衆議院

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第4号 令和7年2月18日(火曜日)

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令和七年二月十八日(火曜日)

    午後三時二十五分開議

 出席委員

   委員長 井林 辰憲君

   理事 大野敬太郎君 理事 国光あやの君

   理事 小林 鷹之君 理事 阿久津幸彦君

   理事 稲富 修二君 理事 櫻井  周君

   理事 斎藤アレックス君 理事 田中  健君

      東  国幹君    石田 真敏君

      井出 庸生君    伊藤 達也君

      上田 英俊君    田中 和徳君

      長島 昭久君    中西 健治君

      根本 幸典君    福原 淳嗣君

      古川 禎久君    牧島かれん君

      向山  淳君    森下 千里君

      江田 憲司君    大西 健介君

      岡田  悟君    海江田万里君

      川内 博史君    階   猛君

      末松 義規君    原口 一博君

      水沼 秀幸君    三角 創太君

      矢崎堅太郎君    萩原  佳君

      村上 智信君    岸田 光広君

      中川 宏昌君    山口 良治君

      高井 崇志君    田村 智子君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       加藤 勝信君

   外務副大臣        藤井比早之君

   財務副大臣        斎藤 洋明君

   厚生労働副大臣      仁木 博文君

   内閣府大臣政務官     西野 太亮君

   財務大臣政務官      東  国幹君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 阿久澤 孝君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    伊藤  豊君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 伊藤 正志君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   前田  努君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    青木 孝徳君

   政府参考人

   (国税庁次長)      小宮 敦史君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           奥家 敏和君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            山本 和徳君

   参考人

   (日本銀行総裁)     植田 和男君

   参考人

   (日本銀行理事)     中島 健至君

   参考人

   (独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長)   藤原 康弘君

   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十八日

 辞任         補欠選任

  土田  慎君     向山  淳君

  松本 剛明君     井出 庸生君

  長谷川嘉一君     大西 健介君

同日

 辞任         補欠選任

  井出 庸生君     森下 千里君

  向山  淳君     土田  慎君

同日

 辞任         補欠選任

  森下 千里君     松本 剛明君

    ―――――――――――――

二月十七日

 ガソリン税凍結、消費税減税、インボイス制度廃止に関する請願(高井崇志君紹介)(第一号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一〇九号)

 消費税率五%以下への引下げとインボイス制度の廃止に関する請願(小沢一郎君紹介)(第七八号)

 同(川原田英世君紹介)(第七九号)

 同(小山千帆君紹介)(第八〇号)

 同(福田玄君紹介)(第八一号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一一〇号)

 同(長谷川嘉一君紹介)(第一一一号)

 同(眞野哲君紹介)(第一一二号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第一一三号)

 消費税率五%への引下げに関する請願(小沢一郎君紹介)(第八二号)

 納税者の権利擁護を求めることに関する請願(小沢一郎君紹介)(第八三号)

 消費税インボイス制度の中止に関する請願(辰巳孝太郎君紹介)(第一〇八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)


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     ――――◇―――――

井林委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁植田和男君、理事中島健至君、独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長藤原康弘君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官阿久澤孝君、金融庁監督局長伊藤豊君、総務省大臣官房審議官伊藤正志君、財務省主計局次長前田努君、主税局長青木孝徳君、国税庁次長小宮敦史君、経済産業省大臣官房審議官奥家敏和君、中小企業庁事業環境部長山本和徳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

井林委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。川内博史君。

川内委員 川内でございます。よろしくお願いいたします。

 加藤大臣は、予算委員会そしてまた本委員会と、大変お忙しい、お疲れのところではないかというふうに思いますが、よろしくお願いを申し上げます。

 まず、所得税法等の一部を改正する法律案ということで、毎年、国会に、租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書というこの分厚い報告書が提出をされるわけでございますけれども、金融、保険業というくくりで、租特は何件が適用されて幾らというような報告を毎年いただいているわけでございますけれども、金融、保険業には何件ぐらいの租税特別措置が適用されて、幾らぐらいの減税がなされているのか、租税特別措置がなされているのかということを教えていただきたいというふうに思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 租税特別措置には、税額控除、特別償却など様々な措置がございます。その適用額が即座に減収額を意味するものではございませんが、その前提で措置ごとの適用額を機械的に足し上げますと、今御指摘のありました令和五年度の租税特別措置の適用実態調査では、損害保険会社や普通銀行を含む金融、保険業による租税特別措置の適用額は、合計で三・七兆円でございます。

川内委員 びっくりしました。三・七兆円というのはすごい。そのくらい大事な大事なお会社であろうと、全ての国民の皆さんがお世話になっているということでそのぐらい様々な優遇措置を受けていらっしゃるということで。

 私、昨年、三菱UFJ銀行の貸し金庫窃取事案について、同種の事案がどのぐらい金融庁に報告されているのですかということをお聞きしましたら、そのときには、ちょっと件数はまだ数えているところだから分からないよということで、その後、御報告をいただいて、三菱UFJ銀行の貸し金庫窃取事案を含めて三件ということで御報告をいただきました。

 その三件のうち、三菱UFJさんと、もう一つ信用組合さん、ハナ信用組合さんというところは自ら公表されていたんですけれども、もう一件、自ら公表されていないお会社、銀行があって、それはどこですかとレクを受けながら聞いたら、それは教えられませんよ、銀行が公表していないんですからということだったわけですが、今日、ニュースで、それがみずほ銀行さんだったのではないかということで報道が大きく出ております。

 私、昨日、当該銀行に確認の上、自ら公表した方がいいと思うんだけれどもどうですかねということを聞いてもらえますかというふうに申し上げてございますので、まあ、みずほさんなんでしょう、御確認いただいた結果を教えていただきたいというふうに思います。

伊藤(豊)政府参考人 お答え申し上げます。

 昨晩来の報道を受けまして、みずほ銀行、取材対応及び、つい先ほどプレスリリースもしたというふうに聞きましたけれども、公表をしておりまして、三件目はみずほ銀行ということでございます。

川内委員 自らプレスリリースをされたということで、私は金融庁さんに教えてもらったんですが、レピュテーションリスクというらしいんですけれども、昨年、三菱UFJさんの事案が発生したときに、実はうちもそうだったんですよということを自ら公表された方がよかったのではないか、あるいは、金融庁さんがそのように、技術的助言というか、もう公表した方がいいと思うよというようなことを助言された方がよかったのではないかというふうに、ちょっと返す返すも残念だなというふうに思っているところでございますけれども。

 まだ私、そのプレスリリースを確認していないので、そのプレスリリースの概要をちょっとここで、被害金額が幾らぐらいで、どういうことで貸し金庫から着服が行われたのかということを、分かる範囲で今教えていただければというふうに思います。

伊藤(豊)政府参考人 お答え申し上げます。

 発覚時期は二〇一九年でございまして、事故者は一人。事件後、懲戒解雇になってございます。それから、対象のお客様は二名。被害金額は合わせて数千万円というふうに承知をしております。

川内委員 メガと呼ばれる銀行が二行、貸し金庫窃取事案があったというのは、ちょっと衝撃を受けざるを得ないというふうに思います。

 貸し金庫から物を盗めるとなると、内部、行員の方の犯行というか、行員の方が行うか、若しくはもうルパン三世ぐらいしか多分できないだろうというふうに思うんですけれども、そういう意味では、業務としての貸し金庫サービスの在り方自体、やはりきちんとここで、金融機関の皆さんともコミュニケーションを取りながら、そしてまた専門家の皆さんの意見も入れながら、金融機関における貸し金庫サービスの在り方についてしっかり議論をした方がよいのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

伊藤(豊)政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年の三菱UFJ銀行の貸し金庫の事件を踏まえまして、金融庁としても、金融界、預金取扱金融機関に対しまして貸し金庫の管理体制の点検を求めているところでございまして、全銀協などでも、優良事例、どうやって事故を防止するのかというような優良事例について公表するなどの対応を行っております。

 また、貸し金庫サービスそのものについての在り方についても、私どもとして、有識者の方々からもお話を伺いながら検討しているところでございます。

川内委員 加藤大臣、去年私が、これはすごい事案だけれども加藤大臣としてはどうされますかと聞いたときに、ちゃんとやっていくからという御答弁だったんですけれども、みずほ銀行さんの件が発覚をし、私はやはりそのときに金融庁として技術的助言をして自ら公表しておけばよかったのではないかなというふうに思いますが、加藤大臣としては、そのときの金融庁としての、もうちょっときちんと助言すればよかったかなみたいな反省みたいなものは現時点において何かございますか。

加藤国務大臣 その件についても金融庁としては既に報告を受けていたわけでありますし、その当時のやり取りはちょっと分かりませんけれども、最終的にはその金融機関において、それぞれの自分たちの事案を公表するかしないか、最終的には各金融機関の御判断だと思います。

 ただ、今回、二つメガが続いた、まあ時期はちょっと前ではありますけれども、やはり、こうした事案が続くということは、まさに、銀行のこうしたサービスのみならず金融機関に対する信頼といった問題においていろいろ懸念が生ずるということにもなりかねない。そこはしっかり認識をしながら、先ほど、今やっている対応について御説明させていただきましたけれども、そういった点についてもしっかりフォローアップをさせていただきたいと思っています。

川内委員 金融機関からは法律に基づいて不祥事件報告とかが上がってくるわけですが、金融庁には一般の方からの相談の電話などもたくさんかかってくると思うんですよね。同じこの五年間で、貸し金庫から物が盗まれたよ、金品を取られたよというような個人の方からの相談の電話が何件あって、それは銀行の行数でいうと何行であったのか、これは具体的な事実をちょっと教えていただきたいと思います。

伊藤(豊)政府参考人 お答えを申し上げます。

 二〇二〇年七月から二〇二四年十二月までという調査、書類の関係でですね、調査でございますけれども、この中で貸し金庫に関係するものは二十八件ございました。その銀行の行数、一人の方で複数件おっしゃる方もおられますけれども、それも全部合わせまして、金融機関の数は二十金融機関でございます。

川内委員 その二十の金融機関の中に、当然、三菱UFJさんや、みずほさんや、あるいはハナ信用組合さん、要するに不祥事案報告を自ら金融庁さんに届け出られていた金融機関は入っていたのかいないのかということについて教えていただきたいと思います。

伊藤(豊)政府参考人 お答え申し上げます。

 三菱UFJ銀行とみずほ銀行については、この二十八件の中に含まれております。

 ただ、今回の具体の事案に関するものではないと思われますが、ただ、個別の関連は必ずしも相談だけでは分かりかねますので、含まれていたかどうかだけ申し上げますけれども、含まれていたということでございます。

川内委員 三菱UFJ銀行さんの場合には、報告徴求命令をかけて、今、その報告をいただいて今後の成り行きについて見守ろうねということになっているわけですが、みずほさんの本件については、今後、やはり同様に、報告徴求命令をおかけになられて、その後の対応を見るということになるのか否かということについても教えていただきたいというふうに思います。

伊藤(豊)政府参考人 二〇一九年当時の対応でございますけれども、私どもが頂戴する不祥事件報告の中では、その後の体制整備についても報告を受けるということをしておりますので、当時はその中で、不祥事件報告の中でその後の体制整備についても報告を受けておりまして、フォローもしておりますけれども、今後どういう行政対応を取るかというのは、今の時点では何とも申し上げられないということでございます。必要があれば、もちろん厳正に対応したいと思います。

川内委員 日本のメガバンクというのは三行ですかね。三行のうち二行がこういうことであったということで、本当に大変衝撃が大きいわけでございますけれども、金融庁さんもしっかりと御指導をいただきたいというふうに思うんですが、さらに、実は、私の地元の銀行で、保険会社から出向してきた社員の方が、その地元の銀行の、多分優良な顧客や優良な法人の情報を出向元の本社に上げていたということが地元では大きなニュースになりました。

 私は、これも大変ショックを受けましてですね。保険会社さんが地方銀行やら地方のそういう金融機関に人を出向させて、社員を出向させてというのは、これは全国的に広がりがあるんじゃないか、私の地元だけではないのではないか、組織的な広がりがあるのではないかというふうに思っているのですけれども、その辺の状況について御説明をいただきたいというふうに思います。

伊藤(豊)政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、地方銀行に出向している保険会社の社員が出向元である保険会社に対して情報を送っていたというケースは、先生の御地元の銀行だけではなくて、ほかにもございまして、私どもとして深刻に受け止めているところでございます。

川内委員 情報の漏えいの件数というか、どのくらいの規模で情報が漏えいされていたのかということについて、何か今、現時点で具体的に報告できる件数とかはあるんでしょうか。

伊藤(豊)政府参考人 お答え申し上げます。

 正確な数字ということではございませんけれども、件数の規模感を申し上げますと、数万件、全部合わせてですね。一人の出向者でかなり数の多い場合もございますので、全部合わせると数万件というふうに承知をしております。

川内委員 私、法律的なことを余りよく分かっていないのですが、この個人情報の漏えいの問題についても保険会社に対して報告徴求命令をかけたんだろうと思うんですが、何社に対して報告徴求命令をかけたのかということを教えていただきたいと思います。

伊藤(豊)政府参考人 お答え申し上げます。

 報告徴求命令は様々なケースについて様々な段階でかけますので、全体の件数を申し上げることは差し控えたいと思いますが、損保の大手四社に対しては、昨年の夏に報告徴求命令を発出しまして、報告を受領しております。

川内委員 そうすると、大手四社以外にも、この情報漏えいの件に関して報告徴求命令をかけているのはかけているということでよろしいんでしょうか。

伊藤(豊)政府参考人 かけております。

川内委員 加藤大臣、これは、私、大変なことだと思うんですよね。委員長、そう思いませんか。地方の金融機関に人を出向させて、そこの金融機関が持っている優良な顧客の情報、優良な法人の情報を本社に御注進しているのか、報告しているのか。そして、それを会社としてやっているのか、それとも忖度してやっているのか。そもそも、企業風土として、出向したらそのぐらいやるのは当然だみたいな企業風土なのか。それは、今後、報告を金融庁さんが分析をして、行政的にどのような、法的に対応していくのかというのは判断されるんでしょうけれども、報告は出た、今分析している、今後どうするか、今対応を検討している、組織的なものなのか否かというようなことについて対応しているという理解でよろしいんでしょうかね。

伊藤(豊)政府参考人 御質問のとおり、組織的なものがどこまであったのか、どういうところに責任があるのか、何が原因なのかということを、報告徴求も踏まえて、その後のフォローアップも踏まえて、今精査をしているところでございます。

 それから、先ほどの件数でございますけれども、私、先ほど、数万件というふうに申しましたが、もっと多くて、全体を合わせると二百万件を超える数ということでございます。失礼いたしました。

川内委員 二百万件を超える個人情報、法人情報がやり取りをされていたということでですね。

 加藤大臣にここは御答弁いただきたいんですけれども、金融庁としては、今後、分析をし、その対応については厳正な対応をするのだという御方針をお示しいただきたいというふうに思います。

加藤国務大臣 今、事務局からも話をさせていただきましたけれども、大手損保の出向者が出向元への契約者情報を送付した問題、二百万件というかなり相当な数でありますし、一件だとしてもこれは大変遺憾なことだというふうに認識をしていると同時に、広く発生している事案だというふうに認識をしています。

 したがって、個々の出向者の問題ということに矮小化するのではなくて、まさに、経営陣の関与などの組織性の問題、あるいは企業風土にも踏み込んで、この原因、真因を分析をしていく必要があるというふうに考えております。

 先ほどお話をさせていただいたとおり、検証等を今進めておりますが、これが終わり次第、その結果に応じて、法令等遵守、また契約者保護の観点から厳正に対応していきたいというふうに思っておりますし、また、それを通じて、保険に対する信頼性の確保また健全な発展、これを図っていかなければならないというふうに考えております。

川内委員 処分されるかどうかまだ分からないわけですが、法的な対応、今後の対応についてはいつ頃を目途にされるのかということも、もし教えていただけるなら教えていただきたいというふうに思います。

伊藤(豊)政府参考人 お答え申し上げます。

 具体的にいつ頃ということは申し上げられませんけれども、今、作業若しくは精査をしているところでございますので、これが済み次第、しかるべく対応をしたいというふうに考えております。

川内委員 冒頭、主税局長さんから、金融、保険業に対する租税特別措置を、まあいろいろな態様はあるにせよ、単純に足し上げると三・七兆円の租税特別措置をしていますという御答弁がありました。もちろん、みんな、金融機関を利用するし、保険も入るし、信頼しておつき合いをするわけですけれども、その信頼というのは、やはり、ルールというものにしっかりのっとった上で、お商売というものは、ビジネスというものは積み上げられていかなければならないのだろうというふうに思いますので、是非しっかりした御対応をしていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。

 がらっと話題を変えまして、最後の五分で、住宅ローン減税のことについてちょっと御方針をお聞かせいただきたいのでございますけれども。

 ビジネスマンあるあるというか、サラリーマンあるあるというか、家を買いました、あるいは新築の家を建てました、買った途端に、新築した途端に、君、転勤してくださいと言われて、転勤になるというのはよくあることだろうというふうに思うんですが、その場合に、住宅ローン減税が使えなくなる。家を買った途端に転勤になるだけでも、あちゃあと思うのに、住宅ローン減税を当てにしたら、それも使えなくなると、二重にあちゃあになるわけですが。

 というのは、なぜ住宅ローン減税が使えなくなるかというと、事業用資産、貸家として家賃収入を得るというようなことがあったりしちゃならぬというのが住宅ローン減税を適用しない理由というふうに聞いておりますけれども、逆に言うと、家賃収入を得ない、ずっと空き家です、だって戻ったらそこに住みたいんだものということが明確な場合は、住宅ローン減税を転勤した後にも適用してあげるというのが必要なのではないかというふうにも思ったりするんです。

 というのは、私、鹿児島なんですけれども、鹿児島で、街角で立っていると、東京や大阪から転勤してきた方が声をかけてきて、住宅ローン減税を使えなくなっちゃったんですよ、どうにかしてくださいよみたいなことをよく言われるんですね。

 だから、繰り返しますけれども、家賃収入を得ない、そこを貸したりしないということが明らかに、客観的に証明できる場合には住宅ローン減税の適用を継続するというような配慮があってしかるべきなのではないかというふうにも思うのですが、政府としての取りあえずの今の考え方を教えていただきたいというふうに思います。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 住宅ローン減税、控除制度でございますが、持家の取得の促進などを目的とする制度でございまして、居住の用に供していることという要件を設けさせていただいています。

 その上で、転勤などによりまして住宅ローン控除の適用を受けている家屋を居住の用に供しなくなる場合があることなどに対応する観点から、転勤などによってその家屋から転居した後に再びその家屋に入居した場合には、一定の要件はございますが、再居住年以後の各適用年において住宅ローン控除の再適用を認めることとしております。

 これは、平成十五年度改正で、元々住んでいたところから、一旦住んでいたところから移って、戻った場合、それから、二十一年度、二十五年度改正では、全然入らないで、いきなり転勤で行った場合、戻ってこられた場合、この両方とも、十五年度改正、二十一年度改正で対応いたしておりますが、こうした措置によりまして、一定の対応が図られているものというふうに考えております。

川内委員 もうあと三十秒ぐらいしかないんです。結局、でも、住んでいないときは適用にならないんですよね。だから、そこを、私、しつこい性格なので、何とかしたいというふうに思っているので、また提案をさせていただきたいというふうに申し上げて、原口先生に替わりたいというふうに思います。

 どうもありがとうございました。

井林委員長 次に、原口一博君。

原口委員 立憲民主党の原口一博です。

 質問の機会をいただいて、ありがとうございます。

 まず冒頭、私も四半世紀国会議員をさせていただいていますが、質問を封じるような、そういう圧力を食らったのは初めてでした。しかし、ここにいらっしゃる皆さんにお礼を申し上げたいと思います。与党、野党関係なく応援くださいました。本当にありがとうございます。

 ちょっと順番を変えて、日銀総裁からお話をお聞きしたいと思います。

 今日、お隣に我が党の税調会長もおります。だから、今日の所得税法の改正、それから、私たち立憲民主党は三・八兆円の組替え案を出しています。その基本となる金融、財政の考え方について、今日は、日銀、そして財務、金融担当大臣と議論させていただきたいと思います。

 まず、日本銀行総裁に伺います。

 今、アメリカでは、ロン・ポールさんとそれからイーロン・マスクさんを中心に、エンド・ザ・フェッド、中央銀行の不透明なものに大きなメスが入ろうとしています。

 三つ続けてお聞きします。

 昨年七月の末から八月の頭、いわゆる植田ショックというものが世界を駆け巡りました。そのことについてどのように総括をなさっているのか。

 例えば、コマーシャルペーパー。金利が上がりました。企業の資金調達、大変苦労しました。私、毎日のようにいろいろな人たちと話をしていますと、前の総裁はバズーカと言われていました。植田総裁は、やはりショック、それからこの頃はタービュランス。タービュランスというのは乱気流ですね。大変失礼な言い方だなと思います。大変努力をなさっていますが、植田総裁がいろいろなことをされるたびに大きなショックが駆け巡りました。日本の企業は結構傷んでいます。上下する為替あるいは上下する物価、それに耐えられない、タービュランスというのは乱気流ということのようですが、この乱気流をどうにかしてくれという声が非常に強いです。

 それから、今回、もちろん日銀の独立性がありますから、それを踏まえた上ですけれども、一月二十四日の金融政策決定会合において、当座預金、特に超過準備ですね、超過準備に金利がつくなんて、二〇〇八年の白川さんのときに初めてやったんですよね。今回、付利金利を〇・二五から〇・五に引き上げられました。私、これは日銀の独自の判断があると思います。

 ただ、そこで伺いたいのは、まさに余剰金が出た場合は国庫納付しなきゃいけないわけですよ。私たちは、ここで予算について、今、財源をどうするかというのを真摯に議論している中で、果たして、この当座預金の超過準備、昨日レクをしていると、何とその総額は四百六十兆に及びますね。ここに〇・五を掛けるといった、この意味は何なのか。そして、それは少なくとも加藤財務大臣や私たちにもしっかりと説明をされた上でなきゃいかぬのじゃないかというふうに思います。

 そして、最後ですけれども、日本でもブラックアウト期間をアメリカ並みの二週間程度になさいませんか。余りにも、去年もおととしも、この問題について、つまり透明性ですね、その確保に向けた更なる努力を重ねてほしいという、この三つを質問いたします。よろしくお願いします。

植田参考人 お答えいたします。

 まず最初に、昨年、特に昨年夏のマーケットの株価や為替の大幅変動という事態でございますが、基本的な背景としては、私ども、米国の雇用統計が大きく下振れた、そして米国の景気減速懸念が強まったことがあったというふうに考えております。

 ただ、こうした変動の一因として、私どもの政策運営の考え方が市場等に十分に伝わっていなかったという批判があることも認識しております。こうした点を踏まえまして、昨年八月以降、様々な場を活用して、丁寧な情報発信に努めてきたところでございます。今後ともその努力を続けたいと思っております。

 それから、一月の私どもの会合において、当座預金の付利金利を〇・二五%から〇・五%まで引き上げたその判断、合理性いかんという御質問だったと思いますが、これは、多額の超過準備が存在する下で、私どもの政策金利の誘導目標、コール市場での翌日物金利でございますが、これを誘導目標の水準に誘導するために行っているものであります。

 もしもこの付利をしないとしますと、銀行は預金にあるお金をコール市場に放出いたしますので、コールレートが下がっていって、私どもの誘導目標が実現しないという事態になります。こういう背景で行っているものでありますし、アメリカ、ヨーロッパ等の海外中央銀行でも同じような扱いをしておるところでございます。

 それから三番目の、私どものブラックアウト期間についての御質問でございますが、私どもは、ブラックアウト期間と呼ばれています会合前後の一定期間中は、政策及び政策情勢に対して、外部に対して発言しない旨を定めております。

 この背景といたしましては、一方で、審議内容や政策決定の方向性について予断を与えることを避け、それをもって市場に無用の思惑や混乱をもたらすことを防ぐという観点があり、もう一方で、対外コミュニケーションは基本的には充実していかないといけないという両者のバランスを考慮しまして、現状、各国の、その他の、私ども以外の中央銀行の実務も踏まえて、私どもとしては二日というところに決定しているものでございます。

原口委員 植田ショックの原因はアメリカにあると言わんばかりのことですけれども、私も知っていますよ、それは。インフレリスクが高まる中で、超過準備を削減して、今おっしゃったように、無担保コールレートを引き上げることができないとインフレの加速を促す、そういう可能性がある。だから、これは、日銀が持っている政策手段の一つなんですよ。それをやるなと言っているんじゃないんですよ。丁寧な説明が必要なんじゃないですかと。しかも、四百六十兆も超過準備をやっている。二〇〇八年までは、これに付利するということはそもそもなかったわけですね。

 皆さんのお手元の三の資料を御覧になってください。剰余金処分表、これは第百三十九回事業年度の剰余金処分表で、国庫納付金、この年は二兆一千七百億円を超える国庫納付をされているわけですね。金利を上げるということは、皆さんが、私たち、中央政府の方に入れるこの国庫納付金にも影響を与えるということですから、丁寧な説明をお願いしたいということを申し上げているのであります。そのことはいいですね。

 それで、では、日銀の独立性という、そこまで言われるんだったら、私は、今アメリカでやっているみたいに、中央銀行の真ん真ん中にやはり不透明なものがあってはならないと思うんですね。

 日銀総裁、確認いたしますが、日銀の政府保有株の割合は五五%ですね。残りは誰が持っていますか。

中島参考人 お答え申し上げます。

 出資者の氏名等に関しましては、個々の出資者の投資判断にも関わることでございますので、開示につきましては適切というふうには考えてございません。

 以上でございます。

原口委員 では、聞き方を変えます。

 それは日本人ですよね。

中島参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、個々の投資者の出資判断、投資判断でございますので、こちらについては適切ではないというふうに考えております。

原口委員 日本人であるかそうでないかも答えられないと今答えました。極めて遺憾だ。そういうことを長くやっているから、ブラックボックスにはいろいろなものがたまっていきます。何で投資判断に影響を与えるんですか。もしそれが外国人だったらどうするんですか。

 次に行きます。財務大臣、今度、財政の方を。

 私たちは、三・八兆円の財源も、階部門長を中心に出して、組み替えるように言っているわけですが、私は、基本的に、先日江田委員がおっしゃったように、日本というのは強い国だと思っています。

 日本の国債ですね、資料一を御覧になってください。G7各国のCDSスプレッド。

 財務大臣、日本という国は世界一悪い財政状況だと所信でおっしゃいましたけれども、その根拠は何ですか。

加藤国務大臣 日本の財政は、債務残高比、GDP比が世界最悪の水準と言わせていただきました。

 これは、政府の債務の総額が、返済原資となる税収を生み出す国の経済規模、すなわちGDPに対してどの程度の割合になっているかを示した指標でありますが、IMFが昨年十月に公表した最新の世界経済見通しによりますと、我が国の二〇二二年における一般政府、これは一般政府でありますけれども、の債務残高比、GDP比は二五六・三%と、統計を比較可能な百八十六か国中百八十六位となっております。

 これをもって、私は、債務残高比、GDP比が世界最悪の水準にあると申し上げたところであります。

原口委員 いや、GDP比が高いというんだったら、しかし、そこに悪という判断がついているから、何かしらそこに不都合があるのかということを聞いているわけであります。

 では、幾つか続けて聞きますけれども、今度、資産ですね。これは事務方でもいいので、UR、都市再生機構、NTT、日本郵政、それぞれの総資産を教えてください。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 UR、独立行政法人都市再生機構の総資産は、令和五年度、国の財務書類におきまして、約十一・七兆円となってございます。それから、日本電信電話株式会社、NTT、及び日本郵政株式会社の総資産は、各法人の令和五年度の有価証券報告書によりますれば、NTTが約二十九・六兆円、日本郵政が約二百九十八・七兆円となってございます。

原口委員 私たちが財政を考えるときには、単に負債の部分だけ見ていたら駄目だと思うんですよ。資産の部分もちゃんと見ておかなきゃいけない。

 では、併せて聞きますが、独法。独法の我が国の、例えば国立大学、皆さんは国という言葉が大嫌いですね、国立というのは全部独法とかにして。僕はそれはよくないと思いますよ、日本国をもっと強くしないと。独法は、国が持っている資産、これは純資産は幾らですか。例えば、独立行政法人のかつて国立大学といったものだけでいいです。

井林委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

井林委員長 速記を起こしてください。

 前田主計局次長。

前田政府参考人 お答え申し上げます。済みません、お答えが遅れまして。

 全ての独立行政法人の総資産ということでございますけれども、今ちょっと、手元にある資料で申しますと、国の財務書類、それから独立行政法人を連結しました連結財務書類、この差額を独立行政法人の資産というふうに捉えますれば、約百二十兆円、百二十・二兆円となってございます。

原口委員 それは昨日さんざんやったので、ここで止まらないでほしいんです。

 財務大臣、結局、財務諸表というのは、一目見て、日銀の財務諸表みたいにちゃんと分からなきゃいけないんです。やはり不断の改革が必要ですよ。

 そして、では、国債。日本の国債はどうなっているか。

 今、一の資料を御覧になりましたね。CDS、日本のCDSよりいい国はドイツだけですよね。つまり、日本の国債市場というのは、海外IR、これは財務大臣、理財局を褒めてください。すごく世界で国債を売りまくっているんですよ。それで、評判がいい、さすが日本の財務省だと。日本の国債は、ボンドマーケット自体で一千兆を超えるボンドマーケットだから、投資に一番いいんです。だから、通貨ベーシススワップをやって、日本国債を買って、そしてそれを米債に替えて、金利は少ないんだけれども着実にもうけることができる。これは日本の強みなんですよ。

 そこで聞きたいんですけれども、国のバランスシート、これは、内閣府は来ていますね、プライマリーバランスと最初に言い出したのは誰ですか。

阿久澤政府参考人 お答え申し上げます。

 プライマリーバランスの黒字化目標についてでございますが、当時の小泉純一郎内閣の下、二〇〇一年六月二十六日に閣議決定をいたしました今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太二〇〇一で導入されたものでございます。

原口委員 竹中さんなんでしょう。

阿久澤政府参考人 当時の大臣につきましては、経済財政担当大臣は竹中平蔵大臣でございます。

原口委員 だから、誰かと聞いたら、どこでを言わぬでいいのよ。竹中さんなんです。

 大体、片仮名語で言うときは気をつけた方がいいですよ、皆さん。プライマリーバランスとか、それからインボイス。インボイスを日本語で言ってみてください。それから、年金のマクロ経済スライド。何か偉そうじゃないですか、マクロ経済スライド。あれは何かといったら、物価と賃金に比例するんだけれども、物価と賃金でやっちゃうとお金が足りなくなるからスライドさせますよという意味でしょう。日本語で言ったらみんな怒るんですよ。

 では、財務大臣。

 国のバランスシート、プライマリーバランスを黒字化するということは結局どういうことかというと、政府が行う信用創造、これって何ですか。

加藤国務大臣 ちょっと前段はありましたけれども、信用創造のところだけ答えればいいですね。

 委員の御指摘は、政府が国債を発行し、その国債を銀行等が引き受けた上で、政府が国債発行により得た資金により、国内の企業や家計に対して財政支出を行います。その場合には、その取引だけを見れば、財政支出の金額だけ民間預金が増加する、逆に、受けた企業や家計等において。この点をもって信用創造というふうに理解しています。

原口委員 つまり、プライマリーバランスをゼロにするということは、その信用創造機能を落とすということなんですね。ただでさえ、去年は一人当たりのGDPで韓国にも台湾にも抜かれた。ここでも何回も言いましたけれども、消費税は日本弱体化装置だから取ってくれということを言われていたんです。

 四月二日かな、いよいよ、昨日か、消費税は関税障壁だとトランプ大統領が言いました、相互関税が飛んでくるんだろうと思うんですね。

 そこで、皆さんのお手元の四ページを御覧になってください。これは懐かしい数字ですね。金融再生勘定、ここに、固定資産、資産買取り事業資産というので、五千億ぐらい立っているんですね。ちょうど真ん中ぐらいです。これは何かというと、当時あった日債銀とか長銀の今の額なんですよ。とんでもないことをやったんですよ。本当は、長期に投資ができる日債銀、長銀、階代議士もそうですけれども、日本の超優秀な人たちが集まっていた。本来はあの金融機関を最も大事にしなきゃいけなかった。しかし、それを潰してしまったんです。

 財務大臣、もう一回やりませんか。今、世界の経済を見てみると、短期、短期、短期にいっているんですよ。私たち立憲民主党が言っているような公益資本主義を取って、そして長期にいろいろなものを育ててくる。最初は十年で稼いでくださいと言っていた、その十年で稼いでくださいというのが次は五年になった、五年が三年になり、一年になり、三か月でもうけろと、そっちの世界にいっているんですよ。日本はこれだけ資産を持っているので、この逆張りができるんです。

 財務大臣、例えば、私たちの日本経済、復興国債なんというものを出して、それは日本人に買ってもらうんです。

 今、皆さんのお手元の、ちょっと僕、国債をさっき褒めたけれども、五ページを御覧になってください。五ページのTビル。Tビルは百四十二兆九百九十億円あるんですが、これは国債保有の多様化というのをやっている。立派なものですよ。財務大臣、理財局を褒めてあげてくださいね。ところが、このうちの五三・三%が外国人です。相手が日本人である限り我が国は破綻しない。だけれども、外国にどんどんこういうものを持たれていくと、それはやはり財政のアローアンスというのは減っていきますからね。

 ちゃんとコントロールできるということが大事で、例えば、日本経済の復興債を出して、その復興債は相続税はゼロにするとか、日本人に持ってもらうんですよ。そういう考えはございませんか。

 今回石破総理がアメリカへ行かれました。非常に残念でした。アメリカに投資するというのはいっぱいあった。日本の内需を増やすというのはほとんどなかった。日本の周りにある資源を一緒に採掘しましょう、あるいはソブリン・ウェルス・ファンドを一緒にやりましょうと言ってもよかったんじゃないですかね。財務大臣の御所見を伺いたいと思います。

加藤国務大臣 投資が国内に向かっていく、特に、これまでどちらかというと海外に投資が行っているという意味において、国内に対する投資を拡大していく、それはまさに、日本の潜在成長力を高めていくということでも重要であり、投資立国の考えの下、今後成長が期待される分野において、企業の予見可能性を高めつつ、戦略的、重点的な官民連携投資を進め、内外からの投資を引き出し、産業に思い切った投資が行えるように取り組んでいるところで、具体的には、複数年度で計画的に取り組むこととしているAI、半導体分野の投資促進やGX投資促進を官民連携の下で着実に進めることとしております。

 まさに、日本経済が高付加価値創出型経済への移行ができるか、この分岐点である中、国内の投資をしっかり促進をし、投資立国の実現を目指していきたいというふうに考えております。

原口委員 それをトランプさんとやればよかったじゃないですか。何で、日鉄ですね、金は投資していい、だけれども持っちゃいかぬと。共産主義じゃない、ごめんなさいね共産党さん、共産主義じゃないんですからね。

 今AI人材と言われましたけれども、何でインドの人に一人当たり学生三百万円渡すんですか。日本人に渡したらいいじゃないですか。なぜですか。私もICTの担当大臣だったから、インドの方は数学も強いし英語も強い、だからICTは強いですよ。だけれども、AIは強いとは限らないじゃないですか。半導体、あれだけたくさんのお金をやったけれども、今度、TSMC、インテルと向こうでつくるじゃないですか。いろいろな、皆さんがやっているものが、ちんぷんかんぷんだったり的外れだったりするんですよ。

 そんなにお金がないんだったら、ウクライナに出した二・二兆円、今日、外務省来られていますね、あれは、二・二兆円、ゼレンスキー氏によれば、五八%しか自分たちに渡っていない、途中で抜かれているんだと。トランプさんは、ウクライナのレアアースをよこせと、レンドリースローンのカタに。日本も言っていいんじゃないですか、レアアース。外務省、どうですか。

藤井副大臣 ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、力による一方的な現状変更の試みは許されません。

 欧州、大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分であり、我が国は、今日のウクライナは明日の東アジアかもしれないとの強い危機感を持って、自らの問題としてこの問題に取り組んでまいりました。

 レアアースの供与、支援の見返りという御質問がございましたが、このレアアースをめぐるやり取りにつきましては、現在、米、ウクライナ間を含め、国際社会において、ウクライナをめぐり様々な動きがあることは承知はしておりますけれども、そもそも両国間で何かしらの合意が成立したとは承知していないところでございます。

 いずれにいたしましても、ロシアによるウクライナ侵略が、国際秩序の根幹に関わるものであり……(原口委員「同じことを言っているので結構です」と呼ぶ)はい。

 対ロ制裁とウクライナ支援を実施してまいります。

原口委員 この中にも安倍派の方はおられますけれども、安倍さんが御存命だったらそんなこと言いませんよ。ロシアともちゃんと、あっ、日銀総裁、もう結構です、ごめんなさい。

 日本の国益じゃないですか。日本第一でしょう。

 そして、ちょっと、これをやります。

 この間、来年度の新型コロナワクチン接種の助成スキーム、財務大臣はちゃんと説明できるようにさせるとおっしゃいました。

 そこで、厚労省に伺います。

 皆さんのお手元を見てみてください。ちょっとお目汚しですけれども、後ろに僕のがん細胞の。財務大臣は厚労大臣もなさったからよくお分かりだと思います、これは今度論文になります。二年前に採取した僕のがん細胞で、これは何かというと、十一ページ、十二ページですけれども、実験をしました、東京の北里大学研究所で。そこで何が分かったかというと、私はこのNたんぱくがない、ということはコロナにはかかっていない。Sたんぱくが僕のがん細胞に広がっていた、びまん性に。つまり、Sたんぱくによってがんが発症した可能性が極めて高いという実験結果です。これはまだ査読されていません。

 アメリカではもう既に、このコロナワクチンなるものが、ワクチンといっていたけれども違うものだと。だから、HHSの長官になられたロバート・F・ケネディさんは各国にこのワクチン政策を見直すようにということを言っています。

 さて、そこで、何とこれは、前回公取の委員長に来ていただいて、個別の案件じゃないけれども、みんなで価格を引き上げて話し合うことを何というんだと聞きました。一般論ですよ。カルテルとおっしゃいました。

 そこで、厚労省、これは五社ですね。本来、皆さんのお手元の資料にあるとおり、緊急事態で二類のときに、ワクチンは平均三千二百六十円だったんですよ。それが何で一気に八千三百円上がっているんですか、その説明をちゃんとさせてくださいと言ったら、説明できるようにしますと大臣はおっしゃったんですが、さて、五社のワクチン代、厚労副大臣で結構ですから、幾らですか。

仁木副大臣 お答えします。

 まず、公表されているモデルナ社に関しましては一万二千十九円、第一三共は一万一千九百九十円、武田薬品工業社は一万一千九百九十円、そして、MeijiSeikaファルマは一万八百九十円で、ファイザー社は公表不可となっております。

原口委員 おかしいじゃないですか。財務大臣、おかしいじゃないですか。ほとんど価格は同じじゃないですか。そして、定期接種なのに何でこんなに高いんですか。説明できないでしょう。これをカルテルというんじゃないんですか。そして、ファイザーに至っては内規によって公表できないと。国の助成金がこれだけで七千億、八千億なんですよ。だから、私たち立憲民主党は各省の調査チームをつくって、こういう無駄をあぶり出しているわけです。これはよその国はやっていないですよ、このワクチンといっているもの。何で日本はやるんですか。そして、何でこんな、四倍にもなっているんですか。説明つかないでしょう。ファイザー、何で教えないんですか。私は、このワクチンメーカーの方にここに来ていただいて、そして説明をしてもらいたいと思うんですよ。

 実際に、あのときやめていたら亡くならなくて済んだ人がいらっしゃるんじゃないかなと思うんですね。

 もう既に亡くなった方の報告が上がっています、十月一日から。おかしいと思いませんか。これは何千人と亡くなっているともう認定されているのに、何で重大な懸念はないんですか。亡くなっている人がいるのに。それも、一人や二人じゃないですよ。それから、毎日のように、自分は血栓になった、あるいはターボがんになった、そういう報告が上がっていて、だから、トランプさんは今回、ワクチンの義務化をしている学校の連邦資金を止めましたね。そして、義務化を禁止する大統領令に署名をしました。中国武漢の研究所からは内部告発が出ました。

 財務大臣、一回止めたらどうですか、これは。やめたらどうですか。実際に、ほとんど打っていないと。これは何のためにやるんですか。打てば打つほど感染する。打てば打つほど私のような被害者が出る。ここで止めるべきじゃないですか。私は、財務大臣は厚労大臣もなさったし、あるところでは自分は打つもんかとおっしゃった。分かっている方だと思います。是非お考えください。

 それで最後、今の価格を見て、これはカルテルだと思いませんか。最後、お答えください。

加藤国務大臣 まず、私自身はたしか六回接種はしているところでございます。

 これがカルテルかどうかは、私自身それを判断する情報もございませんので、それに対してはコメントを控えさせていただきたいと思います。

原口委員 これで終わりますが、是非関係者を国会に呼んで、そしてつまびらかに説明をしていただきたい、このことを申し上げて質問を終えます。ありがとうございました。

井林委員長 次に、萩原佳君。

萩原委員 日本維新の会、萩原佳でございます。

 昨年の十月、初当選させていただき、今日が財務金融委員会での初めての質疑となります。本当は先週登壇する予定だったんですけれども、コロナに罹患してしまい、アレックス議員に代わっていただきました。本当にありがとうございました。

 選挙区は大阪九区、茨木市、箕面市、豊能町、能勢町でございます。変わらなければ政治じゃないを政治信条に活動を行ってまいりました。

 では、早速ですが、質疑に入らせていただきます。

 皆様御存じのとおり、中小法人の税率については、所得八百万円までが一五%となっており、今国会にてこの期限の二年延長が行われようとしております。中小企業の税率についてですね。賃上げや物価高への対応に迫られている中小企業の状況から判断すると、一定の所得まで税負担の軽減を図るというのは賛成ではあるものの、その軽減所得がそもそも八百万円まででよいのかという疑問が生じます。

 ここでお伺いしますが、なぜ軽減税率適用の所得区分が八百万円までとなっているのか。八百万円の理由と、それに至るまでの軽減税率所得区分変更の歴史、これをお示しください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 軽減税率の適用所得限度額は、昭和四十一年に中小企業のみを対象に三百万円とされました。その後、時々の要請に応じて六百万、七百万、八百万円と見直されてまいりました。

 現在の水準につきましては、昭和五十六年度税制改正におきまして税率を二%引き上げる中で、限度額を当時の七百万円から更に大きく引き上げるべきという声があった一方で、限度額を引き上げますと、税率引上げの目的に反して税負担が軽減される法人がないようにすること、それから、軽減税率のみの適用を受けます所得八百万円以下の法人数は中小法人全体の約九割にも達していることなどを踏まえて設定をされました。

 適用所得限度額の在り方を今後考える際には、引き続き、全中小法人の九割程度の所得は八百万円以下である中、小規模な中小企業法人のみならず所得の高い中小法人にも適用される制度であること、個人形態で営む場合との税負担のバランスを考えなければ経済合理性に反した法人成りを助長するおそれがあることなどを踏まえながら考えていく必要があるというふうに考えております。

萩原委員 ありがとうございます。

 最初が五十九年前で三百万円で、最終改定が行われたのが一九八一年、昭和五十六年の四十一年前だということでした。理由は、その時々の要請であるとか、七百万円、これを、前の改正のものを考慮して、中小企業の九割等々も考えているということでした。

 ただ、昭和五十六年、一九八一年から八百万円ということですけれども、最終改定より四十年超たっております。その間、物価は随分と上昇しています。これだけ物価が上昇している状況におきましては、このまま八百万円の閾値、これを上昇させないと、実質的に増税を行っているのと同じような状況になるんじゃないのかと考えております。

 この点、財務省の資料では、基礎的支出の消費者物価指数が一九九五年から二〇二三年には二〇%上昇していることが挙げられており、四十年で確実に二〇%以上物価が上昇していることを考えれば、八百万円の二〇%増、約一千万円程度まで引き上げた方が、賃上げや物価高への対応に迫られている中小企業の実態に適合するものと考えられますが、加藤大臣の考え、お聞かせください。

加藤国務大臣 まず、今般の税制改正では、極めて所得の高い、具体的には所得が十億円を超える中小企業などについて、適用税率を一七%へと二%引き上げる等の見直しは行っておりますが、お話しの軽減税率の適用所得限度については、今主税局長からも説明がありましたが、適用を受ける中小法人の実態や個人事業主とのバランスといった観点等を踏まえて、今般の税制改正においては見直すことをしないということにさせていただきました。

 中小企業の軽減税率は、リーマン・ショックの際の経済対策として特例で一五%まで引き下げられており、軽減税率の対象や内容については、特例が設けられた経緯等を踏まえ、次の適用期限の到来時となる令和九年度税制改正プロセスにおいて改めて検討することとしております。

萩原委員 令和九年度改正のところで改めて考慮するということですけれども、現在、物価が上がっているような状況です。物価が上がる、固定費が上がっていくと、その分企業の利益のボラティリティーも上がっていくものと考えておりますので、損失が出る額が大きくなる可能性がある一方、利益が出る、所得が出る金額というのも大きくなる傾向があるのかなと思っております。このような状況というところを是非考慮いただきたいなと考えています。

 また、これは少し昔の研究ですけれども、課税所得が閾値以下の企業に対して軽減税率が適用されていたイギリスの法人税法下においては、多くの企業が、課税所得、これを一定操作、操作というか調整して、閾値以下に課税所得を抑える傾向があるというのを示している研究があります。

 この研究、いわゆる百三万円の壁で働くのをやめてしまったりとか、あと、消費税の免税事業者かどうかというところの一千万円のところで企業が売上げを調整するという話はよく聞く話でございますけれども、そこと同じような話がこの所得八百万円というところもあるかと思っておりますので、この八百万円を動かすと、国内企業の所得を増加させるという意味のインセンティブが働くんじゃないのかなというのも、一五%、中小企業の税率とのセットかもしれませんが、是非御検討いただければなと考えております。

 物価がほとんど動いていなかった平成の時代とは、令和の時代、変わってきておりますので、是非、適時適切な改正、令和九年とおっしゃいましたけれども、前倒しの検討も含めて御検討いただければというところを要望させていただいて、次の質問に移ります。

 少し質問は順番を入れ替えさせていただきます。所得の壁、所得税の話ですね。

 先日の質疑で、アレックス委員に、所得税の基礎控除及び給与所得控除の十万円引上げにつき質疑いただきました。給与所得控除に関しては、所得税の規定がそのまま住民税に適用されるので今回質問はいたしませんが、今回お伺いしたいのは、住民税の基礎控除額についてです。

 今回の改正で、所得税の基礎控除額については十万円引き上げられました。所得税の基礎控除は引き上げたけれども、住民税の基礎控除、これは据え置いたままという状況になっており、一円も動かしておりません。

 納税者のうち、所得税率五%の方が約六〇%、一〇%の方と合計すると八二%の方が一〇%以下の所得税率ということを考慮すると、所得税と同様、若しくはそれ以上に手取りへの影響がある住民税の基礎控除額、これを動かさなかった理由、いろいろ何度も御説明いただいているとは思いますが、再度御説明ください。

伊藤(正)政府参考人 お答え申し上げます。

 個人住民税における基礎控除につきましては、昭和三十六年以前においては所得税と同一としてまいりましたが、地方財政への影響等を考慮し、所得税減税による影響を遮断するため、昭和三十七年度から地方税独自に基礎控除額を創設した経緯がございます。

 基礎控除の引上げについて、地方公共団体の長などから個人住民税の減収による地方財源や行政サービスへの影響を懸念する声がある中、仮に基礎控除額を十万円引き上げた場合、地方で五千五百億円程度の減収が生じることとなります。

 このような状況等も踏まえまして、個人住民税においては、できるだけ多くの住民が広く負担を分かち合うという地域社会の会費的な性格や地方税財源への影響等を総合的に考慮し、所得税と同様の措置として給与所得控除の見直し等については対応する一方で、個人住民税の基礎控除額を据え置くこととしております。

萩原委員 ありがとうございます。総合的に考えられて、地方税等への減収にも考慮されたということです。

 ただ、今お答えいただきましたけれども、給与所得控除については、特段、百九十万以下の方にしか影響がないような状況で、さらに、今回は住民税も動かしていないというような状況であれば、百三万円を百二十三万円という言い方をされていますけれども、ほぼほぼまやかしに近い言い方じゃないのかなという気はしております。

 住民税の基礎控除額、これを十万円引き上げるということは、住民税を基本的に一人当たり一万円減額するという意味でもあります。この住民税の控除額の引上げについては、地方への財源措置等を考慮する必要はもちろんあるとは考えておりますけれども、引上げのロジックでいうと、所得税の基礎控除額十万円の場合と同じで、物価動向や政府の予算の不用額の金額、基礎控除引上げの乗数効果的なことを考えれば、十分に対応可能だったんじゃないのかなと感じております。

 現在、今後百三万円の壁をどこまで引き上げるのかという話をする際に、百六万円、百三十万円の壁、そっちの対応の方が重要じゃないのかという話も党としてさせていただいておりますけれども、住民税の基礎控除額、これをどうするのかという点も考慮していただきたいなと。真に国民の皆様の可処分所得、手取りを増やすためにはどうすればいいのかという視点が必要です。

 所得税、社会保険料、そして住民税の三方向を意識した壁対策が必要と考えておりますけれども、加藤大臣の壁引上げへの意気込みというか考え、お示しください。

加藤国務大臣 いわゆる百三万円の壁については、昨年の十二月、自、公、国民民主党三党の幹事長間で十二月十一日に合意した内容の実現に向け、引き続き関係者間で誠実に協議を進めることが確認されており、合意を踏まえた対応について、引き続き政党間で協議が進められていると承知をしておりますので、それをしっかりと踏まえて対応させていただきたいと思います。

萩原委員 三党間のところということですけれども、所得税の壁、これをどれだけ引き上げるのかという話、現在議論されておりますし、今朝の新聞報道では百五十万円超にするなどの記事も躍っておりましたが、このように議論されることは非常にいいことだとは思っております。

 ただ、やはり所得税の壁、これを百五十万円にしましたよ、二百万円にしましたよと、威勢がいいこと、耳触りがいいことを言っていたとしても、住民税の壁や百六万、百三十万円の壁、これをきっちりとクリアしない限りは、国民の皆さんの手取りは増えることはありません。是非、所得税、社会保険料、そして住民税という国民の皆様の手取りに影響を与える三つの要素、これをバランスよく配意を行っていただき、真に皆様の手取りを増やす壁の引上げ、これをお願いしたいなと思っております。何とぞよろしくお願いいたします。

 あと、ちょっと、時間の関係で、自動ダイレクト制度についてお伺いします。

 昨年四月一日より、電子申告と併せてダイレクト納付を行う旨の意思表示を行うことで、各申告手続の法定期限に自動的に口座引き落としを実施する自動ダイレクト制度が始まっております。

 かかる自動ダイレクト制度については、電子申告時にダイレクト納付の手続まで完了するため、利便性が大幅に上がることを意図して設けられた手続であることは理解しております。

 ここでお伺いしますが、この自動ダイレクト制度は現状でどれぐらい利用されており、また、ダイレクト納付の代替手段でもあるとは思いますが、その利用割合はダイレクト納付の何割ぐらいになるのでしょうか。お答えください。

小宮政府参考人 お答え申し上げます。

 自動ダイレクトは、令和六年四月から運用を開始し、令和六年十二月末時点で約七十万件利用されております。同期間におけるダイレクト納付の全体約三百九十万件の二割弱を占めているところでございます。

萩原委員 七十万件と、ダイレクト納付のうち二〇%ということでした。

 ただ、自動ダイレクトは期限内申告に限るとしているため、申告期限の延長をしている場合、申告期限の延長をしているにもかかわらず法定期限内に申告しないと機能しないなど、一定課題がある制度だと考えておりますが、自社が自ら電子申告をしているような場合には非常に有用かなと思っております。

 しかし、税理士の方が代理送信をしているような場合、チェックボックスにチェックを入れ忘れて自動ダイレクトをし忘れるというようなケース、これも考えられると思うんですけれども、このような今まで生じなかった訴訟リスクを懸念する税理士の方の声も一定聞くことがあります。

 これに関連してお聞きしますが、現状、自動ダイレクトのうちどれぐらいが代理送信されているのか、そして、それに合わせて訴訟が起こっているような事態があるのかどうか、お答えください。

小宮政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、代理送信の割合でございますけれども、こちらにつきましては国税庁におきましては数字を把握をしておりません。

 また、訴訟リスクにつきましてですが、通常のダイレクト納付につきましては申告手続の後に別途納付手続を行うという必要がございますが、自動ダイレクトの場合には申告手続時に納付手続をまとめて行うことができるため、通常のダイレクト納付に比べますと納付手続漏れのリスクは少ないものと考えております。

 このため、納付手続漏れによりまして納税者が不納付加算税や延滞税を負担し、税理士が納税者から訴訟を提起されるようなリスクというものは相対的に低いものと考えているところでございます。

萩原委員 時間も来ておりますので端的にお伝えいたしますけれども、そのようなケースは少ないんじゃないのかなと思われているかと思いますが、本当にそうなのかという検証を是非行っていただきたいと考えております。

 昔、電子申告の代理送信が始まったとき、実際、送信し忘れた等々……

井林委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

萩原委員 了解しました。

 というところもありますので、是非検証をお願いして、私からの指摘とします。

 ちょっと時間がオーバーして済みません。ありがとうございました。

井林委員長 次に、岸田光広君。

岸田(光)委員 国民民主党の岸田光広です。

 本日は、質疑の機会をいただき、誠にありがとうございます。

 冒頭、有本恵子さんのお父様の有本明弘さんが先週の十四日に亡くなられました。明弘さんに対し、心よりお悔やみを申し上げたいと思います。嘉代子さんも再会を果たせずに五年前に亡くなられるなど、本当に、本当に無念だったと思います。神戸の街頭で必死に署名を呼びかける姿が脳裏から離れません。

 加藤大臣は、安倍内閣、菅内閣で拉致担当大臣を務められました。拉致被害者、被害者家族に寄り添われ、拉致問題に対し強い思いを持っていらっしゃると思います。石破内閣発足時の写真でも、加藤大臣はブルーリボンバッジをつけて臨まれた数少ない閣僚の一人でもあります。所得税法の質疑と関連しないところでありますが、明弘さんの訃報に際し、是非とも加藤大臣に一言いただけないでしょうか。

加藤国務大臣 有本明弘さんの御逝去、この報に接しまして、心から哀悼の意を表するとともに、御家族の皆さんに心からお悔やみを申し上げたいと思います。

 今お話ありましたように、私も拉致担当大臣は幾度か務めさせていただきました。そういった折にもお会いをさせていただきました。また、昨年の十一月だったですかね、拉致の大会においても、車椅子で神戸からわざわざ出てきていただいて、会話も交わさせていただき、また、トランプ大統領の来られたとき、これはちょっと前ですけれども、有本さんがトランプ大統領に手紙を渡された、そのこともこの間のように思い出しているところでございます。

 まさに、有本さんの御存命中にお嬢さんの有本恵子さんにお会いいただくことができなかった、本当に私自身としても大変申し訳なく思っているところでございます。

 石破総理は、あらゆる方策を講じて拉致問題を解決することは内閣として至上命題であると述べておられます。総理自身の断固たる決意の下、私自身も、今、政府の中の一員として、全ての拉致被害者、有本恵子さんも含めてでありますが、一日も早い帰国に向けて引き続き全力で当たらせていただきたいと思っています。

岸田(光)委員 加藤大臣、本当にありがとうございます。

 それでは、所得税の質疑に移らせていただきます。

 昨年来、多くの中小企業団体の方々とお会いして、直接お話を伺ってまいりました。原材料、電気代、ガソリン代などの費用が高騰し、人手不足が深刻な状況で、なかなか価格転嫁ができず、非常に経営が苦しいとの窮状を伺っております。

 自民、公明、国民民主の幹事長会談で、百三万円の壁について、百七十八万円を目指して二〇二五年から引き上げること、長年続いてきたガソリン税の暫定税率、これは廃止することの二点について合意されましたが、いまだ三党間で協議中であり、暫定税率廃止の実施期間もまだ決まっておりません。

 私は、中小企業や地域住民を応援する地域金融機関である信用金庫業界の出身で、日本経済の発展は、地方と中小企業、小規模事業者の成長、発展、これが不可欠であると考えております。その観点からも、今回の所得税法改正案に、中小企業等経営強化税制の拡充、また中小法人の軽減税率の特例の延長、これが盛り込まれたことは非常によかったと考えております。

 本日は、中小企業の経営強化のための税制の拡充について伺ってまいります。

 まず、お伺いします。今回、これまで多くの中小企業が活用してきた中小企業経営強化税制を拡充するとのことですが、この拡充案がどう中小企業を後押しをして地方創生や活力ある地域経済の実現につながっていくのか、これをお聞きしたいと思います。加藤大臣、よろしくお願いします。

加藤国務大臣 御承知のように、中小企業は、我が国で雇用されている方の七割を抱える大変重要な経済主体であります。その中でも売上高百億円を超えるような中小企業は、輸出や海外展開などにより域外需要を獲得するとともに、域内調達により新たな需要を創出する地域の中核となる存在であることから、こうした企業を育成し、地域経済に好循環を生み出していくことが重要と考えております。

 こうした考えの下、成長意欲の高い中小企業が思い切った設備投資を行うことができるよう、今回、中小企業経営強化税制において、売上高百億円超を目指す企業を対象に、建物を対象設備に追加する拡充等を行った上で、適用期限を二年延長することとしております。

 こうした税制面の対応により、中小企業の前向きな投資を後押しをし、地方創生、また活力ある地域経済の実現を図っていきたいと考えております。

岸田(光)委員 ありがとうございます。

 今、大臣の答弁にも少し触れられていらっしゃいましたが、売上高百億円を目指す中小企業を対象に今回、中小企業等経営強化税制の拡充を行うに当たり、売上高百億円とした根拠、これが何か。また、対象資産に建物を今回追加されましたが、これはなぜか。理由をお答えください。

山本政府参考人 お答えいたします。

 日本経済は、賃上げ率、国内投資共に三十年ぶりの高水準にあり、変化の兆しが見えつつある一方で、多くの中小企業は人手不足や物価高などの経営課題に直面しておりまして、経済の好循環を全国の中小企業に行き渡らせるためには、中小企業全体の稼ぐ力を底上げしていくことが重要であると考えてございます。

 そのため、先ほど大臣からも御答弁がございましたけれども、売上高百億円を超える百億企業につきましては、私どもの分析といたしまして、直接の輸出額や域内での仕入れ高が大きゅうございます。また、他の中小企業と比べて高い賃金水準であるなど、賃上げや国内投資を積極的かつ継続的に行うことで、地域経済に好循環を生み出していくことができる規模の企業であると考えてございます。

 そのため、売上高百億円超を目指すような成長意欲の高い中小企業による設備投資を後押しするべく、令和七年度税制改正において、中小企業経営強化税制を拡充させていただきたいと存じます。その際、高い成長を目指して行う事業規模の拡大におきましては、設備のみならず工場などの建物も含めた投資を行うことが必要と考えられることから、対象資産に建物も加えさせていただいたところでございます。

 引き続き、中小企業の稼ぐ力の強化にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

岸田(光)委員 ありがとうございます。

 昨年の春闘における賃上げ率は、連合の調査によると、全体で五・一%と三十三年ぶりの高い水準となりました。ただ、中小組合においては四・四五%と伸び悩んでおります。また、日本商工会議所さんの調査によれば、中小企業の賃上げ率は三・六二%と、大企業との乖離が大きくなっております。

 拡充策では賃上げ率も要件に入っていますが、この制度も含め、今後どのような施策によって中小企業の賃上げを押し上げていこうとしているのか、お考えをお答えください。

山本政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のとおり、中小企業の多くは、いまだ人手不足や物価高などの課題に直面しておりまして、厳しい経営状況にございます。その結果、今御指摘のような賃上げの水準にとどまっている状況でございまして、賃上げの原資を紡ぎ出していく必要がございます。そのために、稼ぐ力を抜本的に強化することが必要であると考えてございます。

 そのため、今回拡充する中小企業経営強化税制の税制面での対応に加えまして、生産性向上や省力化及び成長投資への予算面での支援や、公正取引委員会と連携した下請法改正などを含む価格転嫁、取引適正化の推進など、中小企業の稼ぐ力を後押しするための様々な施策を展開してまいる所存でございます。

 中小企業庁としては、これらの施策を総動員いたしまして、持続的な賃上げの実現につなげるために全力で取り組んでまいる所存でございます。

岸田(光)委員 次に、DX投資促進税制について伺います。

 この制度ですが、非常に使いづらいと多くの声をいただいています。この制度は今年度で終了すると思いますが、海外売上高要件や審査の期間、これが長いなど、ハードルが高いというお声です。実績は二件しかなかったというふうに聞いています。この結果についてしっかりと検証すべきだと思いますが、この点についてお答えください。

奥家政府参考人 お答え申し上げます。

 DX促進税制が導入されました二〇二一年度、二〇二二年度の二年間においては、DX認定の取得、データ連携や売上高の上昇などを要件として合計四十三計画、五十社の認定実績となっています。一方で、委員から御指摘がございました海外売上高の獲得など一部要件を見直しをした上で延長しました二〇二三年度及び二〇二四年度につきましては、二計画、二社の認定実績となっています。

 活用実績が減ったことにつきましては、要件を見直したことに加えまして、DXの取組が進む中で、その課題がソフトウェアを含む設備の投資、導入資金の不足からDXを担う人材の不足へと中心が移ってきていることも影響しているというふうに考えております。

 独立行政法人情報処理推進機構、IPA、こちらの方でDX動向調査二〇二四というのをまとめておりますけれども、約四分の三の企業がDXに取り組んでいるということで、着実にDXに取り組む企業は増えている。その中で、DXの主な課題は人材不足、DXに取り組むための情報、知識不足となっていることも把握されています。

 今後、引き続きDXを推進していくことが重要であります。DX実現の課題であるデジタル人材育成支援や経営者や企業の意識改革にしっかり取り組んでいきつつ、企業の設備投資を後押しする本税制につきましては今年度をもって廃止することとしております。

岸田(光)委員 せっかく制度をつくっても実際にそれを使いたい方々が利用できないようであれば意味がありませんので、今回の経営強化のための拡充策、こちらの方はしっかりよろしくお願いいたします。

 最後、まとめます。

 冒頭にも申し上げましたが、中小企業、小規模事業者の経営環境は、物価高、人手不足で非常に厳しい状態が続いております。政府は、これまで二〇三〇年代半ばとしていた最低賃金千五百円、こちらの達成目標の方を二〇二〇年代に前倒しをしました。ある経済団体の幹部の方が、最低賃金千五百円を払わない経営者は失格、できない企業は市場から退場した方がよいというような趣旨の発言をされたと報道でお聞きしました。私は、中小企業の経営の実態を全く分かっていないのではないかと思います。現状でさえ、中小企業は、業績が改善をしていない中で、人材不足対策で防衛的賃上げをしている状況です。賃上げの原資は全く確保できていません。

 最低賃金の全国加重平均額千五十五円から千五百円を達成するためには、五年で四二・一%、この引上げが必要となってきます。これを毎年に引き直すと七・三%という急激な引上げが必要です。最低賃金をできるだけ上げていく取組、こちらは大切ですが、マクロ経済、日本経済全体の成長率を見据えての、中小企業が前向きに賃上げできるような現実的かつ丁寧な議論が必要だと私は考えます。

 達成時期を含め、収益改善、生産性向上への投資、税制支援など、多面的な中小企業の支援の検討をお願いいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

井林委員長 この際、本案に対し、階猛君外一名から、立憲民主党・無所属提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。階猛君。

    ―――――――――――――

 所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

階委員 ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 財政民主主義の下、税に関わる制度は主権者たる国民の納得と信頼を広く得られるものでなければなりません。また、社会的な分断を防ぐ見地から、行政運営に必要な財源を調達するための税負担は、負担能力に応じたものでなければなりません。その見地から、今回の政府案を検討した結果、少なくとも以下の修正を行う必要があると考えます。

 第一に、いわゆる防衛増税の必要性につき国民が納得できる説明が十分になされていないため、関連の規定を削除します。

 第二に、ガソリン税等の当分の間税率は課税根拠が合理性を欠き、物価高に苦しむ国民の納得を得られないため、関連する規定を削除して廃止します。なお、地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことがないよう、当該額の減少に伴う地方公共団体の減収を補填する措置を講じます。

 第三に、国民の税制への信頼向上の見地から、企業・団体献金によって租税特別措置がゆがめられていないかを検証可能にするため、いわゆる租特透明化法を改正し、法人税関係の租特ごとの高額適用額に係る法人の名称についても、国会報告事項の対象とします。

 第四に、いわゆる裏金議員が納税を免れていることへの不満から、国民の税務調査への信頼が揺らいでいるため、税務行政の適正を確保するべく国税通則法を改正し、国税庁長官が納税者権利憲章を定める旨を規定します。

 第五に、政府は、この法律の施行後一年以内に、一つとして、いわゆる一億円の壁を是正し、応能負担を求める金融所得課税の累進化等、二つとして、食事手当の非課税限度額の物価上昇に見合う引上げ、三つとして、被災者の負担能力に配慮する災害損失控除の創設、四つとして、税優遇と賃上げの因果関係が不明確な賃上げ促進税制の廃止、五つとして、教育無償化等の財源とするための応分の負担を求める法人税改革、六つとして、円安により購買力が高くなった外国人旅行者の消費税免税制度の見直し、七つとして、給付行政において資産状況が現状考慮されにくいという難点を埋めるための相続税及び贈与税の累進性強化、以上の七つの項目について検討を行い、その結果に基づいて必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとします。

 与党の過半数割れにより、従来のように、事実上、与党内の密室の議論のみで税制が決められる時代は終わりました。熟議と公開の国会の下、よりよい税制をつくり上げるために、我々の提案を反映していただくことを強く求めたいと思います。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

井林委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十五日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会


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