衆議院

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第5号 令和8年7月30日(木曜日)

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令和八年七月三十日(木曜日)

    午後二時三十分開議

 出席委員

   委員長 島尻安伊子君

   理事 東  国幹君 理事 伊東 良孝君

   理事 尾身 朝子君 理事 とかしきなおみ君

   理事 神谷  裕君 理事 市村浩一郎君

   理事 許斐亮太郎君

      石坂  太君    伊藤  聡君

      井原  隆君    鹿嶋 祐介君

      川松真一朗君    小寺 裕雄君

      新田 章文君    藤沢 忠盛君

      村木  汀君    山田 基靖君

      吉田 有理君    金城 泰邦君

      佐藤 英道君    三木 圭恵君

      伊藤 恵介君    山田 瑛理君

    …………………………………

   外務大臣         茂木 敏充君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 黄川田仁志君

   経済産業副大臣      山田 賢司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  笹野  健君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鎌谷 陽之君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   黒瀬 敏文君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  矢作 修己君

   政府参考人

   (内閣府北方対策本部審議官)           三浦健太郎君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 鈴木 敏夫君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 橋本憲次郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 近藤 玲子君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 北郷 恭子君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 田口精一郎君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    熊谷 直樹君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文部科学戦略官)       三木 忠一君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           平中 隆司君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           関村 静雄君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           神田 宜宏君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           尾崎  道君

   政府参考人

   (農林水産省農産局農産政策部長)         山口潤一郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           辻阪 高子君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         今井  新君

   政府参考人

   (海上保安庁警備救難部長)            山戸 義勝君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 江原 康雄君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 奥田  健君

   衆議院調査局第一特別調査室長           松本 邦義君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十八日

 辞任         補欠選任

  小寺 裕雄君     鈴木 貴子君

同月二十九日

 辞任         補欠選任

  鈴木 貴子君     小寺 裕雄君

  林  拓海君     宇佐美 登君

同月三十日

 辞任         補欠選任

  宇佐美 登君     山田 瑛理君

同日

 辞任         補欠選任

  山田 瑛理君     宇佐美 登君

    ―――――――――――――

七月二十四日

 一、沖縄及び北方問題に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 沖縄及び北方問題に関する件

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

○島尻委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 この度の令和八年熊本地震によりお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

○島尻委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

○島尻委員長 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官笹野健君外二十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島尻委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○島尻委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。佐藤英道君。

○佐藤(英)委員 中道改革連合の佐藤英道です。

 質問に入る前に、熊本県で発生した地震によりお亡くなりになられた方々に心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 政府におかれましては、救命第一に、停電や断水、避難所の環境、水や食料、空調、医療、衛生など現場のニーズを丁寧に把握し、必要な支援を一刻も早く届けられるようお願いを申し上げたいと思います。

 さて、一昨日と昨日、沖縄北方問題に関する特別委員会、当委員会として、根室市と釧路市で実施した北方領土問題の実情調査に私も参加をさせていただきました。根室市の納沙布岬を訪れ、北方領土を視察するとともに、元島民の皆様や北方領土隣接地域の自治体の皆様、釧路市漁業協同組合など水産関係者とも意見交換をしてまいりました。

 日ロ関係は極めて厳しい状況にありますが、こうした時期だからこそ、北方領土隣接地域の現地を訪れることは私は極めて大切なことであると痛感をいたしました。島尻委員長を始め与野党の理事、委員の皆様、委員部、調査室、関係省庁の皆様に感謝を申し上げまして、質問に入りたいと思います。

 私は、北海道議会議員時代の一九九七年に、国後島、択捉島、色丹島を初めてビザなし訪問団の一員として訪問しました。さらに、衆議院議員として二〇一八年に国後、択捉両島を訪れ、元島民の方々や返還運動関係者の皆様とともに、住民交流会や日本人墓地への慰霊を行ってまいりました。平和条約の早期締結と領土問題の解決には強い思いを持った一人でもございます。

 さて、二〇二二年三月、ロシアは、ウクライナ侵略に伴う日本の対ロ制裁措置を踏まえ、現状において日本との平和条約締結交渉を継続する意思はないとしました。北方四島における共同経済活動からの撤退や北方四島の交流、いわゆるビザなし交流等の中止も表明をいたしました。

 さらに、ロシアは、ウクライナへの侵略を続ける裏で、北方領土において軍事演習を実施したり、周辺海域を対象とした他国船の無害通航権、いわゆる安全に通航する権利を停止したりするなど、日本に対して圧力を強める行動を繰り返しております。

 このような厳しい状況の中にあっても、黄川田担当大臣、茂木外務大臣は、所信におきまして、日ロ関係は厳しい状況にあるが、領土問題を解決し、平和条約を締結するという日本政府の方針には変わりはないと方針を示されました。

 一方で、ロシアでは、対話の再開には対ロ制裁措置の解除が先であると主張しております。日本の反ロシア路線の放棄を求めており、交渉の進展が極めて厳しい状況にあるのが現実であると思います。

 しかし、私の下には、元島民の団体である千島歯舞諸島居住者連盟の方々や、北海道、北海道水産会などから、今も切実な要望が相次いでおります。北方領土の返還に向けた外交交渉をどうか諦めずに継続してほしいという悲痛な叫びであります。元島民の方々の平均年齢は既に九十歳を超えました。いまだに生まれ育った故郷に帰れぬまま、長い年月がたっております。

 現下の情勢において、交渉の進展が困難であることは重々承知しております。しかし、だからこそ、政府は現状をどう捉え、今後どのように動くのか、国民に対して説明責任を果たす必要があるのではないでしょうか。

 そこで、北方領土問題を含む平和条約締結交渉の現在の具体的な状況と、今後の打開に向けた見通しや決意について、茂木外務大臣の見解をお伺いをしたいと思います。

○茂木国務大臣 私、一回目の外務大臣当時、二〇一九年になりますが、年末にはモスクワを訪れまして、ラブロフ外務大臣と当時八時間にわたって交渉いたしました。どうにかこの領土問題を解決して平和条約を締結する、こういう強い思いでおりました。

 その後、二〇二〇年に、今度は日本で交渉を更にやろうということになっておりましたが、コロナによってそれが途絶えてしまった。そして、その後、ロシアによりますウクライナ侵略が起こったわけでありまして、このロシアによりますウクライナ侵略、まさに力による一方的現状変更の試みで、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、これを受けて我が国は、対ロ政策、これを大きく転換しまして、G7を始めとする国際社会と緊密に連携しながら対ロ制裁実施を行っているところであります。これは国際社会全体の流れから見ても当然のことだ、そんなふうに私は考えております。

 これに対してロシア側は、両国関係悪化の責任を日本側に転嫁する、こういう姿勢を崩しておらず、一方的に打ち切っている平和条約交渉の再開、全く応じていない、佐藤委員も御案内のとおり、そういう状況にあるわけであります。

 今もなお、ウクライナ情勢、侵略、これが続く状況において、日本側として基本的な対ロ政策を見直すことは困難である、当然である、そんなふうに考えておりますが、このことは二国間の課題解決に向けた努力を日本として怠るということでは決してない、このように考えております。

 特に、日ロ間最大の懸案であります北方領土問題に関しては、これが戦後八十年以上経過して今もなお解決されず、ロシアとの間で平和条約が締結されていないということを重く受け止めております。戦後秩序の中で、我が国周辺で、言ってみると唯一埋まっていない大きなピース、これがこの領土問題ではないかな、また、ロシアとの間の平和条約ではないかな、こんなふうにも考えているところであります。

 今後の具体的な見通し、現時点で見通しを述べることは困難であるのはよく御案内のとおりだと思いますが、日本側として、隣国との間の意思疎通、これは重要だと考えておりまして、ロシア側とのやり取りを粘り強く続けていく中で交渉の再開に向けた道筋をどうにかつけていきたい、こんなふうに考えております。

○佐藤(英)委員 是非、隣国でありますので、粘り強い交渉を心から要望をさせていただきたいと思います。

 次に、ロシアへの経済訪問団派遣について伺います。

 本年五月に実施されたロシアへの経済訪問団の派遣についてでありますけれども、ロシアによるウクライナ侵略が続く中で、国際社会からは対ロ経済制裁の継続が厳しく求められております。このような時期にあえて政府高官らをモスクワへ派遣したことで、一体どのような客観的かつ具体的な成果が得られたのでしょうか。あるとすれば、それはどのような内容であったのか、政府の見解を伺います。

○山田副大臣 お答え申し上げます。

 まず、五月二十六日から二十七日にかけて荒井通商政策局長が外務省石川欧州局審議官とともにロシアを訪問し、政府関係者及び関係経済団体と面会を行いました。

 政府関係者との会合では、現地における日本企業の資産を守る観点から意思疎通を行い、これを継続することの重要性について確認をし、また、関係経済団体との間では、ロシア経済、産業動向や現地における日本企業を取り巻く状況について意見交換を行ったとの報告を受けております。経済産業省といたしましては、実務的かつ建設的な意見交換が行われたと認識しております。

 一部の面会には日本企業も同席し、彼らの多数からは、日本政府高官も出席する会合への同席を通じ、ロシア側との貴重なコミュニケーションの機会を得られたとして、高い評価が寄せられております。

 今後とも、我が国は、G7で協調しながら引き続き対ロ制裁を実施しつつ、ロシアに進出している日本企業の資産をしっかり守るべく取り組んでまいります。

○佐藤(英)委員 政府はこれまで、G7を始めとする国際社会と緊密に連携し、対ロ制裁を堅持する立場を繰り返し表明してきたわけであります。それにもかかわらず、今回の経済訪問団の派遣は、国際社会に対して日本の制裁への足並みの乱れと受け取られるリスクをはらんでいたのではないでしょうか。

 また、今後のロシア外交を実務的に進めるに当たり、政府は北方領土問題の解決と民間企業の資産保全の優先順位をそれぞれどのように位置づけられているのか、その方針を明確にしていただきたいと思います。

○茂木国務大臣 今、山田副大臣の方からも答弁させていただいたところでありますが、五月に政府関係者が日本企業と同じタイミングでロシアに出張した目的、これはあくまでロシアに進出している日本企業の資産を守るためでありまして、先ほど私が申し上げました我が国の対ロ政策の基本的な方針と何ら矛盾するものではないと考えております。このことは、欧州等の関係国に対しても丁寧に説明を行い、理解が得られているところであります。

 この訪問以降、私も様々な国際会議等でヨーロッパのカウンターパート等と対話を行っておりますが、この訪問に対して懸念が示されたということは一度もございません。

 北方領土問題の解決と民間企業の資産保全、それぞれの位置づけがどうか、こういうことでありますが、まず北方領土問題、これは日ロ間最大の懸案でありまして、平和条約交渉の早期再開に向けて粘り強くロシア側とやり取りを続けていく、こういうことであります。また、ロシアに進出している日本企業の支援についても、五月のロシア出張のフォローアップを含めて、今後も、ロシア政府への申入れ等を通じて、政府として万全の取組を行っていきたいと思っております。

 御案内のとおり、日本は、例えばサハリン2、これに対する利権も持っているところでありまして、これについてもきちんと、じゃ、この利権を日本が手放した場合に、日本のエネルギー安全保障上問題になる、それから、手放した場合に、じゃ、その利権をどこが取るかということも考えなくちゃいけない、こういう説明もいろいろさせていただいておりまして、そういったことについても各国から理解を得られている、このように考えております。

○佐藤(英)委員 それでは、黄川田大臣にお伺いしたいと思います。

 元島民の方々の平均年齢は既に九十歳を超えております。ふるさとへの墓参再開は、一刻の猶予も許されない人道的な問題であると思います。領土問題の解決や墓参再開への糸口すら見えていない中で、政府が企業の資産保護やビジネス環境の改善を優先してロシア側との対話の場を設けたことは、極めて問題をはらんでいるのではないでしょうか。

 今なお苦しい立場に置かれている元島民の皆様や千島歯舞諸島居住者連盟などの関係団体に対し、領土問題の解決が置き去りにされたまま、経済的な関係修復が先行してしまうのではないかという強い不安や不信感を与えることにはならないでしょうか。また、政府は、こうした元島民の方々の心情に配慮し、事前の説明や丁寧なフォローを行ったのか、伺います。

○黄川田国務大臣 お尋ねの政府職員のロシア訪問については、ロシアに進出している日本企業の資産を守る観点からロシア側と意思疎通を図るために行われたものであることや、また、新しい経済協力をする意図はないことなどについて、経済産業省はこれまでに広く対外的に情報発信をし、説明をしてこられたと承知をしております。

 その上で申し上げますと、内閣府では、元島民の皆様や千島連盟等の関係団体と、この訪問団の前後と関係なく、日頃から緊密に連携をしているところでありまして、少なくとも、現時点では政府職員のロシア訪問についての御不安の声は伺ってはおりません。

 引き続き、関係者の御意見をよく伺いながら、御不安が寄せられれば、経済産業省が発信している内容をお伝えするなど、適切な対応を取ってまいりたいと考えております。

○佐藤(英)委員 次に、北方墓参についても伺ってまいりたいと思います。

 二〇二〇年度以降、新型コロナウイルス感染症の世界的流行やロシアによるウクライナ侵略の影響によって、北方墓参などの実施は見送られ続けております。この間、北海道や千島連盟の尽力によって、船の上から祈りをささげる洋上慰霊や納沙布岬での慰霊祭などが必死に続けられてきております。しかし、二〇二二年九月、ロシア側は、北方四島交流、いわゆるビザなし交流と自由訪問に関する合意の効力を一方的に停止する政府令を発表いたしました。

 さきの委員会において、黄川田大臣は、北方墓参を始めとする事業の再開は日ロ関係における最優先事項の一つである、ロシア側に対して、今は特に北方墓参に重点を置いて、再開を引き続き強く求めていくと述べられました。その上で、政府が北方墓参を最優先事項と位置づけるのであれば、元島民やその後継者の方々の痛切な思いをしっかりと受け止め、まずは北方墓参の再開に的を絞って交渉を加速すべきと考えます。

 現在の日ロ間の交渉の現状と今後の見通し、そして、交渉加速に向けた外務大臣の決意を伺いたいと思います。

○茂木国務大臣 黄川田大臣が答弁するのかと思いましたが、私への質問でしたので、お答えをさせていただきます。

 私自身、地元の方々と何度も面会をさせていただいております。現地を訪問したことも私もあります。また、北方領土返還要求全国大会への出席等も行っておりまして、これらを通じて、御高齢となられた元島民の方々等の思いを直接伺っておりまして、北方墓参の再開、これはすぐれて人道的な問題である、このように受け止めているところであります。

 このような認識に基づいて、政府としては、四島交流等の事業の再開、これをロシア側に求め続ける、こういった中で、北方墓参の再開を日ロ関係の最優先事項の一つと位置づけ、特に重点を置いて取り組んでいく方針を明らかにしているところであります。

 今のところ、残念ながら、ロシア側は北方墓参の再開に直ちに応じる姿勢を示しておりませんが、関係者の皆さんの切実な思い、これを胸に、また御高齢となられている、こういった状況を考えたときに、一日も早い再開に向けて、様々な機会を捉えてロシア側に対して粘り強く働きかけを行っていきたいと思っております。

 こういった、北方墓参を再開をしていくことについてロシア側に働きかけることと、日本の企業が現地に進出している、この資産を保全する、これも日本にとっては非常に重要な政府として役割だと考えておりまして、これはそのどちらかを取る、こういう問題ではない、こんなふうに私は考えております。

○佐藤(英)委員 それでは、ちょっと時間の関係で少し設問を飛ばしながらもやっていきたいと思いますけれども、次に、北方四島交流事業使用船舶「えとぴりか」の有効活用について伺いたいと思います。

 初めに、青少年「えとぴりか」宿泊研修の目的と具体的な内容について伺います。

 これまでも、「えとぴりか」を活用し、北方領土問題の関心や理解を広げる取組が重ねられてまいりました。今回は新たな試みとして、北海道に次いで元島民の方が多く暮らす富山県において、次代を担う青少年を対象とした宿泊研修が去る七月四日から五日にかけて開催されました。この研修が、子供たちにとって、北方領土問題への理解を一層深める貴重な機会となり、参加者の心に強く残るプログラムとなったことを期待しております。

 そこで、今回の宿泊研修を実施した目的と、その具体的な研修内容について伺いたいと思います。

○三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 北方領土問題は、北海道内だけではなく国民全体の問題として、より多くの方々に意識していただくための取組が必要であるという黄川田大臣の問題意識の下、今回、委員の御質問にもございましたが、北海道に次いで元島民の方が多く住まわれる富山県で、青少年を対象に、船舶「えとぴりか」での合宿研修を実施いたしました。「えとぴりか」を活用した啓発事業はこれまでも実施してまいりましたが、「えとぴりか」での青少年の合宿研修は初めての試みとなります。

 今回の研修では、御発案者である黄川田大臣も御参加の下、地元富山県の中学生のほかに、北方領土問題に取り組む北海道、宮崎県の高校生にも御参加いただき、船上で納沙布岬から北方領土までの距離である三・七キロを体感するクルーズ体験、元島民後継者語り部による講話、黄川田大臣による御講話、参加青少年の皆さんが今回の研修で感じたこと、考えたことを話し合う車座対話、「えとぴりか」での船内泊などのプログラムを行ったところでございます。

 今回の研修につきましては、参加青少年、引率していただいた教員の方々などからも御好評をいただいておりまして、参加青少年たちの記憶に残る研修となったものと思料いたしております。

 北方領土問題の解決には国民の理解と関心が不可欠であり、特に若い世代の関心の喚起と理解の促進が重要であるため、政府といたしましては、引き続き、若い世代の北方領土問題に対する正しい理解と関心につながりますよう取り組んでまいりたいと考えております。

○佐藤(英)委員 更に青少年への啓発活動を全国へ広げていくためには、今回の宿泊研修で得られたノウハウを横展開していくことが不可欠であります。これについて、政府の見解と今後の方針を伺います。

 あわせて、宿泊研修だけにとどまらず、北方領土問題に対する国民世論を更に盛り上げていくためにも「えとぴりか」の活用を一層促すべきと考えますが、政府の検討状況、今後の見通しについて伺います。

○三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の宿泊研修につきましては、必要な検証、検討を行った上で、例えば、他の地域での同種の研修の実施や、他の事業に参加青少年を講師としてお招きし、今回の研修での経験をお話しいただくなど、成果の横展開を含め、前向きに検討していく考えでございます。

 また、「えとぴりか」の活用につきましては、北方領土問題に関する関心や理解を広げるための取組を促進する観点からも「えとぴりか」の利活用は非常に重要であると考えておるところでございまして、そのため、昨年度におきましては、大阪港、函館港、下田港、高松港及び広島港で「えとぴりか」の一般公開を行うとともに、若い世代や教育関係者、後継者等を対象とした船内研修等を行ったところでございます。

 今年度につきましても、当然のことながら、実施がかなわない北方墓参の別途の事業である洋上慰霊に支障を来さないよう細心の注意を払うとともに、「えとぴりか」の一般公開や船内研修を含め、「えとぴりか」の道内外における啓発事業への更なる活用について検討してまいりたいと考えております。

○佐藤(英)委員 是非検討をお願いしたいと思います。

 次に、北方領土隣接地域における領土問題啓発施設の充実について伺いますが、例えば、標津町の北方領土館始め根室市の北方館、羅臼町の羅臼国後展望塔など、隣接地域の啓発施設は厳しい塩害や経年劣化による老朽化が深刻化しております。

 北方領土問題の啓発は、一地方自治体の事業にとどまらず、純然たる国の責務であります。これら施設の改修や建て替え、さらには将来的な維持管理に当たっては、地元の自治体に過度な財政負担を負わせることのないよう、国が責任を持って十分な予算を措置すべきだと考えますが、政府の見解を伺います。

 さらに、施設を単に現状維持するだけでは領土問題の風化は防げません。これまでの歴史的実態を若い世代や国内外に向けて強力的に発信する情報発信、世論喚起の一大拠点へと、展示の改修や多言語化を進め、施設の役割を抜本的にアップデートすべきであります。

 現状の啓発活動に対する政府の認識と今後の具体的な強化方針について伺います。

○三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 北方領土隣接地域における啓発施設の改修等につきましては、令和七年度補正予算において、根室市の北方館及び羅臼町の羅臼国後展望塔の老朽化に伴う改修工事を実施するために、必要な予算を確保し、対応を進めているところでございます。また、令和八年度予算におきましても、標津町の北方領土館の建て替えに向けた基本構想、基本計画を策定するため、必要な予算を確保し、検討を進めているところでございまして、引き続きしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

 その上で、北方領土隣接地域に所在する啓発施設は、隣接地域における啓発活動の拠点であり、重要な役割を果たしておりますが、他方で、施設自体の老朽化への対応や展示方法、展示物のリニューアルなど、検討すべき点もあると認識してございます。

 そうした認識の下、啓発施設の在り方等につきまして、昨年四月から、北方領土隣接地域における地域一体となった啓発促進策の検討に関する有識者会議を開催しておりまして、本年三月には、有識者の方々の様々な御知見を踏まえての、展示物のリニューアルやデジタル活用、複数施設間の位置づけと連携の明確化などにも言及した中間取りまとめを取りまとめたところでございまして、今年度も引き続き調査研究を行っており、お尋ねの強化方針も含め、検討を行っているところでございます。

 引き続き、地元自治体や関係団体、関係省庁と緊密に連携協力し、また様々な方々の御知見もいただきながら、北方領土問題に関する効果的な啓発の在り方についてしっかりと検討してまいりたいと存じます。

○佐藤(英)委員 黄川田大臣に、是非、記憶の風化を防ぐデジタルアーカイブ化についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 何度も強調させていただいておりますけれども、現在、元島民の平均年齢は九十歳を超え、当時の記憶を直接語れる方は年々減少しています。このままでは、四島の歴史や暮らしの記憶が完全に失われる、心の風化という最悪の事態を迎えかねません。

 一刻の猶予もない中、隣接地域の啓発施設において、元島民の貴重な証言や資料を早急に3Dデジタルアーカイブ化、VR、いわゆる仮想現実技術などを活用した、次世代へ生きた記憶を継承する場へと抜本的に展示を改修すべきだと考えますが、見解を伺います。

○黄川田国務大臣 委員御指摘のような北方領土隣接地域に所在する啓発施設の在り方については、先ほど政府参考人からも紹介がありましたが、昨年四月から、北方領土隣接地域における地域一体となった啓発促進策の検討に関する有識者会議を開催して、今年度も引き続き調査研究を行っているところであります。

 有識者会議が本年三月にまとめました中間取りまとめにおきましては、展示等の在り方の方向性の一つとして、元島民の高齢化が進んでいる状況を踏まえ、次世代への継承の重要性が指摘されております。御指摘のデジタルアーカイブにつきましては、啓発施設においてその活用を提起されているところでございます。

 引き続き、地元の自治体や関係団体、関係省庁と緊密に連携協力しまして、様々な知見もいただきながら、委員御指摘の点も含めて、しっかりと考えてまいりたいと思っております。

○佐藤(英)委員 是非前向きに御検討していただきたいと思います。

 最後になりますけれども、昨日までの委員派遣において、北方領土の元島民の皆様から、主に北方領土の返還に向けた外交交渉の実施、北方墓参の早期再開、千島連盟の活動を支えている二世、三世の後継者への北対協融資制度の見直しを含めた手厚い支援の在り方、国民世論の一層の喚起、特に若い世代に領土問題を正しく理解していただくための学校教育の充実について、御要望をいただきました。いずれも必要なことだと思います。

 このリアルタイムでお伺いしてきた切実な声を届けますので、両大臣におかれましても、是非とも積極的に臨んでいただきたく切にお願いをさせていただきまして、質問を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

○島尻委員長 次に、金城泰邦君。

○金城委員 こんにちは。中道改革連合、金城泰邦でございます。

 まず冒頭、七月二十八日に発生した令和八年熊本地震に関し、お亡くなりになられた方に哀悼の誠をささげますとともに、謹んで御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。そして、被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 また、本日の委員会の質問をさせていただく機会を与えていただいた島尻委員長始め委員の皆様には、心から感謝を申し上げます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず初めに、辺野古沖合の転覆事故に関して質問させていただきます。

 本年三月十六日、名護市辺野古沖で、船舶二隻、不屈と平和丸が転覆をし、同志社国際高校二年生の武石知華さんと不屈の金井創船長、二名の貴い命が失われました。改めてお悔やみを申し上げます。

 今回の転覆事故については、船舶を運航していたヘリ基地反対協議会と研修旅行を実施した同志社国際高校の極めてずさんな対応によって、取り返しのつかない悲劇が起きてしまいました。

 金子国交大臣は、五月二十二日の記者会見で、同志社国際高校への照会等により把握できた情報から、金井船長は、まず、令和五年以降、同校から依頼文を受理していたこと、そして、令和七年を除き、計三か年において、合計六回にわたり同校の生徒、教員を運送したこと、そして、いずれの年も学校から謝礼を領収していることが認められたことを明らかにしました。これを踏まえ、金井船長については、本来必要な海上運送法の事業登録を受けずに運送を行ったとして、内閣府沖縄総合事務局から海上保安庁中城海上保安部に対して、同法違反に係る告発状を提出したことを明らかにしました。

 私も、事故の翌週、現場の状況を見に行き、漁師の方から直接当時の話を伺いました。

 まず、船に乗るだけでも大変危険であった状況です。私が訪れた時間帯は、波浪注意報は出ていなかったんですが、それでも波は穏やかではなかったんです。転覆事故の際には、波浪注意報が発表されており、危険な状況であることは明白で、たとえ乗船定員を満たしていたとしても、十名前後がその船に乗って安全に運航できる状況ではなかったんです。今回の転覆事故は起こるべくして起こったものと言わざるを得ません。

 五月二十二日に公表された文部科学省の報告書によりますと、海上運送法上の事業登録の有無、航路、船の形状、通常の船着場ではなく危険な護岸からの乗船にしても、学校側は、事前に下見や実地調査などを行っておらず、これらを把握、確認していないばかりか、船舶の運航関係者との安全確保に関する事前調整も十分に行っていないなど、同志社国際高校のずさんな対応にも驚きを隠せません。

 そして、今月二十七日、亡くなられた女子生徒の御遺族が、業務上過失致死傷などの容疑で、同志社国際高校の校長ら四人と、運航団体、ヘリ基地反対協議会の共同代表ら七人の計十一人に対する告訴状を中城海上保安部に提出しました。

 報道によると、高校側で告訴されたのは、校長のほか学年主任と現場の引率教員二人。運航団体側は、共同代表や海上行動の責任者らが対象。事前に下見などの調査をして乗船回避の判断をしなかったほか、生徒を乗船させるに当たり、十分な計画立案や同乗による危険回避を怠ったとした。高校と運航団体の双方に過失があるとしております。

 そこで、伺います。

 五月二十二日に公表された文部科学省の報告書によると、ヘリ基地反対協議会に属し、牧師でもあった金井船長から、三月の研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおいて、米軍基地建設に抗議する船の船長をずっと今やっています、基地建設に反対し、抗議して声を上げ、ここから入るなよというエリアがあります、ここから入ったら、法律違反、法令違反、逮捕する、捕まえる、そういう線引きがされるんです、あえてそこを越えて入っていって抗議します、だから当然、陸では警察機動隊に拘束される、海では海上保安庁に拘束されますとの発言があったとされています。

 これら発言一つを取っても、遵法精神のかけらも感じられません。

 金井船長の発言、違法行為に対して、違反行為に対して海上保安庁はどのように対応してきたのか、説明をしていただきたいと思います。

○山戸政府参考人 お答えいたします。

 海上保安庁におきましては、辺野古周辺の工事海域において、海上の安全及び治安の確保を図るため、海上警備を実施しているところです。

 現場海域におきましては、大多数の方々がルールを遵守していますが、一部において、小型船舶やカヌーを用いてこの海域に接近し、常時立入りを禁止する臨時制限区域であることを示すフロートを違法に乗り越えて侵入したり、あるいは、海への飛び込み、作業船へしがみつくなどの危険な行為が見受けられます。

 このような行為に対しては、現場の海上保安官が、海上の安全及び治安の確保を図る観点から、臨時制限区域内に侵入した者を退去させるなど、そのときの状況に応じて適切に対応しております。

○金城委員 同志社国際高校が実施した辺野古移設工事に関する平和学習について、文部科学省は、真摯に調査を行った上で、政治的中立性を定める教育基本法に違反していると認定したと考えていますが、その認定根拠について具体的かつ明確に説明を願いたいと思います。

 また、文科省の教育基本法違反の認定に対して、教育現場への不当な政治介入であり、平和学習の取組を萎縮させかねないとの声もありますが、このような懸念に対し、文科省の見解を伺いたいと思います。

 そして、このような悲しい事故が二度と起こらないよう、政府において再発防止策を徹底するとともに、一方で、沖縄における平和学習は是非とも継続していただきたい。

 沖縄には、糸満市の平和祈念資料館やひめゆりの塔、那覇市の対馬丸記念館、宜野湾市の佐喜眞美術館だけでなく、名護市のハンセン病療養所の愛楽園や、恩納村には、かつて米軍の核ミサイル、メースBが配置されていたところが世界平和の碑に生まれ変わった場所など、大変多くの平和を学べる場所があります。

 安全な平和学習の継続、そしてより一層の充実を強く求めたいと思いますが、政府の見解を伺いたいと思います。

○三木政府参考人 五月二十二日に文部科学省として示した見解は、具体的には、政治的活動のための抗議船による見学のプログラムを組み実施していたこと、ボートに乗って辺野古を見学するコースの主たる目的は、きれいな海を見ることではなく、基地建設とそれに対峙する現場を見ることであるとのメッセージが牧師から生徒等に送られていたこと、研修旅行初日の開会礼拝メッセージにおいて、牧師より、複数年にわたって、法令に反するものを含め、抗議活動に関する説明が行われていたこと、それから、従前の生徒に対する研修旅行のしおりにおいて、現地のガイドからの依頼を受け、ヘリ基地反対協議会による座込みをお願いする内容の文書を掲載していたこと、これらに関して、生徒の考えが深まるような様々な見解を十分に提示していなかったことなどを総合的に勘案し、教育基本法第十四条第二項に反するものと判断したものであり、極めて異例の事案に関するものと認識しております。

 もう一点、お尋ねの平和学習の萎縮の懸念や平和学習の継続につきましてでございますけれども、平和に関する学習につきましては、学習指導要領等に基づき、例えば、高等学校段階において第二次世界大戦を扱う中で、我が国においても沖縄戦などで戦禍を被ったことに着目させ、平和で民主的な国際社会の実現に努めることの重要性を自覚させるようにすることとしております。

 このため、各学校で行われているように、多様な見方や考え方を提示して平和に関する学習を行っていただくことは引き続き重要であると考えております。その際、現場を訪れることを避ける必要もないと考えております。

 文部科学省としては、引き続き、教育基本法や関係通知の趣旨などの周知に努めながら、平和に関する学習を積極的に推進してまいります。

○金城委員 ありがとうございます。

 平和学習は非常に大事なことであります。しかしながら、一般的に考えても、工事現場に人が入るというのは、これは駄目な行為です。普通は、建設現場というのは、関係者以外立入禁止なんです。工事現場の人は、ヘルメットもかぶるし、安全靴もつけるし、そういう万全な安全対策を取っているわけです。そういったところに、子供たちを平和学習として工事現場に連れていくというようなことは、今後二度と起こらないようにしていただきたいと思います。

 そして、令和六年六月二十八日、辺野古移設工事に伴う土砂運搬車両が頻繁に出入りする名護市安和で、抗議活動中の女性がダンプカーの進路に飛び出し、制止しようとした男性警備員がダンプカーと衝突し死亡する事故が起こった。その女性は、本年六月五日に重過失致死の疑いで書類送検されました。

 基地反対の抗議をすることは、表現の自由であり、禁止すべきものではありませんが、辺野古沖の転覆事故と同様に、基地建設に反対であれば法律違反をしていいということにはなりません。

 沖縄で再びこのような悲しい事故を起こさないためにも、再発防止に向けた取組が急務であると考えますが、政府の取組状況について伺いたいと思います。

○阿部政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの事故につきましては、六月五日、沖縄県警察において、大型貨物自動車を運転していた男性を過失運転致死傷罪で、交通誘導に従事していた男性を業務上過失致死傷罪で、大型貨物自動車の前に進出した女性を重過失致死罪で、それぞれ那覇地方検察庁に送致したものでございます。

 同県警では、捜査により判明した事故原因等を踏まえて検討し、死亡事故が発生した場所等において、事故の再発を防止するため、信号機や横断歩道等を設置する方針であると承知しているところでございます。

○金城委員 辺野古にまつわる事故につきましては、先ほど申し上げたように、陸上でも死亡事故があった、海上でも死亡事故があった。二度と沖縄で死亡事故が起きないように、国の関係者の皆様には万全の体制を今後講じていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 質問を移ります。

 米軍普天間飛行場の早期返還についてであります。

 平成八年、一九九六年の四月十二日、当時の橋本総理とモンデール駐日米国大使による共同記者会見で、沖縄県の普天間飛行場の全面返還合意が発表されてからもう三十年が経過をしております。去る今月二十六日、米軍普天間飛行場の早期返還や返還期日の確定などを求めるチーム宜野湾の結成式、要請行動の出発式が宜野湾市で開催されました。

 結成式では、同飛行場の早期返還とともに、市民の生活環境への支援や跡地利用推進への国の関与などを求める共同声明を採択。声明では、米国防総省が普天間の代替となる長い滑走路が選定されるまで日本に返還されないと見解を示したことにも触れ、宜野湾市民の間には、普天間飛行場は返還されないのではという不安も抱え、固定化への懸念を示しております。

 共同声明と要請書では、以下の三つのことを求めております。一、普天間飛行場の一日も早い閉鎖、返還と速やかな運用停止の実現、返還期日の早期確定。一、市民の生活環境を改善するための新たな支援スキームの確立。一、同飛行場の跡地利用の推進について、地元の意向を反映するために国と県の積極的な関与。

 二〇〇四年八月には、米海兵隊の大型ヘリが、普天間飛行場に隣接する、私の母校であります沖縄国際大学に墜落しました。そのとき、私は公明党衆議院議員白保台一代議士の秘書をしており、現場へ急行いたしました。大学本館に激突した米軍機が炎上し、黒煙が立ち上がり、墜落機の破片は乳飲み子が眠る民家の窓ガラスを突き破りました。人的被害がなかったのは奇跡的状況でしたが、一つ間違えれば、大きな人的被害が起きてもおかしくはなかったんです。

 このチーム宜野湾の要請、要望事項に対して、政府としてこれまで以上に真摯に取り組んでいただきたいと強く要望いたします。

 政府の見解を伺います。

○江原政府参考人 お答え申し上げます。

 普天間飛行場については、日米両政府がその返還に合意してから三十年を迎える中、いまだ返還が実現していないことを重く受け止めております。

 普天間飛行場をめぐる問題の原点は、市街地に位置し、住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の危険性を一日も早く除去することです。普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これは政府と地元の皆様との共通認識であると思います。

 防衛省としては、引き続き、地元の皆様に丁寧な説明を行いながら、辺野古移設に向けた工事を着実に進め、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現してまいります。

 普天間飛行場の具体的な返還時期については、完成後における部隊の移転などのプロセスを考慮した上で決定されるものですが、提供手続完了後、早期に普天間飛行場の全面返還が実現できるよう、引き続きアメリカと緊密に連携してまいります。

○金城委員 外務大臣、そして沖縄担当大臣の方からも是非一言コメントをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○茂木国務大臣 二〇〇四年、沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落、事故を起こした。当時、私は沖縄北方担当大臣も務めておりました。その後、現地も視察をさせていただきました。本当に大変な事故が起こったな、こういう思いを持ったところであります。

 それに、私、沖縄北方担当大臣だけではなくて、外務大臣も二度務めるなど、恐らく、沖縄選出の国会議員の先生方以外でいいますと、沖縄県、さらには宜野湾市であったり先生の浦添市を一番多く訪問している議員の一人ではないかなと思っておりますが、そこで、地元の皆さんの様々な思いであったりとか声、こういったものも聞いているところであります。

 現在、まさに、大西外務大臣政務官がチーム宜野湾の皆さんと面会をして要請を受けているところでありまして、帰ってきましたら、私もしっかりとその報告を受けたい、こんなふうに今考えているところでありますが、その先のことまでお話ししていいのか、それとも、また質問の中でお答えすればいいのか、どうしましょうか。ここまででいいですか。(金城委員「はい」と呼ぶ)

○黄川田国務大臣 明日三十一日、チーム宜野湾の皆様より要請を受ける予定となっております。その内容をしっかりとお聞きした上でしかるべき回答をさせていただきたいと思っております。

 先ほど防衛省よりお話がありましたとおり、私も、日米両政府が普天間飛行場の返還に合意してから三十年を迎える中、いまだ返還が実現していないことを大変重く受け止めております。

 私としても、こうした地元の声に真摯に耳を傾けながら、普天間飛行場の跡地利用を始め、沖縄振興にこれからも力を尽くしてまいる考えでございます。

○金城委員 大臣、御答弁いただきありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。

 質問を変えます。

 沖縄からつくる核なき世界について伺いたいと思います。

 今から一か月前の六月二十三日、沖縄戦の組織的戦闘の終結から八十一年目となる慰霊の日を迎え、鎮魂の祈りに包まれました。糸満市摩文仁の平和祈念公園では、県と県議会主催の沖縄全戦没者追悼式が開かれ、遺族や関係者ら約三千二百人が参列しました。これには、高市総理大臣始め衆参両院議長らが出席され、私も出席をさせていただきました。

 現在の世界情勢は、核抑止が安全保障の前提になっております。しかしながら、パグウォッシュ会議の、北東アジアのシミュレーションによりますと、台湾有事などで一度でも核が使われれば最大二百六十万人の犠牲者が出ること、そして、最初にターゲットになるのは核の傘の下にある国である可能性が高いという客観的かつ残酷なデータを突きつけております。

 武器で脅し合う対立ではなく、話合いや外交によるルールづくり、非核兵器地帯の構築といった共通の安全保障へ転換することこそが最前線にある沖縄を守る唯一の道であると提唱したいと思っております。

 一九五〇年代半ばから沖縄の米軍基地に核兵器の配備が開始され、最大で千三百発もの核兵器が存在しました。米ソ両国による冷戦下、核戦争の恐怖に包まれたのが一九六二年十月のキューバ危機であります。米国は、ソ連がキューバにミサイルを導入したことを初めて公表し、米軍が、五段階ある防衛準備態勢、DEFCONをスリーから準戦時のツーへ引き上げ、米軍基地から核ミサイル、メースBが発射する寸前に陥り、沖縄は核戦争の最前線に立たされました。

 その後、一九七二年の沖縄の本土復帰を経て、一触即発の危機にあったその場所が、今は世界平和の碑として生まれ変わっております。沖縄には平和創造のポテンシャルと歴史的な使命があり、核の最前線であった沖縄だからこそ、核なき世界を発信する意義があると考えます。

 日本各地だけでなく、世界から多くの観光客が沖縄を訪問し、さらに、ゲートウェー二〇五〇と銘打ち、世界に開かれたゲートウェーとして、沖縄本島西海岸エリアの一体開発を通じ、沖縄の経済発展と国際競争力の強化を目指す官民一体の長期成長戦略が進められております。

 しかしながら、どんなに高度なスマートシティーや産業拠点をつくろうとも、軍事的な緊張が払拭されなければ国内外から優秀な人材や投資を呼び込むことはできません。地域の平和と安定が大前提であり、真の国際都市になるためには、経済インフラというハードの整備だけでなく、平和を担保するソフトの枠組みが不可欠であります。

 そこで、非核三原則に加えて、沖縄を再び核のある島にしてはいけないというメッセージを発信すべきであると強く求めたいと思いますが、茂木外務大臣の決意を伺いたいと思います。

○茂木国務大臣 冷戦期間中、先生の方からもお話のありました一九六二年十月のキューバ・ミサイル危機、これはロバート・ケネディが「サーティーンデイズ」で書いておりますように、まさに核戦争が始まるかどうかの瀬戸際まで行った、こういう状況でありまして、非常に危機的な状況であった。

 また、日本として、唯一の戦争被爆国として、核なき世界の実現を目指していく、これは我が国の使命である、このように考えておるところであります。

 そして、冷戦終結後、これまでに公表されました米国の核政策に加えまして、米国は我が国の非核三原則に係る立場をよく理解している、こういったことを踏まえれば、現在、核兵器を搭載する米艦船及び航空機の我が国への寄港であったり飛来、また通過は想定されておりません。

 その上で、非核三原則、これが沖縄においても当てはまるということは当然でありまして、政府としても、同原則を政策上の方針として堅持をしております。

 いずれにしても、我が国としては、核兵器のない世界の実現に向けて、現実的で、また実践的な取組を引き続き粘り強く進めていきたい、こう考えております。

○金城委員 大臣、丁寧な御答弁をありがとうございました。

 沖縄から平和の発信をするべく、今後、私も、地元の議員の皆様と公明県本部の皆様と、世界の科学者が核廃絶を議論するパグウォッシュ会議、これの世界大会を沖縄へ誘致すべく、全力で取り組んでまいるところでございます。このことはまた次の機会に質問ができればと思っております。

 質問、変わります。

 本年四月から五月にかけて、私は、沖縄の離島地域である与那国島、南北大東島、宮古島などを訪問し、住民の方々と懇談してまいりました。ここからは、その際にお伺いした課題、要望事項の一部を取り上げたいと思っています。

 まず、令和四年から七年度において、国と沖縄県及び宮古島市、石垣市、竹富町、与那国町、多良間村による共同訓練として、武力攻撃予測事態を想定し、先島諸島から九州、山口各県への住民避難に係る図上訓練が実施されました。令和八年度には実動訓練を含む沖縄県国民保護訓練が実施される予定でございます。これは、政府が、さきの先島五市町村の住民、観光客約十二万人を航空機や船舶を用いて六日間で九州、山口の八県に避難させる計画の具体化を進めているものであります。

 我が国を取り巻く厳しい安全保障環境の中、万が一の事態に備え、平素から、国、地方、官民の関係機関が連携して様々な検討を行っていくことは非常に重要であると考えます。

 しかしながら、避難訓練が行われているものの、避難した地域での居住先、仕事や、地元に残さざるを得なくなった家畜等への補償、支援に関しての詳しい内容は決まっているのでしょうか。避難しても、そこで生活をしていける見通しがなければ県外への避難はできない、これは島民の皆様からも伺った意見でありましたので、これについて政府の見解を伺いたいと思います。

○笹野政府参考人 お答え申し上げます。

 令和六年度以降、国としては、九州、山口各県と連携し、避難先地域における受入れ体制の準備に係る検討に取り組んでおります。避難当初の一か月の受入れで必要となる事項、加えまして、就学再開、就労支援、中長期の宿泊施設の提供、要配慮者の受入れ調整などの検討を進め、令和八年度までに受入れ基本要領を作成する予定でございます。

 沖縄県、先島五市町村、また、沖縄県の訓練上の想定で避難者の受入先としております九州、山口各県、さらには関係する機関、事業者とも連携して、住民避難の更なる実効性向上に取り組んでまいります。

 また、国民の被害に係る財産補償につきましては、武力攻撃による国民の被害には様々な場合があり、個別具体的な判断が必要であるということから、武力攻撃事態が終了した後の復興施策の在り方の一環として検討すべきものであり、その状況下で可能な検討がされることとなると認識してございます。

○金城委員 今後、避難をされる想定の地域の方々に安心していただく、そういった取組も併せてやっていただきたいと思っておりまして、万が一の有事に備えることはもちろん大事でありますが、私はさきの外務委員会でも申し上げましたが、有事を未然に防ぐことが最も重要であると。島民の方々にも政府のその姿勢が伝わるようにしていただきたい。島民の方からも、そもそも避難訓練の前に有事が起きないように国が、政府が頑張っていただきたいという声も多くいただきましたので、その思いも伝えさせていただきたいと思います。

 本年十一月には中国のシンセンでAPEC首脳会議も開催予定であり、日中間の積極的な対話外交によって有事を起こさないことに全力を注いでもらうことを政府に強く求めたいと思っております。

 質問を移ります。

 同じく離島の与那国の診療所についてでございます。

 与那国診療所は、日本最西端にある国境の島、与那国島で唯一の診療所でありまして、常勤医師一名の体制ながら、約千六百人の住民のためだけでなく、年間二万五千人に達する観光客に対しても公共性の高い医療を提供しております。

 一方、平成二十三年から診療所を運営し医師を派遣していた指定管理者、地域医療振興協会が、長期常駐できる医師の確保が困難、また台湾有事への懸念などを理由に本年三月末をもって撤退したこと、加えて、新たな指定管理者を選定する際、当初予定していた医療法人が直前で辞退するなどの混乱もあり、町の医療提供体制の継続が危ぶまれておりました。

 現在のところ、四月からは、県内の医療法人ライフケア読谷が指定管理者となって診療所を運営し、これまで島を支えてきた医師と合わせて医師二名体制での診療がスタートしましたが、その医師は本年十月に退職する意向を示しており、地域枠制度を通じた琉球大学からの後任医師の派遣は十月をめどに調整されているところであります。

 与那国の医療の崩壊危機は一旦収束したとは言えるものの、指定管理者の選定で二転三転したことなどは、離島、僻地医療維持のための人材確保という根本的な課題は残されております。

 そこで、伺います。

 与那国島唯一の医療機関である与那国町診療所は、常勤医師一名の体制ながら、町民だけでなく、そういった観光客に対しても公共性の高い診療を提供しています。この離島医療の維持のために、専門医による巡回診療回数の維持、充実を今後も行っていけるよう国が主導して財政的、人的支援を行っていただきたいと考えますが、政府の見解を伺います。

○矢作政府参考人 お答えいたします。

 与那国島の医療体制の確保につきましては、重要な課題であると承知をしてございます。

 これまでも、内閣府から沖縄県に交付した沖縄振興特別推進交付金、いわゆるソフト交付金によりまして、専門医による巡回診療を実施してきたところでございます。

 内閣府といたしましては、今後とも与那国町診療所の機能が継続できるよう、引き続き沖縄県と協力し、巡回診療の実施等に努めてまいりたいと考えております。

○金城委員 引き続きしっかりとした支援をお願いいたします。

 次に、沖縄のサトウキビ産業について伺います。

 サトウキビは、沖縄の厳しい気象状況下においても比較的安定した生産が可能であり、関連産業への経済波及効果が大きく、とりわけ離島を始めとする農村地域の雇用機会の維持確保に大きく貢献するなど、基幹作物として地域経済の維持発展に重要な役割を果たしております。また、サトウキビを原料とする砂糖は、食品産業における基礎的な素材であり、国民の食生活に欠くことのできない食材となっております。

 しかし、サトウキビをめぐる環境は、台風、干ばつ等の気象災害に加え、生産農家の高齢化などにより厳しい状況にあります。

 このような状況の中、日本分蜜糖工業会の報告によりますと、令和七年、八年期のサトウキビ生産量について、当初は昨年同様の豊作が期待されておりましたが、少雨や干ばつの影響により、沖縄県全体では八十四・五万トンから七十六・六万トンと、大幅な減産となりました。

 沖縄の離島の農業現場を訪問しましたが、そこで伺ったのは、肥料や農薬の調達価格が一・五倍から二倍に上がっているが交付金単価は横ばいである、雨不足の影響は深刻である、今年はまれな干ばつだった、海水淡水化事業を試験的にやっているがコストがかかり過ぎる、また、今は人口減少の傾向にあって、子供たちに農業を継がせたくても今の収入では家も建てられない、建築費が高くてなどとの現場の悲痛な声を聞きました。沖縄のサトウキビ産業の置かれた現状について改めて危機感を感じたところであります。

 そこで、伺います。

 台風、干ばつ、病害虫などに備えて、生産減少や品質低下などの被害を最小限に抑えるためにも、セーフティーネット基金による被害軽減に向けた取組を今後も行う必要があると考えます。同基金で獣害などについても補償されるのか、政府の取組状況と今後の方針について伺います。

○山口政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねのさとうきび増産基金でございますが、自然災害からの回復に向けた取組等を支援するセーフティーネット基金といたしまして、令和八年度当初予算で七・八億円を措置してございます。

 これまでも、産地において本基金を活用して生産回復に努めていただいているところでございますが、お尋ねの獣害でございますけれども、単収が地域全体で一〇%以上減少するなど、本基金の被害要件を満たす場合には支援対象になり得ると考えてございます。

 引き続き、こうした不測の事態にしっかりと対応できるように、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えてございます。

○金城委員 答弁ありがとうございました。

 畜産についても、やはり離島県としての課題を抱えております。物流コストの負担が大きい、施設整備の遅れや規模拡大の制約などを抱えております。そういったことに対する支援もお願いしたいと思いますが、済みません、前半で時間を使い過ぎてしまって時間がなくなったので、残余の質問についてはまた別の機会に質問させていただきます。お越しいただいた関係者の方、申し訳ありません。

 ありがとうございました。

○島尻委員長 次に、許斐亮太郎君。

○許斐委員 国民民主党・無所属クラブの許斐亮太郎です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 やはり、まずは、令和八年熊本地震でお亡くなりになった方に、そして御家族に謹んで哀悼の意を表します。また、被災された方々にお見舞いを申し上げますとともに、この瞬間も人命救助に当たっている皆様に、そして全国からの被災地に対しての様々な応援、御支援に深く感謝の念を申し上げます。

 さて、私は、去年の臨時国会の質疑でも自己紹介いたしましたが、前職のNHK報道カメラマンとして三年の沖縄勤務の経験があります。今日は、現場からいただいた意見や自身の経験を踏まえて、沖縄に関する質問を行いたいと思います。

 また、ちなみに、私の誕生日は二月の七日、北方領土の日でもあります。北方領土問題の解決そして隣接地域の発展に尽力も尽くしていきたい、そのように申し上げたいと思います。

 それでは、質問に入りたいと思います。

 私は、先月、六月二十三日の沖縄慰霊の日の追悼式典に出席いたしました。黄川田大臣、茂木大臣も出席されていました。御承知でしょうが、そこで森衆議院議長は次のように追悼の辞を述べられました。我々国会議員は、沖縄がたどってきた軌跡を改めて深く心に刻み、沖縄の一層の発展と世界の恒久平和の実現のために尽力してまいる所存ですとの言葉がありました。

 そこで、両大臣にお伺いいたします。

 戦後八十一年、国として、この沖縄が歩んできた八十一年という歴史と現状をどのように捉えて、そして今後沖縄振興に何が必要と思われるのか、両大臣の思いをお聞かせください。

○黄川田国務大臣 先月の六月二十三日に、高市総理大臣や茂木外務大臣らとともに沖縄全戦没者追悼式に参列し、沖縄戦で戦場に倒れたみたまや戦禍に遭われたみたまに向かいまして謹んで哀悼の誠をささげるとともに、御遺族の方々に深く哀悼の意を表しました。

 さきの大戦では、県民の四人に一人がお亡くなりになるという多大な犠牲があったこと、また、沖縄が凄惨な地上戦の場となり、多くの県民が筆舌に尽くし難い苦難を経験されたこと、そして、戦後四半世紀以上も米軍の統治下にあり、高度経済成長を遂げた本土との間で約二倍の所得の差が生じるほどの大きな格差が生じたこと、その上で、本土に復帰してもなお県土の大部分に米軍基地が残ったことは、沖縄が歩んできた歴史として忘れてはならないことであると認識をしております。

 政府においては、こうした歴史的事情や、本土から遠隔にある広大な海域に多数の離島が散在するなどの地理的特性、狭い県土に全国の約七割の在日米軍専用施設等が集中している社会的事情に鑑み、昭和四十七年の本土復帰以降、高率補助の予算や各種特区制度、優遇税制等を講じ、沖縄振興に取り組んでまいりました。

 その結果、県内総生産は本土復帰時から十倍増の約四兆五千億円まで成長しまして、入域観光者数は復帰時の約二十倍の千九十四万人に達するなど、沖縄振興は着実に成果を上げていると考えております。一方で、全国最下位の一人当たりの県民所得や深刻な子供の貧困など、なお解決すべき課題があると認識しております。

 こうした認識の下、強い沖縄経済の実現に向けて、ゲートウェー二〇五〇プロジェクツの早期実現や、北部、離島振興、子供の貧困対策等のほか、OISTによる産学官連携等の産業振興など、沖縄振興策を国家戦略として総合的、積極的に推進してまいる所存でございます。

○茂木国務大臣 まず、御質問にお答えをする前に、令和八年熊本地震について国内から様々なお見舞いの声や支援の輪が広がっている、こういうお話をいただいていましたが、今、海外からも多くのお見舞い、さらには連帯の意思、これが示されているところでありまして、改めてこの席をかりて感謝を申し上げたいと思っております。

 六月二十三日、慰霊の日に開催されました沖縄全戦没者追悼式に私も参列をさせていただきました。暑い一日でした。おそらく八十一年前も同じだったのではないかなと思います。多くの戦没者の方々に心から哀悼の誠をささげたいと思います。

 現在の沖縄及び日本の繁栄というものが、多くの戦没者の方々や戦後数々の苦難を乗り越えてこられた沖縄の方々の努力の上に成り立っている、このことを忘れてはならないと改めて心に刻んだところであります。その上で、戦後八十一年を迎えて、今もなお沖縄県民の皆さんに大きな基地負担を担っていただいている、このことを大変重く受け止めております。

 改めて、沖縄の方々の心情に思いを致し、外務大臣として、沖縄の基地負担の軽減に引き続き全力で取り組んでまいりたい、このように考えております。

○許斐委員 両大臣の丁寧な御答弁、誠にありがとうございます。

 茂木大臣におかれましては、海外からの熊本地震に対する支援の言葉をいただきました。まさに今、熊本では不安な日々を過ごしている方がいらっしゃると思います。その中で、日本だけではなくて世界中のみんなが支えているというその強いメッセージにもなったと思います。ありがとうございます。

 続きまして、普天間基地代替施設、いわゆる辺野古新基地についての質問を行いたいと思います。

 去年の一月から、軟弱地盤が広がる大浦湾側の埋立工事が始まっています。地盤改良のために、船を使ったサンド・コンパクション・パイル工法によるくい打ちが行われています。

 質問です。

 政府が考えている七年後の二〇三三年の完成、そして二〇三六年のアメリカ側への引渡し予定について、このサンド・コンパクション・パイル、くい打ち、四万七千本のくいのうち、現在どのくらい進んでいるのでしょうか。辺野古基地工事の進捗状況について、政府の現状認識と、これを踏まえた上での完成時期の見通しをお答えください。

○奥田政府参考人 お答えいたします。

 普天間飛行場代替施設建設事業に係る地盤改良工事は、サンド・コンパクション・パイル工法及びサンドドレーン工法により合計で約四万七千本の砂ぐいを打設する計画であります。その進捗状況は、令和八年六月末時点で約九千五百本と承知しております。

 また、お尋ねの工事の進捗状況でございますが、令和六年一月に大浦湾側における工事に着手しまして、同年二月以降、護岸工事や埋立工事を順次進めており、同年十二月には地盤改良工事に着手しております。本年六月には大浦湾側でも新たな埋立工事に着手するなど、工事が着実に進捗してきているものというふうに承知しております。

 お尋ねの完成時期の見通しでございますが、変更後の計画に基づく工事に着手してから工事完了までに九年三か月、提供手続の完了までに約十二年を要する旨、これまでも御説明してきているところでございます。

 引き続き、普天間飛行場の一日も早い全面返還に向け、工事を着実に進めてまいります。

○許斐委員 ありがとうございます。

 完成時期は変わらず、そして今、砂ぐいは九千五百本とのことでした。最初に比べてペースは上がってきたと思いますが、完成時期に関しては、私はやはり微妙なラインなのかなとは思っております。

 サンド・コンパクション・パイル工法は、これまで様々な場所での実績があることは承知しています。しかし、大浦湾は、深く、地盤もかなり緩いことから、なかなか難易度が高い工事だということを認識しております。

 そこで、質問です。

 これまでに打ち込んだ、先ほど答弁のあった九千五百本の砂ぐいの効果は出ているのでしょうか。そもそもこの効果をどのように確かめているのか、エビデンスはあるのか。政府にお伺いしたいと思います。

○奥田政府参考人 お答えいたします。

 まず、本事業において大浦湾側の地盤で確認されている粘性土の層でございますが、これは、非常に硬い粘性土から中くらいの粘性土に分類されるものと承知しております。

 また、本事業における地盤改良等の設計についてでございますが、羽田空港等の多くの海上埋立空港で使用されている、国土交通省が監修した基準に基づいて行われておりまして、海面下最大七十メートルまで砂ぐいを打設して必要な地盤改良を全て行うことで構造物等の安定性を十分に確保できるとの結論が得られているものと承知しております。

 委員から御指摘のありましたサンド・コンパクション・パイル工法でございますが、地盤改良工事につきましては、ケーソン式護岸の整備予定地であるとか大浦湾側の埋立予定地の一部において今施工を実施しているところということで承知しております。本工事は着実に進捗しているものと承知をしております。

 その上で、委員御指摘の砂ぐいの効果でございますが、今後、工事の進捗に応じまして、土質調査などを行いまして、地盤改良や埋立てによる地盤の状況の変化を確認することでその効果を確認することとしているところでございます。

○許斐委員 ありがとうございます。今後、検証していくといいますか調査を行うということでした。

 確かに、間もなく一万本に達するところになりますこのサンド・コンパクション・パイルの効果について、大浦湾での現状を、これはやはり早い段階から見たいし、知りたいし、確認したいと思います。今後、恐らくボーリング調査ですとか様々な超音波調査とかあるかもしれませんが、私は、NHKの元カメラマンとして、これは要望になりますけれども、できれば映像を撮っていただきたいと思っております。今は、水中に深く潜れるROV、いわゆる水中ドローンというのもありますし、そこでは、ソナーや、水の濁りをクリアにする、クリアな映像を撮る、そのような鮮明化装置を備えたものもありますので、むしろそれはボーリング調査よりも安く済むこともあるかもしれません。データでの証拠もいいですが、私は映像を見たいと思います。是非、御検討をよろしくお願いしたいと思います。

 そして、余りにサンド・コンパクション・パイルの効果がなかったら、文字どおり、巨額の予算、つまり税金が砂となり、海に溶けていってしまっているだけになります。この表現が適当かどうか分かりませんが、さいの河原で石を積んだらそのたびに鬼に壊される、そのような状況になったら仕方がないと私は思っております。地盤改良の成果を是非今後教えてほしいと要望申し上げまして、辺野古新基地の予算の質問に移ります。

 予算の執行状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

 普天間基地代替施設の総工費は九千三百億円の予定となっていますが、そのうち令和六年末で既に六千四百八十三億円使っています。最近では一年に一千億円のペースで増えています。今後、予定どおりにいってもあと七年、私は、やはり、当初の予算の九千三百億円はオーバーする、一兆円は優に超えると思っています。特に今は物価の高騰、人件費の上昇もあります。今まさに総工費の見直しについて国民に明らかにする時期に来ていると思います。

 この九千三百億円という試算に変更はないのでしょうか。一兆円を超えるのではないでしょうか。精緻に分析した政府の見解をお伺いいたします。

○江原政府参考人 お答え申し上げます。

 普天間飛行場代替施設建設事業等の経費の概略については、令和元年、二〇一九年十二月、沖縄防衛局が、地盤改良工事の追加に伴う工事計画の見直し結果や当時の工事の状況等を踏まえ、約九千三百億円とお示ししたところです。公表した当時も御説明しているように、この経費の概略については、その時点での検討を踏まえたものであり、今後の検討等によって変更があり得るものです。

 その上で、この経費の概略については、工事の進捗等を踏まえつつ検討する必要があることから、現時点では具体的に見直す段階にはなく、今後の大浦湾側の工事の進捗等を踏まえて検討してまいります。

 防衛省としては、引き続き、経費の抑制に努めながら、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいります。

○許斐委員 ありがとうございます。なかなかすっきりしない御答弁でした。今後も、間もなく令和七年度末の執行状況が出ると思いますので、次の機会がありましたら、そこでもまた質問したいと思います。

 多額の予算を投じて先の見えない工事を進めることは、沖縄県民はもちろんのこと、国民に対しても不誠実であると言わざるを得ません。しっかりと予算やスケジュールなどの最新の見通し、これも国民に示してほしいと申し上げまして、次の質問に移ります。

 普天間基地代替施設である辺野古新基地の建設の目的は、当然普天間基地の返還のためだと、大多数の沖縄県民はもとより、国民は認識していると思います。そんな中、普天間基地に新たな給油施設の建設が米軍で進められているとのことです。当然、安全性の確保のためには必要だと思う一方で、普天間基地の固定化の懸念があります。これは金城委員も質問されたと思います。

 そこで、根本的な質問になりますが、現在設計している辺野古新基地が完成すれば普天間基地は返還されるということは、外交ルートで確認されているのでしょうか。変更はないのでしょうか。茂木大臣にお伺いいたします。

○茂木国務大臣 普天間飛行場の返還につきましては、二〇一三年に日米両政府で作成し公表いたしました沖縄統合計画において、辺野古への移設を始めとする八項目が返還条件として示されているわけであります。その上で、米側は、普天間飛行場の返還を含めて、二国間の合意に沿って米軍再編の実施を継続するとしておりまして、日米間の認識に全くそごはないと考えております。

 外交当局間も含めて、米国との間で必要な協議や調整を行っていくことは当然でありますが、辺野古への移設完了後も普天間飛行場が返還されないなどということは全く想定をいたしておりません。

 普天間飛行場につきましては、辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づいて着実に工事を進めていくことが、一日も早い全面返還を実現し、かつてラムズフェルド国防長官が視察をして、こんな危険な基地があるのか、世界で最も危険な基地ではないかと言ったこの危険性を除去してまいりたいと考えております。

 外務省としても、引き続き、防衛省を含みます関係省庁と連携をして、現行の日米合意に基づきまして、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現や基地負担の軽減を図るために全力で取り組んでいく所存であります。

 先ほど委員の方から、辺野古の工事に関しましてさいの河原の石積みという話があったんですが、多分、これは私は、適切な表現ではないので、もしよろしかったら取り消された方がいいと思います。

○許斐委員 御指摘のありました、先ほどの私のさいの河原の表現、取り消したいと思います。誠に失礼いたしました。

 辺野古に新基地を受け入れる、これは沖縄県の、県民の苦渋の決断でもあります。普天間基地返還後の沖縄の更なる発展のための外交を引き続きお願いしたいと思っております。

 そこで、普天間基地返還後の未来、先ほど黄川田大臣もおっしゃいましたゲートウェー二〇五〇プロジェクツについてお伺いいたします。

 黄川田大臣は、所信においても、そして今日の御答弁においても、沖縄の基地負担軽減の取組が政府の方針であることや、基地跡地の先行取得を強力に推進することを表明されていますが、具体的にどのように進めていくのでしょうか。新しいプランなど、大臣の考えをお聞かせください。

○黄川田国務大臣 現在、沖縄県内の経済界及び自治体により、将来の基地の跡地利用も含めたゲートウェー二〇五〇プロジェクツについて検討が進められております。将来の沖縄の発展を考えていくに当たって、強い沖縄経済の実現にも資する大変重要な取組であると考えております。

 今年五月に取りまとめられましたゲートウェー二〇五〇成長戦略の早期実現に向けては、今後、国、地方自治体、民間事業者等の役割分担を整理しつつ、更なる検討、調査が進められていくものと承知しております。

 ゲートウェー二〇五〇プロジェクツの早期実現については、先週の七月二十一日に閣議決定されました骨太方針二〇二六にも盛り込まれているところでありまして、引き続き、地元の経済界や自治体の皆様の御意見、御要望を丁寧に伺いながら、関係省庁とも連携して、しっかりと支援してまいりたいと考えております。

 また、普天間飛行場の跡地利用に向けては、現在、地元自治体においても構想の具体化や課題整理などの議論がなされておりまして、令和九年度の全体計画の取りまとめを目指して取組が行われております。

 内閣府としては、返還後に速やかに跡地利用を進められるよう、跡地利用に向けた自治体の計画策定や公用地の先行取得など、現時点においても可能な取組を着実に支援しております。

 このゲートウェー二〇五〇プロジェクツは今後の沖縄振興において重要な取組であると考えておりまして、内閣府としても、地元の関係者の皆様とよく連携しながら、引き続き必要な支援をしっかりと講じてまいります。

○許斐委員 ありがとうございます。

 このゲートウェー二〇五〇プロジェクツは、沖縄の課題である県民一人当たりの所得を今からおよそ二・五倍の六百二十四万円に増やす成長目標がある県民期待の政策ですので、しっかりとロードマップに沿うようにプロジェクトを進めていっていただきたいと要望いたします。

 次に、今年三月十六日に名護市辺野古沖で発生した、同志社国際高校の研修中のボート転覆事件についてお伺いいたします。

 本件は、生徒と船長が亡くなるという極めて痛ましい事故でありまして、改めて、お亡くなりになられましたお二人の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に深く哀悼の意を表します。

 事故から四か月が過ぎました。まずは、この事故の受け止めを黄川田大臣にお伺いします。

○黄川田国務大臣 先月の六月二十八日に沖縄を訪問しまして、名護市辺野古沖におけます船舶転覆事故の現場にて献花をさせていただきました。改めて、お亡くなりになられた学生と御家族に思いをはせ、このような事故は二度と起こしてはならないと強く思ったところでございます。基地に係る埋立工事に対し抗議を行って運航していた団体の船に、未来ある高校生が乗船し、一名の少女の大切な命が失われてしまったという事実に対して、強い憤りと深い悲しみを感じました。

 私がこのタイミングで献花に参らせていただいたのは、命が失われている大変な事故であることを踏まえまして、事故の調査報告をしっかりと聞いてから伺うべきであると考えたためであります。そして、ようやく、五月に、沖縄総合事務局から海上保安庁に対し告発が行われ、六月になり、調査と告発の内容の報告を受けたため、一つの機会であると判断したものでありました。

 実際に辺野古を訪れまして、基地建設の抗議船に高校生を乗せて平和学習が行われたことについて、大変大きな違和感を持ちました。

 そして、先ほど文科省から、金城委員の質問に対して、平和に関する学習を行っていただくことは重要なことだという答弁と、その際に現場に訪れることを避ける必要もないと考えているということのお話がありましたが、この現場というのは、やはり安全、安心な現場でなければならない、また違法な場所でないということは強調させていただきたいというふうに思います。

 その上で、沖縄には、国立沖縄戦没者墓苑や島守の塔、ひめゆり平和祈念資料館や対馬丸記念館など、平和学習に適した場所が数多くございます。今後とも、国内外の多くの方々に沖縄を訪れていただき、充実した平和学習を行っていただけるよう、対馬丸記念館にあるような、新たな展示等に役立つ取組を積極的に行ってまいる所存でございます。

 なお、沖縄総合事務局や海上保安庁においては、事故に関する調査が引き続き進められております。先日、海上保安庁は、同志社国際高等学校に対して家宅捜査を行ったと承知をしております。また、御家族が同校の校長や運航団体の共同代表等を海上保安庁に刑事告発したという報道がされており、御遺族の無念さと憤りを思いますと胸が締めつけられる思いをしております。

 関係機関による調査や捜査の進展によって事実関係が解明され、再発防止が図られるよう、関係省庁と連携して、沖縄総合事務局においても全力で取り組んでまいります。

○許斐委員 黄川田大臣は、現地に訪れた初めての閣僚だとお伺いしております。現場の声や遺族の皆様の声に寄り添った御答弁、誠にありがとうございます。

 現地調査等で、このような事故が起きた要因や関係者の対応の問題点などについて検証が進んでいますが、真相の究明を図っていただきたいと本特別委員会でも申し添えたいと思います。

 続けて、御答弁にもありました、戦争の記憶の継承、平和学習についてお伺いいたします。

 今回の事故を受けて、生徒の安全を守る観点の重要性が改めて認識されたことは言うまでもありませんが、その一方で、沖縄での平和学習や修学旅行そのものが萎縮してしまうことは望ましいことではないと私は思っております。

 今回の事故をきっかけとして沖縄での平和学習の現場の判断が難しくなっている一例をタクシードライバーの方から伺いました。沖縄の修学旅行の特徴として、タクシーを利用したグループ学習があります。旅行会社が主に個人タクシー組合に依頼して、組合がグループの希望に合わせてタクシーを手配して、県内、本島各地を回ってもらうものです。

 沖縄県個人タクシー事業協同組合の元理事のドライバーさんから話を聞きました。事故以降、まず依頼が減っている、そして、これまでは生徒の自主性やドライバーさんのプランや経験に応じて自由にコースを決めていたが、現在はコースの指定になっているとのことでした。例えば、今までは、南部の平和の礎からひめゆりの塔を通って、中部の嘉数高台で普天間基地を見学する、その後に北部に向かって、辺野古の海岸に行って、そして美ら海水族館に行く。このような、平和学習、基地問題、観光地等、まさに沖縄の過去と現在と未来を巡るコースだったと。それが事故以降、例えば、今回は南部の平和学習のみ、若しくは、今日は北部の美ら海水族館と観光地のみというように分離した要望が多くなっているそうです。今、様々な現場で戸惑いが生まれています。

 そこで、質問です。

 今後、生徒の安全を確保しながら沖縄での平和学習を継続していくために、国としてどのように現場を支えていくのか。また、学校が適切に状況を見極め、実施の判断を行えるようにするための具体的な取組を進めていくのか。政府、文部科学省にお伺いいたします。

○三木政府参考人 文部科学省といたしましては、これまでも、教育基本法や学習指導要領に基づき、特定の見方や考え方に偏った取扱いにより生徒の主体的な考えや判断を妨げないよう留意することが必要である旨を通知等で丁寧に示してきたところでございます。

 こうした中、各学校では、関係法令や通知等を踏まえながら創意工夫し、多様な見方や考え方を提示するなどして、政治的中立性を確保した上で平和に関する学習に取り組んでいただいているものと考えており、沖縄の特色を生かした研修旅行等についても大変意義のある教育活動と考えております。

 しかし、今回の同志社国際高校の事案は、抗議船として日常的に使用される船に生徒を乗船させる極めて異例の事案であると捉えており、他方で、多様な見方や考え方を提示して適切に平和に関する学習を行っている教育現場においては心配いただく必要は全くないと考えております。

 文部科学省といたしましては、引き続き、教育基本法や関係通知の趣旨などを丁寧に説明しながら平和学習を積極的に推進してまいります。

○許斐委員 ありがとうございます。

 沖縄戦を学ぶだけでは追悼だけで終わってしまう、そのような可能性もあります。その先の、その後の沖縄の歴史や、そして基地問題を学ぶこと、そして何より沖縄のすばらしい景色や文化などを体感できる観光地を経験すること、つまり、点で学ぶのではなくて線で学ぶことが沖縄の平和学習、修学旅行に必要なのではないか、それこそが沖縄での独自の学びにつながるのではないかと私の意見を申し上げまして、もう一つの平和学習の質問に移ります。

 先ほど黄川田大臣からも御答弁がありました、内閣府が取り組んでいる対馬丸記念館を通じた平和学習の充実についてお伺いいたします。

 おととしの補正予算で対馬丸の水中等調査を実施するための経費が盛り込まれました。鹿児島県悪石島沖で沈没したその対馬丸の新しい映像が去年の十一月から十二月にかけて撮影されて、今年三月、公開されました。そこには、魚雷に被弾したと思われる痕跡が新たに捉えられていました。

 質問です。

 この映像を今後どのように活用していくのかを含め、政府の考えをお伺いしたいと思います。

○黄川田国務大臣 対馬丸事件から八十年以上が経過しまして、生存者の高齢化により語り部が減少する中、事件の記憶を風化させることなく次世代に継承することは重要であると考えております。

 内閣府としても、対馬丸記念館を通じた平和学習のために、昨年、対馬丸水中等調査の成果を対馬丸記念館において新たに上映展示しております。具体的には、現在の対馬丸の映像や、船体全体、全形を再現した3Dモデルのほか、船体周辺の海底から収集した木片や土砂等を来訪者は見学することができます。

 先日、私も、六月二十三日の慰霊の日に対馬丸記念館を訪れて、調査の成果が活用されている様子を実際に見てまいりました。

 今後とも、国内外の多くの方に沖縄を訪れていただき、充実した平和学習を行っていただけるよう、新たな展示等に役立つ取組を積極的に行ってまいりたいと考えております。

○許斐委員 ありがとうございます。

 六月二十三日に記念館を訪れたこと、そして、大臣の決意をいただきました。遭難学童への哀悼や世界の恒久平和への願いを対馬丸記念館から発信していくことを政府に期待をしたいと申し上げたいと思います。

 話題を変えます。

 令和元年十月三十一日に、沖縄に悲しい出来事が起きました。未明に首里城の正殿内部から発生した火災により、正殿はもとより、九つの施設が焼失しました。

 首里城の復元についてお伺いしたいと思います。

 火災から七年後の今年十一月二十三日に、首里城正殿が復元されて、供用が開始されます。これまで復元に携わった関係者の努力と沖縄県民、国民の皆様の協力に、この場でも感謝を申し上げます。復元に関しては、これまで沖縄県に首里城復興基金や首里城未来基金を通して六十一億円の寄附金も集まっています。

 質問です。

 今後、この首里城を県と国がどのように力を合わせて活用していくのか、国のビジョンをお聞かせください。

○矢作政府参考人 お答えいたします。

 首里城の復元につきましては、国営公園事業として工事を進めておりまして、現在、本年十一月の正殿復元完成に向け、政府一丸となって取り組んでいるところでございます。

 首里城復興基金は、首里城火災からの一日も早い復興を願う国内外からの寄附金を沖縄県において積み立てたものと承知をしておりまして、同基金は、首里城復元に取り組む国との協議、調整を経た上で、正殿の木材、赤瓦の調達等に活用をさせていただいております。

 首里城は、沖縄の皆様のみならず、我が国の誇りでございまして、正殿の復元を機に、できるだけ多くの方に、沖縄を訪れて、沖縄の歴史、文化芸術に直接触れていただきたいと考えております。

 今後とも、県や市町村などとも連携をしながら、首里城を含めて沖縄の魅力を発信してまいりたいと考えております。

○許斐委員 ありがとうございます。

 この首里城周辺は、県でも戦争遺構などで整備が進んでいます。国と県が仲よく力を合わせて、タッグを組んで発展に尽くしていただきたいと要望いたします。

 そして、今回の復元工事では様々な技術が使われました。特に、歴史をひもといた沖縄ならではの文化、技術の復活、再構築があったと私は思っております。その中で、私は、瓦の製作や外壁、柱に使われる赤、この赤というもののこだわりにちょっと感動しております。

 今回、令和の正殿には、三種類の赤が使われると聞いています。特に、今回は、沖縄県名護市の小さな川で取れる赤い塗料、久志間切弁柄の復活は沖縄県民を勇気づけるものだと私は思っております。漆に混ぜて、正殿を鮮やかに、文字どおり赤に彩るものだと私は思っております。

 今回の首里城は、巨大な漆器、漆塗り工芸品と言っても過言ではないと私は思います。そして、この漆に関しては、一回塗ったら終わりではなくてメンテナンスが必要になります。そのために、漆塗り職人を育てていく必要も出てきます。

 そこで、質問です。

 今回の復元工事で獲得した様々な技術や文化をしっかりと沖縄で継承することが大切だと考えますが、今後、この技術の継承に向けた取組や保護政策などの考えがありましたら、お示しください。よろしくお願いします。

○矢作政府参考人 お答えいたします。

 首里城は、沖縄の歴史や文化、伝統を凝集したものでございまして、復元工事の際に活用した伝統技術は、持続可能な形で継承されるべきものと認識しております。

 このため、国、沖縄総合事務局でございますが、それから沖縄県や県立芸大など四者で、首里城復元における技術継承・人材育成に係る連携協定を令和四年に締結をし、関係機関と連携して、技術者や職人の育成を行っているところでございます。

 また、沖縄県においても、首里城未来基金を設置し、伝統的な建築等の技術に係る人材育成などに活用しているものと聞いております。

 引き続き、政府として、首里城復元に係る人材育成の全体調整等を担いながら、貴重な技術や文化が継承されるよう、関係機関とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。

○許斐委員 未来基金の活用等、承知いたしました。ありがとうございます。

 七年前のあの日、多くの人が涙を流しながら、燃える首里城を見詰めていました。十一月の供用開始、沖縄の皆様は楽しみに待っています。あと四か月間頑張っていただきたいとエールを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。

 話題もまたがらっと変えまして、沖縄の農業、サトウキビについてお伺いしていきます。

 毎年多くの台風が接近する沖縄県では、自然災害に強いサトウキビの生産が盛んです。栽培農家の数、面積共に県全体の半数以上を占めて、地域の農業を支える重要な作物となっています。また、サトウキビを原料とする製糖業は、離島地域における雇用の創出など、地域経済の活性化に大きく貢献しています。このように、サトウキビは、沖縄県の基幹作物として農業を支えるだけではなく、関連産業を通じて地域の経済や社会の発展を支える重要な役割を果たしています。

 そこで、沖縄県のサトウキビが抱える懸念、課題についてお尋ねいたします。

 まずは、EPA交渉についてお伺いいたします。

 先月十六日、高市総理は、フランスにおいてブラジルのルーラ大統領と会談して、一九九五年発足の関税同盟である南米南部共同市場、メルコスールとのEPA交渉を開始することで合意したと発表されて、それが今進められています。

 メルコスール加盟国のブラジルは、世界最大の砂糖輸出国です。現在、ブラジル産の砂糖の対日輸出は限定的ですが、交渉の結果次第では、価格競争力の高いブラジル産砂糖の輸入が拡大する可能性もこれは否定できません。国内の砂糖価格の低下は、消費者の経済的な負担軽減につながる、その一方でサトウキビ農家の手取りの減少が懸念されます。課題である沖縄県民所得の向上にこれは逆行すると思います。

 そこで、お尋ねします。

 EPA交渉に当たって、国内のサトウキビ生産や製糖業への影響をどのように分析、評価しているのでしょうか。また、これらの影響を最小限に抑えるため、どのような対策を講じるお考えでしょうか。特に、サトウキビの安定的な生産と関連産業の維持に重要な役割を果たしている糖価調整制度については、その仕組みが確実に維持されるよう交渉に挑むべきだと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

○平中政府参考人 委員御指摘のとおり、本年六月、メルコスールとのEPAの交渉開始が発表されたところでございます。交渉に当たりまして、生産現場から懸念の声が上がっているということは承知をしております。現段階で影響についての検証や対策を実施することにつきましては、交渉の結果を予断することとなりますので、お答えは差し控えさせていただきます。

 その上で、メルコスールとの交渉に当たりましては、委員御指摘のございましたサトウキビを始め、重要五品目を始めとした農林水産物のセンシティビティーに十分配慮し、関係省庁と連携を取りながら、国益に沿った結果が得られるように対応していく所存でございます。

○許斐委員 ありがとうございます。やはり、これは交渉事なので、なかなかお答えしづらいことはあったと思いますが、どうも御答弁ありがとうございます。

 やはり、サトウキビの生産を将来にわたって持続可能なものにしていくためには、糖価調整制度の下で、国内生産を維持発展させつつ、更なる生産性の向上を図って、国産サトウキビの価格競争力を強化することが重要だと思います。特に、生産性向上のためには、担い手の農地集積を、集めて効率的な営農を行うことや、スマート農業を活用した作業の省力化、効率化がますます重要となっていくことを申し上げて、質問を二つ飛ばしまして、製糖工場の支援についての質問に移りたいと思います。

 製糖工場は、サトウキビ生産の受皿として極めて重要な役割を担っています。一たび工場の稼働が途絶えれば、サトウキビ生産そのものの継続が困難となるだけでなく、地域の雇用や経済にも深刻な影響を及ぼしかねません。

 こうした中、沖縄県内の製糖工場の多くでは、老朽化が進んでおり、その更新が喫緊の課題となっています。しかしながら、製糖工場の建て替えには多額の費用を要するために、関係自治体にとっては大きな財政負担となっています。このような中で、沖縄本島唯一の製糖工場であるゆがふ製糖の建て替えについては、国による支援の拡充により事業が前進したものと承知しております。

 一方で、今後はほかの製糖工場においても施設の老朽化が進み、安定的な稼働を維持するための更新や設備が必要となることが当然見込まれます。製糖工場は、地域の基幹産業であるサトウキビ生産を支える沖縄にとって重要なインフラであり、その機能を将来にわたって維持していくことが必要だと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 沖縄県内の製糖工場の老朽化が進む中、今後の安定的な稼働の継続に向けて、国による支援の更なる拡充が必要だと考えますが、政府の認識をお伺いいたします。

○山口政府参考人 お答え申し上げます。

 老朽化が課題の沖縄県内の製糖工場でございますけれども、建て替えに係る地元負担の軽減を求めるといった御意見、お声を踏まえまして、令和七年度補正予算から、新基本計画実装・農業構造転換支援事業におきまして、県や市町村が八・三%までの上乗せ支援を行う場合、県と国や市町村の支援を合わせて、一般については全体の補助率六六・六%のところ、鹿児島、沖縄の製糖工場については全体の補助率が最大七六・六%となるように措置をしております。

 また、このほか、この事業の単年度の補助上限につきましても、製糖工場については三十億円まで引上げをしてございます。さらに、この事業は、地方財政措置を拡充する特別な措置も講じているところでございます。

 こうした中、御指摘のありましたゆがふ製糖のほか、北大東製糖等でも事業を活用して建て替えを実施しているところでございますが、その他の地域でも、この事業の活用を含め、関係者間で建て替えに向けた検討が進められていると承知しております。

 国としても、引き続き、こうした事業が十分に活用されますようしっかりと周知を行い、また、県とも連携しながら、建て替えが円滑に進むようサポートしてまいりたいと考えてございます。

○許斐委員 ありがとうございます。

 サトウキビを国内で安定的に生産して適正な価格で供給することは、まさに食料安全保障につながりますので、御対応をお願いいたしまして、時間になりましたので質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

○島尻委員長 次に、伊藤恵介君。

○伊藤(恵)委員 参政党の伊藤恵介でございます。

 質問に先立ちまして、一言申し上げます。

 七月二十八日に熊本県で発生した地震により、最大震度七を観測し、これまでに貴い命が失われました。お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、今なお安否が分からない方々の一刻も早い発見と、被災された皆様の一日も早い復旧復興を心よりお祈り申し上げます。

 その上で、本日の質疑に入らせていただきます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会で質問いたしますのは今回が初めてでございます。委員長、理事の皆様、委員の先生方、そして御答弁にお立ちいただく大臣、政府参考人の皆様に、心よりお礼を申し上げます。

 私は、この度本委員会で質問の機会をいただくに当たり、沖縄が、戦後、幾多の困難を乗り越えながら、県民の皆様の努力によって今日の発展を築いてこられたことを改めて認識いたしました。沖縄県民の皆様に心から深い敬意を表したいと存じます。

 それでは、辺野古をめぐる諸課題についてお伺いをいたします。

 辺野古周辺では、二〇二四年六月の名護市安和桟橋におけるダンプカー事故で警備員の宇佐美芳和さんが亡くなられ、さらに、本年三月、辺野古海上での抗議船転覆事故では、金井船長及び研修旅行中であった高校二年生の武石知華さんの命が失われました。まずは、亡くなられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様そして御親交のあった皆様に心よりお悔やみを申し上げます。

 私は、この二つの事件が単に不幸な偶然で起きたのではなく、起こるべくして起こったのではないか、構造的な背景を持っているのではないかという問題意識を持っておりますので、その視点から質問させていただきます。

 私は、これらの事件の背景に、次の三つの論点があると考えております。それは、第一に、沖縄県において法令違反を繰り返してきた抗議団体と特定政党及び沖縄県行政との不適切と思われる関係、第二に、抗議団体を持ち上げる偏向した報道姿勢、第三に、沖縄県行政と報道機関との不適切な資金関係でございます。こうした悲劇を繰り返さないためには、違反行為に対する公平で厳格な法執行、不偏不党、公正中立な行政、行政と報道機関の関係の透明化、この三点が欠かせないと考えております。

 本年五月二十二日には、国土交通省による刑事告発、文部科学省による見解の公表という重要な政府対応が示されました。これらを踏まえ、順次質問をさせていただきます。

 まず、辺野古の現場の状況を客観的な数字で確認したいと思います。十年以上にわたって違反行為への対応が続いていることは、警察、海上保安庁の職員の皆様に大きな負担となっているはずであり、この実態を国民と共有することが全ての議論の出発点になると考えております。

 沖縄県議会での質疑によれば、平成二十七年から令和七年までの間に辺野古等の抗議活動に関連して沖縄県警が検挙した延べ人数は百六十二人、件数にして百五十六件に及ぶとされております。罪名は、傷害、公務執行妨害、威力業務妨害、道路交通法違反などと伺っております。

 また、年度によって検挙人数には大きな差があります。この十年で最も多かった平成二十九年の三十六人に対し、令和四年は二人であり、平成三十年頃を境に検挙数が大きく減少しております。検挙人数の年次別の推移について、政府はどのように把握し、その原因や背景をどのように分析されておられるかを政府参考人にお伺いいたします。年次ごとの具体的な数字を示してお答えをお願いいたします。

○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 沖縄県内における反基地運動に伴い、平成二十七年から令和七年までの間に、沖縄県警察において、百五十六件、延べ百六十二人を検挙していると承知をいたしております。

 年別に申し上げますと、平成二十七年に二十四件二十三人、二十八年に二十件二十七人、二十九年に三十五件三十六人、三十年に二十件二十二人、令和元年に八件十三人、二年に六件十三人、三年に六件三人、四年に四件二人、五年に十二件七人、六年に六件六人、七年に十五件十人、それぞれ検挙していると承知しております。

 こうした件数の増減の背景には様々な要因があり得ると考えられまして、一概に申し上げることは困難でございます。

 いずれにいたしましても、警察といたしましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処をしているところでございます。

○伊藤(恵)委員 ありがとうございます。

 平成二十九年の三十六人から令和四年の二人という推移は、事実として大変違和感のある変化であります。法執行が時々の政治環境に左右されることがあってはならないという点について、特にお願いしたいと思います。

 また、基地建設反対の現場を警備する警察官、海上保安官の皆様には、十年以上、本来業務に加えて多大な御負担をおかけしております。心から敬意を表すとともに、政府には、不法行為に対し断固たる姿勢を示し、根本的な解決をお願いしたいと思います。

 次に、検挙延べ百六十二人という数字の背景には、抗議活動を担ってきた特定の団体の存在があります。辺野古沖で転覆事故を起こした船を運航していたのもこの団体でありました。人命が失われた後の同団体の対応について、報道されている事実を確認したいと思います。

 転覆した二隻の小型船、不屈と平和丸を運航していたヘリ基地反対協議会は、辺野古移設反対を掲げる政治連合体、オール沖縄会議の主要な現地行動組織とされております。報道によれば、転覆事故の抗議船に乗っていた団体員が、転覆事故後も基地建設反対運動に参加し、ダンプカーの前で進路を妨害したとされております。また、本年六月には、ヘリ基地反対協議会の構成団体の一つであり、かつ五百人余りの会員数を有するとされる団体が、事故を受けて、本年四月の総会で解散を決定したことも報じられております。さらに、運航団体側が事故の聞き取りに応じていないとの報道もございました。

 加えて、本年五月八日の衆議院法務委員会では、参政党の和田政宗議員の質疑に対し、基地建設反対運動に参加している者の中に極左暴力集団が含まれていることを警察庁が認識している旨が明らかにされております。この極左暴力集団は昭和四十七年から計千百六十一件のテロ及びゲリラを起こしたと警察庁からの答弁もありました。

 そこで、お伺いいたします。

 政府として、ヘリ基地反対協議会に対する極左暴力集団の関与の有無、転覆事故後の聞き取り拒否を含むヘリ基地反対協議会の対応状況、これらをどのように把握しておられますでしょうか。政府参考人にお伺いいたします。

○鈴木政府参考人 お答えを申し上げます。

 お尋ねのヘリ基地反対協議会について、極左暴力集団の関与はあるのかという点につきましては、警察は、公共の安全と秩序の維持という警察の責務を果たすため、必要な情報について収集及び分析を行っておりますが、個別の団体や個人につきましては、事柄の性質上、お答えを差し控えたいと存じます。

○伊藤(恵)委員 ありがとうございます。

 人命が失われた事故の後も、抗議団体は説明より先に活動の再開や団体の解散を進められた、そのように言えると思います。国民がこれらの団体の実態を明確に認識できるように、政府には引き続き正確な実態把握をお願いしたいと思います。

 次に、ヘリ基地反対協議会と特定政党との関係について、当該政党自身が公表している事実に基づき、確認をいたします。これは、特定政党への論評を目的とするものではなく、政治的背景を持つ団体の船に研修旅行中の高校生十八名が乗船していたという事実の重さを確認するためであります。

 ある国政政党は、機関紙等において、現地の党組織がヘリ基地反対協議会に構成団体として加わっていることを認めております。また、本年五月十七日、同党委員長は、抗議船に高校生を乗せたことは重大な誤りとおわびを表明し、翌日の十八日には、書記局長が、亡くなられた船長と党との関係について、隠すつもりはないと述べられております。運航団体に遺族への直接謝罪を促す発言をしたとも報じられております。

 そこで、お伺いいたします。

 政府として、ヘリ基地反対協議会と特定政党との関係について、どのように把握しておられますでしょうか。政府参考人にお伺いいたします。

○鈴木政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘の内容についての報道は承知をいたしております。

 繰り返しになって恐縮でございますけれども、警察は、公共の安全と秩序の維持という警察の責務を果たすため、必要な情報について収集及び分析を行っておりますが、個別の団体や個人につきましては、事柄の性質上、お答えは差し控えたいと存じます。

○伊藤(恵)委員 ありがとうございます。

 当該政党自身が認めている事実でもあり、政府の認識として記録に残ることに意義があると思っております。学校も行政も、政治的背景を持つ団体とは適切な距離を取る必要があるということを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。

 ここまで、検挙延べ百六十二人という数字、ヘリ基地反対協議会の性格と事故後の対応、特定政党との関係を確認してまいりました。しかし、これらの事実が沖縄県民や全国の国民に十分に報じられているとは言い難い状況があります。情報の非対称性が生じているのではないかという観点から、報道の状況についてお伺いをいたします。

 沖縄の地元紙の記者は、テレビ番組において、中間中立で報道しているという気は確かにないと公言をしております。また、安和桟橋のダンプ事故において重過失致死容疑で書類送検された女性について、地元紙がフェニックスさんという呼称で紹介し、警備員の死亡事故の原因をつくり出した女性を肯定的に見ているような報道もございました。

 記者や地元紙が中立性にこだわらない姿勢を公言して報道を行う場合、県議会で取り上げられた百六十二人の検挙の事実や事故をめぐる多面的な事実関係が県民に十分に伝わらず、結果として県民が偏った情報環境に置かれるおそれがあると一部の専門家は指摘しております。

 さらに、参議院の委員会質問でも、辺野古の転覆事故がほかの事件、例えば磐越道のバス事故、同じく学生が亡くなった事件と比べ、極端に放送時間が少ない、そういった質問がございました。

 地元紙が中立ではないと公言しており、政治的な公平性が担保されていないのではないかと疑われる状況の中、放送についても同様の懸念があり、それらが県民の知る権利に与える影響について、政府としてどのような認識をお持ちでしょうか。政府参考人にお伺いをいたします。

○近藤政府参考人 お答え申し上げます。

 放送は、社会の基本情報を提供することで、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものと考えております。

 放送法においては、放送事業者の自主自律を基本とする枠組みとなっており、その放送番組は、政治的に公平であること、報道は事実を曲げないですること、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることなどの放送法に定められた番組準則や放送事業者自らが定める番組基準にのっとり、放送事業者の責任の下で編集すべきものと考えております。

○伊藤(恵)委員 ありがとうございます。

 新聞や報道に関しても、公平中立な報道姿勢が国民から求められているのは当然であります。国民の知る権利の基盤として、多角的な事実報道の重要性が政府答弁として確認されたことは重要であると考えます。

 次に、報道の中立性の問題は、行政と報道機関の資金関係と切り離せません。中立性を自ら否定する発言が公にされている地元メディアに対し、行政が多額の公的資金を無利子で融資しているとすれば、報道の独立性の観点から検証が必要と考えます。

 沖縄県議会や産経新聞でも取り上げられた案件ですが、某地元新聞社の印刷輪転機の更新に対し、ふるさと融資制度を利用した八億五千三百万円の無利子貸付けが可決されたとされております。ふるさと融資制度と沖縄振興費が異なる制度であることは承知をしております。しかしながら、毎年多額の沖縄振興予算が国から交付される構造の中で、地方公共団体が特定の報道機関に対して無利子で巨額の貸付けを行うことについては、報道の独立性、中立性の観点から、制度趣旨に照らした検証が必要ではないかと考えます。

 総務省として、ふるさと融資制度の趣旨及び同制度を活用した報道機関への無利子貸付けの適切性について、どのように評価されておられますか。政府参考人にお伺いをいたします。

○橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のふるさと融資制度についてでございますが、これは、自治体が民間金融機関等と共同し、地域振興に資する民間事業活動を支援するため、設備投資に係る無利子融資の貸付けを行う制度でございます。その原資は、自治体が地方債の発行で調達した資金でございまして、御指摘のとおり、沖縄振興予算との関係はないというところでございます。

 本制度は、地域振興につながるあらゆる分野の民間事業を対象としているところでございまして、新聞社に対しましては、印刷設備の整備を行った今回御質問の一社のほか、これまで全国で十数件の融資が行われているものと承知しているところでございます。

 個別の貸付けの妥当性につきましては、制度の趣旨や事業の公益性、地域への波及効果等を踏まえて、貸付団体の責任において適切に判断すべきものと考えているところでございます。

○伊藤(恵)委員 ありがとうございます。

 制度上の整理は理解いたしました。その上で、報道機関への公的資金供与の在り方について、制度設計の観点から、今後、国会の検討課題としていくべきではないでしょうか。御検討をお願いしたいと思います。

 次に、辺野古をめぐるもう一つの死傷事故である安和桟橋のダンプカー事故についても、本年六月、捜査と安全対策の両面で大きな動きがございました。事故から約二年を経て、関係者の書類送検と再発防止のための信号機、横断歩道の整備方針が相次いで示されたものであります。今回の転覆事故を一つの契機として大きく動き出したと言えますが、ここまで時間を要した経緯について、事実に即して確認させていただきます。

 本年六月五日、沖縄県警は本件事故に関し、事故の原因をつくった抗議活動中の女性を重過失致死容疑で書類送検したと報じられております。事故は二〇二四年六月に発生しましたが、書類送検まで約二年を要しております。一方で、本年五月に発生した福島の磐越自動車道で発生したバス事故、こちらも生徒さんが亡くなった事件ですが、過失運転致死傷事件として運転手に対する速やかな逮捕が行われたとの報道がありました。関係者が現場に所在し、当時の映像も存在していたとされる事案でこれだけの期間を要した理由を、政府はどのように承知しておられますでしょうか。

 また、本年六月、沖縄県警は、ダンプ事故現場の出入口付近に横断歩道と歩行者用信号機等を本年度内に整備する方針を固め、六月八日に沖縄県へ通知したと報じられております。一方で、当該箇所の危険性については、事故の前後を通じて、名護市議会の意見書や沖縄防衛局からの申入れ等を通じ、ガードレールや信号機の設置を含む安全対策が繰り返し求められながら放置されてきた経緯がございます。沖縄県議会でも繰り返し議論になっていたものです。今回の女子高生が亡くなった転覆事故により、全国的な問題として取り上げられたため、道路管理者である沖縄県により、急遽信号機と横断歩道の設置が決められたような政治的な印象を受けます。

 信号機と横断歩道の設置が決まった経緯を、政府参考人にお伺いいたします。

○阿部政府参考人 お答えいたします。

 まず、前段のお尋ねでございます。

 御質問の件に関しましては、六月五日、沖縄県警察において、大型貨物自動車を運転していた男性を過失運転致死傷罪で、また交通誘導に従事していた男性を業務上過失致死傷罪で、大型貨物自動車の前に進出した女性を重過失致死罪で、それぞれ那覇地方検察庁に送致したものと承知しております。

 本件につきましては、関係者も多く、事実の解明のために多くの捜査すべき事項があったところでございまして、これらの事項について捜査を行った結果、今回の送致に至ったものというふうに承知しているところでございます。

 また、後段の信号機の設置などについてのお尋ねでございますが、こちらにつきまして、沖縄県警察におきましては、今申し上げました事故の捜査により判明した事故原因などを踏まえて検討し、死亡事故が発生した場所などにおいて、事故の再発を防止するために、信号機や横断歩道等を設置する方針であるというふうに承知しておるところでございます。

○伊藤(恵)委員 ありがとうございます。

 ほかの事件と比較すると、現場をめぐる政治的環境の影響を受けたのではないかと、懸念が一部に示されており、法執行が時々の政治環境に左右されてはならないという点は申し上げておきたいと思います。

 安全対策について国の関与の用意が示されたことは前進ではありますが、対応に余りにも時間がかかり過ぎていると多くの県民が感じていることと思います。国としても、縦割りを排して、必要な措置を積極的に取るようお願いをしたいと思います。

 最後の質問になります。

 沖縄の先住民問題について取り上げたいと思います。

 国連の自由権規約委員会及び人種差別撤廃委員会が、二〇〇八年以降、日本政府に対し、沖縄の人々を先住民族として認め、その権利を保護するよう求める勧告を計六回にわたり行ってきた問題です。

 本日取り上げてきた基地反対運動や一部報道機関の姿勢と国連での沖縄先住民族勧告は、一見すると別々の問題に見えて実はつながっているのではないかという問題意識を持っております。

 本年六月十六日、参議院外交防衛委員会で参政党の松田学議員が先住民問題を取り上げておりますが、それはすなわち、事実に基づかない物語によって我が国の信用と主権を内側から揺さぶろうとする外国からの影響工作についてであります。この点につきまして、この脅威を国民に正面から説明し、啓発すべきとの観点から質問をさせていただきます。

 認知戦は、放置すれば事実に反する物語が作られ、効果的に反論されなければ、国際会議やメディアを通じて反論されていない主張として拡散し、やがて第三国においては歴史的事実として誤って定着してしまうと言われております。外務大臣御自身、一方的に言われ続けるとそれがあたかも事実のようになってしまう、これはあってはならないというふうに述べられております。まさにそのとおりであると考えます。

 うそも百回繰り返せば真実になる、これは、認知戦やプロパガンダをしかける側に古くから通底する発想でございます。その典型例が国連での沖縄先住民族勧告であると考えます。言語、DNA、文化のいずれにも沖縄の方々を先住民族とする科学的根拠はなく、政府も明確にこれを否定しております。それにもかかわらず、勧告は六回にわたって繰り返され、昨年十月には中国政府の代表までがこれに言及いたしました。県民が望んでもいない物語が外から既成事実化されようとしております。

 そこで、政府に伺います。

 我が国も既に認知戦の標的となっていると考えておりますが、政府は、我が国に対する外国による影響工作の状況をどのように認識しておられますか。認知戦への脅威を国民に分かりやすく説明することが重要であり、国民のリテラシー向上や国民への情報共有を進めていくべきと考えますが、政府は外国による影響工作に対してどのような取組を進めているのか、政府参考人に伺います。

 また、国際社会において中国により事実に反する主張がなされた際、受け身にとどまらず、記録に残るよう毅然と反論すべきと考えますが、外務大臣のお考えを伺います。

○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。

 外国による影響工作については、我が国にとっても安全保障上の脅威であり、選挙の公正や自由な報道といった民主主義の根幹をも脅かすもので、その対策は急務と考えております。これに対応するために、政府においては、内閣官房副長官の調整の下、内閣情報調査室、国家安全保障局、内閣広報室、内閣官房副長官補室、総務省、国家サイバー統括室を始めとする関係省庁間で構成される連携体制を構築し、情報収集、分析の充実、情報流通プラットフォーム対処法の運用の徹底、正確な情報発信の強化、各種リテラシー施策の向上などの対策に政府一体で取り組んでいるところでございます。

 また、外国勢力からの影響工作を防止するためには、一部のインターネットやメディアの情報を精査せずうのみにすることがないよう、国民の皆様のリテラシーの向上を図ることも重要と考えております。

 政府においては、生成AIを用いた偽情報の拡散手法等の外国による偽情報がもたらすリスクなどを周知するための啓発動画を作成しているほか、SNS等を利用する際に偽情報、誤情報に惑わされないように、情報の真偽確認をしていただくことについて広報を行っているところでございます。

 政府といたしましては、関係省庁との連携を更に強化し、こうした情報発信やリテラシー向上施策の取組を一層進めてまいりたいと考えております。

○茂木国務大臣 まず、沖縄の方々が先住民だと考えている、国内の、日本の人はいないと思います、私は。

 その上で、委員の御指摘も含め、沖縄に関するもののみならず、我が国の政策や立場について事実に反する主張がなされた場合には、日本政府として、私もそうでありますが、しっかりと反論、発信をしてきておりまして、今後ともその方針に変わりありません。

 そして、それにとどまらず、様々な機会を通じて、我が国の考えを、より能動的に、積極的に説明、発信することによって、国際社会において正確な理解が浸透するような取組を行っていく考えであります。

 恐らく、これから認知戦は新しい戦略領域になってくる、これは間違いないと思っておりまして、これが戦略領域であって、ここにおいて日本がしっかりした立場を取っていく、こういう考え方の下に様々な対策を打っていくことは極めて重要だ、そんなふうに考えております。

○伊藤(恵)委員 茂木大臣、丁寧な御答弁をありがとうございます。

 認知戦の脅威は、AIがすさまじい勢いで進化する今日、日々大きくなっていると我々は感じております。

 政府がうその主張に対して毅然と対応し、そしてこの脅威を国民と共有していくという姿勢が、これからの政府に求められているのではないでしょうか。引き続き、受け身ではなく攻めの情報発信と国民への啓発を強く求めます。

 最後に、意見を申し上げます。

 本年五月二十二日、国土交通省は、亡くなられた抗議船船長を海上運送法違反の疑いで那覇地検に刑事告訴いたしました。知床観光船事故の教訓から強化されたばかりの登録制度の実効性を確保する、思想信条に左右されない法執行として、深く敬意を表します。

 同日、文部科学省は、当該研修旅行における辺野古での学習が教育基本法第十四条第二項に反するものであったと公式の見解を公表しまして、是正を求める指導を行いました。

 安和桟橋のダンプ事故については、事故から約二年を経て関係者が書類送検され、また、本年六月には、沖縄県警が現場を歩道でなく車道と特定し、事故現場に信号機と横断歩道が整備される方針であることが報じられました。なお、抗議活動に参加していた女性が、運転手や警備会社を相手取り損害賠償を提訴したとの報道もございます。

 安全対策や法的措置が武石さんの人命が失われた後に相次いで講じられたという経過を、私は重く受け止めております。長年危険性が指摘されながら対応が事故後となったことについては、行政の対応が後手に回ったとの受け止めも県民の中にあることを、政府におかれては御認識いただきたいと思います。

 そうした中にあっても、警察及び海上保安庁におかれましては、政治的な力学とは無関係に、今後も、沖縄における抗議活動に関して、違反行為があれば、思想信条を問わず、公平、不偏不党、厳格に法を執行していただきたいと強く要請いたします。

 そして、海上保安官の皆様、沖縄県警の警察官の皆様、警備に従事する民間の方々が、十年以上にわたり最前線で職務を全うしてこられたことに、深い敬意を表します。私自身、元自衛官として勤務した経験があり、国民の安全と安心を守るために使命感を胸に職務に当たる皆様の御苦労や責任の重さには深い共感を抱いております。そのような立場からも、長年にわたり献身的に任務を果たしてこられた皆様に、改めて心より敬意と感謝を申し上げます。

 最後に、沖縄県議会において、辺野古転覆事故に関する特別調査委員会の設置案が、七月十三日、全会一致で可決されました。会派を超えた合意により調査が進められることを私も歓迎いたします。

 私も、二度とこのような事故が起きることがないよう、国会議員としての責任を果たしてまいる所存でございます。

 以上で質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございます。

○島尻委員長 両大臣は御退席いただいて結構でございます。

    ―――――――――――――

○島尻委員長 去る七月二十八日から二十九日までの二日間、北方問題に関する実情調査のため、北海道に委員を派遣いたしましたので、派遣委員を代表して、私からその概要を御報告申し上げます。

 まず、根室半島東端の納沙布岬を訪れ、北方領土を間近に望み、元島民の皆様の望郷の念に思いをはせるとともに、当委員会に課せられた使命の大きさを改めて感じたところであります。

 続いて、望郷の家及び北方館を視察し、北方領土における戦前の島民生活の様子や北方領土問題の歴史的経緯について説明を聴取しました。

 次に、北海道立北方四島交流センターにおいて、千島歯舞諸島居住者連盟の皆様から様々な要望を受けるとともに、元島民の皆様と懇談をいたしました。

 次に、北海道及び根室市を始めとする北方領土隣接地域の皆様から要望を受けるとともに、北方四島交流等事業の早期再開や、北方領土返還要求運動の推進、啓発施設の整備を含めた北方領土隣接地域の振興について、意見交換を行いました。

 その後、釧路市において、関係機関から、北方領土隣接地域における農業及び道路、港湾等インフラ整備の現状や取組等について説明を聴取した後、釧路港全体を望みつつ、防波堤ブルーインフラ事業等を視察しました。

 最後に、釧路市漁業協同組合から、釧路の漁業の状況について説明を聴取し、意見交換を行いました。

 以上が調査の概要であります。

 今回の調査に当たり、御協力いただきました皆様に対し、厚く御礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。

 この際、お諮りいたします。

 委員派遣の詳細な報告書につきましては、これを本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島尻委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

○島尻委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十七分散会


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