第20号 令和8年6月17日(水曜日)
令和八年六月十七日(水曜日)午前九時四分開議
出席委員
委員長 山下 貴司君
理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君
理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君
理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君
理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君
井出 庸生君 大空 幸星君
長田紘一郎君 尾花 瑛仁君
加藤 貴弘君 金子 容三君
川崎ひでと君 河野 正美君
佐藤 主迪君 平 将明君
田中 昌史君 長澤 興祐君
中田 宏君 平井 卓也君
平沢 勝栄君 文月 涼君
古川 直季君 村木 汀君
吉田 有理君 若山 慎司君
渡辺 博道君 大島 敦君
長妻 昭君 黒田 征樹君
西田 薫君 近藤 雅彦君
野村 美穂君 川 裕一郎君
高山 聡史君 塩川 鉄也君
中村はやと君
…………………………………
国務大臣
(科学技術政策担当) 小野田紀美君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 若山 慎司君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
政府参考人
(内閣官房日本成長戦略本部事務局次長) 鈴木 恭人君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官) 井上 諭一君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 木村 直人君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 渡辺 公徳君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 福井 俊英君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官) 江澤 正名君
政府参考人
(防衛装備庁技術戦略部長) 嶺 康晴君
内閣委員会専門員 田中 仁君
―――――――――――――
委員の異動
六月十七日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 長澤 興祐君
平 将明君 加藤 貴弘君
野村 美穂君 近藤 雅彦君
同日
辞任 補欠選任
加藤 貴弘君 田中 昌史君
長澤 興祐君 尾花 瑛仁君
近藤 雅彦君 野村 美穂君
同日
辞任 補欠選任
尾花 瑛仁君 大空 幸星君
田中 昌史君 平 将明君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
――――◇―――――
○山下委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房日本成長戦略本部事務局次長鈴木恭人君外六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山下委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。平将明君。
○平委員 自由民主党の平将明です。よろしくお願いをいたします。
挑戦しない国に未来はないというのが高市総理の御発言でありましたが、GSC、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想は、挑戦する人、挑戦を支援する人が一堂に会するエコシステムのハブをつくり上げて、科学技術への挑戦を成長ドライバーにつなげていくという取組であります。グローバル・スタートアップ・キャンパス構想により、主にディープテックに関する国内の研究者、スタートアップ、企業、大学、研究機関、投資家、支援者などの関係者が一堂に集うエコシステムのハブを日本国内につくり上げていくという取組であります。さらには、そのことによって既存政策の効果も引き上げるということを目指しているところであります。
そこで、大臣に質問したいと思いますが、まず、基金についてであります。
野党の皆さんから大分基金を取り上げられる機会が多いですが、基金は、イノベーション政策上、予見可能性や信頼醸成、民間の後押しという観点からも私は重要だというふうに思っています。GSC構想における基金の必要性について、大臣の見解を伺います。
○小野田国務大臣 GSC構想の実現には、海外機関等の積極的な関与を引き出し、具体的な連携を進めるため、政府として長期的に関与しながら事業を推進していく姿勢を明確に示すことが必要なことから、連携が想定される海外機関等と国際共同研究への支援等を行うための基金を令和十四年度末までを設置年限として造成したところです。
現在、令和十年度末までの期間で約二百七十億円の執行見込みを持って先行的活動を実施しております。その進捗や成果も踏まえて、海外機関等との具体的な連携に向けた様々な協議、調整を引き続き進めていくには、海外機関等と国際共同研究の進捗状況等に合わせた弾力的な事業活動を行うことが重要でございまして、そのためにも、必要な予算を確保することは重要であると考えています。
先行的活動の運営支援法人を公募した際に世界で実績のある著名な機関が手を挙げてきたのも、基金を造成した効果であったと考えておりまして、引き続き、海外機関等との連携を深め、GSC構想の実現に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○平委員 今大臣から答弁があったとおり、政府がやはり中長期的にコミットをしなければいけないんだけれども、単年度の予算というのはそれに向いていないわけであります。特にディープテックとか、あと海外の関係機関が、じゃ、わざわざ日本に出張ってきてやりましょうといったときに、政府に手のひら返しをされてしまっては、リスクは負えないし、内部で手続も進められないということで、基金を積むというのは極めて重要で。
よく野党の皆さんから、この基金、あの基金、その基金、無駄じゃないかという指摘がありますけれども、私も委員会で聞いていましたが、ちょっと本質的なところの話をすると、大体野党の指摘は、安全保障、同盟国、同志国の連携のところと、あと宇宙、そして科学技術・イノベーションのところにそういった非難が多いように思いますが。
安全保障のところは、相手国がいて、決まらないときは決まらないし、決まるときは急遽決まる、それにちゃんと対応しなければいけないし、金額もでかいので、ここはしっかりやる必要は私は当然あるというふうに思います。たまたま一年、二年、使っていないじゃないか、ほとんど使っていないじゃないかという批判は当たらないと思いますし、また、宇宙とか科技イノベのこういう基金、すぐ削れと言うんだけれども、それは、目先の減税とか目先の料金をただにするための財源のためにすぐそういう議論になりがちですが、これは将来の成長の種を摘むことになるので、ここはやはりしっかり見ていく必要があるんだろうというふうに思います。
今回のグローバル・スタートアップ・キャンパスは特にディープテックなので、ディープテックということは、リスクも高いし、時間もかかるということなんですよ。そこで政府が中長期的にコミットしますという意味で、基金は極めて重要だというふうに思いますので、今後また野党の皆さんからもいろいろな指摘があるかと思いますが、しっかり基金を積んでいただきたい、そのように思います。
二つ目が、このイノベーション創出に、今、デジタルの時代でありますが、何で土地を手当てして建物を建てるんだ、今更箱物かよみたいな、そういう指摘もあるというふうに思います。ここは、何で今箱物なのといったところについて、大臣の御見解をお願いしたいと思います。
○小野田国務大臣 GSC構想は、国内外の研究者、スタートアップ、企業、大学、研究機関、投資家、支援者などの関係者が一堂に物理的に集積し、相互に連携しながらディープテック分野の研究開発から事業化、海外展開までを一気通貫で行う環境を整備することによって、ディープテック分野の研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進し、グローバルな社会課題の解決と国内の経済成長を目指すこととしております。
そのためには、グローバル水準の研究、事業化支援プログラムなどソフト面の支援と、多様な主体が集積し相互に連携、協業しつつ先端技術の研究開発や事業化を行うための研究や、交流スペースなどを有する物理的な拠点と組み合わせた取組が必要であるというふうに考えています。
なお、このように、物理的拠点の整備とプログラム提供の両方を通じてエコシステムの形成に取り組む例は世界でも見られまして、多くの成果が上がっていると承知しています。
研究開発から事業化、海外展開までの一気通貫の支援と併せて物理的な拠点整備に一体的に取り組むことで、ディープテック分野の研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進し、グローバルな社会課題の解決と国内の経済成長を実現してまいりたいと考えております。
○平委員 私も、いろいろなスタートアップとおつき合いがあります。また、企業家同士が事業を一緒にやろうとか、いろいろな新しいアイデアが出てくる場面に同席をしていたり、そういった場面に遭遇することがたくさんありました。
一方で、デジタル大臣として、コロナ以来ずっと社会全体のDXというのも進めてきたところでありますが、私自身の経験からいえば、DXやデジタル化を進めれば進めるほど、やはりアナログの価値の再発見ということにつながるというふうに思います。
実際、新しいアイデアが、私自身も自分でアイデアを出して政策をつくることが多いんですが、どういうときにそういうアイデアが出てくるかというと、形式張った会議とかセッションとかカンファレンスでそういうアイデアというのは余り出てこなくて、リアルな人間関係というのがまず大事で、そういうベースがあって初めて、サイバー空間でのつながりや議論が実りあるものになるし、さらに、それがまたリアルな現場の出会いによって新たなイノベーションのヒントが出てくるというふうに思います。
セレンディピティーという言葉がイノベーションの世界ではよくありますけれども、偶然出会って幸福な発見をするとか予想外の発見をするというのはよくあることで、なので、サイバー空間での議論というのもすごく大事だし、グローバルにどんどんやったらいいと思いますけれども、リアルな現場に世界の多様なタレント、人材が集まって、それが偶然出会って何か話しているときにアイデアが生まれるという、このセレンディピティーというのは不可欠な要因なので、私は、こういうリアルな場面というのは大事だと思うし、世界のスタートアップエコシステムを見ても、これをすごく重要視しているし、セレンディピティーを創出できるような演出の場といったものが極めて重要なので、この建物の設計に当たっても、セレンディピティーが創出されやすいような動線とかそういうものを、場づくりとかをしていただきたいというふうに思います。
その上で、次に出てくる批判が、何で東京なんだ、地方でいいじゃないかと。地方創生の時代だしということもあるし、今地方にいろいろな拠点ができています。何で東京なのかについて、大臣の御所見を伺います。
○小野田国務大臣 GSC構想は、我が国に世界最高水準のディープテック分野のイノベーションエコシステムを構築しようとする事業でありまして、フラッグシップ拠点は、我が国のエコシステムと世界のエコシステムをつなぐハブとなるものです。
こうした拠点の目的に鑑み、立地については、投資家や企業、大学など、イノベーション創出に関わる多様な主体が集積し、スタートアップ創出の素地が整っている都市部へのアクセスが容易であること、そして、国際的な認知度が高く、また、空港からのアクセスが容易であり、国内外の人材を集めやすいことなどの条件を満たす必要があると考えております。こうした観点を含め総合的に勘案した結果、東京都渋谷区及び目黒区の国有地を活用することが適切と判断したものです。
なお、東京以外の日本各地でもイノベーションエコシステム形成に向けた様々な取組が行われておりまして、本構想は、海外との結節点として、これら各地の大学、研究機関や支援拠点等との取組の連携を通じて、東京のみならず日本全体のイノベーションエコシステムの強化につなげたいというふうに考えています。
○平委員 私、東京選出だから言うわけじゃないですが、東京しかないと思います、第一弾は。
というのは、コネクターハブ機能という、まずコアがあって、地域とつながっている。さらに、そのコアが海外ともつながっている。このコアを引き上げることによって、そのつながっている地域全体が引き上がるという、コネクターハブという、よく企業に使うんですが、これは国家も一緒で、東京のコネクターハブ機能をやはりなめない方がいいと思います。あと、世界のそういう最先端の人たちと話していると、海外で、意外と地方という選択肢もあるものの、やはり、東京、しかも一等地。一等地というのは、やはり価値があるから一等地になっているので、そういったところでないとなかなか人が集まらない。
これは結構、成功、難しい事業だと思います。どれだけの人材を集めてくるか。やはり官僚とか政治家が議論すると何かきれいごとばかりの話で、そうなったらいいよねという理想は多いものの、やはりいろいろな……(発言する者あり)何か言いましたか、後藤さん、大丈夫ですか。大丈夫ですね。やじは控えてください。
ということで、そういう東京の機能といったものにやはり人材を集めてくるというのが大事なので、是非、研究者とかスタートアップの人たちの意見を聞いていただきたいと思います。
特に、私はAIの関係者とのいろいろな関係もあるので、やはりそういう人たちから聞いても、地方には確かに魅力がある、でも、東京を拠点にして地方に行くという、大体そういう考え方を言う人が多いです。なので、成功確率を高めるためにも、成功確率を少しでも上げる地域に拠点を置くのが私はいいと思いますし、その上で、グローバル・スタートアップ・キャンパスが成功した後に地方に展開していくということを是非お願いをしたいというふうに思います。
最後に、あと二、三分あるので。
じゃ、この新法人、今度設立しますよね。何をもって成功とするのかというKPI設定、結構難しいと思いますが、こういったKPI設定も必要だと思いますので、大臣の御所見をお伺いします。
○小野田国務大臣 本構想の目的は、国内外の研究者、スタートアップ、企業、大学、研究機関、投資家、支援者などの関係者が一堂に物理的に集積し、相互に連携しながらディープテック分野の研究開発から事業化、海外展開までを一気通貫で行う環境を整備することでありまして、KPIの設定に当たっては、こうした環境の形成をどのように評価していくかという観点が重要であると考えています。
一方で、数値目標のみを設定した場合、その達成を優先する余り、本構想の目的に沿わない形でスタートアップの件数を増やすということにつながるおそれや、ディープテック分野のように研究開発に時間を要する分野の特性を十分に反映できないおそれもあるというふうに考えています。
現在実施している先行的活動の中で、海外での実績のある運営支援法人と連携しまして、数値目標の設定の在り方も含めてKPI設定等について検討を行っているところでありまして、その結果を踏まえて適切に設定をしてまいりたいと考えています。
○平委員 これは足の長い事業、政策だと思いますので、目先のKPIというよりは、腰を据えてやっていただければと思いますし、あと、その他の様々な政策との相乗効果というものを考えながらやっていただきたいと思います。
AIの分野でいえば、日本はやはりアジアにおいて非常に注目されている地域であって、オープンAIもアンソロピックもグーグルも、みんな拠点を日本に置いているということもありますので、そういった意味では、是非、足の長い、AIとかフュージョンエネルギーとか量子コンピューターは腰を据えて一喜一憂せずにやっていただきたいというふうに思います。
まだ、あとちょっと、一、二分時間があるのかもしれませんので。
特に私が期待したいのはやはり量子、フュージョン、AIだと思います。
AIについては、フィジカルAI、バーティカルAI、我々のAIホワイトペーパー二・〇にも書かれているところをしっかりと人を集めてやっていただきたいと思いますし、これは、これから箱を造って、コンテンツのところも大分先行事業が進んでいるようですが、このエコシステムは、つくるのは大事だと思います。
一方で、国会議員のAIに対する理解が本当に低い今現状があるので、特にチームみらいさん、ちょっといろいろ協力してもらいたいと思います。AIというのは二週間ぐらいで状況が変わるので、国会の議論を聞いていると、ほぼほぼ政党はついてこられていない現状がありますので、これは我々もしっかり取り組んでサポートしていきたいと思います。
終わります。
○山下委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 おはようございます。長妻昭でございます。
今、自民党の方から、批判する野党はおかしいという一方的な話がありましたけれども、今の自民党の質問は余りにもお人よし過ぎると思うんですね。何でもかんでもノーチェック、オーケーですというようなことで、一応与党も監視機能を持っているわけですよ、国会ですから。やはり、課題はどこにあるのか指摘しないと。何か、批判する野党はおかしい、おかしいと。それは、おかしい話は、当たり前じゃないですか。国会は……(発言する者あり)いや、平さん、やじはやめてください。
だから、そういうような監視機能がある国会で、批判はおかしいというのは、それこそおかしいんじゃないですか。
今、物価高に国民の皆さんは大変な思いをされておられます。そして、実質賃金もなかなか恒久的に上がるような状況になっていない。現役の人と話すと、いや、消費税の減税とか、あるいは給付金とか、それもありがたいんだけれども、やはり一番政治が考えてほしいのは、十年後、この職業に就いていれば、この産業にいればどんどんどんどん給料が上がる、こういう有望な産業をつくってくれ、もっと言えば、世界一の市場を席巻できる産業を日本に幾つかつくってくれ、こういうようなお話をいただくんです。
私は、これからの政治は、新しいリベラルという考え方、これが必要だと思っているんですね。これまでリベラル勢力というのは余りにも産業政策というのが手薄になっていたというふうに私は考えることでございまして、今、世界的にマッツカートという経済学者が脚光を浴びていますけれども、社会的投資国家という概念がどんどんどんどん出てきて、これは新しいリベラルに通ずるものなんですが、人への投資を通じて、有望な産業をつくっていく、世界を席巻できる産業を幾つもつくっていく、そういう国こそが社会的投資国家、社会的課題も解決し、そして経済の発展も実現する。こういうようなことを目指すというのは、私は本当に重要だと思っているんです。
その中で、政府の今の姿勢で私が気になるのは、余りにも巨大業界の意向を聞き過ぎて、非常に投資がぼやける、数が非常に多くて、満遍なく、それぞれ気を遣って、巨大業界からの意向に基づいて分散している、こういうふうに私は問題意識を持っているところでございます。
その中で、政府に、端的に、日本がなぜ産業に後れを取ってしまったのか理由を書いてくださいとお願いしましたところ、十一ページ目、端的に書いていただきました、内閣府の方々が。これは、私は、非常にコンパクトにまとまっていることだと思うんですね。金、人、物の視点で簡潔にまとまっています。
金の観点。民間も含め、我が国の研究開発投資が低調である。この研究開発投資、賃金もそうですけれども、日本の企業のマインドが、投資やあるいは賃金、これは最後の最後の最後に回る、こういう経済の仕組みを変えなきゃいけない。
二番目が、国立大学法人運営費交付金や科研費が、物価上昇に伴い実質的に減少している。これは全くそのとおりだと思うんですね。政府に表を作っていただきましたけれども、七ページ、これは横ばいあるいは減少ですけれども、実質的には、物価が上がっていますので、減少している。
ここに予算をつけなきゃ駄目なんですよ。これに手をつけずに、何か、世界で挑戦する、挑戦する、勢いはいいんですけれども、箱物をいっぱい造る、基金もいっぱい積み上げます、いいんですけれども、一番のポイントが外れているわけですね。
人の観点。博士号取得者数が停滞している点。これはそのとおり。人への投資が足りません。そして、若手、中堅人材の割合が減少傾向である点。そのとおりです。これも、流出しています、海外に人材が。教員の研究時間割合が減少傾向である。忙し過ぎる、大学。
そして、物の観点。研究機器の共用が十分に進んでいない点。これも、いろいろな縦割りとか法律の壁、制度の壁があるわけでございまして、この観点を集中的に改善をしていくという視点が私は重要だと思うんですね。
今回、表を作っていただきました、一ページですけれども、非常に、いろいろな戦略がいっぱいあるわけですよ。官僚の方と話すと、官邸にいっぱい科学技術の戦略があって、どれがどれだかこんがらがっちゃうと。一体、どれがどういう役割で、どうなっているのか分からない。
例えば、大きく三つ。一番右側は、高市首相がおっしゃった日本成長戦略における十七の戦略分野。左が、この前閣議決定した日本の科学技術・イノベーション基本計画。これもなぜか十七に分かれているんですね。そして、今回、ディープテックに該当する可能性のある分野。絞りに絞るというんですけれども、十七全部に丸がついているわけですよ。全部やります、満遍なく、薄く広く。
そして、国会図書館に二ページ目を作っていただきましたけれども、これは、イノベーション基本計画と、高市首相がおっしゃっている危機管理投資、成長投資十七分野、それぞれ重なっているようで、赤いのが重なっていますけれども、重なっていない部分もある。
私が驚いたのは、内閣府の担当者に聞きましたところ、連携の会議はやっているのと言ったら、やっていませんと言うわけですよ。ばらばらでこういうことが行われている。
そして、例えば四ページ、もう一つ、SIPというのもあるんですね。戦略的イノベーションプログラムということで、これは十四の課題、これまた違う科学技術振興策があるわけです。
そして、ムーンショット型研究開発制度、これは私は期待していたんですよ、五ページ。これは、まさにマッツカートが言うミッションエコノミーに通ずる、アポロ計画なんかはそうでしたよね、国が大きなビジョンを持って、国家プロジェクトとしてやる、そうすると、裾野産業、あるいは裾野消費がどんどん伸びていくということなんですが、何とこれが十もある。こんなものは多過ぎですよ、ムーンショット型研究開発。一つか二つですよ、普通は。
そういうようなこと、これは一例ですけれども、余りにもばらばらで、薄く広くやり過ぎている。
私自身は、いろいろな有識者と意見交換をして、日本が世界一の市場を狙える分野は五分野あると思います。世界で一位の市場を狙える分野、今からでも遅くないと考えています。核融合の分野、そしてもう一つが量子技術の分野、そしてゲノム医療の分野、そしてバーティカルAI、特に医療の分野、そして自然エネルギー。こういうところに特化して、集中投資をして、人、物、金を集中する、特に人への投資を重視する、こういうことが重要だというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○小野田国務大臣 かなりいろいろ御説明いただいたので、冒頭に言っていただいた人への投資だったりとか、そういった研究への投資という、基礎研究への投資が必要というのは同じ考えでありまして、まさに、第七期科学技術・イノベーション基本計画においても、こういった、羅列していただいた資料を作っていただきましたけれども、この資料に基づいた、博士人材確保のための経済的支援とか、様々な課題に対してしっかり取り組んでいくべきだと。例えば科研費だとか運営費交付金についても、大幅な拡充を図ることが必要だということも書かせていただいておりまして、この点は同じ思いで、しっかりそこに投資をしていくというのは同じ思いでございます。
十七の分野とか、かぶっているんじゃないかというところなんですけれども、恐らく、ちょっと私も、内閣府の方がどういうところで連携していないというふうに言われたのかがちょっと定かではないんですが、資料にやっていただいた二つの会議が合同で何かをやっているということはないのかもしれないんですけれども、それぞれの分野の研究だったりとか事業だったりというところは密接に連携はしているというふうに私どもは思っておりまして、例えば、グローバルスタートアップが対象とするディープテックに関しても、これはいろいろなスキームがある中ですけれども、GSC構想のスキームを通じて、様々なものの横串を刺して連携していくということもでき得るんじゃないかなと思っております。
○長妻委員 やはり縦割りなんですね、部署が違うわけでありますので。こういう、分散して、担当している官僚もこれとこれとこれが混同してしまうような、そういう非常に、焦る気持ちというか、いろいろなことをやりたい気持ちは分かるんですけれども、もっと選択と集中を心がけていただきたいというふうに思います。
そして、やはり、十年後の飯の種が欲しいということなんですね。十年後、日本はどういう産業で生き残っていくのか、世界の中で、十年後の飯の種を発掘して、世界一の市場を席巻できるような産業をつくるのか、こういう視点を持つことが重要だというふうに思います。
もう一つ質問ですけれども、今回、仮にこの法案が成立して機構ができ上がる、そしてそれが動き始めたときに、このグローバル・スタートアップ・キャンパス構想の基金、これは廃止するということでよろしいんですね。
○小野田国務大臣 基金ですけれども、今、JSTに設置された基金は、フラッグシップ拠点の開所や運営法人の設立前までの先行的な活動等を行うものでございますので、運営法人の設立に際した現行の基金の取扱いについては、今後、先行的活動の実施状況を踏まえつつ適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○長妻委員 二重取りは駄目ですよ、二重取りは。
これは、おっしゃっていただいたように先行研究、先行国際研究事業なんですね、この基金は。ですから、本番の、これができ上がったときは廃止するという前提だと私は考えているんですが、ちょっと今曖昧なので、廃止して国庫に全額返すと。
これは、今、基金が六百三十六億円あるうちに、実際に使ったのは〇・三パーなんですよ。二〇二二年度から積み上げて、〇・三パーですよ。ほとんど使っていない。省庁の貯金箱と言われる典型なんですよ。役所の、政府の内部からも疑問の声が上がっていますよ、この基金。
だから、大臣、曖昧な答弁でなくて、二重取りではなくて、機構が動き始めたらば、基金は廃止して国庫に返納する、これをちょっと明言いただけませんか。
○小野田国務大臣 この基金なんですけれども、元々は今JSTがやっているものを新法人が担うとなったら、それは別のものではあるんですけれども、この基金に関しても、令和十年度末までの期間で二百七十億円の執行見込みを持っておりまして、基金自体が令和十四年末までの時限のものでございますので、そこまでにきちんと使っていくというのが前提だというふうに私どもは思っております。
○長妻委員 そうすると、廃止しないんですか。
○小野田国務大臣 今後の執行状況をしっかり見て検討してまいりたいと考えております。
○長妻委員 ちょっとこれは初めの話と全然違ってきているので、これは今後も詰めていきたいというふうに思います。二重取りだと私は思います。
今回、機構ができて、今日午後視察に行くということでございますが、恵比寿の土地を、国有財産、無償提供する、建物も国が建てて、それを無償貸出しするということなんですが、トータルで、建物の建設費含めて大体幾らぐらいで、いつ頃完成するということなんですか。
○小野田国務大臣 ちょっと、なるべく端的にお答えができるようにと思いながら、建設費に関してなんですけれども、今、有識者の御議論を踏まえた上で検討することとしておりまして、その上で、近年整備された複数の研究施設の建設費の単価の情報を基に、フラッグシップ拠点の想定規模の施設を整備する場合について、当該施設の床面積と工事単価から機械的に算出すれば約九百七十億円相当となるというふうに思います。
○長妻委員 いつが完成ですか。
○小野田国務大臣 済みません、今まだ、様々な、法案の行く先もありますし、設計がどうなるかというところも踏まえて、具体的な、いつまでに完成というのは、現在時点では申し上げられない状況です。
○長妻委員 一千億近くというのは、建物だけですか。一千億円も何にかかる、建物と土地両方ですか。
○小野田国務大臣 土地は無償貸与なので、建物だけです。
基本方針を……(長妻委員「だから、九百……」と呼ぶ)七十億円。ただ、これは確定ではなく、今、その検討を有識者に進めていただいているんですけれども、さっき申し上げたように、当該施設の床面積と工事単価から機械的に算出すると約九百七十億円相当というふうに、今、機械的に算出をしたところです。
基本方針について、国会で法案が通りましたら、今年中に作る予定ですので、そこでもまた具体的なスケジュール感というのは出てくるんだろうと思います。
○長妻委員 これは、いつできるかも分からない、経費も、多分というか、恐らくかなり違ってくるというふうに思いますし、土地面積だけでいうと国会議事堂の建物面積と同じぐらいというふうにも言われて、相当膨大な土地だというふうに思います。
これは、建物の修繕費も国費で今後賄うんですか。維持管理費、修繕費。(小野田国務大臣「ちょっと済みません、確認させてください」と呼ぶ)
○山下委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。
小野田大臣。
○小野田国務大臣 運営費に関しては法人が自前でということなので、維持管理に関しては法人側というふうに想定しております。
○長妻委員 確認します。維持管理費そして修繕費は全部法人側が持つ、こういうことでよろしいんですね。
○小野田国務大臣 運営に関する経費に含まれているというふうに考えております。
○長妻委員 ちょっと事前の説明と違いますけれども、これは国会答弁ですので重いです。
九ページ目ですけれども、私の案は、新しい機構をつくって建物をどんと建てるんじゃなくて、今、この九ページを見ていただきますと、五十以上の研究所が国直轄でもあるわけですよ。認可法人でいったらもっとあるわけですね。こういうものが、余り、活動が停滞しているところもあるわけです、人がいっぱいいるのに。こういうところをネットワーク化して、今回の機能を分散して持たせるということが私は望ましい。こんなにいっぱいあるんですよ、今。本当に停滞しているところもたくさんあるわけです。
そして、今回の法人というのは認可法人ですよね。お伺いすると、認可法人のリストを出していただきました、八ページ。
認可法人に対して無償で国が土地と建物を貸し付けるという例は過去あったんでしょうか。
○小野田国務大臣 各省庁がそれぞれのホームページにおいて認可法人と位置づけている法人について、個別法において、無償貸付けに関する規定は確認できませんでした。
○長妻委員 前例はないわけですよね。
そして、この基金の問題でも大変物議を醸したような、貯金箱的な、使われないでずっとためていたという問題ありのところですし、そして、伊藤穣一さんという方がいらっしゃったときは、MITの分校にすると、この機構を。分校という構想があったんですが、今はもうそれはすっ飛んじゃった。これは岸田首相も、日米首脳会談で、マサチューセッツ工科大学と連携しますというふうにバイデン大統領に言っているにもかかわらず、それがすっ飛んじゃったということで。いろいろ、甘利さんのときの経緯を含めて、もう戻れなくなっているというふうな声を聞きます。やらざるを得ないということで、箱物だからいろいろ利権も出てくるしポストも増える、こういうことだと私は思うんです。
六ページ目ですけれども、さっきもおっしゃったように、海外で成功事例がある。六ページ目、政府が出した三つの成功事例ですが、この非営利法人に対しても、海外で国や州が無償で建物やあるいは土地を貸与しているんでしょうか。
○小野田国務大臣 具体的に絞って申し上げますと、ここには掲載していないんですけれども、米国のニューラボというところは州政府から土地、建物を無償貸与するなどの事例はありますが、ここに記載しているものは、運営費とかの、拠点整備費というものの支援にとどまっているところです。
○長妻委員 これは、聞くと、この三つが代表例で、成功しているということで、これは、お金、補助金は入っているけれども、貸与していないですよね。
だから、さっき申し上げたように、日本に研究所が本当になくて大変であれば建物を建てるというのもあると思うんですが、余っているわけですよ。建物は余って、賃貸して、人はいっぱいいる、総務部もいろいろ、事務の方もいっぱいいて、そういうところを、分散して、そして集中するようなネットワークをつくるということが私は必要だと思います。
いずれにしましても、船頭多くして船山登るという言葉があります。これはもう日本は負けられないと思うんですね。是非、選択と集中ということで、一つに絞って、数を絞って。巨大業界の意向、顔色をうかがって満遍なくやりますというのは、これはもう通用しないと思いますので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。
まず、財務省の政府参考人に伺います。
クールジャパン機構について伺いたいと思いますが、資料一を御覧ください。
これは、経済財政諮問会議で決められた新経済・財政再生計画の改定工程表のところについているものですけれども、いわゆる官民ファンドの廃止、統合ルールというのはどうなっているでしょうか。
○渡辺政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のルールについてでございますけれども、官民ファンドの累積損失につきましては、経済財政諮問会議決定の経済・財政新生計画進捗管理・点検・評価表におきまして、各ファンド及び監督官庁が解消のための数値目標、計画を策定、公表した上で、その進捗状況を毎年度検証し、乖離が認められる場合には改善目標、計画を策定することとしており、それでもなお乖離が認められる場合には、組織の在り方を含め抜本的な見直しを行い、さらに、見直しによる成果が上がらないときには、統廃合を前提に具体的な道筋を検討することとされております。
○後藤(祐)委員 これは五月二十二日の参議院決算委員会で、杉尾議員に対する答弁でも、今の答弁がこのクールジャパンについてあって、見直しにより成果が上がらないときには統廃合を前提に具体的な道筋を検討することとしておりまして、これに沿って対応してまいりたいという答弁がありますが、経産省の政府参考人、クールジャパン機構は他の機関との統合又は廃止をするんでしょうか。
○江澤政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、クールジャパン機構の累積損益に係る修正後計画の目標を下回った場合には、令和四年十一月の財政制度等審議会財政投融資分科会において、他の機関との統合又は廃止を前提に具体的な道筋を検討するとされています。
経済産業省としては、この方針に従って検討会を設置して、対応を検討することとしたいと考えております。
○後藤(祐)委員 廃止又は統廃合というのがルールですよね。やるんですよね。その方向で検討するということですよね。
○江澤政府参考人 まさに、御指摘のとおり、他の機関との統合、廃止を前提に具体的な道筋を検討することとされています。
まさに統合又は廃止が前提となっているわけでございます。統合といった場合、どこと統合するのか、職員の扱いであるとか、さらには既存の保有株をどうするのか、廃止の場合には、既存の保有株の管理をどうするのか、放棄をすればその時点で損失が拡大する懸念もございますので、このため、現時点で具体的にどうするかは予断を持ってお答えすることはできませんが、経済産業省としては、検討会を設置し、まず統合又は廃止を前提として、これが政府の方針でございますので、徹底的な検証等を行っていきたいと考えております。
○後藤(祐)委員 廃止又は統廃合を前提にやってください。
クールジャパンをどうこうというのはこれまでにしますが、では、グローバル・スタートアップ・キャンパスに移りたいと思います。
今、長妻委員もやっておりましたけれども、この基金は、JST、国立研究開発法人科学技術振興機構に設置されているわけですよね。つまり、JSTでこのグローバル・スタートアップ・キャンパス構想は進んできているわけですよね。
実際に、令和七年から十年度にかけて、二百七十億円の執行の使途として、国際研究プログラム二百十億円、事業化支援プログラム三十億円、人材育成プログラム三十億円、これらは既に動いているんでしょうか。JSTが主体となって動いているんでしょうか。
○小野田国務大臣 この財源、JSTに設置された基金を活用するんですけれども、内閣府が先行的活動のプログラム全体を運営することとしておりまして、内閣府が、運営支援法人の選定など、先行的活動の具体的な取組に関する運営管理や付随する政策判断を担って、JSTは、基金管理法人として求められる事務を担っているところです。
○後藤(祐)委員 でも、実際の実務はJSTがやっているわけでしょう。何か、JSTがあたかも余りやっていないみたいな、逃げの説明をしないでくださいよ。JSTで具体的な活動をやっているんですよね。
○小野田国務大臣 JSTが基金管理法人として求められる事務を担っていただいているというふうに思っています。
○後藤(祐)委員 だって、お金はJSTにあるんですから。
そうすると、この法律がなくても、JSTで既に基金を動かしているわけですよ。実際にこういった活動をしているわけですよ。だったら、このグローバル・スタートアップ・キャンパス構想はJSTがやればいいじゃないですか。この法律は要らないんじゃないんですか。
しかも、さっきの長妻さんの議論で、基金は廃止するかしないか、よく分からぬことを言っている。だったら、JSTでそのまま続けて基金を運営しながら、この構想を続ければいいじゃないですか。この法律は要らないじゃないですか。
○小野田国務大臣 JSTは基金管理法人として求められる事務を担っていただいているんですが、運営支援法人の選定とか、先行的活動の具体的な取組に関する運営管理やその政策的判断は内閣府がやっているという状況というのは、先ほど答弁申し上げたとおりです。
その上で、GSC運営法人は、フラッグシップ拠点を運営しながら一気通貫の支援に取り組むこと、これは本番が始まったら。それで、グローバル市場の動向にも敏感に対応できる民間事業者の優れた知見、経験を取り入れること、コンパクトで迅速な意思決定が可能な組織であることが必要でありまして、大規模な独立行政法人であるJSTの一部局としてそのような機能やガバナンス形態を組み込むことは困難であることから、イノベーションエコシステムのハブ構築に適した法人を設立する必要があるというふうに考えております。
○後藤(祐)委員 新しいものをつくる方が余計に人が必要になって、天下りが発生したりとかしますよ。元々の組織で、プラスアルファでお金も人も足せばいいじゃないですか。
配付資料の二ページ目を御覧ください。これは、JSTの既にやっている事業の、ホームページにあった事業説明ですけれども、実際、今度の新しい組織でやろうとしていることって、実用化研究開発の支援、事業化支援、人材育成、こういったことをやるわけでしょう、そういう説明を伺いました。やっているじゃないですか。
これは文科省の政府参考人に伺いますが、JSTは、既に、現に実用化研究開発支援、例えば、そこに線が引いてありますけれども、産学共同実用化開発事業などをやっているんじゃないんですか。また、事業化支援、例えば大学発新産業創出基金事業をやっているんじゃないですか。人材育成、ここはもう人材育成と一つの固まりになっていますけれども、創発的研究支援事業だとか、次世代人材育成事業だとか、研究開発マネジメント人材の基礎・応用力育成事業とか、いろいろ既にJSTはやっているんじゃないですか、文科省。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、事業を挙げられていただきましたが、例えば大学発新産業創出基金事業につきましては、国内の大学等を対象に、基礎的、基盤的研究開発に関する研究成果の普及、活用に向け、スタートアップ創出を目標とした事業化支援として、磨き上げの研究開発を進めております。
また、次世代人材育成事業ということもおっしゃっておられましたが、JSTとしましては、科学技術の振興を図ることを目的として業務を実施しております。御指摘あった次世代人材育成事業は、初等中等教育段階の児童生徒を対象に、将来の科学技術・イノベーションの創出に向けて知識を普及し、関心と理解を増進する業務というようなことで実施しておるところでございます。
○後藤(祐)委員 これだけ多様なことをもう既にやっているわけですから、ここに今回の事業を乗せればいいじゃないですか、お金も人も投入して。実際、基金があるんだから。何で新しいものをつくる必要があるんですか。
それでは、今日午後視察に行くフラッグシップ拠点の予定地の話をしたいと思います。
配付資料三ページ、四ページにその土地の資料がありますが、この土地、幾らですか、大臣。これは単に、この付近の一戸建ての二百平米ぐらいの土地が幾らぐらいで取引されているから、掛ける面積みたいな話じゃなくて、こんな、恵比寿から徒歩七分なんてすごくいいところにこれだけまとまった土地がどかんとあるなんて、ほとんどないですから。例えばマンションを建てたいという人からすると、よだれが出るような土地ですよ。
という、マンションに限らないけれども、ほかのことに使うんだとしたら一体幾らで買いたいという人がいるかという観点から見たときの相場価格、これを、不動産業者なんかの声も直接聞いた上で、お答えください。
○小野田国務大臣 当該土地の令和七年度時点の国有財産台帳価格は約二百億円となっております。
議員御指摘の現在の相場において一概にお答えすることは困難ですが、例えば、国交省の不動産情報に関するデータベースにて周辺土地の取引価格を参照し、当該土地の価格を機械的に算出した場合には約二百七十億円相当となります。
その上で、先生から、不動産会社にも聞いた方がいいという御指摘をいただいておりましたので、当該土地周辺の不動産会社に確認をさせたところ、個別の事情による条件を精査しないと算定は難しいというふうな旨の回答があったというふうに聞いております。
○後藤(祐)委員 それじゃ分からないじゃないですか、幾らで売れるか。マンションディベロッパーに聞いてみたらどうですか。幾らだったらこの土地は売れるんだと、自分の持ち物だとして、それをできるだけ最大化する観点から、一番高く買ってくれそうな人に打診するのが当たり前じゃないですか。ディベロッパーに聞いたら幾らになりますか。ちょっと調べていただけますか。
○小野田国務大臣 ちょっとディベロッパーには聞いておりませんが、どのようなふうに聞き取りができるかというのは、いま一度相談をしたいと思います。
○後藤(祐)委員 国有財産を売った場合に幾らになるかということも考えながら、まあ、この値段なら売らないで生かそう、いや、この値段で売れるなら売ろう、いろいろな判断があり得ると思うんですよ。
是非、その結果どうなったか、ディベロッパーでなくてもいいですけれども、この土地が欲しい人だったら幾らで買うかというのを調べて、理事会に御報告いただきたいと思います。
委員長、お取り計らいをお願いします。
○山下委員長 後日、理事会で協議いたします。
○後藤(祐)委員 それで、施設の方の面積なんですけれども、三ページ目から四ページ目にかけての資料の中で、これは実は、令和六年に、グローバル・スタートアップ・キャンパスフラッグシップ拠点整備に係る基本計画策定に関する調査・検討事業成果報告書、令和六年三月二十八日、こんな、百六十三ページにわたる精緻な報告書があるんですよ。それの概要がこの三ページ、四ページなんですけれども、皆さんの中で、これがあるということをきちんと説明いただいた方はいますか。
この積算はどうなっているんですかと聞いたら、結局、これは全く出てこなくて、昨日の夜九時になってから、七ページ以下の資料が、昨日の夜二十一時二十一分にメールでちょろっと来ました。
それで、まず、延べ床面積について聞きたいと思います。
資料四、つまり、令和六年段階の精緻な成果報告書。これはすごいんですよ。海外の似たような施設を全部調べ上げて、何に使っているかも全部調べて、その七ページ以降、概要があるから見てください、すごいんです、よくできているんです。積算根拠としてばっちりです。これだと、四ページ目の右上にあるように、三万二千八百平米の延べ床面積ということになっていました。
ところが、さっき長妻さんにも答弁をちらっとしていましたけれども、じゃ、これでいいんですねと思ったら、そうじゃないんです。七ページ目から八ページ目にかけてが、昨日の夜二十一時二十一分に来たメールですけれども、七ページ目、五万九千平米程度の延べ床面積が必要となる、これに必要な土地として二万六千平米が必要だと。
どっちなんですか。延べ床面積、六年、前のこの精緻な成果報告書だと三万二千八百平米、昨日の夜になってから来たこのファクスだと五万九千平米。どっちなんですか、大臣。
○小野田国務大臣 GSCの活動には二千人強の多様な主体的な活動ができる施設が必要ということで、先ほど先生に御指摘いただいた資料、私もちょっと見ていなかったので、これはどうしてこう違うのかというのを確認をさせていただきました。
そうすると、令和六年の調査では、開発許可、土地の改変等を取らなければ、延べ床面積が三万二千平米、九百人程度向けの規模になるという結果が出ていて、この面積ではさっき言った二千人規模の施設を建設できないことから、開発許可などにより土地の利用可能面積を増やすことをこの後検討してきたところ、その結果、五万九千平米の延べ床面積を確保し得ることが判明したというふうに聞きました。
事務方による説明が不十分であったため、このようなことがないようにしっかり指示してまいりたいと思います。申し訳ございません。
○後藤(祐)委員 この報告書はすごいんですよ。私は全部読みましたよ。簡単に紹介します。
十ページ目、これは、建築面積九千九百九十七平米で済むんです。かなりゆとりある建て方ですよね、建蔽率六〇%ですけれども。十一ページ目から十二ページ目に、配置計画もこうやって決まっていて、十三ページ目、もうどこにどんな部屋を造るかまで決まっているんですよ。それで、十四ページ目に断面。だから、これは土をいじらないということでしょうね。立面計画だとかが十四ページにあって、十五ページから十六ページは、外装はタイル張りとか、サポートオフィスの床はタイルカーペットとか、全部決まっているんですよ。十八ページにはCGでとてもすてきな、今日午後に皆さん行きますから、ああ、あそこにこんなものが建つんだとイメージしやすいと思いますけれども。
ポイントは十九ページ。これで概算事業費はどうなるかというと、これは、設計費込みで、二〇二四年一月時点ですから、ちょっと時点は違いますが、約三百九十億円を想定しているんです。
大臣、これは、少なくとも二〇二四年一月時点の計画は以上で間違いないですね。
○小野田国務大臣 本報告書では、GSCのベンチマークとなり得る国内外の研究所、インキュベーション施設の調査を行い、施設性能、機能を整理し、GSCの拠点整備に向けた基本計画策定のためのあくまで参考資料として作ったものと聞いております。
○後藤(祐)委員 二〇二四年一月時点ではこの計画で間違いないですね、今じゃなくて。
○小野田国務大臣 参考資料としてこの計画を作った、そう思いますが、先ほど言ったように、開発許可を取らない状況で、九百人程度向けのものとして作っているもので、現在の二千人というものとはちょっと異なるという状況です。
○後藤(祐)委員 さっき長妻さんにもありましたけれども、じゃ、今の案はどうなっているかというと、七ページ目から八ページ目、延べ床面積五万九千平米で、八ページ目に、建設費については、これは設計費は入っていませんからね、当該施設の床面積と工事単価から機械的に算出すれば約九百七十億円、さっき答弁がありました。二・五倍になっているんですよ。延べ床面積一・八倍にして、建設費が二・五倍になっているんですよ。
内閣府の政府参考人、月曜日に私に精緻に説明してくれと言ったけれども、この成果報告書、こんな説明は全然なかったけれども、隠していたんじゃないんですか。隠蔽じゃないですか。
○井上政府参考人 後藤先生、お答え申し上げます。
当該報告書につきましては、この計画を進めるに当たり、様々なケースを調査し、検討を進める必要がございます。そのために外部に委託をして調査をしてもらったものでありまして、それは、あくまでも、それを基に私どもがしっかりとした計画を立てるための参考資料でございます。
その報告書を外部に委託して取りまとめた時期から数年たっておりまして、状況も変わっておりますし、計画の中身も具体化されてきておりまして、その報告書の数字と違っていますが、まさに私どもが事務方から御説明をさせていただいた数字が、現在政府の中で考えている数字でございます。御理解を賜れば幸いでございます。
○後藤(祐)委員 いや、隠蔽じゃないかと言っているんですよ。これは説明のときは言わなかったよ。何で説明しなかったんですか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
本報告書につきましては、私どもとしては、あくまで、計画を立案するための参考資料の位置づけで、決して隠蔽をするつもりはございませんでした。また、この報告書は、実は文部科学省のウェブサイトにも掲載をしておりまして、一般にもオープンになっている文書でございます。
しかし、一方、このような報告書があったということを御説明をしなかったのは誠に思慮を欠いていたと思いますので、申し訳ございませんでした。
○後藤(祐)委員 ただでさえ、新旧対照表を間違って、私から指摘されて直して。
それで、これを、確かにこれはオープンになっているんです、私、探しました、見つけました、全部読みました。そんなことを我々が自発的にやらなきゃいけないの。これだけ、一千億突っ込むんですよ、建物を建てるのに。どうかしていませんか、政府。
三万二千八百の延べ床面積、これは、すごく精緻な、もうこのまま建物を建てられるぐらい、すごく立派なものがあります。じゃ、今の政府の案である延べ床面積五万九千平米のこういう精緻な計画はあるんですか。その積算根拠、これと同じぐらい細かいのはあるんですか、大臣。
○小野田国務大臣 運営法人での活動が本格化する際の活動規模として、先行的活動の実施規模と国内外の先行事例を参照し、研究開発に百チーム程度、事業化、人材育成に百チーム程度、その他大学、国研、事業会社から五十チーム程度、人数としてはおおむね二千人強の多様な主体が活動することを念頭に置いた規模を踏まえて、国内外の研究、イノベーション施設にて備えられている研究、オフィス、コミュニケーション等の各機能において必要な延べ床面積を算出すると、だから、これごとに何万平米とかあるんですけれども、お時間がかかる、大丈夫ですか。(後藤(祐)委員「いいです」と呼ぶ)大丈夫ですか。はい。
○後藤(祐)委員 積算根拠が、このぐらい精緻なものがあるのかと聞いているんです。あるかないかでお答えください。
○小野田国務大臣 例えば、研究、オフィス機能として約二万五千平米とか、積み重ねてみたものはありますが、それと同じ分だけのものがあるかと言われたら、ございません。
○後藤(祐)委員 何でここまで精緻なものが、しかも、これは、世界各国の似たような施設を精緻に分析して、例えば研究ユニットが、どこはどのぐらいの数があって、平均するとこのぐらいだから、このぐらいは必要だよねとか、すごく精緻なんですよ。その精緻な分析したものを、全然違う数字に、ちょっとずれるならいいですよ、一・八倍にしちゃうんだから、延べ床面積。その根拠は。
違います、大臣です、これは全部通告しているんですから。これを一・八倍にしようとした根拠を大臣に聞いているんです。これは通告していますから、全部。
○小野田国務大臣 ちょっと繰り返しになってしまって申し訳ないんですけれども、先ほど申し上げたように、そのときの九百人程度の積算が、いろいろ重ねていった結果、二千人規模になるだろうということを含めて考えたときに、もう一度計算をし直したら、延べ床面積で必要とされるところが変わってきたというところであると認識しております。
○後藤(祐)委員 じゃ、この報告書は何だったんですか。この報告書を作るのに幾らかかったんですか。それは事務方でいいですよ。
○井上政府参考人 申し訳ございませんが、ただいま手元にデータがございませんので、後ほど調べまして御報告をさせていただきます。
○後藤(祐)委員 この報告書を作るのにどれだけお金がかかったかは理事会で報告いただくよう、理事会でお取り計らいください。
○山下委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○後藤(祐)委員 いいかげんじゃないですか。めちゃくちゃじゃないですか。
皆さん、覚えていますか、新国立競技場の話。想像していたでしょう。ザハ案、最初、千二百億円でした。だんだん、お金がかかることが分かってきて、二千五百億かかるという話になって、とてもじゃない、こんなの、まずいんじゃないの、ぜいたく品じゃないのという話になって、取りやめになって、もうちょっと安い仕様でやろうよということになって、隈研吾さんたちのチームの案で、千五百億円ぐらいになりました。
似ているよね。でも、違うんですよ。先に安い案があるんですよ、精緻なやつが。それを、一・八倍の延べ床面積に、大した根拠もなく、どかんと増やしちゃう。そして建設費は、設計費込みで三百九十億円だったのが、設計費を除いて、単純計算、床面積と工事単価から機械的に算出すれば九百七十億円。九百七十億円で済むわけないじゃないですか、これを造るのは実際には再来年とかになってくるんだから。今の建設資材、ナフサショック、人件費、一千億で終わるわけないでしょう。下手すると二千億とか行っちゃうんじゃないですか、大臣。幾らになるんですか、これは。
○小野田国務大臣 済みません、一概に幾らになるかは申し上げられませんけれども、ただ、取りあえず増やしたわけではなく、さっき申し上げた百チームとかを積算していった結果、今の、最初の文科省の出してくださっていた規模では足りないというふうになって、そして、土地を更に拡大して使えるというふうなものを踏まえたら、それだけの面積のものが必要だというふうに考えたというところではございますが、ただ、無駄に高い箱物を造ってたくさんお金を使うことが善だとは私も思っておりませんので、それは、やはり資材高騰等もあって、高騰はしていくかもしれませんが、なるべく早い段階で、有識者の中で基本計画を作っていただいて、適切な工事をやれるように私としては求めていきたいと思います。
○後藤(祐)委員 これは大こけする可能性もあるんですよ。こけたらどうするんですか。
最初にクールジャパンをやった。クールジャパンは不動産を持っていません。株を買っているだけです。ですから、損切りをして株を売っ払えばそれで清算終了です。
私は、いろいろなリスクを取るためのマネーとしてああいったものが、まあ、ちょっと、始めた人の責任問題はあると思いますけれども、時折あってもいいと思う。それは撤退できるからなんですよ。これは、こんなばかでかいものを建てて、失敗したら撤退できませんよ。これを買うとしたら大学ぐらいですよ。でも、東京には大学の定員ってそう簡単に増やせないんじゃなかったでしたっけ。撤退できなくなっちゃうんですよ。
だから、JSTが今やっていることに機能を少しずつ加えながら、お金は少しずつかけたらいいですよ。少しずつ、ああ、これでうまくいくねというのを見て拡大していくのが通常じゃないですか。
大臣に提案します。
これは、フルスペックでいきなりどんとやるんじゃなくて、半分ぐらい、だから、元々三万二千八百平米でこれだけの計画があるんだから、せめてこのレベルに戻した方がいいんじゃないですか。私は、こんなものは造らない方がいいと思っているんですよ、JSTのどこかを借りてやった方がいいと思いますよ。ただ、大臣としても立場はあるだろうから、一回ここまでまとまっていて、まずこのぐらいの施設で始める。
これから見に行く、三ページを御覧ください、このちょうど左、三分の二ぐらいが目黒区で、右、三分の一が渋谷区で、渋谷区側が恵比寿駅から近い。渋谷区側の土地を売っ払って、相当な金になりますよ、マンションか何かを建てれば。そのお金で建てれば、とんとんぐらいで済むかもしれないじゃないですか。
縮小しませんか。三万二千八百だったら、ここ、ちょっと無理すれば収まるかもしれない。税金投入を収めるために、縮小計画じゃないですよ、元々の計画に戻るだけなんだから。大臣、決断すべきじゃないですか。
○小野田国務大臣 参考人からも答弁ありましたけれども、その計画、参考資料でございまして、これでいくという元々の計画というのはちょっと性質が違うのかなというふうに政府参考人の答弁では承知をしました。
その上で、フラッグシップ拠点の規模については、本構想における先行的活動の実施規模、国内外の先行事例等を踏まえれば、研究、オフィス、コミュニケーション等の各機能を備える延べ床面積五万九千平米程度が必要となるというふうに我々としては考えております。仮に規模を大幅に縮小した場合には、これらの機能が分断、縮減され、エコシステムとしての効果が十分に発揮されなくなるおそれもございます。
当該土地及び施設については、我が国全体のイノベーション創出基盤を整備する長期的な投資であることから、必要な規模と機能を確保した上で、民間ノウハウや資金の最大限の活用を図りつつ、効率的な整備、運用に努めていくことが重要であるというふうに考えています。
○後藤(祐)委員 大臣、責任取れるんですか、本当に。これは国立競技場と同じ話ですよ。
しかも、常識的なというか、小さいパッケージが先に精緻にできているんですよ。それを、いいかげんな、積算根拠もない今の状態で一・八倍に増やす、そんなもの、いいですよと言えるわけないじゃないですか、そんないいかげんな積算で。
ちょっと角度を変えて聞きますけれども、クールジャパンは、官民ファンドで、撤退することになるでしょう。まあ、統廃合という形かもしれませんけれども。
この法案で新しく設立される先端技術研究成果活用推進機構、これは国からの出資と民間出資の両方あることを想定していますよね。これは官民ファンドに該当するんですか、大臣。
○小野田国務大臣 官民ファンドとはしないというふうに承知をしております。
○後藤(祐)委員 なぜですか。
財務省財務総合政策研究所のフィナンシャル・レビュー、令和四年第一号というところに、官民ファンドというのは、厳格な定義はないものの、法律上の根拠に基づいて政府又は政府と民間企業が共同で設立した株式会社等を通じて民間事業に対して出資や融資等を行うものであり、財源は一般会計や財政投融資などから出ているもの。
まさに、今回つくる新機構、官民ファンドそのものじゃないですか、大臣。
○井上政府参考人 失礼いたします。
このグローバル・スタートアップ・キャンパス事業、これをどのように行うかというものは、その後、平成六年に、政府で有識者に検討していただきまして、基本方針を定めました。それに基づきまして、現在の事業のプランニングをしている状況でございます。
その中で、官民ファンドという御提案はございましたけれども、現状では、このディープテックのスタートアップエコシステムを構築していくという事業、これは非常にリスクが高くて、官民ファンドとするというよりは、国費で、国の方で支援をして、柔軟な体制でやっていくということが適切であろうという基本方針、有識者の先生方の御意見をいただいているところでございます。
○後藤(祐)委員 はっきり答えないので、いや、この法律上、民間からの出資も国からの出資もある、これは明確になっている。そして、七十七条の「業務の範囲」で、一項三号に「資金の貸付け及び出資を行うこと。」というのは業務範囲として定められている。官民ファンドそのものじゃないですか。実際、スタートアップの株を持って育てるんでしょう。いいことですよ。官民ファンドそのものじゃないですか。
問題は、不動産を、巨大なものを持つということなんですよ。クールジャパンは撤退できたけれども、これは撤退できなくなっちゃうところが大きく違うんですよ。
官民ファンドかそうでないかは、ちゃんと分析した上で、この委員会の理事会に提出していただくようお願いしたいと思います。
委員長、お願いします。
○山下委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○後藤(祐)委員 農水省にもA―FIVEとかいうのがありました。これはもう撤退しました。クールジャパンもそうです。
いや、うまくいくやつもあれば、失敗するやつも多少はあるんですよ、リスクマネーなんだから、民間が供給できない。それは一定そういうことがある。だけれども、いざというときに撤退できるようにしておくことが政治の責任じゃないですか。
ちょっと、伊藤穣一さんをやっている暇がなくなっちゃったから。とはいえ、この話、できちゃった場合に、地方との関係、これはやはりちゃんと考えてあげる必要があって、これは配付資料にも知事会からの要望というのが入っております。六ページに、令和五年十一月十三日、全国知事会から要望が来ていて、東京都心のフラッグシップ拠点ができた場合には、地域スタートアップエコシステム、元々そういう構想もあって、実際動いているんですよ、細かく説明していないけれども、そこで中核的に活動する支援機関との有機的連携、地方大学との共同研究の強化といった、日本全体が一体となったスタートアップ振興施策に留意して進めていくべきじゃないかというお話を伺っていますが、具体的にどういった配慮をしていくんでしょうか、大臣。
○小野田国務大臣 全国知事会の要望書でも示されているとおり、日本全体の持続的な発展のためには、地域においてもイノベーションを創出し、その活力の向上を図っていくことは重要であるというふうに認識しております。
GSCのフラッグシップ拠点は、ディープテック分野において国内各地の大学、研究機関、拠点等における取組と海外のネットワークを結びつける結節点として機能することを想定しておりまして、既に拠点都市の関係者とも今後の連携等に向けた意見交換を行っております。今後も、地域スタートアップエコシステムや地方におけるスタートアップ振興施策ともよく連携しながら進めてまいりたいと考えております。
具体的には、スタートアップ拠点都市等に対してフラッグシップ拠点の成果やネットワーク等を定期的に共有する場を設けるとともに、拠点の運営に当たっては、地域の大学等の所属も残しつつ、拠点では事業化に向けた活動を行うですとか、一定の成長段階に達した後は施設を退去するとの基準を設定する、また、技術実証や試作ライン立ち上げ等のフェーズは、拠点都市等とも連携しつつ、当該地域での活動を促していくなどの取組を検討してまいりたいと考えております。
○後藤(祐)委員 平さん、いなくなっちゃったけれども、これがまさに政府の言うきれいごとなんですよ。地方で頑張って、スタートアップ支援、いろいろやっている、なけなしの金で、桁が違うお金で。そこでやっと育ったスタートアップが、こんないいところに出てきて、海外のおつき合いしたい人とどんどんおつき合いできて、地方に本当に戻りますか。その地方にしかないようなリソースを使ったスタートアップだったら戻るかもしれないけれども、いやいや、東京の方が全然やりやすかったら、一方通行になっちゃう、ストロー効果になっちゃう可能性は大いにあるんじゃないんですか。それを心配しているんですよ、地方は。今の答弁で、いや、そうはなりませんとはとても聞こえない。
もう一つ確認しますが、これは民間にとってもそうなんです。大臣に聞きますが、民間事業者が運営しているスタートアップのアクセラレーションあるいはインキュベーション施設、いっぱいあります。こういった民間の活動も阻害しちゃう可能性があるんです。クラウディングアウトですよ、まさに。これは、十分な連携はせめて図るべきだと思いますが、具体的にどういう配慮で進めていくんですか。
○小野田国務大臣 GSC構想は、ディープテック分野におけるスタートアップのエコシステムを我が国に構築する試みであり、民間事業者による取組と競合するというよりは、むしろ連携することに主眼を置いた取組でして、具体的には、スタートアップ等に向けて、不足するラボを、スタートアップが使うラボは不足しているという話があるので、このラボを整備しつつ、既存の大学や研究機関、民間のインキュベーション施設やラボ等を紹介して、その研究施設、設備の効率的かつ効果的な活用を促していくこと、そして、民間のアクセラレーションプログラム等と連携することで、事業化や成長の段階に応じた切れ目のない支援につなげることなどによって相互に補完し合う関係を構築していくことを想定しております。
○後藤(祐)委員 またきれいごと答弁ですが、これは本当に気にしてあげてください、地方も民間も。附帯決議、ここのところですから。私は、この法案はいかがなものかと思うし、JSTがやればいいと思うし、この設備、施設、とんでもないと思うけれども、ただ、地方とか民間には配慮しなきゃいけないから、そこは、与野党を超えて、賛否を超えて、ちゃんとそこは附帯決議としてお願いしていますので、そこはそこでちゃんとやっていただきたいと思います。
少し、最後、伊藤穣一さんに行きますが、伊藤穣一さんは、MITのメディアラボ所長を二〇一一年からずっとやっていましたが、二〇一九年九月に辞めました。二〇二一年九月にデジタル庁が発足するときに、五ページ目に経緯があります、初代デジタル監に就任という話もありましたが、起用を見送られました。この頃にはエプスタイン氏からの資金提供を受けていたことが明らかになったからではないかというふうに言われています。そこは今聞きません。
ただ、問題はその後、まさにこの伊藤穣一氏を、まさにMITメディアラボ所長を辞任した後、かつデジタル監就任見送りの後、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想のアドバイザーに二〇二四年一月から三月、エグゼクティブアドバイザーに二〇二四年四月から二〇二五年七月、ステアリングコミッティー構成員が二〇二五年七月から二〇二六年三月、何で伊藤穣一さん、したんですか。
○小野田国務大臣 御指摘のデジタル監の起用に関しては、他省庁の所管であり、お答えする立場にはないんですが、伊藤穣一さんは、デジタル庁発足直後の二〇二一年九月から本年三月までデジタル庁デジタル社会構想会議構成員も務められていたと認識しております。
伊藤氏については、海外のイノベーションエコシステムに詳しく、海外大学や企業、投資家等のグローバルなネットワークを有しているところ、二〇一九年にMITメディアラボ所長を退任し一定の責任を取っていること、そして、当時MITが委託した法律事務所の報告書により客観的な事実関係が整理されていたことから、御指摘の各役職においてGSC構想に関する助言をいただいていたものであると承知しておりますが、現在は、本構想のどの役職からも退任しております。
○後藤(祐)委員 遅いですよ。統合イノベーション戦略二〇二四では、MITを始めとする海外トップ大学との連携の下云々とあるんですが、これは伊藤穣一さんが中核的役割を果たすことが前提になっていたんじゃないんですか。
これは、退任しちゃっていますけれども、MIT始め海外トップ大学との連携を図れる方、いるんですか。
○小野田国務大臣 伊藤氏は海外のイノベーションエコシステムに詳しくというところをいろいろ申し上げましたが、そのアドバイザーやステアリングコミッティーの構成員として責任を持って対応いただいていたけれども、意思決定権は有しておらず、あくまで助言をいただいていたものと認識をしております。
構想の推進に当たっては、伊藤氏を含む様々な有識者の方々の助言を踏まえつつ、政府として必要な意思決定を行ってきたところでありまして、御指摘の統合イノベーション戦略二〇二四における記載に関し、特定の人物が中核的な役割を果たすことを念頭に置いたものではなく、そのような事実はないというふうに承知しております。
○後藤(祐)委員 スタートアップ支援とエコシステムをつくることは大事ですよ。お金をかけることもいいでしょう。余りにずさんです。ちょっと足を止める必要があると思いますよ。是非、与党の皆さん、よくお考えください。大臣も政治決断すべきだと思います。
終わります。
○山下委員長 次に、黒田征樹君。
○黒田委員 日本維新の会、黒田征樹でございます。
本日は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案ということで、質疑を進めさせていただきます。
本法律案は、ディープテック分野のスタートアップ創出を国家戦略として推進するということであります。
現在、日本のスタートアップエコシステムの国際的な立ち位置は非常に厳しい状況に直面しているというふうに認識をしております。
ユニコーンの企業数は、米国が千社近くあることに対しまして、日本は僅か十社程度というところにとどまっております。IPOの時価総額を見てみると、シリコンバレーの平均が八千億円以上に対して、東京は僅か二百億円余りということで、世界トップのベンチャーキャピタルのアジアへの投資件数でも、中国、インドが千五百件以上あることに対しまして、日本は僅か十件程度にとどまっているということであります。
また、世界では、デジタル分野のみならず、ディープテックの分野においてもスタートアップがイノベーションをまさに主導しております。例えば、気候変動の対策ではリシオス社、バイオテックではセンティバイオサイエンス社、AI・ロボティクスではアプトロニック社。いずれも大学発、研究者発のスタートアップが数百億円を調達して、社会課題の解決と経済成長を同時に実現をしているということで、日本では、研究シーズはあるものの、事業化を見据えたエコシステムが未成熟でありまして、スタートアップが成長するために不可欠なグローバル市場へのアクセス、これが非常に限定的であります。
この法改正はその根本的な課題に正面から取り組むものであるというふうに私自身も考えておりますけれども、この取組自体は全力で応援したいというふうに思います。
その上で、この改正が絵に描いた餅にならないように、機構のガバナンス、財源の持続可能性、研究セキュリティー、そして国際競争力の観点から、政府の具体的な考え方をお聞きしていきたいというふうに思います。
今話題になりましたGSCのフラッグシップ拠点が整備される予定でありますけれども、これは世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブを目指すということであります。
そこで、お伺いしますけれども、GSCフラッグシップ拠点の具体的な成功の姿、すなわち、十年後にどのような状態であれば成功と評価できるのか、定量的な目標、質をどのように設定しているのか、お聞かせいただきたいというふうに思います。
〔委員長退席、中根委員長代理着席〕
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
KPIにつきましては、御指摘のとおり重要な指標であると考えておりますし、まさに御指摘のように、スタートアップの創出の数あるいは成長規模といった形で具体的な数値目標を設定するという考え方もあるというふうに承知をしております。
一方で、数値目標のみを設定した場合には、その達成を優先する余り、本構想の目的に沿わない形でスタートアップの件数のみを増やすということにつながるおそれ、あるいは、ディープテック分野のように研究開発に時間を要する分野の特性を十分に反映できない、そんなおそれもあるというふうに考えておりまして、具体的なKPIの設定につきましては、現在実施しております先行的活動の中で、海外で実績のある運営支援法人、これらの方々と連携をいたしまして、数値目標の設定の在り方も含めて検討を行っているところでございます。
こういった結果も踏まえて、適切にこのKPIの方を設定してまいりたいと考えてございます。
○黒田委員 ありがとうございます。
確かに、数だけの目標をもって評価するというのはいささかどうなのかなという部分はありますけれども、やはり、質をどのように指標で測るのかというところが非常に重要かなというふうに思っておりますので、そういったKPIの体制というものはしっかりと構築していただきたいなというふうに思います。
本改正では、GSC機構の業務のために必要であると認めるときは、行政財産を無償で貸し付けるということが規定されております。この国有財産の無償提供は、公正な競争条件の観点から慎重に論じる必要があるというふうに考えております。
行政財産の無償貸付けを認める根拠と、ほかの民間企業との公平性をどのように確保するのか、また、その評価、見直しの仕組みをどのように考えているのかというところをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○井上政府参考人 先生おっしゃいますとおり、行政財産の無償貸付けは大変慎重な検討を要するところでございます。国有財産法第十八条第一項及び同法第十九条等において規定されてございます。
これについて、無償貸与等をするに当たっては、国において慎重な検討をしました。内閣府において、フラッグシップ拠点の、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想基本方針、これをまず、有識者の皆さんも含め検討していただいて、決定をいたしました。この考え方に基づきまして、さらに、有識者の会議を開催しまして、公益性、公正性の観点、また、業務の確実な実施のための必要性、その観点から、政府として、行政財産の無償貸付けを認めるということで決定をしたものでございます。
他方、御指摘のとおり、無償貸付けによる優位が民業圧迫とならないように、利用条件、例えば賃料水準やサービス提供の在り方について、市場をゆがめないように配慮しつつ、入居や支援の対象は広く開かれたものとなるよう、これは国として、毎年度、機構の予算、事業計画、資金計画を認可する際に確認することにより、民間の参画機会の確保、また補完的な関係を構築していくこととしております。
また、具体的な入居者の選定基準や審査プロセスについては、今後、拠点運営に責任を有する運営法人において、透明性、公平性、中立性を確保しつつ、国の政策との整合性やフラッグシップ拠点の目的を踏まえて策定、運用していくとともに、事業の実施状況についても必要に応じて公表するなど、国民への説明責任を果たしていくということが極めて重要であると認識しております。
○黒田委員 ありがとうございます。
この国有地の無償貸付けというのは、非常に重要な意思決定だというふうに思います。先ほど、必要に応じて国民に公表するということでありましたけれども、ここはやはり、しっかりと透明性を確保するために公開をするという、その意識はしっかりと高めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
続きまして、GSCの先行的活動として、これは三年間で、国際研究プログラム二百十億円、事業化支援プログラム三十億円、人材育成プログラム三十億円、合計二百七十億円の予算が計上されているということでありますけれども、この規模は、アメリカのDARPAプログラム、これは約十億ドル規模と言われておりますけれども、これと比較しても非常に小さいように感じます。
この予算規模で世界最高水準のイノベーションエコシステムを構築できる、そういう根拠があるのかどうか。また、中期的な財源確保、国内外の企業、投資家からの資金調達の見通しについてお示しいただきたいというふうに思います。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
この先行的活動でございますけれども、まさにその名のとおり、最先端の研究活動を先行的かつ効率的、効果的に行うことによって世界から優れた人材あるいは投資を集める呼び水となるような取組でございまして、そういった性格上、現時点においては、その事業規模、御指摘のあったように、DARPAなどと比べますと比較的少額であるものの、この構想の実現には不可欠なものであるというふうに考えてございます。
他方で、委員御指摘のとおり、今後、運営法人が設立をされ、GSCの構想の活動が本格化する段階においては、民間資金を効果的に呼び込んで、運営法人の自立的、持続的な経営基盤を確保していくことが重要であると考えております。
このため、このプログラムの実施状況に関する情報については積極的に公表させていただいて、本構想の取組に関する透明性を確保する。そのことによって、国内外の投資家などの本構想への更なる信頼と参画意欲の醸成につなげるべく、公表すべき項目、あるいは時期なども含めて、今後、具体的な検討を行っていきたいと考えてございます。
〔中根委員長代理退席、委員長着席〕
○黒田委員 積極的に公表していただくということで、PDCAのサイクルをしっかりと機能させていくということを要請したいというふうに思います。
続きまして、現在、この先行的活動は、様々な運営支援法人が各プログラムを実施をしております。本改正によりましてGSC機構が設立された後、これらの支援法人から円滑に移行することが課題じゃないかなというふうに考えておりますが、運営支援法人から本体の運営法人への移行に際して、蓄積されたノウハウ、ネットワーク、人的資本が失われるリスク、これをどのように管理するのかということと、移行計画の具体的な内容と時間軸をお示しいただきたいというふうに思います。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
ただいまお尋ねがございました、移行に当たってのノウハウなどの継承についてでございます。
これは、先行的活動の期間において、研究開発支援におけるプログラム設計やマネジメント手法、あるいは事業化支援におけるカリキュラム、メンターリスト、そしてネットワーク形成手法などにつきまして、委託契約に基づく報告書の提出などを通じて体系的に蓄積をして、運営法人の活動に確実に生かしていく、そんなことを考えてございます。
そして、その際、これらのノウハウにつきましては、その重要性に鑑みまして報告書を非公表とするなどの情報管理を徹底することで、不必要なノウハウの流出が生じないように適切に対処をしながら、新法人へ速やかかつ確実に引き継いでいく予定としております。
こうした取組を通じまして、運営支援法人が有する優れたノウハウやネットワーク、これをより強固なものとして運営法人に引き継いだ上で、同法人に期待される役割を果たすことができるように、私ども、先行的活動を強力に推進してまいりたいと考えてございます。
○黒田委員 よろしくお願いします。
それでは、時間も余りありませんので、役員の報酬についてであります。
この機構の設計として、理事長、理事、監事、評議員会が置かれて、財務、会計については主務大臣の認可が必要とされております。
一方で、GSCが世界最高水準のイノベーション拠点を目指すという中においては、国内外の卓越した研究者、起業者、経営人材を確保することが不可欠であります。
そういった中で、役員、職員の報酬の処遇、これをどのように設計をしていくのかというところと、また、従来の独立行政法人の給与水準の制約、これをどのようにしていくのかというところをお答えいただきたいというふうに思います。
○小野田国務大臣 GSC構想の運営法人においては、ディープテック分野の研究開発やスタートアップの事業化を効果的に支援していく観点から、研究開発、事業化、グローバルなネットワークへの接続といった分野の知見や経験を有する人材を確保していくことが非常に重要です。
御指摘のとおり、海外も含めた優秀な人材を呼び込むためには、海外の研究機関等と比較しても魅力ある待遇となるように柔軟な対応が必要であるというふうに重々認識しておりまして、具体的には、給与水準に加えて、研究費、研究設備、共同研究機会、支援体制など、全体として魅力ある条件を整備することもそうなんですけれども、処遇の在り方についても、定款や各種規程により柔軟な対応が可能となるように検討してまいりたいと思っております。
○黒田委員 ありがとうございます。
これは、単なる、先ほどもありましたけれども、箱物と言われるようなもので終わることじゃなくて、しっかりと世界で戦える、そういうことを担っていただくということを御期待申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、森ようすけ君。
○森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
このスタートアップの話は、私、前職で、自分で会社を立ち上げてスタートアップの経営を実はしていたこともあって、我が国のこのスタートアップをめぐる環境って、もっともっとやることがあるなというふうに、そのときも感じていたことがあったんですね。
例えば、地域の信用金庫に、創業したときに融資を借りようと思ってお金を借りに行ったときに、そのときは経営者保証をつけなくていいというふうなことが金融庁からいろいろガイドラインが出ていたんですけれども、それを持って信用金庫に行ったら、うちの信用金庫は関係ないよと言われて、経営者保証を立てないとお金貸せないよというふうに言われて、すごく失望したことがあって、今でも、周りの経営者仲間とかに聞くと、改善傾向にあるものの、なかなかまだまだ経営者保証が求められるという声があったり。
私のときは、政策金融公庫さんに行ったら保証なしで借りることができて、さすが公的金融機関は助かるなとか思ったんですけれども、まだまだこのスタートアップをめぐってはいろいろとやることがあるんだろうなというふうに考えている。そうした私自身の経験も踏まえて、今日はこのグローバル・スタートアップ・キャンパス構想についてお伺いしていきたいというふうに考えております。
まず、スタートアップ政策全体についてお伺いをしていきたいんですが、二〇二二年の岸田政権の際にスタートアップ育成五か年計画というものを取りまとめて、官民によるスタートアップ政策の全体像ということを方針立てて取りまとめたというところでございます。
その中で三本柱が掲げられていて、一つ目の柱がスタートアップ創出に向けた人材、ネットワークの構築、そして二つ目が資金供給の強化と出口戦略の多様化、そして三つ目がオープンイノベーションの推進、この三つの柱を一体として推進していくというような計画がまとめられたところでございます。その中の一つ目の人材、ネットワークの構築という柱の中に今回のグローバル・スタートアップ・キャンパス構想が示されたというのが、この法改正の議論の出発点になったというふうに認識をしているところであります。
そして、このスタートアップ育成五か年計画の中では目標というのも書かれていて、極めて野心的な目標が入っているんです。
具体的に言いますと、創業の絶対数と、創業したスタートアップの規模の拡大を包含する指標として、スタートアップへの投資額に着目をするといったことが掲げられていて、具体的な目標額がどうなっているかというと、過去五年間で二・三倍に増えましたと。二〇一七年の三千六百億円から二〇二一年の八千二百億円へと二・三倍に増えたことで、二〇二二年の時点ですけれども、八千億円規模であるが、この五か年計画の実施によって、五年後の二〇二七年度ということで、来年度ですけれども、十倍を超える規模、十兆円規模とすることをスタートアップへの投資額の目標として、極めて野心的な目標をこの五か年計画で掲げられたわけですけれども、五年前の八千億円に比べて、足下、二〇二五年、こちらの投資額というのは、数字としては幾らなんでしょうか。お願いいたします。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
二〇二二年に策定いたしましたスタートアップ育成五か年計画で目標としたことについての進捗状況についてのお尋ねでございます。
二〇二五年の速報値では、スタートアップの投資額といたしましては七千六百十三億円と、その目標には到達していないところでございますが、一方で、五か年計画の取組を進めてきた結果としまして、我が国のスタートアップ企業数は二〇二五年に過去最多の二万五千社となっておりまして、五年で約一・五倍に増加しているところでございます。
また、ユニコーンの数につきましては、五年間で一・三倍、それから、上場してユニコーンと同等の規模となった企業につきましては約二倍、それから、さらに、時価総額が五百億円以上一千五百億円未満ということで、いわばユニコーン予備軍と呼べる未上場企業については約三倍となるなど、我が国のスタートアップエコシステムは着実に発展しつつあるところであるというふうに認識しております。
○森(よ)委員 今、様々な指標を使って御説明をいただいたんですが、この五か年計画というのは極めて野心的な目標を掲げていたんですよね。スタートアップに対する投資額として十倍近い、十倍を超えるような規模という目標を立てた。そうした中で、数字で見ると、足下は七千六百十三億円ということで、減少しているんですよね。ユニコーンの数でしたりスタートアップの数は増えているという御答弁をいただきましたけれども、絶対数と目標値を比べると、全くたどり着いていないというところが数字から見て明らかなところなんです。
例えば、スタートアップは一・五倍、二万五千に増えたという答弁を今されたと思いますが、目標値はどうなっているかというと、将来の目標は十万社なんですよね、スタートアップというのは。伸び率でいうと、四年前と比べて一・五倍に増えたんですが、投資額は十倍を目標にしていた中で、幾ら増えたといっても、たかが、たかがとは言いませんけれども、一・五倍なんですよね。
なので、当初計画をしたこの五か年計画の目標と比べると、進捗状況は著しく芳しくないというのが向き合わないといけない現実なんだと思います。様々スタートアップ政策をやられていますけれども、本当に効果があったのか、効果がない施策がいっぱいあったんじゃないかということは是非検証しないと次に進めていけないと思うんです。
そうした中で、御質問、お伺いしますが、こうした目標に投資額が大きく及んでいない現状、そして、スタートアップの企業数は増えているけれども微々たるものだ、こうした現状について、原因をどのように政府として捉えているのか、お伺いいたします。
○鈴木政府参考人 お答えをいたします。
委員今御指摘いただきましたとおり、これまで取組を進めてきたところではございますけれども、スタートアップエコシステムにつきまして、育成五か年計画で掲げた目標には達していないということは御指摘のとおりでございます。
この間、スタートアップへの投資額につきましては、二〇二二年以降、世界的に市場が落ち込んでいるという状況にございます。民間の調査結果におきましては、海外における二〇二五年の投資額につきましては、二〇二一年と比べまして、アメリカでも三〇%減、それから、イギリスでも約四六%減、中国では約六二%と、非常に世界的に大きく減少しているというところでございます。
こうした中で、我が国におきましてもこの間の投資額は減少したというところでございますけれども、その投資額の減少の度合いにつきましては、今挙げました国と比べまして、その減少幅が相対的には小さいということでございまして、二〇二五年の投資額は、二〇二一年と比べまして一五%減少というところにとどまっているというところでございます。
世界的に厳しい資金調達環境を背景に、ユニコーンの企業数も大きくは増加することができなかったというところだというふうに承知しております。
○森(よ)委員 政府が効果検証をするときというのは、いい効果が出たときは、施策のおかげと言うんですよね。悪い結果が出ているときは、他国もそうだからという言い訳を言うんですよね。
なので、こうしたふうな振り返りをしている限り、いい政策というのは絶対出てこないので。おっしゃるとおりで、他国と比較したときに、中国は六二%減ってきた、英国は四六%減ってきた、アメリカは三〇%減ってきた、日本は一五%しか減っていないので頑張ったでしょうと言っていたら、これは改善されないですよ、やはり。
数字で見ると、確かに減少幅は少ないんですけれども、元々の数が全然違いますからね。中国とかアメリカと比べると、日本のスタートアップの絶対数というのは全然規模が小さいので、そうした中で、この数字を比較して言い訳をしても多分仕方がないことだと思うので、失敗なのかは分かりませんが、そういうところはしっかり振り返った上で、スタートアップ政策を是非進めていただきたいと考えております。
○鈴木政府参考人 しっかりと検証を進めていくということについては、委員の御指摘のとおりだと思います。
このような現状の課題に対応するというために、政府といたしましては、日本成長戦略会議の下にスタートアップ政策推進分科会を設置しまして、検討の上で、スタートアップのスケールアップ、それから、ディープテックスタートアップの支援、地域の経済社会を担うスタートアップの創出、育成という三本柱から構成されるスタートアップ総力創出パッケージを取りまとめて、五か年計画をこれから抜本的に強化するという施策を示したというところでございまして、委員の御指摘も踏まえまして、これから、今回取りまとめられました施策を確実に実行しまして、スタートアップ育成五か年計画で掲げた目標の達成に向けまして、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。
○森(よ)委員 通告していないのに、すごい詳細な答弁が返ってきて驚いているんですが。
強化していただくのはいいことなんですが、スタートアップ政策の強化の方向性が一つ間違っていると思っていて。どんどん積み重ねなんですよね。中道さんの質問にもいろいろ出ていましたけれども、似たような政策が本当にいっぱい積み重なっていて、この政策とこの政策って違いは何だったんだっけというところがスタートアップ政策の一番の大きな課題だと私は認識していますので。強化していくのはいいんですが、要らないことは切り捨てて、その分の予算をちゃんと一つに集中して投下していくということがスタートアップ政策を含めて政策全般に欠かせないことだというふうに捉えていますので、そうしたことを伝えさせていただきたいと思います。
今回のグローバル・スタートアップ・キャンパス構想においても同じような観点があるんですが、それはちょっと後ろで後で質問させていただきますが、まず、根本として、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想というのは、世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブとなるような、そうした拠点を造る、そのための機構を立ち上げる、その上で、恵比寿の国有地に施設とラボを造るといったような内容になっていて、国際的に見てオープンイノベーション支援施設というところを軸にスタートアップが立ち上がってきている状況は認識をしていて、日本においてこうしたハブとなるような施設が足りていないというのは問題意識は理解はするんですが、ただ、余りにも当初の構想から計画がずれてきていること、そして制度設計に懸念があるというふうに捉えていますので、そうしたことを今日はお伺いをしていきたいと考えています。
まず、二〇二四年に、統合イノベーション戦略推進会議においてグローバル・スタートアップ・キャンパス構想の基本方針というものが定められました。この中では、世界トップクラスの海外の大学、研究機関と有機的な連携を図ることということがされていて、例示として、MITであったりとかハーバード大学、カーネギーメロン大学、インペリアルカレッジ・ロンドン、シンガポール国立大学というのが例示をされていたところで、極めてこれも大きなビジョンを掲げていたんですよね、五か年計画の十倍超みたいなですね。それと同じように、こんなすばらしい大学を誘致していくんだ、なのでグローバル・スタートアップ・キャンパス構想という名前だったというふうに思うんです。
ところが、実際、いろいろとその過程で問題があった結果、こうした大学の誘致というところが途絶えたというふうに私は認識をしているところなんですが、現状として、政府において、こうした、当初、様々な国内外の有名な大学を誘致をしていくということを計画をしていた一方で、現状においてこうした誘致の計画がどうなっているのか、その点について大臣にお伺いいたします。
○小野田国務大臣 本構想では、当初、MIT等の海外トップ大学の誘致など優秀な研究者の招聘によりディープテック分野のイノベーションエコシステム形成を目指しておりました。海外大学とは長期にわたって交渉したものの、先方の要求と我が国側の要求が折り合わない状況が続いたことから、海外大学の誘致以外にも、MIT等も含めた国内外の大学、研究者や研究室、アクセラレーター、ベンチャーキャピタル等との連携など、幅広い可能性を並行して模索していたところです。
こうした状況も踏まえつつ、有識者会議において方向性を議論していただいて、令和六年の八月にグローバル・スタートアップ・キャンパス構想の基本方針、これを策定したところ、本方針においては、海外大学の誘致を通じたキャンパスの創設ではなく、複数の海外研究機関等と有機的に連携しながら活動する運営法人を設立することで、引き続きディープテック分野のイノベーションエコシステム形成を目指すこととしたということでございます。
○森(よ)委員 途中で計画変更、方針転換をしたというふうに認識をしたんですが、やはり、MITの分校が来るというと、わくわくしますよね。国内のスタートアップ企業だったりとか研究者も、こんなにすばらしい施設ができて、外国の有名な大学の分校ができたとなると、やはりわくわくして、入ってくると思うんですよ。これがまさに、最初の目的にしていたイノベーションエコシステムのハブとなるような、そんな施設を造るというような、すごい理想的な構想だったわけなんですよね。
この構想をつくったときの一番の根幹になるような、こういう外国の誘致、名前にキャンパスとついていますからね、それが頓挫してしまって、方針を転換をして、そうした有識者だったりとか研究機関だったりとか民間企業だったりとか、いろいろなものを集めることに方針転換したというふうに言うんですけれども、何というか、一番おいしい部分がなくなった上で本当に成功するのかというのは極めて疑問に思うところでございます。
その上でお伺いするんですが、こうした当初の想定どおりに進んでこなかった構想です。方針を転換したわけですけれども、元々の、当初想定した構想どおりにいかなかった原因をどのように政府として捉えているのか、その点についてお伺いいたします。
○小野田国務大臣 GSC構想は、世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブを国内に構築するという、過去に前例のない挑戦的な取組であると認識しておりまして、これまで並行して多くの検討を重ねてきたところです。
検討の過程においては、組織文化や制度、言語等が異なる海外機関を始めとする多様な相手方と必要な交渉を行ってきたところでありまして、こうした検討過程を経て、令和六年八月にGSC構想の基本方針を策定するまでに一定の時間を要したものでございます。
ただ、基本方針の策定以降は、当該方針に基づいて、先行的活動の検討や実施、運営法人の設立に関する検討、設備整備に関する検討を着実に進めているところでありまして、引き続き、構想の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
○森(よ)委員 難航することは恐らく当初から分かっていたことだと思うんですよね。やはりこれだけ、海外の大学を誘致するというのは結構難しいことじゃないですか。それに加えて、一つ、大きな大きな課題が出てしまった。問題が起きてしまって、それが原因のフックになって誘致がなくなってしまったというところで、やはり私が懸念するのは、こうした魅力ある大学がない中で、海外の大学の誘致がない中で本当に成功するプロジェクトになるのかというところがやはり心配なので、そこは大臣、是非、仮にこの法案が成立したときは頑張っていただきたいというふうに思います。
その上で、このグローバル・スタートアップ・キャンパス構想関連で基金が積まれております。先ほど長妻委員からも御質問がありましたが、大事な点だと思いますので、改めてお伺いします。
この基金として、二〇二二年度の補正予算で六十六億円、二〇二三年度の補正予算で五百七十億円の合計六百三十六億円の基金が積まれているわけですけれども、この基金について、現時点における執行の状況、基金の残高、そして執行したものについて具体的に何に使ったのか、その点、三点お願いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
この基金でございます。令和四年度以降、各年度の支出額及び年度末の基金残高でございますが、令和四年度の支出額は約四万円でございまして、その時点での基金残高が六十六億円、令和五年度の支出額は約二千五百万円、基金残高が約六百三十六億円、令和六年度の支出額は約一億四千七百万円、基金残高が約六百三十六億円、令和七年度の支出額が約四億二千五百万円、基金残高が約六百三十八億円でございます。
また、具体的な執行内容でございますが、基金管理主体であるJSTにおきまして、GSC構想の推進に係る人件費、事務費等関連経費がございます。これに加えまして、本格化しております先行的活動におきまして運営支援法人が実施する各プログラムに要する費用でございます。
○森(よ)委員 なので、全く使われていないんですよね。
これは予算委員会でもほかの政党の議員が追及しておりましたが、基金を積んで、しかも補正予算で積んでいるわけですからね。緊要性が高いといって補正予算で組んだ一方で、二〇二二年度に組んだ一方で、昨年度においても四億円ぐらいしか使われていないんですよね。残金でいうと六百三十八億円で合っていますかね、合っていますよね。六百三十八億円も残金が残っていて、これだけ今金利も上がっている中で、現金ですよね、なので、本当にもったいない。補正でせっかく組んだのに、緊要性があるといって組んだのに使わない。それで、現金で持っておいて、お金も増えていかない。極めてもったいない状況になっているというふうに認識をしております。
こうしたように、二〇二二年度の補正予算でせっかく組んだのに執行状況が余りにも悪い。その要因をどのように捉えているのか。そして、仮にこの法案が成立された場合は、改善されてちゃんと使われていく見込みなのか。今年度以降の執行見込みも含めて、大臣、お願いいたします。
○小野田国務大臣 今年度以降の執行見込みについては、先行的活動として令和十年度末までに約二百七十億円を支出する予定となっております。
研究プロジェクト立ち上げ当初は体制整備や研究準備に充てられることから支出規模が相対的に小さく、研究活動が本格化するにつれて支出が拡大していくことが見込まれるものの、単純平均すれば年間九十億円程度の執行を想定しております。これは令和十四年末までの基金なので、そう考えると、しっかり執行できていくというふうに我々としては考えておりまして、仮に法案が成立した暁には、GSC構想の実現に向けた取組を一層加速させることができるように、しっかりと執行を加速してまいりたいと思います。
○森(よ)委員 これは今、先行的活動ということで言っていただいたんですが、三つプログラムがあるんですよね。国際研究プログラム、事業化支援プログラム、人材育成プログラムということで、国際研究プログラムが三年間で二百十億円、残りの二つがそれぞれ三年間で三十億円、累計で三年間で二百七十億円、それが後ろにつながっていくので、使うような計画がありますというような御答弁だったんですが。
例えば国際研究プログラムでいうと、革新的研究テーマというものを設定をして、それのテーマに沿った事業化を目指す野心的な研究者を支援するプログラムなんですよね。なので、二百十億円三年間で執行するという計画なのかもしれないんですけれども、それに見合うような研究者が出てこない可能性もあるじゃないですか。そうすると、結局執行できなくて、執行残が残り続けるわけじゃないですか。
そうしたことについて、ちょっと済みません、質問を入れていなかったんですけれども、この国際研究プログラム、三年間二百十億円というのは、ちゃんと計画どおり研究者が出てきて本当に執行できるのか疑問です、正直。その点、参考人で構いませんので、いかがでしょうか。
○井上政府参考人 お答えいたします。
グローバル・スタートアップ・キャンパスの事業におきましては、世界の研究者を呼び込んで、プレーヤーを呼び込んで、事業を行うこととしてございます。
まさに今、先行的活動を開始しているところでございますが、私どもとしては、十分に、このお金を使い切るぐらい世界から優秀な人材を呼び込めると考えております。
○森(よ)委員 意気込みはすばらしいんですが、本当に使い切れるか不安で仕方ないので。
まさに、最初、五か年計画で十倍にするという野心的な目標を掲げて、全く実現できていないわけなんですよね。なので、この国際研究プログラム、三年間二百十億円も、ちゃんと使えるのか。そして、使い切ればいいというものじゃないんですよね。本当に成果があって、効果がある研究者に対してお金を配ることができるのかということをちゃんと検証しないと本当に意味がないですし、これが三年じゃなくてその後も続くプログラムになっているので、ちゃんと三年間のタイミングである程度効果検証をして、本当に使い切れなかったら基金を返還するとか、そういったことを是非御決断いただきたいと思いますので、そうした効果検証は、この部分、お願いしたいと思います。
基金残高については、こうした先行的活動で、三年間に限らず今後も使い切っていくということだったと思うんですが、念のため確認するんですが、この基金残高をGSCの建設費に充てることはないということでよろしいんでしょうか。お願いいたします。
○井上政府参考人 お答えいたします。
この基金は先行的活動を実施するための基金でございます。そのほかの用途の経費については、別途、今後財政当局等に要求していくということになります。
○森(よ)委員 今後財政当局に要求していくということで、次の質問に移るんですが、これも先ほど議論にもなりましたけれども、建設予定地の、恵比寿から徒歩十分弱ぐらいの、すばらしい立地の土地を無償で今回機構は借りることになっているわけですけれども、この国有地の価格を改めてお伺いをしたいのと、建設に当たる、施設の建設費用、これも幾らなのか。そして、毎年の維持、メンテナンス費用、これは国が負担するのではなくて機構が負担すると先ほど答弁いただきましたが、この維持費用についてどれくらいを想定をしているのか。そして、これは無償で貸与することになっているんですが、仮にこの施設を有償で貸し付けた場合は、年間どの程度の金額になるのか。この点、数字をお願いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
当該土地の令和七年度時点の国有財産台帳価格、先ほど大臣からも御答弁ありましたが、約二百億円ということでございます。
建設費、維持費につきましては、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の基本方針に基づきまして、現在、有識者会議において、施設整備の基本的な方針等を定める基本計画について、専門的見地から御議論をいただいているところでございます。この有識者会議での御議論も踏まえた上で、拠点整備に必要な建築費、維持費、入居者の賃料水準、これを踏まえた収支等を含め検討をすることとしております。
その上で、近年整備された複数の研究施設の建設費の単価の情報などを基に、フラッグシップ拠点の想定規模の施設を整備する場合について概算をしますと、これも先ほど大臣から御答弁ありました、約九百七十億円程度と考えております。
また、この建設費につきましては、今後検討いたします施設の機能や仕様、接道や高低差など敷地の状況、工事着工までの建設物価の情報などにより大きく変動すると認識しておりまして、この基本方針に基づいて、民間ノウハウ、資金の最大限の活用などを基本として適切に検討してまいりたいと思います。
また、建設後の維持管理費用についてもお尋ねがございました。
これは、現在の構想では、中長期的にこの法人が自立的、持続的に運営を行うということで、基本的には、入居者の施設利用に伴う収入等を活用して施設管理を含む一般管理費を賄うこととしてございます。
○森(よ)委員 答弁が若干漏れていたんですけれども、今、この施設を仮に貸し付けた場合は年間どの程度の金額になるのかというところをお伺いしたいんです。
今、建設予定の国有地の価格は、国有財産台帳価格で二百億円と言いましたが、これも恐らく、普通に売り出したら二百億円じゃ絶対に済まないので、二百億円前提で計算するのはそもそも間違っているというふうに認識をしているんですが、それも含めて、この二百億円、そして施設の建設費用は九百七十億円、維持費用は、御答弁、答えがなかったんですけれども、これも文科省の委託報告書を見ると、ここも、費用の項目で、維持管理費が年間二十九億円と書いているんですね。ただ、建設工事費は三百九十億円と書いていて、これが三倍近く膨れ上がっているので、多分、維持管理費も二十九億じゃ済まないんだと思うんです。同じように三倍にすると百億弱ですよね。
これだけの費用がかかるんですが、仮にこれだけの費用がかかるものを、施設を有償で借りた場合、有償で貸し付けた場合、どれくらいかかるのか。通告していますので、お願いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどは失礼いたしました。あくまで一般論として申し上げますと、土地の価格約二百七十億円、また、住宅用途として定期借地権を設定する場合、借地料は年間八億円程度と見込まれるところでございます。
○森(よ)委員 そんなに安いですかね。二百七十億円の土地を毎年借りたら八億円というのは安いなと思ったのと……(発言する者あり)安いですよね。借りますよね、そうしたら。
あと、施設の建設費用は九百七十億円ですよね。なので、この分も、仮に有償で貸す場合は乗ってくるわけですよね。なので、今の前提の数字も低過ぎると思いますし、プラス、一千億弱の建設費用、一千億で収まらない可能性も明らかに見込まれているものを無償で貸し付けるわけなんです。
今回、機構に行政財産を無償で貸し付けることにしているんですが、これが、無償じゃなくて有償で貸し付けた方が健全だと思うんです。
というのも、無償で貸し付けると、国が機構に対して実質的に資金を提供しているのと一緒じゃないですか。無償で提供しているというのは、有償で貸した分を補助金として出しているのと実質は一緒なので。ただ、これは予算上は金額が全く見えないですよね。土地を幾らで貸しているのか、そして、一千億円弱で造った建物を毎年実質幾らで貸しているのかというのが全く見えない状態になった上で機構は借りるわけなんです。これは、国民の監視もなかなか働きにくいですし、機構の経営においてもすごい不健全だと思うんですよ。
テナントとして、ラボとして入居者に対して賃料を課すわけですから、その賃料の計算をするときに、土地の値段と建物の値段は全く入らない状態で賃料を決めるわけじゃないですか。これってすごい不健全で、いわば機構は認可法人ですけれども、法人ですよね、なので、ちゃんとPLをつくって、コストが幾らかかっていて、それに対するリターンが幾らで、それをちゃんと計算した上で経営を回していくというのが健全だと思うんですよ。
スタートアップを管理する機構ですから。スタートアップは当たり前にしますよね。毎年ちゃんと、コストが幾らかかって、それがリターンが幾らだからこういう経営指標でと頑張って考えてスタートアップは頑張るんですよ、経営者って。機構がそういうことが全くないというのは、経営上極めて、何というか、ガバナンスが利かないし、リスクが大きいというふうに考えているんです。
なので、行政財産の無償貸付けにそもそも何でしているのかという理由、そして、これを適正な金額で貸し付けることにせめて変えた方がいいと思うんですけれども、そこも含めて、大臣、お願いします。
○小野田国務大臣 先端技術研究成果活用推進機構、運営法人が、フラッグシップ拠点を運営しつつ、研究期間が長く、ハイリスクなディープテック分野において支援業務を実施していく上で、その経営基盤の確保を図りつつ、事業を安定的かつ確実に実施することを可能とする観点から、政府による一定程度の支援が必要となると認識しております。政府による支援としては、運営費交付金や行政財産である土地及び建物の無償貸付けなどが考えられる。
運営法人がディープテック分野における支援業務に注力し、より多くの成果を創出するためにも、その活動の基盤となるフラッグシップ拠点の土地及び建物を無償貸付けすることが効果的であるというふうに考えておりますが、運営法人には効率的な施設運営を求めてまいりたいと考えております。
○森(よ)委員 恵比寿の一等地を有償で全部貸し付けて、一〇〇%負担しろと言われると、それは公的プロジェクトとしてしんどいんだと思うんですよ。なので、無償はやめるんだけれども、有償で一旦貸付けをして、その分は補助金で返すとかにすると、ちゃんと毎年度、予算で、国会で審議するわけじゃないですか。健全だというふうに思うんですよ。
無償で貸し付けると何も分からなくなってしまうので、ちゃんと有償で貸し付けて、これは認可法人なので運営費交付金は使えないので、補助金でも何でもいいと思うんですよ。そうしたところで、ちゃんと有償で貸した分を、一〇〇%補填するのか五〇%補填するのか分からないですけれども、そういうふうにした方が、民主的統制が取れるし、表にちゃんと金額感が見えるし、いいと思うんですけれども、大臣、これは変える考えはないですか。いかがですか。
○小野田国務大臣 GSC構想は、世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブを構築するという、過去に前例のない挑戦的な取組でありまして、その中核となるフラッグシップ拠点は、ラボ等の施設提供といったハード面の支援に加え、グローバル水準の研究、事業化支援プログラムといったソフト面の支援を組み合わせた取組を行う必要があると考えております。
こうした取組を着実に実施していくためには、運営法人の経営基盤の確保を図りつつ、事業を安定的かつ確実に実施することを可能とすることが必要であるため、我々としては、有償ではなく無償で貸し付けることということでございます。
○森(よ)委員 これは、やはり金額を見える化しないと、機構も緊張感が出ないですよ。
今答弁いただきましたけれども、年間八億円になると計算したじゃないですか。八億円だと思って機構が運営するのと、実際に適正価格で有償で貸し付けたら八億じゃ絶対済まないですから。仮に二十億でも三十億でもいいんですけれども、その金額を見た上でちゃんと賃料を決めるとか、そうした適正な考えが働くじゃないですか。無償にすると、ただより高いものはないじゃないですか。ありがたく思って、ただだから余り緊張感は出ないですよ、これは絶対。
なので、補填しないといけないのはそのとおりなんですが、無償で貸し付けるんじゃなくて、有償で貸し付けた上で、それを補助金なりで支えてあげるみたいな構造に是非変えていった方がいいなということを付言させていただきます。
次の質問に移りまして、今回新しく造るフラッグシップ拠点に事業者、研究者が入居していくわけですけれども、この入居者の選定というのも大事だというふうに考えております。
政府の資料によると、AI関係で年間三十チーム程度、クライメート関係で三十チーム、バイオテクノロジー関係で三十チームで、年間九十から百二十チーム程度がこのフラッグシップ拠点で活動するということになるんですが、倍率高いですよね、絶対これは。
無償で借りるわけですから、賃料は安くなります。安い賃料で、すばらしいラボもあって、百チームしか借りられないというと、多分、申込みが殺到すると思うんですよ。そうしたときに、一定の基準で選定をしないとおかしなことになると思うので、この入居可能な事業者、研究者を選ぶ際はどういった基準で選ぶのか。ディープテックといっても分野が多岐にわたるわけですけれども、どのような領域をターゲットとしようとしているのか、その点、お伺いいたします。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま、入居者の選定の基準、それから領域の選定について御質問がございました。
まず、入居者の選定に当たりましては、この拠点がディープテック分野における研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進するということを目的としておるということを鑑みまして、こうした拠点の目的にどの程度合致した活動が見込まれるかどうかということが重要であると考えておりまして、具体的な入居者の選定基準あるいは選定プロセスにつきましては、今後、運営法人におきまして、透明性、公平性、そして中立性を確保しながら、国との政策の整合性、そしてフラッグシップ拠点の目的、こういったものを踏まえて策定、運用していくことになろうかというふうに思います。
また、対象とする領域でございますけれども、御指摘のとおり、ディープテック分野は非常に多岐にわたります。この中で、運営法人の設立、あるいは拠点の開所に先行する形で現在活動を進めておるところでございますけれども、昨年九月末に選定をいたしました運営支援法人、これとしっかりと連携をしながら、まずは、AI・ロボティクス、そしてバイオ、資源エネルギー関連の分野における研究開発、これを支援することとしてございます。
新たに設立する運営法人における具体的な支援対象、そして拠点の在り方につきましては、こうした先行的活動の動向なども踏まえつつ、今後検討してまいりたいと考えてございます。
○森(よ)委員 加えて、安い賃料で貸すわけになるわけですから、安くはないんですか、ちゃんとした適正な賃料で貸していただくと思うんですが、民間のこうしたラボだったりとかインキュベーション施設というのは数が出てきていますので、そこを阻害しないように、民間の邪魔をしないように、是非協調して取組を進めていただきたいと思います。
最後、一番最後のところに質問を飛んで、今回、先行的な活動として、先ほど三つのプログラムを私も話しましたが、そのうちの事業化支援プログラム、人材育成プログラムということで、それぞれ三年間で三十億円が使われるというような形なんですが、これは既存のほかの取組と極めて近しいと思うんです。
例えば、このプログラムはどういうことをやろうとしているかというと、まず、事業化支援プログラムについては、我が国の大学、研究機関、拠点都市発のグローバル展開を目指すディープテック分野のシードやスタートアップを対象にして、そうした研究者に対する経営ノウハウの提供、メンター支援、コミュニティー形成支援でしたり、こうしたものが書いているんですね。
人材育成プログラムの方は、若手研究者の育成などを通じて人材を育成していきますということで、例えば、あっ、終了しちゃいました、時間が終わってしまいましたね。
こうしたことを言っているんですが、今、経産省さんも含めて、NEDOさんも含めて、様々なところでこうしたスタートアップ支援がされている中で、極めて領域がかぶっているように思うんです。なので、ちゃんと交通整理していただいて、かぶっているものはやっても無駄ですから、そこはちゃんと重点的にやって見直していただきたいと思いますので、その点、最後お願いしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。
かなり野党側の議員から厳しい質問が続いていますけれども、参政党として、この法案に関しては、まずは明確に反対の立場で質問させていただきます。
政府が進めるGSC構想及び機構の新設は、一見すると、スタートアップ支援、イノベーションと聞こえはよいものの、その実態は、時代認識を誤った箱物事業であり、国民の貴重な税金と人材を東京に一極集中させる極めて危うい計画であると判断せざるを得ません。
今、世界は、生成AI、大規模言語モデル、AIエージェントなど、既に次のパラダイムに突入しています。その中で、日本政府が掲げるのは、キャンパスを造ってスタートアップを増やすといった、十年前ならまだしも、今となっては一周遅れ、二周遅れの発想です。
AIによって産業構造そのものが書き換えられる局面で、箱を造ればシリコンバレーになれるといった考え方は余りにも時代錯誤であり、世界の技術覇権競争の現実を直視していないと言わざるを得ません。
シリコンバレーの本質は、ビルのデザインでもキャンパスの面積でもありません。人材の流動性、挑戦と失敗への寛容さ、AIやディープテックを理解する投資家と専門家の層の厚さ、大学、企業、投資家、行政の長年にわたる信頼と実績の蓄積、こうした目に見えない土台があるからこそ、あのエコシステムが成り立っています。箱だけ造ってもシリコンバレーのようにならない。これは、世界中の政策失敗事例が証明している現実であります。
加えて、本構想は、都心一等地への機能集約を前提としており、地方の大学、研究機関、中小企業らから人材と仕事を吸い上げる、典型的な東京一極集中プロジェクトです。地方創生を掲げながら、片方で、これほどに露骨に東京集中の大型プロジェクトを進めること自体、重大な政策矛盾であり、地方に対する裏切りと言わざるを得ません。
更に深刻なのは、失敗したときの責任の所在が全く明らかになっておりません。もしスタートアップが思ったほど生まれなかったら、誰が責任を取るのか。もし技術と人材が海外に流出し日本の経済安全保障を損なったら、誰が責任を取るのか。もし地方の基礎基盤が壊され地域産業が弱体化をしたら、誰が責任を取るのか。これらに対して政府は、具体的な撤退基準も、説明責任も、仕組みも示していません。
こうした基本的な視点を踏まえた上で、以下、質問させていただきます。
まず第一に指摘しなければならないのは、本構想において、我が国がこれからどの分野で世界をリードしていくかという国家としての大きな方針が決定的に欠落しているという点です。本来、巨額の国費を投じるプロジェクトは、何を目指し、どの分野で覇権を取り、どのような産業構造を描くのかというグランドデザインを前提として存在しなければなりません。
ところが、現在政府が説明している内容は、スタートアップ、ディープテック、エコシステム、世界最高水準といった、聞こえのよい横文字や流行語を並べているにすぎません。海外の事例をなぞるようなスローガンばかりが先行し、国家戦略としての軸足がどこにあるかが全く見えない状況であります。大きな方針がないままに事業を進めることは、単なる税金の無駄遣いにとどまらず、政策そのものを迷走させ、日本の科学技術力をむしろ弱体化させる危険すら、はらんでいると思います。
ここで、お聞きをします。
世界の最前線が既にAI、量子、バイオ、宇宙の覇権争いに突入している中、キャンパス、スタートアップという看板を掲げ、一周遅れの政策を続ければ、日本は決定的に取り残されます。時代はAIであり、本来ならAI基盤やデータ主権、AI人材育成に国家としての総力を集中すべきときに、なぜ箱と看板だけのGSCに国費を突っ込むのか。この時代認識のずれを大臣に説明いただきたいというふうに思います。
○小野田国務大臣 日本には優れた研究シーズがあるのに事業創出につながっていない事例が大変多くございます。物理的にもバーチャル的にも海外市場やエコシステムの接続が弱く、物理的な研究ラボが国内に不足しているといった課題もあり、これまでも、それぞれ個別政策を展開してきたところです。
GSC構想は、既存政策を支える土壌として、国内外の研究者、スタートアップ、企業、大学、研究機関、投資家、支援者などの関係者が一堂に物理的に集積するエコシステムのハブを構築する、これまでにない挑戦的な取組であると考えております。
御指摘のAIを含む科学技術政策やスタートアップ政策など、既存の個別のイノベーション政策の効果も引き上げる横串のインフラを整備するとともに、グローバル水準の研究、事業化支援等のソフト面の支援を実施することで、エコシステムの構築を促進するという政策的な位置づけと役割を担うものであるというふうに考えています。
本構想を通じて、世界的社会課題の解決や我が国の経済成長を実現するとともに、経済安全保障や外交力向上にもつなげてまいりたいと考えております。
○川委員 なかなか分かりにくい部分があるとは思いますし、先ほど申し上げたように、これから我が国がどの分野でリードしていくのか、その辺のやはり見通しが分からないままにスタートしてしまうような不安を持っております。
次に申し上げたいのは、いわゆる箱物行政の問題であります。
政府は都心の一等地に巨大な拠点を建設する計画を掲げていますが、我が党の立場から申し上げれば、そもそもこの箱物に関しては不要だと思っております。
イノベーションに必要なのは立派なガラス張りのビルやおしゃれなラボスペースといったハードウェアではなく、シリコンバレーがなぜ世界的なスタートアップの聖地になったのか、その本質は、国が箱を造ったからではなく、民間主導の情熱、研究者や技術者の自由な往来、失敗を恐れない挑戦文化、失敗しても再チャレンジできる社会的な通念、そして、長年をかけて形成された資金循環と人材循環にあります。
建物だけまねてシリコンバレー風にキャンパスを造っても、中身である文化、制度、人材、資金循環が伴わなければ、ただの立派な箱にすぎず、人は集まらないと思います。立派な建物と横文字の看板だけ整えても、挑戦する人材も、リスクを取る投資家も、失敗を許容する文化も、そこから自然発生はしません。むしろ、箱に予算と人材を吸い取られ、既存の現場が疲弊するという逆効果すら起こるのではないでしょうか。
ここで、もう一度大臣にお聞きをします。
既存の大学施設や全国に点在する優れた研究機関、産総研や公設試験場などのインフラを有効活用すれば、研究スペースという点では十分に足りるはずだと思います。それにもかかわらず、なぜ都心の一等地に新たな巨大な箱物を建設しなければならないのか、その建設、維持コストに見合うだけの追加的なイノベーション効果が本当に見込めるのか、費用対効果を示す定量的な根拠も含めて、具体的にお答えください。
あわせて、既に全国各地で活動している民間のアクセラレーターやインキュベーション施設の取組を阻害することなく、どのように相乗効果を発揮させるおつもりなのか、その調整、連携の具体的な仕組みをお示しください。
○小野田国務大臣 まず、フラッグシップ拠点についてですけれども、国内外の研究者やスタートアップなど多様な主体が一堂に集積し、ディープテック分野の、これは研究機関だけではなく、研究開発から事業化、海外展開までの支援を一気通貫で行う環境を整備することにより、ディープテック分野の研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進し、グローバルな社会課題の解決と国内の経済成長を目指すこととしております。
こうした拠点の目的に鑑み、投資家、企業、研究機関や大学などの多様な主体の集積状況や、スタートアップ創出の素地の有無、アクセスのよさ等を総合的に勘案した結果、東京都の国有地を活用することとなりました。
このようなエコシステムの形成により、研究開発期間が長く、ハイリスクなディープテックを活用した新事業の創出に挑戦する者が集い、イノベーションを継続的に創出することは、世界的な社会課題の解決と経済成長につながる大きな効果を生むというふうに我々は考えております。
また、民間との取組の関係ですけれども、GSC構想は、ディープテック分野におけるスタートアップのエコシステムを我が国に構築する仕組みでありまして、試みであって、民間事業者による取組と競合するというよりは、むしろ連携することに主眼を置いた取組です。
このため、具体的には、スタートアップ等に向けて、不足するラボを整備しつつ、既存の大学や研究機関、民間のインキュベーション施設やラボを紹介して、その研究施設や設備の効率的かつ効果的な活用を促していくこと、そして、民間のアクセラレーションプログラム等と連携することで、事業化や成長の段階に応じた切れ目のない支援につなげることなどにより相互に補完し合う関係を構築していくことを想定しております。
○川委員 答弁がありましたけれども、まず、非常に分かりにくかったのが、この建設コストに関して先ほどからお話がありました、箱だけで九百七十億円ということで、これも概算ということでありますし、また設計費も見込まれていない。これが本当にイノベーション効果を、費用対効果に対して生むことができると現状で考えているのか、もう一度お聞きをしたいと思います。
○小野田国務大臣 費用対効果、元を取るどころか、その何倍にも効果があるようなものにしっかり仕上げていきたいというふうに我々は考えております。
○川委員 その根拠がなかなか見えにくいですけれども、そういうものが生まれることを願っております。
次に、新組織の機構ですよね、が、最初からビジネス化、事業化を過度に強調している点を極めて懸念をしています。ビジネス化へのプレッシャーが強過ぎれば、短期間で成果が出る小粒な研究ばかりが優遇され、時間がかかる基礎研究や、成功確率は低いものの成功すれば世界を変えるような挑戦的な研究は真っ先に切り捨てられてしまうかもしれません。
本来政治が果たすべき課題は、役に立つかどうかまだ分からないが将来の世代のために残しておくべき知のフロンティアを長期的な視野で支えることです。役に立たなくとも、金は心配するなと言えるほどの度量を政治が持てれば、真に世界を変える破壊的なイノベーションは生まれるのではないでしょうか。
AI時代においては、短期的な小粒のアプリを量産することよりも、数学、アルゴリズム、計算機科学、物理、材料、半導体といった土台の基礎研究こそがAIモデルやハードウェアの競争力を左右します。スタートアップの数だけを増やしても、基礎が弱ければ、結局は海外製プラットフォームの下請に甘んじるだけであります。
それにもかかわらず、新機構は、ビジネス化、出口を前面に掲げて、そしてAI時代に必須の基礎研究への長期投資をむしろ削る方向に働きかねない設計になっているのではないでしょうか。このままでは日本はAIを使うだけの国になり、AIそのものを作る側に戻るチャンスを失ってしまうかもしれません。
ここで、お聞きをします。
単なる設立社数のノルマや目先の短期ビジネス化の成果ではなく、どれだけ巨大な社会的、経済的インパクトを与えたかを測る指標を新法人設立までにどのように設計をするのか。また、明らかに成功するような目先の小さな研究は採択をしないという米国のDARPAのような強い姿勢をどのように担保をし、長期的な国家の礎となる基礎研究を死守するための具体的な仕組みを設けるのか。本構想と基礎研究の位置づけについての見解を内閣府政府参考人に求めます。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
本構想の目的でございますけれども、国内外の研究者、スタートアップ、企業、大学、研究機関、投資家、支援者などの関係者が一堂に物理的に集積し、相互に連携しながらディープテック分野の研究開発から事業化、海外展開までを一気通貫で行う環境を整備することでございまして、決して目先の短期ビジネス化というものを狙っているわけではなく、御指摘のような、大きな社会的、経済的インパクトを与えたかということ、これを重要視をしております。
したがいまして、こういったKPIを設定しなければいけないというふうに考えておりますけれども、この設定に当たりましては、こうした環境の形成をどのように評価していくのかという観点が重要でございます。
一方で、御指摘のあったように、数値目標のみを設定した場合、この達成を優先する余り、本構想の目的に沿わない形でスタートアップの件数をいたずらに増やすことにもつながるおそれがあるということ、そして、ディープテック分野のように研究開発に時間を要する分野の特性を十分に反映できないというおそれがあるというふうに考えております。
先ほど御答弁した内容と重なりますが、現在実施している先行的活動の中で、海外で実績のある運営支援法人とも連携をしながら、数値目標の設定の在り方も含めて、KPIの設定等については検討を行っているところでございます。新法人の設立までには適切に設定をしてまいりたいと考えております。
また、もう一つの御指摘でございます長期的な国家の礎となる基礎研究、これは非常に重要だと考えてございます。実用化により大きな経済的、社会的インパクトの創出が見込まれ、長期的かつ集中的に支援するということが重要だと考えております。
こうした研究につきましても、グローバルな研究開発及び事業化の経験を有して目利き力のある人材、こういった人材がベンチャーディレクターとして、研究開発の将来性を見極めながら、適切に研究テーマの設定、そしてプロジェクトマネジメント上の必要な判断を行ってまいります。
今後は、ベンチャーディレクターと緊密に連携しつつ、研究開発支援に取り組み、GSC構想が目指すグローバルな社会課題の解決、そして国内の経済成長の実現に向けて創出されるであろう成果の最大化を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○川委員 時間がなくなってきました。最後の質問に入ります。
本構想で最も重大な懸念の一つは、海外のトップ大学や外資系のベンチャーキャピタルを都心の一等地に誘致するという点であります。ここに投入される資源は日本国民が血と汗を流してためた貴重な財源であり、日本の国費と優れた研究者の頭脳によって生み出された最先端技術や知的財産が、外資の手によって海外企業や外国籍投資家に買いたたかれ吸い上げられてしまうリスクに対して、政府の危機感は余りにも甘いと言わざるを得ません。
もっとはっきり申し上げれば、本構想は、日本の税金と頭脳で価値を生み、それを海外が安く仕入れて高く売る、そのためのスキームにはなっていないかという極めて根源的な懸念があります。表向きは国際連携、オープンイノベーションと聞こえはよくても、実態としては、日本の富と技術を海外に提供する巨大な吸い上げ装置になってしまうおそれがある、これを直視しなければなりません。
ここで、お聞きをします。
日本の税金によって生み出された最先端技術や知的財産が海外へ吸い上げられ、結果として、日本がリスクとコストを負い、海外がリターンだけを受ける構造になってしまうリスクをどのような法的枠組みで防ぐおつもりなのか。あわせて、特許の帰属、ライセンス条件、株式、議決権の制限、重要技術の対外移転規制など、どのレベルで線を引くのか。小野田大臣にお聞きをします。
○小野田国務大臣 GSC構想は、フラッグシップ拠点をグローバルなイノベーションエコシステムの結節点として、海外の研究者や組織も呼び込みながら、グローバルな社会課題の解決と国内の経済成長を目指すものであり、多くの海外研究者等の参画が想定されます。こうした中、GSC構想の下で創出された特許や重要技術が一方的に海外に流出することがないようにすることは極めて重要です。
このため、特許を含む知財については、国富の最大化という観点から、知財の帰属やライセンス条件を含め、GSC構想における知的財産マネジメントに関する基本方針、これを策定し、海外の参画者に対しても同方針を遵守させるとともに、新たに設立する運営法人においても、これらを適切に実現するための体制整備を進めてまいりたいと考えています。
また、プロジェクトの参加者が合併や買収等をされた場合の内閣府への報告や、出資比率も含めた外為法等の貿易管理安全保障に関するルールの徹底、そして、昨年十二月、内閣府で策定した研究セキュリティーの確保に関する手順書の活用も通じ、重要技術の対外移転についても適切な管理を行っていくところです。
いずれにいたしましても、関係省庁と緊密に連携し、重要技術の流出といった経済安全保障上のリスクにも適切に対応しながら、ディープテック分野の研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進するエコシステムの形成に取り組んでまいりたいと考えております。
委員御指摘の基礎研究はもちろん大事だと思っていますし、そこに対して、第七期科学技術・イノベーション基本計画でも、運営費交付金を始めとするものは増やしていく、ここは絶対大事、そして、そうして生んだ日本の技術が海外に安く取られるなんということを許すはずもなく、そんなことは絶対にさせたくないという思いは共有しておるところです。
ただ、そうやってつくった研究シーズが事業化に結びつかなくて、結局海外の方が勝ってしまったということも防がなくてはいけないので、そうして育てた大事な種が花開き、日本の財産になる、そういうところをしっかりと見ていきたいと思っています。
○川委員 大臣の方から、海外に絶対渡さないという強い思いを感じました。しっかりと頑張っていただきたいと思います。
時間になりましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。
本日は、ディープテック、つまり、実を結ぶまでに長い年月がかかり、事業としてはハイリスクな分野を我が国でどう育てていくか、そして、これをいかにチェックし、いかにガバナンスを利かせるかということについて質問していきたいというふうに思います。
まず、議論の前提として、今回、GSC構想が扱うのはディープテック分野だというのが大事な点だと思います。ディープテックというのはAI、ロボット、量子、半導体、フュージョンエネルギー、宇宙等が含まれるわけですが、例えばAIやロボットであれば何でもディープテックであるということではないわけです。既に形になっている技術を工夫していって事業化するということも大事なことですが、今回我々が議論しようとしているのは、これは売れるだろう、二、三年あれば事業としても立ち上がるだろうということが見えているようなテーマではないということです。
そうではなくて、研究開発から時に十年かかる、つまり、ポテンシャルは大きいけれども個別のテーマとしては確実に成果が出るかどうか分からない、そういった大きな挑戦をして、社会の在り方、そして世界を変えるような成果を出すことを目指すというのが今回の前提です。だからこそ、民間ではなく国が仕組みとエコシステムをつくる意義があり、資金の供給にとどまらず、人材、拠点、世界とのつながり、長期の視点で束ねる、そういう取組が必要なんだと思います。
このテーマに関して、ハイリスクな分野で十年腰を据えて取り組める仕組みになっているのか、そして、途中で政治的なしがらみによって横やりが入らないことをガバナンスとして担保できるのか、そしてまた、短期目線の議論で中断されないようなチェックの仕組みを我々は持てるのか、そういったことをお伺いしたいというふうに思います。
その上で、まず、本構想を担う運営法人の形について小野田大臣に伺います。
本構想は、ディープテックの実用化研究開発からその事業化、経営人材の育成、拠点の運営まで、一つの主体が一気通貫で担うという大変意欲的な設計だと思います。これらを切れ目なくつなぐことができればディープテックの芽が格段に育ちやすくなるということで、大変可能性があるものと承知しています。
そして、その担い手が新設の認可法人であるということ。民間に近い専門性と柔軟性を持てるのか、そして、短期目線では経済合理性がないと言われかねない長期の挑戦を迅速な意思決定で支えていけるのか、こういった認可法人という形だからこそ可能になるのかというところを私は問いたいというふうに思います。
そこで、大臣に伺います。
政府がこの運営法人をあえて新設の認可法人という形で立ち上げるその意義をどのようにお考えでしょうか。一気通貫の支援と機動的な運営を実現する上で、この形態で取り組む意義をお答えください。
○小野田国務大臣 我が国のイノベーションエコシステムのハブを構築するためには、その主体が、御指摘のように、一気通貫の活動を行い得る機能を持つことが重要であると考えています。そのためには、専門性や先見性を有しつつ、迅速な意思決定を柔軟かつ機動的に行うことが必要であることを踏まえると、民間の組織が運営を担うべきだと考えております。
他方で、GSCが担う業務は、科学技術・イノベーション政策の一端を担うものであることから公共性、公益性が高く、特にディープテック系のスタートアップは、研究開発期間が長く、ハイリスク・ハイリターンであることから、民間に完全に委ねた場合には十分に成長しないおそれがあるなどの特徴も有していると認識しております。
そのため、国が法律に基づき設立し、予算に国会承認を要し、目標設定などにも国が強く関与する既存の独立行政法人、特殊法人という形態ではなく、民間組織としつつも国が業務内容や体制等に一定程度関与する認可法人を新たに設立することが適切であるというふうに考えました。
○高山委員 ありがとうございます。
御答弁いただいた機動性を担保するというところ、是非、人の方にも生かしていただきたいというふうに思います。
事業化が最も難しい領域で、最も優れた人材を、従来の枠にとらわれない形で、思い切って待遇と権限を渡すというところ、そういった人材登用の大胆さというものが今回の構想を左右するというふうに思います。是非ここにはこだわっていただきたいというふうに思います。
次に、既存の施策との接続性について、政府参考人に伺います。
我が国では、これまでもディープテックスタートアップの支援を着実に積み上げてきました。例えば、NEDOのディープテックスタートアップ支援事業、これは資金面で多くの挑戦を後押ししてきたものだと思います。また、JSTも大学発の研究シーズを世に送り出すということを担ってきました。そもそもこういった蓄積を土台として今回の構想があるべきだと思います。その上で、本構想はそれらの取組と構造的にどう異なるのかというところです。
すなわち、研究者が創業した後も腰を据えて挑戦を続けられるような拠点を提供するのか、あるいは、PhDCEOとかベンチャーディレクターといった経営人材はどのように育つのか、そして、海外の大学、研究機関やVCと日本を結ぶ結節点たり得るのかといったこと、これら資金、拠点、人材、結節点が組み合わさったエコシステムを本当につくれるのかということが問われていると思います。
また、今回、内閣府だけではなく、文科省、経産省、防衛省といった関係省庁との連携も重要になってくると思いますが、政府参考人に伺います。
今回の構想では、NEDO、JST等の既存の取組とどのように異なる機能を提供するつもりなのか、そして、府省の枠を超えて今回の施策を前に進めるためにどういった連携体制を取るのかというところをお聞かせください。
○井上政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、本日るる御説明させていただいておりますが、この新法人では、ディープテック分野の研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進するエコシステム、この形成を目指しております。
このため、これまでもJST、NEDO等の経験が蓄積されておりますが、それを更に発展させて、国内外を問わずに大学、企業等から研究者を招聘し、ディープテック分野の研究開発から事業化、海外展開まで、これを一気通貫で支援を行うこととしております。また、フラッグシップ拠点におきましては、施設設備の利用に供するなどの支援も実施しております。
こういった取組については、これまで文科省、経産省、例えばJSTとNEDOの取組の間で分断があるとか、そういったことも指摘されておりましたが、今回は、グローバルな結節点も設けた上で、これを一気通貫でやる、これは現在のNEDOやJSTの取組を大きく超えるものであると考えております。
また、新法人は、NEDO、JSTにおける研究開発施策、スタートアップ施策を代替するというものでは決してございません。これらを有機的につなぐエコシステムのハブとして機能させることで、イノベーションエコシステム全体の相乗効果、これを最大化するものであります。
そうした観点から、御指摘いただきましたとおり、内閣府、文科省、経産省、防衛省を始め、緊密に連携しながらこの構想の実現に取り組んでいるところでございます。実際、私どもの構想を検討する部署には、経産省、文科省からも人に来て入っていってもらっておりますし、防衛省とも密接に検討を進めているところでございます。
○高山委員 ありがとうございます。
今、国内外を問わずという御答弁もありましたが、今回、この取組が、本気でディープテックをやりたいなら海外に行かなければならないということでなく、国内でこれだけできるということを示す取組にしていただくということを求めたいというふうに思います。
国内外の主体を問うということではなく、最も成功確率を高める、あるいは最も大きな事業にするために、巻き込むべき主体を国内外問わず巻き込んでいく、そうしたことによって、国内の企業家が、そして国内の事業が大きく育っていくといった取組にしていただきたいというふうに思います。
続いて、公的資金が呼び水としての機能をどう果たすべきか、政府参考人に伺います。
今回の構想は、公的資金を出発点としつつ、中長期的には自立的、持続的に発展をしていき、自走を目指すものと承知をしております。これは、世界各国のトップクラスのイノベーション拠点がいずれも備えているような姿です。その実現の鍵を握るのが、公的資金を呼び水として、いかに大きな民間のリスクマネーと各プログラムへの事業会社の参画をこの拠点に呼び込んでいけるかという点だと思います。
そこで、政府参考人に伺います。
今回の構想において、公的資金が呼び水となって民間の資金や企業の参画を引き寄せていくために、その仕組みを具体的にどう設計されておられるのか。企業がこの拠点に参画することにどのようなメリットを見出せるよう制度を組み立てていく構想なのか。お聞かせください。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想では、フラッグシップ拠点の開所や運営法人の設立に先立ちまして、世界から優れた人材、投資を集める呼び水となるような先行的活動、先ほど来御説明申し上げておりますが、を実施しているところでございます。
この先行的活動でございますけれども、国内外の運営支援法人の優れた知見、経験、ネットワークを取り込み、その成果を運営法人の活動に生かしていくということを目的としておりまして、支援内容やその成果が具体化、見える化されることで、今後設立される運営法人や拠点への期待も高まり、民間企業などGSC構想への参画、これを促すことになろうかというふうに考えております。
その上で、運営法人の設立後は、運営法人自体がベンチャーキャピタルなどの投資家に対する出資、これを行うことも予定をしてございます。こういったことを通じまして民間からのリスクマネーを呼び込む、こんなことを考えてございます。
○高山委員 ありがとうございます。
まさに、国がお金をかけてこの取組を始めたけれども、民間のマネーであったりとか、あるいは民間の事業者がついてこないということがないように、この拠点そして取組を魅力的なものに是非していただきたいというふうに思います。
最後に、今回の構想の成果をどのように捉え、どのように支えていくのか、その評価とガバナンスについて小野田大臣に伺います。
冒頭も申し上げましたが、ディープテックは、例えば量子やフュージョンエネルギーのように商業化までに十年以上を要することも珍しくないような非常に息の長い分野です。そもそも、世界を変えるほどの大きな挑戦というのは、すぐには成果の見えないところから始まるものだと思います。だからこそ、こういった挑戦を支えるためには、短期の事業化件数といった目先の数字だけにとらわれず、長い時間軸に立った評価が欠かせないと私は考えています。挑戦の大きさそのものを正当に受け止めるような評価の仕組みがあってこそ、現場は本当に大胆な研究開発に踏み出すことができるわけです。
その際に一つ有効かなと思う考え方が、個々の案件を一つ一つ問うだけではなくて、拠点全体を一つのポートフォリオとして捉えて、その総体で成果を評価するという発想ではないかなというふうに思います。
例えば、今回ベンチマークされていると思いますが、海外の先進的な拠点、例えばボストンのグリーンタウン・ラボでは、累計六百七十社以上支援して百二十五億ドル以上の資金を集めている。そして、トロントのマーズ・ディスカバリー・ディストリクトでは、千二百社以上、百九十億ドルを超える資金がこのエコシステム全体の成果として生まれています。こういった先行事例も踏まえながら、創業数、集まった資金、生まれた雇用、世界とのつながり、こういった中長期での広がりでこそ、今回の構想の真価が測られるべきだと考えます。
あわせて、先ほども申し上げましたが、最も優れたベンチャーディレクターに責任と権限を大胆に委ねて、機動的で迅速な判断を可能とするということが、こういった大きな挑戦を現場で力強く支えていくというふうに思います。
そこで、大臣に伺います。
目先の短期的な成果に偏ることなく息の長い大きな挑戦を腰を据えて支えていく、この構想をそうした長期、挑戦重視の評価と機動的なガバナンスで運営をしていくためにどういった形があるべきか、大臣の考えをお聞かせください。
○小野田国務大臣 GSC構想が対象とするディープテックは、研究開発期間が長く、多くの資金を要し、ハイリスクである一方で、その事業化、社会実装を実現できれば、国や世界全体で取り組むべき経済社会課題の解決や経済安全保障の確保や社会に大きなインパクトを与えるものでございます。
こうしたディープテックの特性を踏まえ、運営法人においては、研究・事業化経験を有する人材に責任と権限を一定程度集中させ、階層が少なく、素早く機動的な意思決定を可能とする組織設計を行うこととしておりまして、短期的な数値目標や失敗にとらわれず、長期的な視点で取り組むことが重要と考えております。そのため、本法案に基づき設置される法人では、一定のガバナンス確保に必要な体制を法定しつつ、理事長のリーダーシップの下で迅速な意思決定を柔軟かつ機動的に行うことができるよう、そのほかの運営に関することは定款等で整備できるようにしております。
このように、民間の柔軟性、機動性と公的な性格を有する機関としてのガバナンスの両面、しっかり確保してまいりたいと思います。
御指摘の、拠点全体を一つのポートフォリオにしてはどうかとか、こういう視点でKPIを見ていったらどうかという御指摘もいただきました。今、どういう視点でやるのがいいのかというのは、世界の同じようなものをつくっていらっしゃるところの例も見ながら検討しておりますので、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○高山委員 ありがとうございます。
今回、この構想が失敗するというのはどういうことなのかということを是非問いたいというふうに思っています。
今回の構想の失敗は、二、三年で数が出なかった、あるいはお金を使えなかった、そういうことではないと思うんです。今回の構想の失敗というのは、民間でやればよかったような、ありふれた提案だけで、ありふれた事業だけで終わってしまう、そういったことです。十年、二十年たったときに振り返って、この構想がなければ生まれていなかったような事業を一つでも生むことができているかどうか、そういった目線でしっかり取り組めるかどうかを政府には是非考えていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
科技イノベ法案について質問をいたします。
まず、スタートアップ支援に関してですけれども、二〇二二年十一月のスタートアップ育成五か年計画には防衛省に関する記述はありませんでした。一方、今年五月のスタートアップ総力創出パッケージでは、「防衛力強化とスタートアップによるイノベーション創出の好循環を生み出すため、防衛省と経産省が連携して研究開発から調達まで一貫した支援を開始する。」と、防衛力の強化や防衛省の関与を強調しております。
スタートアップ推進に関して、防衛力の強化や防衛省の関与を強調するようになったのはなぜでしょうか。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘いただきましたスタートアップ総力創出パッケージにつきましては、先月、日本成長戦略会議の下で設置されましたスタートアップ政策推進分科会において取りまとめたところでございますが、このパッケージの中では、スタートアップのスケールアップ、それからディープテックスタートアップの支援、そして地域経済社会を担うスタートアップの創出、育成という三本の柱から、スタートアップの育成の五か年計画につきまして抜本強化する施策を示したというところでございます。
このパッケージを取りまとめる過程で、分科会での議論におきまして、構成員の委員の皆様方から、米国等で防衛分野を始めとした公共需要から先端技術が開発され、大きく成長するスタートアップの創出につながったという多くの事例、あるいはそういう傾向について御指摘があったというところでございます。
こうした御指摘を踏まえまして、スタートアップ総力創出パッケージにおきまして、SBIR制度を抜本強化し、防衛分野を含めたディープテックスタートアップの研究開発支援、そして政府調達を強化する支援策を盛り込んだというところでございます。
○塩川委員 分科会の構成員の意見を踏まえてという話でした。
今年二月からの日本成長戦略会議の政策推進分科会の有識者会議の意見を見ると、防衛需要、それから防衛に対する危機感というものが技術開発を生み、その結果としてスタートアップが生まれていって、それを政府が株式の保有等で支えているのがアメリカの実態だが、日本でもそういうスタートアップ推進政策をやる必要がある、このように述べる方や、また、タイミングを合わせて防衛予算が非常に大きくなるということで、それがスタートアップに適正に投資がなされ、新しい研究開発、技術が出てくると述べております。
防衛需要、つまり軍拡予算がスタートアップ推進に役立つという意見であり、スタートアップ推進に関して防衛力の強化や防衛省の関与を強調するようになったのは、この五か年間で軍事費を二倍の十一兆円にした、こういう大軍拡予算があったからではありませんか。
○鈴木政府参考人 私ども、委員の先生方がどういう意図、背景を基にそのような発言をされたかというところについてまではお答えすることができませんけれども、私どもとしては、先ほど申し上げましたとおり、スタートアップ育成五か年計画を改正して、それを抜本強化する、このためにまずは日本成長戦略本部で委員会を立ち上げたというところで、その過程の中で、まさにディープテックの創出、それから支援、そしてスケールアップをするためにどうすることが適切かということについて委員の皆様方にお諮りしたところ、そのような御意見をいただいたというところでございます。
○塩川委員 五か年計画のときには防衛省の関与の話はありませんでした。その直後から、GDP比二%という防衛費、軍事費にしていく、そういう大軍拡があるので、いわばそれに便乗すると言うのもあれですけれども、こういった軍拡予算をてこにスタートアップ推進を図るんだということが今回のこのパッケージの中に盛り込まれているということであります。
軍拡予算を使ってスタートアップ推進を図る、このこと自身、研究開発が軍事依存になりかねないのではないのかといった危惧を強く覚えるものであります。
次に、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想についてですが、その基本方針において、このGSCの事業展開に当たって、文科省、経産省、防衛省等関係省庁の協力と、防衛省を特記しております。
文科省、経産省が出てくるのは分かるんですけれども、防衛省を三つ目の役所として取り上げている。その後の記述にも、「隣接する防衛省の研究所等とも連携。」とわざわざ書いてあります。
この隣接する防衛省の研究所等とは、どのような機関を指すのか、艦艇装備研究所や防衛イノベーション科学技術研究所などを指すのか、どのような連携を行うのか、お答えください。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の基本方針におきましては、周辺コミュニティーとの連携という観点から、隣接する防衛省の研究所等とも連携するという記載がございます。
これは、周辺に所在する艦艇装備研究所、防衛イノベーション科学技術研究所のほか、近隣の大学なども念頭に置いているところでございます。そして、御指摘の周辺コミュニティーとの連携に関しましては、例えば、拠点整備の工事における、隣接する艦艇装備研究所への影響の局限化のための調整、あるいは周辺住環境への配慮などを行うことを想定してございます。
このように、拠点の整備に当たっては、周辺コミュニティーとの連携を図ってまいりたいと考えてございます。
○塩川委員 周辺コミュニティー、大学の話がありましたけれども、ここの記述のところには出てこないので、まさに具体的には防衛省の研究所等との連携ということの記述になっているわけであります。
恵比寿にあります防衛イノベーション科学技術研究所とも連携をということです。スタートアップ総力創出パッケージには、「防衛イノベーション科学技術研究所を通じた防衛イノベーションや画期的な装備品等を生み出す取組も推進する。」とあります。
防衛省にお尋ねします。
この防衛イノベーション科学技術研究所とはどのような組織か。そこには、DARPAの取組を参考とするとしていますが、DARPAとはどのような組織か、このDARPAを参考にするのはなぜなのか、この点についてお答えください。
○嶺政府参考人 お答え申し上げます。
防衛イノベーション科学技術研究所は、防衛イノベーションや画期的な装備品を生み出す機能を抜本的に強化するために、変化の速い様々な技術から防衛力の強化又は社会の変革につながる機能、技術をスピード重視で創出するため、令和六年十月に新設された研究所でございます。
お尋ねのありました米国のDARPAでございますけれども、これにつきましては、任期つきのプログラムマネジャーが責任者として研究を推進、管理する手法等によりまして、インターネットやGPSのような防衛分野にとどまらない、社会をも変革するような革新的な研究成果を生み出している、そういう研究開発機関であると承知しておるところでございます。
防衛イノベーション科学技術研究所におきましても、防衛イノベーションや画期的な防衛装備品を生み出す機能を抜本的に強化するために、こうした取組を参考として、外部からプログラムマネジャーを採用することで、プログラムマネジャーが持つ防衛用途に必ずしも限らない民生分野の科学技術に関する豊富な知見や経験を、自由な発想の下、最大限活用するということとしておるところでございます。
○塩川委員 DARPAを参考にするということですが、DARPAについて余り詳しい説明をいただけなかったんですけれども。
確認ですけれども、このDARPAというのは、国防総省内部の資金配分機関であって、国家安全保障のための革新的技術に対する研究支援を行う、基礎研究と応用研究のギャップを埋める、ハイリスク・ハイペイオフ研究への支援に特化をしている、そういう組織と承知しておりますが、それでよろしいでしょうか。
○嶺政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおりでございます。
○塩川委員 内閣府にお聞きしますが、「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の概要について」でも、運営法人のガバナンスイメージとしてDARPAを例示をしております。このようなアメリカの国防総省内部の資金配分機関を例示をしているのは、なぜでしょうか。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
新たに設立する運営法人の組織体制につきましては、ディープテック分野の研究開発から事業化支援、国際展開まで一気通貫の支援を担うに当たり、迅速な意思決定を柔軟かつ機動的に行うことができるような体制を構築することが重要であると認識しております。
そこで、米国の国防省国防高等研究計画局、DARPAや、エネルギー高等研究計画局、ARPA―Eなどのイノベーションを担う海外組織におきましては、比較的コンパクトな組織の下で、プログラムマネジャーやプログラムディレクターに大きな裁量と責任を付与し、迅速かつ柔軟な意思決定を行う体制が取られているというふうに承知しておりまして、今回設立する運営法人の組織体制の参照事例として例示をしたものでございます。
○塩川委員 この国防総省内部の資金配分機関、あくまでも米軍、軍事のための組織、機関をいわばモデルにしているといったところに、今回の法人の持っている性格も表れてくるのではないかと言わざるを得ません。
スタートアップ総力創出パッケージの防衛分野におけるデュアルユース、スタートアップエコシステム形成には、スタートアップ研究拠点の設置とありますが、この拠点というのはどこでしょうか。今日議論をしているフラッグシップ拠点というのも対象となるんでしょうか。
○嶺政府参考人 お答え申し上げます。
スタートアップ企業が有する優れた技術や製品を防衛装備品に活用することは、新しい戦い方に対応するための技術的優越の確保、我が国の防衛生産・技術基盤の維持強化といった観点から極めて重要であると考えております。このような認識の下、防衛省としましては、スタートアップ活用促進のための様々な取組を進めているところでございます。
このスタートアップ研究拠点は、スタートアップにセキュアな研究環境を提供することによりましてスタートアップ企業の参入促進及び迅速な事業立ち上げに資するものとして、既存施設の活用も含め検討を行っているところですが、現時点におきましては、場所も含め、具体的な計画はございません。
○塩川委員 内閣府にお聞きしますが、こういった、防衛省が言っているようなスタートアップ研究拠点の設置ということで、この新しいフラッグシップ拠点においても、入り得る、排除されていないという点はどうでしょうか。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想におきましては、ディープテック分野の研究開発や事業化を支援すること、これを目的としてございます。そして、その対象とする分野でございますけれども、特定の分野に限られるものではございませんで、研究成果の性質によっては防衛分野にも応用可能なデュアルユースの技術が含まれる場合もあり得るとは考えてございます。
このフラッグシップ拠点におけるセキュリティーの確保でございますが、ディープテック分野の研究開発や事業化の促進の観点から非常に重要であると認識しております。このため、現在、拠点整備の基本的な方針である基本計画の策定に向けて、エリアの区分も含めて有識者会議で議論をしておりますけれども、利用目的やセキュリティー水準に応じた空間設計そして運用を行うことが必要であると考えております。
○塩川委員 防衛省のスタートアップ研究拠点の設置、置くということもあり得るという話です。
最後に、大臣にお尋ねします。
スタートアップ推進に関して、防衛力の強化や防衛省の関与を掲げ、そしてまた米国防総省のDARPAを参考にする、こういった機関、運営法人というのは、軍事偏重のイノベーションということになるのではありませんか。
○小野田国務大臣 先ほど参考人も、ディープテック分野の研究開発や事業化を支援することを目的としており、特定の分野に限定するものではなく、研究成果の性質によっては防衛分野にも応用可能なデュアルユース技術等が含まれる場合もあり得るというふうに御説明したかと思いますが、本構想は、防衛分野の研究開発を直接の目的とするものではなく、科学技術の研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進する観点から取り組むものでありまして、研究セキュリティー・インテグリティー、輸出管理等の関係法令、制度を踏まえながら適切に対応していくことが重要であると考えております。
○塩川委員 防衛力の強化のDARPAをモデルにといった点でも、軍事優先のイノベーションで、軍事偏重の技術開発になる危惧が拭えないということを申し上げて、質問を終わります。
○山下委員長 次回は、来る十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時七分散会

