第10号 令和8年5月13日(水曜日)
令和八年五月十三日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 山下 貴司君
理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君
理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君
理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君
理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君
井出 庸生君 今岡 植君
岩崎 比菜君 大空 幸星君
長田紘一郎君 金子 容三君
川崎ひでと君 河野 正美君
佐藤 主迪君 世古万美子君
平 将明君 中田 宏君
平井 卓也君 平沢 勝栄君
藤沢 忠盛君 文月 涼君
古川 直季君 松本 泉君
村木 汀君 山本 大地君
吉田 有理君 若山 慎司君
渡辺 勝幸君 渡辺 博道君
大島 敦君 長妻 昭君
黒田 征樹君 西田 薫君
近藤 雅彦君 野村 美穂君
川 裕一郎君 高山 聡史君
林 拓海君 塩川 鉄也君
中村はやと君
…………………………………
国務大臣
(経済安全保障担当) 小野田紀美君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 若山 慎司君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 門松 貴君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 米山 栄一君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 早田 豪君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 殿木 文明君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 泉 恒有君
政府参考人
(金融庁総合政策局参事官) 大城 健司君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 坂越 健一君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 柴山 佳徳君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 三宅 史人君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 大塚 建吾君
政府参考人
(財務省大臣官房参事官) 渡邉 和紀君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 福井 俊英君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官) 森 真弘君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 西脇 修君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 畑田 浩之君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 奥家 敏和君
政府参考人
(経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官) 佐々木雅人君
政府参考人
(経済産業省貿易経済安全保障局貿易管理部長) 猪狩 克朗君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 今井 新君
政府参考人
(防衛装備庁長官官房審議官) 滝澤 豪君
政府参考人
(防衛装備庁装備政策部長) 小杉 裕一君
政府参考人
(防衛装備庁プロジェクト管理部長) 家護谷昌徳君
内閣委員会専門員 田中 仁君
―――――――――――――
委員の異動
五月十三日
辞任 補欠選任
井出 庸生君 松本 泉君
大空 幸星君 渡辺 勝幸君
平 将明君 今岡 植君
吉田 有理君 世古万美子君
若山 慎司君 藤沢 忠盛君
渡辺 博道君 岩崎 比菜君
野村 美穂君 近藤 雅彦君
高山 聡史君 林 拓海君
同日
辞任 補欠選任
今岡 植君 平 将明君
岩崎 比菜君 山本 大地君
世古万美子君 吉田 有理君
藤沢 忠盛君 若山 慎司君
松本 泉君 井出 庸生君
渡辺 勝幸君 大空 幸星君
近藤 雅彦君 野村 美穂君
林 拓海君 高山 聡史君
同日
辞任 補欠選任
山本 大地君 渡辺 博道君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
会計検査院当局者出頭要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
――――◇―――――
○山下委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官門松貴君外二十一名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山下委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。中根一幸君。
○中根委員 おはようございます。自由民主党の中根一幸です。
本日は、経済安全保障推進法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。よろしくお願いします。
自由民主党は、我が国における経済安全保障施策の議論を当初から主導してまいりました。二〇二二年、経済安全保障推進法が成立してから、経済安全保障という言葉はより身近なものになってきているのではないでしょうか。
その理由の一つとして、足下の中東情勢なども含めて国際情勢が大きく変化する中で、我が国の経済安全保障をめぐる課題が複雑さを増していることが挙げられます。各国における先端技術の開発競争も激化していることを踏まえれば、本法案を速やかに成立させ、必要な対応を速やかに行うことが重要です。
他方で、もう一つの理由は、経済安全保障推進法を契機として、民間事業者における取組が進展していることが考えられます。外交や防衛といったいわゆる伝統的な安全保障の分野とは異なり、経済安全保障は、まさに経済活動の主たる担い手である民間事業者が果たす役割が非常に重要であり、官民双方に、非常に仲よく、また緊密な連携が不可欠でございます。
厳しい状況の中で経済安全保障に日々取り組んでおられる民間事業者の方々に敬意を表した上で、官民連携の観点に重点を置いて、本法案に関して質問いたします。
現行の経済安全保障推進法は、大きく四つの異なる制度が存在します。その中で、基幹インフラ制度は、我が国の経済社会を支える重要なインフラが安定的に提供されることを確保するために重要な役割を果たしていると思います。
そこで、まず政府参考人にお伺いします。
この基幹インフラ制度は、二〇二四年の五月から適用を開始され、約二年が経過していますが、制度の運用を通じてどのような成果が得られたとお考えでしょうか。
○米山政府参考人 お答え申し上げます。
基幹インフラ制度でございますけれども、令和六年五月十七日から制度の運用を開始いたしまして、令和六年度には全事業所管省庁合計で九百七十二件の届出を受け、審査を行ったところでございます。
審査におきましては、基幹インフラの重要な設備が我が国の外部から行われる妨害行為の手段として使用されるおそれが大きいかどうかについて審査を行っているところでございます。審査の詳細についてはお答えは差し控えるわけでございますけれども、審査におきましては、基幹インフラ事業者等との意思疎通を行い、その結果、基幹インフラ事業者において我が国の外部から行われる妨害行為のリスクを低減するために必要な措置が講じられることで、妨害行為の手段として使用されるおそれが低減し、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保につながっているものと考えております。
引き続き、基幹インフラ制度の着実な運用を通じまして、基幹インフラ役務の安定的な提供を確保してまいりたいと考えてございます。
○中根委員 ありがとうございます。
基幹インフラ制度につきましては、先ほどお話がありましたように、令和六年度だけで全省庁合計で九百七十九件の届出を受け、審査を通じて事業者との意思疎通が進み、外部からの妨害リスクを低減する効果が出ているものと受け止めます。
基幹インフラは、国民生活と経済活動を支える土台であります。引き続き、事業者の負担を考慮しながら、配慮しながら、制度の着実な運用を通じて、役務の安定的な提供の確保に努めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、小野田大臣に伺います。
先ほど申し上げたとおり、経済安全保障の取組を推進するに当たっては、経済活動の担い手である民間事業者と連携し、産業界にも理解をいただきながら官民が取組を進めること、これが重要だと思っております。基幹インフラ制度について、単に事業者に負担を押しつける仕組みにならないよう、民間事業者の意見も聞きながら官民で連携することが重要ですが、どのように取り組んでいるのか、お伺いします。
○小野田国務大臣 基幹インフラ役務は民間事業者を中心に提供されているものであり、制度の目的を達成するためには、民間事業者に対し国から一方的に負担を課すのではなく、国と民間事業者が相互に連携して取り組んでいくことが不可欠であると考えております。このため、内閣府及び事業所管省庁において、基幹インフラ制度に関する相談窓口を設置し、事業者等からの相談に対応しております。
また、事業所管省庁は、重要設備導入時における国の事前審査に際して基幹インフラ事業者等と意思疎通を行うことで、妨害行為のリスクを低減するために必要な措置を講ずるように、より早期の段階から事業者等に検討を促すこともあり得るところです。
こうした個々の意思疎通に加えて、制度改善に向けたアンケートなどを実施しているところでありまして、このような取組を通じて基幹インフラ事業者様から様々な御意見をいただいておりまして、これらの御意見も踏まえて、本法案において制度の運用改善を図るための改正を盛り込んだところでございます。
また、法改正事項以外にも、より事業者の予見可能性を高めるために、これまで、内閣府や事業所管省庁が公表している制度の解説、いわゆるQアンドAの見直しを随時行ってまいりました。今後も、より制度を改善すべく、届出事項そして手続等を定める省令等の見直しを行うこととしております。
引き続き、民間事業者等と密に意思疎通を図りながら、不断に基幹インフラ制度の改善に向けた見直しも行うことで、事業者の負担軽減、そして制度の実効性が図られるように取り組んでまいりたいと思います。
○中根委員 小野田大臣、詳細な答弁ありがとうございます。
現場の声をしっかりと聞きながら制度改善に取り組んでいるとの答弁、心強く受け止めました。経済安全保障は官民の信頼があって初めて成り立つと思っておりますので、引き続き、分かりやすく、また使いやすい制度運用をお願いいたします。
既存の十五分野での運用や民間事業者から寄せられた意見を踏まえて、制度そのものについて不断に見直していくことが重要ではないかと思います。今回の改正法案でも制度改善を図る内容が盛り込まれておりますが、どのような対応を行うのか、政府参考人にお伺いします。
○米山政府参考人 お答え申し上げます。
まさに委員御指摘のとおり、運用上明らかになった課題でありますとか事業者からの御意見等を踏まえまして、不断に制度の見直しを行いまして改善を図っていくことは重要であると認識してございます。
こうした観点から、本改正法案におきましても、事業者の手続負担の軽減でありますとか制度趣旨に沿った適正な運用の明確化等を図るため、例えば、法第五十二条について特定重要設備の導入に係る届出義務の適用範囲を明確化する改正を、そして法第五十三条について事業者の新規指定に係る経過措置規定を見直す改正を、それぞれ行うこととしてございます。
本改正法案以外の制度改善事項も含め、引き続き、事業所管省庁や関係事業者と密に意思疎通を図りながら、不断に制度の見直しを検討してまいりたいと考えてございます。
○中根委員 ありがとうございます。
今回の改正で、法第五十二条、届出の範囲の明確化や、五十三条、経過措置の見直しなど、事業者の負担軽減と制度の実効性を高める上で大変重要なことだと思っています。経済安全保障は、規制を強めるだけではなくて、現場の声を丁寧に聞きながら不断の見直しを進めていただきたいと思います。
次に、重要な物資の安定的な供給の確保についてお伺いいたします。
現在は十六の特定重要物資が指定され、こうした物資を供給する事業者の取組に対して支援措置が講じられているものと承知しております。我が国の経済安全保障にとって重要な物資のサプライチェーンを強靱化すべく、事業者に対する支援は引き続きお願いできればと思います。
今回の改正法案において、重要な物資の供給に不可欠な役務に外部依存性等がある場合も、特定重要物資として指定、支援できるようにする規定が盛り込まれております。また、主務省庁として、特定重要物資の供給に不可欠な役務の提供の事業を所管する省庁も追加されました。この場合、必ずしも、物資の製造を所管する省庁と物資の供給に不可欠な役務を所管する省庁が一致しない場合が出てくるのではないかと思っております。同じ物資とはいえ、その製造と供給に不可欠な役務は、所管する省庁が異なれば、さらにはその支援に必要な情報や知見なども異なるのではないでしょうか。
政府参考人にお伺いします。
このような場合には、一つの特定重要物資に対して複数の支援法人や支援独立行政法人を指定すべきではないかと私は考えますが、いかがでしょうか。
○米山政府参考人 お答え申し上げます。
基本的には、一つの特定重要物資に対しまして、法人が有する知見や体制等に鑑みまして、一つの支援法人又は支援独立行政法人を指定することとしてはございます。
他方、まさに御指摘のとおり、特定重要物資の供給に不可欠な役務、これは必ずしも特定重要物資の生産、輸入又は販売に伴うものとは限らないということでございます。全く別の独立した役務が供給不可欠役務であるような場合には、生産、輸入、販売の事業について知見を有する法人が、当該供給不可欠役務に関しては必要な情報や技術的知見を持っていないということもあり得ると認識してございます。
このため、特定重要物資の安定供給確保に対する効果的、効率的な支援の観点から、取組内容に応じまして、複数の指定法人等を指定することが適切な場合には、複数の支援法人、支援独立法人を指定することも考えられると認識してございます。
○中根委員 ありがとうございます。
基本的には、一つの特定重要物資に対して一つの法人を指定する、特定重要物資の供給に不可欠な役務は、取組の内容に応じて、複数の指定法人また支援独法を指定した方が適切であることも考えられるというようなお話をいただいたと思います。一つの重要物資であっても、製造、敷設、保守、修理など、必要な専門性は異なりますので、状況に応じて複数の支援法人や支援独法を指定していただき、制度の実効性を高めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
一方、複数の事業所管省庁にまたがる場合は、支援を受ける事業者の側からすれば、相談すべき窓口が多岐にわたるようなことがあれば非効率的です。事業者を効果的に支援し、サプライチェーンの強靱化に向けて必要な取組がしっかり行えるように、政府参考人にそれぞれ確認させていただきたいと思いますが、まず、主務大臣はどのように決めるのでしょうか。複数の主務大臣が存在する場合、取組方針はそれぞれ定めるのでしょうか。また、供給確保計画の認定は誰が行うのでしょうか。
○米山政府参考人 お答え申し上げます。
まず、主務大臣の決定についてでございます。
改正後の推進法第八十六条一項におきまして、主務大臣は、特定重要物資の生産、輸入若しくは販売又は特定重要物資に係る特定重要物資等供給不可欠役務の提供の事業を所管する大臣としております。実際に物資の安定供給確保を図るに当たっては、安定供給確保を図る上で必要な取組に係る事業を所管する大臣が主務大臣となって取組を進めることを想定してございます。そのため、ある物資について複数の主務大臣が存在することもあり得ると認識してございます。
そして、複数の主務大臣がまさに存在する場合の取組方針の策定の在り方でございますけれども、サプライチェーンの強靱化に向けた取組を進めるためには、原材料や部品などの調達、生産、在庫管理、配送、販売に至るまでの各段階について、個別に検討するのではなくて、サプライチェーン全体を踏まえて必要な取組の方針を示すことが適切であると考えてございます。このため、複数の主務大臣が存在する場合でありましても、一つの物資については一つの取組方針を策定することを想定してございます。
そして、認定する主体についてでございます。
実際の供給確保計画の認定に当たりましては、各事業に専門的知見を有する大臣が審査をし、取組方針に沿っているかどうかを判断することが適切と考えております。したがいまして、例えば、光海底ケーブルを特定重要物資として指定しまして、生産、そして敷設、それぞれに係る取組を実施する場合におきましては、生産の事業を所管する経産大臣が生産に関わる計画について、そして、敷設の事業を所管する総務大臣が敷設に関わる計画について、それぞれ審査、認定をすることが想定されるところでございます。
詳細については、今後の下位法令の整備の中で、個別の物資ごとの事情も踏まえて検討してまいります。
○中根委員 ありがとうございます。
主務大臣は、特に取組が必要とされる事業を所管する大臣又は複数の大臣という御説明、また、取組方針については、サプライチェーン全体のことを踏まえて、主務大臣が複数いたとしても、一つの物資については一つの取組方針を策定するということ、また、供給確保計画の認定は、当該計画に係る事業を所管する主務大臣が、ほかの主務大臣にも協議した上で認定するというような答弁だったと思います。
今後、省令等の整備の中で、民間事業者の取組をしっかり後押しできる仕組みも是非検討していただきたいと思います。
続いて、今回の改正法案により、経済安全保障上重要な海外事業を支援するため、新たな制度が創設されることになっております。我が国の経済安全保障を推進するためには、優れた技術やサービスを海外に展開しようとすること、国内事業者を後押しすることはますます重要になっていきます。
この特定海外事業促進制度、しっかりとやっていただきたいと思っておりますが、制度を実行していくに当たっては、政府やJBIC側の十分な体制整備と十分な事業費を確保することが必要ではないかと思っております。この点について、御見解をお伺いします。
○泉政府参考人 ただいま御指摘のありました特定海外事業促進制度でございますが、本制度は、昨今の国際情勢の激変を受けまして、同盟国、同志国、そしてグローバルサウス諸国などと協働し、官民一体となって経済安全保障上重要な海外事業を実施する必要があること、さらには、グローバルサウス諸国等の旺盛な需要の取り込みを通じて我が国企業の国際競争力を維持するとともに、地政学上の重要な地域における我が国のプレゼンスを高めつつ、我が国企業が関わる経済安全保障上重要なグローバルサプライチェーンを強化する必要があること、これを踏まえて創設するものでございます。
その上で、新たな制度の実施に当たりましては、制度の運用に当たっての基本的な考え方や詳細な要件等を規定する基本指針等の規定を策定するとともに、そして、当該制度の実施に必要十分な体制や予算を確保することが必要である、このように考えてございます。
このため、現在、本制度において出融資等の業務を行う株式会社国際協力銀行、JBICや関係省庁と連携いたしまして、基本指針などにおいて定めるべき事項とともに、必要な体制、予算などについて検討しているところでございますが、今議員からの御指摘を踏まえまして、制度を迅速に立ち上げて円滑に運用するとともに、本制度の目的である経済安全保障上重要な事業の実施や、それを通じた経済安全保障上重要なグローバルサプライチェーンの強化が確保できますように、必要な体制、予算についてしっかり確保してまいりたい、このように考えてございます。
○中根委員 よろしくお願いします。
最後に、現行法で規定されている特許出願非公開制度についてお聞きしたいと思います。
この制度は、保全指定を行い、出願内容を非公開とすることで、特許手続を通じた機微な技術の公開や情報流出を防止するための制度だと承知しております。特許出願非公開制度は、基幹インフラ制度と同じく、運用開始から約二年が経過しております。どのような運用状況になっているか、政府参考人にお伺いします。
○米山政府参考人 お答え申し上げます。
経済安保推進法の特許出願非公開制度でございますけれども、令和六年五月一日から制度運用を開始いたしまして、制度運用開始後、令和六年度におきましては、内閣府の保全審査に付された件数は九十件、そして、保全審査の結果、特許出願を非公開とする保全指定の件数としては、この段階ではゼロ件であったということでございます。
内閣府としては、情報流出防止という本制度の趣旨にとどまらず、従来、安全保障の観点から特許出願が差し控えられてきた発明について、先願権の確保が可能となるという本制度の活用の側面についても積極的な周知を行ってきたところでございますけれども、引き続き、経済界との丁寧な対話を通じまして、本制度の理解促進を図ってまいりたいと考えてございます。
○中根委員 ありがとうございます。
時間になりましたので、終わりに、経済安全保障を推進するには、今回何度も言ったように、多岐にわたる取組、官民が緊密に連携して行うことが一番重要だと思っておりますので、本法案の成立後は、不断な見直し、体制整備も含めて、引き続き必要な検討を行っていただきたいと思います。
質問を終わります。
○山下委員長 次に、安藤たかお君。
○安藤委員 自民党の安藤たかおでございます。
本日は、質問の機会をありがとうございます。
私も一応医者をやっておりましたので、経済安全保障の中で、特に医療のことに関して五つ質問をさせていただきたいと思います。
まず、小野田大臣にお願いしたいんですけれども、近年、世界の情勢は大きく変化をしてまいりました。半導体や重要鉱物、すなわちレアアースをめぐるサプライチェーンの問題、そして、サイバー攻撃の高度化、地政学的リスクの高まりなど、経済安全保障を一体として考える時代になってまいりました。また、新型コロナウイルスの感染症の流行時には、マスクや医薬品などの供給不足が発生し、国民生活や医療提供体制にも大きな影響を及ぼしました。加えて、医療DXが進む中で、サイバー攻撃による病院機能停止も現実の課題となっております。こうした中で、今回の経済安全保障推進法の改正は、国民の生活や地域社会を守る上で非常に重要な改正であると確信しております。
改めて、本改正の医療の追加の意義と重要性について、小野田大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○小野田国務大臣 経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度は、国民生活の基盤となる重要な社会インフラ役務の安定的な提供の確保を目的としております。
医療は、申し上げるまでもなく、国民生活の基盤となる重要な社会インフラでございます。近年、医療DXが一層推進されていることや医療機関へのサイバー攻撃が生じていることなどを踏まえて、今般、基幹インフラ制度の対象に医療分野を追加することとしています。
具体的には、本法案により、同制度の対象に、今後、医療DXの推進において中心的な役割を担う医療情報基盤・診療報酬審査支払機構の行う医療DX関連業務及び病院の行う医業等を追加するものであります。これによって、医療分野の対象事業者が重要な設備の導入や維持管理等の委託を行う際に、当該設備が我が国の外部から行われる妨害行為の手段として使用されるおそれが大きいかを国が事前に審査を行うことになります。
こうした妨害行為のリスクを軽減することによって、対象事業者による役務の安定的な提供を確保していくこととしておりまして、今回の措置は国民生活にとって重要な改正内容であると考えております。
○安藤委員 大臣、どうもありがとうございました。
今後の制度の実効性を高めながら、是非、丁寧に運用を進めていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、二問目でございますけれども、これは政府参考人の方にお願いしたいと思います。基幹インフラについてお伺いしたいと思っています。
今回の法改正においては、対象分野に新たに医療が追加され、対象事業者として病院を指定する方向と承知しております。一方、日本には約八千の病院があり、公立、公的、民間といった設置主体の違いや、規模や地域性など多様な医療提供体制が構築されています。地域医療を支える役割もそれぞれ大きく異なる現状があります。
そこで、質問をいたします。今回の医療分野においては、どのような考えや基準で対象施設を選定していくのか、また、指定された施設について、追加の費用負担、これは大きい問題ですけれども、この費用負担が発生するのか、政府に御見解をお尋ねしたいと思います。
○森政府参考人 病院の指定対象の追加についてでございますが、基幹インフラ制度の対象となる事業者の指定基準については、同制度の基本方針におきまして、その提供する役務の安定的な提供に支障が生じた場合に、国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きいものとして、事業者の事業規模、それから代替可能性を踏まえて定めることというふうにされているところでございます。
こうした観点から、これまで社会保障審議会の医療部会、それから経済安保法制に関する有識者会議での御議論をいただきまして、そこで、病床数などの事業規模のほか、代替可能性の観点から、高度な医療提供能力に加えて、救急、災害医療の拠点及びそれらのバックアップとしての役割を担っていることということを勘案して、地域における最後のとりでとしての医療機能を有する特定機能病院を念頭に指定を行うこととしているところでございます。
それから、費用負担につきましては、制度対応に当たって必要な事務的費用を含む負担が生じることも想定されることになりますが、今回の規制措置が事業者にとって過度な負担とならないように、規制対象を真に必要な範囲に限定する、必要な範囲にするとともに、事業者に十分な準備期間を確保する、それから、事業者が円滑に準備を進められるよう制度周知、相談窓口を通じた個別相談を行うといったことによって、事業者の負担軽減に適切に努めてまいりたいというふうに考えております。
○安藤委員 御丁寧な御説明、どうもありがとうございました。
是非、今おっしゃったように実効性と現場の負担、両面を考えてよろしくお願いしたい、そう思っております。
次に、三番目の質問ですけれども、サイバーセキュリティーに関してでございます。これも政府参考人の方にお願いしたいと思っております。今回の法案の中でもキーワードと言えるサイバーセキュリティーについてお伺いいたしたいと思います。
近年、ランサムウェアの攻撃などにより病院が機能停止に追い込まれる事例が増えてきております。医療現場では、電子カルテや部門システムのネットワーク化に加えて、オンライン資格確認や電子処方箋など、医療DXが急速に進んでおります。さらに、地域医療連携の観点から、施設間で医療情報を共有する取組も進められております。このように考えますと、医療インフラというものは点でなく面で提供していくことが重要だと考えております。
こうした中、政府としては医療分野におけるサイバーセキュリティーをどのように位置づけて取り組んでおられるか、御見解をお願いしたいと思います。
○森政府参考人 委員御指摘のとおり、サイバーセキュリティー対策につきましては、医療の場合は本当に地域全体で能力を高めていくということが非常に重要だというふうに考えております。
今般、医療分野が基幹インフラ制度に位置づけられるに当たり、その対象となる病院として地域における最後のとりでとしての機能を有する特定機能病院を念頭に指定を行うことで、より安定的に医療を提供することが可能になるように検討を進めているところでございます。
一方、御指摘のとおり、地域の医療提供体制は複数の医療機関によって重層的に構築され、地域の患者に対して必要な医療が提供されているものというふうに認識しております。本当に特定機能病院の、コアのところだけじゃなくて、地域全体で底上げを図っていくという取組をどんどんしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
厚労省といたしましては、これまでも、特定機能病院であるか否かを問わず、広く医療機関におけるサイバーセキュリティー対策として医療機関の管理者にサイバーセキュリティー確保のための措置を義務づけるとともに、ガイドラインを策定して具体的な措置を示しております。加えて、このような措置を実施するために、医療機関向けの研修の提供、病院におけるネットワークの安全性の検証等の支援を行っているところでございます。
DXを進めていく上で、医療分野のサイバーセキュリティー対策の重要性というのはますます高まっているものというふうに認識しておりまして、今後とも、医療機関全般に対する必要な対策というのをしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。
○安藤委員 おっしゃられるように、医療提供体制全体を含めたサイバー対策をお願いしたい、そう思っております。
次に、四問目でございますけれども、これは先ほど小野田大臣からもお話がありましたけれども、医療情報基盤・診療報酬審査支払基金について御質問をさせていただきたいと思います。これも政府参考人の方にお願いしたいと思っています。
これまで診療報酬支払基金として運営されてきました同機構ですけれども、本年十月より、従来業務に加えて、医療DX関連業務の中核的な役割を担うと承知しております。また、今回の法改正において、機構が基幹インフラの対象事業者として指定される方向と伺っております。
そこで、本機構を対象事業者として指定することで国や医療現場へはどのような効果がもたらされるのか、政府の御見解をお願いしたいと思います。
○森政府参考人 社会保険診療報酬審査支払基金についてでございますが、委員御指摘のとおり、昨年成立いたしました医療法の改正によりまして、本年十月から、医療DXの運営に係る母体として、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構へというふうに改組される予定でございます。
同機構がシステムの運用、保守等を行う、これは三つほどございまして、電子処方箋管理サービス、電子カルテ情報共有サービス、それからオンライン資格確認サービス、これらの三つのハブの拠点として機能していただくことになるわけでございますが、といった医療DXのための取組や、医療機関の間で医療情報の共有を進めることによって患者に対して切れ目なく、より質の高い医療等を効率的に提供すること、それから医療機関における業務の効率化などを目指して事業をやっていただくというふうに考えているところでございます。
一方で、先ほど申しましたように、これらの三つの機能のハブ的な機能を持つわけでして、これらについてしっかりとサイバーセキュリティー対策も含めて行っていかなければならないということで、今回、基幹インフラの指定の対象にさせていただくということを考えておりまして、指定インフラの対象事業者に追加し、これらの医療DXに係るシステムを安定的に運営することにより、国民それから医療機関等に対して安心してDXサービスを御利用いただけるように図っていく、更に安定的な医療提供に寄与するものだというふうに考えているところでございます。
○安藤委員 御答弁どうもありがとうございました。
医療DXにおいては、また、健診データの利活用など、攻めの予防医療にも関連し、高市総理も重要視する部分か、そう思っております。その意味でも、機構の今後の役割を期待しております。
一方で、レセプトデータという意味では、国保連合会も重要な役割を担い、基幹インフラの議論においても検討する必要があると感じております。先日、国保中央会の原勝則理事長ともお会いをしまして、是非協力をしていきたいという強い言葉をいただいたので、とてもありがたく思っております。引き続きよい制度設計に向けてお願いできれば、そう思っております。
では、最後の、五問目の質問に移らせていただきたいと思います。最後はサプライチェーンに関してでございます。これも政府参考人の方にお願いできればと思っています。
パンデミックの際には、マスクや防護具、手袋などの医療物資の不足が大きな問題となりました。また、人工呼吸器やECMOなどの医療機器、抗生物質やワクチンなどの医薬品についても供給不足が生じ、医療提供体制に大きな影響を及ぼしました。
物流や原材料不足の流れは、全日本病院協会の神野会長もおっしゃっておりますけれども、シングルユースの医療材料の再滅菌の議論にも影響しているようです。これは、いわゆる医療材料の再利用をしていくものではないかということでございます。
このように、平時には安定供給されているように見えても、有事の際には海外依存や供給網の脆弱性が一気に顕在化したことは記憶に新しいことでもあります。医療現場で用いられる物資には、海外に大きく依存するものも少なくありません。
そこで、お伺いいたします。現状では、医療関連の特定物資の指定は限定的だと認識しておりますが、今後、対象を更に拡大していく可能性はあるでしょうか。医療分野のサプライチェーンの強靱化について、政府としての御見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○森政府参考人 医療関係の特定重要物資の指定についてでございますけれども、こちらについては、元々、令和四年にサプライチェーン調査を行いまして、ベータラクタム系の抗菌薬四品目を対象にしてきたというところでございます。あわせて、昨年の暮れに、人工呼吸器についても医療機器として追加させていただいてきたというところでございます。
当然、日々刻々とその状況、それからサプライチェーンの状況、それから地政学リスク等も変化していく中で、必要なことをチェックしていかなければならないものだというふうに考えているところでございまして、厚労省においてはこれまでも、抗生物質の製剤と、それから人工呼吸器に対して、必要な国内の生産基盤の強化、備蓄の支援等を行ってきているところでございます。
あわせて、御指摘のように、今はいろいろな状況が変化していく中でどう考えるかということで、医療関係物資については、国民の生命、生活にとって大変重要であるというふうに私ども考えておりまして、引き続き、関係省庁とも連携してサプライチェーンリスク調査をしっかりやっていきたいというふうに考えております。今の時点で、もう一回きちんと評価していく、その上で、その結果も踏まえて、特定重要物資への追加的な指定も含めて、安定供給確保に向けた必要な対策を適切かつ迅速に講じていきたいというふうに考えているところでございます。
○安藤委員 どうもありがとうございました。
最近では、地政学的リスクの影響によって原材料費や輸送費が高騰して、一部の医療材料においては、これは問屋さんですけれども、六月から、手袋とかエプロンとかカテーテルとか、価格が、約一・五倍から二倍にしてほしいというケースも伺っております。こうなると、やはり期中改定の検討も必要になってくるのではないか、そう思っております。今後も、安定供給の体制の強化を着実に進めていただければと思っております。
これにて私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○山下委員長 次に、鳩山二郎君。
○鳩山委員 自由民主党の鳩山二郎でございます。
本日は、内閣委員会で久しぶりの質問ということで、質問の機会をいただきました。ありがとうございます。
時間も限られていますので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。
本法案は三年目の見直しということで、今回、大きく五つのテーマが盛り込まれていますが、直近では、中東情勢の緊迫化によって引き起こされた、重要であるものの特定物資には指定されていない物資の供給不安の問題や、悪用されれば大変な脅威となりかねないクロード・ミュトスの問題などを考えますと、やはり我が国の経済安全保障のためには、常に洗練された最新の情報を基に政策を打ち出していく必要があります。
その上で、本法案で特に重要な役割を果たすのは経済安全保障政策を考えるシンクタンクの創設であると考えますが、この総合的な経済安全保障シンクタンクは、その趣旨、目的から考えますと、全省庁横断的な役割を担うものだと思いますが、それをなぜ経済産業研究所、RIETIの下に置くのか。そして、経済安全保障に係る調査研究や政策提言を行うに当たって、RIETIの強みとは何なのか。まずは、この二点を政府参考人からお答えをいただければと思います。
○早田政府参考人 お答えいたします。
経済安全保障をめぐる課題が複雑化する中で、外交、情報、防衛、経済、技術の専門知識を総合的に結集して対応することが重要になってございます。
その中で、政府内部では経済安全保障に係る調査研究を行う専門人材の十分な確保が困難であるという一方で、外部委託等による調査研究では、単年度ごとの契約が基本となりまして、政策立案現場と中長期的な視点に基づく継続的な議論が難しいといった課題がございます。
これらの課題を解決するべく、有識者会議からは、総合的な経済安全保障シンクタンク機能を担う主体としては、自律的でありつつ政府の要請にも対応可能なガバナンスを備え、また継続的な運営が可能な独立行政法人の一つであることなどが必要であるとともに、経済安全保障分野に隣接する分野での調査研究の蓄積があり、また産業界との交流やアカデミアとの人的ネットワークを有することが望ましいとされまして、これらの要件を満たす独立行政法人経済産業研究所の中にシンクタンクを設置するということが適切であるとの提言をいただいたところでございます。
こうした提言等も踏まえまして、経済安全保障に関して、サプライチェーンの脆弱性に係る調査研究等の蓄積と、シンポジウムの開催等も通じた産業界との交流、アカデミアとの人的ネットワークを有する経済産業研究所に総合的なシンクタンクを設置することとしたところでございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。政府の考え方はしっかりと理解をさせていただきました。
次の質問ですが、小野田大臣にお聞きをさせていただければと思います。
この新たに創設されるシンクタンクが期待されている役割を果たすだけの実効性を保つためには、それだけの能力を持ったいい人材が必要となってきますが、そのためには、十分な人員体制の整備と処遇、そしてそれを裏づける予算の確保が必要になると思います。人材の確保のため、政府としては具体的にどのように取り組んでいるのか、小野田大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○小野田国務大臣 総合的な経済安全保障シンクタンクには、外交、情報、防衛、経済、技術の高度な専門知識を総合的に結集し、政府の要請に即応することも含めて、定量的な調査研究や各府省の所掌を横断したテーマの調査研究、政策提言を行わせることとしております。
有識者会議からも、適切な給与水準、処遇、そして、専門的知見を有する人材とマネジメント人材の双方において人材を充実させていく重要性について御提言いただくなど、シンクタンクに期待される役割を十分果たすには、委員御指摘のとおり、人員体制の整備や活動費の確保が必要不可欠でございます。
このため、政府としても、産学官から優秀な人材の参画を得るために産業界やアカデミア等に働きかけを続けるとともに、それらの人材が調査研究等を着実に実施できるように、関係省庁の協力も得ながら、必要な活動費、この確保に努めてまいりたいと考えております。
○鳩山委員 小野田大臣、御答弁ありがとうございました。非常に前向きな、力強い御答弁だったと思います。是非、これからもしっかりと取組を前に進めていただければと思います。
次の質問ですが、質の高い調査研究や政策提言を行っていく上には海外のシンクタンクとの連携も大変重要になってくると思いますが、政府としてどのように国際連携に取り組んでいくのか、この点を政府参考人からお聞かせをいただければと思います。
○早田政府参考人 お答えいたします。
総合的な経済安全保障シンクタンクが国際的にプレゼンスを示し、海外の著名シンクタンクや研究者のハブとして世界的ネットワークを構築することは、調査研究能力を高めるとともに、優秀な人材を引きつけ、政策提言を高度化していく上で重要であると考えてございます。
有識者会議からも、国際的に著名なシンクタンクと積極的にパートナーシップを結んで協働することで、経済安全保障に関する日本の課題意識を共有するとともに、知見を学んで我が国の調査研究能力の向上につなげるべきとの提言をいただいているところでございます。
昨年十二月には、政府といたしまして、経済安全保障東京フォーラムを開催したところであり、こうした経済安全保障分野における国際フォーラムの定期的な開催等も含め、国内外のシンクタンクとのネットワークの構築、強化等によりまして、経済安全保障の確保に向けた対応を強化してまいりたいと考えてございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。国際連携、大変重要でありますから、今後もしっかりと取組をしていただければと思っております。
次の質問ですが、経済安全保障において官民の協力は必要不可欠なものでありますが、今回新たに創設しようとしている官民協議会についてお伺いをいたします。
この協議会では、官民でそれぞれどのような情報を共有することを想定されているのでしょうか。また、民間企業はいわゆる企業秘密などもあると思いますが、そのような情報の開示を強要したりすることはないのでしょうか。また、構成員の情報はしっかりと守られるのか。この点について、政府参考人にお伺いをいたします。
○早田政府参考人 お答えいたします。
官民協議会では、経済安全保障上の幅広い課題について、その時々の情勢等を踏まえつつ、官民で情報共有や対策の協議を行うべきテーマを設定し、必要な産官学の関係者の参画を得て議論を行うこととしてございます。
現段階で、官民協議会においていかなる情報を共有するのか、一概に申し上げることは困難でございますけれども、例えば、政府からは、安全保障上の脅威、リスク、またその背景にある各国の動向、また、民間企業等からは、このような脅威、リスクを踏まえて、自社や業界の置かれている具体的な状況や課題認識、対応方針など、経済安全保障上の課題への対策を講じていく上で重要な、必要となる情報を共有することが想定されてございます。
一方で、競合他社に共有することで競争上の不利益となることが見込まれるなど、正当な理由が認められる場合は求めに応じないことも可能であり、民間企業に強制的に情報共有を求めるものではございません。
官民協議会が所要の機能を発揮するには、民間企業等の構成員から有用な情報を提供していただくことが重要であると考えておりまして、参加者間の情報共有の在り方については、今後、民間企業等の意見も伺いつつ、丁寧に検討してまいりたいと考えてございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
時間がないので、次の質問に移らせていただきます。
民間からこの協議会に参加していただく方について、お伺いをいたします。
どのような人材が協議会の構成員となることが想定されているのでしょうか。経済安全保障を協議していく上で、重要かつ機密性の高い情報を取り扱うこともあろうかと思いますが、協議会の構成員にはセキュリティークリアランスが必要となるのでしょうか。政府参考人にお答えをいただければと思います。
○早田政府参考人 お答えいたします。
官民協議会では、経済安全保障上の幅広い課題について、その時々の情勢等を踏まえつつ、官民で情報共有や対策の協議を行うべきテーマを設定し、必要な産官学の関係者の参画を得て議論を行うこととなります。
この官民協議会において想定される構成員はテーマによって異なると考えられますけれども、例えば、関係府省に加えまして、独立行政法人、また専門性を有する研究機関、学識経験者、自治体、民間企業等に参加いただくことを想定してございます。
また、この官民協議会の構成員全てにセキュリティークリアランス制度上の適性評価を実施するものではございませんけれども、官民協議会におきまして、政府より重要経済安保情報が提供される場合には、適合事業者の認定、秘密保持契約の締結、適性評価の実施など、セキュリティークリアランス制度に基づいた所要の手続を経ることになります。
この官民協議会におきましては、重要経済安保情報を含め、適切な情報管理の下で取り扱えるようにすることが重要であると考えてございまして、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
本法案には、RIETIに官民協議会の運営の一部を行わせることができることとなっておりますが、RIETIに官民協議会の運営に関する業務を行わせることとしたのはなぜなのか、その理由についてお伺いをしたいと思います。また、新設されるシンクタンクは、官民協議会においてどのような役割を果たすことが期待されているでしょうか、お答えをいただければと思います。
○早田政府参考人 お答えいたします。
独立行政法人経済産業研究所は、経済安全保障分野の専門的な知見を蓄積しており、また産業界との交流やアカデミアとの人的ネットワークを有していることから、総合的な経済安全保障シンクタンクを設置することといたしました。
また、シンクタンクと官民協議会との連携につきましては、有識者会議から、シンクタンクの調査研究によって得られた知見を、官民協議会の枠組みを通じて民間事業者に提供するとともに、官民協議会の議論を通じて浮かび上がってきた課題や事業者の問題意識等をシンクタンクの調査研究に生かすという相乗効果が期待されるとの提言をいただいたところでございます。
こうした提言も踏まえまして、法第三条の二第八項において、RIETIに官民協議会の運営に関する事務の一部を行わせることができるとされてございますけれども、まさにこの総合的なシンクタンクは、自らの調査研究結果を官民協議会の議論に提供するとともに、官民協議会における民間事業者の問題意識を調査研究に生かすことが期待されているところでございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
次に、重要な海外事業の展開支援についてお伺いをいたします。
昨今、経済の武器化という表現が使われるようになりましたが、経済安全保障上、日本の技術を海外で広げていくことも非常に重要であります。
まずは、改めて、特定海外事業促進制度に関する改正の趣旨、目的について、政府参考人よりお答えをいただきたいと思います。
○泉政府参考人 令和四年の推進法の施行以降、経済安全保障の確保に当たりましては、サプライチェーンの強靱化措置として、重要な物資の生産基盤の強化や、備蓄などの取組を支援し、外部依存の低減を図る措置を講じてまいりました。この結果、これまでの支援実績のほとんどが国内向けの措置となってございます。
一方、海外で行われる事業には、国際情勢の変化の中でも我が国の国民生活、経済活動が維持されるよう、海外重要拠点における我が国のプレゼンス確保に資すること又は同志国等との連携の強化に資することで、外部から行われる行為に対し我が国の安全保障を確保する上で極めて重要な役割を果たすものがある、このように考えてございます。
しかしながら、海外事業は国内事業と比べまして元々事業リスクは高いことに加えまして、昨今、各国間の産業や技術の囲い込み競争の激化や国際環境の変化を受けまして、リスクが更に高まっております。経済安全保障上重要な事業であったとしても、民間企業の判断だけに任せていては、投資が実行されず、事業が実施されないこともございます。
このため、国が実施すべき安全保障の確保に関する経済施策として、様々な分野における経済安全保障上重要な海外事業につきまして、政府として一体的に促進するための枠組みを整備することとした、こういうことでございます。
○鳩山委員 お答えありがとうございます。
本法案では、特定海外事業の法律上の定義として、国際的な輸送網の強靱化、重要サービスの提供に用いられる施設等の整備、運用、重要技術の海外展開という三つの類型が示されています。
経済安全保障上重要な海外事業は多岐にわたると思いますが、どのような考え方の下でこれらの類型が示されたのか、お聞かせ願えればと思います。
○泉政府参考人 お答え申し上げます。
政府の有識者会議におきまして、「同盟国・同志国やグローバル・サウス諸国等と協働し、官民一体で経済安全保障上重要な海外事業を実施する必要性が高まっている。これを踏まえ、政府もまた主体性を持ってこうした事業を支援することが必要である。」こういう御提言をいただきました。これを踏まえまして、物資の供給確保に限定されない、安全保障上重要な海外事業を幅広く支援するため、新たな制度を創設いたしました。
その上で、御指摘のありました支援対象事業につきましては、有識者や関係省庁とも議論を行い、三つの類型を示すことといたしました。
具体的には、まず第一でございますけれども、海外における輸送拠点等を整備、運営することによりまして、我が国にとって重要な国際的な輸送網の強靱化を図ることを目的としております。これは、エネルギーや食料などの自給率が低い我が国にとりまして、国際的な輸送網は国民生活、経済活動に不可欠なインフラでありまして、これを強靱化することが経済安全保障の観点から重要であると考えたものでございます。
二つ目でございますけれども、国民生活、経済活動の基盤となる経済安全保障上重要なサービスにつきまして、海外から我が国への提供に用いられる海外における施設等の整備、運用を行うことによりまして、当該サービスの提供能力の維持強化あるいは外部への依存の低減を図ることを目的としてございます。これは、海外から我が国へのサービスの提供に支障が生ずることによりまして我が国の国民生活及び経済活動に甚大な影響を及ぼす役務について、その提供能力の強靱化を図ることが経済安全保障の観点から重要である、このように考えました。
三つ目でございますけれども、国民生活、経済活動の基盤となる経済安全保障上重要なサービスの提供におきまして重要な技術を利用することにより、将来において当該技術の安定的な利用を図ることを目的としてございます。これは、重要な技術を外部に依存すれば、当該技術を用いたサービスの提供を経済的威圧の手段として用いられることなどによりまして国家国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあることから、これを未然に防止し、当該技術の安定的な利用の確保を図ることが経済安全保障上の観点から重要である、このように考えました。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
対象となる海外事業を明確にするなど、制度の具体的な事項については本法案成立後に基本指針で定めるということですが、新しい制度でもありますし、慎重かつ丁寧に進めることは大切でありますが、一方で、早くこの制度を実行に移していただきたいというふうに私自身も思っております。
いつ頃から民間事業者への支援が可能になるか、できるだけ具体的にお答えいただければと思います。
○泉政府参考人 本制度は、法律の公布から起算して一年を超えない範囲において政令で定める日を施行日とすることとしてございます。今後、有識者の意見を聞きつつ、基本指針などを定めまして、パブリックコメントに付すなどの手続作業が必要となります。
他方で、経済安全保障上重要な海外事業の支援の要請に対してはできる限り早く対応することが必要である、このように認識しておりますので、このため、一年の期限にかかわらず、できる限り早く制度を施行すべく検討を進めていこう、このように考えてございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
国際協力銀行法改正に係る部分についてお伺いをいたします。
JBICの目的として、経済安全保障の推進への寄与を新たに追加した上で、新勘定を設け、そこに国の一般会計予算から資本金を支出することになっていますが、国費を投入して特定海外事業を支援する手段としては、補助金という選択肢もあり得たかと思います。
補助金の形を取らなかった理由、メリットについて、政府参考人からお聞かせをいただきたいと思います。
○泉政府参考人 お答え申し上げます。
本制度は、我が国の経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を対象として、劣後出資などの強力なリスクテイクを行いまして、これを呼び水に民間企業の参画を図ることで、当該事業を実施可能とするものでございます。
劣後出資等につきましては、一定の条件の下で配当や返済の義務が事業者に生ずる手法でございますことから、渡し切りの補助金と比べまして財政規律が働くこと、そして、事業者が事業性を適切に精査するインセンティブが生まれましてモラルハザードの防止にも資する、このようなメリットがある、このように考えてございます。
本制度におきましては、こうした点を踏まえまして、劣後出融資等による支援を実施することとした、こういうことでございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
時間がないので、少し質問を飛ばさせていただいて、次に、重要物資のサプライチェーン強靱化に向けた更なる措置についてお伺いをいたします。
本法案において、重要物資そのものが確保されていても、その供給に不可欠な役務が守られなければ、物資を使用することができず用を成さないことから、その不可欠な役務に対しての指定、支援が行われるということでありますが、海底光ケーブルの敷設、人工衛星の打ち上げのほか、どのような役務が重要物資の供給に不可欠な役務として考えられるのでしょうか。そして、その指定、支援は具体的にどのように考えているのか。政府参考人よりお聞かせをいただきたいと思います。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、物資等の供給に不可欠な役務であり、専ら当該物資等の供給のために用いられるものとして、今御指摘がありましたような海底ケーブルの敷設役務や人工衛星の打ち上げ役務等が想定されるところでございますが、また、それ以外にも、輸送であっても、LNGの輸送のように、一般的な物資の輸送ではなく、特殊な設備や専用設備が必要な輸送については該当し得るものと考えているところでございます。
また、想定される役務の指定に係るプロセス、支援対象についてのお尋ねでございますが、まず特定重要物資について政令により指定をした上で、当該特定重要物資に係る役務の提供の事業を所管する大臣の下で、個別に、特定重要物資の供給に不可欠な役務か否か、また当該物資の安定供給を図る上で当該役務に関する措置を講ずる必要があるか否かを判断することになりますけれども、具体的な役務に関する取組といたしましては、例えば、役務の提供基盤となる施設や設備の整備、役務の提供に係る技術の開発や改良により、供給不可欠役務の提供能力を維持強化し、供給網の強靱化を図ることが考えられるところでございます。
○鳩山委員 時間が来ましたので、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 長妻昭です。よろしくお願いをいたします。
経済安全保障にとって、AIの脅威というのがまた新たなステージに上がって、格段に脅威が高まってきたというふうに考えております。釈迦に説法でありますけれども、AIの開発というのも新たなステージに入ってきた。これまでは、AIの知能を向上するということで、みんな頑張ってきた。ただ、それが、AIが人類に対する脅威になってきて、それをいかに防ぐか、こういう局面に大きく転換をしてきているのではないかというふうに思います。
アンソロピック社のクロード・ミュトスに代表されるように、オープンAIのチャットGPTの最新バージョンもそれを上回るんじゃないかと言われておりますし、今月発表予定のグーグルのAIもそれに匹敵するんじゃないかというふうに言われております。次々に脅威が高まっている。ある意味では、万能金庫破り、どんな金庫でも開けてしまう、核兵器並みの脅威とも言われておりますし、私は、AIエージェント型万能ハッカーというような表現がいいんじゃないか、いいんじゃないかというか、脅威を示す一つの表現になるんじゃないかと思うんですけれども。
明日から米中首脳会談もあって、このAIの脅威についても話題になるというふうに聞いております。非常に重要な局面に差しかかっていて、昨日首相から、閣僚懇談会の場で、ミュトスを始め脅威に対応するように各閣僚は頑張ってほしいというような指示があったと思うんですが、小野田大臣の所管では、大臣自身、どういうふうに動いていきますか。
○小野田国務大臣 経済安全保障の今の立場の所管ということですか。AI担当大臣としての答弁じゃなく……(長妻委員「いや、全部」と呼ぶ)全部。ここでは何かAI担当大臣としてお答えができないというふうにも聞いているんですけれども。
経済安全保障担当大臣としては、基幹インフラを守るために、やはりサイバー攻撃というのは来るでしょうから、そこに対する、基幹インフラを守るために、NCOとも連携をしながら、やるべきところをしっかり見ていく。脆弱性に対して、今までの脆弱性に対する対応だけではなく、新しいものにもきちんと対応できるような、脆弱性に対応できるようなものをちゃんと確認していくということは必要なんだろうなと思っています。
○長妻委員 具体的にどういうふうにやるんですか。
○小野田国務大臣 先ほど私がちょっと言ったこととも重なるんですけれども、基幹インフラ事業者が特定重要設備を導入する際などに国が事前に審査を行うこと等を通じて、サイバー攻撃等も含め、特定妨害行為のおそれの低減を図っていくというところです。
加えて、特定重要設備の導入後であっても、国際情勢の変化その他の事情の変更により、特定重要設備が特定妨害行為の手段として使用され、又は使用されるおそれが大きいと認めるに至ったときには、特定重要設備の検査又は点検の実施等の必要な措置を取るべきことを勧告することを可能としております。
どのような場合にその他の事情の変更について該当して事後勧告を行うことになるかについては、個別具体の判断についてお答えは差し控えますが、今後、御指摘のミュトス等により特定重要設備に係る脆弱性の情報等がより明らかになり、特定妨害行為のおそれの判断に影響を及ぼすような場合には、その他の事情の変更に該当する可能性もあるので、包括的にしっかり見ていくというところです。
○長妻委員 ミュトスによる、脆弱性はもう明らかになっているんですね。それで、昨日、そういう指示が総理からあったので。ですから、その答弁というのは、私が本会議で聞いたときに同じ答弁があったので、そうじゃなくて、私が言うところのAIエージェント型万能ハッカーに対する対応として、一体、基幹インフラにどういう対応を具体的に促していくのか、このことを聞いているんです。
○小野田国務大臣 先生からも御指摘があったとおり、昨日、松本サイバー安全保障担当大臣を中心に、サイバーセキュリティーの確保に向けて、政府全体での対応を早急に具体化し実施するように指示があったところでございますけれども、基幹インフラ制度に係るこのような取組を実施する関係府省庁との連携を強化しながら、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に努めてまいりたいと思います。
具体的にどうするのかというところは、私からというよりはNCOからなのかなというふうに思います。
○長妻委員 いや、具体的にというか、十五分野が今、基幹インフラ役務で決まっているわけですよね。今回の改正案で医療が一個追加になって、十六分野になる。じゃ、従来の今ある法律で、この十五分野に対してどういう呼びかけや警鐘を鳴らしていくのか。これは大臣の所管ですよね、経済安保法なので。せっかくこれは十五分野を決めているわけですから、具体的にどういうアクションを起こすのかということなんです。
○小野田国務大臣 サイバーセキュリティーに関する法律のところが、各業法でも今やってくださっておりますけれども、それぞれの所管のところでサイバー攻撃に対する対応をしっかりやっていくということは、この基幹インフラのものとは別にもまたやっておりますので、そちらでも対応していると思います。
○長妻委員 いや、だから、私が聞いているのは、ここでは今、経済安保の法律を審議しているわけですよね。改正案の前の本案というか、そこでは十五分野が基幹インフラ役務で決まっているわけですよね。だから、それが機能しなきゃ意味がないじゃないですか。つまり、サイバーについては機能しませんよという法律じゃないはずですよね、これは。
だから、つまり、今のこの法律で総理の指示に応えるためには、具体的にどういうようなことをその業界に促していくのか、この法律に基づいてどういうことが具体的にできるのかということを聞いているので、それができないんだったら、この法律は根本から変えなきゃいけないですよ、本当に。
○小野田国務大臣 元々、基幹インフラに対するサイバー攻撃に対する脆弱性をちゃんと確認しましょうよというものでやっていく、その今までの攻撃とはまた、新しい攻撃も入ってくるかもしれないから、それに対してもきちんと対応できるようにしていきましょうというところは、今までの法律の中でも変わらない。そこに新しく医療が対象となってくるというところなんですけれども。
高度化するAIによるサイバー攻撃に対応するためには、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度のみならず、政府全体で様々な施策を包括的、重層的に連携して対応を進めることが重要でございまして、具体的には、基幹インフラ所管省庁において、各業法そしてガイドライン等に基づいて、事業者に対してサイバーセキュリティー対策を行うように定めております。基幹インフラ事業者には、サイバー対処能力強化法、こちらに基づいて、本年十月一日から、サイバーセキュリティーインシデントが発生した場合等の報告が義務づけられることになっておりまして、この報告も踏まえた更なるサイバーセキュリティー強化のための取組が進められていくというふうに承知をしております。
その上で、経済安保推進法における取組としては、基幹インフラ制度の運用を通じて、サイバー攻撃等も含め、特定妨害行為のおそれの低減を図っていくというところです。
○長妻委員 だから、特定妨害行為の低減を図るのは、具体的にどういうことをされるんですか、十五分野に対して。通知とかをまた出すんですか。あるいは、今回の件で集めて何らかのことをやったり、更新するときにこういう注意事項を新たに喚起したり、あるいは、一番いいのは、クロード・ミュトスを使わせてもらって脆弱性の検査をするということに汗をかくとか。
今の話だと、これは余り意味がないんですよね、サイバーに対して。つまり、サイバーは別のところでやるというような趣旨の話になっちゃうわけで。ちょっと今回、この法律では臨機応変に動けないということですか。システム更新のときを狙って、よっこいしょと警鐘を鳴らしていくと。
この法律に基づいて具体的にどういうふうにするのかということを聞いているんですが、らちが明かないので。(小野田国務大臣「いやいや。委員長」と呼ぶ)ちょっと委員長、注意してください。ずっとこれで時間を取っているじゃないですか、いっぱい質問はあるのに。
端的に、具体的にどういうふうにするのか。集めて、あるいは、こういうふうに、具体的な対応を。お願いします。
○小野田国務大臣 設備の導入とか更新のときでなくても、導入後であっても、新しい特定妨害行為の手段として使用されるおそれが大きいと認めるに至った場合には、検査又は点検実施等の必要な措置を取るべきことを勧告することは可能となっております。
○長妻委員 だから、今、認める事態になっているわけでしょう。そうしたら、どういうふうに動くんですか。
○小野田国務大臣 まさに今、松本大臣が司令塔となって、どのようにするかというのを話し合っておりますので、そのことも踏まえて、やるべき対策を勧告していくということです。
○長妻委員 ちょっと何というか、一番重要な十五の基幹インフラ役務というのが指定されているわけですよね、この法律で。だから、法律の根拠があって、動けるわけですよ。それで、松本大臣が何か対策を取ったら、それを見てやろうかなというのでは遅いわけで、もう既にそういう脅威が明らかになっているわけですよね。それで、指示がある、米中首脳会談でもそれが議論される。これは大変なことになっているわけですよ。
明日には、金融庁主導で、片山大臣が言うところの日本版グラスウィングが立ち上がるということなんですが、金融庁、どういう会議ですか。
○金子大臣政務官 金融業界、IT事業者及び政府等が共通の理解を持ち、先を見据えた対応を検討していくため、実務者レベルでの議論を深めることを目的とした、AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連携会議の作業部会を、あした、五月十四日に開催する予定でございます。
本作業部会におきましては、AIの進展が金融分野にもたらす脅威を踏まえ、脆弱性情報の把握からパッチ適用までの迅速化や、インシデント発生時の備えについて議論を行う予定でございます。政府全体の取組とも連携しつつ対応してまいります。
○長妻委員 これはちょっと金融庁が先行しているんですよ。これはいいことなんですけれども、大臣のところで、この十五の重要な基幹インフラについて、対応を早急にやはりしないといけないと思うんですね。
金融庁の取組として、明日、立ち上げということで会合予定、期待をしております。
確認したいんですが、作業部会の参加組織としては、金融機関が六つ、ITベンダーが十二、その中にはアンソロピックジャパンも入っている、オープンAIジャパンも入っている、グーグルも入っていると聞いております、業界団体が十三、そして政府機関が四つ。今の私のことで正しいですか。
○金子大臣政務官 正しいものと承知をしております。
○長妻委員 それで、やはりポイントは、これは言うまでもないことですけれども、まずはクロード・ミュトスを日本が使うことができるような状態に持っていって、そして重要基幹インフラをそのAIによってチェックして、穴に事前にパッチを当てていくというようなことが必要だというふうに思います。私も、かつてNECでそういうような営業をしていた経験もありますので、まあ技術の進歩は隔世の感がありますけれども。
そこが重要なんですけれども、今、日本政府は、クロード・ミュトスの使用権は入手しているんですか、使える状態になっているんですか。
○川崎大臣政務官 お答え申し上げます。
日本における、クロード・ミュトスにアクセスできるかどうかという点につきましては、お答えしたいところはやまやまではございますが、これは我が国のサイバー安全保障に関わる事柄でございますので、働きかけをしているかですとかその予定とかというのは、お答えすることは差し控えさせていただきます。
○長妻委員 いや、私が聞いているのは、働きかけとかではなくて、実際に使用できる状態になっているのか、なっていないのかということなんですが。
○川崎大臣政務官 クロード・ミュトスにアクセスできるかどうかという点につきましても、これもやはり国家のサイバー安全保障に関する事柄になりますので、申し訳ございませんが、お答えは差し控えさせてください。
○長妻委員 ほかの国は、例えばイギリスなんかはAISIがアクセスできるということも発表していますので、日本だけ発表しない、つまり、アクセスしているかもしれないし、していないかもしれないというような今状況であるということなのかなと思いますけれども、発表しないというのも非常に不思議なことだと思います。
じゃ、イギリスのAISIはもうアクセス可能、つまり使える状態になっていると聞いていますけれども、それは事実ですか。
○川崎大臣政務官 長妻委員の御指摘のとおりです。
○長妻委員 これはイギリスのAISIが公表しているわけですね。もう既にイギリスは、いろいろな機関が脆弱性をチェックをしてパッチを当てる作業をしているわけですよ。日本は後れを取っているんじゃないですか。
アメリカでも、国防総省のNSA、国家安全保障局もミュトスを導入をして脆弱性をチェックしている。アンソロピック社ともめていましたけれども、そんなことは、もう背に腹は代えられないということなんでしょう。そして、アメリカの行政機関もチェックをしつつあるということなんです。
日本も、やはり一番重要なのは、早く使えるようにして事前にチェックする、このスピードが重要なので。中国、ほかの国も含めて、あるいはほかの組織も含めて、開発というのは時間の問題になってくるので、似たような機能を持ったAIは。
その中で、昨年の十月にアンソロピック社のダリオ・アモデイCEOが官邸に来られて、小野田大臣も同席されたと思いますけれども、これは何とか働きかけをして日本もイギリス並みに使えるような状況に持っていきたいと思うんですけれども、どう思いますか。どう思いますかというか、小野田大臣、そういう御努力をいただけませんか。
○小野田国務大臣 これは、先ほど政務官から答弁があったとおり、働きかけの有無、予定を含め、詳細をお答えすることは差し控えるというのが答弁になっております。
○長妻委員 そんな、働きかけをしているに決まっているじゃないですか。もう一刻も早くもらいたいということで政府は動いているわけで。
高市首相も、トランプ大統領とは一定の関係があるので、もう既にトランプ大統領へのホットラインでそういう要請をしていると私は思うんですけれども、公表されないということは、それはそれで一つの考え方かもしれませんけれども、私は、日本がまだアクセスできていないと聞いておりますので、是非早急にそういう対応も取っていただきたいというふうに思います。
その中で、一昨日ですか、グーグルがゼロデイ攻撃のレポートを出しました。私も拝読しましたけれども、非常に気になることが書いてあるんですね。中国系グループが自律的に動くAIで日本のテック企業の弱点を執拗に調べている、こういう記述があるんですが、こういう事実は今あるんですか。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
この記事にありますように、御指摘の中国や北朝鮮、ロシアといった国については、サイバー攻撃の国家的な利用を行っているということについては承知をしております。
ただ、先ほど委員から御指摘いただいておりますクロード・ミュトスを始めとするフロンティアAIモデル、こうしたものを使ったサイバー攻撃については、喫緊の課題であることは我々も認識をしておりますが、実際の攻撃があった等についての詳細についてはお答えすることができませんので、御了承賜りたいと思います。
○長妻委員 そして、グーグルのレポートには、北朝鮮系攻撃グループがAIを駆使して大規模な攻撃ツールを構築しているとか、ロシア系グループも同様というようなレポートもあるわけであります。
小野田大臣にお伺いしますが、この法律、本改正案の第三条の二にある官民協議会、ここでも、AIの脅威というのは、特に今回のクロード・ミュトスを始めとするAIの脅威は議論されるということになるわけですか。
○小野田国務大臣 官民協議会はそれぞれの分野によっていろいろできると思うんですけれども、具体的にどこでどう話されるかというのは、現状でお答えはちょっとできない状態です。
○長妻委員 ちょっと物足りない答弁ですよね、せっかくこういう協議会をつくるということでありますので。
そして、イギリスの例というのが一つ参考になるかなと思うんですけれども、配付資料の三ページでありますけれども、認証制度をイギリスはやっているんですね。サイバーエッセンシャルズということで、サイバー攻撃に一定の体制がある、そういうシステムを構築している。つまり、余りにもいろいろなところで外部アクセスのポートをつくり過ぎると、それはハッキング、侵入されるというようなこともありますし、いろいろな体制を整備している企業などに認証を与えて、その認証がないと、ケースによっては国の事業を受注できない、こういう非常に厳しいこともされているようなんです。
日本でも年度内にこういうことをやるというようなことも聞いているんですが、これはどんなことなんですか。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
まず、委員が今御説明いただきましたイギリスのサイバーエッセンシャルズ、まさにこれはイギリスのセキュリティー機関であるNCSCが実施する認証制度で、一般的なサイバー攻撃からの防御を念頭に置いた最低限の対策事項を定め、遵守が認められる企業を認証する枠組みでございます。
一方、我が国におきましては、サプライチェーンの強化を目的として、発注側が受注側に求める必要なセキュリティー対策を定め、それを満たしているかについて可視化する、サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度、これはSCS評価制度と申しますけれども、これの構築に向けて現在検討を進めておりまして、年度内にできるように今鋭意進めているところでございます。
○長妻委員 SCS制度ということなんですけれども、今回の経済安保の、今は十五分野ですけれども、基幹インフラ役務ですが、SCSの制度というのはまさにこの経済安保の法律の枠組みでも使えるものだと思うんですけれども、これを使ってきちっと認証、チェックをするというお考えはありませんか。
○小野田国務大臣 今、新しい制度を構築しているというところでございますけれども、新しい仕組みができれば、それぞれ各業法とかガイドラインとか、サイバーインシデントに対する扱いのところにもそういったものは入ってくるんだろうというふうに思います。
○長妻委員 何か質疑をしていて腑に落ちないのは、今回の法案と、まさに今来ていただいているのはサイバーセキュリティーの部署、統括官の統括室ですよね。ですから、そこがもうちょっと連携をしてもらって、どういう役割になっているのかということが非常にはっきりしないので、そこら辺を是非整理をしていただきたいと思います。
そして、イギリスでは、もう一つ、アーリーウォーニングという制度、早期警戒通知サービス、四ページにありますけれども、そういうものもやっている。危ない企業、狙われている企業を事前に国が察知をして、そういうところに御連絡を申し上げるというような、サービスというか当たり前のことだと思うんですけれども、これは日本でもやっていると聞いておりますが、今まで何件ウォーニングを出しましたか。
○川崎大臣政務官 御回答申し上げます。
国家サイバー統括室においては、平素から民間企業に対して情報提供を行っております。とりわけ、特に重要インフラ事業者等に対しては、重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画に基づいて、官民の情報共有体制を構築し、情報提供を行っております。
何件あったかという部分でございますけれども、二〇二五年度においては百七件連絡をさせていただいております。
その情報提供内容については、重要インフラ事業者等の全分野に関わる脅威や脆弱性情報のほか、特定の分野及び個別事業者に対する脅威等の情報をお伝えをしております。
○長妻委員 こういう取組も是非強化をしていただきたいというふうに思います。
アンソロピック社のレポートを見ていますと、クロード・ミュトスの初期版の社内テストで非常に不可思議な動きがあったということが、エピソードが二つ書いてあります、非常に気になることなんですが。
一つは、外部にアクセスが基本的にできない状況にクロード・ミュトスの初期版を置いて社内テストをした。外部に基本的にはアクセスできない環境下に置いたわけですが、どこかから穴を空けて研究者にメールを送ってください、そうしたらば、研究者にメールは送ってきたということで、結局、穴をつくプログラム、エクスプロイトをつくってメール送信に成功したわけですね。そこまではいいんですよ、それで終わればいいんですが。ところが、クロード・ミュトスが、成功を誇示しようとして、勝手に、その開発した穴をつくプログラムの詳細を複数のウェブサイトに投稿した、こういうのをやったよと。それは誰でも見られるウェブサイトなんですよ。それはもうアンソロピックの社員というか会社の人も驚いて、功名心みたいな話なのかというような記述があるんですね。これは私も非常に驚くわけです。今までもAIでそういうことがありましたけれども、ちょっと今回は質が違うAIですので。
それで、もう一つは、社内テスト中に、クロード・ミュトスの初期版で、クロード・ミュトスも分かっている、認識している禁止されている行為、やっちゃいけないというふうに指示があった行為をして、してしまって、それをばれるのを恐れて隠そうとする行動も見られたということが社内のテストで明らかになっている。
ということなので、これはちょっと一筋縄ではいかないというか、人類がコントロールできない化け物、モンスターが出てしまっているんじゃないかなと思うんですけれども、そういう情報というのはどういうふうに聞いておられますか。
○川崎大臣政務官 御回答申し上げます。
今委員からお話しいただいた点については、まさにアンソロピックのレポートで出ている内容でございますので承知はしておりますが、委員がまさに御指摘いただいているとおり、まさにこうした新たなテクノロジー、人知を超える部分が正直あるというふうに理解をしております。
だからこそ、政府、海外政府とも連携をしながら、そしてビッグテックとも連携をしながら、具体的にどうした対応を取ればいいのかというのを一体となって考えていく必要があるというふうに考えております。
○長妻委員 人知を超えるという御答弁がありましたけれども、これは本当に大変な、もう想定をはるかに超える被害がこれから人類にもたらされる可能性が高いんじゃないかと私は思います。
そのときに、我が国がいち早く、その被害を最小限にとどめるような、そういう対応を取る必要がある。金融機関で一人でも預金が盗まれたらパニックになると思うんですね、大変なことになるというふうに思いますので、これは十分お分かりになっておられると思いますけれども。そのときに、この経済安全保障の法案の役割というのがいまいちぴんとこないというか、大臣の話を聞いてもですね。これは是非もっと重層的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
その中で、役務について医療分野を追加するということで、これはランサムウェア攻撃などで被害が既に出ていますので、重要な御判断をしていただいたというふうに思います。
ただ、医療機関は、ほかの基幹インフラに比べて資金量が非常に脆弱でして、診療報酬の中でしか収入が入ってこないということもあって、例えば、システムを更新するときにこういうふうにしなさいと言われたときに、相当割高な事業者に頼まなきゃいけないとか、人の手当ても相当専門化をしないといけないとか、お金の手当てや支援というのが十分行き届かないと実効性を伴わないと思うんです。
厚生労働省も来ていただいていると思うんですが、こういうことについて、補助というのをきちっとしていただけませんかね。
○森政府参考人 医療分野の追加についてのお尋ねでございます。
今回、特定機能病院について指定させていただくという形でやらせていただきますけれども、その際には、一定の時間をかけて、それから、必要な相談等をサポートしながら丁寧にやっていくことによって、ある程度、事業者、医療機関側の負担を軽減していきたいというふうに考えているところでございます。
あわせて、現在、サイバーセキュリティー対策、外部との接続ポイント等を減らしていったりするような対策については、補正予算等を使って対応しているところでございます。それからあと、診療報酬上も、安全管理責任者を配置した場合については対応していくようなところも今回の八年度の改定でも加えたところでございまして、こうしたものを上手に合わせながら対応していければというふうに考えているところでございます。
○長妻委員 是非お願いします。
病院というのが、非常に今脆弱性が高いというふうに思います。不用意に多くの外部接続をしているとか、いろいろな保守業者それぞれに外部接続をさせているとか、あるいはパスワードを使い回しているとか、相当初歩的なこともあります。これは企業にもあるでしょう。そういうことも含めて、経済安保担当大臣として厳しく、そういう初歩的なことについてはすぐに是正できるわけですので、これもまだまだ不十分だと思いますので、きちっとチェックしていただきたいと思います。
もう一つのテーマとしては、今回、JBICの改正の法案も出てきているわけでありますけれども、これも気になりますのは、損失が出た場合は、企業名と損失額は間違いなく公表するわけですよね。
○小野田国務大臣 まず、特定海外事業促進制度においては、支援対象事業の認定に際して、JBICからの情報提供も受けつつ、事業内容や収益性等をしっかり評価することとしております。
また、認定後の実施状況については、経済安全保障推進法上……(長妻委員「いや、損失が出た場合」と呼ぶ)損失が出た場合というところを、ちょっと前段の説明があるんですけれども、じゃ、お時間の関係があるので、前段は切りますね。
委員御指摘のように、損失が出た場合において、実際には様々なケースがあると考えられるため、現時点で一概に申し上げられませんが、いずれにせよ、企業の個別情報等への配慮の必要性や国民への説明責任の在り方とのバランスを考慮しながら、どのような公表のやり方が適切であるかというのを今後検討してまいりたいと考えます。
○長妻委員 これは企業名をちゃんと公表していただかないと、最終的に国民の税金になる可能性がある金ですからね。
これは、JBICというか、私は、日本の政府系金融機関で初めての試みが今回の法案に書かれていると思うんですね。というのは、損失を前提として融資すると。こんな銀行は聞いたことがないですよね、普通。でも、損失を前提として融資するというのが今回の法案で、もっと正確に言うと、採算性に不確実性のある事業に対する出資や融資、これが、私の理解では、日本で初めて政府系金融機関といえども認められた案件だと思うんですが、その理解で間違いないですか、初めてということ。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
JBICを含みます財務省主管の政府系金融機関について申し上げますと、各機関が、出融資案件の事業性や償還確実性などについて、金融機関としての立場から適正に審査を行った上で出融資を行っております。
今般創設いたします特定海外事業促進制度につきましては、我が国の経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を支援するために新たに設ける制度でございまして、財務省主管の政府系金融機関がこのような支援を行った事例は過去にないと承知しております。
○長妻委員 過去にないというのは、もう一回言いますよ、採算性に不確実性のある事業に対する出資、融資ということ、これは過去にないということですか。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
繰り返しになりますが、財務省主管の政府系金融機関につきましては、過去にそのような事例はないと承知しております。
○長妻委員 ですから、ゼロゼロ融資どころじゃなくて、過去、コロナのときのゼロゼロ融資もありましたし、あるいは、ベンチャー企業、スタートアップに対する融資、リスクは高いけれども、きちっと審査しているんですね、融資審査。
ところが、今回は、それを特例として基本的に別枠にして、損が出てもいいよというような前提で、初めて政府系金融機関としてこういう対応を取るということで、さっき自民党からもいい質問があったと思うんですが、補助金と変わらないじゃないかという質問があったんですね。補助金と変わらないというか、これならまだ補助金の方がいい。なぜかというと、補助金は企業名と金額がきちっと公開されるんですね。ところが、今回は、損が出ても、企業名やあるいは損失額を公開するかどうか、まだ分からないと。
ということで、ちょっとこれは重要なのでもう一回聞きますけれども、損が出るわけですけれども、損が出た場合、企業名と損失額を公表するということも含めて検討しているということですか。
○小野田国務大臣 繰り返しなのでもう短くしますが、どのような公表のやり方が適切であるかは、今後……(長妻委員「いや、含めているか」と呼ぶ)含めて検討してまいりたいと。
○長妻委員 含めているということなので、是非お願いします。
そして、報道によると、どういう企業がJBICのスキームの対象になるのかということについて、ある経済官庁の幹部がこう発言したとあるんですね。最後は官邸の政治判断で決まるケースも出るだろうということなんですけれども、私は、相当口利きが横行するリスクがあるんじゃないかというふうに思うんですね。
そういう意味では、国家公務員制度改革基本法第五条に、政官透明のために政治家と官僚との接触記録を残すというものがあるわけで、今回、JBICに新しいスキームで選ばれた企業において政治家から働きかけがあった場合は、記録を残して公表するというようなことを御答弁いただければ。
○小野田国務大臣 ほかの行政制度と同様に、法令にのっとった適切な対応をしてまいりたいと考えます。
○長妻委員 そうじゃなくて、接触の記録を残して公表すると、それが法令に書いてあるわけなので、それを言ってください、中身を。
○小野田国務大臣 今挙げていただいた法令の文章にのっとって、適切な対応をしてまいります。(長妻委員「どういう文章ですか」と呼ぶ)国家公務員法の、職員が国会議員と接触した場合における当該接触に関する記録の作成、保存その他管理をし、及びその情報を適切に公開するため必要な措置を講ずるものとすること。
○長妻委員 そうすると、今回の件で、その対応をして公開をしていただく、こういうことでよろしいわけですね。
○小野田国務大臣 法令にのっとって、しっかりやってまいります。
○長妻委員 そして、もう一つのテーマといたしましては、今、特定重要物資について、医療関係では抗生物質と人工呼吸器があるんですけれども、これでは非常に足りないんじゃないかということで、私は、人工心肺装置、人工透析の機器、器材、麻酔設備、器材、手術に必要な器材を入れてほしいというふうに強く申し上げたところ、五ページ目にありますけれども、調査をしていただいているということでございます。
これは、ちゃんと、ECMOと透析の機器についてどういうような状態になっているのかということで、これを特定重要物資に入れるか入れないかの前提の調査だと思うんですが、小野田大臣、この調査結果はいつ頃出るのか、そして、今私が申し上げたものを特定重要物資に認定するということも今視野に入れているのかどうか、御答弁いただければ。
○森政府参考人 医療分野における特定重要物資の指定についてでございますが、委員御指摘のとおり、これまで、抗菌薬四つ、それから人工呼吸器を対象にしてきたところでございます。
医療関係物資については、国民の生命、生活にとって大変重要なものであるというふうに認識しておりまして、引き続き、関係省庁とも連携してリスク調査を実施して、その結果も踏まえて、特定重要物資への追加的な指定も含めて、必要かつ適切に講じていきたいと……(長妻委員「いつ頃出るんですか」と呼ぶ)これは、本当に、サプライチェーンを丁寧に見ていきますので、どの時点でというのは今の時点で申し上げることは難しいんですけれども、できるだけ速やかに対応していきたいというふうに考えております。
○長妻委員 時間が来ましたので質問を終わりますけれども、是非大臣に、早めに今私が申し上げたような物資も指定をしていただきたいというふうに思います。
以上です。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、大島敦君。
○大島委員 質問をさせていただきます。
先ほど長妻委員がおっしゃっていた危機感は、私、そのとおりだと思うの。
前回の国家情報会議設置法案の中でも、アンソロピック社のダリオ・アモデイ氏のことに触れて、ミュトスにも触れさせていただいて、去年の九月三日の抗日戦争八十周年記念で、習近平氏とプーチン氏が、人の寿命は百五十歳まで延びるというエッセーがあるという報道があったことを知って、その原本は、おととしの一月の、今回のアンソロピック社のCEOのダリオ・アモデイ氏のエッセーで、私も読みました。
これまで同僚の委員の方からも指摘があったとおり、今、非連続だと思うの。今の延長上に世界は待っていないと思っていて、非連続の中での安全保障をどうするかということを長妻委員はおっしゃっていたと思います。
先日も、ダリオ・アモデイ氏が、ミュトス級のAIが見つけられる脆弱性を攻撃者側AIが同じように見つけられるようになるまでの猶予は半年から一年と言っているので、恐らく半年から一年ぐらい、もっと早いかもしれないなとも思います。ですから、恐らく政府でもその危機感を持ってやっていらっしゃるとは思うんですけれども、今回は、首相を中心にそういう協議体を設けて、しっかり対応を取る時期に来ているのかなと思います。そうではないと、なかなか厳しい感じがする。
今、同時並行的に特別委員会で審議されている、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案と個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案が同時並行的に審議をされていて、部会で聞いたときに、施行はもう少し延ばした方がいいんじゃないのかなということを発言させていただきました。今、何が起きているのか、日本のサイバーセキュリティー環境の中でどういう脆弱性があるのかをしっかり分かった上で対応しておかないと、多分、伺うところによると、個人情報を統計資料であれば出すことにしてあって、医療情報も含めれば、それは必ず漏えいするかもしれない。本当の国家、一番の危機情報は、やはり内閣総理大臣の健康状態だったりもするので。ですから、こういう法律が平気で今議論をされて、来週にも通りそうだと聞くと、何か大丈夫なのかという感じがするものですから、与党の皆さんにも是非御検討していただければなと思います。
それでは、今日は、順番の方はまず九番の方からいきたいと思いますので、よろしくお願いします。
私、今回の法案を見ながら、アカデミアと民間企業や国の研究所との交流を深めることは大切だという立場なの。それで、最先端の研究領域では学術と安全保障との区別が難しくなっている。例えば、天文学でより遠く、より鮮明に見える研究は、一面では安全保障領域であり、国際的なプロジェクト組成ではどの国と組むべきかは対象となろうと思っていて、例えば、光学系の天体望遠鏡でもミラーの部分のガラス素材は日本の中堅企業しか作れないんです、熱膨張ゼロなので。こういう領域があったり、アカデミアの研究者の最先端の知見を民間企業や国の研究所で生かすこともイノベーションを促進することになると考えています。
アカデミアの研究者が民間や国の研究所で研究開発することを進めたいと思っていて、その際には、身分は維持しながらも、給料については、その期間は民間企業や国の研究所から受け取ることになれば情報公開のレベルは違ってくるなと思っていて、アカデミアは研究の自由と公開の原則があるのに対して、民間企業や国の研究所は研究開発には到達目標が設定されている場合があり、プロジェクトマネジメントが求められる。ですから、公開原則についてはアカデミアとは異なる対応があると考えていて、今回の九番では、問いの九として、特に、アカデミアには研究の自由と公開の原則があるのに対し、民間企業や国の研究所は研究開発には到達目標が設定されている場合があり、プロジェクトマネジメントが求められます、国研とか民間企業は。だから、公開原則についてもアカデミアとは異なる状況があると考えておりまして、経済安全保障重要技術育成プログラム、Kプログラムの研究成果についての公開についてのお考えをまず伺わせてください。
○米山政府参考人 お答え申し上げます。
経済安全保障重要技術育成プログラム、いわゆるKプログラムでございますけれども、こちらにつきまして、成果の公開を基本としております。守秘義務の対象となる情報を除きまして、研究受託者が論文や学会発表等によって成果を公表することを制限することはしていないということでございます。
他方で、受託企業等が自らの判断によりましてKプログラムの成果の一部を非公表とすること、これは妨げられないということでございます。
○大島委員 確認をしたいんですけれども、基本的には、研究成果については公開する。役所の方の説明を聞くと、Kプログラムですか、経済安全保障重要技術育成プログラムは、十年後ぐらいには実装できるところの初期五年間ぐらいなので、そこは基礎研究領域と同じなので研究の自由と公開原則が保たれていると私は理解したんですけれども、そういう理解でよろしいかどうかというところと、研究者についての立場、身分は、国とか大学の研究所から移ってきているのか、その研究所の職員であるのかについても存じ上げていたら教えてください。
○米山政府参考人 失礼しました。
まず、先生御指摘の一点目ですけれども、このKプロにおきましては、まさに研究の自由と公開の原則、そういったものの下に研究開発を実施しているというのが基本でございます。
そして、このKプロに参画する研究者がどういう立場なのかという御質問だったと思いますけれども、これは様々でございます。まさに、学術機関として参画していただく研究者もおりますし、それから民間企業の一員として参画していただく研究者、そういった方もいらっしゃるということでございます。
○大島委員 続きまして、今回の問いの、質問の八に移ります。これは衆議院の調査室の資料にも指摘されております。
独立行政法人経済産業研究所内の経済安全保障シンクタンクと重要技術戦略研究所との関係を、政府は性格が異なると説明しておりますが、両組織はいずれも調査分析、政策提言、人材育成、ネットワーク構築に関わります。したがって、実務上は重複が生じる可能性が高い。特に、先端技術の動向分析、米中等の技術動向の分析、重要技術領域の選定、研究開発支援の優先順位づけなど、経済産業研究所に設ける総合的シンクタンクと重要技術戦略研究所で、機能、役割について重複することが多いと思われる。
それぞれの具体的な役割分担を明確に示すべきではないかと思うんですけれども、御答弁をお願いします。
○小野田国務大臣 総合的な経済安全保障シンクタンクは、今回の法改正で法的に位置づけられ、公的機関である独立行政法人内に設置されるものであり、政府の要請に即応することも含めて、外交、情報、防衛、経済、技術の専門性を有する調査研究、政策提言を行う唯一の政府系シンクタンクとなります。
他方、いわゆる重要技術戦略研究所については、一般社団法人として設立される民間の機関として、技術に特化し、アカデミアも巻き込む形で、産官学連携による科学技術戦略の推進等に加え、大学と連携した人材育成を行うことが期待されているところであり、これら二つのシンクタンクは想定されている役割及び組織体制が異なっていると考えております。
○大島委員 ありがとうございます。
続きまして、質問の十に移りたいと思います。
今回の改正で新設、拡充される官民協議会、先ほどのRIETIによる経済安全保障シンクタンク、Kプログラムの指定基金協議会、医療分野の基幹インフラ制度において、どのような者が適性評価の対象となるのか。政府職員、RIETI職員、外部研究者、民間企業の役職員、委託先、再委託先、医療機関職員、学識経験者のそれぞれについて、対象範囲を明確に説明してほしいと思います。
○小野田国務大臣 委員より具体的にいろいろ挙げていただいたんですけれども、適性評価については、重要経済安保情報保護活用法に基づいて、行政機関の長が重要経済安保情報を指定した場合に、当該情報を取り扱うことが見込まれるなどとされた者に限ってこれを受けることになります。
今後、例えば、総合的な経済安全保障シンクタンクの役職員、御指摘の様々な立場からの官民協議会に参画する者に対して、必要に応じて重要経済安保情報を取り扱わせることも想定されるところですけれども、その場合には、重要経済安保情報保護活用法に基づいて、独立行政法人経済産業研究所や官民協議会に参画する事業者を適合事業者として認定した上で、これらの者に対して適性評価を実施することとなります。
○大島委員 今度は問い七に移りまして、これは政府参考人の答弁を求めたいと思います。
重要経済安全保障でのセキュリティークリアランスと特定秘密保護法に基づくセキュリティークリアランスを受けた者が開示される情報の差異について、具体的に説明してほしいの。
同じセキュリティークリアランスを使っていても、重要経済安全保障情報でのセキュリティークリアランスのテキセイのセイは、これは男性女性の性ですかね、適性評価。特定秘密保護法は、テキセイのセイは正しいの正になっているので、その差異も知っていたら教えてください。
○早田政府参考人 お答えいたします。
現在、シンクタンクの役職員、それから官民協議会の参加者に対しては、国家公務員と同様の守秘義務を課すということにいたしておりまして、政府からの機微な情報を含め、民間企業に情報を提供することを可能とするとともに、民間企業等からの情報提供も容易にするということを考えてございます。
また、これらの情報提供、政府からの情報提供の中には機密性の高い情報も含まれ得るというふうに考えてございます。その場合には、必要に応じてセキュリティークリアランス制度も活用し、当該情報を取り扱うことが見込める者に必要な適性評価を行うということを考えてございます。
○大島委員 先ほどの、英語だと同じだけれども日本語だと漢字が違うというところは知っていますか。
○早田政府参考人 済みません、私、それは理解しておりませんでした。
○大島委員 漢字で書くと違うんだよね、テキセイ評価のテキセイが。重要経済安保情報のテキセイは、さっき言っていた、テキセイのセイは男性女性の性だし、特定秘密だと正しいに変わっているので、何か使い分けた意味があるかどうかという、極めてテクニカルなんですけれども、簡単に答弁願います。
○早田政府参考人 おっしゃるとおり、セキュリティークリアランス制度において、その者が適性な能力を有しているかどうか、重要な国家の情報を開示してもよいかということについての適性評価については、まさに男性女性の性ということで考えてございます。及び、特秘において、適正な情報を提供できるかということについては、それは正しいという字で書いていくんだというふうに認識をしてございます。
○大島委員 そうすると、特定秘密保護法におけるクリアランスの適正については、多分、公務員が対象だと思うので、限定がされる。もう一つ、先ほど述べた重要経済安保情報については、民間も入るので、結構幅が広い適性ということになる。各行政府の長がこれだよと決めて、それについて議論する場合にはセキュリティークリアランスが必要だ。
両方とも、特定秘密保護法で設けられた国会の中の審議会かな、協議会かな、そこで議論される、そういうたてつけでいいんだよね。教えてください。二つの情報がどういうように国会に報告されるかについて一言お願いします。
○早田政府参考人 お答えいたします。
まず、先ほど申し上げた特秘法におけるテキセイ評価のセイという漢字でございますけれども、済みません、私、認識を間違ってございました。セイは、クリアランス法と同じですね、男性女性の性でございます。失礼いたしました。
それから、今おっしゃられました国会への報告ということで申し上げますと、特秘法については私の所管外でございますので、それについては国家情報局の方にお聞きいただきたいというふうに考えてございますけれども、重要経済安保情報のクリアランスの情報については、国会に報告を別途させていただくということで予定をしているところでございます。
〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕
○大島委員 今度は問い七の前段の部分で、中東有事においては、例えば、イランによる湾岸地域の米軍関連施設等への攻撃が発生し、また、そのおそれが高まり、日本のエネルギー供給、海上輸送、サプライチェーン、基幹インフラ等に影響を及ぼす可能性がある場合、政府が保有する情報収集衛星の画像データ、またその分析を、独立行政法人経済産業研究所に設置される総合的な経済安全保障シンクタンクの調査研究又は官民協議会におけるリスク評価に活用させることは法律上の業務範囲に照らしてどこまで可能なのかについて、御答弁お願いします。
○早田政府参考人 お答えいたします。
今おっしゃられました、まさにこういった衛星収集情報の画像データ等についても、経済安全保障上の重要な課題を検討していくという観点から、まさにその必要性について、必要であるということが認識をされれば、この官民協議会中で必要な情報保全措置を取った上で共有されることは当然あり得るというふうに考えてございます。
○大島委員 ありがとうございます。
そうすると、セキュリティークリアランスをかければ、今の衛星情報あるいは機微情報については、官民協議会の中でもしっかりとそれに基づいて検討することができるという理解でよろしいかどうか、もう一回答えてくれますか。
○早田政府参考人 お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、セキュリティークリアランス制度のしっかり適合事業者としてその者が的確な適性を有するということが判断された後に、また、この官民協議会において、そうした情報、衛星情報を含めて共有することが適正であるということを、必要性が認識をされた場合には、できるというふうに考えてございます。
○大島委員 続きまして、今度は一番の方から議論を深めていきたいと思うんですけれども。
今回の米国、イスラエルのイランへの攻撃、紛争を受けまして、海外は、例えば米国の研究機関は、どのくらい米軍のミサイルを消化してしまったかというのも出していたりするんですよ。トマホークだと三割ぐらいは消耗したとか、あるいはTHAADだと五〇から八〇%ぐらいかなとか。四月だと結構こういう論文が出ていて、的確に情報をつかみながら対応を取ってくるのかなと。
その中を読む中で、特にミサイル、防衛装備品についてのサプライチェーンについては、今後、結構、大変滞るのではないかなという指摘もあったりもして、現状、紛争前に戻すまでに一年から四年、あるものの兵器については二〇三〇年ぐらいまでかかるなんということが書いてあったりもして、今回の日本の重要鉱物についてどのように考えていらっしゃるのか、そのことについてのリスクについて、まずは伺わせてください。
これは問いの一なんですけれども、防衛装備は完成品だけを見ても安全保障上のリスクは分からない。まあ、いろいろとありますけれども、レアアース、永久磁石、ガリウム、ゲルマニウム、タングステン、アンチモン、チタン、タンタル、半導体の素材、多くの重要鉱物の素材が必要だ。政府は、要は、これらの防衛装備品について、装備ごと、使用部品ごとに重要な重要鉱物の部素材の供給リスクを評価しているのか、評価しているのであれば、供給網の弱点を把握しないまま防衛装備の移転とか生産拡大を進めると考えているのか、政府の見解を示していただきたいと思います。
○小杉政府参考人 お答えいたします。
地政学的要因等によりまして、国際的なサプライチェーンリスク、これは今委員がおっしゃられたことだと思いますけれども、が顕在化する中、安定的な装備品の供給を確保するとともに、防衛装備移転を推進していくというためには、サプライチェーンの強靱化を進めることが喫緊の課題と認識してございます。
防衛省におきましては、装備品等の安定的な製造等を脅かすリスク状況を把握する観点から、防衛生産基盤強化法に基づくサプライチェーン調査を行っているほか、企業との平素のやり取り等を通じた情報収集、これに加えまして、職員が工場等を直接訪問して製造工程も含めたリスク状況についての確認等を実施することなどによりまして、様々な手段でサプライチェーンの状況の把握を行ってございます。その上で、収集した情報を踏まえまして、サプライチェーンの脆弱性やボトルネックが存在すると評価する場合には、関係省庁とも連携しながら、防衛生産基盤強化法上の装備品安定製造等確保事業の枠組み等も活用して対応を行ってきているところでございます。
○大島委員 一点確認をしたいんですけれども、レアメタルあるいはレアアースについては、鉱物資源は中国あるいは特定国に偏在しているわけではなくて、分離、精製、金属化、合金化、永久磁石の製造、あるいは承認済みの部品等の証明書がつけられているかどうかということがキー、重要になってきていて、すぐに生産能力を拡大できるとは思っていないです。ですから、この法律を作ったとき、今回審議している法律があるので、それについては政府としても前広に準備をされているのかなとは思います。
それで、防衛省に一点だけ伺いたいのは、米国だと、米国の国防調達規則ですと、素材として様々列挙した上で、物をつくるに当たっては部品を取り寄せてつくっていくので、その部品の中身までしっかり見て、それが他国依存ではないかどうかも彼らは考えていて、今年末までにはとか来年の一月一日からはとか、そういう期間を区切って対応を取られているという話を伺うことがあるんですけれども、その点について、日本も同じようなリスク管理をされているかどうかについての御答弁をお願いします。
〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕
○小杉政府参考人 お答えいたします。
委員の御指摘は、恐らく中国の輸出規制とか、そういったものを絡めての御質問だと思いますけれども、御指摘のその措置の装備品製造への影響、これを明らかにするのは、規制側を利することと企業との関係もあることからお答えは差し控えますけれども、いずれにしましても、重要鉱物や部素材の確保につきましては、特定国への依存度の低減とか、あと、内製化を含む調達先の多様化、それから代替素材、技術の開発、備蓄、同盟国等との協力強化といった取組を進めて自律性を高めていくことが重要であると考えておりまして、まさにこれは今関係省庁とも連携して取り組んでいるところでございます。
○大島委員 是非取り組んでほしいと思います。
先ほどの四月に出た米国の書類、レポートは、CSIS、米国戦略国際問題研究所のレポートでして、その中の記載だと、日本は、イラン戦争の影響により、四百発のトマホーク納入が遅れる可能性があると伝えられていたと報じられているので、是非よろしくお願いします。
では、続きまして、重要鉱物について大臣に伺いたいと思います。
レアメタル、レアアースは、日本の産業と安全保障を支える重要な資源と考えております。経済安全保障推進法の運用により、これまで何が進み、何がまだ課題として残っているのか、分かりやすく説明してください。
また、米国とイランとの紛争を見ても、資源やエネルギーの供給網は、いつ不安定化してもおかしくありません。この状況を踏まえ、レアメタル、レアアースの安定確保について大臣はどのように危機感を持っているのか、具体的に述べていただきたいと思います。
○小野田国務大臣 済みません、先ほど一点、大島先生への答弁で、一般財団法人と呼ぶところを一般社団法人と呼んでしまいました。申し訳ございませんでした。
お時間もあると思いますが、端的にと思うんですけれども、特定重要物資のうち重要鉱物について、これまで七件の供給確保計画を認定して取組を支援しております。具体的には、蓄電池に用いる金属の探鉱や製錬事業、そして廃棄される蓄電池からの金属の回収、精製に向けた実証試験などの取組を支援しております。また、永久磁石についても六件の計画を認定し、廃棄される磁石からレアアース原料をリサイクルとする事業ですとか、省レアアース磁石の開発といった取組を支援しております。
課題としては、世界的な電気自動車需要の落ち込みに加えて、人手不足、物価高に伴い、供給確保計画における設備増強のスケジュールを後ろ倒しにする例が幾つか生じてしまっております。
なお、鉱物資源の獲得においては、供給源の多角化に向けた同志国との連携が重要であると認識しております。
そのため、例えば、今月の日豪首脳会談においては、重要鉱物協力強化に関する共同声明を取りまとめて、今後の優先協力プロジェクトとしてレアアース等の六つのプロジェクトを特定し、協力を進めていくことを確認しております。また、私も、先日インドを訪問しまして、レディ鉱山大臣兼石炭大臣ともお会いして、重要鉱物に関して日印両国間でより強靱かつ持続的なサプライチェーンの形成を確認したところでありますが、今後も、同盟国、同志国との連携の下で、経済安保推進法による鉱山開発や製錬設備への出資、助成金の支援により、代替供給源の確保を加速してまいりたいと考えております。
○大島委員 終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。
早速質疑に入ります。
今回の中東情勢を踏まえて、ナフサ不足が発生しています。あるいは、これに由来する様々なものが、ポテトチップも印刷できないということになっているわけでございます。また、クロード・ミュトスの話は先ほど来出ておりますが、これらは二月の二十八日以降起きている話でありまして、必ずしもこの法案が全てカバーできていない部分があると思うんです。それはしようがないと思うんですね。なので、むしろこの法案に、現下の情勢を踏まえて、もう少し柔軟に対応できるようにしたらいいのではないかという観点から質疑をさせていただきたいと思います。
まず、これは内閣官房の政府参考人に伺いますが、ナフサ不足あるいはナフサ由来の物資不足が続いた場合には、配付資料一枚目に特定重要物資が十六個挙がっていますが、この特定重要物資の例えば人工呼吸器というのはプラスチックをいっぱい使うわけですよね、あるいは航空機の部品、あるいは半導体の製造工程でも恐らく使うと思うんですけれども、こういった特定重要物資も、ナフサ由来の原材料や部品がなければ安定供給できないんじゃないんでしょうか。このナフサ由来の物資が原材料、部品、生産工程などで使用されることによって供給が懸念される特定重要物資を網羅的に挙げてください。
○殿木政府参考人 ナフサにつきましては、備蓄原油を用いて国内での製造を継続していくのに加えまして、中東以外からの輸入拡大、ポリエチレンなどの中間段階の化学製品の在庫も合わせると、これまでの半年以上から更に延び、年を越えて継続できる見込みであり、我が国全体として必要な量は確保できておりますが、その上で、御指摘のナフサにつきましては、エチレン、プロピレン、キシレン等の基礎化学品に分解された後、ポリエチレン、塩化ビニール樹脂、高級アルコールなどの誘導品を経由して、プラスチック、合成繊維、合成ゴム、塗料原料や溶剤など幅広い製品に使われているところでございます。
これまで指定した十六の特定重要物資との関係で申し上げれば、ナフサ由来の原材料は、例えば、抗菌薬や肥料の包装材や半導体の封止材、産業用ロボットの外殻や塗料などで使われており、特定重要物資として指定されている天然ガスなどの純粋な素材を除けば、網羅的に挙げることは難しいものの、半導体の製造装置やろ波器のような先端電子部品も含めて、ほとんど全ての完成品が、指定されている特定重要物資などにおいて何らかの形で使われていると考えております。
○後藤(祐)委員 ほとんど全ての特定重要物資にとって、このナフサがなければできないわけですよね。つまり、ナフサこそ日本の経済安全保障にとってチョークポイントになっているんじゃないんですか、ということの認識と、あわせて、これも通告してありますが、併せて聞きますね。備蓄原油はありますが、この原油を精製してもナフサは需要量の半分ぐらいしかできないわけで、ナフサそのものを輸入するのは今難しい状況ですから。LNGは、そこに書いてあるように、特定重要物資そのものなんですね、指定されているわけです。何でナフサは特定重要物資に指定しないんでしょうか。併せてお願いします。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、チョークポイントかどうかという点ですけれども、チョークポイントとおっしゃった言葉の趣旨を踏まえて申し上げますと、ナフサは、まず一つには、プラスチック原料を始め様々な用途に用いられる、利用される非常に重要な物資であるということが一つ、そして、現時点では多くを中東に依存している、かつ、それが今般の中東情勢によってサプライチェーンリスクが顕在化した、こういうことは事実であるというふうに考えております。
こうした課題はありますけれども、ナフサについては、足下では、国内の精製ですとか中東以外からの輸入拡大、またポリエチレンなどの中間段階の化学製品の在庫などで、年を越えて継続できるという見込みに今認識が至っているところでございます。
後半の、御指摘がございました指定物資にすべきではないかということについてお答えを申し上げると、経済安全保障推進法においては、不可欠性ですとか外部依存性、また供給途絶の蓋然性、それから施策の必要性などの要件を満たす場合に特定重要物資として指定をして必要な措置を講じる、こういうことによって重要物資の安定供給確保に取り組む、そういうものであると理解しております。
こうした中で、ナフサについては、これまで、民間による中間段階の化学製品の在庫備蓄があるということに加えまして、供給源を多様化する可能性、余地がある、こういうことから、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資には指定をしてこなかったところでございます。
政府としては、現在、供給源の多様化などによって足下の安定供給確保に努めているところでございますけれども、今回の対応も踏まえました今後の情勢も見極めつつ、特定重要物資指定の是非も含めて、一層の安定供給確保のための方策については検討をしてまいりたい、このように考えております。
○後藤(祐)委員 指定の是非も含めてということですので、可能性はあり得るという答弁だと思いますが、天然ガスの方がまだ多様化が進んでいるわけですよね。湾岸経由は一割以下と聞いています。ナフサの方が、まさに多くの、だって、ここの特定重要物資のほとんどのものはできないわけですからね。そこを踏まえて検討いただければと思います。
更に申し上げますと、5番ですが、仮に日本でナフサが十分供給されていたとしても、例えば、医療の現場では、使い捨て手袋は日本ではほとんど作っていなくて、マレーシアとかから買っているというように、ほとんど日本国内で製造されておらず外国産に依存しているようなものについては、そのナフサ由来のものですね、この法律あるいは今度の法案では何らか対応のしようがあるんでしょうか。これは経済安全保障担当大臣から。
○小野田国務大臣 医療用資材や使い捨て手袋を含む、国内で生産量が少なく外部に依存している物資の安定供給確保については、経済安全保障推進法のみならず、ほかの法律に基づく制度等様々な施策を組み合わせて対応するものと認識しております。
例えば、御指摘の使い捨て手袋に関しては、国が備蓄する医療用手袋五千万枚を放出し、目詰まりで確保が困難となっている医療機関に必要な量が行き渡るよう、措置を講じているところであります。
また、アジアにおける原油、石油製品等の調達やサプライチェーン維持のための枠組みであるパワー・アジア等を活用して、重要物資の安定的な調達に向けた国際的な連携の強化に取り組んでおりますが、その上で、経済安保法に基づく支援の必要性が認められれば、特定重要物資への指定も含め、安定供給確保に向けた必要な対策を適切かつ迅速に講じてまいりたいと考えています。
○後藤(祐)委員 そこは柔軟に是非考えていただきたいと思います。パワー・アジアはいいと思いますが、信頼できる国からいざというときでも調達できるものとそうでないものをよく分析していただきたいと思います。
続いて大臣に伺いたいと思いますが、その配付資料にあるように、クラウドプログラムは既に特定重要物資です。その供給確保計画というものを見ましたが、クラウドプログラムの供給確保計画の中に、量子コンピューターを利用したクラウドサービスの提供とか、AIに関わる計算資源としてのGPUクラウドサービスの提供といった内容が指定されています。
クラウドサービスというのは、物理的には、通常、サーバーを経由して提供されると思うんですけれども、サーバー、あるいはクラウドサーバー、あるいはクラウドサーバーを通じた役務、あるいはデータセンター、いろいろな規定の仕方はあると思いますが、こういった役務なり物資を特定重要物資あるいは特定社会基盤役務のどちらかに指定すべきじゃないでしょうか。
○小野田国務大臣 クラウドサービスにおいて提供される機能を決定する要素としてクラウドプログラムは重要であることから、物資の中の一内容とされているプログラムそのものを特定重要物資として指定し、その安定供給の確保策を講ずることにより、国内事業者が基盤クラウドサービスを持続的に提供できると考えておるところです。
こうした考えに基づいて、基盤クラウドプログラムの技術開発及び基盤クラウドプログラムの開発に必要な生産基盤整備としてのサーバー整備の支援について対応をしております。
また、特定社会基盤役務への指定については、基幹インフラ制度においては、基幹インフラ事業者が利用するクラウドサービスが基幹インフラ制度の対象となる特定重要設備や特定重要設備を構成する設備に該当する場合には、現在でも届出及び審査の対象となっておりまして、引き続き、基幹インフラ制度を通じて、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に努めてまいりたいと考えております。
○後藤(祐)委員 この法律は、特定重要物資、十六物資を見れば分かるように、ハードをイメージしながら、それに付随するソフト、役務というものもカバーしていきますよという法律だし、今回の法改正で役務が追加されるわけですよね。
そう見ると、このクラウドプログラムというのがすごく違和感があるわけですよ。むしろ、ハードたるデータセンターとかサーバーとかは対象にならないんですか。対象にすべきじゃないですか。あるいは、クラウドプログラムの関連でデータセンターは指定できるんですか。
○小野田国務大臣 クラウドプログラムの一つとして、方針でサーバー整備の支援についても定めているというところであります。
○後藤(祐)委員 ハードたるデータセンターとかサーバーそのものも、クラウドプログラムの中の書きようによって指定、認定できるということですか。
○小野田国務大臣 先生にお示しいただいたこの資料の高度な電子計算機というところに入っているというふうに考えております。
○後藤(祐)委員 データセンターというのは、高度な電子計算機というよりは、データの格納庫だと思うんですけれども。別のものじゃないですか。
○殿木政府参考人 ただいまのお尋ねでございますけれども、先ほど大臣が申し上げましたとおり、取組方針の中で柔軟に対応するというところをやっているところでございまして、必要性が出てくれば、関係省庁と協議をしながら指定していくということになっていくと思います。
また、データセンターの方が必要だということになったときには、法律の四要件がありますので、それに該当するかどうかということも判断しながらやらなければいけないと思いますけれども、そこは関係省庁とも話をしながらということになると思います。
以上でございます。
○後藤(祐)委員 今のは、可能性はあり得るという答弁だと思うんですが。
ちょっと、クラウドプログラムとデータセンターとかサーバーというのは、別の概念ですよね。それをここで全部読んでいっちゃうというのは、やや違和感がありますね。クラウドプログラム及び、何かハードをイメージするようなサーバーなり、クラウドサーバーなりデータセンターなりというのは、何かここの表記を広く書き直して指定し直した方が、今の答弁からすると自然ではないかなと思いますので、そこは柔軟に考えていただきたいと思います。
その上で、次に行きたいと思いますが、資料の五ページ、この辺は今回の法案の部分ですけれども、七条に特定重要物資の指定が、少しこれは広がるわけですけれども、ここの書き方というのが、「外部から行われる行為により国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止するため、」とあるんですけれども、例えば、先ほど来、ナフサがないといろいろな特定重要物資ができないということで、先ほど、場合によってはナフサの指定についても可能性がある答弁でした。
でも、例えば、今回のナフサ不足が深刻になった場合に、ナフサを指定するとした場合に、一体、外部から行われる行為というのは何なんですか。つまり、ホルムズが閉じてタンカーが来なくなって、日本でナフサが足りなくなったから、ナフサがないといろいろなものができなくなるから困るのであって、特定国が日本を何らかの意図を持って攻撃しようということを念頭に置いてこの法律はできていると思うんですが、それが狭過ぎるんじゃないんですかという問題意識なんです。
この七条の書き方として、外部から行われる行為によりというよりは、例えば、外部の行為により損なう事態を防止するためというような形に修正すべきではないでしょうか、大臣。
○小野田国務大臣 委員御指摘のとおり、外部からの行為が他国を通じて我が国に影響が及ぶ場合や既に国家及び国民の安全を損なう事態が生じている場合に、特定重要物資の安定供給確保の取組を図ることが重要でございます。この点に関して、外部主体から直接的又は間接的に何らかの行為が行われ国家及び国民の安全を損なう事態が生じる場合には、現行条文で対応が可能であるというふうに捉えております。
なお、御指摘の七条のほか、経済安全保障推進法第四条において、安全保障の確保に関する経済施策の総合的、効果的な推進について国がその責務を有すること、国の行政機関は相互に協力しなければならないこと、必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めることを規定しておりまして、これらの規定も踏まえて、今般の中東情勢への対応についても、関係行政機関が緊密に連携して、足下で一部生じている供給の偏りや流通の目詰まり解消などに取り組んで、一丸となって進めているところです。
○後藤(祐)委員 今も答弁の中で、外部による何らかの行為という言葉があったでしょう。この七条の新旧で、「外部から行われる行為」というのは、外部から日本に対して行われる行為というイメージですよね。「から」という言葉には、フロム・トゥーがあるわけですよ。
だから、今回のホルムズで起きたこととかナフサが不足しているということは、最初の行為、きっかけとか理由というのはどこか外部なのかもしれませんから、今まさにあったように、外部の何らかの行為により、つまり、外部の行為によりという広い書き方の方が自然なんじゃないですか。今の答弁がまさに証明しているじゃないですか。
「外部から」の「から」が余計じゃないですか。これは、特定国が日本を攻撃する意図を念頭に置いた言葉であって、ホルムズ海峡が封じられてしまったというのは、日本の外側の何らかの行為ですよ。だから、それは外部の行為によりでいいんじゃないんですか。ここは余り意地を張らないで、広く柔軟に対応できるようにしようじゃないかという建設的な提案なんですから、今の大臣の答弁をまさに踏まえた提案ですから、御検討いただきたいんです。
あともう一つは、未然という言葉なんですね。「国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止するため、」とあるんですが、もう未然じゃないですよ、ナフサ不足は。カルビー、白黒になっちゃったじゃないですか。全然未然じゃないんですよ。だから、半導体の洗浄だって本当にできるんですかという話で、もはや起きてきている行為も含み得るようにしておけばいいんじゃないですか。「未然に」は余計じゃないですか。広めに読めるようにしましょうよ。どうですか、大臣。
○小野田国務大臣 国家及び国民の安全を損なう事態が現に生じていれば、重要な物資の供給途絶が生じる蓋然性が高まっていると捉えて、近い将来起こり得る国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止するという観点から、特定重要物資に指定し、安定供給に向けた取組を現在において講ずることも可能であるというふうに条文上捉えておりまして、先ほどのところもそうなんですけれども、将来、再度類似又は深刻な状況が生じる蓋然性が高いので、未然に防止するための取組をというふうに書いてあることで、現在の対応を読み込めるというふうに我々としては考えているというところです。
○後藤(祐)委員 苦しいですね。今現に起きちゃっていることを、将来それが続くと困るから、将来のことを未然に防ぐために、今もう起きているんだけれども、今起きていることにも対応できるというのは、それは詭弁ですよ。今起きていることにも対応できるように単にすればいいじゃないですか。未然という言葉は余計なだけじゃないですか。未然という言葉を取った方が素直に読めるじゃないですか。ナフサ、起きちゃっているんだから、ミュトス、起きちゃっているんだから、現に起きていることに対応できるようにしましょうよ。是非、御検討を与党の皆さんにお願いいたしたいと思います。
ちょっと飛ばしまして、官民協議会に行きたいと思いますが、条文は三ページ目、三条の二ですけれども、これも同じです。ナフサ、起きました、ナフサ由来のものが足りないかもしれません、では、ナフサなりナフサ由来の物資については、三条の二の官民協議会の議論の対象になり得るんでしょうか。これは政府参考人にお願いします。
○早田政府参考人 お答えいたします。
官民協議会で扱う個別のテーマにつきましては、御指摘のナフサ、ナフサ由来の物資も含めて、法改正施行後の、その時々の情勢等を踏まえまして適時適切に判断してまいりたいと考えてございます。
○後藤(祐)委員 官民協議会で対象にし得ると。
となると、まさにさっきと同じなんですが、この三条の二の条文を見ていただきたいんですけれども、特定の国による害する行為というのは存在するんですか。
○早田政府参考人 まず、一般論になりますけれども、今般、中東情勢の緊迫化によって、ナフサへの需給の影響については、外部主体から直接的又は間接的に何らかの経済安全保障推進法上の国民及び国民の安全を害する行為が行われた結果というふうに考えてございます。
こうした点も踏まえまして、官民協議会で扱うテーマについては、先ほど申し上げましたとおり、適時適切に判断してまいりたいと考えてございます。
○後藤(祐)委員 誰に対する害する行為があったという答弁ですか。日本の国家及び国民の安全に対して、誰がどういう害する行為があったという答弁ですか。もう一回説明してください。
○早田政府参考人 まさに、我が国の国民若しくは産業界に対して、こうした国民国家の安全を害する行為があった、そういう結果だというふうに考えてございます。
○後藤(祐)委員 その行為というのは、具体的にどの行為のことですか。
○早田政府参考人 これは、我が国に向けて直接行われた行為ではございませんけれども、まさにホルムズが封鎖をされたということの結果として一切ナフサが我が国に届かなくなったということをもって、行為というふうに申し上げてございます。
○後藤(祐)委員 イランかアメリカかは別として、ホルムズを閉鎖するという行為が日本の国家及び国民の安全を害する行為であると。かなりこれは厳しいんじゃないですか。害する行為というところに限定する必要があるんですかということなんです。結果としてナフサが足りなくなって、そのナフサが不足しているということが日本の国家及び国民の安全を害するというよりは、困るということなんじゃないんですか。
ですから、大臣、これは通告してありますけれども、ここはもうちょっと素直に、経済活動に関し国家及び国民の安全を損なう事態を防止するためとかね。どこかの国が日本の国家国民の安全を害する行為があるかないかとかというのは関係なくないですか。
結果としてナフサがなくなったことによっていろいろなものが足りなくなって、それで官民協議会をやるというさっき答弁があった。それは、ホルムズが通れなくなってナフサが不足したからやるのであって、それがアメリカかイランかはともかく、ホルムズが封鎖する行為が日本の安全を害しているのであるというのは、詭弁ですよ、これは。
法改正がなくて、元々ある法案で緊急に対応しなきゃいけないときに詭弁で乗り越えたいのは分かる。だけれども、今回、法改正しているそのもののところだから、修正すればいいじゃないですか。
実際、苦しいのは分かるんです。だって、ホルムズが起きたのは二月二十八日以降だから、その前にこの条文は事実上多分できていたと思うから。そうなんです、だから、そこは皆さんかわいそうなんです。だから、この法案審議の中で、現実に合わせて読み得るようにしましょうよということをちょっと検討しませんか、ここもさっきのと併せて。
○小野田国務大臣 御指摘のように、事態ではなく行為に着目しているのは、原因たる行為を未然に防止するべく官民で情報共有や対策の協議を行うことで、ひいては、その行為によって生起し得る結果としての事態も含めて対処が可能となるためでございまして、かかる規定によって、全く行為を介在しない自然災害事態を除いて、経済安全保障上の幅広い課題に対応することが現在でも可能であると考えております。
○後藤(祐)委員 今回のナフサ不足は、この行為というのは、アメリカかイランかはともかく、ホルムズが封鎖される行為だと言いました。何でこの法律で、アメリカかイランかはともかく、ホルムズを封鎖する行為を未然に防止できるんですか。どうやって防止するんですか。言ってください。
○小野田国務大臣 行為によって生起し得る結果としての事態も含め効果的な対処を可能とするというところなので、行為によって起きた事態、ナフサが足りないとかそういう事態に対して、この条文で対応が可能だというふうに考えております。
○後藤(祐)委員 その一つ前の答弁で、行為を未然に防止する、だって実際そう書いてあるんだもの、三条の二、一項に、行為を未然に防止すると。行為というのは、さっきのあれだとホルムズを封鎖する行為ですよ。ホルムズを封鎖する行為をこの法律で未然に防止できるわけないじゃないですか、アメリカとイランの紛争を。そんなことをこの法律で狙っていないでしょう。
だから、その結果として起きたことにどう対応するかなんだから、行為よりも、起きている事態、ナフサが足りなくなっているという事態にやはり着目をすべきなんじゃないんですか。別に、大臣をとっちめるのが目的じゃないから、これは本当に柔軟に対応できるようにするためだから。真面目に答えてください、本当に。
○泉政府参考人 ありがとうございます。
現行法、先ほど大臣の方から答弁がございましたとおり、今、後藤先生も話されていたのは一条の文章だと思います。(後藤(祐)委員「三条の二」と呼ぶ)三条の二。それで、七条に着目いたしますと……(後藤(祐)委員「今、三条の二の議論をしているんだよ」と呼ぶ)
この経済安全保障推進法は、先ほど大臣から答弁ありましたとおり、純粋な自然災害ではなくて、それだけによるものではなくて、何らかの、そういう、人の手が介在する、意思が介在するということを対象としている。それで、七条においては、どういうふうに書いてあるかと申し上げますと、外部から行われる行為によって国家国民の安全を損なう事態を未然に防止する、こういう規定になっておる、こういうことでございます。(後藤(祐)委員「三条の二について聞いたんだよ」と呼ぶ)
三条の二の官民の協議会におきましては、行為、当該行為の防止、行為を未然に防止するということは、何のために官民協議会をやるかというと、国家国民の安全を害する行為を未然に防止するための様々な情報共有、対策というのを議論することによって、事態も含めて議論ができる、こういうことでございます。
○後藤(祐)委員 もう一回確認しますが、今般のナフサ不足に至った行為というのは、先ほどホルムズ海峡が封鎖された行為だという答弁がありましたよ。このホルムズ海峡を封鎖した行為を未然に防止するためなんですか、官民協議会。違うんじゃないんですか。
○泉政府参考人 お答え申し上げます。
ホルムズ海峡、防止という発言が先ほどありましたけれども、行為というのは、ホルムズ海峡を封鎖することだけではございませんでして、様々、輸出ができないとか輸出を止めるとか、様々な行為がございます。そういった行為をどういうふうに捉えて、どういうふうに対処を打つかということを協議する、こういうことでございます。
○後藤(祐)委員 もう一回厳密に答えてください。さっきの答弁、修正ということね。
この三条の二第一項に言う、国家及び国民の安全を害する行為とは、ホルムズ海峡封鎖からナフサ不足に至った事態においてはどれのことですか。先ほどはホルムズ海峡を封鎖した行為だというのがありましたが、今、泉統括官からは輸出を止める行為とかとあるけれども、輸出を止める行為というのはあったんでしたっけ。ホルムズを止める行為はあったと思うけれども、日本に対する輸出をしてはならないという行為があったんでしたっけ。
○早田政府参考人 お答えいたします。
今申し上げた安全を害する行為でございますけれども、これは、まさに今その行為によってナフサが不足をしている、こういう事態が生じているわけでございますけれども、ここで未然に防止すると申し上げているのは……(後藤(祐)委員「違う、行為は何かを聞いているんです」と呼ぶ)はい。この事態を、今後また似たような、同じようなことが起こることをどう防ぐのか……(後藤(祐)委員「違う、今後じゃなくて今起きていることの行為は何かを聞いているんです。さっき聞いたことですよ」と呼ぶ)
○山下委員長 早田審議官、三条の二は外部からというのがなくて、七条は外部からというのがあって、条文が違うので、そのことを前提に、三条の二の官民協議会では、例えばナフサ不足に関してどういうふうな行為の防止ということが対象になるのかというのを整理して答えてください。
○早田政府参考人 はい。
三条二の官民協議会の行為につきましては、今まさに起こっている事態を踏まえまして、将来こういった事態が起こることをまたどう防ぐのか……(後藤(祐)委員「違う、今起きていることについてどの行為なんですかと聞いているんですよ。ちょっと一回止めていただけますか」と呼ぶ)
○山下委員長 では、ちょっと時計を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。
早田審議官。
○早田政府参考人 今般、ホルムズ海峡に起因して起こったナフサ等の目詰まり等の状況を踏まえ、そうした行為がまた将来起こり得るということをしっかりこの官民協議会で防止をするという観点から議論の対象にしていきたいというふうに思ってございますので、必ずしも……(発言する者あり)
○山下委員長 行為とは何かということについて端的に答えてください。
○早田政府参考人 ホルムズを封鎖する行為でもって生じた目詰まり等の事態は全部含みます。
○後藤(祐)委員 その行為によって生じた事態を含みますって、行為という言葉で生じた事態を読むのは無理がありますよ、それは。だって、しかも、害するとなっているんですよ。
しかも、それを読んで適用するんじゃない、こんなのを読むのは無理だろうというのであれば徹底抗戦するのも分かる。だけれども、これは読めた方がいいんじゃないですかという議論をしているんですから。しかも、今、今回の法改正をする部分なんですから、柔軟にやりましょうよ。
もうこれ以上してもちょっとあれなんで、また金曜日に私やりますから、きちっと、ここの行為とは何か、具体的に。今回のホルムズ海峡封鎖からナフサ不足に至ることに関して、この行為が具体的に何かを文書で提出してください。委員長、お願いします。
○山下委員長 理事会で取扱いについて諮りたいと思います。
○後藤(祐)委員 この部分、まさに条文修正をお願いしていますので、柔軟に読めるようにして何が困るのかと思うので、是非御検討いただきたいと思いますが。
柔軟にするのはいいんですが、一方で、ちょっと柔軟過ぎるなという部分もあって、この三条の二の第二項の三号というところで、要は、この官民協議会に呼べる人として、内閣総理大臣が必要と認める事業者と、何の限定もなくすとんと書いてあるんですね。この官民協議会というのは、守秘義務がかかる、それに違反すると罰則がかかる、いろいろな文書だとかを提出しなきゃいけない、かなりの義務がかかるんですね。なので、必要な場合は呼んでいいと思うんですけれども、これこれに関連する人とか、少し限定しなきゃいけないと思うんです。
これは大臣に通告してありますけれども、せめて、特定重要物資等の安定的な供給の確保又は特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に不可欠な事業者であって総理が必要と認める者といった、少し限定をした上で必要な人というふうにすべきじゃないですか、大臣。
○小野田国務大臣 官民協議会では、経済安全保障上の幅広い課題について、時々の情勢等を踏まえつつ官民で情報共有や対策の協議を行うべく、内閣総理大臣が必要と認める事業者等をもって構成することとしております。ただし、官民協議会の構成員には必要に応じて資料の提供等の協力や情報の適正管理等を求めることから、構成員となることについてあらかじめ同意を得た者に限るというふうにしております。
このため、官民協議会の構成員となる事業者が望まない形で過度な負担を強いられることはないということで、条文を修正する必要はないのかなと考えております。
官民協議会については、本年一月に有識者会議から、事業者側に参加する意義を見出していただくことは重要と提言をいただいているところでありまして、具体的な官民協議会の運営方針については、今後、専門家や事業者等の意見を伺いつつ丁寧に検討してまいりたいと思います。
○後藤(祐)委員 例えば、同じ業界で数社あって、ほかの各社は参加すると言っている、俺は嫌だと、できないんですよ、そういうこと。だから、事実上、嫌だけれども強制されちゃうわけですよ。だから、同意を取っているからいいというものじゃないんです。
ですから、せめて、関連する者、あるいは、今おっしゃった何らかの指針で定めるのであれば、内閣総理大臣が必要と認める者というのはこういうものであるという中で、せめて特定重要物資と特定社会基盤役務に関係するところにしましょうよ。それは当たり前だと思うんですよ。それ以外の関係ない人は基本的に呼んじゃいけないと思うんですよね。そこはちょっと是非、本来は修正すべきですけれども、少なくとも、運用するときに、今のルールみたいな中にちゃんと書き込んでいただきたいと思います。
それと、この三条の二の施行期日なんですけれども、施行期日については八ページ目に条文がありますけれども、これは、附則の一条で、この八ページ目の右のアンダーライン、「三条の次に三条を加える」、これが三条の二も入るわけで、そうすると六月を超えない範囲内において政令で定める日になるわけですが、ナフサを指定するかもしれない、それについて協議しましょうというときに、六月を超えない、遅過ぎじゃないですか。これは、公布の日から施行、公布の日からはちょっと難しいのであればもうちょっと後でもいいけれども、六月はちょっと遅過ぎるんじゃないんですか。ここは条文修正すべきだと思いますけれども、大臣。
○小野田国務大臣 官民協議会については、法案成立後速やかに施行することは非常に重要であると考えております。一方、官民協議会の事務に従事する者たちには、罰則つきの守秘義務を課すなど一定の負担を負わせるものであることから、一定の周知期間を設ける必要があり、また、改正法の規定に基づく基本方針の改定についてパブリックコメント等の手続が必要なことから、直ちに施行するというのが難しいという状況です。
官民協議会に係る規定については、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日の施行としているところでありまして、早急に準備を整え、可能な限り速やかに施行してまいりたいと思います。
○後藤(祐)委員 ほかのところは、いろいろなものを準備するのに半年弱かかるというのは分かりますよ。ですが、この官民協議会の規定というのは政令とか省令とかそんなものは要らなくて、官民協議会の運営要領か何かをぱぱぱぱっと作っちゃえば、できると思うんですよ。
特定重要安保情報とか経済安保情報とか、そういったものをやろうとするときはそれはそれでまた別途かかるけれども、ここはやはりちょっと切り離して、今まさに大臣は速やかにと言ったんだから、速やかにでいいじゃないですか。公示の日以降速やかに施行すると、是非御検討いただきたいと思います。答弁でもそうおっしゃいました。
次、AIに行きたいと思いますが、クロード・ミュトスについて、四月二十四日に、金融について、金融庁からお越しになられていますが、既に官民連携会議が開かれましたし、先ほど答弁で、あしたですか、専門家会合が開かれる、とてもいいことだと思いますし、日本版グラスウィングなんだと思います。
この既にやった四月二十四日、あるいはあした五月十四日の法的根拠は何法でしょうか。銀行法とか金融業法とか、業法でしょうか、あるいは各府省の設置法でしょうか。
○大城政府参考人 お答え申し上げます。
AI技術が急速に進展する中、サイバー攻撃にAIが活用されることで攻撃のスピード、規模が劇的に加速、拡大するなど、サイバーセキュリティーをめぐる脅威が高まっている、こうした認識の下、四月二十四日に金融担当大臣の主催によりAI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連携会議を開催したところでございます。
また、委員御指摘のとおり、同会議での議論も踏まえまして、金融業界、IT事業者及び政府等がIT技術の進展による脅威について共通の理解を持ち対応を検討していくため、実務者レベルの議論を深めることを目的とした作業部会を、今週、明日でございますけれども、十四日木曜日に開催予定でございます。
こちらの会議についてでございますけれども、金融庁設置法第三条におきまして、金融庁の任務は、我が国の金融機能の安定を確保し、預金者等の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることとされておるところでございます。
この官民連携会議等は、金融庁として、かかる任務を果たす観点から、AIの進展が今後もたらし得る変化や金融分野における対応等について、関係者の認識共有等を図る目的で開催したものと私どもとしては認識しております。
○後藤(祐)委員 答えだけ言ってください。設置法ね。
守秘義務がかけられるんですか。短く。
○山下委員長 短く、端的に答えてください。
○大城政府参考人 お答え申し上げます。
官民連携会議の参加者につきましては、国家公務員と同様の守秘義務がかかるものではございませんけれども、ただ、先ほどの官民連携会議につきましては、参加者の間で、例えば個別の企業のITシステムに関する情報など機微な情報のやり取りは行われておりません。
○後藤(祐)委員 だから、それ以上の話はできないんですよ。クロード・ミュトスでこのミドルウェアがやばいとか、話ができないんですよ。
だから、大臣、この官民協議会を早く施行しないと。官民協議会を施行して、守秘義務がかかる形で、グラスウィング、のっければいいんですよ。だから急ぐんですよ。まさに大臣が言った、速やかに施行しないと、設置法じゃできないんですよ、守秘義務が。という意味でも、よくお考えいただきたいと思います。
それで、更にちょっと直すところがあって、資料八ページ、これは施行のタイミングの話ですけれども、七条に検討規定があるんですね。この七条の検討規定というのは、通常よくある、この法改正でいろいろなところが変わりました、それによって、その施行の状況を勘案して、施行後三年を目途として検討、必要な措置と。よくあるやつです。
ところが、今起きていること、だから、今回変わったところについてはタイミングとしてこれでいいと思うんですけれども、今起きていることは、ナフサでありミュトスなんですよ。これに対して、この法案、今回の法改正で対応できているかどうかは、さっき言ったように、甚だ危なっかしいわけです。もっと川上まで念頭に置かなきゃいけないんじゃないかとか、さっき言ったような、外部からの攻撃じゃなくてできるようにして、それは今すぐ条文修正すればできると思いますけれども、あるいは、AIとの関係というのは、もうちょっと複雑な対応が必要かもしれない。
それは今すぐ検討すべきで、だから、検討規定を二つに分けて、今回の施行部分を、施行後の状況を見て三年後を目途に検討するのと、それと別に、もう足下でいろいろ起きているわけだから、そこは早めに検討するということにしてはどうでしょうか、大臣。
○小野田国務大臣 附則第七条の規定、施行後三年をめどに施行状況を見直すことを政府に求めるものでありますが、この規定にかかわらず、状況に応じて不断に見直しを行うことは、もう委員の御提案の早急にというところで、不断の見直しは当然必要と考えております。
現下の中東情勢を含む国際情勢や、AIの高度化を始めとする技術開発の進展など、我が国の経済安全保障をめぐる状況は刻々と変化していること、本当に委員の御指摘のとおりでありまして、経済安全保障推進法についても、附則第七条の規定にかかわらず、不断に見直しを行ってまいりたいと考えております。
○後藤(祐)委員 七条がなければそれでいいんですよ。でも、検討規定があって、その検討規定を無視して検討しますって、何のための検討規定なんですかということになっちゃうんですよ。しかも、この「等」で読めるんでしょう。法律の施行の状況等を勘案し、この「等」でミュトスだったりナフサだったりが読めちゃうわけですよ。だから、ここが適用されちゃうんですよ。
そうすると、この七条の規定は、本則に戻って、この七条の施行期日は一年後ですから、正確に言うと一年以内、七ページ目にありますね、一条の柱書き、一年を超えない範囲内において政令で定める日ですから、検討規定は施行されないんですよ、すぐ。七条の施行は一年弱後なんですよ。やはり無理があるんですよ。
だから、そこも検討規定をちょっと分けて、実際に検討すると言っているんですから、その根拠をちゃんと法律で書いていただきたいと思います。
ちょっとJBIC等の時間がなくなってきちゃっているので、JBICに行きます。
JBICについて、先ほどもありました。特に、資料の六ページにその改正部分がありますけれども、JBIC法の三十二条で、劣後的政府貸付けを行う場合に、債権の全部又は一部を免除できると。これはほとんど補助金に近いとさっき話もありましたが、百歩譲って、今回の経済安全保障に関連する部分はまだ分かりますよ。認定特定海外事業促進業務に関する貸付けであればまだ分かるんですけれども、この三十二条の二項というのは、それ以外の一般勘定だとか特別勘定、およそJBICの全ての業務にこの債権の全部、一部免除をして劣後的貸付けができるようになってしまうんですよね。それはやり過ぎじゃないですか。財務省。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
JBICの資本を強化する際には、従来、出資を活用してまいりましたが、今回の法改正をきっかけといたしまして、経済安全保障上重要な事業への支援のための資金需要が増大することが考えられますので、これに対応するために、財政的な制約がある中で、資本増強の手段として劣後的政府貸付けも活用することを可能とする規定を盛り込みました。
その上で、経済安全保障上重要な事業は、その事業の採算性等に鑑みて、既存の一般業務勘定ですとか特別業務勘定で実施することになるものがあるということが想定されるということを踏まえまして、そうした事業への支援を適切に遂行するために、劣後的政府貸付けにつきましては、新たな勘定に限らず、既存の勘定も対象とさせていただきたいと考えてございます。
○後藤(祐)委員 そうすると、今回の認定特定海外事業促進業務に関連したものに限定されるということでよろしいですか。
○渡邉政府参考人 今回、新たな認定海外促進事業に限るべきではないかという御質問でございますが……(後藤(祐)委員「関連したものにせめて限るべきじゃないか」と呼ぶ)今回の法改正を踏まえまして、経済安全保障上重要な事業への需要が高まってくるということでございまして、その中には、必ずしも認定海外促進事業に認定されなくても推進すべきものがあるというふうに考えてございますので、繰り返しになりますけれども、経済安全保障上重要な事業を念頭に活用したいということでございます。
○後藤(祐)委員 重要なというのはどういう意味ですか。そんな曖昧な貸付基準なんですか。財務省が何という答弁しているんですか。ずる抜けじゃないですか、これ。
これは、せめて今回の法改正なり経済安全保障に関連するところだったら、百歩譲って、百歩の次、千歩ぐらい譲ってだと思うんだけれども、是非ちょっと、ここも条文修正をお願いしていますから、どこまで認めるのかは、本当に政府として真面目に考えてください。また金曜日、続きをやろうと思います。
指定基金。資料十二ページ、Kプログラムですが、これは五千億積んだんですよね、JSTとNEDOですか。
これは、令和七年度末で累積執行額は幾らですか、JST、NEDO、それぞれ。まとめて答弁してくれるとありがたいですけれども。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
JSTが実施するKプログラムに係る基金の執行状況についてですが、委員御指摘のとおり、JSTにおいて、Kプログラムの執行のため二千五百億円の基金が造成されておりまして、令和七年九月に整理した基金シートを基に算定すると、JSTにおける令和七年度末の累積執行見込額は約三百八十六億円でございます。
○西脇政府参考人 お答えします。
御指摘のとおり、NEDOには、Kプログラム執行のため二千五百億円の基金が造成されています。その上で、この基金シートを基に算定しますと、令和七年度末時点の累積執行見込額は千八十七億円でございます。
○後藤(祐)委員 令和三年、四年度の補正予算ですからね。三年ないし四年かかって、JSTは二千五百億のうち三百八十六億円しか使わないんですよ。予算委員会でもやりましたけれども、金利をどう考えているんですかという話なんですよ。
文科省に聞きますが、令和四年度以降、毎年の運用益は幾らですか。運用先は銀行預金ですか。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
JSTにおけるKプログラム基金の令和四年度以降の毎年の運用収入は、令和七年九月に整理した基金シートに基づきましては、令和四年度においては約四十八万円、令和五年度においては約二千六百四十九万円、令和六年度においては約一億七千二百五十六万円、令和七年度においては、見込みでございますが、約二億三千八百八十九万円となっております。
運用先は銀行預金ということでございます。
○後藤(祐)委員 元本は二千五百億円ですからね。今の全部足したって十億円にいかないじゃないですか。どんな運用なんですかという話なんですよ。だから、キャッシュを積んじゃ駄目なんですよ。必要になったところで国債を発行してお金を払えばいいんですよ、公共事業のように。よく考えてください。国民の税金です。
それと、十三ページ目。四領域五十一の支援対象技術があり、四十三の研究開発構想として行われていますが、自律性を考えれば、あれもこれもフルパッケージでやりたい気持ちは分かりますが、やはり不可欠性、日本はこれはもう握っている、日本のこれがないと世界が困るというところを徹底的に育て上げるべきだと思うんですよね。
この四十三あるうち、他国のチョークポイントになるような不可欠性の高い技術、五つ挙げてください。
○米山政府参考人 御答弁申し上げます。
我が国の不可欠性の確保につながり得る重要技術という観点から、定量的に順位づけすることはなかなか難しいという前提ではございますけれども、あえて五つ研究開発を例示させていただきます。
一つ目は、航空機エンジン向け先端材料、これはセラミック複合材、CMCというものですけれども、その技術の開発。二つ目が、高出力、高効率なパワー半導体、そして高周波半導体向けの材料技術の開発。そして三つ目が、高精度な地球観測を可能とする高感度小型多波長赤外線センサー技術、これの開発。四つ目が、衛星の寿命延長に資する燃料補給技術の開発。五つ目が、例えば輸送機等の革新的な構造を実現するような用途で使われるんですけれども、複合材料の接着技術、くっつけるという意味の接着ですけれども。こういったものが挙げられると考えてございます。
○後藤(祐)委員 よく五つ挙げていただきました。持っているんですよ、日本は。そういうところにどかんと突っ込むべきなんじゃないんですか。この額、これの額を出していただいたことにも敬意を表しますが、ちょっと総花的じゃないですか、この資金の配分というのは。よく考えていただきたいなと思います。
それで、今回、法人が加わるわけですよね。今は五法人可能で、そのうち二つ、JSTとNEDOしか実際には基金を置いてやっていないわけですが、条文としては、資料の五ページ目と資料の十四ページ目、その次にありますけれども、これで三十五法人に広がるわけです。
その中で、基金を持っているのは、十六ページ目、七つ既に基金があるわけですけれども、今回の法案ではこの三十五プラスアルファという規定の仕方で、更にこれ以外にもオーケーとなっているんですね。何でこんなたくさんのところでやらなきゃいけないんですか。今まで二つで、NEDOとJSTだけでできていたわけですよね。せめて、既に基金を持っている七つに絞るとか、JSTとNEDOだとカバーできない分野のところを一つ二つ加えるとか、そういう限定列挙であるべきじゃないんですか。これは大臣に通告しています。
○小野田国務大臣 本法案の指定基金に関する改正、研究開発の特性に応じた各法人に設置された基金の下、多様な研究開発実施主体が指定基金協議会を活用し研究開発等に取り組むことを可能とするため、当該協議会の設置を可能とする範囲を広げ、もって特定重要技術の研究開発の更なる促進を図るものでございます。
このため、我が国が持つ技術的知見を幅広く最大限活用していくという観点から、JST、NEDOはもちろん、そのほかも、支援対象とする特定重要技術の分野に応じて、当該分野に強みを持つ多様な法人の関与を可能とする改正が必要であると考えました。
○後藤(祐)委員 そんな、役人が書いたのをそのまま読んじゃ何にも、これは天下りが後ろに張りついていたりとか、いろいろなことが起きるわけですよ。だからこういうのはやたら広げちゃ駄目なんですよ。そのために大臣がいるんですから。こんなおいしい法改正はないですよ。ここは是非絞っていただきたいと思います。
あともう一つ、ちょっと条文で問題なのが、五ページ、この指定基金を定めている六十三条ですけれども、現行では、その六十三条の新規の下のところで、特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用を目的とするものを基金として指定できると。これは分かります。ところが、今回の改正で、この特定重要技術の研究開発等が含まれるものを基金として指定できるとなっていて、含まれるものといったら、その他のものがすごく多いような基金だってできちゃうわけですよね。
今回、だから、つくれる法人をがばちょと増やして、しかも、その基金のつくり方も、この特定重要技術の研究開発とかに関係ないものも含めた、特定重要技術の研究開発が含まれちゃえばいいんですから、全くそれと関係ないものにお金を使うような基金のつくり方もできちゃうんですけれども、通告は大臣ですよね、これはやり過ぎじゃないですか。こんなの、もうおいしくておいしくて、ちょっと種金みたいに特定重要技術を入れておけば、それに関連するもの、関連しないものも含めて入れられちゃうじゃないですか。
含まれるものは、やめた方がいいと思います。大臣、どうですか。
○小野田国務大臣 例えば国立研究開発法人、要はNICTなどの既に基金を設置している法人が、当該基金を活用した従来の研究開発に加えて、さらに当該基金を活用した特定重要技術の研究開発等に係る業務を新たに行う際に、指定基金協議会における伴走支援を可能とするため、当該基金の指定の基金と指定することなどが考えられるものであって、基金があるからといって、Kプロに入ってお金ががんがん入ってくるというわけではなく、必要なものをちゃんと絞ってお金を出すというところに関しては変わらないと思いますので、しっかりそこは何に対して出すものなのかというのを精査していくということが重要なんだろうと思います。
○後藤(祐)委員 どうやって精査するんですか。
○小野田国務大臣 それは、特定重要技術の研究開発に資する、それがここに、Kプロに値するというところをしっかり今までどおり精査するということだと思います。
○後藤(祐)委員 しっかり今までどおり、特定重要技術に資するものとして審査してください。含まれるだと、それよりはるかに広いですよ。今の答弁で、事実上、資さないものは含まれないという答弁だと思いますので、一定の意味はあると思います。
終わります。
○山下委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時八分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。西田薫君。
○西田(薫)委員 日本維新の会の西田薫でございます。本日もよろしくお願いいたします。
私、先々週の本会議におきまして、党を代表しまして質疑をさせていただきました。そのときも申し上げさせていただいたんですが、この三月に、私たち維新の会は提言書をまとめさせていただいて、そしてまた大臣に手交させていただいたと思います。今回、この改正案におきましても、その多くを盛り込んでいただきましたこと、本会議の場でも申し上げましたが、感謝を申し上げたいというふうに思っております。
これは私たちがやったということを主張したいがために言うわけじゃなく、もちろん、自民党の皆さんも提言書を出されておられました。そして、何よりも、しっかり、大臣始め政府が真剣にこの問題意識というのを深く共有していただいて、そして今回の改正になったんじゃないかなというふうに思っております。その点につきましても、改めて感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
そこで、私は本会議で質問させていただきましたもので、そこで質問したことを深掘りする感じで、今日は委員会ということでありますので、深掘りする形で質問していきたいというふうに思っております。
まず、前回の法案、そして昨年の十二月に出された資料、ここにいろいろ検討課題というのが多く書かれておりました。そして、今回提出された、本年の四月に出された今回の概要案、そこの相違点、どういった部分が改正されているかということを、ちょっと私の方から簡単に説明させていただきたいというふうに思っております。
まず、特定重要物資の追加、十二だったのが十六になった。今日午前中の質疑の中で、長妻先生もそれに触れられておりまして、人工呼吸器の話が触れられておったんですが、それ以外にも、無人航空機であったり、人工衛星、そしてまたロケットの部品、こういったものも、四物資が追加されたということでありますね。また、認定件数も百三十五件から百四十六件に追加をされた、増加をされたというふうに認識しております。
そして、物資の供給に不可欠な役務への支援制度、これも、この十二月の資料においては検討課題の中に入っていたんですが、これが今回、制度化として明記をされた。要は、物資そのものだけではなく、供給に不可欠な役務、これも支援対象とするということが今回の改正。具体例を挙げますと、光海底ケーブルの敷設そしてまた人工衛星の打ち上げというのが具体例として挙げられております。この件につきましては、後ほど質問させていただきたいというふうに思っております。
そして、次に、安定供給に支障が生じるおそれがある場合の措置ということで、これも検討課題に入っておりました。それが今回、関係者の努力義務、そして主務大臣に協力要請と。これが、後ほどこの件も質問させていただきますが、この資料の八条の二と九条の二、十一条の二に明記されているかと思うんですね。この件につきましては、後ほどまた質問させていただきたいというふうに思っております。
そして、次に、基幹インフラ制度への医療分野の追加ということで、これも十二月の段階では方向性のみであったのが、具体化に示された。
ただ、この点につきましては、私、先々週の本会議でも質問させていただいたかと思うんですね。特定機能病院を対象とする、各都道府県に最低一病院を指定するということになっているんですが、そのとき、私、本会議で、特定機能病院というのは全国で八十か所にとどまっている、そこに、今度新たな届出であったりとか審査対応、これを課すことによって、病院の経営であったりとか人員体制、これに影響が及ぶんじゃないかということを質問させていただいておりました。
本会議で質問して、その後、大臣から御答弁いただいておりますので、この質問に関しては今日は割愛をさせていただきたいというふうに思っております。
そしてまた、次に、重要な海外事業の展開支援制度、これを新設ということで、ここは結構かなり大きな新規の追加になったんじゃないかなというふうに思っております。先ほど午前中の審議の中でも、いろいろこの議論が、違う観点からの質疑があったんですが、JBIC法の改正等々がこれに当たるんじゃないかなというふうに思っております。
そしてまた、指定基金の対象範囲の拡大、これも今回、検討課題で入っていたのが、制度の改正というふうにつながった。これはJSTであったりNEDO以外も対象とする、これも今日午前中の質疑でいろいろな御意見があったんじゃないかなというふうに認識しております。
そしてまた、総合的経済安全保障シンクタンクの創設ということで、これも十二月の段階では構想段階であった、それが今回、具体化になったということでありますが、これにつきましても、ちょっと後ほどの質疑に関連するんですが、官民協議会の設置、ここには守秘義務というのを付与するということで、このシンクタンクの情報管理という部分において質問はさせていただきたいというふうに思っております。
以上が、簡単ですが、改正のポイント、大まかなポイントじゃないかなというふうに思っております。それに沿って質問をしていきたいというふうに思っております。
まずは、サプライチェーンの強靱化についてお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
先ほども言いましたとおり、今回は、物資だけじゃなく、その物資の供給に不可欠な役務、これも支援対象としたということで、先ほども具体例を述べさせていただきましたが、光海底ケーブルであったりとか人工衛星の打ち上げ等々がまさしくそうだと思うんです。でも、言い換えれば、裏を返せば、日本というのは、物だけじゃなく、運ぶ能力であったり維持する能力、これもやはり海外に依存していたんじゃないかなというふうには感じております。
そこで、この政府の資料を見ますと、国際通信の九九%が光海底ケーブルを経由していることから、海底ケーブル敷設船による敷設、いわゆる役務ですね、が必要であるということで、これは十二月の段階でも資料として作成されておられます。さらに、この資料を読むと、敷設役務を過度に外部依存する状況において、これが途絶すれば海底ケーブルの通信機能の発揮が損なわれる、要は、この敷設役務が外部依存となること自体をリスクとして位置づけされているということだと思うんですよね。
そこでお伺いをさせていただきたいんですけれども、現在、日本として、この海底ケーブルの敷設船であったり修理船、修復船ですね、そして補修要員であったりとか海底調査能力、これをどの程度国内のみで完結できる体制となっているのか。そしてまた、あわせて、有事や経済的威圧下において、外国事業者が撤退した場合でも自律的に維持可能なのかどうか。その辺り、まず政府参考人の方、御答弁いただきたいと思います。
○柴山政府参考人 お答え申し上げます。
海底ケーブルの生産から敷設、保守につきましては、現状、日本企業により対応できるものと認識してございます。このうち、海底ケーブルを敷設する船につきましては、日本企業が保有する数が限定的でございまして、海外企業が保有する船舶も利用されているものと承知してございます。
近年、生成AIの普及などを背景に、海底ケーブルの需要が増大し、また既存の船舶の老朽化も進む中にございまして、引き続き我が国の自律的な供給体制を確保していくためには、海底ケーブルの敷設、保守能力を我が国で十分確保することが重要であると考えてございます。
総務省では、情報通信成長戦略官民協議会を開催いたしまして、官民投資を重点的に支援することが必要と考えられる製品として海底ケーブルを位置づけまして、今後の具体的な官民投資ロードマップについて検討を進めてございます。
引き続き、これらの官民協議会での御議論や、御審議いただいてございます経済安全保障推進法改正案などを踏まえつつ、例えば海底ケーブルの敷設船の保有体制を強化することも含めまして、自律的な供給体制の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○西田(薫)委員 はい、是非。今現在は日本ではできる、ただ、敷設船等々がやはり海外に今依存しているということなんですよね。
私、本会議でも述べさせていただいたんですけれども、東日本大震災の際には、房総半島に海底ケーブル陸揚げ拠点が集中している、一斉に、同時に被災したということで、我が国の脆弱性というのが明らかになったということで本会議で述べさせていただいたんです。そういったものも、これとは関係ないんですが、今後しっかりやっていただきたいなというふうに思っております。
次に、役務の範囲についてお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
先ほどから申し上げているとおり、今回、役務を支援対象に加えられたということで、ただ、どこまでを不可欠な役務と認定するというのは極めて重要な部分じゃないかなというふうには思っているんですね。例えばですが、港湾荷役であったりとか、データセンター保守、クラウド運用、AI学習基盤、これらも役務であるというふうには私は思っているんですね。
そこで、どういった基準でその役務を判断していくのか。そしてまた、あわせて、政府の裁量というのが極めて広い制度となっていくと思うんですよね。そういった中で、この特定物資の指定基準、この透明性をどのように担保するのか。政府参考人の方より御答弁願います。
○殿木政府参考人 ただいまお尋ねのありました、今回、役務を支援するに当たっての指定基準の透明性の話でございますけれども、今回の改正で措置する、物資等の供給に不可欠な役務というのは、当該役務が提供されなければ物資等を適切な形で使用することができなくなるものをいっております。あと、条文上の文言にございますが、「専ら当該物資等の供給のために用いられるもの」というものがございまして、これは限られた物資にしか用いられない役務を表しているというところでございます。
物資等の供給に不可欠な役務であり、専ら当該物資等の供給のために用いられるものに当たるものとして、先ほどから例にも挙がっております海底ケーブルの敷設役務でございますとか、あるいは人工衛星の打ち上げ役務等が想定されてございます。先ほど御指摘のございました、港湾荷役でございますとか、データセンター保守、クラウド運用、AI学習基盤などにつきましても、今申し上げました点から、供給に不可欠な役務と言えるかどうかを精査して判断するということになります。
なお、特定重要物資の指定に当たりましては、役務にひもづく物資自体が国民の生存に必要不可欠又は国民生活、経済活動に依拠しているという重要性の要件を満たした上で、役務自体が外部に過度に依存している又は依存するおそれがあるという外部依存性、それから、外部から行われる行為による供給途絶等の蓋然性の要件を満たすということが必要でございまして、さらに、安定供給確保のための措置を講ずる必要性の要件を満たす必要がございます。
これらの具体的な判断基準につきましては、基本方針で考え方を整理することとしております。具体的には、有識者にも諮った上で、パブリックコメントの手続も経て、基本方針を改定し、公表する予定でございます。さらに、これを受けて、物資ごとの取組方針でより具体的な支援対象を明確化していく。こうした手続によって、指定基準の透明性を確保していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○西田(薫)委員 しっかりと透明性を確保しながら進めていただければなというふうに思っております。専らですね。専らもありますね。
次に、調達の多角化についてお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
投資ファンドの問題について、まず一点お伺いをさせていただきたいんです。
近年、短期利益を重視する海外ファンドによる事業売却であったり縮小圧力というのも増加していっているかというふうに思うんですね。そういった中で、経済安全保障上重要な企業については、政府は、株主の構成であったりとかファンドの動向、こういったものも把握されているのかどうか。そして、その把握した情報をどのように取り込んでいくのか。この辺りを御答弁いただければと思います。
○殿木政府参考人 今御指摘いただいた話を改正法との関係も含めてということだというふうに理解をしているところでございますが、委員御指摘のように、例えば、外部の影響を受けた投資家などが、特定重要物資を生産している事業者の買収を試みている場合であって、その行為により物資の安定供給確保に支障が生ずるおそれがあるような場合には、今回の改正で設ける法第九条の二第一項の規定によりまして、主務大臣が関係者からの情報収集などを行うということが想定されるところでございます。
先ほどもお話がございました、事業者の株主構成やファンドの動向が当該行為に関わる必要な情報である場合には、把握される情報として含まれることも想定し得るところでございますが、いずれにいたしましても、どのような行為をきっかけとして、どのような関係者に対して主務大臣が協力の求めを行うのかについては、主務大臣が個別の行為ごとに判断するということになることは申し上げるまでもございません。
そして、把握した情報を用いまして、例えば買収を試みている投資家に対して主務大臣が買収意図についての説明を求めるということでありますとか、そうした投資家が認定事業者を買収することにより供給確保計画の実施が困難となるおそれがあるときには、主務大臣から、この度設けます法第十一条の二第二項の規定に基づき、投資の方向性の見直しを要請することが想定されるところでございます。
今回の改正案による新たな措置も含めて、特定物資の安定供給に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
○西田(薫)委員 まさしく実効性についてなんですね、これから質問していきたいというふうに思っておりますが、今、十一条の二というのは御答弁の中にありました。
そして、その前に、実は、昨日、安全保障委員会が開催をされました。実は、私、安全保障委員会の委員でもあり、内閣委員の委員でもあるんですね。昨日の安全保障委員会におきまして、我が党の前原誠司議員が、これまで、要は、供給サイドに対するサポートはあった、しかし、需要サイドに対するサポートというのが少なかったんじゃないかというようなことも指摘をされて。
昨日のその発言のやつをちょっと文字起こしをして、これは間違って言ってはいけないなと思うので、ちょっと同じように言いますと、例えば石油でも、オイルショックのときには中東依存ではいけないということで、六七、八%まで下がった、しかし、今、ふと気づくと九五%までホルムズ海峡を通る原油になっていっていると。
こういうのは、前原議員も言っていたんですが、オブリゲーションなりインセンティブというのを需要者サイドにもしっかりと持ってもらうべきじゃないかというような趣旨で、昨日、安全保障委員会だったんですが、茂木外務大臣も出席されておられて、茂木大臣に質問されておりました。
結局、資源や供給の多角化と言ったとしても、また安いところに買ってしまう、一極集中になってしまう。そういった部分においては、需要サイドにもしっかりとオブリゲーションであったり、オブリゲーションというのは例えば関税であったり、インセンティブというのは租税特別措置であったりとか、こういったのをやっていくべきじゃないかというような質問をされていたんです。
それに対して、茂木大臣は御答弁されました。その御答弁を聞いた後に、前原議員が、本来は小野田大臣の所管になるところですがということを最後言われたんですね。そこで、私、この両方の委員会に入っておりますもので、そしてまた、昨日も、ちょうど安全保障委員会でその質疑を目の前で聞いておりましたもので、それにも少し大臣に触れていただきたいなというふうに思っているんですね。
先ほどの御答弁でもありましたとおり、この十一条の二であったり九条の二、八条の二というのが、これはやはり努力義務と協力要請なんですね。我が党で提言書をまとめるときも、これが弱いんじゃないか、実効性が本当に担保できるのかという議論が随分沸きました。そういった中で、ここは是非大臣から強い御答弁をいただきたい。
先ほどの、昨日の安全保障委員会の話なんですが、別に、私、前原議員から、翌日の内閣委員会でそれに関して質問してくれという要望を受けたわけでもないですし、要請されたわけでもないです。要は、私、努力義務とか協力要請がない中で、勝手に前原議員の昨日の話をこのように質問させていただいているんですけれども、是非大臣、ここはやはりしっかりとした強い御答弁をいただければなというふうに思っております。
○小野田国務大臣 需要者側に対しても経済安全保障の観点をしっかり取り入れてもらうべきという御意見は、米国のような先進国のみならず、先日訪問したインドに代表されるグローバルサウスの国々でもいただいておりまして、まさに国際的な論調になりつつあるというふうに感じております。
本改正法案においても、需要側を含めた幅広い関係者に対して、特定重要物資等の安定供給確保のための相互の連携及び協力を努力義務として規定するとともに、この努力義務規定に基づいて、需要側も含めた民間事業者が特定重要物資等の安定供給確保に資する行動が取りやすくなるように、国として必要な措置を講ずるよう努める旨を規定させていただいております。
こうした国として講ずるべき必要な措置としては、例えば、調達先の多角化への支援であるとか、調達先を多角化することを各種制度の適用の要件とする、つまりインセンティブの要件とするなど様々なものが考えられますが、詳細については、各業界の実態等を踏まえて関係省庁と連携しつつ、検討して対応してまいりたいと考えております。
また、本改正法案において、特定重要物資等の安定供給確保に支障が生じるおそれがある場合に、主務大臣が積極的に情報収集を行うとともに、広く関係者に対し協力要請を行うための根拠規定を設けております。
委員御指摘の新たな規定の実効性については、関係者間の相互連携、協力の努力義務の規定により、事業者や金融機関が、短期的な経済合理性を超えて、長期的な企業価値向上にも資するような経済安全保障の観点に基づいた行動を取りやすくするということが期待されるほか、政府が行う協力要請の実効性を高めることにもつながると考えております。
これまではこうした規定がなく、関係者に対して各省庁が行政指導の範囲で協力を求めてきたところでありますので、本規定に基づく要請には一定の重みがあるものと考えております。
○西田(薫)委員 力強い御答弁、ありがとうございます。
そうですね、ここは本当にしっかり主務大臣が責任を持って、協力要請であったりとか、事業者の皆さんも、努力義務というふうに書かれているんですが、私も、応じていただけるんじゃないかなというふうに思っておりますし、そこはしっかりと、政府としても指導といいますか、また対応していただければなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移りたいと思います。
次は、先ほども言いましたシンクタンクの情報管理についてお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
政府は、構成員に国家公務員並みの守秘義務を課すというふうに今回されております。そういった中で、民間の有識者であったり企業関係者の皆さんも参画をされていくわけなんですよね。そこで、民間の方への利益相反管理であったり、外国資本との関係であったり、そしてまた退職後規定、こういったものをどこまで制度設計を行うのか。これは政府参考人でしたかね、御答弁いただければと思います。
○早田政府参考人 お答えいたします。
総合的な経済安全保障シンクタンクで行う調査研究について、政策に直結する、さらに、実りのあるものにするという観点から、委員がおっしゃるとおり、シンクタンクにおける情報管理は非常に重要であるというふうに考えてございます。
また、今委員から御指摘いただきましたとおり、まさに、民間から出向いただく方も含めて、在職時のみならず退職後も国家公務員と同等の守秘義務を課すというふうにしているほか、さらに、機密性の高い情報を共有する場合には、必要に応じましてセキュリティークリアランス制度も活用し、当該情報を取り扱うことが見込める者に必要な適性評価を実施することを想定してございます。
また、委員から御指摘いただきました、民間の方から出向いただく際に、競合他社の情報に接してしまうことによる利益相反であったり、海外のシンクタンク等と協働する際の情報漏えいの懸念に対応する観点から、こうした機微な情報について共有の範囲を適切に設定するといった工夫を行って、しっかりと管理をしてまいりたいと考えてございます。
いずれにいたしましても、より具体的な情報管理の仕組みにつきましては、法案成立後に、調査研究基本方針において基本的な考え方を定めた上で、シンクタンクを設置することとなる独立行政法人経済産業研究所の内部規定等で詳細を定め、適切な情報管理が行われるように努めてまいりたいと考えてございます。
○西田(薫)委員 情報管理というのは本当に大切なことですから、そこはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
そして、本来、昨日までの通告の段階では、大学研究についての情報管理ということも、当初は通告で盛り込んでいたところだったんですが、いろいろお話を聞くと、今回の法律に関しては大学研究と直接関係がないということなので、通告というのは取り下げさせていただいたんですけれども、もう余り時間がないので、もちろん答弁は結構です、通告もしていませんので。
ただ、最後、自分の思いだけ言わせていただきたいというふうに思っているんですが、大学の研究というのも、安全保障、非常にこれは重要なものであるというふうに思っているんですね。特にAIであったり量子であったりバイオ、こういった専門分野というのは軍民両用技術ということで、その性格というのは非常に強いんじゃないかなというふうに思っているんです。
そういった中で、日本の大学というのは、研究室単位の管理であったりとか、教員個人の裁量に依存する傾向というのが非常に強いんじゃないかなというふうに思っているんです。そこで、大学ですから、例えば外国人研究者であったり、特に留学生ですね、こういった者というのを外国勢力というのはやはり情報を取りに来ようとするんじゃないかなというふうに思っておりますので。
アメリカにおいては、研究セキュリティー専門部署の設置であったりとか、外国資金開示義務……
○山下委員長 申合せのお時間が経過しておりますので、簡潔に願います。
○西田(薫)委員 分かりました。
進んでおりますので、是非今後は大学の研究においてもしっかりと対応いただきたいということをお願い申し上げて、質問を終了させていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、野村美穂君。
○野村委員 国民民主党の野村美穂です。
経済安全保障推進法改正案について質問いたします。
中東情勢の緊迫化により、原油輸入の約九割を中東に依存する我が国は、経済安全保障が国民生活に直結する喫緊の課題であることを改めて認識させられています。経済安全保障の現場は地方にあります。国民の生活を守り、地域を守るという観点から質問いたします。大きなテーマで六項目、十八点の質問になります。
まずは、中東の問題と日本の安全保障についてです。エネルギー、経済、安全保障を一体で捉える総合安全保障の必要性について、大臣に質問いたします。
このまま中東の緊迫した情勢が続いた場合、日本の経済にどのような影響が出るとお考えでしょうか。
また、この問題は、エネルギー、経済、安全保障を個別で対応するのではなく、一体的に捉えた対策が必要であることを示しています。
私が地元に帰ると、ガソリン代が高くてトラックの運行に支障が出ている、でも値段は上げられない、このままでは経営が苦しいという事業者の声、燃油代高騰が食料品にも影響が出て、生活が苦しく将来が不安だという国民の皆様からの心配の声が届いています。中東情勢が不安定になるたびにガソリン代や電気代が高くなっては、国民が困ります。エネルギーの問題と経済の問題と国の安全の問題をばらばらではなく一体的に捉えて、国民の生活を守る対策を急いで実行する必要があるのではないでしょうか。ガソリン補助金も、六月には財源がなくなるかもしれないと言われています。経済の悪化につながらないように、早めに対策を打つべきだと思いますが、いかがでしょうか。
政府は、このように全部まとめて考える総合安全保障の視点の重要性について、どのようにお考えでしょうか。今回の法律改正はそのような考え方の下でつくられているのか、大臣のお考えをお聞かせください。
○小野田国務大臣 経済安全保障政策の推進については、絶えず変化する国際情勢や社会経済構造等を踏まえて、具体的な取組について不断に検討、見直しを行うことが重要でありまして、その際に、関係閣僚が緊密に連携して一体的な対応を行うことが重要であると認識しています。例えば、エネルギーの担当、経済の担当とか、いろいろが。
この点、今般のイラン情勢の影響を受けた石油製品等の緊急的な対応についても、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣である赤澤大臣を中心に、政府一丸となって対応を進めております。その上で、赤澤大臣や関係閣僚の下で把握された重要物資のサプライチェーンの状況も踏まえて、ある程度先を見越した対応が必要となる物資については、関係省庁と連携して、スピード感を持ってリスク点検を実施して、経済安全保障推進法上の対応として、必要に応じて特定重要物資に指定していくこととしております。
国際社会において、経済力、技術力が安全保障に直結するという認識が深まる中で、外交、情報、防衛、経済、技術、そして人材といった分野を含め、総合的に安全保障を推進していく観点は一層重要性を増しておると考えておりまして、経済安全保障担当大臣として、そうした認識に基づき、関係閣僚と連携しながら、政府一丸となって政策を推進してまいりたいと思います。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、経済安全保障推進法とほかの法制度との使い分けと連携について質問いたします。
重要な物資の安定供給確保において、この法律と石油備蓄法等の既存の法制度とはどのようなすみ分けや連携がなされているのでしょうか。また、個別法の積み上げだけでなく、総合的な運用が必要ではないかと考えます。物資の指定基準や法律の目的等を踏まえながら、分かりやすく説明をお願いいたします。特に、現在の中東情勢のような緊急事態において、経済安全保障推進法による平時からの供給基盤強化と石油備蓄法等による緊急時対応がどのように有機的に機能し、相互補完するのでしょうか。
○小野田国務大臣 経済安全保障推進法は、多岐にわたる経済安全保障の課題のうち、特に法制上の手当てが必要な喫緊の課題であって、分野横断的に取り組む必要がある課題に対応するため、現行の四制度について整備を行ったという経緯がございます。
他方で、例えば、足下の中東情勢には、重要物資安定確保担当大臣である赤澤大臣を中心に政府一体で対応を進めつつ、ある程度先を見越した物資の安定供給を確保していく観点から、先ほども申し上げましたが、必要に応じて、現行の経済安全保障推進法に基づいて特定重要物資への指定を検討していくということをしております。
このように、関係閣僚、省庁と連携して対応を行っているところでありまして、今後も、絶えず変化する国際情勢や社会経済構造等を踏まえて、経済安全保障政策を不断に検討、見直しを行うことは重要と考えております。引き続き、それぞれ石油備蓄法とか個別法を所管する関係閣僚とも緊密に連携した上で、総合的かつ効果的な経済安全保障政策の推進に取り組んでまいりたいと考えます。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、二番目のテーマ、特定重要物資の安定供給確保について、五点質問いたします。
まず初めに、一点目の質問です。何をどのくらい特定国に依存しているため、どのように改善するべきなのかをお尋ねします。
日本は、どのような特定重要物資をどの国にどれくらい依存しているのでしょうか。特に、一つの国に頼り過ぎて危険な物資は何でしょうか。中東情勢の悪化で、原油だけではなく、ナフサを原料とする化学品や建築資材など、様々なものが足りなくなっています。何をどの程度特定の国に依存をしているため、最優先でどのように改善すべきなのか、具体的に教えてください。
○殿木政府参考人 特に重要な物資についての特定の国への依存度についてのお尋ねだと思います。
特定重要物資ごとに外部依存の度合いや安定供給確保のために実施すべき取組は異なるものの、若干例を挙げさせていただきますと、特に重要な医薬品であるベータラクタム系抗菌薬につきましては、その原材料及び原薬のほぼ一〇〇%を中国に依存している状況でございます。特定重要物資の枠組みにより、二〇三〇年までに、供給途絶時においても医療現場において必要な量を切れ目なく安定供給できる体制を整備することを目標として支援を行っているところでございます。
また、肥料のうち、リン酸アンモニウムにつきましては、主な原料であるリン鉱石がモロッコ、中国、エジプト等に偏在しており、肥料の用途のリン酸アンモニウムの大半を中国から調達しているところでございます。また、塩化カリウムにつきましても、主な原料であるカリ鉱石がカナダ、ベラルーシ等に偏在しており、少数の国が世界全体の輸出量の大半を占めている状況でございます。このため、二〇二七年度までに、原料の需給の逼迫が生じた場合であっても国内生産を継続し得る体制を構築することを目標として支援を行っている、このような取組がございます。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、民間事業者への支援の具体的な内容と対象についてお尋ねをします。
特定重要物資を備蓄するためには、民間企業との協力が不可欠です。生産力を強化したり備蓄を増やしたりする取組を支援とありますが、どのような支援をしていくのでしょうか。対象となる民間企業はどのくらいと想定しているのでしょうか。
また、生産力の強化には、それに伴う労働力の確保が必要です。また、人材育成も非常に重要だと思いますが、このような人材確保をどのように支援をしていくのか、お尋ねします。
○殿木政府参考人 特に重要な物資に係る民間事業者についての支援対象あるいは支援内容についてのお尋ねだというふうに理解をしております。
先ほど例示をさせていただきました特定重要物資について申し上げれば、抗菌薬につきましては、ベータラクタム系抗菌薬四成分につきまして、原材料、原薬の製造設備の整備及び備蓄体制の整備を支援しているところでございます。
肥料に関して申し上げれば、リン酸アンモニウム及び塩化カリウムを対象として、備蓄に対する支援を行ってございます。
重要鉱物についても似たような支援を行っているということになっているところでございます。
以上でございます。
○野村委員 済みません、対象となる民間企業はどのくらいと想定しているのでしょうかというふうにお尋ねをしたんですけれども、その件や、労働力や人材確保についての御答弁がなかったように思いますが、いかがでしょうか。
○殿木政府参考人 ただいまお尋ねの件につきましては、支援している対象については物資によって様々でございまして、いろいろな、サプライチェーンの状況を見ながら今決めているというところでございます。
民間人材の、こういうような特定重要物資を確保するとか、そういうような話も含めての人材の支援とか確保というのは非常に重要だというふうに思っているところでございまして、我々としても、何ができるかというところについてはしっかり考えていきたいというふうに考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
人材確保はとても重要なことだと思っていますので、対象となる民間企業を把握をしていただいた上で、そこで働いていらっしゃる方々を今後どうしていくのかというところもより明確にしていただく必要があると思いますので、よろしくお願いいたします。
三点目の質問です。重要な物資の供給に不可欠な役務とは何か、お伺いいたします。
今回の法律改正で、重要な物資の供給に不可欠な役務への支援が追加されました。この役務とは具体的に何を指すものでしょうか。物資の供給には、ハイレベルな技術や、そこで働く労働者も重要です。これらは不可欠な役務に含まれるのでしょうか。
また、物資を供給する会社、それから物資を受け取る会社がお互いに協力し合うことが大切だとされていますが、こうした協力関係を円滑にするためにどのような措置を講じるのか、お尋ねします。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、今般の法改正により追加する、物資等の供給に不可欠な役務についてでございますけれども、済みません、先ほど申し上げたことの繰り返しになって恐縮なんでございますが、当該役務が提供されなければ物資等を適切な形で使用することができなくなるものをいいまして、専ら当該物資等の供給のために用いられるものとは、当該物資を含む限られた物資にしか用いられない役務というものを表しているところでございます。
そして、物資等の供給に不可欠な役務であり、専ら当該物資等の供給のために用いられるものとして、例としては、例えばというところで、海底ケーブルの敷設役務と人工衛星の打ち上げ役務が想定されるというところは申し上げたとおりでございます。
供給不可欠役務に関する取組につきましては、例えばというところでございますけれども、役務の提供基盤となる施設や設備の整備、役務の提供に係る技術の開発や改良により、供給不可欠役務の提供能力を維持強化し、供給網の強靱化を図ることが挙げられますけれども、委員御指摘の人材に係る支援も含めて具体的にどのような支援を行うかについては、供給不可欠役務の提供の事業を所管する大臣の下で個別の物資ごとに安定供給に必要な取組に応じて判断していくということになります。
なお、一般論として申し上げれば、先ほど申し上げたとおり、役務に必要な人材の確保、育成というのは非常に重要な観点でございまして、経済安全保障推進法のような一つの法体系のみならず、他の法律に基づく制度や一般的な予算措置等、様々な方法を組み合わせて対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
四点目の質問に入ります。汎用化学品の特定重要物資への指定と医療産業への影響についてです。
中東の問題を受けて、ナフサという油を原料とする化学品を二〇二六年度中に特定重要物資に指定する方針が報道されています。中東情勢の緊迫化に伴うナフサの供給不安は、今や燃料の問題をはるかに超えて、私たちの暮らしのあらゆる局面に深刻な支障を来しています。
ナフサは、プラスチック、合成ゴム、インク、洗剤などの全ての石油化学製品の土台であるため、その影響は非常に具体的かつ多岐にわたっています。ナフサ不足によって、印刷インキや溶剤の調達が困難になっています。これまでにも皆さんが触れられていましたけれども、一昨日は、カルビーがポテトチップスの一部主力商品のパッケージを五月下旬から白黒の二色印刷に変更すると発表しています。食品そのものの原料だけでなく、プラスチック製のトレー、食品ラップ、ボトルの蓋、ラベルといった包装資材のコストが跳ね上がっています。価格への転嫁や、中身を減らすステルス値上げが相変わらず続いています。
私たち消費者にできる最大の対策は、デマや不安に踊らされて、食品ラップやごみ袋などの日用品を過剰に買いだめしないことです。本当に足りないのか、市場の目詰まりなのか、国民のこのような不安を払拭するためにも、丁寧な答弁をお願いいたします。
そこで、質問です。ナフサが足りないと、医療や介護の現場で使う手袋や薬の容器等、建築資材や工場にも影響をしていきます。ナフサを特定重要物資に指定することは検討しているのでしょうか。また、安定供給確保に向けた具体的な目標と支援策についてお尋ねします。
○殿木政府参考人 ナフサについてのお尋ねでございます。
御指摘のように、医療関係物資も含めまして様々な石油化学製品の原料となるナフサにつきましては、備蓄原油を用いた国内でのナフサの精製を継続していくことに加えまして、中東以外からのナフサの輸入が、中東情勢緊迫化の前の水準に比べると、五月には三倍になっているというところでございます。これらの輸入ナフサは五月から日本に届いているというふうに承知をしているところでございます。
加えて、ポリエチレンなどの中間段階の化学製品の在庫が一・八か月分あり、これらを合わせるとナフサ由来の化学製品の供給はこれまでの半年以上から更に延び、年を越えて継続できる見込みになっていると承知してございます。
他方で、足下では医療関係物資も含めた一部での供給の偏りや流通の目詰まりが生じており、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣である赤澤大臣や関係閣僚の下で、政府一丸となって対応を進めているところでございます。
ナフサを含めまして、重要な物資の安定供給確保は、経済安全保障推進法のような一つの法体系のみならず、他の法律に基づく制度や一般的な予算措置、今般のイラン情勢への対応で行われているような各省と事業者との丁寧な意思疎通等、様々な方法を組み合わせて対応していくものと認識しているところでございますが、特定重要物資への指定が必要となるというような状況になれば、関係省庁とも連携をしながらしっかり対応していきたい、このように考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
二番目のテーマの最後の質問になります。特定重要物資に追加指定が必要となるケースについてです。
特定重要物資は、現在、どのような基準で指定されているのでしょうか。また、今後、中東情勢の変化や新たな国際情勢によって、追加で指定が必要になる物資が出てくることも想定されます。そのとき、どのような手続で、どのようなタイムスケジュールで追加指定ができるのか、お尋ねします。
○殿木政府参考人 特定重要物資の指定に際しましては、内閣府と物資所管官庁が連携して、サプライチェーンリスクの点検を行い、その結果を踏まえまして、外部依存性でありますとか、施策の必要性でありますとか、あるいは供給途絶の蓋然性などの要件を満たすかといった点を含めて検討していくことになります。その上で、経済安全保障法制に関する有識者会議において御意見を伺う機会とか、パブリックコメントの手続を設けて、最終的には政令で改正をして特定重要物資の追加指定を行っているというところでございます。
物資の指定について決まったスケジュールがあるというわけではございませんが、これまでの経緯を申し上げますと、令和四年十二月に初めて十一物資を指定して以降、令和六年には一月に一物資、昨年の十二月には四物資を特定重要物資として追加指定をしてきたところでございます。
物資所管官庁と連携しながら検討を進めている段階にあり、現時点で追加指定を検討している具体的な物資についてお答えすることは困難でございますけれども、重要な物資の安定供給確保のため、引き続き迅速に対応してまいりたい、このように考えている次第でございます。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、三つ目のテーマ、基幹インフラの実効性と医療分野追加について、六点質問いたします。
まず一点目、これまでの基幹インフラ規制の効果と事業者からの評価についてです。
基幹インフラ制度については、令和六年五月十七日より制度運用が開始されました。規制の事前評価書においては、「規制の効果を定量的に把握することは困難である」とされていますが、制度の実効性について政府はどのように認識をしているのでしょうか。
また、既に指定されている電力、ガス、金融等の特定社会基盤事業者からは、どのような評価を得ているのでしょうか。制度運用開始後に事業者から寄せられた要望や顕在化した課題、及びその改善に向けた取組についてお尋ねします。
○殿木政府参考人 基幹インフラ制度についての評価などについての御質問だというふうに承知をしてございます。
基幹インフラ制度につきましては、一昨年の五月十七日から制度の運用を開始したところでございまして、令和六年度には全事業所管省庁合計で九百七十二件の届出を受けて審査を行ったところでございます。
審査においては、基幹インフラの重要な設備が我が国の外部から行われる妨害行為の手段として使用されるおそれが大きいかどうかについて審査を行っております。審査の詳細についてはお答えを差し控えさせていただきますが、審査において基幹インフラ事業者等との意思疎通を行い、基幹インフラ事業者において我が国の外部から行われる妨害行為のリスクを低減するために必要な措置が講じられることで、妨害行為の手段として使用されるおそれが低減して、基幹インフラの役務の安定的な提供につながっているものというふうに評価をしているところでございます。
また、審査や運用におきまして、基幹インフラ事業者その他の方々と意思疎通を行う中で、基幹インフラ制度の趣旨や審査について御理解をしていただいているものと理解をしておりますし、そのようなコミュニケーションを通じたものの結果が今回の改正の中にも生かされているところでございます。
引き続き、基幹インフラ制度の着実な運用を通じて、基幹インフラ役務の安定的な提供を確保してまいりたい、このように考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
二点目の質問です。医療分野追加における事業者の負担軽減と実効性の両立についてお尋ねをします。
特定社会基盤事業に医療分野を追加することによって、病院側には負担がかかることが想定されます。その負担を減らしながらきちんと効果が出るようにするために、どのような工夫をされるおつもりでしょうか。リスク管理措置という複雑な手続に医療現場が実際に対応できると想定されているのでしょうか。具体的に教えてください。
○森政府参考人 医療分野の追加についてでございますが、基幹インフラ制度における医療分野の追加については、事業者において制度対応に当たって必要な事務的費用を含む負担が生じることも想定されているところでございますが、今回の規制措置が過度な負担にならないように、きちんと丁寧に、規制対象を真に必要な範囲に限定する、十分な準備期間を確保していく、それから、事業者が円滑に準備を進めることができるよう制度周知、相談窓口を通じた個別相談を行っていくことによって負担軽減に努めていきたいというふうに考えております。
また、対象病院の指定に当たっても、特定機能病院を念頭に、本改正法案の施行時点で各地方ブロックに少なくとも一病院、その後、施行から三年程度の期間に各都道府県につき少なくとも一病院を指定していくことを想定しているところでございます。
このように、段階的な指定を行うことで、先行して指定された病院の運用、ノウハウというのを丁寧に支援していくということが可能になるのではないかと考えておりまして、それ以降に指定された病院は、先行する病院の知見等を参考としつつ、より円滑に制度への対応準備を進めることができるのではないかというふうに考えております。
対象となる病院とも丁寧にコミュニケーションを取りながら、必要な準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、三点目です。サイバー攻撃対策への財政支援と診療報酬での評価についてです。
サイバー攻撃から守るための投資に補助金を出すという話が報道されていますが、どのような対策が対象となり、どの程度の支援を検討されているのでしょうか。予算規模をお尋ねします。
また、サイバー攻撃から守るには、初期投資だけでなく、継続した維持管理費用がかかります。診療報酬という国が決める医療の値段の中で、セキュリティー対策の費用をどう認めてもらうようにするのか、具体的に教えてください。
○森政府参考人 病院におけるサイバーセキュリティー対策についてでございます。
厚生労働省では、医療機関におけるサイバーセキュリティー対策として、医療機関の管理者にサイバーセキュリティー確保のための措置を義務づけているところでございます。これに加えて、ガイドラインをお示しして、具体的な措置をお示ししているところです。また、その措置を促すために、医療機関向けの研修の提供、病院におけるネットワークの安全性の検証等の支援を行っております。
その上で、今年度においては、更なるサイバーセキュリティーの確保のために、医療機関におけるネットワークの外部接続点の適正化、これは、医療機関の場合、それぞれたくさんの部門、システムを持っていて、それぞれが外部と接続しているようなケースがあったりします。そこの接続点をきちんと絞っていただく、そういった適正化のための財政的な支援も、今年度、補正等を使って行っているところでございます。
あわせて、八年度の診療報酬改定において、非常時に備えたサイバーセキュリティー対策等の整備に係る評価として、専任の医療情報システム安全管理責任者の配置等を要件とした電子的診療情報連携体制整備加算という新しい加算を新設しております。これは、一つの医療機関について、入院の初日について百六十点加算されるという形になっております。
こうした方策を組み合わせて適切な対策というのを講じていきたいというふうに考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
どの程度の支援が検討されているのかというところの、予算規模については全体としてどれぐらいなのかということが今お答えしていただけなかったように思いますが、いかがでしょうか。
○森政府参考人 失礼いたしました。
先ほどの外部との接続ポイントの適正化等については、七年度の補正予算で十五億円ほど用意しております。
○野村委員 ありがとうございます。
それでは、四点目です。人材の確保と人材育成支援についてお尋ねをします。
地方においては、IT、サイバーセキュリティー人材が深刻に不足しています。IT、サイバーセキュリティー人材を独自に確保することが困難な医療機関に対して、国はどのような人的支援を検討されているのでしょうか。
また、医療機関の職員に対するサイバーセキュリティーに関する研修プログラムの提供や、医療情報技師等の専門資格取得支援など、人材育成支援の具体的な施策をお尋ねします。
○森政府参考人 医療機関におけるサイバーセキュリティー対策の人材確保、これはなかなか、非常に難しい課題だというふうに認識しております。
サイバーセキュリティー人材に関して、厚労省においては、現在、医療機関の情報システム担当者それから医療従事者向けに情報セキュリティー対策研修というのを実施して、人材の育成に取り組んでいるところでございます。加えて、現在実施しているガイドラインの改定案において、医療情報システムの安全管理やセキュリティー対策業務に従事する人材に対して、情報処理安全確保支援士や情報セキュリティマネジメント試験等の資格を取得することが望ましい旨の記載を検討しているところでございます。また、先ほど申し上げたとおり、診療報酬上の加算を通じて必要な安全管理責任者の配置等を促しているところでございます。
いろいろな施策はありますけれども、こうしたものを一つ一つ丁寧に組み合わせて対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
IT、サイバーセキュリティー人材が深刻に不足しているのは医療機関に限った話ではないというふうに思いますので、引き続き、しっかり確保ができるように、そして育成ができるようにお願いしたいと思います。
三番目のテーマの五点目の質問に入ります。医療DXとサイバーセキュリティーの一体的な推進についてお尋ねします。
医療DXの推進により全国的なネットワーク化が進展する中で、電子カルテ共有サービス等の医療DX関連システムや社会保険診療報酬支払基金のシステムが停止した場合、医療機関や薬局における円滑な診療、服薬指導等の安定的な医療提供に支障が生じ、その影響は甚大であると予想されます。前回の法改正検討時には見送られた電子カルテ共有サービス等の医療DX関連システムについて、今回はどのようにお考えなのでしょうか。医療DXの推進とサイバーセキュリティー対策をどのように一体的に推進していくのか、具体的な方針をお尋ねします。
○森政府参考人 医療DXの推進とサイバーセキュリティー対策の一体的な推進についてでございます。
御指摘のとおり、今回の改正の中で、社会保険診療報酬支払基金を、電子カルテ情報共有サービス等のハブとなっているということを含めて基幹インフラとして対象にしていくということにしたところでございます。
DXの推進とサイバーセキュリティー対策を基本的には一体的に進めていくことが、安定的に医療を提供していくために非常に必要な施策だというふうに考えております。
DXに関しては、遅くとも二〇三〇年までにはおおむね全ての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すというふうにされていることから、医療機関においては、ここから先数年で皆さん電子カルテを必ず導入していただくようになっていくというふうに考えております。
その際には、併せてセキュリティー対策というのもしっかりやっていかなければならないというふうに考えております。電子カルテを導入するときに、可能であれば、クラウド型の電子カルテの導入というのを進めつつ、クラウドサービス事業者等に一部セキュリティー対応も担ってもらいながら、対策の強化に資することができるのではないかというふうに考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
三番目のテーマの最後の質問です。地域医療計画との調整についてお尋ねをします。
医療分野においては、都道府県が地域医療計画や地域医療構想を策定するなど極めて重要な役割を担っています。都道府県が策定している地域医療計画や地域医療構想と、基幹インフラ制度へ医療分野の追加をすることによってどのような影響があるのでしょうか、また、どのような調整が必要なのでしょうか。
○森政府参考人 御指摘のように、医療は本当に地域で支えられている面がございますので、どういうふうに基幹インフラ制度との整合性を図っていくかというのは、一つ今回の大きな課題であったというふうに考えております。
基幹インフラ制度の基本方針において、事業者の事業規模や代替可能性を踏まえて定めることというふうにされておりまして、医療分野を追加するに当たっては、医療計画の策定主体である都道府県の代表も参加していただいている社会保障審議会医療部会において審議が行われているところでございます。その場において、地域において一つのとりでとなるような特定機能病院を対象にしていくのではないかということを念頭に議論が行われたところでございます。
今後とも、社会保障審議会や医療関係者などからきちんと御意見を伺いながら、都道府県の実情も勘案しながら具体的な病院の指定というのを行っていきたいというふうに考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
今、地域医療計画が、都道府県が担っているということで大きな課題だというふうにおっしゃっていただきました。実際、やはり地域の中で都道府県が担う役割というのは非常に大きいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それで、四番目のテーマになりますけれども、地方公共団体の役割強化と地域人材基盤について、三点質問をします。
まず一点目、今のと関連しますけれども、国と地方公共団体の役割分担についてお尋ねをします。
基幹インフラを支えているのは地方公共団体でもあります。経済安全保障の実際の現場は地方に存在します。特定重要物資を製造する工場、人材、インフラも地域にあります。都市部、中山間地域、海に近い地域など、地域事情は様々です。地域の実情を踏まえて反映をする仕組みが必要だと考えます。それを踏まえ、基幹インフラ制度における主務大臣と都道府県知事の権限、責任分担はどのようになるのか、お尋ねします。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、基幹インフラ制度は、基幹インフラ事業者が特定重要設備の導入や維持管理等の委託をしようとする際に、事前に国に届出を行い、審査を受ける制度でございます。
制度の対象となる基幹インフラ事業者を選定する指定基準というものは、先ほど厚労省さんからもお話がございましたけれども、基本方針に規定されておりまして、基幹インフラ事業者の事業規模や代替可能性も踏まえて定めることとされているところでございます。
そして、この代替可能性については、役務の特殊性のみならず、先ほどもお話がございましたとおり、地域的な事情なども鑑み判断するということになっているところでございまして、現在も御指摘のような地域の事情を踏まえて事業者を選定しているところでございます。
引き続き、いただいた貴重な観点も踏まえながら、本制度の運用を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
続きまして、段階的指定における地域性の考慮についてお尋ねをします。
有識者会議の提言では、特定機能病院を念頭に指定し、その後、地域性を考慮しつつ段階的に指定範囲を拡大するとされています。しかしながら、過疎地域や離島においては、地域医療支援病院や救命救急センターが地域における最後のとりでとして不可欠な役割を果たしております。地域において不可欠な役割を果たしている医療機関をどのような基準で評価し、指定していくのでしょうか。また、代替医療機関が存在しない地域における医療機関の指定をどのように優先的に進めていくのか、具体的にお示しください。
○森政府参考人 それぞれの地域における指定でございますが、先ほども少し説明させていただきましたが、社会保障審議会医療部会、それから経済安全保障法制に関する有識者会議等で御議論いただきまして、病床数などの事業規模のほか、代替可能性の観点から、高度な医療提供能力に加えて、救急医療、災害医療の拠点である、それから、それらのバックアップとしての役割を担っているという観点を勘案しまして、僻地、離島も含めて地域における最後のとりでとしての医療機能を有する特定機能病院というのを念頭に今回指定を行うことというふうにさせていただいております。
具体的な指定に当たっては、地域性も考慮して、まずは北海道から九州・沖縄まで、各地方ブロックにつき少なくとも一病院を指定していく、その後、三年間の期間をかけて各都道府県につき一病院を指定していくことというふうにしておりますが、その際には、人口、面積、地域性などいろいろなことを考慮しながら、必要に応じて複数病院を指定することも想定しながら、必要な対応を関係者の意見を丁寧にお聞きしながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
四つ目のテーマの最後の質問です。地方公共団体のサイバーセキュリティー対策の人材育成と支援体制について伺います。
地方公共団体でサイバーセキュリティー対策支援センターを設置したり、セキュリティー専門家を医療機関に派遣する体制を構築するなど、専門家を育成し、全体のレベルアップを図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。地方公共団体への人材育成の支援体制の整備について、どのような財政的、技術的支援を行うのでしょうか。また、地方公共団体の職員等に対する研修プログラムの提供や人材育成支援をどのように実施していくのか、お尋ねをします。
○坂越政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、地方公共団体は住民生活に欠かせない様々なサービスを提供しておりますので、そのサイバーセキュリティー対策の確保は大変重要だと考えておりまして、その際、それを支えるセキュリティー人材の確保が重要な課題となってくると思っております。
このため、都道府県が市町村を支援するためのデジタル専門人材をプールする取組を、地方財政措置も拡充しまして支援することとしております。また、専門アドバイザーの派遣制度も設けておりまして、これも地方公共団体に活用していただくこととしております。
また、地方自治体の職員に対しまして、国立研究開発法人が実施します実践的サイバー防御演習の受講を促しておりまして、毎年三千名から四千名の方々が受講されていると伺っております。また、今年度より新たに、自治大学校においてセキュリティー人材育成に係る研修を開講することといたしました。
人材育成の強化を今後とも図ってまいって、自治体のセキュリティー対策の強化に努めてまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
様々なメニューが用意されているようなんですけれども、実際、国が準備したメニューを都道府県が使いやすいような形で、また、その声をしっかりと受け止めて更に効果的な研修や支援ができるように、改めてお願いをしたいと思います。
五番目のテーマです。新組織の必要性について大臣にお尋ねします。総合的な経済安全保障シンクタンクと官民協議会の設置の必要性についてお尋ねします。
経済安全保障を総合的に調査研究する機関と、国と民間が話し合う協議会を新しくつくることが盛り込まれています。なぜ新しくつくる必要があるのでしょうか。経済産業研究所など既にある組織での対応にどのような課題があったのでしょうか。また、この新しい調査研究機関は、これから新設される国家情報局や既にある情報機関とどのように連携をするのでしょうか。今回の中東問題の影響についても、もしこの機関があれば事前に危険なシナリオを想定でき、よりよい対応ができていたのでしょうか。
また、官民協議会はどのような運営をされるのでしょうか。規模感についても、人数や開催回数などもどのように検討されているのか、大臣にお尋ねをします。
○小野田国務大臣 経済安全保障をめぐる様々な課題に対して、幅広い分野の専門知識を結集し、総合的かつ中長期的な観点から政府を挙げて対応することが重要でありまして、このため、総合的な経済安全保障シンクタンクを法的に位置づけ、外交、情報、防衛、経済、技術の高度な専門知識を総合的に結集し、政府の要請に即応することも含めて、定量的な調査研究ですとか各府省の所掌を横断したテーマの調査研究、政策提言を行うこととしております。
お尋ねのシンクタンクの運営については、法案の成立後、基本指針において基本的な事項を定めることになりますけれども、国家安全保障局が司令塔となること、そして、関係府省が連携する枠組みを通じて、調査研究テーマの設定、そしてその成果のフィードバックを行うこと、産学官から優秀な人材の参画を得ることなどを検討しており、引き続き、専門家の意見等も伺いつつ、丁寧に検討してまいりたいと思います。
また、経済安全保障においては、政府のみならず民間企業等も主要な担い手となることから、これまで以上に官民連携を強化することが重要でありまして、そのため、官民協議会の枠組みを創設し、構成員に国家公務員と同等の守秘義務を課すことで情報保全を徹底しつつ、政府と民間企業等が経済安全保障に関する脅威、リスク認識等の情報を共有するなど、先ほども申し述べた経済安全保障シンクタンクも活用しながら、効果的な官民連携を一層推進することとしております。
官民協議会では、経済安全保障上の幅広い課題について、その時々の情勢等を踏まえつつ、官民で情報共有や対策の協議を行うべきテーマを設定して、当該テーマに応じて、関係府省に加えて、例えば民間企業、独立行政法人、専門性を有する研究機関など、必要な産学官の関係者の参画を得て議論することを想定しております。
開催の規模ですとか頻度も含め、官民協議会の詳細な運用については、今後、関係省庁や民間企業等の御意見を伺いつつ、丁寧に検討してまいりたいと思います。
○野村委員 ありがとうございました。
最後、六番目のテーマなんですけれども、時間が迫っておりますので、申し訳ありません、御準備していただいたんですけれども、これで私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、森ようすけ君。
○森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。本日はよろしくお願いいたします。
まず、イラン情勢を踏まえた経済安保政策についてお伺いをしてまいります。
今回、いろいろと供給不足が生じているわけですけれども、いまだ解決しておらず、なかなか先行きも見えていないところなんです。今回のイラン情勢を受けて、改めて、日本の経済安全保障の課題そして不十分さが顕在化した事象なんだろうなというふうに捉えております。
政府においては、日本全体で供給量は足りているというふうな御説明をされているものの、実際に現場の声を聞いてみると、物資が届いていないという事業者の方がいらっしゃったり、個人事業主の方が多く存在をしていますので、供給の偏り、流通の目詰まりというふうに表現をされておりますが、やはりこの物資の確保、物資供給においては課題感があるんだろうなというふうに捉えているわけです。
仮に供給総量が足りていても、サプライチェーンの川下の隅々まで行き届かなければもちろん影響は大きいわけなので、この経済安全保障政策を考えていく上でも、しっかりと、物資の供給、特に川下の最後の最後まで、ユーザーの手元まで届くような、そうした体制、そして法律の枠組み、政策の枠組みを構築していくことが重要なんだろうなというふうに考えております。
現時点においては、赤澤大臣を中心に、関係省庁が情報提供窓口ということを設けて、各種協力要請を行って対応をしているわけですけれども、経済安全保障を担当する大臣として、今回のイラン情勢を踏まえた物資の供給不足についてどのように捉えているのか、加えて、経済安全保障政策を担当されていると思いますので、現状の経済安保政策にどのような不十分な点があったか、そして課題があったからこそこういった事態が生じているというふうに捉えているのか、そうした点についてお伺いいたします。
○小野田国務大臣 イラン情勢の影響を受けた石油製品等の緊急的な対応については、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣である赤澤大臣を中心に、今、政府一丸となって対応を進めております。今般、石油製品等について代替の供給ルートを確保するとともに、一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じていることを受け、関係省庁が情報提供窓口を設置するなどの対応を行っていることは、委員御指摘のとおりでございます。
経済安全保障の観点からは、こうした様々な政府の政策が一体的に講じられることが重要であると考えておりまして、赤澤大臣や関係閣僚の下で把握された重要物資のサプライチェーンの状況も踏まえて、ある程度先を見越した対応が必要となる物資については、関係省庁と連携して、スピード感を持ってリスク点検を実施し、経済安全保障推進法上の対応として、必要に応じて特定重要物資に指定していくこととしています。
経済安全保障政策の推進については、今般のイラン情勢を含め、絶えず変化する国際情勢や社会経済構造等を踏まえて、具体的な取組について不断に検討、見直しを行うことが重要でありまして、経済安全保障担当大臣として、今回のことも踏まえ、引き続き関係省庁と緊密に連携しながら、今後の必要な取組を不断に見直して進めてまいりたいと考えています。
○森(よ)委員 今まさに御答弁いただきましたけれども、関係省庁と連携をして、スピード感を持ってリスク点検を行っていく、その上で、経済安全保障推進法上の対応として必要な施策をやっていくというような御説明を、先日の本会議においても、今もしていただきました。
イラン情勢を踏まえて、絶えず変化する情勢ですから、そうしたことに対応できるように不断の見直しを行っていく重要性というところは共有していただいていると思うんですが、具体的にどのような検討を今後行っていく考えなのかということをもう少し深掘って教えていただきたいと思います。
リスク点検ということを表現していただきましたが、スピード感を持ってやっていくというようなことなんですけれども、具体的にどのようなスケジュール感でリスク点検を行っていくのか、加えて、リスク点検といってもいろいろやることがあると思うんですが、もう少し具体的に御説明いただいた方が国民の皆さんは分かりやすいと思いますので、その点、お願いいたします。
○小野田国務大臣 重要な物資の安定供給確保を図る上では、その調達及び供給の現状並びにサプライチェーンの抱える課題を把握することが重要でありまして、委員御指摘のリスク点検は、重要な物資のそれ自体のみならず、その原材料なども含む一連のサプライチェーンを対象として、外部依存の状況、そして供給途絶のおそれを含めた安定供給に影響を与え得る課題を把握、評価するものであると考えております。
イラン情勢の影響を受けて、赤澤大臣や関係閣僚の下で把握された重要物資のサプライチェーンの状況、そして国際情勢の変化を踏まえつつ、関係省庁と連携し、スピード感を持って、具体的なスケジュールをと言われると、なかなか具体的なスケジュールは申し上げられないんですけれども、随時そういった情報連携をしながら、今後何をすべきかというのを不断に見直して、リスク点検に取り組んでいるところであります。
○森(よ)委員 今の御答弁を聞いていて、本当に適切な検証を行っていただけるのかというのはちょっと懸念があってですね。
というのも、今の、幾つか御答弁いただきましたが、外部依存の依存性がどれだけあるのか、そして供給途絶の可能性がどれだけ高いのかというような御説明だと思うんですが、今般の情勢を見ると、何というか、物はあるけれども隅々まで行っていないというようなところが課題感としてあると思うので、いわゆるこの経済安保の推進法の枠組みだと、サプライチェーンでいうと、どちらかというと、製造する前の段階の原材料の確保であったりとか、物を作るところまでというのは割と供給計画でしっかりと見ている印象があるんですが、作った後に、ちゃんとサプライチェーンの川下の方、下の方まで、隅々行くようなところまでしっかりと担保できる枠組みなのかと言われると、必ずしもそうではないのではないかという問題意識を持っております。
御説明の中でも、経済安保政策は、この法律だけではなくて、一体的に講じていきますというような御説明もしていただいているので、そうしたところは、それこそ今回やられていた情報提供窓口のような、法律に基づかない施策によって対応していくということなのかもしれないんですが、いわゆる全体像がちょっと見えないのと、この法律の見直しの方向性というか、物品を指定するということも御説明されていますけれども、仮にナフサを指定したとして、今回の事象が解決できるのかと言われると、必ずしもそうではないのではないかなというふうに考えております。
こうしたことを含めて、そもそものところとして、今般のイラン情勢を踏まえて、いわゆる物品の追加とかそうしたミニマムな見直しではなくて、法体系の枠組み全体、そして経済安保政策の枠組み全体をしっかりと見直していかないと、今後また同じような事象が出てきたときに、なかなか対応し切れなくて、また同じことが起きてしまうような印象を持っています。
そうした観点から、やはりこれはしっかりと枠組み全体から、経済安保担当だと思いますので、是非御検討いただきたい、早急な見直しを進めていただきたいというふうに考えるんですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○小野田国務大臣 経済安全保障推進法における特定重要物資には、重要鉱物のような川上の原材料から人工呼吸器のような最終製品まで、様々な段階における物資が指定されています。その指定に当たっては、国民生活、経済活動の維持にとって基幹的なものであるか、物資の普及、利用の割合が大きいか、用途が多様であるか等を総合的に考慮しつつ、当該物資のサプライチェーン上の課題を踏まえ、安定供給確保のために必要十分な範囲となるよう、その都度判断をしておるところです。
いずれにしても、国際経済の深化にも伴い、物資のサプライチェーンは複雑化しておりまして、重要な物資の安定供給確保は、経済安全保障推進法のような一つの法体系のみで実現されるものではなく、ほかの法律に基づく制度や一般的な予算措置、今般のイラン情勢の対応で行われているような各省と事業者との丁寧な意思疎通、様々な方法を組み合わせて対応していくべきものとして認識しております。
中東情勢の会議にも出ているところなんですけれども、やはり目詰まりというのが、まさに相談窓口に来て、私がどこまで答えていいのかは難しいところなんですが、これに対して、それぞれの所管の大臣から、今の状況ですとか、こういう状況があって目詰まりを解消しましたというお話を聞いていると、やはり、あるけれども届かないというところに関しては、目詰まりを解消していくということをしていただきながら、そして様々な検証をしていただいた上で、それでもそういう個別の対応ではもうどうにもならないというものを、じゃ、今後どうしていくのかというところをしっかり情報連携をしながら考えていきたいと思っています。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
まさに、情報提供窓口をつくって対応していただいている今の政府の取組自体を別に反対をしているわけでは全くなくて、ただ、多分、場当たり的な対応なんだと思います。しっかりとこういうふうに声があって、要望が届いたから、それにピンポイントで一つ一つ対応していくというような対応なので、今後についても同じようなことが起きたときに、また窓口をつくって、また問題が起きたらそれを解消してというよりかは、もっと根本のところから、そういったことがそもそも起きないような政策体系、法体系をつくっていくというのが重要なんだと考えております。
なので、まだイラン情勢は落ち着いていませんので、このタイミングで検証をして見直しに向けて何かをしますというのはとても言えないと思うんですが、まさに、後で質問しますけれども、この法律の見直し規定は三年になっていますけれども、三年後にやる話では少なくともないと思いますので、そこは是非頑張っていただきたいなと思っております。
続いて、こちらも現行の法枠組みではなかなか対応できていない課題だと考えているAIの話をちょっとお伺いしていきたいと思います。
経済安保をめぐる状況変化として、イラン情勢もそうなんですが、ミュトスを踏まえたAIの高度化というのが極めて大きな状況変化だというふうに捉えております。まず先行して金融システムのところで、金融庁が主体となって各金融機関を交えた議論が行われているところではあるんですが、金融システムに限らず、基幹インフラに関しては、すべからくAIに対するサイバーセキュリティー対策を速やかに行っていくべきであります。
そこで、まず前提としてお伺いしますが、今、現状、金融庁が主体となって金融分野で話は進んでおりますが、政府全体においてAIに対するサイバーセキュリティー対策をどこの組織が担うことになっているのか、加えて、どのような議論が現時点で行われていて、ミュトスを踏まえた対応、検討というのをしっかり横串を通して行っているのか、その点についてお願いいたします。
○門松政府参考人 お答えいたします。
AI技術は急速に進展、普及しておりまして、サイバー攻撃にAIが悪用されることで攻撃のスピード、規模が劇的に増加するなど、サイバーセキュリティーにおける新たな脅威に直面しているというのが現状だというふうに認識をしております。
こうした中で、まず、昨年十二月には、閣議決定したサイバーセキュリティ戦略、ここにおいて、AIにより一層脅威が高まると予想されるサイバー攻撃の被害防止に向けた取組を推進するというふうに位置づけられています。これは、現在、私ども国家サイバー統括室において、AIを活用したサイバー対処能力の強化等について有識者会議で議論を進めているという状況にございます。
加えまして、委員御指摘のクロード・ミュトス等のフロンティアAIモデルの性能、これが急速に高度化する中で、昨日、高市総理から、松本サイバー安全保障担当大臣を中心に、重要インフラ事業者等への対応と脆弱性の発見、修正等の対応、この双方の観点から、政府全体で対応を早急に具体化し実施するよう指示がございました。先生御指摘のどのような議論というのは、まさに今申し上げた二点ということでございます。
これを受けまして、現在、松本大臣の下で、私ども国家サイバー統括室において政府全体の取組の具現化を早急に進めているというところでございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
まさに、こうした高度化するAIを踏まえた対応というのを今検討していただいているんですが、検討を進めて対応策をやられているというふうに認識したんですが、今議論している経済安保法との関わり、関係をしっかりと明確にしていくことが重要だと思っております。
経済安保法では十五の基幹インフラ分野を対象にして、サイバーセキュリティー対策も含めて、法律の枠組みで一定程度は見ていると思うんですが、今の潮流になかなか追いついていない仕組みになっているというふうに捉えております。
例えば他国においては、AI開発企業と連携をしながら、そして民間事業者を巻き込みながら、国が主導となって、脆弱性の発見であったり、そしてパッチであったりとか、サイバー対処能力を強化することを進めているわけでございます。そうした御答弁もありましたけれども。あと、今、各省庁の下で、各業法やガイドラインに基づいた対応策、対策というものも行っているものの、専門性が高い領域なので、各分野ごと、各省庁ごとに任せるのもなかなかしんどいんだろうなというふうに捉えております。
ですから、内閣府、内閣官房が横串になって、こうしたAIを用いた攻撃を想定した脆弱性チェックであったり、ストレステストみたいなことを実際に行って、何が課題なのかということを主体的に自分たちの側からそうしたところを発見をして、それに対応策を練っていくということが必要だというふうに考えておりますが、まさにこうした方向性で今後議論を是非進めていただきたいと思うんですが、そうしたところについていかがでしょうか。
○門松政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおりの方向でございまして、私ども国家サイバー統括室においては、我が国全体のサイバーセキュリティー強化を図るために、サイバー空間の状況把握に努めて、また、脅威動向に応じた対策についての注意喚起を行っておるわけでございます。また、日頃から、特に、昨年成立しましたサイバー対処能力強化法の施行等を踏まえまして、関係府省とともに、事業者の皆様としっかり連携を行いながら施策を進めているところでありますし、必要な対応を進めてきているということでございます。
また、AIを活用したサイバー対処能力強化といった観点は重要であると認識しておりまして、先生御指摘の高度なAIによる攻撃を想定した脆弱性チェック等の在り方も含めて、先ほど申しました松本大臣の下での私ども国家サイバー統括室においての検討を加速化しまして、政府全体の取組の具現化を早急に進めてまいりたいというふうに考えております。
○森(よ)委員 松本大臣の下で御検討いただいている、今のこの法律の枠組みは小野田大臣が御担当ということで、何かいろいろな仕組みとか法律があって、なかなか、どういうふうにやっていくんだろうというところを疑問に思っております。
具体的に申し上げますと、経済安保推進法案では、基幹インフラ分野というのを指定をして、設備導入であったり維持管理を行う委託をする際に届出と審査を行いますというような仕組みになっているわけなんですが、果たして届出と所管省庁の審査だけで高度化するAIに対応できるのかというと、甚だ疑問なところを持っております。
仮に、制度上、この制度の下で審査を経た設備、システムであっても、やはりこれだけ高度化するAIですから、攻撃されようと思えばかなり危ないと思うんです。別途、松本大臣の下で検討はしていただいていると思うんですが、この法律の審議においてはそれが全く考慮されていないわけじゃないですか。時間的に仕方ないことだと思うんですが、こうしたAIの高度化が出てきたタイミングとこの法律を作ったタイミングというのは少しずれているので、なかなかそこまで盛り込めた法案にはなっていないんだと思います。
加えて、今後、アメリカ以外の国においてもこうした高性能のAIが作られて展開していくことが想定される中で、サイバー空間における経済安全保障の脅威というのは、一層厳しく複雑化していくことが見込まれるわけなんです。
ですから、この経済安保推進法の中でだけAIのサイバーセキュリティー対策を行うものではないというふうな理解はしているんですが、もう少し経済安保法の中でしっかりと、こうしたAIの高度化というような事象が出てきたことを踏まえて、審査、届出の制度がありますけれども、もうちょっと仕組みの在り方から含めて是非検討、議論をしていただきたいと思っているんです。
そうした観点から小野田大臣にお伺いするんですが、現行の法体系の下で基幹インフラの安定提供を維持できるとは必ずしも私は思っておりません、不十分だと思っているんですが、そうした点について、お考えはいかがなんでしょうか。
○小野田国務大臣 委員御指摘のとおり、高度化するAIによるサイバー攻撃に対応するためには、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度のみならず、政府全体で様々な施策を包括的かつ重層的に連携して対応を進めることが重要と考えています。
具体的には、もう委員おっしゃっていただきましたけれども、基幹インフラ所管省庁において、各業法やガイドライン等に基づき、事業者に対してサイバーセキュリティー対策を行うように定めております。また、基幹インフラ事業者には、サイバー対処能力強化法に基づいて、本年十月一日から、サイバーセキュリティーインシデントが発生した場合等の報告が義務づけられることになっており、この報告も踏まえた更なるサイバーセキュリティー強化のための取組が進められていくと承知しております。
その上で、経済安全保障推進法における取組としては、基幹インフラ制度の運用を通じて、サイバー攻撃等も含め、特定妨害行為のおそれの低減を図っております。
また、高市総理から、松本サイバー安全保障担当大臣を中心に、AIが高度化する中におけるサイバーセキュリティーの確保に向け、政府全体での対応を早急に具体化し実施するように指示があったところと承知しております。
基幹インフラ制度に係るこれらの取組を実施する関係府省庁との連携を強化しつつ、引き続き、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に努めることも含め、政府全体として、高度化するAIにしっかりと対応してまいりたいというのがお答えなんですけれども、結局、サイバーセキュリティーに関するものというのは、AIだろうが、そうじゃない攻撃者であろうが、日々進化して、進化というか悪化して迫ってくるわけでして、これに対してしっかりチェックするということを基幹インフラ制度の中でやっていく。それは、後から、納入したり更新した後から分かってもちゃんと対処しなさいよというふうに勧告、命令ができるというふうになっておりますので、そのときには、例えば、松本大臣の下でのサイバー統括室などとも連携をしながら、こういう状況に対してチェックした方がいいよとか、ここはチェックできているのというような情報連携はもちろんしていくことだと思いますので、ミュトスに限らずいろいろな問題がこれから起きてくる、そのアップデートをしっかり政府の中で共有して対応していくということが重要なんだと思っております。
○森(よ)委員 答弁ありがとうございます。
今の既存の枠組みも御説明いただきました。業法に基づく対応であったり、インシデントが起きたときにしっかりと報告するような別の法律の枠組みがありますと。でも、多分それだと足りないんだと思うんです。政府も恐らく同じような問題意識を持っていただいているからこそ、今、検討、検証をされているというふうに考えております。
なので、まさに経済安保の分野は、さっき話したイランの話も含めて、AIの話も含めて、日々変化していって、それに不断の見直しを行っていかないといけないわけですから、やはり、今回の改正案の附則で書かれている施行後三年の見直し規定は余りにも遅い、そんなに待っていて大丈夫なんでしたっけというような懸念があります。
やはりこのイラン情勢については、先ほども話しましたが、物資の供給の解決がまだ見えてきていないので、まずは解決に向けて一日でも早い事態の鎮静化を行うことが最優先ではあるものの、落ち着いたタイミングで早急に評価、検証を行って、この法案の在り方、そして制度、政策全体の在り方も含めて早急な見直しの検討を行うというのは、恐らく政府においても同じ思いを持っていただいていると思います。
であるからこそ、こうしたふうに、見直しをやる、しっかり検証をやっていく、速やかにやりますというような姿勢も示していただいているのであれば、この施行後三年の見直しの規定というのは余りにゆっくりし過ぎていて、現状にそぐわない規定になっているような印象を強く持っているんですが、その点、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○小野田国務大臣 委員からいろいろ挙げていただいた現下の中東情勢を含む国際情勢、そしてAIの高度化を始めとする技術開発の進展など、本当に我が国を取り巻く経済安全保障をめぐる状況は刻々と変化しておりまして、まずは足下の取組を着実に進めつつ、制度の見直しも適時適切に行うべきものであると考えております。
経済安全保障政策の推進に当たっては、こうした足下の取組や、国際情勢とか社会構造の変化を踏まえて総合的かつ効果的に取り組んでいくべきものでありまして、この経済安全保障推進法についても、本法案の附則第七条の検討規定にかかわらず、不断に見直しを行ってまいりたいというのが答弁でございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
規定にかかわらず不断の見直しということで、何で規定があるのかよく分かりませんが、前向きに、是非、規定にかかわらず迅速な検討を行っていただきたいということを心からお願いさせていただきます。
質問の順番を入れ替えまして、JBICによる海外事業支援の項目から質問していきたいと思います。
今回、経済安全保障上重要な海外事業を支援する新たな制度を創設するわけですが、これまでのJBICの原則である償還確実性、収支相償の原則を適用せずに、劣後出資というものを可能にするような法改正となっております。
もちろん、経済安保上、効果が見込める海外事業を支援する方向性については理解をさせていただくものの、国が損失リスクを引き受ける以上、この特定海外事業計画の認定、そしてJBICの出資、融資の際の判断の審査、そしてプロジェクトの最中の適時適切なモニタリングと検証を行うことが欠かせないというふうに考えております。この主務大臣による計画の認定、そしてJBICによる出資決定に当たっては、国が損失リスクを負ってでも進めるほど経済安全保障上の大きな大きな効果がある事業なのかどうか、そして、どの程度の損失リスクまでは許容できるのかという基準を具体的に事前に設けておくべきだというふうに考えております。
そこでお伺いしますが、計画の認定、そして出資、融資の判断基準は具体的にどのような基準を設けているのか、そして、どの程度までの損失リスクを許容されるのか、その点についてお伺いいたします。
○泉政府参考人 本制度は、我が国の経済安全保障上重要でありますが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業について、国の支援を呼び水に民間企業の参画を得ることで、当該事業を実施可能とするものでございます。
このため、そもそも、国が支援したとしても事業の立ち上げや事業の継続自体が見込めないような事業は支援の対象外である、このように考えてございます。加えまして、恒常的に赤字が見込まれるような事業性のない事業であって、赤字補填のために追加出資や融資が延々と求められる可能性があるもの、これを支援の対象とすることも想定しておりません。
個別事業においてどの程度の損失リスクが許容されるかは、これはケース・バイ・ケースでございますが、国際協力銀行法第十三条第三項におきまして、今回の認定特定海外事業に対する貸付金や出資金の額その他の条件につきまして、勘定における損失額が資本金等の範囲内になるように定める、このようにしてございます。JBICから提供される情報等も踏まえまして、当該事業の経済安全保障上の重要性等とともに、総合的に勘案していく所存でございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。もうちょっと深掘ってお伺いしてもいいですか。
この認定に当たっては、判断するに当たって、リターンとコストをしっかりとてんびんにかけて、リターンの方が大きいから投資をする、認定をするというような判断をするんだというふうに捉えております。その判断基準の中に、単なる収益性だけではなくて、経済安全保障上のベネフィットがあるのかどうか、多分、そこをプラスで足した上でコストとベネフィットをてんびんにかけて、ベネフィットの方が大きければ認定をするし、投資をしていく、融資をしていくというのがあるべき姿だと思っていて、なので、定量的に示すのはなかなか難しいんですが、金銭以外のベネフィットを考慮に入れる必要があるので、経済安保上重要で何かしらの効果が見込めるというのはすごい定性的で、何かすごいさじ加減によると思うので、もう少しこの経済安保上のベネフィットがあるというところをしっかりと具体化していって、ベネフィットが大きいからこそ、採算性が取れないリスクがあるかもしれないけれども踏み込む意味があるんですというような意思決定の基準を作らないと、何でもかんでもありになってしまうような問題意識を持っています。
加えて、採算性に不確実性があるというふうな御答弁だったんですが、これは恐らくJBICのこれまでのプロジェクトも同じだと思うんです。民間の単独だとなかなかファイナンスができない、お金が入らないものについて、公的資金を入れて、それを呼び水として民間投資を促していくというのはJBICがこれまでやってきたことだと思っていて、なので、これまでやってきたことと今後やろうとしている事業の違いということが、いまいち分からないんですね。
というのは、恐らく、採算性の不確実性は両方あるんですが、より不確実性が高いところについて今回対象にしていくんだと思うんですが、これもいまいちよく分からないんですよね、判断の基準として。恒常的に赤字が見込まれる事業性のない事業は支援対象にしないというようなことではあるんですが、じゃ、どれくらいのリスクだったらセーフなのか、どれだけのリスクがあったら恒常的に赤字になりそうだから踏み込んじゃいけないよねみたいな、ここも何かすごい曖昧で、担当者の力量というかさじ加減によりまくりな意思決定になるような気がしているんです。
なので、これも、例えば五〇パー成功するからいけるよねとか、多分、定量的に示すのは難しいと思うんですが、極めてさじ加減による判断基準になっていると思って、もう少し具体的に是非示していただきたいなと思うんですが、その点、いかがでしょうか。
○泉政府参考人 答弁差し上げます。
まず、現行のJBICの一般勘定、特別勘定と新しくつくる新勘定、なぜ新しく新勘定をつくるのかということでございますけれども、これは、御承知のとおり、今回の法案で、一般勘定、特別勘定はいわゆる収支相償の原則、そして償還確実性の原則というものがそれぞれかかる、一般勘定には両方、特別勘定には収支相償の原則というものをかけておりますので、逆に申し上げますと、これら収支相償の原則、償還確実性の原則がかかるものを除くという形で新勘定はつくっておるわけでございます。したがいまして、ここにつきましては、償還が確実であるというふうには言えない、損失が生じるんだということを申し上げているわけではなくて、採算性に不確実性があるということを申し上げてございます。
その上で、では、これをどういうふうに実際の実施に当たって具体化していくのかということにつきましては、今後、この実施に当たっての基本指針というものをまず政府として明文化をする、その上で、更に詳細な基本方針ですとか指針を更に作っていくということを法律上も記してございまして、実はこれは今回のJBICの話だけではなくて、先ほどずっと話のあったサプライチェーンの強靱化のための現行法の仕組みも、こういうことが要件として、支援をする、しないというのを明文化しております。これは有識者会議にお諮りをした上で閣議決定をしていくというものでございますけれども、こういった具体化を進めていきたい、このように考えてございます。
○森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。
丁寧に御説明いただいたんですが、それでもなかなか難しいなと思うのが、償還が確実ではないけれども赤字を垂れ流す事業ではない、このラインの引き方がすごい難しいと思っていて、なので、その辺りはなかなか事前に基準を作るのも難しいと思うので、しっかりと、プロジェクトの実施段階において認定の取消しとかそうした判断を適切に行っていくのが大事だと思っているんです。
そうした観点から、次の質問に移るんですが、こうした適時適切なプロジェクトの最中のモニタリングが必要だと思っていて、それで、計画どおり進んでいない場合には事業計画の認定の取消しを行う。これは、リスクが大きなプロジェクトで損失リスクを国が優先して負うことになるわけですから、計画どおり進まないときは速やかに損切りをするというような意思決定が大事だと思うんですが、これはやはり政府が後押しするプロジェクトなので、なかなか、損切りするのは政治的判断として極めて難しいと思うんです。
これは成長投資のときにも私はよく言っているんですが、こういうふうに政府が後押しをするプロジェクトで、リスクがあるからこそ、ちゃんと、こうなったら手を引きましょうねということを事前に明確に決めておかないと、なかなか引き切れないんだと思います。であるからこそ、今回、新しいこうした枠組みをつくるのはいいんですが、しっかりと事前において撤退そして認定の取消しの基準を具体的に是非設けていただいて、それに基づいてモニタリングをしっかり行っていく、こうしたことを是非お願いしたいんですが、その点、大臣、いかがでしょうか。
○小野田国務大臣 支援対象事業が計画どおりに進捗しているかについては、認定特定事業者からの定期的かつ必要に応じた報告を受けることに加えて、JBICを通じた適時適切なモニタリングを実施した上で、必要に応じて早期に対応を取ることとしております。
その中で、仮に損失が生じている場合には、必要な事項の報告や資料提出の求めにより状況の確認を行いながら、事業の実施状況、事業実施による経済安全保障上の効果に加えて、損失の要因が事前に想定されていたリスクの発現であったかなど、必要なフォローアップを行うことを想定しています。
御指摘いただいた撤退基準に関して申し上げれば、支援対象事業の持つ経済安全保障上の効果も勘案しつつ、今申し上げたフォローアップの内容や当該事業を取り巻く環境を総合的に踏まえることが必要になることから、特定の定量基準に基づく基準を事前に設けることは難しいと考えております。
なお、事業者が認定を受けた特定海外事業計画に従って事業を行っていない場合などには、当該計画の認定を取り消して撤退を図ることも可能でありまして、JBICや関係省庁と連携しながら、機を逸することなく適切な対処をしてまいりたいと考えます。
○森(よ)委員 もうちょっとお伺いしたいんですが、認定の取消しを行って、その要件としていろいろあるんですが、いわゆる計画に適切に沿っていない場合ですというような考えだと思うんですが、そこに具体的に何が入っているのかというところをもう少しお伺いしたいんです。いわゆる事業の目標であったり事業期間だったりとか、そうしたことは恐らく入ってきているんだと思うんですが、収支についてはこの計画にどれだけ入っているのかということをお伺いしたいんです、参考人の方でもいいんですが。
一般的な銀行に融資を受けるときというのは、事業計画みたいなものを作って、収支の計画表みたいなものを作って、三年くらいまでは赤字だけれども、三年より過ぎると黒転して、黒字に転換して利益が出ますみたいなものを銀行に出すじゃないですか、普通に。なので、今回のJBICの出融資の判断もそうなんですが、認定のタイミングにおいて、何年くらいのタイミングまではこれくらいコストがかかって売上げが全く立たないけれども、何年くらいたった後は黒転しますよとか、そうしたところをちゃんと計画の段階から入れ込んでおくことで、モニタリングをしたときに、計画どおりの黒転ができていないよねとか、コストがすごい増えているよねとか、そうした評価に基づいて認定の取消しとか、そうした金銭的なところで見てちゃんと認定取消しができるような仕組みをつくっておくことが必要だと思うんですが、そうしたことは含まれているんでしょうか。
○泉政府参考人 ありがとうございます。
今回の法案で、先ほどちょっと私から申し上げましたけれども、認定特定海外事業促進業務の指針というものを作っていくことになります。実は、その指針に何を記すのか、何を定めるのかということも条文上書いてございまして、そこで、貸付け又は出資に関する話、ずっと書いてあるわけですけれども、例えば、事業の実施状況について評価及び監視を行うための体制をまずつくる、あと実施状況の報告をつくる、こういった枠組みをつくった上で、今先生御指摘のあった、具体的な、定量的な基準はこういうふうにするということ自体は、そこまではまだ明確にはこの法文には書いてございませんけれども、どういう形でそういったものに近接し得るのかということは、今後よく有識者の先生方ともお話をしながら考えていきたいというふうに思っております。
いずれにしても、先ほども申し上げましたけれども、経済安全保障上の効果というものを定量的に数値化するということは難しいところがございます。ただ、先ほどもこれは申し上げましたけれども、今回の事業に関しましては、勘定における損失額が資本金等の範囲内になるようにするということが絶対条件になりますので、これがまさに一つの数量基準と申しますか数値的な範囲になる、こういうことでございます。
○森(よ)委員 条文には具体的に入っていなくて、これから有識者の意見を交えながら検討していくということなんですが、これは是非明言していただきたくて、事業計画を作る上で、収支の計画が入っていない計画というのは一般的に何ぞやという感触なんです、正直なところを言うと。経済安全保障上の効果は難しいというのは、そのとおりだと思うんです。なので、そこまで別に入れろとは言っていなくて、少なくとも、どれくらいのコストがこの断面においてはかかって、何年くらいからちゃんと売上げが立って、何年くらいから黒転しますよみたいなことがないと、まさに、恒常的に赤字な事業には投資をしないという御答弁をいただいていますけれども、そこの判断ができないじゃないですか、計画にそういったことが入っていないと。いつ黒転するんですかという計画が入っていない上で、恒常的に赤字になるのか赤字にならないのかというのはとても判断しようがないと思って、計画にちゃんとお金のところを入れないと、間違いなくずさんな管理になると思うんです。
例えばなんですけれども、この海外事業で想定されるものとして、何か、水素、アンモニアの燃料船の燃料供給拠点を整備しますみたいな、港湾の整備ですよね、こうしたことが入っているんですが、これは、要すれば、水素・アンモニア船がちゃんとできないと売上げが全く立たないわけじゃないですか。なので、例えば、十五年先にこういうのができるだろうからこういう計画でやりますとなったときに、十五年先が近づいてきたときに、全く水素・アンモニア船ができませんでしたよとか、状況がなるかもしれないじゃないですか。そうしたら売上げは全く立たないと分かるわけなので、ちゃんと収支の計画を作って、何年先になったら黒転で、そういった新しい事業が立ち上がってもうかりますよということが、ちゃんと事前に計画をしていて、途中の段階で、たどり着かないよね、じゃ、やめましょうという判断をするためには、そういった基準が絶対にないといけないと思うんです。
加えて、コストのところも一緒で、例えば、政府主導のプロジェクトというのは、大抵、何か計画のときよりも費用が倍になりましたということがあるじゃないですか。資材費がすごく高くなって、コストが倍くらいかかりましたと、よくあることじゃないですか。こうしたことが起きたときに、事前にちゃんと収支の計画を立てていないと何の判断もできないわけだと思うんです。
なので、適時適切なモニタリングをやっていただけるということはうれしいんですが、ちゃんとそれをする上では、事前の計画のタイミングで収支のところをちゃんと入れないと意味がないと思うんです。大臣、是非ここで、その収支のところもちゃんと入れますよというふうに御答弁いただきたいんですが、いかがでしょうか。
○小野田国務大臣 現時点で確実に申し上げられるのは、先ほど参考人からも答弁があった、その勘定における損失額が資本金等の範囲内になるように定められることとしているというので、そこをもう下回ってしまうようなときには駄目だよというデッドラインみたいなものは最初に引かれているところでありますが、JBICが様々最初に見るとは思いますが、どういった視点で見ることが先生の御懸念を晴らすことができるのかというのは、今後しっかり考えていきたいと思います。
○森(よ)委員 残念なんですが。
やはり、銀行から融資を受けるときとか投資家から出資を受けるときは、普通は収支計画書を作りますよね、多分。今のJBICのほかの、作りますよね、なので、経済安保のこの事業に関してのみ計画に入れないというのはちょっと不安なんですが、どうですか。
○泉政府参考人 先ほどの大臣の御説明にちょっと補足させていただきますと、これは、政府が個々の事業計画を認定するに当たって、当然のことながら、金融機関であるJBICから情報提供を受けます。その際に、これはどういう事業なのか、どういう収支見通しがあるか、おっしゃるとおり、最初の段階で、支援をすることによって立ち上がる、何年間かというようなことは、どういう事業、将来性があるのか、事業性があるのかというのは、もちろん政府と緊密に話をします。その過程で、期間とか数字とかは全くないとか、そんなことは、先ほど私はちょっと申し上げることができませんでしたけれども、言葉足らずでしたけれども、全くないなんというのはあり得ないということでございます。だからこそ、金融機関であるJBICにお願いをしているわけでございます。
更に申し上げますと、今回、融資をすることによって、これを呼び水としてほかの会社も出資に出てくるということも条件としておりますので、全く見込みのないものに、ほかの事業会社が何も出資もしないなんてことは考えられませんので、ここはJBICからの専門性に基づいた情報をいただくとともに、ほかも一緒に入ってくるということも確保した上で事業が実施されるというものでございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
入れていただけるということなので、より具体的に是非入れていただきたいと思います。銀行に融資を申請するときは、毎年度の何か費用と収益のやつを上げるじゃないですか。それと同じように、どこまで精緻にできるか分からないですが、せめて、想定される費用が毎年どれくらいかかって、売上げがどれくらい立って、いつになったら利益が出るのかみたいな、そうしたことを出さないと審査しようもないし、途中でモニタリングして経過の観察もできないわけなので、そこは是非やっていただきたい。
加えて、モニタリングをするときに、その事業計画に沿った進捗になっていなかったら、一定程度、是正措置を図るなりするけれども、それでも駄目だったら認定の取消しをしっかり行っていく、こういうことを是非お願いしたいなと思います。
次の質問に移ります。
今回、この法律の中では、特定重要物資の指定を行って、事業者からの供給確保計画を認定して支援するというような枠組みになっております。これまで、予算措置として二兆六千億円程度の予算を総額で組まれております。基本的なところをお伺いするんですが、この十六の特定重要物資を指定して、具体的にどのような支援策を政府としてこれまで行ってきたのか、その点、お願いいたします。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、特定重要物資の安定供給確保については、当該物資に係る生産基盤の整備、供給源の多様化、備蓄、研究開発等の供給網強靱化を目的とした取組の支援を行っているところでございます。これまで、蓄電池、半導体、クラウドプログラム、重要鉱物等の十六の特定重要物資を指定しており、民間事業者による供給確保計画の認定件数は百四十八件に上っているところでございます。
具体的にということでございますので、これら百四十八件の取組のうちの一部を御紹介させていただければ、例えば、部素材や製造装置の製造事業者も対象とした設備投資等を、半導体につきましては二十七件、蓄電池につきましては四十二件。クラウドプログラムについて、基盤技術の開発や高度な電子計算機の利用環境整備等を十一件。重要鉱物について、鉱山開発や製錬事業等を通じた供給源の多角化等を七件。肥料について、保管施設の整備も含め、主要な肥料原料であるリン安、塩化カリの備蓄の強化等を十二件等々、認定してきているところでございます。
このような様々な支援を行ってきているところでございますが、引き続き、関係省庁とも連携しながら、サプライチェーンの強靱化に向けた取組を支援して、特定重要物資の安定供給確保に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
今幾つか御説明をいただきましたが、ちょっと済みません、追加でお伺いしますね。
この予算総額二・六兆円を見ると、かなり物資ごとに差があるんだと思います。件数も言っていただきましたが、蓄電池で一兆円ですね、累計で。半導体で八千億円。クラウドプログラムを挙げていただきましたが、千三百六十六億円。肥料を挙げていただきましたが、肥料は百六十億円なんですよね。なので、物資によってかなり金額の差が出ております。加えて、これは令和四年の補正予算から始まっておりますが、肥料を挙げていただきましたが、R四の補正で組まれた後、百六十億円入れた後、これまではずっと入っていないわけじゃないですか。
こういったふうに、物資によってかなり軽重があるのと、制度が始まったR四で一発ちょっと入っただけで、それ以降は何も入っていない物資が多くあると思うんですが、こうした物資による差が起きていることというのは特段問題ないというふうに捉えているのか、その点、更問いですが、お願いいたします。
○殿木政府参考人 出資の時期についてのお尋ねだというふうに認識をしてございますが、金額もそうでございますが、これにつきましては、物資所管官庁が事業者とニーズを議論をしながら、どのような額が必要か、これは案件を積み上げながら考えているというところがございますので、その結果がそういうふうになっているというところでございます。追加で積む必要がなかったものについては、主務省庁の判断があると思いますけれども、取りあえず今差し出しているものについて様子を見ようというところもあるかと思いますし、あるいは、その金額でもう今やろうとしている供給確保計画を達成しているというようなものもあるというふうに、それぞれだというふうに思ってございますが、いずれにせよ、主務省庁が緻密にシミュレーションしながら考えているというところでございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。残った質問は、またあしたお願いできればと思います。
以上です。ありがとうございます。
○山下委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。
本日は、経済安全保障推進法について、一つは中東情勢の急激な不透明化、二つはクロード・ミュトスを始めとするAIの飛躍的進化、いずれも今日これまでの質疑でも再三取り上げられてきたテーマですが、大きくこの二つの観点で御質問をいたします。中東情勢とAI、この二つの環境変化は、現行制度の前提そのものを揺さぶるほど大きな変化であるというふうに考えます。本日は、この二つの軸に絞って御質問をしてまいります。
ちょっと順番を変えて、本日、まずAIの方から伺っていきたいというふうに思います。
アンソロピック社のAIモデル、クロード・ミュトスは、これまで発見されていなかったシステム上の脆弱性を短時間で大量に発見できるということが示すように、最近のAIの進化は、サイバー攻撃の質と量の双方を抜本的に、飛躍的に変化させつつあります。
そういった中で、現行の基幹インフラ制度における事前審査がAIによるサイバー攻撃の高度化に対して十分機能し得るというふうに考えているのか、あるいは、制度上の審査を経た設備やシステムであっても脆弱性がつかれ得るという事態を政府はどのように捉えているのか、政府としての認識をまず伺います。
○泉政府参考人 高度化するAIによるサイバー攻撃に対応しましてレジリエンス等を確保するためには、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度のみならず、政府全体で様々な施策を包括的かつ重層的に連携して対応を進めることが重要であると考えております。
具体的には、現在でも、基幹インフラ所管省庁においては、各業法やガイドライン等に基づき、事業者に対してサイバーセキュリティー対策を行うように定めてございます。また、基幹インフラ事業者には、サイバー対処能力強化法に基づきまして、本年十月一日から、サイバーセキュリティーインシデントが発生した場合等の報告が義務づけられることになってございまして、この報告も踏まえた更なるサイバーセキュリティー強化のための取組が進められていく、このように承知してございます。
その上で、経済安全保障推進法における取組としては、基幹インフラ制度の運用を通じて、御指摘のサイバー攻撃なども含めまして、特定妨害行為のおそれの低減を図る仕組みでございます。
加えまして、制度上の審査を経た設備やシステムであっても脆弱性をつかれ得るという点に係るお尋ねにつきましては、導入などの審査を行った後であっても、個別具体の判断についてお答えは差し控えますけれども、一般論として申し上げますと、経済安全保障推進法の第五十五条におきまして、特定重要設備の導入後であっても、国際情勢の変化その他の事情の変更によりまして、特定重要設備が特定妨害行為の手段として使用され、又は使用されるおそれが大きいと認める場合には、特定重要設備の検査又は点検の実施などの必要な措置を取るべきことを勧告することも可能になってございます。
また、昨日、高市総理から、松本大臣を中心に、AIが高度化する中におけるサイバーセキュリティーの確保に向けまして、政府全体での対応を早急に具体化し実施するよう指示があったところと承知しておりまして、こうした動向も踏まえながら、引き続き、基幹インフラ制度を通じて、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○高山委員 ありがとうございます。
今御答弁にありました、事後的にであっても点検などをやっていくというところが非常に重要なポイントだと思っておりまして、今のサイバーセキュリティーであるとかあるいはAIに対する備えというものは、事前に完璧を目指すということが、正直、現実的ではない状況であるというふうに思います。
実際に、今、脆弱性が見つかったとされるようなシステム、OSというのも、これは何十年も安全だとされていたものが実はこういう脆弱性があったということが見つかっている。我々が今やっていくべきことは、そういった脆弱性が発見をされたときに、しっかりとその修正が図られる、対処が図られるという仕組みを制度としてもしっかり担保するということであるというふうに思います。
引き続いて、もう一問、基幹インフラ制度に関連して伺います。
各省庁が所管する基幹インフラ事業、これに対して、AIを活用したサイバー攻撃を想定した脆弱性のチェックであるとかストレステスト、これを継続的に実施していく体制構築の必要性について、政府としての認識を伺います。
○殿木政府参考人 AIを活用したサイバー攻撃を想定した脆弱性への対応を図ることでレジリエンス等を確保することは、基幹インフラ役務の安定的な提供を確保する観点で重要であると認識してございます。
先ほど御説明がありましたとおり、高度化するAIによるサイバー攻撃に対応するため、政府全体で様々な施策を進めることが重要であるところ、国家サイバー統括室におきまして、現在、AIを活用したサイバー対処能力の強化等について有識者会議で議論を進めているところと承知をしているところでございます。
また、これも先ほど説明がありましたとおり、高市総理から、松本大臣を中心に、政府全体での対応を早急に具体化し実施するよう指示があったところ、国家サイバー統括室において、AIを活用したサイバー対処能力の強化や、高度なAIによる攻撃を想定した脆弱性チェックやストレステストの在り方も含めて検討し、政府全体での取組の具体化を早急に進めているところと承知してございます。
こうした動きも踏まえながら、引き続き、基幹インフラ制度を通じて、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕
○高山委員 ありがとうございます。
基幹インフラ、様々な分野があるわけですが、その中でも、今、新しいAIに対する備えというところでいうと、報道あるいは世界の動きなどを見ても、金融分野が先行的に様々な対処をされているように思いますが、実際に国民の生活であるとか安全に関わる領域というところでいきますと、ほかの分野も含めて多岐にわたるということでございますので、しっかり各省庁、所管するところそれぞれにおいて体制をしっかり構築していただきたいというふうに思います。
その上で、小野田大臣に伺います。
今、アンソロピック社に対してクロード・ミュトスのアクセスを得にいく、いかないみたいな話であったりとか、あるいは、これはアンソロピック社だけではなくて、オープンAI社であったりとかグーグル社であったりとか、そういったフロンティアAIの開発企業との戦略的な交渉であるとか対話、この重要性はますます高まっているというふうに思います。
本日午前中も、長妻委員の質疑の中で、イギリスはクロード・ミュトスへのアクセスを既に有している、そういった認識も政府としてもされているというのを、川崎大臣政務官からお答えがあったと思いますが、アメリカであるとかイギリスの政府であっても、そういったフロンティアAI開発企業との交渉というのは必ずしも一筋縄ではいかない。アクセスを渡してくれと言ったら確実に渡されるものではないというぐらい、力関係は非常に機微なところがあるというふうに思います。
日本でもAISIがイギリスと同様にフロンティアモデルへのアクセスを得るということの重要性はこれまでも議論させていただいたところかなと思いますが、こういった難しい交渉を国家としてしっかりやっていく必要があるのではないかというふうに思います。
もちろん、個別の交渉の状況についてお答えいただくことが難しいことは承知しておりますが、経済安全保障担当大臣としての小野田大臣に伺いたいと思います。
こういったフロンティアAI開発企業との戦略的な交渉、対話を経済安全保障においても非常に重要な課題として位置づけ、その交渉を、例えばサイバー安全保障担当大臣であるとか、AI担当大臣ということであれば小野田大臣であるということなんですが、そういった大臣がしっかり交渉に当たるといった取組が必要ではないかなというふうに思います。経済安全保障の観点から、そういった、連携して政府全体で取り組む必要性について大臣の御見解を伺います。
○小野田国務大臣 御指摘のとおり、急速に進展、普及するAI技術には様々なリスクが存在しておりまして、特に、サイバー攻撃にAIが悪用されることで攻撃のスピード、規模が劇的に増加するなど、サイバーセキュリティーにおける新たな脅威となり得るものであり、経済安全保障の観点からもリスクであると認識しております。
こうしたAIの急速な進展がもたらすリスクに対応するため、政府としては、おっしゃっていただいたAISIや民間企業を含む国内外の関係者と連携しながら、高度なAIの技術動向や国際情勢等について情報収集、分析を行い、経済安全保障の観点も加味しつつ必要な対策を講じてまいりました。
委員御指摘のフロンティアAI開発企業との対話についても、個々の事業者とのやり取りをつまびらかにすることは差し控えますが、一般論として申し上げれば、政府全体において様々に情報交換等を継続的に行ってきたものと認識をしております。
今般、高市総理から、松本サイバー安全保障担当大臣を中心に、AIが高度化する中におけるサイバーセキュリティー確保に向け、政府全体での対応を早急に具体化し実施するよう指示があったところでございます。経済安全保障担当大臣の私としては、松本大臣を中心に、政府一体となった対応が取られるよう、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
○高山委員 ありがとうございます。
今も実際、各レベルでいろいろな対話をしていただいているんだと思いますが、その状況はもちろんこういった場でお答えいただくことは難しいと思いますが、例えば、この後お話しさせていただく物資の話であれば、物資の供給に関して、例えば、海外の国と、外務大臣だけでなく各レベルでいろいろなお話をされる、これと同じような構造で、AI開発企業に対しても、トップレベルの対話と現場レベルの対話、各レベルでしっかりした交渉が行われて、他国に先んじる、あるいは同等のスピード感で我が国もしっかりとフロンティアモデルへのアクセスを得る、こういった動きが進んでいくことを期待させていただきます。
続いて、イラン情勢を踏まえた重要物資の供給について伺います。
政府としては、供給量全体としては不足していない、供給の偏り、目詰まりであるという説明をされていますが、燃料、医療物資、建築資材など、多岐にわたって現場に届いていないという声であったりとか、供給の継続性に対する不安が多く寄せられている状況であると思います。
国民には、ナフサ関連製品やサプライチェーンの維持に石油関連製品を必要とするような物資が実際に足りないという実感がある中で、政府は、供給実態をどう把握していて、このボトルネックは何であると捉えているのか、そして、供給量全体としては不足をしていないのだとしても現場では足りないという状況について、構造的な要因をどう把握しているか、政府の見解を伺います。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、原油や石油製品については、代替調達や備蓄石油の放出によりまして日本全体として必要な量を確保しているわけでございまして、年を越えて石油の供給を確保するめどがついております。
その上で、ナフサ、これは石油化学製品の原料ですけれども、これにつきましては、まず、備蓄原油を用いて国内での精製を継続しているということと、それから中東以外からの輸入の拡大、またポリエチレンなどの中間段階の化学製品の在庫、こういうものも合わせますと、これまで半年以上と申し上げていましたが、更にこれが延びまして、年を越えて継続できるというのが今の見込みとなっておりまして、これを政府としても発信を続けているところでございます。
他方で、御指摘のとおり、足下では一部で供給の偏り、また流通の目詰まりが生じておることは認識をしておりまして、これはどうしても、将来への不安から、先ほど申し上げたとおり、全体としては足りていると申し上げても、やはりちょっと不安から供給を絞ってしまう方あるいは企業が出てきたりですとか、あるいは、同様に将来への不安から逆に今度は多めに発注したりとか複数のところに多重に発注をしたりとか、そういうことが起きて結果として目詰まりとか偏りとかいうことになっているというふうに理解をしております。
したがいまして、関係省庁にそれぞれ情報提供窓口を設けまして、そこでいただいた情報を基に、需要家の調達状況も含めて、サプライチェーンの情報を集約しまして、また、サプライチェーンの上から下からずっとたどって状況を把握をし、供給の目詰まり、偏りの事例を一つ一つ確実に解消してきている、こういうことに努めているところでございます。
引き続き、国民の皆様の命そして暮らしを守るべく、安定供給に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
実際にサプライチェーンをしっかり追いかけて目詰まりが特定できたという実績も発信していただいているので、まさにこの取組に当たられている職員の方々、大変敬意を表したいと思います。
一方で、このサプライチェーンの課題がどこにあるのかという特定にどれぐらいかかるのか、品目であったりとかサプライチェーンの複雑度によっても大きく異なるところかなと思いますが、即日、数日で分かるものから、長いものだとどれぐらいかかるものなのか、追加で伺うことはできますでしょうか。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
情報提供を受けて、これは上から下からと申し上げましたけれども、多分、どこから買っているんですか、あるいはどこに供給しているんですかということをたどりながらやりますので、早ければその場でその日のうちに分かることもありまして、長ければ、本当に、もう少し、数日以上、週の単位になることもございます。
○高山委員 ありがとうございます。
実際、週の単位になるということもあり得るというふうに思いますが、一か月を超えるケースもあったりしますでしょうか。追加で、もし分かればお聞きしたいです。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
ちょっとこの場で全くないと申し上げることも今できないんですけれども、基本的にはそこまでかかることは余りなく、多くのものは数週間という単位で事態が理解できるということが多いというふうに理解をしております。
○高山委員 ありがとうございます。
これはもちろん早いことにこしたことはないんですが、逆に少なくお答えいただくこともないかなと思っておりまして、この供給課題の問題が立ち上がってからもう一か月以上がたっているわけで、もし二週間、三週間といったところで課題が解決するのであれば、逆に言うと、解決していないとおかしいということになってしまうのかなというふうに思います。
ただ、今の御答弁で期待が持てるのは、基本的には何週間かの単位で解消されていくべきものなので、国民、そしてサプライチェーンの中にいる事業者の方々においては過度に不安にならずに冷静に対処いただきたいというのが、今の御答弁から得られるメッセージなのかなというふうに思います。
仮に数週間であるとか長期にわたるものがあるのであれば、そこに関しては、しっかりと課題を解決して、逆に、そういった期間がかかるものもあるということを発信いただくことが、そもそも、物がなくてではなくて、解明に時間がかかったのであるということであれば、その発信自体もしていただくことが、国民に正しい情報が伝わるということかなというふうに思います。
次に、特定重要物資制度の在り方について伺います。
現在、特定重要物資として十六物資、これは重要な物資の中でも一定の要件を満たすものが指定されておりますが、今回のイラン情勢の影響を踏まえても、供給が途絶するとクリティカルであるというような物資は実際には極めて多岐にわたるというふうに思います。例えば、今日も、これまでの質疑の中で、ナフサは今後特定重要物資に指定されることがあるのかというような議論があったと思います。個別に物資を順次追加指定していくアプローチについて、制度の機動性であるとか包括性の観点で課題はないのか、政府としての認識を伺います。
○殿木政府参考人 サプライチェーン強靱化制度のお尋ねでございますけれども、特定重要物資として指定された物資につきましては、当該物資のみならず、川上の物資である当該物資の生産に必要な原材料等も含めて、広くサプライチェーンのリスクを点検した上で、支援の必要がある物資や取組の範囲を物資所管省庁が取組方針の中で定めておるところでございまして、安定供給確保のために必要であれば、川上の原材料等に関わる取組についても包括的に支援をしているところでございます。
具体的に例を申し上げますと、蓄電池、半導体につきましては、最終製品である蓄電池、半導体に加えて、それらの部素材や製造装置等についても支援の対象とするように機動的に対応しているところでございまして、さらに、必要に応じて取組方針の改定を実施し、支援内容を機動的に見直しをしてきたところでございます。
その一方で、今回の話もございますけれども、法施行三年を経て、重要な物資そのものが確保されていたとしても、その供給に不可欠な役務を外部に依存する場合には安定供給確保は全うされないという話でありますとか、あるいは、各計画の中には、取引先の事業の廃止の影響により安定供給の確保のための取組の実施が困難となったケースも存在するなど、特定重要物資の安定供給確保の取組をより安定的かつ継続可能なものにするためには、供給者のみならず、その関係者も含めた対応も必要であるといったような課題認識、このようなものも認識をしてきているところでございまして、これらの顕在化した課題に対応するために、今般の経済安保推進法の改正法案を御審議いただいているところでございます。
いずれにいたしましても、制度を運営する以上、事業者としっかりコミュニケーションを取りながら、課題のあるものについては取り入れながら対応していくというのが行政の基本だというふうに思っているところでございます。
○高山委員 ありがとうございます。
実際、法案ができてから三年、これまでの振り返りがあって今回の改正案があるというところは経緯としても理解をしておりますし、また、役務の扱いについて追加をするということも大変重要なことであるというふうに思います。
少し幅広な観点で御答弁をいただいたので、再度、物資の指定に関するところを追加で伺いたいなというふうに思うのですが、様々な物資が、こういった供給不安であるとか供給課題が起きたときに同時に不安であるとか課題が起きるという構造の中で、この特定重要物資の指定を順次していくという構造に関しては、これに関しては特段問題はなく、大本の物資が必要十分な指定がされていればよくて、それ以外のサプライチェーン課題というのは、それはそれで対応していくのだ、そういった考え方でよろしいでしょうか。
○殿木政府参考人 基本的には、その認識でよろしいかというふうに思っておるところでございます。
○高山委員 ありがとうございます。
まず、法案がどのスコープまで対応しようとしているのかということを冷静に議論を積み重ねるところに大変意義があるというふうに思っておりますので、今いただいた御答弁からすると、物資をどんどん追加するというよりは、これまでも、物資の中でも要件を満たすものを指定するという考え方、この継続性を持ってやっていく、そして、今回のような特定の事態に関してサプライチェーンの不安が起きたときはまた別の枠組みを含めて総合的に対処をしていく、そういう理解をさせていただきました。
ここで、今般の供給課題、燃料であるとか医療物資、建築資材等にわたる供給課題を踏まえて、特定重要物資制度の今後あるべき姿について、今の御質問への答弁も踏まえて、小野田大臣の見解を伺いたいというふうに思います。
今の質問でも少しさせていただきましたが、中東情勢の影響で我々が学んだことというのは、事前の想定の範囲を超える種類、品目の物資が同時に目詰まりであるとか供給課題を起こし得るということではないかと思います。
個別指定を積み増していくアプローチ、これはきちんと指定の要件を満たしたものを追加していくということだと思いますが、制度の機動性であるとか包括性といった課題もあり得るのではないかというふうには思います。今この法案でカバーされている取組に限らず、例えば、各物資のサプライチェーンをリスクベースで評価をするであるとか、シナリオベースで様々な備えをしていくであるとか、現行の経済安全保障推進法の枠組みを超えた議論も必要なのではないかなというふうに考えますが、大臣の御見解を伺います。
○小野田国務大臣 御指摘の燃料、医療物資、建築資材等といった、現下の中東情勢に伴い供給制約を受ける可能性が急速に顕在化した重要物資については、政府一体として、安定供給確保に向けた対応を行っているところです。
その上で、ある程度先を見越した物資の安定供給を確保していく観点から、関係各省と連携して、サプライチェーン上のリスク点検を実施し、既存制度による措置を踏まえた必要性など、法律上満たすことが必要とされる要件の該当性を審査を行い、必要に応じて特定重要物資に指定していくこととしております。
また、物資のサプライチェーンの更なる強靱化のための取組を進めるべく、今般の法改正により、特定重要物資等の供給に不可欠な役務に関する規定の整備及び特定重要物資等の安定供給確保のための関係者の協力等に関する規定を整備するところです。
さらに、本法改正において新たに追加した推進法第六条の第六項及び第七項では、国は、安定供給確保基本指針に基づく施策の実施状況について評価を行い、必要に応じて施策を見直さなければならない旨も定めています。
このように、足下の中東情勢を始めとする国際情勢の変化も踏まえ、関係省庁と連携しながら、特定重要物資の安定供給確保のための制度を不断に見直し、課題に対応してまいりたいと考えます。
〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕
○高山委員 ありがとうございます。
この後、今後も質疑が進んでいく中で是非伺っていきたいのは、その不断の見直しの部分でございまして、今回の法案の改正が、これまでの法案の運用の中で見つかった課題感であるとか、今必要とされている役務を含めるということであったり、そういった各種の改正が行われるということに対しては前向きに捉えております。一方で、中東情勢であるとか、あるいはAIの進化ということを考えたときに、三年という見直しの頻度が適切であるのかであるとか、あるいは、政府として今回論点としては認識をしているが今回の改正には含まれていないような検討、論点もあるかなというふうに思っておりますので、その辺りについては是非追加で議論をさせていただきたいというふうに思います。
今、今回の改正に含まれていない論点というところで反応をいただいたので、もし、大臣若しくは参考人の方で気になる論点はここなんだというところがあれば、追加で伺ってもよろしいでしょうか。
○泉政府参考人 御指摘の点につきましては、今回改正法案を提出するに当たりまして、政府の有識者会議で幾つか御指摘をいただいている部分もございます。これは小から大までいろいろあるわけですけれども、これを一つ一つ、経済安全保障の強化に向けて一つ一つ対応をしていかなければいけない、このように考えてございます。
○高山委員 ありがとうございます。
恐らく、挙げられていた論点、具体で例示をいただいてもいいんですが、ここ二、三か月で新しく出てきた論点をこれにどう議論としてのせていくかというところが一番大きなところではないかなというふうに思っておりまして、例えば、AIがこれほど、この法案の議論のボリュームですね、質疑の中で先進AIへの備えということがこれほどまでに議論になるというところは、この法案の前提にはなかった変化ではないかなというふうに思いますし、例えば中東情勢に関しても、中東情勢の影響ということが短期のことではなくて、数か月あるいは中期にわたってサプライチェーンに対して影響があり得るものであるというような検討も、本法案の改正の検討の中には含まれていなかった部分があるかなというふうに思いますので、その辺り、是非、今後とも議論をさせていただきたいというふうに思います。
今日の質問はここで終わります。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。
本日は、経済安保推進法そして株式会社国際協力銀行の法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
本法案は、経済安保推進法の改正により、特定重要物資の範囲の拡大、基幹インフラへの医療分野の追加、経済安保シンクタンクの創設などを行うものであります。また、株式会社国際協力銀行法、いわゆるJBIC法の改正により、認定特定海外事業に対してJBICが新たに出資などを行えるようにするものと承知をしております。
とりわけ今回の改正の核心は、認定特定海外事業に対するJBICの出資について、従来の償還確実性、収支相償の原則を外し、劣後出資などを通じて民間資金を呼び込みながら大胆なリスクテイクを可能にする特別な枠組みを設ける点にあります。
国民生活と産業を守るために、サプライチェーンの脆弱性に対し、半導体、レアアース、エネルギーなど重要物資の確保に取り組む必要があること自体には異論はありません。ロシアのウクライナ侵略、そして中東情勢の不安定化、米中対立の激化など、世界の緊張が高まり、物資の流れが政治に左右される時代になっていることは誰の目にも明らかであると思います。ホルムズ海峡の緊張や湾岸地域の施設への攻撃リスクは、日本が原油の大半を中東に依存する構造的脆弱性を改めて浮き彫りにしております。
経済安全保障を正面から政策課題として取り扱うこと自体は、時宜を得たものだと受け止めています。しかし、同時に、私たちが最も警戒すべきは、経済安全保障という言葉が何でも正当化する魔法の言葉として使われることです。経済安保の名の下に、公的機関がどれだけのリスクを取り、どれだけの資金を投じ、どれだけの情報を政府に集中させるのか。その結果が、本当に日本の自立した経済安全保障につながるのか。それとも、アメリカを中心とするグローバル金融システムや同盟国の戦略を支えるために、日本の資源、国力、公的機関のリスクを差し出す仕組みになっているのではないか。
参政党は、結党以来、自分たちの国は自分たちで守るという理念を掲げ、外圧や大国の論理に流されない真の国民主権、経済自立を主張してきました。経済安保の名をかりた大義名分が、実質的にはグローバリズムの拡張や他国戦略への奉仕に転化していく事態こそ、最も危惧すべきことです。名称がいかに立派であっても、その実態が日本国民の利益に直結しているかどうかを私たちは常に厳しく問い続けなければなりません。
とりわけ、JBICがその入口として使われているのではないか。さらに、クロード・ミュトスのような強力なAIを悪用したサイバー攻撃のリスクが顕在化する中で、経済安保の議論は金融インフラのサイバー防御と切り離せなくなっております。
本日は、JBICの劣後出資とこれまでの融資の焦げつきの教訓、そしてトランプ関税と対米八十兆円投資の問題、そしてクロード・ミュトス時代の新たなリスクを踏まえ、本法案の是非と方向性を伺っていきたいと思います。
まず、JBICの本来の役割と今回導入される劣後出資の性格の違いについて確認をいたします。
国際協力銀行は、旧輸銀、開銀以降、日本企業の海外展開を金融面から支えてきました。その中核には、民間金融では引き受けにくい長期、大型、高リスク案件を公的金融として補完するという思想がありました。
これまでのJBICは、民間と肩を並べてリスクを取る存在でありました。民間が一定程度のリスクを取った上で、足りない部分をJBICが埋める。公的な色は強くとも、民間もリスクに見合う判断として参加している、そういう構図でありました。
この原則には重要な意味があります。民間金融機関が採算性、返済可能性を独自に判断して参加するという事実が、案件の合理性を担保するフィルターとして機能していたからです。民間が二の足を踏む案件に公的機関が単独で突き進む構図は、政策金融の節度として本来避けるべきものであり、旧来の枠組みはその節度を制度的に保障するものでありました。
これに対して、今回の法案は、認定特定海外事業への出資に劣後出資を可能にします。劣後出資とは、利益の分配は後回しにされ、損失は真っ先に負担する出資形態です。事業が悪化した局面では、他の出資者が先に保護される一方、JBICが最後に残った損失を引き受けることになります。つまり、劣後出資とは、単に一緒にリスクを取るのではなく、いざとなれば最も不利なポジションで損失をかぶることで、他の投資家を安心させ、呼び込む役割を担うということです。民間が入りたがらないリスクの最も深いところに、日本の公的機関が先に潜り込む構図になり得ます。
国民の税金や公的信用を裏づけるとするJBICが最も損失をかぶりやすいポジションに立つということは、最終的なリスクの負担者が日本国民になり得ることを意味します。こうした構造変化は公的金融の補完性という原則からの大きな逸脱であり、国民への十分な説明と厳格な制度設計なしに踏み出すべきではないと私は考えます。
ここで、お聞きをします。
劣後出資は、JBICが最も深いリスクを負う、従来とは全く質の違うスキームです。政府としてこの点をどのように認識をし、今後どのように国民に説明をしていくのか、所見をお聞きします。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
海外事業というのは元々リスクが高く、近年は、国際環境の変化、産業競争の激化により、そのリスクは一層高まっていると認識しております。このため、経済安全保障上重要な事業であっても、民間の判断のみでは投資が進まないケースが生じています。
今般創設いたします新制度は、我が国の経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を支援するものというものでございます。
そのため、委員御指摘のように、償還確実性や収支相償の原則の対象外となる新たな勘定を設けまして、一層強力なリスクテイクを可能とすることとしております。こうした性質の違いを踏まえまして、新勘定につきましては既存の勘定とは区別するということをいたします。それとともに、同勘定の財務状況につきましては毎年度の公表を予定してございます。
政府といたしましては、新制度の趣旨等について、適時の情報公開も含めまして、国民の理解を得られるように、丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○川委員 安全保障の観点からJBICがリスクを取っていく、これまでもそうだったと思うんですけれども、更に深い傷を負う可能性が多いのではないかというふうに危惧をしております。
次に、認定特定海外事業と原則以外の問題、そして、JBICが既に体験をしている融資の焦げつきの現状についてお伺いをします。
本法案は、認定特定海外事業に対する出資などについて、従来のJBICに課されていた償還確実性、収支相償の原則を適用しない特例を設け、より大きなリスクを取れるようにするものです。ここに、今回の法案の最大のポイントがあります。
一方で、JBICはロシア関連案件で大きな損失引き当てを余儀なくされた経験を持っています。ロシアのウクライナ侵攻と制裁の影響により、ロシア向け投融資の価値が大きく毀損をし、決算にも大きな影響が生じました。昨日まで償還確実と思われていた案件が一夜にして焦げつきリスクに変わり得る、地政学リスクの激しい時代を象徴する教訓であると思います。しかも、この教訓はロシアに限ったものではありません。
今日の同盟国、安全な投資先が明日の制裁対象、紛争当事国となる可能性は、現在の国際情勢においてゼロではありません。経済安保の名の下に行われる海外投資ほど、地政学の急変により、一夜にして毀損するリスクを内包しているのです。政策的に重要だからという理由だけで財務的規律を緩めることは、かえってJBICの経営基盤を空洞化させ、日本の対外金融力そのものを弱体化させる危険があります。
さらに、直近の数字を見ると、これはJBICの数字です、二〇二五年四月から九月の中間決算では、危険債権が三千三百四十一億八千九百万円、要管理債権が千九百十三億千六百万円計上されています。これらはいずれも焦げつき予備軍という債権であり、JBICは既に数千億円規模で回収に不安のある債権を抱えています。
その状況で、認定特定海外事業について、償還確実性、そして、さらには劣後出資といった最も深いリスクを取って、ロシア案件の教訓と現在の債務残高を考えれば、最も深いところで損失を引き受けるポジションに、日本の公的機関をどこまで置くのか、慎重な議論が不可欠であると思います。
ここで、お聞きをします。
ロシア案件での損失引き当ての経験と、危険債権、要管理債権、合計で五千億円を超える焦げつき予備軍としての残高を踏まえたとき、償還確実性、そして、劣後出資を可能とすることの妥当性を政府としてどのように整理をしているのか。また、危険債権、要管理債権の残高が一定水準を超えた場合に、新規の劣後出資に自動的な歯止めをかけるなど、量的なリスク管理の仕組みをJBICに設ける考えがあるのか、具体的な方針をお示しください。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、今回の新たな支援ツールというのは、償還確実性ですとか収支相償の原則を外して、JBICがより多くのリスクを取れるようにするものでございます。
そういったことも踏まえまして、この新勘定に係るリスク管理の仕組みにつきましては、この業務から生じる損失額が資本金の範囲内となるように運用することで、債務超過が生じないようにする状況を確保することとしております。これによりまして、JBICの財務の健全性に影響が生じないよう業務が実施可能であると考えてございます。
○川委員 資本金の中でのという話でありますけれども、現在でも焦げつきの分、危険債権が三千三百億、そして要管理債権が二千億近くということで、もう五千億円以上の焦げつき予備軍があるというふうな状況の中で、これから更にリスクを取っていくというのは、非常に国民に対してまだまだ説明が足りないと思っております。
次に、劣後出資案件の選定プロセスと政官業の癒着、いわゆるワシントン発の案件への巻き込みのリスクについて伺いたいと思います。
劣後出資は、特定の大企業や業界、あるいは政治案件の受皿として使われやすい性格を持っていると思います。経済安全保障上重要というラベルが一度貼られれば反対しにくくなり、採算性やリスクに疑問が残る案件でも、政治的圧力によって通ってしまう危険があると思っています。また、米国や国際機関からの要請が加われば、同盟国として協力すべき、G7としての責任があるという大義名分の下で、JBICが最も深いリスクを引き受ける役割を押しつけられる可能性も否定できません。
私がとりわけ懸念するのは、こうした政治的、外圧的な案件選定が透明性のないまま進んでいく構図です。重要という認定プロセスそのものが、官僚、業界、政治の三者による密室的な協議で決まるなら、国民の監視が届かないまま、巨額の公的なリスクが積み上がっていくことになります。劣後出資という損失を最初にかぶる特殊なポジションであるならばなおさら、第三者による厳格な審査と情報公開が不可欠であると思います。
ここで、対米八十兆円投資と今回の法改正との関係も確認しておきたいと思います。
二〇二五年七月の日米関税交渉で、日本は、高関税の引下げと引換えに、総額五千五百億ドル、約八十兆円規模の対米投資を約束したと報じられています。この枠組みでは、JBICや日本貿易保険、民間金融機関が資金の担い手として位置づけられています。
ところが、その後、アメリカの連邦最高裁判所は、この相互関税を含むトランプ政権の関税措置について、国際緊急経済権限法の使い方が違法であるとして無効の判断を下しました。つまり、日本が関税引下げと引換えに約束させられた対米八十兆円投資は、その前提となる高関税措置自体が米国内で違法とされているにもかかわらず、日本側だけが投資約束の履行を続けていこうとする構図です。その中で、JBICは、対米投資の第一弾案件において、メガバンクと協調して数千億円規模の融資を決定し、旗振り役になっています。
約束の前提が崩れた以上、その約束を日本が一方的に履行し続ける義務は本来存在しないはずです。もし、それでも履行し続けるのであれば、それは外交的主体性の欠如であり、日本国民の資産と公的機関の信用を他国の利益のために差し出すほかありません。私は、この点をしっかりと問いたいと思います。
ここで、お聞きをします。
認定特定海外事業の選定が特定企業、業界、政治案件に偏らないよう、審査、選定にどのようなガバナンスと透明性、第三者チェック、利益相反排除の仕組みを設けるのか、小野田大臣の所見をお聞きします。
あわせて、違法と判断された、相互関税の引下げと引換えに約束させられた対米八十兆円投資について、その前提が崩されているにもかかわらず履行を続けるべきなのか。今回の認定特定海外事業、劣後出資の枠組みが、実質的に対米八十兆円の投資のためにJBICが最も深いリスクを引き受ける制度として使われることはないのか。日本の国益より、トランプ関税をてことした米国側のディールが優先されているとの批判をどのように受け止めているのか。こちらは、参考人の見解を伺いたいと思います。
○小野田国務大臣 本制度は、事業者からの計画の申請を受けて、主務大臣が支援対象事業の認定を行うこととしているものでございます。その際に、事業者から提供される情報のみで判断を行うのではなく、主務大臣はJBICに対して情報提供を求めることができるとしており、JBICから提供された事業の実現可能性や収益性の評価に関する情報も活用しつつ、支援対象事業の選定を行うこととしています。
加えて、主務大臣が支援対象事業の選定を行う際の基準については、経済安保法第八十五条の三第四項に対象事業の認定基準を明記しているほか、同法第八十五条の二において、基本指針を策定して、認定に関する基本的な事項を定めることとしています。当該指針の策定においては、有識者の御意見やパブリックコメントも付した上で策定することを想定しております。
このように、政府としては、透明性を担保しつつ、利益相反等による選定事業の偏りが起きないガバナンスの仕組みをしっかりと構築した上で、明確な選定基準に基づき、個々の事業計画をしっかりと審査して認定していくこととしております。
○渡邉政府参考人 今般の制度は、海外事業のうち、我が国の経済安全保障上重要であるものの、採算性に不確実性があるため、本法律案に盛り込みました劣後出融資といった追加的な政策手段がなければ民間の資金が動員が図れないような事業を対象とするものでございます。
これに対しまして、日米戦略的投資イニシアチブは、了解覚書上も、元利返済相当額の分配とその後の追加的な利益配分を前提としておりまして、採算性が確保可能なプロジェクトを念頭に置いたものでございます。したがいまして、日米戦略的投資イニシアチブの下で実施されるプロジェクトに対し、今般の制度を活用することは想定しておりません。
それから、日米戦略的投資イニシアチブにつきましては、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながる日本の国益にかなうものと考えておりまして、今後とも、日米の相互利益に資する案件の組成に向け、米側と緊密に連携してまいりたいと考えております。
○川委員 政府の参考人に、ちょっと再質問したいんですけれども。
これは報道ベースでありますけれども、トランプ大統領から、日本側が行った対米の八十兆円の投資について、利益の九割はアメリカが取るというふうにインターネットで御本人が書き込まれて、そして、それがまた日本国内でのニュースでも回っていました。
それが本当かどうかは分かりませんが、本当にそれが現実であれば、なかなか、日本国にとっては非常に厳しい条件であったと思いますし、関税交渉との引換えに大きな痛手を負ってしまったのではないかというふうに危惧をしております。今回の劣後出資の件に関しても、なかなか投資される方が集まらないというのは、当然それが利益を見込めないからという部分にあるかもしれませんし。
そんな状況の中で、これは認識で構いませんけれども、今回の米国の八十兆円の投資に関して、利益の九割をアメリカが取るというトランプ大統領の発言に関して、当事者としてどういうふうな感覚を持たれているのか、お聞きをしたいと思います。
○渡邉政府参考人 利益配分につきましては、この枠組みの下で、九割取るという報道がございますが、まず最初に五割ずつ取る、余った分については九対一であるということでございますが、それは、米側も、土地ですとか、そういった貢献がありますので、それに応じて分配されるということでございますので、我々の認識といたしましては、これが日本にとって著しく不利な分配の方法であるとは考えてございません。
○川委員 この件でもう一度確認ですけれども、五〇パー、五〇パーというお話ですけれども、これは契約書の方にそういうふうにもううたってあるものなんでしょうか。
○渡邉政府参考人 九月に公表いたしました了解覚書、日米の戦略的投資イニシアチブに関する了解覚書に書いてございます。
○川委員 ありがとうございました。
五割、五割取って、余った分の、なぜかそこの分の九割はアメリカが取っていくと。ちょっとよく分からないですけれども、そういう状況であるかと思います。
次に、JBICによる海外投資支援と日本国内の基盤強化のバランスについてお伺いをしたいと思います。
JBICは海外案件を扱う機関ですが、日本全体の経済安全保障を考えれば、国内の中小企業、地方インフラ、一次産業、エネルギーとのバランスが極めて重要であります。私は、グローバルなサプライチェーンの穴を埋める投資と同時に、日本国内の足下をしっかり固める投資、いわゆる食料、エネルギー、生活必需品の国内生産、供給力の強化こそが経済安全保障の根幹だと考えています。
経済安全保障とは、外の世界でリスクを取りに行くことだけではありません。どれだけ海外のサプライチェーンを押さえても、国内の農業、漁業、エネルギー産業、中小企業などが空洞化していれば、有事の際に日本国民の生活を守ることはできません。攻めの安全保障の陰で、守りの安全保障が置き去りになっていないか、私は日頃から地域の現場に耳を傾ける中で、この問題意識はより強まっていると思います。
現場からは、海外の大きなプロジェクトには手厚く支援をするのに、国内の小さな現場にはなかなかお金が回ってこないという声が聞こえてきます。海外の港湾や電力にはJBICが最も深いリスクを取りに行く一方で、日本国内の港や送電網、地域エネルギー事業には同じレベルの支援があるのか、こうした疑問を抱かざるを得ません。
今回の中東危機では、ホルムズ海峡の実質的な封鎖や湾岸施設への攻撃リスクが現実味を帯び、原油輸入のおよそ九割を中東に依存する日本の構造的脆弱性が改めて明らかになりました。政府は備蓄放出や代替調達で当面の需要は確保できると説明をしておりますが、ホルムズ依存のエネルギー構造そのものをどう見直すのか、国内側の議論はまだまだ十分ではありません。一方で、JBICは、カタールやサウジアラビアなど中東のLNG発電そして再エネ案件に巨額の協調融資を行っており、湾岸インフラの安定稼働が日本のエネルギー供給とJBICの投資枠の両面で重要になっているのも事実であります。
ここで、お聞きをします。
JBICの海外向け支援の規模と比較をしたとき、食料、エネルギー、生活必需品の国内生産基盤への公的支援を経済安全保障政策全体の中でどの程度の位置づけとし、中東依存が高いエネルギー分野については、ホルムズ海峡リスクや湾岸インフラ攻撃という現実の事態を踏まえて、どのような優先順位で対応するのか、お聞きをします。
また、JBICによる中東を含む海外エネルギー投資と、国内、再エネ、省エネ、分散型エネルギーへの投資とのバランスをどのように整理をし、今後JBICはエネルギー分野をどのように支援をしていくのか、見解を求めます。
○佐々木政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、経済安全保障分野におけるエネルギー分野に関しての考え方でございますけれども、今般の中東情勢の緊迫化によって、我が国は、改めて、エネルギーの海外依存度が高く、とりわけ原油については中東地域への依存度が高い構造にあることが再認識をされているところでございます。
今回のような事案の発生も踏まえ、資源外交の強化を含む様々な取組を進めることで、化石燃料の調達先の多角化を一層推し進めることで、国内への原油及び石油製品の安定供給をしっかり確保していくということをまずはしっかり目指したいと考えているところでございます。
また、加えて、エネルギー安全保障全体の観点でいえば、低いエネルギー自給率ですとか、燃料価格の変動の影響を受けやすい火力発電への高い依存といった、我が国が抱えるエネルギー需給構造全体が抱える政策上の課題を克服していくことも不可欠であります。
このため、再生可能エネルギー、原子力など、エネルギーの安全保障に寄与し、また環境適合に資するような、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する、最大限導入していく、そういったことを進めることによって、エネルギー自給率、国内へのエネルギーの供給の自給率を高める、そういった取組もしっかり進めていく方針でございます。
あわせて、需要サイドにおける徹底した省エネですとか、燃料転換なども含め、こういった取組に対する支援なども含め様々な施策を総合的に進めていくということにしてございます。
安全性、安定供給、経済効率性、環境適合のいわゆるSプラススリーEと私どもが呼んでおりますようなバランスを取りながら、しっかり、エネルギー危機にも耐え得る、国内も含むエネルギー需給構造への転換を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○川委員 様々な分野の中で、JBICとしてもエネルギー分野をしっかりと支えていただきたいというふうに思います。
ただ、脱炭素という話がありました。今回、ちょっとこの案件に関しては質問をしません。また金曜日の方でさせていただきたいと思いますけれども、ここにはちょっといろいろな問題が私自身はあるなというふうに思っていますので、改めて、あさって質問もさせていただきます。
次に、先ほどからお話がずっと出ていますクロード・ミュトスの件についてお話をしていきたいと思います。ここで、経済安保のもう一つの重大なリスクとして、クロード・ミュトスのような生成AIを用いたサイバー攻撃の問題、複数の方が取り上げられましたが、私も聞いていきたいと思います。
クロード・ミュトスというAIモデルがサイバー攻撃の設計自動化に悪用されるとして、大きな議論を呼んでいます。高度な専門知識がなくても、AIに指示を出すだけで複雑な攻撃シナリオやゼロデイ攻撃の試行が半自動で行える、サイバー攻撃の民主化が進んでいるという指摘があります。
日本でも、金融庁、日銀、メガバンクのトップが官民会議を開き、金融システム全体の新たな脅威として認識を始めています。昨日も、総理が、政府を挙げてしっかりと対応するようにというお話があったと思います。
このリスクが特に深刻なのは、攻撃者の参入障壁が劇的に下がっているという点であります。かつては、国家レベルのサイバー部隊や高度な技術者集団でなければ実現できなかった攻撃が、今や、一般のハッカーや犯罪集団、さらには敵対的な国家に動員されたアマチュアでも可能になっています。日本のインフラ、金融、物流がこうした攻撃にさらされるリスクは今や想定外ではなく、日常的脅威として捉えなければなりません。
経済安全保障改正法では、基幹インフラに医療分野を追加をするなど、サイバーリスクを意識した制度が盛り込まれていると思います。しかし、実際にはクロード・ミュトス級のAI攻撃を前提とした防御設計になっているとは言い難く、侵入を前提としたゼロトラスト設計やAIを活用した常時監視への移行も十分ではありません。港湾、電力、通信、物流、海外金融などのインフラは、こうしたAIの攻撃の格好のターゲットになり得ます。日本企業が関与する海外インフラがサイバー攻撃で麻痺をすれば、日本のサプライチェーンや金融市場に直接影響が及ぶのではないでしょうか。
ここで、お聞きをしたいと思います。
クロード・ミュトスのような強力な攻撃支援AIを前提に、ゼロトラストの考え方、AIによる防御の活用、復旧訓練の義務化などの方向で見直す考えはあるのか。あわせて、AIによるサイバー攻撃は必ず起こる、従来の防御前提では覆されたという認識の下、インフラに対するAI時代のサイバー防御訓練を制度的に義務づけていく必要性について、小野田大臣の見解を伺いたいと思います。
○小野田国務大臣 委員御指摘のような、高度化するAIによるサイバー攻撃に対応するためには、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度のみならず、政府全体で様々な施策を包括的かつ重層的に連携して対応を進めることが重要と考えています。
具体的には、基幹インフラ所管省庁において、各業法やガイドライン等に基づき、事業者に対してサイバーセキュリティー対策を行うよう定めており、復旧対応なども含めたサイバーセキュリティーについての演習も実施されていると承知しております。また、基幹インフラ事業者には、サイバー対処能力強化法に基づいて、本年十月一日から、サイバーセキュリティーインシデントが発生した場合等の報告が義務づけられることとなっており、この報告も踏まえた更なるサイバーセキュリティー強化のための取組が進められていくと承知しています。
加えて、経済安全保障推進法における取組としては、基幹インフラ制度の運用を通じて、サイバー攻撃等も含め、特定妨害行為のおそれの低減を図っております。
また、昨日、高市総理から、松本サイバー安全保障担当大臣を中心に、AIが高度化する中におけるサイバーセキュリティーの確保に向け、重要インフラ事業者等への対応と脆弱性の発見、修正等の対応の双方の観点から、政府全体での対応を早急に具体化し実施するよう指示があったところと承知しております。
基幹インフラ制度に係るこれらの取組を実施する関係府省庁との連携を強化しつつ、引き続き、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に努めてまいりたいと考えております。
○川委員 この問題については、急にこういう危機が訪れたというふうにも言われていますけれども、やはり技術というのは日進月歩でどんどんどんどん進んでいくと思いますし、対応したからといって終わるわけではなくて、常に政府としては最新の情報を持って全力で対応していかないとならないと思いますので、是非御努力をいただきたいと思います。
次に、最後の質問となりますけれども、総括をして質問をしていきたいと思います。
参政党は、自分たちの国は自分たちで守るという、自立を目指した安全保障と、そして、グローバル金融や大国の戦略に振り回されない政治を目指しております。
今回の経済安全保障推進法改正には、とりわけ認定特定海外事業に対するJBICの劣後出資制度は、日本の自立的な経済安全保障のためにJBICが主体的にリスクを取りに行く仕組みなのか、それとも、アメリカを中心とするグローバルなサプライチェーンや金融システムを守るために、そして、違法と判断されたトランプ関税をてことした対米八十兆円投資を履行するために、JBICが最後の受皿としてリスクを押しつけられる仕組みになっているのではないかという疑問が最後まで拭えておりません。
経済安保とは、本来、国民の暮らしと産業を守るための政策でなければなりません。グローバルな枠組みや他国の戦略に乗る形で制度設計されるのではなく、日本の地政学的な位置、資源制約、産業構造、人口動態を冷静に見据えた上で、何を国内で自給をし、何を海外に依存し、そのリスクをどう管理するのか、国民が納得できる形で議論されるべきものです。今回の法案がその理念に沿ったものであるかどうか、政府には明確な責任があると思っております。
クロード・ミュトスの新たなリスク、中東の危機、そして違法とされたトランプ関税を含む国際情勢の中で、政府が考えるJBICの存在意義をお示しください。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
JBICは、我が国の政策金融機関といたしまして、日本企業の海外展開の支援、重要な資源の海外における開発、取得の支援などを通じまして、これまでも我が国の経済の発展に重要な役割を果たしてきたと考えてございます。
今回の法案におきましては、こうした従来の役割に加えまして、我が国の経済安全保障上重要な事業を支援するための新たな仕組みを導入することとしております。
近年、企業間の国際的な競争が激しさを増すとともに、エネルギーや重要鉱物等の安定供給の重要性が高まってございます。さらに、我が国を取り巻く国際情勢は厳しさを増しておりまして、経済安全保障の確保は喫緊の課題と考えてございます。
こうした国際環境におきまして、JBICの存在意義には極めて高いものがあると考えておりまして、政府といたしましては、今後とも、JBICの機能を活用しつつ、我が国の経済の発展に資する取組や経済安全保障の確保を図っていきたいと考えてございます。
○川委員 御説明ありがとうございました。
もう一点、ちょっとお伺いをしたいんですけれども、今回の法改正で、劣後出資という枠組みでJBICが損失を出してしまった場合、その責任は誰が取るような形になるんですか。ちょっとお聞きをします。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
新勘定の業務について仮に損失が出た場合につきましては、まずは出資金で対応するということでございますが、それでも足りないということであれば、政府が責任を持って対応するということになると考えてございます。
○川委員 政府が責任を持って対応ということでありましたけれども、実質は国民の負担になっていくと思いますので、この出資に関しては本当に慎重にやっていただきたいというふうに心から願いまして、少し早いですけれども、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
経済安保推進法案について質問いたします。
最初に、国交省にお尋ねします。
今年二月、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資としての船舶の部品に船体が追加をされました。国交省は造船業再生基金を造成しましたが、これがどのようなものか、事業内容、事業規模を明らかにしていただきたい。
○今井政府参考人 お答え申し上げます。
造船業は、海上輸送に不可欠な船舶を安定的に供給し、国民生活、経済活動のみならず、安全保障も支える極めて重要な産業でございます。
こうした造船に関する経済安全保障の確立に向けまして、経済安全保障推進法に基づき、船舶の部品である船体を特定重要物資として指定しまして、令和七年度補正予算で千二百億円を計上し、造船業再生基金を造成いたしました。
本基金事業では、国土交通大臣が供給確保計画を認定した事業者に対しまして、船体の生産能力拡大のための設備投資及び研究開発に必要な費用の一部を充てることとしております。
○塩川委員 造船業再生基金は、国費千二百億円を第一弾として、十年間で国が合計三千五百億円を出す、それの見合いで民間投資も同じぐらいあって、その他の事業も含めて、一兆円規模で造船業に係る経済安保に関わる支援を行っていくというものであります。
この助成金の交付を行う支援法人というのはどこでしょうか。
○今井政府参考人 お答えいたします。
造船業再生基金の助成金の交付を行う安定供給確保支援法人は、一般財団法人日本船舶技術研究協会を指定しております。
本協会の理事メンバーは、学識経験者に加え、内航海運事業者、外航海運事業者、船舶検査機関、造船事業者、船舶用機器の企業等、海事業界に携わる様々な関係者から構成しております。
○塩川委員 今説明がありました日本船舶技術研究協会、理事メンバーの話もありましたけれども、一覧表で理事名簿を見ると、理事長や理事のほとんどが造船業界の役員となっております。専務理事それから常務理事二人は国交省の出身の天下りということでもありますので、こういった日本船舶技術研究協会が助成金の配分を行うということになりますと、助成金の支援対象となる企業のメンバーと所属省庁の出身者が自分たちで助成金の配分を決める、お手盛りと言われても仕方がないんじゃないんでしょうか。
○今井政府参考人 お答えいたします。
造船業再生基金事業におきましては、まず国土交通大臣が事業者が作成する船体の供給に関する供給確保計画を認定した上で、その供給確保計画に記載のある設備投資等につきまして、安定供給確保支援法人が助成等に関する執行業務を行うこととしております。
また、利害関係を有する特定企業に有利となるような意思決定がなされることのないよう、支援法人であります一般財団法人日本船舶技術研究協会の定款におきまして、利害関係を有する理事をその意思決定から除外することとしておりますほか、情報管理も含め適切な業務体制が構築されていることを、支援法人の選定審査に際しまして、内閣府及び国土交通省におきまして確認いたしております。
このように、支援法人におきまして助成金交付等の支援業務の執行を適切に行うことを確保しておるところでございますが、国土交通省といたしましては、引き続き、支援法人における業務の適切かつ確実な実施を徹底してまいる所存でございます。
○塩川委員 国もチェックするような話もありますけれども、でも、その専務理事、常務理事が国交省の天下りといった点で、これでいいのかというのはありますし、理事メンバーのほとんどが造船業界の事業者の役員の方々ということになりますと、いや、自分のところの支援のときには担当が外れるんだと言っても、造船業界全体としての支援という枠組みの中では、やはり癒着の懸念、危惧というのは拭えないのではないのか。関係者、当事者のみで行っていると言われても仕方がない点だと思います。
そこで、大臣にお尋ねします。
こういった官と業の関係もあるんですけれども、政の関係もある。元々、造船業界の再生のための緊急提言というのを自民党として昨年六月に出しておられます。これを基に特定重要物資に船体を指定をし、一兆円規模の基金創設にもつながったわけで、その自民党、国民政治協会に対して日本船舶技術研究協会の賛助会員企業からの企業献金が、二〇二四年分を集計すると三億円を超えるという金額に上ります。
このような特定業界への支援を打ち出す経済安全保障というのが、政官業の癒着をつくり出す懸念が生ずるのではないのか、この点について、大臣のお考えをお聞かせください。
○小野田国務大臣 経済安全保障推進法では、特定重要物資の安定供給確保に向けた取組を物資の特性を踏まえて効果的に支援するため、特定重要物資ごとに、独立行政法人又は一般社団法人等のいずれかを安定供給確保支援業務を行う法人として指定しております。
指定を受けた法人は、特定重要物資の安定供給確保に向けた取組のための助成金を交付する等の支援業務を行う。こうした助成金の交付は、主務大臣が認定した供給確保計画に基づいて行われるものであり、主務大臣の認定に基づかない資金交付が行われることはございません。
また、一般社団法人等を安定供給確保支援法人として指定するに当たっては、支援業務を適正かつ確実に実施できる経理的基礎及び技術的能力を有していること、支援業務の実施体制が安定供給確保基本指針に照らし適切であること、他の業務を行うことによって安定供給確保支援業務の適正かつ確実な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること等を客観的に審査しているものです。
さらに、安定供給確保支援法人に対しては、年度ごとに事業計画書及び収支予算書を確認した上で認可するとともに、事業報告書及び収支決算書の提出を求めるなど確認の仕組みを取り入れており、癒着などの御指摘は当たらないものと思っております。
多額の助成金を扱う制度を所管する大臣として、引き続き制度の適切な運用に努めてまいる所存でございますが、党に関する寄附等に関しては、ちょっと私は知らないところではございます。ちゃんと法令にのっとって適切に行われていると思いますが、経済安全保障というのは、とにかく日本国、国民にとって大切なものであって、どこからお金をもらったからここを有利にしようとか、そういうものではないというふうに私は認識をしています。
○塩川委員 過去、造船疑獄というのもありました。戦後の復興期に、計画造船、それに対しての利子への支援などを行うようなことをめぐった政官業の大疑獄事件というのもあったわけであります。経済安保の名の下に、国が特定の業界、企業に対する巨額の支援を進める制度を拡大するのが今回の法案でもあり、政官業の癒着の懸念は拭えないということを申し上げておきます。
次に、防衛省にお尋ねをいたします。
国交省の資料によりますと、造船業の役割として、地域経済を支える、経済安保を支える、海上警備・防衛を支えるとあります。造船業再生ロードマップを見ると、造船業再生基金に基づく生産設備整備支援と、防衛生産基盤強化法に基づく生産設備整備の連携が取り上げられております。
防衛生産基盤強化法に基づく造船業への支援策はどのようなものか、そして、どのような連携を行うということなのかについて御説明ください。
○滝澤政府参考人 お答え申し上げます。
防衛省として、令和五年十月に施行されました防衛生産基盤強化法に基づきまして、装備品の安定的な製造等の確保を目的として、サプライチェーン強靱化、製造工程効率化等の取組への財政上の措置を行っております。修繕や舶用品も含む艦船分野におきましては、これまでに約六十件の企業の取組を認定し、約二百億円規模の予算措置を実施してまいりました。
認定した取組の大半は、最新の製造設備の導入など、製造等の工程の効率化に資するものであり、例えば、艦艇建造工程を無人化、省人化するため、船体に用いる鉄板の溶接を自動で行う移動式ロボット装置の導入などを実施しております。
造船業再生基金との連携につきましては、国土交通省と相談しつつ、企業の具体的なニーズを踏まえながら検討してまいります。
○塩川委員 国交省の支援と防衛省の支援、そういうのが相まって、造船業におけるやはり防衛、軍事との連携というのが強調されているところであります。
ロードマップには米国艦艇修繕促進というのがありますが、これは、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議、いわゆるDICASに基づく取組というのでよろしいんでしょうか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
造船業再生ロードマップに記載されております米国艦艇修繕につきましては、御認識のとおり、DICASに基づく取組でございます。
○塩川委員 重ねて伺いますが、DICAS、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議とあるんですけれども、造船業というのは防衛産業ということなんでしょうか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
造船業を行っている業者の中の一部が自衛隊の艦艇の建造、修繕を行っているものと承知しております。
○塩川委員 自衛隊の艦艇、米国の艦船もそうでしょうけれども、それを扱う造船事業者については防衛産業として位置づける。造船業を防衛産業として位置づけて、米海軍との連携強化が一層図られようとしております。
そのDICASの艦船整備作業部会の第一回の会合で、前方展開される米海軍艦船の共同維持整備を確認していると承知をしております。このDICASの艦船整備作業部会において、どのようなことを行っているんでしょうか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議、DICASにおきましては、日米の防衛産業が連携する優先分野を特定し、防衛産業協力を進めていくために、防衛装備庁長官と米戦争省の次官の取得、維持整備担当を共同議長といたしまして、二〇二四年六月から設立されているものでございます。
このDICASの下には四つの作業部会が設置され、そのうちの一つである米海軍艦船の維持整備のための作業部会においては、我が国における米海軍艦船の維持整備を行う上での課題や改善策について、米側と議論を行っております。これによりまして、我が国の防衛生産・技術基盤の強化や、日米同盟の抑止力、対処力に資する防衛産業協力の実現を目指して、日米間で議論を進めておるものでございます。
○塩川委員 日米同盟の強化に資する防衛産業の連携強化ということです。
朝日新聞の報道で、米本土やグアムなどに所属する米海軍艦艇は、現状、米国内法により米国外で整備や補修ができず、日本周辺に展開しても本土に戻る必要がある、今後、米国で法改正され、日本で民間企業による整備や補修を受けられるようになる見通しということがありました。この件はどのようになったんでしょうか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
米国の法制でございますが、米本土を母港とする米海軍艦艇が国外で維持整備を行う場合に、米国内の法的制約、タイトルテンというものでございますけれども、これに服することになっております。これにつきましては、二〇二五米会計年度国防授権法の中に含める形で一部改正されているものと承知しております。具体的には、修理の日数が二十一日以内のものに限りまして米国外での修理を認めるような内容になっておると承知しております。
○塩川委員 二十一日以内であれば、アメリカ本土を母港とする米軍艦船についても日本で整備や補修ができるということであります。
こういった取組において、このDICASなどでも議論してきている中身というのは、米軍艦船の前方展開を支援する活動になるということでよろしいでしょうか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
防衛省といたしましては、米海軍艦船の維持整備を行うことによって、我が国の防衛生産・技術基盤の強靱化に加え、米艦船の修理期間の短縮や効率化を通じて、米海軍の即応性、ひいては日米同盟の抑止力、対処力の向上に資すると考えております。
○塩川委員 米海軍の即応性に資するということです。
エマニュエル駐日米国大使が、紛争が起きたとき、米国まで船を送り返す余裕はない、日本で修理できる体制を整えることが非常に重要だと述べていたということであります。インド太平洋方面での米軍艦船の前方展開を支援する活動になっているということです。
そこで、昨年十二月に、米本土を母港とする米軍艦船の日本企業による修理としては初めてとなる米アーレイ・バーク級イージス艦フィッツジェラルドの修理が舞鶴で行われたと聞いています。この修繕、整備を行った事業者はどこでしょうか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
御指摘の、昨年十二月に舞鶴において実施された、米本土を母港とする米海軍アーレイ・バーク級イージス艦フィッツジェラルドの修理につきましては、米海軍艦船修理廠、ここが発注いたしまして、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、JMUが受注して行ったものと承知しております。
○塩川委員 JMUが受注したということです。
それと、これは米本土を母港とする米軍艦船の整備なんですけれども、日本に配備されている米海軍艦船の整備は日本のどの事業者が主に担っているんでしょうか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
日本に配備されている米海軍艦船の整備につきましては、米海軍の施設内で米海軍艦船修理廠により実施される修理のほか、米海軍艦船修理廠の行う入札等に応じました日本企業等との間で締結される契約に基づいて実施されるものがございます。その際、海上自衛隊の護衛艦等の修理実績を有する日本企業が応札している場合があるとは承知しております。
他方で、米海軍艦船の整備実績につきましては、米軍と平素からのやり取りで共有される情報のほか、主に防衛省と取引のある民間造船所から必要に応じて自発的に共有されるものでございまして、防衛省として全ての整備実績を網羅的に把握してはおりません。
○塩川委員 主な事業者を紹介してほしいんですけれども。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
我が国の自衛隊の艦船を修理している事業者といたしましては、三菱重工、JMU、SSK、佐世保ドック、それから函館どつくといった事業者がございます。
○塩川委員 それは、米軍艦船についても行っている事業者ということでよろしいでしょうか。
○家護谷政府参考人 繰り返しになりますが、防衛省としては全ては網羅的に把握しておりませんが、そのうちの一部の事業者が米軍の艦船についても修理を請け負ったものというふうに承知しております。
○塩川委員 米海軍艦船のトリポリ、ニューオーリンズ、ラファエル・ペラルタ、ミリアス、ジョン・フィン、ヒギンズについて、日本の事業者が整備を行った実績というのはあるんでしょうか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、契約自体は米軍と日本の事業者との間の契約になりますので、我々が網羅的に承知していないというものでございます。
他方で、我々がいろいろな情報から得られたものといたしましては、ミリアスが平成三十一年四月に三菱重工横浜製作所で整備した実績があるというふうに承知しております。
○塩川委員 ミリアスの話がありましたけれども、ほかにもラファエル・ペラルタですとかジョン・フィンとかヒギンズと言われる、横須賀を母港とするイージス艦ですよね、こういったところが、横須賀における民間の事業者が整備に当たっていたと。そういう点では、公募されていますのでその資料で分かるわけですけれども、そういった日本の事業者が整備を行った実績があるというところです。
今紹介した米海軍の艦船というのは、日本の米軍基地からイランに派遣されたとされる艦船であります。防衛省は承知しておられますか。
○家護谷政府参考人 お答えいたします。
防衛省といたしましては、逐一の米軍艦船の運用について承知しているものではございません。
○塩川委員 米国によるイランへの武力攻撃で、二月の二十八日、イラン南部の女子小学校が攻撃をされて、百七十五人以上が亡くなったということが報道されております。ニューヨーク・タイムズによると、米軍は暫定的な内部調査で、同軍の巡航ミサイル・トマホークの標的設定ミスによる誤爆だと判断している。
米海軍横須賀基地のイージス艦にはトマホークが配備されており、横須賀基地からイラン攻撃に派遣されたミリアスとジョン・フィンもトマホークを発射できるイージス艦であります。このような米イージス艦の整備を行っているのが日本の造船業の事業者ということであります。間接的ではあれ、国際法違反の無法な戦争に日本の民間企業が関わるような事態となっております。これ自身も極めて重大な問題であります。
大臣にお尋ねします。
重要物資確保のための協力要請、今回入ったところです、重要物資の確保に支障が生じるおそれがあるときには政府が関係者に対して協力を要請できる規定も盛り込まれています。重要物資には、現時点でも、船体や無人航空機、半導体など、軍事面での関わりが深いものも含まれております。この協力要請規定というのは、民間企業をより一層軍事に組み込むものとなりはしないか、この点、お尋ねします。
○小野田国務大臣 今般の改正案では、特定重要物資等の安定供給確保に支障が生ずるおそれがある場合に、主務大臣が積極的に情報収集するとともに、広く関係者に必要な協力要請を行う根拠規定を整備することとしております。
具体的には、例えば、特定重要物資を生産する事業の廃止に際し、当該廃止が安定供給確保に与える影響を的確に把握し、必要な対策を講じやすくするために、当該生産事業者のみならず、部品供給者や物資の供給を受ける事業者等の関係者に対し、主務大臣が推進法に基づき状況説明や情報提供を求めるほか、特定重要物資の生産者に対して原材料を供給している事業者が廃業することにより、認定計画に基づく取組が困難となる場合には、取組の適切かつ継続的な実施を支えるため、主務大臣が推進法に基づいて他の原材料供給事業者等の関係者に対し協力を求めるなどの働きかけが考えられます。
これらの規定は、経済安全保障推進法に基づく主務大臣からの要請であることから一定の重みがあるものでありますが、他方で、計画の認定を受けていない事業者など本法の支援枠組みの対象ではない事業者も広く対象としていることを踏まえて、要請された事業者側にはその応答義務を課していないこと、本法の基本方針でも明記されているとおり、経済安全保障の確保に関する施策の実施に当たっては、自由かつ公正な経済活動を前提に、各主体の事業活動等を過度に制約しないよう配慮することとしていることからも、御指摘のような、当該協力要請規定によって民間企業がより一層軍事に組み込まれるというようなことは起こらないと考えております。
○塩川委員 造船業再生基金、経済安保法に基づく基金で造成したこのインフラが、米軍艦船整備など軍事に使われることになるわけであります。民間企業をより一層経済安保体制、軍事に組み込むものとなる、この点を指摘をして、質問を終わります。
○山下委員長 次に、中村はやと君。
○中村(は)委員 皆様、お疲れさまでございます。本日最後の質問者の無所属の中村はやとです。
大臣、初めまして。私の選挙区は茨城県の西の端っこの茨城七区というところで、昨年、大臣がいらっしゃった常総市というところがあるんですけれども、非常に、人口の中のかなりの割合がブラジル人の方が住まれていたりとか、あるいは十数年前に全国ニュースになるほどの大規模水害があったりとか、あるいは昨年はまた全国ニュースになるほどのヤード火災があったりとか、様々な課題が山積しているところだったので、大臣に来ていただいて非常によかったなというふうに思っています。もちろん、私の応援なんかじゃなくて相手候補の方ですけれども、これは選挙が終わればもうノーサイドということで、今日は明確な御答弁を御期待しながら質問に入らせていただきます。
近年、国際情勢は急速に変化しており、特に米中対立の激化や地政学的リスクの高まりによって、経済は、単なる商取引や市場競争の手段にとどまらず、国家の安全保障に直結する重要な要素となっております。世界の主要国では、戦略物資や先端技術を安全保障の観点から管理し、輸出規制や制裁措置を積極的に活用する例が増えており、経済の安全保障上の重要性はこれまでになく高まっていると言えます。
四月二十五日付の朝日新聞の記事「「経済の武器化」日本の対応策は」では、これは、あした参考人でいらっしゃる鈴木一人教授の取材記事なんですけれども、半導体やレアアースなど戦略物資に対する輸出規制や国家間での供給網の囲い込み、さらには経済制裁の活用など、経済的手段が外交や安全保障の道具として用いられる、いわゆる経済の武器化の現状が具体的に説明されております。記事では、こうした動きが日本にとっても大きなリスクであると指摘され、国内の産業基盤や技術力の確保、サプライチェーンの強靱化、法制度の整備など、政府の戦略的対応の必要性が強調されております。
こうした状況を踏まえますと、日本としては、半導体や希少金属を含む重要物資の安全確保、国内サプライチェーンの強靱化、そして経済安全保障関連の法整備をより迅速に進めていくことが急務であると言えます。
そこで、お伺いいたします。
この制度には幾つか懸念があると考えております。まず、権限が集中し過ぎたり、恣意的に運用されるリスクです。重要インフラや先端技術、輸出規制の対象が幅広くなると、政府の裁量が非常に大きくなり、過度な介入や恣意的運用につながる可能性があります。企業活動の自由とのバランスをどのように確保するおつもりなのか、政府のお考えをお聞かせください。
次に、法の定義が曖昧であるという点です。経済安全保障という概念は非常に広く、何をもって安全保障上の脅威とするのかが不明確なままだと、企業は国際取引や投資活動の判断に不安を抱くことになりかねません。政府としては、法案の運用において、企業に対して明確な指針や基準を示すお考えはあるのか、お答えください。
○小野田国務大臣 経済安全保障推進法の運用に当たっては、有識者の御意見を聞くとともに、例えばサプライチェーンの強靱化について基本指針や個々の物資の取組方針を策定する際にあらかじめパブリックコメントを実施する等、広く国民の意見を聞きながら各施策の詳細を決定しております。このような事前の手続に加えて、毎年、施策の実施状況のフォローアップを行い、その結果をホームページ上で公表するなど、透明性の確保にも努めているところです。
加えて、規制措置については、法第五条に「この法律の規定による規制措置は、経済活動に与える影響を考慮し、安全保障を確保するため合理的に必要と認められる限度において行わなければならない。」と定められていることも踏まえ、施策が適切に運用されるよう留意しております。
また、今回の改正に当たっての有識者会議の御提言においても、経済安全保障政策の推進に当たっては、推進法の趣旨に照らして合理的な範囲で取組を行うことが重要であること、施策の執行に当たっては、事業者の負担、現場での実効性等の観点も踏まえつつ、政府による経済安全保障施策が全体として整合的かつ実効的に実施されるよう、関係府省庁や民間事業者と緊密に連携することが望ましいとされております。この点、例えば、今回の改正により、基幹インフラ制度における民間事業者の手続上の負担等を解消すべく、制度運用の改善を行うこととしております。
引き続き、企業活動との、自由のバランス、これに留意しながら、各制度を適切に運用してまいりたいと思います。
二点目、法の定義についてもお尋ねいただきました。
これまでも、現行法に基づく各施策の運用に当たっては、基本方針そして基本指針等を策定した上で、有識者や国民の意見を聞きながらその詳細を決定しております。今般の改正に当たっても、法案が成立した暁には、パブリックコメント等を実施した上で、現行の基本方針の改定や特定海外事業の促進に係る基本指針の新規策定等を行う予定にしております。
本年一月の有識者会議の御提言において、改正法案の策定に当たっては、プッシュ型の周知を含めて分かりやすく説明するよう努めることが重要とされていることも踏まえ、引き続き、各施策の指針や基準等を民間事業者に明確に示しながら、予見可能性を高めつつ各施策の運用を行い、官民一体で経済安全保障を推進してまいりたいと考えます。
○中村(は)委員 様々な懸念に対しまして非常に丁寧にきちっとやっているということで、安心いたしました。引き続き、この経済安全保障、もちろん大臣が一番力を入れていらっしゃるところだと思いますので、こういった姿勢を大切にしながら推し進めていただければというふうに思っております。
次の質問に入ります。次に、国際的な連携についてお伺いいたします。
二〇二六年、今年です、一月、スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムで、カナダのカーニー首相の演説が国際的に注目されました。報道によれば、カーニー首相は、従来の大国中心の秩序に依拠してきた戦略方針の見直しを示唆するとともに、トランプ政権下の米国外交への牽制の意図も含まれていたとされております。特に注目すべきは、米国依存からの脱却を掲げつつも、米国との関係を完全には避けられない現実に言及した点です。
経済や安全保障面で米国に大きく依存するカナダの立場は、我が国日本と共通する点が多いと考えております。このような状況の中で、カナダからの呼びかけに対し、私は、我が国もミドルパワーの一つに該当する国だと認識しております。経済安全保障の観点から、日本政府としてどのように連携していくおつもりなのか、また、具体的にどのような方策を検討しているのかをお聞かせください。
○三宅政府参考人 お答え申し上げます。
カーニー首相がダボス会議で行った演説と併せて、ミドルパワーを含む各国との連携の在り方、特に経済安全保障の観点から御質問いただきました。
政府といたしましては、自由で開かれたインド太平洋、いわゆるFOIPの提唱から十年がたつ中で、日本を取り巻く国際情勢それから安全保障環境、これは一段と厳しさを増してきております。委員御指摘のとおり、経済安全保障それから新興技術をめぐる国際競争等、新たな課題も生じてきているというふうに認識をしております。
こうした中で、高市総理が先日訪問しましたベトナムでスピーチを行いまして、我が国の外交の柱であるFOIP、これを時代の変化それから新しい課題に対応して進化させていくということを表明したところでございます。また、同様の考え方を、茂木外務大臣も先日、アフリカ訪問の際のケニアでの外交政策スピーチの中でも発信したところでございます。
自由、開放性、多様性、包摂性、法の支配といったFOIPを支える中核的な理念、これは変わらないところでございますけれども、国際情勢がより一層厳しくなる中にあって、自由で開かれた国際秩序を維持強化していくためには、各国の自律性それから強靱性、これを強化していく必要があるというふうに考えております。日本は、そのために、自らの取組を進めつつ、経済、社会、安全保障等のあらゆる分野で各国、各地域と手を携え、共に強くなる、豊かになるべく必要な協力を行っていく所存です。
その上で、具体的には、経済それから経済安全保障の分野について申し上げれば、エネルギーそれから重要物資のサプライチェーン、それから海底ケーブル、データセンターといった、AI、データ時代の新たな経済エコシステムの構築、官民一体での経済フロンティアの共創、ルールの共有、こういった取組を重点課題として進めていく所存でございます。
○中村(は)委員 ありがとうございます。
まさしく、あした、鈴木教授がお話しされるとは思うんですけれども、この経済安全保障の観点の中でも、攻めの経済安全保障という考え方の中で、こういったカーニー首相の呼びかけというのは私は非常にインパクトのあるものだったし、我が国にとっては、全然これは他人事じゃないなというふうに捉えた次第であります。
最後に、日中関係についてです。
二〇二六年十一月には、中国広東省でAPEC首脳会議が予定されております。しかし、日中関係は依然としてかつてない緊張感に包まれております。現時点では、日中首脳会談を行える雰囲気にはなく、外交的接触は非常に限定的だと考えられております。一方で、十一月のAPEC開催までの時間的猶予は少なく、緊張緩和や経済分野での協力の準備をどう進めるかが重要な課題です。
そこで、内閣として、十一月のAPEC首脳会議に向けて、日中首脳会談の見通しと、経済安全保障の観点からどのように準備を進めるつもりなのか、政府の見解をお聞かせください。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。
十一月のAPEC首脳会議の際に日中首脳会談を実施するかということにつきましては、現時点では何ら決まっていないということではございますけれども、委員御指摘の経済安全保障の面を含めまして、中国との間では課題そして懸案があるからこそ意思疎通が重要でありまして、日本として、様々な対話にオープンであるということは繰り返し申し上げているところでございます。
その上で、経済安全保障の観点という御指摘がございましたけれども、特に、我が国のみをターゲットにした中国による日本向けの輸出規制につきましては、国際的な慣行と大きく異なり、許容できるものではございませんので、中国側には強く抗議をするとともに、措置の撤回を求めてきているというところでございます。
米国あるいはG7各国を始めとする関係国とも連携の上で、今後も国益の観点から毅然かつ冷静に必要な対応を行っていく、そういう考え方でおります。
○中村(は)委員 ありがとうございます。
今晩、トランプ米大統領は北京入りし、あした、あさってと、中国の習近平国家主席との会談に臨む予定であります。トランプ大統領は、イラン情勢、エネルギー問題に加えて、台湾問題についても触れる予定だと記者団に説明されておられます。台湾への武器供与についても議論する予定だと話されておられます。すると、様々な背景も含めて、日米中それぞれの立場やパワーバランスにも影響を及ぼす可能性も考えられると思っております。
そこで、今回の米中首脳会談によって、我が国にとってどのような影響があると考えられるか、もちろん仮定の質問にはなりますけれども、現時点での政府の見解について、答えられる範囲で結構です、お願いいたします。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。
明日以降、まさに米中首脳会談が予定されておりますけれども、委員からもまさにお話があったとおり、これから起きることでございますので、なかなか難しいところではございますけれども、現時点での私どもの基本的な考え方として申し上げれば、米中関係が日本を含む国際社会の安定に資するものとなることが極めて重要であるというふうに考えております。
こうした観点から、米国との間では、委員からも幾つか御指摘がございましたけれども、中国をめぐる諸課題、そして中東情勢を始めとする国際情勢を含めまして、平素から幅広い分野において様々なレベルで緊密な意思疎通を行っているところでございます。
我が国としては、中国との間で戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していく、この方針は一貫しておりまして、先ほども申し上げましたけれども、中国との様々な対話についてオープンであるということでございます。
冒頭申し上げたとおりで、米中首脳会談の結果について現時点で予断することは適当ではないと思いますけれども、ただいま私から申し上げた基本的な姿勢の下で、今後も国益の観点から冷静かつ適切に対応していきたいと考えておりますし、あわせて、同盟国たる米国との強固な信頼関係の下で、中国に対してその立場にふさわしい責任を果たしていくように働きかけていくことが重要と考えているところでございます。
○中村(は)委員 ありがとうございます。
混乱する中東情勢もそうですし、今回の経済安全保障の議論もそうなんですけれども、何か起きてから、そのときに場当たり的に対応するのでは遅いということで、今まで、我が国のこういった経済安全保障の考え方や、あるいは外交の考え方も、若干ちょっと受け身であった印象が拭えないかなというふうに思っております。かなり複雑化する国際情勢の中で、政府に対してより積極的な対応を求めさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
―――――――――――――
○山下委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。
ただいま審査中の本案に対し、経済産業委員会から連合審査会開会の申入れがありましたので、これを受諾するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
また、連合審査会において、政府参考人及び会計検査院当局並びに参考人から説明又は意見を聴取する必要が生じました場合には、出席を求め、説明等を聴取することとし、その取扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、連合審査会は、明十四日木曜日午後二時から開会いたしますので、御了承願います。
次回は、明十四日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時四十一分散会

