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第1号 令和7年3月7日(金曜日)

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本国会召集日(令和七年一月二十四日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 中村 裕之君

   理事 今枝宗一郎君 理事 小林 茂樹君

   理事 永岡 桂子君 理事 青山 大人君

   理事 亀井亜紀子君 理事 坂本祐之輔君

   理事 美延 映夫君 理事 日野紗里亜君

      遠藤 利明君    小渕 優子君

      木原  稔君    柴山 昌彦君

      鈴木 貴子君    渡海紀三朗君

      萩生田光一君    船田  元君

      古屋 圭司君    松野 博一君

      三谷 英弘君    簗  和生君

      山本 大地君    阿部祐美子君

      安藤じゅん子君    五十嵐えり君

      小山 千帆君   佐々木ナオミ君

      高橋  永君    竹内 千春君

      辻  英之君    波多野 翼君

      眞野  哲君    吉川  元君

      うるま譲司君    高橋 英明君

      前原 誠司君    西岡 義高君

      浮島 智子君    金城 泰邦君

      大石あきこ君

令和七年三月七日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 中村 裕之君

   理事 今枝宗一郎君 理事 小林 茂樹君

   理事 永岡 桂子君 理事 青山 大人君

   理事 亀井亜紀子君 理事 坂本祐之輔君

   理事 高橋 英明君 理事 美延 映夫君

   理事 日野紗里亜君

      遠藤 利明君    小渕 優子君

      木原  稔君    坂本竜太郎君

      柴山 昌彦君    鈴木 貴子君

      渡海紀三朗君    萩生田光一君

      船田  元君    松野 博一君

      三谷 英弘君    簗  和生君

      阿部祐美子君   安藤じゅん子君

      五十嵐えり君    小山 千帆君

      佐々木ナオミ君    高橋  永君

      竹内 千春君    辻  英之君

      波多野 翼君    眞野  哲君

      吉川  元君    うるま譲司君

      前原 誠司君    西岡 義高君

      浮島 智子君    金城 泰邦君

      大石あきこ君

    …………………………………

   文部科学大臣       あべ 俊子君

   文部科学副大臣      武部  新君

   文部科学副大臣      野中  厚君

   文部科学大臣政務官    金城 泰邦君

   文部科学大臣政務官    赤松  健君

   文部科学委員会専門員   藤井  晃君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月七日

 辞任         補欠選任

  山本 大地君     坂本竜太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  坂本竜太郎君     山本 大地君

同日

 理事美延映夫君同日理事辞任につき、その補欠として高橋英明君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十四日

 学校給食法の一部を改正する法律案(城井崇君外十名提出、第二百十六回国会衆法第二五号)

二月十七日

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(守島正君紹介)(第一三号)

 同(稲富修二君紹介)(第六六号)

 同(栗原渉君紹介)(第六七号)

 同(緒方林太郎君紹介)(第七六号)

 同(小沢一郎君紹介)(第八四号)

 同(福田玄君紹介)(第八五号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一一五号)

 学費値下げ、給付奨学金拡充、奨学金の返済免除に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四号)

 同(志位和夫君紹介)(第一五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一六号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一七号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一八号)

 同(田村智子君紹介)(第一九号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第二〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第二一号)

 教職員が教育に専念できる環境整備等を求めることに関する請願(小熊慎司君紹介)(第二二号)

 同(齋藤裕喜君紹介)(第二三号)

 同(金子恵美君紹介)(第三七号)

 同(松木けんこう君紹介)(第六八号)

 教育の無償化を目指して全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(神津たけし君紹介)(第二五号)

 同(福田淳太君紹介)(第二六号)

 高等教育無償化を求めることに関する請願(鎌田さゆり君紹介)(第七二号)

 同(川原田英世君紹介)(第七三号)

 同(志位和夫君紹介)(第七四号)

 同(西川将人君紹介)(第七五号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第八六号)

 同(池田真紀君紹介)(第一四〇号)

 同(神谷裕君紹介)(第一四一号)

 豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(山花郁夫君紹介)(第一一四号)

同月二十八日

 専任・専門・正規の学校司書の配置に関する請願(安藤じゅん子君紹介)(第一四五号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第一四六号)

 同(神津たけし君紹介)(第一六三号)

 同(笠浩史君紹介)(第一八九号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第二五九号)

 同(下条みつ君紹介)(第二六〇号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四七号)

 同(岩田和親君紹介)(第一五八号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第一五九号)

 同(小寺裕雄君紹介)(第一六〇号)

 同(神谷裕君紹介)(第一八七号)

 同(平口洋君紹介)(第一八八号)

 同(岡田華子君紹介)(第一九五号)

 同(近藤和也君紹介)(第一九六号)

 同(葉梨康弘君紹介)(第一九七号)

 同(福島伸享君紹介)(第一九八号)

 同(岡本あき子君紹介)(第二一九号)

 同(鎌田さゆり君紹介)(第二二〇号)

 同(津島淳君紹介)(第二二一号)

 同(中村はやと君紹介)(第二二二号)

 同(升田世喜男君紹介)(第二二三号)

 同(池田真紀君紹介)(第二五四号)

 同(金子恵美君紹介)(第二五五号)

 同(黒岩宇洋君紹介)(第二五六号)

 同(佐原若子君紹介)(第二五七号)

 同(今井雅人君紹介)(第二八一号)

 同(城井崇君紹介)(第二八二号)

 同(中川宏昌君紹介)(第二八三号)

 同(福田昭夫君紹介)(第二八四号)

 同(山井和則君紹介)(第二八五号)

 同(米山隆一君紹介)(第二八六号)

 高等教育無償化を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四八号)

 同(八幡愛君紹介)(第一四九号)

 同(石川香織君紹介)(第一九九号)

 同(道下大樹君紹介)(第二二四号)

 教職員が教育に専念できる環境整備等を求めることに関する請願(神津たけし君紹介)(第一六一号)

 同(森山浩行君紹介)(第一六二号)

 大幅な私学助成増額に関する請願(馬淵澄夫君紹介)(第二〇九号)

 国の責任による二十人学級を展望した少人数学級の前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件の改善に関する請願(黒岩宇洋君紹介)(第二一〇号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第二六一号)

 同(米山隆一君紹介)(第二八七号)

 大軍拡をやめ、子育て・教育予算の大幅な拡充で公共を取り戻すことに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二一一号)

 同(志位和夫君紹介)(第二一二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二一三号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第二一四号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二一五号)

 同(田村智子君紹介)(第二一六号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第二一七号)

 同(本村伸子君紹介)(第二一八号)

 教育の無償化を目指して全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(下条みつ君紹介)(第二五八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

中村委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事美延映夫君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に高橋英明君を指名いたします。

     ――――◇―――――

中村委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 文部科学行政の基本施策に関する事項

 生涯学習に関する事項

 学校教育に関する事項

 科学技術及び学術の振興に関する事項

 科学技術の研究開発に関する事項

 文化芸術、スポーツ及び青少年に関する事項

以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

中村委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 文部科学大臣から所信を聴取いたします。あべ文部科学大臣。

あべ国務大臣 おはようございます。

 第二百十七回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。

 この国の誰もが安心と安全を感じ、自らの夢に挑戦できる楽しい日本、多様な価値観を持つ一人一人が互いに尊重し合い、自己実現を図っていける活力ある国家へ。

 文部科学省が担う教育、科学技術、学術、スポーツ、文化芸術は、人をつくり、夢をつくり、豊かな未来をつくるものであり、楽しい日本の実現に向け必要な取組を前に進めてまいります。

 人づくりこそ国づくり。一人一人が持つ可能性を最大限に引き出す誰一人取り残されない社会の実現を目指し、あらゆる人が最適な教育を受けることができるよう、公教育の再生や一層の充実に全力を挙げてまいります。

 教育は人であり、その要は教師です。優れた教師人材を確保するため、学校における働き方改革の更なる加速化、教師の処遇改善、学校の運営体制の充実など、教師を取り巻く環境整備に向けた改革に全力を挙げます。今国会において関連の法案を提出しています。

 また、中央教育審議会の議論も踏まえながら、専門人材の活用促進も含め、教師の負担軽減と多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成に向けた取組を加速します。

 一方、学校運営の改善に向けて各学校の校長の判断で実行できることはたくさんあります。現場の創意工夫を促進するため、管理職自身のマネジメント能力の向上や支援体制の整備を推進します。

 新たな時代に対応した環境整備も重要です。GIGAスクール構想を着実に推進しつつ、高等学校におけるDX化、AIデジタルを活用した外国語教育、国際交流の推進、自治体を越えた広域教師人材バンクの構築支援や、産業界の伴走支援による実践的な専門高校運営モデルの構築等を関係省庁とも連携しながら推進し、デジタルグローバル人材や地域の経済成長、産業振興を担う人材の育成を抜本的に強化します。その際、学校の通信ネットワークの改善、デジタル教科書の活用やCBTシステムの充実により、児童生徒の学びの充実を進めます。

 グローバル化の進展に伴う戦略的な対応として、日本型教育の海外展開や日本人学校等の機能強化、人的交流、外国人児童生徒等への教育、日本語教育機関認定制度の着実な実施などを推進します。

 また、学校の地域、家庭との連携、協働の深化に向け、全ての学校へのコミュニティースクールの導入加速を図るとともに、社会教育改革を推進します。地方公共団体において、スポーツ基本法に基づく計画等の整備を進める中で、部活動改革も計画的に推進されるよう、文部科学省としても支援してまいります。学校施設についても、自治体の計画に伴走しながら教育環境の向上と老朽化対策を進めてまいります。

 学びの機会を得ることは子供たちの権利であり、誰一人取り残されることのない教育環境の整備は重要です。

 不登校児童生徒数、いじめ重大事態の発生件数は増加を続け、さらに、小中高生の自殺者数が令和六年において五百二十七人と過去最多となる見込みであり、特に女子生徒の自殺者数が増加しています。これは極めて厳しい現実であり、COCOLOプラン等に基づき、関係省庁と連携しながら、より一層の対策を文部科学省として強化します。

 発達障害、医療ケア、心身の健康課題、貧困や虐待等の困難、僻地等居住環境に伴う課題を抱える子供たちやその保護者、夜間中学での学びを必要としている方々など、多様な背景、困難を有する当事者の声を聞き、かけがえのない一人一人が安全、安心に学ぶことのできる学びの場を提供します。

 教師による児童生徒に対する性犯罪、性暴力は決して許されません。教育職員性暴力等防止法等を踏まえた厳正な取組や、生命(いのち)の安全教育を推進します。

 これからの時代にふさわしい学習指導要領の在り方について、より質の高い、深い学びを実現すると同時に、多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程を編成できるよう、中央教育審議会の議論を踏まえながら、検討を進めます。また、幼児期及び幼保小接続期の教育の質的向上を図ります。

 経済的な状況によらず、質の高い教育にアクセスできるよう、幼児教育から高等教育段階まで、教育の質の向上と併せ、教育費の負担軽減を切れ目なく行ってまいります。特に、家計負担の重い大学等の無償化を進めるため、来年度から多子世帯の学生等の授業料等を減免するための法案を今国会に提出しています。

 また、今般取りまとめられた教育無償化等に関する自民党、公明党、日本維新の会の三党間での合意等を踏まえ、特にいわゆる高校無償化に係る対応については、来年度の先行措置を着実に実施するとともに、令和八年度からの具体的な制度設計の検討等を進め、その実現に向けて取り組んでまいります。いわゆる給食無償化については、まずは小学校を念頭に、地方の実情等を踏まえ、令和八年度に実現した上で、中学校への拡大についても、できる限り速やかに実現するとされた三党間での合意等を踏まえ、適切に対応してまいります。

 高等教育機関は、我が国を担う地域や産業を支える人材の育成、人類の知的資産の継承と創造の基盤であり、社会の発展や文化の創造、世界が直面する課題の解決に貢献する使命があります。

 この使命が果たされるよう、成長分野を牽引する高度専門人材の育成に向け、現在、大学数の一割を占める国立大学を含む学部再編等の改革を支援するとともに、地域社会や産業界と連携した教育プログラムの充実、社会人の学び直しのため通信技術の活用や夜間、週末を含む教育の充実、留学モビリティーの拡大及び大学の国際化を促進します。基盤的経費を十分に確保し、各大学の強みや特色に応じた機能強化に向けて、教育、研究及び経営に関する指標も活用しつつ、めり張りある支援を行うとともに、産業界との一層の連携、伴走に向けて、国立高等専門学校機構の機能強化等を通じた高等専門学校の高度化を図ります。また、地域の医療人材の育成を担う大学病院について、厚生労働省の地域医療構想の取組とも連携し、大学病院改革と地域の診療を担う総合診療医育成に対する支援の検討に取り組みます。サイバーセキュリティーを含むデジタル人材の育成についても関係省庁と連携して取り組んでまいります。

 国立大学については、法人化から二十年が経過し、時代の転換を踏まえ、必要な機能強化が図られるよう検討を進めます。また、学校法人のガバナンス改革を進めるとともに、私立学校の振興に取り組みます。

 そして、国公私立問わず、高等教育全体の規模の適正化に向け、再編なども視野に入れつつ、地域における質の高い高等教育へのアクセス確保や寄附講座等の更なる活用も含めた産業界に必要となる人材育成について、中央教育審議会での議論を踏まえつつ、必要な対応を行います。あわせて、地域の核となる地方大学等の振興を強力に推進します。

 科学技術は、人類の知的好奇心に立脚する営みであり、社会課題解決や経済成長の原動力の源泉です。国民に夢と希望を与え、生活を豊かにする科学技術立国を実現します。

 我が国の研究力の向上に向け、基盤的経費に加え、科研費などの競争的研究費による支援を行います。さらに、競争的研究費のDX等を通じた手続等の改善、研究設備、機器の共用促進、また、設備メンテナンスや効果的な研究支援を行う研究開発マネジメント人材、技術職員の確保や、その能力を評価し、処遇に適切に反映する新たな仕組みの導入により、研究の生産性の向上を図ります。それにより、研究者の負担を軽減し、独創的な研究に専念できる環境づくりや若手研究者の独立的活躍を推進します。初の国際卓越研究大学に認定された東北大学へ大学ファンドによる支援を開始し、第二期公募における選定も着実に進めます。加えて、地域中核、特色ある研究大学への支援や国際的に魅力ある拠点の整備、大学病院等における医学系研究力の強化等を通じ、我が国全体の研究力の向上を図ります。

 研究成果を社会実装するため、共同研究講座等の更なる促進を含む産学連携拠点の形成やスタートアップの創出、育成の強化、アントレプレナーシップ教育の充実、論文等のオープンアクセス化等を通じて、イノベーションエコシステムを強化します。

 科学技術イノベーションの基盤は人材です。優れた研究者を始めとする科学技術人材の育成、確保について研究者を支援する体制構築も含め推進します。大学や研究機関、産業界とも協力し、博士人材が社会の多様な場面で活躍できるよう幅広い取組を進めます。

 世界最先端の研究に対し、大胆に投資してまいります。生成AIの研究開発や次世代AI人材育成を強化するとともに、マテリアル、ライフサイエンス、量子技術、フュージョンエネルギー等の国家戦略を踏まえた重要分野の研究開発推進とそれを支える人材の育成を戦略的に進めます。

 宇宙分野は、フロンティア研究、新産業創出や安全保障の観点からも重要です。日本人初月面着陸を目指すアルテミス計画における有人与圧ローバー等の研究開発を行い、宇宙戦略基金を通じて、民間企業、大学等による先端技術開発、実証、商業化を支援します。

 放射光施設ナノテラスの機能強化、SPring8の高度化、スーパーコンピューター「富岳」の次世代フラッグシップシステムの開発整備等の先端大型研究施設の整備、共用を進めるとともに、先進国、ASEAN、インド等の国際頭脳循環について、環境整備を含め、進めます。北極域研究船「みらい2」の建造を含む海洋・極域に関する研究開発を推進します。

 革新的なGX技術等に関する研究開発、ITER計画、BA活動等の推進、高速実験炉常陽の運転再開や高温ガス炉を含む原子力科学技術に関する研究開発、「もんじゅ」等の安全、着実かつ計画的な廃止措置等について世界をリードする人材育成により推進します。科学技術分野における経済安全保障に資する取組を関係府省と連携しながら進めます。

 スポーツは、国民の人生を豊かにし、地域や社会を変え、未来をつくる力があります。第三期スポーツ基本計画に基づく施策を推進し、スポーツ立国の実現を目指します。

 日本で開催される世界陸上やデフリンピック等の国際大会に向けた機運醸成を図るとともに、ミラノ・コルティナ二〇二六大会等を見据えた国際競技力の向上、ドーピング防止活動やスポーツ団体ガバナンスの強化等を通じたスポーツインテグリティーの確保を進めます。

 スポーツを通じた地域、経済の活性化、健康増進、共生社会の実現に取り組むとともに、eスポーツを活用したスポーツの振興、アスリートのキャリア形成支援、学校体育の充実や地域における子供たちのスポーツ環境整備に取り組みます。

 文化芸術は、それぞれの地域において育まれ、人々の創造性を育み、生活を豊かにしてきました。文化芸術推進基本計画に基づき、文化庁の京都移転を契機とした地方創生の推進など、文化芸術と経済の好循環を加速し、文化芸術立国を実現します。

 全国各地には、長きにわたり継承されてきた豊かな文化財が存在します。文化財の匠プロジェクト、文化財の強靱化や活用を進めるとともに、日本遺産等地域の文化資源、日本博二・〇、食文化等の生活文化振興等を通じた文化観光の推進と地域文化の振興に取り組みます。

 先般、飛鳥・藤原の宮都を世界文化遺産へ推薦いたしました。今後も、日本が誇る文化を、世界文化遺産やユネスコ無形文化遺産として位置づけることができるよう、取り組んでまいります。

 コンテンツ産業は、鉄鋼産業等に匹敵する我が国の基幹産業です。政府目標の二〇三三年までに海外売上高を二十兆円とすることを目指し、次代を担うクリエーターやキュレーター等について、経済産業省と連携し、基金を活用して育成します。我が国の文化芸術の顔である国立劇場は、国が責任を持って早急に再整備を進め、また、メディア芸術ナショナルセンターの機能を有する拠点整備を推進します。あわせて、デジタル技術の活用や芸術家等と団体の活動基盤の強化、グローバル展開を推進するとともに、DX時代の著作権施策、文字、活字文化の振興、子供たちの文化芸術体験の機会充実を進めます。

 旧統一教会の解散命令請求に係る裁判の審理等に万全を期すとともに、特定不法行為等被害者特例法の円滑な執行や被害者の救済に最大限努力します。また、不活動宗教法人対策を徹底してまいります。

 能登半島地震から一年、東日本大震災から十四年、阪神・淡路大震災から三十年になります。私たちはこれらの災害を決して忘れません。文部科学省としても、被災者に寄り添い、心のケアや学校再開支援、文化財の復旧、原子力損害賠償等の取組とともに、創造的復興に向けた取組を全力で支援します。

 避難所ともなる体育館の空調整備について、地域の実情に応じた柔軟な支援により、そのペースを加速するなど、学校施設の防災機能強化を図るとともに、災害時に、子供たちの学びを止めないよう、被災地学び支援派遣等枠組み、D―ESTの充実を図ります。あわせて、火山調査研究推進本部における調査研究や南海トラフ海底地震津波観測網の整備、運用など、地震・火山・防災分野の研究開発や人材育成を文部科学省が主導して推進し、世界一安全な国を目指してまいります。

 令和の日本列島改造としての地方創生二・〇。この実行に向け、産業界の伴走支援を受けながら、専門高校、高等専門学校、大学等を中核とする産官学による地方創生の取組の推進、地方における科学技術イノベーションの推進を図り、人材育成とスタートアップ支援等を通じた雇用創出を地域産業界とともに行ってまいります。こうした取組を通じ、国内投資を促進するとともに、文化芸術やスポーツの振興も含むあらゆる政策を通じ、地方イノベーション創生の力により各地域の可能性を皆様お一人お一人とともに最大限引き出してまいります。

 今後も現場に足を運び、様々な声に耳を傾けながら、誰一人取り残されることなく、自分らしさを十分に育み、幸せを実感できる社会へ、そして、今日より明日はよくなると未来への希望を実感できる社会へ、必要とされる政策を皆様と御一緒に一つ一つ実行してまいります。引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

中村委員長 次に、令和七年度文部科学省関係予算の概要について説明を聴取いたします。武部文部科学副大臣。

武部副大臣 最初に、令和七年度文部科学省関係予算の政府案につきまして、概要を説明申し上げます。

 令和七年度予算においては、一般会計五兆四千二十九億円、エネルギー対策特別会計千八十四億円などとなっております。

 第一に、質の高い公教育の再生として、教職調整額の改善や学級担任への手当の充実、小学校教科担任制の拡充、三十五人学級の計画的な整備等の推進や学校における支援スタッフの充実、教師人材の確保強化を図ります。

 また、GIGAスクール構想の推進や学校DXの加速化、部活動の地域連携や地域クラブ活動移行等に取り組みます。

 第二に、学校施設の整備については、教育環境の向上と老朽化対策の一体的整備やキャンパスの共創拠点化、防災機能強化等を進めます。

 第三に、高等教育については、基盤的経費の十分な確保や重点配分の徹底、高専の高度化、国際化、グローバル人材や高度専門人材の育成等を推進します。

 第四に、学びの機会の保障として、不登校、いじめ対策等の推進や特別支援教育等の充実、在外教育施設の機能強化、各教育段階の負担軽減による学びのセーフティーネットを構築します。

 第五に、スポーツ立国の実現を目指し、地域スポーツ環境の総合的な整備充実、持続可能な競技力向上体制の確立、スポーツによる地方創生等に取り組みます。

 第六に、文化芸術立国の実現を目指し、地方創生の源泉である文化財の強靱化、文化芸術の創造活動やグローバル展開、クリエーターや創造性豊かな子供の育成支援、文化芸術基盤の機能強化等を推進します。

 第七に、我が国の抜本的な研究力向上のため、若手研究者の支援や研究開発マネジメント体制の整備、科研費などによる学術・基礎研究の推進、国際連携の強化に取り組むほか、イノベーションの創出に向け、大学発スタートアップの支援、世界最高水準の大型研究施設の整備等を推進します。

 第八に、AI、量子、マテリアル、健康・医療等の重点分野や、課題解決型である、宇宙、海洋、地震・火山・防災、GX技術、フュージョンエネルギー、原子力等の各分野の研究開発を推進します。

 政府といたしましては、以上を内容とする予算案を提出いたしましたが、衆議院において、いわゆる高校無償化について、先行措置として、全世帯を対象とする支援金の支給の収入要件を事実上撤廃するなど、千六十四億円の増額修正がなされたところです。

 以上となります。

 具体的な内容の説明は、資料をお配りしておりますので、省略させていただきます。

中村委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、来る十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時二十四分散会


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