第2号 令和8年2月20日(金曜日)
令和八年二月二十日(金曜日)―――――――――――――
議事日程 第二号
令和八年二月二十日
正午開議
第一 常任委員の選任
第二 常任委員長の選挙
第三 憲法審査会委員の選任
第四 情報監視審査会委員の選任
第五 政治倫理審査会委員の選任
…………………………………
一 国務大臣の演説
―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
日程第一 常任委員の選任
日程第二 常任委員長の選挙
日程第三 憲法審査会委員の選任
日程第四 情報監視審査会委員の選任
日程第五 政治倫理審査会委員の選任
災害・防災に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる災害対策特別委員会、政治改革に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治改革に関する特別委員会、沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会、北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会、消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる消費者問題に関する特別委員会、東日本大震災からの復興に関する総合的な対策を樹立するとともに、原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会及び地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会を設置するの件(議長発議)
高市内閣総理大臣の施政方針に関する演説
茂木外務大臣の外交に関する演説
片山財務大臣の財政に関する演説
城内国務大臣の経済に関する演説
午後零時二分開議
○議長(森英介君) これより会議を開きます。
――――◇―――――
日程第一 常任委員の選任
○議長(森英介君) 日程第一に入ります。
既に選任されました議院運営委員を除き、その他の常任委員の選任を行います。
衆議院規則第三十七条により、議長において、各会派から申出のとおり指名いたします。
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内閣委員
浅田眞澄美君 伊東 良孝君
今岡 植君 鹿嶋 祐介君
金子 容三君 川崎ひでと君
古賀 篤君 佐藤 主迪君
鈴木 馨祐君 平 将明君
棚橋 泰文君 辻 由布子君
中田 宏君 長谷川淳二君
鳩山 二郎君 平井 卓也君
平沼正二郎君 藤田ひかる君
古川 直季君 宗清 皇一君
山下 貴司君 若山 慎司君
渡辺 博道君 大島 敦君
後藤 祐一君 長妻 昭君
浦野 靖人君 黒田 征樹君
西田 薫君 野村 美穂君
森ようすけ君 川 裕一郎君
高山 聡史君 塩川 鉄也君
中村はやと君
総務委員
石坂 太君 井原 巧君
上原 正裕君 大空 幸星君
勝目 康君 加藤 貴弘君
国定 勇人君 小林 史明君
坂井 学君 島尻安伊子君
鈴木 英敬君 鈴木 拓海君
橘 慶一郎君 中川こういち君
中野 英幸君 福原 淳嗣君
藤田 誠君 古川 康君
本田 太郎君 丸田康一郎君
向山 淳君 村上誠一郎君
吉田 有理君 渡辺 孝一君
神谷 裕君 田嶋 要君
中川 宏昌君 平林 晃君
岩谷 良平君 うるま譲司君
高見 亮君 許斐亮太郎君
高沢 一基君 青木ひとみ君
武藤かず子君
法務委員
伊藤 聡君 伊藤 忠彦君
稲田 朋美君 岡本 康宏君
加藤 大博君 上川 陽子君
木原 誠二君 熊田 裕通君
小泉 龍司君 河野 太郎君
高村 正大君 こうらい啓一郎君
塩崎 彰久君 世古万美子君
高見 康裕君 寺田 稔君
長澤 興祐君 平沢 勝栄君
藤田 洋司君 藤原 崇君
水野よしひこ君 盛山 正仁君
山田 美樹君 吉村 悠君
有田 芳生君 國重 徹君
西村智奈美君 井上 英孝君
金村 龍那君 原山 大亮君
三木 圭恵君 井戸まさえ君
小竹 凱君 鈴木 美香君
和田 政宗君
外務委員
逢沢 一郎君 石橋林太郎君
伊藤信太郎君 稲葉 大輔君
岩屋 毅君 上杉謙太郎君
英利アルフィヤ君 大西 洋平君
小田原 潔君 尾身 朝子君
門 寛子君 國場幸之助君
島田 智明君 新藤 義孝君
高木 啓君 中曽根康隆君
中山 泰秀君 西銘恒三郎君
星野 剛士君 松島みどり君
若林 健太君 金城 泰邦君
近藤 和也君 原田 直樹君
青柳 仁士君 横田 光弘君
佐々木真琴君 深作ヘスス君
木下 敏之君 宇佐美 登君
財務金融委員
安藤たかお君 石原 正敬君
井上 貴博君 井林 辰憲君
井原 隆君 加藤 勝信君
高村 正大君 坂井 学君
繁本 護君 白坂 亜紀君
武村 展英君 橘 慶一郎君
田中 和徳君 土田 慎君
永田磨梨奈君 中西 健治君
福原 淳嗣君 藤丸 敏君
藤原 崇君 文月 涼君
古川 禎久君 牧島かれん君
三反園 訓君 鷲尾英一郎君
伊佐 進一君 大島 敦君
大森江里子君 岡本 三成君
一谷勇一郎君 萩原 佳君
近藤 雅彦君 田中 健君
牧野 俊一君 峰島 侑也君
河村たかし君
文部科学委員
青山 周平君 あべ 俊子君
阿部 弘樹君 石田 真敏君
井出 庸生君 岩崎 比菜君
小渕 優子君 金澤 結衣君
岸 信千世君 斎藤 洋明君
下村 博文君 武部 新君
渡海紀三朗君 永岡 桂子君
長野 春信君 新田 章文君
丹羽 秀樹君 深澤 陽一君
福田かおる君 船田 元君
古井 康介君 松野 博一君
山田 基靖君 山本 左近君
泉 健太君 浮島 智子君
菊田真紀子君 山崎 正恭君
市村浩一郎君 喜多 義典君
村上 智信君 河井 昭成君
西岡 義高君 渡辺 藍理君
河合 道雄君
厚生労働委員
秋葉 賢也君 東 国幹君
畦元 将吾君 安藤たかお君
井上 信治君 上野 宏史君
大岡 敏孝君 大串 正樹君
鬼木 誠君 勝目 康君
加藤 鮎子君 河野 正美君
草間 剛君 栗原 渉君
古賀 篤君 後藤 茂之君
高階恵美子君 高木 宏壽君
田野瀬太道君 田畑 裕明君
田村 憲久君 とかしきなおみ君
根本 拓君 橋本 岳君
丸尾なつ子君 三ッ林裕巳君
山際大志郎君 沼崎 満子君
浜地 雅一君 山本 香苗君
早稲田ゆき君 阿部 圭史君
伊東 信久君 梅村 聡君
浅野 哲君 岡野 純子君
日野紗里亜君 豊田真由子君
古川あおい君 辰巳孝太郎君
農林水産委員
伊東 良孝君 内山 こう君
江藤 拓君 北神 圭朗君
黒崎 祐一君 小池 正昭君
笹川 博義君 鈴木 貴子君
高鳥 修一君 中曽根康隆君
西田 昭二君 西山 尚利君
野中 厚君 長谷川淳二君
葉梨 康弘君 平沼正二郎君
広瀬 建君 藤井比早之君
前川 恵君 三原 朝利君
宮下 一郎君 簗 和生君
山口 晋君 山本 大地君
庄子 賢一君 角田 秀穂君
野間 健君 渡辺 創君
池畑浩太朗君 柏倉 祐司君
関 健一郎君 長友 慎治君
村岡 敏英君 木下 敏之君
林 拓海君
経済産業委員
石井 拓君 石川 昭政君
伊藤 達也君 衛藤 博昭君
工藤 彰三君 小林 史明君
小森 卓郎君 新谷 正義君
菅原 一秀君 鈴木 英敬君
鈴木 淳司君 関 芳弘君
世耕 弘成君 園崎 弘道君
高橋 祐介君 土田 慎君
中川 貴元君 西野 太亮君
西村 康稔君 萩生田光一君
細田 健一君 細野 豪志君
牧島かれん君 武藤 容治君
落合 貴之君 河野 義博君
山岡 達丸君 吉田 宣弘君
東 徹君 阿部 司君
若狹 清史君 鈴木 義弘君
丹野みどり君 牧野 俊一君
河合 道雄君
国土交通委員
五十嵐 清君 石橋林太郎君
上田 英俊君 長田紘一郎君
小里 泰弘君 加藤 鮎子君
加藤 竜祥君 木村 次郎君
草間 剛君 国定 勇人君
斉木 武志君 高木 啓君
武井 俊輔君 田中 良生君
谷 公一君 谷川 とむ君
土屋 品子君 土井 亨君
冨樫 博之君 中根 一幸君
中山 展宏君 野中 厚君
鳩山 二郎君 深澤 陽一君
保岡 宏武君 簗 和生君
和田 義明君 赤羽 一嘉君
犬飼 明佳君 佐藤 英道君
福重 隆浩君 奥下 剛光君
住吉 寛紀君 美延 映夫君
臼木 秀剛君 西岡 秀子君
古川 元久君 吉川 里奈君
須田英太郎君 畑野 君枝君
環境委員
五十嵐 清君 伊藤 忠彦君
遠藤 寛明君 大岡 敏孝君
勝俣 孝明君 菅家 一郎君
今 洋佑君 坂本竜太郎君
田中 昌史君 田宮 寿人君
西野 太亮君 福原 淳嗣君
穂坂 泰君 松下 英樹君
丸川 珠代君 宮路 拓馬君
村木 汀君 森下 千里君
山際大志郎君 山本 深君
金子 恵美君 輿水 恵一君
西園 勝秀君 池下 卓君
柏倉 祐司君 鍋島 勢理君
向山 好一君 島村かおる君
緒方林太郎君 渡辺真太朗君
安全保障委員
東 国幹君 江渡 聡徳君
大塚 拓君 大野敬太郎君
小野寺五典君 門山 宏哲君
西條 昌良君 関 芳弘君
武田 良太君 俵田 祐児君
長島 昭久君 中谷 元君
西村 明宏君 浜田 靖一君
東田 淳平君 福田 達夫君
本田 太郎君 山下史守朗君
吉田 真次君 若宮 健嗣君
河西 宏一君 野間 健君
吉田 宣弘君 西田 薫君
前原 誠司君 橋本 幹彦君
福田 徹君 谷 浩一郎君
山田 瑛理君 田村 智子君
国家基本政策委員
麻生 太郎君 井出 庸生君
梶山 弘志君 神田 潤一君
熊田 裕通君 小寺 裕雄君
小林 鷹之君 柴山 昌彦君
新藤 義孝君 鈴木 俊一君
鈴木 貴子君 田野瀬太道君
中曽根康隆君 西田 昭二君
萩生田光一君 藤丸 敏君
古屋 圭司君 御法川信英君
宮内 秀樹君 武藤 容治君
村井 英樹君 赤羽 一嘉君
小川 淳也君 階 猛君
中司 宏君 藤田 文武君
玉木雄一郎君 古川 元久君
伊藤 恵介君 土橋 章宏君
予算委員
井出 庸生君 伊藤 達也君
稲田 朋美君 岩屋 毅君
勝俣 孝明君 加藤 勝信君
神田 潤一君 草間 剛君
熊田 裕通君 小池 正昭君
河野 太郎君 小寺 裕雄君
後藤 茂之君 齋藤 健君
坂本 哲志君 坂本竜太郎君
笹川 博義君 塩崎 彰久君
平 将明君 田中 和徳君
谷 公一君 田野瀬太道君
土屋 品子君 寺田 稔君
とかしきなおみ君 中曽根康隆君
西田 昭二君 根本 拓君
鳩山 二郎君 平沢 勝栄君
福原 淳嗣君 藤原 崇君
武藤 容治君 山本 大地君
伊佐 進一君 後藤 祐一君
長妻 昭君 中野 洋昌君
山本 香苗君 東 徹君
池下 卓君 うるま譲司君
横田 光弘君 長友 慎治君
福田 徹君 村岡 敏英君
豊田真由子君 和田 政宗君
高山 聡史君 田村 智子君
決算行政監視委員
井林 辰憲君 大野敬太郎君
尾花 瑛仁君 川松真一朗君
木原 誠二君 斉藤 りえ君
新谷 正義君 鈴木 馨祐君
武部 新君 田中 良生君
棚橋 泰文君 田畑 裕明君
辻 秀樹君 野田 聖子君
福田 達夫君 藤沢 忠盛君
古川 禎久君 星野 剛士君
松本 泉君 森原紀代子君
山口 壯君 山本 裕三君
米内 紘正君 渡辺 勝幸君
菊田真紀子君 野田 佳彦君
笠 浩史君 一谷勇一郎君
斎藤アレックス君 飯泉 嘉門君
河井 昭成君 なかやめぐ君
小林 修平君 山本ジョージ君
懲罰委員
石破 茂君 井出 庸生君
岸田 文雄君 熊田 裕通君
小寺 裕雄君 田野瀬太道君
額賀福志郎君 野田 聖子君
藤丸 敏君 宮内 秀樹君
武藤 容治君 村井 英樹君
森山 裕君 斉藤 鉄夫君
重徳 和彦君 遠藤 敬君
馬場 伸幸君 向山 好一君
工藤 聖子君
――――◇―――――
日程第二 常任委員長の選挙
○議長(森英介君) 日程第二に入ります。
既に選挙されました議院運営委員長を除き、その他の常任委員長の選挙を行います。
○小寺裕雄君 各常任委員長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
○議長(森英介君) 小寺裕雄君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森英介君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
議長は、各常任委員長を指名いたします。
内閣委員長 山下 貴司君
〔拍手〕
総務委員長 古川 康君
〔拍手〕
法務委員長 井上 英孝君
〔拍手〕
外務委員長 國場幸之助君
〔拍手〕
財務金融委員長 武村 展英君
〔拍手〕
文部科学委員長 斎藤 洋明君
〔拍手〕
厚生労働委員長 大串 正樹君
〔拍手〕
農林水産委員長 藤井比早之君
〔拍手〕
経済産業委員長 工藤 彰三君
〔拍手〕
国土交通委員長 冨樫 博之君
〔拍手〕
環境委員長 宮路 拓馬君
〔拍手〕
安全保障委員長 西村 明宏君
〔拍手〕
国家基本政策委員長 柴山 昌彦君
〔拍手〕
予算委員長 坂本 哲志君
〔拍手〕
決算行政監視委員長 山口 壯君
〔拍手〕
懲罰委員長 斉藤 鉄夫君
〔拍手〕
――――◇―――――
日程第三 憲法審査会委員の選任
○議長(森英介君) 日程第三、憲法審査会委員の選任を行います。
衆議院憲法審査会規程第三条により、議長において、各会派から申出のとおり指名いたします。
―――――――――――――
憲法審査会委員
井出 庸生君 稲田 朋美君
大野敬太郎君 鬼木 誠君
加藤 勝信君 上川 陽子君
神田 潤一君 北神 圭朗君
熊田 裕通君 小池 正昭君
小寺 裕雄君 坂本竜太郎君
塩崎 彰久君 新藤 義孝君
鈴木 英敬君 高階恵美子君
田野瀬太道君 寺田 稔君
中曽根康隆君 中谷 元君
西田 昭二君 西村 康稔君
根本 拓君 葉梨 康弘君
平沢 勝栄君 藤丸 敏君
古川 禎久君 古屋 圭司君
細野 豪志君 三ッ林裕巳君
宮内 秀樹君 武藤 容治君
村井 英樹君 和田 義明君
有田 芳生君 泉 健太君
河西 宏一君 國重 徹君
西村智奈美君 阿部 圭史君
池畑浩太朗君 西田 薫君
馬場 伸幸君 浅野 哲君
飯泉 嘉門君 玉木雄一郎君
豊田真由子君 和田 政宗君
古川あおい君 畑野 君枝君
――――◇―――――
日程第四 情報監視審査会委員の選任
○議長(森英介君) 日程第四、情報監視審査会委員の選任を行います。
衆議院情報監視審査会規程第三条の規定に基づき、情報監視審査会委員に船田元君、伊藤信太郎君、盛山正仁君、大塚拓君、藤丸敏君、浜地雅一君、藤田文武君及び長友慎治君を選任するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(森英介君) 起立多数。よって、いずれも選任することに決まりました。
――――◇―――――
日程第五 政治倫理審査会委員の選任
○議長(森英介君) 日程第五、政治倫理審査会委員の選任を行います。
衆議院政治倫理審査会規程第七条により、議長において、各会派から申出のとおり指名いたします。
―――――――――――――
政治倫理審査会委員
石原 正敬君 大空 幸星君
神田 潤一君 木村 次郎君
熊田 裕通君 小寺 裕雄君
塩崎 彰久君 田中 和徳君
田野瀬太道君 中曽根康隆君
西田 昭二君 福原 淳嗣君
三ッ林裕巳君 宮内 秀樹君
武藤 容治君 村井 英樹君
山本 左近君 輿水 恵一君
田嶋 要君 福重 隆浩君
青柳 仁士君 住吉 寛紀君
橋本 幹彦君 工藤 聖子君
武藤かず子君
――――◇―――――
特別委員会設置の件
○議長(森英介君) 特別委員会の設置につきお諮りいたします。
災害・防災に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる災害対策特別委員会
政治改革に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治改革に関する特別委員会
沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会
北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる消費者問題に関する特別委員会
東日本大震災からの復興に関する総合的な対策を樹立するとともに、原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会
及び
地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
を設置いたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森英介君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
ただいま議決されました七特別委員会の委員は追って指名いたします。
――――◇―――――
○議長(森英介君) この際、暫時休憩いたします。
午後零時九分休憩
――――◇―――――
午後二時二分開議
○議長(森英介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
――――◇―――――
国務大臣の演説
○議長(森英介君) 内閣総理大臣から施政方針に関する演説、外務大臣から外交に関する演説、財務大臣から財政に関する演説、城内国務大臣から経済に関する演説のため、発言を求められております。順次これを許します。内閣総理大臣高市早苗君。
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 先般の総選挙の結果を受け、首班指名を頂き、再び、内閣総理大臣の職責を担うことになりました。
重要な政策転換を、何としてもやり抜いていけ。国民の皆様から、力強く背中を押していただけたと考えています。
その大きな御期待に応えるため、自由民主党が総選挙で掲げた政権公約及び日本維新の会との間で正式に交わした連立政権合意書の内容を、一つ一つ実現していく。その重い責任を必ずや果たしてまいります。
政策実現に御協力をいただける野党の皆様とも、是非、力を合わせて取り組んでいきたい。様々なお声に耳を傾け、謙虚に、しかし、大胆に、政権運営に当たってまいります。
信以て義を行い、義以て命を成す。
国民の皆様から賜った御信任を基礎として、これから述べる施政方針に則り、一つ一つの政策を、誠実に、ぶれずに、実行してまいります。
日本列島を、強く豊かに。
私のこの使命を、政策の積み重ねの上に、全身全霊をかけて成し遂げてまいります。
昨年の臨時国会では、国民の皆様が直面している物価高への対応を最優先に働きました。暫定税率の廃止や成立した補正予算に基づき、ガソリン及び軽油の価格は着実に低下しています。電気・ガス料金の支援や重点支援地方交付金による支援も、国民の皆様に届き始めています。迅速な執行に一層努めてまいります。
いよいよ本国会では、日本と日本人の底力を活かし、力強い経済政策と力強い外交、安全保障政策を推し進めるべく、広範な政策を本格的に起動させます。
外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、そして人材力。日本の総合的な国力を徹底的に強くしていく。
そのために、これまでの政策の在り方を根本的に転換してまいります。
その本丸は、責任ある積極財政です。
我が国の潜在成長率は、主要先進国と比べて低迷しています。しかし、技術革新力や労働の効率性などを表す数値は、他国と遜色ありません。日本人には底力があります。
圧倒的に足りないのは、資本投入量、すなわち国内投資です。その促進に徹底的なてこ入れをします。
経済安全保障、食料安全保障、エネルギー・資源安全保障、健康医療安全保障、国土強靱化対策、サイバーセキュリティーなどの様々なリスクを最小化する危機管理投資。AI・半導体、造船などの先端技術を花開かせる成長投資。これらにより、世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラを開発し、国内外に提供することで、日本の成長につなげていきます。
そして、暮らしの安全と安心を確保し、雇用と所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収が自然増に向かう強い経済を構築します。この好循環を実現することで、日本経済のパイを大きくするとともに、物価上昇に負けない賃金上昇を実現します。国民の皆様に成長の果実を実感していただき、日々の暮らしと未来への不安を希望に変えていこうではありませんか。
そのための責任ある積極財政です。高市内閣は、長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切ります。
世界を見渡せば、政府が一歩前に出て、官民が手を取り合って重要な社会課題の解決を目指す新たな産業政策が大きな潮流となり、各国政府は、大規模かつ長期的な財政支出を伴う産業政策を展開しています。
世界が産業政策の大競争時代にある中、我が国として、経済成長を実現するために必要な財政出動をためらうべきではありません。
特に、民間事業者や地方自治体の取組を後押しするために、政府の予算の予見可能性を確保することが必要です。
こうした観点から、今年の骨太方針に向けて議論を行い、政府の予算の作り方を根本から改めます。
毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、必要な予算は可能な限り当初予算で措置します。約二年がかりの大改革です。
事業者に安心して研究開発や設備投資をしていただけるよう、複数年度予算や長期的な基金による投資促進策を大胆に進めます。
特に、投資を上回るリターンを通じてGDPの成長にも資する危機管理投資、成長投資などについては、債務残高の対GDP比引下げにもつながるよう、予算上、多年度で別枠で管理する仕組みを導入します。
一方で、マーケットからの信認を損なう野放図な財政政策をとるわけではありません。片山大臣の下に租税特別措置・補助金見直し担当室を設置するなど、行財政改革を進めた上で、戦略的な財政出動を行っています。
成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていきます。そのことにより、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。そのための具体的な指標も明確化します。
こうした財政規律にも十分配慮した財政政策こそが、高市内閣の責任ある積極財政です。
その頭出しとなるのが、令和八年度予算、税制改正です。
全ては国民の皆様のため、八年度税制改正関連法案をはじめ、今年度末までに成立が必要な法案の早期成立に御協力ください。また、八年度予算の迅速な御審議もお願い申し上げます。
いわゆる教育無償化を含め、新年度からの実施を予定している施策についても、国民生活に影響を生じさせないようにしてまいりましょう。
高市内閣の成長戦略では、供給力強化を目的に、先端技術の社会実装の実現を重視しながら、事業者の予見可能性を高める大胆な措置を講じていきます。
量子、航空・宇宙、コンテンツ、創薬などの十七の戦略分野については、大胆な投資促進、国際展開支援、人材育成、研究開発、産学連携、国際標準化、防衛調達を含む官公庁による調達、規制・制度改革といった、供給及び需要の両面にアプローチする多角的な観点からの総合支援策を講じます。特に、先端技術や成長が期待される分野の官民投資ロードマップについて、来月から提示していきます。
これを、八つの横断的課題の解決策を検討する材料とします。そして、その解決策や政府支援策を踏まえ、どれだけ民間投資が促進されるか。この夏に取りまとめる日本成長戦略で定量的に明らかにするとともに、GDPの伸びや税収増への寄与についても見通せるようにします。
貯蓄から投資に向けた資産運用立国の取組を深め、国民の皆様の安定的な金融資産形成を促します。そのことにより、賃金以外を含めた国民所得向上及び国内投資活性化につなげていきます。
さらに、コーポレートガバナンスの在り方を見直し、企業の長期的な成長に資する人的投資や新事業への投資がより積極的に行われるよう、株主への還元も含めた企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させていきます。
また、働き方改革の総点検においてお聞きした働く方々のお声を踏まえ、裁量労働制の見直し、副業、兼業に当たっての健康確保措置の導入、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進めます。
とにかく成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくってまいります。
世界が依存し、民生用にも広く用いられるサプライチェーン上流の物資を管理下に置くことで、自国の主張に他国を従わせようとする経済的威圧の動きが顕在化しています。サイバー、海洋、宇宙空間における競争も激化しています。我が国の戦略的自律性、不可欠性を確保する必要性が一層増大しています。
令和七年度予算の予備費も活用しながら、関係閣僚を挙げて、特定国に依存しないサプライチェーンの再構築と、依存脱却のための同志国との連携を強化します。
海底ケーブルの敷設などの重要な役務に対する支援、経済安全保障に資する海外事業の展開支援、医療を含む基幹インフラ制度の強化、総合的なシンクタンク機能の構築に取り組みます。
また、対内直接投資に対する審査の実効性を高めるべく、日本版CFIUS、つまり対日外国投資委員会を創設します。
エネルギーは、国民生活及び国内産業の基盤であり、立地競争力強化のためにも、安定的で安価な供給が不可欠です。
エネルギー安全保障の観点からは、省エネ技術の活用を進めるとともに、国産エネルギーを確保することが重要です。地域の理解や環境への配慮を前提に、サプライチェーンの強靱性確保を図りながら、脱炭素電源を最大限活用します。
原子力規制委員会により安全性が確認された原子炉の再稼働加速に向け、官民を挙げて取り組みます。廃炉を決定した原子力発電所を有する事業者の原子力発電所のサイト内での建て替えに向け、次世代革新炉の開発、設置についても具体化を進めます。
再生可能エネルギーについては、同盟国、同志国と連携しつつ、ペロブスカイト太陽電池や次世代型地熱発電設備に係るサプライチェーンを国内に構築します。
一方で、脱炭素電源の導入が自然環境を損なったり、サプライチェーン上のリスクとなったりしては本末転倒です。特に、太陽光発電については、設置に当たっての安全性確認規制や環境アセスメントの強化、発電に係る支援制度の見直し、パネル廃棄に当たってのリサイクル制度の創設など、一連の規制、制度の導入及び適正化を進めます。
そして、世界に先駆けたフュージョンエネルギーの早期社会実装を目指します。また、水素社会の実現並びに資源開発及び資源循環の取組を加速します。特に、南鳥島周辺海域の海底のレアアース資源の活用に向け、取組を急ぎます。
世界共通の課題である気候変動に対し、危機管理投資の観点から大胆なGX投資を進め、脱炭素を成長につなげていきます。
特に、GX型の産業集積やワット・ビット連携を促進し、新たな産業クラスターを形成していきます。
また、アジア・ゼロエミッション共同体を通じ、アジアにおける脱炭素化に貢献するとともに、アジアの成長力を取り込んでいきます。
地球温暖化の影響もあり、自然災害の激甚化、頻発化が世界的課題となっています。令和の国土強靱化を進め、国民の皆様の生命と財産を守ります。あわせて、防災技術やインフラを積極的に海外に展開していきます。
そのためにも、防災庁を本年中に設立する法案を提出します。地方機関である防災局も設置します。
特に力を入れるべきは、事前防災及びインフラの予防保全の徹底です。国、自治体によるシミュレーションによりリスクを総点検し、衛星などのテクノロジーも活用しながら、ハード、ソフト両面での対策を強化します。
首都の危機管理機能のバックアップ体制を構築し、首都機能分散及び多極分散型経済圏を形成する観点から、首都及びいわゆる副首都の責務と機能に関する検討を急ぎます。
三月十一日で、あの東日本大震災から十五年となります。
福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし。
福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組を着実に進めます。
また、希望される住民の皆様の帰還、営農や森林整備の再開による生活や生業の再建、福島イノベーション・コースト構想による産業発展など、来年度からの第三期復興・創生期間の五年間で、様々な課題解決に取り組みます。
特に、中間貯蔵施設に保管されている除去土壌等については、理解醸成を通じた復興再生利用を進めるとともに、福島県外での最終処分に向け、二〇三〇年以降の道筋を具体化させてまいります。
今年一月一日は、能登半島地震から二年でした。能登の賑わいと笑顔を一日も早く取り戻したい。地震と大雨による幹線道路の通行止めは九割以上が解消しましたが、単なる復旧で終わらせてはなりません。生業の再建、地場産業や世界に誇れる伝統産業の復活、振興を図り、創造的復興を力強く進めてまいります。
国土保全に加え、食料安全保障の確保のために、農林水産業の振興が重要です。供給と需要をともに伸ばし、食料自給率の向上を実現します。
農業については、全ての田畑をフル活用すべく、五年間の農業構造転換集中対策期間において、別枠予算を確保します。その上で、農地の大区画化や中山間地域におけるきめ細かな整備、共同利用施設の再編合理化を進めます。また、世界トップレベルの植物工場、衛星情報、AI解析などのスマート農業技術の開発、実装を加速させます。あわせて、経営の体質強化や新品種の開発促進を図ります。これらにより、生産性を抜本的に向上させます。
コメについては、需要拡大、輸出拡大を図りつつ、供給力を強化することにより、安定供給を図ります。適確な需給把握のため、関係する事業者に在庫や出荷販売量の定期報告を義務付けます。また、供給不足に備え、政府備蓄米の買入れを再開するとともに、政府備蓄を補完するための民間備蓄制度を創設します。
林業、水産業についても、陸上養殖や航空レーザー計測などのスマート技術の活用により、生産性向上を図ります。
そして、農林水産物や食品の需要拡大、輸出拡大を図ります。農林水産大臣のみならず、経済産業大臣や外務大臣、そして私自身も、自ら需要開拓に取り組みます。また、品種保護によるブランド化やきめ細かなマーケティングにより、付加価値を高め、稼げる農林水産業及び食産業を目指します。
大阪・関西万博は、大きな成功を収めました。二〇二七年国際園芸博覧会の成功に向けても、開催準備及び機運醸成に力を注ぎます。
日本列島を、強く豊かに。そう訴えてきました。農山漁村、中山間地域をはじめ、四十七都道府県どこに住んでいても、安全に生活することができ、必要な医療、福祉や質の高い教育を受けることができ、働く場所がある。これが、高市内閣の目指す日本の姿です。
そのために何より重要なことは、強い地域経済の構築であり、地域未来戦略を推進します。地域の特性に応じた地域発のアイデア創出を募り、これまでの地方創生の支援策や税制などの政策ツールを最大限活用しつつ、大胆な投資促進策と産業用地を含めたインフラ整備とを一体的に講じます。そのことを通じた都道府県知事などとの協働により、各地に産業クラスターを戦略的に形成していきます。加えて、魅力ある地域資源を活かした地場産業の成長を支援します。
金融を通じ、日本経済と地方経済の潜在力を解き放つための戦略を策定します。地域経済を支える金融機関の経営基盤の強化を図るための環境整備も行います。
多様性に富んだ地域の魅力や文化、スポーツを活かした地域活性化も進めます。あわせて、食や伝統芸能を含めた文化財の継承、保存、活用をはじめとした文化芸術政策を推進します。また、地方への誘客の促進などのオーバーツーリズム対策を強化しつつ、持続可能な観光を推進します。
地方の社会経済を支える行政サービスやエッセンシャルサービスの維持、効率化にも取り組みます。行政分野、そして医療などの準公共分野のAI、デジタル化を推進するとともに、効率的なエッセンシャルサービスの提供を支援する法的枠組みを整備します。
地域交通や物流を維持するため、中継輸送やDXの推進、多様な主体による協業を促す枠組みの創設を通じ、交通空白やドライバーなどの担い手不足の課題解消に取り組みます。
良質な雇用を支える中堅企業や、売上高百億円を目指す成長志向の中小企業、地域経済を支える小規模事業者などの稼ぐ力を抜本的に強化します。プッシュ型の伴走支援や生産性向上、省力化支援に加え、官公需での対策を含めた価格転嫁、取引適正化の徹底、事業承継やMアンドAの環境整備に取り組みます。
こうした施策により、政府としては、賃上げの責任を事業者に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整えてまいります。
強い経済の実現により、賃上げの原資を生み出すとともに、ガソリン、軽油の暫定税率廃止による値下げなどの物価高対策を着実に実施していくことで、物価上昇を上回る継続的な賃上げを実現します。
政府経済見通しで示したとおり、令和六年度の実質賃金の伸びはプラスとなっており、七年度及び八年度もプラスとなる見込みです。この明るい動きを、政策の力で更に大きなうねりにしていきましょう。
手取りの増加に向けた対策も講じます。
いわゆる百三万円の壁について、働き控えの解消と手取り増加の観点から、百七十八万円に引き上げます。
税、社会保険料負担や物価高に苦しむ中所得、低所得の方々の負担を減らすため、給付付き税額控除の制度設計を含めた社会保障と税の一体改革について、超党派で構成される国民会議において検討を進め、結論を得ます。
また、同制度導入までの間の負担軽減策として、現在、軽減税率が適用されている飲食料品については、特例公債に頼ることなく、二年間に限り、消費税をゼロ税率とすることにつき、スケジュールや財源の在り方など、その実現に向けた諸課題に関する検討を加速します。野党の皆様の御協力が得られれば、夏前には中間とりまとめを行い、税制改正関連法案の早期提出を目指します。
こうした施策を総動員することで、投資と賃上げの好循環を生み出します。日本列島を、再び豊かにしていこうではありませんか。
強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力です。
大学改革を進めるとともに、基礎研究を含めた科学技術研究の基盤を強化し、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保を達成する新技術立国を目指します。
日本には優れた研究成果が数多くあります。AI、先端ロボットやバイオなど、成長が見込まれ、かつ、難易度が高い技術領域における研究開発について、税制や規制改革を一体的に講ずることで、投資を強力に促進していくための認定制度を創設します。
スタートアップは、技術を実用化していく主要な担い手です。スタートアップ育成五か年計画を強化し、先端技術の社会実装を加速させます。そのため、国内外からのベンチャー投資の促進、規制改革、人材育成、官公庁による調達といった多角的観点からの総合支援策を講じます。また、支援体制の拡充を図り、多数のグローバルユニコーンの創出を目指します。
強い経済を基礎として、強い外交、安全保障も確立していきます。
国家間の競争が激化、複雑化、常態化し、私たちが慣れ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序は、いま、大きく揺らいでいます。
そうした中、我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。中国は、東シナ海、南シナ海での力又は威圧による一方的な現状変更の試みを強化するとともに、我が国周辺での軍事活動を拡大、活発化させています。北朝鮮は、核・ミサイル能力の向上を引き続き追求しています。
ロシアによるウクライナ侵略は、いまだ継続しています。そのロシアに北朝鮮は兵士を派遣し、その見返りとして、ロシアから核・ミサイル関連技術が移転されるおそれがあります。中国は、ロシアとの軍事的連携を強化しています。
さらに、外交、安全保障の舞台は、宇宙、サイバー空間、認知領域といった新たな領域にも広がっています。
こうした中、必要なことは、我が国が自ら考えてハンドルを握り、長期的目線をもって、どこに向かっていくのかを決めることです。そして、外交と防衛を車の両輪として、我が国の独立と平和を守り抜くとともに、分断と対立の進む世界を開放と協調に導き、日本と世界が共に繁栄していくよう、積極的に役割を果たさなければなりません。
高市内閣では、平和と繁栄を創る責任ある日本外交を展開していきます。
今年は、安倍晋三元総理が自由で開かれたインド太平洋を提唱してから十年です。この間の地政学的な競争の激化、AI、デジタルなどの加速度的な技術革新とその覇権争いといった変化を踏まえると、各国が自律性と強靱性を強化する必要性が高まっています。データ基盤や重要物資のサプライチェーン強靱化といった経済基盤の強化、官民一体での経済成長の機会創出、政府安全保障能力強化支援、いわゆるOSAやODAの規模拡大を通じた地域の平和と安定のための連携拡大など、FOIPの取組を戦略的に進化させていきます。インド太平洋を強く豊かにしていきましょう。
ルールに基づく自由貿易体制の維持拡大は、我が国の経済外交の柱です。CPTPPについて、戦略的観点から、その高い水準を堅持しつつ、締約国の拡大及び協定改定を目指すとともに、ASEANやEUとの更なる連携の可能性を模索していきます。
日米同盟は、日本の外交、安全保障政策の基軸です。可能であれば、来月にも訪米します。トランプ大統領との信頼関係を一層強固なものとし、安全保障、経済、文化など、あらゆる分野で日米関係を更に強化していきます。加えて、東アジアをはじめとする各地域の課題について、連携しながら取り組みます。
在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の皆様の御理解と御協力を得ることが不可欠です。沖縄県を含む基地負担軽減に取り組みます。特に、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古への移設工事を進めます。沖縄の皆様の思いに向き合い、沖縄経済の強化に向けた取組を継続します。
また、日米同盟を基軸に、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値や原則を共有する国々と手を携えてまいります。日米韓、日、米、フィリピン、日米豪、日米豪印などの多角的な安全保障協力を深めてまいります。さらに、ASEANや欧州諸国とも、世界の様々な課題に共に取り組んでまいります。
韓国については、先月、李大統領を日本にお迎えしました。現下の戦略環境の下で重要性が高まっている中、首脳間の信頼関係を基礎とした率直な意見交換を通じて、更なる関係強化を図っていきます。
中国とは、戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していくことが高市内閣の一貫した方針です。重要な隣国であり、様々な懸案と課題があるからこそ、意思疎通を継続しながら、国益の観点から冷静かつ適切に対応してまいります。
北朝鮮による全ての拉致被害者の御帰国を、私の任期中に実現したい。そのように強く決意しています。金委員長との首脳会談をはじめ、あらゆる選択肢を排除せず、突破口を開くべく取り組んでいます。また、我が国にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっている核・ミサイル開発は、断じて容認できません。
ロシアによるウクライナ侵略を早期に終結させることが重要です。そのために、ウクライナの意思を最大限尊重しながら、同志国とともにウクライナを支えていきます。また、日露関係は厳しい状況にありますが、領土問題を解決し、平和条約を締結するという日本政府の方針に変わりはありません。
国家安全保障戦略をはじめとする三文書の策定以降、新しい戦い方の顕在化、長期戦への備えの必要性など、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じています。我が国として、主体的に防衛力の抜本的強化を進めることが必要です。このため、本年中に三文書を前倒しで改定します。
また、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改編するとともに、宇宙作戦集団を新たに編成します。給与体系の改定をはじめ、防衛力の根幹である自衛官の処遇改善も進めます。
我が国にとって望ましい安全保障環境を自ら創出していくための取組も必要です。防衛装備移転に関し、三原則におけるいわゆる五類型の見直しに向けた検討を加速させます。これは、同盟国、同志国の抑止力、対処力強化に資するとともに、我が国の防衛生産基盤や民生技術基盤の強化にもつながるものです。
あわせて、防衛調達側のニーズをしっかりと産業界に伝え、スタートアップも含めた企業が技術開発、量産化、新市場開拓に積極的にチャレンジできる環境整備も進めます。
防衛力の抜本的強化を補完すべく、海上保安能力やサイバーセキュリティー対策についても一層強化していきます。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、我が国の国益を守るためには、質が高く、適切なタイミングを捉えた情報の収集、分析を行うとともに、それらをハイレベルで集約し、高度かつ的確な意思決定を行う必要があります。
インテリジェンスの司令塔機能を強化すべく、内閣総理大臣を議長とし、関係閣僚から構成される国家情報会議を内閣に設置します。また、内閣情報調査室を国家情報局に格上げし、関係機関からの情報を集約し活用します。
その分析結果も活かし、外国からの不当な干渉を防止するための制度設計を進めるなど、必要な対策を講じます。
国力、特に経済力の基盤となるのは人材力です。高市内閣では、人材力を強化していきます。
教職員の働き方改革を一層進めるとともに、指導体制の充実を図り、人づくりの礎である教育の質を向上させていきます。
いわゆる教育無償化について、今年四月からの実施を目指します。あわせて、全ての高校生が多様で質の高い教育を受けられるよう、高校教育改革を進めます。
DX、AI化の進展といった産業構造転換に対応した人材育成が求められています。産業界、地域の高校、高専、大学など、そして地方自治体が協働し、産業イノベーション人材を育成する取組を進めます。
そして、全ての子供、若者が豊かな体験を得られるよう、支援を強化します。特に、孤独、孤立に陥りやすい若者について、大規模な実態調査を行った上で、社会とのつながりの構築を支援します。また、性や健康に関する正しい知識を身につけ、健康管理を行うプレコンセプションケアを推進します。
日本人の底力を解き放つためには、子供、若者に加え、全世代の国民の皆様一人ひとりが活き活きと活躍できることが重要です。日本人の誰もが日本国の主役でなければなりません。性別、障害や疾病の有無、生まれた年代や住んでいる地域、家族の状況などによって不公平がない社会を目指しましょう。
育児、子供の不登校、介護が原因の離職を減らすため、ベビーシッターや家事支援サービスの利用促進に向けた負担軽減に取り組みます。企業の活力を活かした小学生の居場所づくりや、病児保育の充実を図ります。
低所得子育て世帯やひとり親世帯、ヤングケアラーなど、家庭状況に応じた支援にも力を入れます。
加えて、こども未来戦略の加速化プランに基づき、こども誰でも通園制度の本格実施や保育士の処遇改善などの取組を推進します。
また、就職氷河期世代に対する新たな支援プログラムを策定します。
性差に由来した健康課題への対応を加速すべく、診療領域を横断した対応策の整理や診療拠点の整備を進め、特に女性の生涯にわたる健康支援を強化します。がん、難病のゲノム医療や、ワンヘルスの取組も推進します。
少子化、人口減少は、我が国の活力を蝕んでいく静かな有事です。少子化傾向を反転させるための対策を強化します。
しかし、それが功を奏したとしても、当面は人口減少が続きます。人口減少に対応した社会経済を再構築する対策も必要です。
この両面について、一貫した総合的な戦略を策定、実施します。
強い経済の実現により、若い世代の所得を増加させていきます。
そして、先に述べた子供、若者政策や子育て支援に加え、妊婦健診や出産に係る費用など、妊娠、出産に伴う経済的負担を軽減します。
人口減少、少子高齢化においては、社会保障制度における給付と負担の在り方や所得再分配機能について、国民的議論が必要です。国民会議において、与野党の垣根を越え、有識者の叡智も集めて議論し、結論を得ていきます。
また、データヘルスや保険者機能の強化、健康経営に取り組む地域企業への支援、がん検診、歯科健診の推進を通じ、攻めの予防医療を具体化させます。健康寿命の延伸を図ることで、皆が元気に活躍し、社会保障制度を含めた社会の支え手となっていただけるようにします。
国力、そして社会経済の活力を維持するためには、生産性向上の効果を加味した上で、将来必要となる労働力人口の規模を考える必要があります。少子化傾向の反転、労働参加率向上、外国人の法令に則った厳正かつ適正な就業などを踏まえ、腰を据えて検討してまいります。
一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の皆様が不安や不公平を感じる状況が生じていることに配慮しなければなりません。ルールを守り、税や社会保険料を納めながら滞在、居住している大部分の外国人のためにも、問題ある行為に毅然と対応することで、我が国が排外主義に陥らないようにします。それが、外国人との秩序ある共生社会の実現です。
国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランを強力に推進します。特に、短期滞在者の来日に関して、電子渡航認証制度、JESTAを創設する法案を提出します。これにより、我が国にとって好ましくない外国人の入国を防ぐとともに、問題ない来日客の入国手続の円滑化を図ります。
また、外国人による土地取得などに関する規制の在り方の検討を進め、この夏までに骨格をとりまとめます。
あわせて、外国人に対する日本語教育の充実、日本の制度、ルールの理解促進に取り組みます。
その他の治安、安全の確保にも取り組みます。
AIやドローンなどの新たな技術を悪用した犯罪行為やCBRNEテロの抑止、対処、そして消費者教育に取り組みます。
国民を詐欺から守るための総合対策二・〇に掲げられた取組を着実に実施し、いわゆるトクリュウの撲滅を目指します。特に、携帯通信の契約時の本人確認義務の範囲を拡大する法案や、架空名義口座を利用した新たな詐欺対策を可能とする法案を提出します。
また、誤判からの速やかな救済と法的安定性のバランスを図りつつ、再審制度に関する具体的な規律を整備する法案を提出します。
熊による人身被害が各地で発生し、日々の暮らしを脅かしています。昨年とりまとめたクマ被害対策パッケージに基づき、春の時期を含めた捕獲により個体数管理の徹底を図るとともに、中長期の取組を含めた対策ロードマップを策定し、人と熊のすみ分けを図ります。
政治への更なる信頼回復に向け、政治資金の在り方や衆議院の選挙制度、議員定数削減に関する各党各会派の議論が進展することを期待します。
今年は、昭和元年から起算して満百年を迎えます。
日本は、古来、固有の文化を守り、和を尊び、家族や社会が互いに助け合いながら発展してきました。
そうした我が国の伝統や歴史の重みを噛みしめながら、国会において、皇室典範の改正に向け、安定的な皇位継承等の在り方に関する議論が深まることを期待しています。
四月二十九日には、昭和百年記念式典を挙行いたします。激動の昭和を生き、先の大戦や幾多の災害を乗り越え、希望を紡ぎ出した先人に学び、我々も果敢に挑戦していこうではありませんか。
どのような国を創り上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法です。憲法改正に関し、衆議院及び参議院に設置された憲法審査会において、党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、最終的に判断を行う国民の皆様の間でもこれまで以上に積極的な議論が深まり、国会における発議が早期に実現されることを期待します。
挑戦しない国に未来はありません。
守るだけの政治に希望は生まれません。
今年初めて投票して下さった十八歳の若者も、生まれたばかりの赤ちゃんも、その多くが二十二世紀を迎えることができるでしょう。
その時に、日本が安全で豊かであるように。
インド太平洋の輝く灯台として、自由と民主主義の国として、世界から頼りにされる日本であるように。
若者たちが、日本に生まれたことに誇りを感じ、未来は明るいと自信を持って言える。そうした国を創り上げていく。
今の時代を生きる私達には、その大きな責任があります。
皆様、未来への挑戦を共に進めてまいりましょう。希望を生み出す政治を共に進めていこうではありませんか。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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○議長(森英介君) 外務大臣茂木敏充君。
〔国務大臣茂木敏充君登壇〕
○国務大臣(茂木敏充君) 第二百二十一回国会に当たり、外交政策の所信を申し述べます。
世界は、今、パワーバランスの変化や紛争、対立の激化を受け、戦後最も大きな構造的変化の中にあります。国際社会及び我が国を取り巻く安全保障環境の変化も様々な分野で加速度的に進んでいます。
ロシアによるウクライナ侵略や不安定な中東情勢、我が国周辺における中国の外交姿勢や軍事動向、北朝鮮による核・ミサイル開発に加え、露朝の軍事協力といった懸念すべき動きも続いています。
このような厳しい国際情勢の中、日本への期待が高まっています。高市内閣が掲げる平和と繁栄を創る責任ある日本外交を推進すべく、外務大臣として、様々な分野で国際社会から期待される日本の役割と責任を主体的に果たしていくため、国際社会の変化に対応した多角的、重層的連携をリードする包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開してまいります。
日米同盟は我が国の外交、安全保障政策の基軸であり、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎です。日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいります。
同時に、関税に関する日米間の合意の着実な実施に加え、経済安全保障を含む幅広い分野での日米協力を拡大してまいります。重層的な人的交流も拡充していきます。また、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指して辺野古移設を進めるなど、沖縄を始めとした地元の負担軽減と米軍の安定的駐留に取り組んでまいります。
本年春に調整中の高市総理の訪米の機会を含め、引き続き首脳、外相間を始めとするレベルで米国と緊密に連携してまいります。
自由で開かれたインド太平洋、FOIPを日本外交の柱として、提唱から十年、この間の時代の変化や新たな課題に対応して、FOIPを進化させてまいります。私自身、年初にフィリピン、インド等を訪問し、また、先日はミュンヘン安全保障会議においても同志国連携の強化の重要性を強く発信しました。
引き続き、G7、ASEAN、豪州、インド、太平洋島嶼国、EU、NATOなどとの協力関係を更に強化し、日米韓、日米豪、日、米、フィリピン及び日米豪印を始め、実践的かつ多面的な協力を広げてまいります。
国際社会及び日本を取り巻く安全保障環境が一段と厳しさを増す中、国家安全保障戦略の下、防衛装備移転、政府安全保障能力強化支援、OSAやサイバー安全保障を推進するとともに、関係省庁と連携してインテリジェンス機能の強化に取り組んでまいります。
国際社会における法の支配を推進するとともに、テロやサイバー犯罪を含む国際組織犯罪分野での協力の強化にも取り組んでまいります。
また、情報セキュリティー基盤を強化するとともに、偽情報の拡散等の外国からの情報操作に対応すべく、情報収集、分析力及び戦略的対外発信の強化など情報戦対応を進めてまいります。
同時に、我が国による発信が各国から前向きに受け止められる土壌を醸成すべく、人的交流を含む文化交流の抜本的強化に取り組んでまいります。
近隣諸国とは、難しい問題、課題に正面から対応しつつ、安定的な関係を築いてまいります。
中国との間には、尖閣諸島情勢を含む東シナ海や南シナ海における力又は威圧による一方的な現状変更の試みや、我が国周辺での一連の軍事活動を含め、数多くの懸案や課題が存在しています。台湾海峡の平和と安定も重要です。
中国との間で戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していく方針は一貫しています。日中間に懸案と課題があるからこそ、意思疎通が必要です。
我が国としては、中国との様々な対話についてオープンです。こうした姿勢の下、今後も冷静かつ適切に対応してまいります。
韓国は、国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国です。日韓関係を未来志向で、安定的に発展させていくため、韓国側と引き続き緊密に意思疎通をしてまいります。
竹島については、歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上も日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応してまいります。
日中韓の協力も、大局的な観点から、地域のみならず世界の平和と繁栄にとって重要であり、日中韓サミットの議長国として、引き続き、着実に取組を進めていく用意があります。
北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。また、露朝の軍事協力は、ウクライナ情勢のみならず、我が国周辺地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に懸念すべき動向です。
米国、韓国を始めとする国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行に向けた取組を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めてまいります。
北朝鮮との間では、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を実現するとの方針に変わりはありません。
なかでも、拉致被害者やその御家族も御高齢となる中で、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国は最重要の課題であり、あらゆる手段を尽くして全力で取り組んでまいります。
日露関係は厳しい状況にありますが、北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結することが日本政府の方針です。日露両国の間には隣国として解決しなければならない懸案事項が山積をしており、適切に意思疎通をしていく必要があります。
特に、御高齢となられた元島民の皆様の切実な思いを踏まえ、北方墓参に重点を置いて、ロシア側に対して粘り強く事業の再開を求めてまいります。
また、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。米国及び欧州各国が結束して和平に向けて外交努力を重ねていることを歓迎します。一日も早く公正かつ永続的な平和の実現につながることが重要であり、我が国としても、G7を始めとした各国と連携し、今後もウクライナ支援と対露制裁を継続してまいります。
中東情勢は、依然として厳しい状況が続いています。私は年初にイスラエルとパレスチナ、そして仲介役を果たしているカタールを訪問しました。この訪問も踏まえ、我が国としては、ガザにおける人道支援の速やかな実施や早期の復旧復興を後押しし、二国家解決の実現に向けて積極的な役割を果たしていく考えです。
また、イランをめぐっては、核問題を始め、様々な課題があります。日本としては、対話を通じた課題解決を重視しており、引き続き国際社会と連携し、必要なあらゆる外交的努力を行ってまいります。
ベネズエラ情勢については、国内における人権問題や、不透明な選挙、多くの避難民の流出等、マドゥロ政権下で生じた懸念すべき状況が続いています。
我が国は従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を尊重してきました。また、当然、国連憲章を含む国際法上の原則は尊重されなければならないと考えています。我が国は、一刻も早くベネズエラが安定を確保し、民主化することが重要であるとの一貫した立場に基づき、関係国と緊密に連携しつつ、外交努力を進めてまいります。
国際社会で発信力を強めるグローバルサウスの国々との連携はより重要性を増しています。ODAによる日本らしい顔の見える開発援助やOSAを通じて、相手国のニーズも踏まえたきめ細やかな協力を進め、ODAを呼び水とした民間投資も促進してまいります。
ODAを戦略的かつ効果的に活用し、経済安全保障等の重要課題にも対応していきます。
アフリカについては、第九回アフリカ開発会議、TICAD9で発表したインド洋・アフリカ経済圏イニシアティブを具体化し、中央アジアとの関係では、中央アジアプラス日本対話・首脳会合の成果を踏まえ、更なる関係強化を図ってまいります。
経済外交については、日本の経済力強化のため、日本が優位性を持つ技術力、課題解決力や日本企業の海外展開を外交面で後押しをし、新規市場の開拓やイノベーションの創出に貢献してまいります。
ルールに基づく自由で公正な国際経済秩序の維持強化も重要です。CPTPPの高い水準の維持や戦略的な拡大、WTO改革の推進、安全、安心で信頼できるAIエコシステムの構築に取り組んでまいります。
一層重要性を増す経済安全保障の課題に対応するため、エネルギー、食料の安定的な確保に加え、重要鉱物を含むサプライチェーンの強靱化や経済的威圧への対応、重要・新興技術の保全、開発促進などに全力で取り組んでまいります。
二〇二七年国際園芸博覧会の成功に向けても取組を進めます。
今年は日本が国連に加盟して七十周年となります。世界が抱える諸課題を解決するため、安保理改革を含む国連改革、機能強化、日本らしい人権外交や女性・平和・安全保障、いわゆるWPSを積極的に推進してまいります。
また、核兵器のない世界の実現に向けて、本年四月のNPT運用検討会議を含め、NPT体制を維持強化するための現実的で実践的な取組を進めてまいります。
気候変動、国際保健、自然災害といった地球規模課題については、人間の安全保障の理念の下、SDGsの達成に向けた取組を推進し、二〇三〇年以降を見据えた国際的な議論を主導してまいります。
これらの外交努力で一層の成果を上げるため、引き続き、外交・領事実施体制の抜本的強化に取り組みます。特に、緊急事態対応や邦人保護、情報保全に万全を期すとともに、積極的な外交を展開するため、本省及び在外公館の体制や基盤の整備、強靱化を推進してまいります。
旅券手数料の引下げにも取り組みます。また、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた取組も、関係省庁と協力して進めてまいります。
以上、我が国が直面する諸課題及び外交方針について所信を申し述べました。
議員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(森英介君) 財務大臣片山さつき君。
〔国務大臣片山さつき君登壇〕
○国務大臣(片山さつき君) 令和八年度の予算の御審議に当たり、財政政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、予算の大要を御説明申し上げます。
名目GDPは六百兆円を超えて七百兆円に近づいており、高い成長の下では二〇四〇年頃に一千兆円程度の経済が視野に入ります。賃上げ率が二年連続で五%を上回るなど、日本経済は、デフレ・コストカット型経済から、新たな成長型経済に移行する段階まで来ました。一方で、我が国は、静かな有事とも言うべき人口減少や、長期にわたるデフレから一転した物価高、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境等に直面しています。こうした中で、潜在成長力は伸び悩み、個人消費は力強さを欠いております。
このような状況においては、今の国民の暮らしを守る物価高対策を早急に講じること、そして、日本経済の強さを取り戻すことが重要です。そのためには、生活の安全保障、物価高への対応、危機管理投資、成長投資による強い経済の実現、防衛力と外交力の強化を三つの柱として閣議決定した「強い経済」を実現する総合経済対策の裏付けとなる令和七年度補正予算を迅速かつ適切に執行するとともに、令和八年度予算、令和八年度税制改正を実行に移し、切れ目のない経済財政運営を行う必要があります。
高市内閣が掲げる責任ある積極財政は、プロアクティブな、先を見据えた財政政策であり、決して、いたずらに拡張的に規模を追求するものではありません。国民生活の下支えや経済成長に資することが期待される施策には大胆に重点化する一方で、見込まれる効果が乏しい施策については見直しを行うなど、歳出歳入両面で強い経済を支える財政構造への転換を図ることが重要です。私が担当大臣として取り組んでいる租税特別措置、補助金の見直しもその取組の一つです。引き続き、ワイズスペンディングを徹底しながら、成長率を高めていくことと相まって、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性を、そして、マーケットからの信認を確保してまいります。
続いて、令和八年度予算及び税制改正の大要を御説明申し上げます。
令和八年度予算は、令和七年度補正予算に続き、強い経済を実現する予算であり、複数年度の取組や歳出構造の平時化に向けた取組を推進し、重要施策について当初予算での増額を実現しております。具体的には、診療報酬改定、介護報酬改定をはじめ、予算全体について、経済、物価動向等を適切に反映したほか、防衛力強化、こども・子育て支援、GX、AI・半導体といった従来から財源を確保して複数年度で計画的に取り組んでいる重要施策を引き続き推進しております。また、新たな財源確保や予算全体のメリハリ付けを通じて、いわゆる教育無償化をはじめとする重要施策について、予算を増額しております。
歳出につきましては、まず、一般歳出は約七十兆一千六百億円となっております。これに地方交付税交付金等約二十兆八千八百億円及び国債費約三十一兆二千八百億円を加えた一般会計総額は、約百二十二兆三千百億円となっており、前年度当初予算に対し約七兆一千百億円の増額となっております。
一方、歳入につきましては、租税等の収入は約八十三兆七千四百億円、その他収入は約八兆九千九百億円を見込んでおります。また、公債金は、約二十九兆五千八百億円となって、十七年ぶりに三十兆円を下回った前年度当初予算に続き、二年連続で三十兆円を下回っております。
これらの結果、公債依存度は二十七年ぶりに三〇%を下回った前年度当初予算の二四・九%から更に低下し、二四・二%となっております。あわせて、一般会計のプライマリーバランスは、当初予算として、二十八年ぶりに黒字化しております。このように財政規律にも配慮した姿となっております。
なお、特例公債の発行につきましては、別途、所要の法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。
次に、主要な経費について申し述べます。
社会保障関係費につきましては、現役世代の保険料負担を含む国民負担を軽減する観点から、市場価格を反映した薬価改定や高額療養費制度の見直しなど、様々な制度改革、効率化努力を積み重ねることにより、実質的な伸びを高齢化による増加分に抑えた上で、診療報酬改定における今後の物価、賃上げ対応や、介護報酬改定、障害福祉サービス等報酬改定における現場で働く方々の処遇改善など、経済、物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算しております。
文教及び科学振興費につきましては、一連の政党間合意を踏まえ、財源を確保しつつ、いわゆる教育無償化を実現しております。また、中学校三十五人学級の実施等に向けて必要な措置を講じるほか、新技術立国の観点から、国立大学法人運営費交付金や科学研究費助成事業の増額により、基礎研究の充実強化等を行うとともに、AI、量子等の重要技術領域に係る研究開発等を推進することとしております。
地方財政につきましては、給与改定分や物価反映分を措置するなど、地方の一般財源総額を適切に確保しつつ、臨時財政対策債の発行額をゼロにするなど、地方財政の健全化を図ることとしております。
防衛関係費につきましては、厳しい安全保障環境の中で、防衛力整備計画に基づき、引き続き、防衛力を安定的に維持するための財源を確保しつつ、防衛力の強化を着実に進めております。
公共事業関係費につきましては、埼玉県八潮市における道路陥没事故の教訓を踏まえた取組や、規制、誘導手法の活用といったソフト対策との一体的な取組などにより、防災・減災、国土強靱化を推進するとともに、成長力強化に向けたインフラ整備等についても重点的に取り組んでいくこととしております。
経済協力費につきましては、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を進めるとともに、同志国やグローバルサウス諸国との連携強化を図りつつ、ODAの効果的、効率的な実施に取り組むこととしております。
中小企業対策費につきましては、適切な価格転嫁や生産性向上、事業承継、MアンドAに対する支援など、賃上げ環境の整備等に取り組むこととしております。
エネルギー関係予算につきましては、エネルギー対策特別会計において、GX経済移行債を発行し、カーボンニュートラル目標の達成に必要な民間のGX投資を支援するとともに、AI・半導体産業基盤強化フレームに基づき、産業競争力の強化、経済安全保障及びエネルギー政策上の観点から、AI・半導体分野への支援を実施するなど、当初予算を増額しております。
農林水産関係予算につきましては、農業構造転換集中対策として、生産性向上に向けた大区画化やスマート農業の推進等の取組について、財源を確保し、当初予算を増額するほか、林業、水産業の持続的成長に向けた資源管理等に取り組むこととしております。
東日本大震災からの復興につきましては、第三期復興・創生期間の初年度において、帰還、移住支援や風評対策などにきめ細やかに対応するため、令和八年度東日本大震災復興特別会計の総額を約六千三百億円としております。
能登半島地震、豪雨災害からの復旧復興につきましては、被災者の生活、生業の再建支援やインフラ復旧などを引き続き推進してまいります。
令和八年度財政投融資計画につきましては、強靱な経済構造の構築、官民が連携した積極的な投資促進、物価高への対応等のために、総額約十九兆二百億円としております。
国債管理政策につきましては、金融市場の状況に変化が見られる中で、市場とのより丁寧な対話に基づき、安定的な国債発行に更に万全を期してまいります。
令和八年度税制改正では、物価高への対応として、物価上昇に連動して基礎控除等を引き上げるとともに、就業調整への対応及び中低所得者への配慮の観点から、所得税の課税最低限を百七十八万円まで先取りして引き上げます。また、強い経済の実現に向けて、大胆な設備投資促進税制を創設するとともに、租税特別措置の適正化の観点から、賃上げ促進税制の見直しや研究開発税制の強化を行います。加えて、税負担の公平性を確保する観点から、所得が極めて高い水準にある場合の負担の見直しを行うほか、防衛特別所得税の創設等を行います。
以上、財政政策の基本的な考え方と、令和八年度予算及び税制改正の大要について御説明申し上げました。
我が国経済が転機を迎える中、名目GDPが拡大する中で、物価や金利が上昇するという新たな経済社会状況に真摯に向き合う必要があります。成長する日本、将来に希望が持てる日本を将来世代へ引き継ぐために、強い経済の構築と財政の持続可能性をバランス良く同時に実現することが、今を生きる我々が果たすべき責任であります。
その責任を果たすためにも、本予算及び関連法案の速やかな成立が必要であります。
本予算及び関連法案が現下の我が国の経済社会に果たす役割に御理解を賜り、何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただくとともに、財政政策について、国民の皆様及び議員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(森英介君) 国務大臣城内実君。
〔国務大臣城内実君登壇〕
○国務大臣(城内実君) 経済財政政策担当大臣として、その所信を申し述べます。
高市内閣は、今の暮らしや未来への不安を希望に変える強い経済の実現を最大の使命としております。このため、長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切り、責任ある積極財政への政策転換を進めます。そして、今なすべき取組を見極めながら、大胆かつ戦略的な危機管理投資と成長投資を行います。これにより、国民の安全、安心を確保するとともに、雇用と所得を増やし、潜在成長率を引き上げてまいります。責任ある積極財政とは、将来世代に負担を先送りする財政ではありません。将来世代がこの国で働き、挑戦し、誇りを持って生きていくための基盤を、今の世代が責任を持って築く財政です。投資を怠ることこそが最も無責任となる時代に、私たちは生きております。
主要先進国の経済政策の潮流も、市場原理に過度に依存する新自由主義的発想、すなわち市場の働きに委ね過ぎる考え方から転換しています。例えるなら、天動説から地動説へと世界観が変わるようなパラダイムシフトであります。近年は、国民の暮らしや経済の基盤を守り、将来の成長力を高める観点から、官民連携の下で戦略分野への投資を進め、戦略的な国内投資の拡大を通じて国力の増大を図る経済財政運営が各国で本格化しています。世界経済は既に、不可逆的な潮流の中にあるのです。我が国も、こうした時代の要請に応える経済財政運営を力強く進めていかなければなりません。経済財政運営の目的は、国民一人一人の暮らしを豊かにすることにほかなりません。
経済財政運営の手段と目的を取り違えることなく、これまでの発想を躊躇なく見直し、経済成長の果実を広く国民に届けてまいります。
こうした高市内閣の経済財政運営の考え方、いわゆるサナエノミクスについて、国内外からの理解と共感を得ることが重要であり、関連施策の機動的、戦略的広報を強化し、私も先頭に立って積極的な情報発信に努めてまいります。
経済財政運営においては、責任ある積極財政の考え方の下、財政の持続可能性に十分配慮しつつ、戦略的に財政出動を行うことにより、我が国の供給構造を強化します。
これにより、暮らしの安全と安心を確保し、雇用と所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がる強い経済を構築します。この好循環を実現することで、国民の皆様に、賃金の上昇や雇用の安定、地域経済の活性化といった景気回復の果実を実感していただき、日々の暮らしと未来への不安を希望に変えてまいります。
その上で、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。本年一月の中長期の経済財政に関する試算では、財政状況が着実に改善する姿が示されました。
事業者に安心して研究開発や設備投資をしていただけるよう、複数年度予算や長期的な基金による投資促進策を大胆に進めます。特に、投資を上回るリターンを通じてGDPの成長にも資する危機管理投資、成長投資などについては、債務残高の対GDP比引下げにもつながるよう、予算上、多年度で別枠で管理する仕組みを導入します。また、毎年補正予算が組まれることを前提とせず、必要な予算は当初予算で措置するべく、予算の在り方について今年の骨太方針に向けて議論を進めてまいります。
引き続き、強い経済の構築と財政の持続可能性の実現を両立させ、それを次の世代に引き継いでいく、こうした取組が、今を生きる私たちが将来世代に対し果たすべき責任と考えます。グローバルな潮流も踏まえ、大胆な経済財政運営を推進してまいります。
こうした基本姿勢の下、当面の経済財政運営と今後の重点課題について申し述べます。
我が国経済は、長く続いたデフレ・コストカット型経済から、その先にある新たな成長型経済、すなわち、国民の賃金が上がり、企業の投資が増える経済へと移行できるかどうかの分岐点に立っています。足元の景気は緩やかな回復局面にありますが、潜在成長率の伸び悩みといった構造的な課題も残されています。こうした課題に対し、政府は先頭に立って立ち向かい、景気の回復の力をもっと強く、そして、地方や中小・小規模事業者の皆様に広げ、日本全国で景気が良くなってきたと実感していただけるよう、景気の体感温度を高めていかなければなりません。
こうしたことから、高市内閣は、不安を希望に変える強い経済を構築するため、昨年十一月、三本の柱からなる総合経済対策を取りまとめました。
第一の柱は、生活の安全保障・物価高への対応です。重点支援地方交付金は、多くの地方公共団体で事業が開始され、こども一人当たり二万円の物価高対応子育て応援手当は、ほとんどの市区町村において年度内に支給が予定されております。また、一月から三月までの電気・ガス代の支援等も実施しています。
第二の柱は、危機管理投資・成長投資による強い経済の実現です。十七の戦略分野において官民が連携した積極的な投資を実現します。あわせて、先端科学技術の支援など、国民の暮らしと雇用を守り、次の成長を生み出す投資の拡大を進めます。
第三の柱は、防衛力と外交力の強化です。防衛力の抜本的強化を進めるとともに、自由で開かれたインド太平洋を推進し、米国関税措置への対応については日米戦略投資イニシアティブに必要な措置を講じます。我が国の平和と安定を守り、経済活動と国民生活の基盤を確かなものとします。
本総合経済対策については、本年度末までに施策の約八割が、国民、事業者等が事業や支援策にアクセス可能な状況となる見込みであるなど、既に多くの施策が進捗しています。引き続き、本総合経済対策の裏付けとなる令和七年度補正予算を速やかに執行し、一刻も早く国民の皆様に支援をお届けしてまいります。
また、令和八年度予算にも、未来を見据えた大胆な投資を促進する施策を数多く盛り込みました。こうした取組を通じて、投資と成長の好循環を生み出してまいります。
こうした当面の経済財政運営の効果も勘案し、令和八年度の我が国経済は、実質で一・三%程度、名目で三・四%程度の成長を見込みます。
高市内閣の成長戦略の肝は危機管理投資であります。様々なリスクや社会課題に対し、先手を打って行う官民連携の戦略的投資を促進し、世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラを開発し、国内外に提供することによって、我が国経済の更なる成長を実現します。
このため、量子、航空・宇宙、コンテンツ、創薬などの十七の戦略分野において、企業の投資の予見可能性を高める複数年度の予算措置など、供給サイドの支援のみならず、官公庁による調達や規制改革など、需要サイドからの支援を合わせた総合支援策を講じます。特に先端技術や成長が期待される分野の官民投資ロードマップについて、来月から提示していきます。これを解決策の検討材料として、分野横断的な課題にも取り組みます。
強い経済を構築するための基盤的な取組として、新技術立国・競争力強化、人材育成といった八つの横断的課題の解決策を取りまとめます。その八つの横断的課題の解決策や政府支援策を踏まえ、どれだけ民間投資が促進されるか。この夏に取りまとめる日本成長戦略で定量的に明らかにすることでGDPの伸びや税収増への寄与についても見通せるようにし、その成果が中長期の経済財政に関する試算に適切に反映されるよう取り組んでまいります。
私自身も、スタートアップ担当大臣として、世界に伍するスタートアップエコシステムを作り上げるとともに、賃上げ環境整備担当大臣として、物価上昇を上回る継続的な賃上げが実現する環境整備に取り組んでまいります。
CPTPPについては、新たに加入交渉開始が決定したウルグアイを含め、協定の高い水準を維持しながら、戦略的観点から更なる締約国の拡大に努めるとともに、協定改正交渉やEU、ASEANとの対話などの取組を進めることにより、ルールに基づく自由貿易体制の維持強化において主導的な役割を果たします。あわせて、関連政策大綱に基づく施策を実施することにより、我が国経済成長への一層の貢献を目指します。自由で開かれた国際秩序の中で、日本が信頼される主導国としての責任を果たしてまいります。
また、規制・制度改革により、民間投資と技術革新を促進し、企業が将来にわたって挑戦できる環境を整備することは、政府の重要な役割です。人口減少、少子高齢化等の課題を克服し、日本経済の成長と地方の活性化につなげるため、規制改革推進会議の審議を進めてまいります。国民生活に密着し社会経済的に重要性が高い分野について、時代や環境の変化、テクノロジーの進化に合わせて、規制の緩和、強化、明確化といった適正化も含め、必要となる利用者目線の規制・制度改革を徹底してまいります。安全と利便性を両立させ、誰もが安心して暮らし、挑戦できる社会を実現してまいります。
社会保障は、夢や希望の実現を諦めることなく、安心して働き、暮らしていくための基盤であります。人口減少、少子高齢化の中で、改革を進めるためには、国民一人一人の納得感が得られるものとすることが重要です。このため、国民会議において、給付と負担の在り方や給付付き税額控除、二年間に限り飲食料品に限定して消費税をゼロ税率とすることを含めた、社会保障と税の一体改革について、与野党の垣根を超え、有識者の叡智も集めて議論し、その際、決して数の力で結論を急ぐのではなく、声を上げにくい方々を含め、小さな声にも十分配慮しながら、結論を得てまいります。あらゆる世代、誰もが将来に不安を抱くことなく、地域で支え合いながら暮らしていける社会、安心の上に希望が生まれ、次の世代が将来に夢を描ける、そんな温かい社会保障の実現に全力を尽くしてまいります。
次の感染症危機への対応に万全を期すため、令和六年七月に改定された新型インフルエンザ等対策政府行動計画を踏まえ、取組状況の確実なフォローアップ、より実効性のある訓練の実施など、平時からの備えの充実に努めてまいります。科学的知見と国際協調を基礎に、国民の生命と暮らしを守る体制を不断に強化します。
世界は今、大きな転換期を迎えています。各国が将来への投資を通じて、国民の暮らしと経済の基盤を確かなものとしようとしています。我が国もまた、その潮流の中で、日本と日本人の底力を信じ、国民一人一人が希望と誇りに満ちた国を次の世代へと引き継いでまいります。それは決して一時の人気取り、いわゆるポピュリズムではありません。国民の力、ピープルズパワーを日本の成長の原動力に変えていくという姿勢であります。政府は先頭に立って、そのための環境を整え、世界の変化を成長の機会として捉えながら、安心して暮らせる社会を築く責任を果たしてまいります。
この国には、必ず明るい未来があります。
国民の皆様、議員各位の御理解、御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
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○小寺裕雄君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、来る二十四日午後一時から本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます。
○議長(森英介君) 小寺裕雄君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森英介君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
本日は、これにて散会いたします。
午後三時三十二分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣 高市 早苗君
総務大臣 林 芳正君
法務大臣 平口 洋君
外務大臣 茂木 敏充君
財務大臣 片山さつき君
文部科学大臣 松本 洋平君
厚生労働大臣 上野賢一郎君
農林水産大臣 鈴木 憲和君
経済産業大臣 赤澤 亮正君
国土交通大臣 金子 恭之君
環境大臣 石原 宏高君
防衛大臣 小泉進次郎君
国務大臣 あかま二郎君
国務大臣 小野田紀美君
国務大臣 城内 実君
国務大臣 黄川田仁志君
国務大臣 木原 稔君
国務大臣 牧野たかお君
国務大臣 松本 尚君
出席内閣官房副長官
内閣官房副長官 尾崎 正直君

