明党の斉藤代表の質問主意書に対して閣議決定をされた文書を読ませていただきました。私は、あの答弁、そして今、基本的な政府見解、改めて確認をさせていただきましたけれども、それを、私はやっぱりこれからも繰り返し繰り返し繰り返し総理を先頭に説明をしていかなければいけないだろうと思います。そこから一線を越えることのないようにしていただきたいと。

 ちょっと今越えそうな感じがあったので心配になりましたけれども、それを越えることのないように、繰り返し繰り返し、それは重層的に様々なレベルで説明をしていただきたいということを重ねてこれは要請をさせていただきたいというふうに思います。

 次に、経済政策についてお尋ねをしたいと思いますけれども、先週の金曜日に二十一・三兆円という極めて規模の大きい経済対策を閣議決定をされました。これ、規模、物すごく大きいんですよね。財政の裏付けとなる補正予算が十七・三兆円でしょうか、十七・三兆円ですよね。昨年が十三・九兆円ということで、補正予算の規模も、これも相当に大きくなるということでありますけれども、これで、大きければいいのかというと、決してそうではなくて、マーケットが今警鐘を鳴らしてきているというふうに私は受け止めています。

 その一つが、これは金利ですよね。債券安が進んでいます。今日が一・八%台乗っていますけれども、先週末はこれ一・八%台の半ばまで行っていまして、十七年半ぶりのこれは債券安、金利高という状況になっているんですけれども、特に超長期債というのは、これは財政にとって一番敏感に反応するものでありますけれども、これは史上最高なんですよね。

 このように金利が上がり続けてきているんです。特に、高市政権になってから上がり続けてきているということは、私は、今回の経済対策を含めて放漫財政に対する私は警鐘ではないかというふうに思いますけれども、このマーケットの警鐘について総理はどのように受け止められていらっしゃるのか、御見解をお伺いをしたいと思います。

内閣総理大臣(高市早苗君) まず、そのマーケットの警鐘とおっしゃいますけれども、国債金利などにつきまして私の立場から申し上げることはできません。これは市場に与える影響があると思います。その上ででございますけれども、放漫財政というような御指摘には決して当たらない、そういう経済対策を組んだつもりでございます。

 私は割と柔軟で素直なのがいいところなんですけれども、予算委員会、この経済対策を組む前に予算委員会を衆参で開いていただきました。野党の皆様からいろいろな御意見いただきました。特に、物価高対策、これじゃ足りぬのじゃないか、十分じゃないとか、いろんな御意見いただいて、それもかなり取り込ませていただきました。今、とにかく国民の皆様が困っていらっしゃるのは物価高、これに対してしっかりと対応していかなきゃいけないということ。

 そしてもう一つは、やはり成長する経済をつくらなきゃ財政は絶対に健全化しないと私は思っております。だからこそ、危機管理投資というものを肝に据えました。

 だって、これはやはり多くの方が心配している例えば食料安全保障。世界的な気候不順が起きて食べるものが入ってこない。若しくは、場合によっては、どこかの経済的威圧によって肥料の原料が入ってこない可能性がある。こういったことに応えていくために、できるだけ国内でしっかりとこれを作っていける。

 また、資源・エネルギー安全保障、これもそうです。これだけ電力需要が大きくなってきている。そんな中でしっかりと安定的にエネルギーも供給しなきゃいけないし、資源もそうです。資源もできるだけ調達先を多様化する、備蓄を進める。

 こういったことに加えて、サイバーセキュリティーですとか、医療健康安全保障ですとか、それから、昨日も地震がありましたけれども、国土の強靱化ですとか、やるべきことは、物価高対策に加えて、今すぐ手を着けなきゃ間に合わない、そして日本が優れた技術を持っているからこそ、これを早く市場に出してしっかりと稼いでいきたい、そういう思いから作りました。

 結局、財政の健全性という観点からいいますと、今年度の、今年度の当初と、そして今回、間もなく補正予算案を提出させていただきますが、そこで発行する国債額は昨年度よりは低くなる見込みでございます。それからまた、ニュースでも御承知だと思いますが、片山大臣を担当として、租特ですとか補助金で無駄なものがないか、これを徹底的に検証する組織も立ち上げたところでございます。

 また、今回、G20に行ってまいりました。IMFを代表して専務理事がおいでになっていました。総合経済対策取りまとめおめでとうという言葉のほかに、詳細にこれを読んだけれども、財政上のリスクも手当てされており、安心しているというコメントもいただきました。

 同じくIMFが、成長を損なうようなこの財政緊縮、要は財政再建というものはかえって財政の持続可能性を損なう、こういった見解もございます。

 私は、何より大事にしているのは財政の持続可能性でございます。これは、債務残高対GDP比、これを下げていくということで、よくよく注意深く見ながら、また金利の状況なども見ながら必ず両立をさせていく、でも、まず成長させなければ絶対に財政は健全化しない、こう考えています。

野田佳彦君 私はちょっと見解異なりまして、対策、三本柱です。物価高対策はこれ急務ですから、政治空白が三か月もあって、特に食卓を中心にこれはまさに食料インフレだという状況でありますので、これ早く手を講じなければいけない、これ当然だと思うんですけれども。

 今お話しされていました危機管理投資、成長力投資、あるいは外交力等々、三本柱ほかあるんだけど、緊要性ないんですよ。補正予算というのは年度内に執行するというところに意味があって、緊要性ですから、緊急かつ必要があるかどうか。緊要性のないものがいっぱい入っていると私は思いますし、例えば端的に言うと、防衛費一挙に増額しようという話ですね。だけれども、二〇二三年度も二〇二四年度も予算として使い切れなかったじゃないですか。一千億以上余ってしまったにもかかわらず、あえてこういう補正予算で入れてくるということ。

 今までも補正予算大きく膨らませてどうなったかというと、次の年度の当初予算に紛れ込んでいくということがほとんどだったですね。効果の検証ができなくて、基金みたいなものいっぱい積んでしまってということを繰り返してきたと思うんですけれども、今回もそのおそれが十分あると私は思っていますし、それが今マーケットの警鐘につながっていると思っています。

 もう一つ、マーケットの警鐘というのは、これ円安もあるんじゃないでしょうか、円安。為替の問題でありますけれども、これ対ドルで円相場を見てみると、総理が総理に就任したの十月二十一日ですよね、それ以降ほぼ七円安くなっています。総裁になられたのは十月四日ですが、それ以降十円ほどやっぱり円安が進んでいます。今日も百五十五円台かな、先週末が百五十七円台ということで、明らかにこれ高市円安的な流れなんです、今ね。

 これは、円安は明らかに物価高を助長していくというふうに思います。輸入物価が高くなれば、今も物価高なのに更にこれインフレが助長されるという状況なんですね、という状況もあると。この円安も含めてマーケットの警鐘として受け止めませんか。

内閣総理大臣(高市早苗君) まず、為替の動向について私の立場で申し上げることはございません。

 その上で、やはりこのちゃんとしたファンダメンタルズ、これに基づいたものなのかどうか、そして投機的な動きもございましょう、様々な状況を見ながら日本国政府としては必要な手だてを講じてまいります。

 高市円安なのかどうかは分かりませんけれども、しっかりそのマーケットの動きは、国債金利にしても、そして為替にしてもしっかりと注視をしてまいります。

野田佳彦君 本当にこれ注意していただかなければいけないと思いますのは、債券安に始まり、そして通貨安になり、そして株も安くなっていくというトリプル安というのは二〇二二年のトラス・ショックがそうなんですよね。債券安から始まっているんです。トラス・ショックというのは、財源のない政策を打ち出したことによってマーケットの厳しいしっぺ返しを受けたということですね。私は、総理はマーガレット・サッチャーを目指しているとおっしゃっているけど、リズ・トラスになることのないように十分に御注意をいただきたいというふうに思います。

 もう一つ、どうしてもこれ政治改革触れなければいけないんですけれども、私は本会議でもヘンリー・ジェームズを尊敬していると申し上げました、腐敗防止法を作った十九世紀の政治家でありますけれども。その原点に立ち返ると、今回の臨時国会における政治改革は、今定数削減も急浮上してまいりましたけれども、去年からずっと議論をしてきて煮詰まってきた、これは私は政治と金の問題に決着を付けることというふうに思っているんです。

 そこで、石破前総理のときに、私、八月四日の予算委員会で質問をいたしまして、給付付き税額控除とガソリン税と、そしてもう一つ、政治と金の協議体をつくりましょうと。政治と金の協議をする上で、公明党と国民民主党が提案をしていたいわゆる企業・団体献金の受取先を絞っていく、政党支部はやめていくというような、これが一つの落としどころではないかという提案をしましたところ、総理も、そのとき石破総理も、そのとおりでございますという形で受けていただきました。

 そして、その晩に幹事長と政調会長に指示をして、自民党の政党支部のいわゆる企業・団体献金の実態を解明するように指示をされたそうでありますけど、それ今どうなっていますか。もうあれから四か月ぐらいたちますけど、まだ調べているんでしょうか。是非、いつまでに回答していただけるか、お答えをいただきたいと思います。

内閣総理大臣(高市早苗君) まず、先ほどトラス・ショックについておっしゃいましたけれども、経常収支の状況が日本とは全然違うということ、そして成長戦略なき減税というものはああいう事態につながりかねないということで、トラス・ショックとは、トラス・ショックが起こるような状況にはないと考えております。

 それから、政治と金のお話でございますけれども、まず支部への調査ですね、七千七百五十七、とても多い支部でございます。これ、自民党の事務局でしっかりと慎重に調査をしておりますが、本日、党として決定をいたしましたのは、この収支報告書のオンライン提出をしない政党支部は企業・団体献金を受け取れないという案です。これは、三月に自民党、公明党、国民民主党で合意したものでございます。

 ですから、これから党本部が指定をします。この支部というのは、ちゃんとオンライン提出ができる支部かどうかということで、これはきちっと指定をいたします。それ以外の支部は企業・団体献金は受け取れないということでございます。

 なお、企業・団体献金の在り方につきましては、これは自民党はどちらかといえば草の根活動を支える事業者に支えられていることが多うございます。労働組合に支えられている政党もありましょう。そしてまた、機関紙の発行収入などに支えられている政党もありましょう。それぞれにやはり政党のありよう、成り立ちが違う、そういうことでございます。

野田佳彦君 企業・団体献金の受取先として政党支部がなっている、それがどうなっているかの実態把握どうなっていますか。それを石破前総理は約束をされて、公党でありますので引継ぎされていると思いますが、いつまでにそれを結果出していただけますかと聞いたんですけれども、そのお答えがなかったんですね。これ、いつまで、実態も把握できないような政党支部が私は企業・団体献金など受け取るべきではないと改めて思います。

 その意味からも、その意味からもですね、先ほど公明党案、国民民主党案、お話ししました。これ間もなく法案として出てくるんだろうと思います。政党支部は受け取れないようにするということは、私はこれは前進だと思っていまして、我々と維新は企業・団体献金の全面的な禁止を法案として提出をしていましたけれども、これは、お互いの合意の下でこれはもう取り下げさせていただきたいということを今日の政治改革推進本部の役員会で我が党は決めました。

 そして、公明党、国民民主党案が出てきたならば、若干修正する箇所を要求するかもしれませんが、基本的には賛成して、この国会で通したいと思っています。

 総理の御見解をお伺いしたいと思います。(拍手)

内閣総理大臣(高市早苗君) 支部の数、そして実情の調査は行っておりますけれども、それを御党にお示しするという約束であるとは思っておりません。これは党内の、党内の議論でしっかりと役に立てるということで、本日新たな決定をしたわけでございます。

 そんなことよりも、是非、野田総理、定数の削減やりましょうよ。これは私の心残りでございます。安倍元総裁と野田総理が激論をしたこの党首討論の場所、私は覚えています。四十五という定数削減数を示されました。約一割という、そういった数字も挙がっておりました。五は小選挙区、四十は比例ということでおっしゃっていた。でも、〇増五減はできたけれども、でも残りが約束が果たされていない。これはとても申し訳なく思っております。定数の削減、賛成してください、やりましょう。(拍手)

会長(浅田均君) 以上で野田佳彦君の発言は終了いたしました。

 次に、玉木雄一郎君。(拍手)

玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。

 まず冒頭、総理にお礼を申し上げたいと思います。

 ガソリンの暫定税率の廃止、これ我々が二〇二一年の衆議院選挙から訴えてきていたガソリンの暫定税率の廃止でありますけれども、最後、総理のリーダーシップもあって年内廃止が決まりました。

 あしたからまた五円下がって、十二月十一日に更に五円下がって、二十五円十銭下がって十二月三十一日に暫定税率廃止、減税とスイッチするということで、本当にこれは多くの特に地方で車に乗っている方が望んでいたものでもありますし、軽油も総理の思い入れもあって廃止になりました。物流コストが下がって物価を引き下げる効果も出てくるということで、実現できたこと、私もうれしいと思いますし、総理を始め与野党の各党の議員の皆さんの御尽力にも感謝と敬意を申し上げたいと思います。

 実は、このガソリンの暫定税率の廃止は、昨年の十二月十一日、我が党の榛葉幹事長と当時の自民党森山幹事長、そして公明党西田幹事長の三党の幹事長で合意した三党合意の一項目でありました。私たちは、この三党合意が実現できるのであれば、政治の安定のための環境づくりに協力するということは代表質問でも私申し上げたところであります。

 ただ、もう一つ大切な課題が残っています。いわゆる年収の壁の引上げであります。

 改めて、まず総理に確認をいたします。

 この三党合意のもう一つの約束であるいわゆる百三万の壁を百七十八万円を目指して引き上げる、これしっかり守っていただけるかどうか、確認をいたします。

内閣総理大臣(高市早苗君) 三党合意でのお約束ですから、様々な工夫をしながらしっかりと一緒に関所を乗り越えてまいりましょう。

 といいますのは、やはり政治の安定とても大事でございます。お力もお借りしとうございます。そして、玉木代表がおっしゃっている手取りを増やす、もちろん賛成です。そして、今、経済を成長させるためには、この働き控え、これは何としても少なくしていかなきゃいけない。そういった政策目的が一緒でございますので、しっかりその目標に向けて共に歩んでまいりたいと思っております。

玉木雄一郎君 ありがとうございます。一緒に関所を乗り越えていきたいと思います。

 改めて確認します。

 この三党合意で書いた一七八、百七十八という根拠について改めて確認したいんですが、総理の認識を伺います。なぜ百七十八、三党で合意したのか。

内閣総理大臣(高市早苗君) 国民民主党さんのビラに基づくと、最後にこの基礎控除が引き上げられたのが平成七年でございます。そのときの課税最低限百三万円、これに最低賃金の上昇率、これを掛け合わせて出された数字と承知をいたしております。

玉木雄一郎君 正確な御理解ありがとうございます。

 実は、この年収の壁の引上げは二つの政策目的があります。

 一つは、インフレ等に合わせて控除額を引き上げていって、まさに今、出費が物価高で増えていますね。ですから、控除額を上げることによって、まさに手取りを増やして、出費が増えていることに対して手元に残るお金を増やしていこうという物価高騰対策としての意味が一つです。

 もう一つは、いみじくも今総理に御言及いただきましたけれども、最低賃金等が上がっていく中で、控除額を合わせて引き上げていかないと、いわゆる課税最低限の下で就業調整をして、分かりやすく言うと働き控えをして、その下に年収を抑える方がこれ何百万といらっしゃいます。

 私は、高市総理の進める成長戦略、大賛成です。ただ、これもう率直に申し上げます。ボトルネックがあると思うのは人手不足です。どんなにお金を積んでも、どんなに工場を建てよう、どんなに設備をより動かそうとしても、最後動かしたり作るのは人ですから、それが、十分働けない、働きたいけど働けない、稼ぎたいけど稼げない、この制約を取ることが、難しい言葉で言うと労働投入の制約を取ることが成長戦略を実現するための私は必要条件だと思っています。

 ただ、総理の答弁聞いていると、基礎控除はインフレ、物価上昇のみに連動させて上げるということがこの間の答弁でもあります。もし政策目的としての働き控え解消ということに御理解をいただくのであれば、インフレに連動させるのはもちろんのこと、最低賃金を始めとした賃金上昇率も加味して控除額を上げていかないと、この働き控えは解消されないんではないでしょうか。

 是非、インフレに加えて最低賃金の上昇率も加味した控除額の引上げ、そして百七十八万目指して引き上げることを是非実現していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(高市早苗君) まず、人手不足、これを放置していては、経済成長、これがおぼつかないということには大賛成でございます。

 その上ででございますが、まず、今日、中継も入っておりますので、この年末には年収の壁、百六十万円に引き上げられるということで、大体、お一人、単身でしたら二万円から四万円、これは年末調整で戻ってまいります。対象になるのが約五千六百万人でございますので、おおむね八割ぐらいの方に恩恵が生じるということです。

 そして、その基礎控除の引上げなんですけれども、その物価連動に私どもがしておりますのは、その基礎控除というのは全ての納税者に関係のあるものでございます。ですから、これ仮に最低賃金が上がったといって全ての納税者に対してその引上げをするということになると、かなり高所得の方にもこの恩恵が及ぶということで、どちらかといえば、その働き控え対策が政策目的であれば、中所得、低所得の方ということにターゲットを絞った方がいいんじゃないかというのが我が党の考え方でございました。

 ただ、給与所得控除も併せて考えながら共に目的を達成していくということであれば、私は大いに賛成をいたします。

玉木雄一郎君 ありがとうございます。

 福井県行ったら、ある夫婦が来て、困っていると言うんですよね。会社で経理担当している方で、今回、基礎控除に新たに四つの壁ができたんで、年末調整の計算が煩雑でしようがないと、夜帰りが遅くなって旦那さん怒っているって、夫婦で来てくれたんですね。こういうのはやっぱり、税って公平、中立、簡素なので、やっぱりシンプルにすべきだと思います。

 そして、今、高市総理がおっしゃっていただきましたけれども、百三万って元々基礎控除プラス給与所得控除でできているので、仮に基礎控除はもうインフレだということであっても、給与所得控除は元々年収に合わせて控除額を膨らませていく制度になっていますから、是非これは給与所得控除も含めて百七十八万円まで引き上げていく。給与所得控除は所得制限なく上げられると私は思っているので、是非この百七十八万円目指して引き上げていく。共に関所を越えていきたいと思いますので、改めて、最後、総理の御決意をお伺いしたいと思います。

内閣総理大臣(高市早苗君) 給与所得控除も含めてということでございますので、共に努力をしてまいりましょう。

 ありがとうございます。(拍手)

玉木雄一郎君 共に関所を越えていきましょう。

 ありがとうございました。(拍手)

会長(浅田均君) 以上で玉木雄一郎君の発言は終了いたしました。

 次に、斉藤鉄夫君。(拍手)

斉藤鉄夫君 高市総理、どうかよろしくお願いいたします。

 非核三原則についてお伺いいたします。

 高市総理は、米国の拡大抑止と日本の非核三原則は論理的に矛盾すると著書でお述べになっておられます。そして、日本政府では、その非核三原則の見直し、また国家安全保障戦略から削除するというようなことが検討されているやに伺います。それは、昨日の私の質問主意書への答弁からもうかがえます。しかし、それでいいんでしょうかということを今日お伺いしたい。

 抑止の論理そのものは否定しませんが、しかし、それだけで判断するのはいかがなものか。総理は、守るべきは非核三原則なのか国民の命かと、このようにおっしゃっておりますけれども、私は、それは余りに拡大、いや、抑止論に傾いた、ちょっと総理としては、日本の総理としてはアンバランスな姿勢を感じます。私は、国民の命を守るための非核三原則だと、このように思う次第です。

 核兵器がいかに非人道的で悲惨か、これは私、多くの被爆者の方からお話を伺ってまいりました。そして、原爆資料館、そして被爆の実相に触れたG7の首脳の皆さんが、皆さん核戦争は二度と起こしてはならないという強い決意を持って帰られました。そういう中にあって、唯一の戦争被爆国の日本が、ある意味でぶれて、この非核三原則を見直すようなことがあっては核廃絶は夢のまた夢だと私は思います。

 私は、先日の本会議で、代表質問で、強い国家、強い経済、それも大切だ、しかし、その先に人の顔は見えているのかというふうに申し上げさせていただきました。どうか総理、改めまして、その被団協を始めとする被爆者の方々の声をもう一度聞いていただいて、考え直していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(高市早苗君) まず、非核三原則を政策上の方針としては堅持をしております。

 その上で、持ち込ませずにつきましては、二〇一〇年当時の、民主党政権時代でしたが、岡田外務大臣の答弁を引き継いでおります。つまり、緊急事態が発生し、核の一時寄港ということを認めないと日本の安全が守れないというような事態が発生したとすれば、そのときの政権が政権の命運を懸けて決断し、国民に説明するという御答弁でございました。

 今後、戦略三文書の見直しに向けた作業が始まりますが、明示的に非核三原則の見直しを指示したという事実はございません。

斉藤鉄夫君 先ほどの岡田答弁、これを以後の総理大臣も継承しているということでございますけれども、当時、これはあくまでも非核三原則は堅持すると、そういう立場の上で、究極的な有事の際にそのときの政府が命運を懸けて判断するということでございまして、非核三原則を見直すということではありません。これは、平時に、平時に前のめりにこの非核三原則を見直すということがあってはならないと、このように思います。

 そして、この非核三原則を初めて訴えて国会決議まで持っていったのは野党時代の公明党でございます。それで、これはあくまでも国会決議でございます。ですので、いわゆる閣議決定、政府と与党だけで決めていいというものではないと思います。

 これらの見直しがあるならば、あくまでも国会でしっかり議論をして国会の議決を経るべきだと、このように思いますけれども、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(高市早苗君) 日本は唯一の戦争被爆国でございます。私も、核不拡散条約、これを非常に重視いたしております。このNPT体制の下でこれ以上核が拡散しないように、そのための誠実な努力を日本は続けていかなければならないと考えるものでございます。

 先ほどの岡田元外務大臣による答弁でございますが、ぎりぎりの決断ということで、そういうことも、そういうことが、万が一そういう事態が起こったらということの中での答弁であられたと思います。

 今後、しっかりと現実的な対応も含めて、そして、やはり日本が唯一の戦争被爆国としてこれまで国際社会の平和と安定に物すごく貢献してきたということも多くの国が知っていることでございますので、それらを総合的に検討しながら、次の戦略三文書の策定も細心の注意を持って作ってまいりたいと思っております。(拍手)

斉藤鉄夫君 もう時間が来てしまいました。

 先日、ノーベル平和賞の箕牧理事長と……

会長(浅田均君) 申合せの時間が参っておりますので、おまとめください。

斉藤鉄夫君 はい。

 お会いしましたけれども、是非堅持してほしいという言葉をお伝えさせていただいて、終わります。(拍手)

会長(浅田均君) 以上で斉藤鉄夫君の発言は終了いたしました。

 次に、神谷宗幣君。(拍手)

神谷宗幣君 参政党代表の神谷宗幣です。

 今、国民は、政治と金の問題や議員の定数よりも、国力が落ちて生活が苦しくなっているということに不満を持っていると感じています。

 その一因となっている国民の情報や富を奪って国に損害を与えている行為、これを止めたいと思いまして、我々は昨日スパイ防止法というものを案として提出をいたしました。総理もスパイ防止法の必要性を感じておられると思いますが、スパイ防止法、非常に広範でして、その中身が大事です。

 外国人の代理人制度や対外防諜機関の設立といったものは総理も訴えておられますが、そのほかにも我々は、情報を奪うこと自体を罪とする、それから、破壊工作、データを壊すとか情報を取ろうとする行為自体も禁止する、それからあと、国民にしっかりと情報リテラシーを持ってもらってみんなの目で情報をチェックしていく、それから、国家が、政府がですね、恣意的なスパイ認定をして罪のない人を陥れるということは絶対にあってはいけないと思いますので、監視機関の設立、そういったことも含めてスパイ防止法が必要だと考え、提案しましたが、総理のスパイ防止法に対する構想をお聞かせいただきたいと思います。どういった思いか、聞かせてください。

内閣総理大臣(高市早苗君) スパイ防止法、スパイ防止法という名前になるかどうかは分かりませんが、そういうインテリジェンス・スパイ防止関連の法制を作らなきゃいけないというのは、これは自民党の参議院の公約にも書かせていただきました。

 現在考えておりますのは、まず基本法的なもの、そして外国代理人登録法、それからロビー活動公開法などについて、もう今年ですね、検討を開始して速やかに法案を策定するということを考えております。

 今、物理的、また磁気的とおっしゃいましたか、そういう破壊行為についておっしゃいましたが、これらは、今の法律でもこれは罪でございますので罰せられるんじゃないかと思っております。

 情報リテラシー教育、これも物すごく大事です。今も経済安全保障関連でいいましたら、どういう形で接触が図られるか、どういう手段を外国勢力が使ってくるか、こういったことに関して企業などに情報発信をさせていただいているところでございます。

神谷宗幣君 ありがとうございます。

 この法案に関しては我々も一緒にやれることだと思いますので、是非積極的に進めていただきたいと思います。

 あと、二つ目です。

 失われた三十年、日本だけが経済成長をできませんでした。先進国の中で相対的に貧しくなった根本的な原因、総理は何と考えておられますか。お聞かせください。

内閣総理大臣(高市早苗君) それは、やっぱりバブルが崩壊して、そのときにやはり不良債権、金融システムの問題があり、リーマン・ショックもございました。その前にアジア通貨危機もございました。そうした外的要因もあり、だから、企業がお金をどっちかといえばため込んで、なかなか設備投資や人的投資、従業員のお給料などには使えなかった、その状況が貧困を招いたと思っております。

会長(浅田均君) 以上で神谷宗幣君の発言は終了いたしました。(拍手)

 本日の合同審査会はこれにて散会いたします。

   午後三時五十分散会


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