衆議院

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第11号 令和8年6月3日(水曜日)

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令和八年六月三日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 工藤 彰三君

   理事 井原  巧君 理事 小林 史明君

   理事 新谷 正義君 理事 土田  慎君

   理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君

   理事 東   徹君 理事 鈴木 義弘君

      伊藤信太郎君    伊藤 達也君

      衛藤 博昭君  こうらい啓一郎君

      小森 卓郎君    斉木 武志君

      鈴木 淳司君    世耕 弘成君

      園崎 弘道君    永田磨梨奈君

      東田 淳平君    古井 康介君

      細野 豪志君    松下 英樹君

      丸川 珠代君   水野よしひこ君

      武藤 容治君    山田 美樹君

      山田 基靖君    山本 裕三君

      泉  健太君    落合 貴之君

      河野 義博君    中野 洋昌君

      吉田 宣弘君    阿部  司君

      若狹 清史君    丹野みどり君

      牧野 俊一君    林  拓海君

    …………………………………

   経済産業大臣       赤澤 亮正君

   経済産業大臣政務官    小森 卓郎君

   国土交通大臣政務官    永井  学君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 水田  豊君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局官房デジタル・国際総括審議官)          佐久間正哉君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房長) 片岡宏一郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官)         伊藤 禎則君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           竹田  憲君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           渋谷闘志彦君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官)           佐々木雅人君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            伊吹 英明君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江澤 正名君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         木原 晋一君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    山本 和徳君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           藤田 昌邦君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         服部 卓也君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 西村 治彦君

   経済産業委員会専門員   花島 克臣君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月三日

 辞任         補欠選任

  山際大志郎君     東田 淳平君

  落合 貴之君     泉  健太君

  河野 義博君     中野 洋昌君

  河合 道雄君     林  拓海君

同日

 辞任         補欠選任

  東田 淳平君     衛藤 博昭君

  泉  健太君     落合 貴之君

  中野 洋昌君     河野 義博君

  林  拓海君     河合 道雄君

同日

 辞任         補欠選任

  衛藤 博昭君     山田 基靖君

同日

 辞任         補欠選任

  山田 基靖君     山際大志郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 経済産業の基本施策に関する件

 私的独占の禁止及び公正取引に関する件


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     ――――◇―――――

工藤委員長 これより会議を開きます。

 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房長片岡宏一郎君外十四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊藤信太郎君。

伊藤(信)委員 自由民主党の伊藤信太郎です。

 工藤委員長を始め理事の皆さんに、質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。

 さて、今日は、経済史、そして未来に向けたエネルギー戦略の観点から質問をさせていただきたいと思います。

 人類史を振り返ってみますと、まさに、食料、資源、エネルギー、これの確保がキーになっている、そういう感がいたします。特に、産業革命以来、エネルギーの確保というものが世界における紛争の種にもなってきたと思います。

 ここで、世界の電力量の概観というものを見てみますと、近年、急速に増加していることが見られます。そして、グラフを見ると、GDPの増加と連動し温室効果ガスの排出量が増加し、今日も大変な大雨がありますし、恐ろしいほどの気候変動が進行しております。

 日本におけるGDPと温室効果ガスの排出量の推移をグラフで見ますと、一九七三年までは共に上昇していますが、それからしばらく横ばいが続いて、一九八七年から再び上昇していますが、一九九六年から、GDPが増加しても温室効果ガスの排出量がおおむね横ばいになり、二〇一三年からは下がり続けています。これは、省エネ、再生可能エネルギーの増加、化石燃料エネルギーの比率の減少、温室効果ガス排出抑制技術の進歩などによるものと思われます。

 今日の命題は、どのようにして、増加する必要なエネルギーを確保しつつ、資源枯渇と環境破壊を食い止めるかということだろうと考えます。

 二〇五〇年の世界の電力量は約六十から八十兆キロワットアワーと推計されています。この需要に対して、不安定な国際政治の状況の下、経済安全保障の観点も含め、安定的に電力を供給する道筋をつくる必要があります。経済産業省としてどのような計画を立てているのかを大臣にお伺いいたします。

赤澤国務大臣 おはようございます。

 政府としては、第七次エネルギー基本計画において、DXやGXの進展に伴い国内の電力需要の増加が見込まれる中、エネルギー安定供給や二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、それに必要な脱炭素電源を確保していく方針を示しております。

 具体的には、第七次エネルギー基本計画と併せてお示しをした二〇四〇年度におけるエネルギー需給の見通しにおいて、これはもう委員は百も御承知だと思いますが、電源構成として、再エネは四、五割程度、原子力は二割程度、火力は三、四割程度となる見通しを示しているところでございます。

 引き続き、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合のいわゆるSプラススリーEのバランスを取りながら、責任あるエネルギー政策を進めてまいりたいというふうに思っております。

伊藤(信)委員 ここで、少し未来に向けた話をしてまいりたいと思います。

 今から二十四年後、二〇五〇年ですね、この二〇五〇年には、再生エネルギーでの発電比率を五〇%から六〇%とするシナリオが経産省で参考値として示されていると思います。これを実現するために、経済産業省としてどのような戦略を立てているのかを経済産業省にお伺いいたします。

木原政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国は、二〇三〇年度の温室効果ガス四六%削減、二〇四〇年度七三%削減、そして二〇五〇年カーボンニュートラル実現という野心的な目標を掲げておりまして、再生可能エネルギーを最大限導入した場合の参考値として、二〇五〇年の再エネ比率を、五〇から六〇%との水準を示してございます。

 まずは、二〇四〇年に向けて、第七次エネルギー基本計画に基づき、関係省庁や地方公共団体が連携して地域との共生や国民負担の抑制を図りながら、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでまいります。

 具体的には、太陽光については、設置可能な全公共施設の屋根への設置やペロブスカイト太陽電池の大規模導入、洋上風力につきましては、二〇四〇年までに三十から四十五ギガワットの案件形成、地熱発電や自治体と連携した水力の導入などを進めてまいりたいと考えております。

伊藤(信)委員 さて、今示されたようなシナリオで、二〇五〇年に日本の温室効果ガスの排出量をネットでゼロにできると考えているのかについて、環境省にお伺いいたします。

西村政府参考人 お答え申し上げます。

 再エネにつきましての御指摘のシナリオにつきましては、今経済産業省から御答弁ありましたとおり、参考値と認識しておりますけれども、いずれにしましても、再生可能エネルギーの更なる活用、これは重要と考えております。

 また、質問いただきました、二〇五〇年ネットゼロ、これが実現できるのかということでございますが、二〇五〇年ネットゼロは非常に野心的な目標だというふうに考えておりまして、今現在ある技術のみならず、イノベーションが不可欠というふうに考えております。

 この達成に向けまして、グリーントランスフォーメーションの取組、また、地域と共生して、環境に適切に配慮した再エネの導入促進、こういった取組を政府一丸で進めてまいりたいというふうに考えております。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 二〇五〇年の再生可能エネルギーのうち、何%が太陽光発電になると試算しているでしょうか。また、何%が風力発電になると試算しているでしょうか。これは経済産業省にお伺いいたします。

木原政府参考人 政府として、二〇五〇年断面における太陽光や風力発電といった電源別の電源構成比率はお示しをしていないのですが、二〇四〇年度のエネルギー需給の見通しにおきまして、二〇四〇年度の太陽光発電は二三から二九%、風力発電は四から八%という見通しをお示ししてございます。

 引き続き、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて、地域と共生を図りつつ、再エネの導入拡大に取り組んでまいります。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 未来、二十四年後のことですから、もちろん確定的な数字は今出せないわけでございますけれども、太陽光発電は七五%になるという試算もございます。

 いずれにしても、効率的に発電をするということが非常に必要だと思います。太陽光発電については、東京大学先端科学技術研究センターの杉山所長は、ペロブスカイトとシリコンの二層式のタンデム型太陽光発電の効率は一・五倍であると述べています。

 また、エネルギーを考えるときに、個別のエネルギー源の足し算だけで考えることではなくて、エネルギーシステムとしてのシナジー、これによって効率を上げて考えることが重要であるというふうに思います。

 例えば、太陽光、風力など、発電量が一定でない再エネに対応する調整力として、蓄電池、水素のハイブリッドシステムが考えられます。東京大学先端科学技術研究センターの河野教授の研究グループは、今年四月、再生エネルギーの電力を用いた水電解プロセスにより、グリーン水素の製造時のコストを実質的にゼロ円まで低減することに成功したと発表しています。

 このようなエネルギーシステムの取組について、経済産業省の考え方をお聞きいたします。

木原政府参考人 委員御指摘のとおり、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは季節や天候により発電量が変動するという特徴を有しているため、再エネの主力電源化に当たっては調整力を確保することが重要でございまして、御指摘の蓄電池や水素なども脱炭素化された調整力を供出する重要な役割を果たすと認識しております。

 経済産業省としては、系統用電池や水電解装置の導入に対する補助、支援や、脱炭素電源への新規投資を促進するための制度である長期脱炭素電源オークションにおいて蓄電池を対象電源とするなどの措置を講じてございます。

 こうした支援措置を通じて、再エネの主力電源化と脱炭素化された調整力の確保に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。

伊藤(信)委員 これから、やはり未来のいろいろな状況を考えると、政治的にリスクの低い国々、複数の同志国、例えばこういった国にグリーン水素製造等の日本の知財や技術を供与して、これらの国々からのエネルギー関係の資源、資材を輸入することで、国際的な相互連携が強固になり、エネルギー安全保障の観点からも望ましいと考えます。

 このような取組をもっと積極的に進めるべきだというふうに考えますが、大臣のお考えをお聞きします。

赤澤国務大臣 水素サプライチェーンの構築は、供給源の多様化を通じてエネルギー安全保障に資する大変重要な取組でございます。

 そのため、水素の国内における製造、供給体制の構築に取り組んでおりますが、同時に、例えば、水電解装置など国産技術を活用して、安価で大量供給可能な国からの輸入も重要でございます。

 我が国の技術的な優位性を生かして、同志国との連携も図りつつ、エネルギー安全保障に資する国際水素サプライチェーンの構築を進めるべく、水素社会推進法に基づく価格差に着目した支援や、研究開発の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

伊藤(信)委員 地球の資源、環境許容力というのは限られておりまして、人類が工業製品の拡大再生産を続けることで、環境破壊、そして気候変動が進行し、本日も大雨がありますけれども、地球温暖化が更に私たちの生活に甚大な影響を及ぼしております。今年の夏は更に暑くなって、多くの犠牲者が出ることが心配されています。このままでは、生物が持続的に生存可能でなくなる日がそう遠くない将来に到来するのではないかという危惧があります。

 私は、これらの災いは、人間の欲望、社会的に増幅された強欲に起因していると感じます。物質を多く生産し、使用し、所有すること、これだけが真の豊かさではないのではないかなと思います。

 私たちは、価値観の重点を、物質や金銭の量的拡大から、多様な感性や多元的価値観を包摂した、形而上学的な意味を含めての質的向上にパラダイムシフトすべきではないかと考えていますが、大臣のお考えをお聞きいたします。

赤澤国務大臣 御指摘のような価値観の転換も非常に重要であるということで、問題意識を共有をいたします。

 気候変動は人類共通の待ったなしの課題であると認識しておりまして、政府としては、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指すGXの取組を進めております。

 例えば、排出削減が困難な産業におけるエネルギー、製造プロセスの転換に向けた設備投資支援を行っており、それらを通じて産業構造全体の転換を後押ししております。

 さらに、委員がまさに御指摘のとおり、大量生産、大量消費、大量廃棄といった一方通行の経済から、資源の効率的、循環的な利用を図りつつ付加価値の最大化を図る循環経済、いわゆるサーキュラーエコノミーの推進にも取り組んでおりまして、これらの取組は委員の問題意識に通ずるものだと思います。

 いずれにせよ、委員御指摘のような質を重視する価値観への転換は重要な視点であると考えており、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、産業構造の転換や循環経済システムの構築に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 その上で、一つ私が思い出すのは、これはちょっと事務方が用意したあれとずれますが、堺屋太一さんが遺作で「三度目の日本」という本を書いておられて、やはりその中で、全く委員と問題意識が共通するなと思ったのは、強い日本を目指した日本が戦争に負けるようなことがあり、次に豊かな日本を目指してやってきて、豊かになったんだけれども、それだけでいいのかといって、三度目の日本は楽しい日本であるべきだということを書いておられました。

 私自身は非常に共感するところがあって、石破政権のときに楽しい日本というのを打ち出してみたんですが、国民の生活が苦しいときに何が楽しい日本だという御批判を多数受けて、余りうまくいかなかったかなという感じはありますけれども、ただ、考え方としては、やはり豊かさというと、ちょっと物量に走りやすいところがあるので、その中で楽しい日本という考え方というのは一つあるかなと。

 やはり、地域のお祭りとか、そういったような日本の伝統的な価値とか、ああいうものを大事にして、そういうのを思い出しながら東京一極集中が是正されていくような、そういう日本になればいいと思いますし、もしかしたらAIがその力になるかなというようなこともちょっと思っているので、委員御指摘の問題意識はしっかり頭の片隅にというか真ん中に置きながら、しっかりいろいろ仕事をしていきたいと思います。

伊藤(信)委員 ありがとうございました。

 これで質問を終わります。

工藤委員長 次に、泉健太君。

泉委員 中道の泉健太でございます。

 本日、一般質疑ということで、幾つか質問させていただきたいと思います。

 まず、昨日、中東情勢を踏まえた関係閣僚会議が開かれまして、各種報道もされておりますけれども、大変御努力、御苦労さまでございます。

 特に、これは昨日のことだったので通告にはないんですが、少しこの閣僚会議のことを触れたいと思うんですけれども、この中で、直接的にシンナー、塗料メーカーなどに石油元売からも従来を大きく超える量を出していく、直接供給していくことで、例年の需要の一・八倍の供給を可能にする、そういうふうに発表されております。

 これは大変期待できることで、現時点で確かに川下の方は、例えば接着剤は二割しか届いていないとか、シンナーは全く届いていないとか、そういう話はまだ私も聞いておりまして、まだまだ恐らく時間もかかるのかもしれませんが、供給が一・八倍ということになるというのは朗報ではあります。

 ただ、これがいつぐらいを目指しているのかというのがちょっと分からなかったものですから、何かそういう時期的なものが分かるということであれば、大臣ないしはどなたかにお答えいただければと思います。

赤澤国務大臣 おはようございます。

 私は、当選一回や二回のときに、泉委員が与党の大臣を厳しく責め立てて、大臣、大臣と言っておられるのを本当に鮮明に記憶をしておりまして、バッター表に名前を見つけたときに、ついにこの日が来たかということで、お手柔らかによろしくお願いをしたいと思います。

 その上で、この一・八倍は、私も専門家ではないのであれなんですが、通常、ナフサからトルエン、キシレンという、シンナーとか溶剤を作るんです。ところが、それとは別に、原油を精製するときに、ナフサと同時に出てくるガソリンの中に少量トルエンやキシレンが含まれていて、ただそれを引っ張り出してくるだけで国内で必要な供給量の約八割は調えられるなということで、ずっとちょっと仕組みをつくる努力をしてきて、元売と。それで、ようやくできることになって。

 それで、いつからというお話ですけれども、これについては、もうその八割分は増産をできる体制が整っておりますので、発注が来ればそれに応えてお出しをしていくと、最大一・八倍まで現時点で出せるという体制になっていると理解をしています。

泉委員 どうもありがとうございます。私もいろいろと経験をして、今日は建設的に質問をしたいと。

 やはり川下の方で言われているのは、確かに、川下で買占めというか実需ではない買い方、発注の仕方をして、それで市中に量が不足する事態に陥っているということで、そういう発注の仕方はやめるようにということは各業界団体からも通知が出ていたりします。仮需的な発注、先行的な発注はお控えくださいということであるわけですけれども。

 一方で、実際に起きていることというのは、昨年ベースで供給はしますよ、昨年ベースで販売はしますよということで、当面我慢してくださいと言われるところがあるわけですが、昨年以上に、たまたまですけれども、やはり、受注を受けて実需として存在するんだけれども、その分がないというケースがあって。

 ここは、単なる実需を上回る仮需的な発注ではなくて、例えば、契約書なのか、何らか証明できるものがあれば、それはちゃんと実需として捉えていただいて、製品を卸していただくということがやはり必要ではないかというふうに思っておりまして、是非、各メーカーあるいは卸に対して、昨年実績ということに過剰にこだわり続けることのないようにというか、しっかり実需ということを踏まえて対応するようにということを要請をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 ナフサについては、代替調達により従来の八五%の水準まで回復をしておりまして、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は年度を越えて供給継続が可能となっております。加えて、川中、川下製品であるシンナー、接着剤、塩ビ管、ユニットバスの産業界からも、足下の供給量は安定、増加し、今後も継続的に供給できる見通しであることが発信をされております。

 石油化学製品の供給については、実需等も踏まえながら企業間の取引として行われるものの、供給の偏りや流通の目詰まりが発生している要因の一つとして、委員御指摘の、一部の需要家が過去の実績を超える量を過剰に発注するケースも見られています。このため、政府として、原則として前年同月同量を基本とした調達を行っていただくよう呼びかけておりますが、委員の御指摘は全くごもっともでありまして、実需があるときは対応しなければなりませんので、私どもも原則としてということを申し上げています。

 実際、私のところにも、輪番制で、月ごとに三社ぐらいで注文を入れて納入するルールになっているのが、前年同月比とか言われると、何かちょっと、前年は自分が当番でない月だったので、前年同月同量と言われると、あんたはゼロだよと言われた例が出てきて。

 こういうものはきめ細かくやっていくしかありませんので、引き続き、川上の製造事業者の供給状況を確認しながら、川中からも川下の状況も丁寧に把握して、迅速に目詰まりの解消に取り組んでいくつもりでございますし、まさに今委員会で委員に御指摘いただいた大事な点でありますので、あくまで前年同月同量を基本とした調達は原則でありますので、実需はしっかり見極めた上で、きめ細かくやっていきたいと思います。

泉委員 ありがとうございます。

 続いて、例えば、私は地元が京都ですけれども、京都新聞を読むと、やはりこういうナフサショックに関する特集というのが出ているわけですね。考えてみますと、恐らく全国各地方新聞なんかは、当然ながら工務店だとか中小の事業者に取材をして記事化されていると思うんです。

 今なぜこの話をしたかというと、例えば、経産省に相談窓口というか情報をお寄せくださいということであるんですが、やはり様々、地域の工務店や取り扱っている一人親方、業界の方々、地域の方々に聞くと、業界の幹部ではなくて本当に地域で仕事をしている方々に聞くと、わざわざ地方局だとかに、相談窓口に言う暇はないという方々が結構多いですね。

 ですから、どうしても窓口に、あるいはQRコードを読み取って地方経産局に連絡をしてくれるというのは、何百件、何千件はあるのかもしれませんが、やはりそれ以上に困っている方々が多いと考えると、一遍ちょっとやってみてもいいんじゃないかなと思うのは、是非、経産省なんかは、全国の地方紙の記者さんでこういうことを担当している方々がいっぱい情報を持っているので、そういう方々から、オンラインヒアリングでもいいと思うんですけれども、何かやっていただくといいんじゃないのかなというふうに思いますが、もしお答えがあれば。

赤澤国務大臣 取れる情報はどこからでも取りたいので、二つ申し上げますが、なかなか連絡するのも大変だろうと言われるんですが、かなり努力はしていまして、ホームセンターにポスターをいっぱい貼って、原則、前年同月同量でお願いしますと貼り出し、その下に、お困りの場合は、マスコミに言うよりは先にと書いていませんけれども、とにかく経産局にお願いしますといって、QRコードで連絡先が分かると。だから、かなり頑張ってやっています。

 それは引き続きやることと併せて、我々が持っていない情報をもし地方のマスコミ関係者が持っているのであれば、それも貴重な情報でありますし、当然、経産局は通常からマスコミとつき合いはあると思いますので、そういうところもきちっと活用しながら、取れる情報は取っていきたいというふうに思います。

泉委員 例えば京都新聞では、エアコンを修理する部品の梱包材を請け負う会社、ここがやはり梱包材がないということで、エアコンの出荷に支障が出始めていると。ナイロン袋も入荷されない状態が続いているとか、あるいは、気泡緩衝材、こういうものもそうですね。ストレッチフィルム、また、いろいろな資材を梱包するテープとかがありますね、こういうものもなくなっていたり、荷造り用のひもも入ってこないんだとか、様々にそういう情報がまだまだ地元では届いておりますので、是非そういったことにこれからも政府に対応していただきたい。

 今日は国交省にお越しをいただいております。私は、これは経産省もなんですけれども、やはりリサイクルということをもっと重視をしていかなきゃいけないなと。今すぐにリサイクルによって品物不足が解消するという話ではなくて、経済の体力を強くしていくということでいうと、やはりリサイクル率を上げていくということは非常に大事だと思います。しかも、それはできれば、いわゆる燃料化してしまうリサイクルよりも、実際に製品としてのリサイクルということを政府も求めていますので、なるべくそういう形でいっていただきたいと思うわけです。

 建設リサイクル法というのがありまして、その特定建設資材というのがあるわけですけれども、これは、基本的には、コンクリートの塊とかアスファルト・コンクリートの塊、あるいは建設発生木材、こういうものが対象になっているんですが、例えば廃プラスチックとかは対象になっていないんですね。

 既に対象になっている資材廃棄物については、もう大分リサイクルが進んでおりまして、十分進んでいるわけですが、私は、プラスチックは今住宅の解体なんかでも排出量が増えておりますので、是非、プラスチックをこうした特定建設資材廃棄物の中に含めていただいて、そしてリサイクル率を上げていくというふうなことをやっていくべきだと考えますが、国土交通省永井政務官、よろしくお願いします。

永井大臣政務官 お答えします。

 建設リサイクル法は、建設工事に伴い発生する廃棄物の量が増大し、廃棄物の最終処分場の逼迫及び廃棄物の不適正処理などの問題が深刻化したことなどを踏まえ制定されました。

 この法律では、資源の有効な利用の確保や廃棄物の適正な処理を図るため、委員からも御紹介がありました、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートを特定建設資材として指定し、分別解体や再資源化等を義務づけております。

 特定建設資材の指定は、建設リサイクル法の規定により、再資源化が資源の有効な利用及び廃棄物の減量を図る上で特に必要か、再資源化が経済面で著しい制約とならないかという観点で行っておりますが、建設工事で廃棄されるプラスチック類については、建設工事の廃棄物全体の約一%にとどまっていること、再資源化施設数が特定建設資材と比べ少なく、全国的に実施する場合には運送コストなど採算面での課題があることなどから、現時点においては、特定建設資材に指定し再資源化等を事業者に義務づけることについては慎重な検討が必要と考えております。

 国土交通省としては、建設工事においてもプラスチックの資源循環の促進は委員と同様に重要な課題と認識しており、まずは、プラスチック資源循環促進法に基づく建設業者による排出抑制や再資源化等の取組を促すなど、関係機関や建設業団体とも連携しながら、プラスチックの再資源化等のための取組を進めてまいりたいと考えております。

泉委員 是非、引き続き、このプラスチックリサイクルも進めていただきたいと思います。

 さて、ちょっと質問を飛ばしますけれども、次は陸上風力のことです。

 第六次エネルギー基本計画では、二〇三〇年度の再生可能エネルギー比率は三六から三八にしていきたいということで、特に陸上風力は、導入目標は十七・九ギガワットということなんですが、現在六ギガワット、三分の一しか進んでいないんですね。大臣、これは目標達成だと考えていますか。

赤澤国務大臣 第六次エネルギー基本計画と併せてお示しした二〇三〇年度のエネルギーミックスでは、電源構成に占める風力発電の割合は五%で、そのうち陸上風力発電については、二〇三〇年度までに十七・九ギガワットの導入を見込んでおり、現時点で六・七ギガワットということであります。

 この二〇三〇年度のエネルギーミックスは、二〇三〇年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で四六%削減することを目指し、徹底した省エネや非化石エネルギーの拡大を野心的に想定した場合のエネルギー需給の見通しをお示しをしたものです。

 この二〇三〇年度のエネルギーミックスの実現は決して容易なものではありませんが、二〇四〇年度に掲げた見通しとも整合性の取れたものであり、その実現に向けてベストを尽くしつつ、中長期的視点で着実に取り組んでいきたいと思っています。

 陸上風力発電を含む再生可能エネルギーについては、関係省庁や地方公共団体と連携して施策を強化することで、地域との共生と国民負担の抑制を図りながら更なる導入拡大に向けて取り組んでまいります。

泉委員 今、十七・九のうち、できているのが六、そして残りの十ぐらいが撤退予備軍じゃないかと言われるぐらいな状況になってきています。これはいろいろ理由があるわけですけれども、認定の期限というものもありますので、認定失効制度、これがありますので、徐々にこの認定失効になっていく事例が増えていくだろうということも懸念をされている。

 やはり、せっかく再生可能エネルギーを強化していこうということでやってきているわけですから、これは是非、できる限り未稼働を減らしていく、そして撤退を減らしていくという努力は経産省にしていただきたいわけです。

 この再エネ特措法における認定失効制度ができて以降、覚えている方があるかもしれませんが、熱海で土砂崩れがあって、その結果、盛土規制法が強化をされました。盛土規制法が強化をされたことにより、例えば盛土の角度、のり面の角度みたいなものが、もっと緩やかにしてくださいということで、新たに要件が加わったので、これは、言ってみれば、これまで設計してきたものを見直さなきゃいけなくなって、その設計の見直し、そして工事ということでいくと、当然今まで以上に時間がかかるということになるわけですよね。

 この時間がかかることと認定失効制度のはざまで、もちろん、それだけが理由じゃないということを経産省は恐らく言うのかもしれないなと思いながら、しかし、それだけが理由じゃなくても、それも理由であるというふうに私は捉えていただきたいと考えていて、やはり、それで全て解決なんということは望んでいないわけですので、せめて、この認定失効制度ができて以降に盛土規制法が施行をされて、それによって、例えば地元との調整だとか設計の変更だとかで期間が延びてしまうというところについては、何らかの、この失効期限の延長など、一定の柔軟性を持たせるべきではないかというふうに考えますが、これは、では経済産業大臣。

赤澤国務大臣 やはり、改めて申し上げておかなければならないのは、再エネの導入に当たっては、地域との共生が大前提であって、この観点から、関係法令を確実に遵守していただくことが重要だというふうに思っています。

 委員については、盛土規制法はもう御案内のことと思うので改めて申し上げませんが、そのために一部の事業者に一定の対応の必要が生じていることは認識しておりますけれども、やはり、関係法令遵守の観点から適切な対応が求められると思っています。

 認定失効制度、この制度は、国民負担の抑制との両立を図りながら、再エネの導入を進めていく上で極めて重要な制度だと思っておりまして、多くの案件について客観的な基準に基づき恣意性なく運用していくことが重要であるので、個別の事情を勘案して柔軟性を持たせることについては、少なくとも現時点において慎重であるべきだというふうに思っています。

泉委員 大臣、ちょっと基本的な認識をお伺いをしたいのですが、認定失効制度ができました、その期限が来て認定が失効しても、再度取れるのだからそれでいいじゃないかと思っていますか。そこをちょっと確認したいんですよね。どうせもう一度取れるんでしょう、もう一度取り直したらいいじゃない、そういうふうにも聞こえるわけですよ。ここについて、いかがですか。

赤澤国務大臣 再エネの導入拡大に向けて、陸上風力発電も重要な電源であり、必要な許認可の取得や地元との調整などに適切に対応した上で、私どもとしても早期に事業が実施されることを期待はしております。

 個別の事業への関係法令の適用については、様々な場合がございますが、いずれの場合においても、関係法令を確実に遵守して適切に事業を実施する必要があるという理解でございます。

泉委員 いや、当然、法令違反をしたいと事業者さんは言っているわけもなく、当然、法令を遵守して一生懸命設計の見直しを図っているわけですよ。でも、それはAIで一日でやれますという話じゃないじゃないですか。当然時間がかかるわけですよ。

 国土交通省、これは答弁は用意されていますか。いわゆる、この盛土規制法によって設計見直しなどが生じているという認識は、国交省の側はありますか。

永井大臣政務官 お答えします。

 令和三年、二〇二一年七月の、先ほど委員からも御紹介がありました、静岡・熱海市の土石流災害を受け、盛土等を行う土地の用途やその目的にかかわらず、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する盛土規制法が、令和四年、二〇二二年五月に公布され、翌年の令和五年、二〇二三年五月に施行されました。

 同法に基づき、都道府県、政令市又は中核市が、地形、地質等の条件も踏まえて、順次、規制区域の指定を進め、令和八年四月時点でほぼ全ての都道府県等において規制区域の指定が完了し、本格的な運用が開始をされたところです。

 国土交通省では、現場に混乱が生じないよう、同法の公布後速やかに業界団体に対する説明会の開催等を進めるとともに、同法の施行に合わせて都道府県等に対して技術的助言を行い、事業者向けの説明会の開催や許可申請手引の作成、公表等を進めてきたところです。

 委員御指摘のような各種事業の取組については、個々にその状況を把握をしておりませんが、国土交通省としては、盛土等による災害から国民の安全、安心を確保するため、引き続き、同法の適切な運用が図られるよう取り組んでまいります。

泉委員 いや、本当にこれは何も答えられていないですね。やはり、何も事業者さんは何か脱法をしたいなんという話じゃなくて、後に法律ができて規制が変わったのだから、それは役所として対応するのは当然でしょうと。それは予見可能性がなかった案件なわけですから。予見可能性がなかった中で何も対応しないというのは、ちょっと私は考え難いなというふうに思っております。

 引き続き、是非、ここについて、ちゃんと対応しないと、先ほど野心的と言いましたけれども、かといって、これは野心的だったから取り下げればいいという話ではないわけですので、本当に撤退予備軍がたくさん今陸上風力においては出てきているということを認識していただいて、性根を入れてやっていただきたいというふうに思います。

 続いての質問に行きますけれども、小型家電リサイクル法。

 今日は資料をお配りしておりますけれども、風力の裏ですね、小型家電がリサイクル事業者の元に回収された実績ということで、これは政府でも目標を十四万トンというふうに決めているんですが、グラフを見ていただくと、全然達成できていないということになっている。しかも、最近は減っているわけですよね。

 これは、小型家電といいますけれども、いわゆるレアメタルですよね。貴重な資源ですよね。都市鉱山とも言われるわけですよね。せっかくのこのレアメタル、そして都市鉱山、なのに目標の十四万トンを大きく達成できていないのがもう十年以上続いているというのは、私はいかがなものかというふうに思います。その意味では、是非この小型家電のリサイクルに力を入れていただきたいというふうに思っております。

 日本で一年間に廃棄される小型家電は約六十五万トンと言われております。六十五万トンのうち目標が十四万トンで、そして、実際、実績値が八・七万トンということですから、まだまだやれる。鉄、アルミ、銅、貴金属、レアメタルなど、有用な金属というのは二十八万トンあると言われているわけですよね。この回収率をもっと上げていかなきゃいけないと思っております。

 やはり、東京オリンピックのときに東京都が、スマホ、携帯だとかを集めて、それでメダルを作ろうというふうに取り組んだ、あれはすごく分かりやすさがあったと思うし、ああ、この中に資源が入っているんだということを多くの方に気づかせてくれたものじゃないかなと思います。その意味では、やはり、資源が少ない我が国、特にレアメタルが少ない我が国にとって、小型家電というのは立派な資源なんだという意識をもっと国民の皆さんに伝えていく必要があるんじゃないかと考えております。

 大臣、率直に、小型家電リサイクル法では非常に分かりにくいので、略称、通称の話ですが、レアメタル回収法とか重要鉱物リサイクル法とか、やはり国民の皆さんが、ああ、そうか、これにも入っているのか、あれにも入っているのか、じゃ、集めてみんなで取り組もうというふうになるように、いわゆる略称を変えてもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 幾つかの問いをまとめて今聞いていただいたかと思うんですが、略称について申し上げれば、略称ということであれば、本当に、内容が分かってもらえる、みんなのメダルプロジェクトみたいなものは大変分かりやすい取組であり、そのネーミングによって参加してくれる方、協力してくれる方が増えるというようなことも期待できる。

 制度の重要性について分かりやすく消費者周知を拡大させることは必要でありますし、そうなるものだと理解をいたしますので、消費者に親しみやすいような制度の略称や通称の考案も含めて、効果的な広報の在り方について、環境省とともに検討してまいりたいというふうに思います。

泉委員 大臣からも幾つかまとめてという話があったので、改めて、では、現在の回収率に対する認識というのをお伺いします。

赤澤国務大臣 小型家電にはレアメタルなどの有用な資源が御指摘のとおり含まれており、その回収、リサイクルを進めることは、資源の安定供給の確保の観点から大変重要であると思います。これまでも、関係省庁とも連携しながら、小型家電リサイクル制度の普及啓発や収集運搬コスト低減に向けた優良事例の横展開などの取組を進めてきております。

 ただ、御指摘のように、まだ八・七万トンという実績で、目標とする年間十四万トンには至っておらず道半ばで、背景としては、使用済小型家電の中には、販売量が減少したり、廃棄手段が多様で回収が困難なものもあるといったことが考えられます。

 そのため、対象小型家電の追加や回収手段の多様化への実証、あるいは、今御指摘の名称の問題もあると思います、広報強化に取り組んでいきたいと思います。

 引き続き、環境省とも連携しながら、回収量の拡大に向けた取組を一層強化してまいりたいと思います。

泉委員 伺うと、自治体ごとの回収というパターンと、そのほかにも、宅配回収とか、いわゆる家電量販店での回収とか、いわゆる町の電器屋さんでの回収とか、いろいろなケースがあるわけですけれども、小型家電製品をわざわざ役所まで持っていく人もなかなかそうはいないんだろうなと思うと、恐らくもっと回収のしやすさというものも考えなきゃいけない。

 一方で、リチウムイオンのバッテリーがいろいろなところで火災を起こしておりますので、火災防止対策というのも非常に重要で、私の地元でもやはり、地元の焼却炉の敷地内で突然発火をして、ほかのものも燃えてしまって大変な問題になっている、そういうこともありますので、このリチウム蓄電池について、安全対策というのはしっかりやっていかなきゃいけないわけですが。

 ともあれ、話を伺うと、自治体ごとの回収の中で、それぞれの自治体で、回収できるもの、できないものがだあっと個別に定められているみたいなことになってしまうと、住民からすると本当によく分からないわけですね。

 住民は、小型家電は回収してもらえるのか、もらえないのか、はっきりしてくれというレベルで今悩んでいる方々が多いと思いますので、基本的には、私は、小型家電であれば、ちょっと電球とか蛍光灯とかは違うと思いますけれども、やはり受け付けるという姿勢で対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 小型家電リサイクル法におきましては、現在、御紹介いただきましたように、二十八品目、製品としては九十六製品ということで対象製品として指定してございまして、いわゆる家電リサイクル法の対象製品以外のおおよその家庭用の電化製品は対象となっているものと認識してございます。

 加えまして、近年の普及等を踏まえまして、モバイルバッテリーあるいは加熱式たばこデバイスを含む対象品目の追加を検討しているところでございます。

 引き続き、対象品目の追加につきまして、新製品の動向やリサイクルのニーズも踏まえつつ、必要性を不断に検討してまいりたいと存じます。

泉委員 大臣、この小型家電リサイクルは、資料を見ると、かなり地域的なばらつきがある、そういう回収率になっています。例えば、山陰地方、まさに大臣の御地元の近くだと、非常に、一人当たりの回収のグラム数というか重さがぼんと飛び抜けて他県より高いとか、あるんですよ。

 だから、これはそれぞれの取組に相当ばらつきがあるなと思いますので、是非しっかり各県に取組を促していただきたい等あるんですが、ある地域では、やはり家電量販店さんなんかが回収をするとポイントをつけるみたいなんですね。あるいは地域通貨だとか、そういうものがあると聞いていますけれども、是非、ポイントを付与するような仕組みというのをつくっていくということも提案したいと思いますが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 使用済小型家電の回収方法として、消費者が小型家電を購入する家電量販店などの小売店における店頭回収は有効であると認識をしており、実際に店頭回収に取り組んでいる家電量販店もあるところであります。

 引き続き、環境省とともに、関係業界や事業者と議論をし、委員御指摘のポイント付与などのインセンティブ活用の可能性も含めて、回収量拡大に向けた効果的な方策について検討してまいりたいというふうに思います。

泉委員 ありがとうございました。

工藤委員長 次に、中野洋昌君。

中野(洋)委員 中道改革連合の中野洋昌でございます。

 久しぶりに経済産業委員会で質問をさせていただきます。貴重な機会を頂戴をいたしました。感謝申し上げます。

 私の方からは、冒頭、先ほども議論になっておりますが、やはり地元でも様々声が多いですので、ナフサの関係の質問から入らせていただきたいというふうに思います。

 昨日、官邸の会議でまた新しい発表もございまして、配らせていただいた資料、少し前の資料でございます。本当は昨日の会議の資料で出せればよかったんですけれども、少し恐縮ですが、そこから更に話が進展しているという前提で、昨日の会議のことも少し踏まえて質問をさせていただきますので、通告より少し新しい要素が入るかもしれませんけれども、できるだけ可能な限り答弁いただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 配らせていただいた資料はまだ四月の頃の資料ということでございますけれども、やはりナフサの問題は、石油と違って備蓄がないということ、製品在庫みたいな備蓄はあるんですけれども、国全体としての備蓄がないということで、そうすると、四月以降、中東からの輸入というのが非常に激減をいたしまして、代替調達を頑張っていただいている、マクロにはそういうことだと理解をしております。

 四月の末の資料の時点でも、八割ぐらいは代替調達が、たしかナフサはできているという状況で、昨日の会議だと、八五%までそれが加速をしているという発表があったと理解をしております。

 これは原油の場合ですと、製品在庫とか、いわゆる在庫を活用という部分が、足りないところを備蓄を放出をして対応するということですので、これは供給ができていますよという説明が、非常に皆さん素直に受け止めて、まあ、値段の問題というのは当然あるんですけれども、そういう状況だと思っております。

 他方で、ナフサというのは、在庫を活用すれば、当面の必要なものは足りているんだというふうな御説明をずっとしていていただいたと思います。マクロの数字で、当面の必要なものが足りているという政府の説明と、しかし他方で、ミクロの現場目線というか、そういういろいろな例えば工務店であるとか現場の事業者からは、しかし、これが入らなくなっているではないか、こういうギャップがあるということをずっと感じておりました。

 もちろん、余りマクロの議論ばかりしていても、先ほど来お話がありました、ナフサはそれ以降、いろいろな基礎化学品になって、また川中製品になってとサプライチェーンがかなり複雑でありますので、当然、最後は一個一個見ていかないといけないということではあるんですけれども。

 私も素直に、ずっと説明を聞いていて、代替調達ができているんだけれども、あとは在庫を活用するということで、本来であれば、一〇〇%輸入をしていく中で更に上に在庫が乗っているのが通常の状況ですので、基本的には、そういう意味では少しタイトな状況が続いているのかなというふうにも感じておりまして、その中で事業者の皆さんが不安を感じて、いろいろな受注もふだん以上にされる中で目詰まりがどこかで起きる、そして入らなくなるということを理解をしております。

 なので、マクロのところを見ると、代替調達というのが実際どこまで進んでいくのかというところが、回復をしてくれば、それは非常に、ある意味、通常どおりで安心だということなんだとは思うんです。ただ、これが、今八五%ということで、これをこれ以上上げていくのが、恐らく、値段の観点ですとか、あるいは品質の観点ですとか、いろいろな課題はあろうかと思うんですけれども、これが今後どこまで上がっていくのか、供給ですとか代替調達というのがこれから更にどこまで加速していくのかというところについて、まず冒頭、御質問、今の見通しということでいただけますでしょうか。

伊吹政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問いただいたとおりなんですが、原油、石油製品については日本全体として必要となる量は確保できておりまして、お配りいただいた資料から変わっているところは、従来は年を越えてということだったんですが、昨日の閣僚会議で示されたのは、年度を越えて来年の春まで安定供給を確保できる見通しですということでございます。

 ナフサの代替調達についてですが、先生の資料にも書いていただいているとおり、五月は百三十五、従来の三倍程度という見通しをしてございます。この左下の図の見通しを作るときは、この百三十五が続くという前提で作らせていただいてございます。

 どうして年度を越えてということなんですが、代替調達で八五%程度まで回復をしたということと、先生の図でいいますと、川中の製品調達、4というのがありますが、ここが実は四月は大幅に進んでございます。したがって、先生の図でいうと上から二つ目の黒ポツに書いてありますが、一・八か月という在庫、これは川中の在庫ですが、これがもっと減るのかなということを心配していましたが、減り分は〇・一か月分に抑えることができましたので、そういった全体の状況を踏まえると、年度を越えて供給が継続できる見通しだというふうに今の段階では判断をしてございます。

 引き続き、国民の皆様の生活と経済に与える影響を最小化できるよう、全力で取り組んでまいりたいと思います。

中野(洋)委員 局長、もし可能であればなんですが、代替調達という部分が、今八五から、これが更に上がる見通しがあるのか、何か今後の見通しが、もし今言えることがあればということでお願いできますか。

伊吹政府参考人 代替調達は、石化メーカーさんが直接調達する分と、それから、商社さんから経由をして調達をする分がありますが、そういったヒアリングを聞いておりますと、この五月の百三十五というレベルは継続できるんじゃないかということを聞いているという状態でございます。

中野(洋)委員 ありがとうございます。

 大臣にちょっとまた別の観点から御質問をしたいんですけれども、これは結局、マクロで見ると、そういう意味で総量が現状のところ確保できているという御説明ですとか、あるいは、昨日も、先ほど泉先生からも御質問がありましたが、シンナーのメーカーにはトルエン等について例年を上回る供給をして製造を増やしていくということは、私はこういう取組は非常に大事だと思っております。

 他方で、じゃ、ミクロの現場のお話を聞くと、私は昨日も、いろいろな建設関係の人もお話を伺ったんですけれども、状況はかなり千差万別でございまして、全然入らないというふうな塗料の工務店のような方もいらっしゃれば、通常のシンナーとかは何とか確保できるんだけれども、やや特殊な、もうちょっとニッチな製品については入らなくて困っているみたいな話がありましたりですとか、あるいは地域によって、余り値段が上がっていないというお声もあれば、物すごく今後の製品について値上がりを言われているというところもありまして、これはやはりミクロで見るとかなり千差万別な状況だとは思うんです。

 他方で、今シンナーの話題を出しましたので、建設業の話をしますと、例えば、大きな現場があって、塗料が八割確保できているから、じゃ、工事を八割進めましょうということには、先生も御承知のとおり、それはならないわけでありまして、八割塗って、後、工事が完成しないとなるとやはり困るので、そうすると、大きな工事そのものをちょっとしばらく飛ばしましょうというふうな話にもなりますし、工期がふだんの一・五倍になりそうだというふうなこと、余り資材が入ってこないので工期が延びるということになれば、それだけ足場を組む期間も一・五倍で、料金も一・五倍でというふうな。そういういろいろな経営判断を考えると、やはり、少し足りないとどうしても動かなくなるというふうな現状の中で、体力のない、そうした事業者の方からどんどん、これは本当に今後が心配なんだと。あるいは、職人さんからすると、現場が止まると実入りも入らなくなりますので。

 そういう意味では、やはりこうした、マクロの取組は是非続けていただきたいんですが、個々の事業者の、ミクロの現場の観点にも是非立っていただいて、やはり資金繰りの支援でありますとか、あるいは、価格もかなり値上がっているところもあるというふうなお声も地域によっては聞いているところもありますので、じゃ、これが、頑張って建設資材を入れたけれどもかなり高い値段で、本当に価格転嫁できるんだろうかとか、いろいろな御不安の中で皆さん経営をされておられますので、こうした資金繰り、あるいは価格転嫁ができるかどうか、Gメンとかいろいろなこともあると思いますので、是非ここはしっかりと現場の声を聞いて、それに応じて取組を強化をしていただきたいんだ、これを私は大臣にお願いしたいんですけれども、いかがでございますか。

赤澤国務大臣 石破政権で共に閣僚であり、国土交通大臣を務められましたので、私よりよほど現場のことを分かっておられると思いますが、おっしゃっていることは本当によく理解できますし、しているつもりでございます。

 そういった中で、なかなか解決できないのは、一つは、やはり野党の先生方からも、与党もそうですけれども、結局、よく聞かれるのは、あなたは川には水があり、貯水池には水があると言うけれども、水道の蛇口をひねると出ないんだよと言って怒られるんですね。ただ、私どもは、その水道がどこの家の、例えですけれども、きちっと教えていただければ、本当に数百人、各省、人を用意して、マンパワーで全部サプライチェーンを遡るので、具体的な話があれば、是非それは教えていただければ、一つ一つ解決をしていきたいというふうに思うのが一つであります。

 その上で、価格が上がっていることも認識をしておりますが、一つ、昨晩の会議で説明して、話題になっております例の一・八倍ですね。中小企業や小規模事業者の方々から、調達の遅れや価格転嫁に関する懸念の声をお伺いをしておりますが、昨日、関係閣僚会議で総理から発表した、塗料、シンナーの原料であるトルエン等について、メーカーからの要請に応じて直接供給することで、最大で例年の一・八倍の大幅な供給拡大を実施できるということになります。

 これで期待をしているのは、需給逼迫によって価格が今上がっている分が、これから日本全体で供給量が通常の八割増しで出てくるぞと思えば、おのずと下がってくるだろうということを期待をしていまして、一定の引下げ効果が期待できると思います。

 また、これまでも、中東情勢の影響を受ける中小企業に対して、特別相談窓口の設置やセーフティーネット貸付けの金利引下げ、コスト上昇を考慮した価格転嫁要請といった支援も実施してきております。

 加えて、先月二十五日に総理が発表した、セーフティーネット保証五号に中東情勢の影響を受ける業種を追加指定するとともに、価格転嫁を徹底すべく取引Gメンが重点調査するといった支援を強化をしております。

 なかなか、全てを満足にということができておりませんけれども、情報をいただきながら最大限努力をしていきたいと思いますし、今、問題意識としては、まさに御指摘の建設関係のシンナーとか、あるいは溶剤関係が多いのと、もう一つは、やはり自動車とか町工場の潤滑油について物すごく声が上がっているので、こちらもあと一つ、二つ打つ手があるだろうと思って準備中でありますので、できることは全てやっていきたいと思います。

中野(洋)委員 是非是非よろしくお願いします。

 ナフサは、本当にサプライチェーンの先が長いので、本当に大変だとは思いますし、経済産業省の職員も本当に頑張っていただいていると思います。実際、事業者からも、通報窓口に連絡したら本当に経産省から連絡が来たということで、そういうお話をいただいたこともあります。

 そういう意味で、頑張っていないと私は申し上げるつもりはございませんけれども、しかし、現場目線での不安も非常に高いということも改めてお伝えをしたいと思いますし、目詰まりの対策をずっとやっていただいている中で一つ気になっておったのが、個々の事例をすごく把握していただいて、個別に解消をしていただくというのをかなりやっていただいていると思っています。当然、初期の目詰まりの段階では、やはり一番困っているところに優先供給をどうするのかという、医療もそうですし、そういうことはすごく大事だと思いますので、そういう取組は非常に大事だと思います。

 他方で、おっしゃられている、建設のシンナーですとか、あるいは潤滑油もそうですね、いろいろな製造業の現場もそうですし、私も、潤滑油で、そういう重機みたいなものの製造のところも、何かふだんより全然、発注してもいつ来るか分からないみたいな、いろいろなところで影響があるとは思っているんですけれども、特にシンナーとかですと、メーカーが一・八倍製造したとしても、そこから卸と小売の更に先がありまして、これがどこかで押さえていて、それがなかなか出てこないんじゃないかみたいなことも容易に想定をされます。そうすると、個々の事業者からすると、なかなか、どの卸が出してくれないというのを、じゃ、言ってくれと言われても、ふだんのおつき合いもあるのでなかなかそれも言えないよというふうなお声もありますので、これは、もう少しマクロの視点で、この製品についてはこのくらいの生産があるみたいなマクロの情報の発表というのが大事なのかなと。

 そういう意味では、先ほど大臣がおっしゃっていただいた、シンナーについてはかなり製造を増産をしていただいているという発表を出していただいたので、そうすると、下の小売、卸みたいなところも、これはかなりだぶつくんだったら出さないといけないなとか思っていただく可能性もあるというふうに思っております。いろいろな分野でそういう、もう少し、個々の商品がどのくらいありますという情報を発表していく形のような目詰まり解消の対策も是非続けていただきたいというのが一つ。

 もう一つは、これは、昔よくお米が足りないみたいなときに、お米は総量はあるとか卸が持っているんだとか、結局、生産が結構いっぱいこれからあるとか、いろいろな情報があっても、実際、現場になかなか出てこないというふうなことがあって、恐らく卸の方が、じゃ、幾らの価格で買ったやつを幾らで出せるのかみたいなこともあろうかと思うんです。そういう意味では、じゃ、詰まっているのが分かったんだけれども、ある意味、製品を増産するというのは、かなりそれを出させる一つの手だとは思うんですけれども、詰まっているところは分かっているんだけれどもなかなか出てこないみたいなことも、事業者の数も多いので、そういうこともちょっとあり得るんじゃないかなと思っております。そういうときにどういう取組をするのかというのも、少し、経産省として、そういうときはこういうふうなことをやっていくというふうな対策も是非考えていただいた方がより物が動くのではないかというふうに思っております。

 こうした目詰まり対策をどう改善をしていくのか、そういうことを是非答弁いただきたいと思います。

伊吹政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、マクロでは、ナフサの代替調達八五%で、石油製品全体では年度を越えてということなんですが、目詰まり、それから供給の偏りについては、原因は一応三つあるというふうに我々は思っていまして、一つは、川上と川中で供給見通しが共有されない、この場合に供給量が制限をされてしまうというケースが一つ、それからもう一つは、事業者間でタイムリーなコミュニケーションが不足しているために物が十分供給されないというのがもう一つ、それから最後は、一部の川上の方々が、実績以上の発注をするということで、こうした原因によって、一部で供給の偏り、流通の目詰まりが発生しているということかというふうに考えてございます。

 今御質問いただいた中で、個別の製品についてどういう見通しなのかということなんですが、これは昨日の閣僚会議でも実は御報告をしているんですが、川上でいうと石油化学工業協会、それから川下でいうと、日本塗料工業会、インキ工業会、塩化ビニル管・継手協会、ウレタンフォーム工業会、フェノールフォーム工業会、押出発砲ポリスチレン工業会、キッチン・バス工業会、大体工務店の方々が使うもの、川下製品について、三、四月はきちんと供給していましたよということと、五月以降も継続的にきちんと供給できますということを各工業会が自分の見通しとして公表していますので、昨日の閣僚会議でそれを報告をさせていただいていますというのが一点でございます。

 それからもう一点は、情報提供窓口を関係省庁につくっておるわけですが、そこでサプライチェーン情報を集約して、一個一個遡って問題を解決するということに加えて、地方経済産業局、それから、もちろん整備局とか運輸局とか、そういう政府を挙げて、これは工務店とか自動車整備事業者、それからその上にいる卸さんですね、この方々に対してプッシュ型で、あなた方は今どういう状況になっていますかという情報を集約して、供給の偏りの是正とか目詰まりを引き続き解消していきたいというふうに思います。

 あとは、こうした情報を広く正確にお伝えするということが大事だと思っていますので、経産省のホームページで中東情勢関連対策ポータル、こちらで情報発信をして、それからSNS、それから三つ目は、広報担当官が毎日ブリーフィングさせていただいていますので、きめ細かく正しい情報を皆さんにお伝えをするということに努めていきたいというふうに考えてございます。

中野(洋)委員 先ほど局長がおっしゃっていただいた、プッシュ型で経産局とか、まあ、農政局とか運輸局とか、ほかの役所も動くと聞いていますけれども、個々の事業者のどうしても言いにくいという部分がかなりあろうかと思いますので、プッシュ型での情報収集というのは是非やっていただきたいというふうに思います。

 そういう、もう少しマクロのところの目詰まり解消の対策というのを是非進めていただくのと、あとは、先ほど大臣にお願いをした現場のところの事業者の体力等も見ながらの支援というところを是非力を入れていただきたい。いろいろな形で現場から来るお声も是非届けさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 残りの時間が少し短くなってまいりましたので、ちょっと質問を飛ばさせていただいて、今日の午後から補正予算の議論も始まりますので、大きくは予算委員会等での議論になってくるかと思いますけれども、中東情勢を踏まえた緊急的な激変緩和措置、ガソリン等の支援というところで大臣に質問をさせていただきたいんです。

 これは、元々、当初予算の議論をしていく中でも、かなり、この事業を三月から始めていただいて、金額については、当時聞いたのは、リッター当たり例えば三十円ぐらい補助をするとなると、やはり月間三千億ぐらいは予算がかかるんじゃないかというふうなお話もありまして、これは基金の残高と予備費だけではなかなか先まで続かないんじゃないかというふうな話は当初予算の議論のときからさせていただいておりました。

 今回、予備費という形で更に積み増す中での対応をしていくということだと思うんですけれども、これはなかなか今後の、当然、まだ原油の価格は高いので、これを直ちに、いきなりこれを、じゃ、やめると現場も本当に大変ですので、そこはしっかりやっていくということだとは思うんですけれども、今後の持続可能性というか、経済産業省も各国のいろいろな原油というか、ガソリンの価格の比較も出していただいていますけれども、かなり日本の場合は値段を抑えているというふうなこともありまして、そういう意味では、ある意味、市場原理からすると、本来はもう少し省エネをしようとか、いろいろな構造転換をしていくような方向というよりは、何とか値段を抑えてこのままいこうというふうな、そういう制度にもなっておりまして、本当にそういうことが持続可能なのかというふうな問題意識もあります。

 そういう意味では、今後の支援の在り方をどうしていくのかということは、どこまでどういう持続可能性でやっていくのかということも視点としては必要なのかなというふうに思いますけれども、これも大臣、どういうふうにお考えか、答弁をお願いいたします。

赤澤国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 御指摘のとおりで、実は四月分の執行額が約三千百億円ということで、基金残高が五月末時点で六千七百億円ということになりました。おっしゃっていた三千億と比較すれば、あと何か月分ぐらいのことがちょっと想像できるような、そういう状況にあると思うんですけれども。

 それで、燃料油価格の激変緩和措置は、ガソリン価格が二百円を超える水準に急騰するおそれがあったということで、国民の皆様の生活と経済活動を守るために、緊急的、例外的に、可及的速やかにガソリン価格を引き下げるために講じたものであります。

 本措置の今後については、与党からも、中東情勢、価格動向、支援策の持続可能性を勘案しつつ、政府として柔軟に対応すべきという提言もいただいております。

 これも踏まえて、引き続き、中東情勢が今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、今後への万全の備えのために創設をいたします中東情勢等対応予備費も必要に応じて活用しながら、国民の皆様の暮らしや経済活動に支障が生じないように、適切に対応してまいるということを申し上げておきたいと思います。

中野(洋)委員 予算委員会もこれからありますので、その中でしっかり議論をしていきたいと思います。

 最後に、大分時間も短くなってしまいますが、AXについてちょっと是非赤澤大臣にお伺いをしたいと思っておりまして、これは成長戦略として大事だと思います。

 私、経済産業省の、公明党にいたときは部会長もずっとやっておったんですけれども、新しい経済産業政策を考えるということで、産業構造審議会で新機軸部会というのがずっといろいろな議論をしていまして、この議論、個人的には非常に面白い議論だということで評価をしているんです。

 特に、今までの経済産業政策を、市場に任せるというよりもミッション型にして、それで国も一体となって後押しをするみたいな、半導体の支援とかもそういう形でやってきたと思いますし、それが成長投資という現政権の考え方というのに結びついているんだろうというふうにも思っております。この中で、AI、AXというのが非常に大事だということがまた議論をされておられます。

 私、経産省は、DXも結構早めに打ち出したと思っていまして、そういう意味では非常に視点はいいというふうに思うんですけれども、ただ、それがなかなかその個々の企業の行動変容までいかなくて、打ち出す視点はよかったけれども、なかなかそれが産業政策として全体的に波及しているかというと、そこは不十分なんだろうと。それはどういう支援の在り方があるのだろうというのは、私自身も非常に悩ましい問題だなとは思っておりました。

 今回、AXで、特にAI全体でいうと米中が圧倒的に強いですので、今回フィジカルAIが日本の強みだということを大臣も言っていただいて、私も政務官もやっていたときに、例えば物流のスタートアップ企業みたいな、ああいうある意味フィジカルAI的な、そういうことで頑張っているような現場も視察させていただいた。リアルデータとの連携というのは非常に期待をしている部分でもあるんです。

 他方で、じゃ、ロボットだけで見ても、今中国もかなり正直伸びているような現状もある中で、本当にフィジカルAIというリアルな部分だから日本が勝てるのかというと、これはなかなか、それも容易ではないのではないかというふうにも思っておりまして、支援の内容、規模、戦略、こうした点で、かなりこれは腰を据えて取り組まないといけないテーマだと思っております。

 大臣も非常に力を入れておられるというふうにもお伺いしましたので、是非このAX、特にフィジカルAIというところで、どういう形でしっかり勝ち筋を見つけていくのかということについて、今の大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

赤澤国務大臣 これも大変重要な御指摘だと思います。

 DX、取組が早かったというところは褒めていただいたんですが、DXもAXもポイントは、デジタルあるいはAIを導入して、一部何か作業を効率化するとかいう話じゃなくて、もう業務のやり方そのものを変えるという意味でトランスフォーメーションという言葉だと思います。

 危機管理投資、成長投資を通じた強い経済の実現に向けた肝は、あらゆる産業分野におけるAIトランスフォーメーション、AXということだと思います。これは、しばらく前に、例えば安宅和人さんが片仮名で「シン・ゴジラ」みたいに「シン・ニホン」という本を書かれて、その中でおっしゃっていて私も目を開かれたんですけれども、要は、もう十年近く前から、そういうデジタルの一番先端を知っている人たちはビッグデータ掛けるAIの時代が来ると。AIだけじゃない、ビッグデータ掛けるAIだと。

 各分野でAXを進めるには現場データが鍵ということでありまして、そういう意味からすると、我が国の勝ち筋を考えると、超高齢社会の災害大国ということで、これは、高齢者の方が多いことは財政的にはピンチかもしれないし、災害が多いのはもちろんピンチなんですけれども、そういうピンチをチャンスに変えていく。高齢者や災害がどこの国より多い我が国が、そこのデータで勝負をすると勝ち筋だということだと思いますし、また、まさに製造業の現場が経産省でいえば世界に誇れるものがある。福島第一原発の事故を経験した我々は、世界で唯一、チェルノブイリはもう石棺にされてしまいましたので、廃炉の現場があるといったことで、高齢者のヘルスケアとか、災害対応技術とか、製造現場、福島第一原発の廃炉の現場で蓄積されるであろうデータが日本のまさに勝ち筋なんだと思います。

 現場のデータを活用してAIをいち早く実装して、AIはデータが積み上がると更に進化するところがあって、進化がちょっと垂直に立ってくるようなところがあると思うので、世界に先駆けて日本の強みを生かせるフィジカルAIやロボットのデータ基盤を構築をし、それを成長させていく。できれば、もう汎用データ基盤にしていくような勢いだと思います。

 成長分野の十七分野の一つであるAI・半導体では、フィジカルAIを対象にしており、ビッグデータが豊富な日本の強みを生かして、製造業等の現場データの利活用の促進とか、AIロボット等の領域特化モデルの開発、フィジカルAIの実現に不可欠な国産の基盤モデルの開発などの取組を進めて、グローバル市場で何とか勝ち筋を見つけ、実現をしていきたいと思っております。

中野(洋)委員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

工藤委員長 次に、吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 中道改革連合の吉田宣弘でございます。

 本日は、質疑の機会をいただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。

 くしくも、私の今日準備した質問も、先ほどの大臣の答弁の中から少し関連をするということで、今日は、トランスフォーメーション、それも社会課題の転換という観点から少し質問させていただきたいんですけれども、経済産業省で取り組んでいるヘルスケア産業政策、これが私はまさにトランスフォーメーションなんだというふうな視点で少し始めさせていただきたいと思っています。

 DX、GX、そしてAIX、この記号化されたXという記号の意味というのはトランスフォーメーションであり、これが、大臣もよくおっしゃられるピンチをチャンスにというふうなことで、転換をするということが私は今の政府の政策の肝なんだろうというふうに思っているんですね。

 これをもう少しかみ砕いて私の理解で説明をすれば、DXにおいては、近年の労働力不足という社会課題を、デジタル技術の活用でこの課題を転換し、労働力不足をカバーするに余りある利益を残す、その技術がDXなのかと。

 また、GXも同じなんですけれども、グリーン技術の導入というのは、化石燃料をそのまま普通に使い続けるということに比較をすれば、これはもうコスト以外の何物でもないのですが、世界中で脱炭素社会を構築することがマストであって、サプライチェーンから炭素を排出するという手法を排除しようという取引がスタンダードになってきた昨今では、この状況を逆手に取って、グリーン技術の世界実装で、コストであるはずのグリーンを、実装を、逆に利益に転換することができるというふうなことなんだろうと思っております。

 また、AIX、先ほど大臣もお述べになられましたけれども、これからあらゆる産業分野のあらゆる職場を変えていくことになろうというふうに推察をいたしますが、私はその変化が転換だと思いますけれども、今ある私たちの恐らくAIに対するミッションというのは、使い方を間違っちゃいけないということなんだと僕は思いますね。使い方、すなわち人間がこのAIを使うということの目的が、やはり人類の幸福、それから幸せな繁栄、そういったものに使っていかなければいけないんだろうと、私は、後に子孫がどんどん使っていくでしょう、今それが私たちのミッションなのかなということを考えながら、今、仕事も、AIについて研究をしているところでございます。

 こんなことを申し上げた上で、今の日本の社会課題の一つが、私は高齢化だというふうに思っております。

 もちろん、歴史を築いてくださった先輩方が大いに長生きをしていただくということは、後に続く我々世代においては喜び以外の何物でもないし、日本はこれからも長寿国家として栄えていただきたいと心の底から思います。

 しかし、お年を召されると体が弱ることは必然でございまして、ドクターのお世話になる機会も増えることになると思います。そうなると、医療費をどう負担するかというのが課題となって、そして、御存じのとおり、日本は国民皆保険制度という世界に高く評価されているシステムの下で、基本的な窓口負担は三割で医療を受けることができますが、しかし、残りの七割というのは保険であったりとか税金であったりという形でカバーをされている。介護保険も同様の負担構造であろうかと思います。したがって、このような国民負担の現状から高齢化を考えれば、これはやはり社会課題なんだろうというふうに思います。

 では、この課題解決は厚労省だけのミッションなのかというと、私は厚労省の別に悪口を言うつもりはさらさらないのですが、今日はいらっしゃらないんですね、ちょっとあえて申し上げますが、医療保険制度も介護保険制度も、誰がどのくらい負担するかという構造から抜け出すことができないんですね。だから、トランスフォーメーションができないんです。誰かが負担しなきゃいけないということなんですが、DX、GX、AIXのように、社会課題をプラスに転換するというふうなものがこの制度の下ではできない。一部、間接的にできるところはあるのかもしれませんけれども、やはり構造的にできないんだろうと思っています。

 でも、この社会課題ですらプラスに転換しようとする政策をやっているのが、冒頭申し上げた経済産業省のヘルスケア産業政策だというふうに思っているんですね。私は、この高齢化という社会課題、これをトランスフォーメーションすることを目指す経済産業省のこの政策を非常に高く評価しておりまして、この政策が今後更に深化し、充実そして拡充していくことで国民の皆様の幸福に資する、そういったことになっていくだろうと思うし、私は、通告に従って、このような観点から質問を進めさせていただきたいと思っております。

 そこで、まず基本的な質問から申し上げたく存じますが、経済産業省がヘルスケア産業政策に取り組む理由、そしてまた目的について、国民の皆様に分かりやすくお示しいただければと思います。

江澤政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国は、少子高齢化の進展により、労働力不足の深刻化や社会保障費の増大といった課題に直面しています。

 このため、ヘルスケア産業の振興を通じて、国民の予防、健康づくりを強化することで、国民の健康寿命を延伸し、生涯にわたり健康に社会で活躍いただくとともに、新産業の創出を同時に達成し、社会保障の持続可能性の確保につなげることを目的としております。

吉田(宣)委員 厚労省が聞けば泣いて喜ぶ答弁だったと思いますけれども。

 本当に、これは後ほど述べていきますけれども、一石二鳥以上のものが私はあると思っているんですが、今答弁をいただいた新産業の創出という点、これを非常に私は重視していまして、もちろん、あるべき医療費、介護費の実現というところに目的はあるわけでございますが、そういった意味においてこの新産業の創出というのは手段的ではございますが、経済成長という観点からすると、非常にすばらしい効果なんだというふうに思っております。

 そこで、この新産業の創出という答弁の中で、これまでどのような産業が創出をされて、これからはどのような産業の創出が予想されるかについて、また参考人から御答弁いただければと存じます。

江澤政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省では、これまで、個人の健康医療情報であるPHR、パーソナル・ヘルス・レコードを活用したユースケースの創出や、データ標準化等の事業環境整備に取り組んできました。その結果、医療や日常生活分野において、食事、睡眠、運動などのライフログデータを活用したサービスが開発され、ビジネスの展開が進んできたものと考えています。

 今後は、AI等の先端技術の活用やアカデミアと連携したエビデンスの構築といった支援を通じて、質の高いヘルスケアサービスの社会実装につなげることにより、介護予防や職域などの幅広い分野において、PHRに基づいた効果的かつ個別化されたサービスの創出が期待される、このように考えております。

吉田(宣)委員 御答弁ありがとうございます。

 その上で、様々な産業があり、PHR、パーソナル・ヘルス・レコードがあったり、恐らくビッグデータの基礎になってくるんだと私は思うんですね、こういったビッグデータの基礎になってくるものが集積をされて、AIを使って更に解析をされて、更に効果的な産業政策であったり国民の健康増進であったりとかいうふうなものに私は活用できると思うし、ここはビジネスチャンスだというふうに私は思っております。AIの活用の仕方で国民の幸せを増進するというふうなことにも私はなるんだろうと思っております。

 これら産業が活性化することで国民の健康増進につながることを私は今繰り返しですが確信しておりますが、この領域はビジネスでございまして、すなわち産業。厚労行政の範疇ではないが、繰り返しになりますが国民の皆様の健康増進につながる、経産省がこれを推進しているということでございます。この取組は、ひいては国民が医療や介護にお世話になる確率を減らして、医療費や介護費の節減にもつながると思っています。あわせて、繰り返してしつこいですけれども、ビジネス展開が行われ、そして経済成長という効果も生み出していく、まさに一石二鳥の政策であって、高齢化という社会課題を転換し経済成長に導く、私はトランスフォーメーションであるというふうに思っております。

 ただ、しかし、このトランスフォーメーションという意味合いを、経済産業省の政策、これをそのまま使う、使うというか、経済産業省におけるヘルスケア産業政策というふうになってしまっているんですよ。これ以上の言葉がなくて、トランスフォーメーションと読み込めないんですね。なので、何とかこれを、社会課題を転換して利益を生み出すというふうな観点を含ましめた政策の呼び方にできないものなのかというふうに思ったりします。

 私の拙い思いつきですけれども、これは誰でも考えつく、ヘルスケアXとかHCXとか、Xをただ単に組み合わせるというふうなことはあるのかもしれませんけれども、もっと国民の皆様に親しんでいただけるというか、もっと一言でぴんとくるというか、トランスフォーメーションが含まされた呼称というか呼び名というか、何かいい考えがないかなと思って、まず政府参考人の方からちょっと聞かせていただければと思います。

江澤政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省では、ヘルスケア産業政策を通じて、少子高齢化等の社会課題に変革を、まさにトランスフォーメーションをもたらそうとしているところでございます。

 政府としては、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画二〇二五において、ヘルスケア分野における必要な改革を示す概念として、ヘルスケアトランスフォーメーション、HXを掲げているところでございます。

吉田(宣)委員 そうなんですよ。政府の文書には入っているんですよね。

 ただ、じゃ、私がこのテーマについて質問するときに、ではHXについて質問しますと言って、どれだけの皆様がこれでヘルスケア産業政策と併せて理解をしてくださるかというと、私はすごく、実はそうじゃないんだろうなというふうに感じているんですね。

 なので、その点、別に参考人の今の答弁をけなすわけでは決してございませんが、大臣、もっといい呼び名は何かないのかなというふうにやはり思うんですけれども、大臣の思いといいますか、それも重ね合わせて御所見をいただければと思います。

赤澤国務大臣 生産年齢人口が減少し、社会保障負担が増大する中、ヘルスケア領域で変革し、挑戦する人や企業が報われる経済構造、これに転換する必要が非常にあると思いまして、これがまさに委員御指摘のヘルスケアトランスフォーメーションだと考えており、私はこの名称はなかなかいいなと思ったんですけれども、ヘルスケアトランスフォーメーションということでやり取りをさせていただければと私は思っております。

 これを成功させる鍵が、やはり、医療、介護に加え、予防、健康づくりも含めたAIトランスフォーメーションだと思います。具体的には、委員の御指摘を受けて、我々は、ヘルスケアトランスフォーメーション、どういうことで考えていこうかというので、三本柱を考えまして、革新的創薬や医療機器のイノベーション加速が一つですし、二つ目が介護AX等を通じた医療・介護提供体制の持続可能性の向上、それから三番目がライフログデータを用いた質の高いヘルスケアサービス創出や健康経営の普及強化を通じた攻めの予防医療による健康経済実現ということで、三本柱、端的に言えば、創薬、医療機器の関係、それから介護AXなど医療・介護提供体制、三番目に攻めの予防医療という三本柱で変革をもたらしてまいりたいと思います。

吉田(宣)委員 ヘルスケアXというふうなことがやはり一番フィットするのかなと思いますけれども、私、言葉の使い方にこだわるわけでは決してないんですけれども、経済産業省におけるヘルスケア政策じゃないんですね、ヘルスケア産業政策なんです。そこはやはり経産省の矜持なんだろうと私は思うんですね。産業政策で国民の健康を増進し、そして医療費や介護費用のしかるべき適正化というふうなものにつなげていく、そういったことが目的なんですけれども。これはだから、ヘルスケア政策としちゃうと、厚労省とガチンコしちゃうのかなというふうな気もします。

 ただし、今大臣から答弁がありました、創薬であったり医療機器、それから介護DX、そういった話、また予防医療、これは健康経営とか、そういった三本柱の中で、やはり経産省が果たす役割というのは物すごく大きいと思うんですね。だから、厚労省は経産省のこの取組をもうちょっと熱心に研究していただいて、恐らく泣いて感謝の意を経産省に示していただかなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思っているわけですけれども、済みません、誰も、経産省、いないので、今日はちょっとそういうふうにして、経産省を褒めたたえた上で、また質問を進めさせていただきます。

 次に、経済産業省は、会社経営における健康経営、健康投資という政策を推進をしておられます。

 健康経営とは、私の拙い理解で申し上げれば、従業員の皆様が日々健康に仕事に取り組んでいけば、これが、会社の中で最大限の実力といいますか、充実した仕事ぶり、仕事を発揮していただいて、最後は会社の実績向上につながっていくというふうなことで、会社の経営者が従業員の健康管理、そういったものに関して最大限ケアしていくというふうなことなのかと思っています。そして、健康投資ですから、その分お金をかけていく、経営者が企業の資産を費やしていくということなのかと思いますが、これは私の雑多な理解でございます。

 その上で、正確な理解を国民の皆様に促すために、政府参考人からこの健康経営、健康投資について正確な御説明をいただければと思います。

江澤政府参考人 お答え申し上げます。

 健康経営と健康投資についての御質問でございます。

 経済産業省の政策において、健康経営とは、従業員の健康保持増進の取組が将来的に収益性等を高める投資であるとの考え方の下、健康管理や経営的視点を考え、戦略的に実践することを指します。また、健康投資は、健康診断の受診促進やメンタルヘルス対策など、従業員の心身の健康増進などの取組に投資することを意味しております。

 こうした健康経営や健康投資を行うことは、従業員の活力の向上、生産性の向上、組織の活性化をもたらして、結果的には業績の向上や株価の向上につながることも期待される、このように考えています。ひいては、生産性向上、持続的成長を図っていくことは我が国にとっても重要である、このように認識しております。

吉田(宣)委員 実は、これも厚労省を責めるわけじゃないんですけれども、会社経営者がこの健康経営、健康投資というふうな発想を元々持って経営に当たっていれば、私は、働き方改革とかそういった概念は出てこなかったんじゃないかなという気もするんですね。そういった意味では、出てきているということはこういう会社経営の感覚になかなか今まで及びつかなかったんだろうと。

 正直、私も昭和世代でございますから、地方公務員をやっていたときにはもう馬車馬のように仕事をしておりまして、月に二百時間を超える残業というのはやっていたりしていたんですね。普通の地方公務員がですよ。結局、働いて働いて働いてというのは、総理が言われなくても普通にやっていた世代が私たちの世代だと思いますけれども。

 ただ、そういったことで健康を害したということはやはりあり得るんだろうと思います。そういった意味では、この健康経営、健康投資ということは非常に重要な視点でありまして、この取組を普及していくということが私は大切なんだろうと思っております。

 そういった意味におきまして、この健康経営と健康投資、どのように普及する取組を行っておられるのかについて、また参考人から御答弁いただきたいと思います。

江澤政府参考人 経済産業省では、健康経営の普及に向けて、取組企業の見える化を進めております。

 二〇一六年から健康経営優良法人の認定を行っているところでございます。初期は数百社にとどまっていたわけでございますけれども、二〇二五年度は、大規模法人部門が三千七百六十五社、中小規模法人部門が二万三千八十五社ということで、五年前は一万社に満たなかったんですけれども、それが合わせて二万七千社ということで、毎年確実に増加をしています。

 加えて、金融市場からの適正な評価をいただきたいと思っていまして、健康経営優良法人の中でも特に優れた取組を行っている企業を健康経営銘柄として、原則一業種で一社、選定を行っています。本年も、二十八業種で四十四社、選定したところでございます。

 さらに、選定された企業の公表、健康経営の基本的な考え方や導入ステップ、実践事例を盛り込んだ健康経営ハンドブックの発行、国内外の有識者を集めたフォーラム、地方セミナー、大学の講義等を通じて普及啓発に取り組んでいるところでございます。

吉田(宣)委員 どんどんどんどん普及啓発が進んでいることをうれしく思いますし、今後も是非継続をして普及啓発にお努めいただければと思います。

 ただ、企業様の状況も、中小零細企業というと、健康経営、健康投資というふうなことを理解されていても、実践するにはやはり、資金面であったり、そういったハードルもあるのも事実なんだろうというふうに思うんですね。

 そういった意味から、中小零細企業が健康経営を行うインセンティブ、そういったものが必要なんじゃないかというふうに思いますけれども、この点、経産省から答弁をいただければと思います。

江澤政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業について、健康経営の観点で御質問いただきました。

 健康経営優良法人の認定を受けた企業の、企業数の全体に占める割合は、大企業においては大企業の三割でございますけれども、中小企業については一%に満たない〇・五九%ということでございます。中小企業については、大企業と比べて認定取得が十分に進んでいないことから、中小企業への普及が非常に重要だと考えています。

 このため、認定企業に対する補助金、ほかの補助金の採択時に加点するといったインセンティブづけ措置を講じてきたところでございまして、今年度も四事業を更にそれに追加しまして、中小企業における普及啓発に努めてまいりたいと考えています。

 その上で、健康経営そのものを知らない中小企業もかなり多く存在しますので、このため、更なる周知に加えて、自治体、健康づくり支援機関、経営支援機関や健康経営に詳しい専門家、ふだんから中小企業とやり取りをしている税理士などの専門家と連携して、健康経営のメリット、ノウハウを伝えていきたい、具体的な伴走支援の在り方も今後検討してまいりたいと考えております。

吉田(宣)委員 だんだんだんだん時間が迫っておりまして、質問は二問飛ばさせていただきます。ただ、最後の質問は大臣なので、大臣がお越しになるまでちょっと少しお話を続けさせていただきますけれども。

 実は、今政府で、答弁があった健康経営、健康投資に対する理解促進というものは進んでいる、中小企業に対するインセンティブというものもしっかりやっていただいている。ただ、全国津々浦々、全ての企業の皆様の健康経営について経産省だけで何か目くばせするということはなかなか現実的でございませんで、やはり地域にお任せをするというふうなことが必要なのではないかなというふうに思っております。

 その点、飛ばした二問の質問というのは、地域版の次世代ヘルスケア産業協議会というものが各地で活発に行われておりまして、この現状ということ。これは、私も質問は飛ばさせていただきますけれども。また、この地域版の協議会の連携というふうなものも非常に重要じゃないかと思いますので、これは要望という形で是非受け止めていただいて、進めていただければと思います。

 では、大臣、お戻りいただきましたので、最後の質問に移らせていただきますけれども、ヘルスケア産業政策は、トランスフォーメーションの観点からも、社会課題を解決する観点からも非常に重要であるということは繰り返し繰り返し申し述べてきたわけでございますが、これから先もあるわけです。なので、これから先、もっともっと充実させていくことによって、この社会課題というものをトランスフォーメーションして経済成長につなげていくという取組が期待をされます。

 そこで、いわゆる骨太二〇二五では、現状として、健康経営と共働した効果的な取組の支援であったり、ヘルスケア市場の拡大であったり、ヘルスケアスタートアップについてはこれを強力に支援するというふうなことが示されておりまして、本年度予算を使った事業が進められていることと推察をいたします。

 それで、今このタイミングというのは、政府の方も、骨太の二〇二六の策定が本格化してくるというふうに思っておりますし、日本成長戦略、これは夏に取りまとめられてくるというふうなことで検討が進められてくると思っております。

 そこで、大臣、是非、この二つの重要文書、又はほかの政府文書、関連するところがありましたら、このヘルスケア産業政策について、トランスフォーメーションも含ませた意味で、ヘルスケアXでいいと思います、そういったもので、充実した記載に向けて御努力いただきたいと存じますが、御答弁いただければと思います。

赤澤国務大臣 大変重要な御指摘だと思いますので、そのように努めたいと思います。

 先ほど冒頭の御質問、もし私が答えていればお話ししたかったこともちょっと触れたくて、今や、人口が減少し始めて、我が国は私の言葉で言う労働供給制約社会になっています。

 そうすると、おのずと、人が本当に多くてというような時代に、ある意味、働く方たちの健康は御自分の出費で健康を維持されたらどうですかみたいな時代だったと思うんですけれども、もう全然違って、働いてくださる方はある意味昔以上に明らかに社会の宝で、お一人お一人に健康で頑張ってもらわないと、国の経済にとっても本当に大変だという時代だと思うんです。

 なので、労働供給社会においては、ヘルスケアはまさに、我々は産業政策として頑張りますけれども、企業も当然ながら貴重な戦力を大事に維持していくために頑張ってもらわなきゃいけませんし、当然厚労省にも頑張ってもらわなきゃいけないし、関係するところ全てが総力を挙げて、働く日本国民お一人お一人が元気で活躍できるという状況をつくるのは本当に大事なことだと思っています。

 なので、御指摘のとおり、ヘルスケア産業、ヘルスケアトランスフォーメーションは、国民の健康増進と社会保障制度の持続可能性の向上に貢献するとともに、新たなサービスや市場を創出し、我が国の経済成長の原動力となり得る重要な分野だと思います。

 あわせて、特に我が国は超高齢社会であり、ビッグデータ掛けるAIの時代に、まさにヘルスケアデータとAIを組み合わせた新たなサービス創出、そしてそれを例えば人口が十倍の中国に売っていくとか、そういうことも含め、日本の勝ち筋なんだと思います。

 こういう認識の下で、高市政権の、十七分野、創薬・先端医療とか、攻めの予防医療、具体化の中で、政府全体で検討を進めていきたいと思いますし、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、ヘルスケア産業政策の更なる深化に向けて取り組んでまいりますし、委員御指摘の骨太と日本成長戦略にできる限り充実した記述を盛り込みたいというふうに思います。

吉田(宣)委員 時間が参りましたので、終わります。

 ありがとうございました。

工藤委員長 次に、阿部司君。

阿部(司)委員 日本維新の会、阿部司です。よろしくお願いします。

 冒頭、所管を超える質問で大変恐縮ですけれども、大臣個人のお考えを一点お伺いします。

 AV出演被害防止・救済法は、附則第四条で施行後二年以内の見直しが規定されておりますが、期限である二〇二四年六月から約二年、そして法施行から間もなく四年が経過した現在も法改正は実現しておりません。この間、適正事業者の現場の疲弊、非合法業者への出演者流出、また海外での違法な活動への流出等、当事者団体ですとか弁護士から繰り返し指摘をされております。

 赤澤大臣、御就任前の二〇二二年に、御自身のSNSにおいて、附則に規定された法施行後二年以内の見直しに向けて、内閣府もワンツー議連も様々な立場の方々からヒアリングを行う予定と発信をされまして、見直しに前向きな姿勢を示されてこられました。

 当時の関係議員のお一人として、また、現在の与党閣僚のお一人として、この見直しがなされないまま今日に至っていることについてどう受け止め、どう動かすべきか、率直な御所見をお伺いいたします。

赤澤国務大臣 御指摘のAV出演被害防止・救済法は、議員立法として超党派で制定されたものであり、まさに委員御指摘のとおり所管外であるため、経済産業大臣としての立場からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で申し上げれば、政府としては、過去の質問主意書において、法が議員立法により制定されたこと等の経緯に鑑み、政府としては、国会における御議論等を踏まえた対応が必要と考えており、現時点においては、引き続き、関係施策の実施の状況の把握などに取り組んでいくというふうに答弁しているものと承知をしております。

阿部(司)委員 ありがとうございます。是非引き続きよろしくお願い申し上げます。

 次に、本年春の中東情勢の緊迫化を受け、ナフサ由来のトルエン、キシレンを主成分とするラッカーシンナー等の供給が深刻に逼迫して、価格が高騰している件です。

 先ほど来、ほかの委員からも御指摘、御質問がありましたが、塗装業ですとか自動車整備、ホビー分野等への影響がかなり話題となっております。現場の悲鳴が広く共有されているところですが、今、経産省が四月の十三日に発出をされた業界に向けた要請、こちらの要請について、いわゆる塗装業界ですとか、あとは末端の中小企業者まで情報が必ずしも行き渡っていないという指摘もあります。

 そこで、政府参考人にお伺いしたいんですけれども、この要請発出以降の改善状況に関する評価、また、窓口の受付件数、その相談内容の傾向、また、川下の中小事業者まで届く認知向上策、これら三点について端的に御説明を願います。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省は、溶剤関連事業者に対しまして安定供給確保に関する協力要請を行うとともに、情報提供窓口に寄せられた情報を集約して、目詰まりを順次解消してきました。

 直近の目詰まりの状況としては、ここ一週間での相談件数を見ますと、石油関連製品での合計百三十五件のうち、建設関係を中心にシンナー、塗料の相談が四十七件を占めております。

 その中で、目詰まりの原因は、川上と川中で供給見通しが共有されず供給量を制限していること、事業者間のコミュニケーション不足、川下の実績以上の発注が原因であることが明らかになってきました。

 事業者への相談窓口の周知も含めた情報共有が引き続き重要であると認識しておりまして、中東情勢に関する関係閣僚会議での報告及び発信、経済産業省ホームページに設置した中東情勢関連対策ポータルでの情報提供、SNSを通じた発信、広報担当官による日々のブリーフィング、こうしたことにより、きめ細かく情報を発信しております。

阿部(司)委員 ありがとうございます。

 引き続き、川下の末端事業者まで情報が届くよう、また支援が行き届くよう、よろしくお願い申し上げます。

 その上で、目詰まりを悪化させているもう一つの要因について大臣にお伺いをしてまいりたいと思います。

 地元の塗装業者の方からこんなお声をいただいたんです。シンナーが手に入らない、たまにホームセンターに行っても転売目的の方々に一瞬で買い占められてしまう、フリマアプリとかECサイトを見ると何倍もの値段で出品をされている、仕事にならないと。さらに、シンナーだけではなくて、全く関係ないボンドのような接着剤まで、まとめて買占めが起こっているそうなんです。本当に必要としている塗装業や自動車整備の現場の事業者の方々の手に製品が届かないというのは深刻な事態だと思います。

 新型コロナ初期、経産省はオークションサイト等に対しましてマスクや消毒液の出品自粛要請を行われました。同様の枠組みで、大手フリマ、EC事業者に対するシンナー類製品の出品自粛要請及び注意喚起、こちらを経産省主導で速やかに実施すべきと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 原油や石油関連製品については、石油備蓄の放出や各国からの代替調達を通じて、年度を越えて来年春まで供給を確保するめどがついており、日本全体として必要な量は確保できております。

 加えて、先ほどから御議論になっているように、一応、シンナーとか溶剤の類いが一番逼迫して、通常の一・八倍の供給量まで注文があれば出せる状況になっております、ということも念頭に置いて今後対応していきますが、一部のECサイトにおいてシンナーが高額で出品されている事例が見られます。委員の御指摘、ありがとうございます。

 確認をしてみましたが、現時点では、私どもの判断として、そうした動きが不安を拡大し、極端な買占めや投機的な転売が広く横行する状況に波及しているとは認められないと思っています。そういう意味で、規制的な手法を用いた対策は検討しておりませんし、そういったプラットフォーマーに呼びかけるというようなことまで必要かについては、現時点でまだそういう判断にはなっていない。

 引き続き、一部で生じている供給の偏りや流通の目詰まりを一つ一つ解消していきたいと思います。

阿部(司)委員 ありがとうございます。

 そうした事実は認められないという御認識とのことでしたけれども、そうした声も上がっているということで、是非、この事態を注視して、必要な際にはしっかり対応していただきたいと思っております。よろしくお願いします。

 残された時間で、AIによる雇用構造の変化と労働市場改革についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 今、非常に話題になっておりますけれども、AI技術の急速な進化によりまして、米国を中心に大規模な人員削減が相次いでおります。二〇二五年だけでテック系で十万人を超える解雇、本年に入っても、例えば米ブロック社が従業員のほぼ半数を削減するなど、AIによる雇用代替が広範に及んでおりまして、我が国においてもそれは、そのうちその波が来るのではないかなと私は思っております。

 そこで、まず政府参考人にお伺いをしてまいりたいと思います。

 経産省所管のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業、こちらは、在職者へのキャリア相談、リスキリング、転職支援、フォローアップを一体的に提供するということで、労働移動の円滑化を主眼とした非常に先進的な取組だと承知をしております。本事業の設計及び運用において、今し方申し上げましたAIによる急速な雇用代替、職種消失のリスクはどこまで想定をされ、制度の前提に組み込んでいるのか、お伺いをいたします。

竹田政府参考人 お答え申し上げます。

 令和四年度から開始しましたリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業につきましては、殊更にAIによる雇用代替リスクなどを前提としたものではございませんが、キャリア相談や転職支援を通じて、産業に求められているスキルを習得し、賃上げを伴う労働移動を促すものとして実施しているところでございます。

 経済産業省におきまして、本年三月にAIなどの影響を考慮した二〇四〇年の就業構造推計を公表しておりますが、その中で、事務職が約四百四十万人余剰となる一方で、AI、ロボット等利活用人材が約三百四十万人、現場人材が約二百六十万人不足する可能性を示したところでございます。また、地域別に見ますと、東京などの大都市圏で事務職を中心に約二百万人の余剰が発生する一方で、地方を中心に専門職や現場人材が大きく不足する構造となっております。

 こうした結果を踏まえまして、将来の人材需給ミスマッチの解消に向けた更なるリスキリング促進が必要でございまして、特に、AI、ロボット等の利活用に関するリスキリングは地方の経済成長の観点からも重要と認識しているところでございます。

阿部(司)委員 現行の事業は、いわゆる先ほどのAIのインパクトというものをそこまで想定した設計ではないというふうに受け止めました。

 その上で、大臣にお伺いいたします。

 AIによる業務の代替は、もはや、仕事の一部変化というレベルを超えて、職種そのものの消失の領域にまで及び始めています。さらに、深刻なのはその先にある構造的なリスクであります。各企業は、合理的な経営判断でAIを導入して人員を削減します。しかし、この削減された方々というのが同時に消費者でありますから、一人また一人と購買力が失われて、需要が縮んで、企業の売上げが減って、また人を減らすといった、個々の合理的な判断が合成の誤謬を生んでいく、経済全体を縮小させていくということにつながります。

 先日もXでバズっていたんですけれども、ウォートン大とボストン大の経済学者が、ザ・AI・レイオフ・トラップという論文でこのようなことを指摘しておりました。産業構造の変化が個々で進むというよりかは、もうこれまでの前提とは根本的に異なって、全体的に仕事が減っていくといった事態であります。

 この現行のリスキリング支援が非常に先進的であるということは私も認識をしておるんですけれども、AI時代の雇用の急速、広範、構造的なシフトに真っ正面から想定した対応、そうした制度であるとはまだまだ言えない状況だと思っていまして、このAI時代の雇用シフトに真っ正面から対応するためのリスキリング制度に抜本的に再設計する必要があると思いますけれども、御所見をお伺いいたします。

赤澤国務大臣 一点、先ほどのやり取りの中で、誤解のないようにという意味なんですが、一部のECサイトにおいてシンナーが高額で出品されていることは承知をしているんですが、ただ、それが極端な買占めや投機的な転売が広く横行する状況にまでは達していないという事実関係と認識をしておりますので、そういう高額で出品されている例がないと思っているということではないということは申し上げておきたいと思います。

 その上で、今の御指摘は大変重要な御指摘で、とにかく人手不足なのに何で人が余るんだという世界に今入っていっています。二〇四〇年になると、一都三県で二百万人ぐらい人が余るというのが経産省が出している推計で出てきていまして、一方でエッセンシャルワーカーを中心に地方では物すごい人手不足になっているということなので、そこをうまくつなぐ努力が必要で、何かしら現場でもAIスキルを身につけられたような方が、言い方としてはアドバンストエッセンシャルワーカーというような言い方がありますが、そういうものにリスキリングしていっていただくこととか、そういうことも含めて、やはり、委員がまさに御指摘のAIのインパクトというのはすさまじくて、いわば、生産年齢人口のかなりの割合が、数百万人単位でごそっと、こっちは仕事がなくなる、こっちはむちゃくちゃな人手不足、そこをつながなきゃいけませんので。

 そういう意味で、私どももできる限り、二〇四〇年の就業構造推計などを前提に、AI、ロボットを使いこなす人材やあるいは現場人材の育成に努めるといったようなことをやっていきますが、必要なスキルは足下で変化していくことが想定されています。このため、令和七年度補正予算事業において、最新の職業関連情報や求人情報を基に、AIを用いてスキル情報を抽出し、職種ごとに必要となるスキルの整理や把握などを進めたりもしています。

 こうした取組を通じて、AI時代に求められるスキルの習得促進に関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと思います。

 あわせて、これを私が言うのがいいのかあれなんですけれども、例えば、東大なんかの松尾教授はCGIというような講座をつくられて、むしろ、その講座に参加してもらえば、リスキリングをしながら、学生さんでもいいですし、社会に出た方でもいいですけれども、AIについてのスキルがファイブステップでもう本当にトップガンぐらいまで上がっていけるぐらいのものを用意されて取り組んだりもしていますので、政府だけで全部できない場合でも、国内にあるそういうリスキリングのありとあらゆるツールといいますか手法というかを見ながら、必要なものを応援しながら、全体として、国全体の生産性、あるいは個々の働いている方の生産性やAIについて最大限上がっていくように目配りをしてまいりたいというふうに思います。

阿部(司)委員 最後に、もう時間はほぼないんですけれども、今重要な政策課題という認識を共有できたと思いますが、より大きな労働市場の在り方についてお伺いをしたいんです。

 これはリスキリングだけでは不十分で、より流動化をさせていかないといけないと思います。新卒の方も、全然、いわゆるホワイトカラーの会社に入れない、就業ができないといったこともあったりだとか、ブルーカラーの方に移動がなかなか起こらないということも含めて、いわゆる労働移動を抜本的に流動化させる制度改革が必要だと思っていまして、これは我が党がずっと言ってきた労働市場改革ですけれども、大臣、金銭解雇ルールの導入ですとか、あとは所得保障と社会保険料負担減を柱とするセーフティーネットの再構築、またリスキリング支援ということで、これは所管をちょっと超えていると思うんですけれども、この方向性について、私はやるべきだと思うんですけれども、大臣に御所見をお伺いいたします。

赤澤国務大臣 問題意識は共有をしております。

 その上で、御指摘の金銭解雇ルールや失業期間中の所得保障と社会保険料負担の軽減についてはちょっと所管外なので、労働者本人の選択を尊重したリスキリングについて申し上げますが、産業構造の変化が急速に進む中にあっては、スキルやリスキリングの情報、求人などの関連情報を一体的に提供することで、円滑な労働移動や人材育成を促進することが極めて重要です。

 その際、企業主導の人材育成のみならず、労働者本人が自らの希望により進めるリスキリングや労働移動を後押しすることが非常に重要だと考えています。

 経済産業省としては、労働者本人の選択に資するよう、各産業で求められるスキルの可視化やスキル関連情報の一体的な提供の充実を通じて、AX時代に求められるスキルの習得や円滑な労働移動を推進してまいりたいと思います。

阿部(司)委員 ありがとうございました。終わります。

工藤委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。

 先週、地元で商工会の総会がありまして、商工会の幹部の方と話をしたら、鈴木さん、いろいろ課題があるけれども、その方は、プラスチックのコンパウンドといって、プラスチックのもとの原料を、いろいろな着色をしたり、可塑剤を入れたりしてペレットを作って、加工する会社に納入している企業の社長なんですね。そのときに言われたのは、いや、鈴木さん、足らない足らないと言っているけれども、意外とやっぱり日用品の中の雑貨がもう日本で作っていないんだよ、そういうふうに言われたんです。うちのスタッフに、事実関係があるかちょっと調べてくれと言って、それが一つの題材なんですけれども。

 経産省は、中東情勢関連対策ワンストップポータルにおいて、中東対応を踏まえた石油由来の化学品や製品等の状況として、原油や石油製品について、代替調達や備蓄石油の放出により、日本全体として必要量を確保できている、これはもう大臣が何回も答弁されていると思います。材料となるナフサについても、備蓄原油による国内精製の継続や中東以外からの輸入拡大により、ポリエチレン等の中間化学製品在庫を含め、年を越えて継続可能な見込みであるということも答弁で示されているし、昨日の閣議でもそういうふうに発信されています。その一方で、一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じている、私はちょっと違うと思っているんですね、認識を示されています。

 一方で、一部報道では、ニトリル手袋、プラスチック手袋、医療用品、梱包資材等について、欠品や品薄が生じているというふうに指摘もされています。

 例えば、ニトリル手袋について、ある企業の商品を見ると、製造販売元は国内の企業なんですけれども、製造元はタイとなっているんです。このような、製造販売元は日本企業であっても、実際の製造はタイやマレーシアなどの海外工場で行われている例が多く、国内で原材料から完成まで一貫生産されているわけじゃないと。それがサプライチェーンなんでしょう。

 ですから、今、私も二回、三回、質問したときに、ナフサは足りているんですと。そこに働きかけて、シンナーだラッカーだ何だということを、一・八倍まで、今日も質問の中で御答弁いただいたんですけれども。ただ、加工や製品化を行う海外工場そのものが中東の情勢の影響を受けること、また、海上輸送、物流、保険、コンテナ確保などの影響を受けることによって、日本国内の製品流通に、俗に言う目詰まりというんですかね。

 あとは、もう一度繰り返しのお尋ねになるんですけれども、結局、先ほどの前任の方も質問されたように、なぜ買占めをするのかといったときに、何回も質問しています、先の見通しが立たないから買占めしているんです。

 幾らこっちで出します出しますと言っても、買占めする人間からいけば、百円で買ったものを三百円で売れるというなら私だって買いますよ。欲しい人は四百円でも五百円でも買ってくれれば、そっちに売りますよね。それが商売ですよ。それを、あんた百円で仕入れたんだから百円で売らなくちゃ駄目だよと言ったって、はい、分かりましたと言う人もいるけれども、大半の人はそうじゃない。

 だから、政府として、単に原材料在庫だけではなく、加工過程の海外依存、完成品輸入への依存という現在のサプライチェーン構造そのものを踏まえた対策が必要じゃないか。

 今は、国内のナフサをどんどん製品の方に回してくれということで一・八倍になっていくんですね。でも、じゃ、今私たち、例えばごみ袋が足りないって報道も出ていた。ごみ袋、国内で作っていない。一部は作っている。みんな海外で入れている、中国とかベトナムだとか向こうから。安いものほどそう。そこだって中東の影響はありますよね。じゃ、そこに働きかけて、はい、そうですか、じゃ、日本さん、出しますよといって、百円のものを百円で売ってくれないと思う。

 だから、このお尋ねを、昨日レクを受けたときに、サプライチェーンを強化していくんだというふうに言いながら、アメリカだってサプライチェーンを強化するために、日本もいろいろな技術供与をしたり。シェールガスだとかシェールオイルのあの水鉄砲、一千気圧の水鉄砲を作っているのは日本のメーカーだと聞いたことがありますよ。そういうふうにやって強化しているにもかかわらず、トップに立った人間が駄目と言えば終わっちゃうんですよ。ほかの国でもそうですよね。だから、どんなにサプライチェーンを強化したとしても、その国の指導者が考え方が変わっちゃったり、自国の国が第一番なんだと言ったら、幾ら日本はいい国で、いい人だから、じゃ、分かりましたよと、今までいろいろやり取りしているから、じゃ、おたくが困っているんだったらうちの分を出しますよとやってくれますかね。私はそんなに甘くないと思うんですよね。

 だから、その辺の、海外製品の輸入に関して、潜在リスクをどのように認識しているのかというのと、もう一つ、今後、国内回帰、これも一年、二年でできるわけではないと思うんですね。国内の代替生産とか、サプライチェーンの、今、矛盾した言い方をしているんですけれども、サプライチェーンの多元化を含めて、どのような方策で今後取り組んでいくのか。これは短期、中期、長期で考え方が違うと思うんです。でも、今申し上げたように、サプライチェーンを幾ら強化したとしても、もしかしたらそこの国の指導者が考え方をぱっと変えたときに、自国優先になるのはどこの国も私は一緒だと思うんですけれども、今の大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。

赤澤国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 石油の備蓄の協調放出を実際やりましたけれども、そのときに、ヨーロッパの国々は比較的、自分たちは今回困っていないという感じが前面に出ていたのが、私が説明したのは、まさに、東南アジアの国々では、もうガソリンスタンドには長蛇の列ができて、しかも、結構原油を輸入して石油製品を作って輸出している国が多いんです。ところが、その石油製品の輸出をぴたっと止めた、大ごとなんだということを説明をして、御理解を得て協調放出に至ったということがありまして、委員の御指摘は全くそのとおりで、極めて早い時期に東南アジアの国々が石油製品の輸出をやめました。その結果、我が国が今大変な影響を受けているというのが事実でございます。

 特にアジアを含めたグローバルサプライチェーンにおいて、日本企業はビジネスを展開していまして、医療用物資を含めた石油化学製品についても、国内でナフサから製造される場合のみならず、諸外国から直接輸入する輸入が多い。そして、まさにそれが止められて大変なリスクが顕在化したということであります。

 こうした認識も踏まえて、実は、本年四月、高市総理から、アジアのエネルギーや重要物資のサプライチェーンの強化に取り組む枠組みとしてパワー・アジアを発表したところで、実際、指導者がやめろと言ったら駄目になっちゃうという面もあるんですけれども、少なくとも、自国の分が足りていれば、石油製品の輸出でもうけている国はそれは続けてくれるだろうという理解をいたしますので、この枠組み、パワー・アジアも活用し、東南アジアの各国が備蓄体制とかを強化する中で、今回のようなことが起きても直ちに石油製品の輸出をやめなきゃいけないような状態ではなくしておけば、国内の物資調達や流通の円滑化に向けて同志国によるグローバルサプライチェーンというものが機能するということで、同志国によるグローバルサプライチェーンの強靱化、パワー・アジアの取組を進めていきたいというふうに思っています。

鈴木(義)委員 建前の話だと思うんですけれどもね。なかなかこれは、自分が質問していて、自分が、じゃ、どうするかという話になるんですけれども。

 だから、その辺をやはり、今申し上げたように短期的に、中期的に、長期的に対策を取っていくしかないんじゃないかと思いますね。その国によって備蓄の、一日当たりの備蓄量が日本は二百五十日ちょっとありましたけれども、韓国で二百日ぐらいだったですかね、ほかの国じゃ六十日とかぐらいしかないと、自国の経済を回していく、国民にエネルギーを供給しなくちゃいけないということになれば、海外に出すよりもまず自国の国民のためにとどこの国も思うと思うんです。日本だって思っているんだから。だから、そこら辺をやはり長期的に考えていく部分で情報発信してもらうのと、これも過去に申し上げたように、一・八倍じゃなくて、もっと多く作っても在庫がだぶつく。

 例えば、米に関して言えば、去年はないないないないと言っていて、地元の個人でやっている米屋さんが、この間、久しぶりにお会いして、どうですかと言ったら、いや、参ったねと。今、米の価格が下がって、去年高く買った、赤字だと、そういう業者さんもいるわけです。農水省の話を聞けば、今年の新米が出るまでに二百万トンぐらい余る可能性があると。だから、今、米の価格がどんどん。

 だから、抱いたからラッキーなのかといったら、そういう状況じゃないものを作り出すしかないんだと思うんですね。そこには思い切って公金を投入するぐらいなことをやらないと、働きかけました、何をしましたというだけじゃなくて、冒頭申し上げたように、商売をやっている人間は一円でも高く売りたいんです。買う方は一円でも安く買いたいんです。

 そこを、価格をコントロールするというのが政府が本当にできるかといったら、今、公定価格だってそうじゃないですか。大変な思いをしているのは何って、物価だとか賃金がどんどん上昇することによって、公定価格は二年に一回とか一年に一回とかしか改定しない。物によっては、もっと長いスパンでしか改定しないものもあります。そうすると、そういう仕事に従事している、又は経営しているところはどんどん苦しくなっていく。そこのところは、やはり是非お考えになって対策を打ってもらいたいと思います。

 再度、もう一度だけ、繰り返しになりますけれども。

赤澤国務大臣 先ほどのお話にちょっと戻るんですが、東南アジアの国々はやはり、輸入した原油を精製して石油製品を作り、輸出してもうけているところがありますよね。なので、自国で足りていれば、それはもう輸出して、日本が買ってくれるならそれでもうけたいというところがあるので、これはやはり、原料である原油も足りなくなるみたいな、結果、今まさに委員がおっしゃったように、自国民のために全部それを使うので、もう石油製品を作ったものを輸出する余裕はないよという状態にならないようにしてさしあげるということをパワー・アジアでやっていくということなので、これは中長期的には利いてくるだろうと思うのが一つです。

 あともう一つは、まさに商売とはそういうものだろうと言われればそのとおりなんですが、なので、一つ利いたと思うのは、原油といいますか、燃料油の方は割と早くに元売から直販の仕組みですね、だから、ENEOS、出光、コスモから必要なところに優先順位をつけて、医療関係でここに卸してくださいとか、あるいは食料、農業関係もありますし、交通関係もあれば、製造業の現場もありましたけれども、直販をやったわけです。ということをやると、やはり、そんなに思ったほど価格は上がらずに、ところどころで足りないと聞こえてくるけれども、解消しながらいけるということがあって。

 やはり、先ほど委員のお言葉で、抱えていたけれども、ほかのルートから入ってきちゃうのでは、抱えていた分、それは余りもうけを生まないというか、下手すると、値段が自分が購入したときより低くなれば損をするとなれば、そこも判断されるのは商売だと思うので。

 そういう意味で、まさにトルエン、キシレンについて今やらせていただいていることは、なかなか出てこないときに、抱えておられるかどうかは我々は必ずしも一〇〇%把握はできていませんけれども、供給量が八割増えて、今までの二倍近いものが出回ってくるぞとなったときには、目詰まり、抱えておられるという言い方がいいのか分かりませんけれども、そういうものもまた出てきて、おのずと価格も落ち着かせる効果が出てくるだろうと思って、原油、燃料油でやったときと同じような効果を今期待しているということでございます。

鈴木(義)委員 推測なんですけれども、川上、川中、川下というんですけれども、ちょっと来月から、うちも原油が入ってこないから出す量を減らすかもしれない、それがまた次のところに行って、伝言ゲームになっていくわけですよね。

 だから、くどいようなんですけれども、何月まで、六月の末までこうしますとか、七月だったらこうなりますとか、八月だったらこうなりますというのをやはり情報発信してもらえば、抱いている人も、これじゃもうからないから出しましょうと私はなるんだと思うんです。時のメリットというのを、やはり今やるべきなのが経産省で、大臣から情報発信してもらうことだと思います。是非よろしくお願いします。

 全然また違う質問になるんですけれども、赤澤大臣は、財政出動をすべき派ですか、いや、緊縮こそが正しい派のどちらのお考えか、まずお尋ねしたいと思います。

赤澤国務大臣 これは、私はどちらかにちょっと分類されるというものではないと思うのと、あともう一つ、私自身が財政出動派と緊縮財政派の定義が必ずしも正確に分かっていないと思うので、その前提でなかなかお答えは難しいということなんですが。

 ただ、今、世界では、地政学リスクの高まりや、AIなどを含めて非連続な技術革新といった構造変化が起きておりますし、政府が主導する産業政策、その競争の時代が到来していると認識をしています。

 各国が、科学技術も含め産業政策を物すごく気合を入れて、自国優先でやってきているというところがあるので、これまでの、一九八五年とか以降の、政治や行政が極力経済に口を出さなければいいという、いわば新自由主義みたいな、そういう時代はもう様変わりをしてきていると考えておりまして、我が国としても、政府が一歩前に出た積極的な産業政策を展開していく必要があるものと思っています。

 なので、経済産業省としても、責任ある積極財政を目指す高市内閣の一員として、積極的な経済産業政策を展開し、危機管理投資、成長投資を通じて、強い経済を実現していきたいと思っています。

鈴木(義)委員 私たちのいる政治や行政、学者の世界で、経済政策の議論が紛糾することが間々あります。成長か分配か、これも一つだと思うんですね。本来、経済政策は原理的に妥協可能な領域にあるにもかかわらず、議論が紛糾する背景の一つに、自信たっぷりに語られる政策論の多くが、必ずしも十分な根拠に基づいていないという点である、断言的な言説ほど拡散されやすいんですが、その裏づけとなるデータや因果関係は意外なほど曖昧である、こういうふうに言われています。まあ、これは一つの説ですから。

 そこで、大臣に御所見を、まずこの点についてお尋ねしたいと思います。

赤澤国務大臣 EBPMにつながるお話だと思うんですけれども、政策をつくるときは、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングですか、しっかりデータに基づく政策判断をしろ、それは大事なことだと私は思います。それをやっておけば、実際効果が出なかったときに、データに基づいてやったのに、何かデータに誤りがあったのか、読み方が違うのか、後から検証できるので。なので、最大限データを集めて、しっかり事後的に検証できる形で政策をやっていくということで精度を上げていくという試みが重要で、私はそれをやるべきだと思っています。

 その上で、まさに、余り根拠がないとかそういうのは、よく冗談めかして言うのは、EBPMといいながらエピソードベースと、こういう話を誰か一人から聞いてきたといって何か主張してしまう、仲のいい人がこう言っていたからこうだみたいな。更にひどいのは、イモーションベースで、その話は俺は聞いていないから絶対認めないとか、何かとにかく、EBPMは正しくエビデンスベースでやれ、エピソードもイモーションも駄目だぞということは、ちょっと冗談めかしてよく党内でも同僚議員の皆さんとお話をしているところであります。

鈴木(義)委員 じゃ、次に、経済政策論争が紛糾する典型として、物価対策と物価高対策の混同がある。物価対策はインフレそのものを抑える政策、一方、物価高対策とは上昇してしまった物価に対して国民生活を支える政策であり、政策手段が異なるというふうに言われています。混同しちゃうんですよね。

 日本社会の現状を今どう捉えているか、お尋ねしたいと思います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 現在、中東情勢の影響で原油価格が高騰しており、燃料油価格などの押し上げ要因となっております。

 また、今後、燃料輸入価格の上昇が電気料金等に反映されていくと見込まれておりまして、委員御指摘の物価高騰対策が必要な状況であると認識をしております。

 こうした認識の下、本年三月からガソリン等の価格を抑えるための補助を開始するとともに、七月から九月の電気・ガス料金について支援を行うべく、令和八年度予算の予備費を使用決定し、さらに、今般の令和八年度補正予算におきまして、今後への万全の備えのために中東情勢等対応予備費を新たに創設することとしたと承知しております。

鈴木(義)委員 これは行政側に聞くのもおかしいんですけれども、どの程度のインフレを許容するのかといったときに、アベノミクスのときには、デフレからインフレにということで、二%の設定目標をして、インフレに向けて頑張ろうと、財政出動を五百兆も八年間で出し続けたんですね。

 だから、冒頭お尋ねしている、緊縮なのか積極財政なのかというところに立ち返るんですけれども、今御答弁いただいたように、今、原油が高騰すること、円安もそれは起因しているんだと思うんですけれども、それでどんどん、やはり物価高対策をしていくんだということで財政出動をしているわけじゃないですか。じゃ、財政出動をするんだけれども、インフレがどのぐらいになったところまでだったら、以下だったら許容できるのかというところをお尋ねして、政府参考人の方で答弁できますか。いや、これは通告は大臣じゃないので、どっちでも。

水田政府参考人 お答えいたします。

 物価動向は様々な要因によって決まるものでございまして、例えば、そのインフレ率が一時的なものなのか、持続的なものなのか、それから、個別物価の上昇なのか、物価全般にわたる上昇なのか等によって様々でございますので、政府として、具体的な許容できるインフレの水準を一概にお答えすることはなかなか難しいと考えております。

赤澤国務大臣 今政府委員から話があったとおりなんですけれども、その上で、これはやはり、日銀が二%の物価目標ということを我々とアコードで結んだ上で、具体的なやり方としては、これは日銀に任せるということになっておりますので、そういう意味では、実際、委員が御指摘の物価対策と物価高騰対策という並べ方をすれば、私どもは物価高騰対策の方に責任を負っておって、そちらの方をしっかりやっていくという考え方なんだろうというふうに思います。

鈴木(義)委員 原油価格の上昇によって物価が上がっているのは誰もが疑いを持つことはないと思うんです。この状況に対する現実的な対応は、一定のインフレと一定の不況を受け入れることであるというふうに識者が言っているんですけれども、現状を踏まえて、この一定というのは経済学者も明確な答えを持っていないんだそうです、経済学の中でも。

 この一定のインフレ、一定の不況という言葉を使ったときに、じゃ、この一定は、今お尋ねしたように、許容範囲がどこまでなのかということにつながっていくわけです。その認識を大臣の御見解でもしお示しいただけたら。

赤澤国務大臣 少なくとも、現時点において、諸外国の物価目標とかとの関係でも、我が国の二%の物価安定目標というものを現時点において変えなきゃいけないという認識は私は持っておりませんで、そういう意味で、日銀が適切に対応することで、その物価安定目標の実現を目指してもらう。私どもは、それを前提に、逆に、そういった物価目標が実現されるとすれば、これぐらいの賃上げが実現していかないと実質賃金はプラスにならないとか、そういうことを考えながら政策を打っていくという考え方だと思います。

鈴木(義)委員 関連する質問なんですけれども、どの業界、業種でも、人手不足インフレというふうに言われているんですね。じゃ、日本は供給能力の限界に達しているのか、それとも、別の問題を見誤っているのか、それについて御見解をお尋ねしたいと思います。

赤澤国務大臣 人口減少と少子高齢化に伴う人材供給制約の中で、私が労働供給制約社会と呼んでいるものですが、生産性を向上させ、持続的な経済成長を実現するためには、人への投資を進めていくことが大事だと思っています。

 足下では、事務職は余剰傾向にある一方で、生産工程従事者を含む現場人材の人手不足感が強まっています。

 将来の見通しとしても、先ほどから時々話題にさせていただいています、経産省が本年三月に公表した二〇四〇年の就業構造推計では、人口減少により就業者数が二〇二二年から二〇四〇年で約四百万人減少する。AI、ロボット等の利活用推進により労働需要が効率化されるため、全体として大きな不足は生じない。ただし、ミスマッチがひどい。職種別に見ると、足下と同様、約四百四十万人の事務職は余剰。加えて、AI、ロボット等利活用人材は約三百四十万人、現場人材は約二百六十万人不足する可能性がある。

 こうした示唆を踏まえて、産業構造の変化に伴う人材需要の変化にも適切に対応した人材育成に関係省庁とも連携して取り組んでいくことで供給力を今強化していかないといけないという現在の経済の状況ですので、そういう対応に努めてまいりたいというふうに思っています。

鈴木(義)委員 先般の、産業技術、競争力強化法のときにもお尋ねしたんですけれども、経産省だけで人材育成もできないし、次の世代を、今も勉学に励んでいる学生さんたちも含めて、やはりこういう人材が欲しいんだと。途中で学び直すリスキリングも大事なんですけれども、やはりその前段で、みんな、私たちも、学生のときに何の仕事をやりたいとか、この会社に行ってみたいというふうに思うんだと思うんですね。それはなかなか、狭き門なのか広き門なのかよく分かりませんけれども、業種だとか業態によっては一人当たりの稼ぎ高というのが決まっちゃうわけです。

 例えば運送業でいけば、十トン車を転がしたときの運送費といったら、一千万とか一千五百万とかという運賃しかもらえない。四トン車だったら幾らとか、二トン車だったら幾ら。それ以上の賃金を払えないんです、もらっている請負の運賃がそれだけしかないわけですから。その中で、車両代だとか、燃料代だとか、車検代だとか、保険代だとか、もろもろ間接的な経費も入れて、残りを結局、賃金なりボーナスで支給する。何の業種でもそうです。弁護士さんだとか会計士さんみたいな特殊な仕事をされているところは何千万、何億も稼ぐ人も中にはいるんでしょうけれども、一般的に普通の仕事と言われているもの。だから、どうしても賃金の高いところに行きたいというふうにみんな思うんです。私もそうです。

 だから、そのときに、何百万人も足りていない、ミスマッチだというよりも、そこに誘導するんだったら、やはり賃金を上げていく制度、また、そういうインセンティブを与えるようなものをつくっていかなければ、そっちにみんな動かないですよ。

 大学卒業がというより、大学進学がもう五十数%の今の日本国の中で、先ほども質問されて、AIがどんどん入ってくることになって、ホワイトカラーと言われている人の職種がどんどん縮小されていく。じゃ、その分ブルーカラーの仕事にといっても、そんな、いきなりどうぞといって、配管工や水道の仕事だとか、建築だとか土木の仕事にぱっと行きますかと。そこのところのやはりインセンティブを働かせるような仕組みを、これは半年だとか一年じゃできないと思うんです。

 でも、ミスマッチはただ解消すればいいというんじゃなくて、こっちにも、それなりに働けば、今と同じとは言わなくても普通の生活ができるよ、給料が上がるよというような仕組みも併せてつくっていかないと、このミスマッチの解消には私はつながらないと思うんです。そこのところをもう一度御答弁いただきたいと思います。

赤澤国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。それで、人口が、二〇四〇年には半分になると言われていますので、まさに我々が、一人当たりが生み出すGDPがどんどん増えていかない限りは、二一〇〇年にはGDPが今の半分の国になるということが単純に計算すれば出てくることでありますので、やはり人口減少を補うぐらいの勢いで生産性が上がる、あるいはそれを超えていかないと駄目だということだと思います。

 そういう意味で、我々が省力化機械とかDX、AXと言っているのはまさにそれで、私のお気に入りの例は、中国から意地悪されたホタテですけれども、ホタテの殻むき機でオートシェラーというのがあって、これを入れると、十人でやっていたホタテの殻むきを三人でできるようになる。残った三人の方の給料は倍にしても、会社の取り分は増える。しかも、今、人手不足時代なので、会社を去った七人の方も、隣のホタテの殻むき会社に雇われるか、ほかの仕事で十分給料が得られるみたいな展開を図っていくことしかもうないので、そういう意味では、省力化、生産性向上、そこに取引適正化とか事業承継と合わせて一兆円ぐらいの予算を投入して、中小企業の生産性向上を目指していますので、まさにそういうところを是非経営者の皆さんと共有して、本気でそういう生産性向上に努めていただきたい、そこ以外答えがないんだというふうに思っています。

鈴木(義)委員 地元でお世話になっている工務店の社長、亡くなったんですけれども、元々は家具大工だったんですね。家具を作る職人さんだったのが建築の方に行く。私どもの方も、川が多いものですから、船大工さんをやっていた。でも、木造船よりも、FRPができてくるとやはり仕事がなくなるので、おかに上がって工務店になっていくんですね。自分の技術を代替できるようなものに変えられるんだったらこれはうまくいくんだと思うんですけれども、そういうトレーニングができているのかできていないのか、手に職を持った人が次の展開にいかれるようなもの、それがやはり私は必要だと思うんです。

 前任の方も同じような質問でかぶっているんですけれども、せっかく小森政務官がいらっしゃっているので。国は、AIをどんどん推進していくというふうに、十七品目の中にもAI、量子だ、宇宙だって入っているんですけれども、実際、企業はAIに巨額の投資を行っているんだけれども、調査によればその多くが測定可能な投資対効果を得るには至っていない、こういうデータなんです。こうしたコストを相殺するため、要するに、投資をしたんだけれども利益が出ていないから、どこへしわ寄せが行くのかといったら人材と株式の報酬というところに寄っていくというわけですね。アメリカがそうなのか、日本も一部そういうのがある。

 そうすると、その一方で、労働者は自身の価値やAIスキルを強調することで昇給を求める余地がある、頑張ってやってもらえば、リスキリングをしてAIに活用できるようなトレーニングをしてもらえればどんどん仕事がありますよと大臣も答弁されているんですけれども、でも来年の四月の大手企業の求人数が、五、六年ずっと右肩上がりで増えていたんですけれども、来年の四月の新卒採用から少し減少に転じているという報道がなされたんですね。なかなか時代の流れは止められないと思うんですけれども、人口減少社会の中で大学を出たら優位な就職ができた時代は終わったんじゃないかなと私自身は思っているんです。

 自分自身のスキルが何になるのか、何々大学を出ましたというだけでは、もうなかなかやはり企業が採ってくれない、あなたは大学で何を学んできたのかというのを問われる時代になってきたのかもしれない。これはもう前から言われているのに、そうしない社会の構造と言っていいんですかね、社会の価値観が、何々大学を出たらどうぞという、それはもうこれから先は通用しなくなってくるんじゃないか。逆に言えば、大学で何を教えたかで社会に出ていってもらう、高校で何を教えて社会に出ていってもらうというのを問われる時代に私は来たんじゃないかと思うんです。

 この現象を止めることができないんだったら、国としてどういうふうに取り組んでいくのか、御所見を伺いたいと思います。

小森大臣政務官 ありがとうございます。

 AIによってどういう仕事が代替されていくのかというようなことが世界的にも大きな議論になっておりますし、アメリカもしかりですし、もしかしたら日本にもその波が訪れ始めているのかもしれないというふうに私ども感じているところであります。

 先ほど来引用されております、経産省の出しました二〇四〇年の就業構造推計の中にも、数だけじゃないと先ほど鈴木委員の方から言われましたけれども、まずちょっと数を言わせていただくと、大卒あるいは院卒の文系人材が二〇四〇年には約八十万人余剰になる、一方で、高専卒、高卒工業科を含む、それから大学も含むんですけれども、理系人材では約二百三十万人不足をするということでありまして、大学を出たとしても企業の求めるようなことを学んでいない場合には、必ずしも優位に就職ができるとは限らないというようなことであろうかというふうには思っております。

 そうしたことから、一つは、AIの進展に対応する産業人材育成というのを教育の段階からしていかなければいけないという示唆だというふうに思っております。

 文部科学省と連携をいたしまして、理工分野、そしてまたデジタル分野を中心として二つ主な取組をしておりますけれども、一つは、産業界と連携した大学、高専の成長分野への学部の再編あるいは機能強化といったこと、そしてもう一つ、普通科高校につきましても特色をつける、専門高校の機能強化といった教育改革にも取り組んでいるところでございまして、引き続き、文科省を始めとする関係省庁とも連携しながら、AI等の進展を含む将来の産業構造の変化に合わせて産業人材の育成を実施してまいらなければいけないと思っております。

鈴木(義)委員 ありがとうございました。終わります。

工藤委員長 次に、落合貴之君。

落合委員 中道改革連合の落合貴之でございます。

 本日は、経済産業分野で重要だと思う件につきまして取り上げたいと思います。

 まず、地域経済の維持、活性化についてでございます。先月の産業競争力強化法の審議の際にも質問をしたことなんですが、改めて伺いたいというふうに思います。

 特に地方で、同じ地域で金融機関が合併してしまい、しかも、地方なのでほかの金融機関もない、二行が合併したら、与信枠が今までと同じか、若しくはもうちょっと少なくなっちゃったというような形で、新規の設備投資ができないというような企業の話をよく聞くようになりました。地方で新しいマネーを供給する機能が止まってしまうことは、新しい産業も起きないですし、その地方の経済成長の足かせになってしまうわけでございます。

 率直に、地域経済の成長の観点から見ますと、この二十年ぐらい、二十年以上やってきた地域金融機関の集約、これはそろそろ改めていくべきなのではないかというふうに思いますが、理念的な話よりも、現実的に見て、赤澤大臣の選挙区は人口が最も少ない県の選挙区でございますので、こういう問題が顕在化しているのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 まず、最後におっしゃったところでいうと、私の地元について言うと、地銀、信金が一定数あって、それぞれが経営を続けていて、必ずしも統合が起きて大きな問題になったというようなことではないんですけれども、ただ、大事な御指摘だと思うので、以下、お答えさせていただきます。

 成長型経済に向けて、中小企業、小規模事業者による設備投資を促し、稼ぐ力を高めるためには、委員御指摘のとおりで、地域金融機関の担う役割は極めて大きいと思います。

 例えば、地域で賃上げと成長投資を牽引する中小企業の創出に当たり、地域金融機関は、経営者を支え、経営管理を高度化するとともに、資金供給を行っているわけです。売上高百億円を目指す百億宣言を行った中小企業向けの投資支援においても、金融機関による事業性融資の姿勢の確保が前提となっており、採択となった場合は中小企業庁と地域金融機関で伴走支援を行っていきます。

 また、地域金融機関の役割を補完すべく、信用保証協会が民間金融機関からの借入れに対する債務保証を行う信用保証制度の措置、あるいは日本政策金融公庫による設備資金も含めた融資の実施を通じて、中小企業への資金供給の円滑化を図ってきております。

 引き続き、地域金融機関とも連携しつつ、中小企業支援について適切な対応に万全を期してまいりたいというふうに思います。

落合委員 金融庁は金融庁で、金融機関の体力を強くしなきゃいけないという、そういうミッションがありますので、どうしても小さいところを集約させるというようなインセンティブが政策上働いてしまうというふうに思います。

 しかし、先進国で見ても、イギリスは経済規模の割にはもっと地域金融機関が少ないようなんですが、アメリカにしてもドイツにしても、日本よりか、経済規模が小さい地域でも金融機関の数は大きいというような数字もしっかり出ております。

 経営体力だけを考えるとどうしても東京にどんどん集約してしまうわけですので、やはり、地域の活性化という観点から、全国一律で金融機関を見ていくだけではなくて、金融的なバックアップも、地方に重点的にどうやってサポートしていくかということを考えていかなければならない時代に来たというふうに思います。

 いろいろネットとかを使ってマイクロファイナンスですとかもやりやすくはなってきていますので、地域金融機関が担えないのであれば、何か新しい形も考えていかなければならない。それが可能な時期にやってきていると思いますので、是非そちらにも注目をいただいて、地域経済が収縮していかないような方策をどんどん経産省としても打っていっていただければというふうに思います。

 この地域経済を担う柱の一つとして、高齢者介護サービスという業界はかなり可能性があるというふうに思います。高齢化しているのが特に地方ですので、介護ビジネスは地方自体にもニーズがあるわけですが、利益率は低いですけれども、社会問題の解決にもなります。それから、雇用も安定したものを生みます。

 それから、都市部も含めて日本全体で考えると、介護離職が問題になっていまして、毎年約十万人が介護のために離職を選んでいるということです。介護離職が減れば、人手不足の問題も幾らか緩和していくわけでございます。

 今、介護サービスの分野の市場規模は、経産省の資料で調べたんですが、六・九兆円ですけれども、高齢者比率はこれからももっと増えるのと、単身化も進んでいます。あと、共働きも進んでいます。市場規模はますます大きくなることが予想されています。

 地域経済の維持発展の観点からも、介護ビジネス分野のサポート、これは重要だと思うんですが、経産省は何をなさっているか、参考人にまず伺えればと思います。

江澤政府参考人 お答え申し上げます。

 介護関連サービスのサポートであるとか介護離職について御指摘をいただきました。

 公的医療、介護保険外での要支援、要介護の方の生活を支えるサービス、こちらは、先ほど現状の数字について御質問ございましたけれども、二〇三〇年には約八兆円でございまして、二〇五〇年には十六・九兆円の規模になると推計しています。社会的課題の解決に資するとともに、成長産業として重要であると認識しています。

 このため、経済産業省では、介護保険外サービスの振興に向け、自治体等の福祉関係者と地域企業が共創して地域課題の解決とビジネスの創出を両立させる産福共創モデルの普及、発信や、業界団体と連携した信頼性確保の仕組みの構築に取り組んでいるほか、企業における仕事と介護の両立支援の充実をさせるべく、企業経営者向けガイドラインの作成、発信や健康経営度の調査を通じた働きかけ等を行っているところでございます。

落合委員 介護保険内のサービスの提供事業者であっても、福祉のことは詳しくても経営は余り詳しくないのでうまくいかないということが多いと思いますので、是非そちらのサポートも行っていく必要があるというふうに思います。

 大臣に伺います。

 高齢者介護の産業も一つの具体例でございますが、もうからないけれども、地方によっては、規模が大きくて、社会的な役割も大きくて、国民の生活にも必要不可欠であり、経済活動を底支えしていて、その産業がしっかりしていればもっと経済全体が活性化するというような産業が幾つかあると思います。こういったところにも、利益率が高い産業だけじゃなくて、こういった縁の下の力持ちのような産業にもやはり力を入れていくべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。

 地域に根差した介護関連サービスの振興のためには、地域ごとのニーズをきめ細やかに把握をし、移動支援や買物支援といった生活関連サービスを組み合わせていくことが重要です。

 このため、経済産業省では、自治体間の福祉関係者と地域企業が共創をし、地域課題の解決とビジネスの創出を両立する産福共創を推進しております。例えば、居住支援と生活支援の一体的な提供サービス、医療法人と自治体による高齢者送迎サービスについてモデル事業を支援しており、今後、これらのサービス普及に向けて、発信に努めてまいります。

 今後、人手不足といった地域共通の課題に対応するためには、世界に先駆けて高齢化が進展する中で蓄積してきた技術や知見を生かしていくことが不可欠で、AIを活用した介護関連機器やサービスといったイノベーションを創出することで、この分野を我が国の勝ち筋として確立していきたいと思っております。

落合委員 国勢調査で、五年で三百万人人口が減っても、私の地元は東京の世田谷なんですが、ずっと人口は増え続けていて、学校もまだ足りないというような状況になっています。これは、地方からお金も人も全部どんどんどんどん集まってきてしまうということは、東京にとっても必ずしもプラスではありません。やはり、均衡ある発展、一極集中でない経済をつくっていくというのは重要なことであると思いますので、経産省としても是非その問題意識を持って取り組んでいただければというふうに思います。

 では、次に、AIの重要性、特に国産AIの重要性についてです。

 政府調達による産業の育成、これはあらゆる分野で重要であるというふうに思います。

 政府は、行政向けAIの基盤を各府省の国家公務員十八万人に順次開放するということで、各部署で答弁作成や統計分析など業務に使えるAIアプリを簡単に開発できるようにするということが発表されております。もう一部使えるようになっているということですが、経産省では既に業務にAIを活用しているか、それから、今回のこのプロジェクトの意義をどう捉えるか、それから、経産省はこれからも積極的に活用していくということでよろしいかということを伺えればと思います。

工藤委員長 経済産業省片岡大臣官房長。(落合委員「大臣」と呼ぶ)大臣。

赤澤国務大臣 大変失礼いたしました。官房長はAIのために来ているなと思って見ていたので、済みません、私でございました。

 経済産業省においては、情報セキュリティーも十分確保した形で生成AIの環境整備を進めておりまして、職員は既に、文書の要約や翻訳、情報検索等の用途に活用しております。

 デジタル庁が構築した生成AI利用環境「源内」では、今後、国産AIが試験導入されると承知をしております。これを積極的に活用することは、国内事業者が競争力ある国産AIを開発していくためにも重要でありまして、経済産業省でも今夏から利用開始を予定しております。

 経済産業省としては、「源内」を含め、職員が生成AIを利活用できる環境整備を更に進め、政策判断の高度化や業務効率化を進めてまいりたいと考えております。

落合委員 官房長は、多分サポートのためにいらしたんだというふうには思います。

 例えば、翻訳は、最近かなり正確性が増したというふうに思います。どうしても全体として日本人は言語の壁があるというふうに言われてきましたが、恐らく翻訳を使う人が増えたので正確性が増してきたのだというふうに思います。生産性の向上にはかなり寄与しているものと思います。

 AIは、使えば使うほど学習して能力が向上していくわけですので、我々の手で有用なAIを育てていくということが必要であると思います。いい形でその実現の模索を官庁もしていくべきであるというふうに思います。

 これは十年前ぐらいからこの委員会でも私も指摘をしてまいりましたが、日本のデジタル投資の不足がやはり生産性の向上ですとか経済成長の足かせになってきたということであると思います。

 それに加えて、デジタル投資をしてこなかったのに、最近になって経産省も、各企業にDX化を進めましょうという施策を急に進めてまいりました。日本企業がデジタルサービスを提供できないのに全企業にDX化を進めれば、そのデジタルサービスは外国企業からサービスを購入するしかなくなってしまうわけでございます。そうなると、デジタル赤字というのがかなり進んでしまうわけです。

 やはり、本来であれば、デジタル産業をしっかり強化した上でDX化を進めていく。しかし、今、その順番は、もうDX化も並行してやっていかなきゃいけないわけですが、総論として、デジタル赤字の認識、それからそれを踏まえた産業政策をどうお考えか、伺えればと思います。

赤澤国務大臣 AIやクラウド等のデジタルサービスが社会活動の基盤としての役割を増す中、いわゆるデジタル赤字が拡大し続けることは、我が国の経済成長や経済安全保障の観点から好ましくないというふうに思っています。

 こうした認識の下、経済産業省としては、我が国の勝ち筋であるフィジカルAIに不可欠な国産の基盤モデルの開発、あるいは国内スタートアップ等が行う領域特化モデルの開発への支援、そしてクラウドサービスを提供する国内事業者による技術開発や高度なコンピューター整備に対する支援などを進めてきているところでございます。

 これらの取組を通じて国内におけるデジタル産業基盤を強化をし、さらに、デジタルサービスの海外市場展開を促進することで、デジタル赤字の拡大抑止や改善につなげてまいりたいと思います。

落合委員 今、日本は、割と、特にこの十数年、収益はかなり上がるような体質になりました。でも、それを国内に投資しないで、海外に投資をしてきた。その海外の投資も、ある程度利益は上がっています。したがって、資本収支は黒字ですけれども、実際に物やサービスの収支はどんどん苦しくなってしまっています。ざっくり言うと、デジタル赤字も十兆円ぐらい、食料も十兆円ぐらい、エネルギーは二十兆円ぐらい。四十兆円ぐらい、絶対に国民生活や社会活動に必要なものでも海外に支払いをしている。これは持続可能な状況ではないというふうに思います。

 最も心配なのは、やはりAIでございます。残念ながら、このままだと、デジタルサービス分野でのAIの利用金額が爆発的に増えて、収支の赤字につながってしまうのではないか。

 例えば、最近、アメリカのオープンAIとグーグルのAIが、日本最難関とされる東京大学理科三類の入試問題で受験をさせてみたら、最高点、首席合格になったということで、これは毎年やっているそうですが、去年とは比べ物にならないほど能力が向上している。しかも、これはアメリカの企業のAIなのに、日本語の試験を受けさせてもそれぐらいの結果を出しているというわけでございます。

 これはどれぐらい開発に投資をしているのかなといいますと、今年の投資額が、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、メタを足して、去年と比べて七六%増やす予定。今年だけで年間百十六兆円も投資を行いますということでございます。これは日本の国家予算とほぼ同じぐらいなわけでございます。こんな額を毎年毎年つぎ込んでいく、民間の四社だけで。これは普通に考えると、我々のAI市場はアメリカのテックが独占か寡占をしてしまうということが予想されます。

 先ほども総論でもありましたけれども、フィジカルAIという言葉が出てきましたが、全部の分野でAIで勝つというのは難しいので選択と集中をしていかなければならないと思うんですが、具体的にどのようにアメリカのテックに全てを駆逐されないように国内のAIを強くしていくか、どのようにお考えでしょうか。

赤澤国務大臣 御指摘の米国企業においては、AIの開発、利活用に向けた設備投資がこれまでに例を見ないほど大規模化しているということは承知をしております。

 先ほども申し上げましたが、ビッグデータ掛けるAIの時代ということで、各分野でAIトランスフォーメーションを進めるには現場データが鍵となると思います。

 激しい国際競争の中で、我が国が強みを持つのは、超高齢社会の災害大国ということを申し上げましたが、高齢者のヘルスケアでありますとか、災害対応技術、あるいは製造現場、世界有数の製造現場を持っている、あるいは世界で唯一の福島原発の廃炉の現場を持っている、そういったところに素早くフィジカルAIを搭載をしてデータを集めていく、蓄積されたデータを活用していくというのが我が国の勝ち筋かなというふうに思っています。

 現場のデータを活用してAIをいち早く実装をし、世界に先駆けて日本の強みを生かせるフィジカルAIやロボットのデータ基盤を構築し、それを更に成長させていくということが重要だと思います。

 具体的には、製造業等の現場データの利活用の促進、あるいはAIロボット等の領域特化モデルの開発、フィジカルAIの実現に不可欠な国産の基盤モデルの開発などの取組を進め、グローバル市場で勝つ企業を生み出してまいりたいと思います。

落合委員 そもそも、AIへの日本の企業の民間投資額が二〇二四年では九兆円しかないわけです。アメリカが、今年、四大テックだけでも百兆円以上ということで、全然額が違うわけでございます。

 しかし、大臣が前の前の答弁でおっしゃったように、フィジカルAIというのは工場の製造装置をAIで制御させるということだと思いますけれども、こういった分野は元々強かったわけですので、しかも日本は人手不足であるということで、こういった部分は負けないように、是非力を入れていくべきだというふうに思います。

 今日、公取からもお越しいただいております。今日の最後の質問として、AI市場は残念ながら独占か寡占が起こってしまうというふうに思います。この現実に対して、競争政策上どのようなことを検討しているのか、又はもう既に対応しているのか、お聞かせいただければと思います。

佐久間政府参考人 お答え申し上げます。

 公正取引委員会は、生成AI関連市場におきまして公正かつ自由な競争環境を維持することを通じて更なるイノベーションを促すとの観点から、令和六年以降、生成AI関連市場の実態を把握するための調査を行ってまいりました。

 去る四月にも実態調査報告書を公表いたしましたけれども、生成AI関連市場においては、ビッグテック企業等を中心とした競争が見られるとしているなど、現時点において競争上の弊害が具体的に生じているとは認識しておりません。

 他方、委員御指摘のとおり、これらの市場が独占また寡占状態に至れば、生成AI分野におけるイノベーションが阻害されたりですとか、公正かつ自由な競争環境を損なう行為が行われるおそれが生じると考えております。

 公正取引委員会といたしましては、技術革新等に伴い、生成AI関連市場の環境また競争状況が大きく変化する可能性があることを踏まえまして、引き続き、市場動向の適正な把握に取り組み、委員御指摘の点も含めまして、市場における競争上の課題が生じていないかどうかを注視してまいります。

 また、独占禁止法上問題となる具体的な案件に接した場合には、同法に基づきまして厳正に対処してまいる所存でございます。

落合委員 これで終わりますが、このままでいくと日本経済それから日本の産業の状況は大きく変わってしまうと思いますので、是非競争政策上も注視をいただければと思います。

 では、終わります。ありがとうございました。

工藤委員長 次回は、来る十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    正午散会


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