衆議院

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第9号 令和8年5月20日(水曜日)

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令和八年五月二十日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 斎藤 洋明君

   理事 青山 周平君 理事 尾身 朝子君

   理事 岸 信千世君 理事 深澤 陽一君

   理事 盛山 正仁君 理事 浮島 智子君

   理事 村上 智信君 理事 西岡 義高君

      浅田眞澄美君    あべ 俊子君

      石田 真敏君    伊藤  聡君

      井原  隆君    内山 こう君

      黒崎 祐一君    下村 博文君

      田中 昌史君    辻  秀樹君

      辻 由布子君    渡海紀三朗君

      永岡 桂子君    丹羽 秀樹君

      福田かおる君    藤沢 忠盛君

      船田  元君    宮内 秀樹君

      山下史守朗君    山本 大地君

      犬飼 明佳君    菊田真紀子君

      山崎 正恭君    市村浩一郎君

      喜多 義典君    河井 昭成君

      渡辺 藍理君    河合 道雄君

    …………………………………

   文部科学大臣       松本 洋平君

   文部科学大臣政務官    福田かおる君

   政府参考人

   (内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官)     今泉 柔剛君

   政府参考人

   (警察庁警備局警備運用部長)           石川 泰三君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   中山 光輝君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房長) 茂里  毅君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          塩見みづ枝君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            合田 哲雄君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         森友 浩史君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       西條 正明君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    浅野 敦行君

   政府参考人

   (海上保安庁警備救難部長)            山戸 義勝君

   文部科学委員会専門員   津田樹見宗君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十日

 辞任         補欠選任

  辻  秀樹君     伊藤  聡君

  泉  健太君     犬飼 明佳君

同日

 辞任         補欠選任

  伊藤  聡君     浅田眞澄美君

  犬飼 明佳君     泉  健太君

同日

 辞任         補欠選任

  浅田眞澄美君     辻  秀樹君

    ―――――――――――――

四月二十八日

 教育予算を増額し、全ての子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(小寺裕雄君紹介)(第二六九号)

 同(河井昭成君紹介)(第二八二号)

 同(笠浩史君紹介)(第三〇二号)

 国の責任による二十人学級を展望した少人数学級の前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件の改善に関する請願(畑野君枝君紹介)(第二八三号)

 私立幼稚園を始めとした幼児教育の充実と発展に関する請願(畑野君枝君紹介)(第三一二号)

 同(笠浩史君紹介)(第三一三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三三六号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(神谷裕君紹介)(第三一六号)

 同(柴山昌彦君紹介)(第三一七号)

 同(武部新君紹介)(第三一八号)

 同(平井卓也君紹介)(第三一九号)

 同(深作ヘスス君紹介)(第三二〇号)

 同(有田芳生君紹介)(第三五一号)

 同(山口晋君紹介)(第三七一号)

 同(西條昌良君紹介)(第四一五号)

 同(田村智子君紹介)(第四二三号)

 設置基準を生かし特別支援学校の教室不足解消を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第三二六号)

 同(神谷裕君紹介)(第三二七号)

 同(笠浩史君紹介)(第三二八号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第三三七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三三八号)

 同(重徳和彦君紹介)(第三三九号)

 同(有田芳生君紹介)(第三五二号)

 同(渡辺創君紹介)(第三五九号)

 同(田嶋要君紹介)(第三七二号)

 同(田中健君紹介)(第三七三号)

 同(西岡義高君紹介)(第三七四号)

 同(西岡秀子君紹介)(第三八九号)

 同(深作ヘスス君紹介)(第四一六号)

 同(長友慎治君紹介)(第四二四号)

 学費値下げ、給付奨学金拡充、奨学金の返済免除に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三六七号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第三六八号)

 同(田村智子君紹介)(第三六九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三七〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

斎藤委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官今泉柔剛君、警察庁警備局警備運用部長石川泰三君、財務省主計局次長中山光輝君、文部科学省大臣官房長茂里毅君、総合教育政策局長塩見みづ枝君、初等中等教育局長望月禎君、高等教育局長合田哲雄君、高等教育局私学部長森友浩史君、科学技術・学術政策局長西條正明君、スポーツ庁次長浅野敦行君、海上保安庁警備救難部長山戸義勝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

斎藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。石田真敏君。

石田委員 質問の時間をいただき、誠にありがとうございます。文部科学委員会では、二〇一六年以来の十年ぶりの質問でございます。

 まず、北越高校のバス事故で生徒が亡くなられ、また多数の生徒が負傷されました。心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 文科省として、この事故が投げかけた課題についてどのように対処されていくのか、まずお伺いいたします。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 五月六日、磐越自動車道で、北越高等学校の男子ソフトテニス部の生徒二十名が乗車していたバスが高速道路のガードレールなどに衝突した事故において、生徒一名がお亡くなりになられ、その他の生徒も病院に搬送されました。

 文部科学省におきましては、新潟県から、翌七日に事故の概要について第一報として報告を受け、その後、文部科学省から新潟県に対して、バス事業者との契約関係や事故当日の状況など、事故の発生に至る経緯等について引き続き確認を依頼しているところでございます。

 文部科学省におきましては、これまでもガイドライン等において、部活動を含む校外活動等の際の安全確保について求めてきたところでございますが、今回の事案につきましては、現時点におきまして、バス事業者との契約における契約主体や内容等の明確化、実際に運転する者を運転者として明記することを含むレンタカー事業者との貸し渡しに関する契約の遵守、移動距離や運行時間、運転者等の観点から、無理のない移動の計画、必要な教職員等の配置も含め、顧問の教師等に任せずに学校組織全体で対応に当たることなどが課題であったと認識しております。

 事案の詳細の確認には一定の時間を要する一方、全国の学校では本日も部活動は実施されている中、可能な取組を速やかに実施する観点から、昨日、全国の教育委員会や私学担当部局等に対し、部活動の遠征等について、子供たちの安全確保を徹底するための一般的な留意点等を示す通知を発出いたしました。

 また、新たに、国土交通省と文部科学省との間で局長級の連絡会議を立ち上げ、部活動を含む学校教育等に関する移動の安全確保に向け、情報共有や意見交換をし、対策の実効性の向上のための検討を行うことといたしております。

 文部科学省としては、国土交通省とも連携しながら、こうした取組を通じて、部活動に係る移動も含め、学校外における児童生徒の移動の安全確保に取り組んでまいります。

石田委員 かかることのないように、しっかり、国交省始め関係省庁とも連絡を取りながら対応していただきたいというふうに思います。

 さて、私が今回質問させていただきたいと思ったのは、やはり時代が大きく変わっているということでございまして、教育制度あるいは教育内容をもう抜本的に見直す時期ではないのか、そういうような問題意識を持っておりまして、今日はちょっと大胆な提言をさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、社会の変化として何があるかというと、人口減少、少子化、女性の社会進出、AI、DXなどの技術の急速な進展、グローバル化などであります。また、教育をめぐる変化としては、ICTによる教育、貧困等による教育格差、教育内容の変化あるいは増加、教員の労働環境の悪化、こういうものが指摘されているわけでございます。

 それで、質問に入りますけれども、まず、科学技術の将来についてお伺いさせていただきたいと思います。

 二〇一二年頃の自民党での勉強会で、NISTEP、科学技術・学術政策研究所の第九回のデルファイ調査の報告がございまして、そのときに、多言語翻訳機が将来的には実現するというお話がございました。それで、私は、先ほど言いましたけれども、十年前の質問のときに、今から十数年後に実現するのに、なぜ全ての小学生に英語を学ばせる必要があるのか、そういう質問をしたところでございます。

 やはり技術の進歩を踏まえた教育が重要だというふうに思っておりまして、最新のデルファイ調査では第十二回ということでございますので、NISTEPから、将来の社会に大きな影響を与える科学技術について、時間がございませんので簡潔に御報告いただきたいと思います。

西條政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘いただきましたように、科学技術・学術政策研究所におきましては、一九七一年から五年ごとに、二十年から三十年の将来の科学技術と社会を見通す科学技術予測調査、これを実施しております。

 今年三月に公表いたしました調査では、人間の可能性を広げ、自然と調和し、AIやロボット等とも共生する二〇五〇年頃の未来社会像をコンセプトとして掲げておりますが、その中で、例えば、二〇三三年頃の実現が見込まれますパーソナライズした生成AI、いわゆる個別最適化した生成AIや、二〇三八年頃の実現が見込まれている身体能力、聴覚とか嗅覚、筋力、こういった身体能力や認知能力を自然な形で拡張する装着型デバイス、こういったものが将来の社会に影響を与える科学技術として提示されているところでございます。

石田委員 説明を聞いただけじゃなかなか分かりませんけれども、しっかり活用いただきたいというふうに思います。

 多言語翻訳機、本当に今、同時翻訳レベルと言われて、英語だけじゃないんですね、何十か国語が全部、同時翻訳レベルですから。こういうこともやはり踏まえていかないといけないなと思います。

 それでは、教育制度改革について何点かお伺いしたいと思います。

 まず、学校統合なんですけれども、少子化の影響というのがございまして、少人数の学校での課題というのはたくさんあると思うんですね、いい点もあると思いますけれども。一つ申し上げられるのは、様々な性格や境遇の同級生とのつき合い、いわゆるリアルコミュニケーション能力ですね、それからクラブ活動の多様な選択肢、こういうものも少人数の学校では難しい。そして、クラス替えということも非常に重要だと私は思うわけでございます。

 こういうことを解決するために、ダンバー数という数字が、理論がございます。これは、五人だったら物すごく親密な友人、十五人だったらとやっていくわけで、百五十人が知人ですね。そういう学者の理屈なんですけれども、こういうことを考えますと、私は、原則、おおむね一学年百五十人というような学級編制をすべきではないかなというふうに考えておりまして、その場合はエリアが広くなりますから、当然スクールバスの運行なんかを考えていくということも私は大事なことだと思っております。

 例えば、私の地元でも、学校の統廃合というのは首長選挙の争点になるんですよ。そういう意味でいうと、文科省が、教育上、どの程度が適正規模なのか、どの程度が適正配置なのか、そういう指針を出されるべきではないのかというふうに思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、児童生徒同士のリアルなコミュニケーションあるいは交流、活動の機会を確保するということに関しては、一定の学校規模を整えていくということは大変重要であると考えてございます。

 このため、文部科学省では、公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引、これも作り、また改定もして、自治体にお示しをしているところでございます。

 学校の配置の基準につきましては、徒歩あるいは自転車通学の場合に、通学距離でおおよその目安、これを示してございます。小学校四キロ以内、中学校六キロ以内でございますけれども、スクールバス等によって通学する場合の通学時間の目安も併せて示してございまして、スクールバスによって通学することも踏まえた基準も策定しているところでございます。

 各教育委員会、各自治体で、少子化のそうした環境の中で学習環境を確保する観点から、統廃合を含めた学校の規模あるいは適正配置に関する主体的な検討が各地でそれぞれ進んでございますけれども、引き続き、文部科学省としましては、教育委員会の相談あるいは御支援に乗ってまいりたいと考えてございます。

石田委員 各地の教育委員会に任すのは、それはそれでいいんですけれども、文科省として、教育というものを考えたときにどのぐらいの規模が必要なのかということは、やはり指針として私は出された方がいいと思いますよ。その方が、要らぬ争いが地方で起こらないと思います。それに基づいてやはり対応していくということが大事だというふうに思います。

 時間がないので次に行きますけれども、次は、長期休暇の見直しについてであります。

 まず、社会の変化として女性の社会進出、ということは長期休暇の子供の過ごし方というのが大問題なんですね。今までのように家庭に頼るような夏休みモデルというのはもう無理ではないでしょうか。

 また、長期休暇中も、経済格差によって、塾通いなどの学習面、非認知能力、あるいはスポーツ体験面、様々な格差が出てくる可能性が懸念されるわけなんですね。さらには、私立学校では、長期休暇中も授業時間を確保しているようであります。そうすると、公立学校との差が一段と開くということになるわけなんですね。

 このように考えていくと、やはり、長期休暇の見直しによって授業時数、授業時間を確保するということが大事なんじゃないか。その確保した時間の中で、例えば、個別最適な学びとか、あるいは非認知能力の向上とか、従来にない教育を行うことも私は可能だというふうに思っております。

 では、夏休みはどうするんですかという話はあるかも分かりませんが、私が聞いた話ですけれども、外国では、一定期間の間に、親が休むときに子供が休む、そしてその補習はオンラインでやるんだ、そういうことも行っているようであります。

 ただ、こういうことを言うと、今まで議論したことはないと思いますので、大変な課題があるのはよく分かっています。例えば、教員、補助員、学校事務員等の増員、あるいは制度の見直し、それからAIエージェントなどの最先端技術の活用、さらには財源問題。こういう問題を一体的に見直す必要があるというのはよく分かりますけれども、しかし、この際、例えば、先ほど申し上げた女性の社会進出、貧困による教育格差、非認知能力の格差、教育内容の増加への対応、教員の過重労働、こういうものを一挙に解決しようと思えば、このぐらいの思い切ったことを考えないと、対症療法ではなかなか間に合わないときに来ているんだと私は思います。

 そういう意味で、長期休暇を見直すためのグランドデザインというのを、一度、文科省できちっと検討してみるべきではないかなと思いますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。

望月政府参考人 公立学校の休業日につきましては、法令に基づきまして、当該学校を設置する自治体の教育委員会が、気候の特性あるいは地域の状況なども踏まえまして、いわゆる夏休みなどの期間を設定しているところでございます。

 石田先生御指摘のとおり、社会の変化もいろいろございまして、女性の社会進出、あるいは長期休業期間中は家庭の負担になっているというようなお声もあることは承知をしてございます。

 他方で、子供たちは夏休みを楽しみにしている方とか、あるいは短期留学、あるいは山村留学など、そういったいろいろな体験の機会となっているものもあると考えてございます。

 この長期休業期間というのは、広く学校制度の中で国民の間に定着をしてございまして、大きく変えるには国民の理解と機運の醸成が必要となるわけでございますので、我々としては、そうした社会の変化や多様な国民のお声というのをしっかり受け止めていく必要があるかなと考えてございます。

 一方で、御指摘いただきました、家庭の経済状況を原因とした学力格差という観点に関しましては、家庭での学習にも資するようなデジタル学習基盤を始めとする環境の整備や、あるいは学校における教職員定数の改善、あるいは教員業務支援員の配置などの人的配置などの支援を行いながら、多様な子供たちを誰一人取り残すことのないよう、質の高い学びの実現に向けて、環境整備を一層進めてまいりたいと考えてございます。

石田委員 それでは前に進まないんですよ。教育委員会任せみたいなお話がありましたけれども、都道府県は無理ですよ。なぜかと言うと、財源問題が全然違うんですよ。だから、私がグランドデザインと言ったのは、あしたにでもやれと言っているんじゃなくて、たたき台を作って、それで国民的議論をすべきではないのかということを申し上げているわけであります。先ほど申し上げたようないろいろな課題、解決できませんよ、はっきり申し上げて、今みたいな対応では。

 それで、夏休み、本当に家庭で困っておられるところは多いんだろうと思いますね。私、地元で、こんなアイデアはどうと言ったら、ほとんどの女性は大賛成、和歌山だけでもやってほしいと言われる。和歌山だけでできないんですよ。教員の増員から始まって、いろいろなことは、財源問題がありますから。だから、文科省がグランドデザインを描いてやるべきだというふうに思います。

 余り議論する時間がないので次へ行きますけれども、次は、大学の在り方の見直しでございます。

 これから人口減少が随分起こってくる中で、進学者数が大きく減少すると思われますけれども、まず、問い一として、AI時代にはこれまでと異なる教員像が求められると思います。あるいは、能力も求められるかも分かりません。

 そういうことを考えると、やはりこれに対応できるような情熱と能力のある優秀な教員を確保していくという意味からも、今、全国の教育学部がありますね。だけれども、先生になるのは五割ぐらいなんですよ。こんなことをほっておいていいんですか。せっかく教育学部で学問を受けたって、教員にもならない。そうじゃなくて、教員の専門大学を、今も何とか教育大学はありますけれども、それを中心にやはり考えていくべきではないのか。そして、その代わり、そこを卒業した人は、よほどのことがなければ教員に採用しますということであって、なおかつ、AI時代に求められるような、これからの教員に必要な能力というのを教育していく、そういうシステム改革が必要ではないかと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 今、石田先生からお話をいただいた件、恐らく、一つのイメージとしては、戦前の師範学校のようなイメージもあるのかなというふうに存じております。戦前、給付制の師範学校の小学校教員総数に占める割合は、昭和十四年におきまして、六割程度というデータもございまして、師範学校は学校教育を担う中核人材を育んでございました。戦後の教育改革においては開放制が原則の教員養成制度が設けられたのは、先生御案内のとおりでございます。

 このような制度を踏まえますと、今、先生がお話しいただきましたように、全ての卒業生が教員となる教育機関の設置につきましては、大事な視点ではございますけれども、例えば防衛大学校等のように、学生に公務員としての身分を与えたり、給付制にしたりするのか等の論点も含めまして検討が必要だと存じております。

 そのため、現在の枠組みにおきましては、二〇二五年三月卒業生におきまして実質教員就職率が七割となっております国立教員養成大学・学部の教員就職率の向上、一般大学・学部における教員養成を含め、先ほどお話がございました、多様な観点で能力のある、意欲のある先生方を十分に確保する方策について、強力に推進してまいりたいと考えてございます。

石田委員 今言われたように、今ある教育大学は七、八〇%、教員になっておられますので、それは一〇〇%というのは無理だと思いますけれども、こういうことをしっかりやっていって、各地の教育学部というのを本当にちょっと統合した方がいいんじゃないのかというのが基本的な考え方です。

 次に質問します。

 医学において、マルチモーダルAI診断システムが登場するなど、今後、医療体制というのは大きく変わる。そうなってきますと、医学教育も変わってまいりますよね。ある先生が、AI時代の医者は、膨大な知識は必要ない代わりに、医学倫理や生命観など、医師という仕事における、より本質的な素養が必要とされると思うと指摘されていまして、私もそう思います。しかし、現状はどうかというと、適性よりも偏差値の高い人材が医学部に集中するんですね。偏差値の高い順番にどこどこの医学部に行けみたいな話になっている。

 一方、理系人材といいますけれども、医学以外の分野へ進学する、それは、偏差値の高い人から医学部に行っちゃうと、そっちへなかなか回らないわけで、こういう現状があるんだと思います。これは日本の科学技術分野の将来にとってはゆゆしき問題だと思います。

 そういう意味で、この現状を見直すために、日野原重明先生のアメリカのメディカルスクール構想、こういうものを真剣に検討すべき時期ではないのかと思いますが、お考えをお聞かせください。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘いただきましたメディカルスクール構想でございますが、平成二十三年度におきまして、文部科学省の検討会で御議論させていただいた経緯がございます。その際、関係者からは、日本の学部教育がアメリカのリベラルアーツの教育体制とは異なる中、医師の質の確保というのをどう図っていくのか、喫緊の課題である医師の偏在対策や地域の医師確保に効果があるのかといったような御意見もあったというふうに承知しております。

 他方で、今先生からお話がございましたように、医師としての適性や意欲にかかわらず、理数系の成績が高いことのみをもって医学部に進学する実態があることは課題だと存じておりまして、例えば、この点、各大学におきましては、医学部の地域枠入試におきましては、面接試験等を通じて地域医療への意欲や適性などが評価されてございます。

 加えて、多様な経験を持つ人材を確保する観点から、四年制大学の卒業生を医学部の二年又は三年に受け入れる学士編入学制度を設けられておりまして、例えば東京科学大学では、統合メリットを生かしまして、今年度から、同大学の理工学系の学生を対象とした医学部への編入制度も設けているところでございます。

 AIを含めた新しい技術の対応につきましては、医学教育モデル・コア・カリキュラムにおきまして、これらの分野を重視しているところでございまして、引き続き、先生の御指摘を踏まえまして、しっかり取り組ませていただきたいと存じます。

石田委員 今、平成二十三年に議論されたと言いますけれども、その後の技術革新というのはすごいですよ。医学の技術革新というのは、恐らく想像を絶するぐらいの状況になってくると思いますよ。そんな中で、従来どおりの医学教育でいいのかというのは真剣に考えないと、私は思っていることはあるんですけれども、それは言いませんけれども、大変なことになってくるというふうに思いますので、是非検討いただきたいというふうに思います。

 それから、大学の在り方の三問目なんですけれども、今、首都直下型地震とか富士山の噴火というのが憂慮されているんですが、現状でいきますと、毎年十万人の大学生が新たに全国から東京に集まる構造になっているんですよ、大学入学定員数と東京都内の高校卒業生で都内に進学する人の割合からいくとですね。このような状況を本当に放置しておいていいんですかということなんです。やはり学生の命をどうやって守るかということだと思いますよ。

 そんな中で、浜田純一元東大総長は、東大改革についてこのように言っておられます。十八歳人口が大きく減っているのに、学部入学定員はさほど減っていない、極論かもしれないが、学生数を半分にして意欲ある優秀な学生をもっと精選したらどうか、教員も三分の二程度にするが、国の運営費交付金は削減しない、そうすれば教員にも余裕が生まれ、教育研究の質も上がると指摘されています。私も同感です。

 まず隗より始めよで、東京に存在する十の国立大学で浜田先生の指摘と同様の見直しを行ってはどうかなと思います。そして、大学や学部の移転ということになると、やはり移転先の地域産業と連携する、これが物すごく大事なんですね。そうすれば、地元で勉強して地元の企業に就職できる、あるいは地元の企業の高度化を図れる、こういうことなんですね。

 ドイツのフラウンホーファーという応用研究機関がありますけれども、ここは比較的そういうことなんですね。研究機関と中小企業が連携することによって、だから、ドイツは中小企業でありながら世界企業が多いというのは、こういうことなんですよ。

 また、前橋国際大学の大森学長は、地方から大学がなくなれば、地元で教員や保育士、看護師といったエッセンシャルワーカーも育たなくなる、地方大学がなくなることは、地方経済、生活の崩壊を意味すると言っておられます。私もそう思います。

 つまり、大災害に備えるとともに、地方創生にも資する首都圏の大学の地方移転、これを積極的に進めるべきときだというふうに思いますので、お考えをお聞かせください。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、先生御案内のとおり、二〇一八年度より、地方大学・産業創生法に基づく東京二十三区の大学の収容定員増の抑制措置が現在講じられているところでございます。

 あわせて、今年度から五年間を第一期とする大学の量的規模適正化総合施策を現在展開してございまして、各地域の医療、福祉、産業、インフラ、これを支える人材需要の把握と養成体制の確立、首都圏、大都市圏の大規模大学の理工、デジタル分野への展開や人社系学部のダウンサイジングによる質の向上、数理併修などを推進し、地域における高等教育機会の確保に資するよう、日本全体の大学の分野、地域のリバランスを図ることといたしております。

 文部科学省といたしましては、これらの施策を通じ、首都圏の大学の地方移転という個々の大学の判断にとどまらず、先ほどお話がございましたように、大学進学時に東京都において約八万人の若者の流入超過が生じているとともに、東京二十三区の大学学部入学定員約十二万人のうち、いわゆる文系学部が九万人を占めているといった状況を構造的に改善し、十八歳人口の急激な減少期における大学の機能強化と量的規模の適正化を、御指摘を踏まえながらしっかりと行ってまいりたいと存じております。

石田委員 先日、NHKで富士山噴火のドラマがありましたね。あれはドラマですよ。現実はもっとすごいんじゃないかなと思います。そういうことを考えておかないといけない時期にもう来ていると思いますので、真剣に御検討いただきたいと思います。

 それでは、次に、AI時代の職業と学校制度についてお伺いします。

 アメリカでは、ホワイトカラーが職を失い、一方でブルーカラービリオネアという言葉が出始めています。子供たちの進路を考える際、何が将来安定した職業なのか、これは極めて重要であり、各御家庭でも大変悩んでおられると思います。学校へ進学を進めたけれども、十年たったときに目指していた職業は存在しているかどうか確信が持てないのが今の状況でございます。

 そういう意味で、どのような教育制度にするのか、どのような教育内容とするのか、これは極めて難しい問題ですけれども、本当に日本国中の英知を集めて、文科省のみならず政府を挙げて、早急に私は検討して対応していかなければならないというふうに思っています。

 また一方で、最先端で活躍するという職業が、どんどんどんどん、どこでも耳目を集めますけれども、しかし、それらの職に就くのは恐らく比較的少数なんですよ。大多数の人は地域インフラや経済を支える仕事に従事するんですね。そういう意味でいうと、これらの問題を含めてどう対応するのかということ。

 さらには、今は、十年先が分からないどころじゃない、五年先がどうなるか分からないぐらいの、産業革命に匹敵するような大きな変わり目だということ、これは国民の皆さんにも十分理解いただいた上で対応していただかなければならない、そういう大事な問題だというふうに思っておりまして、この職業の変化とそれに対応する教育制度について、文科省の認識をお聞かせいただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 まず、石田先生におかれましては、大変大きな改革の視座を、今日、お与えをいただきまして、本当にありがとうございます。

 問題意識を大変共有しているところでありまして、社会の変化というものに教育がどのように対応していくのかということは極めて重要な課題でありますし、また同時に、変わらなければならないからこそ、守らなければならないものはしっかりと守っていかなければならないという、この二つをしっかりと持っていくことが大変大事だと思っております。

 まさに社会情勢の変化でありますとか生成AI等の進展というのは、産業構造を大きく転換をさせ、それに対応した人材育成というのは大変大事だと思っております。

 日本成長戦略会議人材育成分科会の人材育成システム改革ビジョンにおきましては、イノベーションを起こすことのできる人材や現場を支える人材を、高校から大学、大学院などを通して戦略的に育成をしていくこととしているところであります。

 具体的には、専門高校の機能強化等の社会の変化に応じた高校教育改革でありますとか、理工、デジタル系人材や、知事、学長、産業界などが連携をした地域を支える人材育成の充実など、高等教育改革、産学官の連携による大学等における十七の戦略分野を始めとした成長分野のリスキリングプログラムの開発や、専門学校の教育の質向上など、実践的職業人材の育成などの教育改革を一体的に推進をしてまいります。

 また同時に、子供たちだけではなくて、保護者も含めた国民全体の意識を変えるということも極めて大事なことだと思っております。

 先日、熊本高専に行ってまいりまして、お話を聞いてまいりましたけれども、高専の本科の卒業生の有効求人倍率は四十倍を超えています。専門科を卒業した子供たちの有効求人倍率は百五十倍を超えております。これだけ社会が求めている人材というものが大きく変化をしているということを国民全体でも理解をしていただきながら、共に議論をして進めていくこと、これが大切なことだと考えております。

石田委員 時間が参りましたので終わりますけれども、実は、私が通告をしていたのは、教育制度については、一つは、六・三・三制度の見直しです。それから、教育内容ということについては、AI時代に必要な教育とは何か、主権者教育の充実、SNS対策、あるいはグローバル化における日本文明の価値の見直し、そして非認知能力対策。こういうものについて通告をしておりましたけれども、時間が来ましたので申し上げられませんが、生徒は日々成長して、卒業していくんです。一刻の猶予も許されませんので、是非文科省として真摯に対応していただくことをお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、菊田真紀子君。

菊田委員 おはようございます。中道の菊田真紀子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、私の地元新潟県の北越高校ソフトテニス部の遠征中に発生をいたしました大変痛ましい事故について伺わなければなりません。

 福島県内の高速道路で、部活動遠征中のマイクロバスが事故を起こし、男子生徒一人の大切な、本当に貴い命が失われてしまいました。亡くなられた生徒さんに心より哀悼の意を表したいと思います。また、負傷された生徒の皆さん、本当にどんなに怖かったでしょうか。今も、体と心に大変な傷を負っておられると思います。御家族の皆様にもお見舞いを申し上げます。

 現在、事故の原因につきましては警察や国交省等による捜査が進められておりますが、私は、今回の事故を、一学校の問題としてではなく、特に、地方における部活動遠征の在り方そのものが問われている大変深刻な問題だと受け止めさせていただきました。

 好きな部活動を子供に精いっぱいさせてあげたいという親御さん、また、一生懸命頑張っている子供たち、全国の学校関係者、指導者の皆さんにとって、決して他人事ではない、いつ我が身に起こるか分からない、そんな思いできっとこの事故のことを皆さんが注目をされているんだろうと思います。

 まずは、今回の事故をどのように受け止めておられるのか、松本大臣に伺いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 五月六日、磐越自動車道で、北越高等学校の男子ソフトテニス部の生徒二十名が乗車をしていたバスが高速道路のガードレールなどに衝突した事故におきまして、生徒一名がお亡くなりになられ、そのほかの生徒も病院に搬送をされて治療を受けているところであります。

 改めまして、私からも、お亡くなりになられました生徒に心より哀悼の意を表するとともに、けがをされて、その治療に当たっていらっしゃる生徒の皆さんの一日も早い回復というものをお祈り申し上げたいと思います。

 学校の管理下での部活動の遠征のための移動中であったわけでありますが、前途ある高校生がお亡くなりになるという、決してあってはならない痛ましい重大な事故であるということで、重く受け止めているところであります。

 文部科学省として、国土交通省や新潟県等とも連携をしながら、今、事案の確認を進めているところでありますが、部活動の移動も含めて、学校外における児童生徒の移動の安全確保の徹底について、引き続き周知に取り組んでまいりたいと存じます。

 今委員からお話がございましたように、今回の事故は、単にこの事故だけを見るのではなくて、やはり、安全確保また部活動の在り方、そうしたものも含めて大きな課題を投げかけている、そういう認識を私どもとしても持っているところであります。

菊田委員 部活動遠征時の安全管理について伺います。

 文科省はこれまで、学校保健安全法に基づきまして、危機管理マニュアルの作成や、校外活動全般に関する通知等を通じ、安全確保を求めてきたというふうに承知をしております。しかし一方で、部活動遠征時の事故は今回が初めてではありません。

 資料の一を御覧いただきたいと思います。読売新聞の記事、赤枠で囲った部分ですが、これまでにも発生した部活動遠征時の主な事故一覧ですが、過去にも部活動の移動中に生徒が死亡するという大変痛ましい事故が繰り返し発生しています。

 また、資料二を御覧ください。今月三日に起こった北海道の事故では、幸いなことに死傷者はありませんでしたが、道立学校においてはレンタカーの利用が認められていなかったにもかかわらず、顧問も管理職もその運用を十分に把握をしておられなかったという事例でございます。

 こうした状況を見ますと、一般的な危機管理通知だけでは、現場に周知徹底できていないケースもあるということであります。なぜ部活動遠征時の移動安全管理についてもっと具体的な内容が示されてこなかったのか、文科省の見解を伺います。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 文部科学省におきましては、これまでガイドライン等において、部活動での事案発生時の迅速な対応と再発防止の徹底、学校全体で対応に当たること、校外活動等の際の交通事故への対処も含め、学校の危機管理マニュアルを作成することや、旅行代理店等関係者との事前調整を行うことなどをお示しし、部活動を含め、学校における児童生徒の安全の確保を求めてきたところでございます。

 その上で、今月発生した北越高等学校における部活動の遠征先への移動中の重大な事故に関しては、交通事故に至る経緯として、学校とバス事業者との適切な契約の締結等がなされていたのかどうかが課題となる中、国レベルにおいて、バス事業等を所管する国土交通省とも連携して、貸切りバスによる運送を依頼する際の留意点などを分かりやすく示す必要があるとともに、こうした留意点を踏まえ、都道府県や学校関係者が適切に対応する必要があるため、部活動の遠征等について、子供たちの安全確保を徹底するための留意点等を通知としてお示しをしたものでございます。

 文部科学省としては、部活動の移動も含め、学校教育等に関する移動の安全確保に向け、本通知の周知を行ってまいります。

菊田委員 学校活動安全確保対策推進本部について伺います。

 今回の事故を受けて文科省は、五月十二日に大臣が関係局長を集められて推進本部の設置を指示をされ、十五日に第一回の会合を開催したと承知しております。

 この推進本部とは、どのような位置づけの組織であり、どのような問題意識の下で設置をされたのか、また、今後どのようなスケジュールで検討を進め、いつ頃までに何か一定の方向性が示されるのか、伺います。

茂里政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘ございました本部におきましては、昨今の学校活動に関わる場面での安全確保に関する様々な事案、こういったことを踏まえまして、児童生徒の安全確保が一体的な取組となるよう、局を超えての情報共有、あるいは施策の連携などを図りつつ、検討を深めるよう大臣から御指示をいただいたものでございます。

 具体的な検討の内容といたしましては、児童生徒の安全確保に関して全般的に取り扱うこととしておりますが、昨今の安全確保に関する事案も踏まえ、具体的なスケジュールに関しましては明確に定めているものではありませんが、当面は、例えば、修学旅行、研修旅行における安全確保、部活動における安全確保、そして熊対策、こういったことについて議論を深めることを念頭に置いてございます。個別の対応策につきましては、適時適切に発信してまいる所存でございます。

 様々な事案を受けまして、文科省といたしましては、大臣の下、一体となって、児童生徒の安全確保に取り組んでまいりたいと思ってございます。

菊田委員 今の答弁にもありましたが、この推進本部というのは、現時点では関係部署間の情報の共有とか連携の強化が主たる目的だというふうに承知をいたしました。具体的な対策とか制度改正そのものを検討する場ではないというような答弁でありますけれども、もちろん、部局を超えて情報の共有、連携をしていくということは大変重要であります。しかし、学校活動安全確保対策推進本部と、こういう大きな名称で設置された以上、単なる情報の共有にとどまるのではなくて、今回の事故を踏まえて、現場で実際に機能する安全対策につなげていくということが求められていると私は考えますので、是非その点を意識して今後の検討を進めていただきたいというふうに思います。これは要望でございます。

 次の質問に移ります。

 昨日、文部科学省から、部活動の遠征時における安全確保に関する新たな通知が発出をされました。通知では、適切な契約の締結、緑ナンバーの確認、運転手の免許や保険加入状況の確認、顧問任せにしないで学校組織全体で対応すると。考えてみれば、これは至極当たり前、当然なされるべきことでありますけれども、改めてこういうようなことが示されたわけでございます。

 速やかに通知を出されたというこの対応については私は評価をしたいというふうに思っていますが、これまでも事故のたびに通知や注意喚起というのは行われてきたわけで、通知を出すだけでなくて、それをどのように現場へ浸透させて、実効性を確保していくのか、これがとても大事だというふうに思いますので、文科大臣の見解を伺いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 まず、先ほどの質問で、学校活動安全確保対策推進本部について御要望を頂戴したところであります。まさにおっしゃるとおりだと思います。ただ単に情報を共有したりするだけではなくて、もし必要な対策というものがこの本部の中でしっかりと明確になるのであれば、当然それに対する対応というものも我々としてやっていかなければいけないということだと考えております。しっかりと委員の御要望を受け止めて、我々としても対策に万全を期してまいりたい、そのように思っております。

 その上で御質問にお答えをいたしますが、文部科学省では、昨日、通知を発出させていただいたところであります。是非、発出した通知につきましては学校現場で確認、活用をいただきまして、学校での具体的な取組が改善されることが必要であると考えておりまして、本通知を周知徹底してまいりたい、そのように考えております。

 具体的には、文部科学省、スポーツ庁、文化庁のホームページに通知の全文を掲載するとともに、今月開催予定の各都道府県・指定都市教育委員会や、私学担当部局などの学校安全担当者を対象とした会議などにおきましても、文部科学省から行政説明することなど、様々な機会を通じて理解を求めていく予定であります。

 また、恐らく委員の問題意識は、ただ通知を発出しただけでは、先ほども配付資料の中でお示しをいただいたように、それが実際の担当者まできちんと行き渡っているのか、こういうことが本当に守られているのか、そういうことをより一歩進めて文科省としてやっていくべきではないかという問題意識からいただいているものと思っております。そういう意味では、我々としても、通知をただ出すだけではなくて、この対応状況についても確認をすることなども今後検討をしてまいりたいと思います。

 こうした様々な取組を通じまして周知を図り、またそれが実効性を担保する取組につなげていき、学校外における児童生徒の移動の安全確保が実効性あるものとなるように取り組んでまいります。

菊田委員 ありがとうございました。是非、迅速に、そして丁寧に、現場に周知が行き渡るように、そして確認も含めて、よろしくお願いいたします。

 今回の事故を受けまして、SNS等では、なぜこのバスに大人が同乗しないで子供たちだけで移動していたのかというような声が上がっています。私自身もその点については率直に疑問を感じるところがありました。一方で、現場の関係者からお聞きしますと、遠征中に生徒が体調不良に陥ったり、場合によっては、けがをしてしまうということもあって、引率の教員とか引率の指導者が現地の病院に連れていくというケースもあるそうであります。その際には、バスではなくて、また別の車両が必要になるということもありまして、本当に無理をしながらではあるんでしょうけれども、マイカー等で帯同をせざるを得ない、こういう実態もあると伺いました。

 また、そもそも顧問一人で遠征全体の安全確保、そしてまた安全管理、引率を担うこと自体、相当な負担があるというふうに思います。現場としても、もう限界ぎりぎりのところにあったのではないかなというふうに推測をいたすところであります。

 昨日発出された通知の中でも、活動内容の規模や内容に応じた必要な教職員等の配置というものが記載されております。その上で、例えば、県外への遠征や長時間移動の際の引率体制や大人の同乗の在り方について、今後更に具体的な考え方を示していくのか、文科大臣の見解を伺います。

松本(洋)国務大臣 文部科学省から昨日発出をした通知でありますが、事故発生に備えた事前の取組といたしまして、活動内容の規模や内容に応じた必要な教職員等の配置など、必要な措置を講じることを求めております。その趣旨の中には、遠征等の移動におきまして、同乗する教職員などを配置することも含む必要な措置を講ずることとしているところであります。

 御指摘の遠征時の引率体制や生徒が乗車している車両への教員等の同乗の在り方に関するより具体的な考え方に関しましては、部活動の現場における多様な実態を踏まえながら、更なる対策が必要な場合には、生徒の安全確保に向けて必要な対策に取り組んでまいりたい、そのように考えております。

 また、文部科学省といたしましては、国交省との間で立ち上げた局長級の連絡会議なども活用しながら、児童生徒の移動の安全確保が実効性あるものとなるように、引き続き検討を行ってまいります。

菊田委員 ありがとうございました。

 現在、中学校では、文科省の方針の下で部活動の地域移行、部活動の地域展開が進められています。一方で、スポーツ庁に確認をしたところ、これまで地域クラブ活動における移動や遠征時の安全管理についても、学校の部活動と同様にそれに特化したガイドラインというのは策定されていなかったということであります。

 今回の事故を受けまして、現場からは、地域クラブ活動になると引率の責任が現場の指導者に集中し、大きな負担になるのではないかとか、責任の重さから地域の担い手が減ってしまうのではないかといった不安の声も上がっています。

 昨日発出された通知では、地域クラブ活動についても安全確保を図るように記載をされています。しかし、その記載の内容は、「部活動の地域展開による地域クラブ活動についても、同ガイドライン等を踏まえ、事故防止を含む、生徒の安全・安心の確保を図ること。」という一文のみでした。私は正直に言って大変驚いています。

 学校の部活動であれば、顧問個人だけでなくて、学校や教育委員会も含めた学校組織全体として安全管理や事故対応を行う、こういう考え方が示されています。一方、地域クラブ活動は、地域によって取組状況や運営体制にも大きな差があり、誰がどこまで責任を持ち、どのような体制で安全確保を行うのかが曖昧なままです。

 今回の事故を受けて、現場の指導者や地域の担い手が萎縮をして、部活動の地域移行そのものが進まなくなるようなことがあってはならないというふうに思います。地域クラブ活動における移動時の安全管理体制や責任の所在について、文科大臣としてどのように考えているのか、見解を伺います。

松本(洋)国務大臣 地域クラブ活動でありますけれども、その実施に当たりましても生徒の安全確保が重要であり、遠征先などへの移動も含めまして、事故防止などに万全の措置を講ずることが必要であります。

 地域クラブ活動における適切な安全確保の体制につきましては、昨年十二月に策定をいたしました部活動改革等に関する新たなガイドラインにおきまして、事故などが発生した場合の対応や責任関係の明確化、保護者や関係機関への緊急時の連絡体制の整備、参加者及び指導人材が保険に加入することなどについて記載をしているところであります。

 また、昨日発出した部活動の遠征等における安全確保に係る通知の内容で適用可能な部分については、部活動の地域展開による地域クラブ活動も対象としているところであります。

 引き続き、地域クラブ活動も含めた安全、安心の確保に向けて取り組んでまいりたい、そのように考えております。

菊田委員 せっかくですから、スポーツ庁も答弁、コメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 今大臣から答弁申し上げましたように、既に、昨年の十二月に、部活動改革のガイドライン、ここで幾つかの留意点についてお示しをさせていただき、更に今回、今回の事故に起因した問題について、この問題については部活動だけではなくて地域クラブに適用するということも申し添えているという形になってございます。

 委員御指摘のように、地域クラブについては、やはり、主体がどこなのかということが非常に重要になってくると思いますので、私どもとしては、既に、昨年度補正予算及び今年度の当初予算において予算を拡充をいただいておりますが、やはり、その補助金の執行に当たっても、そういったガイドラインに則したクラブについて認定をして補助をする制度といたしておりますので、しっかりとそういった制度も活用しながら、安全、安心を地域クラブにおいても確保していきたいと考えております。

菊田委員 バス代等の費用について伺います。

 文科省に確認をしたところ、部活動の遠征時の移動に対する国の財政支援制度というのは、現時点では存在していないということでありました。しかし、昨日発出された通知では、適切な契約の締結、緑ナンバーの確認、保険加入状況の確認など、安全確保のために学校側へ様々な対応が求められています。

 貸切りバスを利用すれば、安全性は高まりますが、一方で費用負担は大きくなります。特に地方では、移動距離も長く、公共交通機関の選択肢も限られています。現実に、大きな道具や荷物をたくさん持っていく場合には、電車での移動というのは難しいと思います。さらに、全国的にバスの運転手の不足も深刻化しています。学校現場も様々な工夫をしながら対応されているとは思いますけれども、保護者の負担だけではもう限界があるのではないでしょうか。

 資料一の新聞記事にもありますように、群馬県立高校のスケート部の遠征では、貸切りバス一回で三十万円余りかかる場合もあるということであります。そんな中で、例えば、大分県では、過去の事故も踏まえまして、部活動遠征時の運転手の人件費を補助する制度があるというふうに承知をしています。

 より厳密に安全確保を求めるのであれば、それに必要な環境整備も必要になってくるのではないでしょうか。国として、部活動遠征時の安全確保に対する財政面での支援を検討しないのか、文科大臣の見解を伺います。

松本(洋)国務大臣 部活動における生徒の移動につきましてでありますが、移動の距離でありますとか乗車人数、各地域の公共交通の状況など、多様な実態に応じまして、様々な移動手段というものが用いられていると承知をしているところであります。

 また、部活動に参加する生徒と参加しない生徒が存在をするため、その活動の費用、特に交通費のような個人への給付に当たる費用につきましては、基本的に受益者が負担をすることということになっているところであります。

 なお、低所得世帯の生徒につきましては、家庭の経済状況によらず安心して教育を受けることができるように、例えば、部活動を含む教科外活動に係る経費や修学旅行費について、義務教育段階の就学援助制度や高校生等奨学給付金による支援対象となり得るところであります。

 いずれにいたしましても、先ほど申し上げたような状況の中でどうした対応というものをすることができるのかということを、我々としてもしっかりと考えてまいりたいと思います。

菊田委員 大臣がおっしゃるのはそのとおりなんですけれども、やはり、もう少し財政的に予算面で余裕があれば、どの学校も、どの部活も、やはり安全な、お金がかかっても、ちゃんとした貸切りバスを正規に借りてということができたと思うんですけれども、それがなかなかできないという学校、部活動が、むしろ本当に氷山の一角で、たくさんあるんだろうというふうに思いますので、是非、積極的な、前向きな御検討をいただければというふうに御要望させていただきたいと思います。

 最後の質問になると思いますが、今回の事故をめぐっては、学校側とバス会社側との間で契約の形態などについて説明に食い違いがあるというふうに報道されています。真実は一体何なのか、きちんと説明をして、明らかにならなければ、事故で犠牲になった生徒さんに本当に申し訳ないというふうに思いますし、今、この瞬間も、連日の報道で、北越高校に通っている生徒さんたち、そしてまた保護者の皆さん、学校関係者、本当に苦しい思いをされているんだろうというふうに思っております。

 現在、文科省は、新潟県を通じまして学校側に確認を行っているということでありますけれども、さきの辺野古での事故の際には、私立高校であります同志社国際高校に対しまして、文科省が直接調査、そして確認を行ったと承知をしております。

 今回も、生徒の命が失われた、安全に関わる重大な事案であることを踏まえて、必要に応じて、文科省として、学校法人に対する直接の確認や調査を行う考えというのがあるのかどうか、最後に伺って、質問を終わりたいと思います。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 北越高等学校における部活動の遠征中の事故につきましては、事故発生に至る経緯等について、北越高等学校とバス事業者とでは認識が異なっているものと承知しており、警察や国土交通省などの関係機関による調査等も行われているものと承知しております。

 御指摘の沖縄県名護市辺野古沖で発生した同志社国際高等学校における研修旅行中の事故につきましては、学校法人としての管理運営についても確認が必要であることを踏まえ、学校法人を所轄する文部科学省として、担当職員を派遣し、直接事実関係の確認を行ったということでございます。

 なお、同志社国際高等学校を設置する学校法人同志社が私立大学を併せて設置しているため、私立学校法における同学校法人の所轄庁は文部科学省となっております。

 一方、北越高等学校におきましては、部活動の遠征中の事故について、文部科学省として、学校及びこれを設置する学校法人の所轄庁である新潟県を通じ、学校に対し、事案の詳細について確認をしているところでございます。

 本件につきましては、現時点では、所轄庁である新潟県から文部科学省に対して報告が継続してなされており、文部科学省が学校法人に対して直ちに直接確認を行う必要があるとは考えておりませんが、引き続き、慎重な事実確認が必要であると考えており、関係機関と連携しながら対応してまいります。

菊田委員 最後の一問、医学部定員について御準備いただきましたが、質問できなくて大変申し訳ございませんでした。また次回、よろしくお願いいたします。

 終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、山崎正恭君。

山崎委員 中道の山崎正恭です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 早速質問に入りたいと思います。

 まず初めに、部活動の地域展開についてやりたいと思います。毎回やっておりますけれども、どうしても私自身が中学校で部活動も長く指導してきたこともあり、多くの御相談又は苦情も多く参りますので、今日もやらせていただきたいと思います。

 部活動の地域展開というのは地域差がすごいですので、それぞれの状況が違うと思うんですけれども、ただ、私の四国であったり高知県なんかは、少子化、人口減少もかなりほかの都道府県より進んでいますので、そういう意味では課題としては先進県だというふうに思いますので、そういった感じで聞いていただけたらなというふうに思います。

 今、現場としてはどういうふうな状況になってきたかといいますと、かなり頑張って、クラブチームが手を挙げてくれて、進み始めました。これは本当にスポーツ庁さんの取組も含めて感謝するところでありますけれども、ただ、進み始めたがゆえの問題が出てきました。

 まず、路線としては、合同部活動の路線で進めている自治体さんもありますけれども、合同部活動を組んだのに顧問がいないとかというふうなことがありました。これは前に私は言ったことがあると思うんですけれども、人事異動とセットでやってもらわないと、せっかく運動の機会を持ったのに、そうではないという。いやいや、人事異動はそればかりでできませんと言うけれども、今までだって人事異動は、例えば僕なんかが持っていた野球なんかは相当配慮されていたと思います。野球部の顧問が異動したら、みんながらっと異動するということは行われていたと思いますし。

 これは実は地域クラブも一緒で、やりたい先生は兼職、兼業でやるわけですから、兼職、兼業の権利を認めたのであったら、やはり人事異動として配慮していくということがなければ、現実的には先生がやりたくても兼職、兼業でできないということがあります。こういったことが起きてきておりますので、しっかりそこについても今後取り組んでいってもらいたいなというふうに思います。

 それと、やはり団体スポーツでは平日と土日の分離展開というのは難しくて、それをどうにかしてほしいという声が多くあります。これは恐らく、今立ち上げてもらっているところでも、平日やれているのは、兼職、兼業の教員がやっているクラブチームか、よっぽど朝早くて夕方時間が空いているクラブ指導者がおるところだけです。だから、前にも言ったと思うんですけれども、普通に仕事をしていたら、平日やっても一日で、あとは土日になってくるんじゃないかなというふうに思います。

 ただ、部活動からその展開に変わっていくときに保護者からやはり不満が出る可能性がありますので、そういったところをどう丁寧に移行していくのかということが、現場も悩んでおりますし、私なんかもどうやってやればいいのかなというふうに思っておるところでございます。後でこの点についても少し提案をしたいというふうに思います。

 それで、例えば、今回もある中学校から呼ばれて聞き取りに行ってきたんですけれども、ヒアリングさせてもらったんですけれども、地域クラブがやりますと言ってくれて、ある学校はこの夏から地域の野球クラブが立ち上がります。そうすると何が起きるかというと、野球部の監督がいるんですけれども、野球部の監督が真面目に、校長室に来て、校長先生、僕は八月以降はどうしたらいいんでしょうかという話になったそうです。受け持ってくれるがゆえに、部活動を持つ人と持たない人との不公平感が出てきているというふうな形で。その先生は、心配そうにしていた一番の原因は、今まで野球部だったからよかったんですけれども、例えば、八月から、では君はバスケット部の副顧問ねとか、違う部活の副顧問になると、本人的には今まで以上に負担がある、専門の野球を持つよりも負担があるというふうなことがあって心配していたようです。校長先生は全体の職員の雰囲気も見て、いや、すぐ別にどこか持つというふうなことは考えていないよということだったようですけれども、これからどんどん地域展開が進んでいくと、そういった校内で校長先生は苦労されているというふうな実態がございます。

 それと、これももう一つ言われたんですけれども、地域クラブが立ち上がったときに、例えばバレーボールクラブが立ち上がったら、そこに行く子たちもいるんですけれども、学校の部活動に残る子供さんたちがいます。しかし、その人数が少なくなってきますので、けれども校長先生としては一人でも二人でもいたらその部活をなくすわけにはいきませんので、合同チームを組まざるを得ないそうですけれども、その生徒にとっては違う学校へ練習に行ったりというふうな負担があるということで、校長先生が言われていたのは、校長が部活動を閉じるというのはすごく労力であって、一人でもおれば、その子供のことを考えたらなかなか難しいというふうな形のお声がございました。

 こういった点は、できるだけクラブチームに子供たちが行ってくれた方がいいと思うんですけれども、そうじゃない子供がいますので、このときに思ったのは、後で紹介しますけれども、政治的判断でここまでには移行するというふうに決めてあげた方が、なかなか現場の校長としては、校長が閉じてというのは難しいんですけれども、政治的判断でここまでに完全展開するというふうなことがあればやりやすいのかなというふうに思いました。

 そういった意味では、私の四国でいえば香川県高松市が、以前にも紹介したかもしれませんけれども、令和九年九月には完全展開するというふうに決めておりまして、市長の方からも、市民の皆さん全てで中学生の放課後の学びを何とか一緒に協力してほしいということを強く発信しておられます。例えば、私どもなんかが聞いているのは、ボーイスカウト部が是非うちが受け入れたいと言ったり、僕が相談を受けただけでも、おやじの会といいまして、元々PTAのおやじの会なんかがボランティアをやっているんですけれども、是非うちなんかにも中学生が来てもらいたい、これは土日の活動になると思うんですけれども、全く私の発想になかったので面白いと思いました。

 そして、今度行くんですけれども、今電話がかかってきたのが、実は、放課後デイサービスを経営されている元教員の方から、ひょっとしたら不登校の子供さんたちがやりたいような文化系のクラブなんかを、もちろん放課後デイサービスとは別で経営をして、そういった子供さんたちの受皿になれるような何か協力はできないか、そういったことでちょっと話を聞きたいというふうな御相談がありますので、今度行ってきます。

 そのほかにも、様々、立ち上げたいからどうしたらいいのかというふうな問合せが私のところにも増えてきたので、かなりそういったところは変わっていくと思います。だから、高松市さんの、完全移行するというふうに決めることで、やってくれる人たちが増えてくるんだなということは、日に日に感じておるところでございます。

 ただ、なかなか慎重です、各首長さん、教育長さん。いきなり展開すると保護者の反発が大きいんじゃないかということを心配されています。その中で、現場から提案があったのは、例えば三年計画で部活動を閉じると。政治決断で、一年目は、各校、今の部活数の三割を閉じる、二年目は六割の部を閉じなさい、そして三年目で完全に閉じなさいというふうな形がやりやすいですというふうな話を言っていました。僕もこれはすごくいいなというふうに思いました。

 今いろいろな市町村と協議していますが、その中の自治体は、自分の自治体にどんなニーズがあるか、どんな伝統があるか、子供たちにとって考えなければならないクラブは何かということをやっています。

 ある自治体と今一緒に話し合っているんですけれども、そこは、野球、サッカー、バドミントン、吹奏楽、この四つぐらいを残さなきゃならないかなとなっていまして、サッカーとバドミントンは、地域クラブをつくってくれと教育委員会に強い要望があった種目なので、指導者がいます。野球は、地域の高校が甲子園に行ったときのメンバーが消防署に多く勤めたりしていますし、実は、その自治体の近隣の自治体にクラブチームが立ち上がって、その自治体で野球をやりたい子供たちがそのクラブチームに行き始めましたので、我が自治体の子供たちがそこまで行かなければならないということがあってはならぬ、私たちの自治体でもしっかり野球クラブを立ち上げようということで、地域で県議会議員さんなども入って野球クラブ立ち上げの準備会ができ上がりまして、今動き始めたので、必ずできるんじゃないかなというふうに思います。

 その中で、一つだけ心配だと言っていたのが卓球部だったんです。今ありまして、それ以外にその地域の中学校にあるのが卓球部だったんですけれども、実態でいうと、すごくやりたくて入部した感じではないんですけれども、とにかくみんな何か入ろうやと先生が促して入った子供たちが多くて、平たく言うと緩くやっているんです。まだ協議中なんですけれども、残さなければいけないのはさっき言った種目です。では卓球部をどうするかといったときに、卓球部は、新規募集は停止して、今やっている子供さんたちは大事にしながら、卒業するまでは学校の部活動が責任を持って行うといった感じがいいんじゃないかなというふうな形で協議をしております。

 政治決断して、計画的に閉じていく方がいいのではないかなというふうに思います。学校任せ、校長任せにしている自治体では、なかなかいつまでたっても展開ができてないというふうに思います。

 そこで、それぞれもっと計画的に、私は、政治決断でゴールを決めて地域展開していく方が、結果的に子供たちにスポーツや文化活動を行う機会をしっかり確保できることにつながるし、同時に教員の働き方改革も進むと思いますけれども、文科省の認識をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 部活動の地域展開でありますけれども、少子化が進む中でありますが、将来にわたりまして子供たちが地域でスポーツ、文化芸術活動を継続して親しむ機会を確保することが重要であります。また、このことは学校の働き方改革にも資するものと考えているところであります。

 文部科学省といたしましては、昨年十二月に策定した新たなガイドラインにおきまして、令和八年度から令和十三年度までを改革実行期間といたしまして、この期間に、公立の中学校などを対象として、休日につきましては原則全ての学校部活動において地域展開の実現を目指すこととさせていただいているところであります。

 各地域におきまして、地域の実情などが違います。それらに応じて計画的に改革を進めていくことが必要でありまして、そのために、引き続き文部科学省といたしましては、必要な予算をしっかりと確保をいたしまして、部活動の地域展開などの全国的な実施を推進してまいりたいと存じます。

 今委員から御紹介をいただきましたように、こうした部活動の地域移行に向けて、それぞれの地域の皆さんがいろいろと手を挙げて子供たちの部活動の場を支援していただく取組というのは、本当にすばらしい取組だと思います。心から敬意を表したいと思います。

山崎委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。

 次に、部活動の地域展開が進んでくると、最終、移動手段の問題が大きな課題となるというふうに思います。

 お配りの資料を御覧ください。奈良県平群町の、これはすばらしい取組だと思います、地域クラブを運営している一般社団法人が、何と一回百円で、送迎のバスを走らせてくれています。それで、更にすばらしいのが、資料二にもあるんですけれども、中学生だけではなくて、徐々に小学生やこども園、シニア世代の方々との併用も行いながら運用するというふうな、すばらしい取組です。限られた資源をいかに有効に使っていくかということで、参考になるすばらしい取組だと思います。

 やはり移動のところに格差が出やすいというふうに思います。私たちが地元でつくった地域スポーツクラブ、野球クラブも、当初の私たちが予想していた以上に地元以外から多くの子供さんが入部してくれているんですけれども、そういった子供さんたちは、遠くであっても、平日の練習であっても、保護者が送り迎えしてくれる家庭状況の子供さんにどうしても限られます。

 そこで、先ほどの取組の話に戻りますが、すばらしい取組で、利用料が一回百円なので破格なんですが、よくよく考えてみると、百円であっても一日往復二百円、それが例えば、ガイドラインのマックス週五回練習だと週に千円、一か月にすると四千円ちょっとになると思います。そうなったときに、せっかく本年度から始まる認定制度の月謝は、経済的格差によって参加できないことがないようにとの配慮で、目安として一か月の活動費は三千円、高くても四千円程度でよいと示されていると承知していますが、活動費をせっかく三千円、四千円に抑えてくれても、破格なんですけれどもバス代が乗ってしまうと月七千円とか八千円となり、結構な金額になりまして、経済的に厳しい家庭にとっては負担が大きいと思いますが、そうなった場合はどうなるんですかね。

 認定制度の子供の負担要件の中に交通費は入ってないですよね。例えば、市町村では、スクールバスを出していたりする場合は、スクールバスには認定クラブへの経費として補助が出るというふうに承知しておりますけれども、この移動の問題に関して、子供が、移動の負担が大きいことによってやりたい種目のクラブチームに入れない状況が生まれるというふうになってしまうと思いますので、移動費に関して、認定制度とも関連して、文科省としては、この辺、子供の負担ということに対してどういうふうに整理しているのか、認識しているのか、お伺いします。

松本(洋)国務大臣 部活動の地域展開によりまして地域クラブ活動の実施をするに当たりまして、活動場所への移動手段の確保、これも大変重要であると考えております。

 部活動の地域展開などに関して、文部科学省では、昨年十二月に策定をいたしました新たなガイドラインにおきまして、地域クラブ活動の質の担保などを図るため、国が定める要件に基づき、市町村などが認定を行う制度を構築することなどを示しているところであります。加えて、部活動の地域展開などを推進するため、今年度から新たな補助金を創設いたしまして、市町村に認定された地域クラブ活動を対象にいたしまして、地方公共団体の取組を総合的に支援をしているところであります。

 この補助事業におきまして、生徒個人への交通費など、個人への給付に当たる支出は対象になっておりません。先ほど菊田委員にも御答弁申し上げたとおりであります。他方、地方公共団体の推進体制の整備などの一環といたしまして、バスの運行を委託するなど移動手段の確保、これらについては補助対象としているところでもありまして、こうした制度というものもうまく御活用をいただきたい、そのように考えております。

山崎委員 ありがとうございます。

 スクールバス等を活用しているところも、四国内にもありますので、非常に助かっております。そこは、結構額も大きい中で出していただいていると思いますので。ただ、もう一つ踏み込んでいただけたらいいのは、場所によっては公共交通の方がいい、人数も多くなくて、スクールバスを走らせるまででもなくて。ただ、JRが通っているので隣まで行けるという場合に、本当に、スクールバスに比べたら金額は大きくないんですけれども、そういった公共交通などを使ったときに、やりたい子供さんへの給付、思い切って、個人をどうしていくか。個人が駄目という法のたてつけであったら、何とかそれを教育委員会が認めて、そういった認定クラブに行く場合には、そういった子供さんたちには出していくというふうに、何か変化をつけながらやっていただくとありがたいと思います。

 それと、もう一つは、やはり国交省さん、先ほどの平群町なんかは国交省のあれを使っているんですけれども、国交省さんなんかは、全国で高齢化が進んでいることもあって、様々、交通対策については支援メニューを増やしてくれています。子供たちのスポーツ、文化活動の学びの場を守るためにも、今後、地域展開が進んでいく中で、各地域ごとに様々な困難な状況が出てくると思いますので、よくよく国交省さんと連携していただきまして、子供たちのために有用な制度を、今ある制度だけじゃなくて新たに創出していただきたいというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。

 次に、先ほど菊田議員からもありましたが、私も、北越高校の部活動の事故に関してお伺いしたいと思います。

 事故の詳細につきましては、先ほど菊田委員から種々お話がありましたし、警察が取調べ中ですので詳しいことは分かりませんけれども、先ほど言いました、昨日出されました発出文書を私も見せていただきました。その中で、危機管理マニュアルを作成することが義務づけられている、もちろんそうなんです、私たちも教育現場にいましたので作っております。けれども、あったのにもかかわらず起きたということで、どうしていくかということが大事だと思います。

 そして、二枚目には、この問題の本質的なところは、事業者との契約がどうだったのか、そこが不透明だったので、その部分に関しては二枚目の、事業者との適切な契約の締結について、ここは具体的に踏み込んでかなり改定点が書かれていると思いますので、私もいいなというふうに思いますけれども、学校に関しては、より徹底することとか、万全を期すこととか、本当に非常に抽象的だなと。今までのことを確認するからしっかりやってねというふうな形だと思います。現場任せにせずみんなでやっていこう、組織全体で対応といいますけれども、ではその具体は何なのかなというふうに思ったところがあります。

 私も、中学校で教員時代に十四年間野球部の顧問、監督をしておりました。それで思うことは、本当に今回のこの事故は防げた事故だなというふうに強く強く思います。

 具体的に、私の感覚でいうと、一つあり得ないなと思ったのが、先ほど菊田委員からも指摘があったように、先ほど言ったとおりです、私たちは、荷物を載せたり、急病になったりするので、顧問が別で、私が別の車で行くということもありました。その場合に、通常は誰かほかの教員が必ずバスに乗ります。中学校の場合は、乗らないと生徒指導上大変で、わあわあなってバスの運転手さんに怒られるということもあるんですけれども、誰かが必ず乗るように、ほとんどの学校がそのようにしているというふうに思います。

 今回の事故、報道ベースではありますが、途中、道路の縁石に当たったり、トンネルでこすったというふうな報道もあります。そして、生徒たちはそれを察知して、部長が部内のLINEグループを使って、シートベルトを必ず締めろとか、今のうちに大切な人に連絡しておけとか、家族に死ぬかもしれないとメッセージを送った生徒もいたというふうに思います。

 沖縄の事故も一緒なんですけれども、僕が一番悔しいのは、子供たちが怖いなと思っていたのにもかかわらず守れなかったというのが非常に無念で、ここに私たち大人の責任があるというふうに思います。

 先ほど言ったように、通常、このバスに教員が乗っていたら確実に、いや、運転者さん、どうしたんですか、駄目でしょうといって、運転を止めてくださいと確実に止めたと思います。そして、教員が顧問に連絡して、こういう状況なので、とてもじゃないですけれども危なくて目的地に行けませんと。高速のどこか安全なところに止めて、そこで運転を止めたことは、この状態までいけば間違いなくやっていたというふうに思うわけです。

 一人の大切な貴い命が奪われまして、多くの子供たちが心身に大きな傷を負った今回の事故、本当に残念でありますし、二度とこのような悲惨な事故を起こさないということが文部科学省にも強く求められるというふうに思います。

 そこで、私はより踏み込んで、先ほど言いました、契約のところは具体的に踏み込んでくれていますけれども、学校により踏み込んだ徹底をさせるなら、先ほど言いました、部活動でバス移動する場合には必ず誰か教員が同乗するという、この具体的かつ最も効果的だと思われることをガイドラインに絶対条件として位置づけなければならないというふうに考えますが、大臣の所見をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 部活動の実施に当たりまして、生徒の安全確保が何よりも重要であるということが大前提だということをまず申し上げたいと思います。そうした意味から、遠征先などへの移動も含めまして、事故防止などに万全の措置をすることが必要であると考えているところであります。

 昨日、一般的な通知というものを改めて出させていただいたところでありますけれども、現状においては、今回の事故に対しましての調査というものが今進められているところでもあります。この調査結果というものも我々としてしっかりと見極めてまいりたいというふうに考えているところでありますし、また、ガイドラインの改定なども含めまして新たな対策が必要である、そのように我々として判断をした場合には、生徒の安全確保に向けて必要な対策に取り組んでまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 大臣も是非必要があったらと言っていました。僕はやり過ぎたら駄目だと思うんです。全てマイクロバスの運転手をバス会社に頼むとかというととても無理だし、全国から大きな反発がありますけれども、同乗させるということはほとんどの学校がやっているんじゃないかなというふうに思いますし、それは負担でもないと思いますので、是非具体的にガイドラインに書き込んでいただきたいと思います。

 あわせて、先ほど菊田委員からもお話がありましたけれども、やはり現場の校長先生が心配していたのは、先ほど菊田委員が言われたとおりです。これが地域クラブに行ったときに、恐らく認定クラブには強く、先ほど言ったガイドラインも含めて言えると思うんですけれども、認定以外のところがどうなるかというのは大きな問題があると思うんです。

 やはり同じように、先ほど言った指導者がバスに同乗するといったような最低限のところは、やっていただくので余り求められないでしょうけれども、子供の安全とか体罰とか暴力とか性被害とか、そこは厳格に運用していかないといけないと思いますので、この点に関しては認定クラブ以上に超えたところまで是非徹底していただきたいと思いますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 先ほど来お答えをさせていただいておりますけれども、どのような活動に対しましても、児童生徒の安全確保というものが大前提になって、その上で様々な活動が展開されるということであるというふうに考えているところであります。

 先ほども菊田委員の答弁の中でも申し上げましたけれども、昨日の通知でありますとか、また、先般、部活動の地域移行に対して作らせていただいたガイドライン、こうしたところにもお示しをさせていただいておりますが、昨日の通知の中でも、まさに地域クラブにおきましても是非これらを遵守してほしいということで通知を発出させていただいたというふうに承知をしているところであります。

 先ほどの学校の部活動におけるガイドラインの扱いについてと同様でありますけれども、我々といたしまして、現状、今回の事故に対しましての調査というものが進んでいるところであります。我々といたしましては、新たな対策が必要である場合には、地域クラブに関しましても同様に、生徒の安全確保に向けて必要な対策、ガイドラインの改定等も含め、進めてまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。

 次に、ネクストハイスクール構想、高等学校教育改革促進基金の創設に関係して、産業イノベーション人材育成等に資する高等教育改革促進事業についてお伺いします。

 この事業は、各都道府県に創設しまして、類型に応じた高校教育改革を先導する拠点のパイロットケースを創出して、その取組を域内の高校に普及をするということで、三つの類型が示されておりまして、すごいのは、補助率が十分の十で、額も今までにないぐらいの破格のものになるというふうに承知しております。

 それで、つい先日、五月十五日に第一次、初めて六拠点、富山県と静岡県が選定されました。予算の上限額が九億円から最高二十二億円という額になっており、そういった意味でも次世代をつくっていく重要な事業だと思いますが、まず、この認定に当たってはどういった点に力点を置いて選考しているのかということについてお伺いします。

望月政府参考人 お答えいたします。

 今、山崎委員から御紹介いただきました次世代の高校教育改革を進めるための高校教育改革促進基金でございますけれども、まさに今、各都道府県からのいろいろな取組について審査中でございます。エッセンシャルワーカーの育成支援、そして理数系人材育成支援、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保の三つの類型におきまして、各都道府県における高校改革の先導拠点を創出することとしてございます。

 その選定に当たりましては、都道府県全体の取組としまして、二〇四〇年を見据えた各地域における教育あるいは社会課題の構造分析や、知事あるいは知事部局とも連携した都道府県全体での事業推進体制の構築が明確かつ妥当な内容となっているかどうかという観点に加えまして、改革先導拠点として、改革の目標や具体的な教育改革の内容、そして地域の産業界や高等教育機関との連携、協働の内容、取組の成果の他校への普及方策、教師の資質、能力向上や働き方改革にも通じる業務負担軽減方策が具体的であり、新規性、独自性などの観点から優れたものとなっているかどうかにつきまして、審査委員会において厳正な審査を実施しているところでございます。

山崎委員 ありがとうございました。

 本当に、連携をキーワードにしたり、しっかり子供たちにとって、地域と連携しながらとか、様々なところと連携しながらというその取組が面白いと思いますし、外からの人材を生かした新たな学びを創出していく、そして教員には負担をかけない、そういった内容で進められているというふうに伺っております。どうか、結構額がでかいので箱物もできると思うんですけれども、それで終わったねと言わないように、今すばらしい取組なので要求も強くできると思いますので、是非中身の充実をお願いしたいと思います。

 次に、そういった新しい教育に文科省さんが取り組んでいる中で、非常に応援団になるようなすばらしい取組を私は経産省さんがしているなというふうに思います。

 資料三を見ていただけますでしょうか。

 未来の教室というふうな形で、要は未来の教育、これからの教育をつくろうという取組を行っていますけれども、テーマが、多様な学びの充実と社会の連携を通じた仕組みの充実で未来のつくり手を創生しようということで、まさにネクストとかなり重なっているというふうに思います。多様な学びのコンセプトは伸ばす学び、はみ出る学びということで、そこの葉っぱのところを見てもらったらいいんですけれども、いつでも自分のペースで、教室以外のどこでも、探求的に個別最適な学びを、企業人や多様な人と、エドテック、教育技術のツールを活用しということで進めています。しっかりと社会と連携しながら個別最適な学びを進めていく、私はこれは教育効果としては非常に大きな効果が得られるのではないかというふうに思っております。

 この事業の基となる考え方は、イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会を設けておりまして、その報告書が資料四になりますけれども、報告書にあるように、価値創造型の人材育成には個人の特性、個性を伸ばす多様な学びの充実が重要であり、企業や地域社会等との連携や民間資金を活用した、ここですね、共助の充実を図ることが重要である、社会全体で特性、個性を伸ばす多様な学びを充実していくことが重要という考え方であります。

 構造的には五番がちょっと分かりやすいかなというふうに思っています。

 学びの土台になる部分はしっかり学校がつくっていきながら、とんがっていく部分に関してはしっかり多様な学びとして探求型で民間企業や地域が担っていこう、しっかり共助、それを共助という言葉で書いておりますけれども、目指していこうということで、まさにネクストハイスクール事業が目指しているところと同じじゃないかなというふうに思います。

 それと、経産省がすごいなと思ったのは、いわゆるその多様な学びと学びの土台をつないでいく中間支援組織も重要だということで、そのモデルケースなんかもやっているということも非常に取組がすばらしい点だなと思います。

 この経産省の取組は、ネクストハイスクール構想の実現に向けてまさにどんぴしゃな取組だと思いますし、文科省の言う主体的、対話的で深い学びに通じるすばらしい取組だと思いますが、これは実際どれぐらい文科省と経産省さんで連携しているのでしょうか。また、今後どのように連携を図っていくのか、お伺いします。

松本(洋)国務大臣 今御紹介をいただきましたように、経済産業省におきましては、様々な個性の子供たちが未来をつくる担い手となるための多様な学びの実現を目指しまして、学校現場への民間サービス等の導入支援補助金の交付でありますとか、今御紹介をいただきました未来の教室における教育スタートアップ支援、実証事業などを通じまして、社会全体で多様な学びを支えていくため、産業界と自治体、学校が一体となって人材を育成する取組を推進してきていただいているというふうに承知をしているところであります。

 現在、都道府県におきましては、二月に公表いたしました高校教育改革に関するグランドデザインに基づきまして実行計画を検討いただいているところでありますけれども、今委員から御指摘をいただきましたとおり、これからの高校改革におきましては、高校だけではなくて、首長、地域住民、大学、産業界、関係機関など、全てのステークホルダーとの連携、協働の下で進めることが極めて重要であると考えております。

 そのため、総合教育会議や地方産業教育審議会などを活用いたしまして、地域別就業構造の推計でありますとか人口の将来推計などを踏まえて検討することも必要である、そのように考えているところであります。

 また、四月末には、日本成長戦略会議人材育成分科会におきまして、人材育成システム改革ビジョンを取りまとめました。教育機関が産業界とも協働をいたしまして、人材を戦略的に育成する改革の方針を打ち出したところでもありますし、この分科会の議論の中には経済産業省にも入っていただきまして、いろいろと御意見も頂戴をしながら一緒につくり上げてきているということであります。

 実際に、経済産業省が地域ごとに開催をしております地域人材育成構想会議におきましても、産業界と教育機関等が連携した先進的な事例の共有を行うなど、連携を深めているところであります。

 恐らく、今ほど文部科学省と経済産業省が一緒になって様々な協議を行い取組を進めているということは過去になかったんじゃないかと思うぐらい、大変密接なつながりを持ちながら取組を進めているところであります。引き続き、文科省として、経済産業省を始めとする関係省庁とも十分に連携、協力しながら取組を進めてまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 ありがとうございます。

 本当に、別々にレクを受けたんですけれども、一緒につくったんじゃないかというぐらい重なりが大きいと思いましたので、是非、最強の応援団だと思いますので、連携をお願いしたいなというふうに思います。

 次に、このことに関連して、教員の働き方改革について伺います。

 ネクストも、この経産省の取組も、しっかり地域とつながって多様な学びをやっていこうということで、今の働き方改革については、我々もずっと訴えてまいりましたけれども、教師の仕事の三分類に取り組んでいただいております。

 この中で、一生懸命かなり文言なんかも変えてくれながら、前は教師が担うべき業務だったと思うんですけれども、教師の業務だが負担軽減すべき業務ということで、細かいところにも、本当に何とか削減しなければならないという文科省の思いは伝わってくるんですけれども、前にも言ったと思うんですけれども、浮島部会長から指示をされて、本当に埋まるかどうか、僕が実務体験から現場の今の最新状況も聞きながら三つに分けたんですけれども、どんなにやっても今の形態の中に、勤務時間の中に入らないというふうなことがあります。

 今後は思い切って、多様な学びの部分に関しては、今まで学校が一手に担っていた教えるというこの行為を思い切って社会に出していく、地域や企業、社会の様々な皆様方につながってもらって、更に深い学び、社会の実学とつながった真に生きる力につながる教育を行い、共に未来を担う子供たちをつくっていく時代に入ったなというふうに思います。石田先生が今日言われていましたけれども、僕も新しい時代には新しい教育を提案していかなければならないなというふうに思うわけでございます。

 今、企業なんかもとても人材不足で、欲しいというふうに思っております。そこで、しっかりとこういった取組を、多様な学びの部分を学校内外の多様なプレーヤーが担う、そういった仕組み、例えば、前々から言っていますように、午前中の部分はしっかり学びの土台を学校が教えて、午後、ネクストなんかも、夕方の時間を使って民間人材なんかが来て、教員に負担をかけずにそこで新たな学びを創出しようとしています。すばらしいなというふうに思います、配慮されていて。そこでできたすばらしい学びを、もう少し教育課程を、上げていって、教員の学んでいる時間を、いわゆる、まずはこれでやっていただいて、もう少し午後の部分に教育課程を柔軟にしまして、もっとその時間を上に上げて教員の持ち時間を減らしていくというふうな取組が働き方改革等につながっていくと思うんです。

 この取組を進めていく上で、そういったことで働き方改革もいくんじゃないかと思いますけれども、大臣の認識をお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、学校と地域社会が連携をした学びを推進していくということは、当然、教育の質を高めていくことにもつながっていきますし、また、教員の働き方改革というものにもつなげていくということも大変大事だと思っているところであります。

 とりわけ、高校教育につきましては、中学校に比べて科目が細分化されるとともに、専門高校もあります。義務教育段階よりも専門的かつ社会の動向を取り入れた教育を行う必要があると考えているところでありまして、文科省といたしましても、企業などの外部人材の登用に向けた特別免許状の授与でありますとか特別非常勤講師制度など、多様な仕組みの活用を促しているところであります。

 また、外部人材との連携、協働を効果的に進めることで、結果として教師の負担軽減につながると同時に教育の質向上が図られると考えているところでありまして、今御紹介いただきました高校改革先導拠点の選定におきましては、教師の資質、能力の向上や業務負担軽減方策など、学校の働き方改革に取り組むことも審査の観点としているところでもあります。

 文科省としては、引き続き学校と地域社会の連携による教育の質的向上と学校における働き方改革の推進を図ってまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 最後に、大学の運営費交付金についてお伺いします。

 御承知のように、大学の運営は、教育研究の高度化に伴う必要経費の増加や、物価、人件費の上昇により、非常に厳しい状況があります。

 昨年は、本当に、幾つもの団体や大学から、その厳しい状況についての訴え、御要望があり、要望書の中にも、もう限界であるとか今までにないような文言が書き込まれて、まさに学長さんなんかの危機迫る要望というふうに思いました。

 それを受けて文科省の方も財務省と闘ってくださいまして、昨年、令和七年度補正予算では四百八十六億円が措置され、八年度予算でも百八十五億円の増額が確保され、合計六百七十四億円、八年度予算一体化で対応されています。多様な研究基盤を支えるために四百二十億円を、人件費、物件費を問わずに柔軟に執行可能な運営費交付金を措置するなど、様々な対応を行っておりまして、多くのところから、本当に、合田さんが頑張ってくれたとかの感謝の声が上がっております。

 しかし、実際には、人件費の高騰の部分でいうと、人事院勧告の準拠どおりの賃上げができなかった大学が、国立大学は、二〇二四年度八十五大学中三十一大学もありまして、二〇二五年度も同様に厳しい見込みであることが予想されています。また、国立大学などは老朽化も進んでおりまして、引き続き経営状況が厳しい。そして、これもよくあると思うんですけれども、研究費が非常に不足している、そういった声も上がっております。

 そういった中で、引き続き、運営費交付金の増加、根本的には運営費交付金の抜本的な増額が望まれています。

 そこで、今年度以降も大学の運営費交付金については文科省さんには昨年度のように闘っていただきたい、これが全国の大学経営をしている皆様方の切なる要望であると思いますが、運営費交付金の抜本的な増額の必要性についての認識と今後の取組についてお伺いします。

松本(洋)国務大臣 国立大学法人運営費交付金でありますけれども、各大学の安定的、継続的な教育研究活動を支える非常に重要な基盤的経費であります。我々といたしましては、この運営費交付金の拡充を引き続き図ることが必要であると考えているところであります。

 このような認識の下、今御紹介をいただきましたように、過去最大の増額となるそうした予算というものを令和八年度予算におきましては獲得をすることができましたし、また、令和七年度補正予算におきましても、当初予算と運営費交付金四百二十一億円を含む合計四百八十六億円を計上したところでありまして、当初予算と補正予算を合わせて必要な予算を確保したところであります。

 今、合田局長のお名前を出していただきましたけれども、まずもって私から申し上げたいのは、やはり国会で皆様方から大変そういう強い意思を示していただいたということが極めて大きな追い風になった、政府を動かしたということの大きな一因であるということと、あと、私の努力も少しは認めていただけると大変ありがたいなと思っているところであります。

 本年三月に閣議決定されました第七期科学技術・イノベーション基本計画におきましても、国立大学法人運営費交付金の大幅な拡充を図ることが盛り込まれたところであります。文部科学省といたしましても、それを踏まえて、今後ともその拡充に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 なお、私からいつも申し上げているのは、予算は目的ではなくて手段だということであります。是非、各大学におきましては、予算の最大限の活用、教育研究の質の向上、イノベーション創出の加速、さらには、地域社会の活性化や持続可能性への貢献によりまして、社会からの信頼と更なる支援の拡充、この好循環につなげていくことを、重ねて期待を申し上げたいと思っております。

山崎委員 大臣、大変失礼いたしました。本当にありがとうございました。

 去年頑張ってくださったがゆえに、十分御承知だと思うんですけれども、依然として厳しいんですけれども、今年はなかなか声も上げにくいと思いますけれども、よろしくお願いします。

 もう一問、本当は、大学の附属学校が、人件費に伴って、なかなか公立と制度が違うので厳しいという質問をしたかったんですけれども、時間がありませんので、またの機会にしたいと思います。

 どうもありがとうございました。

斎藤委員長 次に、犬飼明佳君。

犬飼委員 中道改革連合の犬飼明佳でございます。

 初めて文科委員会で質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。

 私からは、今年、二〇二六年の九月から十月にかけて、私の地元であります愛知県名古屋市を中心に開催されるアジア競技大会、アジアパラ競技大会について、順次お伺いをさせていただきます。

 本日は五月二十日でありますが、この五月二十日時点で、アジア競技大会まであと百二十二日、アジアパラ競技大会まではあと百五十一日と迫っております。しかし、まだまだ全国的な認知度が広まっていないということもありまして、皆様に大会を御紹介させていただきたいと思います。

 ちなみに、今日私が胸につけておりますこの赤いのがアジア大会のキャラクターで、ホノホンです。青い方がアジアパラ大会のウズミンでありますので、覚えていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。

 アジア大会の始まりは、第二次世界大戦後まだ間もない一九五一年、戦禍によって引き裂かれたアジア諸国のきずなをスポーツを通じて取り戻し、恒久平和に寄与したいとの願いを込め、日本を含む十一か国参加の下、インドのニューデリーで開催されました。

 現在、アジアでは、中東情勢を始め、日中間の緊張も高まっている中、愛知・名古屋で開催されるアジア大会は、スポーツを通じた平和の祭典。大会の参加エリアに含まれる中東湾岸諸国は、エネルギー問題でも我が国にとって大変重要な地域であります。政府には、平和外交にも是非生かしてほしいと期待もしております。

 さらに、このアジア大会は、我が国のスポーツの発展を語る上で、重要なマイルストーンであります。一九六四年の東京オリンピックが、我が国の戦後における最初の国際スポーツ大会と認識をされている方が多くおみえかもしれませんが、実は、その六年前の一九五八年に、国立競技場でアジア大会が開催されたのが最初であります。

 当時、一九六四年のオリンピックを東京に招待しようと、アジア大会開幕の直前にIOC総会を開催してもらい、東京に集まったIOC委員に、アジア大会の開会式や競技を見てもらうなどしました。日本は見事な運営を披露し、アジア大会の成功を広くアピールできたことが、その後の東京オリンピックの招致につながったと言われております。

 その後、一九九四年に広島で開催され、今回、三十四年ぶりに愛知・名古屋で開催。愛知・名古屋と名を冠しておりますけれども、会場は東京や大阪、静岡、岐阜にもあり、東京二〇二〇大会よりも広範であります。競技数も東京二〇二〇大会よりも十競技も多い四十三競技であり、セパタクローやカバディなどアジア特有の競技や、eスポーツなどこれから発展が期待されるスポーツも取り入れられております。昨年、特措法も成立をし、まさにナショナルイベントとなりました。

 アジアパラ大会については、一九七五年に、日本の呼びかけで、極東、南太平洋地域の身体障害者のスポーツ大会、フェスピック競技大会という名称で始まり、二〇一〇年にアジアパラ競技大会として引き継がれてから、今回、我が国で初開催となります。共生社会の実現に向けて大変重要な開催になると思います。

 また、今大会の大きなコンセプトの一つとして既存施設の活用があります。大規模な国際総合スポーツ大会でありますが、この規模の大会では一般的に建築される選手村を建築はいたしません。既存ホテルの使用に加え、大規模スポーツ大会では国内初の試みとして、クルーズ船をホテルシップとして活用し、さらには、災害対応の仮設住宅などに利活用できるコンテナハウスを選手の宿泊施設として設置をいたします。様々なチャレンジや工夫を重ね、これまでの大会にはない簡素で合理的、機能的であり、かつ持続可能性を有する新たな国際スポーツ大会のモデルを示そうとしております。

 そこで、大臣にお伺いをさせていただきます。

 今年、愛知・名古屋で開催されるアジア・アジアパラ大会は、我が国にとって大切なスポーツ大会であり、次へとつなげられる絶好の機会であります。先日の参議院文教科学委員会で簡単に大会への決意を述べられておりましたけれども、改めて、両大会が日本で開催されることの意義や我が国のスポーツの発展に与える効果について、政府の見解をお伺いいたします。

    〔委員長退席、岸委員長代理着席〕

松本(洋)国務大臣 本年、愛知・名古屋で開催されますアジア・アジアパラ競技大会でありますけれども、四年に一度のアジア最大規模の総合スポーツ大会であります。

 アジア・アジアパラ競技大会の開催は国際親善やスポーツの振興、共生社会の実現などに大きく寄与するものでありますし、また、安全、安心な大会運営を実現することで日本の信頼とプレゼンスを一層高めるという意義があると認識をしているところであります。

 また、委員から御紹介をいただきましたように、この大会というものが我が国の歴史上大変大きな意味を持ってきたということもありますし、また、そこで示される新たな取組というものは新たな社会の姿を示す一因となるものでもあると思っておりまして、そういう意味では大変大きな意義、意味を有しているものだと私自身思います。

 また、大会でのアスリートの活躍は多くの国民に喜びや感動など大きな活力を与えるものでもあります。我が国のスポーツ振興のみならず、我が国全体にとっても大きな意味のあるもの、そのように考えております。

犬飼委員 大臣、ありがとうございます。

 そうした意義や効果を広く国民に知っていただき、実感してもらえるように、引き続き政府の力添えをいただきたいと思います。

 来月にはアジア大会が百日前を迎える中、まだまだ大会の全国的な認知が足りていないと思います。大会の意義や効果を広く国民に知っていただくためにも、国として更なる広報、PRに取り組み、全国で大会への期待と熱気を高めていく必要があると考えますが、これからどのように大会を盛り上げていくのか、お伺いをいたします。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 アジア競技大会が開幕する九月十九日まで、あと四か月を切ったところであり、開催地である愛知・名古屋のみならず、全国的に大会に向けた機運を高めていく必要があります。

 スポーツ庁としては、令和七年度補正予算などを活用し、国が行う全国的な機運醸成として、全国各地でのイベント開催、アジアパラ競技大会の観戦プログラム、映像作成、情報発信を実施する予定でございます。また、開催都市が行う機運醸成の取組に対しても支援をしているところでございます。

 今後、組織委員会が大会百日前セレモニーなどを開催すると承知しておりますが、これらのイベントとも連携しながら、全国的な機運醸成に取り組んでまいります。

犬飼委員 この主な開催地であります愛知・名古屋では、今、名古屋駅や、中部国際、セントレア空港ですね、こうした町じゅうの広報が始まってきております。また、大会に関わる県民、市民の皆様方の熱意も高まっております。ボランティアの皆様方も、今、研修会も開催をされながら、熱気に包まれた一体感が今生まれているところであります。

 さらに、こうしたアジア競技大会、アジパラ大会に対しての今盛り上がりが地元で出てきている中で、アジアパラ大会の開催についても、東京ではなくて地方で実施されることにより、障害者スポーツが日本の日常になるのではないかと期待をされております。アジアパラ競技大会は、そのためにも、日本全国、そして世界の人に知ってもらう意義があると思います。

 そこで、このアジアパラ競技大会を活用した全国の機運醸成と共生社会の実現に向けた施策はいかが取り組まれるのか、大臣にお伺いをいたします。

松本(洋)国務大臣 アジアパラ競技大会は、広く国内外に向けまして、相互理解や共生社会の意義を実感させる機会となるものであると考えているところであります。

 また、二〇二一年東京パラリンピック大会では無観客開催となったところでありますが、今回は有観客での開催となっております。選手の活躍を実際に観戦することは、特に子供たちにとっても極めて教育的意義が高いものと認識をしているところであります。

 文部科学省といたしましては、令和七年度補正予算などを活用いたしまして、国が行う全国的な機運醸成といたしまして、アジアパラ競技大会の観戦プログラムを実施するとともに、開催都市が行う学校観戦事業に対しましても支援をしているところであります。

 おっしゃるとおりで、パラ競技大会というのは本当に重要でありまして、スポーツ庁の河合長官が、パラを見ていただくということは、これは人間の可能性を感じ取れるものというようなことをよくおっしゃっていらっしゃるところでもあります。

 是非、そういう意味でも、この競技を観戦していただくことによって、多くの国民の皆さんに、そうした人間の持つ可能性でありますとか、そういうものが大きく伝わっていくということも大変重要だと思っておりますので、我々といたしましても、全国的にこの機運醸成に取り組んでまいりたいと思います。

犬飼委員 アジアパラ大会に対しても、大臣の本当に深い思いを表明していただきまして、大変にありがとうございます。

 四月二十七日の参議院予算委員会で、公明党、里見隆治委員の質疑でこうありました。これまでに唯一議法で特措法が成立したアジア・アジアパラ大会の重要性について、松本大臣は、大会が大規模かつ国家的に重要なスポーツの競技会であることに鑑み、警備などの体制に万全を期すため、議法により特措法が提出されたもの、大会の重要性が認識されたからこそ、国会において承認されたという答弁もいただきました。

 その上で、高市総理からも、アジア・アジアパラ大会には平和の祭典といった側面もあると認識、大会の成功のためには、テロ等の未然防止や、選手、関係者の安全確保など、安全、安心な大会運営の確保が必要、だからこそ、令和七年度補正予算では、警備費を含む大会開催支援として百三十六億円を措置した、主催者や関係機関と連携して、会場内外における警戒警備を徹底し、安全、安心な大会の実現に向けて必要な協力を行っていくという思いであるとの答弁がございました。

 大会組織委員会によりますと、百三十六億円の支援のうち、大部分がパラ大会の運営費であります。東京大会並みの補助、すなわち、パラリンピックの四分の一を補助した実績により、パラ大会三百八十億円の四分の一である九十五億円が積算されたと承知をしております。警備費は三十億円余りとスポーツ庁から内示があったと聞いております。

 一方、同様に特措法を根拠とした支援として、国は、昨年の大阪・関西万博の警備費に対し、令和五年度と令和六年度の補正予算で計二百五十四億円を支援されました。万博は百八十四日間と長期にわたりますが、一会場に集中して開催されております。

 一方、アジア・アジアパラ大会は、アジアが十六日間、パラが七日間と短いですけれども、競技会場だけでも五十会場を超え、宿泊施設や練習会場を含めると、二百を超える会場を警備する必要がございます。

 大会組織委員会から聞き取った警備費の総額は約二百八十億円に上り、万博の警備費三百三十億円と同様に、巨額の負担がかかります。一方、国費の補助は、万博が二百五十四億円に対し、約三十億円と極めて少額であります。万博では警備費の約八割を国が支援をしましたが、アジア大会への支援は約一割となっています。安心、安全への備えがほとんど地方任せになっている印象であります。

 そこで、警察庁警備局に伺います。

 大阪・関西万博では、様々な危険物がセキュリティーゲートで押収されたとも耳にしております。国の全面的な支援によって警備レベルを上げることができ、こうした危険物の押収などの効果につながったとも考えられます。

 松本大臣や高市総理の答弁を受け、会場内外における警戒警備を徹底して、安全、安心な大会を実現するためには、どのような警備が望ましいと考えるか、伺います。

    〔岸委員長代理退席、委員長着席〕

石川政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の大阪・関西万博におきましては、自主警備に当たる主催者と警察が緊密に連携をして警備諸対策に取り組みました結果、大きな事件、事故の発生もなく、来場者の安全と万博の円滑な運営を確保することができたというふうに認識をいたしております。

 一般に、多数の人が参集する行事の主催者には参集者の安全を確保する義務があり、これは施設管理権を有する主催者の自主的な警備によって第一義的には果たされるべきものというふうに考えております。

 各種イベント会場の安全を確保するためには、不審者の会場内への侵入を防止すること、また危険物を持ち込ませないことが重要でありまして、多くのイベントにおきまして、主催者による手荷物検査などの自主警備が実施をされているものというふうに承知をいたしております。

 その上で、警察といたしましては、主催者の自主的な警備に対しまして必要な指導や助言を行うとともに、主として、主催者では行うことができない犯罪の捜査や交通規制、警護措置などを行いまして、主催者と連携をして会場内外の警備を実施することといたしております。

 委員お尋ねのアジア競技大会、アジアパラ競技大会につきましても、厳しい国際情勢の下、国内外の要人を含め多くの方々の来場が予想される大規模な国際イベントでありますことから、主催者によるセキュリティーゲートでの手荷物検査の実施などにより自主警備を強化していただくとともに、警察といたしましても、主催者や関係機関と緊密に連携をして、警備諸対策を的確に講ずることにより、安全確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

犬飼委員 警察庁の今の御答弁のとおり、大会の成功には、やはりセキュリティーレベルの向上というものが必要であると思います。アジア・アジアパラ大会は、一地方のイベントではなくて、唯一、議法による特措法が立法された、ほかの地方大会と一線を画す大会であります。その重要性、意義などについても大臣には御認識をいただいているところであります。

 スポーツ外交の舞台ともなるこの大会のセキュリティー確保を国が前面に立って支えなければ、地方では大規模な国際大会を実施できないこととなりかねません。加えて、現下の国際情勢を鑑みれば、一地方だけに責任を負わせるのはやはり不適当ではないかと思います。万一にもテロ等の不測の事態が発生した場合、責任は県、市、組織委員会だけにあるということは言えないと思いますが、大臣の御所見をお伺いをいたします。

松本(洋)国務大臣 アジア・アジアパラ競技大会は、大規模かつ国家的に重要なスポーツの競技会であり、安全、安心な大会運営の確保が不可欠であります。

 文部科学省といたしましても、組織委員会からの要望を踏まえつつ、内閣官房、警察庁、外務省、防衛省などの関係省庁と連携をいたしまして、大会の円滑かつ安全な実施を確保するため、必要な準備を進めているところであります。

 引き続き、関係省庁と連携をしながら、安全、安心な大会の運営の確保、これに努めてまいります。

犬飼委員 令和七年度の補正予算の百三十六億円についてですけれども、先日の参議院の文教委員会の中で、この百三十六億円のうち、財務省からは、約三十億円の警備費相当分は個別具体的な状況を前提としたものではないという答弁が財務省主計局からございました。これは、つまり、現下の中東情勢の緊迫化等への対応分は含まれていないという理解でいいのか、確認をさせてください。

中山政府参考人 お答えいたします。

 アジア・アジアパラ競技大会の運営費につきましては、平成三十年九月の閣議了解等におきまして、適正な入場料の設定、放送権収入等の事業収入、民間からの募金、協力等により賄われるものとし、国によるいかなる負担も助成も行わないこととされてきたところでありまして、警備費を含め大会の運営費は、本来、組織委員会等において負担されるものでありますが、御指摘いただきましたように、昨年十二月に議員立法により特別措置法が成立し、「大会の準備又は運営に要する経費について、予算の範囲内において、その一部を補助することができる。」とされたところでございます。

 当該特別措置法に基づきまして、大会の準備又は運営に要する経費のうち、アジアパラ大会の開催関連経費や警備関連経費の一部を補助する等のため、令和七年度補正予算におきまして約百三十六億円を措置したところでございますが、当該金額につきましては、個別具体的な状況を念頭に置くものではなく、過去の国際競技大会等における国の支援内容や今回の大会の規模等を踏まえて積算したものでございます。

犬飼委員 先ほど申し上げましたけれども、高市総理からは、主催者や関係機関と連携して、安全、安心な大会の実現に向け必要な協力を行っていく思いとの答弁がありました。

 これを踏まえまして、先日、参議院の文科委員会で、財務省は、予備費の使用は、法の規定に従い、各省庁の長からの調書を踏まえ、必要や緊要性などの検討を経た上で使用を決定してきているとも答弁をされております。松本大臣が必要と言えば、イラン紛争など不測の事態に対応した警備強化も憂いなくできることになるということも思います。

 そこで、松本大臣、予備費を要求してはいかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 令和七年度補正予算におきまして、警備に係る経費を含めまして大会経費の一部を措置しておりまして、警備強化についても、まずは当該予算の執行により対応いただくもの、そのように承知をしているところであります。

犬飼委員 引き続きよろしくお願いをいたします。

 ここからは、地方創生の観点からお伺いをいたします。

 今大会は、東京ではなく、地方を中心に開催する大規模イベントであります。地方創生二・〇の今、地方でもこの規模のイベントができることを示していかなければなりません。東京でなくても世界のトップレベルのスポーツを感じることができる都市、その魅力は地方創生二・〇でもキーワードとして出ております。若者や女性を引きつける魅力となります。

 また、今大会は一自治体で収まっておりません。近隣の岐阜や静岡とも、そして離れている大阪や東京とも協働し、一地方自治体だけで実施できない場合でも、地方が連携し、大きな国際イベントを実施していることが重要であると思います。

 そこで、お伺いをします。

 国際総合スポーツ大会を地方で実施できるようにすることは、スポーツ産業の活性化だけでなく、東京の一極集中を是正し、多極化や広域連携へつなげられると考えますが、地方創生の観点から、今大会をどのように捉えて生かしていきたいと考えるか、お伺いします。

今泉政府参考人 お答え申し上げます。

 国際総合スポーツ大会の地方での開催は、地域スポーツの振興、観光産業を始めとした地域経済の活性化、国際親善及び共生社会の実現などの効果を有するものであり、地方創生につながるきっかけとなり得るものと考えております。地方創生においてスポーツを活用することは、重要な観点であります。

 昨年十二月に閣議決定されました地方創生に関する総合戦略では、スポーツホスピタリティーやスポーツツーリズム、スポーツ大会等のスポーツを活用した町づくり、観光等に向けた取組の強化を行うこととしております。

 今後とも、スポーツ庁を始めとした関係省庁と連携しながら、地方における国際総合スポーツ大会の開催など、スポーツを通じた地域活性化に係る取組を進めてまいりたいと考えております。

犬飼委員 ありがとうございます。

 次の質問は飛ばさせていただきまして、レガシーについてお伺いをさせていただきます。

 二〇一三年に東京二〇二〇大会の開催が決まってから、二〇一七年には札幌で第八回アジア冬季競技大会が開催されました。二〇一九年にはラグビーワールドカップが全国各地を大いに盛り上げ、東京二〇二〇大会が、コロナ禍で苦しみながらも、二〇二一年に大成功を遂げられました。昨年は、東京で世界陸上とデフリンピックが開催をされました。

 アジア・アジパラ大会の認知が広がって、日本で盛り上がれば、そのレガシーも拡大すると思います。これまでのレガシーを振り返りたいと思います。

 東京二〇二〇大会のレガシーをお答えください。そして、それらのレガシーが、昨年度の世界陸上そしてデフリンピックへどのようにつながってきているのかも教えてください。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 各大会を開催したことによるレガシーには様々なものがあり、例えば、東京二〇二〇大会では大会を支える多くのボランティアの方々が活動し、昨年の世界陸上やデフリンピックにおいて、東京大会での経験者が、引き続き大会ボランティアとして活躍したことが挙げられます。また、東京二〇二〇大会でパラリンピックを間近に感じることで、パラスポーツへの関心が拡大し、昨年開催されましたデフリンピックにおきましても、聴覚障害者も含めた障害への理解が更に進んだことも挙げられます。

 スポーツ庁としては、このような各大会のレガシーが一過性のものとならないよう、戦略的、継続的な国際競技大会の招致に、関係団体や自治体等と連携し、取り組んでまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 やはり、このレガシーは非常に重要であるというふうに思っております。

 先ほど、ボランティアの研修が今始まっているとお話をさせていただきました。このボランティア研修の際に、大会組織委員会から、追加のボランティア機会を提供できる旨を伝えて、希望者には会場に残るように呼びかけたところ、ほとんどの参加者がその場にとどまったということです。その姿にスタッフは心を打たれ、思わず涙する場面も見られました。この会場では、大会を自分たちの手でつくり上げて盛り上げていこうとする、まさに、ボランティアの熱気に包まれた大きな一体感が生まれておりました。

 やはり、地域に自信を持てるということが本当に大事であると思います。自分の町への誇りや愛着、自分たちの町に未来を感じることができるようになる、この町が好きだ、まさにシビックプライド、こうしたものが子供たちへ引き継がれ、そしてそれが町の文化になっていくというふうに思います。

 こうしたことも含めて、最後の質問をさせていただきます。

 日本国として、アジア・アジパラ大会のレガシーがどのようなものになり、そのレガシーを今後の国際スポーツ大会にどのようにつなげていくのか、地方創生と今後の日本のスポーツ界の発展を踏まえた答弁を大臣に求めます。

松本(洋)国務大臣 今回のアジア・アジアパラ競技大会を開催することは、国際親善でありますとか、スポーツ振興、共生社会の実現などに大きく寄与するとともに、地域経済の活性化など、地方創生にもつながるものでありまして、開催自治体における今後の取組に期待をしたいと考えております。

 また、今後、我が国におきましては、二〇二七年のワールドマスターズゲーム、二〇二八年のオリンピックQシリーズ等の国際大会が開催される予定となっておりまして、アジア・アジアパラ競技大会のレガシーをこれらの大会の成功につなげていくことも大変重要であると考えております。

 また、先ほど委員からも御紹介がありましたけれども、アジア大会は、通常のオリンピック、パラリンピックでは実施されない競技、アジアならではの競技というものも行われるところでもありますので、そうしたところから、アジアに対する理解の発信ということも、お地元の大きな役割になるのではないか、レガシーになるのではないかと思っております。

 デフリンピックの話もありましたけれども、私も昨年のデフリンピックの開会式に行ってびっくりしたのは、派遣選手団が多い国と少ない国とがあるわけでありますけれども、たしか、トルコとブラジルが物すごく多かったんじゃないかと思います。何でトルコとかブラジルがその人口に比べてこれだけ派遣選手団が多いのかという話を聞いたら、やはり、過去にデフリンピックをやったことがあるところでは、そうした聴覚に障害を持つ、デフスポーツに対する理解が一気にそれを機会に膨らんで、そして競技に参加をされ、派遣する選手が増えてきたというようなお話を聞いたときに、やはり、こうした大会をやるということは、ただ単に一過性で終わるのではなくて、それが社会全体を大きく変えていく、そういうきっかけにもなるんだなということを私自身大変強く感じたことを今でも覚えております。

 是非そうした大会レガシーというものを、地元の皆さんを中心に今後も発揮をしていただきますように、つないでいただきますように、心からお願いを申し上げたいと思いますし、我々として、引き続き、国際大会への継続的な招致、開催支援、これに取り組んでまいりたい、そのように考えております。

犬飼委員 ありがとうございます。

 愛知・名古屋のアジア競技大会、アジアパラ競技大会は、単なるスポーツの大会ではないと私も思っております。

 実は来年、二〇二七年に愛知・名古屋において、アジア開発銀行第六十回年次総会が開催をされます。アジア太平洋地域、それ以外の地域からも、合計三千人から五千人が参加する会合となります。これからも、愛知そして名古屋では、アジアとの接続が続いてまいります。

 しかしながら、先ほど申し上げました現在の中東情勢があり、さらには、北朝鮮選手団の参加意向があるとも聞いております。これらに対する自主警備の責任が、まず大会主催者にあることは理解をしております。

 ただ、大阪万博のことも踏まえ、アジア競技大会、アジアパラ競技大会を成功裏に終え、来年のアジア開発銀行年次総会も愛知・名古屋で安心して開催できるように、大会への更なる警備支援を重ねてお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、喜多義典君。

喜多委員 日本維新の会、喜多義典でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 まず、同志社国際高校の研修中に、三月十六日に発生した辺野古沖でのボート転覆事件について、お伺いいたします。

 本件は、生徒が亡くなるという極めて痛ましい事故であり、改めて、お亡くなりになられました生徒の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に深く哀悼の意を表します。

 このように我々に大変な衝撃を与えた事故であるにもかかわらず、もう三か月以上が経過しておるんですが、事故の経過やその後の対応について様々な情報が出ている中で、捜査中とはいえ整理された形で共有されているとは言えません。

 本件は、辺野古新基地建設に反対するヘリ基地反対協議会の関係団体がボートを運航していたとされておりますが、事故の原因などについて十分明らかになっていない部分もあるのではないかと感じております。私どもも、見学に行った折には、この地域は危ないので反対の、対岸のところから見学するように言われたりもしておりました。特に、当時どのような体制や状況下で運航の判断が行われていたのか、また、事故の発生要因についてどのような検証が行われているかといった点は、今後の再発防止を考える上でも重要であると考えます。

 先月には、文部科学省による訪問調査という異例の対応も行われておりますが、いまだその全容は明らかになっておりません。

 そこで、お伺いいたします。本事故について、これまでに政府として把握されている事実関係、又は文部科学省が実施した訪問調査を通じて新たに得られた知見や課題について、海上保安庁、文部科学省より、それぞれお聞かせください。

山戸政府参考人 お答えいたします。

 令和八年三月十六日、沖縄県名護市辺野古沖において、社会科見学をしていた高校生十八名を含む二十一名が乗船していました平和丸及び不屈の二隻が転覆しました。事故発生前に、当該海域では、中城海上保安部の所属艇が当該二隻の航行を認め、波が高いことを踏まえた安全航行に関する注意喚起を実施いたしました。

 事故を現認した中城海上保安部の所属艇は、直ちに現場へ急行し、消防と連携して乗船者二十一名全員を救助いたしましたが、平和丸に乗船しておりました高校生一名と不屈の船長一名の二名がお亡くなりになり、そのほか十四名が負傷されました。

森友政府参考人 お答え申し上げます。

 三月十六日に、沖縄県名護市辺野古沖で、同志社国際高等学校二年生の研修旅行中の生徒十八名を含む二十一名が乗船をしていた二隻の船が転覆をし、生徒一名と船長一名の二名がお亡くなりになられたと承知をしております。

 文科省といたしましては、事故発生以来、所轄庁である京都府と連携しながら、事案の確認を進めてきております。例えば、安全確保に向けた取組の不備、事前の下見等の欠如、保護者への説明の不足、引率体制の不備などについて把握をしてまいりました。

 その上で、本年四月二十四日に実施をしました現地調査におきましては、例えば、事前の安全指導、教育の実施状況、研修旅行計画の決定過程や現在のようなプログラムが実施されることになった経緯、事前事後学習を含む教育活動の状況などにつきまして、高校関係者からも直接話を聞き、確認を進めたところでございます。

 現在、文部科学省におきまして、その確認内容等について精査を進めているところでございます。

喜多委員 ありがとうございます。

 皆さん一生懸命やっていただいておるんですが、今後も修学旅行や研修旅行はまだまだ続きますので、早急なる対応をできるようにお願いをいたします。

 続いて、被害を受けた生徒への対応についてお伺いいたします。

 本件では、お亡くなりになられた生徒だけでなく、負傷された生徒も複数おられると承知しております。こうした中で、心身的なケアにとどまらず、精神的なケアを含めた継続的な支援が重要であると考えますが、その実態については外から見えにくい面があるのではないかと感じております。

 負傷された生徒やその保護者に対する支援の状況について、文部科学省としてどのように把握しておられるのか、また、文部科学省として学校や関係機関に対して何らかの対応を求めているのであれば、併せてお聞かせください。

望月政府参考人 お答えいたします。

 学校法人同志社及び所轄庁である京都府に確認をいたしました。事故後、同志社国際高校におきましては、常駐のスクールカウンセラー一名を増員しまして二名体制とし、全校生徒に対し、随時カウンセラー相談窓口を案内の上、必要に応じてケアに当たっていると承知をしてございます。また、生徒のケアと併せまして、教員、保護者のケアも実施をしていると伺っているところでございます。

 加えまして、令和八年三月の卒業生につきましても、法人が設置する大学に進学した生徒につきましては、同校及び法人内の大学のカウンセラーが連携しまして心のケアに当たっていく体制をつくっていると報告をいただいています。

 引き続きまして、学校及び設置者である学校法人が中心となりまして生徒、保護者、卒業生等の精神的ケアに当たっていただくとともに、所轄庁である京都府におきましても必要に応じて指導助言などの適切な対応を行っていただくよう、文部科学省としても指導に当たってまいりたいと考えてございます。

喜多委員 ありがとうございました。

 学生時代の楽しい思い出になるはずの修学旅行が、一転して悪い思い出になってしまいます。その心のケア、できるだけ負担にならないよう、よろしくお願いいたします。

 続いて、教育活動としての研修旅行、修学旅行の在り方についてお伺いいたします。

 今回の事故を受けて、生徒の安全を守る観点の重要性が改めて認識されたことは言うまでもありませんが、その一方で、研修旅行や修学旅行そのものが萎縮してしまうことは望ましいことではないと考えます。

 今回の事故をきっかけとして、リスクへの配慮を強めながら、校外における教育活動をどのように維持していくかについて、現場の判断が難しくなってくることが危惧されます。研修旅行や修学旅行は、本来ならば、学生生活の中で一番の思い出になり得る行事です。生徒の安全を確保しながら研修旅行を継続していくために、国としてどのように現場を支えていくか、また、学校が適切に状況を見極め、実施の判断を行えるようにするための具体的な取組をどのように進めていくのか、大臣の御見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 まず、今般の辺野古沖の転覆事故に関しまして、学校の管理下での教育活動の最中に決してあってはならない事故が起きてしまったということは、極めて遺憾であります。

 文部科学省といたしましても、こうした事故を二度と起こさない、そうした決意で取組を進めていかなければならないと考えているところであります。

 本件につきましては、現在、四月下旬に実施した現地調査等を踏まえまして、その確認内容についての精査などを進めているところであります。今後、これまで把握した事項などを可能な限り速やかに整理をいたしまして、このような事故が起きた要因でありますとか、法人や学校の対応の問題点などについて、所轄庁である京都府とも連携をしながら、しっかりと検証をしてまいりたいと存じます。

 また、四月に通知を発出させていただいているところでもありまして、こうした通知などにも沿った取組というものを行っていただくことによって、修学旅行などのそうした活動というものが充実した形で行われますように、その点は是非お願いをしていきたい、我々としてもしっかり指導してまいりたい、そのように考えております。

喜多委員 ありがとうございました。

 次に、部活動の遠征時の安全確保についてお伺いいたします。

 十九日には通知を出していただいているので、かぶる質問になるかもしれませんが、磐越自動車道で発生した北越高校男子ソフトテニス部の事故においても、生徒が亡くなるという大変痛ましい結果となりました。改めて御冥福をお祈り申し上げます。

 今回の事故では、バスの手配の在り方をめぐって学校とバス会社の説明に違いが見られ、責任の所在や運行の実態が十分に明確になっていないことなどが課題として浮かび上がってきております。また、いわゆる白ナンバー車両による生徒の送迎の問題も取り上げられ、適法性と安全性の双方の観点から、部活動の移動手段そのものの在り方を見直す必要性があるのではないかと感じております。

 部活動は、教育活動の一環でありながら、その移動の実務については各学校の判断に委ねられるという部分も多く、結果として学校ごとに対応に差が生じているのではないかという印象も受けております。私もクラブ活動の送迎に関わった経験があるのですが、バスのレンタル代やガソリン代が高騰する中、限られた財源と限られた人材で遠征を含めて部活動を安定的に運営していくことの難しさを身をもって分かっているつもりではありますが、子供たちの安全は何事にも代えられませんので、学校ごとの差も極力小さくしていかなければなりません。

 そこで、お伺いいたします。このような事故を踏まえ、部活動の遠征における移動手段の確保や安全管理についてどのような対応が求められているのか、また、今回の事案を受けてから明らかになった課題についてどのように認識しておられるのか、お聞かせください。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 今般発生いたしました北越高等学校における部活動の遠征中の重大事故につきましては、国土交通省や新潟県等とも連携しながら事案の確認を進めているところでありますが、バス事業者との契約における契約主体や内容等の明確化、レンタカー事業者から手配した自動車の利用に当たり、適切な運転免許を保持する者による運転やレンタカー事業者との貸し渡しの契約の遵守など、事業者との適切な契約の締結等がなされていたのかどうかが課題と認識しております。

 また、今般の部活動の遠征におきましては、移動距離や運行時間、運転者等の観点から、無理のない移動計画ができていたのか、必要な教職員等の配置も含め、顧問の教師などに任せずに学校設置者や学校組織全体で対応に当たっていたのかなどについて、今後の再発防止を図る上で重要な観点と考えております。

 今回の事案につきましては、関係機関等による調査等が行われている中、事案の全体像の詳細な確認には一定の時間を要すると考えており、一方、全国の学校では本日も部活動が実施されている中、可能な取組を速やかに実施する観点から、文部科学省では、昨日、部活動の遠征等における安全確保について、全国の教育委員会や私学担当部局等に対して通知を発出したところでございます。

 また、新たに国土交通省と文部科学省との間で局長級連絡会議を立ち上げることとしており、部活動に限らず学校教育等に関する移動の安全確保に向け、情報共有や意見交換をし、対策の実効性の向上のため、検討を進めてまいりたいと思います。

喜多委員 ありがとうございました。

 続いて、部活動の指導体制についてお伺いいたします。

 部活動は学校の教育の一環である以上、遠征時においても適切な見守りや指導体制が求められることは言うまでもありません。一方で、教員の負担が増大している現状も踏まえますと、安全確保のための取組を進めるほど現場の負担が重くなるということについては、本来の趣旨にそぐわない面もあるのではないかと考えます。

 また、今回の事故では、顧問の教員が別行動していたという点も指摘されておりますが、この顧問の教員が記者会見で言及していたとおり、学校側には生徒を安全に引率していく責任があります。部活動が学校の活動である以上、その関与の在り方についても改めて整理が必要であるのではないかと感じ得ます。移動に危険があるのなら現地集合、現地解散になってしまえば、個々の生徒や家庭の負担が増えるばかりであります。

 遠征の在り方や指導体制を含め、今後どのような方針、方向で見直しや支援を進めていくのか、大臣の御見解をお聞きいたします。

松本(洋)国務大臣 部活動の実施に当たりまして、生徒の安全確保が重要でありまして、遠征先などへの移動も含めまして事故防止などに万全の措置を講じていくことが必要であります。その上で、教育的意義を有する部活動などを通じて生徒がスポーツや文化芸術活動に取り組む機会を確保するということも重要でありまして、これらを両立していく必要というものがあります。

 このため、文部科学省におきましては、昨日、全国の教育委員会や私学担当部局などに対しまして、部活動の遠征などが適切に実施されるよう、子供たちの安全確保を徹底するための一般的な留意点などについて示した通知を発出したところであります。

 地域によっても大分それぞれの事情が違います。公共交通機関が十分ではなく、部活動の遠征などに当たってバスなどを利用することも当然あると考えているところでありまして、こうした地域の実情なども踏まえつつ、生徒の安全確保を図った上で部活動が適切に実施されるよう、引き続き部活動などの実施に当たっての安全確保に向けた配慮につきまして周知に努めてまいりたい、そのように考えております。

喜多委員 ありがとうございました。私自身も、生徒の送迎のため、中型免許も取りに行って、行っておるので、十分気をつけたいと思います。

 次に、障害のある児童生徒に対する合理的配慮についてお伺いいたします。

 先日、障害のあるお子さんを持つ地元の方からこのような御相談を受けました。そのお子さんは、地元で、今年、公立中学校に入学され、通われておるんですが、読み書きには困難があるそうで、書くことが少し難しい書字障害なのですが、ふだんの授業は頑張ってついていっているそうです。ただ、定期試験では時間内に書き終えることが難しいことから、ICT機器による文章の読み上げ機能の活用の合理的配慮を学校にお願いしましたところ、前例がない、他の生徒との公平性が保たれないといった理由で断られてしまったとのことです。

 このほかにも、限局性学習症と感覚過敏のため学ぶことに困難を覚え、ノイズキャンセリングつきイヤホンと遮光レンズの使用を認めてほしいと保護者側から学校側に要望したところ、本人の努力不足ではないかなど言われ、配慮を受けるまでに時間を要した事例を新聞報道で目にしました。

 いわゆる障害者差別解消法及び同法に基づいて文部科学省が策定している対応指針においては、障害のある人から意思表明があった場合には、負担が重過ぎない範囲でその求めに応じて合理的配慮を提供することが義務づけられています。

 この対応指針においては、合理的配慮の一例として、読み書きに困難のある児童生徒のため、授業や試験において読みやすい字体による資料を作成したり、タブレット端末、ICT機器使用を許可したり、筆記に代えて口頭試問で行ったりすることが挙げられています。

 しかし、法規で合理的配慮の提供が義務づけられたとしても、教育委員会や現場の先生方が正しく理解していなければ、実際に困っている子供たちが配慮を受けることはできません。正しい理解のない学校に対し配慮を求めて交渉する保護者の方にも大きな負担がかかります。

 そこで、文部科学省にお伺いいたします。学校には、過重な負担とならない範囲で合理的配慮の提供義務があること、前例がないといった理由のみで義務を免れないこと等について、より一層の周知徹底が必要であると考えますが、御見解をお伺いいたします。また、これまで文部科学省としての取組及び今後の方針についてお知らせください。

望月政府参考人 障害のある児童生徒に対する合理的配慮の御質問でございます。

 この合理的配慮につきましては、文部科学省では、障害者差別解消法に基づく対応指針、これは今委員から御指摘をいただきました、この対応指針を作成しまして、そこで、基本的な考え方につきまして教育委員会等を通じまして学校への周知を行っているところではございます。

 一方で、今先生から御指摘いただきましたように、個々の状況によって配慮が可能なケースとそうではないケースもいろいろとあるということもございまして、文部科学省では、合理的配慮の具体的事例を収集しましたインクルーシブ教育システム構築データベースなどを整備しまして、広く、こういった場合にこういうことが考えられるといったことを分かりやすくお示しをする、あるいは、教職員を主な対象とした研修動画の作成なども近年行ってきたところでございます。読み書き等に困難のある児童生徒のために、授業や試験におきましてタブレット端末等を使用する許可ということも、これも示しているところでございます。

 現在、中教審におきまして学習指導要領の改訂の議論が進んでございますけれども、その中でも合理的配慮の適切な提供に向けた方策について御意見も出ているところでございまして、文部科学省としましても、いろいろな状況はもちろん現場でございますけれども、引き続き、様々な機会を捉えまして制度の周知を図りまして、一層の取組を促してまいります。

喜多委員 ありがとうございます。全国的な事例があれば、また先生方も活用しやすいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、先日ニュースでやっておったんですが、強い日差しや紫外線から子供たちの目を守るため、学校におけるサングラスの着用についてお聞きいたします。

 最近の猛烈な夏の暑さを背景にして、サングラスの着用を推進する専門家や関係者が増えております。とある都内の私立女子校では、紫外線から目を守るため、制服の一部としてサングラスを着用する試みが行われているそうです。

 サングラスといいますと、まず思い出されるのは、真っ黒なもので、ファッションアイテムのような印象がありますが、実は紫外線をカットする効果には色の濃さは関係がないそうです。この学校で用いられている眼鏡も、グレーやピンクなど薄い色のレンズとのことです。サングラスを着用している生徒からは、まぶしくない、視野が広がって安全、目の疲れも改善されたといった声や、着用してみたら目の疲れにくさが違ったといった声もあったそうですが、一方で、学校外だと制服にサングラスはどう見られているのか気になるといった声もあったようです。

 世界保健機構は、子供の時期に紫外線を浴びないようにすることが重要であるとしており、オーストラリアの小学校の中にはサングラスの着用を義務づけしているところもあるなど、海外における紫外線対策の意識は高いものと承知しております。

 また、警察庁が令和六年四月に発出した警察活動中の暑熱対策推進について、通達を受け、各地の警察で様々な対応が用いられ、警視庁を始めとした各県警においては、紫外線による目の健康被害や車両運転時における視認性を確保するなどを目的として警察においてもサングラスの着用が解禁されたと承知しております。

 先生方も、夏の暑い日差しの中で、街頭演説の中で紫外線、目が痛い等あったこともあると思うんですが、このように紫外線から目を守るための取組が社会全体として進む中、いまだに学校によってサングラスの着用が禁止されている学校もあると耳にいたします。校則は各学校において自主的に定められるものであるとは承知しておりますが、強い日差しが目に与える影響について、専門家や関係者の声に耳を傾け、子供たちの安全で健やかな育ちのため、国としてサングラスの着用による目の保護の必要性について周知を図ることも必要ではないでしょうか。

 学校において制服の一部としてサングラスを着用することについて、いかがお考えでしょうか。見解を求めます。

塩見政府参考人 お答えいたします。

 紫外線暴露による目の影響、紫外線にさらされることの目への影響といたしまして、急性の紫外線角膜炎や白内障などのリスクがあるとされておりまして、各学校における紫外線対策としましては、今御紹介いただきましたように、学校が指定したサングラスの着用を認めるといった事柄のほかに、紫外線の多い時間帯での屋外活動を避けること、また、帽子の着用を推奨することなど様々な方法が考えられるところでございます。

 学校保健安全法におきましては、学校設置者が児童生徒等の心身の健康の保持増進を図るため必要な措置を講ずるよう努めることとされておりまして、文部科学省といたしましても、各学校や地域の実情などを踏まえつつ、各学校におきまして児童生徒の健康を守るための取組を進めていただくということが重要と考えております。

喜多委員 ありがとうございました。

 私も眼鏡を着用しておるんですが、紫外線とかそういうものに対応できるよう、あればありがたいなと思いますので、対応をよろしくお願いします。

 ちょっと飛ばさせていただいて、不登校の問題についてお伺いいたします。

 松本文部科学大臣は、所信において、誰一人取り残されることなく、子供たちの学びの機会を確保することは文部科学省の使命だと述べられた上で、不登校児童生徒数が過去最多となっている状況について強い危機感も示されておられます。学校は、学習の場にとどまらず、友人関係を築くことや、社会性を身につける場として重要な役割も担っているのではないかと考えます。不登校の児童生徒への支援を充実させることは重要であり、それと同時に、児童生徒が再び学校に通えるような環境を整備していく視点もやはり欠かせないのではないでしょうか。

 そこで、お伺いいたします。不登校の児童生徒に対する多様な学びの確保を進めるとともに、学校に通うことを希望する児童生徒が再び通えるようにするための支援について、どのように進めていくお考えでしょうか。不登校支援と学校復帰への支援のバランスについて、大臣の御見解をお聞かせください。

松本(洋)国務大臣 不登校児童生徒のうち、学校で学ぶことを希望する子供たちの気持ちに応え、様々な支援を進めていくことは大変重要であると考えております。

 文部科学省におきましては、不登校児童生徒のための学校における多様な学びの場を確保するため、学びの多様化学校や校内教育支援センターの設置促進に取り組んでいるところであります。

 私も昨年、埼玉県戸田市の校内教育支援センターを視察してまいりましたけれども、組織的な関わりの中でも、いつでも子供たちが学校において安心して過ごすことのできる居場所のあることの大切さを実感いたしました。実際に、こうした校内教育支援センターを活用することによって早く教室に復帰をすることができた等々の、そうした成果というものが出ているというようなお話というものも聞かせていただいたところであります。

 また、いじめや教員による体罰、暴言等の不適切な行動や指導が不登校の原因となっている場合、こうした問題の解決に真剣に取り組んだ上で、本人や保護者の希望や状況に応じてクラスを替えたり転校したりすることについて丁寧な相談が行われるよう通知などにおいて示しているところでもありますし、また同時に、こうしたいじめ等々につきまして様々な形で、我々といたしましては、まずはこうしたことをすること自体がいけないことなんだということを前提に置いて、様々な施策というものを実施していくというような形を取らせていただいているところであります。

 その上で、不登校児童生徒の子供たちが学校で学んでいくことができるためにも、魅力ある学校づくりを進めていくことが重要であると考えているところでありまして、引き続き、子供たちに寄り添いつつ、誰一人取り残されない学びの保障に向けてしっかりと取り組んでまいりたい、そのように考えております。

喜多委員 ありがとうございました。ちょっとしたきっかけで、学校へ行けない子供たちがまた戻ってこれるよう、そういう対策、よろしくお願いいたします。

 以上で終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 次回は、来る二十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十一分散会


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