第3号 令和7年11月26日(水曜日)
令和七年十一月二十六日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 冨樫 博之君
理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君
理事 田中 良生君 理事 伊藤 俊輔君
理事 松田 功君 理事 谷田川 元君
理事 井上 英孝君 理事 鳩山紀一郎君
五十嵐 清君 石橋林太郎君
上田 英俊君 大空 幸星君
大西 洋平君 加藤 竜祥君
草間 剛君 鈴木 貴子君
高木 啓君 谷 公一君
土屋 品子君 中曽根康隆君
中野 英幸君 根本 拓君
野中 厚君 鳩山 二郎君
深澤 陽一君 古川 康君
向山 淳君 森下 千里君
簗 和生君 阿部祐美子君
尾辻かな子君 川原田英世君
城井 崇君 神津たけし君
白石 洋一君 鈴木 岳幸君
長友よしひろ君 西川 厚志君
福田 淳太君 馬淵 澄夫君
美延 映夫君 村上 智信君
菊池大二郎君 古川 元久君
中川 宏昌君 西園 勝秀君
たがや 亮君 堀川あきこ君
福島 伸享君 斉木 武志君
…………………………………
国土交通大臣 金子 恭之君
国土交通副大臣 佐々木 紀君
国土交通大臣政務官 加藤 竜祥君
国土交通大臣政務官 上田 英俊君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 大場 雄一君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 弓 信幸君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 古田 裕志君
政府参考人
(国土交通省国土政策局長) 佐々木正士郎君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 林 正道君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 宿本 尚吾君
政府参考人
(国土交通省鉄道局長) 五十嵐徹人君
政府参考人
(国土交通省航空局長) 宮澤 康一君
政府参考人
(気象庁長官) 野村 竜一君
国土交通委員会専門員 國廣 勇人君
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委員の異動
十一月二十六日
辞任 補欠選任
根本 拓君 森下 千里君
野中 厚君 大西 洋平君
鳩山 二郎君 向山 淳君
深澤 陽一君 中曽根康隆君
赤羽 一嘉君 西園 勝秀君
同日
辞任 補欠選任
大西 洋平君 鈴木 貴子君
中曽根康隆君 深澤 陽一君
向山 淳君 鳩山 二郎君
森下 千里君 根本 拓君
西園 勝秀君 赤羽 一嘉君
同日
辞任 補欠選任
鈴木 貴子君 中野 英幸君
同日
辞任 補欠選任
中野 英幸君 野中 厚君
―――――――――――――
十一月二十五日
安心・安全で活気あふれる公営住宅制度に関する請願(尾辻かな子君紹介)(第二九号)
同(小宮山泰子君紹介)(第八二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
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○冨樫委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省国土政策局長佐々木正士郎君外八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○冨樫委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。大空幸星君。
○大空委員 おはようございます。衆議院議員の大空幸星でございます。
この国土交通委員会で初めての質問でございますので、よろしくお願い申し上げます。
まずは、昨日発生をいたしました、大臣の御地元でもあります熊本における地震につきまして、けがをされた方もいらっしゃるということでお見舞いを申し上げます。今後一週間程度は同じ規模かそれ以上の強さの地震の可能性もあるということでございますので、是非備えをよろしくお願いを申し上げます。
その上で、質問に入らせていただきます。
今回の法改正でありますけれども、洪水そして高潮対策の強化であるとか、外国法人等による不適切な予報業務への規制強化、まさに災害対応の高度化を図る、そういった法案だと思っております。
実は、私の地元江東区は、海抜マイナス四メートル地域というのがございまして、高潮対策そして洪水対策も最優先課題です。地元の皆さんからは、この法案、かなり歓迎の声も聞かれます。
一方で、高度化と複雑化というのは、これはやはり表裏一体だというふうに思っておりまして、いかに国民の皆様に分かりやすく新しい制度を説明をしていくのか、このことが重要と思っておりますので、その観点から幾つか質問をさせていただきます。
まず、洪水特別警報の創設についてでございますけれども、法案では、予想される現象が特に異常であるため重大な災害のおそれが著しく大きい場合に新しく洪水特別警報を発表するというふうにしております。この特に異常、そして著しく大きい、これをどうやって定量的に定めていくのか、このことが重要じゃないかというふうに思っております。
例えば、具体的な雨量であるとか水位であるとか流量の閾値みたいなものを河川ごとに設定するのか、全国の統一基準でやるのか。また、内水氾濫というのもありますから、そういったものをどういうふうに扱うのか。この洪水特別警報の発表基準についてお伺いできればと思います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
河川ごとに行う洪水の特別警報は、河川の氾濫によって流域に大きな損害が生じることを想定しておりまして、国土交通大臣又は都道府県知事によって指定された河川に対して発表することを想定しております。
御質問のありました、特に異常という部分につきましては、洪水の特別警報は、河川の氾濫が切迫又は発生している状況、これが認められる場合に発表することを想定しております。そのような状況を引き起こす雨量、水位、流量や堤防の状況は、河川ごとに異なりますので、今後、発表基準等につきましては、地方整備局や都道府県などの関係機関と協議しまして定めてまいります。
なお、内水氾濫については、これまでと同様に、大雨特別警報で呼びかけてまいります。
○大空委員 ありがとうございました。
この第十三条の二第一項につきましては、降雨量と、そしてその他に関してというふうな記述もございますので、是非、関係機関と緊密にコミュニケーションを取っていただきながら、基準を定めていただければと思います。
次に、高潮の共同予報、警報の創設について伺いたいと思います。
今回の法改正で、気象庁と国交省と都道府県知事、この三者による共同予報、警報が創設をされます。大変画期的だと思っておりまして、というのも、私の地元江東区もそうなんですが、東京の臨海部はどんどんどんどん高層マンションが今建っています。それによってやはり風の流れが変わっているんですね。こういう地形の変化であるとか施設の変化というのはやはり地方自治体が一番よく分かっていますから、精緻な予報をしていくためには、この共同予報、警報というのは極めて画期的な制度であると思っております。
ただ、同時に、この共同予報、警報につきましては、高潮により国民経済上重大な損害が生じるおそれのある海岸、これが指定対象というふうになっておりまして、この国民経済上重大な損害が生じるおそれのある海岸というのを一体どういうふうに選定をしていくのか。また、例えば、現段階において指定をされる可能性のある海岸というのはどこなのか。お答えいただければと思います。
○林政府参考人 お答えいたします。
国土交通大臣が指定する、高潮により国民経済上重大な損害を生ずるおそれのある海岸とは、背後地の状況、被災実績、波の打ち上げの影響等を勘案した、高潮により甚大な被害が発生するおそれのある海岸を指します。
具体的には、背後にゼロメートル地帯を抱える三大湾、東京湾、伊勢湾、大阪湾、そして、近年高潮による被害が発生した、例えば八代海のような海岸、そして、新たに予測に加味する波の打ち上げ高の影響が大きくなる地形条件を有する、例えば富山湾のような海岸が該当すると思ってございます。
今後、関係都道府県とともに協議、調整を行い、指定を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
○大空委員 ありがとうございます。
施行後五年で十海岸程度を指定をしていくというふうに伺っております。もちろん、今おっしゃっていただいた三大湾、そしてその他の海岸もそうでありますけれども、やはり、国民経済上重大な損害が生じるおそれのある海岸ということで、当然それぞれの地場の皆さん、地域の皆さんが全国いらっしゃるわけでありますから、これはそれぞれの機関と密接にコミュニケーションも取っていただきながら、指定に向けて、そごやミスコミュニケーションが生まれないような運用をお願いをしたいと思います。
次に、この高潮についてでありますけれども、今回新たな予測モデルというのをつくっていくということになります。
この波の打ち上げ高を加味した高潮の新しい予測モデルについてでありますけれども、やはり、科学的な説明というのが重要ではないかというふうに思っております。このモデルの根拠であるとか、じゃ、例えば、それをモデルを使ってシミュレーションしたときに、過去の検証結果を、やはりこれはタイミングを見てということになると思いますけれども、公開をしていく、それによって精度を上げていく、こういった選択肢もあるのではないかというふうに思っておりまして、この予測モデル、透明性の確保というのをどのように行っていかれるのか、お伺いいたします。
○林政府参考人 お答えいたします。
新たに運用する高潮の予測モデルは、これまでの潮位のみの予測に加えて、海岸の地形、施設の形状に影響される波の打ち上げ高を加味することで精度を上げ、高潮を予測するものでございます。
地点ごとに地形や施設の形状が異なることから、予測結果と現地の観測値を比較し、予測モデルの実運用に向けて精度の向上を図ってまいりました。
この予測モデルの計算方法やその妥当性、これまでの検証結果については、技術開発を行ってきました国土技術政策総合研究所が学術論文として公表をしてございます。
新たな予測モデルの運用後も、予測精度の検証を継続し、更なる予測精度の向上に努めてまいりたいと思ってございます。
○大空委員 ありがとうございました。
いろいろな知見を持っておられる方がいらっしゃると思います。特定の研究室、学者の皆さんだけではなくて、まだ視野に入っていないような皆さんもいらっしゃるんじゃないかと思います。そういった幅広い学術関係者の皆さんとしっかり連携をしながら、この予測モデルの精度向上、つくって終わりではなくて、その後の運用を含めて精度を上げていくんだ、そして、その手続であるとか、今おっしゃっていただいたプロセスというのがしっかりと国民の皆さんに伝わるように、これが透明性の確保とそしてそれによる安心感の醸成というところにもつながっていくというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
洪水に戻りたいと思うんですけれども、今回、洪水に係る情報提供体制を強化していくために、河川管理者そして下水道管理者又は海岸管理者が氾濫による危険の切迫が認められる場合には通報をしていただくということになります。
例えば、江東区にも小さな内部河川というのはいっぱいあるんですね。やはり予報がかなり難しいということで、河川管理者が通報するという仕組み、極めて有効ではあると思っておりますけれども、河川管理者たる地方公共団体が、今回の法改正によって、より、二十四時間三百六十五日、常にモニタリングをして、常に監視ができるという体制を整えていただくという必要が生じます。
地方公共団体、もう今もかなり少ない人員でやっておられるところがたくさんあります。法改正によって生じる体制強化に伴う支援ということが不可欠だと思いますけれども、いかがお考えか、佐々木副大臣にお伺いします。
○佐々木副大臣 委員長、ありがとうございます。御質問もありがとうございます。
今般創設いたします河川管理者等による氾濫に係る通報は、河川等の状況を最もよく知る河川管理者等が氾濫による著しい危険が切迫した状況であることを通報するものであり、市町村長が発令する警戒レベル五の緊急安全確保措置に直結する極めて重要な情報です。
地方公共団体の円滑な制度の運用に向け、通報の対象となる氾濫の規模や伝達先などを運用方針として提示するなど、技術的な支援をしてまいります。
また、地方公共団体の体制によっては災害時の巡視が難しい場合もあることから、氾濫の発生を把握するためのカメラや水位計の設置など、観測体制を強化できるよう、防災・安全交付金を活用して財政的な支援もしていく所存であります。
このように、地方公共団体が氾濫通報制度を的確に運用できるようしっかりと支援を行い、水災害の軽減に取り組んでまいります。
○大空委員 ありがとうございます。
技術的な支援に加えて、財政的な支援も極めて重要であります。是非よろしくお願いを申し上げます。
また、地方公共団体への支援、人員の拡充、そして、今、副大臣がおっしゃっていただいた監視カメラ網の整備であるとか水位計の支援というのも重要でありますけれども、加えて、堤防の強化であるとか水門の改修といった、いわゆるハード面の整備と併せた総合的な対策が必要だというふうに考えております。
例えば、今、堤防の草刈りがありますけれども、背丈の高い雑草が生えていますと、芝があるところでは、遮光されますので芝が退化をしていきますし、目視でひび割れなんかが確認できなくなるといったような問題が生じております。
草刈りというのは極めて重要な河川管理業務だと思うんですけれども、今、大体二回刈り、二回集草というのが全国で標準的な処分方法だと思いますが、現場では、例えば草刈りとか集草の回数を減らしたり、いわゆるコストを削減するためにもう本当に血のにじむような努力を全国でしていただいています。もちろん公的資金の適正化であるとか作業の効率化といった観点は重要だと思うんですけれども、国民の暮らしと命を最前線で守っていただいている全国の地方整備局の皆さんがお金を気にして草も刈れないという状況で、どうやって国民の命を守っていくのか。
私はこれは非常に重要な問題だというふうに思っておりまして、全国の皆さん頑張っていただいているわけでありますが、水災害から国民の皆さんの命を守り抜くために、ソフト面とそしてハード面、これを併せた総合的な対策が必要だと思いますけれども、大臣の意気込みをお聞かせいただければと思います。
○金子国務大臣 大空委員には、冒頭、昨晩起きた熊本での地震に言及いただきました。九年前、熊本地震があったわけでありますが、ちょうど昨日、大臣室におりまして、気象庁、関係部局、九州地方整備局、現場の国道、河川事務所に、しっかり調査をすると同時に、熊本県や関係自治体とも連携を取りながら、しっかり備えるように指示したところでございます。そういうことも含めて、いつ何どき起きるか、自然災害に対応するということは非常に重要だと思っております。
今日は、大空委員には二十七回目のお誕生日ということで、おめでとうございます。心よりお祝いを申し上げたいと思います。しっかりと記念日にふさわしい答弁をさせていただきたいと思います。
激甚化、頻発化する自然災害に対応するために、これまでも国土交通省では、先ほどお話ありましたように、堤防あるいはダム、調整池等の整備、河道掘削といった治水対策を進めてまいりました。
今年八月には地元熊本でも浸水被害が発生したところでございますが、緑川では城南水位観測所の周辺で計画高水位を超えましたが、これまで取り組んできたダムの整備や国土強靱化予算による河道掘削などの治水対策が功を奏しまして、大幅に水位を低下させ、氾濫を防ぐことができました。
令和元年東日本台風の際には、荒川においても、これまでの調整池などの整備や河道掘削などの治水対策により、京成本線荒川橋梁で桁下一・二メートルのところまで水位が上昇しましたが、整備による水位低下により、氾濫を防ぐことができました。
一方で、整備水準を上回る洪水等に対してはハード対策だけでは限界があることから、住まい方の工夫のほか、避難を中心とする防災行動を的確に取る体制の構築といったソフト対策を組み合わせることが重要であります。
本法案は、市区町村長による避難情報の発令や、住民の避難行動を支援するための防災気象情報の高度化、適正化を行うものであり、これらソフト対策により、万が一の氾濫でも犠牲者を出さないことを目指してまいりました。
国土交通省としましては、国民の生命財産を守るため、委員御指摘のとおり、あらゆる関係者が協働して取り組む流域治水を推進し、ハード、ソフト対策を一体的かつ強力に進めてまいります。
○大空委員 ありがとうございました。
金子大臣、佐々木副大臣から大変前向きな御答弁をいただきまして、二十七歳、いいスタートが切れました。水災害から国民の皆様を守るために引き続きよろしくお願いいたします。
終わります。
○冨樫委員長 次に、長友よしひろ君。
○長友(よ)委員 おはようございます。立憲民主党、神奈川十四区、相模原市、愛川町、清川村の長友よしひろでございます。誕生日は来月でございますが、金子大臣、どうぞ前向きな答弁をいただければと思います。
気象業法及び水防法の一部改正でございますが、洪水に係る情報提供体制の強化を目的とした部分は、住民や水防関係者に対してより明確できめ細やかな周知を図る内容と受け止めています。
まず最初に聞くのは、今回、新たに洪水分野にも警戒レベル五として特別警戒を明文化する提案でしたが、これまで洪水に関して特別警報自体が存在していなかったことについて確認したいと思います。
○金子国務大臣 おはようございます。長友委員にお答えを申し上げたいと思います。
今回の法律案は、近年、豪雨等の自然災害が頻発化、激甚化する中で、防災気象情報である予報、警報を高度化、適正化することを目的としています。
特別警報は、予想される現象が特に異常であるため重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に出されるもので、洪水の場合には、氾濫のおそれが著しく大きい場合を想定しております。
流域面積の広い大河川において、洪水の特別警報を行う際は、雨量だけではなくて、ダム等による洪水調整の状況や、堤防等のインフラ施設の状況、水位の実況や予想を踏まえる必要があります。
しかしながら、これまでは、河川からの氾濫の切迫状況を把握するための水位の観測網や水位予測などが十分ではなかったため、洪水の特別警報は実施できておりませんでした。
今般、河川の流域において、水位計や監視カメラといった観測網の充実に加え、水位変動を高精度、高頻度で予測できるようになったことから、洪水の特別警報の実施が可能となったものでございます。
今後は、洪水の特別警報により、河川の氾濫がいつ起きてもおかしくない状況を的確に伝えることで、市町村長が発令する警報レベル五の緊急安全確保に直結する極めて重要な情報を提供できるようになるものと考えております。
以上です。
○長友(よ)委員 ありがとうございました。
技術が追いついた、あるいは整備ができてきた、高度なものに対応できるようになってきた、いろいろな意味合いだったと思います。そのことによって、特別警報を定めること、効果を期待をします。
同時に一方で、ちょっと、先ほど的確という言葉がありましたけれども、非常に分かりにくいところがありますので確認をしたいと思うんです。
従前よりある警戒レベル四、これは氾濫危険情報ということだったんですけれども、これが洪水危険警報という文言に変わると伺いました。これは、洪水危険警報よりも、これまで氾濫危険情報という言葉だったんですけれども、こっちの方が、何というんですか、より切迫感を感じる、言葉を聞いた印象からすると非常にこちらの方が分かりやすいんじゃないかと思っています。あるいは、氾濫危険警報という言葉。
つまり、洪水よりも氾濫の言葉の方がより住民に対して効果的だというふうに受け止めておるんですが、見解を伺いたいと思います。
○金子国務大臣 委員の御指摘は理解できます。
その上で、防災気象情報の名称につきましては、国民の皆様に分かりやすく伝え、的確な防災対応を行えるものとすることが重要であります。
洪水に関する情報の名称につきましては、令和四年一月から令和六年五月にかけて、およそ二年半にわたって開催いたしました防災気象情報に関する検討会において、一般の方々へのアンケート調査なども参考にしながら、京都大学の矢守教授を始めとする防災情報に関する学識経験者や報道関係者などを交えて議論が重ねられました。
その結果、洪水の特別警報については、洪水により河川が氾濫する現象を示すものとして氾濫という言葉を用い、レベル五、氾濫特別警報という名称とする案が示されております。御指摘の検討が行われているところでございます。
国土交通省としては、本検討会で示された名称案を踏まえ、国民の皆様に危機感やあるいは切迫感が効果的に伝わる名称となるよう、法案成立後、速やかに決定し、公表してまいりたいと思います。
○長友(よ)委員 法律上は洪水という記載になるけれども、これまでの議論を踏まえて、外に向けて出していく名称には氾濫という言葉を使うことを今後検討していく、定めていくようにしていきたい、こういうふうな答弁と受け止めました。
申し上げましたとおり、いろいろな有識者の考え方と同じように、私は氾濫という言葉の方がより強い緊張感を、切迫感を感じると思いますので、そうしていただきたいと思うんですが、これは非常に分かりづらいですよね、法律はこう、名称はこうと。そのことについては後ほど触れたいと思います。
今回の法改正につきましての説明の中でもあったんですけれども、大雨特別警報が解除されても洪水特別警報が発令されている事例がありましたので、そのことを踏まえたというわけです。ですので、今後あるわけですね。危険を継続的に認知していただくことは一番大事なことでありますので、より細かく高精度で予測されることが可能になることにより、情報の混乱ですね、いろいろな発令がされて、片方は解除された、でも片方は残っている、こういう事態なわけですから、情報の混乱というものが想定されると思うんですけれども、回避できるという考えでよろしいでしょうか。政府参考人に。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
洪水は、例えば令和元年東日本台風における千曲川の事例のように、必ずしも大雨と同時に発生するものではなく、雨水が河川に流出し、洪水が発生するまでには時間差が生じることがございます。
洪水の特別警報を創設することにより、この時間差を踏まえた河川の氾濫に対する最大級の警戒を住民等に対して分かりやすく確実に呼びかけることができるようになります。
例えば、大雨が収まった後でも、引き続き河川の氾濫が切迫している場合や氾濫が継続している場合には、大雨の特別警報を解除した後においても洪水の特別警報を継続することで、河川の氾濫に対して最大級の警戒を呼びかけることができるようになります。
○長友(よ)委員 承知しました。
次に、今回は、洪水と大雨の警戒、警報のところなんですけれども、洪水予報指定河川の洪水予報の警戒レベル五相当は氾濫発生情報という言葉、文言なんですね。氾濫発生情報自体は、これでどういうふうに変わるんでしょうか。どうなりますでしょうか。
○林政府参考人 お答えいたします。
今般の法改正により、流域面積が大きい河川においては、氾濫の発生の危険が切迫した状態にある場合や氾濫の発生が確認された場合に、警戒レベル五相当情報である洪水の特別警報が発表されることとなります。
一方、これまで警戒レベル五に相当する洪水の情報としては、洪水予報河川や水位周知河川で氾濫が発生したことが確認された場合は、氾濫発生情報が発表されてございます。
洪水予報河川においては、引き続き、警戒レベル五相当情報である氾濫発生情報が発表されることとなります。
○長友(よ)委員 水防法では氾濫発生情報という言葉がそのまま、当たり前ですけれども使われていくわけですね。なので、先ほどの話に戻りますけれども、洪水特別警報、氾濫発生情報ですね、大臣、後ほど質問します。
次に、住民に最も身近な市町村は、水防法に基づきまして、水害の防止、軽減などに対して活動を主導する水防管理者というのも務めているわけですね。水防管理者との情報共有、迅速化、つまり、住民への対応、影響は今改正によって連携も含めてどのようになっていくのか伺いたいと思います。
○林政府参考人 お答えいたします。
今般、洪水の特別警報と併せて、河川管理者等による氾濫に係る通報制度を創設することとしてございます。
この制度は、河川等の状況を最もよく知る公物管理者が氾濫発生の危険が切迫した状況を通報するものであり、水防管理者である市町村長が発令する警戒レベル五、緊急安全確保措置に直結する極めて重要な情報です。
河川管理者等から通報を受けた都道府県は、その状況により相当な損害を生じるおそれがあると認められるときは、水防管理者である市町村長に通知することで、この氾濫通報を発令の判断に活用することとなります。
河川管理者等から通報を受けた都道府県は、その状況に相当な損害が生ずるおそれがあるときは、水防管理者である市町村長等に通知するとともに、必要に応じて報道機関の協力を求めて、一般に周知するということになってございます。
あわせて、今回の改正案におきましては、高潮の共同予警報についても創設することとしてございます。指定された海岸においては、海岸の地形、施設の形状の影響による波の打ち上げ高を加味し、高い精度の予警報を水防管理者である市町村長等に通知するとともに、必要に応じて報道機関の協力を求めて、一般に周知することとなっています。市町村長は、この情報を基に避難指示等の判断に活用することとなります。
いずれも、予報精度、より精度の高い情報が迅速に伝えられるということになることから、通知を受けた水防管理者である市町村長が緊急安全確保措置、避難指示の発表を迅速に判断できるようになり、住民が適切に避難行動を取ることが可能となります。
○長友(よ)委員 水防管理者、すなわち水防法に基づいて設置されているものであります。
今改正案は、河川や高潮に係る内容なわけなんですけれども、言うまでもなく、河川の流量に大きく影響を及ぼす洪水調整を行っているダム、ここに係る内容というものが全く記載されていないんですね。ダムの特例操作など洪水事案と深い関わりがあるわけなんですけれども、そもそも、先ほども答弁の中からありましたけれども、防災気象情報にはダムそのものの情報が含まれていないんですね。これはなぜなんでしょうか。
○林政府参考人 お答えいたします。
流域面積の大きい河川においては、ダムの操作のほか、堤防等の状況を含めて洪水を予測することが重要でございます。
このため、これまでも国や都道府県が指定した洪水予報河川では、ダムの放流も加味して水位上昇を予測し、洪水のおそれを呼びかけてまいりました。
これに加えて、今般、まず特別警報ですが、河川の流域に水位計や監視カメラといった観測網の充実に加えて、氾濫直前の水位変動を高精度、高頻度で予測、観測できるようになったことから、ダムの放流も加味した洪水の特別警報を創設することといたしました。
次に、氾濫通報ですが、ダムからの放流を含め、河川に係る施設の状況等も踏まえた氾濫の危険性について、河川管理者から水防関係者に氾濫通報を行い、それを基に市町村長が住民に周知することとしてございます。
住民等の適切な避難行動に結びつくように、これらのダムの操作の情報を踏まえた洪水の特別警報や氾濫通報の制度を活用してまいりたいというふうに思ってございます。
○長友(よ)委員 私、先ほど地元を申し上げたんですけれども、令和元年の東日本台風、十九号ですか、そのときに甚大な被害を受けた地域でもあります。御承知のとおりでありますけれども、神奈川県自体では、箱根が総雨量一千ミリを超えるという、線状降水帯ですか、これの発生によってこういう事態が起きましたし、私自身の地元も七百ミリを超える地点がございました。地元にあります城山ダムは、これで緊急放流、正式な名称は異常洪水時防災操作ですか、これを行ってきた経緯がございます。
そこで、このダムの話を続けたいと思うんですけれども、残念ながら、そのとき、私の地元では、このダム特例操作、緊急放流の情報共有が的確に図られなかった事例がございました。その後、その教訓を基に、水防計画、これは法定必須の都道府県計画なんですけれども、水防計画の改定などで対応を図られていると認識をしています。国交省の水防計画の手引では、ダムの操作の連絡として、迅速に河川管理者が水防管理団体などに連絡をしてということが記載されているんですね。ここはちょっと質問はやめますが、この実態を踏まえた上で申し上げたいと思うんです。
先ほど水防法の通報の話が答弁の中でありましたが、これは、水防法の通報ではダムが含まれていないということなんですね。そもそも、そこが提起されていないんですよ。先ほどの御答弁の中にありましたとおり、河川法なんですね。河川法では通知する義務がある、これが明記されているんです、法律の中に。
その上でなんですけれども、大臣、私が言うのもあれなんですけれども、大臣の御地元でも豪雨で非常な被害を受けられた経験というものがあると承知をいたしております。そのときに、球磨川でしょうかのダムなども緊急放流の状況というのがあったと承知をいたしております。
最も大事なのは、情報の共有なわけじゃないですか。それは対象区域の住民の方々なわけですよ、言うまでもなくて。ここの通知、お知らせする、知っていただくということが今回の名称、特別警報なども含めて、改正の主眼の一つなわけでありますから、各都道府県が策定をする水防計画の中に載せるだけじゃなくて、そもそも水防法にしっかり位置づける必要が私はあるんじゃないかと思うんですね。これについて見解はいかがでしょうか。
○金子国務大臣 私も、五年前の令和二年豪雨災害、球磨川が大氾濫を起こしまして、多くの方々が亡くなられ、私自身もそのときに川を渡って命からがら助かったものでありますけれども、そういう状況を見ながら、いかに河道の中で水を流していくのか、あるいは、いかにして避難をしていくのか、そういう意味では、情報というのは非常に重要かと思っております。
その上で、緊急放流を含むダムからの放流によりまして、下流に急激な水位変動が生じると予想されるときは、河川法等に基づき、当該ダムの管理者から関係機関に通知することとしております。
また、水防法に基づき策定をいたします水防計画においても、ダム管理者から関係機関に連絡することとしております。
一方で、河川からの氾濫については、ダムからの放流だけで決まるものではなくて、例えば、本川に流れ込む支川が合流の影響をするとか、河川の流下能力等も考慮する必要がございます。
今回の水防法の改正案では、ダムからの放流を含む河川に係る施設の状況等を踏まえまして、氾濫の危険性について、河川管理者から水防関係者に通報する氾濫通報を新たに設けまして、それを基に市町村が住民に周知することとしております。
○長友(よ)委員 この時点ではここはやめますが、これはやはり、河川法には明確に四十六条に記載されています。ダムの設置者はダムの操作の状況の通報をちゃんとしなさいよ、こう書いてあるんですね。それは河川だから当たり前だといえば当たり前なんですけれども、水防法にはないんですね。ダムは施設ですけれども、今のはダムは河川の一部だという恐らく見解なんだろうと想定いたします。
ですが、これは、先ほど来申し上げているとおり、住民避難等をやるのは水防管理者がやるわけです。いわゆる水防法に基づいてやるんですね。だから、計画の中に都道府県が独自で盛り込むという話じゃないと私は思うんですね。国がやはり責任を持ってここを位置づける必要性があると思いますので、これは是非、大臣、今後、課題として捉えていただいて、検討をお願いしたいと思います。より正確に、より共有するために何が必要なのかということの観点でございます。
最後なんですけれども、先ほど申し上げた名前、名称のことなんですね。名称なんかどうでもいいやという考え方もあるかもしれませんけれども、今回は名称改正でもありますので、そこに視点を置いて、最後申し上げたいと思うんです。
先ほど申し上げたダムの特例操作、これは、緊急時に呼びかける際に、ワンフレーズでその意味が受け手に理解される、つまり住民に分かっていただくように、関係機関への通知については緊急放流という言葉を使用することになったわけですね。これは、緊急放流というのは、流域の方々からすると本当に切迫しているんだという受け止めができるので、いち早く避難することができるというふうにアンケートでも出ていますので、とても重要なことだと捉えています。
今回改正は名称の重要性というものを踏まえていると思いますので、誰もが瞬時に危機を認識できるように、法律上と運用上の用語を統一することを考える必要があるんじゃないかと思います。
戻りますけれども、洪水特別警報なんだけれども、外に対して伝えていくのは、これから決めますけれども、氾濫特別警報という、こういうことになるかもしれないわけじゃないですか。では、法律も、洪水じゃなくて氾濫にすればいいんですよ。あるいは、洪水と併記か、括弧書きか何かするとか、ちゃんとそこを統一的にやっていくべきじゃないかというふうに思います。
この緊急放流の話も同様なんですね。この点について、是非、今後の課題として取り組んでいただきたいと思うんですけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○金子国務大臣 長友委員には、やはり、国民目線でいろいろな御指摘をいただいておりまして、非常に我々もそれを受け止めさせていただきたいと思いますが。
住民向けの重要な防災情報については、先ほど来お話があるように、理解しやすい用語で統一することが重要だと認識をしております。
実際に、委員御指摘の緊急放流についても、かつてはただし書操作や異常洪水時防災操作と呼んでいましたが、令和三年度に、緊急放流に用語を統一するよう関係者に通知しているところでございます。
一方で、ダム管理者向けには特例操作という用語を用いております。これは、ダムからの放流に加え、通常以上にダムに貯留する操作も含む用語でございまして、ダム管理者において、緊急時に通常と異なる特例的な操作を行うことに着目した用語でございます。だから、貯留という意味合いもこの特例の中に入っているものですから、そういうことでございます。
この点、先ほど来、住民目線に立てば、緊急時には、河川の流量増加につながる放流を迅速にワンフレーズで伝達する必要があるため、緊急放流という用語で統一をしているところでございます。
このように、ダム管理者と住民といった情報の受け手の違いに応じまして、効果的に用語を使い分けることは有効と考えておりますが、いずれにしましても、住民向けの重要な防災情報については、理解しやすい用語となるよう、引き続き御指摘も含めて努めてまいりたいと思います。
○長友(よ)委員 前向きに御答弁いただいたと受け止めたいと思います。
最後、やはり、被災した現場の方々のお声を大臣も数多く見られたり聞かれたりしていると思います。やはり、とにかく情報なんですよ。もちろん、砂防、防災・減災、いろいろなことをやっていくことは必要なんですけれども、情報の共有化がない限りはそれに対応できないということで、是非その視点からのこれからの検討をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、伊藤俊輔君。
○伊藤(俊)委員 立憲民主党の伊藤俊輔でございます。
久々に国交委員会に戻ってまいりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
早速、気象業務法等改正法案について質問に入らせていただきたいというふうに思います。
まず、防災気象情報の体系整理についてお伺いしたいというふうに思います。
平成三十年七月の豪雨の際、地方公共団体は避難勧告等による呼びかけを行ったものの、一部ではその重要性や意味が十分に理解されなかったことから、避難行動を決断できない住人が存在したということが課題とされました。こうした教訓から、防災気象情報やその伝え方を改善する取組が行われてまいりましたけれども、今回、この防災気象情報に関する検討会等を通じながら、更にシンプルに分かりやすく見直しをするものだと理解をしております。
防災気象情報に関する検討会の最終取りまとめについて、有識者や報道関係者あるいは地方公共団体、それぞれどのような評価、そしてまた、どこに主眼を置いてこの検討をされたのか、端的にお伺いしたいと思います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
気象庁と水管理・国土保全局では、情報体系が複雑化している防災気象情報を改善するため、防災気象情報に関する検討会を開催し、およそ二年半にわたって有識者の皆様に御議論をいただきました。
この検討会では、防災気象情報を五段階の警戒レベルに合わせて、シンプルで危険度が分かりやすいものとすること、それを主眼にして検討が行われたということでございます。令和六年六月に取りまとめられた本検討会の最終取りまとめでは、このような検討を踏まえて、情報体系や情報名称を整理し、受け手の立場に立った分かりやすい情報にすることが示されたところでございます。
この結果を有識者、報道関係者や地方公共団体の皆様に説明しているところでございますけれども、そこでお聞きするところでは、この最終取りまとめが分かりやすい情報体系になっていると評価いただいており、それを踏まえまして、具体の運用に向けて協力して準備を進めているところでございます。
○伊藤(俊)委員 あわせて、名称の最終的な決定はこれから、法制度や実際の情報の運用、伝え方、検討会での意見なども踏まえながら、気象庁及び国交省において行うこととされたいとされています。
六か月の周知期間を始め、最終取りまとめで示された名称からまだ更に検討する余地があるのか。そしてまた、今後の対応についてお聞かせいただきたいと思います。
○野村政府参考人 警戒レベル相当情報の名称につきましては、法案成立後、警戒レベル相当情報の望ましい名称の案を基に速やかに決定し、公表する予定でございます。
公表後は、報道機関や自治体等と連携し、様々な手段で住民への普及啓発に努めてまいります。
○伊藤(俊)委員 速やかにということでありました。先ほど来、名称が分かりづらいという話もありましたし、様々、これからまだまだ検討の余地はあるんだろうというふうにも思います。
端的に、今回の取りまとめ案で、以前より、洪水あるいは大雨、土砂、高潮と、レベル五まで分かりやすく整理をされたと評価をしたいというふうに思いますけれども、先ほど来も質問がありましたが、例えば、レベル四、レベル五を比べても、危険、特別、どちらが重たいのか、どちらが危険と察知できるのか、分かりづらいという声が私のところにも引き続きあります。
個人的には、先ほど長友委員もありましたけれども、緊急という言葉とか、より皆さんが身近に、分かりやすく危険だと思っていただけるような名称を検討するのが好ましいんだと思いますが、先ほど、その主眼はどこに置いて検討されたかという中において、恐らく、これまで氾濫だとか特別だとか様々な言葉が使われる中で、分かりやすくそれを統合したというのに主眼を置いたのではないかなというふうに思っております。
ただ、本当に大事なのは、国民の皆さんがその名称を聞いて、きちっと避難をしなければならないと思っていただけるようなシンプルで分かりやすいもの、ここに主眼を置かなきゃいけないのではないかというふうに改めて思っております。
将来的にはレベルの数字だけにするような案も検討されているようでありますが、大臣の見解をお伺いしたいと思いますが、率直に、特別、危険、緊急と言われたときにどれが重たく感じるか、感想も含めてお聞かせいただきたいと思います。
○金子国務大臣 伊藤委員には、本当に国民が一番分かりやすい名称等ということは、もう当然のことであります。特別とか異常とか、いろいろな名称があって分かりにくいということは、これまでも言われたところでございます。ですから、今、いろいろ、分かりやすい名称にしようという努力をしているところでございます。
国土交通省においては、防災情報の有識者である京都大学の矢守教授を座長といたしまして、報道や河川工学などの専門家を委員として、令和四年一月から令和六年五月まで、およそ二年半にわたり、防災気象情報に関する検討会を開催しました。この検討会で示された名称案は、一般住民へのアンケート調査などを踏まえ、防災気象情報を先ほど話した五段階の警戒レベルに合わせて、シンプルで危険度が分かりやすいものとなることを主眼にして整理されたものでございます。
国土交通省としては、本検討会において示された名称案を踏まえまして、国民の皆様に危機感や切迫感が効果的に伝わる名称を決定をし、これを国民の皆様に活用していただけるよう、これからしっかりと周知してまいりたいと思います。
○伊藤(俊)委員 よく検討の余地があるのではないかと改めて思いますが、アンケートも見させていただきました。恐らく、これまで使われていた言葉をどううまく整理をするかというところに主眼を置いているのではないかと改めて思いました。
より皆さんが感じ取っていただけるような名称、これからもまた発展をしていく話かもしれませんが、是非、主眼はそこに置いて検討をし、そしてまた、周知の方がこれから大事だと思いますが、周知の方も徹底をしていただきたいなというふうに思います。
次に、高潮の共同予報及び警報の創設についてもお伺いしたいと思います。
本改正案では、国交大臣が指定した海岸については、防災気象情報の発表の指標として、潮位の実況や予測だけではなくて、波浪の打ち上げ高の実況も予測に加わるということであります。これまで試運転等を繰り返しながら、今回の改正につながっているんだと思いますけれども、どれだけ精度が上がるのかが重要だというふうに思います。
例えば、これまでの高潮の事例に、もうシミュレーションはたくさんやってきていると思います。効果があるという、積み上げられた試運転等があるからこそ導入するんだと思いますが、より分かりやすく、過去の事例等を含めて、この波浪打ち上げ高指標を追加していれば精度が上がったと言えるような事例がもしあれば教えていただきたいというふうに思います。
○佐々木副大臣 御質問ありがとうございます。
より精度の高い高潮の予測をするためには、潮位のみの予測にとどまらず、海岸の地形や施設形状に影響される波の打ち上げ高を加味することが必要となります。
これまでは潮位のみの予測を行ってまいりましたが、地形状況等を反映した高潮予測モデルを構築し、実証を通じたモデル改良を重ねた結果、実用段階に至ったと判断できたため、波の打ち上げ高を含む、より精度の高い高潮の予報、警報を行うことが可能になりました。
具体的な事例ということでございましたけれども、例えば、二〇〇八年、平成二十年に、富山県で波の打ち上げ等の影響で発生した大規模な高潮浸水被害においては、当時の高潮警報の発表基準に該当しなかったため高潮警報は発表されず、避難指示が浸水発生後となりました。
今回、新たに構築した高潮予測モデルが実際に運用されていれば、高潮警報が発表でき、より早期の避難につなげることができたと考えられます。
このような考え方に基づき、順次、海岸を指定して、より精度の高い高潮予測モデルを用いた共同予報、警報を導入することで、今後の高潮に対する警戒避難体制の強化に努めてまいります。
○伊藤(俊)委員 ありがとうございます。
より精度を、実証していただきながら、これまでは予測できなかったこと、そして助けられない命があったかもしれませんが、これから非常に期待をしたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
そして、次に、外国法人等による予報業務に関する規制強化についてもお伺いしたいというふうに思います。
外国法人等が予報業務の許可を申請する際に、国内代表者又は国内代理人の指定を義務づけることとしています。予報業務の許可を受けた外国法人等が不適切な予報をし、これに対し是正を求める場合や、気象庁から外国法人等に対し事務的な連絡をする場合、メールやあるいはZoomなど、外国法人等に連絡をすることができます。
昨今、課題でもありますけれども、対面や常駐を義務づける手続を改めるデジタル原則という、こういう方針からも逆行しているのではないかなと個人的にも思っております。自国にいなければできないような業種、業務と、ウェブを使って、あるいはデジタル、こうした時代とともに、自国に置かなければならないというのは、やはり、せっかく進んできたことと逆行することになるのではないかなというふうにも感じております。
各国が常駐を義務づけ始めたら、世界中で使われるウェブアプリの事業も成り立たなくなるのではないかと危惧をしますけれども、情報通信網が発達をして、国内にいなくても瞬時に外国に連絡を取れるこの時代に、わざわざ国内に代表や代理人を置かなければならないというふうにするのは、時代に逆行していると大臣は思わないでしょうか。また、我が国がそのような措置を取ると、外国の予報業務を始め、それ以外の業種もそうですけれども、日本法人等に対しても、代表者や代理人を置くように要求される可能性があるのではないかと危惧をしますが、見解をお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 お答えいたします。
我が国におきまして、民間企業等が行う気象予報業務において、不適切な情報が国民に提供されないよう許可制を取っております。
気象庁は、許可を受けた者に対し、不適切なことがあれば、直接事務所等に赴いて検査を行い、改善を指導するなどにより、予報業務の信頼性の確保を図っております。
現在、外国法人等による日本国内向けの予報が出現しつつあり、指導が必要な事例も確認されてきている中、国内法人同様、指導を直接的に実効性のある形で行えるようにすることが必要であり、通信手段のみによる間接的な手法では十分にその目的を達することはできないと考えております。
このため、今般の改正法では、予報業務を行う外国法人に国内代表者等を設置させることにより、気象庁とより適時適切なコミュニケーションが行える状態とすることとしております。
電気通信事業法など、類似の制度を有する他の法令においても、外国法人等に対し、国内事業者と同様の指導監督を徹底することを目的に、国内に所属する者を代表者等として指定させることを義務づけておりまして、今般の改正も、これらに倣って行うものでございます。
また、他国の今後の反応について御指摘いただきましたが、日本に類似する法制度を設けているのは韓国など数か国と認識しておりまして、日本の法人も、これらの国における規則を遵守して事業を行っております。
○伊藤(俊)委員 電気通信含めいろいろな前例もあるということかもしれませんが、先ほど来、デジタル原則を始め、業種によって、やはりそこは気をつけなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っているわけであります。
そしてまた、気象業務法の予報業務の許可を受けずに不適切な予報業務をしている外国法人等が現状あると伺っておりますけれども、恐らくアメリカとかあるいはチェコなど、まだ少数、七社ぐらいだと思います。まだまだ、国内にそういう事業者を設けなければ対応できないというところまで積み上げられたものではないんじゃないかなというふうにも思いますので、安易に義務づけるということは、本当に考えなきゃいけないのではないかと問題意識を持ちたいというふうにお伝えしたいと思います。
本改正案では、そうした事業者の名称などを公表できる制度も創設するとされておりますけれども、調査をいかほどの人材、体制で行っているのか。また、現状では、気象庁がそのような情報を把握した場合、事業者に個別に指導を行っているというふうに思いますけれども、情報によっては、注意喚起あるいは情報共有、また、気象庁や国交省からの発表など、対応の判断をどのようにしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
国内事業者と同様の指導監督を徹底するため、外国法人等による予報業務についても、ウェブサイトやスマートフォンのアプリケーションなどによるサービスを気象庁の職員が調査しているところでございます。
この調査において、外国法人等による予報業務が日本国内に向けて行われていることが確認できた際は、まずは事業者へ個別に連絡し、情報の内容や、どのような技術で予報が作成されているかなど、予報業務の実態を確認し、予報業務の許可の取得が必要である場合には、必要な措置を取るように指導しているところでございます。
今回の改正により、指導に応じることなく予報業務を続ける外国法人等に対しては、氏名等の公表の措置を活用し、速やかに国内利用者の保護を図ってまいりたいと思っております。
○伊藤(俊)委員 これから、単純なミスとか単純な誤情報というものと、意図的にあるいは悪意を持って、生命に関わるような誤情報が出たりとか、経済や観光を含めて、そうしたところに影響のあるデマやフェイクニュースなどもありますけれども、様々なことを考えていかなければいけないのではないかとも思っています。
今法案では、外国人、法人等に対しての対応を主眼としていると思いますけれども、誤情報、情報収集は、この許可があるなしにかかわらず、あるいは事業者、あるいは個人においても情報収集していると今思いますので、この時代に、デマやフェイクニュースは管轄外だということだけではなくて、恐らくこの先、そういったところまで含めてどう対応していくのかということが問われるのではないかというふうに思っています。
例えば、最近では、今年七月の五日に日本で地震が起こるという予言もありました。結局はデマでありましたけれども、日本にアジアから来る観光客の八%が旅行延期をしたりキャンセルをしたり、最大で二百四十万人、訪日を控えた方々がいる、あるいはインバウンドでいえば最大五千六百億円に上る損害だと、民間のシンクタンクの試算もありました。
今後同じようなこと、意図を持って誤情報、フェイクニュースが流される、こうしたことにおいても、この調査を、入手する情報においてどう対応していくのかということまで幅を広げるような余地があるのか。入手した情報、他省庁との連携も含めて、どのように対応していくのか、今後そういった対応まで体制強化をする必要性についてお伺いしたいというふうに思います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
デマやフェイクニュースに関しましては、今回の改正以前に、一般論として、自然災害から適切に身を守るためには、国民の皆様に科学的根拠に基づいた正確な情報で行動していただくことが大切でございます。このため、気象庁は日頃から、社会に流通する情報を注視し、必要に応じて対処しております。
委員御指摘のとおり、七月五日の件におきましても、記者会見の場を通して、当該予言が科学的根拠を伴っていないデマであることを示しました。正しい情報を伝えたところでございます。
気象庁といたしましては、今後も社会に流通する気象等の情報を注視いたしまして、もし科学的に誤った情報が流布された場合には、科学的根拠に基づいた正確な情報発信に努めて、国民の皆様に正しい情報を活用していただくことを呼びかけてまいりたいと思います。
○伊藤(俊)委員 様々なニーズにこれから検討していかなきゃいけないと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
質問を終わります。ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、谷田川元君。
○谷田川委員 立憲民主党の谷田川元です。どうぞよろしくお願いします。
まず、気象業務法等の改正案についてお伺いします。
通信技術の発達で国境を越えた予報業務が行えるようになりまして、海外事業者が提供するアプリ等において気象業務法に違反している可能性があるとのことですが、気象庁は、こうした事例をどのような方法で、どの程度把握しているのか。また、今回の改正案では、そうした事例を把握した場合、国内代表者又は国内代理人を通じ外国法人等に対する業務改善命令等を行うとしていますが、実効性を十分に担保できると考えていらっしゃるか。以上二点についてお答えいただきたいと思います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
違反の疑いのある事例の把握方法につきましては、外国法人等による予報業務はウェブサイトやスマートフォンのアプリケーションを通じて行われることが多いため、気象庁においてそれらの監視を実施しているところでございます。
監視を通じまして、気象庁では、許可を受けずに国内向けに予報業務を行っている可能性がある外国法人を数者把握しておりまして、これに対しまして、予報業務許可の制度を説明し、必要な措置を取るよう指導しているところでございます。
本改正案を通じまして、外国法人から許可申請を受けた場合、申請書に記載されていた国内代表者等が通知されたものであるかや、技術的バックグラウンドについて審査し、許可後においても定期的な検査をすること等を通じまして、国内法人と同等の品質管理を図るとともに、気象庁が指導監督を徹底できるようにいたします。
さらに、指導に従わず、許可を取得せずに予報業務を継続する場合には、氏名やサービス名等の具体的な情報を公表し、技術的裏づけの確認ができていないものであることを広く国内利用者に知らせることで、国内利用者の保護を図ることといたします。
今回創設するこれらの措置を適切に実施することで、不適切な予報から国民の保護を着実に図ってまいりたいと考えているところでございます。
○谷田川委員 済みません、今、数者把握しているとおっしゃったんだけれども、その数者、できれば数字を具体的に言っていただきたい。国はどこがあるのか、ちょっと具体的に言っていただければありがたいんですけれども。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
ちょっと今、調査中でございまして、いろいろな案件がございますので、一応七者、我々が把握しておりますけれども、内訳につきましてはちょっとここでは遠慮させていただきたいと思います、済みません。
○谷田川委員 国の名前、どこか言えませんか。どこか国の名前、全てでなくてもいいから、思い当たるところだけでも。
○野村政府参考人 それを今ちょっと、調査、指導しているところでございますので、大変申し訳ございませんが、ここではというふうに思っております。
○谷田川委員 細かい通告はしなかったけれども、当然、把握してと言うから、どこの外国があるのか、やはりそういうのは言ってほしいですよね。後でまたお聞きしたいと思います。
それで、近年、インバウンドが急増していまして、日本語を十分に理解できない外国人に対して、どのように防災気象情報、避難情報を伝えていくか、これも大きな課題だと思いますが、いかがでしょうか。
○野村政府参考人 委員御指摘のとおり、我が国を訪れる外国人観光客等が急増する中、必ずしも日本語を十分に理解できない外国人に対しまして、防災気象情報や避難情報を伝達することは極めて重要と認識しておるところでございます。
気象庁では、気象庁ホームページにおいて、十五言語で津波警報や気象警報等の防災気象情報を提供しております。
加えて、気象庁や消防庁では、防災気象情報や避難指示等に用いる地名や用語、伝達文など、約七千語を掲載した多言語辞書を十五言語で作成するとともに、観光庁が監修するプッシュ型の情報発信アプリ、セーフティーチップスでは、同辞書も活用しまして、防災気象情報や避難情報等を十五言語で情報発信しております。
今後とも関係機関と連携いたしまして、防災情報を外国人の方へ分かりやすく提供する取組を進めてまいります。
○谷田川委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
それで、昨日も熊本の地震が起きたんですが、本当に日本という国は地震大国で、いつどこで地震が起きてもおかしくないという状況です。去年国交委員会にいらした方は覚えていらっしゃるかどうか分からないんですが、三月に私、例の能登半島地震で七階建ての建物が倒れたんですよね、これは非常に衝撃的な事実だったと思います。当時、産経新聞の二月一日号に、近畿大学の津田和明教授が、耐震基準が厳格化されたのは地上の上の部分のみで、地下の基礎構造は設計者の考えによるところが大きい、耐震基準の新旧を問わず、くいに問題があれば大地震によるビルの倒壊は全国でも起こり得る、土地の液状化の可能性を厳格に判定することなど改善が必要だと述べていることを紹介し、液状化を考えると、東京都心の埋立地にタワーマンションが林立しているのが大丈夫か、そういう質問をしました。
当時の石坂住宅局長は、構造安全性を確かめており、倒壊等の可能性は低いと考えているが、七階建ての鉄筋コンクリートの建物が倒壊した事実を踏まえ、有識者会議を設置して被害の原因分析、対策を進める、そういう答弁だったんですが、その答弁から一年半以上たちましたが、何か進展はありましたでしょうか。
○宿本政府参考人 お答えをいたします。
昨年一月に発生をいたしました令和六年能登半島地震におきましては、我が国で初めて、基礎ぐいを有する鉄筋コンクリート造の建築物において転倒被害が確認をされたところであります。
国土交通省では、この地震における建築物の構造被害につきまして、建築工学的な視点から原因分析を行うため、昨年二月に有識者委員会を設置をいたしました。
当該委員会設置後の経緯でございますが、まず、昨年十一月の中間取りまとめにおきまして、転倒被害の要因として、地震時の基礎ぐいの損傷などによる支持力の低下が関係していると推定されると報告されました。
また、あわせて、地中に埋まっている当該建築物の基礎ぐいなどの損傷状況の調査や、その調査で得られた基礎ぐいなどの損傷状況を踏まえた、当該建築物の転倒メカニズムの検討などに取り組む必要があるとされたところであります。
中間取りまとめを踏まえまして、基礎ぐいなどの損傷状況の調査につきまして、関係者などとも調整の上で、昨年十一月頃から、地中に埋まっております基礎ぐいに衝撃を与えないように、丁寧に上部の建築物の解体を行ってまいりました。さらに、今年の四月頃からは、地盤を掘削をいたしまして、地中に埋まっていた基礎ぐいなどの損傷状況について把握をしたところでございます。
また、当該建築物の転倒メカニズムの検討につきましては、転倒の要因を分析するためには構造計算の前提となります構造用の図面が必要となるところ、大変古い建築物でしたので、そのための図面はございません。したがいまして、解体時に、はりですとか柱ですとか、そういったものの寸法や、内部の鉄筋の径だとか何本入っているかですとか、そういうことを把握をいたしまして、構造図面の復元を行いました。その上で、現在、復元した図面や確認されました基礎の損傷状況、こういったものを踏まえまして、建物が転倒に至った現象についての分析を行っているところでございます。
このように、基礎ぐいを有する建築物の転倒被害は国内で初めて確認されたケースでありましたことから、これまで様々な有識者や専門家の御意見をお伺いしながら対応を行ってきたところでございます。
今後、年内に最終取りまとめに向けた有識者委員会を開催いたしまして、転倒被害の要因について工学的な観点からしっかりとした議論を行っていただく予定であります。その上で、それを踏まえて必要な取組を行ってまいりたいと考えてございます。
○谷田川委員 今、局長から、年内にという期限があったのでよしとしたいと思うんですが、ただ、来年の一月でもう丸二年なんですよね。原因究明に二年もかかるかと思うとちょっと長いような気がしますので、もう少し迅速な対応ができないものか、検討していただければありがたいなと思います。
ちょっと順番を変えます。
先ほど伊藤委員からも指摘があったんだけれども、野村気象庁長官に伺います。
五月二十一日と六月十三日の記者会見で、今年七月五日に日本に大災害が起こるとのデマに対して、野村長官は次のように発言されています。本当に私は立派だと思うんですよ。以下、発言を読み上げます。
現在の科学では、日時と場所、大きさを特定した地震予知は不可能、デマと考えられる情報で心配する必要はない、根拠のない情報で振り回される方々がいること自体、本当に残念に思いますし、我々もはっきりと物を伝えていかなきゃいけない。
そのときの心境をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
七月五日に大災害が起こるという話が広まっているとの報道に接しまして、私が感じましたのは、我々が習ってきた科学的な物の見方が現代社会の中で十分浸透していないということを感じました。
我々が習ったのは、自然現象というのは、先入観を持つことなくしっかり観察し、厳密な理論で分析しなければ、本当のことは分からないと。この点をおろそかにすると、科学的根拠のないデマにだまされてしまうおそれがあると改めて認識しました。
これに加えまして、実際に社会経済活動に影響が生じているという報道も多くありました。
そこで、地震活動を監視する使命を持つ気象庁としまして、地震予知の限界や、今回のうわさは科学的な物の見方とはほど遠い根拠のない話であることを、社会に対して明確に説明する責任があると感じ、会見で説明をさせていただいた次第でございます。
○谷田川委員 立派に職務を果たしていただいたと称賛したいと思います。
去年同じ委員会で私は申し上げたんだけれども、皆さん、よく、首都直下型地震が三十年以内に七〇%の確率で起こりますよというのがありますよね。実は、この数字は二十年前からずっと続いているわけですよ。数字は変わらないんです。だから、確率を勉強した人であれば、少なくとも確率は上がりますよね。例えば、三十年で、二十年たったんだからあと十年以内に起こる確率が、七〇%は分かるんですよ。だけれども、ずっとずっと同じ数字を羅列しているから、国民に対して警鐘を鳴らすことにならないんじゃないかと。もっと分かりやすく説明してくれと当時の文科省の担当者に言ったんだけれども、かえって混乱を招きまして、一体どうなっているんだと。
それで、今年の九月に地震調査委員会が次のようなことを発表したんです。南海トラフ地震が三十年以内に発生する確率は二〇%から五〇%又は六〇%から九〇%程度以上と、二つの値を併記したんですよ。これに対して、どの数字を信じてよいのか疑問に思う人がいるかもしれない、住民に理解してもらうのが難しい、分かりやすく説明するのは国の責任だ、こういった自治体の関係者の意見があります。私もかえって分かりにくくなったと思うんですが、どうしてこういうことになったのか、御説明いただきたいと思います。
○古田政府参考人 お答えいたします。
南海トラフ地震の発生確率については、今般、観測値の誤差や計算モデルの見直し等に関して新たな科学的な知見があったことから、計算方法を見直しました。南海トラフで適用できる計算モデルは二種類ありまして、現時点では科学的に優劣がつけられないため、これら二つの計算モデルに基づく確率値を併記したものです。
ただ、この二つの確率値は共に見直し前と同じく地震発生の可能性が最も高いランクに分類されるものだという点が重要と考えております。
今回の見直しの結果が分かりにくいという御指摘は承知しておりますが、地震調査委員会としては、南海トラフ地震の発生確率について、高いという評価は変わっておらず、地震発生に対する防災対策や日頃からの備えに引き続き努めていただけるよう、国民の皆様に呼びかけてまいります。
○谷田川委員 専門的なことが入っているのでちょっと分かりにくいとは思うんですが。
地震調査委員会で、有識者の方々の意見が真っ二つに分かれるんです。つまり、地震学者としてみれば、地震の起こる確率は科学的にこうだと言っても、防災の関係者は、特に防災行政に携わる方は、確率が下がると予算を重点的につける根拠がなくなってしまう、それだけはやめてくれ、そういう意見を言うわけですね。つまり、地震学者と防災行政の間で綱引きがある。だから、その両方の顔を立てたから二つ併記したんですよ。
大臣もそういう認識はありますか。
○金子国務大臣 先ほど気象庁長官からもお話ししたように、やはり科学的根拠に基づくものというのが信頼すべきものであるということを前提にいたしまして、南海トラフ地震は、発生時には広範囲にわたる津波、建物倒壊、交通網の寸断などが生じ、国民生活や経済活動に深刻な影響を及ぼすことが予測されているものでございます。
先ほどお話がありましたように、本年九月に政府の地震調査委員会が公表した南海トラフ地震の長期確率評価は、発生確率を幅で明示することで不確実性を定量化するなど、最新の科学的知見を反映したものであり、防災対策促進の根拠となり得る意義のあるものと考えております。
その上で申し上げれば、異なる考え方に基づく二つの確率というのは、一般の国民から見れば分かりにくいという御指摘は私も理解できるところでございます。今後、科学的知見に基づきつつも、国民が今後起こり得る地震に備える上でより分かりやすい情報提供がなされることを期待したいと思います。
○谷田川委員 最後、期待したいとおっしゃったけれども、やはり国交大臣は気象庁を管轄しているわけですから、是非指導力を発揮してもらいたいと思います。そのことを強く要望したいと思います。
それで、資料一を見ていただきたいんですけれども、上の方に傍線を引きましたけれども、東大名誉教授のロバート・ゲラー氏は「ネイチャー」で、この種の図を示しながら、全国地震動予測地図に欠陥があると指摘、作成する手法が正しいかどうか検証されていない、それから、カリフォルニア工科大の名誉教授である金森氏は、この確率は多くの判断が入った主観的なもので、専門家でもよく理解できない、こういう指摘がされているわけですよ。
ですから、この際、やはり、地震のリスクの使い方、何%、確率よりも、全国、日本ではどこでも起こり得ますよ、そういうような発信をした方がいいんじゃないかと私は思うんですよ。
というのは、何が言いたいかというと、東海地震は結局なかったですね。今、南海トラフですわ。そういうところは重点的に防災対策の予算がつくわけです。ところが、地震確率が少ないところ、資料の二を見ていただきたいんですが、例えば、北海道胆振東部地震とか、東日本大震災とか、あるいは新潟中越沖地震、熊本地震、いずれも地震確率が少ないところで出ているんですよね。
だから、私は、これは根本的に見直すべきだと思うんだけれども、ちょっと時間がないので、最後は誰が答弁していくことになるんですかね、じゃ、この件についてはちょっと最後に大臣に答弁したいことがあるので、何かというと、東京一極集中の是正が必要だということを私はかねがね言っているんです。過密すれば過密するほど、災害リスクが高まります。ですから、東京一極集中の是正は、災害リスクを軽減するためにも必要だという認識を大臣はお持ちかどうか、是非お願いいたします。
○金子国務大臣 谷田川委員の御指摘のとおり、東京に人口や諸機能が過度に集中していることによって、巨大災害が東京で発生した場合に甚大な被害が生じるおそれがございます。このようなリスクを踏まえれば、私自身も東京一極集中の是正は喫緊の課題であると認識をしております。
国土交通省としましては、東京における防災・減災、国土強靱化の取組を推進することに加え、東京一極集中を是正し、人口や諸機能が分散的に配置される国土構造の実現を図ることにより、災害リスクの軽減に取り組んでまいります。
○谷田川委員 済みません。財務省の方に質問しようと思ったんですが、時間がなかったので、申し訳ありませんでした。これで私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、村上智信君。
○村上(智)委員 日本維新の会の村上智信でございます。
この臨時国会より、この国土交通委員となりました。どうぞよろしくお願いします。
まず冒頭に、昨日起こりました熊本県での地震に関連しまして、金子大臣及び地元の方々にお見舞いを申し上げます。
私の選挙区は福岡県なんですけれども、二〇一六年に熊本県で大きな地震があった際には福岡県も地震の揺れがありまして、そのことに合わせて考えますと、今回の地震も、余震で被害が出なければいいなというふうに、熊本県の方とともに、私もお祈りをしております。
さて、質問に入ります。
気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案に関しまして、私からは洪水に係る情報提供の体制強化を取り上げたいというふうに思います。
これまで、洪水に関係しましては、注意報、警報など三段階の区分でしたけれども、これに新たに特別警報という四段階目の区分を加えるという話です。
そして、特別警報の判断をするために、河川を管理する都道府県などから河川の水位の情報などを入手するという話を伺っております。
このように、情報を入手して、そして計算をして、しかるべき基準を超えたら特別警報を発するというふうなことだというふうに思いますけれども、この情報の収集、そして分析、これに人が介在すればそれだけミスが起こりやすくなりまして、そして、もし間違った情報を出せば、それは大変なことになると思います。
私は、国会議員になる前には公務員をしておりましたけれども、この公務員の世界はなかなか電子化が進んでいないところもありまして、情報をファクスで送るとか、それを、送ってきたものを手入力をするとか、そのようなことをして、最終的に周りの関係者に伝えるのも口頭で伝えるとか、そういうふうなことが行われる世界があるものですから、このような洪水に関する情報も、もしそのようなことをするのであるならば、これはミスが起こりやすくなるなというふうに思いまして、質問をさせていただきます。
洪水予測のための雨量予測や河川の水位などの情報収集や計算は自動化されるのでしょうか。それらの情報を関係者が閲覧できるようになるのでしょうか。教えてください。
○林政府参考人 お答えいたします。
洪水予測に使用するデータには、気象庁、国交省、都道府県による観測雨量、気象庁による雨量予測、国土交通省と都道府県が観測する河川の水位などがございますが、これらは自動で気象庁、国交省及び都道府県に相互に伝送され、共有されることとなります。
これらのデータを用いて河川ごとに国土交通省、都道府県において自動で洪水予測計算を行っており、その計算結果については、洪水予報を発表する国土交通省また都道府県と気象庁との間で共有、閲覧できるようになってございます。
こうしたことにより、迅速かつ的確な洪水予測を行ってまいります。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
雨量の予測とか水位の情報などをオンラインで集められて、そして自動的に計算されるということで、人為的なミスは防げるだろうなというふうに思います。
設備導入が伴うと思います。予算が必要になるような話だというふうに思います。私がこのようなシステムの導入に関連して思うのは、多分、テスト的にはもう既にやったんだろうかなというふうに思います。一部の河川で試してみて、そして、うまく情報を集められ、自動化ができるということが分かったので、今回の法改正に結びついてきたのかなというふうには思います。今後、法改正が終わった後、その後には、設備、システムの導入、これを計画的に考えてやっていただきたいというふうに思います。
特別警報の対象となる指定河川は四百以上というふうに聞いております。それに伴い予算も多くなるでしょうし、オンラインでつないで自動的に計算する、そのインフラ整備も予算がかかることだというふうに思います。
さて、次の質問に移ります。引き続き、洪水に関係することで質問いたします。
河川管理者等、これは自治体の職員などと聞いておりますけれども、その河川管理者等が氾濫による危険の切迫を認める場合には通報するということになっております。
河川が氾濫するかどうかという大雨の際に、自治体職員が河川まで行って確認するようなことがあれば、これは災害に遭うような危険性が高まりますので、そのようなことはよろしくないというふうに思うんですが、そこで質問いたします。
河川管理者等による氾濫の通報は重要だとは思いますけれども、他方で、河川管理者等を務める自治体職員の安全確保が前提だと思います。氾濫の状況をどのように確認するのでしょうか。
○林政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の氾濫通報は、洪水や高潮の氾濫が差し迫った状況あるいは氾濫が発生した状況を把握したときに、河川管理者等がその状況を通報する制度であり、市町村長が発令する警戒レベル五の緊急安全確保措置に直結する極めて重要な情報です。
委員御指摘のとおりで、氾濫が差し迫ったときには、周辺の住民の命と同じように、河川等の巡視員や水防団など巡視を行う方々の身の安全を守ることも極めて重要であります。
一般的に河川管理の現場では監視カメラや水位計を駆使して河川の状況を確認しており、今般創設する氾濫通報の運用に当たっても、監視カメラや水位計により氾濫が差し迫った状況を判断できると考えております。
国土交通省としても、河川等の巡視員の安全を確保することを前提とした運用方針を提示するなど、河川管理等を行う地方公共団体に対して技術的助言を行ってまいります。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
さすがに河川の状況は監視カメラで監視するということで、河川に近づかないということでは、確認方法としてはそんなに危険性はないというふうには思いました。
しかし、大雨によってカメラが壊れるようなこともあるかもしれません。そのときに、自治体職員が真面目に考え過ぎて、そのカメラを確認しに行こうとかすると危ない目に遭うわけです。もちろん大雨だからといって、自治体の職員の方は、その雨の中出かけていって、避難所の開設などの仕事をするわけですから、全く出ないわけにはいかないんでしょうけれども、しかし、河川に近づけばそれだけ危険性が高まると思います。このようなことをよく認識していただいて、河川管理者が安全を確保できるようにしていただきたいですし、政府としても必要な注意喚起はしてほしいなというふうに思います。
次の質問に移ります。
このような洪水の情報、危険を知らせる情報、非常に大切です。大雨に関しては、多くの方が注目しているのは線状降水帯の情報だと思います。一たび線状降水帯が起こりましたら大きな災害が起こります。気象庁に聞いたところによりますと、この線状降水帯の予測がなかなか精度が上がらない、ようやく半日前に予報を出せる程度ですけれども、それでもやはり精度がまだ低いんだということが課題であるという話をされていました。
これに対して、ひまわり十号をこれから打ち上げる、気象衛星、今、八号、九号が運用されていますけれども、これから十号を打ち上げると。十号には大気を三次元で観測できる高性能センサーを積んで、そして線状降水帯の予測精度を上げるという話を聞きました。大切な取組ですので、しっかり取り組んでいただきたいなというふうに思うんです。
しかし、報道によりますと、このひまわり十号の打ち上げが延期されたということです。運用開始が二〇二九年度でしたけれども、それが一年延期されるというふうに伺いました。この原因が、高性能センサーの部品製作の遅れであるというふうなことでした。
そこで質問をいたしますけれども、気象衛星ひまわり十号の打ち上げが延期されましたが、ひまわり十号の運用開始まで、現在の体制での気象観測で問題はないのでしょうか。気象庁長官、お願いします。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
気象庁では、静止気象衛星ひまわり十号について整備を進めており、令和十二年度に運用を開始することを目指して準備を進めております。
現在、ひまわり九号での観測に加えまして、バックアップとしてひまわり八号を運用しております。このように静止気象衛星二基を用いることで、安定的な気象観測を維持しております。
ひまわり八号、九号の燃料及び衛星機器の状況を調査したところ、ひまわり十号の運用開始を目指している令和十二年度まで運用を行うことに問題がないことを確認いたしました。
気象庁といたしましては、引き続き、静止気象衛星二基による切れ目のない安定観測体制を維持してまいります。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
現在のひまわり八号、九号の運用でも問題がない、燃料ももちますという話で安心いたしました。
ひまわり十号は、是非、高性能センサー、しっかり準備を整えていただいて、線状降水帯の予測精度を上げていただきたいというふうに思いますので、その準備をしっかりお願いいたしたいと思います。
さて、最後の質問に移ります。最後は大臣にお聞きいたします。
本改正は、水による災害、水災を軽減するための措置だと評価しておりますけれども、新たな制度の実効性を高めるための大臣の意気込みを教えてください。
○金子国務大臣 まず村上委員には、昨晩の熊本における地震に対する御心配のお言葉をいただきました。ありがとうございます。今後また地震が起こる可能性がございますので、国土交通省としても、地元の熊本県や自治体、また九州地方整備局も含めて、万全の体制で対応させていただきたいと思います。ありがとうございます。
今回の法改正におきましては、洪水の特別警報、河川の氾濫に係る通報制度等によりまして、精度の高い防災気象情報を提供することで、水災害による被害の軽減を図ることを目的としております。
また、これらの法改正による措置と併せて、五段階の警戒レベルに合わせて情報の名称を整理をし、シンプルで分かりやすい防災気象情報とすることとしております。
新たな制度の実効性を高めるためには、法改正で変更される内容も含め、防災気象情報を、情報の受け手である国民の皆様がしっかりと活用し、迅速な避難行動につなげていただくことが何より重要でございます。
地方公共団体や報道機関等とも連携をいたしまして、住民向けの説明会や講演会、防災訓練の開催などを通じまして、周知、広報をしっかり進めてまいります。
あわせて、精度の高い情報を適時的確に発表するため、先ほどお触れいただきましたひまわり十号の整備を始めとして、観測・予測体制の強化を引き続き進めてまいります。
国土交通省としましては、堤防やダムの建設等の事前防災対策を着実に進めるとともに、法改正による防災気象情報の見直しが、国民の生命財産の被害軽減に確実につながるよう、ハード、ソフト両面から万全を期してまいります。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
以上をもちまして、私からの質問を終わります。
○冨樫委員長 次に、菊池大二郎君。
○菊池委員 国民民主党・無所属クラブの菊池大二郎でございます。
金子大臣におかれましては、御就任おめでとうございます。そしてまた、副大臣、政務官の皆様方にも、御就任、心から祝意を表したいというふうに思います。
一方で、先ほど来ございますけれども、昨日、熊本県阿蘇地方で大きな地震が発生をしたということで、私もその後いろいろと状況を見ておりますけれども、非常に複数回余震が発生をしている、そしてまた、気象庁の方からも、また今後大きな地震が起こる可能性があるというような注意喚起もされております。その点も含め、大臣とは、先日まで災害そして復興特別委員会でも、私も同僚の鳩山議員共々御指導いただいたということもありますので、地元、私は山形、東北にありますけれども、熊本県、九州、そういった地震が多く発生する地域にも思いをはせながら、質問してまいりたいと思います。
大臣とはほかにも共通点が実はございまして、これから私の地元の山形県最上川を例に出しながらお話しさせていただきますけれども、御地元の熊本の球磨川とこの山形県の最上川というのは日本三大急流でございまして、自然災害が多発化する中で、水害というところに着目しますと、昨年、山形におきましては、七月に大変大きな豪雨被害がありまして、自民党の加藤理事のお膝元でございますけれども、過去最大の一千億を超える水害が発生をいたしました。
東北エリアでの水害が、先ほどお話も出ましたけれども、いわゆる線状降水帯の発生というのが極めて生じております。実際に東北地方整備局管内の被害額を水害統計について見ますと、平成二十六年から令和五年までの十年間で見ますと一千七百二億円ということで、ほかの地方ブロックと比較しても群を抜いております。二番目に高い九州地方整備局管内においても一千四百六十五億円と、私の感覚からすると、東北よりも台風等の影響が比較的強く出るというところで、耐性もある意味東北エリアよりも強い九州よりも、東北エリアで水害が発生しているというところも踏まえて、今や雪寒地域である東北は線状降水帯が発生しやすい水害の地域とも言えまして、住民の的確な避難を誘導して安全を確保するために、水防法に係る本法案の目的、趣旨は極めて重要であるという視点に立って質問してまいりたいと思います。
まず、新しい洪水予測システムによりますと、本川と支川が合流するような場所についても、洪水予測、そしてまた内水氾濫についても可能となるのか、お伺いしたいと思います。
というのも、先ほどから申し上げていますけれども、昨年の山形での最上川水害の状況を見ますと、戸沢村の蔵岡地区というところがありまして、そこはもう長年水難の場所であります。隣接して最上川が流れて、そして堤防機能を果たす国道四十七号線、そこに蔵岡地区があって、これまで最上川の越水を防ぐために堤防も改良され、そして内水を排水していくために県で輪中堤というのも造りました。そういった対策が取られていたわけでありますけれども、この最上川と、鮭川という川がございまして、これは支川になりますけれども、ここで鮭川が増水して本川にぶつかって、じわりじわりと堤防を越水したということではなくて、衝撃で津波のようになってこの地区に水害をもたらしたというような状況でありますので、その点、この合流部についての状況、どういった形になるのか、御指導いただきたいと思います。
○林政府参考人 お答えいたします。
今回の法改正で創設する特別警報、これを発表する対象である流域面積の大きい河川で運用する新しい洪水予測システムでは、水位計などの観測網の充実、予測を短時間で行うための計算方法の工夫、そして上流や支川などに洪水予測を行う範囲を拡大、流域からの河川の流入量の精緻化、これらを進めたことにより、本川と支川の合流点も含め洪水予測の精度が向上しています。
一方、内水氾濫については、このシステムとは別に、降雨等の気象の予測に基づき予測を行い、気象庁が市町村ごとに発表する大雨警報等の中で警戒を呼びかけていくこととしてございます。
○菊池委員 一方で、洪水予測の前提となる雨量予測の精度はどうかという観点で質問したいと思います。
気象庁における雨量予測技術については、「二〇三〇年の科学技術を見据えた気象業務のあり方」に二〇三〇年線状降水帯予測高度化目標も提示されております。また、線状降水帯予測精度向上ワーキングチームが計十回開催されておりまして、様々な指摘がなされております。また、第一次国土強靱化実施中期計画における目標も設定されている状況にあります。
この点、先ほどもお話に出ましたけれども、令和六年度における線状降水帯に関する半日前予測について、運用開始前の想定に比べて適中率も捕捉率もいずれも低い状況にあります。適中率については八十一回中八回、約一〇%、捕捉率については二十一回中八回、約三八%ということでございます。
現に、先ほど来申し上げている過去最大規模になった山形の昨年の水害、七月二十五日に起こりましたけれども、これも見逃しというふうになっております。七月の前後、八月に岩手、秋田で水害がありましたけれども、線状降水帯が発生しましたけれども、こちらも同様に見逃されております。この半日前予測が現状どうなっているのかということも関心事としては高くございます。
こうした東北エリアを中心に線状降水帯が発生していること、つまり、線状降水帯が発生する条件の分布に地域特性が見られることを踏まえ、令和七年度は機動的な水蒸気予測を日本海側にも拡充するとされております。また、スーパーコンピューター「富岳」の活用による予測を強化してきた、更にしていくとの理解でありますけれども、この洪水予測の前提となる雨量予測技術についてどういった立ち位置、進捗状況にあるのか、取組も含めてお伺いしたいと思います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
線状降水帯は一たび発生すると大規模な災害の危険性が急速に高まる現象でございまして、国民の生命や財産を守るため、その予測精度向上について、有識者から成る線状降水帯予測精度向上ワーキングでの御意見も踏まえながら、庁を挙げて取組を強化、加速しているところでございます。
今年度も、委員御指摘のようないろいろな取組を導入いたしました。その結果、昨年度は、御指摘のとおり、余りよろしくない成績でございましたけれども、今年度は、今年十一月十四日時点で、その結果につきましては、線状降水帯発生の半日程度前からの呼びかけを行った事例のうち実際に発生した割合は一四%、適中率一四%、これは低い数字でございますが、逆に、線状降水帯が発生した事例に対しまして半日程度前から呼びかけを行っていた割合、これは捕捉率と申し上げますけれども、七一%得られたということでございます。このような改善は見られました。
気象庁といたしましては、予測精度を更に高める必要があると考えており、次期静止気象衛星ひまわり十号等による観測機能の強化やスーパーコンピューター等を活用した予測技術の高度化を進めてまいります。
○菊池委員 捕捉率について、七一・七%ですか、高まっているという話がありましたけれども、この捕捉率というのは、情報発信をして、呼びかけるところが大きくなればなるほど確率は高くなるわけでありますので、やはり適中率を上げていくということが極めて重要なんだろうというふうに思います。
この点、先ほど来、大臣とは特別委員会で御一緒させていただいた、御指導いただいたという話がありましたけれども、九月に私も国民民主党の理事として、立憲民主党の当時筆頭理事でありました近藤衆議院議員と小熊慎司衆議院議員と一緒に団を組みまして、欧州の方に災害の視察をさせていただきました。イタリアのラッツィオ州にお伺いしました。市民保護局の取組やイタリア国立の火山学研究所を訪問させていただきましたけれども、ヨーロッパ全体、イタリアが特に市民保護という観点で非常にダイナミックに事前防災や避難等に資する対策を講じておられましたし、そしてまた観測、予測に係る研究にも非常に力を注がれていたというふうに認識をいたしました。
やはり雨量予測、水防法に係る様々な観測、予測に関する技術、そしてまた精度の向上に向けた関係予算、関係人材の確保、育成が本法案の目的、趣旨を遂行していくためには更に重要となっていくと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 菊池委員には、大臣就任直前まで東日本大震災復興・防災・災害特別委員会の非力な委員長をお支えいただきまして、心より感謝を申し上げたいと思います。
また、水災害とは違いますが、昨日、熊本で地震が発生をいたしました。九年前の熊本地震の体験も踏まえまして、しっかりと、これから起こることに対する備え、国土交通省には気象庁もございますし、また関係部署、熊本県や地元自治体、そして九州地方整備局や地元の国道、河川事務所等々も含めて、万全の体制で備えてまいりたいというふうに思います。
私の地元は日本三大急流の球磨川が流れております。また、委員の御地元には最上川が流れておりまして、しかも同じような狭隘な渓谷を流れていくということで、事前防災という、災害復旧も含めて、非常に地形的に工夫をしなければいけないところでございまして、いろいろなダムとか遊水地とか、あるいは護岸とか掘削とか、いろいろなものをした流域治水を進めていかなければいけないということを思いました。
そして、多分九月だったと思うんですが、最上川にも自民党の治水議連で視察をさせていただきまして、その進み方を見させていただいたところでございます。そういう意味では、危険な川を共有しているということで、同じ思いを持っているところでございます。
球磨川に大きな被害をもたらしまして、球磨川流域を濁流が、人家をのみ、多くの方々がお亡くなりになり、多くの方々が被災をした令和二年七月豪雨など、線状降水帯は甚大な被害をもたらす現象であることから、その予測精度向上や情報の改善は喫緊の課題であると考えております。
このため、気象庁では、国土強靱化の取組の中で、次期静止気象衛星ひまわり十号の整備を進めているほか、気象レーダーの更新強化やスーパーコンピューターの更新等、観測、予測の強化を進めており、これら最新技術を生かすための人員、体制強化にも取り組んでいるところでございます。
これによりまして、線状降水帯の発生を半日程度前に予測する情報について、現在は府県単位で提供しているものが、令和十一年からは市町村単位で発表できるようになるなど、より精度の高い、きめ細かい情報提供ができるようになると見込まれております。
豪雨等の自然災害が頻発、激甚化する中で、線状降水帯による大雨災害から国民の生命や財産を守るためにこのような取組を更に強化してまいりたいと思っております。
○菊池委員 新しい洪水予測システムの枠外になりますけれども、危機管理水位計と簡易型のカメラ、これが全国的に設置をされております。
この点、カメラ等の機器や情報を吸い上げるシステムを更に配備をしていくと考えられる場合に、この機器やシステムというのがそもそも国産でカバーできているのか。先ほど来お話がありますけれども、改ざん等による偽情報が拡散されるリスク、そういったものが備わっていないのか。これから防災気象情報のセキュリティー対策というのは非常に重要になってくると思います。
能動的サイバー防御法案、これが法律として体制が組まれて、私も内閣委員会のメンバーとして議論に参画させていただきましたけれども、国家はもとより国内の重要な社会インフラ等が有する情報をいかに守るかという点においては、この気象情報というのも非常に重要なんだろうという思いがございます。
この点、安全保障の観点から、このセキュリティー対策がどうなっているのか、お教えください。
○野村政府参考人 委員御指摘のとおり、水位情報や防災気象情報は、国民の生命と財産を守るために安定的に提供されることが不可欠な情報でございまして、水位を観測するカメラ等の機器や、防災気象情報を作成、提供するシステムのサイバーセキュリティー対策は非常に重要であると考えております。
このような情報を扱う機器やシステムでは、国土交通省が定めている情報セキュリティーポリシーに基づき、サイバーセキュリティー対策を実施しております。
具体的には、サイバーセキュリティー事案発生時に速やかに対応できるよう部内外の連絡体制を構築するとともに、情報の改ざんやサイバー攻撃を念頭に置いた情報システムやネットワーク整備を行っております。
気象庁といたしましては、国土交通本省と連携しまして、引き続き、サイバーセキュリティー対策の徹底に取り組んでいくことにより、機器、システムの管理を行ってまいります。
○菊池委員 時間が迫ってきたので、長官からいろいろとお話をお伺いして、一点、私なりの関心事をお伺いしたいと思います。
今年の夏は、山形も含めて逆に雨が降らない、渇水の状況になりまして、雨が降る恐ろしさもあれば水の恵みの貴さというものを改めて私も大地を踏み締めながら感じたところであります。
そこで、そういった認識の下でお伺いしますけれども、人工的に雨を降らせることは可能ですか。
○野村政府参考人 お待たせいたしました。
人工降雨等の気象制御に関するものは、まだ研究段階でございます。その研究に関しましては、各関係府省が連携して実施しておりますけれども、ただ、制御の結果生じる副次的な影響もございますので、適切な科学的評価に基づく議論が必要だと考えております。
一方、気象庁におきましては、気象制御におきまして必要な予測技術の提供などでも協力を行っているところでございます。
このような関係で協力はしてまいりますけれども、いずれにしましても、人工降雨は、研究段階であることと副次的な影響について十分議論する分野かと思っております。
以上でございます。
○菊池委員 なぜこんな質問をしたかというと、飛躍し過ぎだと言われるかもしれませんけれども、いずれ、気候変動に順応していく中で、この予測精度を上げていくというのも順応していくというような対策の一つだろうと思いますけれども、これを逆手に取って、いわば、気候をコントロールすることによって若しくはされることによって我が国に被害が及ぶというような事態も想定し得るのではないかという、私なりの問題意識があるんです。
コロナの時代も経験しました。ウイルスの戦いということも含め、我々が想像しない危機管理というのが、これから国もそして国民レベルでも必要になってくるんだろうというふうに思います。
この点、政府としては、保有する気象情報等については民間事業者等の活用も踏まえオープンデータ化されているというふうに認識しております。ただ、見方によっては、我が国を取り巻く気候や国土の状況、例えば災害で弱っている地域がある、こういったとりわけ急所にもなり得るような脆弱な部分が丸裸にされているというふうに捉えることも可能ではないかと思っております。
我が国が保有する高度な気象情報や機微に触れる部分についてはより抑制的にという観点、そしてまた気象情報も安全保障上の情報たり得るという観点も踏まえて、例えばセキュリティークリアランス的な網に民間事業者をかけていくというような対策も必要ではないかということを気象業務法の論点も踏まえながら申し添えて、私の質疑を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、中川宏昌君。
○中川(宏)委員 公明党の中川宏昌でございます。よろしくお願いいたします。
私の方からも、冒頭、昨日の熊本県阿蘇地方で最大震度五強の地震が発生をしまして、多くの皆様が不安な夜を過ごされたと思っております、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
本法案の質疑の前に、この数日で多くの皆様の心配の声を伺っていますことから、まず緊急にお尋ねをさせていただきたいと思います。
中国当局が日本渡航の注意喚起を発出して、その影響で訪日旅行のキャンセルが急増をしております。インバウンドは九月までに累計二千六百万人超、消費額約五・八兆円と我が国の成長を支える重要産業でありまして、事業者は投資、人材確保を進めてきた矢先であります。
既に、中国路線の減便によりまして、空港のグランドハンドリング会社におきましては人員整理を検討せざるを得ない事態も生じておりまして、現場には深刻な不安が広がっております。コロナ後の回復途上にありますインバウンド産業への影響は極めて大きいと思っております。
国交省にお尋ねさせていただきます。
この現在の状況をどう認識しているのか、また、厳しい状況にある現場にしっかり寄り添って、インバウンド関連業界への支援策を早急に検討すべきではないかと思いますが、見解をお伺いさせていただきます。
○宮澤政府参考人 お答えいたします。
航空機の運航にとって不可欠な空港グランドハンドリング業務については、コロナ禍において大きく人員体制が縮小し、その回復に大変な苦労をしたところでございます。
そうしたことも踏まえれば、今後も増大傾向が続くと予想される航空需要に着実に対応していくためには、関係者が連携して、中長期的視点に立って、労働環境の改善に努めつつ、人員体制の充実を図っていくことが極めて重要と考えております。
我が国と中国を結ぶ路線における国際旅客定期便については、一部では減便の動きも出ているところでございます。
国土交通省としては、引き続き、今後の運航状況を注視しつつ、まずは、空港グランドハンドリング業務の関係者と情報連携を密にするとともに、影響の程度に応じ、観光庁ほか関係省庁とも連携を取りながら、必要な対応を検討してまいりたいと思います。
○中川(宏)委員 是非よろしくお願いいたします。
特にグランドハンドリング会社におきましては、コロナで人材流出が起きたとともに、構造的な課題も抱えております。この受入れ能力が日本の観光の競争力のボトルネックになると私は危惧しておりまして、是非、今おっしゃったように、しっかりと連携を密に取って対策を講じていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、本題に入りたいというふうに思います。
私の地元長野県で河川が決壊をしました千曲川の事例におきましては、大雨特別警報が解除されたため、住民の方々が、状況は落ち着いたと受け止めてしまい、雨が弱まった後に氾濫で孤立するという典型的な時間差リスクが浮き彫りになりました。専門家も、こうした住民が直感的に理解しにくい現象への制度対応が急務であるというふうに指摘をされております。
そこで、新たに創設をされる洪水特別警報は、従来の大雨特別警報とどのように役割分担をして、大雨のピーク後に洪水が発生する時間差リスクをどのように住民に正しく伝える仕組みとなっているのか、また、自治体や水防関係者への伝達、判断体制をどのように調整させていくのか、お伺いをさせていただきます。
○野村政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、大きな河川では氾濫の起こる場所やタイミングが大雨の降る場所やタイミングと異なることは、令和元年の東日本台風の際の千曲川や、平成二十七年九月、関東・東北豪雨の際の鬼怒川でも見られました。
今般、洪水の特別警報が導入されることにより、大雨については大雨特別警報、河川の氾濫については洪水の特別警報を用いて、それぞれの情報が対象とする現象にタイミングを合わせまして、最大限の警戒を呼びかけることができると考えております。
一方、防災対応を取る自治体や水防関係者に対しましては、大雨と河川の氾濫について情報体系が以前とは変わることになります。このことについて、その内容を事前に十分な周知を図りまして、例えば実施計画の変更などについても必要な支援を行うなど、実際の伝達も関係機関とともに連携して的確に行われるように運用してまいりたいと思います。
○中川(宏)委員 この千曲川の事例のように、雨が弱まった後に命の危険が高まるという、こういった現象は、住民にとって、非常に直感に反し、最も誤解が生じやすい危険ではないかというふうに思っております。その意味で、この洪水特別警報の創設は、まさにこの思い込みの壁、これを制度で乗り越えていくという、大事なことだというふうに思っております。
一方で、この制度が十分に機能するかは、自治体への周知、訓練と、あと住民への伝え方、これに懸かっているかというふうに思っております。是非、国といたしまして、この時間差リスクの理解促進、これを丁寧に進めていただきますようお願いしたいというふうに思っております。
今回、河川管理者が氾濫切迫と判断した際には、都道府県、市町村へ直ちに通報するプッシュ型通報、これが制度化されるわけでありますが、情報の即時性が増すほど自治体の判断時間が圧縮されたり、また、通報件数が増えるほどかえって判断が遅れるリスクがあるほか、特に、夜間、休日の少人数での体制では現場負担が急増する、こういった懸念もあろうかと思っております。
そこで、プッシュ型通報の導入によりまして自治体の情報処理が逼迫する可能性もある中で、国として、浸水想定区域における氾濫による著しい危険が切迫した場合に行われる通報ですが、どのように適切に、的確に行っていくのか、この点につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
○林政府参考人 お答えいたします。
今般創設する河川管理者等によるプッシュ型の氾濫に係る通報は、河川等の状況を最もよく知る公物管理者が氾濫による危険が切迫した状態を通報するものであり、市町村長が発令する警戒レベル五の緊急安全確保措置に直結する極めて重要な情報です。
プッシュ型の通報を行う河川管理者等が災害時の情報処理に逼迫しないよう、氾濫に係る通報を行う対象となる河川等の区間、通報先となる水防関係者、そして通報を行う際の具体的な通報方法について、届けられた情報を扱う水防関係者とあらかじめ議論を行い、水防計画に定めていただくことを想定しています。
地方公共団体の円滑な制度の運用に向け、これらについて国から運用指針を提示するなど技術的な支援をするとともに、避難情報を発令する市町村や関係機関と合同による地域の被害特性を踏まえた訓練を実施するなど、新たな制度の実効性を確保してまいります。
○中川(宏)委員 ありがとうございました。
プッシュ型通報は住民避難に直結する極めて重要な仕組みでありますけれども、即時性が増すほど自治体の判断時間が圧縮されるという現実的な課題があります。特に、先ほども言いましたが、休日また夜間の少人数体制の自治体では情報が増えること自体がリスクになる場合である、こういったことも忘れてはならないというふうに思っております。
通報の質ですとかタイミング、また量を自治体の体制に合わせて最適化していくこと、これが非常に大事であるというふうに思っておりますし、現場目線での情報運用のガイドラインの整備を是非していっていただきたいと強く要望をさせていただきたいと思っております。
次に、高精度化した情報の使いこなしと迅速な対応についてお伺いをさせていただきたいと思います。
近年は、水位が急激に上がる事例が増えております。国はこれまで水位計や監視カメラの整備、また新たな洪水予測システム導入を進めているところでありますけれども、情報が多くなるほど自治体では見切れないですとか、また判断が遅れる懸念があろうかというふうに思っております。現場では、実際、画面が増えて統合表示が追いつかず、担当者が本当に一名二名という状況では把握し切れず、また、夜間におきましては、繰り返しになりますけれども、少人数で判断をせざるを得ない状況であろうかと思っております。
避難情報の発令は、最後は人の判断に依存をするために、情報量の増加がそのまま安全につながるとは限らないというふうに思っております。洪水、高潮予報の高度化と併せまして、データ増加による判断遅延を最小化させていく、また自治体が確実に使いこなせる、こういった運用や支援の体制の強化が不可欠ではないかというふうに思っております。
そこで、令和八年度から本格運用をされます新たな洪水予測システムや水位計、監視カメラの増強に伴いまして、膨大なデータをしっかり自治体が使いこなすための技術的な支援、そして実効性を高めるための実地訓練などについて、どのような取組を今後考えていくのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○林政府参考人 お答えいたします。
市町村が水害対応を行う際には、防災に関する様々な情報が伝達されるため、避難情報の発令判断の際に重要となる情報について市町村が十分に理解することが重要です。
このため、本法案では、市町村長による避難情報の発令や住民の避難行動を支援するための防災気象情報を分かりやすく適正化するものでございます。また、これらの法改正と併せて五段階の警戒レベルに応じた情報の名称を整理し、シンプルで分かりやすい防災気象情報とすることとしてございます。
防災気象情報を始め降雨や河川の水位、カメラ映像などのデータが増強されることから、これらのデータについて国土交通省のウェブサイトに集約して、見切れないあるいは判断が遅れるということがないよう、市町村が簡単に確認できるようにしていきます。
また、全国の河川事務所では、これらの情報を活用しどのように運用するか、防災行動を時系列に整理した水害対応タイムラインを活用した訓練を毎年出水期前に市町村等の関係機関と実施しています。
このように、防災気象情報の適正化、データを集約したウェブサイトの提供、そして水害対応タイムラインを活用した訓練などにより、市町村が水害対応時にちゅうちょなく避難指示等の判断ができるよう支援してまいります。
○中川(宏)委員 是非支援をお願いしたいというふうに思っております。
そして、自治体を支援する体制といたしまして、気象防災アドバイザーがあります。我が党といたしましても、モデル事業ですとか、また育成研修の全国展開、これを後押ししまして、二〇二〇年では、その当時、山口代表の提案をきっかけに赤羽国土交通大臣が気象台OBやOGへ委嘱を拡大するなど、我が党として普及に取り組んできた経緯があります。
今まさに洪水特別警報や新たな洪水予測システムなど情報が高度化する中で、自治体がそれらを的確に使いこなして住民の避難行動につなげるためには、気象防災アドバイザー、これを全国の自治体防災体制の標準的な要素といたしましてしっかりと位置づけて、そして国として育成また配置の支援を一層強化していくべきではないかというふうに思いますが、この点につきましての見解をお伺いさせていただきます。
○野村政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、自治体が自然災害に対し適切な防災対応を行うためには防災気象情報を的確に読み解く必要がございますが、自治体によっては必ずしもこうした知識や経験が十分でないケースがございますので、防災や気象の知見を有する気象防災アドバイザーの役割は極めて重要であります。
このため、気象庁では気象防災アドバイザーの育成に努めているところであります。その数は令和七年十月時点で全国三百八十名となっており、これに加えまして、令和七年度は、更に育成を強化し、気象防災アドバイザーの候補となる約二百四十名の気象予報士を対象に研修を実施しているところでございます。
このように、気象防災アドバイザーは多く生まれておりますが、一方で、自治体での活動を見ますと、八十六自治体で八十名のアドバイザーが活躍しているということで、まさに多くの自治体において活動が進むよう、各地の気象台長が市町村長に対し気象防災アドバイザーの役割や有効性について説明するなど、自治体への周知、普及というのが課題となっているところでございます。
具体的にやっていることといたしましては、気象防災アドバイザーが行う支援策について全国の自治体に知っていただくという取組を予算を取って行っているところでございます。令和七年度においては、自治体と気象防災アドバイザーの対話の場を設けるなどを計画しているところでございます。
引き続き、関係省庁とも連携をしつつ、自治体における気象防災アドバイザーの活用が一層進むよう、しっかりと取り組んでまいります。
○中川(宏)委員 情報の高度化が進むほど、自治体にとっては専門的な伴走者の存在が不可欠になるというふうに思っております。私は、この制度を自治体防災体制の標準装備としていただきたい、このように思っておりますので、しっかり国が責任を持って育成、配置を強力に推進していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問になりますけれども、高潮予報につきましては、波の打ち上げ高まで反映した共同予報に進化をいたします。これは実務上、非常に大きな一歩であるというふうに思っております。モデルの高度化だけでは住民の皆様は逃げない、また自治体が理解し使いこなせるかが鍵、私はそのように思っております。
また、特に高潮は地域の地形による差が大きくて、避難判断は市町村の責任で行われます。そこで、高潮共同予報によって得られる高度な情報を市町村が避難判断に実際に活用するために、国土交通大臣、気象庁長官、都道府県知事の三者共同で行う高潮予報、警報について、国として、地方気象台、都道府県、市町村との訓練、また周知体制をどのように整備していくのか、最後にお伺いをさせていただきます。
○林政府参考人 お答えいたします。
現在、高潮の予警報については、気象庁による潮位のみの予測で実施しておりますが、新たに、海岸の地形や施設の形状を加味した波の打ち上げ高の予測を実施する国土交通省、そして波の打ち上げ高等の観測情報や地形、施設の状況を把握する都道府県を加えた三者で共同予報することで、精度の高い高潮の予警報をすることが可能となります。
国土交通省としては、速やかに高潮共同予報の発表者である都道府県向けのマニュアルの整備を行うとともに、地方整備局、地方気象台が協力して丁寧に説明するなど、円滑な運用を支援してまいります。
また、避難情報を発令する市町村に対しても、防災気象情報を始め潮位やカメラ映像などのデータについて、国土交通省のウェブサイトに集約することにより、簡単に確認できるようにしてまいります。
全国の地方整備局、気象台、都道府県が中心となって、防災行動を時系列に整理した高潮のタイムラインを活用した訓練と住民への周知を毎年市町村等の関係機関と実施してまいります。
このように、都道府県向けのマニュアルの整備やデータを集約したウェブサイトの提供、タイムラインを活用した訓練、住民への周知などにより、高潮時に住民が適切な防災行動が取れるよう支援をしてまいります。
○中川(宏)委員 高潮は地域差が大きくて、市町村が判断する際に最も難しい分野の一つであるというふうに思っております。是非、住民避難に直結する仕組みに育てていただきたい、このようにお願いを申し上げまして、以上で終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、たがや亮君。
○たがや委員 れいわ新選組の中でイレギュラー、たがや亮です。
まず、冒頭確認をさせてください。
近年、豪雨、台風、高潮、線状降水帯など、災害は確実に激甚化、頻発化しております。政府として、この災害激甚化の大きな一因が気候変動である、そういう認識があるか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 お答えいたします。
日本の関係省庁も参加をし、気候変動に関する世界的な議論を行っている気候変動に関する政府間パネルの最新の報告書によると、災害をもたらすような大雨は、一九五〇年代以降、世界的に増加しており、これは地球温暖化に伴う気候変動がその主要な要因である可能性が高いとされております。
また、日本国内においても、災害をもたらすような、一時間で八十ミリメートル以上の猛烈な雨の回数が過去五十年間で約一・七倍に増加しており、気象庁ではこの要因として地球温暖化が影響している可能性があると考えております。
○たがや委員 ありがとうございます。
気候変動が大きな要因の一つということで、それを踏まえて、国連気候変動枠組み条約、すなわちCOP30は、先日までブラジルで開催をされていました。高市総理は会議を欠席をしたということですが、岸田総理は二〇二一年のCOP26と二〇二三年のCOP28に参加をしていたということもあり、高市総理は不参加になったということで、気候変動や環境分野における日本の存在感が低下したのではないかという指摘もあります。
今後、日本のプレゼンスをどう高めていくのか、国際会議などでそういう発言をしていくのかとか、そういうことも踏まえて、具体的な戦略を参考人で結構ですのでお聞かせいただければと思います。
○大場政府参考人 お答え申し上げます。
本年十一月十日から二十二日までブラジルのベレンにおきましてCOP30が開催され、これに先立つ十一月六日及び七日に首脳級会合であるリーダーズサミットが開催されました。COP30には、石原環境大臣が政府代表として参加し、我が国の気候変動に関する考えにつき、しかるべく国際社会に訴えたところでございます。気候変動は、国際社会全体が連携して取り組むべき重要な課題と認識しております。
我が国の具体的な取組といたしましては、本年二月に、パリ協定の一・五度目標と整合的で野心的な新たな温室効果ガス削減目標を国連に提出いたしました。また、NDC、国が決定する貢献を未提出の国に対しまして早期提出を呼びかけております。さらに、国内での取組に加えまして、二国間クレジット制度、JCMの仕組みやアジア・ゼロエミッション共同体、AZEC等の取組を通じて、アジア地域を中心に、世界の排出削減に貢献していくこととしております。
今後とも、こうした取組を通じまして、国際社会と連携しつつ、気候変動対策を我が国としても主導していく考えでございます。
○たがや委員 ありがとうございます。
環境分野における日本のプレゼンス、しっかりと高めていただければなと思います。
次の質問に参ります。
気候変動による様々な影響や自然災害に備えるため、国や自治体が適応計画を策定し、情報提供や対策を進める仕組みを定めた気候変動適応法と本改正法案との整合性、関連性を具体的にどう高めていくのか、参考人で結構ですので、お答えをください。
○野村政府参考人 お答えいたします。
気候変動による影響に対応することを目的とした気候変動適応法では、気候変動の影響による被害の防止、軽減などを図るため、産業、経済活動、農林水産業を始めとする国民生活に関わる様々な分野における適応策を盛り込んだ気候変動適応計画を定め、これを随時見直すこととされています。
令和五年に閣議決定された現在の気候変動適応計画では、気象庁が提供する防災気象情報についても、気候変動に伴う防災・減災対策等の一環として位置づけられているところでございます。
気象庁といたしましては、今回の法改正に基づく防災気象情報の見直しが気候変動適応計画に適切に反映されるよう、環境省等、関係省庁と連携して対応してまいります。
○たがや委員 ありがとうございます。
国民の生命財産を守るために、しっかりと連携をして取り組んでいただけるよう、お願いします。
次の質問です。
本改正案では外国人などの不適切な気象予報への監視が大きな焦点の一つとなっていますが、そのような気象予報はネット上に無数にあると思われ、監視することは容易ではありません。人間による監視なのか、通報制度を設けていくのか、AIを活用した監視なのか。とりわけ生成AIの技術の発展で、偽の画像を始め、フェイク情報がいとも簡単に作成をされ、世界中にまさに洪水のごとくあふれていくと思いますが、生身の人間での監視ではもう追いつかないんじゃないかというふうに感じます。
情報セキュリティーの確保は必須で、AIを活用した警戒体制を準備しているとは思いますが、具体的にどのような方法で監視を行うのでしょうか。気象庁長官ですかね、これは。お答えいただけますか。
○野村政府参考人 気象庁はこれまでも、日本国内向けに予報業務を行う外国法人に対しては、予報業務許可の取得が必要であることを説明し、必要な措置を取るように指導しているところでございます。
外国からの予報業務につきましては、無数にあるというよりは、今把握しているのは数者でございますので、それにつきまして、ウェブサイトやスマートフォンのアプリケーションを通じて行われることが多いということで、我々気象庁職員が監視を引き続き実施してまいりたいと考えております。
また、同様のウェブサイトやアプリケーションを運営する国内の予報業務許可事業者などから情報提供をいただくことも有効に活用しております。
さらに、気象庁ホームページの活用や報道機関との連携等により、予報業務の許可制度について事業者等へ周知も徹底してまいりたいというふうに考えております。
○たがや委員 ありがとうございます。
現状、数者ということですけれども、今、生成AIの時代になって、いろいろ、悪意を持ってやることもできるし、様々なもの、ついこの間も被災地にライオンが歩いている姿だったりとか、そういうものがあふれてくると思うので、なかなかイタチごっこで、どれがフェイクで、要するに誤情報なのか、修正で済むレベルなのかとか、様々、精査するのは難しいと思うんですけれども、今からちょっと生成AIをこっちも活用して、例えばユーチューブだったりとかするとボットがいろいろ検索をかけて、NGワードとか、そういうのを見つけては警告を流して、警告を聞かない場合はバンをしていくとか、そういう仕組みはあって、なかなかちょっとユーチューブと比較すると難しいかもしれませんが、今から何かその方法論というのを考えていく必要もあるのかなというふうに思いますので、御検討いただければと思います。
次の質問に参ります。
国民から見れば、どれが信頼できる気象情報なのかは極めて重要だと思います。許可事業者に対しては既に許可証や許可番号が交付されているとのことですが、さらに、認証マーク、認証ロゴを交付し、気象予報サイトなどに提示を義務づけることで、利用者が許可事業者の運営する気象予報サービスであるという信頼性を見える化する、そういった仕組みを導入したらどうなのかなと思いますが、大臣、お考えをお聞かせください。
○金子国務大臣 御提案ありがとうございます。
本法案は、許可を受けずに予報業務を行うなど、気象業務法違反を行う事業者について、気象庁が氏名等を公表することにより、国民の皆様に技術的裏づけが確認できていない予報であることを広くお知らせをし、信頼できる情報を利用していただくことを目的としております。
一方、信頼できる気象情報を提供する許可事業者に関する情報については、現在、気象庁のホームページで公表しているところでございますが、新しい制度の実効性を高めるためには、信頼できる許可事業者について、更に国民の皆様に周知していくことも必要であると考えており、そのために、国民の皆様に分かりやすい実効性のあるものとなるよう、その具体的な方策について今後検討を進めてまいりたいと思っております。
○たがや委員 ありがとうございます。
認証マークは本当に有効だと思うんです。ただ、テレビ等々だと二次使用とかそういった問題、権利問題もあるのでちょっと分かりませんが、少なくともアプリだったりとかウェブサイト、そういったものには目立つ部分にそういうものを、義務づけるかどうかは別としても、やっていくことで信頼性は高まると思うんです。
これは、斉藤大臣のときに、知床遊覧船の認証マーク、ちょっと私の方が提案して、取り上げていただいて、制度化していただいたんですね。ちょっと私は味をしめていまして、是非今回も金子大臣にも御検討をしていただければなと思いますので、よろしくお願いをいたします。
次の質問に参ります。
新たな警戒レベルの創設や高潮の観測精度の向上などを来年の梅雨の時期から導入する予定とのことで、自治体との連携やシステム改修、広く周知する体制の構築が必要ですが、残り約半年しかありません。私の地元千葉県の防災対策課に確認したところ、制度の導入には、防災システムの改修、避難計画の改定、配備体制の基準見直し、住民への啓発などが必要になるとのことでした。
千葉県では国が目指す来年の梅雨の時期までには準備が間に合う見込みですが、国全体での進捗状況、これはどうなるか、ちょっとお聞かせいただきたいのと、短い期間で気象庁や国交省、出先機関や地方自治体と連携するシステム改修について、どれくらいの規模の改修で、どれくらいの期間や予算がかかるのか、各自治体への周知やSOBO―WEBも含めた連携など、これはどのように進んでいるのか、お伺いをいたします。
○野村政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、今回の変更につきましては、システム改修等に関しまして自治体の御協力もいただいているところでございます。今回の法改正による変更もございますけれども、全体の防災気象情報の変更につきましては、令和六年六月の防災気象情報に関する検討会の取りまとめを踏まえておりますので、水管理・国土保全局と連携いたしまして、来年の出水期を目標に、これまでも自治体等に対して制度改正の趣旨について説明してまいってきたところでございます。
特に、住民に避難行動を直接呼びかける主体である地方自治体に対しましては、新たな制度の骨格について、繰り返し申し上げますけれども、早い段階から丁寧に説明をしていたところでございます。必要となるシステム改修や地域防災計画等の見直しについて、今現在、御理解をいただいているところと思っておりまして、来年の出水期までに運用の準備が整う見込みと考えております。
令和八年の出水期までに本法改正で措置される制度の運用開始ができるよう、引き続き関係者の皆様と密に連携をしてまいります。
○たがや委員 ありがとうございます。
何事を行うにも、人、物、金というのは重要だと思いますので、しっかりとお願いしたいと思います。
千葉県によれば、システム改修、これが持ち出しになるということでちょっと懸念しておりました。しっかりと人員と予算を確保して、国民の生命財産を守るための仕組みづくりを進めるためには、地方自治体に負担を強いるのではなくて国の積極的な財政支援をお願いしたいなと。ましてや、高市総理は地方交付金倍増とかそういうかけ声も出していますので、是非ともお願いをしたいと思います。
最後の質問ですかね、まいります。
新たな警報制度や高波、高潮予測、不適切予報への対応は業務量を大幅に増大させるのではないかと思いますが、各々どれだけ業務量が増え、どれだけの人員、予算が必要なのか、特に令和八年度の概算要求で示された約五十億円の増額、そして定員九十一人増と今回の制度改正はどのように関連するのか、具体的に教えてください。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
今回の措置は非常に組織の中でも役割分担が絡み合っておりまして、本法改正に基づき新たに実施することとなる業務のみを厳密に特定して、具体的にどの程度の業務量が増加するのか、各業務にどの程度の予算や人員が必要になるのかお答えするのは非常に困難だと考えているところでございます。
その上で、予算につきましては、厳密に法改正業務だけを切り分けできない前提での回答となりますが、これまで、気象庁では、令和六年度補正予算において法改正に備えたシステム経費として三・五九億円を措置いただいており、国土交通省水管理・国土保全局では、令和七年度当初予算において水分野におけるDXの推進百八億円の内数などで実施しているところでございます。
また、人員につきましても、こちらも厳密に法改正に係る人員のみを特定することは困難でございますけれども、気象庁及び国土交通省では、予報や警報の発表及び予報業務許可制度の運用や洪水に係る情報提供、高潮の予測等に係る要員も含めた気象台や地方整備局等の全体の体制整備を進めているところでございます。
○たがや委員 ありがとうございます。
確かにおっしゃるとおり、業務を完全に切り分けて特定するということは難しいかもしれませんが、きちんと計画を立てて、新しい取組が職員への過度な負担なく遂行されるよう、しっかりと準備をしていただきたいと思います。
時間が来たので、質問を終わります。ありがとうございます。
○冨樫委員長 次に、堀川あきこ君。
○堀川委員 日本共産党の堀川あきこです。
私からも、まず冒頭、昨日発生をしました熊本県阿蘇地方の地震に関して、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。建物の被害が相次いでいるというふうな中で、更なる地震の可能性もあるということで、十分に安全を確保されることを望みたいというふうに思います。
気象業務法案について質問をいたします。
本法案は、洪水による重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に、住民へその危険性を伝えるため、これまで洪水にはなかった最も危険度が高い警戒レベル五、災害が発生又は切迫している状況、緊急の安全確保を要する場合に相当する洪水特別警報を新たに創設するということが盛り込まれています。
この特別警報が必要とされる背景の説明として、国交省のポンチ絵では、二〇一九年の東日本台風、このときに大きな被害のあった長野県の千曲川流域の例が挙げられています。この台風では雨量が大変多く、大雨特別警報が出されて、多くの住民の方が避難をされました。大雨のピークが過ぎたときにこの特別警報が警報に切り替わったことを受けて、避難していた住民の方々が自宅に戻るということが起こりました。しかし、その後千曲川が氾濫をし、自宅に戻った住民の方々が孤立をする、救助されるというふうな事態になりました。
なぜこんなことが起きたのか、気象庁はどう分析をされていますか。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
大きな河川では氾濫の起こる場所やタイミングが大雨の降る場所やタイミングと異なることがございます。
このことは、御指摘のとおり、令和元年の東日本台風の際の千曲川の事例でも見られ、大雨特別警報が大雨警報へ切り替えられた際に、住民の方々は洪水の危険が収まったと解釈してしまったということが我々が行ったアンケートでも明らかとなっております。そのような解釈に基づいて避難所から住民の方々が帰宅してしまいまして、千曲川の氾濫により、自宅で孤立し救助される事態が発生したということでございます。
こうしたことから、今般、気象業務法を改正し、洪水の特別警報を創設することとしたものでございます。
気象庁といたしましては、これら防災気象情報の見直しを通じ、大雨と河川の氾濫の情報を適切に区分けして発表するとともに、それぞれの現象が起きる場所やタイミングが異なることを住民の皆様にも御理解いただくべく、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○堀川委員 洪水の危険性があるにもかかわらず、高まっているにもかかわらず、それが住民の方に伝わらなかったというふうなことは大変重大な事態だというふうに思います。
資料一を御覧ください。
先ほど長官もおっしゃっていた台風十九号等を受けたアンケート調査です。これは、大雨が弱まって大雨特別警報が解除された時間帯にどういう行動を取りましたかという問いに対して、三割の方が、特別警報が解除されたことを知ったので、安全な状況になったと考え、避難先から戻ったというふうに回答をされています。
では、この洪水特別警報ができればこのような事態は回避できるのか、このことをしっかり検証することが必要だというふうに思います。洪水特別警報があっても、洪水の危険性があるということ、そのためにどんな行動を取るべきか、このことがちゃんと伝わることと、そして適切な行動が取られなければ同じことになりかねないというふうに思うんです。
気象庁は、この洪水特別警報の新設によって、東日本台風のときのように住民の方が避難先から戻ってしまうというふうな事態を回避できると見ているのでしょうか。長官、お願いします。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
今般、洪水の特別警報が導入されることにより、大雨については大雨特別警報、河川の氾濫については洪水の特別警報を用いて、それぞれの情報が対象とする現象にタイミングを合わせて、最大限の警戒を呼びかけることが可能となると考えております。
これは情報の改善で起こることでございますが、委員御指摘のとおり、情報を改善しただけでは、実際上、避難していただくかどうか、そこまではつながらない場合もございます。
そういうことで、地域住民の皆様の適切な行動につなげるためには、洪水の特別警報がどのような状況で発表されるものか、大雨と河川の氾濫の場所やタイミングが異なることなどについて、事前に十分な周知を図り、理解を醸成することが重要と考えております。
このようなことを考えまして、気象庁といたしましては、関係機関と連携しながら、訓練なども協力する、それから周知、広報にも努めてまいりたいというふうに考えております。
○堀川委員 洪水特別警報の創設というふうなことは否定はしません。有益なことだというふうに考えています。しかし、これが新設されても、大雨特別警報と洪水特別警報の二つがあることによって、情報を受け取る側の住民の方が逆に混乱しないか、理解が複雑にならないかという懸念があります。
先ほど来からも同様の趣旨の質問がありましたけれども、例えば、大雨特別警報は解除されて警報に切り替わる、一方で洪水特別警報は出されたままというふうな状況、あるいは、こうした情報が断片的にしか伝わらない可能性もあり得ると思います。
資料二を御覧いただきたいんですけれども、先ほどの台風十九号を受けたアンケート調査の中でも、大雨特別警報が解除された後も河川で危険な状況が続くことを知るために、あなたはどんな情報が欲しいですかという問いに対して、大雨と河川の氾濫の危険性を分かりやすく一体的に伝えてほしい、あるいは、大雨が収まった後も河川の危険な状況が続くという見通しについて、分かりやすく説明してほしいというふうな声が多く寄せられています。
まず、この特別警報という情報を受けて、かなり動揺も混乱も広がるということが想定をされます。住民の皆さんにとってどう分かりやすく伝えるのかという点、まずこの点、先ほども同様の質問がありましたが、大臣、いかがでしょうか。
○金子国務大臣 重要な御指摘をいただきました。
特別警報を始めとする各種警報に対し、住民の方々、とりわけ要配慮者の方々が迷いなく的確に対応できるようにすることは、大変重要な課題であると思います。
洪水の被害について具体的な事例を御紹介いたしますと、令和二年七月豪雨に伴う球磨川の氾濫により被災した、私の地元でございます球磨村の特別養護老人ホーム千寿園では、避難が遅れた十四名の方々がお亡くなりになるという、大変痛ましい被害が発生いたしました。
国土交通省では、これまでも、市町村や報道関係と連携をして、各種警報の理解促進に取り組んできたところでございますが、高齢者や障害を持つ方は、より避難に時間がかかりますので、早いタイミングで避難を促すことが重要であります。
この点、例えば、特別警報を待つことなく、警戒レベル三の高齢者等避難の段階で避難行動を開始していただけるよう、周知啓発や訓練を行うことなどが考えられます。
引き続き、要配慮者を含めた的確な避難の実施等に向けて、関係機関とも連携しながら取り組んでまいりたいと思います。
○堀川委員 やはり重要なことは、こうした情報が、あらゆる人に、全ての人に正確に提供をされて、適切な行動が取れるようにするということだと思います。
今大臣おっしゃったんですけれども、やはり、独り暮らしの高齢者の方、障害のある方、あるいは海外にルーツを持つ方なんかでいうと、やはり一人で避難行動が取れない又は適切な支援や配慮が必要な方々もたくさんいらっしゃいます。
今、自治体の避難行動要支援者名簿、あるいは避難の手順や避難所対応を整理する個別避難計画、この作成が励まれているところなんですけれども、ただ、この計画作成自体がなかなか進んでいないというふうな実態があります。
高齢化をしている地域や、そもそもケアを担う人手が不足しているというふうな実態もある中で、これはまだまだたくさんの課題があるというふうに思っています。
これは内閣府防災とか自治体の仕事というふうなことではなくて、気象庁は洪水特別警報を作ればいいということではなくて、やはり、警報などの情報を提供する以上、あらゆる人にその情報が正確に伝わって、迅速で確実な避難行動を取れるようにする、このことについても、気象庁、国交省として十分な対策を取っていただきたいということを私からも強く求めておきたいというふうに思います。
続いて、気象庁の体制の課題についてお聞きをしたいと思います。
気象庁には、災害時に緊急派遣をされるTEC―FORCE、これに参加をする防災対応支援チーム、JETTがあります。
しかし、この間、気象台の職員が、度重なる定員削減あるいは合理化の中で、もう本当に削減をされてきた。災害時のJETTの派遣に支障を来しているというふうな実態をお聞きをしています。
このJETTに参加する職員は、平時はそれぞれ受け持っている仕事があるわけなんですよね。でも、災害時にはそれを置いて出動しなければならず、戻ってきたら仕事がたまっている。いない間は残った人で、加配があるわけでもなく、やるしかなくて、超勤が発生しているというのが実態です。結局は現場の職員の労働強化につながっているということだというふうに思います。
これだけ災害が多発をしていて激甚化もしている下で、災害時にぎりぎりの体制でやっているというのでは、本当に安心、安全の気象行政の責任を果たすことができるのか、懸念を抱かざるを得ない実態にあると思います。防災・減災ということであれば、気象台始め気象庁の体制強化はやはり必要ではないでしょうか。大臣、お願いします。
○金子国務大臣 地方気象台における体制の確保は、自然災害への迅速な対応、地方自治体の防災業務との連携、地域特性を踏まえたより精緻な気象分析等の観点で、大変重要であると考えております。
委員御指摘のとおり、気象庁におきましては、従前、新技術の活用による集約化や業務の見直しなどにより、地方気象台等の人員体制を縮小させてまいりましたが、近年は、自然災害が頻発化、激甚化する中で、迅速にJETT、気象庁防災対応支援チームを派遣をし、地域防災を支援するために必要な要員確保に努めてきたところでございまして、現状においては、必要な人員体制は確保できていると考えております。
いずれにしましても、国土交通省としては、地域防災支援などの喫緊の課題に的確に対応できるよう、引き続き、気象庁における必要な人員体制の確保に努めてまいります。
引き続き、先生方の御支援をよろしくお願いいたします。
○堀川委員 資料の三に、二〇〇六年以降の気象庁予算と定員の推移を示しております。これによりますと、二〇二〇年以降、ほぼ横ばいという形なんですけれども、この二十年間でおよそ八百五十人、気象台の職員が削減をされているというふうなことになっています。
先ほど私が申し上げました現場の職員の労働実態、そして、本当にこの体制で安心、安全の気象業務が保障されているのか、このことに対して、しっかり実態を見ていただきたいというふうに思います。このことが本当に問われていると思います。
災害が頻発をするからこそ、気象台、気象庁の体制拡充は不可欠だというふうなことを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。
○冨樫委員長 次に、福島伸享君。
○福島委員 有志の会の福島伸享でございます。
気象業務法及び水防法の一部を改正する法案について、まず一点目の論点は、外国法人等による予報業務について質問させていただきたいと思います。
先ほど来の伊藤委員や谷田川委員の質問の答弁で、ウェブサイトとかスマホアプリ等を気象庁の職員がチェックをして、個別に連絡をして、予報業務の実態を、どうやっているのかというのを確認して、不適切だったら行政指導して、その後、今回の法改正の公表をしたりするんだということなんですけれども、そもそも、現在、外国法人等で気象業務法十七条の許可を受けている者というのは何者あるのか、まず教えてください、事実を。
○野村政府参考人 外国法人につきましては、今のところ、予報業務許可を取っているところはございません。
○福島委員 済みません、通告していなかったんですけれども、ないんですよね、つまり。ないということで、私は、そういう状況の中で、例えば行政指導といったって、多分、外国の人に行政指導なんて通用しませんよ。法律に違反しているか、していないかだけの話であって、これから行政指導をやるのかもしれませんけれども、そんなのは外国の人が聞く義務も何もないし、私は効果がないと思うんですね。
今回の法改正で、気象業務法の四十二条の二で、氏名又は名称その他法令違反行為による被害の発生及び拡大を防止するために必要な事項を公表すると言っているんですけれども、どういう方法で公表するんですかね。気象庁のホームページで公表したって誰も見ていないと思うんですけれども、どうやって公表するんですか。
私は、そのサイトを開いたときに、ぽっとポップアップで、これは無許可でやっている予報ですと出るようにすればすぐ分かると思うんですけれども、一々そんなの、マスコミに公表したって報道されることはないですよ、そんなことは。どうやって公表するのか教えてください。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘の違反者の氏名等の公表につきましては、広く国内利用者にこの業者は不適切であるということが分かるという効果もございますので、そのために、気象庁のホームページ、それからSNS、報道発表等、様々な手段を用いて行うことを考えております。
○福島委員 いずれもそんなのは全く私は無意味だと思います。SNSだって、何人フォロワーがいるんですか。ほかのインフルエンサーの方がよっぽどフォロワーがいるわけですから、気象庁のSNSなんて、やっても意味ないと思うんですね。
むしろ、今ネット上で出回っているような外国法人が出していると思われる気象情報は、そもそも先ほど、許可を受けているのはゼロなんですよ、気象業務法十七条の無許可ですから無許可予報として、気象業務法四十六条に基づく五十万円以下の、安いですけれども、罰則を容赦なく適用すればいいだけだし、公表なんてするんじゃなくて、その予報をやめさせなければならないですよ、無許可なんだから。何でそういうことをやらないのか。やれないんだったら、なぜそのように法改正をしないで、公表とかなんとか、意味のないことをやるんでしょうかね。
大臣、お聞きしたいんですけれども、私は、この法改正、余り意味ないと思いますよ。効き目はないと思うんですよ。むしろ、許可なく日本の予報を外国法人がやっている者に対してはちゅうちょなくこれを摘発して、予報をやめさせるという措置を取ることが大事だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○金子国務大臣 厳しい御指摘をいただきました。
今、気象庁長官から御説明したところでございます。最終的には、氏名公表の措置に加えて、報道機関等と連携した利用者への周知、アプリ配信会社等に対し、違法な予報アプリの削除等について働きかけるなど、更なる実効性の確保に向けた取組をしっかり進めてまいりたいと思います。
○福島委員 その取りやめさせるというのは、何の法律のどういう条文に基づいて取りやめさせることができるんでしょうか。今の法律の条文上はそうした強制力を持たせた条文はありませんけれども、どうやってやるんですか。
○野村政府参考人 委員御指摘のやめさせる強制力は、我々は持っておりません。
ただ、我々が考えておりますのは、そういうような公表により、また、気象庁が、つまり予測に関する高い技術を持っていると国民から信頼されている気象庁が違法であると判断し、公表することで事業者に対する信頼を失わせるなど、一定の制裁効果はあると期待しているところでございます。
○福島委員 そんな外国のやつは日本の信頼を失ったって痛くもかゆくもないですから、全く私は効き目がないと思うし、実際のビジネスを分かっていない的外れな法改正、賛成はしますけれども、この部分はそう思います。
その上で、次の洪水に係る情報提供について。
私、妻が気象予報士なんですけれども、この改正案を見せて話を聞いたら、今回、防災気象情報の警報レベルの名称が統一されるのは歓迎だ、特別警報、警戒情報を伝えるこちら側も、伝える気象予報士の側も、何がどの程度危険なのか、伝えながら戸惑うこともあったので、気象予報士ですら混乱しているんだから、受け手はもっと混乱しているだろう、こういうのは意義があると言って、妻に賛成しろと言われたので賛成しますけれども、まあ、言われなくても賛成しますけれども、今回、新しい技術、予報システムができたことによって、こうした洪水に関する特別警報を新たに実施することができるというふうに説明を受けております。
そこで、特別警報を定めた気象業務法第十三条の二では、「降雨量その他に関し気象庁が定める基準に該当する場合」、警報をしなければならないとなっております。今回の洪水は、雨であれば多分具体的な数値で決められると思うんですね。洪水だと、それぞれの川によって状況も違うし、堤防などの施設の状況も違うので、ある意味、定性的な基準も定めなければならないと思うんですけれども、ここの「その他に関し気象庁が定める基準」、それはどのようなものを定めるのか、答弁をお願いします。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
洪水の特別警報の発表基準としては、河川の氾濫がいつ起きてもおかしくない状況と認められる場合を想定しております。
そういうことで、その発表に際しましては、大雨の予測以外に、精度の高い河川の水位予測、それから国土交通省や都道府県から提供いただく施設の損壊状況、河川管理者等からの氾濫に関する通報等を活用することといたしております。
○福島委員 明快な答弁、ありがとうございます。
そうすると、例えば施設の損壊状況とかを見て警報を出すということは定性的な判断も必要だということでしょうし、気象庁が特別洪水警報を出すんですけれども、判断は誰がするのかとなったときに、気象上のものだけじゃなくて、例えば工学的な知見とかも要ると思うんですね。
どういうプロセスを経てこの特別警報を発するのか、その辺りについても御答弁をお願いいたします。
○野村政府参考人 お答えいたします。
今御指摘のとおり、特別警報の発表には適時適切な判断が求められますので、気象庁が洪水に関する特別警報を発表する際には、水防事務を担う国土交通省や都道府県から、逐次、河川水位の状況、ダム等の施設の影響を考慮した河川水位の予測などの情報をいただくことにしております。
さらに、必要に応じて、いつ氾濫してもおかしくない水位に到達する見込み及びその区間、それから、氾濫につながる可能性のある堤防の損傷、水門等の損傷、不具合や故障等について助言をいただくことにしております、気象庁としてですね。
これらの情報を受けた際には、基本的には特別警報を発表する判断を気象庁としてすることにいたしますけれども、いずれにせよ、スムーズな発表が行えるよう、事前に国土交通省や都道府県と認識の共有を図ってまいりたいと思います。
○福島委員 ちょっと曖昧なところもありましたけれども、恐らくこれまで以上に国土交通省自身の判断というのが大事になってくると思うので、密接に連携をしていただければと思います。
そして、それの判断で大事になるのは、今の答弁にもあったとおり、情報なんですね。今回の改正気象業務法の十三条の二、六項では、気象庁が河川の状況について情報の提供が求められるのは、水防法に基づいて国土交通省や都道府県知事が指定した河川の区間のみなんですね。
資料は、茨城県内の指定された河川というのは、久慈川、那珂川、利根川水系、霞ケ浦、ここの部分と、県が指定しているのは桜川なんですけれども、私の地元も、水戸と、水と書くぐらい水害が多いところでして、結構、本流は堤防もしっかりしていて氾濫しないんですよ。むしろ、支流の部分で弱いところが氾濫するという経験を非常に強く持っておりまして、これらはここの指定される河川の区間に入っていないんですね。私は、そっちの方がむしろ大事だと思うんですけれども、大臣、これに対してどのように対応しようとしているのか、答弁をお願いします。
○金子国務大臣 委員御指摘のとおり、近年、雨の降り方が激甚化、局所化しておりまして、大河川だけではなく、中小河川においても甚大な被害を伴う災害が発生しており、これらのリスクに対して備えることが大変重要な課題であります。
中小河川につきましては、大河川と異なり、大雨により短時間で氾濫発生につながるおそれがあることから、降雨予測に基づき、気象庁が市町村ごとに発表する大雨特別警報等の中で、警戒を呼びかけていくこととしております。
その際、水防法に基づき河川管理者から提供される氾濫切迫に関する通報を活用して、警報等の発表の判断を行うことも想定されます。
他方で、河川ごとに、より精緻な予測を行い、より効果的に水災害を防ぐことは極めて重要であることから、洪水予測の高度化を図り、順次、洪水予報河川の指定対象を拡大してまいりたいと考えております。
今後とも、気象災害による被害軽減に向け、指定河川以外のリスクに対してもしっかりと取り組んでまいります。
○福島委員 後段の答弁が大事だと思うので、是非よろしくお願いいたします。
もう一つの点は、先ほど中川委員も指摘されていた気象防災アドバイザーの件で、私は、令和五年の気象業務法改正のときにも質疑をいたしまして、附帯決議にも気象防災業務アドバイザーへの十分な支援措置というのを入れていただきました。
その当時、百九十一人の委嘱しかなかったのが、先ほどの答弁で三百八十人ということで、倍増していることを確認いたしましたし、予算も、私が質問したときは、令和四年度予算が二千万円だったのが、令和五年予算で一千二百万円とむしろ減らされていて、ただ、附帯決議の効果か、令和六年の予算では一千六百万、令和七年度予算では四千万、令和八年度当初予算では七千九百万と、着実に、中川先生、増えているんですね。
ただ、問題は、やはり自治体がどれぐらいこれを使ってくれるかということで、先ほどもお話がありましたけれども、今回、予算も充実されて、努力をしているのはよく分かるんですけれども、やはりそこの自治体にどう使っていただくかというところが重要だと思うので、その辺り、どのように取り組まれようとしているのか、大臣の答弁をお願いいたします。
○金子国務大臣 地方自治体が防災気象情報を活用し、防災対応を実施しようとする際、必ずしも知識や経験が十分でない場合があることから、気象防災アドバイザーの活用は極めて重要と認識をしております。
気象防災アドバイザーの活動実績は着実に増加しているものの、全国的には途上であり、受入れ側である地方自治体からは、気象防災アドバイザーの具体的な活用がイメージできないなどの声があると聞いております。
このため、気象庁では、気象防災アドバイザーの人員拡充に加えて、地方自治体において気象防災アドバイザーを試行的に活用いただき、その有効性を実感いただく事業を令和五年度から進めているところでございます。その成果を全国的に周知、普及する取組を併せて進めているところでございます。
引き続き、関係省庁とも連携しつつ、気象防災アドバイザーの更なる活用促進に全力で取り組んでまいります。
○福島委員 ありがとうございます。
あと僅かな時間なんですが、あと一問だけさせてください。
もう一点は、この法律にプッシュ型の情報提供とあって、水防法の改正二十四条の二では、河川管理者、下水道管理者、海岸管理者にプッシュ型の情報ができるという規定があるんですけれども、私の地元では、二つ水門が並んでいて、国土交通省の管理する水門と土地改良区の管理する水門があって、土地改良区の水門が閉められていないために水が入っていってあふれた、そうしたことが数年前にありました。
あるいは、ため池。これも、ため池法というのが平成三十一年にできて、ため池管理者が安全管理をするという規定がありますけれども、今回、このため池管理者とか土地改良区というのが入っていないんですけれども、なぜ入っていないんでしょうか。
○林政府参考人 お答えいたします。
今般創設する氾濫に係る通報は、氾濫により著しい危険が切迫し、浸水が想定される区域の住民等が、命の危険から直ちに身の安全を確保する防災行動を取るために行うものでございます。現時点で氾濫により浸水が想定される区域を把握している河川管理者、下水道管理者、海岸管理者にその義務を課すことといたしました。
一方、地域の判断で、必要に応じ、土地改良区が管理する水路等についても、水防計画に位置づけ、氾濫に関する通報の対象としていただくことも可能でございます。
水害の激甚化、頻発化に対応するためには、流域のあらゆる関係者が協働して流域治水に取り組むことが重要であるというふうに思ってございます。流域治水協議会などを通じて、農業用用水、排水施設を管理する農業部局等ともしっかり連携して、ハード、ソフト一体で流域治水を進めてまいります。
○福島委員 全く理由は分かりませんね。要するに、所管外だから、国交省の所管がないから入れなかったという程度の理由なんだと思うんですね。こういった点もちゃんと対応しないと、抜けていたじゃないかとなりますから、是非しっかりと今後対応していただければと思います。
以上にいたします。
○冨樫委員長 次に、斉木武志君。
○斉木委員 改革の会の斉木武志でございます。今日もトリを務めさせていただきます。
今般議題に上っております気象業務法の一部改正案、私、これは必要なことだというふうに思っております。情報提供体制の強化と新しい警報の創設、これも賛同するものであります。
そう言うと質問が終わってしまいますので、まず、こういった背景となっている豪雨、まさに日本の雨の降り方ですね、気象庁の方とも事前レクでお話ししたんですが、やはり平均気温が上がってきているので、当然、海面からの水蒸気発生量は増えていく。平均気温が上がった地域というのは、雨が短時間集中的に降る傾向になっていく。これは日本の気象統計を取っても言える大局的な見地であるなというふうに思っております。ですので、私、今日は、そういった短時間集中型の雨に日本が変わる中で、どうやって我々の国土交通行政を成り立たせていくのか、特に交通インフラに関してお聞きをしたいなというふうに思っております。
その一つの例が、私が前回取り上げさせていただいた北陸新幹線の整備でございます。
比較されるのは、第一国土軸は東海道新幹線ですね。東海道新幹線がどれだけ、雨であるとか台風であるとか、自然災害によって止まる件数が増えてきているのか、これをJRさんに国土交通省を通じて聞いていただきました。そうすると、この二十年間で、東海道新幹線がやはり自然災害によって止まる例が大分増加傾向にあるなということが見て取れます。
平成十七年度、西暦でいうと二〇〇五年ですね、ちょうど今から二十年前ですけれども、年間の雨、台風による輸送障害件数、要するに、東海道新幹線が東京や大阪、名古屋に行ったけれども止まっていて乗れない、止まってしまったという例ですけれども、これは二十年前には年間で四件しか発生しておりませんでした。それが、例えば、令和四年度では計画運休も含めると十二件発生をしている、令和五年度においては四件発生をしている、令和六年度においては十三件発生をしている。この統計を見ますと、二十年前には、おおよそ一桁しか輸送障害件数というのは発生しておりませんでした。それが、近年、集中豪雨化しているということ、そして計画運休をJRさんも各社取り入れている、こういう背景があって二桁の輸送障害件数が起きるケースが大分増えてまいりました。
こうすると、やはり北陸新幹線は東京と大阪の間に第二国土軸を通していくという計画ですので、やはり東京、大阪、名古屋といった日本の主要都市に行って、特に東京と大阪を結んでいくときに、駅に行ったけれども乗れないということは、やはり国民の移動が制限されるし、経済活動にも悪影響を及ぼします。
ですので、私は、北陸新幹線というものは今敦賀まで時間とお金をかけて造ってきましたけれども、これはやはり別線で。米原につないでしまいますと、米原から新大阪の間というものは恐らく乗換えをすることになります。米原と新大阪の間で雨が、集中豪雨が降れば、これはせっかく第二国土軸を通したけれども、例えば新大阪の駅に行って、小浜・京都ルートであれば、じゃ、あかんな、陸路は止まってしまった、だったら地下駅に行って北回りで東京に行くことができるじゃないか、二つの選択肢がこれは成立するんですね。でも、米原ルート、これを推し進めてしまうと、新大阪の駅に行って、東海道新幹線が止まったら、もう陸路は東京へ行けなくなるわけです。
こういった日本の移動性を確保するという意味において、私は、せっかく別の線路で、北回りの線路を通してきているわけですから、新大阪まではやはり別の線で通していくこと、これが日本の経済活動をこういった大雨化する傾向の中でも成り立たせていくこと、そして大阪が訴えている副首都構想、こういったものを成り立たせていく上でも、東京―大阪は大雨が降っても北回りがある、別線で、米原まで線路を共有しない、こういったやはり二つの動脈を通しておくことの意味というのは、激甚化するこの気象災害においても非常に私は意味が大きいと思うんですけれども、まず鉄道局の見解はいかがですか。
○五十嵐政府参考人 お答え申し上げます。
北陸新幹線は、関東、関西と北陸地域との結びつきを更に強め、広域的な経済活動を活性化させるとともに、複数の新幹線ネットワークの構築により、激甚化、頻発化する災害に対するリダンダンシーを確保する重要な事業でございます。
北陸新幹線については、これまでに東京―敦賀間が開業しておりますが、残る敦賀―新大阪間については、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおいて、関係自治体、経済界、JRなど幅広い関係者からのヒアリングを経て、リダンダンシーの確保といった観点も含め、速達性、利便性などを総合的に勘案し、平成二十九年三月に小浜・京都ルートとすることが決定され、その整備を進めているところでございます。
昨年十二月に与党北陸新幹線敦賀・新大阪間整備委員会で取りまとめられた中間報告におきましても、リダンダンシーの観点も含めて、北陸新幹線敦賀―新大阪間を小浜・京都ルートとすることが改めて確認されております。
今後とも、国土交通省としては、一日も早い全線開業に向けて、与党での御議論も踏まえつつ、鉄道・運輸機構とともに丁寧かつ着実に取り組んでまいります。
以上でございます。
○斉木委員 リダンダンシー、まさに災害対応での複線化ということでしたけれども、一つ、私、これは鉄道局と話していて、別の動脈を新大阪―東京の間で確保するということと、加えて、今、現行、敦賀から小浜、京都を通る案というのは八割方トンネルになるという点、これも米原ルートとは大きく異なるなと思います。
米原ルート、例えば、米原から新大阪の間は大半が、露出している盛土の上を通っている東海道新幹線。これから、今、小浜・京都ルートというものは、八割が地下トンネルで、京都駅や新大阪も地下駅が今俎上に上がっておりますので、やはり地下で通る新幹線になっていく。これはやはり、この今の大雨化する傾向の中、あと突風、こういったものに対して、八割地下を通っている新幹線ですから、大雨や強風には当然強いだろう、止まる率が少ないのではないかというのが、国民からも期待が寄せられるんですけれども、鉄道局や国土交通大臣、この点、トンネルの優位性というものはどのようにお考えでありましょうか。
○五十嵐政府参考人 お答え申し上げます。
委員とのレクの通告のやり取りで、この点について明示的に御示唆はありませんでしたので、ちょっと手持ちでの御回答になってしまいますけれども、一般的には、委員言われたように、トンネルという構造物の中で堅牢性が保たれているという優位性はあると思います。ただ、設置されました地域の地盤の状況でありますとか水の状況いかんによっては、他と比べたときにどの程度優位性があるかというのはケース・バイ・ケースになるものではないかと思っております。
以上でございます。
○斉木委員 大臣にもお聞きしますけれども、巨視的に見て、東海道新幹線の輸送障害件数が、どうしても、二十年前に比べると、一桁だったものが二桁になってきている、止まることが増えてきてしまっている、これは事実だと思います。
そうした中で、今のルートの考え方、そしてトンネルが多いという強靱性、これをお考えになったときに、米原に迂回して、今ある、そこからは一つの動脈に収れんしてしまうわけです。米原―新大阪が止まったら、東京―大阪は途絶するわけです。それと比較して、北回りで別ルートを新大阪まで通すことの優位性、これが我が国経済や観光に与える影響、これはどのようにお考えでしょうか。
○金子国務大臣 斉木委員の御持論は承りました。
私は技術者でもないので、トンネルの話等々は分かりませんが、現在、JRと、それから地元自治体で、あるいは与党PTで議論をされているところでございますので、その点については、私から発言することは差し控えさせていただきたいと思います。
○斉木委員 トンネル云々の技術的な論ということではなくて、要するに、二つの動脈を、このコップとコップの間に経路を通しておいた方が水の流れが止まらないんじゃないですかということなんです。どこかでストローを一本化してしまうと、そこがいわゆるボトルネックになるわけですよ。
なので、一本化したものより複線化したものの方が強いじゃないですか。ということなんですが、お考えは違いますか。大臣、どうぞ。鉄道局長でもよろしいですよ。
○五十嵐政府参考人 お答え申します。
委員の御指摘はリダンダンシーということの考え方だと思っております。
国土交通省がホームページにも公開しています用語解説集によりますと、リダンダンシーとは、冗長性、余剰を意味する英語であり、国土計画上は、自然災害等による障害発生時に、一部の区間の途絶や一部施設の破壊が全体の機能不全につながらないよう、あらかじめ交通ネットワークやライフライン施設を多重化したり、予備の手段が用意されているような性質を示すとあります。
新幹線について申し上げますと、リダンダンシーという観点からは、新幹線ネットワークの多重化などが該当するものと考えております。
以上でございます。
○斉木委員 お答えいただきたい答弁、ありがとうございます。
まさに国土交通省も定義しているように、複線化というものが、まさに激甚化する雨の降り方の中で、我が国の経済活動をいかに止めないかという意味では重要だという答弁だと私は承りましたので、佐々木副大臣もいろいろ反応していらっしゃいますけれども、こういった複線化というものが、せっかく敦賀までこれだけの時間とお金をかけて造ったわけです。それをまた一本化してしまうという米原案は、リダンダンシーの観点からいかがなものかなと私は思いますので、是非、そういった複線化がいかに我が国の経済と活動を支えるかという観点からもお考えいただくことを申し上げて、今日の賛成の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○冨樫委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○冨樫委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
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○冨樫委員長 次回は、来る二十八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十七分散会

