第11号 令和8年6月10日(水曜日)
令和八年六月十日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 武村 展英君
理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君
理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君
理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君
理事 萩原 佳君 理事 田中 健君
浅田眞澄美君 石井 拓君
稲葉 大輔君 井林 辰憲君
岩崎 比菜君 上原 正裕君
鹿嶋 祐介君 加藤 勝信君
今 洋佑君 辻 由布子君
長澤 興祐君 新田 章文君
藤丸 敏君 松本 泉君
三反園 訓君 三原 朝利君
森原紀代子君 山本 裕三君
米内 紘正君 渡辺 勝幸君
大島 敦君 大森江里子君
岡本 三成君 一谷勇一郎君
横田 光弘君 近藤 雅彦君
牧野 俊一君 峰島 侑也君
河村たかし君
…………………………………
財務大臣
国務大臣
(金融担当) 片山さつき君
内閣府副大臣 岩田 和親君
財務副大臣 中谷 真一君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
財務大臣政務官 三反園 訓君
政府参考人
(警察庁刑事局組織犯罪対策部長) 大濱 健志君
政府参考人
(金融庁総合政策局長) 堀本 善雄君
政府参考人
(金融庁総合政策局審議官) 岡田 大君
政府参考人
(金融庁企画市場局長) 井上 俊剛君
政府参考人
(金融庁証券取引等監視委員会事務局長) 齋藤 馨君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 橋本憲次郎君
政府参考人
(財務省主税局長) 青木 孝徳君
政府参考人
(経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官) 伊藤 禎則君
財務金融委員会専門員 二階堂 豊君
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委員の異動
六月十日
辞任 補欠選任
棚橋 泰文君 辻 由布子君
一谷勇一郎君 横田 光弘君
同日
辞任 補欠選任
辻 由布子君 今 洋佑君
横田 光弘君 一谷勇一郎君
同日
辞任 補欠選任
今 洋佑君 山本 裕三君
同日
辞任 補欠選任
山本 裕三君 棚橋 泰文君
―――――――――――――
六月三日
所得税法第五十六条の廃止に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第六四三号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第六四四号)
同(田村智子君紹介)(第六四五号)
同(畑野君枝君紹介)(第六四六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五七号)
――――◇―――――
○武村委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、警察庁刑事局組織犯罪対策部長大濱健志君外七名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○武村委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。若林健太君。
○若林委員 自由民主党の若林健太でございます。
早速質問に入らせていただきたいと思います。
今週末、地元の長野に帰ったら、地元の新聞と、それから市役所から連絡というので、家内から見せられまして、ごみ袋がないということを報道されていました。先週には、お隣の須坂市でもスーパーからごみ袋が消えたというようなお話があって、中東情勢に伴う原油やナフサの不足による不安というのが想像以上に市中に広がっているということを感じます。
政府として、総量を確保した上で、流通の目詰まりをきめ細かく解消するべく努力していることは承知しておりますが、しかし、現実に、ナフサ由来の建築資材や塗料が現場に届かず、建設現場が止まり、最終引渡しができないために資金繰りに困っている地方の中小工務店がたくさんございます。大手には供給されていても地方の中小企業まで届いていないと怨嗟の声も聞こえるところでありまして、大変深刻だと思っております。政治は結果でありますので、結果として現場に届いていないという事態についてどうするのかということが重要だと思います。不測の事態に備えた金融の支援、これが地域の中でたくさん聞かれます。
片山大臣のこれまでの取組と、そして、特に地方の中小企業に対して決意のメッセージをいただければというふうに思います。
○片山国務大臣 まさに物価高、人手不足等に加えての今般の中東情勢でございまして、この影響を受け非常に厳しい経営環境に直面する事業者の方があちこちにおられるというのは強く認識をしておりまして、こういった個々の状況も踏まえながら、必要に応じて債務の圧縮、減免を行うことも含めて、経営状況の悪化に苦しむ中小企業の経営改善等が促進されなければならない、このように考えております。
コロナ禍での実質無利子無担保融資、いわゆるゼロゼロ融資、これも含めまして、既往債務、これの条件変更や借換え等について考えて、進めていかなきゃいけないんですが、これを含めて、事業者に寄り添って、迅速で、かつ柔軟な対応を取ってくださいということを、金融担当大臣としての私から三月の二十七日に緊急要請で出しまして、これは、官民の全ての金融機関に対して、メガバンクから、信用組合から、公的機関も含めて働きを行って、その後もフォローしております。
また、政府系金融機関や商工団体等には特別相談窓口を設置しておりまして、公庫のセーフティーネット貸付けの金利は〇・四%引き下げるなどの追加的な措置も行っているところです。さらに、いわゆる取引Gメンや建設Gメンとかそういう体制も、それからさらに、業況が厳しい業種については追加して信用保証による支援も強化していくこと等、次々と手を打って、本当に目配りを三百六十度して、政府として漏れのないような対応に万全を期してまいりたいと考えております。
○若林委員 ありがとうございます。
現場は三月末よりも更に深刻の度を増しておりまして、あと二、三か月同じ状況が続くと大変だ、こんな話もあります。是非、引き続き、適時適切に指導力を発揮いただいて、まさか資金ショートしてというようなことにならないように是非お願いをしたいというふうに思います。
それでは、法案の審議に入りたいと思います。
我が国の金融及び資本市場の変化に対応しつつ、成長資金供給を拡大するとともに、投資者保護を確保するため、暗号資産制度の整備、サステーナビリティー情報の開示、インサイダー取引の規制などを取り扱っているのが今回の法案でありますが、私は公認会計士ですので、特に、サステーナビリティー情報について特化して、以下、質問させていただきたいと思います。
特定非財務情報について、登録を受けた特別の利害関係のない業者による監査証明を義務づけることというふうになっておりますが、この業者には監査法人以外の法人も認めるということにいたしました。諸外国の例によっては企業監査を独占業務とする監査法人に限定する制度を導入しているところもあるわけですが、我が国においてあえて広く特定非財務情報監査証明業者を認めた意図をまず伺いたいと思います。また、どんな法人を想定しているのか、伺いたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、特定非財務情報監査証明、すなわちサステーナビリティー情報の第三者保証につきましては、国際的に見ますと、監査法人、公認会計士だけが提供できる国と、監査法人、公認会計士に限定せず、広く専門家が提供できる国があるものと承知しております。
我が国における制度の検討に当たりましては、将来、サステーナビリティー情報の第三者保証の義務化をプライム市場上場企業全体に拡大する可能性も見据えまして、保証の信頼性を確保しつつ、将来にわたって担い手を十分に確保することが必要と考えております。
このため、特定非財務情報監査証明業者、すなわち保証の提供業者につきましては、一定の登録要件や行為規制を求めることとしつつ、監査法人だけでなく、現在任意でサステーナビリティー保証を提供している、例えばISO認証機関といった監査法人以外の者であっても、これらの要件を満たせば登録できる制度としているところでございます。
○若林委員 監査法人以外の法人もサステーナビリティー情報開示に当たって保証業務に参加できるというふうにした以上は、監査法人法と同等の守秘義務はもちろんのこと、国際的な保証基準、品質管理基準、また倫理及び独立性の基準などを制定して、制度の信頼性を担保していかなければなりません。
来年の四月には既にこの制度が実施されるということでありますので、これらの基準の制定について、当局の方針を伺いたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
グローバルに活躍する我が国企業の開示情報の質を確保し、さらには我が国資本市場の国際的な信頼性を確保する観点から、サステーナビリティー情報の第三者保証につきましては、国際監査・保証基準審議会、IAASB等が開発した国際基準との整合性が確保された基準に従って実施される必要があると考えております。
このため、委員御指摘いただきました保証基準、品質管理基準、倫理及び独立性基準といった各基準に関し、国際基準と整合性が確保された基準の在り方について、現在、企業会計審議会で御議論いただいているところでございます。
金融庁といたしましても、企業会計審議会の御審議も踏まえまして、来年四月の適用開始を目指して基準を策定できるように検討を進めてまいりたいと思います。
○若林委員 今、公認会計士協会では、既に国際会計基準を策定している今のIAASB等の地域における基準設定主体として基準開発に取り組んでおりまして、膨大な量の国際機関が策定をした保証基準と品質管理基準、また倫理、独立性基準というのを翻訳をし、そして、我が国の実務に資するような形で基準の公表を、会員が利用できるようにということでしているところです。
いわゆる他の監査基準と同じように、当局、企業会計審議会が基幹となるような基準を作った上で、実務指針というのは、この既に公表されている協会の基準、これをベースにして公認会計士協会によって策定をされることが望ましいというふうに思いますが、お考えをお聞きしたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、我が国では、監査法人、監査法人以外のいずれの者も、要件を満たせばサステーナビリティー情報の保証の提供業者として登録できる制度としております。
現在、企業会計審議会におきましては、基準の在り方について、委員が御指摘いただきましたような御意見もいただいた一方で、日本公認会計士協会が策定主体となることは中立的ではないという趣旨の御意見も一方でいただいておりますことから、基準の詳細につきましては、金融庁が日本公認会計士協会等の関係機関と連携して策定するといった方法を中心に御議論いただいているところでございます。
引き続き、金融庁といたしまして、基準の在り方につきまして、企業会計審議会における議論も踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。
○若林委員 実際に恐らく、時価総額五千億以上ということで、三段階に分けて今回、サステーナビリティー情報の開示を行うわけでありますが、恐らくこの実施主体となるのは、ほとんどがもちろん上場会社ですから監査法人が担っておりまして、サステーナビリティー情報についても恐らく監査法人の監査ということになっていくことでしょう。そして、協会が既に国際会計基準に基づいた基準を作っておりまして、膨大なこれだけの基盤というものを前提にして実務が安定的に進められるように是非検討していただきたいというふうに思います。
監査法人以外の法人がサステーナビリティー情報の保証業務を行った場合に、投資家に対してその選任の妥当性や独立性を十分説明できるように、有価証券報告書における監査の状況の開示に相応する開示が必要だというふうに思いますが、内閣府令の改正やガイドラインの整備はどのように進めていくか、お聞きしたいというふうに思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
保証業務の公正性や独立性を確保する観点から、企業においては、保証の提供業者を適切に選任し、選任理由を対外的に説明いただくことが重要と考えております。このため、保証の提供業者が監査法人か監査法人以外であるかを問わず、その選任理由及び報酬の開示を企業に求めることを検討しております。
具体的な内容につきましては、有価証券報告書の監査の状況欄で開示を求めている内容を参考に内閣府令で定める予定でございまして、本法案をお認めいただけた場合には、来年四月の改正法の施行に向けて検討を進めてまいりたいと思います。
○若林委員 最後になりますが、当面の間、時価総額五千億以上のプライム上場企業を保証の対象ということになるわけですが、恐らく、五千億以下の企業あるいは他社の排出量についての開示といったようなことも想定されておりまして、任意で保証されるという場合も考えられます。法定保証と任意の保証が混在する可能性があるわけで、投資家の方で誤認されないようにどう対処するのかということについてお聞きしたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
上場企業が自主的に第三者保証を受けて情報開示を行うことは、開示情報の信頼性を高めるとともに、投資者保護にも資する場合もあるため、一般的には望ましいものと考えられますけれども、委員が御指摘いただきましたとおり、投資者に誤認を与えないよう、本制度に基づく第三者保証であるかそうでないかは明確に区別される必要があると考えております。
このため、企業が自主的に受ける第三者保証につきましては、我が国のサステーナビリティー開示基準、SSBJ基準に準拠して作成された情報について、登録された保証業者が我が国において遵守すべき保証基準等に沿って行った場合のみ、保証報告書を有価証券報告書に添付できることとし、それ以外の場合は添付を認めないこととすることを検討しております。
詳細につきましては、内閣府令等で定める予定であり、今後、検討を進めてまいりたいと思います。
○若林委員 持ち時間十五分が経過するところであります。金商法の改正によってサステーナビリティー情報という非財務情報の開示がいよいよ幕を開けるわけでありまして、円滑な実務、それを期待をしたいというふうに思います。当局に対してそれを御期待申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○武村委員長 次に、岡本三成君。
○岡本(三)委員 皆さん、おはようございます。中道改革連合の岡本三成です。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
早速質問に入らせていただきます。
今回の法改正は、暗号資産の取引事業者の皆さんに対する規制を強化をいたしまして投資家の保護を図ろうとする、私はその方向性に基本的に賛同いたします。インサイダー取引規制の創設ですとか情報開示の強化を求めて市場の公正性と投資家の安全性を担保することは喫緊の課題であり、本法案の意義は大変に大きいというふうに思っています。
その上で、私が本日の質問を通して確認をしたいのは、投資家保護と技術のイノベーションのバランスであります。
投資家保護は何よりも大切ですけれども、規制が過度になり過ぎれば、健全な事業者までもが立ち行かなくなり、現に、暗号資産交換事業者の多くが、この規制は厳し過ぎる、このままでは存続できないというふうな切実な声も上がっています。仮に、監督下にある真っ当な国内の事業者が淘汰をされて、ごく一部の大手だけが生き残ることになりますと、規制の及ばない海外のプラットフォーマーへと流れていくようなこともあり得ますし、結果的に、それが投資家保護につながらなくなっていくような危険性もあると思っています。
加えて、ブロックチェーン等の技術は社会全体の基盤となり得る技術であり、我が国は世界に先んじて暗号資産の制度設計をしてまいりましたので、このことをフォーカスをしながら、ただ、今日は、やはり、投資家保護を強化することがひいては業界の発展に資するというスタンスで、限られた三十分程度の時間、質問させていただきたいと思います。
まず、金融庁の政府参考人にお伺いをしたいんですけれども、政府はこれまで、暗号資産は価格のボラティリティーが高過ぎるので株式や債券のような金融資産と同等とは認めていなかったというふうに理解をしていますが、現在、この法改正によってそのスタンスは維持されるのか、変わるのか、御答弁をお願いします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
暗号資産については、これまで決済手段としての観点から資金決済法で規制されてきましたが、足下では、国内のアンケート調査によりますと、投資経験者の暗号資産保有率がFX取引や社債等より高く、また、利用者の取引動機のほとんどが長期的な値上がりを期待したものであるなど、暗号資産の投資対象化の進展が見られます。
こうした状況を踏まえまして、本改正案では、利用者保護の充実を図るために、投資商品を規律する法律である金融商品取引法において暗号資産取引の実態に即した適切な規制の整備を行うこととしております。
したがって、今般の改正は殊更に暗号資産取引を推奨したりお墨つきを与えるものではなく、金融庁としては、従来と変わらず、引き続き、イノベーション促進の観点にも留意しながら、適切な利用者保護を図ってまいりたいと考えております。
○岡本(三)委員 ということは、これまでと変わっていないということは、株式や債券等とはまた違ったカテゴリーの投資の資産だという認識だというふうに思いますが、では、もうちょっと金融業界的な言葉でお伺いしたいんですが、政府の認識は、暗号資産は投資商品でしょうか、投機商品でしょうか、どちらでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
暗号資産は、一般に、株式等と異なり、資産価値の裏づけがないものが大部分でございます。また、価格が大きく変動するリスクも抱えているといったような特性があり、投機的な側面もあるというふうに認識しております。
一方で、暗号資産は、先ほど申し上げましたとおり、国内の個人向けアンケート調査によれば、利用者の取引動機の八六%は長期的な値上がりを期待したものとなっているほか、株式等の伝統的な金融商品とは異なる値動きをするため、オルタナティブ投資の選択肢になり得るといった指摘もございまして、単なる投機とは異なる投資的な側面から利用されている場合も見受けられるものと承知しております。
○岡本(三)委員 私の認識は、投資、インベストメントは、資産そのものが生み出す価値からリターンを得る。株式ですと企業の利益や配当、債券ですと利息、不動産なら賃料などなどです。一方、投機、スペキュレーションは、資産が生む価値ではなくて、価格の変動そのものからリターンを得ようということですので、個人投資家のほとんどが、暗号資産に投資をしている理由は、ボラティリティーが大きいことだと私は思っているんですね。そのこと自体が魅力です。一方で、機関投資家は、おっしゃったとおり、暗号資産の最大の魅力は、株や債券や為替と相関が少ないということです。ですから、ポートフォリオに加えると全体のリスクアマウントに対してのリターンが上がってきますので、ポートフォリオの中のヘッジとして非常に有効性があると。
けれども、先ほどまさしく参考人に御答弁をいただいたように、経済的な収益が見込めるということよりは、その商品の特性自体に投資家は今価値を見出しているような状況だというふうに思っています。
その中で、この規制対象の法律が金商法に移っていくということで、今回、その譲渡に対する利益の課税の仕方が総合課税から分離課税に変わる、結果的に最大五五%の税率が株式等と同じ税率に下がってくるわけですけれども、このことは、金商法に移ると必要条件なんでしょうか。それとも、金商法に移らなくてもできたのに、全体的なバランスの中で変わる税制になるんでしょうか。御答弁をお願いします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
金融商品取引法の規制対象に加わった金融商品が全て申告分離課税の対象に追加されるものではないというふうに承知しております。例えば、匿名組合出資を活用した集団投資スキームの持分は、金融商品取引法上のみなし有価証券でございますけれども、申告分離課税の対象とはなっておりません。
その上で、令和八年度税制改正において一定の暗号資産取引を分離課税の対象とすることとされましたが、これは、暗号資産投資を殊更に推奨するものではなく、現に国内外で暗号資産の投資対象化が進展していることを踏まえまして、暗号資産取引に係る利用者保護の充実を図るための規制の整備を前提に、個人投資家の金融商品選択における課税の中立性を確保する観点も考慮いたしまして、株式等の有価証券取引と同様の分離課税の対象としたものでございます。
○岡本(三)委員 ということは、今回、申告分離課税になるのは、結果的に税率が下がることになるわけですけれども、優遇でも何でもなくて、奨励でも何でもなくて、課税の適正化だということを今御答弁いただいたという認識をいたしました。
金商法の対象になってきますと、アメリカでも二〇二四年に暗号資産、ビットコインがETFに組み込まれたことでマーケットサイズが非常に拡大したわけですけれども、今後、日本でも暗号資産がETFに仕組まれるということが許可されていくというふうな見込みなんでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
暗号資産ETFにつきましては、その裏づけ資産である暗号資産現物の取引について、まず、本改正法案によって利用者保護の充実が図られる必要があるというふうに考えております。その上で、御指摘いただきましたとおり、海外では暗号資産ETFが上場され、取引が拡大している状況も踏まえつつ、日本国内においても暗号資産ETFを解禁する方向で検討を進めてまいりたいと考えております。
○岡本(三)委員 片山大臣にお伺いしたいんですけれども、今参考人から種々御答弁いただきましたけれども、今回の法改正の目的というのは、一義的には、利用者、投資家保護であり、そして事業者を規制していくものですけれども、結果的に、その投資家保護の姿勢が業界を大きくしていくような可能性も秘めているというふうなスタンスだというふうに認識しました。
その上で、そのメッセージがちゃんと国民に伝わり得るのかどうかということに大きな問題意識を持っていまして。今、延べでいいますと、口座開設数は一千四百万口座だそうです。お一人が複数の取引所に口座をお持ちのケースもあると思いますけれども、これですと、十人に一人が口座を持っているような計算になって、かなり過大な数字だとは思いますけれども、ただ、お話を伺っていますと、比較的一般的な所得層の方々、必ずしも高額所得ではないような一般的な会社員の方々が多く口座をお持ちで、そして、その預託金残高は四兆円から五兆円というふうに言われていますけれども、今回の法改正における政府のメッセージを適切に利用者、そして今後利用者になり得るような、ポテンシャルな利用者の方々にお伝えをするのをどのような手法で行っていこうというふうにお考えになっているのか。
また、今後、現状のこの一千四百万口座であったり残高であったりをどういうふうにリードしていきたいと思っていらっしゃるのか。それとも、そこには大きな政府の目標はないのか。御答弁をお願いいたします。
○片山国務大臣 御指摘のとおり、暗号資産の交換業者における利用者口座数は、足下、一千四百万口座を超えているんですけれども、いわゆる稼働している口座は八百八十一万。ただ、それでもかなり多いですよね、今まで想像していたところで。預託金の残高は、昨年末は四兆円を超えていたんですが、今、御承知のように下がったりいろいろあったので三・幾つではあるけれども、でも、それなり以上の規模にはなっていることは事実で、確かに保有は身近になってきたし、投資対象として進展してきたということははっきり言えると思います。
この法案は、こうした現状を、現実を踏まえて、利用者保護の充実を図る観点から、暗号資産取引の実態に即した適切な規制に見直していくというふうな趣旨でございまして、暗号資産への投資について殊更、推奨したりお墨つきを与えたりするようなものではございません。暗号資産取引を行う場合には、利用者において、リスクですとか、先ほどおっしゃったような特殊性、これを十分に御理解いただいて、経済的な余力の範囲内で取引を行っていただくということが重要であると考えております。
この点からやはり金融リテラシーの向上が大事でございまして、J―FLECなどが提供する教材や機会、そういうことを利用して、暗号資産のリスクと商品性について正しい啓発を行うとともに、行政あるいは暗号資産の取引業者御自身から十分な周知と啓発を行っていただきたい。これをきっちりとやっていくことが非常に重要だと思っております。
○岡本(三)委員 金融リテラシーを上げていき、投資家責任として、価格の変動に関しても投資家がリスクを自分で取っていくということはすごく大切だと思います。
その上で、ちょっと角度を変えて質問させてください。
警察庁にお伺いいたします。
足下、SNSや動画配信サイトで、金融商品、とりわけ暗号資産に不慣れな投資家、消費者を狙った詐欺が、これは完全に詐欺です、横行しています。現在、頻繁に行われている暗号資産に関わる詐欺行為はどういうものが特徴的かということを御答弁ください。
○大濱政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の、SNS等において金融商品に不慣れな消費者を狙った詐欺の一つといたしまして、警察においてSNS型投資詐欺と呼称している手口があるところでございます。
この手口を具体的に申し上げますと、例えば、SNS上において著名人に成り済ました広告が掲載され、被害者がそれをクリックすると、無料の投資セミナーや投資勉強会と称する大手メッセージアプリ事業者などのSNSグループに招待され、そのグループ内で被疑者側とやり取りを重ねる中で投資名目で入金を促され、暗号資産をだまし取られるというケースなどを把握しております。
SNS型投資詐欺については、令和七年七月以降、著名人の画像や動画を無断で使用したバナー広告による被害の増加が顕著となっているところでございます。また、主な被害金等交付形態では、インターネットバンキングなどを利用した振り込み型が最多でございまして、次いで暗号資産送信型が多くなっているところでございます。
○岡本(三)委員 典型的なものは成り済まし広告型なんですね。今御答弁いただいたとおりで、有名人に成り済まして、いろいろなところに誘導し、現金をだまし取る。この特徴は出口なんですね。アプリ上で、運用利益が増えているかのように見せることをして、そして、そのもうかった分を引き出そうとすると、手数料や税金などと言葉巧みにうそを言って更にお金を振り込ませたり、引き出せないようにしていくということで、もうかっているように見えているのにお金は一切引き出せないというのが典型的な詐欺であります。これを、どういうふうに抑止力を利かせて、そして、犯罪者グループを検挙していくかというのは大変なことですけれども。
実は、私のところにも、そして多分、同僚議員の皆さんのところにも多くの御相談が来ていると思います。聞いた瞬間に、典型的な詐欺の手口なので、まず警察に相談してくださいと、私は常に申し上げます。そうすると、警察が用意をしてくれている相談窓口、シャープ九一一〇にまず電話をしていただきます。その後に、警察署に来てくださいということになり、私は、多くの場合は弁護士も紹介して、弁護士も一緒に行ってもらうようにしていますけれども、非常に残念に思っていることがあって。ここからはちょっと前向きな提案として聞いていただいて、是非コメントをいただきたいんですけれども。
そのシャープ九一一〇で御相談をいただく。どこどこの警察に行ってくださいと言われて、警察に行くと、また一から説明するんですね。また一から説明するのが二度手間ですし、その時間で、もう既にブロックチェーン上でお金は逃げていってしまいます。本当に、数時間がお金を止められるかどうかの瀬戸際なんというのはたくさんあるんですね。
なので、例えば、シャープ九一一〇に電話したら、それを相手に同意を取って全部録音をして、そうすると今はAIで要約してくれます。そうすると、例えば、私ですと荒川区に住んでいますけれども、南千住警察署に行くとその情報がその方に共有をされていて聞かなくていいとか。あと、警察官の方も、全て、こういう金融犯罪に対してのプロフェッショナルというわけにはいかないでしょうから、例えば、都道府県、東京だったら警視庁のプロの方も一緒にオンラインで聞いていただいて、やっていく。それは、四十七都道府県全ての都道府県で同じ水準でやっていくように。
時間が勝負だし、だまされた方はだまされたことも認めたくないし、非常に悲痛な思いで行ったら物すごく時間がかかるとかということをよく御報告を受けます。今もいろいろなことを日々改善していただいていると思うんですけれども、これから更に改善策としてどういうふうに取り組む決意かということをお聞かせください。
○大濱政府参考人 お答えいたします。
警察では、被害者からSNS型投資詐欺を含む特殊詐欺の相談、届出があった場合、被害の詳細について丁寧に聴取しているところでございます。
被害の届出がなされていない段階でも、委員御指摘のとおり、被害金が転々としてしまいますので、それを防ぐ意味でも、被害金の振り込み先口座あるいは暗号資産取引口座等の必要な情報が判明した時点で、すぐさま金融機関などに対して口座凍結検討依頼を迅速、確実に行うなど、被害の拡大防止、被害回復を図りつつ、被害者のお立場に立った対応を行うとともに、被疑者を特定するための所要の捜査を鋭意推進しております。
委員の御提案につきましては、今後の検討課題の一つとして重く受け止めたいと考えております。
○岡本(三)委員 大臣にお伺いしたいんですが、先ほど大臣は、リテラシーを上げていくことがすごく大切だというふうにおっしゃいました。金融商品のリスクを認識をしながら自己責任で投資をするということにおいては当然だと思いますが、加えて、詐欺にひっかからないようなリテラシーを上げていくことも同様に必要だと思っているんですね。
この業界の任意団体、JVCEAのホームページがあります。すごくよくできています。そこで、詐欺にひっかからないようにという注意喚起もたくさんされていて、金融庁も消費者庁もいろいろなところがリンクされているんですね。この全てに共通しているのは、その警告というか注意が文字情報なんですよ。読めないんですね。金融庁も、PDFでいっぱい張ってあったりして、開きません。開くと結構いいことが書いてあったりするんですが、読みません、普通は。
その中で、先ほどおっしゃってくださった典型的な詐欺の手口みたいなこと、ロマンス詐欺も含めて、映像でアタッチしているのが一つだけ私が探した中であって、それは政府広報です。ただ、これが二〇二四年の七月に作られたもので、詐欺の手口はどんどんアップデートされているのに、二年前の詐欺の手口がいまだにアタッチされているんですね。
是非提案させていただきたいと思っているんですけれども、やはり水際で防いでいくのが大切なので、まずは、ショートムービーみたいな、最も典型的な詐欺の手口を映像にしていただく、そして、その映像を至る所に添付していただきたいんです。もちろんJVCEAにも添付していただくし、そこのリンクに張ってあるところの金融庁、警察庁、消費者庁、政府広報、いろいろなところにアップしていただく。
そして、何より重要なのは、その人が一般論としてそのことを認識するだけではなくて、自分が投資をするときに、実際に自分がやろうとしているのが本当に自己責任でやっている取引所にウォレットをしっかりと作るものなのか、又は投資詐欺軍団にだまされていることなのかということを知らすために、例えば、口座を開設するところにそれがアタッチされているとか、又は抜かれるときの送金の画面にアタッチされているとか、とにかく一人一人の利用者がすごく簡単に、これは詐欺なんだと分かるような、情報を共有できるような仕組みを是非、政府主導で、金融庁主導で実現していただきたいと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○片山国務大臣 投資詐欺は、暗号資産にかかわらず、このところ非常に重大な問題となっておりまして、投資を含めた金融詐欺被害の防止のためには、多くの方に、委員がおっしゃるように、その手口を知っていただくことが重要で、これはかかってきたら詐欺なんですよと、見れば分かるみたいな広報は非常に重要だと思います。
この観点から先ほどからJ―FLECの教材のことも申し上げているんですが、こちらには詐欺被害の防止の内容が含まれていまして、どこまで画像化しているか、どこまで分かりやすいかはちょっと私も全部見たわけではないんですが、そういうことは心がけておりますが。幅広い層に、必ずしも金融投資を余りされていない方も含めてしていくためには、関係省庁や関係団体と連携をして講師派遣とかも行わせていただいて。最近も、私がゴールデンウィーク中に講演をしました静岡県の高校に、先生が、是非一回派遣をしてほしいと、まあ高校三年生は十八歳ですからね、というところで派遣をしたり、そういうこともやっておりますし、また、場所や時間を選ばずに聞けるような映像やコンテンツは非常に重要だと思っております。また、委員が御指摘になったような、ちょっと古いですけれども、政府広報。政府広報は意外と予算がありますので、そういうこともできると思うんですが。
今本当に、安価に様々な、かなり精密なAIを使った、人の口を動かす画像ができるんですけれども、ちょっと見ていると、何十秒か、何十秒もかからないで数秒見ていると、口の動きが、これは本人が言っていないなと分かりますよね。ただ、それもだんだんだんだん緻密化してくるおそれもあるんですが、現時点では見ていると分かるものが多いので、そういうものの見分け方ですね。なぜそれを申し上げるかというと、私も何回かやられたので、自分のXに、そのうち典型的なものが支援者の方から知らされたので、これは明らかに全く私と関係ありませんというのを張ったんですが。
そういうことをされている方も多いですが、分かりやすい、一目瞭然の、しかもアクセスしやすい方法を我々としてもどんどん、認識して広げてまいりたいというふうに思っております。
一度それがおかしいと思うと、警告書を出して、無登録暗号資産交換業者等の名称、こういったものの公表を行うことはできますし、また、警察との連携も非常に重要ですので、要請文を連名で出したり、あるいはマネロン、金融犯罪対策に係るフォーラムを一緒にやったり、警告発出時に警察にしっかりと情報提供とかいろいろなことをやっておりますので、我々も、社会全体をこういった犯罪から守るために必死に頑張って、警察との連携も当然ですし、広報の充実と広報のレベルアップも含めて、金融犯罪対策には取り組ませていただきたいと思っております。
○岡本(三)委員 J―FLECのコンテンツは私も見ましたが、すごくよくできているんですが、問題はコンテンツじゃなくて、どこに張ってあるかというサイトなんだと思うんですね。J―FLECを見に行く人は普通いません。なので、今日、事業者の方もいらっしゃっていますが、事業者に依頼をして、事業者のホームページにもどんどんリンクを張ってもらうようなことも是非政府として要請すべきだというふうに申し上げたいと思います。
先日、ある方から御相談を受けました。取引所に預けていたビットコインをハッキングで盗まれたという相談です。発端は本人のグーグルアカウントの乗っ取りで、そこからログインIDとパスワードが抜かれています。二段階認証もしていましたけれども、グーグルオーセンティケーターのクラウドを通して二段階認証の鍵まで向こうに奪われて、パスキーを設定していなかったので、その攻撃者が自らパスキーを登録して、別の口座に送金してしまったという事案です。
いろいろ確認しますと、事業者間でいろいろなルールが微妙に違います。今回の場合は、出金時に本人確認をログインに使った経路とは独立した手段で行っていればこういうことは行われていませんでしたし、加えて、新しい送金のアドレスを登録するときには時間差のロックをするとか、送金先をあらかじめ登録したアドレスに限るホワイトリスト方式を取るとか、様々な工夫が必要だと思いますけれども、金融庁にお伺いしたいんですが、こういうふうに、最近、乗っ取り不正送金の事案は何件ぐらいあるのか、現状を金融庁は把握していらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
○堀本政府参考人 お答え申し上げます。
金融庁においては、暗号資産交換業に対して、今年の一月以降、不正取引、これはフィッシング詐欺等によって第三者がID、パスワード等を取得してこれを使用する取引でございますが、この件数を四半期ごとに報告することを求めておりまして、令和八年の一月から三月における全暗号資産交換業者での不正取引の件数は、合計百五十件となっております。
○岡本(三)委員 是非未然に防ぐようなことを取り組んでいただきたいと思うんですが。
大臣にちょっとお伺いしたいんですが、この被害者の方は、その事業者の方に御相談をしたら、情報を盗まれたのは利用者の責任で、補償義務はないということを言われています。現行ルールではそういうことになるということも理解できます。一方で、もし銀行でネットバンキングですと、成り済まし送金の被害に遭った場合には、預金者保護法に準じた全銀協のルールがありまして、利用者に過失がなければ銀行に仮に過失がなくても原則、銀行が補償しています。成り済ましはサービスに内在するリスクだからという考え方です。
商品がキャッシュなのか又はこういう投資商品なのかでそのスタンダードが違うというのは若干問題があるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、こういう事案に関して事業者の方にある程度の補償も検討していただくというようなことに関して、ネットバンキングとの整合性の中で、大臣、どのようにお考えかということを御答弁お願いします。
○片山国務大臣 これは、委員御承知のように、非常に微妙な難しいところでもあるんですが、消費者保護、投資家保護の観点から、事業者にある程度の補填を検討してもらうとか、あるいは、そのほかに何かそういう組織をつくってというようなことですが、現状、顧客口座への不正アクセスにより行われた取引に関する補償につきましては、各々の事業者さんが提供するサービスがどういうものだとか、顧客様の状況、そういった個別の事情を勘案しながら各事業者において御検討いただくべき、そういう整理になっているのは事実でございます。
現状、この業の成り立ち等を考えますと、今のところではそれしか仕方がないのかなと思いますけれども、私どもといたしましても、被害者の状況の理解というのが非常に重要でございまして、余りにもひどい場合に、じゃ、何かできるのかと。適切な対応が行われるように、事業者をしっかりモニタリングもし、事業者にいろいろなことを助言、相談しながら、しっかりとモニタリングをして、できるだけ適切な対応になるように持っていくということはできますが、一般ルールの設定については、ちょっと現状では、まあこのビジネス及びこのビジネスの広がり自体が、アメリカを見ていてもまだ発展途上なところがございますから、そこまではなかなか難しいのかなという感想を現時点で私は思っておりますが。
いずれにしても、業界が健全に発展していくためには非常に重要な論点ですので、今日、業界の方もお見えですが、しっかりと話し合って、よい方向にというふうに思っております。
○岡本(三)委員 大臣、もう一つ質問させてください。
今回の改正で、暗号資産の取引にもインサイダー取引規制が導入されます。市場の公正を守る上で当然のことだと思います。
アメリカの大統領は、その御家族と自らの名前を冠したトークンを発行して、その後、暗号資産の拡大を図る政府政策を次々と打ち出して、その結果として、フィナンシャル・タイムズのニュースですと、数十億ドルの利益をファミリーで上げているというふうに言われています。これは、もし日本において同様のことが起きたら、インサイダー取引として摘発されるんでしょうか。
○片山国務大臣 あの当時、私も就任式に伺いまして、その就任される日の直前、二日前ぐらいから、トランプ・コイン、それからメラニア・コインですか、これが非常に報道されて、私たち日本の法制に慣れた者からすると、びっくりするんですよね。普通、それは余り出さないよねというところなんですが、その出していること自体に対するコメントが、やはり日本と大分違うんですよ。大分違うというよりは全く違うと言った方がいいでしょうね。ですから、そのこと自体がどうこうというよりは、これで、前政権の頃とは違って、クリプトについて正面から経済活性化のために利活用していくというか、真ん中に置いて切り開いていくような時代になったんだと、そうなったらそうなったでいろいろなリスクもあればプロス・アンド・コンスがあるんですが、そういう議論が渦巻いておりましたですね。
また、私がお会いした、SECの委員長になることが決まっていた方も、いわゆるクリプト活用評議会のボードメンバーでございまして、つまり、ウォッチドッグに当たるものになられることが確実な方がそうなものですから、これは、いい悪いは別として、全くそこの感覚が違うのかなという印象を受けましたので。
ちょっと、そもそも日本では、日本は大統領制ではありませんが、そういった立場に立つ者が発行者になるということ自体が全く想定されないと思いますね。ですから、ちょっとこれが当てはまってどうなるのかということは、多分当てはまらないんだと思いますけれども、なかなか私の方では断定しづらいというか、お答えしづらいということはちょっとお許しいただきたいと思います。
○岡本(三)委員 ありがとうございます。
日本国内でも、残念ながら、政治家の名前を冠にしたトークンをめぐる問題が一部報じられています。やはり私たちは、関係者も含めて、政治家は、法的な問題ではなくて倫理的な問題として、自分が関わるようなトークンを発行するようなことは、同僚議員の皆さんとともに戒めていくべきだというふうに思うんですね。そうすることによって市場の健全性を担保して、政策が皆さんに信じていただけるようなリーダーになっていくことが大切だというふうに思っていますので、法を超えたところでこのように金融商品に関わることがないように倫理観を高めていきたいということを皆さんとともに確認し合いまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○武村委員長 次に、伊佐進一君。
○伊佐委員 おはようございます。中道改革連合、伊佐進一です。
早速質問に入りたいと思います。
今回、暗号資産が、今までは資金決済法で規制をされておりました。実際は、るるこれまでも質問があったとおり、投資の対象、時に投機の対象になっているという状況の中で、しっかりと規制した方がいいだろうという流れの中で、今回、資金決済法から金商法に規制をしっかりと移していくという話だと認識をしておりますが、今、いわゆる暗号資産がもう既にこれだけマーケットにあふれているというこの現実にどう対応するかという観点で、今回は規制を強化するということだと思います。
その中で、まず最初、冒頭、ちょっと議論させていただきたいのは、無登録のトークンに対しての対応をどうしていくかということで、ちょっと私、冒頭、何点か質問させていただきたいのは、サナエトークンについて質問させていただきます。先ほど、岡本さんは優しいので固有名詞を言わなかったと思いますが、あえて私は名前を出して質問させていただきたいと思っております。
まず、前回、私が質問させていただいたときに、サナエトークンは無登録ということで金融庁からも答弁をいただいておりますが、現在、金融庁はサナエトークンについて調査を進めていらっしゃいますでしょうか。
○堀本政府参考人 サナエトークンについての御質問でございますが、金融庁が個別の事案に具体的にどのような対応をしているかについて、回答は差し控えさせていただきたいと思います。
一般論としては、金融庁は、無登録で暗号資産交換業を行うといった事案が生じた場合には、被害の拡大防止等の利用者保護の観点から、必要に応じて実態把握を行い、適切に対応しているところでございます。
この実態把握の中で、事業者と業務に関する対話等を行い、必要に応じて業務停止や登録を求めることになりますけれども、その結果、事業者が勧誘などの業務を停止した場合には、被害への対応状況や、業務が再開されていないか等を確認することになります。他方、業務が継続されるなど、被害防止上必要と認められる場合には、業務を直ちに取りやめるよう警告、告発、その一般の方々への公表を行う、こういうふうな流れになっております。
○伊佐委員 まず、前提として、そもそもサナエトークンが登録すべき業かどうか、あるいはトークンかどうかという話があると思いますが、金融庁から伺っていますのは、反復性、対公衆性、これが一つ要件になっているということですが、実際は初日で三十倍に価格が急騰して二十五億円になった、こういう事実からもすると、恐らくこうした要件は満たされているんだろうというふうに思っております。
登録に至れば様々な規制が強化される、今回も強化がなされているわけですが、無登録だと、そもそも規制は当然何もかかっていないわけですよね。だから、一番まず大事なことは、無登録業者がいるんだということを、無登録でやっている人がいるんだということをどうやって把握するかというのがまず最初だと思うんですが、ここの把握と、それから把握したときにどうやって手続が進んでいくのかについて伺いたいと思います。
○堀本政府参考人 金融庁におきましては、例えば、利用者からの苦情、あるいは捜査当局からの照会、暗号資産交換業者や協会からの情報提供、あるいは、インターネット等の広告で業務を行われることが多いので、そういった新聞やインターネット広告によるもの、そういったものにより無登録で暗号資産交換業を行っていると言われる者を把握した場合には、当事業者への問合せ等を通じて実態把握を行います。
その結果、利用者保護上必要と認められた場合には、当該無登録業者に対して警告を行い、その名称を公表するということになっております。また、必要に応じて警察庁に無登録の暗号資産交換業に関する情報を提供するなど、適切に連携を行っているところでございます。
○伊佐委員 今、一連の流れについて説明していただきましたが、利用者保護が認められた場合にどんどんステージが進んでいるということですが、金融庁に相談窓口があると思います。金融庁が調査しますかとさっき私が質問したときに、被害の拡大防止のために調査を行いますとおっしゃっておりましたが、今回、サナエトークンについては、被害の相談は来ていますでしょうか。
○堀本政府参考人 金融庁の利用者相談室には、当該トークンのDEXにおける購入等に関しまして損失に言及のあった相談は、六月九日火曜日までで五件寄せられております。このうち先方より被害額の主張があったものは三件でございまして、うち一件は日本非居住者からのものでございましたけれども、そういうふうなものになっております。
○伊佐委員 先ほどの答弁と併せますと、被害の拡大防止の観点で調査は進める、利用者保護が認められる場合には行うんだということでした。実際に相談が寄せられているという話でした。
そこで、もちろん、個別案件なので、具体的にどこをどう調査しているというのは、金融庁は恐らくおっしゃることはこの場では難しいかと思いますが、その上で、今回、最初のスタートは、例えばインターネット広告であるとか、そういうものから情報を把握するんだとおっしゃいました。だから、無登録であるこのサナエトークンについて金融庁がいつ把握したかということなんですが、日々金融庁は市場をモニタリングされていらっしゃると思います。情報の収集もされていらっしゃると思います。今回、この案件は相当の規模の宣伝もしていたということです。だから、金融庁の能力からしても、かなり早期に把握していたんじゃないかというふうに思いますが。
ちょっと大臣、念のため確認させていただきますが、大臣は、このサナエトークンについては、高市総理に対して何か知らせたりとか助言したりとかしたことはありますでしょうか。
○片山国務大臣 金融庁につきましては、金融庁担当大臣としてという意味だと思うんですが、これは、個別の事例に具体的にどういう対応をしているのかということは今までも申し上げていないので、ちょっと回答は差し控えさせていただきたいと思います。
○伊佐委員 確かにこの場で個別の案件をなかなかおっしゃるのは難しいかもしれませんが、私は、恐らく相当早期に金融庁は把握していたというふうに思っております、金融庁の能力からすると。それに対して、実際にこうした被害の申告も相談も来ているという状況でありますので。今回は、この無登録業者に対してしっかりと規制を強化していこうという法案を今この場で審議をしているわけであります。そういう観点から、一個別事例についてここで申し上げることは確かに困難でありますが、しっかりとした対応を、この法案の審議をしているさなかだということもしっかりと前提に置いた上で対応していただきたいというふうに思っております。
この無登録に対する対応をどう強化していくかということでちょっともう一点追加で更に質問したいと思いますが、無登録業者への対応として、民事効規定の対象とするというのが今回の法改正事項に含まれております。無登録業者が売りつけた暗号資産、これは、無登録であれば、この契約自体を無効とできるという規定があります。これによって具体的にどれぐらいハードルが下がったのか、あるいはどういう場合に契約が無効になるのかについて説明いただければと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正法案では、無登録業者が暗号資産取引業者が取り扱っていない暗号資産の売りつけ等をした場合には、民法に定める暴利行為による公序良俗無効に該当するものと推定し、当該売りつけ等に係る契約を原則として無効とする民事効規定を措置することとしております。この規定により、契約の有効を主張する無登録業者が、公序良俗に反しないことの立証責任を業者側が負っていただくことになりますので、立証責任が転換されることとなります。
本規定によりまして、投資家は無登録業者に対して契約無効に基づく不当利得返還請求権を有することとなり、代金の返還についても実現しやすくなることが期待されるところでございます。
○伊佐委員 大事な点は、立証責任が転換される、つまり、原則として、無登録である以上、契約が無効になる、契約を無効にしないために、逆に業者の方がそこのところは立証しなきゃいけないというふうに転換される大きな取組だというふうに私は思っております。
さらに、無登録業者に対して今回は罰則も引き上げられます。拘禁刑、これまで三年だったものが十年になります。更に言えば、証券監視委員会の犯則調査の対象となる。これはかなり強力な措置だと思います。今まで任意の捜査だったものが、証券監視委員会の犯則調査であれば、強制捜査、ある意味、令状で捜索あるいは差押えもできる、最終的には刑事処分にまでつなげられるというものだと思いますが。
ただ一点、ちょっと私、懸念は、証券監視委員会はこれまで暗号資産に対応した経験がそれほど多くないと思っています。今回、新たに金商法に暗号資産が入ってくるわけで、それまでは金商法の対象じゃありませんでしたので。だから、証券監視委員会が強力な犯則調査、こうしたものを執行していくためには、しっかりとしたスキルアップ、暗号資産に対する知見も含めて、これが重要だと思っています。対応できる体制をどうつくっていくのか、伺いたいと思います。
○齋藤政府参考人 お答えいたします。
今般の改正法案において、先生御指摘のとおり、無登録で暗号資産取引業を行う者に対する調査権限が証券取引等監視委員会に付与される旨盛り込まれており、今後、的確、適切な監視を行うことが極めて重要だというふうに認識をいたしております。
当委員会としては、これまでの有価証券に係る無登録調査及び犯則調査のノウハウを生かしつつ、暗号資産に関する知見を有する金融庁や自主規制機関等とも緊密に連携し、適切な対応体制の整備に努めてまいります。
○伊佐委員 ここは本当に、実効性たらしめる、今回の規制の強化というものを、しっかりと現場で実効性を担保するためには大事な取組だと思いますので、是非よろしくお願いしたいというふうに思っております。
次に、先ほど同僚の岡本委員からも質問がありましたが、警察との連携です。
これはやはり金融庁だけでは厳しい。なぜなら、例えば警察、どんどん事案も複雑化しておりますし、例えば、組織犯罪であったりとか、あるいはマネロン、マネーロンダリングであったりとか、こういうところは警察庁がこれまでも対応を行ってきた。だから、金融庁と警察との連携というのも必要不可欠だというふうに思っております。
これまでも様々連携していただいていると思いますが、今回、暗号資産がまさしく対象になって強化されるということでありますので、本法改正を機に更に密接に連携していただきたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょう。
○堀本政府参考人 金融庁におきましては、既に、全国の都道府県警察から寄せられる暗号資産関連の法令解釈、あるいは個別業者の業登録の有無等について照会が来てこれに回答するといったこと、あるいは、必要に応じまして、警察庁に無登録の暗号資産交換業に関する情報を金融庁側から提供するといった連携を行ってまいっております。
今後も、こうした法案の実施の中で、警察庁等と密接に連携して、無登録者に対して厳正に対処してまいりたいと考えております。
○伊佐委員 体制整備の観点でもう一点伺いたいと思います。地方の財務局の話であります。
今、地方の財務局、いろいろな私、直接のお声も、様々まとめたものも拝見もさせていただきました。どんなことをされているかというと、本当に多角的にいろいろな業務をされていらっしゃいまして、例えば、さっき大臣は高校三年生とおっしゃいましたが、地方の財務局も、高校生また中学生、小学生まで様々な財政金融教育というものを各地域地域で行っていただいております。また、利用者保護の観点でも、今、金融取引は本当に多様化しておりますので、その中での様々な形での利用者保護の対応でありますとか、あるいは金融機関の監督。
私がこういうことまで確かにされているんだなと感じたのは、災害が起こったときに、その災害に対応するための例えば予算づけだったりとか、このためにちゃんと国が立ち会っているという状況が必要なので、災害が起こるたびに、いろいろな地域で今、様々災害が発生しておりますが、そこにも現場に駆けつけて対応していらっしゃるというのも伺いました。
今、現状は、慢性的に残業続きだというふうにおっしゃっておりました。
地域の金融機関も、今、地域で本当に様々なことをやっていただいていまして、例えば、地域貢献を目的にしていろいろな付随業務をされていらっしゃって、今どんどん拡大していると伺っています。それもやろうと思っても、これは法令に抵触するかな、どうかなという問合せもすごい地方の財務局には来ているというふうに伺っています。この法令照会とか、あるいは許認可業務というのも増加している。
ちょっとさっき、大臣の方がJ―FLECの話をされておりました。
今さっき申し上げた金融経済教育、J―FLECが担っていますということなんですが、これはちょっと参考人に伺いたいと思うんですが、J―FLECも、今まで金融庁がずっと講師派遣をしていたものを、つまり、地方の財務局がやっていたものを、J―FLECができたことで、金融庁は講師派遣をしなくていいですよ、J―FLECがやりますということになっているはずなんですね。
ところが、現場は、実はルールがいろいろあって、参加人数は十人以上のところじゃないと行かないという条件があります。あるいは、講演内容がそもそもパッケージ化されていますので、いや、こういうことを話してほしいんですとか、参加者が求めるような内容になかなかカスタマイズできない。そうすると、今回はJ―FLECではちょっと講師をお引き受けできませんとなった案件が結局どこに来ているかというと、地方の財務局に来ているというのが今の現状と伺っています。
そういう意味では、J―FLECのこの運用、講師派遣について、もう少し要件を含めて柔軟に対応できないでしょうか。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
金融経済教育推進機構、J―FLECにおきましては、全国に講師派遣を実施しておりまして、その際の要件として、御指摘のような、例えば、四十五日前までの申込み、あるいは受講予定者を原則十人以上にするといったことなどを定めております。
こうした要件は、J―FLECが遠隔地も含めて日本全国に講師派遣を行うということでございますので、派遣する講師の選定、日程調整や派遣先との講義内容の調整などにどうしても一定の時間が必要だったり、あるいは、効率的な講師の派遣を行うため、ある程度、一定規模以上での講義の実施の方が望ましいといった観点で定めたものと承知しております。
ただ、J―FLECでは、こうした要件に合致しない場合でも、事前の調整が比較的容易な定型的な内容の講師派遣であれば、もう少し短い期間で派遣するとか、いろいろ、J―FLECとしての安定的な業務運営に支障のない範囲では柔軟な対応に努めているものと承知しております。
いずれにいたしましても、J―FLECにおきまして、安定的な業務運営の確保は必要ですが、その上で、御利用される皆様のニーズにしっかり応えて、少しでも国民全体の金融リテラシーの向上に貢献していくよう、御指摘のようなことも含めて考えてまいりたいと思います。
○伊佐委員 柔軟な対応に努めているということでした。ただ、そうはいっても、今の財務局から声が上がってきているのは、それでもやはり、講師派遣を我々がやることが多いんですというのが、お声が現に今ありますので、より柔軟に対応していただきたいというふうに思っております。
ちょっと今の地方の財務局の業務量の話に戻りますが、こういうJ―FLECの講師派遣も含めて、更に言えば、何か今、合同庁舎がかなり耐用年数が経過しておりまして、大分、宿舎の管理とか改修とか、こういうのも全部立ち会ってされているということで、さらには、今回の暗号資産の話も、投資家保護で業務が拡大するということになります。この法案の審査、監督業務の対応をしっかりできるためにも、近年業務が拡大しています財務局の体制整備を是非遺漏なく進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○堀本政府参考人 お答え申し上げます。
本法案は、暗号資産に係る規制等、そういうものでございますけれども、委員御指摘のとおり、近年増加する金融行政の諸課題に適切に対応するということで、金融庁及び財務局の人材育成とか、あるいは、業務改革を行いつつでありますけれども、必要な体制整備を進めていくこと、これが重要であるというふうに考えております。
こうした様々な行政課題に適切に対応するため、一方で、財務局等におけるモニタリング、監督に関する人材育成も重要でございますが、その上で、関係省庁と議論しながら、金融庁及び財務局の更なる体制整備に取り組んでまいりたいと考えています。
○伊佐委員 更なる体制整備、是非進めていただきたいというふうに思っております。
大臣の方からも答弁いただきましたが、今回の法改正によって、暗号資産への投資を政府がお墨つきを与えるような意図ではないというふうに御答弁もいただいております。現実的に、今、暗号資産の投資というのが増えてきている、だから、ここをしっかりとこういう形で規制するんですよということを、しっかりとメッセージとしても発していくことが大事だというふうに思っております。
一点、まず伺いたいのは、登録業者の規制といったときに、日本で登録された交換業者、日本で登録した仲介業者というのは当然対象になるわけですが、実際に暗号資産をやり取りするときに、例えば、海外のトークンだったりとか、あるいは、海外の業者を、ネットを通じて日本人が購入したり売買をするということも当然少なくないわけです。今回の規制の強化について、国内規制の対象業者となるのは、海外の業者というのは、なかなかそこまで、海外の業者を利用する方々には同じような保護が及ばないんじゃないかと思うんですが、ここはどう考えていらっしゃいますでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正法案により、国内にある者を相手方として暗号資産取引業を行う者は、国内事業者であるか海外事業者であるかを問わず、原則として、改正金商法に基づく登録を受け、業規制に従わなければならないこととなります。
仮に、海外事業者が改正金商法に基づく登録を受けずに国内の利用者に対してウェブサイト等を通じて勧誘を行っている疑いがある場合には、当該事業者について実態把握を進め、業務を取りやめない悪質な無登録業者に対して警告を行い、警告した先の名称等を公表するなどの措置を講じるとともに、警告書の発出後も無登録営業を継続しているような事業者につきましては、アプリの配信停止についてアプリストアに働きかけるなど、引き続き適切に対処してまいります。
さらに、今般の改正法案におきまして、暗号資産取引に係る規制を金商法に移管することで、暗号資産取引についても、証券監督者国際機構、IOSCOの協議・協力及び情報交換に関する多国間覚書、MMOUの対象となります。これによりまして、日本で暗号資産取引業を無登録で行っている海外の者について、海外当局との情報交換を実施することが可能となります。
また、自発的にこのような海外業者を使っておられる利用者に対しましては、金融庁のウェブサイトや公式SNS等を活用しまして、無登録業者との取引は不測の損害を被るリスクがあることについて、十分に注意喚起を行ってまいりたいと思います。
○伊佐委員 局長、私、まだここはちょっと理解が及んでいないんですが、海外の業者、海外のトークンというのは、本当に日々いろいろな新しいものができてきています、いろいろな業者がいます、登録されていない、日本の規制上、無登録なものも恐らくたくさんあると思うんですね。そのときに、日本人がどれを利用しているかとか、なかなか把握するのは難しいかなと思っていまして、どうやってこの無登録、あなた、無登録ですよ、ちゃんと日本の規制に服してくださいというのを、どうやって規制の網にかけていくかというところは、だから、どれが日本人向けなのかとか、その辺のメルクマール、水準みたいなものを考えながらやっているのか、実務上の話かもしれませんが、もう少しちょっと深掘りいただければと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
金融庁の登録業者につきましては、金融庁のウェブサイト等で明確に公表しておりますので、それを御確認いただければ、無登録業者であるかどうかということはお分かりいただけるかと思います。
そういう意味で、利用者に対しては、無登録業者の取引については、不測の損害を被るリスクがあることということも含めて、十分に注意喚起を図ってまいりたいと思います。
○伊佐委員 登録されていれば、確かに分かるということなんですよね。だから、ここはちょっと、もちろん網羅的に全部というのは難しいと思うんですよ。だからこそ、モニタリングが大事なのかなと思っています。どうやって無登録で、しかも、日本人、日本でいろいろな被害が発生しそうなものについて把握していくか。だから、ほか、いろいろな様々な形で規制を強化し、しっかりと利用者保護を図っていくということが大事なのかなというふうに思っておりますが。
例えば、暗号資産取引業者、業者に対する規制というのがかかるわけですが、業者が取り扱うトークン、そのトークンそのものに対する規制も大事だと思っていまして、悪質なトークンとか詐欺的なものをどう取り締まるか。トークン自体に対しても一定の基準を設けて、例えばこういうものは取扱禁止にするんだというようなものも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
改正法案では、利用者保護のため、必要な基準に適合しない暗号資産を暗号資産取引業者が取り扱うことを禁止することとしております。この必要な基準の具体的な内容については下位法令で定めることとしておりますが、一般の利用者の取引対象として適切な暗号資産だけが取り扱われることとなるように定める予定でございます。
具体的には、例えば、移転、保有記録を適切に管理することが困難な暗号資産、あるいは匿名性が高くマネーロンダリングに利用されるリスクが高い暗号資産、流動性が乏しい暗号資産などについては取扱いを禁止すべきものと考えられ、こうした考え方に沿って基準を定めることを想定しております。
○伊佐委員 暗号資産取引業、この業に対する規制について、業務管理体制の整備をどう行っていくかということも大事だと思っていますが、例えば、投資経験がない、年金暮らし、例えば高齢者の皆さんだったりとか、あるいは、暗号資産はなかなか複雑で、仕組みをなかなか理解していない上で、そういう利用者の皆さんにリスクの高い暗号資産を販売していいのか。
今現状、顧客適合性確保を確認するということが必要だと思っていますが、この体制だったりとか、要は取引業を行う業者側の管理体制ですよね。売買審査の体制、これも、業者あるいは業界側で、例えば、有価証券だったらJPXだったりとかというところでチェックがなされるわけですよね。暗号資産ではどういうチェックを行っていくのか、伺いたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正法案では、暗号資産取引業者に対し、第一種金融商品取引業、証券会社に相当する規制を適用しつつ、暗号資産の性質を踏まえた規制を整備することとしております。その上で、暗号資産を規制する根拠法令を金商法に移管することに伴い、暗号資産取引業者は、暗号資産取引業を適確に遂行するため、業務管理体制を整備しなければならないこととしております。
御指摘いただきました暗号資産取引業を適確に遂行するための業務管理体制の整備義務について、具体的な内容としては、例えば、取り扱う暗号資産の審査体制、顧客適合性確保のための確認体制、売買審査体制といった体制整備を想定しております。
このうち、顧客適合性確保のための確認体制につきましては、金融審議会の報告書におきまして、顧客がリスク負担能力の範囲内で取引を行うことを確保するための確認を行う体制の整備を求めることや、取引開始基準や取引、保有限度額の設定等に係る運用の徹底等を求めることが適当であるとされており、また、これらは、自主規制機関の機能強化を通じて取り組むべき事項とされております。
金融庁といたしましても、暗号資産の大部分には裏づけ資産がないという商品特性があることを踏まえまして、顧客適合性の確保が重要と考えており、自主規制機関等とも連携を取りながら、実効性のある規定となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
また、これも御指摘いただきました売買審査体制につきましては、今後、証券市場における市場監視体制も参考にしながら、暗号資産取引業に対して、問題のある取引が行われていないかの適切な確認を業者に対して求めるとともに、自主規制機関による市場監視体制の抜本的な強化や、暗号資産取引業者、自主規制機関、当局との情報連携の強化等について、それぞれ取組を行い、暗号資産の不公正取引規制の実効性を確保していくことが重要であると考えております。
○伊佐委員 大臣に伺いたいと思います。
今の局長の答弁も、裏づけ資産がないので投機的な面もあるというような発言もございました。さきの岡本委員の方からも、投資か投機かという質問に対して、岡本委員の質問の中にもあったのも、投資したものが、そのものが利益を生んでいくものが投資であって、裏づけ資産がないようなものだと投機的な側面が非常に強いんじゃないかということで、今回の法改正によって、大臣も先ほど答弁で、推奨、お墨つきを与えるものでないというふうに答弁をしていただいております。
ちょっとこれだと繰り返しになるので少しだけ深掘りさせていただくと、さきの議論もありました、そうはいっても、今回の暗号資産を金商法に移管するということとともに分離課税の対象になる、つまり、税率が安くなるということで、税率が安くなるんだったらやはり推奨しているんじゃないのというふうに見えてしまうわけですが、ここを改めて大臣の方から、いやいや、そうじゃありませんという点について伺いたいと思います。
○片山国務大臣 暗号資産はこれまで決済手段としての観点から資金決済法で規制されてきたわけですが、足下、特に個人の利用者において、暗号資産の保有が非常に身近になったわけです。千四百万口座、うち稼働口座だけでも八百八十万あるということは大変なものでございまして、また、投資対象化が実際に進んできたという現状がございますので、この法案は、こうした現状を踏まえて、利用者保護の充実を図るという観点から、暗号資産の取引が現状どういうふうになっているかという実態に即して適切な方向へ規制の見直しを行うものであり、実態がありもしないのに、先にこれを引っ張って投資を慫慂するとかそういう類いのものでは全くなく、殊更に推奨したり、ましてやお墨つきを与えるという政策は全く持っていないというふうに考えております。
○伊佐委員 終わります。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、萩原佳君。
○萩原委員 日本維新の会の萩原佳です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
早速ですけれども、今回の法案で、サステーナビリティー情報、サステナ監査についてお聞きいたします。
近年の法定の財務諸表監査の担い手、これは過去、公認会計士そして監査法人に限定されてきました。長らく市場の番人として重要な役割を担っておりましたが、私自身も、国会議員になってからは監査業務はしておりませんけれども、会計士として、市場を守っているんだという自負の下、監査業務を行ってまいりました。
そして、今回、法改正の対象となっているサステナ情報、これは、将来予測や見積りの要素が多く含まれているとはいえ、最終的には企業のキャッシュフローや企業価値に直結する財務関連情報であり、これに対して、しかも合理的保証じゃなくて限定的保証であるとはいえ、独立した第三者による保証については、監査法人のみならず、多様な専門機関、ノンPAと言われておりますけれども、それの参入を認めるという制度案が示されております。
競争促進や担い手確保の観点、このところは理解はできるものの、監査制度が長年培ってきた厳格な品質管理や職業倫理の枠組み、これを持たない機関が参入することで、財務諸表利用者の期待ギャップ、これが生じて、ひいては、我が国の資本市場全体の信頼性、これを損なうことがあるような事態になってはならないと考えております。その観点からお伺いいたします。
現在、サステナ情報の保証に関する国際的な議論、これは現在進行形で進んでおりますが、ドイツやオーストラリアなど世界でも主要な国の多くは、サステナ保証については、公認会計士や監査法人などのPAを担い手とする方針を取るか、又はそれに近い形を採用しております。一方で、今回政府が示している制度案、これは、監査法人、会計士以外のいわゆるノンPAの参入を広く認める方針となっております。
世界の多くの国がPAを担い手としている中で、あえて日本がノンPAの参入を認める制度設計としたことについて、諸外国との差異をどのように認識して、なぜこの方針を取ったのか、大臣の基本的な御見解をお伺いいたします。
○片山国務大臣 委員御指摘のサステーナビリティー情報の第三者保証については、国際的に見ますと、監査法人や公認会計士だけが提供できるという国と、監査法人、公認会計士だけには限定せず広く専門家が提供できる国の、大きく分けると二種類あるんですが、今お話がありましたが、制度の整備が済んでいる二十一か国、このうち日本と同様に監査法人や公認会計士に限定しない国としては、デンマーク、フランス、ギリシャ、リトアニア、それから、イギリスも限定はしない予定なんですが、イギリスでは第三者保証の取得自体が任意なので、ちょっとこれはどう考えるか分からないですけれども、ほかの方もできるということです。
我が国においてこの制度を検討するに当たっては、将来、サステーナビリティー情報の第三者保証の義務化をプライム市場上場企業全体に拡大する可能性も見据えて、保証の信頼性を確保しつつ、将来にわたって担い手を十分に確保することが必要という視点もございまして、この点も考えさせていただきました。また、事業者間で切磋琢磨することでよりよい保証が提供されるということも期待しているわけでございます。
このために、サステーナビリティー保証業務を提供することができる業者として、監査法人だけではなくて、監査法人以外の方であっても、要件を満たせば登録できるといった制度とさせていただいております。
○萩原委員 ありがとうございます。
担い手の確保をメインに考えられているということではございました。
なぜ財務諸表監査が必要とされるのか。この目的は、有価証券報告書、企業が出す有価証券報告書の信頼性を高めて、投資家を保護して、市場の安定と発展を図ることであると、釈迦に説法みたいな話をしておりますけれども、そういう意味では、非常に、監査報告が行われた、監査報告書が添付されているというのは大事だと考えております。このように、有価証券報告書に監査報告書が添付されていれば、それが誰によって提供されたかにもかかわらず、これまでの財務諸表監査と同じような監査が行われ、その質は担保されているものと、有価証券の利用者は多く期待するものだと考えています。
その意味では、仮にノンPAの参入によって、要件をクリアしたとはいえ、実質的な品質保証、これにばらつきが生じれば、法定開示全体の信頼性低下につながるおそれがありますが、この有価証券報告書の信頼性、さらには企業全体に対する不信感を招くことにならないような要件設定というのはどのような形で提示、予定しているのか、それをお示しください。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
グローバルに活躍する我が国企業の開示情報の質を確保し、さらには我が国資本市場の国際的な信頼性を確保する観点から、我が国におけるサステーナビリティー情報の第三者保証は、保証の提供業者が監査法人かあるいは監査法人以外であるかを問わず、国際監査・保証基準審議会、IAASB等が開発した国際基準との整合性が確保された基準に従って実施される必要があると考えております。
今般の改正法案では保証の提供業者を登録制としておりますところ、金融庁としましては、保証の提供業者が監査法人あるいは監査法人以外のいずれの場合であっても、登録時において業務管理体制等の審査を適切に実施するとともに、登録後におきましても、基準の遵守状況や行為規制等についてしっかりと検査監督を行うことで保証の信頼性を確保するように努めてまいりたいと思います。
○萩原委員 入口と、走り出してからもしっかりチェックしていくということですけれども、意味合い的には、形式的には、国際基準、ISSA5000とかISQM、それを課すから大丈夫だというお答えですけれども、実態はそう簡単なのかなというのは正直思うところではございます。
監査法人は、長年の歴史の中で、品質管理部門の設置若しくは独立性の確認のプロセスなど、組織的にその経験というのを積み重ねてきております。それに対して、これまで温室効果ガス等の検証を主に行ってきたノンPAの機関が品質管理基準、ISQM1と同等の監査体制というのをいかに構築していくのかというところは非常に難しいのじゃないのかなとも感じておりますが、この点について、どのようにその要件を構築していくのか、また、それを実行されているのを担保していくのかというところ、方策等々、検討されているようなことがあれば御回答ください。
○井上政府参考人 先ほど御答弁させていただきましたとおり、登録時と、また登録後においても、しっかりした業務管理体制ができているかというのは確認してまいりたいというふうに思っております。
その上で、保証業務実施者の監督をどのような体制で行うかということで、我々金融庁の方の体制整備もしっかりと図ってまいりたいというふうに考えております。
○萩原委員 今、監督体制というところのお話をいただきました。
金融庁による検査監督ですけれども、これに対して、その体制が整っているのかというところは留意が必要かと思っております。
なぜそんな話をするのかというと、現状の普通の財務諸表監査の金融庁のレビュー、これに関しては現在、公認会計士・監査審議会によって行われていると思いますけれども、その前提として、日本公認会計士協会の品質管理レビュー、これを前提としています。ただ、現状では、自主規制機関の創設は先の課題として、金融庁が直接、検査監督することになっていて、ノンPAに対する事前の自主規制機関による品質管理レビューの仕組み、これが存在しない。今までの財務諸表監査と対応が大分異なるような形になるんですけれども、それに対して、金融庁は直接、全登録業者等々の品質管理の実効性を担保するだけの人員と専門的知見、これをどう確保していくのかという疑問、これが生じておるんですけれども、これに関してはどのように対応を図っていくのか、御見解をお示しください。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘いただきましたとおり、登録審査を含めまして、保証の提供業者に対する監督は金融庁において行うところ、この保証の品質を確保するために適切な監督体制を整備することは大変重要であると考えております。
金融庁といたしましては、これまでも、サステーナビリティー情報の開示、保証に関して一定の体制整備を既に行ってきたところではございますけれども、引き続き、監督体制について検討してまいり、これまで監査法人等のモニタリング等を通じて得た知見、ノウハウも有効に活用しつつ、しっかりと体制整備も努めてまいりたいと思います。
○萩原委員 体制整備に対して、今、どちらかといったら質的な話をメインにされているのかなと思いますけれども、是非、人員的なところというところが足りなくなるかなと思いますので、そこに対してもしっかりと構築していく必要があると思っておりますので、人件費、これはかかってしまうことにはなりますけれども、適切な市場を確保していくという意味では非常に重要なことであると考えておりますので、要望等々になると思いますけれども、私が言うのも変ですけれども、しっかり要望していただければと考えております。
あと、ちょっと時間的なところもあるのですが、今、始まった後の検査体制という話をさせていただいておりますけれども、実際、どういう業者、ノンPAに対してどういう登録要件を課していくのかというところが非常に大事だと考えておりますが、あくまで投資者保護が大前提での法改正ですし、PAとノンPA間の健全な市場競争が行われるインフラの整備、これを行う必要があると考えておりますので、是非、登録要件はPAと同等の登録要件を整えていただきたいと考えております。
そういう意味では、現状言われている、財務的、法的負担の構造的なアンバランスがあるのではないかという話や、虚偽の保証時の投資家保護の観点のバランス感の問題、また法人責任と個人責任の不均衡、会計士、監査法人の場合は、大きな問題が起こった場合、サイナーの公認会計士も業務停止等々もございますので、そこら辺の個人責任と法人責任の不均衡、賠償の優先順位における法制上のねじれ等、一定課題があると思っておりますので、ここに対しても、これからどういう制度設計をしていくのか、どういう形で省令で縛っていくのかという形になると思っておりますけれども、それに対しても是非対応をお願いしたいと考えております。
最後、繰り返しにはなりますけれども、監査の最大の目的は、有価証券報告書の信頼性を高めて、投資者を保護し、市場の安定と発展を図ることにあります。そして、サステナ情報の監査をノンPAに任せることによって、今まで積み重ねてきた信頼感というところ、これを失うような形にしてはならないと考えておりますし、もし仮に、今、本制度、五年後の見直し、これが前提として入っておりますけれども、監査の信頼性に影響を及ぼすような事態が生じた場合には、五年を待たずして機動的な対応、これも取るべきだと考えております。
全ては投資者の保護、これが最優先と考えておりますが、この最優先の事項に関して、適正な制度設計に対して大臣がどのように考えられているのか、思い若しくは決意を教えていただければと思います。
○片山国務大臣 もちろん、サステーナビリティー情報の第三者保証はいまだ発展途上にある分野と承知しておりますので、この改正案によって開示とか第三者保証の制度が導入された後も、いろいろな実務の蓄積とか外国の取組状況等をしっかりフォローしてまいりたいと思っておりますし、こうした中で、必要があれば適時適切に見直しも含めて取り組んでいく、こういうことになると思います。
○萩原委員 今おっしゃったとおり、サステーナビリティー情報の開示関係というのは、ほかの会計基準に比べても、これからどんどん発展していく、開発していくようなところなので、ほかのものに対してもより柔軟な対応というところが必要だと考えております。
そして、ノンPAを入れることによって、意図している狙い、担い手の確保であるとか競争の環境をそろえていく、競争促進等々を行っていくという意味では非常に大事なことだとは考えておりますけれども、まずは大前提を守れるように柔軟に対応をお願いして、私からの質疑とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○武村委員長 次に、田中健君。
○田中(健)委員 国民民主党、田中健です。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私からは、金商法また資金決済法改正は大変幅広い内容となっておりますが、国民にとっても関心が高く、また、いろいろなこれまでの、被害も出やすい、今日の議論の中でも大変活発な議論が繰り返されてきました暗号資産について質問をしたいと思います。今日の新聞にも、ビットコインが最高値の半値、二四年十月以来の安値とありました。大変に様々な影響があるかと思いますので、随時確認をしていきたいと思っています。
まず、大臣に伺いたいと思います。
今回の改正は、暗号資産を、これまでの資金決済法中心の規制から金融商品取引法の規制へと移すものです。これは、暗号資産が国民生活の中で、単なる決済手段というよりも、実態として投資対象になっているということを踏まえたものだとの理解でよいか、そしてまた、今回の改正の目的は、暗号資産の市場というのを単に規制強化するという目的ではなく、利用者保護、さらには健全なイノベーションを促進していく、この両立にあるという理解でよいか、大臣の認識を伺います。
○片山国務大臣 暗号資産につきましては、これまでは決済手段としての観点から資金決済法で規制されてまいりましたが、他方、国内で諸々アンケート調査等いたしますと、投資経験者の中で、暗号資産保有の比率ですね、暗号資産保有率がFX取引や社債等よりも高くなっておりまして、また、利用者の取引動機のほとんどが長期的な値上がりを期待したものというものであったということから、これは、暗号資産の投資対象化が進展した、我が国においてもう進展しているということが見られるという認識がございます。
こうした状況を踏まえまして、この改正案では、投資商品を規律する法律である金融商品取引法において暗号資産取引の実態に即した適切な規制の整備を行うことにより、利用者保護を通じて健全なイノベーションが促進されるように図っていくということが目的でございます。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
今回大事なのは、その中でこの暗号資産を今回、投資商品として扱うなら、やはり株式や投資信託並みに、同じように、国民がだまされることなく、また、るる公開情報がこれから定められてきますが、それを見て判断できる体制になっているのか、そういう制度に今回の法改正でなっているのかということが大事かと思いますので、そこを順次確認をしていきたいと思っています。
株式であれば、有価証券報告書等を通じて会社の業績や財務やリスクを確認できます。しかし、暗号資産では、今のところ、ホワイトペーパーというのがありますが、これは、内容は大変抽象的でありますし、一般投資家には実態が分かりにくいものです。これを見て暗号資産を買っている人はいないと思います。
今回、改正では、暗号資産の発行者、取引業者に情報公開義務を課すとのことですが、具体的に、この発行の総量や、発行者や関係者の保有割合、追加発行の可能性や資金使途、事業の進捗や技術的なリスク、またハッキングのリスクなど、投資判断に必要な情報というのをきちんと、開示対象がされるのかというのを伺いたいと思います。
特に、発行者や関係者が、大量に保有している暗号資産を一般投資家に売り抜けるようなこと、これまでも何度かそういった事件がありましたが、そういったことを防ぐためには、保有状況や売却の方針の開示というのが私は不可欠じゃないかと思っていますが、これについて伺います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正法案では、情報の非対称性を解消し、投資者に取引判断にとって必要な情報が提供されるよう、暗号資産の発行者や暗号資産取引業者に一定の情報の公表を義務づけております。
詳細については内閣府令で定める予定でございますけれども、情報の公表義務を課す趣旨に照らし、例えば、発行者等に関する情報として、発行者の行う事業、発行者等の暗号資産の保有状況、今後の発行予定等に関する情報のほか、調達資金の使途に関する情報、また、暗号資産に関する情報として、暗号資産の性質、機能や供給量、使っております基盤技術、内在するリスク等に関する情報といった、取引判断に当たり重要な情報の公表を求める予定としております。
また、御指摘いただきましたような発行者及び関係者の売り抜けに関してですけれども、まず、発行者等が多数の者に対して追加的に売りつけを行う場合には、その都度、その保有状況を含む発行者等に関する情報の公表を求めるとともに、年一回、定期的な情報の公表においても、当該情報の公表を求めることとしております。
これに加えまして、発行者が情報公表を行わずに実質的に資金調達を行うことを防ぐために、暗号資産取引業者において調査、確認を行っていただき、発行者による資金調達が判明した場合には、当該者により売りつけを拒絶する対応を取っていただくことや、発行者等に対し、ロックアップ期間中は保有する暗号資産を売却してはならないものとすること等を下位法令や自主規制規則等も通じて義務づける予定でございます。
これらの措置を通じて、取引の公正性や投資者保護を確保してまいりたいと考えております。
○田中(健)委員 実際に利用者から聞くと、やはり知りたいのは、このコインは誰が発行しているのかとか、発行者はどれだけ持っているのか、また、後から大量に発行されないのかとか、本当に今、裏づけを言ってもらいましたが、使われているのかということをよく聞きます。ですから、内閣府令で定めるということで今細かく言っていただきましたが、しっかり定めることは必要で、やはり発行者へのですね、情報というのを的確に公開に努めてほしいと思っています。
さらに、暗号資産の中での懸念点はインサイダーの取引です。暗号資産のインサイダー取引については、法令上、明確な規制はありません。自主規制で今までとどまっていたと理解をしていますが、今回の改正では、暗号資産に関するインサイダー取引規制を新設をして、課徴金制度も整備されるということであります。
暗号資産でも、また株式とは違って、取引所での新規の取扱いや、発行条件が突然変わったりしますから、その変更や、又はハッキングやシステム障害、また大口保有者の売却、時には、突然解散があって、事業提携なども過去ありましたけれども、価格にどれも大きな影響を与えます。こうした情報を事前に知った関係者がいれば、一気に売買して売り抜けば、一般投資家というのはこの情報を知り得ませんから、極めて不利な状況になります。
今回のインサイダーの取引規制では、どのような情報を重要事実として対象にするのかを伺いたいと思います。
株式と違って、発行者や、またそれに関わる財団とか、開発者とか、取引所とか、外部の委託先との関係もありますし、また、次にやりますインフルエンサーとか、そういった方の関係者というのは多数にわたっていまして、どこまでこの規制対象にするかというのはなかなか難しいかと思います。また、規制をつくるだけでなく、ブロックチェーン上の取引の分析や、取引所からの報告、今回、証券取引等監視委員会との連携も言われていますが、こういったことで実際に摘発できるのか、この体制をどう整えるのかということも併せて伺いたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正法案では、暗号資産のインサイダー取引規制における重要事実として、御指摘いただきましたような、暗号資産の技術的な仕様の変更や暗号資産に係る業務上の提携等の暗号資産発行者に関する情報、暗号資産取引業者による暗号資産の新規取扱いに関する情報、ハッキングやシステム障害等の暗号資産発行者や暗号資産取引業者の暗号資産に関する業務遂行上の障害に関する情報、さらに大口取引に関する情報、これらを規定するほか、暗号資産発行者等に係る暗号資産又はその事実に関する事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの、いわゆるバスケット条項についても設けることとしております。
また、規制対象者については、暗号資産の発行者、暗号資産取引業者、大口取引を行う者を中心に、それぞれの役職員等、契約締結先や法令上の権限を有する者等の関係者であって、その職務等を通じて重要事実を知った者のほか、これらの関係者から重要事実の伝達を受けた者も対象としております。
インサイダー取引規制を含む暗号資産の不公正取引規制の実効性を確保していくことについては、委員御指摘いただきましたとおり、大変重要だというふうに考えておりまして、今後の運用体制につきましては、上場株式における市場監視体制も参考にしながら、暗号資産取引業者が自ら提供する取引の場において売買審査を適切に行っていただくとともに、自主規制機関において業界横断的な取引監視体制を構築し、それらを前提に、証券取引等監視委員会においてしっかりと市場監視を行っていくということを考えております。
○田中(健)委員 確かに、今ずらっと並べてもらいましたが、なかなかそれをインサイダーと認定するのは大変難しいと思います。しかし、すごく影響がある話で、乱高下するきっかけになりますので、今、証券取引等の監視委員会の話がありました、上場企業と同じ、また、それを参考にしてということでありましたが、さらに、調査対象を拡大するというのも聞いておりますので、是非、これは業界もあると思いますので、業界の人とも連携をしながら、本当に実際的に運用が回るように実効性を担保してもらいたいと思っています。
その中で、さらに、今言ったインフルエンサーについて聞きたいと思いますけれども、このインフルエンサーを活用したプロモーションも、今回、対価関係の明示が法律上の義務と入っています。つまり、広報や広告、これに対してコンプライアンスのチェックというのが必要となるわけでありますけれども、暗号資産の被害は、入口というのは、先ほど来も議論がありましたが、SNSの広告だったり、動画サイトだったり、LINEグループだったり、著名人が成り済ましもありました、インフルエンサーの宣伝であることが少なくないんですね。ですから、今回の改正では、暗号資産の広告や勧誘というものについて、対価を受けて宣伝している場合の表示やリスクの説明や過大広告の禁止というのをどこまで徹底できるかというのが実効性に関わってくると思っています。
ネット上を見ますと、必ずもうかるとか、今だけとか、また、有名人も買っているといった表現は、実際には広告のためにつけているんですけれども、しかしながら、中立的な投資情報だと言われたら規制できないわけですけれども、こういうのをどのように規制をし、またさらに監視もしていくのかというのを伺いたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
著名人等への成り済ましを始めとするSNS上の投資広告や投稿等による詐欺被害は数多く発生しているところ、こうした事態に対処するため、金融庁としても、関係省庁やSNS事業者と連携した注意喚起、SNS上の偽広告等に関する情報提供受付窓口の設置、無登録で投資勧誘を行う事業者に対する警告書の発出等の対応を行ってまいりました。こうした対応につきましては、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
また、今般の法案では、暗号資産取引業が金融商品取引業に追加されることに伴い、法令の規定により、金融商品取引業を行うことができる者以外の者がSNS等において金融取引業を行う旨の表示を行うことや金融商品取引契約の締結に向けた勧誘を行うことを禁止しております。
加えて、暗号資産に係るいわゆるステルスマーケティングを規制するために、対価を受けてインターネットサイト等で取引判断に関する意思表示をする場合には対価を受ける旨の表示をしなければならないこととしております。
そのほかにも、今般の改正では、暗号資産取引業者に対する規制として、広告等において利益の見込み等について著しく誤認させるような表示をしてはならないとするとともに、不確実な事項について断定的判断を提供して勧誘する行為や虚偽を告げる行為を禁止する規制を設けております。
これらの規制及び的確、適切な監視を通じまして利用者保護の充実を図ってまいりたいと思います。
○田中(健)委員 これはずっと問題になってきてなかなか規制も難しかった中で、今回は禁止ということを定めるといって、著しく誤認をさせるような、その著しくがどこまでなのかとか、なかなか相手側とも難しい議論になると思います。しかしながら、被害の入口というのはここが一番大きいとも言われていますので、是非やはりここの規制というのは徹底的にしていただきたいと思いますし、これからいろいろな形でのSNSやインフルエンサー広告というのが出てくると思いますので、それも常にウォッチをしていただきたいと思っています。
今、その中で無登録業者の話が出ましたので、そちらの質問もさせてもらいたいと思いますが、今回、無登録業者についても、刑事罰の強化や緊急の差止め命令など、エンフォースメントの強化というのが論点となっています。国内の登録業者を厳しく規制をしたとしても、国民が実際に被害に遭うのは、海外の無登録業者であったり、SNSで誘導される偽のサイトであったり、出金できない投資アプリなどであります。今回の改正で無登録者の罰則強化ということを書かれていますけれども、差止めも盛り込まれていますけれども、海外の無登録業者に対して実効性を持ってできなければ、これは余り国民の被害を防げないし、絵に描いた餅だと思っています。
そのためには、これは金融庁だけでは取り締まれませんので、先ほど警察の御質問もありましたけれども、警察庁又は消費者庁とか、また通信事業者とかSNSのプラットフォーム事業者とか、偽アプリもあります、アプリストアとか、金融機関、あらゆる関係諸団体とどのように連携をしながら、無登録業者への送金であったり広告の掲載であったりアプリの配信というのを止める仕組みというのをつくっていけるのかということを大臣に伺いたいと思います。
○片山国務大臣 金融庁といたしましては、金融庁のウェブサイトや公式SNSなどを活用して、利用者に対して無登録業者との取引は高リスクである旨の注意喚起を行いますとともに、悪質な無登録業者に対しては警告を行い、警告をした先の名称等を公表したり、必要に応じて警察や消費者庁とも情報共有をしております。加えて、警告書の発出後も無登録営業を継続しているような事業者につきましては、アプリストアへの働きかけを通じたアプリ配信停止等の取組も進めてまいりました。
さらに、今般の改正法案では、無登録業者による違法な投資勧誘を防止するために、より厳重な規制を設けることとしております。具体的には、無登録業に対する罰則を引き上げる、証券取引等監視委員会の犯則調査権限の対象に無登録業を加える、証券取引等監視委員会の申立てにより無登録業者等について裁判所が緊急差止め命令を行えるようにする、暗号資産取引業者の取り扱っていない暗号資産に関する無登録業者との売買契約は原則無効とするといった措置を盛り込んでおります。
金融庁としては、今後とも、無登録業者に対して、あらゆる手段を排除せず、実効性のある対応に努めてまいりたいと考えております。
○田中(健)委員 今、厳重な対応をしていただけると言ったんですけれども、罰則を引き上げても、そもそも無登録業者ですから余り罰則を気にしないですし、また、一度やめてまた新しくつくって、先ほどもありましたが、どんどんどんどんと業者ができていますので。さらに、緊急差止めも確かに大切だと思いますけれども、時間がかかりますので、先ほどもありましたように、すぐにこの被害というのは止めないと対応できないので、是非、これもまだまだこれからの対応だと思いますので、強化をしていただきたいと思っています。
済みません、時間がないので進めます。さらに、新サービスです。
暗号資産にはいろいろなサービスが今出てきています。単に暗号資産を売買するだけではなくて、例えば、暗号資産自体を貸して利回りを得るレンディングというものや、預けて報酬を得るステーキングと言われるものや、さらに、AIや投資サロンによる売買の助言でも利益を得ています。さらに、外部ウォレットを使って管理をするだけでも利益を得ています。こういったサービスが複雑化していますが、これは、一般の人から見れば、預金の利息がつくように見えたり投資信託の運用のように見えたりしますが、実際には元本保証もありませんし、仕組みも分かりづらいということです。
今回の改正で、こうしたサービスのうちどこまで登録届出、リスク管理や安全管理の対象になるのか、規制の抜け穴が残らないのかというのを伺いたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、足下では、暗号資産に関する様々なサービスが見られるところでございます。その中には、事業者が個人投資家等から暗号資産を借り入れて、再貸付けやステーキング等により運用し、一定期間経過後に貸借料を付して利用者に返還するようなビジネスも行われていると承知しております。
こうした状況も踏まえまして、今般の法案では、利用者保護の充実を図る観点から、暗号資産の借入れを金融商品取引業の対象に含める形で登録制とし、利用者へのリスク説明や広告規制など必要な行為規制を課すこととしております。
また、暗号資産の投資セミナーやオンラインサロン等において詐欺的な行為が疑われる事案、事例が増えているということも踏まえまして、暗号資産の投資運用行為や投資助言行為についても、それぞれ投資運用業や投資助言業の対象として規制することとしております。
そのほか、今般の改正法案では、暗号資産交換業者向けのウォレットソフトウェアを提供する事業者がサイバー攻撃を受けたことを一因として不正流出が発生したという事案も踏まえまして、ウォレット提供業者についても事前届出制として、情報の安全管理措置などの適切な業務運営を確保するための行為規制を課すこととしております。
これらの規制を通じて、利用者保護の充実を図ってまいりたいと思います。
○田中(健)委員 新しいサービスというのは、リスクは高いですけれども、なかなか、規制の谷間に入ってしまいますので、是非しっかり対応してもらいたいと思っています。
最後ですけれども、これらの、今の質問を踏まえまして、大臣にお伺いをしたいと思います。
今回の暗号資産、ブロックチェーン技術、私も、否定するものどころか、むしろ、健全な市場をつくるために悪質業者や詐欺的勧誘を排除することが必要です。やはり真面目に事業を行う事業者が信頼される制度というのが必要だと思っています。一方で、規制が過度に重くなれば、国内のスタートアップや技術者は海外に流出してしまいますし、日本でなかなか新しい金融サービスが育たないおそれもありますので、是非、利用者の保護を強化しつつ、国内のウェブ3やブロックチェーン関連事業者の健全な成長を妨げないためどのような配慮を行うのか、特に、中小やスタートアップの事業者に対する経過措置や相談体制、ガイドラインの整備を是非、大臣が先頭に立って進めていただきたいと思いますが、伺います。
○片山国務大臣 暗号資産規制の見直しに当たっては、利用者保護を通じた健全なイノベーションに十分に留意することが重要と考えておりまして、この法案におきましても、既存の金商法をそのまま適用するのではなくて、暗号資産特有の性質に配慮した規制内容を盛り込ませていただいたところです。
具体的にはですが、例えば、ウェブ3分野のスタートアップの成長を後押しするために、いわゆる少人数私募、プロ私募については、情報公表規制の適用除外とするとともに、発行者が自ら行う私募については、業規制の対象からも除外し、また、暗号資産取引業については、これを本業としない事業者の参入も想定されるため、兼業規制について緩和するといった柔軟な制度設計を行ってもいるところでございます。
また、相談体制の観点では、金融庁でフィンテックサポートデスク、フィンテック実証実験ハブといった取組を行っておりまして、事業者のビジネス展開への支援やイノベーションの促進に取り組んでいるところです。
とにかく新しい分野でございますし、アメリカにおいては本当にこれは成長の起爆剤と言われているのと、先ほどほかの委員からも御質問がありましたが、インフレに対するリスクヘッジとして株式等が注目されて、また、その株式、債券とも違う値動きをいたしますので、分散投資のヘッジになるという部分もありますので、そういった特色に配慮しつつ、引き続き、利用者の保護と健全なイノベーションの両方の確保に努めてまいります。
○田中(健)委員 ありがとうございました。
終わります。
○武村委員長 次に、近藤雅彦君。
○近藤(雅)委員 国民民主党の近藤雅彦です。
本日も御質問の機会、誠にありがとうございます。
今日の質疑ですけれども、暗号資産とサステーナビリティー情報開示あたりに質問が集中してございますが、私からもサステーナビリティー情報開示についてお尋ねをしたいと思います。
先ほどから若林委員や萩原委員など会計が御専門の先生方からその知見に基づいた御指摘が続いておりますが、私も、特に保証業務の担い手、この問題意識を共有しております。今日はそのような視点から、投資家の利益を考えますと大変重要な法案でございますので、質問させていただきたいと思います。丁寧な御答弁をお願いいたします。
このサステーナビリティーという言葉ですけれども、耳にする機会が増えました。ただし、単なる環境問題等ではございません。企業が将来にわたって持続的に成長していくために重要となる気候変動への対応、そして人権への配慮、人的資本への投資、企業統治、いわゆるガバナンスなどの取組状況を投資家に開示していく、これがサステーナビリティー情報開示だと認識をしております。
従来は、企業ごとに開示内容が異なり、比較が難しい面がございましたが、今回の制度は、国際基準と整合性を図りながら、投資家が企業を比較評価しやすくなること、これを目的としているものと理解しております。
そこで、まずお尋ねをいたします。
今回の金融商品取引法等の一部改正法案で、サステーナビリティー情報の開示基準に基づく開示を義務づける必要性について、御説明をお願いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
企業のサステーナビリティー情報は、中長期的な企業価値の評価に資する情報として、投資判断上、重要な情報であるというふうに考えております。
諸外国におきましては、サステーナビリティー情報開示の制度化が進められているところでございます。欧州では、二〇二四会計年度から、一定の企業に対してサステーナビリティー開示基準に基づく情報開示が求められております。また、我が国においても、民間の基準設定主体であるサステナビリティ基準委員会、SSBJが、国際的なサステーナビリティー開示基準と整合的な基準であるSSBJ基準を昨年三月に策定したところでございます。
こうした状況を踏まえまして、我が国におけるサステーナビリティー情報の比較可能性の確保と質の向上を図り、また、欧州等の企業と競合関係にあります我が国を代表する企業の欧州市場等における開示負担を軽減する観点も踏まえまして、一定のプライム市場上場企業に対し、二〇二七年三月期から、段階的にSSBJ基準に基づく情報開示を義務づけることとしたものでございます。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
欧州等の動き、それから導入の背景全般につきまして、丁寧に御説明いただきました。
さて、次の質問です。
サステーナビリティー情報の開示基準に基づく開示の義務づけに伴いまして、適用対象となる企業の業務負担は相当増えるものと考えられます。そのような企業の負担を踏まえまして、金融庁はどのような制度面での手当てを行うつもりなのか、お答えください。
○井上政府参考人 お答えさせていただきます。
企業がサステーナビリティー開示情報に基づく情報開示を行うに当たっては、バリューチェーンの上流及び下流にある企業から情報を取得することが求められるなど、一定の企業負担が想定されるところではございます。
そのため、制度化に当たりましては、こうした負担も勘案し、時価総額が一定金額以上のプライム市場上場企業のみを適用対象とした上で、時価総額の規模に応じて段階的に適用を開始することとし、あわせて、十分な経過措置を整備することとしております。
また、これらの制度上の対応に加えまして、金融庁といたしまして、参考となる好事例を収集、公表していくことなどを通じまして、新たな制度の円滑な導入を図ってまいりたいと考えております。
○近藤(雅)委員 企業の規模や、今御説明ありましたように段階的な適用と承知をいたしました。
お話が続きますけれども、今回の制度、当初から全ての東証プライム上場企業に適用されるわけではなく、時価総額に応じて段階的にまさに導入されると承知をしております。具体的には、来年になりますけれども、二〇二七年三月期から時価総額三兆円以上、二八年三月期からは一兆円以上、そして、二九年三月期から五千億円以上のプライム市場上場企業へと順次対象が拡大されると承知をしております。
企業規模や社内体制、業種による差異などがある上に、サステーナビリティー情報の開示をめぐっては、諸外国での動向を含めた環境変化もございます。そんな中で、今後、政府令の対応も含めまして、柔軟な制度的対応を行っていくべきだと考えます。その方針についてお聞かせください。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
本改正法案におきましては、一定のプライム市場上場企業に対し、一般に公正妥当と認められる基準に従ったサステーナビリティー情報の開示を求めることとしており、下位法令において、一般に公正妥当と認められる基準として、サステナビリティ基準委員会、SSBJが策定した基準を指定する予定でございます。
これによりまして適用対象企業はSSBJ基準に定められている事項の開示が求められることになりますけれども、適用対象企業は時価総額五千億円以上の企業でも累計で三百社程度、限定的でございまして、任意開示書類における開示も含めますと、これらの多くの企業において温室効果ガス排出量等の情報開示が既に行われておりますこと、本基準では情報に重要性がない場合には開示する必要がないとされていること等を踏まえますと、企業の規模、特性に応じた柔軟な情報開示が進められていくものと考えております。
また、SSBJ基準は、国際的な整合性を確保する観点から今後も不断の見直しが行われていくものと承知しておりまして、金融庁としては、今後、基準の見直しが行われた際には、その内容が企業の経営環境や社会環境も踏まえ国際的な整合性が確保されているものとなっているかを確認し、必要でしたら追加的な経過措置も検討した上で、一般に公正妥当と認められる基準として指定するといった対応を行うなど、状況に応じて柔軟に対応してまいりたいと思っております。
○近藤(雅)委員 三百社程度に当初限定された対応とはいえ、引き続き、対象企業が円滑に開示すべき情報を取りまとめ、そして作成、公表できるような、そんなところに目配りをお願いしたいと思います。これは、運用開始後もきめ細かく周知、そしてガイドライン等の情報提供を是非お願いしたいと思います。
次の質問に移ります。企業負担との関係で、温室効果ガス排出量の開示についてお尋ねをしたいと思います。
温室効果ガスの排出量には、自社の工場や設備から直接排出されるスコープ1、購入した電力などによるスコープ2、そして、原材料の調達から物流、販売、製品使用、廃棄までを含むサプライチェーン全体の排出量であるスコープ3、この三つがあるものと承知をしております。このうち、スコープ3につきましては、サステーナビリティー情報を開示する企業が単独では把握が難しく、多くの取引先や中小企業等からデータ提供を受ける必要がございます。結果として、開示義務のない企業にも実質的な対応負担が及ぶ可能性があります。
そこで、お尋ねします。
適用対象の企業以外にも、温室効果ガス排出量のスコープ3など、サプライチェーン上の他の企業にも影響があり得る指標があると思われますが、そのような企業に過度な負担を強いることにならないのか、御認識をお聞かせください。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、SSBJ基準では、サプライチェーンの上流及び下流から排出された温室効果ガス排出量を意味するスコープ3排出量を開示することとされております。そのため、適用対象企業の取引先等においては、自社の排出する温室効果ガス排出量を適用対象企業に報告することが求められることになります。
もっとも、スコープ3排出量につきましては、時価総額五千億円以上のプライム市場上場企業の多くでは、自主的なものも含め、既に情報開示が進められつつあるものと承知しております。
加えまして、SSBJ基準では、適用初年度はスコープ3排出量を開示しないことが許容されていることや、合理的に利用可能な情報を考慮すればよく、情報の網羅的な探索までは求められていないこと、さらに、スコープ3排出量は、例えば、製品の輸送のための移動距離等の活動量に排出係数を乗じて見積りにより算定することも認められていることを踏まえますと、合理的な方法での対応が可能な枠組みとなっているというふうに考えております。
金融庁といたしましては、スコープ3排出量の算定方法を含む開示の好事例の収集、公表等も通じまして、企業の負担にも配慮いたしまして、規模、特性に応じた開示が進むよう取り組んでまいりたいと思います。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
情報開示については一定の猶予期間等も設けられるということですが、いずれにしましても、円滑にそれぞれの業務が遂行できるような配慮をお願いしたいと思います。
関連してですけれども、企業の財務監査との関係性についてお尋ねをしたいと思います。
多くのプライム市場上場企業は、海外拠点を含むグループ全体を監査できる国際ネットワークと豊富な専門人材を有するいわゆるビッグフォー、四大監査法人に監査を依頼していると考えられます。
プライム市場上場企業のうち、いわゆるビッグフォーが金融商品取引法上の財務諸表監査を引き受けている現状の社数、あるいはその割合について教えていただきたいと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
東証プライム市場上場企業は全体で約千六百社でございますけれども、これらが二〇二五年六月から二〇二六年五月までの一年間に提出した有価証券報告書によりますと、このうち四大監査法人が監査を引き受けているのは、約八割に相当する約千三百社と承知しております。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
約八割ということで、大変な割合を占めておりますが、なぜこのようなお尋ねをしたかと申しますと、次の質問にもつながりますが、サステーナビリティー情報、これ自体が財務情報とも密接に関係するものと理解をしております。いわゆるビッグフォーは、先ほど来あるような、国際的な業務の経験値を有しておりますし、複雑な会計処理や金融商品にも対応できます。そして、さらには、海外投資家や金融機関からも高い信頼を得ている実情かと思います。さらに、今後拡大するサステーナビリティー情報の保証業務についても、財務監査との連携や効率性の観点から、同一の監査法人に依頼をするケースが増えるものと考えられます。
こうした問題意識に対する見解を伺いたいと思いますが、今回のサステーナビリティー情報開示で、保証の担い手としてどういった会社を想定されているのか、先ほどから類似の御質問がございますが、改めて御教示いただければと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
我が国における制度の検討に当たりましては、将来、サステーナビリティー情報の第三者保証の義務化をプライム市場上場企業全体に拡大する可能性も見据えまして、保証の信頼性を確保しつつ、将来にわたって担い手を十分に確保することが必要と考えております。
このため、サステーナビリティー保証業務を提供することができる業者は、大手の監査法人だけではなく、中小監査法人や、現在任意でサステーナビリティー保証を提供している、例えばISO認証機関といった監査法人以外の者であっても、要件を満たせば登録できる制度としております。
制度導入後、上場企業がどういった事業者から保証を受けるかということについては、経営判断に属する事項でありまして、予断を持って申し上げることは難しいということを御理解いただければと思いますけれども、金融庁といたしましては、事業者間で切磋琢磨することを通じてよりよい保証が提供されることを期待しております。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
具体的に、大手監査法人等と、そのほかにISOの認証機関ですとかと御説明をいただきました。先ほど来、公認会計士の御経験がおありの先生方からも、会計かいわいの先生方の知見からすると、どこまでやれるかというような懸念もございます。是非、そういった新たなプレーヤーが入ってくること、これに対しては健全な競争を期待いたしますし、さらには、投資家に対しまして分かりやすく有益な情報提供につながることを期待申し上げます。
それでは、次の質問に移ります。
企業の財務監査では、公認会計士、監査法人、これらは不正や企業との癒着防止の観点から七年間でのローテーションルールが課せられております。サステーナビリティー保証の業務執行担当者にもローテーションルールが課せられます。規制の内容について、政府令等も含め、金融庁の方針を御説明願います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、同一の者が同一企業に対して長期間連続して保証業務を実施することは、癒着やなれ合いのおそれがあり、避けることが望ましいと考えております。このため、本改正法案におきましては、保証業務の責任者である業務執行担当者に対して、一定期間で同一企業に対する保証業務を外れること、いわゆるローテーションルールを設けております。具体的には、同一の企業に対して連続して最大七事業年度、業務執行担当者として関与した者は、その後、一定期間、当該企業の保証業務への関与を制限することとしております。
具体的なローテーションの期間等につきましては下位法令等で定める予定であり、本法案をお認めいただけた場合には、来年四月の改正法の施行に向けて検討を進めてまいりたいと思います。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
次の質問ですが、サステーナビリティー情報開示と関連する取組として、GXリーグについてお尋ねをいたします。
御案内のとおり、GXとはグリーントランスフォーメーションの略であり、脱炭素、経済成長を両立させるための社会変革でございます。GXリーグは、経済産業省が主導する枠組みで、企業が自主的に参加し、排出量削減や情報開示のルール形成、市場創設などを進めている取組と承知をしております。七百社を超える企業が多数参画してこられました。
この取組は、企業がサステーナビリティー情報を開示するという今回の制度とも目的が近いように思われますが、そこで経産省にお聞きします。金融庁などとの連携のあるべき姿、連携の在り方、どのようなことをお考えか、教えてください。
○伊藤政府参考人 経産省からお答え申し上げます。
ただいま委員から御紹介いただきましたGXリーグにつきまして、製造業のみならず、小売業、金融業も含め、GXに意欲的に取り組む企業が参画をいたしまして、二〇二三年にスタートした枠組みでございます。主な活動の一つとして、民間の発意でGXに関するルール形成に取り組んできたところでございます。一例としまして、削減効果の高い製品の普及を通じて社会全体の排出削減にどれだけ貢献したかを見える化する指標であります削減貢献量について、金融機関による活用事例集の公表、国際会議での発信などを行ってきたところでございます。
その上で、本年四月からは、GX推進機構を事務局としまして、GXリーグ等の機能や情報を集約し、更にバージョンアップしたGXフューチャー・コンソーシアムを立ち上げたところでございます。
コンソーシアムには金融庁を始めとした関係省庁も参画をしまして、GX需要創出や、委員御指摘ございましたように、サステーナビリティーを始めとする非財務情報を含む企業の取組を資金供給につなげるためのルール形成、またその発信を行ってございます。
引き続き、こうした取組も含め、金融庁としっかりと連携をいたしまして、また経済界とも一体となって、我が国のGX推進に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
○近藤(雅)委員 是非前向きな取組をたくさん進めていただければと思います。
サステーナビリティーの関連市場について申し上げますと、先日も新聞報道で、京都銀行が二〇三〇年度までに関連の投融資を従来目標の一兆円から二倍の二兆円と上方修正をされるというような報道もございました。非常に明るいニュースだと思います。
既にこれまでに企業の積極的な開示が続いてきた関係もございまして、日本のESG関連の金融商品やその市場は着実に増加、拡大しております。そして、さらには、今後更なる成長が期待されるものと思います。
最後に、大臣にお聞きします。
こうした流れを踏まえまして、欧州や我が国における市場の広がりの認識と普及促進に向けた大臣の意気込みをお尋ねします。
○片山国務大臣 世界全体のESG関連金融商品運用資産残高の方は、統一的な定義の統計というのじゃないんですが、民間投資情報提供機関によれば、二〇二四年時点で何と約十七兆ドルで、全運用資産の十数%になっていまして、しかも、二〇一八年から二〇二四年で年平均六三%増えているという驚異的なことになっておりまして、同期間、御指摘のように我が国においても年平均三二%伸びております。
成長著しいわけでございますが、我が国においては、気候変動を始め、少子高齢化ですとか地域社会の持続可能性といった社会的課題への対応の緊要性も一層高まっている中で、新たな産業、社会構造への転換を促すためには、ESG関連の金融商品への投資を含む民間資金の更なる活用が不可欠でございます。
このために、金融庁としては、サステーナビリティー情報開示の推進によって投資者への情報提供の充実を図るとともに、民間主体の創意工夫を促しつつ、多様な投資機会の提供と市場の更なる活性化に向けて、引き続きサステーナブルファイナンスの推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○近藤(雅)委員 ありがとうございました。
統計的にもすばらしい成果が上がっていると思いますので、是非、情報開示の取組を進めていただいて市場を大きくしていただく、そのような視点でも金融行政を進めていただければと思います。
私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野俊一です。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
本日扱います金商法の改正というのは、暗号資産の取引を金商法上の金融商品として位置づけることによって、無登録業者への対応、不公正取引に対する規制、あるいはスタートアップに対する資金調達の円滑化などを進めるものであって、投資者の保護とそして成長資金供給の観点から評価できる点が多くございますけれども、一方で、サステーナビリティー情報の開示の保証という点については、様々懸念も持っております。
例えば、制度設計次第で、上場企業だけでなくて、その取引先である中小企業、下請企業とか地方企業にまで事務負担が波及して、本来守るべき安全、品質であるとか、あるいは技術開発の現場を圧迫するおそれもあるんじゃないかなと思いますが、一方で、サプライチェーンの上流で何かしらの、強制労働とかあるいは児童労働、こういった人権問題がないかといったことも開示対象に含まれるという点で、こちらはそういったことはあってしかるべきかなというふうには思います。
本日は、暗号資産をめぐる投資詐欺対策の実効性を確認した上で、サステーナビリティー開示の義務化というものが日本の国益と産業競争力に本当に資するのかといった観点から質問をさせていただきたいというふうに考えております。
まず、暗号資産に関連するところから入っていきたいと考えますが、本改正では、暗号資産取引を資金決済法から金商法へ移管して、無登録業者への対応、不公正取引規制、そして情報公表規制などを整備することとしています。
まず、今回の改正によって、いわゆるポンジ・スキームといった投資詐欺、あるいはオンラインサロンとか暗号資産セミナーを通じた不適切な勧誘、そしてインフルエンサーを使ったステルスマーケティングに対して、現行制度と比べてどのような形で実際の抑止力が強化されるのかという認識について金融庁にお伺いします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正法案では、無登録業者による違法な暗号資産投資への勧誘を防止するために、無登録業に対する罰則を拘禁刑三年以下から十年以下への引上げ、無登録勧誘行為に対する一年以下の拘禁刑の創設、証券取引等監視委員会の犯則調査の対象への追加、裁判所による緊急差止め命令の対象とし、証券取引等監視委員会に申立て権限を整備、暗号資産取引業者の取り扱っていない暗号資産に関する無登録業者との売買契約を原則として無効とする民事効規定の導入といったような措置を講ずることとしております。
また、SNS等においてインフルエンサーが発行者等から報酬を受けたことを伏せた上で特定の暗号資産に関する好意的な投稿を行う事案が見られる等の指摘を踏まえまして、対価を受けてインターネットサイト等で暗号資産の取引判断に関する意見表示をする場合について、対価を受ける旨の表示を義務づける、いわゆるステルスマーケティング規制を導入することともしております。
さらに、今般の改正法案を踏まえた内閣府令事項としてではございますけれども、暗号資産が詐欺的な投資勧誘の支払い手段として利用されることを未然に防ぐために、暗号資産取引業者に対して、利用者が無登録業者のウォレットに暗号資産を移転する場合に、詐欺的事案の可能性に関する警告や移転目的の確認、取引モニタリングの適切な実施、新規口座開設直後及び新規ウォレット先への暗号資産の移転について一定の熟慮期間を設定すること等の対応も求めることも検討しております。
こうした一連の見直しは、御指摘のような不適切な行為に対しての一層の抑止力強化につながるものと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいた様々な方向性から、不正な取引であるとか、暗号資産だけでなくて、様々な金融商品に関わる投資詐欺といったものから投資者を保護するといった方向性になっていることは高く評価したいというふうに考えております。
ただ、今回の改正において、対価を受けて暗号資産に関する情報発信を行う、いわゆるステルスマーケティングの場合の対価受領義務というのを設けるということをおっしゃっていただきましたけれども、ステマの対価自体がそもそも暗号資産で振り込まれるとか、あるいは、その口座が海外にあるとか関連会社経由で入ってくるみたいな場合に、なかなか、表面上、広告宣伝であるということを把握しにくいと思うんですが、金融庁として、対価受領の有無というもの、あるいはそれが海外に口座があるようなケース、こういったものをどのように捕捉して実効的に監督、摘発していく予定なのか、お聞かせ願えますか。
○齋藤政府参考人 お答えいたします。
ただいま先生の方から、情報発信の対価が暗号資産や海外口座経由等で支払われる場合、捕捉が難しいのではないかという御指摘をいただきまして、これは大変重要なことだというふうに考えてございます。
私ども監視委員会の具体的な調査手法については、ちょっとお答えを差し控えさせていただきますが、ただいま先生に御指摘いただいた問題意識も踏まえて、金融庁や自主規制機関等とも連携しつつ、適切な調査等の実施に努めてまいる所存でございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
もちろん、具体的にこうやりますということは、手のうちを明かすとそこに対する防御を取られてしまいますので言えないとは思いますが、しっかりと監視の目を光らせていただいて、可能な限り漏れがないようにしていっていただきたいというふうに思います。
続いて、無登録業に対する罰則強化というのが入っていますけれども、証券取引等監視委員会による犯則調査の対象となるということがございますが、無登録業者との未公表暗号資産売買契約の原則無効措置というのもありますが、投資詐欺への抑止力には確かにこれはなると思います。一方で、無登録業者が、業者自体が海外に存在して、資金が暗号資産で移転される場合であるとか、そのようなケースでは、資金を追跡したり犯則調査をしたり、被害を回復すること自体が非常に困難になる可能性があると思います。
今回の改正では、外国当局からの協力要請に応じて対象事業者に対する出頭要請を可能とするという項目が入っていますが、これによって、証券監督者国際機構の強化版多国間覚書、EMMOUというものに日本も署名可能になる、このことによって、外国当局との連携を通じた調査、追跡、そして被害の回復にどのような実際の効果が期待できるんでしょうか。また、この当該業者が、例えば、日本では無登録だけれども海外では登録業者だった場合はどのようになるのか、ここについてお答え願えますでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正法案におきまして暗号資産取引に係る規制を金商法に移管することで、暗号資産取引についても、証券監督者国際機構、IOSCOの協議・協力及び情報交換に関する多国間覚書、MMOUの対象となります。これによりまして、日本で暗号資産取引業を無登録で行っている海外の者について、海外での登録の有無を問わず、海外当局との情報交換等を実施することが可能となります。
加えて、このIOSCOのEMMOU、強化された多国間覚書に署名することができますれば、海外居住者に対して、海外当局への出頭強制を行う調査の要請が可能となるところでございます。
これらによりまして、証券取引等監視委員会の調査等におきまして海外関係者の関与が疑われる不正取引の実態解明を行いやすくなり、被害発生の抑止力につながるものと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
海外で登録業であったとしても、日本で無登録業で、その人が日本人に対して勧誘を行ったらアウトであるという認識だと思いますので、しっかりと実効性を持って、海外当局と連携した上で、向こうの方に出頭を求めるということもできるようになると思いますので、しっかり活用していっていただきたいなというふうに思います。
続いて、いわゆるポンジ・スキームと言われる詐欺の形態がありますけれども、これは、新規の投資家から集めた資金を既存の投資家に対して見せかけの配当として横流しして利益が出ているように装うために、これが、状況が発覚したときには既に被害者に返す原資が残っていないということが多いと思います。
今回の罰則強化、あるいは様々な課徴金制度の見直しも入っていますが、こういったものによって徴収される罰金であるとか課徴金、こうしたものが被害者への弁済とか被害回復に充てられるような仕組みになっているんでしょうか。
そして、もし直接、それを単に政府とかに対して罰金として納めるだけで被害者には行かないよというケースの場合に、今回、無登録業者が行った暗号資産の売りつけ契約は原則無効とするというふうな民事効規定も入っていますが、この民事効規定に基づく賠償とこの罰金とか課徴金が重複した場合には、きちっと被害者に対する救済というものが優先されるのか、この点について大臣のお考えをお願いできますでしょうか。
○片山国務大臣 一般に罰金制度の意義というのは、犯罪に対する法律上の効果として行為者に科せられる一定の金額の剥奪、つまり制裁を内容とした処分であると承知をしております。
また、金商法上の課徴金制度の意義は、規制違反の抑止を図り、規制の実効性を確保するという行政目的達成のため、規制の違反者に対して金銭的負担を課するという行政上の措置でございます。
したがって、いずれの制度についても、その徴収した金銭を被害者の被害弁済等に充てるという仕組みではございません。
その上で、罰金や課徴金の請求権と民事上の損害賠償請求権や不当利得の返還請求権とが併存した場合において、いずれの債権が優先されるかについては、例えば、違反者に対して破産手続が開始されている場合には、罰金や課徴金の請求権は劣後して、民事上の損害賠償請求権や不当利得返還請求権に対する配当が優先されるものと承知をしております。
なお、一般論として、詐欺罪が成立したと判断され、犯罪被害財産を犯人から剥奪、没収、追徴ですね、をする刑事裁判が確定した場合には、被害回復給付金支給手続におきまして、犯人から剥奪した財産から被害者に被害回復給付金が支給されるケースもあり得るものと承知をしております。
いずれにせよ、金融庁としては、被害の未然防止の観点から、利用者に対して無登録業者との取引は高リスクである旨の注意喚起を十分に行い、J―FLEC等と連携して、提供する教材の改定等も通じ、金融リテラシー向上に向けた取組を強化、推進するとともに、今般の改正法案による無登録業者に対する対応策を活用して、無登録業者に対して厳格な対応を行うことによって利用者保護の強化に努めてまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
この罰金、課徴金というのは行政上の処分ということで、直接的に被害救済に充てるものではないにせよ、詐欺罪の成立であるとかあるいは破産手続となっている場合には救済に充てられる可能性が高いということで、もちろん、全くどこにも原資が残っていなかったらすぐに返ってこないとは思いますが、実質的な裏の支配者のボスみたいなのがバックにいて、そこに何か財産が隠し持たれているみたいなケースにはそういったことも可能なのかなと思いますので、しっかりと、まあもちろん、被害に遭わないようにしっかりリテラシーを向上していただいて、そして、無登録業者を使わないということがまず一番大事だと思いますが、もしもそれでもひっかかってしまったときには、可能な限り当事者が救済されるような方向に持っていっていただければありがたいかなというふうに思います。
続いて、今まさにリテラシーの向上であるとか無登録業者をいかに見分けるかという話、おっしゃっていただきましたけれども、一般の個人投資家が、自分が今目の前で相手にしている暗号資産取引業者が無登録なのかどうかというのを確認するには、金融庁の登録業者一覧とか警告書公表リストというのを確認することが重要だと思います。しかし、悪質な業者の中には、登録業者と誤認させるために、名称であるとか登録業者っぽいロゴあるいは広告表示を使ったりとか、所定の認定番号みたいなもの、偽物の番号を表示しているとか、そういったことをしてくるケースも考えられるかと思います。
一般の個人投資家がそういった悪質な無登録業者を見分けるために、金融庁としてはどのような情報提供、注意喚起を今後強化していく予定でしょうか。
○堀本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、金融庁においては、無登録の暗号資産交換業に対して、利用者保護、必要と認められる場合に警告を行い、警告した先の名称を公表しております。また、金融庁のウェブサイトやSNSにおいて、無登録者との取引は高リスクである旨の注意喚起を行っているほか、暗号資産交換業者あるいは自主規制機関であります日本暗号資産等取引業協会においては、実在する業者を偽装したケースや偽のロゴやサイトを使ったケースに関して注意を呼びかけております。
今後とも、引き続き、悪質な業者による暗号資産を使った金融詐欺被害を防止するために、こうした各業者や自主規制機関とも緊密に連携をいたしまして、こうした取組をより一層強力に進めてまいりたいというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
しっかり、そうした名前の公表であるとか情報提供、そして一般の方々が分かりやすいような表示方法というのを工夫していっていただきたいと思いますが、この暗号資産というものは、仕組みと、そして価格変動のリスクとか秘密鍵の管理とか、今言ってきたような詐欺的勧誘の見分け方などが、一般の消費者にとっては普通の商品と比べてなかなか仕組みが理解しにくかったりとか、いわゆる闇バイトの温床になったりとかというふうなこともあるかと思います。一方で、ブロックチェーン技術とかトークン化といったものには、将来の金融とか産業発展に多大な活用ができるといった可能性もたくさん秘めているものではあります。
なので、単に危ないから近づくなといったことではなくて、リスクと可能性を正しく理解できる金融リテラシー教育というものをしっかり普及していくことが重要だと考えますけれども、中学とか高校の段階を含めて、金融庁とJ―FLECというものがこういった金融リテラシー教育を担っていらっしゃると思いますが、ここと文部科学省との連携というのは今後どのように進めていく予定でしょうか。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
J―FLEC、金融経済教育推進機構では、全国の学校や企業などに講師派遣を行っておりまして、今後、J―FLECが提供する教材の内容を拡充いたしまして、暗号資産のリスクに加えて、特性についても取り上げていくこととしたいと思っております。
また、全国の学校におきまして講師派遣を御活用いただくため、金融庁とJ―FLEC、それから文部科学省が連携して、全国の学校現場に周知を行っております。具体的には、J―FLECで作成いたしました学習指導案の活用につきまして、文部科学省から全国の教育委員会などに事務連絡をして、その活用というのをお願いする事務連絡を出しております。
金融庁といたしましては、引き続き、文部科学省とも連携しながら、暗号資産取引も含めて、金融リテラシー向上に向けた必要な取組を推進してまいります。
○牧野委員 ありがとうございます。
これから、今まさに中学とか高校とかとなってくる方々は、いわゆるAIネイティブな世代で、こうした金融DXといったものも我々の世代よりもより身近に感じられるような、そういう方々だと思いますので、しっかりと正しい知識を持って活用していけるような、そういった教育の在り方というものを現場と一緒に考えていっていただきたいというふうに思います。
続きまして、暗号資産に関しては、北朝鮮などが外貨獲得を目的として国家ぐるみで流出を企図したサイバー攻撃を行うといった事案も発生しておりますが、近年、いわゆるクロード・ミュトスみたいな、脆弱性の発見とか攻撃コード作成に非常に高い能力を持つAIも登場していまして、攻撃側がAIを使う時代を前提にした防御体制というものが必要だと思います。
政府として、こうした高度なAIを、防御目的の脆弱性探知とかレッドチーム演習とか、あるいは、重要インフラ、金融システムの事前点検に活用していくという方針は掲げていらっしゃるというふうに認識していますけれども、実際、その活用といったものは既にある程度始まっているのかどうか、そしてまた、AIを防御に用いる場合の安全管理とかアクセス管理、民間AI企業との連携ルールというものをどのように整備していくお考えか、大臣のお考えをお願いいたします。
○片山国務大臣 サイバー攻撃の速度、規模が劇的に拡大するということで、金融業界においても、委員御指摘のような事案も含め、サイバーセキュリティーをめぐる脅威が急速に高まっていると認識しております。
金融庁は、これまでも、平時よりサイバーセキュリティーを強化する観点から、金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドラインに基づき、金融機関のサイバーリスク管理の有効性を検証してきたほか、サイバー攻撃への対応能力の向上のため、官民連携して金融業界横断的な演習を実施するなどの取組を行ってきておりますが、更に申し上げますと、加えて、フロンティアAIでステージが変わったということで、この脅威の変化を踏まえまして、AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対応強化に関する官民連携会議というのを四月二十四日に創設いたしました。
これは、四月のワシントンのG7で、米国の財務長官から、新たなものが出て、物すごく速い、しかも一瞬に発見したシステムの穴は七五%は当たっている、その残りの二十数%もせいぜい偽陽性であって陰性ではない、つまり、ひっかけるものを全部ひっかけているということですね、という発表がありまして、アメリカでもグラスウィングみたいなものをつくっているということだったので、帰国して直ちに呼びかけて組成いたしまして、その作業部会の方も五月から開催をして、金融業界と、当然ベンダーさんとかIT関係と組んでやっていらっしゃいますから、IT業界、それから、政府、日銀等関係者、政府のサイバーオフィサーも集めまして、全員一堂に会して、官民の連携強化を図るとともに、要請文を五月二十二日に出しまして、つまり、短期的に備えよという対応もすぐに出しまして、対応を促しているんですが。
加えまして、最近、アンソロピックのミュトスの方も、それからオープンAIのチャットGPT―5・5ですね、かなりフロンティアAIとして両方とも並び称されるものですが、我々と、それから金融界へのアクセスが可能になりましたので、早速、テストに向けて実務が立ち上がったところでございまして、こうした高性能AIは、当然、守る方のコーディングも作って、バッチも作って、物によってはバッチを当てるところまでできるものもあるということも聞いていますが。
そういう機能もあるわけだから、AIについてはAIで対応するしかないような状況になっておりますので、これは当然活用してサイバーセキュリティー対策に取り組んでいるということにならざるを得ないので、引き続き、金融がある程度突破口になっておりますが、新たに担当になられた松本大臣や、前からずっと連絡を取り合っております国家サイバー統括室、NCO、これらの金融機関全てと緊密に一体化して、しっかりと金融機関等に対して、最も適当かつ迅速な対応が取れるようにやってまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
しっかりAIを活用した防御というものを実効性を持って進めていただきたいと思うところでありますが、このミュトスもGPT―5・5も外国製でありますので、そこばかりに頼っていると、いわゆるデジタル赤字というものもどんどん拡大していきますから、可能であれば、いかにして国産でそういった優秀なものを作るかといったところにも政府を挙げて取り組んでいただきたいというふうに要望しておきます。
続きまして、サステーナビリティー情報開示について質問をしていきたいというふうに思います。
今回の改正では、一定のプライム市場上場企業に対して、サステーナビリティー開示基準に基づく情報開示と第三者保証を義務づけるということにしておりますが、いわゆるSSBJ基準に基づく温室効果ガス排出量の開示について、スコープ1、2、3というものが、先ほども質疑の中でありましたとおり、三つありますけれども、これに関して、どこまでの開示を義務づける予定で、特にスコープ3について、当初から義務化はすぐにはしないというふうに先ほど御答弁ございましたけれども、一定期間、海外の動向とある程度歩調を合わせるということも必要になってくるかと思いますが、その海外の動きと合わせてどのような経過措置を取っていく予定なのかについて教えていただけますでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
本改正法案では、一定のプライム市場上場企業に対し、一般に公正妥当と認められる基準に従った情報の開示を求めることとしており、下位法令において、一般に公正妥当と認められる基準として、サステナビリティ基準委員会、SSBJが策定した基準を指定する予定でございます。
このSSBJ基準では、投資家が中長期的な企業価値を評価できるよう、気候関連のリスク及び機会に係る将来の財務的影響や、そのリスク及び機会に対する企業の取組を理解する観点から、スコープ1、2、3の排出量の開示が求められております。
このうち、スコープ3排出量の開示をめぐっては、国際サステーナビリティー基準審議会、ISSBが策定したISSB基準上も、適用初年度におけるスコープ3排出量を開示しないことが許容されておりまして、国内のSSBJ基準においても同様の経過措置が設けられております。
また、ISSB基準では、基準の適用開始から一年間は、サステーナビリティー開示基準で開示が求められている事項を年次報告書の提出後に追完できるとする、いわゆる二段階開示の制度が設けられておりますけれども、我が国では、これを二年間と長めに適用することとしております。
このように、我が国では、国際的な動向も踏まえつつ、制度の円滑な導入に向けて十分な措置を講じておるところでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
当初、経過措置があるということではありますけれども、スコープ3の算定に当たっては、サプライチェーン上流の仕入れ先、そして、下請企業からデータの収集が必要となります。結果として、法的には上場企業に対する義務であっても、実務上は、中小企業とか地方の下請企業にまで、いろいろな、様々な現場での記録とか報告負担が転嫁されてしまって、増えるといったおそれがあると認識しますが、金融庁は、この中小企業への間接的な負担というものをどの程度あるというふうに見込んでいらっしゃるのか。
また、上場企業が取引先に過度なデータ提出を求めることを防ぐ仕組みとして、先ほどおっしゃったような、幾つか推定して算定していくような計算式みたいなものもあるというお話もございましたが、ここも含めて、実務上、中小企業がどれぐらいの実務負担が増えるおそれがあるというふうに認識していらっしゃいますでしょうか。
○井上政府参考人 御指摘いただきましたとおり、スコープ3の排出量の開示に当たっては、バリューチェーンの上流及び下流に属する企業、中小企業も含めまして、一定の負担が生じ得るものと承知しております。
もっとも、スコープ3排出量につきましては、先ほども御答弁させていただきましたけれども、時価総額五千億円以上のプライム市場上場企業の多くでは、自主的なものも含め、既に情報開示が進められつつあるものと承知しております。
加えまして、SSBJ基準では、適用初年度はスコープ3排出量を開示しないことが許容されていることや、合理的に利用可能な情報を考慮すればよく、情報の網羅的な探索までは求められていないこと、スコープ3排出量は、例えば、製品の輸送のための移動距離等の活動量に排出係数を乗じて見積りにより算定することを認められていること、これらを踏まえますと、合理的な方法での対応が可能な枠組みになっているかと思います。
金融庁としては、スコープ3排出量の算定方法を含む開示の好事例の収集、公表等も通じて、バリューチェーン上の企業、特に中小企業の御負担にも配慮した情報開示が進むように取り組んでまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
ある程度基準となる算定式みたいなものはあるとはいえ、事実上、中小企業の開示に伴う負担がさすがにゼロというわけにはいかないと思いますので、ここが現場を本当に圧迫してしまうということがないように、ただでさえ地方の中小企業は人材不足で非常に苦しんでいるところでありますから、しっかりと気をつけていただきたいというふうに思います。
このスコープ3の上流排出量を算定する場合において、輸入パーツあるいは海外原材料については、輸入元の国とか企業に十分な記録が存在しない場合、特に、輸入元の国自体がSSBJ基準に伴う情報開示に積極的でないようなケースなどは記録がないといったことになると思いますけれども、この場合に、企業は実測値じゃなくていわゆる推計値を使うことになると思います。先ほどからおっしゃっていただいたような様々な推計がありますが、どこまでこの推計というものを実際に認めるのか。本当にまさに推計だらけみたいな数字になってしまうと、推計だらけの数字に第三者保証をつけるということが投資家にとって本当に有益な情報になり得るのかどうか。ここについてのお考えをお願いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど来答弁させていただいているとおり、スコープ3排出量については、見積りにより算定することも認めることとしております。どの程度の推計が認められるかについては、企業の規模、特性により異なるものと考えておりますが、一般的には、見積りに使用する活動量、排出係数に関する情報、企業が置いた仮定等について、保証提供者等と協議しながら、その合理性や適切性を確認していくものと考えております。
もっとも、スコープ3排出量の保証につきましては、企業の開示プロセスの確立に時間を要すること等から、保証制度の適用開始時期から二年間は保証義務の対象外としているところでございます。
金融庁といたしましては、スコープ3排出量の算定方法を含む開示の好事例収集、公表等を通じて、企業の負担にも配慮した、規模、特性に応じた開示が進むよう促すとともに、保証制度の適用開始時期から三年目以降、これらを保証義務の対象とするかについては、企業負担、保証のニーズ、国際動向等も踏まえて引き続き検討してまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
実際の運用については今後詳細な検討に入っていくと思いますので、可能な限り現場の負担を増やさず、かつ投資家にとって意味がある数字になるようにしていく必要があると思います。
続きまして、下流の排出量について伺いたいんですが、自社製品の下流については、販売した製品、部品、素材、サービスが販売先でどう使われて、どの程度の排出につながったかを正確に把握することは事実上不可能だと思いますが、このように企業自身がコントロールできない下流排出量まで開示の対象に含める場合に、企業の責任範囲をどのように考えるのか。企業努力では改善できない数字によって企業の評価が左右されるといったことが本当に適切なのかどうかということについて、お考えをお願いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
SSBJ基準は、中長期的な企業価値の評価に資する情報として、将来の事業や財務に与える影響や、それを踏まえた上でのリスク管理の方法など、サステーナビリティー関連のリスク及び機会についての情報開示を求めております。
スコープ3排出量は、気候関連のリスク及び機会に対する企業の取組を理解するための指標の一つとして位置づけられるものですが、例えば、提供する製品を環境配慮型の製品に切り替えていただくことによりまして、バリューチェーンの下流における排出量の削減につなげることもできると考えております。
もっとも、御指摘いただきましたとおり、第三者から取得した情報や見積りによる情報について過度にその正確性を求めることは、企業負担と投資家のニーズのバランス上相当ではないというふうに考えておりまして、今般の改正法案においては、情報の合理性が確保されていると認められている場合には虚偽記載等の責任を問われないこととするセーフハーバールールも法定化しております。
金融庁といたしましては、スコープ3を含むサステーナビリティー情報が、情報の特性や企業規模、業態に応じた適切な評価がなされ、中長期的な企業価値の評価に資するものとなりますよう、開示の好事例の収集、公表等も通じて、周知等の取組を進めてまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
そこは、いわゆるセーフハーバールールというものが一定、企業努力ではどうにもならない数字について、ある程度ゆとりを持った範囲で見れるようになるといったことにはなるかと思いますが、そもそも、サステーナビリティー情報の開示義務化というものが一部の投資家にとって確かに必要な情報となる一方で、本質的に、その情報を開示させること自体、企業の現場の生産性とか、製品の品質、技術力とか、安全管理を直接的に高めるものではないというふうに認識します。むしろ、開示対応のために現場の人員とか時間が奪われて、安全とか品質管理あるいは研究開発といった本当に重要な部分が圧迫されてしまうリスクもあるかなというふうに考えます。
長年、日本ではいわゆるデフレ型のコストカット経営というものが続いてきて、そうした中で、いかにして現場の人員を少ない人員で回していくかという様々な工夫を企業がやっていった結果、どうしても現場にしわ寄せが生じて、その結果が、最近時々発覚している、いわゆる燃費データの改ざんとか、あるいは品質不正、安全管理部門の弱体化といったことにつながってきているのではないかなというふうに認識しています。ここで更にサステーナビリティー情報の開示ということで現場の記録負担を増やすということが日本の産業競争力にとって本当にプラスになるのか、金融庁としてこのリスクをどのように評価しているのか、大臣のお考えをお願いいたします。
○片山国務大臣 サステーナビリティー情報は、過去の情報を中心とする財務諸表からは把握することが困難な中長期的な企業価値を評価するための情報として、投資判断上、重要な情報であると考えております。これに加え、欧州を始めとした諸外国においてサステーナビリティー情報の開示の制度化が進んでいく中で、我が国を代表する企業が諸外国の企業と競争していく、その上でも、併せて考えると、それらの企業にとって、サステーナビリティー開示基準に基づく情報開示というのは、これは避けて通れない、そういうように判断をしているところでございます。
ただ、開示義務の適用対象となる企業ですとかその取引先等に対し過度な負担を強いることにならないように、例えば、見積りを用いた指標の算定等、合理的な開示を行うことは開示基準上も可能とされている、そういう事情でございまして、金融庁としても、こういった考え方に基づいて、それが実務に十分に浸透するように、好事例を収集して公表する等の取組も進めてまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
今回対象となるのは、プライム上場の中でも、最初は特に三兆円、そして最終的に時価総額で五千億円以上ということなので、本当に日本を代表するような企業ということになると、世界と同等、諸外国と同等の基準を設けるということは一定必要かとは思いますが、やはり大事なのは、大企業を支えている、裏にいる中小企業の現場、こういったところが本当に負荷増大にならないのか、そして、そこでのいろいろな、安全管理とか品質管理のところで負担が生じた結果、本当に大事なところで手が抜かれたりとか改ざんがされるといったことがないようにしっかりと気をつけていただきたいというふうに思います。
このサステーナビリティー情報の保証業務実施者については、企業のバリューチェーン全体に関わる情報に触れるということになりますけれども、この中には、企業秘密とか技術情報、取引先情報とか、あるいは原価構造に近い情報も含まれる可能性が高いと思います。ここに関しては一定、守秘義務が課されるというふうなルールにはなっていますけれども、保証業務実施者自体が外国資本の影響下にある場合とか、あるいは外為法でこの間扱ったようなリスクの高い外国投資家によって間接支配されている場合に、企業秘密とか技術情報が流出するリスクはないのかということを懸念しております。
実際、外為法では、サステーナビリティー情報の保証業務実施者というのはいわゆる指定業種には入っておりませんし、そうした観点からも、ほかの経済安全保障推進法とかサイバーセキュリティー政策との整合性というものをどのように取っていく予定なのかということについて、大臣のお考えをお願いいたします。
○片山国務大臣 このサステーナビリティー情報の第三者保証におきましては、企業秘密が適切に守られるとの前提の下、企業から保証業者に必要な情報提供がなされることで、その保証の質が確保される、そういうふうになると思います。
このため、この改正案では、保証の提供業者の役職員ですとか使用人に対しては、その職務に関して知り得た秘密は正当な理由なく第三者に漏らしてはならないとする秘密保持義務を課して、罰則規定も設けさせていただいております。
また、保証の提供業者に対しては、こうした秘密保持の実効性を担保する観点から、企業から入手した情報を適切に管理し、役員、使用人に秘密保持義務を遵守させるための体制整備を下位の法令等において求める予定でございます。
金融庁におきましては、こうした適切な情報管理を含めた業務管理体制について、保証の提供業者の登録時に適切に審査するとともに、登録後においてもしっかりと検査監督を行ってまいりたいと考えております。加えて、御指摘の経済安全保障、サイバーセキュリティー政策等につきましても、必要に応じて保証業務の提供者に対して政府の方針の周知徹底を図る等、適切に対応してまいります。
○牧野委員 ありがとうございます。
しっかりとそこで様々な技術情報とか安全保障上重要な情報が流出することがないようにしていただきたいというふうに思うんですが、一点、ちょっと念のため確認なんですけれども、保証業務実施者を認定するときにおいて、背後にある資本関係とかあるいは支配関係、こういったことについては注目はある程度していくという認識でよろしいんでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
保証業務の実施者におきましては、独立性の観点もございますので、株式等の保有関係については確認してまいることとなると思います。
○牧野委員 しっかり、背後にリスクの高い投資者がいないかどうか、チェックをしていっていただきたいというふうに思います。
時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、峰島侑也君。
○峰島委員 チームみらいの峰島侑也です。
本日も質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
まずは、今回の金商法改正、かなり大規模な改正となっておりまして、これを丁寧に進められてきた政府の方々に敬意を表したいというふうに思います。
一方で、今委員の方々からも御質問ありましたとおり、幾つかの点において、今後実行していく上でこういった点に是非気をつけていただきたいと思う点が幾つかございまして、そこに対する確認というところを中心に質問させていただきたいというふうに思っております。順番としましては、最初にサステーナビリティー開示に関する御質問をさせていただき、その後、スタートアップ投資、最後に暗号資産というこの三つを質問させていただければと思います。
まず、サステーナビリティー開示についてです。
今回の法案で、一定規模のプライム市場上場企業がSSBJ基準で情報開示を行っていくということが改めて法律に位置づけられるというふうに理解をしております。ただ、ほかの委員からも御指摘ありましたとおり、サステーナビリティー基準、この開示については、世界各国で一部開示が義務化されている一方で、その有効性について疑問を持っている投資家の方々もいらっしゃるというふうに理解をしております。
EYの調査においては、六六%の投資家が、今後、投資判断に占めるESGのウェートを下げていくというふうに回答していることもございますし、やはり周りの投資家の方に聞いてみても、いわゆる足切りとしてESG開示を見ているものの、それ自体で投資判断に至ることがないというふうにおっしゃられる方も多い印象を受けております。
また、EUの方でも、元々はこのESG開示、サステーナビリティー開示についてはフロンティアを走っていたというふうに理解をしておりますが、一方で、皆様御存じのように、直近、オムニバス法案によってその揺り戻しが起きているというような状況もございます。
そういった中で、今回、我が国の株式市場のプレゼンスを上げていこうという中でこの法案が上がってきているというふうに理解をしておりますが、世界トレンドが不透明な中で、具体的にどういった成果を目指した法改正なのかというところをまず明確にしたいというふうに考えております。
例えば、外国人投資家の日本株保有比率であったり、グローバル機関投資家による日本企業へのエンゲージメント係数、こういったものを見ていくということが一つ考えられ得るかなというふうに思いますが、本改正におけるサステーナビリティー開示の義務化は、具体的にどのような利益を日本の資本市場にもたらすものと捉えておりますでしょうか。また、この法改正以後、法改正の成否についてどのような指標で測られるとお考えでしょうか。御答弁をお願いできればと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
サステーナビリティー開示基準は、気候変動等が企業の将来の事業や財務に与える影響、それを踏まえた上でのリスク管理の方法等について企業に開示を求めております。こうした情報は、過去情報を中心とする財務諸表から把握することが困難な中長期的な企業価値の評価に資する情報であり、投資判断上、極めて重要な情報であるというふうに考えております。
生命保険協会が実施しましたアンケートによりますと、サステーナビリティーの論点について、企業との対話で効果を感じていると回答した投資家の割合は五〇%超、五三・八%ということで、投資家の過半がサステーナビリティー情報を重視しているということがうかがえるという情報もございます。
また、今般の制度では、企業負担に鑑みて、時価総額が一定金額以上のプライム市場上場企業のみを適用対象とした上で、時価総額の規模に応じて段階的に適用を開始することとし、あわせて、十分な経過措置を整備することとしております。
金融庁としては、企業が過度な開示負担を負うことなく、投資判断に有用な情報開示が行われることが重要と考えておりまして、これら制度上の対応に加えまして、開示やそれに関連する企業の取組についての好事例収集、公表等を通じて浸透を図ってまいります。また、継続的に、投資家に対するアンケート等も通じて、その効果を把握してまいりたいと思います。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。
まさしく今おっしゃっていただいたように、今後、ガイドライン等で、余り過度な開示を求めることがないように是非実行いただければというふうに期待をしております。
また、既に投資家の半数以上の方々が、実際の対話のときにこのサステーナビリティー開示が役に立っているというふうに回答しているところは認識するところですが、本来は、国が義務化をしてルールを設けるのではなく、投資家からの要請若しくは企業が自身の企業価値向上を目指して自主的にサステーナビリティー開示を行う、現状そのような形になっていると思いますが、それが資本市場にとっては望ましいことだというふうに考えております。
また、ほかの委員指摘のように、サステーナビリティー開示には一定の実務負担がかかってくることも事実です。そのため、グローバル投資家から注目度が高い大企業、特に今回、既に内閣府令において開示の対象になっている五千億円以上の会社については、開示をしていくということについてそこまで違和感は持っておりませんし、実際そういった会社さんは自主的に開示をしているところも多くあるというふうに理解をしております。しかし一方で、時価総額五千億円以下の会社について、今後検討となっておりますが、こういった比較的中規模の会社さんが今後どうなっていくのかというところについて非常に注目しているというふうに理解をしております。
こういった適用対象を現行案の時価総額五千億円以上から未満の企業まで拡大することにおいて、現時点でどの程度の必要性を認識されているんでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
サステーナビリティー開示基準に基づく情報開示の適用対象企業の範囲につきましては、外国人株主保有比率の高さ等にも鑑みまして、時価総額五千億円以上のプライム市場上場企業としたものでございます。特にこの範囲の企業に対しては、情報開示の充実を求める投資家のニーズが高いものと考えております。
他方で、我が国資本市場の公正性、透明性の一層の向上に向けて、サステーナビリティー開示基準に基づく情報開示と第三者保証の適用範囲をプライム市場上場企業全体に広げていくことも重要な検討課題であるというふうに認識しております。
もっとも、サステーナビリティー開示基準に基づく情報開示と第三者保証への取組状況については企業によって差異があり得ますので、時価総額五千億円未満のプライム市場上場企業への適用範囲の拡大につきましては、これらの企業の開示状況ですとかあるいは投資家のニーズ等も踏まえまして、引き続き検討してまいりたいと思います。
○峰島委員 ありがとうございます。
まさしく、なし崩し的に五千億円未満まで拡大されるのではなく、実際に投資家のニーズであるとか開示の状況を是非見ていただいて、その際に判断していただけることを期待しております。
また、続く質問が、中小企業における実質的な開示負担というところですが、ほかの委員からも多く指摘があり、私自身もその答弁をお伺いしまして理解したところではあるので、質疑自体は飛ばさせていただこうかとは思うものの、私自身も、サプライチェーン上の中小企業の方々に実際的な開示の負担が及ぶことを懸念しております。
これまでは、既に開示されているような会社でも見積り等で対応されているケースが多いということだとは理解しておりますが、改めて法律に位置づけられる、また第三者保証が入ってくる、そういった中で、今後どのようにその傾向が変化してくるかというところも十分に透明ではないというふうに理解しております。こういったところが過度に負担が大きくならないように、是非ガイドライン等で道筋を示していただければというふうに期待しております。
そういたしましたら、次に、スタートアップ投資の点について御質問させていただければと思います。
実は、元々、このスタートアップ投資で、五十名以上で私募で資金調達する際、有価証券届出書の基準というのを一億円から五億円に上げるというところで、説明を聞いた当初は、私自身はこれについてどうなんだろうなと思うところはありました。実際に、プロ投資家じゃない方に私募をして、それで五億円集めるという事例がどれぐらいあるんだろうかというところは疑問に感じるところではあったんですが、実際に周りのスタートアップに関わられる方々に聞いていると、直近、起業家がやはり増えてきているという中で、自らのビジネスを売却した後に投資家に回り、そういった方々から比較的大規模な資金調達をするケースというのが増えてきているという中で、このような法改正というのは一定スタートアップを促進するという意味において意味があるものだというふうに現在理解をしております。
このように、起業家が次の起業家を育成していくというプロセスは望ましいものだというふうに感じておりますが、しかし一方、だからこそ、不整合を感じている部分、これは前回の一般質疑でも質問させていただきましたが、ミニマムタックスの部分について疑問を感じております。
こちら、税の公平性の観点から、配当金などで毎年安定的に高い所得を得る方について追加的な負担をお願いするというところについては一定理解はしておりますが、やはり起業家の方々、起業してから低収入の方、無収入の方も多くいらっしゃって、その中のほんの一部の方が実際自分の会社の株式を売却するに至る、そういった人生で一度ないしは本当に数少ない株式譲渡益を得る際にもミニマムタックスが適用されるということが、本当に今の日本のスタートアップ振興の方向性と合致しているのかというところは引き続き疑問を持っております。
当然、今、エンジェル税制等もありますが、再投資期間も限られた年数ですし、また、控除を受けるために再投資期間に会社を見つけて投資をするというのは、それが本当に健全なのかという議論もあるかとは思います。
そういったところで、起業家が今後ほかの企業に対する投資家となり得る環境を整備する意味でも、こういったスタートアップが、起業家が御自身の会社の株式を譲渡した場合に、無税とまではいかないかもしれませんが、自身の譲渡益についてはミニマムタックスの対象外とするような、日本版QSBSを導入する必要性があると考えていますが、改めて、ここに対する政府の御見解をお伺いしたいと思っております。
○三反園大臣政務官 お答え申し上げます。
極めて高い所得に対する負担の適正化措置につきましては、株式の譲渡所得等が分離課税とされているために、こうした所得が多い高所得者層について所得税の負担率が低下する、いわゆる一億円の壁が課題といった中で、税負担の公平性を確保するために、令和八年度税制改正において見直しが行われたものであります。
他方、御指摘のとおり、我が国の成長力を底上げする観点から、スタートアップ振興は大変重要と考えております。そのために、税制の面でも、令和五年度税制改正におきまして、株式の売却益を特にリスクが高く資金が集まりにくいスタートアップへの再投資や自己資金による創業に充てる場合には、二十億円までその売却益を非課税とするという措置を既に講じているところであります。
いずれにしましても、本措置の適用状況や税負担の在り方の状況につきましては、今後も適切にフォローしていくとともに、所得再分配機能の確保といった観念も含め、税制の在り方につきましては不断に検討してまいりたいと考えております。
なお、政府といたしましては、先日、日本成長戦略会議の分科会におきまして、スタートアップ政策を抜本強化するため、スタートアップ総力創出パッケージが取りまとめられたものと承知しておりまして、様々な政策ツールを使いながらスタートアップへの支援に取り組んでまいりたいと考えております。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。
ミニマムタックスの部分も税負担の公平性というところではありますが、今回、結果を見て、所得が一定以上高い方々に対して課税をするというものではありますが、まずは、実態、どのような方々がその対象になるのか、例えば、その中でスタートアップの起業家がどの程度いるのかという調査については、これは必要なことだと思いますので、是非政府に進めていただきたいというふうに考えておりますし、先ほど言及がありましたとおり、スタートアップ振興施策を抜本的に強化していくという中でディープテック等も言及されていたと思いますが、よりグローバルでの人材獲得競争というところも重要になってくると理解をしております。今回のサステーナビリティー開示もそうですが、グローバルと比較したときに税負担がどうあるべきなのかという観点でも、是非、こちらのスタートアップにおける税負担というところは御検討いただければというふうに考えております。
そういたしましたら、最後に、暗号資産について御質問をさせていただきたいと思います。
今回、暗号資産が金融商品として位置づけられ、インサイダー取引規制であるとかステルスマーケティング規制、こういったものが入ることによって、より多くの投資家の方々が安心して参加できる市場になるという方向性について支持をしております。また、暗号資産市場の健全性というのは、日本の資本市場全体のプレゼンス向上にも資するものだというふうに考えております。
しかし、規制を設けることと、それを実際に機能させることというところにはかなり大きなギャップがあるというふうに理解をしております。特に、インサイダー取引であるとかステルスマーケティングというのは、従来の証券市場とはかなり異なる規制の執行が必要になるというふうに考えております。
特にインサイダー取引については、従来の株式市場では、重要事実の伝達経路というところが比較的特定しやすいということがあったと思いますが、暗号資産では、ディスコードやテレグラムといったような非公開グループ、あるいはウォレットのアドレスのやり取りを通じて流通をするため、誰が、いつ、何をしていたかということを特定するというのにはかなり困難がつきまとうというふうに考えております。
また、ステルスマーケティングにつきましても、今回、大量保有者というところも対象になっていく中で、じゃ、どういった発言であるとかどういった情報発信がそれに当たるのかというところは、より明確に示していくことが投資家保護にもつながっていくというふうに考えております。
そこで、お伺いしたいと思います。
インサイダー取引規制やステルスマーケティング規制について、実際の取締りはどのような手法、体制で行われるのか。先ほど、完璧に話すことが難しいという話でありましたが、またおっしゃれる範囲でそこについて教えていただければと思うのと、また、その実効性をどのように担保していくおつもりなのか、この点について御答弁をお願いいたします。
○齋藤政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、暗号資産というものは、有価証券取引とは似ている部分もありますけれども、相違している部分、それなりにあるというふうに認識をいたしております。そのようなことを踏まえて、暗号資産に関する利用者保護の観点から、インサイダー取引やステルスマーケティング等の不公正な行為に関して、的確、適切な監視を行うことが極めて重要であるというふうに認識をいたしております。
当委員会といたしましては、先ほど申し上げたとおり、大変恐縮ではございますけれども、具体的な調査手法についてのお答えは差し控えさせていただきますが、暗号資産に関する知見を有する金融庁や自主規制機関等とも連携しつつ、適切な体制整備に努めて、金融商品取引法上の法令違反に該当する事実が疑われる場合には厳正に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○峰島委員 ありがとうございます。
こちら、取締りの方法については開示する必要はないかとは思いますが、実際に暗号資産に関わる方々が安心して取り組めるように、ある程度のガイドラインというのはあるべきかなというふうに考えておりますので、是非、今後、検討をお願いできればというふうに思います。
また、事業者の方々からは、今後、内閣府令で定まる責任準備金の積立水準がどの程度になるかという点を懸念されている方が多いというふうに認識をしております。この責任準備金の積立水準を定めるに当たって、例えば管理する暗号資産の残高であったりとかセキュリティーの水準、そういったところを勘案しながら積立率を定めるということもあり得るかと思いますが、具体的に、今後、どのようなリスク特性や要素を勘案して決定するのか。そういったところが分かると、事業者の方としてもより取り組みやすいということもあると思うので、是非、今おっしゃれる範囲でおっしゃっていただければと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正法案では、ホットウォレットで管理する利用者の暗号資産に対して、流出時の補填に資するための同種同量の履行保証暗号資産を保持すること、これに加えまして、昨年十二月の金融審議会のワーキンググループの報告書の提言を受け、暗号資産取引業者がコールドウォレット等で管理する暗号資産がハッキング等で流出した際に顧客への補償を適切に行うための備えとして、責任準備金を積み立てることとしております。
当該報告書においては、その水準について、暗号資産取引業者にとって過度な負担にならないよう配意しつつ、過去の流出事案の発生状況やセキュリティー水準等を踏まえて検討すべきとされております。
具体的な積立ての水準については、下位法令で定めることとしているため、現時点においてはこれ以上詳細には申し上げられませんけれども、金融庁といたしましては、各暗号資産取引業者における預託を受けている暗号資産の規模やセキュリティー水準等を踏まえながら、継続的に積立てを行うことを求めていくことになると考えております。
○峰島委員 答弁ありがとうございます。
質疑の持ち時間が過ぎてしまいましたので簡潔に済ませますが、それ以外にも、今回、インタビューを行ったところ、やはり、海外事業者に違反があった場合にそれを適切に取り締まれるのか、国内のユーザーが海外事業者に流れてしまわないのかというところを懸念する声は、事業者さんからも、また一般のユーザーの方からも指摘がございましたので、そういった点についても、今後、是非御議論させていただければと思います。
私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、河村たかし君。
○河村委員 減税こども、河村たかし、今日も一分のところを十分、サンキュー・ベリー・マッチということでございます。
まず一つ、片山大臣に、根本的な問題ですけれども、今回の、暗号資産等のビジネスを進めるというか、世界の技術革新に遅れぬようにとやっていくわけですけれども、何遍も言っていますけれども、日本は、マイナンバーとかマイナンバーカードとか、とんでもないことをやっておって、マイナンバーカードなんか、今度、強制的に持たせるようにするという、まあ元々そういう意図でやっておるんですけれども、ことがありまして、それで、今回の暗号資産の譲渡所得、これを二割の、源泉じゃないけれども、申告にする、申告納税、分離課税ですね。分離課税を何でやるかといったら、やはり経済を進めるためにあるわけですよ。それで金はもうけてちょうと、それはそれで。それで金融をようけ回るようにして、産業が育つようにというふうでやっておるわけ。それはそれで、そういう要望もあるようですからええと思いますけれども。
一方で、マイナンバーで、みんな、お客さんにマイナンバーを言わせるわけでしょう、全部。書かせるわけでしょう、全部。マイナンバーの考え方というのは、いわゆる総合課税で、全部、皆さんの、国民のやろうとしておるお金の関係、だけじゃないけれども、健康だとか、まあむちゃくちゃですけれども、社会主義ですわ、早いこと言うと。時代に明らかに逆行しておるんです、これは。それを取り締まろうという考え。
だから、今回の二割の分離課税にすることとマイナンバーを進めていこうという国の流れは明らかに矛盾しておるんじゃないですか、片山大臣。
○片山国務大臣 まず、暗号資産取引につきましては、マイナンバー、これは分離課税ですから必要になります。マイナンバーの将来的な活用方法がどうなるかというお話も伺ったんですが、これにつきましては、まだ何も決まっていないから、お答えのしようがないんですけれども。
それから、暗号資産取引に関わって今回、法改正で規制を見直しておりますが、この趣旨としては、利用者保護を通じて健全なイノベーションとか、先ほど委員がおっしゃったように、国際的に暗号資産がグローバルに取引されていること、これを考えると国際性、さらに、暗号資産に関連した技術、クリプトですよね、それから、ビジネスが変化の非常に速い分野であるということを踏まえて、規制に柔軟性を持つことといったような観点も重要であると考えて、こうした観点を今回の改正法案において、既存の金商法をそのまま適用ではなくて、こういった暗号資産特有の性質に配慮した規制内容を検討してまいって、このように出させていただいているわけでございます。
ですから、一概に、ちょっと私も委員のおっしゃっている御趣旨を正しく理解していないかもしれませんが、マイナンバーで情報把握をするということとの間で、別に特段の背反性とか二律背反性が見受けられるようには思えないわけですけれども、こういった暗号資産を投資対象にする以上は、詐欺的な投資勧誘等がこれ以上生じないようにしなきゃいけないし、サイバーセキュリティーの確保もしなきゃいけないし、そういった趣旨での立法でございまして、利用者保護の充実を図って取引環境を健全に整備するということでございますし、さらに、市場も活性化し、デジタルエコノミーの方も健全に発展する、こういうことにはつながるのではないかと考えております。
○河村委員 そんなことばかり言っておってね。とにかく商売を管理しない世の中をつくらないと。残念ながら、情報通信の方は特にですけれども、GAFAといいますか、そういうところに負けつつあるというか、AIなんか特にひどいじゃないですか、今。割と二つばかり大きい会社があるようですけれども。余り下請だと言うと感じ悪いけれども、そうなっちゃった、産業が。
それは何でかというと、今あんたが言っておったように、あんたと言って失礼いたしました、大臣が言われたように、国の本体が管理主義に向かっておるんだもの。そこに総務省の方もみえますけれども、本当に。こんな、財政法四条、地財法五条で全体の金を全部役人が取り仕切って、それではいかぬよと。理解してもらわないかぬ、それは本当に、大臣がまず。商売の方を管理しないように、そこをまず自由にやらせて、そこからいろいろな産業が生まれてくるというのは当たり前じゃないですか。
それから、もう一個。名古屋でちょっとやろうとしたんですけれども、例えば、プレミアムつき商品券とかありますわね、その分、何かを、これは融資とはちょっと、直接じゃないけれども、名古屋市でやっていくと言ったったんだ、新しい通貨でやったらどうだ、三割なら三割と言っておったんだけれども、これはどうも金融庁がいかぬと言ったような感じがしますね、総務省じゃなしに。
この辺は、仮にやるとしたら、片山さんでええかな、大臣だで。どこかの自治体が、それでは、この仮想通貨、これでいろいろなプレミアム分を払ったりとか、要は買物を楽しくするということですわ、そういうことで。そういう工夫はやってもええんかね。
○片山国務大臣 私は二〇一八、二〇一九と地方創生大臣でございまして、そのときにもう既に、いろいろな形で、委員が今おっしゃったプレミアム商品券とかそれに類するものを、国の方から交付金を出して、自治体の選択で、自治体の中で買物が増えるような形でやってみようということで、地域通貨に近いようなものをお出しになって、その原資はもちろんそういった交付金、補助金を活用してなんですが、地域のお店が非常に広く利用していらっしゃる信用金庫や地方銀行や信用組合のところにお勘定をつくって、地域コインで決済をしていただくような形を取って、ポイント還元とか、そういうことでやっておられました。
木更津の「らづ」とか、あるいは、岐阜だったと思いますが、さるぼぼコインとか、その中にはブロックチェーン型の技術を使ったものもございましたので……(河村委員「それを暗号資産でやってええかということ」と呼ぶ)ブロックチェーン型なので暗号資産には近いものだったと思いますが、暗号資産の設計にもいろいろなものがあるので、委員が今イメージしていらっしゃるものがどういうものか私はよく分からないので、全く同じかどうか分かりませんが、今までのような単純な振り込みではなくて、ある意味でそういった技術を活用したものではあったと思います。
○河村委員 今のような地域通貨みたいなのを暗号資産でやってええかということが聞きたかったんだけれども、その返事はないと、すぐには分からぬと。商売をやったことのない人ばかりなもんだで、そう分からぬですわ。
ということと、最後に、それじゃ、今、英語にすりゃええという問題じゃないんだけれども、サステーナビリティー情報の開示ということで、これは冒頭に気候変動が来るんだよ、気候変動に関する情報を、これで。また、今は、アメリカもそうだけれどもヨーロッパもCO2が悪人みたいなもんで、地球温暖化は間違っておったんじゃないかと。私も、誰も褒めてもらえへんけれども、ノンカーボンシティー宣言を行わなかった大都市は名古屋だけですから。あかん、そんなものはと言いましたけれども。またそこでお上が、役人が誘導するんじゃないかね。どういうことで地球温暖化対策をやっておるかということを大企業に、上場会社を中心として誘導していって、今も出ておるけれども、サプライチェーンのところもそれをやれよというふうに誘導する危険性というか、誘導するんじゃないのと質問します。
○片山国務大臣 サステーナビリティーの情報開示は、欧州において、適用対象企業の範囲ですとか開示事項を縮小させる制度改正が行われてはいるものの、まだ国際的なベースラインとなる開示基準を上回る水準の開示が求められておりまして、米国では、連邦政府では、気候変動開示規則の撤回に向けた手続が取られておりますが、カリフォルニア州では開示を義務づける法律が適用済みといった、確かに海外いろいろございます。
他方、私の記憶では、私が地方創生大臣のときに、名古屋市もSDGs未来都市になられていて、愛知県もなられていて、非常に前向きな河村市長の下で、SDGs、サステーナブルな施策がいろいろと展開をされておられたというふうに承知もしておりますけれども。
今回の制度案においては、いずれにしても、適用対象企業がプライム市場上場の三百社に限定しておりますし、それは愛知、名古屋をベースとする会社もありますけれども、全体、日本で三百社程度でございますので、国際的なベースラインとなる開示基準に近づく開示を求めるというのは、これは競争上もあり得るというか、そういうことだろうという判断でやりましたし、当初の間は第三者保証の義務化の範囲も限定しており、十分な経過措置も整備しておりますので、バランスが取れたものだと、委員が御懸念のようなことには及ばないのではないかと私どもでは考えております。
○河村委員 じゃ、これで終わりますが、SDGsとノーカーボンシティー宣言とはちょっと違うので、ほんだで、今言ったような、そういうふうにならぬのではないかと言っておりますけれども、世の中の大きな流れに取り残されぬように、本当に。責任ある役人財政じゃないか、やっておるのは、そういうふうに思いますね。
ということでございまして、よろしくお願いします。サンキュー・ベリー・マッチ。
○武村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○武村委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○武村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○武村委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、若林健太君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。牧野俊一君。
○牧野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 本法による暗号資産取引の投資者保護の強化とそれを前提とした暗号資産の譲渡による所得の申告分離課税の対象化が国として暗号資産投資にお墨付きを与える意図ではないことについて、国民に対して十分な周知を行うとともに、本法による規制及び申告分離課税の対象が暗号資産取引の一部にとどまり、規制の及ばない暗号資産取引が引き続き存在することについて国民の理解促進に努め、国民の暗号資産取引に係る金融リテラシー向上に努めること。
二 暗号資産の大部分には裏付け資産が無いという商品特性を踏まえ、暗号資産取引業者が適合性原則の遵守の実効性を確保できるよう、自主規制機関と連携したガイドライン等の整備を通じて、利用者がリスクを十分に理解した上でリスク負担能力の範囲内で取引を行える環境の確保に努めること。
三 無登録業者による詐欺的被害から国民の財産を守るため、金融庁と警察庁の連携を一層強化するとともに、国民に対する十分な啓発に努めること。加えて、新たに措置される証券取引等監視委員会の犯則調査対象拡大及び裁判所への緊急差止命令の申立てに係る体制整備に努めること。
四 本法による暗号資産及び有価証券の不公正取引規制並びに無登録業者に対する対応措置の実効性を確保するため、証券取引等監視委員会における高度化システム投資等を通じた体制強化を進めるとともに、特に暗号資産取引において同委員会と業界との連携の強化に努めること。
五 本法で措置されるスタートアップ企業のIPOまでの資金供給を円滑にするための措置に加え、M&A及びMBOに係る資金供給を促進するための環境整備について更なる検討を行い、必要に応じた措置を講ずること。
六 時価総額五千億円未満のプライム市場上場企業への適用拡大を検討するに当たっては、企業の開示状況や投資家のニーズ等を踏まえて慎重に検討すること。
七 欧州連合のオムニバス指令等、国際的な開示制度における緩和及び簡素化の動向を注視し、我が国の制度が国際水準と比較して過度な負担とならないよう、適用対象・開示項目、第三者保証制度の範囲及び水準等の在り方について、不断の見直しを行うこと。
八 将来情報及びスコープ3等に係るセーフハーバー・ルールの適用範囲を予見可能な形で明確化し、法的安定性を確保する観点からその運用状況を検証の上、必要に応じ課徴金納付命令の免責範囲を含めた対応を検討すること。
九 スコープ3開示及び検討課題とされるその保証制度の導入に伴い、バリューチェーンに含まれる他社のうち特に中小企業等に過度な負担が転嫁されないよう、データ要求の適正化及び合理的な推定値の活用を周知するとともに、中小企業等に取引上の不利益が生じないよう、関係省庁が連携すること。
十 特定非財務情報監査証明業者が企業のバリューチェーン全体にわたる情報に接し得ることに鑑み、当該監査証明業者を通じて企業秘密、技術情報、取引先情報を含む業務上知り得た秘密その他の重要情報が流出することのないよう、特定非財務情報監査証明業者の登録及び監督に当たっては、その業務管理体制及び情報管理体制の適切性を確認するとともに、必要に応じ、資本関係、実質的支配関係その他の支配・影響関係についても十分留意すること。また、将来的に認定特定非財務情報監査証明業協会を通じた監督・規律の枠組みを活用する場合には、利益相反、監督の形骸化、業界団体による参入障壁化等が生じることのないよう、透明性・公正性を確保した適切な運用に努めること。
十一 地方財務局は、多様化する金融取引に対する利用者保護や、小中高校生を中心にした金融教育などを各地で展開しているが、本法改正等による厳格な監督や、近年の金融機関からの法令照会や許認可業務の増加などに対応するため、機構定員を含めた体制整備を着実に進めること。
十二 本法附則第九十二条の検討に当たっては、デジタル技術の進展スピードが極めて速いことや暗号資産に係る国際的な制度整備が流動的である状況を踏まえ、本法施行後五年を待たず、本法による改正後の各法律の施行の状況等を勘案し、必要に応じて制度の見直しを検討すること。
以上であります。
何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○武村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○武村委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣片山さつき君。
○片山国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
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○武村委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○武村委員長 次回は、来る十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時四十三分散会

