第10号 令和8年5月22日(金曜日)
令和八年五月二十二日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 冨樫 博之君
理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君
理事 高木 宏壽君 理事 武井 俊輔君
理事 田中 良生君 理事 福重 隆浩君
理事 住吉 寛紀君 理事 臼木 秀剛君
五十嵐 清君 石坂 太君
伊藤 忠彦君 井上 貴博君
上田 英俊君 小里 泰弘君
加藤 大博君 加藤 竜祥君
菅家 一郎君 北神 圭朗君
熊田 裕通君 小池 正昭君
今 洋佑君 坂本竜太郎君
白坂 亜紀君 高鳥 修一君
高橋 祐介君 土井 亨君
中川こういち君 中山 泰秀君
新田 章文君 根本 拓君
山口 晋君 山本 左近君
鷲尾英一郎君 渡辺 孝一君
犬飼 明佳君 佐藤 英道君
西園 勝秀君 奥下 剛光君
美延 映夫君 飯泉 嘉門君
鈴木 義弘君 西岡 秀子君
古川 元久君 吉川 里奈君
須田英太郎君 畑野 君枝君
…………………………………
国土交通大臣 金子 恭之君
国土交通副大臣 佐々木 紀君
国土交通大臣政務官 加藤 竜祥君
国土交通大臣政務官 上田 英俊君
政府参考人
(国土交通省大臣官房上下水道審議官) 石井 宏幸君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 沓掛 敏夫君
政府参考人
(国土交通省物流・自動車局長) 石原 大君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君
国土交通委員会専門員 國廣 勇人君
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委員の異動
五月二十二日
辞任 補欠選任
五十嵐 清君 新田 章文君
熊田 裕通君 石坂 太君
白坂 亜紀君 今 洋佑君
高鳥 修一君 中川こういち君
赤羽 一嘉君 西園 勝秀君
西岡 秀子君 飯泉 嘉門君
古川 元久君 鈴木 義弘君
同日
辞任 補欠選任
石坂 太君 熊田 裕通君
今 洋佑君 白坂 亜紀君
中川こういち君 高鳥 修一君
新田 章文君 加藤 大博君
西園 勝秀君 赤羽 一嘉君
飯泉 嘉門君 西岡 秀子君
鈴木 義弘君 古川 元久君
同日
辞任 補欠選任
加藤 大博君 五十嵐 清君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
下水道法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
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○冨樫委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、下水道法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、去る十八日、本案審査に資するため、埼玉県において視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。
参加委員は、理事加藤鮎子君、国定勇人君、武井俊輔君、田中良生君、福重隆浩君、臼木秀剛君、委員美延映夫君、吉川里奈君、須田英太郎君、畑野君枝君、そして私、冨樫博之の十一名でございます。
このほか、現地参加議員として、藤田誠君、鈴木義弘君が参加されました。
本視察は、昨年一月に、埼玉県八潮市において発生した、老朽化した下水道管の破損に起因する大規模な道路陥没事故について、事故現場及びその復旧状況等を調査することとしたものです。
それでは、調査の概要について御報告いたします。
初めに、八潮市役所において、大山八潮市長から、インフラの予防保全を推進し、地域の安全・安心を確保するための支援について、御要望がありました。
その後、北田埼玉県下水道事業管理者から、埼玉県の下水道の概要、事故の状況、救出活動のための土木的措置及び復旧工事の概要等について説明を聴取いたしました。
次に、事故現場を視察いたしました。現場は、いまだ大きな陥没が残っており、管敷設、管更生、仮雨水管の撤去状況等について、間近でつぶさに視察いたしました。破損した下水道管については、事故以前に浮流式カメラを用いた点検が行われていましたが、映像が取得できない区間があったにもかかわらず、全体として腐食の進行が中度と診断されたため、必要な対策につながらなかったとのことでした。現在は、管路の複線化について検討が進められている状況でした。
続いて、これらを踏まえ、意見交換を行いました。
意見交換では、映像が取得できなかった箇所への対応の在り方、大規模陥没に至った要因、事故の予兆の有無、住民等への補償の状況、大口径管路における更生実績と老朽化対策としての効果、救助活動における具体的な状況、管路点検におけるDXの活用状況と財政支援、下水道法等改正案に対する埼玉県の見解等について、活発な意見交換を行いました。
今回の調査では、事故により尊い人命が失われたことに改めて痛惜の念を抱くとともに、周辺住民の生活や地域社会に大きな影響が及んだ重大な事態であることを痛感いたしました。二度とこのような事故を発生させないため、老朽化対策に取り組む必要性を改めて認識したところです。
以上が視察の概要であります。
なお、今回の視察に当たり、私どもの調査に御協力いただきました皆様方に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。
―――――――――――――
○冨樫委員長 この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省大臣官房上下水道審議官石井宏幸君外三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○冨樫委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。菅家一郎君。
○菅家委員 皆様、おはようございます。自民党の菅家一郎でございます。
質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
まず初めに、この十九日、今週火曜日ですか、福島市において、市発注の下水道管路の点検中に、作業に従事されておられたお二人がマンホール内で心肺停止となる事故が発生したわけであります。お一人の方は翌日お亡くなりになり、もう一人の方は入院治療中で、意識不明の重体だそうです。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表しますとともに、どうか、もう一人の方の回復を心からお祈りを申し上げたいと思います。
今回の事故の原因は現時点では明らかになっていないようでありますが、下水道の管路内作業においては、作業員の安全が最優先されることが何よりも重要だと思います。
昨年も、点検作業中に、管路内作業に従事された作業員の方の死亡事故が起き、国土交通省は、自治体を通じて安全確保の徹底を要請し、そのフォローアップを行うとされていたところでありますが、今般、再びこのような人身事故が起きたことを踏まえ、このような事故を二度と起こさないための作業の安全対策をどのように進められるのか、まず伺いたいと思います。
○石井政府参考人 お答えします。
先日、福島市において、下水道管路の点検作業中に、作業に当たられた二名のうち一名の方がお亡くなりになるなどの事故が発生したところであり、現在、福島市において原因を調査中であります。
昨年八月の行田市の事故を受けて、全国の下水道管理者に対し、下水道管路内の作業においては作業者の安全を最優先し、換気や転落防止などの安全対策を十分に実施することを徹底するよう周知を行ったところでありますが、今回の事故も踏まえ、改めて周知徹底を図ったところであります。
国土交通省では、熟練職員の減少や点検作業に従事する方の安全確保の観点も踏まえ、効率的かつ安全、確実な点検が実施されるよう、本年四月、自治体に対して、今後の下水道管路の点検に当たっては、ドローンなど人が管内に入らない手法を原則とするよう要請したところであります。
こうした措置により、作業の安全確保を図ってまいります。
○菅家委員 是非徹底して、二度とこのようなことのないように対応していただきたいと思います。
次に、冒頭に委員長から視察報告がありました埼玉県八潮市の道路陥没事故については、私も当時、陥没の穴がだんだん大きくなり、運転者の方の救出が困難を極める様子をニュースで見守り、想定外の大規模な事故となったことに強い衝撃を受けたわけであり、お亡くなりになった方に心からの哀悼の意を表したいと思います。
大臣も改正案の提案理由においておっしゃられましたが、私も、このような事故を二度と起こしてはならないと強く思う次第であります。このためには、まず、老朽化して危険な状態となった下水道管の状況を確実に把握することが重要と考えます。
そこで、まず、老朽管の点検、修繕、更新を進めるための財政支援について伺いたいと思います。
この事故を受け、昨年から、老朽化した大口径の管路については全国重点特別調査が実施されており、その結果、調査対象の一六%に当たる約七百五十キロメートルで対策が必要とされたと承知しております。また、改正案において、診断基準が整備され、診断結果等の維持管理状況の公表が義務づけされるとともに、併せて、重要な管路の点検頻度や方法が充実されると伺っております。
今後、点検の充実によって新たに把握された危険な箇所に対しても、しっかりと改築や修繕を進めていく必要があり、そのためには、点検、改築等を実施するための財源の確保が必要不可欠であります。
下水道の計画的な点検や改築等に対しては、従来から、社会資本整備総合交付金等により国費の支援が行われているところでありますが、点検頻度が増えたり、それによって改築が必要な管路が増えたりすれば、自治体の財政負担も当然増えることとなります。また、交付金は、要望額の全てが措置されるわけではないのが現状であります。
自治体の負担増についてどのように考えておられるのか、また、その上で、負担を軽減するための国による新たな財政支援が必要と考えますが、御見解を伺いたいと思います。
○佐々木副大臣 菅家委員にお答えをいたします。
法改正によって点検、調査、修繕の強化がされて、自治体側の財政負担が増えることについて懸念があるということです、負担軽減をすべきだという御指摘でございます。そのとおりだと考えております。
本法案においては、下水道管路の安全性を評価する診断基準を法制化するとともに、政省令等において、事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路の点検基準を強化することとしておりますが、これに伴い、自治体が計画的に実施する点検や改築等に係る財政負担に対して、国としてもしっかりと支援をしていくことが重要と考えております。
このため、令和八年度予算において、事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路、重要管路の更新を重点的に支援する補助制度を創設いたしました。
また、令和八年度地方財政措置においては、全国特別重点調査の結果、対策が必要とされた管路の修繕に対する支援を充実するなど、総務省においても、自治体の負担軽減に向けた取組が進められているところでもございます。
国交省としても、本法案の趣旨や昨年六月に閣議決定された第一次国土強靱化実施中期計画を踏まえ、必要な予算の確保に努めつつ、地方公共団体の老朽化対策をしっかりと支援し、強靱で持続的な下水道の構築に取り組んでまいります。
○菅家委員 やはり財政的な予算の確保は重要なので、どうかひとつ、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
次に、今後、老朽化した管路が急増する中で、市町村は改正案を受けて充実することとなる点検や修繕、更新等に対応していく必要がありますが、これには、財源の確保とともに、事業を担う人材の確保、市町村の体制を整えることが必要だと思います。
一方で、人口五万人未満の下水道事業における平均職員数は五人であるなど、小規模自治体の職員不足は大きな課題であり、行政だけで取り組むのではなく、民間の力を活用する官民連携が欠かせないものと考えます。
私の地元の会津若松市では、水道事業の官民連携に当たって、地元企業をうまく巻き込んだ会津若松方式と呼ばれる包括的な連携事例があります。こうした事例も踏まえつつ、下水道事業でも、地域の実情に合った官民連携を推進することで、小規模自治体も含め、充実した点検、調査を行い、必要な修繕や更新等を漏れなく行っていくことにより、持続可能な下水道管理を維持し、二度とあのような事故が起きないようにする必要があると思います。
そこで、下水道に関する官民連携の在り方に対する国の考え方と、これを推進するための支援策についてお伺いをしたいと思います。
○石井政府参考人 お答えします。
水の官民連携は、施設の維持管理と改築を長期かつ一体的に進められるため、地方公共団体、民間双方にとって事務負担が軽減され、老朽化対策の効果的な実施などにも寄与すると考えております。
下水道の維持管理においては、二十四時間三百六十五日、緊急的な対応が求められるため、委員御指摘の水道事業の会津若松方式のように、地元企業の活用が重要であると認識しております。このため、水の官民連携においては、入札時に緊急時の即応体制を評価し加点するなど、地元企業への配慮事項をガイドラインに記載しており、中小自治体における地元企業の活用を促進してまいります。
一方、中小自治体における水の官民連携は、規模が小さいため担い手が見つかりにくいことなど様々な課題があるものと認識しており、広域連携の取組とも整合を図りながら、水の官民連携を推進していく必要があると認識しております。
また、国土交通省においては、中小自治体による水の官民連携の取組を支援するため、ガイドラインの策定、周知、自治体向けの説明会の開催や導入検討の伴走支援など、自治体において円滑に導入検討を進められるよう、各種の施策を着実に進めているところです。
国土交通省としては、水の官民連携の推進が下水道事業の持続性の向上や強靱化につながるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○菅家委員 よろしく推進方をお願いしたいと思います。
次は、これまでも、私の地元会津地方を含む地方部では、新たに公共下水道を整備しても、高齢世帯も多い中で接続率がなかなか伸びず、下水道経営が改善されないといった課題があります。さらに、今後は、既に下水道を整備した地域においても、人口が減少していく中で公共下水道を維持していくことが難しい地域が増えていくことが実感されるところであります。
このような中で、改正案において、既に下水道が整備された区域の見直し手続が定められることは、人口増を前提とした下水道の整備の時代から人口減少の時代へと時代が変わったと感じられるところであります。人口減少の時代において、地方部においても汚水処理行政を維持していくためには、改正案により、公共下水道から合併処理浄化槽への見直しを進めることは必要なことだと考えます。
そこで、公共設置の合併処理浄化槽の整備の推進に対する国の考え方、具体的な支援策についてお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 菅家委員にお答え申し上げます。
地域の実情に応じて持続可能な形で汚水処理を進めるには、下水道などの集合処理と浄化槽による個別処理を適切に組み合わせることが重要です。
現に、下水道整備済みの地域であっても、静岡県南伊豆町や富山県富山市のように、今後の人口減少等も見据え、下水道整備済みの区域を廃止縮小して浄化槽へ転換する意向を持つ地方公共団体も出てきています。
このため、本法案では、当該区域を廃止縮小する場合の手続を明確化する内容を盛り込んでおります。
また、下水道から浄化槽への転換が円滑に進むよう、環境省等とも連携して、ガイドラインの整備を行うとともに、転換に伴う下水道管の撤去や公共浄化槽の設置に対する財政支援を行っております。
国土交通省としては、本法案の制度やこれらの取組により、人口減少の時代に合った持続可能な汚水処理システムの構築に向けて、地方公共団体の取組をしっかりと支援してまいります。
○菅家委員 どうか、大臣、リーダーシップを図って推進していただければと思います。
さて、公共下水道の老朽化対策を進めることは国土強靱化の観点からも非常に重要であります。政府においては、昨年策定された国土強靱化実施中期計画において下水道の老朽化対策や耐震化の数値目標を盛り込むなど、積極的に推進していると承知しております。
一方で、近年の建設資材や労務費が高騰する中で、国土交通省が公表している建設工事費デフレーターによると、直近五年間で下水道の工事費はおおよそ二〇%上昇しています。この間、下水道事業費の国費は二%しか増えていないことから、実質的には事業量が大きく目減りしていることが懸念されます。
さらに、今般の中東情勢が更なる建設費の高騰につながることが想定されており、老朽化対策のための更新費用を含め、事業量が目減りしないように予算を増額して対応すべきと考えますが、御見解を伺いたいと思います。
○金子国務大臣 下水道は、国民生活や経済活動に不可欠な重要インフラの一つであり、強靱で持続可能な下水道システムの構築に向け、しっかりと取り組んでいくことが重要だと認識しております。
また、昨年六月に閣議決定いたしました第一次国土強靱化実施中期計画に下水道施設の老朽化対策や耐震化を位置づけ、計画的、集中的に取り組んでおります。
下水道を強靱で持続可能なものとすべく、本法案の趣旨や近年の資材価格、労務費の上昇も踏まえつつ、必要な予算をしっかりと確保してまいります。
○菅家委員 どうか、国交省全体にも言えますが、その分の増額、予算の増額に向けて、リーダーシップを図って、大臣、よろしくお願いを申し上げ、質問を終わります。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、佐藤英道君。
○佐藤(英)委員 おはようございます。中道改革連合の佐藤英道です。
下水道法改正案の審議に当たりまして、本委員会所属の中道議員四名は、先日、公益社団法人日本下水道協会の皆様にお会いし、本改正案について様々な御意見を伺いました。お聞きした御意見や、また、地元北海道の自治体、下水道事業関係者の皆様から日常的にお伺いをしている要望などを踏まえて、順次質問をしてまいりたいと思います。
北海道においては、一九七二年の札幌冬季オリンピックを一つの契機として、一九八〇年前後をピークに急速に下水道の整備が進められてきました。その結果、普及率は全国第七位となる九二・一%に達し、多くの自治体で整備の時代から維持管理、再構築の時代へと移行しております。
しかし、整備から半世紀が経過し、人口動態や土地利用が激減した今、既存の処理区域を維持し続けることが必ずしも効率的、持続的ではない地域も現れております。
今回の改正案においては、下水道区域の廃止や縮小の手続が明確化されたことは、将来の負担軽減に向けた一歩として評価をいたしたいと思います。しかし、現場には大きな不安があります。
まず、改正案では、自然的経済的社会的条件を考慮し、下水道が必要なくなったと認める場合に、区域の廃止や縮小ができるとされています。この必要がなくなったという判断は、自治体にとって極めて重い決断であると思います。
特定の集落において人口密度が一定以下になった場合や、老朽化した管路の更新費用が個別処理、いわゆる浄化槽への転換コストを大幅に上回る場合など、国として判断の指針となる客観的な指標を示す考えはあるのでしょうか。また、自治体が住民に対してなぜ下水道をやめるのかを論理的に説明し、合意形成を図るための具体的なガイドラインの策定を行うべきと私は考えます。大臣の見解を伺います。
○金子国務大臣 佐藤委員の御懸念も当然のことかと思います。
地域の実情に応じて持続可能な形で汚水処理を進めるには、下水道などの集合処理と浄化槽による個別処理を適切に組み合わせていくことが必要です。このため、本法案では、下水道を既に整備済みの区域を廃止縮小する場合の手続を明確化する内容を盛り込んでおります。
また、下水道から浄化槽への転換が円滑に進むよう、環境省等とも連携して、検討手法や留意点、使用者との合意形成の考え方などを示すガイドラインの整備を行うなど、自治体に対して技術的支援を行ってまいります。
国土交通省としては、本法案の制度の活用やこうした取組により、人口減少の時代に合った持続可能な汚水処理システムの構築に向けて、地方公共団体の取組をしっかりと支援してまいります。
○佐藤(英)委員 今、大臣から明確な答弁がございましたけれども、どうか引き続き自治体の不安が取り除かれるように努力をしていただければと思います。
次に、積雪寒冷地における浄化槽への転換に伴う固有の課題であります。
公共下水道から浄化槽へ切り替える際、寒冷地では、凍結防止のための埋設深の確保やヒーターの設置といった対策が不可欠であります。また、冬季の積雪は保守点検や清掃車両のアクセスを困難にし、維持管理コストを押し上げる要因となります。
国は積雪寒冷地特有の事情をどのように考慮されるのか、見解を求めます。
○石井政府参考人 お答えします。
下水道から浄化槽への転換を検討するに当たっては、下水道の撤去や浄化槽の設置に係る費用に加え、将来にわたる維持管理費を含めたトータルコストや住民の御意向なども踏まえることが重要です。
その際、積雪寒冷地特有の事情など地域の実情を十分に勘案することが必要であると認識しており、コストの算定手法については、こうした点にも十分に考慮できるよう、今後策定する自治体向けのガイドラインに反映してまいります。
○佐藤(英)委員 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
また、人口が低密度になった積雪寒冷地においても、持続可能な汚水処理を可能とすることは必要不可欠であります。民間では採算性から難しいとされる技術開発等を国が積極的に行うことも含めて、今後、新たな技術開発とその普及の推進が必要と考えます。具体的な取組方針を伺います。
○佐々木副大臣 人口減少下においても持続的かつ効率的な汚水処理システムを実現するためには、技術開発の側面からも国が積極的に自治体を支援することが重要と考えております。
このため、国土交通省では、人口減少に伴う流入水量の減少に応じて効率的にダウンサイジングを行うことが可能な水処理技術などの実証実験を行い、自治体が導入しやすいよう、設計手法や性能などをガイドライン化しております。
今後とも、このような取組を通じて、人口減少地域における持続可能な汚水処理を支援してまいります。
○佐藤(英)委員 どうか、国主導で積雪寒冷地における技術開発の促進にしっかりと取り組んでいただければと思います。
さて、下水道区域の廃止に当たっては、同意に代わる代替措置として公共浄化槽の設置が想定されております。しかし、積雪寒冷地において公共浄化槽を運用する場合、寒冷地仕様の設置費用に加えて、維持管理費が割高になる傾向があります。人口減少が進む地域で、少数の利用者でこれらのコストを支えることになれば、使用料が公共下水道料金を大きく上回る事態が予想されます。
このように、気候条件等の地理的要件によって転換後の使用料が高額になってしまうケースはどこまで許容されるのでしょうか。見解を伺います。
○石井政府参考人 お答えします。
下水道から浄化槽への転換が、例えば温暖な地域では有利になるケースにおいても、委員御指摘の積雪寒冷地においては、人口減少の状況が同じような条件であっても下水道を維持する方が有利になる場合も想定されます。
そのような場合においては、基本的に浄化槽への転換は選択されないものと考えておりますが、国土交通省としては、自治体が地域の実情に応じて下水道から浄化槽への転換の検討を円滑に進めるための手法や留意点などを示すガイドラインを策定して周知するなど、自治体に対して技術的な支援を行ってまいります。
○佐藤(英)委員 どうかくれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
次に、下水道から個別処理に転換する際の公共水域の水質保全について伺います。
人口減少に伴い、地域の実情に応じた汚水処理施設の最適化は不可欠でありますが、下水道から浄化槽へ移行する際、公共用水域の水質保全に万全を期さなければならないと考えます。
現在、合併処理浄化槽は、高度な処理性能を有しているものの、個人の維持管理に委ねられる部分も大きく、適切な清掃や保守点検、法定検査が担保されなければ、放流水質の悪化を防ぐ、懸念もあります。
そこで、下水道からの転換地域において、地域全体の良好な処理水質を確実に確保し、公共用水域の水質を守るために、環境省としては、維持管理の徹底や市町村への支援にどのように取り組むのか、見解を伺います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
浄化槽につきましては、公共用水域の水質を保全する観点から、浄化槽法に基づく適正な維持管理を徹底することが必要でございます。そのためには、浄化槽の設置状況や維持管理状況等につきまして、台帳を通じて的確に把握することや、それらの情報に基づきまして都道府県等が浄化槽管理者への適切な指導を徹底することが重要だと考えているところでございます。
環境省におきましては、浄化槽法に基づく維持管理の徹底に関する通知を自治体へ発出するとともに、自治体向けの指導・助言マニュアル等の整備、周知に取り組んできたところであります。
適正な維持管理に向けて、支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。
○佐藤(英)委員 どうか、水質保全についてもしっかりと目を向けていただければと思います。
次に、老朽化対策と維持管理について伺ってまいりたいと思います。
まず、下水道整備率の高い北海道は、管路の老朽化が進み、老朽管路、いわゆる標準耐用年数が五十年を経過した管路の占める割合が約一割と全国でも顕著であります。今後の老朽化対策の必要性が極めて高く、今回の調査でも速やかに対策の必要な緊急度1の箇所が確認されました。一方で、積雪寒冷地では、積雪期の更新工事や点検調査、すなわちマンホールへのアクセスが困難であり、実施可能時期が限られる状況があります。
改正案を受けて、点検調査の頻度が見直されることが予定されますが、点検の重点化はどのような管路について図られることになるのでしょうか。これからの増加分に対応するための人員、予算はどの程度必要で、各事業体はこれらを確保できているのか、伺います。
特に、積雪寒冷地では、他の地域よりも短い実施可能時期において委託事業を確保するなどして点検等を行うこととなりますが、十分な実施体制が整っているのでしょうか、伺います。また、委託業者を含め、維持管理の担い手確保はどのようにするのか、そのための方策も伺います。
○石井政府参考人 お答えします。
新たな基準では、大規模な管路や緊急輸送道路に埋設された管路など、事故発生時に多数の住民に重大な影響を及ぼす重要な管路を対象として、点検を重点化することとしております。
今後の点検においては、重要な管路で約六千キロメートル、その他の管路で約三千キロメートル、合わせて年間およそ九千キロメートルの点検が必要になると見込んでおります。
これに対し、昨年度の点検実績は約一万二千キロメートルであり、人員や予算を含め点検に必要な体制は十分に確保されていると考えております。
積雪寒冷地につきましても、例えば北海道では、これまで年間約四百キロメートルの点検が行われてきましたが、昨年度においては、全国特別重点調査の約四百キロメートルも加えた、合わせて八百キロメートルの点検が行われており、必要な点検の体制は確保されているものと考えております。
また、維持管理の担い手確保につきましては、本法案に盛り込んだ維持管理状況の公表を始めとして、下水道が抱える課題の徹底的な見える化などの取組を通じ、若い世代にとって、下水道の維持管理が社会に貢献し、やりがいを見出せる仕事であることを理解してもらえるよう、産学官が連携し、情報の発信に努めるなど、しっかりと取り組んでまいります。
○佐藤(英)委員 是非よろしくお願いしたいと思います。
次に、ドローンを活用した管路点検について伺います。
下水道管路の老朽化対策におけるドローン活用の優位性と導入支援についてですが、国内の下水道管路は膨大な延長に及び、老朽化が急速に進む一方で、点検を担う専門技術者の不足とコスト増が深刻な課題となっております。
従来の点検方法は、人が管内に立ち入るか、あるいは地上からケーブルつきの自走式カメラを投入する方式が主でありました。しかし、これらは、人命のリスクや複雑な形状の管路や段差解消での移動制限という限界もあります。
一方、最新のドローン技術を活用すれば、人身事故のリスクを排除できるだけではなく、従来の手法では困難であった箇所の詳細な映像取得が可能となります。また、点検時間の短縮により、トータルコストの抑制も期待できるのではないでしょうか。北海道庁も、調査困難箇所において、令和二年度より当時の先端技術であったドローンを導入して調査を実施しております。
本改正案が目指す維持管理の効率化を実効性あるものにするために、国として、ドローン点検の標準化や地方自治体への導入補助、技術取得支援にどのように取り組む方針であるのでしょうか。見解を伺います。
○金子国務大臣 佐藤委員御指摘のとおり、下水道の管路は、状況の把握がしづらく、また作業に危険を伴う地下の閉鎖空間にあることから、今後の下水道の点検においては、ドローンなどのDX技術を積極的に活用することが必要不可欠です。
国土交通省では、熟練職員が減少する中、効率的かつ安全、確実な点検が実施されるよう、本年四月、自治体に対して、今後の下水道管路の点検に当たっては、ドローンなど人が管内に入らない手法を原則とするよう要請したところでございます。
加えて、自治体や民間企業と連携をし、点検の精度や効率性を高めるための技術開発、点検におけるドローンなどのDX技術の活用を標準とした仕様書や積算基準などの整備、自治体に対するDX技術の情報発信の充実、DX技術を活用した管路の点検に対する防災・安全交付金等による支援などに取り組んでおります。
引き続き、下水道の維持管理、更新の現場にドローンが実装されるよう、自治体の取組をしっかりと支援してまいります。
○佐藤(英)委員 今、大臣から、ドローンを活用した管路点検についてしっかりと取り組むというお話がありました。是非ともお願いをしたいと思います。
次に、管路の老朽化対策へのAI活用について伺いたいと思います。
現在、全国の下水道管路は約五十万キロに及び、今後二十年で、耐用年数を超える管路が約四〇%に達すると見込まれております。一方で、自治体の予算不足や技術職員の減少により、点検や改築の優先順位づけが喫緊の課題であります。
ある研究によると、AIによる劣化予測を活用することで、更新が必要な箇所の絞り込みや調査費用の約七五%削減が可能との試算も示されております。現在、札幌市でも、二〇二八年度の導入を目指し、システム構築を進めております。また、北海道の北斗市におきましても、下水道管の劣化をAIで解析する新技術の実証実験をスタートさせたところであります。
本法案では広域化や維持管理の効率化を掲げられておりますが、国として、下水道共通プラットフォーム等を通じ、AIによる自動判定や劣化予測機能を全国の自治体がひとしく享受できる体制をどのように構築していく考えなのか、膨大なデータの統一化やシステム構築の負担軽減を含め、デジタル化による老朽化対策の高度化に向けた取組状況についてもお伺いしたいと思います。
○石井政府参考人 お答えします。
下水道管路の老朽化対策において、適切に点検、診断を行い、その結果を電子化して、AI等の活用により効率的な老朽化対策に生かしていくことが必要と考えております。
このため、AIによる画像診断技術や水質情報を用いた劣化予測技術などの実証や研究開発を行っております。
また、AIの活用等の前提となる点検、診断結果の電子化については、防災・安全交付金等による財政支援を行うとともに、日本下水道協会とも連携し、標準的な管路台帳システムの提供などを行っております。
国土交通省としては、デジタル化による老朽化対策の高度化に向け、今後とも自治体をしっかりと支援してまいります。
○佐藤(英)委員 是非AIの活用についてもしっかりと後押しをしていただきたいと思います。
次に、予算の確保についてでありますが、下水道に起因する道路陥没を防ぐために、道路側からの巡視や路面下空洞調査などの調査と、下水道側からの点検、調査が行われております。
一方で、路面下の空洞調査は、読売新聞の調査によると、人口十万人未満の自治体の実施率が一四%と低く、実施されない理由として、予算の確保が困難であることが挙げられておりました。
北海道の小規模自治体などでは、小規模でありながらも、道路延長が長いことに加え、路面下の空洞調査の実施は道路の維持修繕事業として行われておりますが、除雪などにも費用がかかることから、実施が困難となっております。
国は、このような現状をどのように認識し、こうした小規模自治体の確実な点検、調査に向けて、防災・安全交付金の確保を含めてどのように支援を強化していこうと考えているのか、伺います。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
路面下空洞調査を含む道路の老朽化対策などの推進に当たり、特に小規模な地方自治体に対して財政的な支援を行うことは重要と認識しております。
国土交通省としましては、これまでも自治体の老朽化対策に対して、防災・安全交付金や道路メンテナンス事業補助制度により支援を進めてきたところです。
また、昨年六月に定められた国土強靱化実施中期計画において、道路陥没による事故を防ぐための調査や対策等を集中的に実施することを盛り込んでおり、今後、強靱化予算も最大限活用しつつ、防災・安全交付金など必要な予算の確保にしっかりと努めてまいります。
今後も、これらの枠組みを通じて、地方自治体における路面下空洞調査などの道路陥没対策が着実に推進されるよう、下水道管理者などの道路占用者との連携も図りつつ、道路陥没の実態や自治体のニーズも踏まえ、引き続き支援をしてまいります。
○佐藤(英)委員 是非しっかりと支援をお願いしたいと思います。
次に、地理的特性を踏まえた広域連携と経営効率化の在り方について伺います。
まず、十万人の目安について伺いますけれども、下水道事業の持続可能性を確保するために、国は広域化、共同化を強力に推進しています。国土交通省の検討会の第二次取りまとめでは、事業運営の一体化の目安として、少なくとも十万人程度の人口規模の圏域が掲げられました。
しかし、この十万人という数字を北海道にそのまま当てはめることには強い違和感を私は感じました。
本道は、全国最多の百七十九市町村を抱え、その約九割が人口三万人未満の小規模自治体であります。さらに、長い都市間距離、厳しい積雪寒冷地、そして広大な面積に点在する処理区域という特殊な条件があります。十万人規模の圏域を形成しようとすれば、移動だけで数時間要するような広大な範囲をカバーせざるを得ず、管理コストや緊急時の対応能力を考えれば、現実的とは言い難いケースが多々存在するのではないかと私は不安を抱きます。
北海道のように地理的に孤立した小規模自治体が点在する地域において、無理に広域化の枠組みを当てはめることは、かえって移動コストの増大や意思決定の遅延を招くおそれがあるのではないかと考えます。
北海道のような相当広範囲にわたる地域において、十万人程度の人口規模の目安が現実的ではない地域における広域連携の在り方をどのように考えているのか、見解を伺います。
○金子国務大臣 下水道事業の執行体制を強化し、事業をより効率的に進めるには、自治体の広域連携による事業運営の一体化などが有効な方策であり、広域連携を進める場合、施設の共同利用などによる効率化が見込まれる規模として、水道事業における広域連携の実績等を踏まえ、少なくとも十万人程度の人口規模の圏域を一つの目安として取り組むことが適切と考えております。
しかしながら、御指摘のように、十万人程度の人口規模の目安が現実的ではない地域も想定されることから、本法案に盛り込んだ都道府県協議会等で、人口規模を含め広域連携の在り方について、都道府県と関係自治体との間において十分協議していく必要があると考えております。
国土交通省といたしましては、一律に十万人程度の人口規模を求めるのではなく、地域の実情を踏まえた協議を経て都道府県協議会等で決まった広域連携の枠組みに対しては、その協議を踏まえ、必要な支援を行ってまいります。
○佐藤(英)委員 大変に明快な御答弁でありました。どうか自治体の側に寄り添って検討をしていただければと思います。
最後にしますけれども、使用者負担、国費の在り方について伺います。
現状、使用料算定の対象となる経費については、資本費を全く導入していない事業体が全体の約四割弱あり、維持管理費についても一部のみを導入している事業体が約一割存在するなど、費用回収の在り方にばらつきが生じている状況にあります。
このような中で、仮に必要な経費を全て計上するとなると、大幅な値上げが必要な自治体が出てくることが想定をされます。どの程度の額の値上げが必要と分析しているのでしょうか。その場合、使用料の格差は拡大すると見込まれるのでしょうか、それとも縮小すると見込まれるのでしょうか。
下水道は最低限の生活基盤であることを考慮すべきでありますが、下水道使用料の水準はどの程度が妥当と考えているのか、また事業体間の格差はどの程度まで許容していると考えているのか、伺います。
○石井政府参考人 お答えします。
全国の自治体において、維持管理費や資本費といった汚水処理に要する経費を使用料や補助金等で賄えていない割合は全体の約四分の三を占めており、小規模団体を中心に経営が厳しい自治体が数多く存在していると認識しております。
このため、下水道の国費支援については、自治体の規模が小さいほど、国庫補助の対象範囲が広くなる仕組みとしているとともに、地方財政措置についても、人口密度に応じた措置を講ずるなど、小規模団体により手厚い支援を行っております。
さらに、令和八年度予算において、小規模自治体への支援に取り組む大都市等へのインセンティブを付与する補助制度を創設するとともに、支援を受ける側の小規模自治体も含めて防災・安全交付金等の重点配分の対象としたところでございます。
使用料の水準や地域による違いについては、自治体の地理的条件や施設の整備時期などが様々であり、どの程度が妥当かは一概にお答えすることは困難ではありますが、それぞれの自治体が地域の実情等も踏まえ、適切に判断をして条例で定めるものでございます。
いずれにいたしましても、人口減少や施設の老朽化が進む中、強靱で持続可能な下水道の構築に向けて、国土交通省としてもしっかりと取り組んでまいります。
○佐藤(英)委員 どうかよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○冨樫委員長 次に、福重隆浩君。
○福重委員 中道改革連合の福重隆浩でございます。
私は、冒頭、委員長さんから御報告がありましたとおり、国土交通委員会の理事として八潮市の事故現場を視察させていただきました。今回の事故において、老朽化したインフラ管理の課題が改めて浮き彫りとなり、制度見直しの議論の大きな端緒になったものと受け止めております。まずは犠牲となられました方に心からの御冥福をお祈り申し上げます。
現場では、いまだ改築工事が進められておりましたが、下水管が十メートルの深さにあり、また他の管などが埋設され、軟弱な地盤であることから大変な工事であるということを改めて強く認識をさせていただきました。作業関係者の皆様に心からの敬意を申し上げます。
私が現場で最も強く感じたのは、事故発生以降、地域住民の皆様が抱えておられる、この地域に住み続けることができるのかという精神的な不安の大きさであります。だからこそ、今回の法改正において最も重要なことは、老朽化したインフラによる大規模事故を未然に防ぎ、国民の命と暮らし、そして安心を守ることであると考えております。
その意味で、まずは、法改正の大前提となる老朽化に起因する大規模道路陥没事故の実態把握、そして点検の在り方について、国民目線から質問をさせていただきます。
今回の陥没事故が発生した箇所につきましては、二〇二二年に、五年に一度の検査において、水しぶきや強い水流の影響によりカメラの画像が不鮮明で、判定がBであったにもかかわらず、対策が講じられていなかったと伺いました。
そこで、お伺いをいたします。
今回の法改正において、点検時に映像の取得や目視確認が不可能であった箇所に対し、新技術や代替技術による再調査の実施、又は、少なくとも評価不能や診断保留、イコール最大リスクとして優先的に対処することを管理者に対して義務づける方針があるのかどうか、二度と八潮市のような事故を起こさないための点検、調査になっているのか、明確なる御答弁をお願いいたします。
○石井政府参考人 お答えします。
八潮市の道路陥没事故については、事故の三年前に埼玉県により点検がなされていましたが、結果として対策に至らなかった要因として、映像が不鮮明で明確な診断が困難な場合における対応が不明確であったことなどが、埼玉県が設置した原因究明委員会の最終報告書に挙げられております。
本法案においては、下水道管路の診断基準の法制化を盛り込んでおりますが、政省令で定める具体的な診断基準において、十分な点検ができないなど明確な診断が困難な場合の措置として、例えば、明確な診断を行えるよう様々な点検方法を試みること、巡視や地盤改良等の安全確保措置を実施することといった対策を求め、最大リスクとして優先的に対応することを下水道管理者に求めることとしております。
あわせて、八潮市の事故を受け実施した全国特別重点調査の結果も踏まえ、政省令等において、事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路の点検基準を強化することとしております。
こうした措置により、八潮市の事故を二度と起こしてはならないとの固い決意の下、強靱で持続可能な下水道の構築に取り組んでまいります。
○福重委員 ありがとうございました。
次の質問に入ります。
人々の暮らしを支える極めて重要なライフラインである下水道事業の持続可能性を考えたとき、最大の課題の一つが現場を支える人の不足であります。
現在、上下水道事業を担う地方公共団体の約九割で職員不足が課題となっており、さらに、技術職員数はピーク時から約四割も減少しております。特に、人口五万人以下の小規模な自治体では、平均職員数が僅か五人程度と言われており、維持管理体制そのものが危惧される状況にあります。全国市長会からは、老朽化対策に必要な調査費用が増大する一方で、技術職員の減少により持続的な維持管理が困難になっているとの悲痛な声が寄せられております。
そうした背景の中で、改正案では、都道府県による広域連携推進計画の策定や管理代行制度の創設が盛り込まれ、実施する現場では前向きに評価をされております。その上で、小規模自治体が取り残されないための国からの技術的支援や防災・安全交付金での重点支援といった具体的かつ実効性のある支援策について、金子大臣の強い決意をお伺いいたします。
○金子国務大臣 福重委員御指摘のとおり、小規模自治体では、職員不足等により単独での下水道事業の運営が困難になりつつあると認識をしております。
このため、都道府県や大都市などが核となり、小規模自治体を含む複数の自治体が広域的に連携をし、下水道事業の基盤である人員、施設、財源といった経営資源を管理し運営する事業運営の一体化を推進することが重要であると思っております。
このため、本法案では、都道府県、地元市町村等で構成する都道府県協議会の設置や、広域連携推進計画の策定、都道府県による公共下水道の管理を可能とする特例、自治体間の協議により点検、修繕、改築を大都市などが代行できる連携協力下水道制度の創設などの規定を盛り込んでおります。
また、人材面、技術面では、引き続き、日本下水道事業団が、小規模自治体からの要請に基づきまして、計画、設計、工事等の発注、監督を支援することに加え、同事業団が都道府県協議会へ参画し、広域連携の推進に貢献してまいります。
さらに、財政面では、令和八年度予算において、小規模自治体への支援に取り組む大都市等へのインセンティブを付与する補助制度を創設するとともに、支援を受ける側の小規模自治体も含めて防災・安全交付金等の重点配分の対象としたところでございます。
国土交通省としては、こうした取組を着実に実施することで、広域連携を促進し、小規模自治体における強靱で持続可能な下水道を実現してまいります。
○福重委員 大臣、ありがとうございました。本当に、地方自治体、こういった強靱な、施設、インフラの整備が必要でございますので、是非力強い御支援をよろしくお願い申し上げます。
次の質問に入ります。
改正案にある使用料については、資産維持費からいわゆるランニングコストを使用料算定に算入できることを明文化しています。実際に、全国の約四分の三の下水道事業が原価割れの状況であり、インフラを守っているという意味で将来の改築に必要な施設更新費を現役世代が積み立てるという世代間の公平性の観点として私も理解をしております。
問題は、その負担を担う側の現実です。使用料の水準は、先ほど佐藤委員から北海道の事例が挙げられたとおり、地域間での格差が生じています。人口減少が進む中、また昨今の物価高騰が続く中で、電気代や資材費、維持管理費も大幅に上昇している一方で、住民生活そのものも大変厳しい状況にあります。そのような中で更なる使用料の引上げについては、住民の皆様にとってなかなか受け入れ難いのが実情ではないでしょうか。
さらに、令和九年度以降、ウォーターPPPを導入しない事業体には汚水管改築への国費支援が原則として行われなくなるとされています。その場合、国費支援を失い、起債と使用料の大幅な引上げで対応することが想定されます。
国土交通省の試算によれば、二〇四八年の維持管理・更新費は、二〇一八年の〇・八兆円の約一・六倍の一・三兆円に膨らむとされています。全国市長会からの要望にもあるとおり、維持管理の費用増加分を住民の使用料引上げのみ前提とするのではなく、国費支援を含めて持続可能な財政スキーム構築をすることが必要と考えますが、その方向性について政府の御見解をお伺いいたします。
○石井政府参考人 お答えします。
委員御指摘の小規模自治体における水の官民連携、いわゆるウォーターPPPについては、規模が小さいため担い手が見つかりにくいことなど様々な課題があるものと認識しております。このため、広域連携の取組と整合を図りつつ、自治体の御意見なども丁寧に伺いながら、具体的な制度設計を検討してまいります。
さらに、ライフサイクルコストの抑制や地域間の格差の是正の観点から、今回の法案においては、診断基準の法制化など予防保全型メンテナンスの徹底、浄化槽への分散型システムへの転換、広域連携の推進やDX技術の活用による事業運営の効率化などを図るために必要な措置を盛り込んでおります。
加えて、持続可能な財政スキームの構築に向けて、下水道使用料については、今回の法案において改築費用を含む収支見通しの作成、公表や下水道使用料の算定の考え方の明確化により利用者に対して見える化を行うとともに、国費支援については、昨年六月に閣議決定された第一次国土強靱化実施中期計画に基づき下水道施設の戦略的維持管理、更新等に対する重点的な支援を行うこととしております。
○福重委員 更にお伺いをさせていただきますけれども、地元群馬県で建設、設備工事を担う企業経営者との懇談の際、小規模な市町村では、事業規模が小さく民間企業にとって魅力が乏しいため、ウォーターPPPの担い手が見つからない可能性もあるのではないかという声が上がりました。こういった小規模自治体の実情に合わない懸念も加味し、ウォーターPPP導入については一定規模以上の自治体に要件を限定するなど柔軟な制度設計も検討すべきではないでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○石井政府参考人 お答えします。
委員御指摘の水の官民連携、ウォーターPPPに係る汚水管の改築に係る国庫補助につきましては、政府のPPP/PFI推進アクションプランにおいて、令和九年度以降はウォーターPPPの導入を決定済みであることを交付要件としております。一方、市町村ごとにウォーターPPPの導入が進み小規模な案件が乱立することは、効率性や担い手の確保の観点などから望ましいものではないと考えております。
こうした点や法案の趣旨も踏まえ、国土強靱化や広域連携の取組との整合性を図りつつ、自治体の御意見なども丁寧に伺いながら、具体的な制度設計を検討してまいります。
○福重委員 ありがとうございます。地元の自治体の声をしっかりと受け止めて柔軟な対応をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問に入ります。改正案の柱の一つである広域連携の推進について伺います。
これまでの広域連携は、施設の統合や共同利用といったハード面が中心であり、経営資源を一元化する事業運営の一体化が実現した事例は過去に例がないと認識をしております。その大きな障壁は、各自治体間の使用料の違いや起債残高の格差、そして中核都市にメリットが感じられないという利害調整の難しさが挙げられていると思います。
改正案では、都道府県が主導して広域連携推進計画を策定し、必要に応じて都道府県自らが公共下水道を管理できる特例を設けるものとしています。
しかし、流域下水道事業をほぼ行っていない都道府県など、ノウハウが乏しい自治体が本当に調整役を果たせるのでしょうか。また、中核市や政令市が周辺の小規模自治体を支援し、一体化を進めるためには、単なる努力目標ではなく、追加的な財政支援等のインセンティブが必要と考えます。
連携協力下水道制度においては、管理瑕疵の責任も明示するなど、まずは国が実効性を強力に後押しし、機能するための具体的な内容について、御答弁をお願いいたします。
○佐々木副大臣 都道府県は、従来から、下水道法に基づきまして、市町村の事業計画について協議を受け、技術的基準に適合すること等を確認してきたことであるとか、公共用水域の水質保全を目的とした地域別下水道整備総合計画を策定してきたことなどから、市町村を包括する広域自治体として、広域連携を推進する役割を十分果たすことができると考えております。
このため、流域下水道を管理していない県においても、本法案に基づく広域連携推進計画の策定やその推進に当たっては、都道府県協議会等の場を通じて、それぞれの地域において中核となる大都市などの協力をいただきながら、広域連携を推進する役割を果たすことが可能だと考えております。
加えて、委員御指摘のとおり、大都市など高い執行能力を有する都市が核となって取組を牽引することも重要であることから、令和八年度予算において、小規模自治体への支援に取り組む大都市等への財政的なインセンティブを付与する補助制度を創設したところでもございます。
なお、連携協力下水道制度については、代行側の管理瑕疵によるリスクを代行側が負うことを前提として、今後、マニュアルを策定し、周知していくこととしております。
国土交通省としては、それぞれの地域の実情に合った広域連携の取組が推進されるようしっかりと支援してまいります。
○福重委員 御答弁ありがとうございました。
次の質問に入ります。
先日、広域連携で、現場でデジタル化の実務を担う方々からヒアリングをしてまいりました。その率直なお声を紹介させていただきます。
実は、下水道処理の現場では、電気、化学、物理学、土木、河川、疫学等々様々な知識や技術を持った専門の職員が、二十四時間三百六十五日、その地域の水質、安全、安心を守る作業に従事されております。まさにライフラインを担っておられるのですが、下水道職員や技術職の現場というのは、真夏の炎天下や真冬でも屋外作業があり、なかなか入職する人がいない傾向が続いているとのこと。専門的な人材育成にも時間がかかることから、地方の現場では、多くの好事例と、なかなかうまくいかなかった反面教師事例も含めて、法改正や技術について、早めの情報提供が必要との声が寄せられました。
また、下水道は、宝の山と言われるように、単なる汚水処理施設から都市の健康状態や資源をリアルタイムで把握できるデータ資源の宝庫へと認識も変化しています。
例えば、下水サーベイランスは、公衆衛生の新たなインフラとして、地域住民、ひいては町全体で健康情報を把握できるツールとしても注目をされています。また、エネルギー資源としては、下水道からのリンを含む汚泥の肥料活用、熱エネルギーとしての再利用など、循環型社会に役立つとも指摘されております。
この人材育成も含めて、地域インフラの広域連携が整い、重要な下水道産業が育っていくような支援や後押しを国交省はどのように取り組んでいるのか、御答弁をお願いいたします。
○石井政府参考人 お答えします。
下水道は、汚泥資源の利用による農業、エネルギー分野への貢献を始め、他分野への波及効果が期待される宝の山であり、こうしたポテンシャルを最大限に引き出すことは、地域の産業育成にもつながると認識しております。
一方、このようなポテンシャルを生かすためには、幅広い視点や知見を有する人材の育成、他分野の業種、人材との連携が必要であり、国土交通省では、そのためのガイドラインや事例集などを策定し、自治体に対する分かりやすい情報を提供しております。
例えば、下水汚泥の肥料利用については、全国の下水処理場約千百か所で実施されており、国土交通省では、その取組内容について、幅広い事例を自治体向けに紹介するとともに、農業関係者とのマッチングや案件形成に向けた伴走支援を実施しております。
また、今後、複数自治体による事業運営の一体化を推進していく中で、他分野と連携した取組の広域的な展開も促進してまいります。
国土交通省としては、このような取組を通じて、宝の山である下水道のポテンシャルを十分に活用しつつ、持続可能な地域インフラとしての下水道を支える産業の発展にも取り組んでまいります。
○福重委員 前向きな御答弁ありがとうございました。是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
次の質問に入ります。
老朽化対策を進めるためには、点検、調査の強化が必要であります。しかし、その点検に入る作業員の安全が確保されなければ、制度の実効性は担保されません。
そこで、お伺いいたします。
硫化水素中毒、酸素欠乏、転落、救助等の二次被害など、事故の類型を踏まえ、今後どのような再発防止策を徹底していくのか、国土交通省の見解をお伺いいたします。
その際ですが、国土交通省の試算によれば、不具合が生じてから直す事後保全だと費用が二・四倍見込まれるところ、予防保全により約一・六倍に抑制できるとされています。
特に、最新技術やDXを活用した点検や調査、修繕への期待がある中で、国交省では、上下水道DX技術カタログを策定し、その中には二百近い技術も掲載されています。KPIは令和九年度で一〇〇%としていますが、現状の数字は、令和七年四月時点でございますけれども、下水道事業を実施している自治体のうち、メンテナンスに関する上下水道DX技術の導入率は二一%となっております。
この導入率についての評価を受け止め、法改正によって、どのように社会実装を加速化し、現場で作業する方々の命を守り、安全、安心の下水事業を確立していくのか、御答弁をお願いいたします。
○佐々木副大臣 先ほどの私の答弁の中で、流域別下水道整備総合計画と申し上げなきゃいけないところを、地域別下水道整備総合計画と申し上げたようでございまして、訂正をさせていただきたいと思います。
今ほど御質問があったところでございますけれども、下水道管路は、状況を詳細に把握することが難しい地下空間に布設されることに加え、閉鎖空間での危険性を伴う過酷な作業環境に置かれていることから、今後の下水道の点検、診断や修繕、改築においては、先端的なDX技術の導入が必要不可欠でございます。
このため、国土交通省では、熟練職員の減少や点検作業に従事する方の安全確保の観点も踏まえ、効率的かつ安全、確実な点検が実施されるよう、本年四月、自治体に対して、今後の下水道管路の点検に当たっては、ドローンなど人が管路に入らない、管内ノーエントリー手法を原則とするよう要請したところでございます。
一方、委員御指摘のとおり、下水道事業においてDX技術を導入している団体の割合は令和六年度末現在で二一%にとどまっており、小規模自治体を中心に導入検討のための技術力や知見が不足しているなどの課題が指摘されているところでもございます。
こうしたことを踏まえまして、国土交通省では、自治体や民間企業と連携をし、点検の精度や効率性を高めるための技術開発、点検におけるDX技術の活用を標準とした仕様書や積算基準などの整備、DX技術を採用した自治体の声を掲載するなど技術カタログの更なる充実、DX技術を活用した管路点検への防災・安全交付金等による財政支援などに取り組んでいるところでございます。
また、本法案に基づき国が策定する基本方針においてDX技術を始めとする先端的な技術の活用を定め、自治体による活用を促進してまいります。
国土交通省としては、下水道の維持管理、更新の現場にDX技術を始めとする先端的な技術が実装されるよう、自治体の取組を技術的、財政的に支援してまいります。
○福重委員 先ほどもお話があったとおり、これまで、本当に、下水道の検査そして修繕に関して、多くの人命が、作業員の方が亡くなられております。そういった意味では、今御答弁にありました、ノーエントリーということはやはり重要になってくると思います。そういった意味におきまして、しっかりとそういったことが進むように、国交省として後押しをしていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
申し訳ありませんが、時間の関係上、質問を飛ばして、問十について金子大臣にお伺いをいたします。地震、津波、噴火、火山灰、気候変動などによる豪雨や災害対応にも耐え得る、強靱な下水道インフラの構築について伺います。
法改正により把握可能となった占用物件の位置情報が、災害復旧等の際、クラウド等により関係者間で共有され、グーグルマップのように迅速に確認できる仕組みが整備されることが重要だと私は考えております。
今回の法改正や創設される制度は、災害対応の現場で、復旧の迅速化や安全性の向上に役立つのか。今後想定され得る災害に対し、下水道インフラメンテナンスが世界に誇れるものとなっていくことで、新たな産業発展につなげていけることができるのか。私は、この視点が大事だというふうに思っております。是非、金子大臣の御答弁をお願い申し上げます。
○金子国務大臣 お答え申し上げます。
今後想定され得る災害への対応には、下水道施設の安全確保のための老朽化対策や、災害発生時の迅速な機能回復を進めることが必要であります。
本法案では、下水道管路の劣化に伴う安全性を評価するための診断の基準、重要な管路を複線化するための構造基準などを盛り込み、施設の安全性の向上や災害発生時の対応の迅速化を図ることとしております。
また、今般の制度では、今後の改築費用を含む収支見通しを公表することとしており、これによりまして、老朽化対策や下水道料金への市民の御理解が深まることが期待されます。
さらに、委員御指摘のとおり、効率的な老朽化対策の実施のため、スタートアップ企業等の知見も活用しながら、DX、AIを活用した新技術の開発を進めることも重要であります。
国土交通省としては、これらの措置を通じまして、世界に誇れる下水道インフラメンテナンスを実現するとともに、強靱で持続可能な下水道に向けて、全力で取り組んでまいります。
○福重委員 大臣、ありがとうございました。是非よろしくお願い申し上げます。
ちょっと時間の関係で、問六は佐藤委員との重複がございますので個別処理に関しては割愛をさせていただき、問七なんですけれども、地元の要請につきまして、御答弁をお願いいたします。
個別処理ということで言いますと、別荘地がよくそれに当たります。私、地元は群馬でございますので、別荘地でなかなか検査が進まないという問題がございます。本当に、自治体も事業者さんも頑張って、検査そして清掃をやってくださいというお話をするんですけれども、所有者が替わっていたりだとか、年に一回しか使わないからとか、そういうような個別理由でなかなかそういった点検が進まず、周りの自然環境、水環境が悪化しているという状況がございます。
そういった中にあって、適切な受検率のアップのために、浄化槽行政を所管する環境省の認識とこれまでの取組、法改正によって推進していくことを期待したいのですが、御答弁をお願いいたします。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
別荘地等の浄化槽におきましては、法定検査を含めた維持管理の実施率を向上させるためには、都道府県等が設置状況や維持管理状況等を浄化槽台帳により精緻に把握し、浄化槽管理者に対し適切に指導していくことが重要と考えているところでございます。
環境省におきましては、浄化槽台帳の整備と浄化槽管理者への適切な指導が進展するよう、維持管理に関する自治体向けの指導・助言マニュアルやデジタル化事例集を作成し、周知しているところでございます。
今般の下水道法の改正により、集合処理から浄化槽への転換が進むことも想定されることから、今後とも、浄化槽の維持管理の徹底に向けて、しっかりと自治体を支援してまいりたいと考えております。
○福重委員 御答弁ありがとうございました。
本当に群馬県は、別荘地、水源地に近いところが、特にそういった浄化槽の検査が進んでいないというところがございます。是非、本当に水環境を守るという意味において、環境省また各省庁協力してこの問題を進めていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、犬飼明佳君。
○犬飼委員 中道改革連合の犬飼明佳でございます。よろしくお願いをいたします。
まず、今回のこの法改正の起因となりました埼玉県八潮市の道路陥没事故におきましては、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げます。そして、地域住民約百二十万人に下水道使用自粛の影響が及ぶなど、下水道インフラの老朽化が住民生活や都市機能に極めて深刻な影響が及んでおります。こうした事故を二度と起こしてはならない、そうした思いで、重なる部分もあろうかと思いますけれども、本法案について順次質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。
まず、今回の改正案の中におきましては、管路の安全性を評価する診断基準を法制化し、緊急措置段階4から健全1まで、全国で統一的な健全度区分を導入することとしております。
先日、先ほど佐藤議員からもございましたが、党として、日本下水道協会様からヒアリングも行いました。その際、協会の方からも、安全性確保を最優先とする下水道マネジメントの確立が重要であり、自治体が必要な対策を行えるよう、十分な財政支援や新しい点検、診断基準策定への技術的支援が必要であるという意見も示されたところであります。
ただ一方で、診断基準が厳格化されたとしても、自治体に専門人材がいないとか、テレビカメラ調査や管厚測定を実施する予算が不足しているといった課題もあります。特に、人口減少地域や中小自治体では、下水道職員の減少が進み、専門技術者の確保自体が困難となっております。
そこで、お伺いをいたします。
今回法制化されるこの診断基準について、国として、全国一律の制度設計を行うだけでなく、自治体間の技術力、財政力格差を踏まえた伴走型支援が不可欠であると考えますが、専門人材の派遣や広域技術支援や、AI、DXを活用した点検の高度化、また点検後の改築、更新までを見据えた財政支援をどのように進めていくのか、大臣にお伺いをいたします。
○金子国務大臣 犬飼委員にお答え申し上げます。
本法案では、下水道管路の診断基準を法制化しましたが、制度運用に当たっては、全国統一的な基準に基づき、小規模自治体を含め、点検、診断が適切に実施されることが重要だと考えております。
このため、国の基準において、例えば、ひび割れの幅などの定量的な目安や老朽化の程度を具体的な画像の例で示すことなどによりまして、小規模自治体を含め、現場が判断に迷わないような措置を講ずることとしております。
委員お尋ねの伴走型支援については、下水道管路の全国特別重点調査において、ドローン等のDX技術を活用した調査手法等について自治体に技術的助言を行ったところであり、今後とも同様の取組を行ってまいります。
また、点検、診断の精度や効率性を高めるため、ドローンなどDX、AIを活用した技術開発や、自治体に対する新技術に関する分かりやすい情報発信の更なる充実などに取り組んでいます。
さらに、診断結果に基づく対策として、令和八年度予算において、事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路の更新を重点的に支援する補助制度を創設いたしました。
国土交通省としては、小規模自治体を含め、下水道の老朽化対策の取組をしっかりと支援してまいります。
○犬飼委員 今回の改正案においては、明確な診断が難しい状態を診断保留として位置づけております。そして、巡視や地盤改良等の安全確保措置を講じる考えが示されています。また、重要管路については、従来の五年に一回以上の点検から、化学、力学、地盤的弱点が重なる箇所では三年に一回へと強化されることとなりました。
しかしながら、下水道管路は全国で約四十九万キロにも及び、その多くが高度経済成長期に整備されたものであります。今後、老朽化は急速に進行し、点検強化のみでは対応が追いつかないとの懸念もあります。
また、診断保留の扱いについて、診断技術や予算、人員が不足する中で、この保留が長期化するようなことがあれば、結果として危険箇所の先送りにつながるのではないかというおそれもあります。
そこで、お伺いします。
診断保留が長期化しないための基準やフォローアップ体制をどのように構築をするのか。また、光ファイバーセンサーや常時監視システムなど新技術を活用した予防保全型の維持管理へ転換していく必要があると考えますが、今後どのように普及を進めるのか、お伺いをいたします。
○石井政府参考人 お答えします。
診断保留となった箇所については、セメントで地盤を固めることや、水量の少ない夜間の短時間に実施可能な修繕を順次実施することなどで当面の安全確保の措置を講じることを政省令等で定めることとしております。その実施状況については、本法案に盛り込んだ維持管理状況の公表などを通じてフォローアップをしてまいります。
さらに、重要な箇所において、光ファイバーやセンサーなどで異常を早期に検知できる技術を活用することを国の基準に盛り込むこととしております。
国土交通省としては、実効性のある下水道管路の予防保全の取組が推進されるよう取り組んでまいります。
○犬飼委員 今回の法改正の中では、下水道の構造についてのことで、点検、修繕、改築や災害時の応急措置の容易性を新たな原則として位置づけて、リダンダンシーの確保や重要管路の複線化、光ファイバーセンサー等による異常検知システムの導入を進める方向性というものが示されております。特に、大口径かつ高水位の管路では事故発生後の復旧が極めて困難であります。八潮市の道路陥没事故においても、長期間にわたり地域住民の生活や経済活動に重大な影響を及ぼしました。
こうした教訓を踏まえ、壊れてから直すのではなく、異常を早期に検知し、被害を最小化する予防保全型への転換が不可欠であります。日本下水道協会からも、水位を下げることができない箇所における複線化や、連絡管整備、調整施設増設の必要性などリダンダンシーの確保が具体的に示されました。ただ、こうしたことに対しては多額な費用がかかりますので、こうした複線化等に対する財政支援や自治体への技術的支援が必要であります。
そこで、重要管路の複線化について、国としてどのように計画化し、整備を進めるのか、また、地方自治体に対する財政支援や技術支援をどのように進めていくのか、大臣にお伺いします。
○金子国務大臣 委員御指摘のとおり、いざ災害、事故が発生した際、多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路につきましては、複線化を進めることは大変重要だと認識をしております。このため、昨年六月に閣議決定いたしました第一次国土強靱化実施中期計画において、令和九年度末までに複線化の計画策定を完了することとしております。
また、自治体に対する財政支援につきましては、令和八年度予算において複線化を支援するための補助制度を創設しております。
さらに、自治体に対する技術的な支援として、計画策定や複線化工事を実施するに当たっての課題等に対し、地方整備局等が相談に応じ助言を行うなど、国土交通省として、自治体に寄り添いながら対応してまいります。
これらの取組によりまして、自治体の複線化の取組をしっかり支援してまいります。
○犬飼委員 引き続き、大臣に、改築費用を含む収支見通しと下水道経営の持続可能性についてお伺いをさせていただきます。
今回の改正案の中では、計画的な改築を推進するために、改築費用を含む収支見通しの作成、公表を努力義務化するとされております。現在、全国の下水道施設の多くが高度経済成長期に整備をされ、今後、更新需要が急速に増加すると見込まれております。一方で、人口減少や節水機器の普及によって下水道使用料収入は減少傾向にあります。
先ほどの日本下水道協会からは、下水道使用料に資産維持費を算入している団体は二二・一%にとどまっているということでありました。多くの自治体で将来更新に必要な費用が十分料金へ反映されていない状況にあります。老朽化が進展する中で、持続可能な事業運営には住民理解が不可欠であり、維持管理状況や計画改築費用を含む収支見直しの見える化を進めるべきであるということも示されたところであります。老朽化対策を先送りすれば、将来的には事故対応や緊急復旧費用が膨らみ、結果として住民負担が更に増大するおそれもあります。
そこで、お伺いをいたします。
今回、努力義務化される改築費用を含む収支見通しについて、単なる形式的な計画策定に終わらせず、実効性あるアセットマネジメントへどうつなげていくのか。また、人口減少地域における持続可能な下水道経営について、広域化、共同化、官民連携を含め、どのような支援を行うのか。さらに、将来世代へ過度な負担を先送りしないために、国としてどのように財源確保と料金負担の考えを整理していくのか。大臣にお伺いいたします。
○金子国務大臣 実効性のある下水道マネジメントのためには、老朽化対策等への市民の理解が重要であり、本法案では、維持管理の状況や改築費用を含む収支見通しの公表など、自治体における見える化の取組を促進することとしております。
また、人口減少地域における持続可能な下水道経営を実現するため、複数の自治体による事業運営の一体化、民間のノウハウや専門人材を活用する水の官民連携により、事業の執行体制を強化してまいります。
加えて、将来世代に過度な負担を先送りしないよう、将来の改築のための資金を含む下水道使用料の算定の考え方を明確化するとともに、第一次国土強靱化実施中期計画等に基づく重点的な財政支援を行ってまいります。
国土交通省としては、今後とも、強靱で持続可能な下水道の構築に向け、自治体に対してしっかりと財政的、技術的に支援してまいります。
○犬飼委員 ありがとうございます。
今、大臣の中にもありました、いわゆる広域化、一体化ということについて、広域連携についてもお伺いをさせていただきます。
今回、法改正の中で、都道府県による広域連携推進計画の策定や、点検、修繕、改築を他自治体が代行できる連携協力下水道制度など、広域連携を抜本的に強化する内容が盛り込まれております。
この背景には、人口減少や技術職員不足が深刻化する中、とりわけ小規模自治体では単独で下水道事業を維持することが困難になっている現実があります。人口五万人以下の下水道事業体の平均職員数は十六人にとどまり、大規模自治体との差は極めて大きい状況となっております。
私の地元、愛知県では、西三河地域で上下水道インフラの持続可能性を確保するため、県と岡崎市、豊田市、安城市、西尾市など九市一町とが連携をし、事業の一体化、広域化に向けた協議が始まっております。
この取組の柱は、経営の一体化、施設の共同化、管理の一体化の三点であります。特徴的なのは、当面は料金統一を行わず、会計を分けたまま広域経営を進める方針を示している点であると思います。住民負担への影響を抑えながら、まず人材、設備、システムを共有化する現実的なアプローチが採用されております。
今後の課題としては、やはり料金格差の調整をどうしていくのかということや、老朽資産、企業債の負担整理、職員の身分、給与体系の統一などが挙げられ、本格的な制度統合の難しさも浮き彫りとなっております。
ただ、いずれにせよ、このモデルが実現すれば、料金上昇抑制や技術者確保、災害時の広域応援、カーボンニュートラル、DX推進などが期待されており、広域化の先進事例として大変重要なものになると私は思っております。こうした広域化は都道府県の積極的な取組が必要ではありますが、国が責任を持って広域連携をサポートしていくことが求められております。
そこで、伺います。
今回の広域連携推進計画について、どのようなKPIや実効性評価を行っていくのか、また、技術人材の共同確保や広域技術センターの整備、料金体系や財政負担の調整に対する国の支援をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。
○佐々木副大臣 広域連携推進計画のKPIについては、本年一月に閣議決定されました第六次社会資本整備重点計画において、令和十二年度までに三百の下水道事業者が広域連携に取り組むことを目標に定め、毎年度、フォローアップすることとしております。
次に、技術人材についてでございますが、国や大都市等からの派遣職員などで構成される日本下水道事業団が、小規模自治体などからの要請に基づき、計画、設計、工事等の発注、監督を支援しているところですが、今後は、同事業団が都道府県協議会へ参画し、広域連携の推進に貢献してまいります。
さらに、広域連携に取り組む際に、自治体間で使用料水準や財政状況に違いがあるとの御懸念については、直ちに使用料や会計を統合するのではなく、段階的に進める方法をガイドラインで提示するなど、柔軟な広域連携を支援することとしております。
あわせて、令和八年度予算より、小規模自治体への支援に取り組む大都市等への財政的なインセンティブを付与する補助制度を創設し、更なる広域連携の取組を推進することとしております。
国土交通省としては、このような技術的、財政的支援により、自治体の広域連携の取組をしっかりと支援をしてまいります。
○犬飼委員 ありがとうございます。
この広域化、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、先ほど愛知県西三河地域のことを御紹介しましたけれども、当面はやはり、始めるということが大事だと思います。ただ、ずっとその先、どういう形で、先ほどの料金とか給与体系をどうするのかというのは、今後のことも課題ということで、必ずどこかで乗っかってくることになりますので、引き続き、国の方でまた考えを示していただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
ここからは、地下のインフラ情報、埋設情報の管理、また維持ということについてお伺いをさせていただきます。
今回の改正案につきましては、道路を地下に埋設する占用物件について、工事完了時の竣工図の提出を義務化し、道路管理者が正確な位置情報を把握できる仕組みを創設しております。
八潮市の道路陥没事故では、地下に、下水道、ガス管、水道管、通信ケーブルなどが複雑に埋設される中、地下埋設情報の共有不足や位置情報の不正確さが初動対応や復旧作業の支障となったことが指摘をされております。
今後、老朽化インフラが急増する中では、紙図面や事業者ごとのばらばらな管理では限界があり、地下インフラ全体が見える化することが不可欠であります。
そこで、伺います。
今回の竣工図提出義務化を契機として、地下埋設物情報の全国的なデジタル化、標準化、また三次元地中マップの整備、そして民間インフラ事業者を含めたリアルタイム情報共有基盤の構築をどのように進めていくのか。また、DX人材や財政基盤が弱い地方自治体への支援をどのように行うのか、お伺いします。
○沓掛政府参考人 お答えいたします。
道路の地下に埋設されたインフラ施設の情報を一元的に把握することは、道路の構造を保全し、安全かつ円滑な道路の交通を確保する上でも重要であると考えております。
このため、まずは各占用物件の位置情報を平面図及び断面図で一元的に管理する物件管理システムを整備し、今回提出を義務づける竣工図に基づく地下埋設物件の正確な位置情報を把握していくこととしております。これと並行して、試行的に三次元表示による地下占用物件の管理を始めたところです。
また、民間インフラ事業者を含めた情報共有基盤として、道路施設や占用物件の位置情報のほか、路面下空洞調査など施設の点検結果などを含めた様々な情報を、一つの地図上で重ね合わせて閲覧可能な道路空間情報プラットフォームの構築も進めているところです。
委員御指摘の地方自治体への支援については、国や自治体の道路管理者と道路占用者で構成する地下占用物連絡会議の場などを通じて、今後、地下インフラ情報のデジタル化の手法などについて情報共有を行うほか、個別相談にも応じてまいります。
さらに、物件管理システムは、クラウドによる全国統一型のシステムであることから、参加する道路管理者及び道路占用者が多くなるほどシステム導入費用の軽減が図られるため、当該システムの活用により間接的に地方自治体への財政的な支援になるとも考えております。
国土交通省としましては、これらの取組により、道路地下空間のデジタル化、統合化を推進してまいります。
○犬飼委員 今回の改正案では、この占用許可申請書に占用物件の維持管理に関する事項を追加をし、道路管理者が点検計画を把握できる制度ということが創設をされます。
長期間地下に埋設される占用物件について、維持管理が適切に行われていなかった場合、道路利用者や道路交通に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
そこで、伺います。
今回創設される占用物件の維持管理制度について、提出された点検計画の実施状況をどのように確認、監督していくのか伺います。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
今回創設される占用物件の維持管理制度については、占用許可申請時に、道路占用者から提出された点検計画が、占用物件の種類に応じた関係法令などで定められている点検方法や頻度などに即した内容であるかなどを確認することを想定しております。
また、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえて設置された地下占用物連絡会議において、道路占用者から毎年、前年度の占用物件の点検結果の提出を求めることとしており、これにより点検計画の実施状況を確認してまいります。
さらに、点検計画に基づく点検が実施されていなかった場合は、適切な点検を実施するよう指導するとともに、指導に従わない場合には、道路法第三十九条の九に基づき、道路占用者に対して点検の実施を命ずることも可能であり、これらの取組を通じて道路及び占用物件の安全性確保に努めてまいります。
○犬飼委員 今、道路地下の占用物件の情報ということと、そして維持管理ということについて答弁をいただきました。
今回のこの法改正においては、下水道管理者と道路管理者の連携強化の一環として、路面下空洞調査の共同実施や地盤情報の共有などを進めることとしております。
昨年の三月に、私は地元の名古屋市内で、路面下空洞調査の最新技術を視察をしてまいりました。最新の探査車両は地中レーダーを搭載をして走行をします。走行しながら約一・五メートルまで連続してレーダーで探査をするということで、最高時速が百キロまで出しながら調査することも可能であるということであります。したがいまして、広範囲を短期間で調査ができます。これまでも、三メーターを超える大きな空洞を発見をしたことがあるということでありました。空洞の位置や深さ、危険度をAI解析やデータベース化し、陥没リスクを早期に把握することで、事故発生前に補修へつなげる予防保全型の大切な取組であると思います。
今回の改正案は、こうした予防保全型のインフラ管理を進める第一歩で、大変重要な第一歩になるというふうに思います。しかし一方で、空洞調査を実施しても、その後の補修、改築予算が不足をしているということや、調査結果の判定基準が自治体ごとに異なる、レーダー探査だけでは深部空洞や地下水影響を把握しにくいといった課題も指摘をされております。
緊急輸送道路や大口径管路の上部など、事故発生時の社会的影響が極めて大きい箇所などを、優先順位を明確にした形で重点管理をしていくということも重要であるというふうに思います。
そこで、お伺いをさせていただきます。
自治体における路面下空洞調査の実効性を高めるためにどのように取り組んでいくのか、また調査後の補修、改築へ確実につなげる財政支援などをどう強化していくのか、加えて、自治体間で技術力や財政力に差がある中、小規模自治体への技術支援、人材支援をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
今、委員より大きく三点御質問いただきましたので、順に御説明をさせていただきたいと思います。
まず、一点目の御質問につきましては、路面下空洞調査の実効性向上についてでございますが、委員御指摘のとおり、自治体の路面下空洞調査の実効性を高めるためには、調査の実施基準などを含めた効率的な調査の考え方の整理が必要だと考えております。
現在、国土交通省において、過去に発生した道路陥没実績などのデータを用いた傾向分析により、例えば、陥没が発生しやすい地質条件や道路条件など、重点的に調査を実施する箇所の考え方などを整理しているところです。
今後、分析結果を踏まえた効率的な調査の考え方について、地下占用物連絡会議の場を通じて自治体に周知してまいります。
また、二点目の御質問についてですが、路面下空洞調査を含む道路の老朽化対策に関し、自治体で財政上の課題があることは認識しており、路面下空洞調査の推進に当たっては道路の老朽化対策全体として予算を確保していくことが重要であると考えております。
国土交通省としましては、これまでも自治体の老朽化対策に対して防災・安全交付金や道路メンテナンス事業補助制度により支援を進めてきたところです。
また、昨年六月に定められた国土強靱化実施中期計画において、道路陥没による事故を防ぐための調査や対策なども集中的に実施することを盛り込んでおり、今後、強靱化予算も最大限活用しながら支援を進めてまいります。
三点目の御質問につきましては、委員御指摘のとおり、特に規模の小さな自治体が管理する道路における路面下空洞調査が円滑に行われるよう、伴走的な支援も必要だと考えております。
国土交通省では、昨年三月より、国や自治体の道路管理者や道路占用者で構成する地下占用物連絡会議を都道府県単位で設置し、道路陥没を防ぐ取組などの情報共有を進めてきたところです。
具体的には、自治体の個別相談に応じる地方整備局の窓口をお伝えするとともに、国で実施している路面下空洞調査の手法や発注方法などについても情報共有を図ったところであり、今後も規模の小さな自治体への伴走的な支援を進めてまいります。
このような取組を通じて、自治体における路面下空洞調査が円滑に進むよう、しっかりと取り組んでまいります。
○冨樫委員長 申合せの時間が来ております。
○犬飼委員 ありがとうございます。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、美延映夫君。
○美延委員 日本維新の会の美延映夫でございます。
十五分しかありませんので、早速質問に入らせていただきます。
本日は、法案の質疑に入ります前に、白タク問題を一問お伺いさせていただきます。
海外の体験型観光サイトを見ると、東京から富士山へのツアーは、英語ガイドつきで一人当たり七千円から一万円程度で、十以上販売されています。日本の大手旅行会社の富士山ツアーであれば、大型バスに英語ガイドつきで一人当たり二万円程度で、海外の会社のツアーの方がはるかに割安であります。関係者にお聞きすると、海外サイトのツアーはいわゆる緑ナンバーではなくて白ナンバー、白タクでなければこんな値段で提供できないというようなこともお伺いをいたしました。
これは、白タクであれば当然取締りが必要になってくると思います。各省庁が連携してお願いしたいと思うんですけれども、本日は法案の質疑ですので、後日詳しく聞きたいと思いますが、国交省さん、この事案を把握しているかどうか、これだけちょっと教えていただけますか。
○石原政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省におきましては、白タク行為の撲滅に向けて、警察等の関係機関と連携して空港や観光地における現地調査、指導を行い、違反事実が確認されれば厳正に対処してきたところでございます。
今委員御指摘ございました海外の旅行予約サイトの観光ツアーの中には、白タク行為の可能性が疑われる、そういう商品も存在しているものと承知しております。
○美延委員 これに関しては、また後日詳しく質問させていただきたいと思います。
本年三月十一日に、私の地元、大阪市北区で起こった下水道工事事故についてお伺いをさせていただきます。
新御堂筋で、長さ約三十メートル、そして直径が三・五メートルの鋼管が十三メートルも隆起するという事故がありました。地下水の強い浮力により鋼管が押し上げられました。国道四百二十三号線の地面のアスファルトを突き破っており、上にあった新御堂筋の高架を突き破っていれば、これは大きな事故につながっていたかもしれません。
これは大阪梅田駅の近くで、海抜が低く地盤が軟弱なところで下水道工事が行われており、排水をしていたところ、鋼管が浮いて出たようであります。三月二十四日に地上に突き出されていた部分が撤去され、二十五日には通行規制が解除されています。
大阪市の建設局に確認をしたところ、原因等については検討中とのことで、その際、大阪市としては、国土交通省さんには、連絡役の職員さんを事故の当日に派遣して、寄り添った対応をしていただいたと大変感謝を述べておられました。引き続き、原因究明を行い、再発防止策を取っていく必要があります。
そこで、お伺いいたしますが、原因究明をされた際には、事故を再発させないための防止策を必ず取っていただきたいと思いますが、今回の事故についての御所見をお願いいたします。
○石井政府参考人 お答えします。
本年三月の大阪市新御堂筋の下水道工事の事故の概要につきましては、委員御指摘のとおりでございます。
現在、大阪市において事故の原因究明が進められておりますが、今回の事故は極めて特殊な事例と承知をしております。国土交通省としても、必要に応じて技術的な支援を行うとともに、原因究明の結果を踏まえ、同種の下水道工事における再発防止を徹底してまいります。
○美延委員 是非よろしくお願いいたします。
続きまして、八潮市の道路陥没事故について伺います。
冒頭で委員長から御報告がありまして、私も視察に同行させていただきましたが、昨年一月に、八潮市で、老朽化した下水道管が破損し、大規模な道路陥没事故が発生いたしました。亡くなられた一名の方に哀悼の誠をささげたいと思います。また、百二十万人の下水道使用自粛など、大きな影響が生じております。
事故の原因は、硫化水素により下水道管が破損し、空洞が大きくなっていき、道路の陥没につながったとされています。
埼玉県は、二〇二一年度に浮体式テレビカメラで下水道管の調査を実施しましたが、陥没した部分は水しぶきや流れの影響で映像が確認できませんでした。実際には、鉄筋が広範囲に露出し、改築が必要な状況でした。埼玉県が詳細な追加調査をすれば、下水道管内部が破損していることが分かったかもしれません。また、下水道管が大きく、下水の流れを止められないという状況であり、管路は補修困難だったという限界もあります。
今回の八潮市のような事故を再発させないよう、調査において、どのような取組を行っていくのか、補修困難な管路に関してはどのように対処をしていくのか、併せて教えていただけますか。
○石井政府参考人 お答えします。
八潮市の道路陥没事故を受けまして、国土交通省では、全国特別重点調査の実施を自治体に要請をいたしまして、全国の自治体に御対応いただいたところでございます。
この調査におきましては、従来の人による目視点検に加え、ドローン等のDX技術を活用するとともに、路面下空洞調査なども併用し、管路の安全性を評価する診断基準についても従来の基準より強化するなど、劣化の状況を確実に把握できるよう措置したところです。
こうした取組を行ったところではございますが、管路内の水位が常に高いなどの理由により、調査や補修が困難な箇所がございます。このような箇所につきましては、セメントで地盤を固めるなどの安全確保の措置を講じるとともに、抜本的な対策として、管路を複線化し、当該箇所の詳細な状態把握を行った上で、必要に応じて修繕、改築を行うこととしております。
○美延委員 次に、水道のインフラの老朽化対策を一問お伺いしたいんですが、先日、大阪市水道局と産総研が連携をして、地面を掘り返さずに水道管周辺の土壌を調査する非破壊地下探査システムの実証調査を行っています。内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムの一環で実施されております。
今月十九日に、私の選挙区でもあります大阪市城東区東中浜二丁目から永田二丁目にかけての水道の管路で調査が行われました。ここは、昨年五月に水道管の破裂事故があった場所であります。地元の市議の方から情報提供をいただき、私も知ったわけなんですけれども。
そこで、その翌日、二十日に産総研のお話をお聞きしたところ、電極を動かして一時間二千メートルの土壌の測定ができ、水道管の腐食があるかどうかを判断できるとのことです。
下水道は内部から腐食していくので、上水道とは異なっています。しかし、上下水道とも、いずれにしても、事故を絶対起こしてはならないということは共通しております。こうした新たな取組を政府を挙げて推進していただきたいと思います。
大阪市水道局と産総研の非破壊地下探査システムについての連携に関することで、佐々木国土副大臣の御所見をお願いいたします。
○佐々木副大臣 委員御指摘の非破壊地下探査システムを始めとする先端的な技術を上下水道の老朽化対策に活用することは、重要なことであると認識をしております。
総理からも、令和の国土強靱化対策として、最新技術を活用した効率的な老朽化インフラ対策に取り組むよう、御指示もいただいているところでもございます。
国土交通省としても、先端的な技術が広く活用されるよう、自治体、民間企業、研究機関などと連携をし、先端的な技術の開発に向けた研究、実証、先端的な技術の活用を標準とした積算基準等の整備、自治体がDX技術の導入を容易に判断するための技術カタログの更なる充実などに取り組んでいるところでございます。
今後とも、関係機関と連携しつつ、上下水道インフラメンテナンスの現場において先端的な技術の実装が進むよう、しっかりと取り組んでまいります。
○美延委員 今副大臣から前向きな答弁をいただいたわけなんですけれども、やはり道路を掘り返さなくて探査ができるというのは本当にいいことだと思いますので、是非前に進めていただきたいと思います。
次に、本法案は、下水道の老朽化に早期に対応していくために必要な法案だと考えております。
大阪市では、下水処理についてPFIを進めており、二〇二三年三月に事業計画を提供し、事業を開始しております。大阪市建設局から、国土交通省のウォーターPPPレベル3・5について、検証を行いつつ進めていくというお話を伺いました。
先ほども議論がありましたように、下水道職員が不足しているという課題があるため、民間の知恵やノウハウを生かしていくべきであり、下水道事業について官民連携を深めていくことが重要だと思います。
そこで、金子国土交通大臣にお伺いしたいんですけれども、下水道事業におけるPPPやPFIの活用をこれからどのように進めていくのか、教えていただけますか。
○金子国務大臣 お答えいたします。
人口減少などに伴い、下水道においては、自治体において、職員数の減少、施設の老朽化、料金収入の減少などの課題を抱えていると認識をしております。これらの課題に対応していくためには、広域連携、官民連携、デジタル技術の活用等による執行体制の強化や事業の効率化等を進めることが重要であります。
水の官民連携は、施設の維持管理と改築を長期かつ一体的に進めるため、地方公共団体、民間双方にとって事務負担が軽減されるとともに、老朽化対策の効果的な実施が期待されます。
加えて、デジタル技術等の活用といった民間の創意工夫や専門人材のノウハウの活用、民間企業の雇用創出にも寄与すると考えております。
例えば、昨年九月に開始された大阪市の下水道の事例においては、維持管理と更新の一体的なマネジメントなどによりまして、二十年間で約三百二十億円のコスト縮減が期待されております。
国土交通省としては、水の官民連携の推進が下水道の持続性の向上や強靱化につながるよう、しっかり取り組んでまいります。
○美延委員 そうなんですよね、大臣。結局、これをすることによって、今大臣がおっしゃった、大阪市は三百二十億円ぐらいコストを縮減できるという。もちろんそれは、安全面というのは非常に重要ですけれども、やはりコストを縮減するということも非常に重要ですので。
少しだけ時間がありますので、もう一問だけお伺いをいたしたいと思います。
直ちに改革が必要な下水道管について対応が進んでいると思うんですけれども、改築の見通しはどうなっているのか、教えていただけますか。
○石井政府参考人 お答えします。
全国特別重点調査では、本年二月末時点で、対策が必要な管路の延長が七百四十八キロ、このうち速やかな対策が必要な緊急度1の延長が二百一キロ確認されました。
この緊急度1の管路の対策が速やかに行われるよう、国土交通省では、第一次国土強靱化実施中期計画に基づき、必要な財政支援を行っているところです。
具体的には、令和七年度補正予算及び本年度予算において、今回の調査で緊急度1と判定された管路の更新については全て補助対象とするなど、制度の拡充を行うとともに、必要な予算を確保したところでございます。
国土交通省としては、全国特別重点調査に基づく対策が迅速かつ確実に行われるよう、技術的、財政的にしっかりと支援してまいります。
○美延委員 是非しっかりやってください。
もう一問あったんですけれども、時間がないので、これで終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。
先般は、八潮市の陥没事故に、冨樫委員長を始め理事、委員の皆様方の御視察をいただきまして感謝を申し上げますとともに、今日まで、復旧に当たりまして、多くの関係者の皆様方のお力添えに感謝を申し上げたいというふうに思います。
そもそもの話から質問をしたいんですけれども、戦後八十年たって、下水道が全国で普及している中で、下水道の工法や建設資材も技術開発が進んできたと考えるんです。
八潮市における下水道管破損に起因する下水道陥没事故が予測できたのか、できなかったんだとは思うんですけれども、そこをまずお尋ねしたいと思います。
○石井政府参考人 お答えします。
埼玉県が設置した原因究明委員会の最終報告書では、道路陥没は、硫化水素によって腐食した下水道管に起因するものであると考えられること、そして、陥没の時期を予測することが可能であったとは言えないことなどが示されたと承知をしております。
○鈴木(義)委員 去年の一月の二十八日に事故が起きて、三十日の日に地元の下水道事務所にすぐ行って、状況がどうなっているかというのを聞かせてもらったんですけれども、そのときに、責任者が、五年ごとに検査していて、五年ごとということは、布設してから五年ごとに、五年でいけば四十年目で検査して、二年目で陥没が起きるんですけれども。後から、国土交通省の担当の方に、下水道管というのはどのぐらいそもそももつと思って布設しているのかと尋ねたら、五十年だと言うんですね。
私も、県会議員のときも、土木だとか建築の職員の人といろいろやり取りさせてもらったんですけれども、コンクリートの躯体というのはどのぐらいもつんですかと言うと、大体、私が聞いている中で、七十年から八十年と言う。
十三年前に衆議院にお世話になったときに、やはり国土交通省の担当、下水道じゃないんですね、土木をやっている担当の人だと思うんです、そのときに、どのぐらいコンクリートの躯体というのはもつと思って考えていますかと尋ねたら、分からないと言うんですね。
それは、気候風土も違うだろうし、地理的条件も違うし、今みたいなガスが発生するしない、これによっても全然違う。海っぺりで、潮風がぴゅうぴゅうぴゅうぴゅう吹いてくるところは、塩害が起きるおそれが高い。これは分かる。じゃ、北海道や日本海側みたいに雪が多く降る地域もあれば、この関東地域だとか西の方に行けば、沖縄の方で雪が降るというのはほとんど聞いたことがないですよね。気候条件も違う。
でも、大半の、人間が造った人工構造物、今私が立っているこの別館も同じです、何年もつと思って造ったのかで、保守点検の仕方が変わってきちゃうんじゃないか。
今回の法律の改正で、そこのところは見直ししますというふうに説明は受けています。でも、その報告書の内容、この法律が改正になれば報告書の内容も公表していきますというふうに説明は受けているんですけれども、じゃ、今までなぜ、その報告書がどういう状態だったのかというのを、関係者だけなのか、それとも一般の住民なり県民なり国民に知らしめなかったのかということですね。
それによって、これは危ないんじゃないかとか、私はちょっと専門じゃないから分かりませんけれども、レベル一とか二とか三とか四とか五で、五はもうすぐにやらなくちゃ駄目だとか、四だったら、じゃ一だったら、二だったらまだ様子を見ましょうとかと、人間の体と同じように、やはり点検をして、検査をして、それをどう判断して予算措置を取るかということが大事だったんだと思うんですね。
その辺に対しての対応をしてきたのか、又は、十分な改修を行ってこなかったとしたら、その責任の所在というのは、県が布設していれば県、市が布設していれば市、国が布設していれば国というふうな形でよろしいのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○石井政府参考人 お答えします。
責任の所在については、埼玉県において判断すべきことと承知をしておりまして、国土交通省としてはお答えすることが困難でございますが、埼玉県が設置した事故原因究明委員会においては、県が実施した点検、調査等の検証や事故の再発防止に向けた提言を行うものであり、事故発生の責任の所在を明らかにすることを目的とはしていないと承知をしております。
その上で、同委員会の最終報告では、事故の三年前に埼玉県が行った点検について、管路の構造を詳細に把握した上で評価したところ、速やかに対応すべきと評価できたことなどが指摘をされております。
また、当時そのように評価できなかった要因として、管路の安全性を評価する診断基準が事故の原因となった管路の構造に対応したものになっていなかったこと、映像が不鮮明で明確な診断が困難な場合における対応が不明確であったことなどが挙げられております。
○鈴木(義)委員 昨年の陥没事故が起きて、一斉点検を金子大臣が全国に発出したわけですね。
二メートル以上の管で、それで調査結果を出しなさいと言ったときに、私は素人ですから、例えば今までの点検項目が五項目ありましたと、五項目でやって四十二年目で落ちてしまったというのと同じ点検項目でやったのでは、私は意味を成さないんだと思うんですね。プラス二項目、三項目、五項目なのか分かりませんけれども、それによって初めて、新しい、例えば四十年前、五十年前の技術基準から比べたときに、今の方が格段に上がっているんだったら、それを基にして点検をするということをしないと、同じことが誘発、繰り返されてしまうんじゃないかなという考え方なんですね。
だから、今回の法律の改正でそこのところはクリアになるのか、もう一度御答弁いただきたいと思います。
○金子国務大臣 お答え申し上げます。
全国の下水道管路の総延長約五十万キロメートルのうち標準的な耐用年数である五十年を経過した管路は、令和五年度末時点で約四万キロメートルであります。また、段差によって硫化水素が発生しやすい場所など腐食のおそれの大きい箇所に該当する管路の延長は、約三千五百キロメートルであります。
八潮の事故を受けて実施をいたしました全国特別重点調査の結果を踏まえて点検基準の見直しや診断基準の制定を行った上で、これらの基準に基づいた点検、診断の結果やそれを踏まえた対策の実施状況の公表を義務づける措置を本法案に盛り込んでおります。また、対策については、令和八年度予算におきまして、事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路の更新を重点的に支援をいたします補助制度を創設いたしました。
国土交通省としては、これらの取組を着実に進め、強靱で持続可能な下水道の構築に向けて、地方自治体をしっかりと支援してまいりたいと思っております。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
それと、大臣から答弁いただいてしまったんですけれども、やはり、これからは予防工事というところに力を入れていくべきだと思うんですね。
今いただいた御答弁の中で、改定をしていきます、改正をしていく、改修をしていくという話になったときに、それが、じゃ改修したことによってどのぐらいもつのかと。また堂々巡りの話になっちゃうんですけれども。
要するに、下水道管を布設したとき五十年もつと思って布設するということは、逆算すれば、今回の事故を契機にして、じゃ、五年刻みでやってきたけれども、やはり場所によってはもっと短いスパンで検査もしなくちゃいけないし、検査した結果、改修もしなくちゃいけない。じゃ、改修がどのぐらいもつのか。いけ替えなくちゃいけないのか、違うルートでもう一回掘り返さなくちゃいけないのか。その判断を管理者である、先ほど冒頭お尋ねした、誰が責任者になるのか、市が布設したのなら市だ、県だったら県だ、国だったら国だ、公共だったら公共の管理者というのはいるでしょうから、その人が責任を持つんですけれども、その人が報告を受けたときに、適切な判断をすることができるだけの技術的なノウハウをお持ちの首長とか管理者ばかりじゃないと思うんですね。
そこで、やはり、国の、国交省の今までの全国のいろいろな知見を積み上げてきたものを駆使して、それをアドバイズをしていくような形、逆を言えば、点検項目を管理者任せにするんじゃなくて、やはり国がたまにちょっとチェックさせてくださいというぐらいなことをやらないと、それが分かっている人もいれば分からない人もいる。
それと、これは地元で聞く話です。都道府県レベルだったらまだいいんでしょうけれども、市町村レベルになってきたときに、技術屋さんがなかなか就職してくれていないんですね。技術屋さんが現場回りをもう丹念にやっていることよりも、事務方の仕事、要するに、役所だとか役場から余り外に出て現場回りをしないんです。それで、いざこういう事故が起きたときに直せる人がいるのかといったときに、直せるというのは何かを判断しなくちゃいけないということだと思うんですね。
その辺をやはり国が少し、関与という言い方が合っているかどうか分かりませんけれども、ある程度管理者に対してちょっと働きかけというんですか、チェック体制と言っていいのかどうか分かりませんけれども、そこぐらいまでちょっと踏み込んでやらないと、現場の技術力が少しずつ低下しているという話も聞きます。だから、その辺を補完する意味で大臣のリーダーシップを期待したいと思うんですけれども。
○金子国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。
今回、あのような本当に大きな事故が起きて、お亡くなりになられた方もおられます。また、多くの国民生活、住民生活に支障を来しました。そのことも踏まえて、先ほど御指摘いただきましたように、全国特別重点調査を行って、今まずはどういう状況かというのを確認した、あるいは、小さな自治体ではそのような技術力がないというようなこともあって、今回の事案も含めて、これから積極的に、やはり安全、安心な上下水道というのを確立していかなきゃいけないということであります。
そういう意味では、私は技術者ではありませんので、上下水道審議官からお答えさせていただきます。
○石井政府参考人 お答えします。
様々、これまでも下水道の維持管理に関する基準につきましては、制定時点での最新の技術でありますとか経験的、工学的な知見を基にして制定を行ってきたものでございますが、今回こうした事故も起こったわけでありますので、この事故も受けまして、あるいはこの全国特別重点調査で得られた知見も踏まえて、診断基準の法制化でありますとかあるいは点検基準の強化など、基準がより実効性があるものとなるように取り組んでまいります。
その上で、今回の調査においても、全国の自治体の方からのいろいろなお困り事に対して、つくばにある私どもの研究機関などが技術的な助言などを行ってきたところでありますし、今後も引き続き、そうした研究機関でありますとかあるいは地方整備局等の力も活用しながら、丁寧に現場のお困り事を支援するという取組を進めていきたいと思っております。
○鈴木(義)委員 これは例えばなんですけれども、国の国庫補助をもらうと、一年に一回、会計検査院がチェックに来るんですね。だから、そうすると職員さんもぴりっとするんですけれども、それと同じようにとは言わなくても、やはり、もしこれから復旧をするとか改修をするということで自治体に対して、管理者に対して国の予算を入れるということになったときに、そのときに、やはり併せて技術的なチェックを私はしていくべきだと思うんですね。
それが、やはり次の災害を未然に防ぐこと、また、その工法を選んだときに誰がお墨つきをつければいいのかといったときに、次の設問に入っていくんですけれども、土木学会の中に環境工学委員会というものがあるんだそうです。そこで下水道を所管していると聞くんですけれども、専門家と言われる方々の集団であると思うんですが、そうした方を含む専門家の有する知見が今回の法改正でどのように反映されたのか、お尋ねしたいと思います。
○上田大臣政務官 八潮市の道路陥没事故を受け、国土交通省では、八潮市と同様の事故の発生を未然に防止するため、下水道管路マネジメントの在り方やこれを実現するための基盤の強化方策などを検討する有識者検討会を設置いたしました。
この有識者検討会には、環境工学、土木工学、経営学等の幅広い分野の学識者や、自治体や現場において専門的業務に従事している企業の代表者の方々に委員として御参加いただいているところでございます。
この有識者検討会では、技術基準や事業運営の在り方などについて幅広く議論が行われ、安全性確保を最優先する下水道マネジメントの確立、道路管理者と下水道管理者等の連携強化による道路地下空間の安全性の確保、下水道マネジメントを支える基盤の強化を柱とする御提言をいただきました。
今回のこの法案では、これらの内容を実現するために必要な措置を盛り込んでおり、法案全体に有識者検討委員会からの御提言が生かされているものと考えております。
以上でございます。
○鈴木(義)委員 例えばこういう文脈のところがそうなんですというのが、もし答弁できれば分かりやすいんですけれども。
そこともう一つ、昨日の打合せのときにもお話ししたんですけれども、会社の社長さんに幾ら出てきてもらっても、現場経験をした人だったらいいんですが、そうじゃない人がマネジメントをやっている場合があるんですね。そうすると、第一線で現場をよく知っているのは現場代理人の人なんですね。だから、やはり現場代理人の人が何の工事、今回下水道法の改正ですけれども、建築でも土木でも、やはり、現場の意見をどうやって酌み上げられるかというのが、私は次の災害の予防になっていくんじゃないかと思います。
幾ら学識経験者の方ばかりがやったとしても、それは研究開発をされたり、学術的にいろいろなことをやられているんだと思うんですけれども、やはり、現場で起きていることは、特に土木の場合は、一品一品違うよと。結局、現場工学みたいな考え方がありますから、橋梁一つ架けるのだって、下水道管一つ入れるのだって、地盤がもうみんな違っちゃっているから、そのときそのときで、やはりそこにノウハウがあるはずなんですね。
だから、専門的な知識の方も大事なんですけれども、やはり現場の声をどうやって酌み上げていくかというのも、私は、システム化していってもらったら次の災害に備えられるんじゃないかと思うんですけれども、その辺のお考えは。
○石井政府参考人 お答えします。
先ほどの政務官の方から答弁にあった、有識者委員会に参画していただいた、現場で専門的業務に従事しておられる企業の代表者の方といいますのは、若い頃は実際に下水道管の中に入って、下水道管の維持管理の仕事に実際に携わっておられた方でございます。そういった方々から、この委員会の中でも、非常に現場の経験に根差した貴重な御意見を賜って、今回の法案に反映をさせていただいたところでございます。
例えば、どういったところにより点検の力を注力していったらいいのかといったことについて、非常に示唆に富む、現場に根差した示唆に富む御意見をいただいたところでございます。
○鈴木(義)委員 例えば、腐食が多いようなところは今までと同じような材料ではもたないということですよね。そこはだから現場の声を聞いてもらって、専門的な知識をお持ちの学者の先生方にも知恵を出してもらってやればいいんですけれども、そこでやはり、四十年前とか五十年前の現場の経験者よりも、今の人の話を聞いてほしいということなんです。
そうしないと、やはり、材料一つ選定するのにも、すぐに使えるかどうかは別にしても、腐食をどこまで抑えられるかという材料、じゃ、それを使ったときに十年もつのか二十年もつのか、四十年、五十年たった管を内面だけを更生したとしても、じゃ、それが何年もつのかというのは、やはりこれからになってしまうのかもしれませんけれども、そういうのをフィードバックさせて、次に直さなくちゃいけないところにその知見を入れて、工法を変えるとか材料を変えるとかいうことを、しようがないけれどもやり続けないとやはり防げないんじゃないかと思うんです。
その辺、もしお考えがあれば。
○石井政府参考人 お答えします。
下水道というのは、委員御指摘のとおり、経験工学の側面が非常に強いものでございますから、学識者の議論に加えて、現場での様々な知見を効果的に取り入れていって技術基準等に反映していくことが大変重要だというのは、まさに委員の御指摘のとおりだと思います。
できるだけ、今現在現場で業務に従事しておられる方の御意見も広く捉えられるように仕組みを工夫していってまいりたいと考えております。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
もう一つ、次の質問に入りたいんですが、下水道の施設の工法や材料の選定は、日本下水道協会の認定工場制度によって品質保証がされているというふうに思うんですが、今回の八潮の陥没事故や法改正で、認定の検査項目やJIS規格の見直しまで行ったのか、また、誰がその判断をするのかといったときに、最終的には協会の判断でいいのかということですね。それを所管するのは国土交通省になっていくと思うんですけれども、その辺をお尋ねしたいと思います。
○石井政府参考人 お答えします。
先ほども御答弁いたしましたが、今回の埼玉県の究明委員会の報告書では、この陥没事故は、硫化水素によって腐食した下水道管に起因するものであると考えられるというふうにされております。
この報告も踏まえて、国土交通省では、腐食環境下においては腐食に強い耐硫酸性コンクリートなどの材料で作られた管を使用することを標準とすることなどを政省令等で定めることとしております。
これを踏まえて、今後、日本下水道協会の認定工場制度等において、必要に応じて、この新たな基準に対応した規格の改定などが適宜行われるものと認識しておりますけれども、国土交通省としても、こうした日本下水道協会等に必要な助言を行ってまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 行ったり来たりするような質問なんですけれども、例えば人工構造物に関連した今回の事故、それの責任の所在は、繰り返しになるんですけれども、管理者になるのか。今御答弁いただいたような、基準を設けるわけですね。
例えば、今回の八潮の陥没で、シールド工法で管を布設してもらったんですけれども、コンクリートの厚みが五十センチなんですね、聞いている話では。じゃ、五十センチでいいのか、六十センチにするのか、七十センチにするのかというのが、それが四十二年たって陥没したということは、やはり基準を設けると思うんです。改定するなら下げることはないと思うんです、上げることはあっても。
じゃ、その基準を設けて、また同じような事故が起きてしまう可能性が拭えないんだったら、やはりその基準を誰が設けるのかとか、じゃ、その基準に基づいて、管理者になる人が仕事を発注して、それを施工するのは事業者になるんですけれども、そうすると、責任がどこにあるのかがよく分からないことになってしまうんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺のお考えは。
○石井政府参考人 お答えします。
一般論としてでございますけれども、管理瑕疵によるインフラ事故が発生し、損害が生じた場合、国家賠償法に基づき、そのインフラの管理者が責任を負うことが原則と認識しております。
この点、八潮市の事故においては、下水道管理者である埼玉県において、復旧工事を進めるとともに、工事に伴う補償などの対応をしていると承知をしております。
国土交通省としては、この事故を重く受け止め、その重大性に鑑み、必要な工事に対して財政的支援を行っているところであり、引き続き、技術的な面も含めてしっかりと支援を行ってまいります。
一方で、先ほども答弁させていただきましたけれども、下水道の維持修繕基準については、制定時点での最新の技術でありますとか経験的、工学的な知見を基にして制定を行ってきたものでございます。今回の事故を受けて、診断基準の法制化、それから点検基準の強化など、基準がより実効性のあるものとなるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
もう一問、公共下水道管理者は、排水区域等の全部又は一部を廃止する、法律の改正でこう明記されているんですけれども、例えば、下水道を今使っている地域の住民の方が一人でも反対という人が、いや、俺はこのまま使うんだ、いや、そんなにお金出せないよという人がもし出てきたときに、これからもっと人口減少が、都市部に住んでいる私たちは余り感じないかもしれませんけれども、地方に行けば行くほど、人口が減少する、高齢化が進んでいく、要するに、収入が上がらないという地域の人たちが増えていく可能性がどんどん、もう予測されるわけですね。そのときに、いや、余計な負担はもうこれ以上出せないよというふうになったときに、それが理由で例えば反対というふうになったときに、どう対応すればいいのか。
それともう一つ、集合処理から個別処理に移行していくんだというのが今回の法律の改正なんですけれども、一つは、国としてある一定の基準がないと市町村が検討すらできないんじゃないかという考え方です。
それと、今度、広域の公共下水、埼玉県とか都道府県だったらいいんですけれども、市町村になってくると、財政力が弱いところは、今国が示しているような国庫補助だとかサポートの金額だけでは、到底追いつけないと思うんですね。今回の法律の改正で、すぐには申し上げませんけれども、ある程度のデータがそろった時点で、やはり国から支援をする、お金的なもの、技術も含めてそれをサポートしてもらわないと、やれない市町村が出てきてしまうんじゃないかと思うんです。
そこのところをどう考えるか、お尋ねしたいと思います。
○石井政府参考人 お答えします。
本法案では、下水道から浄化槽への転換に当たっては、あらかじめ下水道使用者の同意を得ることを前提としていますけれども、委員御指摘のとおり、調整が難航することも想定をされます。このため、下水道に代わる措置として、自治体が設置、管理する公共浄化槽への転換を基本として運用することを想定をしております。
その上で、全ての使用者の御理解が得られるように、下水道を維持し続けるよりも浄化槽へ転換する方がトータルコストで有利となり、持続可能性が向上するなどのメリットを丁寧に説明していくことが重要と考えております。
転換に当たっての判断基準につきましては、人口密度が著しく低下している、あるいは今後低下が見込まれる地区において、下水道を改築するよりも浄化槽を整備する方が維持管理も含めたトータルコストで有利になることなどを想定しております。
国土交通省としては、関係省庁と連携し、検討フローや具体的な同意取得の手続などについてのガイドラインを作成するなど、自治体が地域の実情に応じて下水道から浄化槽への転換を円滑に進められるよう、技術的な支援も含めて、しっかりとサポートしてまいります。
○鈴木(義)委員 今、関係省庁と連携してというふうに審議官から御答弁いただいたんですけれども、例えば農水が所管している農業集落排水だとか、コミプラだとか合併浄化槽だとか、これは環境省が所管しているんだと思うんですけれども、そこも同じようなことが起きたときに、どうしてもやはり、集落がどんどん減ってきますから、維持管理ができない。そういったものもやはり国土交通省がやっていくのか、その所管ごとでやっていくのかというのが必ず出てくると思うんですね。
そこのときに、今御答弁いただいたように、個別の浄化槽を設置して公共管理していった方がいいんじゃないかという方向に向けていこうとすると思うんですけれども、そのときに、自治体に対して、管理者に対して、やはり二分の一だとか三分の二とかというふうな補助率は聞いています。でも、それの裏負担すらできないような自治体のときには、プラスアルファで国の方で支援をしてもらいたいというふうに思うんですが、もし御答弁できたらお願いしたいと思います。
○冨樫委員長 石井上下水道審議官、時間になっていますので、まとめてください。
○石井政府参考人 汚水処理については、農水、環境、それぞれ歴史的な経緯があって、役割分担の上で担当が決まっておるわけでございます。
三省連携して、技術的、財政的にしっかりとサポートしてまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 終わります。ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、飯泉嘉門君。
○飯泉委員 国民民主党の飯泉嘉門でございます。
午食前となりますが、少しお時間を賜ればと思います。
質問に入ります前に、金子大臣に御礼を申し上げたいと思います。
金子大臣には、私が知事時代には総務大臣として、また、先般、三月の八日、こちらも知事時代に国土交通省の皆様方に政策提言させていただきまして、そして採択となりました、都道府県がインターチェンジを造る、地域活性化インターチェンジ、小松島南インターチェンジと阿南インターチェンジ間、こちらの徳島南部自動車道の開通につきまして、御出席を賜り、誠にありがとうございます。
それでは、以下、下水道法等の一部を改正する法律案につきまして、大きく三点御質問をさせていただきたいと思います。
まず一点目は、下水道、地下空間の安全対策についてであります。
皆様方も御存じのように、道路の地下空間、こちらは、下水道だけではなく、上水道、あるいは電線、電話線、光ファイバー、場合によっては高速道路、鉄道、これらの施設が埋設をされております。しかし、これらが老朽化をしていくとなりますと、甚大な、例えば経済的な損失、何といっても人命の損傷、これらが危惧されるところであります。
具体的には、かつてでありますが、国道百九十二号、徳島市郷土文化会館、あわぎんホール前についてでありますが、こちらで水道管が破裂をいたしまして、誰がこんな噴水を造ったんだなんて話が出るぐらい、長時間あるいは長期間の交通途絶が起こったところであります。
そこで、こうした場合について、是非、今回の占用物等維持修繕、この協定について、どのように運営をされていくのか。また、その運用を実効あらしめるため、そのためには、是非、できる規定ではなく、国が主導して義務規定的に、そのぐらいの気概で臨んでいただきたいと思いますが、お考えはいかがでしょうか。
○上田大臣政務官 道路の地下空間の安全性を確保するためには、道路管理者と道路占用者が連携し、道路や道路占用物を適切かつ効率的に維持修繕していくことが重要であると考えております。
今回の法改正で導入する占用物件等維持修繕協定の運用に当たっては、国土交通省がひな形や費用負担の考え方などを整理した上で、道路管理者と道路占用者で構成される地下占用物連絡会議などを通じ、関係者へ周知し、協定制度の活用が進むように取り組んでまいります。
また、この制度は今回の法改正で新たに創設するものであるため、まずは、交通量が多い幹線道路や多数の占用物件がふくそうしているエリアを念頭に、道路管理者と道路占用者が路面下空洞調査を共同で実施する場合等において協定を締結することを想定しております。
このため、協定の義務化に関する御指摘については、まずは制度の運用を開始した上でその実効性を確認していきたいと考えておりますが、国土交通省としては、協定制度の活用を促進する取組等を通じて、道路管理者と道路占用者との連携を強化し、道路の地下空間の安全性を確保してまいります。
以上でございます。
○飯泉委員 是非しっかりと、国主導という、そうした気概を持って臨んでいただきたいと思います。
次に、大きな二番目といたしまして、下水道の基盤強化と広域連携、こちらの推進についてお伺いをいたしたいと存じます。
公共下水道、この管理主体は言うまでもなく市町村であります。しかし、この市町村が、今後、点検、維持修繕、ましてや改築を行っていく、はっきり申し上げて、それだけの体力がない、総務大臣を経験されておりますので、これはもう御存じのとおりだと思います。
そこで、今回、都道府県の役割が出てまいりました。都道府県がしっかりとこの広域連携、ここにかみ込んでまいりまして、そして、維持管理、特に管理を行っていく、はっきり申し上げて画期的な制度であると思います。そして、この特例といったもの、これを全国にしっかりと展開をしていく、そのためには、はっきり申し上げて、様々なインセンティブ、これが必要になってくるのではないか、このように思うところであります。
例えば、都道府県の方でこれを行っていく、そうしたできるための個別補助制度的なもの、例えば、先ほども御質問が鈴木委員からありましたように、都道府県にとってみてもこれはいいなと思うような、いわゆる他の補助金などと比べて有利な制度である、あるいは有利な交付金だな、こうした実感が持てる、こうした財政制度、これが求められる、不可欠だ、このように思うところでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
○石井政府参考人 お答えします。
本法案では、都道府県、市町村による下水道の広域連携を進めるため、本来は市町村が管理する公共下水道を都道府県が管理できる特例を創設することとしております。
このような広域連携を全国展開するためのインセンティブとして、令和八年度予算において、この特例などを活用して市町村を支援する都道府県に対して、先ほどお話にもありました重点的な支援を行う個別補助事業を創設したところでございます。
国土交通省としては、強靱で持続可能な下水道の構築に向け、自治体による広域連携の取組をしっかりと支援してまいります。
○飯泉委員 ありがとうございます。
是非しっかりと、そうした制度、これもPRも重要だと思いますので、この点もよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
それでは次に、大きな三番目、ここが一番の主題となるところでありますが、人口減少時代の下水道を始めとする汚水処理、日本の今後の方向性についてお伺いをいたしたいと存じます。
下水道の歴史、大変古うございます。ローマ時代、つまり紀元前から下水道はあり、特にヨーロッパにおきましては、ペスト、パンデミック、これを契機として大いに普及がなされた。こうした歴史を見た文明開化を進める日本といたしましては、下水道の普及率こそ文明度のバロメーターだ、こうしたいわば国是として、下水道の整備、促進、国土の隅々にまで下水道を配備していく、こうした施策を進めてまいりました。
そして、これを更に実効あらしめるために、各都道府県における下水道普及率ランキング、こうしたものが発表をされてきたんです。実は、これに悩まされる自治体も多々あるところでありまして、徳島県もその一つであるわけでありますが、そこでお尋ねをいたしたいと存じます。
大変歴史の古い下水道普及率の都道府県別ランキング、一体いつぐらいからこれはスタートをされたのか。そして、もし分かればで結構ではありますが、私も下水道を担当しておりましたので、私の記憶では、先ほど冒頭でも申し上げた、下水道の普及率こそ文明度のバロメーターだ、こうした点を毎回全国に発信してきたところでありますので、このランキング公表のときに、どのようなキャッチフレーズ、あるいは説明がなされたのか、これも併せて御説明をいただければと思います。
○石井政府参考人 お答えします。
昭和四十五年の公害国会において下水道法が改正され、公共用水域の水質汚濁を防止する重要性が打ち出された頃から、下水道は、国民が健康で快適な生活を営んでいくための、いわゆるナショナルミニマムを確保するための施設として、その担うべき役割は極めて重要なものとの考えの下で、都道府県別の下水道普及率を公表してまいりました。
これまでの下水道の整備により、普及率は昭和四十五年度末の八%から令和六年度末には八一・八%まで向上しております。
○飯泉委員 いかに歴史があるのか、皆様方にも御理解をいただけたのではないか。しかし、下水道の普及が今大きな転換点を迎えているところであります。
今回も御視察をされたという八潮市の流域下水道の事故、実は私も平成の七年度、八年度、埼玉県の財政課長をしておりまして、こうした埼玉県内における流域下水道の整備、これに多くのお金を積極的に査定をし、予算をつけてきたところでありました。そうした点では、大変関心が高いというよりも、心苦しいところがあるわけであります。
そこで、今回の八潮市の事故といったもの、これは、はっきり申し上げて、氷山の一角である、このように言えるのではないか、これから恐らく全国各地で顕在化をしてくる、こうした点について我々は深く認識をすべきである、このようにまず考えるところであります。
しかも、人口減少に伴いまして、下水道はそれぞれ利用者負担、こうした制度をかみ入れているところでありますが、はっきり申し上げて、この維持管理もほぼ限界が来ているところであります。ましてや、下水道、これを大いにやり替えていくということになりますと、全国で一体どのくらいの費用が必要となるのか、恐らく莫大な費用が必要となるところでもあります。
さらに、これに追い打ちをかけるのが、首都直下型地震あるいは南海トラフ巨大地震。これによって果たして下水道がしっかりとレジリエンス、維持管理可能なもの、持続可能なものになっているのか、甚だ疑問となるところであります。
ここで一例を申し上げたいと思います。
東日本大震災発災、平成二十三年の三月十一日、そしてその十日後、三月の二十日に私は宮城県、村井知事さんを訪ねました。これも関西広域連合として、いわゆるプッシュ型で、そしてそれぞれの地域、応援するところを定めて応援をするという形で、宮城県につきましては徳島県とそして兵庫県、パーシャルで当時関西広域連合に加わっていた鳥取県、この三県で応援をと。福島県は京都府と滋賀県、岩手県につきましては大阪府、和歌山県。直ちに向かいました。
実は、皆様方は御存じだと思いますが、平成二十三年度というのは何の年なのか、これは統一地方選挙の年であります。私も二十六日に知事選を控えておりまして、しかしそれどころではないと。まず、盟友である村井知事さんのところに応援に行かなければならない、直ちに向かったところであります。
そして、当時の仙台市内、多くの人たちがおられるわけでありますが、ベンチに座ってぼうっと空を見上げているだけ。本当に茫然自失、この言葉がぴったりの状況でありました。これこそ本当に国を挙げて支援をしなければならない、これが東日本大震災、その実態でありました。
そして、県庁に向かい、村井知事さんとお会いをしたところ、村井知事さんからも、いや、もう本当に大変なことになったんだ、まずはしっかりと対応していきたいと、その応援もあったわけではありますが、現地の方にも視察に行かせていただきました。
仙台東部道路、こちらは高速道路の概念が大きく様変わりをした瞬間でありました。
この道路、何とか四駆の徳島ナンバーの車で向かいましたところ、海、ちょうどその先には仙台空港があるんですね。その景色、本来であればササニシキの美田であり、あるいは多くの工場群、家屋そして学校などがあったところが全く何もない。潮だまりのみがある。しかし、仙台東部道路の反対側、山側を見ますと、住宅地が全くの無傷で残っていた。つまり、高速道路は車が走るところだ、これまでの固定概念が大きく変わり、まさに崩れない、陸の防潮堤、命の道になった瞬間でありました。
そこで、徳島でもそうした提言をさせていただき、第一号で、道路構造令、そうしたものがあったにもかかわらず、国土交通省の皆様方に、この高速道路、特に鳴門から徳島インターチェンジ間、こちらをお認めをいただき、三千人を超える皆様の避難所を松茂のスマートインターチェンジのところに造る。平時は高速道路、インターチェンジとして、しかし、いざ発災となった場合は多くの皆さん方の命を救う、こうした制度もおつくりをいただいたところであります。
そこで、本題に戻させていただきますが、県庁職員の皆さん方に、宮城県庁の中で少しお手洗いに行きたくなったということがありましたので、お手洗いはどうでしょうか、そこで返ってきた答えにふと思うところがありました。何という答えが返ってきたのか。上水道は通っているので、お手洗いは使うことはできると思います、しかし、下水管は、恐らく、地下埋設の各地で寸断がされ、どこに浸透しているのか、これは全く分かりませんよ。この言葉を聞いた途端に、出るものも収まってしまう、そうした瞬間でもありました。
ということで、この下水道を始めとする汚水処理の在り方、今まさにレジリエンスを行っていくためには、集中型という従来の国是を、合併処理浄化槽、こうしたものを含める分散型に今こそ転換をしていくべきではないか、このように思うところでありますが、そうした意味で、今回、集中型から分散型へと転換をする、この下水道整備の在り方を抜本的に変えていく、この点について、是非お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
○上田大臣政務官 今後、管路の老朽化が進んでいくことが想定される中、地域の実情に応じ持続可能な形で汚水処理を進めるためには、下水道などの集合処理と浄化槽による個別処理を適切に組み合わせていくことが必要であると認識をしております。
また、今後の人口減少等も見据え、静岡県南伊豆町や富山県富山市のように、下水道が既に整備されている区域を廃止縮小して浄化槽に転換する意向を持つ地方公共団体もあると承知をしております。
このようなことから、今回の法案では、下水道が既に整備されている区域を廃止縮小する場合の手続を明確化する内容を盛り込み、集約型と分散型のベストミックスによる汚水処理へと抜本的な転換を図ることとしております。
国土交通省としては、人口減少の時代に合った持続可能な汚水処理システムの構築に向けて、関係省庁と連携しながら、地方公共団体の取組をしっかりと支援してまいります。
以上でございます。
○飯泉委員 今の御答弁にもありましたように、本当に大きな一大転換が今なされようとしているところであります。
そこで、分散型、個別対策となるその主軸である合併処理浄化槽、我々は、この合併処理浄化槽は大変災害には強い、こうした印象を先ほどの東日本大震災発災のときに宮城県庁で実感をさせられたところでありますが、この合併処理浄化槽が災害に対して強い、こうした概念について、所管をされている環境省、また、是非、今回は下水道法の改正ということがありますので、国土交通省の皆様方からもそのお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
○上田大臣政務官 合併処理浄化槽は、災害によって、被害が生じた場合であっても、復旧工事に着手することができれば、早期に復旧させることが可能であり、そういった意味では、災害に対して強いという側面もあると考えております。
一方で、一昨年の能登半島地震においては、浄化槽の復旧工事を実施するための施工能力の確保にも課題があったと認識をしております。
このため、国土交通省では、災害が発生した場合であっても、汚水処理システム全体の機能が早期に回復できるよう、平時から環境省とも連携しながら取組を進めているところです。
国土交通省としては、災害が発生した際にも、迅速に、復旧工事を実施するための施工能力を確保できるよう、引き続き、民間事業者の団体も含めた協力体制の確立などにしっかりと取り組んでまいります。
以上でございます。
○飯泉委員 環境省の皆さん、いかがでしょうか。お願いしております。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
今、国土交通政務官の方から御答弁申し上げたとおりでございますが、環境省といたしましても、国土交通省と連携いたしまして、災害に強い浄化槽の整備をしっかり図ってまいりたいと考えているところでございます。
○飯泉委員 皆様方も今お聞きをいただいたと思いますが、合併処理浄化槽がいかに災害のときに強いのか。ただ、課題もある。技術者の問題が指摘なされたところであります。
実は、東日本大震災発災で、宮城県庁から戻ってまいりまして、直ちに一つの施策を進めてまいりました。それは何か。今も答弁にありましたように、日頃から、これがキーワードとなります。
つまり、避難所となるのは小中学校、場合によっては高等学校、そして、体育館、教室を活用するわけであります。しかし、日頃からそうした施設を使い慣れていないと、避難民の皆様方を適切に誘導することができない、また避難民の皆さん方が快適にそこで暮らすことが難しい。このようになります。
そこで、日頃から使い慣れるためには、学生あるいは生徒の皆さん方の利便性、これが一番なんですね。ということで、校庭に合併処理浄化槽、これを多く整備をし、平時におきましては、グラウンドでクラブ活動をしている皆さん方がわざわざ教室、体育館まで行ってトイレを使う、そうしたことのないような利便性を、そして、いざ発災となった場合には、たくさんの仮設のお手洗いを持ってくる、これも必要にはなるわけでありますが、この合併処理浄化槽を活用することができる。こうした体制を全県下で徳島の場合には進めさせていただいたところでありますので、一つ御紹介をさせていただきました。
そして、いよいよ、今回、下水道区域の見直しという画期的な制度が今スタートを切ろうとしているところであります。
しかし、この転換をするに当たって、多くの課題はあるわけであります。例えば、下水道区域から合併処理浄化槽区域に転換をする。じゃ、それまで残っていた下水管、これはどのようにしていくのか。この撤去、こうした点が大変重要になるわけであり、日本ではなかなか、物を壊す、あるいは撤去をする、こうしたものについて補助金がつきづらい、こうした歴史がありました。
是非、下水の管渠の撤去に対して、手厚い支援措置を、またさらには、集落排水を含めとするいわゆる集合処理、こうした点につきまして、合併処理浄化槽へ転換をしていく、このインセンティブとなる有利な様々な財政支援制度、こうしたものをこの機会にしっかりと創設をすべきだ、このように考えるところでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
○石井政府参考人 お答えします。
人口減少区域において、下水道から浄化槽への見直しを進めるため、環境省とも連携し、必要な措置を講じております。
国土交通省では、令和七年度に、浄化槽への転換が下水道の更新よりも合理的な場合に、下水道の撤去費用を補助率二分の一で支援する制度を創設したところでございます。
○飯泉委員 是非、今お話のあった点について、PRも大切となりますので、広報をしっかりとしていただく。
そして、先ほど我が党の鈴木委員からもお話がありましたように、確かに補助率が十分の十というのはなかなか難しいところでありますので、合わせた地財措置、これは、私もかつて、まだ自治省の時代でありましたが、公営企業の経営企画官ということで、下水道の整備、財政支援措置、特に地財制度、ここのところについて制度構築をしてきた、そうした経験もございますので、総務省ともしっかりと連携を図っていただきたいと思います。
そして、いよいよ、最後に、今度は大臣に直接お聞きをいたしたいと思います。
これまで大臣もやり取りをお聞きをいただきまして、いかに今回の下水道区域の見直しが画期的なものであるのか、この点については御理解が十分いただけているのではないか、このように思うところであります。
しかし、長らく、下水道の普及率、これが国の指定統計的に公表されてきた。そして、これがまさに、国民の皆さん方の豊かな生活を守るんだ、こうした概念も植え付けられてきたところであります。今こそ、これを転換をするパラダイムシフト、こちらを高らかに宣言をしていく必要があるのではないか。特に、下水処理、下水が中心であるいわゆる集中型から、合併処理浄化槽を中核とし、いざ発災となった場合にも、レジリエンス、持続可能なものであり、そして、しっかりと対応のできる分散型へ、こうしたパラダイムシフトを今こそ金子大臣から全国へ発信をしていただきたい。パラダイムシフト宣言を是非お願いをいたしたいと思います。
そして、これに併せ、ここはもう一つ金子大臣にお願いでありますが、是非、これは、将来、日本の汚水処理、その方法が大きく変わった転換点、これはいつだったのか、こうしたものを検証する、こうした機会が出てくるんだと思います。そのときに検証しやすくするためにも、大臣からの宣言、これはもとよりのことでありますが、是非、高市総理に、今回大きく日本は変わっていくんだ、そして、レジリエンス、大規模災害にも強い、そして持続可能な、こうした汚水処理体系に変わっていくんだ、こうした点を、総理にもパラダイムシフト宣言をしていただきたい、ここをお願いをしたいなと思いますので、大臣から何とか総理へつないでいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○金子国務大臣 飯泉委員には、私が総務大臣時代、全国知事会長として、あのときはコロナ禍で大変な時期だったんですが、全国の知事をまとめていただいて、現場の声をお届けいただきました。
飯泉委員におかれましては、自治省に入られて、本当に地方行財政のスペシャリストとして、全国様々な、大中小あるような自治体に対して支援をしていただきました。本当に、そういう意味では、知事もされて、普及率としては徳島県は非常に低いであったので、その分御苦労されているんだろうと思います。
それも踏まえて、施設の老朽化が進行する中、埼玉県八潮市の道路陥没事故と同様の事故を二度と起こしてはならないとの強い決意の下、本法案を提出をし、信頼される下水道マネジメントへの戦略的転換を図ることとしております。
一方、現場の自治体では、人口減少の下で、施設の老朽化に伴う維持管理や更新の費用の増大が見込まれる中、現在のストック量を抱えたままでは、近い将来、下水道全体の事業運営に限界が生じることを懸念をしております。
このため、国土交通省としては、本法案を通じて、下水道事業の運営基盤の強化のため、下水道から浄化槽への転換を含めた集合処理と個別処理のベストミックスを進めることとしております。
今、飯泉委員から、高らかにアピールしろということでございます。私自身も余りそういう派手なことが得意な者ではありませんが、これは実際問題として、下水道マネジメントの戦略的な転換でございます。御指摘もございましたとおり、パラダイムシフトであり、本法案を成立いただいた暁には、このことを全国にしっかりとアピールしてまいりたいと思いますし、高市総理には、高市総理がそのことを宣言されるかどうかは別にして、今日飯泉委員からそのような大きな転換期であるということの御指摘があったことはしっかりと伝えさせていただきたいと思います。
以上です。
○冨樫委員長 飯泉委員、申合せの時間が来ていますので、御協力をお願いします。
○飯泉委員 どうもありがとうございました。
是非、金子大臣、そして高市総理、私、三人は共通点があります。つまり、義務教育同級生でありますので、どうぞよろしくお願いします。
どうもありがとうございました。
○冨樫委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○冨樫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。吉川里奈君。
○吉川委員 参政党の吉川里奈です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
まず冒頭、昨年の一月、埼玉県八潮市で発生した道路の陥没事故によりお亡くなりになられたトラック運転手の方に対して心から哀悼の意を表します。また、今なお復旧に向けた対応が続く中、生活、交通、そして地域経済に大きな影響を受けられていらっしゃる周辺住民の皆様、関係事業者の皆様に改めてお見舞いを申し上げます。
今回の下水道法等改正案は、老朽化した下水道インフラへの対応を強化し、点検、調査体制を充実させ、同様の事故を未然に防ぐことを目的とするものというふうに承知をしています。こうした老朽化対策を強化し国民の命と暮らしに直結する事故を防ぐ必要性に対しては、我が党としても強く認識をいたしております。
一方で、下水道の安全は、点検を強化するだけでは守れません。必要な人材、財源、技術、資材、そして非常時に動ける体制があって初めて実効性のある安全対策となります。
本日は、本法案が本当に国がしっかりと責任を持って下水道の安全を守る体制整備につながるのか、また、ウォーターPPPの実質的な導入促進や国費支援の要件化が自治体の制度選択や公共側の実行能力にどのような影響を与えるのか、こういった観点から質問をしてまいります。
まず、八潮市の事故を受けた緊急対策について伺います。
先日、十八日、埼玉県八潮市における老朽化した下水道管に起因する道路陥没事故の現場というところへ視察に皆様とともに行かせていただきました。今回の事故が周辺住民の皆様の生活に非常に大きな影響を及ぼしているということを改めて実感した次第でありますが、今回の事故を受けて、全国の古くて大きな五千三百三十二キロの管路のうち七百四十八キロが要対策というふうに判定され、そのうち二百一キロは緊急性が高いとして、山梨県を除く四十六の都道府県が管理する二百八十の自治体に一年以内の対策を求めるものというふうに承知をしております。
国が自治体に一年以内の対策を求める以上、期限を示すだけでは足りません。昨今の中東情勢による原油、ナフサ価格の上昇やポリエチレン管など、価格高騰、供給不安というものが緊急対策の遅れにつながることがあってはならないと考えます。下水道の緊急対策に対して、政府は石油由来の資材の供給、価格動向をどのように把握し、そして交付金の追加配分であったり補正予算、人材確保の支援を含めてどのような支援をお考えになられているのか、お示しください。
○上田大臣政務官 全国特別重点調査で緊急度1と判定された管路については、第一次国土強靱化実施中期計画に基づき、令和七年度補正予算及び令和八年度予算において全ての更新事業を補助対象とするなど、制度の拡充を行うとともに、これに必要な予算も確保したところであります。
御指摘いただきました資材不足や価格高騰の状況については、関係団体等を通じた聞き取りや、ホームページに相談窓口を設け、供給制限や価格高騰の状況把握を行うことにより、目詰まりの解消に努めるとともに、地方公共団体に対して適正な請負代金や工期の設定を行うよう要請しているところです。
国土交通省としては、地方公共団体の方々が重点調査の結果に基づいて更新等の対策を確実に実施できるよう、引き続き、こうした取組を通じ、しっかりと支援をしてまいります。
以上です。
○吉川委員 ありがとうございます。
ですが、中東の情勢が起きているというところに対しての手当てというのは、やはり目詰まりの解消というところが大きなお言葉として何度もお聞きしているところになっているかというふうに私は認識をしております。
しかしながら、十七日付の西日本新聞では、福岡県の飯塚市において、ナフサ由来の水道管の価格高騰を背景に、水道管更新の工事の入札が取りやめられたというふうに報じられておりました。資材高騰による供給不安というのは、既に自治体の水道管の工事に対して影響を及ぼし始めています。
ポリエチレン管を始めとする石油由来の資材だけでなく、接着剤やシーリング材、防水シートなど、工事に不可欠な部材の不足、価格高騰というのも、これは下水道のみならず、上水道、道路、公共施設など、生活インフラ全体に対して影響を及ぼし得ると考えます。
今回、下水道に関しては、国が自治体に早期対策を求める以上、自治体任せにするのではなく、こういった自治体への支援、そして必要に応じた事業者の皆さんへの直接的な支援も含めて、しっかりとした財政措置というものを強く要望いたします。
次に、予防保全の実効性について伺います。
平成二十四年の笹子トンネルの天井板の崩落事故以降、国土交通行政においては、インフラ管理を、壊れてから直す事後保全から事故を未然に防ぐ予防保全へ転換する取組が進められてきたと承知をしております。
下水道に起因する道路の陥没事故というのは、大きなものから小さなものまで含めますと、年間で二千から三千件発生しているというふうにお聞きをしました。今回の八潮の事故でも、自治体による自主的な点検が行われておりましたが、調査映像が取得されなかった箇所について追加の調査が行われず、結果としてその部分が陥没箇所となったというふうに承知をしております。
ここで問われるべきは、点検を実施したということだけではなくて、確認できなかった場所について、それをそのまま残していいのか、映像が取得できなかった箇所、不鮮明で状態を把握できなかった箇所をどのようにリスク管理をするのか、これが予防保全の実効性そのものに関わる問題だというふうに思います。
そこで、大臣に伺います。
今回、点検が行われていながら映像未取得箇所への追加調査が行われず、結果としてその部分が陥没箇所になったことを予防保全の観点からどのように受け止めておられるのか、そして、今後、そういった部分に関して、政府として、再調査や別手法による確認を求めるなど、映像の未取得箇所、判定不能箇所の扱いをどのように明確化していくのか、伺います。
○金子国務大臣 お答え申し上げます。
その前に、中東情勢に関する物価高騰、あるいは資材の納期が遅れたりということにつきましては、昨日、第八回目の政府による中東情勢に関する関係閣僚会議を開きました。そして、経産省から、いろいろな、流通等々のお話もいただきました。それを受けて、昨日、国土交通省の幹部役員会議がありまして、しっかり業界からお話を聞くとともに、こちらから積極的に、全国の地方整備局あるいは地方運輸局を通じまして、現場の声をしっかり聞きなさいということで指示をしたところであります。
高騰対策については、スライド条項というのがございまして、価格が高騰した場合は、それに応じて、直近の実勢価格に基づいて契約変更もできるということになっておりますので、そういったことも含めて、現場に御迷惑がかからないように、しっかり頑張っていきたいというふうに考えております。
八潮市の道路陥没事故については、事故の三年前に埼玉県により点検がなされておりましたが、結果として対策に至らなかった要因として、映像が不鮮明で明確な診断が困難な場合における対応が不明確であったことなどが、埼玉県が設置した原因究明委員会の最終報告書に挙げられております。
この報告書の内容も踏まえ、本法案においては、下水道管路の診断基準の法制化を盛り込んでおりますが、政省令で定める具体的な診断基準において、十分な点検ができないなど明確な診断が困難な場合の措置として、例えば、明確な診断を行えるよう様々な点検方法を試みること、巡視や地盤改良等の安全確保措置を実施することといった対策を下水道管理者に求めることとしております。
八潮市の事故を二度と起こしてはならないとの固い決意の下、こうした措置によりまして、強靱で持続可能な下水道の構築に取り組んでまいります。
○吉川委員 ありがとうございます。
先ほど大臣から、中東情勢に対する対策のところをお伺いしましたが、やはり、いろいろな制度があっても、中小よりも更に零細企業であったりとか、建築であれば一人親方の皆様だったりとか、そういった皆様は、そういった支援だったり措置があるということが分からないまま、どんどんどんどん苦しくなって倒産していくということもあるというふうにお伺いしておりますので、是非そういったところにも何らかの手当てをしていただければというふうに思います。
今そういった対策についての御説明もいただきましたが、もちろん、本法案では点検や維持管理の強化というものが進められるというふうに認識していますが、やはり、点検や診断等にDXの技術がどれだけ利用ができるようになったとしても、その技術の伝達等にも時間がかかってくる。
そして、下水道管のマンホール内での作業なんかについては、やはり、酸素の欠乏や有毒ガス、転落、急な増水など、重大な危険というものが伴います。
昨年、行田市での事故を受けても、国交省からは、安全対策の周知徹底が必要だというふうに、やってきましたというふうにおっしゃられておりましたが、残念ながら、昨日の報道で、福島県にて、マンホール内で作業されていた方がお二人、事故に遭われたというところがあって、やはり現場の安全確保というところに関してはまだ手だてができていない、事故を防ぐことができていないというのが現実ではないかというふうに考えます。
やはり、こういった下水道の予防保全というのは、診断をできないところをどうするのかだけではなくて、管を守るだけではなくて、現場で働いておられる人の命を守ることも必須でありますので、そういった部分に関しても、責任者たる自治体任せにせず、人材確保、安全対策について、国としてもしっかりと対策をしていただきたいというふうに考えます。
次に、海外における水道民営化の事例を踏まえ、ウォーターPPPについて伺います。
イギリスの上下水道事業者であるテムズウォーターについては、株主配当が優先され、必要な投資に十分な資金が回らなくなったことに加え、不適切な下水処理に伴う制裁金等も重なり、債務が膨らんだと指摘されています。
このイギリスの事例は民営化の事例であって、日本の制度とは異なるものの、民間が主体的に事業を担う中で、必要な投資に十分資金が回らなくなるリスクであったり、監督機関が存在してもモニタリングには限界があることを示しているのではないかというふうに考えます。まして小規模自治体においてウォーターPPPを導入した場合、自治体側が十分なモニタリング体制を確保できるのか、民営化ではないからといって、こうしたリスクが当然に回避されるとは言い切れないのではないかと考えます。
政府は諸外国と日本の制度が異なるとしておられますが、一方で、海外における水道民営化に関する失敗事例について、我が国のウォーターPPP制度設計に生かすために、分析、評価を行う必要性があると考えますが、いかがでしょうか。
○石井政府参考人 お答えします。
自治体が水の官民連携を導入する場合であっても、料金や使用料は自治体が議会の議決を経て条例で定めることに変わりはなく、施設の所有権も含め、事業運営の最終責任は自治体にあります。
また、自治体は、法令や契約に基づき民間事業者が適正かつ確実に事業を実施しているか、受託者の経営状況も含め定期的にモニタリングするとともに、その結果、契約上の要求水準に達していないなど事業の実施状況が適切でない場合においては、民間事業者に対して改善の指示などを行うことが可能です。
国土交通省は、小規模自治体においても事業が適正に履行されるよう、ガイドラインにおいて、モニタリングの考え方や方法などを示すとともに、自治体のモニタリング体制を補完するため、必要に応じて有識者委員会や日本下水道事業団を始めとする第三者機関の活用についても記載をしております。
国土交通省としては、御懸念のようなリスクが生じないよう、以上のような措置を講じておりまして、水の官民連携が適正かつ確実に実施されるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○吉川委員 私の質問は、海外事例をどのように分析しているのか、評価しているのかというところに対しての御回答はなかったわけなんですね。すなわち、やはりそういったところは、我が国とは制度が違うから見ていないというふうに私は捉えております。ですが、やはり、民営化について失敗している事例というものが海外には多数ございますので、そういった部分について国交省としてもしっかり分析、評価していただくことを要望いたします。
次に、人材確保と技術の継承について伺います。
ウォーターPPPのうち、管理・更新一体マネジメント方式、いわゆるレベル3・5は、原則十年間の長期契約を要件とするものであります。また、コンセッション、いわゆるレベル4では、実績ベースで十年から二十年の契約期間が示されており、これは、単年度や数年単位の委託とは異なり、人材育成、技術継承、現場のノウハウの保持に対して、責任者たる自治体に大きな影響を与え得る期間かというふうに考えます。
一度導入され、維持管理や更新判断に民間事業者が深く関わるようになった場合、自治体側が同じ役割を再び担おうとしても、そういったノウハウであったり執行体制を維持できるのかという懸念がございます。単に公務員の数が減少をして事業を担えないから民間へという発想では、公共インフラを守る力そのものが弱くなりかねません。最終責任が自治体に残るのであれば、自治体側には、事業者を監督する力、データを読み解く力、そして更新の優先順位を判断する力、災害時に動ける力等々が必要となってくるかと考えます。
官民連携の活用による業務の外部化と地方公共団体における技術職員の確保、育成との役割分担について、政府はどのように整理をしているのか、お示しください。
○石井政府参考人 お答えします。
上下水道事業において最終的な責任を負う自治体が将来にわたって事業を適切に行うためには、持続可能な執行体制の確保や職員の技術継承を着実に行っていくことが重要と認識しています。
先行事例として、例えば山口県宇部市においては、市内の複数の処理場を民間に委託する処理場と市の職員が直接管理する処理場に分け、相互に補完しつつ事業を運営するなど、技術継承のための工夫がなされております。
また、既に多くの中小自治体においては極めて少ない職員での事業運営を余儀なくされ、さらには技術職員がいない自治体も少なくない状況の中、水の官民連携の導入により、民間の専門人材から自治体職員へのノウハウや専門知識の伝授も期待できます。
国土交通省としては、水の官民連携において、官民が適切な役割分担の下で相互に業務を補完することで、自治体職員の知見やノウハウの蓄積が図られるとともに、持続可能な執行体制の構築につながるよう取り組んでまいります。
○吉川委員 ありがとうございます。
やはり、民間事業者に期待をするというところではなくて、自治体それぞれがしっかりと担っていけるように国として手だてをどうしていくのかといったところにも考えを至らせていただきたいというふうに考えます。最終責任者が管理者に残るのであればなおさら、その責任者たる自治体が責任をどれだけ果たせるのかという力を持続可能にしなければならないと考えます。ですので、やはり、実質的に公共インフラをどう守っていくのか、民間事業者なしには守れないというところは、本当にそれでいいのかというふうに考えます。
先ほど御説明にもありましたが、日本では下水道の使用料は条例で定められており、議会の関与なしに料金改定が行われるものではありませんが、これは、法律上の仕組みがあることと実態として自治体や議会が十分に統制できるかというのは同じではないと思うんですね。これは、長期契約の下で受託事業者が限られている、代替事業者が見つからない状況になってしまえば、自治体や議会が、物価高騰等を踏まえた上で、料金を上げなければもう事業を撤退しますと言われたら、撤退されるわけにはいかないので、実質的にノーと言うことはできなくなるということが十分に想定できるのではないかというふうに考えます。
そういったことを考えると、やはり、海外の水道民営化では、必要投資の先送り、料金負担の増加、公共側の技術やノウハウの喪失、住民や議会による監視力の低下、モニタリングの限界というところも指摘をされておりますので、やはり責任者は自治体であって、民営化ではないというふうな御認識だというふうに思いますが、そうではなくて、やはり公共側の実行能力をどう守るのか、そして制度として明確にしていただきたいというふうに思います。
ですので、先ほども申しましたが、繰り返しになりますが、海外事例についてもしっかり分析、評価、必要な措置を強く願います。
次に、ウォーターPPPの交付要件の経緯決定について伺います。
下水道については、汚水管の改築に係る国費支援に関して、緊急輸送道路の下に埋設されている管路の耐震化を除き、令和九年度以降は、ウォーターPPP導入を決定済みであることを要件化するというふうにされています。八潮市の事故を踏まえても、今後、老朽化した下水道管の計画的な改築を進めていく必要性があることは明らかだと考えますが、こういった交付要件は、誰が、どの会議体で、どのような議論や判断を経て決定したのか、お示しください。
○石井政府参考人 お答えします。
下水道における水の官民連携の推進については、令和五年三月から五月にかけて、内閣府のPFI推進委員会及び同委員会に設置された部会において、水の官民連携の枠組みや汚水管の改築に係る国費支援の要件化について議題にされました。
最終的には、閣僚で構成される民間資金等活用事業推進会議において、PPP/PFI推進アクションプラン令和五年改定版が決定され、先ほどお話にありました「汚水管の改築に係る国費支援に関して、緊急輸送道路等の下に埋設されている汚水管の耐震化を除き、ウォーターPPP導入を決定済みであることを令和九年度以降に要件化する。」ことが決定されたところであります。
○吉川委員 つまり、これは八潮市の事故が起きる前に進められてきた官民連携推進の方針であるかと考えます。
この事故を受けて、まず必要なのは、危険な管路を確実に点検し、修繕し、そして改築するための財源、そして人材を確保することが必要かというふうに考えますが、国土交通省の下水道分野におけるウォーターPPPガイドラインやPPP/PFI推進アクションプランでは、令和九年度以降、汚水管の改築に係る公費支援について、ウォーターPPP導入を交付要件化する方向性が示されておりますが、これは導入しなければ今後どうなるのか、簡潔に教えてください。
○石井政府参考人 お答えいたします。
令和九年度以降、緊急輸送道路の下等に埋設されている下水管の耐震化等を除いて、汚水管改築の国費支援は、ウォーターPPPの導入を交付要件化しているということになっております。
○吉川委員 つまり、ウォーターPPPを導入しなければ、そういった国費支援が受けられなくなるということかと思うんですね。これは、実質的に、自治体の制度選択だけでなく、住民負担や地域間格差にも直結するのではないかと考えられます。
そもそも、下水道使用料の水準というのは、人口密度や地形の条件、施設設備の時期であったりとか、地域ごとの条件によって大きく異なり、使用料の水準が高い地域において、そもそも日本の中で非常に格差があって、北海道なんかは東京と比べると五倍ぐらい下水道料金が高いということがデータとしてあるわけですね。
こういう地域がもしウォーターPPPを導入していなくて、汚水管改築に係る国費支援が受けられなくなれば、そういった改築に対する費用も下水道を使用されている方々が負担しなければならなくなり、下水道料金が上がってしまう、地域間格差が一層拡大するおそれということが考えられます。
下水道の安全確保に不可欠な国費支援は地域の実情に応じた判断を支えるべきであり、重要インフラの安全、安心に直結する汚水管の改築の国費支援についてウォーターPPP導入決定済みを要件とすることは、制度上任意であっても、実態として、自治体の選択肢を狭め、住民負担の増加につながるおそれがないかと考えますが、いかがでしょうか。
○石井政府参考人 下水道法において、国は、地方自治体に対し、予算の範囲内において、下水道施設の設置又は改築に要する費用の一部を補助することができる規定となっております。
お尋ねの交付要件化につきましては、水の官民連携、いわゆるウォーターPPPを導入決定済みであることを政府として汚水管改築に係る国費支援の要件としたものであり、水の官民連携の導入を強制したものではございません。
○吉川委員 言葉の上では導入を要請するものではないということは承知しておりますが、実態として、ウォーターPPPを導入しなければ今後国費支援が受けられなくなるのではというふうに自治体の皆さんから非常に懸念の声が上がっておりますので、是非そこに対してしっかりと手当てをしていただきたいというふうに考えます。
下水道に限らず水道事業においても、人口減少による料金収入の減少、施設の老朽化、資材費や人件費の高騰によって、自治体の体力自体が大きく削られております。全国では水道料金の値上げに踏み切る自治体も相次いでおり、一方で、料金改定を先送りにして、人件費や修繕費を削ってきた結果、漏水対策や更新投資が十分にできず、近い将来限界を迎えるという自治体の声もあります。
今回の改正案では広域連携を進める枠組みも盛り込まれておりますが、ウォーターPPPは原則十年の長期契約を前提とする仕組みであって、十年の期間を経た上で、広域連携をするのか、事業統合するのか、共同発注、契約内容の見直しをするのかといったところを考えますと、非常に支障が生じるおそれというのがございます。点検強化を行っていく上で、今後どのように更新の需要が明らかになるのかというものも現時点では十分に見通せていないというふうに考えます。
こうした状況の中で、令和九年度以降、ウォーターPPP導入決定済みでないと国費の支援を受けられないということに対して、やはり自治体の契約管理能力、住民負担を考えると、これは見直すべきではないのかと考えますが、大臣の御見解を伺います。
○金子国務大臣 お答えいたします。
水の官民連携、いわゆるウォーターPPPは、施設の維持管理と改築を長期かつ一体的に進められるため、地方公共団体、民間双方にとって事務負担が軽減されます。加えて、老朽化対策の効果的な実施や、デジタル技術等の活用といった民間の創意工夫、専門人材のノウハウ活用による効率的な事業運営、民間企業の雇用創出にも寄与すると考えております。
委員お尋ねの水の官民連携を導入決定済みであることを交付要件とする時期については、水の官民連携の導入の決定までの準備におおむね三年程度の期間を要することが見込まれるため、この期間を考慮して、令和五年度のアクションプランで令和九年度以降とされたものであります。
一方、単一市町村ごとの小規模案件の乱立は非効率であり、事業の広域化を妨げてしまう可能性にも留意しなければならないといった課題も指摘されていると承知をしております。
このため、広域連携や国土強靱化の取組と整合を図りつつ、自治体の御意見なども丁寧に伺いながら、具体的な制度設計を検討してまいります。
○吉川委員 ありがとうございます。
そういった計画をしてから三年の猶予があったということでありますが、その期間にこういった大きな事故が起きて、更に診断であったりとか改修であったりとかそういったところをより早めなければならないという状況がございますので、是非、これで今急いでウォーターPPPを導入するといっても、自治体に体力がなければ契約先、受注してくれる会社がないという状況もありますし、じゃ広域連携をしてウォーターPPPを導入しましょうといっても、平成の大合併といったところで、やはりいろいろな自治体が一緒になるというのには非常に長い時間を要したという経緯がありますので、下水道に関わる広域連携というものも、なかなか自治体さん同士の兼ね合いもあってすぐにはできないものがあるというふうに考えます。
○冨樫委員長 約束の時間となっています。まとめてください。
○吉川委員 ですので、その部分を考えた上でも、しっかりと国費の措置について、小規模自治体についてもしていただけるようにお願い申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、須田英太郎君。
○須田委員 皆様こんにちは、チームみらいの須田英太郎です。
本日は、下水道法等の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
この法案審議の準備が進んでいる最中、ついさきおとといですね、五月十九日、福島市で下水道管理の点検の作業を行っていたお二人の作業員の方がマンホール内で意識不明となられました。お一人は翌日の午前十時に亡くなられ、もうお一方は今なお重篤な状態にあると伺っております。
亡くなられた方の御遺族に心からお悔やみを申し上げますとともに、重篤な状態にあるもうお一方の一日も早い御回復を心よりお祈り申し上げます。
下水道管路の劣化は市民の命や日常生活に大きな影響を及ぼします。そして、地下のインフラを守る点検作業もまた危険を伴う仕事です。日々の暮らしを支える下水道が地下での厳しい現場仕事に支えられていることを私たちは改めて認識する必要がございます。
こうした事故の防止に向けたテクノロジーの社会実装は、既に日本で進み始めております。下水道管路を自動で走行して点検するロボット、AIによる管渠の異常判定、データ蓄積による陥没リスクの予測、これらの技術が現場で活用されれば、福島や八潮の事故のような事態の未然の防止に大きく資するものだと考えております。
本法案は、下水道インフラの安全性の確保のための非常に重要な改正です。一方で、運用次第では、技術実装を十分に促すことができない、あるいは自治体や事業者の事務負担が増しかねない、そういった懸念もございます。
そこで、本日は四点、本法案の運用面で実効性を高めるためにお伺いいたします。
まず、下水道事業を現場で支える点検技術の開発支援とデータの利活用についてお伺いいたします。
皆さん御存じでしょうか。つい先月、高等専門学校、高専の学生たちによる日本最大のAIディープラーニングのコンテスト、DCON二〇二六というものが開かれました。優勝したのは豊田高専のチームで、下水道管路を自動で走行する点検ロボット、こういった内容でございました。高専の学生さんたちも問題意識を持って取り組んでくれています。
また、民間でも、AI画像認識による下水道管渠の異常判定システムなど、技術の蓄積は既に始まっています。課題は、これらの技術が現場の自治体や事業者で実際に活用できるのか、こういったポイントだと考えています。
しかし、現場のお話をお伺いいたしますと、ドローン等の先進技術の費用、この積算の基準が未整備で、自治体が発注時に費用を見積もりにくいんだよねというようなお声、交付金の加点もないから先進技術の活用をしたいけれども難しいんだよね、そういった御意見をお伺いしております。
ドローンや自動走行点検ロボのような技術が普及していけば、人が立ち入らずに済む箇所が増えて、作業員の安全確保にもつながる。加えて、下水道の維持管理で蓄積されていく点検データ、これを分析することで、緊急清掃を計画清掃に変えていくであるとか、管路の陥没リスクを予測したりですとか、次の意思決定に生かせる可能性があります。こういったデータ利活用の領域、研究開発、利用促進の支援は非常に重要だと考えております。
そこで、大臣にお伺いいたします。
これまでの質疑の中でも技術開発について質疑と答弁がございましたけれども、この技術と開発、そして普及を進めていくためには、一つ、まずベンチャー企業を含む共同実証の場を国としてつくっていくこと、二つ、管理者が発注しやすいように費用の積算基準を整備していくこと、三つ、先進技術を導入する自治体への交付金の加点、四つ、標準仕様の策定と伴走の支援、これら四つの支援、施策を連動させていくことが重要だと考えております。
この技術開発利用促進のための支援について、大臣の御見解と決意をお聞かせください。
○金子国務大臣 まさしく非常にそのことは必要だと思っております。
今後の下水道管路の点検につきましては、熟練職員の減少や管路内の過酷な環境等を踏まえ、ドローン等の先端的な技術が広く活用されるよう、技術開発から実装までの一連のプロセスを積極的に支援することが重要だと考えております。
私も、昔、狭い管路を見たこともありますし、昔からそういう、自走式の点検の機械も見たことがありますし、今、それにドローンとかいろいろなAI技術を使って、日々、日進月歩、その技術は進んでいると思います。
委員御指摘のとおり、民間企業等と連携した技術実証、点検における先端的な技術の活用を標準とした仕様書や積算基準などの整備、自治体に対する先端的な技術の情報発信の充実、先端的な技術を活用した管路の点検に対する防災・安全交付金等による支援などを総合的に取り組んでいるところでございます。
加えて、先ほども申し上げましたが、点検結果や水質等のデータを蓄積し、陥没リスクをAI等で予測する技術の実証や研究開発を行っており、今後ともベンチャーを含む民間企業等と連携して、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○須田委員 大臣、ありがとうございます。
ベンチャーを含む民間企業と積極的に連携しながら、研究開発、技術革新を進めていただけるとのこと、ありがとうございます。国交省がリードして是非早急に進めていただけますと幸いです。
次に、本法案で新たに義務づけられる維持管理状況の公表についてお伺いいたします。
本法案は、下水道管理者に対して、診断結果等の維持管理状況の公表を新たに義務づけるものです。住民への情報提供や老朽化対策への市民理解の醸成のためには、非常に重要な改正だと評価しております。
一方で、この公表の形式が自治体ごとにばらばらとなると、横断的な比較や市民による監視、これが機能しづらくなるおそれがあります。住民の皆さんから見ても、自分の家の前の管はどうなっているんだ、結局よく分からないということにもなりかねません。
位置に関するデータを総合的に管理できる地理情報システム、GISという技術がございます。防災のハザードマップ等にも用いられているこの技術を、下水道分野にも積極的に活用していくことが必要です。既に、一部の先進自治体では、このGISのデータベースとして、施設の情報や健全度、点検の履歴、こういったものを地図上で一体的に管理する仕組みの導入が進んでいます。
これを活用すれば、住民の皆様にも御自身の家の前の管の状況を地図上で確認いただけるようになります。自治体にとっても、単なる公表のためだけではなくて、日常の維持管理や災害の対応、国への報告と、業務基盤として広く使い回せる資産になる、そのように考えております。
既に、下水道情報デジタル化支援事業の下、このGISのデータベース導入に二分の一の補助も用意されていると承知しております。本法案で維持管理状況の公表を管理者に義務づけるのであれば、本当に実効性のあるものにしていくためには、この公表の際、GISのデータベースを活用すること、これを国として明確に推奨していくべきだと考えます。
大臣、このGISデータベースを使って公表していくことが望ましい旨を政省令やガイドラインで明示していくこと、これが非常に重要だと考えているんですけれども、実施していただけないでしょうか。御答弁お願いいたします。
○金子国務大臣 須田委員の専門的というか、これまでの経験に基づいた御提言、ありがとうございます。
下水道管路の維持管理情報の公表のルールにつきましては、国のガイドラインにおきまして、管路の位置情報や診断結果、その対策の実施時期などの事項を定めるとともに、GISデータベースの活用が望ましい旨も盛り込むこととしております。
GISを活用したデータベースシステムの普及促進に向けては、導入に対する財政的な支援、システムの標準仕様の制定、中小自治体向けのシステムの提供などに取り組んでいるところでございます。
国土交通省としては、今後、これら取組の自治体に対する周知徹底を図るなど、適切な点検や老朽化対策への住民の御理解を得るために、必要な取組を進めてまいります。
○須田委員 大臣、ありがとうございます。
今御答弁いただきましたように、このガイドラインにGISが重要であることを盛り込んでいただけるとのこと、ありがとうございます。お約束いただきました。自治体の皆様への支援と併せて早期に進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続いて、三つ目に、道路占用の許可手続のデジタル化と3D化への接続についてお伺いいたします。
昨年の一月にありました八潮市の道路陥没事故では、地下の埋設物の立体的な位置関係が把握できていなかったことで、その後の救助活動の初動が遅れたという報告を受けております。
本法案では、地下埋設物の竣工図等の提出を新たに義務づけるものであり、この課題への対処として重要な改正であると認識しております。
一方で、現行の占用許可手続は、道路管理者ごとに書式が異なるなど、占用者と道路管理者の双方に既に事務負担が発生しております。事業者の方からは、申請の書式が道路管理者ごとに異なっていて書類作成の事務負担が重いというような声ですとか、自治体や都道府県をまたぐときは事業者は更に対応が大変なんだよ、そういったお声をいただいております。
本法案による竣工図の提出の義務化が現場のこうした負担を更に重くしないように、デジタル化の仕組みも併せて早期に整えていくことが重要だと考えております。
こうした中で、国土交通省の道路局で道路占用関連システムを開発しておられて、そのうち竣工図等の管理を行うシステムも、本年のうちに運用を開始すると伺っております。本法案で義務化される竣工図等の提出もそのシステムを使っていく方針ではないかなと思っておるのですが、全国の道路管理者への利用の展開にはまだ時間がかかるというふうにもお伺いしております。
そこで、政府にお伺いします。
占用許可手続の電子化について、全国の道路管理者への利用展開を現時点でどのようなロードマップで想定しておられるのか、そして早期実現に向けてどのような具体的な取組を行っておられるのか、お聞かせください。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねのありました道路占用関連システムについては、各占用物件を一元的に管理するとともに、占用許可手続のオンライン化や各道路工事の調整を可能とすることができるシステムであり、本年四月より順次稼働を始めているところでございます。
本システムの全国展開のロードマップにつきましては、今回の法改正によって提出が義務づけられる新設の地下埋設物件のみならず、既設の地下埋設物件の位置情報についても把握していく必要があることを踏まえつつ、効果的かつ効率的に当該システムへの参加を呼びかけていくべく検討をしております。
このため、まずは、道路陥没事故が発生した場合の社会的影響度等を勘案して、全国の緊急輸送道路や重要物流道路といった主要な幹線道路の地下に埋設されている占用物件や、今般の全国特別重点調査の対象となった下水道管の位置情報を重点的に把握すべく、これらに関係する道路管理者及び道路占用者に対して本システムへの参加を促し、順次そのデジタル化、統合化を推進していくことを考えております。
国土交通省としましては、道路管理者及び道路占用者に対し、本システムについて丁寧に説明して利用拡大を図り、占用物件の正確な位置の把握や地下空間情報のデジタル化、統合化を早期に進め、道路地下空間の安全性を確保してまいります。
○須田委員 御答弁ありがとうございます。
事業者の皆様や道路管理者の皆様は、非常に、申請と許可に関する手続に手間がかかっているというふうにお伺いしております。今お話しいただいたような管理システムの導入を早期に進めていただくことで、この手間を少しでも早く減らしていくことは非常に重要だと考えておりますので、早期の実現をよろしくお願いいたします。
今のに関連しまして、実はこれも、つい最近、おとといなんですけれども、三重県の四日市市がデジタルインフラ台帳というものを発表いたしました。JR四日市駅前の中央通りを対象に、上下水道やガス等の地下の埋設物の3Dモデルを整備して、各事業者の協議との上で、データの提供、そして閲覧の方法や更新の手順のガイドラインを定めたというようなものになっています。
地下空間のデータ、これは各自治体や道路管理者が把握をしているものですけれども、これが二次元の図面のみで管理されていると、八潮の事故で起きたような、複数の埋設物が複雑に交わる場所では、何がどこにあるのかというものが瞬時に把握するのが非常に難しい。これを、3Dデータが整備されていることで非常にスムーズになり、救助の初動もスムーズに始めることができる、こういったメリットがございます。
こういった地下空間の3Dデータの整備の重要性に関する政府の御認識、そして、本法案で提出が義務化される竣工図がいかに3Dデータとして整備、活用されていくのかについて、政府の御認識をお聞かせください。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の日建設計と三重県四日市市が本年五月二十日に発表しましたデジタルインフラ台帳の活用については、埋設物の維持管理や工事計画の作成業務などを効率化できる事例として公表されているということは承知してございます。
今回の法改正によりまして道路占用者から提出される竣工図データについては、各占用物件の位置情報を一元的に管理し、適切な占用物件の管理につなげていくことは重要であるというふうに認識しております。
また、国土交通省では、現実の都市を仮想空間に再現した3D都市モデルの活用を通じて計画的なまちづくりを目指す、プロジェクトPLATEAUを推進しております。三次元都市モデルと道路地下に埋設されている占用物件に関する情報との連携、そういったものを通じまして、災害対応やまちづくりの推進にも資する重要な観点であるというふうに認識してございます。
今後、3D都市モデルにおける具体的なニーズなどを踏まえながら、地下物件等に係る保安上の観点にも留意しつつ、適切な連携の在り方について、関係者とともに慎重に検討を進めていきたいと思っております。
○須田委員 御答弁ありがとうございます。
今御紹介いただきましたプロジェクトPLATEAUも含めて、地下空間の3Dデータの整備というのも非常に重要だと考えております。関係者、関係各省との連携を、検討を進めていただけるとの御答弁でしたけれども、是非、災害時の応急対策の迅速化に資するような形で、早期の具体化をお願いいたします。
最後に四点目です。本法案で求められる収支の見通しの公表について、お伺いいたします。
本法案は、下水道管理者に対して、計画的改築の実施と収支の見通しの公表を求めております。一方で、その位置づけは努力義務にとどまっていると認識をしております。
人口減少が進む中で、自治体と住民の皆さんは、下水道の維持を続けるのか、あるいは、浄化槽を含めた別の方法への転換をやっていくのか、別の選択肢を検討するのか、こういった難しい判断を迫られております。
このような場面で住民が合理的に判断をしていくためには、長期的なコストの見通しの明確な提示が非常に重要であると考えております。下水道維持を続けた場合と浄化槽への転換を選んだ場合とで、長期的にはどちらがどれぐらいの負担になるんだろうか、この比較ができなければ住民は判断する材料を持てない、そういったことになってしまいます。
しかし、努力義務のままでは、公表しない自治体や粒度の不十分な公表をする自治体も出てくる可能性がございます。自治体の皆様の業務上の負担についてももちろん踏まえた方法を考える必要がございますけれども、住民の皆様の合理的な選択のために、こういった内容がきちんと公表されてくることは非常に重要であると考えております。
そこで、政府にお伺いいたします。
収支の見通しの公表について、義務化への格上げが現実的に難しいとしても、標準的なフォーマットを整備するなどして、実質的に義務化するような方向で検討に着手をするべきと考えております。収支見通し作成のIT化の支援や人手不足で困っておられる自治体の皆様への見える化ツールやダッシュボードのような形で国から支援をしていく、そういった内容も含めて、政府のお考えをお聞かせください。
○石井政府参考人 お答えします。
本法案に盛り込んでいる改築費用を含む収支見通しの作成、公表につきましては、事業基盤の強化や住民の御理解の醸成などの観点から、国のガイドライン等において、標準的な様式や作成手順について示すこととしております。
また、自治体において収支見通しが円滑に作成されるよう、財政シミュレーションのプログラムを作成して公開する予定でございます。
国土交通省としては、こうした取組を通じて、下水道事業に対する住民の納得感を高め、その在り方について主体的に判断できるような分かりやすい収支見通しの作成、公表を進めてまいります。
○須田委員 ありがとうございます。是非進めていただけますと幸いです。
本日お伺いいたしました技術開発支援とデータ利活用のお話、そして維持管理状況公表のGISの活用、データベース化、そして、道路占用関連システムを是非早期に全国展開していくこと、収支見通しの公表の実効性、いずれも本法案を現場で本当に機能するものにしていくためには非常に重要な論点だと考えております。
下水道といいますのは、私たちの命と暮らしを支えるインフラでございます。地下のインフラ、これは点検と維持管理を担う方々の働きによって守られております。八潮市の道路陥没事故や、三日前の福島市のマンホール作業員の事故、その重要性を改めて示す結果となりました。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げ、また重篤な状態にある作業員の方の一日も早い御回復を心からお祈り申し上げます。
本法案の運用に当たって、政府におかれましては、現場の声に丁寧に耳を傾けていただきながら、迅速かつ実効的な施策の展開をお願い申し上げ、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
下水道法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
法案は、二〇二五年一月に発生した埼玉県八潮市での道路陥没事故を契機に老朽化対策を強化しようという内容もありますが、技術職員の不足や地方自治体の財政難を理由に下水道の広域化を更に進めようという内容もあります。
下水道の広域化や共同化は、この法案が出る前から政府の方針として示されてまいりました。国土交通省は、総務省、農林水産省、環境省とともに、二〇一八年一月、全ての都道府県が二〇二二年度までに広域化・共同化計画を策定するよう事務連絡を出し、その後、全ての都道府県が期日どおりに計画を策定しています。
では、全都道府県が出したこの計画に基づく下水道の広域化は、その後、全ての都道府県で計画どおりに実施されているのでしょうか、伺います。
○石井政府参考人 お答えします。
今委員の方からお話がありましたとおり、平成二十九年度に、総務省、農林水産省、環境省とともに、都道府県に対して、広域化・共同化計画の策定を要請し、令和四年度末までに全ての都道府県において策定が完了しております。
これらの計画の内容は、施設の統廃合、し尿や汚泥の集約処理などのハードの取組が中心となっており、その具体的な進捗状況としては、令和三年度から令和六年度末までに、例えば二百九十五か所の施設の統廃合が実施済みとなっております。
○畑野委員 ある県では、公共下水道を流域下水道に接続したけれども、市町村に流域下水道使用料の新たな負担や接続に要した費用の回収などの問題が生じていると聞いております。また、別の県のある市では、住民から、上水道だけのときに比べて下水道に入ると二倍になる、高くて大変だという声も上がっているということです。
伺いますが、広域化によって、新たな経費も住民の使用料値上げにつながっているのではないですか。
○石井政府参考人 お答えします。
下水道について、例えば広域的な取組として、従来から流域下水道の制度がございます。この流域下水道につきましては、市街地が連担する地域において、市町村が別々に下水道を設置するよりも効率的な場合に設置されるものでございます。
また、人口減少等の進展により、コストの面などで有利となる場合は、広域化、共同化の取組の一環として、既存の公共下水道の流域下水道への編入が行われることもあります。
以上のような取組は、事業の効率化のために行われるものであることから、市町村の財政負担増や住民の使用料の増加につながる場合には行われないものと認識をしております。
○畑野委員 しかし、私は、現場の声をたくさん伺っております。全国的にも、水道、下水道使用料の値上げが相次いで発表されております。もう片手では足りないぐらいの自治体です。値上げの理由には、老朽化対策や資材の高騰などが挙げられております。
ある県では、五十年間でコスト削減が期待されるとうたう一方で、その県内のある市では、上下水道料金を引き上げる方針案を示している。一般家庭では、数百円から数千円程度増える見込みだということです。コストカットは五十年後の期待で、しかし住民の負担増は目の前に迫っているということですね。
金子恭之国土交通大臣にこの後伺いたいんですが、ある県では、公共下水道を流域下水道に接続する計画を立てたんだけれども、流域下水道に参加する自治体が想定より少なくて、この計画はほとんど頓挫しているということです。大容量の終末処理場を造ったが、活躍の場がないということです。また、別の県では、ある地域は浄化槽利用の希望が強くて、この地域は広域化のエリアから外されたということです。
国が音頭を取って、都道府県に広域化・共同化の計画を作らさせたのですが、地域の実態や要求とかけ離れた上からの押しつけではうまくいかないということではないかと思うのですが、いかがですか。
○金子国務大臣 お答えいたします。
現状の下水道事業の広域化・共同化計画は、処理場などの施設の統廃合、し尿や汚泥の集約処理などのハードを中心とした取組にとどまっているものが多いと認識をしております。
一方、小規模自治体では、職員不足等により単独での下水道事業の運営が困難になりつつあると認識をしておりまして、単にハード施設の共同化にとどまらず、人員や財源といった経営資源全体についても、広域的に連携をし、共同での運営を促進していくことが必要であります。加えて、小規模自治体のみでは、なかなか主体的に広域連携の取組をするノウハウ等が不足しているという問題もございます。
本法案では、このような問題意識の下、都道府県や大都市などが核となりまして、小規模自治体を含む複数の自治体が一体となって、下水道事業の基盤でございます人員、施設、財源といった経営資源を管理し運営する事業運営の一体化を推進する仕組みを新たに位置づけたところでございます。
○畑野委員 大臣、確認ですけれども、そうすると、やはり上からの押しつけではうまくいかないという御認識でよろしいですか。確認です。
○金子国務大臣 一応、国としてはそういう方針は出しますけれども、しっかりとやはり、現場の中で、国の方針に基づいていろいろ検討していただくということだと思います。
○畑野委員 広域化の理由の一つに、地方自治体の技術職員の減少が挙げられています。
全国の下水道の技術職員数は、約三十年前の一九九七年は約四万四千人、それが現在、約六割の二万七千人まで減少していると報告されて、大変な事態です。
それは、自然減少ではなく、政府が進めてきた定員管理という名の職員削減、自治体リストラが原因です。そこに有効な手だてを打たずに、広域化で乗り切ろうと。これでは、国の責任を住民に押しつけるものだと言わなくてはなりませんし、結局、広域化は住民の負担増によって支えられているということを私は指摘しておきたいと思います。
次に、法案の中に基盤強化というのがあります。この基盤強化には官民連携や広域化が含まれるのか、伺います。あわせて、官民連携にはウォーターPPPが含まれるか、伺います。
○石井政府参考人 お答えします。
本法案における基盤の強化は、老朽化の進行や人材の不足等の課題に対応し、将来にわたり強靱で持続可能な下水道を実現するため、下水道施設の確実な維持管理、改築、事業運営に必要な人材、体制の確保などを図ることでございます。
具体的には、広域連携や水の官民連携、いわゆるウォーターPPPなどの官民連携も含まれるものでございます。
○畑野委員 いや、重大なお話だと言わなくてはなりません。
というのは、当初、この法案の説明の際に、国土交通省は、この法案はウォーターPPPとは直接関係のない法案だと説明していたからです。しかし、法案の解釈で当然に出てくるものだったわけですね。上下水道の民営化のような極めて大きな論点を法案の内容としてまともに説明してこなかったというのは大問題だと指摘しておきたいと思います。
ウォーターPPPとは、老朽化した上下水道施設の維持管理、更新を、自治体と民間事業者が原則十年の長期的な契約により一体で運営する手法とされています。水道、下水道の民営化です。二〇二六年四月一日現在で全国で十九の自治体、下水道に限っても十六の自治体がウォーターPPPを採用しているといいます。
重大なことに、政府は、PPP/PFI推進アクションプランにより、汚水管の改築に係る国費支援は、緊急輸送道路等の下に埋設された汚水管の耐震化を除き、ウォーターPPP導入を決定済みであることを令和七年度以降に要件化すると言ってきたことです。自治体が水道や下水道の民営化を決定しなければ、来年度から汚水管の改築に関し、原則として国費支援はしないということです。
このように、国の交付金、補助金にウォーターPPP導入を要件とすれば、ウォーターPPPを導入しない自治体の老朽化した下水道施設の改築は進まなくなるのではありませんか。
○石井政府参考人 お答えします。
人口減少の下で、将来にわたり下水道事業の担い手や執行体制を確保し、老朽化した管路の改築を適切に進めていくためには、水の官民連携、いわゆるウォーターPPP、広域連携などの取組を進めることが必要でございます。
このため、水の官民連携の導入促進を図るべく、PPP/PFI推進アクションプラン令和五年改定版において、「汚水管の改築に係る国費支援に関して、緊急輸送道路等の下に埋設されている汚水管の耐震化を除き、ウォーターPPP導入を決定済みであることを令和九年度以降に要件化する。」ことが決定をされております。
本法案の趣旨を踏まえつつ、老朽化対策を含む国土強靱化の取組と整合を図り、自治体の御意見なども丁寧にお伺いしながら、具体的な制度設計を検討してまいります。
○畑野委員 質問にお答えになっていないんですよね。ウォーターPPPを導入しない自治体は、交付金、補助金の支援がなくなって、改築が進まなくなるのではないかと伺ったんですが、どうですか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
水の官民連携の導入は、地域の実情に応じて、地方公共団体の裁量によって判断をされるものでございまして、水の官民連携を導入しない地方公共団体が自らの財源により下水道事業の強靱化を実施することを妨げてはおりません。
○畑野委員 ひどい答弁ですよね。結局、国の支援がなければ改築を進められない自治体は、ウォーターPPPを導入せざるを得ない、誘導するということです。命と暮らしを守るインフラ整備に必要な国費の配分に水道、下水道の民営化を要件とすることは、命の水を守りたいと願う多くの国民の気持ちを踏みにじることだと厳しく批判しなくてはなりません。
金子大臣に伺います。ウォーターPPPについてです。
十年もの長期間、利益最優先の民間事業が上下水道の維持管理、更新に関わる。契約期間の十年が経過すれば、技術者不足の地方自治体では、上下水道の維持管理、更新の技術はますます民間会社頼みになり、自治体での技術の継承はますます困難になります。後戻りできない上下水道民営化への道がウォーターPPPです。ウォーターPPPを交付金、補助金の要件にすることは、下水道施設の安全、安心を盾にして民間企業にもうけ先を提供し、水の安全、安心を守る公的責任を後退させるものです。
命の水である水道、下水道の民営化反対の声は本当に大きいんです。下水道の改築に必要な交付金、補助金と絡めたウォーターPPPの押しつけはやめるべきではないかと思いますが、金子大臣、いかがですか。
○金子国務大臣 水の官民連携、いわゆるウォーターPPPについては、人口減少に伴い担い手の確保が課題である中、民間のノウハウや創意工夫を生かした官民連携によりまして、下水道事業を持続的に運営していくために必要な取組であると考えております。
このため、水の官民連携の導入促進を図るべく、政府のPPP/PFI推進アクションプランにおいて、令和九年度以降の汚水管の改築に係る国庫補助については、水の官民連携の導入を決定済みであることを交付要件とすることとされております。
また、広域連携を併せて進めていくことが重要でございますが、水の官民連携において、小規模案件が乱立することにより広域連携が妨げられることがないよう留意する必要があると考えております。
こうした点や法案の趣旨を踏まえつつ、国土強靱化や広域連携の取組と整合を図り、自治体の御意見なども丁寧に伺いながら、具体的な制度設計を検討してまいります。
○畑野委員 担い手も処遇がよければ来るわけです。広がったらますます仕事は大変になるという悪循環なんです。私は、今まで交付されていた交付金について、更に要件をつけて交付されなくなるような、こんなことは国の政策の押しつけ以外の何物でもないと厳しく批判をし、こういうやり方はやはり改めるべきだ、見直すべきだ、転換を図るべきだということを申し上げたいと思います。
国は、公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないというのは、憲法です。それに基づく施策への転換を強く求めて、質問を終わります。
○冨樫委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○冨樫委員長 これより討論に入ります。
討論の申出がありますので、順次これを許します。吉川里奈君。
○吉川委員 ただいま議題となりました下水道法等の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表し、反対の立場から討論を行います。
埼玉県八潮市における道路陥没事故が突きつけたのは、下水道という見えないインフラを誰がどの責任で守り抜くかという問題です。
公共下水道は市町村、流域下水道は都道府県が管理主体となる公共インフラであり、使用料も条例を通じて議会の関与の下に定められております。国が制度と財政で基盤を支え、自治体が地域の実情を踏まえて管理責任を果たすという、この公の責任の連携によってこそ下水道の安全は守られるべきです。
一方、政府は、令和九年度以降、汚水管改築への国費支援について、ウォーターPPP、すなわち上下水道の維持管理と更新を一体的に官民連携で進める方式の導入を決定していることを要件化する方針を示しています。法的義務ではなくとも、国費がなければ改築が困難な自治体にとっては実質的な導入圧力となりかねません。安全対策に必要な予算を特定の官民連携手法と結びつけるべきではありません。
参政党は、行き過ぎたグローバリズムと新自由主義の下で、国民の命と暮らしを支える基幹インフラを市場原理に委ねることに反対いたします。
水道、下水道は単なる収益事業ではなく、国民生活、医療、産業、災害を支える命の基盤です。民間企業の技術活用を否定するものではありませんが、設備工事、調査、専門技術の提供など限定的、補助的な分野にとどめるべきであり、中核的な運営、更新判断、データ管理、災害時の対応まで営利企業に委ねることには極めて慎重であるべきであると考えます。
また、契約終了時の引継ぎ、再委託先を含めた監督、不服申立てへの対応、データの帰属先についても、議会と住民に見える形で明確化しておく必要があり、特に、データやノウハウを行政側に確実に残す仕組みや情報を厳重に管理する体制整備が不可欠です。
さらに、地方自治体の現場では、既に人材不足や事業継承の課題が深刻化しております。
本来であれば、国が、積極財政の旗振りの下、技術職員の育成支援や広域的な技術支援対策を強化し、自治体がインフラ事業を安全かつ安定的に維持管理できる環境にしっかりと予算を投じるべきであります。制度導入を急ぐ前に、まず公共側の実施能力を支えることが先手であります。
必要なのは、自治体任せでも民営化でもなく、国が主体性と責任を持って下水道事業を支えるべきであり、水を国民の共有財産として守り、次世代に安心、安全、そして安定した形で引き継ぐことが必要です。
参政党は、国民の命と暮らしを支える命のインフラである水道事業は、行き過ぎた民営化を見直し、必要に応じて再公営化を進める立場である、このことを申し上げ、私の反対討論といたします。
○冨樫委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 私は、日本共産党を代表し、下水道法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
第一は、下水道の広域化、共同化路線を今後も継続するものだからです。
埼玉県八潮市の道路陥没事故は、下水道管路の口径を大きくすれば、破損したときの安全と住民生活への影響が甚大になるということを示しました。国が一九七〇年代以降主導してきた流域下水道を始めとする広域化、共同化が背景にあることは明らかです。
本法案は、下水道の広域化、共同化に反省がないばかりか、基本方針に「市町村の区域を超えた広域的な連携」を位置づけ、都道府県に広域連携推進計画策定の努力義務規定を創設するなど、一層の広域化を進めようとしています。
しかし、既に広域化を進めている地方自治体の実態を見ても、広域化は、市町村、住民の負担増を伴うものであり、下水道事業を更に困難にしかねません。
今求められることは、こうした下水道の広域化、共同化の路線を根本的に見直すことです。
第二は、下水道の改築費用を住民に押しつけるものだからです。
本法案は、下水道使用料の算定に「改築を実施するため将来において必要となる資金として積み立てるべき額」を追加します。これにより、下水道施設の改築費用を使用料値上げという形で住民負担にすることが制度上明確化されます。
今、住民は、イラン戦争による物価高騰に苦しんでいます。その上、下水道使用料が値上げされれば、住民生活は一層逼迫しかねません。下水道は、住民誰もが安い料金で使えるようにするべきであり、その改築費用は国が責任を持つべきです。独立採算性を理由とした住民への押しつけは許されません。
第三は、下水道の官民連携を進める法案だからです。
本法案は、基盤の強化として、水の官民連携、ウォーターPPP、すなわち下水道民営化を推進しようとしています。
ウォーターPPPは、原則十年間という長期間、特定の企業が業務を独占するとともに、民間事業者が設計や仕様を自由に決定できる性能発注を原則とするため、下水道に必要な設計や仕様が確保されない危険もあります。民営化を進めてきた欧州各国では様々な弊害が明らかになる下で再公営化に動いており、本法案は世界の流れに逆行するものと言わなければなりません。
地方自治体、住民からも厳しい批判の声が上がっており、ウォーターPPPの押しつけはやめるべきです。国は公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないという憲法に基づく施策への転換を求めます。
以上、反対討論を終わります。
○冨樫委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○冨樫委員長 これより採決に入ります。
内閣提出、下水道法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○冨樫委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○冨樫委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、加藤鮎子君外四名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及びチームみらいの五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者より趣旨の説明を求めます。臼木秀剛君。
○臼木委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。
下水道法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一 埼玉県八潮市における下水道管の破損に起因する道路陥没事故の教訓を踏まえ、予防保全の観点から施設管理については、点検、修繕及び改築並びに複線化の実施等の管路マネジメントが確実に実行されるよう、下水道事業を担う人材の確保及び育成を図るとともに、政策効果の検証を踏まえ、必要な技術的支援及び財政支援を拡充すること。
二 診断結果及びそれを受けて講じる対策に係る情報が住民に分かりやすく提供されるよう、データの活用と検証が可能な形式により、公表の方法及び内容の標準化を図ること。特に、診断保留箇所については、住民の安全・安心に資するよう、必要な対策が確実に講じられるよう支援を行うこと。
三 下水道事業の広域連携を進めるに当たって、広域連携に係る負担が特定の地方公共団体に偏在し、又は小規模な地方公共団体の広域連携への参画が困難とならないよう、支援及び必要な調整を積極的に講じるとともに、都道府県が牽引役としての役割を担えるよう、必要な連携及び支援を強化すること。また、地域の事情に鑑み、広域連携を行わない事業体に対しても、支援の効果及び必要性の検証を踏まえつつ、引き続き支援を行うこと。
四 安定した下水道経営の実現のため、適正な使用料の設定を推進するとともに、住民の負担増及び使用料格差の拡大に配慮し、人口密度や地理的条件等の地域の事情に鑑み、使用料の引上げのみを前提とするのではなく、データ分析と検証に基づき、持続可能な財政スキームを検討すること。
五 地域の実情に応じて下水道から浄化槽への転換を円滑に実施できるよう、排水区域の廃止の検討や移行後の維持管理に必要な技術的支援、人的支援及び財政支援を行うこと。
六 道路地下空間の安全性確保について、路面下空洞調査に対する財政支援を拡充すること。また、本法の対象とならない既存の地下施設についても位置情報の把握及び共有を積極的に推進することとし、その際、緊急輸送道路や主要幹線道路等の社会的影響の大きい道路の安全性を優先的に確保できるよう、調査方法の標準化等を図ること。さらに、道路地下空間に関する情報のデジタル化及び一元化を促進するため、技術的支援及び財政支援を行うこと。
七 事故発生時に下水道管理者が速やかに復旧等のための対応を講じられるよう、関係機関と速やかに協議体を設置できる仕組みの構築等の連携強化を推進すること。
八 下水道に起因する大規模な事故の対応に当たっては、当該下水道の改築工事に要する費用を支援するとともに、工事に伴う補償等に関わる費用についても財政支援を行うこと。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○冨樫委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○冨樫委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣金子恭之君。
○金子国務大臣 下水道法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。
今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。
誠にありがとうございました。
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○冨樫委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○冨樫委員長 次回は、来る二十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時二十二分散会

