衆議院

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第2号 令和8年3月4日(水曜日)

会議録本文へ
令和八年三月四日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 斎藤 洋明君

   理事 青山 周平君 理事 尾身 朝子君

   理事 岸 信千世君 理事 永岡 桂子君

   理事 深澤 陽一君 理事 浮島 智子君

   理事 村上 智信君 理事 西岡 義高君

      あべ 俊子君    石田 真敏君

      井原  隆君    内山 こう君

      黒崎 祐一君    下村 博文君

      田中 昌史君    辻  秀樹君

      辻 由布子君    渡海紀三朗君

      新田 章文君    丹羽 秀樹君

      福田かおる君    藤沢 忠盛君

      船田  元君    宮内 秀樹君

      盛山 正仁君    山下史守朗君

      山本 左近君    山本 大地君

      吉村  悠君    泉  健太君

      菊田真紀子君    山崎 正恭君

      市村浩一郎君    喜多 義典君

      河井 昭成君    渡辺 藍理君

      河合 道雄君

    …………………………………

   文部科学大臣       松本 洋平君

   内閣府副大臣       津島  淳君

   財務副大臣        舞立 昇治君

   文部科学大臣政務官    福田かおる君

   厚生労働大臣政務官    神谷 政幸君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            川上 大輔君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          水田  功君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房長) 茂里  毅君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長)   蝦名 喜之君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          塩見みづ枝君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            合田 哲雄君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       西條 正明君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局長)            淵上  孝君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            坂本 修一君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    浅野 敦行君

   政府参考人

   (文化庁次長)      日向 信和君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           伊澤 知法君

   政府参考人

   (海上保安庁総務部参事官)            高橋  徹君

   文部科学委員会専門員   津田樹見宗君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月四日

 辞任         補欠選任

  石田 真敏君     吉村  悠君

  宮内 秀樹君     山本 左近君

  山本 大地君     新田 章文君

同日

 辞任         補欠選任

  新田 章文君     山本 大地君

  山本 左近君     宮内 秀樹君

  吉村  悠君     石田 真敏君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

斎藤委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官川上大輔君、こども家庭庁長官官房審議官水田功君、文部科学省大臣官房長茂里毅君、大臣官房学習基盤審議官堀野晶三君、大臣官房文教施設企画・防災部長蝦名喜之君、総合教育政策局長塩見みづ枝君、初等中等教育局長望月禎君、高等教育局長合田哲雄君、科学技術・学術政策局長西條正明君、研究振興局長淵上孝君、研究開発局長坂本修一君、スポーツ庁次長浅野敦行君、文化庁次長日向信和君、厚生労働省大臣官房審議官伊澤知法君、海上保安庁総務部参事官高橋徹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

斎藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山本左近君。

山本(左)委員 おはようございます。自由民主党の山本左近です。

 この度、二期目の国会に送り出していただきました国民の皆様に心から感謝を申し上げます。また、文部科学委員会にて大臣所信に対する質疑の機会をいただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 一つ目は、高校無償化についてです。

 令和八年度から予定されている高校無償化においてですけれども、生徒たちにとっては、選択肢が広がり、そして教育機会の幅が広がる一方で、公立高校離れが加速するのではないかとの指摘もあります。公立高校の衰退や公立高校離れにつながることも懸念されていて、今年度の受験においても公立高校志望者が減少したとの報道もあり、高校無償化の影響があるのではないかとの声も聞こえてきます。

 今後、受験者数及び志望動向について、文部科学省としてしっかりとモニタリングして対応していくべきと考えますが、文部科学省、いかがでしょうか。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論として申し上げれば、私立高校の授業料に対する支援を拡充し、私立高校への進学を希望する生徒が増加した場合には、公立高校への進学者数が減少する可能性があるなど、公立高校への一定の影響があるものと考えてございます。

 現在、三月のこの時点でございますので、都道府県の方で入学者の状況は確たることはございませんけれども、現時点で文部科学省が把握しております幾つかの都道府県の進路希望調査を見てみますと、公立高校を希望する生徒の割合が減少しているところもあると承知してございます。また、各地方団体の方からは、やはり公立高校への影響は生じるという懸念も示されているところでございます。

 高校就学支援金法の改正法案を国会に提出をさせていただいているところでございますけれども、御審議を経てこの制度改正が仮にお認めいただけた場合には、公立、私立の志願の状況、そして入学状況等につきましても十分に注視をして勘案しながら、三年以内の期間に十分な検証を行いまして対応してまいりたいと考えているところでございます。

山本(左)委員 ありがとうございます。

 高校無償化の影響について、今御答弁をいただきました。

 少なくとも、この制度導入後の実態を丁寧そして客観的にしっかり把握していただき、必要な対応を迅速かつ的確に講じていただきたいと改めて思います。

 二つ目は、公立高校へのまさに支援の拡充についてです。

 高校無償化に伴い私立高校との競争環境が変化するというのは、先ほどの答弁の中でもありました。公立高校というのは、多様で魅力ある教育を提供し、幅広い生徒を受け入れる、地域の重要な受皿としての役割を担うべきであると考えています。また、地域の特性に応じた人材を育成するという公立高校本来の役割を確実に果たしていく必要があります。

 例えば、今日資料としてつけさせていただきました資料一、今年二月の中日新聞の記事です。県立豊橋工科高校二年の牧野さんは、小中学生の頃は不登校の経験があったものの、心機一転、自身の物づくりへの関心を生かせる同校定時制を選択されました。夜間授業の後も機械工作部の活動に熱心に取り組み、昨年十一月には、開催された高校エコカーレースで、自ら製作したエコカーのドライバーも務め、見事準優勝に輝いています。記事では、物づくりの技術を生かせる仕事に就きたいと新たな目標に向かって歩み始めている様子が紹介されています。

 この牧野さんの例が示すように、全ての生徒はそれぞれの未来に向けた多様な可能性を秘めています。未来の日本を支える人材育成は、我が国の社会の中心に据えるべき最重要政策の一つです。特に、令和五年度の高校進学率が九八・七%と、ほとんどの生徒が高校へ進学する現状を踏まえれば、高校教育における機会均等の確保と生徒の多様な学習ニーズに応える柔軟で質の高い学びの実現が極めて重要です。

 二〇四〇年に向けて高校教育改革に関するグランドデザイン二〇四〇が示される中、公立高校については、全国どこにいても多様で質の高い学びを保障し、生徒一人一人の可能性を最大限に伸ばす体制整備が求められます。そのためには、教育の充実や施設整備の高度化を進め、いわゆるネクストハイスクール構想の中核として、公立高校への支援を一層拡充していく必要があります。あわせて、多様な生徒を受け入れる幅広い受皿としての高校教育改革を着実に推進すべきと考えますが、文部科学省としての今後の取組について、松本大臣の御所見を伺います。

松本(洋)国務大臣 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりで、今回、高校無償化の進展に伴いまして、高校の教育環境というのは大きく変化をすることが予想されるところでもあります。

 その中で、三党協議でも議論として出ていたところでありますけれども、高校無償化に加えまして、学費に加えて様々な学用品などを支援をする奨学給付金の拡充でありますとか、また同時に、いわゆる教育の質の向上というものを図っていくことが、とりわけ公立に対する、こうした取組というものを進めていかなければいけないということが、私的に言うと三つの柱のような形で三党協議での提言がまとめられ、それに基づいて様々な施策というものを、令和七年度の補正予算そして令和八年度の当初予算という形で御審議をお願いをしているところであります。

 公立高校でありますけれども、高校教育の普及や機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在であると考えております。

 こうしたことからも、文部科学省では、公立高校を対象に令和七年度補正予算に計上いたしました高校教育改革促進基金などを通じまして、改革に伴う施設整備に対する支援など先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出に取り組むこととしているところであります。

 また、先般公表いたしました高校改革のグランドデザインに基づきまして、今後、各地域の実情を十分に踏まえながら、各都道府県において策定される高校改革の実行計画において、先導拠点の取組も含めて域内の高校改革を広く進めていくための方針が定められることになっております。

 加えて、安定財源を確保した上での交付金の新たな財政支援の仕組み、また、学校の指導、運営体制の充実について必要な検討を行っていくほか、地域の実情に応じて高校改革の取組を進められるよう創設される高等学校教育改革等推進事業債の活用も期待されるところでありまして、こうしたことを通じて、多様な生徒たちの受皿となっている公立高校の魅力を今後一層高めてまいりたいと考えているところであります。

 ポイントになるのは、各都道府県を始めとしたそれぞれの地域の皆さんが一緒になって考えていただくということだと思っております。御紹介いただきました新聞記事、やはりトヨタがあって工業の盛んな地元だからこそこういうお話なんだろうと思っておりますし、一方で、例えば農業であったり水産業であったり、様々なそれぞれの地域が置かれている状況、また特色というものがあるというふうに考えているところでもありまして、こうした各都道府県の取組に伴走しながら、文部科学省としてもしっかり支援をすることができるように引き続き取り組んでまいりたいと存じます。

山本(左)委員 松本大臣、ありがとうございます。

 まさに地域の特色それぞれに応じた形で文部科学省が伴走し、そして力強く御支援いただくことを御答弁いただきまして、どうもありがとうございます。

 それでは、三つ目の質問に移ります。STEAM教育です。

 我が国の子供たちは、国際的に見ても非常に高い理数系リテラシーを有しています。例えば、日本の十五歳の数学的リテラシー及び科学的リテラシーはいずれも世界トップ水準に位置していますが、一方で、進学、進路選択の段階で理工系分野への志向が相対的に低下する、いわゆる理系離れの傾向が指摘されています。こうした状況を防ぐために、STEAM教育の一層の強化に加えて、学びを実社会と結びつける実践の場の提供が不可欠です。

 私は、元F1ドライバーとして、エンジニアリングや科学技術イノベーションの世界に身を置いてきました。そこでは常に、どうやったらコンマ一秒速く走れるのか、どうしたら壊れないのかというトライ・アンド・エラー、いわゆる探求の連続が日常でした。

 そこで提案をさせていただきたいのが、モータースポーツ現場の教育活用です。

 資料二のとおり、例えば電気自動車レースのフォーミュラEに高校生の生徒さんらを招待したガレージツアーなどの機会もありました。エネルギーマネジメントや空力制御、データ解析、チーム戦略など、全てが生きた教材です。現場に立つと子供たちの目の色が一瞬で変わります。経験から強く感じるのは、子供たちは本来探求する力を持っているということです。今求められているのは、その芽を伸ばす、まさにSTEAM教育の強化です。

 STEAM教育とは、科学、技術、工学、数学のSTEMに芸術のAを加えた文理横断的教育です。速い車は美しいと実は表現をされるこのモータースポーツの世界は、まさにSTEAM教育の集約体です。

 今、モータースポーツを活用した事例を挙げましたが、JAXAやJAMSTECなどは、その他の先端の技術を学ぶことができる現場である、工学、データサイエンス、物づくりなど、体験的に、わくわくしながら学ぶことのできる貴重な教育資源でありまして、生徒の関心や意欲を高める有効な手法の一つと考えます。

 今後、都道府県が高等学校教育改革実行計画などの策定を着実に実行できるよう安定的な財源を確保するとともに、地域人材育成の中核となる高校を支援し、高校生の文理融合の学び、探求的、実践的な学びを文部科学省として積極的に後押しすべきと考えますが、松本大臣、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 今御指摘をいただいたとおり、高校生が理系分野から離れてしまう状況、これを改善をいたしまして、文理双方の素養を育むためのSTEAM教育の充実や、実社会につながる生きた授業の実践を進めることは大変重要であると考えているところであります。

 さすがF1ドライバー出身ということで挙げていただいたところでありますけれども、モータースポーツに対する理解を深めるということは、物づくりへの関心を高めることにもつながる、寄与するものと思っております。

 関係団体におきましては、工業高校生などを対象に、ピットの見学、また、レース関係者からの説明を行うなど、ピットツアーを実施していただいていると承知をしております。結構ありまして、令和七年度はフォーミュラE、スーパーフォーミュラ、鈴鹿八時間耐久ロードレース、MotoGP日本グランプリ、スーパーGTにおいて実施をされたというふうに承知をしているところであります。

 また、JAXAにおきましては、全国の学校と連携をした授業づくりや教員向けの研修、宇宙飛行士による講演など、様々な学習機会の提供に取り組んでおりまして、こうした先端技術の現場を教育資源として活用することも有効な取組の一つであると考えているところであります。

 先ほど来お話をさせていただいておりますとおり、国といたしましては、グランドデザインを策定、公表をいたしまして、現在、これに伴いまして、各都道府県におきまして高校改革の実施計画を策定していただいているところであります。

 こうした計画の中で、これもやはりそれぞれの地域地域において特性や強みというものがあろうかと思いますので、そういうものをしっかりと教育の現場に持っていくことによりまして、このSTEAM教育というものの充実にも資するようにしていただきたいと思いますし、我々といたしましても、この探求的、実践的な学びの充実に向けて必要な取組を進めてまいりたいと存じます。

山本(左)委員 大臣、ありがとうございます。大臣の口から様々なレースの名前まで出していただいて、本当にうれしく思います。

 また、レースは走る実験室だと本田宗一郎さんはおっしゃいました。まさにイノベーションを生み出す現場なんです。そして、そのイノベーションを支えるのは、言うまでもなく基礎研究であります。基礎研究の力を向上させるためには、国が整備する最先端の研究施設も重要な役割を果たしています。

 二〇二五年にノーベル化学賞を受賞された北川進博士の研究成果を始め、SPring8と呼ばれる大型放射光施設が活用されています。そして、私たちの生活に直結するような成果をたくさん出しております。

 日本が科学技術立国として存在感を保ち続けるためには、大型放射光施設SPring8のような大型研究施設の高度化、活用について取り組んでいくことが私たちの生活の豊かさや経済安全保障の面においても重要だと思っておりますけれども、その辺り、しっかり取り組んでいただきたいと思いますが、文部科学省、いかがでしょうか。

西條政府参考人 お答えいたします。

 大型放射光施設SPring8につきましては、共用促進法に基づきまして、特定先端大型研究施設として、先ほどお話しいただきました北川博士のノーベル賞受賞に貢献するなど、これまでも多くの成果を輩出してまいりました。

 一方で、共用開始から二十五年以上が経過いたしまして、施設の老朽化のほか、諸外国の放射光施設の高度化が進む中で、性能の面でも後れを取りつつあるのも事実でございます。

 そのため、山本先生が文部科学大臣政務官在任中に座長を務めていただきましたタスクフォースにおける報告書を踏まえまして、次世代半導体やGX社会の実現など、産業、社会の大きな転換に貢献すべく、現行の約百倍の最高輝度を誇る世界最高水準の性能を目指し、現在、SPring8の高度化に取り組んでいるところでございます。

 また、文部科学省といたしましては、大型研究施設から創出される成果の最大化に向けまして、先ほどのSPring8の高度化のほか、スーパーコンピューター「富岳」の次世代機の開発、整備、ナノテラスやJ―PARCの機能強化を推進するとともに、新たに先端研究基盤刷新事業、EPOCHを創出いたしまして、全国の研究大学等における先端的な研究施設、機器の整備、共用、高度化を推進することとしております。

 これらを通じまして、来年度から始まる第七期科学技術・イノベーション基本計画中に我が国の研究基盤を刷新し、若手を含めた全国の研究者が挑戦できる魅力的な研究環境を実現してまいります。

山本(左)委員 ありがとうございます。

 今、SPring8の高度化について、世界最高峰の性能を目指す、百倍の明るさを目指すという話がありましたが、これは二位に対しても倍以上の明るさになりますので、圧倒的な一位を目指すんだ、その意気込みで頑張っていただきたいというふうに思います。

 そして、今年、実は、愛知県、名古屋でアジア競技大会、アジアパラ競技大会が開催されます。中でもアジアパラ競技大会は、共生社会や多様性理解を体感的に学べる重要な教育機会です。

 私自身、二〇一六年、リオのパラリンピックを見させていただいたときに非常に感動したことを今でも覚えています。だからこそ、今回のアジアパラ競技大会では多くの子供たちが学校教育の一環としても観戦できる環境を積極的につくっていくべきと考えています。

 自治体においても、生徒たちに見てもらいたいと思うものの、物理的に、バスがなかなか手配できないなどの実情も聞こえてきています。一人でも多くの生徒さんらに見ていただいて、体験して体感していただくための移動費や引率体制など、自治体の課題に対しても財政支援を含む調整をお願いしたいと考えますが、いかがでしょうか。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 本年十月に愛知・名古屋で開催されるアジアパラ競技大会は、日本で初めて開催される大会であり、委員御指摘のように、障害者への理解促進や共生社会の実現に大きく寄与する意義を有するものと考えております。

 また、二〇二一年の東京パラリンピック競技大会は無観客開催となりましたが、今回は有観客で実施される予定でございます。選手の活躍を実際に観戦することは子供たちにとって極めて教育的意義が高いものと認識しております。

 本大会につきましては、さきの臨時国会におきまして特別措置法が議員立法により成立し、政府としても、令和七年度補正予算におきまして、同大会の開催支援のための経費として総額百三十六億円を措置したところでございます。その中では、国が行う全国的な機運醸成や、開催地が行う地域活性化の取組を行うこととしており、議員御指摘の学校観戦もこれに含まれております。

 スポーツ庁としては、引き続き、大会の成功に向けて必要な支援、協力を行ってまいりたいと思います。

山本(左)委員 ありがとうございます。適切に引き続き支援もよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、最後の質問になります。コンテンツ産業についてです。

 自動車産業に次ぐ第二位の規模を有し、我が国の基幹産業の一つであります。また、日本への憧れや、日本の魅力を世界に発信できるという点で、外交面においても重要なソフトパワーの役割を担っています。現在、総理肝煎りの日本の成長戦略本部において掲げられている十七の戦略分野の一つについてもコンテンツ産業が位置づけられています。

 しかし、日本では、公の場で音楽が利用された場合、著作権者である作詞家、作曲家には対価の支払いが必要である一方、アーティスト等の実演家やレコード制作者に対しては対価を支払う必要がない制度となっています。楽曲は演奏者によって価値や表現が大きく変わるものであり、レコード演奏・伝達権は極めて重要な権利です。さらに、国内で当該権利が認められていないため、相互主義の原則に基づき、レコード演奏・伝達権が導入されている海外において日本の楽曲が使用された場合でも、当該国から日本への対価が支払われない状況となっています。

 つまり、海外展開の強化を掲げながらも、海外でアーティストが収益を得るための法的基盤が十分に整備されているとは言い難いのではないでしょうか。

 国際的な収益機会を確保する観点から、このレコード演奏・伝達権の法制化について早期検討し実現すべきと、その考えを申し上げて、私の質問時間が終わりましたので、これにて質問を終わらせていただきたいと思います。

 本日は誠にありがとうございました。

斎藤委員長 次に、新田章文君。

新田委員 皆さん、おはようございます。

 私は、自由民主党の新田章文でございます。先般の衆議院選挙で初当選をさせていただきました。

 委員長始め委員の皆様、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。今回の選挙に出るまで、菅義偉先生の秘書を務めておりました。また、一児の父でもあります。しっかりと皆様の御指導をいただきながら、未来を担う子供たち、そして日本の未来の希望をつくるために、精いっぱい汗をかいてまいりたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、大臣所信に対して質問をさせていただきます。大臣、よろしくお願いいたします。

 大臣の所信にもあるとおり、人口減少、少子高齢、多様化する社会の中で、人への投資の好循環、これを実現することが私も重要と考えます。

 高市総理も施政方針演説で、強い経済を実現する、そのために、誰もが挑戦できる日本をつくる、人材力を強化する、それによって国力を高め、日本の未来への希望をつくっていく、こう述べられております。そのためには、まさに国力の礎である教育の充実を図っていく、これは高市政権の目指す国づくりの根底でもあると思います。

 大臣所信の中で、公教育の再生に全力を挙げるという言葉がございました。まさに、教育を立て直すという決意と同時に、危機感の表れでもあると感じました。再生ということは、課題が山積ということでもあると思います。以前から使われている言葉でもあると思いますが、この公教育の再生という言葉に込められた背景、思いを、是非、大臣からお聞かせいただければと思います。

松本(洋)国務大臣 私自身が大変強い危機感といいますか問題意識を持っているのは、社会が今大きく変化をしているときだということであります。それは当然、人口減少というものも社会における大きな変化だと思いますし、また、デジタルやAIといったこうした技術の進展というものも大きな社会の変化だと思います。

 それに対して、教育界というものは、どういうふうに対応をしていくのか、そしてより充実をさせていくのかという観点で、そういう意味では、社会が変化をしているからこそ、教育界として変わっていかなければいけない部分もある、でも、一方で、やはり教育として絶対に変わっちゃいけない、守っていかなければいけない部分もある。やはりこの辺りのところをしっかりと整理をした上で、新たな教育をどのようにしてつくり上げていくのかという、まさに今その変革期にあるのがこの今の日本の置かれている教育だと思っております。

 そういう前提に立った上で、我が国の学校教育でありますけれども、国際的な学力調査でも世界トップレベルの水準を維持していることに加えまして、児童生徒の状況を総合的に把握して教師が指導を行うことで子供たちの知徳体を一体的に育んでいるとして、これまでも諸外国から高い評価を受けてきたと認識をしております。一月には私はエジプトに出張してまいりましたけれども、エジプトではこの日本式教育というものを積極的に導入をしているし、これからも導入のスピードを上げていきたいということを大統領自ら私にお話をしてくださったところでもあります。

 でも一方で、社会の変化というものはあります。教師の長時間に及ぶ働き方や教師不足、不登校児童生徒の増加などの様々な課題というものが顕在化をしてきているところでもありますし、先ほど申し上げたような前提となる社会の変化にどう対応していくのかということも大変重要な課題だと思っております。こうした課題に的確に対応せず看過すれば、我が国の公教育が衰退しかねないという危機意識から、公教育の再生という表現を用いさせていただいたところであります。

 多様化する子供たち一人一人の可能性を最大限伸ばす学びを実現をしていくために、私が先頭に立って汗をかいてまいりたいと考えているところであります。よろしくお願いします。

新田委員 大臣、ありがとうございます。

 大臣の御答弁のとおり、社会が大きく変化していく中で、教育も時代に合わせて変えていかなければいけない、また同時に、国力の礎でもある教育をしっかり守っていくところは守っていく、筋を通すところは筋を通していく、そういうことでもあると思います。

 教育は、国力の礎であります。教育は、さらには、一人一人の人生の礎でもあると思います。一人一人が豊かで幸せな人生を送れる、それが社会の持続的な発展につながる、そのための公教育の再生ということであると理解をいたしました。

 この公教育の再生のためには、教育の機会の確保と併せて教育の質の確保が重要な課題であります。そこで大事になるのが教職員の働き方改革だと思います。先生方が教育にかける理想や熱意を十分に発揮できる環境を整備すること、教職を目指す方々が安心して教師という職を選択できるようにすること、それによって全ての子供たちへのよりよい教育を実現する、これが最終目的であることは誰もが一致するところであり、今日までも段階的に様々な取組が進められてきました。

 そして、今国会に提出されています中学校三十五人学級が次なる新たな取組の一つとなります。菅総理、萩生田文科大臣のときに、四十年ぶりとなる学級編制標準の引下げによる小学校三十五人学級が実現しました。令和七年度で、小学校全ての学年で三十五人学級となります。

 この三十五人学級、きめ細やかな指導ができる、教職員の負担が軽減される、先ほど来の全ての子供たちへのよりよい教育の実現が目的でありますが、実際に、小学校を三十五人学級にした結果、どのような具体的な効果が出たのでしょうか。四十人より三十五人の方が環境としてはいいというのは一般感覚では分かりますが、政策として進める以上、具体的効果をきちんと示せなければいけません。

 小学校三十五人学級が生徒にとって、そして教職員の皆様にとって、どのような効果があったのでしょうか、お答えください。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 先生から御紹介いただきました令和三年の改正義務標準法におきまして、小学校の三十五人学級が制度化されまして、今年度で完成を迎えるところでございます。

 その令和三年の改正義務標準法の附則におきまして、少人数指導等に関わる効果検証を行うとされたことを踏まえまして、文部科学省におきまして、令和四年度より、少人数学級等に対する効果検証のための実証研究を行ってまいりました。

 十二月に中間まとめを公表してございますが、その中では、学級規模が大きいと児童生徒の学力や社会情動的なスキルが低下する傾向にある、また、学級規模が大きいと教師の各種業務に対する時間や在校等時間が長くなる傾向にあるということが統計的に明らかになったところでございます。

新田委員 ありがとうございます。

 具体的効果が示されている中での今回の中学校三十五人学級に進んでいくということで理解をいたしましたが、その詳細というものは、今後公表される御予定はあるのでしょうか。

望月政府参考人 先ほど御説明しました少人数学級の効果検証につきましては、昨年十二月に中間まとめの取りまとめをしてございます。年度が明けてからになると思いますけれども、最終まとめを公表し、少人数学級についての効果について広く周知もしていきたいと考えてございます。

新田委員 ありがとうございます。

 具体的な中身のある検証だと思いますので、是非多くの方に知っていただけるように公表していただければと思います。

 その効果も踏まえた上で、今回の中学校三十五人学級を実現することによって切れ目なく更なる教育の質の向上を目指す、こういうことだと思いますが、是非、本法案に対しての大臣の御決意をお聞かせいただければと思います。

松本(洋)国務大臣 今般の義務標準法の改正でありますが、委員が秘書官として支えておられました菅総理大臣、また萩生田文部科学大臣の強いリーダーシップによって、小学校一年生で止まっていた三十五人学級を小学校六年生まで広げていくという大きな改革を、更にその次の学校段階である中学校まで着実に広げていくものであると認識をしております。

 また、給特法の改正の附則にも、こうした中学校の三十五人学級というものが実際に国会審議の中でつけ加えられて成立をした、そういう経緯もあって、これは国会の意思でもあるというふうに承知をしているところであります。

 この改正は、約四十年ぶりの中学校の学級編制の標準の引下げ等を通じて、子供たち一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導体制の整備と教師の働き方改革の推進を図るものでありまして、言うまでもなく、我が国の学校教育にとって非常に重要な法案であります。

 学級規模の大きさが児童生徒の学力に及ぼす影響などに関する効果検証の結果も踏まえながら、年度内に何とか成立をさせていただきたい、それを目指して全力を尽くしてまいりたいと存じます。

新田委員 大臣、ありがとうございます。

 是非、子供たちのために、教職員の皆様のためにも、まさに切れ目なく移行できることを望みます。ありがとうございます。

 私、国会議員一年生でありますが、実は、私の娘もこの春で小学校一年生になります。そこで、小一の壁について伺いたいと思います。

 小一の壁、いわゆる共働き世帯などが、子供が小学校に入学し、生活パターンが大きく変わる、登校時間や帰宅後のフォロー、学校行事のために仕事と家庭のバランスが崩れてしまう、そういった問題であります。

 今や、夫婦の七割が共働き世帯であります。子供のためにも働きたい、そして子供の健やかで楽しい学校生活も応援したい、できれば両立したい、誰もが思うことであります。しかしながら、小学校に入学するタイミングでその思いがかなわなくなる現実もあります。もはや共働きが多数となる現代とこれからの未来が見えている中で、この小一の壁をできるだけ低くする、打破する、それが保護者の働き方改革になり、ひいては、子供の健やかな学びの環境の確保につながると思います。

 特に、私と同じ子育て世帯の方に話を伺うと、登校の開門時間が決まっているため、どうしても先に親が仕事に出なければならない、子供が門の前で列をつくって待っている、親も子供も不安になる時間ができてしまう、もっと柔軟にできないものか、そういう声をいただきます。とはいえ、これを学校の教職員の皆様だけで解決するとなると、大きな負担になることも事実だと思います。であれば、もっと地域などの協力を得ながら、この開門時間にまつわるストレス、不安を取り除いていくことはできないのでしょうか。

 実際に、私が住む横浜市でも、モデル事業としてですが、シルバー人材の方に御協力をいただき、開門時間を七時にしている学校があります。よりよい教育の実現のためにも、子供や保護者の不安やストレスをなくす、極めてシンプルなことでありますが、重要なことだと思います。

 これについて、どのような方針で文部科学省として対応されているのでしょうか、また、していくのでしょうか。御答弁をお願いいたします。

塩見政府参考人 お答えいたします。

 児童が小学校に就学しました際に、就学前と変わらず児童の居場所が確保され、保護者が安心して就労できる環境を社会全体で構築していくということは大変重要な課題だと考えております。

 児童の朝の時間帯の居場所につきましては、御指摘ございましたように、地域の住民の皆様などが担い手となって、学校の校庭や体育館などで学校の始業時間まで児童を見守る取組も始まっておりまして、文部科学省といたしましては、このような取組への財政支援、また、先進的な取組の周知を自治体に対して行っているところでございます。

 引き続き、こうした取組を推進しながら、こども家庭庁とも連携し、児童の学校時間外の居場所の確保に取り組んでまいります。

新田委員 ありがとうございます。

 全体の施策としては細かいことかもしれませんが、家庭の不安とストレスをなくす、これは教育の質の確保のために大前提となることでもあると思いますので、是非引き続き取組を進めていただけることを強く望みます。

 それでは、次に移らせていただきます。

 次に、通学路の安全確保について伺います。

 二〇二一年六月、千葉県八街市で下校中の小学生五人がトラックに巻き込まれ、二名が亡くなり、三名が大けがを負うという痛ましい事故がございました。当時、菅政権であり、全国の通学路の総点検を指示し、文科省を始め国交省、警察庁などが、縦割りを排して、ソフト、ハード両面の対策が進んだと承知をしております。私の家の近くの小学校の通学路にも、これまでより車の速度抑制の効果があるスクールゾーン30プラスが整備されたり、登下校時の見守り活動が強化をされました。

 こうした対策は、事が起きてからだけではなく、常日頃からの不断の見直しが必要と考えますが、文部科学省としてどのような方針で対応していくのでしょうか、御答弁をお願いいたします。

塩見政府参考人 お答えいたします。

 令和三年六月に千葉県八街市で発生いたしました事故を踏まえまして、文部科学省、国土交通省、警察庁が連携し、全国の自治体に対し合同点検を実施するよう要請し、令和五年度末までに、一部暫定的な対策も含めまして、全ての対策必要箇所において安全対策が講じられたところでございます。

 主な対策の例といたしまして、教育委員会、学校におきましては安全教育の徹底やボランティア等による見守り活動、通学路の変更など、また、道路管理者におきましては歩道の整備や防護柵の設置など、警察におきましては信号機の設置や速度規制などを行ったところでございます。

 また、市町村ごとに、教育委員会、学校、PTA、警察、道路管理者などの関係者を構成員とする協議会を設置いたしまして、合同点検の実施方針、また通学路安全確保のためのPDCAサイクルの実施方針を策定し、現在も各地域におきまして継続的に取組を行っております。

 さらに、文部科学省といたしましては、登下校時の見守りを行うボランティアに対する講習や、通学路の安全点検や指導などを行うスクールガードリーダーの配置に係る支援等を行っているところでございます。

 引き続き、関係省庁と連携しながら、通学路の安全対策の強化に努めてまいります。

新田委員 ありがとうございます。

 教育によって未来を担う子供たちの希望をつくっていく、そのためには絶望をつくらない、このことも大変重要だと思います。是非、他省庁とも連携して、引き続きの不断の見直しをお願いしたいと思います。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 次に、文化庁にお尋ねをさせていただきます。

 安倍政権、菅政権では、常に日本を強くする具体的な政策を考えていました。そして、菅先生が特に取り組んでいたのが、文化財の力で日本を強くすることであります。

 大臣所信の中でも、文化芸術は我が国のソフトパワーの源泉だと述べられております。世界に誇る優れた文化資源を豊富に有する我が国の文化の力は、強い経済の実現と安定した国際社会を築くためにも大きく資するものであります。地域の文化財を一体とした面的整備や多言語解説などを進め、文化財を中核とする観光拠点を全国に整備するなど、日本各地に存在する文化財の保存と活用の好循環をつくり出し、地方創生を進め、日本全体の活力につなげていく、これが重要だと考えます。

 また、文化で稼ぐことを目指し、今後更に積極的に海外への発信や海外展開支援を強化することで日本への誘客を図り、日本の国力を高めていくこと、そのために、伝統文化、そして現代の文化、あるいは未来の文化も俯瞰して政策を展開していくことが重要と考えますが、文化庁の御見解、いかがでしょうか。

斎藤委員長 文化庁日向次長、簡潔にお願いいたします。

日向政府参考人 お答えいたします。

 文化庁においては、二〇一六年には文化財の活用を促進するアクションプログラムを作成するとともに、日本遺産を始めとした文化資源の、点ではなく面による一体的な整備、活用、文化財解説の多言語化等、インバウンドも視野に入れた地域における分かりやすい情報発信の強化、修理、美装化、高付加価値化による観光資源としての質の向上など、文化財を貴重な地域観光資源として活用する取組の充実を進めております。

 引き続き、文化財の保存と活用の好循環に向けた取組を進めてまいります。

新田委員 ありがとうございます。是非、これからも力強く取組を進めていただければと思います。

 時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。

斎藤委員長 次に、泉健太君。

泉委員 中道の泉健太でございます。

 文部科学大臣始め、それぞれ皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 私は、まず、国立大学の運営費交付金について触れたいというふうに思います。

 まず、大臣、よく就任直後から頑張られたなというふうに思っておりまして、まさに自民党の筆頭の永岡元大臣もそうですし、あべさんもそうですし、盛山さんもそうなんですが、歴代の大臣も危機感は持っておられたんじゃないかなというふうに思いますが、ある意味、国立大学運営費交付金というのは、この二十年間、冬の時代、大寒波の時代であったと言っていいと思います。大変厳しい環境にさらされた。伸ばすべき大学を伸ばすということはとてもよいことだし、資金を獲得して先進的な研究を行うということもすばらしいことであると思います。

 一方で、例えば、私は地元京都ですけれども、近くに京都教育大学というのがございまして、全国にも教育大学はありますけれども、年々見ていて施設が古くなってきていると実感するんですね。建物には亀裂が入っているし、道路がなかなか補修されない、敷地内のですね。あるいは草がぼうぼうとなっているとか、さびが目立つとか、そういう環境に置かれている。

 しかし、よく考えてみると、いわゆる競争力のある資金を獲得できる大学と教育を主としている大学とではなかなか、教育大学なんかで、どんどんどんどん資金を獲得して新しい研究プロジェクトをやりますとか、企業と、どこかとベンチャーで立ち上げるとか、そういうことはできないわけですよね。それよりもむしろ教育の方に重点を入れて、いい先生を育てる、いい論文を出す、そして人格の形成を取り組んでいく、そういうことに努力をしてきたわけでありまして、この違いというものは、いろいろとカテゴリー別にはなっていながらなかなか厳しい査定を受けてきたという現状がございます。

 そういう中で、二五年度補正で四百二十一億円、そして二六年度予算案では九年ぶりに百八十八億円の増というような予算を今回組んでいるということでありますけれども、大臣の見解をまず聞きたいと思います。

松本(洋)国務大臣 済みません、お褒めをいただきましてありがとうございます。でも、これは私の力というよりも、昨年の臨時国会で、この文部科学委員会におきましても様々な議論をしたわけでありますけれども、党派を超えてこの面をしっかりとやるべきだという大きなお声をいただいたことも大変ありがたかったというふうに思っております。まずは感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、国立大学法人運営費交付金でありますけれども、国立大学の安定的、継続的な教育研究活動を支える非常に重要な基盤的経費であると認識をしております。近年の物価上昇などの中において、国立大学の教育研究基盤を維持しつつ、基礎研究の充実等を図るため、運営費交付金の増額が必要であったというふうに考えているところであります。

 ある意味において、この運営費交付金というものが横ばいということは、今の物価上昇局面では実質目減りというような状況になっていたところでもありますので、何とかしていかなければいけないと思っておりました。

 昨年、ノーベル賞を受賞された二人の先生が文部科学大臣室にお越しになって懇談をした際にも、基礎研究の強化ということ、基盤的経費というものを増額してほしいというお話がございました。そんなこともありまして、令和八年度の予算編成過程におきましては、財務省との間の、財務大臣との折衝の項目にこれを挙げさせていただいて、最後は大臣折衝で今回のような結論を得たということであります。

 このような認識の下、令和八年度予算案におきましては、平成二十九年度以来九年ぶりで実質的に過去最大の増額幅となる対前年度比百八十八億円増額の一兆九百七十一億円、また、令和七年度補正予算におきましても、運営費交付金四百二十一億円を含む合計四百八十六億円を計上しているところであります。

 ただ、大切なことは、予算というのはあくまでも目的ではなくて手段でありまして、この予算というものをどのように最大限に活用していただくのか、そして、それによって教育研究の質の向上、イノベーション創出の加速、さらには地域社会の活性化や持続可能性への貢献を促し、社会からの信頼と更なる支援の好循環につなげていくかということが大変でありまして、是非そうしたものに資するように使っていただきたいと思いますし、我々文部科学省としても、そうした観点からも支援をしてまいりたいと思います。

泉委員 ありがとうございます。

 一方で、二〇〇四年の国立大学法人化以降、毎年ほぼ一%ずつ、これは独法並びという形で効率化だとかスリム化が図られてきてしまったことによって、二十年間では千六百三十二億円が消滅したと言われています。文部科学省としては、更に物価、人件費等の上昇ということで、実質的な目減り額は千九百億円だ、そういう推計も出しておりました。

 さて、二〇〇四年に戻っていただくと、当時、衆議院でも参議院でも附帯決議がついているんですね。「法人化前の公費投入額を十分に確保」、これは衆議院の附帯決議であり、参議院でも「法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保」ということが附帯決議で示されているわけです。

 これは、ですから我々国会として、委員としても責任を持つべきことなんですが、一方で、二十年間減らされ続けてきたというのは、大臣、率直に言って附帯決議がほごにされてきたという認識はございませんか。

松本(洋)国務大臣 平成十五年の国立大学法人法の国会附帯決議を踏まえまして、法人化初年度である平成十六年度予算の国立大学法人運営費交付金は、平成十五年度の国立学校特別会計における一般会計繰入額と同水準を確保しておりますが、今御指摘がありましたように、平成十七年以降も我々としては運営費交付金の所要額の確保に努めてきておりましたが、運営効率が図られるとの当時の前提に基づく効率化係数などによりまして、運営費交付金の予算額は減少をしてきているところであります。

 また、一方、運営費交付金の基盤的経費と競争的資金のバランスについては、両者の適切な配分についての考慮が不十分なまま基盤的経費の削除等が行われたことによりまして、安定的な教育研究活動等が阻害されているとの指摘等も踏まえまして、第二次安倍内閣の平成二十七年度以降は同額程度の予算額を確保してきたところであります。そういう意味では、そのときそのときの状況に応じて支障が出ないような形での予算編成というものがされてきたというふうに承知をしているところではあります。

 ただ一方で、この附帯決議の趣旨というものも踏まえつつ、近年の物価上昇や様々な基礎研究の充実などを図るためにも、今回、こうして予算の増額という形に政策判断をさせていただいたということであります。引き続き、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

泉委員 我々文部科学委員会に所属する者、そして国会に所属する者皆が、国立大学の安定的な運営、ここをやはり確保していかなければいけないと思います。

 そういった意味では、過去、これまでの二十年間で、例えば、効率化係数、そして名前を変えて大学改革促進係数、機能強化促進係数、今もまた名前が変わっているわけですが、毎度毎度名前は変えているんですが、こうした効率化を進めて順位づけをするということで、上の方のグループは何とかなってきたかもしれないけれども、なかなか評価が厳しいグループについては本当に予算が減らされてきた経緯がございました。

 これは、これまでの過去第三期、第四期、第五期の中期目標期間、この計画、中期目標の計画なんかを見ても、やはり反省はところどころ出てきているわけですよね。大学改革促進化係数により財源確保した部分と重点配分した部分の関係が不明確とか、そういった負の、負のというか反省が示されているということを踏まえて、大臣、改めてそれぞれのこれまでの取組についての評価もお願いしたいと思います。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 今、大臣からも御答弁申し上げました平成十六年度以降の法人化でございますけれども、当初の効率化係数あるいは病院改善係数というのは第一期の中期目標期間で廃止をされてございます。

 他方、今先生から御指摘がございましたように、平成二十七年度以降、実質的に同額程度の運営費交付金が確保されたことを前提に、第四期中期目標期間、令和四年度からは、各大学の取組を支援するミッション実現加速化係数による再配分、百億程度でございますが、それから各大学の教育研究成果の実績に基づく配分、一千億程度でございますが、これらを行うことで各大学の機能強化を促してまいりました。その結果として、例えば一橋大学のソーシャル・データサイエンス学部といったような取組がなされているところでございます。

 現在、令和十年度から始まる第五期の中期目標期間に向けて運営費交付金の在り方について議論をさせていただいておりますが、先生から御指摘いただきましたように、基盤的な部分につきまして物価等の変動に連動させて教育研究の安定性を確保すること、あるいは、新しい知的価値の創出に向けて、あるいは地域の医療や産業を支える人材育成に向けて機能強化を進める大学への重点支援を行うことという、バランスをしっかり図っていくという観点でございます。

 なお、令和八年度予算から、ミッション実現加速化係数は、喫緊の課題である基盤的経費の確保の観点から廃止をしたところでございます。

泉委員 資料を御覧いただきたいと思います。折れ線グラフ、論文の世界順位の資料と、トップテンパーセントの補正論文数の世界順位というのを御覧いただきたいと思います。

 各委員の皆様も資料をお配りしておりますので御覧いただきたいと思うんですが、これは端的ですよね、日本が二〇〇三年過ぎぐらいまではトップツー、論文数でいうと二位だったわけですね。それが、二〇〇三年以降、二〇〇四年、二〇〇五年ぐらいからどんどん順位を下げて、現在、論文数では七位。そして、下のトップテンパーセントの補正論文数でいくと十三位まで落ちている。過去は四位だったわけですね。これは無関係だと思いますか。ちょうど国立大学が法人化されて、それと重なるようにずっと論文数は順位が下がってきているわけですよね。ここについても是非どう思いますかと聞きたいところなんですが、これは私は明白だというふうに思います。

 今、合田さんからお話のあった、例えば好事例というのを探せば私はそれは絶対あるんだと思うんですね。しかし、運営費交付金が削られたことによって研究環境も随分変わったと言われております。任期付の教員が非常に増えて、プロジェクトごとは何とか成り立つけれども、安定的な研究ができる教員が減ってしまっているという問題だとか、あるいは、様々なプロジェクトに申請をするために相当な労力を要するということによって、むしろそっちに力が割かれてしまって実際に時間をかけた論文を作りにくくなっているとか、様々な問題が発生してきたというのがこの世界順位からも私は見て取れるのではないかというふうに思っております。

 そういう中でであります。運営費交付金の八〇%以上は人件費や光熱水費などの基幹経費でございまして、その運営費交付金の中に今ほどお話のあった一千億円の成果配分というのが今もこれはあるわけでありますけれども、私は、この成果配分というものも、もちろん何かしらのインセンティブをつけたいということは分かるんですが、先ほど来お話がありますように、地方大学、小規模な大学、そして教育大学については安定的に運営費交付金を確保するということの流れであるということを御答弁いただきたいんですが、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 ありがとうございます。

 ちょっと先ほどの件も併せて少しお話をしたいと思いますが、実際に、運営費交付金と実際の論文数の相関関係というのは、なかなかこれは証明するのは難しいということだと思っております。

 ただ、今、第七期科学技術・イノベーション基本計画を策定中でありますけれども、この中でも今回の論文数の問題というものは大変大きな課題として認識をされておりまして、それに対してどのように対応をしていくのかということも併せて議論をされているというふうに承知をしているところでもあります。しっかりとそうした問題意識を共有しながら、いい計画を是非作れるように頑張っていきたいと思っております。

 もう一つは、基盤的経費と競争的資金というこの二つをきちんと両立をさせるということがとても大切なこと、バランスをさせるということが大切なことだと思っております。どちらかに一方に偏るということになってしまうと、今、泉先生がおっしゃられたような、そういう問題も出てきますし、でも一方で、やはりインセンティブを働かせることによってしっかりと高い研究成果をより求めていくということが大事だと思っております。

 いずれにいたしましても、所要の予算というものをしっかりと計上するとともに、先ほど申し上げましたが、予算はあくまでも目的ではなくて手段でありますから、予算以外の部分も含めてしっかりと大学の研究等々を後押ししていくことによって、今、問題意識を共有しておりますので、それらの解決につながるような取組を進めていきたいと思います。

泉委員 本日は、舞立財務副大臣にもお越しをいただいております。

 今ほど、松本大臣からの文部科学省としての決意、熱意というのは私は伝わったのではないかなと思いますが、一方では、そう環境は簡単ではありません。

 今日お配りしている資料の裏面を御覧いただきたいと思います。これは、昨年十一月の財政審の分科会の資料なんですね。ここでは、財務省側の資料と言うとあれですけれども、どう書いてあるか。運交金、要は運営費交付金から競争的資金への更なるシフトにより大学の創意工夫を促すべきではないかということが、ある意味、文部科学省と真っ向逆の言いぶりとして書かれております。

 まず、これまでの文部科学省の取組、そして今回の第五期中期目標に向けてもそうなんですけれども、文部科学省としては運営費交付金というのは一定必ず必要であるという観点に立っていると思うんですが、財務省、この運営費交付金から競争的資金への更なるシフトにより大学の創意工夫を促すべきという見解、これは今も変わっていないという理解ですか。

舞立副大臣 お答えいたします。

 スタンスとしては基本的には変わっていないというふうに認識しております。

泉委員 ここは是非、党派を超えて、皆さん文部科学委員が特に頑張らなければいけないところだというふうに思います。財務省はまだそういう見解だということでありますから。

 この財務省の資料の右下の表を御覧いただきたいと思うんです。まさにこれが分かりやすい資料でありまして、大学、ジャンルごとに運交金依存度というのが書かれているわけですね。

 例えば一番上の指定国立大学であれば、以前は六三%だったものが三七%まで低減した、要は外部資金を取り込めていますよということを言っているわけなんですね。財務省としては、改善率という形で出している。一方で、一番下の教育大学を御覧いただきますと、六九%だったものが六五%。何だ、全然改善率は低いじゃないかというふうにこの表ではお示しされているのかもしれません。ただ、二十年の大寒波の間に、必死になって必死になって、身を切って切って切って、何とか二十年目標を達成してきても、外部資金を得られるような教学環境にないということを是非知っていただきたいんですよ。先ほど話をしたように、教育大学はそんな、外部から寄附をばんばんもらえませんから。

 ここはどうか、財務副大臣、持ち帰っていただいて、環境が違うよね、ある意味絞って絞って絞った中で運交金の依存度が六五であれば、これがある意味下限だよ、もうこれが限界だよというふうに思っていただく必要があるんじゃないか、この表を見て私はそう感じたところでございます。

 是非、文部科学省からもそういった使い方をしていただきたいというふうに思いますし、財務省においてもそういった認識を改めて持っていただきたいというふうに思っております。

 さて、一点、ほかにもたくさんあるんですけれども、科研費において、他の競争的資金の中では研究代表者の人件費というのが出せるものも出てきているんですが、科研費においては今まだ全て駄目ということになっております。もちろん、科研費が少額だとか、基本的に雇用されている研究者がやるんだから二重に人件費が与えられる必要はないんじゃないかという話はあるんですが、それでもです、先ほど話をしたように、大学の教員といえども人件費が十分ではない環境の方もあります。

 私は、物によっては科研費でも、全てということじゃなくて、物によっては研究代表者の人件費を出せるようにしてよいのではないかというふうに思いますが、御見解をお聞かせください。

淵上政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘ございましたように、科研費の研究費の、直接経費からの研究代表者への人件費支出につきましては、御指摘ございましたように、研究者個人が所属機関の職務として行う研究を助成する事業であり、研究者の人件費は基本的に研究機関が負担をしている、こういう前提がございます。

 また、採択課題一件当たりの助成金額は、現在、平均配分額で年間二百五十万円程度というふうな少額となっておりますことから、研究活動それ自体に係る経費の支出を圧迫するおそれがあるということで、現時点では認めておらないところでございます。

 これは、令和二年当時の政府全体の競争的研究費の研究代表者への人件費の在り方を議論した際に、こうした科研費の性格を踏まえまして、また、研究者コミュニティーの御意見も聞いた上でこのような取扱いとすることといたしまして、現在に至っているところでございます。

 他方、多様な科学技術人材の育成や活躍促進に向けては、競争的研究費制度において人件費に対する支出を促進していくことが重要であるという認識が高まっているとも存じておりますので、こうした状況も踏まえながら、引き続き、科研費の研究代表者への人件費支出も含めまして、科研費制度の在り方について、様々な関係者から御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。

泉委員 御検討いただけるということで、ありがとうございます、是非これはお願いしたいと思います。

 続いて、二つ目の課題に移りたいと思います。部活動の地域展開ですね。これは、恐らくどの議員の皆さんも地域でいろいろな声を伺っているんじゃないかと思います。既に様々な取組、実証実験等々が始まっていて、地域展開に進んでいるところでありますが、例えば私の地元京都市、ほかにも幾つか自治体はありますけれども、今の小六、今卒業でもうすぐ中学生になりますよね。新たに中学生になる子供たちが中三の八月の時点で、京都市なんかにおいては部活動は中学においては廃止をされるという流れになっております。そして地域クラブに移行していくということですね。

 大臣は、たしか陸上部でしたね。私は吹奏楽部と野球部でしたけれども、地域でも、様々な団体の顧問ですとか応援をしていると、やはりこういった声、非常に移行に関する不安と、あ、財務副大臣、オーケーでございます。済みません。ありがとうございました。

斎藤委員長 財務副大臣、御退席いただいて結構です。

泉委員 この移行に対する不安というのが大きいわけですね。

 ちなみに、野球部は現在、中学校で四千校ありまして十三万人。サッカーだと十四・九万人だそうです。吹奏楽部は、何と七千校で三十六万人、かなり、最大じゃないですかね、部活動の中では、ということであります。

 文科省は、五十億円の予算を確保していって、この移行に備えていこうということなんですけれども、私は正直、総額としてまだ足りないというふうに認識を持っております。指導者の謝金、これから必要ですね。

 そして、吹奏楽でいいますと、楽器の購入、またそれをどこに置くのか、練習をどこでやるのか、そして大会のときなんかは、吹奏楽部の特徴なんですが、当然ながら楽器を移送させなきゃいけないですね。トラックが必要になるわけですね。バットやボールのように自分で持っていけないものでありますので、ここに必ず費用がかかります。そのほかにも様々あるわけですが。

 全日本吹奏楽連盟から、昨年末要望が出されております。大臣、目を通していただいたと思いますが、これに対してまず御所見をお願いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 昨年の十二月になりますけれども、全日本吹奏楽連盟さんから要望書を拝受したところであります。

 その要望事項におきましては大きく三点ございまして、一つは財源の確保、そして二つ目が学校施設の開放、三点目が教職員の兼職、兼業についてということでありまして、文部科学省といたしましても、部活動の地域展開を推進する上では課題であるというふうに認識をしているところであります。

 そのため、予算といたしまして、御案内のとおりでありますが、地方公共団体の体制整備に対しまして令和七年度補正予算として八十二億円、そして、地域クラブ活動の活動費や経済的困窮世帯の生徒への支援として八年度当初予算に五十七億円を計上するなどいたしまして、百三十九億円を措置することを想定しているところであります。

 また、活動場所や教職員の兼職、兼業につきましては、昨年十二月に新たなガイドラインを策定いたしました。この中では、部活動の教育的意義を明記するとともに、これを継承する地域クラブ活動について、学校の施設設備の活用、希望する教師の兼職、兼業許可手続の円滑化などを示しておりまして、教育委員会にも引き続き働きかけを行ってまいりたいと存じます。

 必要な予算もそうでありますが、こうした様々な取組を通じまして、各地域の実情などに応じた部活動の地域展開を進めてまいりたいと存じます。

泉委員 ここからは少し事務的な確認なので担当の方でいいんですけれども、特に生徒の参加費ですよね。クラブごとに多少違うというのはあるんですが、それが五千円とかになるとちょっと大変、月額五千円とかになると負担が大変で、事実上参加できないなんて話になりかねないわけです。

 就学援助というのは低所得者世帯への対応としてあると思うんですが、まず、参加費の月額に上限を設けないのか、それについてお答えください。

日向政府参考人 お答えいたします。

 国のガイドラインにおきましては、受益者負担の水準については、地方公共団体間で大きなばらつきが出ないようにするとともに、生徒の活動機会を保障する観点から、国において金額の目安等を示すこととしております。参加費のイメージとしては、休日に週一日、月に四日程度の活動を実施する場合、月額千円から三千円程度を参考として示しております。様々な設定があると考えておりまして、可能な限り低廉な参加費等を設定していただきたいと考えております。

 また、経済的理由により参加費、保険料の負担が困難と認められる世帯の生徒の保護者に対しましては、令和八年度当初予算案に当該経費を補助できる事業を計上しているところでございます。

泉委員 これも役所が分かればなんですが、昨日、スポーツ庁のQアンドAを見ていたんですね。そうしたら、ガイドラインが今後出るのでという書き方にはなっていたんですが、そのQアンドAのところに、地域クラブ活動や謝金について、基本的には最低賃金を遵守というような書きぶりがあったんですけれども、謝金について、それは最低賃金を遵守ということに立っているのか、そうではなく時給五百円という算定でもよいのか。自由という理解でよろしいでしょうか。

日向政府参考人 お答えいたします。

 国として一律に謝金単価等のルールは示しておらないところでございます。

泉委員 続いて、ときにですが、地域クラブの運営で何か不祥事的なものがあったとします。学校の部活動であれば、先生に何か不祥事があったからといって部活動が長期間にわたって活動停止ということにはならない。なぜならば、子供たちが主役だからなわけですよね。

 そういう意味では、地域クラブの運営が損なわれた場合に、生徒のクラブ活動の継続というのはどう担保されるのか、お答えください。

日向政府参考人 お答えいたします。

 国のガイドラインにおきまして、市区町村等は、認定地域クラブ活動の取組状況等を適宜把握し、必要な指導助言等を行うとともに、指導助言等によってもその改善を期待することができないときなどには認定を取り消すとしておるところでございますが、基本的には、必要な指導助言等を適切に行っていただくということによって改善を期待するというふうな、ガイドラインにおきましてはそのような書きぶりになってございます。

泉委員 この地域クラブにおいても、生徒の主体性というのは確保されるし、尊重されなければならないという趣旨で書かれていると思います。その意味では、適正な運営が損なわれた場合においても、生徒が集まったり何かしら活動を継続するということについては、できる限り柔軟に対応するように、場を確保するようにということは、是非、各市町村にも言っていただきたいと思います。

 そして、まさに吹奏楽連盟からも話があった楽器の輸送ですとか購入ですとか修繕費、これは現時点で市町村の持ち物となっている楽器がございますけれども、そこの購入に充てる資金だとかはこれまで確保されてきた。もちろん十分じゃありません。私も、中学生時代に仲間たちとベルマークを集めたり廃品回収をして、それを楽器購入に充てるという努力はしていましたけれども、是非、文部科学省側としては、楽器購入や修繕に対する予算の維持ということは、維持というか確保ですね、これは努めていきたいというふうに御答弁いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

日向政府参考人 お答えいたします。

 学校部活動から地域クラブ活動へ移行する際、地域クラブ活動においても可能な限り学校部活動と同じような活動環境を継続できるよう、引き続き学校施設や学校備品を有効活用いただきたいと考えておりまして、その旨をまずガイドラインに記載させていただいております。

 また、令和八年度当初予算案におきまして、地域クラブ活動の支援、これにつきましては主に運営に必要な経費を想定しているところでございます。楽器の購入や修繕を行うことも可能でございますが、こちらは補助単価の範囲内での支援になりますので、学校備品を活用することができないか、リース等で対応できないかなどを総合的に判断いただきたいと考えておるところでございます。

 部活動の地域移行につきましては、様々な課題がございますので、引き続き関係者から意見をよく聞いて必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

泉委員 大臣、改めて、吹奏楽連盟から、一つは財源、予算確保、そして、あと、済みません、一つ忘れていました、ごめんなさい。

 もう一つ、現職の教職員の兼職、兼業、これはやはり、やりたいという先生、顧問になりたいという先生はスポーツ、文化通じてたくさんおられるわけであります。確かに、全体、学校現場の働き方改革というのはあるとしても、やりたいという意欲のある先生が校長の裁量によってそこが妨げられてしまっては私は元も子もないというふうに思っております。

 是非教員の意思を尊重するということを改めて明言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

望月政府参考人 公立学校の教師につきましては、当該教師が希望する場合、そして、地方公務員法や教育公務員特例法等の規定に基づきまして服務を監督する教育委員会の許可を得た場合には兼業、兼職を行うことが可能でございます。

 この点、教育委員会の方にも、地域クラブに従事する場合の兼職、兼業に関する手引について明記をしてございまして、希望する教師が円滑に兼業、兼職の許可が得られるよう、引き続き周知を図ってまいりたいと考えてございます。

泉委員 大臣、改めて、予算と、そして学校の使用ですとかということ、そして教員がしっかりと担当ができるようにということの御趣旨がございました。

 特に、予算については、現在お話のあった、百三十九億というのがあったと思いますけれども、今後、地域展開が本格化をしていけば、スポーツ、文化、全てにおいて更なる経費がかかってくると思います。是非、予算獲得に対する意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 済みません、ちょっと質問にお答えをする前に、先ほど私の答弁で、まさに部活動の地域移行に関する予算の説明の中で、令和七年度補正予算として本来八十二億円と言うところを八十四億と私お答えをしてしまったようでありまして、訂正をしておわびを申し上げたいと思います。

 その上で、私自身の決意ということでありますけれども、これまでも当委員会でも答弁をさせていただいたことがありますが、私自身の経験からいっても、そして、例えば外国なんかに行ったときの例なんかを見てみても、こうして部活動をきっかけにしてスポーツであったり文化活動に触れ合うことができるような、こうした我が国の環境というのは大変すばらしいものがあるというふうに私自身感じているところでもありまして、やはりこれを守っていくということは大変大事だというふうに私自身思っているところであります。

 社会の変化の中でこれに対応していくということが必要でありますけれども、そうした日本の国のすばらしい部活動文化といいますか、そういうものを守っていくことを最優先、大前提にして、万全の取組をこれからもしていくことができるように頑張ってまいりたいと思います。

泉委員 大臣、ありがとうございます。

 先ほどの国立大学運営費交付金の絡みで、私、一つ追加でお伝えしたいことがございまして、さっき国立大学が独法並びで随分苦しい思いをしたという話をさせていただきましたけれども、今日、先ほどちょうどニュースを見たら、美術館や博物館、これは文化庁に関わりますけれども、これが非常に高い中期目標を課せられて、グッズ販売だとか企画展をやらないと、成果を出せないと閉館しますよという報道が今朝出ておりました。

 これも確かに独法ではありますし、独立採算でやってもらいたいという意向はあると思うんですが、国立美術館の六館、あるいは国立博物館の五館、いずれも重要なものでございますので、閉館というのはかなり、水を浴びせるにしても厳しい浴びせ方だなというふうに思っておりますので、収益の改善に取り組むということはやっていただきたいと思いますが、是非、貴重なものばかりでございますので、そういったものの維持、確保もお願いしたいと思います。

 さて、一番最後になりますけれども、奨学金の返済の負担軽減についてであります。

 今日全ては触れられないわけですが、参議院において、総理の答弁で、代表質問に対する答弁でしたが、奨学金の返済額を所得控除すると借りる必要のない奨学金を借りるようになりモラルハザードが起こるという答弁がありまして、これはちょっと驚いた次第であります。

 モラルハザードというインパクトがあったというのもあるんでしょうけれども、これは、よく皆さん考えていただくと、モラルハザードが所得控除をしたら初めて起こるというような今状況なのかというと、それは違うはずですよね。よく、低利で借りられるから、借りた奨学金を資産運用に回す、投資に回す人がいるからこれはモラルハザードなんだと言う人がいるんですが、だとすれば、それはもう現時点で起きている話です。現在の貸与の条件と現在の利率で既に借りられるわけなので、そのモラルハザードの話をするのであれば、現在も起きているし、それが駄目だというのであれば、現在の制度を駄目だと言っているようなものになるわけですよね。現時点でも低利で借りられるわけです。

 私が思うのは、そういう中で、今、我々中道も提案している奨学金減税というものは何かといえば、毎年こつこつ返し続けている人、まずこれが一つ条件になると思います。そういう方において全額ではなく一定額を控除していくということは、やはり支援策としては可能じゃないかと思うわけです。

 企業が返済の減額の補填をしたりだとか、最近は都道府県がその企業に対する支援金を出したりだとか、いろいろな取組がされていますけれども、奨学金の返済額を所得控除するとモラルハザードが初めて起こるかのような発言として伝わってしまっているのは、私はここは違うのではないかというふうに思いますが、大臣、改めて見解をお聞かせいただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 先日の参議院本会議における高市総理の答弁は、奨学金制度の観点から検討すべき課題の一つといたしまして、斎藤議員からお尋ねのあった奨学金返済減税を仮に制度化した場合に、学業に真摯に取り組むために奨学金の貸与を受けるほとんどの方には関係のないことではあるものの、必要のない奨学金を借りることが生じる可能性もあるとの認識を示したものと承知をしているところであります。

 日本学生支援機構の貸与型奨学金は、民間教育ローンと異なりまして、無利子又は低利であるとともに、返済能力を審査せず、基準を満たす希望者全員に貸与するという特徴を持つものであります。こうした特徴を前提といたしまして、仮に返還額を所得控除又は税額控除する税制優遇策を設けた場合、既に奨学金を返還中の方への影響はない一方で、これから貸与を受けられる方については、より多くの奨学金の貸与を受けることで、より多くの金銭的利益が得られる仕組みとなることが一例として考えられるところであります。

 ほとんどの方は、奨学金制度の趣旨、すなわち自らの学びを深めるために奨学金の貸与を受けておられますが、本来必要とする金額よりも多くの奨学金を借りる可能性が、まれなケースとはいえ皆無とも言えず、制度設計に当たってはこの点も検討する必要があるということだと思っております。

 そういう意味では、高市総理はあくまでも可能性に言及をしたということで承知をしているところでありますが、いずれにいたしましても、文部科学省としても、丁寧な説明をしていくのと同時に、負担の軽減を図ることによって希望する方がしっかりと教育を受けられるようにしていくための方策の検討というものは不断の見直しを進めてまいりたいと思います。

泉委員 お話のとおりだと思いますし、奨学金というのは幾らでも借りられるものではない。当然、上限もございます。繰り返しになりますけれども、先ほどお話をしたように、既に低利であり、既に借りたいという意向があれば借りられるというものであれば、モラルハザードということを指摘するのであれば、むしろそれそのもので、起こり得てしまうものであります。

 一方で、可能性ということは当然否定はできないので、制度としては慎重に検討を進めるということでよいと思いますが、是非、全否定をせずに、多くの方々が返済をしている、ライフイベントもある中で、私もそうでした、奨学金を借りていましたけれども、月一万四千四百円ですか、これをずっと返済し続けるということは大変でございますので、是非そういったものの負担軽減策はこれからもお考えをいただきたいということをお伝えして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、菊田真紀子君。

菊田委員 おはようございます。中道の菊田真紀子です。どうぞよろしくお願いいたします。

 冒頭、委員長に申し上げたいと思います。

 今国会の文部科学委員会は、昨日のお昼に大臣の所信を聞きました。そして、本日直ちに質疑を行うという日程になっております。

 私たち野党の質疑が所信表明の翌日に行われるというのは極めて異例の日程でありまして、委員部によりますと、文部科学委員会が現在の形になった平成十三年以降、同様の進め方が確認できたのは今から二十年以上前の平成十四年、十五年の僅か二回しかありません。しかも、当時は委員会の定例日が火曜日、水曜日、金曜日の週三日でした。現在のように、水曜日と金曜日が定例日、火曜日は予備日という運営になって以降は、前例は一度もございません。

 本来、野党の質疑は、大臣の所信を十分にお聞きをし、その内容を整理し、そして論点をきちっと定めて、必要な質問通告を行った上で国会審議をやるというのがあるべき姿だというふうに思います。これまでの文部科学委員会も、そうした環境下で丁寧な審議を行ってきました。

 今回は理事会の判断で事前に大臣の所信原稿が全ての議員に配付をされましたけれども、とはいえ国会の熟議という役割そのものを弱める委員会運営になってはならないと私は思いますので、委員長に、今回の進め方は例外的な措置であり、今後はこのような日程が前例として定着しないように求めたいと思います。いかがでしょうか。

斎藤委員長 本日の委員会は、理事会の合意に基づいて大臣所信に対する質疑を行う場ですので、委員長としてお答えする立場にはございませんが、その上であえて申し上げれば、委員会の日程や進め方につきましては、理事会等における与野党の協議に基づいて決定をしております。今回の日程が異例であるとの御意見があったことは承知をしておりますが、様々な状況を踏まえて、与野党で御協議の上決定されたものと認識をしております。

 いずれにいたしましても、委員長としては、理事会等における与野党の御協議を十分に尊重しながら委員会運営を進めてまいりたいと存じます。

菊田委員 理事会、与野党の理事の合意による日程だという御答弁でしたけれども、そもそも、今回このような非常に窮屈な日程になった原因というのは、一月に解散・総選挙をやったからなんですよ。文部科学省だけでなく各役所、どこも困惑したと思いますし、学校、教育現場にも大変影響が懸念されているわけです。これは別に私たち野党の責任ではありません。高市総理、高市政権にその責任があるという点は、私はあえてはっきり申し上げておきたいと思います。だからこそ、こうした例外的な日程を今後の前例としないように改めて強く求めて、質問に入りたいと思います。

 今回の突然の総選挙は、三十六年ぶりの異例となる真冬の総選挙となりました。二月という受験シーズンの真っただ中に行われています。受験生にとって、言うまでもなくこの時期は、まさに人生を左右しかねない極めて重要な局面であります。受験生本人だけでなくて、その御家族も大変な緊張と不安を抱えながら我が子を見守っているわけです。こうした状況の中で、文部科学行政を所管する大臣として、受験シーズンと重なるこの時期の解散・総選挙は果たして適切であったとお考えでしょうか。

 私の選挙区、新潟二区では、数は多くないんですけれども、受験日と重なった高校、大学、専門学校が実際に存在しました。私自身は、事前にそれを調べた上で、当日は、受験会場の周辺や学習塾の近くでは街宣車の音を止めるなど、最大限の配慮を行ったつもりです。それでも、受験生には大変な御迷惑をおかけしてしまったというふうに思います。

 一方で、大臣の選挙区は東京都内ですから、大学や高校、受験生の数は私の選挙区とは比べ物にならないほど多い地域だと承知しています。大臣御自身の選挙において受験生に対して具体的にどのような配慮をされたのか、教えていただきたいと思いますし、また、文部科学大臣として、全国の選挙管理委員会や自治体、関係機関に対し、受験環境の静穏確保や配慮について、要請や周知、指導などを行ったのでしょうか。また、それらの対応は十分であったと認識しているか、確認したいと思います。

 受験生にとって一度きりの大切な時間を守る責任が文部科学行政にあると私は思います。今回の総選挙がその責任に照らして妥当であったのか、大臣の認識をお聞かせください。

松本(洋)国務大臣 幾つか質問を頂戴いたしました。

 まず、衆議院の解散・総選挙の日程についてでありますけれども、文部科学大臣の立場からコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

 その上で、私自身の選挙においての取組でありますが、公職選挙法において、学校の周辺においては静穏を保持するように努めなければならない旨が規定されていることを前提とした上で、選挙区内の自治体の選挙管理委員会から、入学試験への配慮に係る要請を選挙対策本部内で共有をするとともに、選挙対策本部におきましては、試験会場、試験日、試験時間を調査いたしまして、試験会場付近ではできる限り選挙カーを回さないようにしつつ、動線上やむを得ない場合は音を出さないようにするなど、入学試験の静穏を害することがないように配慮をさせていただきました。そういう意味では、菊田委員と同じような対応をさせていただいたということかと思っております。

 次に、文部科学大臣として今回の受験に際してどんなことをしたのかというお尋ねでありますが、先ほども申し上げたように、そもそも、選挙運動に関しては、公職選挙法において、学校の周辺においては静穏を保持するよう努めることとなっているところであります。

 私からは、各候補者に対しまして、公職選挙法の規定も踏まえ、受験生が集中して試験に臨むことができるよう御留意いただきたい旨、記者会見にて呼びかけをさせていただいたところであります。

 また、文部科学省におきましては、選挙運動期間中の入試に関しまして、必要に応じて選挙管理委員会などに相談するよう、各大学からの問合せに対して丁寧に対応してきたところであります。

 なお、総務省からでありますけれども、各都道府県の選挙管理委員会事務局等に対しまして、学校などからの要請などに応じて、各候補者などへ周知を行うなど、適切に対応いただきたい旨の事務連絡が発出されたというふうに承知をしておりまして、必要な対応は取らせていただいたというふうに考えております。

菊田委員 文科省としては必要な対応をしっかり取ったつもりだということでありますけれども、解散というのはもちろん総理の専権事項ではありますが、三十六年間、この真冬の一月、二月の選挙は避けられてきたということは、やはり私は受験生に対して影響を与えてはいけないという配慮もあったと思うんですね。そういう意味では大変遺憾な解散ではなかったか、このように考えております。御答弁ありがとうございました。

 続きまして、高市総理によりますカタログギフト配付について質問いたします。

 国家公務員倫理審査会事務局が公表しております国家公務員倫理規程論点整理・事例集には、幹部の職員が五千円相当のカタログギフトを受領して差し支えないかというQアンドAが記載されています。配付資料を御覧ください。

 そこでは、カタログギフトは商品券に類似する性質を有すること、幹部の職員は広範な権限を有し、社会的影響も大きいことを理由に、国民の疑惑や不信を招くおそれがないか、慎重に判断いただきたいとされています。つまり、カタログギフト類については、単に利害関係がないから問題ないという整理ではなくて、国民からどう見られているかという観点を重視した慎重な判断を求めているわけです。

 一方で、お祝いの花であるコチョウランについては、利害関係者でなければ受領して差し支えないというふうに明記をされており、カタログギフトとは明確に異なる整理がなされています。

 そこで、文部科学省政府参考人に伺います。

 仮に、形式上は利害関係者に該当しない場合であっても、三万円相当の高額なカタログギフトが文部科学省の職員に送付された場合、その受領が国民の疑惑や不信を招くおそれがあると考えられるときには、返却を含めた対応を検討することが望ましいという理解でよろしいでしょうか。また、最終的な判断に当たっては、法令上の形式的な該当性だけでなく、国民からどう見られるかという観点が重要であるという認識でよろしいか、確認をさせてください。

茂里政府参考人 お答え申し上げます。

 一般職の国家公務員の行為が国家公務員倫理法等の関係でどのように整理されるかにつきましては、個別具体の事例に即して判断されるべきものと考えてございます。仮のお話がございましたが、この段階ではお答えできないことについて、まずは御理解いただければと思います。

 その上で、国家公務員倫理法等の仕組みについて申し上げるといたしますれば、職員が事業者等から物品の贈与等を受けることにつきましては、場合がございまして、一つは、利害関係者からのものについては原則禁止でございます。二つ目でございますが、利害関係者以外からのものにつきましては、社会通念上相当と認められる程度を超えるものは禁止となってございます。

 職員が国民の疑惑や不信を招くことがないよう行動すべきなのは当然のことでございますが、利害関係者以外の事業者等からの贈与等が社会通念上相当と認められるかどうか、その程度につきましては、当該贈与等の原因、理由、あるいは受領者の範囲、あるいは額、そして頻度や相手との関係性、こういったことを総合的に勘案して判断すべきものと考えてございます。

菊田委員 その上で、大臣に伺います。

 大臣は国家公務員倫理規程の直接の適用対象ではありません。しかし、大臣は文部科学省を統括する立場にあり、職員の模範となる責任を負っておられると思います。さらに、総理と大臣は、任命権者と被任命権者という公的関係にあります。そのような関係にある者から高額なカタログギフトを受領することについて、国民から見て、政治や行政の公正性に疑念を持たれるおそれはないと言い切ることができますでしょうか。

 文科省の職員に対しては常に国民からどう見られるかが重要だということで指導するのであれば、大臣御自身こそその基準に照らして返却を含めた対応を検討すべきではありませんか。大臣の見解を伺います。

松本(洋)国務大臣 今回、高市総理から配られた品物は、総理御自身もお話をされておりますとおり、政党支部から議員個人への寄附として法令上の問題はないものと認識をしております。返却は予定をしておりません。

菊田委員 大変残念です。たとえ違反性はないとしても、政治資金から一千万円近くの支出を行い同僚議員への贈答に用いるということは、これは本当に今物価高にあえぐ国民の金銭感覚と全くかけ離れていると思います。

 福田政務官に伺います。

 福田政務官は、政務官の就任前ですけれども、昨年、当時の石破茂総理より新人議員の一人として十万円の商品券が届けられ、その後、返却したと報道されています。現在は更に大臣政務官という要職に就かれており、金額の多寡にかかわらず、昨年同様に返却されないんでしょうか。その理由について分かりやすく説明してください。

福田大臣政務官 お答え申し上げます。

 今回の件は、総理もお話しされておられますとおり、法令上の問題はないものと認識しております。また、昨年の件につきましても法令上の問題はないものと認識しております。昨年は、総理からのお話が当時ございます前に、既にお返しするという対応を済ませておりましたので、そのまま返却させていただきました。

 以上でございます。

菊田委員 何かもう本当にちぐはぐですよね。国民からどう見られているかという意識をやはり常に持っていただきたい。特に、政治と金の問題があったわけでありますから、今こういうことになると、また、やはり自民党の議員、高市政権も同じように政治と金の問題に対する意識や反省が低いんだな、乏しいんだなというふうに見られているということを改めて指摘をさせていただきたいと思います。

 それでは、福田政務官は結構でございます。

 続きまして、南鳥島沖におけるレアアースの採掘について伺います。

 水深六千メートル級からの泥の引揚げは過去に例がなく、大変喜ばしいことであり、関係者の皆様の努力には感謝したいと思いますが、ただし、今回の試験では、揚泥技術が実証されたという段階であり、実際にどれだけレアアースが含有されているのか、採算が取れるのかなど、これから時間をかけて科学的分析、評価が行われるというふうに承知しております。まずは、今後の具体的なスケジュールをお示しください。

川上政府参考人 お答え申し上げます。

 今年一月より実施した南鳥島周辺海域での試験で採取いたしましたレアアース泥につきまして、現在は分析を行っておりまして、結果が分かり次第、成果を公表する予定としております。

 その結果も踏まえまして、来年二月に、同海域においてレアアース泥を一定量採取をいたしまして、南鳥島を活用して分離、精製までの一連のプロセスの実証試験を行い、その試験結果を踏まえた経済性の検証を行う予定としております。

菊田委員 今後のスケジュールといって今お示しいただいたんですけれども、かなりばくっとしていて、大体いつ頃とかいうことが示されていないわけですけれども、それだけ非常に難しいんだろうというふうには思います。

 松本文科大臣の所信の中でも、新たな超深海探査母船の建造に向けた準備などの研究開発の促進、レアアースなどの海底資源の分布状況把握及び採取などの海底資源利活用に貢献というふうに述べられています。

 そこで、南鳥島のレアアース泥についての分布状況把握及び採取について伺いますが、量、採算性に関する科学的評価が確定をし、報告書がいつ提出されるのか、そして、それが提出されるまでは、高市総理がおっしゃる日本は今の世代も次の世代もレアアースには困らないなどと評価できる段階にはないという理解でよろしいですね。

川上政府参考人 お答えいたします。

 来年二月の実証試験におきまして経済性の検証を行う予定でございまして、その結果を踏まえた実用化の可能性を検討するということにしております。

菊田委員 かなり高市総理、心情はよく分かるんですけれども、日本は今の世代も次の世代もレアアースには困らないと言い切ること、この段階でできるのかどうかということなんですね。非常に前のめりではないかな。期待が高まることはいいことなんだけれども、しかし、現実をもっとしっかりと見て、そして現実を国民に伝えることも私は大事だというふうに思うんですけれども、松本大臣、答弁いただけますか。

松本(洋)国務大臣 資源がないことによって我が国がこれまで歩んできた道のりを考えると、南鳥島沖のレアアース泥を採掘し、そしてそれを実用化につなげていくということは、極めて重要なプロジェクトでもありますし、我が国の現在、未来にとっても大きな意味を持つことだというふうに考えているところであります。

 おかげさまで、文部科学省が所管をするJAMSTECが持つ探査船「ちきゅう」が六千メートル海底からレアアース泥を採泥することに成功したわけでありますけれども、この試験結果等も見ながら、一日も早い実用化に向けていくことができるように、今後も研究、そして各省庁と連携をした取組というものを力強く進めていく、その中で文部科学省もしっかりと貢献をしてまいりたいと思います。

菊田委員 大臣も、二月二日にJAMSTECが公式発表する前日に、速報という形で個人のアカウントからSNS発信されていたというふうに承知しております。

 もちろん私も一日も早い実用化というのは期待しているわけでありますけれども、先ほども申し上げましたように、非常に難しい分野でもありますし、初めての挑戦でもあります。そしてまた、国民の期待が高いからこそ、しっかりと現実を伝えていく努力をしていただきたいというふうに思っております。

 レアアースは、産業のビタミンと呼ばれておりまして、スマホや家電、そしてまた自動車や機械関係、防衛装備品など、こうした製造の大事な欠くことのできない資源でありますが、アメリカの地質調査所によりますと、二〇二四年、世界生産量の七割を中国が占めているというふうに承知しております。なぜこういう状況になっているんでしょうか。また、日本が輸入するレアアースの中国依存度はどれくらいなのか、教えてください。

川上政府参考人 お答え申し上げます。

 米地質調査所によりますと、二〇二五年の世界のレアアース生産量の約七割を中国が占めているということは承知をしております。鉱山の地域的な偏在に加えまして、分離、精製までの一連の工程を国内に保有することなどにより高いシェアを占めているというふうに認識をしております。

 また、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、JOGMECのデータによりますと、二〇二三年時点でのレアアースの輸入相手国のうち中国が占める割合は約七割であるというふうに承知をしております。

菊田委員 ありがとうございました。非常に中国への依存度が高いということであります。

 陸上のレアアースと異なりまして、南鳥島レアアース泥は放射性物質や有害物質をほとんど検出しない性状であるということが確認されております。海底の採掘は深海の生態系にどのような影響を及ぼすんでしょうか。また、海からの採掘は陸上鉱山に比べて構造的コストが高く、採算性がなければ民間が参入しづらい、そういう専門家の指摘もあるようですが、この点についても教えてください。

川上政府参考人 お答え申し上げます。

 南鳥島周辺海域でのレアアース泥採取に当たりまして、海洋環境や生態系の保全に留意することは重要と認識をしておりまして、内閣府SIPでは、レアアース泥を閉鎖環境で海底から船上まで引き揚げることで海洋環境への影響を最小限に抑える採鉱システムを開発し、この一月の試験では、新たな環境モニタリング法を含めて、このシステムの健全性を確認したところでございます。また、来年二月に予定されている南鳥島周辺の海域での採鉱試験に向けまして、外部有識者などによる環境配慮ガイドラインの策定も進めているところでございます。

 採算性を上げるためには、レアアース泥の採取に関わる費用の大幅なコストダウン、レアアース泥から製錬しレアアースを取り出すための一連のプロセスの確立が重要でございます。現時点で具体的な産業化の時期、採算性についてお示しできる段階ではないのですが、来年度の試験の結果等を踏まえまして、実用化の可能性について検討してまいりたいと考えております。

菊田委員 ありがとうございました。大変困難もあるというふうに思いますけれども、来年度またしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 この戦略的イノベーション創造プログラム、SIPがスタートをしました第一期の最初の二〇一四年度の当初予算は六十一・六億円でしたが、第二期に入りますと毎年度三十億円程度に半減をされ、第三期の二〇二五年は当初予算の約二十九億円にとどまりました。そこに補正予算の百六十四億円が上乗せをされています。

 自民党の宇宙・海洋開発特別委員会海洋総合戦略小委員会の令和七年五月の提言で、二〇二七年には同海域での一日当たり三百五十トンのレアアース泥の揚泥実証実験を行い、二〇二七年度以降の早期の社会実装を目指しているとあります。加えて、これらの取組に必要な経費については、補正予算の機会がある場合はそれも活用して確実に措置すべきであると提言されています。

 この度、高市総理は、予算改革を断行して、真に必要な施策には補正ではなく当初予算でしっかりと確保するという趣旨を述べられていますが、今後のSIP予算というのもしっかり当初予算で確保されることになるのか、伺います。

川上政府参考人 お答え申し上げます。

 今後の予算につきましては、政府部内での調整によるものでございまして、現段階で内閣府からお答えすることができないということを御理解いただきたいと思います。

菊田委員 現段階ではなかなかお答えできないということなんですが、しかし、高市総理自身がそういう予算改革をするんだということをしっかりと述べていらっしゃるわけですので、大臣、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 これからいろいろと検討が進んでいくものでもありますので、現段階で私も詳細について何かをお答えできる立場にはありませんけれども、いずれにいたしましても、必要な予算を確保することができますように我々としてもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

菊田委員 大事な国家プロジェクトでありますから、私たちも応援したいと思っていますし、だからこそしっかりと当初予算で確保していくということを求めていきたいというふうに思います。

 続きまして、学校給食の無償化についてお伺いします。

 昨年十一月のこの委員会で、私は基準額について質問しましたが、大臣からは、自民党、公明党、日本維新の会の三党協議で検討しているという簡素な答弁で終わってしまいました。その後、内容が決まったようでありますので、改めて確認をいたします。

 まずは、月額五千二百円という基準額ですが、どのような算定方法に基づき決定したんでしょうか。昨年の質問の中で、私は、離島や豪雪地帯など輸送コストが高い地域差を考慮しないのかと申し上げましたが、全国一律の五千二百円となった理由について伺います。また、基準額を上回る分については保護者から徴収可能とされていますので、結果として無償化ではない自治体が出てくるということなんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 児童一人当たりの支援の基準額についてでありますが、完全給食実施校におきましては、令和七年十二月の三党合意を踏まえ、令和五年実態調査における平均額である約四千七百円に近年の物価動向を加味いたしまして、一月当たり五千二百円とさせていただいたところであります。

 また、学校給食の実施状況や食品の調達状況などは自治体によって大きく異なっております。中には、地産地消や特色のある給食の提供に積極的に取り組む自治体もあることなどを踏まえると、自治体ごとの給食費に合わせて基準額を設定することは必ずしも適当でもないことから、今回の取組においては全国一律で基準額を設定いたしたところであります。

 今回の取組の趣旨は、保護者負担となっております学校給食費の抜本的な負担軽減であり、自治体によっては、基準額を超える部分について、学校給食法に基づき、保護者から徴収するところもあると考えているところであります。

菊田委員 それでは、財源について伺います。

 令和八年度につきましては、租税特別措置の見直し等で千六百四十九億円を確保したとされています。では、令和九年度以降の恒久財源は、具体的に何を財源とするんでしょうか。また、将来にわたって本制度を維持するに当たり、文部科学省の既存の教育予算が削減される可能性はないんでしょうか。国として持続可能な財源確保の具体的な道筋を示してください。

松本(洋)国務大臣 令和七年十二月の三党合意におきまして、今回の取組を恒久的に実施するためには、新たな恒久的かつ安定的な財源が必要であること、現行の教育現場での活動に支障が生じないよう、既存の教育財源を原資とすることなく、財源の在り方と今回の措置とを一体的に実施することとされたところであります。

 本合意、また与党税制改正大綱を踏まえまして、いわゆる教育無償化を令和八年度から実施をするための安定財源につきましては、国の歳出改革や租税特別措置見直しなどにより確保することとし、地方分についても租税特別措置の見直しなどによる増収分を充て、財源確保が完成するまでの間は地方財政措置により対応することとされていると承知をしております。

菊田委員 今回は小学校でありますけれども、これから、行く行くは中学校ということにもなってくると思いますので、やはり持続可能な安定財源をしっかり国としてお示しをするということが大事だろうというふうに思います。

 給食の無償化を行うに当たりまして、私は学校給食法の改正が必要になるのかなというふうに考えていましたが、今回、学校給食法は改正せずに、交付金による予算措置で実施するとされています。

 学校給食法は食材費を保護者負担とする整理を前提としていますが、国が公費で支援する仕組みに転換するのであれば、法制度上もその位置づけを見直すべきではないでしょうか。なぜ法改正を行わないのか、その理由と、将来的には法改正がなされるのか、その有無についてもお答えをいただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 令和七年十二月の三党合意におきましては、地方の実情等を踏まえた柔軟な対応を可能とすべきであること、学校給食法上、学校給食費は保護者負担とされているが、自治体等の判断によって補助することを否定するものではないと整理されていることなどを踏まえまして、今回の取組では学校給食法の改正は行わないこととされました。

 そのため、今回の負担軽減に当たっては、自治体に対する予算補助として実施することとしておりますが、本年四月からの事業開始後、一定期間を経た後に、事業の進め方や課題、法制面などについて、地方団体も交えて検証をしていきたいと考えております。これは、文部科学省、財務省、総務省の三省の確認文書でも、この見直しについては明らかにしているところでもあります。

菊田委員 ありがとうございました。

 教員の多忙化解消について、最後、質問させていただきたいと思います。

 日本教職員組合が昨年十二月十日に発表いたしました二〇二五年学校現場の働き方改革に関する意識調査によりますと、一週間の労働時間は調査開始以来初めて六十時間を下回ったということで、一定の改善の兆しは見て取れます。資料を御覧いただきたいと思います。

 しかし、一方で、仕事を持ち帰っているという教員が五七%以上に上っています。また、本来、在校等時間に含まれるべき学校外での活動の時間を記録に含めていない人も五八%以上いるということで、実は正確な勤務時間管理が徹底されていないのではないかというふうに私は考えています。

 これは大事な問題でありますので、こうした現状について大臣の受け止めをお聞きしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 まず、文部科学省といたしましては、個別の調査結果に対して言及するということは差し控えさせていただきたいと存じます。

 その上で、委員御指摘の土日祝日を含めた教師の在校等時間については、文部科学省として、従来より、給特法に基づく指針に基づきまして、客観的に把握するよう指導してきたところであります。

 令和六年度の調査の結果、全国の教育委員会において客観的な把握というものが徹底されてきております。また、同指針におきまして、教育委員会や学校において実際の在校等時間よりも短い虚偽の時間を記録し又は記録させることはあってはならないことや、持ち帰り業務は本来行わないことが原則であることを示しているところであります。

 文部科学省といたしましては、各教育委員会に対しまして、適切な勤務時間の記録及び管理が徹底されるよう、引き続き指針の周知や通知等を通じて指導をしてまいりたいと存じます。

菊田委員 ありがとうございました。時間が来ましたので、またこの続きは次回やらせていただきたいと思います。

 文科省も教員の皆さんが安心して働ける環境づくりに全面的に御努力いただいていることは評価したいと思いますが、現場の実態についてまた改めて質問させていただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

    〔委員長退席、青山(周)委員長代理着席〕

青山(周)委員長代理 次に、山崎正恭君。

山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。

 冒頭、先ほど菊田委員からもございましたように、やはり、今回、この文科委員会の運営が非常に窮屈なものになっております。客観的に見て、どうしても、やはり総理の解散が起点になっておりますので。とはいえ、本当に、三十五人学級とか無償化も含めて、待っている子供たちがいますので、どうしてもやっていかざるを得ない状況の中でやっている。先ほどありましたように、前例とはしないというふうなことの徹底、そして、謙虚に、丁寧に進めていくというふうな運営をお願いしたいと思います。

 それでは、質問に入ってまいりたいと思います。

 松本大臣は所信の中で、小中高校生の自殺者数が過去最高となるなど憂慮すべき状況が続いていると、自殺問題への危機感を語られていましたが、まず初めに、この子供たちの自殺対策についてお聞きしたいと思います。

 二〇二二年に閣議決定された自殺総合対策大綱では、子供の自殺対策を重点課題として位置づけ、学校、家庭、地域が連携した包括的な支援の強化が掲げられました。

 日本の自殺対策というのは、ずっと高かったんですけれども、今、大人の方はかなり減ってきているんですけれども、やはり、子供だけが増え続けているというふうなところで、子供の支援の強化が掲げられたというふうに思っております。

 小中高校生の自殺は増え続けまして、昨年も、暫定値ではありますが、五百三十二名と史上最多を更新している、極めて深刻な状況だというふうに思います。

 子供の自殺は、学業や進路、家庭環境、いじめや人間関係など様々な要因が複雑に絡み合っており、まさに社会全体の構造的問題です。だからこそ、大綱に基づく各種施策については、PDCAサイクルをしっかりと機能させ、実効性のある対策に磨きをかけていくことが重要であると思います。

 そこで、現在、子供の自殺対策に関する大綱に基づく施策、PDCAは、どのような体制の下で、どのくらいの頻度で行われているのか、また、特に、子供たちのものに関しては、効果が出ていない施策をどのように特定し、廃止また見直しを行う仕組みがあるのか、お伺いします。

神谷大臣政務官 お答え申し上げます。

 令和四年に策定された第四次自殺総合対策大綱では、議員も触れられておりますとおり、子供、若者の自殺対策の強化を盛り込んでおります。

 自殺総合対策大綱に基づく施策の進捗については、厚生労働省に設置した自殺総合対策の推進に関する有識者会議において、おおむね一年に一回、施策の実施状況、目標の達成状況等を検証するとともに、五年ごとに、大綱の見直しのための集中的な議論、検討を実施しております。

 また、子供、若者の自殺対策は、大綱策定後の令和五年に発足したこども家庭庁が司令塔となり、こどもの自殺対策緊急強化プランを策定し、対策を進めており、有識者会議において、このプランに基づく施策についても検証しております。

 大綱や施策の見直しについては、こども家庭庁や文部科学省など関係省庁とも連携し、施策の実施状況等を踏まえた見直しを行うこととしており、子供が自ら命を絶つことのない社会の実現に向けて、政府一丸となって取り組んでまいります。

山崎委員 ちょっと、廃止とか見直しの仕組みについて全然触れられなかったので。

 これは施策の検証が難しいと思うんです、自殺対策というのは。難しいと思うんですけれども、子供たちの対策として、数値として、効果があったものはあったんでしょうか。

伊澤政府参考人 お答え申し上げます。

 政務官の方からも御説明申し上げましたとおりに、有識者会議の方できっちり検証してまいりますけれども、今のところはちょっと数値的に、委員も御指摘のとおりに複数のものがございますので、特にこれが数値的に効果があったとかなかったという段階ではなく、まだちょっと定性的な段階ではございますけれども、委員の御指摘のようなことも踏まえて、しっかり有識者会議で検証、検討してまいりたいというふうに考えてございます。

    〔青山(周)委員長代理退席、委員長着席〕

山崎委員 済みません、しつこいですけれども、じゃ、数値的に検証するという取組自体はしているというふうな捉えでよろしいでしょうか。

伊澤政府参考人 お答え申し上げます。

 今ちょっと手元に具体的な数字がないのは大変恐縮でございますけれども、数値をしっかり捉えながら検証してまいりたいというふうには……(山崎委員「してまいりたい」と呼ぶ)申し訳ございません、今ちょっと即答は。引き続きしっかり検討してまいります。

山崎委員 大人なんかは、四十代、五十代の男性なんかは、例えば資金繰りが大変だったりするので、そういう施策をやっていくと確実に減っていっているとかというふうな検証がレクでもあったので、是非子供たちもそこへ突っ込んでいかないと駄目だなと思いますので、是非お願いしたいなというふうに思います。

 次に、小中高校生の自殺については、その約半数で、置かれていた状況や背景が不明のまま、そして詳細調査の実施率が、いろいろな数値はあると思うんですけれども、私が見たのは八・一%になっています。私はここが自殺対策の最大の難しさであり、重要な肝だと思っています。子供たちがなぜ死を選ばざるを得なかったのかの要因が十分に解明されていないということで、有効な再発防止策を具体的には講じることができないと考えています。

 そこで、詳細調査の実施率が僅か一割弱にとどまっている要因と、ここが一番聞きたいんですけれども、今後の対策を松本大臣にお伺いします。

松本(洋)国務大臣 令和六年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査におきまして、報告のありました児童生徒の自殺件数四百十三件のうち、外部専門家を加えた詳細調査を実施した件数は二十三件でありまして、委員御指摘のとおり、大変低い数字となっております。

 この詳細調査を実施しなかった理由として、御遺族から詳細調査を望まない旨連絡があったことなども挙げられておりますが、一方で、遺族に対して詳細調査に関する説明がなされなかったというものもあります。本来、詳細調査に移行すべきであった事案も存在した可能性が否定できないというふうに考えているところであります。

 このような状況を踏まえまして、文部科学省としては、昨年十二月に、児童生徒の自殺が起きたときの背景調査に関する指針を改定いたしました。学校や教育委員会などにおいて遺族への詳細調査などに係る説明が確実に実施されるよう、詳細調査などに係る遺族への説明様式や意向等確認書を作成するなど、学校等の対応を明確化したところであります。

 また、加えて、詳細調査をした結果でありますけれども、国への報告というものも今回明確化をさせていただきました。そういう意味では、それぞれの地方、地域に任せ切りになるのではなくて、この報告を国がしっかりと求めることを明確化することによって、そうした詳細調査をしっかりと実施をしてもらうことができるように我々としても指導していきたいというふうに思っているところであります。

 こうした新しい調査指針を踏まえまして、自殺の再発防止に資するような必要な詳細調査がしっかりと実施されるよう、全国の教育委員会や学校関係者に対して直接説明を行うなど、引き続き指針の趣旨や内容について周知徹底を図ってまいりたいと存じます。

山崎委員 大臣、丁寧な答弁をありがとうございました。

 実は、私は、中学校の教員時代に、教育委員会で、子供さんの命に関わる事案が起きた場合の緊急支援チームというのがあったんですけれども、我々と臨床心理士の先生とで学校に行って、当事者の家族や、そしてほかの生徒さんや教員のケアをするというふうな緊急支援チームの担当者でしたので、例えば自死の場合もあったんですけれども、遺書等が残っていて、明らかにいじめ等が原因で自殺したのが分かるようなケース、そういった場合は調査してほしいと保護者の方からあるんですけれども、それを除いては、やはり、先ほど大臣からあったように、ただでさえ子供さんを亡くしてショックを受けられている保護者の方が詳細調査を依頼するというのは非常に厳しいというのは体験上よく分かります。これは多分、学校関係者であっても警察関係者であっても、対応に大差はないと思っています。

 ただ、先ほども言ったように、そこもあって、いつまでもなかなか自殺を選んでしまった要因が解明されていないのかな、有効な手段が出てこないのかなというふうに思いますので、やはりここから先に行かないと今この増えていく状況を改善できませんので、そういった意味において、例えば、こども家庭庁さんなんかにおいては、子供のこの自殺原因分析について、現状どのように進められているのか、お伺いしたいと思います。

津島副大臣 山崎正恭委員の御質問にお答え申し上げます。

 委員の御指摘にありましたように、令和七年の小中高生の自殺者数の暫定値が五百三十二人と過去最多になったということ、これは、こどもまんなか社会を掲げるこども政策担当副大臣として大変重く受け止めております。

 こども家庭庁では、令和五年に取りまとめたこどもの自殺対策緊急強化プランに基づき、子供の自殺の要因分析に取り組んできており、令和六年度の調査結果によれば、自殺で亡くなった子供の背景には様々な要因が相互に関わっていることが改めて確認されました。そのほか、従来の統計や関連資料の分析では可視化されづらい、生きている子供たちの声を聞くことは、何が子供たちの支えとなり得るのかという保護要因を明らかにする上でも重要であるとの指摘がなされているところでございます。

 これらを踏まえ、本年度の調査研究では、オンライン掲示板の投稿データなどの生きている子供たちの声から子供の自殺念慮等に関するものを収集して分析することとしており、引き続き更なる要因分析を通じて今後の自殺対策の検討に生かしてまいりたいと考えております。

山崎委員 ありがとうございます。

 先ほども言いましたように、ここに踏み込んで次の新しい施策が出てこない限りは非常に難しいかなというふうに思いますので、難しいと分かりながら踏み込んでいただきたいなと。

 関連して、分かればでいいんですけれども、今の段階で、例えば子供と大人との違いが何なのかというふうなことについて、何か分かっていることがあったりするんでしょうか。分からなかったら分からないでいいんですけれども。済みません。

水田政府参考人 お答え申し上げます。

 現段階におきましては、大人と子供との違いというのはちょっとまだ明確に分かっていないところでございます。

山崎委員 承知しました。

 しっかりと、先ほど言ったように、より踏み込んでいただいて、真に有効な対策を打っていただきたいと思います。

 次に、女子中高生の自殺が急増しまして、二〇二四年に初めて男子を上回りました。NPOや相談機関で活動する自殺対策、若者支援の専門家、例えば公認心理師や臨床心理士の皆さんは、SNSの普及が人間関係の質を変え、失敗や秘密が一気に拡散することが若者の心理的負担になっていると指摘されています。また、子供の自殺の動向を分析する研究者や精神科医は、スマホ、SNSによる二十四時間つながり続ける状況が特に女子中高生のストレスや自殺リスクを高めている要因の一つと説明しています。

 政府も、自殺対策、SNS相談事業の検討会などで、精神科医や臨床心理の専門職のメンバーなどで有識者会議を設置し、SNSと若年層の自殺との関連について議論していると承知していますが、そこで、自殺へのSNSの影響について、政府は現段階で分析できているのか、また、文科省として、SNSがいじめ、自殺に与える影響の実態調査を今やっているのか、若しくは、やっていなかったら早急に行う考えがあるのか、大臣にお伺いします。

松本(洋)国務大臣 自殺の要因につきましては、先ほど津島副大臣からも御答弁がありましたように、現在、政府として、子供の自殺の要因分析に取り組んでいるところであります。文部科学省としても、引き続き全面的に協力をしてまいります。

 その上で、お尋ねのSNSなどの影響を含めた分析を進めるために、文部科学省としては、新しい背景調査指針、先ほど御答弁申し上げましたが、この中に、基本調査実施様式の中に、死亡した児童生徒に関して把握した事実として、SNS、インターネット上のトラブルの有無も項目の一つに位置づけたところであります。

 そういう意味では、こうしたことをつけ加えたことによって、今調査を進めている段階ということであります。今後、これらの資料などを活用をいたしまして、SNSの影響も含めて、自殺に係る要因分析を深めてまいりたいと考えております。

 また、いじめに関しましては、SNSを含めたいわゆるネットいじめは、昨年度は約二万七千件、全体の約三・六%となっているところであります。特に、ネット上のいじめにつきましては、教職員から見えにくい、重大化しやすいという特徴もあります。SNSの適切な利用に関する動画の周知、相談体制の充実などを通じて、いじめの未然防止、早期発見、早期対応を引き続き徹底してまいりたいと存じます。

 このほかにも、文部科学省としては、自殺リスクを抱えた児童生徒に対しまして学校が医療等の関係機関と連携しつつ早期に対応できるよう、SNSやオーバードーズに関する内容も含めて、参考となる留意点等をまとめたガイドラインを作成することとしており、こども家庭庁等とも連携をして自殺予防に全力を尽くしてまいりたいと存じます。

山崎委員 ありがとうございました。

 これで終わりますけれども、G7の中でも、十代の子供さんの自殺、要因が一番なのは日本だけということで、本当に命に関わることですので、何としてもここを止めなければならないと思いますので、早急に、大人なんかもずっと減ってきたんですけれども二〇二〇年のコロナのときにだけぷっとまた増えていますので、何らかの要因があると思いますけれども、何としてもこの状況を止めるためにスピード感を持った取組を是非お願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、いじめ問題についてお伺いします。

 松本大臣は、所信の中で、いじめ問題について、決して許されるものではない、そして、安心、安全な学校環境を守るべく関係省庁と連携し対策を推進しますと述べられましたが、今回は、いじめ問題に対する安心、安全な学校環境についてお伺いしたいと思います。

 現在、いじめ件数は、小中高、特別支援学校で約七十六万九千二十二件。これは認知していくことが大事なので、しっかりとアンテナを上げていくことが大事なので、むしろ、重大事案と言われる重大事態が令和六年の暫定値が千四百五件ということで、これを見ていく必要があるんですけれども、これも上がってきています。やはり、いじめの問題は、一生消えない心の傷になって残ることでもありますし、今現在も人知れず誰にも言えず苦しんでいる子供さんたちがいますので、しっかり取り組んでいかなければならないんですけれども。

 その中で、近年、いじめ対策として、一部の自治体や学校では、廊下や教室の入口などに防犯カメラを設置する動きが見られます。これにより児童生徒の安全確保やいじめの抑止につながるとの期待がある一方で、プライバシーや監視社会化への懸念も指摘されています。

 そこで、このようないじめ抑止等の目的のための学校内のカメラ設置について、文部科学省としてどのように認識しているのか、大臣の御見解をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 まず、前提といたしまして、いじめは、暴行罪や傷害罪など犯罪につながるものであり、絶対にあってはなりません。そのことをまずしっかりと指導をしていくということが必要だと考えております。

 その上で、学校における防犯カメラの設置につきましては、これまで、防犯のために、外部からの不審者等の侵入に備えた対策の一つといたしまして各教育委員会などに対してお示しをしてきたところであります。

 一方、いじめの防止対策としての学校への防犯カメラの設置につきましては、学校設置者におきまして、個人のプライバシーや心理的な影響などの観点を含めて、そのメリットやデメリットを踏まえつつ御検討いただく必要があると考えております。

 いずれにしても、重要なことは、いじめを未然に防止すること、そして、被害を受けた児童生徒やいじめの現場を見た児童生徒が声を上げやすい環境を整備しながら、学校としていじめを早期に発見することと考えているところでありまして、児童生徒への未然防止教育や相談体制の充実、教職員等に対する研修の実施等に力を尽くしてまいりたいと存じます。

山崎委員 ありがとうございました。

 先日、カメラを設置してほしいという方とお会いしまして、その方とかが言われるのが、いじめられている子にとっての安心感があるというふうに言われます。それは大事だと思います。

 それと、推進している方の話を聞くと、いじめ問題で、僕もずっと中学現場で生徒指導畑だったので分かるんですけれども、加害認定のことがあるんです。やはり、やった、やらないとなったときに、やっていないといったときに、カメラがあったら事実が残るでしょうというふうなことがあると思います。これにも一定の有効性はあると思いますが、やはり死角の問題であったり、カメラがないところでやるということがあります。

 それと、過去に友人が長期にわたっていじめられるのを見て学校に行くのが嫌になって不登校になった経験がある方に、つい先日お会いしたので、ちょうど聞いてみたんです。カメラを設置することについてどう思うかと。僕はてっきり、そういうことを見てきたので賛成と言われるかなと思ったら、意外な答えが返ってきたというか、ただでさえ人の目が気になるのに誰に見られているのか分からないので怖いというふうなことを言われたのと、もう一つは、本質は違うところじゃないかなというふうに言われました。

 先生だって、私たちがあのときの中学校のとき、ある意味いじめは見えていたと思う、カメラのように、事実は。だけれども、その現象が見えていても、それをいじめと捉えて対処するかが本当に重要で、それがないと、カメラをつけていてもスルーしたら意味がない、本質的な解決にならないというふうなことを言われていました。

 本当にそうだなというふうに思いますので、様々なプライベートの問題も含めて、カメラの設置についてはそこではないということで、ちょっと次の問題に行きたいと思うんですけれども。

 いじめ問題は、早期発見、早期介入が非常に重要であるというふうに思います。初期対応の強化ということについて次にお伺いしたいというふうに思います。

 先日、どうすればいじめから子供を守れるかということを話している中で、若い方から、アプリが有効ではないかというふうな話になりました。そういった点で様々話をしたんですけれども、現場の課題に対応しながら、こういったようなアプリが有効ではないかというふうな話がありましたので、ちょっと提案として聞いていただけたらなというふうに思います。

 従来の対策は、被害が深刻化してから大人が動く後手の対応がほとんどです。やはり子供が、これはいじめかなと思って感じたり、もっと言えば苦しいなというふうに思った最初の段階から自分の意思でアクションを起こすということで、アプリにいつでも相談してくださいねということで、AIとの対話をスタートする。それをしっかり打っていきながらAIと対話を始めていくというふうに、心理学フレーム、認知行動療法などを活用して、もやもやした感情を言葉にするサポートをしたり、単なる聞き役ではなくて、いつどこで誰に何をといった客観的な事実を整理できるようにAIの方が優しくガイドしていく。これが何がいいかというと、いいなと思ったのは、AIとの対話がそのまま公式な記録として保存されていくのがいいかなというふうに思いました。

 やはり、いじめが長期化していますと、分かった段階で最初のときの話を聞いても、なかなか覚えていないんですね。やはりそこが、先ほど言った加害認定のときにも非常にネックになっています。

 この中に、AIとの対話の中に、写真とか動画とかSNSのスクショなんかもしっかりと打ち込んでいけるようにしてはどうかということと、もう一つ、これが肝だと思うんですけれども、それを上書きできない、改ざんできないような形にしておくことが非常に後々の信頼性を増すんじゃないかなというふうに思います。

 そして、先ほどありました重大事態になったときなんかは、保存していたデータが、そのまま学校や弁護士が受理しやすいような形、標準報告フォーマットみたいに自動変換するようなシステムにしていくと、それがそのまま、本当に上書きできていない過去からのデータとして使えるんじゃないかなというふうに思います。

 あと、これは多分、今でもあると思うんですけれども、リスク検知ということで、自傷や生命の危機、執拗な攻撃などのキーワードをAIが即座に検知した場合には、二十四時間対応の専門家チームや外部機関へダイレクトにつなぐ。先ほどの自殺対応ともつながるような重要な役割かなと思います。

 それと、もう一つは、最初からこれが誰にも見られていないということが大事で、匿名でずっとAIとだけにしゃべっているように打っていくんですけれども、これはやはり相談すべきだという勇気が出たタイミングで、ボタン一つで、信頼できる先生なのか、カウンセラーなのか、教育委員会なのか、相談機関なのか、自分で相談しやすい人を選択して、自分の選択、相談相手も選択、タイミングも選択として送れるような形はどうだろうかと。

 そうすると、効果としては、介入は早期化します。そして、助けてもらうのを待つのではなくて、自ら証拠を残しながら、報告先を選んだり、子供たちの自主性を尊重してあげることができるというのは、傷つきも少ないのかなというふうに思います。圧倒的な証拠力が先ほど言ったように残るということでございます。

 それともう一つは、先ほどの自殺のこととも微妙に関係するんですけれども、こういう精緻なことがずっと残っていくと、それを後々、専門家に分析してもらえるんじゃないかなというふうに思います、ずっと残ってきたものが。それが、例えば、加害認定にも役立つでしょうし、その子自身の今後の支援に有効かなというふうに思います。

 打っていったときに、例えば、いじめは現場では三種類あるんですけれども、子供が、あっ、いじめられていると考えたのが主観的に思ういじめなんですけれども、それと、客観的に誰が見てもいじめだねというふうなパターンと、主観と客観が合致するパターンと、ずっと主観ではいじめられていると言うんですけれども、ちょっと言葉は悪いですけれども、被害妄想的でなかなか客観が確認されない場合もまれにありますし、逆に、本人はいじめられていないと言っているけれども完璧にいじめられているなという、その三パターンがあるんですけれども。ばあっと自分の思いだけを打っていくパターンもあるかもしれないですけれども、それはそれで支援もしていかなければなりませんので、そういった形も含めて、しっかりとそういった分析が可能になってくるんじゃないかなというふうに思います。

 それによっていじめの隠蔽や放置を許さない社会構造へと変わっていくと思いますし、子供には最強の味方がポケットにあるという安心感があるんじゃないかなと思いますし、加害者には、そういった事案が積み重なっていくと、全てが記録されているという抑止力にもなっていくんじゃないかなというふうに思います。済みません、ちょっと長く語ってしまいましたけれども。

 そこで、もう既に、今私がしゃべった提案の中で、現在導入されているアプリもあるかもしれませんので、アプリを使ったいじめ対策の現状について、文部科学省、文部科学大臣にお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 委員御指摘のとおり、いじめの早期発見、早期対応を行うためには、教職員が児童生徒の心身の状況を把握するとともに、メンタルヘルスの悪化や小さなSOSを察知して、積極的な支援につなげることが重要であります。

 このため、文部科学省においては、一人一台端末などを活用した心の健康観察の導入を推進しております。実際に、いじめや生徒指導上の諸課題に対して、事案やトラブルの早期発見、医療機関や児童相談所等への支援への連携、当該児童生徒に関するケース会議等での活用といった取組も実施されているところであります。

 今年度から、学校のICT環境整備三か年計画に基づきまして、児童生徒の学校生活を支援するツールの整備に必要な経費を踏まえ、地方財政措置を講じているところでありまして、引き続き、各学校における一人一台端末等を活用した心の健康観察の推進に努めてまいりたいと存じます。

 現在使っているアプリの詳細、済みません、ちょっと私分からないので、もしあれであれば、後ほど事務方から答えられる人に答えてもらいたいと思うんですが、一方で、今委員から御指摘がありましたように、デジタルやAIの発達、発展によって今までできなかったような取組ができるようになってきているというのもまた事実でありますから、そうしたよりよい技術というものをしっかりと導入をし、より一層いじめの根絶に向けた取組というものを進めていくことができるように、我々としても、常に、研究であったりとか情報収集であったり、そういったものには努めていかなければいけない、そのように考えております。

山崎委員 済みません、アプリの現状を聞きたかったので、答えられるんだったらお願いしたいですが。

望月政府参考人 アプリの現状について御質問がございました。

 今大臣から御説明をさせていただきました心の健康観察のアプリは非常に多様でございます。今御提案いただいたようなAIを使ったものというのは、私どもは承知をしてございません。

 この率につきましては、小学校では六年度から七年度にかけて八・四%、中学校では二・三%のアプリの活用による心の健康観察が進められてございますが、それぞれ朝のホームルームなどで一人一台端末を活用した、各自で回答したものを担任とか養護教諭が共有をしているというのが一般でございます。

 アプリはいろいろございますけれども、それぞれ学校でしっかり活用することで我々としてはこうした心の健康観察を広めてまいりたいと考えてございます。

山崎委員 先ほど言ったような観点も含めて、アプリがもうかなり開発されているものもあるかもしれませんので、また実態調査も含めてお願いしたいと思います。

 次に、やはり加害者へのアプローチも重要だと思います。そうしないと、いじめはなくならないと思いますので、加害者へのアプローチは現在どのような対策を行っているのか、お伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 児童生徒がいじめの加害者とならないように、怒りのコントロールを含め、いじめに向かわない態度や能力を育成することが重要であります。

 いじめの衝動を発生させる原因としては、怒りのほか、心理的ストレスや嫌悪感情など、多様なものが考えられることから、児童生徒が自分の感情に気づき、適切に表現をすることについて学んだり、自己理解や他者理解を促進したりするようないじめ未然防止教育を行うことが必要と考えております。

 文部科学省では、教育委員会などに委託をいたしまして、怒りのコントロール方法を含めまして、児童生徒がいじめに対して適切な対応が取れるよう理解を促す動画教材や指導のポイントなどを作成、公表しており、今年度もいじめ未然防止教育に関する指導案や教職員向けの研修資料の作成等を行っているところでもあります。

 また、先ほどの心の健康観察の導入に関しましても、児童生徒が継続的に自分の感情を可視化して認知することでセルフコントロールスキルの向上につながるとも考えているところであります。

 引き続き、これらの取組を教育委員会などに周知することによりまして、全国の学校におけるいじめ未然防止教育の実施を推進してまいりたいと存じます。

山崎委員 ありがとうございます。

 本当は加害者に対してもいろいろなアプローチというのがあったんですけれども、なかなか加害者の方はやはりいらいらしていることが多いので難しいかなとは思ったんですけれども、いずれにしても、誰も悪者にしない教育的配慮、加害者を排除するのではなく、彼らもまた助けが必要な存在としての取組をお願いしたいと思います。

 最後に、私も部活動の地域展開について聞きたいと思います。

 認定制度が創設されて地域クラブチームへの活動費の支援ができるようになったのはよかったと思います。ただ、その負担割合が、国三分の一、都道府県三分の一、市町村三分の一になっているので、今、市町村から心配の声が出ているのが、国とか県は若干ふだんから部活動に関する負担をしていたんですけれども、市町村というのは今までそういう出費がなかったので、クラブ認定していくときに市町村負担があるんだったら、やはり財政的に厳しいところや規模が大きくてたくさん申請が来るところでは、市町村では認定しないなどの声が聞こえてきています。大きくは言えないんですけれども、余り実際は認定できない。

 そうすると、隣の小さな市町村に認定申請が集中したりとか、そもそも子供は市町村をまたいで行きますので、この地方負担分についてはどのような取扱いになっているかをお伺いします。

松本(洋)国務大臣 部活動の地域展開等に関しましては、令和七年度補正予算及び令和八年度予算におきまして合計百三十九億円を計上をしております。新たな補助金を創設をして地方公共団体の取組を総合的に支援をすることとしておりまして、地方負担分につきましては地方交付税措置が講じられることとされているところであります。

 そういう意味では、こうした地方負担分については交付税措置が取られているということをしっかりと伝えていくということで安心していただくことが大事なんではないかと思います。そして、事業を進めていただくことが大事じゃないかと思います。

 引き続き、必要な予算をしっかりと確保をいたしまして、地方公共団体への支援を継続的に行うことで各地域の実情などに応じた部活動の地域展開などを推進してまいります。

山崎委員 大臣の先ほどの答弁だと、別途、新規でというか、地方交付税分がという認識でよろしいでしょうか。よろしいですね。

松本(洋)国務大臣 今年の一月、総務省からの事務連絡、各都道府県宛てにおいても、この中に新たに項目がつけ加わる形で、部活動の地域移行に関する交付税措置について書かれているところでありますので、そのように理解していただいて結構かと思います。

山崎委員 これは一緒にやってきた三党でも、給食でも相当首長さんから言われましたので、是非よろしくお願いします。

 もう一問、先ほど泉委員からもあったんですけれども、活動費についてなんですけれども、これを先日というか先月だったか示されたと思うんですね。年末だったですかね。休日に週一日、月四回程度が千円から三千円、地域の実情によって数百円から四千円、判断によっては徴収しないという三段構えで書かれていたと思うんですけれども。

 ちょっと現場から質問があったんですけれども、週一日、土日のどちらかで千円から三千円だったら、もし平日に今後やっていったときにもっとプラスされるんだったら非常に高いというふうな声が上がってきています。土日の一日に対して三千円だったら、もし平日になって更に三千円とかというふうなことになっていくと高いというふうな心配の声が上がっています。既に平日やっているところはいいんですけれども。

 これは土日のみの指標なのか、平日も加われば増額されるのか、お伺いします。

松本(洋)国務大臣 文部科学省におきましては、昨年十二月に、地域クラブ活動における参加費のイメージとして、次の内容をお示ししております。

 一として、休日に週一日、月四日程度の活動を実施する場合、月額千円から三千円程度を参加費のイメージとする。二として、ただし、地域の実情や実施回数、実施体制などの実態を踏まえ、例えば月額数百円程度や四千円程度とすることなども含め多様な設定があり得る。このため、休日だけでなく平日も活動を実施する場合を含め、個々の地域クラブ活動における参加費等の設定は地方公共団体の判断によることとなります。

 文部科学省としては、今言ったようなそういう形になるところではありますが、一方で、保護者による経済的負担が過度なものとならないようにすることが重要であると考えておりまして、そうした観点から、文部科学省では、地域クラブ活動に関する認定要件の一つとして、可能な限り低廉な参加費等を設定するように定めるとともに、令和八年度予算案におきまして、経済的困窮世帯への支援を含む新たな補助金の創設に係る経費を計上しているところでもあります。

 こうした制度というものも是非活用をいただきながら、子供たちがそうした地域のクラブ活動に参加をできるように、各自治体の皆様方にはお取り計らいをいただきたいと存じます。

山崎委員 ありがとうございました。低廉な価格ということで。

 先ほど泉委員からもありました、京都も後ろを切っている、神戸なんかももうここまでにやるというふうな、例えば四国でいえば高松も、来年、令和九年の九月までに完全移行する、平日も含めてということで、後ろを切ることによって、いろいろなやりたい人が出てきているというふうな話です。これは兼職、兼業の教員も一緒だと思います。もうここまででなくなるというのであれば、どんどん手が挙がってくると思います。

 それが進んでいくと次は必ず教員の異動が始まりますので、やはりしっかり完全移行していくと、そこに採用試験を受ける人も増えていくと思いますし、通常の異動の希望者も増えると思いますので、しっかりとスピード感を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。

 時間が来ましたので、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、市村浩一郎君。

市村委員 日本維新の会の市村浩一郎でございます。

 今日は、私も今六期目になりましたが、文部科学委員会に属するのは初めてということでございます。かといって、じゃあ教育に対して興味がなかったかというと全く違いまして、もし政治の道ではなかった場合は、ひょっとしたら教職員の道を歩む可能性もあったということで、教職員免許も持っているというものでございます。

 高等教育について、かなり今までも考えてきたんですが、今日は大臣所信に対する質疑でございますので、また一般質疑のときにそれは譲るとして、今日は、まず、大臣の所信の中でお話しされていた幼児教育の重要性について、大臣から、幼児教育は大変重要である、しっかり取り組んでいくということを大臣所信で述べられておりますが、具体的にどう取り組んでいかれようとしているのか、まずお聞かせいただければと思います。

松本(洋)国務大臣 幼児教育、幼児期の教育でありますが、生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要なものであります。その後の人生にも長期的な影響を及ぼすことが指摘されております。私自身も、そういう実感は、やはりあります。昔、小学校就学前の経験というのが今に生きているなというのを感じることがあります。その質の向上は、大変重要な政策課題の一つであります。

 幼児教育は、幼稚園、保育園、認定こども園等、様々な施設で行われておりますが、それらの施設類型を問わず、質の高い幼児教育が提供されることが大変重要であります。

 このため、文部科学省におきましては、これまでの実証事業なども踏まえた、各地域における幼保小の円滑な接続の推進、地方自治体において、施設類型を問わず、教育の充実を支援いたします幼児教育センターの設置や幼児教育アドバイザー等の配置、育成の支援、幼児教育の更なる充実を図るための幼稚園教育要領等の改訂に向けた検討などに取り組んでいるところであります。

 こうした取組を通じまして、引き続き、こども家庭庁と連携をしながら、幼児教育の質の向上に努めてまいりたいと存じます。

市村委員 今大臣がおっしゃっていただいたように、幼児教育というのは極めて長い蓄積があります。

 私も何度か、幼児教育の研修会みたいなところにも御招待というかお招きいただきまして参加したりとかいたしておりまして、そのときに皆さんおっしゃるのは、幼児教育に対して余りまだ関心が高くないようなところもあると。これまでの蓄積に対して敬意が払われていないということで、せっかくこれまでの長い、特に幼稚園という場所を通じて幼児教育の蓄積があるんですね。その知見が必ずしも生かされていないという部分も感じられるということで、そういう研修会とかいうのが開かれて、今先輩方が、これまで長く幼児教育に携わってこられた方々が、今の若い幼児教育に携わっておられる方に、そういうこれまでの蓄積を継承していくということもされているところにも参加させていただいております。

 ですので、そうした蓄積をしっかりと、大臣もここで、わざわざ所信で、幼児教育も重要であるということで一番冒頭の方に書かれているということは、やはりそれだけ文部科学省さんもそこをしっかりと認識されておるというふうに私は思ったので、改めて、この場をおかりして、幼児教育を、具体的に、もっとこれまでの蓄積を継承するようなことも、もっと意識を持ってやっていただきたい、こういう思いでございます。

 それで、ちょうど今大臣からもおっしゃっていただいたんですが、これまでは、どちらかというと、幼稚園というのが文科省の傘下で、教育の場、幼児教育の場ということで来ました。しかし、時代が今変遷して、大臣からも先ほどお話がありましたように、時代に合わせたというところでありまして、今、やはり何といっても核家族化、それから共働きというのが多く、一般的になってきているという中で、これまでの幼稚園だけではどうも難しい。やはりニーズが多様化している。そこで、保育園というものに対するニーズが高まってきた。

 もちろん、保育園が教育を一切やっていないというわけではないんですが、どうしても、やはり幼稚園は教育の場であり、保育園は保育の場であるということで、その弊害があるので、特にニーズにも合っていないということで、やはり、親の立場からすると、単に預かってもらうだけではなくて、できればそのときに幼稚園でやっているような教育もしてほしいということもあるでしょうし、幼稚園に対しても、単に教育の場だけじゃなくて、ちょっと共働きで、どうしても五時、六時までは預かっていただきたいというようなニーズがあるから、幼保一元化という議論があって、今認定こども園になっているということだと認識しています。

 そこで、本当は幼保一元化のときに一元化をするはずだったのが、残念ながら、今は三元化になってしまったという指摘もあるわけですね。二つだったのが三つになっちゃったということで、よく分からないというところもあるということであります。だから、これをしっかりとやはりニーズに応じていくとしたとき、是非ともその辺をもっと統合していくということが、こども家庭庁さんの役割なんだと思います。

 今、たまたま三つになっているというところの中で、社会科学的には非常に興味深い状況があるわけですね。すなわち、幼稚園を出て小学校に行った子供と、保育園を出て小学校に行った子供と、認定こども園を出て小学校に行った子供と、顕著な差異が見られるのかどうかということが、私は今後の施策を考える意味でも大変重要な視点だと思っておりまして、実はこの質問に入れているわけであります。

 昨日、質問取りに来られたので話を聞きましたところ、実は、まだやっていなかったんだけれども、去年からやっているということでお聞きしましたが、その辺、具体的に少し、大臣からもお話をいただけますでしょうか。

松本(洋)国務大臣 幼児教育の効果について、諸外国では、その効果について長期追跡調査の結果研究が存在しておりますが、我が国におきましては、こうした幼児教育の効果について調査を実施することは必要だと考えているところであります。

 このため、御案内いただきましたように、文部科学省では、令和六年度より、幼児期の環境や体験、学びが小学校以降の学習や生活などにどのように影響を与えるのか、施設類型を把握しつつ、つまり、幼稚園、保育園、認定こども園、これらの施設類型というものも把握をしつつ、大規模な縦断調査というものを開始しているところであります。

 本調査事業は、まず、五歳児を対象にいたしまして、小学校四年生までの五年間の追跡調査を行うこととしておりまして、それによって、実際に、五歳のときに通っていた子供が、六歳、七歳、八歳というふうに年を経るに当たって、どういうふうにその幼児教育というものが子供たちの成長や学びに影響をしてきたのかということをしっかりと追跡調査をすると同時に、それを施設類型というところでも整理をしていくことによって、ある意味、より詳しく、それぞれの施設において、その教育の内容によってどういう影響が出てくるのかということを調査をするということかと考えております。

 引き続き、こうした取組を進めまして、幼児教育の政策形成に資するエビデンスの構築に努めてまいりたいと思いますし、こうした結果というものを生かしながら、幼児教育の質を高めてまいりたいと思います。

市村委員 ありがとうございます。

 科学というと、殊更、何か自然科学ばかりが言われるんですが、やはり社会科学というのも大変重要なものだと思っておりますので、今後の施策に生かすためにもそうした調査というのは大変重要だと思いますので、是非ともお願いいたします。

 次に、GIGAスクール構想についても、大臣所信で、これを更に推進すると言われておられるわけでありますけれども、ただ、このGIGAスクール構想に対して、まだ、いろいろ疑問というところもあるように思います。

 特に、諸外国で今、SNS規制をどんどんしようという動きがあるというのは大臣は御存じだと思います。基本的には、端末を持たせることを規制するわけではなくて、端末は持つんですけれども、特に十六歳以下とか未満とかの子供に対しては、SNSへのアカウントを作らせないようにする、規制をするという流れが今、大きく出てきているというところであります。

 特に、フランスは、SNS規制のみならず高校での携帯電話使用禁止というところが、この一月に法案審議が開始されて、今年の九月から、SNS規制だけじゃなくて高校では携帯電話を持ち込むな、こういうことまで禁止する、持ち込むなということにしようとしています。

 しかも、これを、まずは高校からスタートですけれども、既存の幼稚園から中学校の禁止措置へも拡大するという形で、すなわち、もう幼稚園から高校ですから、赤ちゃんがなかなか携帯電話を持ち歩くことは想定されませんので、基本的には高校まではこういう携帯電話を学校教育現場には持ち込ませない、こういうことをフランスはやろうとしているというところでございます。

 そういう流れがある中で、このGIGAスクール構想をこのまま無批判に進めていいかどうかというのは、ちょっと考えた方がいいかもしれないなというところがあるんですね。

 このスマホ、スマートフォンの先駆けというのは、MacのG3というものでありました。これは、もう亡くなられましたが、スティーブ・ジョブズさんが肝煎りで徹底的にやったというところでありますが、じゃ、そのスティーブ・ジョブズさんが、有名な話では、自分の子供にこうした機器を持たせたかというと、持たせていなかったというんですね。なぜか。こういうので非常に精神的に病む人が増えているということを自分の会社で見てきているので、持たせなかったというんですよね。

 だから、そういうことも勘案しながら、デジタルリテラシーを高めなくちゃいけないというのは大切なのでありますし、そういう端末を教材に用いるということも私は必要だと思います。教育の機会均等ですから、じゃ、そういうものを持てない子供たちがいる場合、非常に将来的にリテラシーの差が出てきますといかぬということで、教育の機会平等という形でGIGAスクールがあると思います。しかし、そうした先ほど申し上げたような動きがある、SNS規制がある、しかも学校にも端末すら持ち込ませないという状況もある中で、無批判にこのGIGAスクールを推進していいかどうかというのは、ちょっと疑問に感じるところがありますが、大臣の御見解をちょっといただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 まず、SNSを含めた、インターネット利用をめぐる青少年の保護の在り方に関しましては、今、こども家庭庁が設置する有識者ワーキンググループにおいて、課題や論点の整理の取りまとめ、そして、現在、これを受けて、関係府省庁連絡会議において議論を深めているところであります。こちらの方で議論をしっかりと進めていただければと思いますし、文部科学省としても、それに協力をしてまいりたいと思います。

 GIGAスクール構想でありますけれども、一人一台端末や通信ネットワークなど、学校ICT環境を整備、活用することによって、教育の質を向上させ、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現を推進してまいりました。

 一方で、ICTを活用する場合においても、教師や子供の関わり合いや子供同士の関わり合い、体験活動などを始めとしたリアルな体験を通じて学ぶことの重要性は変わらないというふうに考えているところであります。

 だからこそ、やはり学校というものが必要であり、そこで、生徒同士であったりとか、先生と生徒であったりとか、社会との関わりであったり、いろいろなことを本当に自分自身の体験を通じて学んでいく。そういう意味では、単なる、学校というのは、教育水準を上げるだけではなくて、やはり人間の形成という意味においても大変重要な役割を果たしているということだと考えております。

 そういう意味では、今後も、デジタルとリアルの両方のよさを適切に組み合わせていくことが大変重要だというふうに文部科学省としては考えているところでもありますので、そうした取組を進め、社会を生きる子供たちに必要な資質、能力を着実に育成をしてまいりたいと存じます。

市村委員 そうですね。今大臣おっしゃっていた、リアルが主であって、デジタルは従ということで補助的な役割をするということなのかもしれないです。ですから、その辺をしっかりと踏まえた上で、このGIGAスクールを推進していただければなというふうに思います。

 最後に、もう時間がありませんが、私は、去年、内閣委員会に属していましたが、AI法ができました。私がそのときに城内大臣と議論をさせていただいたのは、国産AIをしっかり作っていくべきだと。国産AIというのは何が特徴かというと、やはり日本語を基にしたAIであるということであります。この日本語というものが持っているすごい機能、ここに入って培われている文化力というか、これはすさまじいものがあると私は思っています。ですので、日本語を基にした国産AIの開発ということを、私はずっと城内大臣とも話をさせていただいておりました。

 その現状について本当はお聞きしたかったんですが、多分しっかりと踏まえていただいているというふうに思います。

 そのときに、今後さらに、今度は量子の時代にもなってくるわけでありまして、この量子もなかなかまだこれからというところであるというふうにお聞きしておりますが、しかし、なかなか諸外国はこうした最先端の開発については余り本当のことを言わないという私は疑いを持っていまして、もう実はかなり進んでいる可能性もあるという指摘も一方ではあるんです、量子の世界も。

 ですから、しっかりと日本の量子に対する在り方についても、また、AI、将来的にはそれを合わせた量子AIとかも含めて、しっかりとこの時間を短縮してやっていただきたい。

 まず、国産AIについては、令和十年を目標にというふうなのもお聞きしておりますし、あと二年とかぐらいですから、それぐらいのペースで。ただ、AIは日進月歩どころか秒進分歩でありますので、もう本当は一日でも早くやっていかなくてはいけないという話でもあります。ですので、そうした認識に立ってやっていただきたいという思いがあります。

 そこで、さらに、スーパーコンピューターの話も出てくるんでありますけれども、今後、AIというのはすごく電気を食うということで、非常に省電力型の今スパコンも必要だということになってくるわけであります。そのために、やはりどうしても、そのチップですね、半導体はどうしても海外に今依存をしているというところもあって、経産省さん、今、ラピダスというものを千歳に造ろうとされています。二ナノに挑戦ということでありますが、しかし、これもAIの時代に資するような方向性があるかというと、そうでもないような気がします。省エネ型であるかどうかというのもありますので。

 だから、やはり私がこだわりたいのは国産なんですね。国産でこういう半導体、ラピダスの取組もありますけれども、国産でこの半導体を、しっかりと次世代に向けた半導体を作っていくと。特にAIに特化したりとか省エネ型のとか、そういう取組を、実は日本も今まであるんですけれども、ちょっといろいろあって頓挫しかかっているところもありますが、こういうのをいま一度国費を投入してやるというのはいかがかなというふうに思っていますが、大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。

斎藤委員長 松本大臣、簡潔にお願いします。

松本(洋)国務大臣 はい。

 大変大きい質問を頂戴いたしまして、ありがとうございます。

 おっしゃるとおりで、量子コンピューターにいたしましても半導体にいたしましてもAIにいたしましても、やはりこれからの日本の発展を考える上においては必要不可欠な技術だということだと思っておりますので、文部科学省としても、これらの分野の研究等々にしっかりと全力を尽くしてまいりますとともに、各省庁と連携をいたしまして、これが実用化に結びついていくように一生懸命頑張ってまいりたいと思います。

 あと三分ぐらいあればもうちょっと話がしたいんですけれども、このぐらいにさせていただいて、また次回、お願いいたします。

市村委員 終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

斎藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。西岡義高君。

西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。

 今回も、引き続き文部科学委員会でお世話になります。様々な角度から御提案してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、まず、学校給食費の抜本的な負担軽減施策、こちらについて質問させていただきます。

 今回、この施策を進めるために、給食費負担軽減交付金、これが新たに創設されるものと認識しております。この交付金につきまして、地方交付税不交付団体の市町村に対してもしっかりと手当てされる制度になっているのか、御説明いただきたいと思います。

塩見政府参考人 お答えいたします。

 今般の学校給食費の抜本的な負担軽減の取組におきましては、国からの給食費負担軽減交付金が都道府県に交付され、都道府県負担分を合わせまして、地方交付税不交付団体を含めた各市町村に配分されるということになっておりまして、御指摘の不交付団体の市町村につきましても、支援の対象となっております。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 基準額をベースに半分ずつ国と都道府県が負担するものと認識しておりまして、都道府県の采配によりしっかりと不交付団体の市町村にも行き渡るというような形で、そのような制度ということで認識しております。

 そして、今回のこの学校給食費の抜本的な負担軽減、これに対してわざわざ括弧書きで、いわゆる給食無償化という形で書かれているわけですけれども、この施策を進めるに当たって給食の質の低下を懸念する声も上がっている状況かと思います。

 実際に、令和六年度の学校給食栄養報告、こちらのエネルギー摂取状況、これを確認してみますと、カロリーベースで、小学生の平均摂取量が六百五十キロカロリーという摂取基準がございます。こちらに対して五百七十一・八キロカロリーで八八%の摂取状況。中学生が八百三十キロカロリーという摂取基準に対して七百三十一・八キロカロリー、こちらは八八・二%という状況になっております。

 平成二十九年以降、摂取カロリーの低下傾向というのは出ておりまして、カロリーだけではなく様々なミネラル類やビタミン類、こういったものにも基準値が設定されているわけですけれども、これらの多くで低下している傾向が見られるという状況になっております。

 また、この物価高の中、限られた予算の中で、現場では様々な工夫をしながら努力をされている。ただ、その努力も限界だという声が聞こえてきている、そんな状況だと思います。

 今回の負担軽減措置では、基準額を超える部分につきましては、これまで同様、引き続き保護者からの徴収が可能となっている制度と認識しております。また、自治体からの持ち出し、これも想定されるものと認識しております。このため、この括弧書きになっている、いわゆる給食無償化、この無償化という言葉に意識が引きずられて、保護者の負担や自治体の持ち出しを抑制しようという、こういった心理が働いて給食の質の低下につながっていくのではないか、こういった懸念を抱いているところでございます。

 給食の質の担保、これをどのようにしていくのか、お考えを聞きたいと思います。

松本(洋)国務大臣 今回の取組の実施に当たりましては、農林水産省など関係省庁とも連携をし、栄養水準の確保や地産地消の推進など、給食の質の向上に向けた取組を推進することとしております。

 文部科学省では、学校給食を適切に実施するための望ましい基準として学校給食実施基準を定めているほか、地産地消を推進するための予算事業やガイドブックの作成などを実施してきたところであります。引き続き学校給食の充実に向けて必要な取組を進めてまいります。

 なお、いわゆる給食無償化という表現への御指摘に関しましては、今回の措置が、今回の取組の趣旨が、保護者負担となっている学校給食費の抜本的な負担軽減であることを明確化するため、今後、文部科学省としても様々な機会を通じて正確な趣旨の周知に努めてまいりますということで、あくまでもこれは給食費の抜本的な負担軽減が目的でありますし、また同時に、これによって質が低下するということは我々としてもあってはならないことだというふうに考えているところであります。

 いずれにいたしましても、保護者負担の軽減というものを質の向上にしっかりと充てていただくことができるように、我々としても周知に努めてまいりたいと存じます。

西岡(義)委員 ありがとうございます。栄養摂取そして食育の観点からも充実した給食をお願いしたいと思います。

 そして、私自身、一昨年の十二月に立憲民主党さん、日本維新の会さんと共同提出いたしました給食無償化、これの法案の提出者の一人でもございます。

 給食無償化を推進していく立場で申し上げさせていただきますけれども、本質的には、今回の三党合意に基づいた予算措置による負担軽減ではなくて、今後はしっかりと学校給食法の法改正を行って、恒久的で完全な給食の無償化、これを進めていくべきだという考えでございます。

 今後、負担軽減から無償化、こういった流れについてどのように進められていくつもりなのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 令和七年十二月の三党合意におきましては、地方の実情等を踏まえた柔軟な対応を可能とすべきであること、学校給食法上、学校給食費は保護者負担とされているが、自治体等の判断によって補助することを否定するものではないと整理されていることなどを踏まえまして、今回の取組では学校給食法の改正は行わないこととしたところであります。

 そのため、今回の負担軽減に当たっては、自治体に対する予算補助として実施することとしておりますが、本年四月からの事業開始後、一定期間を経た後に、事業の進め方や課題、法制面などについて地方団体も交えて検証をしていきたいと考えております。これに関しましては、文部科学省、財務省、総務省によります確認文書としてお示しをさせていただいておりますので、これに基づいて検証というものをさせていただきたいと考えております。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 学校給食、義務教育におきましては、お昼をまたぐ授業の設計、これが義務教育でなされているわけなので、しっかりお昼についてもやはり無償化というのが本筋じゃないかと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 では、次の質問に移らせていただきます。

 これまでもこの委員会で何度か質問させていただいております性教育、とりわけ学習指導要領の歯止め規定について改めて質問させていただきたいと思います。

 またかと思われるかもしれませんけれども、今回、学習指導要領の改訂で、性教育の歯止め規定、これが削除されなければ、また十年、正しい性の知識を得られずに性被害に苦しむ子供たちを減らすことができない、その思いから現在各教科のワーキングチームでの議論が進んでいる状況かと思います。そのタイミングで改めてこの場で申し上げさせていただきたいと思います。

 具体的な事例であったり、子供たちの思い、そして有識者の意見などはこれまでも委員会の質問の中で事例を出してお話をさせていただきましたので、ここで重ねて申し上げることはいたしませんけれども、大臣も所信の中でおっしゃっていた教員性暴力等防止法や子供性暴力防止法、この法律がなぜ存在するのかというところに思いをはせていただければと思います。

 要は、子供が性暴力のターゲットにされてしまっているという現状があるからこういった法律が存在するわけであります。そういったターゲットにされている子供たちの中には、自分が何をされているのか分からないまま被害に遭っている、そういった子供たちも多く存在しています。そういった子供たちが自分が何をされているのかきちんと理解して、嫌だ、やめて、そう言えるためには、やはり正しい性の知識、これが必要になってくると思います。

 また、若年層の望まない妊娠、こういったことに対しても、正しい性の知識、これは身につけていかないと駄目だと考えております。

 子供たちを被害者にも加害者にもさせないために、正しい性の知識が必要です。そのためには、今回の学習指導要領の改訂において、小学五年生理科にあります、人の受精に至る過程は取り扱わないものとする、そして中学校の保健にございます、妊娠の過程は取り扱わない、この歯止め規定、これはやはり削除していく必要があると考えております。

 私も、小学五年生、そして幼稚園の子供がいる一人の父親でございます。子供に対しては、やはり正しい知識を身につけてほしい、学んでほしいと思っておりますし、松本大臣も、父親の立場として、自分のお子さんには正しい知識を身につけてほしいと思うのではないでしょうか。是非この歯止め規定の削除に対してお力をかしていただきたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 御指摘の学習指導要領の規定は、当該事項を教えてはならないということではなく、性に関しては、児童生徒間で発達の差異が大きいこと、保護者の理解を得ながら実施する必要があることなどを踏まえまして、個々の児童生徒の状況等に応じた個別指導により対応するという趣旨のものであります。

 なお、学習指導要領の改訂につきましては、現在、中央教育審議会において専門的かつ総合的な議論をいただいているところであり、この議論の状況も踏まえながら、子供たちが性に関して正しく理解し、適切な行動が取れるように対応してまいりたいと思います。

 また、加えて、おっしゃるとおり、性暴力、性被害の防止という観点では、例えば、生命(いのち)の安全教育の推進といったようなものも、また併せてとても大切な事柄だと思っているところでもあります。

 これからも、もう申し上げておりますが、生命(いのち)の安全教育の中で、その基本理念の中に入っているとおり、加害者にも被害者にも傍観者にもならない、そうした教育というものを進めていくということかと思っております。

西岡(義)委員 これまでどおりの見解かと思いますけれども、やはりこの歯止め規定があることによって、やってはいけない規定ではないけれども現場がちゅうちょしている、その現状は御理解いただきたいなと思います。

 ちょっと追加で伺いたいんですけれども、現在、教科別の学習指導要領改訂に関するワーキングが進んでいるかと思うんですが、この歯止め規定についての議論がなされているのか、もし分かれば教えていただきたいんですけれども、分からないなら分からないで結構です。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 歯止め規定、今委員から御質問いただいた件につきましては、現在、中央教育審議会におきまして、体育、保健体育、健康、安全という広い担当分野について御議論いただいているところでございます。

 今まさに御議論いただいている最中でございますので、その議論の進め方等については言及することは控えたいと存じますが、御指摘の内容も含めて、引き続き、専門的かつ総合的な議論を進めていただきたいと考えております。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 子供たちがしっかり性に関して正しく理解して、適切な行動が取れるように、引き続き、歯止め規定の削除、これは私も訴えていきたいと思います。

 では、次の質問に移らせていただきます。

 昨今、二千隻の中国海上民兵と思われる漁船の活動が確認されるなど、東シナ海において中国船の動きが非常に活発になりまして、緊張感が増している状況かと思います。

 また、昨年の五月以降、奄美大島西方沖の我が国の排他的経済水域において、中国海洋調査船が侵入してきて、船体からパイプ状のものを海底に伸ばして海底の状況調査と思われるような行動を断続的に複数回行っていること、これが確認されている状況かと思います。

 こういった東シナ海の我が国の排他的経済水域内における中国船による無断での海洋調査の状況について、どのように把握されて、どのような対処を取られているのか、お伺いしたいと思います。

高橋政府参考人 海上保安庁では、東シナ海の我が国排他的経済水域において、中国の海洋調査船がワイヤ様のものを海中に伸ばしている状況など、我が国の事前の同意なく海洋の科学的調査を実施している状況を昨年は五件確認をしておりますが、今年は、現在までのところ確認されておりません。

 これらの活動に対し、海上保安庁では、関係省庁と連携しつつ、巡視船等による監視や、我が国の同意を得ない海洋の科学的調査は認められない旨の中止要求を実施するなど、その時々の状況に応じて適切に対応しております。

 海上保安庁としましては、引き続き関係省庁と連携しつつ、巡視船等による監視や中止要求等、適切に対応してまいります。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 無断で何度もやってきて勝手に我が国の海を調査している、この状況ですけれども、これは単なる海洋調査だけではなくて、徐々にこういった研究成果であったり、調査をしているという実績を積み上げることによって、国際的に自国の主張を補強していこう、こういった意図があるのではないかと思われるところです。いわゆるサラミ戦術と言われるものですね。

 このサラミ戦術にやはり対抗していくためには、サラミを切り取らせない。そのためには、我が国もより一層この海域での調査研究というのを実施して、我が国も実績を積み上げていく。サラミを切り取らせない、そして、サラミを大きいものにしていくということが必要かと思っております。そして、その調査研究の成果を積極的に海外に向けても発信していく、こういったことが重要だと思っております。

 現在、文部科学省においても様々な調査をされているかと思いますけれども、この東シナ海における海洋調査のこれまでの実績と、その実績をどのように国際社会に対して発信してきているのか、状況を教えていただければと思います。

坂本政府参考人 お答えいたします。

 文部科学省が所管する国立研究開発法人海洋研究開発機構、JAMSTECでは、これまでに東シナ海を含む世界の海洋において船舶等を活用した観測等を実施しております。

 最近の例としては、二〇二五年十月にJAMSTECが所有する新青丸を用いて、中部沖縄トラフ海域で深海熱水活動に係る調査等を実施しております。また、JAMSTECが実施した調査の結果については、インターネットあるいは研究論文等を通じて積極的に公表するとともに、関係省庁へ情報提供するなど、情報の発信にも努めております。

 文部科学省としては、引き続き海洋研究を推進し、海洋に関する科学的知見の充実に努めてまいります。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 是非、既成事実の積み上げに対して、我が国もそれ以上の実績を積み上げていっていただく、これが重要だと思っております。今後、より一層活発に海洋調査を進めていただきたいんですけれども、今後の方針についてどのようにお考えになっているのか、大臣のお考えも伺いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 地球温暖化等の気候変動に伴う気象災害や巨大地震への対応に加えまして、海洋資源の開発及び利用の促進等のためには、日本沿岸域を含む世界の海洋での調査研究が重要であると考えております。

 このため、国立研究開発法人海洋研究開発機構、JAMSTECでは、東シナ海を含む世界の海洋において船舶などを活用した観測等を実施し、海洋に関する科学的知見の充実に努めております。

 文部科学省としては、引き続き、関係各省庁と連携をし、海洋研究の推進に努め、第四期海洋基本計画に示された、総合的な海洋の安全保障と持続可能な海洋の構築に貢献をしてまいりたいと思います。

 とりわけ、御承知のとおり、我が国は海洋国家でありまして、排他的経済水域の面積はたしか世界第六位だったと思いますけれども、という大変広大な海を持っているところでもありまして、やはりこれらをしっかりと私たちとして調査をし、理解をし、利活用を進めていくということは大変大事なことであるという認識の下で、文部科学省としてもそれにしっかり貢献していくことができるように頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 御答弁の中にも安全保障という言葉も入っておりました。科学的知見を積み上げることですけれども、やはり安全保障にもつながっていく重要な分野だと思いますので、引き続きよろしくお願いします。「しんかい六五〇〇」という優れた日本の潜水技術、こういったものもやはり維持、継続していただきたいので、引き続きよろしくお願いいたします。

 この海洋調査というものにつながっていく学校の科目というのが、理科の地学ではないかと思います。そこで、この地学の現在の履修状況についてちょっと伺っていきたいと思います。

 現在の高校の理科の科目は、選択必修科目として、中学理科の延長的な科目である科学と人間生活、それと各分野の基礎科目である物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎がございます。そして、その先に選択科目として、各分野を深く取り扱う物理、化学、生物、地学となっております。

 そこで、これらの科目につきまして、文部科学省の調査結果を基に全日制普通科の履修状況を比較してみますと、選択必修科目の物理基礎、こちらが六四・五%、化学基礎、こちらは九〇・六%、生物基礎九一・八%、地学基礎三四・八%で、地学基礎が非常に少ない状況となっている。

 そして、その先にある選択科目がどうなっているかというと、物理二二・九%、化学で三四・九%、生物で一九・三%、そして地学が〇・六%、本当に地学にとって気の毒な結果になっているわけです。

 授業自体の開設状況、こちらを見てみますと、全日制の普通科、これを三年次の選択科目で比較してみますと、物理が八五・六%、化学が八五・三%、生物が八八・三%、そして地学が七・五%と、そもそも多くの学校で地学の授業自体が開設されていないという状況が見えてくるわけでございます。

 松本大臣も所信の中で「地震・火山・防災分野の研究開発や人材育成を推進します。」とおっしゃっておられました。これはまさに地学なんですよ、この分野。地震であったり気象のメカニズムを理解していくことが防災の知識につながっていくと思いますし、国民全体の地学リテラシーを向上させることは、昨今の自然災害が頻発している状況においては必要なことではないかなと思っております。

 これは大学の入試科目も関係してくるような課題かと思います。今、地学の立ち位置というと、文系の学生が共通試験のために選択するような科目になってしまっているというような状況かと思いますけれども、この地学教育について、より多くの子供がやはり学んで地学リテラシーを上げていけるように、せめてほかの理科系科目と同等の位置づけにするべきではないかと私は思っているところですけれども、大臣はどのようにお考えになりますか。

望月政府参考人 今、西岡先生から地学についての履修状況について御紹介いただきました。

 まず、小中学校全ての子供たちが学ぶ小中学校の理科におきましては、地球の内部と地表面の変動に関すること、そして地球の大気と水の循環に関すること、そして地球と天体の運動、この三つの領域について必ず学ぶことになってございます。今御指摘をいただいたような、天気のこと、あるいは海洋のこと、それから地震、そうした身近な災害等にも、これは社会科にも関係しますけれども、そうした身近な天気やあるいは地震等、そういったことも含めて必ず学ぶという学習指導要領になっておりまして、全ての学校で学んでいるというところでございます。

 その上で、高等学校につきましては、御紹介いただきましたように、生徒の選択履修という形で、いわゆる物理、化学、生物、地学というものの基礎と、その発展的なものが置かれていまして、地学は三つの選択科目に比べて履修率が低いということでございます。

 私どもとしては、その選択履修のときに、科学と人間生活というものも御紹介ありましたように、二科目の場合には、科学と人間生活ともう一つ、例えば地学基礎とか物理基礎という選択になってございまして、科学と人間生活の中では、まさに日常生活や社会との関係性に着目しながら、自然や科学技術について学ぶというふうになってございます。

 地学について、まさに身近な自然災害が多い我が国におきまして、児童生徒が身近なことを学ぶという意義においては大変大きいことでございまして、義務教育段階も含めまして、そうした学ぶ意義が多くの児童生徒に伝わるように努めてまいりたいと考えてございます。

松本(洋)国務大臣 今、局長から答弁をさせていただいたとおりであります。

 私が小さい頃を考えておりますと、結構地図帳とかを読むのが大好きで、暇があると、こう地図帳を読んで、あっ、ここにこんな国があるんだとか、ここにこんな山があるんだとか、湖があるんだとか、海があるんだとか、そんなのを見て何か楽しんでいたような記憶があるところであります。そういう人間からすると、地学というのは何でこんなに少ないのかなということも、私もそのように思うところであります。

 ただ一方で、やはり子供たちの自由な選択を我々が強制をするということにもいかないということもある中において、やはり地学というものに対してどのように興味を持ってもらうのか、またその教える内容、学ぶ内容というものの意義であったりとか楽しさというものが子供たちにどうやって伝わるのかということはとても大切な事柄だと思っているところでもあります。

 そういう意味合いにおきましては、是非、様々な専門家の皆さんの議論というものもしっかりと経ながら、これは地学に限ったものではないですけれども、こうした子供たちの学びがより子供たちが自ら主体的に学びたいと思ってもらえるような、やはりそうした教育というものを実現をしていくということが大変重要なことだと思いますので、そういう意味では、何を教えるのかだけではなくて、やはりどうやったら興味を持ってもらえるのかという観点ももう少し大切にしていくことが必要なのかなということを個人的には大変強く思っておりますので、そんな思いを文部科学行政に乗っけていくことができればと思っています。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 まさに興味を持ってもらうというところで、地学、本当に地球のことであったり、気象、地震、あと、岩石とかですね、岩を見たりとか。あと、天体観測、宇宙ですね、こういったものをしたりと、非常にフィールドワークなども多くて楽しい分野だと思いますので、多くの子供に興味を持ってもらいたい。

 ただ、こういった履修状況の結果、地学の道に進む教員の方がやはり少なくて、教員不足、それが悪循環に陥っている状況になっているかと思いますので、その辺、引き続き改善をお願いしたいなと思っております。

 それでは、次のテーマに移らせていただきます。

 令和六年度におけます小中学校の不登校児童生徒数三十五万三千九百七十人、こちらが更新いたしまして過去最多となっております。また、午前中の質疑の中でもありました小中高生の自殺者数ですね、二〇二五年五百三十二人で、こちらも過去最多の数字となっております。

 子供の自殺者数につきましては、全体の自殺者数が統計開始以来の一九七八年以降最少、初めて二万人を割ったというような状況、かつ、少子化と言われているこの時代において最多を更新しているというのは非常に深刻な事態だというふうに認識しております。また、不登校の児童生徒数につきましても、これはコロナの時期をきっかけに急激に数を増やしているというようなグラフが見て取れます。学校に行かなくてもいいんだという状況をきっかけに、多くの子供が学校に行かないという選択をしたという結果かと思います。

 不登校の児童生徒について把握した事実、この中で一番多かったものが、学校生活に対してやる気が出ない等の相談があったというものでございました。また、自殺の原因、動機、これの大半が学校問題、いじめですとか進路の悩み、様々あるかと思いますが、一番多かったものが学業不振でございました。このことから、今の学校がやはり子供たちの居場所になり切れていないというのが現実なのではないかと感じているところです。

 これまでも委員会の中で、誰もが大学を目指すような単線型の今の学校制度、これについても、今、変化する社会の中で制度疲労を起こしているのではないかというような問題提起もさせていただきました。六・三・三制の学校制度自体見直すべき時期に来ているのではないかというような問題提起もさせていただきましたけれども、まず、こういう状況なので、今できることは何かと考えたときに、ちょっと一つ御提案をさせていただければと思います。

 現在の小中学校の授業時数、これを見てみますと、主要五科目以外の授業時数、つまり、芸術系科目、音楽であったり図画工作、あと体育、家庭科、これらの全体の授業時間数に対する割合を見ますと、今、小学校で二四・七%、中学校で二三・六%という状況になっております。ゆとり教育でいろいろ変わった、それ以前は小学校で二七・七%、中学校で二七・八%あったものが、割合としては減ってしまっているというような状況かと思います。

 その一方で、学習指導要領実施状況調査、こういったものを見てみますと、子供たちに対する質問で、音楽の学習は生活を明るく豊かなものにする上で必要だ、こういった質問であったり、音楽の学習は心を豊かにする上で必要だ、こういった質問に対して、小学生で七〇%以上、中高生では八〇%以上、八五%近い子供が肯定的な回答をしているという状況でございます。これは図工であったり美術であったりしても同様の傾向が見られています。高校の書道、これにつきましても、約六五%が肯定的な回答をしているというところでございます。

 別のアンケート等を見ますと、文化芸術体験、これを多くしている子供の方が自己肯定感がより高い傾向にあるというのもございます。今現在、体験格差という言葉もございます。生まれ育った家庭によって体験できるものに差が出てしまう。そのような状況におきましては、しっかり公教育、学校教育の中で芸術体験だったりをさせていく、こういったことがやはり子供の生きづらさ解消につながっていくのではないかと思っています。

 そこで、やはり、学校での芸術系科目、体育、家庭、こういったものをしっかりと充実させて、学校を子供の居場所としてよりいい場所にしていきたいなと思っているところですけれども、大臣としてどのようにお考えになりますでしょうか。

松本(洋)国務大臣 文部科学省としては、不登校児童生徒を含め、誰もが安心して学ぶことができる魅力ある学校づくりが重要と考えているところであります。

 不登校児童生徒に対しましては、令和五年三月に取りまとめましたCOCOLOプランに基づいた、子供たち一人一人の興味、関心、特性等に応じた柔軟な学びの実現、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置、また多様な学びの場の整備などを進めているところであります。

 また、次期学習指導要領の検討におきましては、芸術系科目や体育も含めまして、児童生徒の興味、関心を広げる学習方法や自分の意見を表現する活動の充実などの観点からも議論をしているほか、多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程の在り方についても検討をしているところであります。

 おっしゃるとおりで、こうした様々な活動というものを通じて子供たち一人一人が自己肯定感を持つということはすごく大切な事柄だと思っておりますし、また同時に、先ほどお話をさせていただいたようなスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの手もかりながら、そうした子供たちに寄り添って心のケアをしていくということも併せてやっていかなければいけないと思います。

 いずれにいたしましても、こうした芸術分野、また体育もそうでありますけれども、こうした学びというものから子供たちが得られるものというものも我々としてしっかりと大切にしながら、これらの科目での教育というものが充実をしていくように、我々としても、またいろいろと検討を進め、取組を進めていきたいと思います。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 なかなか正解を出すのが難しい問題だと思います。引き続き、私も子供たちの将来のために知恵を絞っていきたいと思いますので、一緒にというか、子供たちの未来のために、いい教育をつくっていけたらと思います。

 若干時間が余りましたけれども、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、河井昭成君。

河井委員 国民民主党の河井昭成です。

 発言の機会をいただきましたので、早速通告に従いまして質疑を行ってまいります。

 人づくりこそ、国づくりです。文部科学大臣の所信において、未来を切り開くのは、いつの時代も人と知の力であるとされたことに強く共感をいたします。文部科学省が所管するのは、一人一人にとっては豊かな人生を、社会にとっては豊かな未来を築く分野となります。一人一人が未来に夢や希望を持てる社会の形成に向けて、私も議論を尽くしていきたいと思っております。

 まず、大臣の所信において、公教育の再生を始めとする教育の振興に全力を挙げるとされました。国が主体となって行われる公教育は、その予算も大きく、人をつくる、この教育の中でも最も重要な位置づけ、役割を担っていると思います。ここを再生とされた公教育の現状の認識について、大臣にお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 午前中の質疑でもちょっと同じような答弁をさせていただきましたけれども、私自身の基本的な問題意識というのは、一つは、社会が今大きく変化をしている中において、教育というものがそれにどのように対応をしていけばいいのだろうかということであります。

 その社会の大きな変化というのは幾つももちろんあるかと思いますけれども、一つは、やはり人口が今どんどんどんどん減少をしてきているというのも一つの大きな変化だと思いますし、また、デジタルやAI技術の進展というものも社会における私は大きな変化だと思っております。

 こういう変化の中で、私たちはそれに対応をした教育をどういうふうにつくり上げていくのかということが、今、文部科学行政におきましては大変大きなテーマといいますか、課題だというふうに承知をしております。また、社会が変化をしているからこそ変えちゃいけない、守っていかなければいけないという分野もまた同時に存在をするというのが、私は日本の教育行政の大切なところなんだろうなというふうに思っているところであります。

 また、おかげさまをもちまして、日本の国の教育というものは、いろいろな課題を抱えながらも、これまでも諸外国から大変高い評価を受けてまいりました。一月にエジプトに行ってまいりましたけれども、私がエジプトに行ってきたその理由は、日本型教育ということでエジプトで導入をしておりますが、これを更に進めてほしいということで、大統領とも面会をし、また教育担当の大臣ともいろいろと会談をさせていただいたり、視察をしてきたところでもあります。

 一方で、社会の変化の中で、教師の長時間に及ぶ働き方や教師不足、不登校児童生徒の増加などの様々な課題が顕在化をしているというふうに認識をしております。こうした課題に的確に対応せずに看過すれば、我が国の公教育が衰退しかねないという危機意識から、公教育の再生という表現を用いさせていただいたところであります。

 次代を担う子供たちが一人一人の可能性を最大限伸ばす学びを実現していくため、一つ一つの課題に対して、しっかり取組を進めてまいりたいと考えております。

河井委員 令和八年度文部科学省所管一般会計予算案について、総額五兆八千八百九億円ということになっています。七年度予算から三千七百十五億円、六・七%の増となっています。しかし、高校生等への就学支援の拡充、いわゆる高校授業料の無償化、給食費の抜本的な負担軽減、いわゆる給食の無償化など、新たな政策の増額分を差し引くならば、その額は一千百七十七億円となります。約二・一%の増加ですが、昨今の人件費や物価の上昇への対応が必須であることを考えると、違った見え方となるのではないかと考えます。

 強い経済、未来への成長を実現するためにも、その礎となる人づくりのための教育、科学技術、文化、スポーツの予算は増やす必要があると考えます。先ほど答弁をいただきましたが、公教育の再生を始めとする教育の振興、これまでの社会状況の変化への対応だったり、新しい取組、AI、またデジタルへの対応なども、この時代に合わせた新しい時代の要請だと思いますけれども、この公教育の再生のためにも思い切った文部科学予算の増額が必要なのではないかということで、提言、提案をさせていただくところですが、大臣の見解をお伺いをいたします。

松本(洋)国務大臣 文部科学省が担う教育、科学技術、学術、スポーツ、文化芸術は、強い日本、豊かな未来の礎であり、これまでもその振興に必要な予算というものを確保してきたところだと自負をしているところであります。

 所信でも申し上げましたが、様々な変化の中にある我が国でありますが、その未来を切り開くのは、いつの時代も人と知の力ということでありまして、これからも、質の高い公教育の再生、大学改革の推進、科学の再興に向けた研究力の抜本的強化、スポーツ立国、文化芸術立国の実現を始めとする重要課題に対応するため、引き続き、人件費や物価上昇等への対応も含め、必要な予算をしっかりと確保をし、施策を十分に実行することができるように全力で取り組んでまいりたいと存じます。

 委員からの御質問を応援と受け止めて頑張ってまいりたいと思います。

河井委員 首相の所信でも、強い経済を支えるのは優れた科学技術力であるとされ、大学改革とともに、基礎研究を含めた科学技術研究の基盤を強化し、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保による新技術立国を目指すと示されたところです。

 一方で、昨年ノーベル賞を受賞された坂口志文大阪大学特任教授も北川進京都大学特別教授も同様にですが、これまでノーベル賞を受賞された日本人研究者から、基礎研究への支援の必要性を強く訴えられている状況にあります。午前中にもちょっとこれに関する言及がありましたけれども、その背景には、これまでの競争的研究費への過度に傾斜がかかった、バランスを欠いた配分にあるのではないかと考えられます。

 この点に鑑みてのことと推察をいたしますが、文部科学大臣の所信において、基礎研究を含めたとあえて特出しをされております。その理由、現状の認識と併せて、今後の基礎研究の支援の具体について大臣にお伺いをいたします。

松本(洋)国務大臣 基礎研究は、我が国の将来を切り開く基盤となるものでもあります。私自身、ノーベル賞を受賞されました坂口先生、北川先生とも直接お話をさせていただきました。息の長い基盤研究を長期的に支える重要性というものを強く私にお話をされまして、認識をしているところであります。

 来年度からスタートをいたします第七期科学技術・イノベーション基本計画の答申素案におきましても、基礎研究に対する支援を質的、量的に強化をすることが示されているところであります。

 文部科学省としては、令和八年度当初予算案におきまして科研費を十五年ぶりに百億円以上増額するなど、研究者の自由な発想に基づく研究への支援や、継続的、安定的な研究活動を支える基盤的経費の確保などにより、基礎研究の更なる推進に取り組んでまいりたいと思います。

 同時に、この科学技術の分野におきましても、もちろん予算というのは大変重要でありますが、予算を使って一体何をやるのかということがより一層大切になるわけでありますし、また、同時に、この科学技術の分野におきましても、様々な工夫をすることはできるのではないかというようなことも考えているところでもあります。大学双方の連携であったりとか、やはり産業界の力もかりてどういう取組をすることができるのかとか、いろいろなことをこれに加えてしっかりと進めていくことによって、この基礎研究というものも振興していくことができるようにしてまいりたいと思います。

河井委員 基礎研究の重要性というのは、これまでの研究者の方々からも、世界トップレベルの研究者の方々からも言及いただいているところであります。

 この背景は、やはり、今注目を浴びている技術のところに割と行きがちになってしまう。そうではなくて、なるべく分野が偏らないように、広く、それから、研究者の好奇心を大切にする。成果が出るところとか今注目を浴びているところに重点配分というのも分かるんですけれども、そうではなく、これを広く基礎研究に回していくようにする。ここをどのように担保するのかが非常に重要だと考えているんですけれども、予算がどのくらいつくかということも大事だが、その内容も大事だということでしたので、これを広くするようにするには、これをどのように担保するのか、大臣に見解をお伺いいたしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 それこそ今委員がおっしゃられた問題意識は私どもも共有をしているところでありまして、まずは将来的にこれがどんな研究成果に結びつくのか、それが実社会にどういうふうに役立つのか、なかなか、そこまでの明確な形というものが見えない中で行われる基礎研究というその土台があって、初めてその後につながってくる、様々な研究成果というものにつながっていくということだと思っております。

 ですから、そういう意味では、この基礎研究の分野と同時に、競争的資金というものを、うまく両方を活用をしていくという考え方が極めて大切だと思います。

 基礎研究だけでは、それが実社会の発展になかなかつながっていかないのではないかというお話にもなっていきますし、でも一方で、そっちばかりにいっちゃうと、今委員がおっしゃられたように、基礎研究が足りなくて、また、午前中もいろいろな委員からも御指摘をいただきましたけれども、そもそもの研究力自体がおっこちていってしまうことにつながっていくというようなこともありますから、そういう意味では、この二つをしっかりとバランスよく組み合わせていくということ。

 それに加えて、先ほども申し上げたように、産業界の方からも是非こうした取組にも御理解をいただいて、より一層産業界からもこの大学における研究開発において支援をしてもらえるような仕組みをつくっていく。こうした取組を進めていくことによって、全体としての我が国の研究力を高めていくということかと思っております。

 そういう意味では、基礎研究というのは、最もその一番の基盤となる分野でありますから、我々としては、この大切さというものを十分に認識をしながら、これからも所要の必要な予算の確保というものに努めてまいりたいと思います。

河井委員 スポーツに関して、国民の人生を豊かにし、地域、経済の活性化、生涯にわたる健康増進、共生社会の実現に寄与するなど、社会全体の成長を支え、活力を生み出す力があると所信で述べられ、私たちの社会における価値が示されたところです。

 一方で、例えば、学校の部活動がその最たるものですが、これまでから、かかる費用があるにもかかわらず、その価値が明確に算出されてこなかったものがこのスポーツの分野には多くあると感じています。

 今後、部活動の地域展開が進められていきますが、これまでと同等以上の子供たちのスポーツや文化活動の機会を提供するためには、優秀な指導者の確保など、相応の費用が必要となります。

 令和八年度のスポーツ関係予算は、三百六十七億円、率にすると〇・六%です。健康増進や地域、経済の活性化、共生社会の実現に寄与する、何より一人一人の人生を豊かにする効果を期待するのであれば、もっとスポーツ分野に相応の予算をかけるべき。そのために、必要な予算を見積もることが重要であると考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 スポーツ分野全体の令和八年度予算案といたしましては、地域スポーツ環境の総合的な整備充実や持続可能な競技力向上体制の確立、スポーツを活用した地域社会、経済の活力創出の強化など、スポーツ庁創設以来過去最大となる約三百六十八億円を、ちょっとこちらの方では計上しているところであります。

 なお、部活動の地域展開等に必要となる費用としては、地方公共団体における改革の進捗の見通しなどを把握をした上で、令和七年度補正予算で八十二億円、令和八年度予算で五十七億円、合わせて昨年度の二倍以上となる百三十九億円を計上しているところであります。

 スポーツ予算につきましては、様々な関係者から御意見を伺いながら、スポーツ施策を推進するための所要額を計上をしております。そういう意味では、所要の必要とされる予算額は計上をしたというふうに考えているところでありますが、引き続き、スポーツ立国の実現に向けて、スポーツ全体の予算の充実にこれからも努めてまいりたいと考えております。

河井委員 教育の担い手である教職員が安心して本務に集中できる環境づくりに向け、学校における働き方改革を始め、教師志願者の確保、多様な分野からの人材確保を進めるとされております。

 一方で、教員のなり手不足や教員の長時間労働が社会問題となっています。子供に向き合いたいのに、それ以外、調査や統計の回答であったり、書類の作成、整理、出張などに多くの時間がかかっている、子供たち一人一人の課題が多様化をしている、保護者も含めてこれまでよりも深く対応しなければならないなど、学校の現場からは厳しい現状を伝える声が聞こえてまいります。ただでさえ多忙なのに、年度初めから欠員でのスタートとなっている状況もあって、現場の多忙、長時間労働に拍車がかかっている状況です。

 教員不足の現状認識と今後の改善策についてお伺いをいたします。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 教師不足の状況につきましては、依然として厳しい状況だと認識しております。

 教師不足の要因につきましては、近年の教師の年齢構成に起因した大量退職とそれに伴う大量採用を背景とした産育休取得者の増加や、想定を上回る特別支援学級の増加等によりまして、臨時講師のなり手が不足しているという要因が大きいと認識をしておりますが、教師を志す学生の声といたしまして、教師の勤務環境に対する不安の声もあるというふうに認識をしております。

 現下の教師不足の解消に向けまして、文部科学省といたしましては、質の高い教師志願者を確保できるよう、昨年の給特法改正を踏まえました働き方改革をしっかりと進めて、教師が働きがいと働きやすさを共に実感できる環境整備を進めるとともに、多様な分野からの入職を促す取組を行ってまいります。

 また、引き続き、各自治体に対しまして、制度改正等も踏まえた計画的な人員の配置、また、現職以外の教員免許保有者向けの研修の実施などの取組を促していきまして、しっかりと自治体に伴走しながら教師不足に取り組んでまいりたいと考えております。

河井委員 現状も非常に厳しい状況にあるという答弁でしたが、これまでの取組で教員の欠員をなくしたり増やすことができていないという状況にある以上、ほかの方法による教員の不足の解消を考える必要があります。

 今回、小中学校の事務職員の配置基準の見直しなども進められていますが、これを加速させることも教員不足の改善の一つの手段として有効ではないかと考えます。

 学校における働き方改革に関して、学校、教師が担う業務に係る三分類が示されていて、学校以外が担うべき業務、教師以外が積極的に参画すべき業務、教師の業務だが負担軽減を促進すべき業務と分類がされています。教員でなければならない仕事、それこそ本務に集中してもらって、それ以外は教員でない専門的な人材に担ってもらうことを進める。三分類が示されておりますので、誰が担うのかを明確にして実行することが求められます。現場の声からしますと、これが進められると相当現場の状況は変わるのではないかと期待の声が寄せられております。

 一部の業務は事務職員が担うなどの例示が示されていますが、現状、事務職員は各校に一人ないしは二人ぐらいの配置でありまして、現状の人員では対応が困難なのは明らかで、根本から人員配置を考え直す段階にあると考えます。

 教員以外の人材の大幅な増員と活用について、大臣の見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 教師が教師でなければならない業務に専念できるようにするということは大変大事なことだと思います。これは教師の負担軽減だけではなくて、ひいてはやはり子供たちの教育の充実にもつながるものでありますから、そういう意味では、これを進めるということは極めて大切なことだと思っております。

 そういう意味で、先ほど御紹介をいただきましたように分類をいたしまして、業務の在り方の見直し、また、教師と事務職員や支援スタッフとの役割分担や連携、協働を推進していくということは、我々としても大変重要なことだというふうに認識をしております。

 そのために、令和八年度予算案におきましては、事務職員の定数の改善、教員業務支援員について、全ての小中学校への配置や教師の業務負担が過重な学校への重点配置の支援、副校長・教頭マネジメント支援員の配置支援などに必要な予算を計上しているところであります。

 引き続き、学校における働き方改革の加速化と指導、運営体制の充実を一体的に推進をし、今おっしゃられたように、教師が教師でなければできない業務に専念できる環境をつくるために頑張って進めてまいりたいと思います。

河井委員 取組は進めていただいているわけですけれども、給特法の改正のときに修正であったり附則が付されていて、この中にも、学校に教員以外の人員を増員をするということが盛り込まれていたと思います。ここは、先ほど答弁いただきましたが、やはり効果があると考えられますので、計画的に進めなきゃいけないんですけれども、全体像がなかなか分かりにくい状況にあります。

 今の状況でいうと、やはり事務職員さんの数は一人か二人か三人かぐらいの話になりますし、なかなかどのぐらいの人員が来るのか分からないという状況にありますので、この配置をどのぐらいにしていくのかとかいうことをもう少し明確に現場に伝えられるようにするべきなのではないかと思っております。

 給特法に示された学校の教員以外の人員の配置ということをどういうふうな形で実現していこうとしているのかということを示すことについて、大臣の見解をお伺いをしたいと思います。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘のとおり、見通しを持って今後の人材配置を考えていくということは非常に大切だと考えております。

 今回の事務体制の整備につきましても、三年間、三年先までの人数ということでお示しを示しておりまして、そのほかにも養護教諭、生徒指導担当、教科担任制、こういったものを三年ないし四年スパンでこれだけの人員を配置するということを示してきたところでございます。

 そのほかにも支援スタッフ等、多々ございますので、なるべく今後とも見通しを持って、計画的な人員配置ができるように要求等を考えてまいりたいと思います。

河井委員 高校授業料無償化は、これまでから段階的に進められてまいりました。新年度からは、私学も含めて所得制限がなく、就学支援の金額も増額される予算が今審議をされているところです。所得制限が撤廃され、どの世帯においても授業料相当分の支援が受けられるように拡充の方向となっています。

 保護者負担の大幅な軽減が期待され、家庭の経済状況によらず学ぶ機会の確保や選択肢の充実に有意義とされる一方、公立離れが進むとの懸念があります。これまた午前中で指摘のあったところだと思います。私学も含めた高校授業料無償化により、学費の差が縮小することで、これまでの公立高等学校と私立高等学校の役割の差も縮小することにつながるのでしょうか。

 公立高等学校の役割について、これまでと変わる点、変わらない、変えてはならない点について大臣の考えをお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 公立高校は、多様な背景を有する生徒の様々な学習ニーズに応えるセーフティーネットの役割を果たすとともに、地域が求める人材育成などの観点から高校教育の普及や機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在であり、その役割は変わることはありません。

 今後、さらに、全国どこにいても多様で質の高い学びを提供できるよう、生徒の興味、関心に応じた主体的な探求活動の充実、地域や大学、産業界との連携、協働の強化、また、小規模校の教育条件の改善を含む学校間連携による遠隔授業等に取り組んでいく必要があると考えているところであります。

 今、この高校改革に関しましては、国としてグランドデザインを作らせていただいて、そしてそのグランドデザインに基づいて今都道府県で計画を作っていただいております。何で都道府県でそうした計画を作っていただいているのかといえば、それは都道府県によって置かれている状況が違うからであります。

 当然、東京と地方においては置かれている状況というものが違います。それは様々な違いがあると思っておりまして、一つは、そうした人口の観点での違いというものもあるかと思います。そういう意味では、そうしたところにどういう配慮をしていくのかということも考えていただくことが大変重要でありますし、また同時に、その地域を支える人材という観点からも、例えば農業が盛んなところ、工業が盛んなところ、水産業が盛んなところ、いろいろなそういうところがあります。

 また同時に、先ほど人口がという話をしましたけれども、人口が減少をしても社会的な機能というものを維持をするためには、そうした人材をしっかりと育てていくための拠点というものも、やはりそれはしっかりと整備をしていかなければいけない。そういう観点も含めて、各地域において置かれている状況が違うからこそ、国のグランドデザインに沿って、各都道府県では、自分たちがどういう状況にあるのか、またそんな中でどういう学習環境をつくっていくのか、学校を配置をしていくのか、そうした様々な観点から考えていっていただきたいということで、各都道府県におきまして計画というものを今作っていただいているところでもあります。

 そして、これは単に行政が考える話ではなくて、当然学校もそうでありますし、また同時に、更に市区町村もそうだと思います。また産業界もそうだと思います。そうした多くの皆さんの意見というものもしっかりと聞いていただきながら、各都道府県にはそれぞれの地域にマッチした計画というものを是非作っていただきたいと思っているところでありまして、文部科学省としても、そうした各都道府県の取組に伴走をしてしっかりサポートをし、そうした計画策定によって公立高校がまさに担っていただく機能というものをしっかりと認識をすると同時に、その質を高めるための取組を進めてまいりたいと思います。

河井委員 各高等学校の質を高める取組をということでしたが、次の質問に関係するので。

 少子化による子供の数の減少もありまして、公立高等学校の再編が必要になってきている地域があります。公立高等学校の在り方の検討を行っている自治体もあります。これまでから、それぞれの自治体において、公立高校の魅力化、教育の質の向上に取り組んでいると思いますが、予算や人員の裁量に乏しく、十分な魅力化が図れていないというのが正直な印象です。

 ここで授業料の差が私立高等学校と縮小すると、私立高等学校とも比較の対象、場合によっては競争になることになります。とはいえ、公立高等学校の教育の質の向上は期待するところですので、これまでの殻を破って魅力化を図るには相応の予算や人員の裁量が必要だと考えます。

 これは学校それぞれの取組によるところになると思いますので、学校にこの裁量を渡せるのかということが非常に重要だと考えるところですけれども、今後の公立高等学校における魅力化の必要性と今後の対応について大臣の見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 済みません、ちょっと先取りしていっぱいしゃべり過ぎたかもしれないです。ごめんなさい。

 公立高校の特色化、魅力化を進めるに当たりましては、地元自治体や産業界など、様々な関係者と連携、協働しながら高校教育の充実に取り組むとともに、各高校においても、学校をより魅力ある場にするため、校長のリーダーシップというものが大事だと思っておりますけれども、校長のリーダーシップの下、スクールポリシーに基づく学校運営や教育活動の具体化を図り、生徒、保護者の学校理解促進につなげていくことが重要であると考えております。

 このため、文部科学省では、先般、高校改革の方向性などを示したグランドデザインを公表するとともに、公立高校を対象にいたしまして、令和七年度補正予算で設けた高校教育改革促進基金を通じまして、高校改革の先導拠点となるパイロットケースの創出に取り組むこととしているところであります。

 また、今後、各都道府県において策定される高校改革の実行計画を着実に実施できるよう、安定財源を確保した上で、交付金などの新たな財政支援の仕組みの構築についても検討することとしております。このほか、地域の実情に応じて高校改革の取組を進められるよう、創設される高等学校教育改革等推進事業債の活用も期待をしているところであります。

 是非、そういう意味では、それぞれの学校と、そして設置者並びに各都道府県がしっかりと連携をしていただいて、そうした各学校の魅力向上の取組というものを是非とも進めていっていただきたいと思っておりますし、また各都道府県の取組に我々もしっかりと伴走をし、そして財政面も含めてしっかりと支援をすることができるように、引き続き、公立高校の特色化、魅力化に向けて必要な取組というものを進めてまいりたいと存じます。

河井委員 地域によっては公立高校の再編が必要になってくるような状況にもあります。公立高等学校も魅力化に一生懸命取り組んでいるんですけれども、これまでやはり校長先生の裁量が余りなくて、今までの枠の中で議論をする、検討を進めるというような状況にあって、なかなか苦しんでおられる様子が浮かびますし、その場合、魅力化の幅も狭くなってしまうような状況にあると考えます。是非ともここを打ち破るような支援の仕方をしていただけたらと思います。

 質問を終わります。

斎藤委員長 次に、渡辺藍理君。

渡辺(藍)委員 参政党の渡辺藍理です。本日の委員会が国会議員として初の質疑となります。委員の皆様におかれましては、御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

 さて、初めに、私、自分自身のことを申し上げると、私は、大学卒業後に学習塾を経営し、自身も講師を務めながら勉強の楽しさや必要性を伝えていく活動をしておりました。その後は、文部科学委員会の軸の一つとなるスポーツ分野においても、心と体の健康を広める活動をする中で、キッズダンスの講師をしていたこともあります。これらの分野に大きく関わってまいりました。そして、現在、私は未就学児の子供を育てる母親です。子供はこれから小学校、中学校、高校と学校教育を進んでいくことになりますが、我が子が通うことになる今の日本の現状の学校を考えると、どうしても不安を覚えてしまいます。我が子や将来世代の子供たちには、よい学校環境でかけがえのない日々を過ごし、豊かな人生を送ってほしい。そんな、子を思う母の視点からも、今回の質疑では教育の問題を扱いたいと思います。

 まず初めに、いじめの問題を取り上げたいと思います。

 私が特に問題視しているのは、いじめ被害者への対応といじめ加害者への対応が著しく不均衡であることです。教育社会学者の内田良氏の著作「いじめ加害者にどう対応するか」で述べられているように、いじめ被害者にとっての安全、安心な場は学校の外につくられてきており、これは優しい排除であったと言えます。他方、加害者は学校に通い続ける、そのような例が繰り返されてきています。

 内田氏は、いじめ加害者問題について二つの背景を紹介しています。一つは、問題を学校の中に抱え込んで教育的に解決しようとする教員文化があること、その結果、加害者をも抱え込んでしまうこと、そして現場での事実認定の判断や手続の困難さゆえに出席停止といった対応を行うハードルがとても高いということです。もう一つは、これまでのいじめ対応は被害者を中心に考えられ、その方法として学校空間からの優しい排除が行われてきた一方で、加害者への登校代替案が未整備であることです。要は被害者が学校にいられなくなることを前提としたこの従来のいじめ対策は、このまま見直されずにいてよいのでしょうか。

 ここで、松本文部科学大臣にお伺いします。学校におけるいじめ加害者へのこれまでの対応をどう評価されますでしょうか。また、いじめ被害者ではなく、いじめ加害者を学校から離脱させることの必要性をどのようにお考えでしょうか。

松本(洋)国務大臣 まず冒頭、いじめは暴行罪や傷害罪など犯罪にもつながるものでありまして、絶対にあってはなりません。まずそのことをしっかりと指導していくことが必要だというふうに考えているところでもあります。

 その上で、いじめが発生した際の対応については、いじめ防止対策推進法におきまして、いじめをやめさせ、そしてその再発を防止するために、いじめを行った児童生徒などに対する指導を継続的に行う旨規定をされているところであります。

 また、同法に基づくいじめの防止等のための基本的な方針におきましては、いじめを行った児童生徒への対応といたしまして、自らの行為の責任を自覚させることや、出席停止、警察との連携、これらによる措置も含めまして毅然とした対応を行うことで自らの行為の悪質性を理解させ、健全な人格の発達に配慮するよう示しているところであります。

 文部科学省の調査では、いじめを行った児童生徒への特別な対応といたしまして、令和六年度中、警察などとの連携は三千六百七十七件、懲戒退学が十九件、停学が六百十七件となっておりますが、いじめに対しては毅然とした対応を更に促していくことが必要と考えているところであります。

 本年一月末には、SNS上における暴力行為等の動画の投稿、拡散を受けまして、全国の教育委員会等に対しても通知を発出しましたが、その通知におきましても、警察との連携、学校教育法に基づく懲戒等を含めた毅然とした対応を要請しているところであります。

 子供たちが安全、安心に過ごすことができる環境の整備に向けて、文科省としても、各教育委員会等々を通じて、こうした我々の考え方というものを現場に周知をしてまいりたいと考えております。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。警察などとの外部組織との連携を充実化していくとのことでしたが、それは更に今後も実践していただきたいと思います。

 また、続いて、同書では、教員の半数近くが加害者を出席停止にすべきと考えておりまして、管理職の方が一般職に比べてその比率が高いこと、また、教員は事実認定に困難性があると考えているが保護者はそうでもないこと、もう一つ、いじめられた生徒にも責任があると考える傾向があるのは教員ではなく保護者であり、その結果、被害者である子供だけでなく、被害者の保護者も周りの保護者から孤立してしまうメカニズムがあるということを指摘しています。加害者を野放しにし、被害者を学校空間から排除するこの対応がこのような構図から生み出されていることを述べておきたいと思います。

 さて、文部科学省の国立教育政策研究所は、一九九八年からいじめ追跡調査を行い、定期的に報告書を出しています。調査から導かれた見解を要約すると、いじめは特別な子供の問題ではなく誰もが巻き込まれ得る集団現象であり、未然防止と関係性の質の向上こそが最も効果的な対策であるということだと思います。

 この調査から得られた知見は、文部科学省の政策立案に生かされているのでしょうか。いじめを構造的に理解するのは重要なアプローチだとは思いますが、いじめの集団現象的な性質を強調することにより加害責任が希薄化してしまうことが危惧されます。

 いじめにはほとんど犯罪であるようなものも最近では多々あり、重大事案については、教育的配慮を前提としつつ、責任ある明確な措置が必要です。つまり、学校空間の維持と、被害者と加害者の公平性とのバランスは考慮されるべきです。そのためにも、加害側一時分離の標準化、すなわちガイドラインなどの制定が必要ではないでしょうか。

 ここで、政府参考人にお伺いいたします。平成十三年十一月六日発出の初等中等局長通知では、出席停止制度の運用の在り方について言及していますが、ここから一歩進み、加害側一時分離の標準化を図るためのガイドラインなどを作成することを検討してはいかがでしょうか。

望月政府参考人 ただいま委員の方から出席停止制度について御質問ございました。

 この出席停止制度でございますけれども、学校教育法上は、本人に対する懲戒の観点ではなく、学校の秩序を維持し、他の児童生徒の教育を受ける権利を保障するという観点から設けられたものでございます。

 いじめは絶対に許されるものではないということは、これは基本でございます。ただ、いじめを行った者に対して学校が指導を継続してもなお改善が見られず、正常な教育環境を回復するため必要と認める場合には、教育委員会は、いじめや暴力行為などの問題行動を繰り返す児童生徒に対しまして出席停止措置を取ることをためらわず検討すべきであると考えているところです。要すれば、いじめを行っている子に対して、切り離すのでなく、しっかり指導を継続して行った上で、いじめられている子供に対するケアをしっかりすることが大事だというふうに考えてございます。

 その上で、委員御指摘の出席停止制度の運用の基本的な在り方につきましては、御紹介いただきました平成十三年に学校教育法を改正したときにお示しをしてございます。その中では、出席停止の要件、保護者への事前の説明や意見の聴取など事前の手続、出席停止期間中の当該児童生徒に対する指導の在り方や出席停止期間後の対応などについて、基本的な考え方を説明してございます。

 この方針につきましては、毎年周知をしてございますけれども、市町村教育委員会の権限と責任におきまして、出席停止の制度の運用が現場において必要な場合には、ためらわず検討され毅然とした対応がなされるよう、これは自治体の声もお聞きしながら、その運用については分かりやすい周知に努めてまいりたいと考えてございます。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 そのガイドラインというのが適用されにくい、分かりにくいということも起きているので、運用しやすく規定を整えていく必要があると考えております。いじめ被害者への対応といじめ加害者への対応の不均衡の改善については、引き続き扱っていきたいと思います。

 もう一点、今も何度かお言葉が出ましたように、いじめ問題というと、被害者、加害者以外に教育委員会が登場人物となる場合が多く見られます。この教育委員会について、私はかねてから二つの問題点があるのではないかと感じていました。

 まず、学校という場を抱え込むため、本来学校以外であれば保健所や労働基準監督署などの専門分化した組織が対応するところを、教育に限っては全て教育委員会が対応することになり、これは制度設計上の構造的問題ではないかということ、そして、形式的には地方分権化しているものの、実質的な裁量の範囲が明確ではないのではないかというところです。そのような状況に置かれている教育委員会は、様々な問題に対し身動きが取れなくなっているのではないでしょうか。

 ここで、松本文部科学大臣にお伺いします。現在の教育委員会を取り巻く状況をどうお考えでしょうか。また、教育委員会が地域課題の解決に主体的に臨むためには何が必要だと思われますでしょうか。

松本(洋)国務大臣 委員御指摘のとおり、いじめへの対処に当たっては、教育委員会を始めとした学校設置者がその役割を主体的に担うことが極めて重要と考えております。

 教育委員会等の学校の設置者は、学校におけるいじめの対応状況の把握や学校に対する必要な措置の指示、保護者との状況共有、重大な被害が疑われる場合の調査の実施、事案の状況に応じた学校への指導主事等の職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、弁護士等の派遣、警察や福祉、医療等の関係機関との連携や首長部局との連携などの役割を果たすことが必要と考えているところであります。

 こうした設置者における取組の重要性に鑑みまして、昨年度改定したいじめの重大事態に関するガイドラインにおいては、教育委員会などの設置者における平時からの備えについての記載を充実させるとともに、対応に係るチェックリストも作成をさせていただいたところであります。文部科学省としては、引き続き、ガイドラインやチェックリストなどの趣旨の周知徹底を図り、教育委員会の主体的な取組を促してまいりたいと存じます。

 また、今、御質問の中に教育委員会の在り方に関する御指摘もあったと承知をしておりますけれども、これに関しましては、これまでの経緯、歴史、そして様々な皆さんの御意見、考え方というものも様々に存在をしているというふうに承知をしているところでもあります。そうした皆さんのお声というものもお伺いをしながら、是非この教育委員会の在り方というものについてもいろいろと皆さんから御意見をお聞かせいただければと思います。

 以上です。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 この点においても各所との連携を明確にしていくとのことでしたが、実際にいじめという問題について教育委員会がどのような機能を果たしているのかということ、こちらも更に明確化していく必要があると考えます。

 問題に応じて機関との連携が必要ではあると思いますが、問題が起きたときにどのように対応していくかということがもっと分かりやすければ、重大化防止にもつながるのではないかと考えております。これはほかの大きなテーマである不登校問題にもつながることだと思いますので、今後も更に質疑を深めていきたいと思います。

 次に、教員による性加害と復職に関する問題について取り上げたいと思います。

 教員の不祥事の典型例を指している言葉があります。それぞれ頭文字を取って、イイコタコ、そのような言葉があり、飲酒運転、淫行、いわゆるわいせつ行為、そしてコは個人情報漏えい、タは体罰、公金横領、これらが該当するそうです。このように、残念ではありますが、性加害は教育の現場では起こりやすい問題として認識されています。

 前提として、私個人としては、性加害歴のある者の教育現場への復帰は極めて慎重であるべきだと思っています。職業選択の自由や法の下の平等、また、二重処罰の禁止といった憲法上の問題が生じることや性加害の認定に議論が生じていることは認識しておりますが、それでも教育の場の安心、安全が最優先されるべきではないかと考えております。

 教員による性加害の問題は、特に二〇一〇年代後半から繰り返し報道されて、社会問題化しております。懲戒免職後たった三年の経過で免許再取得が可能であったり、また、免許失効情報が全国で十分共有されていなかったということにより、問題のある者が容易に再就職できる制度であることが明るみになりました。この事実が世の中に衝撃を持って受け止められた結果、法整備は進んでおります。そして、令和三年に制定されたのが、いわゆる教員性暴力等防止法です。

 この法律の注目すべき点として、その二年後に改正された際に導入されたデータベースが挙げられます。同法の第十五条第二項では、特定免許状失効者等、すなわち児童生徒性暴力等を行ったことにより免許状が失効した者及び児童生徒性暴力等を行ったことにより免許状取上げの処分を受けた者、この情報をデータベースに迅速に記録することを教育委員会に義務づけ、同法第七条第一項では、教育職員等を任命、雇用しようとする者がそのデータベースを活用することを義務づけています。

 しかし、昨年十月には、このチェックを改姓により、すなわち名字を変えて学校に復職していたという事件が報道されました。しかも、同様の復職を複数の都道府県で繰り返していた常習者であったようです。更に驚くべきことに、こういった事態が起こり得ることは法改正時から意識されていて、令和五年三月二十四日発出の事務次官通知にも明確に記載されています。

 あわせて、大きな問題として、事件後の文部科学省の調査では、さきに述べたデータベースへの登録を約四割の教員採用権者が実施しておらず、また、採用時のデータベースの活用を約七割の教員採用権者が実施していなかったことが明らかになり、システムの存在や活用義務を知らなかった者さえいることが判明しました。

 ここで、松本文部科学大臣にお伺いします。データベースの活用の徹底が不足していたこと、そして想定されていた事件を防ぐことができなかったことの原因は何にあるとお考えでしょうか。また、再発を防ぐために何をする必要があると思われるでしょうか。

松本(洋)国務大臣 子供を守り育てる立場にある教員が児童生徒性暴力などを行うなどということは、断じてあってはなりません。

 御紹介いただきました令和三年に成立した教員性暴力等防止法におきましては、教員採用権者に対しまして、教育職員等を任命又は雇用する際に、児童生徒性暴力等により免許状が失効などになった者に関するデータベースの活用を義務づけているところであります。

 しかしながら、委員御指摘のとおり、児童生徒性暴力等を行った者が改姓したことで、姓を変えたことでデータベースをすり抜け、学校現場で働いていた可能性があるといった報道があったほか、昨年、文部科学省が実施した調査におきまして、約七割の教員採用権者がデータベースを正しく活用できていなかったという事実が分かっているところであります。

 文部科学省としては、姓を変える前、改姓前の失効等の履歴を確認するために、現在の氏名と併せて大学の卒業証書の原本などに記載された改姓前の氏名でも検索することについて、各採用権者に求めているところであります。

 また、データベースの活用徹底でありますけれども、登録、活用に当たっての手順等を説明する動画や簡略化したマニュアル等の作成、周知というものを加えているところでありますが、より実効的な対策を検討していかなければ、いつまでたっても非常に低い割合というのは変わらないのではないかという私の問題意識に基づく指示に基づきまして、データベースを正しく活用できていない教員採用権者の公表を前提としたフォローアップ調査の実施も現在予定をしているところであります。

 子供たちへの性暴力の根絶に向けまして、全ての教員採用権者がデータベースの活用を徹底するよう、こうした取組を着実に進めてまいりたいと存じます。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 今の答弁では、行政処分の際にデータベースに登録されるとのことでしたが、その情報の更新がされないことも問題なのではないでしょうか。

 例えば、卒業証書であれば、極端な話、何度か姓を変えていると、またそれも認識されないという懸念点もあります。特定免許失効者に届出義務を課したり、むしろ医師や歯科医師、薬剤師のように教員にも数年ごとの届出義務を課したりするなど、決して繰り返されてはいけない問題であるからこそ、しっかりとした運営を求めたいと思います。

 さらに、もう一点、こども性暴力防止法に基づき導入が予定されている日本版DBSについても取り上げたいと思います。

 この日本版DBSとは、性犯罪を防止する措置の一つとして、対象の事業者に対し、子供に接する仕事に就く人について性犯罪歴の確認を義務づける制度のことです。教育職員性暴力等防止法のデータベースでは行政処分歴を、そして日本版DBSでは刑事有罪歴をそれぞれ記録また照会するもので、教員は二重のスクリーニングを受けることになると言えます。

 しかしながら、先ほど申し上げたようにデータベースだけでも現場の運用が不十分であったにもかかわらず、この二つのデータベースを円滑に運用することは可能なのでしょうか。もし運用に無理や無駄があるようであれば、将来的な統合も考えるべきだと思います。

 ここで、政府参考人にお伺いします。日本版DBSが導入された際、教育職員性暴力等防止法のデータベースで生じたのと同様の活用の問題が起きないように、どのような工夫をなさるおつもりでしょうか。また、将来的な統合というのは検討中でありますでしょうか。

水田政府参考人 お答えいたします。

 教育、保育などの現場で子供に対する性暴力を防止していくためには、子供性暴力防止法に基づく犯罪事実確認などの取組が事業者により適切に行われることが極めて重要であると考えております。

 子供性暴力防止法の犯罪事実確認におきましては、従事者に対し、過去のものを含めた全ての戸籍情報の提出を求めることとしておりまして、過去に氏名を変更した場合でも性犯罪歴の有無の確認が可能でございます。また、犯罪事実確認の仕組みでは、教員性暴力等防止法の処分歴のデータベースの検索の仕組みとは異なっておりまして、個々の犯罪事実確認の記録がシステム上に保存されていくため、犯罪事実確認を一切行っていない事業者というのを確認することが可能となっております。

 このような仕組みと併せまして、システム上の手続を可能な限り簡便なものとして事業者の負担を減らすことや、施行に向けて必要な取組を事業者に周知することなどによりまして、事業者における適切な取組を促してまいりたいと考えております。

 また、将来的な統合というお話がございました。子供性暴力防止法の犯罪事実確認と教員性暴力等防止法のデータベース等との補完、連携の在り方につきましては、子供性暴力防止法の立法時の附帯決議も踏まえまして、昨年五月にこども家庭庁、文部科学省の間で審議官級の検討チームを立ち上げまして、議論を進めているところでございます。

 こども家庭庁といたしましては、子供性暴力防止法等に定める必要な取組が適切に行われるよう、事務手続マニュアルの作成や制度の周知などに努め、まずは施行の準備に万全を期してまいりたいと考えておりますけれども、御指摘のありましたように、併せましてデータベースの連携に関します文部科学省との議論というものを並行して進めてまいりたいと考えております。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 教員だけではなく、いわゆる指導者全般においても十分活用されることが必要であると考えます。保護者のいない場所においても子供たちが安心して過ごせるように、また、傷つく子供を一人として増やさないように、しっかりと取り組んでいただくようお願い申し上げます。児童や生徒のその後の人生に影を落とし得ることを忘れず、児童生徒を中心に考えながら議論を重ね、施策を進めてほしいと思っております。

 続いて、大学について質問したいと思います。

 私は、現在の大学の数は多過ぎる、そして高等教育機関としてふさわしくない大学が温存されているのではないかと考えております。なぜこんなに大学が多くなったのでしょうか。

 歴史をたどってみると、一九七五年の私立学校振興助成法から分かるように、政府は、国立大学を増やすことなく高等教育を拡張するために、私立大学を通じて量的拡大を図ってきたと言えます。一九九一年の大学設置基準大綱化により、設置のハードルが下がり、私立大学の新設が増加していきました。しかし、ほどなく少子化による需給逆転が生じ、今に至るということです。

 実際、日本私立学校振興・共済事業団の調査によれば、二〇二五年度は五三・二%の私立大学の定員割れがあったそうです。また、少子化を考慮すると、今後、私立大学の数は減らしていかなければならないのは間違いありません。しかし、その中にあっても、教育研究環境の質の担保や地域偏在への対応など、配慮しなければいけないことももちろん多くあります。特に、私立大学の数が減少していく際に、人口のみに注目して地域の高等教育環境を損なうことがあってはならないとも考えております。

 ここで、大臣にお伺いいたします。知の総和答申にも「高等教育全体の「規模」の適正化」という章がありますが、それはどのような方法でどの程度の規模で実施していくのでしょうか。少子化時代の私立大学という観点からお聞かせ願いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 我が国におきましては、高校生の半分は普通科文系で、大学生の半分が人文社会科学系学部で学んでおりまして、高校生の多くが早い段階で理数教育から離れるという文理分断が顕著であり、これからのデジタル時代における大きな課題となっております。

 この状態で二〇四〇年までに大学進学者が三割程度減少すれば、首都圏、大都市圏の人文社会科学系学部中心の大規模大学が持続をする一方で、地方の医療やインフラを支える人材を育成する小規模な大学が閉校となる可能性があり、学生個人にとっても社会にとっても深刻な事態であると考えております。

 そのため、少子化による大学の規模の適正化に当たっては、分野や地域のリバランスを図りながら、学生を伸ばすことができる質の高い大学教育を実現する必要があります。このような問題意識から、来年度から五年間を第一期といたします大学の量的規模適正化総合施策を展開いたします。

 具体的には、各県別の地域の医療、福祉、産業、インフラを支える人材需要の把握と養成体制の確立、首都圏、大都市圏の大規模大学の理工、デジタル分野への展開や人社系学部のダウンサイジングによる質の向上、数理併修、経営が厳しい大学については、金融機関の専門家などと連携をした経営体力がある段階での円滑な撤退の促進などを経済産業省や厚生労働省と連携をしながら確実に推進することとしております。

 急激に十八歳人口が減少するのは二〇三五年頃からになりますが、これらの施策は今確実に展開をしないと後年大きな社会的混乱を惹起することにもなりかねません。危機感を持って迅速に取り組んでまいりたいと考えております。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 こちらに関しては、建設やインフラ関連など、技術者の担い手不足の問題などもあるため、国土交通省との連携を図るなどして日本における専門的な技術を学ぶことができる大学として活用するなどといったことも今後御提案していきたいと思います。

 最後に、デジタル教科書について取り上げたいと思いますが、質問七、時間の関係で飛ばしたいと思います。時間が少なくなってまいりましたのでこちらは省略いたしますが、質問予定であったデジタル教科書と紙の教科書については、また別の機会にお伺いします。

 デジタル教科書について一点。デジタルデバイスを初等中等教育に用いる場合、発達や健康への負の影響が議論されていることが危惧されます。また、当然、デバイスの機能自体が集中を妨げるであろうことも予想されます。デジタル技術研究には、過度に否定的でセンセーショナルな主張が強いことも指摘されておりますが、それによって不安を覚えている保護者が多いというのもまた事実です。

 ここで、政府参考人にお伺いいたします。発達や健康に配慮しつつ学習に集中できるデジタル環境を整備するために、どのような施策を行うおつもりでしょうか。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 一人一台端末の整備や教科書におけるデジタル活用に当たっても、デジタルとリアルを適切に組み合わせて、児童生徒が学びに向き合うことができる環境を整えることが重要だと考えております。

 一方、委員御指摘のとおり、デジタル機器の活用の仕方によっては、児童生徒が不適切な情報に接してしまうこと、また、長時間利用による発達、健康面に対する不安の声があるということについても承知をしております。

 文部科学省としては、これまで、端末整備を進める中でも、使用の前提として、端末を学習に関係のない目的で使わないように指導すること等を盛り込んだ内容を通知しているほか、各教育委員会等に対しまして、端末利用時に起きる有害情報を防止するためのフィルタリング設定を適切に行うことを要請してきており、ほぼ全ての端末においてフィルタリング機能が導入されているところでございます。

 また、デジタル使用による健康への影響につきましては、児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックとして取りまとめておりまして、例えば、長時間継続して近距離で注視することを避ける、三十分に一回は二十秒以上画面から目を離して遠くを見るですとか、そういった注意事項を周知しているところでございます。

 文部科学省といたしましては、デジタルな形態を含む新たな教科書の導入に当たっても、発達段階、あるいは教科の特性を踏まえた指針を策定することとしておりまして、発達や健康に配慮しながら、デジタルを活用した学びの充実が図られるように取組を進めてまいります。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 参政党は子供の脳の発達や健康についてはとても注視している党です。子供たちの将来のためには、様々な面において評価をし、進めていく必要があると考えています。デジタル教科書については、法案の提出が予定されると聞いております。その法案審議の委員会でより詳しく扱いたいと思います。

 最後になりますが、本日は、日本の教育の課題について主に取り上げました。日本の学校は学習指導と生活指導の主要な役割を担い、子供の知徳体を一体で育む日本型学校教育というのは国際的に評価をされています。高い教育成果を上げてきたのも事実です。その反面、現代では制度疲労を起こしている部分もあります。

 参政党は教育を最も重視する政党です。日本にはすばらしい日本語があり、また、守るべき伝統や道徳というものがたくさんあります。これらの受け継がれてきたものを大切にし、今後の日本の発展にもつなげていけるような教育を私は大切にしていきたいと考えております。

 本日は昨日の大臣所信への質疑ということで内容を絞りましたが、日本の教育については、よりよい改革を目指していくのとはまた別に、根本に立ち返るべき点がたくさんあると私自身考えております。参政党所属議員として、文部科学委員の一員として、今後の質疑においては、そういった部分も軸とし、日本の教育を将来世代につないでいきたいと考えております。

 改めて、本日は質疑のお時間をいただき、ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、河合道雄君。

河合委員 チームみらいの河合道雄と申します。本日、国会議員として初めての質問の機会となります。大臣並びに委員の皆様、そして運営の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。この場に立たせていただいた皆様に、感謝の思いを胸に、しっかりと質疑に臨ませていただきます。

 私たちチームみらいは、未来を担う人への大胆な投資を政策の根幹に据えています。とりわけ、教育は百年先の日本を形作る最大の投資だと考えております。同時に、教育は権利です。日本国憲法第二十六条では、全ての国民に能力に応じた教育を受ける権利を保障しています。その理念から日本で世界に冠たる公教育が整備されてきましたが、私は、今こそ自分に合った学びが受けられるように更なる環境整備が必要だと考えております。

 本日は、その観点、権利としての教育、投資としての教育を現在の社会のありように即してどうアップデートしていくか、その観点から、大臣並びに御担当の皆様に、個別最適な教育の実現、高専の強化、科学技術投資の推進の観点から御質問をさせていただきます。

 まずは、個別最適な教育の実現に向けての質問です。

 文部科学省の教育課程企画特別部会が昨年の九月に次期学習指導要領について取りまとめた論点整理の中では、児童生徒の多様性を包摂する柔軟な教育課程編成の在り方が重要な論点として示されております。テクノロジーが発展した現在では、従来では実現できなかった児童生徒の個性や特性に応じた環境を提供することが徐々にできるようになってきています。制度を含めた学校や社会の側が変わっていく必要がございます。

 大臣にお伺いいたします。このような特別な配慮が必要な児童生徒や特異な才能を持つ児童生徒も含めまして、特別な教育課程の編成と個別の指導計画を提供することの重要性を大臣としてどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

松本(洋)国務大臣 特別な配慮が必要な児童生徒や特定の分野に特異な才能のある児童生徒を含めまして、多様な子供たちが誰一人取り残されることなく資質、能力を育成できるようにすることは重要であり、次期学習指導要領に向けてはその実現方策を検討しているところであります。

 具体的には、各教科の標準授業時数を一定の範囲で弾力的に運用し、子供一人一人に応じた学びなど、多様な学習活動等に充てることを可能とする調整授業時数制度、不登校の児童生徒や特定分野に特異な才能のある児童生徒などについて、個別の指導計画の作成も含め、特別の教育課程を編成可能とする仕組みの創設などを検討しているところであります。

 また、一人一台端末等のアクセシビリティー機能を十分に活用をするとともに、多様な特性等を有する子供たち一人一人が自らに適した効果的な学習方法を獲得できるようにしていく方向で議論をしているところであります。

 多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程の実現に向けまして、引き続き丁寧に検討を進めてまいりたいと存じます。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 非常にこういった多様な児童生徒が一人一人に合わせた教育を受けられる機会をしっかりとつくっていくこと、引き続き重要な課題と認識しております。

 同じ論点整理の中では、これらの方策を進めていく上で、学習指導要領のデジタル化でありますとか、AIを活用することでの指導案のたたき台、これの作成が容易になる可能性について触れられていると承知しております。これらの取組は、個別のカリキュラムを可能にする制度、技術的基盤として極めて重要と考えております。

 大臣にお伺いいたします。教育現場へのAI、デジタルツールの活用について、大臣はどのような基本方針の下で推進していくお考えでしょうか。特に、児童生徒一人一人への個別最適な学びの実現という観点から御所見を是非お聞かせいただければと思います。

松本(洋)国務大臣 AIやデジタルツールの活用に当たりましては、様々なリスクも指摘されているところでありますが、その活用によって、一人一人の児童生徒のニーズや特性に応じた学びの実現、教職員の校務の効率化、質の向上につながる可能性があると考えております。

 文部科学省におきましては、民間事業者とも連携をいたしまして、特別な支援を要する児童生徒の支援計画等の作成に向けた生成AIの活用に関する実証研究を始め、教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AIの活用に向けて取組を進めているところであります。

 また、次期学習指導要領に向けては、教師の授業づくりをデジタル技術で支えるためにデジタル学習指導要領の開発が検討されており、その際には生成AIを活用した指導や評価の計画作りにも生かせるようなものとしていく方向で検討が進められているところであります。

 引き続き、AI、デジタルツールの学校現場における適切な利活用など、GIGAスクール構想の着実な推進に取り組んで、教育の質の向上、また教職員の皆様方の負担軽減、こうしたものを両立させて進めていくことができるように頑張ってまいりたいと思います。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 おっしゃっていただきましたように、学習指導要領のデジタル化ですとか、それを基に指導計画の立案を支援していくような形がありますと、個別の配慮が必要な方だけではなく、あらゆる児童生徒に対してメリットがあるような、そのような仕組みの構築にもつながり得るのかなということで、非常に興味深くお伺いしております。

 加えまして、リスクもある中で、どのように生成AIを始めとするデジタルの技術を学校現場に投入していくかは、実務レベルでも大きな課題があると認識しております。大臣がお話しいただいたような生成AIを活用した計画策定のほかにも、文部科学省では、リーディングDXスクール事業を通じて、各地の実証校においてテクノロジー、生成AIの積極的な活用を推進していると認識をしております。

 政府参考人にお伺いをさせていただきます。これまでの実証校での取組の中から、個別最適な学びの実現に向けてどのような示唆が得られているでしょうか。また、その成果をどのようなプロセスで全校の学校に普及、展開していくお考えかを是非具体的にお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のリーディングDXスクール事業につきましては、一人一台端末とクラウド環境等を活用して個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、主体的、対話的で深い学びを実現することを目的として好事例の創出に取り組んでおります。

 当該事業におきましては、クラウドを活用することで、例えば子供が教材を自ら選択したり既習の知識をいつでも振り返ることができる、あるいは授業中に友達のワークシートや考え方を参照することで自分の考えと比較したり友達の学習過程からヒントを得ることができる、あるいは教師が子供の学びの状況をリアルタイムに見取ることで適時適切に指導することができる、こういったことによりまして、子供たちに深い学びにつながる事例が創出されているところでございます。また、例えば特別な支援を要する児童生徒の学びの保障にも寄与する事例も出てきてございます。

 こうした事例につきましては、特設サイトにおいて実践事例を公開するとともに、当該事業の指定校におきましては、デジタル学習基盤の効果的な活用に係る公開授業をかなりの数、実施をしておりまして、こういったことで事業の成果の周知、普及を図っているところでございます。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 お話しいただいたような、一人一人が自分に合ったペースで学んだりですとか振り返りをするという取組、非常に個別の学びの観点からも重要だと捉えました。お話しいただいたような事例の周知、単にホームページ等で公開するだけではなく、より主体的にいろいろな教員あるいは学校現場の方々に届くようなお取組も御検討いただけると非常にありがたく存じます。

 続きまして、これらに関連した評価や進路選抜の観点についてもお伺いをさせていただきます。

 多様な児童生徒を包摂する教育の実現には、教育課程の編成の問題だけではなく、評価や進路、そして、特に選抜の観点も重要だと考えております。私も、不登校を経験した方から、学校に通えなくなった結果として進路の選択肢が狭まったというお話ですとか、あるいは、進路が狭くなってしまうから、行きたくないけれども学校に行ってほしいというふうに親に言われたといった話をよく耳にしてまいりました。現行の高校入試の中では内申点、調査書が重視される結果、不登校経験者ですとか発達に特性があるお子様たちの、生徒児童の皆さんが不利になりやすい構造があり得ると考えております。

 評価に関しましては、一部既に取組が進んでおることを承知しておりますが、こういった入試選抜においては、一部の都道府県で調査書を用いない受験の取組が進められているという認識がありますが、全国的にはまだ限定的かつ生徒御本人や御家族におかれましてはまだ安心できるような周知状況に至っていないという認識を持っております。

 政府参考人の方にお伺いいたします。調査書によらない多様な受験機会の確保について、文部科学省としてどのように全国への普及促進を図っていくお考えかお伺いできないでしょうか。よろしくお願いいたします。

望月政府参考人 お答えいたします。

 高等学校入学者選抜の実施方法等につきましては、御承知のとおり、その権限におきまして設置者である各都道府県教育委員会等が決定するものではございますが、文部科学省では、各教育委員会等に対しまして、生徒の個性に応じて多様な側面を評価するという観点、選抜方法を多様化させるという観点から、調査書の比重を大幅に軽減する選抜、あるいは調査書を用いない選抜を行うことも考えられることをお示しをしているところでございます。

 先ほどから出てございます昨年九月二十五日の中教審の教育課程企画特別部会における論点整理におきましても、不登校生徒などの多様な背景を有する生徒の個性、特性を十分に踏まえた選抜の充実、あるいは、生徒や地域の実情に鑑みまして、学力検査を行わないことのできる選抜や、調査書を逆に用いないことのできる選抜の取扱いなどの論点をお示しされているところでございます。

 高校入試につきましては、多様な背景を有する生徒の特性や、多様な経験を生かした中学校までの生徒の学びの成果を評価する多面的な入試となるよう改善が求められると高校改革のグランドデザインにも示しているところでございまして、今般の高校教育改革の趣旨、あるいは中教審の議論、あるいは中学校における進路指導の改善といった観点も、総合的に改革を進める中におきまして、多様な背景を有する生徒の特性や多様な経験を生かした生徒の学びを丁寧に評価できるよう検討を進めてまいります。

河合委員 御答弁ありがとうございます。

 今後、検討が加速していくことと認識をいたしました。進学することが全てではございませんけれども、そういった、学校に行けなかっただとかということで学びの機会が途絶えること、あるいは選択肢が狭まることがないような制度になるよう議論を深めることに私も貢献してまいりたいという思いでございます。

 続きまして、高専の強化についてお伺いをさせていただきます。

 少子化が進む中にありましても、AIや先端技術の急速な発展により、理工系の実践的専門人材への需要はむしろ増大しております。高専は、実践かつ専門性の高い技術者を養成する機関として産業界や国際的にも高い評価を受けております。

 私たちは、高専等の専門教育機関については、質的強化にかかわらず、この少子化の中でありましても新設や転換による量的な拡大を積極的に進めるべきと考えております。また、地域社会における産業の状態を踏まえました地域特色が出しやすい教育機関であるという認識も持っています。しかしながら一方で、私の地元の自治体の方からは、誘致したくても、あるいは開設したくても、高専の開設を断念したという声も聞いており、現時点では一定のハードルもあるという認識も有しております。

 大臣にお伺いいたします。高専の量的拡大、質的強化の方向性について、大臣の御見解をお聞かせください。お願いいたします。

松本(洋)国務大臣 二〇四〇年には社会産業構造が変化をし、理工デジタル分野の専門人材等が圧倒的に不足することが見込まれ、特に高度な技術者を養成する高専への期待はますます高まっております。文部科学省としても、国立高専の機能強化を進めるとともに、公立高専の設置支援に積極的に取り組んでいるところであります。

 お尋ねの高専の新設でありますけれども、現在、滋賀県、愛知県、福岡市など複数の自治体で高専設置に向けた準備が進められているというふうに承知をしております。文部科学省としても、設置に向けた自治体からの相談対応などを丁寧に実施をしているところであります。

 また、そうした自治体の声も踏まえまして、令和七年度補正予算も活用をいたしまして、今般、成長分野転換基金における支援を拡充し、高専の新設に係る支援上限額を従来の十億円から二十億円に引き上げまして、高専の設置を一層促進しているところであります。

 私も高専に何度か視察にお伺いをさせていただいて、また、その周辺の企業の皆さんともお話をしたことがあるんですけれども、よく得難い貴重な人材のことを金の卵なんというふうに言ったりしますけれども、その企業の方が、高専の子供たちは金の卵じゃなくてプラチナの卵なんですというふうに言ったのがすごく印象に残っておりますし、また実際に有効求人倍率も非常に高い水準であるということも一般的に言われているところでもあります。

 そういう意味では、文部科学省として、国立高専の設置、運営に係る知見も最大限に活用して、各自治体での公立高専の構想、設置、運営が円滑になされるよう、専門的、技術的なあらゆる観点から全面的に支援をしてまいりたいと存じます。委員の地元で断念をしたという話でありますけれども、もしよろしければ、またいろいろと御相談をしていただければと思います。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 非常に前向きなお言葉、そして国立高専だけではなく公立も支援していくという方向性、非常に共感もいたしますので、私どももしっかりとできることを貢献してまいりたいと思います。

 こういった公立の可能性もあるということをしっかりと周知も進めていただきたいと同時に、高専の新設や既存校の転換を進める上では、カリキュラム編成の難しさであるとか、優秀な教員の確保、高額な設備の更新など、現場レベルでの障壁も大きいと認識をしております。

 政府参考人にお伺いいたします。これらの課題に対して、どのような支援策や制度的措置を講じていくお考えなのか、御所見を是非お伺いさせてください。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま大臣から、愛知県では、愛知県立総合工科高校を土台として高専を設置する計画があるというふうに申し上げました。こうしたことに当たりましては、今先生から御指摘をいただいたように、カリキュラム編成や高い専門性を有する教員の確保、設備整備などの課題があると認識をいたしております。

 こうした課題に対応するため、まずカリキュラム編成でございますけれども、例えば、半導体産業が集積する九州地区におきましては、熊本高専と佐世保高専が拠点となりまして、半導体企業による教材作成の支援、専門家講師の派遣、半導体企業との共同研究、インターンシップの実施など産学連携による最先端の技術教育を実施しているほか、開発した教材の他の高専への横展開、モデルカリキュラムの策定といった高専のネットワークを生かした取組を進め、不断に教育内容を見直し、教育内容の高度化につなげていくところでございます。

 また、人材育成、設備整備につきましては、先ほど大臣からも答弁申し上げましたとおり、成長分野転換基金におきまして、高専を設置する際に必要な教員人件費や設備整備費への支援を実施しているほか、国公私立大学から構成される成長分野転換コンソーシアムを新たに設置し、助教、ポスドク等の若手研究者との人的なマッチングを行う予定にいたしてございます。

 高専の設置に当たりまして、自治体が直面する課題に対し、文部科学省としては、あらゆる面から全力で積極的に支援を進め、各自治体と丁寧に連携しながら高専の新設をしっかりと進めてまいりたいと考えてございます。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございました。力強く諸方面から御支援が進まれていくということを認識いたしましたので、こちらは是非今後も進捗を見守ってまいりたいと思います。

 続きまして、科学技術投資の推進の観点から質問させていただきます。

 さて、御案内の方も多くいらっしゃると存じますけれども、先週の金曜日ですかね、科研費の採択の結果が出ておりまして、私の周りにいる研究者も悲喜こもごもでございました。

 科研費を始めとする競争的資金の存在について、本日度々議論にも上がっておりますけれども、否定されるものでは全くないと思った上で、科研費が当たるという表現もありますが、一種のばくちのように見られる現状というのは、研究の継続性の観点からは負の影響もあり得ると考えております。実際に、私の知人が勤める国立大学では、運営費交付金の減少時期に一部の部局で経費がゼロになったというところもあったみたいな話も聞いております。

 短期的な成果が見えにくい基礎研究、萌芽的な研究領域、あるいは人文系の教育なども含めまして、やはり研究活動を進める上には安定的な経費基盤が不可欠だと考えております。

 大臣にお伺いいたします。国立大学の機能強化を進める上で、競争的資金と基礎的経費のバランスをどのようにお考えなのか、特に安定的な基盤的経費の意義についての大臣としての御見解をお聞かせください。

松本(洋)国務大臣 国立大学法人運営費交付金等の基盤的経費と競争的資金のバランスにつきましては、基盤的経費の一方的な削減などにより、安定的な教育研究活動等が阻害されているという指摘なども踏まえまして、国立大学法人運営費交付金につきまして、平成二十七年度以降は同額程度の予算額を確保してまいりましたが、このような中、近年の物価、人件費の上昇などによりまして、運営費交付金は実質的に目減りをしておりまして、教員に配分される一人当たりの研究費も減少しているとの指摘もあります。

 こうした状況も踏まえまして、令和八年度予算案におきましては、近年の物価上昇等の中、国立大学における基礎研究の充実などを図るため、平成二十九年度以来の九年ぶりで実質的に過去最大の増額幅となる対前年度比百八十八億円増額の一兆九百七十一億円を計上しております。また、先般の令和七年度補正予算におきましても、運営費交付金四百二十一億円を含みます合計四百八十六億円を計上しているところであります。

 我々といたしましては、こうした基盤的経費、競争的資金共にしっかりとバランスを取るということが大変大事でありまして、どっちかに偏るのではなくて、しっかりとこの双方の予算を確保していくということ、加えて、自己財源の充実など財源の多様化を促しつつも、安定的、継続的な教育研究活動を支える基盤的経費であります運営費交付金の拡充に取り組んでまいりたいと存じます。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。こちら、両面、そして外部資金も含めた充実を一層図っていくというお考え、しっかりとお聞かせいただきました。

 こういった基盤的経費がしっかりと確保される中で、研究者がしっかりと研究に集中できる環境づくりが重要かと思います。科研費の申請負担の軽減について種々の取組がなされていることを承知しております。特に科研費の基金化については、年度をまたいだ柔軟な資金執行を可能にし、研究者が資金管理に費やす時間を削減して実質的な研究時間を確保できるというメリットがある施策だと認識しております。

 政府参考人にお伺いいたします。科研費の基金化の現状と進捗、そして今後の拡大方針についてお伺いさせてください。お願いいたします。

淵上政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘ございましたように、科研費の基金化につきましては、複数年分の研究費を一括して交付することによりまして、毎年度の交付手続や繰越し申請の手続などが不要となったり事務負担の軽減が図られます。また、複数年度にわたる柔軟な研究費使用が可能となり長期的な視点で研究に取り組めるといったことで、研究者、研究機関の方々から高く評価をいただいているところでございます。

 文部科学省としましては、これまで、令和二十三年度に最も対象者の多い研究種目でございます基盤Cという種目を基金化したことを皮切りに、順次基金化を進めてきておりまして、令和七年度の補正予算におきましても、昨年十一月の閣議決定で、科研費について、国際的研究への支援強化や若手研究者の研究時間確保のための全面基金化に向けた取組を推進することなどを通じ大幅に拡充するとされたことを踏まえまして、必要な予算を計上した上で更なる研究種目の基金化を進めてきたところでございます。

 残された研究種目もあります中で、更なる基金化の取組を含めまして、科研費において、更に質の高い研究が進められるように、様々な関係者の御意見も伺いながら、科研費の在り方について更に検討を進めてまいりたいと思います。

河合委員 御答弁ありがとうございます。お話しいただきました基金化並びに科研費を含めまして研究者の研究環境をしっかりと守っていくというところを今後も注視してまいりたいと思います。

 そうしましたら、最後に、研究環境を実現するための環境面の整備をお伺いします。

 世界水準の魅力的な研究環境を実現するために、SPring8の高度化を始めとする共用促進法に基づく大規模研究施設の高度化、あるいは大学等の研究基盤の刷新が進んでいると承知しております。特に、研究基盤の共用化、高度化を図るコアファシリティーの戦略的整備は、個々の研究室が重複して設備を抱えることなく高度な研究環境を共有できる有効な仕組みです。機器利用料だけで先端施設にアクセスできることは若手研究者支援にもつながります。一方で、機関、研究室の参画をいかに促すか、また設備を支える技術支援人材の確保と待遇改善が急務と考えます。

 政府参考人にお伺いいたします。コアファシリティーへの研究機関や研究室の参画を促すためのインセンティブ設計、そして技術支援人材の育成、待遇改善に向けた具体的なお取組を是非お聞かせください。お願いいたします。

斎藤委員長 西條科学技術・学術政策局長、時間が近づいております、簡潔にお願いします。

西條政府参考人 お答えいたします。

 先生から御指摘いただきました研究基盤の強化に関しましては、若手を含めた全国の研究者が挑戦できる魅力的な研究環境の実現に向けまして、全国の大学等において、技術職員やURA等の研究開発マネジメント人材を含めたコアファシリティーを大学の組織全体として戦略的に整備するために、新たに先端研究基盤刷新事業、EPOCHを創設することとしております。

 この研究設備、機器の管理を個人から組織に転換することで、持続的に研究基盤を持続、強化するとともに、共用施設の利用料収入を長期的に積み立てることで柔軟に修理等に活用できる仕組みや競争的研究資金の改革など、こういったものにより研究機関の参画を促し、コアファシリティーを中心とする研究者が集まる魅力的な場の形成を進めてまいりたいと思っております。

 また、技術支援人材につきまして、これはこういった事業を活用しつつ、本年度末に策定予定の技術職員の人事制度等に関するガイドラインも踏まえつつ、技術職員の配置や専門性の状況を一元的に把握、また、部局等横断的な育成制度やキャリアパスの構築など、大学経営層のリーダーシップによる組織改革を進めてまいりたいというように考えてございます。

斎藤委員長 淵上研究振興局長、簡潔にお願いします。

淵上政府参考人 済みません、先ほど私、基金化のスタートを令和二十三年度と申し上げましたが、平成二十三年度でございました。申し訳ございません。

河合委員 それでは、本日、いろいろ御質問させていただきました。お時間となりましたので、これからも、一人一人が自分らしく学べること、そして科学技術への投資、しっかりと訴えてまいりたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

斎藤委員長 次回は、来る六日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時六分散会


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