第9号 令和8年4月22日(水曜日)
令和八年四月二十二日(水曜日)午後一時開議
出席委員
委員長 國場幸之助君
理事 石橋林太郎君 理事 小田原 潔君
理事 高木 啓君 理事 穂坂 泰君
理事 星野 剛士君 理事 近藤 和也君
理事 青柳 仁士君 理事 深作ヘスス君
石坂 太君 伊藤 聡君
今岡 植君 岩屋 毅君
上原 正裕君 英利アルフィヤ君
小渕 優子君 鹿嶋 祐介君
川松真一朗君 黒崎 祐一君
島田 智明君 白坂 亜紀君
新藤 義孝君 辻 由布子君
中曽根康隆君 西銘恒三郎君
東田 淳平君 藤沢 忠盛君
前川 恵君 松島みどり君
山田 基靖君 金城 泰邦君
原田 直樹君 横田 光弘君
佐々木真琴君 木下 敏之君
宇佐美 登君
…………………………………
外務大臣 茂木 敏充君
外務副大臣 国光あやの君
外務副大臣 堀井 巌君
外務大臣政務官 英利アルフィヤ君
外務大臣政務官 島田 智明君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 三宅 史人君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 渡邊 滋君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 三宅 浩史君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 西崎 寿美君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 濱本 幸也君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 田口精一郎君
政府参考人
(外務省欧州局長) 北川 克郎君
政府参考人
(外務省中東アフリカ局アフリカ部長) 高橋美佐子君
政府参考人
(外務省経済局長) 股野 元貞君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 辻阪 高子君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 畑田 浩之君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 松尾 智樹君
外務委員会専門員 山本 浩慎君
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委員の異動
四月二十二日
辞任 補欠選任
伊藤 聡君 藤沢 忠盛君
今岡 植君 鹿嶋 祐介君
大西 洋平君 森下 千里君
川松真一朗君 石坂 太君
中曽根康隆君 黒崎 祐一君
木下 敏之君 石川 勝君
同日
辞任 補欠選任
石坂 太君 上原 正裕君
鹿嶋 祐介君 白坂 亜紀君
黒崎 祐一君 中曽根康隆君
藤沢 忠盛君 伊藤 聡君
森下 千里君 辻 由布子君
石川 勝君 木下 敏之君
同日
辞任 補欠選任
上原 正裕君 川松真一朗君
白坂 亜紀君 今岡 植君
辻 由布子君 大西 洋平君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
投資の促進及び保護に関する日本国とセルビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)
投資の促進及び保護に関する日本国とパラグアイ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第五号)
投資の促進及び保護に関する日本国とザンビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第六号)
投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とタジキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第七号)
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○國場委員長 これより会議を開きます。
投資の促進及び保護に関する日本国とセルビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、投資の促進及び保護に関する日本国とパラグアイ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、投資の促進及び保護に関する日本国とザンビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とタジキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各件審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、外務省大臣官房審議官三宅史人君外十一名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○國場委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。金城泰邦君。
○金城委員 こんにちは。中道改革連合、金城泰邦でございます。
本日も質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。
それでは、通告に従って質疑させていただきますが、最初にイラン情勢、ちょっと、動きの変化について先に伺いたいと思っております。
日本時間の早朝に、アメリカとイランの停戦延長の発表が行われました。日本時間二十三日午前までの二週間の停戦期限を前にして両国の駆け引きが激しさを増して、停戦に向けて否定的な報道が多かった中で、つかの間の安堵かもしれませんが、停戦が延長になったことはよかったと思っております。しかしながら、米軍によるホルムズ海峡の逆封鎖は継続であって、まだまだ予断を許さない状況でございます。
そこで、茂木外務大臣には、改めて米国とイラン両国の政府に和平が進むよう強く働きかけを行っていくべきであると考えますが、外務大臣の見解、対応状況を伺いたいと思います。
○茂木国務大臣 委員御指摘のとおりといいますか、米国時間でいいますと二十一日になるわけでありますが、トランプ大統領は、議論が何らかの形で決着するまで停戦期間を延長する旨発表いたしました。イラン側の発表はこれに関してないようでありますが。一方で、次回の米国とイランとの協議については、いつどのような形で行われるのか、現時点では不透明な状況であります。
最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含めて事態の鎮静化が一刻も早く実際に図られることでありまして、米・イラン間の協議が再開をされ、話合いを通じて最終的な合意に早期に至ることを強く期待をいたしております。
日本からの働きかけでありますが、まず、イランに対しては、長年の関係を生かしまして、私自身、アラグチ外相と、事態発生の二月二十八日以降、四回の電話会談を行いました。また、四月の八日には、高市総理がペゼシュキアン大統領との間でも電話会談を行ったところであります。こうした機会に、ホルムズ海峡における航行の安全を含めまして、話合いによる事態の早期鎮静化に向けた働きかけを行ってきているところであります。
また、米国に対しましても、先月の日米首脳会談、私も同席いたしましたが、また、私とルビオ国務長官との会談等におきまして、事態の早期鎮静化の重要性について日本の考えを累次にわたって伝えてきているところであります。
日本としては、引き続き、米国とイランとの協議であったり、パキスタンも、私、直接外相と話しましたが、相当今回、仲介について、もちろんトルコであったりとかサウジアラビア、エジプトも含めてでありますが、努力をしていただいているところでありまして、こういった仲介国の外交努力を後押しするとともに、国際社会と緊密に連携しながら、引き続き、できる限りの外交的取組を進めていきたい、こう考えています。
○金城委員 答弁ありがとうございます。
今月二十日、茂木外務大臣は、イギリスのイベット・クーパー外相と東京都内で戦略対話を開いて、イラン情勢の安定化やホルムズ海峡の航行の安全確保に向けた連携を協議し、中国が覇権主義的動きを強めるインド太平洋情勢や二国間協力の拡大でも意見交換をされました。
日英外相の戦略対話は二〇二一年の五月以来になるかと思いますが、両外相は、第三国で紛争など緊急事態が起きた際、滞在する自国民の退避で互いに協力する覚書に署名をし、クーパー外相は、世界の不確実性が増しているからこそ、パートナー同士の協力が重要になるとも語りました。イギリスはフランスとともにホルムズ海峡の航行の自由確保に向けた有志国会合を開催しており、会談では日本の協力も議題となったのではないかと思います。
茂木大臣は、国際秩序が揺らぐ中で、基本的価値を共有するイギリスとの連携の重要性を話されていましたが、具体的な協議の内容、今後の方向性について、大臣にお伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 英国と日本は、強化されたグローバルな戦略的パートナーであります。
二〇二一年、前回の対話、そのときも私は外務大臣でしたけれども、一昨日、五年ぶりに日英外相戦略対話を開催をいたしまして、クーパー外相との間で、安全保障であったりとか、経済安全保障を含みます英国との更なる協力関係強化に向けて、中身の濃い議論を行わせていただきました。
もちろん、地域情勢につきましても、イラン情勢、さらにはウクライナ情勢、そしてインド太平洋をめぐる情勢等について、議論をかなりの時間をかけてやらせていただいたところであります。
そこの中で、イラン情勢につきましては、早期の事態鎮静化に向けて引き続き外交努力を続けていくことや、ホルムズ海峡における航行の安全を確保していくことの重要性について、クーパー外相、イベットとの間で認識を共有したところであります。また、事態の早期鎮静化に向けて、引き続き英国との間で意思疎通をしていくことで一致をいたしました。
また、御指摘がありましたように、こういった事態において、自国民の保護、また安全な地域への退避、こういったことは極めて重要でありまして、日英間で、自国民の保護、また退出といいますか出国支援等について、お互いに協力して支援をする、こういった覚書にも署名をさせていただいたところであります。
冒頭申し上げた、強化されたグローバルな戦略的なパートナーであります英国との間で、イラン情勢も含めて、引き続き、緊密に協力し、また意思疎通を図っていきたい、こんなふうに考えています。
○金城委員 さきのイギリスのクーパー外相との会談に先立って、今月十七日に、事実上の封鎖が続いてきたホルムズ海峡での航行の自由を確保するために、パリで、フランス、イギリスが主導する国際会議が開かれました。イランを攻撃した米国、イスラエルとは一線を引いて、市民生活に影響が出ているエネルギー価格の高騰などに、協力して対応する狙いがあったかと思われます。
フランスの大統領府によると、会議は、共同議長を務めるマクロン大統領とイギリスのスターマー首相のほか、ドイツやイタリアの首脳らが対面で出席し、アジアや南米、アフリカの首脳や閣僚もオンラインで加わり、合計約五十か国・機関が参加したと報道されております。
この会合において、日本からは、高市総理のメッセージを送ったものの、外務大臣等、主要閣僚は出席されなかったようであります。
イギリスとは円滑化協定、RAAも結んでおり、この十七日開催の国際会議には、外務大臣が、茂木大臣が出席された方がよかったのではないかと考えますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○茂木国務大臣 そこまで私の能力について評価いただくということは大変ありがたいんですが、国際会合におけます日本としての対応ぶり、これはケース・バイ・ケースで判断してきておりまして、今回の会合についても、諸般の事情を総合的に勘案して、市川国家安全保障局長が出席をして、あわせて、高市総理から書面のメッセージを発出したところであります。
ホルムズ海峡をめぐる情勢は、国際社会全体にとって重要な課題であります。我が国としても、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が早期に確保されることが重要だと考えておりまして、今後とも、関係国との首脳レベル、外相レベルを含めた電話会談であったりとか、関連の共同声明への参加を含めて、国際社会と緊密に連携しながら、積極的かつ主体的な外交努力を行っていきたいと思っております。
こういった国際会合、金城委員も御案内のとおり、いろいろな形で開かれております。クローズアップされる部分もありますけれども、日本としてどの会合にどういった形で出席していくか、全ての会合に出席するということは必ずしもどの国でもないわけでありますので、適時適切に判断をしていきたいと思いますが、ホルムズ海峡の航行の安全等についての認識は主要国との間でも一致をしている、このように考えております。
○金城委員 しっかりと大臣に先頭に立って取り組んでいただいて、まだ日本国籍の船も多数残っている状況ですから、一日も早い解決に向けて前面に立っていただきたいと思います。
ちょっと質問が変わりますが、北朝鮮の弾道ミサイル発射について少し伺いたいと思います。
政府は、今月十九日午前六時過ぎに北朝鮮から複数の弾道ミサイルが発射されたと発表しました。ミサイルは朝鮮半島東岸付近に落下したと見られ、日本の領域や排他的経済水域への飛来は確認されていないということです。政府は、情報収集、分析に全力を挙げることや、航空機、船舶の安全確認の徹底、不測の事態に備えて万全の態勢を取ることについて指示があったことも明らかにしました。
中東情勢が緊迫している中にあって、今般の北朝鮮のミサイル発射状況の関連情報の収集と分析や、日韓で連携をして警戒監視対応を取ることが非常に重要になってくると思いますが、政府はどのように受け止め、対応しているのか、伺いたいと思います。
○松尾政府参考人 お答えいたします。
北朝鮮は、極めて速いスピードで継続的にミサイルの開発を推進しており、関連技術、運用能力の向上を図っているところでございまして、御指摘のとおり、先般十九日にも弾道ミサイルの発射が行われたところでございます。
このような北朝鮮による核・ミサイル開発は、我が国、国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないというのは従来から申し述べているところでございます。
また、北朝鮮による弾道ミサイルの発射が、関連する国連安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題であるというふうに認識をしております。
こうした中で、国民の生命を守り抜くため、防衛省・自衛隊として情報収集、警戒監視に万全を期していくということは当然でございまして、これまでの一連の発射に際しましても、各種情報を踏まえた総合的な分析、評価を行いまして、これに基づき適時適切な体制を構築をしてきているところでございます。
また、北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射を含めまして、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面をしている、そうした中、日韓、日米韓の連携がこれまでになく重要になってきているというふうに認識しております。
こうした認識の下、韓国との間では、今月も防衛大臣間でテレビ会議を行いましたほか、海上幕僚長が韓国を訪問するというようなことも含めまして、様々なレベルで緊密に意思疎通を行い、連携の強化に取り組んでいるところでございます。
また、日米韓の三か国でも、北朝鮮のミサイル警戒データのリアルタイム共有ということを行うことで、具体的な防衛協力を進めてきているところでございます。
防衛省といたしましては、国民の生命を守り抜くために、引き続き、アメリカ、韓国とも緊密に連携をし、関係省庁とも意思疎通を図りながら、情報の収集、分析、また警戒監視に万全を期してまいりたいと思ってございます。
○金城委員 ありがとうございます。
北朝鮮の弾道ミサイルの発射は、日本国民の不安をあおる行動であり、断固抗議を申し上げたいと思います。とともに、今後の日米韓の連携をしっかりと強めていっていただいて、国民が不安から安心へと行くような取組を、政府がしっかりと取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
続いて、投資協定締結の意義について伺いたいと思います。
我が国は、一九七八年に発効したエジプトとの投資協定を始めとして、投資関連協定の締結を進めてまいりました。我が国がこれまでに署名した投資関連協定は、今回の四協定を含め六十一本であり、八十五の国、地域をカバーしております。
従来、投資関連協定の締結は、主として日本企業の海外進出の環境を整備することが目的でありましたが、近年では、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの実現の観点からも、その意義が語られるようになっております。
そこで、まず、我が国が投資関連協定を締結する意義、及び、FOIPを実現する上で投資関連協定が担う役割について、政府から説明を求めたいと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
投資協定は、締約国の企業等が安定的に、予見可能性を持って相手国において投資活動を行うための法的枠組みを定めるものでございます。投資協定を通じて、ビジネス上のリスクがある国、地域を含めた日本企業の海外展開を下支えする効果が期待されるところでございます。加えて、相手国の企業による日本への投資を促進する効果、これも期待されるところでございます。
また、国際経済秩序が不確実性を増す一方で、貿易におけるWTO協定のような、投資に関する多国間の包括的なルールがまだ未整備な中、二国間、さらには複数国間での投資協定を推進していくことは、FOIPを通じて我が国が実現を目指す法の支配に基づく国際秩序の構築、それから経済的繁栄につながるとの意義があると考えてございます。
我々が認識しております数字に基づきますと、我が国は、これまでにアジア、欧州、中東などの国、地域を中心に五十四本の投資協定を発効させておりまして、署名済み又は交渉中の協定を含めれば九十七の国、地域をカバーしているところでございます。
今後は、これを中南米、アフリカ諸国を含む国、地域に広げ、国際社会におけるルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持強化につなげていきたいと考えております。
○金城委員 答弁ありがとうございました。これからもしっかり進めていただきたいと思っております。
続いて、セルビア関連でございますが、まず、質とスピードの両立に関する政府の評価について伺いたいと思います。
政府は、投資関連協定の締結に当たり、投資参入後の投資財産の保護のみならず、投資参入段階での自由化についても規定する自由化型協定の方が、日本企業の海外進出を後押しする観点から望ましいとしております。
今国会に提出された四協定のうち自由化型であるのは日・タジキスタン投資協定のみで、日・パラグアイ投資協定、日・ザンビア投資協定については、保護型ではありますが、投資参入段階でも限定的に最恵国待遇が与えられております。
一方、日・セルビア投資協定は、交渉開始から一年五か月と短期間で署名に至りましたが、保護型の協定であり、日・パラグアイ投資協定、日・ザンビア投資協定のような、投資参入段階での最恵国待遇を認める規定もありません。
政府は、質とスピードの両立という観点から、日・セルビア投資協定の締結過程及び結果をどのように評価しているのか、伺いたいと思います。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
まず、締結過程でございますけれども、セルビアはこれまで五十か国以上と投資協定を締結してきておりまして、また、セルビアへの海外からの直接投資、これは増加傾向にあります。進出する我が国企業も、二〇一九年の二十四社から、五年後の二〇二四年には三十四社に増加しております。
こうした状況から、既に現地に進出している日系企業からの要望も踏まえまして、日系企業が他国の進出企業に出遅れることのないよう、法的枠組みを速やかに整備することが重要との判断の下で、二〇二四年七月に交渉を開始し、二五年十二月に署名に至りました。
中身でございますけれども、日本とセルビアの投資協定では、幅広くカバーされた投資の保護、あるいは内国民待遇、最恵国待遇、公正な待遇、紛争解決手続の整備といった我が国経済界が重視している規定が盛り込まれているのと同時に、安全保障等の観点から我が国として必要な措置を講ずるための政策判断の裁量、これが適切に確保されていると評価しております。
したがいまして、政府としては、十分なレベルの質が確保されている協定だというふうに評価しております。
○金城委員 ありがとうございました。
次に、セルビアのEU加盟に向けた我が国の今後の取組等について伺いたいと思います。
我が国は、セルビアと百四十年以上の友好関係にあります。経済面においても、日系企業による対セルビア投資が増加傾向にあることに加え、セルビアも我が国企業による同国への進出に期待を示しており、今般の投資協定締結により、両国間において投資が一層促進されることが期待されております。
他方、セルビアについては、EU加盟を目指し、二〇一四年一月から加盟交渉が開始されておりますが、いまだ加盟は実現しておりません。我が国は、西バルカン協力イニシアチブの下、セルビアのEU加盟プロセスの進展に向け、支援を行ってきたと承知しております。
西バルカン諸国にはEU加盟に必要な水準の法の支配、民主主義の定着等の課題があるとされますが、今回の日・セルビア投資協定の締結と、それに伴う我が国企業による投資の促進は、セルビアのEU加盟をどのように後押しすると考えているのか。また、セルビアのEU加盟に向けた我が国の今後の支援について、考えを伺いたいと思います。
また、あわせて、我が国とEUとの間では二〇一九年にEPAが発効されていますが、セルビアがEUに加盟した場合、日・セルビア投資協定はどうなるのかについて伺いたいと思います。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
我が国は、ただいま委員が言及いただきました西バルカン協力イニシアチブの下で、セルビアのEU加盟プロセスの発展に向けた支援を継続してきております。その一環として、日系企業の進出を促す取組を行ってきております。日本からの投資は、EUとの経済統合、民間セクターの更なる改革の推進とともに、改革を支える人材を育成することにもつながると考えております。
今後とも、西バルカン協力イニシアチブの下での経済社会改革や地域協力の促進への支援を通じて、セルビアを含む西バルカン地域諸国のEU加盟を後押ししていきたいと考えております。
その上で、セルビアがEUに加盟する場合のセルビアとEUの間の法的関係、これについてはなかなか断定的にはお答えする立場にはございませんが、今般の協定交渉においては、セルビアがEUに加盟する場合も念頭に置いて、最恵国待遇の例外として、地域的な経済統合同盟に基づいて与える特恵的な待遇についても規定しております。
いずれにしましても、仮に将来的に、セルビアから、セルビアのEU加盟手続に関して、日本とセルビアの投資協定について何らかの手当てが必要との要望が寄せられる場合には、セルビア側の考えや我が国の立場、企業との相談も踏まえた上で、適切に対応してまいりたいと思っております。
○金城委員 ありがとうございます。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
続いて、パラグアイ関連ということで、日・パラグアイ投資協定締結の意義について伺いたいと思います。
パラグアイは伝統的な親日国として知られており、両国は歴史的にも日系人等の存在を基盤として友好関係にあります。また、パラグアイは、南米で唯一、台湾と国交を有する国でもあります。
日本とパラグアイは、二〇二五年五月の首脳会談で、両国関係を戦略的パートナーに格上げすることで一致し、石破総理は首脳会談で、国際社会が歴史的転換期にある今、同志国の連携がかつてなく重要であり、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化に向けて、新たに格上げした戦略的パートナーとして一層連携していきたいと述べておられました。
そこで、こうしたパラグアイとの間で投資協定を締結することは、両国間の関係を更に発展させる上でどのような意義があると考えているのか、政府に伺いたいと思います。
○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。
パラグアイは、南米南部共同市場でありますメルコスールの加盟国でございまして、南米地域の中核を占めるブラジルと隣接するといった地理的な特徴から、製造業、建設業、卸売業等を中心に、日系企業が進出してございます。特に、自動車部品を手がける企業の進出が盛んでございます。
また、パラグアイは、大豆の輸出量が世界第三位を占めるなど世界的な食料供給国であるとともに、豊富な水力資源を用いたグリーン水素、肥料の生産も注目されてございます。加えまして、リチウム等鉱物資源が埋蔵されている可能性がございまして、現在その調査が進められてございます。
本協定を締結することによりまして、パラグアイにおける投資環境の透明性、法的安定性及び予見可能性が高まりまして、日系企業の海外展開、日本からの投資の促進と保護及びパラグアイからの対日投資の拡大につながることが期待されるところでございます。
○金城委員 ありがとうございます。
日・パラグアイ投資協定の有効性についても伺いたいと思います。
二〇二五年五月の日・パラグアイ首脳会談で、ペニャ・パラグアイ大統領は、パラグアイが競争力のある労働力や豊富な水力資源等の有効な投資環境を有するとして、日本企業の更なる進出に期待を示しております。今般の投資協定の締結によって、日本企業によるパラグアイへの進出が促進されることが期待されます。
しかし、協定の内容を見ると、本協定は、保護型である上に、特定措置の履行要求の禁止の明文がないことに加え、パブリックコメント努力義務もないなど、他の協定と比較すると投資の促進及び保護の効果が弱いように思います。
日・パラグアイ投資協定は日本企業がパラグアイに安心して投資できる内容であると考えているのか、政府の見解を伺いたいと思います。
○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。
日・パラグアイ投資協定では、幅広くカバーされた投資の保護や、投資参入段階の最恵国待遇、公正な待遇、資金移転の自由、紛争解決手続の整備といった日本の経済界が重視をしている規定が確保されているところでございます。
○金城委員 ありがとうございました。
中南米との投資関連協定の交渉状況についても伺いたいと思います。
パラグアイが位置する中南米地域は、約六億六千万人の人口と約七・一兆ドルの域内総生産を擁し、プラス成長を続けているなど市場としても重要であるほか、重要な鉱物資源やエネルギー、食料資源も豊富であり、サプライチェーン構築や経済安全保障の観点からも国際社会における存在感を増しているところでございます。
政府は、二〇二一年に発表した投資関連協定の締結促進等投資環境整備に向けたアクションプランにおいて、投資関連協定の締約国について、中南米やアフリカを中心に検討するとしており、これまで我が国は、中南米諸国七か国との間で投資関連協定に署名済みであります。他方、二〇二六年三月現在、エクアドル、ベネズエラ、ブラジル、キューバ等との間では、交渉すら開始しておりません。
経済界からも中南米諸国との投資関連協定の早期締結が要望されていると思いますが、この地域との投資関連協定の交渉状況を伺いたいと思います。
○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。
中南米地域との間で交渉中の投資関連協定といたしましては、例えば、現在、コスタリカやウルグアイでございますけれども、投資に関する規定を含むCPTPPへの加入交渉を鋭意進めているところでございます。政府としましては、まずはこれらについて可能な限り早期に署名、締結に至ることができるよう、鋭意取り組んでいるところでございます。
また、御指摘の中にもございましたブラジルにつきましてでございますが、日・ブラジル経済合同委員会や日・ブラジル戦略的経済パートナーシップ賢人会議から、ブラジルが中心となっているメルコスールとの早期EPA締結を求める提言がなされるなど、経済界からも経済関係の強化に強い関心が示されていることは承知してございます。
メルコスールとの間では、昨年末に立ち上げた日・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組みの下で、貿易・投資を含む幅広い分野における経済関係の深化を実現すべく、議論を今継続しているところでございます。
今後も、様々な対話の枠組みを通じまして中南米諸国との経済関係を深めていく。また、新規の投資協定につきましても、我が国経済界の要望を踏まえつつ、相手国の状況や我が国の国益の観点も含め、今後とも鋭意検討してまいります。
○金城委員 ありがとうございました。
続いて、ザンビア関連ですが、日・ザンビア投資協定の締結を契機とした両国関係の発展について伺いたいと思います。
ザンビアが位置するアフリカは、豊富な鉱物資源や高い経済成長率を誇り、日本の経済安全保障やバリューチェーンの確保の観点からも重要な地域であり、更に開拓すべき投資先として、世界の関心も集めている地域でもあります。
日本とザンビアは、二〇二四年に外交関係樹立六十周年を迎え、これまでの協力、外交関係を基礎に、更なる関係の強化が期待されるとしております。二〇二五年二月の日・ザンビア首脳会談では、日本とザンビア共和国が自由、民主主義及び法の支配といった基本的な価値、原則を共有する、互いにとって重要なパートナーであることを確認し、二国間関係での協力強化で一致したと承知しております。
政府は日・ザンビア投資協定締結を契機として、今後、両国関係をどのように発展させていくつもりか、見解を伺いたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
ザンビアは、銅の生産量がアフリカで第二位の鉱物資源国であり、世界的な銅の需要増を見込んで、鉱業分野を中心に日系企業の関心も高い国であります。
日・ザンビア投資協定の締結により、ザンビアにおける投資環境の透明性、法的安定性及び予見可能性が高まり、日系企業の海外展開、日本からの投資の促進と保護及びザンビアから日本への投資の拡大につながることが期待されます。
本協定の締結を通じ、今後、二国間経済関係を一層強化させていきたいと考えております。
○金城委員 続いて、アフリカとの投資協定の締結見通し等について伺いたいと思います。
対アフリカ投資の促進について、二〇二五年八月に横浜において開催された第九回アフリカ開発会議、TICAD9の成果文書では、日本とアフリカの中小企業の投資を促進し、互いの市場に参入する際の市場参入リスクを軽減するよう努めることなどが明記されました。
経済界からも、アフリカ諸国との投資協定については、交渉中のアフリカ諸国との間で少なくとも既に締結済みの他国に劣後しない質の高い内容での締結を急ぐべきであると要望があります。
二〇二六年の三月現在で我が国はアフリカ七か国との投資関連協定に署名済みでありますが、外務省ウェブサイトによると、交渉中の七か国中六か国について、二〇一九年以降、協議の動きが見られないと思っております。
また、アフリカ投資については、電気などのインフラが十分でないことや、ビジネスの手続を進める上で地元当局から賄賂を要求されるなどのリスクがあることが指摘をされております。
投資家にとって不安要素の多い対アフリカ投資を後押しするという意味でも、投資協定を締結することは大きな意義があるとは思いますが、アフリカとの投資協定をめぐる交渉の進捗状況及び今後の投資協定締結の見通し、これはどうなっているのか、見解を伺いたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
我が国は、現在、アフリカ諸国と七本の投資協定を交渉中であります。
個別の協定交渉の見通しを予断することは困難でありますが、政府としましては、我が国が重視する規定が盛り込まれるよう努めつつ、可能な限り早期に署名、締結に至ることができるよう、鋭意取り組んでいるところであります。
また、アフリカ諸国との新規の投資協定につきましては、我が国経済界の要望も踏まえつつ、相手国の状況や我が国の国益の観点も含め、今後とも鋭意検討を進めてまいります。
○金城委員 ありがとうございます。
次に、日・タジキスタン投資協定締結の意義について伺いたいと思います。
日・タジキスタン投資協定は、四協定で唯一自由化型の協定であり、締結されることにより、両国間の投資が一層促進されることが期待されます。
タジキスタンを含む中央アジア・コーカサスは、東アジア、南アジア、中東、欧州、ロシアを結ぶ地政学的な要衝に位置し、石油、天然ガス、ウラン、レアメタルなどの豊富なエネルギー、鉱物資源を有する地域でもあります。
また、我が国にとって中央アジア諸国は自由で開かれた国際秩序を維持強化するパートナーであり、我が国政府は、中央アジアの平和と安定に寄与することを目的とした外交を推進しているとされています。
豊富な資源を持ち、地政学的にも重要な位置にある中央アジアとの関係は、我が国の経済のみならず、安全保障においても重要であると考えますが、我が国がタジキスタンと投資協定を締結する意義及び今後の我が国における対中央アジア外交の方針について伺いたいと思います。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
タジキスタンを含む中央アジア五か国は、中国、ロシア、イラン、アフガニスタンに囲まれた地政学的に重要な地域であります。
このうち、タジキスタンは、旧ソ連崩壊後の内戦により経済状況が著しく悪化した時期もありましたが、ここ二十年の実質GDPは年平均約七%の成長を続けてきており、また、水資源が豊富でありまして、ダムや水力発電の分野において潜在力があります。また、アンチモンなどの鉱物資源が埋蔵されており、注目されております。
こうした経済情勢の中、タジキスタンは、近年、海外からの投資誘致を国の主要戦略の一つとして掲げ、そのための環境整備を積極的に進めており、日系企業の関心も高まりつつあります。こうしたことを背景に、昨年十二月の中央アジアプラス日本の対話の首脳会合の際に、本協定の署名を行うに至りました。
本協定を締結することにより、タジキスタンにおける投資環境の透明性、法的安定性及び予見可能性が高まり、日系企業の海外展開、日本からの投資の促進、保護及びタジキスタンからの対日投資の拡大につながることが期待されております。
今後の対中央アジア外交につきましては、昨年の首脳会合の成果を踏まえて、グリーン・強靱化、コネクティビティー、人づくり等の重要協力三分野において中央アジア諸国の産業高度化、多角化を後押しし、互恵的な関係を強化すべく取り組んでいく考えでございます。
○金城委員 時間が参りましたので、終わります。
ありがとうございました。
○國場委員長 次に、原田直樹君。
○原田委員 中道改革連合の原田直樹です。
本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私からは、本日議題となっておりますセルビア、パラグアイ、ザンビア、タジキスタンとの四本の投資協定について質問をさせていただきたいと思います。
本日は、今国会が始まって初めての条約審査になるかなと思います。条約審査と聞きますと、どうしても、専門的で、一般の国民の皆様からは少し遠い話のように受け止められがちかなと思います。しかし、私は決してそんなことはないと思っております。
今回の質疑の対象となっている投資協定というのは、簡単に言えば、日本の企業が海外で事業を行う際に不当に不利な扱いを受けないようにするためのルールを、国と国との間であらかじめ定めておくものです。そして、日本企業が安心して海外で活動できるということは、その影響は何も企業に限った話ではないと思います。それは、国内の雇用を守ること、サプライチェーンを安定させること、ひいては物価や国民生活の安心にもつながっていく重要なテーマであると思っております。
したがって、今回の四本の協定につきましても、余り、条文の細かい中身というよりは、日本の経済外交全体の中でこの投資協定をどう位置づけるのか、そして、大事なことは、その成果を国民生活にどうつなげていくのか、そういった観点を大事にしながら順次伺ってまいりたいと思います。
それでは、まず初めに、茂木外務大臣にお伺いいたします。
今回の四本の投資協定を日本の経済外交全体の中で政府がどのように位置づけているのかをお伺いをいたします。
経済外交といいましても、例えば、地域戦略、経済安全保障、サプライチェーンの強靱化など様々な観点があると思いますが、政府としてどのような全体像を描いているのか、また、その中での今回の投資協定の位置づけを、外務大臣のお言葉でまずは分かりやすく御説明をいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 原田委員に御質問の半分以上を自分の質問の中で答えていただいたような感じもいたしますが。
今般の四本の投資協定は、日系企業の海外展開の下支えであったりとか、相手国企業によります日本への投資の拡大、資源国とのサプライチェーンの強靱化、グローバルサウス諸国との連携強化、ルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持強化を含めて様々な観点から意義があると考えておりますし、それは、相手国だけじゃなくて、日本経済、そして、ひいては国民の生活を豊かにする、こういったものにもつながっていくものだと考えております。
その上で、セルビア、先ほどの答弁にもあったところでありますが、西バルカン諸国中最大の経済規模を有しておりまして、良好な経済運営の下、安定的な経済成長を続けておりまして、日系企業を含め、海外からの直接投資、これも増加傾向にあります。
また、パラグアイにつきましては、メルコスール加盟国でありまして、南米地域の中核を占めるブラジルと隣接するといった地理的特性、地政学的な特色も有しているところであります。また、大豆の輸出国で、輸出量で世界第三位を占めるなど国際的な食料供給国であるほか、リチウム等の鉱物資源が埋蔵されている可能性も指摘されておりまして、現在調査が進んでいる、このようにも聞いているところであります。
ザンビアは、銅の生産量がアフリカで第二位の鉱物資源国でありまして、世界的な銅の需要増を見込んで、鉱業分野を中心にして日系企業の関心も高いところであります。
タジキスタン、これは地政学的に重要な地域でありまして、ここ二十年の実質GDPは年平均七%の成長を続けているところであります。ダム、水力発電での分野において潜在力があるのに加えまして、アンチモン等の鉱物資源でも注目をされているところであります。
中央アジア五か国、なかなかタジキスタンを含めて覚えにくいんですけれども、カトウタキと覚えると一番いいらしいんですよ。カザフスタンから始まって、トルクメニスタン、ウズベキスタン、そしてタジキスタン、そしてキルギス、これでカトウタキと覚えると一番覚えやすいんじゃないかなと私は思っております。雑談であります。
政府としては、我が国経済界からの要望も踏まえまして、相手国の状況や我が国の国益の観点も含め、今後も戦略的に投資協定の拡大に取り組んでいきたいと思っております。
今、様々な国際秩序、これが大きく揺らぐ、こういう中で、ルールに基づいた様々な貿易であったりとか商業活動、これをしっかりと安定させていくということが重要でありまして、これは、多国間の枠組みでのCPTPPであったりとかRCEPであったり、様々なものがありますし、投資協定のような感じで二国間のものも含めて、重層的にこういった連携の枠の拡大、そして安定したルールの形成、こういったものを日本としても主導していきたい、こんなふうに考えております。
○原田委員 御答弁ありがとうございました。
カトウタキ、大変実用的なことも教えていただきまして、ありがとうございます。
次に、この四本の協定の共通点と相違点について伺いたいと思います。
四本とも同じく投資協定ですので、投資を促進をして、投資家、現地で事業を行う企業を守るという目的は共通をしております。
一方で、中身を見ていくと、全てが同じというわけではありません。先ほど金城委員の質疑の中でも保護型、自由化型という言葉も出てきましたけれども、国によって、投資を認める範囲ですとか、企業に与える保護の厚み、自由化の程度などには違いがあります。また、この違いに関しては、四か国、相手国ごとの事情によるものなのか、それとも日本政府としての戦略的にそうしているのか、こうした点も条約審査としては重要な点であると考えております。
つまり、同じ投資協定であっても、単なるひな形を当てはめているのではなくて、それぞれの国に応じて設計をしているのであれば、その考え方についても国民の皆さんに伝わるような形で御説明をしていただきたいと思っております。
そこで、政府参考人にお伺いをいたします。
今回の四本に共通する基本的な考え方は何であるか、そしてどこに違いがあるのかということを、できるだけ平易に、整理をしてお示しいただきたいと思います。
特に、企業が進出する前の段階、進出をした後の段階でどういう扱いが保障されるのか、また、企業に不合理な条件を押しつけないような仕組みがあるのか、そうした点を比較しながら御説明をいただきたいと思います。
そしてさらに、そうした違いが何に由来するのかということですね。相手国の法制度、若しくは投資環境、公約上の制約、こうしたものによるのか、それとも、我が国としての戦略や優先順位、こうしたものによるのか、その点についても御説明をいただきたいと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
まず、共通しますこの投資協定の意義でございますけれども、こちらは、投資協定は、締約国の投資企業等が安定的に、予見可能性を持って相手国において投資活動を行うための法的枠組みを定めるというものでございます。
その上で、内容といたしまして、今回、四本の投資協定に共通する主な内容といたしましては、自国と外国を差別しない内国民待遇、外国同士を差別しない最恵国待遇を付与、さらには、公正な待遇、不当な収用の禁止、紛争解決手続の整備といったものが挙げられます。
主な相違点としましては、例えば、セルビアとの協定は、実際の投資を行った後の投資の保護を規定している一方、タジキスタンとの協定は、これに加え、実際の投資を行う前の段階から内国民待遇や最恵国待遇を規定しております。また、パラグアイ及びザンビアとの協定は、いわばその中間に当たりまして、最恵国待遇についてのみ、投資後に加えて実際の投資を行う前の段階から規定をしているところでございます。
そのほかにも、例えば、特定措置の履行要求の禁止に係る規定の内容ですとか、法令改正等の際にパブリックコメントを行う努力義務の有無等については、細かな差異があるという状況になってございます。
各投資協定の内容につきましては、我が国経済界からの要望も踏まえつつ、相手国の状況、それから我が国の国益を踏まえた上で交渉を行いまして、その交渉の中において決めているところでございます。
いずれにしましても、政府としましては、こうした観点を踏まえつつ、攻めるべきは攻め、守るべきは守りという立場で精力的に交渉を行っているところでございます。
○原田委員 御説明ありがとうございました。
続いて、現地でビジネスを行っている日本企業の目線にもう少し寄った形で、実際に何が守られるのかということをもう少し深掘ってお伺いをしたいと思います。
今御説明いただいたとおりで、どうしても専門用語も多くなりがちですけれども、国民の皆さんにとって、また企業にとって結局のところ大事なのは、日本企業にとって何がプラスになるのか、何が守られるのかということだと思います。
今の御説明と重複もしますけれども、例えば、相手国で事業をする中で、自国企業だけを優遇して日本企業が不利に扱われないということ、あるいは、同じくその国に進出をしている第三国の他国の企業と比べても不当に日本企業が差別をされないということ、財産を一方的に取り上げられないということ、利益や資金をきちんと送金できるということ、そしてまた、万が一問題が起きたときには一定の手続で争えるということ、こうしたことがどこまで担保されるのかが重要であると思います。
そして、今申し上げたようなそうした環境がきちんと整うということは、日本企業の海外展開を後押しをして、それがひいては国内の投資や雇用、地域経済にも返ってくることになります。
そこで、政府参考人にお伺いをいたします。
今回の四本の協定によって、日本企業は具体的に何を守られることになるのか。許認可の不透明さ、恣意的な行政運用、送金制限、制度変更リスクといった、企業が実際に直面し得るような場面、ケースを念頭に置いて、実務上どういった意味があるのかを分かりやすくお答えいただきたいと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
今まさに委員から御指摘いただきました、許認可の不透明性ですとか送金の制限、さらには、そういったことで不当に差別されないようにするための内国民待遇、最恵国待遇の付与、公正な待遇、不当な収用の禁止、紛争解決の手続の整備、こういったものがまさに法的に定められているところでございます。
こうしたことによりまして、例えば、投資受入れ国において不当な収用をされないですとか、恣意的に法律が適用されるといったようなリスクから日本の投資家を守ることができると考えております。また、ほかの国の投資家、第三国の投資家と比較して劣後しないビジネス環境も整備できることとなると考えております。
投資協定を通じまして、ビジネス上のリスクがある国、地域を含めた日本企業の海外展開を下支えするという効果も期待されております。加えて、今後は、相手国の企業による日本国内による投資の促進も期待されると考えております。
我が国政府としましては、経済界からの要望も踏まえつつ、相手国の状況ですとか我が国の国益の観点も含めて、今後ともしっかりと投資協定の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○原田委員 ありがとうございました。
続いて、条約の実効性についてお伺いをしたいと思います。
今御説明をいただいたように、様々な観点からこの投資協定を作り込んでいただいたと思うんですけれども、一方で、見方を変えると、しっかりとした立派な条文があったとしても、万が一、実際に問題が起きたときに、それがしっかりと機能しなければ意味がなくなってしまいます。協定を結んだという事実だけで企業が守られるわけではなくて、現場で本当に使えるのか、いざというときに頼れるのか、そこが重要であると思っております。
今回の四本の協定には紛争解決の手続も盛り込まれておるということを理解をしておりますが、政府としては、それらをどの程度実効性のある企業保護の手段として見ているのでしょうか。また、企業の側からすると、協定があるということを知っているだけではなくて、万が一のトラブルの際にどこに相談をしてどういった支援を受けられるのか、こうした点は非常に大事であると思います。
そこで、政府参考人にお伺いいたします。
在外公館、ジェトロ、関係省庁などがどう連携をして、企業が仮に何かトラブルが起きたときに実際に権利保護を受けられる体制というのを整えていくのかということをお伺いいたします。言い換えれば、条約を結ぶということと、その条約がいざというときにしっかりと効果を発揮する、ここの間を政府としてどう埋めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のISDS手続は、日系企業による投資を保護するための選択肢を与えるものでございまして、ビジネス上のリスクのある国、地域への日系企業の海外展開を後押しする観点から意義があると考えております。
その上で、政府といたしましては、例えば、在外公館に設置した日本企業支援窓口、これを通じまして日系企業が抱える問題について日々相談に応じているほか、必要に応じて、在外公館やジェトロの海外事務所などを通じて、各種の情報提供、さらには相手国政府に対してビジネス上の課題についての是正の申入れ、こういったことも行っております。
また、投資協定の中に、ISDSのほかにも、両国の代表者から成る合同委員会等の仕組みがございまして、そうした場において、協定をフォローアップするための議論を通じて課題の解決を求めることも可能となっております。
政府としましては、引き続き、こうした様々な仕組みを通じて、投資協定締結後も、日系企業の海外ビジネス支援の観点から、しっかりと課題解決と必要な支援に万全を尽くしていきたいと考えております。
○茂木国務大臣 今の質問に対する答弁としては股野経済局長の答弁のとおりなんですが、今海外に出ていっている日本企業、今回の協定を結ぶ国もそうでありますけれども、非常に大切にされているというか、相手国から非常に求められている。
日本企業の場合、雇用もそうでありますが、地域にも様々な形で貢献をし、また人材育成等々にも様々な形で貢献している。このことはやはり、日本企業の努力のたまもので、それが評価されているということでありまして、もしものためにこういった条項等は用意されておりますけれども、相手の国も基本的には、日本企業がその国に存在をしてほしい、さらには進出する企業が増えてほしい、こういう気持ちを持っている、こんな枠組みの下での協定の推進だ、こんなふうに考えております。
○原田委員 大臣からも重ねて御答弁いただきまして、ありがとうございました。
続いて、なぜ今このタイミングでこの四か国なのか、国別また地域別の戦略的意義についてお伺いをしたいと思います。
セルビア、パラグアイ、ザンビア、タジキスタン、地理的にも経済的な状況もかなり異なる国々であると思います。であるからこそ、なぜ今このタイミングでこの四か国をまとめて推進をしているのか、その戦略的な狙いがあれば、その点はしっかり御説明をいただきたいというふうに思っております。
個別の国の事情については、先ほど金城委員の質疑の中でも、また私の最初の冒頭の質問の中でも大臣の御答弁の中で触れていただきましたので、少し事前の通告からは変えさせたいと思っております。
今このタイミングでこの四か国が出てきたということの戦略的な意義、狙いがあるのかどうか、そうした点について御説明をお願いいたします。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
本日お諮りしておりますのは、委員が今おっしゃられましたとおり、セルビア、パラグアイ、ザンビア、タジキスタンと、それぞれ国も地域も異なるところではございますが、それぞれ、日本企業が進出し、あるいはこれから進出することを希望し、先方の政府もそういった海外からの投資誘致を積極的に考えている、こういった国々でございます。
それぞれの事情は、今委員おっしゃられましたとおり、それぞれの意義や特質がございますけれども、総じて申し上げられますのは、こういった様々な国々、様々な地域における日本企業の活動を支援すること、日本企業の海外展開、日本からの投資の促進と保護、こういったこと、それから、それに伴い相手国からの対日投資、こういったことを期待する、こういったことを含めて、日本企業の活性化、それから日本とそれぞれの国との関係の強化につながることが非常に重要だと思っております。
○原田委員 ありがとうございます。
続いて、今回の投資協定とEPA、FTA、こうした枠組みとの使い分けについてお伺いをしたいと思います。
投資協定には、今回のようにそれ単独のものもあれば、一方で、EPAやFTA、いわゆるより広い範囲のものの経済連携協定の中に投資のルールがその一部として盛り込まれているものもあるかと思います。先ほど金城委員の質疑の中でも日・EU・EPAですとか、大臣の御答弁の中でもCPTPPについても言及をいただきました。
こうした様々な枠組みがある中で、国民の皆さんからすれば、何が違うのか、なぜ今回は投資協定で、別のケースではEPAやFTAなのか、こうした点が分かりにくい部分もあるかと思います。
また、見方を変えれば、今回の四本の投資協定が、仮に、ある見方によれば、より大きな経済連携を結んでいくことに先立ってまず投資保護や投資自由化のルールを整えている、こうした解釈も場合によってはできるかなというふうに思っております。
そこで、政府参考人にお伺いいたします。
政府として、投資協定を先行させる場合とEPAやFTAの枠組みで進める場合とで、どのように判断をしているのでしょうか。また、今回対象となっている四か国との関係を将来的により広い経済連携へつなげていく考えがあるのかをお伺いしたいと思います。
この点についても、ちょっと制度論になってしまいますけれども、制度論だけではなくて、日本としてこうした国際経済のルール形成にどう関わって、その成果を国内の国民の皆さんの暮らし、生活の安定につなげていくのか、そういった観点も踏まえて御答弁をいただきたいと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
まず、委員御指摘のとおり、投資協定とEPAあるいはFTA、これは、投資を中心とする投資協定と、さらには、それに加えて、サービスや物品ですとか、政府調達あるいは様々な協力といった包括的に分野をカバーするEPA、これは、政府としましては、経済上、外交上の観点、さらには、ほかの経済連携協定、投資協定の交渉の進捗状況、国内の様々な御意見などを踏まえて、これを戦略的に交渉してきているところではございます。
その上で、それぞれの協定は、今申し上げたとおり、目的や対象とする内容が異なっておりまして、協定の締結に向けた背景、これも異なります。そのため必ずしも前後関係にあるわけではございません。投資協定とEPAが前後関係にあるわけではございませんが、個別の交渉の結果として投資協定の後に経済連携協定を締結したということもございます。
いずれにしましても、両者とも他国との経済連携を強化する上で極めて重要なツールであると考えておりまして、その効果についても広く周知していきたいと考えているところでございます。
○原田委員 続いて、今回の投資協定の締結による効果、成果をどう測るのかという観点からお伺いしたいと思います。
条約は、承認して終わりではありません。それが実際にどれだけ意味のあるものだったのか、後からきちんと検証されることも重要であると思います。まさに、日系企業が現地に進出をして、逆もまたしかりであると思いますけれども、ビフォー・アフターでどういった変化、効果、成果があったのかということでございます。
例えば、投資件数が増えた、投資残高が増えた、進出企業数が増えた、相談件数が増えた、こうした定量的なものもあると思いますし、また、紛争の未然の防止につながったですとか、相手国側の制度改善につながった、こうした定性的なものもあり得るかと思います。そうしたことを見ていかなければ、この締結をした後に本当に効果があったかどうかは分からないかなというふうに思います。
そして、この成果の検証が曖昧なままであれば、今まさに行っている条約の審査そのものが、非常に曖昧な、また国民の皆様からしてもちょっと分かりづらいものになってしまうのかなというふうに思っております。だからこそ、国会としても承認後に何が変わったのかを見ていける形にすることも一つ大事なことであると考えております。
そこで、政府参考人にお伺いをいたします。
政府として、今回の四本の協定について、また、今回の四本に限らないかもしれないですけれども、これまでの既に結ばれた投資協定について今後どのような指標で成果を検証していくのか、また、その検証をした結果、仮に十分な成果が得られていないとなった場合に、どのように原因を分析をしてフォローアップをしていくのか、政府のお考えをお伺いしたいと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
一般に、投資協定の締結は法的安定性や企業にとっての予見可能性を高めるといった効果があると認識して、協定の締結を行っているところでございます。
同時に、投資は、企業が様々な要素を勘案して自らの経営判断によって行うものでございまして、また、国をまたいで行われる海外投資の増減は、その時々の相手国の状況、国際経済全体の動向、その地域の情勢、各国のそれぞれの企業の投資方針、こういったもので様々に変化するものでございまして、投資協定があるかないかによってどこまで効果があったというのはなかなか一概にお答えするのは難しいところではございますが、先ほど来申し上げていますように、投資を促進するための環境整備は効果があるものと考えております。
その観点からも、投資協定につきましては、交渉や締結自体のみならず、締結した協定の着実な履行、ここにも焦点を合わせまして、事後の状況のフォローも重要だと考えております。
政府として、引き続き、投資協定の下で設置されます合同委員会、ここにおいてしっかりとフォローアップの議論を行うこと、経済界からのヒアリングを丁寧に行うこと、こういった機会も活用しながら、締結済みの投資協定について様々な形でフォローは行っていきたいと考えております。
○原田委員 ありがとうございます。
では、最後に、中堅・中小企業への波及についてお伺いをいたします。
投資協定を結んだメリット、効果について、今、様々御説明を先ほどからいただいておりますけれども、このメリットが一部の大企業だけにもしとどまってしまうと、国民全体から見た意味、効果が限られてしまいます。これから海外展開を考えている中堅・中小企業にとっても、今回のような協定が実際のビジネスチャンスにつながっていくことが重要であると思います。
そのためには、条約を結ぶということ自体も重要でありますが、その内容を企業の皆様に分かりやすく伝えて、周知をして、その上で、相談できる窓口もしっかりと整えて、現地でのビジネスにつながるよう伴走していく必要があります。中堅・中小企業の挑戦が広がれば、それは地元地域の雇用や産業の活性化にもつながります。つまり、この観点からいっても、条約の審査、そして締結をするということは、決して遠い話ではなくて、生活者目線で見ても大事な論点であるというふうに思っております。
そこで、政府参考人にお伺いいたします。
政府として、今回の四本の協定のような投資協定、こうしたものをどのように企業に周知をして、どのような相談支援や伴走支援のそういったサポートを行って、実際のビジネスの展開につなげていくのか。ジェトロ、在外公館、金融機関、また、場合によっては関係団体との連携も含めて、活用促進策についてお伺いをしたいと思います。
○辻阪政府参考人 お答え申し上げます。
海外市場の重要性が増大し、中堅・中小企業を含む我が国企業の海外進出が増大する中、これら企業の海外事業を保護するとともに、円滑なビジネス展開を促進すべく、中堅・中小企業等を対象に投資協定の周知、広報、利活用の促進を行っていくことは重要であると考えております。
このため、経済産業省としましては、これまでも、ジェトロと連携した、投資協定の解説動画、ハンドブックなどによる広報を行うとともに、在外公館やジェトロ海外事務所、現地商工会などと連携した海外進出企業向けのオンライン説明会の実施、また、ジェトロによる相談対応を行っております。特に、中堅・中小企業に対しましては、委員より御指摘がありましたとおり、専門家による伴走支援を行っているところでございます。
今後も、投資協定に関しまして、関係経済団体、ジェトロ、在外公館等と連携しつつ、積極的に周知、広報、そして利活用の促進を行ってまいりたいと考えております。
○原田委員 御説明ありがとうございました。
今日御持参されるかなと思って、ちょっと私、今手元にないんですが、部屋に御説明に来ていただいたときは、ジェトロで発行している、漫画の形でこの投資協定の中身についても御説明いただいているものがございました。そうした様々な、今御回答、御答弁いただいたようなツールを生かして、周知にも力を入れていっていただきたい、このように思っております。
私の質問は以上となりますけれども、今回のような国際的な経済協定の議論は、ともすると国民の皆さんから遠く見えがちです。しかし、実際には、企業の活動の安定、地元での雇用、そして地域経済、さらには物価や暮らしの安心にも関わる、極めて私たち一般の国民の生活に近い問題であると思います。また、今日のやり取りを通じてそうした実感を更に強くさせていただきました。
私たち中道改革連合としても、生活者ファーストという立場から、こうした取組、外交上の様々な議論が本当に国民生活の向上につながるのか、こうした観点を踏まえて、引き続き丁寧に見てまいりたいと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、佐々木真琴君。
○佐々木(真)委員 皆様、いつもありがとうございます。国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴です。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
まず冒頭、皆様も状況を見ていると思いますけれども、先日、地震と津波警報、津波注意報が出されておりました。私、選挙区が岩手ですので、岩手県沿岸部全て選挙区と受けております岩手二区から参っておりまして、当時、盛岡駅から新幹線に乗ろうと思っていたところだったんですけれども、津波警報が出ているというところで、情報収集しながらいたところでしたけれども、現在のところでも、養殖等の被害も現状のところではないというふうに聞いておりましたので、是非ともこれから皆様とともに注視していけるといいなと思っております。
今、外務委員会でこの問題に触れているところなんですけれども、当時、新幹線に乗ろうとしておりまして、恐らく安比高原等でスキーをしていたインバウンドの皆様が、東北新幹線に乗るために盛岡駅に多数いらっしゃったんですけれども、英語での情報発信も駅の皆様が頑張ってやってくれておりましたし、新幹線の中のグリーン席の通路まで開放して、立ち席という状況で、結構過酷な状況ではあったんですけれども、大きな混乱なく過ごせたことは安心だったかなというふうに思っております。
これからも、外務省を始め、国交省とか様々な省庁の皆様とともに、地震、津波が多い日本ですので、是非ともしっかりとした情報発信を皆様とともに進めていけるといいなと思ったところを、是非皆様と共有してから進めたいと思いました。以上です。
では、質問の中身に入っていきたいと思います。
まず、本日、四つの条約についての、投資協定の質問になってまいります。
投資協定は、日本企業が海外で安定的かつ予見可能性を持って事業活動を行うための法的基盤であり、政府としてもこれまで締結を進めてこられたと認識しております。
他方で、条約を結ぶこと自体が目的になってはならず、国益にどうつながるのか、また、経済安全保障や資源確保、今問題となっている資源の問題についてもどう資するのか、また、国内産業や地方への経済という関連性もありますので、その辺りを丁寧に確認していきたいなと思っております。
とりわけ、外務委員会は、先ほど原田委員の方からもありましたけれども、地域との、現場とのつながりがなかなか見えにくい議論が多くありますけれども、やはり、外交の在り方というものは、地域の現場であったりとか、雇用、産業、様々、暮らしと直結をして地続きの問題であると思いますので、その辺りを含めて、投資協定というテーマを通じて、国益、経済安全保障、そして地域とのつながりという観点から質問をしていきたいと思います。
まず一点目ですけれども、投資関連協定の締結戦略の全体像について大臣に伺いたいと思います。
近年、日本経済において、投資協定の重要性も大きく変化をしていると認識しております。かつて国内で生産をし、輸出で外貨を稼ぐという構造でありましたが、現在は、日本企業や日系企業が海外に進出をして、現地で事業を担うという比重も大変高まっております。その中で、投資協定は、単なる海外展開支援にとどまらず、投資の保護、サプライチェーンの強靱化、資源確保、さらには現地との産業連携を通じた日本全体の競争力や雇用にも関わる、極めて重要な基盤になっていると考えております。
一方で、政府はこれまで投資関連協定を戦略的に進める方針を掲げて、二〇二〇年までに百の国、地域を対象に提携を結んでいくという目標も掲げておりましたけれども、結果としてはその達成には至っていないという状況だと思っております。ただ、これについては、質の高い協定を重視する中で、交渉に時間を要したことであったりとか、合意に至らなかった案件もあるというふうに承知しております。
しかし、重要なのは、目標が未達であるという結果というよりは、その結果を踏まえて現在どのような戦略を立てているのかという点だと思っております。とりわけ、現在は、先ほどから申しますとおり、経済安全保障であるとか、サプライチェーンの再構築、国内産業や地域経済への波及といった観点も含めて、投資協定をより戦略的に位置づける局面に来ているのではないかと思います。
そこで、政府は、現在の日本経済においての投資協定をどのように位置づけているのか、その上で、これまでの経験を踏まえ、現在の投資関連協定の戦略をどのように整理し、質と量のバランス、そして経済安全保障や地域経済との関係をどのように考えているのか、政府の大きな方針をお聞かせください。大臣からお願いします。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
投資協定は、投資受入れ国における様々なリスクから現地に投資する企業を守り、他国の進出企業と比較して劣後しないビジネス環境を整備することなどを通じて、日本企業の海外展開を下支えする意義があると考えております。
また、委員御指摘のとおり、例えば、資源の安定供給も念頭に、グローバルサプライチェーンの強靱化といった観点も重視しているところでございます。
同時に、海外からの投資を日本に受け入れるという観点からいえば、経済安全保障等の観点も念頭に、海外からの投資家の利益と同時に、国家の規制権限との間で適切なバランスを取るという観点も、投資の促進と同時に踏まえる必要があると考えております。
政府としましては、こうした点もしっかり踏まえつつ、相手国の状況や我が国の国益の観点も含めまして、今後とも戦略的に投資協定の拡大に取り組んでいくと考えております。また、こうした取組は、日本が重視する、ルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持強化にも資するものと考えております。
○茂木国務大臣 先に、前回私が大臣だったときに秘書官だった股野さんが、出世をして、経済局長として堂々と答弁している姿を見たところでありますけれども。
詳細については今答弁したとおりでありますけれども、五年前、十年前と比べても、経済安全保障の観点というのは極めて強まってきている。そういった中で、重要鉱物であったりとかエネルギーを含みますサプライチェーン、この強靱化を図っていく重要性というのは極めて大きくなってきていると思います。
そして、今、自由で開かれた国際秩序、こういったものが揺らぐ中で、それをしっかり守っていく、そしてまた強化していく、そういう旗振り役として日本が果たすべき役割というのは大きいんじゃないかなと思っております。CPTPPのときにもそうでありましたけれども、恐らく日本がリードしなかったらまとまらない、こういう協定もあったわけであります。
二か国間の投資協定におきましては、それは相手の国とのいろいろな交渉によりまして、ベストなものというか、少なくとも必要なものを作っていくということで時間がかかる部分もあると思っておりますけれども、これからもできる限りの加速をしていきたいと思います。
特に、まだアフリカそれから中南米の国が少ないという状況にあります。今回の四か国につきましても、アフリカ、中南米を含めて、どちらかといいますと中進国、途上国という形でありまして、これからグローバルサウスの国際社会における発言力であったりとか成長力、これが注目される中で、日本として、同盟国、同志国はもちろんでありますが、グローバルサウスとのより緊密な、そしてテーラーメイドな関係をつくっていく、こういう観点からも投資協定の推進というものは極めて重要である、そんなふうに考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
お二人から丁寧な答弁をいただきまして、大変力強く、心強く思っているところです。ありがとうございます。
では、その上で、今回を全体戦略の中でどのように位置づけているかというところは前段の皆さんのところからもありましたので、二問目は飛ばさせていただきまして、今、現在、制度がもたらす意義を皆様と共有できたところで、どういった声が、現地に既に進出している企業であるとか、これから進出をしたいと考えている企業から、どのような要望や課題認識が寄せられてきているのか。そして、今回の協定がそれをどのように後押ししていくことができるのか。それぞれの協定の範囲の中で、それぞれについて具体的にお示しをいただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
セルビアでは、海外からの直接投資が増加傾向にある中、既に現地に進出している日系企業から、他国の進出企業に出遅れることがないよう、法的枠組みを速やかに整備することが求められております。
パラグアイに関しましては、近年、パラグアイ政府が投資環境改善に取り組んでいることもありまして、日系企業がビジネス環境上の大きな問題を抱えているとの具体的な情報には接しておりません。一方で、日本の経済界からは、中南米との連携強化について要望が示されてきているところであります。
ザンビアにつきましては、ザンビアに進出する日系企業から、ビジネスチャンスの拡大が見込まれる中で日系企業が他国の進出企業に出遅れることがないよう、法的枠組みを速やかに整備することを求められております。
タジキスタンにおきましては、我が国とは異なる政府手続や官僚主義的な対応がビジネスを進める上での障壁となっており、透明性や予見可能性を欠くという点が課題となっているとの声が寄せられております。
今回の投資協定の締結によりまして、これらの国における投資環境の透明性、法的安定性及び予見可能性が高まり、日系企業の海外展開並びに日本からの投資の促進及び保護の促進が期待されると考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
それぞれ、各国、丁寧に答弁いただきまして、ありがとうございます。
次に、全体から各国に視点を移してまいります。
まず、今大臣からもありましたとおり、アフリカについて何点か聞いていきたいなと思っております。
ザンビアなんですけれども、日本はこれまで、アフリカ支援において、単なる資金であるとかインフラの提供だけではなくて、人づくりも重視しながら、例えば若者や女性の能力開発みたいな部分もしっかりと見てきているんじゃないかと思っております。アフリカ自身が主導する持続的な成長も、我々日本としても後押しをしてきたと承知をいたしております。TICADの積み重ねであるとか、人間の安全保障、WPSの理念なども掲げながら、相手国の自立を支えつつ共に成長していく姿勢を我々としては大切にしてきたというふうに認識しています。
今回のザンビアとの投資協定ですけれども、我が国企業の投資環境の安定性、予見可能性を持って進出を後押しする重要な意義を持つものだと考えております。
それに加えて重要なのが、投資の量を増やすというところだけではなくて、今回の投資が、現地の暮らしや雇用、産業基盤の底上げにつながることであるとか、長期的な信頼関係を築いていくものになっていくのかということも、併せて大切であると思っております。特に、若者や女性が安心して働き、力を発揮できる環境をその国でも整えていくこと、人材育成や技術を進めていくことは、相手国の発展に資するだけでなく、長い目で見ると、日本企業にとっても、日系企業にとっても、安定した事業環境の継続、構築につながると思います。
そこで伺いますけれども、今回の協定を含め、今後のアメリカとの外交を、これまで日本が重視をしてきた人間の安全保障やWPSの理念とどのように結びつけ、現地の包摂的な成長や人づくりにつなげていくお考えか、伺います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
平和と安定の確保や包摂的な社会の実現は持続可能な経済成長の前提であり、こうした観点から、日本は、アフリカとの外交関係におきまして、人間の安全保障やWPSの視点の確保を重視してきております。
例えば、昨年八月のTICAD9では、分野横断的な重点項目の一つとして、若者と女性の人材育成に焦点を当て、女性リーダーの育成等を通じたWPSの促進を打ち出しました。アフリカ諸国の包摂的な成長の基盤となる人材育成は、高い人口増加率による若い人口と豊富な天然資源を有するアフリカ諸国との連携強化の観点から重要であり、我が国の経済を含めた国益にかなうものと考えております。
投資協定自体は必ずしも人間の安全保障やWPSの理念と直接的に結びつくものではありませんが、我が国としましては、アフリカとの外交に関する議員御指摘の諸点も念頭に置きつつ、TICAD9の成果を日・アフリカ関係の更なる強化につなげるべく、日本らしい取組を今後も進めてまいりたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
続いて、ザンビアですけれども、環境や健康課題を踏まえた責任ある投資の在り方について伺っていきたいと思います。
ザンビアは、先ほどから話に上がっておりますけれども、豊かな鉱物資源を有し、今後の成長可能性も非常に高い、とても重要なパートナーになると思っております。特に、資源、エネルギーをめぐる国際情勢が不安定さを増す中で、ザンビアの資源であるとか産業のポテンシャルが我が国の国益や経済安全保障の観点からも極めて重要な意味を持つと思っています。
また、今回の投資協定によって日本企業の進出や事業展開の後押しが進むことは、先ほど来ありますけれども、我が国の国益にとっても大きな意義があります。
そこで、今回の協定を、投資を増やすだけの枠組みではなく、持続可能な産業基盤も共につくっていくという視点に立ったときに、現地の環境や衛生、労働環境を整えることは非常に重要な観点であると思います。
実際、今、ザンビアでは、鉱業が経済を支える一方で、カブウェ地区におきましては、鉛汚染など過去の鉱山開発に起因する深刻な環境健康被害が、今もなお地域住民、とりわけ子供の暮らしに影響を及ぼしているという現実がございます。日本もJICA等を通じて支援を行ってまいりましたけれども、こうした課題はザンビアだけの問題ではなくて、今後、アフリカにおける持続可能な成長と責任ある投資を考えていく上では極めて重要な視点であると思います。
そこで伺いますけれども、過去にJICA等で行っておりました、ザンビアにおける鉛汚染のメカニズムの解明と健康・経済リスク評価手法及び予防・修繕技術の開発という事業を行っていたと思いますけれども、具体的にどのような取組であったか、御説明をお願いいたします。
○西崎政府参考人 お答え申し上げます。
本事業は、ザンビアのカブウェ地域において、汚染源から土壌、生態系への汚染メカニズムを解明することを目的として実施された技術協力であり、二〇一六年六月から二〇二二年六月まで実施されたものです。
具体的には、ザンビアへの日本人専門家の派遣、ザンビア人専門家の日本への招聘、ザンビア大学への研究機材供与などを行い、地下資源開発に伴う金属汚染が生態系に与える影響の評価、予測、リスク低減手法に関する提言を行いました。本事業により、鉛の暴露経路が大気粉じんであることを解明するなどの成果があり、かかる成果についてはザンビア政府及び国際機関に共有しました。
以上です。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
今いただいたとおり、地域の環境や衛生をまず整えていくことは、雇用環境を整えることの基盤であると思っております。人々の命と健康を守るだけではなくて、安心して働ける環境づくりや人材育成、生産性の向上にも資するものであると認識します。これは結果として現地の発展も支えますし、長期的に日本企業の安定した事業環境の構築にもつながっていくはずです。日本らしい責任の果たし方とは、相手国の持続可能な発展を支えながら信頼を築いていくことだと考えます。
そこで伺いますけれども、今後、日本企業の進出拡大が見込まれる中で、単に投資を促進するだけではなく、地域住民の健康や環境への配慮、衛生、雇用環境の整備、持続可能な地域社会への貢献をどのように両立をしていくのか。日本として、アフリカにおける責任ある投資をどのような考え方の下で進めていくのか。力強い御答弁を大臣からいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 日本からアフリカ等の途上国への投資に当たっては、地域住民の健康であったりとか環境への配慮、衛生、雇用環境の整備、持続可能な社会への貢献等への配慮が重要であると考えております。御指摘のとおりだと思います。
このような観点から、日・ザンビア投資協定においても、第二十一条におきまして、投資を目的に、健康、安全及び環境に影響を与えるような措置の緩和及び労働基準の引下げを行うことは適当ではない、このようにこの協定の中で定めているところであります。
ただ、こういった協定を設けているということは、その国の経済社会改革をしなくていいとか妨げるということではない、こんなふうにも考えております。
かつて、文化人類学者のレヴィ・ストロースが、ブラジルの熱帯の部落を調査研究をして、「悲しき熱帯」、こういう名著をかつて書いているわけでありますけれども、インセスト・タブーという言葉が出てまいります。つまり、一つのエコロジーを維持するために、新たな成長段階に発展できない、こういうことはないようにするためにも、日本の投資というものがそういった国の自主的な経済社会改革につながっていくことが極めて重要だ、私はそんなふうに考えております。
日本からアフリカへの投資に当たりましては、多くの場合、投資協定の有無にかかわらず、進出した日本企業が地域社会への貢献を積極的に行うことが多いわけであります。引き続き、日本からの投資を受け入れる国や地域に配慮しながら、投資環境を整備し、そして、責任ある投資、こういったものを後押しをしていきたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
是非、日本らしい外交と大臣度々申しておりますので、その辺りも含めて、責任ある外交そして投資を行っていければいいなと思っております。ありがとうございます。
では、続いて、資源、経済安全保障の観点から伺っていきたいと思います。
今回の協定の中で、皆さんの中からも触れられておりますけれども、銅であるとか、様々な資源にも触れられております。鉱物資源は、昨今、GX、DX、AI、半導体などと、今後の日本の産業競争の力を支える上でも重要性が高いと考えられております。これらは、日本各地の製造業や地域サプライチェーンの基盤にも関わってくる論点であると認識します。
政府は今回の投資協定を、単なる企業の進出支援にとどまらず、資源安全保障やサプライチェーン強靱化の一環としてどのように位置づけているかを伺いたいと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
資源の安定供給の確保やサプライチェーンの強靱化は、日本の経済外交にとって極めて重要な課題であると認識しております。
今般提出した協定の相手国の中でも、ザンビアは銅、これはデータセンターの通信ケーブルに不可欠なものでございますが、それからコバルト、航空機製造に不可欠なもの、タジキスタンにおいてはアンチモン、これは半導体や難燃剤の材料に使われますが、こういった重要鉱物を有しております。このほか、パラグアイにはリチウムなどの鉱物資源が埋蔵されている可能性がありまして、現在その調査が進められていると承知しております。また、パラグアイ、こちらは大豆の一大輸出国でありまして、農業における投資潜在性もあるものと考えております。
資源国の中には様々なビジネス上のリスクを有する国がございますが、投資協定の締結は、日本企業がそうした国に海外展開をする際に、法的安定性、予見可能性を高めることにもつながると考えております。
いずれにしましても、経済界の声をよく踏まえつつ、企業の海外展開に加えて、御指摘のような資源の安定供給、こういった重要課題にも応えられるよう、日本の国益に資するよう、鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
今、皆様で、共通で抱えている大きな課題でありますので、共に前に進める政策をつくっていければいいなと思っております。
では、続いて、一番目の質問でも伺ったんですけれども、日本企業、日系企業の海外投資の拡大とともに、地域ですね、日本国内の状況のバランスについて深掘っていきたいなと思っております。
経済産業省の海外事業活動基本調査によると、二〇二一年度末で、日本企業の現地法人で働く従業員が約五百六十九万人、そして売上高が三百三兆円を超えておりまして、日本企業の海外展開というものが着実に拡大をしているところであると認識します。
海外展開そのものは、日本企業の競争力の強化であったりとか新たな市場開拓のために重要な流れであり、グローバル化の中で、現地で生産をして、現地のサプライチェーンの一部としても重要な役割を担うこと自体は、必要な側面がもちろんあると考えております。
一方で、従来から、製造業の海外移転が国内の産業基盤や地域雇用に与える影響、いわゆる産業の空洞化への懸念も指摘をされてまいりました。
特に、私もいます岩手などの地方では、かつて、大企業の下請であるとか関連産業として地域を支えてきた工場や事業者が、構造的な仕事の減少によって大きな影響を受けているという現実もございます。とりわけ、東北は製造業が地域経済を支える大きな柱の一つになっております。東北の製造品出荷額は年間およそ三十兆円規模に上り、電機、電子部品、自動車関連機器加工など裾野の広い産業集積によって、多くの地域とそして雇用、暮らしを守っております。
そこで、伺います。
政府は、今回の投資協定の締結を含めた対外投資の拡大が進む中で、国内、とりわけ地方の産業基盤や雇用に与える影響をどのように見ているのか。また、海外展開を進めることと、日本国内の物づくり基盤、地域の雇用、サプライチェーンを維持強化していくことを、どのように両立をさせていくお考えなのか。政府参考人から伺います。
○辻阪政府参考人 お答えいたします。
対外投資、今御指摘いただきましたけれども、資源獲得から販売網の構築、工場の設立まで多様な種類がございまして、一概に国内への影響を語ることは難しいところではございますが、対外投資により世界の市場や資源を獲得することは、国内、地方の産業基盤と雇用にもプラスになり得るものと考えるところでございます。
例えば、今回の投資協定でございますが、途上国における資源の獲得に資する意義などがございまして、これは国内、地方の産業基盤などにとってもプラスになるのではないかと考えております。
経済産業省といたしましては、国内の物づくり基盤や地域の雇用、サプライチェーンを維持強化することにも貢献するような対外投資を支援していきたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
事前のレクの中でも、いい投資、悪い投資という言葉もありましたけれども、トータルで我々日本の国益に資するような観点で、我々、皆さんで見ていくものだというふうに認識をいたしております。
あわせて、地方の中小企業の海外展開における環境整備についても伺いたいと思います。
海外展開の恩恵が一部の大企業にとどまるだけではなくて、地方にある中小企業であったり、若い世代にも、挑戦の機会ややりがいのある仕事として広がっていくことが重要であると考えます。
特に地方は、地域にいながら世界とつながる仕事がちょっとやはり都会に比べると少ないなというところがありまして、大学で英語を勉強したりとか経済の勉強をしたけれども、本当は地元に帰って、岩手で、東北で仕事をしたいと思いつつも、なかなかそういった仕事が岩手ではできないといったところで、やりがいのある仕事、自分が学んできた技術や能力を生かす仕事に就きたいけれども、そういう仕事が岩手ではなかなかできずに、仙台であるとか東京であるとかで働くという選択をしている後輩たちも多くいますので、そういった観点からも質問していきたいなと思います。
政府として、今回、投資協定という法的インフラを整備していきますけれども、地方の中小企業が海外に挑戦しやすくなるためにどのように活用していくお考えなのか。先ほど原田委員からもありましたけれども、ジェトロであるとか関係省庁、自治体、地域の金融機関などとどういうふうに連携をしながら支援を進めていくのか、伺います。
○辻阪政府参考人 お答え申し上げます。
投資協定は、中小企業を含む日本企業による海外での事業を保護するとともに、現地での円滑なビジネス展開の促進に寄与するものであり、委員御指摘の重要な法的インフラでございます。海外市場の重要性が増大する中、中小企業などを対象に投資協定の周知、広報、利活用の促進を行っていくことは重要でございます。
このため、経済産業省といたしましては、これまでも、ジェトロと連携した投資協定の解説動画、ハンドブックなどによる広報を行うとともに、在外公館やジェトロ海外事務所、現地商工会等と連携した海外進出向けのオンライン説明会の実施、さらにはジェトロによる相談対応などに取り組んでいるところでございます。
特に、中小企業の海外展開を支援するために、新たに海外進出を検討する中小企業を主な対象といたしまして、新規輸出一万者支援プログラムを通じまして、個別カウンセリングによる、課題に即した支援の提供を、関係機関が連携をしながら行っているところでございます。
今後も、投資協定に関しまして、関係経済団体、ジェトロ、そして在外公館等と連携しながら、積極的に周知や広報、そして利活用の促進を行ってまいりたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
では次に、日本が投資受入れ国であるという観点からも質問していきたいと思います。
日本を投資受入れ国として見たときの魅力と課題をどう認識しているのか、また、今回のような協定も含めて、対日投資をどのように増やし、国内産業や技術基盤の強化につなげていくお考えか、伺います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
海外からの人材、資金を我が国に呼び込み、日本経済に海外活力を取り込んでいくことは極めて重要と考えておりまして、政府は、昨年六月に対日直接投資促進プログラム二〇二五を作成しております。対内直接投資の誘致を支援する施策を様々盛り込んでいるところでございます。
日本市場につきましては、言うまでもございませんが、市場規模、様々な魅力がありますし、さらには政策的安定性と、魅力が多い一方で、市場が成熟している中で外国企業の新規参入が容易ではない、各種手続が煩雑であるといった声もあることも事実でございます。
こうした声もあることに対応するためにも、外務省では、百二十六の在外公館に対日直接投資推進担当窓口を設置いたしまして、投資促進につながる情報提供や外国企業からの意見を聴取しているところでございます。
さらに、在外公館では、イベント開催、こういったものを通じまして、現地企業や投資家に対して、日本政府の取組、さらには日本全国津々浦々の企業の技術、サービスのPRも実施しております。
日本国内におきましても、政府、地方自治体の関係者や在京大使館、有識者、内外ビジネス関係者の参加を得て、様々なセミナーなどを開催してきているところでございます。
引き続き、関係省庁、企業の皆様、地方自治体ともよく意思疎通しながら、我が国の魅力を発信していきたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
では、次に、ISDSと日本の正当な規制権限の確保について伺っていきたいと思います。
投資協定は重要な枠組みですけれども、一方で、日本が外国企業からの投資を受け入れる際には、被告となるリスクも併せてはらんでいるものでもございます。公衆衛生や環境保護、経済安全保障など、公共の利益のための正当な規制が不当に妨げられてはならないとも思います。
そこで伺いますけれども、今回の四つの協定において、日本政府が必要な国内規制を導入する際、それがISDSによって妨げられないよう、どのような具体的な防御策を講じているのか、規制権限の明確化なども含めて伺います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
投資協定において、ISDS手続の規定を含めるに当たりましては、日本企業による投資を保護するための選択肢を与えるとの本来の目的に加えまして、経済安全保障上の課題等も念頭に、投資家の利益と国家の規制する権限のバランスの確保の観点も踏まえる必要があると考えております。
こうした観点も踏まえ、今般の各投資協定の規定についても、日本国政府が将来取り得るものを含む措置に係る留保あるいは例外などの規定によりまして、我が国が必要な措置を講ずるための政策判断の裁量は適切に確保されているものと考えております。
その上で、我が国として何らかの措置を講ずる際には、締結済みの国際約束との整合的な形とすることは当然でございますが、政府として、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
あわせてですけれども、投資に関する合意についても伺ってまいります。
今回の四つの協定の中には、投資に関する合意の有無など、保護の厚みに差異があるなというふうに承知をいたしております。この差異の違いは何を踏まえて判断をされているのか、また、日本企業の契約上の権利はどのような枠組みの中で実効的に保護されていくのかについても併せてお答えをお願いいたします。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
今委員が御指摘いただきました投資に関する合意というのは、投資受入れ国とそれから投資企業等との間の直接の契約の違反をISDSの対象とすることを定めるものでございますが、この投資に関する合意についての規定を含めまして、日系企業による投資が適切に保護される内容の投資協定とするため、交渉に臨んできているところでございます。
しかし、個別の規定につきまして、相手側が受入れ困難な場合には、全体的なバランスを考慮しつつ判断する方針を取っているところでございます。
今回の四本の投資協定との関係では、投資に関する合意に関する規定は、交渉の結果、ザンビアとタジキスタンの協定には含まれておりますが、セルビア及びパラグアイとの協定には含まれないこととなっております。
もっとも、こういった投資に関する合意の規定がない場合であっても、例えば、契約に違反する政府の措置が、公正な待遇を与える義務、あるいは一定の要件を満たさない収用、国有化等を禁止する義務などに違反する場合には、投資企業は投資協定違反としてISDS手続を利用することが可能でございます。
また、一般論として申し上げれば、仮に、相手国に投資している日系企業が相手国政府により投資協定の内容と整合的でない扱いを受けていると判断される場合には、日本政府としましても、当該企業の意向を踏まえて、相手国政府に是正の申入れや働きかけを行うなど、適切なサポートは行っていく考えでございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
今、度々上がっておりますISDSですけれども、制度改革の流れも併せて起きている状況だと思います。有効な救済手法である一方で、透明性や予見可能性、仲裁人の中立性などの課題も指摘をされています。
今回の四協定での透明性向上策の反映状況とともに、今後進んでいく制度改革において日本がどのように関与していくのかについても教えていただければと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
近年、ISDSにつきましては、海外の投資家の利益と国家の規制権限との間の適切なバランスの確保等のため、様々な制度改革の必要性が議論されているところでございます。例えば、UNCITRAL、国連国際商取引法委員会の場におきましてもISDSに関する議論が行われておりまして、我が国もこうした議論に積極的に参加してきております。
こうした議論の成果の一部として、例えば、UNCITRALの透明性規則が策定されておりまして、今回、四本の協定の下でのISDS仲裁においてもこの規制が適用されることになります。
政府としては、経済界からの要望も踏まえつつ、国際的な動向、我が国の国益の観点も含めて、投資家の利益と国家の規制する権限との間の適切なバランスの確保に引き続き努めていきたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
では、投資受入れ国としての観点でもう一点ですけれども、TRIMs協定と、国内産業を守るための政策余地についても伺ってまいります。
投資環境の透明性や予見可能性の重要性はもちろんですけれども、国内産業での育成や地域のサプライチェーンの維持という観点から、全てを単純に自由化するということではない部分もあるとは思います。
政府として、国際ルールを守りながら国内産業や地方の物づくり基盤を守るためにどのような政策余地を確保していくお考えなのか、伺います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘になられました特定措置の履行要求の禁止につきましては、今般御審議いただいております四本の投資協定におきまして、御指摘ありましたWTOの貿易に関連する投資措置に関する協定、TRIMs協定で規定されている内容も含めまして、投資受入れ国が投資に対して一定の要求を行うことを禁ずる規定が置かれております。
その上で、投資協定を交渉するに当たりましては、御指摘の特定措置の履行要求禁止の規定も含めまして、攻めるべきは攻め、守るべきは守り、経済安全保障の観点なども踏まえながら、政府として必要な政策を取るため、そのための政策判断の裁量、これは適切に確保しているところでございます。
いずれにしましても、こういった相手国の状況、我が国の国益、それから経済界の要望も踏まえて、戦略的に投資協定の推進に取り組んでいく考えでございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
では次に、既存の、もう既に結んでいる投資協定について伺っていきたいと思います。
我が国がこれまで締結してきた協定はたくさんあると思います。それについて、最新の今の議論であるとか、透明性の確保、規制権限に関する規定が十分でない過去の、過去のというか、従来結んできた条約、協定もあると認識しています。今回のような新しい協定を進めることと同時に、既存の協定の見直しも欠かせないと思っております。
政府については、既存協定の現代化について、現代化というか、今の議論の中に含めていくという、優先順位であるとか、どういう基準で進めていくお考えなのかを併せて伺います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
我が国が締結しております投資協定は、それぞれ、我が国及び交渉相手国・地域を取り巻く経済社会状況、それから、我が国の経済界の具体的な要望、さらには、交渉相手国・地域との利害のバランスなどを総合的に踏まえて交渉し、これまで合意に至っているものでございます。
同時に、日本国内で海外からの投資を受け入れる点に関しましては、経済安全保障等の観点から、海外の投資家の利益と国家の規制権限との間で適切なバランスを取るという観点を踏まえる必要があるということを考えております。
その意味で、既に締結をした個々の協定の見直しにつきましては、こういった観点に加えまして、一般論として、協定締結後の投資状況、それから、相手国・地域の状況の変化、それを踏まえた我が国経済界からどのような新たな要望があるか、こういったことを様々考慮して対応ぶりを検討していく必要があると考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
では、最後にここまでの議論を踏まえて茂木外務大臣から一言いただこうかなと思ったんですけれども、冒頭、力強いお言葉をいただきましたので、時間になりますので、これで終了したいと思います。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、木下敏之君。
○木下委員 参政党の木下敏之でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。心から感謝を申し上げます。
私は、前回の一般質問で、ホルムズ海峡の封鎖によって世界的に肥料不足になるという問題を提起をさせていただきました。
その後、四月二十日の、G20財務大臣会合で世界的な肥料の不足の問題が話し合われたとの報道に接しております。なぜ財務大臣会合で話し合われたのかと思いましたら、これから先の話でありますが、恐らく、途上国の中で何か国か、IMFからお金を借りて肥料を買ったり食料を買ったりするところが出てくるだろう、だから、そうならないように事前に対策を打とうじゃないかということが話し合われたようでございます。この点については、少し先になると思いますが、また次回の外務委員会の一般質疑においてお話を聞かせていただければと思っております。
今回は条約についての質疑でございますが、今回、日本は四か国と新たに投資協定を締結するわけでございます。いずれも今後の我が国の経済成長や資源確保の観点で重要な国々であるという御判断で協約締結に至ったことと思いますが、これらの協定は日本の実体経済や国民生活にどのような利益をもたらすのかという点が見えにくいのではないかと思っております。これらの協定が、単なる企業の海外進出の支援策にとどまらずに、日本の国益に資するのか、安全保障や実効性の観点から質問をさせていただきます。
まず一番目ですが、投資協定全般についての効果についての質問でございます。四協定、個々の協定についてどうこうという話ではありませんでして、これまで、投資協定が締結されて、その後、我が国にどのような効果が生じたのかということでございます。
いろいろな指標はあると思います。例えば、貿易額、それから投資額、在留邦人の数、進出企業数、いろいろな指標はあると思いますが、私が考える最も分かりやすい効果測定の指標は、貿易収支だけでもなく、資本収支だけでもなく、それを合計した経常収支の推移ではないかと考えております。
分かる範囲で結構でありますので、例えば、二〇一四年、二〇一五年頃に締結された投資協定について、その後十年が経過をいたしまして、その間、コロナが挟まったりはしておりますが、日本の経常収支額が、黒字が拡大しているのでしょうか。何か国か例に取って、どのような経済効果があったのかを外務省にお尋ねいたします。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
経常収支の比較自体につきましてはちょっと今手元に数字がございませんので、先ほど御質問の中で、投資協定の締結の効果、どのような効果があったのかということでちょっとお答えをさせていただければと思います。
それで申し上げますと、一般に、投資協定の締結には、法的安定性、企業にとっての予見性を高めるといった効果がございますが、同時に、企業がどのような形で投資を行うか、これは、まさに様々な要素を勘案して自らの経営判断によって行うものでございまして、また、国をまたいで行われる海外投資の増減は、そのときの相手国の状況、国際経済動向、地域情勢、各国の企業の方針などなど様々な要因で変わるものでございまして、今の経常収支の増減も含めまして、それが投資協定の有無によるものかどうか、これはちょっと一概にはお答えが困難なところではございます。
そのことを前提といたしまして、今、十年というお話でございましたので、あくまで数字上の一例として申し上げれば、二〇一四年に投資協定を締結したモザンビークにつきましては、当時の、二〇一四年の進出日系企業数は十九でございましたが、十年たった二〇二四年時点では二十八、このように投資企業数が増えている例もございます。
いずれにしましても、こういった投資協定につきましては、締結をした後の着実な履行が実現されますように、政府の下で開催されます合同委員会、それから経済界からの丁寧なヒアリング、締結済みの協定についてこのような形でフォローをしていって、引き続き効果を出していきたいと考えております。
以上です。
○木下委員 御答弁ありがとうございます。
事務方の事前レクでは、経常収支はなかなか把握は難しいということは伺っておりますので、もし今後可能でしたら、経常収支が結局プラスなのかマイナスなのか、経常収支は難しいということであれば、投資の収支だけでも情報を取る仕組みをつくっていただけたらとても効果が分かりやすいのではないかと思っております。
私もずっと大学で数字を扱っておりましたので、やはり、二十年というとなかなか大変だと思うんですが、十年ぐらいの数字を見ていただくと、間にコロナのような事件があったとしても大体の傾向値は分かると思いますので、そのような数字をこれからは整えていっていただければ大変幸いでございます。
では、次の質問に入ります。
次は経済産業省に対しての質問なんですが、経済産業省がまとめたもので、二〇二一年の三月、協定の効果を検証した投資協定、租税条約等の効果に関するアクションプランというものがございました。私も、今回の答弁を準備する際に、恐らく経済産業省であれば数字がいっぱい出てくるのではないかと期待していたんですが、これも、経常収支の推移など、数字が、私がインターネットで確認した限りでは全く出てきませんでした。
協定を結ぶために、外務省と経済産業省、大変な労力を投入していることと思いますが、そして、日本だけが一方的に黒字になることもよくないことでありますが、経済産業省として、投資協定を結んだ結果、どのような状態になれば投資協定を結んだ目的が達成される、達成されたと判断されるのでしょうか。
事前のレクでは、外務省は協定を結ぶまでが仕事、その後、投資をどう増やすかは経済産業省の仕事だというふうに暗黙で何か切り分けられているような印象を受けたんですけれども、やはり、数字をしっかり定めて、協定を作った後、その国との貿易や投資が拡大していくように経済産業省としてもフォローを行うべきだと考えるのですが、その点について経済産業省のお考えを聞かせてください。
○辻阪政府参考人 お答え申し上げます。
二〇二一年三月のアクションプランにおきましては、御指摘のような形での効果検証は行っておりませんが、これは、投資は、投資家が種々の要素を勘案して自らの経営判断によって行うものであり、特に海外投資の場合、その時々の相手国の状況、国際経済動向、地域情勢等にも左右されるため、投資協定締結による具体的な効果について特定の指標に基づいてお示しするのが難しいからでございます。
もう一点、御質問いただきました投資協定の目的でございますが、相手国による投資環境の透明性、法的安定性及び予見可能性の向上により、日本企業による海外での事業を保護するとともに、日本企業の海外展開、それから日本からの投資促進につながること、これが目的でございます。
委員御指摘のとおり、事後のフォローアップは重要でございます。このため、経済産業省といたしましては、企業による投資協定の認知度や利活用の状況などについて、企業へのヒアリングやジェトロによるアンケート調査などを通じたフォローアップを行ってきております。
さらに、協定の目的を達成するために、経済産業省では、ジェトロや在外公館等とも連携した投資協定の周知や海外展開に関する相談対応を行うことに加えまして、成長著しいグローバルサウス諸国との連携強化による市場の取り込みや、地域を支える中堅・中小企業の海外展開支援などの措置を講じているところでございます。
○茂木国務大臣 ごめんなさい、途中で割り込んでしまいまして。
今、詳細については経産省の方から答弁があったところでありますけれども、協定を結ぶまでが外務省で、協定を結んでからは経産省、こういうすみ分けではないし、そうあってはいけないと私は考えておりまして、両省庁がしっかりと連携をしながらシームレスに進めていかなければいけないと思っております。
今後、木下委員も強調しております経済の安定、資源の安定確保であったりとか食料安全保障、これは経済外交を考えた上でも極めて重要なものになってくると考えております。
そして、そういった食料であったりとかまた希少鉱物等々を産出する国、輸出する国は中進国とか途上国が多いわけでありまして、その分、リスクも大きい。このリスクを軽減して、投資に向けての法的な安定性であったりとか予見可能性を高める、それが結果として企業の投資を、相手国への投資を増加をさせる。そして、増加をさせるだけではなくて、それを通じてその国での雇用が増える、またその国でも企業がまた増えていくということを通じて、先ほどレヴィ・ストロースの例を出させていただきましたけれども、ちょっと極端な、アマゾンの例でありますが、いずれにしても、経済社会改革というものがそういった国でも進んでいくことが必要だと思っておりますし、同時に、日本へそれらの国から投資が呼び込まれる、こういったことも重要だと考えております。
もちろん、そういった海外の投資企業の利益と日本としての国益、このバランスというものはよく考えなきゃなりませんけれども、そういった、単に投資したら終わりというよりも、投資によってどういう効果がそれぞれの国で生まれてくるか、こういったこともしっかり見ていく必要があるなと思っております。
○木下委員 大臣の御答弁、ありがとうございました。最後の質問のお答えを先にいただいてしまったようで、どう組み立て直すかなと今考えておりますが。
先に、先ほどの経済産業省の御答弁で、特定の指標を使えないということについては私はちょっと納得がいかなくて、今まで使えなかったとしても、これから、せめて、経常収支なり、相手国のGDPが増えるとか、いろいろな指標がある中で、何か数字を使われることを是非お考えいただきたいと思うんですね。
というのは、投資協定は、あくまでこれはビジネスですよね、貿易であったり投資であったり。ビジネスはやはり数字なので、数字がない、それで効果を判定するということは非常にちょっとおかしなことではないかと思いますが、もう一度答弁を求めます。
○辻阪政府参考人 お答えいたします。
先ほど御指摘いただいた点、ありがとうございます。
今後の在り方についてはまた検討をさせていただきたいと思いますけれども、先ほど外務省さんから答弁がございましたとおり、なかなか、進出企業の数ですとか投資額の変動といったこととそれから投資協定の締結との因果関係を示すことが困難であるというのが現状でございます。
今後につきましては改めて検討をさせていただきたいと思います。
○木下委員 御答弁ありがとうございました。
では、時間の関係もありますので次の質問に入っていきたいと思いますが、タジキスタンだとかセルビア、こういったところで、余り市場規模が大きくなくて地政学リスクの高いところと協定を結ぶことの意味をちょっと聞きたかったんですが、それはちょっと省略させていただきまして。
では、具体的に経済産業省としては、これから、協定を結んでいるこの四か国に対して投資を促進するための具体的なプランは、現状はお持ちでないということでいいんですかね。もしプランをお持ちだったら、その投資が日本国内の雇用や所得にどう還元されると見込んでおられるのかを伺いたいと思います。
○辻阪政府参考人 お答え申し上げます。
投資協定の効果につきまして、まず、投資は、投資家が様々な要素を勘案して自らの経営判断によって行うものでございます。また、海外投資の増減は、その時々の相手国の状況、国際経済動向、地域情勢や企業の投資方針により変化するものでございますので、今御指摘いただきました将来の投資増加額の具体的な見通しということをお示しすることは難しい状況にはございますが、投資収益の一定割合は親会社である日本企業に還元されているというふうに承知しております。
具体的には、二〇二五年の実績では、海外直接投資収益約二十六兆円のうち半分以上の約十五兆円が還元をされております。さらには、海外投資により獲得した海外市場に対しまして、日本からの輸出やライセンス料などを通じた収益還元等にもつながるものでございます。
こうした海外投資による収益の国内への影響につきまして一概に語ることは難しいですが、対外投資により世界の市場や資源を獲得することは国内の雇用や所得にも貢献し得ると考えているところでございます。
○木下委員 御答弁ありがとうございました。
次に進みます。
日本は、もう長年海外投資を進めてきたわけですが、結果として国内産業の空洞化も指摘されております。日本国内は今、人口減少が加速しておりまして、国内市場は縮小するばかりでありますが、政府として、海外への投資を促進するのであれば、その果実がどのように国内に還元されるのかをもっと考えていただきたいと思っております。そうでなければ、地方の中小企業は疲弊するばかりでございます。
海外に投資した利益を更に海外に投資するのではなく、せめてその一部を国内投資に誘導するような更なる税制制度が求められていると思いますが、経済産業省の御見解を伺います。
○辻阪政府参考人 お答え申し上げます。
日本企業が外国子会社から受け取る配当につきましては、国際的な二重課税を避ける観点から、外国子会社配当益金不算入制度によりまして、その配当額の九五%相当額は非課税とされているところでございます。この制度は平成二十一年度の税制改正において導入されたものでございますが、税制以外の要因もあるとは思われますが、同制度導入以降、海外から日本への配当の金額は増加しているところでございます。
また、国内の投資に関する税制につきまして御指摘をいただきましたが、海外から還流した利益に限った措置ではございませんが、高市内閣の成長戦略の肝である危機管理投資における戦略分野を中心に、大胆な設備投資や研究開発の促進などを行っているところでございます。
また、海外投資利益の還流分も含めての話でございますが、国内の賃上げを含めた人的資本投資、設備投資、地方拠点への投資が喚起されるように、経済産業省といたしまして引き続き取組を進めてまいります。
○木下委員 御答弁ありがとうございました。
では、最後に外務大臣に御質問したいと思います。
今のお話を聞いておりますと、私が思っている投資協定というのは、投資協定の前に、この国の資源をこう取りたい、そのためにODAをこう使う、投資協定をこう使う、そして結んだ後はこんなことをするという一連のプロジェクトがあって、投資協定があるというふうに考えておったんですが、現実はそうではないようであります。
例えば、ザンビアの鉱山利権ですね。日本企業がどれだけ確保しているかというと、非常に割合は少ないわけでありまして、一方で、これまで、無償資金協力で道路を造ったり橋を造ったりと大きな投資はしているのに、権益は取れていない。
これはやはり、投資協定を単純に見るのではなくて、その前後を含めた一気通貫のプロジェクトで見て考えていくべきではないかと思いますが、これまでの投資協定をそういった実利が取れるプロジェクトに組み替え直すことについて、大臣の御見解を伺います。
○茂木国務大臣 組み替え直すという表現がいいかどうかは別にしまして、ODAであったりとか、こういった投資協定、そして、その後実際に行われる投資、これがある意味連携しながら、それが日本にとっても利益になっていく。
冒頭申し上げたように、経済安全保障であったりとか食料の安全保障、これは日本の経済外交の柱になってくると思っておりまして、今回投資協定を結びますザンビアは銅であったりとかコバルト、タジキスタンはアンチモン、さらには、パラグアイはリチウム等の資源があるのではないかなとも言われているところでありますし、パラグアイは、御案内のとおり、大豆の一大輸出国であって、農業分野でもポテンシャルが非常に高い、こんなふうに考えております。
今までどうだったかということで考えると、ODAについてももう少し戦略性を持って進めるという形で、もちろん相手の国にも裨益をするんですけれども、結果的にはそれが日本に返ってくる、こういったことも考えながら、そしてそのODAと企業の投資というものをつなげていく、こういう戦略が必要だと思っておりまして、その間にこの投資協定というものが、言ってみるとつなぎ役として入っていくということが重要だ、私はそんなふうに考えております。
○木下委員 御答弁ありがとうございました。
やはり、省庁をまたがって横断する、さらには企業とも連携してプロジェクトを組み立て直さないといけませんので、茂木外務大臣の更なる強力なリーダーシップを発揮していただきまして、日本国内にもその利益が還元されるプロジェクトに是非していただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○國場委員長 次に、宇佐美登君。
○宇佐美委員 チームみらいの宇佐美登でございます。
今日も質問のお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。
まず最初に、昨日の自衛隊での事故がございました。亡くなられた三人の方に心よりお悔やみ申し上げると同時に、けがをされた方にも本当にお見舞いを申し上げたいと思います。また、御家族の方もまさかこんなことが起きるとは思っていなかったと思いますので、本当に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
さて、冒頭、やはり中東情勢なんですけれども、先ほど中道の先生からも御質問がありましたけれども、日夜を問わず茂木大臣も御苦労されているかと思いますけれども、最新の情勢について一言いただければと思います。
○茂木国務大臣 先ほど金城委員の御質問にもお答えをしたところでありますけれども、米国時間でいいますと昨日、二十一日に、トランプ大統領が、議論の何らかの形での決着があるまで停戦期間を延長する、こういった旨を発表したところであります。少なくとも私がこの委員会に出るまでの時間ではイラン側からこれに対する反応があったという話は聞いていないところでありますが、なかなかこの協議について、いつ、どういう形で行われるかということについては非常に不透明な状況であるのは間違いないと考えております。
また、ホルムズ海峡についても、関連の動向、イランの封鎖といいますか、また、アメリカの対抗措置等々も含めて、引き続き重大な関心を持って注視をしていきたいと考えております。
何度もで恐縮でありますけれども、最も重要なことは、今、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含めて事態の鎮静化が一刻も早く実際に図られるということだと思っておりまして、米・イラン間の協議が再開をされて、話合いを通じて最終的な合意に達する、これが最も望ましい策なんだと思っております。
それ以外のよいシナリオというのは少なくとも私には思い浮かばない、こんなところでありまして、日本としては、引き続き、米、イランはもちろんでありますが、その協議を後押しするとともに、パキスタンを始めとします仲介国、本当に外交努力、頑張っているなと私もそれぞれの外務大臣と話をしながら感じているところでありまして、こういった仲介国の外交努力を後押ししたり、また、国際社会で緊密に連携しながら、引き続き日本としても積極的な外交努力を続けていきたいと思っております。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
大臣はもとより、職員の皆さんたちも本当に、もう長い期間になっております、お体の方、お気をつけいただいて、引き続き粘り強い交渉をお願いしたいと思っております。
さて、今回の投資協定についてなんですけれども、内容そのものについては皆さんから多くの議論をいただき、さらには、先ほども投資協定の後の実効性の担保についても議論がありました。
理事会でちょっと提示をしなかったので口で申し上げますけれども、実は、外務省さんのホームページはすごく充実をしていまして、特に、「日本企業支援」という項目があって、その中で「在外公館・外務本省への相談」というのがあって、分かりやすいんですよ、「海外でのビジネス展開について相談したい」とかいうところがあったり。もう一つ、「海外拠点から第三国市場への進出について相談したい」。例えば、ヨーロッパに日本の会社が行っています、そこからアフリカに展開したいなんていうときにもこれは分かりやすいんですね、すごく。
是非、日本の企業の皆さん、そして我々国会議員も含めて、外務省さんの御努力をしっかりと見て、そしてまた使わせていただければなと思っております。
そんな中で、実は、現地での日本企業の海外進出、投資をサポートするということで、日本企業支援担当官や経済広域担当官という方々がいます。それぞれの役割、これまでの取組、成果はいかがかということを参考人からお願いします。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
外務省は、従来から、関係省庁とも協力しながら、様々な手段を用いて、日本企業の国際競争力向上の後押し、さらには海外のビジネス環境整備に努めるとともに、現地の在外公館において、日本企業支援担当官を指名し、個々の日本企業等の活動を支援してきております。これは、まさに先ほどもございました投資協定締結後のフォローというものも含むものでございます。
また、一部の公館では経済広域担当官を指名しております。これは、既に海外に進出済みの日本企業による第三国市場への進出と国境を越える活動を効果的にサポートすることを目的として指名しております。
日本企業支援担当官及び経済広域担当官は、具体的には、一つには、現地及び第三国の政治、治安情報、規制状況の情報提供、さらには、不当な税の支払い要求や、ビザ、許認可証の発給、ライセンスの更新等に関する各国政府への働きかけなどの日本企業からの個別相談や支援依頼に日々対応しておりまして、その数は全世界において年間で五、六万件対応しているところでございます。
引き続き、関係省庁と連携し、民間企業等と意思疎通しながら、日本企業の海外展開を支援してまいりたいと思っております。
○宇佐美委員 これは、五、六万件とおっしゃいますけれども、物すごいことだと思います。
そんな中で、実は、この以外にもエネルギー・鉱物資源専門官という方がいらっしゃるんですね。これはどのような基準で専門官を配置しているのかなどについてもお答えいただきたいと思います。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
御質問のエネルギー・鉱物資源専門官の制度につきましては、我が国にとって重要な資源国との間の包括的かつ互恵的な二国間関係の構築、強化を図るべく、エネルギー、鉱物資源の安定供給に関する在外公館の体制強化を目的として、平成二十五年二月に導入されております。
この専門官につきましては、世界的な鉱物資源確保の競争の激化、国際的なエネルギー需給構造の変化がある中で、エネルギーや資源の埋蔵状況、さらには日本企業の進出状況など、様々な例を踏まえて、配置する在外公館を決定しております。
現在、五十三か国に、延べ六十公館におきましてこの専門官を指名し、エネルギーや鉱物資源に関する情報の収集、集約、分析、さらには、民間企業、関係機関等との連絡調整を緊密に行うなどの活動を行っているところでございます。
○宇佐美委員 非常に重要なお仕事だと思っていますが、今回の四つの協定の中にもこういった鉱物資源を持っている国々があるわけですけれども、今回、特に私の注目はタジキスタンの鉱物資源なんですけれども、ここについてお答えをいただきたいと思うんです。
その中で、もう先んじて言いますけれども、先ほども大臣答弁でもございましたけれども、アンチモンという半金属があるんですね。これはレアメタルというところで、私は理系なので、化学記号でいうとSbで、原子番号五十一なんですね。その十八個上がヒ素になるんですけれども。
この半金属のアンチモンの特徴、及びタジキスタンの生産量と世界シェア、併せてお答えいただけたらと思います。
○田口政府参考人 御答弁申し上げます。
委員御指摘のとおり、アンチモンはタジキスタンの主要な資源の一つでございます。御指摘のとおり重要鉱物の一つでございまして、用途といたしましては、特に樹脂に添加して難燃性を高める難燃助剤等が主な用途であるというふうに承知をしてございます。
その生産量でございますけれども、タジキスタンにおけるアンチモンの二〇二四年の生産量は約一万七千トンでございまして、世界第二位のシェアでございます。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
これは、一万七千トンで世界二位ということで、一位が中国なんですね。このアンチモンは、実は日本でも以前は取れておりまして、日本最古の銅銭である富本銭という、六八三年頃なんですけれども、ここにも使われていたということでございます。
私は、太陽光電池を含めてアンチモンの利用価値というのはあるかと思うんですね。是非、そこの点についてもお願いしたいと思います。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
アンチモンは、難燃性を高める補助材料として、自動車用部品ですとか、また電線等の被覆材に使用されている。それから、そういうことのほか、自動車用のブレーキパッド、それから太陽光パネルなどにも幅広く使用されておりまして、自動車産業を始めとする我が国の主要産業を支える重要な鉱物であると認識しております。御指摘のとおりだと思います。
過去には国内でもアンチモンが採掘されていたわけですけれども、現在は、その採掘はされておりませんで、全量を海外から輸入をしている、こういう状況になっております。
○宇佐美委員 昨日の事前レクでお伺いしましたら、基本的に純度の高いものはもう掘り切ってしまっていて、アンチモンを取りたいんだけれども、ほかのものがいっぱいあり過ぎて取るのをやめているということでございます。
今、先ほど、アンチモンの話でいうと、ブレーキパッドなんというのも、熱が上がってきて燃えないようにということで入れられたりもするんですが、私は、太陽光発電そのもの、アンチモンカルコゲナイドという方法もあるんですね。
今、政府を挙げて頑張っていただいているペロブスカイト電池というのも、曲がったりしてすごく便利なんですね。今、この国で広まっているシリコンの電池の上に、このペロブスカイトで、タンデムといってやると、また発電効率が上がっていくなんということもありますけれども。
アンチモンカルコゲナイドでいえば、ここも先ほどお話があったように、非常に難燃性が高かったり耐久性が強い、さらには放射線に対しても強いということで、これから、私、どんどん日本も含めて宇宙に行った方がいいなという中で、このアンチモンを利用した太陽光発電なんというのも非常に今後価値が出てくると思っています。
そんな中で、今回、投資協定によって法的保護は強化をされました。次に、実際に供給網の強靱化につなげるために、経産省系ですね、独立行政法人のエネルギー・金属鉱物資源機構、通称JOGMECによる探査支援や金融支援を連動させて日本企業の背中を押すべきだし、サプライチェーンの強化という意味でもやってもらえたらと思いますが、いかがでしょうか。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
JOGMECはまさに御指摘のような業務を、様々な国で支援を行っているところでございまして、経済産業省としては、日本企業からアンチモン等の重要鉱物の鉱山開発、また製錬事業、こうした事業への投資に関して相談があった場合には、必要に応じて出資や助成金といったJOGMECのツールも活用しまして支援を行いまして、重要鉱物の安定供給の確保につなげてまいりたい、このように考えております。
○宇佐美委員 先ほど木下委員の質問に対して、縦割りを壊してシームレスでやっていきたいと、非常に大臣の方から強いお答えをいただいたわけですけれども、まさにそこだと私は思っています。
ですから、鉱物の安定供給に向けて、経産省やJOGMECなどと外務省さん、役所の縦割りを排した連携を進めるべきと考えておりますので、外相の見解を伺いたいのと、同時に、今回、せっかく協定も結んでいくわけですから、先ほど申し上げたエネルギー・鉱物資源専門官をタジキスタン大使館にも配置するべきだと私は考えますが、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 まず、すごいなと思いましたのは、私、化学が大の苦手でありまして、カノッサの屈辱は何年かと聞かれれば、一〇七七年とか、すぐ答えられるんですけれども、アンチモンの化学番号と言われても、五十一番というのは初めて聞いたところでありますけれども。
お答えしますと、エネルギー・鉱物資源の専門官につきましては、世界的な鉱物資源確保の競争の激化、国際的なエネルギー需給構造の変化、また、それぞれの国への日本企業の進出状況等を踏まえて配置する在外公館を決めておりますが、御指摘の在タジキスタン大使館への配置についても、今後、前向きに検討していきたいと思っています。また、他の公館への配置についても、現下の状況を踏まえて不断に見直しを行っていきたいと思っております。
そして、重要鉱物を含みます鉱物資源の安定供給確保は急務でありまして、外務省としても、御指摘の経済産業省であったり、JOGMEC、たまたま、私が経済産業大臣時代の資源エネルギー庁長官でありました高原氏が理事長を務めておりますけれども、こういったJOGMECを始め関係省庁とオール・ジャパンで取り組んで、同志国と連携しながら、鉱山開発から製錬設備に係る協力、こういったものを含みます供給源の多角化、これに取り組んでまいりたいと考えております。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
やはり、茂木大臣がそうやってどんどん進めていこうということが各省庁にも波及していくんだと思います。
今申し上げたこのエネルギー・鉱物資源専門官さんは、事前レクで伺ったところ、外務省さんから行っている書記官が半分ぐらいで、半分ぐらいは経産省さんからアタッシェで行っている方だとも聞いておりますので、是非、この点も経産省さんと連携しながら、いろいろなところで必要な方だと思いますので、配置をお願いできたらと思います。
今日はどうもありがとうございました。
○國場委員長 これにて各件に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○國場委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
まず、投資の促進及び保護に関する日本国とセルビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
次に、投資の促進及び保護に関する日本国とパラグアイ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
次に、投資の促進及び保護に関する日本国とザンビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
次に、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とタジキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
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○國場委員長 次回は、来る五月十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時三十分散会

