第2号 令和6年12月10日(火曜日)
令和六年十二月十日(火曜日)午後零時十一分開議
出席委員
委員長 渡辺 周君
理事 小泉進次郎君 理事 齋藤 健君
理事 長谷川淳二君 理事 平口 洋君
理事 落合 貴之君 理事 後藤 祐一君
理事 櫻井 周君 理事 池下 卓君
理事 長友 慎治君
石田 真敏君 石橋林太郎君
井出 庸生君 大空 幸星君
国光あやの君 小池 正昭君
小林 茂樹君 坂本竜太郎君
塩崎 彰久君 島田 智明君
中曽根康隆君 福田かおる君
牧島かれん君 松本 剛明君
向山 淳君 山本 大地君
今井 雅人君 江田 憲司君
鎌田さゆり君 黒岩 宇洋君
源馬謙太郎君 篠原 孝君
手塚 仁雄君 馬淵 澄夫君
矢崎堅太郎君 青柳 仁士君
斎藤アレックス君 福田 玄君
森ようすけ君 中川 康洋君
山口 良治君 高井 崇志君
塩川 鉄也君 福島 伸享君
…………………………………
衆議院調査局第二特別調査室長 森 源二君
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委員の異動
十二月六日
辞任 補欠選任
萩原 佳君 斎藤アレックス君
藤田 文武君 青柳 仁士君
同月十日
辞任 補欠選任
井出 庸生君 牧島かれん君
坂本竜太郎君 小池 正昭君
塩崎 彰久君 大空 幸星君
平口 洋君 石橋林太郎君
同日
辞任 補欠選任
石橋林太郎君 平口 洋君
大空 幸星君 塩崎 彰久君
小池 正昭君 坂本竜太郎君
牧島かれん君 井出 庸生君
同日
理事平口洋君同日理事辞任につき、その補欠として小泉進次郎君が理事に当選した。
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十二月九日
政治資金規正法の一部を改正する法律案(大串博志君外十名提出、衆法第二号)
同月十日
政治資金規正法等の一部を改正する法律案(木原誠二君外五名提出、衆法第六号)
国会法の一部を改正する法律案(木原誠二君外五名提出、衆法第七号)
政治資金委員会法案(木原誠二君外五名提出、衆法第八号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(大串博志君外七名提出、衆法第九号)
政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(大串博志君外九名提出、衆法第一〇号)
政治資金監視委員会等の設置その他の政治資金の透明性を確保するための措置等に関する法律案(古川元久君外三名提出、衆法第一一号)
政党交付金の交付停止等に関する制度の創設に関する法律案(古川元久君外二名提出、衆法第一二号)
政治資金規正法等の一部を改正する法律案(大串博志君外七名提出、衆法第一三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政治改革に関する件(政治資金規正法改正等について)
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○渡辺委員長 これより会議を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。
理事平口洋君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。
それでは、理事に小泉進次郎君を指名いたします。
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○渡辺委員長 政治改革に関する件、特に政治資金規正法改正等について調査を進めます。
本日は、各会派を代表して一名ずつ五分以内で発言していただきたいと存じます。
発言の申出がありますので、順次これを許します。牧島かれん君。
○牧島委員 自由民主党・無所属の会の牧島かれんです。
初めに、我が党が政治に対する国民の信頼を失う事態を引き起こしたことに対し、党所属国会議員の一人として国民の皆様に深くおわび申し上げます。我が党は、真摯に、そして謙虚に政治資金に関する問題に向き合い反省し、いま一度国民の皆様から信頼をいただけるよう、不断の改革を推進していきます。
我が党は、さきの通常国会で成立した改正政治資金規正法の附則等に記された項目について検討した結果、主に以下の五点を柱として制度改革を進めることとし、昨日法案を提出しました。
第一に、政策活動費の廃止です。
渡し切りによる支出としての政策活動費を、法律上、明確に全て廃止します。党から所属国会議員などへ多額の金銭が支払われていることに対する国民の疑念、不信感に真っ正面からお答えしたものです。これにより、党の支出は、政治資金収支報告書において、全て最終の払出し、支出先を示す形で公開されることになります。党所属議員などへの非公開支出は完全になくなります。
他方で、党外部への支出では、受取側の公開の方法に工夫が必要なものが一部あると考えております。そこで、第二に、公開方法に関する工夫です。
公開に工夫を要する事柄として、いわゆる外交や安全保障、企業の営業上の秘密、有識者のプライバシー等、極めて限定的な支出を念頭に置いています。その必要性は支出の性質や相手方の事情によって異なると考えており、相手方の意向も尊重する必要があります。実際にあった事例として、DVや性被害への政策的対応を考える際に党の検討会等に当事者の皆様にお越しいただき御意見を伺うことがありました。その際、旅費や謝礼をお支払いするわけですが、当事者の中には氏名や御住所を明らかにしたくない方がおられます。しかし、そうした場合にも、現在の政治資金規正法では氏名、住所、目的、年月日等が公開になってしまいます。こうしたことに対応した公開方法の工夫は明らかに必要です。その上で、独立性が確保された機関として国会に設置する政治資金委員会が、公開の方法に工夫が必要な一部の支出について監査を行うこととしています。
第三に、収支報告書の公開における情報提供の充実です。
政党本部及び政治資金団体に係る収支報告書のオンライン提出の義務化を行った上で、既に義務化した国会議員関係政治団体と併せて収支報告書に係るデータベースを用いて公開し、インターネットを通じて一般に収支報告書が閲覧できるのみならず、様々な検索要望にも対応できる環境を提供していきます。企業・団体献金に対し様々な御意見がありますが、我が党は徹底した透明化、公開が大切だと考えます。今回、データベースを構築することにより、企業や労働組合が、さらには労働組合と関係する政治団体も含めて、どの政党や国会議員に献金しているのかなどを明らかにすることが可能となり、格段に透明性が高まります。
第四に、外国人、外国法人等による政治資金パーティーの対価支払いの禁止等です。政治資金パーティーの対価の支払いを外国人、外国法人等からの寄附と同様に規制するとともに、外国人、外国法人等が外国人等であることを偽って購入することに関しても禁止するべきだと考えます。
第五に、公職の候補者が自ら代表を務める政党選挙区支部に対して政治活動に関する寄附をする場合においては、寄附金控除の特例及び所得税額の特別控除の適用対象外にしていきます。
以上が我が党の意見です。日本の民主主義の健全な発展に向け、引き続き全力を尽くしていく考えです。また、当委員会で各会派の委員の方々の意見を伺い、議論していきたいと考えております。ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、落合貴之君。
○落合委員 立憲民主党の落合貴之です。会派を代表して、政治資金規正法の再改正についての意見を申し上げます。
自民党派閥の政治資金パーティーの裏金問題をきっかけに、政治と金に対する国民の不信は深刻なものになりました。再発防止と国民の政治への信頼回復に向け抜本的な政治資金規正法の改正が求められてきましたが、第二百十三回通常国会で成立した政治資金規正法の一部を改正する法律案は抜け穴、先送りだらけで、国民の期待に応えるものではありませんでした。先般の総選挙によって与党が過半数割れという結果になったことからも、こうした政治と金の問題に対する民意を踏まえ、真相解明とともに実効性ある再発防止のため、そして何よりも国民の皆様の政治全体に対する不信を払拭し信頼を回復するとの観点から、政治資金規正法の抜本的な再改正を行わなければなりません。
今回の再改正すべき第一は、政策活動費の完全廃止です。政党が党の幹部等に対して支出する政策活動費は、最終的な使途の報告義務はなく、表に出ない金、裏金の温床として問題になってきました。政治資金の透明性向上を図るため、渡し切りの方法による経費の支出を例外措置を設けることなく全面的に禁止するべきです。
第二は、金の大きさに左右される利益誘導政治からの脱却です。これまでも、多額の企業・団体献金が腐敗や癒着構造の温床となり、政策決定をゆがめてきました。この問題を変えていこうという平成の政治改革、この三十年間残されてきた宿題である政党に対する企業・団体献金を禁止しなければなりません。
第三は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、ガラス張りの政治を目指して政治資金の透明性、公開性を高めることです。
秘書や会計責任者に責任を押しつけて罪を逃れるのではなく、代表者にも収支報告書の記載、提出義務を負わせて、政治家本人に共同責任を問うことができる仕組みをつくるべきです。さらに、全ての国会議員関係団体、政党及び政策集団、派閥の政治資金収支報告書を検索可能な形でデジタル化し、デジタル化を前提に政治資金収支報告書の公開時期も早めるべきです。また、内容を検証しやすくするため、政治資金収支報告書等の保存期間を三年から七年に延長するべきです。
第三者によるチェックを強化するため、登録政治資金監査人による外部監査の範囲を拡大するとともに、支出だけでなく収入についても対象とするべきです。あわせて、いわゆる国会事故調を参考に、政治資金問題に関する調査及び政治資金に関する政策提言を行う第三者機関の設置についての検討も進めるべきです。
また、国会議員関係団体から寄附を受けた政治団体の収支報告について、厳しい支出規制の適用を逃れてきたいわゆるその他団体方式の抜け道も塞ぐべきです。
第四に、政治資金及び政治団体の世襲の禁止です。候補者間の公平を期するとともに、多様な人材が政治の世界に参入する機会を保障していくため、国会議員に係る政治資金及び政治団体の親族への引継ぎを禁止するべきです。
最後に、今回の再改正議論は、国民の皆様の期待に応えられるかどうかのラストチャンスです。熟議と公開の精神で与野党の真摯な協議を行い、国民が納得し共感する、政治不信の根を絶つだけの実効性ある再発防止策を確立しようではありませんか。
立憲民主党は本気の政治改革を断固実現していく、そういう決意であることを申し上げ、意見表明を終わります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、池下卓君。
○池下委員 日本維新の会の池下卓です。会派を代表して、政治改革に関する考え方について発言をいたします。
我が党が本委員会に臨むに際して最も重要視しているテーマは、政策活動費の完全廃止と企業・団体献金の完全禁止です。これを今国会中に何としてでも成し遂げたいと考えております。
政策活動費に関し、与野党協議で示された自民党案は、この期に及んでまだ不透明な政治資金を温存したいという意図が感じられ、残念な気持ちです。自民党は政策活動費を全て廃止と言いますが、実際は括弧書きの注釈で抜け穴をつけ、さらには公開方法工夫支出という新たなブラックボックスをつくる内容となっております。
政治資金規正法の第一条では、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするとして、政治活動の国民への公開を求めています。そうであれば、たとえ第三者機関での監査を受けるといえども、公開しなければ国民からの信頼を得るに足りません。領収書上に会合の参加者や議論内容などの秘匿すべき情報は記載しないにもかかわらず、あたかも領収書の公開が機密情報の公開に直結するような主張は国民の理解を得られるものではありません。
我が党と立憲、国民、共産、参政、保守、社民の七会派は、渡し切りの方法による経費の支出を抜け穴なく禁止する政治資金規正法改正案を提出いたしました。今の自民党の姿勢とは一線を引き、政治と金の関係を真に透明化することを目指す会派に対しては本委員会での建設的な議論を通じて歩み寄りを模索したいという具合に考えております。
企業・団体献金の論点は、政策がゆがめられているか否かであります。自民党はゆがめられていないと強弁をしていますが、石破総理も認めるとおり、営利団体である企業が利益を考慮せずに寄附を行うことはありません。また、莫大な献金を受け取る側は、その見返りを与えたくなるのが人心だと考えます。
自民党の政党支部への献金企業の半分以上が国又は地方公共団体と直接若しくは間接的な取引があるというメディアの報道もあります。少なくとも外形的には何らかの利益を求めて寄附を行い、取引の中で政治が利益を与えている構図があり、国民の政治不信を招くものであります。
石破総理は、そういうような牽連性を持って政策を判断したことはなく決めつけであると主張していますが、企業は利益を生まない投資などできないのですから、本当に配慮していないならば企業・団体献金が今のように大量に自民党に流れ込むことはないでしょう。現実には自民党が企業・団体献金を重視し、多くの企業、団体が競うように献金を行っており、政策がゆがめられているのは疑いのない事実だと考えます。
第三者機関について、監査対象と利害関係のない真の第三者による政治資金の使途の適正性のチェックをする監査であれば、設置について賛成であります。しかし、現状は、自民党が主張する公開方法工夫支出の監査を行う、政策活動費のための隠れみののようにも見えます。設置場所は立法府と行政府双方の案がありますが、立法府であれば、両院の議運等が連携して中立の専門家を推薦し、各議院の議長が各議院の承認を得て任命することで第三者と専門性を担保するなどの工夫が必要だと思います。一方で、行政府に設置する場合は、会計検査院の検査をベースとしながら政治家の人事権による圧力を防ぐ仕組みを組み込むことが肝要と考えます。
最後に、世襲による弊害を取り除くため、国会議員に係る公職の候補者が配偶者や三親等内の親族を自らの国会議員関係政治団体の代表とできなくなる改正案を立憲、有志、参政、保守、社民の各会派とともに提出いたしました。広く御賛同賜ることを望みます。
以上、意見として申し述べます。御清聴ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、長友慎治君。
○長友(慎)委員 国民民主党の長友慎治です。会派を代表し、我が党の政治改革に対する意見を表明いたします。
私たち国民民主党は、政治改革・行政改革推進本部の古川本部長の下、政治改革に関する議論をこれまでも深めてまいりました。その中で、私たちが二年前から既にホームページで公開している旧文通費の公開を全ての政党ですること、また、私たちは、昨年から既に廃止している政策活動費も廃止することを求めていこうということで、先日、野党共同で政策活動費の廃止法案も提出をしてまいりました。そして、今朝、国会に第三者機関を設置する政治資金監視委員会の設置法案を公明党さんと共同提出、また、政党交付金の交付に関する制度を創設する法律案、政党交付金停止法案を提出してまいりました。
この法律は、最近における政治資金をめぐる状況に鑑み、政治に対する国民の信頼の回復を図るため、政治資金の透明性を確保するために国会の中に政治資金監視委員会という第三者機関を設置し、政治資金がきちんと規正法の範囲内で使われているかを監視する、その中において、議員が起訴されるなど犯罪を犯した際にはその議員分の交付金を停止することを決める、また、裏金をつくるなど党内にガバナンスが利いていないと判断されれば政党交付金の交付を減額又は停止できるという政党交付金停止法案になります。
明日、趣旨説明をし、特別委員会の中で質疑を行ってまいりますが、是非、与党、野党関係なく、これは共通のフィールドを整えていくというプログラム法案になりますので、是非成案としてまとめてまいりたいと思います。
私たちの考えは、この臨時国会で政治改革に対し与野党でしっかりと一致できる点を見出していこう、そして企業・団体献金などについてはまだ議論が煮詰まり切れていないという状況の中で議論を深め、これもまた全党、全会派一致できる共通点を見出していく努力をしていく、そして一致できたところで成案として全党一斉に企業・団体献金を禁止する、そのように、過去の歴史も振り返りながら十分な議論を尽くしていくことが大切であるという立場にいます。
過去、民主党政権が公約に企業・団体献金の禁止を掲げ、政権を取った後、自粛していた献金を受け入れたという経験がございます。この歴史を振り返り、私たちも自戒を込めてしっかりと与野党で一致できる議論を尽くしてまいりたい、そのような姿勢で臨んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
御清聴ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、中川康洋君。
○中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。公明党を代表いたしまして、意見表明をさせていただきます。
公明党は、先般、十一月十五日に発表いたしました政治資金規正法の再改正及び第三者機関設置法に関する要綱にも示してきたとおり、主に政策活動費の法律上の廃止及び第三者機関の設置の二点について、これまで二回開催されました各党協議会においても積極的に提案をさせていただくのとともに、早期成立を強く主張してまいりました。
まず、政策活動費の廃止については、九月三十日の自公連立政権合意の場でも我が党から自民党に対して提案してきましたが、公明党としては、さきに述べた法律案要綱の中で、政治団体の経費の支出は当該政治団体の役職員又は構成員に対する渡し切りの方法によってはすることができないものとすることとし、渡し切りの方法による経費支出の禁止を明記させていただいております。この政策活動費の廃止につきましては、今回、公明党は法案を提出いたしてはおりませんが、我が党の考えは既に明確であるため、今後、委員会の場で各党各会派の皆様と議論を深め、国民の皆様の御理解をいただける形での成案、これを得てまいりたいと考えております。
次に、我が党が本年一月に発表いたしました公明党政治改革ビジョンで提案をし、さきの通常国会における政治資金規正法改正の議論においても一貫してその主張をリードしてまいりました第三者機関の設置につきましては、本日、先ほど意見表明をされました国民民主党さんとともに、政治資金監視委員会等の設置その他の政治資金の透明性を確保するための措置等に関する法律案、これを本院に共同提出させていただいたところでございます。
この法案は、国会議員関係政治団体の収支報告書における不記載など、最近における政治資金をめぐる状況に鑑み、政治に対する国民の信頼回復及び不正の抑止を図るため、政治資金監視委員会を設置するのとともに、政治資金の透明性を確保するための具体的措置、これを定めたものであります。
具体的には、一つには、政治資金監視委員会を国会に設置すること、二つには、委員会の組織及び委員の身分保障及び委員の服務及び事務局の設置についての明記、三つには、政治資金収支報告書の記載の正確性に関する監視及び政治資金の制度に関する提言など、政治資金監視委員会の事務及びその必要な措置としての調査、是正、公表等の権限の明確化、四つには、両院合同協議会の設置及び政治資金監視委員会の両院合同協議会への国政調査の要請、五つには、収支報告書の記載方法等についての照会及び相談並びに情報の提供等のための体制の整備、そして六つには、人員の確保及び財政上の措置等についてであります。
以上が、我が党がこれまで行ってきた第三者機関についての具体的な議論も含め今回国民民主党と共同で提出した法案の主な内容ですが、各党各会派におかれては、本法案並びに我が党のこれまでの政治改革に対する考え方を御賢察賜り、御賛同いただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
なお、調査研究広報滞在費、旧文通費の使途の明確化、使途の公開、未使用分の国庫返納及び選挙違反により当選無効となった議員の歳費の国庫返納についても公明党はその具体的内容を既に示しておりますが、両課題は議院運営委員会で議論される課題であるため、この場での説明は割愛をさせていただきます。
以上で公明党の意見表明を終わります。大変にありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、高井崇志君。
○高井委員 れいわ新選組の高井崇志です。
与野党の国会議員やマスコミから政治改革が今国会の最重要課題といった声を聞きますが、今、我が国の最重要課題は経済災害から国民を救うこと、そして能登半島の人々を救うことです。
また、与野党から年内に法案成立をとの声を聞きますが、それではなぜ今国会の会期を十二月二十一日までとしたのでしょうか。れいわ新選組以外に会期に反対する会派はありませんでした。本気でやる気があるならば、三十年前のように、平成五年九月十七日から平成六年一月二十九日まで年を越えて百三十五日間の臨時国会を開き政治改革を議論したように、年内なんて期限を設けるべきではありません。国会で茶番を続ける与党にも野党にも本気で熟議を尽くそうという姿勢はみじんも感じられません。
そもそも審議する順番が違います。まずは裏金議員の自首若しくは議員辞職が先です。泥棒を捕まえる法律を泥棒に作らせるなんてしゃれにもなりません。さらに、裏金問題の真相は何一つ明らかになっていません。裏金問題が発覚してから一年以上がたつのにいまだにいつ誰が何のために裏金を始めたのかその使い道すら全く分かっていない、そんな状況で法案を審議するのはお門違いです。
れいわ新選組は、本年四月二十六日に声明として発表しているとおり、連座制の導入等、政治家本人の処罰強化、外部監査の強化、独立した政府機関、三条委員会の創設、政策活動費の廃止、旧文通費の使途公開など資金透明性確保、企業・団体献金、政治資金パーティー禁止、金集めをしなくてよい選挙と政治、選挙の供託金制度の見直し、政党交付金配分見直しを求めています。
とりわけ、企業・団体献金については、三十年前、政党交付金を導入したときに廃止することが決まっています。当時の自民党総裁だった河野洋平元衆議院議長はインタビューにこう答えています。政党交付金が実現したら企業献金は廃止しなければ絶対おかしい、企業献金が政策のゆがみを起こしているからやめようとのことだったと。それを今更、恥ずかしげもなく、企業・団体献金は禁止しないと主張する自民党には恥を知れと申し上げたい。
企業献金の九割が自民党に流れています。大企業が政策の決定権を持つ与党にすり寄り、自らの会社が、業界が有利になるようにとの思惑があるのは明らかです。事実、献金額が上位の会社に防衛装備品が一兆円以上発注されたり、租税特別措置法という法人税の減免を受ける業界が多いことが明らかになっています。自民党の経済政策の失敗により三十年間人々がこれだけ苦しんでいるのに、自分たちの利益だけ追求して自民党を存続させてきたのが企業・団体献金であり、禁止以外の選択肢はありません。
政治資金改革の議論と併せて行わなければならないのは、金集めをしなくてよい政治と選挙の仕組みをつくることです。
その最たるものが供託金です。国政選挙の場合、立候補するだけで三百から六百万円かかります。OECD三十八か国中供託金があるのは十八か国だけ、G7に限ればイギリスと日本だけ、しかもイギリスはたったの七万円です。政党交付金の配付基準も見直すべきです。日本のように議席数割ではなく、イギリスのように半分は均等割、残り半分は得票数割とするなど、少数野党に厚く配分される仕組みにすべきです。
政党の大小に関係なく、一定規模の事務局機能は必要です。小さな政党が資金不足のままではずっと小さいままです。その観点からは、一部の党がまず野党だけでも率先して企業・団体献金をやめるべきと主張していますが、その考え方には反対です。与党がこれまで以上に有利となり、自民党政権を延命するだけで何の解決策にもなりません。
以上で意見表明を終わります。
○渡辺委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党を代表して、意見表明を行います。
この臨時国会は、総選挙での国民の審判に応え、自民党の裏金問題の真相究明と金権腐敗政治の一掃に国会がどう取り組むのかが問われています。日本共産党は、今国会も、金権腐敗政治の一掃のため企業・団体献金全面禁止法案と政党助成法廃止法案を参議院に提出しています。
政治改革の根幹は企業・団体献金の禁止です。裏金の原資は企業、団体からのお金、企業・団体献金は禁止せよが国民の声です。しかし、自民党は、企業献金が悪で個人献金が善という立場に立っていない、党内でも企業・団体献金をやめろという人は一人もいないと、企業・団体献金に固執しています。一九九四年に成立した政治改革関連法は、政党支部への献金、政治資金パーティー券の購入という二つの抜け道をつくり、企業・団体献金を温存してきました。今、この二つの抜け道を塞ぐことこそ行うべきです。
政治資金は、主権者である国民の浄財で支えられるものです。国民一人一人が自ら支持する政党に寄附することは、主権者として政治に参加する権利そのもの、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権と結びついた国民固有の権利です。
一方、企業・団体献金は本質的に政治を買収する賄賂であり、選挙権を持たない企業の献金は国民主権と相入れず、国民の参政権を侵害するものです。営利を目的とする企業が個人をはるかに超える巨額の金の力で政治に影響を与え、自己の利益を図れば、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかです。自民党と企業との癒着によって政治がゆがめられた事例は枚挙にいとまがありません。政治のゆがみを正し、国民主権を貫くためにも、企業・団体献金の禁止が必要です。
石破総理を始め自民党は、企業献金を正当化する際、一九七〇年の最高裁判決を持ち出しますが、この判決は、企業・団体献金の弊害を認め、その対策は立法政策にまつべきと述べており、企業・団体献金を禁止する立法を否定していません。今なおこの判決にしがみつくのは、国民の権利を侵害している実態から目をそらし、立法府が積み重ねた議論を無視するものです。
二〇〇〇年以降、企業、団体が政治団体に献金することが禁止されています。業界団体や労働組合などが政治団体をつくり、構成員の強制加入や強制カンパを強いているなら、それは思想、信条の自由を侵すものであり、許されるものではありません。
次に、政策活動費はきっぱり廃止すべきです。使途が不透明な政策活動費はそもそも脱法行為です。政党からの支出は政治家を経由せずに行い、収支報告書に支出先や金額を書けばよいのです。
自民党案は新たに、外交上の秘密や業務に関する秘密を害するおそれなどがある支出を公開方法工夫支出とし、この監査を第三者機関が行うとしています。この理屈は、常会審議中に自民党が答弁した政策活動費が必要な理由と一緒です。結局、新たなブラックボックスをつくり、政策活動費を移し替えて温存するだけです。
日本共産党を始め六党が共同提出した政策活動費廃止法案の成立を求めます。
政治資金は国民の不断の監視と批判の下に置くべきです。第三者機関はかえって国民の監視を妨げるものです。現行の政治資金監査制度の導入後も事件、問題が相次いでおり、収支報告書の形式上の適正すら確認できていない実態も明らかとなっています。この制度は必要ありません。この間の政治資金の公開を後退させる改悪を行ったまま、公開性の担保と言うのはまやかしです。収支報告書は公的に永久に残すこと、速やかにそのまま国民に公開することこそ徹底すべきです。
以上、発言を終わります。
○渡辺委員長 次に、福島伸享君。
○福島委員 有志の会の福島伸享です。
各党の御理解をいただき、さきの通常国会に引き続き、本特別委員会の議席と発言の機会をいただいたことに感謝を申し上げます。
有志の会を代表して、政治資金規正法改正に関する考え方を申し述べます。
さきの通常国会、四月二十六日の最初の本委員会で、私は、リクルート事件をきっかけとする平成の政治改革において民間政治臨調が平成七年に示した、政権交代の欠如による政治の停滞、不毛な利益誘導政治による疲弊から政党と政治家を解放し、健全な政党間競争と政策選択によって政治のダイナミズムを蘇生するという平成の政治改革の基本方針を紹介いたしました。
その上で、私は、平成の政治改革は未完成のまま、相も変わらぬ利益誘導型の資源配分の政治が続いたことによって、この三十年間、我が国は世界の大きな変化に対応できず、平成元年には一人当たりのGDPがG7トップの世界四位と紛れもない世界の経済大国だったのが、今やG7で最下位の世界三十位前後へと、アジアの二流国に転落する寸前にまで凋落してしまっております。すなわち、未完の平成の政治改革こそが我が国の停滞の最大の要因であることを私たち国会議員自身が強く自覚しなければならないということを申し述べました。そして、こうしたことから、利益誘導型政治から脱却するための令和の政治改革の一丁目一番地は企業・団体献金の廃止でなければならないと訴えました。
しかし、この間、さきの通常国会での議論は、政策活動費の公開はどうするかとか、どこを黒塗りにするのかなど瑣末な議論に終始し、こうした大きな視点からの令和の政治改革にふさわしい議論は余り行われてきませんでした。これまで企業・団体献金の廃止について余り積極的な発言をしてこなかった野党第一党の立憲民主党がようやく重い腰を上げてくれたので、その思いは本気であると信じて、私たち有志の会は、数ある各党の提出法案の中でただ一つ、立憲民主党の作成した企業・団体献金禁止法案の提出者に加わりました。本質的な議論をしてまいりたいと思います。
私たち有志の会のメンバーは、現行の政治資金規正法により企業・団体献金は受け取れません。政党助成金もいただいておりません。それでも、さきの衆議院選挙まで約三年間、ほかの政党所属の国会議員と同等以上の政治活動を実現できているものと自負いたしております。そして、さきの衆院選では私以外の全員が相手候補を比例復活もさせず勝ち上がっているのは、企業・団体献金など受けなくても堂々と政治活動ができるという最大の証拠なのではないでしょうか。
この特別委員会には、かつて霞が関で席を並べた齋藤健理事、後藤祐一理事、江田憲司委員、高井崇志委員がいらっしゃいます。全員が既に三十年前に、このままの統治システムでは日本は没落すると危機感を持って橋本行革に中心的に取り組んだメンバーです。そして、その後、それぞれが、自ら身を投げ捨てて政治を変えよう、そうした青雲の志を持って政界に転身したはずです。そんなメンバーが党派を超えてそろっているからこそ、この臨時国会、本特別委員会で、平成の政治改革の当事者でもある石破総理も交えて、目先の党利党略にとらわれることなく、三十年間の日本の停滞から脱却するために政治システムはどうあるべきかという大きな観点からの議論を行おうではありませんか。
現在、各党が企業・団体献金の廃止、政策活動費の廃止、第三者機関の設置、世襲議員への資金移動の禁止、政治資金公開方法の改善などの法案を提出していますが、提出会派だけで可決する法案は一本もありません。私が見たところ、それぞれの法案には法制上の欠陥や足らざる点があるように思えます。だからこそ、この臨時国会中、本委員会でそれぞれの法案を条文ベースで審査し、修正すべきところを修正し、よりよい法案を作り上げて可決させるという、これまでの日本の国会では余り例のないやり方の審議をすべきであると私は考えます。これが本来の立法府の果たすべき役割なんです。
この国会での政治改革関連法案の審議の在り方そのものが令和の政治改革そのものであるということを最後に申し上げまして、意見表明といたします。ありがとうございました。
○渡辺委員長 これにて発言は終わりました。
次回は、明十一日水曜日正午理事会、午後零時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時四十八分散会