衆議院

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第3号 令和6年12月18日(水曜日)

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令和六年十二月十八日(水曜日)

    午前八時三十分開議

 出席委員

   委員長 谷  公一君

   理事 上田 英俊君 理事 上川 陽子君

   理事 牧島かれん君 理事 神津たけし君

   理事 坂本祐之輔君 理事 森田 俊和君

   理事 東   徹君 理事 日野紗里亜君

      遠藤 利明君    大西 洋平君

      加藤 竜祥君    岸 信千世君

      草間  剛君    小池 正昭君

      小泉 龍司君    萩生田光一君

      宮下 一郎君    東  克哉君

      安藤じゅん子君    市來 伴子君

      中谷 一馬君    橋本 慧悟君

      福田 淳太君    福森和歌子君

      柚木 道義君    阿部 弘樹君

      斎藤アレックス君    仙田 晃宏君

      浮島 智子君    大森江里子君

      阪口 直人君    本村 伸子君

      吉良 州司君

    …………………………………

   国務大臣

   (デジタル大臣)

   (デジタル行財政改革担当)            平  将明君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)         三原じゅん子君

   国務大臣

   (地方創生担当)

   (新しい地方経済・生活環境創生担当)       伊東 良孝君

   デジタル副大臣      穂坂  泰君

   厚生労働副大臣      仁木 博文君

   デジタル大臣政務官    岸 信千世君

   文部科学大臣政務官    金城 泰邦君

   防衛大臣政務官      金子 容三君

   政府参考人

   (内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官)         岩間  浩君

   政府参考人

   (内閣府地方分権改革推進室長)          坂越 健一君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房長)            中村 英正君

   政府参考人

   (こども家庭庁成育局長) 藤原 朋子君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   楠  正憲君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   布施田英生君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 新田 一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 伯野 春彦君

   政府参考人

   (防衛装備庁プロジェクト管理部長)        嶺  康晴君

   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十八日

 辞任         補欠選任

  阿部  司君     阿部 弘樹君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 弘樹君     阿部  司君

    ―――――――――――――

十二月十七日

 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)

同月十六日

 国・自治体の責任を堅持・拡充し、保育・学童保育の基準・施策の抜本的改善と予算増額を求めることに関する請願(安藤じゅん子君紹介)(第一四一号)

 同(石井智恵君紹介)(第一四二号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第一四三号)

 同(金子恵美君紹介)(第一四四号)

 同(神津たけし君紹介)(第一四五号)

 同(櫻井周君紹介)(第一四六号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一四七号)

 同(重徳和彦君紹介)(第一四八号)

 同(杉村慎治君紹介)(第一四九号)

 同(中島克仁君紹介)(第一五〇号)

 同(野間健君紹介)(第一五一号)

 同(藤原規眞君紹介)(第一五二号)

 同(牧義夫君紹介)(第一五三号)

 同(松田功君紹介)(第一五四号)

 同(水沼秀幸君紹介)(第一五五号)

 同(若山慎司君紹介)(第一五六号)

 同(井坂信彦君紹介)(第一七一号)

 同(大石あきこ君紹介)(第一七二号)

 同(おおつき紅葉君紹介)(第一七三号)

 同(丹野みどり君紹介)(第一七四号)

 同(西川厚志君紹介)(第一七五号)

 同(宮川伸君紹介)(第一七六号)

 同(青柳陽一郎君紹介)(第一九四号)

 同(安藤じゅん子君紹介)(第一九五号)

 同(岡本あき子君紹介)(第一九六号)

 同(小熊慎司君紹介)(第一九七号)

 同(川原田英世君紹介)(第一九八号)

 同(篠田奈保子君紹介)(第一九九号)

 同(篠原豪君紹介)(第二〇〇号)

 同(白石洋一君紹介)(第二〇一号)

 同(高松智之君紹介)(第二〇二号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二〇三号)

 同(深作ヘスス君紹介)(第二〇四号)

 同(福田玄君紹介)(第二〇五号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二二三号)

 同(岡田華子君紹介)(第二二四号)

 同(神谷裕君紹介)(第二二五号)

 同(西岡義高君紹介)(第二二六号)

 同(福森和歌子君紹介)(第二二七号)

 同(笠浩史君紹介)(第二二八号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第二二九号)

 同(池田真紀君紹介)(第二五九号)

 同(枝野幸男君紹介)(第二六〇号)

 同(大西健介君紹介)(第二六一号)

 同(佐々木ナオミ君紹介)(第二六二号)

 同(志位和夫君紹介)(第二六三号)

 同(田嶋要君紹介)(第二六四号)

 同(手塚仁雄君紹介)(第二六五号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第二六六号)

 同(本庄知史君紹介)(第二六七号)

 同(森田俊和君紹介)(第二六八号)

 同(森山浩行君紹介)(第二六九号)

 同(山岸一生君紹介)(第二七〇号)

 同(石川香織君紹介)(第三二三号)

 同(大河原まさこ君紹介)(第三二四号)

 同(尾崎正直君紹介)(第三二五号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第三二六号)

 同(櫛渕万里君紹介)(第三二七号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第三二八号)

 同(小山千帆君紹介)(第三二九号)

 同(たがや亮君紹介)(第三三〇号)

 同(竹内千春君紹介)(第三三一号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第三三二号)

 同(田村智子君紹介)(第三三三号)

 同(長妻昭君紹介)(第三三四号)

 同(橋本慧悟君紹介)(第三三五号)

 同(本村伸子君紹介)(第三三六号)

 同(谷田川元君紹介)(第三三七号)

 同(山岡達丸君紹介)(第三三八号)

 同(山崎誠君紹介)(第三三九号)

 同(山本大地君紹介)(第三四〇号)

 児童福祉としての保育制度の拡充に関する請願(江渡聡徳君紹介)(第三二二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件


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     ――――◇―――――

谷委員長 これより会議を開きます。

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官岩間浩君、内閣府地方分権改革推進室長坂越健一君、こども家庭庁長官官房長中村英正君、同じく成育局長藤原朋子さん、デジタル庁統括官楠正憲君、同じく統括官布施田英生君、総務省大臣官房審議官新田一郎君、厚生労働省大臣官房審議官榊原毅君、環境省大臣官房審議官伯野春彦君及び防衛装備庁プロジェクト管理部長嶺康晴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

谷委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。神津たけし君。

神津委員 おはようございます。立憲民主党の神津たけしです。

 本日は、地・こ・デジ委員会で初めての質問となります。平大臣、三原大臣、伊東大臣、どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、石破政権が発足して最初の委員会質問、私はトップバッターですので、各大臣がどんな思いで大臣として取り組まれていくのか、まずは知ることによって委員の皆様の質問も変わってくるかと思います。まずは私の話を少しだけさせていただいた後で、大臣の思いを伺いたいと思っております。

 私は、前回の衆議院選挙では、このまま成長しない、停滞する日本の経済を、今のまま次の世代にバトンタッチしていくわけにはいかないということで、五十年以上前から続くような人口減少、三十年以上成長していかないような日本の経済、都会一極集中の中で成長できないような地方を大きく変えなければ、日本の未来はないというふうに訴えさせていただいておりました。このままの日本を続けてしまうと、日本はいつか後進国になってしまうという思いが真剣にございます。

 開発学でよく出てくる話ですが、今から百年前、ある国はGDP世界五位の先進国として発展しておりました。その後、放漫な財政や失政によって、今では高いインフレ率、それから貧困率で苦しんで、後進国となってしまってなかなか抜け出せていないという状況がございます。

 日本を後進国にしないために、新しい技術開発に取り組み成長する経済を実現していかなければならない、国力を維持するために人口は一定程度維持していかなければならない、行き詰まっている東京一極集中を思い切った政策で変えることによって成長する日本をもう一度実現していかなければならないというふうに考えております。

 こうした大きな課題の解決のために、私は今回この地・こ・デジ委員会の委員になりました。平大臣、三原大臣、伊東大臣が、大臣となり、日本の未来のために各大臣が担当する分野で何を変えたいと思っているのか、率直な大臣の思いというのを聞かせてください。

 まずは平大臣、お願いします。

平国務大臣 御質問ありがとうございます。長くならないようにと思います。

 まず、私は、デジタル大臣とデジタル行財政改革担当大臣としてこの場に立たせていただいております。

 デジタル大臣は、人口減少下においても、しっかり社会がサステーナブルで、そして経済が成長するためにデジタルをフル実装していくということだと思います。政府においては、デジタルガバメント、ガバメントクラウドはまさにこれから議論になりますし、さらには、政府AIのような、AIを実装して効率のいい政府をつくっていくということだろうというふうに思います。

 デジタル行財政でいえば、日本の三十年、三十五年の停滞は、一つの理由は、テクノロジーが進化するのにレギュレーションがついてこない。なので、イノベーションとレギュレーションの平仄を合わせるのが物すごく大事だというふうに思っていて、ドローンとか自動走行も、いい技術は日本にあったのに、先にアメリカで実装されて抜かれるというパターンを繰り返してきました。なので、デジタル行財政改革の担当大臣としては、このイノベーションとレギュレーションの平仄を合わせていくということが極めて重要だろうというふうに思っています。

 さらには、来年に向けて、データ保護のところの法律はしっかり作っているんだけれども、データ利活用のところが弱いので、これをAI時代に備えて、しっかり日本の、いろいろなデータがありますので、そういったデータを利活用できるデータ戦略をつくっていきたいというふうに思っています。

 最後にもう一点だけ。

 地方でいえば、地方は観光体験を含めてアナログの価値が物すごく多様性があるんですけれども、安く売り過ぎているという問題があります。これをグローバルな価格に値づけするために、例えばブロックチェーンとかNFTが利活用できますので、地方の潜在価値をグローバル価格に引き直すデジタルの技術の活用みたいなものも取り組んでいきたい、そのように思っております。

神津委員 ありがとうございます。

 次に、三原大臣にお伺いします。

三原国務大臣 こども政策、少子化対策、若者活躍を担当します。

 全ての子供、若者が健やかに成長でき、将来にわたって幸せに生活できるこどもまんなか社会、この実現に取り組むとともに、少子化のトレンドを大きく変えて、この国の未来を担う人材を社会全体で育むことに全力を尽くしてまいりたいと思っております。このため、常に私は、子供、若者の声を聞いて、とにかく現場主義を大切に、子供政策の司令塔として全力を尽くしてまいりたいと思っております。

 特に、今までもずっと携わってまいりました、生まれてきてくれた子供たちの命を守るということを大切にしたいと思っております。具体的には、医療的ケア児ですとか小児がん、あるいは児童虐待防止、不登校、いじめ問題、こうしたことに対応するために全力を尽くしてまいりたいと思っています。

神津委員 次に、伊東大臣、お願いいたします。

伊東国務大臣 おはようございます。

 私は地方創生担当の大臣ということで石破総理から任命されたわけでありますけれども、十年前、石破総理が初代の地方創生大臣として赴任され、そしてまた二年間お務めになられたということもありまして、この十年間に対する強い総理の思いを感じているところであります。

 私も、ちょうど政治生活四十年ぐらいになるんですけれども、市会議員を三期やり、北海道議会議員二期、釧路市長を二期、そして衆議院は今六期目であります。

 言えることは、地方の苦しさ、つらさ、そしてその問題点というのはよく自分でも感じておりましたし、分かっているつもりでもあります。ですから、そういった意味で、地方創生というのは、まさに日本の隅々から力を引き出し、あるいはアイデアややる気を引き出して、しっかりそれを国の政策に落としていく、あるいは地方の発展を目指すということでありますので、私はその総理の思いも含めてしっかり受け止めながら頑張ってまいりたいというふうに思うところであります。

 どうぞよろしく御指導をお願いします。

神津委員 三人の大臣の思い、ありがとうございました。

 平大臣については、デジタル社会を実装していくことによって、この国の未来を変えていくんだという強い思いを感じました。そして三原大臣からは、こどもまんなか社会ということで、現場主義を貫いて、子供の少子化対策を実現していくというところ、そして伊東大臣からは、地方創生、総理の思いというのを育みながら、長い政治経験を用いて地方の問題解決に取り組んでいくというところを理解いたしました。ありがとうございました。

 それでは、質問通告させていただいているところに移ってまいりたいと思います。

 地元の中山間地域を回っていますと、子供たちが東京に行ったまま戻ってこずに、一人で暮らしている高齢者の方が非常に増えているというふうに感じます。奥地に行けば行くほど空き家も増えて、過疎化が進んでしまっているという状況もございます。

 約十年ほど前に、こうした状況を変えていくために、安倍政権でまち・ひと・しごと創生本部が始まりました。その後、菅政権でこのまち・ひと・しごとを引き継いで、岸田政権ではデジタル田園都市国家構想推進本部に変わりました。

 十年前と比較して、各自治体の努力もあって、地域によってはインバウンドの観光客が増えたりとか、移住者も増えたというところもございました。この点、私は、一つの成果として捉えられるんじゃないかというふうに思っているんですが、大きく全体を捉えると、東京一極集中の流れというのは変えられずに、地方創生が果たされていないというふうに考えております。

 そうしたところで、伊東大臣に伺いたいと思いますが、地方創生本部設置から約十年が経過いたします、これまでの十年の取組で何がうまくいかずに東京一極集中の流れを変えられなかったのか、個々の自治体では成功しているところもありますけれども、なぜ日本全国で地方創生が果たされていないのかと考えているのか、教えてください。

伊東国務大臣 委員おっしゃられるとおり、十年間、地方創生の取組によりまして、各地で地域の活性化につながる様々な好事例もたくさんありました。東京圏への一極集中の流れを変えるまでにはもちろんいっていないところでありますけれども、その主な要因は、進学や就職等によりまして、十代後半及び二十代の若者の東京圏への転入超過、これが続いたことが挙げられると思います。また、個々の地域の好事例が必ずしも普遍化していないということも考えているところでもございます。

 私自身の考え方を申し上げれば、地方におきまして産官学金労言の地域のステークホルダー、多様な関係者の知恵が十分に引き出されてきたかどうか、あるいは国においてこれを十分に後押ししてこれたかについて改善の余地が多分にある、このように考えております。

 東京の一極集中の是正については、先ほど申し上げました要因を踏まえれば、各地域においてステークホルダーがいま一度、若者や女性にも選ばれる地域とするため、ここをどうすべきかということを真剣に考え、地域自らが行動を起こすことが必要であろう、こう思う次第でもあります。

 一例として言えば、地域間、そして男女間の賃金格差の是正、あるいは非正規雇用の正規化の推進、また女性雇用のL字カーブの解消、男性の育児休業の推進といった取組も効果的ではないのか、こう思っているところであります。

 以上でございます。

神津委員 ありがとうございます。

 今の教訓の部分、それから産官学金労言でやっていくというところについては地方創生二・〇でも捉えられているところだと思いますが、今回、石破政権となって、今度は新しい地方経済・生活環境創生本部というふうに名前が変わりました。看板がかけ替えられたというところは分かるんですけれども、これまでデジタル田園都市国家構想であるとか、それからまち・ひと・しごとでやっていなかったことについて、恐らく今おっしゃられたことというのはこれまでやってきたことだと思うんですが、今度はどんな目標を立てて何を、今回の新しい地方経済・生活環境創生本部で何を変えていくのかというのを教えてください。

伊東国務大臣 新しい地方創生であります地方創生二・〇は、単なる地方の活性化策ではなく、日本全体の活力を取り戻す経済政策であり、また国民の多様な幸せを実現するための社会政策でもあります。

 経済政策としては、地域に密着した農林水産業あるいは観光産業、文化、芸術といった地域資源の活用を進めるのみならず、新たな技術革新の中で今後成長していく半導体あるいはGXといった戦略分野での大規模投資を加速し、国全体に波及効果を及ぼしていくような取組の双方を進めてまいりたいというふうに思います。

 社会政策としては、若者や女性が安心して働き、暮らせる環境づくりを進めていくことが重要であります。例えば、先ほども言いましたけれども、女性雇用のL字カーブの解消や、非正規雇用の正規化の推進といった取組が効果的ではないか、このように思っております。

 地方創生二・〇における目標などの具体的な中身につきましては、総理を本部長といたしまして全ての閣僚で構成される新しい地方経済・生活環境創生本部や有識者会議の議論を踏まえて、今後検討していくことになっているところであります。

 以上でございます。

神津委員 今のお話を伺っていて、余りこれまでと内容が変わっていないなという印象を受けました。審議会などで具体的な中身はこれから決めていくというところなんですけれども、もしそうだとしたらば、何で今回デジタル田園都市国家構想から名前を、看板をかけ替えたのか、その理由を教えていただけますか。

伊東国務大臣 今まで石破総理がこの十年間の思いを地方創生にぶつけてきた、そして新たな視点と新たな規模でこれを改革していくんだということであります。また、これまでのデジタル田園都市国家構想もそうでありますけれども、類似の事業が相当重なってきておる、そしてまたこれから取り組む事業も新しい中でデジ田の方と重なるところが多いものでありますから、糾合して一つにして太くして進めていくということでこのような形になっているものと承知をしております。

神津委員 ありがとうございます。

 今のところ、余りまだ中身が見えていないというところで説得力がちょっと欠けているかなというところで、看板のかけ替えでは私はなかなか進まないのではないかというふうに思っています。

 具体的な中身はこれから決めていくというところで、審議会の中ではこれまでやってきたところを生かしながらも、反省点ですとか、それから私は、よく成功例を見てそれを普遍的に広げていくという話もありますけれども、失敗事例というのもやはり振り返ってみていただいて、それを次の教訓として生かしていくという点も非常に重要だというふうに思っています。その点については、是非これから審議会の方で充実した審議をして方向性というもの、新たな地方創生の方向性というものを決めていっていただきたいというふうに思っております。

 次の質問に移りたいと思います。

 こども未来戦略の加速化プランですが、これを着実に実行すれば少子化が止まるのか、伺わせてください。

三原国務大臣 加速化プランを含むこども未来戦略は、少子化のトレンドの反転を目指し、抜本的な政策の強化を盛り込んだものであり、これを着実に実施していく考えであります。

 我が国の少子化は、若い世代の所得、雇用の問題、あるいは出会いの少なさ、子育てに係る経済的負担や精神的負担、仕事と子育ての両立の難しさなど、様々な問題を背景とした婚姻数の減少、そして夫婦の子供数の減少、これが大きな要因として挙げられております。

 加速化プランにおきましては、夫婦の子供数の減少の背景にあります子育ての経済的な負担、身体的、精神的負担、仕事と子育ての両立の難しさといった課題に対応しております。

 加えて、婚姻数の減少の背景にある若い世代の所得、雇用の問題に対しましては、賃上げですとかリスキリング支援、非正規雇用労働者の正社員への転換等を進めるとともに、未婚の原因として出会いの少なさというのを挙げる声も多いことから、令和六年度の補正予算の地域少子化対策重点推進交付金について、各自治体が実情に応じて今までより一層創意工夫を生かせるように制度を見直しまして、要件を大幅に緩和することにいたしました。地域の出会いの機会、場の提供など自治体の取組支援や若い世代の将来設計支援、こうしたものをこれまで以上に進めてまいりたいというふうに思っております。

 こども家庭庁としましては、常に子供や若者、子育て当事者の視点に立って、これらの方々の声を聞くことを大切にする現場主義に基づいて、今申し上げたような子供政策も総合的に前に進めてまいりたいと思っております。

神津委員 今年の出生数は七十万人切った、二〇四三年頃に七十万人は切ってしまうというふうに言われていたものが二十年ぐらい速いペースで起きてしまっているというところで、私は何が何でも子供を増やす政策というのはやっていかなくちゃいけないというふうに思っているところです。

 先ほどおっしゃられたように、若い世代の所得の向上のために、リスキリングをやっていくとか、そのほかの施策、やっていくというところをおっしゃってくださったんですが、私が手元に持っているこども未来戦略の加速化プランの……

谷委員長 神津君、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

神津委員 分かりました。

 施策のポイントというものがありまして、その中に若い世代の所得を向上する施策が余り含まれていないので、そこを是非勘案していただいて取り組んでいただきたいと思います。

 時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 立憲民主党の柚木道義でございます。

 今日は、質疑の機会をいただき、ありがとうございます。

 平大臣に、今日は限られた二十三分なので、お伺いします。

 大臣のことは、個人的には、大変行動力、発信力もあって、先日も三つ星議員の授賞式も御一緒させていただきましたし、尊敬しております。ただ、ちょっと今日は厳しくやらせていただきますので、御理解ください。率直に、端的に、二十三分しかありませんのでお願いします。

 今日も政治倫理審査会、昨日、本日、あしたと、萩生田先生も今日はおいでですけれども、行われるということで、政治と金の問題について、まさに昨日、稲田元防衛大臣がこのようにおっしゃっていますね。キックバック復活の経緯について当時の安倍派幹部の更なる説明が必要と。これは、安倍元総理がキックバックの違法性を認識してやめようとされたんじゃないかという前提の下でおっしゃっています。

 当時の安倍派幹部の更なる説明が必要と平大臣も思われますか。

平国務大臣 デジタル大臣としてお答えする立場にございません。

柚木委員 世論の反応を見ていると、この裏金問題についての自民党政権、自民党を含めた取組、これは、ある調査では七三%の国民が評価しないと。まさに、石破政権、閣僚一人一人の認識も問われているんじゃないですか。不適切にもほどがある一年だったんじゃないですか、自民党さん。裏金問題も流行語大賞にランクイン、今年一年の漢字は金(かね)、金(きん)。そういう中で、答えないという姿勢自体が不適切にもほどがあるんじゃないですか。是非お答えください。

 時間がないので、東京都連さんの問題に行きますよ。

 これは、私もちょっと驚きですね。二〇二二年、二三年、八百万以上の不記載、しかもそれが裏金化しているのではないかという疑念もあって、まさにあの上脇教授らが刑事告発をしている。

 これは、ノルマが二百万あって、各都連所属の国会議員、今、平大臣は政調会長ですかね、ノルマがあって、そしてその中で、例えば若宮元環境大臣ですか、二百万円購入だが自民党都連側は不記載。その他にもるる出ていますね。議員でいえば、武見元厚労大臣、丸川元オリンピック担当大臣、様々そういう指摘も出ていますね、生稲晃子外務政務官ですか、それぞれ、まさに購入をしていて、そして今回の刑事告発にもつながっている。

 平大臣は、都連のパーティー券購入、問題になっている二〇二二年、二三年を含めて、これまで購入されていますか。

平国務大臣 済みません、御質問通告がないので、まずは、デジタル大臣としてお答えする立場にございませんが。

 都連のパーティーで、国会議員で何枚みたいな、目安みたいなものは示されると思います。その分はパーティー券を売っているんだと思います。

柚木委員 ノルマは達成されていたんですか、ノルマは。

平国務大臣 目安とされている枚数を、御協力をいただいて、お買いいただいているというふうに認識をしております。

柚木委員 不記載はないですよね。

平国務大臣 ありません。

柚木委員 本当に、安倍派を含めて自民党政権の中で各派閥における裏金問題がこれだけ、まさにこの国会でも、企業・団体献金は来年の三月までに先送りになりましたが、国民から見て最大の疑念になっている中で、結局のところ、中央、自民党本部だけではなくて地方にも蔓延、国も地方も総汚染、そういうような状況だったのではないかという疑念が今高まっているわけです。

 平大臣は自民党東京都連の政調会長でもあるわけですから、これはきっちり、今まさに生稲さんとか武見さんとか丸川さんとか若宮さんとか様々、刑事告発も行われている中で、刑事告発されずとも自ら都連として調査、公表する、そういうお考え、お立場上もあるんじゃないですか。

平国務大臣 自民党都連の政治資金収支報告書の件については、報道を受けて自民党都連において確認中と聞いております。

柚木委員 政調会長という役員でもいらっしゃるわけです、都連でも。国も地方も裏金総汚染というようなことになってはいけないわけですから、自ら調査、公表、中央でもやったわけですから、都連でもやってください。

平国務大臣 都連において調査中と聞いておりますし、疑念が向けられているのであれば当然説明責任は果たすべきだと考えております。

柚木委員 まさに説明責任を果たしてください。重要な答弁ですよ。都連としてもきっちり説明責任を果たしていただくということです。

 企業・団体献金について伺います。

 平大臣は、現状で企業・団体献金を受け取っていらっしゃいますか。今後はどうすべきと考えますか、禁止すべきとお考えにはなりませんか。

平国務大臣 企業・団体献金を受け取っているかというお尋ねでありますが、企業・団体献金は受け取っております。

 今後どうすべきかという、お考えかということでありますが、私は、一定、企業に私の政治活動を支えていただいているということで、現行法制度の下、献金をしていただくことに対しては肯定的でございます。なので、今後禁止すべきかという問合せに対しましては、禁止をすべきではないと考えております。

柚木委員 この間も平デジタル担当大臣は、これは報道ベースですからね、朝日新聞、山手冷蔵さんというところが、国から補助金を得た企業で、二〇一三年に百二十万円ですか、この献金は法律に抵触するおそれがあるので返金したと。そして、十一億円詐欺企業から二百八十八万円の献金を受けていて、社長が逮捕された、そういう企業から献金を受けていたと文春で、これは石破さんとの写真も載っていますけれども、そういった事案。

 さらには、これはその二百八十八万円の献金について、文春の報道を受けてということでしょうか、大臣就任会見で、返還は法的に制約が多く簡単ではないのでいろいろ考えていると述べ、対応を検討していると説明した。これはどのように対応されたんですか。

平国務大臣 まず、献金をいただく際に、法律にのっとって献金をしてくださいという注意書きを添えてしているところであります。

 前段の部分については、その会社さんから、補助金をもらっていたことが分かったということの連絡をいただきましたので、直ちに返金をさせていただきました。

 後段の部分につきましては、献金をいただいていました、その会社が破綻をしました、報道がありましたので直ちに返金をするように指示をいたしましたが、返金する主体自体が破綻をしてしまって、ない。そういった際に、破産管財人とも連絡を取り合っておりまして、破産財産の中にそれをでは繰り入れるかとなると、返還ではなくて寄附という形になりますので、政治団体からの寄附は委員御承知のとおり大変いろいろな制約がついております。なので、その責任を果たすと、言われた形ですると逆に法的責任を問われる可能性があるものですから、今、破産管財人の弁護士さんと平事務所の弁護士さんで、どういうやり方が法律にかなった形で返金できるかというのを、話合いを進めているところでございます。

柚木委員 平大臣は、都連の中でも企業・団体献金が多かった都内選出自民党衆議院議員、二〇二三年当時ナンバーワンでいらっしゃいますね。総収入六千五百七万円のうち、企業・団体献金二千五百六十四万円で約四割。そして、今申し上げたような不適切にもほどがあるような事例があったからこそ返金もしているわけでしょう。

 そういう疑念を招くようなことはやはり今後やめて、そしてまさに石破政権が国民から見て七割以上が裏金問題を評価していないというようなことにならないために、自ら閣僚として企業・団体献金受取はやめると宣言されたらいかがですか。

平国務大臣 不適切にもほどがあると今御指摘がありましたが、法令に従って対応しておりますし、それが先方の方で分からなかった際に、後からそういう事情が分かった際には直ちに返金をさせていただいているところでありますし、私自身は企業献金に対して否定的ではありません。

 私は、青年会議所出身なので、一緒に活動していた仲間に献金をして支えていただいているということで、自由と民主主義を守るために私を応援してほしいという志に呼応して献金をしていただいているわけでありまして、何らやましいことはございません。

柚木委員 ちょっと、やはり国民の認識とかなりずれ、ギャップがあると思うんですよね。告発している上脇教授はこうおっしゃっていますよ。安倍派と同じように、ノルマ分を納め、超過分を議員が中抜きし、裏金として処理した疑いもあり、真相の究明が必要で刑事告発と。これは今回の都連の裏金問題。裏金問題の告発をした中でそうおっしゃっているんですよ。

 ですから、これは、では、この年内にも特捜部から捜査がというようなことも聞きますけれども、都連で裏金化されているということはないと断言できますか。

平国務大臣 私のことと全般的な議論をちょっとごっちゃにされると、何か私があたかも法令違反をしているように思われますので、そういうことではないと今委員が確認をしていただきましたので、それに関しては今調査中ということでございますので、疑念払拭のために調査を進めて説明責任を果たしていただきたいと思っております。

柚木委員 これは本当に、ちょっと時間がないので、年収の壁の問題を一問通告していますから行きますけれども、年収の壁についても国民民主党さんとの協議は決裂ということで、私は、正直、年収の壁というよりは自民党の壁になっちゃっているのではないかと思いますね。

 この年収の壁、これは給与法の所管大臣として私は通告していますが、国家公務員の年収、私は、公的なサービス、引き上げたらいいと思うんですよ、民間波及させていくという効果もありますから。ただ、今回、給与法の改正で国家公務員給与が年額二十二万八千円アップして、財源として二千四百億円ぐらいでしたかね、補正予算から出す。税金からですよ。そして、一方では、百三万円の壁を百二十三万円と宮沢税調会長が打ち返して決裂。年額一万円アップですよね。このギャップ、国民から見てどう思いますかね。グリーンが見えない、教えてくれと言って、そんなの百七十八万に決まっているだろうと言って国民民主側は逆切れして席を立ったということですね。

 これは、グリーンは大体どれぐらいだと。ゴルフでいうと、パターでカップインするフィールドがグリーンということですよね。私は最低百三十万以上だと思いますよ。なぜならば、我々も、百三万は税の壁、しかし、社会保険料の壁がでかいんですよね、本丸、ラスボスと言われている。一万円の差で三十万円も手取りが変わる。最低百三十万円以上、それじゃ国民民主党さんは納得しないかもしれませんが、最低、グリーンは百三十万円以上だと私は思いますけれども、大臣、いかがですか。

平国務大臣 これも私は所管じゃないのでお答えしにくいんですが、まず、国家公務員の給与は私も上げるべきだと思っていて、民間が上がっていますから、人事院勧告に従って上げさせていただきました。上げ幅が大きかったものですから、通常のやり方で賄い切れないので、補正予算で手当てをしました。税金から出していると言いますけれども、当然、税金から出します、国家公務員の給料ですから。

 それと、百三万円は私も、私は百六万円の壁が問題だと思って提起をして、今のプログラムは私の発案で動いているというところでございます。ただ、この二十二万八千円の給料のアップとこの百三万円の壁で年額一万円アップは、このこと自体を一対一で比較すること自体、私はちょっと理解不能です、正直言って。その上で、幾らがグリーンかといったことに関しましては、私は答える立場にいません。

 あと、自民党の壁と言っていますが、我々も、税制では宮沢洋一の壁というのがあるんですよ。それで、必ず言われるんです、財源どうするんだとか、本当にそれは必要なのか。それが今三党協議で発揮をされた結果、こういう状態になっていますが、国民民主党さんとは真摯に結論を得るべくこれからも話合いをしていくということですので、見守りたいと思っております。

柚木委員 平大臣らしく、率直に御答弁いただいていると思いますよ。

 私は是非、実は今日この後厚労委員会でもやるんですよ、社会保険料の壁の部分は。やはり逆に、ゴールから逆算して考えると、必然的に百三十万円以上の社会保険料の壁とセットで議論しないと手取り純増についても精緻な議論になりませんから、そうすると私は、最低限、グリーンは、国民民主党さんは百五十万ぐらいとかいう話も聞きますが、最低限、グリーン、最低百三十万円以上はグリーンに乗るという意味では必要だと思いますが、個人的にいかがですか。

平国務大臣 答える立場にありませんが、今三党で協議を重ねているということでございますので、私がここで明示的に金額を申し上げることは控えたいと思います。

柚木委員 マイナ保険証について伺います。

 資料におつけしていますが、これは厚生労働省の実物大で、委員会で許可をいただいていますが、「患者の皆さま、マイナンバーカードで受付してください」「十二月二日から現行の健康保険証の新規発行は終了します」これだけ読んだら、もう保険証は使えないと思っちゃうんですよね。

 それで、今日は質問しませんけれども、厚労委員会でそういう、ちょっと資料にもつけていますように、これは保団連さんの、十万ぐらいの医療機関に配っているということで、これは非常に分かりやすいですね。「健康保険証をお持ちください」「これからも」と。これがあれば、大臣がおっしゃっている様々な不正なあれを軽減するためのデジタル化について私は否定しませんが、様々な、読み取りができなくて過払いとか情報漏洩とか自己負担全額とか、そういう問題は、今の保険証があれば、資格確認できて、病院の未収金、クリニックもなりませんから、改善できるということで、こういうことを提案、これは厚労委員会でやりますけれども。

 ただ、大臣に是非伺いたいんですが、こういうこともあって、結局、十二月二日以降の直近十日間で、マイナ保険証をやめたい、お守りで第二の健康保険証として資格確認書が欲しいと。十日間で七百九十二件ですよ。これはもう直近では一万件を超えているんじゃないかという話も聞きますが、現在、マイナ保険証を登録解除された方、大体何件ぐらいですか。

平国務大臣 今、七百九十二件というのが私の把握をしている数字であります。柚木さん御指摘の数字はまだ把握していませんけれども、今厚労省で精査中、調査中だろうというふうに思います。

 母数が七千万件、八千万件あるということも、是非御認識をいただければと思います。

柚木委員 厚労副大臣、今日来られていますので、一万件を超えているというのは私は聞いていますから、超えているか超えていないかだけ答弁ください。

仁木副大臣 申し訳ありませんが、その件に関しましては、十一月末までの件数を集計中でありまして、間もなく作業が終了する見込みでございますので、その後に発表させていただきたいと思います。

柚木委員 この答弁では厚労委員会はもちませんから。不都合な真実を隠蔽していては、今後の対策は進みませんよ。一万件を超えていると聞いていますよ、厚労省の現場ベースから。超えているか超えていないかぐらい、速報値でいいんだから、もう一回答弁してください。

仁木副大臣 答弁は繰り返しになりますが、現時点では集計中でございます。正確な数字をもって発表するというのが厚労省の立場でございます。

柚木委員 平大臣、私は大臣のこの間のいろいろな会見や答弁とかを拝見して、デジタル化の必要な部分は共感します。他方で、これは恐らく一万件超えしていて、解除した人が。

 何で資格確認書を、要は、読み込んでもらえなかったときに全額自己負担とか情報漏えいとかいろいろなことを心配して、しかも、今後、資格確認書とか資格情報のお知らせとか、マイナ持っている持っていない含めて、ちゃんと来るんだろうか。通告もしていますけれどもね。今のところはほっておいても送られてくる。今後は申請しないと送られてこないかもしれない。認知症の方、その御家族の方、関係する機関の方、不安が拡大しているからこうなっているんですよ。

 だから、その不安解消のためには、通告していますけれども、政府が言われる、二〇二四年、今年の十二月二日で新規発行を終了して、一年間だけはこれまでの健康保険証を使えますよということだと、非常に不安が今どんどんどんどん増大しているわけですから、この今のトラブル、様々起こっています、それが収束するまで、例えば五年とか、これまでの、十二月二日まで新規発行していた紙の保険証と今のマイナ保険証との併用を認めれば、我々はそういう法案を出していますけれども、そうすれば、まさに今トラブルとして全額自己負担や過払いや情報漏えいや医療機関の未収金問題などは資格確認がその場でできますから防げるんですね。

 マイナンバーカードを持ち歩けと書いているけれども、リスクもあるわけですよ、御承知のように、犯罪に巻き込まれる。それを持って歩いているだけでそのリスクがあるから持たないという人もいるわけですから、是非、例えば五年ぐらいはこれまでの紙の保険証とマイナ保険証との併用を、今後の推移も見極めながらで結構ですから、例えば五年間併用を認めればいろいろなトラブル解消、不安解消につながると思いますけれども、いかがですか。

平国務大臣 私がデジタル大臣になってまず真っ先にやったのは、マイナ保険証を物すごい勢いで推奨していて、そういう広報をやっていたわけでありますが、そうではなくて、不安に思っている人たちにフォーカスをして広報しろということで、かなりこれは変わってきているというふうに思います。

 その上で、委員御指摘のところであるんですが、マイナンバーカードを持っているリスクをお話しされていますが、逆にマイナンバーカードを持っていれば、町中で倒れて救急車が来たときも、それはマイナ保険証と連携をして、アレルギーの状態とか投薬の状態とか診療状態を見て適切なものもできるので。持っていないリスクもあるということです。

 今、保険証をこれから延ばすとなると、これから変更するとなると逆に混乱を招くと思いますので、今の方針で進めさせていただきたいと思っております。

柚木委員 これはいずれ再延長の議論になると思いますので、そのときにまた議論しましょう。運転免許証も併用できるんだから、是非考えてください。

 最後の質問。

 資格確認書は今ほっておいても送られてきますけれども、これは今後ずっと送られてくるんですか。申請しないと送られてこない、申請主義ということになれば、これはまさに無保険状態、全額自己負担リスクとかも増大すると思うんですが、これはいつまで使えるんですか。そして、いつまでほっておいても送られてくるんですか。

平国務大臣 資格確認書は、今、申請をなしに送る。今の時点で法律上の期限は設けていませんが、運用の状況を見て決めていきたいというふうに思います。

柚木委員 終わりますけれども、是非これは、裏金問題も年収の壁もマイナ保険証の、まあ壁と言っちゃえばやはり自民党の壁だと思うんですね、この自民党の壁を我々は乗り越えたい。新しい国会で、少数与党の中で、新しいルール作りを、平大臣にも是非御協力をお願いして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

谷委員長 次に、市來伴子さん。

市來委員 立憲民主党・無所属の市來伴子と申します。国会での初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、三原大臣、十一月二十二日に、保育園の公定価格について、人件費を引き上げると記者会見されました。人件費の上乗せは、昨今の物価高、当然でありますし、評価いたしますが、一方で、この人件費が保育士さんに確実に届くのかというのは甚だ疑問でございます。

 私は、自治体議員を務めておりました。当時から、保育士さんの人件費が上がらない最大の要因は、公定価格の弾力運用にあると指摘をしてきました。つまり、政府が、保育園の人件費を事業費や管理費、保育以外の事業にも使っていいとする運用を認めています。そのため、国の想定では八割に上る人件費が、企業が運営する保育園では約五割ほどしか使われていないという実態があります。

 そこで、三原大臣に伺いたいんですが、今回の上乗せに伴って、保育士に人件費が行き渡るように実績報告を求める、そして見える化を行っていくとおっしゃっていますが、どのように行っていくんですか。

三原国務大臣 保育士の処遇改善につきましては、今般の経済対策におきまして、前年比一〇・七%という大幅な処遇改善を盛り込んだところです。この処遇改善が現場の保育士に確実に行き渡ること、これは大変重要なことだと私も思っております。この点、人事院勧告を踏まえた処遇改善による公定価格の増額分は全て人件費であり、全額を確実に賃金の改善に充てることを処遇改善等加算の要件として求め、報告する仕組みとなっており、これを活用していくことを考えております。

 また、今回、処遇改善等加算を取得していない施設等に対しても同様に報告を求めるとともに、市町村に対して各施設の処遇改善の状況に係る情報提供を依頼し、今回の処遇改善の効果、これを検証してまいりたいと思います。併せて、来年度から実施されます保育所等の経営情報の見える化によって透明性の向上を図ってまいりたいと思っております。

市來委員 調査は自治体が行うんですね。しかし、自治体の職員も余力がありません。今資料をお渡ししていますけれども、昨今、悪質な不正受給が問題になっています。人件費だけでなくて、施設費、あるいは広告費、業務委託費、これを関連企業などに流してブラックボックス化しているという指摘もあります。

 不正を防ぐためには、広告や業務委託、こういったものの取引先を開示する、そして園長や役員を除く保育従事者だけの人件費比率、これを公開するなど、徹底した情報開示が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

三原国務大臣 保育所等の監査は児童福祉法等の関係法令に基づき実施され、各自治体において、定期的な監査に加えて、委託費の使途について重大な違反が疑われるような保育所には、事前に通知せずに特別指導監査による立入調査を実施する等の対応を行うこともあり得ると認識しております。

 なお、来年度から実施されます経営情報の見える化においては、保育所等から報告された人件費比率等の経営情報を分析することにより保育所等の給与状況等を明らかにする等、透明性の向上を図ることとしており、こうした情報をどのように監査で活用できるかにつきましては、自治体における効率的、効果的な監査の実施の観点からも、今後検討していきたいと考えております。

市來委員 こういった不正を見抜くには、徹底した監査を行うためには相当な人員が必要なんですね。ただ、そんな余力のある自治体は本当に少ないと思います。人的、コスト的に余力のない自治体には監査費の増額をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

三原国務大臣 自治体が実施する保育所に対する監査については、地方交付税措置においてこれまでも体制強化が図られていると承知しております。また、保育の質を担保しながら自治体、保育所双方の事務負担の軽減に資するよう、自治体における効率的、効果的な指導監査の好事例の把握あるいは横展開というのも行っております。

 その上で、監査業務をより効率化する観点から、現在、保育所等と自治体の間の監査に係る手続をオンライン化するために、施設管理プラットフォームの整備を進めているところであります。このような取組を通じて、全国各地域での効率的、効果的な監査、これを推進してまいりたいと思います。

市來委員 そもそも、ここまで監査が必要になっている制度自体に私は問題があると思っています。やはり基本は、人件費は人件費に、事業費は事業費に、管理費は管理費になんですね。

 平成三十年四月十六日通達、弾力運用の要件として適正な給与水準が維持されることとあるが、適正な給与水準とは何を指しているんでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 委託費に係る弾力的な運用に関しましては、委託費の経理に係る考え方を示している通知の中で、ただいま委員から御紹介いただきましたけれども、最低基準の遵守や適正な給与水準の維持、これらを一定の基準を満たす場合に、人件費、管理費、事業費の各区分にかかわらず、当該保育所のそれぞれの費用に充当することなどを可能とするとされております。

 このうち、適正な給与水準の中身ですけれども、別途の通知がございまして、正規の手続を経て給与規程が整備されていること、施設長及び職員の給与が地域の賃金水準と均衡が取れていること、初任給や定期昇給について職員間の均衡が取れていることなどに留意の上判断をいただくように市町村に対してお示しをしているところでございます。

市來委員 この適正な給与水準というのが曖昧だからこんな問題が起こると思うんですよね。私は、この弾力運用を規制強化すれば、こういった不正は着実に減っていくと思います。

 世田谷区では、人件費比率五〇%以下の認可保育園については運営費を支給しないとしています。こういった取組を参考にして、人件費比率に下限を設ける、あるいは使途上限の委託費三か月分をもっと少なくするなど弾力運用の規制を強化すべきと思いますが、いかがですか。

三原国務大臣 保育の公定価格に関し、人件費の割合につきましては、賃金が労使の協議により決定されるものであり、職員の年齢や経験年数によって変わり得るものであること、また、例えば新設園の場合ですと、人件費比率が相対的に低いため全体が抑えられてしまうケース等も考えられることから、一律に下限を設けるということはちょっと慎重な検討が必要なのではないかと思っております。

 また、委託費につきましては、運営主体の安定的そして効率的な事業運営を図る観点から、一定の範囲内で当該保育所の運営費以外に充てることができるよう弾力的な運用を認めているところであります。この弾力的な運用につきましては、無制限に認めるものではなく、給与規程に基づき人件費の運用が適正に行われているなど一定の要件を課すとともに、必要な場合には都道府県が委託費の使途について確認することとしており、こうした仕組みを通じて委託費の適切な運用に努めてまいりたいと思います。

市來委員 適切な運用がされていないのではないかという疑念がやはりあるんですよね。

 私が特に問題視するのは、一定の条件を満たせば、委託費を保育以外の事業、例えば介護施設にも流用できるとしている点です。保育を目的に支出された公金が子供政策とかけ離れた介護に使われる、この実態はやはりどう考えてもおかしいのではないか。

 政府は、介護施設に流用されている実態をどこまで把握しているのでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 市町村の実施義務である保育を実施するために、私立保育所に対しましては委託費として費用が支弁をされております。このため、委託費は、原則として保育所の運営に要する人件費、管理費、事業費に充てることとされておりますが、仮に委託費による収入と実際の支出との間に差が生じた場合には、三つの要件がございますけれども、まず一つ目が適正な運営に関する基準を満たす場合、二つ目に延長保育など一定の事業を行っている場合、三点目といたしまして一定の質の向上に関する要件を満たす場合、これらの場合には一定の範囲の費用に限り人件費等以外への充当が認められているというところでございます。

 今委員から御指摘いただきました介護施設への流用の実態については、政府としては一律に把握はしておりませんけれども、都道府県等で実施をされる指導監査において、設置者から提出された計算書等に基づき、各事業区分、拠点区分等も含め、厳正に審査確認を行うよう徹底を求めているところでございます。

市來委員 子供の命を預かる保育園が、悪質な事業者がもうかる、そして手厚い保育をすればするほど割を食う、こういう制度になっているんですね。なので、介護、子供政策に関係のない事業に流用できるという運用、これはまず廃止をしていただきたいと思います。

 また、先ほどの人件費比率の下限や、ほかにも様々な規制強化はあります。是非必要だと思いますが、もう一度、大臣の考えを伺います。

三原国務大臣 私立保育所に対する委託費は、運営主体の安定的、効率的な事業運営を図る観点から、一定の範囲内で当該保育所の運営費以外に充てることができるよう弾力的な運用を認めております。

 御指摘のような御意見があることは承知しておりますけれども、委託費の弾力的な運用につきましては、先ほども申しましたけれども、無制限に認めるものではなく、給与規程に基づき人件費の運用が適正に行われているなど一定の要件を課すとともに、そしてまた、必要な場合には都道府県が委託費の使途について確認することとしており、こうした仕組みを通じて委託費の適切な運用に努めてまいりたいと思います。

市來委員 今後、保育園の給与水準や人件費比率をホームページで公表するとしています。東京都は既にやっておりまして、私もホームページを見ましたが、非常に分かりにくいんですね。利用者が保育園の財務状況や人件費比率を複数で比較できるように、そういう分かりやすい表示を国としてはやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

三原国務大臣 東京都におきましては、都独自の補助金の交付を受けた施設のうち、情報公開の取組を行う施設について、財務情報及びモデル賃金をホームページにて公表していると承知しております。

 他方、国としましては、本年六月に改正された子ども・子育て支援法において、都道府県知事が施設、事業者から報告された経営情報等のうち、職員の処遇等に関するものについて施設、事業者ごとの公表を行うとともに、施設、事業者の類型、定員規模などの属性に応じたグルーピングによって集計、分析した結果を公表するよう努めることとしております。

 具体的には、現在、子ども・子育て支援法第五十八条に基づき、教育、保育情報の収集、公表に用いている子ども・子育て支援情報公表システムの機能を拡充することにしておりまして、まずは来年度からの円滑な施行に向けた準備に取り組んで、とにかく保護者にとって分かりやすい形での公表の在り方等について引き続き検討してまいりたいと思っております。

市來委員 是非ともよろしくお願いいたします。

 最後に、公定価格の地域格差。

 私の選挙区は、東京に隣接する自治体です。保育士の待遇面で大きな差が出る見直しについて懸念の声を聞いております。保育士の人材不足に拍車をかけないでいただきたいですが、どうされるのか、お答えください。

三原国務大臣 保育については、市町村に実施義務が課されており、民間施設においても公立施設と同水準の保育を提供できるように、公定価格の地域区分については、公務員の地域手当における地域区分に準拠することを基本としながら、他の社会保障分野の制度との整合性も踏まえて改正してきております。

 本年八月に示されました令和六年の人事院勧告を仮にそのまま当てはめた場合、都道府県単位に広域化することで、県内の隣接する市町村との不均衡の解消が図られる一方で、一部では県外の隣接する市町村との差というのが現行よりも拡大することとなることは承知しております。

 こうしたことを踏まえつつ、自治体を始めとする関係者の意見も伺いながら、そしてまた他の社会保障分野の動向なども注視しながら、実施時期を含め引き続き丁寧に議論してまいりたいと思っております。

市來委員 それでは次に、マイナ保険証について伺います。

 十二月二日より運用が開始されましたが、現場から多くの混乱の声を聞いています。保険医協会によりますと、マイナ保険証に対応できずに閉院を予定している医療機関は関東全域で約二百か所に及ぶということです。

 二六年には、新たなマイナンバーカードも導入されようとしています。システム改修など新たに負担増が懸念され、コストの面から更なる閉院が続くのではないかと危惧しています。システム改修やメンテナンス費用についても手厚い補助が必要だと思いますが、いかがですか。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 医療機関等のオンライン資格確認の導入に当たりまして、顔認証つきカードリーダーの無償提供に加えまして、システム改修費用の補助を実施した上で、やむを得ない事情がある場合には、オンライン資格確認の導入義務の経過措置を設けますとともに、財政措置の期限延長を行ってきたところでございます。

 さらに、マイナ保険証を基本とする仕組みに円滑に移行できますよう令和五年度の補正予算に盛り込んだ、医療機関、薬局が顔認証つきカードリーダーの増設に要した費用の一部を補助する事業を実施するなど、これまで医療機関等に対する支援を行ってきたところでございます。

 一方で、医療機関等におけるオンライン資格確認等のシステムの利用に係る保守費用ですとかランニングコストにつきましては、オンライン資格確認を導入しますことで医療機関等にも事務コストの削減等のメリットがあることから、直接的な補助は行ってございません。

 ただし、ランニングコストに対する補助ではございませんが、診療報酬上の評価につきましては、令和四年十月からオンライン資格確認の導入に伴う医療の質の向上を評価した加算を設けましたほか、令和六年度の診療報酬改定では、マイナ保険証の利用実績に応じた加算措置としまして、医療DX推進体制整備加算を設けました。オンライン資格確認を導入しました医療機関等の体制が一定程度診療報酬にも反映される仕組みとしてきておりまして、今後は、医療DX推進体制整備加算も取得しながら、マイナ保険証の利用促進に向けた取組を進めていただきたいと考えているところでございます。

市來委員 小児科の医療機関からは、子供の顔認証がほぼエラーになる、精度が高いと本人でも認証されない、いろいろな顔認証に関わるトラブルが聞こえてきます。そしてまた、保育園や幼稚園や小学校などでは、子供の保険証のコピーを預けることができなくなって受診が遅れたり、一時的に十割負担になってしまっている。このような実態を把握していますか。また、解決策を広く周知してほしいと思います。

谷委員長 既に時間が経過しておりますので、答弁は簡潔に願います。

榊原政府参考人 承知いたしました。

 紙の保険証の取扱いとして、幼稚園に通う園児等が医療機関、薬局を受診する必要が生じた際には、保険証の一部を持参される取扱いが一部であったと承知しております。これは、本来想定している取扱いとは異なりますが、医療機関、薬局等において柔軟に対応いただいた結果であり、マイナ保険証を基本とする仕組みでもこの点を阻むものではございません。

 こうした点がこれまでどおり行われますように、私どもとしてもしっかり指導してまいりたいと思います。

市來委員 終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、東徹君。

東(徹)委員 日本維新の会の東徹でございます。

 まず、三原大臣に少子化問題について質問をさせていただきたいと思います。

 少子化問題、大臣も本当に深刻に受け止めておられるというふうに思うんですけれども、私もこの少子化問題は日本存続の危機だというふうに思っていまして、この問題は今に始まったわけではなくて、もう三十年も前から言われているんですよね。覚えている方もおられるかもしれませんけれども、エンゼルプランって昔あったのを御存じでしょうか。エンゼルプラン。あれは一九九四年ですから、あれから三十年です、三十年たっているんですけれども一向に改善されないという状況が続いているということです。

 その中で、今年ですけれども、昨年以上にまたこれが、少子化が進んでいるということで、厚生労働省の人口動態統計を見ますと、今年上半期、一月から六月ですけれども、生まれた子供の数というのは、昨年の同じ時期に比べて六・三%減、三十二万九千九百九十八人にとどまっているということです。昨年が七十二万七千二百七十七人でしたけれども、それを下回るのではないかというふうに言われておりますが、こども家庭庁は今年の出生数をどのくらい見込んでおられるのか、お聞きしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 出生数につきましては、厚生労働省がデータを取っております。委員御指摘のように、足下は相当厳しい状況でございますけれども、ただ、厚労省の方では見込み数については公表しておりません。

 いずれにしましても、今委員御指摘のように、足下は非常に厳しい状況ということは政府としても認識しております。

東(徹)委員 よく言われているのは、七十万人を切るというふうに言われておりますので、恐らくそれぐらいの見込みはお持ちということでよろしいですよね。

中村政府参考人 ここで申し上げますと政府の公式の見込みになってしまいますので、確たる数字はちょっと申し上げにくいんですけれども、委員おっしゃるような厳しい状況にあることは、我々としても同じ認識でございます。

東(徹)委員 私は、そういう見込みをしっかりと把握していくことがまずは大事だというふうに思うし、常に数字を追いかけているからこそ対策というものを打つ、その危機感も感じておられるんだと思うんですけれども、そういうことは非常に大事だと思いますので、そのことをちょっと指摘しておきたいと思います。

 安倍元総理が、たしか二〇一七年のときに、少子高齢化という国難を突破するために、国難突破解散というのをあのときやられてから、あれからも、二〇一七年ですから七年たっているということです。少子化の状況というのは年々悪化していっているというのが今の現状だというふうに思っております。

 これまでの少子化対策のどこに問題があって、原因がどうだったのかということをお聞きしたいし、そしてまた、これからどういった対策を打つべきかということを、まず三原大臣にお伺いしたいと思います。

三原国務大臣 我が国の少子化は、若い世代の所得、そして雇用問題、出会いの少なさ、子育てに係る経済的負担や精神的負担、仕事と子育ての両立の難しさなど、本当に様々な問題が背景としてあるのだと思います。そして、婚姻数の減少、夫婦の子供数の減少、これが大きな要因として挙げられています。

 政府といたしましては、これまでもこうした課題に対して様々な取組を進め、その成果の一つとして保育所の待機児童数の減少などが挙げられますが、急速な少子化に歯止めがかかっておらず、必ずしも十分な成果が出ておらず、少子化の流れを反転させるのは時間との闘いとも言える極めて重要な課題だと思っております。

 このため、昨年取りまとめました加速化プランにおいて、夫婦の子供数の減少の背景にあります子育ての経済的な負担、身体的、精神的負担、仕事と子育ての両立の難しさといった課題に対応しております。

 加えて、婚姻数の減少の背景にある若い世代の所得、雇用の問題に対しては、賃上げ、リスキリング支援、非正規雇用労働者の正社員への転換等を進めるとともに、未婚の要因として出会いの少なさを挙げる声も多いことから、令和六年度補正予算の地域少子化対策重点推進交付金、これにつきまして、各自治体が実情に応じてより一層創意工夫を生かせるように制度を見直して要件を大幅に緩和しました。このことによって、地域の出会いの機会ですとか場の提供など、自治体の独自の取組支援、若い世代の将来設計の支援、こうしたものをこれまで以上に進めることといたしております。

 こども家庭庁としましては、常にこうした子供や若者、子育て当事者の視点に立って、現場主義に基づいて、今申し上げましたような、そうした子供政策も総合的に前に進めていくことが少子化対策ということに重要なんだろうというふうに考えております。

東(徹)委員 三原大臣がおっしゃるとおり、出会いの場というのは私も大事だと思っていまして、五十歳時の未婚の割合というのが男性も女性もどんどん急激に上昇をしております。特に一九九五年からかなり右肩上がりで上昇していっておりまして、未婚割合が二〇二〇年だと男性が二八・三、女性が一七・八というような状況になっていますので、その出会いの場の設定がどういう内容なのかはちょっと私ももっと詳しく見ていかないと言えませんが、やっていこうというその努力は私は評価したいというふうに思いますが、それだけではなかなかというふうにも思います。

 先ほど大臣がおっしゃられた所得を上げるというのももちろん大事だと思いますけれども、これは、御本人がそこの職場からまた転職するだとか、また、そこの企業が賃金が上がっていくような企業でなかったら駄目だと思いますし、なかなかそう簡単に、所得を上げるというのは、国としてすぐ簡単にできるものではないというふうに私は思うわけですね。

 手取りを増やすではないんですけれども、教育にお金がかかる、そしてお金がそういったところに負担がかかっていって、結婚したり子供を育てていく、子供を産むこと、育てていくことにちゅうちょしていく、そういったことに対応していくことが必要だというふうに思うわけですね。

 そのうちの一つが、我々は教育の無償化が大事だというふうに考えております。高校の進学率が、地域によって差はありますけれども、全体で見れば九九%が高校に進学するわけです。私は、現金をばらまくよりかは、やはり現物支給でやっていった方が確実に子供にとっては、そこに、今まで経済的な理由で行けなかった学校に行けるようになっていくとか、こういうことが可能になっていくわけですから、現金支給ではなくて現物支給で、介護保険も現物支給の考え方ですよね、そういうことが私は大事だというふうに思っております。

 家庭の経済負担を減らしていって、子供の学びたいという気持ちを支える、そういったことにもつながっていくと思いますので、三原大臣、少子化対策にも私はつながっていくというふうに思うんですけれども、この高校までの授業料無償化、どのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

三原国務大臣 子育て中の方の経済的な負担ということは本当に重要なことであり、考えていかなければならないというふうに思いますが、高校授業料を無償化すべきとの御指摘につきましては、大変申し訳ないです、これは文部科学省の所管のため私からお答えは差し控えますけれども、授業料の負担が少子化対策にどれだけ影響を与えているのか、そうしたことも、これから皆様の議論をしっかりと注視してまいりたいというふうに思っております。

東(徹)委員 もう本当に議論している余裕もないぐらい、あとは決断なのかなというふうに思っています。

 内閣府の調査も多分見られたことがあると思いますけれども、理想の子供、産まない理由というのは、教育にお金がかかるというところがやはり一番、アンケート調査、これは内閣府の調査ですけれども、一番多く占めているわけですから、そういったところにしっかりと対応していくということが非常に大事だというふうに思っていますので、是非、三原大臣としても教育無償化にお力をかしていただければなというふうに思います。

 続いて、地方創生についてお伺いをさせていただきます。

 地方創生は第二次安倍政権で掲げられて、今の石破総理が初代の地方創生担当大臣でありました。二〇一四年、平成二十六年九月にまち・ひと・しごと創生本部が立ち上げられて、同年十一月にはまち・ひと・しごと創生法というのが施行されて、そして、平成二十六年九月に地方創生担当大臣も置かれて、十年間で伊東大臣も含めて十人の方が大臣を務められた。これもどうかと思うんですけれどもね、毎年毎年大臣が替わっていくという、この日本の内閣の仕組みもどうなのかなというふうに思ったりもしますが、十人の方がこれまで務めてこられたわけです。

 先ほども出生数をお聞きしましたけれども、七十万人を下回るような見込みというふうなことを言われておりますので、少子化に歯止めがかかっていない上に、例えば石破総理のお膝元の鳥取県であっても、人口減少、十年間で八%減っていて、全国を上回るスピードで鳥取県は減っているんですね。最も少ない人口が鳥取県ですから、石破総理が、そういう認識があっても、御地元でもなかなか難しいというふうな状況なんだろうというふうに思うわけです。

 伊東大臣、十年目の、しかも石破総理のときの地方創生担当大臣ですから、これまでの十年間の全く変わらないような状況のことも踏まえて、責任についてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

伊東国務大臣 十年前を振り返ると、石破総理が初代の大臣として、大変に意欲を持って、全国各地四百か所を回られて、その好事例をたくさん見聞きされたと聞いております。ですから、今でも総理の方から、とにかく意欲的に、そしてまた、斬新なアイデアを持って取り組んでいる地域がたくさんあるので、それを見て聞いて確かめてくれというお話もいただいているところであります。

 始まりましてから、地方創生版の三本の矢である財政支援、人材支援、情報支援、各地でこれらの活性化につながる様々な好事例が生み出されてきたところでありまして、また一方で、委員御指摘のとおり、東京圏への一極集中の流れを変えるまでには至っておりません。

 その理由、原因等々につきましては先ほど三原大臣から詳しく御説明いただいたところでありますけれども、やはり主な要因は、進学や就職を契機として十代後半、二十代前半の若者の東京圏への転入超過が続いたことが大きな要因で挙げられているところでもあります。これが日本全体の少子化を招いたという指摘もされているところであります。

 こうした点につきまして、地方において産官学金労言の地域の多様な関係者の知恵が十分にこれまで引き出されてきたかどうか、また、国においてこれを十分にこの十年後押しをしてきたのかどうか、改善の余地が多分にあるというふうに思うところでもございます。

 こうした成果と反省を生かし、担当大臣として地方創生二・〇の起動に責任を果たしてまいりたいと思うところであります。

東(徹)委員 本当に、この十年間何をやってきたんですかと思いますよね。

 石破総理も最初の、初代の大臣をやっていて、この問題にはずっと関心を持っておられていた、私はそういうふうに思っています。であるならば、どこに問題があって、そして自分が総理になったらこうしようというのが既になかったら、これは変わらないですよ、もう。これからまた伊東大臣が全国を回って、ここはどうなんだろうとか言っている間にまた内閣が替わっちゃいますよ、言っている間に。そんな感じじゃないですか、今までずっと見ていて。それで、地方創生、地方創生とずっと続けてきているわけですよ。本当に、何か情けないですよね。こんなのでいいのかと思うわけです。

 この問題は、これも日本存続の危機の問題だと思うんですね、東京一極集中というのは。まずは東京一極集中をどうやったら是正できるのかということを考えていくべきだというふうに思うわけですけれども、伊東大臣、東京一極集中のリスク、これはおっしゃっておられましたけれども、東京一極集中のリスク、具体的にどのようなことがあるというふうにまずお考えなのか、お聞きしたいと思います。

伊東国務大臣 リスクにつきましては、本当にたくさんあると思います。その中でよく言われるのは、東京は住宅価格が非常に高騰している、高い、あるいは賃料が高い、さらに通勤時間が長くかかる、さらにまた大規模災害による災害リスクの可能性も指摘をされているところでもありますし、そのほかたくさんあるわけでありますけれども、東京だけをまたその理由、原因の悪者にするということにはなかなかならない話でありまして、そういった面から、御指摘につきましては、これは心ある人は二十年、三十年も前から関心を持ち、そしてまた取り組んできた事例だというふうに思います。難しい課題でありますけれども、一つ一つの好事例を発展させていく。

 先ほどお話がありました、石破総理も、四百か所以上地方を回り、そしてそれぞれの地方の実情について話をお聞きしてきたということでありまして、それが小さな政策としてまた一つ一つ生かされている部分もたくさんあるのではないかというふうに我々は捉えているところでありまして、一切今まで何も手をつけてこなければもっと状況は悪化していた可能性もあるのではないか、こう言われているところでもありまして、できる限りのことはしてきたと思いますし、これからもバージョンツーで更に深化した政策に高めていきたい、こう思う次第であります。

東(徹)委員 東京のせいにするわけにはいかないとおっしゃいましたけれども、伊東大臣の所信でも五つの柱というのを掲げられておって、その中の一つとして東京一極集中のリスクに対応した人や企業の地方分散というふうにおっしゃられたので、私はそのことをお聞きしただけなんですけれども、東京一極集中のリスクに対応した人や企業の地方分散ということで、伊東大臣はそれをやらなきゃいけないというふうにお考えなんですよね。

伊東国務大臣 産官学金労言、地域のステークホルダーの意見をしっかりこれまで聞いてきたかというと、なかなかそうはなっておらなかったという石破総理の強い思いもあって、有識者もたくさん、十五名の産官学金労言のそれぞれの分野の代表の有識者をお招きして組織して日本のこれからの在り方について真剣な御論議をいただいているところでありまして、それを、考え方をまとめ、基本的な考え方をしっかり持って、これから来年度にかけてスタートしようとしているところであります。

東(徹)委員 何か私が求めている答弁とは全然違うんですけれども。

 私は、大臣も東京一極集中のリスクに対応した人や企業の地方分散はやっていかないといけないと思っていると思うんですよ。だから、私もそこは共感するところで、何とかこれを改善していかないといけないと思うわけですね。じゃ、どうしていったらいいのかですよ。

 そんな中で、例えばですけれども、東京都二十三区にある企業に対して法人税を一%だけでも上げる、一%だけ上げれば三千億ぐらいの何か財源になるそうですけれども、そしてそれを使って例えば人口の少ない鳥取県に企業を誘致してきたら十年間法人税をただにしますよとか、何かそういったことを本気でやっていかないと、これは変わらないと思うんですね。今までと同じことをずっと言い続けているわけですから。

 だから、変えていくためにそれぐらいの思い切ったことをしないといけないと思うんですが、いかがですか。

伊東国務大臣 今まで何もしてこなかったというわけではないと思います。

 公的な役所あるいは企業の地方移転というのはこれまでも進めてきて、七百三十件に及ぶ成果があり、新規雇用人数が三万一千名を超える。もちろん、今の大東京の状況から見て、それが焼け石に水でないかのようなお話でありますけれども、しかし、みんなが努力して。誰か一人が提言すれば東京一極集中が止まるなどということにはなかなかならないのではないかということであります。

 これは、地方も東京も様々、関係する企業、役所がたくさんあるものでありますから、もう少し大きな形の中で議論を続けていかなければならないと思うわけであります。

東(徹)委員 ちゃんと僕が提案しているわけですから、それに対して、そのことについては反論してくれたらいいわけですよ。いや、そんなのでは改善しませんとか、いやいや、それも一つの改善策かもしれないと。やはりそういうことを議論していかないといけないんじゃないですかね。僕が聞いていることに対して、答弁が全然違うんですよ。そんなこと聞いているわけじゃないことをつらつらと答弁されても仕方がないわけです。

 この間の自民党総裁選挙を見ていても、東京一極集中を何とかしなきゃいけないということを言っておられる方もおられましたよ。その中では、例えば、東京にある、国立大学なのか私立大学を含めてなのかちょっと忘れましたけれども、僕は国立大学こそ地方に移転したらいいと思いますよ、人口の少ないところに、鳥取県とか島根県とか高知県とか徳島県とかそういったところに移転していったらいいと思うわけです。

 そんなことでもしないと東京転入超過というこの問題がなかなか解決しないから、是非そういった具体的なことを、やはり今動いていかないと、またこのまま、大臣がまた替わって、またずっと同じことばかり続けている、これが今の国会じゃないですか。それでどんどんどんどんと地方は衰退していっているわけですよ。これは政治の責任ですよ。その責任を私は全く感じておられないとしか思えません。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

谷委員長 次に、日野紗里亜さん。

日野委員 国民民主党一期生の日野紗里亜でございます。

 今回が初めての質疑でございます。当事者の声、現場の声、そして小さな声を大切に、本日はこども誰でも通園制度について大臣に御質問させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 私は、現在、十歳の長女と八歳の三つ子の男の子、四人を育てる母親でございます。我が三つ子が保育園を卒園したのは一年九か月ほど前のことで、園での生活はつい最近のことのように思います。

 もちろん、入園当初には本制度はございませんでしたので、保育園の入園条件、それは親の就労でございました。皆様、想像してみてください、一歳の三つ子と三歳の上の子四人を抱え、働くことどころか求職活動がどんなに困難であるかを。それでも、四人の育児にはお金がかかります。どうしたって働かなくてはなりません。しかしながら、企業の社長の方が、人事担当者の方が、口にはしませんが、当時私が面接に行くと、こう思います、このお母さん、一歳の赤ちゃんが三人もいて、一人が風邪を引いてしまったら順々に休んでしまって、そうしたら一か月近く出社できないんじゃないか。どこも人手不足の現代です。そんな人材を積極的に雇う企業はないと思います。そんな中で、とある会社のとある代表と出会い、その方に採用いただいたおかげで今この場に私は立っています。

 そして、私は、双子、三つ子の支援団体を運営しておりました。多胎家庭と言います。多胎家庭の方に、あるといいなと思う希望アンケートを取ると、保育園の優先入園が断トツでございます。二人、三人の赤ちゃんを抱えて、移動が困難ですから育児が孤立しがちで、精神的にも孤独な育児は虐待のリスクにもつながります。済みません、前置きが長くなりました。だからこそ、親の就労条件を問わない保育園の入園制度があれば、多胎家庭に限らずどんなに多くの子育て家庭が助かるだろうか、そう思っております。

 しかしながら、その一方で、本制度には多くの課題がございます。一番は、働き手の問題です。保育の現場、最前線で働かれている保育士の方々の人手不足が深刻です。直近十月の有効求人倍率は三・〇五倍、前の年の同じ月と比べても上昇しております。十年以上も慢性的な人手不足が続き、解消の兆しが一向に見えません。そんな中、本制度を導入し、新しい園児の受皿をつくるということに現場から悲鳴が上がっています。この事実に、大臣は、どう思い、どう受け止め、どのような具体的な解決策を講じる御予定でしょうか、お答えください。

三原国務大臣 保育人材の確保は喫緊の課題であるということ、今委員がおっしゃったこと、大変大事なことだと思っております。

 このため、保育士を希望する方への資格取得支援ですとか、保育所等におけるICT化の推進等による就業継続のための職場環境づくり、あるいは、潜在保育士のマッチング支援、保育の現場や職業の魅力向上、発信など、総合的な取組を進めてまいりました。加えて、これまで保育士の処遇改善も進めてきたところでありますけれども、今般の経済対策において、前年比一〇・七%という大幅な処遇改善を盛り込んだところでございます。

 これからも引き続き、必要な保育人材を確保できるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

日野委員 今、潜在保育士というお言葉が出ました。保育の資格を持ちながらも保育の現場で働かれていない方々のことを言います。令和二年の厚労省の調査では六割以上の方が潜在保育士と言われておりますが、現場の肌感としては九割近いというふうに言われております。

 そんな中、私としましては、本制度、保育士不足を補うために、保育士資格を持っていなくても一定の研修を受講することで保育人材として配置できるとされておりますが、資料一の方を御覧ください、潜在保育士の方々に現場で働いていただくことによって、小さく見積もっても十七万、そして大きく見積もると八十万人の園児の受入れが可能との調査結果が、これは野村総研さんの二〇一八年、ちょっと古いデータなんですけれども、示されております。

 そして、やはり園での事故は絶対にあってはならないことだと思います。保育の質の担保、園児と保護者にとって安心、安全な保育サービスを提供するという観点からも、現在国家資格を持っている保育士の方々に現場で働いていただきやすい環境を整え、そして就職支援をしていく、復職支援をしていただく、そういったことが肝要だと思っております。

 大臣にお伺いします。そもそも、なぜ保育士資格を持ちながら保育の職に就いていない方がこんなに多いのか。大臣はどう思われていますでしょうか、お答えください。

三原国務大臣 委員が今お示ししていただいた資料を見まして、保育士就労経験がある潜在保育士が辞めた理由というのが資料二の方に書いてございますが、これについても非常に重く受け止めているところであります。

 そしてまた、これまでも保育士の確保ということに努めてまいりましたけれども、保育士として従事している方の人数というのは、実は着実に増えてはきているんです。平成二十七年度では約五十万人だった、それが六十八万人、令和四年ですけれども、そのように増えてはいるんですが、保育士の有効求人倍率が依然として全職種の平均を上回る、先ほどおっしゃっていただいた三・〇五倍という、令和六年度でございますけれども、こうしたこと、保育人材確保、まさに喫緊の課題であることは私どもも本当に認識しております。

 また、こども誰でも通園制度の制度化や配置基準の改善に伴いまして、今後も、委員おっしゃるとおり保育士の更なる確保ということが必要になると考えております。

 このため、保育人材確保の、先ほども述べさせていただきましたけれども、総合的な取組、これは進めてまいりましたけれども、これに加えまして、今般の経済対策で、修学資金貸付事業について、より保育所等への就職を後押しするために就職準備金の改善を行うほか、保育士等の負担軽減のためのICT化の推進ですとか、更なる取組の充実を図ったところであります。

 そして、先月、十一月にも保育人材確保懇談会、これを開催いたしまして、関係団体と連携して、保育士や保育現場の魅力発信、今、保育士というと本当に厳しいというイメージ、これを何とか払拭する、すばらしい仕事なんだというその魅力発信、こうしたことにも今しっかりと取り組んでいるところでございます。

 委員おっしゃるように、引き続き保育人材の確保にしっかり努めてまいりたいと思います。

日野委員 現在、保育士の九五%は女性でございます。そして、離職した多くの保育士は、自身も子育てを抱えている母親保育士でございます。なぜか。答えは至ってシンプルです。子供が大好きで保育の仕事に就いたのに、その業務量の多さから、そして時間外労働の多さから、そして休みの取りにくさから、自分の子供の子育てがおろそかになってしまうと感じているからです。多くの母親保育士は自問自答を重ねます、これでいいのだろうかと。絶えず後ろ髪を引かれながら、中堅職員である自分がこの現場を抜けるわけにはいかないとぎりぎりのところで踏ん張り続ける方もいれば、自分の子育てのために仕事を諦める方もいます。こんな選択をいつまで迫り続けるのでしょうか。

 もちろん処遇の改善はとても大切だと思っております。ですが、子供が好きで保育の仕事に就いた方々に長く継続して保育の職に就いていただけるような労働環境の整備が私は一番大切だと思っております。配置基準の経過措置、これはいつまで続くのでしょうか。ほかにも、各自治体で取り組んでいる一時保育、リフレッシュ保育、インクルーシブ保育、これら預けやすい環境が制度化されれば制度化されるほど現場は疲弊し、離職に拍車がかかっています。本末転倒なのであります。

 保育士は何でも屋ではない、私たちだって育児中の母親だ、これが生の声であります。現場を置き去りにして机上だけでつくった制度は、本当に困っている人を助ける制度にはなりません、生きた支援にはなりません。

 私は先ほど休みが取りにくいというふうにお伝えしました。これは有給休暇ではありません。自分の子供が風邪を引いたときに、熱を出したときに休めないんです。だから、何とか何とか実家に預けたり病児保育を使ったりして、ほかの子の保育に当たるわけでございます。

 誰でも子供を預け入れることができる制度にしたいのであれば、保育士を希望する誰もが保育士として働き続けることができる環境の整備を構築していかなければなりません。これはもう調査や研究や検証の段階ではございません。一刻も早い効果的な対策を打たなければなりません。

 大臣、今後、保育人材の全体の底上げをすることはもちろん、特に、自分の子育てをしながら保育士としての職務を続けられるような異次元の保育人材対策制度の創設について、私は現場の声から様々な提案をさせていただくことができます、冒頭で大臣から現場主義というお言葉を聞いて本当にうれしく思っています、是非取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。

三原国務大臣 現場主義ということで、こども誰でも通園制度、今試行的に事業としてやっていますけれども、川崎の方にも視察をさせていただいて、保育士さん、あるいは保護者の方からいろいろなお話を伺ってまいりました。

 そういう中でも、委員御指摘のとおり、子育て中の保育士さんに対する就労継続の支援、これは本当に重要だと私も認識しております。このため、これまでも、保育所等の利用調整における保育士の子供の優先利用の推進ですとか、未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付け、育児等により労働時間を短縮して就労する保育士を最低基準上の保育士の定数にカウントできる仕組み、こうしたものも創設して対応を講じてきているところでございます。

 まずは、これらの仕組みの活用、これを更に促していくこと、そして子育て中の保育士の方々の就労継続ということの促進を図って、委員のおっしゃるように、いろいろな形で私どもも、もっとどういうことができるのか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

日野委員 いろいろな対策を講じてくださっていることは重々承知しておりますが、なかなか現場にはそれが届いていない実情でございます。

 そんな中、今回のこども誰でも通園制度、恐らく一歳児の保育が一番多いかと思います。そして、一歳児のクラス、二〇二五年には配置基準が六対一から五対一になると言われておりますが、これについての経過措置、まだ検討最中ではございますが、私としましては、本制度の受入れ園に関しては、新基準を満たしている園のみに限定する、こんなことになってほしいと思っておりますが、大臣の御意見をお伺いできますでしょうか、お願いします。

三原国務大臣 一歳児の職員配置基準につきましては、昨年十二月に閣議決定されたこども未来戦略において、令和七年度以降、保育人材の確保等の関連する施策との関係も踏まえつつ、今おっしゃっていただきました加速化プラン期間中の早期に六対一から五対一へ改善ということを進めることとしております。

 こども家庭庁としても早期に実現できるように令和七年度概算要求に盛り込んでいるところでありまして、令和七年度予算編成に向けて、私もしっかり調整を整えていきたいというふうに思っております。

日野委員 こども誰でも通園制度は、二〇二六年の四月から本格実施というふうに聞いております。特に四月は、どの園児も大変、これまでの家庭と離れて、新しい、保育園といったところで、なじめない園児が多いのが実情でございます。それに対応される保育士の方々は、本当に御苦労されております、大変頑張ってくださっております。ですので、是非配置基準の方を考えていただきたいと思います。

 もう一点、済みません、お伺いさせてください。

 こども誰でも通園制度からは少し離れますが、四、五歳児の経過措置というのはいつまで続く御予定でしょうか。お答えください。

三原国務大臣 保育士の配置基準、四歳、五歳児につきましては三十対一、三歳児につきましては二十対一の最低基準とされていたところを、配置を改善した保育所等に対して公定価格上の加算を設けた上で、令和六年度からそれぞれ最低基準を二十五対一、十五対一に改正いたしました。その上で、保育の人材不足の状況に鑑みて、当分の間、従前の基準によって運営することも妨げないとする経過措置、今おっしゃっていただきました、これを設けております。

 この経過措置の終了期間につきましては、加算の取得等による配置改善の状況を踏まえつつ、現場に混乱が生じないように配慮しながら検討してまいりたいと思っております。

日野委員 ありがとうございます。現場で働かれている保育士の方々は、国が決めて配置基準を緩和してくださったととても喜びながらも、まだまだ、自分が勤めている園では経過措置が適用される余りに大変な労働環境が改善されていないという実情がございます。

 そうしましたら、最後に、私、日野紗里亜は、子育ては家庭だけで抱えるのではなく社会全体で支えていくものと今回の衆議院選挙はずっと訴えてまいりました。それを大前提に、こども誰でも通園制度、このネーミングも相まって、子供を誰でも預けることができて当たり前、この当たり前という雰囲気の醸成だけは決してされることがないように、保育の現場、最前線で働かれている保育士の皆様に深い敬意と感謝を持ち、本制度が子育て家庭にとって真に生きた支援となるようなことを強く要望し、切に願い、日野紗里亜からの質疑は以上とさせていただきます。

 ありがとうございました。

谷委員長 次に、阪口直人君。

阪口委員 れいわ新選組の阪口直人です。

 本日は、有機フッ素化合物、PFASについて、そして子供、子育て支援について質問させていただきたいと思います。

 私が住む岐阜県各務原市では、二〇二〇年の十一月、水源地において、発がん性があるとされるPFASの一種であるPFOS及びPFOAが暫定目標値を超過していることが検出されました。市は、把握していたにもかかわらず、二〇二三年の七月まで公表をしておりませんでした。市民からは大変な不安とそして怒りが寄せられ、原因究明を求める様々な団体も立ち上がっています。

 各務原市は、把握した時点で速やかに市民に公表すべきであったとして、対応に問題があったことを認めています。実は、私自身も、このことを知らずに七年余り発がん性のある水を飲み続けていたことになります。

 公表後の二〇二三年の八月、高濃度が検出された三井水源地から半径五百メートルにある井戸を調べたところ、四十四か所のうち十三か所で、国が定める目標値、これはPFOSとPFOAの合計で五十ナノグラムなんですが、これを超えていたということなんですね。その大半は航空自衛隊岐阜基地のすぐ西側にあり、最大で四百五十ナノグラムでした。一帯の地下水は、基地のある東から水源地のある西側へと流れているんです。

 また、二〇二一年、この岐阜基地の消火用の水槽からは、目標値の三百八十倍である一万九千ナノグラムのPFASが検出されました。これはお配りした資料にも表がありますが、これを見ると那覇基地や入間基地は更に大きな数値になっています。全国的に見ても、このPFASの汚染というのは、米軍基地、自衛隊、また空港や消防施設の周りに非常に多いんですね。

 つい最近ですが、各務原市全域九十五か所で水質調査を行った結果が二日前の十二月十六日に公表されました。航空自衛隊岐阜基地の中にある二か所の井戸からも、暫定目標値の五十ナノグラムを超える七十ナノグラムと七十四ナノグラムの濃度でPFASが検出されたということであります。浄水器をつけると八〇%は除去されるということで、自衛隊の方々には、浄水器をつけた水を飲むように、このように周知されているということであります。

 質問です。

 本当に安心して飲める水なのか、これは市民の本当に切実な要望なんです。そして、自衛隊員の方々の命と健康を考えても、岐阜基地など、全国の水源に影響を与えていると考えられる基地で土壌調査を行って、その根本原因は何かということを調査すべき、これは絶対にすべきだと考えますが、政府のお考えはいかがでしょうか。

金子大臣政務官 お答えいたします。

 日本国内におきまして、PFOS等はこれまでも様々な用途に使用されてきたというふうに承知をしております。現時点におきまして、岐阜基地周辺におけるPFOS等の検出と自衛隊との因果関係につきまして、確たることを申し上げるのは困難でございます。

 その上で、防衛省としては、各務原市の要望を踏まえ、基地内の井戸の水質調査等の取組を行ってきたところでございます。また、土壌調査については、関係省庁において土壌中のPFOS等の挙動に関する科学的知見の集積などに努めているものと承知をしております。

 いずれにしましても、防衛省としては、こうした動向を注視しつつ、地域住民の皆様が不安を抱いていることを受け止め、関係省庁や関係自治体と連携し、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

阪口委員 因果関係が分からないからこそ調査するんじゃないでしょうか。住民の方々は本当に不安を感じています。したがって、これは本当に国の責任として土壌調査をやっていただきたいんです。そこにある水質調査だけでは十分ではないと考えますが、いかがでしょうか。

嶺政府参考人 お答えいたします。

 土壌調査につきましては、現状、関係省庁においてPFOS等の挙動に関する科学的知見の集積などに努めている段階だというふうに考えております。そういうところでございますので、今後とも関係省庁や関係自治体と連携しまして適切に対応していきたいというふうに考えております。

阪口委員 二〇二三年の十月に、各務原市からも防衛大臣への要望書、土壌調査をするようにという要望書が検討されて、私も実はそのコピーを拝見しました。結果的にはそれが出されていないと聞いておりますが、市民の声を何よりも重視するということであれば、この徹底した土壌調査について是非考えていただきたいですし、私もこの視点で今後も質問、要望をしてまいりたいと思います。

 では、次に行きます。

 このPFAS、有機フッ素化合物の子供への影響というのは、まだ具体的に解明されていないんですね。化学物質の汚染というのは、胎児、乳幼児、児童、成長期の子供たちの体に大きな影響を与えます。胎児は胎盤から、乳幼児は母乳からダイレクトに代謝物が移行して、最も体に影響を受けやすいんです。原因と結果の因果関係が完全に確立されていない不確実性があったとしても考慮すべきという予防原則の観点で、暴露を極力下げるように取り組む、これは世界の常識です。

 お伺いします。

 親の体内に蓄積したPFASが子供の健康に与える影響が大きい。水一リットル当たり五十ナノグラム、これが、血液に入ると一ミリリットル当たり二十ナノグラム、つまり千倍に濃縮されると言われています。したがって、アメリカのFDA、食品医薬品局は、血中で一ミリリットル当たり二十ナノグラムを超えるとがんや腎臓障害、健康被害があるとしているんです。胎児には胎盤からPFASがダイレクトに入っていく、乳児には母乳から入っていくことも懸念されます。これが高濃度であれば、胎児の体重から考えると影響は甚大です。

 不安を持っている方々の血液検査など、健康に影響がないかという、このような調査、検査、これも国が責任を持って行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

伯野政府参考人 お答えいたします。

 有機フッ素化合物PFASに対する不安については、真摯に受け止める必要があると考えております。

 現時点においては、妊婦の血中PFAS濃度と子供の健康影響との関連を評価するための科学的知見は十分ではないと承知いたしております。

 環境省としては、引き続き、PFASに関する国内外の知見を収集するとともに、化学物質の暴露等の環境要因と健康影響との関連について明らかにすることを目的として、二〇一〇年度から、全国約十万組の親子を対象とした子どもの健康と環境に関する全国調査、いわゆるエコチル調査などの調査や研究を推進してまいりたいというふうに考えております。

 その上で、PFASによる健康不安の声が上がっている地域においては、地方公共団体が既存統計の活用によりまして地域の傾向把握に取り組むことが望ましいと考えているところでございます。

阪口委員 これは世界的に見てもまだ因果関係が十分に解明されていないということですが、解明に力を入れていただきたいと同時に、不安を持っている方々に対してはダイレクトに検査をする、こういう姿勢で臨んでいただきたいと思います。

 また、三つ目の質問ですが、環境省は、体重五十キログラムの人が水を一生涯にわたって毎日二リットルずつ飲んだとしても、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じない、一リットル当たり五十ナノグラム以下であれば大丈夫だということで暫定目標値を設定しています。これは大人の体重で考えているんですが、体重の少ない子供もこの目標値でいいのか。

 もう一つは、アメリカでは、毒の水という映画が上映されてセンセーションを巻き起こしています。アメリカにおけるこの基準というのは四ナノグラムなんですね。日本が五十、アメリカが四、この違いについてどのようにお考えでしょうか。

伯野政府参考人 お答えいたします。

 米国が、二〇二九年から適用される飲料水中のPFASに関する基準として、PFOS、PFOAの規制値をそれぞれ四ナノグラム・パー・リットルと設定したことは承知いたしております。

 我が国では、水道におけるPFOS及びPFOAについて、令和二年四月に水質管理目標設定項目に位置づけまして、当時の科学的知見に基づきまして、それらの合算値で五十ナノグラム・パー・リットル以下という暫定目標値を設定いたしております。この設定に当たりましては、WHO等が飲料水の水質基準設定に当たって広く採用している方法を基本としまして、平均体重を五十キログラムとして、生涯にわたり連続的な摂取をしても人の健康に影響がない水準を基に設定しているものでございます。

 その後、食品等から摂取するものに関する健康影響の評価を独立した立場で科学的に実施する内閣府食品安全委員会におきまして、諸外国が指標値の設定等のために用いた科学的知見も含めて、専門家が一つ一つ丁寧に精査をした上で、活用可能と判断される科学的根拠を基に耐容一日摂取量を本年六月に設定しております。

 環境省におきましては、この耐容一日摂取量を踏まえまして、専門家の意見も伺いながら、水道事業者等に遵守や検査及び公表を新たに義務づける水道法に基づく水質基準への引上げを含め、来春をめどに方向性を取りまとめていくこととしております。

阪口委員 暫定目標値に関しては、不断の見直しも行うということを念頭に、最も適切な数値目標を掲げていただきたいと思います。

 次に、子供、子育て関連の質問です。

 今年六月に成立した改正子育て支援法、まだまだ不十分な点がたくさんあると思います。毎年七十件以上起きている児童虐待死亡事例、本来は一件でも起こってはならないことだと思います。

 他方、海外には様々な好事例があって、例えば、フィンランドでは、児童虐待死亡を実数、割合の両方において急速に減少させることに成功したと専門家は指摘しています。その際、効果を発揮したのは、ネウボラと呼ばれる出産育児相談所とされ、妊娠初期からほぼ全ての妊産婦が登録して、かかりつけの専門医が小学校入学までずっと伴走支援する、こういった仕組みをつくっているんですね。

 日本でも、こうした助産師ら専門家による伴走型支援が必要だという指摘がされる中、こども未来戦略においては、伴走型相談支援に取り組むことが決まりました。ただ、鍵を握る面談者については、運用を自治体に任せているということもあって、なかなか信頼される伴走者との出会いが生まれていない、そういう声もあります。

 今求められているのは、介護保険の利用者には全てケアマネジャーが伴走者としてつくように、子育てにも妊娠、出産、産後、育児の専門的支援ができる伴走者、言ってみれば子育て版ケアマネジャーを検討していくことではないかと思います。この点について、三原大臣のお考え、お聞かせいただきたいと思います。

谷委員長 既に持ち時間が経過しておりますので、答弁は簡単にお願いします。

三原国務大臣 はい。

 妊産婦の不安や悩みに寄り添い、支援することは本当に重要であります。本年度から、地域子育て相談機関等の身近な場所で気軽に相談が受けられる体制の整備を行ったほか、妊娠時や出産時に専門職等と面談を行って、個別ニーズを踏まえた支援につなげる伴走型相談支援、来年度から法律に基づく制度として実施をしてまいります。

 御指摘のニュージーランドのマイ助産師やフィンランドにおけるネウボラ、これも一人の助産師又は保健師が一貫して相談に応ずる制度だということを承知しております。ネウボラについても調査研究を行っておりまして、フィンランドでは、全ての家族がネウボラを利用し、妊娠期から子育て期間、切れ目のない支援を行っている中で、子供の虐待死が減少しているということも承知しております。

 一方、日本では、担当制の保健師等の導入をすることは、利用者から見ると安定した関係の中で相談できるというメリットもある一方で、市町村の保健師は約三万人いるんですが、母子保健以外の老人保健や障害保健等も担当していらっしゃいます。母子保健に詳しい助産師さんは約千五百人、市町村に配置されている人数が千五百人しかいらっしゃらないということで、この体制の違いというのを踏まえますと、なかなか一人の担当者が一貫するというのは困難かなというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、これからも、妊産婦の支援、しっかりと行ってまいりたいと思っております。

阪口委員 ありがとうございました。

 いわゆる産婆さんですね、妊娠中から寄り添う、こうした方々の活用というのは非常に今後の大きな鍵になると思いますので、是非今後とも検討、また調査をしていっていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

谷委員長 次に、本村伸子さん。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず、三原大臣にお伺いしたいんですけれども、一人で八時間から十一時間、今の一歳児の保育士の配置基準で六人の一歳児を、給食、お散歩、水遊び、災害時に命と安全を守ることができる、大臣が一人でやった場合に守ることができるとお考えでしょうか。

三原国務大臣 私自身がという点はお答えは差し控えますが、一歳児に対する現行の職員配置基準は六対一となっておりますが、施設の状況に応じて、各種加算の活用ですとか予算事業による加配保育士も含めて、子供の安全確保を前提に保育を実施していただいているものと承知しております。

 また、災害発生時におきましては、子供の安全を確保するため、全職員で協力して安全確保や避難誘導を行っているということが重要でありますので、避難訓練の実施と併せて、そのための体制整備も求めているところでございます。

本村委員 まだ現場の声が大臣に届いていないのかなというふうに痛感いたしました。

 保育園にいる間に起きた一歳児の重大事故をどのように把握しているのか、お示しいただきたいと思います。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 保育所等で発生した重大事故につきましては、地方自治体から速やかに国に報告いただくとともに、再発防止の検証を行った事故について、検証報告書につきましても提出いただいているところでございます。

 こども家庭庁のホームページにおきまして、この検証報告の一覧を掲載しております。全体の件数で見ますと、平成二十九年から令和六年まで五十一件という報告が上がってきておりまして、このうち、認可保育所における一歳児の重大事故については、死亡事故が四件、意識不明が四件、その他の重大事故が二件となってございます。

 これらの事故の内容についてはこのホームページ上の一覧でも御覧いただけますけれども、例えば、睡眠中に状態が急変して亡くなってしまった死亡事例ですとか、食事中に食べ物が喉に詰まって誤嚥された死亡の事例、こういったものがあったと承知してございます。

本村委員 資料の1を御覧いただきたいんです。イラストで見る日本の保育士配置基準、子どもたちにもう一人保育士を全国保護者実行委員会、子どもたちにもう一人保育士を全国実行委員会の皆様が分かりやすく実態を可視化してくださっております。ゼロ歳児から五歳児までを見ていただきたいんですけれども、一歳児のところは、六人の一歳児の子供さんを一人で見ている絵が描かれております。六人の食事を一人で見ています。そして、子供さんが一人、喉に詰まらせている絵もあります。

 7の資料を見ていただきたいんです。これも自治体の重大事故の検証報告書を実行委員会の皆様がまとめてくださった資料です。二〇二一年六月、北海道の芽室町の認可保育所で一歳九か月の子が給食の誤嚥により窒息状態となり、半年間の入院。二〇二〇年二月、大阪市の認可保育所で一歳二か月の子が給食中に食べ物を喉に詰まらせたため、園における救命処置と並行して一一九番通報し、病院に搬送されるも、搬送先の病院で死亡。二〇一七年九月、東京の板橋区の認可保育施設で一歳二か月の子が午睡中に心肺停止状態で発見され、応急処置を施された後、医療機関に救急搬送されたものの、その後死亡が確認された事例が書かれております。この自治体の検証報告書には、いずれも保育士の配置基準の改善を提言しております。

 一歳児の保育士の配置基準は、先ほども事故の報告をいただきましたけれども、緊急性があると思っております。実際には自治体が上乗せしている。愛知県でも、一歳児の担当保育士の配置割合、国基準の六人に一人という割合を充実させたら補助金が出されるという県独自の制度があります。これは愛知県だけではありません。栃木県も、一歳児三人に対して保育士一人を配置したら補助金を出す制度があります。それぐらい現場では必要とされております。ほかの県でもやられております。

 それは現場の皆さんが必要だから要望してきたもので、国の配置基準の一歳児のところは本当に遅れ過ぎている。七十六年目にしてとうとう四歳児、五歳児は改善していただきました。五十五年目にしてとうとう改善していただきました。でも、そこは先進国でワーストクラスなわけです。

 一歳児は二年連続事項要求ということで概算要求がなされておりますけれども、来年度は必ずやっていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

三原国務大臣 一歳児の配置基準につきましては、これまでも委員がおっしゃるように改善すべきであるという御意見をいただいたことから、昨年十二月のこども未来戦略で、四、五歳児は三十対一から二十五対一への改善とともに、一歳児につきまして、令和七年度以降、加速化プラン期間中の早期に六対一から五対一への改善を進めることとされたところでございます。

 こども家庭庁としましても、早期に実現できるように、令和七年度予算編成に向けてしっかり調整を頑張ります。

本村委員 この委員会でも先ほども声がありましたので、是非お願いしたいと思います。

 子どもたちにもう一人保育士をの保護者の皆さんが七千三百十六人の保護者の皆さんの声を取っております。それが資料の3、4というところになります。

 一歳児のところでいいますと、今の六人に一人で安心できますか。安心できるという方はゼロ%です。そして、改善しようとしている五人に一人、これもたったの二%です。保護者の方の一番多い声は、一歳児は三人に一人、こういう声が一番多いわけです。ほかの年齢も、ゼロ歳児だと、今は三人に一人ですけれども、二人に一人というのが一番多い声です。そして二歳児も、今は六人に一人ですけれども、三人に一人というのが一番多い声です。三歳児も、今は改善して十五人に一人になりましたけれども、十人に一人というのが一番多い声です。そして四歳児も、今は二十五人に一人ですけれども、十人に一人というのが一番多い声です。そして五歳児も、今は二十五人に一人ですけれども、十五人に一人が一番多い声なんです。保護者の方が今の基準では全く不十分だと言っている事例だと思っております。

 私はこの間ずっと保育士の配置基準の問題を繰り返し質問してまいりましたけれども、今年二月二十八日の予算委員会の分科会で当時の加藤鮎子大臣に質問させていただきました。三歳児の加算の部分で、できている保育園とできていない保育園をしっかりと分析して、できているところがどうしてできているのか、それをできていないところがちゃんとできるように支援してほしい、そのためにもしっかりと分析、調査していただきたいと申し上げたところ、加藤大臣からは、「今後、地方自治体を通じて把握をしてまいりたいと思います。」と答弁をいただきました。その後の結果についてお示しいただきたいと思います。

三原国務大臣 こども家庭庁といたしましては、三歳児と四、五歳児に関する配置改善の状況を把握するため、今年度、自治体を通じて調査を行い、その結果を本年十月に公表したところであります。その結果によりますと、令和六年七月一日時点の配置改善の実施状況は、三歳児は全体で九六・二%となっており、未実施である三・八%の施設の今後の改善見込みについては、その大半が未定と回答しております。人材確保が課題であるということが考えられると思います。

 こうした状況も踏まえつつ、引き続き、総合的な人材確保策を実施しながら、改善がなされるように国としてもしっかり促してまいりたいと思います。

本村委員 地方自治体に三歳児、四歳児、五歳児の改善ができているかと聞いていただいたんですけれども、それは、実は実際に三歳児、四歳児、五歳児が改善している数字ではないんです。一歳児で例えば四対一で改善した場合、人数上全体としてできているけれども、三歳児、四歳児、五歳児ができているわけではなくて、このこども家庭庁さんの調査は全く不十分なので、私が申し上げたのは、三歳児加算のところができているか、できていないか。人を確保するために努力している保育園のこともしっかりと把握して、できていないところにできるように支援をしていただきたいということで調査を求めたんです。その点をやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、三歳児の配置改善の状況につきましては、ただいま大臣からお答え申し上げましたとおり、調査の結果、九六・二%となっている。そして、未実施が三・八%でありました。一方で、基準を改正したのは六年度からですが、その前後を比較しますと一・九ポイントほど上昇しているということで、こういった基準改正の効果も確かにあったのだろうというふうに思っております。また、施設の種別で見ますと、認定こども園が最も高くて、公私別で見ますと、実は私立の方が高かったというふうな状況も分かってきております。

 特に、四、五歳児についての改善は今年度からでございましたので、これからまたよく把握していきたいと思いますし、悉皆のヒアリングなどは難しいとしても、様々な機会を捉まえて実際の園の皆様と意見交換をしながら実情を引き続き把握していきたいと思いますし、引き続き、全般的な、総合的な人材確保策を実施しながら、配置改善が図られるように国としてもしっかり促していきたいと考えております。

本村委員 実態をしっかりと把握したものにしていただきたいと思っております。

 また、二月二十八日の予算委員会分科会で、私は保育士の皆さんの働き方の実態調査をしてほしいということを申し上げました。そうしましたところ、加藤こども政策担当大臣からは、「保育士が無理のない働き方ができているかに関する実態把握等につきましても、科学的検証の対象やエビデンスとなり得るかも含め検討しつつ、何ができるかを検討していきたいというふうに思っております。」と、重ねて検討ということで御答弁いただいたんですけれども、その結果はどうなっているのか、お示しいただきたいと思っております。

 その上で、保育士の皆さんの労働実態調査をやっていただき、今の二倍は必要という保護者の皆さん、保育士の皆さんの声に応えていただきたいと思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。

三原国務大臣 国会での御審議や子ども・子育て支援等分科会において、真に必要な配置基準はどうあるべきか、科学的検証をしていただきたいとの御意見や、子供、子育てを取り巻く状況が変わっている中で、今般の配置基準で十分なのか、エビデンスに基づいて確認していただきたいといった御意見をいただきました。

 現時点では、配置基準に関する科学的検証の手法や必要となるエビデンスに関する知見が明確でないことから、まずはその点について情報の整理が必要と考えており、今年度から調査研究を実施しております。こうした情報の整理の中で、どのようなことができるのかということも含め、今委員がおっしゃった御意見も踏まえ、引き続き検討してまいりたいと思います。

本村委員 愛知県の東三河のケースでは、保育士を有料職業紹介会社に紹介してもらったら一人百二十万円支払った、年収の三五%だというお声や、名古屋市内の保育園では、正規の保育士を紹介してもらって二百万円支払ったというお声もございます。

 これでは、本来、保育士の皆さんや子供たちのために使われるお金が有料職業紹介会社に行ってしまう。保育士が流動化すれば、そういう有料職業紹介会社は手数料でもうかるかもしれませんけれども、保育現場は疲弊していく。子供たちにとってもプラスにならないと考えます。

 こども家庭庁として、無料で公的に求人、求職ができる、そういう仕組みをつくるために、最後の質問で申し訳ないですけれども、最後に是非御答弁いただければと思っております。

三原国務大臣 保育人材の確保に当たりましては、ハローワークや各都道府県等に設置されている保育士・保育所支援センターなど、公的機関の役割が非常に重要だと思っております。

 ハローワークにおきましては、全国の主要なハローワークに保育分野等の専門コーナーを設け、求人充足に向けた助言、指導や、職場見学会等を通じた求職者の確保に取り組んでいただいているということも承知しております。

 また、潜在保育士のマッチング等を行う保育士・保育所支援センターにつきましては、こども家庭庁において、全国の保育士・保育所支援センターが集う全国連絡会を開催し、ネットワークづくりを進めていることに加えて、今後、取組に応じた補助基準額を設定するなどによって機能強化を図っていくことなどを検討しております。

 引き続き、人材確保に向けて、公的機関の強みを生かした取組をしっかり進めてまいりたいと思います。

本村委員 ありがとうございました。

谷委員長 次に、吉良州司君。

吉良委員 有志の会の吉良州司です。

 三原大臣に子供政策、伊東大臣に地方創生を質問させていただきます。

 まず、子供政策です。

 三原大臣の所信の、「こども未来戦略の加速化プランを着実に実施し、少子化のトレンドを反転させることを目指します。また、若い世代の将来設計を支援することで、若い世代が希望どおり結婚し、安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向けて取り組んでまいります。」この方向性については、私のみならず、誰もが賛同する方向性だと思っておりますので、是非力を入れていただきたいと思っていますが、私はかなり突っ込んだ具体策を提案しております。

 資料を皆さんにお届けしていると思いますけれども、大胆な子育て支援策の具体例ということを書いております。これは、実はテレビ入りの予算委員会でもパネルで示しながら提案した内容です。そこから三年ぐらいたっていますので、もうちょっと少子化が進んだために、ここに書いている必要な予算額等は実は減ってきます。

 まず、私の大胆な子育て支援策とほかの政策との違いは、消費税を上げてでもこれをやってほしいと言っているところです。

 私は、反ポピュリズム、ポピュリズムは許さじという立場で、財源の明示なき政策は政策とは言えない、また、財源を借金に頼る政策は政策とは言えないと私は思っています。ですから、本当に必要だと思う政策であれば堂々と財源を、特に高齢者は、所得は少ないけれども金融資産を多く持っていらっしゃる方がたくさんいます。そして、高齢者が今や三人に一人にならんとしている。そういう意味で、全世代そして全社会で必要な政策を支えていく。そのためには消費税をきちっと国民にお願いしてでも実施すべきだというのが私の立場でありまして、それでこの提案をしています。ですから、この金額がどれだけ更に増えようが、その分は消費税でお願いするんだと言っているんだから、何ら後ろめたさがありません。

 ただし、私自身、このA案、B案を提案いたしました。先ほど言いましたように、残念ながら今はもう少し少子化が進んでいますので、ここにある財源の消費税、A案は、多分四%を切るぐらいになっていると思います。B案でも、四%の前半ぐらいの消費税があればこの金額を子育て家庭に支給できるというものです。

 下の方に意義、検討課題を書いています。これを全部指摘すると時間が足りませんので、是非お目通しいただきたいんです。

 これを私は今日お示しする際に、先ほどの日野紗里亜さんのお話を聞いて、これは日野さんの支援策にもなるなと思っているぐらい、四人ですから、A案だと三十三万円の支給、B案でも三十万円の支給があります。

 この案の大事なところは、消費税をお願いする。政治家はみんなそれでひるむんですけれども、負担をお願いしても、実は、その支援を受けた家庭で育った子供がいずれは大人になって、その大人になった子供たちが今度は自分が稼いで、そしてまた次の子育て家庭を支えていくことになるし、自分が支援を受けているときは全世代が、だから高齢者も消費税負担という形で支えてくれたわけです。ですから、その子供たちが大人になったときには、今度は自分たちがしっかり働いて、支えてくれた高齢者を支え返していこう、そしてまた次の世代を支えていこう、こういう好循環が生まれていくと思っています。

 そういうことで、先ほど言った大臣が示しておられる方向性は何ら異存ないわけですけれども、財源が限られている中で、申し訳ないけれども、どうしても、ちまちま、やってる感を出す、寄り添ってる感を出すことが中心になると思っています。

 先ほど言いました若い世代の将来設計を支援するこの支援策は、子供のためなら教育関係に絞るべきだとか、そんなけちなことは言いません。家計支援なので、お父さんが飲み代に使おうが、旅行に使おうがいいんです。なぜかといえば、子供を持って子供を産み育てれば社会が支えてくれる、それで自分の生活を支えてもらえるんだという安心感、将来不安を払拭することが私は少子化対策になってくると思っています。

 最後に、私が考える意義は、私も三人の娘を申し訳ないけれども嫁さんが中心になって育ててきました。最後のそういう世代だと思いますが、子供がいるときは、どれだけお金があっても足りない。すぐに大きくなって服は買い換えなきゃいけない。いろいろな経験をさせたいと思えば、どこに連れていきたい。旅行に連れていきたい。ですから、支給したお金は、お金は天下の回りもので、すぐ出ていくんです。子供を育てるために、また、生活にゆとりを持つために必要で、必ず出ていく。それは、日本の生活関連産業だとか、もちろん観光も含めてそういう産業を潤して、まさにお金は天下の回りもので、子育て支援のために支給したお金が日本中を巡り巡って、個人消費の増大、そしてGDPの増大、成長にもつながっていく。私は最大の経済政策だと思っています。

 そういう意味で、ここにいらっしゃる議員の皆さんを含めて、消費税を上げるぞということから決して逃げることなく、必要なことは議員同士でも思い切って国民にお願いしていくし、政府もその覚悟を持って子育て支援をやっていただきたいと思っています。

 このことをお聞きいただいた上で、私の大胆な子育て支援策についての大臣のコメントをお願いいたします。

三原国務大臣 子供は社会全体で育てるものだということは大変大切なことだと思います。

 子供、子育て支援策につきましては、少子化トレンドの反転に向けて、昨年末に取りまとめたこども未来戦略の加速化プランにおいて、三・六兆円規模に及ぶ前例のない規模で子供、子育て政策を抜本的に強化したところであります。

 具体的には、児童手当の抜本的拡充、そして、先ほど来お話がありますこども誰でも通園制度の創設、育児休業給付の充実など、長年指摘されながら実現できなかった施策を盛り込んだところでございます。

 子供、子育て政策の更なる充実につきましては、今後、この加速化プランの効果を検証した上で、必要に応じて対策の更なる充実に向けた検討を行うことといたしたいと思います。

吉良委員 今大臣が答弁されたこと自体、否定するものではありませんけれども、ここは本当に大胆に子育て支援、特に若者の支援をしていかないと少子化は止まりません。

 そのことを指摘した上で、詳細は時間がないので割愛しますけれども、少子化の最大の原因は、皆さん全員共有しているとおり、実は非婚化と晩婚化なんです。この案はそれを後押しする案にもなります。詳細までは言いませんけれども。

 ということを申し上げた上で、是非、この全部をお願いしたいところでありますけれども、この一部でも、今言ったように、一番大事なことは、国民に負担をお願いしてでも少子化を克服するという覚悟を政府も議員も示していくことが大事だということを申し上げます。

 そして、地方創生であります。

 これで時間を使ってしまいましたけれども、伊東大臣の方で、道州制についても国会の議論を踏まえて検討していくという話をされました。そして、所信の中でも、地方創生、地方が元気になることについてるる説明をされております。これも一切否定するものはございません。

 ただ、私が問題意識を持つのは、掲げられている政策は、正直言って、申し訳ないけれども、効果を発揮しないと思っています。それはなぜか。それは、日本がずっと停滞し続けている最大の原因は、依存心の蔓延なんです。個人も国に依存する。企業も国に依存する。地域も国に依存する。国はどこに依存するとはあえて言いませんけれども。そして、政治は政治で、寄り添うという考え方は大事ですけれども、寄り添うという美名の下に、依存してこい、そうしたら何とかしてやる。これによって自分の政党の支持率を上げる、内閣支持率を上げる、こういうことに邁進している。

 地方が発展していくためには自立を促していくしかないと思っているんです。だから、国が何とかしてあげるとか、先ほど来出ていますけれども、東京にある企業を地方に誘致するとか人を誘致する、これでは残念ながら地方は発展しません。一時的なことです。なぜならば、元々、企業も人材も中央に、東京にあって、それを地方に持っていくということですから。

 大事なことは、当たり前のことですけれども、地方がまさにそれを創生する、生みの親になっていかなきゃいけないと思っています。

 大分県は毎年大体九千人ぐらいの高校生が高校を卒業しますが、残念ながら、多くの地方も一緒だと思いますが、ほとんどの高校卒業生は雇用といったら雇われることしか考えていません。いい会社、安定した会社、そこに雇われることを考えている。自分がビル・ゲイツのように、GAFAの創業者たちのように、自分たちで新しい事業を起こし、企業をつくり、そして何千、何万という雇用を生み出してやる。こういうような気概を持った若者を、教育全体としても社会全体としても、残念ながら親も、よく勉強していい高校へ行って、いい大学へ行って、いいところに勤めて安定した人生を送りなさいなんです。

 そういう意味で、地方が、いろいろなアイデアも事業も、生みの親になっていかなければいけない。そのときには、国とのパイプなんかどうでもいい。地方を自立させるために、ある意味では追い込んでいかなきゃいけない。

 私の日本の今のありよう感というのは、東京が機関車、ディーゼル車というか昔の蒸気機関車で、地方は自力走行できない客車なんです。だから発展しないんです。地方も自力走行できる新幹線型、電車型になっていかなければいけない。そのためには、より地域の自立性を促していく。

 申し訳ないですけれども、伊東大臣の所掌の範囲の中でもなかなか難しいと思いますけれども、地方の裁量権を増やしていく。生活に関連することについて、法律制定権も課税権も財源も一定移譲していく。こういうことによって地方の自立性を高めていく。その中で自分たちから生み出していくという本来の地方創生というものが生まれ出てくるものだと私は思っています。

 そういう意味で、時間がなくなったので、本当は私の考える二層制の国の在り方を説明したいのでありますけれども、ちょっと触れると、私は、これからの日本は、道州制ではなくて、要件としては、国があって、比較的力の強い大きな基礎自治体、この二層制の国づくりを提案させてもらいます。

 経済圏、生活圏が一体であること。そして、歴史的なことも含めて文化圏が一緒であること。分かりやすいのは方言です。三番目は、その地域の中に中核都市があること。

 全国を見渡すと、奈良の律令制のときのような国の単位が実は今言った基礎自治体の単位になる。分かりやすく言うと、静岡県でいえば、遠江があって浜松があって、駿河があって静岡市がある。総理の地元であれば、因幡があって鳥取市があって、伯耆があって米子市がある。ここが一つ一つ自立して、国からいろいろパイプを通して何かもらうではなくて、そこが自立して生きていく。そのために、自立できるように今言った財源、権限、自立性を高めていく。こういう考え方で地域を活性化、そして創生させていかなければいけないと思っています。

谷委員長 申合せの時間が経過していますので、この辺で質疑を終了していただきたいと思います。

吉良委員 では、言いっ放しになって恐縮です。また次回に、大変大きなテーマでありますので答弁も長くなると思いますので、今日は聞いていただくだけで終わって大変恐縮でありますが、ありがとうございました。

谷委員長 次に、浮島智子さん。

浮島委員 公明党の浮島智子でございます。よろしくお願いいたします。

 本日は、特に、子供の相談窓口の一元化、そしていじめ防止対策についてお伺いさせていただきたいと思います。

 こども家庭庁設置法の第三条一項に、「こどもの年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とし、」「こどもの権利利益の擁護に関する事務を行うことを任務とする。」ということが規定なされております。

 まず、子供の相談窓口の方から御質問させていただきたいと思います。

 家庭環境やいじめ、そして虐待、性暴力など、子供たちが苦しい状況に追い込まれている、あるいは心の悩みで前に進めなくなっている、こんな子供たちが、助けてほしいと思って、いろいろなところに連絡したいと思って、こども家庭庁、文科省、そして自治体のホームページにやっとたどり着く。

 でも、そこまで行くのも、子供たちはもう大変な一歩なんです。そこで、やっとたどり着いた、でも、たどり着いてから、子供たちが、自分の悩みに本当に届くのか、話を聞いてもらえるのかというところでございます。

 まず、大臣にお伺いさせていただきたいと思いますけれども、こども家庭庁のホームページに「相談窓口を探す」というページがございます。それは、子供がどのような情報を入力すると、どのような相談窓口が紹介される仕組みになっているのか、それは傷つき、悩んでいる子供たちにとって本当に使いやすい検索の状態になっているのかということをお伺いさせていただきたいと思います。

三原国務大臣 こども家庭庁のホームページには、子供の相談したい内容に応じて、各自治体が設置している最寄りの相談窓口等を検索できる機能を設けております。これは、様々な不安や悩みを抱え、つらい思いをしている子供たちがそうした思いをちゅうちょなく打ち明けることができる環境をつくること、また、その不安や悩みに寄り添い、その思いを受け止めていくための取組の一つということで実施しております。

 具体的には、こども家庭庁のホームページから子供向けページに進みます。そして、その中で「相談窓口を探す」というところをクリックしますと、子供が相談したい内容、心の悩みやいじめ、虐待などの項目から選んで、次に、住んでいる場所を選ぶことで、各自治体が設置する、お住まいの地域のこども家庭センターであるとか、児童相談所などの相談窓口や、地域を問わない五つの相談窓口を紹介する仕組みとなっております。

 また、子供自身が何に悩んでいるかが分からない、相談内容を選ぶのが難しいといった場合もあるため、つらい、眠れないといった悩みをフリーワードで入力することで相談窓口を探すこともできる機能も取り入れてございます。

 他方、悩みや不安、今の気持ちを端的に言語化するというのも難しい場合がございます。あるいは、まずは話を聞いてもらいたい、そういった思いを持っているなど、この検索を使ってみようと思う子供たちの側にも様々な事情があるものと考えますので、子供たちが必要なときに使ってもらえるような更なる工夫についてもしっかり検討してまいりたいと思っております。

浮島委員 ありがとうございます。

 次に、今日は文科省からもお越しいただいておりますけれども、金城政務官にお伺いさせていただきたいと思います。

 文科省のホームページ上にも、「子供のSOSの相談窓口」というページがあります。これも、子供がどのような情報を入力すると、どんな相談窓口が紹介される仕組みになっているのか。

 例えば、SNSの相談窓口は幾つ紹介されるのか、その相談先がリストとして羅列されていても、子供たちが自分にとって必要な相談窓口、そこに本当に行きつけるのかという問題があると思いますけれども、悩み、傷つき、苦しんでいる子供にとって使いやすいホームページになっているのかどうか、お伺いさせていただきたいと思います。

金城大臣政務官 浮島委員にお答えいたします。

 文部科学省のホームページ上の「子供のSOSの相談窓口」におきましては、子供がキーワードを入力する形式ではなくして、SNS、もしくは電話、もしくは地元の相談窓口等の、相談方法や相談場所などをクリック又はタップして選択する形式となっております。

 その上で、お尋ねのSNS相談窓口の状況につきましては、現在居住する地域を問わない五つの相談窓口を紹介するとともに、各地域ごとの三十七のSNS相談窓口を紹介しているところでございます。

 浮島委員御指摘のとおり、傷つき、苦しんでいる子供たちがより容易に、また必要な相談窓口を探すことができることは大変重要なことであり、今後とも、こども家庭庁とも連携しつつ、必要な改善を図ってまいります。

浮島委員 ありがとうございます。

 今大臣からも政務官からも御答弁いただきましたけれども、子供が一つのボタンを押してそこにちゃんと適切に相談できるかというと、まだまだそういう状況にはなっていないと思います。やはり私が重要だと思っているのは、子供たちの悩みに的確にすぐに相談できる体制が必要だと思います。

 この間、ちょっとある団体の方からお話を聞きましたら、不登校の子供たちは、まず画面をオフにしてから参加をする、そして、ここは自分の本当に居場所になるのか、この相談する相手は本当に信用できる大人なのか、相手なのかということを恐る恐る一つ一つ聞きながら、そして、相手がこの人だったら大丈夫かな、信用できるなと思ったら画面をオンにするという話も聞きました。こうやって、子供たちがそこに行くまでもすごい悩んでいる。そして、そこに行き着けたとしても、この大人は本当に信用できるのか、本当に自分の悩みを聞いてもらえるのかと、とても怖がっているという状況があります。

 なので、医療機関や心理専門家、子育ての支援団体、教育機関などと、立場がこうだからということではなくて、たらい回しにされてしまうというところもあるんですね。私のところにもたくさん子供たちから話が来るんですけれども、こういう悩みを持っていたから、やっと分かったホームページにつながったら、いや、ここは違いますよ、ここに行ってくださいと言われて、せっかく勇気を出して行ったのに違うところに回されて、今度そこに行ったら、いや、その悩みはここじゃないからこっちに行ってくださいと回されて、五回も回されてしまったと。そうしたら、せっかく勇気を出して相談したのに、もう相談する気もなくなってしまって、自分を助けてくれる人は本当にいないんだという子供の声も聞きました。

 また一つ、とても悲しいことなんですけれども、私も本当にこんなことはあってはいけないと思いましたけれども、里親の方から性暴力を受けていた子供がいます、そのお声をいただきました。

 その子供も、自分が施設からやっと離れられて里親のところに行けた、でもその里親から性暴力を受けている、でもそれは誰にも言えない。なぜかというと、それがばれてしまったらその里親から出なければいけない、施設に戻ることはできない、自分の居場所がどこにもない、なので我慢をしているということだったんです。

 それで、相談したいけれども相談の窓口も分からないというところで、ある大人の方の耳に入って、そこから発覚しました。そして、私も話を聞きました。その話を聞いて、自分が苦しい思いをして施設に入っていた、その施設からやっと出られて里親に行った、でも里親でもまたそういう目に遭ってしまった、もう大人を信用できない、でも相談したい、自分はここにはもういられない、でも本当に誰を信用して相談したらいいか分からないという、本当に切実な、あってはならない声ももらいました。

 そこで、経済対策の議論のときに、私の方から、子供の相談の窓口を一本化すべきだという発言をさせていただきました。そこで、今般閣議決定された経済対策には、「こどもの悩みを幅広く受け止める場の実態把握及び広報を行う。」というふうに、幅広くということで文言を入れていただきました。その後すぐに三原大臣の方からプロジェクトチームをつくるということでつくっていただき、スピード感を持っていただいたこと、とても心から感謝を申し上げさせていただきたいと思っております。

 でも、大事なのは実態把握をしただけではなくて、した上で、様々な機関、団体、そしていろいろな子供たちの悩み、強みを持っているところもたくさんあります、なのでそこともしっかりと連携をしながら、子供の目線に立ってしっかりと悩みを聞いていく、寄り添って話を聞いてあげるということが私は極めて重要だと思っております。窓口の一本化、これは絶対にすべきだと思っております。

 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、こども家庭庁や文部科学省、そして都道府県には様々な機関そして団体を紹介する相談窓口がたくさん設けられておりますけれども、そもそも非常に分かりにくいつくりになっています。それぞれの子供がどんな困難に直面して、何に悩んでいるのか、先ほど大臣もおっしゃっておりましたけれども、何に悩んでいるか明確に自分で認識できない、使えないというところもあります。

 必要なのは、とにかく困っている、悩んでいる、どうしていいのか分からない、そういう子供たちにまず寄り添って話を聞いた上で専門の機関、団体につなぐこと。こども家庭庁がまず相談オンラインをつくって電話で相談を受け、子供たちの状況を把握する、この一元化の仕組みを構築するべきだと思いますけれども、大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。

三原国務大臣 委員おっしゃるように、悩みや不安を抱える子供が勇気を出して相談窓口に連絡しようと考えていたにもかかわらず、どこに相談していいか分からない、あるいはたらい回しに遭う、そのようなことがあっては、委員おっしゃるとおりです、再び相談する気力も失うし、大人に対する信用も失っていくことになってしまうんだろうと思います。

 また近年、相談窓口が専門化そして細分化された結果、的確、迅速に応じることもできるようになった反面、子供の話をじっくり聞くというよりも、無理に悩みを吐露させたり、あるいは問題解決を急いでしまったりということになってはいないか、相談窓口の在り方、こうしたことも子供の目線でしっかり考えて対応することが重要と思います。

 先ほどおっしゃっていただいたように、こども家庭庁内で若手や現場の経験のある職員を中心に、こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチームを発足いたしました。ここでは、相談窓口の実態把握はもとより、子供、若者や相談事業者等との意見交換、これも行いながら、相談窓口も含めて、周囲の大人がどのようにアプローチしていったらいいのか、配慮が必要なのかということもしっかり考えていかなければということで、今取り組んでいるところであります。

 そして、一元化という仕組みの構築、御提案いただきましてありがとうございます。今後、このプロジェクトチームにおきましても、何より大事な子供目線に立つということ、そして子供がちゅうちょなく悩みを打ち明けられる環境づくり、これは何ができるか、私自身もしっかりと職員とともに連携して取り組んでまいりたいと思います。

 ありがとうございます。

浮島委員 また、文科省にもお伺いさせていただきたいと思いますけれども、今、一人端末一台、GIGAスクールであります。私は、こうしてGIGAスクールがせっかく入ったのですから、そこから相談できる体制も必要ではないかと思いますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

金城大臣政務官 浮島委員にお答えいたします。

 文部科学省としましても、悩みを抱える子供が適切な相談先につながれることは重要であると考えておりまして、昨年十一月も一人一台端末における相談窓口の周知を行ったところではございますが、今回、浮島委員からいただいた御指摘を踏まえまして、今後、一人一台端末の活用も含めて、子供たちが適切な相談機関につながるための方策について、こども家庭庁とも連携してしっかりと検討を進めてまいります。

浮島委員 ありがとうございます。

 子供たちが悩み、そして苦しんでいる。一人でも多くの子供が救えるように、どうか、こども家庭庁、文科省ともしっかりと連携を取っていただきたいと思います。

 本日は、この後はいじめの質問をさせていただきたかったんですけれども、時間が参りましたので、また次回に譲らせていただきたいと思います。

 本日はありがとうございました。よろしくお願いいたします。

谷委員長 次に、小池正昭君。

小池委員 自由民主党、小池正昭でございます。

 初当選させていただきまして、国会での質問は初めてとなります。どうぞよろしくお願いいたします。

 今日は時間が限られておりますので、早速ですが、私からまず平大臣に、デジタル関係ということで先日所信がございましたので、そのうち二点、お伺いをしていきたいと思います。

 まず、信頼性のある自由なデータ流通ということで、DFFT、データ・フリー・フロー・ウィズ・トラストということでありますが、これは二〇一九年のダボス会議で安倍元総理が提唱して以来、我が国として主導的な立場を明確にしているところであります。

 かつて日本は様々な技術で世界を席巻したという時代がございましたが、今現在、残念ながら多くの分野で後塵を拝しているという現実がございます。今後、世界の潮流あるいは将来の方向性、こういったものを見定めながら、国家としてどの分野に注力して世界における地位を確立していくのかということ、これを明確にしていく必要があるというふうに思います。

 その中で、このDFFTなんですが、これまでの我が国の取組が非常に評価されている分野であるというふうにも認識しています。そういった意味で、今後の一層の取組を強化してほしいと思っていますが、二十一世紀の石油と、データがそのように表現をされている中で、現在、多種多様なデータが企業あるいは各業界また国境を越えて流通している中において、このDFFTによって、社会的課題の解決あるいは経済発展、そして、特に、企業の規模には左右されない、あるいは途上国の成長また問題の解決にも寄与するという利点、こういった点が指摘されているところであります。

 DFFTの提唱国である我が国の国内においても、その重要性を認識した一層の取組が求められるわけでありますけれども、課題も実際には存在しているのではないかというふうに感じるところがあります。

 そこで、このDFFTを先導していく上において、世界の状況も併せて現状の課題をどのように認識されているのか、そしてその課題に対してどのように対応していくのか、まずお伺いしておきたいと思います。

平国務大臣 御質問ありがとうございます。

 データ・ドリブン・エコノミーにシフトして、データの自由な流通というのはすごい重要で、日本は物づくりにこだわってきた、これは正しいんですが、その最終製品でもうけるんじゃなくて、この最終製品自体がIoT端末化して情報を吸い上げて、ビッグデータ、AI、また例えば車であれば自動走行のアルゴリズムが改変されてまた自動車に戻っていく、このエコシステムになっています。

 日本が遅れたのはそこだというふうに思っています。だから、いい車を造るところまではできているけれども、それをIoT端末化してまさにデータ・ドリブン・エコノミーのところの付加価値を生み出すというところが遅れている。

 そういった中で、問題意識は、例えば今のはセンサーのデータですけれども、個人情報も含めて、GAFAMはそこで利益を出しているわけですけれども、ヨーロッパはGDPRといって個人情報を物すごく保護するというかっちりとした法律を作り、アメリカはGAFAM、ビッグテックがいるのでデファクトスタンダードで走っている。

 一方、中国は、ある意味緩くて、いろいろな情報を組み合わせて、しかも母数が大きいですから、そこからアウトカム、その成果を出すということで、これは実は中国が一番向いているんですよ。そういった中で、ヨーロッパとアメリカが別々のルールではいけないということで、安倍総理がDFFT、ウィズ・トラストでデータの自由な流通と言い始めた。だから、これは極めて重要なコンセプトだと思います。

 そんな中で、前デジタル大臣の河野大臣が、G7で、DFFTを進める国際的枠組み、インスティテューショナル・アレンジメント・フォー・パートナーシップ、IAPをつくって、今これを主導しているところであります。先ほど言ったGDPRとアメリカ、日本がいるので、ここでまさにG7でしっかりこれを共有する仕組みをつくって、さらには、ASEANなどの新興国においても普及していくということを今着実に進めているところでありますので、これを更に加速していきたいと思います。

 更に言うと、データについては先ほども言ったんですが、個人情報を守るとか、GDPRの十分性のところの法律はちゃんと作ったんだけれども、データ利活用の仕組みとか国家ビジョンとか法律が足りないので、これはデジタル行財政担当大臣として、来年の半ばを目途に国家としての戦略をまとめていきたいと思っております。

小池委員 ありがとうございました。

 今触れていただきましたけれども、まさに、もう既に、ヨーロッパあるいはアメリカ、中国、大きく例を挙げていただきましたけれども、そのような状況になっているんだろうというふうに思います。

 データが貴重な資源である、こういった観点で、これから世界のいろいろな変化があると思います。時には、資源ということに関してはそれを囲い込む、そんな動きも想定されるわけです。あるいは、今、セキュリティーの問題、能動的サイバーセキュリティーの問題あるいはデータ保護、こういったところと実は表裏一体になっているというところがあると思いますので、是非、提唱国である我が国、しっかりとこれから平大臣の下でまた引っ張っていっていただきたいというふうに思います。

 続いてなんですが、地方公共団体の業務システムの統一に関してであります。

 これまで全国の自治体では、情報システムの導入のタイミングの違い、あるいは制度改正、その都度行われているそれに対応して個別の改修等を行ってきている経緯があるために、なかなか全国において住民サービスを迅速かつ最適に共通化して実施すること、これが我が国では難しいということが指摘されてきたところであります。

 この課題に対しては、令和元年八月、自治体システム等標準化検討会が設置されて以来、最近では令和三年の五月、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律が成立し、翌年の十月、基本方針が策定、そして昨年の九月、この基本方針が改定されているわけであります。

 この基本方針の中で、基幹業務システムを令和七年度、二〇二五年度末までに移行することを目指すとされているわけでありますが、ここに来て、やはり移行が難しい事例が存在するのではないかということも指摘をされています。

 そこで、令和五年十月には全自治体を対象に移行困難システムの把握に関する調査を実施しているわけなんですが、現在において把握している移行困難システムはどのような状況であるのか、移行が難しいと言われている自治体に対しての支援をどのように行っていくのか、お伺いしたいと思います。

平国務大臣 標準準拠システムへの移行期限については、地方公共団体情報システム標準化基本方針において、原則二〇二五年度末を目指すとともに、移行困難システムについては当該システムの状況を十分把握した上で所要の移行期限を設定することとしています。

 委員御指摘のとおり、昨年十月時点の状況としては、七百二システム、全体の二%、百七十一団体、全自治体の一〇%であることを、移行困難システムの該当見込みがそうであることを今年の三月に公表したところでありますが、その後も、様々な事情により、標準準拠システムへの移行が二〇二六年度以降とならざるを得ないことが具体化したシステムが一定増加しています、システムエンジニアの不足とかそういうことで。今、デジタル庁と総務省においてその状況について把握を進めています。

 今般、自治体や事業者の取組の進捗状況や意見などを踏まえて、二〇二五年度末に向けた円滑かつ安全な標準準拠システムへの移行を着実に推進するとともに、二〇二六年度以降の移行とならざるを得ないことが具体化したシステムへの対応の方向性などについて明らかにするという観点から、今月中に標準化基本方針を改定できるように今準備を進めているところでございます。

 この改定においては、二〇二六年度以降の移行とならざるを得ないことが具体化したシステムについてはおおむね五年以内に標準準拠システムへ移行できるよう、国として積極的に支援する方針を明確にしたいと考えています。

 デジタル庁といたしましては、引き続き、自治体や事業者の意見を丁寧に伺いながら、関係省庁とも連携して、標準準拠システムへの円滑かつ安全な移行の実現に向けて取り組んでまいります。

小池委員 ありがとうございました。

 自治体の規模ですとかシステムの導入時期はまちまちでありますので、技術的にも、特に財政的にもある程度自治体に対して支援をしていく必要があるというふうに思いますので、国としてしっかりと対応をお願いしておきたいと思います。

 続いて、地方創生の関係で、伊東大臣に御出席いただいておりますので、お聞きしたいと思いますが、令和七年度予算において地方創生の交付金を倍増するという方針を明言されております。これは石破総理も選挙の期間中からずっと明言されていたわけでありまして、非常に地方においても期待感の多いところであります。当然に、ばらまきになることがないように地方自治体自身の姿勢も問われてくるわけですが、交付金倍増という期待に応えていく必要があると思います。

 そこで、地方創生の交付金倍増の方針について、その枠組み、対象事業について今後いろいろ検討されていくと思いますが、現時点でのお考えはどのようになっているか、お伺いしたいと思います。

伊東国務大臣 地方創生交付金の倍増の具体化につきましてはこれからでありますけれども、地方創生につきましては、各地域の異なる実情を踏まえ、地域の多様な関係者が知恵を出し合い、進めていくことが基本であると考えております。

 こうした考え方を踏まえまして、地方公共団体の自主性と創意工夫に基づき、地域の多様な主体の参画を通じた地方創生に資する地域独自の取組を後押しするため、令和六年度補正予算におきまして、新しい地方経済・生活環境創生交付金を創設いたしまして、一千億円を措置することといたしたところであります。

 具体的には、地域資源を最大活用した農林水産業や観光産業等の高付加価値化、また買物、医療、交通など日常生活に不可欠なサービスの維持向上、デジタル新技術を活用した付加価値創出等の取組を支援するものであります。

 また、新しい地方創生交付金につきましては、当初予算ベースで倍増しつつも、できるだけ早く、地域の方々、地方自治体の皆様に届けるために前倒しで措置するものであります。

 また、交付上の上限額でありますけれども、例えば一般的な市町村について申し上げますと、現行の交付金のうち、地方創生推進タイプでは二億円、また地方創生拠点整備タイプでは五億円と基本的にしてきたところでありますが、今後の制度設計に当たりましては、地方のニーズや様々な御意見を踏まえながら、こうした交付上限額も含めて検討を行っていきたいと思います。

 引き続き、地域独自の取組を一層強力に後押ししていくため、交付金を活用しながら、地方の現場から上がってきたニーズにしっかり応えてまいりたいと思います。

 以上です。

小池委員 ありがとうございました。

 非常に、これから地方は期待しているところだと思います。活用事例はいろいろと公表もされておりますが、各地域に好事例については横展開が実施されるように、こういったことも是非とも望んでいきたいというふうに思います。

 今日は、こども家庭庁の件も用意をしたんですが、時間が参りましたので、またの機会にさせていただくこととしまして、私からの質疑は終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

谷委員長 次に、内閣提出、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。平デジタル大臣。

    ―――――――――――――

 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

平国務大臣 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 少子高齢化が進む中、質の高い公共サービスを維持し、国民のニーズの多様化に柔軟に対応していくため、国と地方の共通のデジタル基盤を適切に整備することが求められております。

 この法律案は、内閣総理大臣がクラウドサービスの共同利用のために必要な措置を講じ、クラウドサービスを適切かつ効果的に活用することにより国又は地方公共団体の事務の実施に関連する情報システムの効果的かつ効率的な整備を推進することを目的とするものであります。

 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、内閣総理大臣は、国と国以外の者が共同してクラウドサービスを利用可能とするために必要な措置を講じなければならないこととしております。また、国の行政機関等は、情報システムを整備しようとするときは当該クラウドサービスの利用を検討しなければならないこととし、地方公共団体等は当該クラウドサービスの利用の検討に努めなければならないこととしております。

 第二に、内閣総理大臣は、クラウドサービス提供事業者との契約において、国以外の者が当該事業者に支払うべきクラウド利用料について内閣総理大臣が国以外の者から納付を受けた上で内閣総理大臣から当該事業者に引き渡す旨が定められているときは、当該クラウド利用料を保管することができることとしております。

 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して二月を経過した日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、明十九日木曜日午前八時五分理事会、午前八時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十一分散会


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