第21号 令和8年6月19日(金曜日)
令和八年六月十九日(金曜日)午前九時一分開議
出席委員
委員長 山下 貴司君
理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君
理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君
理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君
理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君
遠藤 寛明君 大空 幸星君
長田紘一郎君 金子 容三君
川崎ひでと君 河野 正美君
川松真一朗君 佐藤 主迪君
平 将明君 中川こういち君
中田 宏君 平井 卓也君
平沢 勝栄君 文月 涼君
古川 直季君 村木 汀君
吉田 有理君 若山 慎司君
渡辺 博道君 大島 敦君
長妻 昭君 喜多 義典君
黒田 征樹君 西田 薫君
野村 美穂君 川 裕一郎君
高山 聡史君 塩川 鉄也君
中村はやと君
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国務大臣
(科学技術政策担当) 小野田紀美君
内閣府副大臣 今枝宗一郎君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 若山 慎司君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
政府参考人
(内閣官房日本成長戦略本部事務局次長) 西海 重和君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官) 井上 諭一君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 木村 直人君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 柴山 佳徳君
政府参考人
(財務省主計局次長) 吉沢浩二郎君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 先崎 卓歩君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 福井 俊英君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 生田 知子君
政府参考人
(経済産業省経済産業政策局地方創生担当政策統括調整官) 宮本 岩男君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局半導体戦略統括調整官) 西川 和見君
内閣委員会専門員 田中 仁君
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委員の異動
六月十九日
辞任 補欠選任
長田紘一郎君 中川こういち君
川崎ひでと君 遠藤 寛明君
平 将明君 川松真一朗君
西田 薫君 喜多 義典君
同日
辞任 補欠選任
遠藤 寛明君 川崎ひでと君
川松真一朗君 平 将明君
中川こういち君 長田紘一郎君
喜多 義典君 西田 薫君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
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○山下委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の審査に資するため、去る十七日に、二十一名の委員が参加し、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想に係るフラッグシップ拠点建設予定地の視察を行いました。
この際、参加委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。
まず、当該建設予定地を視察するとともに、その概況について、内閣府から説明を聴取した後、質疑応答を行いました。
その主な内容は、建設予定地として選定に至った経緯、拠点に整備する建物の設計及びその配置、当該拠点利用者の住環境等の整備の必要性などでありました。
以上が、今回の視察の概要であります。
なお、最後に、視察に当たりまして御協力をいただきました皆様に感謝の意を表しまして、御報告といたします。
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○山下委員長 この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房日本成長戦略本部事務局次長西海重和君外九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大空幸星君。
○大空委員 おはようございます。自由民主党の大空幸星でございます。
本日は、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想について伺わせていただきます。
我が国が人口減少している中でも成長していくためには、まさにこのグローバル・スタートアップ・キャンパス構想も通じて、研究成果をしっかりと事業化をして、社会実装をして、そして世界へもチャレンジをしていける、そういった環境をつくっていくことが極めて重要だろうというふうに思っております。
特に、AIや量子、半導体、バイオ、フュージョン、それから宇宙やロボティクスもそうでありますけれども、こういったディープテック分野につきましては、単なる産業政策というよりも、経済安全保障にも資するものであり、また外交力の強化にも資するものであるというふうに考えております。
政府資料でも、このGSC構想を、世界最高水準のディープテック分野のイノベーションエコシステムの構築、これを目指して、研究開発から事業化、国際展開までを一気通貫で支援をする構想というふうにされております。この方向性は極めて重要だというふうに考えております。
一方で、GSC構想が単なる箱物政策で終わることなく、世界から本当に人材が集まって、そして研究成果を事業化をしていくことによって、民間資金も同時に呼び込んで成長につなげていくということが極めて重要であるというふうに考えておりますので、その観点から本日は幾つか質問をさせていただきたいと思います。
まずは、人材確保についてでございます。
このGSC構想が成功するか否かというのは、まさに、箱物を整備するということにとどまらず、しっかりと、優れた研究者、それから企業家もそうでありますし、経営人材、さらには投資家、こういった皆さんが集まるかどうか、ここが極めて重要だというふうに思います。
政府資料でも、人材育成プログラムということで、日本の研究者、支援者の海外派遣、それから海外研究者の呼び込みなども行うというふうにされております。また、運営法人では、公用語は英語に、そしてグローバルなチームもつくっていくという方向性も示されております。
ただ、世界的に見てみますと、イギリスやアメリカはもとより、シンガポール、そしてイスラエルなども含めて、既に強いエコシステムを持った国々がおりまして、人材の獲得競争というのもまさに一層激しさを増しているところでございます。
そういった観点から、このGSC構想の実現のために、国内のみならず海外からも優秀な人材を集めるといった観点で、どういった人材を対象に、また、どのような仕組みで海外から人材を集めるのか、お聞かせください。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想は、関係者が一堂に会して、エコシステムに関する国内外の多様な主体が研究開発と事業化に向けた活動を行います。
海外の研究機関や企業、優秀な人材にとっては、このフラッグシップ拠点に集まることで、例えば、ディープテック分野における日本との共同研究の機会の発掘であるとか、日本トップクラスの研究シーズの発見、探索、そして日本の産学ネットワークや市場との接続、こういった多様なメリットが享受できるというふうに考えてございます。
実際に、今進めております先行的活動におきましては、ディープテック分野の研究開発や事業化で優れた実績を持つ米国の研究機関、あるいは海外大学関係機関等が、日本の高い技術力や産学ネットワークへのアクセスに魅力を感じて、日本のイノベーションエコシステム形成に向けた長期的な関与に強い意欲を示して、参加をしていただいているところでございます。
また、今後、優秀な人材を呼び込むためには、国際的な水準も踏まえた処遇が重要であると考えておりまして、給与水準に加えて、研究費、研究設備、共同研究の機会、そして支援体制、生活環境など、全体として魅力のある条件を整備してまいりたいと考えております。
○大空委員 ありがとうございます。
今、フラッグシップ拠点の話をしていただきました。是非、セキュリティーをどういった観点で確保していくのか、この質問をさせていただきたいと思うんです。
世界に開かれた拠点である必要がある。一方で、これは委員会で視察、私も一昨日伺わせていただきましたけれども、まさにこの予定地というのは、防衛省の施設に隣接をしているわけであります。特に、防衛装備庁だけではなくて、統合幕僚監部や、それから陸海空の自衛隊、こういったものもこの防衛施設の中にあるということでございます。その観点から考えますと、例えばGSCが対象としていくディープテック分野というのは、民生の利用だけではなくて、デュアルユースもあるかもしれない、さらには経済安全保障にも関わる、こういった技術を扱う研究者であるとか会社というのも当然出てくるわけであります。
オープンイノベーションを進めることと、研究のインテグリティーであるとか技術流出の防止を徹底していく、これはどちらも重要なので、両立をさせなければいけないということでございます。ここを曖昧にすると、開かれた拠点にもなれず、かつ安全保障上も不十分、こういったことにもなりかねませんので、是非とも、海外から優秀な人材を集めなければいけないけれども、知財保護であるとか、研究のセキュリティーであるとか、また入退館の管理も含めて、どのような対策を講じていくのか、お聞かせください。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
グローバル・スタートアップ・キャンパス構想のフラッグシップ拠点には、今御指摘ありましたように、国内外の研究者、スタートアップ、企業、投資家など多様な主体が参加することを想定しておりますが、御指摘のように、我が国の重要な研究施設に近接しております。そのようなこともありまして、グローバル・スタートアップ・キャンパス拠点の中で創出される知財や、成果の創出に向けて取り扱われる研究成果やデータ、これはいずれも、安全保障の観点から適切な管理が求められると認識してございます。
このため、知財保護については、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の下で創出された特許や重要技術が一方的に海外に流出することがないよう、知財の帰属やライセンス条件を含む知財財産マネジメントに関する基本方針、これを早急に策定し、海外の参画者に対しても同方針を遵守させるとともに、運営法人においても、これを適切に実現するための体制整備を進めたいと思っております。
また、施設の情報セキュリティー、入退館管理につきましては、研究や事業化の内容、機微度に応じた段階的、重層的な対策を講じることが必要と考えておりまして、具体的には、共用スペース、一般研究エリア、機微情報を扱う研究エリア等を区分したアクセス管理、また、情報システム上のアクセス権限管理、データの保存、共有、持ち出しに関するルールの明確化などを想定してございます。
加えまして、隣接する防衛省施設の動向把握や機微情報窃取のリスクを高めることがないよう、防衛省始め関係機関とも連携しながら、施設の設計段階から、例えば窓の位置や囲いなども含めた対策を検討し、万全を期してまいりたいと考えております。
○大空委員 ありがとうございます。
先日の平委員の質問の中でも、やはり偶然の出会いが重要だというお話がありまして、全くそのとおりだと思います。多くの人が集まって、しかも多様なバックグラウンドを持つ人が集まって、偶然に出会って、だからこそ、そこから生まれるイノベーションというのもある。
一方で、やはり、この立地の特性上、しっかり守るべきところは守っていくということも重要でありますし、今御答弁いただいたように、経済安全保障を含めた様々な観点から、やはり知財の帰属の問題、ルールもしっかり作っていくということで、どうしてもある種矛盾をするかもしれない二つの要素をうまくバランスを取って成立をさせていくということがこれからまさに政府に求められているところだと思いますので、海外の事例も含めてしっかり参考にしながら、開放性と守るべき技術を守っていくということを是非両立をしていただきたいというふうに思います。
次に、拠点として整備をする施設の具体的な機能等についてもお伺いをさせていただきたいと思います。
アンダー・ワン・ルーフ型ということで、様々なスペースというのを一つの空間でというようなお話もありました。一方で、現地も視察をさせていただいて、想定をしていたよりも敷地の中に高低差がありますね。坂もあったりもして、これはなかなか、平地にしていくというのもかなり大変な作業なのではないか。加えて、目黒区と渋谷区にまたがっていて、これはそれぞれ高さ制限が違うということでございます。目黒区は十七メートル、建物にすると大体三階建てぐらい、そして渋谷区では三十メートルまでということで、一つの敷地の中で高さ制限も異なっていたり。
さらに、これは視察に行かれた委員の皆さんはお分かりになると思いますが、すぐそこにはマンションがあって、部屋も、当然、敷地の方を向いている部屋がたくさんある。
近隣住民の皆さんの御理解もいただきながら工事を進めていかなければならないということで、やはり想定していたよりもいろいろなハードルがあるんだなということを実感をさせていただいたところでございます。
そういった観点も踏まえて、優秀な人材を集積をさせていって、そこからイノベーションを生んでいくという魅力的な拠点を整備をしていくために、どういった施設や機能を持つ予定なのか、お聞かせください。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
フラッグシップ拠点でございますけれども、国内外の研究者、スタートアップ、企業、大学や研究機関、投資家、支援者といった多様な主体が、まさに今おっしゃっていただいたようなアンダー・ワン・ルーフに集積をして、ディープテック分野の研究開発から事業化支援、そして海外展開まで一気通貫の支援を通じて、研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進するための基盤を創生するものでございます。
このフラッグシップ拠点が具備すべき具体的な施設そして機能につきましては、国内外の研究、イノベーション施設も参考にしながら、有識者会議における議論を踏まえつつ検討しているところでございまして、現時点においては、例えば、ディープテック分野における研究開発や事業化に必要な実験、研究スペースやオフィスのスペース、そして最先端の研究設備、機器等を備えたコアファシリティー、さらに、スタートアップ企業が大企業や投資家向けに事業の説明を行うなどのイベント会場や、あるいは会議、打合せを行う会議室などのコミュニケーションスペースといった機能が必要であると考えておりまして、引き続き、施設整備の基本的方針でございます基本計画の策定に向けて検討してまいりたいと考えてございます。
○大空委員 ありがとうございます。
その拠点を整備をした上で、やはり、この運営法人、認可法人がどのような組織になるのかというのがこの構想の非常に重要なポイントだというふうに思っております。
やはり、行政組織の意思決定のスピードでは到底イノベーションというのは生まれないというのは間違いないものだと思っております。政府の資料でも、アメリカのDARPA型で人材のモデルをつくっていくというようなことも記載をされております。
新しい法人をつくっても、それが官主導で、縦割りで、前例踏襲のようになってはいけないわけでありまして、このイノベーションエコシステムの形成のために、どのような、法人に対して具体的な要件定義をしていくのか、是非お聞かせください。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想は、世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブを構築することを目的といたしまして、国内外の研究者、スタートアップ、企業、大学、研究機関、投資家、支援者などを物理的にこの拠点に集積をさせ、そして、この拠点において、ディープテックに特化した研究開発から事業化、海外展開までの支援を一気通貫で取り組むこととしております。
そのために、運営法人では、フラッグシップ拠点を運営しながら一気通貫の支援に取り組むこと、そして、グローバルな市場の動向にも敏感に対応できる民間事業者の優れた知見あるいは経験の取り入れができること、そして、コンパクトで迅速な意思決定が可能な組織であること、こういった特徴を有することが求められるというふうに考えておりまして、このような機能でございますけれども、既存の大規模な独立行政法人の一部局には実現できないというふうに考えてございます。したがって、新たに法人を設立することで、本構想の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
○大空委員 ありがとうございます。
最後に、大臣に伺わせていただきたいと思います。
科学技術政策、スタートアップ政策、経済安全保障政策、いろいろな政策分野を横断して、そして日本を成長に導いていくんだというのがまさにこのGSC構想でありまして、極めて重要だと思っております。
これまでの様々な経緯、教訓も踏まえますと、是非、トップセールスで、小野田大臣御自身も海外に出ていかれて、優秀な人材であるとか研究機関を誘致をしていただく、そういったことも重要であると思っております。
このGSC構想によってどのような日本の姿を示していくのか、是非、大臣の御決意を最後にお聞かせください。
○小野田国務大臣 挑戦しない国に未来はないというふうに考えております。
GSC構想は、挑戦する人、挑戦を支援する人が一堂に集うイノベーションエコシステムのハブをつくり上げ、科学技術の成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進するようなイノベーションエコシステムを形成することを目標としております。こうしたエコシステムを形成することで、イノベーションを実現し、世界的な社会課題解決や経済成長につなげてまいりたいと考えております。
先日、インドに出張したときも、某大学に行った際は、法案が通るかどうか分からないけれども、この法案が通った暁には、こういったものも考えているから是非協力をしたいという話も弾んだところでございますので、しっかり、それがかなった暁には、トップセールスも頑張ってまいりたいと思います。
○大空委員 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、大島敦君。
○大島委員 どうも、大臣、おはようございます。
今日は、ゆっくりやりたいと思います。
私は、研究所にずっと通っておりまして、ほぼほぼ日本の研究所は全て行っています。地味なところだと文科省の防災科学研究所とか、あるいはSPring8、量子の関係だと、六ケ所村にも研究所があるので、そこに行ってみたり、原子力、天文、この間視察したところの隣が防衛研究所で、あそこも全部見ています。
その中で欲しいのは、やはり海中における測位システムですよね。防衛研究所、もうずっと研究されていて、そういう研究が僕はディープテックだと思っているの。やはり、ゼロから一を生み出すというのが本当の研究かなと思っていて。
三・一一、二〇一一年の後に、政府に、野党になってからですけれども、お世話になりまして、ロスアラモス研究所にも行ったことがあるの。宇宙から降ってくる素粒子で原子炉の中がどうなっているのか投影する研究を見たり、ナノテクセンターに行きますと、集合写真があって、真ん中に一人、日本の政治家が座っていまして、二階先生なんです。この人は何者かなと思いました。そういえば、和歌山のロケットの発射場は二階先生が選挙区だったところに設けられていて、科学技術に深い御関心があるのかなと思っております。
ロスアラモス研究所はマンハッタン計画でできたところなので、物理学として、アインシュタイン、相対性理論、そこからできることをやったのがマンハッタン計画であり、その後の原子力の平和利用にもつながったりもする。もう一つはアポロ計画。アポロ計画によって半導体が生まれるわけですよ。
こういう、チャレンジすることが本当のディープテックかなと思っていて、その点について大臣の御所見をお聞かせください。
○小野田国務大臣 いつも本当にいろいろなお話をお聞かせいただくことをありがたく思っております。
チャレンジすることがディープテック、まさに本当に、すぐに効果が出ない、十年、二十年かかるようなものであっても、それが社会的な意味を生むというものを研究していく、そのチャレンジがディープテックという先生のお考え、私も共感するところでございます。
○大島委員 私、人口規模を気にしているんです。二〇五〇年には日本の人口は一億人、米国は人口が増えていて現在三・五億人、EUが四・五億人、減少傾向にある。中国が十四億人なので、十四億人の、天才たちの国なわけですよ。一番新しい統計資料だと、科学技術の研究力を有するほぼほぼの大学、研究機関は中国なの。一億人の中のリソースをどうやって使っていくのかが私たちの国の今後に懸かっているかなと思うの。
お手元の資料の三ページ目、この資料は、毎月、内閣府を呼んで月例経済報告を聞いていて、何か月か前の月例経済報告にあった資料を国立国会図書館でもう一度作り直してもらったんです。一九七〇年一月の実質実効為替レートが七十五・〇一円、今年の三月が六十六・三三円ですから、円が三百六十円の時代よりも実質実効為替レートは安くなっているということ。一番高いところが一九九五年、この年は大島が一回転職をした年なの。この年は生産年齢人口がピークだったの。戦後の発展は、一つには、人口が五千万人増えたということ。
鉄鋼会社に在籍をしていたので、どういう経営者が出世するかというと、度胸のいい人でしたよね。要は、製鉄所に一兆円の投資をする、圧延ミルに一千億円の投資をする。次の景気回復期でしっかりとそれを要は償却できて出世するという、そういうマインドでバブルを迎えてはじけていくので、そのはじけた後は極めて慎重な経営に移ったと思っているの。ここのサラリーマン心理を理解しないと日本の経済は語れないんです。
ですから、私の後輩たちですから、二〇一〇年代以降かな、マイナス金利になって、財政出動があって、円安誘導をして。あのとき、まあ、大島は余り出世しない方、全く出世しないと思ったんですけれども、仮に大島が平取でしたら、一二〇%、当時の政権支持ですよね、何もしなくても利益が出るから。それで、リーマン・ショックを迎えて、内部留保があったので乗り切って、そして、その後に、今度は新型感染症の時代を迎えて、内部留保があったので乗り切っていくんですよ。ですから、何もしないことがいいことで、今でもその体質って抜けていないかなとは思う、かなですよ。これは、大島が仮に出世していたらそう考えていたので、まあ、こういう立場ですから客観的に述べているので。
もう一つは、一九九〇年当時、ハノイにはガソリンスタンドがなく、道端で瓶入りのガソリンが売られていました。ホーチミンシティー、旧サイゴンとハノイで、十を超え二十に迫る公団を訪問し、総裁と面談を重ねたんです。鉄鋼会社のマーケティングをしていたので、部長を呼んで。会合はいずれも時間どおりに始まり、具体的な成果を求めている内容だったと記憶しています。また、商社のベトナム人スタッフが、ソ連製のミサイルは性能が十分でなく、自分たちで改造していたと話していたことを思い出します。もしベトナム戦争がなければ、タイに向かった資本はベトナムにも投資され、同国は更に発展したのではないか、当時はそのように思いました。
この見立ては日本にも当てはまると考えます。中国が共産主義国家となり、東西冷戦下で日本は西側陣営の防波堤と位置づけられ、資金が日本に投じられたのだと。もし国民党が勝利していれば、そのマネーは日本を通り越して中国に向かい、中国が早期に発展したのではないかと当時考えました。しかし、中国は共産化し、大躍進から文化大革命が終わる一九七六年、文革は六六年から七六年でしたよね、停滞が続きました。その時期は日本の高度成長期と重なるんです。
ですから、もちろん、戦前の、戦争という極限状況の中で技術革新を生み出した人材が戦後の経済発展を支えたとも考えていまして。八十年前、金融も含め、国は破綻しましたが、科学技術によってイノベーションを起こすだけの人材の蓄えがあったのではないでしょうかと考えていまして。ですから、日本の持っているリソースはそんなに多くないと思っている。
ですから、私は、ディープテックが何かということをもう一度聞きたいの。僕は、ゼロから一を生み出すのがディープテックだと思っているの、ゼロから一を生み出すのが。その人材が日本にいるかどうか、どうしたらそれができるかどうか。
前回大臣に質問をさせていただいたのは、国の研究所、大学の共同利用する研究所を含めて、基礎的なところ、その研究を支える技師あるいは技術者あるいは工房をしっかり整えてくれというお話をしたのは、ここをおろそかにして日本のディープテック、ブレークスルーは起きないと思っているので、その点についてもう一度御所見、お願いします。簡単でいいですよ。
○小野田国務大臣 ちょっと、どこまでが文科省の答弁になるのか、どこまでが私の答弁になるのかというところが間違っていたら本当に申し訳ないんですけれども。
でも、おっしゃるとおり、ゼロから一を生み出す、そして挑戦される、チャレンジされる、そういうゼロから一を生み出すところに必要なのは、やはり基礎研究であったり、それぞれの研究者が十分に研究をできる設備であったり環境であったりというのが重要だというところに関しては私も同じ考えでございますし、第七期科学技術・イノベーション基本計画においても、そういう基礎研究のところをちゃんとやれる環境に予算をちゃんとつぎ込んでいこうねというお話はやっているところなので、そこが重要というところも、先生と私は認識を共有しているところでございます。
○大島委員 もう一つは、よくスタートアップと言うんですけれども、スタートアップ、どういうところで日本で今チャレンジしているかというと、この間質問させていただいたシンスペクティブ社、これは相模原市にあって、物流倉庫の中で衛星を造っているの。もう一つ、大田区には、京都フュージョニアリングという、核融合炉を研究している会社があって、ここも物流倉庫なの。そういえば、グーグルもガレージで始まっているし、アップルコンピュータのスティーブ・ジョブズもガレージで始めているので、いい設備がある必要が本当にあるかと考えるの。
シリコンバレーとよく皆さん言うんですけれども、私も、一九九五年にシリコンバレーに行ったことがあるの。それは、当時は私、結構個性的な社員でして、一九九三年に製鉄所で、私の、島といって、グループだけ、一人一台マッキントッシュを与えて、できる若手社員がアップルトークで結んでチャットで会話をしていたの。九五年、インターネットがない時代。エクセルのマクロを使いながら業務改革をしておりましたら、課長を無視してやっていたものですから、げきりんに触れまして、本社の情報システム部に異動になったの。
九四年からインターネットに触れるようになって、モザイクとかネットスケープのベータバージョンから使って、当時、何社か出資していたので、その四半期ごとのレポートを読んでいたの。九四、五年当時、みんな四半期ごとに、お金、出資してくれと東京本社に来たときに、やはりベンチャーってそういうものかなと思ったの。自分で金を集める、説得する。
ですから、ピッチって知っているかしら、ピッチというのは、「マネーの虎」の要はベンチャー版だと思ってください。カリフォルニア、どこでもそうですけれども、日本でも行われて、シンセンでも行われていましたね、二〇一八年にシンセンに行ったとき。投資を仰ぐ、新しい事業を起こしたい人たちが、三分間スピーチを連続的に繰り返していくの。そこに参加する投資家は全部お金を払わなくちゃいけなくて、十万円から、五十万から、百万円から、そして、投資を仰ぐ皆さんの話を聞いて、三分間でビジネスとして成り立つかどうかを判断して、それで後日出資するというピッチというのがあって。こういう立派な建物もいいんですけれども、カリフォルニアのピッチの会場は、私が行ったところは結構有名なところで、ドイツのフィリップスの工場の建屋の中でやっているの。そういう中でやるのがベンチャーで、一番大切なのは、当時もそうですけれども、即断即決の判断、これに五十億とか、これに百億円とか。
ですから、今、ラピダスの法案の審議のときに、大島としては、ビジネスとしては向かないんじゃないのかなと言ったの、向かないんじゃないのかなと。要は、瞬時に五千億とか一兆円の判断を繰り返していかないといけないので、日本のような合議に基づいて投資を仰ぐというのには向かない。
それで、今日、経産省の参考人に来てもらっていると思うんだけれども、今年の一月かな、ラピダスに行ったときに、あそこの露光機が一番付加価値があると思っていて、それについて、日本でも昔開発していたと思うので、教えてくれますか。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
ASMLについてのお問合せだと承知をしております。
ASMLは、世界中の最先端部品メーカーと有力顧客を束ねて、未成熟だったEUV露光技術を量産機へ育て上げたというふうに認識をしてございます。
その成功要因でございますけれども、imecを中心に、世界中の人材や企業を巻き込んで十分な民間資金を調達する、そうしたことでオープンなイノベーション環境をつくり出す、リスクを取って開発を継続したというところにあると承知してございます。
一方、我が国でございますけれども、二〇〇〇年代初めから、産総研を含む研究機関や企業において、EUV露光装置の開発に取り組みました。国際連携の視点や継続した研究開発費の確保が不十分で、残念ながら実現に至らなかったというふうに認識してございます。
こうした反省を踏まえて、海外のトップ半導体メーカー、研究機関と連携した開発支援を現在は行ってございます。産総研では、北海道千歳市において、最先端のEUV装置を導入した最先端半導体に関するオープンな研究開発拠点として整備を進めてございます。
以上でございます。
○大島委員 この露光機を造れるのはこの一社しかないの、オランダの会社の。これの研究開発については、多分一兆円を超える金が使われたと思うんですよ。四・五億人のEUなので、ベルギーに開発拠点を置いて、EU中心に多様な人材を集めて、最後にブレークスルーを起こしたわけ。ですから、今、二ナノメーター。ここが本当のキーテクノロジーなの。
ですから、それを使って、TSMCがあったり、あるいはラピダスがあったりするので、どちらかといえばこの露光機開発の方が我が国としては向いていたのかなと思っているの。もちろん、法案は、一兆円の法案だったんですけれども、大島は賛成だと言って、最後、チャレンジしてみるかと言って、当時の立憲民主党は賛成にしたんですけれども。ですから、そういうふうに、これこそが本当のディープテックかなと思うの。
もう一つ、問わず語りに聞きたいのは、理化学研究所って行ったことあるかしら。理化学研究所は、残念なのは、さっき、「サイエンス」だったかな、最新版の研究開発力の研究機関のランキングの百番以内に入っていなかったと思った。でも、理化学研究所は非常にいい研究所なの。学際的というのかな、物理もあれば、生命科学、キャンパスの中にあらゆる研究のラボがあって、それでお互いに交流しながら次に進んでいくの。
何年か前に、今、ペロブスカイトってあるじゃないですか、産総研で研究者と話したときに、どうして思いついたのかと聞いてみたら、スイスの研究所にいるときにイギリス人とビールを飲んでいたときに思いついたと言っていたので、一定の規模がないとそういうアイデアって生まれてこないし。
ですから、理化学研究所、多分、今もそうですけれども、多くのスタートアップの会社をつくっていると思うので、それについて説明してください。
○生田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、財団法人理化学研究所は、自身の発明を製品化するため、一九二七年に理化学興業株式会社を設立、その後も多くの会社を設立し、これらの企業集団から成る理研コンツェルンを形成し、我が国の産業発展に貢献してまいりました。
現在でも、国立研究開発法人理化学研究所は、企業への知財のライセンスや様々な企業との共同研究に加え、自身の研究成果を活用するベンチャー企業等への出資を行うなどにより、シーズの実用化に取り組んでおります。加えまして、成果活用等支援法人として二〇一九年に株式会社理研イノベーションを設立するなど、優れた研究シーズの社会実装を加速すべく取組を進めているところでございます。
文部科学省としては、研究シーズの実用化を進めることは極めて重要と考えておりまして、理化学研究所の研究成果の社会実装が進むよう、これらの取組を引き続きしっかりと支援してまいります。
以上です。
○大島委員 理化学研究所で、今もスタートアップは多いんですけれども、私の選挙区内にも理研コランダムがあったり、リコーも理化学研究所ですし、リケンもそうだし、協和発酵工業もそうだし、理研ビタミン、理研計器、こういうふうに戦前は会社を生み出していたの。今も、今答弁があったとおり、様々な会社を生み出しているよね。僕はこちらの方を充実させた方がいいと思うの。
理化学研究所の研究員の処遇って、そんなによくないよね。外国人の方を呼んでも、円安で少しの給与しか払えないし、前に聞いたときは、一年更新の雇用だったので、結構厳しいという話があったの。その点について知っていたら答えてくれる。知っていなかったらいいけれども。答えられる。
○生田政府参考人 お答え申し上げます。
理化学研究所の職員の給料については、委員御指摘のとおり、なかなか厳しい運営費交付金の中で、払える限りの給料を払っているところでございまして、ただ、最近では、以前、確かに一年更新で厳しいという状況がございましたので、無期雇用とか、優れた研究者をしっかりとした研究環境で雇用できるように、文科省としても支援していきたいと思っております。
○大島委員 大臣、今聞いたように、前に、理化学研究所に人工知能の研究所をつくるときに、そこの所長になる方とお話ししたことがあって、やはり今の点を指摘されたの。要は、一年更新なのでなかなか人が雇えないと。今はプロジェクトごとに一定の長期の雇用は可能になっているんだけれども、こういうところをしっかりやるのが国の役目だと思っているの。
研究は、長く続けないとブレークスルーが起きない。例えば運営費交付金、これから増えるかと思うんだけれども、結構大切でして。一番、これは野依先生とお話ししたときかな、日本の大学から、東京大学だったら東京大学の院だし、京都は京都の院に進むんだけれども、海外は違うと。ドイツもそうだよね、違う大学院に行ったりして。ほかのノーベル賞を受賞された方も、安定的に、今だったら三百万円ぐらいの資金を毎年毎年振り込んでいただけるとありがたいと。
今の研究の現場は、競争的資金をもらうために論文を二つとか三つに分けてトライしたり、結構そういうことをやっているんですよ。そういうことをやっていると、研究の肥沃な大地が育たないの。私が聞いた、名前を言っていいかな、国立天文台の台長だった常田先生は、いや、大島、あらゆる研究室がないと最先端の研究ができないという話を聞いたことがあるの。
ですから、多分、調べてみたら、国立国会図書館に、理工系の大学の先生が一万六千から二万人の幅ぐらい、二万人ぐらいだとしよう、薬学部とか農学を入れれば三万人ぐらい、半分ぐらいとして、一万人の方に三百万配ったとしても、三百億円でいいわけですよ。これは継続的に配っていった方が肥沃な大地が育ってくると思うので、是非その点もお願いしたいの。
質問通告してあるのはブレークスルーで。
インターネット、インターネットと言うんだけれども、僕、ずっとここ十年以上の間、出会う情報系の技術者に、私の人生は一九六〇年代の技術で終わるのかと質問していたの。インターネットは一九六〇年代の技術だから。つまらないとずっと言っていたんですよ。この話をしていたら、何か四、五年ぐらい、五年ぐらい前かな、NTTの方から、今はIOWNというのが有名になっているけれども、光電融合について伺って。
光電融合が何かについて、答弁をお願いします。
○柴山政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の光電融合技術につきましては、電気信号で行っていた情報のやり取りを光信号でのやり取りに置き換える技術でございまして、従来の技術に比べ、大容量、低遅延、低消費電力といった特徴を持ち、デジタル分野のゲームチェンジャーとして期待されてございます。
例えば、NTTのIOWN構想など、通信分野において光電技術を活用し情報のやり取りを光信号で行うオール光ネットワークが注目されておりまして、今後のAI社会において、様々な産業を支えるデジタルインフラの中核になるものと認識してございます。
○大島委員 今のを聞いていて、よく分からないと思うの。簡単に言うと、今はウェブでけんかできないの、若干タイムラグがあるから。人の見えない色とか人の聞こえない音は全部省いて送ってくるの。IOWNは情報を圧縮することなく光の速度で安定的に送れるので、例えば指揮者がいて、各パートの奏者が自宅にいて、指揮を執れるの。要は、ドラムからたたいた音が指揮者に来る時間よりも光の方が速いから。そういうネットワークを日本の中につくると、時間が正確だから、金融の取引だって、治療だって、あるいは診察だって、違うイノベーションが起きる。
日本にとって必要なのは、政府の仕事は、こういうインフラをつくることと、もう一つは、SPring8のように世界で一番の計測装置を持つこと。
その点について説明してください。このSPring8、どのくらいかというのを。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
SPring8は、北川進博士のノーベル化学賞受賞への貢献、燃料電池の開発や創薬など、多様な分野で多くの成果を創出してきました。
一方、運転開始当初、世界最高性能の輝度を誇っていましたが、共用開始から二十五年以上経過しておりまして、施設の老朽化のほか、諸外国の放射光施設の高度化が進む中、現状、海外と比較して、性能の面で後れを取りつつあります。
したがいまして、現在、世界最高性能を目指し、SPring8―2の整備に取り組んでいるというところでございます。
○大島委員 計測装置として、SPring8は、昔は世界で一番、要は顕微鏡なんです、一番よく見える顕微鏡。一番よく見える顕微鏡なので、摩擦係数がないタイヤができたり、多分、燃料電池車の電池の部分のコストリダクションにつながったりしているので、科学技術の真理を追求するところを民間開放するとこういうことが起きて。
この間、産総研に行って、量子コンピューターには幾つか技があるので、でも、産総研で一番優れているのは計測装置を持っていることだと思った、その現場を見せていただいて。どの量子コンピューターのどの部品が世界で一番かというのを計測できるの。柔道あるいは剣道の試合も、一番権威のあるところは一番いい審判のいるところなんです。
ですから、是非、これで私の質問を終わりますけれども、基礎研究にしっかりと注いでいかないと、今の感じだと十年かかるので、これから基礎研究をもう一回戻すのに。
お手元の資料を見ていただくと、中国がどれだけ研究論文を出しているのか。僕は毎年中国に行って、最先端を取材しているので。やはり、そこのイノベーション、アメリカのイノベで、日本には日本の風土に合ったイノベーションがあるので、理化学研究所を含めて、基礎研究由来のところを大切にしていただきたいということをお願いさせていただいて、大島の質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 おはようございます。長妻昭です。
今朝のNHKの六時、ニュースということがありました。十七の戦略分野、六十を超える製品、技術に対して、政府が決定したということで、二〇四〇年度までの官民投資額三百七十兆円、こういうニュースが流れました。まだ内々定の段階だとは思います。
私が心配しますのは、前回も申し上げたように、もちろん日本は世界一の科学技術、そして世界一を狙える産業をどんどんつくり上げなきゃいけない、これは私も同感であります。十年後の日本の飯の種がきちっとないと、若い人を含めて、どんどんどんどん給料が上がる、世界一の産業分野、こういう夢のある分野をつくっていく必要がある、社会経済の発展につながるというふうに思っております。
日本は、私は、縦割り、満遍なく症候群、この二つの問題があると思っているんですね。
縦割り、部署割りプロジェクトが乱立して、例えばムーンショット、これは十分野ありますよね、政府。SIPもある、JSTもある、基本計画十七分野。危機管理投資、成長戦略、これも十七分野。偶然重なっていますけれども、中身が違う。これ以外、挙げるとプロジェクトがたくさんあり過ぎて、何しろ縦割り、それぞれ、思いつきとは言いませんけれども、部署ごとに連携もなしに乱立する、それで、官僚の皆さんが疲弊してしまう。
もう一つは、満遍なく症候群。これは、業界に配慮する余り、この分野をちょっと入れてくださいということで、どんどんどんどん分野を入れて、満遍なく薄く広く。これはやはり業界から巨額の企業献金、そして企業によるパーティー券の購入というのがあって、なかなか、お世話になっているところをなしにはできない、こういうようなこともあるというふうに思うので、やはり真の選択と集中を、利権を排してやっていく必要がある、世界一を目指す、そういうことを考えているところであります。
そして、その中で今回の法案が出てきたわけでありますけれども、GSC、グローバル・スタートアップ・キャンパス、このフラッグシップ拠点ということで、一等地に、だだっ広い一等地、視察に私も行きましたけれども、建物も国が建てて、土地も無償でお貸しするというようなことで、箱物の典型じゃないかと思います。
今、五十を超える研究所があるんですね、国の。そこを、なかなか、暇というか、建物も余り使われていないところもあるんですね、賃貸しているところも。ですから、そういうところをそれぞれ利用してネットワーク化して活用すれば全然間に合う話だというふうに思います。
その中で、前回、後藤議員も質問しましたが、いろいろなコンサルタントに頼んでいるようで、まず、前回、後藤議員が質問したコンサルタント、これは、どこに幾ら頼んだということですか。(小野田国務大臣「済みません、ちょっと時間を」と呼ぶ)じゃ、一回止めてください。
○山下委員長 じゃ、速記を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。
小野田大臣。
○小野田国務大臣 済みません、お待たせしました。
文科省の調査は、一・五億円、明豊という会社と聞いております。
○長妻委員 コンサルタントですね。これで失敗したので、また頼んでいるみたいなんですね。これはどこに幾らですか。
○小野田国務大臣 PwCというところに、三億円の内数、全額がこの調査ではありませんが、三億円の内数というふうに承知しております。
○長妻委員 三億円というのは何の数字ですか。
○小野田国務大臣 調査委託費が三億円ですから、その三億円全てをこの調査ではなく、その内数というふうに聞いております。
○長妻委員 私は、三億円全部、この調査、フラッグシップ拠点の調査だと聞いているんですが、事実と違う。
○小野田国務大臣 済みません、ちょっと、そのような御説明があったかもしれないんですけれども、本調査委託、委託の調査では、運営法人の設立に向けた調査、フラッグシップ拠点の整備に向けた調査、海外機関等との連携に向けた調査、広報活動の支援、スタートアップエコシステムの成長の調査を一本の委託契約として行っているというふうに私としては承知しております。(長妻委員「それが幾らですか」と呼ぶ)それが三億円。
○長妻委員 そうすると、この法案関連のコンサル調査ということだと思いますけれども、結局、一発目で失敗、一発目は失敗というか開発許可を使わずに検討させて、それではちょっと、いい数字が出ないということで、今度は開発許可は使っていいということでコンサルに頼んだというふうに聞いておりますけれども、余り、私も別に、必要なお金はいいと思うんですけれども、思いつきみたいな形でこういう億単位の金がどんどん出ていくのもいかがなものかと思います。
一発目の調査では、後藤議員からも前回ありましたけれども、延べ床面積が三万二千八百平方メートル、それで、二回目になったらいきなり倍近くになって、五万九千平方メートル、延べ床面積、というふうに大きくなったわけであります。
全国のこういうフラッグシップ拠点的なものを見ますと、相当失敗しているところもあるんですね。規模は、自治体、企業等々でこの規模と違いますけれども、ニーズをつかめていないなどで。ですから、我々としては、初めに建設する計画が五万九千平方メートル、これを一発目、一番初めにこれを建てるということではなくて、徐々に、二弾目、三弾目、必要に応じて増築するなりしていくということが望ましいと思うんですが。
一番初めに五万九千平方メートル、延べ床面積、こういう建物を建てる、これは断念していただけますか。
○小野田国務大臣 御指摘の段階的にというところなんですけれども、御指摘の点については、着実かつ効率的な整備を図る観点や、急速な技術動向の変化に対応する観点から、具体的なニーズなどの状況を踏まえて段階的に規模を拡張していくことは重要な視点であるというふうに認識をしております。
具体的な整備の在り方については、現在、民間のノウハウを活用する観点から、建築、金融、不動産の専門家に加え、ディープテック分野の研究者、創業者などで構成されるフラッグシップ拠点整備に関する有識者会議において専門的見地から御議論いただいているところでありますが、本法案が成立した暁には、有識者会議において、先生おっしゃっていただいた段階的という、国会審議で御指摘いただいた諸点も含めて御議論いただき、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
○長妻委員 要望したいのは、一番初めには三万二千八百平方メートルだったんですね、一番初め。三万二千八百平方メートル以下、まず一番初め、建物が完成するときは三万二千八百平方メートル以下で、以下の規模で完成させて、必要に応じて増築するということをしないと、私はいろいろ問題が発生すると思うんですが。
それ、よろしいですか。一番初めに建設、一番初めの完成については三万二千八百平方メートル以下で、まず第一弾、完成させるということでよろしいですか。(発言する者あり)
○山下委員長 静粛に。(小野田国務大臣「委員長、ちょっと」と呼ぶ)(長妻委員「じゃ、ちょっと止めてください」と呼ぶ)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。
小野田大臣。
○小野田国務大臣 済みません。具体的な数値の、ここ以下というところに関しては、今有識者会議において検討していただいているところなので、この時点で申し上げることはできないんですけれども、ただ、国会のこの審議、御指摘、段階的にということを踏まえて、この有識者会議に御検討いただくというふうに私どもは考えております。
○長妻委員 そうすると、一番初めに建物を建てるとき、延べ床面積が三万二千八百平方メートル以上の建物が一番初めに建つということもあり得るということですね。
○小野田国務大臣 現在有識者会議で検討していただいているので、以上となるとも以下となるとも申し上げられないという状況です。
○長妻委員 ちょっと、私も事前に聞いていた答弁と全く違うので。それは、以下でも以上でも、全く決まっていないということですよね。もう一回。
○小野田国務大臣 今回の国会の御審議を踏まえて、段階的に整備をしていくというところを検討していくということはもちろん申し上げているんですけれども、有識者会議の専門家の先生の中で、そういった国会の御議論を踏まえて検討していただきたいということなんですけれども、今有識者会議の中で話していただいているところなので、この時点で具体的な数字を私の口から申し上げるというのは差し控えたいと思っております。
○長妻委員 ちょっと止めてください。筆頭間でちょっと。一回止めてください。
○山下委員長 じゃ、速記を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。
小野田大臣。
○小野田国務大臣 先ほど御指摘いただきました点につきましては、三万二千八百平米以下を念頭に始めることとさせていただきます。
○長妻委員 是非よろしくお願いをいたします。
そして、もう一つ聞いていたのが土地の価格ですね、周りのディベロッパーとの比較で。これは当初二百億円とおっしゃっていたんですが、幾らぐらいですか。
○山下委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。
小野田大臣。
○小野田国務大臣 先生、資料もつけていただいておりますけれども、当該土地の価格について、分譲マンションを販売するという想定でディベロッパーに確認したところ、約四百から六百億円程度となる見込みとの回答がございました。
○長妻委員 相当金額が跳ね上がっておりまして、これを、建物も土地も無償でばあんと提供すると。こういうような形はいかがなものかということで、この後質疑があると承知しておりますけれども、これについてもきちっとした対応をしていただきたいというふうに思います。
これは資料九ページをつけておりますけれども、科学技術振興、いろいろな論点があると思うんですが、一点だけ声を大にして言いたいのは、やはり大学へのお金なんですよ。これが、国立大学法人運営費交付金が事実上、実質的に減らされている。信じられないことなんですよ。そこに金を注ぎ込むということが何よりも重要なことで、これは大学以上の高等教育段階でOECDの平均の半分なんですね、五四%、在学者一人当たりの公財政教育支出額というのが。これは二〇二二年の数字ですけれども、文科省に聞くと、今も傾向はほぼこれと一緒ですというような説明を受けておりますので、これを大幅に増やすということが何よりも重要だということを強く申し上げておきます。
そして、科学技術の発展ということで、AI、非常に重要で、私も前回申し上げたように、バーティカルAI、これが特に医療の分野は世界一を狙えると思っているんです、本当に。日本は医療のデータや蓄積が非常に豊富ですので、医療ブランドも世界一ですので、長寿のイメージもありますので。
ただ、今回、個人情報についての変更が参議院でも議論されておりますけれども、個人データを非常に乱暴に扱うと、国民の皆さんから信頼を失って、むしろAI開発にマイナスになるという危惧をすごく持っているんですね。
そこで、ちょっとお尋ねしますけれども、個人情報保護委員会は、個人情報の漏えい等の人数というのは一切発表していないんです、これまで。一切発表していない。件数は発表しているんですね、企業から何件とか何件とか。人数は一切発表していないんですが、今日、お願いをして、初めて発表いただけるということなんですが、過去三か年、お願いします。
○今枝副大臣 個人情報保護法に基づき個人情報取扱事業者から提出された漏えい等報告について、漏えい等した人数につきましては、年次報告で示している人数別の内訳ベースとした推計になりますけれども、令和四年度が少なくとも約二百九十一万人、令和五年度が少なくとも約四百二十九万人、令和六年度が少なくとも約千百十二万人となります。(長妻委員「何倍ぐらい」と呼ぶ)令和五年度につきましては、令和四年度の前年比で約一・五倍、そして、令和六年度につきましては、前年比約二・六倍となっております。
○長妻委員 これはすごい増加していませんか。初めてなんですよ、人数、推計値で出していただいたんです。少なくともですから、最低のレベルの人数なんですね、これは必ず統計的には増えますので。二・六倍ですよ。一千万人以上漏れているんですよ。
これは大丈夫なのかということで、実は、個人情報保護委員会は、はっきり言うと、漏えいについては完全に後手後手です。メディアで報道されて、よっこいしょということで対応する。メディアに先駆けて対応したことはほとんどありません。
これは東京商工リサーチも調査しているんですね。二〇二五年、昨年の上場企業の個人情報漏えい・紛失事故調査、この調査だと、三千六十三万人分流出したと、東京商工リサーチ。上場企業だけでですよ、個人情報。これは全然、個人情報保護委員会、少ないわけでありますけれども、きちっと調査ができていないわけであります。
今回議論されている要配慮個人情報、統計特例というのが通ってしまうと、AI開発を含む統計特例でありますけれども、国民の皆さんの例えば病歴、これが、名前、住所つきで、第三者提供ということで、病院から企業に本人同意なく渡すことができる。こういうものが今月にも参議院で成立する勢いになっておりまして、このデータが漏えいしたら、名前、住所つきの病歴ですからね、変更できなくなっちゃうわけでありまして、はっきり言って、これは欠陥法であり、AI開発に水を差す、むしろ逆行するような法案であると言わざるを得ないんです。
お伺いしたいのは、名前と住所つきの病歴を欲しいという団体、企業というのはあるんでしょうか。つまり、名寄せをして差し上げればいいと思うんですね、私は、仮名化して。でも、それでも駄目だ、名前と住所つきの病歴がないと駄目だ、それを実現してくれとおっしゃっている団体とか企業というのはあるんですか。
○今枝副大臣 委員御指摘のような要望は認識をしておりません。
○長妻委員 これはびっくりしますよ、ないんですよ、どこの企業も団体も、そういう要望は。ないにもかかわらず、それを出すと。
これの根拠として、私、政府に聞きましたら、いや、有識者が出してくれと言っている、AI開発には、有識者が必要だとおっしゃっているというような答弁があったので、その議事録を見せていただいて、説明を受けますと、実名がないと、名前と住所の病歴がないと、誹謗中傷をネットなどで発見する場合、できにくくなる。AIが、ネット上、SNS上でどこに誹謗中傷があるかを発見するときに、AIに学習させるときに、名前、住所つきの病歴を、公開されていない病歴をチェックさせないと、そういう誹謗中傷を発見できないということを政府は説明するんですが、意味が分からないんですけれども。これは、公開されている要配慮個人情報の例なんじゃないですか。
ちょっと一回止めてください。
○山下委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。
今枝副大臣。
○今枝副大臣 御指摘の点につきましては、公開した情報の話だったということというふうに承知をしております。
○長妻委員 これは、私は本当に役所に抗議したいのは、ちょっと、だましみたいな説明なんですね。
つまり、今回、スキームは二つあって、例えば病歴について言うと、公開されている病歴、ネット上で私は末期がんですとか自ら公開する場合がありますよね、それを収集するときですら、さえも、今までは本人の同意が必要だったんですよ。ところが、さすがに公開しているから、それは本人の同意はなくていいんじゃないのと。それは私も、まあいいんじゃないかと思うんですよ、それは。
それと、もう一つのスキームは、公開されていない病歴、これも、AI開発など、統計特例ということで、第三者、病院から企業に名前と住所つきで渡るということ。二つあるんですね、大きくは。
この事例というのは、実名がないと誹謗中傷をネットなどで発見できないから必要なんだというのは、公開されている要配慮個人情報の、本人同意がなくて収集したり第三者に渡すということの必要性の根拠となる有識者の発言なんだけれども、これをわざと混同して、有識者から、名前がないと駄目だというような説明を各議員にしているというのは、私はこれは非常に問題があると。今はっきりしましたので、二度とこういういいかげんな説明はやめていただきたいというふうに思います。
そして、予算委員会で、この委員会室で高市首相にもこの件を聞きましたところ、説明を受けていません、こういう懸念については、そういうふうに高市首相ははっきりおっしゃいました。
首相に直接、本当に、名前そして住所つきの病歴が統計特例で病院から企業に渡る、ここまできちっと説明はされたんでしょうか。
○今枝副大臣 総理に対しましては、本法案の概要につきまして、個人情報保護委員会より閣議決定前に必要十分な御説明をしているものと承知をしております。
当該の御説明につきましては、個人情報保護委員会事務局長から総理大臣秘書官に対して説明を行い、そして総理大臣秘書官から当該内容を総理に対して説明したものと承知をしております。
当該御説明の際には、本法案の統計作成等の特例につきまして、個人データの第三者提供及び公開されている要配慮個人情報の取得について、統計情報等の作成のみに利用される場合は本人同意を不要とする、このような旨を御説明したものと承知をしております。
○長妻委員 なるほど、個人データ。個人データを企業に提供するとき、第三者提供の場合は同意が要らない、こういう特例がある、統計特例。私も初め、そういう説明を受けたんですよ。多分、高市首相もそうでしょう。ただ、皆さん分かりますかね、個人データといったときに、この中に名前、住所つきの病歴も入るというのは普通分からないんですよね。分かりますかね。
結局、個人データという抽象的な言葉、まあ、プロの皆さんは分かるんでしょうけれども、その中に要配慮個人情報も入っているということが分かるんでしょうけれども、名前と住所つきの病歴、名前と住所つきの要配慮個人情報、これも渡ることになるんですよと、具体的にそういう説明はしていないわけですよね。
○今枝副大臣 本特例の対象には氏名等を含む病歴等の要配慮個人情報が含まれますけれども、本特例は要配慮個人情報を提供することを主たる政策目的とするものではなく、医療関連の情報は格別として、その他の要配慮個人情報の第三者提供は一般には想定をされず、医療関連情報の場合にも、大宗は不要な氏名等は削除して提供することが通例となっているものであるため、総理への説明に際し、その点を触れることは、閣議決定に際しての説明の趣旨にも照らしまして必須ではないものと判断したものと承知をしております。
○長妻委員 必須でないから説明しなかったということです。メインではないと。
メインではないというのは、メインですよ、これは、国民の皆さんの一番の心配事は。ここに大きな穴が空くわけで、厚労省も心配の文書を個情委に出しているわけでございますので、是非もう一度高市首相に正確に説明をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○今枝副大臣 総理に対しまして、本法案の概要について、個人情報保護委員会より閣議決定前に必要十分な御説明をしているものと承知をしております。そのため、改めて総理への御説明は行っておりません。
○長妻委員 これは、予算委員会でも自分は説明を受けていないとおっしゃっているので、説明した方がいいと思いますよ。今、参議院でも大きな問題になっておりますので、これは強く要請しておきます。
そしてもう一つ、これについて、ヨーロッパ諸国では、第三者提供、病院から企業に実名が行っている、そういう例外もあるよというような趣旨の答弁が国会であったんですが、政府から。本当なのかなと私は調べたんですが、そういう実例は見当たらないんですけれども。
もう一回聞きますけれども、ヨーロッパで、第三者提供、つまり病院などから企業に渡るときに、氏名、住所つきの病歴が渡るというような事実、これは確認はしていますか、そういう事実があったということは。
○今枝副大臣 EUの一般データ保護規則、GDPRにおきましては、機微情報についてはその取扱いが禁止をされておりますけれども、例外的に取扱いが許容される場合として、統計の目的のために取扱いが必要となる場合が規定をされております。
この例外に依拠する場合には一定の保護措置を講じること等が求められており、保護措置の例として仮名化について規定をされていますけれども、同規則上、一律に匿名化又は仮名化の措置が求められているものではないと承知をしております。
そして、氏名、住所つきの病歴を含むデータをAI開発を行う事業者に本人同意なく提供した実例については承知をしておりません。
○長妻委員 だから、承知していない、確認できないんですよ。
これは私も、厚労省にもお伺いすると、仮名化されているということで、ペーパーももらいました。ですから、団体訴訟も、G7の国ではあるにもかかわらず日本だけないわけですから、世界に類を見ない、先進国では類を見ない法律だと言わざるを得ないわけでございます。
是非、私どもとしても、日本の科学技術を、世界から後れを取っているという認識を持っておりますので、これを大きく前に進めなきゃいけない、こういう思いは持っておりますけれども、それは、やはり企業や国だけが先行するんじゃなくて、国民の皆さんの理解を得なきゃいけない。
言うまでもないことですけれども、これからはデータというのが宝の山だ、データを囲ったというか、データをたくさん集めてビッグデータを有効に活用する、そういうことをきちっと整備した法案があり、そして国民の理解がある国がAI競争、科学技術の競争で世界で勝つ、こういうふうに言われているわけですね。
いまだに石油は世界の産業の非常に重要な資源でありますが、それ以上に、もうよく言われていることですけれども、データというのは更に更に重要になってくる。そうしたときに、個情委が公表、今おっしゃっただけでも一千万人以上の情報がだだ漏れているような日本で、個情委がマスコミの新聞を見て、そしていろいろチェックするような、そういう体制を根本的に変えないといけない。
こういう状況の中で緩めていく、世界に類を見ないような、大きな穴を空けるというのは、日本のAI開発にも、バーティカルAI、世界一を狙えるのに、信頼を失って、私は間違いなくマイナスになると思いますので、是非その意味でも考え直していただきたいというふうに思います。
どうもありがとうございました。
○山下委員長 次に、西田薫君。
○西田(薫)委員 日本維新の会の西田薫でございます。
今回は法案審査ということでありますが、本日もよろしくお願いいたします。
前回の委員会質疑において、基金の在り方について意見が出されておりました。そこで、私も基金について少し触れさせていただきたいんです。
私たち日本維新の会は、昨年は野党でありました。そして、今、与党になっております。野党だったからとか、与党になったからということではなく、私たちの考え、基金に対する考えというのは終始一貫しております。そういった中で、基金に対して、補助金であったり租税特別措置であったり、政府の効率化に向けた提言というのを今ちょうどまとめさせていただいているところなんですね。近く政府に対して手交させていただきたいというふうに思っております。
そういった中で、私たちの考えなんですが、基金の新しいガバナンスということで、省庁の貯金から国民の投資信託へというのを基本的な考えとして持っております。そして、来年度の予算から実現すべき具体的な改革という中で、何本か柱があるんですが、例えば、基金の統廃合であったり、基金シートの見直し、ファンドマネジャーによる国民への説明責任の徹底、ステージゲートの導入、収益納付条件の義務づけ、国庫返納ルールの新設、機会費用の国庫返納。
要は、私たちもやはり選択と集中というのが必要であるというふうに思っておりますし、こういった思いで、近く提言を提出させていただきたいというふうに思っております。
ただ、個人的にといいますか、これは党もそうだと思うんですが、安全保障分野に関することであったり、宇宙領域で、こういったものというのは、私は非常にこの基金が大事じゃないかなというふうに思っております。
それでは、質問させていただきたいというふうに思います。
今回、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想、GSC構想なんですが、ディープテック分野ということで、これは私は非常に重要であるというふうに思っております。今日、冒頭、自民党の大空委員の方からも、これは経済安保にも関係するということで、全く私も同じ思いであります。ただ、一昨日の質疑を聞いておりますと、野党の皆さんの質問、なるほどなと結構うなずくところが非常に私、多かったんですね。
そういった中で、議論が多く出ていたのは、なぜこの東京の一等地、渋谷に箱物を造るのかというような意見であったり、例えば無償貸付けというのも果たしてどうなのか、これも他の委員の方が質問されておりましたし、我が党の黒田議員もその件については触れておりました。
本当に今この東京一極集中、これを何とか解消していかないといけないと言われている中で、なぜここなのかということについて、これは大臣、先般の委員会の答弁の中で何度もおっしゃっておられたかと思うんですが、改めて、なぜこの場所なのかということを御答弁ください。
〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想は、我が国に世界最高水準のディープテック分野のイノベーションエコシステムを構築しようとする事業であり、フラッグシップ拠点は、我が国のエコシステムと世界のエコシステムとをつなぐハブとなるものでございます。
こうした拠点の目的に鑑みまして、立地につきましては、投資家や企業、大学といったイノベーション創出に関わる多様な主体が集積をして、スタートアップ創出の素地が整っている都市部へのアクセスが容易であること、そして、国際的な認知度が高く、また、空港からのアクセスが容易であり、国内外の人材を集めやすいことなどの条件を満たす必要があると考えております。
こうした観点も含めまして総合的に勘案をした結果、東京都渋谷区及び目黒区の国有地を活用することが適切と判断したものでありまして、一方で、東京以外での日本各地でもイノベーションエコシステム形成に向けた様々な取組が行われているところでございます。
このGSC構想は、そういった国内含めて国内外との結節点として、これら各地の大学、研究機関、そして支援拠点等の取組との連携を通じまして、東京のみならず日本全体のイノベーションエコシステムの強化につなげたいと考えております。
○西田(薫)委員 無償貸付けの件についてもちょっと思うところはあるんですが、今日は通告しておりませんのでそのことは質問しないんですが。
今いろいろ御答弁がありました。都市部へのアクセスというのが容易である、空港からのアクセス、十分な面積を有しているというのも、そこの場所になったという中の一つかなというふうに思っているんですけれどもね、私、これは大阪出身だから言うわけじゃないんですが、先ほどもちょっと、大阪でもどうだというふうな御意見も言っていただいたんですが、それこそ大阪・関西万博の跡地というのもこの条件に合うんじゃないかなというふうに思っております。
その大阪・関西万博なんですが、昨年開幕して閉幕をしました。九月十七、十八ですかね、この二日間にわたりましてグローバルスタートアップエキスポが開催をされています。これはテーマウィークの間に開催されたということですよね。そして、本年十月にもこのグローバルスタートアップエキスポ、GSEが大阪で開催されるというふうに聞いております。
ちょうど昨日、大阪市、大阪府の方々が、私たち大阪選出の国会議員に対する要望集会というのが国会内で行われました。その中で、大阪府からの要望でもあったんですが、ディープテックの世界的な国際イベントであるGSE、これに対して、登壇者等の招聘であったりとか財政的な支援もお願いしますとちょうど昨日要望で聞いたところなんですね。私、あした内閣委員会で質問になりますから、その要望も言っておきますということを言っておりましたもので、一度御検討いただきたいと。そして、大きな国際イベントというのはやはり定着をしてほしい、これはあくまでも大阪府の要望なんですが、大阪で定着をしてほしいという要望も聞いておりますので、是非御検討いただければなというふうに思っております。
それでは、次の質問に移りたいと思います。
次は、今回の法案説明の資料、配付資料の中の説明資料三ページなんですが、フラッグシップ拠点、これはポンチ絵で書かれている部分です。この中に、スタートアップエコシステム拠点都市、ここが連携というふうに書かれているんですね。
今回、法案審議ということですので、どうしても委員会質問というのが重複する質問が多いんじゃないかなという思いの中で、極力かぶらない、重複しないような形で質問していきたいというふうに思っておりまして、今回、このスタートアップエコシステム拠点都市について少し質問をさせていただきたいというふうに思っております。
私の大阪含めた関西圏、これが、大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアムというのが、広域都市圏型ということで、これは第一期からですよね、バイオ、グリーンテック、デジタルということを目指して取り組んでいるということですよね。この関西圏の取組に対して、政府としてはどう評価をされているのか、そしてまた、今後どういった支援を行っていかれるのか、御答弁願います。
○井上政府参考人 委員御指摘の、スタートアップエコシステム拠点都市の一つとして京阪神を選ばせていただきまして、大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアムという活動を令和二年からサポートさせていただいております。
この五年間の成果でございますけれども、この事業、サポートが始まる前の五年間は、このエリアのスタートアップの創出数、五年間で二百七十一であったんですが、このサポートをした後の五年間は千社を超えるということで、非常に大きく増加をしたということで、私どもも、非常に頑張っていただいていると評価させていただいております。
一方、ユニコーンのように大きく成長するスタートアップというのは多いとは言い難い状況にございます。したがいまして、そこの高さを出す点、ここについて、まだ途上にあると私どもは認識しております。
このようなことから、この取組を更に引き上げるということで、令和七年から第二期スタートアップエコシステム拠点都市を開始しておりますが、そこでも、今、そのような観点で継続して支援をさせていただいております。具体的には、海外への発信や外国人起業家等の誘致、海外の支援機関との関係構築、海外展示会への出展等などについて支援をさせていただいているところでございます。
○西田(薫)委員 ユニコーン、一社というふうには聞いております、この京阪神においてはですね。
今回のこのGSC構想というのは、あくまでもハブとして、それを、地方、一緒に連携しながら底上げをしていくということを先般の質疑の中でも大臣が御答弁されていたと思うんですね。そういったことから、このGSC構想というのは、フラッグシップ拠点だけで完結するものではないというふうに思っているんですよね。スタートアップエコシステム拠点都市との連携というのは非常に大事であるというふうに思っておりますし、現にこのポンチ絵にも連携というふうに書かれているんです。
そこで、この制度もそうですし、今回のやつもそうですし、これは共に内閣府の施策というふうになっているわけですので、どういった連携を今考えておられるのか、ちょっと具体的に説明していただきたいなと思っております。
〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想のフラッグシップ拠点は、ディープテック分野において国内各地の大学、研究機関、拠点等における取組と海外のネットワークを結びつける結節点として機能するということを想定しております。既に拠点都市の関係者とも今後の連携に向けました意見交換を行っているところでございまして、今後とも、地域スタートアップエコシステム、そして地域におけるスタートアップ振興施策ともよく連携をしながら取組を進めていきたいというふうに考えておりまして、具体的には、スタートアップ拠点都市に対してフラッグシップ拠点の成果あるいはネットワーク、こういったものを定期的に共有する場を設けるということが重要だと思っております。
したがいまして、拠点の運営に当たりましては、研究者については、地域の大学等の所属も残しつつ、拠点では事業化に向けた活動を行うであるとか、スタートアップが一定の成長段階に達した後は施設を退去するという基準を設定する、また、技術実証や試作ライン立ち上げのフェーズに至った段階では、拠点都市などとも連携しながら、当該地域での活動を促していく、こういった取組を検討してまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の成果が全国各地域のスタートアップエコシステムにも広く波及をして、それぞれのイノベーション促進、スタートアップ創出につながる好循環を生み出せるように、拠点都市の関係者の皆様方とも連携をしながら、フラッグシップ拠点の運営に取り組んでまいりたいと考えております。
○西田(薫)委員 是非よろしくお願いします。
この連携というのは本当に大事ですし、そこの拠点都市に委嘱していくというのはなかなかやはり難しいものだと思うんですよね。しかし、しっかりやっていただきたいというふうに思っておりますし、これは今、第二期がスタートしております。第二期を見ますと、大臣、瀬戸内スタートアップコンソーシアム、御地元である岡山が入っておりますよね。愛媛県と岡山市というのが連携しながらやるということであります。
どうしても、地方から見ると、せっかく地方で育ったスタートアップが、GSC構想によって、拠点を足がかりに東京都内へ進出したり海外へ進出するということになってしまう。これは、いいことなんです、悪いことではないんですけれども、やはり地方から見ると、そこをうまく連携していかないと、ますます地方というのは寂れていくんじゃないかなというふうに思っているんですね。
地方の立場に立つと、突然都内に出現するフラッグシップ、これに対してやはり不安を持つというのは当然じゃないかなというふうに思うんです。そこで、政府として、地方に配慮する形で現実的かつ具体的な対応が求められると思うんですが、大臣の御所見をお伺いします。
○小野田国務大臣 地方にとって、GSC構想の推進を通じて地域の活力や人材が流出するのではないかという御懸念を持つことは、私も地方生まれで地方育ちなので十分理解できるところでございます。そうしたことが起こらないようにしなければならないという思いは委員と同じくするところです。
誤解していただきたくないのは、今回提案しているGSC構想のフラッグシップ拠点、こちらは、地方を含めた国内各地の大学、研究機関、拠点等における取組と海外のネットワークとの結節点として機能する拠点を設立するものでありまして、コンセプトからして、東京一極集中を目指すものではないというところでございます。地域からの人材や優れた技術を一方的に吸い上げるのではなくて、むしろ、その成果やネットワークを地域に還元するという双方向の連携を取り組みたいというふうにしております。
具体的には、地方にあるスタートアップ拠点都市等との間でフラッグシップ拠点の成果やネットワーク等を定期的に共有する場を設けるとともに、拠点の運営に当たっては、例えば、地域の大学等の所属も残しつつ、拠点では事業化に向けた活動を行うですとか、一定の成長段階に達した後は施設を退去するとの基準を設定すること、そして、技術実証や試作ライン立ち上げ等のフェーズは、拠点都市等とも連携しつつ、当該地域での活動を促していくことを考えています。
地方にも拠点を持ちスタートアップ支援を行っているCICとも意見交換をしたんですけれども、その際にも、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想への強い期待を実際に頂戴しているところでございます。
大阪の中之島クロスを始め、各地で育っているこうしたスタートアップ育成に向けた動きをGSC構想で更に押し上げて、サポートできるような取組をしっかり進めてまいりたいと考えます。
○西田(薫)委員 もう時間が来ました。
本来であれば、あと三問残っておりました。今日、経産省の方も来ていただいていたんですが、ちょっと時間の関係で割愛させていただきます。JIC、これが二兆円のリスクマネーを保有している、そこを、やはり連携することがより資金面でもインパクトがあるんじゃないかなということを聞きたかったんですが、もう時間が来ましたので、これで質問を終了させていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、野村美穂君。
○野村委員 国民民主党の野村美穂です。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
本日は、大きく三つのテーマ、認可法人への行政財産無償貸付けについて、スタートアップが直面する死の谷に対する支援の在り方について、GSC構想における事業化支援の在り方について、合計二十六点の質問を通じて、本法律案の課題を明らかにしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、一つ目のテーマです。認可法人への行政無償貸付けについて、十三点質問いたします。
まず一点目、認可法人を選択した理由と、株式会社形態との比較についてお尋ねします。
運営法人を特殊法人や独立行政法人ではなく、認可法人の形態としたのはなぜでしょうか。業務執行の専門性、柔軟性、機動性を確保するとされていますが、具体的にどのような点で優位性があるのでしょうか。また、株式会社形態であれば、国が株式保有を通じて適切な関与ができ、かつ、民間の柔軟性も確保できるのではと考えます。
官民ファンドである産業革新投資機構、JICは株式会社形態を採用していますが、本法律案により設立する機構が株式会社の形態を取らず、なぜ認可法人の形態としたのか、お尋ねします。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
我が国のイノベーションエコシステムのハブを構築するための活動は、専門性や先見性を有しつつ、迅速な意思決定を柔軟かつ機動的に行うことが可能な民間の組織が運営を担う必要があるというふうに考えております。
他方で、新たに設立する運営法人が担う活動は、グローバルな社会課題の解決及び国内の経済成長の基盤であり、また、科学技術・イノベーション政策の一端を担うものであることから公共性そして公益性が高いこと、また、特にディープテック系のスタートアップは、研究開発期間が長く、ハイリスクそしてハイリターンであることから、民間に完全に委ねた場合には十分発展しないおそれがあることなどといった特徴を有していると考えております。
したがいまして、国が事業を行わせるために法律により設立をし、目標の設定や予算等の国会承認も含めた、国が強く関与する独立行政法人や特殊法人や、あるいは、公益性を認定し、国は報告徴収や検査、勧告、命令などができるのみで国の関与が小さい公益法人のような形態でもなく、民間組織としつつも国が適切に関与する認可法人、これが運営を担うことが適切だというふうに考えております。
また、運営法人は、事業を行うことによって得た利益を株主に配分をすることはせず、公共性、公益性のある事業に活用していくということから、株式会社の形態ではない認可法人としてございます。
○野村委員 ありがとうございました。
続いて、二点目の質問です。既存の研究開発法人の機能を拡充するのではなく、新たに機構を設立する必要性についてお尋ねします。
既にスタートアップ支援又はスタートアップエコシステム創出に向けた取組が見られます。これらの既存の研究開発法人の機能を拡充するのではなく、新たに機構を設立する必要性は何でしょうか。また、既存組織との役割分担や連携をどのようにお考えなのでしょうか。お尋ねします。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想は、国内外の研究者、スタートアップ、企業、大学、研究機関、投資家、支援者なども含め、物理的に拠点を集積させ、その拠点において、ディープテックに特化して、研究開発から事業化、海外展開までの支援を一気通貫で取り組むこととしております。
そのため、GSC運営法人は、フラッグシップ拠点を運営しながら一気通貫の支援に取り組むことや、コンパクトで迅速な意思決定が可能な組織であることが必要であります。既存の大規模な法人の一部局として、そのような機能やガバナンスの形態を組み込むことは難しいというふうに考えておりまして、イノベーションエコシステムのハブ構築に適した法人を設立する必要があると考えております。
当然、既存の研究開発を行っている法人とも、しっかりと、スタートアップをめぐるエコシステムの構築に向けては、ネットワークを通じて連携をしていくということも考えてございます。
○野村委員 ありがとうございます。是非強い連携をよろしくお願いいたします。
三点目です。
本法案では、恵比寿の国有地約二万平米を無償で貸し付け、その上に約九百七十億円の国費で建物を建設するとのことですが、この建物の所有権は、法的には国に帰属するのでしょうか。また、将来的に機構が自走化した場合、あるいは機構が解散した場合、この建物はどのように取り扱われるのでしょうか。
約九百七十億円もの国費で建設した建物が、最終的に誰の所有になるのか、国民への説明責任を果たすためにも明確にしていただきたいという観点からお尋ねします。
○井上政府参考人 お答えいたします。
この建物は、国費で建設する国有財産でございます。それを運営法人に貸し付けた場合でも、所有権は国に帰属したままとなるため、将来においても国の所有であるということでございます。
○野村委員 ありがとうございます。
続いて、四点目です。
本法律案では、改正後の第九十七条で、認可法人への行政財産の無償貸付けが規定されています。十七日の委員会では、他の認可法人に対して行政財産を無償で貸し付けている事例はほかにはないと答弁されていました。ほかに事例がないのであれば、本件が前例のない異例の措置であることをお認めになるか、お尋ねします。
また、なぜ無償で貸し付けるのでしょうか。条文に、内閣総理大臣は、必要があると認めるときはとありますが、通常、国有財産を管理している財務省には助言を求めたのでしょうか。
財務省の「行政財産を貸付け又は使用許可する場合の取扱いの基準について」では、無償貸付けに当たっては、有償による貸付けにより、その目的を達することができないかの検討が不可欠であると明記されています。今回のGSCへの無償貸付けについて、財務大臣への協議は行われたのでしょうか。財務省は無償貸付けに同意したのでしょうか。そして、無償貸付けによる弊害は生じないか心配です。
以上、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 新たに設立する運営法人が担う活動は、グローバルな社会課題の解決及び国内の経済成長の基盤であること、科学技術・イノベーション政策の一端を担うものであること、出資者への利益の分配を行わない認可法人の仕組みを取ることから、行政財産の無償貸付けの対象にする上で必要な公益性、公共性が認められる。このため、財務省とも協議の上、無償貸付けの規定を盛り込んだ法案を提出したところでございます。
一方、御指摘の、適正な価格を設定した上で有償で貸し付けるという手法は、透明性の確保や運営法人の経営に緊張感を持たせる効果があると考えます。具体的な価格等については、新法人の立ち上げフェーズを踏まえ柔軟に設定するなど配慮が必要でございまして、今後検討していくことになりますが、いずれにせよ、国有財産法や財政法等にのっとり、財務省と協議の上、適切に設定してまいりたいと考えます。
○野村委員 ありがとうございました。
五点目の質問を用意をしておりました。先ほど、後藤委員の質問に少しかぶりますので、大臣に答弁を求めておりましたが、こちらは落とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次の質問です。
改正案の第九十七条では、行政財産の無償貸付けについて定めていますが、無償貸付けの期間については明示されていません。この無償貸付けは何年間を想定しているのでしょうか。機構が存続する限り永続的に無償なのでしょうか。それとも、一定期間後に有償に切り替える計画があるのでしょうか。国民の貴重な財産である国有地と国費で建設した建物を無償で貸し付ける以上、期限を明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○小野田国務大臣 御指摘の本法律案の第九十七条においては、第二項において、国有財産法第二十一条を準用しているところでありまして、同法の定めるところにより、行政財産の無償貸付けの期間は三十年、その後更新することができるとされております。
○野村委員 ありがとうございました。
続いて、七点目の質問ですけれども、四点目の質問と重複をしますので、こちらについても落とします。済みません。よろしくお願いいたします。
次の質問です。直前の通告で大臣には大変御迷惑をおかけしておりますが、よろしくお願いいたします。
機構は、入居者の施設利用収入や広告費等で自立的、持続的に運営を行うこととなります。そのうち、施設利用については、入居者の成長に配慮することは必要であるものの、一定程度、適正な水準の金額にすることが必要だと考えます。仮に、国から機構に対して有償で土地と施設を貸し付けるとなると、機構は、補助金等の一定程度の国からの支援に加えて、施設利用料等で国への貸付け費用を賄うことが必要となります。国から機構に対してどの程度の支援が行われるかによって左右されるものの、入居者の成長には配慮した上で、自立的、持続的な運営をするに当たって、入居者に対して適切な施設利用料を設定することが望ましいと考えますが、大臣のお考えをお尋ねします。
○小野田国務大臣 運営法人は、中長期的に自立的、持続的な運営を行うこととしておりまして、基本的な収支構造としては、入居者の施設利用に伴う収入を活用して施設管理を含む一般管理費を賄う、そして、政府からの競争的資金や、会員や企業、スポンサー費、運営法人が行う事業化支援プログラムからの収入等を活用して研究や事業化支援などの事業費を賄うことを想定しております。
その上で、入居者の賃料については、拠点の土地、建物の経費相当額を適切に勘案するということはもちろん勘案する一方で、研究者や創業初期のスタートアップ等が研究成果を活用した新たな事業を創出、成長発展させていく観点から、過度な負担とならないように配慮することも必要と考えております。
いずれにいたしましても、運営法人の適切な予算管理については、今回の国会審議における御議論を踏まえてしっかりと検討してまいりたいと考えます。
○野村委員 ありがとうございます。
それでは、次の質問に移ります。
十七日、現地視察をさせていただきました。やはり、現場を見ることの必要性というのを大変強く感じたところです。といいますのも、平面図やポンチ絵からは認識できなかった、フラッグシップ拠点の整備について、近隣への影響と地域貢献の観点が明確になったからです。
建設予定地では、平面図からは把握できなかった高低差のある土地で、当たり前ですけれども、周囲にはもう既に地域の生活があったわけです。工事期間中の騒音、振動、交通渋滞など、近隣への影響は避けられません。どのような対策を講じる御予定なのか、お尋ねします。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
フラッグシップ拠点の整備に当たりましては、周辺環境への影響に十分配慮するということが重要であることは言うまでもございません。
特に、工事に伴う騒音、振動につきましては、関係法令に基づく基準を遵守することなどによって、周辺環境への影響の軽減に努めることが重要であると考えております。また、工事の実施に当たっては、必要に応じて事前の調査を行うとともに、関係自治体とも連携をしながら、地域の状況を踏まえた丁寧な対応を図ることが重要であると認識しております。
いずれにいたしましても、これらについては、今後の施設整備の検討の中で具体化を図ってまいりますし、関係自治体と連携をしながら、地域住民の方々への丁寧な情報提供そして説明を行い、周辺環境との調和に配慮して拠点の整備を進めていきたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございます。
法令に遵守してということをおっしゃっていただきましたけれども、法令に遵守していても、音の問題、それから振動の問題は個人差によるところが大きいですので、十分に配慮していただくよう、改めてお願いをしておきたいと思います。
次の質問です。
本法律案では、第七十七条第二項において、施設等を一般の利用に供することができるとされていますが、地域への還元という観点から、近隣住民や地域コミュニティーからの要望も踏まえた計画になっているのでしょうか。
視察に訪れた際、隣接する目黒区からは、恵比寿に抜けるアクセス道の確保、渋谷区からは、研究所のスタッフによる小中学校での外部講師をしてもらいたいというリクエストがあるというお話がありました。
このような地域の声にどのように応えていくのでしょうか。フラッグシップ拠点の周辺自治体の町づくり政策と連携して、地域に開かれたオープンな拠点とすることも有用であると考えますが、地方公共団体や地域コミュニティーと現時点ではどのようなコミュニケーションを図っており、今後の町づくりにおいてどのように活用していくことを想定しているのか、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 GSC構想のフラッグシップ拠点の整備に当たりましては、地域の皆様の御理解と御協力をいただき、地域社会にも貢献していく視点はとても重要であると認識しております。
このため、日頃より、地元である東京都、渋谷区、目黒区などの地方公共団体や関係者と連携と意見交換を行っているところでありまして、具体的には、例えば、まさに先生おっしゃっていただいた、拠点に出入りする人による地域の振興の観点からの拠点の出入口の配置といったハード面のみならず、地域における次世代を担う子供たちを対象とした教育プログラムの提供、ハード面だけではなくてソフト面、これについても既に御意見、御要望を伺っているところです。
本拠点が地域に深く根差した拠点となるように、引き続き、地域の関係者と密に連携し、地元の多様なニーズや御意見を踏まえながら、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えます。
○野村委員 ありがとうございます。是非、この整備が、そこからユニコーンがたくさん出てきたみたいなことになるような施設になることを願っております。
次に、現地視察をして、フラッグシップ拠点は恵比寿という高級住宅街に予定されているため、そこに集う研究者の住環境について懸念を持ちました。
まず、国内外の優れた研究者を招聘し集積させるというミッションがありますが、それを実現するために、研究者のための宿舎や居住施設が必要ではないかと考えますが、併設される予定はあるのでしょうか。約二万六千平米の敷地、延べ床面積約五万九千平米の施設の中に、研究者の居住スペースは含まれているのでしょうか。また、海外研究者の招聘や、短期間滞在する研究者、地方人材がGSCを柔軟に活用するための宿泊施設は併設される計画があるのでしょうか。
というのも、恵比寿エリアは賃貸住宅やホテル代が非常に高額であり、研究者や機構の財政的な負担が大きくなる懸念があります。特に、若手研究者やポストドクター、地方から頻繁に通う研究者にとっては深刻な問題であると考えます。
また、共創オフィスも検討していただいていますでしょうか。
海外の著名な研究施設では、研究者のための宿舎や短期滞在者向けの宿泊施設が整備されている例が多く見られます。世界最高水準を目指すGSC構想において、研究者の住環境と宿泊施設の整備について計画ではどのようになっているのか、お尋ねします。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
まず、フラッグシップ拠点そのものが具備すべき具体的な施設、機能につきましては、現時点においては、ディープテック分野における研究開発や事業化に必要な実験、研究スペース、そしてオフィススペース、そして最先端の研究設備、機器を備えたコアファシリティー、さらに、スタートアップ企業が大企業や投資家向けに事業の説明を行うなどのイベント会場、あるいは会議、打合せを行う会議室などのコミュニケーションスペースなどの機能が必要だというふうに考えております。
一方で、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の基本方針の中では、住環境、医療、教育エリア等としての環境整備も一体的に推進というふうに記載をされているところでございます。
私どもといたしましては、研究者が円滑に研究活動に従事できるように、必要な受入れ環境の確保に努めることが重要であると認識しておりまして、このような環境整備につきましては、今後、有識者の議論も踏まえながら、あるいは関係自治体との協議、そういったものも踏まえて、今の御指摘も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
次の質問に入ります。
本法律案では、機構の資本金は政府及び政府以外の者が出資する額の合計額としています。政府以外の者としてどのようなものを想定しているのでしょうか。大学、研究機関、民間企業、ベンチャーキャピタル、個人投資家など、具体的な出資者の想定と出資比率の見込みをお尋ねします。
また、民間の出資者は、出資によりどのような効果を得るのでしょうか。機構の経営に対して何らかの影響力を行使することが可能となるのか、お尋ねします。
○木村政府参考人 お答えいたします。
資本金についてのお尋ねでございます。
政府以外の者からの出資につきましては、その募集自体、発起人が行うこととしておりまして、具体的な政府以外の者からの想定をお答えすることは現時点では困難であることを御理解いただければと思います。
なお、先行的活動を中心にした取組に対して民間企業等からの関心や期待、これは高いと感じてございます。こうしたGSC構想に対する関心、期待が高い者からの出資を得たいというふうに考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
一つ目のテーマの最後の質問となります。自走化についてです。
十七日の森委員の質疑で、機構は、中長期的に自立的、持続的に運営を行い、入居者の施設利用収入等で一般管理費を賄うという答弁がありました。しかし、土地、建物を無償で貸与されている機構が、真に自走化へのインセンティブを持つのでしょうか。無償で使える恵まれた環境にある機構に、民間が積極的に資金を提供することに魅力を感じるでしょうか。
自走化への具体的な工程表、自己資金、公的資金、民間資金の比率の見込みや移行時期などをお尋ねします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘のとおり、この運営法人は、中長期的に自立的、持続的な運営を行うということで、基本的な収支構造としては、入居者の施設利用に伴う収入を活用して施設管理を含む一般管理費を賄うということで、先日御答弁させていただいたとおりです。
その上で、今まさに御指摘がございました、一定の価格を設定した上で有償で貸し付けるという手法は、透明性の確保、運営法人の経営に緊張感を持たせる効果があるということで、私どもも一考の余地があると受け止めさせていただいたところでございます。
この運営法人の適切な予算管理につきましては、今回の国会審議における御議論、これも踏まえてしっかりと検討させていただきたいと思っております。
また、自走化についての見通しということでございますが、様々な自走化の在り方がございますので、これは明確に現時点でどのような見通しということを申し上げることは難しいのですが、仮に、施設への入居が順調に進み、入居者からの施設賃料収入が増えるという状況になれば、もう早期に自立化が可能と私どもは見込んでいるところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
続いて、二つ目のテーマ、スタートアップが直面する死の谷に対する支援の在り方について、九点質問いたします。
スタートアップの成長過程は、一般に、シード、アーリー、ミドル、レーターというように大きくなっていくとされています。このうち、初期のシードの段階で、いわゆる死の谷という大きな関門があり、これを乗り越えることが非常に難しいとされています。また、死の谷を乗り越えることができたとしても、アーリー、ミドルと進む過程で多くのスタートアップが行き詰まるとされています。
十七日の同じ国民民主党の森議員の質疑の中でも、基金執行の遅延や既存施設との関係について議論がありましたが、私は、より根本的な制度設計の問題について質問したいと思います。
先日、私の知人、株式会社MirumeAIの大野一茂代表取締役CEOとGSC構想について意見交換をする機会があり、その後、GSC構想を真に成功させるための提言をいただきました。
大野氏は、製造業三十年以上の経験を持ち、現在はAIによる製造業DX事業を展開されている、まさに社会実装の現場を知る経営者です。
大野氏は提言の中で、日本の真の課題は研究成果不足ではなく、研究開発と実用化の間に存在する大きな隔たりであると明確に指摘をされています。品質保証、量産化、実装設計、規制対応などの領域は誰も十分に担えていない、この大きな隔たりこそが死の谷であるというふうに指摘をされています。
では、質問に入ります。
我が国には、多くの優れた研究シーズが存在します。しかし、研究開発から事業化、社会実装に至るためには、死の谷と呼ばれるシードからアーリー、ミドル、レーターとステージアップしていくためには、たくさんの障害を乗り越えなければなりません。
現在の我が国のスタートアップの現状についてお尋ねします。
○西海政府参考人 お答え申し上げます。
死の谷は、一般に、研究開発から事業化の段階に移行する過程で、多くのスタートアップが資金やリソースの不足等に直面する困難な時期のことを申します。
政府は、二〇二二年にスタートアップ育成五か年計画を策定し、これに基づき、スタートアップが死の谷を乗り越えるための支援を含め、官民で連携して、スタートアップの創出、育成のための取組を行ってまいりました。この結果、我が国のスタートアップ企業数は、二〇二五年に過去最多の二万五千社となり、五年間で約一・五倍に増加しております。
一方で、ユニコーン企業、これは時価総額十億ドル以上でございますけれども、アメリカでは約七百社存在するのに対しまして、我が国は八社にとどまっております。
なお、上場してユニコーン規模になったことのある企業というのは二〇二一年比で約二倍、三十三社ほど、それからさらに、時価総額五百億円以上一千五百億円未満のユニコーン予備軍と言える未上場企業は約三倍となり、今三十一社ほどございます。
我が国のスタートアップエコシステムは着実に発展しつつありますが、ユニコーンの数、それから資金調達額については五か年計画の目標にまだ遠く、スタートアップの成長力を高めることは引き続きの課題となっていると認識しております。
この課題に対応するため、現状ですが、日本成長戦略会議の下に設置したスタートアップ政策推進分科会において検討を行い、先月五月、この五か年計画を抜本的に強化するスタートアップ総力創出パッケージを取りまとめたところでございます。
○野村委員 ありがとうございます。それでは、強力にスタートアップのバックアップをお願いしたいなというふうに思っています。よろしくお願いいたします。
スタートアップが直面する死の谷では、具体的にどのような課題があると認識されているのでしょうか。その死の谷を乗り越えることができなかったスタートアップに対して、その要因はどのようなものだと捉えられているのか、お尋ねします。
○木村政府参考人 お答えいたします。
スタートアップが直面する死の谷では、基礎研究の段階から実用化、事業化の段階へと移行する過程において、研究開発から事業化への移行に必要な資金の確保が困難となること、そして、特にディープテック分野では、研究開発に長期間を要する中で、投資家からの継続的な資金調達が難しくなること、技術の優位性はあっても、事業化、経営に関するノウハウや人材が不足すること、こういった複合的な課題が重なり合って、多くのスタートアップがこの段階で成長を断念せざるを得ない状況にあるというふうに認識しております。
この死の谷を乗り越えることができない背景や要因としては、例えば、事業化のシーズを有する研究者が必ずしも十分なメンタリング等の支援を受けられないこと、研究者が技術開発に専念する一方で、事業化に向けた経営判断や市場開拓を担う人材が不足し、研究成果を事業化につなげる橋渡し機能を担う主体がいないこと、そういった声もあるというふうに承知をしております。
こうした中で、GSC構想では、国内外の研究者、企業、大学、投資家等が一堂に集積、相互連携する環境を整備し、研究開発から事業化、海外展開までを一気通貫で支援する体制を構築することで、GSC構想で創出された事業が一つでも多く死の谷を乗り越え、世界に通用する事業として成長発展できるように取り組んでまいりたいと考えております。
あと、なお、先ほどの答弁で、住環境の関係で宿泊先の御指摘がございましたけれども、これも環境整備の一環として進めてまいりたいと、共有したいと思っております。
○野村委員 ありがとうございます。
続きまして、これまでの政府の取組について質問します。
スタートアップが死の谷を乗り越えるために、これまで政府としてどのような取組を行ってきたのでしょうか。
○西海政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、死の谷が、ディープテックを始めとする我が国のスタートアップが大きく成長する上では課題となっております。
このため、スタートアップの成長を促すため、政府としましては、先ほど申し上げましたスタートアップ育成五か年計画に基づき、研究開発段階から事業化、社会実装に至るまで、切れ目のない支援を行ってまいりました。
具体的には、大学等の研究成果を起業、業を起こすところまでつなげるギャップファンドによる支援、また、ディープテックスタートアップに対する研究開発支援や事業開発の支援、さらに、民間資金の呼び水となる官民ファンドを通じたリスクマネーの供給などの取組を総合的に行ってまいりました。
こうした取組を含めまして、スタートアップ育成五か年計画を抜本的に強化するため、先ほども御答弁申し上げました、先月ですが、スタートアップのスケールアップ、また、ディープテックスタートアップの支援、さらに、地域の経済社会を担うスタートアップの創出と育成という三つの柱から構成されるスタートアップ総力創出パッケージを取りまとめさせていただきました。
この中では、ディープテックスタートアップの初期の需要創出のため、SBIR制度を抜本強化し、スタートアップの製品、サービスを政府の本格的な調達や民間の調達ニーズにつなげる施策の強化の方向性を打ち出しております。
今回取りまとめられた施策を着実に実行することにより、死の谷を越えてスタートアップがより大きく成長していくよう、更に後押しをしてまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございます。
時間が少なくなってきましたので、次の、研究開発の成果を事業化、収益化する部分が弱いということに対する政府の現状認識については落とさせていただきますので、次の質問に行きます。
先ほど御紹介した大野氏の提言では、現在の議論が研究成果、起業、成長を前提としていますが、実際には、研究成果、実証、試作、品質保証、規制対応、量産化、市場導入、成長という長いプロセスが存在し、日本の課題はこの中間プロセスにあると指摘をされています。研究者は発見、論文、特許に強く、事業家は営業、市場、資金調達に強い。しかし、品質保証、量産化、実装設計、規制対応などの領域は誰も十分に担えていない。繰り返しになりますが、この空白こそが死の谷の正体であると指摘をされています。
研究開発と実用化の間に大きな隔たりが存在することによって、多くの優れた研究成果が社会に届かずに埋もれてしまっていますが、現在のGSC構想によって、この問題が解決するのでしょうか。この点について、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 今、死の谷についていろいろ御議論いただいております。基礎研究の段階から実用化、事業化の段階へと移行する過程において資金等が不足し事業継続が困難となる、いわゆる死の谷を乗り越えるためには、多額の資金が必要であると認識しております。資金だけではないという御指摘、そのとおりでございますが。
そのため、現状では、海外の豊富な資金や市場を背景に、優秀な研究者やスタートアップが海外に拠点を置いて、海外を軸に活動し、海外発の事業、技術となっている事例が散見される。
このような中、GSC構想では、海外の豊富な資金やネットワークを日本国内に呼び込むことで、国内に拠点を置きながら、日本発の技術として海外市場を見据えた研究開発や事業展開を可能とする環境を構築することを目指しております。
こうした取組を通じて、優秀な人材を引きつけ、資金とつなげることにより、ディープテック分野における研究成果の事業化を促進し、死の谷を乗り越えることに資する環境を整備してまいりたい。
今、資金のことにかなり偏った答弁をしてしまったんですけれども、先生がおっしゃっていただくように、中間プロセスというのが非常に重要だというのも承知しておりますので、そこに対してもしっかり支援ができるような環境を整えていきたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございます。
続きまして、GSC構想の概要についての政府資料によると、アメリカのDARPAのプログラムマネジャーに相当するベンチャーディレクターに責任と権限をある程度集中させるとされています。
事業化を見据えたマネジメントを行うVDの役割が重要であるところ、どのような人材を想定しているのでしょうか。研究者出身を想定しているのか、それとも事業化経験者を想定しているのか、あるいはキャリアベンチャーのような社会実装経験者を想定しているのか、お尋ねします。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
ベンチャーディレクター、VDでございますが、これは、GSC構想において、研究開発の方向性の設定から事業化、海外展開までを一気通貫でマネジメントする、中核的な役割を担う者でございます。この人材の質こそがGSC構想の成否を大きく左右すると認識いたしております。
昨年六月に決定したグローバル・スタートアップ・キャンパス構想先行的活動に関する実施細則におきましては、このVDの基本的な素養といたしまして、研究・事業化経験を有すること、そして、革新的研究テーマの設定能力及び研究課題のポートフォリオのマネジメント能力が期待できること、日本のイノベーションエコシステムの発展へ貢献する意欲があること、これを選考基準というふうに示してございます。
このように、グローバルに研究開発及び事業化双方の経験を有し、研究成果の将来性を見極める高い目利き力を備えた人材をVDとして想定をしておるところでございます。
こうした目利き力を備えた人材を確保できるように、今後、ベンチャーディレクターの選定を適切に行ってまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
時間がないので、最後の質問に、大臣に御答弁をお願いをしている質問をさせていただきたいと思います。
大野氏は、具体的な政策提言として、以下の四項目を挙げていらっしゃいます。一つ目、キャリアベンチャー支援制度として、大企業経験者、専門職、医療従事者を対象に追加すること、二つ目、社会実装フェロー制度として、研究者と社会実装人材のチーム形成の支援をすること、三つ目、GSC利用制度の拡張として、地方人材向け短期滞在共創オフィス利用制度を創設すること、四つ目、博士課程人材育成、ポストドクター研究拠点、社会実装インキュベーションの一体運営をすること、これらの四つの提言です。
これらの提言について、どのように思われますでしょうか。また、GSC構想に反映していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小野田国務大臣 御紹介いただいた提言、まさに、研究成果と実用化をつなぎ、死の谷を越えるための取組も盛り込まれていると同時に、その一、二、三、四の具体的な提言もいただいているものと承知をしております。
グローバル・スタートアップ・キャンパス構想においても、研究開発段階から事業化を見据え、事業化、海外展開までの支援を一気通貫で行い、死の谷を越えていくことを目指し、その上で、多様な関係者が一堂に会するイノベーションエコシステムのハブを構築することとしておりまして、その流れで、今御提案いただいたような提言を含む様々な御意見や問題意識も参考にさせていただきながら、今後検討を一層具体化して、必要な取組を着実に推進してまいりたいと考えますが、一点一点、これはどうだ、これはどうだというのは、ちょっと、現状でお答えするのは、済みません、差し控えさせてください。
○野村委員 ありがとうございました。大臣の方から一点一点はということでしたけれども、共感をしていただけたという認識をしましたので、是非取組の方をよろしくお願いいたします。
これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。
一昨日に引き続き、科学技術・イノベーション創出の活性化法案、いわゆるGSC構想に関する法案について質問させていただきます。
さきの質問では、国家戦略としての軸足が見えていない点、あえて箱物を造る意義、基礎研究に対する考え方、海外に富と技術が流出する懸念について、四点質問させていただきました。
本日のテーマは、まず、人材の問題です。
現在、日本の優秀な研究者や若手企業家が、より自由で評価の高い環境を求めて海外に頭脳流出する事案が深刻化しています。特に、研究費の柔軟性や評価制度の透明性、失敗への許容度、スタートアップに対するエコシステムの厚みといった点で、日本は依然として国際競争力に課題を抱えています。にもかかわらず、本構想は、外資主導の環境を都心に再建することで、日本人研究者を更に海外資本の下請にしてしまう危険性さえあると思っております。
ここで、お聞きします。
日本人研究者、技術者の国内定着と海外からの帰還を促すために、どのような具体策を考えているのか。研究費の配分、ポストの安定性、研究テーマの自由度、家族を含めた生活環境など総合的な観点から、海外と比べて魅力あるキャリアパスを本構想の中でどのように提示するのか、内閣府政府参考人の答弁を求めます。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘のありましたように、いわゆる頭脳流出、これに対応していくということは非常に重要な課題でございます。日本の優秀な研究者等の海外流出を防ぐとともに、国内への帰還を促すためには、国際的な水準も踏まえた処遇が重要と考えております。
このため、給与水準はもちろん大事でございますが、これに加えて、研究費、研究設備、共同研究の機会、支援体制など、全体として魅力のある条件を整備するとともに、処遇の在り方についても柔軟な対応が可能となるように、政府として検討してまいりたいと思っております。
○川委員 今回のGSC構想にかかわらず、常日頃から海外に人材が流出しない対策を求めていきたい、そのように思います。
次に、既存の大学、研究機関との関係整理に関してお聞きします。
現在、国立大学改革や大学ファンド、指定国立大学制度など、大学をめぐる制度改正が同時に並行して進んでおりますが、GSC構想がそれらとどのように整合し、役割分担を行うのか、極めて不透明な状況であると思います。制度や事業が乱立することで、現場の研究者や大学経営層に混乱が生じるのではないでしょうか。
ここで、お聞きをします。
既存の大学や研究機関の研究力強化、ガバナンス改革とGSC構想及び新設機構との関係性をどのように考えているのか、内閣府政府参考人の見解を求めます。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想の中核となるフラッグシップ拠点におきましては、既存の大学も含めた多様な主体が活用することのできる研究施設、設備を整備することとしてございます。また、その運営法人は、ディープテック分野において国内各地の大学、研究機関等における取組と国内外のネットワークを結びつける結節点としての機能を有しております。
このため、新たな事業の創出やグローバル市場でのビジネス展開などの加速などを、大学の、まさにこのガバナンス改革で取り組んでおられる、そのような部分を後押ししていくということと考えてございます。
このように、法人の設立を含むGSC構想の推進は、既存の大学や研究機関、またガバナンス改革を含む研究力強化の活動の効果を高める、そういったインフラを整備するものでございまして、大学等の研究力強化、ガバナンス改革にも資するものであると考えてございます。
○川委員 大学の、地方の強化であったりとかガバナンスの改革というお話がありましたけれども、次に、関連してお話をしたいと思うんですけれども、地域間格差の拡大について懸念があるので、お聞きをしたいと思います。
本構想は、都心一等地の大規模拠点を中核に備える設計であり、明らかに東京一極集中を前提としていると思います。地方創生を掲げる政府が別のメニューでここまで露骨な東京一極集中を進めること自体、重大な矛盾であると考えております。
地方では、研究機関や産業基盤の維持強化に苦慮しており、人材流出、人口削減と相まって悪循環に陥っている地域もあります。都心の一等地に機能や人材を集中させる行為そのものが、地方の研究機関や産業基盤を弱体化させ、結果として東京一極集中を更に加速させるおそれがあると思います。真に日本全体の底上げを目指すのであれば、東京を拠点とした集権モデルではなく、分散型ネットワークとしてエコシステム設計が合理的ではないでしょうか。
ここで、お聞きをします。
既存制度の重複や、優秀な人材、予算を都心の新拠点に吸い上げてしまうことにより、地方大学の弱体化が懸念されます。問題がないと考えているのでしょうか。また、地方大学、地域クラスター、産業集積との連携をGSC構想の中でどのように位置づけているのか。拠点を東京に置くだけではなく、地方拠点とのネットワーク型連携、オンラインやハイブリッドでの参加機会、地方企業向けの専用プログラムなど、具体的な格差是正策を大臣にお聞きします。
○小野田国務大臣 GSC構想のフラッグシップ拠点は、ディープテック分野において国内各地の大学、研究機関、拠点等における取組と海外のネットワークを結びつける結節点として機能することを想定しており、地域スタートアップエコシステムや地方におけるスタートアップ振興施策ともよく連携をしながら取組を進めてまいります。
具体的には、スタートアップ拠点都市等に対してフラッグシップ拠点の成果やネットワーク等を定期的に共有する場を設けるとともに、拠点の運営に当たっては、地域の大学等の所属を残しつつ、拠点では事業化に向けた活動を行うですとか、一定の成長段階に達した後は施設を退去するという基準を設定する、また、技術実証や試作ライン立ち上げ等のフェーズは、拠点都市等とも連携しつつ、当該地域での活動を促していくなどの取組を検討してまいりたいと考えています。
グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の成果が全国各地のスタートアップエコシステムにも広く普及し、それぞれのイノベーション促進やスタートアップ創出につながる好循環を生み出せるように、地方の意見や御要望を踏まえながらフラッグシップ拠点の運営に取り組んでまいりたいと考えます。
○川委員 またその答弁をいただきましたけれども、なかなか懸念が拭えない部分もあるかなというふうに思います。
次に、本構想におけるフラッグシップ拠点そのものについてお伺いをしたいと思います。
政府は、都心の一等地に世界最高水準のフラッグシップ拠点を整備することが日本のイノベーションの象徴であるかのように強調しています。しかし、その実態は東京一極集中の象徴であり、地方から人と金を吸い上げる巨大なポンプになりかねない、そういうふうにも感じております。
一昨日、委員会でフラッグシップ建設予定地の視察をさせていただきました。御対応いただいた皆様、ありがとうございました。
新たに公的資金を投じて拠点を整備する合理性について、現地を視察しても、強い疑問を抱きました。約二万六千平米の膨大な国有地に施設を整備する場合、概算で九百七十億円と言われています。箱は予定よりも小さくなるかもしれませんが、それでも数百億円規模の投資が必要だと思います。そこまでの巨額な拠出を本当にするべきなのか、問題を感じています。既存の民間オフィスや商業機能を活用する、あるいは分散型の研究ネットワークを組むといった手法でも十分に代替が可能ではないでしょうか。そういう率直な印象を持っております。なぜここでなければいけないかという政策的必然性は、現場に立っても見えてきませんでした。
もし、どうしてもフラッグシップ拠点のようなものを設けるのであれば、本来なすべきことは、ビルの建設から始まるのではなく、全国に多数存在する定員割れの施設や、余剰に苦しむ地方大学のキャンパス、研究棟など、既にある空きリソースを徹底的に活用することこそが筋ではないでしょうか。
わざわざ地価の高い東京の一等地に新たな箱を建てるのではなく、地方キャンパスを拠点化をし、そこに人材と研究費を、ネットワークを流し込むことが、地方創生にも合致をし、財政的にもはるかに健全なアプローチだと考えます。
そこで、伺います。
なぜ東京の一等地に新築のフラッグシップ拠点を構えるという、最もコストが高く、東京一極集中を加速させる選択肢だけに固執をするのか。万が一この構想を進めるのであれば、まず、空いている地方の大学キャンパスを最優先に活用するという方針を大前提とするべきではないでしょうか。その検討を行ったのであれば、どのような比較、試算に基づき東京一等地という結論に至ったのか、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 GSC構想は、我が国に世界最高水準のディープテック分野のイノベーションエコシステムを構築しようとする事業であり、フラッグシップ拠点は、我が国のエコシステムと世界のエコシステムとをつなぐハブとなるものです。
こうした拠点の目的に鑑み、立地については、投資家や企業、大学など、イノベーション創出に関わる多様な主体が集積し、スタートアップ創出の素地が整っている都市部へのアクセスが容易であること、国際的な認知度が高く、また、空港からのアクセスが容易であり、国内外の人材を集めやすいことなどの条件を満たす必要があると考えております。こうした観点も含め総合的に勘案した結果、東京都渋谷区及び目黒区の国有地を活用することが適切と判断したものです。
なお、他国の拠点でございますが、例えば、イギリスにあるフランシス・クリック研究所はロンドン中心部のセントパンクラス駅の隣にありますし、フランスのスタートアップ支援施設であるステーションFはパリ中心部のセーヌ川沿いの国立図書館に隣接して立地するなどという例もございます。CICに視察に行ったときも、立地というのはとても大事だということは御指導をいただきました。
それでも、東京以外の日本各地でもイノベーションエコシステム形成に向けた様々な取組が行われていることは重々承知しておりまして、本構想は、海外との結節点として、これら各地の大学、研究機関や支援拠点等との取組の連携を通じて、東京のみならず日本全体のイノベーションエコシステムの強化につなげたいと、私も地方出身なので、考えております。
○川委員 地方の強化という話もありましたけれども、結果的に、やはり東京のあの場所に造ってしまうと、事実上、地方がやはり弱体化してしまう懸念は、私は拭えないと思います。
次の質問に行きたいと思います。
次に、国家安全保障との統合について申し上げます。
量子、AI、半導体、バイオ、宇宙といった先端技術は、単なる産業政策の対象ではなく、今や国家安全保障の中核そのものであります。経済安全保障、技術覇権競争の時代にあって、これらの技術をどのように守り、どう活用していくかは国家戦略そのものの問題であると思います。にもかかわらず、本構想の説明資料からは、経済安全保障、技術覇権競争との戦略的な接続が必ずしも明確ではないと思います。
ここで、内閣府政府参考人にお尋ねします。
本構想を、国家安全保障戦略や経済安全保障推進法など既存の安全保障関連政策とどのように統合し、技術覇権競争に勝ち抜くための国家戦略の一部として位置づけているのか。とりわけ、軍民両用の技術の管理、機微技術の保全、同盟国や同志国との連携の在り方を含めて、具体的な方針をお聞きします。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想は、既存の研究開発政策の効果も引き上げる横串のインフラ整備をするものでございます。そして、併せてイノベーションエコシステムの構築を目指していくという取組でございまして、特定の産業分野に限定するというものではございません。一方で、支援を行う研究成果の性質によっては経済安全保障上のニーズに対応する技術などが含まれる、そんな場合もあり得ると考えております。
GSC構想におきましては、外為法等の貿易管理安全保障に関するルールの徹底や、令和七年十二月に内閣府で策定した研究セキュリティーの確保に関する手順書、こういったものの活用も通じまして、研究セキュリティーの確保に万全を尽くしてまいりたいと考えております。
○川委員 様々な分野での研究があると思うんですけれども、必ず国家安全保障に関わる部分があると思いますので、対応いただきたいというふうに思います。
最後の質問は、財政規律と撤退のルールに関しての問題であります。
箱物行政で最も問題になるのは、一度造ってしまうと、結果が出なくても惰性で予算がつき続け、巨大な負の遺産になりかねない点だと思います。過去の大型プロジェクトを振り返ってみれば、当初の目的を十分に果たせないまま、維持コストだけが将来世代の負担として残ってしまった例も少なくありません。
ここで、お聞きをします。
本構想の総事業費及び建設後に必要となる長期的な維持運営コストをどのように見積もっているのか。また、期待した成果が一定期間内に得られなかった場合、どのような客観的、定量的な指標をもって、縮小、組織の再編、撤退を判断をするのか。あわせて、膨大な国費を投じる事業ですので、このプロジェクトが失敗だったと判断せざるを得ない場合、その政治的責任、行政的責任は具体的に誰がどのような形で負うのか、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 拠点整備に必要な経費については、令和六年八月に定めたGSC構想の基本方針に基づき、現在、有識者会議において、施設整備の基本的な方針等を定める基本計画について、専門的知見から御議論をいただいているところであります。
なお、運営法人は、基本的な収支構造として、入居者の施設利用に伴う収入を活用して施設管理を含む一般管理費を賄うこと、会員や企業からの出資金や協賛金、運営法人が行う事業化支援プログラムからの収入、政府からの競争的資金等を活用して研究や事業化支援などの事業費を賄うことを想定しておりまして、中長期的に自立的、持続的な運営を行うこととしております。
期待した成果が得られなかった場合はというところなんですけれども、GSC構想は、世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブを構築するという、過去に前例のない挑戦的な試みを行っておりまして、事業の見直しを図る参考となるKPI、この設定については、現在実施している先行的活動の中で、海外事例を参考にしながら検討を行っているところであります。
事業の見直し、これが必要なケースも、そこに至る状況は多種多様であろうことから、仮定の質問に対してなかなかお答えするのは困難でございますが、事業の進捗について不断に点検し、期待した効果、成果が得られていない場合には、その原因等を丁寧に分析した上で、必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。
また、政治的責任というところなんですけれども、今お答えしたように、事業の見直しが必要になるケース、そこに至る背景、多種多様であろうと思いますが、実際に生じた状況に応じて担当大臣により適切に判断をされるものと考えております。
○川委員 答弁、ありがとうございました。
担当大臣により責任に関しては判断するということでありましたけれども、それがいつ頃になるのか。私自身は、もしこの構想がスタートをしたのであれば、しっかりと世界に通用するイノベーションができることを願っておりますが、ただ、最初に申し上げたとおり、やはり地方の弱体化というのも一緒に進むのではないかという懸念が残っていますので、その辺りは十分に関心を持っていただきたいというふうに思います。
以上のとおり、本構想と本法案は、AI時代の認識を若干欠いていると私自身は思っています。一周も二周も遅れているスタートアップに幻想をしてしがみついているのではないのか。箱を造ればシリコンバレーになれる、そういうことを思っている方がもしいらっしゃるのであれば、世界が既に否定した誤った発想に基づいていると思います。
東京一極集中、これは、先ほども申し上げましたけれども、私はいいものだとは思っておりません。是非、地方が衰退しないような対応をいただきたいというふうに思います。
この政策は、本当に日本国民のためになるのか、長期的な我が国の主権と科学技術の発展を守るものなのか。この国の国家の主権を原点に、政府がいま一度立ち返り、GSC構想と新機構の在り方について抜本的な見直しを行っていただくことを心からお願いをして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。本日もよろしくお願いいたします。
まず、今回の構想の国家戦略としての意義について、改めて小野田大臣に伺います。
今、世界では、国境を越えた熾烈な獲得競争が繰り広げられています。各国が、巨額の投資を惜しまず、税制の優遇であったり、魅力的な研究環境を整え、世界中の優れた頭脳と有望なスタートアップ、そして、それを支える資金を自国に引き寄せようとしのぎを削っています。
先日の質疑ではアメリカ・ボストンやカナダ・トロントの拠点の例を挙げましたが、今、先ほど大臣の御答弁にもあったとおり、パリのステーションFであったりとか、シンガポールのワン・ノースであったり、世界の主要都市は、いずれも、才能と資金を海外から引き寄せる求心力のある拠点を競って立ち上げているわけです。これは、もはや一つの企業や一つの大学の努力で勝ち抜けるものではなく、国家が明確な意思を持って世界の人材と資金が集まる磁場、求心力を自らつくり出す、そういった国を挙げた戦略がなければ、我が国はこの競争の中で静かに敗れていくというふうに思います。
私は、野心的な研究者や起業家が本気で挑戦をしようと思ったときに、海外に行くしかないというふうにしてしまうのではなくて、国内にもしっかりと戦える拠点があって、そして海外の都市と行き来するようになる、そういった未来をつくりたいというふうに考えております。
そこで、大臣に伺います。
世界的な人材、投資の獲得競争がこれまでになく激しさを増す中で、人材と資金が集う拠点を国内に築く本構想を国家戦略としてどう位置づけて、いかなる意義を見出しておられるのか、大臣のお考えを改めてお聞かせください。
○小野田国務大臣 先生御指摘のとおり、世界では、現在、優れた研究者や大規模な投資資金がより魅力的な研究、投資環境を求めて国境を越えて移動する動きが活発しておりまして、人材、投資の獲得競争が本当に激しさを増しているというふうに認識しております。こうした中で、国内外の優秀な人材や資金を日本に呼び込めるようにすることは、我が国の産業競争力の強化、そして経済成長につながる観点で極めて重要だと思っています。
GSC構想は、まさにこうした問題意識の下で、国内外の多様な主体が一堂に物理的に集積し、相互に連携することで、研究開発から事業化、海外展開までを一気通貫で支援する環境を整備することにより、人材と投資を引きつける世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブを構築しようとするものでありまして、我が国の国家戦略として極めて重要な取組であると我々は考えております。
委員御指摘のとおり、優秀な人材が海外に流出するのではなく、GSC構想のフラッグシップ拠点を足がかりに世界に挑戦していける環境を整えること、これが本構想の核心でもあると思っています。
優秀な研究者がGSC構想のフラッグシップ拠点で研究を行いたいと思い、投資家がGSC構想を通じて生まれるスタートアップに資金を投じたい、そう思ってもらえるような、真に世界から選ばれる拠点の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
○高山委員 ありがとうございます。
ともすると、これは地方か東京かみたいな話になりがちなテーマですが、ある意味、海外から優秀な人材を国内に取り戻すというぐらいの気持ちで、是非お願いしたいというふうに思います。
次に、フラッグシップ拠点の立地について、政府参考人に伺います。
今回の拠点を造る上で、その立地は重要な要素だと私も考えます。先日、視察でも見てまいりましたが、一つには、国際空港からのアクセスのよさ。今回の構想が目指すのは、世界とつながる結節点ということで、海外の大学や研究拠点との間で、研究者、起業家、そして投資家が頻繁に行き来をするということが大事だと思います。
これは、ある意味、日本に年何回来るのか、シンガポールに年何回行くのか、そして、北米に年何回行くのか、ヨーロッパに年何回行くのか、それを考えているような人材に、日本に来ようと思ってもらう必要があるわけです。まさに国会議員の皆様というのは、この移動の重要性、よく御理解されていると思います。地元から東京・永田町に毎週移動される、そうしたときに、東京駅から、そして国際空港からの距離が大事だということは、皆さんよく御存じだというふうに思います。
そして、もう一つが、既存の集積の中にあるということです。
イノベーションは、人と人との偶然の出会いであったり、才能の行き来、大学やVC、スタートアップとの近さの中から生まれると思います。今日も挙げましたが、ボストン、トロント、ロンドン、パリ、シンガポール、先行事例では、いずれも、大学や企業からアクセスがしやすい、密に集まるような、そういった中心の場所に置かれています。今回の構想では、フラッグシップ拠点を渋谷区、目黒区にまたがる都心の国有地に整備するとしています。渋谷は、スタートアップの集積地でもあり、空港からのアクセスも悪くない。まさに都心の要衝に当たります。
そこで、政府に伺います。
この立地選定に当たって、どういった要素が考慮され、あわせて、周辺の大学、VC、スタートアップとの連携をどのように考えておられるのか、お考えをお聞かせください。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
フラッグシップ拠点は、国内外の研究者やスタートアップなどの多様な主体が一堂に集積し、ディープテック分野の研究開発から事業化、海外展開までの支援を一気通貫で行う環境を整備することにより、ディープテック分野の研究成果を活用した新たな事業の創出、成長発展を促進し、グローバルな社会課題の解決と国内の経済成長を目指すこととしておりまして、そういった趣旨からも、委員御指摘のように、日本に来てもらいたいと思うような魅力ある拠点にしていくということが重要な視点だと思っております。
こうした拠点の目的に鑑みまして、立地につきましては、投資家や企業、大学など、イノベーション創出に関わる多様な主体が一堂に集積し、スタートアップ創出の素地が整っている都市部へのアクセスが容易であること、国際的な認知度が高く、また、空港からのアクセスが容易であり、国内外の人材を集めやすいことなどの条件を満たす必要があると考えております。
こうした観点を踏まえまして東京都心の国有地を活用することとしたものでありまして、周辺の大学や投資家、スタートアップといった関係者との連携、そして相互補完、こういったものを通じながらイノベーション創出を促進していくことが重要であると認識しております。
○高山委員 ありがとうございます。
今申し上げましたが、日本は年一回でいいかなと思っているような海外のプロフェッショナルに日本に年三回行きたいなと思ってもらえるような、そういった拠点に是非していただきたいというふうに思います。
続いて、フラッグシップ拠点の建築整備の進め方について政府に伺います。
今日の委員会でも大変重要な論点となっていますが、是非御検討いただきたいのは、小さく始めて大きく育てるという発想です。
公共の施設設備というものは、ともすれば、最初から壮大な最終形を描いて、巨額の費用と長い年月をかけて一気に造る、こういった形になりがちだというふうに思います。スタートアップのエコシステムというのは、立派に箱を造ればそれでいいというものではなくて、そこに集う人と活動と熱気、熱量があって初めて価値が生まれるというふうに思います。
だとすれば、問われるべきは、その広さ、最初に三万平米がいいか五万平米がいいか、そういった規模の決め打ちではないというふうに私は考えます。むしろ、必要十分な規模をきちんと見定めつつ、まずは少しでも早く、そして安く拠点を立ち上げる。そして、盛り上がりや需要の高まりに応じて段階的に拡張をしていく。きちんと拡張性が担保される前提で、機動的で柔軟な整備の進め方こそがふさわしいのではないか。これは、コストを抑える観点からも、この段階的なアプローチには合理性があるというふうに考えます。
そこで、政府参考人に伺います。
フラッグシップ拠点の整備建築計画について、最終的な規模の天井を必ずしも固定せず、少しでも早期に必要十分な規模で立ち上げ、その後の盛り上がりに応じて段階的に拡張していく、そういった柔軟な進め方を今後の有識者の検討の中でも前提としていただけますでしょうか。
○井上政府参考人 お答えいたします。
本件、先ほども御議論がございまして、小野田大臣からも御答弁させていただきました。まずは安く小さく建設し、その後は需要に応じ拡張していく、そのような方法があるということで、今国会の議論を通じて私どももしっかり認識いたしましたので、この国会での御議論を踏まえて取り組んでまいりたいと思います。
○高山委員 ありがとうございます。
これはしっかりと、国会の意思はこうだということを有識者にもお伝えいただきたいというふうに思います。
ちなみに、トロントのマーズ・ディスカバリー・ディストリクト、これは床面積が十四万平米ございます。そして、シンガポールのワン・ノース、これは十万平米以上の拠点が複数ある。そんな規模もございます。なので、じゃ、日本も十万を造ろう、そういうことではないと思うんですが、そもそも何万が正しいのか、これは難しい論点です。なので、しっかりと早く小さく始めて、そして、きちんと成果が出るのであれば、ちゃんと、じゃ、二拠点目を造るなり大きくするなりやっていく、そういった考え方を是非お願いします。
次に、今回の構想の成否を左右する人、ベンチャーディレクターについて政府に伺います。
今回の構想は、アメリカのDARPAを参考に、優れた目利きとしてベンチャーディレクターに研究テーマの選定や予算の配分、そして時に撤退の判断まで、大きな責任と権限を集中させて、機動的で迅速な意思決定を行うものというふうに承知をしています。
私は、この責任と権限の集中こそが構想の成否を分ける最も重要な鍵だと思います。経験豊富で優秀な人材を集めたとしても、その人物に実質的に決定権がなく、一つ一つ判断するのに何段もの決裁であるとか合議が必要になってしまうと、機動性が失われ、ハイリスクな挑戦はできません。必要な権限が現場に本当にあるのか、これが重要です。
そして、重い責任と権限を委ねる以上、それを担うにふさわしい人材が必要です。世界の第一線で実践を重ねてきた真に優れた人材を国内外から招き入れる、そのためには、従来の国の仕組み、役所的な人事の枠組みにとらわれず、その重責にふさわしい思い切った採用と処遇の仕組みが不可欠だと考えます。
そこで、政府参考人に伺います。
ベンチャーディレクターには、研究テーマの選定、予算、撤退判断など必要十分な権限が十分に与えられると考えてよいでしょうか。そして、その重責を担うにふさわしい世界水準の人材を機動的に登用するために、採用と処遇の仕組みをどう設計するのか。政府の考えをお聞かせください。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
GSC構想におきましては、ディープテック分野の研究開発や事業化を推進していくため、優れた知見と経験を有するベンチャーディレクター、VDの確保が極めて重要であるという認識を持ってございます。したがいまして、運営法人においては、このVDに責任と権限を一定程度集中をさせ、階層が少なく、素早く機動的な意思決定を可能とする、そんな組織設計を行うこととしておりまして、一定のガバナンスの確保に必要な体制を法定しつつも、迅速な意思決定を柔軟かつ機動的に行うことができるよう、その他の運営に関することは定款等で整備をできるようにしております。
また、国内外から優れたVDの参画を促進する観点から、海外の研究機関やスタートアップ拠点と比較しても魅力ある待遇となるような柔軟な対応を検討してまいりたいと思います。
なお、具体的な給与水準につきましては、関係制度との整合性に配慮しつつ検討していく必要もございますが、先ほど来申し上げているように、給与に加え、研究費、研究設備、共同研究の機会、支援体制など、全体として魅力のある条件を整備するとともに、処遇の在り方についても柔軟な対応が可能となるように検討してまいりたいと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。是非お願いします。
今、海外の都市の名前を挙げていますが、ボストン、トロント、パリ、ロンドン、シンガポール、どこも物価も報酬水準も非常に高いんですね。日本の一・五倍ぐらいあると言う人もいる。人に関してこんなにお金がかかるのかということで足踏みをせずに、しっかりと取り組まないと、そもそもこの取組、意味がなくなってしまうと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、この構想を一過性の取組に終わらせず、世界水準の取組として長期的に育てていくための国の関わり方について、小野田大臣に伺います。
今回の取組は、一見すると相反する二つの重要な要素があると思います。一つには、国の支えが中途半端であってはいけないということです。リスクが高くて短期では成果が出ないかもしれないことを中長期的にしっかりと支えていく。例えば、基金が尽きたからといって、後は知らないということではいけないというふうに思います。その一方で、国が支えるからといって、一言一言、一手一手ごとに国が関与してチェックをするということであっては民間的な機動性が失われてしまうということです。国はしっかり支え、しかし、役所的な論理ではなく、しっかりと機動的に取り組めるように、口は出し過ぎない。支えながらも現場の自由を貴ぶという絶妙な間合いを是非保っていただきたいと思います。
そこで、大臣に伺います。
構想を長きにわたり世界水準で維持していくため、財源の確保を始め、国の確かな関与と、そして同時に、民間的な機動性、現場への権限移譲をどのように両立させていくお考えでしょうか。
○小野田国務大臣 GSC構想を一過性のものに終わらせず、世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブとして長期にわたり機能させるためには、運営法人に十分な権限を与えつつ国としても必要な支援を行うという、御指摘のとおり、両者のバランスを確保することが極めて重要であると認識しております。
GSC構想が世界トップレベルの研究者や投資家等を引きつけるためには、国の関与が過度な制約とならないよう、専門性や先見性を有しながら、迅速かつ大胆な意思決定を機動的に行える体制を確保することは不可欠であると考えます。
本法案が成立した暁には、国と運営法人で緊密に連携して、当面の間における政府による一定の支援を行いながら、GSC構想の基本方針に基づいて、民間ノウハウや資金の最大限の活用を図ることで運営法人が機動的かつ大胆に動ける環境を整え、GSC構想の長期的な成功に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えます。
○高山委員 ありがとうございます。
世界で最も魅力的な拠点を造っていただいて、日本の技術をしっかりと育てる、そのことをお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
科技イノベ法案について質問をいたします。
スタートアップに関連をするイノベーション推進に係る予算の推移を確認したいと思います。
科技イノベ活性化法に基づくSBIR制度として、特定新技術補助金があります。国等の特定新技術補助金等について、二〇一〇年度以降、五年ごとの交付額を明らかにしていただけますか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘の特定新技術補助金の支出額でございます。
二〇一〇年度から五年ごとでまいりますが、二〇一〇年度に千七百十・四億円、二〇一五年度に千七百二十四・〇億円、二〇二〇年度に千八百九・〇億円、二〇二五年度に四千六百五十三・七億円となってございます。
○塩川委員 二〇二〇年度千八百九億、それが二〇二五年度ですと四千六百五十四億円と、急増しているわけであります。イノベーションとなれば大盤振る舞いということであります。
GSC運営法人は、ディープテック分野において、国内外の大学等の成果を基にした先端技術の実用化研究開発や事業化を支援をするということです。そうしますと、事業化を対象としない基礎研究への支援というのは、この運営法人の対象外ということでしょうか。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
ただいまの御質問であります基礎研究の支援でございます。
長期的な国家の礎となる基礎研究は、実用化により大きな経済的、社会的インパクトの創出が見込まれることから、長期的かつ集中的に支援することが重要なものと認識しております。
こうした研究につきましても、グローバルな研究開発及び事業化の経験を有し目利き力のある人材がベンチャーディレクターとして、事業化の将来性そして可能性を見極めながら、適切に研究テーマの設定あるいはそのプロジェクトマネジメント上必要な判断を行っていくというふうに考えてございます。
○塩川委員 GSC運営法人は、事業化を念頭に置かない基礎研究への支援は行わないということですね。
○木村政府参考人 一気通貫の流れの中で必要とあれば、基礎的な研究、その中には実用化を当初は対象としていないものもあるかもしれませんが、成果として大きなインパクトが見込まれる、そんな判断ができれば支援の対象にもなる可能性があると考えております。
○塩川委員 事業化は念頭に置かない基礎研究だけというようなことであれば支援の対象にはならないということであります。
ノーベル物理学賞受賞者で元学術会議会長である梶田隆章東大卓越教授は、基礎研究なくして技術やイノベーションは進まないことを政府は理解してほしいと述べておられます。
そこで、基礎研究の経費について確認をいたします。
基礎研究の経費となる国立大学法人運営費交付金の推移についてですが、文科省の「運営費交付金を取り巻く現状について」の資料の「国立大学法人運営費交付金減少による影響」が指摘をしているように、消費者物価指数が上昇する一方、交付金予算額は横ばいであり、実質目減りしている。これが実態ではありませんか。
○先崎政府参考人 お答え申し上げます。
消費者物価指数、令和四年度以降の四年間で約一〇%上昇する一方で、国立大学法人運営費交付金は横ばいとなっておりまして、実質的に目減りが生じていると。各国立大学からは、大変苦労されながら運用しているという声も聞いているところでございます。
国立大学における教育研究活動の充実等を図るため、国立大学運営費交付金の拡充をしっかりと図っていく必要があると考えております。
○塩川委員 目減りが生じているということであります。お手元の配付しております資料にも、真ん中の部分にそういうことも記載をされております。
その下の部分ですけれども、文科省の「運営費交付金を取り巻く現状について」における教員一人当たりの研究費の減少の事例の紹介をしてもらえますか。
○先崎政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の事例でございます。
B大学の事例は、国立大学が法人化した平成十六年度と令和七年度を比較したものでございますが、主に理工系の実験系では年額五十八万円から十八万円、主に人文社会系の非実験系では年額三十五万円から十万円に減少しておりまして、法人化時から見ますと七割の減少ということでございます。
また、C大学の事例でございます。令和五年度と令和六年度の、調査ができる直近の一年間を比較したものでございますが、実験系では四十二万から二十七万、非実験系では二十二万から十四万の減少ということでございまして、三五%の減少ということでございます。
令和八年度予算におきましては、平成二十九年度以来の九年ぶりで実質的に過去最大の増額となります対前年度比百八十八億円増額の一兆九百七十一億円を計上し、また、令和七年度補正予算においても、運営費交付金四百二十一億円を含む四百八十六億円を計上して、物価上昇等を踏まえて、当初予算と補正予算を合わせた必要な予算を確保しているところでございます。
さらに、本年三月に閣議決定されました第七期科学技術・イノベーション基本計画におきましては、国立大学運営費交付金の大幅な拡充を図るという文言が盛り込まれたところでございまして、文科省としても、それを踏まえて、今後ともしっかりとその拡充に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○塩川委員 基礎研究の経費の削減は深刻な事態ということが、ここでも浮き彫りです。
今、運営費交付金の経費について、今年度は昨年度に比べて百八十八億円の増と。増そのものは結構ですけれども、伸びは一・七%ですから、人件費上昇、また物価上昇を考えたら、とても足りないということが実態であります。
あわせて、科研費の推移についてもお聞きします。
二〇一三年の値を一〇〇として、為替レートと消費者物価指数を用いた科研費一課題当たりの平均配分額について、直近では幾つになっているのか、この点についてお答えください。
○生田政府参考人 お答え申し上げます。
国際通貨基金、IMFが公表している為替やアメリカの消費者物価指数を適用した科研費一課題当たりの平均配分額については、為替の年平均については、二〇一三年が一ドル約九十八円に対し二〇二四年が一ドル約百五十一円、アメリカの消費者物価指数の年平均については、二〇一三年を一としたとき、二〇二四年が約一・四であり、ドルに換算した科研費一課題当たりの平均配分実質額は、二〇一三年度を一〇〇としたとき、二〇二四年度は約四三となります。
○塩川委員 二〇一三年を一〇〇とした場合に二〇二四年度は四三ということで、半分以下ということで、このような科研費の配分額が大きく後退しているというのも深刻な事態であります。
この間、ノーベル賞受賞者の皆さんは口々に基礎研究を強調しておられます。ノーベル生理学・医学賞を受賞した坂口志文大阪大特任教授は、ノーベル賞選考委員会は基礎研究を高く評価した、基礎研究への支援が必要だと訴えたい、このように述べ、同じく、ノーベル化学賞を受賞した北川進京都大特別教授も、研究成果の社会への実装化には二十五年はかかり、長期の支援が必要だ、政府には、より基礎的な研究への支援を増やすよう何度も勧めてきたと述べております。
大臣にお尋ねします。
イノベーション推進ということを掲げておりますけれども、基礎研究の予算が細っている。幾らイノベーションの予算を増やしても、基礎研究なくして技術やイノベーションは進まない。その点で、これまで基礎研究の経費を削ってきたことへの反省はありますか。
○小野田国務大臣 基礎研究の重要さというのは、本当に、ノーベル賞を取られた先生方も、おっしゃるとおり口々にされておりますし、我々としても非常に認識しております。
これをやはり減らしてきたことが研究力の低下につながったのではないかという反省を基に、第七期科学技術・イノベーション基本計画においても、こういった基礎研究に資する運営費交付金だとか科研費をしっかり確保していこうというところは私たちの思いとして出ているところなので、まだちょっとしか増えていないじゃないかという御指摘ではあったんですけれども、ここが非常に重要だということは我々も強く認識しています。
○塩川委員 基礎研究を削ってきた、特に、その中心となるような国立大学法人の運営費交付金、これを大幅に削減をしてきたということは間違いだったということでよろしいですか。
○小野田国務大臣 済みません、交付金担当大臣ではないので、私がどこまで言えるかというところではあるんですが、ただ、これが非常に重要なもので、今後拡充していかなくてはいけないという思いは先生と同じです。
○塩川委員 これまでの削減について反省があったのかどうかというのは、率直に、今のお話では受け止め切れないということがあるところであります。
そういう意味では、やはり、イノベーション推進というお立場ではありますけれども、でも、基礎研究は重要だ、増やしていかなくちゃいけないというふうにおっしゃっております。でも、国立大学の運営費交付金が、法人化後の二十年間で一三%減少しております。
この点でも、運営費交付金こそ大幅に増やしていく、倍増ぐらいが必要なんじゃないかと率直に思いますが、いかがでしょうか。
○小野田国務大臣 基礎研究に係る運営費交付金を増やしていくことは非常に重要だという認識はもちろんございます。
ただ、基礎研究の予算を削ってイノベーションにやるわけでもなく、イノベーションの予算を削って基礎研究というわけでもなく、どっちも大切なので、せっかく基礎研究の結果生まれたすばらしいものが、種のまま、そのまま眠ってしまうのももったいないですし、それぞれに必要なところにしっかり投資をしていくということで、研究者の皆様のわくわくも支えていきたいし、経済的な発展も支えていきたいと思っております。
○塩川委員 高市総理が経団連からの提言を受けた際に、このような研究費について実質的に倍増することを目指すとかと言っているんですが、本当にそういうふうにする、なるということなんでしょうか。
○小野田国務大臣 済みません、たしか、ちょっと今確認できないんですけれども、実質倍増するというふうに言っていたというふうに記憶をしておりまして、ただ、今のままではいけなくて、これを倍増というぐらい増やしていくんだという意気込みは、政府一丸となっての思いだというふうに思っております。
○塩川委員 高市総理の研究費の実質倍増表明というのは、経団連の科学技術立国戦略の提言を受けての発言であります。率直に言って、経団連など財界の目先の要求に基づく、応用とか実用化とか産業化に役立つ研究のみを支援してきたという政府の科学技術政策が、自由で裾野が広い基礎研究を阻害をしてきたのではないのか。今回のGSC構想というのも、その一つということになるのではないでしょうか。
経団連の提言では、前提として大学改革が必要だと言っています。この間、自民党政権は、国立大学の法人化、教授会権限の剥奪、運営費交付金の削減、外部資金の獲得競争を強いるなど、大学の自由な研究を阻害する予算削減や権限制約を行ってきました。これでは自由で豊かな基礎研究ができるはずがない。イノベーションということを強調されるのであれば、まさに基礎研究を担う大学の自由な研究を阻害してきた大学改革そのものも是正することが必要ではありませんか。
○小野田国務大臣 済みません、なかなか大学改革についても私がどこまで答えられるかというところではあるんですが、産業につながるもの、もちろん事業化につながるものが大切というのも分かりますが、そうではなくて、研究者の方々の、何でこうなるんだろうとか、面白いとか、興味から始まるわくわく、これによる研究等というのもとても価値があるもので、大切なものだというふうに思っておりますし、自由な基礎研究が大事というのも先生と同じ認識でございますので、しっかりと支えていけるように、政府全体となって取り組んでいきたいと思います。
○塩川委員 高市総理の発言というのも、本当に基礎研究を増やすのかという趣旨に読み取れないところも多々あるところでもあります。
自由で裾野の広い基礎研究なくして技術やイノベーションは進まないということを改めて申し上げて、質問を終わります。
○山下委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十分散会

