衆議院

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第5号 令和7年12月3日(水曜日)

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令和七年十二月三日(水曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 階   猛君

   理事 木原 誠二君 理事 高見 康裕君

   理事 武村 展英君 理事 有田 芳生君

   理事 寺田  学君 理事 米山 隆一君

   理事 池下  卓君 理事 円 より子君

      石橋林太郎君    井出 庸生君

      伊藤 忠彦君    稲田 朋美君

      大空 幸星君    上川 陽子君

      小泉 龍司君    高村 正大君

      寺田  稔君    平沢 勝栄君

      宮路 拓馬君    森  英介君

      鎌田さゆり君    黒岩 宇洋君

      篠田奈保子君    柴田 勝之君

      藤原 規眞君    松下 玲子君

      山 登志浩君    藤巻 健太君

      三木 圭恵君    小竹  凱君

      平林  晃君    山口 良治君

      本村 伸子君    吉川 里奈君

      島田 洋一君

    …………………………………

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    日笠 和彦君

   政府参考人

   (法務省保護局長)    吉川  崇君

   参考人

   (中央大学法科大学院客員教授)

   (保護司みらい研究所代表)            今福 章二君

   参考人

   (司法試験受験生)    斎藤 由則君

   法務委員会専門員     三橋善一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月三日

 辞任         補欠選任

  河野 太郎君     大空 幸星君

同日

 辞任         補欠選任

  大空 幸星君     石橋林太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  石橋林太郎君     河野 太郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件(社会復帰・再犯防止に向けた矯正・更生保護行政の課題について)


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     ――――◇―――――

階委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件、特に社会復帰・再犯防止に向けた矯正・更生保護行政の課題について調査を進めます。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として中央大学法科大学院客員教授、保護司みらい研究所代表今福章二君及び司法試験受験生斎藤由則君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として法務省矯正局長日笠和彦君及び法務省保護局長吉川崇君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

階委員長 この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございました。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、今福参考人、斎藤参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。

 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。

 御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、まず今福参考人にお願いいたします。

今福参考人 皆様、おはようございます。

 本日は、このような名立たる国会議員の先生方の前で発表の機会をいただきましたことを心より御礼申し上げます。

 私は、長らく更生保護行政に携わってまいりましたが、現在では、保護司を始め民間の立場から、犯罪をした者などの社会復帰を支援する活動を行っており、その傍ら、幾つかの大学で学生の指導に当たっております。本日は、そのような立場から、昨今の矯正、更生保護行政に関する諸課題について、幾つかに絞ってお話をさせていただきたいと思います。

 最初に、明治四十年の刑法制定以来、初めての刑罰の種類変更として新たに拘禁刑が創設され、本年六月一日から施行されました。拘禁刑に処せられた者に対し、改善更生と再犯防止のために必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことが可能となり、円滑な社会復帰が目指されています。現行の刑事収容施設法の下でこれまで処遇改善に努めてこられた矯正の現場職員の皆様の御努力を更に前に推し進める意義が認められます。それらを絵に描いた餅としないよう、理念の実現に向けて引き続き処遇内容を見直し、十分な実施体制を確立すること、そして、処遇人材の育成確保策を更に充実していっていただきたいと思います。

 特に、個々の特性に応じた処遇を効果的に行うため、高齢者や障害者の矯正処遇課程を新設したり、改善指導に対話の手法を取り入れるなど、様々な取組が始まっております。この充実とともに重要なのは、在所中から就労支援、福祉につなげる支援などの社会復帰支援を本人の必要性に応じて行い、スムーズに社会での生活につなげていくことであると思います。

 社会復帰支援は今般の刑法改正に伴い刑事収容施設法に新たに規定されたものであり、支援が必要となる高齢者、障害者について多機関連携によるチーム処遇を行い、福祉の支援につなげたり、これまで積み上げてきた就労支援を充実させることとなりますが、いずれについても、個々の支援ニーズに基づき、更生保護を始めとする関係機関や地方自治体、民間企業、民間団体としっかりと連携できるかが重要になってくると思います。

 更生保護においては、このように矯正施設による社会復帰支援との連携を強化するほか、矯正施設収容中における更生緊急保護の申出、刑執行終了者等に対する援助、更生保護に関する地域援助などの新たな制度を積極的に活用することにより、刑事司法手続の入口から出口、保護観察等の終了後を含む地域に至るまでの処遇、支援をシームレスにつなぐ、いわゆる息の長い支援、これによる再犯の防止の実践を着実に積み上げていくことが大切だと思います。

 その際、特に更生保護施設の役割が重要になってまいります。更生保護施設は、仮釈放者の三分の一を受け入れるほか、行き場のない満期釈放者のための受皿として、その社会復帰の成否を左右する重要な存在です。地域における自立支援の中核的担い手として、たとえ処遇が難しいと見込まれる出所者等でも、これを積極的に受け入れる努力がなされております。

 拘禁刑に基づく矯正処遇の実践によって受刑者の動機づけが高まることが期待されますが、たとえ社会の中で困難な現実という壁にぶつかっても、その動機づけを維持し、さらに、諸困難を乗り越えて犯罪から遠ざかるための力を培っていくためには、いきなり単身で地域生活を始めるよりも、このような更生保護施設での訓練や教育を経ることが大変重要だと思います。

 現在、更生保護施設では、その再犯防止効果を発揮するため、きめ細やかな生活指導や自立援助、特性に応じた専門的な手法を駆使した働きかけなどの多彩な実践が始められております。それに加えて、更生保護施設を退所してからも、その自宅を定期的に訪問して相談に乗る訪問支援活動が始められており、金銭管理の破綻、失職、病気など、様々な生活上の危機を未然に回避して、高い再犯防止効果を上げております。しかし、そのために国から指定を受けている施設は全体の二割にも達しておらず、その早期かつ計画的な拡充が望まれます。

 なお、更生保護施設は国からの委託費によって運営される民間施設であり、特に地方の施設を中心に、赤字経営のところがほとんどです。近年は物価高のあおりも直接受けるなど厳しい経営環境が続いており、必要な予算の確保が課題であると考えます。

 我が国の保護観察は、専門職である保護観察官と、地域の隣人としての保護司の両者が、それぞれの特性を遺憾なく発揮し、相乗効果を得る形で処遇を行う協働態勢が取られております。

 このうち、保護司の制度は、世界的にも余り例がなく、その国際的な評価も年々高まっているところです。保護司は、保護観察対象者と日常的に接し、その相談相手となるとともに、再びやり直そうとしている人を受け入れて、そっと支えられる社会づくりのために地道な活動を続けておられます。このようにして、保護司は安全、安心の社会の実現のためになくてはならない存在ですが、その数が年々減少していることが大きな課題です。そんな中、先日、この委員会におきまして、慎重審議の上、可決していただきました保護司法改正案については、私も大変期待をしているところです。

 そこで取り上げたい点は多々ございますが、より多くの方に保護司になっていただくための取組を保護司任せにせず、加えて、保護司の活動環境の改善や安全確保のために、保護観察所や国がより積極的に関わるとした点は大変重要です。さらに、保護司制度の持続性を高めるため、地方公共団体による保護司会等への協力について努力義務が明記されたほか、民間企業による保護司である従業員への配慮義務などが盛り込まれた点は大いに評価すべきと思います。今後は、これらの規定に基づき、社会全体で保護司の活動を支える仕組みが具体的に進展することに大いに期待しているところです。

 なお、保護司の存在や活動内容、また更生保護そのものについて、社会的な認知度を一層向上させることも重要です。これまでも様々な媒体を通じて発信がなされてきましたが、更に社会に更生保護や保護司の存在や取組を広めていき、その理解を地域に練り込んでいくような活動を展開していく必要があると思います。

 一方、保護司が安全で安心して活動するために、保護観察官が地域に出向き、保護司からの相談等に応じたり、関係機関、団体と連携した支援を実施することがますます重要となってまいります。また、保護観察の開始期に情報が最も少ないとされる保護観察付執行猶予事案につきまして、保護観察官が専門性を生かして充実したアセスメントを行ったり、処遇上の危機場面に即座に介入できる体制が必要です。そのための保護観察官の大幅増員は、誠に古くて新しい課題だと考えます。

 最後に、今般の令和四年刑法改正により、再度の全部執行猶予を言い渡すことができる宣告刑の上限を一年から二年に引き上げるとともに、初度の保護観察付執行猶予中の再犯について、再び執行猶予を付すことができることとされました。また、同時に改正された更生保護法において、再保護観察付全部執行猶予者に関する保護観察処遇の特則が設けられ、処遇の強化が図られております。

 今般の改正は、実質的には、初度目の全部執行猶予に保護観察をつける割合を高める狙いがあるとされますが、実際にも、その割合は顕著に高まっている傾向が認められます。これは誠に歓迎すべきことだと考えます。

 保護観察を付すことによって、一定の行動を禁止して問題行動を踏みとどまらせ、逆に一定の行動を義務づけて望ましい行動を促すことが可能になります。専門的処遇プログラムの実施などにより、教育的機能を働かせることもできます。さらに、生活を見守り、行動変容の意欲を持続させたり、生活に支障を来している人のために実際的な支援を行うことも可能になります。そうすることによって、再犯防止の効果が期待できる対象者の範囲は更に広がるものと思います。

 例えば、飲酒、ギャンブルなどの依存の問題を抱えている者や、家族や交際相手などの関係で問題行動を繰り返す者、不就労など社会適応への困難に課題を抱えている者などは、保護観察が有用であると考えられます。そのような理解が今後とも関係者間で共有されていくことを大いに期待しております。

 昨今では、検察庁において、検察官が執行猶予見込みの事案で再犯のおそれがあるなと考えたときに、積極的にこの保護観察つきの求刑をなさっているという実践が認められるところでありますが、大いに賛同するところであります。

 更に言えば、刑の一部執行猶予制度についても、現在は薬物事犯者にほぼ限定された運用となっておりますが、施設内処遇と社会内処遇の相乗効果が期待でき、社会内での相応期間の処遇や満期釈放の回避などの効果が見込めるという同制度の利点を考えますと、保護観察付全部執行猶予の場合と同様に、その適用範囲の拡大が図られるべきと考えます。

 なお、保護観察付全部又は一部執行猶予の更なる拡大適用と適切なケース選択を目指すのであれば、諸外国において実施されている判決前調査制度の導入も今後の検討に値すると思われます。

 例えば、性犯罪、暴力事案、あるいはストーカーの事案であっても、単純執行猶予よりは保護観察による効果が大いに期待できますし、しかし、中には、ストーカーでも、一定の人に向かっている場合もあれば、それが多数、複数にまたがっている場合もある、ころころ変わってしまう場合もある。あるいは、根深い怨念のようなものが背景にあるというような場合は、まずは一定期間、実刑という形で刑務所で冷却期間を置いて、それから保護観察につく、そのようなケースも中にはあるかもしれません。そのような適正な選択ということを可能にする仕組みが今後検討されていっていただけたらと思う次第です。

 ありがとうございました。(拍手)

階委員長 ありがとうございました。

 次に、斎藤参考人にお願いいたします。

斎藤参考人 初めまして。司法受験生の斎藤由則と申します。

 本日は、法務委員会にお招きしていただき、心より厚くお礼申し上げます。

 私の経験談等で、微力ながら少しでも今後の委員会に役立てればうれしく思っておりますので、最後まで、どうか何とぞよろしくお願い申し上げます。

 私は、暴力団をやめて十八年になります。中学で暴走族に、二十歳で暴力団に加入し、二十八歳で広域暴力団の加入組織団体の本部長に就任はしましたが、恐喝罪で服役し、出所後、組から脱退しました。暴対法の施行により組の運営が悪化する中で、いわゆる半グレを利用した特殊詐欺や海外の組織と連携した薬物売買が横行し、自分のよりどころであった、弱きを助け強きをくじく任侠道が失われたと感じ始めたのもこの頃でした。

 脱退に当たり、小指を落とし、全財産を当時の組織に返納しました。脱退後は、新聞配達員、ラーメン屋の店員等を経て三十四歳で起業し、五十歳となった現在は、コンサルティング業を手がけていながら、司法試験合格を果たすため、現在、勉学中の身であります。

 私は、四十二歳のときに、勉学を学んでいないことに気づき、広島県福山市にあるフジゼミという塾に通い、高卒認定を取得し、その後、大学に入学し、人生はいつからでも学び直しができると体験することができました。

 この年からではありますが司法試験の勉強を始めたきっかけは、反社会的勢力からの離脱者を更生させるための環境を整えたいと考えたためです。

 暴力団は減少傾向で、離脱者も増えていますが、離脱者の再犯率は五割に及びます。離脱後、半グレに流れるケースも多く、半グレは暴力団のような明確な組織を持たず、実態の把握が難しいため、警察の対策も後手に回りがちなのが現状です。

 また、再犯者の七割が無職のデータもあります。私も、出所後は職が決まらず、何十軒も会社を回りました。犯罪歴を伏せると私文書偽造とみなされ得ますが、真実を書かなければ雇ってもらえません。学歴がないため、応募のできる職種も限られます。脱退後五年は暴力団関係者とみなされ、銀行の口座の開設や住居の賃貸の制限があり、一般社会の厳しさから再び反社会勢力に戻った知人も過去にはいました。

 更生を目指す後輩たちの相談に乗り、時には自分の店に雇用したりもしましたが、個人ができることは限られ、無力を痛感する場面も多いのが現状です。

 犯罪社会学を専門とする久留米大学の広末登さんは、暴力団離脱に成功し、その後社会復帰した人の多くは、地域社会による協力が重要な原因だったと述べています。

 離脱者に対する支援、心のケア、教育、就職や生活の支援等や、一般社会の受入れ体制の整備、地域や企業の受入れの進捗や法的、習慣的な制限等の緩和等が前提となりますが、これらを短期間に包括的に行うのは難しいとは思います。とはいえ、反社会的勢力の在り方が変わりつつあるこのタイミングで離脱や更生の意思を持つ人々をサポートする必要も感じており、まず、私の実体験を踏まえた、有効だったと思われる部分から着手できたらと考えています。

 具体的には、離脱者や離脱予備軍に対する二種類の教育支援から始めていきたいと思う所存です。

 一つ目は、中学や高校で身につけるような一般科目です。私自身は、英語、数学、国語等を学んだことで視野が広がり、本当の意味で自分の半生を振り返り、反省することができるようになりました。

 二つ目は、キャリア教育です。一般社会にどんな職業があり、どうすればそれに就けるのかを伝え、自分の適性を理解する手助けをしたく思っております。

 離脱者の就職状況は厳しく、私自身も求職中に大小の差別に直面し、暴力団時代とのギャップから心が折れそうになる瞬間もありました。むしろ、既存の社会に入るよりも自分で起業し、仕事で実績を積んで一般社会に認められる方が近いかもしれないという印象もあり、この辺りを含めて、必要な知識やノウハウを伝えていきたいと考えています。

 離脱経験者や教育の専門家の経験や能力の集中をできるような団体を設立し、一般社会への順応を早められるよう、服役中、出所後の両方で必要な学びを提供しながら、行く行くは法的な相談や離脱者同士の交流や協力もサポートできる体制を整え、刑務所と社会の橋渡しを行えるような存在となることを目標としております。

 その実現に向け、地域におけるコミュニティーのデザインや、NPOの設立、運営、教育の活用を考えて進めていけるように、行政だけでなく、企業や地域住民の理解を得て、様々な人を巻き込み、離脱者を更生させることの重要性を広く社会に広めてまいりたいと思います。

 また、日本の刑事政策の妥当性の検証及び反社会組織の現状調査、分析を行いたいと思っています。反社会的勢力の現状に対する理解を深めつつ、社会安全政策や日本の近現代史、政策立案について学ぶことで、官民両方に求められる政策の方向性を模索し、地域との連携の重要性や必要性を認めてもらうためにも、半グレ問題とそれらを生み出してきた現状の政策の限界を明らかにし、新たなアプローチの必要性を訴えていければと考えております。

 九〇年代以降の警察の圧力の強化は、暴力団の衰退や離脱者の増加をもたらしましたが、半グレ等の新たな問題を生んでしまいました。直接的な政策の限界であり、これ以上続ければ、反社会的勢力はより曖昧化、複雑化し、離脱者の更生も難しくなっていきます。手遅れになる前に、かつて暴力団に身を置いた一人として、自身ができることを確実に実行したいと思い、伝えたく、本日、参考人として出席させていただきました。

 以上です。(拍手)

階委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

階委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 参考人に対する質疑は、理事会の協議に基づきまして、各委員が自由に質疑を行うことといたします。

 この際、委員各位に申し上げます。

 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、委員長の指名を受けた後、御発言ください。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。

 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名を述べた上、お答えいただく参考人を御指名いただきますようお願いいたします。

 なお、理事会の協議によりまして、一回の発言時間は七分以内といたしたく存じます。委員各位の御協力をお願い申し上げます。

 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。

 では、始めます。

武村委員 おはようございます。自由民主党の武村展英でございます。

 本日は、お二人の参考人から、罪を犯した人たちの社会復帰、改善更生に関連した矯正保護に対する御認識、御意見をいただきましたことに対しまして、まずは心から感謝を申し上げます。

 私からは、今福参考人にお伺いをいたします。

 私の出身地である滋賀県におきましては、保護司が保護観察対象者に殺害をされるという痛ましい事件が起きました。御本人や御家族のお気持ちは、察するに余りあります。あのような事件を二度と起こしてはならない、一層安心、安全な社会を実現しなければならないという思いでおります。

 さて、今福先生からは、拘禁刑について御説明をいただきました。拘禁刑という大きな改正が行われ、刑事施設においても様々な取組が行われているところです。

 ただ、どれだけ充実したプログラムが用意されていたとしても、刑に服する側にきちんとしたプログラムを受ける姿勢を持っていただかなければ、改善更生にはつながらないと考えます。

 そこでお尋ねしたいのですが、拘禁刑の制度の下、刑に服する側がきちんとしたプログラムを受ける姿勢を持って改善更生していくため、刑務所等として、必要な視点や取組としてどのようなことが考えられるでしょうか。御教示をお願いいたします。

今福参考人 お尋ねいただいてありがとうございます。

 まず、本人の、自分が変わっていこうという動機づけがとても大切になると思います。

 動機づけのためには、単なる一方的な指導によって自然に生まれるものではなくて、やはり自分自身が自分の罪に向き合ってみたり、自分が持っている課題に向き合ってみたり、そういうことの時間がまずあって、そこから主体的にこの問題を何とかしていきたいという思いが浮かび上がってくる、このプロセスが大切になってまいります。

 そのためには、今矯正において取り組もうとされているのが、対話的な実践というところだと思います。それはとても大切な実践の方法かなと思いまして、私はそれに期待しているところです。

 以上です。

武村委員 お答えをありがとうございました。

 刑事施設内で刑務官と収容者が対話をしてしっかりした更生への動機づけを行っていく、これは画期的な取組であると考えます。対話を経てしっかりとした動機づけをした刑務所出所者が、社会内に戻った後においてもこうした動機づけを維持し続けることが重要だと考えます。

 そこで、刑務所出所者等が保護観察中、そうした動機を持って社会復帰に臨むため、今度は、保護観察所や保護司として必要な視点、また取組としてどのようなことが考えられるのか、今福参考人にお伺いをいたします。

今福参考人 ありがとうございます。

 動機づけは、最初に動機づけられても、それが続くかどうかというのが一番大きな問題でありまして、それを続けていく、そして更に強化をしていくということが大切で、様々な問題に直面する中でまたその動機が揺らいでくる、そういった新たな問題に対しても乗り越えていく新たな動機づけの強化も必要になってくるというふうな、とても長いプロセスかもしれません。

 ですので、矯正の中で最初の動機づけがなされた後、社会に出てから、いろいろな誘惑のある中でそれを乗り越えていく動機づけの強化が求められるということで、今委員御指摘のとおり、それを、日本の場合、保護観察官と保護司が対応してくれているんだと思います。

 特に保護司ですと、ふだんの接触の中で、面接の中で、いわゆるそれは一つの対話の手法が、対等な立場に立って、本人が主体的に問題に取り組んでいく、そして立ち直っていこうとする動機をそっと支えていく、そういう役割を果たしてくださっていますので、これまでどおり保護司さんがそのような対応をしてくださることに期待をしております。

 一方で、保護観察官も、今本人がどの程度の動機づけの現状にあるのかということについて、やはりそれをきちっとアセスメントをしながら、それに応じた対応策を取っていくこと、そこに専門性を発揮していただくこと、これが期待されると思います。

階委員長 じゃ、武村君、最後の。

武村委員 ありがとうございました。

 それでは、最後の質問になりますが、今福先生は、更生保護の分野で長く実務を牽引してきた方であるとお聞きをしております。後輩の方々に向けて、あるいは多くの再犯防止に取り組む方々に向けて、期待されていることを一言いただけますでしょうか。

今福参考人 余り大したことは言えないかもしれませんけれども、私の印象では、矯正の分野でお会いした方も、そして更生保護で一緒にやっていた仲間、同僚も、押しなべてみんな言えることは、高い使命感とパッションを持っているなということだと思います。どんないい処遇をするにしても、そこを最終的に決めるのは人です。ですから、その人に、今とてもいい人を得ているなというふうなことを私は思っておりますけれども、その伝統を今後も続けていっていただきたいな、そんなふうに思います。

武村委員 ありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

寺田(学)委員 立憲会派の寺田です。

 まずは、今福参考人、斎藤参考人、御多忙のところ本委員会に足を運んでお話を聞かせていただきましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。

 ちょっとだけ個人的な話をしますけれども、私自身、今期をもってこの政治の世界から身を引くことを決めましたけれども、自分の中で未練があったりやり残しがあるということが問われると、真っ先に、このいわゆる保護行政、社会復帰の問題に取り組んで十分な時間を注げなかったということを、ある種、後悔はしています。

 私自身は、非常に幸運なことに、恵まれた家庭に育つことができて、自分自身の努力は否定しませんけれども、このような場に座って質問する立場に立っているのは、まさしくそういう幸運があったからだと思っています。そういう意味を含めて、本来であればもっともっと自分の政治の世界の中での時間と労力を割くべきだった事柄であるにもかかわらず、中途半端になってしまったことにじくじたる思いがあるとともに、今回、こういう機会でお二人からお話を聞く機会を持ったことをもって、自分の残された任期と、あとは、任期が終わった後は、今日ここにいらっしゃる、これからも政治の世界で働かれる皆さんが、今日を機会に、真剣により一層取り組んでいただけることを心から願うものであります。

 斎藤参考人にお話をお伺いしたいと思います。

 非常に、今まで私も、いわゆる矯正行政の中において、刑務所等の視察はありましたけれども、刑務官の方々からのお話を聞くという機会が多かったんですが、やはり、その中に入られて受刑されていた方から話を聞くというのも、私は大きな意味を持つと思っております。

 お伺いしたいことは二点です。

 一点目は、斎藤さんにとって、更生をしたということはどのような状態を指すのかということを是非お伺いしたいと思っています。単純に、刑務所から出て職に就いたということをもって更生をしたのだというふうに捉えがちではあるんですが、様々な経歴を拝見すると、刑務所から出ても、当然、暴力団をやめた後であっても、いろいろな苦労、山あり谷ありだったというふうに伺っております。斎藤参考人にとって更生とはどのような状態を指しているのか、我々は何を目指すべきなのかということをお話しいただきたいのが一点。

 もう一点。四十代になって、広島の福山にあるフジゼミというところに通って、慶応に合格されて、今、司法試験を受けられて、聞くところによると、短答は通ったという話は聞いていますけれども、フジゼミで教育を受けた、勉強を受け直した、学び直したということ自体が、いわばそういう更生の途上にある、更生という枠組みの中にある人にとってどういう意味をもたらすのか、教育を受け直したことということはどういう意味を成すのかということを是非教えていただきたいと思います。

 以上二点です。

斎藤参考人 どうも、御質問ありがとうございます。

 まず、第一の質問の、更生とはどのようなことを指しているのかということは、私自身も、この更生というのは、まず働くことが更生なのか、また、社会に貢献することが更生なのかということは、今考えてみると、正直、どこまでが更生かということは分かりませんが、端的に申しますと、第三者が、世論が、この人は初めて一人前になったなと認めてくれるようなことを私はたくさんの方々から言われていくうちに、それが一つの更生に結びついている言葉なのかなということも感じ始めております。

 しかしながら、私自身も、あなたは更生した、あなたは更生したと言われていましても、どこが更生というのか、いまだにこれが、現実、初めて今聞かれた質問には、私も、実際的な問題は、ちょっとそこは少しまだ模索中です。

 福山で勉強したという、四十二歳から勉学を初めてしたときもそうですが、勉学の学びを通して初めて気づいたことは、学力の低さを取ると、社会的に選ばれるものの、就職困難、就職又は友人や知人、そういうつき合い方のところにも関わってくるのではないかということがあからさまに分かりました。勉学をしていくうちにまた広い視野が見つかり、また、たくさんの希望や現実味を帯びたものがどんどんと近づくによって、また今度は違うビジネス理論やつき合う人たちのコミュニティーが、様々なあらゆる分野で活躍できるということにすごく気づいた次第です。

 以上です。

階委員長 寺田君、そろそろまとめてください。

寺田(学)委員 ありがとうございます。

 時間となりましたのであれですけれども、是非今後とも頑張ってください。

 以上で終わります。

藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。

 本日は、お忙しいところ、貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございます。

 私の方からは、今福参考人の方も少年法を専門の一つとしているということもありますし、それから、斎藤参考人も様々な経験をされているというところで、少年法のところについて、少年の可塑性についてちょっとお伺いしたいというふうに考えております。

 以前、私が法務省の方からいただいた数字ですと、かつて殺人を犯した人、殺人の前科のある人が再び罪を犯す可能性、これは殺人に限らずですけれども、再び罪を犯してしまう可能性が、成人は一七%に対して、少年は五〇%であるというような数字をいただきました。殺人を犯した人の再犯率が、成人は一七%、少年は五〇%という数字でございます。この数字を見ると、果たして本当に少年の可塑性というのは高いのかというところを私は感じております。

 少年の更生の可能性が高いというのは果たして本当に事実なのだろうかというふうに私は考えているんですけれども、これはある意味、少年法の根幹理念を揺るがしかねないような数字かなというふうに私は捉えておりますけれども、少年の可塑性について、お二人はどのようにお考えでしょうか。

今福参考人 私は、大いに可塑性はあると考えております。もちろん、人間である限り可塑性はあるという立場ですけれども、それが特に強いのが少年期であるという考えを持っております。

 やはり成長過程である、心理的にも成長過程でもありますし、あるいは脳科学的にも成長過程でもありますし、全てが今、学びの途上にある人だということは言えると思いますので、それに対してきちっと働きかけていくことが最も最短の行動変容のための取組になるのではないかな、そんなふうに考えます。

斎藤参考人 ありがとうございます。斎藤です。

 私も、実は少年院を二度経験しております。その中で、やはり殺人という方もおりました。

 近来、犯罪傾向を見ますと、かなりの殺人のパーセンテージが少年は多いと思います。これは私的な感覚なんですが、やはり、特にSNS、そういうような、今、新しいテクノロジー化の時代で、簡単に人を殺傷できる、そういう気持ちが、気持ち感が生まれることが大いにあると思います。その辺をやはり加味した上で、それを見詰め直して、今この議会を通してもですが、少しでも殺人をなくすために、そういったSNSだけでなく、また雑誌等、そういうものや過激なものに対して見詰めてくれれば、少しは減少できるのではないかなとは思っています。

 以上です。

藤巻委員 ありがとうございます。

 では、抑止力という観点からも少し論じさせていただきたいんですけれども、特に、事凶悪犯罪に関して、凶悪犯罪をこれからもしかしたら起こしてしまう人というのは、やはり、自分たちは少年法で守られている、少年法で守られているから、成人のように重たい罪にはならない、つまり、そういうようなふうに考えている人も、もしかしたらいるかも分かりません。

 これでは私、抑止力につながらないというふうには考えているんですけれども、少年法、凶悪な犯罪を起こしても成人よりも罪が重くはならないというこの少年法の在り方が、果たして犯罪を未然に防ぐという抑止力になり得るのか、その抑止力を少し落としてしまっているのではないかなというふうに考えているんですけれども、そういった観点から、これもちょっとお二方にお尋ねさせてください。

今福参考人 少年法には抑止力は十分にあると私は思っております。本人にとっての一番つらい経験は何なのかという観点からいきますと、本人が自分自身の問題とか自分自身と向き合うとか、そういうことの作業が一番人間にとってはしんどいことではないかなと思うんですが。

 そうすると、今の少年法でいくと、何らかの罪を犯した場合に少年院に送られる。そこでなされるのは、二十四時間、三百六十五日をかけて本人と向き合わせる処遇をしていく。実際にそこの少年院を出た後の子供たちの声を聞くと、刑務所も経験をしている、両方経験している人の声を聞くと、少年院の生活の方が本当の意味でつらかったというような、そんなことがあります。

 そのような理解がきちっとされるのであれば、私は、やはり少年法による抑止力というものは十分あると考えているところです。

斎藤参考人 私も、抑止力ということには今福参考人と同感です。しかしながら、少年法というのは、刑の、犯罪によって、少年犯罪法で裁かれず、成人で裁かれるときもありますね。

 ただ、少年院というところで、私も経験した、刑務所と少年院はどちらがきつかったかというと、やはり少年院でした。やはりそれは、少年院のカリキュラムがかなりあったからだと思います。

 先ほど言った今福参考人もそうですが、少年の犯罪のこれからの抑止力をどんどんどんどん深めていくためには、やはり私も今福参考人と同じような考えでおりたいと思っております。

 以上です。

階委員長 では、藤巻君、ここで終わりでよろしいですか。

藤巻委員 はい。

 ありがとうございました。

小竹委員 国民民主党の小竹凱です。

 今福参考人、斎藤参考人、本日は貴重な意見をありがとうございました。

 私から質問、二つございますが、まず一つ目は、今福参考人に伺いたいと思います。

 先ほどの寺田委員の質問にも少し重なりますけれども、私も、どういった形が更生するか、社会への本当の意味での復帰かというところを、どこにゴールを置くかというところは悩んでいるところではありまして、国の方でも再犯防止推進計画、取り組んでおります。この成果をどういうふうに評価していくのか、これまでのいわゆる再犯率だけの指標では評価を図るのが難しくなってきているのではないかと思います。

 先ほど来の話からもありますSNSなどによるいわゆるアングラ化であったり、社会のいろいろな、複雑化している中で、再犯率のみならず、それに代わるような新たな何か具体的な指標等を、もしイメージがつくものがありましたら教えていただけると幸いです。

今福参考人 ありがとうございます。

 先ほどの更生とは何かという議論と重なる点があると思うんですが、私が更生とはというふうに聞かれたら何かといいますと、本人の心理的な中で、自分はもう犯罪者じゃないというアイデンティティーがきちっと確立することかなと思います。それの社会的な評価として、先ほど斎藤参考人がおっしゃったように、周りからもそうだよねというふうな目で見られる、そこに合致したところに更生というのがあるというふうに私は考えるんですが、そうしますと、一年、二年、三年でそういう評価はなかなかできないものだろう、それは時間のかかるものだと思います。

 一方で、再犯防止という観点からすると、それは政策目標としてどこまでの再犯を防止するんだという、政策的につくっていくような年限の区切り方かなと思うんですが、今回、今の御指摘の再犯防止推進計画に基づくところの指標をどうすべきかというところで、当初は、刑務所を出所して二年以内の再犯による再入所率をどう下げるかを一つの目標にしておりました。私も妥当な目標だということで、それに対して政府を挙げて取り組んできた。今が、その効果が上がって、目標を前倒しでクリアしたところ。それで第二次に至っておりますけれども、それをもう少し長く見てみる、二年ではなくて、もう少し、三年を今度目標にしてみるとか、四年にしてみるとか、そこをちょっと長く見ながら考えていく、そういうところにシフトしていくともっといいのかなと思っております。

小竹委員 ありがとうございます。

 自己認知と他者からの認知が犯罪者じゃないというところで合致していくというのは、まさにおっしゃるとおりだというふうに思います。

 もう一点、これはお二方にお聞きしたいんですが、今回の改正案でも、いわゆる保護司の方の無報酬ベースといいますか、報酬が見送られました。これまでの形が継続されることとなりました。

 この保護司の報酬制の在り方について、私は委員会の方でも、手当やまた控除、税額控除の部分で必要性があるのではないかというふうに申し上げたんですが、この点について、保護司の報酬制の在り方について何か御意見をいただければと思います。

今福参考人 今の保護司は、いわゆる有償ボランティアというカテゴリーに入るのかと思います。決して仕事としての報酬を得ているという意味での報酬はない、報酬制ではないけれども、実際にかかった費用の一部又は全部については弁償されるというシステムだと。しかし、その有償の部分、有償といいますか、補填の部分については、今は非常に低いものがある、カバーできていない部分がある。それをどんどん精査をして縮めていく必要があると思いますし、その一つの流れの中で今御提案のあった税額控除というようなことも、実は、ほかの国ではそういったアイデアを取っているところがあるというふうに私も聞いておりますので、一つの参考になってくるのではないかなと思います。

 しかし、報酬というような形でいくと、逆に現在の保護司さんのモチベーションを下げてしまう、そのような逆効果も見えますので、それはちょっと避けるべきかな、そんなふうに考えます。

斎藤参考人 私は、保護司さんの報酬制度というのは余り詳しくはないのですが、今国会の方で決定して、なされているような形をお聞きしております。

 私の当時の、刑を離れてから十八年間今あったんですが、私も保護観察を何度も受けています。そのときの保護司さんはやはり皆さんボランティアでした。しかしながら、今現状、保護司という役割をやりたい方というのはかなり少ないと思います。それが現状だと思いますので、私は、そこは、報酬というよりか、援助をみんなにしてもらいたいなと、国から援助とかそういうような形で。報酬というふうになってしまうと、かなり分からない法律家の保護司さんたちがたくさん増えてしまって、逆に的確な判断をしてくれないんじゃないかなと私は危惧しています。

 以上です。

階委員長 小竹君、そろそろまとめてください。

小竹委員 お二人の参考人の方、意見をありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします。

山口(良)委員 公明党の山口良治でございます。

 今福参考人、また斎藤参考人、本日は貴重な御意見を賜りまして、大変にありがとうございます。

 私からは、先ほど何名か委員の皆様からもありましたこと以外で私がちょっとお聞きしたい点を、今福参考人の方にまずお聞きしたいというふうに思います。

 私も、地元栃木県の保護司の皆様からお伺いをする中で、保護司の方々が、その対象者と本当に処遇活動されながら、生活再建に関して様々な課題、住まいや仕事、借金、また健康にまで気を遣って一人に向き合っていらっしゃる、そういったお姿を拝見してまいりました。そして、その保護司の方が、行政や、また様々な地域のそういう支援機関に、どこにどう相談し、連携をしていけばいいのか、そういったことを熟知されていらっしゃる、そういう経験が皆様お持ちであるということを認識させていただきました。

 ただ、地域によっては保護司の方の経験などが乏しく、まだ、そうした先輩や保護観察官からのアドバイスを受けながら進めていらっしゃると思いますが、保護司の皆様が地域の様々な機関と連携しながら、先ほど今福参考人からありました、チームで処遇をしていくという、これが非常に重要になってまいりますが、このハブとしての役割も果たしていく。

 そういった中で、お聞きしたいのが、こういった機能がうまく機能している特徴的な成功した要因やまた好事例、また、こういった連携を全国に広げていくために、保護司会また観察所、市町村などの間でどのような中間支援機能を制度的に整備していく必要があるかなど、もし、御意見、また、今の制度で阻害要因などがある場合は是非御意見いただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。

今福参考人 ありがとうございます。

 今の御指摘の中間支援組織というものがとても大切になると思います。

 今の現状では、保護司の活動が非常に社会的に孤立をしてしまっている。今御指摘のように、昔であれば、この案件はどこに相談したらいいとかいうようなことがさっと出てきたような時代もあったかもしれませんが、それがなかなか難しくなってきている。そこをどうサポートできるかが課題になっていて、それが中間支援組織的なものだと思います。その中核には、地方公共団体が関わっていただくことが最も適当であろうと私は考えております。

 今回、例えば、滋賀県などでは県が非常に積極的でありまして、そういった更生支援のためのネットワークというものをつくるということに非常に意欲的に取り組んでいらっしゃいますし、栃木でも、実は更生保護施設が県と絡みまして、そのようなネットワークをつくっていこうということを計画されていると思います。そのような取組をどんどん広げていただく、これを期待したいと思っています。

山口(良)委員 ありがとうございます。

 私も、今回、委員会での質問におきまして、地方公共団体側に更生保護に対する専門的知見を有した職員の配置や育成のための研修をしっかり進めるべきだということも訴えさせていただきましたので、中間支援組織の整備、しっかり進めていきたいというふうに思っております。

 では、続きまして、斎藤参考人にお伺いしたいと思いますが、大変に、感動と言うと失礼かもしれませんが、本当に心を打つお話でした。ありがとうございます。

 私自身、今お聞きした中で、反社会的団体からの離脱の中で、様々、スムーズにいかなかったところとして、そうした団体からの様々な接触等もあったかというふうに思いますが、そこを断ち切っていくための伴走的な支援をした特に強い関係者、団体というかそうしたものというのは、つながっていらっしゃったところというのは、フジゼミさんもあったと思いますが、どういったところだったのか、お聞かせいただければと思います。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 私がこの度、反社会的勢力というところから離脱できたのは、周りの地域のコミュニティー、本当にこれは一番でかい支えになりました。特に、私が一番最初に働いた読売新聞の学芸大学駅前というところがあるんですが、そこの近くのところの地域の方々の皆様に、本当に頑張っている姿をなぜかしら陰でバックサポートしていただいて、そういうところに戻らないように、一生懸命皆さんが援助していただきました。

 やはり、人と人との支え合いが本当に私を変えていただいたというのが一番のバックサポートだと思います。

 以上です。

山口(良)委員 最後、まとめます。

 ありがとうございます。

 どこか遠くに離れてそこでつながるのではなく、本当に今いる場所で離れずに地域の方ときずなを深めていったというお話、非常に重要なお話をいただきました。

 そういった意味で、しっかり、地域での支援、保護司の皆様とともに進めていく決意でございます。

 本日は大変にありがとうございました。

本村委員 今日は、お忙しい中、本当にありがとうございます。日本共産党衆議院議員の本村伸子と申します。

 まず、今福参考人にお伺いをしたいというふうに思います。

 私がお伺いしたいのは、性犯罪の再犯防止という点でお伺いをしたいのですけれども、性犯罪の加害者プログラムに関わってこられた斉藤章佳さんという方が、参議院の参考人質疑の際に、ハイリスクな性犯罪者であっても、出所後どこかにつながれる、先ほども斎藤参考人から言われましたけれども、性犯罪ではないんですけれども、出所後どこかにつながれる場所があるというのは実は再犯を繰り返さない上で重要だ、出所後、継続的につながれるような、コーディネーターや調整する機能をもっと強化してほしいというお話がありました。

 このような観点から、日本の中で、こういうコーディネーターは一体どこが今担っているのか、そして、今後それを強化していくためにはどうしたらいいのかという点を今福参考人に是非伺いたいと思います。

今福参考人 ありがとうございます。

 性犯罪は非常に難しいといいますか、本当にタイプがいろいろとありますので、一概に申し上げられないかもしれませんけれども、性犯罪としても、人と人のつながりみたいなものをきちっとつくっていくということ、これが、孤立させないということがやはり一番のゴールになるんだろうと思います。

 そのときに、どこかにつながれるということをどうコーディネートするのかという御質問ですけれども、やはり、保護観察中であれば、その保護観察官、保護観察所の方がそれを担うことは十分可能だと思いますが、保護観察期間というのは非常に限られておりますので、要は、そこを離れてから地域の中でどう人につながれるのかというところが一番大きな課題だと思います。

 これに関しては、先ほどの御質問にも絡みますけれども、やはり地方公共団体がそこに何らかの形で関わってくださるということが今考えられる現実的な姿なのかなと私は考えております。

本村委員 カナダの取組がかなり効果を上げているということで、性犯罪の再犯率を七〇%から八〇%低下をされたということもお伺いをしております。

 日本の中には保護司の方々ですとか協力雇用主の方々ですとかいらっしゃるというふうに思いますけれども、カナダと日本の違いについて是非お伺いをできればと思っております。

今福参考人 もし私の理解で間違いがなければ、今御指摘のは、カナダにおけるCOSAという取組、要するに、サークル・オブ・サステーナビリティーじゃなくて、済みません、ちょっと今あれですけれども。

 性犯罪者、それも凶悪な性犯罪者の部類の人たちで刑務所から帰ってきた人たちに対して、ボランティアが複数人、大体五人以上の複数人が関わって、それをまた専門家がそのグループを支える、そういう仕組みがあるという、それが非常に効果を上げているというふうに私も聞いております。

 その取組は大いに私は参考になると思います。現在の保護司制度においても、それの応用という形で発展させる可能性は大いにある。しかし、そこには、特に保護司さんの数も一人に対しての数が複数というのと同時に、やはりそれを取り巻く専門家のチームもきちっとそろえていく、そういうことも必要になってくるんだと思います。

本村委員 ありがとうございます。

 次に、斎藤参考人に伺いたいというふうに思います。

 犯罪をそもそもなくしていくという観点から、今日、参考資料もつけていただいたんですけれども、子供のときから支援というものが非常に必要だというふうに思っております。御自身の子供の頃、こういう支援があったらよかったなというふうに思うことと、周りの少年、子供たちもずっとおつき合いをされてこられたというふうに思いますけれども、そういう周りの少年、子供たちで、こういう支援があったらこの子は助かったのにということがあれば、是非教えていただければというふうに思っております。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 私は、環境というのは、これは家庭環境が多分世の中で一番子供たちというのは大事だと思うんですが、例えば、家庭環境のない孤児院さんとか児童福祉、児童支援に今いられる方とか、そういう方とかがあると思うんですけれども、この中でやはり支えられていることというのは、まず、信頼性のある人、信頼性をつくる人。頼れる人というのは、これはもう本人しか分からないと思うんですね。その本人は、じゃ、どのように頼るかというのは、やはり一緒に共感できる場の人でないと、なかなか選べないのではないでしょうか。

 やはり私も、非行に走ったときに、支えられる人は親ではなくて、それはなぜかといったら、親が義理の父だということが判明したときに、参考書類のところに書いてありますが、母がずっとそれを隠していた。でも、それは母の愛情心であって、一生、墓場まで持っていくような形であったんですけれども、それが結局、私的には分かってしまったので、そこから非行というところに走った。すなわち、やはり親との共感やそういう愛情がないということを感じ始めてしまった。

 逆に、ある意味それで非行に走ってしまったと思うので、やはりそこは、みんな、家族は家族、家族でなければ近い親近者の方たちの本当に共感できる方たちがいると、私は、非行に走らない、非行率が減少するのではないかなと思います。

階委員長 これで終わりでいいですね。

本村委員 はい。

 ありがとうございました。

吉川(里)委員 参政党の吉川里奈です。

 本日は、貴重な参考人の皆様からの御意見を賜れる機会、ありがとうございます。

 私からは、まず今福参考人にお伺いしたいと思います。

 今福先生の論文等を読ませていただいたんですけれども、戦後、保護司の制度がGHQから強い反対意見に遭い、一時はその歴史が途絶えそうになったこともあったということで、強くGHQが反対した理由としては、保護観察は民間ボランティアではなく、専門家を中心とした有給、常勤の職員によるべきという意見が強かったからということを書かれていたかと思います。

 現在、我が国においてもそのような御意見をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、それでもなお、先ほどは有償のボランティアというお話がありましたが、報酬ではない制度として保護司が必要である理由として、利他の精神であったり、西洋文化、我が国文化との違い等も交えて御説明いただければと思います。

今福参考人 ありがとうございます。

 当時、GHQは、アメリカの考え方で、当時は、ソーシャルワークは一般に専門家が科学的になすべきものであるという風潮がとても強かった時代ですので、日本の保護司制度、こういう保護観察をソーシャルワークというふうに見立てて、同じように専門家がすべきだという意見が強かったということでありますが、実は、その後、世界の思潮は変わってきていて、今、ボランティアが関わるということの意義が見直されている時期かと思います。

 やはり、ボランティアだからこそできること、専門家だからこそできること、それは違うんだよと。例えば、ボランティアが地域の隣人として関わるということがあるからこそ、この地域にあなたは帰ってきていいんだよというメッセージが本当に親身に伝わると思うんですよね。それを政府の方で、あなたはこの地域で受け入れてください、この地域ということを指示したとしても、それは、決めるのはやはり地域であって、そんな中で、地域の代表者としてのボランティアが受け入れると表明し、みんなをそういう気にしていただくというそのプロセスが、実は社会復帰というものを最終的に成就させる上でとても大事である、そのようなこともボランティアが見直されてきている一つなのかなと思っております。

 今、ちょっと御質問が、今お答えしたことは前半部分しかお答えしていなかったと思いますけれども、後半部分について私ちょっと今失念しまして、済みません。

階委員長 吉川君、必要があれば。

吉川(里)委員 ありがとうございます。

 後半部分に関しましては、利他の精神であったり、西洋の文化や我が国の文化としての違いというものを御意見いただければと思います。

今福参考人 ありがとうございます。

 利他の精神自体は、万国共通にあるものであろうと考えております。例えば、フランスであれば、友愛の精神というものがこの利他の精神にもつながっていくものであったり、イタリアであればイタリアで、タイであればタイでというふうに、それぞれ、最終的にはいろいろな、論理のプロセスは違うかもしれませんけれども、この利他の精神にたどり着くものはあるんだろうというふうに思っております。

 一方で、日本において利他の精神を体現化していく、体現しているという存在が保護司であり、保護司制度なのである。ですから、非常に大切な意味、要するに、社会自体が利他と利己、利己が悪いわけではありませんから、利他と利己がきちっと両方とも存在している社会をつくっていっているという、そのような意義があるんだろうと考えております。

吉川(里)委員 ありがとうございます。

 また引き続き今福参考人にお伺いしたいんですけれども、更生保護の現場では、やはり約半数程度が少年というところになるかと思うんですけれども、少年の立ち直りという場面で、家庭環境との関係や学校、地域社会とのつながりというものが重要であって、頼れる大人の存在というものは欠かせないかと思います。こちらは斎藤参考人からのお話にもあったかと思います。

 やはり、少年を担当する保護司というのは絶対に欠かせない、これからの人生の伴走者として必要な存在であるということだと思っていて、保護司が非常勤の国家公務員ということでありながら、有償のボランティアというところで、非常に名誉職としての側面というのはもう重々承知した上で、やはり欠かせない役割というところで考えますと、対価をお支払いしてでも守っていくという、持続可能性を考えなければいけないというところにももう来ているのではないかというふうに考えます。

 私は、やはり、無償でお務めになられているところというものを守ろうと思うのであれば、いただいた報酬を更生保護に寄附できるような形だったりとか、そういった形で持続可能性というのもつくっていくこともできるのではと思うんですけれども、その辺り、今福参考人の御意見をいただければと思います。

今福参考人 最終的に、我々の営みというのは、行動変容をいかに実現するかというところにあると思うんですが、その本人が行動を変えていこうという、その動機づけを与えるものはどういう人間関係なんだろうかと考えたときに、それは、自分のことだけを見てくれている、自分のことだけを考えてこういうことを言ってくれているんだという、そういう人間関係があるかどうかがやはり最後の鍵を握るのかなと。

 その人間関係を形成するのに、さて、報酬制という形に変えると、違う混ざり物が入ってきて、本人に対して響くものが、根本のところがなくなってしまうんじゃないか、私はそんなふうに考えますので、現時点においては、行動変容を最終目標とする限り、それに関わる信頼できる大人としての保護司の関わりは報酬制でない方がいいと思います。

 ただ、今後とも、時代の変容というものもあるでしょうから、日々検討していくべきかなと思っております。

階委員長 吉川君、そろそろ。

吉川(里)委員 我々も、地域とのつながり、人とのつながりというものを大事に訴えています政党ですので、この辺りも引き続き訴えていきたいと思っております。

 今日はありがとうございました。

島田(洋)委員 日本保守党の島田です。

 まず、今福参考人に伺いたいんですが、再犯防止について、一つ具体的な事例に即して伺いますけれども。

 今年の八月に神戸で、会社員の女性がストーカー男に刺殺されるという大変痛ましい、とんでもない事件があったんですが、この犯人は、三年前の令和四年に、やはり別の女性にストーカー行為をして、部屋に押し入って首を絞める、とんでもない凶悪犯罪を犯した。それは起訴されたわけですが、ところが、神戸地裁の判決では、この人物は思考のゆがみが顕著で再犯のおそれが強いという、判決文にあるのに、執行猶予で、かつ保護観察もつけなかった。その結果、再犯、殺人事件を招いたわけですが、この事案に関して、専門のお立場から思うところがあればお願いします。

今福参考人 もちろんその事案を詳細には存じ上げておりませんので、それに対する直接のコメントにならないかもしれません、一般的なものになるかもしれませんが、私は、できれば、そのような事案であって、最初のときに保護観察がついていた方がよかったのになという立場です。もちろん、保護観察がついておれば絶対に防げたかと言われると、それは誰も分からないですけれども、防ぐチャンス、可能性を高めていたのではないかなと。

 やはり、この保護観察というものが、一定の生活の枠組みを提供し、その枠組みから外れると、やはり何らかの制裁といいますか、サンクションがあるというものですから、本人が野方図に何か新しいことはなかなかしにくい環境をやはり出せますし、また、表面的にはそういうことかもしれませんけれども、探ってみると、もっと心理的な問題、精神的な問題、あるいは社会福祉的な問題、様々な問題を抱えていたかもしれません、裁判書には出ていなかったとしても。しかし、そういったところに対しても、その保護観察がついておれば、それに対するきめ細かな対応ができた可能性はあるだろう。

 そんなことなどを考えると、その時点においては保護観察があった方がよかったのになというのが、新聞を見ての感想というような感じです。

島田(洋)委員 ありがとうございます。

 では、斎藤参考人に伺いたいんですが、組に入られたときに、入ったけれども、弱きを助け強きをくじくという任侠道にもとる組織だったという認識から、抜けられたということなんですが、あくまで必要悪という枠内で、理想とされるそういう任侠道の活動というのはどういうものなのか、そして、そういうものが今の日本にまだ残っているのか、この辺を伺えればと思います。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 非常にお答えづらいと思います。これはコンプライアンス関係だと思いますので。

 しかしながら、昔からやはり、江戸時代のときから、極道とか、そういう弱きを助け強きをくじく、そのような生き方の精神の人たちがいっぱいいましたが、これをまた、そういう人たちが、こういう団体をいつしか外れて、また違う分野に、正業に営みをつけていったときに、もっと迫力がつく団体になっていくんじゃないでしょうか。それがコンプライアンス関係というものに、外れていって、それでまた、そういう弱きを助け強きをくじくという、そういうような立派なものが私には理想だなと思っています。

島田(洋)委員 ありがとうございました。

 終わります。

階委員長 それでは、二巡目に入ります。

井出委員 自民党の井出庸生と申します。

 本日は、お二方、ありがとうございます。

 斎藤さんにまずお伺いしたいんですが、暴力団をやめられて、社会復帰のときに、差別ですとか法的、慣習的ないろいろな制限があったというお話がありましたが、一つだけ、こういうことは改善できるんじゃないか、こういう制限をなくせばもっと社会復帰がスムーズになるんじゃないか、自分の場合はなったんじゃないかみたいな、もしそういうものがあれば、ちょっと例を教えていただきたいと思います。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 やはり、一番制限のかかったのは銀行の通帳でした。通帳がないと給料の振り込みということができなくて、もうそこが一番のネックでしたね。そこをどのように改善していくかで、やはり、これは官民や行政と連携して、しっかりとしたサポートをしていただく。

 ただ、全部サポートするのが全てではなくて、その犯罪経歴によってそこはしっかり定めていった方がいいのではないかなと思います。例えば、銀行の通帳、カードを売ってしまって捕まった、逮捕されたとか、こういうのはまた再犯率が大きくなってしまうだろう。そういう犯罪のケース・バイ・ケースでしっかりしてもらった方がいいのではないかなと思います、そこは。

 また、住居の方でもやはり制限もかかってしまうので、そこもなかなか、しっかりしたサポートがないと、また再犯率にひっかかってしまうのではないかなと、私はあの時代で思っています。

 以上です。

井出委員 ありがとうございます。

 いただいた御意見を私の方もしっかり勉強してみたいと思います。

 次に、今福さんに伺います。

 更生保護関係の予算が、犯罪の認知件数ですとか入所者の減少によって減少傾向であるのではないかと思いますが、そのことに対する見解を一つ。

 もう一つは、保護観察官の大幅増員というお話がございまして、昨日たまたま保護観察官の方とお話をしたら、瞬間的というか、二十人ぐらい御担当がいるケースもあれば、忙しいときはもっと、数十人というようなお話があって、保護観察の開始と最後のところはきちっとやらなきゃいけない。それから、今お話があったような途中の訪問ですとか、そういうことができるようになりつつあるとは伺ったんですけれども、少し、人数的に大丈夫なのかなというような思いを感じまして、その辺りの増員というのは具体的にはどういうふうに考えていったらいいのか、教えてください。

今福参考人 まずは二点、御質問いただきました。

 予算と事件の件数。事件の件数と予算というものが、ある意味、いろいろなところで連動するんだろうと思いますけれども、私がいつも思いますのは、例えば、次年度の予算を検討するときに、参考にするのは二年前ぐらいの件数を前提に、では、このぐらい必要だから、今度このぐらい要求する、こういうふうになるんだろうと思うんですよね。しかし、今、コロナがちょうどあった時期、そうしますと、保護観察の実施、あるいは更生保護施設での受入れ、そういったものをかなり抑制的にせざるを得なかった時期があります。そういった時期の件数を前提にこれから増えていくというところに反映させていくというのは、実は、そのタイムラグがとても大きな問題を生じさせていくんだろうということ、これがまず第一点です。

 それと、保護観察官の負担という件であります。

 確かに、今、皆様の御理解を得て、昔に比べればいろいろと増員を図っていただいているということはございます。ただ、日本に今、保護観察所の数は全国に五十か所ございまして、大体、そういった何らかの増員数というものが地方に回っていかないということがどうしても生じるんですよね。

 しかし、それが、そういった地方においても、やはり件数が高いところもあれば、あるいは複雑な事件を抱えている地方もありますし、量と質ということを考えると、十分な保護観察官をそこに配置するということが必要になってくると思うところ、なかなかそこまでのきめ細かさまでは対応できていないのではないかということで、冒頭の発言でも、古くて新しい課題として保護観察官の増員について触れさせていただきました。

井出委員 大変貴重な御意見をありがとうございます。

 では、お二人のそれぞれのまた御活躍を御祈念しております。ありがとうございました。

柴田委員 立憲民主党・無所属の柴田勝之です。

 本日は、参考人のお二方に本当に貴重なお話をお聞かせいただきまして、心より感謝申し上げます。

 私は、弁護士会で更生保護について扱う委員会に所属しておりましたので、お伺いしたいことはたくさんあるんですけれども、今日は一点だけ、お二方にお伺いしたいと思います。

 この国会で保護司法の改正案がもうすぐ成立する見込みになっております。この保護司という制度は、地域の皆様がボランティアで罪を犯した人の立ち直りを支えるという世界に誇るべき制度であると思っておりますけれども、今回の法改正を経てもまだ積み残された課題もあるのではないかというふうに思っております。

 今福参考人は保護司制度に長年にわたって関与してくださっておりますので、この度の法改正によってもなお残された、我々政治家が取り組むべき保護司制度の問題点、要改善点について教えていただきたいというふうに思っております。

 また、斎藤参考人には、斎藤参考人の御経験の中で、斎藤参考人から見て保護司さんというのはどういう存在であったか、また、保護司制度を更に有効に機能させるにはどうしたらよいというふうに思われるのか、是非、保護観察を受けられた立場から新鮮なというか忌憚のない御意見をお伺いしたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

今福参考人 ありがとうございます。

 今、成立間近とされる保護司法案につきまして、私は大分満足をしておりまして、特にこれはという残った課題というのは余りないなというふうに思っておりますが、課題とすれば、やはり、それをどう実効的なものにするかということだと思っています。

 特に注目しておりますのは、地方公共団体の協力の努力義務、あるいは雇用者、事業主の、保護司である従業員に対する配慮義務などの形が盛り込まれておりますけれども、本当にそれが絵に描いた餅にならぬように、ちゃんと現場にそれが下りていって、そこで実効あるものにする、これが大きな課題だと思っております。

 もし、もっともっと先のことを言えば、それは、確かに、実費弁償金のところに絡んで、それを報酬という形ではなくて、その実費弁償をかゆいところに手が届くような弁償になるためにはどうしたらいいかというときに、今の規定の仕方で十分だろうかということ。あれだと、本当にかかった、現物にかかったお金、実費に対して弁償するように読めてしまうところが実はありますから、それで本当にいいのかというところ。例えば、精神的な負担というようなものは、かなりのものを保護司さんは日頃感じておられます。しかし、それはお金に換算できません。そういったときに、弁償というところから外れてしまう可能性がやはり今にもあるかなというようなところは今後の検討課題かなと思っております。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 私は、保護司さんの保護観察というのは、少年のときに、全てで、短期を入れると四回受けました。正直、保護司さんという意味はほとんど分からず、まず、一般短期の保護司さんのときは、保護観察所に行って、呼ばれるような形で、面接で、どのようなことを今しているかという現状把握。そういうのはほとんど、そのときは遊び盛りでしたので、うそばかりついて逃げ回っていました。

 その次に、少年院に入ってからの保護観察のときも、行かないと仮退院というのが消されてしまう、消滅してしまうので、そのときは必ず行かなければいけないんですが、私はそれでさえも行かなくて、逆に保護司さんがわざわざ自宅まで来て調べていただいて、まともにならなきゃいけないということを言われながらでも、それを蹴ってまで、また再犯してしまいました。

 すなわち、保護司さんというのは一体何なのかと今私考えてみると、ただのたそがれるところにしかすぎないのか、それとも強制的に行かなければいけないのかとか、今考えて、僕は、成人になって仮出所ということもしました。その仮出所のときも、やはり保護司さんというのがつかなければいけない、月に二回ほど行かなければいけないんですが、果たしてそれが正論なのか、不正論なのかと、今私こう思いますと、保護司さんというのは、この世にあって、必要性があるのかないのかというのがすごく感じられる。今、たくさんの方たちが、保護司さんの話を聞いていますけれども、私は、そこよりももっと大事なものがあるのではないかなと、物すごく感銘を受けています。

 以上です。

柴田委員 ありがとうございます。

 今の斎藤参考人のお話、本当に重く受け止めたいと思います。

 今福参考人にお伺いしたいんですが……

階委員長 そろそろ時間ですので、短くお願いします。

柴田委員 じゃ、短く。

 保護司の人材確保、若手、女性ということがありましたけれども、その辺についてちょっと詳しく、もしあればお願いいたします。

今福参考人 人材確保にやはりターゲットを絞っていく必要があると思うときの真っ先に挙げられるのは、女性、そして若手です。

 今、地域において様々な活動を中心に担っておられるのは、むしろ女性の方が活発でいらっしゃって、実は、そういった中にはすぐにでも保護司さんになっていただきたい方がたくさんいらっしゃいます。そういった方に情報も提供しながら入っていただくのがよろしいのではないかなと思っています。

柴田委員 ありがとうございます。

 今日伺ったお話を足がかりに、保護司制度がもっとすばらしく、いいものになるように尽力してまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

池下委員 日本維新の会の池下卓です。

 本日は、参考人のお二人の皆様、お忙しい中でお越しいただきまして、ありがとうございました。

 私の方から二つ御質問させていただきたいと思うんですが、少年院であったり刑務所であったりという矯正施設、これを出所した後、やはり衣食住、特に、就職するという点が非常にお困りになられるのではないかなという具合に思っております。

 実は、私、大阪府議会議員、地方議員をしている頃から応援しているものがありまして、それが職親プロジェクトというものなんですが、これは、実は、大阪の大手のお好み焼き屋さんからスタートいたしまして、企業さんを交えて出所した方々を職場に迎え入れる、そして、お仕事場のみならず、社宅等も提供しながら更生を企業とともに一緒にやっていくというものでありまして、非常に私、感銘を受けまして、当時の松井知事にも、これは是非一緒に手伝ってくださいということで呼びかけた記憶がございます。

 その中で、企業の社長さんの会議に何回か行かせていただいたんですが、やはり、仕事は最初してくれるんですけれども、途中で社宅からいなくなるであったりとか、問題を起こすとか、そういうことを重ねながら御苦労されてやっている、それで輪が広がっていっているということで聞いております。

 ただ、必要なのが、やはり言われていたのが、法務省、矯正施設であったりとか、保護司さん、また自治体、基礎自治体であったりとか、やはり企業、こういう関連というものが、連携というものが非常に必要であるということで言われていたことを非常に記憶をしております。

 そこで、お二方にお伺いをしたいと思うんですが、更生しようとされている方からすると、受け入れる側の職業、職場ですよね、こういう形であればよいな、あるべきかな、あってほしいなという点がありましたら、御意見をいただければという具合に思います。

今福参考人 あるべき職場とは何かといいますと、やはり二つ。そこに受け入れる温かい人間関係があるということがまず第一点。そして、その本人の、やはり上から与えられた職種ではなくて、本人の能力、意思、希望とマッチングした場所であるということ。その二点だろうと思います。

 職親プロジェクトも、私もよく聞いておりまして、かなり実績を上げておられる。その二点を満たした営みがなされているなということで、大変ありがたいものだと思っております。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 私は、この職親プロジェクトというのは物すごく賛成でありまして、特に、刑務所というのは初犯、再犯と分かれて、特に少年も、初犯、再犯という刑務所があります。初犯のところの、今の刑務所だと、就職プロジェクトといって、社会に出て、一緒に共働きをさせていただいて、そこで経験を積んで社会に戻れる、そういう、刑務所という名前ではないんですけれども、そのような刑務所みたいなものもあります。

 ただ、再犯になってきますともうそういうものはないので、私が刑務所の中で一番欲しかったのは、刑務所の中でのハローワーク。それを一つつくれば、必ず、まずここで働くには何が必要なのか、何の資格が要るのか、そういうものを、どんどんコミュニティーをつくって、そこからどんどん面接をしていく、そこで採用になった時点で、どんどん手紙のやり取り、交渉、そういうものを行っていくと、再犯率はかなり減少されるのではないかと常日頃思っています。

池下委員 ありがとうございます。お二人、非常にありがとうございます。

 特に、刑務所内でのハローワークということで、現在でも法務省内でもある程度やっていただいているということは承知をしているものの、やはり受け入れる側の企業側が理解していただかないと、どうしても就職が長く続かないということが分かります。刑務所内でのハローワークということは理解していただいている会社があるということですので、中にいらっしゃる方も安心してそのハローワーク的なものに申込みできるということにもなるかもしれませんので、是非、これからまた国会の方でも、法務省の中でやれればいいかなという形に思います。

 あと一点だけなんですけれども、ちょっとまた角度を全然変えるんですけれども、ちょっと保護司さんの件でお伺いをしたいと思うんですが、この件につきましては今福参考人にお伺いをしたいと思うんです。

 矯正施設に入らず、直接、執行猶予になって保護司の方に面倒を見ていただくというケースがあるかと思います。やはり保護司さんの安全というのは非常に重要だとは認識をしているものの、矯正施設に入らず、更生プログラムを受けていない中で、執行猶予を受けられて保護司さんに面倒を見てもらうということですので、やはりちょっと危険性もあるんじゃないか、程度の強弱はあれ、危険性はあるのじゃないかなと思っております。

 当然、保護観察官さんの活用というのもあるんですが、やはり人数が限られているわけですから、そういう点につきまして、この安全性の確保について御意見がありましたらお聞かせ願えればと思います。

今福参考人 おっしゃるとおりで、執行猶予に保護観察がついた場合の対応ですけれども、その際に、じゃ、保護観察を始めようとしたときに、この人はどういう生育歴で、そして、さらに、どういう問題点があって、どういう強みがあってというようなことの深掘りがなかなか、深掘りした情報というものが保護観察所に伝えられないままスタートをする。

 従来ですと、その状態の中で保護司さんの指名をして、保護司さんの面接が始まっていくという流れが常態化しておりましたけれども、確かに、今委員御指摘のとおり、安全、安心というような観点を考え、また、その処遇の効果を上げるという観点を突き詰めると、そこにきちっとしたアセスメントを最初に入れていく必要があって、情報を精査した上で、仮に非常にリスクが高いぞというふうになれば、保護司さんにお願いしないで直接保護観察官が指導をするというルートも取るべきであろうということで、要は、最初の時点でのアセスメントにかなり保護観察官の能力を使うべきである、そのための体制も整えるべきであるというふうに考えます。

階委員長 池下君、そろそろです。

池下委員 ありがとうございます。

 非常に参考になりましたので、また今後とも御指導いただければと思います。

 以上です。ありがとうございました。

階委員長 ここで二巡目が終わりました。

 あと四人の方から札が立っております。全員の方から一通り御質問いただければと思いますが、時間の関係上、七分以内の制限時間ですが、なるべく短くお願いできればと思います。

高見委員 今福参考人、斎藤参考人、本日はありがとうございました。

 自由民主党の高見康裕と申します。

 先に斎藤参考人に伺います。

 今、井出議員からも質問にありましたが、出所後の壁として、銀行口座が非常に厳しかったというお話がありました。この制限を、そもそも斎藤参考人御自身の場合はどこでお知りになって、その理由も言われたのか、あるいは、どうやってそれを最終的にクリアされたのか、クリアできずに、やはり五年間きっちり待たないといけなかったのか、この辺りを教えていただけたらと思います。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 私のときはたまたまその縛りというのがなくて、帰ってきたら、私はそもそも銀行の通帳は作れていました。カードは使えていました。それは本当に不思議だったというのか、まだそこまで情勢が厳しくなかったというふうに認識しております。

高見委員 ありがとうございます。

 今の問題について、今福参考人に、この解決策のヒントといいますか、御示唆をいただけたらというふうに思っております。

 今、斎藤参考人御自身のケースはそういうことでしたが、その後、一般的には非常に厳しい取扱いがなされているというふうに聞いております。それで、暴力団の資金源を断つというのはもちろん極めて重要なことでありますけれども、硬直的に、全部を一律に取り扱うということをすると、ケースによっては社会から、どんなに更生していても、一定期間、全員が受け入れられないとなると、また元の居場所に戻ってしまう、そういうことも起こり得る事案だというふうに思っています。

 斎藤参考人からは、犯罪のケースも考慮して、ケース・バイ・ケースで判断するべきだというお話があって、それも重要な考え方だと思いますし、保護観察所なのか、あるいは、もう立ち直って協力雇用主さんが雇っている場合であったら協力雇用主さんなのか、何か個別にアセスメントといいますか、お墨つきを与えて、その情報を共有するような、何かそういう仕組みができないかというふうに考えるんですけれども、今福参考人から何か御示唆がございましたらお願いいたします。

今福参考人 今のような御意見に基づいて、最近、法務省においても実施され始めたものとして、もう委員御案内かもしれませんが、申し上げますれば、協力雇用主の下で働いていて、そして、更生の証明というようなものをその協力雇用主の方にしていただきながら、そして保護観察所がそこにもう一度絡んで、様々な情報を集めながら、本当にそうだよねというふうなところを認めれば、そういったメンバーでもって銀行の方に働きかけて通帳を、口座を開設に至る、そのような流れ、私は今うまく説明できませんでしたけれども、そのような流れが今できつつある、あるいはやり始めたというふうに伺っております。

 本当にそれが実効性があるかどうか、もう少し回してみて、また不具合があれば直していただけたらな、そんなふうに思います。

高見委員 ありがとうございました。

 その件はしっかり私もフォローして、実効性あるように努力していきたいと思います。

 本日は、本当にありがとうございました。

黒岩委員 立憲民主党の黒岩宇洋です。

 両参考人、貴重な陳述、ありがとうございました。

 早速、今福参考人にお聞きしますが、今福参考人は、保護局長時代に私も保護行政についていろいろと意見交換したり御助言いただいて、こうして参考人としておいでいただくことには感慨を覚えています。

 大津での保護司の殺人事件というのは、私はやはりショックでしたね。そのことも契機になって、今回、保護司法改正ということで、なかなか中身はしっかりしたものだ、そういった御評価もいただいたんですけれども、私は、保護観察処分の入口、逆に言うと矯正の出口の、要するに仮放免するときの手続で、諸々の手続で、その時点でもう少しこういったことが防げる手だてがないのかと。

 仮面接の機会が与えられ、仮面接を行い、その後、本面接と、幾つかの機会を経るわけですけれども、そこで、私は、いたずらに仮放免のハードルを上げるだけ上げて仮出所させないということを求めているわけじゃないんですが、やはり社会への適応性とか、特に粗暴性といったものを把握する、そんな新たな手だてをその殺人事件以来試みているのか。そうでない場合は、今後何か求めるものが、今福参考人のような様々な知見のある方からすると、こういったことが手だてとして取ればいいのではないか、こういったことについての御意見をお聞かせください。

今福参考人 二つに分けてお答えしたいと思います。

 まず、大津に関して言えば、まだ裁判は進行中ですけれども、今犯人とされる人は保護観察つきの執行猶予の人であったということで、仮釈放ではないと思うんですね。

 その事例、その場合についての今の御指摘についてですけれども、今、その事案も受けまして、やはり、きちっとアセスメントが大切である、粗暴性がどこにあるのか、あるいは瞬間湯沸器なのかどうかとか、そういったところについて保護観察官が関わる。それでもなかなか見極め切れないものについては、少年鑑別所、少年のための鑑別というようなものだったのを、もう少し広げていただいて、こういった大人に関しても鑑別の機会をお願いすれば受けていただけるように今なっていますので、それをうまく活用して掘り下げをしていくというようなことを今されている最中です。

 また、仮釈放に関してであれば、もちろん、いろいろな観点で面接を、委員による面接以外にも、いろいろな情報を取り寄せますけれども、それでも不十分だという場合は、精神科医に特別に頼んで、なかなかお忙しいから来てくれないことが多いみたいですけれども、一緒に行っていただくなどの枠組み自体は今整備されているということですから、そういったことを活用していくことが必要なんじゃないでしょうか。

黒岩委員 分かりました。保護司の先生が殺害されるようでは、これはもう本当に保護司制度の根幹に関わることですので、今おっしゃったようなこともいろいろな手だてがあると。

 私の住む町は、今福参考人も心当たりがあるかもしれないんですけれども、協力雇用主で大変出所者の就職を世話している建設会社がありまして、二十年ぐらい前ですかね、金八先生の特番のモデルになった会社で、腐ったミカンの加藤優役、加藤優が役名ですけれども、就職して更生する、そんな会社だったんですけれども。

 ただ、最近、現場のことを聞きたくて宇都宮の保護観察所の所長と話していると、そういう時代の、中学ぐらいから不良をして、暴走族へ入って、ともすると、斎藤参考人のように暴力団に入って、いろいろな傷害だとか窃盗とか起こしていくというのがある意味で多数派のパターンだった。そういう場合だと、その後、保護司さんとか、あとは協力雇用主さんの意気に感じて、集団的な仕事もできるし、更生していくというけれども、今はやはりかなり態様が変わった。

 何が変わったかというと、罪種は特殊詐欺が入ったぐらいでそんなに変わらないんだけれども、やはり受刑者の個人の態様が、特に体力とか精神的に問題があって、今言った協力雇用主の建設会社、これは需要はあるんだけれども、とてもそこまでたどり着けない。

 非常にそういった意味で、今までのある意味ステレオタイプ的な更生保護とは変わってきているという中で、じゃ、今言った協力雇用主の業種のマッチングも含めて、保護観察処分者の態様が今変わってきていることへの対策、これは何が求められるか、ないしは、そこは今どんどんどんどん新しくなっているのか、その点についてお聞かせいただけますか。

今福参考人 委員御指摘の状況といいますか、やはり、マッチョ系の協力雇用主さんで、そこにお願いをしたら何とかなるというような時代は随分ありました。それに依拠していたところですけれども、今やはりそうじゃない。今、刑務所の中で一番増えているのは何か。精神疾患を持った受刑者であるということもありますから、そういった方々もきちっと引き受けられるような土壌をつくっていかなきゃならないというのは大きな課題だと思います。

 そんな中では、取組としては、一般的な建設業ではなく、例えば農福の連携というような取組が政府でもなされていますけれども、そうした農業分野に働いていただくなどの取組、あるいは、それ以外でも様々働く場所の多様化というものをもっと図っていく必要があると思います。

 逆に言えば、何かオーダーメイドで何とか就労支援を、職場探しを一緒にしながら、そして、その相手がここと言ったときに、逆にその人に協力雇用主になってもらうぐらいの、そのような逆転の発想も必要になってくるかもしれません。

階委員長 黒岩君、時間です。

黒岩委員 最後に、じゃ、斎藤参考人、さっき柴田さんからの質問にもあったんですけれども……

階委員長 黒岩君、ちょっと。先ほど申し上げたように、時間が過ぎていますから。

黒岩委員 分かりました。

 じゃ、済みません、斎藤参考人、質問できなかったんですけれども。

 ありがとうございました。

高村委員 今日はありがとうございます。

 つい先日まで法務副大臣を務めておりまして、刑務所の現場とか、いろいろなところを視察をさせていただいたりしました。

 今年の十月に、職親プロジェクトの東京支部が発足いたしました。たまたま代表が私の友人だったりということもあって、非常に興味を持ってこの取組を見ております。九月二十四日時点で、千二百七十社、そして、実際千二百五十一人の方を雇用されているというふうにも聞いております。

 こういったことのほかに、新宿駆け込み餃子という、やはり刑務所を出た方を雇われているような企業があります。

 先ほど池下さんの質問の際にお答えにもあったんですが、斎藤参考人が、ハローワークのようなものが刑務所にあったら自分はもっとよかったんじゃないかと思うというお話がありました。

 拘禁刑が導入されて、社会復帰にそれぞれ個々に合わせてしやすいような仕組みをやっていこうと、今刑務所でも必死に取り組んでいる最中であります。このハローワーク的なものというのは、出所の近くでもいいのか、それとも、もう入所した段階で、出所を見越しながら、どういうことを自分がやれるのか、やりたいのか、そういうことも含めてあった方がいいとお考えなのか。どれぐらいの時点で刑務所内のハローワーク的なことに接せれば自分はもっとよかったなと思うのか、教えていただければと思います。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 私は、今の問いに自問自答してみると、まず、働く前に一番最初に大事なのは、やはり、被害者がある方であれば、被害者の方にどのように返していかなきゃいけないかということが刑の勤めだと私は論じたいです。

 その次に、出る前に、働かなければいけないという、衣食住、先ほど言った衣食住の職親プロジェクトではないですけれども、やはりそこは、働きながら更生に導いていくということは、まず、刑務所でいきなり、入ったから、じゃ、ハローワークみたいなものをつくっていこうということは、私は、提案はちょっと苦手です。まずは、なぜ犯罪をしたのか、犯罪をしてしまった意図が何だったのか、それで被害者の感情はどうなのか、それを全て把握した上で、そこの段階をクリアしてからハローワークみたいなものを推進していく。そこを、ある意味、刑務所には等級というものがあります、その等級の中にもそういうものも考えていくべきではないかなと、私は今だったらそう思えます。

 以上です。

高村委員 ありがとうございます。

 あと、また斎藤参考人の中で、九〇年代以降の警察の圧力の強化によって半グレ等の新たな問題が出てきたというお話がありました。

 よくアリンコの理論といいますよね、二割、六割、二割。どんな悪い二割を取っても次の二割が出てくる、どんないい二割を取っても働く二割が出てくるというような話がある中において、やはり犯罪が見えにくくなった、あるいは犯罪に関わる方が見えにくくなったことについて、我々も非常に対処に困っている部分があるんだと思います。これは警察なんかもそうだと思います。

 このことに関して、警察の取締りが本当に強化していくのが今後も正しいと思われるのか、それとも、ちょっとやり方を変えた方がいいんじゃないかというようなお考えをお持ちなのか。これは両参考人に伺えればと思います。

今福参考人 半グレへの対応ということでの御質問かと思います。

 確かに、詳しくはないんですけれども、いわゆる組織的な暴力団と半グレの違い、要するに組織があるかないかの違い、流動的なものかというところの違い、それが私どもの対応を変えていくべきものになるかなと思います。

 要するに、これは保護観察という目線で見たときに、仮に相手が暴力団であると、非常にその枠組みの中ではフィットするといいますか、表面的にそれに対して合わせてくる、ぼろを出さないように対応してくるというのが私どもの経験としてあります。ですから、その期間がそのまますっと終わってしまうようなことが逆にあったりするんですね。その終わった後、また何かするかもしれません。

 半グレに関しては、その枠組みにそもそも従うというところがとても弱いのかなと、出発点として。ですので、そこに従ってもらうための枠組みは、今の枠組みの在り方で本当にいいのかという検討が必要と。

 済みません、ちょっと中途半端な答えになりますけれども、このような感じです。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 私は、やはり、どこまでが半グレなのか、どこまでが暴力団なのか、どこまでがトクリュウなのかとか、そういうのというのは、たくさん皆さんが今一番議論したいところだと思うんです。

 私も、ここは警察でもやはり一番難しいところであって、暴力団であればG登録というものがひっついているので、それがすぐ認識できるんですが、半グレともなると、今度は、例えば、半グレでも準指定暴力団みたいなものがあります。でも、そういうものでない人の半グレというのは、じゃ、どこまでが半グレなのか、どこまでがトクリュウなのかというのは、これは、私がもし警察の立場であれば、半グレのそういう逮捕者から全部情報を聞き出す、そこの交友関係を全て聞き出す、そこからどういう行動をしているかということを把握していくことが一番早いのではないかなと私は思います。

 以上です。

高村委員 ありがとうございます。

 最後、もう一問だけ。

階委員長 短くお願いします。

高村委員 はい。

 勉強、勉学の大切さということを感じられたというお話がありました。なかなか勉強をやろうと思い立たないで、そのまま終わっている方が結構多いと思うんですけれども、そういう方を救っていくために、何か、どういう施策を国なり自治体なりがやったら皆さん方からするとありがたい、ありがたいというか勉学しようと思いやすいのか、あったら教えてください。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 やはり、勉強の大切さというのは私にとって一番苦労したところだと思うんですが、その苦労を乗り越えたときに真の何かがある、そういうことを、やはり一番の大切さを教えてあげたいんですけれども、それは、皆さん、果たして全員できるかといったらできないので、やはり肌で感じてみてほしい。肌でつらいことを乗り越えてほしい。肌で本当の自分が成長した過程を、求められる場所を見つけてもらった方が、私は一番人生の近道かなとは思っています。

 以上です。

高村委員 ありがとうございます。

松下委員 立憲民主党の松下玲子です。よろしくお願いいたします。

 お二人の参考人におかれましては、本当に貴重なお話を聞かせていただきましたことを心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 私からは、斎藤参考人にのみお話を伺いたいと思います。

 今日のお話の最後の部分で、九〇年代以降の警察の圧力の強化、それが半グレの新たな問題を生んで、そして、ここが直接的な政策の限界であり、これ以上続ければ、反社会的勢力はより曖昧化、複雑化し、離脱者の更生も難しくなっています、手遅れになる前にというのが今回の参考人として出席をいただいた動機だったのかなと思うんです。

 ここの部分の、実際に、暴対法ですね、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律ができて、その後、全都道府県で暴力団排除条例ができて、こうした、非常に圧力というのは、法や条例による規制によって、実際のところ、暴力団員の数とか暴力団自体は数は減っているけれども、新たな犯罪が市民生活を脅かしていると私も認識しているんですね。

 その理由をどう斎藤参考人はお考えになられているか。法律や条例が厳しいからそうなったのか、それとも、その厳しさに合わせてほかの更なるプラスアルファの政策が必要だとお考えなのか、教えていただけますか。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 今の質問に問いかけると、私は、もちろん、警察の強化の締めというのがかなり強いと思います。それはなぜかといえば、どんどんどんどん強化していくことによって、地下に潜っていく、すなわち犯罪を隠す。暴力団というふうになっていけば、先ほど言ったように、暴力団排除条例というものにひっかかってしまうので。

 じゃ、例えばですけれども、暴力団の人が暴力団をわざと破門したり脱退したりして、それで五年以上経過して、そこから暴力団ではなくなる。しかし、それは実際、仮面なんです。そこを離脱していない。そういう形を取っておいて、今度、半グレになってしまう。半グレになっていくと、暴力団には登録されていないので、そうすると自由に動ける。そこから今度、どんどんそういう組織をつくっていく。これが一番、私は曖昧化になってしまうのではないのかと。

 そこで、先ほど言ったトクリュウとか半グレとかを使って海外へ、今、たくさん海外で問題が起きている、日本のトクリュウ問題というのがありますが、こういう事案が増えていくのではないかなと思って、より一層ここを強化していただきたいなと。私は、今の質問で、これが手遅れになるのではないかなということを思っています。

 以上です。

松下委員 法律制定の目的は、市民生活の安全や平穏の確保を図ることを目的に法律ができているはずなんですね。それが逆に、今のままだと悪用というか、逆効果になっているというのであれば、法律も見直していく必要があると思うんです。

 今おっしゃった、半グレ等が暴対法の対象にはなっていないということが議論になってくるのかなというふうに私自身も思いますし、加えて、過剰な排除、五年という中で、銀行口座が作れないとか、あと、家賃、住むところが確保できないとか、そうしたところが本当に、むしろ、戻りたいのに半グレになっちゃうとか、本当は更生したいのに、暴力団排除条例があるから逆効果を生んでいるというふうにもちょっと私も考えるんですが、その辺りいかがか、最後に教えてください。

斎藤参考人 ありがとうございます。

 その点については、やはり、締めつけるということは仕方ないと思います。締めつけることを今度緩くしてしまえば、もっと犯罪は増えていくと思いますので、これはこのままでいいかと思います。

 今度、新たにまた新しい設定、しかしながら、五年で銀行口座が作れる、作れないというのは、先ほども私も論じましたが、これはやはりいろいろな犯罪の罪名によってやっていかないと、例えば、覚醒剤とかそういう麻薬の関係でも五年間作れなかった人もやはりいましたし、そういうもの全てを何でも縛ってしまえば、これはまた逃げどころがいっぱい出てきてしまうので、そこはちゃんとした、行政と、官民と連携して、しっかり精査していただければなと思っています。

 また、法律の方も、半グレなどだからという法律の厳しいあれではなくて、そこは私もちょっと、なかなか難しいんですけれども、やはり、ちゃんと、じゃ、暴力団、準指定暴力団、そういうふうにやってどんどんどんどん作っていくと、また縛りが、どんどん縛っていってしまって何が何だか分からなくなってしまうので、その辺はしっかりと、またそこも精査していただければなと思っています。

松下委員 どうもありがとうございました。

階委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。

 参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。

 特に、斎藤参考人におかれましては、大変な境遇の中、今司法試験の合格を目指して頑張っていらっしゃるということで、私も感銘を受けました。

 私も弁護士でありますが、司法試験を受けている当時は大変私も苦労しました。ただ、その中で、当時、大平光代さんという暴力団の組長の奥様の書いた本を読ませていただいて、こういう方でも司法試験を合格できるんだということで、私もそれに励まされて勉強したという記憶があります。斎藤さんもそういう存在になれると思っておりますので、是非合格を目指して頑張ってください。

 以上、委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時一分散会


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