衆議院

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第8号 令和8年3月26日(木曜日)

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令和八年三月二十六日(木曜日)

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 議事日程 第七号

  令和八年三月二十六日

    午後一時開議

 一 国務大臣の演説(米国訪問に関する報告について)

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本日の会議に付した案件

 高市内閣総理大臣の米国訪問に関する報告についての演説及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(森英介君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(森英介君) 御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰された元議員不破哲三君は、昨年十二月三十日逝去されました。痛惜の念に堪えません。謹んで御冥福をお祈りいたします。

 不破哲三君に対する弔詞は、議長において昨二十五日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 元日本共産党幹部会委員長元衆議院議員不破哲三君は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰されました

 君は 終始政党政治の推進に力をいたし議会制民主政治の発展に貢献されました その功績はまことに偉大であります

 衆議院は 君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

 国務大臣の演説(米国訪問に関する報告について)

議長(森英介君) 内閣総理大臣から、米国訪問に関する報告について発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣高市早苗君。

    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

内閣総理大臣(高市早苗君) 私は、三月十八日から二十日まで米国のワシントンDCを訪問し、トランプ米国大統領と日米首脳会談を行いました。その概要を報告いたします。

 イラン情勢について、トランプ大統領に対して、事態の早期鎮静化の必要性を始めとする我が国の考えをしっかりと伝えました。

 その上で、ホルムズ海峡における航行の安全、エネルギーの安定供給を含む中東地域の平和と安定の実現に向けて、日米間で緊密に意思疎通を続けていくことを確認しました。

 その関連で、日本やアジアにおける原油調達を念頭に、米国産エネルギーの生産拡大に日米で共に取り組むことを確認し、また、トランプ大統領に対し、日本で米国から調達する原油を備蓄する共同事業を実現したい旨を伝えました。エネルギー分野では、加えて、小型モジュール炉の建設を含む戦略的投資イニシアティブの第二陣プロジェクトを発表しました。

 続いて、重要鉱物、AIを含む先端技術分野などでの協力強化で一致しました。

 特に、重要鉱物については、具体的プロジェクトに関する協力や、南鳥島周辺海域のレアアース泥を含む海洋鉱物資源開発に関する協力に関する三つの文書を取りまとめました。

 加えて、安全保障分野についても、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化のため、ミサイルの共同開発、共同生産を含め幅広い安全保障協力を進めることで一致しました。

 インド太平洋情勢についても議論を行いました。中国をめぐる諸課題について、日米で緊密に連携していくことを確認しました。

 北朝鮮については、完全な非核化に向けた確固たるコミットメントを確認しました。拉致問題の即時解決について、私自身の決意をお伝えするとともに、引き続きの理解と協力を求め、トランプ大統領から全面的な支持を得ました。

 さらに、自由で開かれたインド太平洋を共に力強く推進していくことを確認しました。

 国際情勢が激動し、不確実性が増す中で、日本の国益を最大化するためには、強固な日米同盟が不可欠です。

 今回の米国訪問を通じて、経済安全保障を含む経済、安全保障など幅広い分野において、日米同盟の質を更に高める多くの具体的な協力を確認できました。

 こうした成果を踏まえ、今後とも、我が国の外交、安全保障政策の基軸である日米同盟を更なる高みに引き上げてまいります。(拍手)

     ――――◇―――――

 国務大臣の演説(米国訪問に関する報告について)に対する質疑

議長(森英介君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中曽根康隆君。

    〔中曽根康隆君登壇〕

中曽根康隆君 自由民主党の中曽根康隆です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、高市総理の訪米報告について、全て総理に質問をいたします。(拍手)

 まず、今般、国際情勢がますます厳しさを増し、イランをめぐる情勢もある中、日本の総理として訪米され、トランプ大統領と対面での日米首脳会談を実施されたことは、大変意義深かったと考えております。この度の訪問により、両首脳は、互いの強固な信頼関係の下、日米同盟を更なる高みに引き上げていくことを対外的に示すことができたと考えております。改めまして、今回の訪米の意義と成果をお聞かせください。

 また、今回の訪米は、国際情勢が非常に厳しい中で、各国の思惑が交錯する難しいタイミングであったと思います。そうした中で、事前に綿密な準備を重ねられ、特に総理御自身がリーダーシップを発揮されたことが、訪問を成功裏に終えることにつながったのではないかと考えております。今回の訪米の成功の要因を総理御自身はどのように分析をされているのか、御所見をお伺いをいたします。

 今回の日米首脳会談で扱われた大きなテーマの一つはイラン情勢でありました。事態の早期鎮静化に向け、今回の首脳会談ではトランプ大統領との間でどのような議論が交わされたのか、お聞かせください。

 また、海洋国家である我が国にとって、エネルギーの確保は至上命題であります。現在、中東情勢が悪化する中で、重要性を増すエネルギーの安定供給について、今回の訪米における具体的な成果をお聞かせください。

 経済安全保障分野においては、総理は日米協力を一層強化することでトランプ大統領と一致したと述べられ、重要鉱物に関しては三つの文書も公表されました。会談を通じて達成された成果をお聞かせください。

 加えて、安全保障の分野では、今後の日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化について意見交換をされたことと思います。会談を通じて達成された日米安全保障協力に関する具体的な成果をお聞かせください。

 インド太平洋をめぐる諸課題について伺います。中国に関して、東シナ海や南シナ海等における同国による力又は威圧による一方的な現状変更の試みは継続しています。今回の首脳会談では、中国をめぐる諸課題について、日米での緊密な連携を確認されました。トランプ大統領による中国訪問が予定されている中で、今後、中国に対して日米でどのように向き合っていかれるお考えか、お聞かせをください。

 北朝鮮に関して、核・ミサイル問題や拉致問題を含め、未解決の問題も多いですが、今回の首脳会談では、トランプ大統領との間でどのような議論が交わされたのか。特に、拉致は、今なお続く現在進行形の重大な人権侵害であり、主権国家に対する断じて許されない国家的犯罪であります。今回の米国訪問の成果も踏まえ、北朝鮮に対して米政権とともにどのように対峙していくお考えか、お聞かせをください。

 今回の訪問を通じて、総理は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、日米がしっかり連携していく決意を国内外に明確に示されたものと受け止めています。一方で、自由で開かれた安定的な国際秩序は今大きく揺らいでおり、我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面をしています。

 こうした中、米国や同志国と連携をしながら、日本が国際社会の中で主体的に役割を果たし、平和と繁栄を築く責任ある日本外交をどのように進めていくお考えなのか、総理の決意を改めてお伺いいたします。

 あわせて、今回の首脳会談では、こうした認識の下、トランプ大統領との間でどのような議論が交わされたのか、同志国との連携の在り方も含めてお聞かせください。

 今回の首脳会談は、トランプ大統領と総理との間で行われたものとしては五回目でありました。今回の訪米でも、総理はトランプ大統領と個人的な信頼関係を築かれたことと思います。また、総理は、全体を通して、日米同盟の質を高める協力を確認されたと述べられました。八〇年代には、ロン・ヤス関係と言われる日米首脳間の強固な信頼の下、日米関係は新たな時代を迎えましたが、総理は、トランプ大統領との強い信頼関係を基に、今後の日米関係をどのように進めていかれるお考えでしょうか。

 最後に申し上げます。

 米国ワシントンのポトマック川沿いに咲く桜は、一九一二年、我が国が米国に贈ったものであります。まさに百十四年前の明日、三月二十七日に植樹祭が行われました。日露戦争後、和平の仲介に尽力した米国への感謝、その思いが海を越えて形となったものでした。

 その後、両国は不幸にも戦火を交えるに至りました。しかし、それでもなお桜は失われることなく、毎年春になれば咲き続けてきました。

 そして、本年、米国建国二百五十年という節目に当たり、新たに二百五十本の桜が日本から贈られることとなりました。これは、単なる記念事業ではなく、百十四年にわたる日米関係の積み重ねを礎に、未来への責任と決意を示すものであると考えております。

 日米同盟は、我が国の安全保障の基軸であると同時に、自由で開かれた国際秩序を支える公共財でもあります。今こそ、その歴史の重みを踏まえ、両国先人たちが残した知恵や教訓を真摯に受け止め、共にリーダーシップを発揮し、地域と世界の平和と繁栄に一層貢献していくべきであります。

 桜が時代を超えて咲き続けてきたように、日米のきずなもまた、より強く、より確かなものとして次の世代へと引き継いでいく、その決意と期待を込め、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

内閣総理大臣(高市早苗君) 中曽根康隆議員の御質問にお答えいたします。

 日米首脳会談の意義、成果、イラン情勢に関するやり取り、エネルギー分野の成果についてお尋ねがありました。

 今回の会談を通じて、安全保障や、経済安全保障を含む経済など幅広い分野において、日米同盟の質を更に高める多くの具体的な協力を確認できたことは大きな成果でした。

 また、緊迫した状況が続くイラン情勢について、事態を一刻も早く鎮静化させ、ホルムズ海峡における航行の安全や、エネルギーの安定供給を確保することの重要性についても確認できました。

 こうした成果を実現できた背景としては、関係各省による事前の入念な準備に加え、私とトランプ大統領との間の信頼関係の下、内容の濃い議論を行うことができたことが大きかったと考えています。

 エネルギーの安定供給に関しては、日本やアジアにおける原油調達を念頭に、米国産エネルギーの生産拡大に日米で共に取り組んでいくことを確認し、また、トランプ大統領に対し、日本において米国から調達する原油を備蓄する共同事業を実現したい旨を伝えました。

 これからも、日米間で緊密に意思疎通を続けてまいります。

 日米首脳会談の経済安全保障分野での成果についてお尋ねがありました。

 先般の首脳会談では、トランプ大統領との間で、現下の状況で重要性が増しているエネルギーの安定供給の確保、重要鉱物、AIを含む先端技術分野など、経済安全保障分野での日米協力を一層強化することで一致しました。

 特に重要鉱物については、同志国とも連携して、重要鉱物のサプライチェーンを強靱化すべく、重要鉱物サプライチェーン強靱性のための日米アクションプラン、日米重要鉱物プロジェクト協力に関する共同ファクトシート、日米海洋鉱物資源開発に関する協力覚書の三つの文書を取りまとめるなど、大きな進展がありました。

 互いの強固な信頼関係の下、経済安全保障を含む経済分野で日米同盟の質を更に高める多くの具体的な協力を確認できたことは、大きな意義があったものと考えています。

 日米安全保障協力に関する具体的な成果についてお尋ねがありました。

 今般の日米首脳会談において、トランプ大統領との間で、互いの強固な信頼関係の下、安全保障を含む幅広い分野で、質の高い日米協力を具体的に進め、日米同盟を更なる高みに引き上げていくこと、そして、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくべく、ミサイルの共同開発、共同生産を含む幅広い安全保障協力を進めていくことで一致しました。

 安全保障環境が一層厳しさを増している現状を踏まえ、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化を図るべく、米国との間で緊密に連携をしていきます。

 中国に対する日米の向き合い方についてお尋ねがありました。

 今回の首脳会談で、トランプ大統領との間では、中国をめぐる諸課題について意見交換を行い、日米で緊密に連携していくことを確認しました。

 中国との間で戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していく方針は、私の総理就任以来、一貫しています。

 その上で、中国は重要な隣国であり、日中間に懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要です。

 我が国としては、中国との様々な対話についてオープンであり、今も各レベルで中国側と意思疎通を継続しています。

 今後も、国益の観点から、冷静に、適切に対応を行っていきます。

 また、北朝鮮に関する議論についてお尋ねがありました。

 トランプ大統領との間では、北朝鮮情勢について認識を共有し、核・ミサイル問題に共に対処する必要性や、北朝鮮の完全な非核化に向けた確固たるコミットメントを確認しました。

 私から、拉致問題の即時解決について私自身の決意を伝えるとともに、引き続き理解と協力を求め、トランプ大統領から全面的な支持を得ました。

 北朝鮮への対応に当たっては、今後とも、米国政府との間で緊密に連携をしていきます。

 平和と繁栄をつくる責任ある日本外交及び日米首脳会談での議論についてお尋ねがありました。

 現在、国家間の競争が激化、複雑化、常態化し、我々が慣れ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序が大きく揺らいでおり、我が国もまた、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。

 このような厳しい国際情勢の中、能動的に具体的な行動を積み重ね、我が国及び国際社会の平和と繁栄を実現していくことが必要です。

 こうした考えの下、米国や同志国を含む幅広い関係国とも連携しつつ、自由で開かれたインド太平洋の進化を通じて、平和と繁栄をつくる責任ある日本外交を力強く推進していきます。

 先週の日米首脳会談では、私から、FOIPを日本外交の柱として引き続き力強く推進し、時代に合わせて進化させていく決意を改めて示し、トランプ大統領との間では、FOIPを今後も力強く推進していくことを確認したところでございます。

 今後の日米関係についてお尋ねがありました。

 今回の会談を通じて、トランプ大統領との信頼関係を一層強固なものとするとともに、安全保障や、経済安全保障を含む経済など幅広い分野において、日米同盟の質を更に高める多くの具体的な協力を確認できたことは大きな成果でした。

 今後については、今回の訪米で得られた成果を着実に実施していくことが重要であると考えています。

 我が国としては、こうした取組を通じ、日米同盟を更なる高みに引き上げるとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現、ひいては国際社会の平和と安定により一層貢献してまいります。(拍手)

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議長(森英介君) 河西宏一君。

    〔河西宏一君登壇〕

河西宏一君 中道改革連合・無所属の河西宏一です。(拍手)

 まず、この度の日米首脳会談に当たり、総理を始め、御尽力をいただいた政府関係者の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。

 今回の会談は、イラン情勢のみならず、激変する世界情勢における日米関係の在り方、トランプ関税も踏まえた経済安全保障の推進、極東への米国の関与など、国益を懸けた重要課題が焦点となりました。

 トランプ大統領は、改めて、ホルムズ海峡における航行の安全確保に向けた日本の貢献を要請しました。事態を早期に鎮静化させ、原油高、物価高から国民生活と我が国経済を守るためには、最大限外交に力を尽くすことが大前提であります。ただし、同時に立法府には、ありとあらゆる選択肢について議論を尽くす責務があります。

 私は、人命と国益を懸けた立法府の判断に当たっては、与野党を問わず責任ある対応が求められるとの自覚に立ち、また、総理、関係閣僚の皆様には、国民の皆様に向けた、できる限り分かりやすい御説明を期待し、以下、会派を代表し、質問いたします。

 まず、外交の重要性について伺います。

 現行の国家安全保障戦略には危機を未然に防ぐ五つの力が明記されており、その第一が外交力です。今回の会談はその重要性が確認されたとともに、イランとも良好な関係を構築してきた日本の責任は更に重みを増しています。

 そこで、総理に伺います。ホルムズ海峡の安全を確保するため、自衛隊の派遣を前提とするのではなく、あくまで、最大限外交に力を尽くすとの方針でよろしいでしょうか。

 また、令和八年中を目指し、戦略三文書を前倒しで改定すると明言されておりますが、今後も安全保障に関わる総合的な国力の第一として外交力を掲げる方針か、総理にお伺いをいたします。

 今回の会談における対中政策を念頭に置いた成果文書は、米側のファクトシートのみです。また、米国の国家安全保障戦略と同様、中国の名指しを避けており、昨年二月の日米首脳会談における中国を名指しした共同声明と比較をいたしますと、物足りない印象を受けます。

 一方、台湾に関しては、昨年の共同声明と比較すると、両岸問題の平和的解決を促すから支持すると、一歩踏み込みました。

 これらの点を踏まえ、米中首脳会談を今後に控える中で、対中政策における今回の日米のコミットメントをどう評価しているのか、総理の見解を伺います。

 次に、六か国による共同声明について伺います。

 会談の直前、三月十九日、日本、イギリスなど六か国首脳によるホルムズ海峡に関する共同声明が発せられました。安保理決議二八一七号が脅威の認定にとどまる一方、昨日時点で三十三か国にまで拡大したこの共同声明は、各国が安全な航行の確保を目的とした適切な取組に貢献する用意があると踏み込んでいます。

 総理に、この共同声明の意義とともに、何らかの狙いを持って日米首脳会談の前に発するよう我が国として積極的に関与したのか、伺います。

 また、貢献する用意があるとした適切な取組とは我が国として具体的に何を想定しているのか、そこに自衛隊の派遣は含まれるのか、総理、御答弁ください。

 あわせて、防衛大臣に伺います。

 備蓄原油の放出をしたばかりである今、直ちに機雷掃海に向けた存立危機事態の認定は考えにくい等を勘案すると、自衛隊の派遣を含む、当面なし得る対応は、重要影響事態あるいは国際平和共同対処事態における後方支援のほか、既に中東地域で実施してきた防衛省設置法第四条による情報収集活動の領域を拡張するか、あるいは、自衛隊法第八十四条の二による停戦後の遺棄機雷の掃海にとどまるものと考えますが、政府としてどのように整理しているのか、答弁を求めます。

 その上で、国際平和支援法に基づく後方支援について伺います。

 後方支援は、憲法第九条の下、他国の武力行使と一体化しないという大原則を堅持しつつ、国際社会の平和と安全のために我が国が主体的に貢献できる法的枠組みとして、平成二十七年に平和安全法制の整備により確立されたものであります。かつては事態のたびに特措法を制定する必要がありましたが、国際平和支援法という恒久法に転換したことで、厳格な国会承認を前提としつつも、時機を逸しない対応が可能となりました。今般の事態は、この法制が真に問われ得る局面とも言えます。

 この国際平和支援法を踏まえれば、国連が加盟国に具体的な行動を求める決議が実現し、この決議に沿って行動する有志連合等に対しては、我が国として補給や輸送などの後方支援が可能となります。我が国を含む三十三か国が適切な取組に貢献する用意があると表明した今回の共同声明は、まさにそうした国連決議の実現への政治的また外交的基盤と位置づけることができます。

 総理は、今回の会談でトランプ大統領に、日本の法律の範囲内でできることとできないことを詳細にきっちりと説明したと強調され、トランプ大統領は、日本は一段と踏み込んだ対応を検討しているようだと応じました。

 総理は、日本の法律の範囲内でできることとして、国際平和支援法の要件を満たす国連決議を踏まえた有志連合等に対しては後方支援が可能である旨、トランプ大統領に御説明をされたのか、確認をさせてください。

 また、国際平和共同対処事態の認定に当たっては、自衛隊の派遣の前に例外なく国会の事前承認が必要であります。あわせて、国際平和支援法第六条第二項により、衆参両院には七日以内に議決する努力義務があり、加えて、衆議院の優越が適用されないため、衆議院解散時における参議院の緊急集会の場合を除き、衆参両院の承認が不可欠となります。

 つまり、国民の生命、生活、生存に直結する重大な判断の下、我が国として初の事態認定を迫られる可能性があり、迅速かつ丁寧なプロセスが求められます。総理、今後の推移次第では、与野党の党首会談を呼びかけられるお考えはありますか。見解をお伺いをいたします。

 次に、いずれも一般論として、船舶の護衛と個別的自衛権の行使について防衛大臣に伺います。ここでの問題は、日本の船が攻撃された場合に、護衛している自衛隊の艦船が反撃できるのかということであります。

 まず、公海上の日本関係船舶に対して外国軍から武力攻撃が加えられた場合、武力攻撃事態を直ちに認定し、護衛艦が個別的自衛権を行使することは可能でしょうか。あるいは、事態認定前であっても海上警備行動による日本関係船舶の護衛は可能か、また、自衛隊を派遣した後に外国軍等から予見しない攻撃を受けた場合、対処が可能なのか、見解をお伺いいたします。

 次に、この海上警備行動について伺います。

 ここでの課題は、日本人が乗っている船だからといって、国際法に照らした場合、自衛隊が必ずしも守れるとは限らないという現実であります。ペルシャ湾にとどまっている日本関係船舶のうち、日本人が乗船する船が全て日本籍船とは限りません。船籍が外国であれば、旗国主義、船に掲げる国旗の国が責任を持つ国際ルールの原則があり、加えて、国際法上は自衛権と警察権を区別する概念はないため、海上警備行動の対象とできないケースが想定されます。

 防衛大臣に伺います。こうした国内法と国際法のはざまに横たわっている課題に対してどのような問題意識をお持ちか、見解をお伺いいたします。

 今回の会談では、日米両国で共同開発、生産してきた海上配備型の迎撃ミサイル、SM3ブロック2Aの生産量を急速に四倍へと増やすことが米国のファクトシートに明記されました。

 そこで、総理に伺います。当該迎撃ミサイルの生産量を四倍に急増させるためには、国内の生産能力の大幅な増強が必要ですが、民間企業のキャパシティーを十分に精査し、かつ我が国の安全保障上の必要性を踏まえた上で、我が国として主体的に判断されたのか、御説明ください。

 また、SM3ブロック2Aは、共同開発、生産のパートナー国である米国への移転が可能であり、我が国は平時から部品を米国へ提供しています。しかしながら、今般、当該迎撃ミサイルは、国際法違反の可能性が高い米国、イスラエルの攻撃に対するイランの反撃に対して、米海軍イージス艦の迎撃に使用されているところであり、国連憲章を踏まえた防衛装備移転三原則の運用指針に照らして整合性が取れないと言わざるを得ません。

 今後も、日米同盟を軸とした我が国の安全保障を強固にし、国益を確保する観点から、米国に対して国連憲章を遵守するよう主体的に働きかけるべきと考えますが、総理の見解を伺います。

 関連して、防衛装備移転三原則の運用指針改定について伺います。

 現在、日本が自衛隊法上の武器に当たる防衛装備の完成品を輸出できるのは、一部の国際共同開発、生産品やライセンス生産品のほか、救難、輸送、警戒、監視、掃海の五類型に限定されております。与党の御提言は、この五類型を撤廃し、殺傷能力のある武器の移転も一定の条件の下で認めるものであります。しかし、世論調査が示すとおり、五類型の撤廃の必要性も、歯止めの在り方も、国民の皆様が納得しているとは言い難い状況であります。

 そこで、官房長官に伺います。政府として、五類型を全面的に撤廃する安全保障上の具体的な必要性を認識しているのか、また、全面的な撤廃を要するほどの幅広い装備について他国からの引き合いがあるのか、答弁を求めます。

 次に、厳格審査の在り方について伺います。

 先日の予算委員会で、小泉防衛大臣は、この運用指針は憲法の平和主義を政策的に具現化したものであり、今後もそれは変わらないと御答弁されました。これは、国際紛争を助長する、あるいは国際法違反の侵略等に使われることを承知の上で武器を輸出することは、平和的生存権の保障との憲法の精神に反するとの従来の政府答弁を踏まえたものであり、防衛装備移転三原則ではこれを、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念を堅持するとして具現化しています。

 しかし、米国は、国連憲章を踏まえた対米武器・武器技術供与取決めを我が国と締結しているにもかかわらず、今回の米国とイスラエルによるイラン攻撃は国際法違反の可能性が高い。したがって、このままでは、国際約束さえ結んでいれば、その前提となる国連憲章を守らない相手国であっても、我が国として武器の移転が可能な運用となりかねず、到底、憲法の平和主義の具現化とは言えません。

 そこで、移転対象を国連憲章の目的と原則に適合する方法で使用することを義務づける国際約束の締結国に限定するだけではなく、当該国際約束を締結し、かつ、これを誠実に履行すると認められる国に限定すべきと考えますが、官房長官、いかがでしょうか。

 加えて、米国のFMS、対外有償軍事援助では、一定額を超える案件について、米国議会への事前通知が義務づけられております。米国ですら、議会のチェックを受け、透明性を高めています。我が国も、国会への事前通知や反対決議がないことを移転の条件に付すべきと考えますが、官房長官の見解をお示しください。

 最後に、総理に伺います。

 現行の運用では、過去に例のない武器移転に関する審査はいわゆる四大臣会合で行われますが、審査に関する署名もなく、責任の所在が弱いと言わざるを得ません。一方、閣議決定は全大臣が署名し、政権全体として責任を負うものであります。やはり、過去に例のない武器移転の案件については、GCAP、次期戦闘機の完成品を第三国に移転する場合と同様、閣議決定を行うべきと考えますが、閣議の議長である総理の見解をお伺いをいたします。

 以上、国民の生命と財産を断じて守るため、有事を未然に防ぐ現実的な外交、安全保障政策を掲げる中道改革連合として、総理及び関係閣僚の皆様に明快な御答弁を求め、質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

内閣総理大臣(高市早苗君) 河西宏一議員の御質問にお答えいたします。

 ホルムズ海峡の安全確保と外交についてお尋ねがありました。

 今、何よりも重要なことは、米国を含む国際社会とともに事態の早期鎮静化、そして世界経済の悪化を防ぐ取組を続けていくことであり、トランプ大統領との会談でも、その旨、私から指摘したところです。

 イランに対しても、イランによる湾岸諸国におけるエネルギー施設を含む民間施設等への攻撃や、ホルムズ海峡における航行の安全を脅かす行為を直ちに停止するよう、様々なレベルで直接働きかけてきております。

 我が国としては、当事者との直接対話のパイプも生かしつつ、引き続き、関係国や国際機関を含めた国際社会と緊密に連携しながら、必要なあらゆる外交努力を行っていきます。

 次に、三文書の改定と外交力についてお尋ねがありました。

 三文書の改定は、今後検討を進めていくものであり、現時点で具体的な内容について予断することは差し控えます。

 その上で申し上げましたら、現行の国家安全保障戦略は、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素の一つとして、まず外交力を掲げています。

 今国会の施政方針演説においても、私は、外交力を始めとする日本の総合的な国力を徹底的に強くしていく決意を述べました。

 我が国の長年にわたる国際社会の平和と安定、繁栄のための外交活動や国際協力を通じ、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出するために、力強い外交を展開していきます。

 対中政策における日米のコミットメントについてお尋ねがありました。

 御指摘のホワイトハウスが発表したファクトシートは、米側が単独で発出した文書であり、その内容の逐一について政府としてコメントすることは差し控えますが、訪米の機会に米側としての認識を記述したものと理解しています。

 その上で、あえて、御指摘の台湾に関する記述について申し上げますと、米側ファクトシートの記述と認識を全く一にするものでございます。

 また、米国との間では、平素より幅広い分野について様々なレベルで意思疎通を行っており、引き続き適切に対応していく考えです。

 ホルムズ海峡に関する首脳共同声明の意義及び発出のタイミングについてお尋ねがありました。

 御指摘の共同声明は英国主導で発出され、我が国も当初から参加しました。

 現下の情勢を踏まえ、イランによる民間船舶やインフラ施設への攻撃、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖を非難するとともに、インフラ施設への攻撃を直ちに、かつ包括的に停止するよう求め、同時に、ホルムズ海峡における安全な航行の確保を目的とした適切な取組に貢献する意思を示すものともなっております。

 その上で、本声明については、多数国間の共同声明であり、各種調整の下、準備が整ったと判断されたタイミングで発出されたものでございます。

 今般の首脳会談でも、米国が建設的な役割を国際的な連携の下で発揮するよう、日本として引き続き後押ししていくとの観点から、私からトランプ大統領に対して、本声明への参加を伝えました。

 次に、共同声明における適切な取組についてお尋ねがありました。

 本声明は、ホルムズ海峡における安全な航行の確保を目的に、関係国が連携して取り組んでいく方針を確認したものであり、御指摘の点については、現時点において、特定の取組が念頭に置かれているわけではございません。

 日本としては、関係国と意思疎通をしながら、現下の情勢をよく踏まえつつ、適切に対応してまいります。

 日本の法律の範囲内でできることについてお尋ねがありました。

 日米首脳会談において、トランプ大統領から、ホルムズ海峡の安全確保は非常に重要であるとして、ホルムズ海峡における航行の安全に関し、日本を始めとする各国に対する貢献の要請がありました。

 それに対し、私からは、ホルムズ海峡における航行の安全の確保はエネルギーの安定供給の観点からも重要であるという認識を示した上で、我が国の法律の範囲内でできることとできないことがある旨を伝え、これについて詳細に説明をしました。

 今般の日米首脳会談においては、我が国の国益を踏まえ、トランプ大統領と率直なやり取りを行い、非常によい会談となりました。

 トランプ大統領とは今後も首脳間で率直なやり取りを継続していかなければならず、そのためには、先方との信頼関係が欠かせません。

 これ以上のやり取りの詳細について明らかにできないことは御理解をお願い申し上げます。

 国際平和共同対処事態の認定についてお尋ねがありました。

 現在のイランをめぐる状況について、政府として国際平和共同対処事態に該当するといった判断は行っておらず、仮定の御質問へのお答えは差し控えます。

 その上で、一般論として申し上げますと、国会承認を求めるに当たっては、できるだけ幅広く、各党各会派の代表の皆様に丁寧に御説明したいと考えております。

 SM3ブロック2Aの生産能力の増強及び米国への働きかけについてお尋ねがありました。

 米側が発出したファクトシートの内容についてコメントすることは差し控えます。

 その上で、日米首脳会談では、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくべく、ミサイルの共同開発、共同生産を含む幅広い安全保障協力を一層進めていくことで一致しております。

 SM3ブロック2Aは日米両国にとって極めて重要な迎撃ミサイルであり、我が国としてその増産について協力していくことは、同盟の抑止力、対処力強化の観点から重要であると考えています。

 この迎撃ミサイルの大幅な増産につきましては、国内企業の生産能力を効率的に増強して実現可能であることを確認しており、企業としっかり連携して進めてまいります。

 御指摘の米国による今般の行動について、日本はその詳細な事実関係を十分把握する立場にないことから、確定的な法的評価を行うことは困難です。

 いずれにしても、我が国からの防衛装備移転については、個別の案件ごとに厳格に審査し、移転後の適正管理が確保される場合に限って認めてきております。

 国連憲章は、国連の目的及び原則等を定めるものであり、既存の国際法の一部を成すものとして、極めて重要な価値、意義を持っていると認識しております。

 こうした考えも踏まえ、今後も、日米間で緊密に意思疎通を行い、日米同盟を更に強化していく考えです。

 防衛装備移転の審査プロセスについてお尋ねがありました。

 防衛装備移転三原則運用指針の見直しについては、現時点でその内容を予断することは控えますが、政府としては、個別の案件ごとに厳格に審査し、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得るとする基本的な考え方を維持しつつ、お尋ねの審査の手続を含め、具体的な議論を加速していきます。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣小泉進次郎君登壇〕

国務大臣(小泉進次郎君) 河西宏一議員からは三点いただきましたので、お答えさせていただきます。

 自衛隊の派遣根拠についてお尋ねがありました。

 日本政府として、ホルムズ海峡をめぐる情勢については重大な関心を持って鋭意情報収集を行ってきているところですが、現時点で自衛隊の派遣については何ら決まっていません。

 その上で、御指摘の自衛隊の行動について、一般論として申し上げれば、例えば重要影響事態、国際平和共同対処事態に該当する場合は後方支援活動等が可能ですが、現在の状況がこれらの事態に該当するといった判断は行っていません。

 また、情報収集活動、機雷等の除去については、今般のホルムズ海峡をめぐる情勢は時々刻々と変化していることから、現時点で予断を持ってお答えすることは困難です。

 いずれにせよ、ホルムズ海峡における航行の安全の確保を含む中東地域の平和と安定の維持は、エネルギーの安定供給の観点を含め、日本を含む国際社会にとって極めて重要であり、アメリカを含む関係国ともよく意思疎通をしながら、現下の情勢をよく踏まえつつ、国際法及び国内法の範囲内で、必要な対応を検討してまいります。

 次に、船舶の護衛と個別的自衛権の行使についてお尋ねがありました。

 現在の状況が武力攻撃事態に該当するといった判断は行っていません。

 その上で、あくまで一般論として申し上げれば、我が国に対する武力攻撃とは、基本的には我が国の領土、領海、領空に対する武力攻撃をいうと考えていますが、公海上にある我が国の艦船に対するものも、状況によっては、我が国に対する武力攻撃に該当し得ると考えています。

 また、これも一般論として申し上げれば、海上警備行動は、公共の秩序の維持として、いわゆる警察権の行使として行うものであり、法理上は、我が国領域外であっても日本関係船舶を護衛することは排除されません。

 その上で、万が一、外国軍等から日本関係船舶への侵害行為が予期せず発生した場合に、自衛隊がいかなる措置を取ることができるのかは、個別具体的な状況に即して判断することとなります。

 いずれにせよ、特定の事例が我が国に対する武力攻撃に該当するかについては、あらかじめ定型的、類型的にお答えできる性質のものではありません。

 次に、海上警備行動に係る国内法と国際法との関係についてお尋ねがありました。

 公海上における外国籍船の保護は、国際法上、一般的には、当該船舶への排他的管轄権を有する旗国がその責任の下に行うべきとの旗国主義の考えに基づき対処することが基本です。

 あくまで一般論として申し上げれば、こうした国際法上の考え及び国内法を踏まえ、海上警備行動に基づき日本関係船舶を保護することが可能です。

 その上で、御指摘の外国籍船である日本関係船舶を保護するために自衛隊が取ることのできる措置は、個別具体的な状況に即して判断する必要があり、一概に論ずることは困難ですが、我が国が被る法益侵害と比例する形で、例えば、状況に応じて呼びかけや近接といった、実力の行使を伴わない措置等を取ることが考えられます。

 いずれにせよ、自衛隊の行動は国際法及び国内法の範囲で行うことは当然であり、今般の情勢を踏まえ必要な対応を検討するに当たっても、この考えは変わりません。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣木原稔君登壇〕

国務大臣(木原稔君) 河西宏一議員にお答えいたします。

 防衛装備移転三原則運用指針における、いわゆる五類型撤廃の必要性についてお尋ねがございました。

 防衛装備移転三原則運用指針の見直しの内容を現時点で予断するということは控えますが、我が国を取り巻く安全保障環境の変化が加速度的に生じる中、政府として、防衛装備移転を更に推進し、同盟国、同志国の抑止力、対処力を向上させることが必要と考えております。

 また、我が国の防衛装備品に対しては、既に各国から様々なニーズや期待が寄せられており、例えば、退役予定の護衛艦の調達に関心を示している国もあります。

 こうした同盟国、同志国との議論も踏まえながら、我が国として望ましい安全保障環境を創出するためにどのような案件を移転可能とするべきか、検討を加速してまいります。

 防衛装備品の移転対象国についてお尋ねがありました。

 政府としては、我が国からの防衛装備移転について、個別の案件ごとに厳格に審査し、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得るとする基本的な考え方を維持しつつ、具体的な検討を加速してまいります。

 防衛装備移転に関する国会への事前通知等についてお尋ねがありました。

 防衛装備移転の許可は、外国為替及び外国貿易法の運用によって行われるものです。

 同法の運用は行政権の作用に含まれることから、同法にのっとり、国家安全保障会議における厳格審査を経て、政府がその主体となって行っていくことが適切と考えます。

 その上で、防衛装備移転については、これまでも政府による対外発信や国会の質疑などを通じてその考え方や背景について御説明してきたところであり、今後も、国民の皆様に御理解をいただけるよう、政府の考え方について丁寧に説明していくことは当然であると考えております。

 以上です。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(森英介君) 青柳仁士君。

    〔青柳仁士君登壇〕

青柳仁士君 日本維新の会の青柳仁士です。

 会派を代表し、高市総理の帰朝報告について質問します。(拍手)

 まず冒頭、高市総理を始め関係閣僚及び外務省の皆様の御尽力に敬意を表します。

 今回の訪米では、トランプ大統領との会談を通じ、日米同盟の揺るぎない結束が改めて確認されました。両首脳は、強固な信頼関係の下、経済、安全保障など幅広い分野で質の高い協力を具体的に進め、同盟を更なる高みに引き上げていくことで一致しました。さらに、トランプ大統領から高市総理への支持が明確に示され、同盟国として我が国及び総理の取組が高く評価されたことも重要な成果と考えます。

 一方、今回の訪米において世界が最も注目していた論点の一つは、米国が求めるホルムズ海峡への自衛隊艦船の派遣に対し我が国がいかに応じるかでありました。これについて総理は、記者会見にて、法律の範囲内でできることとできないことがある旨を詳細に説明したと述べておられます。結果として派遣は受け入れなかったとの理解でありますが、正式な停戦合意に至るまでは自衛隊の派遣は困難であるとの認識を伝え、米国側の理解を得たと受け止めてよいのか、改めてお聞かせください。

 あわせて、令和元年の中東情勢緊迫時における対応、すなわち、有志連合には参加せず、情報収集活動としてホルムズ海峡外に派遣した際の政府認識との連続性について伺います。当時と同様の法的整理に基づくものなのか、それとも新たな解釈や判断が加わっているのか、総理の具体的な認識をお示しください。

 会談後、米国の国連大使が、高市総理がホルムズ海峡の航行の安全確保に関し自衛隊による支援を約束したと発言したとの報道がありました。これは事実と異なるとの理解でよろしいでしょうか。

 日米交渉の正式なラインとは異なる立場からの発言であり、結果として国際世論に誤解を生じさせるおそれもあります。政府としてこの発言をどのように受け止め、事実関係の是正と国際社会への正確な発信を行っていくのか、政府の対応方針についてお示しください。

 トランプ大統領は、インタビューの中で、イラン攻撃を日本に事前に知らせるべきではなかったかとの質問に対し、真珠湾攻撃を引き合いに出して一笑に付しました。確かに、軍事行動について事前に他国に知らしめることは現実的ではないと思います。しかしながら、今回の例示は適切とは言い難く、また、大統領の基本認識も全く異論なしとは言えないと思います。

 ホルムズ海峡は我が国の生命線であり、国際的な対応への協力は一見当然のようにも思えますが、我が国の立場からすれば、事前の十分な協議なく開始された行動について、事後対応のみを求められているとの受け止めも成り立ち得ます。今後も、戦闘の収束及びその後の治安維持や恒久平和の道筋が見通せない中、受動的に紛争に関与し続けることが我が国の国益を損なう可能性は否定できません。

 同盟国にとって存亡の危機ともなり得る事態を引き起こす決断を行っている以上、我が国に対して一定の説明と協議は必要ではないでしょうか。今後についても、事態の予見性が担保されない場合の協力の在り方については、判断が必要ではないでしょうか。

 また、国際法上の評価は技術的に困難であることは理解しますが、一定の歯止めをかけるものとして認識を伝えていくことも必要と考えます。総理の御認識を伺います。

 米国との関係においても、我が国は一方的に応じるのではなく、対等かつ誠実に、主張すべきは主張する姿勢の堅持が重要と考えます。あわせて、各国と連携しつつ、主体的に代替構想を示し、国際社会の最適解を導く役割を果たすべきです。

 その意味で、今回の英仏独伊蘭日の共同声明発出における茂木大臣と外務省を中心とした我が国の貢献は、高く評価されるべきと考えます。今後、こうした多国間連携をどのように強化し、調整力を発揮していくのか、総理の御見解を伺います。

 こうした多国間連携の取組の先に、ホルムズ海峡を国際的な枠組みの下で管理し、安全航行を確保する方向性を関係各国とともに目指すことが考えられます。

 ホルムズ海峡は国際法上国際海峡とされ、国連海洋法条約において通過通航の自由が認められており、本来、特定国が恣意的に封鎖できる海域ではありません。また、その半分はオマーンの領海であり、イランが封鎖することは主権侵害に当たります。

 安全航行協定の締結、IMOなどが関与する国際監視メカニズムの構築、主要国による多国間の航行保証等の組合せにより、ホルムズ海峡を世界の公共財として扱う枠組みは実現可能であると考えます。

 これは、領有権を侵害するものではなく、最低限の国際ルールにより世界経済の生命線を守る現実的方策です。停戦や制裁緩和と組み合わせることで、関係国の受入れ余地もあると思います。

 ホルムズ海峡封鎖に対する一つの解決策として、本提案について総理の御見解を伺います。

 中立性と信頼性を生かした日本ならではの立場から、こうした和平に向けた創造的な提案を行い、リーダーシップを発揮していくべきではないでしょうか。

 関連して、現時点において、ホルムズ海峡のオマーン側領海地域は日本の法制度上戦闘地域とみなされるか否か、政府の見解をお示しください。

 また、我が党との連立合意に基づき、今月半ば、外務省に和平協定に関する部署が新設されました。政府全体で和平調停に取り組む能力を構築する第一歩として、イラン対応を含む喫緊の課題に対しても、早期に具体的な役割を担い、実効性ある貢献を果たせるようにしていくべきではないでしょうか。総理の御認識を伺います。

 トランプ大統領は、日米首脳会談後の取材において、日本は必要とあれば支援してくれるだろうとしつつ、日本には憲法上の制約があると発言しました。結果として、憲法上の制約により自衛隊の艦船派遣を回避した形となりました。

 一方、今後、自民党と日本維新の会が掲げる憲法九条改正が実現すれば、こうした歯止めに依拠しない交渉力が求められることになります。そのためには、米国に依存せずとも中国などからの軍事的圧力に自立的に対処し得る防衛力を備え、自らの国を自ら守る体制を確立することが不可欠です。

 現状は、こうした体制の不十分さが対米関係における交渉力の制約となり、我が国の外交的主体性の発揮を妨げている側面があるのではないでしょうか。さらに、国際法に基づき主体的に判断し、対等な関係と普遍的ルールを守りつつ、国益を確保するしたたかな外交力の醸成も求められます。

 そうした基本認識から、我が党と自民党との連立合意には、憲法改正や防衛力強化を始めとする一連の改革が明記されています。改めて、実現の決意について総理に伺います。

 朋友相交わるは善導をもって忠告することもとよりなり。高市総理が我が党の党大会に際し贈ってくださった吉田松陰先生のお言葉は、日米同盟において日本に求められる姿勢ではないかと考えております。真の友人同士であれば、互いに真心を持って忠告し、善に導き合うのが当然のこと。その姿勢を大切にし、我が党はこれからも連立与党として、時に耳の痛いことも申し上げながら、日本と世界にとって有用な日米同盟をつくり、内政のみならず外交においても国民と国家の利益のために全力で貢献することをお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

内閣総理大臣(高市早苗君) 青柳仁士議員の御質問にお答えいたします。

 ホルムズ海峡への艦船の派遣に関するトランプ大統領とのやり取りについてお尋ねがありました。

 まず、トランプ大統領からは、ホルムズ海峡の安全確保は非常に重要であるとして、ホルムズ海峡における航行の安全に関し、日本を始めとする各国に対する貢献の要請がありました。

 これに対して、私からは、ホルムズ海峡における航行の安全はエネルギーの安定供給の観点からも重要であるという認識を示した上で、我が国の法律の範囲内でできることとできないことがある旨伝え、これについて詳細に説明をしました。

 トランプ大統領は、しっかりと耳を傾け、私の説明を理解されていたとの印象を持ちました。

 その上で、トランプ大統領とは、エネルギー安全保障の観点を含め、ホルムズ海峡を含む中東地域の平和と安定に向けて、引き続き、日米間で緊密に意思疎通を続けていくことで一致しました。

 次に、令和元年の政府の対応や認識と、現在の政府の認識との相違についてお尋ねがありました。

 御指摘の令和元年の情勢悪化の際には、中東地域においては、日本関係船舶の防護の実施を直ちに要する状況にはないものの、中東地域で高い緊張状態が継続している状況を踏まえると、日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集体制を強化することが必要との認識の下、自衛隊による情報収集活動を行うこととしました。

 一方、現下の中東情勢について、議員御指摘の令和元年の状況とは経緯及び状況が異なることから、両者を単純に比較することは困難であると考えます。

 米国の国連大使の発言についてお尋ねがありました。

 御指摘の発言につきましては、先日、我が国のスポークスパーソンでもある官房長官が記者会見でも公に述べているとおり、日本として何か具体的な約束をしたとの事実はございません。

 先ほど答弁したとおり、私からトランプ大統領に対しては、我が国の法律の範囲内でできることとできないことがある旨を伝え、これについて詳細に説明をしました。

 イラン情勢をめぐる米国との協力の在り方及び国際法上の評価についてお尋ねがありました。

 まず、米国とは、イラン情勢を含め、平素から様々な事項について緊密に意思疎通を行ってきています。

 今般のトランプ大統領との会談でも、エネルギー安全保障の観点を始め、ホルムズ海峡を含む中東地域の平和と安定に向けて、日米間で緊密に意思疎通を続けていくことで一致しました。

 また、トランプ大統領からは、ホルムズ海峡における航行の安全に関し、日本を始めとする各国に対する貢献の要請がありました。

 私からは、先ほど申し上げましたとおり、我が国の法律の範囲内でできることとできないことがある旨を伝え、これについて詳細に説明をしました。

 今後も、同盟国である米国との間で、あらゆるレベルでの意思疎通を強化していきます。

 その上で、今回の事態について、日本はその詳細な事実関係を十分把握する立場にないことから、確定的な法的評価を行うことは困難です。

 今、何よりも重要なことは、事態の早期鎮静化を図ることであり、我が国として、米国を始めとする国際社会と連携しつつ、引き続き、必要なあらゆる外交努力を行ってまいります。

 ホルムズ海峡に関する首脳共同声明についてお尋ねがありました。

 我が国は、十九日に発出されたホルムズ海峡に関する首脳共同声明に当初から参加するとともに、様々なレベルで各国に参加を呼びかけてきております。私自身、二十四日、マーシャル、マレーシア、フィリピンの首脳と電話会談を行った際、同共同声明にも触れつつ、特に喫緊の課題であるホルムズ海峡の安全な航行の確保を始め、事態の早期鎮静化に向けて、国際社会が連携協力していく重要性などを説明しました。

 我が国としては、この声明も踏まえ、引き続き、関係国や国際機関を含めた国際社会と緊密に連携しながら、必要なあらゆる外交努力を行ってまいります。

 ホルムズ海峡をめぐる情勢についてお尋ねがありました。

 先ほど述べた声明に加えて、三月十八日から十九日に開催された国際海事機関臨時理事会において、我が国は、海上回廊などの枠組み構築を奨励する提案文書を提出し、多数の国からの支持を得ることができました。

 我が国としては、議員の問題意識も踏まえ、ホルムズ海峡の安全な航行の確保に向け、引き続き、関係国や国際機関を含めた国際社会と緊密に連携しながら、必要なあらゆる外交努力を行ってまいります。

 ホルムズ海峡が戦闘地域とみなされるか否かにつきましては、日本の法制度上、重要影響事態法や国際平和協力支援法に基づく後方支援活動等は、現に戦闘行為が行われている現場では実施しないこととなっています。

 現在のイランをめぐる状況については、政府として何らかの事態に該当するとの判断は行っておらず、お尋ねについてお答えすることは困難でございます。

 外務省に新設された和平調停に関する部署についてお尋ねがありました。

 三月十七日付で、外務省に国際和平調停ユニットを設置しました。

 同部署の今後の具体的な取組については、紛争の発生する地域やその形態を見極め、不断に検討してまいります。

 イラン情勢に関しては、事態の早期鎮静化に向けて、我が国として、必要なあらゆる外交努力を引き続き行ってまいります。

 連立政権合意の実現の決意についてお尋ねがありました。

 自民党が日本維新の会との間で正式に交わした連立政権合意書には、戦後最も厳しく複雑な国家安全保障環境を乗り越えるためには、日本列島を強く豊かにし、誇りある自立する国家としての歩みを進める内政及び外政政策を推進せねばならないこと、自立する国家として、日米同盟を基軸に、極東の戦略的安定を支え、世界の安全保障に貢献すること、安全保障環境の変化に即応し、国民をどう守るか、我が国の平和と独立をどう守るかというリアリズムに立った視座が不可決であることがうたわれております。さらに、両党は、このリアリズムに基づく国際政治観及び安全保障観を共有するとされております。

 私としても、当然これを共有しており、その認識の下に、御指摘の改革を含め、連立政権合意書の内容を一つ一つ実現してまいります。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(石井啓一君) 深作ヘスス君。

    〔深作ヘスス君登壇〕

深作ヘスス君 国民民主党・無所属クラブの深作ヘススです。

 会派を代表いたしまして、高市総理の帰朝報告に対して、全て総理に質問をいたします。(拍手)

 今回の訪米は、イランへの攻撃開始後初めてのG7首脳の訪米となり、大変なタイミングで、かつ世界が注目をするタイミングではありましたが、そんな中でも多くの成果があったと考えます。総理を始めとし、同行された各大臣、そして外交当局の皆様方の御尽力に敬意を表し、質問に入ります。

 まず冒頭、世界の大きな課題となっているホルムズ海峡の安全航行に向けた取組に関して質問をいたします。

 現在、欧州諸国を含む三十か国以上の国々が封鎖を非難し、安全な航行確保に向けた声明を発表し、具体的な協力体制の調整が進められています。

 そこで、二点お伺いをいたします。

 この三十か国以上が参加をする枠組みにおいて、我が国はどのような役割を担うのか、更なる参加の呼びかけ、政治的支持にとどまるのか、あるいは人的、物的貢献も想定をされているのか、政府の基本姿勢を伺います。

 また、安全航行の達成に向けた時間軸をどのように御覧になっているのか、短期、中期、それぞれでどのような成果を見込んでいるのか、現状での政府の見通し、各国間で共有をされているマイルストーンなどがあればお示しください。

 ペルシャ湾周辺において三週間以上にわたって日本関連船舶が洋上待機を余儀なくされ、乗組員がドローン攻撃、機雷、拿捕等の心理的恐怖にさらされている事態は極めて深刻です。

 当初、政府は、日本船主協会所属の船舶を対象として四十五隻の日本関係船舶がペルシャ湾内にいるとしていましたが、私たち国民民主党が全日本海員組合からヒアリングを行ったところ、船主協会に加盟をしていない関連船舶が十四隻あり、合計で五十九隻の日本関連船舶がペルシャ湾内にいることを明らかにしました。

 本件については、昨日の参議院予算委員会における我が党山田吉彦参議院議員の質疑を通じ、現在は政府もこの五十九隻を認識をしていることが明らかになりました。その質疑において、政府参考人からは、新たに認定をしたこの十四隻の日本関連船舶に関しても連絡体制の構築が可能かどうかを検討をしていくとの答弁がなされています。

 そこで、お伺いをいたします。

 昨日の予算委員会以後、この連絡が取れていなかった関連船舶に対し、連絡体制の構築などはどの程度進展しているのでしょうか、具体的な進捗状況をお知らせください。

 これら船舶及び船員の安全確保に対して、政府としてどのような退避計画を策定をしているのか、陸海空を含めた退避計画、受入れ体制、関係国との連携状況など、その具体的な検討状況をお示しください。

 また、その退避計画や退避の方針は、日本人船員のみを対象とするものなのか、それとも外国人船員を含む日本関連船舶全ての乗組員を対象とするものなのか、政府としての考えをお示しください。

 今後、仮に人命保護を最優先として船員退避を行う場合、湾内に残された船舶及び積荷の安全確保をどのように図るのか、最低限の保全体制の確保、遠隔監視や関係船舶企業との連携など、具体的方策、シミュレーションの状況について、政府の方針をお示しください。

 政府は、十一日分の暫定予算の編成に着手したと承知をしています。しかしながら、現在、原油を始めとするエネルギー価格への深刻な影響が危惧をされており、国民生活と我が国の経済を守り抜くために、単なる暫定予算を超え、事態悪化を見据えたエネルギー対策を強化をした予算編成を行うことが急務です。

 我々国民民主党の試算では、国民生活を守るために、ガソリンと軽油の負担軽減のために月額およそ三千億円、電気・ガス代の負担軽減に二千億円、合計で月額五千億円の対策が必要と考えます。これを今後六か月にわたって継続をするためには、総額三兆円規模のエネルギー対策費が不可欠となります。

 一方で、現在、政府によって措置をされている財源は、基金の残高約二千八百億円と先日閣議決定をされた予備費八千億円を合わせておよそ一・一兆円にとどまります。つまり、必要な三兆円には遠く及ばず、実質的に二兆円不足をしていると私たちは試算をしています。

 そこで、私たち国民民主党は、この不足分である二兆円のエネルギー対策費を上乗せをする暫定予算、言うならば補正予算的暫定予算を提案をいたします。

 そこで、総理にお尋ねをいたします。

 この二兆円のエネルギー対策について、政府の責任において、現在編成中の暫定予算に盛り込むべきと考えますが、総理としてこの二兆円規模の対策を暫定予算に取り入れるそのお考えはありますでしょうか。仮にこれが困難であるということであれば、我が党として、議員の権能に基づき、参議院において本予算の修正案を提出をいたします。国民生活を支えるため、総理の政治決断を求めます。

 外務省において新たに設置をされた国際和平調停ユニットについて伺います。

 本ユニットは、紛争の未然防止や早期収束に向け初期段階から関与をし、和平の実現、人道支援、さらには復興復旧に至るまでシームレスに対応することを目的として、外務大臣の強いリーダーシップで設置をされたものと承知をしています。

 現在のイランとアメリカ、イスラエル、湾岸諸国との武力衝突という事態に対し、このユニットは具体的な関与を行うことは想定をされているのでしょうか。

 当初は、カタール、サウジアラビアが仲介やエスカレーションの抑止に動いてきたとされていますが、現在では紛争の当事国となったことで仲介が難しい立場となり、一部の報道では、既にトルコ、パキスタン、エジプトといった国々が仲介、調停の役割を申し出たとの報道があります。

 このタイミングで立ち上げられたユニットがどのような役割を果たすのか、国際社会から日本への期待をどのような形でこのユニットが形にしていくのか、設置の趣旨に照らした具体的な運用方針を総理にお伺いをいたします。

 今回の会談においてトランプ大統領は、両国間の関係をステップアップをするという趣旨の発言を複数回繰り返しています。このステップアップという表現につき、総理は具体的にどのような意味、内容を持つものと受け止めていますか。また、政府としてどのようにステップアップを図るつもりなのか、その認識をお示しください。

 ここからは、今回の日米首脳会談後にホワイトハウスが公表したファクトシートについて、その内容と日本政府の見解について具体的にお伺いをいたします。

 二十三日に行われた参議院の本会議で、総理は、このファクトシートは米側が単独で発出をしたもので米国の認識を記述をしたものなので、コメントはしないと答弁をされています。

 まず、このファクトシートについて、日本政府は、我が方が事実と認められない内容が記されていても、それはそのまま、訂正、コメントをすることはないというお立場なのでしょうか。明確にお答えください。

 このファクトシートの各項目の冒頭には、両首脳は、両国はなどという言葉が使われており、米側の認識として、日本も合意、承知をしていると認識をできる表現が使われています。

 もし仮に、総理が答弁をされたように、このファクトシートが一方的に米国によって示されたものであったとしても、ファクトとして米側から国際社会に示されている以上、我が国の立場を米国の文書によって定義をさせるのではなく、会談の当事者である総理自ら説明をしていただくべきだと考えます。また、認識のそごがあるのであれば、その点については明確に我が国の理解を表明すべきではないでしょうか。

 コメントをしないという答弁ではなく、是非、米側から示された両国間の合意を得たファクトに対する我が国の立場を、以下、六項目九点について明確にお答えください。

 今回のファクトシートの一番最初の項目は、イランでもホルムズでもFOIPでもなく、米国産農作物の対日輸出における市場アクセスを加速させると記されています。

 農作物の貿易は常に重要なテーマとなりますが、我が国が輸入を受け入れるに当たっては、それが真に日本の国益と国内需要に見合ったものであるのか、国民に対して十分な説明責任が果たされなければなりません。

 この点において、かつてトウモロコシをめぐって、二〇一九年、第一次トランプ政権時代に行われた日米貿易協定の交渉の事例、具体的には、トランプ大統領が共同会見で、中国が約束を守らないせいで我々の国にはトウモロコシが余っている、それを安倍首相が、日本が全て買ってくれることになったと語った事例を想起せざるを得ません。

 当時、この輸入の背景には、我が国の実際の需給状況というよりも、相手国の国内事情、具体的には、米国内におけるバイオエタノール需要の頭打ちと豊作によるトウモロコシ供給過剰が強く影響していたのではないかという指摘がありました。当時は外交上の成果として発表されたものの、国内の生産者や国民に対する説明の在り方として大きな課題を残したと記憶をしています。

 そこで、お伺いをいたします。

 今回、我が国に対して求められている農作物の市場開放の促進について、具体的な内容は何か、そして、その背景をどのようにお考えでしょうか。また、今回の合意は、我が国の食料安全保障や国内の需給バランスに照らして、真に必要かつ合理的なものと言えるのでしょうか。仮に具体策が今後決められていくのであれば、どのような指標に基づき市場開放を促進されるおつもりなのか、総理の御認識を伺います。

 米側のファクトシートには、両首脳は、台湾海峡の平和と安定、武力や威嚇を含むいかなる一方的な現状変更の試みにも反対すると明記をされたことは、今回の首脳会談の大きな成果であると高く評価をいたします。

 一方で、政府の発表資料には同様の文言は確認できず、外務省のホームページには、同様の案件を茂木大臣からバンス副大統領に説明をしたとのみ発表されています。

 日米首脳間において台湾海峡の平和と安定のための具体的な取組を約束したとの認識は、我が国政府としても共有をしているのか。共有しているのであれば、なぜ我が国の発表資料にその趣旨が明示されていないのか、御説明ください。

 ホワイトハウスのファクトシートには、両国は、第三国において連携し、戦略的競争相手やならず者国家がもたらす課題に対処をするという記載があります。こちらも、日本側の発表資料には含まれていません。まず、米側が示す本件に関する合意があったとするファクトに対して、我が国の立場をお示しください。

 その上で、ここでならず者国家の定義はいたしませんが、ここで言う第三国における連携とは、具体的にどのような地域や分野、手段をトランプ大統領との間で合意をしたのでしょうか。具体的な国や地域を想定をされているのか、また、経済協力や人道支援を指しているのか、あるいは安全保障分野における関与まで含むものなのか、政府の認識を明らかにしてください。

 ファクトシートには、日本は、国家安全保障上のリスクに基づき、対内投資審査メカニズムを強化をする計画であると記載があります。ここで念頭に置くべきは、米国のCFIUSのような制度であり、安全保障上の観点から外国からの投資に介入できる政府機関であります。

 そこで、伺います。

 本件は、日本版CFIUSの創設を意味をするのか、それとも単なる現行制度の運用強化なのか、政府の具体的方針を明らかにしてください。また、この場合の対内投資審査メカニズムの対象に外国機関や外国資本による土地取得が含まれるのか、併せてお答えください。

 ファクトシートには、米国は、テネシー州、アラバマ州における小型モジュール炉建設のための最大四百億ドルの投資を含む第二弾の日本投資を歓迎するとの記載があります。今回の発表を受け、日本の先進的な原子力技術が米国において活用されることに大きな期待を抱いています。

 今回のSMR投資において、日本側は資金提供や技術協力にとどまるのか、それとも設計、建設、運転といった中核部分まで主体的に関与をするのか、現時点での計画を伺います。

 あわせて、今回合意をされたテネシー州、アラバマ州にとどまらず、米国内の他地域におけるSMRの更なる展開や追加投資について、日米間で具体的な検討が進められているのか、今後の展開見通しと日本側の関与の在り方について、政府の認識を伺います。

 今回の米国によるSMR展開が実現をすれば、そこで得られた知見や技術的蓄積は、将来的に日本国内への還元も可能であると考えます。当面は、現状、日本が持つ原子力発電所の再稼働など、持ち得るリソースをフル活用することに専念すべきと考えますが、中長期的に、政府として、国内におけるSMRの導入について、具体的なロードマップや制度、整備の検討を進めているのか、また、その計画をお考えなのであれば、実現の時期の見通しをどのように描いているのか、併せて総理の見解を伺います。

 今回の会談で宇宙分野における協力が盛り込まれたことにも注目をしています。

 総理も御案内のとおり、一時期、トランプ政権下において、宇宙分野における後退が心配をされました。この日米首脳会談のタイミングで、アルテミス計画における日本人宇宙飛行士の月面着陸や、我が国が誇る与圧ローバーの提供といった日米協力の確固たる道筋がホワイトハウスのファクトシートに改めて盛り込まれたことは、総理も強力に後押しをされる旨表明されている宇宙分野における開発を力強く牽引をする、極めて大きな外交的成果であると歓迎をし、評価をするものであります。

 こうした力強い前進を評価をしつつも、一方で、そのファクトシートには、我が国が世界に先駆けて挑む最重要ミッション、火星衛星探査計画、いわゆるMMXについて、今年後半に打ち上げると米国側から極めて明確に発信をされています。

 このMMXは、火星圏、いわゆる深宇宙への打ち上げウィンドーの制約上、今年秋のタイミングを逃せば次の打ち上げウィンドーは二年以上先となってしまう、極めてシビアなプロジェクトです。

 しかし、打ち上げを予定をしているH3ロケットは、先般の事故を受け、現在、原因究明と確実な安全確保に向けた対策が懸命に進められている最中です。現場の技術者たちは、非常にタイトなスケジュールの中でプレッシャーと戦っています。

 米国との間で今年の打ち上げという期限を区切った強力なコミットメントが世界に発信をされた以上、これはもはや現場の努力だけに背負わせるものではないと考えます。H3の工程表を確認をすると、MMXの打ち上げを予定をしている秋までに、SRBを搭載をせずLE9エンジン三基のみで打ち上げる三〇形態の打ち上げや、国際約束とも言えるISS補給機、HTVXの打ち上げも控えており、かなりスケジュールがタイトとなっています。

 そこで、総理にお伺いをいたします。

 H3ロケットの安全確保を前提としつつ、日米間で確認をされたMMX打ち上げという高いハードルを確実なものとするため、政府としてどのような人的、財政的支援を行うのでしょうか。

 最後に、このファクトシートの中で日米首脳会談の成果として上位項目に載せられていることに違和感のあった、日米間における国立公園の利用、保全、管理の促進についてお伺いをいたします。

 新たな協力の覚書とは何か、そして、利用、保全、管理とはどのようなことを行うのか、具体的にお示しください。

 以上です。ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

内閣総理大臣(高市早苗君) 深作ヘスス議員の御質問にお答えいたします。

 ホルムズ海峡の安全な航行の確保に向けた取組についてお尋ねがありました。

 我が国は、十九日に発出されたホルムズ海峡に関する首脳共同声明に当初から参加するとともに、様々なレベルで各国に参加を呼びかけてきております。

 私自身は、二十四日に、マーシャル、マレーシア、フィリピンの首脳と電話会談を行った際、同共同声明にも触れつつ、特に、喫緊の課題であるホルムズ海峡の安全な航行の確保を始め、事態の早期鎮静化に向けて国際社会が連携協力していく重要性などを説明しました。

 我が国としては、この声明も踏まえ、引き続き、関係国や国際機関を含めた国際社会と緊密に連携しながら、必要なあらゆる外交努力を行ってまいります。

 ペルシャ湾内の全日本海員組合の組合員が乗船している十四隻への連絡体制、船舶、船員の退避計画及びその対象、船舶及び積荷の安全確保について、具体的なお尋ねがありました。

 全日本海員組合の組合員が乗船している十四隻への連絡体制については、まずは、現在、対象船舶の船主を通じて、運航している外国企業の特定とそのコンタクト先が把握できないか、国土交通省において取り組んでいるところでございます。

 船舶、船員の退避計画及びその対象につきましては、私自身、G7首脳オンライン会議で、ホルムズ海峡の安全な通航の確保や地域における自国民保護での協力などについて議論をし、三月十九日にホルムズ海峡に関する首脳共同声明を発出したところであります。関係国、機関とも連携しながら、政府として、船主や運航会社等ともよく相談し、日本関係船舶及び外国人船員を含む乗組員の安全確保に万全を期すべく、様々な選択肢を検討しています。

 我が国が最優先に掲げる邦人保護の対象には、日本人船員が含まれるのは当然のことでございます。対象船舶には日本人船員だけではなく外国人船員も乗船されていることを十分踏まえまして、関係国、機関と緊密に連携しながら、あらゆる外交努力を行ってまいります。

 船舶及び積荷の安全確保については、一義的には、船主や運航会社が個々の事情に応じて対応するものですが、積荷として原油やLNGといった危険物を積載している場合には、その対応に苦慮されているとも聞いております。

 国土交通省を中心に、船主や運航会社と協議を続け、必要な支援を検討してまいります。

 補正予算的暫定予算についてお尋ねがございました。

 補正予算的暫定予算については、その定義が必ずしも明らかではないものの、本予算にない経費を暫定予算に計上するということであれば、財政法第三十条第二項の趣旨からして想定されないものと承知をしております。

 その上で、予算の空白は一日も許されないため、不測の事態に備え、政府としては、明日二十七日に、令和八年度暫定予算を閣議決定の上、国会に提出させていただく考えですが、引き続き、国民生活に支障が生じないよう、野党の皆様にも御協力をお願いしつつ、令和八年度予算と関連法案について年度内の成立をお願いしたいと考えております。

 外務省に新設された和平調停に関する部署についてお尋ねがありました。

 三月十七日付で、外務省に国際和平調停ユニットを設置しました。

 同部署の今後の具体的な取組については、紛争の発生する地域やその形態を見極め、不断に検討してまいります。

 イラン情勢に関しては、事態の早期鎮静化に向けて、我が国として、必要なあらゆる外交努力を引き続き行ってまいります。

 トランプ大統領が用いたステップアップという表現の意味や内容についてお尋ねがありました。

 御指摘のステップアップの発言については、前後の文脈から推察するに、ホルムズ海峡の航行の安全のために、我が国が行動を取っている、あるいは我が国が行動を取ることを期待するといった趣旨を述べられたものと受け止めています。

 日米首脳会談後の日米の発表についてお尋ねがございました。

 御指摘のホワイトハウスが発表したファクトシートは、米側が単独で発出をした文書であり、その内容の逐一について政府としてコメントすることは差し控えますが、首脳会談のやり取りにとどまらず、訪米の機会に米側としての認識を記述したものと理解をしています。

 その上で、あえて、御指摘の台湾に関する記述について申し上げましたら、米側ファクトシートの記述と認識を全く一にするものでございます。

 また、米国との間では、平素より様々なレベルで意思疎通を行っております。引き続き、適切に対応してまいります。

 米側発表のファクトシートにおける米国産農産物の市場開放の促進に関する記載についてお尋ねがありました。

 御指摘のファクトシートについてはさきに答弁したとおりなのですが、その上で、昨年七月の日米間の合意におきましては、我が国は、大豆、トウモロコシ等の国内消費向けの米国の農産品などの追加購入を実施するとされており、これらの品目を米国から安定的に輸入することは、我が国の食料安全保障の確保に資するものと考えております。

 また、米側発表のファクトシートにおける対内投資審査メカニズムの強化に関する記載についてお尋ねがありました。

 御指摘のファクトシートについてはさきに答弁したとおりですが、その上で、政府としては、十七日に、日本版CFIUS、つまり、対日外国投資委員会の創設を含む対内直接投資審査制度の高度化のための外為法改正案を国会に提出しています。

 外国人による土地の取得については、外為法に基づく対内直接投資審査制度の対象には含まれておりません。

 なお、安全保障の観点からの外国人の土地取得等のルールの在り方について、本年夏までに骨格を取りまとめることとしております。

 戦略的投資イニシアティブの第二陣プロジェクトのうち、SMR、すなわち小型モジュール炉の建設プロジェクトについてお尋ねがありました。

 第二陣プロジェクトについては、投資決定に向け、詳細について、日米両国で構成される協議委員会において、戦略的、法的観点からの検討を進めていくこととなります。

 御指摘のSMRは、日本企業と米国企業の合弁企業であるGEベルノバ日立が設計しており、投資実行に至った場合には、複数の日本企業がSMRを構成する重要な製品の供給を担うことが期待されています。

 今後、更なる検討が進む中で、建設、運転を含むプロジェクトの実施体制についても具体化されていくと承知しています。

 また、第二陣プロジェクトとは別に、潜在的なプロジェクト候補についても日米間で議論してきており、その候補として、別の地域での建設を念頭に置いたSMRプロジェクトも含まれます。

 SMRは、米国を始め各国において、データセンターなど電力多消費設備向けの脱炭素、安定電源の不足を解消するものとしてニーズが高まっており、我が国でも、早期社会実装を目指す次世代革新炉の一つとして位置づけています。

 日本成長戦略においても、国内でのSMRの早期社会実装に向けて、ロードマップの策定を含め、官民で議論を深めてまいります。

 火星衛星探査計画、MMXについてお尋ねがありました。

 MMXは、我が国が主導し、世界初となる火星圏からのサンプルリターンを目指す国際宇宙探査計画でございます。

 昨年十二月に、内閣総理大臣である私が本部長を務める宇宙開発戦略本部において決定した宇宙基本計画工程表に基づき、令和八年度に、H3ロケットにより探査機を打ち上げることとしています。

 探査機には米国の観測機器などを搭載することとしており、日米協力の下、進めてまいります。

 我が国としましては、探査機の打ち上げを着実に進めるべく、宇宙航空研究開発機構を中心に、関係府省や関係企業が連携を図り、総力を挙げてH3ロケット打ち上げ失敗の原因究明と対策の検討を進め、H3ロケットの早期打ち上げ再開にしっかり取り組んでまいります。

 米国との国立公園の協力の覚書についてお尋ねがありました。

 環境省と米国内務省は、三月十三日に国立公園分野における協力覚書に署名しました。

 本覚書は、日米両国の国立公園に関連する、保全管理、野生生物の保護管理、環境教育の情報、知見の交換や、姉妹公園提携など、幅広い協力を進めていくものであり、我が国の国立公園の効果的な保全管理を行っていく上で意義があるものです。

 さらに、国立公園に関する協力を通じて、日米両国の友好関係を発展させることにもつながると考えています。

 なお、国立公園の保全管理につきましては、両国がそれぞれの法令に基づき行っていくことが前提でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(石井啓一君) 豊田真由子さん。

    〔豊田真由子君登壇〕

豊田真由子君 参政党の豊田真由子です。

 今般の総理の御訪米報告について質問をいたします。(拍手)

 今回、厳しい国際情勢の中、日米同盟の強固なコミットメントや資源に関する合意などがなされ、総理を始めとする関係各位の御尽力に率直に敬意を表します。

 参政党は、常に是々非々で事に臨む方針であり、日本の国益をいかに守り抜くかという観点から、以下、お伺いをいたします。

 なお、日本国初の女性総理である高市総理が日々すさまじい激務に日本国のために邁進されていらっしゃることに心からの敬意と、そして御配慮を申し上げ、野党にもかかわらず、関係大臣問いの割合が多いということを申し添えたいと思います。

 さて、米国の停戦計画がパキスタンを通じてイランに伝達されたといった報道があるものの、両陣営共にエスカレーションの可能性もはらんでおり、日本と世界の不安定化を皆さんが感じ取っていらっしゃいます。

 トランプ大統領は、強気な姿勢の一方で、米国国内の原油価格高騰や中間選挙等を考慮すれば、ディールを通じた交渉による終結という選択肢も視野に入れていると私は思います。

 総理は、日米同盟の強固な結束を首脳会談において改めて確認をされ、と同時に、我が国は西側諸国の中でイランとの長年にわたる友好関係を維持してきた希有な国でもあり、両陣営から信頼された調停者として両国に物を申せる立場にいると思います。

 我が国とそして世界の平和と安定のために、中東情勢の早期鎮静化に向け、具体的にどのような役割を果たし、どのような行動を取られるお考えなのか、総理の明確な御答弁を求めます。

 政府は、現在、ホルムズ海峡を通らない代替ルートの確保に取り組まれていると承知しております。これは、日本国、そして国民生活安定のために着実に進めていただきたいと思います。

 UAE、サウジアラビアを始めとする湾岸諸国のエネルギー施設などの重要インフラが、イランからの攻撃により深刻なダメージを受けております。エネルギー安保の観点からも、湾岸諸国との関係は極めて重要であり、加えて、メンツを重んじるとされる湾岸諸国にとって、彼らの苦悩や立場を深く理解し、真摯に寄り添う姿勢を示すことは、日本の国益のためにも極めて大切です。

 G7や有志国による声明の発出や各国外相との電話会談などが行われておりますが、状況の深刻さに鑑み、更に踏み込んだ湾岸諸国との関係強化に向けた今後の戦略について、外務大臣臨時代理の御見解をお示しください。

 昨今の複雑化する国際情勢の中、力による一方的な現状変更を許さず、法の支配に基づく国際秩序を再構築していくことは、今日の世界が直面する最も重要な課題の一つであります。日米同盟を基軸としつつ、それのみに依存するのではなく、欧州、カナダ、FOIPといった、価値観を共有する国々との連携を一層強化していくべきと考えます。

 法の支配と国際協調を重視するミドルパワーとの連携強化について、外務大臣臨時代理の御見解を伺います。

 原油の九割以上を中東から輸入する中、調達先の多角化は必須です。今回、アラスカ等からの確保を目指すことは国民にとって望ましいことで、製油工程の問題、違いなどもあるようですが、そうした実務面を早々にクリアをして、国民生活や日本経済の安定のため、中南米や中央アジアなども含め、更なる原油の安定的確保に向けて積極的に取り組むべきと考えますが、今後の具体的取組について、総理に伺います。

 原油の中東依存度は高いが十分な備蓄を持たない東南アジアなどでは、既に消費の抑制が始まっており、現地で活動する日本企業やサプライチェーン、そして日本経済や国民生活にも大きな影響を与える可能性があります。政府として、情報収集体制を強化し、問題が起きた場合には速やかに日本企業及び国民に対する支援を行うべきと考えますが、経産大臣のお考えを伺います。

 また、エネルギー安保上のリスク、中国によるレアアース禁輸のような経済安保上のリスクに照らしても、製造業などの国内回帰の後押しを強力に進めるべきと考えますが、お考えを経産大臣に伺います。

 今回、原油及び関連商品のみならず、食料品、物流など、幅広く国内で値上がりをする可能性があり、また、円安の進展なども懸念されます。しっかりと国民生活の安定に向けて政府は対応するということを、改めて強く申し入れたいと思います。

 トランプ大統領が言及したように、米国からの装備品購入の必要性や外交的意義は一定程度理解するところです。ただ、私は、自国の防衛産業というのは、その国の防衛力そのものでもあると思います。他国との関係いかんにかかわらず、質と量の両面で我が国防衛を全うできる装備品を開発、生産、維持整備できることが確実に抑止力につながります。ロシアによるウクライナ侵攻の教訓を踏まえれば、無人機の大量運用を含む新しい戦い方や、長期戦への備えといった課題に対応できる国内防衛産業を構築することが急務です。

 多大な経営資源の投入を必要とする一方で、利益率が低いことなどから、国内企業の撤退が問題になっていました。国として、例えば生産能力拡大やサイバーセキュリティー強化の支援など、日本国と日本国民を守るための国内防衛産業の構築に向けた具体的方策について、防衛大臣に伺います。

 トランプ大統領から拉致問題の即時解決に向けての全面的な支持を得、また、総理御自身が金正恩氏と直接会うお気持ちを強くお持ちとのことで、家族会の方々からは、早期に日朝首脳会談が実現し、進展することを期待するといった切実なコメントが出されました。

 拉致問題は、我が国の主権と国民の生命、安全に関わる極めて重大な問題であり、御家族の方々の思いに寄り添い、全ての拉致被害者の方々を必ず日本に取り戻すとの確固たる方針の下、今後どう取り組まれていくのか、改めて総理の御決意を伺います。

 今回、有事には平時から様々な備えをしておかなければならないということが改めて示されました。高市総理始め、ここにいらっしゃる全ての皆様方とこの私どもの重い責務を共有し、参政党は、日本国と日本国民のため、国家の課題に全力で取り組んでまいることをお誓い申し上げ、質問といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

内閣総理大臣(高市早苗君) 豊田真由子議員の御質問にお答えいたします。

 中東情勢の早期鎮静化に向けた日本の役割についてお尋ねがございました。

 今、何よりも重要なことは、米国を含む国際社会とともに事態の早期鎮静化、そして世界経済の悪化を防ぐ取組を続けていくことであり、トランプ大統領との会談でもその旨指摘をしたところです。

 また、イランとの関係では、長年にわたる関係を築いてきており、こうした関係も生かし、湾岸諸国におけるエネルギー施設を含む民間施設への攻撃や、ホルムズ海峡における航行の安全を脅かす行為を直ちに停止するよう、直接働きかけを行ってきています。

 我が国として、関係国や国際機関を含めた国際社会と緊密に連携しながら、必要なあらゆる外交努力を続けてまいります。

 原油の安定的確保に向けた取組についてお尋ねがありました。

 エネルギーの中東依存が高く、原油の大部分をホルムズ海峡経由で調達している我が国にとって、エネルギー安全保障を確保する観点から、調達先の多角化は不可欠です。

 原油の代替調達については、現在、供給余力に優れる米国のみならず、サウジアラビアやUAEからのパイプラインを用いたホルムズ海峡の代替ルートによる調達に加え、過去調達実績があり、増産余力のある中央アジアや南米、カナダやシンガポールなど石油製品の供給国も含め、経済産業省が民間事業者と連携しながら対応を進めています。

 我が国の生命線であるエネルギー安定供給の確保のため、私自身が先頭に立って、積極的な資源外交や資源国における開発支援などを通じて、供給源の多角化に取り組んでまいります。

 拉致問題についてお尋ねがありました。

 今回の首脳会談では、拉致問題の即時解決について、私自身の決意を伝えるとともに、引き続きの理解と協力を求めて、トランプ大統領から全面的な支持を得ました。

 私自身、御家族の皆様の思いを何度も直接伺っているところであり、あらゆる選択肢を排除せず、私の代で、何としても突破口を開き、拉致問題を解決したいとの決意でございます。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣赤澤亮正君登壇〕

国務大臣(赤澤亮正君) 豊田真由子議員から、二問御質問をいただきました。

 海外に立地する日本企業への支援についてお尋ねがありました。

 グローバルに展開する日本企業は、東南アジアも含めた広大なグローバルサプライチェーンを形成しており、海外拠点において必要な物資や燃料を安定的に確保することは、企業活動の継続性の観点から非常に重要であります。

 高市総理からは、先日開催された中東情勢に関する関係閣僚会議において、石油製品に係る世界の供給状況や国内在庫の量などを踏まえたサプライチェーンの対応方針を、私が中心となって取りまとめるよう指示を受けました。

 関係省庁とも連携し、中東情勢がグローバルサプライチェーンに与える影響を把握しつつ、あらゆる可能性を排除せずに、官民が一体となって、必要な対応を進めてまいります。

 製造業などの国内回帰についてお尋ねがありました。

 近年の我が国を取り巻く国際情勢に鑑みれば、国民の生活と経済活動を守るため、エネルギー安全保障の確保に加え、重要物資が特定国に過度に依存することのないよう、サプライチェーンを強靱化する観点から、国内生産基盤の構築を進めることも重要です。

 そのため、経済産業省としては、豪州、マレーシア、フランスでのレアアースに係る鉱山開発や分離精製事業を始めとした資源供給源の多角化を通じて、企業にとって安定的な事業環境の構築に取り組みます。

 その上で、経済安保推進法に基づく半導体や永久磁石などの特定重要物資に係る国内の設備投資支援や、令和八年度税制改正において創設が盛り込まれた大胆な投資促進税制など、あらゆる政策を活用することにより、国内生産基盤の整備を進め、強靱なサプライチェーンの構築に取り組んでまいります。(拍手)

    〔国務大臣小泉進次郎君登壇〕

国務大臣(小泉進次郎君) 豊田真由子議員にお答えいたします。

 我が国の防衛産業の強化についてお尋ねがありました。

 装備品の開発、生産、維持整備等を行う防衛産業は、防衛省・自衛隊とともに国防を担うパートナーというべき重要な存在であり、防衛力そのものと位置づけられております。

 この認識の下、防衛省として、令和五年度に策定した防衛生産基盤強化法に基づき、防衛関連企業における製造工程の効率化やサイバーセキュリティーの強化等を推進するとともに、これまで利益率の低かった防衛関連企業が適正な利益を確保できるようにするための取組も進めてきました。

 さらに、防衛装備移転は、地域の抑止力、対処力を向上させる、我が国の安全保障上重要な政策であり、また、防衛装備移転の推進は、同盟国、同志国への販路拡大やサプライチェーン協力の拡大を通じ、防衛産業も含めて、国内経済の成長にもつながる重要な政策的な手段です。

 今や、どの国も、一か国のみでは自国の平和と安全を守ることはできません。

 我が国の状況を振り返れば、戦闘機やミサイルを始めとする装備品について、その全てを自国のみで開発、生産できているわけではなく、他国からの購入に頼っている面も大きいというのが現実です。

 我が国は、自国の防衛に必要な装備品の提供を他国から受ける一方、他国から日本の装備品の高い技術力に対する期待が示されているにもかかわらず、我が国から他国には装備品を提供できない、こうした現状のままでよいのか、同盟国、同志国の連携強化という観点から適切か、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出できるのか、こういった点を不断に検討していく必要があります。

 我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、防衛装備移転の取組等を通じて、いざというときに同盟国、同志国とともに助け合うことができる関係を築きながら、更に力強い防衛産業を構築するため、三文書の改定の検討の中で、具体的かつ現実的に議論を積み上げてまいります。

 ありがとうございます。(拍手)

    〔国務大臣木原稔君登壇〕

国務大臣(木原稔君) 豊田真由子議員にお答えいたします。

 湾岸諸国との関係強化についてお尋ねがございました。

 米国及びイスラエルとイランとの間の攻撃の応酬が一か月近く続き、湾岸諸国のエネルギー施設を含め、様々な人的、物的被害が発生し、エネルギーの安定供給への懸念が深まっていることを深刻に受け止めております。

 中東地域の平和と安定、そして日本と湾岸諸国との関係は、エネルギー安全保障の観点からも、日本にとって極めて重要です。

 今回の事態を踏まえ、湾岸諸国との間では、外務大臣レベルも含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っているほか、G7や国連においても、湾岸諸国への連帯を示す声明や決議に参加してきています。

 今後も、湾岸諸国を含む国際社会と一層緊密に連携し、事態の早期鎮静化に向け、必要なあらゆる外交努力を強化していきます。

 いわゆるミドルパワーとの連携についてお尋ねがありました。

 国家間の競争が激化、複雑化、常態化してきており、我々が慣れ親しんできた自由で開かれた安定的な国際秩序が今日大きく揺らいでいます。

 こうした中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化していくことが重要です。

 高市内閣としては、法の支配を中核的な理念とする自由で開かれたインド太平洋、FOIPを外交の柱とし、FOIPの取組を戦略的に進化させていきます。

 また、御指摘のとおり、中東情勢への対応も含め、同志国との連携も強化していく考えです。

 以上です。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(石井啓一君) 峰島侑也君。

    〔峰島侑也君登壇〕

峰島侑也君 チームみらいの峰島侑也です。

 会派を代表し、先般の日米首脳会談の帰朝報告について、高市総理大臣に質問いたします。(拍手)

 日本外交の重要な節目となった今回の会談について、幾つかの論点から政府の見解を確認させていただきます。

 まず、今回の会談の目的と達成度についてです。

 今回の訪米の主要な目標は、イラン情勢への対応、対米投資第二弾の合意を通じた関税を取り巻く状況の改善、そしてトランプ大統領の訪中を直前に控えた対中政策のすり合わせの三点であったと理解をしております。

 対米投資第二弾については、SMR建設やガス火力発電所など総額七百三十億ドル規模のプロジェクトが発表され、重要鉱物分野でも複数の文書が取りまとめられました。こうした合意は一定の具体的成果と言える一方で、利益分配の非対称性や技術移転の担保が不明確な点など、日本側の実質的な便益について疑問も呈されています。

 また、トランプ大統領がイラン情勢を理由に訪中を延期したことで、対中政策のすり合わせという事前目標の一つが当初の想定どおりには果たせなかった面もあったかと思います。

 今回の訪米全体を通じて、政府として事前の目標に対する達成度をどのように評価されているのか、総理のお考えをお聞かせください。

 次に、ホルムズ海峡への艦船派遣についてです。

 首脳会談後、トランプ大統領はメディアのインタビューで、日本には憲法上の制約があるが、必要なときには助けてくれるだろうと述べています。日本側が、法律の範囲でできることとできないことがあると説明したことと、米国側が、必要なときには助けてくれると受け止めたこととの間には、認識の乖離があるように見えます。トランプ大統領が表明したイランへの攻撃の五日間延期が、明後日、三月二十八日頃に期限を迎えます。延期期間の経過後に攻撃が再開されれば、日本への要求が現実のものとなりかねません。

 こうした状況認識を踏まえた上で、お聞きします。仮に、今後、米国側から艦船派遣を正式に要求された場合、政府はどのような対応が可能と考えているのでしょうか。

 続いて、日米共同投資の枠組みについてです。

 覚書によれば、みなし配分額に達するまでは日米五〇%ずつ、その後は米国九〇%、日本一〇%という利益分配が定められています。政府としては出資に限定した話と説明されており、その点は承知をしております。

 その上で、今回の第二弾プロジェクトには、SMR建設や天然ガス発電施設など、エネルギーインフラ分野が中心となっています。経済的利益に非対称性はありますが、プロジェクトを通じて技術や知見を得ることができる座組が国内企業の育成には必要と考えています。

 これらのプロジェクトに参加する日本企業は資金の供給者としての関与にとどまるのか、それとも、プロジェクトを通じて生まれる知的財産や技術について日本企業への供与が行われる枠組みとなっているのか、現時点での政府の見解をお聞かせください。

 また、関連して、南鳥島周辺海域のレアアース開発については、今回の会談で経産省と米商務省の間で協力覚書が締結され、作業部会の設置と情報共有を通じて協力の可能性を探ることが合意されました。

 今回の合意が作業部会の設置と情報共有にとどまった理由について、現時点では採掘技術の確立を含め研究開発段階にあるためという理解で正しいでしょうか。また、具体的な出資やプロジェクト化に向けた見通しについて、政府の現状認識をお聞かせください。

 次に、アラスカ産原油についてです。

 今回の会談で高市総理はトランプ大統領に対し、米国産原油を日本で備蓄する共同事業を実現したい旨を伝えたとのことでしたが、専門家からは、アラスカの現在の生産能力は日量約四十六万バレル程度で、そのほとんどが米国内向けであり、日本が中東から得ている原油を全て補うのは厳しいとの指摘もあります。また、仮に最速で増産が実現しても、供給開始は早くて二〇二九年頃とも言われており、足下のホルムズ海峡の緊張には間に合わないとの見方もあります。

 アラスカ産原油が足下の原油需要に応えるだけのスピード感と採算性を持って実現される見通しがあるのか、政府の現状認識をお示しください。

 最後に、日米両政府の発表内容の相違についてお聞きします。

 米国側のファクトシートには、日本への米国農産物輸出の市場アクセスを改善、促進すること、日本が対日投資審査体制を強化すること、米国の再産業化に対する日本の支援を歓迎するという三点が記載されています。

 これらは日本側の外務省発表には記載がありませんでしたが、日本政府としてこれらの事項について合意しているのかどうか、確認させてください。

 以上に対する答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

内閣総理大臣(高市早苗君) 峰島侑也議員の御質問にお答えいたします。

 日米首脳会談の達成度についてお尋ねがありました。

 今回の会談では、日米両首脳間の信頼関係を一層強固なものとするとともに、安全保障、経済安全保障も含む経済など幅広い分野で、日米同盟の質を更に高める多くの具体的な協力を確認することを目指しました。

 また、日本外交の柱でもある自由で開かれたインド太平洋への日米両国の強固なコミットメントを改めて確認する機会とすることを目的としました。

 さらに、イランをめぐる中東情勢や厳しさを増す国際情勢についても、我が国の立場や考えを踏まえ、じっくり議論を深めることを狙いとしました。

 これらいずれの点におきましても、我が国の国益の増進及び国民の皆様の安全、安心に資する充実したやり取りができたと考えております。

 米国から艦船派遣を求められた場合の対応についてお尋ねがございました。

 米国から正式に要求されることを仮定した御質問には、お答えを差し控えます。

 その上で、ホルムズ海峡における航行の安全の確保を含む中東地域の平和と安定の維持は、エネルギーの安定供給の観点を含め、日本を含む国際社会にとって極めて重要です。

 米国を含む関係国とも意思疎通をしながら、現下の状況をよく踏まえつつ、何ができるのか、国際法及び国内法の範囲内で、必要な対応を検討していく考えです。

 日米政府の戦略的投資イニシアティブにおける日本企業の関与についてお尋ねがありました。

 第二陣プロジェクトについては、今後、投資決定に向け、日米両国で構成される協議委員会において詳細が検討されていくことになります。

 プロジェクトが選定された場合には、JBICによる出資、融資や、NEXIによる融資保証が付された民間金融機関による融資を活用して、プロジェクトへの投資が行われます。

 また、第二陣プロジェクトについては、SMR、すなわち小型モジュール炉、天然ガス発電所、電力の引取り先となるデータセンターに対して日本企業が関連機器を納入することが期待され、日本企業のビジネス機会の拡大、事業成長につながることが見込まれます。

 御指摘の知的財産や技術の供与の有無については、プロジェクトごとに関係者間の合意によって決定されるものでございますので、政府は回答申し上げる立場にはございません。

 いずれにしましても、戦略的投資イニシアティブにおけるJBICやNEXIの出資、融資や融資保証は、日本の法令に従って、日本企業から関連機器が納入されるなど、日本が裨益する場合にしか行われません。

 日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるようなプロジェクトの実施に向けて、日米間で緊密に連携して取り組んでまいります。

 南鳥島周辺海域のレアアース開発についてお尋ねがございました。

 今般の日米首脳会談に合わせて、南鳥島周辺海域のレアアース泥を含む海洋鉱物資源分野での二国間協力を前進させることを目指し、赤澤経済産業大臣とラトニック商務長官が協力覚書に署名をしました。

 本協力覚書は南鳥島周辺海域のレアアース泥開発だけを対象としたものではありませんが、海洋鉱物資源の開発は、南鳥島周辺海域のレアアース泥も含めて、まだ採掘技術の確立などを目的とする研究開発段階にあるものも多く、まずは、日米両国の専門家が集まり、情報共有を行う場としての作業部会を設置することが適切であると考えています。

 いずれにしましても、南鳥島周辺海域のレアアース泥は、安全保障の観点からも重要な鉱物資源のサプライチェーン強靱化につながる貴重な資源であります。日米双方の利益となる形で、商業化に向けプロジェクトが進展していくことを期待しております。

 アラスカ産原油についてお尋ねがありました。

 アラスカ産原油は、現在も一定量が世界の原油市場で売買されており、中東産原油と比較して十日程度短い運搬日数で日本に運ぶことができるという観点から、アラスカ産原油の調達を促進することは、中東産原油の代替調達に向けた取組の一環として、足下の原油の確保に大きく貢献するものと認識をしています。

 他方、御指摘いただきましたとおり、現時点で、日本がアラスカから調達可能な原油の量は、中東産原油を代替するには十分な量ではありません。

 そのため、トランプ大統領との首脳会談では、米国産原油の生産拡大に日米で共に取り組んでいくことについてもお伝えしました。

 採算が合う形で調達することが可能かについては、今後の油価の水準などに左右されるものですから、お答えすることは困難でございます。

 現在の緊迫する中東情勢を踏まえた原油の代替調達については、アラスカを含む米国からの調達のみならず、サウジアラビアやUAE、また中央アジアや南米、またカナダやシンガポールなど石油製品の供給国からの調達も含め、経済産業省が民間事業者と連携しながら対応を進めております。

 また、米国側発表のファクトシートの記載内容についてお尋ねがありました。

 御指摘のファクトシートは、米国側が単独で発出した文書でありますので、その内容の逐一について政府としてコメントすることは差し控えますが、首脳会談のやり取りにとどまらず、私の訪米の機会に米側としての認識を記述したものと理解をいたしております。(拍手)

副議長(石井啓一君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(石井啓一君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時七分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   高市 早苗君

       経済産業大臣   赤澤 亮正君

       防衛大臣     小泉進次郎君

       外務大臣臨時代理

       国務大臣     木原  稔君

 出席内閣官房副長官

       内閣官房副長官  尾崎 正直君


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