第3号 令和8年4月15日(水曜日)
令和八年四月十五日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 大串 正樹君
理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君
理事 鬼木 誠君 理事 勝目 康君
理事 古賀 篤君 理事 浜地 雅一君
理事 伊東 信久君 理事 浅野 哲君
上野 宏史君 衛藤 博昭君
岡本 康宏君 尾花 瑛仁君
鹿嶋 祐介君 加藤 貴弘君
金澤 結衣君 草間 剛君
栗原 渉君 斉藤 りえ君
繁本 護君 高階恵美子君
田野瀬太道君 田畑 裕明君
田宮 寿人君 田村 憲久君
橋本 岳君 東田 淳平君
藤田 誠君 藤田 洋司君
文月 涼君 丸尾なつ子君
丸田康一郎君 吉村 悠君
渡辺 勝幸君 輿水 恵一君
沼崎 満子君 早稲田ゆき君
阿部 圭史君 梅村 聡君
岡野 純子君 日野紗里亜君
豊田真由子君 土橋 章宏君
古川あおい君 辰巳孝太郎君
…………………………………
厚生労働大臣 上野賢一郎君
内閣府副大臣 津島 淳君
厚生労働副大臣 仁木 博文君
厚生労働大臣政務官 栗原 渉君
経済産業大臣政務官 越智 俊之君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 竹林 悟史君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 水田 功君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官) 森 真弘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房年金管理審議官) 三好 圭君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 森光 敬子君
政府参考人
(厚生労働省健康・生活衛生局長) 大坪 寛子君
政府参考人
(厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長) 鷲見 学君
政府参考人
(厚生労働省医薬局長) 宮本 直樹君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局長) 村山 誠君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 野村 知司君
政府参考人
(厚生労働省保険局長) 間 隆一郎君
政府参考人
(厚生労働省政策統括官) 辺見 聡君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 畑田 浩之君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官) 江澤 正名君
政府参考人
(中小企業庁経営支援部長) 山崎 琢矢君
厚生労働委員会専門員 森 恭子君
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委員の異動
四月十五日
辞任 補欠選任
草間 剛君 鹿嶋 祐介君
吉村 悠君 東田 淳平君
山本 香苗君 輿水 恵一君
古川あおい君 土橋 章宏君
同日
辞任 補欠選任
鹿嶋 祐介君 渡辺 勝幸君
東田 淳平君 吉村 悠君
輿水 恵一君 山本 香苗君
土橋 章宏君 古川あおい君
同日
辞任 補欠選任
渡辺 勝幸君 文月 涼君
同日
辞任 補欠選任
文月 涼君 草間 剛君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)
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○大串委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人としてこども家庭庁長官官房審議官竹林悟史君、長官官房審議官水田功君、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官森真弘君、大臣官房年金管理審議官三好圭君、医政局長森光敬子君、健康・生活衛生局長大坪寛子君、健康・生活衛生局感染症対策部長鷲見学君、医薬局長宮本直樹君、職業安定局長村山誠君、社会・援護局障害保健福祉部長野村知司君、保険局長間隆一郎君、政策統括官辺見聡君、経済産業省大臣官房審議官畑田浩之君、商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官江澤正名君、中小企業庁経営支援部長山崎琢矢君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○大串委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。勝目康君。
○勝目委員 おはようございます。自由民主党、京都一区選出の衆議院議員、勝目康でございます。
健康保険法等の一部を改正する法律案、本日より委員会審議スタートということで、そのトップバッターとして質問をさせていただきます。この機会を頂戴いたしました御関係全ての皆様に、心より感謝を申し上げたいと思います。
本日、私からは、OTC類似薬に係る薬剤自己負担の見直し、それから出産費用の負担軽減について質問をいたしたいと思います。
私ごとながら、OTC類似薬の関係につきましては、日本維新の会さんとの連立合意に基づく自民、維新の社会保障協議体、こちらで検討を重ねてきたわけでありますけれども、その際、委員の一人としてこの議論に参画をしてまいりました。
また、出産費用の負担軽減につきましては、いわゆる分娩議連、正式名称は、地域で安心して分娩できる医療施設の存続を目指す議員連盟でありますけれども、こちらの方で事務局長を務め、また他方で、出産費用等の負担軽減を進める議員連盟にも籍を置いているということで、今般の法改正を、お産の体制はしっかりと確保をしながら出産に係る負担軽減を図る、この両立を実現しなければならない、そのように考えております。
いずれの課題につきましても、今般の法改正はあくまで枠組みをつくるものであって、より具体的な内容は今後決定されるものだということだと思いますけれども、ただ、いずれも、当事者の皆さんは大変な不安を抱いているというのもまたこれは事実でありますので、是非、その不安を少しでも払拭できるような、そういう御答弁をお願いしたいというふうに思います。
なお、これら以外の項目につきましては、同僚議員の方から質問をさせていただきます。
では、まず、OTCの関係でありますけれども、少子高齢化が進展をする中で、社会保障制度の持続可能性確保のための改革、これは待ったなしであります。支え手の中核であります現役世代、この保険料負担がもう限界だという声、多く聞かれるところでございます。ここを制御していかなければ社会保障がもういよいよ成り立たないというところまで来ている、こういう危機感がございます。
他方で、一方的な医療費の削減ということになると、これは医療提供体制そのものを揺るがすことになって、結局は、例えば親世代のケアを現役世代自身が担う、いわばケアラー化してしまうということにもつながりかねないものであります。また、当然、現役世代自身が病気やけがで医療を受けることもあり得るわけでありまして、ここでの負担が大き過ぎると、仕事と両立をして頑張っていこうという現役世代の夢、希望、可能性を打ち砕いてしまうということにもなってしまうわけであります。
こうした場合、結局、給付の削減で保険制度がいっとき保たれたとしても、必要な医療サービスを受けられないじゃないかということになれば、それはそのような保険に入る人はいなくなってしまうわけでありまして、そうすると、国民の安心の基盤が根底から覆ってしまう、こういうことになるんだろうと思っております。
なので、社会保障改革の議論におきましては、やはり金目の話だけをしていたのは駄目で、常に患者目線、国民目線から見てどういう社会的な影響があるのかということをしっかり見極めながら判断をしていかなくてはならない。そして、それこそが政治の責任だというふうに考えております。
このOTC類似薬につきましては、維新さんとの累次の協議を重ねてきて、その過程ではいろいろな議論がございましたけれども、最終的には、こういう財政面での効果のみならず、社会へのインパクト、それを見極めながら改革を進めるべきだ、この認識を共有をして、今回の法案提出に至る最終案としてまとまったということだと理解をしております。
あわせまして、そもそも公的医療保険というものは医療全体のどこをカバーすべきなのかという議論からもこの問題を捉える必要があるというふうに考えております。保険という仕組みの性質上、可能性が高くて小さいリスク、これは保険外のセルフメディケーションで、つまりはOTC医薬品での療養ということになりますけれども、可能性は低いけれども大きいリスクというのは保険で見ましょう、これが基本になるんだろうと思っております。
例えば、令和八年度の税制改正では、スイッチOTCについて適用期限が撤廃されるなど、セルフメディケーション税制の充実が図られているところでございます。
ここで、OTC医薬品でも代替可能なのであれば、医療用医薬品の保険給付範囲についても、公平性の観点から、一定、見直していいんじゃないかというのが今般の法改正の前提となる考え方なんだろうというふうに思っております。
ただ、冒頭申し上げましたとおり、今回の法改正というのはあくまで枠組みが定められただけということであります。具体的な対象医薬品、あるいは適用除外となるケースについては今後の検討に委ねられております。
現在分かっていることは、OTC医薬品と成分や投与経路が同じで、一日最大用量が異ならない七十七成分、千百品目が機械的に抽出をされており、これらが対象となる可能性があるんだということ、それから、子供、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が医療上必要と考える方等に対しては、これは線引きの際、配慮するとされていること、この二点でございます。
ここで、例えば、慢性疾患のうち、対象となるものとならないもの、この線引きについてはどう考えるのか。そもそも、患者や症状によって対象になる、ならないが決まるというのは、予見性が低くなってしまうんじゃないか、結果として、所期の目的とした行動変容以上に過剰な受診抑制につながってしまうんじゃないか、こんな不安あるいは懸念といったものも出てきているところでございます。
成分、用法、用量、効能、効果、これが同じもので軽症にも過剰に処方されている、それは当然見直さないといけないわけですけれども、そうでないものの線引き、具体的にどうするのか、こういうところを考えないといけないわけであります。
その中で、例えば、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患ですとか、あるいはアレルギー性の疾患などの患者さんからは、自らの負担がとても増えることになるんじゃないか、こんな不安を抱かれている方もいらっしゃいます。
現時点で可能な限り具体的に、何が対象となり、何が対象とならないのか、お答えをいただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回、健保法改正法案において提案しております一部保険外療養というOTC類似薬に係る新しい仕組みにつきましては、ただいま委員からも御指摘ありましたように、子供、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方などに対して配慮を検討することになっております。
例えば、がん患者さんに対する治療といった、経済的、身体的負担が重く、継続的に行う必要がある治療におきましては、今回の対象医薬品の使用が必要となる場合は別途の負担の対象外と考えております。
一例としては、抗がん剤治療の副作用に伴う手足症候群に対して保湿剤を使用する場合には、がん治療に伴う副作用であるため、別途の負担の対象外と考えております。また、アトピー性皮膚炎の患者さんであっても、医師の診断や治療の下で、年間を通じて症状が持続し通院する必要があるような方については、別途の負担の対象外というふうに考えております。
こうした配慮の範囲や運用につきましては、法案成立後、有識者の検討会で技術的な観点から議論いただいた後、医療保険部会や中医協でも御議論いただくことを考えております。
施行まで、広く関係者の御意見を聞きながら丁寧に検討するとともに、医療現場や患者さんに向けて分かりやすく周知をしてまいりたい、このように考えております。
○勝目委員 今ほど例示として挙げていただいた部分というのは、これはまあ間違いなく対象外になるものだろうということでおっしゃったんだろうと思います。つまり、今おっしゃったことが、へり、際、境目になるわけではなくて、そこはあくまでこれからしっかりと丁寧に検討をいただく、そして、その過程においてはやはり当事者の声もしっかり聞いていただくということだと思いますので、是非そこはよろしくお願いしたいと思います。
それからもう一つ、対象内外の話でいきますと、医師が医療上必要と考える方についてもこの配慮の対象となっているわけですけれども、これは医師の自由裁量に委ねられるのでしょうか。そうすると、ちょっと判断がばらついてしまうなというようなことも思うわけでありますけれども、これはやはり国として何らかの基準を定めるべきだと思うんですが、その点、お考えはいかがでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
先ほどのお答えと重なる部分がありますけれども、例えば、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方に対しても、必要な受診が確保されるよう別途の負担を求めないといった配慮も考えているわけでございますが、その範囲については、法案成立後に有識者の検討会で技術的な観点から御議論いただいた後、医療保険部会や中医協でも議論いただくことを考えております。その上で、国から一定の基準などをお示しすることを想定しています。
検討の際には、御指摘も踏まえながら、別途の負担の対象であっても不必要な処方シフトがなるべく起きないように、また、現場での判断に偏りがなるべく生じないように、運用の分かりやすさなどにも留意して進めてまいりたい、このように考えております。
○勝目委員 今ほど重要な二点について言及があったと思います。ばらつきがなるべく生じないということと、あとは処方シフトが起きないように、こういうことであったかと思いますので、具体的なところは是非またしっかりと御検討をいただきたいというふうに思います。
今度は、患者さん目線から見た御質問でございます。
要配慮者としてこれまでどおりの負担でお薬が手に入るのか、それとも負担増になるのか、これもやはりなかなか、その考えが定まったとて、自分がどっちなんだというのは分かりにくい、予見しづらいところがあるんじゃないかと思います。
そうした点からすると、やはりまずは分かりやすい広報というものをしていく、それから、個々のお医者さんもしっかり説明するということなんだろうと思いますけれども、この広報について、具体的な方策について伺いたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回の見直しは、医療保険制度の持続可能性を確保する観点から、委員御指摘のように、必要な取組だというふうに考えておりますが、ただ、その実施に当たりましては、必要な受診を行った上で、結果としてOTC類似薬を支給される場合に別途の負担を求めるものであって、これからも必要な受診は行っていただけるものであるということ、また、その内容に関しても、先ほど来御指摘ありましたように、がん患者あるいは難病患者さんなどには配慮措置を講じることなど、こういったことを行いながら実施することとしておりまして、こうした趣旨や運用について医療現場や患者さんに向けて分かりやすく周知広報することが重要と考えています。
既に見直しの考え方をまとめたスライドやショート動画を厚生労働省ホームページやユーチューブにて公開しておりますけれども、今後更に、患者の皆様によく御理解いただけるように、分かりやすい媒体を作成するとともに、関係学会やあるいは患者団体のお力もおかりしながら適切に周知広報してまいりたい、このように考えております。
○勝目委員 ユーチューブも作っておられるということでありますが、これは施行されたら、制度側の目線だけではなくて、やはり患者一人一人の目線から見て分かりやすいというのもこれまた、逆引き的なものですけれども、そういうのも重要になってこようかと思いますので、是非、御工夫をいただきたいというふうに思います。
最後に、大臣にお伺いをしたいと思います。
今後、今ほど局長からるる御説明がありましたが、今回の具体化、それから検討規定がこれは置かれております、その検討に当たっての方針、これをお伺いしたいと思います。
冒頭申し上げたとおり、社会保障、医療の改革というもの、これはもう待ったなし、やっていかないといけないわけですが、他方で、社会的影響への考慮なく、金ありきということで進んでしまうと、これはやはり社会的な影響が非常に大きくなってしまうということでございます。社会保障の持続性確保という大きな視点に基づいて、どういう点に留意しながら検討を進めていくべきか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○上野国務大臣 今回の見直しにつきましては、持続可能な社会保障制度を構築して、現役世代を中心とした保険料負担を軽減をしていくために必要な取組であると考えております。
また、その実施に当たりましては、必要な受診を確保するための配慮措置を講じるほか、意図しない処方シフトが生じない、進まないよう、現場の運用方法を分かりやすくお示しをするなど、丁寧に検討を進めていくことが重要だと考えております。
施行に向けた制度の具体化につきましては、今し方局長からも答弁がありましたが、制度の具体化や、あるいは検討規定に基づく施行後の議論につきましては、単に保険料負担軽減の観点からのみ進めるのではなくて、委員から御指摘のあったように、医療現場あるいは患者に与える影響、そうしたものに十分留意をしながら丁寧に検討していきたいと考えています。
○勝目委員 是非よろしくお願いしたいと思います。
それでは、二点目、出産に係る負担軽減についてでございます。
これまで、分娩というのは、自由診療であることを前提に、出産育児一時金によって妊婦さんの負担がカバーされる、こういう仕組みが取られてきましたけれども、ただ、その出産費用が年々増加をして負担が増える、こういう傾向にあったわけでございます。少子化対策の一環として、こういう経済的負担の軽減が図られる、このことも極めて重要でありまして、今回の新たな給付の仕組みの新設に至ったんだと思っております。
ここで重要なのは、この給付の高さということになります。産科医療機関の運営に要する経費をしっかり賄える水準のものでなければ、地域の分娩体制自体の持続性が損なわれるということになってしまいます。
また、加えて、これは地域とか施設規模によるばらつきも決して小さいものではないわけですね。そうした中で、どの程度の高さを設定されるおつもりなのか。あるいは、この標準額、これから決定される標準額と今の出産費用との間で、恐らく過大、過小、こういうのが出てきかねないんじゃないかと思いますが、どう調整されるのか。ここを間違うと、出産環境を整えようという今回の制度の新設が、むしろその体制が壊れてしまうということに、まさに本末転倒な事態になりかねない。
このことについて、産科医療機関あるいは学会の方で大変大きな不安になっております。ここにどう応えていくのか、大臣の方からお聞かせいただきたいと思います。
○上野国務大臣 今回の出産に係る給付体系の見直しにつきましては、まず、妊産婦の経済的負担の軽減、これを図りながら、地域の周産期医療提供体制の確保、これにも十分配慮する必要があると考えております。
新たな給付体系における現物給付の水準につきましては、地域や施設にかかわらず一律の基本単価を設定することとしておりますが、併せて、施設の体制や役割などを評価して加算を設けることとしています。
具体的な水準につきましては、今後、保険料への影響、あるいは分娩取扱施設の経営実態なども踏まえて、関係者の御意見も丁寧にお伺いをしながら、施行までに検討していきたいと考えておりますが、経済的負担の軽減を望む妊産婦の声と産科医療関係者が感じておられる御負担、御不安、この両方をしっかりと受け止めた上で、経済的負担の軽減と地域の周産期医療体制の確保、この両立をしっかり図っていきたいと考えています。
○勝目委員 まさに、その両立が果たされるかどうか、今回の制度に、入口に懸かっておりますので、是非ここは遺漏なきようにお願いをしたいと思います。
それから、三割負担の部分についてお伺いをしたいと思います。
帝王切開等の異常分娩の際、これは今までも三割負担があって、これを一時金で実質的にカバーするということだったわけですが、今回、その標準を設定するという中で、この三割負担部分をどうするのかということです。
これも現金給付が今回想定されているので、ここでも大事なのはその高さということになってくるわけでありますが、今後、政令で金額が定められるんだろうと思いますけれども、そこに向けての考え方、これをお聞かせいただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
出産時に保険診療を伴う医療行為が行われる場合も相当程度あるわけでございますが、その場合にもできる限り妊婦の経済的負担を軽減していくことが望ましいと考えています。
このため、今回の見直しにおいては、正常分娩に対する現物給付と併せて、委員御指摘のように、保険診療が行われた場合の自己負担分などにも充当できる現金給付を創設することとしております。
この現金給付の水準は、出産に伴い様々な負担が発生する妊産婦の経済的負担を軽減できる水準とする必要がある一方で、保険財政への影響や保険料負担者への理解を得られるものとする必要があり、関係者の御意見も丁寧に伺いながら、施行までにしっかり検討してまいりたい、このように考えています。
○勝目委員 いずれにしても、地域の分娩体制が崩壊してしまったら、もうこれは保険料も何もありませんので、この国が、この社会が壊れてしまうということでありますから、そこは是非、心して、この標準の高さ、それから現金給付の高さ、しっかりと設計をしていただきたいと思います。
最後にちょっと、里帰り出産される妊婦さんの予防接種の、定期接種の関係でありますけれども、これは今、事前申請による依頼書の送付が間に合わないと全額自己負担になってしまって、接種機会が失われかねない、こんな指摘も聞くところであります。このための環境整備が必要と思いますが、厚労省さんの御見解を伺いたいと思います。
○鷲見政府参考人 お答えいたします。
定期接種につきましては、住所地の市町村において接種することが原則となっており、住所地以外の市町村において接種を希望する場合の取扱いについては、自治事務でもあり、各市町村の判断に委ねているところでございます。
その上で、このような場合であっても、予防接種を受ける機会を確保する観点から、接種費用については、住所地の市町村長が事前に申請を受け付けた上で償還払いを行うなど、必要な配慮を行うよう市町村に周知をしているところでございます。
さらに、事前の申請を行っていない場合に係る事後の償還払いにつきましても、接種を希望する方の予防接種を受ける機会を確保する観点から配慮いただくよう、今月二十七日も開催いたしますが、自治体向けの説明会等の場を通して更なる周知を行ってまいりたいと考えております。
引き続き、ワクチン接種を希望される方が円滑に接種できるような環境を整備してまいります。
○勝目委員 この後は妊婦健診についても質問があろうかと思います。産前、産後ケアを含めて、妊娠、出産に係る支援をとにかく手厚くしていく、その第一歩となる今回の法改正になることを強く望みまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○大串委員長 次に、繁本護君。
○繁本委員 自由民主党の繁本護でございます。
私は、京都三区で伏見区、向日市、長岡京市、そして大山崎町の御支援をいただいて、四年と半年ぶりに国政に復帰することができました。一期目も厚労委員会で、諸先輩方に随分と御指導、御鞭撻いただいたわけでありますが、二期目においても、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
また、本当に、今回質問の機会をいただきました全ての関係者に、まず感謝を申し上げます。ありがとうございます。
私からは今日は、高額療養費制度と妊婦健診に係るところ、そして協会けんぽにその責務が位置づけられる保健事業、この三点について、またさらには、それぞれに関連するテーマ、この法改正の内容の延長線上にある重要なポイントについて幾つか御質問をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
まず、高額療養費制度でございますけれども、がんや難病、希少疾患を始めとする重篤な疾患を抱える患者、そしてその家族にとっては、これはまさに命綱ともいうべき重要なセーフティーネットでございます。近年、高額薬剤の開発普及、がん、慢性疾患の患者数の増加、外来での高額治療の拡大などを背景に、医療費全体に占める高額療養費の割合は増えていますし、高額療養費の伸び率は医療費全体の倍のスピードであるとも言われております。
こんな中で、勝目議員からもありましたが、やはり、制度全体の持続可能性も考えながら、その見直しの必要性が指摘されてまいりました。この制度を本当に必要としている患者や御家族のことも思えば、こういった見直しを行うに当たっても、配慮するべき方にはしっかりと配慮するんだという視点を決して失ってはいけないというふうに思っております。
こうした観点から、今般の法改正においては、特に長期療養者の家計への影響を適切に考慮することが法律上明確化される運びとなったこと、これは大変意義深いことと受け止めておりますが、今回、高額療養費の議論につきましては、衆議院でも参議院でも、また高市内閣の前の石破内閣においても様々な御議論がございました。そして今の法改正に至ったわけでありますので、このタイミングでいま一度、今回の法改正に至った大きな流れ、経緯とその理由について、政府から御説明をいただきたいと思います。
○栗原大臣政務官 御説明申し上げます。
高額療養費制度は、家計に対する医療費の自己負担が過剰なものにならないように、自己負担に上限額を設ける制度でございます。議員御指摘のとおり、患者の皆様にとって重要なセーフティーネットでございます。
そのため、見直しに当たりましては、特に経済的負担がかさむ、毎月治療を受ける必要があるような長期療養者の家計への影響について十分配慮する必要があると考えているところです。
この点については、昨年の衆議院厚生労働委員会におきまして、「長期にわたり高額療養費の支給を受けた者の療養に必要な費用の負担の家計に与える影響を分析、考慮するとともに、必要かつ適切な受診への影響に留意すること。」と決議されているところでございます。
こうしたことを踏まえまして、高額療養費の支給要件を政府が定めるに当たって、特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるよう、法律上明確化することとしているものでございます。
○繁本委員 ありがとうございました。
今御説明ありましたとおり、高額療養費の見直しに当たっては、その経済的負担に対してきめ細かく配慮していくという点が極めて重要でありまして、これはまさに制度の根幹に関わる問題でございます。がんや難病を抱える患者の方々は、月々の自己負担限度額の範囲内であっても、それが何年も積み重なっていけば、家計への影響は計り知れない、こう言えます。こうした長期療養者の実態と切実な思いに、私たちは真っ正面から取り組んでいかなければならないと思っています。
今回の見直しでは、そうした患者さんの声を真摯に受け止め、また新たに年間上限の仕組み、今御説明ございました、また多数回該当の金額を据え置くといった具合に、長期にわたって療養されている方々への生活の安心につながる措置が盛り込まれておりまして、これは一定の評価がいただけるものだと思っております。
しかしながら、患者の皆さん、その御家族の中には、今回の見直し全体について、依然としてまだ不安を感じていらっしゃる方々が少なくないのも現実と言えます。制度への信頼を守るためにも、政府として、そういった不安にしっかりと応えていく責任もあろうかと思います。
そこでお伺いいたしますが、今回の見直しの内容について、特に長期療養者の方々が安心してこれからこの制度を使えるように、患者目線でいま一度分かりやすく御説明いただければ幸いでございます。
○栗原大臣政務官 今回の高額療養費制度の見直しでございますが、持続可能性の確保と長期療養者や低所得者のセーフティーネットの機能の強化ということ、この両立を目指すものでございます。超党派の議員連盟の提言も踏まえつつ、患者団体の方にも参画いただきました専門委員会においても、計九回にわたる丁寧な議論を踏まえたものでございます。
今回の見直しでは、制度全体の持続可能性を確保するために、低所得者の負担に考慮しつつ負担上限を見直す、この一方で、年に四回以上高額療養費制度を利用される方の自己負担を更に軽減する仕組みでございます多数回該当、この金額を維持しております。また、加えまして、長期にわたり治療を継続される方が御不安に感じる将来の医療費負担に見通しを立てやすくなるように、新たに年間の医療費負担に上限を設けるほか、年収二百万円未満の課税世帯の方の多数回該当の金額を引き下げるなど、長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能を強化いたしたところでございます。
これによりまして、例えば、平均的な年収の方で毎月八万円弱の医療費を支出されておられる方、この場合、現在であれば、仮に毎月通院されているということになれば、年間で九十六万円弱の支出が必要となります。今回の見直しで年間上限が設けられることとなるために、年間の支出額は五十三万円に抑えられます。約四十万円の負担減ということになります。
これは年間上限の例を申し上げたものでございますけれども、今回の見直しは、このように、長期にわたって療養が必要となる方などの不安を正面から受け止める内容となっております。国民の皆様方に今回の見直しの意義や内容を十分御理解いただきますよう、見直し案の趣旨を丁寧に説明をしてまいりたい、このように考えております。
○繁本委員 ありがとうございました。丁寧な説明を是非是非お願い申し上げます。
さて、続きまして、妊婦健診について御質問させていただきます。
現状においては、自治体の間でも公費負担額に相当の格差がございます。また、医療機関ごとに見てもその価格設定が随分と異なるために、妊婦さんの御負担には随分と大きな差があるというのが現状でございます。
平均的な出産費用、二〇一二年から二四年にかけて約四十二万から五十二万と十万上がっているわけでありますが、現場の声を聞きますと、妊婦さんから、一体何にどれぐらいかかったのか分からない、あるいは、御妊娠してこれから産科でお世話になるに当たって、これからどれぐらいの費用がかかるか予見できないといった声も聞いておりまして、それは切実であります。
今回の法改正で、国が妊婦健診のいわゆる標準額を定めて、市町村と医療機関がこれを勘案するように努めることとされておりますが、費用水準を一律に義務づけるものではありません。その実効性というものが、これが大きな課題となってくるかと思います。
法案が成立した後、市町村あるいは医療機関に妊婦健診に係る標準額というものをしっかり御理解いただいて勘案していただくような、国からの働きかけも極めて重要かと思いますが、この辺りのところを、こども家庭庁の方から、今後の取組方針、やる気を、意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
○竹林政府参考人 お答え申し上げます。
議員御指摘のとおり、今回の法案では、妊婦健診に関しまして、望ましい基準について国として初めて標準額を設定し、自治体の公費負担額と医療機関の価格設定において、いずれも標準額を勘案するよう求めることとしております。
こども家庭庁としては、自治体と医療機関に対しまして、標準額を勘案していただけるよう今回の見直しの趣旨を丁寧に説明するとともに、この方向性に沿った御対応、御協力につきまして積極的に働きかけてまいります。
加えて、こども家庭庁では、厚生労働省と連携し、医療機関の協力も得ながら、妊婦健診の内容や費用などの情報を収集し、公表することとしております。この見える化によりまして、妊婦の皆さんに納得感を持って医療機関やサービス等を選択していただくことで、先ほど申しました標準額の設定と相まって、妊婦の経済的負担の軽減を図る環境整備をしっかり推進してまいります。
○繁本委員 市町村によっては、それぞれ財政状況も違いますし、一律に標準額をやってほしいと言ってもなかなか難しいところがあろうかと思いますので、丁寧に丁寧に周知徹底、協力要請をお願い申し上げたいと思います。
さて、これに絡んで、妊婦健診の経済的負担の軽減は今お話があったとおりです。実は、妊産婦を応援するための国の取組としては、先ほど勝目委員からのお話にもありましたとおり、それだけじゃないんですよね。出産費用、健診費用のみならず、また経済的な負担だけでは、妊産婦とその家族の負担軽減になったとは言えない。やはり切れ目なく、また経済的負担以外のところもしっかりと国として、こども家庭庁としてまさに取り組んでいただいていることかと思いますが、この点についてお聞きしたいと思います。産後ケアです。
産後ケアは、少子化対策の中においても極めて重要な、国として、議員立法で位置づけられた事業になりますが、本当にまさにこれから進めていかなければならない。
お母さん自身は、特に身体的な負担、精神的な疲弊というものが出産後かなりあります。そして、一人目、二人目、三人目とそれぞれ事情はありますが、パートナーにとっても家族にとっても大きな負担がかかるんですよね。
最近、孤立する妊産婦さんが非常に増えているこの御時世において、切れ目なく産前から産後までケアしていくというこの産後ケア事業というのは、この委員会でもかつて児童虐待のテーマが大きな議論になったんですけれども、児童虐待について言えば、死に至る極めて不幸な事案を見てみると、ゼロ歳児がほとんどなんですよ、半分ぐらいなんですよね。だから、そういった児童虐待防止、本当に、自分が産んだ子を慈しんで愛して育てていける、そして自信を持って育ててもらうための産後ケア事業を強力に進めていかなければならないというふうに、私は、実は一期目のときにもこの委員会で質問をさせていただきました。体制整備にとにかく法律に基づいて力を入れてほしいんですね。
国として事業が位置づけられたことは、過去にこの委員会の御努力のおかげで成し得ました。実際、きめ細かく産後ケアを見てみますと、運営に対してもやはり補助していかぬといかぬ。そしてまた、都道府県によっては、施設整備の最初の段階から、相当な財政力のある例えば東京都なんかは補助しているんですよ。これでは産後ケア事業が成り立って当たり前なんですよね。市町村、全国津々浦々の町々で、生まれた土地が違うことで、産後ケアのあるなし、あるいはその内容に格差が生じてはしようがない。
したがいまして、やはり少子化対策としても、政府が目指す妊産婦さんの応援としても、これをしっかりと応援していただきたい。その際には、極めて専門的な知識経験のある助産師さんや助産院さんの活用も考えていただきながら進めていただきたいと思います。
ここ数年、随分と予算も組んでいただいて、産後ケア事業は前に進んでいますけれども、まだまだ伸び代があると思うんですよ。是非こども家庭庁に、今後どうやってこの事業をもっと充実させていくか、その取組状況と意気込みをお聞かせください。
○竹林政府参考人 お答え申し上げます。
議員御指摘のとおり、産後は、心身の変化や慣れない育児等により、母親が不安を抱えがちな時期でございます。こども家庭庁としても、産後ケア事業を必要とされる全ての方に御利用いただきたいというふうに考えております。
産後ケア事業の実施につきましては、令和三年度から市町村の努力義務となり、令和六年度におきましては、九割以上に当たる千六百四十四の市町村で実施されております。施策の実施自体につきましては、かなり広がっているというふうに認識をしております。
ただ、先生からも御指摘ございましたけれども、実施体制を整えることが困難な市町村もございますので、こども家庭庁といたしましては、まず、産後ケア事業を子ども・子育て支援法に位置づけ、市町村のみならず、国、都道府県の役割も明確化し、計画的な提供体制の整備を進めるとともに、委託先の確保のため、都道府県による管内市町村を取りまとめた広域での委託契約の調整などの促進もしております。
また、産後ケア事業の事業費につきまして、令和七年度から都道府県負担を導入し、また、受入れ人数を増やすための増改築の施設整備等に対する補助もやっております。
こうした取組を進めているところですが、今日、議員の御指摘もよく分かっております。引き続き、提供体制の整備を推進してまいりたいというふうに考えております。
○繁本委員 ありがとうございました。
今、市町村が広がっているというお話があったんですけれども、実際、これを利用している妊産婦さんというのはまだ一七%弱ぐらいですよね。まだまだ広げていく必要がありますので、お願い申し上げます。
私自身も、実は四人目の子供が生まれたときにこの施設を利用して、三週間、そこで寝泊まりをして経験したことがあるんですね。是非これからも応援させていただきたいと思います。
さて、最後の質問でございます。
今回の法改正では、現役世代から予防、健康づくりを強化するため、協会けんぽが保健事業に取り組む際の責務として、加入者の年齢、そして性別、また健康状態等の特性に応じた極めてきめ細かい予防、健康づくりを行う責務が明確化されました。
高市内閣は攻めの予防医療を掲げています。そんな中で、私が特に攻めの予防医療の中でも大事だと思っているのが口腔ケア、口腔の健康なんですよね。
そこで、口腔の健康が全身の健康につながるんだ、あるいは口腔の疾患が全身の病につながるんだ、そういった研究データは多数もう既にございます。そういったエビデンスを収集していくことを更に積み重ねながら、私としては、総理と上野大臣のリーダーシップの下に、国民皆歯科健診を一日も早く実現していただきたいと思っていますが、この点につきまして、今日は大臣もいらっしゃいますので、意気込み、お考えをお聞かせください。
○上野国務大臣 委員から御指摘いただきましたとおり、政権の掲げる攻めの予防医療の中で、歯科健診の充実、非常に重要な柱の一つであります。
委員からお話がありましたけれども、今、口腔と全身の健康の関係性につきましては、関係学会から様々な知見が報告されておりますので、我々としても大変注目して、その情報収集に徹底して当たっているところであります。
厚労省としましては、これまで簡易な歯周病のスクリーニング検査の開発研究などを行ってきましたが、令和七年度の補正予算におきましては、簡易な口腔スクリーニングを行う取組などを支援するパイロット事業、これを進めることとしております。
子供から高齢者まで、それぞれのライフステージに応じた歯、口腔の健康づくりは本当に重要でありますので、関係者と連携をして、生涯を通じた歯科健診の実現に向けて取組を進めていきたいと考えています。
○繁本委員 時間になりましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、吉村悠君。
○吉村委員 福岡十区の自由民主党衆議院議員、吉村悠です。
第五十一回衆議院議員総選挙で初当選をした新人ですので、早々に質問の機会をいただきましたことに、関係者各位に深く感謝を申し上げます。
同期の厳しい目線も、視線も注がれておりますので、しっかりと質問してまいります。
我が町、北九州市は、かつて百七万人弱いた人口が九十万人を恐らく切るところまで来ていまして、市民の約三人に一人が六十五歳以上、政令市の中では高齢化率も最も高いという状況になっております。
そういった中で、人手不足を始めとする様々な問題が起こり、危機感を持って地元議員や行政が活動しているわけですが、その一方で、九十万人弱とはいえ、それなりに人口もいるので、知見やデータが多く集積されております。課題先進都市とも言われている北九州ですが、そういった多々ある課題を、地方が様々な努力をしているわけです。
北九州のみならず、多くの地域が頑張っている中であるかと思いますので、それぞれの有効な先行事例を活用していただきたいという思いも込めまして、日本全体の課題でもあります必要な医療の提供の確保や次世代支援と現役世代からの予防、健康づくりの拡充を中心に、健康保険法の一部改正案について質問をしてまいります。
まずは、医療機関の業務効率化、勤務環境改善の推進についてです。
我が国では、今や、あらゆる業界が人手不足になっており、特に飲食業や宿泊業、小売業、製造業、運輸業、建設業、そして医療、介護、福祉などでは深刻な状況です。どの業界も、厳しい経営状況ながらも、積極的なIT投資や業務の見直しを行い、何とか生産性を向上させようと努力しており、医療においても業務効率化、勤務環境改善を推進すべきであり、今回の法改正の方向性は望ましいものです。
その上で、五点御質問をします。
最初に、そもそもDX化がこれまでどれだけ進んでいるのかという観点から、電子カルテの普及についてお伺いします。
医療機関の業務効率化を進めていく上で、電子カルテの普及は最も基本ではないかと思います。紙カルテですと、保管のスペースも取られますし、翌日の診療予定の患者のカルテファイルを前日夜に探して並べるという業務も必要になります。何より、記入に時間もかかりますし、手書きで書かれた内容をほかの人が読めないということもあるかと思います。また、ほかの医療機関との間で診療情報を共有するのにも、手間、時間がかかります。これでは、地域包括ケアシステムの構築推進にも支障が生じると思います。
そこでお伺いしますが、電子カルテの普及状況、現在どうなっているのでしょうか。また、普及目標についての確認と、それに向けて順調に進んでいるのかどうか、お答えください。
○森政府参考人 電子カルテの普及等に関するお尋ねでございますが、令和五年の医療施設調査によると、電子カルテの普及率、一般診療所で五五%、それから一般病院で六五・六%という形になっております。
政府が二〇二三年に策定いたしました医療DXの推進に関する工程表におきましては、遅くとも二〇三〇年にはおおむね全ての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すというふうな目標を掲げているところでございまして、この目標達成に向けて、現在、廉価で導入しやすいクラウドネイティブ型であることを含む電子カルテの標準仕様の策定等を行っているところでございます。
具体的な普及方策については、本年夏までに電子カルテの普及計画を策定することとしておりまして、それに基づいて、必要な対応というのをしっかり図ってまいりたいというふうに考えております。
○吉村委員 二〇三〇年まで時間もないことでもあります。紙カルテだと、災害時のカルテ紛失の可能性も大きくなりますので、しっかりと引き続き進めてください。
次に、看護業務のDX化についてお尋ねします。
医療現場の方々とお話をしていますと、看護職員の不足、確保の難しさのことは必ず言われます。看護職員の確保ができないために、病棟を閉鎖せざるを得ない、閉院に追い込まれるという事例もあちこちで聞きます。
実際、看護師、准看護師の有効求人倍率は、ここ数年、二倍超で推移し、職業の全体の有効求人倍率を上回っており、現場での人手不足感はかなり強いのだと思います。
こうした状況が続けば、現に働いておられる看護職員の方の負担が更に増え、超過勤務時間は減少どころか増加してしまいます。そうすると、新たに看護職員になろうという人も減り、また現場の看護職員の負担が更に増えという悪循環になっていくことを危惧しております。
こうした悪循環に陥らないよう、私は、医療の質や安全性には配慮しながらも、看護業務のDX化をしっかりと進めていくべきだと考えます。看護業務においては、看護記録や情報共有といった間接的な業務に多くの時間が取られており、これを効率化する効果はかなり大きいと考えております。
そこで、質問です。
厚生労働省では、これまで看護業務のDX化に関するモデル事業を進めてきたと伺っていますが、その取組状況と成果、また、今後はモデル事業というフェーズじゃなくて医療界に普及し広げていく時期だと思いますが、看護業務のDX化の今後の方向性について教えてください。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
二〇四〇年に向けて医療従事者の確保がますます困難になると見込まれる中、看護職がより効果的、効率的な看護を提供する体制をつくるためにも、看護現場でのDXを推進するということは重要だと考えております。
そのため、厚労省において、ICT機器を活用した看護業務効率化の効果検証を行っております。例えば、音声入力システムによる看護記録の作成により、一人当たり時間外労働が月平均約二分の一に減少したという事例、また、スマートフォンのチャット機能による情報共有により、一人当たり時間外労働が年三十時間減少した等の取組による具体的な成果を含めた事例を今周知をしておるというところでございます。
今後は、こうした取組をより多くの医療機関に広げていくということが必要であると考えておりまして、今回の法案においては、地域医療介護総合確保基金に新たな事業を創設し、国、都道府県が医療機関の業務効率化の取組を継続的に支援し、医療機関においても管理者が業務効率化に取り組むよう努めるものとすることで、関係者が一体となって業務効率化を図る枠組みを構築していくこととしております。
○吉村委員 今お答えにありましたけれども、しっかりとした取組を更に推し進めていくということでありました。様々な好事例をしっかりと把握することで、それをできるだけ早く多くの病院に広げていくことが大事であります。
今回の法案で、地域医療介護総合確保基金から医療機関に対して継続した支援ができるようになるのはいいことだと思いますが、ただし、その運用については懸念もあります。医療機関には、ICTやAI技術に関する知識や経験を有する人材は十分にはいません。IT製品、サービスを顧客に販売、提供する事業者、いわゆるベンダーから営業をかけられると、価格交渉を十分行わないままベンダーの言い値で機器を購入することになったり、機能の面でも、オーバースペックのものを導入したりという話を聞くことがあります。
実際、令和七年度補正予算で、医療機関の業務効率化を支援する事業として二百億円が計上されていますが、この予算がついた段階から、いろいろなベンダーが広く病院に売り込みをかけていると聞いています。ベンダーロックインの排除も必要です。また、せっかくの補助金の使い勝手が悪ければ、意味がありません。
他省庁で既に働いている新機械設備の導入メニューを参考にし、補助金の適正な執行という観点からも、医療機関が適正な価格で自分たちの抱える課題にマッチしたICT機器やサービスを導入できるような仕組みや、医療機関へのサポートが必要と考えますが、見解をお聞かせください。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
今回の法改正で地域医療介護総合確保基金に新たに事業を創設し、先ほど御説明しましたとおり、見守りセンサーやスマートフォン、バイタルサインの自動入力機器等のICT機器、それから、生成AIを用いて看護記録や診療情報提供書等の文書作成を効率化するサービス等を導入する際の費用を補助することとしております。その際、対象となる機器やサービスを指定しているわけではございませんで、業務効率化に資するものであれば幅広く対象となり得るものでございます。
その上で、委員御懸念の点がございましたが、そういう御指摘も踏まえまして、医療機関が適正な価格で効果のある機器を導入することができるよう、今後、標準的な価格や機能等を見える化し、医療機関に示すということも検討していきたいというふうに考えております。
また、今回の法改正では、都道府県の医療勤務環境改善支援センターが、労務管理の支援に加えまして、医療機関の業務効率化に関する情報提供や助言指導等を行うよう努めることといたしました。
こうした取組を通じまして、医療機関が自身の状況に即した業務効率化を行えるよう、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
○吉村委員 使い勝手がいい補助金になるように、引き続き取組を続けていただきたいと思います。
業務効率化という点で、医療機関へのメリットはよく聞きますが、患者側にもメリットがあるかと思います。私の地元でお聞きした話では、介護施設ではありますが、見守りセンサーを導入して夜間の居室への入室回数を減らしたところ、利用者の方が朝まで目覚めることなくぐっすりお休みになられ、その結果として、夜間、トイレに行くことも減り、転倒といった事故も防ぐことができたというお話もお伺いをしております。まさに、業務負担を軽減しながら安全性を向上させている好事例です。
生産性向上に関しては介護の方が先行しており、こうした好事例が幾つもあるとお聞きをしております。介護の取組は医療にも共通するところがあると思いますので、好事例を収集して、医療機関にも横展開していっていただきたいと思いますが、地元、福岡県のことでありますので、栗原政務官、いかがでしょうか。
○栗原大臣政務官 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、介護分野の生産性向上というのは、医療よりも先行して取組が進められてきたというふうに認識をしているところでございます。
今委員の御地元、北九州市の介護施設のことの事例、御紹介いただいたところでありますけれども、お話しのとおり、見守りセンサーの導入によりまして職員の夜間の見守りの負担を軽減した、そしてまた入居者の睡眠時間の増加につながっているということ、また大学とも連携して、介護アセスメントツールや介護記録のアプリの開発にも取り組まれているということを承知しておるところであります。
こうした介護施設での生産性向上に関する知見の中には、おっしゃるとおり、病院における入院患者の見守り、あるいは記録業務の効率化に応用可能なものがあると考えております。医療分野の先進事例だけではなくて、こうしたものも情報を提供しながら、病院の業務効率化、勤務環境改善に横展開をしていきたいというふうに考えております。
○吉村委員 政務官、ありがとうございました。横展開、よろしくお願いいたします。
医療機関の業務効率化、勤務環境改善の推進についての最後に、業務効率化の経営にとってのメリット、医療の質や安全性の向上についてお伺いをします。
業務効率化、勤務環境改善が一過性のブームで終わってしまっては意味がなく、定着させ、発展させていくことが必要です。補正予算や基金による公費での導入補助はあくまでワンショットであり、後は医療機関が自ら、ICT機器等の維持コストを捻出し、進めていかなければなりません。維持コストを捻出でき、さらに医療機関の経営にとってメリットがある形になっていかないと、継続は難しいと思います。
今申し上げた医療の質や安全性の向上ですが、業務効率化により、単なる時間の削減というだけでなく、よりよい治療やケアができる、データの誤入力や転倒、転落等のインシデントが減少するといった、医療の質、安全性の向上が患者の方々のメリットです。まさしく先ほどお答えをいただいたような、患者のメリットにもつながる形にすることが、業務効率化、勤務環境改善を定着させていく鍵になると思います。
医療機関と患者双方のメリットを踏まえた上での業務効率化の今後の展開について、大臣、お答えください。
○上野国務大臣 まさに委員が御指摘をいただいたとおり、医療機関の業務効率化、勤務環境の改善が普及また定着していくためには、経営の観点、これも大事でありますが、患者の皆さんが、医療の質あるいは医療の安全の向上、そうしたものを実感していただける、これも大事でございます。
幾つかの先進的な取組におきまして、ICT機器や生成AIを活用した業務支援サービス等の導入によって、医療従事者の皆さんの負担を軽減をし働きやすい環境を提供するとともに、転倒や転落のインシデント報告件数が減少した、あるいは事務作業に要する時間が減少した分、患者への直接的なケア時間が増加したなど、医療の質や医療安全の向上につながった事例も出てきています。
このように、医療機関と患者双方にとってメリットのある形となりますように、本法案による財政的、技術的支援を行って、医療機関の業務の効率化、勤務環境の改善、これを推進していきたいと考えています。
○吉村委員 大臣、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いをいたします。
次の質問に入ります。
時間の関係で質問を前後させていただいて、国民健康保険料の軽減措置の拡充についてお伺いいたします。
私自身のこれまでの政治活動で、若い人たちが希望を持てるように、子供が未来に夢を持てるようにを信念に、政治活動に取り組んできました。この物価高の中で、一生懸命に子供を育てる子育て世帯への応援は必要であると考えています。
今回の法案には、子育て世帯の負担軽減の観点から、出産に関する支援強化と併せて、令和四年四月から実施している未就学児に対する国民健康保険料の負担軽減の更なる拡充が盛り込まれているところです。
そこで、子供に関する国民健康保険料の負担軽減措置の対象拡大によって期待される効果や財源規模をお伺いいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。
国民健康保険におきましては、今委員から御紹介いただきましたように、令和四年四月から、未就学児に係る均等割保険料について、その五割を公費により軽減する措置を講じております。
この軽減措置につきましては、全国知事会などの地方団体から拡充の御要望を大変多くいただいております。それも踏まえまして、より多くの子育て世帯の更なる負担軽減のため、その対象を、高校生年代まで拡充することを今回の改正法案に盛り込んでございます。
具体的な効果ということですが、国民健康保険による均等割保険料額は、全国平均で被保険者一人当たり年額約四万円でございます。他の軽減措置が適用されない場合には、今般の拡充により、おおむね七歳から十八歳までの被保険者一人につき、年額約二万円、均等割保険料が軽減されることになります。
この全体の規模を機械的に計算しますと、新たに約百四十万人の方が保険料軽減の対象となり、所要額としては、公費で約百六十億円追加で必要となるものと見込んでございます。
○吉村委員 百四十万人増えるということです。また、大きく額もかかることでありますので、しっかりとした取組を行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
最後になりました。協会けんぽにおける予防、健康づくりの取組の責務の規定についての御質問をさせていただきます。
先ほど繁本委員からも質問がありましたので、私からは総括的に質問させていただきます。
日本人の食生活やライフスタイルが多様化する中、健康寿命を延伸し、生涯を通じて健康に過ごせる環境を整備することは、国民のウェルビーイングの向上や一人一人の豊かな職業人生を実現する観点から重要であり、人口減少下での我が国の経済の維持発展にも欠かせない取組です。
協会けんぽに加入する中小企業は日本の全企業数のうち九九・七%を占めており、地域を、日本をより元気にするその原動力となるのは、中小企業で働く方々であり、中小企業やその従業員の取組を後押しする協会けんぽの存在です。
今回、健康保険法の改正によって、協会けんぽにおける予防、健康づくりの取組を責務として規定することは大変重要なことでありますし、高市総理も度々話をされている攻めの予防医療の具体化であり、時宜を得た判断だと考えています。
そこで、現状についての説明をいただいた上で、今回の改正の目的、改正を契機として協会けんぽに期待する取組をお聞かせください。
○間政府参考人 お答えいたします。
国民お一人お一人の予防、健康づくりを推進していくことは、本人のQOLの向上はもとより、社会全体の活力向上も期待されるものですので、大変重要と考えております。
現在、協会けんぽには約四千万人の加入者がおられます。その多くは中小企業で働いておられる方、中小企業で働いている方も非常に多くいらっしゃいます。加入者の予防、健康づくりを推進する観点から、都道府県の支部ごとに、四十七都道府県に支部がございますが、支部ごとにデータヘルス計画を作成し、年齢構成や健康状態等を踏まえた取組を推進しております。
その上で、各都道府県の支部の取組や成果については、協会けんぽ本部が主体となって好事例の横展開を進めるとともに、協会けんぽ本部が報奨金を支部に対して出しますインセンティブ制度を通じて、積極的な取組を進めている都道府県支部を支援する取組なども行っております。
こうした協会けんぽの取組を一層推進する観点から、今回御提案しております本法案におきまして、協会けんぽが加入者の年齢、性別、健康状態等の特性に応じたきめ細かい予防、健康づくりを適切かつ有効に実施していくことを法律上明確化することといたしました。
協会けんぽにおきましては、今年度、被保険者に対する人間ドック健診に関する助成を行うこととしているほか、今後、本法案による改正も契機としながら、例えば、協会けんぽと商工会議所などの更なる連携を図って、保険者と企業が協力したコラボヘルスや、健康経営などの取組が更に促進されるように支援してまいりたい、このように考えております。
○吉村委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、田宮寿人君。
○田宮委員 自由民主党、千葉九区選出の田宮寿人でございます。
この度、健保法等の改正法案という重要広範法案について質疑の機会をいただきました。先輩、同僚議員の皆様、そして日頃より支えていただいている地元の皆様に心より感謝申し上げます。
本日は、平成元年生まれの現役世代の一人として、子育て世帯の声を国政に届ける立場から、また、地元の企業、医療の現場など、具体的な現場の声も交えながら、本法改正の意義と課題、国民皆保険を将来にわたって持続可能なものとしていくための改革について、質疑をさせていただきます。
我が国の国民皆保険制度は、世界に誇るべき制度であります。私自身、ニューヨークで生活した経験がございますが、現地では、民間保険に加入していても、病院にかかるたびに高額の自己負担が生じ、体調を崩しても気軽に受診することはできませんでした。留学中、疲労からじんま疹が出た際にも、この程度で病院にかかっていいのか、幾ら費用がかかるのか、ためらった経験があり、医療へのアクセスの重要性を強く実感いたしました。
一方で、日本では、必要な医療に安心してアクセスできる仕組みが整っています。この制度は、単なる社会保障制度にとどまらず、国民生活の安心そのものを支える基盤であります。しかしながら、制度は今大きな転換点にあります。少子高齢化の進展に加え、医療の高度化による医療費の増加、そして支え手の減少という、構造的な課題に直面しています。
さらに、医療の現場を見ても、非常に厳しい状況が続いています。原材料費や人件費の高騰により、病院や診療所の経営は極めて大きな圧迫を受けています。特に、歯科の現場では、最近、金属価格がとても上昇しておりますので、保険診療で歯を治療すればするほど赤字になるという極めて切実な声も伺っています。
また、我々働く世代からは、給料が上がっても手取りが増えない、また、地元の企業からは、社会保険料の負担が重いといった声が上がっています。まさに負担と給付のバランスをどのように再設計していくか、問われている場面であります。
こうした現実を直視した上で、制度改革を前に進めていかなければなりません。改革を将来世代に先送りすることなく、現実に即した制度へと調整し、持続可能なものとしていくことが不可欠であります。
本改正を進めていく上で最も重要なのは、保険制度全体としての支え合いの構造を国民に分かりやすく示していくことであります。
本改正による個々の制度の見直しは、それぞれ必要性や合理性を有するものでありますが、同時に、現場に与える影響や副作用も伴い得るものであります。したがって、重要なのは、個別の論点をしっかりと整理しつつも、それぞれの改革が医療保険制度全体の中でどのような役割を果たし、どのようなバランスの中で位置づけられているかを国民に分かりやすく示していくことだと考えます。
すなわち、どの制度がどの層を支え、どのように財源が配分されているのか、そして、今回の見直しがその全体構造にどのような変化をもたらすのか、そこが見えなければ、個別の改革に対する納得感も得られないと思います。
そこで、厚労省に伺います。
国民健康保険、協会けんぽ、組合健保、共済組合、後期高齢者医療制度など、こういった各制度がどのように役割分担し、どのような支え合いの仕組みで成り立っているのか。また、本改正を通じてその全体のバランスをどのように調整していくのか。厚生労働省に分かりやすく御説明をお願いします。
○間政府参考人 お答えいたします。
委員からただいま大変大きな、構造について御質問いただきました。
我が国の医療保険制度は、国民皆保険の下で、国民の疾病等のリスクを分かち合うために、自立や連帯、相互扶助の観点から、加入者の年齢構成や所得水準等を踏まえて必要な保険料を負担いただくということを基本としつつ、税を財源とする公費を投入することで、安定的な財政運営を図り、国民の皆さんが必要な医療を受けられる仕組みとしております。
今、制度ごとのというお話がありました。現役世代の間は、働き方などに応じて被用者保険又は国民健康保険に加入していただき、保険者内での支え合いを基本とします。その上で、保険者間で、高齢者がどちらにいらっしゃるのかというのが偏在がございますので、それによる負担の不均衡を是正するために、六十五歳から七十四歳の方の前期高齢者に係る負担を保険者間で調整する仕組みを設けております。その意味では、構造的には国民健康保険を支える仕組みになっているということでございます。
さらに、七十五歳以上が加入する後期高齢者医療制度につきましては、給付に応じた負担として、後期高齢者にも必要な保険料は負担していただきつつ、世代間で支え合う観点から、現役世代による支援金による拠出に加えて、公費負担を行っているところでございます。
こうしたものを基本にしつつ、先ほど委員から、様々な状況変化についても言及がございました。今回の法律案では、高齢化の進展などにより医療費が増加する中、医療保険制度の持続可能性を確保し、将来世代にしっかりと引き継いでいくこと、そして、特に制度を支える現役世代の減少が加速する中で、国民の医療の確保ということとそれから現役世代を中心とした保険料負担、このバランスを取ること、これの全体の両立を目指すものでございまして、今般の改革を通じて、将来にわたって国民の皆さんが安心して医療を受けられる基盤を堅持していきたい、このように考えております。
○田宮委員 御説明いただいた全体像を踏まえて、まず、協会けんぽの保険料率引下げと国庫補助に係る特例減額の見直し、併せて協会けんぽの財政運営について伺います。
協会けんぽは、中小企業で働く方々を中心に約二千五百万人を超える被保険者とその御家族を含めると約四千万人の暮らしを支える、まさに国民生活の土台であります。地域の工場で働く方、商店や小規模事業所で汗を流しておられる方にとって、協会けんぽは日々の安心そのものであります。
そして、今、社会保険料の負担感は、我々現役世代にとって非常に重い課題となっています。若い世代、私の同級生からも、賃上げがあっても手取りが増えないという切実な声が上がっています。また、地元で中小企業の経営者の皆様から、社会保険料の負担を少しでも軽くしてほしい、賃上げをしたいけれども社会保険料の負担が増えるので難しい、こういった切実な声を何度も何度も伺ってまいりました。
こうした現場の実感に照らせば、協会けんぽの保険料率の引下げ、そして負担感を少しでも和らげていくという方向性そのものは、私は理解できるものと思っています。ただし、重要なのは、その引下げが、目先の単なる負担軽減にとどまらず、将来にわたる制度の安心につながる形になっているかどうかであります。
協会けんぽの加入者にとって大切なのは、保険料が単に下がることだけではなく、必要な給付がしっかりと確保され、制度が安定的に続いていくことであります。したがって、保険料率の引下げと給付水準の確保をどのように両立させていくか、これが大変重要であります。
また、この見直しは協会けんぽの問題だけにとどまりません。先ほど保険局長から御説明いただいた制度間のバランスにも影響を及ぼし得ます。
例えば、協会けんぽの料率が大きく引き下げられた場合、相対的に組合健保のメリットが薄れ、健保組合の解散が進むのではないかという懸念もあります。組合健保は公費負担が相対的に小さい仕組みでありますから、その弱体化は制度全体としての公費負担の増加にもつながりかねません。
さらに、今回の措置では、料率引下げと併せて国庫補助の特例減額の見直しも行われますが、現場からは、結局、全体として何をどう調整しているのか分かりにくい、こうした率直な声もあります。
協会けんぽは、景気変動や賃金動向、高齢者医療への拠出、そして感染症の流行など、様々な要因の影響を受けやすい財政構造にあります。被保険者の皆様の立場からすれば、目先の料率の引下げはありがたいけれども、それによって将来負担が増すようでは困るというのが率直な思いではないかと思います。
加えて、協会けんぽの財政運営そのものについて、協会けんぽの準備金や積立金が法定水準を大きく上回って積み上がっており、事業主や被保険者が苦労して拠出した保険料が、使い道も十分に示されないまま、積み上がっているように見えるといった受け止めもあります。
もちろん、将来のリスクに備えることは必要であります。しかし、備えが目的化してしまい、結果として被保険者や事業主に過大な負担を求め続けることになれば本末転倒であります。
今後の人口動態、医療費の伸び、賃上げの進展、さらには経済情勢の変化も見据えながら、保険料率、国庫負担、準備金の水準を含め、協会けんぽ財政全体の在り方を見直していくことが必要だと考えています。
そこで、厚労省にお伺いします。
今回の協会けんぽの保険料率引下げについて、厚労省は、現役世代の負担軽減という意義をどのように位置づけているのか。その上で、給付水準の確保と中長期の財政安定性をどのように両立させていくのか。また、料率引下げと国庫補助の特例減額見直しを一体として行う趣旨は何か。そしてさらに、この見直しが組合健保を含む制度全体に与える影響をどのように見込んでいるのか。制度全体の持続可能性の観点から、分かりやすく御説明いただきたいと思います。
また、厚労省として、協会けんぽの準備金、積立金の適正な水準をどのように考えているのか。また、その取扱いを含め、保険料率や国庫負担の在り方も含めた今後の財政運営全体について、どのような問題意識で、どのように検討を進めていくのか。被保険者や加入者が将来に見通しを持てるよう、分かりやすく御見解をお示しください。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員から御指摘のありました保険料率あるいは国庫補助の見直しと併せて、健保組合にも補助を八年度予算で創設しているわけですから、そのパッケージについて御説明申し上げます。
まず、協会けんぽについては、近年、堅調な保険料収入などを背景に、健全な財政運営が定着しております。今年度から、三十四年ぶりに平均保険料率を〇・一%引き下げて九・九%とするとともに、本法案では、現行の国庫補助額を減額する措置について、減額幅を更に上乗せする三年間の時限的な措置を盛り込んでございます。
その際、協会けんぽの医療保険料率の引下げが、先ほど委員からも御指摘ありましたけれども、協会けんぽと同程度あるいはそれ以上の医療保険料率を課しているような財政基盤の脆弱な健康保険組合に与える影響を注視する必要があると考えておりまして、先日成立した本年度の予算におきましては、財政基盤の脆弱な健保組合の保険運営を支援する措置を盛り込んだところでございます。
このように、協会けんぽの平均保険料率を引き下げること、そして特例減額の見直しをすること、そして健保組合への支援も行っていくこと、これらを一つのパッケージとして実施し、中長期的なものを見ながら、まず、過去の様々な取組によってできた準備金の成果の一部を被保険者あるいは事業主の方に還元していく、こういった考え方で取り組んでいるところでございます。
それから、準備金の残高としてどの程度が適当かという点については、一概にお答えすることはなかなか難しいのですが、現状、協会けんぽの法定準備金は給付費の一か月分と高齢者の拠出金の一か月分とされておりますけれども、他方で、健保組合の法定準備金は給付費の二か月分及び高齢者の拠出金の一か月分とされていること等も考慮しながら考える必要があるというふうに考えております。
今後の財政運営につきましては、準備金残高、協会けんぽにおける近年の健全な財政運営を踏まえ、料率の引下げと国庫補助の減額幅の時限的な上乗せ措置を行うこととしておりますけれども、今後の国庫補助の在り方を含めまして、財政運営については、今回の時限措置が終了する令和十年度末までの間において、今回の料率引下げや時限措置、また御指摘になられたような賃金上昇率や医療給付費の伸びを踏まえました中長期的な保険財政への影響を踏まえながら、改めて検討していきたい、このように考えております。
○田宮委員 次に、国保組合への国庫補助について伺います。
本法案では、一定の場合に、現行の補助率の下限を下回る補助率を適用することが可能となっています。制度間の公平性という観点から見直しの必要性は理解できますが、現場では、財政的に厳しい国保組合も少なくありません。特に、小規模な組合や高齢化が進んでいる組合においては、補助率の引下げが直ちに保険料の上昇につながり得る可能性があります。その結果として、加入者の負担増や制度運営の不安定化を招くことがあってはなりません。
そこで、お伺いします。
国保組合への国庫補助について、補助率の下限を下回る適用を行う一定の場合とはどのような基準で判断をされるのか。また、財政的に厳しい国保組合に対してどのような配慮を講じるのか。国保組合における医療費適正化などの取組をどのように評価をしていくのか。厚労省の見解をお示しください。
○間政府参考人 お答えいたします。
今般の法案におきましては、国保組合の定率補助について、負担能力に応じた負担等を進め、保険者機能の発揮をより促す観点から、補助率の下限につきましては、これまでどおり一三%を原則といたします。ただ、その上で、一定の場合に、例外的な新たな補助率である一二%又は一〇%を適用することとしております。
御質問のありました、例外的な補助率を適用する場合はどういう場合かということですが、まず、所得水準が最も高い区分である補助率一三%の区分に該当する国保組合のみを対象とした上で、一つには、保険料負担率が低い、そして二つ目には、積立金が一定以上ある、三番目には、特定健康診査、特定保健指導の実施状況など医療費適正化の取組状況がやや低調であるのいずれも満たす場合という要件を設定することで、財政的に厳しい国保組合に影響が生じないように配慮しつつ、医療費適正化等の促進にもつなげたいと考えております。
いずれの要件についても、詳細は、今後関係者の御意見もよくお聞きした上で、国保組合が円滑な事業運営を行うことができるように、しっかり検討してまいりたいと思います。
○田宮委員 国保組合は性質によって様々でありますし、財政的に厳しい国保組合もありますので、そういった発信を丁寧に行っていただくようにお願いを申し上げます。
ここで、大臣に総論的にお伺いします。
本法案は、給付と負担、世代間、制度間のバランスを見直す、極めて難しい法案であります。現場には、期待と同時に不安の声も確かに存在しています。例えば、OTC医薬品の見直しについては、セルフメディケーションという方向性全体は理解するものの、急激な見直しをすれば、受診控えを招き、結果として重症化につながるのではないかという懸念もあります。また、出産費用の見直しについても、制度の公平性を高めていく一方で、現場の分娩体制等の医療提供体制への影響をどのように考えるかといった課題があります。
そして、何より、我々現役世代からは負担の重さへの切実な声があり、医療現場からは経営の厳しさや人材の確保への不安があり、そして、高齢世代からは将来の安心に対する思いがあります。
それぞれが立場を超えて、このすばらしい国民皆保険制度を支え合っているという実感、そして納得感を持てるかどうかが今後のこの制度の信頼性、持続可能性を大きく左右すると考えます。国民皆保険は、これまで多くの先人が支え、守り抜いてきた日本の社会の根幹であります。そのバトンを我々も、そして次の世代に責任を持って引き継いでいくことが私たちの使命であります。だからこそ、改革を先送りするのではなく、現実に向き合いながら、国民に丁寧に説明し、理解を得ながら改革を進めていく、この覚悟が今求められていると思います。
そこで、伺います。
今回の一連の見直しを通じて、どのような医療保険制度の将来像を大臣は描いているのか。現役世代も高齢世代も、そして将来世代も、それぞれが納得し、安心して支え合うことができる制度をどのように今後実現していくのか。その実現に向けた大臣の決意と覚悟をお示しください。
○上野国務大臣 まず、委員から先ほどニューヨークのお話が少しありましたけれども、言うまでもなく、我が国の国民皆保険制度というのは世界に冠たるものでありますし、これからの社会の本当に重要な基盤の一つだというふうに考えております。これをしっかりと持続可能なものにしていくこと、これが非常に大事でありますので、そういう観点から様々な改革を進めることが必要だと考えています。
高齢化の進展などによりまして医療費が増加をする中、持続可能性を確保して将来世代に引き継いでいくこと、そして、特に、制度を支えていただいている現役世代の減少、これが加速する中にあっても、やはり国民の医療の確保と現役世代を中心とした保険料負担のバランス、これをしっかり取っていくこと、こうした観点が大事だと考えておりますので、そうした点に沿って不断の改革を進めていく必要があると考えています。
このような状況を踏まえまして、必要な保険給付等を適切に行い、委員からも御指摘がありましたが、世代間また世代内での負担の公平性の確保を図るとともに、限られた財源及び医療資源を効率的に活用することを目的といたしまして、この法律案を提出をいたしました。
委員から今し方もお話がありましたように、国民の皆さんの納得感が非常に大事でありますので、そうした観点からも、この改革の意義が国民の皆さんに十分しっかり伝わるように、丁寧に説明をしていきたいと考えています。
○田宮委員 ありがとうございました。終わります。
○大串委員長 次に、沼崎満子君。
○沼崎委員 中道改革連合の沼崎満子です。
本日は、健康保険法の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
最初に、妊娠、出産に対する支援の強化についてお伺いします。少し前の質問ともかぶるところもございますけれども、引き続きの御議論をお願いしたいと思います。
まず、分娩一件当たりの基本単価の設定方法についてお伺いをいたします。
出産費用の保険適用を進める中で、分娩一件当たりの基本単価の設定は、制度の根幹に関わる重要な論点であると認識をしています。分娩費用のコストに関しては地域や施設の差が大きく、特に単価設定の在り方によっては分娩を取り扱う医療機関の経営を左右する、また、地域の分娩体制そのものにも影響を及ぼすと懸念をしております。
そのために、単に平均的な費用を基に設定をするのではなく、それぞれの地域の実情、医療提供体制維持に必要なコストを踏まえた検討が必要と考えますが、この一件当たりの基本単価についてはどのような考えで設定を検討しているのか、御見解をお伺いいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。
現在、正常分娩の出産費用は、医療機関が自由に価格設定を行っております。そして、地域間の差のみならず、同じ都道府県であっても施設によって差があるのが実情でございます。
今回の見直しによりまして、正常分娩に相当する部分の出産費用を現物給付化いたしまして、地域にかかわらず一律の基本単価を設定しつつ、さらに、人員体制が手厚い施設でありますとか、例えばハイリスク分娩を積極的に受け入れるなど地域における中核的な役割を果たしている施設などを適切に評価する観点から、施設の体制や役割等を評価して加算を設ける方向で検討してございます。
具体的な水準につきましては、今後、保険料への影響や分娩取扱施設の経営実態等もよく踏まえながら、関係者の御意見を丁寧にお伺いし、施行までに検討していきたいと考えておりますけれども、やはり、さっきの御質疑でもありましたが、経済的負担の軽減を望む妊産婦の方の声と産科医療機関が感じておられる御不安の声、両方をしっかりと受け止めた上で、妊産婦の経済的負担の軽減、それから地域の周産期医療体制の確保、この両立を図っていきたい、そういう水準になるように取り組んでいきたいと思っています。
○沼崎委員 ありがとうございます。
特に、地域でどこに分娩施設があるかということが非常にコストには大きな影響を与えると思いますので、その点についても御配慮を加えてお願いしたいと思います。
次に、分娩取扱施設の確保についてお伺いします。
人口減少、医師不足の中で、分娩施設の減少が続いています。特に一次施設と言われるクリニックや診療所で分娩の取扱いをする病院というのがどんどん少なくなっている状況で、ここに私は強い懸念を持っております。
加えて、出産費用の保険、正常分娩の保険適用に関しては、採算性などを理由に、今まで分娩を取り扱っていた施設も保険を適用することによって取扱いをやめるといった声も、この議論が始まった当初から私はお伺いをしておりました。
今回の制度では、保険を適用するかどうか、それは選択制となっていますけれども、この選択の結果として、分娩を、そのままの制度を続ける施設とそうでない施設に分かれることで、またここも差が生まれてしまうのではないかという可能性もあると思っております。
周産期センターなど高度な医療を担う体制は、私もずっと医療現場におりましたけれども、この何年かで非常にやはり進んできたなという印象は持っております。その一方で、ローリスクの妊娠を受け入れる地域のクリニックがどんどん減ってしまいますと、本来ハイリスク妊娠に対応するべき周産期医療センターなどの医療機関に患者が集中して、結果として周産期医療全体の提供体制に大きな影響を及ぼしかねないというふうに思っております。
分娩体制は、ハイリスクとローリスクの役割分担をしっかりすることで、そのバランスを整えていくことで維持が可能だというふうに思います。そのためには、これからやめるところとやめないところをしっかり分けていく必要性もあると思うんですけれども、分娩の取扱いを維持あるいは拡大しようと考えている医療機関が適切に参入、継続できる制度をしっかり後押しする必要性もあると感じております。分娩の取扱いを増やす意欲のある医療機関に対して、病床の認可等の運用は現状どのように対応されているのか、お伺いします。
あわせて、これからしっかり分娩の体制を維持をしていくためには、地域医療構想の中で分娩取扱施設をしっかり位置づけて、体制を維持していくことが重要であると思いますが、分娩取扱施設は地域医療構想においてどのような位置づけをしていくのか、また、その上でどのように確保していくのか、お伺いいたします。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
まず、地域医療構想それから医療計画等との関係でございますが、議員御指摘の新たな地域医療構想においては、周産期医療を含む個別事業ごとの医療計画を地域医療構想の実行計画と位置づけまして、その実効性の確保を図るということとしております。
それからまた、病床の関係のお尋ねがありましたけれども、基本的には、病床の過剰地域でなければ、産科を主とした医療機関がオープンするということについては制限がございませんが、過剰地域において、分娩取扱施設がオープンをしたい、病床を広げたいというような場合に関しては、都道府県が、その地域において分娩及び周産期医療が非常に少ない地域であるという認識を持って、その医療機関のオープンがどうしても必要であるという場合に関しては、その過剰地域において必要な病床をオープンするということで都道府県知事から国に対して申請があるという形で、それを許可していくということができる規定になっております。
また、財政支援ということで、分娩取扱施設が少ない地域等で正常分娩を取り扱う医療機関をオープンしたいといったような場合に関しては、その施設整備の支援というものを行う事業を用意しておりまして、これによりスムーズな開設ができるというふうに考えております。
また、委員御指摘の役割分担の関係ということがあったかと思います。それぞれの、分娩取扱施設だけではなく、それを支える、健診をやる施設ですとか、だけでもやっていただける施設、そこの連携というのは非常に重要でございまして、私どもとしては、今年度には、モデル事業という形で、地域連携周産期医療体制モデル事業ということを実施しまして、ハイリスク妊娠を周産期母子医療センターに集約するだけでなくて、正常分娩を含めた低リスク妊娠についても、施設間の適切な役割分担の下で連携する、いわゆるセミオープンシステム、それからオープンシステムの整備、これを進めていきたいということを考えております。
こうした取組を通じて、都道府県や市町村と緊密に連携しながら、地域の実情に応じた周産期医療体制の確保に努めていきたいと考えておるところでございます。
○沼崎委員 済みません、後で質問をしようと思っていた内容も今お答えをいただいてしまったんですけれども。
私の問題意識の中で、分娩の集約化と機能分担というのも必要だというふうに思っておりまして、今お答えいただきましたけれども、分娩をする施設、また産前産後のケアをする施設というのをしっかり役割分担をして、効率的に地域の中で分娩を支える施設を保っていくということが必要だというふうに思っております。
ちょっと重ねてになりますが、今のところに関して、どのように分娩と産前産後ケアの機能分担を設計していくのかについても、もう一度御説明いただいてもよろしいでしょうか。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
大変失礼いたしました。
私どもとしましては、都道府県においては、まず周産期医療の質の向上、それから安全性の確保を図るという観点から、分娩数が低下しているという状況を踏まえまして、これを二次医療圏という医療圏にとらわれることなく、周産期母子医療センターを基幹として医療機関の集約化、重点化を行うとともに、地域の分娩取扱施設や妊婦健診、それから産前産後を担う施設等の適切な役割分担、連携などの取組を進めているところでございます。
産前から産後に至るまでの切れ目のない支援ということが非常に重要だと考えておりまして、先ほど御説明させていただきました周産期医療体制に関するモデル事業、これを通じて、周産期医療体制と妊婦健診、それから産後ケア等の母子保健事業の提供体制の連携に向けた検討を行っていくということでございます。
引き続き、周産期医療の安定的な提供の確保に取り組むとともに、妊婦健診を担当しておりますこども家庭庁等とも連携をしまして、母子の心身の安定、安全の確保に配慮した取組を充実させていきたいと考えておるところでございます。
○沼崎委員 ありがとうございます。
分娩を取り扱っている先生方からは、やはり分娩というのは非常にリスクが伴うもので、産前産後のケアと比べるとリスクが高いので、そこの集約化はやはり必要ではないかというふうに私も御意見を頂戴していますので、是非そのモデル事業を通じてそのような体制をつくっていただければと思います。
ちょっと順番が変わりますけれども、今度はサービスの内容の見える化についてお伺いをいたします。
無痛分娩や各種の検査、入院環境など、医療機関ごとに提供されるサービスや費用には非常に差がある、それは今までも御指摘があったとおりですけれども、妊婦さんがそれを適切に選択するための情報というのは十分とは言えない状況だと思います。
サービスの内容や費用の透明化を進め、妊婦が主体的にどういったサービスを選べるか、そういう選択ができる環境の整備は非常に重要であると思いますし、今回、その情報提供が義務化になったというのは、非常にその意味では前進をしたというふうに評価をしております。
では、具体的に、分娩に関するサービスの内容の見える化の項目はどういったものを対象にしているのか、お伺いをいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回の見直しでは、お祝い膳などのいわゆる付随的なサービスの内容や料金などの見える化を徹底して、妊産婦御自身が納得した上でサービスを受けることを可能とする仕組みに改めることとしております。この点、委員御指摘のように大変重要なポイントだというふうに思っています。
現在、厚生労働省が運営し、出産施設の情報提供を行っております出産なびでは、現在、例えば、その施設の機能、病床数や周産期センターとしての指定など、あるいは分娩取扱件数、あるいは専門職、例えば、産科医の方、小児科医の先生とかそういった方々の人数等の情報を公表しておりますけれども、これに加えまして、お祝い膳や写真撮影等のような付随的なサービス提供の有無、サービス提供を受ける場合の費用等の情報も公表することを想定してございます。なお、無痛分娩の実施状況は、現在でも出産なびに開示をされております。
これに加えまして、分娩とは直接関係ないのですけれども、妊婦健診等の内容や費用等の情報につきましても、見える化を図る観点から、情報を公表していく予定でございます。
具体的な項目や運用方法については、今後施行までに検討を深めていく考えでありますが、妊産婦さんが御自身のニーズに応じて納得してサービスを選択できるように、当事者の方々の声も伺いながら丁寧に検討していきたい、このように思っています。
○沼崎委員 妊婦さんにとっては非常に重要だと思いますので、是非、出産なびも見やすく充実化をしていただきたいと思います。
次に、無痛分娩の安全対策についてお伺いします。
私、以前にも厚生労働委員会の方で、無痛分娩の安全対策について質問をさせていただきました。というのも、私自身が麻酔科医でございましたので、非常にここに関しては興味も意識も高く持っているということでお伺いをしました。
分娩数は今、少子化に伴って減っていますけれども、もうずっと右肩上がりで無痛分娩の数というのは増えています。ですけれども、産科を専門とする産科麻酔科医というのは非常に少ないので、無痛分娩を取り扱っているところでも専門の麻酔科医というのはなかなか全ているわけではないという中で、様々な問題が生じているということを前回の御質問では指摘をさせていただきました。
質問もしましたけれども、昨年の補正予算の中で予算措置が講じられて、無痛分娩に関する体制を確保していく、そういった措置も取られたということで、これは非常に前進であるというふうに私も受け止めております。では、この予算を通じて具体的にどのような事業を進めていくのかということをお伺いしたいと思います。
加えてなんですけれども、本年の四月から、国立成育医療研究センターにおいては産科麻酔のトレーニングセンターが開設をされるというふうにお伺いをいたしました。こういった取組も、産科麻酔の安全性を上げるという意味では、専門知識を持った人が増えるということで、非常に重要な取組だなというふうに感じておりますので、この施策に併せて、こういったところも是非進めていただきたいというふうに私自身は考えております。
是非、御意見をお伺いしたいと思います。
○上野国務大臣 無痛分娩でございますが、安全にこれを実施をできる体制をしっかり確保していく、そのためにも、これまでからも、医療関係団体と連携をいたしまして、無痛分娩の提供体制に関する情報の公開、医療従事者を対象とした研修体制の整備、産科麻酔を実施をしていただく麻酔科医の先生方の確保などを進めてきております。
さらに、今年度は、地域の医療機関が連携をして、安全で質の高い無痛分娩を提供する体制を整備するモデル事業を実施する予定です。無痛分娩につきましては、全ての医療機関での麻酔を専門とする医師の確保、これは困難であるわけでありますが、このモデル事業におきまして、地域の無痛分娩への麻酔科医の関与を支援をすることとしているところであります。
このような取組を着実に推進をしまして、より安全で質の高い無痛分娩を安心して選択できる環境整備に取り組んでいきたいと考えています。
○沼崎委員 ありがとうございます。
非常にここのところは前に進んでいるなというふうな私自身も印象を持っておりますので、あわせて、更にもう一歩前進というところをお願いしたいと思います。
少しテーマを変えまして、いわゆるOTC類似薬、一部保険外併用療養費制度の創設についてお伺いをいたします。
制度の導入に当たっては患者さんの負担という配慮が必要であるというふうに思いますけれども、特に配慮が必要な方、いわゆる子供やがん患者、治療に必要な方に関しては配慮をするというような文言がございますけれども、治療にOTC類似薬が必要な患者さんは、自分はこの保険外療養制度に当たるのか、それともそのままでできるのか、非常に大きな問題でございますし、不安の声もいただいています。
配慮が必要な方というのは、先ほどの質問にもございましたけれども、どのような基準で設定し、また、どの時点で明らかにするのかというのが非常に重要だと思っておりまして。一応、法の施行日が、公布後一年以内、令和九年の三月を想定しているというふうにございますので、そう考えると意外と期間がないなというふうに思いますので、大体、目安でも結構です、患者さんがいつになったら、あるいは薬局、先生方も気にされておられると思いますので、どの辺りで明らかになるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員御指摘になられました一部保険外療養という新しい仕組みですけれども、引き続き必要な受診が確保されるように、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、あるいは子供や入院患者、あるいは対象医薬品の長期使用等が医療上必要と医師が認める方などについては、別途の負担を求めない等の配慮を検討してございます。
その具体の範囲につきましては、この法案が成立となった場合には、その後、有識者の検討会で技術的な観点から議論いただいた後、医療保険部会や中医協でも議論いただいた上で決定し、お示しすることを考えております。
委員御指摘のように、やはり自分はどうなるのかということに関しての御不安もあろうかと思いますので、これはできるだけ早くとは思っておりますが、しかし、そのプロセスの中では、広く関係者の御意見を聞きながら丁寧に検討するとともに、医療現場や国民の皆様にしっかりと周知するために、可能な限り早期に、ちょっと今の時点で何月ということまではなかなか申し上げられないんですが、可能な限り早期に具体的な制度の内容や詳細をお示しできるように努力してまいりたい、このように考えております。
○沼崎委員 なるべく早期に、早急にここは選定をして、情報公開をお願いしたいと思います。
この導入に当たって、円滑に導入するというのが非常に大事になってくると思いますけれども、その際には、先ほど、いつ公開するかというところにもつながるんですけれども、医療現場や患者さんに丁寧に情報を提供していく必要があると思います。また、薬局においてはシステム改修なども必要となることが想定されますので、その負担への対応も重要であると思います。
医師や医療機関、患者への情報公開の進め方、また、薬局のシステム改修費用の支援等についてどのように考えるのか。薬局の方からは、これまでも、自己負担が増えるような、そういった施策の導入の際には、早めに医療機関側から患者さんに周知をしていたことが非常に有効であったというような御意見もお伺いしておりますので、その点についてお伺いをいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、施行に当たっては、本制度の趣旨、あるいは配慮させていただく方の範囲等について、可能な限り早く医療現場や患者の方へ丁寧な周知を行うことが重要、このように考えています。
これは例えばで、過去例ということでございますが、令和六年度診療報酬改定で創設した長期収載品の選定療養の施行に当たっては、これは委員御指摘になられたことに当たると思いますが、医療現場において患者の方々への周知に活用いただくためのリーフレットを作成し、ホームページ等に掲載するといった取組を行っておりまして、本見直しの施行に向けても、こうした様々な取組を通じて適切に周知を行いたいというふうに考えております。
それから、システム改修のお話がございました。
現時点で薬局のシステム改修の規模や費用の支援の必要性についての具体的な検討には至っておりませんけれども、いずれにしましても、薬局を含めた医療現場で円滑に制度を運用開始できるように丁寧に対応していきたい、このように考えております。
○沼崎委員 過去の成功した方法というのも是非参考にしていただいて、円滑な導入というのをお願いしたいと思います。
次の、別の質問になりますけれども、医療機関の業務効率化、勤務環境改善への支援についてお伺いをいたします。
医療機関の業務効率化を促進する認定制度が今回の法改正の中にございますけれども、この認定制度、実効性が重要でありますし、医療機関にとってこの認定を受けることによってどういうメリットがあるのかというところが明確になれば、より医療機関もこの認定を受けたいというふうに思うと思います。
ですので、この認定制度は具体的にはどういったことを認定するのか、まずその仕組みと、病院にとってこの認定を受けることでどういったメリットが想定されるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
議員御指摘の病院の認定につきましては、まず、病院に対しまして、業務効率化に関する計画を策定し、具体的な取組内容や定量的な目標、例えば職員の超過勤務時間の削減や書類作成、情報入力等の作業時間の削減等の目標を想定しておりますけれども、このような目標を計画に盛り込むこと、それから、管理者が参画します業務効率化推進委員会を設置しPDCAを実施すること、さらに、取組状況や目標達成状況を公表するといったようなことを求めることとしておりまして、一定の基準に合致いたしました病院を認定することとしております。
この認定を受けるメリットにつきましてでございますけれども、まず、人手の確保が非常に困難な状況において、医療従事者が自身の希望も踏まえ働きやすい環境を選択しやすくするということをしまして、今後、その業務効率化を支援する補助金が受けやすくなる、また、人の採用がしやすくなるといったような効果があるのではないかと考えておるところでございます。
○沼崎委員 補助金が受けやすくなるというのは何かすごく大きいかなというふうに思うんですけれども、この認定を受ける手間というのが病院にかなり当然かかるわけなので、それ相応の病院側もメリットがないと、なかなか、せっかく認定制度をつくっても受けるところが出ないのではないかなと思いますので、是非、補助金が受けやすくなるというのは大きなメリットになるかなというふうに私は今の御答弁をいただいて思いました。
いわゆるその補助に関するところなんですけれども、地域医療介護総合確保基金に医療機関の業務効率化、勤務環境改善に関する事業が新たに区分として新設をされるという改正になっておりますけれども、すごくこの地域医療介護総合確保基金は重要な支援策であるというふうに思っているんですが、現場から非常に活用がしにくいという厳しいお言葉を私はたくさん頂戴しておりまして、その一つの理由というのが、対象事業区分があることで非常に使いにくいんだというような御意見もいただいております。
それぞれの予算に十分な支援がなければ、申込みしても予算が取れないというようなこともあると思いますが、この対象事業区分ごとの予算の算定はどのように行っているかという点と、事業区分の在り方で非常に活用が難しいという指摘に対して、見直しであるとか柔軟に使えるような検討というのはできるのか、その点についての見解をお伺いいたします。
○上野国務大臣 まず、予算措置につきましては、委員御案内のとおりですが、事業区分ごとに、都道府県の基金残高あるいは都道府県の意向を丁寧に聴取をした上で、所要額を勘案して予算を確保し、各都道府県に配分をしている、そういった仕組みでございます。
この基金につきましては、病床の機能分化、連携、医療・介護従事者の確保、勤務環境の改善などといった事業区分について、都道府県が策定した計画に基づく取組に対し財政支援を行っております。
この基金でありますが、実施可能な事業につきましては法律で定められております。したがいまして、法の趣旨に沿って適切な事業実施が担保されるように、区分ごとに予算の配分や執行管理を実施をしているところであります。
この基本線は変えることは少々困難でありますが、ただ、引き続き都道府県との調整を丁寧に行いながら、事業区分ごとに過不足のない予算額、これを確保することで、今委員から問題提起のあった課題の解消に、事実上課題が解消されるように、適切な予算額の配分に取り組んでいきたいと考えております。
○沼崎委員 業務効率化、勤務環境改善に関しても、せっかく使えるような区分もできるんですけれども、それが実際には使いにくいということであると、せっかくの予算というのも現場では非常に活用が難しくなってしまいますので、しっかりここが進むように予算を確保していただきたいというところと、柔軟な活用も更にもう一歩、特に、都道府県の裁量を柔軟にしていただきたいという御意見をいただいておりますので、その点も御配慮をいただきたいと思います。
ちょっと私、かなり時間が余ってしまいそうなんですけれども、最後の質問になります。
協会けんぽの保健事業についてお伺いをいたします。
協会けんぽが実施している保健事業については、特定健診、特定保健指導、重症化予防やデータヘルスの取組など、多岐にわたるというふうに承知をしております。予防医療を進めるという観点からも、この協会けんぽの保健事業を前に進めるということは非常に重要な取組だというふうに私自身も認識をしております。
今、協会けんぽが行っている保健事業の具体的な内容と、どういった実施状況になっているのかをどの程度把握されているかについて、まずお伺いをしたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
協会けんぽでは、現役世代の予防、健康づくりを推進する観点から、都道府県の支部ごとにデータヘルス計画を作成し、加入者の年齢構成や健康状態等を踏まえた取組を推進しております。
各支部ごとに特色ある取組を行っておるんですが、それをちょっと網羅的にお答えするのは難しいんですが、例えばで申し上げますと、ある支部では、血圧リスクの保有割合の高い業界団体を特定しまして、これはその県ではたまたま運輸業の皆様だったんですが、そうした業界団体と連携して、ポスターやリーフレットの作成、配布により受診勧奨を行うというようなことをやっていたりします。また、別の支部では、レセプトデータを活用し、ポリファーマシー、多剤服用等の対象者を抽出して、啓発用のリーフレットを送付するといったような取組を行っております。
協会けんぽの本部におきましては、こうした都道府県の支部がそれぞれ取り組んでおります好事例をよその支部にも紹介するなどして、取組を強化しようとしているところでございます。
さらに、都道府県支部におけるこのような取組を後押ししていく観点から、協会けんぽでは、協会本部の方が支部に対して報奨金を出すインセンティブ制度というのを導入しておりまして、こういった支援を行っているというのが現状でございます。
○沼崎委員 ありがとうございます。
この協会けんぽの健診事業、私ももう一点、ちょっとこれは通告をしていないのでお聞きいただければいいんですけれども、データ統合という、健診のデータを統合していくということも非常に重要な課題だと思っておりますので、是非その点も推進をしていただきたいと思っております。
もう一点ですけれども、今回の法改正において協会けんぽの保健事業を責務として位置づけたその理由と、この位置づけによってどういった政策効果を見込んでいるのか、御見解をお伺いいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。
本改正では、先ほど御紹介したようなことも含めて、あるいは委員御指摘のデータをより活用していくということも含めて、協会けんぽが、加入者の年齢、性別、健康状態等の特性に応じたきめ細かい予防、健康づくりを適切かつ有効に実施していくことを法律上明確化するものでございます。
何かこれでコペルニクス的転回をするということではなくて、これを更に進めていこうということでございまして、その一つの表れとして、健診実施率の更なる向上等につなげるために、今年度からは、被保険者に対する人間ドックの費用補助、これは実は今まで行ってこなかったところでございますが、そういうようなものを行うこととしているところでございます。
引き続き、こういう規定を契機として、各般の取組、やはり協会けんぽは中小企業で働かれている方も多くいらっしゃいますので、そういった皆さん、あるいは中小企業の健康経営にも資するようにしっかり取り組んでいきたい、このように考えております。
○沼崎委員 以上で私からの御質問は終わりますけれども、本当に、今回のこの健康保険法、皆さんの国民生活に非常に直結した内容が多い法改定になっておりますので、その点も重要な法改正だと思っております。これからまだ議論が続くと思いますけれども、引き続き、私も様々な観点から、よりよい改正になるように議論を続けていきたいと思います。
本日はありがとうございました。ちょっと五分ほど時間を残してしまいましたが、これで質問を終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、早稲田ゆき君。
○早稲田委員 中道改革連合の早稲田ゆきでございます。
それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
健康保険法等についてでございますが、その課題を幾つか私の方から質問したいと思います。
まず、代表質問の方でも、四月九日、これは高額療養費制度について質問をさせていただきました。総理にせっかく伺える大事な機会ということで私も質問をさせていただきましたが、非常にこの高額療養費制度、厚労省の皆様もいろいろお考えをいただいて、例えば、多数回該当を残していただく、それから年間上限の創設、それからまた、二百万円以下の、所得の低い方への配慮というようなことも大変評価をしております。
しかしながらというところで質問させていただいているのですが、いつも総理また大臣からの御答弁はそこの部分だけを強調されているというようなことがありまして、私は、厚労委員会ですから、是非具体的な、細かいほかの部分でお答えをいただきたいと思っております。
最も重要な月額の上限引上げに関する、患者団体の意見を反映せずに見直しを強行するということは、これは一番そこの金額のところですから、本末転倒ではないかと思うわけですが、大臣の御見解を伺います。
○上野国務大臣 この見直しに当たりましては、患者団体の方にも御参画をいただいた専門委員会におきまして、計九回の議論を重ねてまいりました。また、超党派の議連の御提言も踏まえて、最終的な見直しを作成をしたものであります。
第八回の専門委員会におきまして、見直しの考え方で整理、合意をいただいておりますが、その際、低所得者の負担に配慮しつつ、一人当たり医療費の伸びに応じて月額上限額を見直すこと、また、応能負担という観点に基づき所得区分の細分化を行うが、その際、現在の限度額から著しく増加することがないように配慮すること、また、委員からもお話がありましたが、多数回該当の金額の維持、年間上限の創設や、年収二百万未満の課税世帯の方の多数回該当の金額の引下げなどもセーフティーネット機能の強化の観点から実施をしておりますが、こうしたことも、具体的な見直しの方向性を記載した資料をお示しをして御議論をいただき、最終的に合意をいただいたものと承知をしています。
今回の見直しは、患者団体の方を始め、保険者、労使、医療関係者など、多くの関係者と丁寧な議論を積み重ねた上で、整理をいただいた今申した考え方を踏まえて、予算編成過程における調整を経て、政府において具体的な金額を決定をしているものであります。
専門委員会では、開催の都度、患者団体の皆様から御発言をいただきました。そのような議論の積み重ねを経て、先ほど来申し上げておりますようなセーフティーネット機能の強化という考え方を整理をいただいて、最終的な見直しに至ったものであります。
このような見直しの趣旨、とりわけ長期療養者の方が一番に御不安に感じていらっしゃる、今後の医療費の見通しにしっかりと向き合った年間上限の新設、そうしたことをこれからも丁寧に説明をしていきたいと考えています。
○早稲田委員 年間上限の創設、そしてまた長期療養者ということはよく理解をしております。その上での質問なんです。
大臣もお分かりだと思いますけれども、月額の上限、これが引き上がる方が非常に多い。そしてまた、大臣が今御説明されました、長期療養者の方の一部にはもちろん負担軽減がございまして、ここのところはよかったと評価をさせていただいているわけですけれども、特に、とりわけ現役世代の患者の方、治療により更に収入が減、それからまた住宅ローンや教育費、支出が重なります。本当に家計への影響は極めて深刻であります。
そこで、私は九日に総理に伺いましたのは、扶養家族の有無や子育て世帯への配慮、それから、月ごとの限度額を引き上げるということが治療断念やそれからまた生活破綻につながることがないように抑制すべきではないか、それから、月額上限の引上げを再検討すべきではないか、収入に応じたきめ細やかな負担区分、実態調査、それからまた、社会保障審議会の検討委員会というような形での意見聴取、これをすべきではないかという数点を伺いましたが、これについてのお答えは全くございませんでした。丸めた御答弁はありましたけれども、先ほど大臣がおっしゃったそのものであります。
私が今伺いました三点、四点につきまして、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○上野国務大臣 この見直しに当たりましては、繰り返しになりますが、患者団体を始め、保険者、医療関係者からのヒアリングを実施をしております。また、患者団体の方にも当然毎回、御参画をいただいているところであります。
事務局から、延べ二十を超える様々な事例、あるいは、家計調査を用いた負担能力に関する資料、この家計調査のデータは二人以上の勤労者世帯のものでありますので、扶養という点も考慮したものであります、こうした資料をお示しをいたしまして、計九回にわたって様々な角度から丁寧な議論を重ねた結果を踏まえたものであります。
先ほどの、第八回専門委員会で考え方をお示しをいたしましたけれども、その際には、やはり、低所得者の負担に配慮をしながらも、一人当たり医療費の伸びに応じた月額上限額を見直す、あるいは、応能負担という観点に基づいて所得区分の細分化を行うが、その際、現在の限度額から著しく増加することがないように配慮すること、そうした御意見もまとめていただきましたので、前提となる資料もその際には提示をさせていただいておりますが、そうしたことも踏まえまして見直しの考え方に合意をいただいたものと承知をしております。
最終的な具体的な金額につきましては、これは予算編成過程の問題でもございますので、政府間で調整をした上で、政府で責任を持って決定をさせていただきました。
繰り返しになりますが、持続可能性の確保、またセーフティーネット機能の強化、この両立を図るものだということでございますので、是非御理解をいただきたいと思いますし、また、国民の皆様にもしっかりと丁寧にこれからも説明をしてまいりたいと考えています。
○早稲田委員 大臣、今御答弁いただきましたが、今年の八月と来年八月の二回で、月額の上限は七から最高で三八%、それが引き上がるんですよね。これが全部合意をいただいた、そういうふうに言い切れますか。
だって、九回の議論とおっしゃいますけれども、もちろん、ここまでの八回までは非常に丁寧にいろいろな資料をお示しいただいて、でも、最後の肝腎なところ、月額上限はどうするんだというようなことは、予算編成の中ですがとおっしゃいますけれども、七から三八%も引き上がるこの大きな枠組みについて提示はされていなかったんですよ。そして、解散・総選挙になったから、全くその金額について、月額上限についての意見を述べる場はなかったと全がん連の方それからまたJPAの方もおっしゃっています。そうだと思うんですよ、本当に。解散・総選挙ですから。
その中で、今、御議論いただいたと。議論はしていただいたし、意見も聞いていただいたと思います。だから、入った部分は、長期療養者に関係する部分はそうだと思います。それで評価もさせていただいているし、団体の方もそうおっしゃっているけれども、この月額上限、これはどう考えてもやはり負担がきつい。そして、今だってきついのに、生活破綻になりそうだとおっしゃっているのに、そこをもっと引き上げるんですから、これがセーフティーネットの強化になるとはやはり私には考えられません。
その上で伺いますが、多数回該当を残していただきましたが、月額上限を引き上げたら、当然ながらその上限に達しないんだから、多数回にも達しないということになりませんか。今、全部、ほとんどのところで月額上限が増えています。全部の年収、ほとんどのところで増えています。その点についてはいかがですか。
○上野国務大臣 質問の趣旨が少し違うかもしれませんが、月額上限を引き上げさせていただくことでありますけれども、それによりまして、現在高額療養費の対象になっている方が対象にならないというようなケースもあろうかと思います。
ただ、その際に、今、多数回のお話がありましたけれども、上限に達しなくても、その手前の方が継続して治療を受けられる場合には、これは年間上限額にかかってくる可能性もあるわけでございまして、そういった意味で、セーフティーネットとして年間上限額を設定をさせていただいているところであります。
○早稲田委員 そこは少し認識が違います。そういう可能性という方はゼロではないかと思いますよ、もちろん。だけれども、月額上限が上がれば非常にそこに当たりにくくなるということも事実であります。
そして、年間上限に当てはまるというふうに今おっしゃいましたが、これは高額療養費制度を利用する患者のごく一部の方であります。その理由は、多数回該当を含む上限到達回数が多い患者さんたち、例えば、上限三回、それから多数回該当七回から九回に限られるんです。これは立教大学経済学部の安藤道人教授の試算でございますが、これは全部、厚労省の資料に基づいた試算でございます。
そして、逆に大きな負担増となるケースは、例えば、上限三回、そして多数回該当ゼロから五回、これは国の試算でも出していらっしゃるはずですから、こういう方たちがたくさんいらっしゃる、という方が多いんです。
国の方の粗い試算によるとという資料がありますので、この方たち、逆に大きな負担増となるケース、今私が申し上げた上限の回数ですね、どのくらいと推計されますか、大臣。
○上野国務大臣 まず、年間上限によって高額療養費の利用回数が多い方の負担が軽減されるのは、まさにそのとおりであります。
ただ、それだけではなくて、例えば、年一回から二回しか高額療養費の適用対象に該当しない場合であっても、非常に高額な医療にかかった場合には負担額が下がるケースがあります。
また、平均的な年収の場合ですけれども、毎月例えば五万円から八万円の医療費を継続してお支払いをいただくような場合については、これまでは高額療養費の月額上限額に到達しませんでした。しかしながら、今回、年間上限を設けることによりまして、そうした皆さんが長期にわたって治療を受けられている場合には負担が下がるケースもございます。
また、本年八月時点で多数回該当となっている方につきましては、これは負担額が増加をしません。
したがいまして、一概に、高額療養費の年間上限額が少ないのではないかという御指摘は、なかなかそうでもないかなというふうには考えております。
また、今、例えば上限三回で多数回該当ゼロから五回というケースをお示しをいただきました。先ほど来申し上げておりますとおり、これは、短期の皆さんについては、医療費の伸びを勘案して一定程度の御負担をお願いをする形になります。それは三回までの方になりますが、その方が更に治療を継続される場合には、これは多数回該当に該当いたしますので、今と変わらないことになります。
さらに、そうした方が更に継続して治療を受けられる場合には、どこかのタイミングで年間上限にかかるということになりますので、それ以上負担は増えないということになりますので、そういった意味で、セーフティーネット機能として十分に効果を発揮をできるものだと考えています。
○早稲田委員 多数回該当に当たる、そういう方たちが治療を継続すればということですけれども、そういう方よりも、当たらないけれども負担増になるという方の方が多いという今お話なんです。それで、七十歳未満でそうした方たちが七十五万人という推計も厚労省の方で出していらっしゃいます。
つまり、年間上限においても、多く達するような一部の長期療養者の負担減ということは、今大臣がおっしゃったとおり、そのとおりであります。でも、その方の方が一部であって、今、短期、中期もそうです、それから長期療養者の中でも負担増になる方、それから短期、中期では非常に多いということがこういった有識者の試算でも出ておりますし、それからまた、治療により所得減になる、収入減になる方が三割いらっしゃるという調査結果も出ているわけなんです。
その中で、私が申し上げているのは、医療費も含めた可処分所得でいえば手取りが減になる、つまり、手取りが減るということになれば、当然ながら、治療控えとか治療断念とか、それからまた生活破綻につながるのではないかと。今申し上げた数字、これはちょっと今日は資料が間に合わなくて出しておりませんけれども、全て厚労省の資料に基づいた安藤先生の資料であります。
その中で見れば、今私の手元ですけれども、所得維持、所得が下がらないというふうにやった場合でも、この年収区分でいうとほとんどの方、これは前の委員会で私はこの資料を出しましたが、八割ぐらいの年収区分の方たちの自己負担上限の割合が上がります。ということは、WHOのいわゆる破滅的支出に、四割以上に、四〇%以上にかかってしまうという方たちの方が多いということなんです。もちろん、かからない世帯もあります。だけれども、この年収区分でもそうであります。
それからもう一つ、先ほど来申し上げている、年間で限度額に達する場合、この回数が大体八回程度の方までは負担増になるということなんです。それを見ますと、その厚生労働省の資料で、高額医療者の年間該当回数別の患者割合で見ますと、八割の患者さんが負担増になるという、それは厚労省の資料で明らかでございます。
これについて、だから私は、やはり見直していただくべきではないか、そしてまた、治療断念につながることがあるのではないかと非常に危惧をしている、懸念をしているので、大臣にお答えをお願いしたいと思います。
○上野国務大臣 具体的な人数については局長の方から答弁をさせたいと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、やはり短期の方につきましては、今回の見直しにおきましても、先ほど来申し上げておりますとおり、医療費の伸びに応じた負担をお願いをしているわけであります。
今、八回、おっしゃりましたけれども、多数回のところは維持されているわけですから、短期の、三回までのところが増えていることによって負担が増えているということでありますので、そこは是非御理解をいただきたい。
その方がずっと治療を継続をされましたら、それは多数回該当は現制度と同じ水準で維持をされるわけでありますし、その方が更に継続されたら、先ほど来申し上げておりますとおり、年間上限額になるわけでありますから、それ以上は増えないということでありますので、それを是非御理解をいただきたいと思います。
○早稲田委員 お答えいただけますか、今、数字についてはとおっしゃいました。
○間政府参考人 お答えします。
この点、予算委員会でも委員の先生方から御質問のあった点でございますが、まず、この年間上限に該当する方というのは五十万人ぐらいいらっしゃる。それから、低所得、年収二百万円未満の方で今回負担が下がる方が三十万人ぐらいいらっしゃる。また、先ほど大臣からもお答えしましたけれども、多数回該当に既に該当している方が今年の八月をお迎えになって、次の年のは結果的に一回から三回でしたよというような、上限該当が三回でしたよという場合も、そういう方も引き続き多数回該当ということで、負担が変わらないという形になってまいります。
この辺りも含めて、じゃ、何人なんだということでお示ししたいわけですが、その点については、統計上の制約から、今申し上げたような多数回該当が何人繰り越しているのかということがちょっと分かりかねるものですから、正確にお答えすることは難しいというふうには考えています。
いずれにしましても、大臣からお答えしましたように、比較的短期の利用される方について負担が上がるケースが多いというのは、そこは事実だと思いますけれども、他方で、先ほど申し上げたように、短期でも高額な医療費を使った方の場合には減るといったようなこともありますから、高額、長期、あるいは低所得の方に対するセーフティーネット機能はやはり強化している。そういったことも踏まえた上で、治療に幾らかかるのか分からないという御不安に対しては応えられるようにしてきているんじゃないか、このように考えているところでございます。
○早稲田委員 私が伺った数字というのはそこではありませんで、逆に大きな負担増となるケース、上限三回、多数回該当はゼロ回から五回という方が非常に多いということなので、そこがどうですかと伺って、これをお答えいただけなかったけれども、七十五万人という推計が出ております。
その意味でも、私は、もちろん、減るケースがあるということは分かります、だけれども、そうでない方が高額療養者の年間該当別の患者割合でも八割程度いらして、ここが負担増になるということも推計で出ておりますので、そこのところを考えてくださいというふうに再三申し上げているんですけれども、大臣、政府の方ではそういう御答弁がいただけないのは大変残念であります。
それで、必要な受診が抑制されるという想定はしていないとよくおっしゃいますけれども、それはなぜそういうふうに考えられるんでしょう。
短期とさっきもおっしゃっていますけれども、短期だけじゃないですよ。中期も、それから長期療養者の場合でも、こういうふうに負担増になるケースは当然あって、特に短期、中期までの方が多いということなんです。それは是非御理解をいただきたいと思います。
では、必要な受診が抑制されることは想定していないといつも大臣もお答えになりますけれども、なぜ想定されないんでしょうか。
○上野国務大臣 まず、人数の件ですけれども、高額療養費を利用されている方は圧倒的に一回、二回の利用者の方が多いわけでございますので、そうすると、その分を上げさせていただいておりますので、負担が上がる方が多いというのはまさにそうした結果でもあろうかと考えております。
また、今、受診控えの話がありましたけれども、私どもといたしましては、先ほど来申し上げているようなセーフティーネット機能を強化をしております。そうしたことを十分国民の皆さんあるいは患者の皆さんに周知をさせていただくことで、必要な受診を受けていただけるように、必要な受診が受けられないということがないというふうに考えております。
○早稲田委員 いや、セーフティーネットを強化しているとおっしゃいますけれども、そうではない方の方が多いのではないかという質問をしているんです。年間で限度額に達する回数が大体八回程度の方までは負担増ですから、そこのところをもう一回きちんと考えて、再検討していただきたいと私は強く求めたいと思います。
その上で、資料の方ですけれども、私ども中道改革連合では、高額療養費の支給に関する議員立法をただいま準備中でございます。これについて多くの他党の皆様にも御賛同いただきたいと思っておりますが、これは資料として大臣に御提示をさせていただいておりますので、これについての見解、どうぞお願いいたします。
○上野国務大臣 今初めて見させていただきましたけれども……(早稲田委員「そんなことないですよ。昨日から」と呼ぶ)そうですか。失礼しました。
済みません、今、御党の方で議員立法を今調整をされているというのは伺っておりますが、まだ調整中ということでもございますし、私の立場でそれについて言及するのは避けたいと思っております。
○早稲田委員 是非、今私が質疑をしました内容、そしてまたこの高額療養費制度が果たす役割、この重要性もしっかりとその法律の中に組み込んで、皆様が、セーフティーネット強化になるねということが国民の方に理解できるような、そういうものにしたいと思っておりますので、皆様にも今後よろしくお願いしたいと思います。
その上で、私はやはり、この月額上限の再検討ということをお願いをしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。出産費用の無償化についてであります。
先ほども御議論がありました。標準的な出産費用の無償化として、保険診療以外の分娩対応に対する費用を全国一律の水準で現物給付化し、妊婦の自己負担が生じない仕組みとすることは大変評価をさせていただきたいと思いますが、その上で、標準的な出産費用とはどのくらいなのか、費用の見える化、先ほども御議論ありましたけれども、それで着実に進めていただくということが大変重要だと思っています。
現行の出産一時金について、経過措置として、当分の間は分娩施設の選択により適用できるというふうになっておりますけれども、当分の間というのはどれくらいの期間で、どれくらいの分娩施設がこれを選択すると想定をされていますか。
○上野国務大臣 今回の見直しにつきましては、可能な施設から順次、新体系に移行を進めることとしております。当分の間、従来の出産一時金の仕組みも併存させて、施設ごとに、新体系か、あるいは従来の仕組みかを選択ができるようにしております。
これは、社会保障審議会医療保険部会における議論の中で、負担軽減をできる限り早期に実現すべきだという意見がありましたけれども、その一方で、個々の施設が対応できるような十分な時間的余裕を確保すべきだ、そういった意見があったのを踏まえたものであります。
この当分の間につきまして、現時点で具体的な期間を想定しているものではなく、新体系への移行状況等を踏まえ、この移行期間の在り方についても検討していきたいと考えています。
同時に、現時点で、分娩取扱施設のうち、どの程度が新体系に移行をするか、これは必ずしも具体的な想定を持っているものではありませんが、妊産婦の皆さんの経済的負担を軽減をしていくためにも、できる限り多くの施設が新制度を選択していただけるようにしていくことが必要だと考えておりますので、そのためにも、今後、出産施設の経営実態等も踏まえた適切な給付水準の設定であったり、あるいは、今回の制度見直しの趣旨、メリット等につきまして丁寧な説明をしていきたいと考えています。
○早稲田委員 今の段階で決まっていないということでありますけれども、この給付体系の見直しによって、逆に、周産期の医療提供体制に悪影響を及ぼすことがあってはなりません。地域で必要な分娩施設が維持できるように適切な支援をしていただきたい。
そしてまた、導入時期が医療機関ごとに異なりますと、これもまた妊婦の方で不利益とか不公平とかが生じることがないように、それからまた保険者の事務負担増にもつながりますので、そうしたことをいろいろ鑑みてやっていただきたい、前に進めていただきたいと思います。
それから、次に移りますが、本会議答弁でもありましたように、助産所の事務負担が過度に増えないように、まあ一定の移行期間はやむを得ないとしても、あくまでも限定的、例外的な適用となるように必要な措置、支援を講ずるべきではないかと考えますが、大臣、お願いします。
○上野国務大臣 今回の見直しによりまして、分娩を取り扱っていただく助産所につきましては、新たに、厚生労働大臣の指定を受ける仕組みとなっております。
他方で、助産所は比較的小規模の施設が多いことから、指定を受けるための事務負担が過大なものとならないように、これは、関係団体や現場の方々の御意見を丁寧にお伺いをしながら、施行に向けて必要な検討を進めていきたいと考えております。
なお、助産所が厚生労働大臣の指定を受けるという手続は、新制度への移行時のみに必要となる手続でありますので、指定を受けられた後は、分娩を継続する場合には特段の手続は不要であります。こうした点についてもしっかり周知をしていきたいと考えています。
○早稲田委員 小規模な助産所がほとんどでありますので、そこのところは支援と、それからまた分かりやすい移行の措置をお願いしたいと思います。
それから、沼崎委員からも御議論があった、無痛分娩についてであります。
こちらは、妊婦のニーズが非常に高まっておりますし、それから、自治体でどんどん助成をしているところも増えております。
そして、無痛分娩を取り扱う施設が増えていくことが今後考えられますが、一方で、地域間それからまた施設間で提供体制、状況には非常に差があって、また、安全体制の確保に加えて、妊婦への情報提供も不十分であるということが言われております。
私も週末に静岡の方に行きまして、地元の方に伺ったところ、いわゆる高齢出産ということなので、無痛分娩を迷わず選んだんだけれども、逆に、初産であるということでこれができなかった、結果的に。それで、それは、かなりネット情報でいろいろ調べたけれども、その情報がまだ古いとかいろいろありまして、数少ない地方の施設におきましては、そうしたこともまだ情報提供がなされていないんだなということがよく分かりました。
そして、ここでは無痛分娩をやっていますと書いてあるんだけれども、実際に行ってみたら、初産の場合は駄目ですと。じゃ、なぜ駄目なのかというところまで丁寧にも書かれていないし、なかなか今の、女性の間にも、医師であっても、ある方が医師だったんだけれども、それでも、初産で無痛分娩をなさろうとしたけれども、実際行ってみたら駄目だったというようなこともありますというふうに聞いておりますので、情報提供体制の、もう少し丁寧な、そして分かりやすいものにしていただきたいということは強く望むところでございます。
本会議で、この質問について総理は、安全で質の高い無痛分娩を選択できる環境の整備を図ることは重要であり、現物給付とは別に創設される現金給付の在り方を含め、施行までに丁寧に検討と答弁をされました。
そして、その現金給付の在り方などについて具体的なことを教えていただきたいんですけれども、それに加えて、今後、麻酔医の確保など、無痛分娩の提供体制の充実には期待をしておりますけれども、一方で、無痛分娩だけでなく、WHOが推奨する、エビデンスのある例えば理学療法など痛みを軽減するような処置についても、やはりその保険適用なども含めて、妊婦の希望に応じた環境整備ということの支援が必要ではないかと考えますが、二点伺います。
○上野国務大臣 まず、無痛分娩につきましては、安全に実施できる体制を確保するため、医療関係団体と連携をして、無痛分娩の提供体制に関する情報の公開、医療従事者を対象とした研修体制の整備、産科麻酔を実施する麻酔科医の確保などの取組を進めておりますが、さらに、今委員からの御指摘のあったようなことも踏まえまして、情報公開、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
また、無痛分娩だけではなくて、分娩施設の、例えば助産師さんなどが妊婦の希望に応じて産痛の緩和を目的としてケアを提供する、そうした環境を整えることも重要だと考えております。
例えば、助産師の養成課程の中には、正常な経過にある産婦への支援として産痛緩和を含めております。また、日本助産師会が編集したマニュアルでも、マッサージやリラクゼーション、心理的サポート、痛みを和らげるための体位などを行うこととされておりまして、こうした方法は、WHOが推奨している方法にも準拠しているものだと考えております。
今後とも、このような現場での取組を通じまして、より安全で妊婦の希望に応じたケアを提供できる環境が整備されるように取り組んでいきたいと考えています。
○早稲田委員 日本の少子化に対しましても、妊婦の皆様の環境整備を整えるということ、そしてまた、安心して産み育てる環境を整えていただくということは大変重要な政策でありますので、是非よい形で前に進めていただくことを強く要望しておきます。
最後の項になりますが、引き続き前回からの質問でありますけれども、ADHD治療薬の供給不足についてです。これは、発達障害と言われるADHDの治療薬のコンサータ、これが供給不足、限定出荷が本当に長く、長期化してしまっている問題です。
前回の質疑で厚労省は、需給がいつ頃安定し、新規の患者が処方を受けられるようになるのか、具体的な見通しはお示しいただけませんでした。
そして、増産、供給増加には年数がかかると思われますけれども、それまで、ただ厚労省がメーカーに増産をお願いしているだけでいいのかという問題もございます。当面、服薬によって生活がきちんとできる、そしてまた就労が維持できる、続けたいと考えているADHDの患者のニーズにどう応えていくのかというのは、増産の要望だけではちょっと手薄だと私は思いますので、その点について質問いたします。
ここに資料をつけさせていただきました。どうぞ、これはとてもよくまとまっております。今日、傍聴にも来ていただいています発達障害当事者協会の独自調査であります。ここに書かれていることが非常によく分かるんですけれども、某大手チェーン薬局では、いつもコンサータの在庫がたくさんありますと言われる。一方で、ある門前薬局ではぎりぎりの在庫しかない、そういう当事者の声がたくさんここに出ております。そして、数十軒歩いてやっと買えたとか、そういう声があるわけなんです。
今、コンサータは登録薬局でしか販売できませんけれども、全国に三万五千、登録薬局があるということでありますが、その在庫の偏在、それからまた一部チェーン店による買占め等などの実態について、どのように把握をしていらっしゃるか、伺います。
○森政府参考人 コンサータの件、前回の委員会で、ADHDの患者の急増を受けて、出荷量自体は今維持されているんですけれども、限定出荷の状態が続いている。メーカーの方に対しても増産要請しているということを申し上げたところでございますが、あわせて、卸売の販売業者に対してヒアリングを実施しております。
それによりますと、通常に比べて過大と思われる発注があった場合については受注を受けない仕組みが構築されており、当面の必要量に見合う量のみ販売するような対応がなされているというふうに聞いているところでございます。
必要な患者に適切に医薬品が行き渡るように、丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
○早稲田委員 大臣に伺いたいと思いますが、コンサータは、メーカーが組織する流通管理委員会の下で厳格に管理されていますよね。ということは、納入量と調剤量を把握していると承知をしています。ここを引き算すれば、リアルタイムで薬局ごとの在庫量も推計できるはずです。
今の局長の御答弁で、ヒアリングはしていますということをおっしゃいましたけれども、それだけでは足りないので、きちんと、偏在が事実であるとすれば、この是正をメーカー任せにせず、厚労省として、増産のお願いだけでなく、流通の適正配分、これに積極的に関与すべきではないかと考えますが、大臣、御答弁をお願いします。
○上野国務大臣 ヤンセンファーマ社が行いますコンサータ錠の流通管理につきましては、不正流通防止の観点から、大体月一回の頻度になりますけれども、各登録薬局の納入データと調剤データを突合しまして、その月の在庫量の増減、増減ですが、これを推測しているものでありまして、リアルタイムで在庫量を把握することはできないというふうに認識をしております。
卸売販売業者からも、過剰な発注を受けた場合には、当面の必要量に見合う量のみ販売するよう対応していると聞いております。
加えて、厚労省としても、御指摘をいただきましたけれども、製造販売業者への増産の要請を今しているところでありますが、御指摘のような適正な流通のために、必要に応じて、過剰な発注は控え、当面の必要量に見合う量のみの購入を行うなど、関係者への依頼を通しまして、必要な医薬品をしっかり届けられるように適切に対応していきたいと考えています。
○早稲田委員 もう少し積極的に関与していただくことができるのではないかと思うんです。
このコンサータの薬局間融通というものは通知では禁じられているわけですけれども、麻薬及び向精神薬取締法における譲渡や売買、これにつきまして不適切な流通を防ぐ趣旨のものでありまして、適切な管理の下で医療提供の一環として行われる行為までは直ちに禁止するものではないと考えます。
その上で、登録薬局間で、薬局の間で、患者への処方を前提に、記録、報告などの管理をしっかりした上で在庫を移動させる行為は、この麻向法の譲渡や売買には当たらない。つまり、麻向法の第五十条十六の第二項に違反するものではないと理解をいたしますけれども、大臣の明確な答弁を求めます。
○上野国務大臣 まず、委員から御指摘のありました登録薬局間で向精神薬の在庫を移動させる行為につきましては、麻薬及び向精神薬取締法上の向精神薬の譲渡に該当いたします。その上で、コンサータ錠は、この法律におきまして第一種に分類されていますが、この法律では薬局間の譲渡については禁止をされていないものであります。
ただ、コンサータ錠を含む塩酸メチルフェニデート製剤は、依存性や乱用リスクが高く、過去に不適切な使用などが社会的に問題になったことも踏まえまして、不正流通防止の観点から、投薬をする医師、医療機関、薬局を限定するなど、流通管理を製造販売事業者に実施させることとしておりますが、登録薬局にのみ確実に販売させるように、通知におきまして、薬局間での譲渡、譲受けをしないようにすることとしているところであります。
○早稲田委員 今、譲渡を禁ずるものではないというふうに、大臣、おっしゃいましたよね、これはそうですよね。
その上で、成人した多くのADHDの方は、自立支援医療の対象なんですけれども、だから、自己負担が一割で、指定された薬局で買う場合はコンサータを入手できるんですけれども、そうでない、在庫がたくさんあるよと言われているチェーン店なんかで買おうとしますと、これが三割負担になって、月一、二万、自己負担増になります。ここが今、非常に供給が限られている、それから偏在が目に見えて分かるような状況で、自立支援の医療の現行制度では、薬局の変更というもの、これも気軽にできないわけなんです。
そして、十三日には団体が厚労省に要望しているように、メーカーによる、今現在、限定出荷が行われておりますので、これが解除されるまでの期間に限り、自立支援医療受給者証に登録されていない薬局で調剤された場合であっても、限定的に、特例的に自立支援医療の一割負担を適用する特例措置を講じていただけないか、講じるべきではないかと考えますが、そのことについて伺いたいと思います。
○上野国務大臣 コンサータの供給不足による生活などへの影響につきましては、当事者団体の皆様からも切実な声をお伺いをしています。
自立支援医療制度では、対象となる患者ごとに、都道府県知事等が指定する医療機関、薬局からあらかじめ原則一か所を指定することとなっており、これを変更する場合には、変更申請を行い、受給者証の記載を変更する必要があります。
自立支援医療は公費負担の対象となる医療に関して一定の質を担保するという必要性から、受給者証に記載されていない薬局での自立支援医療の利用を認めるかどうかについては慎重な検討が必要と考えておりますが、この供給不足をめぐる状況については注視をしていきたいと考えています。
○早稲田委員 注視をしていきたいということでございますが、限定出荷されていて買えないわけなんですね、その指定をされた登録では。
これは法改正も、そこのところは、こういう場合ですね、場合に限りとか、特例ということであれば考えていただきたい。是非これは要望として申し上げておきます。
その上で、メーカーに増産要請しているだけでは厚労省の責任は果たされているとは言えません。緊急措置として、供給逼迫時に限り登録薬局間でのコンサータの在庫の融通を認める特例措置を、通知の修正、またシステム改修も必要かもしれませんけれども、速やかに講じるべきではないでしょうか。これは法改正なしでできますので、是非考えていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○上野国務大臣 まず、先ほども少しお答えをいたしましたが、コンサータ錠を含む塩酸メチルフェニデート製剤は、依存性や乱用リスクが高く、過去に不適切な使用、偽造処方箋等による不正入手などが社会的な問題になったことを踏まえ、投薬する医師、医療機関、薬局を限定するなどの厳格な流通管理を実施をしております。
薬局間譲渡を認めるとした場合には、不正流通防止の観点から慎重に検討すべき様々な課題があるとは認識をしておりますが、こうした譲渡の在り方も含めて製造販売業者とも協議をしていきたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、安定供給に向けましては、製薬企業に対し増産の要請を行うなどの対応を行ってきたところであり、当該企業におきましても、限定出荷の解除に向けて、在庫量の積み上げ等が行われているというふうに承知をしておりますので、製造業者も含め、関係者ともよく相談をして対応していきたいと考えています。
○早稲田委員 増産はもちろんなんですけれども、在庫の偏在ということがありますので、そこについての厚労省としての積極的な関与を是非お願いしたいと思います。
その上で、前回、厚労省は、世界の他国でも非常に品薄になっているとおっしゃっておりましたけれども、世界では、ビバンセというほかの薬がファーストチョイスとして承認されているものと聞いております。このビバンセにつきましても、子供に対しては日本でも承認されておりますけれども、大人にはされていないという状況がありますので、そこのところも検討をしっかり厚労省としても取り組んでいただきたいということを要望して、終わります。
ありがとうございました。
○大串委員長 次に、浜地雅一君。
○浜地委員 中道改革連合の浜地雅一でございます。
中道の持ち時間、残りが四十二分。午前中、十二時ちょっと過ぎまで行って、午後も行いたいと思いますので、是非おつき合いをいただきたいと思います。
私は、前回質問いたしました一般用医薬品の遠隔販売について、続きをやっていきたいと思っています。
なぜこの質問を続けるかといいますと、今回、OTC類似薬が一部保険外診療となります。その趣旨は、医療用の医薬品を使っている方とOTCで処方している方との公平性を図るというのが一つの制度趣旨でございますので、実際に一般用医薬品でありますOTCの医薬品に対してどのようにアクセスできるのか。それが、昨年成立しました薬機法におきます、いわゆるコンビニ等で受渡しができる遠隔販売も、ひとつOTCの利用という面でOTC類似薬の論点とも絡むということで、質問を続けさせていただきたいというふうに思います。
前回、宮本局長と様々議論をさせていただきました陳列なんですけれども、今日は質問じゃなくて、私も前回の御答弁ぶりも踏まえていろいろ考えました。いわゆる管理店舗、店舗販売業の許可を持っているところが委託をして、受渡し店舗で商品の陳列ができるという条文でございます。このとき、宮本局長の答弁は、薬機法の二十四条、一般の薬局や又は店舗販売業においては陳列ができるんだ、それが、例えばこれが分離をして、管理店舗と受渡し店舗に分離することによって陳列ができなくなるのはおかしいという答弁だったと思います。
私も、そのとおりであって、実際に遠隔販売をしてしまうとどこにも陳列できないというのは、これは二十四条よりも限定的になってしまうだろうと思います。しかし、受渡し店舗の方では販売機能がないのであれば、それについては、やはり陳列というのは、一部販売機能を有することになるんじゃないかというふうな問題提起を私はいたしました。
したがって、本来であれば、この制度設計は、恐らく管理店舗の方に陳列をさせて、そして受渡し店舗の方で物のいわゆる管理だけをして、受け渡すときだけその商品を渡せばよいというのが恐らく一番きれいな制度設計だったんじゃないかなと思いますが、五十七条の二で、受渡し店舗において陳列を認めている条文がございます。私も賛成している条文がありますので、この辺りの整理をしっかりしていただきたいなというふうに思いますので、これは御答弁は求めません。しっかり私の指摘も踏まえて、受渡し店舗における陳列の在り方や行い方、これについてはまた是非慎重に考えていただきたいなというふうに思うところでございます。
ただ、今日、私がまた図を持ってきていますが、左側の、五十七条の二の、遠隔のイメージの販売機はちょっとこれはミスリードじゃないですか、局長。販売機能がないのに販売機と受渡しに書いてあるので、私はそう思いますので、こういう表記についても考えていただきたいということをまず要望してから質問に入りたい、そのように思っております。
前回の御答弁では、要は、監査を行っていくんだ、しっかり遠隔販売について適切に行われているかを監査を行っていくという御答弁がありましたが、この監査というのは、誰が誰に対してどのような項目を監査させるのか、これをどう想定されているのか、御答弁をいただきたいと思います。
○宮本政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の遠隔販売につきましては、前回の委員会において答弁したとおり、登録販売業者や、薬局や店舗販売業者からの委託を受けて一般用医薬品の受渡しを行うことができるとされているところでございます。
その上で、委託元である薬局等は、委託先に対して、委託先において行われる業務の適切性を担保するために、委託先の業務に関する手順書を作成し、受渡しの実施方法や医薬品の管理について手順を定めるなどを想定しております。
委員御指摘の監査につきましては、当該手順書に沿って適切に医薬品の管理などの業務が行われているかについて、委託元である薬局等が委託先に対して監査を実施することを想定しております。
○浜地委員 ありがとうございます。
今、手順書ということを説明をいただきました。その手順書の中には、医薬品の管理の方法についてもしっかり手順書に書き込み、その手順書どおりに行われているかどうかを監査をするということの御答弁だったと思います。
そうなりますと、実際にこの監査は、いわゆる管理店舗側から受渡し店舗側への監査でありますが、私は、これは実際に現地に赴いて、実地での監査が必要ではないかという問題意識がございます。なぜならば、特に医薬品の管理につきましては、有効期限の管理が非常に大事だと思っています。有効期限が近づいてしまった医薬品をそのまま漫然と渡しますと、当然、有効期限切れということもありましょうし、仮に有効期限が近づいているものを、一般用医薬品ですから、御家庭でそれをある程度継続して飲まれるわけでありますので、有効期限の管理というのは非常に大事だというふうに思っています。
実際の店舗販売業ではどういうふうに医薬品の有効期限の管理をしているかというと、実際に現場で、この当該商品は、裏の有効期限を見て、いよいよ有効期限が近づきつつあるな、これは販売するには注意が必要だなとか、若しくは、医薬品の有効期限が近づいているということになると、例えばメーカー側に返品をするとか、そういう作業が実は現場では行われているというふうに聞いております。
それともう一つが、医薬品の状態の管理。例えば、実際は空になっていないか。私も、実際、購入した医薬品が、パッケージが漏れていまして、中身がしみ出ていたということもございますので、そういったものというのはやはり実地でないと管理ができないんじゃないかというふうに私は思っています。
バーコード、いわゆるJANコードで管理すればいいんじゃないかという議論もあるんですが、実は、このJANコードには、個別の商品の有効期限はひもづいておりません。ですので、遠隔で医薬品をバーコード等を使ってデジタルで管理をするには限界があると私は思っておりますけれども、この監査、実地で行わせるということでよろしいのか、御答弁をいただきたいと思います。
○宮本政府参考人 お答えいたします。
今回の制度はデジタル技術の活用ということを趣旨としておりますので、監査の実施につきましても実地のみとすることは想定していないというところですけれども、先生御指摘のように、具体的な監査において確認すべき内容や、それらを適切に確認できるのかどうかということは、今薬局等において実地で行われている業務の実態の内容を踏まえながら、引き続き関係者の方からの御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
○浜地委員 ありがとうございます。
今、デジタル技術の活用、これも大事な視点であります。昔から、デジタル技術の活用というキーワードを使って規制改革というのは行われてきました。例えば、株式会社の設立時の公証人の認証が要るかどうかとか、様々行われてきたわけでございます。当然、デジタル技術の活用で技術は進歩しなきゃいけませんし、これまでの同じようなやり方では、やはり成長も止まってしまうということは私も承知をしています。
ただ、大事なのは、やはり制度趣旨が守られた上で、デジタルがそれに代わることができるのかということも大事な視点でありますので、今局長が御答弁いただきましたとおり、実地での監査を原則とはしないんですが、その理由がデジタル技術の活用でありますけれども、デジタル技術が、本当に実地での監査を補完できるようなデジタルの活用ができるのかという視点で、是非これは検討していただきたいというふうに思っています。
そうなりますと、では、監査の実効性、これはやはりなければいけません、デジタルだろうが、実地だろうが。そうなりますと、今回、管理する登録受渡し店舗の数、これもおのずと、管理できる数というのは限界があろうと思っています。ただ単にデジタル技術が発展しているから野方図にこれが管理できるということは、私が先ほど申し上げましたとおり、制度趣旨が逆に守られなくなると思っています。
そうしますと、今後の省令では、管理店舗数に上限を設けるというような考え方でよろしいのか、御答弁をいただきたいと思います。
○宮本政府参考人 お答えいたします。
一つの委託元が複数の委託先に医薬品を受渡しを委託することは制度上想定しておりますけれども、この場合、委託元が全ての委託先を適切に管理できることが前提となっておりまして、委託元が適切に管理できる店舗数については、委託元において整備するシステム、あるいは体制、それから委託先の体制などにより、大きく影響を受けるものというふうに認識しております。
したがって、厚生労働省令において、委託可能な登録受渡し店舗の上限数について具体的に規定することは想定しておりませんが、業務の管理を適正に実施できる範囲の数とすることは非常に重要なことでございますので、これを担保できる仕組みとすることが適切であると考えております。
○浜地委員 ありがとうございます。
局長、当然、上限数は設けないけれども、適切に管理できるような仕組みにしていくということなんですが、実際に、そうなると、適切に管理がされていないというような判断になったときには、これは例えば、遠隔販売の免許の許可の更新のときに更新拒否事由になったり、若しくは罰則等がつくというような運用になることでよろしいですか。
○宮本政府参考人 お答えいたします。
先生おっしゃっているとおりでございまして、いわゆる現行法の他の業務でも、手順書というものを作りなさいということと、手順書に従って業務をやりなさいということが許可の要件だったり、それの更新の要件にひもづくというような仕組みを取っているものがございますので、今回のものにつきましても、そういった仕組みを踏まえて検討したいと思います。
それに基づきませば、要するに、手順書に基づいて業務ができなかった場合は、当然、行政指導を行いますし、行政処分も可能になるというふうに考えております。
○浜地委員 じゃ、この遠隔販売、最後の問いにいたしますけれども、前回の質問のときに、管理店舗にいらっしゃる受渡し管理者、こちらについては、やはり薬剤師や登録販売者の資格を持っている者、そして、基本的には常勤を行わせるという考え方であると。しかし、この受渡し管理者は、当然、勤務時間もございますので、いらっしゃらない時間は代理の者を立てて、この受渡し管理者が登録受渡し店舗において適切に受渡しが行われているかどうかをしっかりと管理していくという御答弁でございました。
そうなりますと、右側の管理店舗の営業時間外には、これは店舗管理者も受渡し管理者もいないと思いますけれども、若しくは、営業時間内であっても受渡し管理者若しくは代理の方がいらっしゃらない場合は、登録受渡し店舗でありますコンビニエンスストア、例えばですね、その営業時間内においても受渡しすることはできないというふうになろうかと思いますが、それでよろしいですか。
○宮本政府参考人 お答えいたします。
御指摘の受渡しを実施する場面では、相談等の契機となりやすい一方で、委託先は専門性が必要な対応はできないことを踏まえて、委託元とつなぎ、相談応需や不測の事態へ対応を適切に実施できる必要があるというふうに考えております。
このため、受渡しを行う時間帯においては、受渡し管理者又は代理の有資格者が対応できる体制が必要であると考えておりますが、いずれにしても、委託業務についての販売の適正な実施の観点から、関係者の御意見を踏まえつつ、検討してまいりたいと考えております。
○浜地委員 済みません、私もるる、この遠隔販売についてはかなり細かく質問させていただきましたが、前回、また今回の質問の趣旨、また御答弁の趣旨も踏まえて制度設計していただきたいと思っております。
ちょっと若干テーマを変えますけれども、前回の改正薬機法では、指定濫用防止医薬品というものを指定をいたしました。これについては、資格者が情報提供義務を必ず法的に課すということで、いわゆるオーバードーズ等の対策を確実に行っていこうということであります。
そのときに、陳列の方法として、これもこのような取決めでございました。こういった指定濫用防止医薬品は、空箱を置くか、若しくは、情報提供をするために資格者が継続的に配置されるところ、カウンターのようなところ、そこから七メートル以内のところに陳列をしなさいというルールになりました。これは法律で明記をされています。
しかし、現在、各都道府県が、実際に指定濫用防止医薬品の販売許可を出すのに、空箱を原則にしなさい、若しくはじゃなくて空箱が原則にしなさい、もし空箱でなくて七メートル以内のところに設置するんだったら、これは手元が見えるような措置をしないと許可を下ろさないんじゃないかというようなことを言っているという情報が私には入っております。実際どういう言い方をしたかは、私はこれは伝聞になりますので、聞いているという言い方を今いたしました。
そうなりますと、業界ではガイドラインを作って、薬機法に定められた販売手順を遵守するようにガイドラインを作られているんですね。これは厚生労働省とも相談の上、しっかりと綿密なものを、詳細なものを作られたと聞いています。そうなりますと、指定濫用防止医薬品の販売許可基準と業界のガイドラインとの関係、これについてはどういう関係にあるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○宮本政府参考人 お答えいたします。
指定濫用防止医薬品につきましては、適正な販売を徹底するための情報提供や陳列に関わる制度改正が昨年行われまして、今年の五月一日から施行をされますが、販売の方法等に関しては、手順書の作成と、それに沿った業務の実施を求めているところでございます。
また、当該手順書を各薬局等が適切に作成できるよう、各関係団体において販売業態ごとの特性を踏まえた上でのガイドラインが作成されまして、今年の一月に厚生労働省から各都道府県等に対して、法令の解釈に沿うものとしてガイドラインを周知したところでございます。
その上で、自治体における許可業務や薬事監視に当たっては、関係法令やこれらのガイドラインも踏まえて対応いただくことが適切と考えているところでございまして、議員の御指摘も踏まえて、自治体によって許可の基準や指導にばらつきが出ないよう、引き続き、自治体への十分な周知や連携等を進めてまいりたいと考えております。
○浜地委員 ありがとうございます。
今局長御答弁いただきました業界のガイドライン、手順書のガイドラインというのは、やはり法令の解釈に沿うものということでありましたので、まさにこれを大きく超えるようであったら、何のためにやはり法律を制定したのか、又は業界の方でも、この解釈に沿う形で綿密な、詳細な業界のガイドラインを作ったのか、意味がなくなりますので、是非、各都道府県でそういった問題が起きた場合には適切に対処していただきたいなというふうにお願いをさせていただきます。
昼前ですが、あと三分ありますので、高額療養費の質問に行きたいと思います。
先ほど早稲田ゆき議員が、高額療養費について、特に患者さんの立場から、これを現在利用されている方の立場から、本当に収入条件の厳しさでありますとか、こういった御指摘をされたところであります。しっかり私も、議員立法の法案の提出者として、またこの趣旨については皆様方に理解をいただくように努力をしたいと思っています。
その上で、実は、今回用意している修正案は、今回の改正健康保険法の百十五条の高額療養費の支給に関する条文、これについてもう少し要件を付加していこうというものでございます。
その前に、百十五条の意味について、実は原則として確認をしたいと思っています。健康保険法百十五条は、様々診療に必要な費用の負担とか、家計への負担とか、とりわけ長期にわたって継続的に療養を受ける者の家計に与える影響等を考慮して、政令で定めるというふうになっておりますけれども、考慮してということは、挙がっている要件を全てクリアしていかなければ、政令で定めた場合にも政令委任の範囲を超えてしまう、そういう条文なのか。それとも、考慮要素ですから、最後は様々なことを考慮しますが、総合判断として、言ってみればプログラム規定のようなものであって、最後は政令において、政府の方が、当然考慮はするんですけれども、全体的に最後は委任をされておって政令で決めていくというような性質のものなのか。
この百十五条の示される要素の効果、意義、それについて、まず局長、御答弁いただけないでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
そもそもの話として、高額療養費制度は、家計に対する医療費の自己負担が過重なものとならないよう、自己負担に上限額を設ける制度ですので、患者の皆様にとって重要なセーフティーネットと考えています。
昨年の衆議院厚生労働委員会におきまして御決議になられました内容も踏まえまして、本法案において高額療養費の支給要件を定めるに当たっては、特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるよう、法律上明確化することとしております。
考慮要素でございますので、そうしたものをしっかり考慮した上で、政府において最終的に決定をすべきものというふうに考えておるところでございます。
もう一つ、ここに規定する意味合いなんですけれども、今回、予算の過程においてもパッケージ化された高額療養費の見直しは、現在御審議いただいている法案、改正後の百十五条を前提としたものではございませんけれども、本規定の意味合いは、仮に今後、高額療養費制度を見直していく場合においても長期療養者に配慮することにある、そういうふうに考えているところでございます。
そういうふうに考えておりまして、今回の見直しに際しては、もう再三この委員会でも大臣からも御説明させていただいておりますけれども、一つは、患者団体の皆様、あるいは保険者の方々、医療関係者の方々、学識経験者などに参画いただいた専門委員会で議論しているということ、そして、委員以外の患者団体を始めとして、保険者、医療関係者などからヒアリングを行う、あるいは事務局からも相当、データに基づいていろいろな様々な資料を出し、そして九回にわたり丁寧に議論を重ねた上で方向を出してきたものでございますので、こういうプロセス自体が今回の追加した健保法第百十五条の規定に通底している、相通ずるものである、このように考えているところでございます。
○浜地委員 午前中の時間は終わりましたので、これで。また午後、続きをやりたいと思います。
ありがとうございました。
○大串委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時三分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○大串委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。浜地雅一君。
○浜地委員 午前中に続きまして、午後も約二十分質問させていただきます。
先ほど、午前中、高額療養費の点について、まず健康保険法の百十五条の意義について確認をしたところでございます。
日本は言うまでもなく、国民皆保険、全ての国民の皆様方が何らかの公的保険に入れる。本当に世界に冠たる制度、先ほど大臣もそのように申し上げられました。国際会議に行きましても、UHCというものを日本は高らかにうたい、ほかの先進国も、どうやってこれを導入したのか、実際に当該国でも導入をしたいけれども、やはり国費の負担であるとか、その辺りでなかなか懸念をして、日本がつくったユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、本当にまねできる国はないほど、我が国は大事な公的保険制度を有しております。
もう一つ大事な公的な制度として高額療養費があるわけでございまして、全ての国民が公的保険に入り、かつ高額な医療費がかかっても上限のキャップがかかるというこの制度につきましては、私は持続可能性というものをやはり一番に考えなければいけないと思っています。
しかし、片や、私も党内で様々議論しておりますが、実際に今使われております患者の皆様方からすると、当然、患者負担、収入の状況、これも御不安になるのは当然でございます。やはりマクロ的な視点と、そして患者個々の生活状況を含めたミクロ的な視点、非常に難しいバランスなんですが、ここを図っていくために、修正案も出させていただきたいと思いますし、この委員会で議論をしていきたいと思います。
ですので、前提として確認をしたいんですが、現在、高額療養費制度に係っております医療給付費全体、また保険者負担全体は幾らなのか。その金額を仮に保険者ごとの一人当たりの年間の社会保険料に引き直すと、概算でどれぐらい影響があるのか、局長に御答弁をいただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
支え合いの仕組みである医療保険の中で、高額療養費の支給総額は、令和四年度でございますが、約三兆円となっております。そのうち、保険料によって賄われている分は約二兆円となっております。これはマクロの数字でございます。
この高額療養費を賄うために被保険者お一人当たりの保険料負担額を仮に機械的に算出をいたしますと、それぞれ制度ごとに申し上げますが、協会けんぽであれば年額三・二万円、被保険者お一人当たりですね。それから、健保組合であれば年額三・八万円、共済組合であれば年額三・六万円、国民健康保険であれば年額一・二万円、後期高齢者医療制度であれば年額〇・四万円の保険料を御負担いただいて高額療養費を支えていただいている、こういうことでございます。
○浜地委員 局長、詳細に御答弁いただき、ありがとうございました。
いわゆる保険給付費が今三兆円で、そのうち保険料負担に関わるところは二兆円ということで、これは年々増えているわけでございます。当然、高額薬剤も増えておりまして、これは増える一方であります。ですので、今は、ややもすると、高額薬剤については、一時、保険収載する時期をずらして民間保険を使えばいいんじゃないかというような議論もあるところでございまして、まさに先ほど私が申し上げたとおり、そうなってしまいますと、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、国民皆保険の理念というのは少しずつ崩さざるを得ないというような状況にあろうかと思います。
先ほど御答弁いただきましたとおり、高額療養費に係る被保険者お一人お一人の負担の概算、今見ますと、協会けんぽが年間三万二千円、健保組合が三・八万円ということで、やはり現役世代に対する負担が重いということがこれで分かるだろうと思います。
そして、今回の高額療養費の引上げによって、よくペットボトル一本分とか二本分と言われます。今回、高額療養費を引き上げると、約二千四百億円の給付抑制になると。そのことも大事でございますけれども、私があえて今回修正案を出す立場であっても今質問をさせていただいたのは、やはり国民一人一人が、現役世代が約三万円の、高額療養を支えているんだということを我々は認識した上で、やはり患者の皆様方に向き合う姿勢が大事だろう、そういう思いで質問をさせていただきました。しっかりそういったことを踏まえて、これから修正案を出しますけれども、厚労大臣含め、その修正案、ごめんなさい、議員立法の趣旨を踏まえて、また議論をさせていただきたい、そのように思っております。
高額療養費の点については以上で終わらさせていただきますが、続きまして、OTC類似薬の一部保険外診療について御質問をさせていただきます。
今回、特別の料金ということで、これを一部保険外に持っていくわけでございます。これは、保険収載薬価を基準として、その保険収載薬価金額の四分の一を自己負担、特別の料金を徴収するということであります。
自民党、当時の公明党、そして維新の会では、OTC類似薬については、一部負担を求めようという方向性はあったわけでございますが、そのうち、保険収載金額を無視してそのままOTCに行けばいいんじゃないかみたいな議論もございました。しかし、これは私自身の身内もそうなんですが、花粉症と思っておりましたら、要は、ドラッグストアで花粉症の薬を買っていましたけれども、実際検査をしてみたら、咽頭がんだったということがございます。ですので、受診というものがやはり大事だなと思っています。
そこで、今回、特別の料金を導入するに当たり、保険収載薬価を基準として特別の料金を算定した理由、それについて局長に御答弁をいただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回のOTC類似薬の見直しに関しましては、与党での御議論のほか、社会保障審議会医療保険部会においても議論していただいています。その中で、やはり、OTC類似薬を保険給付の対象外とした場合には、受診遅延や飲み合わせによる健康被害のリスクについての指摘や患者負担が過大となるのではないかといった懸念のほか、かかりつけ薬剤師の促進等を通じてセルフメディケーションの環境整備をすべきといった御意見を多く頂戴したところでございます。
こうしたことを踏まえて、与野党間での政調会長間合意も踏まえまして、今回の見直しについては、OTC類似薬を保険給付の対象外とするのではなくて、必要な受診を行い、結果的に対象となるOTC類似薬が支給される場合に別途の負担として患者に御負担をいただく制度としました。
御質問の四分の一でございますが、別途の負担の設定に当たりましては、低所得の方も含め、患者の方々にとって過重な負担とならないよう、薬剤費の四分の一相当額とすることとしたものでございます。
○浜地委員 やはり、患者負担というところを一つポイントにされたというふうに思っております。
保険収載薬価を基準とすることを外してしまいますと、マスコミ等では、例えば風邪薬を買うのに二千円、三千円かかると。これまでは保険であれば数百円で済んでいたという議論があったのですが、そうではなくて、その数百円の中のうちの一部を負担するということでありますので、ここもしっかり周知をしていただきたいと思っています。
また、セルフメディケーションの環境整備も大事だと。やはりこちらの方もそろえていかないと、OTCに代わっていく、市販薬を使えといっても、この辺りのしっかりと環境整備ができていなければ代替することは難しいんだろうと思っています。
そして、今回、七十七成分、約一千百品目を特別の料金の対象とされました。その判断基準として、まず、成分が医療用医薬品とOTC医薬品で同一であること、また投与経路、飲み方であるとか貼り方とか、そういったものが一緒であること、それと、一日の最大用量が同一であることを基準として、今回、この代替性、いわゆる特別の料金を課す対象に決められたわけでございます。
このように成分や投与経路、一日最大用量を基準とされた理由について、御説明をいただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
今般の一部保険外療養という仕組みにつきましては、保険を使って医療用医薬品の処方を受ける方と、それから、保険を使わずにOTC医薬品で対応する方との公平性の観点から、それも観点の一つとして実施することから、別途の負担の対象となる薬剤は、医療用医薬品のうちOTC医薬品との代替性が特に高いものとするという考え方でございます。
そうした観点から、先ほど委員が御指摘になられましたように、OTC医薬品と成分、投与経路が同一で、最大用量が異ならない医療用医薬品を対象とする。それが七十七成分、千百品目というのが、機械的に当てはめますとそういうものになるということでございます。
今般の新しい制度の中で、別途の負担の対象となる医薬品が医療現場の方々や患者にとって分かりやすいものとなることも意図しておりまして、こうした点も踏まえて準備、周知をする必要がある、このように考えているところでございます。
○浜地委員 ですので、代替性が特に高い医薬品を、今後仮に、今ある成分や投与経路や一日最大用量以外のもの、要素でもし拡大していくときには、やはり慎重な検討が必要だろうと思っています。
私は、成分が違うのに代替性があるとはなかなか言いにくいでしょうし、投与経路が異なっても、やはり体に対する負担というものも違うでしょうし、ましてや、一日最大用量となりますと、普通は医薬品の方が用量は多いわけでございますので、やはり代替性というところについては、今回の基準を中心に今後も考えていかれるんだろうと。仮にこれを変更する場合には、相当な説明が必要になるんじゃないかというふうに思っておりますので、その点も指摘をさせていただきたいと思います。
今、私は今後の検討ということを申し上げましたが、今回の改正健康保険法には、OTC類似薬についても今後の検討規定を設けられております。非常に長い文章でございまして、私はこの読み方がちょっとよく分からないところがございます。例えば、軽度の疾病等に関する要指導医薬品、要はOTC医薬品なんですが、その服用に関する国民の理解。国民の理解とは果たしてどんなものだろう。また、OTC医薬品に対する医師、歯科医師、薬剤師の理解を深めるための取組の状況。そして最後に、転用に係る状況等ですから、スイッチ化がどれだけ進んでいるかということでありますけれども、こういった考慮要素を附則に書かれて、今後の検討事項とされているわけでございます。
この意味について、もう少し詳細に御説明をいただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員御紹介いただきました本法案の附則第二条第二項において、いわば、一部保険外療養の規定の在り方について検討する規定があるわけですが、これをやや平たく申し上げますと、委員の御理解のとおりなのですけれども、この二項において考慮する要素として、セルフメディケーションに関する国民の皆さんの理解、OTC医薬品に関する医師、薬剤師の理解を深めるための取組、それから、医療用医薬品のスイッチOTC化に係る政府目標の達成に向けた取組といった環境整備の状況を踏まえて、本制度について必要な見直しを検討する旨の規定を設けたところでございます。
この辺について、では、具体的に例えば何かといいますと、セルフメディケーションやスイッチOTC化に関する厚労省の取組としましては、令和八年度に調査事業を実施しまして、セルフメディケーションの国民の理解度、浸透度等を調査した上で、効果的な周知方法を策定することを考えております。
また、スイッチOTC化に係る取組としましては、行政と業界の協議の場を設定するなど、企業や消費者を含む様々な立場の方々から広く要望を受け付ける機会を設けるとともに、申請企業からの意見聴取、承認申請資料の簡素化などの企業負担の軽減などの対応を行うといった施策を着実に実行していきたい、そういう中でまた、今規定、本法案の附則に基づく検討を行っていきたい、このように考えております。
○浜地委員 ありがとうございます。
いわゆる長期収載品についても、選定療養として、薬剤価格の四分の一を自己負担とするという制度を、令和六年でしたね、導入をいたしました。これはまさにジェネリックの普及ということを目的として、ジェネリックがあるのに御本人の選択で先発品を選ばれる方に対しては御負担をしていただこうということであります。
ですので、ジェネリックの普及については、長年かけて医療従事者の皆様方や患者、国民の皆様方の理解を深めてきたわけであります。この制度が導入する前でも、長い年月をかけて、ジェネリックへの置き換え率、これは約八六%あったわけです。それが、長期収載品の選定療養の導入によってやはり九〇%に上がってきているということであります。
ですので、今回のOTC類似薬の一部保険外診療については、私のような議論に参加をしていたり、よくニュース等で御覧になっている方はある程度そういう流れは分かっているんですが、今回いきなり法案化をされますね。非常に国民の理解を求めるのはこれからしっかりやっていかなきゃいけないだろう、本来であれば、徐々に徐々にもう少しやっていくべきだったんじゃないかなというふうに私は思うところであります。
特に、医師の理解も必要でございますし、薬剤師の皆さんは今保険調剤で主に業務をされているので、果たして、OTC医薬品、市販薬をきちっと皆様方に紹介する、そういうことの手順、これも理解が必要でございましょう。また、メーカー側ですね、OTCを作るメーカー側も、移行が進んできた場合にどれだけ安定供給ができるのかといったことも心配の声が上がっております。
そして、何といっても、患者、国民の皆さんが、最終的には受診をするのが一番なんですが、恐らく自分の症状が、医者に行かなくてもOTCで治せるような症状なのか、そういったことのやはりヘルスリテラシーも教育が必要だ、そのように思っております。
是非、今の意見も受けて、検討過程においてどういったことを考慮しながら今後進められていくおつもりなのか、御答弁をいただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回の仕組み自体は、これは委員御案内のように、風邪を引いたら単にドラッグストアに行けという話ではなくて、必要な受診をした上で、そこで処方された薬が結果的にOTC市販薬と同等の成分とか投与経路とか最大用量であるといった場合に一部御負担をいただきたい、ただ、配慮すべき方には配慮します、こういう仕組みでございます。
その上で、本制度の施行後の検討に当たっては、委員御指摘のとおり、これはやはり丁寧に進めていく必要があるというふうには思っています。この点については、年末の自由民主党と日本維新の会の政調会長間の合意では、今後の検討について、施行状況等について政府が把握、分析した上で与党に報告する枠組みを構築するなど、与党の関与の下、令和九年度以降にその対象範囲を拡大していくとされておりますので、これを踏まえて適切に対応していくことになります。
その際には、法案附則二条二項の、先ほど委員から御指摘になられた様々な点も検討規定がございます。また委員の御指摘も踏まえながら、施行後の状況も把握して検討を丁寧に進めてまいりたい、このように考えております。
○浜地委員 当然、私も、OTC類似薬の一部保険外診療については政治主導で進んできたということであります。公明党はもう連立与党を離脱をいたしましたので、今後は自民さん、維新さんの与党協議で進んでいるわけであります。だからこそ、やはり、政治主導、当然大事なことではあるんですけれども、一つ、厚生労働省はそういった今後の検討の附則の基準というところをしっかり大事にしていかないと、結果的には受診を行わないとかそういったことにつながるんだろうという懸念も持っておりますので、指摘をさせていただいたところでございます。
そして、現場からの声としては、やはり一番負担がかかるのは薬剤師さんであることは間違いないと思います。これまで取られていない料金を窓口で取られるわけでありますので、その辺りの説明等についてもやはり現場の混乱は生じるんじゃないかと思っています。
先ほど沼崎委員の方から、国民への周知という話もございました。しっかり、今回どういう理由でどういう品目が特別の料金を取られるのか、国民の周知も大事なんですが、現場で作業をされる、御苦労をかける薬剤師さんに対しては、私は、やはり調剤報酬で何らかの報酬的な措置も考えなければならない、そのように思っております。
特に薬剤師さんの窓口対応や様々な業務が増えることに対する対応について、どういったことをお考えか、最後に御答弁をいただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
本制度で新たに設ける別途の負担につきましては、院内処方の場合には医療機関で、院外処方の場合は薬局で、患者さんにお支払いいただくことを想定してございます。その際、御指摘のように、医療機関、薬局では患者への説明等を行っていただくことになるため、法案が成立した暁には、医療現場や国民に本制度の周知を行うのみならず、医療現場で使える周知素材の作成など、施行に向けて現場負担の軽減に努めてまいります。
また、調剤報酬の話もございましたけれども、その点については、その対応の要否も含めてしっかり検討したいというふうに思います。
○浜地委員 時間になりました。ありがとうございました。終わります。
○大串委員長 次に、古川あおい君。
○古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいでございます。
本日は、まず、高額療養費制度の話についてお伺いいたします。
こちらの高額療養費制度の見直しについてでございますけれども、本日ほかの委員からの指摘も多数ございましたように、様々な課題があると考えております。今回の高額療養費制度の見直しについては、今、例えばインターネット上での見直しに対する反対の署名であったりとか、様々な動きがあると認識しております。患者団体からも懸念の声も上がっていると承知しております。
一方で、現状として考えてみると、令和八年度の予算というのが既に成立しておりまして、こちらには見直しを見込んだ財政影響も織り込まれていると承知をしております。
一方で、実際の制度改正、金額が上がるかどうかというところは政令改正に、政令に委ねられておりまして、こちらの政令については、まだ中身は明らかになっておらず、パブリックコメントも実施されていないという状況でございます。
私がお伺いさせていただきたいのは、今の高額療養費の見直しという問題について、国民からの関心は非常に高いと思っております。ただ、一方で、今、この見直しというのがどういう状況にあるのか、どういった現状にあるのかというところが正しく国民に伝わっていないのではないかという懸念がありまして、その観点からお伺いさせていただくものでございます。
今回は健康保険法等の改正案の審議でございますけれども、こちらについても高額療養費に関する条文が含まれておりますが、この法律の成立によって直接引上げが決まるわけではないという状況でございます。
ここで、大臣にお伺いします。
この高額療養費の見直しについて、現時点で何が決まっていて何が決まっていないのか、今後どのようなプロセス及びスケジュールで決まるのかという点について、国民に、非常に関心の高い問題でございますので、是非分かりやすい形で御説明をお願いいたします。
○上野国務大臣 先週、四月七日に、今回の高額療養費制度の見直しを反映した予算が成立をしました。これを受けまして、現在、政令改正に向けた実務的な作業を行っている段階です。今後、内閣法制局等とも協議を進め、パブリックコメントを実施した後に、できる限り速やかに公布したいと考えております。具体的な時期につきましては、現時点では未定です。
そうした法制的な作業と並行して、今年八月からの施行に向けまして、今回の見直しの意義や内容、これを国民の皆様に十分御理解いただけますように、様々な媒体等を活用して周知広報を丁寧に進めていきたいと考えています。
○古川(あ)委員 御答弁ありがとうございます。
実務的にはといいますか、これから政令を作っていくけれども、中身としては、令和八年の分について、予算案の成立をもって承認、承認というか成立したという認識だと理解をいたしました。
続いて、令和九年度の見直しに向けた検討の進め方についてお伺いいたします。
政府が示された高額療養費の見直し案は二段階に分かれておりまして、一段階目が今年の八月からの見直し、もう一段階は令和九年度からの見直しというふうに認識をしております。
先ほどの御答弁の内容を踏まえますと、この令和九年度分につきましては、令和九年度分の予算案にその内容が含まれることになるだろうというふうに考えます。通常、予算案の閣議決定というのは年末に行われるわけでございます。それを考えますと、今回の高額療養費の見直しは、本年の八月に、予定どおりであれば第一段階の見直しが実施される、そのすぐ後に、十二月に向けては、令和九年に向けた予算を作り始めるということになるわけでございます。
今回の引上げによっては患者の行動に影響があるのではないかという指摘も多数ございます。ただ、八月に引き上げて、もう十二月には次の令和九年の予算を固めてしまいますというのであれば、今回の、今年の分の見直しの影響というものを精査する時間がないのではないかと考えます。
これは大臣にお伺いいたします。
令和九年の見直しに向けて、本年の八月からの見直しの影響をどのようなスケジュールでどのように検証し、その結果を令和九年の検討においてはどのように反映させるお考えでしょうか。
○上野国務大臣 今回の見直し案につきましては、制度全体の持続可能性の確保の観点から、主に療養期間が短期の方の負担限度額を見直す一方で、多数回該当の維持であったり年間上限の新設など、セーフティーネット機能の強化をすることとしておりますが、この見直しは、令和八年分と令和九年分、これを分けて考えるものではなくて、いわば全体をパッケージとして実施するものでありまして、これまでからそのような説明をさせていただいております。
令和九年度予算案に令和九年分が盛り込まれることになりますが、見直しの内容を改めて検討することは考えておりません。
また、今回の見直しが全体のパッケージであるということから、見直しによる影響の検証も、この全体についての影響について検証することが適当だと考えています。
○古川(あ)委員 御答弁ありがとうございます。
政府としては、令和八年、令和九年、まとめて検討しているということだと思いますけれども、ただ、やはり、家計への影響を考慮するということが、政府も御答弁をいただいているとおりですし、こうした見直しの影響というものがどのように実際に患者の方に影響しているのかということは、今回の引上げでも、令和八年、令和九年で大分見直しの内容も違いますけれども、令和八年の引上げであっても大幅な影響が出るという考え方もございますので、こちらについては是非実態を引き続き注視していただきたいと思っております。
さらに、関連してお伺いすることなんですけれども、今大臣、令和八年、令和九年の分、一体的に了承いただいたと認識しているというふうにおっしゃられましたけれども、実際は、令和九年の見直し分というのについては令和九年の予算案に含まれるものと思います。そちらについては、令和九年の見直しは、やはり、令和八年度予算が成立したことをもって自動的に承認されたものではなくて、これは令和九年予算の話でございますので、令和九年度の予算案の審議の中で改めてその妥当性について議論を行うことが可能であるという理解でよろしいでしょうか。
○上野国務大臣 今回の見直しは、これまで九回にわたって実施をいたしました専門委員会における議論を整理をして見直しを行おうとするものでありまして、繰り返しになりますが、見直し全体をパッケージとして実施するものです。
予算委員会における審議等におきましてもその旨を申し上げまして、最終的には過半数により予算案の賛成をいただいたものでありまして、令和八年分、そして令和九年分と分けて考えているものではありません。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
繰り返しということで、令和八年、令和九年、一体としてというところですけれども、大臣のこれまでの御答弁の中でも、今回の見直しについて国民の理解を得ながら進めていきたい、国民の理解を求めていくというようなお話がありました。その中で、やはり、見直しが二段階にわたるというところで、それについて、その途中で見直さないというところは、ちょっと国民としては納得し難いところもあるのかなと思います。
というのも、やはり、この高額療養費制度の見直しというのは、昨年も話題に上がりまして、政府として案が出てきたところについて様々な御意見があって、政府の方で見直しを再度されて、今の案になっているというふうに認識をしております。
つまり、元々、去年の段階で引き上げる予定だったものというのが、一年、実質的に先送りになったわけです。その一年の先送りができるのであれば、どうして、令和八年、令和九年と見直しを分けて、令和八年の見直しをやって、その結果大丈夫でしたよ、皆さん御安心くださいといって令和九年の見直しをすることにすれば、こんなにも反対の声というのは出ないのかなと思っております。
政府として、今、令和九年について改めて見直す予定はないとのことでございましたけれども、これから、それこそ政令のパブリックコメントを含めて、様々国民の皆様からの声が出てくるかと思いますので、そういった国民の皆様からの声でありますとか令和八年のデータ、なかなか令和八年八月からのデータというのはすぐには出てこないとは思いますけれども、そうした状況についても注視しながら今後の検討を進めていただければと思います。
続いて、高額療養費制度における現物給付の仕組みについてお伺いをいたします。
この高額療養費制度、今回、高額療養費制度の見直しに当たり、非常に話題になっておりますけれども、こちらについて、正確な制度の趣旨でありますとか、どのように適用されるのかというところについても、改めて国民への正しい周知が必要かなと私も考えております。
高額療養費制度においては償還払いと現物給付という仕組みがあるかと思いますけれども、こちら、国民にとってなかなか直感的に伝わりにくい部分もあるかと思いますので、基本的な点から確認させてください。
高額療養費制度における現物給付というのはどのような仕組みなのか、また、どのような場合にこの現物給付が適用され、どのような場合には償還払いとなるのか、すなわち、現物給付が適用されないのかという点について、具体的に御説明をお願いいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。
そもそも現物給付とは、医療等のサービスそのものを提供する形で行う給付でございまして、これに対して、現金そのものを事後的に償還払いする形で行う給付を現金給付と称しております。
現行の高額療養費制度におきましては、償還払い、現金給付を基本としつつ、しかし、被保険者の利便性や経済的負担に配慮する観点から、同じ医療機関、同一の医療機関を受診する場合において、マイナ保険証などを提示していただいた場合に一月における窓口での自己負担額をいわゆる自己負担限度額までとする現物給付の仕組み、つまり、それ以上は、後から返ってくるのではなくて、そこでもう御負担いただかない、そういった仕組みを設けているところでございます。
逆に言えば、それ以外のものについては、基本的には償還払いになるということでございます。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
今御説明いただいたのは現物給付と現金給付の違いだったと思いますけれども、高額療養費制度において、どのような場合に現物給付、すなわち、窓口に行ったら自動的に制度が適用されてそれ以上支払わなくてよくなるのか、どういった場合に償還払いのような形になるのか、その点についても御説明いただけますでしょうか。
○間政府参考人 重ねてのお答えになってしまうのをお許しいただきたいんですけれども。
基本は償還払いなのですけれども、同じ医療機関を重ねて受診されていて、自己負担額が積み上がってきましたと。その医療機関でいわゆる月額上限に達した場合には、その医療機関における御負担はこれ以上はもう窓口で支払わなくていいですよということを高額療養費においても行っているということでございます。
そうでないような場合には、複数の医療機関等で、違うところでやっている場合に後で合算をするということがありますので、その月、行ったときに、もう今月超えたよねというような形のところまでは、今はできていないということでございます。
ただ、いずれにしても、定期的に受診されているような方々、同じような医療機関で受診されている方にとっては、非常に意味のある仕組みなのではないかと思っております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
済みません、多分、私の最初の聞き方がちょっとよくなかったかなと思いますけれども。
同一医療機関でない場合については、同一医療機関の場合は自動的に合算できるんだけれども、複数の医療機関を回るような場合だとそうはならないので、基本的には償還払いになってしまうというところでしたけれども、こちらについて、マイナ保険証を使ったような場合など、一定の情報が集約できる形であれば、こちらについても現物給付の仕組みが可能だと認識しておりますが、その認識で間違いないでしょうか。
○間政府参考人 お答えします。
結論から申し上げると、やはり同一医療機関の場合にやっているということでございまして、マイナ保険証は非常に便利なものでありますけれども、マイナ保険証でなくても、例えば、限度額認定証というものを高額療養費の受給者にはお出ししたりしていますけれども、そういったものをお示しするとその同一医療機関内では行えるというものでございますので、その意味では、今のところは限定的なものだというふうに申し上げたいというふうに思います。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
現物給付というのが、やはり、患者にとっては、自動的に上限が適用されて窓口負担が減るというのが直感的に分かりやすいのかなと思いますし、償還払いというのは、後からお金が返ってくるということではございますけれども、その場その場ではやはり一時的に高額な医療費の支払いをしなくてはならないこともあるというところで、非常に患者にとっては負担が厳しいものかなと思いますので、是非とも現物給付を進めていただくようにお願いいたします。
その点を踏まえて、お伺いします。
今回新設される年間上限ですけれども、こちらについてはどのような運用となりますでしょうか。
○栗原大臣政務官 年間上限の運用についての御質問ですが、今回見直しにおいて新たに創設をいたします年間上限は、長期療養者へのセーフティーネットとして大変重要なものでございます。
そのため、本年八月から導入することとしておりますけれども、患者団体も参画されました専門委員会で整理いただいた見直しの考え方において、保険者におけるシステム面での対応が制約条件にならないよう、患者本人からの申出を前提とした運用で開始することも含めて、実現に向けた制度設計の詳細や課題を早急に整理すべきとされております。システム整備を待つのではなく、まずは早急に実現を図るということが、患者の皆様の意向に沿うものであるというふうに考えています。
しかしながら、患者の皆様の御負担を軽減するためにも、できる限り早い段階で現物給付化したいという思いは共有しているところでございます。被用者保険だけでも千四百程度の保険者が存在する中で、システム面での対応や実務面での対応など、詰めるべき課題はございます。現時点で確たる実現時期を申し上げることができる状況にはございませんけれども、このような課題の整理に向けて、保険者を始めとした関係者と丁寧に議論を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○古川(あ)委員 御答弁ありがとうございます。
今のお答えの中で、今回新設される年間上限については、現物給付ではなくて、基本的には償還払いの形になるというお話がございました。こちら、年間上限の創設をもって、今回の見直しはセーフティーネットの強化であるとか負担増に対して配慮したものであるという御答弁を政府はされていると思いますけれども、こちら、月額上限の引上げにつきましては、今も現物給付の場合と現金給付の場合とあると思いますけれども、月額上限については、今の制度のまま、金額だけがすっと上がるわけです。
それに対するセーフティーネットとして政府が創設すると言っているこちらの年間上限につきましては、今まで月額上限と同じような仕組みではなくて、月額上限の場合は、場合によっては自動的に適用される現物給付になるんだけれども、年間上限の場合は、今の段階では現物給付とはできないというのが御回答だと認識しておりますけれども、そうした、ある種使い勝手のよい、現物給付のできる月額上限と、まだまだ使い勝手がよくない年間上限を比較して、年間上限があるから月額上限がちょっと上がっても大丈夫なんですよという説明は、ちょっとミスリーディングなのではないかなというふうに感じております。
是非とも、現物給付化を早急に検討していただきますようお願いいたします。先ほど、その具体的な時期について申し上げるのは難しいというところでしたけれども、こちら、負担の見直しというのはもう既に始まる、八月からというところですので、是非とも早く実現していただきたいと思います。
続いて、所得の判定についてお伺いをいたします。
高額療養費制度においては、所得区分に応じて自己負担の上限額が設定されているかと思います。ただ、こちらについて、実際に高額療養費制度が必要になるような、がんであるとか、そういった病気にかかられた際に、今までどおり働き続けるというのはなかなか難しいものでございます。やはり、働く時間を減らしたりだとか、転職をしなくてはいけなくなったりとか、場合によっては仕事を辞めなくてはならないというような方もいらっしゃるかと思います。
そのような中で、前年の所得を基に高額療養費の所得区分が判定されてしまうことにより、本当は収入がとても下がったんだけれども、昨年の所得基準で判断されるので高額療養費の基準額が非常に高くなる、その結果として生活が苦しくなる、この高額療養費の所得区分の判定において前年の所得を用いるということが実情に合っていないのではないか、患者の苦しい生活の実態を適切に反映していないのではないかというような声をいただきます。
ここで、お伺いいたします。
この高額療養費の所得区分の判定において、そもそも前年所得が用いられているのはなぜでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
事実関係ということですけれども、委員がおっしゃった前年所得の話は、恐らく国民健康保険のことをおっしゃっているんだろうというふうに思います。被用者保険の場合には標準報酬を基にやっておりますので。
国民健康保険につきましては、この高額療養費に限らずですけれども、保険料なども含めて、前年所得に基づき所得区分を判定するということになっています。これは、自営業者等の多様な就業形態の方が加入する国民健康保険において、公平性、効率性の観点から、市町村が地方税の課税に際して把握している被保険者の前年所得を基に所得区分判定を行っているということから、現状、そういうような仕組みになっているということでございます。
事実関係についてはこのとおりでございます。
○古川(あ)委員 御答弁ありがとうございます。
事実関係としては、そういった形で把握するしか方法がないからというところだと思うんですけれども、こちらについて、例えば、急に職を失った方であるような、非自発的失業者のような方々に対して、何かしら、そういった方々の、収入が大幅に突然変わってしまった方に対する措置というものはないのでしょうか。
○栗原大臣政務官 国民健康保険において、離職による前年からの収入減少に配慮する観点から、非自発的失業者など、雇用保険の特定受給資格者等として認定を受けた者が国民健康保険に加入した場合には、本人からの申請に基づいて、前年の給与所得をその百分の三十とみなし、所得の計算を行うこととしております。この結果、高額療養費の所得区分の判定においても、疾病等による離職に伴い前年からの収入が減少した場合に配慮した対応が可能となっております。
こうした制度について、今回の高額療養費制度の見直しの趣旨等と併せまして、厚生労働省のホームページ等、改めて周知をしていきたいと考えております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
その非自発的失業者のような方々については対応をなされているというところで、それはよいことだと思います。
ただ、この非自発的失業者に関しては、仕事を実際に辞められて、保険者が変わったというところをもって認識されている部分も多いかと思いますけれども、こちらについては、同じ会社で働き続けている、元々の会社で働き続けているんだけれども収入がとても減った場合であるとか、国保の中で収入が減った場合については、適用はされないという理解でよろしいでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいま政務官からお答え申し上げたものは、おっしゃるとおり、会社などで働いていた方が非自発的な失業をされた場合ということでございます。
例えば、ある会社に勤めておられた方がその会社の中での部署異動その他で給与が減るということがあり得るわけでございますが、その場合に、現行の制度上は、標準報酬に関して、これは、年に一回、定時改定というものを大体秋にやるのでございますが、これのほかに、固定給が変わって三か月継続するというようなこととかの場合には、随時改定といいまして、標準報酬そのものを、例えば、下がった場合には、下げたもので認定するということも可能になってございます。
そういう意味では、ある意味、会社は、仕事は辞めないんだけれども減ったという場合について、一定対応できる場合があるというふうに考えてございまして、こういったものも併せて周知していく必要があるかなというふうに思っております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
その一年に一回の改定というか把握だけではなくて、三か月に一遍でありますとか、がくっと金額が変わった際に把握できる、努力というか、様々な制度があるということはありがとうございます。
そちらについて、一定、やはり、国民の方々の反応とかを見ていても、知られていないものも多くあるかと思います。
今回、この高額療養費の見直しに際して強く感じるのが、その実際の見直しがどうであるかということがもちろん一番大事ではあるんですけれども、この見直しによって自分の暮らしが、治療がどうなってしまうのかという先行きが見通せない、もっともっとこれからも負担は上がるんじゃないかとか、いつ上がるのかとか、自分の負担が実際にどうなるか分からないという不安によって、実際に治療をされている方はただでさえストレスがかかっているところで、それがより悪化してしまうんじゃないかなというようなことを思います。
今皆様から御答弁いただいたように、もう様々な取組もなされているかと思いますので、やはり厚生労働省のホームページだけでなかなか、どれほど周知できるのか分かりませんけれども、そうした正しい情報発信ですとか、そういったものを引き続き心がけていただきたいと思います。
続いて、OTC類似薬の一部保険外療養についてお伺いしたいと思います。
こちら、OTC類似薬の一部保険外療養について、これまでも、本日様々な委員から御指摘がありましたけれども、今回の改正案について、OTC類似薬の一定数の成分、品目について、薬剤費の二五%を特別の料金として全額自己負担とするというふうにされております。これによって、患者の負担は実質的に上昇することも多数あるわけです。こちらについて、この制度の変更が患者の受診行動にどのような影響を与えるのかについてお伺いしたいと思います。
こうした自己負担増について、自己負担が増えると、やはり患者としては受診をためらってしまうようなことというのは起こり得ると思います。こうした自己負担の増加が受診行動に及ぼす影響について、調査によっては、患者としては病院に行くほどじゃないかなというところの判断がなかなか難しいということで、患者は、自己負担が増えてしまうと、本当は受けた方がいいような治療であるとか、病院に行った方がいいような場合であっても治療を控えてしまう場合があるかもしれないということの研究もございます。
この点につきまして、処方薬について自己負担が増加をした場合、患者が継続して、継続受診、引き続きお医者さんにかかり続けることというのを控えて、市販薬で代替しようかなというふうに考える方も出てくると思います。
その結果として、医師によって本来であれば継続的に経過観察をしていった方がいいような場合であっても、その経過観察が途絶えてしまった結果、症状が悪化してしまう可能性があるのではないかと思いますが、こうした負担増によって起こり得る患者の受診抑制であるとか、そこから生じるリスクについて、政府はどのように認識しておられますでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回御提案しております仕組みは、必要な受診を行った上で、結果的に対象となるOTC類似薬が処方され、それを受け取るといったときに別途の負担をお願いするものでございます。
その意味で、やはり患者さんにしてみると、例えば頭痛ですといった場合に、それが単なる偏頭痛なのか、もしかしたら脳の血管に何か障害があるかもしれないということは、通常は直ちには分からないわけでございまして、その意味で、医師の受診をした上で、結果的に頭が痛かっただけだねということになれば、それはそれで結構なことでございまして、そのときに御負担をいただくということなのでございます。
そういう意味で、確定診断を得られれば患者さんも安心されるし、それによって対処、いや、そうじゃなくて、分からないからちょっと様子を見ましょうといったときには恐らくかかり続けるでしょうし、そうでないときには、もしかしたら、じゃ、今後はドラッグストアに行きましょうという方も中にはいらっしゃるかもしれません。
ただ、そういう意味では、これはお医者さんに行くなという話ではないということでございまして、必要な受診が確保されるように本制度の趣旨の適切な医療現場、国民への周知を行うことはもちろんのこと、別途の負担を求めない方、本日も御質疑がありましたけれども、がん患者さんや難病患者さん等の配慮の対象の範囲の適切な設定をすること、そしてそれをお知らせしていくこと、また、OTC医薬品を販売する薬局等が、セルフメディケーションに関する相談や受診勧奨、つまり、あなた、お医者さんにやはり行った方がいいですよといったようなことを実施してくださることも大変重要だと考えております。
本制度の施行後も、御指摘の点も含めて、制度による影響というか、どういうような変化があったのかなかったのかということも把握しながら適切に対応したい、このように考えております。
○古川(あ)委員 御答弁ありがとうございます。
必要に応じては、行った先の薬局、ドラッグストアなどでの薬剤師さんとの会話などを通じて受診勧奨も行ってもらうというところでしたけれども。
すなわち、私の元々の質問としては、そうした受診を控えてしまう患者さんがいるかもしれないということについて政府はどのように認識をしていますかというところだったんですけれども、そのように、様々なやり方、逆にドラッグストアの薬剤師さんから受診を勧めてもらうというようなこともあると思いますけれども、最初に病院に行って、何か思わぬ負担が、思ったよりもお金がかかってしまったということで、あっ、こういうことでは病院に行かない方がいいんだなと思って控えてしまうという患者さんがいらっしゃるかもしれないということについては、政府は認識しているということでよろしいでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
これは、国民の皆さんのヘルスリテラシーをどう考えるかということでもあると思います。ただ、やはり一般の国民の皆様は別に医療関係者じゃありませんし、プロではないので、不安であったらお医者さんに行くというのが一般的な行動であろうと思いますし、先ほどから申し上げていますように、そこで行って、例えば風邪薬というか解熱鎮痛剤なんかでありますと、薬価でいくと、今の三割負担でいくと数十円でございます。それが今度、例えば三割負担の方であれば、今回、別途の料金をいただきますと大体五割負担ぐらいになるんですが、それでもってどういうふうに、行動が直ちに変わるのかどうかというのは、これはよく見ていかなきゃいけないというふうに思っています。
いずれにしても、お医者さんに行って、そして何の病気であるか分かるということは大事だというふうに思っておりますので、そうしたことは制度を進める上でも国民の皆さんにもお伝えをしていきたいというふうに思います。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
時間が来たので終了したいと思いますけれども、今回のOTC類似薬の見直しについては、決して国民に対して病院に行くなということではないですよ、病院に行った結果としてこういうタイプの薬については負担が上がってしまうかもしれないけれども、必要な医療はためらわずに受けていいんですよというメッセージだと理解いたしました。
引き続き、国民に対して正しいメッセージと、国民の意見を聞いた見直しをお願いいたします。
ありがとうございました。
○大串委員長 次に、梅村聡君。
○梅村委員 日本維新の会の梅村聡です。
今日は、健康保険法等の一部を改正する法律案の審議ということで、質問をさせていただきたいと思います。
まずは、今日は、特に高齢者の方の医療費の窓口負担、これについて質問をさせていただきたいと思います。
先月の三月九日に、衆議院の予算委員会で上野大臣に質問をさせていただきました。これまで、高齢者の方の医療費窓口負担、これに関しては、財政審であるとか、あるいは厚労省の社保審であるとか、いろいろなところで検討や議論がなされてきたというふうに承知をしております。そして、今年の二月二十五日の衆議院本会議におきましても、高市総理は、高齢者の窓口負担の割合の在り方は、避けては通れない検討課題だと認識しておりますということでありますので、これは何らかの検討をしていかないといけないということは、一定の方向性があるのだと思っております。
一方で、三月九日に質問させていただいた内容は、特に三割負担の方、今一割負担、二割負担の方が、例えば基準の見直しであったりとか、あるいは年収が自動的に上がってきて、三割負担になると、カテゴリーに入っていけば、三割負担の方が増えていけば、現役世代の保険料は、下がる方向ではなくて、実は上がる方向に向かっていくんだ、この認識で間違いないですか、こういう質問をさせていただきましたら、現実的にはそのとおりだという御答弁をいただいたかと思います。
これは、具体的に申し上げましたら、もう一度復習になりますけれども、後期高齢者の方、一割負担、二割負担の方は、給付の中で、御自身の保険料一割以外は、現役世代からの支援金が四割、そして公費が五割、五割きっちり公費が入っていたわけですね。ところが、三割負担の方はこの公費がありませんから、支える九割の部分は全て現役世代からの支援金になる。ですから、三割負担の方がどんどん増えていけば、現役世代の保険料でしか支えられていない方がどんどん増えていきますから、結果としては現役世代の方の保険料が上がる方向に行ってしまう、こういうことを確認をさせていただきました。
今日は、まず、そもそも、ちょっと過去の経緯も踏まえて、なぜ一割、二割負担の方には公費が五割入っていて、三割負担の方には公費が入っていないのか。これは過去にどういう議論と経緯があってこのような状態になっているかということを、改めて御説明をお願いしたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
過去の経緯ということで申し上げますと、いわゆる現役並み所得を有する高齢者の方の給付については、後期高齢者医療制度施行前の老人保健制度時代の平成十四年に、老人医療の対象年齢を七十歳から七十五歳に引き上げました。その際に、限られた公費を重点化する観点から、それまで三割であった公費負担割合を五割に段階的に引き上げるとともに、現役並み所得を有する高齢者の方の給付費に公費負担を行わないというふうにされたものでございます。重点化するという考え方です。
その上で、平成二十年に後期高齢者医療制度が創設された際も、そうした財政構造が引き継がれたというふうに承知しています。
○梅村委員 ですから、スタートは二〇〇二年だということだと思います。二〇〇二年に、それまで高齢者の方は全員、老人保健法では一割負担だったんですね。一定の所得以上の方は、二割負担になるときに、考え方としては、それだけ一定の所得以上のある方には公費は要らないだろう、そういうことが当時決定をされたんだと思います。
当時は高齢者の方の数も、今から二十四年前ですから、それなりに数としては多くなかったですし、それから現役世代の数は今よりも圧倒的に多いわけですから、そういった考え方も一理あるんだろう。それから、拠出金というものに関しても、後期高齢者医療制度と違って、現役からの支援金というものが明確に区分されていなかったときですので、それは意識されなかったのではないかなという、当時のそういった世論というか、そういったものがあったのではないかな、そういうふうに思います。
ただ、やはりここで考えないといけなかったのは、この後期高齢者医療制度に移行するときには、じゃ、それを自動的にスライドさせるのではなくて、どの人たちまで公費を見ていかなければ現役世代の方の将来の保険料に影響していくかということは、この平成二十年の後期高齢者医療制度への移行のときに、改めてそこで議論をしなければいけなかったんじゃないかなというふうには私は思います。そこが、スライドをさせたということが今の状況を招いているんじゃないかなということ、これは私の感想として申し述べておきたいと思っております。
それをスライドさせたところ、三割負担になる方は、じゃ、どんな方ですかということで、現役並みというこの区分をつくったわけですね、現役並み所得という区分をつくられた。この現役並み所得の区分は、当時も今も、単身者は年収約三百八十三万円、複数人、御夫婦とかだと思いますが、年収約五百二十万円となっておりますが、この数字の算定根拠、数字の出し方、それから、この数字は、決められた平成十八年になると思いますけれども、これ以降この数字がどのように変化してきたのか、教えていただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員から御紹介いただいたように、後期高齢者医療等における現役並み所得の判断基準は、世帯内最大課税所得者の課税所得が百四十五万円以上であり、かつ世帯の収入の合計額が、先ほど御指摘がありましたように、単身世帯の場合には三百八十三万円以上、複数世帯の場合には五百二十万円以上とされております。
これは、平成十八年に、現役世代の平均的な収入を基に課税所得や高齢者の収入に換算することにより設定された基準でございまして、具体的にこのときの考え方を申し上げますと、平成十六年度の旧政府管掌健康保険、現在の協会けんぽでございますが、の標準報酬月額に基づく現役世代の平均収入額から諸控除を控除して算出した課税所得の金額が百四十五万円、それ以上だということと、それから、高齢者の単身世帯と複数世帯のモデルをそれぞれ設定し、その世帯の課税所得が百四十五万円となる収入額を算出することにより、世帯の収入の金額、単身三百八十三万円、複数世帯五百二十万円を設定したものでございます。
その上で、現在の現役並み所得の基準は、平成十八年以降は変更されていないところでございます。
○梅村委員 ですから、この数字は、ちょうど二十二年前のデータによって二十年前に定められて、以降これは変えられてきていないということがはっきりしたかと思うんですけれども、そうしますと、これは変化していないということでありましたら、今おっしゃった計算を、現在同じ計算をして所得水準区分をつくるとすれば、この三百八十三万円と五百二十万円はそれぞれどういう金額になるのか、教えていただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えします。
お求めでございますので、仮の機械的な試算ということで申し上げますと、仮に、直近の令和五年度の協会けんぽの実績を用いて、平成十八年のときと同様の考え方に基づき機械的に試算いたしますと、単身世帯では約四百二十五万円、それから複数世帯では約五百六十五万円となります。
○梅村委員 ですから、単身世帯でいえば四十二万円、複数人世帯では四十五万円、それぞれ現役並み所得というのは、機械的に計算すれば、二十年間動いていなかったものですけれども、それだけ、四十万円、四十五万円、それぞれ上がるということになるかと思います。
我が党は何もこの数字を現役並みにしろと言っているわけではなくて、そうすると、現役並み世帯という区分の名称自体が既に現状とは違うということだと思います。
ですから、二つポイントがあって、一つは、現役並み世帯というこの区分の呼び方をこれからも続けていくのか、あるいは、これは呼び方はいろいろあると思いますけれども、例えば上位所得者なのか何か分かりませんけれども、一つは、現役世代並みという呼び方をこれからも続けていくのかどうかという議論が一つあると思います。
それから、もう一つは、さっきお話がありました二割負担、三割負担の方、昔の老人保健法のときには二割負担だと思いますが、その水準の方には公費を入れる必要がないという判断をもしされたのであるならば、これを現代に読み替えると、公費を入れなくてよいという水準は四百二十五万、五百六十五万になるはずなんですね。
ですから、例えば単身世帯でいえば、三百八十三万円と四百二十五万円の間の方は、これは現役並み所得の方じゃないですから、ここには公費を入れるという議論があってもよかったと思うんですが、過去二十二年間の間にそういう議論はなかったのかどうか、これもお答えをお願いしたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
賃金が上昇している現状においては、仮に現役並み所得の基準額を時点更新した場合には、現役並み所得の判断基準となる基準額が引き上がり、三割負担になる者は減少するという形になります。
公費との関係なんですが、過去、特に保険者側からその公費の在り方についての御議論の提起はありまして、また、昨年の社会保障審議会医療保険部会におきましても、こういう財政構造を踏まえて窓口負担の議論をしていただいた際には、やはり、基準や負担構造の見直しを一体で議論するべきだ、また、従来からの時点更新のみじゃなくて、基準設定の見直しなど制度の見直しを必要とする時期と考えるといった御意見もいただいたところでございます。名称そのものについての言及は特にはないんですけれども、そういったような御意見もあったところでございます。
いずれにしても、現役並み所得の判定基準を見直す、あるいは、そういうものを何か制度変更するという場合には、現役世代の支援金負担の軽減の観点から、連立政権合意書の年齢に関わらない真に公平な応能負担の徹底のための改革を検討することと併せ、その財源の在り方についても検討しなければいけない、このように考えております。
○梅村委員 つまり、日本維新の会としては、何を今重点的に取り組んでいるかというと、やはり現役世代の方の保険料の負担、これの上昇を防がないといけないということ、これが維新の会として今取り組んでいる一番大きなテーマなんですね。
ですから、三割負担の方を増やせば、例えば長瀬効果で受診の機会が少なくなって医療費が減るという考え方も、もちろんそれは効果はあるのかもしれませんが、それだけだったら、結局は、公費が入っていない方がどんどん増えることによって現役世代の方の負担は増えることになりますから。
ですから、これは本当は、自民党と維新の会の今、連立合意書の協議を進めている中で、現時点ではこの議論はまだ始まっていないんです、この自己負担の問題はまだ始まっていないんですけれども、それを考えるときには、この公費負担をどのように入れていくかということが、実は現役世代の方の保険料の負担を減らしていくことに非常に重要なことだと我々は考えておりますので。これは、自民党、維新の会の合意の問題だけではなくて、政府一体となってやはりこの公費負担の在り方ということをしっかり考えていただきたい、このことを是非申し述べておきたいと思いますので、また大臣、そのときはよろしくお願いをいたします。
それでは、せっかくこの窓口負担のお話がありますので、ちょっと続きをさせていただきたいと思いますが、先ほど間局長からも言及していただいたように、維新の会と自民党の間の連立合意書の中には、医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現ということを書いておりまして、現役世代の方の保険料負担も大事なんですけれども、もう一つは、年齢で区分するのではなくて、やはり応能負担を徹底していこうということ、こういう議論を実はさせていただいております。
過去、政治の場においては、医療費の窓口負担を引き上げる、あるいは、その範囲、所得基準を見直すということについては、やはり大きなハードルがあったかと思います。
私も初めて参議院議員に当選したのが二〇〇七年だったんですけれども、ちょうどその参議院選挙の後も、当時の与党の自民党が議席を減らしたという中で、たしか、自己負担の引上げ、当初決まっていたものを凍結するということも当時あったというふうに記憶をしております。
ですから、非常に厳しい政策というか、メッセージにはなるんですけれども、しかし一方で、この皆保険をどうやって持続していくかということに関しては、この窓口自己負担という問題、これはやはり避けて通れない問題だと思います。
確かに、この議論が出てきてなぜ厳しいかというと、これは今、一割、二割、三割なんですよね。だから、例えば一割負担の方が二割負担になるというのは、これは数字は一から二にしか増えていませんけれども、現実的には負担は二倍になっているわけです。そういうことがありますので、過去も、学年方式といって、その年齢に達した人から、今まで二割だった人が一割になるんじゃなくて、二割になっていく、これを繰り返すことで実質的な負担がないようにしようというような取組もこれまでされてきたと思います。
でも、考えたら、一割、二割、三割じゃなければ本当に駄目なのか。法律の文章を読んでも、百分の三十とするとか、百分の二十とするということが書かれてありますけれども、これはやはり激変緩和措置ということを考えるのであれば、一割、二割、三割の間に、例えばですよ、一五%とか二五%があれば激変緩和措置としてはうまくいくんじゃないか。それで、世の中が賃上げになってきて、どんどん賃金水準が上がっていけば、当然そのカテゴリーを乗り越えていく方が出てくるわけなんですけれども。
そもそも、これは技術論として、一五%負担とか二五%負担、ほかの数字でもいいんですけれども、それがなぜ今まで設けられてこなかったのか、なぜ一割、二割、三割という一〇%刻みなのか。これは技術的にできるのかどうかを含めて、ちょっとこれも過去の経緯を教えていただければと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
高齢者の窓口負担割合につきましては、これまで制度の分かりやすさや医療機関等における事務的な対応のしやすさなどの観点から、言えば切りのいい、年齢や所得に応じて一割、二割、三割といった、一割刻みの段階的な窓口負担割合が設定されてきたということでございます。
その上で、新しい御提案でありますけれども、委員御指摘のような、刻みをもう少し多くしたらどうだということも医療保険部会の議論の中でも論点の一つとなったところではあります。
仮に五%刻み、それは何%でもいいというお話がございましたけれども、仮に例えば五%刻みの負担割合の設定をするとした場合は、後期高齢者医療の保険者である後期高齢者医療広域連合のシステム、あるいは医療機関等の請求のシステムなどを改修する必要がある、実務的にはそういう課題があるというふうに考えております。
○梅村委員 何か国民会議の消費税の話を思い出しますけれども。
要するに、パーセント、数字を変えるときというのはそのシステムの数字を変えるということだと思いますけれども、現実的には、恐らく、おっしゃったように、昔というのはどれぐらい昔か分かりませんけれども、そろばんの時代だったら一割、二割、三割がいいのかもしれませんが、今特に電子カルテなんかを見ると、この人は何%負担かというのはもう右に出ますよね。それとマイナ保険証が連動していれば、当然その数字というのは自動的に出てくるんじゃないかなと思いますので、私はこれは一つ論点として検討すべき課題じゃないかなと思います。特に、激変緩和措置という面ではこの五%刻みというのは私はありなんじゃないかなと思いますので、これも是非、審議会等で出されている論点だと言われておりますので、また検討をお願いをしたいと思っております。
そして、済みません、大臣、今の五%刻みのことですよね、これに関して、今、システム的な問題だというお話でしたけれども、大臣、いかがでしょうか。
○上野国務大臣 ありがとうございます。
私も実は、例えば税制であれば非常に細かく税率が設定をされているにもかかわらず、なぜこれは一割、二割、三割と、ある意味ざっくりした数字なのかというふうに疑問を持っておりましたけれども、やはりこれまで、医療を受けられる方の視点から見るとそれが分かりやすいということがあったのではないかなというふうに思っております。
ただ、いずれにいたしましても、高齢者の窓口負担割合の在り方というのは、総理もおっしゃっていらっしゃいますが、避けて通れない検討課題だと認識をしておりますので、その際には被保険者の急激な負担増とならないように配慮することが重要だと考えておりますし、昨年の社会保障審議会におきましても、負担割合のきめ細かい設定といったやり方も含めて議論が行われ、局長も申し上げたとおりでございますが、そういった様々な御意見もありますので、この窓口負担割合の検討に当たりましては、こうした議論の状況であったり、あるいは両党の、与党の議論の状況、そうしたものを踏まえながら引き続き丁寧に検討していきたいと考えています。
○梅村委員 ありがとうございました。是非、様々DXが進んでいく中で可能な取組じゃないかなと思っておりますので、検討をよろしくお願いいたします。
それでは、窓口負担は一旦これで終了にいたしまして、続きまして、本改正案では、医療機関の業務効率化、勤務環境改善の取組の支援ができるよう制度的対応が行われるようになってくるということで、先ほどから議論が出ていまして、特に医療介護総合確保基金、この中に新事業を位置づけるということで、これはもうどんどんやっていただきたいと思いますので、この法律の改正内容については私は非常に前向きに考えております。
金目の問題とかシステムの問題というのはこれで進んでいくかと思いますが、今日ちょっと取り上げるのは、今年の三月十六日に東京地裁で一つの判決が出ました。これは、大学病院に勤めている医師が宿直中、宿直というのは夜勤と言われることがありますけれども、いわゆる宿直許可を取って夜間は一定休める状態だというような期間も働いていたことが労災に当たるのかどうかということで国と争ったという裁判の結果が一定出ました。
これは、残念ながら倒れられて、くも膜下出血で倒れられて、今も寝たきりの状態になっておられる大学病院の医師の代理人がこれを裁判で訴えたという内容でありますけれども、労働基準局が担当だと思いますが、そちらの方と何が争点だったかというと、宿直許可を取った下、宿直許可というのは、この許可を医療機関が取れば、労働時間上限規制が撤廃をされて、そして逆に、割増し賃金、こういったものを払う義務が外れるというものが宿直許可であるということだと思います。
最近、医師の働き方改革というのがある中で、過去は宿直許可を取っていない病院というのも結構あったんです。それをきちんと宿直許可を取って、そして労働時間から外して、働き方をするんだと。ただし、それにはいろいろな基準があって、ふだんの労働とは違うものだし、それは待機をしたりとかそういったものに限られるというふうに、これまで基準があったと思うんです。
ところが、今回、この裁判では、労働時間に当たるのか当たらないのかということが、実は例示をなされて明確に出されてきた。つまり、宿直許可を取って宿直中だという外形的なことではなくて、実際のその中身がそれに当たらなければこれは労働時間になるんだということが、ここで、今回判決の中で出たんだと思います。
具体例としては、ちょっと読ませていただきますけれども、宿直中に病院のPHSを常に携帯し、呼出しに即時対応する義務があった、これは労働時間に当たるということなんですね。それから、患者が亡くなった場合など、深夜、早朝を問わず対応を求められていた。それから、仮眠室があったとしても、いつ呼び出されるか分からない緊張状態が続いていた。
ですから、よく言われるのは、朝まで仮眠室で寝られたら、これは宿直許可の下では宿直に当たって労働時間じゃないんだとか、検温するぐらいの回るぐらいだったら、それは宿直許可基準の中の宿直だとか、いろいろなことが今まで言われていたんですけれども、実はそういうことではなくて、労働からの解放が保障されていなかったから、これは労働時間になります、そういう判断というか判決でして、これは結構画期的というか、要するに、指示系統の中に入っていたら労働なんだという、これは新しい私は判決じゃないかなと思うわけです。
そうしますと、今まで働き方改革の中で言ってきたことが、本当に現場で落とし込んだときに今のやり方でいいのかどうか、これは、私、判決を読んだときに、今まで厚労省として、働き方改革、宿直許可を取ってこういう働き方だったら労働時間じゃないんだということを、もう一度実地調査をすることになるんじゃないかなと思いますし、私はするべきじゃないかなと思うんですけれども。
ちょっと長々とお話をしましたが、これに関する解釈というか答弁をお願いしたいと思います。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
まず、委員御指摘の判決では、被災労働者の勤務実態を踏まえて、宿直業務の時間全体について、労災認定における業務の過重性を評価する労働時間と認めるのが相当と判示したものと認識をしております。
また、この判決は、原告の宿直時の対応等を個別に評価したものであり、宿日直許可制度の在り方自体を違法等と判示するものではないというふうに承知をしています。
その上で、労働基準監督署では、宿日直許可取得後の適切な労務管理のため、医療機関への周知、それから労働者からの相談対応、これを行うとともに、宿日直許可の不適正な運用により労働基準関係法令違反が疑われる場合には、監督指導を実施しているというところでございます。
宿日直業務を含めた医師の労働時間の実態に関してですが、まず、各都道府県が特定労務管理対象機関である医療機関、これは特例水準のBですとかC―1といったようなものが適用されている医療機関に当たるわけなんですが、である医療機関等について、個別に労働時間や勤務時間の短縮に係る取組の実態を把握をしているということでございます。
また、その上で、厚生労働省といたしましては、都道府県を通じて情報収集を行った上で必要な助言を行うとともに、さらに、定期的に労働時間を把握するための調査等を行っているという状況でございます。
医師の働き方改革を推進する上で、医師の労働実態、これを把握するということは非常に重要であるというふうに考えております。引き続き必要な対応を進めていきたいと思っております。
○梅村委員 ちょっと引き続き情報収集をお願いをしたいと思います。
何の情報収集が必要かというと、要は、医療機関側は宿直許可基準を取って、この内容だったら大丈夫だろうということを前提に働き方を進めているわけです。でも、ここに書いてあることは、いや、その一個一個の行為じゃなくて、総合的にこの人が指揮命令系統の下で管理されている、その時間が長時間続いているのは、これは労働に当たるということなので、何かをしていたから労働時間に当たるとかそういうことじゃなくて、実地のことを相当一つ一つ見ないといけないよということが逆に言われたことだと思うので。そうしますと、今大丈夫だと思っていることが大丈夫じゃないということが世の中にたくさんある可能性があるわけですよ。だから、それをやはりきちっと抽出をして検討しないといけないんじゃないかなということを申し上げておきたいと思います。
私は、これを読んだ限りは、結構これは水準が大分変わるなという感想は持ちました。だから、それに関するチェックを是非お願いができればなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、最後の話題になりますけれども、先ほどから質問が続いておりますOTC類似薬についてもお聞きをしたいと思います。
先ほどから続いておりますように、七十七成分、約千百品目のOTC類似薬について、患者さんに薬剤費の四分の一の特別料金を求める旨の制度変更が今回なされるということで、これは私も、自民党さんと維新の会の中の協議の中で様々お話をさせていただきましたが、この制度変更における医療費削減効果は年間約九百億円とされておりますけれども、この九百億円の算定根拠、計算方法、これを改めて教えていただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回のOTC類似薬の保険給付の見直しにおける財政影響については、令和六年度のレセプトデータを基に対象品目の薬剤費を集計し、医療費の削減効果として約九百億円と算定してございます。
その内訳を申し上げますと、患者さんにお支払いいただく別途の負担分が約五百億円でございます。そのほかに、例えば、患者さんがお医者さんに行って、医師の診察を受けて確定診断を得ました、例でいくと、例えば、あなたのアレルギーのアレルゲンはこれですというものが分かりました、薬はこれが合うということが分かった場合に、二回目以降はOTC医薬品を利用するといった患者の行動変容が起こり得るということでございまして、そういった影響を機械的に推計し、そこは約四百億円と見込んでいるところでございます。
その上で、あらかじめちょっと御示唆いただいておりましたので、OTC類似薬からそうでない保険収載品への変更という処方シフトのような影響についてはここでは考慮していないということでございます。
○梅村委員 ですから、新しくお支払いいただく金額、これをマイナスの効果、財政的に言えばマイナスの効果と考えたら五百億円だ、それから、患者さんが医療機関にこれまでどおり行かなくてもいいんじゃないかという行動変容が約四百億円だという、こういう計算だと思いますが、ちょっと今局長からお話があった処方シフトですよね。この処方シフトというものをどう考えるかということなんですが、これは、私、医師なので、ちょっと医師の立場から申し上げると、多分、診察室で結構言われると思います。
例えば、今から出す薬は、これは今、最近はやりのOTC類似薬に当たるので、特別料金を取られると思いますよという、そういう説明をするかどうかは分からないですけれども、そういうお薬が出されるとする。そうすると、患者さんは、その金額にもよると思いますけれども、先生、何とか保険で全部を見てくれる薬はないですやろか、ちょっと今大阪弁に急になりましたけれども、ありませんやろか、こう言われるわけですよね。先生からしたら、そこまで言われるんだったら、もう一段強い薬、こっちだったら保険が利きますよというような出し方をすれば、それは、一般的には薬効の強い方が保険が利くことが多いわけですから、当然そっちの方を使う。これが処方シフトということになるかと思います。
一方で、医学的に、患者さんの健康のことを考えれば、これは余りよろしくはないわけですよね。つまり、本当にフィットしているものから、少し強いもので、じゃ、これを使ってくださいということが、保険請求的には通るとは思いますけれども、この処方シフトが余りにも起こり過ぎるということは、これはやはり患者さんの健康を守る中では非常に注意を払わないといけないと思います。
ですから、こういうことが実際に起こり得るということに対して、厚労省として何か対策を考えているのか、あるいは何か周知をしていくのか、このこともちょっと教えていただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
医師は個々の患者の症状等に応じて最適な薬剤の処方を行うことが原則だというふうに思っております。本制度の導入後も、医療現場においてはこの原則に基づき処方が行われることが重要であると考えております。
委員おっしゃいますように、例えばアレルギー性鼻炎の場合でも、より強い薬は、それは効果は強いかもしれないけれども他方で眠気が強いとかということもありますし、消炎鎮痛剤なんかの場合には、効果は強いんだけれども胃の方に副作用があるといったようなこともあるところでございます。
本制度の施行に向けては、保険を使って医療用医薬品の処方を受ける方と、保険を使わずOTC医薬品で対応する方との公平性を確保するための制度だということ、それから、必要な受診を行った上で、結果的に対象となるOTC類似薬が支給される場合に別途の負担を求めるものであって、対象となるOTC類似薬の処方を行わないようにする制度ではないということでございます。
こういった制度の趣旨に加えて、がん患者さんや難病患者さんなどの医療上の配慮が必要な方には別途の負担を求めないことを検討してございまして、こういう配慮の詳細と併せて、医療現場や患者の方々へ分かりやすく伝えることにより、制度の適切な運用を図ってまいりたい。そういう意味で周知をしっかりやってまいりたいというふうに思います。
○梅村委員 ありがとうございます。
想定より早く終わったので、ちょっと感想だけ申し上げたいと思いますけれども、日本維新の会としては、社会保険料を下げる改革というのをずっと取り組んでおります。
これは、今日のお話で分かっていただくように、一つは医療費総額の話と、それから、先ほど三割負担の方に公費を入れるというお話をしましたけれども、医療費の構成を変える、二つの方法が社会保険料を抑える改革としては考えられるんですけれども、このバランスが大事だと私たちは実は考えています。
どうも、総額を抑えることだけに終始をされる、そういう見方もあるんですけれども、実は、その構造を改革していくということも、財源構成を変えていくということも、社会保険料を下げる中では非常に大事なことであるということを申し上げたかったので、今日、ちょっと三割負担のテーマを取り上げさせていただきました。
医療機関さん側からもいろいろな御意見をいただいていまして、保険料を下げることばかり言ったら、今医療機関が非常に経営が厳しい中で、もっと大変になるじゃないかという意見もある一方、医療や介護というのは非常にたくさんの人を雇用します。その雇用する中で、常勤雇用するときには社会保険料の負担がやはり今非常に重い。ですから、これが何とかちょっと抑えられるようになれば、もう少しスタッフを常勤雇用ができる。そういうふうなお声もいただいておりますので、やはりバランスが大事だということを我々維新の会も考えているんですということを皆さんに是非知っていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○大串委員長 次に、日野紗里亜君。
○日野委員 国民民主党の日野紗里亜です。
この度も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
最初に、前回の大臣所信質疑の際に、私、冒頭、大臣に、大臣はもし介護を受けることになったらどんな介護を受けたいですかという御質問をさせていただきました。その際、大臣は、考えたことがないので答えられないというふうにおっしゃっていました。ちょっと余りにも予想外の回答で、そのときは私、大臣に、大臣は今、介護を考えることがないぐらいお体が健康ということで、よかったですというような形でお答えしたと思うんですけれども、やはりここは一言申し上げさせていただきたいと思っていまして。
日本の介護をつかさどる厚生労働委員会、厚生労働省の大臣はリーダーですから、やはり大臣が理想の介護を語っていただきたいというふうに思っております。大臣の介護観であったりとか、あとはその介護観からくるビジョンによって、やはり官僚の方たちも制度設計をされていると思います。大臣が優しく温かい介護をしていただきたいと思うのであれば、そういったハートフルなケアが提供されるような介護制度になっていくでしょうし、もっともっとロボットの活用が必要なんじゃないかというふうにおっしゃれば、介護ロボットの開発というものが議論されていくべきですし、そんな、介護にはお世話になりたくないというお話があれば、やはり、尊厳死も含めたような、ACPですとか人生会議、そういった議論が活発になるものだと思っております。そういったことからも、是非、大臣におかれましては、理想の介護を語っていただきたいというふうに思っております。
では、本題、質疑の方に入らせていただきたいと思います。
私、今回の健康保険法等改正案、本会議登壇をさせていただきました。その際に、総理は本会議で、我が国の社会保障について中福祉・低負担と示されていました。中福祉につきましては一定の理解ができますが、低負担という評価については、やはり私、疑問を感じてしまいます。
お伺いさせてください。
厚生労働大臣としましても、現在の我が国の社会保障について中福祉・低負担と評価されるのであれば、その根拠を教えていただけますでしょうか。お願いします。
○上野国務大臣 中福祉・低負担との根拠でありますが、まず、日本の社会保障給付の対GDP、これはOECD平均よりもやや高い二五・八%で、加盟国では中位に位置をしております。また一方、日本の国民負担率は四五・七%でありまして、加盟国の中では中低位に位置しておりますので、そうした現状を踏まえた評価ではないかなというふうに考えております。
○日野委員 御回答ありがとうございます。
OECD諸国と比較して低負担であるという御認識を今大臣示されましたが、確かに、国民負担率だけを見てみれば、日本は北欧諸国などと比較して相対的に低い水準かもしれません。ですが、この低負担という評価が余りにも一面的であるというふうに思っています。
日本の負担構造は、税よりも社会保険料の比重が高いため、負担が現役世代に集中しています。特に子育て世代、働き世代におきましては、所得に対する可処分所得の圧迫感は極めて大きく、生活のゆとりを失っています。負担の総量だけでなく給付とのバランスで見たときに、日本は、高齢層における年金、医療、介護に係る給付と比較し、子育て、教育といった将来世代への投資はOECD平均と比べても低水準にとどまっています。つまり、現役世代は、相応の負担をしているのにもかかわらず、自らに還元される給付は十分とは言えない構造にあるのではないでしょうか。
大臣、低負担と評価されるのであれば、なぜこれほどまでに現役世代の負担感が強まっているのか、その要因をどのように分析されているのか、大臣のお言葉をお伺いさせていただきたいと思います。
○上野国務大臣 我が国の社会保障につきましては、これまでからも給付と負担のバランスを図るということとしておりまして、今回の改正案におきましても、例えば出産に係る給付体系の見直しであったり、あるいは国保の子供さんに係る均等割保険料の軽減措置など、現役世代の負担軽減を図るその一方で、OTC類似薬の保険給付の見直しや後期高齢者医療における金融所得の勘案など、負担の公平性の確保のための措置を盛り込んでいるところであります。
やはり、少子高齢化が進展をする中で、給付と負担のバランス、これが引き続き確保されることが重要だと考えておりますので、増大する社会保障給付について、負担能力に応じて全ての世代で公平に支え合う、全世代型社会保障と申し上げておりますが、その構築を進めることが大切だと考えています。
○日野委員 こういう制度を行いますという説明よりかは、なぜ現役世代の負担感が強いのかということをお答えいただきたかったなと思います。
現役世代にとっては決して低負担ではないのに、低負担、総理や大臣がそうやって言ってしまう、その認識のずれが少子化の根本原因だというふうに思っているんですけれども、大臣、どうお考えでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 先ほど申し上げましたのは、相対的に各国と比べて、数字で比べたわけでありまして、我々としましては、先ほど申し上げておりますとおり、給付と負担のバランスを図ることが大切だということで政策を進めているところであります。
○日野委員 やはり現役世代の負担を下げないことには、高齢者層、それから子供たちの生活を支えることにもつながっていかないと思います。是非、現役世代の負担を軽減していく、そういった観点で政府にもお考えいただきたいというふうに思っております。
続きまして、産科医療の現場についてお伺いさせていただきたいと思います。
本会議におきまして、標準的な出産費用の水準については、施行までに丁寧に検討していくとの御答弁がありました。現場からは、物価や人件費が上昇する中で、この水準が低く設定された場合、地域の産科診療所が分娩から手を引かざるを得なくなっていくのではないかという切実な声が上がっていますので、これは様々議員の方も御指摘ではございますが、標準的な費用の水準については、こうした現実的なリスクを踏まえ、慎重に御検討いただきたいと思っております。
その上で、現行の分娩取扱施設支援事業についてお伺いをさせていただきたいと思います。
本事業は分娩数の減少に応じて支援を行う制度ですが、現場からは、制度と実態が合っていないという声が上がっております。現在は前年度五%以上の減少が要件となっていますが、少子化が進行する中で、分娩数が毎年数%ずつ減少していくこと自体はむしろ自然な傾向であると考えます。その結果、累積的には大きな影響が出ているのにもかかわらず、支援の対象外となってしまっている医療機関が多数生じています。
さらに、このように単年で一律に五%という基準を設けることにより、現場においては、支援要件に合わせるために受入れ数を調整するといった、制度の趣旨とは異なる行動を誘発してしまうおそれもあると思っております。すなわち、経営のために、あと数人の分娩を断れば五%の減少要件を満たして補助金がもらえる、そういった計算をせざるを得ない、不適切なインセンティブを与えることにもつながりかねません。
お産の緩やかな減少や、そういった現場の実態、さらには、制度が現場の行動に与える影響ももちろん想定済みだとは思いますが、なぜこういった五%という基準を設けたか、お答えいただけますと幸いです。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
令和七年度に実施されています、令和六年の補正予算から行っておりますけれども、分娩取扱施設支援事業というのは、出生数の減少に伴い分娩施設が減少する地域が生じている中でも、妊婦の方々が安心して分娩できるよう、急激に分娩数が減少している分娩取扱施設に対して、一定規模の分娩取扱いを維持するための費用を支援する事業でございます。
本事業において、議員御指摘の要件を補助対象の要件として用いている理由でございますが、限られた予算を事業の趣旨に沿ってより効果的に活用する観点から、令和六年度の全国の出生数が令和五年度と比較して約五%下回っているという全国的な出生の動向、これを客観的な指標として、補助要件としたものでございます。
引き続き、こうした事業を通じて、都道府県と連携しつつ、地域の周産期医療体制の確保にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○日野委員 ありがとうございます。
制度の趣旨自体は理解できるんですけれども、やはり現行の要件では、現場の実態を十分に捉え切れていないかというふうに思っております。分娩数が減っていっても人件費とか設備維持費といった固定費というものは下がらない中で、単年の増減のみで支援の可否を判断する現在の仕組みでは、やはり継続的に減少が続いている医療機関の実態が十分に反映されていないというふうに考えています。
例えば、実態に即した累積的な減少への評価、あるいは固定費の維持に対する直接的な支援へとかじを切るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○森光政府参考人 分娩取扱施設については、過去から、分娩数の減少というのはかなり前から続いておりますので、分娩数の取扱いに合わせて、地域では、分娩の施設、これが引退された場合には自然にその地域で支えるという形で、大体一施設当たりの分娩数というのは余り変わらず来ているというのが今の現状でございます。
そうした中で、近年の分娩数の急激な減少というものについては、確かに先生おっしゃるとおり、施設の運営に影響するような状態に至っているというふうに我々考えておりまして、そこで、令和六年、令和七年と補正予算を要求をして、この事業を立てたということになります。
今回の事業につきましては、分娩数の減少の率が非常に大きいところには更に、通常の、一%ごとに百十六万円を加えてお出しするということで、より分娩数が減って危機的な運営になってしまっている施設に対しては、そこに適切に手当てをするというようなことを今この事業では考えておるというところでございまして、また状況が変わるたびに、分娩施設を維持できるような形を適切に対応していきたいというふうに考えておるところです。
○日野委員 御回答いただきまして、ありがとうございます。
次に、産科診療所におけるベースアップ評価料についてもお伺いさせていただきたいと思います。
ベースアップ評価料は医療従事者の賃金改善を目的とした制度であって、これによって得られた診療報酬は全て医療職員の賃上げに使われます。ただ、ベースアップ評価料を算定するために大きな事務負担がかかります。一度届けたら終わりではなく、年度ごとに複雑な書類の作成、提出が必要となり、小規模な診療所では事務負担とコストが過重になっているという声も聞こえています。
ベースアップ評価料の算定が現場の負担になっているという声は、政府は把握していらっしゃいますでしょうか。そういったことに対する対策は、何か検討されていますでしょうか。お答えください。
○間政府参考人 お答えいたします。
委員御案内のように、産科の診療所などは、自由診療をやっておられる一方で、一部保険も併用しながら出産を応援されているということなので、そういう保険を使われた場合にベースアップ評価料が算定できるということでございます。
令和八年度診療報酬改定におきましては、医療機関等に勤務する幅広い職種の賃上げに向けて、令和八年度、九年度、それぞれ三・二%のベースアップ、これは定昇を含まず、ベアでございますが、ベースアップを実現するための措置を講じました。
その意味で、使い勝手をよくしていくということは大事だというふうに思っています。医療機関ごとに、患者数の動向も踏まえつつ賃上げをすることができるように、特に簡素な届出のみで算定できる点数というものを設定したり、患者数当たりのスタッフ数が多い場合にも対応できるきめ細かな点数を設定するなど、評価料の設計にまず工夫をしております。
また、事務負担のお話もございました。御指摘のように、これが活用いただくためには事務負担の軽減は大変重要だと思っておりまして、初めてベースアップ評価料を導入しました令和六年度改定以降も順次、様式の簡素化などに取り組んできましたけれども、今回の令和八年度改定におきましては、これまではベア評価料の算定開始時に作成を求めていた賃金改善実施計画書の廃止、あるいは評価料の区分変更の手続を簡素化し、定期的な再計算を求めず、変更が必要な場合のみ行えば足りることとするなど、届出手続の更なる簡素化を図ったところでございます。
こういった形で、医療機関の皆様方に御活用いただきたい、このように考えております。
○日野委員 ありがとうございます。
引き続き、使い勝手のよさと、そういった事務負担の軽減ということを行っていっていただければなと思っております。
次に、医療や介護現場における資材の供給についてお伺いさせていただきます。
現在、ニトリルグローブやメディカルエプロンといった診療、看護、介護の現場で不可欠な消耗品について、供給が不安定となり、出荷制限がかかっているとの声が現場から上がっています。原油供給不安の影響により流通段階で在庫が不足しており、このままでは処置や手技、介助に支障が生じかねない、極めて切迫した状況です。
コロナ禍におきましても、エプロン不足により代用品で対応せざるを得ない状況が生じましたが、今回は、その前提となる資材そのものの供給に不安があるため、同様の対応すら困難となる可能性があります。
厚生労働省は現在、情報提供窓口を設置されていますが、現場からは、集計している間に在庫が尽きてしまうとの声も上がっています。
お伺いします。
医療や介護の現場で実際に不足が発生する前に、どのような具体的対応を講じていらっしゃるのか。国家の備蓄の放出だったりとか、緊急輸入の確保であったりとか、あとは流通の優先順位のつけ方といった具体策について、既に検討や準備はされているのか。されているのであれば、具体的にお答えいただければと思います。お願いします。
〔委員長退席、鬼木委員長代理着席〕
○森政府参考人 医療や介護の分野における必要な物資の確保についてのお尋ねでございます。
これらの医療物資等の安定供給については、高市総理からも、経産大臣と密接に連携して必ず必要な対策を講じるようにという指示を受けているところでございます。
これまでも、製造販売業者や卸、医療機関に対する情報提供窓口の設置や個別のヒアリング等を通じて積極的な情報収集をまず行い、その中でも、歯科診療所等から医療用手袋、御指摘のもの等の供給不安の声が上がっているということは私ども把握しております。
一方で、経産省からは、医療物資等の材料に必要となる原料となるナフサについては、日本全体として必要となる量を確保していると聞いており、流通の目詰まりの解消等を通じて、診療所等に必要な物資が行き渡るように現在調整を進めているところでございます。
具体的な対応としては、三月三十日及び三月三十一日に医療機関及び供給業者の団体双方に対して、必要量に見合う量の発注、受注、適切な対応への協力を依頼する。具体的には、要は、通常量を上回るような発注があった場合には通常量で対応してくださいということをお願いしたり、四月十三日には、日本歯科商工協会に対して、歯科診療の現場に必要な医療用手袋が適切に供給されるよう協力を依頼したところでございます。
引き続き、一斉点検、それから情報提供窓口等を通じてこうした取組後の状況を把握して、経産省と連携しながら、必要な対応をきちっと実行していきたいというふうに考えております。
○日野委員 引き続き、よろしくお願いいたします。
次に、出産なびについてお伺いをさせていただきたいと思います。
出産なびは、妊婦が適切に医療機関を選択できるよう、情報提供を行う仕組みとして整備されたものと承知しております。一方で、現場からは、掲載されている情報が限られており、医療機関ごとの特色や方針が十分に伝わらないとの声が上がっています。
現在は、地域、病院名、住所、年間分娩数、平均分娩費、無痛分娩の有無、助産師外来の有無など、定型的な情報が中心となっていますが、例えば、自然分娩への取組だったりとか、助産師の関わり方、母乳外来の体制、産後ケアや地域での子育て支援とのつながりなど、妊婦にとって重要な判断材料となる情報が十分に反映されていないとの指摘がございます。
事前にいただいた御説明では、全国統一的な形式で情報提供を行う必要があるとのことから、掲載情報に制約があり、各施設のホームページやSNSへのリンクで補完しているとのことでした。しかし、情報収集の手段や検索能力には個人差があり、リンク先までたどらなければ必要な情報が得られない構造では、情報格差を生むおそれがあります。
妊婦が納得して選択するために必要な情報が十分に伝わらなければ、その役割を果たしているとは言えませんので、例えば、出産なび自体で必要な情報がより伝わるように、備考欄を載せられることができるスペースを準備するなど、そういったことが必要かと思いますが、厚生労働大臣の見解をお伺いさせていただきます。
○上野国務大臣 妊婦の方が安心して出産ができる環境を確保する一環といたしまして、全国の分娩取扱施設におけるサービスの内容や費用等の情報について、各施設と御協力をいただきながら、厚労省のウェブサイトに掲載をしています。今年の二月にもデザインの見直しなどを行っておりますが、掲載情報そのものを更に充実させる必要があると我々も認識をしております。
今般の法案におきましては、妊産婦御自身が納得感を持ってサービスを選択していただけるように、提供されるサービスの内容、費用等の情報提供を義務づける、また妊婦健診の内容や費用等についても見える化を図ることなどを盛り込んでいるところでありますが、これらの情報提供に当たっても、出産なびを活用する考えであります。
○日野委員 更に内容を充実させていく必要性があるということを御回答いただきまして、ありがとうございます。
やはり妊婦さんは、そのクリニックでの特色といったものを妊婦さん側も見たいし、産院側もそれをしっかりと打ち出したいといったお声がありますので、そういった部分をしっかりと盛り込んでいただければと思っております。
続きまして、多胎妊婦の妊婦健診への負担軽減についてお伺いをさせていただきます。
令和三年から開始された多胎妊娠の妊婦健康診査支援事業は、当事者にとってこれは本当に非常に意義のある制度でありますが、この事業は自治体の任意事業としてとどまっているため、令和六年度時点でも実施率は約四割にとどまり、いまだ半分以上の多胎妊婦に支援が届いていないという現実があります。支援の有無が居住地によって左右されるべきではないと思います。
私は本会議でも申し上げましたとおり、多胎の妊婦健診は、通常、単胎の健診と比較して自己負担がとても重たく、今回の法改正は、出産に関わる経済的負担の軽減を図る重要な見直しであるため、まさに制度を見直すべきタイミングであると考えております。
多胎妊婦に対する支援については従来どおり任意事業とされている、そういった理由をまずはお伺いさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○津島副大臣 日野紗里亜委員の御質問にお答え申し上げます。
委員が多胎妊婦支援に大変熱心に取り組んでおられるということを承知しております。
今この事業につきましては市町村の事業とされておりますところ、全国に対して何か目標を掲げるといったことで対応するというのは難しいということでございます。市町村事業であるということが、お尋ねの部分で理由になるかと思います。
○日野委員 そうですね。おっしゃるとおり、市町村事業であるがゆえにそういった実施率を増やしていくことが難しいとするのであれば、元から。多胎の妊娠、出産というのはお産全体の僅か一%でございます。市町村事業でありますと、例えば、これは人口比ですけれども、市町村におきましては、年間、多胎の出産というのが一桁であったり、場合によってはこの年はゼロ件といった、そういった市町村もあるわけなんです。そもそもそういった自治体は、当事者からの声ももちろん届きにくいですし、多胎に対する専門的な知識を有する者が必ずしもいるとは限らず、そもそも事業の必要性を感じていただけない場合もあるんですね。そうなると、もちろん実施率というのは上がっていきません。
そういったことからも、やはり、本事業において政府も実施率を上げていきたい、そういうふうに思ってくださっているのであれば、例えば都道府県事業として取り組むことはできないのか、そういった疑問が湧くわけなんですけれども、いかがでしょうか。
○津島副大臣 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、元々、多胎妊娠の方の場合は頻繁に健診を受けなければいけない、必要とされるということから、令和三年度に、受診に伴う経済的負担軽減のための多胎妊娠の妊婦健康診査支援事業を創設したところでございます。
その後の経過について、委員の御指摘と我々の認識と多少異なるところがございますが、現実に実施市町村数は増加傾向にあって、令和六年度は七百五十市町村となっております。
全国どこに住んでいても多胎妊婦の方の負担、妊婦健診における経済的負担の軽減が図られるよう、まず、今回の改正法が成立した際には、妊婦健診における妊婦の経済的負担の軽減を図る制度趣旨の実現に向け、全国の市町村に対し、改正法に基づく妊婦健診の標準額の設定などの制度周知と併せ、本支援事業に積極的に取り組むよう働きかけてまいります。
まずは、全国の多胎妊婦の皆さんに本支援事業の存在を知っていただくということが重要であると考えます。よって、自治体に加えて、必要に応じて、委員が愛知県で立ち上げられた一般社団法人あいち多胎ネットのような民間団体の皆さん、地域の多胎児支援の団体などにも御協力をいただいて、各市町村の支援内容の周知を図るなど、より多くの市町村で本支援事業が実施され、活用いただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○日野委員 ありがとうございます。
そうなんです。全国的な実施率、約四割にとどまっている一方で、私の地元である愛知県では実施率が九割に達しております。これは、私が以前代表を務めておりました、おっしゃってくださいました一般社団法人あいち多胎ネットの仲間の取組を始め、愛知県及び各自治体の皆様のお力添えによって広がってきたものであり、これは官民連携による好事例だというふうに私も認識しております。
全国にも、日本多胎支援協会と連携しながらネットワークを築いている、当事者主体の多胎ネットが各地に存在しております。こうした現場の知見とか実践、制度の実効性も高める上で、官民連携、すごく大事だと思っておりますので、今御答弁いただきましたように、是非力強い連携をお願いしたいというふうに思っております。
では、高額療養費制度の見直しについてお伺いをさせていただきます。
本会議での質疑を受けて全国の方々から多くの御意見をいただいている中で、やはり、患者の負担増だけに頼らない形で持続可能性を確保できないかという非常に本質的な問題提起をいただいています。制度の持続可能性と必要な医療へのアクセスの確保は、いずれも両立されるべき重要な視点であると考えています。
その観点からお伺いします。
本会議でも申し上げましたが、持続可能性の確保を自己負担の引上げのみに依存すべきではないと考えているため、残薬の解消や重複検査の適正化といった制度外での医療費適正化について、どの程度の財源効果が見込まれるのか、政府として具体的な試算を行っているのか、明確にお答えいただきたいと思っております。
また、あわせて、こうした取組によって得られる財源を患者負担の軽減に充てるという発想について、政府がどのようにお考えか、お伺いさせてください。
○上野国務大臣 医療費全体が年々増加をする中で、制度の持続可能性、長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化を行う、そうした観点で高額療養費制度の見直しを進めようとしているわけでありますが、これは専門委員会等でも議論がありましたけれども、やはり医療保険制度改革全体の議論、これを進めながら、高額療養費の在り方をどう考えていくか、そうした全体感を持った議論を進める必要がある、そのような御指摘もいただきました。
そうしたことも踏まえまして、医療保険制度全体の改革が重要でありますので、現在御審議をしていただいている法案に盛り込んでおりますOTC類似薬の保険給付の見直しや後期高齢者の金融所得の反映、長期処方、リフィル処方への取組強化や残薬対策など、多岐にわたる取組を進めているところであります。
財政影響について申し上げますと、例えば、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し、これはOTCだけではなくて長期収載品、リフィルも含めてでありますが、これにつきましては約一千億円、また高額療養費制度の見直しにつきましては約一千六百四十億円と、合わせまして一年当たり約二千六百億円の減少を見込んでいるところであります。これは保険料への影響額です。
その上で、高額療養費以外の制度改正による財源を高額療養費に充当すべきではないかというお尋ねですが、今回の一連の制度改革につきましては、医療保険全体における位置づけや役割、これを考慮しつつ、全体感を持って見直しを行うものでありますので、高額療養費制度の中だけで持続可能性を確保したものではなく、全体で改革を進めているということでございます。
○日野委員 政府の試算では、今回の見直しによる医療費削減効果の中に、受診行動の変化による影響が含まれていると承知しています。一方で、必要な受診の抑制は想定していないという答弁もありました。受診行動の変化による削減を見込んでいるのにもかかわらず、必要な受診の抑制は起きないとするこの説明はどのように整合するのか、こちらをお答えいただきたいと思います。
また、結果として必要な受診が抑制されることがあれば、医療アクセスそのものが損なわれることになりますが、そのリスクをどのように評価しているのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○上野国務大臣 今回の見直しにおきましては、多数回該当の据置き、年間上限の新設、年収二百万円未満で課税対象となる方の多数回該当の金額の引下げなど、特に治療に係る経済的負担が厳しいと考えられる長期療養者や所得の低い方に十分配慮していると考えておりますので、必要な受診が抑制されることは想定していないとこれまでからも申し上げているところであります。
その上で、予算の積算上の取扱いでございますが、これは過去の見直しと同様に、実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果、これを機械的に計算をしておりまして、今回の見直しにおきましても、これと全く同じ取扱いをしているものであります。
ただ、制度改正の影響が実際の受診行動にどう影響するかは、よく注視をする必要があろうかというふうに考えております。
また、今し方申し上げましたように、必要な受診が抑制されることは想定をしていないわけでありますし、また、長期で療養されている患者の皆さんのお声を伺いますと、一番の不安といたしましては、将来、一体どれくらい医療費がかかるか、見通しが見えないという視点が寄せられてまいりました。
そうしたことから、今回の年間上限の導入、まさに、こうした長期療養者の皆様の御不安に正面から向き合った制度としているところであります。制度の持続可能性を確保しながら、長期療養者、低所得者の方のセーフティーネット機能を強化するという今回の見直しの趣旨とまた意義、あるいは内容、そうしたものにつきましては、国民の皆さんや医療関係者の皆さんに十分周知を図っていきたいと考えています。
○日野委員 御回答ありがとうございます。
制度の影響については、事前の想定だけではなく、施行後の実態を検証することがやはり不可欠だと思っています。二〇二六年八月の第一段階施行後、受診行動の変化、治療の見合せの有無など、こういったことをレセプトデータなどを用いて検証し、その結果を公表する仕組みを設けるべきかと思います。
その上で、お伺いさせていただきます。
仮に、第一段階の施行によって必要な受診の抑制や治療の見合せといった影響が確認された場合、二〇二七年八月の第二段階施行については、内容の見直しを行う余地をあらかじめ制度として確保しておくべきではないでしょうか。患者の医療アクセスを確実に守る観点からも、検証結果を踏まえた再検討の仕組み、いわば見直しのトリガーを設けるお考えはあるのか、大臣の御見解をお伺いさせていただきます。
○上野国務大臣 今回の見直しに当たりましては、令和八年度分と令和九年度分、これを一体的に制度設計をしているものでありますので、全体を見て、その影響についても考慮する必要があろうかと考えております。
○日野委員 しっかり検証して、その結果を踏まえた再検討の仕組みはやはり大事だと思いますので、そちらをお考えいただきたいと思います。
続きまして、協会けんぽと健康保険組合の格差と国庫補助の在り方についてお伺いをさせていただきたいと思います。
今回の改正案では、協会けんぽの保健事業の責務が明記されました。一方で、実態として、協会けんぽと健康保険組合の保健事業には提供されるサービスの質で差異が生じているとの指摘もあります。現状で協会けんぽと健康保険組合の保健事業には違いがあるのか、あるとすればどのような違いがあると認識されているのか、お伺いさせていただきます。
○間政府参考人 お答えいたします。
予防、健康づくりは、本人のQOLの向上はもとより、社会全体の活力の向上も期待されることから大変重要だと思っています。
協会けんぽ、健保組合においては、データヘルス計画を策定し、それぞれの加入者の属性や健康状態、地域性を踏まえた保健事業を実施していただいております。その意味で、実際に取り組んでいる保健事業の内容については、例えば、人間ドックの費用助成などの取組状況は保険者によって異なってまいります。
また、協会けんぽの支部ごとにそれぞれの取組をしているわけですが、例えば、ある支部では、地元の加入されている方々のデータを見ると、血圧リスクの保有割合の高い業界団体と連携して、その場合にはその地域では運輸業だったそうですけれども、ポスターやリーフレットの作成、配布による受診勧奨を行うなど、その支部によっても、実際それに合った取組をするという意味で、違っている部分があります。
ただ、最終的に、いずれにしても、地域性なり加入者属性なんかを見ながら加入者の予防、健康づくりに資する取組を行うという目的自体には、違いがないというふうに思っております。
また、協会けんぽ、健保組合それぞれにおいて、各支部、各組合の予防、健康づくりの取組を評価しましてインセンティブを付与する取組を行っておりまして、こうした取組で、加入されている各被保険者の実態に合った適切な保健事業が進むように努力していきたい、このように考えております。
○日野委員 ありがとうございます。
今まで、協会けんぽには国庫補助が恒常的に投入されている一方で、健康保険組合には同様の仕組みが設けられておりません。この理由についてお伺いさせていただきたいと思います。お願いします。
○間政府参考人 お答えいたします。
基本論として、我が国の社会保障制度は、病気や老齢などの人生におけるリスクに対して共同で連帯して備える共助の仕組みとして、保険料を皆さんで出し合って備える社会保険制度を基本としております。そうした観点から、健康保険組合というのは一つのその象徴でございまして、自助努力による財政運営を行っていただくことが原則となっています。
他方で、協会けんぽは、加入者の多くが中小零細企業で働く方とその家族であり、平均的な標準報酬月額も健保組合より低く、財政基盤が相対的に弱いとされてきたことから、医療給付費等に対して一六・四%の国庫補助を行ってきております。
それに加えまして、今年度予算におきましては、健保組合の中でも財政基盤の脆弱な健保組合に対する補助を新たに盛り込んだところでございます。
○日野委員 ありがとうございます。
特例措置と国費投入の背景について、もう少しお伺いさせていただきたいと思います。
今回、協会けんぽへの国庫補助に係る特例減額の控除額引上げが行われる一方で、二〇二六年度予算案では、健康保険組合の保険料率抑制を目的として二百億円の国費投入が盛り込まれてきました。今おっしゃっていただきましたとおり、これまで健康保険組合につきましては自助努力を基本とする考え方が取られてきた中で、このタイミングで国費投入に至った背景や判断について、もう少し詳しくお伺いさせていただきたいと思います。
この措置というのは、足下の保険料率上昇への対応にとどまるものなのか、それとも、構造的な課題に対する対応として位置づけられているのか、その点、詳しくお聞かせいただけますでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回、協会けんぽについて、近年、堅調な保険料収入などを背景に健全な財政運営が定着しておりますことを踏まえまして、今年度から、三十四年ぶりに平均保険料率を引き下げる、〇・一%引き下げて九・九%とするとともに、現行の国庫補助額を減額する措置、特例減額について、減額幅を更に上乗せする三年間の時限的な措置を講ずることとしております。
その際に、協会けんぽの平均保険料率の引下げが、協会けんぽと同程度、あるいはそれ以上の医療保険料率を課している財政基盤の脆弱な健康保険組合に与える影響を注視する必要があると考えておりまして、先ほどちょっと御紹介しましたように、本年度の予算においては、財政基盤の脆弱な健保組合の保険運営を支援する措置として、二百億円を盛り込んだところでございます。
そういう意味では、今回の措置に関して言うと、国庫補助の見直しの方も含めて時限的なものということでございますが、今後の在り方については、また引き続き検討していく必要があるというふうに考えております。
○日野委員 質疑を終わります。ありがとうございました。
○鬼木委員長代理 次に、岡野純子君。
○岡野委員 こんにちは。国民民主党の岡野純子でございます。
質問の機会をどうもありがとうございます。
本日は、四十分使いまして、出産の給付体系のことをお伺いしてまいりたいと思っています。
まずは、大前提として確認をしたいのですが、今回の給付体系の見直しは、単に妊婦の自己負担をどうするのかという話にはとどまらず、日本の周産期医療を今後どのような形で維持をしていくのか、その全体像と一体で考えなければならない問題だと思っています。
厚労省自身、周産期医療については、周産期母子医療センターを基幹として、必要に応じて周産期医療圏を柔軟に設定し、医療機関、機能の集約化、重点化を進めるという方針を示していらっしゃいます。また、分娩は、途中まで正常経過に見えても急変があり得る、しかも、出生の時刻も分娩も予測困難で、二十四時間対応できる一定の規模の体制が必要だとも明記をされています。
私自身、初めての子供は足かけ三日がかりで生まれました。金曜日に破水をしまして、四十七時間後、日曜日に出産をいたしました。二人目は逆に、僅か六時間で生まれました。そのように、本当に出産というのは予測不能でありますし、その間、私は、その三日間ずっと支えてくださった二十四時間体制というもののありがたさも感じているところであります。
では、まずは、政府はこの周産期医療というのは今後どのような姿にしていこうとしているのか、基本的な方向性を大臣に伺いたいと思います。
○上野国務大臣 まず、産科医師、分娩取扱施設、これが減少する地域が生じている、そうした状況下であったとしても、妊婦の方々が安心して分娩できる周産期医療体制をしっかりと確保する、これが大変重要だと考えています。
このため、都道府県が策定をいたします医療計画に基づきまして、医療提供体制の整備や産科医師の確保を着実に進められるように、周産期医療の体制構築に係る指針を示しております。
この指針によりまして、二次医療圏にとらわれない、より広域な周産期医療の設定、あるいは医療機関や機能の集約化、重点化、また、地域における分娩を取り扱う施設や妊婦健診を行う施設等の役割分担の明確化などの取組が進められているところであります。
厚労省といたしましては、こうした取組に対する財政支援なども行ってきておりますが、今般の改正法、これをしっかりと着実に実行して、引き続き、都道府県と連携をしながら、地域で安心、安全に分娩できるような体制の確保に努めてまいりたいと考えています。
○岡野委員 どうもありがとうございます。
安全性と持続可能性の観点から一定の機能分担と集約化を進める、そういった内容だと理解をいたしました。ここは、本日の質問の出発点として共有をしておきたいと考えています。
では、次に、正常分娩の現物給付化の趣旨について伺いたいと思います。
ここまで、現物給付化の趣旨を、これまでの様々な方からの答弁では、妊婦の経済的負担軽減に資することと、そして安心して安全に産める環境をつくること、この二つが繰り返し述べられてきています。
では、今般のこの制度改正によって、答弁でおっしゃっているその二つが具体的にどうやって担保をされるのか、何をもってそうおっしゃっているのかの根拠を示していただきたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回の見直しの目的は、出産に伴う妊産婦の経済的負担の軽減を図るものでありますが、その際に地域の周産期医療提供体制の確保という視点も非常に重要だと考えているというのは、この点、委員御指摘のとおりだと思っています。
これがどう担保されるのかという御指摘でありますが、現在、出産費用、特に正常分娩の場合には自由価格となっておりますので、出産育児一時金の支給額を引き上げても、それに合わせて出産費用も上昇し、妊婦さんの実際の負担額が軽減されないという御指摘がありました。今回の見直しでは、正常分娩に相当する部分の出産費用は現物給付化されることになりますので、この点において経済的負担の軽減につながると考えております。
他方で、地域の周産期医療提供体制の確保という観点からは、これも委員御指摘のとおり、医療保険の話だけではなくて、周産期医療体制の、まさに医療提供体制の全体の中で相まって考えていく必要があるというふうに思っておりますが、今回の給付体系の見直しによる現物給付の給付水準については、本法案の中においても、適正なものとするために必要な調査を行う、また、分娩の手当に要する標準的な費用を勘案して厚生労働大臣が定めると規定しておりまして、経営実態等を踏まえたものになっていく、逆にそうしなければならないというふうに考えております。
〔鬼木委員長代理退席、委員長着席〕
○岡野委員 済みません、御答弁がちょっと全て一瞬で、一回で理解できなかったところがあるので、また確認をしながら進めてまいりたいと思っておりますが、経済負担のところ一つ取っても、実は私はまだ十分腑に落ちていないところがありまして、認識をそろえたいと思いまして伺うんですが、もう少し具体的にお聞きをしていきたいと思います。
この改正が、妊婦さんとそして医療機関、これの影響を受けるステークホルダーそれぞれが、どういう影響をそれぞれに与えていくのか。短期的に、そして中長期的に、そうした二つの視点で医療機関と妊婦さんに与える影響についてお伺いしたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
これは要するに、確かに短期的なものもそうなんですけれども、やはり安心して子供を産み育てられる環境をつくっていくという意味で、中長期の視点も含めて周産期医療提供体制をどうしていくのか、こういうことも併せて考えていく必要があるというふうに思っています。
その上で、新たな給付体系における現物給付の水準については、一律の基本単価を設定しつつ、併せて、施設の体制、役割等を評価して加算を設けるということを考えております。周産期医療圏の、分娩機関もいろいろな役割をお持ちですので、例えばハイリスク分娩を積極的に受け入れるなど、地域の周産期医療体制の維持、確保における重要な役割を果たしている施設に対しては、加算措置で評価することを検討しております。
こうした加算措置の在り方も含めて、具体的な水準については、今後、保険料への影響や分娩取扱施設の経営実態等もしっかり踏まえながら、関係者の御意見を丁寧にお伺いして、施行までに検討していきたい。
その上で、一旦設定したら終わりかというと、そういうことではないと思っています。現在、出産育児一時金は五十万円でございますけれども、実は、これが前回四十二万円に引き上がったときから五十万円に上がるまでに、十三年、間が空いております。この水準に関し、今回の新しい仕組みにおいては、水準に関しても各施設の経営実態等を考慮して定期的に検証して、必要に応じて見直しを行っていくということをやって、中長期的にも支えられるように、分娩機関もそうですけれども、妊婦さんをしっかり支えられるようなものにしていきたい、このように考えています。
○岡野委員 御答弁ありがとうございます。
今は一旦決めても、柔軟性を持って変えていくから、中長期と言わずに、その影響が起きたら都度都度変えていく姿勢を持っているんだというような、そういった御趣旨だったんだと思いますけれども、済みません、私は、経済的負担が減るということは得をするということですから、どこがどう得をして、誰が損をするのかというような構造を一回ちょっと明らかにしたいと思って行った質問でした。
御答弁で言ってもらえなかったので、私なりに考えた、まとめた、整理したことを申し上げたいんですけれども、やはり、全体として見れば、一番メリットとして言えるのはお産の自己負担を軽くできますよということ、その分かりやすいメッセージを出せるということが一つメリットとしてあると思います。
あと、この話をするに当たって、私、できる限りの医療機関の方や産科の先生のお話を聞いてまいりました。やはり表になかなか出ませんが、未収金というのもそこそこあるようですので、未収金の対応とか督促の手間というものが一定程度減るというところもありがたいと。
あと、これはよく言われますけれども、やはり一時金が上がると便乗値上げというものもありましたから、それも起こらないというところも、その辺りは確実にメリットなんだろうなというふうに思っています。
ただ、問題はそこから先なんですけれども、地域差が大きいということは、当然、よく御存じのことと思います。厚労省資料、令和六年の平均出産費用は、全国平均は五十一万円、一方、東京は約六十五万円、熊本は四十万円、一番高いところと低いところで二十五万円の差があるということが数字としても出ているわけであります。
中でも、最も大きな影響を今回の改正で、制度変更で受けるのは、私は都市部の一次施設だろうというふうに考えています。やはり元々費用水準が地価も人件費も高い中ですから、一律化されてしまいますと経営に圧迫が起こるということが、だから、先ほど加算の話はなさってはいますけれども、決して一律というお話ではありませんでした、内容によってということだったので、都心部は一律で人件費も高い、一律で土地も高い、賃料も高いという中で経営圧迫が起きるというのは容易に想像できることかなというふうに考えています。
じゃ、逆に、地方の産婦人科、産科ではどうかというと、先ほど熊本の平均が四十万でしたから、今回の設定、今の五十万円を下ることはないということを考えると、短期的には一件当たりの収入が上がる施設もたくさんあるだろうなというふうに思います。
ただ、じゃ、それで得をするかと考えると、例えば、私は千葉県の浦安市に住んでいますけれども、浦安という町は、よそから来た、ベッドタウンですからいろいろなところから来ている人が多くて、出産というと里帰り出産を必ず検討する方がいらっしゃるわけです。そういうお母さんたちとこの間この話をしたわけなんですけれども、もし地元に帰っても、里帰り出産をするというときの一番の根拠は、当然、家族に支えてもらえるということですけれども、二番目は、地元に帰った方が安いというのもやはりあるんですよね。
そういう人たちからすると、こっちで産んでも帰っても一緒となったら、もう残ろうかなというふうに思っちゃうよねという声は一定数あって、だから、地方の一件当たりの単価は上がったとしても、そもそもの分母が、母数が減ってしまうということは十分考えられるなというふうに思いました。
妊婦の皆さんも、都市部の方は恩恵があると思います。今、皆さん持ち出しをされていますから、その部分がなくなって、しかも一時金がもらえてということになれば、恩恵があると思います。ただ、その結果として、もしこのまま手当てが行われずに身近な一次施設が縮小とか撤退とかそういうことになってしまうと、じゃ、次、二人目、三人目を産むというときに身近なお産の場所がなくなってしまうかもしれない、自分の家の周りの出産環境が悪化するかもしれないということも当然考えられるわけです。
最後、地方の妊婦さんにとってどうかというと、これまでは、もらった五十万の差額がありますよね、それで、やはりアクセスが悪いですから、それをタクシー代にしたりホテル代に使ったり、当然、プラスの医療費がかかった人はそこに充てたりということをされてきておりましたから、これから、それが失われて、その余地が失われてしまうという懸念があるわけであります。
私は、このようにステークホルダーを分けて整理して考えてみたら、メリットも当然あるんですけれども、様々に懸念も考えられるんじゃないかなというふうに思っているわけです。特に私は、深刻なのは都市部の周産期医療環境への影響だと思っています。
都市部は、繰り返し申し上げますけれども、今日、今朝方、国民民主党の部会の中で、日本産婦人科医会の方から今回の改正についての話を伺ってまいりました。ここの資料を見て知ったんですが、今なお赤字のところが全体の産科の四一%で、もしお産が一回五万円減額されると、それが六割、六〇・八%の施設が赤字になるんだということが示されています。一割減で七割以上が事業継続が困難になる、そういった資料を見せていただきました。
さらに、都市部というのは、先ほどから申し上げていますが、高固定費構造を抱えている状況なわけでありまして、この現実のコスト差を踏まえずに一律単価を導入した場合に、都市部の産科、とりわけ一次施設に大きな影響が出ると考えますけれども、政府の認識がいかがかを伺いたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員から、詳細に分析をいただきまして、ありがとうございます。
現在、正常分娩の出産費用は医療機関が自由に価格設定を行っているために、地域間でも、また地域内でも差があるということでございます。平均的な費用は相対的に都市部で高くなっていることは事実でございます。結局、地方の場合には出生数そのものが残念ながら減る傾向がある。今、東京でかなりの方が生まれておられるということもあって、不妊治療などのいい影響もあって、そういったことにもなってきている。
全体として、様々あるわけですけれども、各医療機関の費用構造をしっかり分析をしなきゃいけないと思っています。今おっしゃったように、固定経費の違いとかですね。分娩に当たりましては、実は今、正常分娩の基本単価の話を議論しているわけですけれども、実際には、相当程度は保険診療と組み合わせて、つまり、収入が二つある形になっております。
こういう保険診療分も含めて、費用構造を踏まえた制度の在り方を検討していく必要があるというふうに考えておりまして、この具体的な水準を検討するに当たっては、今申し上げたような費用構造を踏まえ、データに基づいて、保険料への影響や都市部も含む分娩施設の経営実態等も勘案して、関係者の御意見を丁寧にお伺いしながら、施行までに検討してまいりたい。
先ほど産科医会の御意見の話もありました。私どもも直接伺っておりますので、そういったものも真摯に受け止めながら考えていきたいというふうに思います。
○岡野委員 今、私は、これがもし一律化された場合、都市部の一次施設にはどのような影響があると思いますかということをできればシンプルにお答えいただきたいんですけれども、その点は御答弁はいただけませんか。
○間政府参考人 委員御案内のように、診療報酬は全国一律の仕組みで、それが基本となっております。そうした中で、今回、三十年ぶりに三%台の診療報酬改定をさせていただいて、それぞれの地域の役割や医療の負担構造に着目して措置をさせていただいたわけですけれども、その意味では、全国の基本単価は共通なものとする必要があると思いますが、都市部のそういう高コストといいますか、費用がいろいろかかるといったところもちゃんと見た上でどういう設定ができるのか、どういう形で経営の持続可能性が担保できるのかというところをよく分析し、結果を出していきたい、結論を出していきたいというふうに思っています。
○岡野委員 ありがとうございます。
今の御答弁であると、影響が出た場合は、そうならないように工夫をしていくということだと思います。その例えとして、今診療報酬のことを挙げられたわけですが、診療報酬とは少し、何というか、種類が、構造が違うんじゃないかと私は思っていて。
確かに全国一律ですけれども、普通の診療であれば、診察もそのときだけで、言ったらボリュームディスカウントというものが可能な体制ですけれども、お産というのは長期にわたって一人の人を診るので、なかなか診療報酬と同じように、大きいところ、たくさん人が来るところはその数によって経営を安定させるというのとは、イコールで考えることができないんじゃないかというふうに私は考えています。
では、質問を進めまして、集約化について、集約化が必要な地域というものをちょっとここで改めて確認をさせてもらいたいんですが、厚労省の資料を見ておりますと、集約化の必要性が示されているのは、医療資源が限られ、産科医や分娩取扱施設が存在しない圏域が生じるような、そういった地域であります。つまり、安全確保とか医療資源制約の対応としてのロジックなわけですが、医療保険部会の資料を見ておりますと、むしろ、地域の周産期医療提供体制、特に一次施設が守られるような制度設計をすべきという方向の意見でも整理をされております。
都市部におきましては、私は、一次施設を守って、役割分担の中で維持をしていくという考えでよろしいのか、これはちょっと確認なんですが、集約化の対象ではないですよねということを確認したいという質問です。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
まず、委員御指摘の都市部を含め、全国において妊婦の方々が安心して分娩できる周産期医療体制を確保することが重要であると考えております。その上で、まず周産期医療体制においては、基本、リスクに応じた医療の提供を目指しております。
周産期医療体制の基本的な考え方、最初の、過去からを遡りますと、まず、ハイリスク妊産婦については、これは基幹施設を中心とした医療機関、機能の集約化、重点化により対応を行ってまいりました、ハイリスク妊婦について。一方で、正常分娩については、一般病院等の分娩取扱施設が担い、安全な医療を提供するために、周産期医療関連施設の間の連携が可能な体制の構築をしてきたというのが過去からの経緯でございます。
しかしながら、一部の、一部といいますか、大都市圏以外の地域においては分娩が減少する状況に至ったために、これを一次施設も含めた集約化なり重点化なりを検討していく必要が出てきたということで、今回の周産期医療体制の基本的な考え方というのがまとまったということでございまして、要するに、大都市以外のところがそういう事態に至ったということでそのような方向性が出たということでございまして、都道府県は、そういう事情をしっかり把握した上で、その地域に合わせた形で周産期医療体制をつくっていくものというふうに考えておるところでございます。
○岡野委員 ありがとうございます。
では、少し視点を変えまして、都市部の一次施設の数、今、安心な環境とおっしゃいましたが、その安心な環境と出生数に与える影響について伺ってまいりたいと思います。
そもそも、大前提としまして、この制度変更というのは、皆さんの経済負担が軽くなりますよということを、そのメッセージを伝えて、少子化の歯止めにしたいという思いも当然あるわけだと思うんですけれども、それでいくと、都市部はそういう意味でも決してなおざりにはできないというところをお話ししたいと思っておりまして。
今、全体の日本の出生数の中で、首都圏だけでその三割、そこに中京と阪神を足すと全体の五割の出生数がそこであるということで、少子化対策を考える上で、ボリュームゾーンであるこの三つの地域というか、三つに限らずですけれども、の周産期環境というものを決してなおざりにはできないんじゃないかというふうに思っているところであります。
私は、今回の改正で、先ほどから加算の話をしてくださってはいるんですけれども、もし経営が悪化をすることがあったら、これは元にはなかなか戻らないものですから、だから防ぎたいという気持ちで申し上げているんですけれども、都市部の一次施設へのもしアクセスが悪くなるようなことがあったら日本全体の出生動向へも影響が出るんじゃないか、そこを懸念をしております。
そこの相関関係はあるのかと調べてみましたところ、ミネソタ大学研究チームが十二年かけて調査をしたそうなんですけれども、産科病棟が閉鎖されたところでは、出生率は有意に低下をしている。産科空白地帯に住む女性は、妊娠計画を先送り、あるいは二子目以降の出生を避ける傾向にあるということで、アクセスの悪化はもう出生行動を抑制することとイコールだというふうに示されているデータを見ました。
そういうものを拝見して、都市部の、都市部に限らずですけれども、分娩のアクセスの悪化というものが出生率に影響し得る、こういう指摘に対して、この制度改正というものがそういう懸念もはらんでいるというところについての政府の見解を伺いたいと思います。
○森光政府参考人 まず、議員からお話ありました分娩施設へのアクセスというところでございますけれども、このアクセスが保たれるということは、私ども非常に重要な課題だというふうには思っております。
周産期医療体制の維持というものの中には、先ほど言いましたように、リスクに応じた分娩体制をしっかり取るということのほかに、しっかりアクセスを確保するということが一つの柱になっております。
そういう形で今の分娩の体制を維持しようということで、様々、分娩施設が少ない地域、その地域において分娩施設がなくなりそうになっているような地域においては、また特別な事業ですとかそういう形で支援をしておりますということでございまして、また都道府県に対しても、分娩数の、多くのところが減っているという状況でございますので、そのような状況に合わせた形で、その都道府県がしっかり状況を見極めて、必要な支援、支援のツールを私ども幾つか用意をしておりますので、その支援のツールを使ってしっかりアクセスを保っていくということをやっていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○岡野委員 済みません、私の昨日の質問のレクがうまくいっていなかったのかもしれないんですけれども、私は、自分が今住んでいるのが東京隣接の地域ですので、ここの都市部は、今回の一律化の影響を、もしも様々な加算がつかなかった場合は、一番もろに受ける地域だと。地域の産科の皆さんも、経営が悪化することが予想されるので非常に困っているという声を聞いたものですから、今回は、都市部への意識というのをどういうふうに持っていただけるのかなというところをお聞きしたいと思っての質問をしております。
ですので、最初に都市部の産科への経営の影響についてお聞きをしましたし、一次施設を守っていただけるんですよねということをお聞きをして、そして、都市部の一次施設が減ってしまったら出生数に余計大きな影響が出るんじゃないかということをお聞きしたいと思ったので、全体観というよりは、都市部の一次施設を守っていくのは少子化の歯止めという意味でも重要じゃないですか、そういうことがお聞きしたかったんですが、済みません、では、質問を先に進めてまいります。
次の質問です。
一次施設の淘汰によって周産期センターが逼迫する懸念についてお伺いをしたいと思います。これは前者からも複数質問がされておりますけれども、非常に重要なことですので、改めてお伺いをしたいと思っております。
医療保険部会の資料を拝見をしておりますと、産科医療関係者の意見としても、一次施設が分娩取扱いを中止して、行き場のなくなったローリスク妊産婦が高次施設に来ると、病床の確保が困難になり、周産期医療が崩壊してしまうのではないかという強い懸念が記載をされているのも拝見をいたしました。
ですので、会議でもこういった意見が出て、内部でも十分にそういった気持ちはお持ちだとは思いますけれども、実際に私の地元、今回話を聞いたのは中堅の規模の産科さんで、年間六百件のお産を扱っているというところだったんですけれども、私が住んでいる地域の三次救急、周産期センターは順天堂があります、そこも今、年間六百件ぐらいだということです。
あんな大きい規模なのにどうして分娩数が一緒ぐらいかというと、そもそも役割が違うと。NICUみたいな重症病床があって、一人当たりのケアの密度が極端に高いから、病床数を増やすことも困難だし、ハイリスクの妊婦というのは一件当たりのリソース消費が桁違いだから、そもそも、量ではなくて重症度を扱う施設だから、構造的に大量分娩ができないような、そういうふうなつくりになっているんだという話でした。
だから、自分のところもこれで一件当たりのお産が、もしお産の費用が抑えられてしまうと、経営が難しくなってしまった場合に、じゃ、自分のところができなくなったとき、順天堂がその六百を請け負って千二百できるかといったら、とてもそんな体制には、元々構造が違うんだからないんだというような話を聞きまして、私、もしも撤退を招いた場合に周産期母子医療センターにそうして集中をしてしまうリスクというのは、もう本当にこれは絶対に避けねばならないことですので、当然これは真正面から考えていらっしゃるとは思いますが、改めて御答弁いただきたいと思います。
○間政府参考人 委員御指摘のように、これは東京もそうですし、地方もそうですけれども、医療機関はそれぞれ役割分担しながらやっておりますし、出産、お産は全部救急なんだという御意見もありますけれども、その中でも、ハイリスクの分娩でありますとか、あるいは手術を伴うものでありますとか、なかなか難しいものがございますので、そういう意味では、みんな周産期センターに集まればいいということではないんだろうというふうに思っています。
そういったことと、それから、実際にその地域で正常分娩のケースも含めて分娩を支えてくださっている一次施設、ここをしっかり守っていくということも大変重要なことだというふうに認識しています。
それは地方のだけではなくて都市部においても同様だというふうに考えておりまして、こういう産科医療機関の関係者を中心に、周産期医療提供体制の確保に支障が生じないよう配慮いただきたいという多くの御意見、これは真摯に受け止める必要があるというふうに思っています。
そうした上でこの水準をどうするかということをしっかり考えていく必要があるということでございまして、この辺は、気合の問題だけではなくて、やはりデータもちゃんと見せて、お互いにデータを突き合わせながら、何がいいんだろうか、こういったことを関係者とも、御意見を丁寧に聞きながら検討していきたいというふうに思っています。これは、水準をしっかり設定するということが大変重要だというふうに思っています。
○岡野委員 ありがとうございます。
そういった水準、つまりは、実態をよく調査をして、精緻な分析を行って水準を決めていくということだと思うんですけれども、これは私の調査がもし足りなかったんだったら大変恐縮なんですけれども、今回の改正に向けての制度設計に関わる審議会の資料とか議事録を拝読をしていても、この改正によって都市部の産科の経営がどうなるかというような、そういったこと、どういう影響、どんなリスクをもたらすかというような、今言ったような周産期への集中とか、そういうことはあったんですけれども、都市部の産科の経営状況に対する論点というものがほとんど見ることができませんでした。
この論点は非常に重要だと思うんですけれども、もし私が調査不足で読めていないだけであれば、十分にその議論もやったと教えてもらいたいんですが、論点設定の段階で外されているのか、検討が追いついていないのか、どういった理由なのか、伺います。
○間政府参考人 お答えいたします。
社会保障審議会の医療保険部会における議論では、おっしゃるように、地域の周産期医療提供体制の確保という観点から御意見が多かったことは事実であります。
これは、出生数や出産施設の減少が特に深刻な地方において、給付体系の見直しとはまた別途、周産期提供体制の維持、確保、先ほど委員御指摘になられたような周産期センターと一次施設の役割分担どころではない、みんな周産期センターに行くのか、こういったことに対する現場の方々の御不安が多いことを背景にしたものだろうというふうに思います。
ただ、全体的に、これは都市部も含めて、当然のことながら、都市部で多くお子さんが生まれているという事実もあるわけですし、この点、委員の御指摘のとおりですから、そこも含めて考えていく必要があるのだという意識はちゃんと持っております。
また、議論の過程では、これは都市部の独特の問題、問題といいましょうか、課題なのかもしれませんけれども、先ほど委員から、東京の平均が六十二万くらいという御指摘がありましたけれども、東京都内でも相当な価格差があって、中には、一分娩当たり百三十万を超えるような、いわばブランドのと言ってもいいのかもしれません、そういうようなところもございます。
そういう意味で、何でもかんでも一遍にこの新しい制度の中に入れちゃうのがいいのかどうか、こういった議論も実は都市部特有の話としてもあって、その中で、例えばある委員から、新たな給付体系と現行の出産育児一時金の仕組みを併存することは都内の分娩施設への配慮であり、この点については感謝したいという趣旨の発言もあったところでございます。
ただ、そういうような特殊事情も含めて、しかし、大事なことは、地域で安心して産み育てられるような環境という意味での適切な水準を設定するということだと思いますので、委員の御指摘も踏まえながら、どういう形でいい形にできるのか、しっかり考えたいというふうに思います。
○岡野委員 どうもありがとうございます。
今、調査をしているととんでもない値段のところもあるというお話だったんですけれども、今回、いろいろな話を産科とか経営者の方から聞いているときに、そういう調査を各施設になさっていると思うんですけれども、すごく至近の距離の産科であって、例えば地価とか人件費の影響というのはほぼ同じだろうというようなところでも、値段が明らかに違うところがあったと思うんです。
そういうところというのは、さっきブランドとおっしゃいましたけれども、そういう視点ではなくて、例えば夜間の体制をたくさん助産師さんを置いてリスク対策をしているとか、そういうところは当然ちょっと高くなってしまって、中には、値段を下げることでたくさん妊婦さんに選んでもらえるようにということで、実は夜間をちょっと薄めにやっているとかいうような背景があるところもあったりすると。
なので、同じような地域で値段が違うとなったら、じゃ、その背景には何があるのかというような、そういう深い調査は果たしてしてもらえているんだろうかというような声もあったりして。ですので、値段設定するというのは本当に難しいと思うんですけれども、これが、この制度が回るのかどうか、ひいては全体のバランスの一番肝になるところだと思いますので、是非ともお願いをしたいと思います。
済みません、私は、ここまでいろいろ都市部は厳しいという話をしたのは、結局、経営が悪化しないように何かしらのサポートをしてもらいたいということが言いたかったからこんな話をしてきたわけなんですけれども、繰り返しになりますが、都市部、大変に、このまま何もしなければ、一律であると維持が困難になる可能性があります。
私は、特に地域加算にこだわるようなつもりでもないんですけれども、要は、問題は、身近なお産と安全な周産期医療環境が損なわれないようにしたいということで、これまで答弁の中で、内容によって加算をしていくというようなお話がございましたけれども、もっと具体的に、というのは、つまり、ハイリスクを扱わない、ハイリスクだけではなくて、どういうふうな形で加算が行われるのか。これは産院の方々はとても気になさっていることですし、今後の予見性の意味も含めまして、今教えていただける範囲で、具体的に加算の在り方についてお聞きをしたいと思います。
○間政府参考人 お答えいたします。
この加算内容、まさにこれから検討していくとは申しますものの、先ほど委員から、夜間の体制の話とかもございました。やはりいつ何どき産気づくか分からないという意味で、玄関を開けて待っているんだというようなお話もよく伺います。
手厚い体制を取っておられるようなところをどう評価するのか。また、さっきのハイリスク分娩など、地域の基幹的な役割を果たしているところをどう評価するのか。そういう機能性、役割に着目した加算というものはしっかり考えていく必要があるだろうというふうに思っておりまして、その上で、先ほどの地域性の話もございましたけれども、ここは診療報酬での収入が実はかなり大きなウェートを占めているというところもありますので、そこも含めて全体の費用構造がどうなっているのかというのをしっかり調査した上で設定できるようにしたい。
これは保険料にも影響し得る話ではあるんですけれども、日本の未来が懸かった大事な話だと思っておりますし、ここは関係者、ステークホルダーの人も含めてよく議論をしていただいて、いい結果になるように努力していきたいというふうに思います。
○岡野委員 ありがとうございます。
では、最後に、地方の集約化について伺ってまいりたいと思います。
今までのお話を聞いていて、安全性のために一定の集約化は避けられない面があるといたしましても、急激な撤退というのは深刻な影響を及ぼすことになるかと思います。
私、昨日のレクのときには炭鉱とか国鉄とか郵便局を例に挙げたんですけれども、やはり周産期医療というのも、産業構造が変わるというのであれば、段階的な移行措置とか支援策を伴う、いわばソフトランディングの設計が不可欠なのかなというふうに考えております。
また、もう一つは、集約化という言葉は合理的で耳触りは決して悪くはないんですけれども、集約化される側にすれば、言い換えれば撤退ということですし、もう少し言えば淘汰ということになってしまうわけであります。政府には、効率性だけではなくて、長年地域のお母さんと子供の命を支えてこられたお医者さんへの敬意というか、又は、その経験を生かす視点、役割を奪うだけではなくて経験を生かす視点、そして、移行するときに混乱が起こらないように、地域住民への丁寧な説明、そういったものが必要と思いますけれども、そちらへの認識と対応を伺います。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
まず、地方における状況ということで、都道府県が周産期医療体制を検討するに当たって、地域の現状を把握、分析して、地域の実情に応じて周産期医療圏を設定し、そして地域の医療機関相互の連携について検討を行うこと、それから、医療機関や機能の集約化、重点化を進めるだけでなく、地域における分娩を取り扱う施設や妊婦健診を行う施設との役割分担の明確化を図ること、これらを周産期体制を検討するに当たって示しております。
その上で、地域における分娩施設が撤退をするという事態が進んでおります。特に、撤退される医院というのは、高齢等によって体力が続かないといったような形で撤退される医院が多いというふうに私ども伺っております。しかしながら、この周産期体制を維持するために、分娩を取り扱わなくなったとしても、近隣の分娩取扱施設との連携体制を築きながら、妊婦健診ですとか産後ケア事業、これらの役割は担っていただきたいというふうに私ども考えておりまして、それらを支援する産科・小児科医療機関等支援事業というようなものを昨年から始めております。
また、今年度は、地域の関係施設が連携します周産期医療体制モデル事業を通じて、分娩取扱施設と妊婦健診を行う施設との間の連携を推進するという形で、何とか地域の周産期医療体制を維持するということに努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○岡野委員 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、豊田真由子君。
○豊田委員 参政党の豊田真由子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
先般の本会議におきまして、私は健保法改正につきまして、医療保険制度全体の在り方の中の方向性等を含め、大臣また総理にお伺いをしたところでございます。ありがとうございました。
本日は、各論点について、それぞれ少しずつですが深掘りをさせていただきたいというふうに思っております。
まず、高額療養費でございますが、今日は早稲田委員を始め先生方からたくさん詳細な御質問がありまして、私も御答弁をよく聞いておりましたので、重なるところは多少割愛をしてさせていただきたいと思います。
私、本会議でも申し述べましたけれども、負担できる方には負担をお願いする、これが応能負担である。しかし一方で、それが過剰な負担となったり、患者の方あるいは御家族にとって非常に負荷が大きくなって、結果として患者さんの生命あるいは健康を害するようなことがあっては決してならないということを申し上げたんですが、それをどうやって線引きをするかというのが非常に難しいというのは、私も厚労省で実務を取り扱っておりましたので、よく分かっておるつもりでありますが、これについて、やはり現場、そしてそれぞれのお立場があろうと思いますので、なかなかそこが、みんなが納得がいくような形というのは難しい状況にはあるというふうに思います。
ただ、医療保険、あるいは医療とか介護とか、そういったものは何のためにあるのかということを考えますれば、やはり不安、いろいろな疾病やけがや老いの不安の中にある方に、御家族に、どれだけの安心を国家が与えることができるかという根幹であろうと思いますので、もう一度その原点に返ってお話をさせていただきたいというふうに思います。
まず、現役世代の方や患者団体の方のお話ということなんですが、これも繰り返し聞かれているところではございますけれども、やはり、私もそれぞれの患者の方ですとか団体の方のお話を伺います。そうすると、特にやはり現役世代の方は、御自分が病気になった場合、特に長期療養が必要な場合、先が見えない場合は、御自身のいろいろな人生の不安とともに、御家族をどうするか、例えば、自分の医療費が高いのであれば、それと子供の教育にかかる費用、どちらを取るのかというようなお話もございます。
今回のいろいろな線引きがなされて、新しい制度も入ったわけですが、やはり設定自体が、収入の金額のみで一律に定められておりまして、同じ収入の方であれば、基本的には世帯の状況にかかわらず同じ上限額が適用されております。
これはもちろん、個々のケースを細かく、扶養がされているかとか、どういう生活をされているかというのを、ケースを個々に見ることは難しいということはおっしゃるとおりなんでありますが、やはり少々乱暴な設定でありますし、本会議でも申し上げましたけれども、くくりが非常に大ざっぱじゃないかというようなこともございますので、こうした、特に負担感が違う、同じ収入であっても現役世代の方の負担が重いというようなことについて、どのようにお考えになって、今回どういうふうに配慮されたのかということをお伺いをしたいと思います。
○上野国務大臣 患者お一人お一人の置かれた状況は様々だという、そうした前提ではありますが、今般の高額療養費制度の見直しの検討に当たりましては、専門委員会におきまして、家計への影響を検討するため、延べ二十を超える、様々な疾病、所得の患者の医療費、家計調査を基にした家計の収支状況もお示しをし、また、家計調査を用いまして、収入から税、社会保険料などを控除した額と、それから年間負担額を比較をした資料を提出をいたしまして、そうした様々な観点から御議論をいただいております。
専門委員会の委員からは、やはり、扶養家族がいるにもかかわらず負担限度額が同じであることは負担感が重い、そういった御意見もありましたし、就労面では、収入の減少あるいは非正規への転換といったケースも少なくない、また、多数回該当のみの制度では長期利用者の生活への影響を緩和することが難しい、そうした様々な御意見をいただきまして、そうした前提の下で議論を進めてまいりました。とりわけ、当事者の方々からは、長期にわたって治療が必要となった場合に、その見通しが立たないというようなお話がありました。
そうしたこともありまして、年間上限という仕組みを導入することにしたわけでありますが、様々な議論を通じて、大切なのは、やはりセーフティーネット機能、これをしっかり強化をしていくということでありますし、また一方、その上で、医療費に応じて高額療養費の限度額についても見直しをさせていただくなど一定の負担をお願いをしていく、そうした制度の持続可能性自体も併せて両立をさせることが大事だというような結論に達したところであります。
いずれにいたしましても、そうした議論の中身につきましては、これからも十分、国民の皆さんあるいは関係の皆さんに、よく、丁寧に説明できるように努めていきたいと考えています。
○豊田委員 いろいろなお声があったということは御説明を受けておるんですが、そのお声が適時適切に今回の制度改正に反映されたかというと、そうではないんじゃないかというところが私どもの深い問題意識でございます。
これから、受診抑制等も含めてどういった影響があるかということを見ていただくんだとは思いますけれども、やはり、おっしゃるとおり、高額療養費制度はセーフティーネットとして最後のとりででございます。なので、今後も患者団体や御家族の声を確実に伺い続ける必要が、私どももまた政府の側も必ずあると思いますし、今回の見直しに伴って、またこれ以後も、受診動向にどのような影響があったかということを把握していくこと、そして、万が一、受診抑制のようなことがあった、そして実際に何か健康に対しての悪影響があったというようなことがあれば、改善に向けて柔軟な見直しを行っていただくといったことも必要だと思うんですけれども、こうした点についてお考えを伺いたいと思います。最後の問いに飛びました。済みません。
○上野国務大臣 今回の制度改正の影響が、実際どういった受診行動に影響するか、これは当然注視をしていく必要があると考えておりますし、実際の受診行動への影響についてはしっかり検証していきたいと考えています。
また、当事者の声を伺うということももちろん重要でございます。それは委員と問題意識を共有をしているというふうに考えております。今回の見直しにおきましても、患者団体の皆さんを始め、制度を支えていただいている保険者、労使、医療関係者など、多岐にわたる御参加をいただいてまいりましたけれども、今後とも適切に対応できるように努めていきたいと考えています。
○豊田委員 ありがとうございます。
私も医療、介護の現場でずっとお手伝いをしてまいりました。なので、患者さん、また高齢者の方、そして御家族、また働く側の方、それぞれが本当に一生懸命やっている。そういう中で、やはり日本の保険制度のすばらしさもあり、またこういった制度改正によって負担が増える、減る、いろいろなケースがありますけれども、やはり、どんなときであっても、ことがあっても、この保険というものがあることが、本当に将来的にわたって、あるいは、もう命がどうなるか分からないような方にとって、金銭的な負担というものがどんと覆いかぶさるというのは本当に悲劇でございます。何かを諦めなければいけないということがないように、きれいごとではなく、切にお願いを申し上げたいと思います。
ちょっと具体的なケースで、実際に最近御相談を受けたケースでございまして、高額療養費の関係もございますので、また、これはきっと、私が伺っただけではなくて、幅広く各地で起こっていることではないかなと思いますので、御紹介と御相談をしたいと思います。
生後三か月のお子さんがPFICという、進行性家族性肝内胆汁鬱滞症という非常にまれな難病にかかっているということが判明した。日本で百人ほどしかおられないという極めてまれな疾患なんですが、将来的には肝移植も視野に入れなければならない。御家族、お母様は非常に憔悴し切っておいでなんですが、このときに、大事な生まれたばかりの赤ちゃんが命の危険がある病気である、それがすぐに治癒できるようなものではなくて、この先もずっと長く続くと考えただけで、それはもうとてつもない不安であり、子供がかわいそうと、打ちのめされそうになっている。
お子さんが三人、上にいらっしゃって、四人目のお子さんなんですが、その中で、高額療養費、当然、またその後、公費医療になるんですけれども、何と一時的な立替えをしなければいけない。限度額適用認定証という制度がございまして、立替えをせずともいいという制度があるはずなんですが、これが、窓口の方がよく御存じなかったのか、マイナ保険証を出せばそれがすぐ適用されるんですけれども、それを、説明がなかったらしくて、両方持っていたんですけれども、資格確認書を出してしまったところ、やはり薬剤が高うございまして、オーファンドラッグでございますので、二回分で約、一回ずつ八十万円で、今百六十万円を払っている。
やはりどんな方にとっても、百六十万円、それは大変過大な負担でございまして、後から返ってくるからいいじゃないかというような話でもちょっとないと私は思っております。せっかくいろいろなセーフティーネットだったり、国が一生懸命考えてつくっていても、実際の現場の運用の窓口がそれをきちんと理解されていない、あるいは説明が不足しているとこういうことが起こるということになってしまいまして、これはちょっとこのケースだけじゃないんじゃないかなというふうに思っておるんですね。
やはり、身体的、心理的負荷だけでもめちゃくちゃ大きい中で、金銭的な、しかも受けなくてよかった負荷がかかっているというのが非常に私は残念でならないというふうに思っております。こういうことをやはり医療現場また自治体の方含めきちんと周知徹底を図っていただきまして、それぞれの患者や御家族の状況に応じて、国はケース・バイ・ケースに対応できないかもしれませんが、窓口の方はケース・バイ・ケースに対応するためにいらっしゃるわけですから、そこを、皆さんお忙しい中だとは思いますけれども、もうちょっと何かうまく制度の方と連携をしていただいて御対応いただけるように、周知徹底を浸透させていただきたいと思うんですが、お考えを伺います。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいまのようなケース、ちょっと胸が痛むわけですけれども、マイナ保険証のお話がございました。このメリットの一つとしては、多分その患者様もそうなんじゃないかなとは思うんですけれども、同一の医療機関に、同じところにかかられることが多いと思います。同一の医療機関や薬局にかかっておられる場合に、事前の手続なく、高額療養費の限度額を超える支払いが窓口で免除されるメリットがマイナ保険証にはございます。
委員御指摘のように、指定難病の患者さんであっても、難病の医療費助成の支給認定を受けるまでの間は通常の医療保険の世界ですから、こういう薬剤についても、高額療養費のこうした月額上限、現物給付化されるという点は大きいのではないかというふうに思います。
こうしたマイナ保険証のメリットについては、多くの方々に御利用いただけるよう、周知広報を行ってきたところですけれども、今お話のありましたような指定難病の患者の方が、一時的に高額な治療費を負担する可能性がある方を含めまして、マイナ保険証のメリットを享受いただけるように、患者の方々や医療機関などに対して更なる周知に取り組んでいきたいというふうに思います。
○豊田委員 私、一例だけ御紹介しましたけれども、これまでの私の行政、政治の人生の中、結構やはりそういうことというのはございまして、国は、それぞれ、法律、制度、その担当の方は物すごい熟知をされておられます。だけれども、自治体の方、医療、介護現場の方というのは、いろいろな、横断的に全てをやっておられるので、それぞれの細かい制度を、こういうふうに変わりましたとか、やはり、全部一〇〇%把握をして、それをうまく使い分けてくださいというのは、これは相当難しゅうございます。それが、報酬上の手当てとかは難しいとは思うんですけれども、私も、現場の方が、新しい制度に変わるたびに、皆さんがどうやって加算が取れるかとかを含めて勉強をしなきゃいけないというのもあったので、何とかこれはならないものかなというふうに思っておりますので。
御自分の制度は御自分が分かっている、それは私も役所にいたのでそうだったんですけれども。それを現場の方は全部見なきゃいけないという、この苦労みたいなものも察していただいて、私は、今回、決してその窓口の方が悪いと言っているわけでは全然ございませんで、そういうことがどういうふうに、きちんと伝わるように、そして、本当に今苦しい、不安の、もう絶望の中にある方にかけなくていい負荷をどうやって取り除くかということを考えていただきたいな、御一緒にというふうに思っております。
それで、最後、もうちょっと手続的な話がもう一点ございまして、恐縮なのでございますが。
難病の認定というのは、これは多くの方が利用されていると思うんですけれども、年に一度、九月末、更新をするという仕組みになっておりまして、これ自体はもちろん、その状態が、病状なりがどうかということをきちんと把握をした上で公費の手当てをするということにおいて必要な措置だと私も思うんですけれども。
例えば今回のケースでいいますと、今回発覚したばかりだ。申請をします。そうすると、時間が一定程度かかりますので、六月ぐらいに認定がされます。そうすると、また三か月後には同じような申請をし直さなきゃいけない。そうすると、また医師の診断書であったり意見書であったり、それはちょっとさすがに過剰なんじゃないかなというような話がございまして。
これはちょっとバッファーがあるようなのでございますが、やはりまたちょっと切れてしまうというようなことで、私も制度の限界はいろいろ承知しておりますので無理を申すつもりはないんですけれども、これはちょっとしゃくし定規だなと思うところもございまして、現場のそれぞれの状況に応じた柔軟な対応というものができないのかなと。
もちろん、不正に利用しようと思っていて、制度がきちんと厳しくあるというのはいいんですけれども、全然そんなことありません、本当に純粋にやっていらっしゃる方で、本当に今目の前が真っ暗で大変という方はたくさんいらっしゃると思うので、何かちょっと、このケースを助けてくださいという意味ではなくて、個別ケースの話ではないんですけれども、寄り添った支援というか対応というのはどうなのかなとちょっとお伺いをしたいと思います。
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
今先生からお尋ねがありました更新の日時であります。支給認定の有効期限は、省令でおおむね一年と、一年以内というふうに定まっておりますので、更新していただく必要があるわけでございます。
一部の自治体におきましては、受給者証の有効期限というものを、事務の効率の観点から、年に一度、特定の月日に設定している例があるということは承知をしております。先生の例は、今、埼玉県においては九月が更新時期ということで、年に一度と決めていらっしゃるということであります。ほかの自治体におきましては、毎月更新時期を設けているところもありまして、きっちり一年ごと一年ごとに更新できるような自治体もございます。
いずれにいたしましても、適正な審査、認定を行うためのやり方として、自治体においてそれぞれ工夫をされて効率化に取り組んでいただいている一つの一例なんだろうというふうに思っております。
国といたしましては、より一層効率化を図るために、様々、自治体において所得区分の確認事務を廃止したりですとか、患者の皆様からはマイナポータルを利用した申請手続ができるように検討するなど、工夫をしてまいりたいと思っております。
○豊田委員 今のお話を伺いますと、やはり、当然、六月に認定を受けたのだったら次の六月が一年でございますので、その自治体の対応が一番妥当だと私は思っているので。埼玉県が悪いとここで言うつもりはないんですけれども、毎月やっていただけたら今回のような問題は生じないので、できること、できないこと、行政もあると思いますが、できることはなるべくやっていただければいいなと。ここで言ってもあれなのかもしれませんが、埼玉県、よろしくお願いします。
次に、業務効率化の話をさせていただきたいと思います。
私、本会議で、赤澤大臣から、この補助金につきまして非常に前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
実際のケースとかをいろいろな現場で見てきた私の印象としまして、やはり今、DXとかIT、AIというとばんばかお金がつくという風潮があるなというふうに思いました。それは、本当に一生懸命やっていらっしゃる事業者さん、ベンダーさんもいらっしゃいます。ただ、一方で、これだったら今もうかるでみたいな感じのベンダーさんとか、あと申請代行業者の方が私は結構どうかなと思うことがやはりございまして、悪いことをたくらむ人には甘く、一方で、正直者には厳しいことになっているのではないかという御指摘をさせていただきました。
繰り返しは申し上げませんけれども、令和二年度から四年度で、会計検査院から不当だと認定された件数だけでも五十五件、金額では一億五千万円ということでございました。私はこれは本当に氷山の一角だろうというふうに思っております。
このときに、根本的に、何でこんなに国の制度は甘いのかなと。私、民間にいたので、行政にいて、政治にいて、民間に行った者として、三者を全部見た者として思うんですけれども、ちょっと違うという御指摘はあるかもしれませんけれども、霞が関にいますと、人を、少なくとも私は、全く疑うことをせずに人生を生きてきてしまっていたんですね。みんなが世のため人のために、誰かのために一生懸命頑張っている人が周りに、自分も含めてだったので、何かみんながそうだと思ってしまっていたので、多分、ちょっと違うかもしれませんが、制度設計をなさる方が余り人を疑っていないからこうなっているのかなとちょっと思ったりすることもございます。
もちろん、速やかな交付をしなきゃいけない、何万件もやるんだということも分かるんですが、何か私、大学を卒業して霞が関で十五年働いて、本当にすくすくと、疑わずとも痛い目に遭うこともなく健やかに育ってきたんですけれども、まあ、ちょっと政治は全くそういう世界じゃなかったので大変なことになりまして、民間の方に行きまして。どっちがいい悪いとかいう話では全然ないんですけれども、やはり、ずるして得しようとか、ワルしてもうけようという、生まれながらなのか、何か原因があってかわいそうだったか何か分かりませんが、そういう方は一定程度いらっしゃって、凶悪犯罪とかそういう話はもっと別なので、ちょっと補助金でずるしようぐらいの話なんですけれども、済みません、相当あるんじゃないかなと思っています。
何を申し上げたいかというと、今回いろいろ、赤澤大臣の方からも、不正事案に対して御対応をこういうふうにしていただいているということは伺ったんですけれども、そういう根本的なところからもうちょっと、マインドセットじゃないですけれども、厳しくしていただくということも必要なんじゃないかなということと、そのときいただいた、不正のどういうことがあったか、そしてどういう効果が具体的にあったのかというところを、もうちょっと深掘りしてお伺いをしたいなと思います。
○越智大臣政務官 お答えいたします。
委員御指摘のデジタル化・AI導入補助金、旧IT導入補助金でございますが、こちらの不正受給対策について、令和五年度の会計検査院報告を受けて、経済産業省として、本事業を執行する中小企業基盤整備機構及び事務局に対して指導を行ったところでございます。
例えば、既に、不正受給が認められた補助事業者に対する交付決定取消しや補助金の返還、IT導入支援事業者としての登録取消しといった厳正な処分を実施しております。また、不正防止のため、IT導入支援事業者及びITツールの登録審査の厳格化等を行っております。そして、利用者側においては、ITツールの利用状況の把握のため、毎年度の効果報告においてITツールを利用している画面の提出を求めるといった取組を行っているところでございます。
その実績として、具体的には、補助金事務局が、主な不正受給の類型だったいわゆるキックバックと同様の資金の流れが見受けられた八十八の事業について更なる調査を行った結果、令和七年五月までに、六十六事業について交付決定取消し及び補助金の返還手続を行っております。
また、不正に関与したIT導入支援事業者については、順次登録取消し及び公表を行っており、その事業者数は累計で五十一者となっております。
加えて、登録審査の際に、IT導入支援事業者に対して、ITツールの販売実績の一覧、機能及び性能に係る詳細な説明資料、そして役務費用についての価格説明資料、ITツールのデモ機の提出を求める等の厳格化を行っております。
さらに、不正の認定等に関するマニュアルや体制の整備を行っているところでございます。
○豊田委員 コロナのときも同じような問題があったと思いますけれども、やはり、迅速にそれを適切にやることのバランスがすごく難しいと思っていて、早くやらなきゃと思うとやはり雑になって、いっぱい不正があったり無駄が起こったりするということで、どこでバランスを取るかということは非常に悩ましいところだとは思いますけれども、もうちょっと、世の中は悪い人がいるぞというふうに、役所の方も、私自身も、学ばねばいけないなと思う次第でございます。
済みません、ちょっともう一点、同じ話なのでございますが、今度は、頑張っている方がいじめられているんじゃないかというケースで、本会議でも御相談をしたんですけれども、四つ店舗があって、四台購入をしたら、一つの店舗を閉めるとなったら、一台返すとなったら、四台分補助金を返せと言われて、いやいや、それは効果は四分の三は残っているじゃないですかという話だと思うんですが、多分、一個一個見ていくのは面倒くさいですという趣旨だと思うんです。
私、これは本当に、中小企業の方を支援するというのに反していると思いまして、百万、二百万のお金は、それは行政、政府にとっては微々たるものかもしれませんが、その事業者の方にとっては物すごく大きなお金です。それで一生懸命DX化を進めて、業務効率を進めて、いい医療を提供しようとしているときに、それはないよなというふうに私は非常に思いまして、それについては、先般の本会議で赤澤大臣の方から、補助金返還の対応方針の変更も検討してまいりますという非常に前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
これが、まだ現時点では決まっていないということかもしれませんが、具体的にどのように、またいつ頃に、どういった形でのルールの見直しが実現する見込みであるのか。
そしてまた、同じような話は、この返還ルールだけではなくて、私は結構あるなというふうに認識をしておりまして、そういうことも含めて、できること、できないことはもちろんあると思うんですけれども、本当に頑張っている人は誰か、本当に必要なものは何かというのを、ばんばんばんと金をばらまくだけではなくて、もうちょっときめ細やかに、もちろん全部を経産省でやるというのは難しいと思うんですが、出先機関ですとか、あるいはきちんとしたそういう申請の代行業者の方みたいなのを頼って、もうちょっとうまくやれないものかなというふうに思っているところでございます。
これは、一つ申し上げたいのは、私は、前職時代も今もそうですが、個社や個人の私的な利益のためにこの話をしているわけではございませんで、今回は、個社の御相談ではあったけれども、これは運用ルールが非常に不条理だというふうに思いましたものですから、こつこつと頑張る中小企業の方を、はしごを外さないように、小さい方を応援するという、これはきっとここにいらっしゃる先生方も行政も同じ思いでやっているはずですが、なかなか現実がうまくそういうふうに機能しないということをちょっと感じましたもので、お願いをした次第でございます。
このルールの見直しについて、見通しをお伺いできればと思います。
○越智大臣政務官 こちらも、デジタル、AIの、旧IT導入補助金の返還ルールの見直しについてですが、一部の補助金を返還する運用の見直しについて、現在、中小企業基盤整備機構及び事務局とも調整しているところでございます。
現時点で、その内容について確定的なことは申し上げられませんが、不正防止が可能な範囲で、例えば、複数台のソフトウェアを導入していて、そのうち一部台数の利用を事業実施期間中に辞退した場合、当該一部台数分に相当する補助額のみを返還させるといった対応を検討しております。
時期についても、確定的なことは申し上げられませんが、準備が整い次第、速やかに措置できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○豊田委員 四台分返さなくていい、一台分でいいという、制度を変えていただけるという御答弁かと思いますので、ちょっとびっくりとともに、非常にありがたいというふうに思っております。
私も、今野党でございますけれども、たとえ野党でありましても、きちんと論拠と真心を持って、おかしいことはおかしいと申し上げることで制度を変えるといったことも、小さいことからかもしれませんが、できるんだなということは、私個人にとどまらず、ここにいらっしゃる野党の先生方皆様、そして、どうせ政治なんて何を言ったって変わらないよというふうに不信や諦めを持っていらっしゃる多くの国民の方にとって、決してそんなことはありません、正しいことは正しいと真っすぐに伝えていくことで変わっていくんだというポジティブなメッセージを少しでも伝えることができたのではないかなと、その点、非常にうれしく、ありがたく、感謝を申し上げます。ありがとうございます。
次に、ちょっと時間があれなんですけれども、今の業務効率化の関係の、今度は厚労省の方の問いに戻りたいと思います。
今回、この新しい健保法の改正の中におきまして、業務効率化、また勤務環境改善に積極的、計画的に取り組む病院を厚労大臣が認定できるという仕組みが設けられておりまして、認定を受けた病院は、特定の表示を行うことができる、DX化に取り組んでいますよと。そうすると、恐らくはいろいろな、雇用の関係のときなんかに多分ポジティブなメッセージになるんだろうというふうに思うんですが。
例えば、くるみんという制度がございます。これは子育てサポート企業であることの認定マークでございますが、くるみんは、同じような効果があるんだと思いますけれども、違いが一つございまして、くるみんは、きちんと計画を立てて、それに基づいて効果が出たということを要件にしております。例えば、女性従業員の育休取得率が七〇%以上とか、ちゃんとやっているよということをもって、はいと認定をして、くるみんがつけられるんですけれども。
今回の新たな制度は、計画を出しただけで認定が受けられるというふうに聞いておりまして、それはおかしかろうと私はちょっと思っておるんですね。それは幾らでも、計画だけだったら、うまい具合にいい感じのものを出して、それで認定が受けられちゃったとしますと、それを信頼してその病院に入ってきた人が、あれ、現場が違うじゃないかみたいなことが起こるんじゃないかなというふうに思っておりまして、やはり、計画を策定するだけでは不十分で、きちんと実績を伴う必要がありますし、その計画というのもいろいろなレベルの問題があろうと思いますから、その重みもちょっと違ってくるんじゃないかなと思っております。
これはちょっと、どうしてそういう制度にしてしまっていて、それはやはり認定を、きちんと実績を見た方がいいんじゃないかなという私のサジェスチョンなんですけれども、この点、どうお考えか、お伺いをしたいと思います。
○森光政府参考人 お答え申し上げます。
議員御指摘の病院の認定につきましては、法律案では、病院に対して、業務効率化に関する計画を策定し、具体的な取組内容や定量的な目標を計画に盛り込むこと、管理者が参画する業務効率化推進委員会を設置しPDCAを実施すること、取組状況や目標達成状況を公表すること等を求めることとしております。その他詳細な要件は厚生労働省令で定めるということにしております。
各病院には業務効率化の成果をしっかりと出していただくことが重要であるというふうに考えておりまして、認定の際に、目標達成の見通し、これをどのように勘案して評価していくのかということが大事だと考えておりまして、この点について、関係者の意見も聞いて、今後検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
○豊田委員 見通しは、それはできますと答えると思うんですよね。そこはやはり、性善説に、私も含めて、立っている制度かなと思うので、それが第三者に影響を及ぼす、このマークを信じて入ってくる人がいるということも考えると、守りの方にちょっとこれから制度設計をしていただく方がいいんじゃないかなというふうに思う次第であります。
次に、出産の関係に移りたいと思います。出産の現物給付化の話が今回の健保法改正でございますが、法案の中身に入る前に、出産の連続する前と後、例えば結婚、妊娠、出産、子育て、これらは出産される方にとって全て一続きの話でございますので、まずこの全体像についてちょっとお話をさせていただきたいというふうに思います。
今日は、津島副大臣にもお越しいただいておりますけれども、妊娠、結婚、出産、子育てについて、その希望がかなわない、何がネックなのか、そのために国は何をできるのか。もちろん全ては選択の自由がございますので、あくまでも希望する場合に、かなわない、それをどうやってサポートするかという観点が一つ。そしてもう一つは、それがかなった場合、結婚、妊娠、出産、子育てと希望はかなったんだけれども、それを実行する上でも様々な負担があるという課題。この両方を考えなきゃいけないというふうに思っております。
皆様、非常にもうお詳しいことと思いますので、日本の少子化の原因がとかいろいろなことは詳細はここでは申し上げませんけれども、もちろん子育て支援もとてもとても大事です。ただ、やはり、日本の今の状況というのは、非婚化、晩婚化が進んでいる。生涯未婚率も、一九八〇年代は男女共に五%未満でございましたが、二〇二〇年には男性が二八%、女性が一八%になっている。そうしますと、やはり、そもそもの人口が減っているだけではなくて、結婚して出産をするというところになかなか行かない。
それがなぜなのかということを考えますと、やはり、若年層の非常な経済的苦境であったり、価値観の変化であったり、いろいろな理由があると思いますけれども、私は前回の厚労委では、賃上げ、経済の話の中で、非正規雇用の話であったり、いろいろな物価や価格の高騰とか、子育て、教育の不安とか、いろいろな話が全部あると思うんですけれども。
そういう中で、私も今、政治の現場にも戻りまして、民間にいましたときも、やはり将来が見通せない、不安だという方は、年代を問わず本当に非常にたくさんいらっしゃいました。それは決して経済的な問題だけではなく、いろいろな、人間関係であったり、それこそ病気であったり、引きこもっていたりとか。日本は、非常に平和で安全で豊かな方の国だと思うんですけれども、どうしてこんなにたくさんの人が、希望が持てなかったり、つらかったり、苦しかったりするのかなと、私も全然解は出ていないんですけれども。私自身も、人生この先何の希望もないと思う真っ暗闇の中にいた期間が結構ございまして、なので、何も希望が持てないという状況の中では、それこそ、恋愛とか結婚とかいうどころではないという方も多分たくさんいらっしゃると思うんですね。
だから、そういう苦しむ方のお気持ちにそれぞれどういうふうに寄り添えるのか、解を一緒に探していけるのかということを、誰がどういうふうにやっていただくかということはあると思いますけれども、それは地域であったり、医療であったり、福祉であったり、あるいは、本当にただの友人であったり、家族であったりと思いますが、そういうことも含めて、国はきめ細やかな寄り添う視点をちょっと持っていただきたいなというふうに思っております。
あるいは、妊娠ということでありますと、私の周りもそうですけれども、不妊に悩む方は非常に多うございました。今は十人に一人のお子さんが生殖医療で生まれてくるという時代でございますし、それが、いろいろな原因はあると思いますけれども、今回、医療の方で手当てがついたわけでございますが、そういうこともやはり大きな、変えなくてはいけないという状況でございますから、こういった、今累々と申し上げたような、希望するんだけれどもかなわないということのネックについて、どう考え、どう対処をしていこうと考えていらっしゃるのかということが一点。
多分、御答弁がかぶるので、ちょっと続けて二問目も行きたいと思うんですけれども、もう一個、じゃ、その希望がかなったんだけれども、やはり妊娠も出産も子育ても大変じゃないかという話は多々ございます。
今、子育て罰という言葉がございますけれども、チャイルドペナルティー、あるいはマザーフッドペナルティーということで、子供を本当にありがたいことにもうけたにもかかわらず、それが、経済的あるいは社会的な、また心理的な非常に不利な状況に置かれるというような、こういう風潮は本当に誰にとっても不幸なことであろうというふうに思います。それが、賃金が減少したり、キャリアが断絶したり、教育負担がということだけではなくて、更に虐待とかに進んでしまうというようなこともございますし。
私も、虐待の問題は一緒にずっと取り組んで、現場でもやっていたんですけれども、本当に子供にとっては自分のおうちと学校が一〇〇%全てなので、そこが地獄だと本当に地獄になってしまって、逃げるという概念を子供は持ちませんので、やはりそこは私たち周りの大人が、行政が何とかしてあげないとというふうにも思っております。
済みません、いろいろ累々申し上げているのは、やはり、出産だけ見ていなくて全体を見ないと、家庭とか子供とか、お母さん、お父さんはなかなか幸せにならないなということで申し上げているんですけれども。済みません、ちょっと話が長くなって。
それでいうと、私は出産は、この課題については皆様方もよく御存じだと思いますので、ちょっと自分の経験だけ一つさせていただきますと、私、スイスのジュネーブで長男を産んで、パリで長女を産んだんですね。ジュネーブのときは外交官をやりながらで、夫はちょっと一緒じゃなかったので、ワンオペで、本当に日々綱渡りだったんですけれども。そのときもやはり、今のように理解が進んでいませんでしたので、妊娠をしながら在外公館で出産なんというのは、何か本当に来るのかみたいな話に、着任できるのかみたいな話だったりもして、だから、本当に御迷惑をかけては申し訳ないという思いで、ひたすら踏ん張っていたんです。
そのときに、やはり日本の、そのときはスイスなんですけれども、そこはジャパン・コミュニティーなので、日本の状況と他国の状況がちょっと余りにも違ったんですね。私が、妊娠して出産してみたいなことでわちゃわちゃやっていたら、他国の、他国は本当に在外公館の外交官の中でも女性の割合が物すごく高くて、聞きましたら、三人、四人とかぼんぼんぼんと現場で産んでいて、それって迷惑と言われないのと聞いたら、何を言っているんだ、真由子と言われまして。
やはり、いろいろつぶさに私も見てみたんですけれども、基本的には、向こうは転職とかも多いので、海外の方は、そうすると、一人抜けると駄目になっちゃうというシステムになっていなくて、チームでみんな必ず仕事をしてシェアをしていたりですとか。だから、私はいつも言うんですけれども、制度とか法律とか仕組みがあっても、人々の意識が変わらなければ意味がないと思っております。
それでいうと、やはり、上の世代の方は自分がやってきたことで、下の世代の方はこれから自分がやることだということで、ほかの在外公館はすごくうまく回っているようなところがあって。一方、私は、WHO担当は自分一人だけだったので、自分がいなくなったらもうWHOのことをやる人がジュネーブにいなくなるという、本当に危機的状況だったので、別に、誰がどうだったか、どこが悪いという話をしているわけでは全くなくて、そういう状況が、今は大分改善されていると思いますけれども、やはり制度だけではなくて、これは民間企業も含めて、人の意識がどう変わっていくかというのがとても大事だということ。
あと、済みません、また話がちょっと移りましたが、産後うつの話なんですが、私もちょっとだけ、出産して二日目に、こんなちっちゃな命を守り抜いていくなんて絶対にできないと思って、ずっとごおっと泣いていたんですね。そうしたらドクターの方が、それはホルモンのバランスだから根源的じゃないよという話をされて、ああ、なるほどと思ったんですが。
結構、産後うつというのは一〇%の方がなると言われていて、初産の方の場合は、二週間で、これが本当に二五%うつ状態になる。正直、亡くなっている、自ら命を絶つような方もいらっしゃって、これも、やはり産前産後を含めたそういう本当にきめ細やかなケアで物すごく状況は変わってくる。それもやはりまだまだ日本は、大分進んではきていますけれども、私は向こうで出産して、こっちで比べてみると、もうちょっと助産師さんとかを含めた長いケアが本当は継続的にあった方がいいなというふうに思います。
長くなって本当にごめんなさい。なので、こういったいろいろな課題について、まとめてどうするか教えてください。よろしくお願いします。
○津島副大臣 豊田真由子委員の御自身の経験も踏まえた御質問にお答えしてまいりたいと思うんですが、お嬢様をお産みになった病院は、たしかフランス・パリで、アメリカン病院ですかね、と記憶して、私が生まれた病院なんです、そこは。だから、外国で子供を産むということは、当時、母は昭和四十一年に産みましたから、その当時の状況でやはり産むということはどれだけの思いがあったかという一方で、父は、生まれたといって喜んでワインを飲んでいて、そのことをちくちくちくちく、母は結局一生言い続けていたということをよく記憶していますので、私はそれをちょっと戒めとしているところでございます。余談でございました。
そういうことで、女性が子供を授かってから、そして産み育てるというところまでの考え方、そして社会の受け止めというものが、やはり一つ外国と比べても日本は違うというところ、そういったところも、やはり委員御指摘のとおり受け止めていかなきゃいけないんだと思っております。
その上で、結婚、妊娠、出産の希望の実現を阻む要因として我々考えておりますのは、やはり子育ての経済的、身体的、精神的負担や、仕事と子育ての両立の難しさなどの課題があるというものは認識しております。
ですから、まずは、強い経済の実現により若い世代の所得を増やし雇用を安定させることで、未来への不安を希望に変える。また、こども未来戦略に基づいて、長時間労働の是正により、育児へ充てる時間の十分な確保や育児期を通じた柔軟な働き方ができるような環境整備、児童手当の抜本的拡充、こども誰でも通園制度の創設などに取り組むことと併せて、不妊等に悩まれる方への相談支援を今実施しているところでございます。
これらの取組も含め、社会全体で子供、子育てを応援するように、意識改革に取り組んでいるところでございます。この意識改革というところは、やはり、子供を授かった、生まれたといったら、社会全体、いろいろな場面でおめでとうとまず一言出てくる、そういうマインドだと私は思っております。まずそこからじゃないかというふうに思うところでございます。
そして、問いの二つ目として、生まれた後のお話がございました。
今回の法改正においては、妊婦健診や出産に係る経済的負担について軽減を図るとともに、妊婦健診や出産に係るサービス内容や費用等の見える化を図ることとしております。
また、妊娠、出産期の身体的、心理的負担の軽減に向けては、妊婦等包括相談支援事業において、妊娠時から妊産婦等に寄り添い、出産、育児等の見通しを立てるための面談や継続的な情報発信などを行い、必要な支援につなぐ伴走型の相談支援を実施するとともに、出産後一年以内の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行う産後ケア事業の実施などにより、産後も安心して子育てができる支援体制を確保しているところでございます。
こうした取組により妊産婦の様々な負担の更なる軽減が図られ、安心して妊娠、出産できる環境の確保に努めてまいりたいと考えております。
○豊田委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
最後に、済みません、短く一問だけ。
外国人の方の保険利用について、未納率が高いとか、あるいは医療ツーリズムで日本で高額医療を受けに来るとか、そういうことはやはり私は、もちろん、きちんと在留資格があって保険料を払っていらっしゃる方は適切に利用していただくことは何の問題もありませんが、こういう不正なことをやっていらっしゃる方についてはもうちょっと厳しくしなきゃいけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。よろしくお願いします。
○大串委員長 間保険局長、簡潔にお願いします。
○間政府参考人 はい。
まず、保険料について具体的な話を端的に申し上げますけれども、被保険者の支え合いで成り立っている医療保険制度において、外国人の方にも適切に納付していただくことが重要だと思っています。
そのため、国保についてですけれども、本年四月から、希望する自治体において保険料の前納制度を導入しておりまして、この普及を進めることをやっていきたいと思います。
また、令和九年六月からは、外国人の国民健康保険料の収納状況を出入国在留管理庁へ共有し、在留期間の更新時等の審査において活用することといった取組を進めることとしております。
また、外国人が入国目的を偽って在留資格を取得し、日本の医療保険制度に加入する場合があるという御指摘もございます。平成三十年一月から、厚生労働省と法務省が連携し、在留資格の本来活動を行っていない可能性があると判断される場合に、保険者である市町村から地方出入国在留管理局に通知する取組を実施しているところでございます。
更なる対応につきましては、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策の中でしっかり、諸外国の制度に関する研究も行いながら、検討を進め、深めていきたいというふうに思っております。
○豊田委員 今回の改正も、国民に負担を求めるためには、やはり納得をいただくためには、ちゃんとそういうこともやらないと国民の皆様の理解は得られないと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
時間が過ぎて済みません。終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今回の健康保険法改正案は、OTC類似薬の保険外しを行うために、一部保険外療養制度を設けるというものであります。政府は、医療保険で受診する患者と、OTC類似薬で対応している患者との公平性、現役世代を中心とする保険料負担上昇の抑制の観点から、この改定を行うものとしております。
改めて確認をしたいんですけれども、来年三月から実施される七十七成分、一千百品目の薬剤費の四分の一を保険外にすることによる財政効果、これをいま一度教えていただけますか。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回のOTC類似薬の保険給付の見直しの基本的な考え方は、委員御案内のように、必要な受診を行った上で、結果としてOTC類似薬を支給される場合に別途の負担をいただくというものでございます。
今回、その結果として、委員御指摘の七十七成分、千百品目、今、これは機械的に一定の条件に当てはまるものを挙げているわけですが、これを行った場合に、医療費ベースでは約九百億円の減少、また、これにより生じる最終的な保険料への影響額については、加入している保険者によって異なるものの、加入者一人当たりの平均額を機械的に算出いたしますと、一年当たり約四百円の減少というふうに考えているところでございます。
○辰巳委員 年間四百円ということですから、月額三十円程度ということなんですよね。うまい棒二本分ぐらいの軽減にしかならないということだと思うんですよ。ただ、これらOTC類似薬が患者の負担増になることによる個々人の負担というのは、これは決して少なくないわけですね。
三月十二日の予算委員会でも私は取り上げましたけれども、今回負担増となる薬は七十七成分、アレグラ、リンデロン、ロキソニンなど花粉症とかアトピーなどの皮膚疾患の薬、鎮痛剤など臨床の現場で広く使われているものであります。御夫婦とお子さん三人が花粉症で苦しむ家族の場合、自己負担額というのはおよそこれまでの一・六倍ぐらいになるという試算をしております。この負担増によって、医療機関の受診を諦める方も出てくるだろうと。大幅な負担増というのは、そういった患者さんに何かを諦めること、今回の法改定というのはそれに通ずることになり、重大だと我々は思っております。
そこで、大臣に確認したいんですけれども、この実施に当たりましては、医療上必要な方への配慮を検討するなど、丁寧に進めてまいりたいという答弁も累次されていると思います。どういう人が配慮されるのか、お答えください。
○上野国務大臣 今回の見直しに当たりましては、引き続き必要な受診が確保されるように、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、子供や入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と認める方などについては、別途の負担を求めない等の配慮を検討しております。
具体の範囲につきましては、法案の御審議も踏まえ、今後、施行に向けて有識者の検討会で技術的な観点から議論をいただいた後、医療保険部会や中医協でも御議論をいただいて決定をし、お示しをすることと考えております。
○辰巳委員 大臣、何が除外されるのか、配慮されるのかということをはっきりおっしゃらないんですけれども、アトピー性皮膚炎は強烈なかゆみを伴う、慢性の皮膚疾患病ですね。状態を維持するために、今回保険外しの対象となったヒルドイドなどの保湿剤とか、あるいはかゆみを抑える抗ヒスタミン薬など、症状を抑えるためには長期にわたって使用するものであります。状態がよくなっても保湿剤というのは欠かせない、なければ症状は悪化につながる、そして、薬を塗って、服用していればいいわけでもない。皮膚科、小児科、専門医が症状を診て、薬を調整して、指導を継続することが不可欠な疾患だと思うんですね。まさに医療上配慮が必要な疾患だと思うんです。
十二月十九日の自民党と維新の会の政調会長の合意でも、実施に当たっては、子供、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考えている方等に対する配慮を検討する、こう明記されたわけですね。
ですから、大臣、アトピーもそんな一か月、二か月でという話でもないわけですし、冒頭申し上げたような花粉症だって、年間、一年以上花粉症で苦しむ方だっておられるわけですよね。こういった年間を通じた診療の継続が必要な患者、疾患、具体的にはアトピー、これは除外されるということを言っていただいていいですか。
○上野国務大臣 医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と認める方などに対しては、引き続き必要な受診が確保されるように、新たな別途の負担を求めないなどの配慮を検討することとしています。
今委員から御指摘のありましたアトピー性皮膚炎の患者さんですが、こうした方であって、医師の診断や治療の下で、年間を通じて症状が持続し通院する必要があるような方は、別途の負担の対象外だと想定をしております。
配慮の範囲や運用につきましては、先ほど申しましたとおり、法案の御審議を踏まえ、今後、有識者の検討会等での検討を進めていきたいと考えています。
○辰巳委員 除外という答弁があったと思うんですね。アトピー性皮膚炎のように定期的に受診して薬を調整する必要がある、まさに医療上必要、医療の必要度の高い患者への負担押しつけというのは、やはり受診間隔が広くなったりしますので、これはきっちり除外をしてもらうということが必要だと思います。
今回の改悪というのは特に低所得者に負担が重くなりますから、影響が出るということは明らかですから、これを今回一つ一つ見ていきたいと思うんですね。
今回の改定は、負担増の始まりでしかないと私は思っております。先ほど紹介しました自民党と維新の会の合意文書では、来年の三月にこの改定、改悪ですけれども、実施した後に、来年四月以降には対象範囲の拡大や薬剤費四分の一の保険適用除外を更に拡大することを検討するということが明記をされております。また、五日後に行われた上野大臣と厚生労働省との折衝事項の結果にも同様の内容が合意をされております。
特許や再審査期間が終了してジェネリック医薬品が市販されている先発医薬品のことをいう長期収載品というのがあるわけですけれども、これも、選定療養費に関わる特別の負担が昨年度導入されましたけれども、その割合、これは四分の一が僅か一年八か月後、今年の六月には二分の一に引き上げられるということがもう決まっております。
このスケジュールを考えますと、OTC類似薬の保険外しが始まる七十七品目、来年三月の翌年には対象品目の拡大や負担割合の引上げが行われるという懸念は拭えないと思うんですよ。大臣、遅くとも次期報酬改定が実施される二〇二八年度から拡大が実施されるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○上野国務大臣 現在、法案を御審議いただいている状況でございますので、施行後の見直しの時期についてお答えをすることは困難です。
昨年末の自民党また日本維新の会の政調会長間合意におきまして、施行状況等について政府が把握、分析した上で与党に報告する枠組みを構築するなど、与党の関与の下、令和九年度以降にその対象範囲を拡大していく。あわせて、特別の料金をいただく薬剤費の割合の引上げについても検討する等とされておりますから、本法案の施行後、本合意を踏まえ、施行状況を把握した上で適切に対応していきたいと考えています。
○辰巳委員 大臣、自民党と維新の会の合意ではとおっしゃるんですけれども、大臣折衝事項の中にも同じ話は出ていますからね。出ていますので、これは本当に危険だと思っているんです。
それと、維新の会の部会では、今回の改定案の中に、四分の一を更に引き上げることを法案の中に明確に書き込むべきだという意見まで出ていたという報道がされているわけですよね。
じゃ、大臣、ちょっと角度を変えますけれども、対象品目の拡大や負担の割合、これは引上げをしないという選択肢もあるという理解でよろしいでしょうか。
○上野国務大臣 繰り返しになって恐縮ではございますが、私ども、先ほど申し上げましたとおり、この政調間合意に基づきまして、今後必要な対応が取られるというふうに考えております。
○辰巳委員 やらないとは言わないということですわね。いや、ひどい話なんですよね、これは。
ここで、改めて今回の文言の中身を確認したいと思うんですね。自民党と維新の会の政調間合意と大臣折衝の文書にある一文なんですけれども、これは通告はしていませんから、厚労省、答えていただきたいんですけれども、こういう文章がありますね。将来、OTC医薬品の対応する症状の適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品の相当部分にまで対象範囲を拡大することを目指し、上記の施行状況等について厚生労働省において把握、分析を行った上で、令和九年度以降にその対象範囲を拡大していく。あわせて、特別の料金の対象となる薬剤費の割合の引上げについても検討する。
保険外しはOTC類似薬にとどまらないと。つまり、OTC類似薬以外の医療用医薬品の負担増も含めて検討するというふうに読めるんですけれども、これはそういうことでよろしいですか、厚労省。
○間政府参考人 お答えいたします。
政治的な文書でございますので、それについてああだこうだと言うのは、論評するのは差し控えたいと思いますが、ただ、これまでの議論の経過で申し上げれば、OTC類似薬というよりも、特定の法的な定義が今あるわけではございませんので、いわゆるOTC類似薬に関してどう考えるかということでこのような文章がなされているというふうに思っています。
いずれにしましても、私どもは、この政調会長間合意にありますように、施行状況等について政府が把握、分析した上で与党に報告する枠組みを構築するなど、与党の関与の下、令和九年度以降にその対象範囲を拡大していく、あわせて、特別の料金をいただく薬剤費の割合の引上げについて検討するというふうにされておりますので、本法案の施行後、本合意も踏まえ、施行状況をしっかり把握した上で丁寧に対応していきたいというふうに思います。
○辰巳委員 局長、今の答弁はちょっと不足していますね。自民党と維新の会の政治的文書と言うんですけれども、同じ文章は大臣折衝事項の中に、厚労省が出した文書にも入っていますから、厚労省としての立場をきちっと述べていただく必要が私はあると思うんですね。
もう一回言いますよ。もう一回言いますよ、この中に書いてある。将来、OTC医薬品の対応する症状の適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品の相当部分にまで対象範囲を拡大することを目指す、こうありますね。これは、OTC類似薬以外の薬も含む、保険外しを拡大していくというふうに読めるんですよ。いかがですか。読めますよね。
○間政府参考人 私どもとしては、これは、検討の対象になっているのは、OTC類似薬の範囲でどう考えるかということだと考えております。
○辰巳委員 いや、そうは読めないですよ、局長。本当にその文章はそう書いているということですか、今私が読み上げたのは。そうは書いていないですよ。そうは書いていないですよ。
将来、OTC医薬品の対応する症状の適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品の相当部分。医療用医薬品の相当部分というのは、OTC類似薬から外れる、そうではない医薬品だって含まれますよね。
○間政府参考人 お答えします。
この議論の過程では、OTC類似薬をどう考えるのかというのが議論になりました。そのときに、OTC医薬品というのがあって、そこから見てスコープをどう考えるのかという議論もあるんじゃないか、こういった御議論が与党間でもなされたと考えております。
その意味で、今委員が御指摘になられた部分も、いわゆるOTC類似薬を、その範囲をどう考えるのかという問題に基本的には帰結するというふうに考えています。
○辰巳委員 つまり、考え方によっては私が言っているとおりの話になるということですよ。これはとんでもない話なんですよね。
つまり、近所のドラッグストアで売っているものを医療機関で処方してもらうには、これは公平性の観点から特別の負担をお願いしますといって今回の法改正はするわけなんですけれども、書かれてある話は、ドラッグストアにはないOTC類似薬以外の負担だって増やそうという話なんですよ。とんでもない中身ですよ、これ。
更に重大な問題がありますからね。例えば、療養そのものの保険外しの危険性があるということを私は指摘したいと思うんですね。
厚労省、健康保険法第六十三条は、給付がされる療養を定めて、その第二項において給付から除外される療養を定めております。今改定案では、除外される療養というのを六号で追加するということになるわけですね。今回の改定案、第六十三条第二項第六号を読み上げていただけますか。
○間政府参考人 御指摘の改正法案におけます健康保険法第六十三条第二項第六号には、こう書いてございます。「要指導医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第四条第五項第三号に規定する要指導医薬品をいう。)又は一般用医薬品(同項第四号に規定する一般用医薬品をいう。)との代替性が特に高い薬剤を用いた療養その他の適正な医療の提供を確保しつつ、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑みその要する費用のうち一部を保険給付の対象としないものとする療養として厚生労働大臣が定めるもの(以下「一部保険外療養」という。)」と規定されております。
○辰巳委員 要指導医薬品又は一般用医薬品との代替性が特に高い薬剤、これはつまりOTC類似薬のことですけれども、今読み上げていただいたように、OTC類似薬を用いた療養の費用のうち一部を保険給付対象としないというふうにあるんですよ。
大臣、つまりこれは、OTC類似薬の保険適用除外、一部負担増というだけではなくて、そういうお薬を使った診療や治療そのものの一部が保険適用除外になるということじゃないですか。いかがですか。
○上野国務大臣 本法案全体を見ていただければ分かるんですが、本法案の附則におきましては、今回、一部保険外療養として行うOTC類似薬の保険給付の見直しに関する検討規定を設けております。この当該検討規定におきましては、勘案することとされている事項についてはOTC医薬品に関する各種状況とされておりますので、今後のOTC類似薬の保険給付の見直しの検討に当たっても、技術料とかその他のものではなくて、医薬品について行うものと考えております。
○辰巳委員 大臣、もう一回聞きますけれども、政策的には今回の法改正はそうなんだという多分趣旨だと思うんです。だけれども、法解釈としては私が申し上げたような話はできますよね。絶対できないという話ですか。法解釈としても法文上は可能だということではないんですか。政策的にはやらない。いかがですか。
○上野国務大臣 法律上は条文上限定をしていないのではないかという御指摘かと思いますが、規定ぶりとしてはそのように読めるかもしれませんが、実際には、先ほど申し上げましたとおり、OTC類似薬についての検討規定を設けていることからも、対象としてはOTC類似薬の見直しだということであります。
○辰巳委員 要するに、できないじゃないんですよ。法文上はできるようになっているんです。ただ、今はやりませんよと。やろうと思えばいつでもできますよという条文になっているということです。法律では穴を空けたということですよ。あとは国会決議不要の告示で負担増のメニューを入れていくということなんですよね。これは、この法文はえらいことですよ。
改定案には、続けて、その他の医療というのも保険給付の対象としないというふうになっていますね、先ほど読み上げていただいたものですけれども。その他の医療というのは、では何なのかと。健康保険法第六十三条第一項から五にある、診察、処置、手術、在宅療養看護、入院看護などがその他医療に含まれるという理解でよろしいでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
まず、先ほど委員が御指摘になられた要指導医薬品や一般用医薬品との代替性が特に高い薬剤という部分ですけれども、これは、今回その対象医薬品として考えてあります七十七成分、約千百品目、つまり、成分や投与経路が同一で、そして一日の最大用量が異ならないというものを指しております。
先ほどから御指摘もありますし、私どもも答弁しておりますように、この範囲につきましては、与党の政調会長間合意の中で、拡大を検討していくということで検討することになっておりますので、その部分については、今委員が御指摘になられたような、その他の医療のその他部分のところで読んでいくということを考えているものでございます。
○辰巳委員 質問に答えてください。質問に答えていないです、質問に。
○間政府参考人 その他の医療というのは何を考えているのかという御指摘でありましたので、今後その対象が拡大するかもしれない、それを検討するという範囲になっている、その他、今回対象になっていないOTC類似薬のことを想定しております。
○辰巳委員 OTC類似薬だけに限るという理解でよろしいでしょうか。
○間政府参考人 現時点で、OTC類似薬以外について、一部保険外療養として別途の負担を求めることは想定しておりません。
○辰巳委員 現時点でなんですよね、現時点でなんですよ。法文上は口を開けて待っているんですよ。政策的には現時点では考えていない、それだけの話じゃないですか。
だから、これはOTC類似薬だけじゃないですよ。拡大され得るのは、OTC類似薬を使っていない療養、あるいはOTC類似薬とは全く一切関係のない診察や処置や手術、在宅療養、法文上はできるようなものになるということなんですよ。こういう指定方法が可能とすると、例えば風邪、上気道炎を対象とする医療を一部保険外療養として指定をして、その薬剤費や診療の一部を保険給付から外すということも可能になりますよね。政府が軽度だと考える広範な疾患に対する保険免責ができることになっちゃいますよ。えらいことですよ、これは。
今回導入される一部負担の療養は、広範囲な薬剤や技術が、保険料負担の軽減を理由に、対象や金額が際限なく広がるのではないかという懸念が表明されてきましたけれども、これは実際上の歯止めがないということがこの質問で明らかになったと思います。
そして、これら全てが、大臣の決定で、事実上国会の関与なく進められることが可能となるわけですね。経済的な理由による受診抑制や、軽度のうちの受診を避けることによる重度化も懸念されます。
これは、安心医療の提供のため、診療、検査、投薬、処置を一体で運用してきた日本の公的医療保険制度の根幹を破壊するもの、掘り崩すものだと言わなければならないと思います。こんな大改革は絶対にやったらあかんと私は言っておきたいと思います。(発言する者あり)今は考えていないということですよ。やじで、考えていないと。今は、現時点ではなんです。法文上はできるようになるので、それが問題なんです。それを議論するのが国会じゃないですか。ここを詰めずして、どこを詰めるんですか。(発言する者あり)今は考え……
○大串委員長 不規則発言に答えないようにしてください。
○辰巳委員 現時点では考えていないということを厚生労働省は繰り返しているわけですよ。
次に行きたいと思います。
アメリカとイスラエルによるイランの攻撃で医療器材の供給について滞りが出ていることを、私は予算委員会でも指摘をしました。その上で、医療機関の経営悪化対策というのが必要だということも予算委員会で求めてまいりました。
大臣、医療用グローブとか透析用のという話で厚生労働省はいろいろ動いておられたというふうに思いますけれども、やはり価格そのものが上がっているわけですよね。公定価格でやっている医療機関ですから、やはり医療機関への支援というものを改めて求めたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○上野国務大臣 まず、令和七年度補正予算における医療・介護等支援パッケージの中で物価高騰に対する支援を措置するとともに、診療報酬改定におきましても必要な措置を講じております。これをしっかりとお届けすることが大事だと考えております。
中東情勢に関することでありますが、現時点におきまして直ちに供給が滞る、そうした事態に陥っているものではなく、また、今後の状況等も不明でありますので、必要な支援策を具体的に検討できる段階ではございません。
したがいまして、予断を持って判断するのは難しいわけではございますが、先ほども申し上げましたように、補正予算等の支援をしっかりと届け、また足下の状況などについても注視をしていくことが必要かと考えています。
○辰巳委員 影響は医療機関だけではないですね。今、潤滑油とかシンナーとか、いろいろな業種で出ております。
今日はちょっと経産省にも来ていただいているんですけれども、申し訳ない、ちょっと時間がないので、厚労大臣にもうそのまま行きたいんですけれどもね。
実は、関西の大手企業で、ちょっと名前は伏せますけれども、従業員が千人を超える企業で休業要請というのが、四百人規模の休業要請ということが出ております。非常に、だから、シンナーが入ってこないということで休業要請なんですけれども、一定の補償はされるということなんですが、やはり今回の事態は、東日本大震災とかリーマン・ショックとか、あるいはコロナとか、もうそれ以上だというふうに言われているわけですね。
雇調金制度、雇用調整助成金、これはコロナのときには十分の十ということで拡大をして、特例でやりましたけれども、やはり、社会保険料の負担軽減、一年間の猶予ということも事業者に対してもやりました。この二つ、社会保険料の納付猶予と雇調金制度、これの拡充を是非厚労省として検討していただきたいんですね。いかがでしょうか。
○大串委員長 上野厚労大臣、簡潔にお願いします。
○上野国務大臣 はい。
様々な特例対応をコロナのときにやりましたけれども、必ずしも今般の状況と同一に論じられるものではないと現段階では考えております。
社会保険料の納付猶予につきましても、今も、現時点でも様々な猶予措置がありますので、そうしたことを活用いただけるように周知徹底を図っていきたいと考えております。
また、雇調金に関しましては、中東情勢に係る雇用への影響、これは適切に把握する必要があろうかと思いますし、事業主から様々な相談があった場合には労働局あるいはハローワークにおいて丁寧な相談対応を行うなど、必要に応じて、その際には雇用調整助成金の活用も促してまいりたいと考えています。
○辰巳委員 以上です。ありがとうございました。
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○大串委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
本案審査のため、来る二十一日火曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、来る十七日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時一分散会

