衆議院

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第8号 令和8年5月21日(木曜日)

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令和八年五月二十一日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 丹羽 秀樹君

   理事 安藤たかお君 理事 上川 陽子君

   理事 斉木 武志君 理事 田畑 裕明君

   理事 橋本  岳君 理事 早稲田ゆき君

   理事 阿部  司君 理事 日野紗里亜君

      畦元 将吾君    石井  拓君

      井原  巧君    尾花 瑛仁君

      加藤 貴弘君    川崎ひでと君

      繁本  護君    鈴木 拓海君

      世古万美子君    園崎 弘道君

      高橋 祐介君    谷川 とむ君

      田宮 寿人君    辻  秀樹君

      西野 太亮君    古井 康介君

      穂坂  泰君    丸田康一郎君

      宮内 秀樹君    村木  汀君

      山本 左近君    山本  深君

      犬飼 明佳君    大森江里子君

      山崎 正恭君    高見  亮君

      横田 光弘君    西岡 義高君

      福田  徹君    谷 浩一郎君

      高山 聡史君    土橋 章宏君

    …………………………………

   国務大臣

   (デジタル行財政改革担当)

   (サイバー安全保障担当) 松本  尚君

   内閣府副大臣       今枝宗一郎君

   デジタル大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    川崎ひでと君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   政府参考人

   (内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官)  山澄  克君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  町田 達也君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            恒藤  晃君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局長)          佐脇紀代志君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 山本 麻美君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十一日

 辞任         補欠選任

  石井  拓君     世古万美子君

  川崎ひでと君     村木  汀君

  谷川 とむ君     園崎 弘道君

  西岡 義高君     福田  徹君

  高山 聡史君     土橋 章宏君

同日

 辞任         補欠選任

  世古万美子君     山本 左近君

  園崎 弘道君     谷川 とむ君

  村木  汀君     川崎ひでと君

  福田  徹君     西岡 義高君

  土橋 章宏君     高山 聡史君

同日

 辞任         補欠選任

  山本 左近君     石井  拓君

    ―――――――――――――

五月二十一日

 国・自治体の責任を堅持・拡充し、保育・学童保育の大幅増額による施策の抜本的改善を求めることに関する請願(有田芳生君紹介)(第五五五号)

 同(許斐亮太郎君紹介)(第五五六号)

 同(田中健君紹介)(第五五七号)

 同(深作ヘスス君紹介)(第五五八号)

 同(山岡達丸君紹介)(第五五九号)

 同(笠浩史君紹介)(第五六〇号)

 同(神谷裕君紹介)(第五七九号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第五八〇号)

 同(田嶋要君紹介)(第五八一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五三号)

 個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)


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     ――――◇―――――

丹羽委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官山澄克君外五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。尾花瑛仁君。

尾花委員 おはようございます。自由民主党、埼玉六区選出、尾花瑛仁でございます。

 本日は、質疑の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 両法律案につきまして、データを起点に社会を動かすという視点で質疑をしてまいります。

 私は、市議会、県議会で地方創生のいわゆるRESASやコロナ禍などを経験してまいりましたが、より即時的で精緻なデータ活用が、国民の命を守り、現場を動かす要であると痛感をしてまいりました。そして、今やデータが現実の資源配分を左右する時代に入っております。

 県議当時、埼玉県内に外資系データセンターの立地があり、安保上重要な国内立地と地域への影響を踏まえ、県は、法規制を待つだけでなく、国、電力会社、事業者と事前の情報共有の体制をつくり、戦略的なインフラ整備等につなげるべきと提案したことがありますが、その際、国はワット・ビット連携なども進める中、事業者は、電力や通信遅延の許容範囲、そして海底ケーブル陸揚げ施設への接続性から、首都圏内陸の埼玉への立地に至っていました。

 松本大臣御地元の印西市での電力の空押さえの課題でありましたり、全国的な送配電網への投資需要拡大という状況、そして、日本の現場力を資産に換え、逆転の勝ち筋となり得るフィジカルAIなども今後本格化し、データ需要が物理世界の在り方を先に規定する状況へと変貌をしています。

 アナログ時代の縦割り組織や法規だけでは一手遅れる時代であり、その点で、今回の両法律案はデータを起点にする社会整備において極めて重要だと認識をしております。

 まず、今回、総理やデジタル庁が指針の策定権限を持ち、各省庁に横串を通し、事業者の認定も行う仕組みは、データ起点の社会への強力な一歩だと思います。横串を通す中、ハザードといったようなものは感じてきたとの旨、大臣も先日述べられましたが、巨大なデータ需要が押し寄せる今、データ流通の機微を把握した各省庁への総合調整、統括管理がますます重要になってくると思います。

 今回の新たな権限を通じ、どの領域にどのようなデータ需要があるかの機微性を最も早く把握できるのはデジタル庁です。この情報の入口を突破口に、いかに関係省庁への働きかけを主導していかれるのか、初めに松本大臣の御所見をお伺いいたします。

松本(尚)国務大臣 おはようございます。

 今委員からお話のあったデータを起点とする社会への強力な一歩というのは、全くそのとおりだと思います。

 これから我が国が国力をつける上において、データをどれだけ有効に活用できるかということは極めて重要でございますし、両法案の改正については、それのまさに起点となるということを期待しているわけでございます。

 もちろん、一方で、言うまでもなく、しっかりとした情報の管理というのは重要なことを申し添えておきたいと思いますけれども、その上で、デジタル庁としては、データを利活用する取組を司令塔の機能を持つ関係省庁として進めていきたいというふうに思っています。

 横串のお話がありましたが、それぞれの分野において関係大臣がいらっしゃいますから、その大臣とは連携を密にしなきゃいけませんが、その幾つかいる担当の人たちの真ん中にデジタル庁が立って司令塔機能を進めていくということが必要だろうというふうに思っております。

尾花委員 ありがとうございます。

 是非とも省庁の壁を打ち破る力強いリーダーシップを心から御期待を申し上げたいと思います。

 両法律案については、下位の法令等への委任が広いことに関して議論があり、リスク対応の確認が改めて必要だと思います。一方、予見可能性を超えて進化するAIに対応するため、官民の共同規制的な仕組みで運用する設計も理解できます。これは、民主主義の立法プロセスが技術進展の速度に追いつけるかという国家最大のジレンマを象徴していると感じます。だからこそ、その設計には国民の皆様の不安払拭が不可欠でありますので、以下、お伺いをしてまいります。

 統計作成等の特例につきましては、医療分野のように機微性の高い情報を扱う場合、研究や政策に資する一方で、国民から見れば氏名、住所等がどの段階で整理され不要な情報がどう削除されるかが分かりにくい不安があり、他方で、提供前の加工を一律に過度に求めればデータの有効性を失い研究の芽を摘むジレンマもあり、政府は分野ごとのガイドライン等での細やかな設計を提案しているものと認識をしております。

 本特例の活用に不可欠と思われる、氏名等が削除されず利用され続けるのではという懸念への明確な対応方針を改めてお答えください。特に、リスクの高い医療分野を始め、分野別でガイドラインを策定し、提供元でのデータ整理、提供先での不要なデータ削除、PETsの導入推奨など上乗せ措置についても検討すべきと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 AIの開発などを念頭に置いておりますけれども、大量の文書を学習する場合など、個人情報が氏名や住所などの項目ごとに必ずしも整理されておりません、個人情報を抽出することが困難な場合も想定されますこと、それから、大量のデータに含まれます個々の項目が、提供先が行おうとする、そういった統計作成等との関係で提供の際に必要か否かについて判断することが困難な場合も想定されますものですから、今特例におきましては、提供に際して特定の項目を一律に削除するといった要件は設けていないわけでございます。

 とはいいましても、特例を活用する事業者におきまして、データの提供時点において氏名や詳細な住所などの明らかに不要なデータが提供元によりいたずらに提供されたり、あるいは、データの提供後において不要なデータが提供先よりいたずらに保持され続けられたりする事態を防止するためのリスクに応じた対応が求められますので、御説明を続けさせていただきます。

 まず、提供元でございますが、データ提供時の対応でございます。提供元に対しまして不要なデータ項目を削除すること自体を一律に法律上義務づけることは困難でありますけれども、氏名、住所等特定のデータ項目が提供先の行おうとするAI開発等のために不要であることが提供元にとっても明らかでありまして、その削除が容易である場合も想定し得ることがございます。

 その場合には、提供先がAI開発等の目的で取り扱う必要がある場合というのが特例を満たすための条件でございますので、提供先において、漏えいした場合のリスクなどが高いデータを提供する場合でございますとか、行う統計作成等の内容に照らしまして氏名などが明らかに不要で容易に削除できる、そういったものをそのまま提供するということになりますと、この必要がある場合という要件を満たさないということになります。

 このため、提供元が適法にデータ提供を実施する観点からは、提供時点におきましても、明らかに不要なこれらの項目においてはしっかり削除等をしてリスク対応を行うことがこの法律において求められるというふうに解せられるかと思います。詳細につきましては、ガイドラインその他で更に具体的に示したいと思います。

 また、提供先におきましては、統計作成等の定義上、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして個人情報保護委員会規則で定めるものということに限定してございますので、法案をお認めいただいた場合には、この規則におきまして、提供先に対し、不要なデータ項目を随時削除するために必要な措置を講じるよう求めていきたいというふうに思ってございます。

 このため、漏えいした場合のリスク等に応じまして、必要のないデータ項目について遅滞なく削除するための適切な体制を整備、維持することなくこういった開発を行う行為は、ここで特例を設けました統計作成等に該当しないことになりますので、その違反は課徴金の対象ということにしたいと思いますし、安全管理措置に係る違反その他の適用も想定してございます。

 また、医療分野でございますけれども、機微な病歴をAI開発に活用するケースにつきましては、まず、個人情報保護法は、立法当初より、ガイドラインを通じまして、一般法でございますので、解釈や判断基準を具体的に示した上で、そのガイドラインをまさに監督の基準として使っているということでございます。

 あらゆる分野を対象とする一般法でございますので、そのような臨機応変な対応をしっかり措置する予定でございまして、医療分野につきましては、その趣旨に鑑み、現在も医療、介護関係事業者におけるガイドライン、ガイダンスというものがございますので、それをしっかり活用しながら対処してまいりたいと考えてございます。

尾花委員 ありがとうございます。

 是非とも、国民の皆様に端的で分かりやすい説明をお願いしたいと思います。そういった信頼の上に立ってこそ、データの国内の市場を動かして、日本の現場力を最大化できるチャンスが生まれると思っております。

 国民の皆様へのユースケースの説明も大変重要でございます。この点、西野太亮議員がこの後御質疑されるとお聞きをしておりますが、私からは地域への実装の観点のみお伺いをしてまいります。

 昨日、厚労委員会で参考人から、日本にはライフステージごとの医療、介護の世界的に類を見ない膨大なデータがあることの言及がありました。個人情報の保護を大前提として、これが活用できれば、何より現場のサービス向上と人手不足解消に直結するという視点であります。

 同時に、中小企業の製造現場の熟練技能や、損保のデータを活用した自動運転への応用など、AI競争の本質は現場への実装密度で決まると言われるように、少子高齢化と人手不足の現場で動作するフィジカルAIやバーティカルAIこそ、課題先進国と言われている日本の勝ち筋であります。

 AIは、地方の現場産業の生産性を押し上げ、そして中小企業経営者のマインドとの相性がよいとも言われる中、無秩序な開放では大企業だけが利益を得て、地域社会が置いていかれる懸念というのもあります。国が司令塔となり、法的基盤の整備を推進し、地方の現場産業を後押ししていただきたいと思いますが、この点についての政府の考えをお伺いしたいと思います。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘ありましたように、大企業だけでなく、地方の中小企業のデータ利活用の促進というのは我が国にとって重要な課題であるという認識でございます。

 他方で、地方公共団体が自ら保有するデータを整備し、民間事業者に提供するためには一定のコストも必要となりますし、また、中小企業にとりましても、データを利活用する事業に単体で取り組むことは新たな負担となり得るということ、そのことへの配慮も必要だと考えてございます。

 デジタル行政推進法等改正案におきましては、このような地方におけるデータの整備の促進という観点も踏まえまして、例えばですが、国や地方公共団体が保有するデータについて、両者が共同して行う整備、改善を推進するための措置、あるいは、国等データ活用事業に関する認定制度におきまして認定を受けました事業者は、国の行政機関等の保有するデータの提供を求めることができるほか、地方公共団体に対してもデータの提供等の協力を求めることができることとしておりまして、さらに、複数事業者での計画も可能としているなど、地方の中小企業の取組につながる規定を盛り込んでいるところでございます。

 これらの取組を通じまして、地方公共団体を含めたデータの整備及び中小企業を含む様々な主体におけるデータの利活用の推進を図ってまいりたいと思います。

尾花委員 ありがとうございます。

 現場への伴走支援も必要だと思っております。そういった点で、今現在、国内のあらゆるところにいわゆるAIの燃料と言われるデータというのは埋蔵されている状況でございまして、これを最大限起動していくためにどうするかというところですが、地域を支える自治体や中小企業にはやはり専門人材というのが不足しているわけであります。

 そういった意味で、今回新たにIPAに追加される役割を通じて、専門的知見を持たない中小企業が認定事業者として安全にデータ開発に参加できたり、また、国と異なり、今回、たてつけを見ましても、情報提供が任意となっております自治体についても円滑にデータの提供ができるように、双方向に伴走型の技術支援を行うべきではないかと考えますが、方針をお伺いしたいと思います。

山澄政府参考人 本法案の施行におきましては、国等データ活用事業の実施及び事業計画の認定に際しまして、御指摘のように技術的な事項、特にデータの安全管理等に関する専門的な知見が必要になりますことから、これまでその分野で御知見がある、様々なノウハウを有しておられます独立行政法人情報処理推進機構、IPAが認定事業者、主務大臣等に対し必要な技術的支援等を行うこととしてございます。

 デジタル庁におきましても必要な援助等を行うわけでございますが、これらの支援と相まって、IPAの支援とが相まって、まさに御指摘のようなデータ利活用の取組を行う民間事業者への伴走型の支援を行い、認定事業の円滑かつ確実な実施、ひいては国民の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。

尾花委員 是非ともよろしくお願いしたいと思います。

 最後に、松本大臣にお伺いをいたします。

 法律とガイドラインを組み合わせて、規制の強弱から信頼の設計へと向かう日本独自の優位性については、先日、参考人から、世界的に見ても高く評価されているというコメントがありました。であるならば、この分断された現在の国際ルールに企業が苦しむ今、国際的なデファクトスタンダードとして定着させ、ルール形成に貢献していく姿勢というのも必要かと思います。

 我が国をAI駆動型国家へと飛躍させ、デジタル庁が、省庁や国境を越えて、日本を世界で最もAIを開発、活用しやすい国へと導くための、そこに向けての松本大臣の御決意を是非お聞かせください。

松本(尚)国務大臣 欧州に行くと、規制かあるいは利活用の緩和かということで、もう年単位ぐらいでどんどん右左に揺れているんですね。

 我が国の場合は、今回の両法律の改正案が示すように、利活用と規制、規制というか情報の保護と、バランスよく、都度都度、改正ごとにやってきている、これは日本の特徴だろうというふうに思います。それが世界からの信頼性を得るための非常に大きなキーポイントだと私は思っております。

 そういったところを我が国の強みとして生かして、日本から出ているデータは信用性が高いんだ、それによって作られるAI等々も信用性が高いんだということをしっかりとアピールをしていきたいと思っております。

尾花委員 その恩恵が国民生活の現場まで行き渡ることを心からお祈り申し上げまして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、西野太亮君。

西野委員 おはようございます。熊本二区、自由民主党の西野太亮でございます。

 私も、三法の改正案につきまして御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 これまでずっと審議を私も拝聴しておりましたけれども、これまでの議論は、今回の法改正によってどういった懸念があるのか、そして、その懸念に対して政府としてどう考えているのか、こういったやり取りが中心だったかというふうに思います。もちろん、これはこれで非常に重要な課題だと思いますし、懸念がないということが確認できなければ、法律を認める、法律に賛成するということにはならないわけですから、非常に重要な課題だというふうに思います。

 一方で、こうしたことが、懸念がないということが大前提でありますけれども、今回の法改正の意義、目的、すなわち、国や自治体が持つデータの利活用、その先に見据えるバーティカルAI、そして、各分野における産業の発展、効率化、こういったことについても議論を深めていきたいというふうに思いますし、国民の皆様方に知っていただければ大変ありがたいというふうに思います。

 そうした意味で、まずは、国や自治体が持つ様々なデータの利活用の意義について、政府としてどのように認識しているかについてお話を伺っていきたいというふうに思います。

 もちろん、大変短い時間ですので、ゼロから議論をするつもりはありませんけれども、私は、日本経済の最重要課題の一つは、自動車産業と並ぶ、あるいは自動車産業を超えるような産業をいかに生み出していくかということだというふうに思います。もっと言えば、その自動車産業さえも、GX、DXの技術変化が進んで、国際競争が激化する中にあります、盤石の体制にあるとは言えないというふうに思っています。

 その上で、現代社会において、新たな産業の創出、そして産業の効率化、高付加価値化、こういったことを生み出すためには、何といってもデータの利活用が必要になるというふうに思います。データをそのまま直接的に業務に活用するというケースもあれば、技術開発のためにデータを活用するというケース、あるいは、データをしっかりと分析して、消費者が好むような、より付加価値の高い商品開発をするというようなケース、様々なケースがあるというふうに思いますけれども、いずれにせよ、データの利活用は産業の育成にとって必要不可欠なものでございまして、国や自治体が所有する様々なデータを現在活用できていない、活用しないという状況を放置するのは、私はとてももったいないことだというふうに思います。

 政府としてもこうした問題意識を共有していただいているからこそ今般の法改正につながったというふうに認識しておりますけれども、政府として、データの利活用の意義、そして重要性をどのように認識されているのか、川崎政務官に伺いたいと思います。

川崎大臣政務官 お答えいたします。

 西野委員御指摘のとおり、データは現代の社会的資源としてその有用性が広く認知されており、データの連携、利活用、中でも組織を超えた社会全体でのデータ利活用の促進は、新たな産業を育成し、我が国の競争力強化につながる取組として非常に重要であると認識しております。特に、近年では、国力を左右するものとして、各国でAIの開発、活用の取組が強化されておりますが、まさにこのAIの性能向上には、データ、こうしたものの学習が不可欠となっております。

 そのため、政府として、企業経営者や学識経験者を構成員とする国際データガバナンスアドバイザリー委員会における議論等を通じて、データの流通、利活用の促進に取り組んできたところです。

 ここで取組例を一つ紹介をさせていただきますと、データを重要な経営資源として捉え、企業価値を高めるためのデータの適切な統御、すなわちデータガバナンスの重要性とこれを実践する要点をまとめたデータガバナンス・ガイドラインを政府が策定しており、企業におけるデータ利活用の促進を図っているところです。

 一方で、我が国における法制度の面を見ると、必ずしも社会全体でデータの連携や利活用を前提とした法制度にはなっておりません。そのため、高まるデータの重要性に対して、これを適切に捉えつつ、分野横断的なデータ利活用を促進する措置を講じるために、まさにこの委員会で御議論いただいている今般のデジタル行政推進法の改正を行う、こうした議論を今皆様にしていただいているところでございます。

西野委員 政務官、ありがとうございました。

 皆さん方も御案内のとおりかというふうに思いますが、ありとあらゆる分野で存在感を増しているこのAIについては、やはり国際的に非常に競争が激化しております。

 ただ、AIと一口で言っても、多分様々な切り口があろうかと思いまして、例えば、我々になじみが深いチャットGPTですとかGeminiとか、こういったものは生成AIと言われるものでございます。

 一方で、フィジカルAIと言われるものは、AIとロボットとか機械を結びつける。ちょっと私の選挙区の例でいうと、恐縮ですけれども、私の選挙区はトマトの一大産地でありますので、トマトの収穫時期、例えば大きさとか色とか、そういったものをしっかりとAIに覚えさせて、そしてロボットと組み合わせる、どこにトマトがあるかというのを認識して、これが収穫時期かどうかを判断させて収穫するみたいな、例えば具体例としてそういったものが挙げられるかと思いますけれども、こうしたフィジカルAI。それぞれ文脈で、AIといっても、いろいろな形で議論されるんだろうというふうに思います。

 その中で、近年、我が国の産業を育てるという観点から特に注目されているのが、特定の分野、特定の領域に特化したAI、いわゆるバーティカルAIと言われるものでございます。バーティカルAIは、各産業の生産性、効率を大幅に向上させる可能性を秘めておりまして、AIの社会実装の世界的な競争の中核となっています。

 我が国においては、生成AI、GeminiとかチャットGPTについてはなかなか、先行する企業にこれから太刀打ちするというのは難しいのではないかというふうに言われておりますけれども、一方で、このバーティカルAIについては国際競争を勝ち抜く可能性を十分に秘めているというふうに言われています。今後、戦略上の重要分野としてこうしたバーティカルAIを位置づけて、開発、実装を加速していく必要があるというふうに考えております。

 国際的な競争が激化する中にあって、日本におけるバーティカルAIの可能性について、政府としてどう認識されているのか。国内産業の育成、効率化という観点のみならず、国際競争に勝てるのかという観点からも政府に伺いたいと思います。

恒藤政府参考人 お答えいたします。

 大規模言語モデルなどの汎用AIの性能が急速に向上している中で、多くの産業などの現場では、より使い勝手がよく、現場の課題解決を可能とするAIが求められておりまして、こうした観点から、領域に特化することで正確性と専門性を高めたいわゆるバーティカルAIの開発、活用が今後拡大すると見込まれてございます。

 こうしたバーティカルAIの開発には、現場データの活用が鍵でございまして、暗黙知を含めた現場データを豊富に有する日本は、この分野で世界をリードできる可能性は十分にあると考えてございます。すなわち、国内のみならず、世界各国の現場の課題解決にも有効なものを開発することで、その輸出も期待できるところでございます。

 こうしたことを踏まえまして、バーティカルAIは日本の勝ち筋の一つであると考えておりまして、日本成長戦略の議論の中で、まさにこの分野の官民投資ロードマップを検討し、整理しているところでございます。今後、この官民投資ロードマップに基づきまして、バーティカルAIの開発、実装を強力に推進してまいります。

西野委員 ありがとうございました。

 それでは、個別の分野について少し見ていきたいというふうに思います。

 金融の例等をちょっと用意しておりましたけれども、時間の都合上、ちょっと割愛をさせていただいて、いろいろな分野でバーティカルAIが活用される、そういった分野が想定されます。今申し上げた金融、医療、介護、製造業、運輸、物流、本当にいろいろな分野があるわけですけれども、先ほど冒頭に少し申し上げた自動車産業、自動運転走行、こういったものがこれから必要になってくるわけでございますけれども、これの関係について少し伺っていきたいと思います。

 自動運転技術の開発に関しましては、走行データを始め大量のデータの収集、蓄積を行ってAIに学習をさせる、これが重要であります。そうした中で、今回の法改正は、国や自治体が保有するデータ等を活用することで自動運転開発を加速させることができるというふうに認識しておりますけれども、この自動運転走行の開発におけるデータの利活用の重要性についてどう認識されているのでしょうか。また、自動運転走行の開発に当たりまして、国が所有するどのようなデータを活用することになるのか、どのようなデータの利活用が開発につながるのか、分かりやすく具体的に教えていただければと思います。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、自動運転の技術開発においては、データ利活用が大変重要でございます。特に、近年では、自動運転においてAIの活用が進んでおることから、質の高いAIの学習データを多く集めることが重要です。

 具体的なデータとしては、例えば、周辺の環境認識に必要なカメラやLiDARなどのセンサーから取得した画像、動画などのデータ、車両の位置情報の推定に必要な高精度三次元地図データ、優秀なドライバーがどのように運転するかの走行データなどが必要であると認識しております。

 国が保有するデータの活用についても御指摘ございましたが、今の現時点では、事業者の方について確認したところ、特段利用を想定しているものはありませんでしたけれども、今回の法改正の内容を見ながら事業者と連携していきたいと思います。

西野委員 ありがとうございます。

 今政府側から答弁ありました、今は想定しているものはないというふうにおっしゃいましたが、私が個人的にイメージするのは、やはり国土交通省が持っている道路の凸凹の情報とかあるいは気象情報とか、こういったものをしっかりと自動運転走行に学ばせるということも技術開発の加速化につながるんだろうというふうに私は勝手に想定しているところでございます。

 そんな中で、やはりこの自動運転走行の技術開発、アメリカ、中国に随分後れを取ってきたという印象があります。その背景には、我が国においてデータの利活用がなかなか進んでこなかったという事情があるというふうに考えています。アメリカにおいては、民間が保有するデータが大量にありますので、アメリカ政府としてはその利活用を妨げないという程度のルールを作ればそれで足りた、あるいは、中国においては利活用が進んでいる、利活用することがそんなに困難ではない状況かなというふうに思いますので、そうした意味で、日本の利活用が進んでこなかったという課題があるというふうに認識しておりますけれども、政府として、こういったことについて、どのような課題意識、問題意識を持っていらっしゃるのかについて伺えればと思います。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国におけるデータ利活用に関する課題でございますけれども、様々なものがあると考えられますけれども、私どもが本法案の検討過程で設けました検討会においてヒアリングをさせていただいた事業者から、例えばということで御紹介させていただきますと、データガバナンスの確立を含めた、安心してデータが提供できる環境の必要性、データの標準化の必要性、個人情報を含むデータに係る同意取得を含めた制度上の実務などが、データ利活用に係る課題としてその際お伺いしたところでございまして、少なくともこういったものは主要な課題として挙げられると考えてございます。

西野委員 ありがとうございました。

 その上で、最後の質問になりますけれども、今般の法改正、そして認定制度の創設によって、これまでいろいろ政府側から御答弁いただきましたけれども、こうした課題がどのように解決されるのか、どのように手当てがなされて、様々なバーティカルAIの分野の開発に資するというふうに考えていらっしゃるのでしょうか。松本大臣の意気込みと併せて、考えを伺わせていただければと思います。

松本(尚)国務大臣 様々な課題があるんですけれども、このデジタル行政推進法等の改正案については、国等のデータ活用事業の認定の制度をまずつくって、どんなことをちゃんとやるのかということを国がしっかりと監督していくということ、それから、事前に協議を行った上で、個情法の上での適切性の確認を行う仕組み、この両方をつくることによって、事業の安定性というか確実性を担保し、また、問題となる個人情報の取扱いがきちんと行っているかということを個情委がまず事前に確認するということで課題に対する手当てができているというふうに考えております。

 その上で、我が国が持つ様々なデータを生かして、バーティカルAI、質の高いものを作っていくというところに結びつける、これが今回の改正の大きな軸だというふうに思っております。

 改正した暁には、その内容をしっかりと実現できるように努めていきたいと思っております。

西野委員 大臣、ありがとうございました。

 今まで議論させていただきましたけれども、やはり、個人情報が悪用されない、流出されない、こういったことをしっかりと担保しつつも、データの利活用、産業の活性化に向けて、しっかりとこれからも政府・与党一体となって取り組んでいきたいというふうに思います。

 私の質問を終わります。ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、犬飼明佳君。

犬飼委員 中道改革連合の犬飼明佳でございます。よろしくお願いをいたします。

 まず、統計作成等の特例における要配慮個人情報についてお伺いをいたします。

 今回の改正では、統計作成やAI開発等を目的とする場合、一定条件の下で、本人同意なしに個人情報を取得、利用できる特例が設けられております。

 AI開発競争が激化する中、データの利活用を進め、我が国の競争力につなげていくということの重要性は私も理解をしている一人でございます。

 しかし、その一方で、五月十二日の委員会での我が党の長妻議員の質問や先般の参考人質疑の中においては、公開されていない病歴情報などの要配慮個人情報についても、統計作成等を理由に、本人同意なしで取得、利用、第三者提供が可能となる点への強い懸念が示されました。特に、病歴や健康診断情報などは極めてプライベート性が高く、一度漏えいすれば本人に重大な不利益を与えかねない情報であります。さらに、匿名化、仮名化されたデータであっても、AI技術の進展や他データとの突合によって再識別されるリスクも指摘をされております。

 制度に対する国民の信頼を確保するためには、どこまで許され、どこからが許されないのかを明確化し、恣意的な運用や過度な拡大解釈を防ぐことが不可欠であると思います。

 氏名付病歴情報が本人同意なしで一旦提供され得ること、そして、名前や住所など統計作成に不要な情報は利用側が削除するということ、また、提供後の削除が法律ではなく事業者判断に委ねられていることなど、つまり、本人の同意、また本人の関与がないまま極めてプライベートな情報が取り扱われることに強い不安を感じているところでございます。

 そこで、医療情報や病歴等について、氏名等を除去した仮名化を原則とし、個人特定リスクを極力低減することが必要であると考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

松本(尚)国務大臣 仮名化についてのお話ですけれども、AIの開発等においては、大量の文書を学習する場合など、個人情報が氏名や住所等の項目ごとに整理されていない、いわゆる構造化されていないデータというのもかなりあるわけでございます。

 それから、そもそも、提供先が行おうとするAI開発の関係で、そういった情報が必要かどうかということを提供元が判断するということは困難な場合も想定されるということで、今回は事前に仮名化するとか削除することを要件とはしていないんですが、そもそも、AI開発の目的でこういったことを取り扱う必要があるというのを要件として、まず、リスク等が極めて高いデータを提供する場合において、氏名等が不要なのに、それが明確に分かっているのに、そしてその削除も容易にできるのに、それをやっていないよね、漫然と提供しているよねということになりますと、このAI開発の目的の要件を満たさないということになりますので、そういう意味においては、細かい個人情報というのが利用されるということを、そこで一回歯止めをかけているということです。

 それから、もう一つは、提供元が適法に医療情報の提供を実施する観点からは、提供元が提供する時点において、明らかに不要な項目がないということを適切な方法で特例要件を一つ一つ確認をした上で提供することが重要だということもガイドラインに明記するという予定をしておりますので、そういった点において委員の懸念を払拭できるのではないかと考えております。

犬飼委員 取り扱う事業者の観点ということも非常に重要であると思います。

 この要配慮個人情報を取り扱う事業者について、今大臣から御答弁がありましたけれども、そうしたいわゆる安全管理、こうした義務をしっかりとやれる、できるのか、その事業者自体が信頼できる事業者なのかということを担保していただきたいと思います。公表事項などのルールや秘匿処理などの能力が果たしてあるのか、また、提供する側もこの確認の責任を負うなど安全性を担保する仕組みづくりが必要であるというふうに思います。

 そこで、要配慮個人情報を扱う事業者に対する認定制度とか第三者のチェックなど、安全管理の強化が必要であると考えますけれども、大臣の見解を伺います。

松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。

 怪しいデータの取扱業者を事前に審査、認定する制度というのは今回設けておりませんが、デジタル行政推進法においては、どういうものを認定するかという制度はこれは今回つくりますから、そういったものを利用しつつ、おかしなデータの利用をする業者というのを極力排斥する、排除するということは可能だろうと思っています。

 それから、本特例においては、安全管理のための必要かつ適切な措置を講じることも求められ、また、目的外使用の利用が禁止され、違反すれば課徴金の対象になるというようなことを踏まえれば、個人との対応関係が排斥された統計情報の作成のみに利用されるということが担保されるというふうに考えております。

 こういった規律をしっかり遵守しているかどうかも個情委員会がしっかりとモニタリングをするということで、二重三重に懸念を払拭するようなたてつけになっているということでございます。

犬飼委員 先般の参考人質疑の中でも、やはり分野によって保護と利活用のバランスが変わるというお話もありました。したがいまして、医療分野については、やはり保護という観点を、特段に対応が必要である分野になると思いますので、そうしたこともしっかりと対応していただきたいと思います。

 次に、AI学習に伴う再識別リスクについて伺います。

 生成AIの急速な普及に伴い、学習データに含まれていた個人情報や機密情報がAIの出力を通じて漏えいするリスクが国際的にも問題視をされております。海外では、対話型AIが学習データの中の氏名、住所、電話番号等を出力した事例や、企業内部情報が生成AI経由で外部流出した事例も報告をされております。また、位置情報や購買履歴など、一見匿名化されたデータであっても、他の公開情報と突合することで個人が再識別されたケースも海外で問題となりました。

 さらに、AIは膨大なデータを横断的に分析するため、現在は安全と考えられている匿名化技術であっても、将来的な技術進歩によって再識別される可能性は否定ができません。先般の参考人質疑の中においても、AIモデルから個人情報が復元される可能性や、学習済みAIから情報漏えいが起こり得ることなどへの懸念も示されました。

 一方で、AI開発競争が激化する中で、個人情報保護とイノベーションを両立させていく観点も大変重要であると思っております。同じく参考人質疑の中で、わざとノイズを加える差分プライバシーや秘密計算、連合学習など、いわゆるPETs等のプライバシーを強化する技術が示されました。単なる規制強化だけでなくて、こうした技術の社会実装を進め、安全性と利活用を両立させていくことが必要ではないかと考えます。

 そこで、このAI学習に伴う再識別リスクや情報漏えいリスクに対し、匿名化、仮名化、差分プライバシー等を含め、どのような安全管理措置を求めていくのか。また、PETsなどプライバシー強化技術については、政府として、技術開発や社会実装を進めていくことが必要であると思いますが、大臣にお伺いをいたします。

松本(尚)国務大臣 統計作成等の特例につきましては、大量の個人情報を個人に関する情報に当たらない状態にまで加工するということが求められています。

 ですから、今委員の方からお話がありました仮名加工情報とか匿名加工情報というのは、基本的には個々人の区分を残した情報でございますから、そういう情報で使うということは認められていませんので、これについてはそこでしっかりと線が引かれるかなと。ゆえに、本特例に基づいて作成されるAIのモデルにつきましては、再識別や漏えいのリスクというのは極めて低いものというふうに認識をしております。

 また、個人の権利利益を害するおそれが少ないものであることがこの特例が適用される要件になっておりますから、本特例を活用してAIを活用する事業者に対しては、個人情報等が復元されることを防止するために必要かつ適切な措置を求めていくということになっています。

 それから、委員が今御指摘のありましたPETsの利用については、PETsについては、私も、その具体的な、テクニカルなところは、詳細は分からないというか、よく分かっていないんですけれども、いろいろと情報を集めますと、我が国はPETsの技術においては他国を凌駕するぐらいのレベルを持っているということでございますから、今後、個情委においても、この技術の有効性、あるいはどうやって導入すればいいかというようなことを調査等を行って、PETsの実態、ニーズ把握に努めながら、事業者にその導入を促す方策というものをこれから検討していきたいと思っております。

犬飼委員 次に、子供の個人情報保護についても伺います。

 子供の個人情報保護については、子供の最善の利益を最優先に考える視点が極めて重要であります。

 現在、SNSや動画配信サービスでは、子供の行動履歴や興味、関心が日々データとして蓄積され、ターゲティング広告や推薦アルゴリズムが活用をされております。子供は大人と比べ、判断能力や自制能力、リスク認識能力が十分ではなく、過度な広告誘導や長時間利用、依存的利用などの影響を受けやすいと思います。さらに、現在の年齢確認や保護者同意についても、私は十八歳以上ですというところをクリックするだけで通過できるなど、形式的な運用にとどまっているというふうにも思います。

 EUでは未成年へのターゲティング広告規制や高プライバシー設定のデフォルト化など、国際的にも保護強化が進んでおります。実効的な保護水準とは、単なる保護者同意にとどまらず、子供へのターゲティング広告制限、推薦アルゴリズムの透明化、子供へのプロファイリング制限、高プライバシー設定のデフォルト化なども含めたことを考える必要があると思います。

 そこで、子供の年齢確認や保護者同意について、形式的な確認にとどまらない実効性ある仕組みをどのように構築をするのか。また、ターゲティング広告、推薦アルゴリズムなどから子供を実効的に守るため、我が国としてどのような保護水準を目指していくのか、大臣にお伺いします。

松本(尚)国務大臣 子供の保護は、我々大人がしっかりと進めていかなければならない重要な案件でございます。

 その点で、年齢確認や法定代理人からの同意取得をどのように実施すべきかというのは、個情委員会の定めるガイドライン等について今後明確にしていかなければならないと思います。その際には、子供の権利利益を保護できるよう適切に、個情委員会の中で議論をして、まとめていきたいと思っております。

 子供を実効的に守るための保護水準の方針についてお話がございましたが、ターゲティング広告等に関わる御懸念だと思いますが、本法案によって事業者は、ターゲティング広告等に際して、子供の個人情報を第三者に提供する場合に法定代理人の同意を取得する、あるいは、法定代理人からターゲティング広告等への子供の個人情報の利用を停止するよう請求された場合これに応じるという対応が求められることになります。これによって、子供を実効的に守る一つの保護水準の方針となっております。

 また、未成年者の最善の利益を優先して考慮しなければならない旨の責務規定を設けることとしておりますので、事業者においては、この責務規定に基づいて措置を取ることを期待しております。

 例えば、減量のための商品に係る広告の配信のために子供の個人情報を利用することは当然ながら控えていただくというようなことになりますので、こういった例を挙げながら、しっかりと事業者に対して周知をしていかなければならないわけでございます。

 さらに、第三者から、未成年者への販売等が法律の上で禁止されている商品、例えばたばこの販売がそうだと思いますが、そういった広告配信を依頼され、そのために個人情報を利用するというのはもう既に現行法上の禁止規定になっておりますから、こういったことも違法になるものと考えております。

 いずれにしましても、こういった子供さんの権利利益が侵害されることを防止すべく、今述べた規律を適切に運用していきたいと思っております。

犬飼委員 次に、顔特徴データについてお伺いをいたします。

 この顔認証技術については、今、空港や駅などでの本人確認、また商業施設での顧客分析、防犯カメラなど、急速に社会実装が進んでおります。顔特徴データは、パスワードやIDとは異なり、一度漏えいしても変更が困難であり、行動履歴等と結びつけることで継続的な追跡や詳細なプロファイリングが可能となる極めてセンシティブな情報であります。

 私が今心配しておりますのは、例えば今、日本でも、防犯カメラ自体は防犯や事故防止の観点から社会には一定程度定着をしております。しかし、今回問題となっているのは、単に映像を記録することだけにとどまらず、AIを用いて顔を識別、分析するということであります。様々な属性推定に利用されるケースもあるのではないでしょうか。本人が顔を認識されている、分析、追跡されること自体気づかないまま利用される可能性もあります。

 私が重要だと思っていますのは、やはり本人の関与、利用目的の限定、高い透明性の確保、さらには何かあったときの利用停止請求など、実効性あるルールを構築することであると思います。

 そこで、顔データ等に関する今回の規律、どのような問題意識に基づき導入されるのか。また、本人が知らないままの収集、分析、追跡や属性推定、プロファイリング、誤認識による不利益などの懸念に対し、本人関与、利用目的の限定、透明性確保をどのように担保していくのか。さらに、これは、周知義務だけでなく、実効的な本人関与が確保できると考えているのか。国民への周知啓発や利用停止請求の実効性の確保も含め、政府の見解をお伺いをいたします。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、顔識別技術を始めとするバイオメトリクス技術の利用を拡大してございますが、顔特徴データは、その他の生体データに比べましても、その取扱いが本人のプライバシー等の侵害につながりやすいという特徴を有しておりますので、本法案におきましては、プライバシー等の侵害を防止するとともに、顔特徴データの適正な利活用を促すために、顔特徴データの取扱いについて透明性を確保した上で、本人の関与を強化する技術を導入しているわけでございます。

 具体的には、顔特徴データにつきまして、その取扱いに関する一定の事項の周知を義務づけ、違法行為の有無等を問うことなく利用停止等請求を本人が行えることとするとともに、いわゆるオプトアウトと申しますが、事後的に撤回することを条件に第三者提供を認める制度がございますが、その適用も認めないということにしてございます。

 それから、周知義務を徹底することにしてございまして、事業者の名称など、それから顔特徴データの利用目的、そしてポイントは、利用停止等の請求が実効性あるものになるように、それをしっかり周知するということを重視していきたいと思います。周知の具体的な方法は、十分な透明性の確保が大事でございますので、今後、委員会規則におきまして、カメラを設置する施設の入口にしっかり周知事項を掲示するなど、原則として本人がそこに訪れる際に分かるように明示していただきたいと思います。

 また、しっかり利用停止を、利用いただくためには、国民への周知啓発が重要でございます。本人が実効的に関与できるように、そういったものにつきましては、事業者さらには個人の双方に対して周知啓発をしっかりしていきたいというふうに思ってございます。

 また、当委員会におきましては、個人情報の取扱いに関しまして、苦情の受付、さらには事業者との間の仲を取り持つと申しますか、あっせんをミッションとして担っておりますので、そういったことにも尽力し、実効性を持った形で法の運用を進めていきたい、そのように考えてございます。

犬飼委員 時間も迫っておりますので、最後の質問にさせていただきます。課徴金についてであります。

 課徴金が低いのではないかという質疑がこれまで幾度かありました。

 海外事業者に対しての規制ということも、私は非常に重要であると思います。海外事業者からして、日本の課徴金制度がEUと比べて低い水準であれば、日本は規制が甘い、違反リスクが低いと受け止められ、結果として、国民の個人情報が海外から狙われやすくなるのではないかと懸念をしております。国民の信頼を確保するためには、ルールがあるだけでなく、海外事業者であっても、日本の法律によって違法行為に対し抑止力になる、ここで間違えてはいけないのは、日本の法律が適用されるということだけじゃなくて、しっかり抑止力になるという実効性を示すことが重要であると思います。

 そこで、今回導入される課徴金制度について、政府は、海外事業者に対しても実効的な抑止力として十分機能すると考えているのか。また、日本が規制の甘い国と見られないために、海外事業者への執行、監督や、個人情報保護委員会の国際対応能力強化をどのように進めていくのか、大臣にお伺いいたします。

松本(尚)国務大臣 委員御懸念の件は、私も同じように共有していると思っていただいて結構だと思います。

 その上で、今回は、課徴金の制度、金額が安いということは、先週のこの委員会でも御指摘を受けたところです。

 どうしても、この国の法律のありようとして、緩いところからだんだん、問題があれば厳しくしていくというようなプロセスをこの法律に限らずやっていくわけで、そういう意味では、本法案の附則にあります、附則第十四条の三年ごとの見直し、これを有効に使いながら、本課徴金制度の抑止効果がどれぐらいあるのかということをちゃんと見極めながら、課徴金額の水準とか対象要件の見直しは、これは適宜適切に進めていくということは明確に申し上げられると思います。

 その上で、海外の事業者への執行については、個情委員会の方の人員の拡充や育成、確保を図りながら、あるいは、海外事業者に対する違反行為については、外国当局との執行協力をしっかりと進めながら、この法律を実行していく必要があるというふうに思っております。

 全く委員のおっしゃる懸念は、繰り返しになりますが、僕も共有していますから、しっかりと対応していきたいと思います。

犬飼委員 大臣、よろしくお願いをいたします。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、山崎正恭君。

山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。

 犬飼委員に続きまして、引き続き質問させていただきたいと思います。

 私も、今日、様々な委員さんからもございましたように、データをしっかり活用してAIを進展させていくということには何の異論もございません。

 その上で、やはり、ずっと言ってきました個人情報の扱い、その中でも特に我が党がこだわってきたのは、機微な情報であります医療情報についてでございます。今日も、その点について、中心にお聞きしたいと思います。

 私は、この医療情報ですごく思うのが、次世代医療基盤法と本改正案との矛盾であります。

 次世代医療基盤法は、個人情報保護法の特別法として二〇一八年に施行され、当初は匿名加工医療情報の枠組みで、令和五年改正によって仮名加工医療情報の枠組みが追加されました。

 同法は、医療データの利活用に際して、以下の厳格な保護構造を採用しています。本法案はこれと同じく医療データを含む要配慮個人情報の利活用を可能とする制度でありますけれども、一つは認定事業者制度、二つ目は法定加工基準、三つ目に書面によるオプトアウト義務という次世代医療基盤法の三本柱のいずれとも整合しない設計となっている箇所があります。

 以下、この矛盾に基づいて質問を行いたいと思います。

 まず、次世代医療基盤法は、医療データを加工して利活用できるのは、主務大臣が組織体制、安全管理措置、技術的能力等を総合的に審査して認定した認定事業者に限定され、認定取得後も継続的な監督が行われ、違反があれば認定が取り消されます。

 他方、本法案は、一定事項を公表すること等の要件を満たせば認定手続を経ることなく任意の事業者が医療データを含む要配慮個人情報を第三者から取得しAI開発等に利用できる特例利用前の事前審査認定制度は設けられていません。

 次世代医療基盤法が認定事業者制度を設けた理由は明確で、医療データという高機微情報を安全に加工、管理できる技術的能力、組織体制、内部ルールを持った事業者にのみデータの取扱いを許可することで、能力のない事業者による不適切な処理を防ぐためであります。

 先日の参考人質疑でも、森参考人はこの点に関して、誰でも手を挙げることができるのは危険と指摘しましたが、これはまさに、次世代医療基盤法が認定制度によって解決してきた問題そのものであるというふうに思います。

 本法案の統計等特例は、公表や書面による合意という形式的要件を満たせば、次世代医療基盤法の認定事業者でない一般事業者も、医療データを含む要配慮個人情報を取得し、統計を作成したりAIに学習させたりすることができる設計となっておりまして、これは、次世代基盤法が特別法として個人情報保護法より厳格な基盤を設けた意義を、一般法の改正によって実質的に空洞化させる、引き下げるものになるのではないかという懸念もあります。

 そこで、政府は、次世代医療基盤法で認定事業者のみが扱える医療データを、本法案の統計等特例では非認定の一般事業者も扱えるという逆転現象が生じること、次世代医療基盤法の認定事業者制度との整合性をどのように説明するのか、政府の考えをお伺いします。

松本(尚)国務大臣 個人情報保護法と次世代医療基盤法との比較で今委員はお話をされましたが、そもそも目的が全然違っていて、まず、法律のたてつけとして、個人情報保護法で今回問題にしているのは、分野を問わず広く適用される一般法であるということ、そして、今回の特例というのは、AI作成、AIを開発する等の統計作成に限って本人同意を不要とする特例であるということ、これがまず第一です。

 その上でというか、それとは別個に、一般法で不都合があるときに、特別法である次世代医療基盤法ができ上がっていて、委員がおっしゃるとおり、機微な医療情報を取り扱うためには匿名加工とかあるいは仮名加工をやるということをこの次世代医療基盤法でやっているということなんですね。

 ですから、こちらの、次世代医療基盤法の認定のルールをもって、そのままこっちの、個情法の、しかも極めて限定された特例とそこを同じに扱ってしまうと、これは利活用をかえって妨げるということになります。

 例えば、委員おっしゃったように認定をしてはどうかというような話なんですが、認定のみで入口規制をしてしまえば、事業者の方のいわゆるハードルが高くなってしまって、本来もうちょっとデータを利用したいなというところのハードルを先に高くしてしまってはその目的が達せられないのでそこはハードルは下げる、その代わりに情報を守るいろいろな手当てをしながら個情法の今回の特例ができ上がっているということでございますので、そこはちょっと線引きをしてお考えをいただければと思います。

山崎委員 大臣のおっしゃるように、目的が違うということと広く使うというのはよく分かるんです。

 だから、最初にも言ったように、ただ、私たちは、医療データだけは、今回の法案自体の大きなくくりはあれなんですけれども、医療データについては渡したときのことをすごくこだわって言っているわけです。いわゆる医療データが渡っていったときに、先ほど言いました医療基盤法の中では能力がしっかりあるところにしか渡さないのでいいんですけれども、例えばそこで非認定であったところに対しても渡るわけなんです。その渡ったときの危険性について私たちは言っているわけでして。

 最初から長妻委員も言ってまいったんですけれども、医療情報については、やはり名前とか病歴等が、先ほど他の委員の質問の中でもちょっと答弁が出ていたと思うんですけれども、やはり我々としては、医療データに関しては提供前に名前は削除すべきであると思うんですけれども、その辺について、もう一度確認をさせてください。

松本(尚)国務大臣 私も医療機関でデータは今までたくさん扱ってきたので、その辺りのところはよく理解をしているつもりなんですが、構造的にきれいに、エクセルとかできれいに整理されたデータであれば、氏名とか住所とか、それをカットして渡すということはそれほど大変じゃないと思いますよ。だけれども、そうじゃないデータというのもいっぱいあって、そういったものを本当に、例えば今回は医療機関側ですけれども、提供元に課すということがデータの利活用を前に進めることに資するかという問題が一点。それから、使う側が一体何を求めているかが、提供元からすると一々判断することが困難だというような点も加味して、今回のような特例を設けたということです。

 だけれども、今委員おっしゃる御懸念もあろうかと思いますから、提供元に関しては、医療情報については、提供する時点において、これは本当に明らかに不要だなと思っているものはないかどうかはちゃんと確認しなさいということはしっかりと進めていかなきゃいけませんし、条件に即していない第三者提供というのは違法になりますから、そういったものも、ちゃんと提供側には我々としては伝えていかなければいけないというふうに思っているわけでございます。

山崎委員 今までの中で、当初、大臣はお医者さんでもあったので、なかなか病院側がそのデータをやるのは大変だというお話が割と答弁としては強かったと思うんですけれども、今の答弁でいうと、そうであってもしっかりと医療データに関しては不要なものはのける、最初の答弁でもあったように、それをガイドライン等でもやっていただきながら、そこには十分配慮していただけるというふうに受け取りましたので、しっかりそこは進めていただきたいなというふうに思います。

 それと、様々レクも含めて聞いていると、制度としてはよく分かります、説明としては分かるんですけれども、やはりそれは、特に機微な情報であるがゆえに、きちっとやってもらうということに、性善説にかなりよっているところもあって、心配しているのは、実際にそのように加工されるのかどうかということで、医療基盤法の方はそういったところも審査して認定しているので割と安心なんですけれども、このたてつけのとおり、しっかりと実際に、目的のように加工されるかというふうなところにおいての懸念点が私どもの中にはあるわけでございます。しっかりとガイドライン等で不要なものについては削除するような規定を盛り込んでいただきたいというふうに思います。

 それと、やはり生データとして出ていくときの、いわゆる生データで出ていったときに、入力前に提供先には目に触れるわけですので、そこが不安だということはずっと長妻委員も言ってきたところです。生データとして出ていっているときには名前と病歴がやはり共に出ていっているんだということは、国民の皆様方にはしっかりと理解を得るべきというか、そういったことがあるんだということはしっかりと、政府としては説明責任があるんじゃないかなというふうに思います。

 ちょっとこれは関連で、通告はしていないので、大臣じゃなくてもいいんですけれども、お答えいただければ。

松本(尚)国務大臣 今回の特例については、大量の個人情報、もちろん生データの状態ですけれども、を個人に関する情報に当たらない状態まで加工することが求められていますから、むしろ、仮名加工情報とか匿名加工情報はまだ個人とひもづけできますので、そういう意味では、いわゆる復元のことも含めて、できないような状態にしてからということになっていますから、その辺りのところはちゃんと国民にも周知していかなきゃいけないというふうに思います。再識別等のリスクというのは極めて低いんだということは改めて強調しておきたいと思います。

山崎委員 済みません、何回も言いますけれども、僕はそれは分かっているんですけれども、一瞬ですけれども生データが出ていって入力するまでの間に漏えいするかもしれない、そういったこともありますよと言うことが重要じゃないかな。後からそういった問題が起きて、そんなこと聞いていないよとならないように。少ないところですし、さっきも言ったように、認定していれば、いや、そういったこともやらないところを選んでいますと言えるんですけれども。そういったところを言いたかったわけでありますので、次に行きたいと思います。

 次に、統計の内容、安全性についてお伺いしたいと思います。

 今回の改正案は、統計等特例の適用要件として、個人の権利利益を害するおそれが少ないものを委員会規則で定めることを規定しているというふうに思います。次世代医療基盤法は、様々、加工基準等について法律で明らかになっておりますけれども、この法案は、委員会規則で定めるものというふうにのみ規定されていますので、法律本文には加工の具体的な基準はありません。

 そこで、先ほども出ていましたけれども、本改正案の、委員会規則で定める安全性の基準については、統計法が求める公的統計と同じ、つまり物理的に再識別が不能なレベルのものであるべきだと考えますけれども、政府の認識をお伺いします。

松本(尚)国務大臣 今の御質問の答えをさっき言っちゃったみたいな感じがあるので、同じ答えを言っても余り詮ないことですので、でも、代わりにしゃべることが余りないので、ごめんなさい。

 今回については、もう繰り返しになって本当にごめんなさい、個人の情報に当たらない状態まで加工しているので、いわゆる再識別等のリスクというのは低いということは、これは何度もお話ししたとおりでございます。

山崎委員 ありがとうございました。本当に、ぶれない方がいいので、同じ答弁で大丈夫です。ありがとうございます。

 次に、法律の施行日とこの委員会規則の整備完了日がずれてしまうと、時間的ギャップが起きてしまうと、様々なことが心配されるというふうに思います。

 ずれてしまうと保護の空白期間が出てしまう。特に言われているのは、AI学習にこのデータが利用された場合は、アンラーニングと言われる技術が完全には不可能であるため、後で消そうと思ってもそれがなかなか難しいというふうな状況があると思いますので、保護の空白期間を生じさせないためにも、いち早い規則の制定が重要だというふうに思います。しっかりと、提供元での加工基準、統計の安全性を盛り込んだ、そういった規則が必要だと思うんですけれども。

 そこで、法律の施行日と委員会規則の整備完了日の間に生じる保護の空白期間中に、医療データを含む要配慮個人情報が統計等特例に利用され、国民に不利益が生じるなどの懸念がありますので、どんなスケジュールで規則を定めようとしているのか、お願いしたいと思います。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 本改正案のうち、統計作成等に係る特例に関する規則でございますけれども、その他の規則も同様でございますが、公布の日から起算して二年以内において政令で定める日から施行することとなってございますので、当然ながら、法律の特例規定その他が施行されるよりも十分先立って、規則の準備、制定を所定のプロセスを経ながらしていくということになろうかというふうに思ってございますので、施行前に先んじて特例を利用するというようなことは、むしろ現行法違反ということになることを御理解いただければと思います。

山崎委員 ありがとうございました。そういったタイムラグは生じないということで。

 次に、オプトアウトについて聞きたいと思います。

 先ほど言った次世代医療基盤法は、書面による事前通知プラスいつでも停止可能、これが義務となっていますが、本改正案は公表のみとなっております。

 次世代医療基盤法では、医療機関が認定事業者へ医療情報を提供する際には、あらかじめ本人に対して書面又は電磁的方法による事前通知が必要で、それは最初の受診時に実施すると言われています。通知事項は法律、規則で詳細に定められ、本人がいつでも、医療機関内での提示等で、停止の求めができます。既に提供済みの情報についても、本人の認識可能な情報は可能な限り削除されます。

 本改正案では、事業者が一定事項を公表すること、収集したデータの目的外利用、第三者提供を禁止すること等が要件となっておりまして、本人への事前通知は義務とされておらず、本人がオプトアウトを求める機会の付与も明示的には義務化されていません。

 次世代医療基盤法が書面による事前通知を医療機関に義務づけたのは、先ほどから言っているように、医療データという高機微情報の流通に先立って、患者の知る権利と断る権利を実質的に保護するためであります。患者が最初の受診時に必ず書面で通知を受けることで、自分のデータが研究機関に使われることを認知した上で、オプトアウトするかどうかを判断することができます。

 一方、本改正案の公表とは、事業者がウェブサイト等で情報を開示することを意味する、患者、国民が、自分の医療データを保有する全事業者、行政機関の公表内容を自ら検索して把握し、オプトアウト手続を取ることを前提とする設計は、次世代医療法が書面による事前通知で保障しようとした実質的な関与の機会とは根本的に異なるというふうに理解しています。

 さらに、次世代医療基盤法は医療機関ごとに通知が行われる仕組みを取っていますが、本改正案では医療データを保有する多数の事業者、行政機関がそれぞれ独自に公表します。患者が自分のデータの流通を追跡することはより困難となり、情報提供の実効性は次世代医療基盤よりは明らかに低いわけであります。

 そこで、特別法たる次世代医療基盤法が書面による事前通知を義務とし手厚く保護している医療データが、一般法の改正により、公表のみという低い水準で、事前事後の本人の関与が実質的には認められない制度に移行するのはなぜなのか。政府の認識をお伺いしたいと思います。

松本(尚)国務大臣 原則的なお話は一番最初の質問のときにお話ししたとおりなので、そこを参照していただければと思いますが。

 繰り返しになりますけれども、匿名加工情報と仮名加工情報は、個人との識別というのは完全に断たれたわけではございませんから、ゆえに、オプトアウトも、丁寧なオプトアウトというふうに言われているように、丁寧な手続が必要だというふうにされています。なおかつ、認定作成事業者というのを間に仲介してデータのやり取りをできるようにしているという点です。

 今回の個情法の特例については、まず、個人との情報が完全に排斥された情報であるということ、これが条件ですから。そういうような条件の下に、もちろん、いわゆる個人が後になってもう一回ひもづけすることができないような状態になっているということであるがゆえに、国等が、データの提供元が、直接事業者に出せるようになっているし、それから、今回の、オプトアウトではなくて、一人一人に確認をしなくても提供できるというふうにしています。

 要は、個人との情報のつながりがどれぐらい残っているか残っていないかで、次世代医療基盤法は厳しくしているし、今回は、特例としてデータの利活用をしやすいような状況にしているというようなたてつけになっていますから、委員はよくこれと比べられているんですけれども、そもそもそこのたてつけが違うんだということは御理解いただきたいと思います。

山崎委員 よく分かりました。

 ただ、しつこいようですけれども、二点。

 超部分的かもしれないですけれども、何度もこだわっていますけれども、情報を基に名前と病歴がひもづいたときに、一瞬たりとも、漏えいのリスクがありますよね、情報を基として。(発言する者あり)いや、それは、見える人が限定されていても、もしそれが見れて、問題になった場合に、本人から訴えがあった場合に、そういったところのやはり整備の不備があるのかなというふうには非常に思います。

 それともう一点、統計化目的を示して情報データを取ってくると思うんですけれども、本当に認定されていない業者がそれをきちっと目的どおりに統計化するのかという、この二点については非常に心配がされるところであります。

 ですので、せっかく医療情報については基盤法を作っているので、私たちが提案したいのは、やはり今回の法律についても、一般的なデータはいいにしても、医療情報に関してだけは特別なオプトアウトを設ける必要があるのではないかなというふうに思います。

 もう何度も言いますけれども、全体のデータのことを言っているわけじゃないんです、医療情報のところが心配だから、特に漏れたときには大きな問題になるので、しつこいようですけれども、こだわって言っています、特別に医療情報だけをオプトアウトの手続を取れるような、そういったお考えはないでしょうか。そのことについての認識をお伺いします。

松本(尚)国務大臣 利用停止等の請求にも関わる話かと思いますけれども、違法に個人情報が取り扱われている場合に関しては、本人の権利利益が害されるおそれがある場合についても請求できることになっていますので、そういう意味では、提供先に対する利用停止等請求とか提供元に対する第三者提供の停止の求めというのはできるようになっていますので。これは、いわゆるそれぞれ情報を扱う事業者がちゃんと遵法精神にのっとってきちんとやってくれさえすれば問題ないし、万が一目的外使用をするようなことがあれば、これは処罰というか、対象になりますので、そこでしっかりと代えられるだろうと思います。

 確かに性善説に基づいているというふうに言われればそうかもしれないんですけれども、基本的に、性悪説に基づいて法律を作ってしまうと、罰則は多くなるし何もできないということになりますから、今回の改正は、個人情報をしっかり保護しつつ利活用をいかに進めるかというところに焦点を当てていますので、そこは御理解いただきたいなと思います。

山崎委員 ありがとうございます。

 私も、大臣の言うことが本当に一定よく分かります。だから、そういったところも含めて、僕は、認定までは難しいと思うんですけれども、例えば医療データを扱うようなところに関してだけは届出はさせる、そうしないと、個人情報保護委員会が本当に全てのものを管理するなんというのは物理的に無理なので、しつこいですけれども、医療データに関してだけは、そこを扱う者は届出させることによって、しっかりと個情委の監視というか目が届くんじゃないかなというふうに思うんです。

 それと、一元的に網羅するというのは無理なので、そこをやってくれるだけで、しっかりとその分野の人たちだけは届出もするし、それだけでデータも見やすくなりますし、又は、一元的に公表する仕組みなんかをつくっていただくと、そういった、使われたくないとかというふうなことに関してのしっかりと権利が守られるんじゃないかなというふうに思います。

 もし整備ができない場合は、本人の自己データの提供状況を把握するため、今はなかなか全部把握できないので、それを把握するいわゆる代替手段というか、それについてのお考えはどうなのかということをお伺いしたいと思います。

松本(尚)国務大臣 提供元と提供先のそれぞれについては、自分たちの名称等を公表しなきゃいけないようになっています。ですから、万が一悪さをした場合においては、それはどこの誰が悪さしたかというのは明確に分かりますから、そこは、それをもって、届出と言えるかどうかは別にして、そういった縛りがかかっているということでございます。

 それからもう一つは、具体的な公表方法についてでございますけれども、公表の項目として、特定の文言を規定する予定をしております。例えば、キーワードをちゃんと設けて、そういったキーワード、統計作成等の特例に関わる何とかというような、そういうふうにキーワードを設けておけば、いろいろな人がそれを、ちゃんと自分の情報はどうなっているんだというのを確認できるというか、どこの業者が何をやっているかというのが分かるようにしていこう。それから、クローリングを防止するために、すなわち検索にひっかかりやすくするための措置も講ずるということで、機械的な検索を可能とすることで透明性を高めていく、検索性を高めていくということは、これからちゃんと規定をしていこうというふうに考えております。

山崎委員 是非そういった形で、少しでもやはり皆様方にしっかりとそういった情報が提供できるような形でお願いしたいというふうに思います。

 次に、個人情報保護委員会の解説資料によれば、統計作成等であると整理できるAI基盤モデルやアプリケーションの開発等も含まれるとされています。しかし、統計とAI学習は本質的には異なるというふうに考えます。統計処理では個人情報が集計の結果として消えますが、AI基盤モデルでは個人情報がパラメーターの中に分散して潜在保持され、メンバーシップ推論攻撃等によって情報が漏えいし得るというふうに考えます。森参考人は、AI開発を統計等と同視するには学習データ自体の匿名化が必要条件であると明確に指摘されました。

 この要件を委員会規則に委ねるだけでなく、特定の個人を識別できず、かつ復元できないことが保障されることを法律本文の要件として明記すべきではないかと考えますが、政府の認識をお伺いします。

松本(尚)国務大臣 委員御指摘のように、個人情報を、特定の個人を識別することができず復元することもできない程度に加工したものは、匿名加工情報と申します。森参考人のおっしゃったのは、この匿名加工情報のこと、相当するんだと思いますが、医者として申し上げると、匿名加工情報はほとんど使い物にならないぐらいあやふやな情報になってしまっているので、データの有用性が十分に確保できないという指摘もあったところです。私も当時そう思ってこの法律を見ていました。そういった指摘を踏まえて、データの有用性を十分に確保するために統計作成等の特例の導入を今回決めた、提案しているということでございます。

 なので、より精度の高い統計情報の作成とかあるいはAIの開発等を可能とするという観点から、提供されるデータを匿名加工情報に限定するということ、これは森参考人がおっしゃっていることは、余り適切ではないというふうに私も思います。

 一方で、じゃ、という話なので、繰り返しになりますが、個人との対応関係が排斥された統計情報の作成、統計作成のみにしか利用されないということを担保していきましょうというような、そういうロジックというか論理の流れになっているということでございます。

山崎委員 ありがとうございました。

 済みません、時間が来ましたので。本当は、委員会規則はやはり技術水準がどんどん変わっていくので早い更新をお願いしたいというふうな御質問と、あと、団体訴訟制度なんですけれども、やはり適格消費者団体等に、法執行情報や違反事例、是正勧告の内容を、一定の枠組みの下、共有する仕組みをしながら、消費者団体の、個人情報分野でノウハウの蓄積をしっかり支援していって、将来に向けて団体訴訟が可能なような、そういった団体づくりもお願いしたいというふうなところでしたけれども、今日は時間の関係でここまでにしたいと思います。

 今日思ったのは、やはり医療情報は別組みにしていただけると、大臣も言っていましたけれども、いわゆる医療情報なので名前とかが要るというふうな、そうじゃないと使い物にならない、がゆえに、医療情報だけでも、じゃ、しっかりとした団体だけにしか渡さないとか、そういったことが重要ではないかなと思います。最後までしつこくそれを言いましたけれども、ありがとうございました。

 以上で終わりたいと思います。

丹羽委員長 次に、早稲田ゆき君。

早稲田委員 中道の早稲田ゆきでございます。

 それでは、通告に従いまして、松本大臣、そしてまた今日は厚労から栗原政務官にもお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

 私の方からも、また個人情報保護法改正につきまして、しつこくちょっと聞かせていただきたいと思います。お願いします。

 今回の個人情報保護法の今改正によって、日本初それから世界初で、統計作成等の目的であるならば、AI開発も含まれますが、今までとは違って、公開されていない名前入り、実名入り、住所入り、そうした病歴のデータが、本人の同意なく国、行政、それからいわゆる民間の企業に渡せることができるというふうになるものではないかと思うわけなんですけれども、これについて、日本初、世界初という認識でよろしいでしょうか。

松本(尚)国務大臣 各国の状況というのは、一々どういう状況かということは承知をしておりませんけれども、恐らく、今回の改定については、各国と横並びではない、どちらかというと利活用を推進する方向でこの法律ができ上がっている。同時に、繰り返しになりますけれども、個人情報の保護は十分配慮しながら作られているものというふうに承知をしております。

早稲田委員 これは通告しておりますから、各国の情報は分からないということではなかろうと。きちんとお答えいただきたいと思うんですね。

 もちろん、利活用を進める、AI開発、これも推進は必要ですよ、本当に重要なことだと思っています。だけれども、やはり世界の状況を分からないで議論をするというのはちょっとおかしいのではないかと思います。

 資料の方を御覧いただきたいと思います。

 これは、厚生労働省が、諸外国における医療情報の利活用ルールの背景等ということで、令和四年ですけれども、一枚目から御覧いただきたいと思います。一枚は全部総合的に比べている表ですけれども、二枚目、三枚目、四枚目まで見ていただくと、医療情報に関して、個人情報だけれども、これは全ての国で、ここの資料によりますと、やはり匿名化されているわけなんです。氏名、住所等の情報は削除して利用されるというふうになっております。

 これが、今、大臣、分からないとおっしゃいましたけれども、これでいえば、やはり名前等は削除されて、医療情報に関して言えば、特に病歴、私がいついつコロナにかかりましたとか、もっと重い病気にかかりましたとか、そうした情報は一番機微に触れる情報でありますから、これは名前を削除するというのがやはり大原則なのではないかと私は思っています。

 では、今、大臣、各国の状況は分からないとおっしゃいましたが、これを見て、そしてまた、それでもあえてこの名前を削らないということを特例で認められる、その立法事実は何でしょうか。

松本(尚)国務大臣 今資料を拝見しましたけれども、基本的に、このEUの一般データ保護規則、GDPRというのは、特別な種類の個人データとして、原則としてその扱いが禁止された上で、一定の例外の場合には第三者の提供を含む取扱いが許容されているということになっています。

 ですから、表にすれば、今のようにちゃんとした、ただし氏名や住所等の情報は削除して利用されるというふうになってしまいますが、そういった例外があるということで、この例外の場合として、統計の目的のための取扱いが必要となる場合というのが規定されております。本則の第八十九条に規定する保護措置を講じること等も求められておりますけれども、本規定上、一律に匿名化または仮名化の措置が求められているものではないと承知をしております。

 したがって、各国がこういうふうな表になっているからといって、決して全く個人情報を無視して提供してもいい、構わないということを言っているつもりは全くございません。

丹羽委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 松本国務大臣。

松本(尚)国務大臣 ごめんなさいね。

 個人情報の見直しを検討する中で、AIが急速に普及をすると、今のデジタルの高度化に伴って、事業者が持つデータを共有し、特定の分野に限らず利活用を進めていかなければならない状況だというのは御承知おきのとおりだと思います。

 その上で、それらを踏まえて、本特例においては、統計情報等の作成のために提供されるデータについて、一律に個人情報の削除を求めるのではなく、提供元、提供先に漏えい等を生じた場合のリスク等に応じて適切に対応することで個人の権益の保護を図る制度設計としております。

 立法事実があるかどうかというお話ですけれども、これから作るわけですから、そのときに個人情報の利用がしっかり進むように我々は今進めなきゃいけないし、利用が十分進んでいないという事実がある。その中で、ただ単にゆるゆるなルールを作るのではなくて、個人情報をちゃんと保護しつつ作っているということですから、どこに立法事実があるかといえば、利活用が進んでいない立法事実と、それから、これまでも利活用を進めることによって何かしら個人情報が漏れた不都合がもしあったとすれば、それを排除するために、同時に個人情報の保護ができるようなルールをちゃんと作っていくというバランスを取りながらやっているということがそもそもの立法事実だと思います。

早稲田委員 今、立法事実はこれからですからとおっしゃいましたけれども、それは、大臣、ちょっと違うのではないでしょうか。こうやって法案を出していらっしゃるんですから、そして、今日にも採決ということなのに、立法事実がないんでしょうか。(松本(尚)国務大臣「委員長」と呼ぶ)

 ちょっと待ってください。今おっしゃったのは、一般的な話として、AI活用それから統計等の目的で進めていく、それは分かります。だけれども、じゃ、名前があったらできないのかということなんです。

 そして、今、大臣おっしゃって、初めて見たというようなお話ですけれども、きちんと担当にはお話ししていますから、こういうものを出しますよ、令和四年の厚労省の資料を出しますよと申し上げているわけです。その中で、こういう、表にすればこうだけれども例外規定はあるんですよと言うけれども、じゃ、きちんと調べてください。

 そして、世界はどうなっているのか。生データがないと本当にAI活用が進まないのかということです、特に医療情報に限って。自分の一番機微に触れる情報ですよ。それを名前とともに、住所とともに、幾ら統計にはなるかもしれないけれども、その期間というのがあるわけじゃないですか、経過が。その中で、漏れる、漏えいされるということ、それは非常にやはりリスクが高いわけですよ。

 匿名データだって、いろいろありますよね。英国の五十万人分のヘルスデータが中国サイトで販売される、これも中国の研究機関にきちんと合法的にデータを渡しているんです。でも、その後の話でどういうふうになったか分からないけれども、こういうことが実際に起こっているから私たちは懸念をしていて、そのリスクをせめて抑えるために、穴だらけにならないためには、医療情報に関しては、病歴に関しては、生データでなくしていただけないかということで、この質疑をさせていただいています。

 世界に関してもきちんと調べてください、個人情報保護委員会としても。それを調べないで、分からないけれどもとにかく立法事実はあるんだ。立法事実の中身も定かではないのはとても承服できません。もう一度お答えください。

松本(尚)国務大臣 済みません。いただいた資料については、今朝、僕も拝見をしました。最初の質問の意図がそこであるということをちょっと私としては理解できなかったので、修正、訂正をしたいと思います。何にも知らないというわけではございません。今朝、実は知ったんですけれどもということでございます。

 それから、立法事実の件ですけれども、一点追加をさせていただきますと、氏名や住所等のデータをAI開発における学習データとして活用するニーズ、これは医療に関する例ではないんですけれども、個人情報が削除されたデータのみからでは、個人の名誉やその毀損についてAIが学習することが難しくなる。AIに学習させる内容としても、こういう個人情報は個人の名誉を毀損するんですよということを学習させるためにも、こういった情報が必要になる場合がある。誹謗中傷と認識できないようなAIを作ったとすると、かえって、SNSに誹謗中傷が投稿された場合の対策としてAIを用いることも難しくなるというようなことが、一例、いわゆるエグザンプル、サンプルとして、そういう問題があるということは、一つ、こういった立法事実にはなり得るかと思います。

早稲田委員 一例でおっしゃっていただきたくないんですね。しかも、私は病歴に関して特例にしたということについて今お聞きをしておりますから、そのことでお答えをいただきたいわけなんです。

 そして、立法事実も非常に曖昧だということがここで分かりました。その中で、名前がないと分からないというのが、それは、じゃ、病歴の情報でいえば、本当にそうなんでしょうか。今、朝御覧になったとおっしゃいますけれども、これを見た限りだって、これでEUが進んでいないことはないんですよね。AIの開発、日本よりもずっと進んでいます。これをやってきて、個人情報保護で日本ががんじがらめだからできないというのは、やはり立法事実にはなり得ないと思います。

 これを見ただけでも、それは例外はあるかもしれません。でも、例外、お調べください。そして御提示ください。どういうものがそうなのか、本当に病歴で例外をやっている、統計作成等AI開発にばんばんほかが利用しているのかどうか、示してくださいよ、それだったら。そうじゃないということを私は今ここで申し上げているので、それに反論をされるのであればそのデータをお示ししていただきたいと思います。

 次に進みますが、今、名前が必要なものもあるとおっしゃいましたけれども、それは病歴に関してではありません。しかもまた、一番の機微情報である医療情報ですから仮名加工したものにすべきではないかと思います。そしてハッシュ化というやり方もあるわけですよね。これについていえば、もう次世代医療基盤法、こちらの方でもやられていると聞いております。これだと名寄せができるとも聞いています。

 だから、そうした方法もあるんですから、是非ここは規則で検討していただきたい。全て名前がなければ駄目なんだということでは絶対にないので、これは規則で仮名化、医療情報ですよ、病歴ですよ、それについては検討を規則に入れるということも踏まえて検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

松本(尚)国務大臣 仮名化というか、分からないようにする方法というのは、このハッシュ化も含めていろいろあるというふうには思います。

 先ほどから再三お話をしているとおり、提供側、提供元としては、個人情報を抽出するということが非常に大変ですから、ハッシュ化するのも、そもそもきれいな構造的なデータの方がやりやすいし、ばらばらのデータは非常に厳しいし、それから、一体どういう情報を必要としているかどうかということは提供元としては判断することがなかなか難しいですから、現在、そういったことを踏まえれば、特定の項目を委員御指摘のハッシュ化の方法により仮名化するということは今要件とはしていないところでございます。

 再三お話をしているとおり、提供元にも、特に医療情報に関しては、明らかにこれは要らないなというデータはありますから、そういったものは事前にちゃんと削除するということは求めていかなければなりませんし、目的外使用をした提供先の方も罰則の対象になるということですから、そういった縛りをかけることによってこの利活用を推進していこうというのがこの法律の趣旨でございますので、そこは御理解いただきたいと思います。

早稲田委員 それでは、今大臣がおっしゃった、提供元で、これは明らかに必要ないんじゃないか、削除しますというものは何ですか、例えば。

松本(尚)国務大臣 例えばいろいろな画像がございますわね。そうすると、例えば、何でもいいんですけれども、膵がんの画像はどういう画像かというのをばあっと調べたときに、それは、どういう画像がどういう経過を追ったかということについては個人の名前は必要ありません。何の誰べえというのがどういう経過を追ったかというのは必要なくて、その何の誰べえは全く不要な情報ですから、そういったものに関しては事前に削除することは可能だろうというふうに思います。

 ただ、全体を、そういったものをみんな提供元、特に今回は医療機関ですけれども、医療機関に求めるということになりますと、提供元の負担が物すごく大きくなりますから、病院にいた人間としてはっきり申し上げますけれども、それは物すごく負担になりますので、利活用を進めるためにはある程度の努力義務というところでとどめなければならないんだろうなというふうには思いますね。

早稲田委員 そうしますと、今のお話ですと、提供元が名前を削除することもあり得るということですね。判断して、契約、提供先と第三者、企業とするわけでしょうけれども、そこであり得るんですね。

松本(尚)国務大臣 私はあり得ると思っています。これはまた質問があるのかもしれませんけれども、いわゆる医師の守秘義務の問題にも関わってきますから。

 今回の法律は、一般論としての特例を認めようという法律ですから、医療に関してあえて細かく突っ込んで言うことはできれば控えたいところですけれども、医師として言えば、守秘義務のところで何か問題が起こるとすれば、それを回避するために、利用目的に対して不要な情報で、なおかつ個人情報の漏えいに関わるようなことが疑われる場合であれば、それは医療機関の方の判断で、そういった、今委員がおっしゃったようなこともあり得るかと思います。

早稲田委員 そこも曖昧でございますけれども、だったら初めから名前を生データで出す必要はないというふうに私は考えます。

 個人の、これは国民一人一人の権利とそれから利益でございますので、そこを同意なしですから、今回初めてこういう形で同意なしになって、そして、諸外国を見ても、そんなに例外、例外ということがたくさんあるわけではないはずです。これはきちんと、松本大臣、調べて御提出をいただきたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。お願いします。

丹羽委員長 後刻、理事会で協議いたします。

早稲田委員 そうしますと、今、病院の判断で出さないこともできると言われますけれども、元々、出さなくても、仮名化で、ハッシュ化でもそれができるはずなんです。統計等の作成、AIだったら。

 それで、AIの開発においては、個人情報とひもづけに戻らない、再識別はならないとおっしゃいますけれども、これは有識者の方も、この間、参考人の森弁護士も、先ほど山崎委員からもありましたけれども、学習データのいろいろなことによって戻る可能性はあるわけなんです。そのときに、それがまだ統計化されていない、あるいは統計化されてもそういうことが起こり得るということが、学識の方、ほかの先生も言っておられますから、それで、統計だからいいんだということで何か非常に無邪気に考えられるのは私はちょっとこれは拙速だし、余りにも、今まで個人の同意を取っていたものも取らないんですから、非常に一足飛びだし、穴だらけだと思います。

 個人情報保護法の歴史というのは、大臣お分かりのとおり、個人情報漏えいの歴史でもあるわけです。これはよく言われております。そして、漏えいがあるから、そこを塞いでいくために保護法を変えているわけじゃないですか。その中で、こういう一番機微に触れる情報だけを、だけをというか、それも含めて、犯罪歴も含めて名前を入れていくというのは大変乱暴なことではないかと思います。

 ここに記事もつけさせていただきました。七、八。

 開発優先にブレーキが必要だ、これは読売新聞、五月十日。これは、自民党内のAIの政策に関する提言案をまとめたということで、AIの推進法において、やはりAI事業者が政府の指導などに従わない場合、罰則を含めて実効性のある対策を、政府に法改正を求めたと。そして、これはAI推進法の不備を改めるだけでなくといって、最後の方に、個人情報の取得の制限を大幅に緩和することになる今の保護法改正案、これを国会に提出してやっているけれども本当に大丈夫かという内容でございます。AIが病歴などの情報を拡散するおそれはないのか、思想信条によって個人名がリスト化され、差別を受けることにはならないのか、そして、ここですね、開発優先の政府方針には懸念を抱かざるを得ないと。

 そして、もう一つの東京新聞でありますけれども、これも、要配慮個人情報というのは一番機微に関する情報であり、そして、これが本人同意を不要とする特例が盛り込まれたけれども、企業による個人情報の利活用を前提にすればプライバシー保護がおろそかになりかねない、これは、先ほど来質疑で出ているとおり、やはり企業の、提供先の、そこに委ねられるんですよ、判断に。そこが非常に怖いというふうに申し上げているわけで、そして、目先の利益を優先する企業の論理に左右されてはならないと。

 前回の資料でも出させていただきましたけれども、非常にそうした業界団体の圧力があり、個人情報委員会も大変御苦労された、そういうふうに聞いてもおります。

 だから、その中でこういったことが出て、お土産的に一番の機微に触れる情報を生データで渡すことを可能にしてしまうようなことが今出ておるのが、私は大変懸念を拭えません。今、いろいろやっておりますけれども、質疑をさせていただいておりますけれども。

 それでは、次の質問に移ります。

 これはどうやって、公表されるといいますけれども、ホームページで、例えばA病院のホームページで、こうしたことをしますと。それから、じゃ、第三者のCの方に提供する。Cの会社もホームページに書く。そうしたら、患者さんのB、この方は、ホームページなどで小さく書かれているものでも、それを一々見つけて、自分がかかっている病院はこういうのを情報提供するんだ、私の名前も入った病歴、えっ、手術の記録もこれで出てしまうのというようなことも、ここで見つけなければ分からないということですか。

 それから、一緒に質問します、二つ。

 これを見つけたときに、私はやはり、幾ら統計にしても、それからAI開発にしても、こういうことはやめてほしいと申請をして、これを止めることができるのか。これは是非規則で検討していただきたいのですが、二問伺います。

松本(尚)国務大臣 先ほどもちょっとお話ししたと思いますが、一応いろいろな一般の人たちが検索をしやすいような措置をしながら透明性を高めていくということにしております。

 今回は、ただ見つけただけでは、提供元に対して自分の情報を使うなと言うことは、拒否はできません。違法性があった場合、あるいは、本人に損害が及んでいない状態ではそれはできませんが、そもそも自分の情報が統計の処理の作業からは切り離されて使われているわけですから、今言ったように、自分の情報が、一人一人、何の誰さんがこういう情報だということを使っているのではなくて、全体のマスとしてどういう性質とかどういう傾向があるかということをAIに学習させるのであって、誰が何だというようなことは切り離されているということは再三お話をしているとおりなので、そういった、個人の私の情報がどうなって、そこが外に漏れるのかといったら、そうではないということは明確に申し上げておきたいと思います。

 それで、事業者はそれをちゃんと処理をして、不要なデータは破棄をする、それは安全管理措置としてちゃんと法定されていますから、それに従わなければ、それでもって利益を得たということになれば、当然課徴金の対象にもなりますので、こういう形で個人の情報が使われることはないんだということはちゃんと明確に申し上げておきたいと思います。

早稲田委員 個人の情報がそのまま使われるということは申しておりません、私は。でも、それでも統計であっても使われたくないというのは、国民の一人一人の情報、自分の情報ですから、そういうことがオプトアウトできないというのはやはりおかしいのではないでしょうか。だって、漏えいのリスクだってゼロじゃないですよ、もちろん。それはどんどん提供先が増えれば増えるほどそういうふうになっていくわけで、漏えいのリスクがゼロにはできません、こうしたものは。

 だから、いろいろなことをこうして、次世代医療基盤法、先ほど来、目的が違うんだからどうのこうのというふうにおっしゃっています、それは分かりますけれども、これは匿名、仮名の情報であったって認定作成事業者を入れているんです。いや、だったら、今大臣おっしゃったように、この膨大な、構造化されていない、いろいろなものが含まれている、きちんとフォーマットになっていない情報を病院ごとにやるのは難しい、名前を削除するとか仮名化、でも、場合によってはできると今一つ答弁をいただきましたから、それは分かりましたけれども、そうじゃないときに、じゃ、認定事業者を入れたらいいんじゃないんですか。そこに任せてきちんと仮名化する、医療の場合ですよ、医療の場合は、この次世代医療基盤法に基づいて、これを拡大するような形でやるべきではないでしょうか。

松本(尚)国務大臣 特定の個人との対応関係が排斥された統計情報等の作成のみに利用される場合ということで言っているのは再三お話をしているとおりでございます。そのような統計情報等の作成のみに利用されることが担保されていれば本特例の対象になる。

 認定業者を間に入れるというお話がございましたけれども、例えば、第三者提供の場合は、認定業者に一旦提供して、その認定業者が統計処理をした後に次の業者のところに、AIを作成するんでしょうけれども、そういったようなところがありますから、そういったプロセスが全くないというわけではございませんから、今の御提案というのはそれに相当するものだろうというふうに認識できると思います。

 なお、公表事項については、事業者の名称、統計作成の内容、あるいは委員会規則で定める公表というのがきちんと行われていますので、そういった点についても、事業者がどういうものかということが明確になるようにしつらえられているということでございます。

早稲田委員 私が申し上げたのは、そういう加工をするのは大変だからということであれば、基盤法にあるような認定事業者を入れてそこでやってもらうということ、それから提供先に渡すということも考えられるのではないかという意味で、規則に入れていただけないか、御検討いただけないかとお聞きをしておりますが、その点はいかがですか。

丹羽委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 松本国務大臣。

松本(尚)国務大臣 ごめんなさいね。

 今の、事業者に対して今回の特例で認定を設けろというと、特例にならないんですね。医療に限ることなく、あらゆる分野において利活用を進めるために、個人情報の保護を十分に配慮しながらこの特例を設けているということですから、そこに特別にまた特例の特例の認定を設けるということは、本来の法律の改定の趣旨には合わないというふうに思います。

 ただ、委員のおっしゃっていることはよく理解ができていて、統計処理、AIの開発等に関わる統計の作成以外の部分においては次世代医療基盤法がその首座というか主戦場になりますから、全部が全部、全部生データをそのまま誰かに渡すんだみたいなことにはなっていないということは、ここはちゃんと切り分けて御理解いただきたいと思います。

早稲田委員 ちょっとまだよく分かりませんけれども。認定事業者を入れるとこれが特例にならないというのは、ちょっと私には理解ができません。医療情報、病歴に関してのお話を私は今させていただいているので、そういう意味では、こうした、非常に慎重ではあるかもしれないけれども、もう実際にハッシュ化もやっているわけですから、この次世代の方では。だから、それを広げていくということは大量データであってもできるのではないかという趣旨でお聞きをしておりますので、是非御検討いただきたいと思います。

 その上で、私は、本人同意を得ないで第三者提供できるという特例規定から、要配慮情報、特に病歴、医療情報を削除するべきではないか、これは元々根幹に関わる問題でありますけれども、そういうふうに思いますので、もう一度お答えください。

松本(尚)国務大臣 医療情報だけ削除してしまいますと、そのほかにも、じゃ、ほかのこんな情報はどうなんだ、こんな情報はどうなんだということにもなりかねませんから、それだと今回の法律の改正の趣旨からどんどんどんどん外れていくということになります。

 医療情報が機微な重要な情報であるということは、守秘義務を負っている医師の私としても十分理解をしているところですけれども、今回はあくまでも目的がかなり限定された上での本人同意なしの特例でございますので、医療情報だけをここから削除するということは余り適当ではないなというふうに思います。

 厳格な規律をもって、分野独自の事情を踏まえた追加的なガイドラインを作成します。それから、分野ごとの解釈とかあるいは判断基準等を具体的に示した上で執行基準として監督権限を行使するということで個人情報保護というのは運用されてきたところですから、今回、この法案が通過したときには、厚労省を始めとする関係省庁とも連携しながら、今委員おっしゃるように、医療分野を対象としたガイドライン、それから分野独自のリスクに応じて必要な具体的な対応策、こういったものを明確にしていきたいというふうに思っています。

早稲田委員 時間が迫りましたので、最後の質問に移ります。

 この改正案における統計作成等の特例と、大臣少しおっしゃいましたが、医師の守秘義務違反について、これは長妻議員の方から厚労省に照会をかけておりますが、そのことについては違法性が一〇〇%阻却できるということかどうか、厚労省政務官からお答えいただきたいと思います。

栗原大臣政務官 医師の守秘義務に関してでございますけれども、医師法において、臨床実習中の医学を専攻する学生を対象とした規定がございます。また、刑法に医師一般を対象とした規定がございまして、いずれも正当な理由がない場合に違反となります。この正当な理由に関しては、個別の事案において手段の相当性等の諸般の事情に照らして判断されるものでございます。

 今般の統計特例に基づく第三者提供について、直ちに違法性が阻却されるとは言えませんが、第三者提供という行為の相当性等を考慮して違法性阻却事由の有無が判断されるということになります。

 厚生労働省としては、この相当性を判断する上で、提供元、提供先における一定事項の公表、提供先における目的外利用、第三者提供の禁止、安全管理措置の義務づけ、提供元と提供先間の書面による合意など、本法案で定める各要件に従った第三者提供行為であることが相当性を肯定する要素の一つになると考えております。

早稲田委員 今重要な答弁をしていただきました。違法性が、この改正案で全て守秘義務違反が阻却をされるということではないということを厚労省から答弁していただきました。もちろん、いろいろ個々の事情であるというのは当然ですけれども、そうなると、病院だって怖くて渡せないですよね。そういうことにもなりかねません。ですから、ここはやはりまだ検討の余地が非常にあるのではないかと。

 続けてこの質問は厚労委員会でもさせていただきたいと思っておりますが、非常に機微な情報をこうした形で一足飛びにやらないでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

    〔委員長退席、橋本(岳)委員長代理着席〕

橋本(岳)委員長代理 次に、横田光弘君。

横田委員 日本維新の会の横田光弘でございます。

 今日は、国の行政のデータ活用という観点で、デジタル行政推進法の一部を改正する法律案に関して質問させていただきます。

 私は、今日は、今いろいろこの委員会のディスカッションを聞いていて、例えば個人情報のこと、それからいわゆるデータの活用のこと、安全性のこと、非常に重要な事柄がディスカッションされたと思っております。私は、特に技術的な観点、こういったところが、それからもう一つは、国際的な、もっと言えば地政学的な観点、ここから質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 先ほど自民党の委員の方々からも質問の内容にありましたけれども、やはり、日本はこれまで三十年間ずっと停滞してきて、これから経済を伸ばしていかなければいけない、高齢化社会に当たっては財源も必要になってくる、こういう意味では、新しい産業を生み出していかなければいけないわけであります。

 ところが、昔のことを考えていきますと、それこそ日米半導体摩擦とかいろいろなことがありました。半導体はもう見る影もない。それからBTRONというのもありました、前に私も申し上げましたけれども。せっかくMS―DOSに勝てると思ったら、それも駄目になっちゃった。iモード、非常に優れていたけれども、商売が下手で駄目になった。それから、ウィニーに至っては、要するに、結局何の問題もなかった、無罪なのに潰されちゃった。こういうようなことがあって、芽が全部潰されてきたわけですよ。

 だから、何としてもこのチャンスを生かして、今回、この法案は非常に私は先進的で優れていると思いますから、このチャンスを生かして、やはり、日本の新しい産業、これに結びつけていくということは非常に重要だというふうに思います。

 そこで、今、世界は、当然、いろいろなデータを活用しながら、事業拡大しようとしのぎを削っています。別に今に始まったことじゃなくて、もう既にやっているわけです。グーグルしかり、アマゾンしかり、何しかり、日本だったら楽天だってあります。こういうようなものが、データを使いながら、インターネット上のいろいろなデータを使いながら事業を拡大しているとか、こういうような状況なわけであります。

 そして、当然のことながら、我が国も、この激しい競争の中で、国民の利便性、そして同時に、貴重なデータを慎重に安全に運用しながら、事業者が新たなビジネス展開を行うということは、当然のことながら、今申し上げたように大変重要なわけであります。

 ところが、今回、いわゆるデジタル行政推進法の改正ということで、いわゆる行政のデータを民間に使ってもらおうということは、これまでも何回もいろいろな場面でありました。ところが、事業者は、やはり、なかなかこれは使いづらいよねということも、これまでずっと聞いてきたことがあるんです。例えば、縦割り行政だったりとか、それから許認可の煩雑な手続、こういったものがいっぱいあって、なかなか使いづらい、こういうようなこともあったと言われていますけれども。

 しかしながら、今回は、データの利活用を推進するという大きな命題を背負いながら、これを実現をしていこう、新しい事業に向けて実現をしていこうという政策推進だと思いますから、私は、非常にこれを、どんどんどんどん、やはり、安全性、それから個人のプライバシー、こういったものをちゃんと守りながらも推進することが非常に重要だと思っております。

 ここで、今回は認定制度をつくるということなわけでありますけれども、実際に情報の安全性の確保、もちろん、今、いろいろ議論になったプライバシーの問題の上で、やはり、データ活用をして、じゃ、活用した後、本当に効果測定できるのかということとか、やはり、経済安全保障上、データを抜かれないのか、あの国にデータを抜かれないのか、こういうようなことも含めてやはり考えていかなければいけないと思っております。

 そこで、やはり、データの利活用の推進というのはAI開発とかに必要だという前提の中で、今回のデジタル行政推進法の改正、これについての趣旨、目的、それから、具体的にじゃどうするのというところは、まずはお伺いしたいというふうに思っております。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、AIを始めとしますデジタル技術の急速な進展に伴い、データの利活用に対する需要の高まりというのは急速なものがございまして、官民の枠、垣根を越えたデータの利活用を促進するための横断的な、分野にとらわれない横断的な法制度の整備を行うということは喫緊の課題だと認識いたしました。

 それを受けまして今回の改正法案を提出させていただいておりますが、具体的な内容を御紹介させていただきますと、国の行政機関等の保有するデータの活用を通じて国民の利便性の向上を図られる事業に対しまして、国等データ活用事業として内閣総理大臣が指針を定めた上で、事業者からの申請に基づき、当該事業の計画について主務大臣が指針への適合性等を認定する制度を創設いたします。

 この指針の中には、委員御指摘のありましたような、産業政策的な観点あるいは経済安全保障的な観点、それから、当然ですが、プライバシーとの両立をどうするかというような点も重々踏まえながら、指針という形の基準を作ってまいりたいと思います。

 それに加えまして、中小企業等も含めまして情報技術面の支援を行うために、独立行政法人情報処理推進機構の業務追加等を行うほか、国と他の行政機関等によるデータベースの共同整備に関する措置をしたところでございます。

 以上でございます。

横田委員 中小企業とか、そこら辺は後で聞きますから、あれですけれども、要は、今おっしゃっていただいたような指針を定めるということですよね。データの安全管理は当然だと。プライバシー、これは当然のことながら守らなければいけないが、同時に、技術的な側面、そしてプライバシーも含めた社会的な側面、当然のことながら、これをちゃんと両立させていかなければいけないわけです。

 特に技術面は、ずっと話題になっています、国中の話題になっています、今アンソロピック社のクロード・ミュトスというような新しいAIが話題となっておりますけれども、今回はこのクロード・ミュトスのことが非常にクローズアップされていますけれども、当然のことながら、クロード・ミュトスを超えるようなAIもこれから出てくるはずなんです。そして同時に、このクロード・ミュトスばりのやつを中国だってまねしてこれからやってくるんですよ。だから、そういうようなことを考えていくと、やはり非常に注意が必要になってくるということだと思います。

 例えば事業者が国の情報を利活用していくわけなんですけれども、じゃ、そこにそれこそクロード・ミュトスばりのAIが侵入していったらどうなるのかと。もう一発でこれは分かるわけです、何が起きるか。

 そういうことも含めて、じゃ、今のガバクラで、クラウドの、ISMAPがありますよね、このISMAPみたいなものだけで本当にいいんですかと。これも非常に重要なんですが、更に追加的なものも必要になってくるんじゃないかというふうに思っております。

 それから、先ほどもいろいろ話題になりましたけれども、事業者に応じては、目的外使用とか、それからデータを、自分たちが取得したものを秘匿するとか、それから改ざんするとか、いろいろなことが考えられるわけです。

 当然、システムを構築している事業者だけではなくて、余りシステムのことはよく分からぬ、だけれども政府のデータを使いたい、こういった人たちもやはり出てくるわけですから、そういうようなこともちゃんと考慮に入れながら、安全性を確立するための設計をしていかなければいけないというふうに思っております。

 さらには、例えば、必要がなければ削除しなさいよということなんですけれども、もう少しテクニカルに、オートマチックに、必要でないならばと判断されたならば、この事業者に対しては、削除を求めるだけじゃなくて、あるフィルターを通すと削除されていくみたいな形のものも今後は必要になってくるのではないかというふうに思っております。

 そこで、今回の内閣総理大臣が決める指針が、今後の我が国の、言ってみれば、政府、国や地方自治体のデータの利活用の一定のある意味じゃ標準、スタンダードになってくるんだと思います。もちろん改善は必要だと思いますけれども、スタンダードになっていくということであれば、具体的に例えば、ちょっと細かいですけれども、どんな事項が必要なのか。

 それから、この指針の策定には、当然のことながら、いろいろな英知を集めなければなりません。先ほどのようなお話もありました、冒頭の自民党の方々の提案もありました、やはりそういったようなものを集めなければいけないとなると、どういうふうに取り組んでいくのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 国等データ活用事業指針におきましては、国等データ活用事業に係る基本的な方向性を定めることとしておりますが、具体的には、重点的に実施すべき分野、それから国等データ活用事業の方法、それから、今委員から御指摘あったことと深くつながると思いますが、データの漏えい、改ざん対策を含めた安全管理の在り方ですとか、データガバナンスの確保のための仕組み、それからデータ標準化のための取組などについて定めることを想定してございます。

 その定めるプロセスにおきましては、委員御指摘にございました技術の側面も含めまして、関係者や有識者等から広くステークホルダーの御意見を伺いつつ、透明性を確保しながら丁寧に検討してまいります。

横田委員 丁寧に検討していただかなければいけない非常に重要なものだというふうに思います。

 さらに、各省庁のデータの中には、当然のことながら安全保障、それから先端技術、こういったような非常に重要なものも含まれていて、当然秘匿されなければいけないものなわけです。外にこれは出てはいけないわけなんですよね。

 当たり前ですけれども、例えば、個人の税務情報とか住所とか本籍とか、そういうデータが漏えいすることがあってはならないということなわけですけれども、やはり、このデータ漏えいというのは、よく言われるじゃないですか、もちろんプログラミングや機械の問題もあるけれども、九割方が人的な問題なんだということがよく言われております。

 だから、例えば、事業者がこのデータを活用するということはいいんですけれども、少なからず、事業者のサーバーのどこかに、若しくはメモリーのどこかにこのデータが残っているわけです。この状況をちゃんと理解しておかないと、それこそそのデータに向かって、先ほどのクロード・ミュトスばりのものが取りに行ったら、すぐ取られちゃうかもしれない。だから、当然のことながら、システムのバージョンアップは当然必要になってくるわけですけれども、それ以上の防御というものを常に考えておかなければいけないということも必要なんですよね。

 人的な面といえば、たしか昨年でしたか、産総研で、あれはフッ化水素、とにかく研究があって、その研究データを取られちゃったという事件があった。取られたということは、日本人以外に取られちゃったという意味であります。中国人の主任研究員がこのデータを取って、そして結局この中国人の主任研究員は起訴されて、有罪の判決が出ています。では、誰に送ったのかといえば、自分の妻なんですね、これも。前に、僕は別のところで防衛省のことを言いましたけれども、中国人妻なんです。この人は中国企業のオーナーなんです。

 つまり、日本の中にはそういうようなことがほかにもいっぱいあるということなんですね。更にこれを民間に広げていくとなると、やはりそういった面も、非常に人的にも、それからハードウェア的にも、それからソフトウェア的にも注意をしていかなければいけない。こういうようなものが技術的にもあるし、それから、まさしく社会的なプライバシーの問題というものを非常によく、適切に扱っていかなければいけないということであります。

 事業者若しくは代表者も、それから社員が、それこそ悪意で目的を持って詐取する場合もあるわけです。こういうことになってくると、国が保有するデータがそれこそ世の中にばんばん広がってしまう可能性もある。個人情報とか国家の安全保障の観点では、ある意味では非常にこれは慎重にやはり考えていかなければいけない。

 基準を設け、そしてハードウェア的にも、それからプログラム的にも、関所を設けなければいけないと考えておるわけですけれども、どんなような対処をすべきなのか、これを想定しているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども指針の御説明をいたしましたが、まず、データセキュリティーの在り方として、指針におきまして、データの漏えい、改ざん対策に関しまして、データの取扱いに係る適切な安全管理措置の方法などについて具体的な内容を規定いたします。

 その上で、個々の事業計画ベースの認定に当たりましても、具体的な検討が必要でございますので、その計画が当該指針に照らして適切なものであることが要件の一つとなっておりますので、指針に定められた安全管理措置の方法が適切に満たされているかどうかということを、これは、私どもないしデジタル庁のみではなくて、関係の行政機関との連携、調整を密に行いながら、丁寧な審査を行ってまいります。

 その上で、もし国の保有するデータの提供に当たって、審査の結果、他の法令に違反する懸念がある場合ですとか公益を害するおそれがある場合、そういうことがある場合にはデータを提供しないというような仕組みにしておりまして、機密度の高いデータなどを提供されない仕組みということを確保していきたいと思ってございます。

横田委員 まあそうなんでしょうね。だけれども、よく考えてみると、事業者が事業をやり始めていた、例えば、同じような事業をしている企業は当然あるわけですね、複数。例えば、ふるさと納税なんというのはありますね、さとふるとか、ほかにもあると。こういうような事業者が競争するのは非常に健全なことで、私はいいことだと思いますが、ただ、そこに政府のデータ、国のデータ、地方公共団体のデータ等が入って、そして、もちろん一般的なものであるならばまだしも、少なからず個人情報がやはり適切に扱われるという条件ながらも入っているということであるならば、もしそこでいろいろな競争が起きた場合に、一歩でも二歩でも先んじようというようなことというのは往々にして考えられるんじゃないかな、こういうふうに思ったりもするわけであります。

 ですから、最初、事業計画でこういうふうにやります、だから事業者として登録させてくださいということがあったとしても、その後に、ずっと運用をしていって、そしてその中でいろいろなまた問題が生じるなんていうような形も想定されるわけです。ですから、まずそういったものも含めて対応していかなければいけないというのが、今回の非常に大きな課題の一つでもあろうかと思います。

 そして、当然、同業他社同士で認定を求め合うなんというようなこともあると思うんですよね。同じようなことをやっていて、これ、認定してください、だけれども、こっちも同じように認定してくださいと。ほぼ同じだとすると。だとすると、じゃ、一体どういう判断になっていくのかというのは非常に疑問なわけでありますが、例えばそういうようなことも含めていろいろ検討材料に入れていかなきゃいけないから大変だとは私は非常に思います。

 もう一つは、例えばこれまでずっとある企業が事業者としてやっていました、そして何年かたちました、新たな仮にベンチャーが似たような感じで出てきた、だけれども、それこそ大企業となった先陣を切った企業が、いや、ここは俺のものだという形で、ベンチャーはちょっと勘弁してというような感じにならざるを得ないということも想定されるのではないかと。でも、そうすると、これは既得権益になっちゃうんじゃないかなとか、いろいろなことを思うわけです。

 ですから、毎回毎回いろいろなチャンスをやはり与えるというようなことも私は必要だと思うし、そのためには、オープンなものも必要だけれども、しかし同時に、いわゆる資本金の多寡で何か決めるとかいうことだけではなくて、むしろ技術的に、それから安全性を担保する、よりいいものにチャンスを与える、こういうようなことが必要なのではないかというふうに思っているわけであります。

 そこで、認定制度を創設するわけですよね。とにかく特定の事業者が国のデータを独占する、これだけはやはり避けなければならないというふうに思いますけれども、そして同時に、今回創設されるいろいろな認定制度ですけれども、認定されていない事業者というのは国のデータは全く使えないのかどうなのか、非常にここがよく分からないので、教えていただきたいと思います。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども御答弁いたしましたように、認定制度の審査の過程で安全管理措置等を含めまして計画ベースで審査をいたしますが、その上で、指針等に定めます所定の要件を満たす場合には、複数の事業計画も含めて事業計画の認定を行います。ですので、複数の事業計画が出てきて本法案所定の要件を満たす場合には、いずれの認定事業者に対しましても国の保有するデータの提供を行うということになります。

 さらに、本法案の外の話でございますけれども、本法案の手続によらずとも、既にオープンデータ化されているもの、事業者においてオープンデータ化されているようなデータを、国が保有するデータを、そのようなものを使うということにつきましては、何ら妨げられるものではございません。

 したがって、本認定制度を通じて、特定の事業者のみが独占的に国等の保有するデータを提供したり、国等の保有するデータが逆に活用できなくなったりするというような、新たな不利益を別の民間事業者に生じさせるものではございませんで、あまねく事業者に対して国等の保有するデータの利活用を促進するということを考えてございます。

横田委員 冒頭申し上げましたけれども、日本は三十年間停滞していたわけですよ。そして、いろいろな新しい芽が出てきたにもかかわらず、それが潰されちゃって、摘まれちゃったんですよね、残念ながら、いろいろな形で。

 今回、デジタル庁、本当に頑張っていると思いますけれども、松本大臣始め、とにかく、あるきっかけというか、新しい方向に向かう扉を開く、こういうような感じで私は考えておりますから、だから、いろいろな事業者にチャンスを与えるべきだと。そして、もし万が一不正を行ったら厳しく罰するべきだというふうに思います。

 だから、課徴金の問題もありますけれども、少なからず、日本の中で健全な産業としていろいろなものが花開いていくようなきっかけに是非なっていただきたいという思いで、ベンチャーも大企業も中堅も、いろいろな機会を逃さず、やる気があれば、そして適切な技術力と適切な社会的なマナー、こういったようなものをちゃんと認識している企業であるならば、事業者として育成していくということが私は必要だというふうに思っております。

 先ほど中小企業の話もちらっと出ましたけれども、中小企業も、やはり財務的にも、それからやはり人員的にも、なかなかこっちまで手が回らないかもしれないけれども、しかし、後で申し上げますけれども、バーティカルAIというような概念からすれば、むしろ中小企業、小規模の企業の方がいろいろなノウハウを持っている可能性があるわけですよね。

 だから、そういうことを考えていくと、中小企業にいろいろなチャンスを与える、国のデータを用いながら、自ら持っているデータをRAGで駆使しながら、そして、そこから新しい価値観を生み出していく、そこに世界が飛びついていく、こういうようなことがあってもいいんじゃないかと私は思っております。

 そこで、今度は、民間もそうですけれども、地方公共団体ですよね。地方公共団体は、当然東京みたいな大きなところもありますが、小さな村や町もあるわけです。こういったところも、やはりこのデータを活用して民間と一緒に協業していく、こういう観点が必要になってくるんですけれども、先ほども質問の中でも出ていましたけれども、やはり、地方公共団体が保有する行政データを例えば民間に開放していく、使ってもらうということを推奨するとしても、地方公共団体はなかなか人手不足だとか、やはりこういったものに慣れていないとかいうようなこともあって、そこでIPAとかが出てくるんでしょう。

 だけれども、同時に、もう一つ私が考えるのは、さっき申し上げたような町の企業体ですよ。IT系の企業もあるだろうし、それから機械工作のメーカー等もあるかもしれない。こういったようなところに協力を得ながら、それこそAIを活用という観点での事業を一緒に地方公共団体が勉強していく。そして、その中からビジネスを生み出すという努力をしていくというようなことも必要じゃないかと思いますし。

 それから、今ガバクラをやはり地方に広めていくというんだったら、やはりそういったような観点も含めて支援をしたらどうかなというふうに思うんですけれども、改めて、地方自治体に対して、それこそ支援をどのような形でしていくのか教えていただきたいと思います。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 本法律案で直接に措置しておりますものとして、委員からも御言及ございました独立行政法人情報処理推進機構、IPAによる技術的助言、地方公共団体に対して技術的助言、情報の提供等ということを規定してございますが、それに加えまして、国においても、これまで様々培ってきた蓄積を生かしまして、今委員から御言及ございました民間事業者との協力による地方公共団体への支援も含めましてですけれども、そのような支援。

 それから、国自身が持っております必要なノウハウを伝えていくとともに、地方公共団体間の横のベストプラクティスというものも参考になる面もあるかと思いますので、そういうものを円滑に共有できるような施策というものを打ってまいりたいと思っております。

横田委員 今おっしゃったような、地方公共団体の横の連携、こういうのも面白いと思うんですよね。

 やはり、今回、デジタル庁、頑張って作ったやつの中の一つに、いろいろなものが当然あります、私もマイナ保険証も含めて全部使わせてもらっていますけれども、ウェブで見られる、前にちらっと申し上げましたダッシュボードというやつがあるわけですね。是非皆さん、委員の皆様、御覧になっていただきたいと思うんです。地元の地方公共団体の議員の方々や行政の方々に紹介していただきたいと思うぐらいなんですね。というのは、やはり、各地方公共団体の財政状況等を、それこそ似たような例えば市とか町で比べることができたりするんです。そうすると、どこに何の問題があるのかということが分かるようになっている、そういうようなサービスです。

 こういったようなものをやはりちゃんと作ってきているわけですから、私はどんどんどんどん、ガバクラも含めて活用するということが必要だと思います。

 ただ、前にも申し上げましたけれども、やはりどうしても、アメリカ製なんですよね、全部。だから、それこそいろいろな意味で、これからのデジタル主権を考えると、慎重にいろいろなことを検討していかなきゃいけないし、先ほど申し上げましたような、いろいろな外国勢力がウの目タカの目で日本のデータを欲しいわけです。

 例えば、それこそ、さっき自民党の西野委員がおっしゃっていました、さっき申し上げたバーティカルAIですね、フィジカルAIも含めて、やはりこれから日本の産業の中心となっていく可能性が非常に高いと私は思うんですね。

 そういった中で、例えば、中小企業にはいろいろなノウハウがある。もっと言うと、文書化されていないものも含めてあるわけです、例えば職人の技とかね。職人の技を今の機械を使いながら数値化していくなんということも今は可能です。例えば潜水艦のスクリューですね。潜水艦のスクリューなんというようなものは、なかなかほかではまねできない。こういうのを活用して是非AIを盛り上げていただきたいと思いますが、大臣、御感想をいただけますでしょうか。

松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。

 デジタル庁のダッシュボードにお褒めをいただきまして、ありがとうございます。是非委員の皆さんも一度目を通していただきたいなと思うんですけれども。

 今おっしゃるように、バーティカルAIの活用というのは、開発というのは、極めて我が国にとって重要なことだと思います。そのためには、関係府省庁がやはり力を総結集しなきゃいけなくて、経産省がやはりスタートアップを支援しなきゃいけないし、我々としてはデジタルの面で支援をしなきゃいけないし、例えば医療データを活用しようと思ったら厚労省がやはり動かなきゃいけないし、いろいろあると思います。今回の法律の改正も一つのきっかけになろうかと思いますけれども、デジタル庁としてはそういったものを総合調整する必要があると思います。

 今、規制改革とかAIとかデジタルとかそれぞれに大臣がいるんですけれども、それらを束ねていって音頭取りするのがデジタル庁の役目だと思いますので、委員御指摘のように、できるだけ前に進めるように私自身も努力していきたいと思います。

横田委員 最後に、もう本当に、日本が変わるラストチャンスなんです。是非このチャンスを生かしながら日本の発展につなげていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

    〔橋本(岳)委員長代理退席、委員長着席〕

丹羽委員長 次に、西岡義高君。

西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。本日もよろしくお願いいたします。

 それでは、議題となっております両改正案につきまして質問をしてまいります。

 前回の質問の際に、行政データにアクセスできる認定事業者の中に外国の情報機関とつながりのある事業者が巧みに入り込んでしまった場合、法的に正当な手続でインテリジェンス活動を許してしまうリスクを指摘させていただきました。そのときには、ほかの分野を所掌する政府内の府省との十分な連携を図って、当該事業者の資本構成や事業内容、関連する外国事業者などについても丁寧な審査を行って、我が国の国益を害する活動を行うようなインテリジェンス機関へのデータ提供の排除を図っていくというような前向きな御答弁をいただきました。

 しかし一方で、先日の参考人質疑の中で、個人情報保護法においても、誰でも手を挙げられるような状況について経済安全保障の観点から懸念が指摘されました。統計等特例において、外国事業者に関しては、日本の法律を守れるような体制を整備しているという条件はついておりますけれども、これはあくまでもガバナンスのリソース、能力についてのものなので、能力さえあれば悪意ある外国事業者も手を挙げることができてしまうというような懸念の御指摘がございました。

 そこで、丁寧な審査を行っていく上で、外国エージェントの活動、この様子というものを可視化する必要があるかと考えます。つまりは、外国の意図を持ってロビー活動をするエージェントを透明化する外国代理人登録法、日本版FARAの整備が必要な状況になっているかと考えます。この外国代理人登録法の必要について政府はどのように認識されているのか、見解を伺いたいと思います。

町田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員が御指摘された制度でございますけれども、外国政府等の指示や依頼により政策誘導や世論形成等のため政府や議会に働きかけを行ったり、情報活動や宣伝活動を行ったりする人物又は団体に対し、その透明性確保の観点から届出や登録を義務づけるものでございまして、米国や英国など諸外国において整備されているというふうに承知しているところでございます。

 我が国の政策決定や世論形成が外国勢力によって不当にゆがめられることがあってはならないというふうに考えておりまして、ただいま申し上げたような外国による不当な干渉を防止する制度について、様々な方から御意見を賜りながら丁寧に検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 インテリジェンスの機能強化につきましては、今、かつてないほどに世論の関心も高まっております。是非、政府においても積極的な議論を前に進めていただければと思います。

 次の質問に移ります。子供の権利を守る統計データの利活用について伺いたいと思います。

 今回の改正においては、例えば親の所得によって子供の虫歯の数や学業成績が変わることが議論され、それによって、親の所得が本人の就職に悪影響を与えるようになるというようなことのリスクを指摘する声もあります。しかしその一方で、歯の悪い子供たちをどうやって助けていくのかという政策に用いることは子供を守ることになる、そういった意見もございます。

 このような状況におきまして、受け手側が、AIは万能ではなくメリット、デメリット双方あるんだということをきちんと理解することや、そこにはらんでいるリスクを正しく認識すること、こういったことが重要であるかと考えております。

 個人情報の取扱いも含め、このようなリテラシー向上のための教育や啓発を年代を問わずにしっかりと施していくことが必要だと考えておりますけれども、この点、どのように取り組んでいくべきだとお考えなのか、大臣に伺いたいと思います。

松本(尚)国務大臣 お子さんの権利利益を保護するということは、子供の個人情報の重要性ということを保護者やあるいは学校関係者、それから子供自身に対してもしっかりと啓発することが必要だと思っています。

 AIに限らず、やはり情報のやり取りについての利活用と保護、メリット、デメリットというところもあるんだと思いますが、そういったものをバランスよくリテラシーを教育していかないと、一方ばかりのところに偏ってしまって、分断をあおるようなことにもなってしまってはいけないと思います。このバランスが大事なので、こういったことをしっかりと、教育コンテンツを作成、公表したり、出前授業を行ったりすることによって、子供自身、それから親御さん、学校関係者にしっかりと広げていかなきゃいけないというふうに思っています。

 政府見解ということですので、そういったことを政府としてはしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っています。

西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。社会的なリテラシーの向上に引き続き取り組んでいただきたいと思います。

 ここからは、参考人質疑等でもあった指摘について一つ一つ確認してまいりたいと思います。

 まず、十六歳未満の者が本人である場合、個人データの利用停止などの請求の要件緩和や同意取得、通知などについて本人の法定代理人とすることを明文化するとともに、未成年者の個人情報などの取扱いなどについて、本人の最善の利益を優先して考慮すべきとされております。

 民法では、十八歳をもって成年とし、未成年と成年を明確に区別して、未成年を保護しております。利用停止請求の要件緩和なども、十六歳未満ではなく、未成年が本人である場合にした方が合理性があると考えられますけれども、なぜ十六歳未満とされたのか、理由を伺います。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 民法は、財産法的見地から十八歳未満の者を未成年者としております一方で、例えば民事訴訟法におきまして、証人として宣誓させることができる年齢は十六歳以上とされております。このことからも推察されますように、十八歳未満以外の年齢基準を採用している国内法令も少なくない状況でございます。

 これを前提に、本法案におきましては、子供は、心身が発達段階にあるためその判断能力が不十分であり、個人情報の不適切な取扱いに伴う悪影響を受けやすいということから、子供の判断能力を補完する仕組みとして、法定代理人の関与に関する規定を設けているということでございます。

 したがいまして、個人情報の取扱いに関して同意したことによって生じる結果や、利用目的などを判断する能力が備わっているかどうかというものを重要な基準にして検討したところ、十六歳以上の者であれば、通常、義務教育の教育課程におきまして、情報モラルについて学習しているということ、それから、しばしば言及されます、世界的なスタンダードになりつつある欧州の一般データ保護規則におきましても、十六歳未満か否かが子供に関する特別の規定の適用の分水嶺になっているということ、それから、私どもの現行の法律におきましても十六歳未満を基準としているガイドラインが多うございますので、今回、十六歳未満というものを一つの基準として提案しているものでございます。

西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。

 次に、データの利活用やAIの利用については、子供の権利を守るために様々な議論があるところでございます。今回の法改正では、未成年者の最善の利益を優先して考慮しなければならないという未成年者の個人情報等の取扱いに関する責務規定が設けられております。子供のことを最優先で考える形でデータを保護して、利活用を進めるという規定が作られることは評価すべき点だと考えられます。

 しかし一方で、違反しても罰則がない努力義務でありますので、子供の権利を守るためには罰則を含めた厳格な規制が必要だという意見もその一方でございます。

 今回、努力義務とされたのはなぜなのか、その理由、目的をお伺いしたいと思います。

佐脇政府参考人 御答弁いたします。

 責務規定につきましては、努力義務というのは御指摘のとおりでございますが、その前に、より具体的な義務によりまして、今回の規律により守られているということを御説明したいと思います。

 具体的には、子供の個人情報の取得に際してその利用目的を法定代理人に通知する、あるいは、子供の個人データの第三者提供などに関して法定代理人の同意を取得するということにつきましては、その他にもございますが、いずれも事業者の直接的な義務でございまして、それに違反している場合には勧告、命令の対象となり、その命令に違反した場合には刑事罰の対象となります。

 この法律案におきましては、そういった規定を通じまして、子供の権利利益を保護するということを意図しているわけでございますが、御指摘のありました責務規定につきましては、これに加えまして、追加的に、子供にとって最もよいことは何かを第一に考えた事業者の自主的な取組を促進することを意図したものでございまして、基本的な理念を示したものであることの性格に鑑みまして、努力義務を課すということでございますが、いずれにしましても、具体的な義務規定はしっかりありまして、私ども、監督することを通じて、徹底してまいりたいと思います。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 急速な技術の進歩によって、子供たちがさらされているリスクというのは、ここ近年、急速に高まっていると思われます。例えば、私の子供の頃の顔の写真で四十九歳の今の私の顔が検索できてしまうというようなことが簡単にできてしまいますので、子供が今この瞬間に撮られた写真が将来どのような使われ方をするかが分からないといったところのリスクですね。

 その中で、やはり子供の権利を守っていくんだという観点から、一度許可した個人情報であっても遡って個人情報の削除を要請できるようにすべきだという意見もございますけれども、この点、どのように考えていらっしゃるのかを伺います。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、子供の心身が発達段階にあるなどを背景に、今回の改正提案におきましては、子供の個人情報につきましては、通常の場合には違法行為などが要件になっているところ、それを緩和いたしまして、利用停止等請求が行えるということにしてございます。

 ただ、事業者の予見可能性を確保する観点から幾つかの例外規定を設けておりまして、事業者があらかじめ法定代理人の同意を得て子供の個人情報を取得した場合などについては例外として、代理人の明示的な同意が得られているということから請求を認めていないことにしてございますが、この場合におきましても、これは今回というよりは既にある仕組みでございますが、子供の個人情報が法定代理人に通知された後に利用目的達成のために必要な範囲を超えて取り扱われる場合でございますとか、そういった子供本人の権利又は正当な利益が害されるおそれのある場合におきましては、現行制度にも設けております利用停止請求がしっかりできることになりますので、その行使を通じてしっかり子供の利益を守っていくということになろうかと思いますし、本法案を国会でお認めいただいた場合には、そういった利用停止の請求の仕方と申しますか、それを分かりやすく丁寧に説明してまいりたいと思います。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 三年ごとの見直しもございますので、子供の権利という観点からも、是非その見直しの際には、子供はいつまでも子供のままでもありませんので、そういった観点からも様々な見直し、検討をしていっていただければと思います。

 次に、今回の改正における統計作成等の定義において、統計作成等であると整理されればAI開発も含まれるとされております。一般の感覚では、開発されたAIが統計作成等であると整理されるには、そのAIによって特定の個人情報を推測、復元できないことが必要条件であるとの指摘がございます。

 そこで、統計作成等にAI開発を含むのであれば、特定の個人の情報を推測、復元できないことが要件であるということを、仮名加工情報や匿名加工情報と同様に法で明確に定めるべきとの意見がございますけれども、なぜ今回規定されていないのか、その理由を伺います。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法律案におきまして統計作成等を定義してございまして、大量の情報の傾向又は性質に係る情報で個人に関する情報に該当しないものを作成する行為であって、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして個人情報保護委員会規則で定めるものということで定義しているわけでございます。したがいまして、大量の個人情報を個人に関する情報に当たらない状態まで加工することまで求められておりまして、仮名加工情報や匿名加工情報のように個々人の区分を残した情報とすることすら認められませんで、更なる一般化を求められるということでございます。

 その上で、さらに、個人の権利利益を害するおそれが少ないものに限定する観点から、委員会規則において、具体的に個人情報等が復元されることを防止するために必要かつ適切な措置を講ずることなどの要件を明示することとしてございますし、そのほか、統計情報等に対して不正な攻撃を行い、その作成に用いられている個人情報を復元する行為につきましては現行法の不正取得に該当するなど、しっかりとした禁止措置を講じ、適切に課徴金を課すなどのことによりまして対処できているものと承知しております。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 次に、統計作成等を目的とする場合の特例によって、本人同意を得ずに個人情報取扱事業者が個人情報、個人関連情報を取得できるようにするのであれば、法違反を問わず、利用停止、消去の請求を可能とすべきとの意見がございますけれども、なぜこれも今回規定されていないのか、その理由をお伺いいたします。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 まず御理解いただきたいのは、統計作成等の特例、今回の提案につきましては、提供先において個人の権利を害するおそれが少ない場合、ごく限定された統計作成等という取扱いに限定される場合、それに限って個人情報の提供に際しての本人の関与を一律に現行と同様な形で求めることはリスクとの関係で必須ではないということを具体化した制度でございますので、本人に対して無条件の利用停止等請求を付与するということは、この制度の趣旨との関係ではある種矛盾することになりますので、そういったことを制度化することは困難だというふうに理解してございますが、先ほど子供の件で御答弁いたしましたように、それでもなお利用停止等請求権の発動は当然できますので、それによって適切に、更なる個人の権利利益の保護ということは保障されるものというふうに理解しております。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 次に行きます。

 統計作成等の内容等の事項は一定期間、継続して公表しなければならないものとするとございますけれども、一個人が全ての個人情報取扱事業者や行政機関の長などが公表した事項を把握することは困難であるということは容易に想像できるところであります。

 そこで、一元的に確認できるような仕組みの構築も必要だと考えられますけれども、何か具体的な方策を考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。

佐脇政府参考人 御答弁いたします。

 公表に際してのその事実を、一覧性、全てを網羅的に一括ということになりますと、特定の者に報告させるその他の仕組みが別途必要になりますので、そういったことは困難でございますが、先ほど来御説明しておりますとおり、統計作成等を行う提供元と提供先のそれぞれにおきまして名称などを公表することが義務づけられております。

 本人においては、いずれか一方の公表を把握できれば特例の有無ということが確認できる状況でございますし、その具体的な公表方法につきましては、先ほど来大臣からも他の質疑者に対して御答弁していただいておりますけれども、透明性、検索性の高い公表の方法をしっかり勉強しまして、具体的な方法を委員会規則で定めてまいりたいと思います。

西岡(義)委員 ありがとうございます。しっかりとした委員会規則を作っていただければと思います。

 次に、AI開発の基盤モデルの学習プロセスは、匿名化のプロセスではなく、学習用データが個人情報の場合、自動的に個人情報でなくなるというものではございません。ですので、AIが学習した、個人を特定できたり個人情報を復元できたりするリスクを否定できない中で、AI開発を含む統計作成等を行う目的で、個人情報をそのまま取得、提供できるようにすることには問題があるとの指摘がございます。

 そこで、EU一般データ保護規則を参考に、提供元での特定の個人を識別できないよう仮名化すべきとの意見がありますが、これまでの質問で何度も出ておりますけれども、いま一度、政府の見解をお伺いしたいと思います。

佐脇政府参考人 御答弁申し上げます。

 AI開発の実態、現場の実情を把握する限り、一律に、統計作成等の特例におきまして、仮名化や特定の項目の削除ということを要件にすることは困難でございますが、当然ながら、提供先がAI開発等の目的で取り扱う必要がある場合に限って提供できることになりますので、必要があるかどうかということが明らかに分かる場合、そのようなデータも含めた提供元からの提供というのはこの特例の対象にならないということかと思います。

 その点につきまして、しっかり、法律文言解釈上そういうふうに説明できるものの、更に具体的な事案に即したガイドラインにおいて示すことによって対応を徹底してまいりたいというふうに思います。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 この指摘に対してもう一点、同じような角度になってしまうんですけれども、行政に対する国民の信頼を確保するために、行政機関等が提供する個人情報は匿名化すべきだという意見もございました。この点についての見解も併せて伺いたいと思います。

佐脇政府参考人 御答弁いたします。

 本法案では、行政機関等が保有する保有個人情報を目的外提供することができる場合を拡大いたしまして、統計情報等の作成のための提供につきましてもその対象に含めることといたしております。

 この統計作成等の範囲につきましては、特定の個人との対応関係が排斥された統計情報や、AIモデルを作成する行為のうち、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして委員会規則で定めるものに限定することとしてございます。

 繰り返しになりますけれども、大量の文書を学習させる場合など、個人情報が氏名、住所等の項目ごとに整理されていない、その結果、個人情報を抽出することが困難な場合も想定されること、それから、大量のデータに含まれる個々の項目が、提供先が行おうとするAI開発等との関係で必要か否かについて、提供元が判断することが困難な場合も想定されますので、民間事業者などと同様、行政機関等につきましても、匿名化や特定の項目を削除することを一律の要件としては認めてございませんが、現行法におきましても、行政機関等につきましては、本人又は第三者の権利利益を不当に害するおそれがあると認めるときには目的外提供が禁止されておりますし、目的外提供の提供先に対しましては、利用目的又は方法を統計作成等にのみ制限するなどの措置要求をすることが規定されておりますので、これらの規律は今回の特例にも適用されますので、これらを、相まって、適切に保護が図られるものと承知しております。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 次に、個人情報取扱事業者が、本人の同意を得て自ら取得した個人情報だけじゃなく、他の個人情報取扱事業者などが取得した個人情報や個人関連情報を大量に取得してAI開発を行うことで、個人の権利利益が侵害されるおそれが高まる懸念が指摘されております。

 先ほどお伺いした際の、親の所得と虫歯の数の例のようなことなんですけれども、先ほどは受け手側のリテラシー向上の観点で伺いましたが、特定の属性とネガティブな結果を結びつける推論も多数生成される可能性がある中で、本人にも自覚されにくい行動特性、属性を有する人を多少なりとも差別的、不利益に扱うことは、結果的に大きな権利利益の侵害につながるおそれがあるので、EUのAI規則のように、個人の特定や分析の禁止、特定の個人やグループの社会的、経済的脆弱性などにつけ込むことや、評価や分類を目的とすることなどを禁止される行為とするなど、厳格な規制が必要だという意見がございますけれども、今回の改正でそこまで踏み込まれていないのはどういう理由なのか、伺います。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 委員が御指摘された懸念点、さらにはEUのAI規制で言及された観点につきましては、どちらかといいますと、AIの利用の局面かと思います。今回の特例は、AIの開発を含みます統計作成等と整理しているところでございますので、こういったこと、特例とは必ずしも直接関係することはございませんが、利用に関連する個人情報保護法の規律ということでございますと、AIの開発、利用にも適用されるわけでございますが、事業者が違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれのある方法により個人情報を利用することは禁止されておりますので、AIの開発そして利用における個人情報も、そのような形態の場合には、この規定が適用され、勧告、命令、命令違反は刑事罰ということになります。

 例えば、開発について言いますと、違法な差別が誘発されるおそれがあるAIモデルを、そのようなおそれを予見しつつ、個人情報を用いて作成し公開すること、また、利用について言いますと、性別、国籍等により正当な理由なく本人に対する違法な差別的取扱いを行うために個人情報をAIモデルに入力することというものは、今申しました規定違反ということになり得ると考えてございますので、それによって適切に運用していきたいというふうに思います。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 次に、人の生命などの保護のために必要がある場合及び公衆衛生の向上などのために特に必要がある場合は、本人の同意を得ることが困難であるときに加え、本人の同意を得ないことについて相当な理由があるときは、本人の同意を得ずに、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱い、要配慮個人情報を取得し、又は個人データを第三者に提供することができるものとされております。

 この相当な理由が恣意的に判断され、そして濫用されることがないように、相当の理由の判断要素やその程度を法に明確に定めるべきだという意見がございますけれども、今回規定されていないのはどのような理由なのか、お伺いいたします。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の相当の理由があるときということを追加する元々の規定に、既に、第三者提供等の例外を適用される前提としまして、まず、生命、身体、財産の保護や公衆衛生の向上のために特に必要がある場合など、元々は公益上の必要が認められることが大前提になってございます。

 それに加えまして、本法案により追加します本人の同意を得ないことについて相当の理由があるときの要件に該当するためには、例えば、事前に氏名を削除した上で守秘義務契約を締結した事業者に提供するなど、本人の権利利益の侵害などを防止するための必要かつ適切な措置を講じられているか、そういった諸般の事情を総合的に勘案し、公益上の必要性が本人の不利益を上回っていることが必要となるわけでございます。

 そのような、本人の同意を得ないことについて相当の理由があるときという要件につきましては、今述べましたように総合勘案が必要なわけでございますが、個人情報保護法はあらゆる分野を対象とする一般法でありますので、デジタル技術の急速な進展も更に踏まえる必要がありまして、全てのケースをあらかじめ想定し、考慮要素を法律の条文に網羅するということは困難でございまして、また、個別の事例における適切かつ柔軟な判断に支障を及ぼすという判断でございます。

 また、ここの相当の理由という表現自体につきましては、現在の法律におきましても、同様の用語を使いながら同趣旨の規律をしてございまして、それを参照しながら、また、既存法の運用の実態もございますので、それと整合をさせることによって、不安ない運用ができようかと思ってございますし、さらに、具体的な解釈の内容につきましては、ガイドラインなどで引き続き明確化に努めてまいりたい、そのように思ってございます。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 時間となりました。しっかりとしたガイドライン、そして、それが周知されることが国民の皆様の安心につながると思いますので、しっかりとした周知、ガイドライン作成をお願い申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。福田徹君。

福田(徹)委員 国民民主党、福田徹です。

 本日は、差し替えで初めてこの地・こ・デジ特別委員会で質疑させていただきます。どうかよろしくお願いします。

 私、政治家になる前は救急医でした。同じ救急医の松本先生は大先輩というか、もう雲の上の方でして、本来は、私、松本先生の救急医としての実力や御功績を政治の世界の方は余り詳しく御存じでないと思うので、それを御紹介したいぐらいなのですが、今日は、その大先輩、松本先生と日本のための議論をできることを心からうれしく思っております。

 さて、友人に、今日、松本先生に質疑するんだという話をしたら、厚労委員会での質疑だったらよかったのにねと言われたんですが、いやいや、そうじゃないんだと言ってきました。私、この地・こ・デジ、特にデジで松本先生に質疑できること、これが本当によかったなと思っております。似たような話で、実は、仲間内では松本先生は厚労大臣がいいという話もあるんですが、いやいや、違う、私はデジを務めていただいて本当によかったと思います。

 といいますのも、医療の質と効率を一気に高めることができる、これがデジタルの力だと思っております。

 例えば医療の歴史の中で、イノベーションと言われるような革新的な進歩というのが幾つかあります。例えば、全身麻酔を成功したとか、エックス線の発見とか、あと、世界で一番と言われるのはペニシリンの発見でしょうか。でも、その辺りのイノベーションとほぼ同じぐらいの、大量の医療情報をAIを使って迅速に正確に解析する、その結果できる新しい治療法や診断の開発、そして、目の前にいる患者さんの情報を早く手に入れることによって正しい診断と治療、こういうイノベーションをデジタルで起こすことができる。

 そして、それは政府もしっかり御認識いただけていて、令和七年六月十三日に閣議決定された、令和七年度デジタル社会の実現に向けた重点計画の重要分野は、医療、金融、教育、農業、公共事業、産業分野等と最初に医療を挙げていただいています。松本先生には是非その先頭を走っていただきたいですし、私はそれをしっかりお支えさせていただきたいと思います。

 では、まず初めにお尋ねします。

 デジタル行政推進法と個人情報保護法の改正が医療のデジタル化や医療領域の研究開発に与える影響、特に、これはというよい影響について教えてください。

松本(尚)国務大臣 過分なお言葉をいただきまして、ありがとうございます。

 本改正がどんな影響があるか、これはメリットを少しお話をしなきゃいけないかなと思いますけれども、データを多く利活用できるようになるとすれば、もちろん、午前中の議論もありますから、個人情報の保護は重要だということは改めて付記しますが、その上で、例えばAIを使った手術みたいなのはこれからできる可能性はかなりあると思います。

 世の中、いわゆる神の手と言われている外科医はいるんですけれども、彼らの技術というものをAIに教え込ませることによって、この先、後世にまでその技術を残すことができる。それは、そこに行かなければ受けられなかった手術を、遠隔を使えばもっと離れたところでもできるようになるかもしれない。もっと言えば、問診から検査をして診断に至るまで、コモンディジーズであれば全てAIがやれるような、そういうクリニックなり病院なりができるかもしれない。それは多分、日本の技術を使っていけば、外に向かって出していけるかもしれない。

 僕は成長戦略の中ではそういった話を再三しているわけですけれども、そういったような夢のある広がりというものもあるということは、単なるAIの開発だけではなくて、そこに広がる可能性があるということは言えるかなと思っています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。物すごく具体的な研究デザインまで出ていただけました。

 例えばNDBと呼ばれる我が国の持つ医療情報というのは、全国で実施された保険診療のほぼ全てが網羅されております。これは国民皆保険の我が国だから取れるデータで、ほかの国ではなかなか取れないデータです。特に、保険者からデータ収集しているので、クリニックであったり病院であったり、かかっている医療機関が違ってもまとめて個人レベルで手に入れることができる。これは本当に質が高くて、持続性のある医療制度を構築する上で大きく貢献することは間違いないと思っております。

 私の理想の一つとして、例えば、厚生労働省のNDB利用を検討している方へのマニュアルという資料には、がん治療における治療法別の転帰と書かれています。私は、特に年齢別による治療の転帰に興味があります。

 今、私たちというのは、様々な病気の治療方法において、過去の大規模な臨床研究の結果、そこから作られるガイドライン、教科書のようなものを参照しながら治療法を選択しておりますが、今、先進国、徐々に高齢化が進み、多くの医療者が、この治療をこの年齢の方にやって効果があるのかな、これはむしろ予後が悪くなるんじゃないかな、こういう疑問を持っている医師はいっぱいいると思うんですよね。そういう疑問に応えるためにも、過去の臨床研究の対象よりももっと自分たちが診ている高齢層に寄った治療はどうなるんだろう、こういう疑問に応えるためにも、こういうデータはしっかり使えるんじゃないかなと思っております。

 私、特にすごく大切だと思うのは、国はこんなデータを持っている、こんなふうに使ってくださいというのをどんどんアピールすることが必要だと思っております。

 日本の研究者というのはもちろん頑張っています。そして、一流の研究者というのは、どこにどんな情報を持っていて使えるのか、みんな知っています。ただ、研究が面白いのは、決して一流の研究者ばかりが大きな功績を残すわけではなくて、全くの素人があるときひらめいて大きな業績を上げること、こういうことも多々あります。それが我が国の大きな価値につながると思っております。そのためには、あるときこれはどうなっているんだろうとひらめいた人が、国はこんなデータを持っているんだ、こうやって使ってほしい、使いやすい、こういう見せ方や制度設計がすごく大切だと思っております。是非これは政府の方には御検討いただけたらなと思っております。

 次に、デジタル行政推進法におけるデータの提供の仕方についてお聞きします。

 本改正法案に、認定国等データ活用事業者は、主務大臣に対し、認定国等データ活用事業を実施するために必要なデータであって国の行政機関等の保有するものの提供を求めることができる、そして、必要性に該当するものであれば、遅滞なく、当該データを当該求めをした認定国等データ活用事業者に提供するものとあります。

 現在、厚生労働大臣が保有する公的データベースの仮名化情報の利用に当たっては、クラウドの情報連携基盤上で解析等を行い、データ自体を提供しないことが基本とされています。これは医療に限らず全ての分野なのですが、データをクラウド上で使わせてもらうこととデータ自体をもらえること、これは大きく違います。

 確認させてください。参考人の方で大丈夫です。今回、本法に基づく提供はデータ自体を提供するものなのか、教えてください。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 デジタル行政推進法改正案に基づく国の保有するデータの提供に当たりましては、他の法令に違反する場合や公益を害する場合などはデータを提供しないこととされているものと承知しております。データ活用事業者から厚生労働大臣等が保有する公的データベースの情報について提供の求めがあった場合にも、その都度、この考え方に基づき提供の可否を判断することになります。

 その際、御質問の、仮名化等の加工をしていないデータの提供については、この公的データベースが病歴等の機微な情報を含んでいるということも踏まえまして、提供の可否について慎重な検討や判断が必要と考えているところでございます。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 今のお答えは、ケース・バイ・ケースで、データ自体を提供することもあればクラウドで、そういうことですね。ありがとうございます。

 次に、本改正法案に基づいた申請から認定までの期間について教えてください。

 例えば、現代、全てのことに、ありとあらゆることにスピードが求められると思います。当然、何か研究の種を思いついたらできる限り早く進めないと、競争に負けることになりかねません。そんな中、厚生労働省の、今のホームページです、NDB、匿名医療保険等関連情報データベースの利用に関するホームページには、お申出を検討なさる方へのお願いとしてこう書かれています。「二〇二六年三月現在、非常に多くの方からお申出をいただいておりますため、新規の提供申出から特別抽出データや集計表をご提供するまで長期間(三百日以上)を要することがございます。」と書かれております。

 これも参考人の方にお聞きします。本改正法案に基づいた申請から認定まで、どの程度の期間を要する見込みでいらっしゃるか、教えてください。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、申請者の事業開始の見通しや事業の円滑な実施に影響を及ぼさないよう、認定までのプロセスは可能な限り速やかに進められるということが肝要であると考えてございます。

 ただ、他方で、法案の審議の中でも様々御指摘いただいておりますけれども、様々なリスクを生じさせないよう、認定に当たって関係府省とともに的確な審査を行うということも、これもまた欠かせない課題でございます。

 迅速性とのバランスをどのように図っていくかということが重要なポイントでございまして、法案成立後、具体的な手続や運用を定める中で、審査期間のめどもつけるようにしていきたいと考えてございますけれども、いずれにいたしましても、データ利活用の促進という本制度の趣旨から外れないよう十分に留意してまいりたいと考えてございます。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 もちろん、申請の内容によって審査にかかる時間が違うというのは十分に理解できるのですが、これはアカデミアでもビジネスでも、研究というのは、人と社会への貢献はもちろん、例えば、研究者自身の思いというと、その人、研究者自身の人生も懸かっておりますし、会社によっては社運が懸かっていることもあると思うんですよね。どうか、そういう研究者や会社の成功を後押しするような迅速な認定そしてデータの提供、これをお願いできたらと思っております。それが日本の成長につながると思っております。

 少し質問の順番が前後して申し訳ありませんが、次に、次世代医療基盤法との関係についてお聞きします。

 医療情報を医療分野での研究開発に活用することを後押しする法律として、既に次世代医療基盤法があります。こちらは、主に民間の協力医療機関等から、その持つ医療情報を、仮名加工医療情報を作成、提供する事業者を国が認定して、その認定事業者が作成したデータを利用する事業者も認定するものです。デジタル行政推進法においては、国の行政機関等の保有するデータを利用する事業者を認定するものです。

 この二つの法律で認定を受ける事業者と事業目的、これは間違いなく一定程度重なってくるはずです。この辺りは、行政に詳しくない現場の研究者というのはやはり分かっていなくて、この法改正の結果をどのように研究に生かせばいいのか分からない研究者はいっぱいいると思うんですよね。

 ここで、お尋ねします。

 デジタル行政推進法改正の医療分野における意味合いと次世代医療基盤法との関係、違いについて教えてください。特に、今までできなかったけれどもできるようになること、便利になることがあれば教えてください。

松本(尚)国務大臣 このデジ行法に基づく認定制度がありますけれども、次世代医療基盤法の規律、これを前提としているんですが、データの取扱いの適法性や適切性というのを事前に確認できる点でメリットがあるというふうに思います。

 すなわち、認定して、これが個情法に何か抵触するような問題がないかどうかということを個人情報保護委員会の方に問い合わせて、それを事前に確認をしてもらう、それによって自分のやろうとしている認定された事業を安定して前に進めることができるというところは、これは事業者にとっても大きなメリットがあるというふうに思っています。

 その点において、今委員御指摘の、何にメリットがあるのかというところは説明可能かなと思います。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 なかなか普通の研究者というのは、この辺りの法律のことを全然詳しくなくて、私もいろいろヒアリングしたんですけれども、まだ理解が不十分ですので、どうか分かりやすい情報発信も共にお願いできるとありがたいです。

 最後、五分ですが、今日一番したかった質問、救急医松本先生に、個人情報保護と個人の命を救うための情報共有について、お考えをお聞かせいただきたいです。

 松本先生も私も身にしみて分かるように、医療、特に、初めましての患者さんが多くて過去の情報が極端に少ない救急医療においては、いかに患者の医療情報を早く手に入れるか、これが早く正確な診断と治療に直結します。私自身も、本当はこの薬を飲んでいる人にはこの薬を使っちゃいけないはずなんだけれども、それをもう使ってしまった後に、あっ、この薬、飲んでいた、こういう大変なことも、一回じゃない、何度も経験をしております。

 例えば、道で意識がない状態で倒れていた患者さんが搬送されてくると、スタッフは、服を脱がせて、持ち物を探って、携帯電話が見つかればその中で家族の連絡先がないか調べるんですが、大体、往々にしてロックがかかっていて開けないことが多いんですが、家族の電話番号がせっかく分かっていても家族につながらない。あと、財布を開けて中身を確認すると、大体かかりつけの診察券とかがあるんですけれども、そこの先生に電話しても、休日、夜間は当然つながらない。もうとにかく患者さんの情報を得ることが物すごく難しいです。それが、もし、もっと早く、もっと多くの情報が得られれば、確実に正確な診断や治療につながって、国民の利益につながると確信しております。

 そこで、松本先生にお尋ねします。

 先生が理想と考えられる医療現場、特に救急医療現場における理想的な患者情報共有の在り方、方法のお考えを教えてください。もしそれに個人情報保護の観点で問題となることがございましたら、どのようにクリアできるか、教えてください。

松本(尚)国務大臣 患者さんの情報が十分に入っているところから治療をスタートできれば、百メートル走でいけば二十メートルぐらい先からスタートできるというようなメリットはあると思います。

 現状、今、デジタル庁ではマイナ救急というのを進めていて、マイナ保険証を患者さんが持っていてくれさえすれば、それを通して救急隊員が医療情報を取り出して、現状、今、それを電話で伝えているんですが、それをまたデジタルのデータとして各病院先に連絡ができるとか、いわゆる医療情報共有ネットワークがちゃんとつながっていくと、これは救急現場のいわゆる救急隊員のところから情報の共有が一気に広がるというような世界観があります。

 これを進めようと思っていまして、実は、広島県ではもう実証事業というのをやっていて、かなりうまくいっていますので、今、デジタル庁としては、これを早急に全国に横展開するようにということで私が指示をしているところです。今準備を始めておりますので、やがてそういった世界観がちゃんと実現できるものというふうに思っています。

 個人情報保護との関係、あるいは今回の法律の関係でいえば、当然必要なものは保護されるんですけれども、医療従事者からしたら、守秘義務の中で知り得る状態であれば、これは特段、最初から保護されても困りますから、その辺りのところは医療者であれば十分に理解はできるものではないかなというふうに思います。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 ちょっと更問いで申し訳ない、参考人の方でも大丈夫なのですが、マイナ救急で得られる情報だけ、確認させてください。

 受診歴、薬剤情報、健診結果、この辺り以外で、ほかに入る予定の情報はありますでしょうか。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 処方情報と、あと電カル共有サービスによる三文書六情報でございます。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 技術的に簡単ではないかもしれませんが、現場の医師の意見としては、やはり血液検査、心電図、CT画像、この辺りがあると格段に正確性が上がるんですよね。特に、胸が痛いという患者さん、心筋梗塞じゃないかを判断するとき心電図を取る。でも、その検査結果だけじゃなくて、前回の心電図がどうだったかというのがあるだけで、圧倒的に正確な診断になりますので、是非、現場の医師、特に松本大臣のような最高の救急医がこういう情報はあった方がいいという御意見がありましたら、それを是非入れていただけたらと思っております。

 あと、マイナカード、やはりこれを持っていないこともいっぱいあるんですよね。そのカードがなければ情報を取れないというと多くの情報を落としてしまいますので、是非、顔認証や指紋認証といった生体データを使うということもひとつ御検討いただけたらなと思っております。

 そして、今はその人自身が持っているもので情報を取ろうとしておりますが、一番の理想は、私は、全ての日本にある医療機関が同じ電子カルテを使っている、そうすれば、健診センターから高度な大学病院まで、全てその一人の国民の医療情報を一元的に管理して診ることができますので、そのような手段も是非進めていただけたらと思っております。

 お時間が来ましたので。ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、谷浩一郎君。

谷(浩)委員 参政党の谷浩一郎でございます。

 本日もお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。

 前回に引き続き、国等データの利活用と個人情報保護に関する法案について質問をいたします。

 まず、参政党として、データ利活用が行政の効率化や国民の利便性向上に資することには一定の意義があると考えています。しかし、その一方で、国等が保有するデータの中には要配慮個人情報などを含む機微性の高い情報も含まれており、データを出すことによって、データ流出のおそれや我が国のデジタル主権が脅かされる可能性があり、制度設計には慎重さが求められると考えます。

 それでは、順次伺います。

 まず、認定を受けた事業計画の公表について伺います。

 本制度では、国等データを活用しようとする事業者が、事業計画を作成し、デジタル庁の認定を受けた上で、その事業計画に基づいてデータを提供する仕組みだと承知をしています。

 そこで、大臣に伺います。

 事業計画が認定された場合、認定事業者の名称だけでなく、データの利用目的、実施期間、国等データを提供する行政機関、そして、どのような国等データが認定事業者に対して提供されるのかといった事業計画の内容は公表されるのでしょうか。

松本(尚)国務大臣 データの利活用に関して、国民の皆さんに透明性を高めて安心感を持っていただくということは、これは大事なことだと思います。その観点から、今おっしゃった事業計画について、多くの内容を公表するということは望ましかろうと思います。

 他方で、事業によっては、その内容を過度につまびらかにすることによって事業のノウハウなどが流出するのは、これは競争する上では余り適当ではない場合もあり得ると思います。これはあくまでもビジネスでやるということもありますから、そういった場合には、事業者にとっては不利益になることまでも必ず公表しなさいということはなかなか言えないというふうに思います。

 したがって、公表を通じて国民の皆さんに信頼感を与えるということは大事なんですけれども、公表の事項やその粒度、要は中身ですな、それについては、認定事業の円滑な実施のバランスに鑑みて個別に対応せざるを得ない、していかなければならないというふうに思います。

 委員御指摘のように、日本人のデータがいろいろなところに散逸してしまうのではないかというのは当然我々としても注意しなきゃいけないと思いますが、それは個別に、何の事業を、どの程度データを集めて何に使うかといったところは十分に個別に判断してデータの保護をしていくということになろうかと思います。

谷(浩)委員 透明性高く情報発信すべきだろうというお考え、お話しいただけてよかったと思います。

 事業の機微性ですね、そして、競合する相手に全部情報が流れてしまうのはそれはよくないんだということをおっしゃっていただきましたが、それでしたら、ちょっとお伺いしますが、認定事業者の名称とか例えば実施期間とかそういったもの、ほかの事業者との競合にさらされてしまわないと思われるものは、大臣としては、積極的に、しっかりと透明性を担保する上で、公表していただくというお考えで、その方で近いということかどうか、お伺いしたいです。

松本(尚)国務大臣 事業の内容はいろいろありますから、この場において、それはこう、これはこうと私の口から申し上げることは控えたいと思います。

谷(浩)委員 ありがとうございました。

 事業の内容といいますか事業者名ですね、これは、私は、この国の、国民のデータが事業者に渡されるわけですから、やはりある程度の公益性というものが必要でありますし、名前というものを少なくともしっかりと出すように、そういうふうに進めていただければ、そういうふうに思っております。国民の立場からすれば、国や自治体の責任において適正に管理されていると考えられる行政データが、どのような事業者にどういう目的で提供されるのかが明確でなければ不安は残るものと考えておりますので、是非とも可能な限りしっかり透明性を確保していただきたい、そう考えております。

 次の質問に参ります。認定制度とデータ提供義務の制度設計について伺います。

 今回の法案では、認定されたデータ活用事業については、国は、法案第二十九条第二項各号に掲げる場合を除き、データを提供するものとするというたてつけになっています。しかし、国等データは、国民と国民の信託を受けた行政の負担によって整備された重要な資産であります。そして、提供されるデータの性質や社会情勢の変化、経済安全保障上の懸念などは、認定段階だけでは全て見通せるとは限らないと思っています。

 そこで、大臣に伺います。

 データ活用事業については、認定制ではなく、より厳格な許可制を検討すべきではないでしょうか。また、提供するものとするではなく、提供することができるとするなど、認定後のデータ提供段階においても国の裁量を明確に残す制度設計にすべきではないでしょうか。さらには、認定後のデータ提供について、国が提供を拒否した場合やその理由が不十分であった場合、認定事業者側から不服申立てや国家賠償請求の対象となるリスクは生じ得るのでしょうか。合わせて二点、お伺いいたします。

松本(尚)国務大臣 国等が保有するデータについては、保護と利活用をバランスを図りながら進めていかなければいけないがゆえに、認定制をつくっておるということでございます。

 データを提供する際には、他の法令に違反する場合や、それから公益を害する場合などには、データを提供しないということにしております。その場合に、理由について明らかにしなければいけません。これは法律で定められていますから、理由なしに提供しないということはございません。したがって、理由が明確に明示されているのであれば、委員御指摘の不服申立てや国家賠償請求等につながらないというようになっていますから、それについては運用に当たって丁寧に対応するということでございます。

 大事なところは、公益を害する場合などにはデータを提供しないということはできますので、その辺りは、認定について十分に吟味をして判断をするということになろうと思います。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 ただいまの御答弁を踏まえましても、この法案、やはり、一度事業計画の認定を受けた事業者にとってかなり有利な制度設計になっているように感じます。

 国が保有する行政データは、国民の信頼の下で管理されている、いわば国民共有の重要な財産で資産です。そして、その提供の可否については、先ほども申し上げたとおり、認定段階だけで全て見通せるものとは限らないと考えています。それにもかかわらず、認定後は原則として提供するものとするというたてつけにすれば、行政側の判断余地が狭まり、事業者の予見可能性や利益が国民の権利利益の保護より優先されかねません。また、提供拒否をした場合に、不服申立てや国家賠償請求のリスクが生じ得るのであれば、行政がそのリスクを恐れて慎重な判断をためらうことが懸念されます。

 国民のデータ保護を犠牲にし、利活用を優先したデータ提供を進めることには強い懸念を表明いたします。

 次に、国が費用や業務負担を理由にデータ提供を拒否できる場合の要件について伺います。

 データを提供するのに莫大な費用や過分な業務負担を要する場合、一旦認定を受けた事業者に対しても、法案第二十九条第二項第三号を根拠に、国はデータの提供を拒否することができるのでしょうか。また、拒否が可能な場合、拒否をするには具体的にどの程度の費用負担、業務負担が必要なのでしょうか。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 先生も引用されました、改正後のデジタル行政推進法第二十九条第二項第三号におきましては、認定国等データ活用事業者からデータ提供の求めを受けた際に、公益を害し、又は、ここからが関係するところだと思いますが、その所掌事務の遂行に支障を及ぼすおそれがある場合には、求めを受けた主務大臣はデータ提供を行わないことというふうに規定されてございます。

 その上で、委員お示しの、データ提供に莫大な費用や過分な業務負担を要する場合ということについてでございますけれども、先ほど申し上げました、公益を害しの後ですね、又は、その所掌事務の遂行に支障を及ぼすおそれに該当して、データの提供を行わない場合というのはあり得ると考えてございます。具体的な判断は、そのお求めになったデータの内容とか形式、それから国の行政機関等による保有状況等の個別具体の状況等を総合的に勘案してなされるというふうに考えてございます。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 個別具体的に判断する、そういう御答弁でありましたけれども、やはりそれだけでは現場の行政機関にとっては判断基準が非常に不明確であるかなと思います。

 データ提供に伴う業務負担は、行政機関の規模や人員体制、データの性質によって大きく異なります。そのため、同種のデータであっても、特定の省庁からは提供が行われる一方で、別の省庁ではこの条項を基に拒否されるケースや、本来業務を圧迫してまで提供しようとすることが十分考えられます。

 個人情報や機微情報を含むデータであれば、匿名化や安全管理のための確認作業も慎重に行う必要があります。この負担を軽視すれば、情報漏えいや不適切利用のリスクが高まります。したがって、過分な負担に該当する場合については、少なくとも費用や必要な具体的な判断要素を指針等で明確に示していただきたい、そう考えております。

 次の質問は、ちょっと時間の都合上飛ばさせていただきます。次に、AI学習に使われたデータの扱いについて伺います。

 国等データがAIモデルの学習に使われた場合、そのデータは、単なるファイルとして残るのみではなく、その影響は学習済みモデルのパラメーターや出力傾向に残る可能性があります。

 そこで、伺います。

 国等データがAIモデルの学習に用いられた場合、後に認定取消しや違法認定がなされたとしても、学習済みモデルから当該データの影響を完全に除去することは可能なのでしょうか。まずはこの点についてお伺いします。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 端的に、可能かどうかということでございますけれども、事後的な完全な除去が可能かどうかは、AIモデルの学習、利用方法等によりますものですから、一概には申し上げられないところでございます。

谷(浩)委員 今の御答弁ですと、除去できる可能性もあるだろうしできないこともあるだろうというようなところだとは思います。

 続けてお伺いします。

 また、今、恐らく困難である可能性もあるというふうに私は認識をするんですが、それが困難である場合、国はその当該モデルの利用停止や再学習又は廃棄を命じることができるのでしょうか。こちら、お伺いします。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 先生の御質問に端的に答える前に、少し全体像を御説明させていただければと存じますが、国の保有するデータの提供に当たっては、他の法令に違反する場合ですとか公益を害する場合などにはデータ提供をしないこととしておりますので、このため、機密度が極めて高いデータというのはそもそも提供されない仕組みとなってございます。

 また、認定に当たりましては、安全管理の内容を始めといたしまして、計画全般の適格性について丁寧に審査を行うとともに、認定後も、要すれば適時に報告徴収等を通じた適切な監督を行ってまいります。

 このようにしまして、違法なデータの利用を未然に防ぐということにまず万全を期してまいりたいと考えてございます。

 その上で、万が一認定時の計画に反する実態が見受けられた場合には、速やかに認定取消しを行った上で、さらに、取消しを受けた事業者に対して、まずはデータの消去等の履行を求め、従わない場合には指導を行い、更に従わない、行わない場合には司法上の措置も追及するなどしまして、データの消去等の徹底を図ってまいります。

 その上で、事後的な完全な除去ができるかどうかは、先ほど申し上げましたように一概には申し上げられませんけれども、そもそも認定時に、提供するデータの性質などに鑑み、万が一計画に反する行為が行われた場合の影響が甚大である、その結果公益を害する懸念がある場合には、その点も考慮して、そもそも認定時にそういうような判断を行うなど、丁寧に審査を行ってまいりたいと考えてございます。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 AIモデルに一度学習されたデータの影響を完全に除去することというのは技術的に非常に難しい、容易ではないと考えています。少なくとも、AIモデルの利用停止命令、再学習、廃棄命令など、具体的な権限をやはり制度上明確に設けるべきだと考えているわけです。今、走りながらやっていくんだ、審査していくんだというお答えでありましたが、やはりこちら側からすると非常にその辺りが心配であるということをお伝えいたします。

 次に参ります。諸外国における同様の制度について伺います。

 五月十二日の質疑において、EU、米国、中国など主要国において、政府保有の要配慮個人情報を含む個人情報を民間事業者のAI開発や統計作成等のために本人同意なく提供する制度がどの程度存在するのか、そういった質問を私はいたしました。これに対して、政府参考人からは、EUのガバナンスデータ法を例に、域外事業者を含む事業者が公的データにアクセスする制度が一部存在するとの答弁がございました。

 しかし、EUに一定の制度が存在することと、世界の主要国において政府保有のデータを民間事業者に広く提供する制度が一般化していることとは別の問題であります。

 そこで、改めて確認します。

 EU圏以外の主要国、例えば米国、中国、英国などにおいて、日本の今回の制度と同様に、政府保有のデータや同意を得ていない要配慮個人情報を民間事業者のAI開発や統計作成等のために提供する制度は存在するのでしょうか。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 前回の御審議の際に御答弁させていただきましたEUの例のみならず、その他の主要国、例えば英国、米国、中国におきましても、一定の要件の下、一定の要件というのは、それはもちろん日本とぴったり一緒かどうかという問題がありますけれども、一定の要件の下、公的データを利用することができる制度は存在するというふうに承知してございます。

 また、要配慮個人情報に相当するいわゆるセンシティブデータにつきましては、例えば英国一般データ保護規則におきまして、医療情報等は特別な種類の個人データとして原則としてその取扱いが禁止された上で、本人の同意がある場合やその他一定の例外的場合には第三者への提供を含む取扱いが許容されておりますが、その例外的な場合の一つとして、統計の目的のために取扱いが必要となる場合というのが規定されていると承知してございます。

谷(浩)委員 今英国の事例をお出しいただきましたが、例えば、今私が挙げた中国に関してはそういったものがおありか、情報をお持ちでしょうか。お教えいただければと思います。

山澄政府参考人 失礼いたします。

 中国のデータ全般につきましては、先ほども御答弁いたしましたが、一定の要件の下、公的データを利用することができるという制度がございます。

 具体的には、中国の中国サイバーセキュリティー法、データセキュリティー法、個人情報保護法等の関連法規に従って基準を定める、公共データ資源の認可、運用に関する実施ガイドラインというものがその根拠になっていると承知してございます。

谷(浩)委員 例えば米国や英国では政府保有のデータ提供は主に研究目的に限定される、そんなふうに伺っておりますし、ビジネス目的での利用を前提としたものではないこと、また、中国では政府保有データに日本企業がアクセスすること自体が困難である、そういう認識をしております。

 そういったものであれば、やはり本法案のように、国が保有するデータ、場合によっては本人同意を得ていない要配慮個人情報を含み得るデータを外国企業を含む事業者に対してビジネス目的で提供する制度、これは世界の主要国を見ても一般的なものではない、そう受け止めざるを得ないわけです。ですから、この辺り、ちょっと、日本がそれに先んじて広くデータを出そうというふうに私には、今のお話を聞いていても感じるというところであります。

 次に、相互主義の観点からも改めて伺います。

 主要国では、中国のように自国データの管理や国外移転を厳しく制限している国はもちろん、EUのようにデータガバナンス法を有する地域であっても、GDPRなどに基づく監督や制裁の仕組みは日本より厳格であり、日本企業が同じ条件で公的データを利用できるとは限りません。したがって、単に類似制度の有無を見るだけではなく、日本企業にも同等のアクセスが認められているのかという実質的な相互性を確認する必要があります。

 そこで、大臣に伺います。

 政府は、相互主義の観点から、日本企業に同等のアクセスを認めていない国や地域の企業に対し、国等データの提供を制限する規定を法案又は指針に設ける考えはないのでしょうか。大臣の見解をお伺いいたします。

松本(尚)国務大臣 本法案に基づく国等データ活用の認定基準となる指針においては、適切な安全管理措置を講じることを含めて規定することになっています。例えば、国外へのデータ移転に対して適切な取扱いが担保されるための措置を講じるといった、所定の要件を設定することも想定しています。これらを満たす事業者のみが我が国の政府が保有するデータの提供を受けられることになります。そういった歯止めがかかっているということですね。

 御指摘の相互主義の観点については、現段階では想定していませんけれども、この安全管理措置の厳守を通じて野方図なデータの海外流出というのは防いでいかなければならないと思っています。

 今、中国のお話もありましたけれども、AIの開発等々を通して世界を席巻しようとしておりますけれども、そういうところにうかつに乗っかっていくということは厳に我々としては考えなければいけないというふうには思います。

 やはり、我々は、AIの活用、例えばバーティカルAIの開発等々も含めて米中が今リードをしていますけれども、我々の国なりに、第三極として開発できるAIというものは我々の手で開発をしていかなきゃいけないというふうに私は思っています。

 その点においては、野方図に我々のデータが他国に出ていくということは一定程度の歯止めをかけなければいけませんから、そういう意味では、この安全管理措置を講じるという点において、それに歯止めをかけていこうという考えというのはあるということでございます。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 先ほど中国の話が出まして、大臣から、うかつに中国のデータをつかみにいくとかそういうことをすべきではないという御答弁だったかと思うんですが、ちょっとそこのところを詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

松本(尚)国務大臣 特定の国についてあれこれ申すことは控えたいと思いますけれども、いずれにおいても、このグローバルな社会において、例えばEUであるとかASEANであるとか、そういった我が国と価値観を共有するような同盟国、同志国等々とは一緒になってAIを開発していかなければ、今、米中がリードしているAIの世界において、我々がそれをちゃんとやらなければ植民地化してしまう、AI植民地という言葉もありますけれども、そういった状態になるのは、やはり政府としてはできれば避けなければならないと思っています。

 したがって、そういうようなこともちゃんと踏まえながら、データの活用を他国と共有していくということは一定程度は必要だろうと思っていますし、一方で、野方図に何でも我々のデータを海外にまき散らすようなことはしませんということでございます。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 他国はデータを厳しく囲い込んで日本企業に同等のアクセスを認めないにもかかわらず、日本だけが一方的に国のデータを他国の事業者に開放するのであれば、それは非常に不公平な制度だと思います。そうしないというふうにおっしゃっておられましたが。

 相互主義の観点を欠いた制度設計、これは、日本企業の競争力を損なうだけでなく、我が国のデジタル主権を弱め、ひいては国益を損なうおそれがあると考えています。本法案を施行する際には、相互主義の観点を踏まえて、公平性のあるデータ提供の在り方を検討いただくよう要望いたします。

 最後に、デジタル赤字と国内AI産業の保護育成について伺います。

 国が保有する医療、教育、交通、産業などのデータは、日本社会の実情に即したAIを開発する上で極めて重要であり、我が国の安全保障や経済的繁栄にも関わる戦略的な情報です。

 しかし、日本のAI産業が十分に育つ前に、こうした国等データを国内外の大企業に広く開放すれば、資金力、技術力、データ基盤で既に優位にある外資系企業が学習、分析、サービス化を進め、日本企業が自国データを活用したAI開発競争においても後れを取るおそれがあります。

 日本は既に、クラウド、ソフトウェア、広告、AIサービス等の分野で海外企業への支払いが増え、二〇二四年のデジタル赤字は約六・七兆円に達しています。

 そこで、大臣に伺います。

 政府は、国や自治体が保有するデータを日本のAI産業を育成するための戦略資産であると位置づけているでしょうか。また、本法案がデジタル赤字やデジタル主権に与える影響、この二点、これをどう評価しているか。二点お伺いします。

松本(尚)国務大臣 通告がないんですけれどもお答えしたいと思いますが、どっちでもいいよ、答えるから。

 今のクラウドのことなんかもそうなんですけれども、今、ガバメントクラウドは、アメリカのビッグテック四社と、それから、この四月から日本の国産のクラウドが入ってきました。

 我々デジタル庁としては、規制官庁になるつもりはないということは明確に申し上げておきます。今後、一定程度のちゃんとした条件をつけながら、国産のクラウドの開発が進んでいく、そしてその利用が進んでいくということは積極的にやりたいと思います。ただ、これは競争ですから、一定の、国産だから、日本の国の企業だからといってそれを殊更かわいがるというつもりはなくて、ちゃんと競争の中で出てきてくれるということは当然期待をしなければいけないと思っています。

 AIの活用にしてもそうで、ガバメントAIの中で、今七社、今回新しく日本の企業が入ってきてくれました。そういったところも育てていく、我々が積極的に活用しながら育てていくということを進めなければいけないと思います。その中で、ちゃんとした主権を守っていく、データを守っていくということが必要だと思います。

 今回の法律は、そういう国産のAIなどを開発していく上においては非常に大きなメリットがあるというふうに思いますし、御党は、日本のデータを守れ、守れといったようなことをたくさんおっしゃいますが、そのとおりなんですけれども、我が国のAIやクラウドを進めていく以上は、我が国だけで物事ができるわけではありませんから、そういうふうに、全部を国産にしなければならない、データは外に出してはいけないというような主張には全く同調できません。日本のAIを進めるに当たっては、日本だけで何かできるような時代ではないので、そこはバランスよくいくということが必要だと思っております。

谷(浩)委員 通告が行っていなかったとのことで、大変失礼いたしました。にも関わらず、しっかりお答えいただきまして、感謝を申し上げます。

 私の考えは、今、日本のデジタル、こういったAIに関して、やはり他国に後塵を拝していると考えております。そのような中で、今回のこの法整備、法案を通すということは非常に危険であると思っております。私たちは、別に日本だけで全てやらなければならない、すぐにそうじゃなければならないと申し上げているわけではなくて、今、この日本の置かれた状況を鑑みたときに、やはりこういったデータを開放するということは非常に危険であるのかな、そう考えております。

 現実の競争環境を見れば、国内企業と外資系巨大IT企業は対等ではないと考えています。資金力、技術力、インフラ、人材、顧客情報など、いずれにおいても外資系巨大IT企業は圧倒的な優位性を有しています。その中で、国等データを形式的に内外無差別で開放すれば、結果として最も利益を得るのは既に強い企業だと考えております。

 日本の行政データを活用して、外国企業のAIサービスが強化され、そしてそのサービスを日本企業や行政機関が購入する、こういった構図が強まれば、デジタル赤字は更に拡大し、日本のデジタル主権も損なわれかねません。結果として、いわばデジタル植民地とも言うべき状況に陥る懸念がある、そういったことをお伝え申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史でございます。

 本日は、データ利活用と個人の権利利益保護の両立を制度設計と運用の双方の面でいかに担保するかという問題意識から順に質問させていただきます。

 まず、一点目でございます。

 今回の個人情報保護法の改正、これに伴う実際の運用について、個人情報保護委員会規則及びガイドラインによる具体化が予定されている事項が様々あると承知しております。事業者であったりとか研究機関の実務にとっては、今回の法律の改正だけでなく、これら規則やガイドラインの内容こそが予見可能性を左右するものであります。

 その際、具体の運用においては、仮に海外の規制と比較しても厳しい運用ということになってしまえば、データ利活用をする事業や研究は海外の事業者、研究機関との競争上、不利な立場に置かれてしまうわけで、AI活用、データ利活用をしやすくするという考え方に立てば、十分個人の権利利益に配慮しつつも、海外の制度よりも厳しいということは避ける必要があるというふうにも言えると考えます。

 そこで、お伺いいたします。本改正案の施行後、個人情報保護委員会規則やガイドラインによる具体化が予定される事項について、その策定に当たって、関係者からの意見聴取、これをどのように進めることになると考えればよいでしょうか。また、その際、EUの一般データ保護規則などの海外の制度動向との整合性をどのように担保するか、政府の見解をお聞かせください。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案を国会でお認めいただいた場合には、円滑な施行に向けまして、委員御指摘の事業者、研究機関、さらには個人など、様々な方々から幅広く意見を伺いながら、個人情報保護委員会規則、ガイドラインの内容の検討を進める所存でございますが、何分まだ法案の御審議をいただいている段階でございますので、その具体的な方法を決定する段には至っておりませんが、個人情報保護委員会での議論の資料などを速やかに公表して、事業者や個人に対して透明性を確保すると同時に、意見公募手続、いわゆるパブリックコメントを丁寧に実施して幅広く意見を募る、そういった取組を徹底してまいりたいというふうに思います。

 また、海外との規制レベルの整合性ということでございました。規則やガイドラインの内容の検討に当たりましては、委員御指摘のEUの一般データ保護規則などを始めといたしまして、様々な海外の動向との整合性には留意したいと思いますし、とりわけEUとの関係では、我が国はデータの流通を円滑化するための十分性相互認証という関係を持っておりまして、その仕組みの交渉のフロントに私どもは立っておりますので、おのずとそれに配意しながら制定していくことになろうかと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 事業者にとってもGDPRの対応ということは非常に力をかけてやっておられるところは多いと思いますので、その比較において、海外より厳格な規律となる場合には、なぜそういった厳しさが必要なのかということの必要性について、しっかり合理的な説明であるとか比較、いろいろな形でしっかり周知いただきたいと思います。

 そのような周知をしていただけるという考え方でよろしいでしょうか。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 もとより、データ保護法制は各国歴史、文化に根差した固有の特徴もありますものですから、必ずしも逐一の規則につきまして完全に一致することはないわけでございまして、何ゆえ差があるか、何ゆえ緩和されているか、強化されているかなどにつきましては、つまびらかにしっかり説明をしながら理解を求めていきたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 まさにおっしゃっていただいたとおり、我が国においてここはしっかり守るべきなんだというところはそのような説明をしっかり広くしていただくという前提で、おっしゃっていただいたとおり進めていただければというふうに思います。

 続いて、統計作成等を目的とする要配慮個人情報の取扱いについて伺います。

 今回、統計情報等の作成にのみ利用される場合、個人データ等の第三者提供について、本人同意取得を不要とする特例が整備されます。一方で、先ほどまでの質疑でもございましたが、医療分野においては、既に次世代医療基盤法なども存在し、認定匿名加工医療情報作成事業者制度の下で、より慎重な手続を経たデータの利活用スキームの運用というものも存在すると承知をしております。

 そこで、お伺いいたします。本改正案における統計作成等を目的とする要配慮個人情報の取扱いと、次世代医療基盤法等の既存のデータ利活用に関する制度との関係、特に規律のバランスについて、どのように整理をされているか、改めて政府の見解をお聞かせください。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、前提のようなお話でございますが、議員御指摘の次世代医療基盤法でございますが、個人情報保護法の特別法という位置づけでございまして、医療分野の個人情報の特定の取扱いに関し、その取扱いの特徴などを踏まえた利活用のための仕組みを整備する法律であるというふうに承知しております。

 そのような仕組みの下での全体感のある規律の体系になっているものですから、その個々の規律につきましては仕組み全体を適切に構成する観点から設けられておりますので、その全体から切り離して、個々の規律と今般の統計作成等の特例における規律との差異のみに着目して適否を論じることは適切ではないというふうに考えております。

 一方で、個人の権利利益の保護の観点から必要な規律を整備するという意味では、両者に相違はないものでございますので、遜色はないという観点についての補足をしたいと思います。

 まず、本特例の対象となります統計情報の作成、それからAIの開発につきましては、基本的に個人との対応関係が排斥された形での、データが加工されるという点において、従来の個人情報保護法が想定していたデータベースの構築を前提としたデータの使い方とは大きく異なっておりまして、これらの目的にのみ個人情報等を利用する場合であれば、個人の権利利益が侵害されるおそれは少ないと考えております。

 また、特例の利用に当たりましては、権利利益保護のため、一定の事項の公表、目的外利用及び違法な第三者提供の禁止、漏えい防止、その他の安全管理のための必要かつ適切な措置を講ずるべき義務を規定することとしてございます。

 さらには、これは提供先でございますけれども、本特例の適用対象となる統計作成等につきましては、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして個人情報保護委員会規則で定めるものということで、限定をつけております。規則におきましては、取得した個人情報等につきまして、目的外利用及び第三者提供を防止するために必要かつ適切な措置、それから漏えいの防止、その他の安全管理のために必要かつ適切な措置、そしてAIモデル等から出力又は復元されることを防止するために必要かつ適切な措置を講ずるよう求めることとしてございます。

 また、提供元につきましても、AI開発等の目的で取り扱う必要がある場合ということを要件にしてございますので、その必要がないものについてまで、容易にそれらを削除できる場合についてまで提供するとなりますと、要件を満たさないということになろうかと思ってございます。

 そのような規定を踏まえますと、本特例につきましては、次世代基盤法など、既存のデータ利活用に関する制度との比較において十分な権利保護の仕組みを具備しているというふうに考えております。

高山委員 ありがとうございます。

 今の御答弁の中でもございました、ほかの情報と照合して特定の個人を識別することができないようにするための措置に関する話、ここは非常に重要であると思います。ほかの情報と照合して個人が識別できないようにするというところに関しても、様々、今、技術があると思いますので、そういった措置に係るコストを下げるような技術をしっかりと使われるように、いろいろな取組をしていただきたいなというふうに思います。

 次に、課徴金制度について伺います。

 今回、悪質な違反行為に対する新たな課徴金制度が設けられるわけですが、その対象として、不適正利用や違法な第三者提供など、四類型が挙げられていることと承知しています。

 まず、この限定の根拠につきまして、これまでの是正措置命令、緊急命令の対象となってきた事案の状況であったりとか、今回の改正で新たに設けられる特例の内容を踏まえた設計と理解してよいでしょうか。この点、まず確認をさせてください。

 その上で、執行の実効性に関して、特に海外の事業者など、日本国外の事業者に対して実際に課徴金をどのように徴収をするのか。域外適用は現行法でも一定整理があるというふうに承知をしておりますが、国内拠点の有無などで対応が分かれることも踏まえ、実際に課徴金を徴収する仕組みがどのように設計をされているのか、是非、国民に分かる形で説明をいただきたいというふうに思います。

 以上、二点、個人情報保護委員会の見解を伺います。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 前半の部分でございますが、課徴金制度と申しますのは、事業者が違法に得た収益を強制的に剥奪する制度でございますし、事業者に与える不利益の程度が大きいものですから、今回、個情法で初めて導入することもございますので、違反行為の抑止の必要性がより高い事案に対しまして迅速、機動的な対応を確保する観点から絞り込んだという次第でございます。

 委員御指摘がございましたとおり、現行法上の緊急命令の対象となっている重要な規律違反に係る行為類型のうち、当委員会によって勧告、命令の実績のある規律違反に関する行為類型を対象とした次第でございます。

 また、今回新設されます統計作成等につきましても、事後的なガバナンスを徹底する、違法行為を行う抑止力を高めることが肝要でございますので、課徴金の対象にしている次第でございます。

 それから、二点目の国外事業者に対する課徴金納付の命令の実効性ということでございます。

 域外適用につきましては、委員御指摘のとおり、既に個情法におきましてはその旨の規定を置いておりますので、国外の事業者に対しましてしっかり課徴金命令を発するということになるわけでございますが、まず、納付命令書につきましては、国内の支店、営業拠点がなく、国内の代理人も選任をしていない場合には、いわゆる領事送達といたしまして、当該外国に駐在する日本の領事などに嘱託をして、当該事業者に送達するということを行います。

 また、実際にどう課徴金を徴収するのかということになりますけれども、当該事業者が国内に債権を含みます何らかの財産を有している場合におきましては、当該財産に対して、民事執行法等に従い執行することが可能でございます。

 このため、国外の事業者に執行をする必要がある場合には、国内に財産を有しているかどうか調査をまず行うことになりますが、一切有していない場合には、確かに執行上の事実上のハードルが高いというのは事実でございますが、これは、本法案に限らず、国外事業者に対する金銭的執行が必要となる場面全般に共通するものでございますし、私どもも、先行して導入されております他の法律における実務運用なども参考にしながら、しっかり実効性のある方法を探っていくということかと思っております。

高山委員 ありがとうございます。

 抑止力として機能するかどうかというのは、結局、現場でちゃんと徴収できるかどうかに懸かっているというふうに思います。特に、海外の事業者で、国内に拠点であったりとかあるいは財産を有していない、そういったケースでも、今、海外からでも、日本のユーザーに対してサービスを提供するであるとか、あるいは日本国民のデータを扱う、そういったケースは十分あるわけですから、そういったケースにおいてもこの課徴金制度がしっかり抑止力として機能をするように、具体的な検討を今後ともよろしくお願いいたします。

 最後に、松本大臣にお伺いいたします。

 今回の個人情報保護法、デジタル行政推進法の改正は、個人情報を含むデータの利活用に対する需要、またその社会的意義の高まりを踏まえたものであるというふうに捉えております。

 これまでの質疑でもございましたとおり、もちろん、個人の権利利益をどのように守るか、これに関する議論や検証の重要性は言うまでもありませんが、同時に、実際にデータの利活用がどれだけ進んだか、これは、医療分野も含めて、公共に資するようなAI活用がどれだけ進んだかもしっかりと客観的に検証をされなければならないというふうに考えます。

 懸念があった事柄で実際どのようなリスクが生じたのか、そして十分にデータ利活用は進んだのか、データ利活用と個人の権利利益保護のバランスは今後更に重要な政策テーマになってくるというふうに私は考えております。そのとき、リスクとベネフィットのことも印象論で語るのではなく、そのバランスはしっかりとデータで検証をされなければならないというふうに思います。

 そこで、お伺いいたします。本改正案の施行後の検証として、データ利活用の実態及び個人の権利利益保護の実態について定量的な評価を継続的に行い、その結果に基づいて、必要な見直しがあればそれを行う考えがあるのか、大臣の見解をお聞かせください。

松本(尚)国務大臣 ある意味EBPMと同じ考え方だろうと思います。数字にして定量的に評価をしていくことは大事だと思います。

 委員御指摘のように、この法律の施行後も、例えば、統計作成等の特例に基づいて、公表件数とか、あるいは個情委員会による指導、勧告、命令等、権限行使の件数とか、幾つかそのパラメーターを出して、この改正した法律そのものがうまく機能しているかどうかということは見ていかなければいけないと思います。その点で、その意思があるかどうかといえば、おっしゃるとおり、そういうふうに進めていかなければいけないと思います。

 ただ、こういった問題というのはすごく数字に表しにくい部分も多々あることは、恐らく委員も御承知おきのとおりだと思います。もし、こういうKPIがあるよということがあれば、我々にも是非御指導いただければというふうに思います。

 本当に法律がうまく機能しているかどうかを数字に表すのはすごく難しいことだと思っているので、我々自身もいろいろと知恵を絞りたいと思いますけれども、是非御党からの提案も期待したいところだということです。

 ありがとうございます。

高山委員 ありがとうございます。

 大臣おっしゃっていただいたとおり、ただ件数であるとか、あるいは、ただ何かしらの金額を出して、それでうまくいったとかいっていないとか、問題があるないとか言えないテーマであるというふうに思いますので、実際どのように測るのかというところは、是非、我が党からもいろいろな議論をさせていただきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 ここまでの議論も踏まえて、チームみらい、我が会派としても、しっかりと、このデータの利活用と、そして個人の権利利益の保護、この両立を目指した議論を今後ともさせていただきたいということを申し上げまして、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 これより両案に対する討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。早稲田ゆき君。

早稲田委員 ただいま議題となりました両法律案につきまして、中道改革連合を代表し、デジタル行政推進法等改正案に賛成、個人情報保護法等改正案に反対の立場から討論を行います。

 急激な人口減少に対応し、持続可能な経済成長を遂げるためには、AI開発等を含むデータ利活用の促進は重要です。しかし、国民の信頼なくして健全なデータ利活用は成り立ちません。保護と利活用の均衡を欠いた個人情報保護法等改正案には重大な問題があります。

 とりわけ、統計作成等の特例については、AI開発や統計作成等を名目として、本人同意なく、要配慮個人情報を生データで第三者提供できる範囲を大幅に拡大するものです。病歴、思想信条、信仰、犯罪歴など、最も慎重に扱われるべき要配慮個人情報が、名前や住所が含まれた状態で企業や行政、さらには個人事業主にまで提供可能となる。これは、個人情報保護法が本来掲げてきた個人の権利利益の保護という理念を根本から後退させるものと言わざるを得ません。

 松本大臣は、名前や住所など不要な情報の削除について、利用者側が適宜判断すると答弁されました。本来、より厳格な保護が求められる要配慮個人情報の取扱いが、法律ではなく規則やガイドラインに委ねられている点は看過できません。一度、生データが渡ってしまえば、漏えいや不適切利用の危険は飛躍的に高まります。AI技術の進展によって再識別の可能性も指摘される中、事業者の善意に委ねる制度設計では到底不十分です。

 参考人質疑において、森参考人は、本特例によって生成される統計的推論が差別的プロファイリングにつながる危険について警鐘を鳴らされました。特定の生活習慣や属性を持つ人々が、支払い遅延率が高い、リスクが高いなどとAIによって分類され、不利益な取扱いを受ける可能性があるとすれば、これは単なるプライバシー侵害にとどまらず、社会的差別や排除につながりかねない重大な問題です。

 さらに、課徴金制度の対象については、千人を超える大規模事案に限られるほか、目的外利用や要配慮個人情報の取得についての違反が対象外とされるなど、極めて限定的です。違法行為によって得られた額を吐き出せば済むだけでは、抑止力として不十分ではないでしょうか。加えて、被害者救済の要となる団体訴訟制度も見送られました。

 こうした経緯については、事業者側の意向を強く反映したと言わざるを得ません。

 今回の改正では、国民の権利利益よりもデータ利活用を優先したとの疑念を払拭するには到底至っておりません。

 以上の理由により、個人情報保護法等改正案に反対することを表明し、討論を終わります。(拍手)

丹羽委員長 次に、谷浩一郎君。

谷(浩)委員 参政党の谷浩一郎です。

 会派を代表し、ただいま議題となりました二法案に対し、反対の立場から討論いたします。

 我が党は、データ利活用が行政の効率化や国民の利便性向上に資することを否定するものではありません。しかし、本法案は、国民の重要な個人情報、そして我が国のデジタル主権を更に損なうおそれがあり、利活用と保護のバランスを著しく欠いたものです。

 反対の第一の理由は、我が国のデジタル主権が失われ、デジタル植民地となる危険性です。

 政府は、統計情報であり個人情報ではないから安全と説明しますが、現代のAI技術の進展においては、モデル反転攻撃等の手法により、統計データから元の個人情報が復元されるおそれがあります。EUのような厳格な再識別防止基準がないまま、国のデータを外資系AI企業を含む事業者に委ねることは余りに危険です。

 第二の理由は、相互主義の欠如とデジタル赤字の加速です。

 中国等の諸外国が自国のデータを厳格に管理する中、日本が国等データを広く開放しようとするのは非対称と言えます。国の保有データは、日本社会に適合したAI開発のための戦略資産です。国内AI産業が十分に育つ前に開放すれば、資金力や技術力で圧倒的な優位性を持つ外資系巨大IT企業に利益を独占され、デジタル赤字が更に拡大し、外国依存が一層深まります。これは経済安全保障上の重大な問題であり、本来は国産IT企業の成長と歩調を合わせて進めるべきです。

 第三の理由は、制度設計の不備と国民の権利保護の軽視です。

 報告徴収違反への罰則は三十万円以下の罰金にとどまり、巨大IT企業への抑止力としては余りにも不十分です。さらに、国等データの提供も、本来は国の裁量を確保する許可制とすべきですが、事業者に有利な認定制です。また、対象となる情報や安全措置の内容という安全保障の核心部分を指針等に丸投げする白紙委任は、法治国家として許されません。

 国民の財産である行政データや個人情報を適正に保護し、国産技術を育成して、真のデジタル主権の確立が大前提です。十分な保護措置と監督体制を整えないまま、行き過ぎたグローバリズムの下で拙速にデータ開放を進める本法案には強く異議を唱え、反対の理由といたします。

丹羽委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 これより採決に入ります。

 まず、内閣提出、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

丹羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、内閣提出、個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

丹羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、田畑裕明君外四名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及びチームみらいの五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。早稲田ゆき君。

早稲田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明いたします。

 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

    個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。

 一 本法に基づいて個人情報保護委員会規則等を定めるに当たっては、個人情報保護委員会の独立性を踏まえつつ、個人の権利利益を最大限に尊重するとともに、個人情報等の有用性に配慮した適正な利活用との両立を図る観点から、あらかじめ国民や団体等の関係者から意見を聴取し、その意見を的確に反映するなど、政策決定過程の透明性と予見可能性を十分に確保すること。

 二 欧州連合の一般データ保護規則をはじめとする諸外国の制度との整合性に留意し、我が国における人工知能(AI)開発等を含む研究開発及び事業活動が過度に萎縮することのないよう配慮すること。

 三 AI開発等を含む統計作成等の取扱いについては、他の情報と照合して特定の個人を識別することができないようにするための措置を確実に講ずること。また、統計作成等の概念が限定的に解釈され、実質的な適用範囲が狭められることのないよう留意すること。さらに、統計作成等に係る事項の公表については、本人が容易に知り得る状態に置かれるよう、個人情報取扱事業者や行政機関の長等において公表するのみならず、個人情報保護委員会においても状況の把握に努め、必要な情報を公表すること。

 四 個人情報取扱事業者による統計作成等を目的とする要配慮個人情報の取扱いに際しては、漏えいや不適正な利用等による個人の権利利益の侵害が生じないよう、十分な安全管理措置及び委託先の監督を徹底させること。

 五 広告の閲覧履歴や商品の購入履歴等から信条等の機微な情報を推知する等の精度の高いプロファイリングの手法が普及しているという指摘を踏まえ、プロファイリングに係る規制の在り方について、諸外国における法制度等を基に引き続き検討を行うこと。

 六 プライバシー強化技術(PETs)の活用に当たっては、我が国の産業競争力の向上にも資する観点から、適切なインセンティブの在り方について検討すること。

 七 取得の状況からみて本人の意思に反しないため本人の権利利益を害しないことが明らかな取扱いである場合として個人情報保護委員会規則で定める場合に本人の同意取得を不要とすることについては、個人情報取扱事業者等の恣意的な判断や濫用によって個人の権利利益が侵害されることのないよう、当該特例に基づく個人情報の利用又は提供を必要最小限とするとともに、個人情報保護委員会規則によってその具体的な範囲や判断基準を明記すること。

 八 こどもの個人情報の取扱いに際しては、児童の権利に関する条約及び諸外国における取組事例を踏まえて、こども基本法の精神にのっとり、こどもにとっての最善の利益を最優先に考慮すること。また、こどもの個人情報に係る同意取得に当たっては、消費者及び事業者双方に過度な負担を生じさせないよう、柔軟な手法を許容すること。さらに、教育や保育の現場において、こどもの個人情報の適正な取扱いが確実に行われるよう、法令やガイドラインについての周知を徹底すること。

 九 特定生体個人情報の取扱いについては、本人の関与が困難な状態で不適正な取扱いが行われるリスクが高いことに鑑み、義務化される周知行動の実効性を確保する方策を検討し明らかにするとともに、同情報が取り扱われている旨及び本人からの利用停止請求等の手段について監視カメラやセンサー等の機器の周辺に分かりやすく掲示する等の方法による周知を個人情報取扱事業者に徹底させること。

 十 漏えい等の報告に係る本人への通知の代替措置が許容される場合については、個人情報取扱事業者等の恣意的な判断、濫用及び拡大解釈によって本人の権利利益が侵害されることのないよう、個人情報保護委員会規則によって具体的な対象範囲や判断基準を明記すること。

 十一 オプトアウト届出事業者における個人データの不適切な第三者提供が行われることのないよう、同事業者に対する監視・監督等を徹底すること。また、いわゆる闇名簿に流用されている等の重大な違反行為が判明した場合には緊急命令を躊躇なく発出するとともに、課徴金納付命令を速やかに発出するなど、個人情報の不適正な取扱いから生じた収益の剥奪等に万全を期すること。

 十二 課徴金制度の運用に当たっては、個人情報取扱事業者等が過度に萎縮することのないよう、課徴金納付命令の基準等について明確なガイドラインを策定するなど、その運用の透明性の確保に努めること。また、課徴金対象行為を繰り返す悪質な事業者に対しては、当該行為を着実に抑止するため、課徴金額の算定基礎の適切かつ確実な把握に努めるなど、実効性ある課徴金制度の構築に努めること。

 十三 個人情報の違法な取扱いに起因する個人の権利利益の侵害に対する拡大防止及び事後的な救済を図るため、団体による差止請求制度及び被害回復制度について、導入に向けた検討を引き続き行うこと。また、検討に際しては、消費者及び事業者の双方の意見に十分に配慮すること。

 十四 本法によって個人情報保護委員会の監視・監督等に係る業務の増加が見込まれることに鑑み、同委員会の人員及び予算の更なる充実に向けて取り組むこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

丹羽委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

丹羽委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。松本国務大臣。

松本(尚)国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二十二分散会


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