衆議院

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第19号 令和8年6月12日(金曜日)

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令和八年六月十二日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 山下 貴司君

   理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君

   理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君

   理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君

      井出 庸生君    大空 幸星君

      長田紘一郎君    金子 容三君

      川崎ひでと君    河野 正美君

      坂本竜太郎君    佐藤 主迪君

      平  将明君    中田  宏君

      平井 卓也君    平沢 勝栄君

      文月  涼君    古川 直季君

      村木  汀君    森原紀代子君

      山口  晋君    吉田 有理君

      若山 慎司君    渡辺 博道君

      大島  敦君    長妻  昭君

      黒田 征樹君    西田  薫君

      佐々木真琴君    野村 美穂君

      川 裕一郎君    高山 聡史君

      武藤かず子君    塩川 鉄也君

      中村はやと君

    …………………………………

   国務大臣

   (中東情勢に伴う重要物資安定確保担当)      赤澤 亮正君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   国務大臣

   (サイバー安全保障担当) 松本  尚君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) あかま二郎君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)          黄川田仁志君

   国務大臣

   (科学技術政策担当)   小野田紀美君

   内閣府副大臣       鈴木 隼人君

   内閣府大臣政務官     金子 容三君

   内閣府大臣政務官     若山 慎司君

   内閣府大臣政務官     古川 直季君

   内閣府大臣政務官     川崎ひでと君

   文部科学大臣政務官    福田かおる君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  若田  英君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  清水 雄策君

   政府参考人

   (内閣官房防災庁設置準備室次長)         岡本 直樹君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            岡田 恵子君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官)            井上 諭一君

   政府参考人

   (内閣府健康・医療戦略推進事務局長)       内山 博之君

   政府参考人

   (宮内庁次長)      緒方 禎己君

   政府参考人

   (警察庁長官官房長)   森元 良幸君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    日下 真一君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    尾原 知明君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          竹林 悟史君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          源河真規子君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          加藤 主税君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           伊澤 知法君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大隈 俊弥君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           畑田 浩之君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        和久田 肇君

   内閣委員会専門員     田中  仁君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十二日

 辞任         補欠選任

  大空 幸星君     坂本竜太郎君

  河野 正美君     森原紀代子君

  古川 直季君     山口  晋君

  野村 美穂君     佐々木真琴君

  高山 聡史君     武藤かず子君

同日

 辞任         補欠選任

  坂本竜太郎君     大空 幸星君

  森原紀代子君     河野 正美君

  山口  晋君     古川 直季君

  佐々木真琴君     野村 美穂君

  武藤かず子君     高山 聡史君

    ―――――――――――――

六月十二日

 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

山下委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官若田英君外十八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。長妻昭君。

長妻委員 おはようございます。長妻昭でございます。

 まず、事実確認だけさせてください、官房長官に。

 昨年九月十一日の件の確認でございます。現在官房長官秘書官の方が、秘書官になる直前、経済産業省在籍時でございますが、大阪万博関係で公費出張の際の話です。

 この現在官房長官秘書官の方が、昨年九月十一日に、大阪のホテルに一人で宿泊すると申告して泊まりましたけれども、ホテルには内緒で、妻ではない女性と一緒に二人で宿泊した。二人宿泊の場合は追加料金が必要にもかかわらず、その際に追加料金を支払わなかった。その後、マスコミからの取材、問合せを受けて、慌てて先月末の五月二十九日に当該ホテルに追加料金を支払ったと。

 これは事実でしょうか。そして、問題はありませんでしょうか。

木原国務大臣 おはようございます。

 御指摘の記事については私も読んでおりまして、それは私の秘書官でございます。今御指摘のとおりでありまして、当時、高市内閣が発足前……(長妻委員「九月十一日の話です」と呼ぶ)ええ、私の秘書官が経産省に勤務時代の話でございます。現在、経産省の方で確認中ではありますけれども、その点につきましては、予約時には一名分又は一室分で申し込み、支払い時には申込みに応じて支払いを行った件が数件あるのではないかということを報告を受けております。

 それで、追加料金が発生する場合については、ホテルによっては料金メニューに様々な形があると聞いておりまして、例えば、二人で宿泊した際には、二人目の追加料金が発生する場合もあれば、一人で宿泊しても二人で宿泊しても料金が変わらない、ルームチャージのような認識もありますので……(長妻委員「ちょっと委員長、九月十一日の話」と呼ぶ)

山下委員長 いや、経緯も必要ですから。(長妻委員「だから、十一日を聞いているんです」と呼ぶ)ですから、その十一日に続く前提として経緯を説明されております。(長妻委員「今のは十一日の話ですか」と呼ぶ)

木原国務大臣 調査中でありまして、当該職員によれば、一回分は追加料金が発生しないことを確認しましたけれども、もう一回分については、二名で宿泊すると追加料金が発生することを認識したため、後日私費で支払ったところであり、いずれのホテルとの間でも精算関係は適正に終了したというふうに聞いております。(長妻委員「言っているのは九月十一日の話ですか。ちょっと一回止めてください」と呼ぶ)

山下委員長 では、速記を止めてください。

    〔速記中止〕

山下委員長 速記を起こしてください。

 木原官房長官。

木原国務大臣 今日は、済みません、政府参考人を登録いただいていないので、まだ経産省の中で調査中の中で、今報告が届いているのは、令和七年九月十一日はホテルで朝まで知人と過ごしたということを聞いております。聞いているのは以上でございます。(長妻委員「追加料金は」と呼ぶ)

 それ以上の情報は、済みません、今持っておりません、私の手元にはまだ届いておりません。ただ、九月十一日はホテルで朝まで知人女性といたという報告を受けております。

長妻委員 これは、話が昨日聞いているのと違いますね。九月十一日は、追加料金は支払わなかった、追加料金が必要にもかかわらず。

 これは、官房長官に答弁していただくように、ちゃんと情報共有するように、何度も繰り返し、二日前から言っていますよ。これは政府の怠慢じゃないですか。

 九月十一日は、追加料金が発生する仕組みにもかかわらず追加料金を払わなかった、その時点では。こういう事実はあったんですか。

木原国務大臣 今日は参考人を登録していただいていないんですけれども、今確認をさせたところ、九月十一日については、その場ではお支払いをしておりませんが、後日精算したと報告を受けたところでございます。

長妻委員 後日払ったのも、昨日聞きましたら、マスコミの取材があったので、慌てて先月末の五月二十九日に払ったというふうに聞いたんですが、これは事実ですか。ちゃんと共有しておいてください、昨日言ったんだから。

木原国務大臣 経産省が本人に聴取したところによれば、雑誌からの取材依頼を契機に、支払うべき追加料金があったのではないか、そのように本人が思いまして、そして事情をホテルに説明をし、追加料金が必要なケースだということでそれをお支払いした、そのように報告を受けました。

長妻委員 これは、法務省に確認しますと、追加料金を支払わない、一人で泊まるというふうに、ある意味ではだましてということであれば、罪に当たり得るという見解を示されております。そして、旅館業法では、何人泊まるかというのを虚偽の申請をすると、問題がないわけではないというのを所管の厚労省からも聞いております。

 この女性からは、一緒に宿泊して大丈夫なのかという趣旨の、メッセージアプリで問合せが来て、この秘書官は、公務のために宿泊しただけです、こういうふうに返答した、こういうことが言われておりますが、このやり取りは事実ですか。これはちゃんと共有していないじゃない、昨日言っているのに。秘書官だよ、官房長官の。

木原国務大臣 冒頭申し上げましたように、今回の事案の大宗は経産省時代の勤務でありますので……(長妻委員「今、秘書官じゃない。あなたは監督者でしょう」と呼ぶ)現在……(長妻委員「現在はそうだけれども、過去のことで今の資質が問われているんだから」と呼ぶ)当時のことでございますので、その大宗は経産省時代のことであり、私の手元にはホテルの領収書であるとかそういうものはありませんので、経産省において聞き取りを行っております。

 その中で、本人は、宿泊した時点においては、二人分の宿泊料金が不要であると考えていたと。つまり、一人分、必要であれば二人分の料金を払う場合もあれば、ルームチャージとして、二人分、不要じゃない場合もあるので、その件については二人分の宿泊料金は不要であると考えていたと聞いております。(長妻委員「いや、だから、メッセージアプリの件です」と呼ぶ)メッセージアプリの件は、その点についてはまだ報告を受けておりません。

長妻委員 これは本当に人ごとですね。秘書官ですよ、今、官房長官の。しかも、去年の話ですよ。これはこのまま続けさせるんでしょうか。そういうことで、関心を持って、当事者ですからね、官房長官。

 もう一つ、この報道によると、情報漏えい、情報管理に問題があったのではないかという報道があります。

 大阪万博について皇族に御説明した際のやり取りをこの女性に漏らしたという報道がありますが、それ以外の報道も出ておりますが、機密漏えい、情報漏えい、情報管理に問題と。これは事実ですか。

木原国務大臣 機密情報漏えいという御指摘でありましたが、そうした点も含めて、今、経済産業省と協力して総合的に確認を行っているところでありまして、確認された事実に基づいて適切に対応していきたいと思っております。

 事実関係、これは非常に機微にわたる話でもありますし、また、本人は家族もありますから、ちゃんと情報を確認した上で人事上の対応の必要性の有無というのを私は判断しなきゃいけない。現時点においては、だから、そこまでまだお答えする段階にはないということでございます。

長妻委員 これは非常に、政府の、官房長官の答弁は不誠実だと思います。二日前から綿密に打合せして、官房長官と情報共有するように厳しく申し上げたところであります。念には念を押して申し上げたにもかかわらず、とぼけているのか、本当に情報共有していないのか。これは官房長官の監督責任というのも私は問われるというふうに思うんですね。

 いつまでに調査結果というのは出るんでしょうか。

木原国務大臣 確かに二日前からの委員の御指摘でありましたけれども、まさに今、経済産業省勤務時代の業務の案件でありましたので、事態を正確に把握をし、また、本人のプライバシーにも関わることですから、可及的速やかにこれは判断をし、そして適切に対処したいと思います。

長妻委員 そして、配付資料の十四ページ目でございますが、これが政府からいただいた、五回、かなり多くの出張をされておられますけれども、私が指摘をして一覧表を作っていただいたこの五回については、妻でない女性とホテルに一緒にいたというふうに政府は答弁されておりますが、官房長官、それでよろしいですね。後ろに聞いていただいても結構ですよ。

木原国務大臣 大阪・関西万博関連の用務で大阪に出張した際に知人女性をホテルの自室に招き入れたのは五回、そのうちの二回は翌朝までいたということが、当該職員が認めておるところでございます。(長妻委員「この資料は合っているんですか。ちょっと一回止めてください。綿密に打合せしているんだから」と呼ぶ)

山下委員長 では、速記を止めてください。

    〔速記中止〕

山下委員長 速記を起こしてください。

 木原官房長官。

木原国務大臣 委員の今日の提出資料のこの日程でありますが……(長妻委員「いや、だから、ここに女性と一緒にいたということですか。だから、ちゃんと答えないと」と呼ぶ)

 部屋に招き入れた日でございますが、令和七年五月二日及び九月十一日に加え、令和七年五月二十一日、六月二十二日及び六月二十七日の合計五回、知人女性とホテルで過ごしたと報告を受けました。

長妻委員 本当に政府の隠蔽体質、私はもう痛感しました。これを出してもらうにも本当に大変で、初めは知らぬ存ぜぬで。問題が起こったときにきちっと事実関係を聞いているわけなので、これをきちっと認めていただいて、今日の答弁も、あれだけ官房長官と共有するように言ったにもかかわらず、非常に共有も含め不誠実であるということを、強く抗議をしておきます。

 そして、次に宮内庁にお伺いしますけれども、よろしいでしょうか。

 生まれたときに皇族ではなくて、皇族の養子になって皇族になった事例というのは、過去全て、初めから遡って、そういう事例というのはあるんでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 現時点で、宮内庁として、史料に基づき確認できる限りで申し上げれば、御指摘のような、誕生時に皇族ではなかった方が皇族の養子となって皇族になった事例はないものと承知しております。

長妻委員 これは、伝統文化ではない、前例がないということなんですが、官房長官、御存じでしたか。

木原国務大臣 非皇族としてお生まれになった方が皇族の養子となり皇族になった例がないということは承知しております。

長妻委員 次に、佐賀県警のDNA鑑定不正事件についてお伺いします。

 この不正鑑定をした担当者の警察庁のヒアリング内容が、今日初めて公開されるということで、私の手元に昨日届きました。今日、配付資料にしております。

 特に私が驚いたのは、上司との関係なんですね。これについての内容について、上司との関係の部分について、ちょっと御紹介いただけますか。

あかま国務大臣 佐賀県警察科学捜査研究所におけるDNA型鑑定、これに関する事案における対象職員からの聴取という話でお尋ねだと思っています。

 対象職員から聴取したところによれば、他の職員に対して相談のしづらさを感じ、また、十分な指導を受けられていないと感じていたなどというふうに話しており、このことはゆゆしき問題であるというふうに認識しております。

長妻委員 何ページかにわたる資料でございまして、今おっしゃっていただいたように、この担当者、不正をした、DNA鑑定不正、こういうふうにおっしゃっているんですね。私が上司を信頼できなかった、苦しいときも上司に相談できなかった、令和五年から六年の不適切な取扱いの原因は上司にあると思っている、法医係の係長が係長として機能していなかった、相談しても嫌そうな顔をされ、相談しても自分で考えろという感じで返されていた、どうすればいいのか分からなかったというようなことをるる述べておられる。非常にこのマネジメント体制というのが問題ではないかということで、是非改善していただきたいというふうに思います。

 これは、お願いをして警察に作っていただいた資料、非常に貴重な資料です。八ページ目からですね。

 まず、八、九、十、十一ページについては、この当該不正を行った、DNA鑑定不正を行った担当者が行った不正鑑定のうち、既に犯人が検挙されているそのリストです、五十九件。五十九件共に不正鑑定があったと認定されております。

 そして、十二ページ以降、十二、十三、この二枚については、この同じ担当者が行った不正鑑定、認定されている不正鑑定二十七件、これは犯人が検挙されずに捜査中だということであります。きちっとしたDNA鑑定がなされていれば検挙された可能性もある事案、二十七件あります、捜査中ということで。

 もう一つ問題なのは、今申し上げた五十九件は、既に犯人が検挙されている。でも、五十九件は、全部この担当者がDNA不正をしたと認定されているんですね。もう犯人が検挙されている。私は、冤罪の方がおられるんじゃないかと思うんですよ。警察庁は冤罪はいないというふうにはっきりおっしゃっておられますが、私はちょっと信用できないんですね。

 ほかの県警で、DNA鑑定、できるにもかかわらず、微量だからできないということで、冤罪になってしまった方がおられます。弁護士が頼んだ鑑定人がちゃんと鑑定したらばその犯人ではなかったということで、無罪になった方がおられるわけですね。

 そういう事例もあるわけで、この五十九人の中に冤罪がいる可能性は否定できないと私は思うので、第三者を入れて是非調査していただきたいと思うんですが、いかがですか。

あかま国務大臣 委員の方から、第三者を入れての調査というお尋ねでございますけれども、本件調査、これは、関係する事件や、変死体の取扱い、行方不明者の届出等に関して、捜査書類であるとか写真、また届出等などの資料等を詳細に確認する必要があり、個人のプライバシー、これのみならず具体的な捜査内容に深く関わるもの、そういった理由であることから、警察以外の調査にはなじまないというふうに考えており、そうした結果、警察庁の特別監察、これを行ったものであります。

長妻委員 いや、これは守秘義務をかけて調査してほしいんですよ。

 国家公安委員長、県警で起こった冤罪事件、御存じですよね。微量な精液が鑑定できないということではねてしまった。ところが、弁護士が頼んだ鑑定人はちゃんと鑑定できて、その犯人じゃないということが分かった、こういう例があるわけでありまして。

 これは、私はどう考えてもおかしいと思うんですね。五十九件全件でこの担当者がDNA不正をしたということですよね。

あかま国務大臣 不正をという話で、ただ、これに冤罪の可能性がという話であるならば、特別監察において、対象職員による鑑定に関する事件の捜査資料等を子細に、かなり詳しく確認した結果、対象職員による不適切な取扱いが認められた。犯人を検挙している事件に関する鑑定に関する事件で、当該被疑者が犯人であることを対象職員によるDNA型鑑定結果のみで立証しているものではないというふうに認識しておりますし、他の証拠関係により立証していることが確認されているものというふうに承知しております。

長妻委員 私、詳細に聞きましたけれども、大変いいかげんな調査だと私は認識しました。第三者を入れないと、私は、この中に冤罪の方がおられる可能性がある。これだけのDNA鑑定不正を起こしておいて、身内だけで始末するというのは、私はおかしいと思うんですね。是非前向きに御検討いただければというふうに思います。

 これで、国家公安委員長、御退席、結構ですので。官房長官も御退席、結構でございます。

山下委員長 官房長官、国家公安委員長は御退出されて結構です。

長妻委員 最後に、ずっと取り組んでおります、名前、住所つきの病歴が、統計特例ということであれば企業や個人事業主に渡すことができるというとんでもない法律、これが今参議院で審議をされようとしております。

 配付資料の二ページ目にもつけましたけれども、京都大学の医療情報に詳しい黒田教授、この議事録にもありますが、医療等情報の利活用の推進に関する検討会議事録、これは政府が主催しているものでありますが、そこで、個人情報保護委員会が、改正案について、つまり名前、住所つきの病歴を提供できるということについて、最悪の案であるということでおっしゃっておられるんですね。例外をたくさん並べて、その例外のどれかに当てはまるからいいだろうみたいな議論をすると何が起こるかというと、目の前におられる患者さんからはどうしてそんな扱い方をあなたはしたのだというクレームをたくさんもらうのですと。

 我が党がちょっとヒアリングをさせていただいたときに、黒田教授は、国民の信頼を損ねて、むしろデータが流通しなくなる、AIの発展とか医学の発展にマイナスになるというふうに懸念を示して、今日の新聞報道にも詳しく出ております。

 大臣にお伺いするんですが、今回の統計特例で、名前、住所つきの病歴を提供する、提供先がそれが欲しいと言って提供元も了解した場合、法律で認められるわけでございますが、その場合、例えば一般に使われている生成AIにも読ませるということはできるんでしょうか。

松本(尚)国務大臣 生成AIにも読ませるかどうかという御質問ですけれども、できるかできないかといえば、できるということです。

長妻委員 これは大丈夫なんですかね。チャットGPTとかGeminiとか、名前、住所、そして病歴、どういう御病気か、まず一旦読ませる。絶対表に出ないと政府はおっしゃっておられますが、一ページ目、これも、AIに詳しい国立情報学研究所の佐藤一郎教授に詳細にお伺いしましたところ、このポンチ絵にもありますように、生成AIの出力に元の情報が出現する理由ということで、これは出てしまうんですね、いろいろなガードレール規制をしても。

 そして、もう一つ、今日は内閣府に来ていただいているので。

 今回、問題なのは、ダブルトラックになっているんですね。つまり、名前、住所つきの医療データ、これを統計特例で企業や個人事業主に出すことができるというのは、個人情報保護法のルートなんですね、今回の改正案の。もう一つのルートで、病歴を医学の進歩に活用する、そういう取組があるんですね。これはもう大臣御存じのように、大臣の所管ではありませんが、内閣府と厚労省所管の次世代医療基盤法という法律に基づいて、国民の皆さんの医療データをもう既に提供しています、企業に。医療データを病院から企業に提供して、医学の進歩、薬の進歩に役立ててもらおうというスキームがあるわけですね。このスキームの横に抜け道みたいな形で今回改正案が出てきたので、みんな心配しているわけであります。

 ちょっと聞きますと、私、統計作成等とかAIの学習とかいうことでいえば、名前とか住所というのは必要ないと思うんですよ。仮名でもいいと思うんですよね。当たり前ですよね、こんなもの、仮の名前で。

 さすがにというか当たり前ですけれども、次世代医療基盤法の世界の中では、仮名化をするということが義務づけられているんですね、義務づけられている。ただ、ここでの審議でも、いや、仮名化というのは提供元が大変だから、提供先が欲しいと言えば一旦渡して、提供先で適切に処理してもらうという答弁がずっと続いているんですが、できているんですよね。

 今日、担当者に来ていただいておりますけれども、つまり、どういう仕組みかというと、提供元の病院は仮名化作業というのはなかなか難しいですよね、忙しいし。そうじゃなくて、仮名化作業をする事業者をお国が認定して、三者を厳密に認定して、三者に限っては、そこに生データを病院が渡して、三者というのはNTTデータ系、日立、京都大学系、医師会系があるんですけれども、ここが、認定作成事業者というところが仮名化、匿名化をして企業に渡しているというスキームなんです。

 そのときに、大臣もこの前おっしゃったのは、仮名化するといったって全部できるわけないだろう、こういうふうにおっしゃったんですね。どういうことかというと、構造化されたデータは簡単に住所、名前を消せるけれども、例えば、カルテの自由記述欄ですね、フリーテキストみたいな、そこについては一々削除できないから一旦渡しちゃうしかないんだという話をしていました。

 今日、担当者が来られておりますけれども、匿名、仮名化について、フリーテキストですね、例えばカルテの自由記述欄も含めて、それも含めてちゃんと匿名化、仮名化して企業に渡す、こういうふうに今なっているということでよろしいんですか。

内山政府参考人 お答えいたします。

 次世代医療基盤法につきましては、今御指摘いただきましたように、匿名加工にせよ仮名加工にせよ、認定作成事業者が、医療情報を収集し、仮名加工あるいは匿名加工を行って利用者に提供する仕組みとなってございます。

 この中で、御指摘がありましたような構造化されていないデータについても、仮名加工医療情報を提供する場合あるいは匿名加工医療情報を提供する場合には、認定作成事業者が仮名加工あるいは匿名加工を行って提供することとされてございます。

長妻委員 できるじゃないですか。全然できるじゃないですか。あるじゃないですか、仕組みが。

 やはり、私も聞いてみると、提供先が名前と住所つきの病歴が欲しい、こういうニーズも確かにあるんです。理由を聞くと、名寄せしたいということなんですよ。別に名前を知りたいとか住所を知りたいんじゃなくて、名前、住所が単純に削られていくと、別人と認識しちゃうんですね。そうじゃなくて、名前と住所があれば名寄せできるということなんです。

 これは御担当者に聞きますけれども、名寄せもちゃんとして仮名、匿名で提供しているということでございましょうか。

内山政府参考人 当然、利用者側の御要望にもよりますけれども、名寄せが必要な場合には、被保険者番号やそうした氏名を使って名寄せをした上で提供しているものというふうに伺ってございます。

長妻委員 できているじゃないですか、名寄せ。

 私もこの認定事業者三者のうち二者にお話を聞きましたところ、今、被保険者番号は、枝番もできたので全員一個ずつ持っているんですよ、違う番号を。だから、被保険者番号で名寄せをして、そして、被保険者番号はもちろん利用者には渡さない、利用事業者には。それで、名寄せをして、仮名あるいは匿名加工をして渡しているということで、こういうスキームがあるわけですよ。

 だから、私も、いや、大臣の気持ちは分かるんですよ。医療の発展とかAIの発展、これは我々も否定していません。もちろん日本はバーティカルAIで世界一を目指すポテンシャルはあると思っているんです。

 そういう意味では、このスキームの中で、次世代医療基盤法の中でもう少し使いやすくするというのは、私は賛成ですよ。この中でやりませんか。このスキームがよくできているのは、認定作成事業者をお国が認定するのみならず、もらう企業、医療情報をもらう企業も認定なんですよ。国が認定するんです。

 だから、この前も予算委員会で、中国企業にも同じスキームで渡るということで質問をしまして、お認めになりましたけれども、さっぱり分からないわけですよ、個人情報保護法改正案のスキームだと。ところが、次世代医療基盤法のスキームだと、もらう企業名もはっきり分かるし、分かるどころか、お国が、もらっていいよ、もらって悪いよというのを認定して、その企業しかもらえない、こういう仕組み。これは安心ですよね。

 そういうようなことで、是非、大臣におかれましては、このスキームでやりませんか。

松本(尚)国務大臣 まず、次世代医療基盤法と今回の特例と、これはお互い排他的なものではないということはお話をしておかなきゃいけないと思います。

 すなわち、提供元と提供先が合意をしてということは再三お話をさせてもらいましたけれども、その際に、提供元が、今委員がおっしゃったような危惧、いろいろなものを危惧、心配だなということであれば、これは、守秘義務のことも含めて、次世代医療基盤法に基づいてデータを提供すればよくて、そうではなくて、いや、そこまでは心配しないだろうということであれば、この特例を使ってもらうことは何ら問題がないということになります。

 もう一つは、このときに、提供する側に氏名等々の削除が技術的に困難かどうかをどう合理的、客観的に判断するかということですけれども、これについては、ガイドラインで、こういうものがあれば合理的にちゃんと削除できるでしょうということは例示します。

 それからもう一つは、提供元、提供先の合意のものを個情委員会が事後的にチェックをすることも可能ですし、提供元、提供先がこれでいいのかどうかということは個人情報保護委員会の方のいわゆる相談窓口でもって確認を事前にできるということも担保されていますので、そういった形で、どちらの法律を使うかも含めて提供元が適切に判断できるようになっているというふうに思います。

長妻委員 これは結局、認定はないんですよ。そして、提供元のある意味では判断に任されているんですね。

 だから、私もお話を聞きました。やはりいろいろ考えるというか、そこら辺の医療情報に相当たけた医療機関は恐らく使わないだろう、個人情報保護法の改正案のところで提供しないだろうと。ところが、やはり医療機関でも、経営が苦しい、そして、もちろん、データを提供するときには巨額の報酬がオファーされるケースもあるわけでございまして、そういう医療情報に慣れていないところは、であれば提供する、法律にも書いてあるからというようなことで、提供する可能性はあるというふうに専門家もおっしゃっておられるので。ですから、抜け道、横道をつくらないでいいじゃないですか。これで十分できているんですよ。専門家も言っているわけです。

 最後に一点、質問でございますが、私、個人情報保護委員会の、衆議院そして参議院での厚生労働委員会での答弁というのは非常に不誠実だと。誤解するような答弁が続発しているんですね。

 これについてちょっと聞きますが、その答弁の趣旨、個人情報保護委員会の答弁は、いやいや、法律が通ったとしても、ガイドラインとか規則で仮名化を義務づけることができるよ、上乗せ規定で、そんなような趣旨の答弁をしているんですよ。

 私、法律の専門家に聞くと、そんなばかなことはできないよ、だって、法律では義務づけていないのに、規則とかガイドライン、法律でないもので仮名化を義務づけるなんてことはできるわけがないとおっしゃっているんですが、これはできないわけですよね。

 仮名化を義務づけていない法律よりも、法律でない規則、ガイドラインで仮名化を義務づけて、それに反したらば罰則がつく、こういうことはできないわけですよね。

松本(尚)国務大臣 今おっしゃったとおり、法理的には、一律に仮名化等を必須とする旨の委員会規則やガイドラインを規定するということは、法律の委任の範囲の観点を考えると困難だということでございます。

 ただ、特例としての取扱要件には当たらない場合がある。その場合はというのは、漏えいした場合のリスクが高いとか、あるいは、氏名等が元々不要であったり、削除が技術的にそんなに難しくないものを出した場合は、これは本人同意が必要になりますから、今のお話は、仮名化の必要性というのは、我々としては考えていないということです。

長妻委員 適切でない場合は、それはそれなりの処置がなされるわけですけれども、この法律に基づいたときは、そういう上乗せ規定というのはできない。

 しかも、非常に悪質なのは、本人が名前つき、住所つきの病歴を提供しないでほしいと言えば、上乗せ規定の規則とかガイドラインでそれを止めることができる、こんなような趣旨の答弁も個人情報保護委員会はしているんですが、これも、誤解を招くというか、虚偽に近い答弁だと私は思いますので、丁寧に、ちゃんと正確に説明して、皆さんの法律を通したい気持ちは分かりますが、リスクをちゃんと説明していただきたいということで、質問を終わります。よろしくお願いします。

山下委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。

 ナフサ関連、特に今日はシンナー、塗料の話をやりたいと思いますが、赤澤大臣よろしいでしょうか。

 昨日、関係閣僚会議が夜に開かれておりますが、私は、以前より、このシンナーですとか、それ以外のナフサ関連物資、石油化学メーカーというよりはシンナーメーカーに増産要請をしてはどうかということを以前より提案をさせていただいておりますが、それそのものではないかもしれませんけれども、かなり前向きな仕組みを考えていただいて、配付資料一枚目ですが、シンナーメーカーが、原料が足りない、トルエンとかキシレンが足りないということで、政府に手を挙げたら、石油元売あるいは石油化学メーカーからその原料が一・八倍まで来るという仕組み、これはよくつくっていただいたと思います。

 そこで、これは最初の二問を飛ばして三問目から入っていますけれども、よくできているんですが、この申請のフォームというのが二枚目、三枚目にあるんですけれども、本当はもっとたくさんの項目があるんです。最初は、シンナーメーカーが、トルエン、キシレンが来ました、結局、シンナーはどれだけちゃんと作るんですかということについては、申請項目に入っていなかったんですね。六月九日の火曜日に事務方に、それは入れた方がいいんじゃないですかと九日に提案をしたら、何と十日、翌日、入っているんですよ。この三枚目の「調達したトルエン・キシレン等の活用方法」というところ、必須と書いてあって、要は、例えば、シンナー、どれだけ生産します、出荷時期はいつ頃ですというようなことを、三枚目の紙、新たに加えていただいたんです。

 すばらしい対応。迅速、翌日です。これは評価したいと思いますが、何でこんな早い対応、大臣、できたんですか。

赤澤国務大臣 後藤委員からある意味で初めて褒められて、天にも昇る気持ちでありますが、御指摘ありがとうございます。そういう意味で、私どもも、大事な御指摘は本当に歓迎をしているところで。

 何でそんなに早かったのかという御質問なんですけれども、我々もちょっと問題意識は持っていて、この仕組みをより効果的に運用する観点から、現場の実態や様々な御意見などを踏まえ、実は、委員からの御指摘の前に、一個もう既に直したのがありまして、六月四日にタイトルをちょっと修正したりして、何か御指摘があれば一生懸命聞いて直していこうという気がある中で委員からちょうど本当に大事な御指摘をいただいたので、その六月四日、最初に直したものの六日後ですか、六月の十日に、御指摘をいただき、もう一つ直した部分がございますけれども、同時に取り入れさせていただいたところでございまして、今後とも機動的に見直し、トルエン等の円滑な供給の確保に努めてまいりたいですし、重ねて、御指摘ありがとうございました。

後藤(祐)委員 すばらしいと思いますよ。アジャイルでやるというのはこういうことだと思いますので。

 それで、せっかく加えていただいたので。シンナーメーカーが実際に申請するときに、これだけ、いつシンナーを作りますと出すわけですよ。実際に作っているかどうかを事後に確認すべきじゃないですか。

 そして、三枚目の、フォーマットに加えていただいたところには、卸先、量、どこの会社向けに何キロリットルとかいうものまで書いてもらうことにしているわけですよ。どこに売るかも、申請するわけですから、その卸先に対しても、ちゃんと、その卸先が更にその先に売っているかどうかまで追跡調査すべきじゃないですか。

赤澤国務大臣 この仕組みでは、申請事業者に対し、この仕組みで調達したトルエン等を用いて製造されたシンナーの生産量や卸先、供給時期、量を経済産業省に報告を求めることとしております。申請事業者が供給した卸先に対しても出荷状況などを随時確認することとしており、目詰まり解消に向けて、関係者で協力しながら、シンナーが迅速かつ効果的に行き渡るよう丁寧に対応していきたいと思っています。

後藤(祐)委員 是非、シンナーというのは、どこがどれだけ作っているかも実態がなかなか難しいと事務方の方から伺いました。更にその先の卸というとそうだと思うので、せっかくここに出していただいた情報を生かして、ちゃんと卸がその先の卸あるいは販売事業者などに売るかどうかまで追いかけていただきたいと思います。

 大臣、この仕組みをうまく生かしていただいたら、ちゃんとシンナーメーカーから卸とかに売り渡されて、現場の、これは塗装事業者だけじゃないですよ、それこそ食品メーカーとかいろいろな方がシンナーを使うわけですから、これは現場まで届くようになるんですか、大臣。

赤澤国務大臣 先ほどの答弁のとおり、申請者であるシンナーメーカーやその卸先に確認し、この仕組みで調達されたトルエン等を用いて製造されたシンナーの出荷状況を適切に把握していきたいと思っています。

 引き続き、関係省庁に設置された情報提供窓口を通じてサプライチェーンの情報を集約するとともに、地方経済産業局等が関係機関と連携をし、工務店や自動車整備事業者といった川下の事業者に対するプッシュ型支援、これは五月二十一日の関係閣僚会合で開始を公表しましたが、それをやることで、供給の偏りと流通の目詰まりを引き続き着実に解消していきたいと思っています。

 このような取組を通じて、今委員御指摘の、現場の塗装事業者に限りませんが、塗装事業者等まで塗料、シンナーが行き渡るように取り組んでまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 是非お願いしたいと思います。

 ただ、幾つか課題が多分あると思うんですね。それをちょっと伺いたいと思いますが、一つは、シンナーの原料であるトルエン、キシレンを一体幾らぐらいの値段で元売なりが売ってくれるんですかというところですね。これがすごく高いとなると、えっとなってしまうわけですよ。この価格を、民民間の取引ですから、こうしろというところまで言えないにしても、商社を経由していないわけですから、商社経由のものよりは安くてもおかしくないわけですよね。ある程度安く提供されるということでよろしいでしょうか。

赤澤国務大臣 この仕組みにより供給されるトルエン、キシレンの取引価格は、卸は、商社とかを通さないとはいいながら、要は元売とかとシンナーメーカーの間の民民の話ですので、通常の取引同様、企業間の取引の中で決まるものであることからなかなか断定的にお答えすることは難しいんですが、ただ、最大で通常の八割増しまで供給拡大しますので、需給逼迫による価格上昇分について、一定の引下げ効果を期待できるものと考えています。

 引き続き、この仕組みにおけるトルエン、キシレンの供給状況を随時確認し、この仕組みの効果が最大化されるように取り組んでまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 是非、お値段も、シンナーメーカーがちゃんとシンナーを作れるようなお値段で供給されることを望みたいと思います。元売にも御協力いただきたいなと思います。

 あともう一つの懸念は、実際、この仕組みに手を挙げていただけるんですかということなんです、シンナーメーカーが。

 というのは、これでたくさん原料を仕入れて、たくさんシンナーを作ったら、シンナーの値段は下がるわけですよ、今より。それは世の中にとっては、少なくとも今はちょっと高過ぎですから、いいことなんだけれども、シンナーメーカーにとっては高い方がもうかるわけですから、余り、手を挙げてたくさん作っちゃって値段が下がっちゃったら、自分の会社としてはどうかと考えるわけですよね。

 それと、もう一つは、このスキームというのは商社をすっ飛ばすわけですから、シンナーメーカーはふだんは商社と良好な関係で原料を仕入れているのに、突然、石油元売から直接買うとなったら、商社は面白くないわけですよね。商社に気兼ねして手を挙げにくいという面もあると思うんです。

 つまり、シンナーをたくさん作っちゃうとお値段が安くなっちゃうのもちょっとどうかという面、あるいは商社に気兼ねする面、いろいろあると思うんですけれども、これは六月三日から受付開始とありますが、これまでに何社ぐらい、このスキームで手を挙げておられるんでしょうか。特に、大手メーカーと言われるところは、シンナーメーカーですよ、手を挙げておられるんでしょうか。

赤澤国務大臣 塗料、シンナー関連の多くの事業者の方々から問合せがあり、現時点で既に十社程度から申請をいただいています。この中には、私の知る限り、大きいのが十ぐらいあるなという認識でおりましたけれども、多分、一番大きいと思われるやつも含まれていますので、かなり真剣に受け止めていただいていると思います。これ以上の詳細については、申請企業の特定につながり得ることから差し控えたいと思いますが、状況としてはそういうことで。

 既存の調達先との関係から申請をちゅうちょしてしまうといった御懸念については、既存の調達先を経由して供給することも可能とすることで一定程度解消できると考えています。

 こうした点も含め、この仕組みをしっかり周知していきたいというふうに思っております。

後藤(祐)委員 そうなんです。どこのシンナーメーカーが手を挙げたかは言わない方がいいんですよね。そこは秘密にしながら、でも、手を挙げてくださいということを上手にやっていただくということだと思いますが。

 先ほど、一番大きいところも的なお話がありましたが、小さいところがしょぼしょぼっと挙げたぐらいだと全体としてのシンナーはそんなに増えないわけですけれども、このスキームで、大体どの程度のシンナーの増産が期待できるんでしょうか。

赤澤国務大臣 申請者の中には、小規模メーカーのみならず大手のシンナーメーカーも含まれています。他方、供給拡大によるシンナーの増産量は、今後の供給要請の件数や量によっても変動するので、予断を持ったお答えは差し控えたいと思います。

 ただ、いずれにしても、この仕組みにより、塗料、シンナーの原料となるトルエン等について、最大で例年の一・八倍の大幅な供給拡大が可能となります。受入れ側の体制が整えば直ちに輸送を開始するので、早ければ十八日には原料が届き、増産が始まると思います。

 実際にシンナーメーカーからは、トルエンの増量の話に期待するとか、トルエン、キシレン増産のおかげもあって既にシンナー確保に困ることがなくなったというような、この仕組みを始めたとアナウンスしたことで出ている効果とかもあるとは思うので、前向きな反応も聞こえてきております。

 可能な限り早急に現場に十分なシンナーがお届けできるよう、この仕組みを円滑に回してまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 そうなんですよね。増産するらしい、しているという情報が伝わることが、高値に上がることを期待して抱えておくかというせこいことを考えている人が、高値のうちに売らないとやばいとなってマーケットに出てくるという効果もすごく大きいと思いますので、事実を、これだけ増産が起きているということを是非アナウンスをしていただくことも重要じゃないかなというふうに思います。

 そういう意味では、ちょっと質問の一番最初の方に戻りますけれども、これは政府参考人で結構なんですけれども、そもそも、このトルエン、キシレン、シンナーの原料ですけれども、これがそんなに減っちゃっていたのかどうか。データとして、トルエン、キシレンの生産量というのは、直近の月で、対前年同月比で何%ぐらいの生産だったんでしょうか。

畑田政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のトルエンとキシレンの本年四月の生産量、これの前年同月比につきましては、トルエンは五七%、キシレンは六四%ですけれども、川上企業、石油化学メーカー及び商社のことですけれども、こういう人たちが在庫及び輸入も活用して供給に努めた結果として、溶剤用途のトルエン、キシレンの国内への供給量、これは前年同月比で、トルエンは一二四%、キシレンは一二〇%となっておりまして、国内への供給量は維持をされているというところでございます。

後藤(祐)委員 大臣、後半のところは若干かぶるかもしれませんけれども、そうすると、この資料の一ページ目の商社と言われるところですね、石油化学メーカーから原料を調達して、その商社は、ちゃんと原料を調達して、シンナーメーカーに売っていたということのように今のお話だと聞こえるんです。本当なんですかね。だとしたら、何で滞っているのかが不思議になってくるわけですけれども。

 石油化学メーカーからトルエン、キシレンを仕入れたり、あるいは輸入するという商社もあると思うんですけれども、何社ぐらいあって、その購入量とか販売量というのは一体どうなっているんでしょうか。

 つまり、商社が過剰にシンナーの原料を在庫として抱えていたということはないんでしょうか。もしそういうことがあるんだとしたら、ちゃんと報告を求めて、過剰に抱えているとか報告しないとかいう商社があったら、それ相応の対応というのも必要になるんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 流通の中身も、現場、実態の状況もよく御案内の後藤委員なので認識を共有できると思うんですが、どうもやはり中東情勢が緊迫化をして、不測の事態というか有事になった途端に、やはり商社、卸、いろいろなことを考えているようで、一つあるのは、お得意先からの注文は今後、五月になろうが六月になろうが応えざるを得ないので、ちょっと、お得意先でないところへの供給は絞って、玉を持っておこうみたいな動きはかなり起きていまして。

 例えば、これはゼネコンが指示したわけでもないですし、ゼネコン関係の卸の方たちが自発的にですけれども、例えば、ゼネコンからの注文には絶対応えなきゃいけないので、通常、そうでない方たちへの供給を絞ってみたいな動きは現にちょっとあったように思いますし。

 いろいろな意味で、何か、もっと値段が上がってから売ろうとか、必ずしも、利己的なものというよりは、合理的な、経済主体のあれとして、ちょっといろいろなことが起きていた可能性はあるなと思います。

 トルエン、キシレンをメーカーから仕入れたり輸入する商社は少なくとも十数社程度は存在をしておりまして、各商社による調達量や販売量は個々の取引であり、政府として網羅的に把握はしていませんが、先ほど事務方から申し上げたとおり、四月について言うと、国内の生産量は減っていたんですけれども、輸入と在庫の取崩しを含めた供給量について言えば、トルエン一二四%、キシレン一二〇%で、国内向けの供給は維持されていたと。

 商社を含めた民間企業は供給不安で過剰に在庫を抱える可能性があるため、今申し上げたことですね、不安を払拭すべく、メーカーの要請に応じて、トルエン等、最大で例年の一・八倍の大幅な供給拡大を実施する制度を六月三日から始めたところでありますので、ちょっと状況を見て、うまく流れていくように確認をしたいというふうに思います。

後藤(祐)委員 ここの商社の数というのはそんなに多くありませんから、しかも、それなりの大きな会社でしょうから、是非そこの状況は把握をし続けて、変なことが起きないかどうか、よくチェックをいただきたいと思いますし、今回の一・八倍のスキームでかなり原料が調達されるでしょうから、それに合わせて、本来の流れである商社経由の原料もスムーズに流れていくように、うまく促していただきたいと思います。

 最後に、今日はシンナー、塗料の話にほぼ集中したんですが、昨日の閣僚会議では、潤滑油について、主要潤滑油メーカーから直接販売するスキームというのを新設されたと説明がありました。しかも、これは、潤滑油なんていろいろなところで使いますから、あらゆる業種を対象に、卸を経由しないで買えると。これはいい取組だと思います。

 シンナー、塗料、潤滑油、こういう、まさにそれぞれの流通に合ったスキームをだんだん開発していただいているので、まだ現場では不足している、それ以外の、例えば塩ビ管とかコーキング材とか食品包装用のラップだとかトレーだとか農業用のマルチだとか、いろいろなものが足りません。是非、やり方はそれぞれ違っていいと思うんですけれども、原料を下さいなというシンナー型のやり方、あるいは、直接需要家がメーカーに買える潤滑油型のやり方、ほかのナフサ関連資材にも拡大すべきじゃないでしょうか。

赤澤国務大臣 御指摘の問題意識は共有をいたしますし、御指摘を受け止めますが、これも委員御案内のあれなんですけれども、一番やはり大きな声が上がって苦しい苦しいと言われるのが、結局、今、建設関係のシンナー、溶剤であり、あるいは自動車整備業や町工場の潤滑油でありますので、まずそこを何とかしようということで、数百人で、何か連絡があると下から一つ一つサプライチェーンを遡って、目詰まりや供給の偏りを確認して解消していくという作業と併せて、その二つの分野は極力、今委員がおっしゃったような、供給を上から多く流すとか直販するとか、つくってきています。

 できる範囲で次々手を打っていこうとは思っていますので、今委員が挙げていただいたようなコーキング材とか塩ビ管とか、それ以外も、当然、声の大きさに応じて、ちょっと頑張って、やれることはやっていきたいと思います。

 実際、燃料油については直販を早く始めたところ、要請が一日に四十ぐらい出ていたものが、今はもう五はない、三以下ぐらいに落ち着いちゃっているとかそういうこともあって、やはり委員もお気づきと思いますけれども、燃料油関係より明らかに石油製品の方の声が今大きくて、燃料油の話はほぼ多分解消できているということなんだと思うので、そうなっていくように、ほかの分野についても、一応状況を見ながら、優先順位をつけて取り組んでいきたいと思っています。

後藤(祐)委員 ここは役所の皆さん、本当に頑張っておられるんですよ、これは拍手を送りたいと思いますよ。本来ほかの課の仕事の人が、これのために投入されて、私今これをやっていますとかいう方が説明に来られて、その方がさっき言った私の言うことを聞いていただいて、すぐ対応してとか、本当に省を挙げてやっている。これは率直に評価したいと思いますので、ほかのところにも是非必要なら広げていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、吉田有理君。

吉田(有)委員 自由民主党、北海道ブロック選出の吉田有理と申します。

 本日は、初質問の機会をいただき、ありがとうございます。先輩、同僚議員の皆様、そして日頃より地元各所で支えていただいております皆様に心より御礼申し上げます。

 私は、子供が二歳のときに離婚し、以降十二年間シングルマザーとして子育てをしております。この間、本当に様々な困難に直面し、そのたびに子供と力を合わせて乗り越えてきましたが、一人親を取り巻く環境は今も大変厳しいものがあります。物価高の影響もあり、生活するだけでも厳しい状況で、学校行事や子供の習い事の費用を捻出することが大変な状況です。

 例に出させていただきますと、私の地元北海道ではスキー授業があり、スキーウェアを始め、スキー用具一式を購入しなければなりませんでした。子供の成長は早く、スキーウェア、スキー板やスキー靴がサイズアウトしそうでも、ぎりぎりまで着用させなければならず、子供に対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 金銭的にも大変厳しいですが、精神的にも厳しく、一人で家事、育児、仕事を両立しなければならないプレッシャーに押し潰されそうでした。公的な支援も多くありますが、全国一律の制度であっても、実際は都市部と地方で格差があるように感じています。

 本日は、私自身の体験や同じ境遇の方からお聞きした声を基に、一人親、さらに、その子供たちを取り巻く問題について質疑をさせていただきたいと思います。

 質問に入らせていただきます。一人親になった直後に対する支援策についてお伺いします。

 こども家庭庁の調査では、令和三年度で全国の母子家庭数は百十九万五千世帯、父子家庭世帯数は十四万九千世帯です。母子家庭になった理由は、離婚が七九・五%と最も多く、次に未婚の母が一〇・八%、死別が五・三%です。父子家庭では、離婚が六九・七%と最も多く、次いで死別が二一・三%となっております。

 一人親になった直後は、金銭的、精神的余裕がない中で、仕事や子供の預け先、住まいの確保について一度に悩むことになります。住む場所がなければ仕事が見つからず、仕事がなければ子供を預かってもらえません。まず、どこから手をつけたらいいのかも分からないことが多いと思います。住む場所を探すにしても、無職であれば家を借りられないこともありますし、仕事を探すにしても、子供の預け先がなければ面接にも行けません。悩んでいる間にも時間とお金はなくなっていきます。

 そのようなときに、適時適切に相談できる環境づくり、自立に向けた住まいの確保の支援が必要と考えますが、どのような取組があるのか、お伺いします。

源河政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のように、一人親になられた方は、子育てと生計の担い手という二つの役割を一人で担うことになり、生活が大きく変化し、多様かつ複雑な困難に直面されることになるため、その悩みに寄り添い、必要な支援が速やかに届くようにすることは重要だというふうに考えております。

 このため、こども家庭庁においては、ひとり親家庭相談支援体制強化事業において、地方自治体の相談窓口に、相談者の心理的なケアやサポートを行う心理担当職員や就業支援を担う就業支援専門員を配置して、相談支援体制の構築、強化を図るとともに、就労時間外の相談ニーズに対応できるよう、夜間や休日の相談対応に係る支援も行っております。

 この相談の中では、例えば、住まいの確保の支援として、ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業を紹介しておりまして、この事業では、自立に向けて意欲的に取り組んでおられる児童扶養手当受給者の方などを対象として、月七万円を上限として十二か月間家賃を貸し付ける取組を実施しており、一年以内に就職をし、就労を一年間継続されたときには償還を免除しております。

 引き続き、必要な支援やその情報が迅速に届くよう、自治体と連携してしっかり取組を進めてまいります。

吉田(有)委員 ありがとうございます。

 一人で全て行わなければならないと悩んで追い詰められている方も多いと思います。具体的なアドバイスも必要ですが、心理的なケアも重要だと思います。身近に気軽に相談できる相手がいない方も多いですし、職場で心ない言葉を投げかけられることもあります。

 ひとり親家庭相談支援体制強化事業では、相談者の心に寄り添ってくださる心理担当職員を配置し、心理的なケアやサポートも行っていることと、日中は子供のことや仕事で相談できる余裕がない方が多い中、誰かに話、悩みを聞いてほしい余裕が生まれるのは家事、育児が一段落した夜間、休日が多いですが、就業時間以外の相談ニーズにも対応できるよう、休日や夜間にも相談できることは大変安心できる存在です。

 また、どこに何を相談すればいいのか悩んでおられる方も多いです。私が離婚した際には、このような制度があることを知らずに、全て一人で行わねばと悩みましたので、このような制度を是非プッシュ型で広げていただければと存じます。

 では、次に、病児・病後児保育の取組についてお伺いいたします。

 住むところが決まった後に就職活動を行っている中で、面接の際に必ず確認されるのが、子供が体調を崩したときの預け先です。年齢が低い子供ほど、一か月の間に何度も発熱したり、体調不良になることが多いと思います。実際に、私も朝起きたら子供が発熱していることが多く、出勤の準備と看病をしながら子供の預け先を探さなければなりませんでした。

 病児保育の受入れ先は、受付開始時間も決まっております。そのようなときに預けられる実家や友人、知人が周りにいない状況で、親が安心して働けるように、体調が優れない子供を預ける場所が必要不可欠であると考えますが、どのような取組があるのか、お伺いします。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 病児保育事業は、働きながら子育てをする家庭を支える重要な事業であり、ニーズに応じた体制整備を進めることが重要であると考えております。

 病気の子供を預かるという事業の性格上、利用児童数の変動が大きく、その安定的な運営を確保することが課題でありまして、令和六年度から、こども未来戦略に基づき、基本分単価を大幅に引き上げるとともに、キャンセル対応加算を本格実施し、令和七年度からは感染症対応加算を創設するなど、累次の対応を講じてきたところです。

 その上で、利用者の利便性、あるいは地域によって体制整備にばらつきがあり地域間格差があることなどが課題であると受け止めておりまして、時間帯を問わず予約等が可能となるように、空き状況の見える化、あるいは予約、キャンセル等のICT環境整備に取り組んでいるほか、隣接する自治体でも子供を預けられるように、自治体間の広域連携の取組を推進しております。

 今後とも、共働き、共育ての推進の取組などを踏まえつつ、引き続き、自治体や事業者とも連携し、必要な見直しも行いながら、病児・病後児保育を必要とする方が必要なときに円滑に利用できる環境づくりを進めてまいります。

吉田(有)委員 隣接の自治体でも預けることが可能な点と、子供の体調不良は深夜、早朝に発生することが多いので、受付時間が幅広いインターネットから予約できることは大変心強いと思います。

 令和六年度にこども家庭庁から補助金を受領した施設の数は、東京都は百七十五施設、私の地元北海道は四十九施設です。大前提となる子供の数は違いますが、このような病児・病後児保育が必要になる状況は都市部であっても地方であっても変わりありませんので、施設数の地域間格差が生じないよう、引き続きこうした取組を推進していただきたいと存じます。

 では、次に、放課後児童クラブへの賃借料補助についてお伺いします。

 私の地元北海道で放課後児童クラブを運営している方とお話をした際に、自分の運営する放課後児童クラブでは賃借料補助がないが、賃借料の補助がある放課後児童クラブも存在するということで、賃借料補助を受けられないと、運営側にも負担があり、利用者側にも利用料として負担になってしまうと御相談がございました。

 調べたところ、現行制度では、平成二十七年度以降に新設したクラブのみが補助対象となっておりますが、それ以前から運営していた既存クラブについても補助制度の対象とすることはできないのでしょうか。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 放課後児童クラブの賃借料補助につきましては、平成二十七年度の子ども・子育て支援新制度の開始に当たり、利用対象年齢を従来の十歳未満から小学生全体へ拡大したことや、当時、待機児童が多く発生していたことを踏まえ、受皿拡大を目的として創設したものです。このため、平成二十七年度以降に、待機児童が発生している地域等において、学校敷地外の民家、アパートなどを新たに賃借して開設されたクラブに限って補助対象としているところでございます。

 ただし、二十六年度以前に開設されたクラブにおきましても、受皿拡大の観点から、児童の数の増加に伴いより広い実施場所に移転する場合などには、その移転に必要な経費の補助を行うとともに、移転してもなお地域等において引き続き待機児童が発生している場合などには、移転後の賃借料の補助を実施しているところです。

 引き続き、放課後児童クラブが子供にとって安全、安心が確保された居場所となるよう、必要な支援をしてまいります。

吉田(有)委員 ありがとうございます。

 お伺いした賃借料補助の目的と、補助は行っていない児童クラブに対してもほかの補助があるとのことですので、私も引き続き、地元でお話を伺った際にはお伝えしてまいります。運営側も利用者側も運営、利用料で格差を感じないように、国からの支援を引き続き推進いただければと存じます。

 次に、待機児童についてお伺いします。

 私が保育園を探していたときは、近隣の希望する保育園には入れませんでしたので、少し距離がある保育園に入園いたしました。都心部で利便性がよい保育園や人気の保育園、学童保育所にはなかなか入れないことが多く、年齢が低い方が入りやすいことが多いです。また、送迎の関係で、希望する保育園、学童保育所の入所待ちをされる方も多いと聞きます。

 こども家庭庁の調査によると、学童保育所待機児童数は、二〇二五年五月一日で、全国一万六千三百三十人、私の地元北海道では二百二十七名。保育園の待機児童数は、二〇二五年四月一日で、全国二千二百五十四人、地元北海道では三十四人です。

 国は待機児童数ゼロを目指しておられますが、どのように取り組んでいるか、お伺いします。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 放課後児童クラブ、保育所共に、待機児童の解消は重要な課題であると認識しております。

 放課後児童クラブにつきましては、こども家庭庁と文部科学省では、令和七年十二月に取りまとめた放課後児童対策パッケージ二〇二六に基づきまして、二〇三〇年頃までに百六十五万人分の受皿整備を進めるという新たな目標を目指し、小学校内で実施される放課後児童クラブと放課後子供教室との校内交流型を強力に推進するとともに、普通教室のタイムシェアを含めた学校施設等の既存施設の活用をより一層推進していくこととしております。

 加えて、企業など民間の創意工夫を生かし、職域や地域に密着した多様な小学生の居場所を整備してまいります。

 保育所等の待機児童につきましては、ピークだった平成二十九年から八年間で約十分の一以下まで減少しており、着実にその解消が図られてきていると考えています。

 一方で、先生御指摘のように、いまだ待機児童が発生している地域もあり、その理由につきましては、保育士を確保できなかったことによる利用定員の減少、あるいは想定以上の申込者数の増加による利用定員の不足など、地域によって様々であると考えております。

 このため、こども家庭庁では、地域ごとの実情に応じたきめ細かな待機児童対策を進めることが重要であると考えており、引き続き、地域の現状や課題に基づく計画的な受皿整備の推進や、働きやすい環境づくり、離職者の再就職、職場復帰の支援などの保育人材の確保のための総合的な対策などに取り組んでまいります。

吉田(有)委員 御答弁ありがとうございます。

 保育所、放課後児童クラブに入れない子供がいると、親は、フルタイムで働くことが難しかったり、働けない状況が続きます。また、一人で自宅にいる時間が長ければ、子供の安全にも関わってまいります。放課後児童クラブ以外の放課後の居場所を求める声もございますので、児童の放課後の居場所の選択肢の拡充を図り、受皿整備、地方も含めて、待機児童数ゼロに向けて推進していただきたいと存じます。

 では、次に、児童扶養手当の所得制限限度額についてお伺いします。

 年々最低賃金が上がっておりますが、児童扶養手当の所得制限限度額は、一円でも超過してしまうと受け取れません。私も参加しております超党派の子どもの貧困対策推進議員連盟の提言にも入れさせていただいておりますが、現下の物価高といった経済情勢を踏まえつつ、児童扶養手当の所得制限の在り方については、多面的な観点から検討が必要であると考えております。

 特に、所得制限が一人親の就業調整の一因となっているとの指摘もございます。より一人親家庭の実態に即したものにするという観点から、所得制限限度額を引き上げることを検討するべきではないかと考えます。

 こども政策担当大臣を始め各大臣には議連として申入れをする予定ですので、古川政務官にお言葉を頂戴したいと存じます。

古川大臣政務官 お答えいたします。

 児童扶養手当については、こども未来戦略に基づき、一部支給の対象となる所得制限限度額の引上げや多子加算の増額といった拡充を、令和六年十一月支給分から行ってきたところであります。

 委員御指摘の議連の提言等も踏まえて、更なる所得制限限度額の引上げについては、今年度実施する全国ひとり親世帯等調査において把握される一人親世帯の収入や家計の状況なども踏まえつつ、加速化プラン全体の施策の効果を検証しまして、必要な改善を図っていく中で、多面的な観点から検討をしていきたいと考えております。

吉田(有)委員 古川政務官、御答弁ありがとうございました。

 金銭的に子供のためにもっと働きたい、あるいは社会の一員としてもっと責任を持って働きたいと私も思っておりましたし、ほかの一人親の皆さんも思っております。しかし、所得制限があって働き控えをしている現状は、本人にとっても不幸なことですし、労働力不足が叫ばれる今の日本にとっても不幸なことだと思います。物価高騰で一人親世帯が困っている今こそ、この問題に道筋をつけていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本日質問させていただきました問題以外にも、様々な問題がございます。理解して共感してくださる周囲の方々もいらっしゃいますが、離婚して一人で子供を育てることを決めたのはあなたなのだから、一人親支援のために税金を使われるのは納得がいかないと言われたこともあります。

 一人親世帯の約半数が相対的貧困状態にありますし、どんな理由であれ、親の境遇で子供の未来が左右されることはあってはならないと思います。一省庁だけでは解決できない問題も多いと存じますので、政府一丸となって、全ての子供たちがひとしく選択肢を持てる社会にしていただきたいと存じます。

 私も、当事者の一人として、一人親とその子供たちの暮らしが豊かになり、明るい未来を描けるようにすることが私の使命であるとも考えております。今後も、与党議員の一人として、政府と一緒に問題に全力で取り組むことを、私を国会に送り出してくださった有権者の皆様と……

山下委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔に願います。

吉田(有)委員 全国の一人親の皆様にお誓い申し上げ、私の質疑を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

山下委員長 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史です。

 先ほど、直前、吉田委員から児童扶養手当の所得制限に関するお話がありました。私からも、是非、政府には前向きな検討をお願いしたいというふうに思います。

 本日は、AIとバイオセキュリティーリスクの関係、つまり、生物兵器を造るハードルがAIによって大幅に下がるおそれがあるという問題意識で質問をさせていただきます。

 アンソロピック社のクロード・ミュトスという最新のAIの登場以来、サイバーセキュリティーのリスクに対する議論をここ内閣委員会でもさせていただきました。本日は、サイバーではなく、バイオテロへの備えを我が国としてどう強化していくか、問題提起をさせていただきたいと思います。

 まず、AIの悪用によるCBRNEテロの抑止について、官房長官にお伺いします。

 昨年九月にAI法が全面施行されました。その基本理念は、イノベーションの促進とリスクへの対応の両立とされています。一方で、最先端のAIモデルが、化学、生物、放射性物質、核、爆発物、いわゆるCBRNEの脅威を高め得るという懸念が国際的にも共有されていると思います。

 そこで、官房長官に伺います。

 AIの悪用がもたらし得るCBRNEテロの脅威について、政府は、どのように認識をし、その抑止に向けて、政府全体としてどのような取組を進めておられますでしょうか。脅威の認識と取組の全体像を是非お聞かせください。

木原国務大臣 委員から御指摘がありましたが、仮にテロリストがAIを用いた生物設計ツールによって危険な物質を生成するといったことがあれば、CBRNEテロの脅威は高まるおそれがある、そのように政府としては認識をしています。

 国際的にAIの悪用防止のための研究やルール作り等が進んでいるとは承知をしておりますが、我が国においても、諸外国や国際機関と協力して、また産官学と連携した取組を進めることが重要だと認識をしています。

 本年一月に開催しました政府のCBRNEテロ対策会議では、私の方から、関係省庁に対して、CBRNEテロに用いる可能性がある技術の動向を把握し、対処能力の向上に努めるよう指示をいたしました。内閣官房国家危機管理室を中心に取組を今進めているところでございます。

 引き続き、様々な技術の動向というのをしっかりとフォローしながら、CBRNEテロの発生の防止、日進月歩でありますから、万全を期してまいりたいと思っています。

高山委員 ありがとうございます。

 脅威の認識を御共有いただき、また、政府内でも既に局長級の会議を含めて取組をされているものというふうに承知をしております。

 その上で、一点、是非官房長官にお願いしたいのは、このAIがもたらすCBRNEリスクの中でも、生物、とりわけ合成核酸、合成DNA、RNAの悪用リスクについて、そういった政府の取組、会議の中でも具体的な議題として是非取り上げていただきたいということです。

 AIの進化によって、これまで一部の専門家でないと設計できなかったような危険な核酸配列が、専門知識がないような者であっても設計できるようになるのではないかという懸念が海外でも広がっており、アンソロピック、オープンAI、グーグル・ディープマインド、マイクロソフトAIなどのAI企業の首脳もアメリカ議会に対応を求めるという事態が今起こっています。是非、迅速な御検討をお願いいたします。

 官房長官への質問は以上ですので、御退席いただいて構いません。

山下委員長 官房長官は御退席されて結構です。

高山委員 次に、合成核酸、今申し上げた合成DNAやRNAの受託合成におけるスクリーニングの実態把握と所管について、政府に伺います。

 現在、研究者は、受託合成を行う事業者に発注をすれば、任意の塩基配列のDNA、RNAを入手することができると思います。だからこそ、注文された配列が危険なものではないか、注文者が正当な研究者かという入口でのスクリーニングがより重要になってくると考えます。

 既にアメリカやイギリスでは、合成核酸に関するスクリーニングの枠組みの整備に関する議論が進んでいると承知をしています。また、先ほども申し上げたとおり、AIの進化に対応して、それに備える動きが必要ではないかという動き、アメリカでは特に高まっているというふうに思います。

 そこで、政府参考人に伺います。

 国内の受託合成事業者について、配列スクリーニングや顧客確認、記録保存といった措置の実施状況を政府は把握していますでしょうか。また、こうした受託合成の注文段階のスクリーニングについて、直接の所管とする省庁は現在どこにありますでしょうか。

井上政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の点でございますが、現状では、国内で核酸合成受託事業に、懸念配列、顧客のスクリーニングに関する規制、これは行われておりません。このため、実施状況も把握できていない状況でございます。

 他方で、御指摘いただいた受託合成サービスを通じた危険な遺伝子配列の入手に関するリスク、この対応は必要だと私どもも認識してございます。このため、今後、関係省庁や企業と連携いたしまして、懸念配列、顧客のスクリーニングの実施状況の把握、これを行っていく考えでございます。

 今後の検討に応じまして、所管の省庁等も確定していきたいと考えてございます。

高山委員 ありがとうございます。

 現状、そういった、まだこれから実態を把握していくという段階だというふうに御答弁いただいたものと思います。是非迅速に実態の把握をしていただき、しっかりと規制の観点でも整備をしていくということが健全な研究を育てる上でも大事だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。

 続いて、公的研究費におけるスクリーニング済みプロバイダー利用の要件化について、全面的な規制をいきなり導入するということが難しくとも、まず着手できる現実的な一手になるのではないかという問題意識で伺います。

 具体的には、公的研究費の交付条件について検討できないかというもので、今、公的研究費といえば、AMED、JST、NEDO、科研費といった、様々ございますが、そういったもので合成核酸を購入する際に、きちんとスクリーニングを実施している認定済みのプロバイダー利用を交付条件として求めるといった仕組みについて検討できないかというものでございます。

 内閣府も、既に、経済安全保障の文脈で、諸外国の資金提供機関によるスクリーニング基準の運用、この調査、整理などは内部的には進んでいるものだと思います。

 そこで、政府のお考えを伺います。

 日本でも、公的研究費による合成核酸の調達について、スクリーニング済み、認定済みのプロバイダー利用を求める、こういった仕組みの導入について政府として検討の余地はございますでしょうか。

井上政府参考人 お答えします。

 委員御指摘の点でございますが、実際、世界でも検討が行われている状況でございまして、特にアメリカでは、連邦研究資金で、危険な遺伝子配列のスクリーニングを実施しているプロバイダーの利用を要件化する動きがございます。そのことも私どもも承知してございます。

 今、内閣府におきまして、この受託合成サービスを通じた危険な遺伝子配列の入手に関する国内のリスク対応、関係省庁や民間企業と意見交換を行ってございます。

 引き続き、国際的な動向、関係者の声も踏まえながら検討を進めてまいります。その中で、公的研究費についての扱いも検討してまいりたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 問題意識については共有いただいているものというふうに、御答弁を踏まえても認識をしております。

 これは非常にスピード感を持って取り組まないと、AI側の進化はすごく速いものでございますから、対応が間に合わなかったということになってしまうと非常に大きな問題でございます。是非迅速にお願いしたいというふうに思います。

 実際、海外の動向を見ても、アメリカなどでは、今年一月にも、超党派の議員立法で、核酸合成のセキュリティー規制を強化していくような動きもあるように聞いております。これは超党派ということなので、アメリカの大きな政党、超党派でやっているということで、こういった海外の動向も見ながら、我が国としてふさわしい規制の仕組み、是非整備をお願いいたします。

 最後に、小野田大臣にお伺いします。

 今回の件は、省庁横断の課題であると思います。その取りまとめを担う内閣府、中でも科学技術政策を御担当の小野田大臣から是非前向きな御答弁をいただきたいというふうに思います。

 今日問題提起させていただいた件、これは、核心は、ポイントは一点だと思っていまして、今後、より強力なAIが、これまで一部の専門家でないと設計できなかったような危険な核酸配列の設計を専門知識がなくてもできるようになってしまうかもしれない、これに対してどう対応していくか。かつ、この危険な配列を受託事業者に発注するということも、例えば、小分けに発注されてしまうと、個社でスクリーニングしているだけではこの分割注文のリスクは防げず、政府横断で、あるいは全体像をしっかり見た基盤がなければ対処ができないのではないかというような論点もございます。

 政府は、合成生物学を含むバイオ技術の領域を、経済安全保障上の特定重要技術が含まれ得る技術領域と位置づけておられると思います。今日議論させていただいているようなAIの進化に伴うバイオリスクへの対応方針、これを、いつまでに、どういう体制で、どう会議体で議論して結論づけていくのか。是非、お取組の方針、そして意気込みもお示しいただけないでしょうか。

小野田国務大臣 AIによる遺伝子配列の生成や遺伝子合成技術を活用した創薬やバイオ物づくりなどの取組が進められておりまして、日本のバイオ産業や医療の発展に欠かせない技術となっている一方で、委員御指摘のように、こうした技術を用いれば、人体や農林水産物、環境に有害な遺伝子の合成が可能でありまして、AIの進化がリスクを高め得ると認識しております。

 バイオ領域の研究開発段階において省庁横断的なリスク管理体制を確保することは、国民の安全、安心の確保とバイオエコノミーの拡大を両立させる観点からも重要であると考えております。

 委員がいろいろ、小分け発注されたらとか、省庁横断的に見ないと駄目だろうというふうにおっしゃっていただいた御指摘、内閣府では、AIの進化も踏まえたリスク対応について、関係省庁や民間企業とも意見交換を進めているところでありまして、迅速に対応してまいりたいというふうに考えております。

 今後、内閣府に置くバイオエコノミー戦略に関するバイオ有識者会議、こちらにおいて有識者の意見を聴取しながら、もう本当に早く、迅速に対応していけるようにということを想定しておるところで、ちょっと具体的なスケジュールを申し上げられなくて申し訳ないんですけれども、早急に取り組んでまいりたいと考えております。

高山委員 ありがとうございます。

 今日この場でなかなか時間軸というところは難しいとは思うんですが、是非、迅速にということですので、年度内に論点整理をいただくであるとか、期限を区切って今後お話しいただけるようにというふうにお願いします。

 また、今日、政府参考人の方から、まだ実態把握ができていないという部分であったりとか、これから検討していくとされた点に関しても、これは、一定の時間軸で、例えば年度内であったりとか、そういった時間軸で是非検討を加速をしていただきたいというところでございます。

 冒頭申し上げたとおり、AIに関しても、あるいはバイオ領域に関しても、これは、大きなリスクがある一方で、我が国の経済成長を支えるような可能性のある領域でもあるというふうに思います。こういった中で、しっかりとリスクに対して備えができている状態でなくては我が国の安全は守れませんし、逆に、この規制の整備が遅れてしまうと、アクセルを踏むというところもなかなか進まないという事情があるかなというふうに思います。

 是非、今日申し上げたバイオリスクに関する備え、政府全体としてしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

山下委員長 次に、西田薫君。

西田(薫)委員 日本維新の会の西田薫でございます。本日もよろしくお願いいたします。

 先ほど、吉田委員の方から、お子さんが二歳のときにシングルマザーになられたというお話を披露されておりました。私は逆で、私が二歳のとき、当時タクシー運転手だった父を亡くしまして、母子家庭で少年時代を過ごしました。懸命に働く母の後ろ姿が一番の教育だったなというふうに思っておりますし、母への思いというのは非常に強く思っておりました。その母も他界はしておりますが。ですので、是非、是非といいますか、吉田委員のお子さんもきっと親孝行な子供さんになると思います。頑張ってください。

 それでは、早速質問させていただきます。

 まずは、拉致問題についてであります。

 先週に引き続き、今回も拉致問題について質問させていただきたいというふうに思っておりますが、ただ、通告をしておったのが、一番目は条例だったと思うんです。それをちょっと後回しにさせていただきます。二番目から質問させていただきたいというふうに思っております。

 先週の質問において、アニメ「めぐみ」の使用状況、大阪府においては、府立学校は毎年、全生徒、全校において視聴してもらっている、ただ、これは大阪だけでは駄目なんだ、全国に広げていかないといけないという質問をさせていただいておりました。

 それに関連して質問するんですが、そもそも、このアニメ「めぐみ」は、元々、漫画、コミック「めぐみ」だったわけですよね。それを政府が買い取ってアニメ化した。現在、拉致対策本部においては、コミック、漫画、飯塚耕一郎、「母が拉致された時 僕はまだ一歳だった」というのが正式名であるんですが、これが今、電子書籍として拉致対の方が作っておられる。これを各学校にも利用してもらいたいということで作成はされていると思うんですが、ただ、多くの皆さんはここの部分というのは余り知っておられないんじゃないかなというふうに思うんですね。

 そこで、まずお伺いさせていただきたいんですが、この電子書籍、これは学校が申請する、学校関係者が申請するということですよね。この利用率、活用率といいますか、その申請件数、これをまず御答弁いただきたいと思います。

    〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕

清水政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の電子版コミックの無償貸出しは、令和四年六月から実施し、令和七年度までの間で、全国の小中高等学校等に対する貸出申請件数は五千二百二十六件となっております。

西田(薫)委員 先週の質問で、全国の公立学校約四万校の中で、アニメ「めぐみ」、これはアンケートを取ったところ、二千五百五十五校だったんですかね、からアンケートの回答をいただいているということで、今回は五千ということで、それよりも数字が多いんじゃないかなと思いながらも、それは単年度じゃないですよね、累積ですよね。単年度になるともっと少ないかと思うんですよね。

 今日は政務官に来ていただいております。お忙しい中、ありがとうございます。

 三年でしたかね、今の。三年、四年の数値ですよね。それで五千件ですよね、申請件数。これはかなり少ないと思うんですよね。拉致対本部の皆さんは本当に一生懸命頑張っていただいております。ただ、そういったものを作るのが目的ではないと思うんですよね。より多く活用するというのが本来の目的だと思うんですよ。この今少ない現状において、政務官、御答弁いただきたいと思います。

若山大臣政務官 お答えいたします。

 令和八年二月に、拉致問題担当大臣と文科大臣の連名で全国の教育委員会に発出した通知や、また、拉致問題対策本部事務局と文科省の連名で発出している通知において、このコミックだけではなくて、アニメ「めぐみ」、それから、令和七年度に作成いたしました拉致問題に関する解説動画「あの日、僕は拉致問題を知った」、子供向けアニメーション動画「たいせつな人をとり戻すために」、こういったものも作成をしておるところでございますが、教育現場で積極的に、このコミックだけではなく、幅広く活用していただけるものがあり、それを通知をさせていただいているところでございます。

 今後とも、同コミックのみならず、教育現場での活用を含め、より多くの方々の理解を深められるように、様々な媒体を通じた広報啓発活動の取組に一層力を入れてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

西田(薫)委員 今日は、文科の福田政務官もお越しいただいております。お忙しい中、ありがとうございます。

 この件は、しっかり連携を取りながら、教育委員会、全国の都道府県教育委員会に対して周知を図っていただきたいという通告はしていましたかね。じゃ、是非お願いします。

福田大臣政務官 お答え申し上げます。

 北朝鮮当局による日本人拉致問題は、我が国に対する主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であると考えております。

 委員から先ほど内閣官房の拉致問題対策本部事務局へも御質問がございましたが、文部科学省としても、これまで連携しながら、若い世代の理解促進に努めてまいりました。これからも、一層取組が進んでいけるように、拉致問題対策本部事務局とも連携して、より一層の取組を進めていきたいと思っております。

西田(薫)委員 是非よろしくお願いをいたします。

 そして、政府認定が十七名、うち五名の方が帰国をされたという中で、数字というのは、先週もお話しさせていただいたんですが、例えば、特定失踪問題調査会の皆さんからすると七十七名というようなことも言われていますし、警察庁の発表では北朝鮮による拉致が排除できない方々というのが八百六十九名と、数字が違うんです。ただ、十七名ということで政府が認定されているわけで、そのうち五名が帰られた。残り十二名。この十二名の皆さんにも、それぞれ人生があったんですよね、あるんですよね。

 例えば、松木薫さんであれば、スペインで語学を学びたいということで、戻ってきたら大学の講師になりたい、そしてまた、日本に帰ってきたら結婚しようという婚約者もいた。その人生も奪われたわけなんですよね。

 そういった中で、全国、都道府県、自治体によって、教育現場で補助教材というのを作っておられるということで、調べました。例えば、熊本県であれば、熊本の拉致被害者松木薫さんであったり、鳥取県におきましては松本京子さんですね、こういった冊子というのを作っておられます。私は大阪出身なんですが、大阪にも原敕晁さんがいらっしゃいますし、兵庫県には有本恵子さんもいらっしゃるんですよね。ただ、これは、それぞれの自治体がそれぞれの拉致被害者の方の副読本を作っておられるんです。これこそ、私は、しっかりと政府が責任を持って作っていくべきじゃないかなと。

 残り十二名の皆さん、横田めぐみさんの方はアニメ「めぐみ」がありますが、ほかの皆さんにも人生というのがあるわけでして、どういった人生を送られてきたかということも、より子供たちにも分かりやすく丁寧に、例えば熊本県であれば、松木薫さんはこうだったんだ、松木薫さんは熊本出身なんだということも、やはり熊本県の教育委員会においては、アニメ「めぐみ」と、こういった副教材も使いながら周知を図っていくということも大事じゃないかなというふうに思っているんです。

 こういった部分というのは、やはりしっかりと政府が責任を持って作っていくべきじゃないかなというふうに思うんですが、まずは若山政務官、御答弁願います。

若山大臣政務官 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、それぞれの拉致被害者の状況などについて、国民の皆様に理解を深めていただくことも大変重要であるというふうに認識しております。拉致問題をより広く多くの方々に知ってもらいたいという議員の問題意識につきましては、政府も共有をするところでございます。

 政府作成のパンフレットには、それぞれの拉致被害者の方々に係る事案の概要が記載されているもののほかに、拉致被害者御家族等によるビデオメッセージを制作をし、それぞれの声を広く届ける取組も行っているところでございます。

 今後とも、広く拉致問題についての関心と認識を深めるために何が最も効果的かという観点から、有効な方策を不断に検討しつつ、拉致問題に関する啓発活動を引き続き推進してまいりたいと考えております。

西田(薫)委員 今、政府が作っていくという御答弁ではなかったんですが、何が有効かということもしっかり考えながらということなんですが、ただ、できることは全てやっていくという思いでやっていただきたいんですよね。これも有効だと思うんですよ。ありとあらゆる手段を使ってでもやっていく。これが、やはり高市総理も、拉致問題、自分が総理のときには解決したいという強い思いを持っておられますし、そういったことを、全てできることはやるというのがやはり内外に対するアピールにもなるんじゃないかなというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。

 これについては政務官に通告していなかったですよね。その次の質問なんですが、これは一番最後に回したいと思っておりますので、もうしばらくお待ちいただければというふうに思っております。

 それでは、次の質問に移りたいと思いますが、次が、通告しておりました一番目の条例の件なんです。

 昨年十二月、鳥取県で拉致問題に関する条例が制定をされました。実は、令和三年、今から五年前なんですが、大阪府議会におきましては、拉致問題に関する決議を採択をさせていただきました。

 これまで、全国の自治体においては、意見書というのは多く提出がされていたかと思うんですね。ただ、意見書というのは、政府に対してしっかりやってくださいというものが意見書であって、決議というのは、地方議員、自分たちでもしっかりやっていくんだという思いの表れ、これが決議だと思うんですよね。

 大阪府議会でその決議をした後、大阪府内の市町村議会においてもその決議を採択してほしいというお願い、要望をしておりました。

 そういった中で、現在、全国で幾つかの自治体が条例、条例というのは決議よりも更に上ですよね、法的拘束力もありますし、条例を制定している自治体がほかにもあるというふうに聞いております。まずは、その自治体の数について御答弁願います。

清水政府参考人 お答え申し上げます。

 拉致問題に関する啓発等の取組について定めた条例は、本日現在で、都道府県で四件、市区町村で五件制定されているものと承知しております。

西田(薫)委員 そうすると、合計九件、九自治体ということですよね。

 県の条例を見ますと、内容は結構同じなんですが、一番最後に、知事は、毎年度、拉致問題等の啓発の推進に関し講じた取組の状況を取りまとめ、公表するものとするというふうに、ここまで条例で書かれているんですね。これはすばらしい条例じゃないかなというふうに思っているんです。

 そこで、政務官、御答弁いただきたいんですが、全国の自治体にやはりこういった条例というのは制定いただきたい。ただ、熟知はされておられますが、基本的に、条例というのはあくまでも地方議会で決めることですから、政府が口出しできるものじゃないということも私も百も承知なんです。しかし、先ほども言いました、政府は、ありとあらゆる手段を講じて、この拉致問題、解決に向けて取り組んでいくということを言われている以上、私はやはり、政府からも各自治体に対してこういった条例というのは制定してほしいということを言っていただきたいなと思うんですが、御答弁願います。

    〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕

若山大臣政務官 ありがとうございます。

 拉致問題の解決のためには、国民が心を一つにして強い意思を示すことが重要でございます。条例の制定を含め、地方自治体や地方議会が様々な活動をしていただいていることは大変心強いと考えております。

 条例の制定に関しては、ただいま委員からもお話のありましたとおり、地方自治体や議会において、それぞれの地域の事情に鑑み、自主的に取り組まれているところでございます。こうした条例制定の状況について、政府からも全国の自治体に対して情報提供を行ってまいる所存でございます。

 なお、先般の先生の、以前に委員会での御質問等での御指摘も踏まえて、地方自治体の理解促進活動の充実強化について依頼することも検討しているところでございます。

 今後とも、地方自治体と連携しつつ、一人でも多くの方に拉致問題への関心を深めていただけるように、広報啓発活動に積極的に取り組むとともに、自治体の方にもそういった通知で働きかけをしていきたいというふうに考えております。

西田(薫)委員 是非よろしくお願いいたします。

 大分時間が迫ってまいりましたので、次の質問に移りたいと思いますが、次は、赤澤大臣、お忙しい中、御出席ありがとうございます。

 これまでも多くの議員の方々が、中東情勢における石油関連商品の目詰まりについて質問があったと思います。先ほども本委員会で別の委員から質問があったんですが、そこで、シンナー、塗料に対して新しいシステムを構築されているということで、これは非常に評価をされておりました。

 本当に、私の元にも連日悲痛な叫びというのが届くんですね。来月まで会社がもたない、廃業しないといけないと。そういった中で、こういった質問がある中で、本当に大臣は丁寧に、そして力強く毎回御答弁をされております。その姿は本当に、私、敬意を払っておるところなんですね。

 そういった中で、今回の私の質問というのは、例えばなんですが、値上がりを待って、値を上げるためにあえて在庫を抱えるというところもあるんじゃないか、そういったことが調査として出るのかどうなのか。当初は政府参考人の方に答弁いただこうと思ったんですが、もう時間がありません、大臣だけに質問させていただきたいんですが、今、新しいシステムという中で、随分解消してきたという話もあります。ですので、この質問を果たしてどうしようかなと思いながらも、もう二日前に通告をしておりますのであえて言わせていただきたいんですが、値が上がるのを待つように、値を上げるために悪質に在庫をもし抱えているようなところがあれば、私は事業所名というのは公表すべきじゃないかなというふうに思うんです。

 これは通告をしておりましたので、大臣、御答弁願います。

赤澤国務大臣 国難と呼ぶべきかどうかはともかく、トランプ関税といい中東情勢といい、なかなか困難な問題を今我が国は抱え込んだ上で、私自身の感覚としては、極力国民が一丸となって乗り切りたいということで、ちょっと、悪者をつくっちゃうのがいいのかなという思いが正直あります。

 その上で、特に先ほど後藤委員にもお話をしたんですけれども、やはり、経済主体の合理的な活動として、価格が上がるのを待ってというよりは、例年の供給量をきちっと供給できるものなら続けたいけれども、将来が不安になると、大口とかお得意さん宛てに、端的に言うと、ゼネコン関係の卸さんであれば、ゼネコンから何にも言われなくても、ゼネコンからの注文は断れないから必ず提供しなきゃいけないので、供給量もゼネコン以外のところは絞って、いざというときに備えようみたいな行動をやると川下ではもう大騒ぎになるわけで、それが逆に、悪質な抱え込みかどうかというところの評価は非常に難しいと思うんです。

 ということで、原油や石油関連製品について、とにかく日本全体として必要な量を確保できておりますが、大きな声が上がっておりますので、供給の偏りや流通の目詰まりも一つ一つ着実に解消していきたいと思います。その姿勢は堅持した上で、あえて申し上げれば、企業が予防的に在庫を抱え込むことも合理的な行動としてやむを得ない場合もあり得るので、委員御指摘のように悪質な場合ももちろんあるとは思うんですけれども、それが過剰かどうかの判断がなかなか難しく、機械的に国が判断した上で在庫を大量に抱えている企業名を公表することは、ちょっと、私の今の考えとしては、はばかりがあります。

 その上で、ちょっと工夫をしたつもりなのは、供給の偏りと流通の目詰まりの解消に取り組んでくださる団体、企業を、目詰まり、偏り解消協力団体、企業として政府が発信をする。何か、悪いことをやっているというよりは、そっちではない方の、一生懸命協力してくださっているところの名前を発信をしていくような取組で、スムーズな流通に協力いただけている業界団体や企業のネットワークを広げて、全国各地での業界横断の動きへの拡大を図っていきたいというのが現時点での私の考えでございます。

西田(薫)委員 もう時間が来ました。今日は国家公安委員長に来ていただいていましたが、最後に一言。

 私は、夏の警察官の制服、暑熱対策ということで前回も質問をさせていただいたんです。ポロシャツに今切り替えていっているという話を聞きました。これは是非、国家公安委員長から全国都道府県県警に対して、しっかりと、ポロシャツでもいいんじゃないかということを発信していただきたいなというふうに思うんですが、その一言を聞いて、私の質問を終わります。

山下委員長 申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔に願います。

あかま国務大臣 今おっしゃった向きは、私ども理解しております。しっかりと暑熱対策できる体制を取るよう、警察庁として各都道府県警に指導してまいるように、また指導してまいります。

西田(薫)委員 どうもありがとうございました。

山下委員長 次に、佐々木真琴君。

佐々木(真)委員 国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴です。

 本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、第六次男女共同参画基本計画、そして若者、とりわけ女性の地方からの流出について大臣にも質問をさせていただきたいと思います。

 この問題、私は元々市議会議員でしたけれども、これに社会問題として、構造問題として取り組みたいというところから私の政治の道は始まったというところですので、気合を入れ過ぎてちょっと前髪を切り過ぎてしまったんですけれども、是非ともよろしくお願いをいたします。

 まず、皆さんに聞いていただきたい言葉たちがあるんですけれども、結婚は、子供は、そろそろ産まないとね、そんなに仕事をしていたらお嫁に行けないよ、女の幸せは子を産み育てることだ、一回は結婚して子供を産まないと一人前になれないんだから頑張らないと、長男なんだから早く子供をつくって一人前にならないと。そういったこと、これは、私がまさに地域で暮らす中でかけられてきた言葉たち、そして、私と同じように地域で暮らす女性たち、そして男性も含めて、日頃、日常的に余りにも当たり前にかけられる言葉たちです。

 私は岩手県宮古市という人口四万五千人ぐらいの町から来ているんですけれども、こうした言葉たちが日常に挨拶のように交わされている現状が、今まさに、今このときも交わされているところでございます。

 そして、この問題全てに、この言葉たちに悪意があるわけではないことは私も重々承知をいたしております。地域の皆様、そして人生の先輩たちが優しさを持って私たちに声をかけてくれているんだというところも全く問題なく理解をしているところではあるんですけれども、この積み重ねが、この地域で生き続けるのは私たちには難しいかもしれないというふうに感じさせてしまっています。子供を持つかどうか、結婚するかどうか、どんな働き方をするのか、それは一人一人の人生の選択であるはずですが、その選択がなかなか尊重されない空気があるというところを是非とも皆様に御理解をいただきたいというふうに思います。

 私は、二〇二四年の夏に、毎日こういったことを言われるので、Uターンして地域に帰ってきて、あれっ、私の大好きな町ってこんな町だったんだっけというふうにちょっと衝撃を受けまして、身の回りの友人たち、そして全国で出会った仲間たちにも聞いてみたんですけれども、地方で暮らす生きづらさを感じたことがあると答えた、千七百人ぐらいに私は声をかけたんですけれども、八六%の友人たちが、地域で女性として生きることに生きづらさを感じているというふうに答えてくれました。

 その中で寄せられた声には、地元に帰るたびに結婚の話ばかりをされるから帰省する回数も減らしているんだですとか、仕事ばかりしていては駄目だと言われ、自分を否定された気持ちになってしまう、子供を産んだら子供はと聞かれなくなるかと思いきや、一人産んだら、次、二人目はいつなの、三人目はいつなのというふうに、知らない近所の皆さんからも声をかけられることが当たり前なわけです。こういった声を受ける中で、この声を見たときに、すごく絶望的な気持ちになりました。私は地域が大好きで地元に帰ってきたはずなのに、この中でこれだけ多くの人が違和感を抱えながら、そしてそれに声を上げることができずに過ごしてきたのだと知ったからです。

 少々前置きが長くなってしまったんですけれども、黄川田大臣に伺いたいと思います。

 人口戦略会議の中では、多くの自治体で若年女性人口の流出が続いているといったことが指摘をされております。若者、とりわけ女性が出ていく、そして戻ってこないという問題に対して、政府は若年女性の地方流出をどの程度の危機感で問題として認識をしているのか。また、この問題の背景は何であると分析をし、対策を講じているのか、伺います。

黄川田国務大臣 佐々木委員がお示しになられた言葉を受けた方のお気持ちは、よく私も分かります。私も結婚が遅かったので、早く結婚しなさいとか、あと、結婚後もなかなか子供ができなかったので、子供はまだかとか、また、できたらできたで、二人目はまだかと言われて、妻も同様のことを言われて嫌気が差したという過去もございます。

 多様な生き方を認め合う社会が必要であるというふうに思っております。男女共同参画会議の専門調査会でも、地域の女性役割が息苦しいとか、結婚、出産の圧を感じるとか、加えまして、やりたい仕事がない、給与が低いといった指摘がされているところであり、委員の御指摘の言葉もよくよく理解しているつもりでございます。

 男女共同参画白書で指摘しているとおり、近年、若い世代が進学、就職、結婚等を機に地方から都市へ転出した後、特に女性が都市にとどまり地方へ戻らない傾向が強くなっていること、そして、女性が出身地域を離れた理由として、進学先や仕事、就職先がないことに加えて、地元から離れたかったから、親や周囲の人の干渉から逃れたかったからといった、地域にまだ根強く残る固定的な性別役割分担意識が理由として指摘されております。

 また、白書では、東京圏に住む地方出身の女性は男性と比べて出身地域への愛着が高く、戻りたいと考えている方が一定数存在しているということを示しております。その一方で、問題は、出身地域に戻りたいという気持ちがあっても戻ることができていない、そういう壁を取り除いていないということにあると認識しております。

 このため、本年三月に閣議決定しました第六次男女共同参画基本計画におきまして、女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくりを計画の重要な柱として設定したところでありまして、具体的には、固定的性別分担意識の解消、意思決定層への女性の参画拡大や、企業や経済団体など様々な主体との連携など、施策の基本的方向として、これに対応する取組を盛り込んだところでございます。

 国としては、女性が働く環境の整備や、子供を産み育てやすい環境の整備を進めているところでございます。また、若者や女性にも選ばれる地域とするために、各地域に魅力的な職場を創出してまいりたいと考えております。

 女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくりは待ったなしの課題であります。私自身、強い覚悟を持って取り組んでまいりたいと思います。

佐々木(真)委員 ありがとうございました。大臣から力強いお気持ちをお聞かせいただきまして、ありがとうございます。

 では、参考人に伺いますけれども、今いただいたような形で様々な取組を進めていくところだと思いますけれども、今、現状の具体的な成果であるとか課題認識はどうなのかという点を伺います。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 若年女性の地方からの転出につきましては、地方における魅力的な就業機会の不足、固定的な性別役割分担意識など、地域社会の構造的な要因が複雑に絡み合っておりまして、個別施策の効果を把握することは困難でございますけれども、若年女性の転出超過傾向が依然として続いていますことですとか、委員が冒頭に紹介なさいました地方に住まわれている女性のリアルな声を踏まえますと、地域における女性活躍の取組を更に進めていく必要があると認識してございます。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 更に進めていかないといけないところは皆さんと考えを一にするところでありますけれども、大きな問題は、この男女共同参画の取組が、何か普及啓発を中心に、そこにとどまり過ぎているのではないかといった点でございます。

 私自身も、市議になってから、この取組を市でももっと進めていきたい、県でももっとやっていこうという話をさせていただいて、同僚議員であるとか先輩議員、八十六歳の先輩議員もいたんですけれども、皆さんとも考えを共有して、やっとやっていこうと思って予算を見ると、結局予算が全然なくて、男女共同参画を推進するような市町村の部署には、なかなか、映画を年に一回、二回見れるかどうかといったぐらいの予算しかなくて、それでは結局社会は変わらないのではないかといったところの課題を目の当たりにしたところでございます。

 特に、先ほど職場がという話もありましたけれども、普及啓発で社会や個人の考えを変えていくよりも、社会的インパクトの大きさとして見るのであれば、やはり職場環境からしっかりと変えていくこと、職場の経営者の皆様の考えを変えていくといった取組にシフトしていく必要があるのではないかというふうに思いますけれども、この普及啓発が中心になっているのでは駄目なんじゃないかというところについてどうお考えなのか伺いたいと思います。

岡田政府参考人 お答えいたします。

 地方公共団体において、予算をしっかりと確保いただいて、実効性のある女性活躍の取組を進めていただくことが必要であると認識しております。

 このため、地方公共団体が多様な主体と連携して行う中小企業、小規模事業者の取組促進ですとか、柔軟な働き方の定着、女性デジタル人材や女性起業家の育成などを地域女性活躍推進交付金により支援させていただいているところでございます。

 また、地方公共団体が行う女性活躍の取組については、地方財政措置が講じられておりまして、その周知を行わせていただいて、地方公共団体における自主財源の確保を促進しているところでもございます。

 こうした取組を通じまして、引き続き、女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくりを推進してまいりたいと考えております。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 社会と職場と家庭というところが地続きの問題になっているのが、やはりこのジェンダーの問題であるとか男女共同参画のすごく難しい点だと思います。どこか一つだけで変わることでは確実にないと思いますので、社会を変えていくこと、そして職場を変えていくこと、家庭を変えていくこと、それらに同時にアプローチをしていく観点も持ちながら、そして、特に大きな成果が上げられるところでいくならば、職場をしっかりとまず変えていくといったところから進めていくのが効果的ではないかというふうに考えます。

 あわせて、そういった先進事例もでき始めてまいったところでございますので、日本でいうならば、兵庫県豊岡市のように、ジェンダーギャップの解消を地方創生のメインの柱として位置づけて、女性に選ばれる地域づくり、地方づくりを経済の角度から進めている自治体もございます。

 男女共同参画を市町村でやろうと思ったときに、市民協働係とか男女共同係といったところが進めることが多い状況ではありますけれども、この豊岡の事例を見て分かることとしては、商工労働といった経済的な分野の皆様が男女共同参画のメインの部署として担っていったことによって、職場がしっかりと変わっていって、そして家庭、社会へと波及をしていくという流れができ始めていますので、そういった取組に重点的に取り組んでいくこと、後押しをしていくことが必要だというふうに思います。

 そこで、政府としては、こうした先進事例をどのように見ているのか、また、それを、展開を広げていくお考えはあるのかといったところも併せて伺います。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の兵庫県豊岡市では、商工会議所の会頭、地域のリーダー、経営者、子育てをしながら働く方など、多世代、多様な立場の方々と連携して女性活躍の取組を進めているものと承知しております。

 本年四月に本格施行されました改正男女共同参画社会基本法によりまして、関係者相互間の連携と協働を促進するための拠点である男女共同参画センターの機能を担う体制を確保することが地方公共団体の努力義務となっております。また、全国各地の男女共同参画センターを強力に支援するセンター・オブ・センターズとして、独立行政法人男女共同参画機構、通称JGEPAと申しておりますが、が発足したところでございます。

 こうした基盤を生かしまして、先進的な取組が全国に広がりますように、政府として後押ししてまいりたいと存じます。

佐々木(真)委員 ありがとうございました。

 それこそ、豊岡が始まってから、東北でいうならば宮城県気仙沼市が後を継いでスタートをし始めまして、流れがちょっとずつ全国に向き始めているなといったところを感じているところでございます。

 交付金の話も先ほど来ありましたけれども、そういったものが使えるんだということと、それを使ってやっていかないと、この男女共同参画の問題、そして、若者が地域に残るのか、選んで住んでもらえるのかといったところに対してしっかりと後押しをしていくことが、地域の未来、社会の未来、そして日本の未来をつくっていく根本問題なんだというところ、是非とも強くメッセージを発していただきたいなというふうに思っております。是非ともよろしくお願いをしたいと思います。ありがとうございます。

 では、大臣に改めて伺いたいと思いますけれども、冒頭、すごく前向きなメッセージをいただいたところではありますけれども、改めて、様々な声を紹介をさせていただきましたので、それについて率直にどうお感じになられたのか。そして、私たち世代の声、リアルな声をどれだけ聞いてこれたのかなといったところ、また、その解像度については、奥様の話、御自身の話もしていただきましたけれども、そういったところを含めて、是非とも改めてお聞かせをいただきたいと思います。

 なぜ、ここまで、この男女共同参画をやりますと言ってから、ずっと取組は進めているけれども、若者はどんどん地域から離れる一方で、戻ってくる子たちは少ない。私も、友人たち、仲間たちに戻ってきてほしいと言いたいけれども、こういう状況がある中で、帰ってきてよとなかなか言いにくい。同じ苦しみを与えさせてしまうことになるので、なかなか難しいなといったところを思っているところでございます。

 若年女性の地方流出を日本全体の構造課題であるというふうに捉え直して、捉えていると思いますけれども、より一層捉えていただいて、男女共同参画を啓発だけにとどめずに、地方創生、企業文化、働き方改革まで含めた政策としてより一層進めていく決意について、大臣から改めて伺いたいと思います。

黄川田国務大臣 地方から都市部への女性の転出傾向については、重要な政策課題と認識しております。そして、単に女性を地方に押しとどめるのではなく、また、若者、女性を人口増加の手段として何かしようとするのではなく、誰もが自分らしく生きられる環境、選択肢をどうつくるかということが大切だと思っております。

 そのような観点に立ちまして、女性がそれぞれの希望に応じた生き方をすることができる環境を地域につくることが必要であると考えております。その状況改善が鍵であると認識しております。

 実効性のある取組を進めるためには、当事者である若い世代の女性の声を聞くことが重要であります。今日、御紹介、たくさんしていただきまして、ありがとうございます。

 これまでにも意識調査やヒアリングを行いまして、政策決定に生かしてまいりました。今後は、四月に法定組織となりました全国各地の男女共同参画センターが、地域における女性活躍の拠点として、地域の女性の声を酌み取りながら、企業や経済団体を含めた関係者と連携、協働した取組を進めていくことができるよう、国としても力を入れて取り組むこととしております。

 また、センター・オブ・センターズとして、この度、四月に発足しました男女共同参画機構、通称JGEPAに対しては、私から、男女共同参画センターが知見やノウハウを共有することができる情報プラットフォームを構築すること、また、都道府県、市町村別の統合データの整理、分析、提供を行うこと、また、自治体職員向けの研修の量、質の充実と体系化、特に成長分野における女性人材の育成に向けた取組を進めるよう求めたところであります。

 政府としても、JGEPAにおける取組強化と軌を一にして、今年一月に示した男女共同参画センターに関するガイドラインを活用しまして、地域女性活躍推進交付金によりまして、男女共同参画センターが行う企業や経済団体等との連携、協働や、成長分野における女性育成、就業、登用を後押ししてまいります。

 女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくりをしっかりと進めることによって、地域社会の活力を高め、日本全体の活力をつくり出していかなければなりません。そうした認識の下、第六次男女共同参画基本計画に基づきまして、政府を挙げて女性活躍を強力に推進するとともに、地域未来戦略を推進しまして、各地域に魅力的な職場を創出し、地域で女性が働き、活躍できる場をつくってまいりたいと考えております。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 本当に力強いお言葉をいただいたと思います。是非とも一緒に頑張っていきたいと思います。

 冒頭の最初の大臣からの答弁で、地元から離れたかったから地域を出たという声の紹介があったと思うんですけれども、ここについて私が思うのは、これ以上嫌いになりたくないから出ていくという決断が、離れるという決断をさせてしまっているとも思いますので、是非ともそこについても調査いただければなと思います。

 私たち世代は、ボイスよりもイグジットを選んできた世代だと思います。出ていくということによって明確な意思表示をこれまでしてきたはずなんですけれども、なかなかそこは見てもらえなかったなというふうに思います。是非ともそこの、私たちがなぜ地域を出るのかといった根本の理由をしっかりと見ていただきたいというふうに思います。

 言ったとしても、いや、言っても変わらないと思ってしまうし、気にし過ぎ、私たちの時代はもっと大変だったとか言われちゃうんですよね。そうではなくて、だから言わなくなっている声を聞きに行くことが政治の役割だと思いますので、そこを改めて強くお願いをしたいと思います。

 今、国会に二十代の女性議員は、私と北海道の村木先生、二名しかおりませんので、これからもびしばしと皆様に声を届けていきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 質問を終わります。ありがとうございました。

山下委員長 次に、野村美穂君。

野村委員 国民民主党の野村美穂です。

 本日は、カスタマーハラスメントについて質問をいたします。

 まず初めに、なぜ本日、この内閣委員会でカスタマーハラスメントを取り上げるのかについて説明いたします。

 お手元の配付資料を御覧ください。こちらには、カスタマーハラスメントの防止対策の推進に係る関係省庁連携会議の構成メンバーが記載されています。厚生労働省だけでなく、消費者庁、総務省、警察庁、文部科学省、経済産業省など、実に二十七の機関が構成員となっており、カスハラ対策は省庁横断的な取組が必要であることが一目瞭然です。カスタマーハラスメント対策は、労働政策だけではなく、国民的社会課題として捉えて解決する必要があり、国民生活の安定及び向上に関する件となります。

 さて、お客様は神様ですという言葉がありますが、皆さんはどのように解釈をされているのでしょうか。これは、顧客が絶対的存在と客の側が傲慢に要求するための言葉ではありません。これは昭和の国民的歌手、三波春夫さんが残された言葉ですが、その意味は、歌うときは、あたかも神前で祈るように、雑念を払って澄み切った心にならねばならない、だからお客様を神様と見て歌うという、表現者、プロフェッショナルとしてのすさまじい覚悟とプロ意識の表れです。

 しかし、現代社会において、この言葉の誤った解釈が悪質なカスタマーハラスメントを正当化する免罪符のように使われています。客だから何を言ってもいい、何をしてもいいのではないという、認識を社会全体で改めなければなりません。

 実際の現場で何が起きているのか、UAゼンセンの調査結果から具体例を紹介させていただきます。小売業の現場では、レジでアルバイトの僅かな不手際があった際、おわびし続けたにもかかわらず、客に首をつかまれ引きずられ、俺は元やくざだ、死ぬまで日本刀で勝負しよう、住所を教えろなどの発言をされ、六十分もの間拘束されるという事件が発生しています。これは明らかに、暴行罪、脅迫罪、監禁罪に該当する犯罪行為です。

 ストーキング被害も深刻です。営業妨害と暴力の予告も日常化しているようです。また、SNSと連動した新たな形のカスハラも増加をしています。勝手に動画を撮影された、警察を呼んで対応したにもかかわらず、全く心当たりのないひどい中傷をインターネット上に掲載されるという被害もありました。

 カスハラは、小売業だけでなく医療、介護現場にも存在し、実態は特に深刻です。これらは氷山の一角にすぎません。カスハラを受けた労働者の約半数が強いストレスを感じ、中には精神疾患を患ったり離職に追い込まれたりするケースが後を絶ちません。

 今や深刻な人手不足に悩む我が国において、カスハラによる貴重な労働力の喪失、採用コストの増大、対応に追われることによる生産性の低下など、目に見えない経済損失は計り知れない規模に達しています。労働者が安心して働けない環境は、結果として日本の経済活力そのものをそぐことになります。カスハラは単なる接客上のトラブルなどという生ぬるいものでもなく、従業員個人の責任にしてはならない国民的社会課題です。

 では、質問に入ります。本日は十一点の質問を予定しています。

 まず、今御紹介したような深刻な事例が日本中の現場で起きているという実態、そして、このお客様は神様ですの誤解が生んだカスハラが社会や経済に与えている悪影響や経済損失の深刻さについて、どのような現状認識をお持ちなのかをお尋ねします。

大隈政府参考人 お答えいたします。

 カスタマーハラスメントは、近年、社会的に問題となっておりまして、労働者の心身に深刻な影響を与え、休職に至るケースもある重大な問題であると認識しております。

 このため、昨年六月に労働施策総合推進法を改正いたしまして、全ての事業主に対してカスタマーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置を義務づけ、社会全体で足並みをそろえて、その防止に向けた取組を進めていくこととしております。この改正法は本年十月一日から施行することとしておりまして、その円滑な施行に向けてしっかりと取り組んでまいります。

野村委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

 次に、法改正の意義とカスタマーハラスメントの定義について質問いたします。

 令和八年十月一日から施行される改正労働施策総合推進法により、事業主にカスタマーハラスメント防止のための雇用管理上必要な措置が義務づけられます。法律では、カスタマーハラスメントを、職場において行われる顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者の言動であって、その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより当該労働者の就業環境を害することと定義しています。

 そこで、この定義の核心部分についてお尋ねをします。

 第一に、社会通念上許容される範囲を超えたものとは具体的に何を基準に判断するのでしょうか。この表現は抽象的で、現場での判断が困難になるおそれがあります。国が示す指針で明確にする必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 第二に、労働者の就業環境を害するとはどのような状態を指すのでしょうか。また、企業や自治体が具体的な事例に直面した際、カスハラに該当するかどうかを適切に判断するよう、国として十分な解釈指針や判断基準を示すべきだと考えます。厚生労働省にお尋ねします。

大隈政府参考人 お答えいたします。

 カスタマーハラスメントの要素であります社会通念上許容される範囲を超えている言動に当たるか否かにつきましては、個別の事案ごとに、当該言動の目的、経緯や状況、態様、頻度、継続性などを総合的に考慮して判断されるものでございますけれども、今年の二月に定めましたカスタマーハラスメント防止指針におきまして、社会通念上許容される範囲を超えた言動の典型的な例をお示ししております。

 この中では、対応が著しく困難な要求あるいは不当な損害賠償請求など言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるものであるとか、あるいは、身体的な攻撃や精神的な攻撃、威圧的な言動など手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるものなど、典型的な例をお示ししているところでございます。

 こうした指針の内容を含めて、改正法の内容につきまして、本年十月一日の施行に向けてしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。

野村委員 ありがとうございました。是非よろしくお願いしたいと思います。

 三点目の質問です。消費者庁にお尋ねします。

 法改正では、ハラスメントを行ってはならないことについて、国民の規範意識を醸成するために啓発活動を行う国の責務が定められました。

 そこで、お尋ねします。

 第一に、正当なクレームとカスハラの境界線を消費者教育や学校教育の中でどのように伝えていくのでしょうか。将来の消費者、労働者の両方の立場から相互尊重の考え方を教える具体的な取組について、文部科学省との連携も含めてお聞かせください。

 第二に、国民への周知啓発活動としてどのような広報戦略を展開するのでしょうか。多様な媒体を活用した広報計画、特に高齢者や若年層それぞれに届く工夫について、具体的な取組をお尋ねします。

尾原政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者が事業者に適切に意見を伝えることは、事業者の提供する商品やサービスの改善を促すことにもつながるものではありますが、いわゆるカスタマーハラスメントへの対応として、消費者の権利と責任の正しい理解を促すなど、消費者教育の強化が求められていると認識しております。

 そのため、消費者庁では、消費者向け啓発チラシや啓発冊子の作成、提供、また、消費者と事業者が相互に適切に意見を伝え合うことの重要性などを盛り込んだ従業員向け教育研修プログラムの利用促進等に取り組んでおります。また、改正労働施策総合推進法の施行を見据えて、現在、カスタマーハラスメントが生じる場面、条件を踏まえた新たな啓発資料の作成を行っているところでございます。

 引き続き、厚生労働省、文部科学省や業所管省庁などの関係省庁との連携を深めつつ、カスタマーハラスメントの防止のための消費者への周知啓発を推進してまいります。

野村委員 ありがとうございました。

 四番目の質問なんですが、判断基準の明確化、何が悪質クレームなのかという部分については、割愛させていただきたいと思います。

 続きまして、五番目の質問に入ります。

 カスハラ対策をより効果的に行うためには、実態の把握が不可欠です。業種や職種ごとのカスハラ事例、それからカスハラをする人の傾向などを体系的に収集して、データベース化する必要もあると考えています。民間企業、労働組合等と連携し、データを収集することで、業種別の対応マニュアルの作成も可能となります。現場からは、業種ごとのマニュアルが期待されています。

 業種ごとの対処マニュアル作成について、現状がどのようになっているのか、お尋ねします。

大隈政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省では、カスタマーハラスメントの実態等に係る情報収集として、今年度において職場のハラスメントに関する実態調査を実施いたしまして、労働者が受けたカスタマーハラスメントの内容、場所、行為者、心身への影響などについて調査することを予定しております。

 また、令和四年二月に作成いたしましたカスタマーハラスメント対策企業マニュアルの改定に向けまして、カスタマーハラスメント対策を講じている企業に対してヒアリングを行うことも予定しております。

 また、カスタマーハラスメントは業種、業態によって態様が異なりますことから、業所管省庁と連携して、各業界の実態を踏まえた対策が重要でございます。

 このため、昨年一月から関係省庁連携会議を開催して取り組んでおりますけれども、本年二月にカスタマーハラスメント防止指針を告示した際には、連携会議の全ての構成員宛てに通知を発出し、マニュアルの策定を含め、業種、業態ごとの取組の推進等について働きかけを行ったところでございます。

 これに加えて、厚生労働省が業界を支援して策定したスーパーマーケット業や宅配業におけるマニュアルについて情報共有をいたしまして、業所管省庁に業種、業態ごとの取組を促しているところでございまして、引き続き連携を図ってまいりたいと考えております。

野村委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 続きまして、六点目の質問です。

 冒頭で少し触れましたが、医療、介護現場でもカスハラがあります。患者や家族からの暴言、暴力が深刻化しており、介護士や介護職員の離職要因ともなっています。医療、介護という特殊性を踏まえた専門的なカスハラ対策、現場への支援体制、警察との連携体制について、具体的な取組状況をお尋ねします。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 医療現場での対応に関しましては、これまで、各都道府県に設置されました医療勤務環境改善支援センターにおいて、医療機関からのハラスメント対策の体制整備に係る相談支援を行いますほか、患者やその家族からのハラスメント対策に関する医療従事者向けの教材を作成しますとともに、安心して医療を受けられる環境を守っていくための協力をお願いする一般向けの解説動画を作成して周知啓発を行うなどの取組を行ってございます。

 また、改正労働施策総合推進法を受けまして、今年度は、医療関係団体等で構成されます検討委員会での議論や、医療機関へのヒアリング調査等を踏まえたカスタマーハラスメント対策のマニュアル作成に向けた対応を行ってございます。

 介護現場におけるカスタマーハラスメント対策としましては、介護事業者が講ずることが望ましい取組を介護サービスの運営基準の解釈通知により明確化しますとともに、事業者向けの対応マニュアル等の作成や自治体が介護従事者等に対して実施する研修や相談窓口の設置等への助成支援を行ってございます。

 その上で、改正労働施策総合推進法を受けまして、今後、社会保障審議会介護給付費分科会で御議論いただいた上で、全ての介護事業者に対して各サービスの運営基準においてカスタマーハラスメントへの対応を義務づけるなど、必要な対応を講じてまいります。

 このような取組を通じまして、引き続き、医療、介護従事者の皆様の安全を確保し、安心して従事できる体制を整えてまいりたいと考えております。

野村委員 ありがとうございました。

 時間が迫ってまいりました。行政窓口や地方自治体職員への対策と支援についてお尋ねします。

 地方自治体の窓口職員も、住民からの悪質クレームやハラスメントに日常的にさらされています。自治体職員や相談窓口職員への執拗な要求、長時間の居座り、威圧行為は、本来対応すべき住民サービスの時間を奪い、多数の住民に不利益をもたらします。

 地方自治体におけるカスハラ対策の実施状況はどのようになっているのか、総務省としてどのような支援を行っているのか、お尋ねします。

加藤政府参考人 地方自治体におきますカスタマーハラスメント対策、大変重要でございまして、総務省といたしましても、地方自治体に対しまして積極的な取組を要請してまいりました。

 ハラスメント一般について、ここ数年、様々な取組を展開しておりまして、様々な自治体の現場での、窓口でございますとか人事当局の対応というふうなものもだんだん進んできております。

 改正法の施行が近づいてまいりましたことから、地方自治体における検討に資するよう、厚生労働省が出されましたカスタマーハラスメント防止指針でございますとか、人事院が制定いたしました人事院規則を周知いたしましたほか、先行して、カスタマーハラスメントですが、対策を講じている地方自治体の事例や、対策を講じる上での留意点や課題を主な内容とする事例集を作成し、情報提供、これを三月ですか、提供したところでございます。

 また、職員向けカスタマーハラスメント対策マニュアル、これを作成するに当たってのポイントをまとめ、この八月を目途に情報提供できるよう、目下準備を進めております。

 こうした取組を通じまして、地方自治体の実情等もお伺いしながら、カスタマーハラスメント対策の取組を一層推進、支援してまいります。

野村委員 ありがとうございました。

 済みません。時間がありませんので、八、九、十のところの質問は飛ばさせていただきまして、最後に、カスタマーハラスメントは国民的社会課題と言えると思います。カスタマーハラスメント対策をどのように進めていくのか、決意をお聞かせいただきたいと思います。

栗原大臣政務官 省庁横断的な取組についての御質問でございます。

 カスタマーハラスメント対策につきましては、個々の企業や業界にとどまらず社会全体で推進していくことが求められております。冒頭、委員御指摘のとおりであります。

 加えて、カスタマーハラスメントは業種、業態により態様が異なるものでありまして、業所管省庁と連携して、それぞれの業界の実態を踏まえた対策を進めることが重要であると考えております。

 そのため、本年十月の改正労働施策総合推進法の施行に向けまして、関係省庁が参画いたします連携会議等を通じまして、業所管省庁に対し業種、業態ごとのマニュアルの策定など取組を促すとともに、啓発ポスターなどによる国民への周知啓発、これを進めてまいります。

野村委員 是非よろしくお願いいたします。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

山下委員長 次に、川裕一郎君。

川委員 参政党の川裕一郎です。

 本日は、災害時の避難所対応及び防災庁設置に伴う機能強化について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 令和六年の能登半島地震では、石川、新潟、富山の三県で亡くなられた方は七百四十三人に上り、そのうち、石川県の災害関連死の方が五百一人と公表されています。

 災害関連死の原因、要因は、避難所生活の肉体的、精神的な負担、地震のショックや余震への恐怖による肉体的、精神的負担、電気、水道などの途絶による肉体的、精神的な負担、そして、転院や悪路長時間運搬などによる負担とされています。つまり、命を奪ったのは、地震そのものよりも、その後の避難生活、ライフラインの途絶、医療、介護機能の低下であったことが明らかになっており、これは、今後の防災政策の在り方を根本から問い直す、そういう重大な教訓であると考えております。

 また、災害関連死と認定された方のうち、年齢が公表されている百三十六人の内訳を見ますと、九十代以上が四十七人、八十代が六十二人、八十代以上の方が全体の約八割を占めています。高齢化が進む地域で大規模災害が発生した場合、避難生活の長期化によって多くの高齢者の命が失われるという現実を能登は私たちに突きつけた、そういう結果になっていると思います。

 加えて、医療、介護の持続性が途絶することの危険性も明らかになり、さらに、今回の災害では避難の在り方そのものも大きく変化した、そういうふうに実感をしております。

 指定避難所だけではなく、いわゆる一・五次避難所、二次避難所、在宅避難、車中泊避難など避難形態が多様化し、その分だけ支援の手が届きにくくなるという課題も浮き彫りになりました。とりわけ一・五次避難所は、本来であれば数日から一、二週間程度の中継地点として想定されていたにもかかわらず、実際には長期滞在する方が多数発生し、結果として福祉避難所に近い役割を担わざるを得なかったと指摘されています。避難所を単なる一時滞留の場所ではなく、命と健康を維持する生活基盤として整備する視点が不可欠であります。

 まず、一・五次避難所及び二次避難所の実態と今後の制度設計についてお伺いをします。

 能登半島地震では、一・五次避難所が、本来想定された短期滞在にとどまらず、高齢者や要介護者が長期滞在するケースが多数生じました。そのため、介護やリハビリ、認知症ケアなどの体制整備が大きな課題となりました。

 そこで、お伺いします。

 政府として、高齢者や要介護者の人数や割合、平均滞在日数、介護、福祉専門職の配置状況などについてどこまで定量的に把握をしているのか、また、能登半島地震を対象とした検証は現在どのような状況にあるのか、お聞きします。

岡本政府参考人 お答えさせていただきます。

 能登半島地震におきましては、石川県では、最大で避難所四百二十三か所、避難者は四万六百八十八人でございますが、御質問の避難所における平均滞在日数等の詳細につきましては、石川県にも確認したところ、把握していないという回答でございました。

 また、能登半島地震の検証につきましては、令和六年十一月に令和六年能登半島地震を踏まえた災害対応検討ワーキンググループの報告が取りまとめられており、本報告の御提言を踏まえ、政府において災害救助法の改正等の取組を進めているところでございます。

川委員 県の方でも平均の滞在日数が把握されていないということで、結局、誰も分かっていない状況だと思います。

 現状どうであったかというと、一・五次避難所のいしかわ総合スポーツセンター、石川県の大きな体育館の施設でありますけれども、このいしかわ総合スポーツセンターが一・五次避難所として開設されたのが地震から一週間程度たった一月八日から、閉鎖されたのが九月三十日であります。十か月近く閉められませんでした。私も何度も現地に行きましたけれども、最後の方は本当に数人しかいないんですけれども、高齢者の方が移転先が見つからないと。そこは本当に介護施設のような状況になっておりました。累計で一千五百一名の受入れがあったと聞いております。

 その上で、今後は、一・五次そして二次避難所を単なる一時的な中継地点ではなく、高齢者や要介護者が一定期間生活することを前提とした支援拠点として位置づける必要があると考えております。介護福祉士、ケアマネジャー、理学療法士、作業療法士などのリハビリ専門職、さらには認知症ケアの専門家を配置できる仕組みや、平時からの人材登録制度、広域派遣体制の整備について、国はどのような制度設計の下運用しているのか、お聞きをします。

伊澤政府参考人 お答えいたします。

 災害時に福祉的支援を行うDWATやリハビリテーション支援を行うJRATなどについて、平時から人材を養成、登録する仕組みを整えておくとともに、大規模災害が発生した場合の広域的な派遣体制をあらかじめ整備しておくことは非常に重要でございます。

 現行のDWATにつきましては、国のガイドラインを踏まえまして各都道府県が研修、登録を行う仕組みとなっておりますけれども、全国的な質の確保等を図る観点から、研修、登録を国が行うなどを内容とする社会福祉法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、現在、御審議していただいているところでございます。

 また、DWATの広域的な派遣においては、ガイドラインを基に、関東甲信越、東海北陸といった複数都道府県によるブロック単位でのチーム派遣要請の仕組みづくりを含む体制整備を進めることとしているほか、災害の状況に応じて、必要な場合には厚生労働省が災害福祉支援ネットワーク中央センターと連携し、広域的な調整を行うこととしております。

 また、リハビリの方でございますJRATにつきましては、国における体制整備事業の中で事務局を設置いたしまして、平時における大規模災害等発生に備えた隊員への専門的な研修や、災害発生時における被災地のJRAT活動に係る連絡調整、隊員の派遣調整などに対する補助を行っております。

 今後とも、引き続き、DWATやJRATなどの専門職チームが被災地で迅速な支援が展開できるよう、平時からの体制整備に取り組んでまいります。

川委員 DMATなどの派遣調整もされているということですけれども、現地ではやはり、介護に当たる介護福祉士であるとか、そういう専門職の方が実際足りない状況が多く見られました。石川県の方でも、県外からたくさんの方に応援に来ていただきましたが、まだまだやはり現状では厳しかったという結果であったと思いますので、今後とも対応をお願いしたいと思います。

 次に、防災庁設置法との関係についてお聞きしたいと思います。

 防災庁設置法及び関連整備法では、防災庁が防災行政を一元的に担い、災害対策基本法により、科学的なリスク評価や被災者の良好な生活環境の確保が新たな理念として位置づけられています。私は、防災行政の成果は、単に、避難所を何か所開設をしたか、物資を何トン輸送したかではなく、災害関連死をどれだけ減らせたか、そういう視点で評価されるべきだと考えております。

 そこで、お聞きをします。

 防災庁が発足した場合、能登半島地震で露呈した一・五次、二次避難所の長期化、高齢者、要介護者への支援不足、避難所環境の悪化による災害関連死の多発といった課題について、具体的にどのような改善が図られるのでしょうか。

 あわせて、高齢化率の高い地域では、必要な介護、福祉人材数を事前に算定をし、段ボールベッド、パーティション、トイレカー、キッチンカーなどの資機材を標準装備として迅速に展開する体制を整える必要があると考えますが、そのような具体策をどこまで盛り込む考えなのか、お聞かせください。

岡本政府参考人 お答えさせていただきます。

 災害関連死を減らし、被災者の健康と尊厳を守る観点から、被災者の方々に一日でも早く平穏な生活に戻っていただくことに加えて、避難生活におけるストレスを少しでも軽減することが重要であるというふうに考えております。

 災害関連死を防ぐためには、避難所の良好な生活環境の確保に加え、インフラの耐震化や迅速な復旧、必要なDMATやDWATの派遣も含めた保健、医療、福祉支援の実施など、あらゆる視点からの対策が重要であり、引き続き、被災自治体や近隣自治体、関係省庁、医療福祉団体やNPOなどの関係機関の連携体制の構築を平時から図っていく必要があると考えております。

 また、物資、資機材の確保、展開に関しては、防災庁の設置を見据えて、今年度、内閣府におきまして自治体備蓄に関するガイドラインを策定することとしており、その中で、備蓄すべき品目やその必要数量等の考え方をお示ししていくとともに、トイレカーやキッチンカーなどの災害対応車両をデータベース化し、発災後、自治体のニーズに応じて迅速に提供できるようにする災害対応車両登録制度、D―TRACEの運用や、大規模災害発生時に国が行うプッシュ型支援用物資のうち、段ボールベッドやパーティションなどの調達に一定の時間を要するものを全国に分散して備蓄し、被災地に迅速に提供することなどにより、避難所において必要な物資、資機材が確保されるように取り組んでまいります。

 防災庁が設置された暁には、災害対応の司令塔として、政府一丸となってこうした取組を進めてまいる所存でございます。

川委員 ありがとうございました。

 自治体に対してガイドラインを示していくということでありますけれども、なかなかやはり対応が全てできない部分もありますので、有事の際は、プッシュ型支援という話がありましたが、政府としてまた対応いただけるようにお願いしたいと思います。

 時間の関係で、一問飛ばさせていただきます。

 次に、災害と人口減の関係についてお聞きしたいと思います。

 先日公表された令和七年の国勢調査の結果についてお聞きしたいと思うんですけれども、能登半島地震で被災をした珠洲市の人口は、二〇二〇年の調査では一万二千九百二十九人から、二〇二五年の調査では八千五百二十八人となり、三四%減で、全国最大の減少率となりました。同じく被災をした輪島市も二万四千六百八人から一万八千七十二人となり、二六・六%減で、全国で三番目の減少率となっています。奥能登では、被災と人口流出、そして高齢化が同時に進行する、縮小する被災地という現実が統計の上でも明確になっています。

 そこで、お聞きをします。

 珠洲市で三四%減、輪島市で二六・六%減という極めて深刻な人口減少について、政府はどのように認識をしているのでしょうか。あわせて、これは単なる一時的な人口異動ではなく、生活再建、産業再生、地域コミュニティーの維持そのものにも関わる構造的な危機であると受け止めているのか、古川政務官にお尋ねします。

古川大臣政務官 お答えいたします。

 能登半島地震、奥能登豪雨の被災地である珠洲市や輪島市において人口が減少していることは承知をしております。このような中で、被災地を復興させるには、人口減少社会に適応しながら、持続可能な地域を実現していく必要があると考えております。

 石川県が策定した創造的復興プランでは、地域が考える地域の未来を尊重する、若者や現役世代の声を十分に反映する、多様な形で地域のことに携わる関係人口を生かす、女性や外国人、障害のある人など多様な視点を積極的に取り入れるなど、十二の基本姿勢に基づき、創造的復興を成し遂げるとしています。

 また、人口減少や高齢化が進む中での持続的な町づくりの方向性として、農林水産業、伝統工芸や観光など、特色あるなりわいの再建、祭りや文化財、スポーツを生かした暮らしとコミュニティーの再建など、地域の実情等を踏まえた取組が掲げられております。

 現在、委員御指摘の珠洲市、輪島市を含む被災自治体が主体となって、住民の声を聞きながら、創造的復興プランの実現に向けた取組が進められており、国としては、地域が取り組むビジョンの形成やその実現に向けた後押しをしっかりと進めていく所存です。

 引き続き、被災自治体と連携を図りながら、被災前の活気ある能登と人々の笑顔を取り戻すため、復旧と創造的復興に向けた取組を政府一丸となって進めてまいります。

川委員 ありがとうございます。

 石川県でも創造的復興ということでしっかりと頑張っているんですけれども、どうしてもやはり自治体だけではできない部分がたくさんありますので、引き続き政府の後押しをお願いしたいと思います。

 最後に、もう一点お伺いをしていきたいと思います。

 能登は、大規模地震、津波、道路の寸断、そしてライフラインの長期の途絶、高齢者避難、災害関連死、そして急激な人口減少という、これから全国の半島部や山間地域が直面し得る課題を先取りして経験した地域であると考えます。また、孤立集落への対応、高齢者、要介護者支援、避難所運営、インフラ復旧、被災後の人口流出対策など、災害対応と復興の両面において多くの教訓と知見が蓄積されています。

 私は、こうした貴重な経験と知見を能登だけのものに終わらせるのではなく、全国の防災そして減災対策に生かしていくべきだと考えます。そのためにも、能登地域には、防災庁の地方拠点となる防災局、あるいは防災人材の育成や研究を担う防災大学を設置すべきではないでしょうか。

 能登地域に防災局や防災大学が設置されれば、孤立集落対策、高齢者避難支援、ライフライン途絶下における避難所運営、災害関連死の抑制、さらには被災地の人口流出対策などについて、現場に根差した実践的な研究、訓練、人材教育の拠点となり得ます。そして、その成果を全国の半島部や山間地域、さらには離島地域へ展開することで、我が国全体の防災力向上にも大きく寄与すると考えております。

 そこで、お聞きをします。

 政府として、能登半島地震で得られた経験と知見を将来の防災政策にどのように生かしていく考えなのか、また、その具体策として、能登地域への防災局若しくは防災大学の設置についてどのように考えているのか、古川政務官に見解をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

古川大臣政務官 お答えいたします。

 能登半島地震の教訓を踏まえ、内閣府の防災担当では、避難生活環境の改善や被災者支援の強化などを進めてきたところであり、防災庁においても、被災者に寄り添った支援体制の構築を進めていくこととしております。

 その上で、防災庁の地方機関である防災局については、千島海溝地震、日本海溝地震と南海トラフ地震に対する地域における事前防災への取組や迅速な被災地支援体制の構築などの観点を踏まえ、法律の公布から二年以内の設置に向けた具体的な検討を行うこととしております。

 防災庁の地方機関が担うべき機能や適地については、災害対策を最も効果的かつ効率的に実施できる体制を整えるという観点から適切に検討を進めてまいります。

 また、全国各地域における災害対応力の確保のためにも、国全体として、防災の専門人材の確保や育成を体系立てて行うことが重要です。

 そのため、様々なニーズに対応できる防災人材の育成を推進するため、効果的で充実した教育や訓練を行えるよう、仮称ではありますが、防災大学校の設置の検討を進めることとしており、今後、その具体的な在り方の検討を進めてまいります。

川委員 ちょっと明確な御答弁がなかったわけですけれども、まだ先の話ということもありますし、防災大学も検討中ということでありますけれども、是非とも能登の地域に防災局若しくは防災大学、これを設置いただきたいという私のちょっとお願いであるんですけれども、これはやはり、被災地をしっかりと見ていただいた上で、ここならできるという地域でもありますし、様々な知見がたまっていると思いますので、前向きな検討をお願いしたいと思います。

 また、能登の教訓を単なる検証の報告やスローガンで終わらせてはいけないと私は思っております。災害関連死をこれ以上繰り返さないために、そして人口減少が加速する被災地を見捨てないために、能登の教訓を制度として残し、災害関連死を一人でも減らすこと、そして被災地の人口流出と地域の衰退を食い止めること、そのために防災庁には実効性ある組織を構築することを強く求めて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 今日は、電動キックボードの交通事故対策について、あかま委員長、警察庁にお尋ねをいたします。いわゆる電動キックボード、特定小型原動機付自転車、略して特定小型原付の交通事故についてお尋ねをいたします。

 二〇二三年七月に施行された改正道路交通法によって、電動キックボードに係る規制緩和が行われました。それまで電動キックボードは、原動機付自転車、原付の交通ルールを適用し、免許必要、ヘルメット着用義務、車道通行ということでした。この法改正で、性能上の最高速度や大きさが自転車と同程度のものを原付から切り離して、特定小型原動機付自転車として自転車と同様の交通ルールを適用し、免許不要、ヘルメット着用は努力義務、歩道通行可とするものでした。

 二〇二五年における自転車の保有台数の推計は、自転車産業振興協会によると五千二百五十万台であります。特定小型原付の登録台数は、二〇二五年四月一日時点で五万七千三百二十台と三桁違いますが、二〇二五年における自転車関連事故件数及び特定小型原付関連事故件数がそれぞれ何件か、警察庁にお尋ねします。

日下政府参考人 お答えいたします。

 令和七年中の自転車関連事故は、六万七千四百七十件発生しております。また、特定小型原動機付自転車関連事故は、同年中に三百八十六件発生しております。

塩川委員 自転車保有台数に対する事故の割合を見ると〇・一三%、特定小型原付登録台数に対する事故の割合は〇・六七%。

 特定小型原付の交通ルールを自転車と同じにしましたが、事故の割合は自転車の五倍となっております。特定小型原付の事故の割合は自転車に比べても極めて高いのではありませんか。

日下政府参考人 お答えいたします。

 特定小型原動機付自転車の事故の多寡について一概に申し上げることは困難でございますが、総務省の統計によれば、特定小型原動機付自転車の登録台数は、令和六年四月一日現在で約二万二千三百二十一台であったものが、令和七年四月一日現在では五万七千三百二十台と二・六倍に増加している一方、特定小型原動機付自転車関連事故の発生件数については、令和六年中に三百三十八件であったものが、令和七年中は三百八十六件と一・一倍の増加となっているところでございます。

塩川委員 自転車との比較の話を聞いたんですけれども、お答えがありませんでした。

 特定小型原付は自転車と同程度のルールの適用としましたが、自転車に比べて特定小型原付の方が事故の発生割合が五倍と極めて高いことは、重く受け止めるべきだと思います。

 警察庁に続けてお聞きしますが、自転車及び特定小型原付におけるヘルメットの着用率は幾つでしょうか。

日下政府参考人 お答えいたします。

 令和七年六月に四十七都道府県で警察職員が実施した街頭調査によりますと、自転車の乗車用ヘルメットの着用率については二一・二%となっております。

 他方、特定小型原動機付自転車の乗車用ヘルメット着用率については、シェアリング事業者が令和七年十二月に実施したアンケート調査によれば、回答者のうち六・九%が直近の特定小型原動機付自転車のシェアリングサービス利用時に乗車用ヘルメットを着用したと回答したとされております。

塩川委員 ヘルメットの着用義務は努力義務でありますけれども、やはり着けることが求められているわけであります。

 特定小型原付のヘルメット着用率については、事業者団体の日本マイクロモビリティ協会のアンケート調査で、先ほど答弁がありましたように、ヘルメット着用率は六・九%。自転車の二一・二%と比べても余りにも低過ぎると言わなければなりません。

 もう一つ、関連して、自転車及び特定小型原付の死傷事故におけるヘルメット着用率というのはそれぞれ幾つでしょうか。

日下政府参考人 お答えいたします。

 令和七年中の自転車乗用中の死傷事故において、死傷した乗員の乗車用ヘルメットの着用率は一五・八%でございます。また、令和七年中の特定小型原動機付自転車乗用中の死傷事故において、死傷した乗員の乗車用ヘルメットの着用率は五・五%でございます。

塩川委員 自転車が一五・八、特定小型原付が五・五ということで、亡くなったりけがをされた、そういう事故におけるヘルメット着用率は自転車に比べても三分の一と、余りにも少ないということであります。

 死傷事故における特定小型原付のヘルメット着用率も低いもので、補足すると、特定小型原付の事故によるけがの場所はどこかといった場合に、頭部と顔、これで合わせて四一%。一方、自転車の場合には頭部と顔が一七%。自転車は脇に倒れますから。だけれども、電動キックボードは前に倒れるということで、顔や頭部を損傷する場合が非常に多いというのがやはり電動キックボードの特徴だということであります。だからこそ、事故時に頭部や顔を保護するためにも、特定小型原付こそヘルメット着用が必要なのに、浸透しておりません。

 特定小型原付のヘルメット着用率が低いのはなぜでしょうか。

日下政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、自転車と比べて特定小型原動機付自転車の乗車用ヘルメットの着用率は低くなっております。その要因といたしましては、自転車利用者と比べると、特定小型原動機付自転車利用者には乗車用ヘルメット着用が自らを守るために効果的であることが十分に理解されていないことや、乗車用ヘルメットを容易に利用できる環境が整備されていないことなどが考えられます。

塩川委員 ヘルメットを容易に利用できる環境がないというのはどういうことなんですか。

日下政府参考人 お答えいたします。

 例えば、シェアリングの場合に、いわゆる貸出しの仕組みがまだ十分に整えられていないようなところが挙げられると考えております。

塩川委員 レンタル、シェアリング事業者が運用している電動キックボードが多いということですけれども。

 ちなみに、特定小型原付の事故に占める割合の八五・八%がレンタルだ、事故の九割近くがレンタルだということは、よろしいですかね。

日下政府参考人 お答えいたします。

 令和七年中に発生したシェアリングを含むレンタルの特定小型原動機付自転車に関連する事故は三百三十一件で、全体の八五・八%となっているとおりでございます。

塩川委員 個人保有とかも当然あるんですけれども、圧倒的多数はシェアリング事業者が運用しているレンタルでの運用であるわけであります。そういう点では、レンタルでの利用が九割と圧倒的に多く、貸出しの際にヘルメットが常備されていないような場合もあるんじゃないのか、着用率が低いということにつながっているのではないのか。

 そこで、あかま委員長にお尋ねいたしますが、このようなシェアリングサービス事業者に対して、特定小型原付にヘルメットを常備するように義務づけたらどうでしょうか。

あかま国務大臣 先ほど委員の方から御指摘ありましたとおり、令和七年中に発生した特定小型原動機付自転車の事故について、運転者のいわゆる損傷部位で見ると、頭部が一七パー、顔の部分が一八パーとなっており、運転者を守るためにはいわゆるヘルメットの着用、これは非常に効果的であるというふうに理解しております。

 まず、自ら守るためには、乗用時、ヘルメットの着用が効果的であることについて、先ほどの何で低いんだというお話に対して、利用者にいわゆる周知がまだまだ十分じゃないということで、その意味では、周知すること。さらに、シェアリング事業者と事故実態等を共有して、利用者がヘルメットを着用することが可能となるように事業者が環境整備を行うこと、これが重要であるというふうに思っております。

 警察庁においては、シェアリング事業者に対して、令和七年の七月に、ヘルメットの着用促進のための実効的な取組の実施を含めた交通安全対策の強化について要請するなど、これまで事業者に対する働きかけを進めてきたところではございます。

 また、事業者においても、そうした要請を受けて、ヘルメットを着用した者への料金割引サービスであるとか、ヘルメット貸出しなどの様々な取組を進めていると承知をしておりますが、更に着用を促進するためには、シェアリング事業者において取組を一層推進すること、その必要があるというふうに思っておりますので、しっかりと働きかけを強めてまいりたいと思っております。

塩川委員 そういうことをやっても着用率が低いままなんですよ。だから、改めて、シェアリングサービス事業者に対して、特定小型原付にヘルメットを常備するように義務づけたらどうかと聞いているんですが、改めて。(発言する者あり)

山下委員長 静粛に。

あかま国務大臣 乗車時のヘルメット着用促進、これに向けては、まずは、事業者が様々な安全対策を講じること、これが重要であると先ほど答弁させてもらいました。

 先ほど申し上げたとおり、現に事業者も様々な取組を通じながら、ヘルメットの着用が伸びるように取り組んでおるものと承知しております。我々においても、しっかりと強化するよう取組を推進してまいりたい、そう思います。

塩川委員 いや、けがの割合が高い、頭部や顔の損傷が非常に強いといった電動キックボードに着目しても、ヘルメットについて、シェアリングが圧倒的多数なんですから、事業者側にしっかりとヘルメットの常備を求めるというのは、これは直ちにやる話じゃないかなと思います。

 振り返ってみると、法改正のときに事業者側からは、ヘルメットがあると需要が下がってしまう、特に衛生上の観点、事業の継続性の観点からも緩和を要望したいと、ヘルメットの着用義務緩和の要求があったわけであります。

 当時の議論でいいますと、ヘルメットを電動キックボードにくっつけても、雨にぬれるとヘルメットに水がたまって、それが利用にマイナスになるから常備するのは外してほしいなんという声もありましたし、当時コロナ禍でしたから、衛生上の観点からということで忌避する方もいるんだという話もありましたけれども、今はもう状況は違うわけですから、改めて、シェアリングのサービス事業者に対してこういったヘルメットの常備を求めていくということを強く求めまして、時間が参りましたので、終わります。

     ――――◇―――――

山下委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。小野田国務大臣。

    ―――――――――――――

 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

小野田国務大臣 ただいま議題となりました科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容の概要を御説明いたします。

 世界では、ディープテック分野において、スタートアップが経済成長、社会課題の解決に大きく貢献しています。このため、我が国においても、世界最高水準のイノベーションエコシステムのハブを構築し、ディープテック分野における実用化研究開発から、その研究開発成果を活用した事業創出までを一体として促進する環境を整備することが、経済成長や社会課題の解決のために重要となっております。

 この法律案は、このような背景を踏まえ、特定先端技術に関する実用化研究開発に対する支援等を行うことにより、特定先端技術に関する研究開発の成果を活用した新たな事業の創出及びその成長発展を促進するための環境を整備し、もって我が国におけるイノベーション創出の活性化に寄与することを目的とする法人として、先端技術研究成果活用推進機構を設立し、その機関、業務の範囲等に関する事項を定めるものです。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、先端技術研究成果活用推進機構について、認可法人とするほか、本法人の機関として、理事長、理事、監事、評議員会を置き、それらの職務等を規定することに加え、財務及び会計に関して主務大臣の認可が必要な事項及び主務大臣による監督等について規定しております。

 第二に、本法人の業務の範囲として、特定先端技術に関する実用化研究開発を行う者に対する支援や研究開発の成果を有効に活用した事業活動等を行うために必要な情報の提供等の技術的援助を行うこと等について規定しております。

 第三に、本法人が行う業務の用に供させるため必要があると認めるときは、行政財産を本法人に無償で貸し付けることができることを規定しております。

 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十分散会


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