衆議院

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第9号 令和8年5月13日(水曜日)

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令和八年五月十三日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 武村 展英君

   理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君

   理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君

   理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君

   理事 萩原  佳君 理事 田中  健君

      浅田眞澄美君    阿部 弘樹君

      石井  拓君    稲葉 大輔君

      井林 辰憲君    岩崎 比菜君

      上原 正裕君    鹿嶋 祐介君

      加藤 勝信君    河野 正美君

      世古万美子君    長澤 興祐君

      新田 章文君    藤丸  敏君

      松本  泉君    三反園 訓君

      三原 朝利君    森原紀代子君

      米内 紘正君    渡辺 勝幸君

      大島  敦君    大森江里子君

      岡本 三成君    一谷勇一郎君

      近藤 雅彦君    牧野 俊一君

      峰島 侑也君    河村たかし君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       片山さつき君

   内閣府副大臣       岩田 和親君

   財務副大臣        中谷 真一君

   財務大臣政務官      三反園 訓君

   政府参考人

   (金融庁企画市場局長)  井上 俊剛君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    石田 晋也君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 橋本憲次郎君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    緒方健太郎君

   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十三日

 辞任         補欠選任

  井林 辰憲君     河野 正美君

  棚橋 泰文君     阿部 弘樹君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 弘樹君     世古万美子君

  河野 正美君     井林 辰憲君

同日

 辞任         補欠選任

  世古万美子君     棚橋 泰文君

    ―――――――――――――

四月二十八日

 インボイス制度廃止と負担を軽減する二割特例・八割控除の継続に関する請願(畑野君枝君紹介)(第二八〇号)

 消費税率五%以下への引下げとインボイス制度の廃止に関する請願(畑野君枝君紹介)(第二八一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三六三号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第三六四号)

 同(田村智子君紹介)(第三六五号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三六六号)

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(辰巳孝太郎君紹介)(第三六二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四一一号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第四一二号)

 同(田村智子君紹介)(第四一三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四一四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案(内閣提出第二七号)


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     ――――◇―――――

武村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、金融庁企画市場局長井上俊剛君外三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。森原紀代子君。

森原委員 おはようございます。本日初めての質問の機会をいただきました、自由民主党の森原紀代子です。

 まずは、この度の総選挙におきまして多くの皆様のお支えにより初当選をいただき、こうして国政の場に立たせていただきますこと、心より感謝申し上げます。

 また、本日この財務金融委員会において初めて質問のお許しをいただきましたことに、委員長、理事、委員各位の先生方、また関係の皆様に心より感謝申し上げます。

 片山大臣とは総務政務官時代に総務省でお仕えした御縁がありまして、その片山大臣の下で国会での初質問に立たせていただきますことを大変光栄に感じてございます。

 私は、四人の子供を育てる母として、次の世代に強く豊かな日本をしっかり引き継いでいきたいという思いから、総務省で十四年間行政に携わり、その後、フィジカルAI、ディープテック分野のスタートアップにも身を置いてまいりました。行政と民間、双方の現場を経験する中で、今、日本の技術、知的財産、そして我が国のサプライチェーンを守ることが国家戦略そのものとなったことを強く実感しております。もはや、技術やデータは単なる経済活動の基盤だけではありません。国家の競争力そのもの、さらには、国家の安全保障そのものに直結する時代に入っていると考えております。その意味で、今回審議されておられます外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案は、日本の技術と国益を守る上で極めて重要な法案であると受け止めております。

 一方で、日本は世界から投資を呼び込み、持続的かつ力強く成長していかなければなりません。経済安全保障を強化することと日本を世界から選ばれる投資先であり続けさせること、私は、この二つを両立させていくことこそ、これからの国家戦略として極めて重要であると考えております。

 本日は、こうした観点から、初質問でもございますので、先生方に胸をおかりしながら、率直に質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、今回の法改正全体の方向性についてお伺いいたします。

 今国会では、国家情報会議設置法案、経済安全保障推進法改正案、そして今回の外為法改正案など、経済安全保障体制を強化するための法整備が進められています。今回の改正では、第六十九条の四が新設され、外国投資を安全保障の観点から審査する政府横断的な仕組みとして、対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUSが整備されます。

 私は、こうした体制整備は、日本を守り、成長させていく上で不可欠であり、極めて重要であると考えております。

 一方で、経済安全保障においては、情報が縦割りになった瞬間に制度の実効性が落ちるとも考えております。サプライチェーンの脆弱性、情報流出リスク、外国政府や企業の動向、こうした情報を政府全体でどのように統合し、迅速な意思決定につなげるのか。そこに日本版CFIUSの実効性が懸かっていると考えます。

 経済安保推進法で示された官民協議会や新たなシンクタンクからは、守るべき技術や市場動向をリアルタイムに把握していく必要があります。また、特に投資審査においては、昨年十二月に我が党から政府に申入れをさせていただいたとおり、国家情報会議、国家情報局など、政府全体のインテリジェンス機能との連携が今後ますます重要になるのではないでしょうか。

 そこで、伺います。

 今回設けられる日本版CFIUSについて、国家情報会議等を含む政府全体のインテリジェンス機能とどのように連携し、一体的に運用していくお考えでしょうか。また、縦割りを防ぎ、迅速な判断につなげるため、どのような委員会運営をお考えか、片山大臣にお伺いいたします。

片山国務大臣 委員におかれましては、初質問ということで、よろしくお願いします。

 近年でございますが、御指摘のように、国際情勢はますます複雑化しておりますし、社会構造、経済構造等も変化する中で、本当に、縦割りを排して、省庁横断的な視点ですとか知見を得ることが一層重要になっておりますので、この対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUSの創設というのは、効率的、効果的に審査を行うことに大いに資すると考えております。

 リスクの度合いに応じてめり張りのある審査を行うことを通じて、必要な審査はしっかりと行いつつ、国の安全等の観点から懸念のない投資については引き続き迅速に審査を終えられるよう努めてまいりたいと思います。

 委員会の運営につきましては今後具体化していきたいと考えてはおりますが、まず、財務省と国家安全保障局が共同議長を務める中で、審査の対象となる投資案件について、安全保障部局や事業所管官庁が有機的に連携、評価しながら、迅速かつ深みのある、深度ある審査につなげていきたいと考えております。

 その際、この連携の在り方につきましても、他法律がございますので、今後検討していくことになるものもございますが、委員から御指摘のあった情報機関との連携強化にはしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

森原委員 丁寧な御答弁を頂戴しまして、ありがとうございます。

 経済安全保障分野では、情報を点ではなく線でつなぎ、政府全体で迅速に意思決定できる体制を構築できるかどうかが、今御答弁いただきましたとおり、非常に重要な点であると考えてございます。是非、片山大臣のリーダーシップの下、実効性ある体制整備を進めていただきたいと存じます。

 次に、制度をどう実効性あるものにするのかという観点からお伺いいたします。

 現在、海外からの投資スキームは急速に複雑化しています。LPSなどのファンドを活用した多層構造での出資や、買収者として日本企業を表に立て、日本企業を隠れみのとした潜脱的投資なども指摘されているところでございます。

 こうした視点から、今回の改正では、間接投資やみなし外国投資家の捕捉の強化が盛り込まれており、私は非常に重要な改正だと考えております。

 一方で、実務面では相当難しい課題もあると思います。例えば、国外を含めた出資者が連なる多層構造の実態を誰がどのように把握するのか、あるいは、日本企業の背後に隠れる外国政府の意向をどう見極めていくのか、こう考えますと、特に重要な案件では、政府側がインテリジェンス機能も活用し、能動的に動向を捕捉していく必要があるのではないでしょうか。

 そこで、政府参考人にお伺いいたします。

 今回の改正で強化される間接投資やみなし外国投資家の捕捉を実効性あるものとするため、政府としてどのような取組を進めていくお考えでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 間接的な投資につきましては、外国投資家が日本企業の株式を直接保有している別の外国法人等を買収し、間接的に日本企業の株式を取得するような場合を規制の対象としてございます。こうした場合、その外国投資家が、MアンドA等のデューデリジェンスを行う中で、買収等に伴って日本企業の株式を間接的に取得することについて事前届出の義務が課されているということを認識することは可能であると理解してございます。

 また、今回の法改正に伴う政省令改正におきまして、日本企業の株式の直接保有者に対しまして、最終親会社等が変更された場合には事後報告を求めることとする予定でございまして、当局としても、間接取得の事実を探知できる体制を整備して、規制の実効性を確保してまいります。

 それから、外国政府等の支配、影響下で投資活動を行う、いわゆるみなし外国投資家につきましては、規制の潜脱を防ぐためにも、当局として、外国政府等との支配関係等を探知することが重要になってございます。

 このため、財務局を始めとする地方支分局を通じて日本企業に対する投資動向等に係る情報収集、分析を行うことや、関係機関との情報連携を通じた調査機能の強化に取り組んでまいります。

 また、外国政府等の支配、影響下での投資活動に係る規制の潜脱につきましては、今般の改正において規定を整備することによって、牽制、抑止効果も一定程度期待できるものと考えております。

森原委員 ありがとうございます。

 もちろん、全てを完全に捕捉することは容易ではないと思います。しかし、特に国益を左右する重要案件については、大きな見逃しを起こさない体制整備が極めて重要です。また、外国政府などリスクが高い外国投資家に対してはもちろんのこと、こうした外国投資家に協力する日本企業に対しても、潜脱的行為は許さないという政府の意思を強く示していただきたいと思います。

 続いて、制度を支える人材と体制についてお伺いいたします。

 外為法に基づく投資審査は、投資スキーム、先端技術、サプライチェーン、地政学リスクなど、多面的かつ高度な判断が求められます。さらに、今回の改正では、リスク軽減措置の届出が制度化されます。外国投資家が、外国政府等の影響を受けた投資対象事業の遂行に関与しないなど、自主的に届け出た内容であっても、その軽減措置を踏まえて、国の安全保障上懸念はないものとして審査を通している以上、実施状況を政府が一定モニタリングすることは必要であり、継続的なフォローアップの重要性も高まるものと考えております。

 財務省のアニュアルレポートによれば、二〇二四年度の事前届出の件数は、年間約三千件に上っております。制度設計が異なるため単純比較はできませんが、アメリカなど海外主要国と比較しても、非常に多くの案件を処理している状況です。

 私は、この制度を本当に機能させるためには、量をこなすだけではなく、重要案件を深く見る審査とモニタリングが必要だと考えております。私自身、国家公務員として勤務した経験から申し上げましても、高度専門分野においては、専門性を持つ人材の継続的な育成と配置が極めて重要です。また、必要な人員の拡充については、本改正につながった答申でも指摘されておられたものと認識しております。

 そこで、政府参考人にお伺いいたします。

 対内直接投資審査やモニタリング業務を支える専門人材について、人材育成、人員体制、専門性を踏まえた配置を含め、政府としてどのような体制強化を進めていくお考えでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 健全な対内直接投資の促進と国の安全等の確保を両立するに当たっては、委員の御指摘のとおり、外為法の趣旨に沿って適切に事前審査及び事後のモニタリングを行うことが重要であると考えてございます。

 外為法上の対内直接投資審査制度を所管する財務省では、投資審査の実効性を確保するために人員、機構を拡充すべく、令和二年に投資企画審査室を新設して以降、本省、財務局共に対内直接投資審査の執行体制に係る定員を増加させているほか、専門性の向上に向けて、本省、財務局の担当者向けの研修を実施するなど、投資審査制度に係る執行体制の強化を図っているところでございます。

 今後につきましても、昨年十二月の自民党からいただきました提言にもありましたように、対日投資委員会、いわゆる日本版CFIUSを創設し、省庁横断的な審査を強化した上で、審査や事後のモニタリングに当たって必要な人員体制の強化を含め、引き続き実効性のある制度の運用を確保してまいります。

森原委員 ありがとうございます。

 制度をつくるだけではなく、それを支える人材と体制をどう整えていくのか、ここが、今後の経済安全保障政策の実効性を左右する重要なポイントだと考えております。御答弁から、財務省の取組には理解をいたしました。一方で、この制度は、政府一丸となって取り組んで初めて成果が上がるものだと考えております。財務省以外の各省庁における審査体制も重要ですので、是非、他省庁も含めた政府全体で専門人材基盤の強化を進めていただきたいと思います。

 続いて、経済安全保障と投資促進のバランスについてお伺いいたします。

 今回は、非指定業種への勧告、命令の拡大について、従来、業種指定を基礎とした一階建ての制度から、安全保障上特に重要な分野については審査を厳格にしつつ、それ以外の分野についても広く審査の網をかける、いわば二階建ての制度へと進化させるものだと私は受け止めております。

 これは、技術革新のスピードが極めて速く、従来は考えもしなかった業種が次々と戦略分野になっていく現代においても、業種追加のイタチごっこを避け、他国に狙われている重要技術が外為法で守れないという落とし穴を避けるため、極めて重要な制度改正だと考えております。

 例えば、アメリカのCFIUSにおいても、重要技術、重要インフラ、機微個人データ、いわゆるTID分野を重点的に審査しつつ、それ以外の取引についても安全保障上必要な場合には審査対象とする仕組みになっていると承知しております。

 一方で、ルールが見えない市場には長期投資は集まりません。そのため、安全保障上必要な柔軟性を確保しながらも、外国投資家に対する予見可能性をどのように担保するのかが極めて重要になるのではないでしょうか。

 今回、非指定業種へも株式処分の勧告、命令を行えるようになりますが、その際、何をもって国の安全に係るとするのか、この判断基準の明確化が重要になると考えます。

 そこで、政府参考人にお伺いいたします。

 今回の非指定業種への対応拡大について、諸外国の類似制度と比べて外国投資家の予見可能性は十分に確保されているか、また、日本への投資を過度に萎縮させることはないか、政府の御見解をお伺いしたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 非指定業種への投資のリスクへの対応につきましては、国際情勢等の変化等により国の安全に係るリスクが生じた場合に適切に対応できるようにする一方で、投資家の予見可能性や投資財産の法的安定性を確保する観点から、政令におきまして、外国政府等の類型的に特にリスクの高い投資家によります株式等の一〇%以上の取得にその対象を限定することとしております。

 その上で、どのような場合に国の安全を損なう事態を生じるおそれが大きい投資として報告を求める対象になり得るか、具体的類型、事例などをガイドラインの形でお示しすることも含めて、制度の透明性の確保に向けた取組を検討してまいります。

 なお、主要国の中でも、事前届出義務がない投資につきまして投資後に安全保障上の懸念が生じた場合に対応することのできる制度が設けられておりますが、今般措置する制度の対象範囲は、先ほど申し上げましたように、外国政府等の類型的に特にリスクの高い投資家による投資に限定しておりまして、諸外国との比較におきまして、過度に厳しい、投資を萎縮させるような制度になっているという御懸念は当たらないと考えてございます。

森原委員 丁寧に御答弁いただいて、ありがとうございます。

 AIを始め、技術革新のスピードは極めて速く、安全保障上重要となる領域も変化し続けています。是非、透明性と予見可能性を確保しながら、実効性と機動性を両立させた、めり張りある制度運用を進めていただきたいと思います。

 残り時間の関係で、一問、次の機会に回させていただきまして、最後の質問に入らせていただくようにいたします。

 最後に、改めまして片山大臣にお伺いさせていただきます。

 私は、経済安全保障を強化することと日本が世界から選ばれる投資先であり続けることは、決して対立するものではないと考えております。成長投資を行っても、その成果である技術が簡単に奪われるようであっては、企業も投資家も安心して投資することはできません。むしろ、長い目で見れば、必要な技術、企業、市場は断固として守るという政府の姿勢こそが健全な投資を呼び込むことにつながるのではないでしょうか。

 政府は、対日直接投資促進プログラム二〇二五において、二〇三〇年に対日直接投資残高百二十兆円という目標を掲げておられます。私は、この目標を実現するためにも、守るべき技術と国益はしっかり守る、同時に、世界から信頼され、安心して投資される国であり続ける、その両立こそが極めて重要だと考えております。私は、その両立を実現する規律ある資本市場こそ、これからの日本に必要な国家戦略であると考えております。

 片山大臣には、この外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案を通じて、経済安全保障と成長戦略をどのように両立させていくのか、その御決意をお聞かせいただきたいと思います。

片山国務大臣 まさに委員の御指摘のとおり、世界から選ばれる投資先でなければならない。対内直接投資を一層促進していくということは、このところずっと日本経済の重要な政策課題でありまして、日本経済の健全な発展に資することでございますので、政府としては、今、現行の骨太の方針にも、二〇三〇年に対内直接投資残高を百二十兆円とすることなどを掲げておりまして、これは、二〇二一年に、菅内閣のときに、インバウンド等もいろいろ総合的にやりました中で八十兆円というのを最初に設定して、その後、以後、積み足してきた、こういうことで、まだ五十何兆しか来ていないんですけれども、これをずっと掲げているわけでございます。

 と同時に、国際情勢が複雑化していることは先ほども申し上げましたし、安全保障の裾野というのが経済分野に、もうほぼ全体に急速に拡大しておりますので、対内直接投資審査制度が果たすべき役割は非常に重要になっております。

 この中で、この法案で、健全な対内直接投資を促進することと経済安全保障を確保することとの両立を目指しているわけで、そこで、審査の効率性、実効性、この確保、それから安全保障等の環境変化への対応、そして執行体制の強化、これらを通じて対内直接投資審査全体を高度化するものと考えております。こうした高度化を通じて、日本企業が有する国の安全等の観点から、重要な技術は、しっかりと流出防止、これに取り組み、また、優位性、不可欠性の確保を通じた経済安全保障の強化に取り組むということが、逆に、魅力的な投資環境にも資する面が、委員御指摘のとおり多々あると考えております。

 引き続いて、健全な投資の促進に向けて、この制度の適切な執行に努めながら、運用状況の開示ということも含めて取り組んでまいりたい、かように考えております。

森原委員 片山大臣、力強い御答弁ありがとうございます。

 経済安全保障と成長戦略を両立させながら、日本の技術、産業、そして未来を守り育てていく、我が国において現代を生きる皆様が安心して暮らすことができ、次世代にしっかりと強く豊かな日本のバトンを渡していく、こうした思いを皆様と共有させていただき、強い国家としての意思を持って、是非、政府一丸となって実効性ある制度運用を進めていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

武村委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 中道改革連合、伊佐進一です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今日、外為法の審議でありますが、ちょっと、昨日の今日の話でありますので、ベッセント長官との会談について伺いたいと思います。

 ベッセント財務長官、この一年余りで三度目、通算、一九九〇年以降五十四回目の訪日だというふうに伺っておりまして、非常に知日派の長官でいらっしゃいます。総理とは二十分間、昨日、会談をされました。大臣とは三十分間。ただ、片山大臣の場合、食事も一緒にされていると伺っておりまして、恐らく、じっくりいろいろな意見交換をされたんじゃないかというふうに思っております。

 一月にダボス会議でお会いされたときは相当きついことを言われたんじゃないかという報道もございましたが、今回もいろいろきついことを言われたんでしょうか。

片山国務大臣 どうも、御心配をいただきまして、ありがとうございます。

 ベッセント長官がトランプ大統領の訪中の前に日本に是非寄りたいとおっしゃったのは、四月に私が、IMF、世銀、そしてG7、G20のために訪米したときに、一応、最初にバイの会談ではアメリカとやるものですから、アメリカのトレジャリーのところへ、執務室に行って、会議を始めたら、開口一番、是非日本に行って会談をやりたいからということがあったので、すぐに総理官邸にも連絡して、うちは当然カウンターパートだから、是非来てください、いろいろ話もあるしということになったので。

 今回は、そういう意味では、四月の半ばから想定されていた会談でございます。私は、この仕事を預からせていただいて七か月目になりますが、もう既に五回会っているんですが、今回は、食事で二時間、それからバイの会談が三十五分で、そのほかにもちょっと何か所かいろいろなところで話していますので、三時間ぐらい一緒にいたかなと思っておりますが、非常に和やかでございまして。

 ダボスのときにも、どちらかというと、ダボスにおいて私が非常に困ったのは、海外を含めたメディアさんが総理の一月十九日の解散に係る演説を誤解なさいまして、我が国から膨大な税収が一気になくなるかのような報道があったものですから、マーケットが乱高下しており、どうにもならないということの中で弁明に追われて、その中で早めに到着していたベッセント長官とも会ったんですが、そのときも、どちらかというと、その数時間後にトランプ大統領が入ってきて、グリーンランドをどうするという話があって、グリーンランドに関してEUに追加関税をかけないのであれば、一連のいわゆるターモイル、混乱は恐らく収まるんじゃないかという話を両方でしましたので。

 全部つまびらかに申し上げることはしていないんですけれども、逆に向こうはいろいろ言ったりするんですけれども、うちはチャタムハウスルールをちゃんと守っていますが、総じて言うと、この事態をお互い緊密に連絡してどう抑えようかと。つまり、為替市場が混乱している、金融市場が混乱していることはお互いにですからねという話をしたので、何か一方的にどうこうということはなかったし、今回は、いろいろな中で、ますます、イラン情勢もこれあり、様々な当局が先行きが見通せない中で模索している状況というのはG7等でも分かっているものですから、日米で来週早々からのG7にどう対応していこうかとか、そういうことも含めた極めて建設的な日米協力の話をしまして、それをお互いがぶら下がり会見ではっきり言った。

 とにかく、為替・金融市場に対して、アメリカの方が、日米は全く緊密に協力している、全く異存なく、共通の利益にて一緒にやっているということをあれだけはっきり言ったことは近年はなかったので、私たちは、信頼性の確認ができて非常にいい機会であったと思っている次第であります。それは総理も同じです。

伊佐委員 非常に和やかだったということですが。

 ちょっと、一月、報道で言われているだけなのであれですが、よく一般的に言われていますのは、アメリカとしても、円安・ドル高がこれ以上進んでいくことをやはり懸念しているというふうに言われている。トランプさんからすれば、まさしくアメリカの産業の競争力がどんどんドル高になることで落ちていくことになりますので、行き過ぎた円安は何とかしてくれという思いがアメリカにはある。つまり、インフレ対応をちゃんとやってくれということですね。その中で、何で利上げしないんだ、これはちょっと日銀の話になるので今日は控えますが、利上げを何でやらないんだという話であるとか。

 為替の話はなかなか言いづらいので、ちょっともう一点、もし雑談の中ででも、財政規律の話についてもいろいろと話が上がったんじゃないかと思ったんですが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 双方の経済の状況がどうかという話はしまして、アメリカ経済はいろいろなことがありながら数字的には堅調ですし、我が国の方もそうでございますので。ベッセント長官がぶら下がりでおっしゃっていたとおり、日本経済はこれだけのショックがありながらレジリエンスを保って非常に強靱であると。経済というのは財政、金融も含めてですね。ですから、そこに信頼を置いているみたいなことを御本人がおっしゃっていましたので、まさにそういうお話はありましたけれども、財政も含めて個別の注文のようなことはございません。

伊佐委員 我々野党の中道の方からも、とにかく、今のイラン情勢、今の日本の経済の状況を考えて、補正予算をしっかり組むべきだというのは従前から申し上げております。これは、もしかするといろいろなことを当然総理も大臣も考えていらっしゃって、日本の今の状況、アメリカとの関係というのももしかしたらあるのかなという観点でちょっと質問させていただいたんですが、アメリカから何を言われようと、やはり、ここは日本の予算で、必要なものは必要な予算をちゃんと組まなきゃいけないというふうに思っております。

 今、これだけイラン情勢が長期化していく中で、いろいろな影響が出ているわけですよね、これもどの委員の皆さんも現場で聞いていらっしゃることだと思いますが。ちょっと補正予算の観点で、私はずっと予算委員会でも申し上げてきたんですが、例えばガソリンへの補助。

 リッター百七十円を超えたところは、全部今、国が出すようになっております。今、大臣始め政府でおっしゃっているのは、昨年度の予備費を回して、お金はしっかり用意しているんだとおっしゃっています。三月末の時点で九千八百億円、ちゃんとガソリンのためのお金がありますよというふうに言われているわけですよね。九千八百億円、約一兆円です。

 ところが、四月の三十日、一番直近、幾ら補助が入っているかというと、リッター三十九・七円の補助が入っております。リッター十円当たり、月々一千億円かかるんですよ。三月末で九千八百億円でした。つまり、四月だけで、もう終わって五月に入っていますので、大体平均して四千億円ぐらいお金が使われているわけですよね。もう五月も半ばになろうとしている。九千八百億円の残高であれば、多分、五月が終わった頃、あるいは六月に入ると、もう枯渇するんですよ、ガソリンだけ見ても。

 そういう状況の中で、だから、私たちは、中道としては、補正予算は一刻も早くやった方がいいんじゃないかと。せめて、だから、元々は予算の組替えでやるべきだということを申し上げてきたわけですよね。

 補正予算を今すぐ指示したとしても、そこから各省庁が編成をして、さらに、国会日程を決めて、国会で審議をして、採決され、執行されるまで、相当タイムラグがあるわけですよ。それを考えると、さっき申し上げたように、ガソリンの支援だけで、今々、もうすぐお金が尽きるかもしれないという状況の中で、私は、そろそろ、というかもう遅いぐらいですが、補正予算をちゃんと検討する時期にもう既に入っているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 この点につきましては、総理もいろいろな場で御答弁をされているように、まさに中東情勢の影響等、これが現時点においても予断を持って判断することが困難で、今回、日米でもいろいろ話をしましたけれども、だからといって見通せているわけでもないので、そういう状況が引き続きある中で、必要があれば、御指摘の点につきましては、令和八年度予算の予備費がまた一兆円、これとは別途ありますから。今委員が御指摘になった九千八百億円がどういうペースでどこまで使われているかということとは別に、今年度の予算の予備費がありましてということも言えて、これは活用できる、制度的にはそういうことにはなってはいるわけですが、政府として、現時点ですぐさま補正予算が必要というふうな状況とは考えていないというのは、高市政権において、総理も私もいろいろなところで申し上げているところであります。

 他方、いずれにせよ、これも総理が決算委員会で申し上げましたが、中東情勢が経済に与える影響は、デュレーションも含めてあるわけですから、これは変化があるわけですから、国民の皆様の命と暮らしと経済活動をとにかく守らないかぬ、これを守り抜くことが我々の最大目的でございますから、支障が及ばないように、状況に応じて適宜適切に判断し、必要な対応を図ってまいりますということは申し上げたいと思います。

伊佐委員 大臣、一兆円予備費がありますとおっしゃっていましたが、さっき私、事例で、ガソリンだけでもこうだという話なんですよね。多分、いろいろな分野でいろいろなことが起こっている。

 もっと言えば、そもそも予備費というのは、想定していないような、例えば災害みたいなようなものに本来使う予算であって、元々、イラン情勢でこれが長続きしそうだというのは予定されているわけですよ。ある程度予想できているわけですよね。だから、あくまで予備費があるからというのは、私は、それはちょっと予備費の本来の使い方として間違っているんじゃないかというふうに思っております。

 必要あればというふうに総理もおっしゃるし、大臣もおっしゃるんですが、いや、今、大丈夫です、大丈夫ですとずっとおっしゃっていて、何か、逆に心配をする方が経済が混乱するからやめてくれみたいなように聞こえていまして、でも、既に混乱しているわけですよ、今。

 やはり、このゴールデンウィークも、恐らく、どの委員の皆さんも現場に戻られて、各地元の選挙区に戻られて、いろいろな声を聞いていると思います。建築業界であればコーキング剤がもうなくなって、価格が上がるとかじゃなくて、物が本当にないと。いっぱい仕事は来ているけれども、施工できないからどうしようもないという話がありますね。最近では、昨日もニュースになっていましたけれども、ポテトチップスもついに白黒になるというね。

 だから、現に混乱が起こっているわけですよ。困っているのに、いまだ、大丈夫です、大丈夫ですとずっと政府は言い続けていて、このまま総量が足りているから大丈夫だと言われても、日本の経済は世界中とつながっていますので、日本で大丈夫でも、世界から供給を受けてやっている企業もあるわけで、これはちゃんと手を打っていかないと本当に手遅れになってしまうなというふうに思っておりますので、是非これは、補正予算を始め、必要な手を迅速に打っていただきたいというふうに思っております。

 じゃ、ちょっと、本日の法案、外為法に進みたいと思います。

 この外為法の必要性、私自身はよく分かっているつもりなんですが、非常に重要な法案です。日本の技術をいかに守るかということですが。

 私は、北京の大使館で勤務をしておりました。そのときの私の仕事が、今でいう経済安全保障の仕事をやってまいりました。日本の技術をどうやって守るか、サプライチェーンをどう確保するかという仕事でありましたが、大使館の経済部に所属していたんですけれども、経済部というのはミニ霞が関でして、いろいろな省庁が出向して行っています。財務省の方もいらっしゃったし、外務省の方もいらっしゃる、総務省もいれば、経産省もいればと。この各省庁が経済部で連携しながら日本の国益のために仕事をするということでした。そんな中で、私も、この経済安全保障の中では、いろいろな各省庁からいらっしゃった書記官の皆さんと連携してやっておりましたが。

 そういう観点で申し上げると、今回、外為法、今、国際環境がより厳しくなる中で、着実にこの体制が整備されていっているというのは非常に歓迎したいというふうに思っております。ただ、さっき森原委員の質問でもありましたとおり、ここは投資の自由とのバランスというのもやはり一方見ていかなきゃいけないというふうに思っております。

 日本をおとしめるような勢力に対しては毅然とした対応が必要であります。同時に、投資の自由をしっかりと確保する。つまり、投資するに当たって日本が魅力的な国なんだというような環境づくりも必要で、だから、今回、規制強化するわけですが、この規制が健全な投資家から見て、ああ、これはしゃあないな、こういう状況だったらそれはそうですね、そう理解していただくように説明をしなきゃいけない。

 前回の法改正でも、投資家の皆さんとか市場から相当反応がありました。それに対して財務省は丁寧に説明していただいて、皆さんの御理解を得たというふうに思っております。だから、今回も、この立法事実、こういうことがあるから、こういう実は事実があるから今回の法改正が必要なんだという、健全な投資家の皆さんにも理解していただけるような、まず、必要性、立法事実について説明いただきたいと思います。

片山国務大臣 この法案の立法事実、つまり、今回の改正の必要性でございますが、例えば、国の安全等に係る重要な技術を有する日本企業の親会社が外国企業である場合、その親会社に特段の問題がなくても、懸念のあるほかの外国企業がその親会社ごと買収するようなケースが考えられます。この場合、当該買収の対象が日本企業ではありませんので、現行制度では、規制の対象外であり、審査ができませんでした。

 また、安全保障の環境変化を踏まえると、国内居住者による投資活動であっても、外国政府等の支配、影響下で行われるものについては、国の安全等の観点から、重要な技術や情報の流出を阻止するために規制対象とする必要があると考えております。

 さらに、近年の国際情勢の複雑化、社会経済構造等の変化を踏まえ、対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUS、これを通じて省庁横断的な執行体制を強化することで、対内直接投資審査を高度化するということも急務であると考えております。

 このように、今回の法改正は、関税・外国為替等審議会の答申も踏まえまして、審査の効率化、実効性の確保、それから安全保障等の環境変化への対応、執行体制の強化、これらの観点で、存在していた課題への対応を通じて、健全な対内直接投資の促進と経済安全保障の確保とを両立させていただくために必要なものでございますので、是非御賛同をお願いしたいと考えております。

伊佐委員 最近の具体的な事例で、日本企業の牧野フライス製作所というのがありまして、外国企業が買収しようとしたときに、これに政府が待ったをかけたという事例がありました、つい最近の話ですが。

 この牧野フライスというのは、世界有数の工作機械を製造する企業だと。何か、ナノレベルで削れる機械をも製造できると。これは、日本の防衛装備品にも使われている、広く利用されている機械だそうです。この企業を、名前も出ているので言いますと、MBKという韓国企業が完全子会社化しようとしたという事例がありました。これに対して政府が待ったをかけたと。

 外資が日本に投資をして完全子会社化するというのは、よくある話なんです。その中で、じゃ、事前届出が必要ですと。外為法に基づいて事前届出をする、審査をする。どういう案件だったら丸で、どういう案件だったらバツになるか。もちろん、詳細をつまびらかにするべきじゃないと私も思っています。ただ、その上でやはり、投資判断をする際に、どういう基準で判断しているのか、どういう要素が考慮されているのか、ここはもう一つのバランスの投資の自由という観点からも重要だと思っていまして、ここをまず御説明いただきたいというふうに思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 外為法におきます対内直接投資審査制度では、対外取引自由を基本としつつ、外国投資家が国の安全等の確保の観点から指定されております業種を営む日本企業の株式、議決権を取得する場合に、事前届出義務を課して、審査を行うこととしてございます。

 この審査に当たりましては、国の安全の確保等の観点から、投資先企業の営む業種や保有する技術の国の安全等に係る重要性、外国投資家の属性、それから取得する株式等の割合等の考慮要素に基づき、総合的に判断することとなってございます。

 また、その際には、国の安全の確保等の観点から、生産基盤及び生産技術の維持に与える影響や技術や情報が流出する可能性等を考慮して審査に当たっているところでございます。

伊佐委員 今の局長の御答弁、恐らく三点メインで言われたかなと思っておりまして、その一つが、投資先企業の事業内容がどうなのか、あるいはどれぐらい重要な技術を持っているかとか、日本の産業基盤の中でどれぐらいこの企業の位置づけが重要なのか、この投資される先の企業がどうかというのが一つと、あとは、二点目は、じゃ、投資する人がどんな人なのか、あるいはどんな会社なのか、どういう投資家なのかという投資家の属性と、三点目は、株式の割合という表現をされましたけれども、要はどういうことをやろうとしているかということだと思っています。議決権を行使しようとしているのか、あるいは役員に就任しようとしているのかということだと思いますが、こういうものを判断するということですが。

 審査に当たって、当然、この三つを、何か数字で基準があるわけでもありませんので、具体的にどういうふうに審査をしていくかというのは、非常に透明化するのは難しいかもしれませんが、例えば、企業側としては、私は別に投資はするけれどもこういうことはやるつもりはありませんよとか、あるいはこういうことをやるつもりですよとかというのが分かっていれば、審査はしやすい。

 そこで、今回の法改正の一つがこれだと思いますが、つまりリスク軽減措置。企業の側から、秘密情報にはアクセスしませんとか、あるいは供給途絶につながるような提案はしませんとか、こういうようなものを企業から届け出てくれれば、これを届出を義務化して言ってくれれば、審査の効率化にもつながるし透明化にもつながる、これが法改正の一つだというふうに認識をしています。

 ちょっと質問したいのは、外国投資家の属性のところ、二つ目の要素です。

 これは、外国が投資をしてきます、この外国の投資家は今までの審査で大丈夫と思っていた、ところが、この外国法人を、第三者の法人、投資家が、懸念のある投資家が買収をして支配をしてしまったという場合があるわけです。つまり、元々は懸念がなかったけれども、この外国企業を違う企業が買収することで、懸念がなかったところが懸念があるところに変わるということがある、これをしっかり見ていこうというのが今回の法改正の間接的な投資の捕捉なんですが、どうやって捕捉するかということなんです。

 国内で投資活動が行われていると捕捉できるかもしれません。でも、これは、さっき申し上げたように、日本の企業の株を持っている外国法人、外国なんですよ。この外国法人に対する、ほかの外国法人からの投資なんですよね。この日本の外々で起こっているようなこれをどうやって把握するのか。把握しても、さらにこれを執行しなきゃいけないので、どうやって執行するのか。この観点を伺いたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、間接的な投資につきましては、外国投資家が日本企業の株式を直接保有している別の外国法人等を買収して、間接的に日本企業の株式を取得するような場合を規制の対象としてございます。前提としまして、こうした場合は、その外国投資家が、MアンドA等のデューデリジェンスを行う中で、買収等に伴って日本企業の株式を間接的に取得することについて事前届出の義務が課されているといったことを認識することは可能であるということを理解してございます。

 その上で、当局からどのように捕捉していくかということでございますけれども、今回の法改正に伴う政省令におきまして、日本企業の株式の直接保有者に対しまして、最終親会社等が変更された場合に事後報告を求めることとする予定でございます。当局としても、間接取得の事実を探知できる体制を整備しまして、規制の実効性を確保してまいります。

 加えまして、対内直接投資審査の適切な執行に資するよう、外国執行当局と情報交換等の連携を図っているところでございます。間接的な投資に係る情報交換も含め、今後も連携強化に取り組んでまいります。

伊佐委員 これは本当にモニタリング体制をしっかり構築していくことが重要だというふうに思っています。

 もう一点、同じような観点でちょっと質問したいのは、日本法人から買収、投資された場合でも、だから、日本法人が買収するんですが、その日本法人が外国政府の影響を受けている場合、これをどうやって捕捉して対処するかという話です。

 これは元々、現行の法律でも、外為法でも、日本法人に対して外国からの影響が一定ある場合、具体的には、議決権の五〇%以上とか、役員の過半数が非居住者が持っている場合は事前届出の対象になっています。

 今回の法改正は、五〇%以上じゃなかったとしても、影響はやはり一定ある場合が考えられる。例えば、日本法人に対して、どこかの非居住者と契約していて、その契約に基づいて日本企業を更に買収しているような場合とか、あるいは、日本法人が、どこかほかの国の海外の法令に基づいて、法執行に基づいて日本企業を買収する場合、これは、日本と日本の関係ですけれども、外国の影響が考えられるという場合ですね。とりわけ、非居住者というのがリスクの高い国にいらっしゃる場合はよりしっかり見ていかなきゃいけない、外国政府が影響を与えている場合もある、ここを届出の対象にしましょう、事前届出となったわけですね。これは非常に重要だと思います。大事な取組だと思います。

 ただ、ここも、執行の部分をちょっと確認したいんですが、これは個人なんですよ。日本の法人が日本企業を買収するだけじゃなくて、日本の個人が買収するのも当然対象になるわけですよ。個人の話なんですよね。この個人と外国の影響をどう見るかなんです。

 この日本人、日本の個人と、例えば契約があるとか法令があるとかだけじゃなくて、今回の法律に書かれているのは、家族関係を見ましょうと。海外の非居住者との間でその日本人が家族関係がどうなっていますかとか、雇用関係がどうなっていますかとか、これというのは、かなりこの情報をつかんでいくというのは相当インテルがしっかりしていないと難しいんじゃないかと思っておりまして、これをどうやって見つけていくのか。まさしく政府の情報収集能力が求められるんですけれども、これがないと今回の法改正は機能しないと思いますが、いかがでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 外国政府を始めとします非居住者等の支配、影響下で投資活動を行うみなし外国投資家につきましては、委員御指摘のとおり、当局として、非居住者等との親族関係、雇用関係などの支配関係等を探知することが重要となってございます。

 このため、財務局を始めとする地方支分局を通じた日本企業に対する投資動向等に係る情報収集、分析や、関係機関との情報連携を通じた調査機能の強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。

伊佐委員 今局長がちらっとおっしゃった、全国の財務局に、レクのときにも伺ったら、投資調査官というのがいらっしゃって、悉皆で本当に各企業をばあっと回っていらっしゃる。いわゆるインテル、今政府としても強化していますけれども、経済インテルとして機能させようとしているというふうにも伺いました。これは非常に重要な取組かなというふうに思っております。

 その中で、やはり連携が大事だということなので、執行体制の強化について伺いたいと思いますが、省庁横断的な執行体制を今回整備する、いわゆる日本版CFIUS。

 アメリカには対米外国投資委員会、CFIUSというのがあって、審査をしている。米国に対する投資を審査する機関、アメリカの場合は財務省が議長になって、国務省、商務省、国防省、司法省、エネルギー省、科学技術政策局、国土安全保障省、ホームランドセキュリティー、あとUSTR、通商代表部、こういう各省庁がメンバーに入っているわけですね。

 日本版のCFIUS、今原案はどうなっているかというと、共同議長になっているのは財務省とNSSと経産省、防衛省、外務省、その共同議長のほかに、案件ごとに国交省が入ったり、厚労省が入ったり、文科省が入ったりという形になっていますが、私が思いますのは、ここに科学技術の担当部局はちゃんと入れておいた方がいいんじゃないかと。これはアメリカでもそうなっています。

 つまり、経産省は、もちろん産業サイドから技術の評価はできると思います。でも、科学技術全体として、この技術がどういう位置づけなのかとかどういう意味があるのかとか、これはやはり科学技術担当部局じゃないと私は分からないんじゃないかと。私も元々、科学技術庁、文科省の出身で、中国でやってきたのも経済安全保障をずっとやってきました。宇宙政策、宇宙をやったりとかエネルギーも含めて、中国との間でいろいろなこういう仕事を科学技術アタッシェが担ってきたんですね。

 だから、そういう意味では、今回の日本版CFIUS、これについて、科学技術を所管する官庁も、私はこれも共同議長として入っておくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUSは、国の安全等の観点から必要な場合に、国家安全保障局を始めとする安全保障関連部局等と協力して、省庁横断的な審査体制を強化することを目的とするものでございます。

 具体的には、現在検討を進めているところでございますけれども、制度所管官庁である財務省、それから安全保障政策の総合調整を担う国家安全保障局、この二つを共同議長としつつ、経済産業省、防衛省、外務省を主たる構成員とした上で、その他の事業所管官庁の参加も得て運営していくという体制を考えてございます。

 御指摘の科学技術に係る事業所管官庁としましては経済産業省や文部科学省が該当することになると承知してございますけれども、こうした省庁を始めとしまして、必要に応じて関係機関の協力を得て、科学技術関係の知見を集約して審査に生かしてまいりたいと考えてございます。

伊佐委員 いや、必要に応じて連携じゃなくて、科学技術のことを全体的に分かっている部署が私はちゃんと常設で入っていた方がいいと。さっき文科省とおっしゃいましたけれども、文科省じゃないんですよ。内閣府に科学技術担当部局があるんです。だから、そこが是非関与するべきだということを申し上げておきます。

 もう一点、体制強化について。

 これは聞きますと、アメリカのCFIUSがこなす案件は年間三百件。ところが、日本の外為法の執行は今、年間三千件やっていると伺いました。桁が違うんですね。では、事務局体制はどうなっているかというと、CFIUS本家は百四十名だけれども、日本は七十名、本省の人間だけで二十名しかいないという状況です。新しい体制をつくって回していけるのかとちょっと心配しておりまして、今回、日本版CFIUSの設置に伴って、是非、人員を含めてしっかりとした必要な体制を構築していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 対日投資委員会、日本版CFIUSは、省庁横断的な審査体制を強化することを目的としてございますので、このような日本版CFIUSにおきましては、効率的、効果的な審査を実現するに当たって、御指摘のとおり、財務省や関係省庁における執行体制の強化が不可欠だと考えてございます。

 対内直接投資審査制度を所管する財務省では、投資審査の実効性を確保するため、これまでも、人員の増加や専門性の向上など、執行体制の強化を図ってきているところでございますけれども、今後につきましても、執行体制の構築に当たって、必要な人員体制の強化等を含めまして、引き続き、関係省庁とも連携をして、外為法上の投資審査の実効性確保に努めてまいりたいと思います。

伊佐委員 ここはしっかり、私たちとしても機構・定員を応援していきたいと思いますので、頑張っていただければというふうに思います。

 最後、済みません、ちょっとスルガ銀行の件で質問通告をしておりましたので、最後に一問だけ大臣に伺いたいと思います。

 というのは、つい先日、調停が成立をいたしました。この件は、不正はあったけれども不法ではないんだというふうな認識をスルガ銀行側もしているし、行政当局もそういうような発言を認めている。つまり、調停に入って、司法としては不法認定は確かにしませんでした、最終的に調停に入りましたので。ただ、その中で、司法が案件を仕分けた結果、これはグレーやなというのが百九十三件、これは解決金の支払いで調停が成立した。残り四百七件は、司法は白だと言った、だから解決金支払いの対象外とした。

 今回、私、さっき冒頭申し上げたように、不正だけれども不法じゃない、悪いことはあったけれども法律的には問題じゃない、これは本当にこのまま許されていいのかというところが私の問題意識でして、一月二十二日の参議院での参考人質疑でも、加藤社長も認めています。四百七件、これは白だと言われたけれども、不正融資物件もあったんだろう、ただ、裁判所から見解が出ていないんだと発言されていらっしゃいます。

 だから、不正だけれども不法じゃない、これは、被害者の皆さんからすれば、頭金が十分じゃないのに、それが十分に見えるように勝手に銀行側が四千万円通帳に上乗せするとか、あるいは、高値づかみ、本来そんな価値がないのに非常に価値があるような物件に見せかけてとか、実際の家賃と記入された家賃とが全然乖離しているとか、不動産も悪いからどっちが不正の主体か分からないにしても、ある意味、被害者からすれば、不正だけれども法律上悪くない、何も問題ないんです、これは、倫理的には私、このままほっておいていいのかと思っていますが、最後、ここを大臣に伺いたいと思います。

片山国務大臣 この件については、財政金融委員会でも、ほかの場でも、それから先日は決算委員会で総理にも御質問がありまして、非常に難しいところは、先ほどおっしゃった調停ですね、調停申立てが行われている六百件のうち百九十三物件については、不法行為が成立する余地がないではないと考えているが、訴訟になった場合には必ずしも不法行為の成立が認められるとは限らないということで、解決金が支払われて解決が確保された、こういう性格に現状なっておりますので、こうした今までの判断や和解等に加えて、合意で成立し得た調停条項も、様々な案件の事情を個別に検討した結果、今のような状況になっているというふうな整理にしかならないんですけれども。

 金融庁といたしましては、スルガ銀行が合意した調停事項に基づいて、調停条件に基づいてですね、債務者に対して真摯に対応することを非常に重要と考えておりますので、この観点から、同行に対しては、返済プランが未成立な案件について、業務改善命令等に基づいて個別の協議の状況について確認するとともに、同行に対し、協議事項については、協議状況についてはプレスリリースによって随時情報を開示するということを求めてまいっておりますので、本当にそれは真摯に対応すべきだと思いますが、今の現状の整理は、このように整理をしております。

伊佐委員 時間になったので終わるんですが、これは、大臣、不法行為とは限らないということなんですが、今の法律体系ではそうだという話なんです。だって、バンカメ、バンク・オブ・アメリカとか、あるいはウェルズ・ファーゴとか、アメリカでも同じような事例があって、制裁金が何十億ドルと科されて大問題になったわけですよね。だから、そういう意味では、今の法体系では不法になんてならないんですよ。この法体系をやはり立法府としてきちんと議論しなきゃいけないんじゃないかということを、またちょっと引き続きここは議論したいと思います。

 ありがとうございました。

武村委員長 次に、大森江里子君。

大森委員 中道改革連合の大森江里子でございます。よろしくお願い申し上げます。

 本日議題となりました外国為替及び外国貿易法の主な改正点として、銀行等の確認義務の見直しに加え、対内直接投資の定義が拡充され、海外投資家による国内企業への影響力行使に対する監視が強化されております。特に、国の安全を維持するため、当局が不適切な投資に対して修正や中止を勧告、命令できる詳細な規定が整備されております。また、事前届出の対象外とされている業種への投資であっても、必要に応じて報告徴収を行い、状況次第で株式の売却処分などを命じることが可能になっております。さらに、外国人投資家とみなす規定の適正化や罰則の整備を通じて、投資審査制度の実効性を高める内容となっており、日本の経済安全保障を強化するための法的な枠組みが整備されていると認識をしております。

 本法案は、経済安全保障の観点から、国の権限強化、すなわち事後的な介入や間接投資への網かけを行う一方で、一部の手続を合理化するなど、安全保障の確保と海外からの健全な投資促進のバランスが問われる内容となっております。

 改正法第十七条によれば、銀行等による確認義務について、経済制裁等の有事規制の目的で許可を受ける義務が課されたもの以外のものとして政令で定める支払い等や、銀行等が確認しなくても義務の履行が確保されるよう必要な態勢が整備されている者が行う資本取引に係るものとして政令で定める支払い等については、銀行等による確認義務の対象から除外、すなわち、手続を省略する規定となっております。

 経済安全保障対策を全体として強化している中で、なぜ実効性を担保するための関門となる銀行等の確認義務を一部除外するのか。また、本改正が制裁対象国、テロ資金供与等への不正な資金移動の抜け穴になるリスクはないのか、そのリスクをどのようにコントロールするのか。まず二点、お伺いをいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の外為法第十七条に基づく確認義務につきましては、当該義務の履行が経済制裁等の有事規制の実効性確保を目的としているものでございます。このことを踏まえまして、今般、極めて限定的な事例に限りまして、確認義務の対象から除くことを想定してございます。

 想定されている一つ目の事例としましては、有事規制に係るものであっても、銀行等が確認義務を履行しなくても、取引の当事者において規制の遵守を守る態勢を整備させる方が規制の実効性を担保する上で有効である、そういった支払い等でございます。

 具体的には、対ロシア制裁における上限価格を超えるロシア産原油の購入に係る金銭の貸付け等に係る支払い等、これに関しまして、規制遵守の態勢が整備されている者が確認義務を別途行うことが想定されているものでございますので、これにつきましては確認義務の対象から除くことを想定してございます。

 二つ目の事例としましては、有事規制以外の目的で外為法上の許可義務が課されている支払いでございます。

 具体的には、有事でなく常時規制である対外直接投資の事前届出制、これの潜脱防止のため許可義務が課されている法人格のない海外パートナーシップの事業経費に充てるための支払いでございます。これにつきましては、元々の事前届出制の下では確認義務が課されていないということとの整合性を踏まえまして、この確認義務の対象から除くことを想定してございます。

 したがいまして、今回の改正におきましては、元々確認義務で確保しようとしている有事規制の実効性は引き続き確保されることになりますので、委員が御指摘されているようなリスクは生じないものと考えてございます。

大森委員 ありがとうございます。

 迂回投資と間接的な支配の把握能力についてお伺いをいたします。

 改正後の第二十六条第二項の規定によれば、外国法人が間接的に五〇%以上の議決権を保有することになる場合や、役員選任等に係る議決権行使を通じて役員等の過半数を占める場合を対内直接投資等の定義に追加することにしております。また、契約に基づき、非居住者等のために名義によらないで行う投資等も、外国投資家によるものとみなして規制を適用することとしております。

 規制逃れ、すなわち迂回投資や名義貸しによる投資を防ぐための網を広げる方向性には賛同いたしますが、実態として、隠れた真の投資家や裏の契約関係を政府はどのように探知、特定するのか。そのための調査リソースやインテリジェンス能力が伴っていなければ絵に描いた餅になるのではないかと懸念をしております。その執行体制を含め、政府の御見解をお伺いいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 まず、現行制度の運用に当たりましても、事前届出を行う外国投資家の事業方針に影響を及ぼす最終親会社等も考慮して審査を行うこととしてございます。同様に、間接的な投資につきましても、間接取得者の事業方針に影響を及ぼすものを含めて実態把握に努め、丁寧な審査を行ってまいりたいと考えてございます。

 それから、外国政府等の支配や影響下で投資活動を行うみなし外国投資家につきましては、規制の潜脱を防ぐためにも、当局として、外国政府等との支配関係等を探知することが重要になってございます。

 このため、財務局を始めとする地方支分部局を通じた日本企業に対する投資動向等に係る情報収集、分析や、関係機関との情報連携を通じた調査機能の強化などに取り組んでまいりたいと考えてございます。

大森委員 ありがとうございます。お願いいたします。

 続きまして、私有財産権への制限となる株式等の処分命令についてお伺いいたします。

 改正後の第二十九条第九項の規定によれば、国の安全等を損なうおそれが現に生じており、外国投資家本人に対する命令によっては当該おそれをなくすることが著しく困難な場合は、直接保有法人等、すなわち日本企業に投資している海外法人等に対して株式処分等の措置を命ずることができるようになります。

 また、改正後の第二十九条第五項と第六項の規定によって、国の安全等に係る措置の修正若しくは変更の中止の命令に従わなかった場合等にも処分命令が可能となります。

 私有財産権を強力に制限する処分命令の発動要件である国の安全等を損なうおそれとは、具体的にどのような状況を想定しているのか、お伺いいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 国の安全等を損なうおそれにつきましては、個別の投資に応じて判断されるものであり、網羅的にお示しするのは困難でございますけれども、例えば、国民の生存に必要不可欠な物資や、広く国民生活、経済活動が依拠している物資等の安定的な供給に支障を来すおそれが生じることや、日本企業の保有する軍事転用可能な技術等が流出するおそれが生じることなどが想定されてございます。

大森委員 ありがとうございます。

 続けてお伺いします。

 買収者が海外に所在しているなど、対象となる外国投資家への命令が実質的に難しい場合、直接保有法人等に対する処分命令は現実的にどのように執行され、実効性をどのように担保するのか、お伺いいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 間接的な投資に係る直接保有法人等に対する命令の実効性をどのように確保するかとのお尋ねでございますけれども、直接保有法人等が本邦企業の株式等を取得する際、事前届出のために国内代理人を置くことを必須とすることや、命令に違反した場合の罰則規定を設けることなどの措置を設けることで対応することとしたいと考えてございます。

大森委員 ありがとうございました。

 次に、改正後の第二十九条の二第一項、第二項関係でお伺いをいたします。

 事前届出の対象でない飲食店や小売業など国家安全保障上リスクが低いとされている非指定業種への対内直接投資等であっても、将来において国際情勢の変化その他の事由により国の安全等に係る対内直接投資等又は国の安全に係る特定取得に該当することとなるおそれが大きいものとして政令で定めるものについて、特に必要があると認められるときは、当該外国投資家に対し、投資実行後五年間の限定つきですが、報告を求めたり、最終的に株式の処分等を勧告できる仕組みが導入されることになっております。

 国際情勢の変化その他の事由という定義が抽象的ではないかと思っております。外国人投資家にとっては、投資後の法的リスク、例えば、後から株を手放せと言われるリスクが極めて高くなると思われます。

 そのため、外国人投資家が事前にリスクを評価できるレベルで具体的な要件を明記すべきであると考えますが、御見解をお伺いをいたします。また、予見可能性を担保するために、どのような事態がこれに該当するのか、政府の恣意的な運用を防ぐ明確な基準、例えば対象国の軍事動向の変化や特定技術の軍事転用リスクの顕在化などの事由を明示すべきではないかと思いますが、以上二点、お伺いをいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 非指定業種への投資につきましては、現在、相対的に国の安全等の観点からリスクが低いものとして事前届出の対象となっておりませんが、仮に事後的に国の安全を損なう事態が生じるおそれが認められるような場合であっても勧告、命令といった対応を取れないということが現在の課題であると認識してございます。

 他方、委員御指摘のとおり、新たに措置する非指定業種へのリスク対応につきましては、投資家の予見可能性や投資財産の法的安定性の確保に十分配慮する必要がございます。このため、政令におきまして、外国政府等の類型的に特にリスクの高い投資家による株式等の一〇%以上の取得にその対象を限定すること等を考えてございます。

 今回の法改正で導入することになります非指定業種への投資に係る報告徴収につきましては、国際情勢の変化等があったかどうかではなく、国の安全を損なう事態が生じるおそれが認められるかを確認することに主眼がございます。

 その上で、国の安全を損なう事態が生じるおそれが認められるかどうかにつきましては、個別の事情を踏まえた判断が必要になることから、あらかじめ画一的、具体的な基準を設けることは困難でございますけれども、想定される類型や具体例をガイドライン等によってお示ししてまいりたいと考えてございます。

大森委員 ありがとうございます。是非、ガイドラインの策定、お願いをいたします。

 続けて御質問いたします。

 報告徴収の対象となる投資家が正当な理由なく応じない場合や虚偽報告をしただけで株式処分等の勧告、命令が可能になりますが、罰則として重過ぎるのではないかと思いますが、その手続の妥当性についてお伺いいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 報告徴収に応じない場合等について、株式処分命令の対象となるのは重過ぎるのではないかという御指摘でございますけれども、株式売却を含む必要な措置を命じることができるのは、正当な理由なく報告の求めに応じない場合や虚偽の報告を行った場合とされてございます。この報告を求めますのは、先ほども申し上げましたとおり、国の安全を損なう事態が生じるおそれが大きい投資、これに該当するかを確認する必要があるときでございますので、これに正当な理由なく応じないときや虚偽の報告を行ったときには実際に国の安全を損なうおそれが生じていることも考えられますことから、報告を待たずに株式処分を含む命令等が必要になる可能性もあるものと考えてございます。

大森委員 ありがとうございました。

 続きまして、事後介入の要となる株式処分等の勧告を行う際や、報告徴収に応じない場合又は虚偽報告を行った投資家に株式処分等の勧告を行う際、さらに緊急措置の命令を行う際には、いずれも、関税・外国為替等審議会の意見を聞かなければならないと規定をされています。主務大臣の恣意的な判断を防ぐため、この審議会において、どのような基準を満たせば事後的な処分勧告が妥当とみなされるのか、審査のプロセスや判断基準を明確に策定し、事前に公表させる運用をすべきではないかと考えます。

 先ほどガイドラインの策定のお話もありましたが、政府の御見解をお伺いをいたします。

緒方政府参考人 お答えします。

 先ほど申し上げましたとおり、非指定業種への投資に関するリスクへの対応に当たりましては、個別の事情を踏まえた判断が必要になりますことから、あらかじめ画一的、具体的な基準を設けることは困難でございますけれども、想定される類型や具体例をガイドライン等によってお示ししてまいりたいと考えてございます。

 また、勧告や命令に当たりまして関税・外国為替等審議会の意見を聞くこととされてございますけれども、こうした手続を踏むことも適切な運用に資するものと期待してございます。

 他方で、勧告や命令につきましては、あくまで当局がその必要性を判断するものでございますので、意見を聞く審議会において何らか基準等を策定するということは必ずしも想定されていないと考えてございます。

大森委員 ありがとうございます。

 事後介入の仕組みは、政令への委任、審議会の関与、関係閣僚への意見聴取というプロセスで構成をされています。これらがブラックボックス化せず、投資家にとって予見可能な、明確な基準として機能するように、政令の記載内容の具体化と審議会を通じたガイドラインの公開をすべきであると私自身は思っております。

 次に、関係行政機関との連携強化についてお伺いをいたします。

 改正後の第六十九条の四の規定によれば、財務大臣や事業所管大臣は、特定の投資等が国の安全等に係る対内直接投資等に該当するかどうかを確認するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣や外務大臣などの意見を求めなければならないとされております。いわゆる日本版CFIUS、対日外国投資委員会による省庁横断的な執行体制を法制上担保するものと考えます。

 安全保障上の多角的な審査は重要ですが、省庁間連携の強化で手続が重層化することで審査期間が長期化し、結果として、優良な外国資本の対日投資意欲をそぐ懸念があるのではないかと思っております。

 国際情勢の変化という外交、安全保障上の高度な判断を伴うため、外務省や内閣官房がどのような評価基準で意見を述べるのか、政府全体としての統一的な判断基準、例えば国家安全保障戦略等との整合性などをあらかじめ明確化し、関係省庁間で共有する仕組みを構築するべきではないかと思います。さらに、迅速な審査体制と省庁間のスムーズな情報共有をどう両立させるのか。以上二点、片山大臣のお考えをお伺いいたします。

片山国務大臣 対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUSは、国の安全等の観点から必要な場合に、財務省や事業の所管官庁が国家安全保障局を始めとする安全保障関連部局等と協力して審査を行うことで、省庁横断的な審査体制を強化することを目的に開催するものであります。

 御懸念の審査期間の長期化についてですが、審査の迅速性にも配慮するということは非常に重要な視点で、国際情勢の複雑化や社会経済構造の変化等の中で、省庁横断的な視点や知見が一層重要になっておりますので、この対日外国投資委員会の創設は、効率的、効果的な審査に資するものであり、そうでなければならないと考えているわけでございます。

 リスクの度合いに応じためり張りのある審査を通じて、必要な審査はしっかりと行いますが、国の安全等の観点から懸念のない投資については、引き続き迅速に審査を終えられるように努めてまいります。

 また、評価基準や判断基準といった御提案もいただきました。

 事案ごとの個別性が非常に高いというのがこういうものの性格でございますから、一概に申し上げることは困難でございますけれども、基本的な審査の方向性としては、国の安全の確保等の観点から、生産基盤及び技術基盤の維持に与える影響ですとか技術や情報が流出する可能性といった、これらの点をよく見極めながら評価、判断していくことになります。

 この委員会では、財務省と国家安全保障局が共同で議長を務めることを想定しておりますが、関係省庁が有機的に連携しながらも、迅速で、かつ深度ある審査ができるように、適切な委員会運営に努めてまいりたいと考えております。

大森委員 ありがとうございます。しっかりとめり張りある審査をお願いいたしたいと思います。

 続きまして、財務大臣及び事業所管大臣が次の措置を行う際に、改正案では、関税・外国為替等審議会の意見を聞いて実施するという規定があります。すなわち、改正後の第二十九条の二では、事後的な報告の内容から国の安全に係る特定取得等に該当すると認めた場合の株式処分等の勧告、正当な理由なく報告の求めに応じない場合や虚偽の報告をした場合の株式処分等の勧告、国の安全を損なう事態を生ずるおそれが著しく大きく、緊急に措置を取る必要があると認めた場合の命令の三つのケースが規定されています。また、現行の第二十九条にも、関税・外国為替等審議会の意見を聞いた上で、株式処分命令などの措置を実施できる旨が規定されていると承知しております。

 安全保障上の機微な情報を含むため全面公開は難しいものの、審議会がなぜその勧告や命令が妥当と判断したのかという理由や判断基準、議事要旨などを可能な限り事後的に公開をし、外部の検証に堪え得る仕組みをどう担保するかが重要であると考えておりますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

片山国務大臣 外国投資家等からの投資について、国の安全等を損なうおそれがある場合には、届出内容の変更や中止の勧告、命令を行うことが可能となっております。その際には、あらかじめ関税・外国為替等審議会に意見を聞くことが法令上求められております。

 この勧告、命令に係る判断はあくまで政府が行うものではありますが、審議会も含め、個別案件に係る議論の詳細を公開することについては、投資先企業の有する安全保障上の機微な情報等を開示することになってしまわないか、投資先企業の市場価格に影響を与えないかといった観点から慎重であるべきと考えております。

 一方で、御指摘のとおりに、投資審査制度の透明性を確保して、もって我が国への積極的な投資を呼び込むということも非常に重要な視点であるとも考えておりますので、財務省といたしましては、運用に係るガイドラインなどを整備すること、それから、投資審査制度に係る年次報告書を通じて執行状況などを公表すること、こういったことを通じて、引き続き、投資審査制度の透明性を向上させることに取り組んでまいりたいと考えております。

大森委員 ありがとうございます。透明性の確保というのはすごく大事だと思いますので、是非ともお取組をお願いをいたします。

 続きまして、緊急に措置を取る必要がある場合にも審議会の意見を聞くことになっておりますが、勧告の手続でさえ省略される緊急時であっても、審議会に対して十分な判断材料が提供され、実質的な議論を行う時間が確保されるようなオペレーションになっているのか、懸念をしております。そうでなければ、審議会の意見聴取は形骸化してしまうことになります。

 一刻を争う緊急事態において、有識者である委員をどのように迅速に招集し、実質的な議論を行うための時間をどう担保するのかといった具体的なルール整備や、緊急開催時の情報共有の仕組みなどについて政府の見解をお伺いいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 非指定業種への投資に関するリスク対応につきましては、事業の譲渡、廃止を防ぐ必要があるなど緊急に対応を要する場合に限って、勧告等を経ることなく事業の譲渡、廃止の提案禁止といった必要な措置を命令することができることとしてございます。

 こうした場合でありましても、命令に先立って関税・外国為替等審議会の意見を聞くことは適切な制度運用に資するものであると考えてございます。

 その上で、個別事案の審議につきましては、個別事案の調査審議のために関税・外国為替等審議会の下に置かれております外資特別部会で扱うこととしてございまして、これまでも、その委員には、秘密の保全や迅速な対応等にも配慮した運営をしていただいているところでございます。

 今後とも、緊急に対応を要する場合を含めまして、適時適切に運営していただけるよう、事務局を務めてございます財務省としましても必要な対応に努めてまいりたいと考えてございます。

大森委員 ありがとうございます。

 まだ少し時間がございますので、質問の角度を変えてお伺いをさせていただきたいと思います。

 主要国においてCBDC、中央銀行デジタル通貨の研究開発が急速に進められており、日本でも将来的な導入が議論をされております。昨年の五月二十二日には、第二次中間整理がなされていることも承知をしております。CBDCが実用化されれば、クロスボーダーの資金決済の在り方が根本的に変わる可能性があります。そこで、将来の金融インフラの大きな変化を見据え、本法案の規制が実効性を保ち続けることができるのかという点について、以下、お伺いをしたいと思います。

 銀行等の確認義務の見直しと新たな決済システムへの対応について、先ほども触れましたが、本改正法案、銀行等の確認義務の見直しにおいて、銀行等が確認しなくても義務の履行が確保されるよう必要な態勢が整備されている者が行う資本取引に係る支払い等については、銀行等による確認義務の対象から除外すると規定されています。

 将来、CBDCが導入された場合、従来の商業銀行を経由しない、新たなデジタルウォレット事業者等が資金移動を担う可能性や、あるいは、CBDCのシステム基盤自体にマネーロンダリング検知や制裁対象者への送金ブロック機能が組み込まれる可能性があるのではないかと思っております。

 そこで、お尋ねをいたします。

 CBDC時代において、これら新たなデジタル決済事業者あるいはシステムそのものが本法案で言う必要な態勢が整備されている者に該当し得ると考えてよろしいでしょうか。今後のデジタル通貨の普及を見据え、入口における確認義務の在り方をどのように再構築していくお考えか。以上二点について御見解をお聞かせください。

中谷副大臣 本法案における必要な態勢が整備されている者とは、一般論といたしまして、外為法に基づく規制を遵守する態勢が整備され、取引者が行う取引が同法上の規制対象になるかを確認できる者のことを念頭に置いております。

 委員御指摘の、新たなデジタル決済事業者等が本法案で言う必要な態勢整備がされている者に該当するかにつきましては、まず、新たなデジタル決済事業者が一体どのような業者になるのかということはまだ決まっていないということと、また、システム、これは、やり方も、また責任の所在とか、こういったところも決まっておりません、そもそも発行するかどうかも決まっていないというところでございまして、CBDCの在り方につきまして、現時点で予断を持ってお答えすることはできないというところであります。

 先生御指摘の点も踏まえ、これらの在り方については、今後も丁寧な議論を進めてまいりたいというふうに考えております。

大森委員 ありがとうございます。

 デジタル通貨に関しては、ほかにもいろいろな方法の議論などもなされていると思いますが、ちょっと個人的には、CBDCはすごく興味がありまして、少し期待をしているところではございますが。

 最後に、投資の実態把握についてお伺いをいたします。

 本改正法案では、日本企業に投資している海外法人等、直接保有法人等ですね、を通じた間接的な支配を規制対象に追加をし、契約等に基づき、非居住者のために名義によらないで行う投資等も外国投資家によるものとみなす規定を整備をしております。

 しかし、CBDCを用いた国境を越えた瞬時の資金移動が一般化した場合、その設計における匿名性の度合いによっては、迂回投資や名義貸しの背後にある真の資金提供者を政府が探知、特定することが技術的に極めて困難になる懸念があります。一方で、データとして追跡可能性が高まれば、逆に実態把握が容易になる側面もあります。

 外為法に基づく、経済安全保障上の資金監視体制を実効性あるものにするためには、将来のCBDCのシステム設計の段階から、こうした真の投資家の把握を可能にするような仕組みを組み込んでいく必要があり、今後検討しなければならないと考えますが、今の時点で結構ですので、政府としての現状の御認識と今後の対応方針をお聞かせください。

中谷副大臣 先ほども申し上げましたとおり、CBDCにつきましては、関係府省庁・日本銀行連絡会議で議論を進めている段階でございまして、システム設計も含めたCBDCの在り方について現時点で決まっているものではないというところであります。

 その上で、一般論といたしまして、決済手段を検討する際は、議員の御指摘の、これは公共政策上、マネロンとか、あとは犯罪捜査とか、こういったことに対しての追跡への要請の対応等、また、これは匿名性のバランスもございまして、こういった観点を重要と認識しておりまして、こうした点も踏まえつつ、今後も連絡会議において議論を進めてまいりたいというふうに考えております。

 アメリカなんかでは、結構、この匿名性のところを非常に議論されているというところであります。

大森委員 大変にありがとうございました。

 時間が参りましたので、終了させていただきます。ありがとうございました。

武村委員長 次に、一谷勇一郎君。

一谷委員 日本維新の会の一谷勇一郎です。どうぞよろしくお願いをいたします。

 本日、外為法の改正の質問をさせていただきます。できるだけ質問が一緒にならないように角度を変えて質問させていただきたいと思いますが、今日は採決もありますので、是非、少し違う側面の回答もいただけたらというふうに思います。

 まず初めに、二問は確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。

 二〇一九年の法改正では、附則に、改正法の施行から五年を経過した後に、改正外為法の施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、検討の上、必要な措置を講ずることを規定とあります。

 昨今の国際情勢を鑑みると、五年後の検討では急な変化に対応できないと考えますが、この期間をもっと短くする検討をすべきではないかという点について、考えをお伺いいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 今回の改正法案におきましても、附則において、政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定に基づいて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしてございます。

 これは、改正後の新法の施行状況を踏まえまして最低限行われるべき見直しについて規定したものでございまして、委員御指摘のとおり、国際情勢の変化等に応じて、必要と認められる場合には、五年を待たず、制度や運用について不断の検討を行ってまいりたいと考えてございます。

一谷委員 今お答えいただいたとおり、本当に、一年から二年で改正をしていただいているということは存じ上げております。国際情勢の急な変化もありますけれども、私は、やはり、技術革新の速さというのが一番ではないかなというふうに思いますので、是非それについていけるようにしていただきたいのと、今回のこの外為法の改正は、まさに伊佐先生がおっしゃったとおり、日本の技術を守るということの守りとともに、攻めということがありますので、市場から様々、想像だにしないお声があると思いますので、是非迅速に対応していただけたらと思います。

 では、もう一問、確認をさせていただきます。

 本邦企業の株式等を保有する外国法人等を別の外国投資家が買収等により支配することを通じ、間接的に本邦企業の株式等を取得する行為について、対内直接投資等として規制対象に追加するとある。この等には何が想定され、どこまでの範囲を対象とするのか、具体的にお伺いしたいと思います。特に、昨今数多く存在する特別目的会社、通称SPCが対象内ではないと実効性が薄れると思われますが、その確認をさせていただきたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、今回の改正によりまして、本邦企業の株式等を保有する外国法人等を別の外国投資家が買収等により支配することを、間接的な投資として捕捉することとしてございます。

 この本邦企業の株式等を保有する外国法人等につきましては、外国の法令に基づく様々な法人や、組合を始めとする団体を含むものとして規定してございまして、委員御指摘のいわゆる特別目的会社も対象となります。

一谷委員 分かりました。これは地元の、本当に金融の方々から御質問いただいたので、少し質問させていただきました。

 次の質問をさせていただきます。

 現行制度において事前届出義務が生じる本邦企業一%以上の議決権等を直接保有法人等が保有している場合に、間接取得者に事前届出を義務づけることを原則とする、ただし、類型型に審査の必要性が高い間接取得者以外については、直接保有法人等が保有する本邦企業の議決権等が五〇%未満の場合には手続を不要とするとある。類型型に審査の必要性が高い間接取得者を具体的にどのような基準で規定するのかを、お伺いしたいです。

 また、国外政府等の支配、影響下にある投資活動の捕捉のための事前届出の対象について、類型型に特にリスクが高い非居住者等の支配、影響下にあるものに限って事前届出の対象とするとあります。対象とする範囲をどのような基準で規定するのかを、実効性、公平性の視点から伺いたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 御質問の、類型的に特にリスクが高い外国投資家や非居住者等につきましては、現行制度におきまして事前届出の免除制度を活用することができない非居住者等を政令において定めることを予定してございます。

 これは、具体的には、過去に外為法に違反して処分された者、それから、外国政府、外国の国営企業等、外国政府の情報収集活動に協力する義務が課されている非居住者等が該当することになります。

一谷委員 分かりました。

 では、次の質問をさせていただきたいと思います。次は、指定業者への投資に関するリスクの対応措置の新設についてお伺いをさせていただきます。

 国の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい投資について、必要に応じてリスク軽減措置や株式の処分等の勧告、命令ができるとしています。命令に実効性を持たせるための枠組みとしてはどのようなものを検討しているのか、伺いたいと思います。例えば、命令に背いた場合の罰則など、重いものを想定しているのか、お伺いしたいというふうに思います。お願いいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 非指定業種への投資に関するリスクへの対応として、国の安全を損なう事態が生じるおそれの大きい投資については、委員御指摘のとおり、取得した株式等の処分を含め、必要な措置を命令することができることとしてございます。あわせまして、株式等の処分を始めとする必要な措置に係る命令に違反した場合には、三年以下の拘禁刑又は対象となる株式等の価格の三倍以下の罰金の対象としてございます。

 それから、対内直接投資審査の適切な執行に資するよう、外国執行当局と情報交換等の連携を図っているところでございまして、今後も連携強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。

一谷委員 この資料の事例としては、コロナ禍のマスクの話がありました。マスクを供給する企業が買収されていたらという話があったんですが、これは五年遡るというふうになっていますので、ここは非常に投資を阻害する要因になってしまうのではないかなというので、気をつけていかないといけないのではないかなというふうに思っています。

 少しこの委員会でのお話としてはそぐわないかも分からないんですけれども、一つ、外国人の方が日本で事業を経営するため、在留資格の経営・管理ビザを取得するということで企業を買収するということがあると思います。これは、千葉県で実際に、二〇二五年末に、ホテルを経営する会社が、複数のホテルや介護施設などを二十四施設買収して、結局は廃業とか休業に陥ったという話がありました。これは非常に、今回の外為法は大きな枠の話でありますけれども、これからしっかり日本の企業を守っていくとか、インフラ事業を守っていく方に関しては重要じゃないかなというふうに思っています。

 実際、私も十年前に国外のところから会社の買収の話が来まして、私みたいな会社を何のためにと思ったら、やはりビザ目的で、その会社を、事業所がある、三つ分散して三人の方に売却するという話があって、これは十年前で、当時は私は政治家を目指している身分ではなかったですけれども、問題になるなと思っていました。

 二〇二五年ですかね、十月に、資本金が五百万から三千万に引き上げられて、専従の従業員も要るというふうにかなり規制が強化されたということですけれども、でも、三千万円というその資本金が高いのか安いのかということもありますし、質問を政府にさせていただきますと、非常に厳しくしましたから大丈夫ですというようなお話でしたけれども、ここは是非注意をして見ていっていただきたいなというふうに思いますし、余りきつくし過ぎても、今やっておられる中華料理屋さんとか韓国料理屋さんとかそういう飲食店に関しては、資本金を三千万に上げないといけないというのは非常にしんどいことになると思うので、是非バランスを取りながら見ていっていただきたいなというふうに思いますし、特に今私が関わっている介護事業というのは結構経営が厳しくなっていますので、大小かかわらず買収されていく可能性があるので、ちょっとこの委員会でお話をさせていただきました。

 続きまして牧野フライスのお話をしたいんですが、ここはもう質問が出ましたので、また時間があればさせていただけたらというふうに思います。

 一問飛ばしまして、投資環境への影響についてお伺いしたいと思います。

 投資促進の両立ということで、届出事項に安全保障上の対応措置を義務づけることで、海外投資家から見て手続の不透明感、これは曖昧だったのが曖昧じゃなくなるので非常にいいのではないかなと思うんですが、この予見可能性は低下につながるのではないかなというふうに思います。対内直接投資の一層の促進という目的を阻害しないための運用上の工夫をお伺いできたらというふうに思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 国の安全等を損なうリスクに対応するための措置、いわゆるリスク軽減措置につきましては、現行制度の下でも、審査の過程で必要と認められた場合等に外国投資家に記載を求めているところでございます。今般の改正案では法的にその位置づけや手続を明確化することとしてございまして、外国投資家の予見可能性に資するものと考えてございます。

 その上で、リスク軽減措置の要否の判断や内容につきましては、投資先企業の営む事業の具体的な内容や外国投資家の属性を含めまして、個別の状況を踏まえた検討が必要になってきますので、画一的な基準等を設けることは困難ではございますけれども、外国投資家の予見可能性の観点から、リスク軽減措置の内容として想定される類型や具体例をガイドライン等の形でお示ししてまいりたいと考えてございます。

一谷委員 そのガイドラインが非常に重要だというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。

 では、政府内の連携の義務化と調査の迅速性についてお伺いをしたいと思います。

 対日外国投資委員会、日本版CFIUS、この質疑でも大分出ましたけれども、創設に関して、枠組みや構成の詳細は検討中だというふうに思います。関係省庁が一体感を持って関わっていくものと理解しておりますが、参考にする米国とは省庁の所掌が異なることもあり、全く米国と同じとはいかないというふうに思います。求められるものをカバーできる体制を模索していくんだと思いますが、例えば、米国のCFIUSの構成員である司法省の掌握である情報関係を、日本では所掌するのは経産省や総務省だというふうに考えておりますが、ここのまず確認をさせていただきたいのと、今回のたてつけには、財務大臣及び事業所管大臣から関係行政機関の長への意見照会を義務づける措置が含まれております。

 ここで質問です。

 これまでの任意の照会と今回の義務化では、具体的な審査のプロセスや判断の基準がどのように変わるのか。特に、防衛や情報通信など、複数の省庁にまたがる機微な技術流出リスクをどのような体制で一元的に評価するのかをお伺いしたいと思います。

 追加で、ここは非常に重要だと思うんですけれども、意見照会の義務化、これは非常に時間がかかるというふうに思いますので、審査期間が延長化する懸念はないのか、グローバルな投資競争の中で迅速な意思決定を求める投資家のニーズ、要望にどう応えていくか、審査のスピードを維持するのかということをお伺いしたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 まず、対日外国投資委員会につきましては、御指摘のように、具体的には、現在検討を進めているところでございますけれども、制度所管官庁である財務省と安全保障政策の総合調整を担う国家安全保障局、これを共同議長としまして、重要物資のサプライチェーン等の知見を有する経済産業省、それから防衛産業のサプライチェーンや安全保障上の機微技術等の知見を有する防衛省、国際情勢等の知見を有する外務省、これらを主構成員とした上で、その他事業所管官庁の参加も得て運営していくことを考えてございます。

 御指摘の米国のCFIUSにおきましては、御指摘等のとおり、司法省が構成員となってございます。米国の制度について必ずしも詳細を把握しているわけでございませんが、主に情報通信分野の担当の省庁として参加しているものと承知してございます。したがいまして、日本の場合は、経済産業省や総務省がこの情報通信分野の事業所管官庁として関与するといったことを想定してございます。

 それから、CFIUSにおける審査、これまでも省庁間での審査手法に係る知見の共有や個別案件での協力等に努めてきたところでございますけれども、今回の改正法におきまして、国の安全等の観点から、必要な場合に関係省庁への意見照会を義務づけまして、個別案件の省庁横断的な審査に万全を期すこととしてございます。

 具体的な運営の在り方につきましては、繰り返しになりますが、今後検討してまいりますけれども、取り上げるべき案件につきましては、投資先企業の営む業種や保有する技術の国の安全等に係る重要性、外国投資家の属性、取得する株式等の割合等の考慮要素に基づいて総合的に判断することとなると考えてございます。

 それから、実際の審査に当たっては、国の安全の確保等の観点から、生産基盤及び技術基盤の維持に与える影響や技術や情報が流出する可能性といった点を考慮することになりますけれども、政府全体で知見を集約して総合的な審査を行うことができるよう、体制を整備してまいりたいと考えてございます。

 最後の御質問でございますが、国際情勢の複雑化や社会経済構造の変化等の中で、対内直接投資審査において省庁横断的な視点や知見が一層重要になってございまして、対日外国投資委員会の創設は、こうした中で効率的で効果的な審査を行うために重要であると考えてございます。

 こうした観点から、先ほど申し上げたように、こうした仕組みを法制上担保する観点から、今回の改正法におきまして、重要な個別案件について関係省庁への意見照会を義務づける規定を設けることとしております。

 この上で、リスクの度合いに応じためり張りのある審査を通じまして、必要な審査はしっかりと行いつつ、国の安全等の観点から懸念のない投資については、引き続き迅速に審査を終えられるよう努めてまいりたいと考えてございます。

一谷委員 ありがとうございます。

 その迅速に審査をというところで、やはり人員のという話も先ほど出ましたけれども、私、ここは一番難しいんじゃないかなと思うんです、この人口減少の中で専門職を上げていくというのはですね。ここはやはりAIとかデジタル化というところを進めていくというのは国としても大事だと思いますし、これはすごいセールスになるというふうに思うんですが、もし追加で御意見があればいただきたいなと思うんですが。質問に上げていないので、なければ大丈夫です。

 分かりました。笑顔で、駄目だという感じがしましたので。忖度しました、済みません。是非これは進めていただきたいというふうに思います。

 ちょっと片山大臣に絶対聞きたいことがあるので、次に行かせていただけたらと思います。

 外為法改正のほかにも、不当廉売関税の迂回防止制度の創設を含む関税改正や、AI、量子技術等を対象とした研究開発関税の強化など、安全保障に関する項目は非常に並んでおります。

 その中で質問なんですが、外為法による投資規制の強化と、税制改正による先端技術、AI、量子等への投資支援、さらに関税法による迂回防止措置は、政府全体の経済安全保障戦略の中でそれぞれどのような役割を担い、どのように相乗効果を発揮させようとしているのか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 安全保障というものの裾野が経済分野に本当に急速に拡大しております。ここを本当に重要視して、政府として、自律性の向上、それから優位性、不可欠性の確保、国際秩序の維持強化といった方向性の下に、経済安全保障の推進に取り組んでいるところです。

 お尋ねのありました財務省関連の施策につきまして、外為法の対内直接投資審査制度の高度化を通じて重要技術の流出防止対策を強化すること、それから、令和八年度の税制改正で、研究開発税制見直しによって、AIや量子等に対する投資促進が特に優位性、不可欠性の確保に資するものと考えて、研究開発税制という優遇を行っているということと考えております。また、同じく令和八年度の関税改正で、不当廉売関税の実効性を高めるための迂回防止措置というのを取っておりますが、これは、WTO協定とも整合的で、ルールに基づく自由貿易体制の維持にもつながるものでありまして、特に国際秩序の維持強化に資するものと考えております。

 引き続きまして、経済安全保障の推進に資するこれらの施策につきまして、お互い相互補完関係もありますし相乗効果もありますので、この相互補完と相乗効果を意識して、政府が一丸となって推進をしてまいりたい、このように捉えて考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 各改正がやはり日本を豊かにしていく方向に向けばというふうに思います。

 では、最後、時間がぎりぎりなんですが、大臣に御質問させてください。

 国際為替に関する法律ということで、関連して、リパトリエーション、資金還流に対する政府の支援についても質問させていただきます。

 現在、制度において、一定の外国子会社から受け取る配当額の九五%を非課税としていますが、それにもかかわらず、海外の利益は余り国内に還流されていないという状況があります。この状況についてどうするかということを大臣にお伺いをしたいと思います。

 実際、NISA、私もやっておりますが、やはり、S&P五〇〇の利率が余りに高過ぎて、私もそれに投資をしてしまうという考えもあるんですが、日本の企業が海外でもうけたところが返ってこないというこの状況について、是非大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

武村委員長 片山大臣、定刻の時間が来ておりますので、答弁は簡潔に願います。

片山国務大臣 はい。

 御指摘のとおり、日本企業の対外直接投資収益は、配当としての還流の割合は、ここのところ大体五割、昨年は五七%ぐらいでとどまっているんですが、長年コストカット型経済だったので、国内投資で得られる期待収益が海外に比べて低いと認識されているのではないか、だから現地子会社で収益が内部留保されているのではないかと一般に言われておりますが、その上で、海外で生じた利益の使途が、基本的には日本国内への還流も含めて各企業の判断なんですけれども、成長型経済にいずれ移行が実現されるということでは、必ずこれは返ってくるような方向に向かうことが重要だと思っておりますので、成長力強化に資する分野に戦略的に政策資源が振り向けられて、民間事業者の予見可能性が高まるように、期待を持って企業が投資できるように環境を整備したいということで、危機管理投資、成長投資を官民連携して推進できるように強い経済をつくるという総合政策を取っている、こういうことでございます。

一谷委員 豊かな日本になるように私たちも頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。

 質問を終わらせていただきます。皆さん、ありがとうございました。

武村委員長 次に、田中健君。

田中(健)委員 国民民主党の田中健です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 早速、外為法の改正案について伺っていきたいと思います。

 委員会の中でもお話が出ていますように、経済安全保障の重要性が高まる中で、今回の重要技術また企業の情報の流出を防ぐということは国家として当然必要であると思っていますが、今回の改正は単に外資を規制するというにとどまらないと思っていますので、どこまで規制をするのか、誰が責任を負っていくのか、また現場は本当に回っているのか、そして日本企業だけが不利になるようなことはないのかという四点についてお聞かせをいただければと思っています。

 もうお話が出ておりますが、牧野フライス製作所に関連してお聞きをします。

 この買収案件では、外為法に基づく中止勧告が出されました。工作機械というデュアルユース性の高い分野で、技術や情報の流出を防ぐ必要があるという判断は理解をいたします。しかし同時に、これは、市場関係者にとっては、外為法の審査が企業の価値やMアンドAや資本市場に直接影響する時代に入ってきたということを示す、重要な、今回、案件でなかったかなと思っています。

 そこで、まず、規制の判断の核心を聞かせていただきたいんですけれども、この牧野フライス事例で問題となったのは、工作機械という事業の内容なのか、また、買収によって経営権を取得し、機微な情報にアクセスできることであるのか、また、買収者であるファンドの属性や資金の出どころや背後の関係なのか。中止勧告を出した片山大臣から、今回のような対内直接投資審査において何を最も重視して判断をされているのか、整理をしてお答えいただければと思っています。

片山国務大臣 御指摘の投資につきましては、四月二十二日付で中止勧告を行いましたが、本件投資は、外国投資家たるMBKが牧野フライス製作所を完全子会社化することが企図されていたこと、牧野フライス製作所が世界有数の工作機械を製造する企業であり、我が国防衛装備品の製造事業者にも広く利用されていること、こういった点を踏まえまして、国の安全の確保等に係る生産基盤及び技術基盤の維持に与える影響の程度、国の安全の確保等に係る技術又は情報が流出する可能性等を考慮して総合的に判断いたしましたものです。

 これ以上につきましての個別案件に係る議論の詳細は、これをつまびらかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、政府といたしましても、本件投資への中止勧告に当たっては、考慮した事項を対外的に可能な限り丁寧に説明してきたところでございます。

 加えて、本件投資に限らず、一般に投資審査制度の透明性と予見可能性を確保していくことは我々も重要であると考えておりまして、財務省といたしましては、運用に係るガイドラインなどを整備することや、投資審査制度に係る年次報告書を通じて執行状況等を公表すること、こういったことを通じて、引き続き、投資審査制度の透明性、予見可能性の向上に取り組んでまいりたいと考えております。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 生産基盤、また技術基盤というお話をいただきました。

 もちろん、国家の安全保障上、詳細はつまびらかにできないということも理解をしますが、危ないからやめた、しかし理由はなかなか詳しく言えないという運用だけで続けば、外資だけでなくて、国内企業の資本政策そのものも萎縮をしかねないということで指摘をさせていただきましたが、今詳しく、また、これまでもコミュニケーションを取りながら説明してきたということもお聞きをしました。

 次の質問をしようと思ったんですけれども、それももう答弁に入っておりましたが、個別の情報を明かさずに、審査基準の透明性、また市場の予見可能性ということで、それも十分に今確保をしていただけるということでありましたので、是非、これからどれだけ外為法が発せられるか分かりませんけれども、これからの更なる透明性、また予見可能性の確保に努めていただきたいと思っています。

 その中で、日本版のCFIUSの件について伺いたいと思います。

 今回の改正案では、対内直接投資や特定取得の審査において、財務大臣及び事業の所管大臣が必要と認めるときは関係行政機関の長に意見を求めなければならないとされています。片山大臣も会見で、日本版のCFIUS創設のため、関係省庁間の連携を義務づけ、外国投資家の事前届出事項を充実化すると説明をされておりました。

 しかし、関係機関が増えれば増えるほど、責任の所在というのが曖昧になる懸念がないかと思っています。日本版CFIUSにおいて最終的に責任を負うのは誰なのか。財務大臣なのか、事業の所管大臣なのか、それとも国家安全保障局なのか、今回この関係省庁の合議体でするのかということをお聞きをしたいと思っています。

 中止勧告やリスクの軽減措置の判断というのは、企業の価値や株主の利益や雇用やサプライチェーン、様々な関係者に重大な影響を与えます。そんな中で、責任主体が曖昧なままでは企業も市場も納得ができないと思いますので、最終判断者と説明責任の所在というのをお聞かせいただければと思います。

 あわせて、関係省庁が増えることで、過剰防衛、審査長期化が生じないかということも懸念をされていますので、審査の迅速性や専門性、責任の明確化というのをどう担保するのかも伺えればと思います。

片山国務大臣 対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUSは、国の安全等の観点から必要な場合に、財務省や事業所管官庁が国家安全保障局を始めとする安全保障関連部局等と協力して審査を行うことで、省庁横断的な審査体制を強化することを目的に開催するものであります。その上で、外為法上の勧告や行政処分に当たる命令については、引き続き財務省と事業所管官庁が責任を持つ、責任を持って行う、こういうことになります。

 日本版CFIUSについては、財務省と国家安全保障局が共同議長を務める中で、事業所管官庁がメンバーとして参加するという形が想定されております。それぞれ、制度を所管する立場、財務省、安全保障政策の総合調整を行う立場、国家安全保障局、そして、実際にその事業を所管する立場、事業所管官庁に、ある程度立場がある、こういう理解でございますが、縦割りは排さなければいけないので、縦割りを排した闊達な議論が行われるようにしながらも、省庁横断的な視点や知見を生かした、効率的、効果的な審査を実現していきたいと考えております。

 財務省としては、こうした日本版CFIUSの特徴を生かしながら、国の安全等を損なうおそれにはきちんと対応しつつ、かつ、いたずらに審査期間が、一か月を基本とするとか延ばしても四か月までとかありますが、これは長引くことがないように、しっかりと共同議長として対応してまいりたいと考えております。

田中(健)委員 関係者が増えることで、誰も反対しない案件だけ通るとか、少しでも懸念があれば止まるとか、そういった過剰防衛になりかねないように、是非とも、縦割りを排して、財務大臣が先頭に立ってやっていくと今お話がありましたので、お願いをしたいと思います。

 更に内容を伺いたいんですけれども、次に、潜脱防止、いわゆる脱法行為をどう防ぐかということについて伺いたいと思います。

 今回の改正案では、外国投資家以外の者が、契約等に基づき、非居住者等のために名義によらず対内直接投資を行う場合、その者を外国投資家とみなすという規定が盛り込まれています。これは、国内投資家を装いながら、実質的には海外投資家が日本企業を支配するような潜脱を防ぐために重要でありますが、問題は実務だと思っています。

 この国内投資家を装った実質的な海外投資家を政府はどのように見抜いていくかということです。名義上は国内投資家であっても、資金の出どころ、議決権行使の指示や、また、契約上の支配もあるでしょうし、背後にファンド等の、そういった構造もあります。そういった場合、最終受益者が海外にある場合、どこまでをこの審査対象とするのかということです。

 実質的支配者をどのように確認して、誰がその情報を把握していくのかということについて、具体的に伺えればと思います。

片山国務大臣 これまでも、外国投資家から提出された事前届出の審査に当たっては、届出書の精査や質問状のやり取り等をかなりしっかりやって、これを通じて、外国投資家の事業方針に影響を及ぼす最終親会社が誰かとか、出資等の資本関係とか、議決権行使の指図がどうなっているかなどを把握して、実態を踏まえた審査を実施するようにやってきたところではありますが、その上で、今回、外国政府等の支配、影響下で投資活動を行うみなし外国投資家についても規制対象に加えて潜脱を防ぐ、このために、当局として外国政府等との支配関係等をより一層深く探知することが重要となってくると承知しております。

 このため、今申し上げましたような届出書の精査や質問状のやり取り等に加えて、財務局を始めとする地方支分局を通じた日本企業に対する投資動向等に係る情報収集、分析や、対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUSにおける関係機関との情報連携の強化などに取り組んでまいります。

 委員の方から御指摘をちょっといただいたと伺っておりますが、一般に、取引金融機関とか、あるいは当然あり得る関係者に任意で一般的な協力を求めて、非常にそれが過重になるとかそういったことは、確認義務とか情報提供義務を課すようなことは考えておりませんので、その辺は御安心いただければと思っております。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 また先に言っていただきましたが、そこの点、まさに聞きたかったんですけれども、この論点には金融機関の役割も大きいと思っています。三メガバンクなどは、今回の法案に対して、大変に、一日も早く進めてほしいという表明を出したことも承知をしておりますが、やはり、お金の流れというのは、銀行や証券会社とか、投資信託会社、投資銀行、ファンド管理会社もその実質的支配に関する情報を持っていると思っていますので、今回の改正により、今、義務は生じないと言いましたが、どのような確認やまた情報提供というのが生じるかというのをもう一度お聞かせいただければと思っています。

 というのは、少し懸念があったのが、今までも、マネロン対策とか経済政策に対する協力だとか、外為法の今回の改正、いろいろなことが重なって、かなり金融機関の負担というのはこれまでも増えていると思っていますので、政府は、質問としては、どこまで責任を負わせるようなことがあるのか、また、できない背後関係についてどこまで金融機関に問うのかということを明確にしてほしいということだったので、もう一度お願いします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 みなし外国投資家についての情報収集に当たりましては、当局から金融機関を含む関係者に対しまして、あくまで任意で一般的な協力を求める可能性がございます。これは任意でございますので、責任ということではございません。今回の改正で、大臣から御指摘ありましたとおり、新たに金融機関に対する確認の義務や情報提供の義務を課すということは考えてございません。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 その中で、現場の実態について伺いたいと思います。

 先ほど来の質問の中で、あれだけの大きな審査をこれからもこなしていけるのかということの懸念の声が上がっておりました。既にもう件数は大きく増えておりまして、これからも増えることが予想される中で、コア業種に分類される上場企業も増加しますし、事前届出、先ほど大臣おっしゃっていただきましたが、その事前届出の件数も増加をすると思います。今回リスク軽減措置も入りますし、間接取得や事後的な報告徴求が重なれば、制度は更に大きな負担となってきます。

 そんな中で、MアンドAをやった場合やTOBやデューデリジェンスをする前から、いろいろな、弁護士や会計士やコンサルとか、多大な費用が発生していまして、当事者間で友好的に合意しても、最後に外為法審査で止まれば、企業、投資家、株主にとって大きな損失も生まれますので、これら実務負担をどう認識しているのかまず伺うとともに、今回の外為法改正によって、現場の審査体制というのは本当に回ると現状考えていらっしゃるのかということです。

 さらに、財務省のみならず経産省や国家安全保障局、これは防衛省なども関わるかもしれません、関係機関に十分な専門人材や情報の分析能力、また審査能力というのをどこまで求め、また高めていくのか。件数だけ増えて、審査の長期化についても、先ほど、一か月から四か月で、少しでも短くするという努力をしていくことは大臣からお話がありましたけれども、結果として、健全な投資まで審査の間止めてしまうこともありかねますので、それらについて、審査体制と現場支援についてお聞かせいただければと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 まず、当事者等の負担でございますけれども、委員御指摘のとおり、我が国への健全な投資を促進するためには、一般投資家の予見可能性や事務負担についても十分配慮する必要があると考えてございます。

 今般の制度見直しに当たりましても、関税・外国為替等審議会での議論等を通じまして、経済界、金融業界などからも幅広く御意見を聴取いたしまして、リスクに応じためり張りのある制度設計に努めてまいりました。具体的には、健全なMアンドA等に悪影響が及ばないように、間接的な投資の規制について投資家のリスクに応じためり張りづけを行うことや、下位法令において外国投資家の負担軽減にも資する事前届出対象の合理化を図ることなどの施策を講じることとしてございます。

 それから、現場の審査体制と審査処理能力につきましては、効率的で効果的な審査に当たりましては、財務省や関係省庁における人員を含めた執行体制の強化が不可欠だと考えてございます。

 対内直接投資審査制度を所管する財務省では、投資審査の実効性を確保するために、これまでも人員の増加や専門性の向上など執行体制の強化を図ってきたところでございますけれども、今般の制度改正も踏まえまして、対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUSを創設して省庁横断的な審査体制を強化した上で、審査や事後のモニタリングに当たって必要な人員体制の強化を含め、引き続き実効性のある制度の運用を確保してまいりたいと考えてございます。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 最後に、今、めり張りという話がありましたけれども、政府は、外為法の改正によって日本市場が投資しにくい市場と見られるというリスクがないか、また、それをどう認識しているのかを伺いたいと思っています。

 特に、同盟国や友好国からの純投資や経営に関与しない投資まで萎縮となれば、結果として日本企業の資金調達や企業価値向上を妨げることになります。安全保障上のリスクが高い投資はもちろん厳格に見ますが、一方で、低リスクの健全な投資は迅速に通していく、このめり張りを制度上どう担保するのかを最後大臣に伺いたいのと同時に、あわせて、今回の法改正によりまして、政府は、日本企業の、海外のMアンドA等も含め、経済的影響や投資の減少リスクがあるんじゃないか、ないしは、MアンドAの市場への影響というのを定量的に試算をしているようなことがあれば是非お示しをいただきたいと思いますので、併せて最後、大臣にお願いします。

片山国務大臣 先ほどから申し上げていますように、対内直接投資につきましては、一応目安まで設けて、骨太の方針にも含めて、一層促進していくということを挙げているわけでございまして、日本経済の健全な発展には重要な政策課題と考えております。

 外為法においても、対外取引自由が基本でございますので、これを基本とした上で、国の安全の確保の観点から必要最小限の規制を行う、こういうことでございまして、この線は今回の改正でも変わりません。

 実際の運用を見ましても、事前届出のうち、約八割は二週間以内に審査を終了しておりまして、八割ですね、国の安全等の観点から懸念のない投資については引き続き迅速に審査を終了できるように、めり張りある審査に努めてまいりたいと考えております。

 制度的にもですが、外国政府等の支配、影響下にある国内投資家による投資活動について事前届出を義務づけるなどの措置は講じておりますが、これらの対象は類型的に特にリスクの高い外国投資家でありまして、このリスクの高い外国投資家に限定しているということ、また、今般の法改正と併せて政省令等を改正して、事前届出の対象となる行為や業種を見直し、合理化を図るなど、リスクの程度に応じてめり張りをつけて、バランスの取れた制度になっていると考えております。

 さらに、定量的な試算ということでございますが、今回新たに導入する制度もある中で、あらかじめ影響額等まではまだお示しできる状況ではないというか困難なんですけれども、制度の運用状況などについては、今後、年次報告書の中できちっとお示しをしてまいりたいと考えておりまして、その上で、今回、改正では、新たに規制を課す場合であっても類型的に特にリスクの高い投資家に限定、事前届出の対象となる行為や業種を見直し合理化を図るという対応を取っておりますので、健全な投資に対する影響は極めて限定的と配慮しておりますが、さらに、外国投資家の負担が過剰なものになっていないかを含め、本法案を成立させていただければ、執行状況をきちっとウォッチしてまいりたいと考えておりますし、我が国の同盟国であるアメリカの財務省との間でも、今般いろいろな話を長官としましたが、その中にもこれは入っておりまして、長官も会見で述べておられるように、ここも非常にお互い理解できる、日本が今からやろうとしていることも理解できる、このように受け止められているところでございます。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 今回の牧野フライスのような工作機械のみならず、半導体やAIや量子やサイバー、重要インフラ等、様々な技術というのは国家として守らなければなりませんし、今、アメリカとも、しっかりと連携も、また心合わせもできているということでありますので、一日も早くこの外為法が有効的に機能することを、皆さんで力を合わせていくことを約束をして、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

武村委員長 次に、近藤雅彦君。

近藤(雅)委員 国民民主党の近藤雅彦です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 これまでの議論で各委員からの御指摘と重なるところもあるかと存じますけれども、通告に従って改正案について質問をさせていただきます。

 早速質問に入ります。

 先ほど一谷委員からも御指摘ありましたけれども、今回の法改正は、対内直接投資審査制度について、二〇一九年の改正に盛り込まれた施行後五年の見直し規定を踏まえたものと承知をしております。この五年間でどのような課題や問題意識が明らかになったと認識しているか、また、その課題認識が今回の改正案にどのように反映されているか、その点についてお伺いいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 昨年、前回改正法の施行から五年経過したことを受けまして、関税・外国為替等審議会におきまして、対内直接投資審査の在り方について御議論いただいたところでございます。

 同審議会の答申におきましては、事前届出件数が大幅に増加していることを背景としまして、審査の実効性、効率性を向上させる必要があること、それから、国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等により安全保障の裾野が経済分野に急速に拡大する中、こうした環境変化への対応が必要であること、制度改正と併せて審査体制の強化等、適正な執行の確保が必要であること等の課題を御指摘いただいたところでございます。

 これらの課題を踏まえまして、今回の改正法案におきましては、審査の実効性の観点からは、リスク軽減措置の明確化や間接的な投資の捕捉、それから、安全保障環境への対応の観点からは、外国政府等の支配、影響下にある国内投資家への規制や非指定業種への投資に関するリスクへの対応措置の新設、執行の強化の観点からは、いわゆる日本版CFIUSを通じた省庁横断的な審査体制の創設に向けた措置といった内容を盛り込んでございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 まさしく今おっしゃったように、国際経済、社会経済構造、それから安全保障環境等々、刻々と変化して、それがまたスピードアップしているような状況かと存じますので、時宜にかなった対応かと思います。五年というスパンがどうかというのはありますけれども、丁寧に頻回に不断の見直しに努めていただければというふうに思っております。

 次に、今触れていただきましたような、近年の事前届出の状況の詳細についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 伊佐委員からも御指摘ありましたけれども、アメリカに比べてもかなり届出件数自体が多い、そして、事前届出件数、二〇一八年以降、約五倍に増加していると承知しております。この増加の背景について、どのように分析されていますでしょうか。とりわけ半導体関連を始めとする情報通信関連業種の案件、この届出が全体の過半を占めておりますが、なぜこれほどまで当該分野に案件が集中しているのか、その実態についてお聞かせいただきたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 事前届出件数につきましては、二〇一八年度の五百九十四件から二〇二四年度の二千九百三件まで、委員御指摘のとおり、約五倍増加しているところでございます。

 主な要因としましては、二〇一九年八月に、サイバーセキュリティーの確保の観点から、情報通信技術関連業種を広く指定業種に追加をしたこと、それから、二〇二〇年の外為法改正によりまして、株主の行為、特に役員の選任に係る同意が事前届出の対象となったことがあると考えられるところでございます。

 事前届出の対象となる業種や行為につきましては、関税・外国為替等審議会の答申において、情報通信技術関連業種の指定について、サイバーセキュリティー対策等の観点から真に必要性の認められるものに限定すること、それから、役員の選任の同意について、既に届出をした方の再任につきましては、特段の事情変更がない場合、届出を不要とすること、それから、合理化の一方で、重要な技術や情報を保有している本邦企業への投資が事前届出の対象となっているかを検証することといったことが答申の内容に盛り込まれております。

 今般の改正法の施行に合わせまして、下位法令において見直しを行っていく予定でございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございました。

 今おっしゃったような半導体関連企業の投資はたくさんあると思いますし、あと、いろいろ事前にお調べしてお聞きしている範囲では、単にソフトウェア開発等々を僅かでも業としてやっていらっしゃる企業についても、一切届出の対象になってしまったりというような課題もあったように伺っております。今後も、安全保障の観点を常に意識していただくこと、これは大事ですけれども、あわせて、効率的な審査を実施できるよう努力を重ねていただければと存じます。

 それでは、次に、審査の人員体制について改めて確認をさせていただきたいと思います。

 届出件数がこれだけ増えているにもかかわらず、対応部署の人員体制や専門人材の配置は現状で十分なのでしょうか。経済安全保障の観点から見れば、制度を厳格化するだけではなく、それを適切に運用する審査体制そのものの強化が不可欠であります。

 審査を担う部署について、これまでどの程度体制強化を行ってきたのか、そして、それを踏まえた上で、先ほどもありましたとおり、今後、人的な資源、専門人材等の拡充をどのように進めていかれるのか、お考えをお聞かせください。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 国の安全等の確保の観点から、投資審査の実効性を確保することが重要でございまして、外為法上は、対内直接投資審査制度を所管する財務省では、人員、機構を拡充すべく、令和二年に投資企画審査室を新設して以降、本省、財務局共に対内直接投資審査の執行体制に係る定員を増加させてきてございます。また、専門性の向上に向けまして、本省、財務局の担当者向けの研修を実施するなど、投資審査制度に係る執行体制の強化を図っているところでございます。

 また、令和元年改正における行為時事前届出の導入や、二〇一九年以降の指定業種追加によりまして、事前届出件数が大幅に増加していることから、今般、事前届出の対象となる業種や行為について見直しを行う予定でございまして、こうした審査の効率化を図りつつ、リスクに応じためり張りのある制度の実現を目指してまいりたいと考えております。

 さらに、日本版CFIUSを創設しまして、国の安全等の観点から必要な場合に、財務大臣及び事業所管大臣から、国家安全保障局を始めとする関係行政機関の長への意見照会を義務づける手続規定を設けることで、効率的で効果的な形で省庁横断的な審査体制を実現したいと考えてございます。

 財務省としましては、審査体制の構築に当たって、必要な人員体制の強化等を含めまして、引き続き投資審査の実効性確保に努めてまいりたいと考えてございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 人員体制につきましては、先般も、この財務金融委員会でも、関税法の審議のところで、少額輸入貨物の急増、税関等での業務も増えている、そんなようなお話もございました。国際的な投資やビジネス展開のスピードが上がっておりますので、今回の見直しにとどまらず、審査の人員体制等については、今後も継続的に注視し、適切な運用を心がけていただければと存じます。

 それでは、次に、国内に残すべき必要なビジネスの永続性の観点からお尋ねをさせていただきます。

 我が国で新しく成長産業を生み出していくためにも、スタートアップへの十分な資金供給が必要であります。国内からの投資だけでは不十分な場合もあるかと思います。その一方で、業績不振企業の再生資金の確保について、国内から十分な投資が得られない企業にとっては、場合によって、外国資本による出資が事業継続や再生の生命線となる場合もあるかもしれません。本制度がこうした企業の生き残りの選択肢を必要以上に狭めることのないよう、どのような配慮を講じているのか、その方策についてお聞かせいただきます。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 外為法における対内直接投資審査制度は、対外取引自由の原則の下で、対日直接投資の促進を図りつつ、国の安全等の確保の観点から必要最小限の規制を行うものでございます。国の安全等の観点から懸念のない場合につきましては、迅速かつ柔軟に審査を終了するよう努めてございまして、先ほど大臣から御紹介ありましたように、二〇二四年度実績では、全体の事前届出のうちの約八割が二週間以内に審査を完了してございます。

 また、今回の制度見直しに当たりましても、審査の効率化や実効性確保のための取組、それから類型的に特にリスクの高い投資家に限った対応といった、健全な投資の促進と国の安全等の確保の両立に十分配慮したものとなっていると考えてございます。

 引き続き、健全な投資を通じた資金調達を阻害することなく、日本経済の成長や重要な事業の継続等のために必要な投資の確保に努めてまいりたいと考えてございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございました。

 次の質問なんですが、国内の非上場企業に対する問題意識についてお尋ねをさせていただきます。

 安全保障上、重要な技術やノウハウを有する企業は、上場企業に限らず、非上場企業、特に中小企業やスタートアップの中にこそ、重要技術を保有する企業が存在する場合も少なくないと思われます。現行制度は、こうした非上場企業に係るリスクに対して十分な目くばせができるものとなっているのか、現状認識をお聞かせください。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、非上場会社においても、国の安全等の観点から重要な技術を保有している場合があるというふうに考えてございます。現行制度におきましても、改正法案においても、非上場会社の株式の取得については、閾値はなく、一株から対内直接投資等として規制の対象としてございます。

 また、執行面におきましても、財務局を始めとする地方支分部局において、重要な技術を保有している企業等に訪問をし、制度の周知を行うなど、制度の実効性確保にも努めてございまして、今後とも対応の強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 今お話ありましたように、一株から所有した場合に届出がというところでしょうけれども、一方で、スタートアップ企業でも、僅か数年で時価総額数億円とか数兆円に成長し得る時代になってきております。そういった企業にこそ、改めてしっかりと目を光らせていただきたい、このようにお願い申し上げます。

 さて、次に、リスク軽減措置の内容や発動基準、この手続をどのように明確化し、恣意的運用への懸念をどのように払拭しようとしているのか、お聞きしたいと思います。

 安全保障上のリスクは、指定業種に形式的に該当する場合に限って生じるものではなく、諸外国でも、事前届出義務のない投資に対して、事後的に介入できる制度を備えている例もございます。

 他方で、取引の自由や法的安定性を損ね、恣意的運用につながる危険も伴います。非指定業種への事後介入はどのような基準で発動されるのか、ルールを明確にすべきだと考えております。恣意的な運用の防止のためにどのような対策を講じているのか、その点、確認をさせてください。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 リスク軽減措置の要否の判断や、その内容を含む事前届出に係る審査、非指定業種への投資に係るリスクへの対応に当たりましては、投資先企業の営む事業の具体的な内容や外国投資家の属性を含めまして、個別の状況を踏まえた検討が必要になるところでございますので、画一的な基準等を設けることは困難であると考えてございます。

 その上で、委員御指摘のとおり、健全な投資を促進するためには、制度やその運営における透明性の向上を通じまして、投資家の予見可能性を確保することが重要と考えてございます。このため、リスク軽減措置や非指定業種への投資に関するリスクへの対応措置に関しましても、想定される類型や具体例をガイドライン等によってお示ししてまいりたいと考えてございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 まさに、この法案審議の直前の時期に、牧野フライス製作所の案件がございました。個別のケースについて事前に想定すること、これはかなり難しいと思いますけれども、運用ルールについて、これにつきましては、国内外の関係企業あるいは国民の皆様の納得が得られるものにすべく努めていただきたい、このようにお願い申し上げます。

 通告を一つ飛ばして、少しこれまでの議論を確認させていただきますと、投資は呼び込みたい、しかし、安全保障も守らなければならないという難しい課題に対しまして、本改正案による制度設計によってそのバランスを取っていくことが極めて重要と考えます。

 我が国は、現在、TSMCを始めとして、半導体分野への大規模な投資誘致を進めておりますけれども、過去を振り返ったときに、対内直接投資審査制度の運用が厳格過ぎた結果、海外の関連産業による投資、それとの連携を取り込む機会を逸し、我が国の産業発展を結果として阻害した側面はなかったかという疑問を持っております。国内資本を重視する余り、海外からの有益な投資や技術連携を十分に受け入れることができなかったのではないか、そのような問題意識を強くいたします。

 また、その逆の例ではございますが、日本製鉄によるUSスチールの買収をめぐる一連の動きにつきまして、外国政府の個別判断そのものへの評価を求めるものではありませんが、安全保障審査が大きな論点となり得る現実は、我が国が今後制度設計を進める上でも重要な示唆を与えてくれると考えております。

 そこで、最後に大臣にお尋ねをいたしますけれども、大前提として、国民の生命と財産を守ること、これは政府に課せられた最も重要な責務の一つと考えております。その中で、安全保障を確保しつつ、なお開かれた投資環境を維持していくことに対して、どのような基本姿勢で臨まれるのか、大臣の決意をお尋ねいたします。

片山国務大臣 まさに基本姿勢として、この法案で、健全な対内直接投資を促進、そして経済安全保障、これは絶対大事ですから、これの確保、この両立を目指します。それで、審査の効率性、実効性を確保して、安全保障等の環境変化にしっかりと対応し、かつ、委員にも御心配をいただいている執行体制は強化する、こうでないと実効が上がらないですから。これらを通じて対内直接投資審査を高度化するということを目指しておりますので、国会でのこういった御議論を踏まえながら、投資家の予見可能性にしっかりお応えしつつ、安全保障上の懸念に適切に対処ができるように、運用に係りましてはガイドラインの作成などによる制度の周知や適切な執行に努めてまいりたいと考えております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 まさに、もう再三申し上げているとおり、国際的に、ビジネスの成長、それからビジネスモデルの変わっていくスピード、これが速まってきております。それに合わせて投資のルール作りも歩を速めていく、そして対応していく必要があると考えております。これからも継続的に本日のような議論を続けさせていただければ、このように考えております。

 少し早いですが、以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

武村委員長 次に、牧野俊一君。

牧野委員 参政党の牧野俊一です。

 本日も質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 外為法の改正案の質問なんですけれども、ちょっと今までの議論を聞いていましても、私が用意した質疑の中でも論点が重複するものも結構たくさん出てきておりますので、できる限り重複しないようにしていきたいというふうに考えております。

 まず、今回の改正では、外国人投資家による間接的な買収が我が国の安全保障に影響を及ぼすということを防ぐという観点で、非常に重要で、かつ意味のある法改正だと思っておりますので、基本的に非常に評価しているところではあるんですけれども、リスク軽減措置や是正勧告や株式処分命令、もし、非常にリスクが高いにもかかわらず、実際には届出をしたとおりにちゃんとリスク管理をしていないとか、あるいは、緊急的に是正が必要な状況が安全保障上認められるといった場合に、是正勧告であるとか株式処分命令を下すことができるということになっております。

 ちょっと通告の一、二を一旦後回しにさせていただきまして三番からいきたいんですけれども、このリスク軽減措置とか是正勧告、株式処分命令に従わない場合の罰則規定におきまして、罰金百万円、ただし、目的物の価格の三倍が百万円を超える場合は当該価格の三倍以下というふうに書いていますが、ここに言う目的物の定義ですけれども、これは株式の取得時の価格なのか、それとも、取得した株式の時価ベースの計算なのかということを明確にしていただきたいということと、それからまた、日本企業を間接取得する外国法人やここに影響を与えているリスクの高い非居住者、今回の規定では、日本企業を直接保有している外国法人に対する罰則規定というふうに理解しているんですけれども、それに対して、間接的に取得をした外国法人又はそこに間接的に影響を与えているリスクの高い非居住者自身に対してこの罰則規定を適用することはできるのかどうかという点についてお伺いします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、外国投資家が自ら応諾した勧告に違反した場合や命令に違反した場合には、目的物の価格が百万円を超えるときにはその三倍以下の罰金の対象となってございます。この目的物の価格とは、勧告、命令の対象となる対内直接投資等により外国投資家が取得した株式等の価格を指してございます。

 この目的物の価格がどのように決められるかにつきましては、必ずしも明確な規定はございませんが、従前の国会答弁におきましては、裁判の結果の額という答弁をしてきてございます。

 それから、後段の御質問ですが、この罰則は、勧告や命令に従わないことに対して科すことでその実効性を担保するためのものでございますので、勧告や命令の対象となる外国投資家に適用されるものでございます。したがいまして、その勧告や命令の対象となっていないその他の関係者については適用はないということでございます。

牧野委員 答弁ありがとうございます。

 ちょっともう少し明確にしたいんですけれども、つまり、裁判の結果の額と今おっしゃったそれは、例えば、買収をしたときの買った総額が百億円ならば百億円なのか、それとも、実際にその罰則を運用するときの、何か持っているということに対する時価ベースの計算なのか、どっちになるのかということと、あと、それから、今おっしゃった対象となる方に対する罰則を法律上直接書いているかどうかということはあれですけれども、要は、今回の法改正の中で、間接的に影響を与えている投資家又はリスクの高い非居住者という海外にいる人に対して何らかの罰則規定を適用することができるのかどうかについて、もう一度明確にお答えいただけますでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 罰則の額の点でございますけれども、先ほど申し上げましたように明確な規定はございませんので、最終的にどのような罰則の金額を科すべきかという判断につきましては、裁判所に判断が委ねられているというふうに理解をしてございます。

 それから、後段の部分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、罰則そのものは、勧告や命令に従わないことに対して罰則を科すことで実効性を担保するというものでございますので、罰則が科されるかどうかにつきましては、勧告や命令の対象になっている外国投資家であるかどうかということだと考えてございます。

 例えば、間接的な取得の場合には、日本企業の株式等を間接的に取得する外国投資家が命令を受けた場合等に罰則の対象となり得るというふうに考えてございます。また、外国政府等を始めとする、類型的に特にリスクの高い非居住者等の支配、影響下において投資活動を行う、いわゆるみなし投資家でございますが、このみなし投資家が命令を受けた場合にも罰則の対象となり得るというふうに考えてございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 じゃ、執行面でちょっと追加で、一個戻って二番に行きたいんですけれども、外国法人がリスク軽減措置や是正勧告、株式処分命令に従わない場合に、所有株式の処分を強制執行するということはできるんでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 間接取得者や日本企業の株式を直接保有する外国法人等が株式売却等の命令に従わなかった場合、外為法上は強制執行に係る規定はございませんけれども、外国投資家が事前届出のために国内代理人を置くことを必須とすることや、命令に違反した場合の罰則規定を設けること等の措置を設けることで適切な執行の確保に努めてまいりたいと考えてございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 続きまして、通告の四に戻りたいんですけれども、国内居住者や日本法人が特にリスクの高い非居住者等の支配、影響下で実質的に一体となって投資を行っている場合にみなし外国投資家と認定するというのが今回の改正の中に入っていますけれども、このみなし外国投資家と認定するときにおける特別の関係、先ほど来出てきたように、親族であるとか契約関係、雇用関係等々ございますけれども、中でも、特に情報収集活動協力義務を帯びている場合というふうなことが想定されていると思うんです。

 これに関しては、そもそも情報収集活動をしているということ自体が外国の諜報機関が行っているもので、そのこと自体秘密にされていると思うんですけれども、ここをいかにして暴いていくのかと、ここの特別の関係というものを把握していくのかということについて伺います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 外国政府等の類型的に特にリスクの高い投資家の支配、影響下で投資活動を行う、いわゆるみなし外国投資家につきましては、委員御指摘のとおり、当局として、非居住者等との親族関係、雇用関係、外国政府等の行う情報収集活動に協力する義務など、特別な関係等を探知することが重要と考えてございます。

 こうした特別な関係は、御指摘のとおり、必ずしも表面的には明らかでないものも多いところでございますので、財務局を始めとします地方支分部局を通じた日本企業に対する投資動向等に係る情報収集や分析、それから関係機関との情報連携を通じた調査機能の強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。

 なお、外国政府等の支配、影響下での投資活動に係るいわゆる規制の潜脱につきましては、今般の改正において規定を整備することによる牽制、抑止効果も一定程度期待できるものと考えてございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 特に、しっかりとここのインテリジェンスの部分を強化していただいて、そういった隠れて産業スパイみたいなことをやっているようなケースとか、そういった部分の特別な関係というものをきちんと把握した上で、いざ本当に国家安全保障上のリスクがあるといったときには断固たる措置を取るという覚悟で運用をしていただきたいというふうに考えております。

 続きまして、二〇一九年の本法の改正におきまして指定業種の追加とか事前届出対象としての株主の行為が追加されたということによって、二〇一八年には約九百件ほどであった事前審査の件数が、足下、二〇二四年は三千件オーバーというところまで急速に増加しているということで、先ほどからもマンパワーのリソースが足りるのかといった問題を指摘されておりますけれども、今回の改正によってリスクの高い間接投資も届出対象となることとか是正措置勧告、命令が可能になるといったことは、安全保障上、非常に有益であるというふうに考えるんですけれども、一方で、これをやるとなると、やはり、今話しておりましたとおり、インテリジェンスをしっかり高度化することと同時に、審査の内容自体が高度化して、さらに、きちんと事後のモニタリングもかけていかなければいけないということで、必要な労力というのは必ず増加するけれども、なかなか減っていかないというふうな状況が発生するというふうに思われます。

 担当部局のマンパワーは現状で、現時点である程度足りているのか、それとも、結構いっぱいいっぱいなのかということと、もし、ここがなかなか不足しがちだという場合に、今後、AIを活用したりとか、あるいは、今回の株主の行為に係る申請において、同じ役員をただ単に再任するケースにおいても一々事前審査にかけなきゃいけないといったのが今の一つの課題点だというふうに伺っておりますので、そういった部分をどうしていくのかということについて教えていただけますでしょうか。

片山国務大臣 御指摘ありがとうございます。

 令和元年の改正において役員選任の同意を始めとする株主の行為について事前届出の対象といたしましたことですとか、二〇一九年以降の指定業種の追加によりまして、事前届出件数が大幅に増加したというのは事実でございます。こうした現行制度の執行状況を踏まえまして、今回の改正では事前届出の対象となる業種や行為について見直しも行う予定でありまして、審査の効率化を図りつつ、リスクに応じためり張りのある制度の実現を目指してまいりたいと考えております。

 その上で、国の安全等の確保の観点から投資審査の実効性を確保することが重要でありますが、制度を所管する財務省では、今この瞬間足りていないということも、それも非常に困るものですから、今この瞬間は頑張ってこれでやっているわけですが、これまでも人員の増加や専門性の向上など執行体制の強化は図ってきたところであります。

 今後につきましても、審査や事後モニタリングに当たって必要な人員体制の強化、これもやりたいですし、これを含めて、引き続き、関係省庁とも連携して、外為法上の投資審査の実効性が確保されるように努めてまいります。

 また、御指摘のAIを含めたテクノロジーの活用でございますが、今年一月の関税・外国為替等審議会の答申でも、審査の効率化の観点から、デジタル技術の活用に係る提言をいただいたところでありまして、財務省におきましては、この提言、答申も踏まえまして、届出書等のオンライン提出促進に向けた取組も進めますとともに、効率的なデータ分析等、投資審査におけるデジタル技術の活用についても検討を進めているところで、引き続き、リスクに応じためり張りのある審査の実現に取り組んでまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 しっかりと人員の補填もやりつつ、デジタル技術も活用を進めていっていただきたいというふうに思います。

 ちょっと関連しまして、少し、通告にないので恐縮なんですが、日本版CFIUSの運用に関して伺いたいんですけれども、今回の改正の中で、条文を読むと、対内直接投資が我が国の安全保障に影響するかどうかを確認するために必要があると認めるときは意見を求めなければならないというふうな書き方になっているんですけれども、この必要があると認めるときということの定義について伺いたいんですけれども、これは、リスクがあるかもしれないとちょっとでも思ったら、全件、そのCFIUSの中で審議をするのか、あるいは、届け出られたら全部見るのか、どういった基準でこの必要があると認めるというふうな判断になるのかについて教えていただけますでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 日本版CFIUSの具体的な運用の在り方については今後検討してまいりたいと考えてございますけれども、御指摘の点につきましては、まさにどのような点について意見照会を求める義務がかかってくるかという点につきまして、省庁横断的な審査を行うことを旨とするCFIUSにおいて統一的な目線をつくることが必要であると考えてございますので、どういった形の類型のものがそれに該当するかということが比較的事前に外形的にも分かりやすいような形で関係省庁と共有される体制をつくってまいりたいと考えてございます。

 一義的には各府省の、事業所管官庁の判断になってくるところではございますが、現行でも意見照会は、できる規定となってございますけれども、できる規定に委ねておりますと、もしかすると国の安全等に影響するおそれがあるものについても意見照会をしない場合が出てくるリスクがあろうかと考えてございますので、そういったことがないような形で省庁横断的な審査が行えるような体制を構築してまいりたいと考えてございます。

牧野委員 御答弁ありがとうございます。

 このできるが、ねばならないというふうに書き換えられることによって安全保障面での実効性は上がると思いますので、しっかりそこのところをやっていただきたいというふうに思っております。

 続きまして、もう一問大臣に伺いたいんですけれども、特定業種の中のコア業種の中には、電力とかガス、通信、それから上水道などの国民の生活にとって非常に重要な社会インフラが多数含まれております。こうしたインフラは、平時か有事かということを問わずにしっかり機能するということが安全保障上極めて重要ですけれども、自治体の中には、宮城県のように、水道のコンセッション方式での民営化などを進めて、そこを運営する企業、みずむすびみやぎというものがあるということですけれども、それの出資者、過半数の議決権を、フランスのヴェオリア・ジェネッツ、いわゆる水メジャーという外資がそこを押さえているというふうな状況もございます。

 こうした運営する企業又はその親会社が外資になるといったことによって、実際、イギリスやフランス、ドイツにおいては、それによって水質の管理が低下してしまったりとか、あるいは、民間企業にとっての利益に直結しない見えにくい保守とか、あるいは地味な更新といったことが後回しにされて、気づいたら非常に劣化しているとか、あるいは、災害のときになかなか復旧が遅れるであるとか、有事の際に、敵対的な外国の指示の下でその企業が動いている場合にサービスの供給が途絶するとか、そういったリスクが様々あるというふうに認識しています。

 今回の法改正において、そういったリスクの高い外資系企業による社会インフラ事業への参入というのは抑止できるというふうに考えていますでしょうか。よろしくお願いします。

片山国務大臣 御指摘のありました電力、ガス、通信、上水道といったインフラが、平時、有事を問わず安全かつ安定的に機能するということは極めて重要でありまして、各所管省庁において、業法等を含め安定的な運営が図られるべきと考えております。

 この外為法においても、国の安全の確保等の観点から、例えば外国投資家が日本の電力等のインフラ事業者を買収しようとする場合には、必要なサービス等の安定的な供給に影響が生じないかといった点も含め、適切な審査を行い、場合によっては中止の勧告、命令が行えるということで、二〇〇八年にも、電源開発さんに対して、海外のファンドの株式取得の中止を命令されたということもありました。

 現行の投資審査制度においても、電力、ガス、通信、上水道といった業種は事前届出審査の対象でございますが、今回の改正法案による間接的な投資の捕捉や、対日外国投資委員会、いわゆる日本版CFIUSを通じた省庁横断的な審査を通じて、これに対しては実効性が一層高まるのではないかと考えております。

 以上、この問題は非常に重要な問題と認識しておりますので、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

牧野委員 ありがとうございます。

 しっかり、その部分、国民の生活に直結するインフラを守っていっていただきたいというふうに考えております。

 ちょっと、あわせまして、もし外資系企業が、今回の法改正においては、株式の取得という形で議決権を保有するということに関する規制の網がかかると理解しているんですけれども、外資系企業がインフラ事業に契約ベースで入ってくるというケースの場合は今回の法改正の網の範囲外になるのかという点について、大臣にお伺いします。

片山国務大臣 一般論として申し上げれば、外為法における対内直接投資審査制度は、外国投資家による日本企業の株式、議決権の取得や、それに付随する役員選任に対する同意等の株主行為等を対象としております。

 例えば、外資系企業がインフラ事業を営む日本企業を買収しようとする場合は、これは外為法上の審査対象となり得ますが、こうした株式や議決権の取得等から離れて、外資系企業がインフラ事業者等と直接契約を結んで事業に参入するといった場合には、外為法の射程からは外れることになります。

 水道を含むインフラが平時、有事を問わず安全かつ安定的に機能するということは、これは極めて重要でありますが、そのためには、外為法のみならず、関係省庁が所管する業法等も含めて、これら関連事業の適切な運営が図られる必要があるというふうに思っております。

牧野委員 御答弁ありがとうございます。

 そうすると、やはり契約ベースで入ってくるときは外為法の所管外ということになってしまいますので、この部分については、明日ちょうど経産委員会と、あと内閣府の方で経済安全保障推進法の連合審査がございますので、そちらでもちょっと追及したいというふうに考えております。

 最後にちょっと、通告になくて恐縮なんですけれども、指定業種におけるリスク軽減措置の届出というのがありますが、この届出義務というのが、過去に買収が完了しているケースであっても、今回軽減措置の届出が必須になったということで、内容が明らかに不十分だなとかというケースに関しては、ちゃんとその軽減措置をしっかりと書き直して届けてくださいということは事後に可能なのかどうかについて伺います。答弁が可能でしたらお願いしたいんですが。

武村委員長 緒方局長、申合せの時間が経過をしておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

緒方政府参考人 投資審査制度におきましては、新たに行われてくる投資が対象でございますので、御指摘のケースにつきましては対象にならないと考えてございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 そこは対象にはならないけれども、変更のときはまた対象になると思いますので、しっかりと審査をお願いしたいと思います。

 時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

武村委員長 次に、峰島侑也君。

峰島委員 チームみらい、峰島でございます。

 本日も質問のお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は外為法の改正ということですが、私の基本的なスタンスとしましては、国内の投資を加速させていく上で海外からの投資を呼び込んでいく、また、その上で安全保障上のバランスを取っていく、このスタンスに非常に賛同しております。

 私の一般的なスタンスとしましても、なるべく市場の自由な競争を促しながら、例えば、先ほど牧野委員からあったような、インフラであったりとか、あと、安全保障上の理由、そういったところで制限を加えていくということが健全だというふうに考えておりますし、本改正案の中でも、リスク軽減措置の審査プロセスの柔軟化をさせることによって投資促進を図るという点と、一方で、届出をより厳格化することによって安全保障を確保していくということのバランスが、非常に、どちらも目指されているということが本改正の内容からも見える部分がございまして、そういった部分を大変評価をしております。

 一方で、ほかの委員の方々の質疑を聞いていても、同じように皆さん感じられているのかなと思ったんですが、そういった全体のコンセプトについて賛同するものの、一方で、これをしっかりと実効性を持たせて実現をしていくという今後のプロセスに対して、非常に多くの乗り越えていかなければならないハードルがあるだろうというふうに考えておりますし、それを乗り越えていくことこそが、この法改正のコンセプトを実現していく上で肝要であるというふうに理解をしておりますので、私、その実効性というところについて主に御質問させていただければというふうに思っております。

 まず一つ目の御質問が、海外企業に今回届出を出させるという実効性をどのように担保するのかという点になっております。

 今回、間接的な投資の捕捉ということで、指定業種の日本企業を、事前届出を行った上で直接保有している外国投資家、その外国投資家を別の外国投資家が買収した場合、直接保有法人による事前届出を求めるという変更が予定されていると理解をしております。ただ、海外にある企業が届出を出すということについて、そこの実効性については多くの委員がハードルを感じられているところだというふうに考えております。

 海外企業に届出を求めるほかの制度といたしましては、例えば、独占禁止法等がございます。ただ、独占禁止法の場合ですと、比較的大企業が対象になりやすいということですとか、あとは、市場調査などにより、第三者による調査が比較的容易であるということがあるかなというふうに思います。

 一方で、今回のケース、保有企業が替わるということで当事者の届出が仮にない場合、直接保有企業が上場等していて情報が公開されていない限り、捕捉することというのはかなり難しいんじゃないかというふうに考えております。特に、こういったケースは余りないとは思いつつ、悪意を持って間接取得者が日本の安全保障上重要な技術の買収を意図する場合、いよいよ届出を期待することが難しい。そういった場合にどう捕捉するかというところは大きなテーマになってくるのかなというふうに考えております。

 まず、その点、実効性をどう担保することをお考えなのかという点をお伺いしたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、海外の企業を始めとする外国投資家が必要な事前届出を提出するということが、対内直接投資審査制度の適切な執行の確保の観点から極めて重要な点となってございます。

 このため、まず、届出に当たっては、国内に代理人を置くこととするとともに、指定業種を営む日本企業や外国投資家に係る公開情報等を活用した無届け事案の検知に努めるなど、実効性の確保に取り組んできているところでございます。

 また、今回の改正におきましては、御指摘のように、間接投資に関する規制を導入するなど、事前届出の実効性確保は一層重要になってくると考えてございます。

 引き続き、外国投資家に対して丁寧に改正内容等の説明を行うといった努力を行うほか、財務局を始めとする地方支分部局を活用して、投資先の日本企業への訪問を行うこと等を通じて、制度の周知や無届けの検知に努めてまいりたいと考えてございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいたような、代理人を国内に配置することであったりとか、公開情報を活用していくこと、そういったことは非常に重要な取組だというふうに考えておりますし、あと、先ほど牧野委員からもございましたとおり、実際、罰則をどういうふうに科していくのか、それがどの程度であるのかという点も、非常に重要なことであるというふうに考えております。非常にこれは重要なポイントだと思いますので、今後、この法改正が可決された場合に実行していく際、是非意識をしていただけると、私としてもうれしいなというふうに考えております。

 また、二つ目の御質問としまして、リスク軽減措置の実効性というところについても、お伺いをしたいというふうに考えております。

 これまで、外為法上、国の安全保障上の懸念を取り除くために自主的に届出書にリスク軽減措置を記載していたところを、今回の法改正で届出事項に追加する、法律に基づく運用に移行していくということについて、非常に方向性としては私も賛同する部分でございます。

 このリスク軽減措置の中には、具体的には、例えば、指定業種の事業に関わる秘密情報にはアクセスしませんとか、あとは、外国政府等の影響を受けて投資対象事業の遂行に関与しないですとか、そういった記載が具体的にされていくのかなというふうに想像はしているんですが、一方で、このようなリスク軽減措置を実際に遵守しているかということをモニタリングしていくコストは、今後、より上がっていくというふうに考えております。特に、これまでリスク軽減措置の運用というところは自主的な運用としてされていた中で、今後、届出事項となっていったときに、これまで以上に執行状況の確認を確実に行っていくということが重要になってくると理解をしております。

 これまでは任意ヒアリング等で対応されてきたというお話を事前のレクチャーで伺いましたが、任意ヒアリングだけではやはり不十分な可能性があるというふうにも考えておりまして、例えば立入検査であるとか、一定の強制力を持つような調査も必要になってくるのではないかなというふうに想像しておりますが、この点に対する政府の御見解もお伺いしたいというふうに考えております。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 まず、現行制度におきましても、事前届出書においてリスク軽減措置が付されているものについては、財務省や事業所管官庁におきまして、当該措置の遵守状況に係るモニタリングを実施してございます。

 具体的には、議員も御紹介ありましたが、届出を行った外国投資家への質問状の送付や、外国投資家や投資先企業に対する現地ヒアリングなどを通じて、リスク軽減措置として記載された内容が確実に実行されているかを確認しているところでございます。

 また、今回の改正法案におきまして、外国投資家がリスク軽減措置を変更しようとする場合には、事前に変更の届出を提出することを義務づけておりますので、こうした改正も、リスク軽減措置の遵守状況のモニタリングに資するものと考えてございます。

 あと、最後に御指摘にあった、現在任意の協力の下で行っている、今御指摘のとおりでございまして、任意協力の形で行っておりまして、外為法六十八条に基づく立入検査に至る事案は生じてきてございませんけれども、逆に申し上げますと、任意の範囲内でそれなりのモニタリングができてきておると考えてございまして、なるべくその形で継続的なモニタリングの実施に努めたいと考えてございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 既に現行の法制度の中でも、モニタリングがかなり今、実効的にもできているというふうな御答弁だったかと理解しておりまして、大変状況としてはすばらしいかなと思いますし、今後、ほかの委員の方も御指摘のように、この法改正が通過した場合、よりそこの業務負荷というところは、職員の方々が増えていくというふうに理解をしておりますので、そういったモニタリングについても、是非効率的に進められるような仕組みを構築していただければなというふうに期待をしております。

 次の点につきましては、非指定業種への対内直接投資という点についてお伺いをしたいというふうに思います。

 これまで、事前届出の対象でない非指定業種については、一〇%以上の取得比率となる場合に、投資実行後の報告を義務づけていたということだったところが、今回の法改正によって、非指定業種であっても国の安全を損なうおそれが大きいというふうに判断された場合、報告を求めることができるというふうに理解をしておりますし、さらに、それが国の安全を損なうおそれが多い外国投資家に対しては、株式の処分を命じることが最終的にはできるというふうに理解をしております。

 一方で、こういった措置が外国投資家による正当な活動を過度に萎縮させることにならないかというところは、懸念をしております。

 特に、一〇%という閾値ですと、通常の健全なファンドの活動の中でも十分にあり得る投資基準だというふうにも考えておりますし、特に日本の場合は、アメリカと異なって、例えば投資ファンドのアジア担当ヘッドクオーターみたいなものがシンガポールとか香港とかそういった場所にあるということも十分にある。そういった健全な投資家の活動まで萎縮させる意図はないというふうに考えたときに、それをどのように萎縮させないように投資家に対してコミュニケーションしていくかという点は非常に大切だというふうに考えておりますが、その点について、現状を政府がどのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 非指定業種への投資のリスクへの対応につきましては、政令におきまして、その対象を外国政府等の類型的に特にリスクの高い投資家に限定することとしてございまして、一般的には、健全な機関投資家のような投資家については、基本的に影響は及ばないものと考えてございます。

 ただ、その上で、どのような場合に国の安全を損なう事態を生じるおそれが大きい投資として報告を求める対象になり得るかといった点につきましては、具体的類型や事例などをガイドラインの形でお示しすることも含めて、制度の透明性の確保に向けた取組を検討してまいりたいと考えてございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 まさしく通告でも次の質問で書かせていただいたところで、政令への記載方針というところについてお伺いできればと思っております。

 事前にも、政令の方で、特にリスクの高い投資家に限りますということをお伺いをしておりまして、やはり、投資家の予見可能性を考える上で、政令の記載というのは非常に重要だというふうに考えております。

 一方で、リスクが高いというのをどのように政令上、文章に落とし込むかというところは、余り私の方でもイメージがついていないところではございますが、より、ちょっと今おっしゃれる範囲で、どのような表現を予定されているかというところをお伺いできればというふうに考えております。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 非指定業種への投資のリスクへの対応について、国際情勢の変化等により国の安全に係るリスクが生じた場合に適切に対応できるようにする一方で、投資家の予見可能性や投資財産の法的安定性を確保する観点から、政令におきまして、類型的に特にリスクの高い投資家による株式等の一〇%以上の取得にその対象を限定することと考えてございます。

 この類型的に特にリスクの高い投資家として、現行制度において事前届出の免除制度を活用することができない外国投資家を規定することを予定してございます。

 これは、具体的には、過去に外為法に違反して処分された者、それから外国政府、外国の国営企業等、それから外国政府の情報収集活動に協力する義務が課されている非居住者等が該当することになります。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 大変よく理解できました。実際、政令でカバーできないところにもリスクの高い投資家というのが存在するんだろうというふうに想像はしているんですけれども、そういったところの対応方針も含め、今後も是非御議論させていただければと思っております。

 この海外投資家の予見可能性というところは、ほかの委員御指摘のとおり、非常に大切な点だなというふうに考えておりまして。

 先ほどほかの企業の言及もありましたけれども、例えば、昨年オファーが撤回されましたカナダのアリマンタシオン・クシュタールのセブン&アイの買収交渉においても、各種報道が出ておりまして、何が真実かというところもあるんですけれども、一部では、買収提案がされた後に、セブン&アイの方からコア業種へということがあって、その後、実際にコア業種に指定されたという出来事もあった中で、やはり、海外の報道を見ていたときに、かなり、日本の政府としての対応がどのようにされているのかというところが十分に海外に伝わっていない可能性もあるなというふうに感じておりますので、そういったところも含めて、海外の投資家の方もしっかりと透明性を持って投資判断ができるというような体制になればいいなと私自身も期待をしておりますし。

 また、米国のCFIUSの方でも、より同盟国向け、事前の届出をしている投資家向けにファストトラックの制度があったりですとか、あと、税関の中でもAEO制度があったりとか、コンセプトとしては非常に近いものだとは思ってはいますので、そのような投資促進を促すような制度というのも、今後も是非御検討いただければなというふうに考えております。

 最後に、人員体制のところ、これは最後、大臣にお伺いしようと思っていましたが、かなり類似の質問が出てはいるので、もしコメントがあればというところでお願いしたいですが。

 これまでお伺いしてきたとおり、例えば、海外企業の実効性、直接保有会社を間接的に保有する企業をどう捕捉するか、そこも、公開情報をたどっていく、若しくは商用データベース等も使っていくかもしれないといったことがあったり、リスク軽減措置につきましても、これまで以上によりしっかりとモニタリングをしていく必要があるといったところで、本改正の中でも、かなり職員の方々の負担が増えるような変更が数々盛り込まれているということで、先ほど答弁の中でも、審査の効率化であったりとか、組織をしっかり拡充していくこともありましたが。

 例えばテクノロジーの活用、こちらも御答弁いただいたところでもありますが、オーストラリア等でも既に対内投資の申請手続を単一のポータルの中で完結できるというふうになっていて、今、日本政府も二〇二八年を目指して、そういった体制を目指していると理解はしておりますが、是非こういったところについても引き続き御注力いただければなというふうに思っています。

 コメントをもしいただければ幸いです。

片山国務大臣 時間が来ておりますが。

 届出書等のオンライン提出促進においては、現在も財務省で取組を進めております。これは当然そういう方向だと思っておりますし、データ分析ですとか、あるいはAIの活用も含めた、投資審査においてデジタル技術がどこまで使えるかというのは、これは非常に有望な路線なのでしっかりと検討して、もちろん人員体制も強化したいと思っておりますし、実効性の確保をやりたいと思っております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 そうしましたら、私からの質疑は以上になります。ありがとうございました。

武村委員長 次に、河村たかし君。

河村委員 減税こどもの河村たかしでございます。

 今日もまた、一分のところを十分頂戴しました。御友情にサンキュー・ベリー・マッチということでございます。

 まず冒頭に、今もちょっと話がありましたけれども、そこで、今日は、ちょっと添付参考資料で、名古屋市の市債の起債の、残高ではなくてフローですけれども、去年どれだけ発行したのかがついておって。

 今日は外為法だけれどもどうなっておるかという話もありましたので、言っておきますと、片山大臣にちょっと確認するけれども、外為法というのは、今ずっと聞いておりまして、国の安全保障、産業面というか経済面でということと、外国からの健全な投資を増やしていくということで、やはり産業をとにかく充実させる、これはええよね、片山さん、前から言っておるけれども。国の目標として、役人を隆盛にすることはないだろうね。商売と産業を隆盛にせないかぬですよ。そのために、だけじゃない、だけに近いけれども、安全保障もあるけれども、今度の外為法改正がある。これはええでしょうね。ちょっと確認させてください。

片山国務大臣 もちろん、産業あって、その産業が守られるかという概念があるので、そういうお考えに私どもも別に異存はございません。

河村委員 本当はもう一回確認したいぐらいだけれども、どうも怪しいなと思っておるんですよ、私も。国破れて役人、議員あり、そういうふうになりゃせぬかと、日本の国は。

 何が言いたいかというと、具体的に比較するので、地方の経済というか産業というか、私はたまたま名古屋で十五年以上おりましたので、おったというのは、住んでおるのは四百年住んでおるんですけれども、十五年おりましたので、お金をちょっとでも外国から入れて産業を盛り上げる、そういうことをやりながら、国の安全保障に過ちがないように必要最小限のことをやりたいとさっき言っておったもんね。となったら、もっと必死になってやらなあかん、産業を盛り上げるのは。

 そんなところで、言いたいのは、国のことばかり言っておりますけれども、これはネットか何かで皆さんは見ておられるんだろうけれども、いかに総務省と財務省が地方の活力をそいでおるか。おりの中へ入れてしまって、ほとんど何にもやれぬように、やれぬと言うと怒られますけれども、そんな状況にして、外国から資本を入れますわといって、とんでもない話だ、僕は、本当に。あんたたちのやれることを実際にやらずに。総務省と財務省の権限だけで。そちらの方は生きておる。自分の上司だけ、うまいこと天下りさせる。そういうふうで、地方の活力というか、物すごうブレーキをかけておるんじゃないのかということについて、ちょっと若干数字がありますので。

 趣旨は、何遍も言いますけれども、外為法は是非きちっとやってくださいよ、いろいろな質問をされましたから。めちゃくちゃ制限をしてもいかぬし、しかし、余り甘くて、甘々で、国の大事な安全保障ということを、危害を加えてはいかぬので、それはしっかりやっていただく。だけれども、そのポイントは、やはり、日本国内の産業、商売、これを育てるというところにあって、その中心は、外国からのことも大事だけれども、しかし、国内で、余りにもひどい、今。役人ばかり栄えて、税金で食っておる方が栄えて、税金を払っておる方が苦しんでおる。こんなものをほったらかしにしておいて、それこそ、国破れて、何ですか、どっちを先に言おうか、議員、役人ありか、やはり議員の方が一応上になっていますので。そういうふうにつくづく感じますね。その象徴が、何遍も言っていますけれども、これは最後まで言い続けなきゃいかぬ、財政法四条と地財法五条。大きいのは地財法五条です。

 今確認したら、過去ほとんど質問ないらしいね、地財法五条は。どういうことかというと、地方の、名古屋市なら名古屋市、皆さんのところ全部そうです、市町村なり県でもいいですけれども、が何か投資するときに、これは投資項目が決まっておるわけです、まず。道路とか橋とかダムとか、学校だったら校舎、そういうことです。それと、地財法は更にひどくて、総額幾らですと、総額をはめられておるんですよ。そういう状況の中で、実際は金が余ってしまって、地方は大変な状況になっておる。日銀当座に五百兆もあるじゃないですか、本当に。利息までもらって、銀行は金がもうかってしようがない。そういう状況のままにしておいて、外為法、これはしっかりやってちょうだい、だで賛成はしますけれども、根本のところを間違えとりゃせぬかということで。

 若干言いますと、名古屋でいうと、そんなことは初めて聞いたということになると思うけれども、名古屋で金もうけというのが大体年間十五兆円です。GRPといいますけれども、十五兆、金もうけが。それで、名古屋市域の、貯蓄過剰といいますけれども、これは預貸率と出ておるんですけれども、貯金から投資を引いた残った金、これは大体十兆あります。それで、実際、名古屋として起債というか、商売なら何でもそうだけれども、新しいことをやる場合は銀行に行って金を借りてくるんですよ。これがどれだけかというと、ちょっと皆さんにつけておきましたけれども、計と書いた一番右のところ、千二百二十一億。名古屋市に十兆円余っておって、千二百二十一億ですよ。

 これは、ただし、上に書いてありますけれども、公共事業費、道路とか河川とか、それから学校の設備、それに加えて、全起債になりますと、水道局の起債だとかそういうのもありますので、大体二千億ぐらい、全部だと。十兆余っておって、それだけしか事実上やらさせてくれぬようになっておるわけですよ、総務省は。

 そんなことをやっておって、日本中の商売をみんなで盛り上げる、産業を盛り上げるというのは、できると思いますか、片山さん。

片山国務大臣 まず、御報告をしたいのは、五月の三、四、五にアジア開発銀行の総会が開かれまして、河村市長のときからの御念願である、愛知・名古屋、アジア開発銀行総会開催、日本では十年ぶりということに相なりまして、こういったところは、本当に、世界中から投資マネーを持った方が集まる来年ということになりますので、大いに、大変なチャンスになるのではないかと思っておりますし、高市政権は、とにかく強い経済で、民間企業が強くなってくれるために投資を集めよう、投資してもらおうという政権であるということは申し上げたいと思います。

河村委員 それは、ありがとうは言っていかないかぬ、それはありがとうでございますけれども、海外の投資も大きいですけれども、国内で余っておる金をどうするつもりですか、まず。それを総務省が勝手に。

 総務省の人、あんたたち、商売やったことある。価格競争、よりよいものをより安く売る、すさまじい価格競争の中で生きていく、そういう体験はありますか、あんたたち。総務省、どうですか。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 社会人になってずっと公務員でございますので、商売の経験はございません。

河村委員 それは正直でええけれどもね。

 民間の企業、六百兆、GDPがあるとして、みんな、よりよいものをより安く作る、必死になって生きておるわけだ。ちょっともうかったと思ったら、同業者が横に出て潰れてしまう。お母ちゃんと、わあわあ言われて離婚もせないかぬ。そういう苦労の中でみんな生きておるんですよ。そんな経験をしたことのない人が、何で名古屋市の、というか日本中ですけれども、地方財政計画で財務省と一緒になって限定するんですか。どういう権限があるんですか、あんたたちに。

武村委員長 河村君に申し上げます。

 申合せの時間が経過をいたしました。まとめていただきますようにお願いいたします。

河村委員 ちょっと、今の質問を聞いてちょうだいよ。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 地方財政法第五条は、健全財政の確保、世代間の負担の公平の確保等の観点から、自治体の歳出は地方債以外の歳入をもって賄うことを原則とし、起債の対象経費を、原則として、公営企業に要する経費や、出資金、貸付金、公共、公用施設の建設事業等に限定しているところでございまして、これは国の財政法と同様の考え方でございます。

 このため、御指摘ございましたような産業誘致のための補助金の費用については地方債の対象経費とはなっておりませんが、一方で、企業団地の造成や、将来の償還や財産としての維持が期待できる企業への貸付金や出資金については地方債の対象経費となっておるところでございます。

河村委員 最後にしますけれども、あんなことばかり言って、国内の経済を物すごい縮小させておるのは、財政法四条もあるけれども、地財法五条の方がいかぬ。もう変えないかぬです。

 ちょっと皆さんに言っておくけれども、地財法五条というのは昭和二十三年にできたんですよ。GHQは官僚に余り権限を持たせぬように、金を。そのためにできたんです。いまだにそれを使っておるんだ。自民党の皆さんには、是非、それをできる権限があるじゃないですか、片山さんだって。こんなふうでは産業は伸びないと思うがどうですかと言うと、もうやめろと言うんでしょう。じゃ、一応申し上げておいて、役人ではできぬから自民党と片山さんがやらないかぬ、これを。地財法五条、財政法四条を廃止する、産業をみんなで育てる国をつくると宣言して、総理に言ったるだあ。それは、総理が言ったことが積極財政というなら、それだったら本物です。今のはいかぬ。木を見て森を見ず。駄目だと思いますね。

 以上で終わります。済みません。

武村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

武村委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

武村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

武村委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、若林健太君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。伊佐進一君。

伊佐委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 世界の安全保障環境が厳しさを増していることから、我が国の安全等に関わる技術の流出や事業の喪失を防止するため、国の安全等を損なうおそれがある対内直接投資について内外の情報収集に鋭意努めるとともに、我が国が魅力的な投資先であるための投資の自由の確保ともバランスを取りつつ、本法の規定についても不断に検討を加え、国益を踏まえた必要な措置を講じること。

 二 本法改正の必要性を含めた趣旨について、市場関係者にわかりやすいものとなるよう、引き続き丁寧な説明と対話に努めること。

 三 対内直接投資審査制度における審査の基準や考慮要素については、自由で公正な投資環境を担保し予見可能性を高める観点から、可能な限りの透明化の努力を続けること。

 四 対内直接投資審査制度の実効性を高めるため、情報部局を含めた安全保障関連部局との連携を一層強化するとともに、科学技術担当部局を含め省庁横断的な審査体制を強化すること。また、対日外国投資委員会の事務局体制についても、必要な人員の確保を含め、実効性ある体制づくりを行うこと。

 五 本法の趣旨に則り、重要な社会インフラに対する外国投資家による対内直接投資が、国益に直結しない保守作業の後回しやサービスの質の低下、有事におけるサービス途絶等につながらないよう、地方自治体と十分に連携し、リスク管理に努めること。

 六 業務効率化等の観点から届出書類等のオンライン提出促進に向けた取組を進めるとともに、他省庁等における事例も踏まえてデジタル技術の更なる活用について検討し、蓄積された情報を活用して効率的な分析や事後モニタリングを実施すること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

武村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

武村委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣片山さつき君。

片山国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

武村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

武村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十九分散会


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