第10号 令和8年5月29日(金曜日)
令和八年五月二十九日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 武村 展英君
理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君
理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君
理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君
理事 萩原 佳君 理事 田中 健君
浅田眞澄美君 東 国幹君
石井 拓君 稲葉 大輔君
井林 辰憲君 岩崎 比菜君
上原 正裕君 鹿嶋 祐介君
加藤 勝信君 橘 慶一郎君
長澤 興祐君 新田 章文君
藤丸 敏君 細田 健一君
松本 泉君 三反園 訓君
三原 朝利君 向山 淳君
森原紀代子君 米内 紘正君
渡辺 勝幸君 大島 敦君
大森江里子君 岡本 三成君
一谷勇一郎君 近藤 雅彦君
牧野 俊一君 峰島 侑也君
山田 瑛理君 河村たかし君
…………………………………
財務大臣
国務大臣
(金融担当) 片山さつき君
内閣府副大臣 岩田 和親君
財務副大臣 中谷 真一君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
財務大臣政務官 三反園 訓君
政府参考人
(内閣官房日本成長戦略本部事務局次長) 坂本 里和君
政府参考人
(内閣法制局第一部長) 佐藤 則夫君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 原 克彦君
政府参考人
(金融庁総合政策局総括審議官) 柳瀬 護君
政府参考人
(金融庁企画市場局長) 井上 俊剛君
政府参考人
(金融庁監督局長) 石田 晋也君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 福田 毅君
政府参考人
(法務省民事局長) 松井 信憲君
政府参考人
(財務省主計局次長) 吉沢浩二郎君
政府参考人
(財務省主税局長) 青木 孝徳君
政府参考人
(国税庁次長) 田原 芳幸君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 熊木 正人君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 江浪 武志君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省イノベーション・環境局イノベーション政策統括調整官) 宮本 岩男君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 和久田 肇君
財務金融委員会専門員 二階堂 豊君
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委員の異動
五月二十六日
辞任 補欠選任
峰島 侑也君 山田 瑛理君
同日
辞任 補欠選任
山田 瑛理君 峰島 侑也君
同月二十九日
辞任 補欠選任
棚橋 泰文君 細田 健一君
峰島 侑也君 山田 瑛理君
同日
辞任 補欠選任
細田 健一君 東 国幹君
山田 瑛理君 峰島 侑也君
同日
辞任 補欠選任
東 国幹君 向山 淳君
同日
辞任 補欠選任
向山 淳君 橘 慶一郎君
同日
辞任 補欠選任
橘 慶一郎君 棚橋 泰文君
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五月二十八日
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五七号)
同月二十一日
消費税率五%以下への引下げとインボイス制度の廃止に関する請願(塩川鉄也君紹介)
(第四二七号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第四二八号)
同(田村智子君紹介)(第四二九号)
同(畑野君枝君紹介)(第四三〇号)
同(畑野君枝君紹介)(第五七〇号)
所得税法第五十六条の廃止に関する請願(山本ジョージ君紹介)(第五四一号)
同(有田芳生君紹介)(第五五一号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五七号)
財政及び金融に関する件
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○武村委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。金融担当大臣片山さつき君。
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金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○片山国務大臣 ただいま議題となりました金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
我が国の金融資本市場の変化に対応しつつ、成長資金供給を拡大するとともに、市場の公正性、透明性及び投資者保護を確保することが、喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、暗号資産に係る利用者保護の充実を図るため、金融商品取引法において、暗号資産に係る情報の公表制度、暗号資産取引等に係る業規制、不公正取引規制等の規定を整備することといたします。
第二に、気候変動等に係るサステーナビリティー情報について、比較可能性の向上と信頼性の確保の観点から、一定の上場会社に対し作成基準に基づく情報開示及び第三者保証を義務づけるとともに、保証の提供業者に関する登録制度を導入することといたします。
第三に、スタートアップ企業への資金供給を促進するため、投資者保護に留意しつつ、開示規制の緩和を行うことといたします。
第四に、不公正な取引への抑止力を高める等の観点から、有価証券に関する不公正取引規制等を見直すことといたします。
その他、関連する規定の整備等を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○武村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
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○武村委員長 次に、財政及び金融に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
両件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房日本成長戦略本部事務局次長坂本里和君外十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○武村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。峰島侑也君。
○峰島委員 チームみらい、峰島侑也でございます。
本日も質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。
本日、私がお伺いしたいのは、今国会で成立いたしましたミニマムタックス改正と国としてのスタートアップ振興との整合性でございます。
まず、私の問題意識としましては、今回成立しましたミニマムタックス改正、これの対象に一部、スタートアップ創業者の株式譲渡益も含まれてくるということがございます。この法律が成立したプロセス、そして、結果として、スタートアップ振興施策と今回の税制改正が整合性を欠いているのではないかという点について、この時間を使ってお伺いしていきたいというふうに考えております。
まず、私の根本的な課題意識としては、本来、今回のミニマムタックス課税は、継続的な金融所得を得る超富裕層を前提として制定されたもののように考えております。しかし、今回、スタートアップ創業者、一度きりの株式譲渡益を得る方々も対象になっている。
私自身の体験から申し上げますと、私自身は議員になる前にスタートアップで働いておりましたし、その前はベンチャーキャピタル、ベンチャー企業に投資する会社で働いてまいりました。その中で数多くの創業者の方々も見てきましたが、世の中で言う、いわゆる成功する投資家というのは、非常に一握りでございます。やはりスタートアップは非常に厳しい世界でございますので、百社創業しても成功するのは一社あるかどうかという中で、創業者の方々、皆さん、給料を切り詰めて、若しくは無収入で働いておられます。そういったリスクを取り続けた末に、株式譲渡益で報われるというのがスタートアップの基本となっております。
まず、今回の制度改正につきまして、改めて前提の確認ということで、このミニマムタックス課税の趣旨又は背景、そういったところについて、財務省より御説明をお願いしたいと思います。
○青木政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘をいただきました極めて高い所得に対する負担の適正化措置でございますが、所得税の最高税率四五%よりも低い税率で分離課税の対象となっております土地建物や株式等の譲渡所得等が所得全体に占める割合が高所得者ほど高くなっていることから、高所得者層で所得税の負担率が低下するという、いわゆる一億円の壁への対応として、令和五年度税制改正でまず創設をされたものでございます。
その上で、今般、令和八年度税制改正において、税負担の公平性の確保の観点から本措置の見直しが行われたところでございますが、まず、その背景といたしましては、いわゆる一億円の壁につきまして、本制度の創設後も国会などにおきまして様々な御議論がなされたことが挙げられます。また、昨年十一月の与野党六党合意におきまして、いわゆるガソリン等の暫定税率の廃止の財源確保の文脈から、極めて高い所得の負担の見直し等の税制措置を検討し、令和七年末までに結論を得るとされておりました。
こうしたことを踏まえまして、与党税制調査会におきまして本措置の見直しが具体化されたというところでございます。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。
私自身も、いわゆる一億円の壁問題であるとか、財源確保の必要性、そういったところは重々承知をしております。その上で、今回の、まずは法改正のプロセスの点についてお伺いをしたいというふうに考えております。
本改正の成立は本年の三月三十一日でしたが、その一か月後、五月一日に、ジャパン・ベンチャーキャピタル協会から、本改正に対する強い懸念を表明する政策提言が公表されました。この中では、企業価値を向上させようとするインセンティブを構造的にそぐといった課題であるとか、優秀な起業家の海外流出を懸念する、そういった声が書かれておりました。
法成立後にこれまで強い懸念がまとまった形で出てきたということ自体を私自身は懸念を抱いておりまして、立法プロセスの中で当事者の声を十分聞く機会があったのかというところを是非お伺いしたいと思っております。特に、今回、課税強化となる方々も多くいらっしゃる中で、その対象者となった方々若しくはスタートアップ創業者の方々、そういった方に対してヒアリングが行われたのかというところについて、お聞かせいただけますでしょうか。
○青木政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたけれども、いわゆる一億円の壁の問題につきましては、国会などにおける様々な御議論、また、ガソリンの暫定税率の廃止をめぐる与野党の御議論などを踏まえまして、与党の税制調査会におきまして見直しの具体案が取りまとめられたところでございます。
与党税制調査会におきまして、スタートアップとの関係とかそういったことも含めまして様々な御議論が行われたとは承知しておりますけれども、個別の改正項目につきまして、具体的な議論の取り上げ方につきまして、これは与党の税制調査会において決められるものでございまして、その在り方について政府の立場で言及するということは控えさせていただきたいと思います。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。
確かに与党の税制調査会の中で議論される内容ということもあるかもしれませんが、やはり、国として、こういった法律を制定していく上で、特に課税強化をする際、その対象者の方々の意見を聞くということは非常に大切なプロセスであるというふうにまず考えております。まずプロセスについては私自身はこのように考えておりますが、中身についても非常に懸念を持っております。それは、具体的に言いますと、国が今掲げているスタートアップ振興施策と今回の税制改正というものが整合性を欠いているのではないかという点です。
まずは、政府のスタートアップ振興の立場を確認させていただきたいと思います。現在、国として、どのようにスタートアップ振興について認識されているのか、どのような目標を持っていて、どのような進捗を出しているのか、そのようなことについて政府からの御答弁を求めたいと思います。
○坂本政府参考人 お答えいたします。
まず、目標についてでございますが、二〇二二年に策定をいたしましたスタートアップ育成五か年計画におきまして、スタートアップへの投資額を、五年後、二〇二七年度に十兆円規模とする、また、将来において、スタートアップを十万社、ユニコーンを百社創出をするということを目標といたしまして、官民連携で取組を推進してきているところでございます。
進捗につきましては、スタートアップ投資額については、世界的に資金調達環境が厳しさを増す中で、二〇二五年速報値で七千六百億ということで、目標にはまだ届いておりませんが、五か年計画の取組を進めた結果、我が国のスタートアップ企業数につきましては、二〇二五年に過去最多の二万五千社、五年で約一・五倍に増加をしております。また、ユニコーン数につきましては五年で一・三倍、上場してユニコーン規模になった企業で約二倍、時価総額五百億円以上のユニコーン予備軍と呼べる未上場企業が約三倍となるなど、我が国スタートアップのエコシステムは着実に発展してきているというふうに考えております。
こうした目標の達成に向けまして、五か年計画を強化をするために日本成長戦略会議の下に設置をされましたスタートアップ政策推進分科会におきまして、先週二十日に、スタートアップのスケールアップ、ディープテックの支援、地域の経済社会を担うスタートアップの創出、育成という三本柱から成るスタートアップ総力創出パッケージを取りまとめられたところでございます。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。
今御答弁いただきましたように、日本として、スタートアップ振興をしていくというのは国策としてかなり注力をされており、かつ、それに対して成果がついてきているというふうに私自身も理解をしております。特に、今おっしゃっていただいたものの中で、ユニコーンの数も一・三倍という形になっているのは非常にすばらしいことだというふうに考えておりまして、こういった企業がより多く出てくることによって、雇用の創出であったり、新たな日本を支えるような産業の創出、そういったことに向かっていくと私自身も考えております。
そのようなスタートアップ振興を行っていく上で、現在、税制面ではどのような手当てがなされているのか。特に、創業者やストックオプションを保有する初期従業員に対する手当てがどのように行われているのか。そのような点について御説明いただけますでしょうか。
○宮本政府参考人 お答え申し上げます。
経済産業省では、スタートアップに対して多様な主体からの資金供給を拡大させる観点から、税制面で累次の税制改正要望を行い、制度を整備してきております。
例えば、令和五年度にエンジェル税制を改正し、株式譲渡益のある個人がその自己資金により創業した場合や創業初期のスタートアップへ再投資した場合に、再投資分に当たる株式譲渡益を非課税とする措置を新設しております。
また、令和八年度税制改正では、事業会社による出資や買収を後押しするオープンイノベーション促進税制の要件を見直した上で、適用期限を延長し、買収前のマイノリティー取引の対象化、それから、海外投資家が国内ファンドへ出資する際の課税の特例要件の見直し、こういった制度を整備してきているところでございます。
○峰島委員 ありがとうございます。
今御答弁にもありましたとおり、一定、今、手当てがなされているということでしたが、例えばエンジェル税制、こちらも、エグジットした後の起業家が改めてそれを再投資する必要がある、若しくは御自身で改めて会社を立ち上げる必要があるということですが、冒頭私が申し上げたとおり、スタートアップは基本的には百社創業して一社成功するかどうかというところで、そこの非課税枠を受けるためにそういったリスクを改めて取らなければならないというのは、非常に起業家にとってもリスクの高いことだというふうに考えております。
今まで確認してきたように、日本としてスタートアップについて今後も注力をしていくという中で、今回のミニマムタックス課税の対象者に多くのスタートアップ起業家が含まれるであろうというところは、私自身、課題を感じております。特に、先ほどおっしゃっていただいたように、ディープテックの部分は今後も日本として注力をしていく部分だとは思いますが、こういったディープテックの会社については、海外からも優秀な人材を引き寄せていくということが必要になりますが、今回のミニマムタックス課税は、国籍が日本の方でなくても居住者であれば対象となるというところで、長期的に見たときに、こういった人材の競争力もそいでいく、そういった懸念があるというふうに考えております。
そういった中で、私から今回御提案若しくは御検討をお願いしたいところとしては、日本版QSBSと言えるようなものができないのかというところをお伺いしたいというふうに思っています。
ただいま確認したように、エンジェル税制では十分な手当てがされているとは言えません。再投資や改めて御自身で起業する、そういったことが求められているということでは、なかなか手当てがされているとは言えないと思います。ただ、一方で、非課税というふうにするまでいくと、税の公平性であったりとか、先ほどおっしゃっていただいた財源の確保というところでも課題が出てくるのかと思います。そういったときに、まずは、スタートアップ創業者が創業時から長期保有してきた株式に対して通常の譲渡所得課税、すなわち二〇・三一五の分離課税に据え置くということが可能なのかというところについてお伺いしたいと思います。
特に、制度の中では、創業時点から原始取得すること又は保有期間を三年若しくは五年といった形で長期で持つということを要件とすることによって、対象者を的確に絞り込むことができるのではないかというふうに考えております。こういった日本版QSBSの創設の検討について、政府の御認識をお伺いしたいと思います。
○青木政府参考人 お答えいたします。
極めて高い所得に対する負担の適正化措置でございますが、高所得者層について、分離課税の対象となる土地建物、株式等の譲渡所得等が所得に対する占める割合が高いことから所得税の負担率が低下する、いわゆる一億円の壁に対応する措置でございますが、特に所得の高い層、例えば所得でいうと五十億円超の方でございますと、所得全体に占める株式譲渡所得の割合が平均して約九割に達するというような状況でもございます。こうした方々につきまして、株式の譲渡所得を本措置の対象から外した場合に、いわゆる一億円の壁への対応という政策目的を損なうおそれがあるといった点にも留意が必要ではないかというふうに考えております。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。
まさしく今おっしゃっていただいたように、今回対象になる方々の中でどの程度の方々がスタートアップ創業者に当たるのかというところ、ここについてはより解像度を高めていく必要があるというふうに考えております。先ほど、株式の譲渡益というのが九割を占めているというお話がありましたが、その中には、当然、投資家の方々が日々トレードをしていく中で稼いでいく、そういった譲渡益もあれば、スタートアップの方が自分の会社の株として長年保有して最終的にそれを売却するというケースのものも含まれているというふうに思います。まずは、そこの点について、実態がどうなっているのか、そういった調査を政府の方で行われることを期待しております。
最後に、ここまでの議論を通じて、国としてのスタートアップ振興そして税制との整合性というところについて、是非、財務大臣から御所感を伺いたいというふうに思います。
○片山国務大臣 スタートアップ支援、スタートアップ振興ということは、高市内閣でも非常に大きな優先度を持った重要な課題でございますし、我が国において長年取り組んできているところでございますが、本日委員から御指摘のありました極めて高い所得に対する負担の適正化措置につきましては、参考人からもるる答弁を申し上げておりますように、いわゆる一億円の壁が課題となっていた中で、税負担の公平性の確保というために、八年度税制改正において見直しが行われたものでございます。
スタートアップ振興の方は、税制の方では、令和五年度税制改正から、株式の売却益を特にリスクが高くて資金が集まりにくいスタートアップへの再投資に充てる場合には、申し上げたように二十億円までその売却益を非課税にするという措置を講じているところでございます。
いずれにしても、スタートアップをめぐる措置を受けて、税制につきましては、前提として、多くの納税者の理解と納得を得られるものであるということと、いろいろな御指摘のあったような点とのバランスをいかに取るかということが非常に重要だと思っておりまして、成長戦略会議の分科会の方では、スタートアップ総力創出パッケージというのを取りまとめておりますので、様々なツールを総合的に使って支援に取り組んでまいりたいと思っております。
○峰島委員 ちょっと答弁の、時間が来てしまったので簡潔にですが、是非、課税強化の対象になった方々の実態調査、先ほど言ったような、いろいろな方がいると思うんです、毎年同じように配当益で入ってくる方もいらっしゃれば、十年、二十年とやって、ようやく株式を売却されたというスタートアップ創業者も含まれると思いますので、まずはそういったところの実態の調査、どういった方々が課税強化の対象になったのかというところは是非調査をお願いしたいというふうに考えております。
私の質疑は以上になります。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 おはようございます。参政党の牧野俊一です。
本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず冒頭に、先日の質疑の方でも私の方からネットの資金需要というものを財政運営の指標の一つにできないかというふうな問いかけをしたことがございますが、この問いに対しまして大臣からは、この統計は早くは出てくるけれども事後的にしか確認をすることができないのでなかなかそのまま財政運営の指標にするのは難しいという御回答ではありましたが、それを言うのであれば、令和八年度予算で見込んでいる今年の見込み税収であっても、本当に確定するのは、来年の確定申告で確定するものなので、そこまであくまで見込みということであって、実際には税収も同様に事後的にしか確認できないような指標になります。
このネットの資金需要について、民間の資金需要がこの年どうなるのかという予測は、税収よりも少し予測し難い側面があるのは確かだと思いますけれども、やはり一定の見込みというものを計算することはできるのではないかなというふうに考えております。
先般質疑しましたように、今後、金融DXがどんどん進んでいくに従って、中には従来の銀行を介さずに資金調達をされるという方々が今後増えていくという可能性もあるというふうに考えていますが、現状は、日銀の国債の売り買い、売りオペ、買いオペであるとかあるいは公定歩合の調整、ここによって、市中銀行から民間に対して融資をどれぐらいやりやすくなるか、ここのコントロールをかけることによって、市中のマネーストックが急激に増え過ぎたり減り過ぎたりしないようなそういったコントロールがされていると認識していますけれども、今後、一般の市中銀行を介さずに分散型のデジタル通貨でもって資金調達をするということが増えていくと、なかなか、日銀のコントロールによって市中のマネーストックの増減というのを、コントロールが従来よりもやや利きにくくなる可能性があるんじゃないかなというふうに考えています。
一方で、どれだけデジタル通貨がその年に新たに発行されましたか、ここに関しては、業者の登録とかそういった規制によって、今年はこれぐらい新たな通貨が世の中に出回りました、発行されました、この統計は十分に可能だと思いますので、ですので、前年の実績値に基づいてでもいいですから、ネットの資金需要というものを一つの財政支出の指標として、例えば、今年のネットの資金需要が一年間で非常に低いというときは、来年は財政拡大をする方向に振るべきだし、あるいは、すごく景気が過熱してネットの資金需要が物すごく増大しているというときは、逆に財政を絞るといった方向で、まあ我々参政党としては、一つの水準として、目標値として、対名目GDP比でマイナス五%程度を目指すということの提案はしておりますが、こういった側面から、将来の金融DXを見据えて、ネットの資金需要というものを財政運営の指標の一つにできないかという点について、改めて財務大臣の見識をお問いしたいと思います。
○片山国務大臣 政府部門と民間部門の資金過不足を合計したネットの資金需要につきましては、三月四日に委員と御議論をさせていただきました。
財政運営を多角的に評価、検証するということは重要で、私も、十月に財務大臣を拝命いたしましてから、まず、国の借金の額、それが粗であるのかネットであるのかということについては、財務省のホームページ上には両方出すようにということで、二日後から出していただいておりますし、経済財政諮問会議等の場でも、三百六十度の目線で客観的に様々な指標を並べて見られるようにしましょうということを申し上げ、それを委員の方々にも引用していただいて、一つの取りまとめ事項にも入っておりますので、様々な、多角的な評価、検証のこと自体は非常に重要だと思っております。
ですから、企業部門の資金過不足という統計を見ることですとか、あるいはISバランスというのは昔からある議論ですから、これを確認すること自体を否定するわけでは全然ありません。
改めて、ネットの資金需要が事後的にしか確認できないといった課題があると申し上げた趣旨としては、政府自らの行動の指針となる財政目標としての是非を議論するに当たっては、ネットの資金需要は政府だけではなくて一つ一つの企業の行動の結果でございまして、そういう意味で事後的にしか確認できないということ、こういうことが課題の一つだとして申し上げたまででございます。
その上で、いろいろ実績値を今回は分析をして見てみました。つまり、日本も諸外国も含めた過去のネットの資金需要の実績値の分析でございますが、政府の財政赤字が拡大している場合、その赤字の拡大が企業内の国内投資を拡大するというような相関関係が、グラフによるとほとんどそういう関係は確認できないということがまずあります。それから、ネットの資金需要のマイナス幅が大きい国ほど、逆に、ここはある程度相関関係があるんですが、経常収支が赤字の傾向にあるということが確認できます。
ということを考えると、財政目標としてどうかということに加えて、ネットの資金需要は何のためにどういう水準で見られるべきかというのは、ちょっと必ずしも明確にはなっていないんじゃないのかなというふうに、分析の結果、考えているところです。
○牧野委員 ありがとうございます。
今おっしゃったように、確かに、政府のその年の赤字幅とその年の企業がどれだけ投資したかということに相関が見られないということでございますけれども、一方で、逆に言うと、企業が景気が悪くて投資をしない、つまり企業部門が資金過剰になっているからこそ、そのときに唯一、投資の幅を拡大する、赤字を気にせず投資を拡大できるプレーヤーというのは政府だと思いますので、そういった側面から、そこの一つのコントロールの指標として見ていただくということも一つなんじゃないかなというふうに思いますが、ちょっとこの観点だけ、少し補足で御見解をいただければと思います。
○片山国務大臣 今申し上げましたように、結果値を見てみると、財政赤字が拡大しているから企業の国内投資を拡大するという関係にはなっていないし、確実にそれが誘引されるという傾向もないので、これが、またさらに、経常収支の方の赤字の傾向とは正の相関関係的なものが見られるものですから、これを目指すということはそもそも相対的にマクロ経済上いいことなのかというのが、まあ一部、そういう極端な積極財政論者でおっしゃる方もいらっしゃいますが、別にそれは、成長戦略におきましても経済財政諮問会議においても国の方針にはなっておりませんし、そういう議論を今主流に据えているということもないのではないかと思っております。
○牧野委員 ありがとうございます。
最終的には経常収支のところがどうなるかということも大切ですし、政府が赤字幅を拡大したからといって、直ちにその後、企業の投資が呼び込まれるという相関関係がすぐには見られないというところもあるかと思いますが、これはあくまでマクロの話ではあるので、最終的には、何の分野にどれだけ政府が支出をするのか、そして同時に、長期的なこういったロードマップで、この分野に投資をしますと、今まさに官民の投資ロードマップというものを作っていただいていると思いますけれども、そういったものをきちんと民間に対して示して、これからこういう方向に国のプロジェクトは進んでいくんですよという、その予見可能性をしっかりと示していっていただきたいというふうに思っております。
続きまして、ナフサの関連物資の供給目詰まりというものが方々で生じているというふうに認識していまして、先日も、鹿児島の方の塗装業界の方々からお話を伺いますと、政府の統計では、トータルの出荷量ベースで見ると、一〇八%とか一〇五%とか、前年同月よりも少し多いぐらいの統計がその分野のトータルの実績値では出てきてはいるんですけれども、やはり現場にはなかなか物が届かないと。
しばらくなかったシンナーは少し回復したということではあるんですけれども、今度、今足りなくなっているのが、さび止めがないとか下塗り剤がないとか。その一個上流の業者にその会社から問い合わせると、例えば、塗料を作るのに十種類の材料を混ぜて製品を作る、そのうちの九種類は入ってきているんだけれども、残りの一種類が入ってこないから製品を卸せないんだとか、やはりそういったことがいろいろなところでちょっとずつ起きていて、なかなか流通網が正常化していないと。
特に、建設業関連など、例えば、この工程をやらないと次の工程に進めないということで、一か所工事が止まると全部その後ろが止まるみたいなことが起きてしまって、こういった多数の業者が連続的に、段階的に関わっていく業界では、今、資金繰りのショートによって倒産するリスクというのが非常に高まっているというふうに認識しております。
今まさにこうやってイラン情勢に伴っていろいろなものが正常に届いてこない、入ってこない、こういうまさに供給能力というところに問題が生じているわけではありますけれども、国内に必要な分は年を明けてまで確保できてはいる、マクロの統計ではそうなっているということなので、いずれこの供給網が正常化する、あるいは、いつになるか分かりませんけれどもちゃんとホルムズ海峡が通れるようになる、こうなったときに、本当に大切な国内の物やサービスの供給能力の方ですね。
何度も以前から申し上げておりますが、本当に国にとって、足りなくなるのは、お金の量ではなくて、実際に現場で物づくりができる、そういったノウハウを持った会社や人材、そしてサービスをつくれる人がどれだけいるか、この供給能力こそが国家経済力の根本のところだと思っていますので、資材供給網が正常化するまでの間、緊急的な無担保無利子の融資、できればそれも劣後債であるとか、あるいは既存債務の返済猶予とか信用保証とか、そういったことによって何らか困っている業界に対して資金繰りの支援が緊急的に必要な状況と思われますが、何らかそのような支援策は金融担当大臣として考えていらっしゃいますでしょうか。
○片山国務大臣 中東情勢の影響があるということは明らかでございましたので、実は、年度内の三月二十七日に、年度内の資金繰りというのは、大体、何か余りよろしくない状況が少しでもあれば、ここで一発撃っておかないと駄目なものなので、今のような五月末の議論になるずっと前に、私の名前で官民の金融機関と関係省庁を全部集めまして緊急開催の会議をやりまして、代表者に対して、事業者に対する資金繰り支援の徹底、要するに、実際に無理な取立ては一切しない、資金繰りのショートで倒産させるようなことがあってはならない、そういうようなことに近いようなことを私の方から直接申し上げた上で、関係大臣全員連名による緊急要請を出しております。これがきちっと着実に図られているかについては、金融庁においても、もちろんモニタリングをしております。
さらに、既存の予算等の活用によって、政府系の金融機関、商工団体等における特別相談窓口が設置され、また、日本政策金融公庫のセーフティーネット貸付けにおける金利の引下げ、〇・四%引下げなどの形でも資金繰り支援を強化しており、加えまして、先日、五月二十五日に総理から御発言がありましたとおり、政府として、今後、業況が厳しい業種は追加して、信用保証による支援を強化する、取引Gメンや建設Gメンなど千人体制で中東情勢の影響を重点調査し、価格転嫁の徹底を図る、こういう支援も強化していくこととしております。
またさらに、税制や補助金も含めた様々な経済政策によって強い経済を実現していくという大方針の中で、これらの状況がいかように変化しても何とか対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○牧野委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたように、既に、金融機関に対しては、そういった、無理な取立てをしないとか、可能な限り現場の支援をするといったことで要請をしていただいているというところではありますし、今、税制についても一部言及いただいたところではあるんですけれども、実際、現場では、コロナのときのいわゆるゼロゼロ融資、あれを返済できずに今倒産しかかっている、あるいはもう倒産してしまった、こういった会社も増えているというわけではありますが、例えば緊急融資を受けるとかということにあっても、いずれその分のキャッシュが入ってくるという見通しがなければ借りられないというのが現場の現実であります。
なので、例えば、各種の減税、それもかなり思い切った減税、例えば、今年に限って固定資産税の控除額を五億円程度まで引き上げるとか、あるいは、社会保険料、年金等を思い切って今年だけしっかり減免してあげるとか、補助金とかそういったものを組み合わせてもいいですけれども、何らか、とにかく総合的な政策をしっかり組み合わせて、財政の面からも資金繰りの支援というものをきちんとやって、とにかく、守るべきなのは、国の財政赤字を拡大しないことよりも、現場の供給能力を守ることなんだ、この視点に立って、財政的な支援というものも、今年のみの税制の優遇も含めて検討いただきたいと思いますが、財務大臣としてはいかがでしょうか。
○片山国務大臣 中東情勢の勃発後、一番最初に対策を打ち出したのは日本だということは、G7に、その後、四月にも行きましたし、五月のパリにも行って、広く認められておりまして、中東への石油等の依存度が高いにもかかわらず、その中では、経済指標はレジリエントに何とかとどまっているという御評価はいただいております。
もちろん、だからそれで十分だと申し上げているわけではなくて、常に柔軟に状況に対応して、臨機応変にしていかなければいけないし、サプライチェーンを守るということを非常に重視しているというのが高市政権の方針でございますので、財政云々ということを重視しているのではなくて、この急場の事態に対して、これはまさに都度都度のオイルショックよりもむしろ、様々な意味で多様に、中小企業や一人親方さんから見れば受忍義務があるような話ではないので、できるだけのことをしていくという方針に変わりはないんですが。
実質無利子無担保融資、いわゆるゼロゼロ融資は、私は、コロナ当時のその政策の提言者でございます。まだ御存命だった安倍総理に対してお願いして、当時の麻生副総理兼財務大臣兼金融担当大臣の御判断でそのようにしていただいたんですが。
民間が百三十七万件貸し出して、公庫は百二十八万件貸し出して、これは単純合計じゃないんですけれども、どう考えても二百何十万件の実績があるんですけれども、最近のデータは今調べておりますが、一月末の時点では、条件変更五%、代位弁済が三・五%で、最初の当時に、これは駄目だろう、緊急避難だろう、もっと高い数字が出てくるだろうと思っていたようにはなっていないんですよ。
ただ、その後、これは一月末ですから、若干悪くなっていることは当然予想されますが、その後の東京商工リサーチの調査によれば、ゼロゼロ融資を利用した企業の倒産件数は、一月二十八件、二月二十七件、三月三十一件、四月二十一件なんですよ。五月がまだ出ていないんですが、非常に著増していれば、この数字に露骨に出てきますから、そういう状態というよりも、その後大分年数もたっておりますので、まさに業況、地域の状況、その他によるものもかなりあるのかなというふうに思って。
もちろん、悪くなっている状況については、どういうことであるかを慎重に注視しないといい処方箋が書けないですから、そういうことを見ながら、しっかりと意味のある、効果のある処方箋を書いていくべきではないか、その辺に非常に配慮をして、着実に細かくモニターすることを金融庁の方にも、それから、もちろん中小企業庁にもお願いして、指導しているところでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
直ちに足下でゼロゼロ関連の倒産が急激に増えているということではないということではございますが、今後、イラン情勢によるこの苦しい状況が続くと、ここから増えてくる可能性もあると思いますので、しっかりモニタリングして、救済手段を打っていただきたいというふうに思っております。
続きまして、消費税についてちょっと財務省に伺いたいんですけれども、消費税というのは、物価上昇に比例して事業者や消費者の負担がもろに増えてくるというシステムですから、現在のような供給制約で物価が上がっていく局面では特に重たく負担がのしかかってくる、企業にとっては、赤字であっても払わなきゃいけないという税制でありますが、消費税が一〇%になってから統計が出ている令和二年から令和六年の決算まで、そこの物価上昇率と消費税収国税分の伸びは、それぞれどうなっているか、統計、お願いできますでしょうか。
○青木政府参考人 お答えいたします。
令和二年度から令和六年度にかけての消費者物価指数総合の伸び率は、約一〇%程度でございます。同期間の国の税収の伸び率は、約一九%程度というふうになっております。
○牧野委員 ありがとうございます。
実際に細かく統計を見ると、令和二から四年ぐらいは、消費税収国税分二十二兆円程度で変わらないんですけれども、コロナ明けから物価上昇率が三%台に突入してから、令和五年、六年に関しては、消費税収国税分が二十三、四兆円とどんどん上がってきているというふうです。
現在、社会保障国民会議で給付つき税額控除の制度設計に関する議論がされていると認識していますが、とにかく、給付つき税額控除ができるまでの間、足下の物価上昇を支えるために食品だけゼロにするんだというふうに高市総理がおっしゃって議論が開始されたものの、ここに来て、レジ改修に一年かかるとかかからないとかそういった話がまた出てきて、だったら食品の税率を一%にするとか〇・一%にするとか、こういった案も浮上していますが。
今いろいろ申し上げてきたように、これは、元々は、特に低所得者の国民の方にとっては食品とかが占める生活必需品が安くなってくれた方がうれしいからここを重点的に支援するんだ、そういう考えで食品だけゼロというのは出てきたと思っているんですけれども、一方で、本当に今苦しくなっているのは、そこの低所得者だけじゃなくて全ての業界がやはり苦しんでいるわけですから、実際の現場の方に聞いても、消費税がちょっとでも下がってくれたらやはりそれはうれしいというお声もいただいていますので、ここは、いろいろレジ改修問題で時間がどうこうという議論があるのであれば、全体の税率を八%にそろえるということをしたって、かかる費用が四・八兆円が五兆円ちょっとになるというのは、ほとんど変わらないわけですよ。しかも、この物価上昇によって消費税収が上振れている分で十分そこは吸収可能ですから、急いでとにかく対策を打ちたいと思っているのであれば、全品目で消費税を八%にしていく、この議論が必要なんじゃないでしょうか。
財務大臣、いかがでしょうか。
○片山国務大臣 委員の御提案は、正しく私が理解していれば、食料品等の軽減税率は八%のまま維持した上で、現在一〇%である標準税率は八%に引き下げるという御趣旨かと思いますが、必要な財源につきましては、通常言われているいわゆる食料品の消費税率ゼロは年間が約五兆円なので、食料品の軽減税率を維持した上で標準税率を八%に引き下げる場合は年間で約六兆円なので、若干違うんですけれども、若干といったって大きな金額の違いではありますが。
その上で、今般、政府・与党として給付つき税額控除の実施までの二年間に限ったつなぎとして食料品の消費税率ゼロを検討しているというのは、中低所得者の方々が生活必需品である食料品等の物価高の影響を受けていることがその背景の一つにあると承知しております。したがって、食料品の消費税率については八%を維持しつつ、その他の標準税率を引き下げることは、目的に対応するための手段としては必ずしもそうではないのではないかなというふうに考えられるんじゃないかと思いますが。
いずれにしても、御党の最初におっしゃっていたことはまた別のことのようでございますから、どうお答えしていいのか、その辺はよく分からないんですが、標準税率の対象としては、高所得者ほど多く支出する高級な財・サービスの購入というのが標準税率に入っております、当然。それで標準税率を下げた場合、減税の恩恵が中低所得者よりも高所得者に対してより顕著に及んでいくというふうにも捉えられ得るという点にもこれは留意する必要があるのではないか、このように考えております。
いずれにしても、社会保障国民会議のヒアリングでは、食料品の消費税率を引き下げるための小売業者のシステム改修等には一定期間を要するとの御指摘があったと承知していますが、食料品に限らない一律の消費税減税とすることでこの期間がどうかという議論は多分されていないんじゃないかというふうに承知しておりまして、こういう点を踏まえますと、今のようなお考えでできるのかなということは、ちょっと私の方では、必ずしも適当な議論ではないんじゃないかなというふうにしか、ちょっと私の立場では申し上げられないと思いますので、御承知おきいただきたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
済みません、先ほど言った食品ゼロの場合の四・八兆円は二年間でということですね。そこの時計をちょっと間違えていましたが、済みません。
また、いずれにしても、とにかく早くやるためにはシンプルな税制の変更の仕方ということをやってあげた方がいいに決まっているわけですから、そこをいかに素早く、こういった消費税だけじゃなく、ほかの固定資産税も含めて、現場の方、そして中低所得者の方、ここが助かるように、とにかくあらゆる施策を総動員して、現場のサプライチェーンそして消費者を守るということをやっていっていただきたいというふうに要望しまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○武村委員長 次に、大島敦君。
○大島委員 よろしくお願いします。
私は、国立や民間の研究所を訪れ、量子、生命科学、天文学、半導体、通信、防災、地質、防衛、原子力、航空宇宙、核融合、物質材料、建設土木、農業、人工知能など、あらゆる領域の研究者と会話を重ねてきました。二〇二五年の一月も、世界で最先端の量子コンピューターを研究している研究所を訪れましたが、高騰する電気代を捻出するために暖房を落としており、室内は大変寒かったのが印象的でした。このままでは、ゼロから一を生み出す力、すなわち、まだ世の中にない価値を創造して機能させる力が日本から消滅してしまいます。私たち政治家の使命は、国民の持つ力を引き出すことです。
補正予算は、本来、災害、感染症、物価高騰、安全保障の急変など、年度途中に生じた緊急事態に対応するためのものです。一方、研究開発は、研究者を雇い、設備を更新し、実験を積み上げ、海外機関、企業、大学との共同研究を進めるものであり、数年先まで見通せる資金が必要です。毎年必要だと分かっている研究開発、施設整備、設備更新、人材育成まで補正に頼るのは、適切ではありません。
総理も、施政方針演説で、政府の予算の予見可能性を確保するため、毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、必要な予算は可能な限り当初予算で措置すると述べています。また、研究開発や設備投資のために、複数年度予算や長期的資金も進める考えを示しています。
そこで、伺います。
令和七年度当初予算における科学技術関係予算と、令和七年度補正予算を示してください。あわせて、産総研、理化学研究所、JAXA、情報通信研究機構、それぞれについても、当初予算額と補正予算額を示してください。示し方は、予算に占める補正予算の割合で示してください。よろしくお願いします。
○原政府参考人 お答えいたします。
令和七年度の科学技術関係予算でございますけれども、当初予算では五兆五百四十六億円、それから補正予算では二兆七千二百三十億円となってございます。このうち、当初予算と補正予算の合計に占める補正予算の割合については三五%となっております。
また、お尋ねの各法人の令和七年度の当初予算額及び補正予算額についてでございますけれども、財務省の調べによりますと、産業技術総合研究所につきましては、当初予算九百九十五億円、それから補正予算千三百三十一億円、そして、当初予算と補正予算の合計に占める補正予算額の割合は五七%でございます。理化学研究所につきましては、当初予算額八百七十億円、補正予算額七百十億円、合計に占める補正予算額の割合は四五%。物質・材料研究機構につきましては、当初予算額百四十五億円、補正予算額三十五億円、合計に占める補正予算額の割合は一九%。それから、宇宙航空研究開発機構でございますけれども、当初予算額千七百四十億円、補正予算額二千六百億円、合計に占める補正予算額の割合は六〇%。情報通信研究機構でございますけれども、当初予算額五百六十九億円、補正予算額八百八十四億円、合計に占める補正予算額の割合は六一%となっているところでございます。
以上です。
○大島委員 以前、国の研究機関の責任者の方とお話ししたときに、国際的な、各国から資金を拠出して進める研究プロジェクトの際に、他国の研究者からは、日本の予算が当初なのか補正なのかということで本気度を見られるというお話を伺ったことがあります。
特に、国立研究開発法人については、JST、JAXA、NEDO、AMED、NICT、理化学研究所、産総研、農研機構などで補正予算や基金を通じた措置が多く見られます。研究現場から見れば、大きな予算がつくこと自体はありがたい面があります。しかし、毎年つくか分からない、いつ決まるか分からない予算では、長期的な研究開発、人材採用、装置更新、企業との共同研究の見通しが立ちにくくなります。
財務省として、総理が掲げた補正予算を前提とした予算編成との決別をどのように具体化するのでしょうか。過去数年の補正予算で繰り返し措置されてきた研究開発、施設整備、設備更新、研究基盤、人材育成の経費を洗い出し、毎年必要なもの又は複数年度で進めるべきものは、当初予算又は複数年度予算に移す方針を明確にすべきではありませんか。
研究開発は、日本のイノベーションの源泉であり、減額ではなく増額が必要と思います。以前、国立国会図書館の六階の閲覧室で、時々、元文科大臣、東大総長だった有馬朗人先生とお会いすると、大島、科研費はしっかり増やせと言われたものですから、御答弁をお願いします。
○原政府参考人 失礼いたします。
済みません、先ほどの私の答弁で理化学研究所の補正予算額を七百十億円というふうに申し上げましたけれども、訂正させていただきます。理化学研究所の補正予算額、七百十三億円でございます。
済みません。大臣の答弁の前に失礼いたしました。
○片山国務大臣 科学技術に係る基盤的な予算は非常に重要と考えておりまして、令和八年度予算におきましては、予算全体のめり張りづけや必要な財源を確保する中で、例えば、国立研究開発法人の一つである新エネルギー・産業技術総合開発機構に対する運営費交付金は、当初予算で大幅に増額、令和七年度当初比で三千五百八十七億円、これは特会も含めてですが三千五百八十七億円の増額になっておりますし、国立大学運営費交付金も令和七年度当初比で百八十八億円増やしておりますし、科研費も同じく百一億円増やしておりまして、大幅な増額を行ったところでございます。
御指摘のとおり、高市総理から、政府の予算の予見可能性を高める観点から、毎年度補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、補正予算は緊要性の高いものに限定して、毎年、当初予算に計上すべきものは当初予算で計画的に計上するという考え方が既に示され、その御指示を、私、財務大臣として受けておりますので、この予算編成改革について令和九年度予算から本格的に取り組むべく、まず骨太の方針の議論も進めますし、その後も進めてまいりたいと思っております。
○大島委員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。
前回に引き続き、繰り返しになるんですけれども、医療についての質問を改めてさせてください。昨年末から年始にかけて地元で行った医科、歯科アンケートを踏まえ、医療機関の経営実態と政府方針が十分かを伺います。
このアンケートは、昨年十二月成立の令和七年度補正予算、そして令和八年度診療報酬改定の施行前のいわばベースラインです。医科では、物価、人件費、DX対応、申請負担、資金繰りへの不安が強く、歯科では、材料費、技工、人手不足、マイナ保険証対応の受付負担が重いという声が目立ちました。
その後、政府は、昨年十二月成立の令和七年度補正予算、以下前回予算、と令和八年度診療報酬改定で対応しました。これは前進です。
しかし、その後、ホルムズ海峡の閉鎖、通航制約により、エネルギー価格、電気・ガス料金、燃料費、物流費、医薬品、医療材料、歯科材料の調達コスト、供給不安が強まっています。つまり、前回補正と令和八年度改定後に新たなコストショックが重なっています。さらに、国会でも、新たな補正予算、以下今回補正、が組まれます。
論点は二つです。前回補正と令和八年度診療報酬改定がどこまで現場に届いているのか。そして、ホルムズ海峡閉鎖の物価、エネルギー、物流、材料費の上振れを今回補正にどう織り込むのか。政府自身が令和八年度中の経営状況調査と必要に応じた令和九年度予算編成での追加調達を明記している以上、現時点では解決済みではなく移行期です。しかも、ホルムズ閉鎖後はその前提が更に厳しくなっています。この認識で伺います。
私は、このアンケートの問題意識は、全国統計と大きくずれていないと思っています。厚労省の第二十五回医療経済実態調査では、医療法人の一般診療所の損益率平均値は、令和五年度八・三%から令和六年度四・八%へ低下しました。有床診療所も二・五%から一・四%へ低下し、中央値はマイナス〇・四%でした。歯科診療所は、全国平均では医科ほどの悪化は確認されていませんが、平均がもっていることと薄利の個別医院まで安全だということは別です。
さらに、この調査は、ホルムズ海峡閉鎖、通航制約によるエネルギー価格、光熱費、燃料費、物流費、医療材料、歯科材料の上昇が本格的に反映される前のものです。
厚労省として、物価高、人件費上昇、DX対応負担、小規模医療機関ほど制度対応が重いという問題意識に加え、ホルムズ閉鎖後のエネルギー、物流、材料コストの上振れリスクを新たな経営圧迫要因として把握しているのか伺います。
○江浪政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、令和五年度から六年度にかけて、医療法人立の一般診療所の損益率は低下し、歯科診療所の損益率はほぼ横ばいとなっております。また、小規模医療機関も含めていずれも、様々な要因による物価や賃金の上昇等に直面していると認識をしております。
○大島委員 次に、補正予算の位置づけについて伺います。
ここで言う補正予算とは、昨年十二月に成立した令和七年度補正予算、すなわち前回補正です。
前回補正では、医療機関、薬局における賃上げ、物価上昇支援として五千三百四十一億円が計上されました。病院では、賃上げ支援が使用許可病床数掛ける八・四万円、物価支援が使用許可病床数掛ける十一・一万円、さらに救急、手術、分娩実績に応じた加算があります。診療所等では、無床診療所に賃上げ支援十五万円、物価支援十七万円などが措置されました。この支援は前進ですが、確認したいのは位置づけです。
前回補正は、六月施行の令和八年度診療報酬改定まで、又は改定への円滑な移行までを見据えたつなぎの臨時措置という理解でよろしいでしょうか。少なくとも、前回補正だけで問題解決済みとは言えていないという認識でよろしいでしょうか。
その後、ホルムズ海峡閉鎖、通航制約という新たなコスト上昇要因が生じています。今回補正では、前回補正でどこまで対応できたのか、ホルムズ閉鎖後のコスト上振れをどう見るのかが問われます。厚労省として、今回補正において、医療機関、薬局、歯科診療所への追加的な物価高、エネルギー高、材料費高騰対策を検討すべきではありませんか。答弁をお願いします。
○江浪政府参考人 お答え申し上げます。
令和七年度補正予算についてですけれども、医療機関は物価や賃金の上昇などに直面しているという認識の下、診療報酬改定の時期を待たず、経営の改善や職員の方々の処遇改善を図るため、令和七年度補正予算による医療・介護等支援パッケージの中で賃上げ、物価対応支援を措置したものでございます。
全国約八千病院の約七五%であります約六千病院へ三月三十日までに国から給付金の振り込みが完了しておりまして、残りのうち、既に申請を受け付けた約千四百病院にも順次支給するとともに、診療所などは四月末までに三十五府県が申請受付を開始しておりまして、一刻も早く現場に支援をお届けできるよう、スピード感を持って対応してまいりたいと考えてございます。
これに続き措置される令和八年度診療報酬改定においては、三十年ぶりとなる三%を上回る改定率を確保した上で、物価上昇や賃上げに対応するための措置を講じたところです。
今後についてですけれども、補正予算につきましては、先般の総理指示を受けて、現在、政府内で検討中でありまして、その内容、規模を含め、予断を持ってお答えすることはできませんけれども、これまでの切れ目のない措置によりまして、医療機関の経営の改善と職員の方々の処遇改善につなげてまいりたいと考えてございます。
○大島委員 ありがとうございます。
政府は、経済、物価動向が改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営に支障が生じた場合には、令和九年度予算編成で更なる調整を行うとしています。また、令和八年度の医療機関の経営状況等を調査するとしています。この方針自体は重要です。
しかし、今国会で今回補正が組まれるのであれば、全てを令和九年度予算編成まで待つという整理では足りません。ホルムズ海峡閉鎖により、改定時の物価、エネルギー価格、物流の前提が変わり得るからです。これは、電気、ガス、燃料、医薬品材料、歯科材料、技工委託、配送料に波及するコストショックです。
いつ、何を見て、どの時点で追加対応に反映するのか。病院の赤字割合、診療所の損益率、現預金回転期間、資金繰り、光熱費、燃料費、材料費、物流費、医薬品、歯科材料の価格上昇など、主要な判断材料を示すべきではありませんか。あわせて、令和九年度予算編成で見るものと、今回補正で速やかに見るものを政府として仕分けるべきではありませんか。
○熊木政府参考人 お答えいたします。
まず、診療報酬の引上げにつきましては、今年の六月、すなわちこれからでございます。
その上で、今回の診療報酬改定でございますが、昨年末の大臣折衝事項におきまして、経済、物価の動向が令和八年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合に、令和九年度予算編成において加減算を含め更なる必要な調整を行うというふうにしております。
そのために、必要な情報を迅速かつ正確に把握することが必要でございますので、令和八年度の医療機関等の経営状況については特別調査を実施することといたしてございます。これによりまして、令和八年六月から九月の状況を、令和七年六月から九月の状況と併せて把握して、そして、十一月下旬頃になるかと思いますが、その結果を中医協に報告するということを目標に作業しております。
通常の改定におきましては損益率などを拝見してございますが、今回の調査結果につきまして、その分析方法も含めましてどのように判断していくか、今、現時点で予断を持ってお答えすることは困難でございますが、今申し上げましたように、経済、物価の動向が見通しから大きく変動する、それから医療機関等の経営状況に支障が生じた場合、こうした要件を踏まえまして、適切に対応してまいりたいというふうに考えます。
なお、補正予算につきましては、先ほどから申し上げましたとおり、現時点で予断を持ってお答えすることはできないことを御理解いただければと思います。
○大島委員 引き続き政府参考人に伺います。
地元アンケートでは、以下の切迫感が強いと感じました。これは全国統計とも整合します。医療法人の一般診療所の損益率平均値は令和五年度八・三%から令和六年度四・八%へ、有床診療所は二・五%から一・四%へ低下しました。一方、歯科診療所の医療法人ベースで、令和五年度五・四%、令和六年度五・五%、全国平均だけで見れば医科ほど悪化はしていません。ただ、歯科は平均で見てはいけません。
地元アンケートでは、金属価格、技工委託費、人手不足、これは義歯作製の困難など、弱い医院ほど厳しいという声が多くありました。またさらに、ホルムズ閉鎖後は、エネルギー価格や物流費の上昇が歯科材料、金属、レジン、麻酔薬、技工所のコスト、配送費に波及する懸念があります。
政府としても、医科は広く厳しく、歯科は、平均では持ちこたえていても、薄利、技工コスト高、人手不足の弱い層が危うい、さらに、ホルムズ閉鎖後の材料費、物流費上昇でその層が一層圧迫される、この整理で大きく外れていないと考えますが、いかがですか。今回補正で医療支援を検討する場合も、医科と歯科を同じ平均値で見るのではなく、それぞれの厳しさの質に応じて支援対象や判断指標を分けるべきではありませんか。答弁をお願いします。
○江浪政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、令和五年度から六年度にかけまして、医療法人立の一般診療所の損益率は低下し、歯科診療所の損益率はほぼ横ばいということでございまして、小規模医療機関も含めていずれも、様々な要因による物価や賃金の上昇等に直面をしているというふうに認識をしております。
また、それぞれの費用構造につきましても、昨年実施いたしました医療経済実態調査によれば、収益に占める材料費や委託費の割合ということで見てみますと、材料費比率は、一般診療所の医科が四・八%、歯科診療所が七・一%、委託費比率は、一般診療所の医科が三・八%、歯科診療所は九・四%となっておりまして、物価高騰の影響はそれぞれの特性に応じて生じているというふうに考えております。こうした実態も踏まえまして、物価高騰への対応につきましては、補正予算や診療報酬改定において必要な措置を講じております。
なお、今回の補正予算につきましては、先ほども申し上げたところでございますが、先般の総理指示を受けて、現在、政府内で検討中でございまして、その内容、規模も含めて、予断を持ってお答えすることはできないことにつきまして御理解いただければと考えてございます。
○大島委員 次に、令和八年度診療報酬改定の設計について伺います。
今回の改定は、診療報酬改定が、令和八年度プラス二・四一%、令和九年度プラス三・七七%、二年度平均でプラス三・〇九%の二段階です。医科では、外来・在宅物価対応料として、初診二点、再診二点、訪問診療三点を新設し、歯科では、歯科外来物価対応料として、初診三点、再診等一点を新設し、いずれも令和九年度には倍になる設計です。
年々上がる物価、賃金に段階的に対応する趣旨は理解します。しかし、現場から見れば、本格的に利くのは令和九年度です。しかも、ホルムズ閉鎖後は、令和八年度中のエネルギー価格、光熱費、物流費、医療材料、歯科材料価格が改定時の想定を上回る可能性があります。
令和八年度中に物価、賃金が想定を上回った場合、特にホルムズ閉鎖後のコスト上振れが経営に影響した場合、どの時点で点検し、どう不足分を埋める想定なのか。令和九年度予算編成での調整を否定するものではありません。しかし、今回補正が組まれるのであれば、令和八年度中の不足分を一時的、機動的に埋める選択肢も持つべきではありませんか。現場に今年度は耐えてくださいという整理ではないと理解しますが、いかがでしょうか。
○熊木政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおりでございまして、まず令和八年度の診療報酬改定の取組の仕組みは、物価と賃金について、八年度と九年度、二段階において措置するといたしてございます。これは、七年度分までの分は当然土台にした上で、八年度分の改定というのは八年度の物価と賃金の見通しに対応するもの、そして九年度分の改定は九年度の物価と賃金に対応するもの、こういう仕組み、すなわち、八年度も九年度もそれぞれの年のその状況に対応する仕組みだというふうに考えてございます。
その上で、先ほど申し上げたことなんですが、足下の医療機関等の経営状況については確認をさせていただいて、必要があれば令和九年度の予算編成において加減算を含む調整を行う、こういう形でございますので、現在、その調査を行うということでございます。
まずは、この令和八年度における改定、その措置がしっかりと医療現場にこれから行き届くということ、それから、引き続き、今申し上げましたような状況の注視、これをいたしまして、必要に応じて的確に対応していくことが重要だ、そのように考えてございます。
○大島委員 次に、ベースアップ評価料について伺います。
今回の改定では、医科の外来・在宅ベースアップ評価料一は、初診六点、再診二点から、令和八年度は初診十七点、再診四点へ、継続的賃上げ実施施設では初診二十三点、再診六点へ見直されました。歯科でも、初診十点、再診二点から、令和八年度には初診二十一点、再診四点へ、継続的賃上げ実施施設では初診三十一点、再診六点へ見直されています。
申請時点では、対象職員が分かれば申請可能で、今回改定からは賃金改善計画書の添付は不要とされています。それでも届出状況は、外来・在宅ベースアップ評価料一で、病院八九・六%に対し、診療所三八・八%、歯科診療所三五・九%です。地元でも、面倒だ、小さいところには重い、制度が続くか分からず賃上げに踏み切りにくいという声があります。さらに、ホルムズ閉鎖後は、賃上げだけではなく、光熱費、燃料費、材料費、物流費も上がり得ます。小規模診療所や歯科診療所ほど、賃上げ原資を確保する余力が乏しくなります。これで本当に小規模まで届くと考えているのか、それとも、なお障害が残っていると見ているのか。
今回補正で追加支援を検討する場合には、金額だけでなく、小規模に実際に届く設計、すなわち、手続の簡素化、申請負担の軽減、資金繰りへの早期支援を同時に考えるべきではありませんか。残る障害があるなら、次に何を簡素化するのか、お答えください。
○熊木政府参考人 お答えいたします。
医療現場の賃上げを果たすために、ベースアップ評価料という特別な仕組みが設けられてございます。
八年度の改定におきましては、対象職員の範囲を拡大した上で、医療機関に勤務する幅広い職種の賃上げに向けて、八年度と九年度、それぞれで三・二%のベースアップを実現する措置を講じることとします。すなわち、これは、金額、対象者共に、令和六年度の診療報酬に比べて改善をさせていただいたというものでございます。
加えまして、六年度、七年度と既にベースアップ評価料を取得して継続的に賃上げを行っている機関につきましては、引き続きその賃上げを実施できるように、六年度、七年度分に追加して評価することといたしてございます。
令和六年度にベースアップ評価料を導入したのでございますが、その後、事務負担等の軽減というものは課題として考え、そして順次取り組んできたところでございます。
今回の八年度の改定におきましては、これまで、ベースアップ評価料というものは、算定の開始時に賃金改善実施計画書というものの作成を求めておりましたが、これを廃止します。それから、評価料の区分変更の手続も簡素化しまして、定期的な再計算というのは求めないで、変更が必要な場合にのみそれを行えばよいということにすることといたします。このように、小規模な医療機関等を含めまして、少ない事務負担で届出ができるように簡素化を図ることとしたところでございます。
引き続き、ベースアップ評価料につきまして、こうした面も含めまして丁寧に周知をさせていただきまして、幅広い職種の着実な賃上げにつなげてまいりたいと考えております。
○大島委員 ありがとうございました。
残余の質問は次回にしたいと思います。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、大森江里子君。
○大森委員 中道改革連合の大森江里子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
初めに、国税庁が現在、全国展開を進めている、ガバメントソリューションサービスに基づくオンラインツールを利用した税務調査について伺います。
このオンラインツールを利用した税務調査は、昨年十月に、金沢国税局と福岡国税局並びにこれらの国税局の管内税務署において先行導入が始まっております。いよいよ、六月一日、七月十三日と、順次全国で本格運用に入ります。本格運用がまさに目前に迫った今だからこそ、国税庁の利便性だけでなく、納税者の権利保護が足りているのか、運用上の懸念点などを伺ってまいります。
金沢及び福岡国税局において先行導入されましたが、先行導入期間中に把握された課題、改善要望、納税者や税理士からの指摘事項にはどのようなものがあったのか、初めに伺います。
○田原政府参考人 お答えいたします。
今ほど委員の方から御紹介がございましたように、現在、各国税局におきましては、令和七年九月以降、デジタル庁が提供する政府共通の業務実施環境でございますGSSを順次導入しておりまして、GSSにおいて提供されますウェブ会議システムや電子メールなどのオンラインツールが業務で利用可能となっております。
このGSSの先行導入局であります金沢国税局及び福岡国税局では、税務調査におけるオンラインツールの利用に試行的に取り組んでおりまして、この試行に当たりまして、納税者でありますとか税理士の方々から、例えば、国税当局から納税者等へのデータ提供を可能とするよう運用上の制限を緩和してほしいでありますとか、利用開始時のメールアドレスの登録の手続を簡素化してほしいといった要望をいただいておりまして、これらを受けまして、運用の見直しを行うこととしております。
国税庁におきましては、令和八年七月以降、この取組を全国拡大することとしております。今後とも、納税者や税理士の方々の意見を踏まえつつ、オンラインツールの利用に関しまして必要な改善を行ってまいります。
○大森委員 ありがとうございます。是非、指摘事項など、反映をしていただきたいと思います。
国税庁の運営方針では、オンラインツールの利用は、調査担当者と納税者、税理士双方の合意がある場合に限り利用するものとし、合意がない場合には利用しないと明記されています。一方で、効率的な調査の実施に資すると認められる場合にのみ利用するともされています。
効率的な調査の実施に資するという判断基準ですが、これは現状、極めて抽象的で、納税者の側からは検証しようがありません。判断基準を公表する予定があるのでしょうか。基準が不透明なまま、現場担当者の裁量に委ねられてしまうおそれがあるのではないかとの懸念がありますが、いかがでしょうか。
○田原政府参考人 お答えいたします。
オンラインツールの利用の適否でございますが、個別の税務調査におきます、個々の納税者の例えばパソコン等の環境でありますとか、あと、データの保存状況がまちまちでありますことから、判断基準として一律に示すというのはなかなか難しいということを御理解いただければと思いますが、基本的には、事務所等に臨場して質問検査等を行う必要があるといったような場合に、対面で税務調査を実施する必要があるということで、こうした場合を除いては、納税者からの要望を踏まえまして、積極的にオンラインツールを活用してまいりたいと考えております。
○大森委員 ありがとうございます。
税務調査はすごく納税者側にとりますと緊張する場面でございまして、このオンラインツールを導入されて、税務署側からオンラインツールを使ってというふうに言われても、断るとすごく心証が悪くなるんじゃないかなという、そういった御心配もされている方も多くいらっしゃいますので、そのような心配は要らない、合意を尊重されるということも積極的に発信していただきたいと思っております。
次に、調査の事前通知の方法について伺います。
今回のオンライン化では、日程調整など、調査プロセスのほぼ全段階がメールを始めとするデジタル手段で行われることになりました。ところが、事前通知だけは、国税庁自身の資料におきましても、現状のとおり原則口頭により実施とはっきり明記されています。
調査全体のデジタル化が可能というふうにしているにもかかわらず、事前通知だけは電話による口頭のままです。事前通知には、国税通則法第七十四条の九で定められた、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査の目的、対象税目、対象期間など、極めて重要な事項が含まれています。
そこで、二点お伺いをいたします。
調査の連絡や資料請求はメールで行いますが、事前通知だけを原則口頭のまま残すという合理的な理由をお示しください。オンライン化を進めるのであれば、事前通知でもデジタル化をするべきであると考えますが、御見解をお伺いいたします。
○田原政府参考人 お答えいたします。
今ほど委員から御指摘がありましたとおり、国税通則法におきましては、実地調査の際には、原則として事前に、調査を開始する日時、場所、調査の目的等を通知することとされてございます。
この事前通知でございますが、法令上は通知方法について特段の規定はないわけでございますが、この法令上規定されている通知事項を調査対象者に確実に伝えるため、原則として電話で行うこととしてございます。事前通知を電話で行う際には、併せて調査対象となる帳簿書類等を事前に確認することとしておりまして、こうした電話を通じたやり取りが納税者の準備にも資するものと考えております。
これらを踏まえまして、オンラインツールを利用した税務調査でも、事前通知は引き続き口頭で行うこととしております。
○大森委員 そもそも平成二十三年の国税通則法の改正で事前通知が法定化されたのは、調査手続の透明性を高めて、納税者の予見可能性を向上させ、税務職員の説明責任を強化するためであると承知をしております。調査中のやり取りはデジタル化しているにもかかわらず、事前通知が口頭で、記録に残らないというのは、この改正の趣旨にむしろ逆行するのではないかというふうにも思っております。
続きまして、次の質問に入らせていただきます。
税務調査の現場では、調査官が質問応答記録書を作成し、納税者に内容を確認させた上で、署名を求める運用が定着しています。これは、後の更正処分や、場合によっては裁判においても重要な証拠になり得る公文書です。
ところが、この質問応答記録書は、納税者が署名を求められるにもかかわらず、その場で写しは交付されませんし、撮影も許されません。納税者が自分で署名した文書の内容を後から確認をしたい場合、開示請求という手間を要する手続によらざるを得ません。
しかし、今般、Teamsを始めとするオンラインツールが導入され、PDFファイルの即時共有というのも技術的に可能になりました。納税者が署名を求められる質問応答記録書について、納税者の後日の確認のために、例えばPDF等の形式で控えを同時に交付することを検討するべきだとも思いますが、国税庁の御見解をお伺いいたします。
○田原政府参考人 お答えいたします。
質問応答記録書でございますが、こちらは、税務調査の過程におきまして、調査担当者の質問に対して納税者等から回答を受けた事項について、事実関係の正確性を期するために調査担当者が作成いたします。これは行政文書でございまして、納税者等に交付することを目的としたものではございません。
このため、作成した質問応答記録書の写しは納税者に交付しないこととしておりまして、税務行政におけるオンラインツールの利用環境が整備された後もその対応を変えることは考えておりません。
○大森委員 ありがとうございました。
続きまして、ちょっと大切な質問をさせていただきます。税務行政のデジタル化を進めるに当たって、納税者の権利保護をどう設計するのか、財務大臣に伺います。
これまで行政のデジタル化は強力に推進されてまいりました。マイナンバー、e―Tax、電子帳簿の保存、納税者の側は相当のコストと労力をかけて行政のデジタル化に協力をしてきました。他方、我が国には、納税者の権利を体系的に整理し、公表した文書がいまだに存在しません。また、国税庁においては、AIを活用した調査先の選定や幅広いデータ分析を行い、課税、徴収事務の効率化、高度化を図ることとしていますが、プライバシーの確保や透明性などに課題がないか、懸念があります。
納税者や税理士においてデジタルの進展に懸命に取り組んでいるところですが、今後、税務調査におけるオンラインツールの活用を始め税務行政のデジタル化を進めていく際には、納税者の利益が損なわれることなく安心して税務調査などに対応できるよう、関係者の意見に十分に耳を傾け、必要な措置を講じることが重要であると考えております。この点について、大臣のお考えをお聞かせください。
○片山国務大臣 国税庁は、長らく比較的、いわゆるIT化、現時点ではデジタル化とかデジタルトランスフォーメーション、これには非常に熱心な方だったと思いますし、その都度都度のいろいろな改革には、大森委員の御所属の税理士さんたちの様々な現場の意見も可能な限りいろいろと聞かせていただいてきたのではないかと思っておりますが、やはり、あらゆる税務手続が税務署に行かないでもできる社会というのが、一つ、そういうニーズもあるものですから、こちらに関して税務行政のDXというのも当然推進する、これは利便性の向上、あくまでも利便性の向上という観点でございます。
おっしゃったように、税務調査につきましても順次オンラインの利用というのを進めておりますが、その際、納税者の提出データの適切な取扱い、これは当然のことでございますし、情報セキュリティーの確保も当然のことでございます。
必要な措置を国税庁において講じてきておりますし、更に対策には万全を期していきますが、例えば、税務調査のオンライン化における情報セキュリティー確保としては、利用開始時において本人確認が徹底されること、それから電子メールの送信時の、上の人ですね、承認の実施、それからウェブ会議システムの利用場所の限定、これは原則税務署内ということで、それからウェブ会議システムの利用時における第三者参加の防止、こういった、当たり前のことでございますが、チェックポイントをつくってきちっとやらせていただきたいと思っておりまして、今後とも更に、税理士さん、それから納税者御自身のいろいろなお声があると思いますので、真摯に、謙虚に、丁寧に耳を傾けながら、DXは活用するけれども、国民の皆様が、御不便だとかあるいは不適正だということが決して思われないようにDXの実現というのをやっていきたい、このように思っております。
○大森委員 ありがとうございます。
先ほど大臣が最後におっしゃいました納税者の方の御不便、是非配慮していただきたいと思っております。急速なデジタル化の推進は、デジタルデバイドが生じることが懸念をされています。納税者においては、実際に生じていると感じております。納税者の権利に配慮した取組をお願いしたいと思っております。
続きまして、所得税の確定申告期限についてお伺いをいたします。
先ほどのオンラインツールを利用した税務調査の導入など、近年、税務行政におけるDXの取組が極めて急速に進展をしています。納税者側におきましても、e―Taxを用いた電子申告は確実に定着しつつあるものと理解しております。
そこで、まず伺います。
直近の所得税の確定申告につきまして、e―Taxにより申告した方の人数、そして全申告者に占める利用割合はそれぞれどの程度となっているのか、また、その割合はここ数年でどのように推移しているのか、お示しください。
○田原政府参考人 お答えいたします。
所得税等の確定申告に関しまして、ここ数年の申告者数に占めますe―Tax申告者の割合の推移を申し上げますと、令和三年分確定申告では五八・三%、令和四年分確定申告では六五・一%、令和五年分では六九・〇%、令和六年分では七四・〇%となっておりまして、e―Taxの申告者の割合は上昇傾向にございます。
e―Taxによります申告者数とその割合につきましては、所得税等の確定申告の状況として例年五月末を目途に公表しておりますが、直近の令和七年分の確定申告の状況につきましては、本日の夕刻に公表予定でございます。公表の直前でありますので具体の数字を申し上げられないことを御理解いただければと思いますが、令和七年分の所得税等の確定申告におきますe―Taxによる申告者数及びe―Taxにより申告した者の割合は、令和六年分は申告者数一千七百三十二万人及び申告者の割合は七四%でございましたが、令和七年分はそれぞれこれを上回る見込みであります。
○大森委員 ありがとうございます。また本日の夕刻も確認をしてまいりたいと思います。
所得税の確定申告における電子申告の割合は年々着実に伸びていて、電子申告が標準的な提出形態になりつつあるということを今の御答弁から理解をいたしました。
しかし、申告も調査もその方法が大きく変化している中で、所得税の確定申告期限だけは、一月一日から十二月三十一日までの一年間に生じた所得について、翌年二月十六日から三月十五日までの間に申告、納付することになっています。
私自身、実務に携わってまいりました経験から申し上げますと、適正な申告を行うためには、必要な資料や証明書類を一つ一つ集め、その内容を確認していく作業に相当の期間を要するのが実情でございます。ところが、年が明けてから三月十五日までという極めて限られた期間の中で、これらを全て整えなければならない。これは、納税者の皆様に毎年かなりの負担を強いているものと私は強く実感をしております。
また、昨年の予算委員会でも御指摘いたしましたが、個人事業者の消費税の申告期限は三月三十一日ですが、所得税の申告期限が三月十五日であるために、多くの納税者は消費税も三月十五日までに計算しなければならないというのが実情でございます。結果として、消費税の申告期限を三月三十一日と定めている意義が半ば形骸化していると言っても過言ではないと考えております。
行政側は、デジタル化によって処理時間を短縮できる環境が整いつつあります。であるならば、納税者の負担軽減のために申告期限を延長することは十分に合理性があるものと考えます。
もとより、地方自治体における個人住民税の賦課決定、特別徴収義務者への税額通知、また各種の社会保障給付の事務などにも配慮が必要であることは私も十分に承知をしております。しかしながら、一律の延長が困難であるとしても、対象を絞り込んだ段階的な延長であれば検討に値するものではないかと考えております。
例えば、一つの方向性として、e―Taxにより電子申告を行う方に限って、申告期限を三月三十一日まで延長することはいかがでしょうか。又は、消費税の申告義務がある個人事業者に限って、消費税の申告期限と同じ三月三十一日にそろえるということも考えられないでしょうか。
大臣は税務署長も御経験なさっていらっしゃいますので、この時期の納税者の皆様の御苦労ぶりというのもよく御存じでいらっしゃると思います。
大臣にお伺いをいたします。
現行の申告期限は、納税者の適正な申告準備のために十分な期間であるとお考えでしょうか。所得税の確定申告期限を消費税の申告期限とそろえて三月三十一日まで延長することについての御見解、さらには、仮に一律の延長が困難である場合、電子申告を行う納税者あるいは消費税の申告義務者、これらに対象を限定した段階的な延長について検討していただける余地はあるのか、お伺いをいたします。
○片山国務大臣 納税者の皆様それから税理士の皆様の確定申告及び確定申告の期限についての御指摘というのは、これは長く承っておりまして、この期限の延長について非常に議論が盛り上がったとか、今までの議論が累積して一定の水域を超えたなというのが令和六年の暮れでございまして、そのとき私は、自民党の方を代表して、是非やってあげたらいいんじゃないかと言った方なものですから、ここから話合いを始めていただくことになって、令和七年二月以降、主に、委員の御所属の税理士会さん、それから、今は私のところですが、国税庁、主税局、さらに、地方自治体の関係で御指摘のあったように総務省といったところの担当者間でずっと勉強会を実施しておりまして、手元の数字では五回大きなものをやっているんですが、今おっしゃったような問題点について方向性が得られるところに至っていない、つまり、抜本的にその問題を解決して、何かいけるということにはなっていないというようなことを聞いている次第でございます。
やはり、所得税の確定申告情報が国から地方に提供されて、地方において個人住民税の税額が決定されて、様々な社会保障給付の金額の決定に活用されているという流れがありますので、それが地方行政や住民サービスに影響を、つまり、よりそちらが今度はきつくなる方向で与えないという立証ができないものですから、そうすると、そこでやはり一定の議論が止まりまして、丁寧に議論しないと、自治体さんも数が多いですから、これは大変なことになるということになっているわけでございます。
それで、確定申告期限を、委員御提案のように電子申告なさっている納税者などに限定するといたしましても、六年分の所得税の確定申告についての数字は、今、参考人から申し上げましたが、申告人員の約四人に三人がe―Taxを用いて申告を行っているということを踏まえますと、地方の住民サービス等への影響についても、やはり、少ないからいいじゃないかということはとてもできなくて、今や大半であるということになってしまうので、同じように慎重に検討する必要があるということになりますので、まだこれはなかなか結論が得難い問題だということは是非御理解をいただきたいと思います。
○大森委員 ありがとうございます。
是非とも、これまでのデジタル化の取組の成果を納税者の利便性向上という形で具体的に還元をしていただきたい、そのように強く思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
続きまして、経営者保証についてちょっとお伺いをしたいと思っております。
金融庁は、二〇二二年十二月の経営者保証改革プログラム以降、監督指針の改正や金融機関への要請を重ね、本年二月にも追加の指針改正を公表をされました。
ちょっと問いの一番と問いの二番を併せて御質問できればと思いますが、金融庁の資料によれば、二〇二五年度上期、民間金融機関全体で新規融資件数に占める経営者保証に依存しない融資の割合は五五・八%に達し、これに有保証融資のうち適切な説明を行い記録した件数を加えると、九九・八%に達したとされています。しかし、依然として四割を超える新規融資には経営者保証がついています。件数でいいますと膨大な数です。
また、事業承継や代表者交代の局面における保証徴求の実態についても伺いたいと思いますが、金融庁の資料によれば、二〇二四年度、代表者交代が把握された融資先について、旧経営者の保証を外し、新経営者の保証を付したものが四〇・四%、保証なしとなったものは一六・四%、そして、新旧両経営者から保証を取る二重徴求が依然として三・一%、このような数字になっております。
まとめて大臣にお伺いをいたしますが、まずは先ほどの件数ですが、九九・八%という数字が出ておりますけれども、政府としてどのように評価をしておられるのか、ほぼ目的を達したとお考えかどうか、伺いたいと思います。
また、保証が付された残り約四割の融資について、経営者保証が必要だった理由を金融機関側で十分に説明をし、借り手である中小企業の納得感が得られているのか、そのような御検証をなさっているのかも伺います。
三点目として、二重徴求の問題、また新経営者の保証を付したもの、この事業承継時に二重徴求三・一%、新経営者の保証を付したものが四〇・四%という数字をどのように評価をなさっているのか、経営者保証改革プログラムから見て適切な水準と思われるのか。
まとめて三点、大臣にお伺いをいたします。
○片山国務大臣 御指摘のとおり、金融庁の方でも調査を実施して、民間金融機関では、二〇二五年度の上期において、新規の融資件数に占める経営者保証に依存しない融資件数と、有保証融資のうち適切な説明と記録を行った件数の合計が九九・八%となった、さらに、新規融資件数において経営者保証に依存しない融資件数の割合が五五・八%、だから六割弱ですね、となったということは、見て、きちっと認識しておりまして、昔に比べれば、こういうことを始めなければならなかったのには理由があるわけで、この状況を改善したいと思って頑張って始めたわけですが、それはある程度、かつてに比べれば増加してきているから、やり始めて、浸透や定着はつまり前向きにいっている、こういう評価はさせていただいていいのかなと思っておりますが。
納得感があるかというのは、納得していますかというアンケートも、これはなかなか難しいんですね。だから、そういう事業者向けに実施したアンケートによって分かる範囲では、金融機関から説明をお受けになった事業者さんのうち約七割が、経営者保証を不要とするため、経営者保証に関するガイドラインで求められる、つまり、法人と個人が一体、ない交ぜになっちゃってどっちの所有物だか分からないとか、そういういろいろなことがありがちなんですが、それを解消してほしいというような条件がついているわけですが、この要件の充足に向けて取り組まれておられるんですね。結果的に、ないという人が五割ぐらいいるわけですから。七割が取り組まれたということは、御納得がある程度あって言っている部分もあると思うので、効果はあるんです。
更にきちっと説明して経営改善に取り組んでいただくと、この比率は増える、確実にまだ増えるというふうに思っておりまして、事業経営の着実な改善で経営者保証に依存しない融資が進むということをしっかりとやってまいりたいと思っておりますし。
また、二つ目の御質問の関係もございまして、前経営者と後経営者ですね、前経営者との保証契約を解除して後継者と新たに保証契約を締結するケースもあれば、前経営者が実質的に経営権や支配権を保有していると思われた場合には、前経営者との保証契約が継続しているケース、これはあり得るものとは思いますので、おっしゃったような数字が必ずしも、どうなのかなというのは非常に言うのは難しいと思うんですが。
事業承継が行われるときの対応指針、経営者保証に関する事業承継時に焦点を当てたガイドラインの特則というのがありまして、そこでは、原則としては、両方からの保証は、二重徴求をしないということになっておるんです。だから、なかなかその認定が難しかったからまだこうなっていて、三六・九%だったものが二〇二四年度には三・一まで二重徴求の割合は減った。それも効果はあったんですが、どちらにつけるのがいいのかとか、あるいは両方ともなくすことができていないのかという点はまだあると思いますので、引き続き、様々な働きかけを行いながら事態を改善してまいりたい、かように思っております。
○大森委員 ありがとうございました。
時間が参りましたので、残余の質問についてはまた別の機会にさせていただきます。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、田中健君。
○田中(健)委員 国民民主党の田中健です。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
今日は、税と国債、二点について質問をさせていただければと思います。
一つ目の税は、単身赴任者の帰宅旅費の問題であります。
自宅から事業所までの通勤費というのは、一定の限度内額までは非課税となるというのは皆さんも御案内かと思いますが、単身赴任者が自宅に帰省をする際には、実費精算、使った分だけ領収書で支払ってもらっているにもかかわらず、その費用が課税対象となっています。金銭的な収入は実際は増えていないのに、課税所得金額が増えることになってしまいますので、所得税にも影響します。社会保険料にも影響します。また、翌年の住民税も増えることとなりまして、手取りが減ることになります。
特に現役世代、子育て世代においては、保育料の算定基準やまた奨学金の算定基準にも影響することから大きな負担となっているということが、働く皆さんから声が届いています。
この帰宅旅費の非課税化というのを是非検討してもらいたいと考えますが、そもそもの大臣の考えを伺いたいと思います。
○片山国務大臣 お勤め先から支給される給与や手当は、課税の公平性という観点から、名称がどうかということにかかわらず給与所得として課税されることになる、こちらが原則としてまずございまして、その上で、委員御指摘の単身赴任者の帰省旅費につきましては、一定額を限度として非課税とされている通勤手当等とは異なりまして、必ずしも職務の遂行に直接必要な経費に充てられるものとは言えないということですとか、あくまで単身赴任者のみに支払われることがあるものであり、通勤手当のように幅広く支給されているものではないということを踏まえて、帰省の旅費を非課税とすることについては慎重に判断すべきというのがこれまでの判断でございます。
平成三十年度の税制改正以降につきましては、この帰省旅費に係る税制改正要望が正式には出てきていない、こういう状況もあります。
以上が今の状況でございます。
○田中(健)委員 利用している人が少ないからといって、これを不公平だと言う人が私はいるのかなというふうに思いますし、次の御質問に移りますけれども、職務の遂行、事業に関係ないというのも、私はちょっと理由が弱いと思います。
というのは、この帰宅旅費は、一定要件を満たすことで、所得税の特定支出の控除の対象になります。ですから、これは、帰宅旅費を仕事に関係する特定の支払いと認めている証左ではないかとも思います。ということで、是非これを検討してもらいたいということ。
また、必要書類ですね、控除に係る。この書類の一つに、搭乗、乗車、乗船に関わる証明の依頼書というのが必要なんですけれども、これは、飛行機に乗った後、搭乗の直後に、またカウンターに行って、さらにそこで、対面で判こないしはサインをしてもらわなければならないということで、申請者の負担が本当に大きいということも声が届いています。
先ほど大森委員とのやり取りの中で、国税庁は他の機関に比べても力を入れてきた、税務署のDXも取り組んできた、利便性向上だと大臣は力強く言っていただきましたので、是非、確定申告も電子化が進んでいますし、先ほどもいろいろ議論がありました、添付書類も、簡素化が進む流れの中でもっと簡便にできるんじゃないかとも思いますが、その点についても大臣のお考えを伺います。
○片山国務大臣 引き続き、単身赴任者の帰宅旅費について、今度は、特定支出控除として申告する場合の御不便についての御指摘かと思いますけれども、この特定支出控除といいますのは、勤務費用の概算控除の性格を持っている給与所得控除とは異なりまして、実額の経費を勘案するための仕組みであります。このために、適正な申告を担保するという観点からは、確定申告の際に、この帰宅旅費に限らず、特定支出に係る支出の事実及び金額を証する書類の提出を求めさせていただいております。
その際に、委員の御指摘の帰宅旅費については、支出の事実及び金額を客観的に証明できる第三者として、例えば飛行機に乗ってお帰りになるのであれば支出先の航空会社等の証明書の提出を求めているというものでございますが、こうした制度趣旨も踏まえつつ、もちろん、この趣旨を満たした形で、今おっしゃったようなカウンター云々のことがなくてもそれが証明できるようなものがあるのであれば、それはまたあり得るんでしょうから、手続面の在り方については、この制度の趣旨を捉まえている範囲内では検討していくということはできるんじゃないかと思います。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
今、特定控除は実額の経費だと言いましたけれども、実際、帰宅旅費も実額の経費ですから、是非、非課税化についても議論してもらいたいのと、また、今の証明書については、いわゆる航空会社はネットでも搭乗証明書というのが出ますから、私はこれで名前もまた日にちも金額も出ていれば十分ではないかと思いますし。
実際、それを申請した人が、不便であるということで税務署の方に問い合わせたところ、航空機搭乗後、一々証明書を取得しなければならない現行のルールでは申請者の負担が大き過ぎて使えないという制度になっていますが、ルールがそうなので、私の担当としては現状の案内しかできませんというふうに言われてしまったということです。ですから、現場も、対応としても、改善ができるんじゃないかという声が私はあるんじゃないかと思いますので、先ほど大臣からは改善とまでは言っていただけませんでしたが、是非、このような現状があることと、また、それ以外のことでも代替できるんじゃないかと、今の搭乗証明書もそうですけれども、検討をしていただければと思っています。よろしくお願いします。
引き続きまして、国債についての議論に進みたいと思います。国債発行年限の見直しと借換えリスクについてです。
日銀の金融政策の正常化や物価上昇、また長期金利の上昇を受けて、我が国の国債管理政策は大きな転換点を迎えると思っています。財務省の令和八年度の国債発行計画では、市場との対話を踏まえたということで、四十年債、三十年債、二十年債といった超長期の発行を減額する一方で、二年債、五年債、十年債など中期、短期ゾーンの発行を維持、増額する形となっています。
これは足下の超長期の市場の需給悪化に対応する現実的な措置であるということは理解しますが、やはりその先、超長期の発行を抑えてより短い年限での調達に依存していけば、将来、金利が更に、現在も上昇していますが、上昇した場合、より多くの国債を高い金利で借り換えることになります。つまり、目先の市場消化というのにはつながりますけれども、さらに、それを優先する余りに、将来の利払い増加費、借換えリスクの先送りになるんじゃないかという懸念であります。
そこで、大臣に伺いたいと思いますが、現在の国債発行年限の見直しが将来の利払い費や借換えリスクにどのような影響を与えると見られているのか、また、平均償還年限や将来の利払い費の見通しを含め、国債管理政策としてどのようにコントロールをしていくおつもりなのか、考えを伺います。
○片山国務大臣 一般論として申し上げますと、国債の発行年限につきましては、年限の短い国債は長い国債よりも利払いコストを低く抑えられるということがあるのと、一方で、年限の短い国債はすぐに借換えが必要となってきますから、借換え時の金利上昇リスクを負うことになるという面がございます。
国債発行計画の策定に当たりましては、市場ニーズを十分に把握し、市場参加者との丁寧な対話を行いながら、コストとリスクのバランスを考慮しつつ、その時々の需給バランスに配意することが重要であると考えております。
したがって、今後発行する国債の年限について現時点では予断を持ってお答えすることはできないわけですが、こういった点を踏まえながら、引き続き適切な国債管理政策に万全を期してまいりたいと思っております。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
そんな中で、財務省は先日の五月二十六日、国の債務管理に関する研究会を開きまして、個人向けの国債の販売の対象拡大についての議論がありました。長期金利に連動した新たな変動つきの国債の発行の開始、さらには、個人向けの物価の連動債ですとか、超長期債、さらに積立購入など、個人向け販売の促進策について議論がされています。
また、財務省の資料を拝見しますと、個人向けの国債発行額は足下で金利上昇を背景に増加傾向にある一方、日本の国債保有はなお機関投資家中心であり、家計部門による保有というのは低い水準にとどまっているとされています。
私は、個人向けの拡充というのは大変重要であると思っています。しかし、単に金利を上げるだけでは、今、NISA等が大変に好調でありますけれども、国民投資の関心というのは高まっている一方、それだけではなかなか個人向け国債に大きなお金というのは動いていかないんじゃないかと思っています。
その中で、是非、国債が選ばれるためには、民間の金融商品と同じように、金利だけ、利回りだけを競争するのでは不十分で、やはり、国債を国民に持ってもらうというのは、単に資金調達ではない、まず国の財政運営を信頼してもらって、そして、共に、国債を買うことで国を支えていくというような思いを持っていただきたいなと思っています。ですから、今回、まだ今議論が始まったというところですが、商品性の改善と同時に、この国債を買うことで何を支えるのか、また、自分のお金がどういった政策で使われているのか、政策に役立つのか、そういったことを国民に見えることも一つ重要かと思っています。
その考えの中で、まず、大臣はこの個人向け国債を、単なる国債消化の手段としてではなく、是非とも国民参加型の、財政運営の今後の柱として位置づけるお考えがあるかどうかを聞きたいと思います。この個人向け国債をどのようなグランドデザインの下で拡充をされていくことを考えているのか、お願いいたします。
○片山国務大臣 御指摘の国の債務管理に関する研究会というところで、個人向け国債について、その販売動向とか商品設計等について御議論をいただいておりまして、それで、商品設計については、既存の個人向け国債の商品性の改善とか個人向けの物価連動債や超長期債といった新商品に関する提案についても御議論がなされておりまして、今後、いただいた御意見等を踏まえて個人向けの販売促進策というのを検討していくというのがその場の趣旨でございまして、御指摘のように、国債の安定的な発行、消化のためには国内外の幅広い投資家に国債を保有していただくことは非常に重要だと思っておりますから、当然、個人に持ってもらうということも重要でございます。
しかも、家計の御目線に立っても、元本割れしないわけですから、普通預金よりは有利な金利での運用になりますから、それは当然、家計資産のポートフォリオにおいてもっと選ばれてもいい金融商品だとは考えております。
ですから、今おっしゃったように、目的意識というのも、当然、国を支える上で持っていただければありがたいし、全然ちょっと切り口は違いますけれども、GX国債というのがあって、それはまた別の場面でなかなか人気があるようでございますが、まだそれ以外について、例えばいろいろな党からいろいろな御意見が出ていて、目的別になっているという国債があるわけでもないんですけれども、意識としてそういうことを持っていただきながら、国民の皆様側の資産運用ニーズに耳を傾けつつ、それは、そうしないとやはり売れませんから、そういうことで現実的な検討を進めてまいるということではないかと思っております。
○田中(健)委員 個人国債の重要性やまたその必要性、また今後の展開についても聞かせていただきまして、大変共感するところがありました。是非とも今後の検討に期待したいと思うんですけれども、ここで、海外の事例を見てみたいと思いますが、海外ではいろいろな取組がされています。
イギリスでは、NSアンドIという、グリーンセービングボンドというのがありまして、国民の貯蓄が政府の選んだ環境関連プロジェクトに充当されている、まあGX債も今ありましたけれども、こういったことはもう長年続けられています。投資家に対して、単なる利回りだけではなくて、やはり自分の資金は環境に役立つんだという目的を示している点が特徴でありまして、大変に人気を博しているようでありますし、また、米国でも、シリーズEEとかシリーズIといった個人向けの貯蓄国債で、一定の要件を満たせば更に、例えば高等教育費に充てた利子についても課税所得から除外できる制度があるということも学びました。
もちろん、海外の制度をそのまま日本に持ち込めばいいということを言いたいわけではないんですけれども、やはり重要なのは、国民に対して、なぜ国にお金を貸すのか、そういった思いを示しているということ、目的を示しているということであります。大臣からも先ほど目的の話がありました。
しかし、一方、まだ日本の個人向けの国債は、安全性、利回り、先ほど元本保証がされるというお話もありましたが、購入者から見ると、自分のお金が何に使われるのかというのは見えにくいですね。ですと、これまでは、国民の応援したいとか参加したいという気持ちを十分につかむということはまだまだ難しいと思っています。
そういう意味では、やはり目的別の個人向けの国債というのも私は検討すべきだと思っていまして、一つは子供、例えば教育応援国債だとか、例えば防災・減災、国土強靱化、これから大変に予算がかかります、こういったものですね、そういったものに目的化するというのも、一つ考えが必要かと思っています。
単に名前をつけるだけというよりも、しっかりとその国債が、教育や少子化対策や防災や国土強靱化に充当してどのような事業に使われたのか、またどのような地域で効果があったのかということが分かれば、私たちは、それに対して投資をしよう、NISAするんだったら国に協力しようという思いも私は高まるんじゃないかと思っています。ですので、こうした制度設計があって初めて、家計の金融資産、まだまだ眠っていると言われています、これが、単なる運用先でなく、国家の未来への投資として動き出すことも可能かと思います。
そこで、改めて大臣に伺いますが、個人向け国債を拡充するに当たり、利回りや商品性の改善だけでなく、資金使途を明確にした目的別の個人向け国債、例えば、今言いました、子供、教育応援国債、防災、減災の国債の創設というのも是非検討課題に挙げていただければと思っています。あわせて、先ほどアメリカの例も言いましたが、これらの目的別の国債において、国民が将来世代のために資金を託したいと思える分野については、利子の非課税化を含め、同じようなNISA、iDeCoのような、そういった税制優遇措置というのも私は検討する価値があるんじゃないかと思いますが、大臣の見解を伺います。
○片山国務大臣 まず、目的別で、しかも個人向けの国債ということになってまいりますと、財源としての安定性ですとか、償還財源をどのように確保するかという点は当然詰めなければならないんですけれども、GXはそういう形にはなっていますが、ある意味で国債と同じ商品性にしておりますから、委員の御趣旨はまたちょっと違う御趣旨と受け取りましたので、そこは追加的に検討しなきゃいけないところが出てきます。
ですから、そのやり方でやっていきますと国全体の資金調達にどういう影響が出るかということも、今のところはまだそこまではやったことがないわけですから、システムの方もいじらなければならないでしょうから、いろいろなことを総合的に考えて、チャレンジングな、非常に検討点の多い、チャレンジングな要素はあるなと思っておりまして、そういうことを検討することができないというふうに言っているつもりではございませんが、チャレンジしなければならない要素が多いところではございます。
税制措置につきましても、これも異論が出ます。私どもは、国債の発行体でもある役所でございますし、さらに税制措置も考える役所ですから、ちょっと省内的に二律背反なところもございますが、金融所得課税をどうするかというバランスの問題は出てくると思います。つまり、金融商品間での中立性とか、分かりやすさとかを考えたときにどうするか。
それから、NISAにおいて大胆な減税措置を行ったときに、やはり貯蓄から投資へという家計のポートフォリオの誘導ということがある意味で国策としていいということであれだけ非課税にしたわけですが、こちらの方も公的な意味は非常にあっても、貯蓄から投資ではないんですよね、国債はあくまでも元本保証ですから。ということになると、その趣旨をどう整理するかとか、いろいろな経緯はあるんじゃないかなと思います。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
もちろん、今すぐなかなかできるものではありませんが、是非、今後の検討課題として挙げていただきたいと思いますし、チャレンジングだと言っていただきましたので、私もこれからも常にチャレンジしていきたいと思います。
ありがとうございました。
○武村委員長 次に、近藤雅彦君。
○近藤(雅)委員 国民民主党の近藤雅彦です。
本日も質問の機会、誠にありがとうございます。
さて、今週末で五月が終わろうとしています。五月といえば、全国の御家庭に自動車税そして軽自動車税の納付書が届いて、まさに納税をしていただく時期でもございます。国民の皆さんが最も自動車と税についての関係に関心を持っていただける、そんな時期でもございますので、本日は自動車関連の税制について御質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
自動車に関しましては、消費税等も含めまして、車体にかかる税、そしてガソリンなど燃油にかかる税で、これまで、九種類九兆円の税金がかかっていると、かねて国民民主党も指摘を申し上げてきました。
そして、今般、ガソリン一リットル当たり二十五・一円、そして軽油一リットル当たり十七・一円の暫定税率部分が廃止されまして、自動車の購入時に課税されていた環境性能割の廃止も含めまして、およそ一・七兆円規模の減税が実現したものと承知をしております。特にガソリン、軽油の暫定税率の廃止について御尽力いただいた関係者の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。これによりまして、家計や企業の負担を大幅に軽減されたことと思います。しかし、足下の中東情勢を受けまして一段と原油高が進み、従来どおり暫定税率が継続されていた場合、国民の皆さんの御負担は大変厳しいものになっていたと推察されます。
そこで、お尋ねをします。
暫定税率を廃止したものの、更なるガソリン代の高騰があり、それを受けて、今、補助金等の財政支出が発生している状況でございます。一連の経過を踏まえまして燃油価格についてどのような現状認識をお持ちか、お尋ねをいたします。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
ガソリンの暫定税率二十五・一円につきましては昨年十二月三十一日に廃止をされまして、軽油の暫定税率十七・一円については本年四月一日に廃止されたところでございます。加えまして、今般の中東情勢を受けまして、国民生活と経済活動を守るため、緊急的な激変緩和措置を三月十九日から実施をしてございます。ガソリンの小売価格につきましては全国平均で百七十円程度に抑制するとともに、軽油などについても同額の補助を行っているところでございます。
これによりまして、例えばガソリン小売価格につきましては、補助開始前の三月十六日には全国平均で百九十・八円まで高騰してございましたが、現在は百七十円程度に抑制されております。また、これにつきましてはG7各国の中でも最も安い水準であるというふうに認識をしてございます。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
減税に加えて、補助金で対策を行っているという状況でございます。恐らく、検討されている補正予算等でも燃油高対策が入ってくると思われますけれども、引き続き、注視の上、必要な支援を行っていただければと思います。
次に、このような燃油価格の高騰が続いている中ではございますが、将来に向けて国内外のEV市場について現状認識を確認したいと思います。
EUでは、二〇三五年にはCO2を排出する新車の販売を禁止するという目標を掲げておりました。しかし、価格がいまだ高く、ハイブリッド車など現実的な消費者の選択もあり、現在、欧米の大手自動車メーカーは、加速度的に進めていたEVシフトの実質、調整局面に入っている、このように認識をしております。
日本国内でも同様の状況があるように思います。私の地元福岡県でも、大変自動車の生産が盛んな地域でございますけれども、これまでに、福岡県内ではトヨタあるいは日産のEVの電池工場の計画がございましたが、その延期や中止が報じられているところであります。さらには、その後、今般の中東危機などもありまして、国内各社もとても投資に注力できる状況にない、このように思います。
そこで、お尋ねをさせていただきます。
国内のEV市場と各社の開発や投資の環境についてどのような認識をお持ちか、お尋ねをいたします。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
欧米におきまして、委員御指摘のとおり、EVなどの政策に関する見直しの動きはありますものの、自動車のグローバルな電動化の波は着実に進んでいるものと承知しております。
我が国の市場を見ましても、昨年度後半以降、日系自動車メーカーによるEVの積極的な投入などを受けまして、EVの新車販売台数は増加傾向となっております。また、日系メーカーは全固体電池といったEV関連の開発投資も行っております。
政府としては、ハイブリッドやFCV、燃料電池自動車だけでなく、EVなども含めた多様な選択肢を追求するマルチパスウェー戦略を掲げており、内燃機関のみならず、今後市場が拡大していくEVでの競争力も強化していく方針でございます。そうした戦略の下で、引き続き、蓄電池の研究開発や国内製造基盤の強化、車両購入補助や充電設備整備支援など、総合的な取組を進めてまいる所存でございます。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
御答弁ありましたように、着実にEVの販売等は進んでいると思いますけれども、私から先ほど申し上げたとおり、やはり、大規模な投資に向けては、それを見合わせる厳しい市場環境にあるという認識でございます。様々な産業の中でも、日本が屈指の国際競争力を持つ分野でもございます。投資意欲を損なわないような財政面、税制面の御支援を今後も引き続き御検討いただければ、このように思います。
次に、自動車のユーザー側の視点でお尋ねをさせていただきます。
一般的に、自動車では、走行に伴って、いわゆるガソリン税、揮発油税ですとか地方揮発油税が発生しますが、この点において、EVでは発生しないものと承知しております。これを踏まえまして、改めて片山大臣にお聞きします。
昨年十一月の参議院予算委員会等でも、走行距離課税については、実施する考えがないということで御説明をされているようですけれども、現状でもそのような認識に変わりはないか、御答弁をお願い申し上げます。
○片山国務大臣 これまでも国会における答弁で申し上げているとおり、御指摘のいわゆる走行距離課税について、政府として具体的に検討しておりません。
○近藤(雅)委員 力強い御答弁ありがとうございます。
家計にとっても、自動車購入は一大イベントでございます。市場全体の需要にも大きな影響が出ると思いますので、御理解いただく答弁、大変ありがとうございます。
次の質問に参ります。
これまで述べてきましたように、世界の自動車メーカーがEVへの投資計画を修正しているところであります。日本が世界のマーケットをリードしていくためにも、まずは、国内を中心に市場の裾野をしっかりと広げていくべきと考えます。EVに対する自動車税、そして特に車検時などに徴収される自動車重量税の課税については、この五月から優遇措置が延長されたと承知をしております。国内でのEVの所有率もまだ僅かでございますし、今後、優遇策の更なる継続性が求められるものと考えます。この点について、政府の御認識についてお聞かせください。
○青木政府参考人 お答えいたします。
電気自動車につきましては、初回と二回目の車検時にかかる自動車重量税を免税とするエコカー減税が令和八年四月末を期限として適用されておりましたが、八年度税制改正におきまして、エコカー減税の期限が令和十年四月末まで二年間延長され、電気自動車に対する初回と二回目の車検時の免税措置はそのまま維持されることとなりました。
今後のエコカー減税の在り方につきましては、令和八年度与党税制改正大綱におきまして、エコカー減税が果たす政策インセンティブの強化、実質的な税収中立の確保、原因者負担、受益者負担としての性格、市場への配慮などの観点を踏まえて検討するというふうにされておりまして、政府としては、与党税制調査会の御議論を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
続きまして、道路の維持管理にかかる費用の受益者負担について御認識を問いたいと思います。
今や国民の多くが流通網の発達等の恩恵を受けておりまして、道路の維持管理について自動車ユーザーに過分な負担となっている現状の税体系にも若干の疑問がございます。
昨年示されました令和八年度の与党税制改正大綱には、次のようなくだりがあります。一部を省略しますが、自動車の枠を超えたモビリティー産業の発展に伴う経済的、社会的な受益者の広がりを踏まえつつ、公平、中立、簡素な課税の在り方について、中長期的な視点から総合的に検討し、見直しを行うとございます。この辺り、今後の中長期的な税制の在り方について政府のお考えをお聞かせください。
○青木政府参考人 お答えいたします。
今後の自動車関係諸税の在り方につきましては、令和八年度与党税制改正大綱、御指摘のありました与党税制改正大綱におきまして、様々な観点を踏まえつつ、国、地方を通じた安定的な財源確保を前提に、公平、中立、簡素な課税の在り方について検討し、見直しを行うこととされておるところでございます。
その検討に当たりましては、同大綱におきまして、中長期的には、データの利活用による新たなモビリティーサービスの発展など、自動車の枠を超えたモビリティー産業の発展に伴う経済的、社会的な受益者の広がりや保有者から利用への移行なども踏まえるというふうにされておりまして、委員御指摘の受益者の広がりも踏まえて検討されていくものと承知しております。
政府といたしましては、与党税制調査会の御議論を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
是非、開発メーカーの意欲に寄り添っていただきたい、このように思います。かつては、第三のビールというのがありまして、課税に対して国民の皆さんの間で大きな議論がございました。せっかく生産者が一生懸命、税制の枠組みに沿って新たな商品ラインナップを投入し、その開発の努力が税制改正で報われないという声が、むしろ生産者というよりは消費者の側から出てきたことがございました。国内のEV市場は、正直申し上げてまだ未成熟かと思います。だからこそ、この市場拡大を支えるためにも、現代社会の実情に照らして、まさしく自動車の枠を超えた負担の検討をお願いしたいと思います。
それでは、ちょっと一つ質問を、通告から、出しているもの、飛ばさせていただいて、少し視点を変えまして、税の支払い方法、決済手段等についてお尋ねをしたいと思います。主に自動車税、軽自動車税の地方税の話になりますけれども、自動車関連の税の支払いについてです。都道府県や市町村から見れば、税の収納業務であります。
自治体の窓口や銀行、郵便局で人を介して納税される場合に、多くは手数料が無料となっています。これに対し、クレジットカードは、自治体の事務の省力化に御協力いただいているにもかかわらず手数料がかかります。こうした実情に対してどのような認識をお持ちであるか、場合により、この分野の手数料負担に対する財政支援等も含めて御見解をいただければと思います。
○福田政府参考人 お答え申し上げます。
クレジットカード決済による地方税等の納付に関しましては、他の納付方法と異なり、地方団体に指定納付受託者が納付した後、納税者から代金が支払われるまでの間、一定のタイムラグが生じることとなり、指定納付受託者は貸倒れのリスクを負う一方、納税者は納付繰延べなどの利益を得ることとなります。
このため、地方税等の納付に関しまして、指定納付受託者に対して地方団体が負担する手数料につきましては、国税における取扱いや、納税者が享受する利益、口座振替や私人委託制度等の他の方法との均衡等を踏まえつつ、例えば、一件当たりの地方団体の負担に係る上限額を定め、それを超える部分については納税者負担とするなど、適切な措置を講じていただくよう、地方団体に対し周知しているところであります。
○近藤(雅)委員 御答弁ありがとうございます。
ちょっと私見にはなりますけれども、例えば固定資産税の支払いなどになりますと、期間が長期継続的なものが多いので、口座振替等を選択されている方が現に多いと思います。これに対して、自動車税の支払いとなりますと、自動車の使用期間、そして支払い額の価格帯的なイメージ、三万円から五万円程度が多いと思いますけれども、こうした支払いについては、納税者の皆さんはクレジットカードを是非利用したいというニーズが高いものと思いますし、現に私もクレジットカードでお支払いをさせていただいております。タイムラグ、それからリスクの管理上、指摘するところが残っているということですけれども、どうにか是非、今後検討を継続いただければと思います。
本日は、自動車関係諸税について、ガソリン、燃油の観点、それから産業育成の観点、そしてユーザー目線の様々な御質問をさせていただいております。
そこで、最後に大臣にお伺いしたいと思います。
我が国の自動車産業は、とりわけ昨年来、トランプ関税あるいは中東情勢を受けまして、サプライチェーンの確保にも厳しい状態が続いております。まずは産業として国内需要を喚起するとともに、自動車産業、特にEVへの投資、需要を後押しする税制が今まさに必要と考えております。大臣の所見をいただきたいと思います。
○片山国務大臣 自動車産業が日本の経済にとっていかに重要な産業であるかということは、もう全く言をまつまでもなく、八年度税制改正でも、国内の自動車市場の活性化を速やかに図るとともに、自動車ユーザーの取得時における負担を軽減、簡素化するため、地方税法の改正によって、本年三月三十一日をもって自動車税及び軽自動車税の環境性能割を廃止いたしました。
今後の在り方につきましては、与党の税制改正大綱におきまして、日本の自動車戦略、インフラ整備の長期展望、カーボンニュートラル目標の実現などの観点を踏まえて、国、地方を通じた安定的な財源確保を前提に、公平、中立、簡素な課税の在り方について検討し、見直しを行うということとされておりまして、私どもとしては、この御議論を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○近藤(雅)委員 御答弁ありがとうございます。
自動車産業、先ほど来、EVについてお話ししておりますけれども、成長投資にも大いに関わるところでございますし、これからの国際市場を見据えた場合に、競争力のある日本を再構築できる分野だ、このように考えております。開発や生産をする側の意欲、そして購入する側の消費マインドの双方をよく見ながら、あるべき税制について今後も議論してまいりたいと思います。
以上で私からの質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○武村委員長 次に、河村たかし君。
○河村委員 減税こども、河村たかしでございます。
ちよっと片山大臣に、激励になるのかどっちか分かりませんけれども、質問したいと思いますけれども、どうも、政府は減税というものの考え方の哲学が欠けておるんじゃないのかと。今度の消費税減税でも、減税するぐらいだったら給付すりゃええじゃないかとか、そういう話。まあその中でも、結構政府は減税にこだわって頑張っておるというんですけれども。
減税というのは、減税するとどうなるかというと、その分、いわゆる可処分所得として戻ってくるわけですね、国民のところへ。だから、そのお金を、実は、公的な寄附に使ってくれと。公的資金配分方式の民営化というんです、これは。もう一回言っておこうか。公的資金配分方式の民営化というのがある、という哲学があるんです。だから、今皆さんがやっておられるのは、ほとんど、公的資金、まあ分かりやすく言うと、税金は全部役人が分配するのか、それともやはり国民が競争的にそれを使っていくことはできるのか、そういう哲学ですわ。その考え方がないと、すぐ、財源がどうのこうのといって、減税はやめてしまって補助金でいいじゃないかということになるわけ。
どうも、片山大臣、あなたのふるさとかどうか知りませんが、東京大学法学部、それがどれだけ立派かどうか私は知りませんけれども、ないし大蔵省で、こういう公的資金配分方式の民営化、税金も競争的に使っていくことはできるんだという話というのは、まず東大の授業であったんですか。あらへんがな、そんなもの、全部、役人が統一的に、権力的に管理すると。それから、財務省も、それは当然だと、それが俺らは楽しみで財務省へ入ったんじゃないのと。そういうところで育ってこられたんじゃないんですか、大臣。
○片山国務大臣 いろいろな大学のいろいろな先生が財政学にはいらっしゃるんですが、私は主税局に配属されているんですね、大蔵省に入ってすぐ。そのときに一番偉かった先生は、石弘光先生とおっしゃって、一橋の先生です。ですから、一橋にはしょっちゅういろいろな政策問題で通いましたけれども、東大に通った記憶はなくて。その後は、加藤先生とおっしゃる、この方は慶応の先生でございまして、余り、その学部、大学とはほとんど関係がなかったというふうに記憶をしております。
○河村委員 何言っておるかよう分からぬこともないんだけれども。
要するに、もっと分かりやすく言ったら、ということは、税金も、その配分方式は競争できる、そう思ってみえるのか、やはり駄目なんだと。どっちですか。
○片山国務大臣 大学でどういうことが行われたのかというお話なので、大学と先生とその方々が何を言ったかについて明確にお答えしたつもりなんですけれども、余り御理解いただけなかったようで残念でございますけれども。
税金の在り方とか税制の在り方というのには、先ほどから、中立、公平とかいろいろな概念がございますが、簡素とかいろいろな基準がありまして、委員のおっしゃっているような捉え方も、その捉え方はなくはないんでしょうけれども、政府を運営するためには一定の財政収入が必要であるということを前提とすれば、それがどこにどのようにして公平に配分されるべきなのかという考えはあって、それは、議会政治がまさに萌芽したときに、議会における議論がなければ決して国民から何かを強制的にいただくということはあってはならないというのがまさに議会制民主主義、納税者民主主義の萌芽だと思いますので、まさにこういった議論が国会で行われて、税法が通って税制ができているというので、役人がといっても、別に役人に国会議員が務まっているわけではないので、役人を辞めて選挙に通らないと国会議員にはなれないので、そこで議決をしないと税制はできませんので、そのように物事は動いているんじゃないかと私は理解しております。
○河村委員 分かっておるのか分からぬか分かりませんけれども、わしは石さんともよう話をしましたけれども、今の財政学の人たちはこの公的資金配分方式の民営化というのは分かっていないわね、そもそも。この間ここでやりました、総務省の、あんた、商売やったことあるかという話ですけれども、商売との大きい違いは、商売はやはり選択があるわけですよ。倒産するわけですよ、そこで。同じことをやっておったら倒産するわけです、そこに競争があって。今のお金の分配方式の民営化というのは当たり前のことですよね、商売だと。だけれども、役人にはやはりないですね、基本的に。
だもんで、是非、政府におかれましても、今、何とか国民会議でやっておるけれども、ちゃんと減税を打ち出さないかぬ。
税金を減らすということは、実は、そのまま全部消費になってしまうこともあるけれども、公益寄附にシフトする、なかなか難しいけれどもね。名古屋でも相当やりましたけれども、本当にこれは難しい。明治以来、それから敗戦後の統一的な役人支配というのは圧倒的に強いで。だけれども、そういう気持ちで減税をやっていくんだということを、自信を持って、負けぬように。ぱっと言うと、補助金でも金は同じだでええだということになるんですよ。だから、減税には、そういう非常に高邁な民主主義というやつです、民主主義という理想があるんだと、ちょっと一遍、会議で言ったってちょう。どうだで。
○片山国務大臣 高市政権は、まさに責任ある積極財政の中で、税負担を軽減するような様々な考え方を示しておりますし、今も、社会保障国民会議におきまして、消費税の、つなぎとしての減税ということをテーマの一つとした議論が行われておられると思いますが、それはその議論の場で各政党間で行われておられますので私が何かを申し上げるような立場にはないと思いますが、既に、税制につきましては、所得税の基礎控除を引き上げて、要するに所得税を減税して、国民の皆様に御負担の軽減を実感していただけるようにということで実行しておりますし、また、大胆な設備投資減税の創設、これも一括して償却できるということですから、これは、目的は、我々の場合は強い経済を実現することではありますが、積極的な見直しを行っている、この点は是非御理解をいただきたいと思います。
○河村委員 やはり余りよう分かっておらぬな。
昨日も、たまたまリニアの会合へ行って片山さんがお見えになったもんで、えらい、責任ある積極財政、何遍もしゃべられて力んでおられたけれども、おりの中で言っておるだけじゃ駄目なんですよ。減税によって税制の役人の独占というのを払っていくんだと。国民の皆さんにこれだけ減税でお返ししますから、その分、なかなか、風土がどうのこうの言いますけれども、是非、公益的な活動に寄附で使ってくださいよと。そういう国をつくっていくんだと。こうなると新しい使い道が出てくるんですよ。こんな、商売を一遍もやったことのないやつがみんなそろって同じ分配方式だけやっておって、新しい国なんかできるわけないじゃないですか。まあ、できるけれども、これはアメリカのダイナミックさには勝てぬです。特に、商売を育てていく、それから一人の子も死なせない国をつくる、そういうことでは明らかに遅れておる、日本は。
最後に、これは前に言っていますけれども、だから、国の中で大事なのは、財政規律か商売か、どっちですか。前にちょっと聞きましたけれども。
○武村委員長 申合せの時間が経過しております。質疑を終えてください。(河村委員「もう終わりかね」と呼ぶ)
もう既に申合せの時間が経過をしておりますので、まとめてください。
○河村委員 これは重要なところだで聞いてかないかぬ。
ここで財政規律だと言ったら、えらいことですけれどもね。商売の方が大事だでね、言っておきますけれども、何遍も言うけれども。パブリックサーバントとしては、公務員は。
それから、財源、財源と簡単に言いますけれども、商売をやっておる人たち、財源、商売をやっておる人たちは、何、役人のためにやっておるの。言葉が間違っておるんじゃないの、そもそも。目的は商売であって、財政規律はあくまで手段だということでやっていただかないかぬですよ。
ということで、早うやめてちょうという顔をしていますので、これで終わりますけれども、一言申し上げました。よろしくお願いします。
○武村委員長 次に、米内紘正君。
○米内委員 岩手一区、自由民主党の米内紘正でございます。
本日は、財務金融委員会にて初めての質問の機会をいただきました。先輩、同僚議員の皆様に心より感謝を申し上げ、早速質問に入らせていただきます。
まず、先日、高市総理大臣が表明をされました令和八年度補正予算についてお伺いをいたします。
現在、石油価格あるいは食料品価格を始めとする物価高が深刻な影響を及ぼす中に加えまして、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇リスクも依然として続いており、国民の将来への不安は高まっている状態であります。特に地方において、中小・小規模事業者の皆様が、原材料費や光熱費の高騰に苦しみながらも、地域の雇用を守り、地域経済を支えていただいております。しかしながら、十分な価格転嫁が進まず、事業継続そのものに不安を抱える声も多く伺っておるところでございます。こうした状況だからこそ、政府には、国民生活と地域経済をしっかりと下支えをする機動的かつ戦略的な財政対応が求められていると考えています。
そこで、副大臣にお伺いをいたします。
今回、政府が補正予算を編成する意義について財務省としてどのように認識しているのか、また、高市総理大臣からどのような考え方や指示の下で編成作業が進められているのか、御説明をよろしくお願いいたします。
○中谷副大臣 御質問にお答えいたします。
政府といたしましては、これまでも物価高対応といたしまして、一世帯当たり標準的に年間八万円を超える支援などを盛り込んだ令和七年度補正予算の早期執行や、公的価格に経済、物価動向等を反映させた令和八年度予算の執行に加え、中東情勢を受けて、国民の皆様の命、暮らしに影響が生じないよう、燃料油価格の緊急的激変緩和措置など、様々な支援策を講じてまいりました。
さらには、今月二十六日には、電気・ガス料金につきまして、使用量が増加する七月から九月において昨年夏の料金水準を下回るような支援を行うべく、令和八年度予算の予備費五千百三十五億円の使用を決定したところであります。
その上で、今般、補正予算につきましては、先日、二十五日の会見において総理から、中東情勢は依然として不透明であり、電気・ガス料金の支援に限らず、必要な施策を臨機応変に講じていく、このため、リスクの最小化の観点から、資金面で万全の備えを取るべく、補正予算を編成し、来週にも国会に提出する旨の御発言があったとおり、現在、編成作業を進めているところでございます。
具体的には、こちらも総理が会見でお述べになられましたが、重点支援地方交付金について、特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など、地域の実情に応じた支援を実施できるよう追加措置を行い、また、電気・ガス料金の支援のために使用決定いたしました一般予備費につきまして、その残高を一兆円に復元するとともに、あわせて、今後への万全の備えをするため、中東情勢等対応予備費を創設することなどとしております。
今後、必要な施策を臨機応変に講じるため、万全の備えといたしまして、総理の御指示に沿って、補正予算の編成を進めてまいります。
○米内委員 御答弁いただき、ありがとうございます。
今後の国際情勢次第では、エネルギー価格の高騰が電力価格の上昇につながり、日本経済や産業競争力に大きな影響力を及ぼす可能性もあると考えております。今御答弁の中でもございました中東情勢等対応予備費について、今回、一般予備費と別に創設されることは承知をしておりますけれども、今回、中東情勢等対応予備費を創設する意義について財務省としてどのように認識しているのか、見解をよろしくお願いいたします。
○吉沢政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねいただきました中東情勢等対応予備費につきましては、先日の総理の会見におきまして御説明があったとおり、今回の補正予算におきまして今後への万全の備えとして創設をするものでございまして、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰など、国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できることとするものでございます。
中東情勢が不透明である中で、今後の物価動向ですとか経済に与える影響をしっかり注視しつつ、与党からの御提言も踏まえまして、経済活動や国民の皆様の暮らしに支障が生じないように適切に判断し、必要に応じてタイムリーに対応することが重要であると考えておりまして、このため、リスクの最小化の観点から、資金面で万全の備えを取るべく、今般、中東情勢等対応予備費を創設するということは、非常に重要なものというふうに考えてございます。
○米内委員 御答弁いただき、ありがとうございます。
私も、不測の事態に迅速かつ柔軟に対応できる財政上の備えをあらかじめ確保しておくことは、国民生活と事業活動を守る上で極めて重要であると考えており、危機発生時に必要な支援策を機動的にかつ柔軟的に講じるためにも、この予備費の意義は大変大きいものと考えます。
高市総理大臣が掲げる責任ある積極財政は、国内投資の拡大と成長力強化に重点を置き、戦略十七分野への投資を通じて、日本列島を強く豊かにという国家ビジョンの実現を目指すものだと承知をしております。人口減少と少子高齢化が進む地方におきましては、地域経済が先細りしていく、いわば静かな衰退ともいうべき状況への危機感が高まっております。だからこそ、今、日本は成長への挑戦をやめてはならないと考えます。一方で、エネルギーコストの上昇がその成長へのブレーキにもなり得る中で、中東情勢等対応予備費を最大限有効に活用していただくことを期待をするところであります。
また、財源に対する説明責任も極めて重要でございます。今回の補正予算では特例公債を発行する見込みと承知をしております。現在、長期金利は上昇傾向にあり、国債市場への関心も高まっております。我が国が安定的な財政運営を維持していくためには、市場との丁寧な対話を重ねながら財政に対する信認を確保していくことが不可欠であると考えます。
そこで、伺います。
今回、特例公債の発行について財務省としてどのような考え方で対応するのか、また、長期金利が上昇傾向にある中で、国債市場の安定やマーケットからの信認確保に向け、どのように取り組んでいくのか、見解をよろしくお願いいたします。
○吉沢政府参考人 お答え申し上げます。
委員から御指摘いただきましたとおり、安定的な財政運営を行う上で、マーケットからの信認を確保するということは大変重要であると考えております。
補正の財源につきましては、これも先日の総理の会見で述べられておりますけれども、今回の補正予算の歳入といたしましては特例公債を追加するということになりますが、一方で、前年度分の特例公債のうち、今後六月までの発行が予定されている三兆円分につきましては、税収、税外収入、それから歳出不用の見込みを踏まえますと、実際には発行せずに済むという見込みが立ってございます。このように、国債発行予定額全体の中で調整を行うことで、市中への発行総額は増やさずに対応できますため、国債マーケットに影響を与えることなく実行可能であると考えてございます。
引き続き、日々の市場動向や経済指標を常に十分に注視しながら、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○米内委員 御答弁いただき、ありがとうございます。
エネルギーのコストの上昇だったり長期金利、双方を見ながらの繊細でまた難しいかじ取りになるとは思いますが、挑戦しない国に未来はない、その強い覚悟を持って、地方も含めた日本全体の成長戦略を力強く推進していただくことを期待しております。
次に、岩手県大槌町林野火災への支援及び国土強靱化についてお伺いをいたします。
先月四月二十二日に発生をいたしました岩手県大槌町の林野火災では、広範囲にわたり森林や地域インフラに甚大な被害が発生しまして、多くの住民の皆様が不安な生活を余儀なくされました。そのような中、全国十二都道県から約千二百名に及ぶ緊急消防援助隊また自衛隊の皆様が駆けつけてくださり、昼夜を分かたず消火活動に尽力をしていただきました。岩手県民の一人として、全ての関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
今回の災害については局地激甚災害への指定が見込まれておりますが、被災自治体は人口減少や厳しい財政状況の中で対応に当たっております。復旧復興を着実に進めるためには国による十分な財政支援が不可欠であります。特に、森林災害復旧事業への補助や災害救助法に基づく支援、生活再建支援などについて、被災地に寄り添った万全の対応を求めたいと思っております。
また、岩手県では、同じく先月、三陸沖を震源とする大きな地震も発生いたしました。政府の地震調査委員会からは、今後更に大きな地震につながる可能性も指摘されております。
近年、豪雨災害が激甚化、また様々な災害が激甚化、頻発化する中で、地方インフラの老朽化対策を含め、国土強靱化の重要性はますます高まっております。国民の命と暮らしを守るため、防災、減災、そして災害に強い地域づくりに向けた中長期的な投資を着実に進めていく必要があると考えますが、国土強靱化に関する、今後、財政面での取組について、林野火災への対応と併せて財務省の見解をお願いいたします。
○吉沢政府参考人 お答えいたします。
岩手県大槌町の林野火災につきましては、委員から御指摘いただきましたとおり、四月二十八日に局地激甚災害に指定される見込みとなったというふうに承知をしてございます。激甚災害に指定されますことで、被害木の伐採、搬出、それから跡地におけます造林などの森林災害復旧事業につきましては二分の一の国庫補助の対象となります。
そのほかにも、令和八年度予算において措置されております森林や山地の復旧のための政策メニューにつきまして、地域の実情、ニーズに応じて活用いただけると承知をしてございます。
加えまして、今回の火災で大槌町には災害救助法も適用されておりまして、避難所の設置に係る経費などが国庫負担の対象となっております。
これらの措置を通じまして、財政当局としましても、一日も早い復旧復興に向けましてしっかりと対応してまいりたいと考えております。
それから、国土強靱化についてもお尋ねをいただきました。
インフラ保全を始めといたしまして、平時からの事前防災、減災の取組によりまして、地震や豪雨災害などを含めた自然災害から国民の生命、財産、暮らしを守ることは極めて重要であると考えております。
政府といたしましては、ハード、ソフトの両面で防災、減災やインフラ保全を徹底するため、国土強靱化実施中期計画に基づきまして、五年間でおおむね二十兆円強程度の事業を官民を挙げて着実に実施していくということが重要であると考えてございます。
○米内委員 ありがとうございます。
最後に、熊を始めとする鳥獣被害対策について伺います。
近年、熊などの野生鳥獣の出没が全国各地で相次ぎ、農作物被害のみならず人身被害も発生するなど、地域住民の安心、安全を脅かす深刻な問題となっております。私の地元岩手県においても、住宅地周辺や学校近くで熊が毎日のように目撃されておりまして、今回の大槌町の林野火災の現場周辺でも熊が確認されました。私自身も昨年、空き家の柿の木に登っている熊を目撃いたしまして、岩手県は昨年も全国で最も人身被害が多く出た場所でありまして、今年度は昨年を上回るペースで熊の出没が確認をされております。
政府においては、昨年、クマ被害対策に関する関係閣僚会議を設置し、対策パッケージやロードマップを取りまとめるなど、対策強化を進めていると承知をしております。
熊を始めとする鳥獣被害は、もはや一時的な、局地的な問題ではなく、全国的かつ日常的な課題となっております。捕獲人材の確保や防護柵の整備、ICTを活用した監視体制の強化など、継続的かつ実効性ある対策を進めるためには安定的な財源確保が不可欠であります。
そこで、伺います。
国として熊を始めとした鳥獣被害対策をどのように強化していくのか、そのために必要となる財政面での支援について、財務省の見解をよろしくお願いいたします。
○吉沢政府参考人 お答えいたします。
財務省といたしましても、熊対策を始めとします鳥獣被害対策は重要であるというふうに考えております。
例えば、御指摘いただきました熊対策につきましては、クマ被害対策パッケージに基づきまして、統一的な手法による個体数推定の実施ですとか、市街地周辺における増え過ぎた個体数の削減、管理、あるいは市街地などでの出没防止対策などの事業につきまして、令和七年度補正予算それから令和八年度予算において必要な予算を措置しております。
引き続き、関係省庁と丁寧に議論しながら、しっかり対応してまいりたいと考えております。
○米内委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、一谷勇一郎君。
○一谷委員 日本維新の会の一谷勇一郎です。
御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、本日は、経済における国の安全と市場の公平さを守るということで御質問をさせていただきたいと思います。
前回議論をしました外為法、これは外国投資家による対日投資や企業買収に対する審査、規制の強化が本丸だったと思いますし、その質疑の中で、経営や管理ビザの強化、これは本当に、外為法は大きな枠組みですし、この経営・管理ビザというのは本当に市民の皆さんに近いところの強化ではないかなと思います。
もう一つ、中堅どころの非常に優れた企業が今危機に面しているというところについて質問をさせていただきたいと思います。
近年、我が国の資本市場において、日本版ウルフパックと呼ばれる、大量保有報告義務、これは五%ルールと言われますが、意図的に潜脱する敵対的買収の手法が深刻化しているのではないかと考えております。複数の投資家が五%未満ずつの株式を隠密に分散取得し、暗黙のうちに協調して瞬く間に経営権を奪取する。そのターゲットとなっているのは、大企業ではなく、優れた技術力や、また情報の発信力を担う中堅の日本の企業です。
彼らは、正々堂々と五%以上を取得する通常のアクティビストとは本質的に異なり、正体を隠して集団で会社を乗っ取っては資産を流出させ、技術を毀損する。これは、資本市場の公平さのみならず、経済安全保障上の甚大な脅威であると私は考えます。
本日は、岩田副大臣、中谷副大臣、御出席ありがとうございます。両副大臣にお伺いしたいんですが、こうした見えない敵対的買収について政府はどれほどの危機感を持って把握しているのか、まずは見解をそれぞれにお伺いしたいと思います。
○中谷副大臣 御質問にお答えいたします。
一谷議員が持っておられる危機感、私も共有するところでございます。これまでも、私も、一議員としてではありますけれども、財務省や、さらには金融庁、そして経産省に、このウルフパックについて働きかけを行ってきたというところでもございます。
その上で、外為法についてでございますけれども、外為法の対内直接投資審査制度では、外国投資家が、指定業種、ここが肝なんですけれども、指定業種じゃなければやれないというところがあるんですが、を営む日本の上場企業の議決権を一%以上取得する場合は原則として事前届出を提出いただくこととなっておりますが、この一%の閾値を超えるかの判断については、共同して議決権を行使することを合意している他の外国投資家がいる場合、その保有分も合算して判断されることとなっているというところであります。
また、保有している上場企業、上場会社の議決権比率が一%未満であったとしても、他の外国投資家と共同して議決権を行使するということを合意しようとする場合は、当該上場会社が指定業種を営んでおり、かつ、共同して議決権を行使しようとする外国投資家の保有議決権の合計が一〇%以上であれば事前届出を提出する必要があるとしております。
中小・中堅企業の中にも、日本の安全保障にとって重要な技術を有する、事業を有するものも多いというふうに認識しておりまして、今後とも、制度の適切な執行に、運用に努めてまいりたいというふうに考えているところであります。
外為法では指定業種じゃなきゃ駄目だというところがあって、それから外れてしまうとなかなか難しいというのは私も認識しているところであります。この後、金融担当副大臣からも御説明があると思いますが、そこは今後、今回、金商法の政令改正等をやっていますので、そこの効果を私も期待をしているというところであります。
以上です。
○岩田副大臣 お答えをいたします。
金融商品取引法におきましては、経営に対する影響力を及ぼす株式の保有状況を開示をし、市場の透明性、公正性を確保する観点から、上場企業の株券等を五%を超えて保有をすることとなった者に報告書の提出を求める大量保有報告制度がございます。
もっとも、各投資家の保有割合が五%未満であっても、例えば、保有者間で一定の特別の関係がある場合又は複数の投資家が共同して議決権行使を行う合意をしている場合であって、その保有分を合算して五%を超える場合には、規制の潜脱防止等の観点から、共同保有者として報告書の提出が求められます。
金融商品取引法上の報告義務が生じているにもかかわらず、報告書を提出せずに株式を買い進める行為は、資本市場の機能発揮のための透明性、公正性確保の観点から望ましくないものと考えておりまして、金融庁といたしましては、引き続き法令の定めに従って本制度を適切に運用してまいります。
○一谷委員 御答弁ありがとうございます。
ただ、その五%の網をすり抜けてくるというところがやはり問題だと思いますし、少し金商法の視点と違うかも分からないんですが、私は、このウルフパックの行為は、一部の者しか知らない未公開情報を利用して不当に利益を得るという点では、本質的に、インサイダー取引に似ているというか酷似しているとかいう、市場不正行為ではないかというふうに思いますが、副大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○岩田副大臣 お答えいたします。
インサイダー取引規制におきましては、未公表の重要事実等を知った関係者が取引を行うことは市場の公正性、健全性を害すると考えられることから、株式について、一定の買い集め行為に係る未公表の情報を知った関係者が取引を行うことを禁止をしております。他方で、共同で行う場合も含め、買い集め行為自体を禁止しているものではございません。
その上で、こうした株式の買い集め行為に係る情報を投資者に迅速に提供することは重要でありますので、先ほど申し上げました保有割合が五%を超える場合には、大量保有報告制度による開示を通じて、市場の透明性、公平性の確保を図ることとしているところでございます。
○一谷委員 でも、実際には、ばらばらの体制を取っているといいながら、合意の下でこのウルフパックをしかけていると思いますので、広義の意味ではインサイダー取引と言ってもいいのではないかなというふうに思いますので、是非、これからお考えを一緒にちょっと深めていっていただけたらというふうに思います。
このウルフパックをしかけられたときに防止する方法としまして、役員解任登記の留保通知というのがあります。これについてお伺いをいたします。
ウルフパック側が、定足数や議決要件を完全に無視し、虚偽の議事録を製作して、不当な役員変更登記を強行しようとするケースがあります。現状、法務省民商第六五号通知に基づき、役員全員解任の登記申請に対しては、裁判所の判断が出るまで登記を留保できる仕組み、ブレーキがありますが、同通達の末尾は、登記を保留しても差し支えないという曖昧な表現にとどまっています。このため、地方の法務局など現場の対応においては内容確認が形骸化し、虚偽登記が受理されてしまうリスクを排除できません。
裁判所の仮処分決定が出るまでの登記留保期間の明文化など、不実の登記を絶対に受理させないための通知の厳格化及び法整備を行うべきではないかと思いますが、法務省の見解をお伺いいたします。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の通知は、会社の役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の登記所における事務の取扱いを示したものであり、登記完了前に、解任されたとされる代表者から、当該登記申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分の申立てを行った旨の上申書が仮処分申立て書の写しを添付して提出された場合には、一定の期間に限り、登記を留保して差し支えないとしているものでございます。
この取扱いは、登記官の権限がいわゆる形式的審査権限のみであることを前提として、不実の登記の防止の要請と迅速な公示の要請の均衡を適切に図る観点から行っているものであり、不実であることを疑うべき事情がない登記申請については、個別事案に応じ、迅速に登記を行うことを可能としております。
御指摘のように、現在の取扱い以上に登記を留保するような運用等をする場合には、不実であることを疑うべき事情がない登記申請についても登記を留保する必要が生じるなどして、登記の迅速性が損なわれ、ひいては会社の経済活動の妨げとなるおそれがあることから、慎重な検討を要するものと考えますが、法務省としては、引き続き、各法務局において、本通知の趣旨を踏まえた適切な運用が図られるように努めてまいりたいと考えております。
○一谷委員 この通知は、前提として、家族間であったり親族間のものだと思いますが、少し事情も変わってきていますので、是非それも考慮していただけたらと思います。
では、時間の都合上、四番目を少し後に回させていただきまして、五番目の質問をさせていただきたいと思います。
現在、国会で審議している金融商品取引改正法においては、大量保有報告違反の課徴金水準が現行の七十倍に引き上げられる予定です。しかし、ウルフパックをしかける側は数十億円規模の資金を動かしており、実質的な乗っ取りに成功する巨額利益に比べれば、現行の算定基準による数千万円の課徴金では到底痛手にならず、十分な抑止力にはならないのではないかと私は考えます。
我が国の法律上、米国のような懲罰的損害賠償の導入が困難であることは承知していますが、それを補って余りある、買収資金そのものを没収するような実効性のある懲罰的抑止措置を講じるべきではないかと思いますが、参考人の方に見解を求めます。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
大量保有報告制度の悪質な違反につきましては、課徴金のみならず、刑事罰の対象にもなり得る制度となっております。違反行為の抑止力については、これらのエンフォースメント全体で考える必要があると考えております。
ちなみに、大量保有報告制度違反に対する刑事罰は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金又は併科で、法人の場合、両罰規定がございまして、五億円以下ということになります。
御指摘いただきましたとおり、今国会に提出しております金融商品取引法の改正案では、近年の違反事例を踏まえて大量保有報告制度違反の課徴金の水準を七十倍に引き上げることとしておりますが、全体として十分な抑止力となっているかについては、今後もよく留意してまいりたいと考えております。
○一谷委員 ありがとうございます。
是非そこを見ていっていただきたいなというふうに思いますので、お願いをいたします。
では、次の質問をさせていただきたいと思います。
ウルフパック行為の再発、次なる標的への攻撃を防止するためには、五%ルールや大量保有報告義務を無視、潜脱した個人や法人、さらに本年五月に範囲が拡大されましたみなし共同保有者も含め、違反者情報を金融庁のウェブサイト等で公的にかつ恒久的に公表すべきではないかと私は考えます。
現状、どの投資家が反市場的勢力であるかの認定や情報共有は、各証券会社の内部ルールに委ねられております。網羅的な排除ができません。当局が公的に違反したリストを公表すれば、全ての証券会社が一斉に口座凍結や取引停止などの措置を講じることが可能となり、極めて強力な抑止力が働きます。
この情報開示の義務化と再発防止について、副大臣の見解を求めます。
○岩田副大臣 お答えをいたします。
大量保有報告書の提出義務違反等の法令違反行為に対しては、厳正に対処していくべきものであります。
その上で、委員の御指摘の違反者の名称の公表につきましては、違反者が法人である場合、このときは、証券取引等監視委員会が課徴金納付命令を勧告する際や、勧告に基づいて金融庁が当該命令を決定する際に名称を公表をしておりますが、違反者が個人である場合は、氏名の公表により、その行為の悪質性及び社会的影響力等の程度に照らして過大な社会的制裁を科すことになるおそれがあることから、通常は公表していない取扱いとしております。
もっとも、違反者が繰り返し違反行為を行う可能性が高く、取引相手先となる証券会社等に注意喚起を図る必要があるなど、公益又は投資者保護のために必要かつ適当と認められる場合には、金融商品取引法上、個人の氏名等の公表を行うことができることとしております。
金融庁としては、このような悪質性が高い事例につきましては、同法の規定に基づき適切に対応してまいります。
○一谷委員 個人情報保護の視点も重要でありますけれども、やはり、ウルフパックをしかけていく企業であったり個人であるのが同一人物であるということも、私は、ちょっと調べさせていただいて認識をしておりますので、是非少し考えていただけたらと思いますし、一企業が莫大な弁護士費用等、人的費用を使ってそれを防止していくというのは限界があると思いますので、是非、日本の企業を守っていただけたらと思います。
以上、時間になりましたので、御質問を終わります。ありがとうございました。
○武村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時九分散会

