第8号 令和8年4月24日(金曜日)
令和八年四月二十四日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 山下 貴司君
理事 安藤たかお君 理事 井出 庸生君
理事 鈴木 馨祐君 理事 中根 一幸君
理事 長谷川淳二君 理事 鳩山 二郎君
理事 後藤 祐一君 理事 浦野 靖人君
理事 森ようすけ君
伊藤 聡君 稲葉 大輔君
岩崎 比菜君 遠藤 寛明君
大空 幸星君 長田紘一郎君
鹿嶋 祐介君 金子 容三君
川崎ひでと君 河野 正美君
佐藤 主迪君 平 将明君
中田 宏君 平井 卓也君
平沢 勝栄君 文月 涼君
古川 直季君 丸尾なつ子君
村木 汀君 吉田 有理君
若山 慎司君 渡辺 博道君
大島 敦君 長妻 昭君
うるま譲司君 黒田 征樹君
西田 薫君 萩原 佳君
野村 美穂君 川 裕一郎君
小林 修平君 高山 聡史君
塩川 鉄也君 中村はやと君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 木原 稔君
国務大臣
(行政改革担当)
(国家公務員制度担当)
(サイバー安全保障担当) 松本 尚君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) あかま二郎君
国務大臣
(消費者及び食品安全担当)
(共生・共助担当) 黄川田仁志君
国務大臣
(日本成長戦略担当)
(スタートアップ担当)
(経済財政政策担当) 城内 実君
国務大臣
(宇宙政策担当)
(人工知能戦略担当) 小野田紀美君
内閣官房副長官 尾崎 正直君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 若山 慎司君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
環境大臣政務官 森下 千里君
国立国会図書館調査及び立法考査局社会労働調査室専門調査員 河合 美穂君
政府特別補佐人
(公正取引委員会委員長) 茶谷 栄治君
政府参考人
(内閣官房行政改革・効率化推進事務局次長) 上坊 勝則君
政府参考人
(内閣官房日本成長戦略本部事務局次長) 西海 重和君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 門松 貴君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 関口 祐司君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局人事政策統括官) 松本 敦司君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局人事政策統括官) 武藤 真郷君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 中澤 信吾君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 阿久澤 孝君
政府参考人
(内閣府民間資金等活用事業推進室長) 鈴木 貴典君
政府参考人
(内閣府孤独・孤立対策推進室室長代理) 南 順子君
政府参考人
(内閣府食品安全委員会事務局長) 中 裕伸君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 恒藤 晃君
政府参考人
(内閣府宇宙開発戦略推進事務局長) 風木 淳君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局官房審議官) 向井 康二君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 篠原 英樹君
政府参考人
(警察庁生活安全局長) 山田 好孝君
政府参考人
(警察庁刑事局長) 重松 弘教君
政府参考人
(金融庁総合政策局参事官) 大城 健司君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 坂越 健一君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 加藤 主税君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 三宅 史人君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 橋爪 淳君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官) 佐々木昌弘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 大隈 俊弥君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浅井 俊隆君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 松原 英憲君
政府参考人
(観光庁審議官) 田中 賢二君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 高城 亮君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 江原 康雄君
内閣委員会専門員 田中 仁君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 丸尾なつ子君
長田紘一郎君 稲葉 大輔君
金子 容三君 鹿嶋 祐介君
川崎ひでと君 遠藤 寛明君
文月 涼君 伊藤 聡君
渡辺 博道君 岩崎 比菜君
西田 薫君 うるま譲司君
高山 聡史君 小林 修平君
同日
辞任 補欠選任
伊藤 聡君 文月 涼君
稲葉 大輔君 長田紘一郎君
岩崎 比菜君 渡辺 博道君
遠藤 寛明君 川崎ひでと君
鹿嶋 祐介君 金子 容三君
丸尾なつ子君 大空 幸星君
うるま譲司君 萩原 佳君
小林 修平君 高山 聡史君
同日
辞任 補欠選任
萩原 佳君 西田 薫君
同日
理事井出庸生君同日理事辞任につき、その補欠として鳩山二郎君が理事に当選した。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○山下委員長 これより会議を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。
理事井出庸生君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。
それでは、理事に鳩山二郎君を指名いたします。
――――◇―――――
○山下委員長 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官門松貴君外二十九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
○大島委員 おはようございます。
私は、二〇二三年一月にチャットGPTに質問を放り込んだときに、一九九四年七月に幕張メッセで行われた日本で初めてのインターネット見本市を見たときと同じ衝撃を受けました、これで世界は変わると。
二〇二五年一月、人工知能学者から、私たち人工知能学者はしばしば予測を外す、五年先、十年先にできるだろうと考えてきたことが数か月後にはできてしまう、さらに、健康寿命も含めて人の寿命は百五十歳まで延びるとも聞きました。
私たちは、産業革命が始まろうとしている時代の転換期に立っています。この変化にどう応えるか、それが政治の役割と思うのです。
昨年の八月、安徽省の先端科学の展示場の入口の言葉です。科学技術が主導権を握らなければならず、科学技術こそが前進するただ一つの道です、改革する者だけが進歩することができ、革新する者だけが強くなることができ、改革と革新を共にする者だけが勝利することができる、習近平と書いてありました。
二〇二五年の九月三日、北京で行われた抗日戦争勝利八十周年の軍事パレードで、習近平氏、プーチン氏、金氏らが観覧席に向かう途中、マイクが会話を拾ったと報じられました。習近平氏が、今世紀中に人間は百五十歳まで生きられるようになるという予測があると応じたという報道を伺ったことがあります。
実は、百五十歳までと、この論文は、二〇二四年の十月に、アンソロピック社のダリオ・アモデイ氏のエッセーの中、AIはいかに世界をよりよく変えるかの中に一文があります。二十世紀に平均寿命はほぼ二倍になりました、ならば、圧縮された二十一世紀で再び二倍、百五十年というのは、トレンド上、不自然ではありませんという記載があって、習近平氏はこのダリオ・アモデイ氏のエッセーを読んでいるかもしれないんです。
アンソロピック社は、四月七日にミュトス・プレビューを発表するときに、ほとんどの権力者はまだ準備ができていないという話をしております。ようやく日本政府も動き始めたと考えておりまして、まず伺いたいのは、高度AIによるサイバー攻撃能力を政府は国家リスクとしてどう評価しているのか。
アンソロピック社のミュトス・プレビューは、脆弱性を発見するだけではなく、悪用可能な形まで自律的に構成し得る能力を示したとされています。こうしたAIがサイバー攻撃能力を持つ時代に入ったとの認識を持っているのか、我が国のAI基本計画、サイバーセキュリティ戦略、能動的サイバー防御の運用にどう反映するのか、政府の基本認識を伺いたいと思います。
○松本(尚)国務大臣 おはようございます。
アンソロピック社のクロード・ミュトスについてのお話でございます。
この新しいAIというか、これまで数週間から数か月かかっていたソフトウェアの脆弱性を、このミュトスというのは数分から数時間でつかまえられると。そうなりますと、これは、我々が持っているいろいろなソフトウェアというものの脆弱性があっという間に分かってしまって、パッチを当てて対処する以前、その前からもう既に攻撃をされてしまうということで、非常に大きな反響を及ぼしているというのがこのクロード・ミュトスの問題だと認識をしております。
これに限らず、AI技術というのは急速に進歩していまして、今、攻撃のスピードと規模が非常に大きくなっている、速くなっている。我々としてはこれに、今、政府としてどうだったという御質問ですけれども、かなり高い危機感を持って対応しなければいけないと思っております。
サイバーセキュリティ戦略においては、AIに係る安全性の確保と、それからAIを活用したサイバーセキュリティーの確保と、AIを悪用してそのように攻撃をしてくるものの対処の三つを大きくポイントとして挙げていますが、我々としては、このサイバーセキュリティ戦略に基づいて、AIを活用したサイバー対処能力の強化をしていかなければいけないと思います。
具体的に、AIを使って攻撃をしてくるんですから、AIを使って防御をするということも当然考えなきゃいけないと思いますし、そういったことを恐らくこれから軸にして我々も対応していく。国家サイバー統括室としては、そのための有識者会議を開いて、これに強力に、そして迅速に対応していきたいというふうに思っております。
○大島委員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。
昨日の賛成討論の中でも非連続という言葉を使いました。今のAIの研究者が述べているように、五年先、十年先にできてしまうことが数か月後にはできてしまうというスピードなので、そこに追いつくことが、あるいはそこを捉えることが政治でも必要だと思っています。
米国、大学での博士号の取得者数、二〇二三年、全体で五万七千八百六十二人、中国の方は六千五百五十二人、続いて、インド、韓国、イランが六百四十八人、バングラデシュ、台湾と続いて、日本は百十五人で、科学者の数が圧倒的に少ないです。イノベーションには言論の自由が前提かなと考えていたんですけれども、十四億人を有する中国は、活発な言論の自由がなくてもイノベーションが起きる領域にあるのかなと考えています。このスピードが圧倒的だと思っています。
その中で、おととし、ディープシークがインパクトを持って取り上げられました。当時のチャットGPTに匹敵するのではないかというエンジンを開発したと。そのときにCEOが、二〇二五年にインタビューに答えて、クローズドコードによってつくられる障壁は一時的なものだ、オープンソースと論文の公開で実際には何も失うものはない、技術者にとってフォローされることは非常に満足のいくことであり、実際、オープンソースは商業的というよりも文化的な行動だ、与えることは追加の名誉で、このような企業は文化的な魅力を持っていると語っております。彼は米国の留学は経験はないです。ですから、やはり、こういう国々と私たちが今あるという現状認識はしっかり持ちながら、サイバーあるいは国の安全保障は考えていかなければいけないと思っています。
それで、次に伺いたいのは、海外のAI企業の限定モデルに日本の政府、重要インフラはどうアクセスしていくのか。
ミュトス・プレビューは欧米の大企業や一部組織に限定提供されております。米国では十二社と承知をしておりまして、政府としては今後どのような対応を取っていくのか。このアンソロピック社、欧米の政府、関係企業と協議し、日本の重要インフラ防御に必要なアクセス、評価、監査、情報共有の仕組みを確保する考えはあるのか。やはり、このエンジンはまだ非公開ですので、我が国として早急に対応していかないと。私としては、日本としてはどのように対応していくかについて、御答弁をお願いします。
○松本(尚)国務大臣 委員御指摘の懸念というのは、我々も当然同じように共有していると思っております。
その上で、このアンソロピックのクロード・ミュトスは、今まだ委員おっしゃるとおり非公開で、大体、たしか四十ぐらいだったかな、米国の中の企業等々に出しているというふうに聞いております。それらを我々が提供していただけるか、あるいは、いただくように我々として交渉していくかというのはこれからの問題だというふうに思っていますけれども、あくまでもアンソロピックは個別の、民間企業でございますから、それに働きかけをするということ、政府がするということは、それが合理性なのか、正当なのかということも含めて評価をした上でということになろうかと思います。
ただ、のんびりしているわけにはいきませんので、国家サイバー統括室の方からいろいろと情報を収集しているところでございますが、そういった情報を公開しますと、逆に、ある意味、敵を利する、攻撃者を利することにもなりますので、詳細については、この場でお話しするということは控えなければいけないということは御了承いただきたいと思います。
いずれにしても、御懸念はそのとおりで、私も共有しているということで、しっかりと、できるだけ早い段階でこの問題についてどう対応するかは決定していきたいというふうに思っております。
○大島委員 今回の事例は、私、一時的なものだと思うの。今のスピードですと、米国と中国の差はそんなにないというのが皆さん、有識者の評価なので、半年先には追いついているかもしれないなと。このダリオ・アモデイ氏は、極めて抑制的に、攻撃には使用しない、しっかりと考えて経営されているので保てているんですけれども、半年後、一年後がまた違う環境に多分なっていると思う。
ですから、政府にお願いしたいのは、この環境にしっかり応えられることがまず必要かなと思っています。そのために、様々な情報を集めていただくこと、そして対応することが必要だと思いますので、よろしくお願いします。特に、金融機関だけではなくて重要な産業インフラもあるので、そこの脆弱性があらわになったときに、国として国民に対する、生命財産を守れないことになるものなので、そこは是非御検討をお願いをいたします。
引き続きまして、官房長官に。
高度AIの誕生など技術革新に合わせて、サイバー攻撃、防御の在り方が変わってきております。政府の情報システムについても、時代や技術の変化に合わせてセキュリティー対策の在り方を変化させていくことが重要ではないかと考えております。政府の情報システムの入札においては、契約相手のバックグラウンドをしっかり認識することが重要ではないかと考えております。
つまり、二つありまして。一つは、役所の中で使っている、多分Teamsだと思うんですけれども。私はLINEを使っていないんです。LINEが登場したときに情報が漏れるおそれがあると思ったものですから、今から十年以上前に、使っていない。その後、二回ほど、個人情報保護委員会から勧告を受けていると思うので、そういうようなことが必要で。ただ、私も、数年前まではスケジュール管理はアナログ化していたんですけれども、余りにも煩雑で、役所に伺ったら、Teamsを使っていると聞いたものですから、GAFAの軍門に下ってカレンダーソフトを使っているんですけれども、本当にいいかどうかといろいろと考えています。野党ですから、誰と会うかというのはそれほど重要ではないので大丈夫かとは思うんですけれども。
政府の基幹系のシステムが本当に今後の時代に耐えられるのか、あるいは、政府が様々なデジタルの入札をするときに、そのバックには外国の資本とか関係者、悪意を持った方がいるかどうかも含めて、もう一回総点検をしていただきたいと思いますので、官房長官の御答弁をお願いします。
○木原国務大臣 おはようございます。
政府機関は、内閣官房だけではなくて、それぞれの省庁が、いわばサイバー攻撃の標的となり得る、あるいはなっていると思います。そのやり方というのは日々巧妙化、そして高度化していると言えます。
政府は、そういった中で、昨年十二月に閣議決定されましたサイバーセキュリティ戦略に基づいて、これは、他の主体の模範となるべく、政府機関等におけるセキュリティー対策の強化を今図っているところであります。
それぞれ各省庁が情報システムを調達する際にも、委員が今御指摘のように、契約先の情報を確認することを徹底する、いわばバックグラウンドチェックをするなど、サプライチェーンリスクに適切に対応して、セキュリティーをしっかりと確保してまいりたい、そのような姿勢で臨んでおります。
○大島委員 今後なんですけれども、政府のシステムもスタンドアローン化した方がいいかもしれないと思っている。インターネットにつなげることがリスクがあるので、政府は別の回線で、多分防衛省は別の回線だと思うので、そうやって物理的に制御しないと多分防げない時代が来ているのかなと思うので、その点についても御検討していただければと思います。よろしくお願いします。
続きまして、準天頂衛星の運用と課題について担当大臣に伺いたいと思います。
準天頂衛星「みちびき」について、五号機喪失と七号機打ち上げ延期を踏まえ、現行五機体制でのサービスの継続、七機、十一機体制の構成、バックアップ強化策をどう見直すのかについてお願いします。
○風木政府参考人 令和八年度政府予算において、「みちびき」のみで測位が可能となる七機体制の整備、維持、さらに、バックアップ機能の強化や利用可能領域の拡大のため、十一機体制の構築に向けて、二号機、三号機、四号機の後継機、それから八号機、並びに地上設備の開発整備を進めるため、約百六十九億円を計上いたしております。なお、七年度補正予算約百七十一億円を合わせますと約三百四十億円となります。
「みちびき」五号機は喪失いたしましたが、現在、「みちびき」は五機で運用しておりまして、安定した高精度測位サービスは変わりなく提供しております。
今後、「みちびき」七号機を可能な限り早期に着実に打ち上げることに注力しまして、そして、バックアップ強化と十一機体制も視野に入れつつ、早期の七機体制の実現に向けて必要な工程と予算を検討してまいりたいと考えております。
○大島委員 この準天頂衛星「みちびき」は、私が与党の、内閣の部会長のときに宇宙の審議官が私のところに来て、この衛星の話を伺ったんです。瞬時に安全保障だと理解をしました。自国の航空機、艦船を自国の衛星で測位できないことは、これは独立国家として考えられないと思ったものですから、その観点から、部会を通し、当時の政府の皆さんにも御理解をいただいて、閣議決定で今に至っております。
御承知のとおり、こういう測位衛星を持っているのは、米国が最初、旧ソビエト、そして今のロシア、欧州、地域的にはインドと日本となっておりまして、中国のベイドゥ、北斗の導入は、私の記憶が正しければ、二〇〇三年のイラク戦争のときだったかな、米国のGPS衛星、若干、故意に測位を狂わせたと聞いているんですよ。それを踏まえ、自国でやはり測位が必要だということで、三十数機で全世界をカバーしているのが今の中国なんです。
我が国としては、極めて、皆さんの協力を得ながら、時の政府の皆さんの協力も得てここまで来ているので本当によかったなと思っていまして、その点につきまして大臣から応援の弁をいただければと思います。
○小野田国務大臣 委員からも応援のお言葉をいただき、大変頼もしく思っております。
我が国の衛星測位システムである準天頂衛星「みちびき」は、我が国の社会課題の解決、そして産業、経済の活性化、防災・減災、国土強靱化、さらには、委員御指摘の安全保障の面においても必要となる位置、時刻情報を提供する、デジタル社会における重要な基盤インフラであると考えております。
「みちびき」五号機を喪失したことを重く受け止めつつも、現在、「みちびき」五機で運用しておりまして、高精度測位サービスを変わりなく提供しています。
政府としては、現在、宇宙政策委員会の下にある衛星測位ワーキンググループや、日本成長戦略において議論している官民投資ロードマップ、こちらにおいても、今後の「みちびき」の開発加速、そして利活用の一層の促進等について議論を行っているところです。
まずは「みちびき」七号機を可能な限り早期に着実に打ち上げることに注力しまして、そして、「みちびき」のみで測位可能となる七機体制の早期構築、バックアップ強化等を実現する十一機体制の開発加速と、順次取組を推進してまいりたいと考えています。
○大島委員 先日も当委員会で述べたとおり、この「みちびき」と情報収集衛星が、二つが更新需要があるので、開発がどんどん進む、レベルが上がっていくと思っていて、大臣か、あるいは政府参考人に伺いたいのは、私、今の数センチ単位の測位をミリメーター単位にしたいということを提案をしているんです。
なぜかというと、測位イコール時間なので、正確な時間を測位できること、今、衛星の時間管理は、日本の衛星の数が少ないので外国によっています。ですから、ミリメーター単位だと、格子時計という、次、ワープしなければいけないので、そういう技術開発を是非お願いしたいので、御答弁ください。
○風木政府参考人 我が国の衛星測位システムである準天頂衛星システム「みちびき」は、GPSと互換性を有する衛星測位サービスのほかに、今御指摘のとおり、独自にサブメーター級あるいはセンチメートル級などの高精度測位サービスを提供しておりまして、現在、具体的には専用受信機により六センチメーター程度の精度を提供しております。また、安定性向上など、現在も性能改善を進めているところでございます。
委員御指摘のミリメーターとなりますと、この精度を目指すためには、現状においては、次世代の超高精度な時計の開発を始めとする測位誤差を最小化する上での課題があると考えておりまして、御指摘のとおり、海外の測位衛星に関する技術動向をしっかり見て、国内外のニーズも踏まえながら、御指摘いただいた事項にとどまらず、世界をリードできる衛星測位システムの実現を目指しまして、関係省庁、関係機関や民間企業と連携しながら、戦略的、継続的に検討してまいります。
○大島委員 時間を正確に計ることが産業インフラと考えています。
もう十年ぐらい前かな、東証に行ったことがありまして。当時、外国のファンドのサーバーは東証の近くにあると。ニューヨークには置けないんですって、光の速度には限界があるので。
ですから、時間を正確に計る、それを我が国が共有するということは重要な産業インフラなので、今回の「みちびき」をミリメーター単位を目指して開発することは我が国にとっての優位性につながると思うので、大臣、よろしくお願いします。
官房長官もよろしくお願いします。もう戻っていただいて結構ですので。ありがとうございます。
○山下委員長 では、官房長官は御退室されて結構です。
○大島委員 聞いていただいて、ありがとうございました。よろしくお願いします。
各大臣も大丈夫ですので。
今度は公正取引委員会委員長に質問をしたいと思うので、よろしくお願いします。
一言、じゃ、小野田大臣から決意を伺えればと思うので、よろしくお願いします。
○小野田国務大臣 本当に、それぞれの技術者の皆様が、更なる高度なものを造ってくれるように、頑張っておりますので、政府としてもしっかりとサポートしてまいりたいと思います。
○山下委員長 では、御退席されて結構です。
○大島委員 ありがとうございます。
公取の委員長とは、前は経済産業委員会でも御一緒させていただいて、ありがとうございます。
今年の一月から中小受託取引適正化法が施行になって、これは、与野党共に修正をして、四月を一月に変えたということで。
今週、地元の製造業の会社二社、一社は従業員数としては三十人に満たない会社、もう一社は十人に満たない会社を訪問しまして、伺いました。
今回、手形が廃止されていますよね。手形が廃止されておりますので、一社の方は、手形が廃止されたので、六十日間待たずに、すぐに振り込んでいただいたということを感謝をしておりまして、最初から振り込めるだけの余力があったら手形を使わなければよかったのにと思ったんですけれども、サラリーマンの購買担当としては、できるだけ六十日間の、低金利であっても金利を稼ぎたいので、わざわざ六十日後に手形を出していたのかなと認識をいたしまして。
もう一つは、今回、価格交渉とかにおいて、様々な交渉事において、発注先に対してあれこれ聞けるようになっていますよね、どうして価格交渉に応じていただけないか等の。
ですから、私、まだ二社しか訪問していないので。大きな会社は、今回、中小受託取引適正化法が施行される前であっても、おととしぐらいから、去年もそうですけれども、応じていただけました、大きな一部上場企業の会社は。
ただ、受発注の構造が重層的で、その重層的の一番深いところ、ティア3、ティア4、ティア5になってくるとなかなか難しいかもしれないので、その点について、公取として今後しっかりと聞き取り調査等を行ってほしいことと、私が伺った小さな十人以下の会社の経営者の方も、公取に電話して、こういうことになっているということを申し上げたそうなので、相談窓口の充実も是非お願いをいたします。
○茶谷政府特別補佐人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、本年一月一日に施行された改正下請法、いわゆる取適法では、新たに、協議に応じない一方的な代金決定や手形払いの禁止等が盛り込まれました。その効果として、公正取引委員会と中小企業庁が実施したヒアリングでは、事業者の方々から、資金繰りが改善した、価格交渉が進んだなどの声もいただいているところでございます。
公正取引委員会では、労務費転嫁指針の遵守状況等の価格転嫁の状況を把握するための大規模な書面調査を毎年実施し、同調査に基づき、違反行為の未然防止の観点から、注意喚起の文書等を行っているところであり、今後もこのような特別調査を継続していくこととしておりますし、様々な申告も受け付けることによって実態をしっかりと把握した上で、引き続き、違反行為には厳正に対処するとともに、周知、広報の取組を進めることで、適切な価格転嫁や取引の適正化が図られるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○大島委員 この中小受託取引適正化法はあくまで受発注の構造があったときのみなので、私の地元の花卉農家の方、なかなか、ホームセンター側の価格交渉、大変だと言うんですよ。今日はこれからもう時間がないので、是非次回に御答弁いただきたいんですけれども、独禁法の中では今回の取適法は特別法的な扱いなので、独禁法の中でもガイドラインを出していただいて、小さな花卉農家も含めて価格交渉ができるような体制を整えていただければと思いますので、時間となりましたので、大島の質問はここで終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、平将明君。
○平委員 自由民主党の平将明です。よろしくお願いします。
先ほど大島先生からもクロード・ミュトスの話をしていただきましたので、これは結構危機的な状況だと思いますので、今日は皆さんと、私の危機感と、あと、解決の方向性を共有をしたいと思います。私の配慮で今日は大臣を呼んでいませんけれども、皆さん、今日のことは確実に大臣に伝えて、できるだけ早く取り組んでいただきたい、そのように思います。
まず、サイバーセキュリティーでありますが、日本のサイバー安全保障、サイバーセキュリティーの分野においては、昨年、サイバー対処能力強化法、私が担当大臣でありましたが、成立をすることができ、さらに、内閣官房に国家サイバー統括室をつくって、今まさにその能力の構築、さらに、私からは同盟国、同志国との連携ということをお願いをしていると思いますが、これは法律ができてから今日まで順調に進んでいるのかどうか、その辺について政府から御報告をお願いします。
○関口政府参考人 お答えいたします。
サイバー対処能力強化法及び同整備法につきましては、昨年五月に公布され、これまでに、内閣サイバー官の設置、サイバーセキュリティ戦略本部の改組、機能強化などの規定の施行のほか、昨年十二月に官民連携の強化や通信情報の利用に係る基本方針を閣議決定いたしまして、本年四月一日にはサイバー通信情報監理委員会が設置されております。政府におきましてその事務を着実に遂行してきているところでございます。
現在、本年十月一日から施行します官民連携の強化や警察、自衛隊によるアクセス・無害化措置のほか、来年秋までの通信情報の利用の施行に向けまして組織体制の整備やシステムの導入などに取り組んでおりまして、引き続き、我が国のサイバー対処能力の強化に万全を期してまいります。
○平委員 この法律を作ったときは、一番の我々の問題意識はリビング・オフ・ザ・ランド攻撃にどう対処するか。DDoS攻撃とかランサムウェアとかあるんですが、要は、サーバーに侵入をして、侵入した痕跡を消して、いつでもサーバーを乗っ取れたり、侵入できる状況に置いてある。これは、ロシアの戦争においても、ウクライナの鉄道のサーバーに侵入して、その痕跡を消していたという事例がありました。
ここの、リビング・オフ・ザ・ランド攻撃に対する対処能力はこれからどんどん上がっていくと思うんですが、私も担当大臣をやっていて、三つぐらい大きな課題が残っているだろうというふうに思っていました。
それは、一つは、いわゆる基幹インフラ以外の大企業や中小企業への対応、さらには、認知戦に対する対応、さらには、いよいよ攻撃者がAIになってくると。これはもう何度か予算委員会でも内閣委員会でも私は指摘していますが、昨年、私、大臣でそこの答弁席に立っていたときは、今後、AIが攻撃してくると言っていたら、もう既に、今回のアンソロピックのいわゆるミュトスでは、もうAIがそういう攻撃、しかも更に高度な攻撃をしてくる時代に突入をした。もっと深刻なのは、米国や、そういった政府よりも、大国よりも、一企業がサイバー攻撃能力においてもう既に上回っている、そういう事象が生まれてきたということであります。
米国のアンソロピックのクロード・ミュトスは、自律型AIですね、それで数千件の脆弱性を瞬時に特定をし、攻撃を自動実行する。これはサイバー空間の非対称性を決定的に悪化させるわけですね。国家の根幹を揺るがす脅威であると思います、ある意味、有事と言ってもいいと思います。
米国は、プロジェクト・グラスウィングというプロジェクトを発足をさせ、AIによる自動修復体制の構築を急いでいるということでありますが、ベッセント財務長官が金融機関を呼んで、そして民間企業とともに、民間企業主導ですけれども、アンソロピックも入ってプロジェクト・グラスウィングを立ち上げたということであります。
先ほど大島先生も言っていましたが、金融は、すごい、もう一刻の猶予もないと思うし、併せて基幹インフラ事業者も守っていかなければいけないんだと思います。
まずは、米国の動きを見れば金融分野は極めて重要だと思いますが、今現状、金融庁はどういう認識をしているのか、答弁をお願いします。
○大城政府参考人 お答え申し上げます。
AI技術が急速に進展する中、サイバー攻撃にAIが活用されることで攻撃のスピード、規模が劇的に加速、拡大するなど、サイバーセキュリティーをめぐる脅威が高まっているところと認識をしてございます。
本件につきましては、片山財務・金融担当大臣が、先般、米国出張中に各国の財務大臣や中銀総裁と意見交換をされたところでございまして、その結果も踏まえ、金融庁に対してしっかりと対応するよう御指示をいただいておるところでございます。
それで、金融庁といたしましては、本件への対応といたしまして、まさに本日でございますが、午後に、三メガバンク、日本取引所グループ及び日本銀行などの関係者にお集まりをいただきまして、アンソロピック社による新AIモデルの開発を含め、AIの進展が今後もたらし得る変化や、金融分野における対応についての認識共有等を目的とする官民連携会議を開催する予定でございます。
今後とも、関係省庁や金融機関等と緊密に連携をしながら、必要な対応を適時適切に検討、実施してまいりたい、このように考えているところでございます。
○平委員 この問題が報道されてから、この委員会でもチームみらいの皆さんが数次にわたって質問をされていたと思います。我々も、その時点から、報道に接した時点から政府といろいろなやり取りをしていて、当時、片山財務大臣はワシントンにいたものですから、ワシントンでも米国政府の関係者と意見交換をしていると聞いています。今日、三メガ、日銀を入れてこれについてのいわゆる協議をすることになると思うんですが、是非迅速に進めていただきたいと思います。
米国のプロジェクト・グラスウィングというのは民間企業が主導なんですが、やはり日本は、ある程度、金融庁が音頭を取ってやる必要があるんだろうと思います。その上で、金融庁だけではできませんので、いわゆる国家サイバー統括室、NCOと、あと、AIセーフティ・インスティテュートとしっかり連携をしながら、日本に合った、日本版のプロジェクト・グラスウィングを組成をし、とにかく早めに、国民に対して不安の解消、また、金融機関に対する、いわゆる脆弱性の診断とパッチを当てる作業、さらには、日本の金融機関はすごいレイヤー構造になっているので、メガだけ押さえればいいという話じゃないので、そこに対する配慮も必要なんだと思いますので、金融庁、よろしくお願いをいたします。
AIセーフティ・インスティテュートというのをつくったんですよね。これは私が予算委員会で言って、当時の担当大臣は高市大臣でありました。アジアでAIセーフティーインスティテュートを初めてつくった国は日本です。ですから、そういった意味で非常に早く対応したし、今、経産省の下のIPAの下にAIセーフティ・インスティテュートがあります。
この問題が発覚したときに、片山さんはワシントンにいたんだけれども、AISIの村上明子所長は、ロンドンにいて、英国のAISIとの連携を取っていたというふうに聞いておりますが、AISIはこのミュトス問題をどのように認識をしているのか、お伺いしたいと思います。
○恒藤政府参考人 お答え申し上げます。
AIセーフティ・インスティテュート、AISIと呼んでございますが、におきましても、この件への対応の重要性は認識をしておりまして、情報収集等を積極的に行っているところでございます。
具体的に何をやっているか、詳細をつまびらかにすることは差し控えたいと思いますけれども、例えば、日本のAISIは、このクロード・ミュトスの評価に関しまして、イギリスのAISIとの情報交換を進めてきているところでございます。
今後とも、国家サイバー統括室を始めといたします関係省庁と密接に連携しながら、本件に係る対応を適切かつ迅速に進めてまいりたいと考えてございます。
○平委員 このAISIも、チャットGPTが出てきてから、世界でAIサミットがパリとかロンドンで開かれる中で、我々はAIセーフティ・インスティテュートというのをつくりましたが、英国は、多分三か月ぐらい早かったと思います、AIセーフティーインスティテュートをつくったんですが、これはAIの安全性の評価のみならず安全保障の問題だということになって、実は、英国は、AIセーフティーインスティテュートからAIセキュリティーインスティテュートに名前を変えているんですよね。
なので、これはまさにサイバー安全保障そのものでありますので、自民党から提言も出させていただいていますが、まずはAISIの機能強化、陣容の拡充、あと、給料の上限の問題がありましたので、自民党から提言をして、そこは解決をさせていただきましたので、ホワイトハッカーを積極的に採用していただきたいというふうに思います。
さらには、外国のAISIとの連携をするためにはやはり秘密情報を共有をして対応しなければいけないので、セキュリティークリアランスの世界にAISIも入ってきてもらわなければならない、そういうことだろうというふうに思います。
なので、是非、これは提言にも出してありますので、AISIの機能強化、そして保秘の世界にしっかり組み込んでいくということを政府として対応していただきたいと思っております。これは内閣官房が仕切ってやっていただければというふうに思います。
次に、先ほど、私が大臣時代に法律を担当させていただいてできたNCO、国家サイバー統括室でありますが、当然これは金融だけじゃなくて基幹インフラ事業者全体の問題にもなるわけで、基幹インフラ事業者のサーバーを守るのはまさにNCOの本来業務だというふうに思うんですね。なので、このNCOが今回のこのクロード・ミュトスの問題をどう評価しているのか、現状認識を教えてください。
○関口政府参考人 AI技術は急速に進展、普及してございまして、サイバー攻撃にAIが活用されることで攻撃のスピード、規模が劇的に増加するなど、サイバーセキュリティーにおける新たな脅威に直面している状況だと認識してございます。
その上で、委員から御指摘ございます、アンソロピック社のクロード・ミュトス・プレビューを始めといたしますフロンティアAIモデルによります脆弱性の発見、修正などのサイバーセキュリティー性能の急速な向上に関しましては、これに備えて、重要インフラ事業者や製品ベンダー等の迅速な対応を促していくことが非常に重要であると考えてございます。
こうした対応につきまして、私どもも欧州各国と意見交換を行ってございますけれども、各国も悩みながらその対応を検討しているところと承知しております。
こうした中、英国の関係当局は、セキュリティーアップデートの適用などの基本的なサイバーセキュリティー対策の実施が重要である旨の注意喚起を公表いたしております。私どもといたしましても、この点は非常に重要であると考えてございまして、関係省庁と連携をしながら、重要インフラ事業者等への対応を早急に検討してまいります。
また、委員御指摘のございました、サイバーセキュリティー性能の高いAIモデルへの対応に関しましては、AIを活用したサイバー対処能力強化の観点から、米国のビッグテックを含めまして関係企業と情報交換等をしていることは事実でございます。こうしたやり取りの内容は我が国のサイバー安全保障に関わる問題でございますけれども、これを踏まえまして、政府としてできることをしっかりと行うべく検討を進めてまいります。
○平委員 米国のプロジェクト・グラスウィングは、要は、まず金融が危ないということで、アンソロピックのミュトスを使って、既存の金融機関のサーバーの脆弱性を診断して、そこに脆弱性があればパッチを当てていくというプロジェクトなんですね。
それで、そこのプロジェクトには、AWS、アマゾンとか、マイクロソフトとか、かなり大手が入ってきて、多分それはプロジェクト・グラスウィングでパッチをはめられる、当てられると思うんですが、日本の基幹インフラ事業者はAWSとかじゃない場合がありますよね、いわゆる富士通とか、NTTとか、NECとか、それがプロジェクト・グラスウィングには入っていないんですね。
なので、日本独自の問題というのがあるので、全くまねをすればいいというものではないんですね。更に言うと、民間主導ではなくて、ある程度所管官庁が責任を持って、最先端のAIを使って評価をさせ、パッチを当てるということを迅速にやらなければいけない。
だから、今、各国政府は悩んでいるんだけれども、米国は取りあえずアンソロピックでやりましょうと決めたんです。
ただ、ここで問題は、アンソロピック、結構やらかす。何というんですかね、こんなのができちゃいました、なのでローンチを遅らせます、それでパッチを当てますというんだけれども、今までも、アンソロピックは、中国系のハッカーに蒸留されて、ガードレールを外されて、攻撃に使われるとか結構あるんですね。
この問題は、私はアンソロピックだけじゃないと思うんですよ。アンソロピックも、オープンAIも、グーグルも。なので、月曜日の自民党の、私の国家サイバーセキュリティ本部では、オープンAIもグーグルも呼びました。
なので、これは今後も起きてくる、それは、もし、アンソロピックに限らないという、連続的に多分こういう事象が起きていくときに、毎回あたふたしないで、ちゃんと対応する仕組みをつくっておかなきゃいけないと思うし、あと、AIの進化が激しいので、連続的な事象が想定されるんだけれども、非連続的な攻撃も出てくるわけですよね。
なので、これはアンソロピックとだけやっていてもよくないと思っていて、だから、アンソロピック、オープンAI、あとはグーグル、多分マイクロソフトなんかも入るんだと思いますが、そういう全体的なAIの事業者も入れる。さらには、先ほど申し上げた、日本独自のいわゆるオンプレサーバーとかレガシーシステムみたいなものの対応も考えていく必要があるんだろうというふうに思います。
そこで、私の提案は、まずは金融分野から始める。それは、米国はプロジェクト・グラスウィングだけれども、日本版プロジェクト・グラスウィング。しかしながら、ここはちゃんと金融庁が責任を持ってやり切る、片山財務大臣が責任を持ってやり切る。そして、NCOとAISIがしっかり連携をするというのが一つ。
さらには、基幹インフラ事業者を守るために、日本版の拡大版のプロジェクト・グラスウィングを組成する。その上で、ビッグテック、AIは入ってもらい、日本の事業者も入ってもらい、早急に、特に基幹インフラ事業者は、脆弱性診断をして、パッチを当てる。あとは、今後こういうような問題が出てきた際には、そのチームでちゃんと対応ができるようにする。そのときの司令塔はNCOだと思いますよ、間違いなくそれはNCO。
なので、今、直近にある問題の、金融についてのトラックと、全体的な日本のサイバーセキュリティー、AIの攻撃に対する強靱性、そういったツートラックを同時に走らせていく必要があるんだと思います。
その際に、やはり政治家の役割は、見合っちゃうんですよね、これは経産省の所管だからとか、これはAIだからAISIだよねとか、これはサイバー安全保障だからNCOだよねと。ここをぱちっと仕切って明確に指示を出す総合調整機能と、あとは政治家のリーダーシップが必要だと思います。
今日は、あえて尾崎官房副長官に指名で来ていただきましたので、その辺の決意も含めてお願いをいたします。
○尾崎内閣官房副長官 お答えをいたします。
AI技術が急速に進展、普及する中でのサイバーセキュリティー上の新たな脅威への対応は、政府としての喫緊の課題であり、緊張感を持って対応していく必要がある、そのように考えております。
英国の関係当局は、脆弱性の発見、修正等のサイバーセキュリティー性能の急速な向上に備えて、基本的なサイバーセキュリティー対策の実施等を促す注意喚起を公表しております。こうした諸外国の取組も参考にしつつ、関係省庁一体となって、重要インフラ事業者等への対応を早急に検討してまいりたいと考えております。
また、脆弱性の発見、修正等に関する対応に関しましても、米国ビッグテック等との情報交換も含め、政府としてできることをしっかり行うべく検討を進めてまいりたいと考えております。
このように、重要インフラ事業者等への対応と脆弱性の発見、修正等の取組の双方の観点から、政府全体での一体となった取組の具体化を緊張感を持って早急に進めてまいりたい、そのように考えております。
○平委員 サイバー対処能力強化法を作るときにかなり英国、あとオーストラリアの協力を得ました。その後、私、大臣時代に両国にお邪魔をして、サイバー安全保障分野での連携を強化をするということで、そのときからAIの脅威については話をしているので、今、特にオーストラリア、英国との連携は非常にうまくいっていると思います。
さらには、米国の最先端のAIの事業者、いわゆるアンソロピック、オープンAI社、グーグルも、自民党が主導してAIの政策をつくってきたこともあり、また、レギュレーションも、EUみたいなハードローでがちがちに固めないということの中で、実は自民党はこれらの三社と物すごくいい関係をつくっています。
なので、今回のクロード・ミュトスの件も、国によっては情報がほとんど得られないというような事象が起きている中で、実は我が国は、かなり的確に情報を収集をすることができ、さらにはそういったAI事業者とも連携ができているところであります。
そういうこともあるので、同盟国、同志国、さらには各国のAISI、ビッグテックと連携をして、やはり日本型の解決のスキームを出す。それがまた、世界のこの問題に対する対応、さらには今後起きてくるAIの事象に対して迅速に対応ができると思います。
大事なのは、私、プロジェクトに名前をつけることだと思うんですよね。米国はプロジェクト・グラスウィング。ああ、分かりやすいですねと。日本は、何となくやっているんだけれども、余りプロジェクト何とかとやらないので、野党の皆さんからは何もやっていないじゃないかと、国民の皆様は政府は大丈夫かとなるので、是非名前をつけてやっていただきたい、そのように思います。
この分野は、本来、サイバー安全保障の担当大臣、また政務三役のところだというふうに思います。それで、非常に進化も速いし、次から次へと新たな事象が起きるので、政府はここはやはりアンテナを高くやっていただく必要があると思います。
そういった意味では政務三役の中で一番デジタルに精通をしている川崎大臣政務官に来ていただきましたが、是非、政府は、その部署として、サイバー安全保障担当部局の政務として、今後も情報収集に努めて、早い段階で処方箋を出して対応をしていただきたい、政府を主導していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
フロンティアAIモデルによる脆弱性の発見、修正といったサイバーセキュリティー性能の急速な向上に備えた対応は、まさに委員御指摘のとおり、我が国のサイバー安全保障の確保の観点からも重要であり、国家サイバー統括室を中心に、各関係省庁とも連携しながら、緊張感を持って対応していく必要があると思います。
対応の内容については先ほど政府参考人が答弁をしたとおりですけれども、委員がおっしゃるように、政治家もしっかりとアンテナを高くしていく必要がございますので、担当政務として、私自身、リーダーシップを発揮して、国家サイバー統括室の司令塔機能を発揮し、重要インフラ事業者への対応と脆弱性の発見、修正等の取組の双方の観点から、政府全体での取組の具体化を早急に進めてまいります。
今日は、委員の御配慮を得、大臣は同席をしておりませんが、きちんと情報共有をさせていただきたいと思います。
○平委員 繰り返しですが、金融においては日本版グラスウィングをつくる。これは、金融庁が責任を持って、片山大臣が責任を持ってやる。もう一つは、重要インフラを守る、全体のエコシステムを守るために、NCOがヘッドで日本版の拡大版のグラスウィングをつくっていくということをお願いをして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、うるま譲司君。
○うるま委員 日本維新の会のうるま譲司です。
まずは、公共インフラにおける官民連携、PPP、PFIについてお伺いいたしたいと思います。
今後、地方自治体の担うインフラ事業では、金利上昇による支払い利息の増加による利益圧迫であったり、高度成長期の大量整備の一斉更新が問題になると見ておりまして、抜本的な経営改革を促すことも重要と考えますが、単なるコストカットではなく、民間のノウハウによって事業そのものの収益性を高め、財政負担を抑制するような手だてとしてどのようなものがあるのか、政府の見解をお伺いいたします。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
インフラ事業等の経営改善のためには、PFIや指定管理者制度を始めとする民間事業者との連携のほか、独立行政法人化、自治体間の広域連携、デジタル技術の活用など、様々な取組が考えられます。
特に、民間の資金や創意工夫を公共サービスに活用するPFI等の手法は、歳出の効率化のみならず、公共サービスの質の向上や民間の利益創出にも資する有効な手法であると考えてございます。
例えば、公営住宅や駐車場におきまして、施設の建て替えや集約化により生じる余剰地の活用なども含めまして、民間に整備、運営を担わせることで収益性や住民の利便性を向上させる取組が全国各地で行われるところでございまして、こうした取組の普及促進に努めてまいりたいと考えてございます。
○うるま委員 同時に、自治体では技術者不足も深刻になっておりまして、自治体単独で経営改革を進めるのには限界があるのではないかと見ております。
他方で、いわゆる仕様発注と呼ばれる、行政側がコストと業務内容を一方的に決める委託方式だけでは、この難局を乗り切るのは不十分ではないかと思っております。
行政が何をどうやるかまで決める従来の仕様発注のような手法から、民間の創意工夫を最大限に引き出す性能発注への転換を国として強力に後押しすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
施設整備等の要求水準を示し、達成方法を民間事業者に委ねる性能発注は、民間事業者の自由度が高まり、創意工夫やノウハウの活用がしやすくなることで、質の高い公共サービスを提供できるメリットがあると考えてございます。
一方で、施設の設計や使用する資材等を指定する仕様発注は、公共が必要とする施設やサービスの仕様が明確な場合に特に有効ではございますが、事業の規模や態様等を踏まえまして、民間の創意工夫を活用する方がより有利であるというふうに考えられる場合には、やはり性能発注を基本とするPFI等を優先的に検討する必要があると考えております。
このため、政府におきましては、公共施設の整備に当たりまして、PFI手法等の導入が適切かどうかを従来型手法に優先して検討する規程の準則となる指針を定めまして、これに基づき、自治体等に対して、優先的な検討を行う内部規程を定めるよう要請を行っているところでございます。
昨年、二十万人以上の自治体から五万人以上の自治体に規程の導入を求める自治体の範囲を拡大するなど、これまで順次対象を拡大しておりまして、引き続き、優先的検討規程の普及促進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○うるま委員 その上で、水の官民連携、いわゆるウォーターPPPで国交省が推進しているような取組は先進的であると考えております。
具体的にどのような成果が上がっていると見ているのか、伺いたいと思います。特に、複数の市町村が広域で連携したり、下水道と上水道をセットで民間に委託したりすることで生まれたスケールメリットによる効率化の成果についてお伺いしたいです。
○松原政府参考人 お答え申し上げます。
水の官民連携は、施設の維持管理と改築を長期かつ一体的に進められるため、地方公共団体、民間双方にとって事務負担が軽減されます。また、老朽化対策の効果的な実施やデジタル技術などの活用といった民間の創意工夫やノウハウ、専門人材の活用による効率的な事業運営、民間企業の雇用創出にも寄与すると考えております。
加えて、水道、下水道、工業用水道が一体となって委託されている宮城県の事例では、下水道の維持管理を行う人材が近隣の水道施設も担当するなど、三つの事業で別々に配置されていた人材の一体的な活用や監視制御機器の一体化による業務の効率化などが挙げられております。
また、本年四月からは、河内長野市と大阪狭山市において、全国で初めての広域型の共同発注による水の官民連携が新たにスタートしたところでございます。
国土交通省といたしましては、水の官民連携の推進が上下水道の持続性の向上や強靱化につながるよう、しっかり取り組んでまいります。
○うるま委員 水の官民連携では、長期契約、性能発注、維持管理と更新の一体マネジメント、そしてプロフィットシェアの四つの要素を要件とすることにより、効率的な維持管理、更新や事務負担の軽減等を実現しております。
こういったことをほかのインフラにおいてもしっかり展開して、PPP、PFIの導入を推進していく必要があると考えますが、政府の認識をお伺いいたします。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
事業手法の決定に当たりましては、公共施設等の管理者が客観的な評価を行い、これに基づき経済的、社会的に最適な事業手法が選択されることが適当であると認識をしてございます。
事業の手法の一つとして水の官民連携で用いられている手法が有効な場合も数多くあると考えられますが、他の分野でPPP、PFIを展開していく際には、各分野の事情やこれまでの取組状況等も踏まえまして最も効果的な手法を採用することが適切であると考えてございます。
いずれにいたしましても、様々な分野でより広くPPP、PFIの効果的な活用が推進されるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
○うるま委員 私、実は地元が大阪府の池田市と豊中市でして、大阪国際空港のあるところであります。
大阪国際空港は、関西国際空港と、二〇一一年、PFI法が制定されてからコンセッションが行われまして、そこから大阪国際空港は本当に大きく変わりました。単なる飛行機に乗るための空港というところから、おしゃれなレストランであったり子供の遊び場みたいなところがありまして、私もよく、飛行機に乗る目的以外の目的で、おいしいものを食べに行ったりだとか子供を遊びに連れていったりだとかで空港を利用しているような状況です。
そういったことを是非多くの公共インフラにおいて進めていただきたいと思うんですが、大阪で進めるに当たって実は一番ネックとなっておりましたのが、大阪国際空港の、空港のビルと駐車場を管理しているのが実は大阪府の外郭団体でありまして、そことの調整が非常に時間がかかったというか、大変であったという経緯があります。
このように、首長自体に強い意欲があっても、役所組織や外郭団体との調整により官民連携が頓挫していたり停滞するケースも多くあると思うんですけれども、国は今後そういった自治体に対してどういった伴走的な支援を考えているのか、お伺いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
現場の課題は非常に様々であるというふうに認識をしてございますが、PPP、PFI事業の一層の普及のためには、まずはその効果や具体的な手法等について十分な知識を備えていただくことが必要ではないかと考えてございます。
内閣府におきましては、全国各地に行政、金融機関、民間事業者等の関係者が集い、ノウハウの習得や情報の交換等を行う場として、地域プラットフォームの形成、運営を支援しているところでございます。
また、PPP、PFI事業に取り組む自治体等を支援するため、専門的知見、ノウハウ、経験を持つ専門家を派遣する制度も設けているところでございます。
さらに、令和六年五月にPFI推進機構に設置されました官民連携支援センターにおきまして、案件形成支援のため、ノウハウ不足等の課題を抱える自治体に対し企画、構想段階からの伴走支援を行っているところでございまして、官民連携の実現に向けて自治体の支援に努力してまいりたいと考えてございます。
○うるま委員 大阪国際空港と関西国際空港のコンセッションに当たっては、そういう外郭団体の会社をなくしてしまうような手続が大阪府議会で必要だったんですけれども、それをするに当たって、大阪府議会ではその直前に、議員の皆さんが議員定数削減であったり議員報酬のカットみたいな身を切る改革をやったことで、府民の皆さんから理解を得ながら、会社を消された人たちは多分理解はしていないと思いますけれども、できたというところもちょっと言及させていただきたいと思います。
関空と伊丹のコンセッションに当たっては、オリックス社がフランスのバンシ・エアポートとタッグを組んでやっているところであります。これは単なる資金調達だけではなく、世界的に大きなPPPの会社であるバンシ・エアポートから運営ノウハウをオリックスが吸収するという戦略的側面もあると聞いております。
日本のインフラを日本の企業が担い、さらには海外へ展開していくためには、国内企業のPPP習熟度を底上げすることが必要だと思っております。その上で、我が国におけるPPPをどのように推進していくかということについて、改めてお伺いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
諸外国においても公共サービスにおける官民連携が広く普及していると承知してございまして、これらの国における手法を学ぶことは、国内企業の知見を高める上でも有効であると考えてございます。
また、新興国、途上国においてPPPへの期待が高まってございまして、モンゴルの空港コンセッション事業やカンボジアの水道事業など、日本の国内企業が参入されているものも出てきているところと承知をしてございます。
このような官民連携事業に精通した民間企業が増えるよう、政府の目標や関連施策等を定めましたアクションプランに基づきまして様々な施策を推進することで、PPP、PFI事業の普及促進に努めてまいりたいと考えてございます。
○うるま委員 PFIや官民連携については、地方自治体や住民に正しい情報を伝え、正しく使いこなしてもらうことが重要だと思いますが、どのような対応をしているかということについてお伺いしたいと思います。また、公共の関与や監視が継続される仕組みを分かりやすく伝え、国民の理解を得ることこそが重要だと考えますが、黄川田大臣の御所見をお伺いいたします。
○黄川田国務大臣 うるま委員を始め維新の議員の皆様には、PFIを活用して、民間の活力を生かして様々な仕組みを変えていったり動かしていったり、その熱意を日頃伺っております。
御指摘のように、PPP、PFIの推進に当たりまして、公共の役割について分かりやすく周知し、国民の理解を得ることは大変重要だと認識しております。
我が国のPFI事業は、公共が事業期間全般にわたって民間の事業者の運営をモニタリングし、事業の最終的な責任を負うものでありまして、民間に任せ切りにするものではありません。例えば、利用料金を民間が徴収する場合でも、上限、幅などを国や地方公共団体が定め、公共と民間が役割を分担しつつ効果的な事業運営を図るものでございます。
この点について、これまでも、各種セミナーの開催や地方公共団体が設置する地域プラットフォーム等の場を活用して丁寧に説明を行ってまいりました。また、内閣府のホームページにおいて広く周知しておりまして、民間の資金や創意工夫を適切に活用することによる効果と併せて、より一層の周知に努めてまいりたいと考えております。
○うるま委員 是非よろしくお願いいたします。
関空、伊丹コンセッションでも、定期的に公共の監視だったりそういった審査が行われて、それが分かりやすく府民の皆さんに説明されているところであります。是非よろしくお願いいたします。
続きまして、大阪・関西万博についてお伺いしたいと思います。
大阪・関西万博、これを一過性のイベントとして終わらせるのではなくて、世界と共有した新しい技術や価値観をこれから日本や世界のために使っていくことが重要だと思っております。
昨年の万博では、人類共通の課題について話し合う場として、テーマウィークというものが設定されておりました。世界平和であったり、サステーナビリティーであったり、そういったことに関して世界の皆さんと一緒に話し合う場というものがあったということであります。その成果と今後の展開についてお伺いしたいと思います。
○浅井政府参考人 お答えいたします。
昨年開催されました大阪・関西万博では、前回のドバイ万博に引き続きまして、今委員御指摘のありましたテーマウィークが実施されまして、人類共通の課題として八つのテーマ、具体的に申し上げますと、未来のコミュニティとモビリティ、食と暮らしの未来、健康とウェルビーイング、平和と人権といった八つのテーマが設定されまして、これと関連する様々な会議やイベントが行われたところでございます。
具体的な実績を申し上げますと、この会期を通じまして、合計四百二十九回のプログラムが実施されまして、国内外の最先端の有識者を含む二千六百五十三名の方々が登壇をされました。リアル、バーチャルを含めて約七百万人の参加をいただきまして、多様な価値観についての活発な対話がなされたものと承知しております。
今委員の御指摘ありましたように、こうした成果を一過性のものとはしないように、レガシーとして継承していくことが大変重要でございます。そのため、現在、経済産業大臣の下に昨年十二月に設置をいたしました成果検証委員会におきまして、レガシー展開の取組について議論が進められております。来週の二十七日に報告書案が審議される予定となってございます。
これまでの議論では、万博の理念の継承につきまして、方向性が示されております。具体的には、例えば、万博を契機として新たな理念や価値を創造した活動を、一過性のものとはせず、更にアップデートを加えながら継続していくこと、子供たちなどの将来世代や来場することができなかった方々にもそうした活動を体験していただける機会をつくっていくこと、横浜グリーンエクスポ、ベオグラード博、リヤド博といった次期以降の万博にも理念を引き継いで国際的に発信をしていくこと、こういった方向性が示されているところでございます。
引き続き、開催地の大阪・関西を始めとして、関係者の皆様ともしっかりと連携をして取り組んでまいります。
○うるま委員 ありがとうございます。
テーマウィークで世界と共有した価値観であったり議論したことについて、これを、会場に来ていない子供たちだったり、そういった人たちにもこれから共有していく。これは日本のためにとっても非常に重要なことだと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。
次に、その万博会場で、今、建設も始まっておりますIRについてお伺いしたいと思います。
IRの文化芸術、スポーツの振興についてお伺いしたいと思います。
文化や芸術、スポーツの発展には、これまで世界の歴史を振り返ってみると、パトロンの存在というものが不可欠であったと思っております。ルネサンスの時期であればメディチ家であったり、アメリカであればカーネギー・ホールはカーネギー財団が支えているということでありまして、強力なお金の出し手が文化やスポーツ、芸術の振興につながっていると思っております。
現代においては、このIRにおいては、カジノの上客、お金を持っているお客さんがあらゆる興行のいい席を買ってくれたりするので、いろんな文化だったりスポーツだったり芸術の興行が開きやすいという側面があります。
例えば、ラスベガスでは、本当にファイトマネーが数百億円のプロボクシングの試合があったりとか、そういうこともあったりとか、クラブのところでは、世界の有名なアーティストが毎晩のようにコンサートを開いている。これも、カジノのいわゆる上客のような人たちが、お金を持っているお客さんが必ずいい席を買ってくれるからできるようなことだと思っております。
現代における文化芸術、スポーツのパトロンのような存在がIRだと思っているんですけれども、その点、政府にお伺いしたいと思います。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
我が国のIRは、カジノだけでなく、MICE施設、ホテル、家族で楽しめるエンターテインメント施設、伝統、文化や芸術などの日本ならではの魅力の発信や国内各地への送客を図る施設などが一体となって整備され、国内外から多くの観光客を呼び込む滞在型観光の拠点となるものであります。
また、IR整備法では、IR事業者からの納付金収入、これはカジノの収益の三〇%でございますが、この使途につきまして、観光振興のほか、地域経済の振興、社会福祉の増進、文化芸術の振興などに関する各施策に充てることとされています。
このため、IRの整備につきましては、主に観光立国の実現に向けた施策である一方で、委員御指摘の文化芸術やスポーツの振興についてもIR施設自体が大いに貢献するとともに、IR事業者からの納付金収入を活用した様々な関連施策が実施されることが期待されるものでございます。
その上で、大阪のIR区域整備計画におきましては、IR事業者におきまして、カジノ事業の収益をIR施設の魅力向上やコンテンツの追加などに再投資していくとともに、大阪府市の納付金等の具体的な使途につきましても、文化芸術の振興に関する施策が明記されているところでございます。
国土交通省といたしましては、委員御指摘のIRを通じた文化芸術やスポーツの振興の観点も含めまして、引き続き、大阪IRの区域整備計画の実施状況について十分確認してまいります。
以上でございます。
○うるま委員 私自身も、IRを通じて、文化、スポーツ、芸術の振興にしっかり努めてまいりたいと思います。
過去、IRをめぐる汚職事件というものもありました。公職者が逮捕され、国民の信頼を大きく損ねた経緯があります。IR事業は莫大な利権が絡むため、行政と事業者、公職者の接触には極めて高い透明性が求められます。
大阪府市のIR推進局においては、特に公職者等から特定の事業者に係る要望、いわゆる口利きを受けた場合は、記録を作成するとともに、三か月ごとにインターネットで公開するという徹底した透明化の仕組みを運用しているところであります。
一方で、国においても接触ルールを定めていると聞いておりますけれども、どのような踏み込んだ透明化がなされているのか、その実効性をお伺いしたいと思います。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、国及び都道府県等におきましては、民間事業者がIR事業者に選定されることを目指した働きかけなどに対しまして、収賄等の不正行為を防止するとともに、公平性及び透明性の確保を徹底しなければならないと考えております。
このため、IR整備法の基本方針におきましては、IR事業者などと接触するに当たり、面談は原則として庁舎内において複数の職員等により対応すること、面談において特定のIR事業者が不当に有利又は不利になることにつながる行為をしないこと、面談の記録を作成し一定の期間保存することなどの内容を盛り込んだ接触ルールを関係省庁において策定するよう求めており、この方針に基づきまして、IR推進本部、国土交通省及びカジノ管理委員会において具体的な接触ルールが策定されております。
また、委員御指摘のとおり、大阪府におきましては、公職者等からの特定の事業者に係る要望などを受けた場合には、記録を作成し、保存するとともに、定期的に公表することとされているものと承知しております。
国におきましては、公職者も含めまして、IR事業者等の意向を受けて要望等を行う者については接触ルールの対象といたしまして、面談記録の作成、保存や情報公開法に基づく開示請求に対応するということとしておりまして、これによりまして公平性と透明性の確保を図っているところでございます。
○うるま委員 特に、開業後もこういった透明性の確保は必要だと思いますので、しっかりお願いいたしたいと思います。
それでは、時間になりましたので、これで終了させていただきます。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 長妻昭です。よろしくお願いをいたします。
今日は、国家公務員制度担当の松本大臣も来ていただいております。
非正規雇用について、まず質問させていただきたいと思います。
日本の私は最大の問題の一つが、雇用の不安定化。つまり、非正規雇用をどんどんどんどん野方図に増やしてしまった。そして、そういう方々は、年とともにお給料が上がらずに、老後も大変な今不安に見舞われている。
一九九〇年代に、経団連の前身の経済団体が、雇用のポートフォリオ論、柔軟型雇用というレポートを出しました。つまり、企業が業績が悪くなったときに人件費が重荷になるから、それをすぐに解雇できる、そういう便利な社員をいっぱいつくるということが国際競争力を高めることだ、そしてまた景気がよくなったらそういう社員をぱっと雇う、こういうようなことをレポートとして出した。そして、自民党が飛びついて、労働法制をどんどんどんどん緩めていった。労働法制は岩盤規制だと言った総理大臣もおられます。それで、日本の雇用がこれほどまでに劣化した。私は、戦後の自民党の失政の大きな一つがこの問題だというふうに思っています。今や、働く人の四割が非正規雇用になっておられるということです。
それに実は追随をして、国家公務員も非正規雇用をどんどんどんどん増やしている。例えば、省庁によっては半分以上が非正規雇用、契約職員という省庁もありますし、安定雇用をつかさどるハローワークにおいては六割を超える人が非正規公務員、契約職員、こういう、相当雇用が劣化をしているということであります。
そこで、まず厚労省にお伺いしますけれども、今、民間に対して正規職員を増やすための施策というのはやっておりますでしょうか。
○大隈政府参考人 お答えいたします。
非正規雇用労働者の方々の希望に応じた正社員への転換を推進することは重要であると考えております。
このため、パートタイム・有期雇用労働法第十三条では、非正規雇用労働者について、通常の労働者への転換を推進するために事業主が講じなければならない措置を規定しておりまして、具体的には、通常の労働者の募集を行う場合の周知、通常の労働者の配置を新たに行う場合の希望を申し出る機会の付与、一定の資格を有する者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けることなどの措置のうち、いずれかの措置を講じなければならないとされております。
また、厚生労働省といたしましては、非正規雇用労働者を正社員に転換した事業主に対するキャリアアップ助成金による支援などを行っておりまして、引き続き、非正規雇用労働者の方々の希望に応じた働き方の実現に向けた取組を進めてまいります。
○長妻委員 今るる答弁していただいたとおり、民間に対しては、あの手この手で非正規雇用から正社員に転換する、そして正社員を多く採用してほしい、その比率を高める、こういう取組を相当、陰に陽に強く働きかけ、法律まであるんですね。ところが、国家公務員や地方公務員は、相当、非正規比率が民間平均よりも高い部門もたくさんあるわけで、そこは手つかずになっているわけでございます。
これは、地方公務員について調べていただきました。一ページでありますけれども、これは初めてこういう資料が出るんだと思いますが、最新のものであります。東京二十三区の、区の職員の中に占める非正規雇用、契約職員の比率ですけれども、例えば四割前後になっているのが、相当高い、文京区、荒川区、あるいは葛飾区というものもあります。
これはちょっと統計の取り方が、かなり絞って取っているので、私が知っている区の区長さんとお話ししたところ、半分以上がうちはもう非正規職員になっている、こういうようなこともおっしゃる方がおられるわけですね。
そこで、今日は総務省に来ていただいておりますけれども、例えば地方公務員における非正規雇用、比率がどんどん上がっておりますし、相当高い、自治体によってはありますけれども、こういう公務員の非正規雇用も、やはり比率を減らして正規職員を増やす、こういう方針がもちろんありますよね。
○加藤政府参考人 地方公務員としての個々の職にどのような職員を任用するかにつきましては、各自治体において、対象となる職務の内容や責任などに応じて適切な任用制度を選択していただくべきものでございます。各自治体がこれらの要素を考慮の上、それぞれの責任で、必要な行政サービスを提供できる体制を確保していただくことが重要であると考えております。
もっとも、非常勤職員を常勤職員として任用するには、地方公務員法に基づき、採用試験などにより、常勤職員としての能力の実証を行う必要がございます。
こうした状況も踏まえまして、総務省では、政府方針に基づきまして、能力実証を経た会計年度任用職員の常勤化に資する事例集、これを昨年九月に取りまとめまして、各自治体への普及促進などを図っているというところでございます。
○長妻委員 そうすると、総務省にお伺いしますが、正規職員を増やす、こういう方針がある、そしてそれを地方自治体にお願いをしていくということは間違いないですね。
○加藤政府参考人 正規職員を直ちに増やすというふうなことではございません。
それぞれの団体でどのくらいの公務員、定数、ただ、その中におきまして、会計年度任用職員、非常勤職員の中にも、常勤職員として十分にこなしていける方がいらっしゃる、そういうふうな場合もある。あるいは、会計年度任用職員を雇用する中でそういう方もいらっしゃるという中で、そういう方につきましては、能力実証を経た上で公務員化できる。そういうふうな形について普及促進を図っているというところでございます。
○長妻委員 普及促進を図るというのは、だから、正規職員を増やす、こういう方針があるのかどうかということなんですよ。私は、ないと聞いているんです。
○加藤政府参考人 方針というふうなことでございますれば、そこまでのものはございません。
○長妻委員 松本国家公務員制度担当大臣に来ていただいておりますけれども、国の省庁も含めて、半分以上が非正規職員の省庁もあるんですね。民間平均も超えているということで。
そして、実は、先ほど申し上げた、民間に対しては正社員化、正社員を増やしてくださいという法律の中に、二十九条に、国家公務員や地方公務員は除外しますという条文が入っているんですよね。あえて除外をしているわけで。でも、私は、この条文も削除してほしいと思うんですが。民間には増やせ、増やせと言って、模範となる自分たちはそういう方針はない。国家公務員にもないというのは、今月、松本大臣に質問したときに御答弁いただきました。
そこで、是非、松本大臣に前向きな御答弁をいただきたいんですが、やはり公務員も、どう考えても、安定雇用と不安定雇用だったら安定雇用を推進する、これはもう公務員だろうが民間だろうが当たり前のことだと思うんですよね。公務員も例外でなくて、不安定雇用よりも安定雇用を推進するんだ、こういうようなことを是非御答弁いただきたいと思います。
○松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。
委員御指摘の点は、非常によく、その懸念の部分はよく理解をするところであります。
前回もお話ししたと思いますが、各府省庁のいろいろな多様な働き方があって、それに合わせて雇用していく必要が一点あるのと、それから、それを我々としては、いろいろな機会を通して門戸を広く出しているということは御理解いただきたいと思います。
ただ、その門戸を広く出すときに、ペーパー試験があったりあるいは選考試験があったり、試験がある以上は、何か枠をはめてこうしなければならないということはなかなか難しい。なぜならば、試験にクリアできない人までを入れて数を確保するというやり方は、公務員のありようとしては不適切だろうと思うからであります。
一方で、安定的に国家公務員を雇用するということは、これは民間でも国でも地方自治でも同じことだろうと思いますから、それについては前向きに検討はしていかなければいけないと思います。
前提としては、ずっと公務員の数を減らされてきたところに多少問題があると思います。ここ数年というか、しばらくの間少しずつは増えていますけれども、やはり、正規雇用を増やす意味では、定員をいかに増やしていくかという議論を、是非、国会の中でもやっていただきたい。
その中で、我々は、正規雇用を増やしていくということであれば、優秀な人たちをちゃんと我々国家公務員の中に入れていくということは、これは国全体の利益に資することだと思いますので、その辺りのところは、是非、立法府の中でも御議論をいただきたいというふうに思っております。
○長妻委員 ありがとうございます。少し前向きな御答弁をいただきました。
これで松本大臣はお帰りいただいて結構です。ありがとうございます。
○山下委員長 松本大臣は御退席されて結構です。
○長妻委員 そして、先週、日本で孤立死の年間の人数が発表されました。これは、私が国会で、孤立死の人数の調査、日本には全くないので、おかしいんじゃないのかということでやっていただいて、今回二年目ということになりました。
その中で、新たなデータをお示しをいただきました。四ページでありますけれども、孤立死率というのを出していただきました。人口に占める孤立死の割合、孤立死率ということを初めてこれは出していただいたんです。
四ページ目を見ますと、孤立死率が全体でいうと八十歳から下がってくるんですね、なぜか。女性の場合だけ取ると、八十五歳から下がってくるんですね、八十五歳以上から。これはどういうことか、分かりますか。
○南政府参考人 お答えいたします。
御質問について、孤立死者数の推計値における年代差の理由を一概にお答えすることは困難でありますけれども、他の統計等から推測できることを申し上げますと、一般に、八十歳を超えた御高齢の方では、単身での生活が難しくなり老人ホーム等へ入居される方が急に増えること、あるいは、訪問介護やヘルパーなどの介護サービスを利用する方が増えることなどに伴って、人口に占める孤立死者数の割合が減少する傾向になっているのではないかというふうに推測をされるところであります。
○長妻委員 なるほどと思います。
やはり、お年になって介護を受けると、家にホームヘルパーさんが来られたり、施設に入って、周りに見守る人ができてくる。ただ、そこを受けていない、前の段階だと、孤立死のリスクというのが高いということがここから見えてくる。
そして、もう一つ。このデータ、孤立死率を見てみますと、四十五歳から五十九歳までは倍、倍、倍、倍と、孤立死率が倍増しているんですね、どんどん。この年代が急に勾配が強くなっている。これはどうしてか、お分かりですか。
○南政府参考人 お答えいたします。
こちらにつきましても、年代差の理由を一概にお答えすることは困難ということを申し上げた上で、他の統計等により推測できることを申し上げれば、例えば、厚生労働省の人口動態調査によれば、最新の令和六年の結果で見ますと、死亡者と世代人口を比較した場合に、世代人口に占める死亡者数の割合が四十歳代からかなり上昇しているという傾向が見られまして、こうしたことが御指摘の増加率に影響しているものではないかというふうには推測されるところでございます。
○長妻委員 この年代だと、恐らく、突然死の方々もおられるかもしれない、入院を経ずに不測の事態でお亡くなりになる方々ということもあるのかもしれないということで、是非この数字も分析していただきたいと思うんです。
この五ページですね、国会図書館に、孤立死の原因について、いろいろな有識者の方々の分析を一覧にしていただきました。
これを見てみますと、一つは、孤立死の本質は貧困死であるとおっしゃる学者の方もおられます。餓死が多いのではないかということで、格差が大きい中、貧困の中でお亡くなりになる。と同時に、低所得者層が孤立死の中では多い傾向がある。後期高齢者よりも前期高齢者に多い、先ほどの孤立死率とも符合するわけでございます。この貧困死という問題。
もう一つは、セルフネグレクトという問題。これを私は緩慢なる自殺というふうにも申し上げたことがあるんですけれども、余りにも生活が苦しいので、自分は重い病気だとは思うけれども、お金もないので、医者にかからずに、このまま死ぬんだったら死んでいいかなということで御自宅におられる等々、セルフネグレクトの要素というのもある。
もう一つは、自殺ということがある。孤立死における若年、壮年層の自殺割合が多いという分析もあります。
こういうことで、貧困死、セルフネグレクト、自殺という三つのポイントがあるというふうに思います。
ところが、六ページ目、政府の対策、孤立死予防に対する対策の例というのを出していただきましたが、非常に何か表面的なんですよね。相談を充実しましょうとか、支援をしましょうとか、住居支援しましょうとか、見守りしましょうとかね。ちょっと表面的なんですよ。
というのは、やはり政府と議論していますと感じますのは、本当に、どういうルートで、どういう経路で孤立死に至るのかというのが十分把握されていないというふうに私は言わざるを得ないと思うんですね。
是非、政府にお願いしたいのは、大臣にお願いしたい、黄川田大臣が御担当ですので。数字は出していただきました、人数は。これはありがたいことなんですが、孤立死がどういう経路で、どういう形でそこに至るのか。
自殺対策では政府はやっていただいているんです、どういう経路で自殺に至るのか。そして、予防もいろいろゲートキーパーを含めてやっていただきましたので、孤立死についても同じように、その経路、どういうルートが多いのか、それを是非、調査、御検討いただきたいと思うんですが、いかがですか。
○黄川田国務大臣 生前において社会とのつながりを失い、孤立死に至らないよう、社会から孤立する方を一人でも減らしていくために何ができるのか、不断に検討していくことが必要であると認識しております。
政府においても、各地域における具体的な孤立死の事例を把握していくことも必要であると考えておりまして、地方自治体や現場の方々からのヒアリングにも取り組んできているところでございます。
こうした手段により、更に実態把握を努め、引き続き、関係省庁や地方自治体、NPO等と緊密に連携しながら、孤立死を予防するという観点も踏まえまして、改定した重点計画に基づきまして、つながりづくりを始めとする様々な取組を総合的に推進してまいりたいというふうに考えております。
○長妻委員 前回もそうなんですけれども、何か、原稿をもちろん読んでいただくのはいいんですが、質問に答える答えをしていただきたいんですよ。
経路ですね、どういうふうに孤立死に至るのか。例えば、失業があって、こうなって、こうなってというような、多いルートというのがあるわけですよ。そういうのを分析して調査しませんかということを言っているんです。
○黄川田国務大臣 ですから、今申し上げているとおり、現場の声をヒアリングをして、そういうものもいろいろ聞いてきているところでございます。(長妻委員「ヒアリングじゃない、ルート。どういうふうにそうなるのか」と呼ぶ)ええ。だから、その聞くことによって、様々な、今三つの過程を述べられておりますけれども、そういうところも見えてきて、それぞれの対策を行うというところだというふうに私は考えております。
○長妻委員 自民党から分かりやすいというふうに言いましたけれども、全然分かりにくいと思いますよ。駄目だって。検討でもいいんですけれども、ルートのことなんですよ。自殺対策ではそれをやっているわけですよね。お分かりになっているんですかね。
例えば、こういうことが二つ三つ重なって孤立死に至った、じゃ、孤立死に至った方がどういうふうな形で、全部調査するのは難しいですよ、サンプル調査をして、こうあって、こうあって、こうあって、その方はこうなった、そういう調査はしていないわけですよ。それを検討願えますかと言っているんですよ。別に大臣を責めているんじゃないですよ。
是非、大臣、前向きに検討するとおっしゃっていただきたい。
○黄川田国務大臣 申し上げておりますけれども、経路も含めて、地方自治体や現場の方々からのヒアリングや、有識者から助言などをいただくなどをして、各地域における具体的な孤立死の事例を把握してまいりたいと考えております。
○長妻委員 把握してまいりたいと。
これは、役所に聞きますと、経路調査は一切していないというふうにおっしゃっているので、これから、今、少し前向きの答弁がありましたので、是非お願いします。
そして、食の安全について、前回に引き続いて質問をさせていただきたいと思います。
私は、食の安全にこの間取り組んでまいりましたけれども、日本は、先進国では、食の安全についての対策が最低レベルの国だと言わざるを得ないんです。
ヨーロッパ諸国は予防原則というのを取っていまして、疑わしきは罰すという原則なんですね。ところが日本は、疑わしきは罰せず。もちろん、刑事事件なんかではそれはいいんですけれども。ただ、食の安全については、疑わしきは罰す、こういう方針で世界は、先進国は進んでいるにもかかわらず、日本は遅い、そしてやらないということがあります。
今回質問させていただくのはトランス脂肪酸についてなんですが、前回に引き続いてですね。食の安全というのは、日本においては、はやり廃りみたいなのがあって、週刊誌が集中的に報道すると、わあっと盛り上がる。トランス脂肪酸も、二〇二〇年、ちょっと前に盛り上がって、しかし、盛り上がったけれども何にも変わらない。で、もう忘れてしまう。状況は変わっていないんですね。ただ、一部メーカーが少しトランス脂肪酸の含有量を減らすという努力は自主的にされているというのは聞いていますけれども、実態として、政府の規制とか安全評価は何にも変わらないということなんです。
前回の私の質問に対して黄川田大臣は、食品安全委員会担当大臣でもありますけれども、こういうふうにおっしゃいました。トランス脂肪酸については、冠動脈疾患の発症の増加の可能性、妊産婦、胎児等への健康への影響の関連が認められたということで、WHOもその摂取を規制値を出しておりますが、日本は規制も表示義務も何にもないということであります。
そこで、今日、国会図書館に最新のWHOの動向を調べていただきましたので、まず、WHOは最新の方針ではトランス脂肪酸についてはどんなことを言っていますか。
○河合国立国会図書館専門調査員 お答えいたします。
WHOは、二〇二四年に策定した事業計画の成果指標の一つとして、食品からトランス脂肪酸を排除し、ナトリウムと糖類の摂取量を削減するための国家政策を実施している国の数を掲げているなど、トランス脂肪酸を食品から排除する方針を取っております。
以上でございます。
○長妻委員 今聞いていただいたように、二〇二四年に策定した計画ですね。最近の策定で、トランス脂肪酸を食品から排除する方針を取っているということであります。
そして、この資料の七ページ、世界地図が色分けされているものでございますけれども、これもWHOが作った資料、世界保健機関が作った資料ですけれども、これについても、国会図書館、説明いただければ。
○河合国立国会図書館専門調査員 お答えいたします。
WHOのトランス脂肪酸国別スコアカードでは、トランス脂肪酸の削減に関する各国の取組は、その度合いに応じて、立法措置や規制措置など最良のトランス脂肪酸政策を実践していることを示す四を最高とし、何らかの国の政策の関与が認められる一を最低として、四段階のスコアに位置づけられています。
日本は二に位置づけられております。これは、特定の状況下でトランス脂肪酸を制限するなどの措置を講じていることを示すスコアでございます。
日本以外のG7諸国は、例えば最高の四に位置づけられています。
以上でございます。
○長妻委員 日本以外のG7の国は、最高の四。四、三、二、一と優秀な順に並べて、日本は下から二番目。一応何で二番目かというと、資料につけておりますが、十ページ目に、こういう通知は出したんですね。つまり、トランス脂肪酸について、含有量などについて、できれば情報を提供したらいいなというような。別に法律に基づいていなくて、願望を書いた通知を出しただけにとどまるわけでありますので、もちろんこれが徹底されているわけではありません。
この七ページ目の資料の下に興味深いことが書いてあるんです。現在、世界の人口の半数以上が強制的なトランス脂肪酸制限の対象となっている、五七・一%、世界の人口のですね。こういう表が出ておりますけれども、現在というのはいつで、これは日本が含まれているのか、お答えいただければ。
○河合国立国会図書館専門調査員 お答えいたします。
現在とは、この資料の更新日である二〇二六年四月十四日であると考えられます。
スコアカードにおける、強制的なトランス脂肪酸制限の対象となっている全人口の割合とは、スコアが三又は四の国に住んでいる世界人口の割合を意味しております。したがって、日本はこの国に含まれていないと考えております。
以上でございます。
○長妻委員 五七%の国、人口でいうと。日本は入っていないんですよ、これ。大丈夫ですか。しかも、これは、今おっしゃっていただいたように、二〇二六年のデータですからね。本当に大丈夫なのかということです。
もう一つ、業界にお話を聞きますと、懸念というのは、輸入品でどんどんどんどんトランス脂肪酸がすごいものが入ってきているんじゃないかというふうな懸念も聞いておりますけれども、輸入について、トランス脂肪酸をチェックはしていますか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
我が国へ事業者が食品等を輸入する場合、食品中のトランス脂肪酸につきましては、食品衛生法に基づく規格基準が定められていないため、いわゆる輸入食品監視の対象にはなっておりません。
○長妻委員 どんなにトランス脂肪酸が例えば洋菓子とか冷凍パンとかに入っていても、何のチェックもしないんですよ。これは別に厚労省が悪いというか、基準を大臣が作らないからですよ、日本はないからですよ。先進七か国で日本だけ、ないんですよ。
それで、動脈硬化学会がこういう声明を出されました。ここに書いてあるのは、米国、カナダ、韓国、ウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、香港、台湾などに食品を輸出している日本の食品企業は、会社の規模を問わず、既に少なくともトランス脂肪酸の表示を実行していると書いてあるんですね。海外に出すのは実行しているんですよ、トランス脂肪酸の表示。日本国内の消費者向けに販売される食品に関しても、表示を義務化することを切に要望する。
つまり、日本の企業が、海外に出すのはトランス脂肪酸を表示しているんだけれども、日本国内では規制がないから表示していないと。こんなばかな話はないじゃないですか。だから、義務化してほしいということを、日本動脈硬化学会がおっしゃっているんですよ。
大臣、検討ぐらいしませんか。規制をする、あるいは表示義務をかける。検討ぐらいしませんか。
○黄川田国務大臣 輸出品については、輸出先の要求に応じた対応として、必要な表示を行っていると承知しております。輸出についてはですね。
おっしゃるように、国内で販売されている食品については、食品表示法第四条第一項の規定により定められた食品表示基準の義務表示の策定においては、消費者の摂取状況等を踏まえた消費者への表示の必要性があること……(長妻委員「検討、検討」と呼ぶ)ちょっと待ってください。事業者にとって表示が実行可能であること、国際基準と整合していることの三点を全て満たすこととしております。
トランス脂肪酸の表示については、現時点において該当の三点の要件のいずれも満たしているとは言えないことにより、義務表示を、事項としておりませんので……(長妻委員「規制の検討」と呼ぶ)規制の検討はしないということでございます。
○長妻委員 国民の皆さん、これを見ておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、これはおかしいと思いませんか。先進七か国で日本だけですよ、規制がないのは。WHOにもこういうふうに言われているんですよ。しかも、輸出するときは表示するんですよ。
ある方のお菓子、ちょっとメーカー名は言いませんけれども、有名なお菓子をある国で買って、そこに書いてあるんですよ、トランス脂肪酸何グラム。同じお菓子が日本では書いていないわけですよ、あの表示で。海外の人には健康に留意するように出して、日本ではそれは出さない。手間は同じじゃないですか、別に。何で日本で消しちゃうんですか。
だから、大臣、検討ぐらい言っていただけませんか。原稿には検討はしないと書いてあるんでしょうけれども、御自身でちょっと判断してくださいよ、そのぐらい。
○黄川田国務大臣 日本の状況は、従来から摂取量が一%以下となっておりまして、諸外国とは状況が異なるというふうに考えております。
したがって、先ほどお話ししましたように、義務表示の策定については、消費者の摂取状況等を踏まえた消費者への表示の必要性があることとされております。よって、検討はしないということでございます。
○長妻委員 政府がよく言うのは、九ページを見てください、これは政府からいただいた最新の資料なんですが、日本は総エネルギー量の一%未満だ、だからしないんだと言っているんですよ。ところが、一%未満の国がほとんどじゃないですか。していますよ、規制。表示義務もしている国がありますよ。一%未満だからという理由は破綻しているんですよ。
じゃ、聞きますよ。ほかの国は一%未満なのに規制している、日本は一%未満なのに規制していない。何でほかの国はしているんですか。
○黄川田国務大臣 その図にある国に対して言えば、現在、摂取量が一%を下回っておりますが、多くの国においては過去には摂取量が一%を超えていたということで伺っております。政策によって、現在は一%を下回っている。
日本は、そもそも一%を下回っているということでございますので、今、規制をする必要もございませんし、基準を設ける必要はないということでございます。
○長妻委員 ほかの国でも、一%を下回っている国もあるわけですよ、前から。これは、基本的に、一%は平均なんですよね。取る人は取るわけですよ。だから、ほかの国は規制しているということなんですよ。
大臣、是非もうちょっと調べて、こういういいかげんな答弁は私は見過ごすことができないと思いますので、是非考え方を直していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、野村美穂君。
○野村委員 国民民主党の野村美穂です。
本日は、詐欺犯罪対策について質問いたします。
新たな詐欺手口への対応と被害実態について。令和七年における特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺による被害は、認知件数、被害額共に過去最高となりました。詐欺の被害額は四千億円を上回るという極めて深刻な状況です。そこで、一点目のテーマ、新たな詐欺手口への対応と被害実態について、三点質問いたします。
一点目の質問、青色切符詐欺についてです。
令和八年四月一日、今月から新しい制度が始まりました。自動車などに適用されていた交通反則通告制度、いわゆる青切符制度が自転車にも適用されるようになり、この青切符制度を悪用した詐欺被害が全国で相次いでいるようです。
自転車に対する交通違反を取り締まる青切符制度では、違反の種類が百十三種類もあり、その内容を理解している方は多くないと思います。また、自動車を運転する人たちと違い、高校生や大学生、自転車しか乗らない人たちにとっては、交通違反の取締りそのものに慣れていないため、被害に遭いやすいのではないかと思います。
私が見たニュースでは、警察官を装って路上で自転車ユーザーに声をかけ、高校生からは五千円、七十代の方からは二万円などと現金を要求し、金銭をだまし取ったとのことです。詐欺被害に遭った方々の多くが、その場で反則金の支払いを求められて、払ってしまったそうです。
このような詐欺行為が続発しているとの報道がありますが、こうした詐欺被害の実態を把握されていますでしょうか。また、いわゆる青切符詐欺の被害者が増えないよう、どのような対策をしているのでしょうか。あかま国家公安委員長にお尋ねします。
○あかま国務大臣 今御指摘のような、自転車への交通反則通告制度を悪用した、そういうふうに思われる詐欺事案については、警察官をかたる私服の被疑者が、自転車運転者に対して、無灯火であるなどと申し向けて、交通違反取締りと称して、違反だからこの場で現金を支払うようになどというふうに現金を要求する事案が発生しているものというふうに承知をしております。
この場をおかりして呼びかけもさせていただきたいというふうに思うんですが、警察官が取締りの現場において反則金を徴収することはありません。このことは、是非しっかりと周知をしたいし、是非この場でも強調したいところであります。こうした被害を仮に認知をした場合には迷わず一一〇番通報をしていただきたいというふうに思います。
その上で、このような詐欺事案の発生を受けて、警察庁では、先ほどの呼びかけの、今申し上げた内容等々を含めて、ホームページであるとかSNSを活用して改めて周知をするとともに、都道府県警察においても、チラシを配るなどをしたり、投稿で注意喚起をするなど、ありとあらゆる手段で被害防止に向けた広報啓発、これを行っているというふうにも思っております。
こうした様々な手口の詐欺が発生する中、新たないわゆる詐欺被疑者を生まないためにも、注意喚起を徹底するよう警察を指導してまいりたい、そういうふうに思います。
○野村委員 御答弁ありがとうございました。
本当に、もうとにかく多くの人にそれが届くように、啓発をよろしくお願いいたします。
次に、二点目の質問です。ロマンス詐欺の被害実態についてお尋ねします。
ロマンス詐欺は、被害者の恋愛感情や孤独感につけ込む極めて悪質な犯罪です。被害者は、まさか相手が自分をだましているとは夢にも思わず、自分はだまされていないと思い込み、被害を認識できないケースも多いと聞いています。
まず、ロマンス詐欺とはそもそもどのような事案なのでしょうか。どのような方々が被害に遭っているのか分析をされているのでしょうか。ロマンス詐欺の特徴と規模について、警察庁にお尋ねします。
○重松政府参考人 お答えいたします。
SNS等を通じて、対面することなく交信を重ねるなどして関係を深めて信用させ、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭等をだまし取る詐欺のことを警察におきましてはSNS型ロマンス詐欺と称して、各種対策を推進しているところでございます。
令和七年中におきますSNS型ロマンス詐欺の被害状況でございますけれども、認知件数が五千六百四件、被害額で約五百五十二億円でありまして、それぞれ前年比で大幅に増加をし、極めて厳しい状況にあるというふうに認識しています。
被害者の年齢層についてでございますけれども、幅広い年代に被害が及びつつも、四十代から六十代が多数を占め、また、被害者の性別につきましては、男性の被害が全体の約六割を占めているところでございます。
また、被疑者と被害者が接触するツールとしましては、主としてマッチングアプリやSNSが使用されておりますけれども、具体的には、マッチングアプリが全体の三二・六%を占め、次いでインスタグラムが二二・六%、フェイスブックが一八・四%となっております。
SNS型ロマンス詐欺の被害の拡大を防止するための広報啓発活動でございますけれども、例えば、被害者の年代等の傾向を踏まえてSNSにおけるターゲティング広告を行うなどしておりまして、引き続き、被害の実態を踏まえた効果的な広報啓発活動を実施してまいりたいと考えております。
○野村委員 御答弁ありがとうございました。
某消費者金融の広告ではないですけれども、あんた、そこに愛はあるんかみたいな、そういった問いかけができるような、注意を引くような啓発を是非お願いをしたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
三点目の質問です。
ロマンス詐欺の被害者の心理について、警察として専門的な分析を行っているのでしょうか。なぜ被害者は詐欺だと気づけないのか、その心理的メカニズムについての研究があれば教えていただきたいと思います。
ロマンス詐欺の加害者は、高度な心理学的手法を用いて、被害者と長い時間をかけて信頼関係を築き上げているそうです。なぜ会ったこともない人に愛情を感じ、お金を出してしまうのか、その心理を分析し、犯罪が成り立つメカニズムを解明しなければ、被害者を減らすこと、犯罪を防止することにはつながらないと考えます。
なぜロマンス詐欺が増えてきたのか、どのような社会的背景があるのか、お尋ねします。
○重松政府参考人 お尋ねのSNS型ロマンス詐欺の被害者の心理につきまして一概にお答えをすることは困難でございますけれども、SNS型ロマンス詐欺におきましては、マッチングアプリやSNSのダイレクトメッセージが用いられ、犯人側と被害者がメッセージにより交信を重ねる場合が大半でございます。これらメッセージのやり取りの中で、被害者は、犯人側に恋愛感情や親近感を抱き、犯人側を信頼してしまった結果、投資等の名目で金銭等をだまし取られているというふうに考えております。
また、お尋ねのSNS型ロマンス詐欺が成り立つ社会的背景でございますけれども、こちらも一概にお答えをすることは困難でございますけれども、例えば、コロナ禍以降、スマートフォンを通じたSNSの利用やインターネットバンキングを利用した決済といった非対面型の新たな生活様式が定着したことによりまして、SNSを用いた非対面でのコミュニケーションが定着したことが挙げられると考えられます。
また、通信、金融、AIに関する新たな技術、サービスの進展を受けて、犯人側が、匿名性の高い通信手段や暗号資産等を利用して海外から組織的に詐欺を敢行していること、生成AI、ディープフェイク等の新たな技術を悪用することによりまして、国境や言語の壁を越えて犯行形態を拡大していることといった背景が考えられるところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
続いて、次のテーマに移りたいと思います。
警察官への教育と相談体制の整備について、二点質問します。
犯罪被害者への相談対応についてです。
犯罪の被害者が警察に相談に訪れたときに適切な対応ができる体制は必要不可欠です。そのような体制が整っているのかという点も心配をしています。
ある方の相談内容なんですけれども、退職金が一千万ほど被害に遭いました。二回警察に行ったんですけれども、一回目は、被害状況を説明したんですが、その話を聞くだけだったということで、改めて警察署に行って、振り込みを誘導されたLINEのトーク画面を警察官に見せたそうですけれども、それでも何もしてもらえなかったと。せめてこのLINEのトーク画面の写真だけでも撮ってほしいということを依頼をして、撮影をしてもらったということなんですけれども、そのときに何か適切な対応がされていたら被害の実態解明につながったのではなかろうかというふうにも考えます。
そこで、お尋ねします。
犯罪被害の相談業務に当たる警察官や職員の方々は、被害者の心理を理解し、寄り添った対応をするための専門的な研修を受けているのでしょうか。
○篠原政府参考人 お答えいたします。
警察におきましては、警察官の採用時や昇任時において、犯罪被害者等の心情を始め犯罪被害者等支援に関する必要な知識、技能について教育をしているほか、実務担当者に対し、犯罪被害者等支援やカウンセリング技術等に関する教育及び研修を実施しております。
また、犯罪被害者等の心情を理解するため、犯罪被害者等による講演、支援の現場で犯罪被害者等に向き合った警察官や有識者による講演等も実施しております。
さらに、犯罪被害者等への対応の改善及び二次的被害の防止を図るための教育として、警察署に対する巡回教育、民間被害者支援団体との連携要領に関する教育等も実施しております。
引き続き、適切な犯罪被害者等支援を行える人材を育成するため、教育及び研修の充実に努めてまいります。
以上でございます。
○野村委員 ありがとうございます。
どなたがどこで対応されても、被害者に寄り添った、そのような対応をしていただけることを切に願います。
続きまして、警察官への教育と相談体制の整備について、二点目の質問です。新しい手口への対応と研修体制についてお尋ねします。
犯罪の手口は次々に新しいものが出てきます。ロマンス詐欺や青色切符詐欺も、その手口は私たちが思いも寄らない発想で行われています。新しい手口についての視点や方法を知識として持つことは、被害者を生まない、加害者をつくらないという犯罪防止の観点からも非常に重要ではないでしょうか。
感性をどんどんアップデートして、磨き上げていくため、どのような情報共有、研修を実施されているのか、お尋ねします。
○あかま国務大臣 お答えいたします。
犯罪者は、社会制度の変更であるとか、新たな技術、サービス、こうしたことの悪用によって手口を巧妙化、変化させております。
警察において新たな手口を認知した場合には、国民の皆様に適時に広報啓発活動を実施するほか、警察職員が適切に被害者への対応や取締りを行えるよう、必要な周知、教養にも取り組んでおるところでございます。
例えばでございますけれども、新たに採用された警察官、さらには昇任する警察官に対する研修等において、SNS型ロマンス詐欺等の特殊詐欺を始め様々な犯罪の手口に係る教養、このほか、取締り等に必要な知識について講義を実施をしております。
あわせて、新たな手口の犯罪を認知した場合でございますけれども、必要に応じて、その手口であるとか警察活動上の留意事項などについて都道府県警察に周知するなどしておるところでございます。
引き続き、都道府県警察職員に対して、きめ細やかな教育、研修を推進してまいりたいというふうに考えております。
なお、先ほど私、青色切符のときに、いわゆる注意喚起の徹底、その際に、新たな詐欺被害者と言うところを新たな詐欺被疑者というふうに発言したかと思いますが、新たな詐欺被害者を生まないためにということでございます。訂正させていただきます。
○野村委員 ありがとうございました。
大変申し訳ないんですけれども、専門職の配置状況と被害者支援体制の強化については割愛をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、予防啓発と官民連携の強化について三点お尋ねする予定でしたが、こちらも二点で質問させていただきたいと思います。
まず、ターゲット別の啓発活動と予防教育についてです。
ロマンス詐欺や青色切符詐欺に代表されるような犯罪について、高齢者だけでなく、若年層、働く世代など、ターゲット別の啓発活動を行う必要があると考えます。タイムリーな情報発信が犯罪の未然防止につながります。
もちろん、情報発信だけでは被害を防ぎ切れません。被害者を守ると同時に、加害者を生まない予防教育が必要です。学校教育や地域社会でどのような対応をされているのでしょうか。お尋ねします。また、その効果を検証しているのでしょうか。諸外国の先進事例の導入も検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。文部科学省、警察庁の順にお尋ねをします。
○橋爪政府参考人 お答え申し上げます。
児童生徒等が犯罪やトラブルの加害者にも被害者にもならないように取り組むこと、これは重要でございまして、いわゆるロマンス詐欺などについてもそういった視点が非常に重要だと考えてございます。
このため、文部科学省といたしましては、政府の犯罪対策閣僚会議におきまして決定されました国民を詐欺から守るための総合対策二・〇に基づきまして、関係省庁と連携して対策に取り組んでございます。
具体的には、情報モラル教育、これを着実に実施していくということ、それから、インターネットの危険性に関する注意喚起、これをしっかりと実施していくこと、これらに取り組んでございます。
引き続き、関係省庁とも連携を図りながら、児童生徒等が犯罪やトラブルに巻き込まれることのないよう、取組を推進してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○山田政府参考人 お答えいたします。
現在、SNS型投資・ロマンス詐欺や偽警察詐欺など様々な手口の詐欺が発生をしておりまして、また、詐欺の手口は次々に変遷するものであるところ、警察といたしましても、詐欺被害を防止するため、その手口やターゲットに応じた広報啓発活動を実施することが重要であると認識をしております。
具体的には、高齢者に対しては巡回連絡や自治体等の防犯講話の際の防犯指導、若者に対してはSNS上での呼びかけ、児童生徒に対しては防犯教室での啓発など、世代に合わせた取組を行っているところでございます。
今後とも、新しい手口を把握した際には、被害を可能な限り食い止めるべく、その詐欺の特徴を踏まえ、ターゲット層にしっかり届くよう効果的な広報啓発活動を行ってまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
ターゲット層にしっかりと届くように、本当に一人でも多くの人がその講話等をしっかり把握ができるような展開をお願いをしたいと思います。
そして、二点目なんですけれども、SNS事業者、マッチングアプリ事業者との連携についても準備していただいたんですけれども、時間の都合上、ちょっと割愛をさせていただきます。申し訳ありません。
最後の質問になります。予防啓発と官民連携の強化について最後の質問をいたします。
金融機関との連携について金融庁にお尋ねします。
不審な送金を防ぐための仕組みは十分に機能しているのでしょうか。また、どのような対策を講じているのか、お尋ねします。
○大城政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のSNS型投資詐欺、ロマンス詐欺等の被害金の送金を防ぐため、金融機関は、全四十七都道府県の県警察本部及び警察庁との間で情報連携協定書を締結いたしまして、例えば、詐欺の被害に遭っているおそれのある顧客に対し、金融機関の窓口やATMなどで、警察官と一緒になって送金を思いとどまるよう説得に当たること、また、各都道府県ごとに、近隣金融機関の連携を深め、詐欺被害の防止等につなげていくことを目的とした情報交換会、私どもはマネロンフォーラムと呼んでおりますけれども、こうしたものを開催いたしまして、詐欺被害の防止に有効なノウハウを共有する、こうした取組を進めておるところでございます。
金融庁といたしましても、金融機関によるこうした取組を積極的に後押ししているところでございまして、引き続き、警察庁と連携をし、被害、詐欺の防止に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
少し時間が余りそうなので、質問ではないんですけれども、先ほど、若年層への啓発、文科省の方から回答をいただいたんですけれども、例えば、今回の詐欺被害の部分とは少し離れますが、中学生や高校生が、自分の力を試してみたいといって、生成AIを悪用してソフトバンク等を攻撃したというような、そういったニュースがありました。彼らの持てる力を最大限に発揮をして、その力が、悪用をするのではなく、社会に貢献ができるような形で展開ができるような、そういった教育を是非お願いをしたいなというふうに思っております。ちょっと外れて申し訳なかったんですけれども。
最後に、詐欺被害は、被害者が声を上げにくくて、孤立しやすいという特徴もありますので、被害者に寄り添って専門的な支援ができる体制の整備と、何よりも被害を未然に防ぐ予防策の強化を強く求めて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、森ようすけ君。
○森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。本日もよろしくお願いいたします。
まず、地元の足立区の話から入りたいと思います。
今週の火曜日、二十一日に、足立区の鹿浜という場所において、水道管の新設工事の際に、トンネルの中に土砂と水が流れ込んで、交差点が陥没のおそれがあるということで、現在も車両の通行止めとなっております。現時点において歩行者や車両に被害は生じていない一方で、不安に思う区民の方が非常に多いところで、私にも声が届いているところであります。
昨年、八潮市において下水道に起因する道路陥没事故が起きたこともあって、今回の足立区の件は、下水道ではなく水道であって、加えて老朽化が原因ではなく新設工事なので、全く異なるものではあるんですが、どうしても同一視してしまう区民の方がいらっしゃるところであります。
そこで、まずお伺いしますが、今回の事案の経緯と現状がどうなっているのか、そして、現時点で判明している原因についてお伺いできますでしょうか。
○松原政府参考人 お答え申し上げます。
東京都足立区において、四月二十一日、東京都水道局が発注した水道管の新設工事で造ったトンネル内に土砂が流入し、道路陥没の可能性があることから、同日より車両通行止めが行われています。土砂の流入は止まっており、また、歩行者や車両等への被害はなく、工事作業員も無事に退避しております。
土砂の流入は工事の施工に伴う事象と想定されておりますが、原因につきましては工事の発注者である東京都において調査中でございます。
○森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。
土砂の流入が止まっていて、被害も特段ないということで、御安心できる御答弁をいただけました。
この工事については、東京都の水道局が発注している工事であって、国が行っている工事ではないんですが、こうしたふうに丁寧に状況を把握していただいたところに感謝を申し上げます。
現時点においては東京都において対応がされているというふうに認識しておりますが、政府として、これまでの関与、そして、今後何かが発生したときにどのような関与が想定されるのか、その点をお伺いできますでしょうか。
○松原政府参考人 国土交通省におきましては、事故直後から東京都の方より情報を収集しているところでございます。都から要請があれば、必要な技術的支援を行ってまいります。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
情報収集に努めていただいているということで、ありがとうございます。東京都から要請があった際には、是非迅速に御対応をお願いできればなと思います。
今回は、迅速な対応が東京都においてなされて、そして現場においてなされたということで、被害は現時点で生じていないところでございます。ただ、今後、老朽化の更新も含めて、全国的に水道管の修繕が行われていく中で、今回の足立区のようなケースが出てくることは十分に想定されるところでございます。
今回の事案の原因については、まだ判明しておらず、調査中というところではありましたが、今回被害を無事抑えられた対応も含めて、水道管工事時のリスク対応を国として検証をして、全国の自治体に対して周知していくこと、これも重要だと考えますが、その点、国交省のお考えはいかがでしょうか。
○松原政府参考人 現在、東京都において事故原因の調査が行われるところであり、国土交通省としましては、その結果や今回の東京都の対応を踏まえまして、同種の工事において同様の事故が発生しないよう、再発防止策について検討し、全国の自治体に周知徹底してまいります。
○森(よ)委員 具体的で前向きな御答弁をありがとうございます。
是非、原因の検証をするとともに、その再発防止を全国的に進めていただきたいと思いますので、その点、前向きに進めていただければと思います。
国交省については御質問は以上でございますので、御退席いただいて結構でございます。
○山下委員長 松原官房審議官、御退席して結構です。
○森(よ)委員 続きまして、城内大臣に補正予算の編成方針についてお伺いしたいと思います。
四月の十三日の経済財政諮問会議を踏まえて、総理から、補正予算は緊要性の高いものに限定をして、恒常的な施策については、原則、当初予算で措置することとし、補正予算依存からの脱却をする旨の言及がありました。これは、城内大臣の所信の中でも同趣旨のことは述べられているというふうに認識をしておりまして、その方向性に基づいて、具体化に向けて検討を進めていらっしゃる最中なんだというふうに認識をしております。
補正予算に依存しない方向性については賛同するわけなんですが、過去の政府の方針との整理を改めてしておくことが必要、重要だというふうに捉えております。
補正予算については、財政法二十九条で、様々書かれておりますが、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出などが発生した場合に補正を組むことができるというふうにされておりますので、総理の言及の中にもありましたが、緊要性というところが重要になってくる。
これは、昨年の臨時国会で補正予算の審議がされたときに、この補正予算というのは本当に緊要性があるのかということが、野党側から厳しい指摘があったんだというふうに認識をしております。それに対して政府はいろいろと、当初予算を組んだときから経済情勢が変化をしてきて、それに対応するためにはこういう補正予算が、緊要性が出てきて必要なんですといった話であったりとか、あと、民間事業者そして自治体等に対して予見可能性を持たせることが大事なので、早いタイミングで補正を組むことが大事なんです、こういったふうに、丁寧なのか、説明をされていて、補正予算の緊要性について非常にアピールをされていた、そんな臨時国会の印象であったわけでございます。
そうした中で、今回、原則、当初予算で措置をするという方針は、これまでの政府答弁と矛盾するように聞こえているんです。これまでは、緊要性があって、当初予算想定時には考えられなかったことだったので補正予算に盛り込んできましたと言っている一方で、それを当初予算にこれから盛り込もうとすると、どうやってそれを前もって判断するのかというところは疑問に思うわけなんです。
こうした点についてどのような整理を政府として行っているのか。城内大臣、いかがでしょうか。
○城内国務大臣 お答えします。
まず、森委員に御理解いただきたいのは、補正予算及び財政法、これは片山財務大臣の所管でありますが、その上でお答えしますと、今、森委員御指摘のとおり、財政法第二十九条に基づきますと、法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、先ほど御指摘のように、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出を行う場合等に作成することができるとされております。このため、過去に補正予算に計上されました各経費は、その時々の経済、物価動向等を踏まえ、緊要性が認められ、事業の必要性を精査した上で予算措置されたものであります。
一方で、今後、民間事業者や地方自治体の取組を後押しするため、毎年、当初予算に計上すべきとされるものについては当初予算で計画的に計上し、それによって予算の予見可能性を確保することが必要であるというふうに認識しております。
こうした観点から、高市総理も御発言されましたように、補正予算は緊要性の高いものに限定をして、恒常的な施策については、原則、当初予算で措置するということとし、よって補正予算依存からの脱却をしていくということが重要であるというふうに考えております。
○森(よ)委員 所管自体は恐らく財務省なんだと思うんですが、経済財政担当大臣ということで、恐らく横串で見ることが城内大臣の所掌、お仕事だと思いますので、御答弁もいただき、ありがとうございます。
ちょっと深掘ってお伺いさせていただきたいんですが、今いただいた御答弁はなかなか理解できるようで理解できないところがあって、何というか、方針については私もすごく理解はするので、過去の補正予算においては緊要性が必ずしも高くないものが含まれていましたというふうに言った方がスムーズに方針転換ができるのではないかというふうに考えています。
というのも、予算編成のプロセスとしては、六月くらいに骨太を作ります、八月に各省で重点を作って、それで年末に向けて内閣において予算編成を行って、それを年明け以降の通常国会で議論をしていくというプロセスになるので、仮にそれが、例えば夏とか秋に何かが起きたときに、一年前に予算というのは大体骨組みはできているわけですから、やはり補正予算というのは一定必要なところはあるんだと思うんです。
なので、そうしたところがあるからこそこれまで補正予算を組んでいたと思うんですが、それをすっ飛ばして原則を変えていくというのは、昔のことを、やはりそこは違ったんだよというふうに認めることが大事なんじゃないかなと思うんですが、城内大臣、いかがでしょうか。答えられるところと答えられないところがあると思いますが。
○城内国務大臣 お答えします。
繰り返しになりますけれども、先ほど申しましたように、過去に補正予算に計上された各経費は、その時々の経済、物価動向を踏まえ、緊要性が認められたものについて、事業の必要性を精査した上で予算措置をされ、補正予算で手当てがされているということであります。そういうことで、補正予算に入ったということは、やはり緊要性があるからということで御理解をいただきたいと思います。
他方で、先ほど申しましたように、高市総理も御発言されたように、補正予算は緊要性の高いものに、緊要性が高いから新たに入れたものでございますので、新たに発生したものは、例えば災害とかそういうものはやはり補正予算ですけれども、緊要性のより高いものにしっかり限定をして、恒常的な、例えば一回補正予算にしたものについて、でも、これは二年、三年、例えば国土強靱化、そういうのもそうですけれども、最初は緊要性で入れたけれども数年にわたって補正予算で確保しなきゃいけないようなものについてはやはり当初予算で措置するということで、補正予算からの依存を脱却して、そういう考え方でありますので、是非その点は御理解いただきたいと思います。
○森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。
若干理解も深まりました。ありがとうございます。
複数年度予算も多分組み合わせてということがあるんだと思うので、そうした意味で、補正の総量を減らしていくということはそこと組み合わせての考え方なんだなというふうに理解をした一方で、本当にそれで補正予算が減るのかというところは相変わらず疑問に思っているところがあるので、そこはまた追って議論をさせていただければと思います。
今、イラン情勢の先行きが不透明な中で、いわゆる追加の燃料高対策、物価高対策を含む経済対策の必要性があるというふうに認識をしております。
政府においては、現時点では補正予算の必要性はないというふうに判断されているのかもしれませんが、現在実施されているガソリン補助金、これは基金が恐らくすぐ尽きてしまうんだと思います。今年度の予算においては一兆円の予備費がございますが、災害等が万が一発生したときに、予備費はやはり残しておいた方がいいと思いますので、その予備費をこういったイラン情勢に対する燃料高対策に使うのは余り適していないのではないかというふうに考えております。
ですので、我が党としては補正予算について前向きに是非編成の検討をいただきたいという考えではあるんですが、現在の高市政権において、補正予算に依存することから脱却していきますというふうなことが言われておりますので、この方針が、今回のようなイラン情勢を受けて、補正予算が本当に必要なのにこうした原則があるからちょっと足踏みをしてしまうというか後ろ向きになってしまうことを懸念しております。
この原則は原則としてある一方で、こうしたイラン情勢を踏まえて、いつまで続くか分からないですし、不透明性が高いので、本当に緊要性が出てきて、補正予算の必要性が出てきたときは、こうした原則はある一方で、ちゃんと踏み込んで補正予算の検討を進めていただきたいと思いますが、そうした点についていかがでしょうか。
○城内国務大臣 今の森委員の御指摘は非常に重要な御指摘だと思いますが、ただ、一般論として申し上げますと、高市総理もこれまで答弁していらっしゃるように、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要性があるような場合には当然必要に応じて補正予算を作成すること、これは否定するものではございません。
いずれにしろ、予算編成の在り方につきましては、今年の骨太方針に向けまして、経済財政諮問会議等において議論を進めてまいる考えであります。
その上で、中東情勢について御指摘がありましたので、中東情勢の対応につきましては、高市総理が先般国会質疑で述べられたとおり、まず、政府として、現時点で補正予算の編成が必要な状況とは考えておりません。もう一つ、令和八年度予算が成立したことで、必要があれば、当予算に計上されている予備費も場合によっては活用が可能であるということであります。
引き続き、中東情勢が経済に与える影響を注視をいたしまして、持続的に国民の皆様の安心、安全な生活をお支えできるよう、高市総理の御指示の下に、関係閣僚とも連携しながら経済財政運営に万全を期してまいる所存でございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
済みません、尺がちょっと三分増えたので、もう一問質問していいですか。
もう一問質問させていただきたいんですが、おっしゃっていただいたとおり、こうした原則はある一方で、緊要性が本当に出てきたときは補正予算を組む検討をすることは十分あるというふうに御答弁をいただきました。補正予算を組むに当たって、経済対策を組むに当たって、その中でもやはりこの原則を大事にしてほしいというところもあるんです。
というのも、補正予算を組むときに、経済対策をつくるときに、本当に必要じゃない予算も結構盛り込んでいる印象があって、私も役所にいたので何となく分かるんですが、補正予算を組むときは、何とか何とかうまく盛り込んで、本当に必要性がないものについても盛り込もうとして、何とか予算の規模を大きくしていくというようなインセンティブが各省に働いているような印象があるんです。
まさにそのときにこの原則が生きてくると思っていて、ガソリン補助金だったりとか、このイラン情勢を受けて本当に必要なところについては重点的にやっていきます、ただ、それと本当に関係ないやつは補正でやる必要はないでしょうといったときにこの原則が生きてくると思うんですが、そうした方針についてはいかがですか。
○城内国務大臣 私の理解では、当初予算にしても補正予算にしても、必要な予算が当然盛り込まれているというふうに理解しております。
ただ、先ほど申しましたように、いずれにしましても、予算編成の在り方については、高市総理は前例を踏襲せずに見直していくというようなこともおっしゃっていますので、予算編成の在り方につきましては、今年の骨太方針に向けて、民間議員の方々もいらっしゃいます経済財政政策諮問会議等においてしっかり議論を進めてまいる考えであります。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
今後の動きはまだ読めませんが、必要なものについてはしっかり入れていただく、必要なさそうなものについては補正じゃなくて当初予算にちゃんと先送りしていく、こうした方針で是非やっていただきたいと思います。
城内大臣はここまでで、質問は以上でございますので、結構です。
○山下委員長 城内大臣は御退席されて結構です。
○森(よ)委員 ありがとうございました。
松本大臣にお伺いさせていただきたいんですが、次に、国家公務員の政策立案能力について伺っていきたいと思います。
所信の中でも、国家公務員の働き方改革であったり、人材育成、そして効果的、効率的な体制づくりを進めるということは所信の中で言及があったかと思います。
私としては、そうした観点に加えて、政策立案能力であったり調査能力、個々人の公務員の方がそうした能力を高めていくことも重要だと思っております。恐らくそれは包含する考えなんだと思います。
一方で、実際の業務に当たっては、調査業務について、外部のコンサルティング会社であったり、シンクタンクに委託するケースが極めて多いように思っているところであります。
もちろん、国家公務員の方は、業務過多であって、人手不足なので、なかなか自分で仕事を回せないので、外部の調査委託に委ねるしかないというような現状は理解するんですが、職員自ら調査をして、分析をする、本来しないといけない領域についても、今、切り出しをして、外に投げているような印象があります。これは余り健全ではないなというふうに思っています。
私も、役人をやっていたときに、○○総研さんだったりとか外資系のコンサルだったりとか、本当に何か三社も四社も各事業が持って、お願いしていて、これは本当だったら自分で調べた方がいいのになと思いながらやっていたところもあるので、自己反省も込めてなんですが、そうしたように感じているところであります。
そこで、まず基本的なところをお伺いしますが、政府全体そして各省庁別のコンサルやシンクタンクへの委託調査がどの程度行われているのか、また、過去と比較した上での推移の数字があれば教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○上坊政府参考人 お答えいたします。
平成二十五年六月に閣議決定されました、行政の透明性向上のための予算執行等の在り方についてに基づきまして、当時の行政改革推進本部事務局が定めました予算執行等に係る情報の公開等に関する指針において、各府省庁が予算執行等に係る情報について公表することとしておりまして、委託調査費についても公表することを定めているところでございます。
お尋ねの件につきましては、行革事務局において各府省庁の事業費については集計しておりませんが、行政の透明性向上のために、各府省庁において、調査の名称及び概要、契約の相手方の名前、契約形態、契約金額等について公表しているところでございます。
以上でございます。
○森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。
各省庁において公表しているというふうに御答弁いただきましたが、本当に集計しているわけではなくて、各事業ごとに幾らとか、そういった内容だとか、そうしたふうにまとまっているだけだと思うので、極めて一覧性もなくて、そうしたふうに、実際にどれだけ政府全体で調査委託をしているのか、こうした集計は行われていないんだというふうに思います。
やはり、これはもったいなくて、せっかく公表している数字があるわけで、別に、エクセルで足し算をするだけじゃないですか。なので、担当が行革事務局になるのか、どこが担当かは分からないんですが、是非こうした集計を政府においてやっていただいて。
実際、過去の推移と比べてどれだけ増えているのか、そして、公務員の人件費とその調査委託費を比較したときにその比率がどうなのかとか、いろいろ検証する観点、論点はあると思いますので、是非集計してみてはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
○上坊政府参考人 お答えいたします。
調査委託費につきましては、種々いろいろのものもございます。先ほどお答えいたしましたとおり、各府省庁において、調査の名称、概要、また契約の相手方等について公表することとしておりますので、これによって個々の委託調査費について把握することが可能となっておりまして、行革事務局としては数字を取りまとめることは考えておりません。
以上でございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
集計する必要性を感じていないということなんですが、個々では公表していても何か余り意味がないような気がしていて。それが省全体として幾らなのか、そして政府全体として幾らなのか、やはり集計しないと全体のトレンドは見えてこないので、一個一個の事業を見ても行革の観点からは仕方がないと思いますので、是非調査に向けて前向きに検討していただきたいなというふうに感じております。
松本大臣にお伺いさせていただきたいんですが、各省によって結構差があるような印象があるんです。というのも、ある省庁では、審議会の資料作成も含めて結構丸投げしているというような省庁もあれば、これは職員が自ら作っているんだろうなというような審議会資料もあるんです。
大体、資料のテイストを見ると、どこのコンサルが作ったかというのは何となく分かるんですね。私も環境省を辞めた後にコンサルに行ったので、コンサルごとに、パワポの作る雰囲気が違ったりとか、あと、イラストを使ったりとか、そういうのが違うんですね、矢印の形とか、いろいろ違うので、誰が作ったかというのは大体分かるんです。なので、この省は結構ここに委託しているなとか、この省は全部自分でやっているなというのが分かるんです。
なので、基本的に、調査とか分析というのは、各省によってテーマは違うにせよ、どれだけ深掘って各職員がやらないといけないかというのは共通しているんだと思うんです。なので、各省によってどれだけ調査委託をしているのか、していないのかという差が起きるというのは、国家公務員全体を見たときに、人材育成であったりとか、調査研究能力を高めるという観点では余りよくないというふうに感じております。
ただ、業務効率化のために外部委託をするというのは必要なんだと思います。なので、外部委託すべからく、そして調査委託すべからく悪いと言っているわけではなくて、本来自分たちでやらないといけないような本質的な調査研究については自分たちでやる。そこまで重要度が高くなくて、本当に幅広くて、何か多様なことをのぺっと調査しないといけないとか、そういうものについては委託をしたらいいと思うんです。なので、そういう色分けをうまくしていくことが国家公務員の政策立案能力を高めていく上では重要なんだと思います。加えて、それがノウハウの蓄積にもつながってくると思います。
こうした問題意識を持っているんですが、調査委託にお金を使うんだったら、そのお金を削減をして、例えば、処遇改善に使ったりとか、定数を上げたりとか、あと業務効率化に使ったりとか、もっと別にお金を使ったら、より職員の充実にもつながるし、能力向上にもつながると思うんですが、こうした問題意識も含めて、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。
委員の今のお話を聞いていて、もっともだなと思いました。コンサルへの依存が進んで、調査、立案のノウハウが霞が関からどんどんなくなっていくということは避けた方がいいと思います。
なので、今、我々のところで何をやっているかといったら、本省内部部局については特に重点的に定員を増員しています。平成十八年度以降、内部部局の定員は、通算すると四割増やしています。ですから、いわゆる内部部局の政策立案をするところに人を集中して、それ以外のところに、コンサルを含めて、いろいろと業務委託をしているということだろうと思います。
これからAIが入ってきますから、コンサルに委託できることはAIでやれる可能性というのは十分出てきますよね。そういったことをすれば、コンサルへのいわゆる委託費用というのが削減できるかもしれないし、そういった方向性は我々はちゃんと持っていかなきゃいけないし、霞が関の中で、人がやらなきゃいけないことを人にやらせるということは大事だと思います。それを例えばコンサルに委託したところで、コンサルだってAIでやってきますよ、きっと。だったら余り意味がないので、そういうコンサルを使うくらいだったら自分たちでやった方がいいに決まっているから、そういう霞が関全体の人の配置、ディストリビューションというのを変えて、政策立案能力を高めていくということは、これはしっかりと僕が大臣をやっている間に霞が関の中に伝えていきたいというふうに思います。
ありがとうございます。
○森(よ)委員 もうおっしゃるとおりで、結局、シンクタンク、コンサルもAIを使うんですよ、分析に。それで、そこでお金を取られるんだったら、ちゃんと省内、政府内において、行政の中において、ちゃんとそういうノウハウを積み重ねていって、こういうふうにやったらいいんだよみたいな、AIの使い方を含めてやった方が絶対効率的なので、そういうところにお金を使っていただきたいと思います。
というのも、実は私、役所にいたときに財務省から出向で来ていた人がいたんですよ。その人に、先輩だったんですけれども、森君、これは自分で調べないといけないよと怒られたことがあって、若いときに。なので、そういうことを聞いたときに、あっ、結構省庁によって外部委託をしている濃度が違うんだなという印象をそこで受けたことがあって、質問につながってくるんですが。
最後、ちょっと質問、一番最後のところに行きまして、今、国家公務員の話をしたんですが、自治体も同じなんだと思います。特に自治体において特色的なのは、法律に基づいて定められている計画作りがすごい多かったりとか、あと、国の補助金を受けるために、その補助金の申請用紙を作るときに地方にいるシンクタンク、コンサルを使ったり、そうしたふうによりコンサル依存が進んでいるのが地方自治体なんだと思います。
ただ、これを自治体独自に、勝手にやってくださいと委ねるのはしんどいと思うんですが、行政改革の目線で、例えば、法定の計画の数をちゃんと総点検をして、不要なものは減らしていくとか、あと、補助金を受けるときに、これはコンサルが書いたなみたいなやつは、評価しにくいというのは難しいと思うんですが、何か、評価基準を変えたり、そういう行革目線の取組もあると思うんですが、最後、手短に、いかがでしょうか。
○松本(尚)国務大臣 自治体における過度なコンサル依存も問題だと思っていますので、一般論として、政策立案能力、自治体においてもそれが低下しないようにすることは当然だろうと思います。
先ほどの話にも関わりますが、コンサルもAIを使うんだったら、あとはプロンプトをどれだけ上手にAIに打ち込むかだけなので、それだけ高い能力の、プロンプトを打てるような人材を、霞が関であれ自治体であれ、しっかり確保できるように努力していきたいと思います。
○森(よ)委員 是非、松本大臣のリーダーシップを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、PFAS汚染の問題について質問をいたします。
最初に、汚染源特定の取組の関係ですけれども、環境省は三月二十七日、二〇二四年度公共用水域水質測定結果及び地下水測定結果を発表し、PFOS及びPFOAの指針値である五十ナノグラム・パー・リットルを超過した地下水や河川が全国で二十六都府県、六百二十九地点、新たに百三十地点で確認されたことが分かりました。河川や地下水の汚染地点が増えております。
環境省のPFASハンドブックでは、自治体に対して、水環境中のPFOS、PFOAの指針値超過時の対応として、「汚染範囲の把握や排出源の特定のための追加調査等を行うことが期待されます。」としています。
環境省にお尋ねいたします。
なぜ、自治体が汚染範囲の把握や排出源の特定のための追加調査等を行うことを期待しているんでしょうか。
○高城政府参考人 お答え申し上げます。
PFOS等に係る指針値の超過、これが確認された場合には、健康リスクを低減するために、飲用による暴露の防止が徹底されることが重要でございます。このため、調査等の実施主体である関係自治体において汚染の範囲の把握、それから暴露防止等が行われるよう、技術的な助言を行っているところでございます。
このような観点から、ただいま委員御指摘のPFASハンドブックでは、「地域の実情に応じて、飲用摂取の防止、継続的な監視調査、汚染範囲の把握や排出源の特定のための追加調査等を行うことが期待されます。」と記載しているところでございます。
○塩川委員 健康リスクを低減するためだということであります。環境省は、自治体が汚染範囲の把握や排出源の特定のための調査をすることを推奨しているわけであります。
そこで、防衛省にお尋ねいたします。
自治体の要請を受けて基地内のPFOS等の水質調査を実施した自衛隊施設はどこか、その施設名を挙げていただけますか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
関係自治体の要請を受け、基地内におけるPFOS及びPFOAの水質調査を実施した自衛隊施設について申し上げますと、陸上自衛隊では北宇都宮駐屯地、海上自衛隊では下総航空基地、航空自衛隊では浜松基地、岐阜基地、芦屋基地、築城基地、新田原基地、那覇基地の八施設でございます。
○塩川委員 八施設、航空基地のところということであります。
そのうち、下総航空基地の水質調査の結果はどうなっているでしょうか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
下総航空基地の直近の水質調査について申し上げますと、令和八年一月に基地内雨水排水口三か所を調査いたしまして、その結果は、PFOS及びPFOAの合算値で、うち二か所はそれぞれ一リットル当たり二万四千ナノグラム、千ナノグラム、残りの一か所は排水がなく測定不可であったところでございます。
現在、下総航空基地では、PFOS及びPFOA濃度低減対策の調査検討業務を実施しており、これら雨水排水口に処理装置を設置し、処理後の排水は基準値以下となっているところでございます。
○塩川委員 二万四千という非常に高い濃度のPFASが検出されたということですけれども、なぜ二万四千という高い数値が出るのか、要因は何なのか。この点はどうでしょうか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
自衛隊施設との因果関係は必ずしも明らかでないところでございますが、防衛省としては、必要な関係自治体様や関係省庁様と協力をしていきたいと考えております。
○塩川委員 でも、汚染が出ていますよと。
汚染源が何なのかというようなことについては明らかにしないんですか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
関係自治体様から調査の要請があったときには、これまでも関係自治体様の調査にできる限り協力してきたところでございまして、今後とも、関係省庁や関係自治体とも緊密に連携し、必要な対応を取ってまいります。
○塩川委員 航空機事故などがあったときに、消火のための泡消火薬剤、その中にPFOSが含まれているということは事実ですよね。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
防衛省では、全ての自衛隊施設において、令和六年九月までにPFOSを含む泡消火薬剤の交換、処分を、また令和七年三月までにPFOS及びPFOAが混入した泡消火設備専用水槽の交換、処分を完了したところでございます。
○塩川委員 過去、PFOS、PFOAを含有する泡消火薬剤を使ってきたということはありますね。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
今直ちに具体的日時について申し上げられるデータを持ち合わせておりませんが、過去にあったことはあると思います。
○塩川委員 航空機事故等に備えて、自衛隊の航空基地においても、PFOS含有の泡消火薬剤がかつて使用されているということであります。それが実際には基地外にも流出するという状況にあるわけで、先ほどもちょっと説明がありましたけれども、自治体から流出防止対策の要請もあったと聞いております。
どのような取組を行ったのかについて、もう一回、説明ください。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
関係自治体の要請を受け、PFOS及びPFOAの水質調査を実施した自衛隊施設のうち、下総航空基地、岐阜基地、芦屋基地、築城基地、新田原基地で基準値や指針値を上回りました。これらの施設につきましては、浄水器を設置したり、公共水道に切り替えたり、施設外への流出防止策を実施するなどしまして、必要な対応を取っているところでございます。
○塩川委員 県からの流出防止対策を受けて、処理装置による処理を実施したということであります。
そういう点では、特定されている、高い数値が出ているようなPFAS汚染のところについては、処理装置でその直下のところのデータは大きく下がっているのは確かなんですが、しかし、地域全体を見ますと、周辺における河川でもまだ高い数値が出ておりますし、また土壌の汚染ということも懸念をされているところですから、こういった点についても留意をし、河川や土壌の調査も必要だということを申し上げておくものであります。
このように、汚染物質の流出防止対策を講じるためにも、汚染源の特定が必要であります。
防衛省にお聞きしますが、PFAS汚染範囲の把握のために、地元自治体から要請があれば、自衛隊施設内のPFAS調査を行いますか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
防衛省としては、これまでも関係自治体の調査にできる限り協力してきたところでございまして、今後とも、関係省庁や関係自治体と緊密に連携し、必要な対応を取ってまいります。
○塩川委員 そこで、茨城県小美玉市にあります航空自衛隊の百里基地についてお聞きします。
茨城県と周辺自治体の調査によって、空自百里基地周辺に高い数値のPFASが検出されました。百里基地北側の下吉影地域で四千百ナノグラム・パー・リットルを検出し、そのうちPFOSが三千八百三十ということで、PFOA主体の近隣の鉾田市域と大きな違いがあります。
PFOSは、油火災の泡消火薬剤として使用されてきた経緯があります。百里基地の北側には消火訓練施設があるので、その下流部に当たる地域から高い濃度のPFOSが検出をされているということではないのか。
下総基地と同様に、百里基地内の汚染状況の調査を行う考えはありませんか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
令和七年六月、茨城県小美玉市が実施した調査で、下吉影の井戸から指針値を超えるPFOS及びPFOAが検出され、その後の令和七年九月の調査では指針値を下回ったと承知しております。
令和七年九月、茨城県から百里基地に対し、基地内井戸の状況等について情報提供するよう要請があり、百里基地から茨城県に対し、令和六年九月に実施した基地内井戸三か所の水質調査の結果として、いずれも指針値以下であった旨、回答したところでございます。
防衛省としては、これまでも関係自治体の調査にできる限り協力してきたところでございまして、今後とも、関係省庁や関係自治体と緊密に連携し、必要な対応を取ってまいります。
○塩川委員 高い数値が出たところで二回目には検出されなかったということですけれども、調査、検査の方で四千百が出た場所と二回目の検査をした場所は違うんですよ。小美玉市がそのように説明しておりました。そういう点では、まだまだその四千百という数値そのものは、その後何らか二回目以降の調査で変更とかはないわけで、いずれにしても高い濃度の汚染があるという状況も出ているわけであります。
そういう点でも、改めて、こういった汚染状況において、地元自治体から要請があれば基地内、施設内の調査、検査を行う、そういう考えはありませんか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
先ほども申し上げましたとおり、防衛省としては、これまでも関係自治体の調査にできる限り協力してきたところでございまして、今後とも、関係省庁や関係自治体と緊密に連携し、対応を取ってまいります。
○塩川委員 是非、自衛隊として、汚染源の特定に取り組むことを求めます。米軍基地の汚染も極めて重大ですので、全国の基地の調査を行うことを求めるものであります。
そこで、水質基準の見直しに関して、黄川田大臣にお尋ねします。
四月一日から、水道法に基づく水質基準にPFOA、PFOSが加わり、今まで暫定値だった合計五十ナノグラム・パー・リットルが基準値となり、水道事業者は定期的な水質検査が義務化をされ、濃度が基準値を超えた場合に対策を講じることを求められるようになりました。
一方で、この基準値が低いとの、要するに緩過ぎるとの指摘もあるわけであります。
環境省の実施している十万人の親子を対象としたエコチル調査で、二〇二四年九月、信州大の研究グループが約二万五千人の妊婦の血中濃度を調査をし、妊娠中の母親のPFAS血中濃度が上昇すると子供の染色体異常が増える傾向があるとする論文を発表しました。母親の体内でPFASの血中濃度が二倍になると子供が染色体異常になる割合が二・二五倍に増えると推定できることが分かったということであります。
その他のエコチル調査論文からも、母子への健康影響は、極めて低いPFAS暴露でも発生することが繰り返し明らかになっていると承知をしております。
大臣にお尋ねしますが、是非、エコチル調査で得られた新たな知見を踏まえて、PFASの食品健康影響評価、耐容一日摂取量、TDIを見直す考えはありませんか。
○黄川田国務大臣 そのエコチル調査で得られた知見については承知しております。
その上で、PFASに関わる水道水の基準については、今委員御指摘のとおり、本年四月より施行されたばかりでございます。その運用管理、最新の知見を踏まえた見直しの必要については、まずはリスク管理機関である環境省において点検すべきものと認識しております。
そのような中で、水道基準の見直しが必要になった場合には、食品安全基本法第二十四条第一項第七号に基づいて、環境省より改めて評価要請がなされるものと認識しております。
このように評価要請がなされた場合には、食品安全委員会としてしっかりと対応してまいりたいと思っております。
○塩川委員 最新のエコチル調査など新たな科学的知見が集積をしておりますので、是非、水道水の基準値やTDIの見直しをすべき、その点、環境省も含めた対応を強く求めて、質問を終わります。
○山下委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
正午休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。
私は、小さな命を大切にできない政治は決して人には優しい政治はできない、そんな思いで昨年まで金沢市議会、石川県議会、十八年間、地方議会で活動をしてきました。
本日は、小さな命を守り、人と動物が共に生きる優しい社会の実現、そして、次期動物愛護管理法の見直しという観点から質問をさせていただきます。
日本における動物愛護の課題は多岐にわたりますが、特に深刻なのは、第一に、いまだに続いている犬猫の殺処分、第二に、悪質な繁殖業者による過密な飼育、第三に、虐待通報があっても十分に対応し切れていない行政、警察の体制、第四に、保護施設、シェルターの不足、そして飼い主の責任意識の欠如であります。これらは単発の対処方法では解決できない構造的な問題だと考えております。
私は、金沢市議会議員として、当時、二〇一〇年の話でありますが、始まったばかりのツイッターで、仙台の男の子、高校生からメッセージがありました。明日、金沢市の保健所で子猫が二十四匹殺処分される、助けてくださいという連絡でありました。それが夜だったので、次の日、保健所に確認をしました。
実際、二十四匹の子猫、そのうち、譲渡が決まっていて、残り十七匹がまだ引受手がない、本日殺処分の予定ですというふうに伺い、自分自身、市議会という立場も使わせていただいて、もう少し待ってくれ、必ず里親を探すから待ってくださいということをお願いをして、数日待っていただくことになりました。
ただ、そんな十七匹の子猫の引受手も私もなかなか探せないので、他方、お願いをしながら、インターネット上とかで告知をしたところ、女優の杉本彩さんがそれを見つけていただいて、拡散をいただきました。結果として、本当に二、三日で全ての譲渡先が見つかったんですけれども。
そこまではよかったんですけれども、自分自身が、当時は、そんなに多くの犬や猫が殺処分されていることを、本当に恥ずかしながら知りませんでした。当時、二〇一〇年は、日本では犬猫合わせて二十万匹ぐらい、うち金沢市だけで千頭近くの犬猫が殺処分されている状況が続いておりました。
いろいろ調べた結果、その二〇一〇年、もう十六年も前の話ですけれども、熊本県で先進的な事例がありました。熊本県動物愛護センター、そこがもう既に殺処分ゼロを実現をしておりまして、すぐに視察に行きました。
当時、熊本も多くの犬猫を殺処分していたんですけれども、行政のトップが考え方が変わり、しっかり守っていこうという方針を示したところ、ゼロになったんですよね。
そこの行政の職員の方々とたくさん話をしました。彼らは役所の職員ですけれども、それが仕事として、ガス室で犬猫の命を奪う、仕事としてやっていました。ただ、行政の方針が変わって、命を奪う仕事から生かす仕事に変わったと、物すごく喜んでいました。
こういうことがあって、是非、自分の住む金沢でも殺処分をゼロにしていこう、日本全国でも広げたいという思いで、当時から活動を続けています。時間はかかりましたが、二〇一七年に金沢市で殺処分ゼロが達成されて、現在も続いています。同じく石川県においても、その流れの中で、二〇二二年から殺処分ゼロということが続いています。当時から比べると、十六年たって、二十万匹ぐらいの殺処分が、現在、日本全国で七千頭弱ぐらいまで下がりました。
ただ、それでもまだまだゼロにはほど遠いということで、ここでしっかりと国として殺処分ゼロを掲げて対応してほしい、そんな思いで今日は質問をさせていただきます。
これらの経験から、殺処分のゼロというのは私自身もやれるという実感がありますし、それを含めて提案もさせていただきます。
全国に目を向けたら、神奈川県やまた奈良市でも、もう既に殺処分ゼロを達成をしています。名古屋市や福岡県、岡山市も、殺処分ゼロを継続している地域も増えてきており、殺処分ゼロは、もはや一部の特別な自治体の話だけではなくて、日本各地で確実に達成される、そういう水準に来ていると思います。
さらに、海外に目を向けると、ドイツでは、民間の動物保護施設、ティアハイムが全国各地に整備され、原則として犬猫の殺処分は行わない仕組みが社会に根づいています。また、捨て犬を生まない社会を実現した国としても知られています。つまり、殺処分しない社会は世界各地で既に現実のものになっています。
私は、殺処分ゼロの実現、そして悪徳業者の根絶、教育と啓発の強化を柱として、小さな命を守る社会の実現を目指しています。その観点から、動物愛護管理行政を所管する環境省の基本認識と、また、今後の取組方針についてお聞きをしたいと思います。
まず、殺処分ゼロに向けてでありますけれども、金沢、石川県の経験から申し上げれば、行政の明確な目標設定とリーダーシップ、保健所や動物愛護センターの体制整備、そして民間保護団体とのパートナーシップ、避妊、去勢の支援や継続的な譲渡会の開催、こうした要素がそろえば、殺処分は確実に、劇的に減らすことができます。
しかし、現行の動物愛護管理法は、動物の命を大切にするという理念は掲げているものの、殺処分ゼロの明確な達成目標としては書き込んでおりません。
私は、次期動物改正法について、法律の目的及び基本理念の中に犬猫の殺処分ゼロの実現を明記をし、国と地方公共団体の責務として、そのための施策を講じる義務も明文化すべきと考えております。さらに、国には、殺処分ゼロに向けた基本計画の策定義務を課し、いつまでにどの水準まで殺処分数を減らすかという工程表を示す必要があると思います。
ここで、森下政務官にお聞きをします。
動物愛護管理法第三十五条の四に「殺処分がなくなることを目指して、」と記されていますが、これではまだまだ弱く、殺処分ゼロの現実にはほど遠いと思います。国として、中長期の数値目標と、期限を伴う殺処分ゼロに向けた国家的な工程表、これを策定する必要があると考えますが、見解を求めたいと思います。
○森下大臣政務官 川委員の小さな命に対する思いとこれまでの活動を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
質問にお答えさせていただきたいと思います。
動物愛護管理法に基づき策定している基本指針において、動物の適正飼養を推進しつつ、殺処分を減らしていく必要があるということは規定をされております。
この基本指針の中で、殺処分を戦略的に減らすため、数値目標と期限を設定し、その実現のために必要な対策を整備しているところであります。これに基づいた取組を着実に進めていくことが重要であると考えております。
具体的には、委員も御指摘のとおり、令和二年の改正において、令和十二年度の殺処分数を約二万頭とする目標を掲げておりました。これは令和三年度に目標を既に達成しておりまして、令和六年度にはまさに約七千頭まで減少しているところであります。
こうしてしっかりと基本指針の点検を行っていくということと、この状況を踏まえながら、動物愛護管理行政の基本的な方向性、また中長期的な目標についての見直しも検討していきたいと考えております。
引き続き、引き取った犬や猫の殺処分がなくなることを目指して、また、自治体の皆さん、そして民間の団体の方も頑張っておられますので、共に取組を進めてまいりたいと考えております。
○川委員 答弁ありがとうございます。
予定よりも殺処分数は減ってきたというのは私も十分承知をしておりますし、ただ、減らす目標とまた別に、ゼロというものに対してコミットをして目標数値を私は定めていくべきだと思います。
現在、どちらかというとやはり地方自治体任せであって、また、そこにいらっしゃるボランティアの皆さん、その助けによって殺処分は減っている部分がありますけれども、これもやはり自治体のトップ、行政の考え方によってかなり違いがあります。積極的にやっているところと、余り関心がない、やはりそういうところはなかなか減らないし、ゼロに向けては厳しい部分があると思います。
もう一点答弁をお願いしたいんですけれども、数値目標として、減らすのではなくて、殺処分は最終的にゼロを、国として方針を示す必要があると思うんですけれども、その辺りの見解を求めたいと思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、ゼロを目指すということは私どもも非常に重要だと思っております。
これは政務官からの答弁の若干繰り返しにはなってございますが、法律の方にもゼロを目指すということは規定されております。我々もその方針はしっかりと目指したいと思っておりますが、どの段階でゼロを目指すかといったところは検討をいろいろ要するとかがございますので、もう少し丁寧に検討を進めながら、御指摘を踏まえて取組を進めてまいりたいと考えております。
○川委員 条文の中に殺処分がゼロになることを目指してというのが書かれているのは承知をしておりますし、ただ、必要なのは期限だと思います。目標を定めて、そこに向かって全自治体、共にやっていくということがやはり大切だと思うので、御検討いただきたい、そのように思います。
次の質問に移ります。次に、公的シェルターと自治体、民間保護団体への支援についてお聞きをしたいと思います。
地方で殺処分ゼロに取り組む中で痛感をしたのは、自治体と民間の保護団体、いわゆるボランティアの皆さんだけに努力を求めるのはかなり厳しい部分があると思っています。現状では、多くのボランティアが、自らの生活や時間そして資金を削りながら、小さな命を守っている。その献身に国の制度や予算が十分に追いついているとは思いません。
私は、国の基本目標として殺処分ゼロを、先ほど申し上げました、明記をした上で、国として公的な動物シェルター機能の整備拡充を位置づけるべきだと考えます。同時に、殺処分ゼロに取り組む自治体、民間保護団体に対しては、重点的な財政支援、いわば殺処分ゼロ推進交付金のような枠を設け、中長期で見通しを持って活動できるべきと考えます。また、飼育困難者への一時預かり制度や飼育支援策を制度化をし、飼えなくなったら、保健所に持っていって殺処分ではなく、相談すれば命が必ずつながっていく、そういう仕組みに転換していくべきだと考えます。
ここでお聞きをします。
現在は自治体任せになっている部分が大きいと思いますが、国が主体となる広域型シェルターや、民間との連携を前提としたナショナルセンターのような構想を検討されているのか、お聞かせください。あわせて、殺処分ゼロに取り組む自治体、民間団体への財政支援を特別枠として明確に位置づける、そういうことは可能なのか、お聞きしたいと思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま御指摘ございました動物の収容につきましては、犬や猫の引取りは動物愛護管理法に基づきまして都道府県等が行うこととされておりまして、引き取った犬や猫は都道府県等の動物愛護管理センター等に収容されているところでございます。
環境省におきましては、平成二十一年度から毎年度、予算を計上いたしまして、都道府県等が整備する動物愛護管理センター等への補助を行っているところでございます。例えば、令和八年度当初予算におきましては、約一億九千万円を確保しているというところでございます。こういった形で都道府県等を支援しているという状況でございますので、現在、ナショナルセンターといった、こういったことは検討していないという状況でございます。
また、かみ癖があるなど譲渡に問題のある犬や猫が譲渡しやすい状態になるよう、適正譲渡講習会の開催などを通じて都道府県等の取組を支援しているところでございます。
先ほどの御質問で殺処分ゼロの件がございましたが、今やむを得ず殺処分をしているものには、こういったかみ癖があるなど譲渡に問題があるものは現時点では殺処分にせざるを得ないという事情はございますが、とはいっても、適正に飼養することによってかみ癖をなくすなど、こういったことを推進していくための講習会ということも実施しているところでございます。
引き続き、都道府県等と連携いたしまして、引き取った犬や猫の殺処分がなくなることを目指して、返還、譲渡を促進していきたいというふうに考えているところでございます。
○川委員 ありがとうございます。
地方の方には、財政的支援として、保健所設置などの補助として、今年度であれば一・九億円の予算を計上しておるということですけれども、当然、地元の負担金というのもありますし、財政的に余裕のない自治体であれば、それもやはりなかなか出せないという部分があります。そういう部分を考えると、まだまだやはり国が救済すべき部分が多いと思いますので、是非とも、地域に任せるだけではなくて、国として積極的にまた対応もしていただきたいというふうに思います。
次に、悪質な繁殖業者とペット販売の問題についてお聞きをしたいと思います。
現行法では、第一種動物取扱業の登録制や数値規制が導入がされましたが、それでもなお、悪質な繁殖業者による過密飼育、劣悪な環境による多頭飼育崩壊が、そういう事案が各地で起きています。自治体の立入検査や指導だけでは十分と言えず、結局、行政やボランティアが後始末をしている、そういう構図が続いているのが現状であります。
特に、動物取扱業としての登録を行っていない者に対する、多頭飼育崩壊、これが目立っていると思います。全国で相次いでおり、現行法では、なりわいに該当しないケースについては行政の指導監督権限が十分に及ばず、救済が後手に回るという指摘があります。
また、ペットショップでの犬猫生体販売については、段階的禁止を視野に入れ、動物保護の譲渡仲介業への業態転換を支援すること、これも必要だと思います。さらに、インターネット販売は、対面販売や年齢制限の規制の枠はつくられましたが、全面禁止、大幅規制まで進んでおらず、購入直前に講習を義務化することで衝動買いと安易な飼育放棄を抑制すべき、できると思いますので、こういうことも対応いただきたいと思います。
海外では、ドイツでペットショップでの犬猫販売はごく限定的になっております。オランダでも、厳格な繁殖規制や登録制度、不妊、去勢の徹底により野良犬を事実上ゼロにし、安易な繁殖や衝動買いを抑える仕組みが整えられています。日本もそこに近づくべきではないでしょうか。
ここでお聞きをします。
悪徳繁殖業者や不適切な販売を根絶する上で、現行法制の最大の弱点はどこにあると認識をしているのか。登録制の限界なのか、数値規制、立入検査の運用なのか、罰則の水準なのか、具体的にお示しをください。また、次期法改正について、許可制への格上げ、生体販売の段階的な禁止、ネット販売規制や購入直前講習義務化といった点にどこまで踏み込めるのか、方針をお聞きしたいと思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
動物取扱業者に適切な飼養を求める観点から、動物愛護管理法に基づきまして飼養管理基準が定められているところでございますが、当該基準には抽象的な内容も含まれておりますので、悪質な動物取扱業者への効果的な指導や取締りが困難な場合があるというふうに認識をいたしております。
このため、都道府県等による動物取扱業者への指導や取締りの実効性を高めるためには、様々な動物の種類や習性に応じまして飼養管理基準を具体化することが重要であると考えております。
こういった認識を踏まえまして、環境省におきましては、令和三年度に、犬と猫を対象とした飼養管理基準について、例えばケージのサイズや従業者一人当たりが扱うことができる頭数を定量化するなど、具体化したところでございます。
現在は、犬猫以外の哺乳類を対象とした飼養管理基準の案につきまして有識者の意見を聞きながら検討を進めており、今年二月にはパブリックコメントを実施したところでございます。
こうした取組を着実に進めながら、引き続き、都道府県等と連携いたしまして、動物取扱業の適正化を含め、動物愛護管理法を適切に運用してまいりたいと考えているところでございます。
なお、今、動物愛護管理法の次期改正についてお尋ねがございましたが、現在、この法改正につきましては、超党派の議員連盟による議論が進められているところでございまして、その中で、飼養管理基準の実効性を確保するための方策が論点とされていると承知いたしております。
環境省といたしましては、この議論の動向を注視するとともに、求めに応じて必要な情報を提供してまいりたいと考えているところでございます。
○川委員 余りにも利益を求め過ぎる繁殖業者であったりペットショップ、そういうところがやはり問題を起こすというふうに考えておりますので、是非、罰則を厳しくなっていくように、今後、検討というか対応いただきたいと思います。
次に、四点目に、動物虐待防止と法の執行体制についてお聞きをします。
動物虐待については、前回改正で罰則の引上げなどが行われましたが、現場では依然として、通報があっても十分に動けない、そして、自治体と警察の役割分担が曖昧で、誰が責任を持って踏み込むのか分からないという声が多く聞かれます。
虐待を見過ごすことは、人への暴力や他の犯罪の温床にもなりかねず、決して軽視はできません。次期改正に向けた議論では、虐待が疑われる場合に警察や自治体が飼い主の同意なく動物を一時保護できる緊急一時保護制度、重度の虐待が認められた場合に飼い主から動物の所有権を一時停止、剥奪できる制度、虐待の定義を明確化、通報から立入検査までの対応の義務づけなどが論点とされています。
私は、これらに加え、虐待通報に対する専門の捜査官、捜査班ですね、いわゆるアニマルポリス的な組織を自治体又は広域で設置できることを法律上明記をし、国が財政的そして人的支援を行うべきと考えています。虐待者に対する再発防止プログラムや、心理、福祉支援との連携も必要だと思います。
ここでお聞きをします。
動物虐待事案への対応力を高める上で、現在、最大のボトルネックは何だと認識されているのか。法制度、人員、予算、専門性、警察との連携、それぞれについて課題の認識をお示しください。また、次期改正法において、緊急一時保護、緊急権停止、剥奪、アニマルポリス的な専門部署の位置づけをどのように検討されているのか、お聞きをします。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
動物虐待事案の対応に当たりましては、虐待が疑われる事案を自治体が把握した際に、当該事案が虐待に該当するかどうか、こういった判断を現場で迅速かつ的確に行うことが重要であると考えております。こういったことが課題だと考えているところでございます。
このため、環境省では、自治体が現場で迅速かつ的確に判断できるよう、専門家の知見を踏まえましたガイドラインの策定や、動物虐待に関する知識や技術の習得を目的とした職員向け研修会の開催などを通じまして、自治体の対応を支援しているところでございます。
また、警察との連携についても重要と認識しているところでございます。このため、環境省担当官による警察大学校の研修における関係法令に関する講義や、自治体における警察との定期的な連絡会議の開催などを通じまして、環境省や自治体が持つ動物虐待に関する知見や情報を積極的に警察と共有しているところでございます。
なお、動物愛護管理法の改正につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、現在、超党派の議員連盟による議論が進められているところでございまして、その中で、先ほど御指摘ございました、命の危険にさらされている動物を緊急的に保護する方策が重要な論点とされていることは承知しているところでございます。
環境省といたしましては、引き続き、法改正の議論の動向を注視するとともに、自治体及び警察等と連携いたしまして、動物愛護管理法を適切に運用してまいりたいと考えているところでございます。
○川委員 ちょっと時間がないので早めにお話をしますが、最後に、命の教育と社会全体の文化の問題として伺います。
私が金沢市や石川県で殺処分ゼロに取り組む中で痛感をしたのは、行政の施策だけではなく、地域全体で命を大切にする文化を育てていかなければ、本当の意味での解決には至らない、そういうふうに思っております。
そのためには、学校現場であったりとか、あと、全国的な命の教育を含めたキャンペーン、動物社会福祉に貢献した個人への表彰、動物を大切にする文化を社会に根づかせる、そういうべきだと思います。動物に優しい社会は、人にも優しい社会につながると思います。
ここでお聞きをします。
次期動物愛護管理法改正において、命の教育、普及啓発について、国及び地方公共団体が学校教育、社会教育において命の尊重及び動物の愛護に関する教育を推進する責務を負うこと、環境大臣と文部科学大臣が動物愛護教育の指針や教育、教材整備の方針を共同で定めること、こうした規定を盛り込むことについてどのようにお考えでしょうか。また、人と動物が幸せに暮らす社会の実現に向けて、国民運動としての広報啓発や表彰制度などを法と予算の両面からどう位置づけるのか、ビジョンとしてお示しください。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の教育や普及啓発につきましては、現行の動物愛護管理法におきまして、国及び地方公共団体は、動物の愛護と適正な飼養に関し、学校や地域等における教育活動等を通じて普及啓発を図るよう努める旨が規定されているところでございます。
また、同法に基づく動物愛護週間には、国及び地方公共団体は、命あるものである動物の愛護と適正な飼養について国民の関心と理解を深めるための行事の実施に努める旨が規定されているところでございます。
こういった規定を踏まえまして、環境省では、毎年、動物愛護週間に表彰などの行事を行っているところでございます。また、全国の自治体においても、様々な教育活動や普及啓発活動が実施されているところでございます。
また、文部科学省との連携という観点については、学校動物の適切な飼養管理を推進するため、学校関係者が自治体職員に相談しやすい環境を整える等の取組も行っていると承知いたしております。
○山下委員長 答弁は簡潔に願います。
○成田政府参考人 はい。
環境省といたしましては、動物愛護管理法の目的である人と動物の共生する社会の実現に向けて、動物愛護の普及啓発に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○川委員 時間になりましたので、これで終わります。ありがとうございました。
最後に一点だけ、冒頭申し上げた殺処分ゼロ、この法律への明記、しっかりと期日をつけてやっていただきたいと心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。
この内閣委員会において、本日午前も、大島委員、平委員の御質問の中で、最新のAIモデルとサイバー攻撃のリスク等に関連した質疑がございました。
AIモデルの能力をどう評価するか、そして、その評価に基づいて、活用や、リスクに対する備えについても考えていくということは、もはや国家にとって最優先アジェンダの一つです。
今月、四月七日にアンソロピック社がクロード・ミュトスを発表してから、政府・与党でも、平先生を含め関係する方々の御尽力もあり、四月中に我が国でも、国と民間事業者が連携し合って対処に当たる取組、これが具体化しようとしていることは、まず前向きに受け止めたいと思います。
その上で、このような最新モデルへの対処は、今後更に短い軸での緊急対応が求められることも考えられます。
今回のように、起きてからすぐプロジェクト化していく動きも重要ですが、同時に、常日頃からAIモデルに対するきちんとした評価ができる体制にしていくことも必要不可欠です。日頃の備えによって、例えば三週間かかる対応を一週間、数日でできるようにしていく。我が国の経済安全保障、そして国益を守るためには、これができるようになっていかなくてはならないと思います。
そこで、このお時間はまず小野田大臣に、人工知能基本計画に基づくAIセーフティ・インスティテュート、以下AISIの機能強化について伺います。
御案内のとおり、昨年十二月の人工知能基本計画の閣議決定を受けまして、我が国でも、AIガバナンスの中核を成す機関として、AISIの抜本的な機能強化の方針が示されました。このAISIの強化というところは、我々チームみらいとしても提言として強く主張させていただいた内容でございまして、この必要性は政府とも認識を共有しているものと思います。
国際的にもAISIのネットワークは広がりを見せており、先般のインドAIインパクト・サミットでも、各国AISIの役割や機能強化に関する議論がなされたと承知をしております。特に、イギリスのAISIは、最新のAIモデルについて、サイバー分野はもちろん、生物、化学、自律性といった能力の領域ごとに、個別のモデルを対象とした評価レポートを継続的に公表しておりまして、AIモデルの評価を国際的に牽引している姿がはっきり見て取れると思います。
これに対して、我が国のAISIが公開しているアウトプットに目を向けますと、例えば、AIセーフティ評価観点ガイド、AIセーフティに関するレッドチーミング手法ガイドなど、評価の枠組みであったり方法論の整備というところが先行していて、これら、これ自体は重要な基盤整備として率直に評価できるものですが、個別のモデルを対象に評価を実施して技術レポートを出すという実績については、まだこれからという状況であるように思います。
技術レポートを出すということがなぜ重要かというと、最新のAIモデルを開発している事業者、これはアンソロピックもそうですが、ほかにも何社かありますが、そうした事業者が一般に公開される前のAIモデルについて事前のアクセスをAISIに提供する、こういったことはあるわけですが、この判断をするためには、そもそもそのAISIが評価能力を有する機関であるということが国際的に実証されている必要があります。
常日頃から評価能力があるということを国際的に示し、そして、事前の共有を受けられる関係性、こういったものをつくることで、我が国AISIが世界最先端のモデルに日頃から早期に評価する機会を得る、こういったことを目指していただきたいわけです。
そこで、小野田大臣に伺います。
大臣に、AISIとして個別の最新AIモデルを対象とした評価を実施し、その結果を技術レポートとして公表する方針はあるのかと、その取組に関するロードマップ等の検討状況について。第二に、最先端のAIモデルを有する事業者との事前アクセスに関する協議や連携の状況について。そして第三に、英国のAISIを始めとする国際社会に対して、我が国AISIがどのように技術的貢献を目指すのか。これらについて、大臣のお考えをお聞かせください。
○小野田国務大臣 AIの安全性、セキュリティーの確保はAIの利活用を促進する上で極めて重要でございまして、AIセーフティ・インスティテュート、AISIの機能強化は喫緊の課題です。
委員の御指摘のとおり、特に、AISIが個別の先進AIモデルを自ら評価し、その結果を海外機関を含めて関係機関に共有する機能を持つことも非常に重要であるというふうに認識しております。
こうしたことから、今挙げていただいた、昨年末に策定したAI基本計画においてAISIの抜本的な強化を書いて、AIモデルの技術的評価を適切に行い、当該評価も踏まえ、AIがもたらすリスクに係る実態把握を行うとともに必要な措置を講ずるとともに、AISIの人員を直ちに現行の二倍程度に拡充するというふうにしております。
現在、評価環境の構築に向けた取組を進めておりまして、具体的なロードマップということはなかなか今申し上げられないんですが、ちゃんと人員を強化してそれができる体制にしてそれをやっていくということを、引き続き、AI技術の進展や利用者の様々なニーズに対応できるように、関係省庁のみならず、国内外の関連組織、そして諸外国のAISI等と連携し、AISIの機能強化を強力に進めてまいりたいと思います。
各国のAI担当の要人と話をするときにも、AISI同士の連携とか強化を是非やりたいという話もその都度しておりまして、しっかり積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○高山委員 ありがとうございます。
今も御答弁にありました人員の強化、あるいはそのための予算というところは、是非しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
そして、ロードマップ、時間軸というところ、なかなか難しい面もあるかなと思うのですが、具体の取組の方針と一つの案として、例えば、クロード・ミュトスであったりとか、こういったクローズドなモデルに対する評価をやるということだけではなくて、今オープンソースで公開されているモデル、今日「源内」もオープンソースにするというニュースがございましたが、オープンソースでもいいモデルを各国出しておりますので、そういったモデルに対する評価をまずやっていく。そうすると、自分の会社のモデルに対する評価でなくても、きちんと評価能力があるんだなということを世の中に示すことはできると思いますので、そういったことも是非御検討いただきたいなというふうに思います。
続いて、議題が変わりまして、城内大臣に規制のサンドボックス制度についてお伺いいたします。
御案内のとおり、規制のサンドボックス制度は、AIなど新たな技術の実用化であったり、プラットフォーマー型ビジネスなど新たなビジネスモデルについて、既存の規制との関係が不明確な新技術、新サービスであるという観点から、期間や参加者を限定した実証を認め、そのデータを基に規制改革につなげるというものであると承知しております。
制度の趣旨自体は私も大変優れたものだと思っておりますが、運用というところに目を向けますと、例えば、申請から認定までのリードタイム、認定された件数、そして、実証終了後に本格的な規制改革に結びついた事例の数であったり、まだ改善の余地があるものではないかというふうに思います。
そこで、大臣にお伺いします。
第一に、規制のサンドボックス制度の現状、特にリードタイムのところなどについて、どのような評価をしておられるか。そして第二に、スタートアップ等から実際にこの制度の使い勝手に関する指摘をどういうふうに受けていて認識があるかというところと、それを踏まえた改善策の必要性について、大臣のお考えをお聞かせください。
○城内国務大臣 高山委員の御質問にお答えしますが、規制のサンドボックスとは、言うまでもなく、産業競争力強化法に基づきまして、期間や参加者を限定することにより、規制の適用を受けずに新技術、ビジネスモデルに関する実証を行い、そのデータを活用して規制の見直しに利用する、つなげていく、そういった制度であります。
制度の利用実績としましては、制度開始が二〇一八年六月ですが、それ以降、三十三計画、百五十二者が認定されており、うち三件は実証の結果、法令等の改正につながり、着実に実績を上げているというふうに認識しております。
また、高山委員御指摘のリードタイムでございますけれども、事業者から相談を受けてから実証計画の認定まで、平均で八か月程度であります。そのうち約半数が、実証から一年以内に事業を開始しております。なお、制度を利用した一部の事業者の方々からは、やはり申請書の作成が煩雑であるといった御指摘がありました。
様々な社会課題の解決のために規制のサンドボックス制度を利用する事業者さんに対しまして、実証計画策定などのサポートにハンズオンで取り組むとともに、規制、事業所管省庁と連携しながら、高山委員の御指摘もしっかり踏まえながら、本制度の利活用に今後とも一層取り組んでまいる考えであります。
○高山委員 ありがとうございます。
まさに、よい取組であるからこそ、スピード感を持って、特に、御答弁にもありました八か月というのは、私もスタートアップで働いていた経験がございますが、今と来年ということになりますと、全く事業環境であるとか競争環境も異なる前提で対していく必要もあるといった時間軸でもございますので、少しでもスピード感のある形で事を進めていただきたいというふうに思います。
続いて、城内大臣に、スタートアップ担当大臣でもあり規制改革担当大臣でもあるというお立場も生かしていただきながら、スタートアップ育成戦略と規制改革をどう連動させていくかという観点でお伺いをいたします。
スタートアップ育成五か年計画は、令和四年十一月の策定から約三年半が経過し、五年計画ということでございますから、最終盤に差しかかっているものと思います。
まず、この間の成果につきまして、私としても、スタートアップの社数が当時の一・五倍、二万五千社であるとか、GDPの創出額でいうと兵庫県内の名目GDPに相当するような規模であるというような話も伺っていて、エコシステムの裾野が着実に広がっているんだなという点では、大変評価できる部分もあるかなというふうに思います。
また、人材育成においても、未踏事業の採択実績など順調な推移を見せているものもあると思いますし、この関係者の御尽力、大変敬意を表したいと思います。
他方で、目標としていたものに目を向けると、まだまだ厳しい側面もあると思います。例えば、投資額を十倍にする、十兆円だと目標を置いていたところに対して、計画開始時からほぼ横ばいの八千億円台であるというところであったり、ユニコーン企業数というところ、これはまだ、現時点の社数が問題かというのはありますが、目標百社に対して八社であるというところ、そして、政府調達、三%目標というところも、政府全体ではまだ未達であると承知をしております。
裾野はある意味広がったわけですが、つくりたかった山の高さからすると、まだ足りないところもあるということではないかと受け止めております。
スタートアップを盛り上げていくというところで、しっかりと高さを出していくということに対して、ボトルネックになり得るのがまさに規制であるというところでございまして、医療、ヘルスケア、モビリティー、金融、宇宙、スタートアップが力を入れる領域を並べてみましても、いずれも、どの程度伸びるかということが規制の在り方に大きく影響をされる、成長速度であったりとかどの程度伸びるかというところに直に規制の在り方が影響するという分野が多くあると思います。
先ほども、規制のサンドボックス制度についてもお伺いしましたが、スタートアップ育成の観点からも、どの規制をいつまでにどう変えていくか、この一体で検討をするという視点も重要であるというふうに考えます。
そこで、大臣にお伺いをいたします。
第一に、スタートアップ育成五か年計画の進捗について、大臣としてどのような御認識をお持ちで、残り期間、どこに重点を置いて追い込みをかけるというお考えなのかというところ。そして、大臣、第二に、スタートアップ担当大臣と規制改革担当大臣をお兼ねになっているという立場も生かして、スタートアップの成長のボトルネックとなっている規制分野を特定、そして優先的に改革していただきたいと我々考えておりますが、これに対するお考えをお聞かせください。
○城内国務大臣 お答えします。
委員御案内のとおり、二〇二二年にスタートアップ育成五か年計画を策定いたしまして、それ以来、官民一体の取組を行ってまいりました。
その結果、我が国のスタートアップの数は、二〇二一年の一万六千百社から、委員も御指摘がありましたけれども、二〇二五年には過去最多の二万五千社に増加するなど、我が国のスタートアップエコシステムは着実に発展しつつあります。
他方で、御指摘のように、十兆円規模というスタートアップへの投資額とかあるいは百社のユニコーンの創出という五か年計画で掲げた目標は、まだ実現できておりません。御指摘のとおりであります。
スタートアップ政策を強化するため、本年、日本成長戦略会議の下に、私自身が分科会長であるスタートアップ政策推進分科会、これを立ち上げまして、現在、精力的に検討を進めているところでございます。
御指摘の規制改革についても、スタートアップの育成推進に極めて重要な課題であると、まさに高山委員と同じ、全く同じ認識でございまして、実は、四月二十二日に開催された日本成長戦略会議においても、スタートアップに係る規制改革について、ちょっと幾つか例を挙げさせていただきますが、独占禁止法に基づく議決権保有制限の見直しとか、あるいはスタートアップの資金調達時の有価証券届出書の提出免除基準の引上げ、さらには、国家戦略特区制度の更なる活用の促進といった対応の方向性をお示ししたところでございます。
今後、高山委員の御指摘も踏まえまして、更に検討を進めて、スタートアップ育成五か年計画を強化し、我が国発のスタートアップが主要なプレーヤーの一つとして活躍する強い経済の実現に向けた戦略を五月までにまとめたいというふうに考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
五月までにまた次の戦略というところで、その内容も是非注目しながら、引き続きいろいろと議論をさせていただきたいと思います。
まさに、このスタートアップの領域、きちんと粒ぞろいの成功をしていくことももちろん大事、百点、百二十点を目指すことも大事なわけでございますが、やはり、海外、特に米国に目を向けると、百点、百二十点を目指すという視座ではなくて、千点を目指すみたいなぐらいの成長をするような企業が何社生まれるかというところで、市場自体も大きく広がっていく、そういった特性があるかなというふうに思います。
今、スタートアップで頑張っておられる方々もそういった千点を目指す夢が見られるというか、そういったことも現実的になるなというチャレンジができるような規制改革ということを是非進めていただきたいなというふうに思います。
もう一点是非お伺いしたいのが、私、成長戦略の観点と規制改革の観点という御質問を大臣に何度かさせていただいていると思うのですが、やはり、省庁の方は、お話を伺っても、すごくそれぞれで仕事をしっかりやられているということは感じるんですが、成長戦略の目線と規制改革の目線というのは日頃考える目線が結構違うんだろうなというところでございまして、その両側の目線を持つ大臣から、この連動であったりとか、あるいは、ある意味自分の所管を超えて、向こう側を想像して働くといいんじゃないかみたいなところのお考えについて、是非一言いただけないでしょうか。
○城内国務大臣 大変これは適切な御指摘だと思います。おっしゃるように、成長戦略の目線と同時に、反対側に、それを実現するために規制改革をどうしていくかということは、本当に重要な御指摘だと思います。
そういった観点から、十七の戦略分野がございますが、それと同時に、分野横断的課題として八つの課題がございまして、その中にもスタートアップというのがございまして、また、私、御指摘のとおり、日本成長戦略担当大臣であるとともに、まさにスタートアップの担当でもあり、規制改革の担当でありますので、省庁の垣根を越えて、御指摘のとおり、日本成長戦略を策定すると同時に、スタートアップの視点、そして規制改革の視点もしっかり、横串を刺しながら、各戦略分野にそういった観点を、別の角度から注視するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
まさにそういった目線を日頃から、関わる方に対してお示しいただくということが、ある意味で、こういった複数の担当大臣を兼ねられている城内大臣としても、非常に、もし私が担当者であれば聞きたいなと思うところですので、是非引き続きよろしくお願いいたします。
これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、中村はやと君。
○中村(は)委員 本日最後の質問者となります。無所属の中村はやとです。
私は二期目なんですが、一期目は、環境委員会に所属し、気候変動やごみリサイクル問題、太陽光パネルの問題等について勉強してきましたが、この内閣委員会では、個別の分野を超えて、政府全体で俯瞰的に考えるべきテーマについても議論できる場だと考えており、まさにそうしたテーマの一つである経済財政政策について、今日は城内大臣に質問をさせていただきたく思います。
第二次安倍政権以降、経済再生と財政健全化の両立との明確なスローガンが打ち出され、先般の城内大臣の委員会所信においても、強い経済の構築と財政の持続可能性の実現を両立させるとの言葉がありました。その意味するところは文字のとおりだと思っておりますが、経済成長も財政健全化もどちらも大切であり、二兎を追うということだと理解しております。
私も、この基本方針に異論はありません。ただ、重要なことは、その時々の経済財政状況を踏まえ、両者のバランスをいかに取るかであると私は考えております。
高市総理は、所信演説の中で、長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切ると宣言されておられます。財政規律にも十分配慮するとおっしゃりながら、実際にはプライマリーバランス目標に柔軟性を持たせる検討を進めるなど、成長重視のスタンスであることは明らかです。
そうした中、お手元に資料を配付しておりますが、先月末に開催された経済財政諮問会議では、オリビエ・ブランシャール教授とケネス・ロゴフ教授というマクロ経済界の世界的権威を招き、高市政権の経済財政運営について意見交換を行っておられます。
当日の議事録を拝見すると、高市政権の積極財政を直接否定する指摘はなかったと思いますが、教授たちからは、五年後若しくは更に短い期限でのプライマリーバランス均衡の重要性や、高い債務残高比率ゆえの金利上昇時のリスクについて指摘を受けております。
率直に言って、私は、この議事録を読んだときに、教授たちは高市政権が掲げる成長重視の積極財政に対して警鐘を鳴らされているのではないかと感じました。配付資料にもあるとおり、主要紙の受け止めも同様です。
債務残高がGDPの二倍を超える規模に積み上がり、持続的な金利の上昇も懸念される状況を踏まえれば、今は財政健全化の手綱を緩めるべきときではないと考えておりますが、大臣のお考えをお伺いいたします。
○城内国務大臣 お答えします。
高市内閣の責任ある積極財政、これは当然、財政の持続可能性に十分配慮した財政政策でありまして、マーケットからの信認を損なう、いわゆる野方図な財政政策を取っているわけではございません。戦略投資を拡大することによって、責任ある積極財政はやはり将来の経済成長と所得をもたらすものであります。
三月二十六日の経済財政諮問会議では、御指摘のとおり、ブランシャール教授とロゴフ教授から日本の経済財政運営について貴重な御助言を賜りました。活発な議論を行うことができたというふうに認識しております。
お二人からは、例えば、我が国は投資が不足していること、また、債務残高対GDP比の安定化が欠かせないこと、さらには、世界的に金利が高まり、不安定化が進む中で、金利上昇に備えたリスク管理が大切であることなどについて御発言がございましたが、これらの御発言は高市内閣の方針と軌を一にするものであると考えております。
具体的には、ブランシャール氏は、高市総理がお考えのことは極めて実行可能であるとか、あるいは、ロゴフ教授は、非常によいアイデアが示されていると、戦略投資拡大も積極財政も賛同の意を示されたわけでございます。確かに、お配りされました記事の中身を私も承知していますが、そういう状況でございます。
高市内閣では、いずれにしましても、市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えることとし、また、政府債務残高のGDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
引き続き、責任ある積極財政の考え方の下、投資すべき分野へのやはり大胆な投資を行いつつ、強い経済、そして片一方では財政の持続可能性、これをバランスよく同時に実現してまいる考えでありまして、また、将来の経済成長と所得をもたらすためには、やはり、高市総理が強調されたように、供給力、物、製品や、より質の高い製品、サービスを生み出す供給能力を拡大する、そういった戦略投資が必要であるというふうに考えています。
○中村(は)委員 ありがとうございます。
となると、お二人からはどちらの面でも指摘や御意見があったということなので、厳しい指摘もありながらも、評価される部分もあったと。私がちょっと懸念しているのは、今回のことによってお墨つきを与えられたみたいな感じになってしまうと困るなというふうには思っておりますので、そういう点で確認をさせていただきました。
次の質問です。高市政権の成長戦略の肝である危機管理投資についてです。
高市政権では、危機管理投資を、投資を上回るリターンを通じてGDPの成長にも資するものと位置づけ、債務残高対GDP比の低下にも有効だと考えられているようでございます。
しかしながら、この点についてブランシャール教授は、こうした投資の重要性について理解は示されているものの、財政的収益が見込めるとは言い難い、そして、成長を押し上げるかもしれないし、そうでもないかもしれないとも御指摘されております。
私は、成長分野への投資は否定しません。中期的、長期的な視点から、我が国の持続的成長のために政府は成長分野への投資をもちろんやるべきです。ただ、投資はあくまでも投資であって、投資をしたから必ず経済成長につながるわけではないということも十分認識すべきだと考えております。これまでも毎年赤字国債を刷り増して多くの成長投資をしてきたのに、力強い成長が見られない我が国の現実から目を背けるべきではないと思います。
高市政権では、成長投資がGDPを拡大し、債務残高対GDP比を低下させて、市場の信頼を得られると主張されておられますが、投資頼み、成長頼みの財政健全化では実現可能性が担保されません。むしろ、計画性のない策としてマーケットの信認を失ってしまうのではないかと危惧しております。
債務残高対GDP比の引下げにとって重要なことは、GDP成長に頼り切るのではなく、債務そのものをこれ以上増やさないこと、着実に減らしていくことなのではないでしょうか。大臣の見解を伺います。
○城内国務大臣 ちょっと若干誤解があるんじゃないかと思うので、ちょっと御説明させていただきます。
繰り返しになります、高市内閣の責任ある積極財政の考え方の下、投資すべき分野への大胆な投資、これは、全ての分野に同じ額でばんばん投資するというのではなくて、投資すべき戦略分野、勝ち筋、投資した分、後でリターンが見込まれる分野、今そこに限定して大胆な投資を行い、先ほど申しました、強い経済と、片一方の財政の持続可能性をバランスよく同時に実現していくこととしております。戦略投資の拡大によって、タイムラグはありますけれども、将来の経済成長と所得をもたらす供給能力の拡大、それによって財政の持続可能性をより高めていくという考え方であります。
令和八年度予算においても、国の一般会計において、新規国債発行額、これは二年連続で三十兆円未満に抑えています、そしてまた公債依存度も低下させるなど、繰り返しになりますけれども、財政の持続可能性にも十分配慮した姿となっております。
債務残高対GDP比も、政府が負う債務について、その利払いというか、返済の原資となる税収を生み出す元となる国の経済規模、すなわちGDPに対してどの程度の割合になっているかを示した指標でございまして、財政の持続可能性を見る上で有意義だというふうに考えています。また、債務残高対GDP比につきましては、先日の経済財政諮問会議において、ブランシャール教授、ロゴフ教授も重視されているというところでございます。
いずれにしましても、引き続き、市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行い、繰り返しになりますけれども、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していくという考えであります。
○中村(は)委員 ありがとうございます。
城内大臣のお話は、今までもそうしてきたし、これからもちゃんとやるということだと思うんですけれども、だとすると、やはり、責任ある積極財政という言葉自体が、何かもう、成立するのかな、何だか不思議な言葉だなという違和感は、ずっと考えていたところではあったんです。
いずれにしても、こういったもやもやというのは、それぞれの立場によってやはり感じ方というのは大きく違うと思うんです。そういった中で、重要なのは、私は客観性だというふうに思っております。私としては、健全化に関しては、手堅く、確実なスタンスで臨むべきだと考えております。
最後に、政府の取組の客観的レビューについて伺います。
市場からの信認を得るためには、政府の健全化の取組が本当に成果を出しているか、経済財政政策の客観的な検証が必要になります。今回、諮問会議において、世界的な有識者から政府が率先して厳しい指摘をもらったことは高く評価されるべきだと思いますが、こうした客観的な評価は、アドホックではなく、継続的、構造的に行われるべきです。本来は諮問会議がそうした役割を担うべきなのかもしれません。しかしながら、諮問会議はあくまでも政府のリーダーシップを発揮させるための総理のための組織であり、その会議のメンバーで幾ら議論を重ねても客観的な評価とはみなされないと考えております。
例えば、今月十三日にも諮問会議が開催され、四人の民間議員の方が、教授たちとの議論を踏まえた見解を示されています。しかしながら、そこには、教授たちが示された日本財政への厳しい御指摘についての言及はなく、あくまでも高市政権の取組をオーソライズするだけの内容になっています。せっかく世界的マクロ経済学者のお二人からいただいた貴重な御批判も、二週間もすれば諮問会議の中では忘れ去られてしまうようです。
こうした現実を踏まえるに、いわゆる独立財政機関のような客観性の高い機関を設置して、政府の経済財政政策が定期的にレビューされる仕組みを構築すれば、お手盛りの評価を排除し、自らを厳しく律する姿を示すことができ、市場からの信認の獲得につながるのではないかと私は考えます。独立機関をどこに設置するかという点については今回は踏み込みませんけれども、いずれにしても、政府にとっても、こうした機関の設立は政策に客観性と透明性をもたらす意味でのプラスに働くのではないでしょうか。
経済再生と財政健全化の両立に向けて、政府の経済財政政策を客観的に評価する独立機関を設立することについて、大臣の見解を伺います。
○城内国務大臣 お答えします。
ただ、一点だけ、先ほども私御答弁させていただいたように、そういった記事あるいは報道があることは承知しておりますけれども、確かに両教授どちらかから金利上昇に備えたリスク管理は重要だという御指摘がありましたけれども、両者とも、ブランシャール教授もロゴフ教授も、お二人とも、戦略投資拡大の積極財政についてはよいアイデアだということで御賛同いただいたというふうに、私は、あるいはその場にいた関係者の皆さんはそのように認識しております。
御指摘の独立した組織についてですが、まず経済財政諮問会議について御説明しますと、これは、専門的、中立的な御知見を有する学識経験者なども参画する中で、経済財政について活発な議論を行っている、そういう場でございます。
マーケットからの信認を確保していくためには、やはり、経済財政諮問会議における議論も踏まえながら、経済財政運営の方針についてその専門的、中立的な知見も含め様々な観点から検討を重ねること、その上で、決定した方針に従い、政府一丸となって強い経済の構築と財政の持続可能性の実現の両立、何度も繰り返しますけれども、両立に取り組むことが重要であると考えております。引き続き、債務残高の対GDP比の安定的な引下げに取り組んでまいります。
そしてまた、債務残高対GDP比などの財政指標の持続可能性の確認にもやはり資するような形で、成長率あるいは金利などの不確実性を織り込む分析、検証を強化し、あわせて、市場関係者との緊密な対話に努め、政府としてもマーケットからの信認を確保していくこととしております。
御指摘の政府から独立した組織、これにつきましては、例えば国会などの政府外に設置すべきという御提案であれば、やはりこれは政府としてこの場でお答えすべき立場にはないということで御理解をいただければ、ありませんが、そういう御指摘があったということはしっかり受け止めさせていただきました。
○中村(は)委員 是非、前向きに検討という感じではなくて、是非、こういう声はもうかなり出てくると思いますので、これも私の主観になっちゃうかもしれませんけれども、検討を真剣に考えていただければなというふうに強くリクエストさせていただきます。
私は、経済財政運営は危機管理だと考えております。安全保障の世界でも、防災の世界でも、有事においては甚大な影響が出るからこそ、そうした事態を起こさない努力を日頃から行います。経済財政運営もそれと同じで、一たび危機的な状況が訪れれば、国家が、そして日本国民が生活が立ち行かなくなるわけであり、政府にはそうした事態を決して起こさない努力が求められているはずです。そうした努力こそがまさしく責任ある経済財政運営だと私は思っております。
私は、高市総理が、戦略的な成長投資を行うとともに、財政規律にも十分配慮していただけるという姿勢を明らかにしていただいたので、首班指名では高市早苗さんの名前を書いているというところもあるんです。だからこそ、そういった面を深く受け止めていただいて、今後、取り組んでいただければと思います。
時間になりましたので、私の質問は終わりにさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。
○山下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時三分散会

