衆議院

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第8号 令和8年3月9日(月曜日)

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令和八年三月九日(月曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 坂本 哲志君

   理事 勝俣 孝明君 理事 齋藤  健君

   理事 笹川 博義君 理事 とかしきなおみ君

   理事 鳩山 二郎君 理事 藤原  崇君

   理事 長妻  昭君 理事 池下  卓君

   理事 長友 慎治君

      石川 昭政君    石橋林太郎君

      石原 正敬君    伊藤信太郎君

      稲田 朋美君    井上 信治君

      小田原 潔君    加藤 鮎子君

      神田 潤一君    北神 圭朗君

      後藤 茂之君    塩崎 彰久君

      菅原 一秀君    鈴木 淳司君

      平  将明君    谷川 とむ君

      中山 泰秀君    西田 昭二君

      橋本  岳君    福原 淳嗣君

      細田 健一君    牧島かれん君

      丸川 珠代君    三反園 訓君

      宮内 秀樹君    盛山 正仁君

      山田 美樹君    鷲尾英一郎君

      渡辺 博道君    赤羽 一嘉君

      伊佐 進一君    小川 淳也君

      後藤 祐一君    中野 洋昌君

      山本 香苗君    東   徹君

      梅村  聡君    うるま譲司君

      原山 大亮君    横田 光弘君

      田中  健君    丹野みどり君

      福田  徹君    村岡 敏英君

      木下 敏之君    工藤 聖子君

      鈴木 美香君    豊田真由子君

      吉川 里奈君    和田 政宗君

      高山 聡史君    土橋 章宏君

      古川あおい君    辰巳孝太郎君

      田村 智子君

    …………………………………

   内閣総理大臣       高市 早苗君

   総務大臣         林  芳正君

   外務大臣         茂木 敏充君

   財務大臣         片山さつき君

   文部科学大臣       松本 洋平君

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   経済産業大臣       赤澤 亮正君

   国土交通大臣       金子 恭之君

   防衛大臣         小泉進次郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   国務大臣         松本  尚君

   国務大臣

   (防災庁設置準備担当)  牧野たかお君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) あかま二郎君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)

   (地域未来戦略担当)   黄川田仁志君

   国務大臣

   (賃上げ環境整備担当)  城内  実君

   国務大臣

   (外国人との秩序ある共生社会推進担当)

   (経済安全保障担当)   小野田紀美君

   財務副大臣        中谷 真一君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    岩尾 信行君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            山中 伸介君

   政府参考人

   (内閣官房国土強靱化推進室次長)         山本  巧君

   政府参考人

   (内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長)     井上  学君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  早田  豪君

   政府参考人

   (内閣官房防災庁設置準備室次長)         横山 征成君

   政府参考人

   (内閣官房外国人との秩序ある共生社会推進室室長代理)

   (内閣府政策統括官)   山野  徹君

   政府参考人

   (内閣官房日本成長戦略本部事務局次長)      鈴木 恭人君

   政府参考人

   (内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官)     金澤 直樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  岡  素彦君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    重松 弘教君

   政府参考人

   (こども家庭庁成育局長) 中村 英正君

   政府参考人

   (デジタル庁総括審議官) 森田  稔君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     新居 泰人君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  小川 康則君

   政府参考人

   (消防庁次長)      田辺 康彦君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    佐藤  淳君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁次長) 内藤惣一郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 三宅 史人君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 三宅 浩史君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 上田  肇君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            岩本 桂一君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       西條 正明君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    浅野 敦行君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  森光 敬子君

   政府参考人

   (厚生労働省健康・生活衛生局長)         大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局長)  宮本 直樹君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            岸本 武史君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         田中佐智子君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  間 隆一郎君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房技術総括審議官)       堺田 輝也君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房統計部長)          深水 秀介君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  山口  靖君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            松本  平君

   政府参考人

   (林野庁長官)      小坂善太郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小見山康二君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    山本 和徳君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)           佐々木正士郎君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        楠田 幹人君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  宿本 尚吾君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局長)          石原  大君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  宮澤 康一君

   政府参考人

   (観光庁次長)      木村 典央君

   政府参考人

   (気象庁長官)      野村 竜一君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  萬浪  学君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  伊藤 晋哉君

   予算委員会専門員     藤井 宏治君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月八日

 辞任         補欠選任

  西田 昭二君     武井 俊輔君

  伊佐 進一君     庄子 賢一君

  山本 香苗君     野間  健君

  豊田真由子君     石川  勝君

  和田 政宗君     川 裕一郎君

  辰巳孝太郎君     畑野 君枝君

同日

 辞任         補欠選任

  武井 俊輔君     西田 昭二君

  庄子 賢一君     伊佐 進一君

  野間  健君     山本 香苗君

  石川  勝君     豊田真由子君

  川 裕一郎君     和田 政宗君

  畑野 君枝君     辰巳孝太郎君

同月九日

 辞任         補欠選任

  井出 庸生君     加藤 勝信君

  牧島かれん君     宮内 秀樹君

  丸川 珠代君     細田 健一君

  三ッ林裕巳君     盛山 正仁君

  伊佐 進一君     小川 淳也君

  中野 洋昌君     赤羽 一嘉君

  東   徹君     原山 大亮君

  横田 光弘君     梅村  聡君

  福田  徹君     丹野みどり君

  村岡 敏英君     田中  健君

  豊田真由子君     鈴木 美香君

  和田 政宗君     吉川 里奈君

  高山 聡史君     古川あおい君

  辰巳孝太郎君     田村 智子君

同日

 辞任         補欠選任

  石原 正敬君     井出 庸生君

  細田 健一君     三反園 訓君

  宮内 秀樹君     牧島かれん君

  赤羽 一嘉君     中野 洋昌君

  小川 淳也君     伊佐 進一君

  梅村  聡君     横田 光弘君

  原山 大亮君     東   徹君

  田中  健君     村岡 敏英君

  丹野みどり君     福田  徹君

  鈴木 美香君     木下 敏之君

  吉川 里奈君     和田 政宗君

  古川あおい君     土橋 章宏君

  田村 智子君     辰巳孝太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  三反園 訓君     丸川 珠代君

  木下 敏之君     工藤 聖子君

  土橋 章宏君     高山 聡史君

同日

 辞任         補欠選任

  工藤 聖子君     豊田真由子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和八年度一般会計予算

 令和八年度特別会計予算

 令和八年度政府関係機関予算

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

坂本委員長 これより会議を開きます。

 令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算、令和八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房国土強靱化推進室次長山本巧君外四十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山田美樹さん。

山田(美)委員 自由民主党・無所属の会の山田美樹です。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 私からは、経済政策と外国人問題について質問いたします。よろしくお願い申し上げます。

 さきの衆議院選挙では、自民党の高市総裁が掲げる強い経済に大変多くの有権者の方々から御支持をいただきました。

 この強い経済を支えるのが、責任ある積極財政です。失われた三十年が終えんし、デフレ経済からインフレへと移行している国内経済の状況や、国際情勢がこれまでになく不安定化している状況に鑑みると、国が前面に立って成長投資、危機管理投資を行っていくという高市政権の方針は、まさに時代の要請にかなったものだと感じています。

 また、積極財政の下で複数年度予算を導入し、補正予算を前提とした予算編成から脱却するという目標は、長年にわたる予算編成の仕組みを大改革する大仕事ですが、政権与党の一員として、私も、令和九年度の予算編成の議論の中で制度が骨抜きにならないようしっかり後押しをしていくとともに、国民の皆様への分かりやすい説明を心がけていきたいと思います。

 一方で、積極財政には不安の声もあります。地元の経営者の方々の中には、円安が解消しないことには物価高対策をやっても効果が出ないのではないかという意見もあったり、金利が上がると若い人が住宅ローンを組むのが大変になるよねと心配する方もいらっしゃいます。金融業界の方々とも意見交換していますが、今は冷静に見守っているといった様子がうかがえます。

 こうした心配の背景には、日本の経済、財政の将来の道筋が見えないことによる一抹の不安があるのではないかと感じています。財政の予見可能性を高めることが不可欠です。また、政治学では、各国共通の課題として、国の歳出をめぐる政治判断はどうしても支持率や選挙の圧力を受けると言われていることを考えると、行き過ぎた積極財政を抑制する何らかの仕組みが必要だと考えます。

 予見可能性という点では、これまで財務当局が行ってきた財政見通しのようにプライマリーバランス黒字化目標から逆算してつくった数字ではなくて、合理的なアサンプションに基づくフォーキャストを行って客観的な将来予測を示すべきだと思うのです。中東情勢が緊迫する現状においては、なおさら最新情報に基づいた客観分析が不可欠です。

 問題は、誰がこの予測を行うかです。これはあくまで私個人の考えですが、例えば五人とか七人とか、複数の金融市場の専門家による中立のアドバイザリーボードを設けるのはいかがでしょうか。政治でも行政でもない、マーケットの最前線で戦う金融のプロフェッショナルによる忖度ない客観的な視点は、市場の信認を得る上で極めて重要です。

 現状でも、エコノミストなどの専門家が経済財政諮問会議などの形で政権運営に関与していますが、できれば政治任用ではない方が市場の信頼を得られると思いますが、いかがでしょうか。片山財務大臣にお伺いします。

片山国務大臣 まさに非常によい御指摘をいただきまして、総理も、経済成長実現のためには、必要な財政出動を行うに当たっては、特に民間や地方の取組を後押しするために政府予算の予見可能性が非常に大事、その確保が非常に大事だと都度都度述べられておりまして、責任ある積極財政を進める上で、この予見可能性というのはキーワードと考えております。

 後年度影響試算とは別に、御承知のように、年二回、直近の経済動向等も踏まえて中長期試算というものも出しておりまして、そこは諮問会議に出して結構けんけんがくがく議論をするんですね、これは公表されておりますが。そういう部分もございますし、さらにその上で、引き続き、民間のエコノミスト、政治任用ということでなくて民間のエコノミストも含めて、専門家、有識者の豊富な知見をおかりしたいと考えております。

 その際重要なのは、政府の側の方でも参考となるデータや資料をきちっとお示しし、あらゆる材料をテーブルにのせた上で三百六十度の角度から議論をする、これは私が着任の挨拶のときに財務省で申し上げたことですが。それまでは、出していないというか、余り、あえてのっけていない表とかもあったんですが、今はそれはほとんどなくて、まさに全部のデータをテーブルの上に置いて、出して、お見せしております。

 財政関係資料も春と秋の二回更新しておりまして、その都度、最新化、記載内容の更新、見直しをやっておりまして、我が国の財政状況については、各指標の特徴も踏まえながら、できるだけ多様な、様々な資料を用いて議論をしていくこととしております。

 何といっても、責任ある積極財政という以上は、これはマーケットの信認、マーケットの信認を得るためには、委員御指摘のように、民間エコノミストも含めた多くの人の、標準値ですとか参考値というものを取っている国もありますから、そういった視点も含めて、財政の持続可能性とマーケットからの信認をしっかり確保してまいりたい。そのためには、是非、論客でいらっしゃる山田委員の強い後押しも引き続きお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

山田(美)委員 片山大臣、御答弁ありがとうございます。データの公表、非常に重要だと思います。

 金融業界の方々とお話ししておりますと、片山先生が財務大臣をお務めくださっているという事実が積極財政への信認の大きな理由になっていると感じます。資産運用立国の観点からも、積極財政による経済成長の果実を賃上げを通じて家計に還元し、貯蓄から投資への動きを更に推進していただければと思います。

 さて、強い経済を支える財政システムについて質問させていただきましたが、続いて、強い経済の政策の中身についてお伺いします。

 高市政権の経済政策の中核を成すのが、半導体・AI、エネルギー、防衛産業などを中心とする十七の戦略分野を強力に推し進める産業政策です。まずは国力を強化しなければならないという思いは、明治の殖産興業、戦後の傾斜生産方式、日本列島改造論などとも相通ずるものですが、今まさにそうした時代の転換期であり、政府の強い覚悟を感じています。

 一方で、強い日本経済を実現するためには、産業競争力の強化とともに、個々人の持つ能力ややる気を最大限に生かせるような労働環境をつくっていくことも不可欠です。特に、若い世代が将来に希望を持って働ける環境づくりは、政治の責任でもあります。

 さきの衆議院選挙では、ふだんは選挙に行かないいわゆる浮動層、若い世代が投票所に足を運んでくれたのが特徴的でした。私も、大学生くらいの子に、おう、ミキティ、投票したぜと言われて喜んでいましたが、こうした若者たちからの支持は強い経済を掲げる高市政権への大きな期待の表れだと感じました。

 とはいえ、強い経済の産業政策そのものは、必ずしも若い世代が直接に利益を得るものとは限りません。若い世代が抱えている漠然とした不安や不満、賃金が上がらない、転職しにくい、挑戦すると損をするといった現実問題に対応することができなければ、政治に関心を寄せてくれた若者たちの気持ちはすぐに離れていくでしょう。

 若者の挑戦を後押しする労働改革が必要だと感じています。若い世代を念頭に、企業ではなく人への投資として国は何をすべきか、また、若者が求める、転職しても損をしない社会、起業や副業に挑戦できる社会、若くても実力で評価される社会の実現のためにどのような労働市場改革が必要かなど、若者向けの経済政策の今後の方向性について上野厚生労働大臣にお伺いします。

上野国務大臣 お答えいたします。

 委員から大変重要な御指摘をいただいたと考えております。

 強い経済の実現のためには、今後の経済成長の中心的な担い手となる若い世代の皆さんにこれから更に頑張っていただく、活躍をしていただく、そういった環境をしっかり整えていくということが大事だというふうに思っております。

 今後、日本成長戦略会議の下に設けられました労働市場改革分科会において、労働市場改革、様々な課題について検討させていただきたいと考えておりますが、その中では、例えば生産性の高い分野への円滑な労働移動であったり、あるいは働き方改革を含む労働市場改革、そうしたことに対する議論を進めていきますが、そうした議論の中で、今委員から御指摘のあった、若い世代の皆さんにどういった形でこれから更に頑張っていただけるのか、起業の面、あるいは能力を更に発揮をしていただく面、そうした面を十分考慮しながら議論を進めさせていただきたいと考えています。

山田(美)委員 是非しっかりと若者の応援をお願いいたします。

 続きまして、私の地元である東京の都心の住民にとって今最大の課題である外国人問題についてお伺いします。

 首都東京の県庁所在地である新宿区では、住民の一五%が外国人、出身国は百三十か国を超えます。七か国語で園便りを作成している区立の幼稚園や、生徒の六割が外国にルーツを持つ区立小学校もあります。

 民泊問題についても、新宿区は全国に先駆けて条例を制定し、私も国会で、新宿区の取組を紹介しながら、旅館業法の改正の議論に参加しました。

 今年一月時点での民泊の届出住宅数は、新宿区は全国で一番多い三千六百二十件、東京二十三区の中でも突出して多く、全国の民泊の実に一割が新宿区内に集中しています。届出の内訳を見ますと、八割が法人、九割が共同住宅、七六%が賃貸物件、九二%が家主不在型であり、遊休資産の活用という制度発足当初の目的とはほど遠い、賃貸よりももうかるビジネスとしての民泊の現状がうかがえます。また、届出者の三分の一が外国人であり、民泊の利用客の九五%が外国人です。違法民泊が外国人の不法滞在の温床となるゆえんです。

 私たちが暮らす住宅街がごみや騒音に脅かされている。マンションが民泊用に貸し出されて、家賃相場が上がって住民が住めなくなる。最近では、最初から民泊として使用することを前提としたアパートやマンションが次々に建設されている。これが都心の民泊の実態です。

 民泊制度が始まって八年がたちますが、経済効果や弊害など、政府はどのように評価しているのでしょうか。また、政府は、インバウンド目標として二〇三〇年に訪日外国人旅行者六千万人を掲げる一方で、外国人政策を大幅に厳格化していますが、政府は今後の民泊の在り方をどのように考えているのか、金子国土交通大臣に伺います。

金子国務大臣 おはようございます。

 山田委員には、本当に地元の問題に対して非常に真摯に取り組んでいただいておりまして、ありがとうございます。

 住宅を活用して宿泊サービスを提供するいわゆる民泊については、公衆衛生の確保や地域住民等とのトラブル防止等のルールを整備する必要があったため、平成二十九年に住宅宿泊事業法が制定されました。

 その後、民泊の件数は全国で増加をし、現在約三万八千件となっており、増加するインバウンドの受皿や多様な宿泊機会の提供といった役割を果たしている一方で、民泊をめぐっては、例えば、法令手続が行われずに営業が行われている民泊や、騒音やごみなどの迷惑行為に対して事業者により宿泊者に対して適切な対応が行われない民泊などの問題が指摘されているところでございます。

 このため、本年一月に関係閣僚会議で取りまとめられました外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策において、予約サイトから違法な民泊を確実に排除するため、国の民泊データベースと予約サイトとのデータ連携の実現、立地規制などを適切に行うためのガイドラインの見直し、不適切な民泊への厳正な処分などを行いやすくするための手法や環境の整備等の対策が盛り込まれたところでございます。

 国土交通省といたしましては、関係省庁とも緊密に連携しつつ、総合的対応策に基づくこれらの施策を確実に進め、住宅宿泊事業の適切な運営の確保に向けてしっかりと取り組んでまいります。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 自治体にとって違法民泊の取締りは大きな負担でございます。今、データ連携のお話がありましたが、現状では、仲介業者が物件を掲載するに当たって届出物件かどうか確認するのが原則ですけれども、仲介サイト上に違法民泊の掲載が後を絶たず、新宿区から観光庁への削除要請が年間百件以上に及んでいるところです。

 新宿区は苦情が入るたびに全件の現地調査を行っていますが、玄関がオートロックで立入りできないとか、宿泊客が事業者から区役所には対応しないようにと言われていて調査に応じない場合も多々あるそうです。また、管理業者には原則三十分以内の駆けつけ対応が求められていますが、中には、管理業務のほぼ全てを再委託して実質的に管理業務を全く行っていない、法律違反が明らかな事例も増えており、制度が崩壊していると言わざるを得ません。

 新宿区では、今年度、違反事業者に対して東京都内で初めて業務停止命令、業務廃止命令を発令しましたが、制度に大きな抜け穴があります。法律では、処分を受けると、その後三年間、新規の届出ができなくなりますが、別会社を立ち上げて別の個人名義で届出をすれば、同じ場所で同じ枠組みで民泊営業ができてしまいます。また、行政処分の発出前には弁明の機会が与えられますが、処分が決定する前に廃止届を出せば、処分を受けずに再び届出ができてしまいます。自治体が労力をかけて指導や罰則を適用しても意味を成さないという現状があります。

 自治体の人的リソースには限界があります。本来、民泊問題は基本的に保健所の衛生部門が担当しますが、衛生部門はほかにも多くの法定事務を抱えていますから、強力な指導権限を持たずに限られた人数で民泊問題に対処するのは物理的に不可能です。

 こうした現状は、自治体が独自の対応で解決できるものではありません。国は、自治体に権限を与えたので自治体が適切に処理すればいいと自治体任せにするのではなくて、例えば、大本の国の法律を改正して違法民泊への規制を強化するとか、自治体が地域の事情に応じた規制をしやすくする、あるいは手続などの運用面で自治体の負担軽減を図るなどの対応が強く望まれます。

 国としてどのように自治体を後押しできるか、金子大臣に伺います。

金子国務大臣 委員御指摘のとおり、民泊の適切な運用の確保に向けては、各自治体が事業者に対する処分などを着実に実施できる環境を整えることも重要な課題であると認識をしております。このため、先ほど申し上げましたようなことをやりながら、自治体の負担を軽減しつつ、違法な民泊の抑制を進めてまいります。このための経費を令和八年度予算案において盛り込んでいるところであり、速やかに取り組んでまいります。

 また、今委員から具体的な悪質な事例も伺いました。そのことも踏まえまして、管理が適切に行われていない民泊に対して自治体が効率的かつ着実に処分を行えるよう、処分事例の収集、展開や、処分の前提となる違反事実の把握の方策などについて、関係省庁や自治体などと連携しながら検討をしてまいりたいと思います。

 このような対策を通じて、各自治体が民泊の監督を着実に行えるよう努めてまいります。

 具体的な御指摘、ありがとうございました。

山田(美)委員 大臣、ありがとうございます。是非丁寧な御対応をよろしくお願いいたします。

 そして、外国人問題の中で、都心で民泊とともに大きな問題となっているのが、外国人による投機的な不動産売買です。

 千代田区では、昨年の夏に、対象を外国人に限定はしていませんが、投機目的でのマンション取引を行わないよう、不動産業界に対して要請がなされたところです。国は、こうした自治体による対応をどのように評価していらっしゃいますでしょうか。

楠田政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年七月、千代田区から不動産協会に対し、投機目的でのマンション取引の防止に関する要請が行われたことは承知をいたしております。

 国土交通省以外の団体間で行われた個別の要請についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、国土交通省といたしましても、日本人か外国人かを問わず、実需に基づかない投機的取引は好ましくないというふうに考えておりまして、近年のマンション価格上昇について、投機目的での取引が一因となっているのではないかとの声も踏まえ、三大都市圏等の新築マンションを対象に、不動産登記情報等を活用して短期売買と国外からの取得について実態を調査し、その結果を昨年十一月に公表をさせていただきました。

 また、同月、不動産協会におきましても、購入戸数の制限や引渡しまでの売買活動の禁止など、投機的取引抑制に向けた取組を会員各社が開始する旨を公表されたところでございます。

 今後も、マンションの取引状況等に関する実態調査を継続をいたしますとともに、不動産協会と連携し、会員各社による実効ある取組の徹底を促しつつ、その効果を注視をいたしてまいります。

山田(美)委員 御答弁ありがとうございます。

 日本全国、地域によって様々な違いがあるかと思いますので、是非、そうした違いもきめ細かく御対応をいただければと思います。

 そして、この千代田区、こうした自治体による要請に対しては、不動産取引を行っていらっしゃる立場からは、例えば、急激な規制はバブル時代の総量規制のような弊害をもたらすのではないかといったような懸念の声があったり、あるいは、ビジネス界からは、これまで首都東京の国際競争力強化のために海外の富裕層やトップエリートを呼び込もうとしてきた国の政策との整合性はどうなんだろうかといったような声もあります。しかし、都心で暮らす生活者の目線で考えますと、不動産の価格高騰を招いたり、もう家が買えないというような状況を招いたり、あるいは借りられない状況を招いたり、地域住民の安心、安全を脅かすような取引に対しては、やはり厳しく規制する必要があるんだろうなと感じています。

 政府は、この度、有識者会議を立ち上げて、土地の売買や利用に関する法規制の検討を予定していると伺っています。どのような方針で臨まれるのか、小野田内閣府担当大臣に伺います。

小野田国務大臣 ありがとうございます。

 外国人による土地取得等については、山田委員御指摘のとおり、国民の皆様の間に、不動産価格等の上昇など様々な観点からの不安の声があるというのは承知しております。

 政府においては、本年一月にまとめた外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策において、外国人の土地取得等の新たなルールの在り方を検討し、令和八年夏までに骨格を取りまとめることとしました。本年三月四日に第一回外国人による土地取得等のルールの在り方検討会を開催したところで、この検討会では、安全保障、国際関係、土地政策などに精通した有識者に御参画いただいておりまして、規制の在り方について検討を深めていただく予定です。

 担当大臣としては、検討会での議論、そして与党での御議論も踏まえつつ、関係大臣と緊密に連携し、着実に推進してまいりたいと思います。

山田(美)委員 是非、これから、その有識者会議でしっかりと、いろいろな地域地域の声も聞きながら、そしてまた大局観を持って、国の将来、日本の安全ということも考えながら議論を進めていただければと思います。

 今日、実は私、地元の事情ということをかなりいろいろと御紹介をさせていただきましたが、これは新宿区の行政に関わる方々が昔から言っていることなんですけれども、新宿区には日本で一番最初に未来が訪れると言うそうなんですね。その未来というのはいいことも悪いこともあるわけなんですけれども、もしもそうした悪いことが起こりそうなときに、まず新宿区で食い止めよう、頑張ろうというふうに行政の方々は取り組んでくださっておりますし、そしてまた、そこで発生した課題と解決策を国会の場で共有をさせていただくことが、これがまた全国的にもいろいろな日本の将来の問題解決につながるのではないかと願っております。

 少々時間を残してしまいましたが、これで私からの質疑は終わりとさせていただきます。ありがとうございます。

坂本委員長 これにて山田さんの質疑は終了いたしました。

 次に、中野洋昌君。

中野(洋)委員 中道改革連合の中野洋昌でございます。

 質疑に入る前に、まず冒頭、委員長にお願いがございます。

 今回の予算委員会、分科会を行うという提言、そういうことがまだ決まっていないというふうに聞いております。理事会でも議論にあったようですけれども、坂本委員長御自身も過去に、分科会というのは非常に大事だ、若い議員も登壇をして、そしてきめの細かい質問が集中的に出されるというふうなことも御自身のブログの中で書いておられたというふうにも伺いました。

 私も昨年の例をちょっと調べてみましたら、分科会と言っても国民の皆さんはよく分からないと思いますので、去年は、第一から第八分科会まで八つの分科会に分かれまして、大体、各分科会、一日十四人ぐらいの方、私、数えましたら、一日で延べ百十一名の方が昨年は質問をされておられました。そして、質問の中身も、非常に地域の、まさに現場の声だなというふうな中身を届けておられた方が非常に多かったというふうに思っております。

 まさに、現場の声をしっかり届けるというのがこの立法府における予算の審議の非常に大事なところかと思います。もし仮に分科会がないままこの予算審議が終わるようなことになれば、これは三十七年ぶりということも聞いております。

 是非、委員長、分科会を開催をして、多くの議員の方の現場の声をしっかり予算に届けられるような、そういうことを是非お願いをしたいというふうに思います。

坂本委員長 理事会で協議をいたします。

中野(洋)委員 その上で質問に入らせていただきますけれども、今日、赤澤大臣に来ていただきました。週末の訪米についてお伺いをさせていただければというふうに思います。

 赤澤大臣、大変にお疲れさまでございました。昨年も毎週のように訪米をされる赤澤大臣を間近で見ておりまして、一体いつ寝られて、時差ぼけはどうなっているのか、本当に大変な交渉を続けてこられたというふうに思っております。週末もラトニック商務長官と対談をされたというふうに報道でも拝見をしております。米国による関税措置について、そして日米政府の戦略的投資イニシアチブについてということで協議が行われたというふうに報道も見ておりますので、今日は、この結果についてお伺いができればというふうに思っております。

 前の委員会の中で、我が党の後藤委員からもこの関税についてはお話がありました。

 ちょっと、前提の知識として、いきなり質問に入ると聞いておられる方も分からないと思いますので、少しだけ私の方から補足説明をさせていただきますと、今まで、相互関税というのが一五%ということで、これは通常の関税も含んで一五%というものがかかっている状態だったのが、連邦最高裁でこれは駄目だということになりまして、今、暫定輸入関税というのが百五十日間ということでかかっている状態。これが一〇%プラス通常の関税だということでありまして、かつ、この輸入関税を一〇パーから一五パーに上げるのではないかという話も出ております。そして、この暫定輸入関税の後どうするのかというと、これは三百一条に基づく新しい関税がどうなるかということであるという現状だと承知をしております。

 以前、委員会の中では、四つ、しっかり訴えるべきだと我が党の方から言わせていただきました。一つは、暫定輸入関税が今一〇パープラス通常の関税ということなんですけれども、これがいわゆる今までの相互関税一五パーを超えない、一五パー以内にしてほしいということでありますとか、一〇パーから一五パーに上げるというのは上げないでほしいということでありますとか、三百一条に基づく新しい関税も、今までの条件、要は一五%以内にしていくべきだということであるとか、あるいは、そうした交渉に当たって新たな条件というものを付されることのないようにしっかり交渉してほしいという、この四点をしっかり訴えてきてほしいということを前の委員会でお願いをさせていただいたというふうに思っております。

 これまでが前提のお話でございますけれども、まず冒頭は、関税あるいは戦略投資イニシアチブも含めまして、対米の関係で交渉してこられたと思いますので、全体的にどういう中身だったのかというのを赤澤大臣の方からお伺いできればと思います。

赤澤国務大臣 冒頭、今回の訪米ではラトニック商務長官との会談を行いました。

 会談では、まず、米国による新たな関税措置に関して、日米双方が引き続き昨年の合意を実施していく旨を改めて確認をいたしました。

 その中で、次の点についても改めて申し入れたということで、ちょっとこれは先取りしていいかあれですけれども、後藤委員から御指摘のあった四点は、もうそれも含めて申入れをしております。一応申し上げますと、通商法百二十二条に基づく関税について、我が国の扱いが昨年の日米間の合意より不利になることがないようにすることが一点目。二点目が、米側が示唆している百二十二条に基づく関税の一五%への引上げは、我が国を対象としないこと。それから三点目が、米側が今後検討すると発信している通商法三百一条に基づく措置についても、昨年の日米間の合意より不利になることがないようにすること。四点目が、昨年の日米間の合意以上の追加的な措置を我が国に対して求めないことという四点、この点も含めて申入れをしております。

 また、来るべき高市総理の訪米を見据えた議論も行いました。戦略的に重要な分野であるエネルギー、重要鉱物、AIにおける日米の具体的な協力や連携について話をいたしました。また、戦略的投資イニシアチブについても、閣僚間で突っ込んだ議論を行い、案件組成に向けて引き続き緊密に連携していくことを確認をしております。

 今回、先月に続いての訪米となりましたが、日米合意の着実な実施により、日米間の経済関係がより強固になっていっているということを実感をしているところでございます。来る高市総理の訪米の機会を、日米が経済面において特別なパートナーであると世界に知らしめることができるような実りあるものにすべく、引き続き米側と緊密に連携をしてまいります。

中野(洋)委員 ありがとうございます。

 後藤委員の方から指摘をさせていただいた四点をまさに訴えていただいたということで先ほど答弁もいただきまして、プレスリリースも拝見をさせていただきました。かなり明確に、この四点についてしっかり訴えてきたということでリリースもしていただきました。ありがとうございます。

 さらに、ちょっとまだ様々協議中でお答えができないところもひょっとしたら多いのかもしれませんけれども、ちなみに、この四点をしっかり訴えた中で、その中で、現状どういう、協議の結果、何か今公表できることがあるのか、決まったことがあるのか、それについても併せてお伺いできますでしょうか。

赤澤国務大臣 外交上のやり取りでありまして、米側が、実際、トランプ大統領が意思決定をされて公表されるまで確定はしないということでありますので、なかなか申し上げづらいんですけれども、二十七日の衆議院予算委員会において後藤委員から御指摘いただいた四点、これについての米側の反応については、ちょっと現時点では具体的にお答えすることは差し控えたいと思います。

 その上で、米国が行っている対外発信について一つ御紹介をすれば、例えば、グリア通商代表はインタビューで、米国とのこれまでの通商合意は有効であり、今後も維持される、私たちはそれらを遵守すると発言をしているというようなこともございます。

 関税措置に関する我が国の扱いが昨年の日米間の合意より不利にならないよう、米国と緊密な意思疎通を行ってまいります。

中野(洋)委員 ありがとうございます。

 対外的になかなか外交上のやり取りを公表できないというのは、重々私も承知をしております。先ほどグリアさんのコメントも公表していただきました。

 あわせて、ちょっと細かくは通告はしておりませんので、もし何か言えることがあればということでございますが、私は赤澤大臣のSNSも拝見をさせていただきました。今回、訪米をされて様々突っ込んだ議論をされる中で、イラン情勢も念頭にということを大臣のSNSの方でもたしか書いておられたかというふうに思います。

 先週も、私は金曜日に井野副大臣と、イラン情勢の関係、特に今、燃料価格がかなり高騰しておりますので、これについて副大臣と議論をさせていただきました。金曜日の段階ですと、まだ足下の原油価格が、金曜日なので、更に前の木曜日の価格で一バレル当たり八十三・六八ドルでありますという紹介もありました。

 バレル何ドルと言うと余り皆さんイメージが湧かないと思いますので、最近、例えばテレビ番組等で紹介をされていた、アメリカ、イスラエルのイランへの攻撃前でいうとバレル大体六十七ドルぐらいで、このときガソリンが百五十七円ぐらいだったというのがニュースで紹介されているのを見ました。これが八十三ドルということになり、そして、今日もニュースで、大臣も恐らく御存じかと思いますが、ニューヨークの先物は百ドルを超えている状況、一時期百十一ドルというふうなニュース速報も私は先ほど拝見をいたしました。そして、かなり株式市場もこれに反応しているというふうな状況もございます。

 特に、週末、いろいろな報道も出てまいりました。クウェートやサウジなどの湾岸諸国が引き続き攻撃を受けたというふうな報道も含めて、かなり原油価格が上がるのではないかということを、市場の中でも反応が出ているというふうな状況でもございます。

 ラトニック商務長官との会談で、イラン情勢の関連で何か、日本としてどういう訴えをしたか等、今もしお話しできることがあるのか。あるいは、先週、私が予算委員会で質問をさせていただいた備蓄の放出ですとか燃料の高騰価格、しっかりとやはり経済産業省として私は検討していくべきだというふうに思うんですけれども、これについて何かコメントできることがあれば、大臣の方から御答弁いただければと思います。

赤澤国務大臣 私はエネルギー担当閣僚でありますので、現在のイラン情勢の下で訪米するに当たって、その話は一切しなかったと申し上げるのは、これは余りにちょっとうそっぽいといいますか。実際、エネルギーを含む、我が国にとって戦略的に重要な分野における日米の具体的な協力や連携について議論はいたしました。ただ、その中身については、外交上のやり取りであり、詳細を述べることは差し控えたいと思います。

 その上で、今の原油価格についても御指摘がありました。大変注視をしている状況であります。我が国の経済に対する影響が物すごく、原油もそうですし、LNGもそうです、影響が大きいものですから、一体事態はどう推移するのか、本当に注視をしております。

 その上で、原油について言えば備蓄というようなこともありますし、LNGについても一定の措置を取ってきておりますので、国民の生活あるいは経済に極力負の影響が生じないように万全の対応をしていきたいというふうに考えてございます。

中野(洋)委員 万全の対応というふうな答弁もいただきましたけれども、これは、様々な資源全体的に言えることではないかというふうに思っております。もちろん、燃油の価格もそうでありますし、報道も見ておりますと、例えばナフサ等についてもやはり中東からの輸入も多いということで、そうすると、様々なサプライチェーン全体にどういう影響が出てくるのかということも私はあろうかと思います。

 ですので、しっかりとそれに対応できる予算措置、あるいは予算の組替え等も含めて、やはりそれはしっかり検討してしかるべきではないかということも先週訴えさせていただきましたし、これは引き続きしっかりと訴えさせていただきたいというふうに思っております。

 関税の関係で、先ほども、昨年の日米間の合意より不利になることがないようにということで、恐らく首脳会談に向けて大きく様々な交渉をされているというふうに思うんですけれども、これはしっかりと緊密に連携を取っていただきたいというふうに思いますけれども、今後の交渉について大臣の御決意を是非お伺いできればと思います。

赤澤国務大臣 いろいろマスコミなどを見ていると、最高裁の判決が出て、そして状況が変わったんだから再交渉しろとか一部報道とかで出ているのは承知をしていますが、基本的に日米合意は、両国がウィン・ウィンの関係になるように両国の国益をぎりぎりのところで最大限調整をし切ったものであって、現に我が国は、あの合意があるから、毎年米から課される関税が二兆円超少なくなっているということがあります。

 そういう中ですから、やはりあの合意を大事にしていくことが大事で、特に相互関税が、法的根拠について最高裁判決が出ましたけれども、自動車関税を課す根拠、二百三十二条だったかと思いますが、これは何にも揺らいでおりませんので、あの関税を元に戻されるだけで、我が国の大手の自動車産業二社、三社は年間利益が吹き飛ぶというような状態に戻ります。

 ということがあるので、やはりあの関税合意を大事にすることは非常に大事であり、あわせて、投資のイニシアチブについて言えば、我が国にも利益があるように最大限うまく工夫をしてつくったものと思っておりますので、それを維持をしていく、そのことを米国にも強く求める。ありがたいことに、米国も、あの合意に基づく投資イニシアチブについては評価をして、日本を特別のパートナーと認めて経済安全保障を強化していこうという体制でありますから、その流れをしっかり維持をしていきたい、そういう決意と覚悟で交渉してまいりたいというふうに思っています。

中野(洋)委員 戦略的投資イニシアチブのお話も出ましたので、これについても少し、特に今年度予算にも関わってくる部分もありますので、制度全体も含めて、少しおさらい的になるかもしれないですけれども、改めてお伺いをしたいと思います。

 資料でも配付をさせていただいておりますけれども、日米投資の戦略的投資イニシアチブということで、どういう案件を選んでいくのかというのを協議委員会で協議、そして投資委員会、そしてプロジェクトが大統領に推薦をされる、まずこのプロセスがございます。そして、融資の部分というところで、当然、民間の金融機関が融資をするときはNEXIが保証をつけるということがあり、そしてJBICも融資をしていくということの全体の仕組みということでございます。これが合計で五千五百億ドルというかなり大きな投資をしていくということで、これは確かに様々議論があるのは承知をしておるんです。

 しかし、昨年、関税という大きな議論をしていかないといけない、その中で、アメリカに対する投資を呼び込むというふうなことと併せて交渉をされて、そしてその中で、経済安保の中でどれだけ日本の企業あるいは日本自身がメリットを受けられ、そしてアメリカにとってもウィン・ウィンになるか、そういうことを様々模索をされた中でのこの仕組みだというふうに、私もそれは承知をしております。

 今回、JBICの出融資であるとかNEXIの関係で、令和八年度、対処をする予算の措置というのを講じておられますので、その概要というのをまず説明をしていただけますか。これは大臣の方でも、もし細かければ参考人の方でも結構でございますけれども。

赤澤国務大臣 日米戦略的投資イニシアチブの関連プロジェクトに関し、令和八年度予算案として、NEXIについては、財務基盤を強化し、保険金支払いに万全を期すため、一兆七千八百億円の交付国債、それから、政府保証について二兆六千七百五十億円ということで措置をしております。今、その予算案をお願いをしております。

 それから、JBICについては、財政投融資計画において、財務基盤強化として五百億円、出融資の原資として財政融資三兆六千七十七億円と政府保証三兆五千二百五十億円を措置しております。

 また、予算措置とは異なりますが、原則、JBICによる融資額の半分を限度として、外為特会が保有する外貨をJBICに貸し付けることとしております。

 このように万全の財政措置を講じて、日米間の合意の着実な履行に努めてまいります。

中野(洋)委員 あわせて、しっかりと投資ができるように万全の財政措置をしていると。財投で三・六兆、政府保証三・五兆、プラス、外為特会からも更に借入れができるということで、今年度予算だけだと、たしかこの関連だと十四・三五兆円ぐらいだったかというふうに数字は記憶しておりますけれども。

 そういう意味では、財投なり政府保証なり、しっかり投資ができるようにしていくということで、逆を言えば、やはりここでしっかり、ちゃんとしたプロジェクトを選んで、もちろん、焦げつかないようにしないといけないということは当然大前提なんだというふうにも思っております。ですので、このプロジェクトの選定であるとか投資の判断をしっかりとしていくということも併せて非常に重要になろうかというふうに思っております。

 第一弾のプロジェクトというのが既に三つ発表されているわけでありまして、最終的には大統領に推薦をしていくというプロセスでありますので、もちろん何らかの政治的な思惑というのも、中間選挙もございますので、ひょっとしたらあるのかもしれません。しかし、その中で、日本にとっても、アメリカにとっても、経済安保の側面から見てもウィン・ウィンであるプロジェクトを我々がしっかり選定をできるようにしていくというのが非常に大事だと思っておりますので、このプロジェクトの選定のプロセス、あるいはその中での日本の役割といいますか、そういったものについても併せて答弁をしていただけますでしょうか。

赤澤国務大臣 まず、考え方としては、日米が協力をし、我が国が投資をする、米国側は最大限、連邦政府の土地を出したり、水とかエネルギーとか電気とかを供給したり、規制を最大限迅速に行うとか、ラトニック商務長官は、特にこのプロジェクトの関係で日本国民が渡米する場合はビザも商務省で出すよぐらいのことをおっしゃっています。お互い現物出資と投資を組み合わせて、やるべきことは、米国の経済安全保障を確保するために必要な投資をするということになります。

 それについては、当然、内閣官房のホームページにアップしてありますMOU、了解覚書にどうやって進めるかは書いてありますけれども、御指摘の協議委員会や投資委員会ということがあり、その前提として、お互いの国の法令に従ってプロジェクトは遂行しなければならぬと。我々はJBICとNEXIが投資をしますということを申し入れているので、そこにあるJBIC法とか、そこで出てくる収支相償、赤字は出さないとか、あるいは、日本の裨益するところがなきゃいかぬ、必ず日本経済にプラスがなきゃいかぬということを考えた上で、そして、そういう法的な面と戦略的な面を併せて協議委員会で協議をいたします。

 なので、これは、我々からすると、プロジェクトを提案することもあります。米国の経済安全保障を強化するのに、これはむしろ、おたくから提案が出てこないけれども、日本側のこの提案はどうだというような話もいたしますし、米側から来た提案についても、それはちょっと戦略的にもっとこっちが先じゃないかというような話をしたり、あるいは、リスクが大きいんじゃないか、これは赤字が出ないかというようなことを徹底的に協議委員会で議論をし、調ったときにそれが投資委員会にかかり、これはラトニック商務長官が議長ですので、投資委員会で選び、最後、大統領のテーブルの上に並べて、大統領がピックアップされるということになります。

 そのやり方をしていく上で、やはり大事なのは法令に従うということでありますので、決して赤字が出ないように、加えて、日米はウィン・ウィンで、実際プロジェクトを行うとなれば、JBIC、NEXIは今までよりも大きな規模で事業を展開することになるという意味で発展が望めるということでありますし、各企業に日本企業からいろいろな製品やサービス、インフラなどを納入をしますので、そういう意味では日本企業の売上げも立つということで、最大限、日米両国の相互利益、あるいは経済安全保障の確保、経済発展につなげていきたいと考えております。

中野(洋)委員 大臣の方から、今までも、どういう考え方でこれを選んでいくのかというのは、ずっと答弁もしてきていただいたというふうに思っております。

 具体的にまさにプロジェクトが動き出しましたので、やはり改めて私も思いますのが、先ほど御説明をいただいたように、予算措置、財投も含めて、十分に投資ができるように、逆に言うと、財投なり政府保証なり、そういう意味では、出資という意味ではかなり、もし何かあったときには当然政府にもリスクはありますけれども、しかし、そうならないように、先ほどおっしゃっておられたような、日本の国内の、JBICであれば収支相償であるとかあるいは償還確実性であるとか、このプロジェクトの選定の中でそういう損が出ないようにというか赤字が出ないようにしっかりと選んでいくという、まさにそのプロセスがしっかりとできているか、できていないかということが非常に大事だというふうに思っております。

 予算の規模でいいますと、やはり、NEXIを見ましても、あるいはJBICを見ましても、今までにやってきたNEXIの引受けの実績、私、見ましたけれども、大体七兆とか八兆ぐらいだと聞いておりまして、今回、対米向けという意味では保証枠を最大五十兆ぐらいまで広げるというふうな数字もお伺いもしましたし、JBICも、今回、財投と政府保証だけで七・一兆ということでやっておりますけれども、これは通常の融資に比べるとかなり大きなプロジェクトになってくると思います。

 しかも、こういう協議委員会、投資委員会という、今までの通常の融資とは恐らく全く違うようなスキームでこのプロジェクトも選んでいくという中で、やはりリスク管理をしっかりしていくということが極めて重要になってくるんだというふうに思います。事業規模も大変大きいですし、国民的な関心も高いですし、特に、これから長期で大型のインフラ系のプロジェクトになってくると、リスク管理が本当にちゃんとできるのか。モニタリングであるとか、そういったことをちゃんとやっていけばウィン・ウィンでいい投資になってくるでしょうし、そこがしっかりとチェックできなければ、ひょっとすると余りうまくいかないプロジェクトということになってしまってはいけないというふうに思いますので、そのリスク管理の在り方というのを大臣としてどうお考えかというのを是非答弁いただきたいと思います。

赤澤国務大臣 まず、御紹介をしておくと、ベッセント財務長官が、この合意について言うと、日本の投資イニシアチブの提案が後のEUや韓国と米国が交渉する際のひな形になったということはオープンにおっしゃっています。ラトニック商務長官も、日本の提案、ゲームチェンジャーだということを言っていただいています。

 その上で、ちょっと長官のお言葉を紹介をしておくと、彼は日米共にこれに関わった企業が絶対に損をしないようにしたいということを繰り返しおっしゃっているので、我々もその点は大変ありがたいことだと思い、信頼をして、本当にざっくばらんにかなりいろいろな細かいことも、JBIC、NEXIの職員も中に入れて、本当にプロの目でも見てもらって議論を深めているところであります。

 その上で、第一陣プロジェクトについては、了解覚書に基づいて、日米両政府の協議委員会における協議を通じて、今まさに委員の御指摘があった収支相償、償還確実性、あるいは日本への裨益、メリットなどについて精査、確認し、適切なリスク管理を行っていくこととしています。

 その上で、プロジェクトの実施合意後も、プロジェクトの円滑な実施のため、日米で連携し、着実にフォローアップするとともに、具体的な事業の運営を行う各社に対しては適切なインセンティブを付与することとしております。日米両政府と具体的な事業の運営を行う各社で共同して、プロジェクトの円滑な実施に努めてまいりたいというふうに考えております。

中野(洋)委員 ありがとうございます。

 ちょっと最後に、済みません、茂木大臣、イランからの、あるいは中東からの邦人退避、週末も取り組んでいただいたと聞いております。本当にありがとうございます。しかし、退避の希望者自体はまだいるというふうにも聞いておりますので、最後、時間もちょっと迫ってまいりましたので、この退避の現状と、今後も是非しっかりと取り組んでいただくということも含めて御答弁いただけますでしょうか。

茂木国務大臣 政府としては、事態発生以降、退避を含めて邦人の保護に万全の体制で臨んでおります。

 現地の空港が大半封鎖をしているという中で、開いているのがサウジのリヤド、それから、オマーンのマスカットということでありまして、クウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦、カタールに滞在する邦人のうち、希望される方々につきまして、リヤドそしてオマーンへの陸路での輸送を行っておりまして、第一陣は両方とも完了いたしましたし、まず、昨日、マスカットからチャーター機によります東京まで百七名の方々の輸送も完了したところであります。そして、もうリヤドの方にはクウェート、バーレーン、カタールの退避を希望する方は着いておりますので、早ければ今日にもリヤドからチャーター機によります東京までの輸送を実施をするところであります。

 今、ドバイの空港は少し開き出して、エミレーツとかは動いていて、自分で出られるという方もいますので、希望された方で最終的にどれだけの方というのはあるんですが、少なくとも、希望される方々が全員出国できるように、第二便等も含めて、準備に万全を期してまいりたいと考えております。

中野(洋)委員 あわせまして、かなり中東は人流、物流のハブでございますので、いろいろなところへの影響も懸念をされるところでございます。こうしたことも、ちょっと今後また議論もしていかないといけないというふうに思いますけれども。

 今回、在留の邦人については大使館等を通じていろいろな広報もしていただいたというふうに思っておりますけれども、やはり、トランジットの方も含めて旅行客等、これはたびレジの登録者という、情報提供がありましたけれども、なかなかアクセスが難しいかというふうにも思っております。エアラインですとか旅行会社ですとか、プッシュ型の情報提供も含めて、こうした様々な情報提供というのをしっかりやるべきではないかというふうに思いますが、これも併せて答弁を簡潔にいただければと思います。

茂木国務大臣 時間がないようですから簡潔にお話ししたいと思うんですが、こういったたびレジ等々の登録者に対するプッシュ型の情報提供と併せまして、危険情報の引上げであったりとか、また、在留届の未提出者及びたびレジ未登録者に対しても、外務省のホームページであったりとかSNSにも掲載しまして、広く周知に努めているところでありまして、在外の公館も本当にフル稼働で今やっているところでありまして、安全に関わる情報、また現地の方々のニーズも踏まえて、しっかりした対応をやっていきたいと思います。

中野(洋)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて中野君の質疑は終了いたしました。

 次に、山本香苗さん。

山本(香)委員 中道の山本香苗でございます。

 今回のイランの情勢の緊迫化を受けまして、つい先ほど、ニューヨーク原油先物市場で一バレル百十一ドルと、百ドルを突破をいたしました。また、今朝の日経では、東京電力管内の企業向けの電気代が早ければ四月にも上がるということが報じられております。

 元々物価高の中で編成された令和八年度の予算案でございますけれども、こうした状況を踏まえますと、予算の前提が大きく崩れつつあると言わざるを得ません。国民の間でも更なる物価上昇への不安が広がっております。

 こうした不安に対応するためにも、是非とも、高市総理御出席の下、物価高対策の集中審議を速やかに実施をしていただくことを強く求めたいと思います。坂本委員長、お取り計らいのほど、よろしくお願い申し上げます。

坂本委員長 理事会で協議をいたします。

山本(香)委員 それでは、高校生等奨学給付金についてお伺いしたいと思います。

 骨太の方針二〇二五におきまして、物価上昇が継続していることを踏まえて、予算や税制、そうしたものを見直す方針というものが示されておりましたが、なぜ、この奨学給付金は増額されなかったんでしょうか。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 高校生等奨学給付金につきましては、平成二十二年の高等学校等就学支援金、これは授業料の支援でございますけれども、支援金制度の創設後も低所得者世帯における授業料以外の教育費負担が大きいことなどから、高等学校等就学支援金に所得制限を導入しまして捻出した財源を基に、平成二十六年度に創設した授業料以外の支援でございます。

 その際、給付額につきましては、限られた財源の下、非課税世帯第一子の給付額を第二子以降の給付額より低い額に設定をすることといたしましたため、平成二十七年度以降の予算編成過程では、第一子と第二子以降の給付額を同額にすることを目指しまして、毎年度、財源を確保しながら増額を図ってまいりました。令和七年二月の三党合意を踏まえまして、令和七年度分につきましては、国会の予算修正によりまして給付額が同額になりました。

 令和八年度の予算編成過程におきましては、高等学校等就学支援金の拡充と併せまして、高校生等奨学給付金の対象範囲、給付額、国の負担割合についても検討いたしましたが、最終的には、令和七年十月の三党合意も踏まえまして、非課税世帯の給付額につきましては現状を維持することとした上で、新たに、年収約四百九十万未満世帯までの中所得者層の給付額を設定したところでございます。

山本(香)委員 要は、三党合意に入っていなかったからということなんです。私は、これを聞いて本当に心の底から悲しくなりました。といいますのも、今回の高校無償化法案が成立しても、経済的に一番一番しんどい御家庭のところは何ら支援が変わらないんです。物価高で制服代が上がっています。入学金や授業料、教科書や参考書の負担も重くて、そもそも奨学給付金だけで高校入学時に必要な費用が賄い切れておりません。

 子供の貧困対策に取り組む公益財団法人あすのばが昨年十月に行った住民税非課税・生活保護世帯における入学・新生活の費用負担に関する実態調査では、四割を超える御家庭が親族や知人などから借金をして用意をしている実態が浮き彫りになりました。こうした厳しい実態があるにもかかわらず、今回増額されなかったんです。速やかに増額をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 家庭の経済的な状況にかかわらず、子供たちが希望する高校などに進学し学びを継続できるようにする観点から、授業料の支援である高等学校等就学支援金と併せまして、授業料以外の支援であります高校生等奨学給付金の拡充も重要であります。

 先ほど局長の方から答弁がありましたけれども、今回、三党合意を踏まえまして、中所得層までの範囲の拡大と国の負担割合の引上げというものを行わせていただいたところであります。

 我々といたしましては、家庭の経済状況にかかわらずということでもありますし、本制度の目的というものは、高等学校等の授業料以外の教育費に充てるために高校生等奨学給付金を支給することで家庭の教育費負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与するとさせていただいているところでありまして、今回はこういう形でお願いをさせていただいているところでもありますけれども、もちろん、社会の状況の変化というものを見極めつつ、また、各地方自治体の皆様方にも御理解をいただかないと本制度はできないということでもありますので、様々なところと検討をした上で、目的に合うように適切に対応してまいりたいと存じます。

山本(香)委員 様々なところと協議してということでございますが、財務大臣、一番の協議先が財務大臣だと思います。是非とも増額をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 委員におきましては、いつも困難な状況にあられる方に寄り添った御質問をいただき、誠にありがとうございます。

 現在、予算案として、この今の状況のものが審議中ということではありますが、御趣旨はよく踏まえて、文科大臣ともよく相談してまいりたいと思います。

山本(香)委員 本当に修正していただきたい、もう本当に切なる思いでいっぱいでございます。

 この奨学給付金につきましては、通常、七月申請で、十月、十一月とか十二月とか、それぐらいのところで支給されていると伺いました。先ほどのあすのばの調査におきましても、この奨学給付金の支給時期についてどのように感じていますかという問いに対しまして、遅いと答えた方が七割を超えております。何月に給付されるべきだと思いますかという問いに対しましては、入学前の三月が最も多く、三二・三%、それに続きまして、四月が二九・六%となっております。

 奨学給付金は、令和二年度から都道府県によっては前倒し支給も可能となっておりますけれども、前倒し支給といいながら、七月なんです、支給が。全く間に合いません。是非とも、三月とか四月とか、早く支給していただけるように、大臣、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 今委員が御指摘をされましたように、高校入学に際しまして、制服代や教科書、教材費など、準備費用が大きな家計負担になっていることは承知をしております。

 今御紹介をいただきましたように、それに対応するために、本制度、改正をいたしまして、奨学給付金においては、令和二年度に、新入生に対して給付金の一部を前倒しで支給できる仕組みを導入をさせていただきました。

 文部科学省としては、これまでも、事務担当者向けの会議で、都道府県に対して前倒し給付の取組を促進してまいりましたが、今回の高等学校等就学支援金や高校生等奨学給付金の拡充と併せまして改めて周知を図るとともに、実施できていない支給権者の状況や意見も聞いた上で、具体的な方策について検討してまいりたいと存じます。

 今、ガバメントクラウドを始めとした、そうした様々なデジタルの技術を活用した、これは文部科学省のところに限らず、政府全体として、そうしたプッシュ型の支援等々をできる仕組みをつくれないかということも検討をしているというふうに承知をしておりますので、そうした関係省庁とも連携をしながら、必要な方に必要な時期にしっかりと届かせることができるような取組を、私どももしっかりと支援をしながら、実現をできるよう頑張っていきたいと思います。

山本(香)委員 是非、課題を整理をしていただいて、三月や四月に支給ができるようにしていただきたいと思います。

 先ほどの調査の中で、実は自由記述がございまして、その中には、全日制の高校に行かせてあげられなかった、電車の定期券を買う余裕がないので、元々行きたかった学校ではなく、自転車で通える距離の学校を選ぶようにお願いしましたと。どちらも、一人親の住民税非課税世帯の親御さんの声です。

 このように、今回の高校無償化法案が成立しても、希望に応じた進学ができない子供たちがいるんだということを常に頭に置いて、運用していただきたいと思います。

 令和八年度から、奨学給付金の対象が、低所得の御家庭だけではなくて、先ほど大臣おっしゃっていただいたように、金額は異なりますが、対象が広がりました。しかしながら、元々この仕組みは申請主義なんです。そのせいで対象者まで届かないということが前から問題になっておりました。ただ、低所得の御家庭は中学校のときに就学援助を受けている可能性が高いわけですね。就学援助は市町村、そしてこの制度は高校という形、実施主体が異なるからといって、支援が途切れてはならないと思います。

 是非、データ連携をするなどして、周知だけではなくて、個別に、そういう就学援助を受けていた御家庭には申請をサポートするという仕組みをつくっていただけないでしょうか。

松本(洋)国務大臣 大変重要な御指摘だと思っております。

 児童生徒が、今お話がありましたように、進学をこれによって諦めたり、また将来の選択肢が狭められたりすることがないように、各教育段階において切れ目なく支援を実施していくことが大変重要だと思っております。

 そのため、文部科学省におきましては、高校生等奨学給付金においては、リーフレットの作成、配付に加え、進路選択を行う中学校段階からの生徒に対する制度の周知の充実について、都道府県を通じて市町村に依頼してきたところであります。

 我々として、こうした周知を更に進めていくことによって、我々としてできるそうした取組を進めていくのと同時に、先ほどもお話をさせていただきましたけれども、これは文部科学省というよりも政府全体の話にもなろうかと思いますが、そうしたデジタル化の推進などによりまして、そうしたサービスの充実というものも今図ろうというふうに承知をしているところでもありますので、そうした皆さんともしっかり協力をしながら、そして我々としても支援をしながら、こうした制度がプッシュ型で届くように頑張ってまいりたいと思います。

山本(香)委員 またこの点につきましてはしっかりと詰めさせていただきたいと思います。

 次に、国土交通大臣にお伺いしたいと思います。

 ちょっと順番を変えます。

 労務安全書類につきましてお伺いしたいと思いますが、これは中小専門工事事業者が元請事業者に提出する書類で、具体的には作業員名簿だとか施工体制台帳など、工事現場の円滑な運営に欠かせないもので、これを提出しないと工事現場への入場が認められないケースがあります。

 現場に入るたびに求められますけれども、元請ごとに求められる書類の形式、様式が異なっておりまして、複数の元請と取引がある場合、物すごく負担となっておると伺いまして、令和六年六月の参議院厚生労働委員会におきまして、労務安全書類の様式の統一化、元請のシステムと建設キャリアアップシステム、CCUSとの連携をさせて二度手間をなくしてもらいたいと訴えさせていただきました。その際、国交省から、様式の統一化については業界団体にどのような対応が可能か検討を呼びかける、CCUSとの情報連携により改めて入力せずともCCUSのシステムから情報を取得できるよう、具体化に向けた検討を進めるという答弁をいただきました。

 この間、どう進めていただいたのでしょうか。

楠田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のグリーンファイル、すなわち施工管理台帳などの建設業法等で安全な施工のために作成を求めている書類につきまして、その作成に係る事業者の負担の軽減を図ることは、働き方改革の観点からも大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。

 このため、令和六年に成立をいたしました建設業法に基づき同年十二月に策定をした指針におきまして、元請業者が中小の専門工事業者に求める書類のやり取りを合理化することについて明記をいたしますとともに、説明会や会議などあらゆる機会を捉えて業界への周知と取組の働きかけを行っているところでございます。

 また、建設技能者の経験や技能を登録、蓄積をする建設キャリアアップシステムに建設業者が入力した情報をグリーンファイルの作成にそのまま活用できるよう、建設キャリアアップシステムと各元請業者等が使用するグリーンファイルの作成システムとの連携に取り組んでおりまして、一部の事業者が使用するグリーンファイルにつきまして、令和七年三月から連携を開始したところでございます。

山本(香)委員 今日、資料を一枚配付させていただいておりますとおり、今御説明いただいたんですが、左側から右側の方に行こうとしているわけなんですね。じゃ、具体的にこれからという、一発で、ここだけで入力オーケーという形になるためにどうするのというふうに事前に聞いたんです。そうしたら、働きかけと周知に努めますというような話だったんです。一生懸命やっていただいているのに本当に申し訳ないんですが、それではらちが明きません。

 是非、これは制度として、国が制度としてこういう形をつくるんだと、お願いベースじゃなくて制度化をしていただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。

金子国務大臣 お答えいたします。

 グリーンファイルの作成につきましては、特に複数の元請事業者から業務を請け負う事業者にとっては大きな負担となることも少なくないと承知をしております。負担の軽減をしっかり進めていく必要があると、私自身も問題意識を持っているところでございます。

 先ほど局長が御答弁したとおり、まずは、建設キャリアアップシステムと各元請業者等が使用するグリーンファイルの作成システムとのデータ連携をしっかり進めていくことが重要と考えており、一度建設キャリアアップシステムに入力した内容については再度入力することなく共有できる環境を整えることによって、事業者の負担軽減を図ってまいりたいと思っています。

 また、各元請事業者が使用するグリーンファイルの情報連携等を実現するためには、関係者間での検討、合意形成が不可欠であります。このため、職場の安全衛生を所管する厚生労働省と連携をしながら、元請事業者、専門工事業者、システム事業者など、関係者のそれぞれの意向や事情を丁寧に把握し、課題を具体的に整理、分析した上で、関係者間での検討を働きかけることにより、事業者の負担の更なる軽減に努めてまいります。

 先ほど局長からお話ししましたように、認識はしっかりしておりますし、それに対する改善もまさに今動き始めたところでございますので、引き続き、御指導いただきながら検討していきたいと思います。

山本(香)委員 具体的にこれを実現するためには、法律改正だとか、何を変えれば具体的に実現できるんでしょうか。

楠田政府参考人 お答え申し上げます。

 グリーンファイルにつきましては、建設業法等で記載内容が定められているものもございますし、そうでないものもございます。また、様式の統一化等を進める上でも、まずは関係者の中での合意形成ということも必要だということを考えておりまして、手続の問題もございますけれども、まずは認識をしっかりと共有するということが不可欠であると考えております。

山本(香)委員 是非、いつまでという時期を定めてやっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

楠田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員の御指摘を踏まえまして、厚生労働省とも相談をしながら、できるだけ早くそういうふうな形にできるように、まずは合意形成をしっかりと図ってまいりたいと思います。

山本(香)委員 分かりました。

 じゃ、これはまた厚生労働委員会でもやらせていただきたいと思いますが、もう一つの方、建築確認審査の方です。

 昨年四月から、全ての新築で省エネ基準適合が義務化されまして、いわゆる四号特例が廃止されたことから、建築確認審査が長期化しております。事前審査開始から確認済証の交付に至るまでの期間は昨年十二月時点で平均三十六日ということでありますが、実は、この事前審査に入る前に、受け付けたけれども審査すらしてもらえず審査機関で預かるといういわゆる事前審査預かりを含めますと、今もなお二か月かかっておりまして、経済活動に支障が生じております。

 今後、具体的に迅速化を是非とも図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 昨年四月に全面施行いたしました改正建築基準法によりまして、二階建ての戸建て住宅などについて、構造基準などへの適合を建築士に委ねる審査省略制度、いわゆる四号特例制度を見直し、構造基準を含めた全ての建築基準への適合性を建築確認において審査することといたしました。

 この審査省略制度につきましては従来より見直しの議論があったところ、省エネ基準が義務化されることによりまして、重量が増す傾向にある住宅、住宅の重さが増していくという傾向がございますので、構造安全性を建築確認の手続を通じて担保をし、消費者が安心して住宅を取得できる環境を整備することとしたものでございます。

 この改正により、建築確認におきまして、申請者すなわち設計者と審査者それぞれに法改正に対応した取組が必要となることから、法改正から法施行まで三年間の準備期間を設けて様々な対策を講じてまいりました。

 具体的には、申請者、審査者双方の関係者から成る連絡会議を設置をいたしまして、改正法の施行に向けて連携して周知活動を行うとともに、法施行に当たっての課題を共有してまいりました。また、申請者向けの取組として、確認申請のためのテキストの作成や講習会の実施、申請図書の作成支援を行う建築士向けサポートセンターの設置、関係団体との定期的な情報共有や意見交換、また、審査者向けの取組といたしまして、制度説明会の実施や小規模住宅などに特化をした審査資格者の制度の創設といったことを行ってまいりました。

 また、改正法の施行後は、都道府県や民間の指定確認検査機関を通じて定期的に建築確認手続の状況を把握するとともに、不慣れな申請者に対しては建築士向けサポートセンターへの案内を行い、一部の審査機関に建築確認が集中をしている場合には、業務が逼迫していない他の審査機関へ案内をするなど、申請先の平準化を図るように促してまいりました。

 さらに、申請図書の不備、すなわち記載漏れや記載間違いなど、思いのほか多いこうした不備を削減し、審査期間の短縮を図るという観点から、昨年十一月からAIを活用した建築確認申請図書の事前チェックサービスの提供を行っております。

 引き続き、状況を注視するとともに、これまで講じてまいりましたこうした取組の更なる推進を含めて、建築確認手続の円滑化に向けて必要な措置を講じてまいりたいと考えております。

山本(香)委員 今、局長が御答弁いただきましたとおり、昨年十一月にAIを活用したチェックツールの提供が始まったんです。しかしながら、それを使って書類の不備を整えても、私の地元大阪では、十月半ば以降はもう審査機関が事前審査預かりしかしてくれないという状況があって、結局、審査の迅速化には全くつながりませんでした。

 こういう状況が常態化しているのを、予見可能性があるなんて言ってもらったら困るわけですね。審査の短縮化を是非とも図っていただきたい。今のままだとずっとこのままでいってしまいますので、是非、もう一段の取組をしていただきたいと思いますし、また、サポートセンターはもう一月末で早々に閉めちゃったんですね。工務店だとか設計事務所とか、中小のところは大変困っています。そういう声も踏まえてしっかりと支援する体制をつくっていただきたいと思いますが、大臣、お願いいたします。

金子国務大臣 委員御指摘のとおりかと思います。

 建築士サポートセンターは、改正法施行前後の令和七年三月から四月頃が利用のピークとなっておりましたが、その後利用件数が大幅に減少したことに加え、開設を引き受けている団体の負担もあることから、一定の役割を果たしたと判断をし、御案内のとおり本年一月末でサポートを終了しております。

 一方、国土交通省では、改正法施行以降も、現場の実情を把握するため、関係業界団体と情報共有を図る連絡会議の開催、個別の審査機関や関係団体へのヒアリングや意見交換を行ってきたところでございます。この関係団体との意見交換に際し、当事者から直接お話を伺うこともしておりました。これらについては継続して実施していく予定でございます。

 なお、設計者からの相談は具体的な建築確認に係る実務的なものが多くて、個別案件を前提にしていることから、これまで地方公共団体や審査機関が中心となって対応してきたところでございます。このため、国土交通省としては、運用の細目に係る質疑応答集の作成等によりまして、地方公共団体や審査機関による相談対応を支援してきたところでございます。

 また、実務的な相談は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターに設置されております住宅専門の相談窓口であります住まいるダイヤルにも寄せられています。今後は、当事者を含む関係団体との意見交換に加え、この住まいるダイヤルに寄せられる相談のうち、国として対応が必要となる制度一般に関するものについて国に情報提供していただくことなどによりまして、国としても引き続き現場の実情をしっかり把握していくこととしたいと考えております。

 今御指摘のことも含めて、局長等も含めて協議をしていきたいと思います。

山本(香)委員 それでは、最後のテーマについてお伺いしたいと思いますが、企業の福利厚生についてちょっとお伺いしたいと思います。

 予算や人手が足りずに福利厚生を充実させられない、これは多くの中小・小規模事業者が抱えられている悩みでございます。この実態をどう把握されておられますでしょうか。

山本(和)政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、福利厚生の充実は人材確保のための有効な手法の一つであると認識してございます。

 私どもの中小企業白書におきましても、福利厚生の充実を始めとする働き方改善の取組を行うことが中小企業における人材確保に寄与している可能性がある旨お示しをしているところでございます。

 しかしながら、一方で、民間企業の調査では、中小企業が行っている福利厚生に関する取組は大企業に比べて進んでいないほか、今後福利厚生を充実させる予定があるとする企業の割合も大企業と比べ中小企業は低くなっている、そのような状況と認識しております。

山本(香)委員 そこで、赤澤大臣にお伺いしたいと思いますけれども、中小企業の経営者から、本当に人材確保のために福利厚生を充実させたいけれどもコスト面で難しいとか、私の地元堺でも、賃金を引き上げ頑張ったんだけれども優秀な人材を福利厚生が充実している大企業に引き抜かれた、そういった切実な声も伺いました。

 初代の賃金、賃上げ環境整備担当……(赤澤国務大臣「賃金向上担当大臣」と呼ぶ)済みません、担当大臣でいらっしゃった上に、現経済産業大臣でいらっしゃる大臣に、是非とも、中小企業が福利厚生を導入、拡充する際の支援策というものを検討すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 前職で現行憲法下初の賃金向上担当大臣をやっておりました。御紹介いただきまして、誠にありがとうございます。

 それで、中小企業、小規模事業者は、雇用の七割、付加価値の五割を占める日本経済の屋台骨であります。御指摘の福利厚生面での支援については、厚生労働省において、人材確保等支援助成金を始めとする各種助成金を措置するとともに、よろず支援拠点においても、そうした助成金の活用を含む支援を行っているところでございます。

 加えて、労働供給制約社会における人材確保のためには、人への投資を充実させる必要との観点で、当然、中小企業にも我々は賃上げを求めていますが、同時にそういった福利厚生を充実させていただこうということで、その原資確保に向けた中小企業、小規模事業者の稼ぐ力の抜本強化のために、価格転嫁、取引適正化の徹底でありますとか、成長、生産性向上支援、事業承継、MアンドA等を通じた事業再編等による経営基盤強化を進めているところであります。

 現状維持ではなく、変化に挑む企業や人に報いる方向に転換をして、筋肉質で、かつ働いている方たちにも優しい、強くて優しい中小企業、小規模事業者への行動変容を促したいというふうに思っております。

山本(香)委員 最後に城内大臣にお伺いしたいと思いますが、賃上げ環境整備担当大臣として、まさしく賃金だけではなくて福利厚生も、成長戦略でこれから賃上げ目標をつくっていくということでございますが、そうした中で、福利厚生の充実ということも是非一緒に検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

坂本委員長 国務大臣城内実君、申合せの時間が超過しております。簡潔に御答弁をお願いします。

城内国務大臣 お答えいたします。

 御指摘の福利厚生につきましては、賃金そのものではございませんけれども、各企業におきまして、従業員の定着、人材の確保、仕事に対する意欲の向上など、こういった目的として様々な制度が導入されていると承知しております。

 一般論として申し上げますと、福利厚生は賃上げの目的とも共通する部分を有しておりまして、労働供給不足解消のための個々の企業等の取組とも、一定の意義を有するものであると考えております。このため、先ほど赤澤経産大臣からも御答弁がありましたが、関係省庁におきまして、従業員の福利厚生の充実に向けた取組が行われること、これが重要だと私も認識しております。

 賃上げ環境整備担当大臣として、私も、事業者が継続的に賃上げをできる環境整備を進め、中小企業等の稼ぐ力を抜本的に強化してまいる考えであります。これによって、間接的ではありますけれども、企業が人への投資として福利厚生の充実を図ることにもつながると考えております。

山本(香)委員 終わります。

坂本委員長 これにて山本さんの質疑は終了いたしました。

 次に、うるま譲司君。

うるま委員 日本維新の会のうるま譲司です。

 まず、順番をちょっと変えまして、副首都についてお伺いをさせていただきます。黄川田大臣、よろしくお願いいたします。

 今、与党の協議体で議論されております副首都法案でありますが、この副首都法案が統治機構改革であるかどうか、統治機構改革であると思っておりますけれども、その点、黄川田大臣に確認をさせていただきたいと思います。あわせて、この統治機構改革に対する黄川田大臣の認識もお伺いさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

黄川田国務大臣 御党と自由民主党との連立合意書の中で、この項目十一に統治機構改革というふうに記載しておりまして、それに基づいて、与党による協議体において検討が進められていると承知をしております。

 委員お尋ねのこの統治機構改革についての認識ということでございますが、統治機構改革については、法令により定められた定義というものがないために、明確に申し上げることはなかなか難しいというふうに考えておりますが、一般論として申し上げれば、国や地方自治体の政治、行政の業務や組織の在り方を見直すことであるというふうに認識はしております。

 その上で、与党による協議体において統治機構改革に関する検討が進められているものと承知しております。

うるま委員 黄川田大臣、ありがとうございます。国と地方の在り方を変える統治機構改革である、副首都法案は統治機構改革であるということを確認させていただきました。ありがとうございます。

 次に、防災庁についてお伺いさせていただきます。

 今予算で進める防災庁設置に関してなんですけれども、防災というからには、首都中枢で何かあったときのために首都中枢機能のバックアップ、この役割を防災庁が担うことが重要かと思いますが、その点、牧野大臣に確認させていただきたいと思います。

牧野国務大臣 防災庁設置準備担当大臣としてお答えさせていただきます。

 首都におきまして大規模な災害が発生した場合におきましても首都の中枢機能を維持するために、バックアップ体制の整備は重要であると認識しております。

 このため、政府におきましては、首都直下地震が発生した場合に備え、政府業務継続計画を策定し、官邸が使用できない事態を想定しまして、立川広域防災基地などを緊急災害対策本部の一時的な設置場所として位置づけております。加えて、首都直下地震の被害想定を上回るような過酷な事態が発生した場合にも、政府の非常時の優先業務を継続できるよう、あらゆる事態を想定し、首都圏以外においても代替拠点の確保の検討を行っております。

 このような検討は、従来、内閣府の防災担当が取りまとめておりますけれども、この内閣府の防災担当を発展的に改組する防災庁におきましてもこの役割を継承し、災害時の首都の中枢機能の継続性の確保に万全を期してまいるつもりでおります。

うるま委員 防災庁が災害時の首都中枢機能の継続確保のことについてもしっかり万全を期するということで御答弁いただき、確認させていただきました。ありがとうございます。

 地方機関についての質問はちょっと飛ばさせていただいて、次に、インテリジェンス改革、インテリジェンス改革と北朝鮮による拉致問題についてお伺いさせていただきたいと思います。

 過去の拉致事案、これについては、もっと日本のインテリジェンス機能が強化されていれば防げたんじゃないかということがよく言われておりますけれども、今般の日本維新の会、自由民主党との連立合意に基づいて進められておりますインテリジェンス改革、このインテリジェンス改革によって、今後の拉致問題の解決にインテリジェンス改革が資するものであるかどうかということについて確認させていただきたいと思います。

岡政府参考人 提出を準備しております今回の法案につきましては、重要な情報の収集能力や外国情報機関による諸工作への対処能力を政府全体として高めようとするものでございます。これによりまして、喫緊の外交問題の解決や国又は国民の安全を損なう重大事案の防止等に貢献できるよう努力してまいります。

うるま委員 今後の拉致問題解決にこのインテリジェンス改革が資するものとなるよう、私どももしっかり進めてまいりたいと思います。

 続きまして、大阪・関西万博についてお伺いいたします。

 大阪・関西万博、これは一過性のイベントとして終わらせるのではなく、万博で共有した新しい技術や価値観、こういったものが展開されていって、国民の生活、そして世界の皆様が豊かになっていくことが重要かと思いますが、この点について現在の政府の取組をお伺いさせていただきたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 大阪・関西万博においては、未来社会の実験場というコンセプトの下、AIスーツケース複数台での長期間の運用、空飛ぶ車の商用化、社会的受容性の向上を見据え、複数社によるデモフライトなど様々な取組を、万博という大規模な会場において多くの皆様に技術や価値観を体感、実感していただいたことで、理解や関心を広げるとともに、実証データの収集などが行われるなど、これらの成果により各種取組が加速することができたと感じてございます。

 今後の政策展開といたしましては、各取組の実施府省庁において、万博により得られた実証データの検証及び優良事例や課題の取りまとめによる研究の継続、商用化への移行、他地域への横展開など、現在御審議いただいている令和八年度の予算措置を含めた様々な形で実施されることとなってございます。

うるま委員 しっかりお願いしたいと思います。

 万博で、先ほど御答弁の中にもありました、私も見に行ったんですけれども、AIスーツケースというものがありまして、これは盲導犬の代わりになるスーツケースなんですけれども、このAIスーツケース、すばらしい技術だなと思う一方で、その技術の詳細を調べますと、それを研究している研究者の方、外国人の方が多くおられたんですね。

 日本の研究機関に、こういう最先端技術に関しては外国の研究者の方が多くなるのは当たり前のことだと思っておるんですけれども、一方で、このAIスーツケース、軍事転用も可能じゃないのかと個人的には思いまして、そういった点、経済安全保障が今議論されている中で、そういったことは大丈夫なのかなということをちょっと感じております。

 そこで、お伺いいたします。現在、日本国内の研究所に在籍する外国人研究者の割合はどの程度となっているか、また、特に国内トップレベルの研究所である理化学研究所、物質・材料研究機構、産業技術総合研究所における外国人研究者の割合はそれぞれどの程度か、お伺いいたします。

西條政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの外国人研究者についてですが、文部科学省では、我が国の大学、独法等と諸外国との研究交流状況等を把握するための調査を毎年実施し、その結果を公表しているところでございます。

 喫緊の二〇二三年度実績において、大学、独法等に在籍する外国人研究者の全体の割合は六・八%となってございます。また、御指摘いただきました三機関につきましては、理化学研究所が二八・六%、物質・材料研究機構が三四・九%、産業技術総合研究所が九・六%となっております。

うるま委員 先ほど、お話を聞きますと、かなり高い割合で外国人の方がいると認識しております。成長戦略投資として国費を投じて研究開発を行うに際して、政府全体として、こういったことに関して安全保障の観点からどのような技術流出防止策を講じるつもりか、お伺いいたします。

早田政府参考人 お答えいたします。

 我が国の技術的優位性を確保、維持する観点から、技術流出の防止は重要な課題であると認識してございます。

 このため、国が支援を行う社会実装を見据えました研究開発プログラムにおいて、公募要領などにおいて所要の技術流出防止措置を要件とするとともに、研究セキュリティーの確保については、手順書を示すなど、採択機関に対策を強化をするよう促しているところでございます。

 また、我が国の製品、技術が懸念のある国や組織に渡り軍事転用されることのないよう、政府といたしましては、外為法に基づきます安全保障貿易管理等に取り組んでいるところでございます。

 さらに、不正競争防止法による営業秘密の保護、留学生、外国人研究者の受入れの審査強化、外為法に基づく投資審査の強化など、政府として取り組んできたところでございます。

 引き続き、重要な技術の流出防止に向けまして、不断に取組の見直しや検討を行い、関係省庁と連携いたしまして、必要な取組を強化してまいりたいと考えてございます。

うるま委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 これにてうるま君の質疑は終了いたしました。

 次に、福田徹君。

福田(徹)委員 国民民主党、福田徹です。本日もよろしくお願いします。

 先週の予算委員会で、私、お産の保険適用について質疑させていただきました。そうしたら、その日の夜に友人から言われました。福田さん、お産のお金もそうだけれども、お産の前に妊婦健診があるよと。確かに、お産というのは数日で一回のお支払い、それに対して妊婦健診というのは、妊娠から出産まで約十か月、十数回以上のお金の心配があります。本日は、そこから始めさせていただきたいと思います。

 政府は、標準的な妊婦健診の自己負担なしを目指して取り組まれています。強く賛成させていただきます。その中で、令和七年四月十六日、第九回妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会の資料、妊婦健康診査の公費負担の状況に係る調査結果についてによると、全ての市町村で、つまり一〇〇%ということです、妊婦健診についての望ましい基準の十四回以上の公費助成が実施されているとあります。そして、九一・九%の自治体が国が示す検査項目の公費負担を実施しているとも示されています。

 一方で、町の妊婦さんからは、妊婦健診に想像以上のお金がかかるとか、毎回幾らかかるか分からず不安といった声を多く聞きます。

 ここで、お聞きします。

 多くの自治体がしっかり公費負担をしているとある中で、現場の妊婦からは、自己負担が大きい、こういう声が聞こえる。この現在の妊婦健診に関する課題は何でしょうか。

黄川田国務大臣 妊婦健診については、あくまでも自由診療でございます。したがって、これまで国において、費用に対する考え方、これを目安としては示してこなかったという経緯がございます。

 一方で、国はおおむね十四回分の検査内容を望ましい基準として示しておりまして、この点については、妊婦の負担軽減を図るために地方財政措置を講じております。しかしながら、市町村によってはこの公費負担の額にばらつきがあるのも事実でございます。その結果として、医療機関の価格設定と市町村の公費負担に差が生じて、妊婦に自己負担が生じているという課題があると認識しております。

 ですので、その課題に対応するために、こども家庭審議会育成医療等分科会での御議論を踏まえまして、望ましい基準について国として初めて標準額を設定し、自治体の公費負担額と医療機関の価格設定において、双方に標準額を勘案するよう求めようという方向でおります。

 また、追加的な検査等を含む価格やサービスの内容の見える化を図る観点で、国は、妊婦による適切な選択に資するよう、医療機関の協力を得ながら、妊婦健診の内容、費用等の情報を収集し公表する方向で、制度改正に向けた準備を進めてきているところでございます。

 こうした取組のように、委員が問題意識等を持たれている妊婦の経済的負担の軽減を図る環境を整備してまいりたいというふうに考えております。

福田(徹)委員 ありがとうございます。正しい政策だと思います。

 その実効性をより高めるために、少し実態についてお話しさせてください。

 私が声を聞く限り、妊婦健診にまつわる本人の課題は、やはり経済的負担と不安感、この二つだと思います。そして、経済的負担に関しては、いわゆる持ち出し、自己負担ですね。自己負担が発生する理由は二つあります。一つは、今おっしゃっていただいたように、妊婦健診に対する自治体からの公費負担額と医療機関が設定する金額に差があること。そして二つ目が、国が示す検査項目を超える検査が行われていること。この二つがポイントだと思います。

 そして、一つ目の公費負担と医療機関の金額の差についてですが、全市区町村が妊婦健診十四回の公費助成を実施しているといっても、都道府県別に見るとかなり差があって、例えば、神奈川県は八万百五十九円、福島県が十三万六千百四十七円、かなり幅があります。恐らく、一般的な考えでは、財政が豊かで少子化対策に対して熱心に取り組まれている自治体は多くの助成を行って、財政が厳しい自治体はそれができないと考えられます。

 実際、都道府県別の公費負担額を見ていくと、上位三県は福島県、秋田県、徳島県となっていて、恐らく、子育て世代の流出を防ぐ政策、逆に子育て世代の移住を促進する政策、そういうところに重点的に予算を配分しているんだと思います。これは自治体の努力だと思うんですよね。

 一方で、このことは公費負担の低い自治体に住んでいる妊婦さんには不公平感があって、特に、やはり都市部というのは土地代や人件費が高いので、医療機関の値段の設定も高くなると思うんですよね。そうすると、人によっては十万円ぐらいの持ち出しがある地域もあるようです。これを是正する必要があるので、やはり標準的な金額で全国一律無償化、私も必要だと思います。

 一方で、ちょっと注意しなければいけない心配な声というのがありまして、現在、妊婦健診に対する公費負担はそれぞれの自治体の努力によって地域差が出ているところがあります。これを全国一律で無償化にすると、都市部への若年者の流出が加速するんじゃないかという声も聞かれるんですね。この点についてどうお考えでしょうか。

黄川田国務大臣 妊婦健診に関わる自治体の公費負担については、委員はいろいろとデータを見られたと思うんですが、私たちとしては、必ずしも首都圏がこういう、都会が低くて地方部が高いという構造にはなっていないというふうに考えております。

 確かに、いろいろな地域によってばらばらであるというところはあると思います。ですので、全国どこに住んでも妊婦健診の経済的な負担が軽減される環境を整備することが重要であるというふうに考えておりまして、先ほどお話ししましたが、望ましい基準について国として初めて標準額を設定することによって、地方自治体のばらばらなところが解消されるのではないかというふうに考えております。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 どの町で妊娠するか、どの町で出産するかというのが補助金の多い少ないで決まるとは私も思わないんですよね。そのときどこで働いているかとか、もっともっとそれよりも前の生活で決まることだと思います。私も、全国一律で無償化、賛成です。

 ただ、もう一つ大切なのが、国が示す検査項目以上の検査がどうやって行われているかの実態、これは大切だと思うんです。

 もう一つお聞きします。

 国が示す検査項目を超える検査というのがどの程度行われていて、どの程度妊婦が希望して行われているのか、医療機関が強制的に行っているのか、この辺りの実態は把握されていますでしょうか。

黄川田国務大臣 国としては、これまで、医学的見地から必要と考えられるおおむね十四回分の検査内容を望ましい基準として示してまいりました。このことは繰り返し申し上げておりますが。

 医療機関によって望ましい基準以外の追加的な検査等やサービスなどが提供されているということ、その一方で、内容や費用を妊婦が理解しておらず、妊婦自身が基準内又は基準外の診察、どちらで自己負担が生じているのか分からないなど、納得感のない健診となっているケースもあるということは、我々は承知をしております。

 こうしたケースも念頭に置きまして、先ほどお話ししたように、こども家庭審議会育成医療等分科会における議論等も踏まえて、追加的な検査等を含む価格やサービスの内容の見える化、どういう検査項目を幾らで受けているかというところ、これを医療機関の協力も得て、そして、妊婦さんにも示して、そこがちゃんと分かるような形で、自分はこれを受けたいのか受けたくないのかとか、また、ここの部分は公費負担になっているかとかいうところが分かるような形で、妊婦自らが納得感を持って医療機関やサービス等を選択できる環境を整備したいということで進めております。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 金額だけではなくて、幾らかかるか分からないという不安感も物すごく聞こえますので、とても大切なポイントだと思っております。

 実は、私は調査を見つけることができまして、恐らくこれはこども家庭庁や厚生労働省のホームページからもリンクが張ってあったと思うのですが、令和四年度子ども・子育て支援推進調査研究事業、妊婦健康診査に係る費用負担等の実態に関する調査研究の医療機関アンケートによると、血液検査の一つである血算の検査、これはとても基本的な検査です、血算の検査と超音波検査が公費負担の回数より多く行われていることが分かっております。また、国が示す検査項目にないトキソプラズマやサイトメガロウイルスの検査も行われていることが分かります。

 追加の検査について、三五%の医療機関は妊婦に公費負担の対象でないことを説明した上で自由に選択できる形にしている一方で、五九%の医療機関では原則検査を受けることになっているとされている。そして、何と約二割の医療機関では事前に費用の説明がなされていないことも分かっています。このことが大きな問題だと思いますので、是非、今の取組を実効性がある形で厳しくやっていただきたいなと思っております。

 ただ、産婦人科に厳しくするだけは大きく間違っていると思うんですよね。これらの政策を実行するためには、しっかり医療提供体制、産婦人科医も守らなきゃいけない、配慮しなければいけないと思います。

 そこで、お尋ねします。

 標準額を定める上で、課題は何だと思われますか。

黄川田国務大臣 標準額については、やはり望ましい基準に関して診療報酬等を勘案してしっかりと決めていくという必要があると思います。ですので、来年、診療報酬改定もございますので、そこをしっかりと参考にしながら標準額というものを定めていく方向でございます。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 医療機関に対して標準的な金額を決める場合、やはり妊婦健診を提供するためにどれだけ費用をかけているかという精査は丁寧にやっていただきたいんですよね。

 例えば腹部超音波検査という診療報酬は、一般的な基本的な超音波の機器を使う場合もあれば、今、産婦人科診療所というのは、妊婦さんの希望に応えてかなり性能の高い超音波検査の機械を導入していて、そもそも設備投資の金額が違うとか、もちろん、都市部で土地代が高い、人件費が高い、こういういろいろな差があります。是非、多くの医療機関が安心できるような標準額の設定というのをつけていただけることを強く望みます。

 妊婦健診、一つ質問を時間の関係で飛ばします。

 次に、OTC類似薬の自己負担の見直しについてお聞きします。

 まず初めにお聞きします。

 OTC類似薬の自己負担の見直しの目的は何でしょうか。

上野国務大臣 お答えいたします。

 昨年末の与党の政調会長間合意におきまして、OTC類似薬の保険給付の見直しについて、一定程度の見直しが必要だとされておりますが、その際には、OTC医薬品で対応できる症状であるにもかかわらず他の被保険者の保険料にも負担をかけて医療用医薬品の給付を受ける患者と、現役世代を中心として平日の診療時間中に受診することが困難であるなどの理由によりOTC医薬品で対応している患者との公平性を確保する観点、あるいは現役世代の保険料負担の軽減を図る観点から見直しが必要とされておりますので、それを踏まえて見直しを行わせていただきたいと考えています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 やはりお金の負担であるとかお金の公平性、これが目的になっていて、それももちろん大切だと思っております。ただ、今日は一歩踏み込んで、OTC類似薬の自己負担の見直しに絡めて、医療に関わる職種の職能の拡大、特に薬剤師さんの職能の拡大についてお話しさせてください。

 OTC類似薬というのは、ドラッグストアで市販されているOTCと同じ成分であったり似た効能の薬です。多くは対症療法に使われる薬、軽い医療に使われる薬ですので、医療費適正化の対象とすることは私も賛成です。ただ一方で、その政策をただ医療費を減らすための目的だけではなく、もっともっと国民にとって価値の大きい目的地、これを目指した制度設計にしていただきたいと思うんですね。

 OTC類似薬の自己負担を増やして市販のOTCでのセルフメディケーションを推進することは、医療費を下げるだけではなく、国民にとって、まず便利に薬を手に入れられるという価値があります。OTCであれば、近所のドラッグストアに行けばすぐに手に入ります。

 一方で、OTCで治せる症状に対して、診療所へ行って診察を待ってお会計を待って、次、薬局に行って薬が出てくるのを待つ、それだけの時間の価値を考えれば、OTCとOTC類似薬の価格差というのは十分に補うと考える人もたくさんいると思うんですよね。しかも、診療所では、時間だけではなくて、診察料もかかるし、処方箋料も別にかかってくる。

 これだけではなく、ドラッグストアの薬剤師さんがOTCに関する知識を生かして丁寧に症状を聞いてくださり最適なOTCを提案していただければ、便利なだけでなく、安心、安全に最適な薬を手に入れることができる。便利に加えて安全という価値も提供できると思うんですよね。

 薬剤師さんと薬を選ぶ。私は、薬剤師さんと軽い病気を治す、ここまで目的を設定できると思っております。もちろん、これは市販薬では心配というときは受診を指示いただければ大丈夫だと思っております。一方で、この話をすると、様々な方面からOTCの利用促進が受診の遅れによる重症化や重大な病気の見逃しにつながるという意見が出ます。

 ここで、お聞きします。

 これまで、海外を含めて、セルフメディケーションの推進が受診の遅れによる重症化や重大な病気の見逃しにつながるという研究結果や事例報告がありますでしょうか。これはいろいろな場面で耳にする意見ですので、その根拠があるかを知りたいのです。私は見つけられませんでした。

 そして、もしないようであれば、今回、OTC類似薬の自己負担見直しで一定程度我が国でセルフメディケーションが広がる可能性がある、そして、その変化に伴って、言われるような問題となる事例が増えるのか、これを検証していただきたいんです。もしそのような事例が増えないと分かれば、より安全性は高いと判断できる根拠になります。

 私は、今ある、何となく根拠なしに薬剤師の職能を生かしたセルフメディケーションの推進というのは危ないんじゃないかという議論に判断材料を与えていただきたいんです。今後のより前向きな議論が開けると思っているんですよね。今回の制度変更は安全性を検証できるいい機会になり得ますが、その検証の予定はありますでしょうか。

上野国務大臣 委員から御指摘のありました、今回の見直しに関しまして、便利に、あるいは安心、安全、そうした観点ということも大切だというふうには考えております。

 今、一点目に御質問になりました研究成果でありますが、私自身はそのような研究成果があるというのは存じ上げておりませんが、もし必要があれば事務方の方に御確認をいただければというふうに思います。

 その上で、健康被害が生じたかどうか調査をすべきではないかという観点でございますが、必要な受診を確保した上で、OTC医薬品との代替性が特に高い薬剤を用いた療養について、今回、患者さんに追加の負担をいただくものであります。先ほども申し上げました政調会長間合意におきましても、施行状況等について政府が把握、分析した上で与党に報告する枠組みを構築するなど、与党の関与の下、令和九年度以降にその対象範囲を拡大をしていくというふうにされております。

 本制度が施行された場合につきましては、その影響がどうだったかということを我々も十分把握をしていきたいというふうに思っておりますし、健康被害の状況等については、なかなか、今どういった形ができるのか、難しい面もひょっとしたらあるかもしれませんが、そうしたことも含めましてしっかりと検証ができるようなことを研究、検討していきたいというふうに思います。

福田(徹)委員 ありがとうございます。是非前向きに検証とその結果の公表、これをお願いしたいと思います。

 私は、もっと薬剤師さんの職能を高めて、医療の効率化だけではなくて、国民に便利で安全な薬へのアクセス、そして、もっともっと薬剤師が身近になって、国民が一緒に健康をつくる、健康な国づくりに生かしていけると信じております。

 そのためには、薬剤師さんの御努力はもちろんですけれども、薬剤師さんの仕事が根拠のない不安を言われるのではなく、根拠に基づいて安全なサービスが提供できる、そういう認識をつくりたいと思っております。もっと薬剤師さんが頑張りたいと思えるような環境、これをつくりたいと思うんですよね。

 政府は、今、健康増進支援薬局の推進など、薬剤師さんが国民のために活躍できる環境づくりというのを進めてくださっています。本当に感謝しております。同時に、薬剤師にはできることがあるということを客観的に示せるようなデータづくりであったり、前向きな取組をお願いしたいと思っております。

 最後に、薬剤師さんの職能拡大について、是非、何か一言、政府から見解をお願いしたいです。

上野国務大臣 ありがとうございます。

 薬剤師さんは、本当に、これからの地域での医療等を守っていく上でも、非常に重要な働きをこれからもしていただく必要があろうかというふうに思っております。

 とりわけ健康面ですね、健康サポートの面。今まで健康サポート薬局と申してやっておりましたけれども、委員から御紹介のあったとおり、昨年の改正薬機法におきまして、健康増進支援薬局の認定制度が創設をされました。これの施行に向けて、例えば、令和八年度予算案におきましても、薬剤師の皆さんの資質の向上のための研修費用などを計上しているところでありますが、今後とも、そうした観点で、薬剤師の皆さんをしっかり応援をできるように、我々としても十分対応していきたいというふうに思っております。

 そうした中で、薬物治療の質と安全性の確保、そして地域住民の健康の支援、そうしたことに是非御貢献をいただきたいと思いますので、しっかりバックアップをさせていただければと思います。

福田(徹)委員 前向きな答弁、ありがとうございます。

 私たち国民民主党は、人づくりこそ国づくりというスローガンを掲げております。これが私、大好きなんです。やはり我が国は、人の能力を抑える政治をしてはいけないと思うんです。人の能力を高めて、それを最大限生かす政治、これを実現したいなと思っております。

 次に、外来診療に対する診療報酬の支払いに関して、包括支払い制度についてお聞きします。

 日本の外来診療に対する報酬は出来高払いです。提供される医療サービス一つ一つに診療報酬点数という価格がついていて、提供した医療の価格の合計が支払われます。これは、提供した医療の量に対して支払われる仕組みです。これを、提供した医療の結果、質に対して支払われる制度にできないかと考えています。

 この話をすると、医療費削減の話だと思われると思います。確かにその効果もあります。でも、私はもっと別の価値を求めています。それは、必要な人に必要な医療を正しく届ける、そういう価値です。私は、この制度で医療機関の収入を下げたいとは全く思っていません。むしろ、必要な人に必要な医療を正しく届けている医療機関には今よりも多くの収入が入っていいと思っています。

 その上で、お聞きいただきたい。

 今の出来高払い制度というのは、医療を提供すればするほどもうかる仕組みです。国が医療費をコントロールしようとすると、診療報酬を下げると、医療機関というのは利益を上げるために医療の量を増やすようにする、そっちはコントロールできない。その結果、今の日本の医療というのは薄利多売のビジネスモデルになっていると思うんですよね。その結果として、海外と比較して受診回数とか検査の回数が多くなっている、私はそう考えています。

 過剰な医療というのは、医療費の無駄だけではなくて、国民にも悪影響があります。不要な検査や投薬というのは、不要な合併症、副作用、こういうのがあるかもしれません。そもそも、不要な受診というのは、人間の大切な時間をロスしています。

 実は、医療者の負担にもなっているんですよね。医師にとっても、一日百人患者さんを診るのは本当に大変なんです。一日三十人本当に必要な診療をすれば十分な診療報酬が得られる制度であってほしい、そう願っている医師というのもたくさんおります。もちろん、たくさんの量を提供しなければいけないことというのは、医師以外の、医師も含めて職員さんの仕事量、過重労働にもつながっている。日本の医療というのは、もっともっと仕事を減らせると思っているんですよね。

 包括支払い制度というのは、これらの問題を解決します。医療機関に登録されているかかりつけ患者さんの人数に応じて定額の報酬が支払われるので、患者さんの一日の数を増やそうとか、検査の数を増やそうという必要がなくなります。ただ、この制度の一番の懸念点、言われるのは過少医療のリスクです。例えば、登録している患者さんの人数で報酬が決まるから、検査にもやはり人とか機械のコストがかかるので、検査を少なくしておこうとか、こういう過少医療のリスクは確かにあります。

 これで本来は不要な検査だけが減らせるのはいいけれども、必要な検査が減らされる、これはデメリットとしてはあります。ただ、これを防ぐ方法もあると思うんですよね。まず、適切な医療を提供しない医療機関というのは患者さんから選ばれないと思います。今、患者さんも知識があります。そしてもう一つ、より大切なのが、ペイ・フォー・パフォーマンス、つまり、提供する医療の質に対して診療報酬を支払うことです。

 検査の回数や投薬の内容というのは、一定程度ガイドラインで、いわゆるお手本が示されています。それに沿った望ましい医療を提供している医療機関に対して、高い診療報酬を払う。この制度をつくることによって、頑張っている医療機関、正しいことをしている医療機関を守ることができると思っております。この外来包括支払い制度というのは、医療費の面でも、何より、国民の健康、医療従事者の働き方にも望ましい影響があると予測されます。

 ここで、お聞きします。

 外来診療に対する包括支払い制度について、これまで検討されたことはありますでしょうか。その上で、どのような課題がありますでしょうか。教えてください。

上野国務大臣 お答えをいたします。

 現行の診療報酬におきましても、例えば、生活習慣病等の慢性疾患を有する患者さんに対しましては、地域包括診療料など、検査等の費用を包括した評価を設けておりまして、これは令和八年度、対象患者の拡大などの拡充を行う予定でもございます。

 今委員からちょうどお話のありましたとおり、外来診療の評価全体を例えば包括払いにする場合には、過剰な診療、これを招きにくくなるということはもちろんありますが、一方で、過少診療、必要な検査や診察を行わない過少な医療、これを招き得る面があるということも御指摘のとおりかと考えております。

 やはり、多様な患者さんがいらっしゃいますので、なかなか右か左かというわけにはいかないかというふうに思っておりますけれども、どういった形で包括なり出来高払いというのを整理をしていくかということも非常に重要な観点だと思いますので、慎重な検討は必要だと思いますが、十分検討は進めていければというふうに思っております。

 そうしたことをこれからも十分考えていきたいと思います。

福田(徹)委員 過少医療のリスクについてはそのとおりで、ただ、先ほどお話しいただいたように、国民の選択であったり、ペイ・フォー・パフォーマンスの導入によって、一定程度は抑制できると思っております。私自身も、これから、より過少医療のリスクを避けられるような、何かできることはないか、データやロジックをしっかり準備して、また質疑させていただきたいと思います。

 次に、人生会議についてお聞きします。

 まず初めに、人生会議の目的と重要性について、政府の認識を教えてください。

上野国務大臣 本人の意思に沿った医療が提供される、このことが重要でございます。そのため、人生の最終段階の医療、ケアにつきまして本人が前もって家族や医療、ケア関係者と繰り返し話し合うプロセスであるアドバンス・ケア・プランニング、ACP、いわゆる人生会議の取組は重要だと認識をしております。

 その普及啓発を進める必要があるというふうに考えておりますので、厚生労働省といたしましては、これまでからも普及啓発資材の作成や周知、あるいはイベントの開催などを進めてきたところであります。

 本人が望む医療、ケアが実現されるように、引き続きこれらの取組をしっかりと進めていきたいと考えています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 人生会議は大切なもので、政府も推進していることが確認できました。

 私たち国民民主党は、人生会議の制度化という政策を掲げています。

 一点、最初に確認しておきたいのは、人生会議について話をすると、医療費削減のために命を選別するのか、こういうお声をいただきますが、私の意図は全く違います。私は、人生会議は医療費削減のものでは決してなく、本人が望む最期を迎えるために、本人の幸せのために行うものだと確信しております。私、ずっと救急医として人の最善の最期に向き合い、悩み、支えてきた人間です。全く医療費削減のためではないということだけ、まず御理解ください。

 その上で、人生会議について、令和四年度調査で、一般国民の間では、人生会議についてよく知っているは五・九%、聞いたことはあるがよく知らない、知らないを合わせると九三・六%と、ほとんど知られていない現状で、更なる周知が必要です。

 一方で、数少ないものの、人生会議を知っていて、本人の最期の迎え方の意思を持っていても、それが実現されないということが全く珍しくありません。例えば、救急医療に携わっていてよく出会う状況を御紹介します。

 高齢者施設の入所者で、本人は、自分が最期を迎えるときは蘇生行為などしてほしくないという意思をしっかり示していらっしゃる。今は、入居時に書面を作成することもよくあります。ただ、ある夜、夜勤スタッフが見回りをしていて、その方が心肺停止となっている。もうスタッフは頭がパニックです、どうすればいいんだろうと。でも、たしかこの方は蘇生希望はなかったんじゃないか。急いで情報ファイルを開けてみるけれども、あのあったはずの紙がないみたいなの。

 書面があったとしても、これは本当に救急車を呼ばなくていいの、何かあったら責任を追及されるんじゃと。例えば施設長とかに電話しようとしても、夜中だとつながらない。こういうことはよくあるんですよね。それで、もう救急車を呼ぶしかないと。夜勤スタッフというのは、こうやってすごく大変な思いをしているんです。

 特に日常からその施設で働いているような方というのは、入所者のことをよく知っていて、もうちょっと落ち着いて対応できるかもしれないけれども、今はスポット勤務のスタッフの方もいっぱいいらっしゃる。こうやって本人の意思があっても、それが実現しない、望む最期を迎えられないケースというのが山ほどあります。

 私たち病院の医療者も、簡単ではありません。

 現在、日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本循環器学会、日本緩和医療学会で、救急・集中治療における生命維持治療終了、差し控えに関する四学会合同ガイドライン、これを作成中です。今は、医療機関では、二〇一四年に公表された救急・集中治療における終末期医療に関するガイドラインを参考にしています。ただ、今でも現場では不安だという声が多いです。

 一つは、対象となる救急、集中治療における終末期の定義が、集中治療室等で治療されている急性重症患者に対して適切な治療を尽くしても救命の見込みがないと判断される時期とされたため、自宅や高齢者施設で徐々に体が弱くなっているほとんどのケースと違っている点です。

 もう一つ大事なのが、法的な責任を問われる懸念が払拭できなかった点です。そもそも、学会が作ったものですので、法的に担保されていません。このガイドラインには、本人の事前指示がある場合、それを尊重することを原則とするとあります。当然そうだと思います。

 では、この事前指示が法的に担保されているのかが問題になります。本人の意思があったとしても、周りにいる御家族が違う場合もあります。突然、ふだん周りにいない遠い親戚や知人が入ってくることもあります。様々な複雑な事情とリスク回避で、本人の意思から外れて、これくらいやっておこうという医療が行われています。私もやっていました。日本中で行われていると思います。

 本人の意思が、そのときの空気で飛ばされてしまうんです。空気で飛ばされないように、本人の意思を支えられるのは、もう法しかないと思うんですよね。

 何度も繰り返します。決して医療費の話ではないです。全ての人が望む最期を迎えることを支えたい、そういう話です。本人は頑張っています。周りの家族も頑張っています。それを支える医療者や介護者もみんな頑張っています。その上で、国も頑張りたい、そういうところなんです。国も責任を持って、人間の最期にそろそろ向き合う時期なんじゃないかなと思っております。

 お聞きします。

 全ての人が望む最期を迎えるための、それを支えるための人生会議の法制化や本人の意思を法で認めること、これを検討しませんでしょうか。

上野国務大臣 お答えをいたします。

 厚労省が令和四年度に実施をいたしました意識調査、これは五年ごとに行っておりまして、次が令和九年度ということになりますが、この中で、例えば、今お話のありましたようなことを事前に書面で示す、このことにつきましては、賛成が約七割という状況でございます。

 ただ一方、その書面に従って治療方針を決定することを法律で定めるということにつきましては、賛成が二割、定めなくてもよい又は定めるべきではないというのが約五割弱ということでありますので、今、大変重要な御指摘だとは思いますが、現在のところ、それを法定化することにつきましては、まだ十分国民の皆さんの理解あるいは合意、そうしたものができていないのかなというふうに考えております。次回、令和九年度の調査も行いますので、そうしたことも踏まえて、これから検討していかなければいけないと考えております。

 ただ、今委員から御指摘、本当に現場で大変御苦労されているというようなケースが多いかというふうに思いますので、そうした実態を踏まえて、どういったことができるのかということはしっかり検討する必要があろうかと思っております。

 診療報酬におきましては、厚生労働省作成のガイドラインなどを参考にして、患者の求めに応じてACPを実施する体制の整備を医療機関に求めておりますし、また、従事者を対象とした研修等も実施をしてきておりますので、こうした取組を更に進めていければというふうに思います。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 法制化に向けて、まだ国民の思いがそちらを向いていない、その事実は私もそう思います。ただ、いずれは必要になることは間違いないと思います。そちらへ向けて、国、国民、みんなで力を合わせて進んでいけるような取組をしていきたいと思います。

 最後、実は救急車の有料化についてお聞きする予定でしたが、少し時間がなくなってしまいました。

 ただ、今、救急車の搬送、出動件数がどんどん増えて、本当に必要な命を守るための体制が整わない、過重な労働、もちろんコストの方も、様々な問題が起こっております。一方で、救急車の有料化がこれほどの効果がある、リスクが少ない、そういうデータが少しずつそろってきております。今後、それをしっかりお示ししながら議論させていただきたいと思いますので、また次回、よろしくお願いします。

 今日はありがとうございました。

坂本委員長 これにて福田君の質疑は終了いたしました。

 次に、木下敏之君。

木下委員 参政党の木下敏之でございます。

 先週火曜日の予算委員会におきまして、高市首相に対しまして食料自給力の維持について質問を行いました。後継者の確保のためには所得の向上が必要ではないかということでございますが、その概要をまず簡単にお話ししてから質問に入っていきたいと思います。

 参政党は、食料自給率三八%を二〇五〇年に一〇〇%にするとの公約を掲げております。そのためには、農地が耕作可能な状態で維持されていること以上に、担い手の数を維持していく、これが最優先だと考えております。しかしながら、現実はそのとおりにはなりませんでして、昨年十一月に公表された農林業センサスの速報値、五年間で農業従事者が二五%減り、そして平均年齢は六十七歳に達しているということでございます。

 いよいよこの五年が勝負ということは農林水産大臣も共通認識として持っていらっしゃることと思いますが、現実は、やはり圧倒的に所得は低くて、私も計算してみたところでは、コロナの影響を受ける前、二〇一九年で見ても、稲作農家の全平均ですけれども、平均時給が百八十円ということでございました。

 それで、やはり全産業の平均所得程度の所得が確保できる仕組みが必要だということで直接所得補償制度の提案もさせていただきまして、八十万の農業経営体に毎年三百万円支給すると二兆四千億円かかる、このような大方針転換は首相の決断が要るのではないかということで、高市首相の御判断を伺ったわけでございます。

 これに対して高市首相の答弁は、巨額の財政投資を行うには国民の皆様の理解を得る必要があるということでした。要するに難しいということでございましたが、確かに、国民の皆さんの理解を得るためには、七年度補正予算で事業が始まった農業構造転換集中対策、これを行った場合にも、後継ぎが確保されるに十分な所得が得られるかどうか、そこは見ていく必要があると思っております。

 そこで、今回は、大区画化それからロボット農業機械の導入、これが稲作の経営体の所得に対してどのようなプラスの影響を与えるのかということについて御質問をさせていただきたいと考えております。

 なお、農林水産省の皆様には、金曜日遅くまでいろいろな資料の提出や説明をさせていただきましたので、その点が分かったことについてはもう質問は割愛させていただいて、どんどん議論を進めていきたいと思っております。

 最初に、経営面積規模別の負債の額、貯金の額ということをお伺いする予定でしたが、やはり投資をするには、どれぐらい負債があるのか、貯金があるのか、経営体でいえば内部留保ですけれども、それを知っておく必要があるんですが、残念ながらそのようなデータはないということでした。しかし、税理士を通じて、サンプル調査でも結構ですので、これから経営体の負債の額、内部留保の額、それは把握されていただけるようお願いをいたします。

 それから、今からいろいろな経営体の収支のことについて議論をしていきますが、これは農林水産省から農業経営体の規模別の所得のデータをいただきました。二〇二三年の農業経営体のデータを見ますと、十五ヘクタールから二十ヘクタールの規模の農家が、時間当たり所得、これを時給というのはちょっと、言っていいかどうかは定義によりますけれども、時間当たり所得が千五百円ぐらいと一番高いので、経営規模が十五ヘクタールの稲作農家をイメージして質問をさせていただきます。

 まず、農地の大区画化でございますが、レクチャーの際には、十アールとか二十アールとかいろいろな細かい農地を一ヘクタールの大区画にする工事を行う場合に、農家の負担額だとか、それから生産性の向上がどれぐらいなのかというお話を事前にヒアリングさせていただきました。その結果、稲作の労働時間は六割削減できるということでしたけれども、レクチャーの際には計算根拠を明確に示されませんでした。

 例えば、荒起こし、代かき、田植、いろいろな作業がございますが、それぞれどのように削減するというふうに見込まれているのか、その計算根拠をまずお示しいただきたいと思います。政府委員の答弁で結構でございます。

松本政府参考人 お答えいたします。

 農地整備事業を行っている事業でございますが、こちらは直近のデータから御説明させていただきます。

 令和二年度から令和四年度に標準区画一ヘクタール以上とした整備を行い、これが完了した三十八地区の平均事業費、こちらにつきましては十アール当たり二百四十万、農家負担額が三十万円になっております。

 先ほど委員が御指摘のありました生産性の関係でございますが、同じ三十八地区の十アール当たりの労働時間は、確かに、実施前の十六時間から、十アール当たりでございますが、約六割の九時間に縮小されているところでございます。

 こちらは、実施しました事業のところのサンプルから、御指摘がございましたので拾ってみました。こちらにつきましては、まず耕起の関係につきましては、削減率が、六九・九%の削減、また本田の整備につきましては六八・九%の削減、田植につきましては五一・七%の削減、あと稲刈りでございますが、こちらが八二・一%の削減、このようなデータがあるところでございます。

木下委員 今データを示していただきましたけれども、私の方でも事前にいろいろ計算をいたしまして、稲作は、平均して労働時間が十アール大体十二時間でございますので、これが六割削減できるとすれば大体七時間の削減効果。これが、一時間の時給が千五百円として計算すると大体約一万円ということになりまして、労働生産性の向上効果が一ヘクタールで七万円いくかどうかというような計算もしております。これはまた具体的にじっくり議論をしたいと思いますけれども。

 それで、先週の農林水産省からのレクチャーの際には、大区画化による農業経営体の所得がどれぐらい向上するかが示されておりませんでした。

 そこで、これも私がこの土日でずっと計算しておりますと、農業経営体の負担が事業費の一〇%とすると、圃場整備が一ヘクタール二百万円ぐらいですので、事業費の一〇%負担で二十万円。これを二十年かけて返済するとすれば、年間一万円。そうすると、生産性向上効果が一ヘクタール七万円ぐらいとして、費用負担が一万円とすると、差引き、年間六万円ぐらいのプラスということになります。これは一ヘクタールですね。そうすると、経営体全体をいきなり十五ヘクタール大区画化したとしても、年間九十万円の効果ということでございます。

 担当の方と議論していても、所得改善効果ということをなかなかおっしゃらなかったんですが、今私がお示ししたような計算方式で、農林水産省として所得改善効果は計算されていらっしゃるのか。いらっしゃるとすれば、所得がどれだけ増えるというふうに考えていらっしゃるのか、それをお示しいただきたいと思います。これも政府参考人で結構でございます。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生がおっしゃるような方式では、計算方式というのは我々の方ではちょっと算定しておりませんが、一方で、我々の方で、ちょっと先の方の質問のお答えになってしまうのかもしれないんですけれども、機械化とか大区画化によって作業が早く終えられるとか、圃場の作業の効率化によって実際の作業がより多くのところでできるというような効果で、それで更に規模拡大が進むというふうなことを前提として、昨年定めました食料・農業・農村基本計画におきましても、先生がおっしゃっている十五ヘクタールではないんですけれども、三十ヘクタールの規模に作業を拡大したときには四百万程度から千百万程度まで農業所得が伸びるというような試算をしているところでございます。

木下委員 またこの点については、農林水産委員会で細かく議論させていただければと思います。

 次は、ロボット農機でございます。

 私は、AIを搭載したロボット農機はまだ実用化には少し時間がかかるのかなと思っておりましたら、先日のレクチャーでは、もうトラクターも田植機もコンバインも全てロボット農機は実用化されているとのお答えをいただきました。

 それでは、十五ヘクタール規模の農業経営体において、このロボット農機というのはどの程度普及しているのか、そして、なかなか普及していないとしたらその理由は何なのかをお答えいただきたいと思います。これも政府参考人で結構でございます。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のロボット農機、我々の理解でいくと、運転席に乗らずに運転できる、そういうものを我々はロボット農機と呼んでいるわけでございますが、まだ市販化されて間もないということもありまして、普及台数は僅かだというふうにメーカー側からもお聞き取りしているところでございます。

木下委員 先日のレクチャーで、これもやはり増収効果がどの程度かということについてはお話をいただけなかったんですが、従来型のトラクターとロボットトラクターでどう違うかというデータはいただきました。従来型のトラクターが大体百馬力で千四百万円、ロボット農機、自動運転トラクターで千九百万円、導入効果が、代かきなどの作業時間が三二%短縮されるといったような効果を教えていただきました。

 ただ、経営全体における増収効果ということはお示しいただけませんでしたので、私の方で計算をしてみますと、例えばトラクターの返済費用は、普通のトラクターが年間七十万円で、ロボットトラクターが年間九十五万円、毎年の返済費用の差が二十五万円。それから、作業の効率化ですが、時給千五百円で計算したとして、十アール当たり二時間ぐらいの削減効果なので、一ヘクタールに直すと三万円。そうすると、ロボット農機の経営における増収効果というのが、一ヘクタール当たり、差引き一万四千円のプラスということでして、これを十五ヘクタール全体で使ったとすると、大体二十万円ぐらいというふうに計算をいたしました。

 このような計算について、農林水産省の担当としてどのようにお考えになっているのかをお伺いしたいと思います。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、先生が示していただいた計算の方式については、我々も、今回教えていただきましたので、どういうふうに測っていくのかというのは検討してまいりたいと思いますが、今回、先生から事前にお話をいただきましたので、改めて、例えば十五から二十ヘクタールの十アールの労働時間とかそういうことで見ると、大区画化あるいはロボット農機を使ったことによる作業効果はどのような感じなのかというのを試算してみたところでございます。

 それで、まず、十アール当たりの労働時間、これが十五から二十ヘクタールだと大体十三・九時間ございます。先ほど農振局長からもお答え申し上げたとおり、大区画化による削減効果が六割、あとはロボットトラクターによる耕起とか整地の時間の削減効果が三二%、これを加えますと、十アール当たりの労働時間は五・三五時間まで縮小できるということでございます。

 一方で、大区画化とロボットトラクターを導入することによるかかり増し経費、これは、足し合わせると大体一万一千三百七円という形になろうかと思います。

 それで、十五ヘクタールから二十ヘクタールで、いわゆる時給的に換算すると千五百二十一円、十アール当たりの労働時間が十三・九時間なので、これを掛け合わせると二万一千百四十二円となりまして、先ほどの一万一千三百七円を差し引くと、それぞれ、得られる所得における効果は九千八百三十五円という形になります。

 この縮減された労働時間を使用して縮減後の時給を見ますと、大体千八百三十八円というふうになりますので、千五百二十一円という時給と比較しますと三百円ぐらい増えるという形になろうかと思います。

木下委員 丁寧な御答弁、ありがとうございました。

 私の計算でやりますと、大区画化の効果が十五ヘクタール全体で九十万円、ロボットトラクターの導入効果が二十万円ぐらい。これは維持管理費だとかを入れておりませんので、実際には年間百万円ぐらいではないかと思っております。

 ここからは農林水産大臣にお伺いしたいんですが、まず、経営に与える効果、増収効果として一番大きいのは、やはり大区画化であります。ですから、五年間で集中してやられるということは本当にありがたいことではあるんですが、もっとスピードを上げないといけないのではないかと感じております。五年たってやっと百万円ぐらいの効果でありますので、もうちょっとスピードを上げていただけないかということですね。

 それから、大区画化を五年で完成してロボットトラクターを入れたとしても、経営に与える効果が年間百万円程度の効果でして、これではやはり農業後継者を確保するには無理があるのではないかと思うんですね。こういう大区画化とかロボット農機を導入した上で、やはり全産業の平均給与に足りない部分を何らかの形で所得補償制度をするということを早めに打ち出さないと、五年たった後に、所得が十分でなくてもう後継ぎがいないというところが多いということになりかねません。

 そこで、改めて、大区画化の前倒しについてと、所得補償制度の導入について、大臣の御見解を伺います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 米を始めとする水田作農業は、経営規模の拡大に伴って生産性、収益性が顕著に向上することから、規模拡大と様々な低コスト技術導入の組合せにより着実に生産性の向上を図っていくということが重要であるというふうに思います。この辺は木下委員とも全く共有をしております。

 ただ、一方で、農業者への所得補償という考え方については、先日総理からも御答弁がありましたが、様々な御意見があるということは承知をしておりますが、税金が原資であることも踏まえると、国民の皆様の御理解を得るために慎重な検討を要するものというふうに考えております。

 まず、農林水産省としては、農地の大区画化等の基盤整備、そして農地の集積、集約化により規模の拡大を進めるとともに、官民を挙げた多収品種などの開発普及、スマート農業や直播栽培などの低コスト技術の導入、定着などの取組を推進することで、水田作の生産性向上を強力に推進をしてまいります。

 私が座長を務めている日本の農林水産業戦略本部の下に生産性向上ワーキンググループも組織をしておりまして、米を含む農産物について、生産性向上についても議論しているところでありまして、水田作をもうかる産業として、農家が意欲を持って生産できる環境の整備に注力をしてまいりたいというふうに考えております。

 ちなみに申し上げると、昨日も秋田に行ってきたんですけれども、私たち、ちょっとここは多分、木下委員と認識が異なるかもしれませんが、条件の整った平場の水田というのはやはり生産者、受けるよという後継者の人がたくさんいるというふうに認識をしていますが、一方で問題なのは、中山間地域の、なかなか、草刈りの手間とか、そしてまた獣害も多いですから、そういう中で農業をやる人の後継者というのがかなり厳しい状況に追い込まれているというのは事実だというふうに思いますから、平場を十五ヘクタール、二十ヘクタールというのは大事ですけれども、一方で、やはり四割を占める中山間地域を思い切って支えていくんだという政策の見直しも必要かなというふうに考えております。

木下委員 御答弁ありがとうございました。

 私も、もうかっている農業者に後継者がいるということは存じておりますので、やはり所得を上げることが後継者の確保には非常に重要な点ではないかと思います。

 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて木下君の質疑は終了いたしました。

 次に、古川あおい君。

古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいです。

 御質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日は、私たちチームみらいが特に力を入れている子育て支援や、現在の政府の制度がうまく機能していないのではないかと思われる、そういった制度のバグと思われるような様々な課題について取り上げさせていただきます。

 まず初めに、出産の無償化についてお伺いいたします。

 現在、政府は、出産費用の負担軽減、いわゆる出産無償化に向けた検討を進めていると承知しております。私も、その方向性自体は評価しておりますが、制度設計においては慎重に検討すべき論点が複数あると承知しております。

 例えば、出産費用の価格や給付の設計によっては、分娩を取り扱う産婦人科などの経営に影響が及びます。地方を中心に分娩施設の減少が続く中で、無償化の制度設計が医療機関にとって持続可能なものでなければ、かえって分娩できる場所が失われるといった結果を招きかねません。この点については、引き続き丁寧な議論が必要だと考えております。

 その上で、今回は、制度設計において、まだ整理されていないけれども重要な点として、帝王切開などの取扱いについてお伺いいたします。

 現在、政府で検討されている出産無償化の対象については、基本的には正常分娩を念頭に置いた設計が中心となっていると認識しておりますが、帝王切開や吸引分娩などについてはどのような取扱いとなる予定でしょうか。

 帝王切開については、現行制度でも医療保険が適用され、一定の自己負担が前提とされている中で、今回の制度設計によっては、出産が帝王切開になるのか正常分娩なのかによって費用負担に大きな差が生じる可能性がございます。帝王切開になるか正常分娩になるかは、緊急帝王切開のように医学的な理由で選択される場合もあり、必ずしも本人の選択によるものではありません。それにもかかわらず、分娩方法によって自己負担が大きく異なることがあるとすれば、出産に向けた費用負担の不安を解消することはできません。

 ここで、上野厚生労働大臣にお伺いいたします。

 出産費用の負担軽減を進めるに当たっては、正常分娩のみならず、帝王切開や吸引分娩等になった場合であっても自己負担額に差が出ないよう、給付の在り方を整備すべきと考えますが、この点について大臣の見解をお聞かせください。

上野国務大臣 お答えをいたします。

 現在、出産に対する給付体系の見直しの検討を行っておりますが、最も重要なことは、やはり妊婦の方々が地域で安心して安全に出産できる環境を確保することであります。また一方、委員から御指摘もありましたが、地域での周産期体制をしっかり確保するためには、診療所等の経営環境等についても十分配慮をすることが必要だと考えております。

 いずれにいたしましても、出産に伴う経済的負担の軽減、これを今後進めていきたいと考えておりますが、その観点からは、帝王切開などの保険診療が行われた場合にも、なるべく妊婦の経済的負担を軽減をしていくことが望ましいと考えております。

 制度の見直し案の詳細につきましては現在検討を進めておりますが、帝王切開などの保険診療は従来どおりとしつつ、新たな給付体系において、分娩の現物給付化とは別に、全ての妊婦を対象とした現金給付、これを設ける方向で検討をしております。この現金給付によりまして、保険診療が行われた際の一部負担金などの費用についても一定の負担軽減が図られるものだと考えております。

 現在でも、出産に伴い医療行為が行われた場合には、その三割を患者さんに御負担をいただいており、それは他の疾患等とも同様ではございますが、いずれにしろ、その現金給付の在り方も含めまして、妊婦の方々、また保険料を納めていただいている方々の双方にとって納得感のある制度設計となるように、引き続き丁寧に検討していきたいと考えています。

古川(あ)委員 御回答ありがとうございます。

 現金給付も検討されているということですけれども、価格が一律ということになってしまいますと、実質的には、負担に、手から出ていくお金に差が出てしまうということになりますので、その点も含めて、広い視点での制度設計をお願いいたします。

 続きまして、育児休業の延長要件に関する課題についてお伺いいたします。

 現在の育児休業の制度では、育児休業は子供が一歳になるまでを原則として、保育所に申し込んだけれども入れなかった、こういった場合などに限って延長が認められる、そういった制度になっていると承知しております。

 この要件自体の問題点については、これまでも様々な指摘があったかと思いますが、今回は、特に早産児の保護者が直面する課題についてお伺いいたします。

 一つは、厳密な年齢要件の問題です。

 例えば、予定よりも早くお子さんが生まれた場合、暦の上では一歳ということになるけれども、修正月齢で換算すれば、実際は一歳という状況とは異なるという場合もございます。こうした子供それぞれの事情を考慮せずに、制度上、一歳になるという事実のみをもって、ほかのお子さんと同様、保育所に入所の申込みをすることが期待されるというのは、早産で生まれたお子さんの実態を考慮できていない硬直的な制度ではないでしょうか。

 二つ目は、医師による診断書がある場合の問題です。

 例えば、早産の場合や低出生体重児などの場合、免疫機能が未熟であることなどから、医師から見て、現時点で保育所に入所するのは適切ではないと判断がなされることがあります。しかし、現行の制度下では、そうした医師の判断や診断書があったとしても直ちに育児休業の延長が認められるわけではなく、引き続き、保護者の方は保育所に申し込んで、そして、入れなかったという通知を受け取るという手順が求められます。医師の判断をもって、明らかに保育所に入所は適さない、そういった状態であったとしても、形式上、保育所に申し込むことが求められる、こういった現状の制度が本来あるべき形で機能していない状態、制度のバグと言えるのではないかと私は考えております。

 こうした点を踏まえて、二点、大臣にお伺いいたします。

 まず一点目。早産児については、育休期間の判断に当たり、暦上の月齢にとらわれずに、修正月齢も基準とすることを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 続いて二点目です。医師が保育所の入所に適さないと判断したような場合には、その診断書をもって育児休業の延長を認めるような仕組みも必要かと考えますが、こうした課題に対応するために、現在の育休の延長要件については見直しを行うべきではないでしょうか。

 大臣の御見解をお聞かせください。

上野国務大臣 お答えいたします。

 まず一点目でございますが、一歳という期間を変更するということにつきましては、やはりこの育児休業の制度、これは全ての事業所に必ず適用される最低基準でありますので、また、事業主が原則拒めない権利でありますから、その基準自体をやや柔軟にするということ自体については慎重な検討が必要だと考えております。

 また、二点目でありますが、一歳以降に延長する際の手続でございますが、原則としては、今委員から御指摘のありました保育所の入所保留通知書等の提出を求めておりますが、お子さんが早産により生育が十分でないなどの場合、受入れ可能な保育所がない場合につきましては、通知書等は要さず、その旨、申告をしていただくことは必要ではありますが、医師の診断書等を提出していただくことで手続とさせていただいているところであります。

 市区町村によっては、受入れ体制は様々でありますので、やはり一旦ちょっと市区町村に御相談をいただく形にはなりますが、それを踏まえて申告をしていただければ、通知書等そのもの自体は不要とさせていただいております。

古川(あ)委員 御回答ありがとうございます。

 厚生労働省としては、場合に応じては、必ずしも通知書を求めるものではないということでございますけれども、こちら、もしかしたら自治体によってはそういった運用がなされていないというところもあるかもしれませんので、引き続き厚生労働省からも、周知でありますとか、そういったことを対応いただければと思います。

 続いて、出産なびの機能拡充についてお伺いいたします。

 二〇二四年の五月に公開された厚生労働省の出産なびというものは、出産施設の検索ツールとして整備されました。しかし、妊婦が必要としている情報は出産施設だけにとどまりません。妊娠の初期から産後ケアまで切れ目ない支援を行うためには、妊婦健診の情報でありますとか産後ケアの情報など、そういった妊娠の初期から産後まで様々な情報を一つのプラットフォームで、一つのウェブサイトで確認できることが望ましいと考えております。

 また、この出産なびのような政府のウェブサイトについて、どのような項目を掲載するかといった点も重要です。

 例えば多胎妊娠、双子や三つ子の場合、早産でありますとか低出生体重児のリスクが高く、NICU、新生児集中治療室、そういったものがあるかどうか、そういったことは施設の選択について非常に重要でございます。

 現在の出産なびにおいては、施設におけるNICUがあるかないか、そういった点について、詳細まで行けば確認はできるものの、例えばNICU一つ取ってみても、実際は、NICUはあるんだけれども、何週以上の胎児しか受け入れられません、そういった制限がある場合がございます。そういった詳細の条件については現在の出産なびにおいては確認することはできず、そういった点において、利用者のニーズには十分応えられているとは言えない状況でございます。

 以上を踏まえて、二点お伺いいたします。

 出産なびの掲載情報につきまして、現在の、出産のときに必要になる施設、そういったものに限らず、妊娠の初期から産後まで拡大し、一つのプラットフォームで必要な情報を一括して得られるよう、機能をより強化していくべきではないでしょうか。

 また、例えば先ほど私が挙げましたNICUの、何週以上であれば受け入れられるといった詳細の情報など、こういった利用者のニーズに合わせて、掲載項目でありますとか、さらに、検索時のフィルタリングの機能、こういったものを追加していくことについて、こども家庭庁及び厚生労働省の対応方針をお聞かせください。

中村政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、サービスを提供する側ではなくて、ユーザーである妊娠された方、出産される方の目線で、ワンストップで情報が提供されることは非常に大事だというふうに考えております。そういう観点から、こども家庭庁、厚生労働省と一体となりまして、御指摘の出産なびに情報を提供しているところでございます。

 議員御指摘の、妊婦の健診、前の健診とか、産後の事業につきましても、厚生労働省と連携いたしまして、この出産なびに、今年度はもう終わってしまいますけれども、来年度、情報を掲載することを予定しているところでございます。

 引き続き、ユーザーの立場に立って、厚生労働省と連携して、使い勝手をよくしていきたいと思っております。

間政府参考人 続けて、委員にお答えいたします。

 御紹介いただきました出産なび、今年の二月にも、スマートフォン利用を想定したウェブデザインの見直しや、検索方法の改善等のサイト改修を行いました。この中で、委員からまだ不十分だという御指摘がありましたが、NICUについても検索できるように改善したところでございます。

 この改善に当たりましては、私どもが勝手にということではなくて、アンケートやインタビュー等を通じて妊産婦の方々のニーズを調査して、妊産婦向けのサービス提供に習熟した民間事業者やウェブデザイナーにも御助言をいただきながら、機能、デザインについて見直しを行ったものでございます。こうした方向は今後も徹底していく必要があると思っております。

 今後も、こうしたユーザー目線での利用体験の向上のために、妊産婦さんを始め、必要な方が必要とする情報へアクセスできるような信頼できる情報源を提供することを目指して、こども家庭庁あるいはデジタル庁とも協力して、アップデートに努めてまいりたいというふうに思います。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 こちら、出産なびについては、ユーザーアンケートでありますとか、そういったものを設置されていることも承知しておりますので、そういったユーザーの声も聞きながら、是非アップデートいただければと思います。

 時間が残り僅かですけれども、政府ウェブサイトのユーザーエクスペリエンス向上について御質問させていただければと思います。

 政府のウェブサイトにつきましては、様々な情報を用意していても、結局使いづらい、そういった声が多く上がっております。こういった点について、二点、課題を提起させていただきます。

 一つは、検索機能の問題です。

 政府のウェブサイト、多くには検索窓がありますが、キーワードで検索しても、PDF資料が先にひっかかってしまって、本来見たいような制度全体のページ、そういったものになかなかたどり着かないといった問題がございます。

 二つ目は、省庁の組織再編に伴うコンテンツ管理の問題です。

 例えば、厚生労働省からこども家庭庁に事業が移った、こんな場合でも、こども家庭庁のページでその事業を調べたところ、クリックすると厚生労働省のアーカイブに飛ぶ。逆に、グーグルなどの検索サイトで検索すると、厚生労働省の別のページがひっかかる。そういった問題がございます。こういった、省庁再編に伴って国民が適切な情報にたどり着けないといった課題があると思っております。これは、一つの省庁の問題ではなく、複数の省庁に関わる問題であり、デジタル庁がこういった問題に対して音頭を取っていくべきだと考えておりますが、政府の見解をお聞かせください。

森田政府参考人 お答えいたします。

 政府のウェブサイトにつきまして、その使い勝手や分かりやすさについて様々な意見があるものと承知してございます。

 デジタル庁におきましては、政府情報システムの整備及び管理についての手続、手順、あるいは各種技術標準等に関する共通のルールや参考のドキュメントとして、デジタル社会推進標準ガイドライン群というものを策定してございます。

 ウェブサイトにつきましても、このガイドライン群の一環といたしまして、より分かりやすく、使いやすくなるように改善することを始めとした適切な品質の確保を目指しまして、昨年の九月に、ウェブサイトのガイドライン、それからウェブコンテンツのガイドライン、これらを策定して公開しているところでございます。

 また、政府のウェブサイトに関係する職員を構成員といたしますウェブサイトコミュニティー、こういったものを運営しまして、専門人材の知見を学ぶ勉強会の開催、それから、デジタル庁からウェブサイトの改善に資するようなツールの提供、こういったものを通じて、ウェブサイトにおける発信力の向上及び品質の向上支援を行っているところでございます。

 先ほどございましたうちのPDFに関しましても、本年二月には、デジタル庁ウェブサイトのサイト内検索機能を改善いたしまして、PDFなどのファイルがヒットした場合に、当該ファイルが掲載されているページの情報も併せて同時に提供することが可能となるようにいたしました。今後も改善を行いながら、このような仕組みを各府省にも展開できるようにしてまいりたいと考えてございます。

古川(あ)委員 ありがとうございました。

 時間なので、終わります。

坂本委員長 これにて古川君の質疑は終了いたしました。

 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 今年は、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から十五年であります。事故の処理の完了は全くめどが立たず、緊急事態宣言もいまだに解除されておりません。

 そんな中、中部電力が再稼働をもくろむ浜岡原発で、原発の耐震設計の基準となる基準地震動について、データが意図的に操作され、過小評価されていたことが判明をいたしました。また、浜岡原発の停止を求めた裁判でも、電力会社側は不正データを使っていたことも明らかになっております。

 まず、大臣にお伺いします。中部電力は原発を運転する適格性を欠いており、浜岡原発は速やかに廃炉すべきではありませんか。いかがですか。

赤澤国務大臣 本件は、原子力の利用の大前提である安全性に対する国民の信頼を大きく損なう、あってはならないものであると、経済産業大臣として極めて重く受け止めております。

 経済産業省として、中部電力に対して、一月五日の月曜日ですが、電気事業法に基づく報告徴収命令を発出いたしました。徹底した原因究明と実効的な再発防止策の検討、実施を求めており、その結果を踏まえ、厳正に対処をしてまいります。

 その上で、中部電力の原子力発電事業者としての適格性については、原子力規制委員会において原子力規制検査の結果なども踏まえて判断されるものと承知をしており、私からお答えすることは適切ではないと考えております。

 原子力利用における安全性の確保は、原子炉等規制法に基づき、独立性の高い原子力規制委員会が一元的に確認することとなっており、中部電力においては、原子力規制庁の検査や報告徴収命令に対し、真摯に対応してもらいたいと考えております。

辰巳委員 私は、やはり、地震列島日本において、データを捏造して地震を過小評価しないと原発を動かせない、このことがはっきりした事例だなというふうに思っているんですね。

 今大臣から、原子力規制委員会という話がありました。この原子力規制委員会も、外部からの通報を受けるまで不正を見抜けなかったわけですね。

 一月の十四日、山中規制委員長の会見によれば、こうあるんです。いろいろ聞き取りをして、最終的に委託先の事業者の報告書の中にあった一文をもって彼らに問い詰めたところ、事業者が不正を認めた、事業者が認めなければ、あるいは報告書の中にその一文がなければ、その事実は依然として確認ができなかった、こう発言されているんですね。この委員長の発言は、データの捏造、この不正は、電力会社だけではなくて、この地震動調査、ボーリング調査などですね、あるいはそれを評価する事業の委託を受けた外部の会社も絡んで行われたということを示しているわけですね。

 私は、中部電力が浜岡原発再稼働のために規制委員会に提出をしている設置変更許可申請書において、立地場所の地盤や地震の状況を説明した添付書類六というのを調べました。ここには、地質調査会社一覧表というのが添付されており、中部電力が地質調査を委託した複数の会社名が記載をされております。

 規制委員長、今日来ていただいておりますけれども、これらのコンサル会社が今回の浜岡原発の基準地震動のデータ捏造に関わりを持っていたということじゃありませんか。いかがですか。

山中政府特別補佐人 お答えいたします。

 設置変更許可申請書の添付書類において、地質調査会社が記載されている場合がございます。これは、断層を調査する際に必要なデータを取得するためのボーリング調査等の地質調査を行う会社であると認識しております。

 本年一月二十日に共産党において地質調査会社名を発表されたことは承知しております。これらの会社が不正行為があるとは、現在のところ、認識しておりません。

辰巳委員 規制委員長、不正はないというふうに断言されたということですか。地質調査会社において、ないということがはっきりしたということでよろしいんでしょうか。もう一回。

山中政府特別補佐人 現在のところ、公表された地質調査会社等が不正を行ったという認識ではございません。現在、調査を行っているところでございます。

辰巳委員 現在のところ、今調査中ですから、不正がなかったとは断言できないということなんですね。

 私は、全国全ての原発の設置変更許可申請書を調べました。すると、驚くべきことが分かりました。中部電力が委託をした同じ地質調査会社が、北電、東北電力、東電、関電、中電、九電でも使われているということが分かりました。

 これは浜岡原発だけの問題ではない。ほぼ全ての電力会社で同じ会社が使われているわけですから、今、不正があったとは断言できないという話ですから、本来であれば、これは水平展開して、ちゃんと調べなあかんわけですよね。ところが、山中委員長は、水平展開はしないんだということをこの間の記者会見でもおっしゃられているわけであります。

 地質調査会社だけではありません。得られた地質やデータを今度は解析、評価する会社というのが存在をするわけですね。これも電力会社から委託を受けているという説明を規制委員会から私は受けております。ただし、データ解析、評価する個別の会社名については、設置変更許可申請書には記載義務がありませんので、公表がされておりません。

 委員長に続けて確認します。浜岡原発で地震のデータ解析、評価を行った会社が、ほかの電力会社の原発の基準地震動の評価に関わっていないと断言できますでしょうか。

山中政府特別補佐人 お答えをいたします。

 中部電力の不正行為につきましては、現在、原子炉等規制法に基づきまして、報告徴収命令を通して報告を求めているところでございます。また、並行いたしまして、原子力規制検査において事実関係等の確認を進めております。

 委託会社がどのように不正に関与しているかは、現時点では明らかになっておりません。

辰巳委員 つまり、関わっていないということは断言できないんですよね。だったら、きちっと水平展開するということを明言してほしいんですよ。

 委員長、もう一回。この調査、地震、地質、ボーリングをやる調査、そしてそれを評価する会社がある、ほかの原発で使われている可能性があります。これは、ほかの原発にも水平展開して調査するということを明言してください。いかがですか。

山中政府特別補佐人 現在、新規制基準適合性に係る設置変更許可申請がなされております中部電力浜岡原子力発電所三号炉及び四号炉について、当該申請に係る申請書あるいは申請内容を説明するための資料に対する信頼性が損なわれていることから、審査を行うことは判断できないとし、審査を停止しているところでございます。

 一般に我々が行っております多層の審査の中では、その評価の方針あるいは方法、条件及び結果について確認をしているところでございます。事業者においてデータそのものに対して不正行為が行われた場合には科学的に見抜くのは困難であると考えておりますが、データに対して不自然な点が見受けられる場合には事業者に対して指摘をするということは、これまでの審査の中でも行ってきております。また、検査の段階では、データだけではなくて、事業者の職員にもアクセスをいたします。申告制度も含めて、これらの審査、検査を通じて、他の事業者に対して安全上の課題を今のところ見つけることはできておりません。

 現在のところ、中部電力の不正行為と類似の情報は他の原子力事業者に対しては見出せておりませんので、中部電力の不正行為に委託事業者がどのように関与しているかは現時点では明らかになっていないことから、他事業者に対して水平展開をするつもりはございません。

辰巳委員 長々と答弁されるんですけれども、本来まだ分かっていない、だけれども、疑義があるわけでしょう。疑義があるわけですよ。だったら、水平展開する必要があるじゃないですか。まず原発を止めなきゃならないじゃないですか。だって、電力会社で、ほかの原発で同じような不正が行われている可能性があるわけでしょう。何で水平展開しない、何で原発を今の段階で止めると言えないのかということだと思いますよ。

 これは本当にゆゆしき問題だと私は言わなければならないと思うんですね。この間の浜岡原発のデータの捏造、結局これは、地震大国日本で、地震のデータを捏造しなければ原発を動かすことができないということをはっきりさせた事例だというふうに思います。

 東京電力福島第一原発から十五年、いまだに緊急事態宣言も解除されていない中で、これ以上、データの捏造が疑われるような原発を動かすべきではないということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

 以上です。

坂本委員長 これにて辰巳君の質疑は終了いたしました。

 各大臣は御退席いただいて結構でございます。

    ―――――――――――――

坂本委員長 この際、三案審査のため、昨八日、第一班鹿児島県、第二班岩手県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員からそれぞれ報告を聴取いたします。第一班とかしきなおみさん。

とかしき委員 鹿児島県に派遣された委員を代表いたしまして、団長に代わり私からその概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、坂本哲志委員長を団長として、理事鳩山二郎君、長妻昭君、池下卓君、長友慎治君、委員石川昭政君、石原正敬君、小田原潔君、武井俊輔君、中山泰秀君、三ッ林裕巳君、野間健君、石川勝君、高山聡史君、私、とかしきなおみの十五名であります。

 昨八日、現地において、志布志石油備蓄基地を視察し、関係者から説明を聴取いたしました。

 次いで、鹿児島市において会議を開催いたしました。

 会議におきまして、鹿児島県知事塩田康一君、日本労働組合総連合会鹿児島県連合会会長海蔵伸一君、鹿児島経済同友会代表幹事岡恒憲君及び株式会社Farm―K代表取締役亀割浩介君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、塩田陳述人からは、農林水産物の輸出状況及び輸出拡大に向けた取組、データセンターの立地加速に向けた環境整備の状況などの意見が、次に、海蔵陳述人からは、中小企業の賃上げに向けた価格転嫁の適正化の徹底、給付つき税額控除に係る仕組みの早期構築の必要性などの意見が、次に、岡陳述人からは、畜産業における課題及び支援策、観光振興のインフラ整備に係る支援の在り方などの意見が、最後に、亀割陳述人から、農業の担い手不足解消に向けた制度設計の必要性、食料品にかかる消費税率ゼロの導入の課題などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、地方創生に資する人材育成の在り方、賃上げの裾野拡大に必要な国の取組、中東情勢の緊迫化による液化天然ガス、LNG価格の高騰が地域経済に与える影響及び国への要望、新規就農における農地取得の問題、外国人材の受入れ数の制限に対する考え、デジタル産業の集積に向けた国の支援の在り方などについての質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を始め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

坂本委員長 次に、第二班笹川博義君。

笹川委員 岩手県に派遣された委員を代表いたしまして、団長に代わり私からその概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、理事齋藤健君を団長として、理事勝俣孝明君、藤原崇君、委員石橋林太郎君、加藤鮎子君、神田潤一君、谷川とむ君、福原淳嗣君、庄子賢一君、中野洋昌君、うるま譲司君、村岡敏英君、川裕一郎君、畑野君枝君、私、笹川博義の十五名であります。

 このほか、現地参加議員として米内紘正君が出席されました。

 昨八日、盛岡市において会議を開催し、滝沢市長武田哲君、大船渡商工会議所会頭米谷春夫君、岩手県商工会連合会会長、八幡平市商工会会長高橋富一君及び岩手県立大学学長鈴木厚人君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、武田陳述人からは、子供の教育環境を整備する重要性及び国の支援の在り方、五歳児健診の重要性などの意見が、次に、米谷陳述人からは、震災復興における高規格道路を整備する必要性、震災復興支援における円滑な手続の在り方及び地元への配慮などの意見が、次に、高橋陳述人からは、少子高齢化による地域経済の弱体化への危機感、中山間地域における地域経済の底上げなどの意見が、最後に、鈴木陳述人から、国際リニアコライダー、ILCを日本に誘致する必要性、急速な少子化が進行する中での将来を見据えた高等教育の在り方などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、子供への教育など子育て全般をめぐる課題及び支援の在り方、エネルギー安全保障及び環境問題におけるILCが果たす役割、観光業の現状及びインバウンドがもたらす効果、食料品の消費税率ゼロに対する受け止め、岩手県の中小企業の赤字の要因、教員数確保に向けた取組の内容及び課題などについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を始め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

坂本委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。

 お諮りいたします。

 ただいま報告のありました第一班及び第二班の現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔会議の記録は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

坂本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これより内外の諸課題についての集中審議を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。勝俣孝明君。

勝俣委員 自由民主党の勝俣孝明でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 総選挙が終わり、一か月がたちました。選挙後も、各社、依然として高い内閣支持率を維持しております高市内閣でありますが、現役世代の皆さんの支持率が高いことが特徴であります。この特徴は、今回の総選挙における投票行動においても大きな影響があったんだろうと推測をされます。

 今、我が国の抱える大きな課題の一つが少子高齢化の問題であります。この問題は、様々な施策において影響を及ぼしておりますが、本委員会においても各委員から指摘のあるとおり、とりわけ我が国の社会保障制度において大きな影響を及ぼしていると考えております。

 私は、日本が世界に先駆けてこれだけの長寿大国を築いたことは大変すばらしいことであると考えております。人生百年時代、昨年の百歳以上の御長寿の方々は約十万人、九万九千七百六十三名でありました。こうした長寿大国を支えてきたのが、年金、医療、介護といった我が国の社会保障制度であると考えています。そして、この社会保障制度は世代間の支え合いによって成り立っておりました。長寿大国日本は、こうした世代間の支え合い、地域での支え合いといった温かな支え合いの制度によって築き上げられたのだろうと考えております。私は、こうした温かな支え合いの国を次の世代にもしっかりと残していきたいと考えます。

 一方で、こうした社会保障制度を支えてきた現役世代の皆さんが、少子高齢化の中で、負担が大きくなり、そして支え切れなくなろうとしています。

 私自身は、いわゆる就職氷河期世代。実は、大学を卒業するときに新卒の有効求人倍率が唯一一倍を割った年でありました。〇・九九の年です。正社員として働きたくても働けない、地元に帰ってきたくても働く場所がない、そんな時代の中で私たち世代は社会人生活のスタートを切りました。ですから、私たちの世代は、今日よりあした、今年より来年よくなるだろうという右肩上がりの時代を知らない世代とも言えます。

 現役世代イコール消費世代であります。お金を使う世代です。子育てするにもお金がかかる。人生で一番大きな買物、住宅、自動車を購入するにも、旅行に行くにもお金がかかります。まさに、将来への不安、未来への不安、社会保障への不安があれば、家や自動車を買うのをやめようか、旅行に行くのをやめようか、消費マインドが低下をしてしまう。

 ちなみに、就職氷河期世代の持家比率は、三十年前と比較して一〇%以上低いとも言われています。日本のGDPの六割を占める個人消費が活発にならなければ、日本経済は成長しない。住宅産業、自動車産業、観光産業、まさに我が国の基幹産業でもあります。現役世代の皆さんが元気にならなければ、社会保障も守れないし、日本経済は成長しません。

 今まさに大きな政策の転換点を迎えています。現役世代の皆さんもそれを期待している。だからこそ、総理が強く強く訴えてきた、雇用と所得を増やし、消費マインドを改善し、強い経済を構築していく、そして日々の暮らしと未来への不安を希望に変えていくというメッセージが現役世代の皆さんの心に刺さっているんだろうと私は考えています。

 総理、いま一度、現役世代の皆さんに向けて、どのように未来への不安、将来への不安、社会保障への不安を希望に変えていくのか、強い御決意をお願いいたします。

高市内閣総理大臣 我が国の経済成長を実現するために圧倒的に足りないのは国内投資でありますので、その促進に徹底的なてこ入れをいたします。高市内閣は、過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切り、官民が手を取り合って世界共通の課題解決を目指す危機管理投資、成長投資などによって日本の成長につなげてまいります。

 加えて、社会保障制度を持続可能なものとするため、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要なサービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障の構築に向けて取り組んでまいります。

 具体的には、OTC類似薬などの保険給付の見直しですとか、データヘルスなどを通じた効率的で質の高い医療の実現などを進めていく中で、現役世代の保険料負担を抑えてまいります。また、攻めの予防医療を具体化させて、健康寿命の延伸を図ることによって、皆様が元気に活躍し、社会保障制度を含めた社会の支え手となっていただけるようにしたいと考えています。

 こうした政策を通じて、国民の皆様に成長の果実を実感していただき、日々の暮らしと未来への不安を希望に変えてまいります。

勝俣委員 ありがとうございます。

 間もなく東日本大震災から十五年がたとうとしております。国民の皆様の大きな不安の一つが、災害への不安であります。私は、党の国土強靱化推進本部の事務局長を務めさせていただいており、来年度からスタートする国土強靱化中期計画にて、今後五年間で二十兆円強程度を目途として、令和の国土強靱化を加速していくことを取りまとめさせていただきました。

 日本列島を、強く豊かに。まさに、令和の国土強靱化対策は危機管理投資、経済対策でもあると考えております。災害時のリスクをできる限り低減させていくための事前防災の考え方の下、激甚化、頻発化、局地化する災害に備えて国土強靱化を加速化していくことが求められておりますが、総理の危機管理投資における国土強靱化対策についての御決意をお伺いいたします。

高市内閣総理大臣 勝俣議員におかれましては、自民党国土強靱化推進本部の事務局長として昨年六月の第一次国土強靱化実施中期計画の取りまとめに御尽力をいただきましたことに、まずは感謝を申し上げます。

 国土強靱化は、平時からの事前防災の取組によって自然災害から国民の皆様の生命財産、暮らしや経済活動を守る、まさに危機管理投資です。テクノロジー、それからまた、それを活用しながら、ハード、ソフトの両面で事前防災及びインフラの予防保全を徹底するため、事業規模を五年間でおおむね二十兆円強程度とする実施中期計画に基づく取組を官民挙げて着実に実施してまいります。

勝俣委員 ありがとうございます。

 昨年の三月に半島振興法の改正が行われました。今回、この改正において、能登半島地震の教訓を踏まえ、法律上初めて半島防災の文言が明記をされました。

 三方を海で囲まれた半島における地震は、道路が寸断してしまい、海からの救助、救援を試みたものの、海岸線が隆起するなど、漁港、港湾が使えなくなってしまう、半島ならではの課題も浮き彫りになりました。こうした中で、改正半島振興法には国土強靱化基本計画と調和を図っていくことを明記し、また、国土強靱化中期計画の中においても半島防災、半島の強靱化を明記していくことで、この両方をリンクをさせ、国土強靱化予算の中で重点的に半島における高規格道路の整備や漁港、港湾の整備を行っていくことが可能となったと認識しております。

 紀伊半島、伊豆半島など、多くの半島を含む広域が対象となる南海トラフ地震が懸念される中、重点的に半島における強靱化を加速化していくことが必要であると考えますが、国土交通大臣の御所見をお伺いします。

金子国務大臣 勝俣委員には、昨年三月の半島振興法改正におきましては、超党派での検討過程の中で推進役やまとめ役として御尽力いただき、さきの能登半島地震の教訓を踏まえ、基本理念として半島防災、国土強靱化が盛り込まれるなど、喫緊の課題を反映した改正がなされたところでございます。

 これを受けまして、昨年七月には、国として新たに策定した半島振興基本方針におきまして、半島防災に関する施策に加え、その推進に当たっては、道府県による半島振興計画と国土強靱化地域計画との整合が重要と位置づけられたところでございます。

 また、現在、道府県では半島振興計画の改定が進んでいますが、国土交通省といたしましては、両計画の整合により、双方の視点から半島地域の国土強靱化の取組強化につながるとの助言を行ってきており、現在、各地域では整合の取れた計画策定が進められているものと承知をしております。

 また、予算面では、令和七年度補正予算を活用し、三方を海に囲まれるなどの半島の地理的制約を克服する民間の防災技術等を実証し、その普及を図る事業を新たに措置したところでございます。

 引き続き、半島地域の自治体や民間事業者との連携の下、高市総理による危機管理投資の方針も踏まえ、半島防災、国土強靱化をしっかりと進めてまいります。

勝俣委員 ありがとうございます。

 南海トラフ地震、それから、心配されるのが、それと連動して起こる富士山の噴火であります。実は、この富士山の噴火、まさに山梨県と静岡県で、その周りに五つの駐屯地を抱えております。富士山が噴火をすると、富士山周辺の駐屯地や隊員の皆さんも被災するわけであります。災害時における安全保障上も大変に重要でありますから、私は、こうした自衛隊施設や防衛施設の強靱化を早急に進めていく必要があると考えますが、防衛大臣の認識をお伺いいたします。

小泉国務大臣 ありがとうございます。

 今、施設の強靱化、これについてお話がありましたが、昨日、東日本大震災からあさってで十五年ということで、宮城県の東松島市に航空自衛隊の松島基地がありますので、そちらに視察をさせていただきました。

 あのとき、皆さんも御記憶にあるかもしれませんが、ブルーインパルスの本拠地にもなっていますが、ブルーインパルスは大丈夫でしたが、ほかの戦闘機も含め、かなり津波の被害を受けました。こういった教訓も踏まえまして、格納庫を含めた高台化を既に実施をしておりますし、県が整備をした防潮堤、市が整備した防潮堤、そして県と防衛省で整備をした防潮堤、この三段構えの防潮堤という形で、今、具体的なものができております。

 そして、青森県で昨年末に地震がありましたけれども、そのときは、自衛隊の駐屯地……

坂本委員長 申合せの時刻が迫っております。

小泉国務大臣 基地が市民の皆さんの避難場所に提供されました。

 こういったことも踏まえまして、これからもしっかりと施設強靱化の予算を着実に執行に努めていきたいと思います。

 ありがとうございます。

勝俣委員 ありがとうございました。終わります。

坂本委員長 これにて勝俣君の質疑は終了いたしました。

 次に、小川淳也君。

小川委員 中道改革連合、小川淳也です。

 まず、総理、邦人退避等への取組に深く敬意を表したいと思います。いろいろと難しいオペレーションではないかと想像いたします。

 質問に入る前に、ちょっと二点、総理の率直なところを聞かせてください。

 この間、閣僚が閣議に遅刻をしたり、それから、委員長が委員会に遅刻をして委員会が流れたりといったような事態が続いています。自民党総裁として、一言、檄を飛ばしていただきたい。

 それからもう一点。昨日、総理が応援に行かれた石川県知事選挙で、応援された候補が敗れました。この候補の応援そのものが、アメリカのイラン攻撃が始まった直後でしたから、行かれること自体について賛否があったと思います。

 この二点、率直なところをまずお聞きしたいと思います。

高市内閣総理大臣 まず、閣僚による遅刻、これは本来あってはならないことでございます。ただ、ちょっと道路事情など、不測の事態が起きたと聞いております。以後、ないようにしっかりと気をつけてまいります。

 委員長に関しましては、これは国会のことでございますが、しっかりと気を引き締めて、与党として気を引き締めて対応をしていくべきものと存じます。

 また、私の石川県出張でございますけれども、攻撃が発生した後、即座に情報収集のための組織を官邸に立ち上げ、そして、出発前でございますけれども、どれぐらいの情報が何時間ぐらいで集まってくるのか、こういったことも確認をいたしました。情報収集、ああいった混乱している時期に、各国の大使館からの情報、そしてまた外務省本省が集めている情報、防衛省が収集する情報など、相当な時間が必要だということでございましたので、適時、ずっと移動中も含めて、集まった情報については報告を受け、そして、私から新しい指示も出しながら移動をいたしました。

 その上で、閣僚会議を夜開きましたけれども、閣僚会議が開催された時間は、過去の同様の事態よりもはるかに短い時間で開催された。そして、きっちりと閣僚に報告できる情報が集まった後に開催されたと考えておりますので、不適切だったとは思いません。危機管理は十分に行ったつもりでございます。

小川委員 特に最初の点については、率直に自民党総裁としての御指摘をいただいたと受け止めたいと思います。

 それで、こうしたある種の慢心なり緩みと無関係ではないと思うんですが、予算委員長、ちょっとこの間の進行は、まず、今日も、私どもの要求閣僚は四名ですからね。十三名の閣僚が省務をおいておいて、国会審議は大事ですよ、しかし、省務が大事な方はそれを優先してくださいと申し上げている。十三名があえて出席をしていただいています。それから、この間の省庁別審査、一般質疑、地方公聴会、日曜日です、そして分科会の割愛、こうした強硬運営も目に余るんですよ、委員長。これは無関係ではない。最終責任は自民党総裁にありますという前提で向き合っていただきたい。

 ちなみに、昨年の予算の審議時間は九十、今年、このままだと五十です、与党の思惑どおりだとすると。総理の出席が昨年五十、今年は二十時間台、半分以下になるおそれもある。集中審議が圧倒的に不足をしていることを含め、それから、財務大臣にも一言申し上げます。なぜ、自ら不在の予算審議を許すんですか。あなたがつくった予算でしょう、これは。私がいないところで予算審議をすることは許さないと、財務大臣の矜持において言わなきゃいけないんじゃないですか。

 それこれ含めて、秩序が崩れつつあるんですよ。国際社会も国会も同じだ。力が全てですか。必要なのは原則でしょう、ルールでしょう。改めてそのことをよく自覚をして、今後の国会運営に当たっていただきたいと思います。

 それで、私どもは今週中に、現在の中東情勢を踏まえて、エネルギー価格の高騰対策、そして防衛増税の見送りを予算の組替えとして提起しますので、委員長、積極的かつ丁寧な審議をお願いしておきたいと思います。首を縦に振っていただけたら結構です。

 総理、来週訪米されます。今、この緊迫した状況の中での訪米です。私は申し上げたい。同盟は大事ですが、同盟と追従は異なりますよね。同盟と追従は異なる、同盟は沈黙ではないということを旨としていただきたいと思っています。

 その点、なぜこの間、日本政府はアメリカの今回の先制攻撃について法的評価を避けるんですか。多くの国々や国際機関が疑問を呈しているじゃないですか。なぜ日本政府として、日頃、法の支配を訴えているにもかかわらず、この法的評価を回避するのか、総理の御見解を伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣 まず、我が国は詳細な事実関係を十分把握する立場にないことから、確定的な法的評価を行うことは困難である旨、これまでも申し上げております。今、何よりも重要なことは、事態の早期鎮静化を図ることであり、我が国としましても、そのために必要なあらゆる外交努力を行っている最中でございます。

 また、各国が法的評価を発表しているとの御指摘ですけれども、明確な評価を発表しているのは、私が現在承知している限り、国家としてはフランス、そして組織としてはEU、残りの国については、法的な評価、今直接的にしっかりと、最終的な判断を下している状況にはないと理解をいたしております。

小川委員 御指摘のとおり、悩ましい状況は確かなんです。私も、同盟の重要性、それから内閣総理大臣としての立場の難しさ、これは十分おもんぱかりたいと思っています。しかし、国論をそれで統合するわけにはいかないので、私も、多くの国民の声を背に、ここで公に異を唱え、日本の外交姿勢を明確にすべきだということを言う責任が私にもあるんですね。

 今おっしゃったフランス、EU、それからスペインは、国連憲章に違反する軍事行動には基地を貸さないと明確に言っているでしょう。そういうことも含めて、つまり、法の支配とは、相手によって態度を変えないということなんです。相手によって態度を変えることを法の支配とは言わないんです。そして、原則を語れない国の外交は信頼されません、国際社会から。あえて原則を語らなきゃいけないということの重みを、現実の難しさを十分おもんぱかった上で、私の意見として是非聞いてください。そして、これは多くの国民の意見ですから、聞いていただきたいと思っています。

 現状、邦人退避に御尽力されていることは冒頭も申し上げたとおりです。今、幸いかな、幸いと言っていいか、最も心配されたホルムズ海峡の封鎖という事態には完全には至っていないと認識しています。イランが無差別攻撃を宣言せず、そして機雷をまくなどの行為に至っていない以上、ホルムズ海峡が現状直ちには封鎖されておらず、そして、官房長官が公におっしゃっているように、今直ちに存立危機事態に該当する可能性は低いということに同意します。

 しかし、今後、事態がどう変化するかは分かりませんよね。今後、存立危機事態に至る可能性はあるのか、それはどのような事態なのか。過去、総理は、台湾情勢に関してかなり踏み込んでいますので、この現在の、現に今起きている危機をどう解釈し、どう判断しているのか、根幹のところを聞かせてください。

高市内閣総理大臣 先ほど来いろいろ私に対する御指摘がありますが、今、日本国として国際法上の法的評価を申し上げることについては、私自身も国益を最大限考えながら判断をいたしております。そしてまた、来る訪米、これも、国会のお許しをいただいたらでございますけれども、アメリカに参りましたときには、外務大臣が言っているとおり、しっかりと議論をしてまいります。

 その上で、存立危機事態でございますけれども、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある状況をいいます。ですから、現在の状況が存立危機事態に該当するといった認定は政府として行っていないのは、官房長官が述べているとおりです。

 今後の認定の可能性ですが、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して判断することになりますので、現時点で一概にお答えをすることは困難でございます。

小川委員 私が言うのもなんなんですが、まさにそういう答弁を期待していました。そういうことなんですよ。これだけの重い事態は、政治的配慮で伸び縮みさせちゃいけないんですね。それから、ちょっとあえて言えば、重い事態を軽い言葉で扱っちゃいけないというんですかね。

 今、中国との情勢に関して言うと、昨日、中国も中国なりの主張をしていたでしょう。私も、中国にも過剰反応は自制を呼びかけたいと思っていますが、一方で、ちょっと高松の事情でいうと、私の地元の事情でいうと、香港便が減便になっているんですね。上海便は運休です。それで、春秋航空の事務所が閉鎖になり、私の親しい方も含めて本当に困っているという実情がある。まあそれだけじゃないでしょう。

 つまり、内閣総理大臣のこの手のことに関する発言の一つ一つは多大なる影響を及ぼす、国民生活並びに外交、安全保障環境に。ですから、改めて今の答弁を、それ以上申し上げるつもりはありません、したがって、振り返って、あのときの台湾に関する踏み込んだ答弁がやはり行き過ぎた可能性がある、制御を誤った可能性があるということは改めて御自覚をいただかなきゃいけないんじゃないかと思って、指摘をします。

 そして第二に、これも訪米前ですから聞かせてください。既にアメリカは、ホルムズ海峡周辺で警備行動に出るというようなことを公に表明しています。これを日本政府に対して、日本の自衛隊に対して何らか協力要請してくる可能性がないとは思えない。既にあったのか、あるいは訪米する際にその可能性があるのか、その点について総理の答弁を求めます。

茂木国務大臣 現時点までに、米側から日本政府に対して、ホルムズ海峡におけます船舶の防護に関する要請、これは寄せられておりません。

 今後の見通しについては、現在事態が、小川委員も御案内のとおり刻々と変化をしている部分もあります。また、ホルムズ海峡を見ても、イラン政府の発表と、また革命防衛隊の発言等々は異なっている部分もありまして、深刻であるのは間違いないと思っておりまして、現時点で、予断を持ってこうなるということを申し上げるのは差し控えたいと思っております。

小川委員 繰り返しますが、それでいいと思います。ただし、どう状況が変わっても、原則は大事であるということは先ほど来申し上げているとおりです。

 その点に関して、最初にちょっと先回りをしてくぎを打っておきたいのは、仮に、中東における米軍の、米海軍の軍事行動に、日本国の海上自衛隊を始めとした実力組織が行動を共にするとした場合、極めて法的根拠が問われることになります。もしこれが海賊を相手にした海賊対処法に基づく行為なら、それはあり得る。しかし、今回は該当しない。そして、平時に行われている警察、警備行動たる米艦防護であればそれもあり得るが、今回は限りなく武力行使と一体になったものにならざるを得ない。まだ機雷はまかれていませんが、機雷掃海の要請があることはないでしょう。

 しかし、それもこれも含めて、現行法と現行憲法秩序を前提にすれば、簡単に中東で軍事行動と一体と取られかねないような実力行使はできない、憲法上、現行法上。それははっきりさせておきたいので、総理の答弁を求めます。

高市内閣総理大臣 仮定の質問にはお答えを差し控えますけれども、あくまでも法律にのっとって対応するということでございます。

小川委員 いろいろ公の場で仮定で言えないことはそうでしょう。しかし、様々な事態をシミュレーションしていただく必要があり、しかし、その際も、改めて原則、法律、憲法秩序が前提になるということを原則に、大いにアメリカとの間で日本国としての原則を語ってください。それを、訪米した際に是非お願いしたいと思っております。

 ちょっと時間の関係で問いは省きますが、横須賀からアメリカのイージス艦が出航し、中東にトマホークを撃ち込んだという報道がある。アメリカ軍が横須賀並びに沖縄を始めとして駐留している理由は、日本の安全並びに極東の平和です。中東はこの範疇に入りません。そして、沖縄を始めとして、基地負担の受入れには相当な負担感、矛盾、葛藤、苦悩が満ちている。そこから出撃して中東にミサイルを撃ち込むために米軍の駐留を許しているわけでは我が国はありません。

 ここには二つの問題があって、それを日本政府は知っていたのかという問題が一つある。そして、この手の作戦行動は、戦闘行動は日本に事前協議をすることが前提になっていますから、事前協議があったのかという問題がある。聞いても詮ないでしょう、恐らく。言えないと言い。しかし、これは、日本が事前協議をしろと言わない、言ってこなかった歴史があり、そして目をつぶってきた歴史がある。それは、インド洋の作戦行動にせよ、イラク戦争にせよ、湾岸戦争にせよです。

 つまり、改めて、この日米安全保障条約とはどういう原則に基づいた同盟関係で、そして、地域の方々を含め、どのような負担を背負わせ、どのようなメリットがあるのか、どのようなリスクはあえて回避するのかということがこの有事の際に改めて問われているんだということを、指摘にとどめますが、重く受け止めていただきたいと思います。

 総理、経済政策について一つだけお聞かせください。

 かねてから私は、本会議でもお尋ねしました、責任ある積極財政とは政府債務の対GDP比をコントロールするという総理のお考え、これは結果として私はあり得ることだと何度も申し上げました。しかし、これをターゲットに置くことは、目標に置くことは違うのではないかという趣旨で申し上げた。つまり、政府の債務は政府のコントロール下にある、ところが、GDPは政府のコントロール下には直接はない、したがって、結果としてそうなることは望ましいが、それを政府としてターゲットに置くこと、目標に置くことは、可動域の枠内と外を比べる結果として実行不可能ではないかという懸念を持っているんです。

 その前提のお尋ねなので少し聞いていただきたいんですが、総理のおっしゃるこの政策が成り立つには、この原則が必要なんですよ、つまり、名目のGDPの成長率より金利が低くなきゃいけないんですね。もし名目のGDPの成長率より金利が高ければ、政府債務はどんどん拡張し、膨張し、最後、発散するんです。したがって、名目成長率より常に金利を低い状態に抑えるということを公言しているに等しいんです、この責任ある積極財政という政策は。

 ところが、歴史を振り返ると、これは日本でも世界でもそうなんです、大体、名目成長率と長期金利というのは符合しないと経済は成り立たないんですよ。なぜなら、それより低い金利しかつかない通貨を持っていられますか。名目成長率、インフレ率を含む名目成長率が年率で最近だと四パーから五パーなんですね。だけれども、金利は一パーでしょう。

 昔を振り返るとそうじゃないんですよ。名目成長率が四から五なら金利は四から五。名目成長率が六から八なら金利は六から八。それは、古今東西、どの歴史、どの国を振り返ってもそうなんです。これが、経済が成り立つことの大原則なんですよ。

 今回、長期金利を下げ、名目GDPをインフレを含めて上げるということ自体は、つまり、その国の通貨は持っていられないということを意味するんです。だから売られるんですよ。円安が進んでいるでしょう、現に。それから金。都内のマンションは一億円を超えた。不動産、現物への転換が進むんですね。

 ということは、円安と資産インフレを前提とした、持たざる者にとって、一般国民にとっては極めて厳しい政策だということを認めざるを得ないと思うんですが、総理、いかがですか。

高市内閣総理大臣 委員の御指摘は、物価上昇が名目成長率を押し上げて名目金利を上回るような場合に、債務残高対GDP比が減少するけれども、実質的なマイナス金利が継続することなどを通じて、通貨価値が下落したり、資産インフレにつながるのではないかという御指摘なんだろうと思います。

 しかし、実際、将来の名目成長率と名目金利の大小関係について確たることは申し上げられませんし、また、為替相場については多様な要因を背景に市場において決まるものですから、金利や成長率など特定の事項が為替相場に与える影響について一概に申し上げることも困難です。

 でも、いずれにしても、高市内閣では、物価上昇が名目成長率を押し上げるのではなくて、国内投資の促進を徹底的にてこ入れして、潜在成長率を引き上げるということを通じて名目成長率を押し上げる。その名目成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑えることで、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくということを目指しておりますので、御懸念は当たらないと考えております。

 これからも、責任ある積極財政の考え方に基づいて、日々の市場動向、そして経済指標に常に十分に目配りしながら、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。

小川委員 実質のGDPが膨らめば、それにこしたことがないのはそのとおりです。しかし、現実問題、ここのところ、ゼロから一ですからね、実質は。それぐらい困難なんですよ。今、人口が毎年百万人単位で減っていますから。それから、特定の要因が単体で影響することはないというのはそのとおりなんですが、しかし、金利水準や成長率というのは極めて重要なファクターですから。そのことも併せて、今の私の指摘は真摯に受け止めていただきたい。

 つまり、これはよく言われる金融抑圧、静かなる増税、隠された増税、インフレ税、しかもステルスという評価を受けかねませんから。まさにおっしゃったように、実質を重視し、潜在成長率を重視し、総合要因でこの行き過ぎた円安や資産インフレ、これについては少なくとも注意を払うという姿勢が必要だと私は思います。

 暫定予算についてお聞きします。

 先般、まだそのタイミングではないというお話でしたが、三月中旬に入りました。それから、通常、暫定予算の策定には一週間程度の時間がかかります。それから、総理が敬愛される安倍総理は一三年と一五年に暫定予算を組まれました。なぜなら、前年の十二月に総選挙をやっているからです。今年に限って言えば、二月の総選挙ですからね。

 三月に暫定予算、指示をされるとすれば既にぎりぎりのタイミングだと思いますが、既にされたのか、今後されるおつもりはあるのか、お伺いしておきたいと思います。

高市内閣総理大臣 国民の皆様の生活に支障が生じないように、野党の皆様にも御協力をお願いしつつ、令和八年度予算と今年度末までに成立が必要な法案の年度内の成立を目指してまいりたいと考えておりまして、これに尽きます。つまり、令和八年度予算が年度内に成立できれば、新年度早々から予備費も十分な金額を準備することができます。その結果、今後の災害などリスクへの備えが万全となることを踏まえまして、何とか、年度内の成立に全力を尽くして、国民生活に影響を生じないように、生じさせないようにしてまいります。

 また、暫定予算について指示をしたのかどうかということですが、先日、予算委員会で片山大臣から、財務省はいつどのようなことがあっても準備するのが仕事だが、暫定予算は本予算が年度内に成立しない場合のつなぎのための予算であり、年度内の成立に向けて真摯な議論を行っている現段階において、その予算編成作業等について議論する段階ではないとお答えをしたところでございます。ですから、まだ指示はいたしておりません。

小川委員 いよいよぎりぎりのタイミングだと思いますので、何回も言いますが、国民生活と国会の尊厳を両立する唯一の手段は拡張された充実した暫定予算である、これには改めて全面協力をいたしますということを明言した上で、指示を求めたいと思います。

 この間の総理の御発言に関して二点伺います。

 一つは、奨学金の返済支援をした場合、不要な奨学金を借りるというモラルハザードにつながると国会で答弁がありました。これは私は、学生の困窮、今の厳しさを踏まえない、いわば学生性悪説に立った不適切な発言だと感じていますので、総理の見解を求めます。

 第二に、先般、カタログ問題について私がお聞きしたときに、総理はこうおっしゃいました。私は中小企業のおやじ気分が残っている、それから、飯会苦手な女だとおっしゃった。私もあのとき、さすが高市総理、うまく切り抜けられるなと、ついやられちゃったんですよね。

 でも、あの後、夜、ふと思ったんですよ。もし同じ答弁を男性総理がしていたらどうなっただろうということを、ふと思ったんですね。石破総理も前年、商品券十万円、配っていました。もしあのときに石破総理が、俺は中小企業のおやじ気分が抜けていない、俺は飯会の苦手な男だともし仮に言ったとしたら、果たしてああいう形で収まっただろうかということを少し感じたんです。

 そこで、お聞きしたいのは、昨日、国際女性デーでした。総理のメッセージも拝見しました。今、日本社会が男女不平等で、極めて性差があり、そんな中、女性総理として踏ん張っておられることの大変さ、しんどさ、苦しさ、それは十分おもんぱからなければなりません。一方で、真のジェンダー平等社会は、いわゆる性別による免責があってはならないし、性別による過重責任もあってはならない、両方否定しなきゃいけないのが真のジェンダー平等社会ですよね。

 恐らくなんですが、総理が国際会議で、私は○○の女だと言うことはないと思うんですよ。ないと思う、国際社会ではね。この日本社会の後進性が一つ大問題なんだが、あのとき問われていたのは、政治家としての倫理観、金銭感覚、そして古い自民党の体質だったんです。それを何々の女だと性別、属性で回収することは、説明責任を曖昧にし、問題の本質から目をそらさせる危険性があると思いますので。

 奨学金とこの件と、二点、総理の所感を求めたいと思います。

高市内閣総理大臣 まず、モラルハザードという言葉で誤解をされるとしたら、今後そういった理由を述べることはいたしません。ただ可能性について申し上げたということでございます。

 それから、私は何とかの女だと言ったのがまずいとしたら、私は何とかの国会議員ですと言った方がいいんでしょうかね。そういうことだと思います。私が述べたことについては別に撤回もいたしませんけれども、私なりの言葉遣いでございましたから撤回はいたしません、あくまでも、男性であれ女性であれ、政治家です、主権者の代表です。あくまでもその矜持を持って働いているつもりでございます。

小川委員 ありがとうございました。

 まさに、まず、本当に日本社会がジェンダー不平等であることが根本的な問題なんですが、それにしても、そういう意識を持ってお務めに当たっていただき、そのことに対して私は敬意を払いながら、様々立場は違いますけれども、こういう場でも相まみえさせていただきたいと思います。

 最後に、少し世間的な話題で、今、WBCが随分話題になっています。日本人選手の活躍にエールを送りたい。それから、ネットフリックスしか見られないことは、そういう時代なのかなと思いつつ、やや複雑な思いも持っています。

 そして、総理は始球式への登壇は見送られました。状況を見てそういう判断をされたんだと思います。これはもううなずいていただければいいんですが、当然、三月六日から八日までの試合観戦も控えられたんでしょうね、恐らく。そういうことですよね。

 せっかく十三人も閣僚が来られているので、今総理の姿勢は申し上げたとおりです、始球式は控えました、試合観戦も控えている。せっかく十三人も閣僚がおられるので聞きますが、この中で、私は六日から八日にかけて現地に試合観戦に行ったという閣僚がいたら、ちょっと手を挙げて、その趣旨を答弁してください。いない。片山さん。一人ですか。本当に一人ですか。官房長官、はい。ちょっと危機管理上……

坂本委員長 申合せの時刻が迫っておりますので、おまとめください。

小川委員 ですか。じゃ、答弁はまた一般質疑で後続打者に委ねたいと思いますが、そういうことですから、総理も御存じだったか御存じなかったか、二人の閣僚には改めて答弁を求めたいと思います。

 ありがとうございました。

坂本委員長 この際、赤羽一嘉君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。赤羽一嘉君。

赤羽委員 新党中道の赤羽一嘉でございます。

 今日は、予算委員会初の集中審議ということで、高市総理にもお出ましをいただいております。貴重な機会でありますが、与えられた時間は三十分という短時間でありますので、早速でありますが、質疑に入らさせていただきます。

 今週の水曜日、三・一一を迎えます。十五年になるわけであります。私ごとでありますが、二〇一二年の十二月二十七日に、第二次安倍政権で安倍総理から、経済産業副大臣、そして東日本大震災の原子力災害現地対策本部長を仰せつかりました。翌月の一月二日から、私は生まれて初めて福島県に足を運んだんですが、それから一年九か月間、百日以上、福島の現場を歩かせていただきました。

 私自身、阪神・淡路大震災の被災者でもあり、現場に足を運ばないと被災地の思い、被災者の思いが分からない、その思いで足を運びました。現地対策本部長ですから、被災者に寄り添うという気分で足を運びましたが、当初は、率直に言って、こういう表現が少し、妥当かどうか分かりませんが、政府が加害者、福島県の県民の皆さんは被害者だと。大変殺伐とした状況の中で、本当につらい任務だなというふうに思いながら、何ができるのだろうかということの日々でありました。

 避難指示解除ということもありながら、家に帰れるといいながらも、当時は賠償の絡みもあったりして、なかなか時期尚早だとか言われたりとかして大変な中でありましたが、当時の支えは、安倍総理が毎月福島に足を運ばれながら、安倍総理の下で、当時は政府として、今もそうだと思いますが、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし、全閣僚、政務も含めて全員が福島担当の、東北担当の責任者という思いでということを指示を受けておりましたので、その一念で仕事をしてきたところでございます。

 十五年もたちますと、どうしても風化と風評の中で、二つの風の戦いということで、率直に申し上げて、総理のというのではないんですが、ここ最近の所信表明演説の中で福島のくだりも非常に淡泊になっておりますし、今日の集中審議でも、福島の質問をされる予定は私一人というふうに承知もしておるところでございます。大変残念なことだと思います。

 私は、副大臣の任を終えてからも、党の復興加速化本部の本部長ということで、毎年数次にわたって福島に足を運んでおりまして、先週の土曜日も現地に行って、南相馬市で南相馬市の市長と双葉町、大熊町、浪江町、富岡町という、いわゆる中四町という大変厳しいところの首長の皆さんと、率直に話を伺わせていただきました。

 この十五年間で、復興の大前提である、人類史上初のチャレンジでもあります事故炉の廃炉につきましては、関係者の大変な御努力で燃料デブリの試験的取り出しという大変大きな第一歩も踏み出しましたし、中間貯蔵の施設の除去土壌についても、再生利用、政府を挙げて取組も開始がされました。

 また、帰還困難区域においても、特定復興再生拠点区域における住民の帰還に向けた取組もようやく開始が成りましたし、また、私自身が提言をさせていただきました福島イノベーション・コースト構想、この中で、国内外の英知の結集によりまして、ロボットテストフィールドには、ドローンですとか空飛ぶ車、ロボット、またロケット、最近は航空宇宙関係のロケットなどのスタートアップがもう百社近くになっているという大変うれしい状況も出ております。

 しかしながら、我々が行く直前、福島県議会が今開かれておりまして、浜通り選出の他党の議員さんなんですが、今、浜通りは復興が進んでいるといっていても、燃料デブリが八百八十トン、ALPSの処理水タンクは千基以上、そして、二〇四五年までに除去土壌の搬出をするという約束でありますが、これは東京ドーム十一杯分、また、現在、現時点での避難者は二万四千名、正しくは二万三千四百十名、まだまだなんだというふうに訴えられたということでございます。

 また、避難指示が出た福島の十一市町村の人口は、当時は八万八千三百三十人でしたが、現在は約二割の一万七千八百人になっている。直接お会いしました大熊町は千八十六名、九・四%です。双葉町に至っては二百三名、二・八%だという現状でございます。

 本当に改めて、この前、足を運んで、やはり私自身ももう一度丁寧に、その中四町ですら大変それぞれの地域で状況が違っている、本当に支援の手はきめ細かく行わなければ被災地の思いにかなわない。それに加えて、やはり私自身が発案したことでございますが、福島イノベーション・コースト構想というのは、もう少し、もっとバージョンアップをして、本当に地元の皆さんの雇用を生み、そして新しい関係、交流人口を増やしていかなければいけない、そう決意をしたところでございます。

 政権は替わったわけでありますけれども、我々国会議員もやはり福島、東北の復興に対してひとしく責任を担っているというふうに、私はそう思っております。そうした思いがあるのかどうか、総理のこれからの福島復興、東北の復興の課題の認識と御決意をお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 赤羽委員が、阪神・淡路大震災のときに、自らも被災しながら、それでも必死に現地の状況を東京に、関係各所に伝え続けておられた、あのときのことを私も思い出しております。そしてまた、東日本大震災のみならず、能登半島地震などについても本当に心を砕いて取り組んでくださっていることに心から感謝いたします。

 私自身は、昨年十二月に福島県を訪問しまして、東京電力福島第一原子力発電所、中間貯蔵施設、帰還困難区域を視察しましたけれども、福島の復興は長い道のりです。この災害を決して風化させてはならないと感じました。

 また、来年度からの第三期復興・創生期間の五年間で、福島を中心とした様々な課題を何としても解決していく、この強い決意を持って臨んでまいります。

 特に、福島浜通り地域などの復興再生のために、強い経済を実現していくということは重要です。生活やなりわいの再建に加えまして、廃炉、ロボット、ドローン、航空宇宙などを重点分野とする福島イノベーション・コースト構想、これを柱として産業集積を進めてまいります。持続的な地域の稼ぎの創出に向けまして、地元企業も含めた面的なサプライチェーンの構築なども進めていくことで、浜通り地域等で強い経済を更に実感していただけるように取り組んでまいりたいと存じます。

 また、現場で伺いました、帰還したくても、裏山の汚染度が高くて帰還できない、それから荒れた農地が放置されている、こうしたことについても、可能な限りの手を打つように既に指示をし、一部対応が始まっているところでございます。

赤羽委員 ふるさとに帰還したい人は一人も残らず帰還できる環境をつくるというのは、これまでの政権、政府・与党を含めて全ての責任、約束でありますが、やはりこれからのことを考えると、新しい新住民、この中四町でも、明るいことは、今いらっしゃる人口のうちの六割とか七割が新住民なんですね。若い人が、ここで新しい事業を起こそうとか、様々な思いで来られている。そうした人たちが増えない限り、なかなか本当にコミュニティーの再生はできない。

 首長の皆さんはやはりよく分かっていまして、なかなか言いにくいことなんだけれども、やはり、人口が二百人とか千人弱ですと、公共交通機関も持ってこれないし、娯楽機関も造れない。本当にそんなことでは、そうしたことのファシリティーを整えないと、新しく来る人たちも持続可能じゃない。

 こういうことでありますので、今日この時間では語り尽くせませんけれども、是非閣僚の皆さんが足を運んで、政権全体として、本当に福島のことは見捨てないんだ、新しい地域をつくっていくんだと。私は、世界が刮目する浜通りの再生というのが福島イノベーション・コースト構想の大目標でありますので、私たちも頑張りますので、是非よろしくお願いしたいというのが第一点です。

 また、今、能登半島のことも言っていただきましたが、私も、先週、能登半島、これも党の責任者をやっておりましたのでよく通っておりますが、一つ、和倉温泉、私は国土交通大臣を担っておりましたので、観光政策という意味では大変な大きな拠点であり、すばらしいロケーションですし、すばらしい温泉地でありますが、二十一棟、本当に被害を受けられました。

 当日は二千人か三千人お客さんがいましたが、おかみの会を始めとする皆さんが協力をして、一人もけがが出なかったという大変本当にすばらしいところでありますが、今、全て、公費解体も、二十一棟のうち、まだ終わったのが少ないんですね。時間が物すごくかかっております。

 また、雇用調整助成金もこの二年間で限度が切れておりますので、従業員を手放すとなかなか再開をするときに人手が集まらないということで、大変な人件費の負担も続いております。

 何より、建物を再建するに当たっては、なりわい事業補助金、これが大変重要だということでありがたがられておりますが、これは実は、熊本地震のときにつくった上限額十五億円のままなんですね。この十年間で資材の高騰、人件費のアップで、十五億円という大変大きな金額のように思えますが、やはり実際は相当足が出るというか、大変な状況であります。

 今のこの資材高騰ですとか人件費のアップというのは、例えば公共事業においてもスライド制は当然考えられているわけでありますし、なりわい事業補助金の上限は、是非政府の決断として、少しでも、やはり物価スライド分ぐらいは上げるべきだ、私はそう思いますが、その点についての御見解をお願いします。

高市内閣総理大臣 昨年十二月に能登に伺ったときに、和倉温泉の方にも参りました。

 被災事業者の方から直接お話を伺ったことも踏まえまして、補助上限額がなりわい再建支援補助金よりも大きい中堅等大規模投資補助金について、被害が大きく、影響が長期化している地域を対象に特別に加点する措置を設ける方針を指示しまして、既に実現させたところでございますので、是非この補助金も御活用いただきたいと思います。

 それから、なりわい再建支援補助金の補助上限額を超えて事業者の方が投資を行うという場合も想定しまして、二重債務問題への対応を始めとする金融支援の支援策も講じております。

 しっかりと被災事業者の方々のお声を伺いながら、復旧を支援してまいります。

赤羽委員 私も先週行ったところなんですが、そうしたことがなかなか十分御理解をされていないというのも私の実感でございますので、是非、多分、観光庁も中小企業庁もずっと張りついて現地に入っていただいておりますので、彼らから丁寧な御説明をいただきたいと思います。

 また、災害公営住宅も、三年間入居料がただだということが発表されて、相当希望者が殺到している。他方で、半島地域ですから、なかなか平たな場所を確保するのが難しい。私は、ずっと言っていましたように、奥能登はやはり古い地域ですから、一軒一軒の敷地が大変大きな家が潰れているんですね。ですから、その人たちというのは、相当自分の家の敷地が広い、そこに、今の仮設住宅的な戸建ての災害公営住宅というものを敷地に建設して、これまでの大きな災害でも活用した例があったと思いますが、何年間かは低額な家賃を支払っていただいて、五年後ぐらいに払下げをする。

 そうしたことで、世帯の皆さんは高齢化されている方がたくさんいらっしゃるので、自力で住宅再建というのは非常に難しいというふうに私は率直に思っております。恐らく国交省の中にこれまでのノウハウはあると思いますので、そうしたことも是非柔軟に。

 住居というのはやはり人生の再設計の基本中の基本だと思いますので、その点についても、災害の復興というのはやはり政治の手腕の見せどころだというふうに思っておりますので、是非そうしたことも対応していただきたいと強く思いますが、御見解をいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 災害公営住宅でございますが、国の財政的、技術的支援の下、十の市町が事業主体となって、現時点における必要とされる戸数である約三千戸の整備が進められています。

 これに加えて、委員がおっしゃったように、今後更にニーズが増加することも考えられますので、御指摘の戸建ての災害公営住宅について更なる整備を検討するという方針を示している自治体もございます。また、仮設住宅について、恒久的な住まいとして活用可能なものを災害公営住宅に転用することを検討しておられる自治体もあります。

 国としても、県と連携しながら、こうした様々な手法によって住宅確保に向けた取組を進める自治体に対して必要な支援を行ってまいります。

赤羽委員 これまで災害公営住宅というと集合住宅というのが一般的だと思いますが、やはり田舎の方に行くと、なかなか集合住宅に住むということ自体、抵抗がある方もたくさんいらっしゃいますので、そうした特例も是非考慮していただきたい、こう思います。

 次に、やはり物価高に苦しむ国民の皆様の立場に立って、私、大変心配をしていることがございまして、その懸念について質問させていただきたいと思います。

 今の物価高、様々な要因があるわけでありますけれども、やはり多くは円安、長引く円安。やはり二〇二二年のウクライナの侵略に端を発した資源の高騰によって、当時、一ドル百十四円が百三十五円を突破をした。その結果、貿易収支が悪化をする。加えて、内外の、米国との金利差があるということで、二〇二四年には百六十一円台の後半にまで突っ込んだわけでございます。今は、少し戻して百五十五円台等々でございますけれども。

 このことを何とかしないと、物価高対策という支援策の対症療法的なことではなくて、抜本的な対策を取らないとどうにもいかないのではないかということが、私は大変懸念をしておるところでございます。

 まず、責任ある積極財政という、大変失礼な言い方ですけれども、響きはいいんですけれども、専門家の皆さんは、例えば財政規律の喪失、赤字国債の増発ですとか、そうしたものが財政的な脆弱性を露呈させて、円の信認の低下を招いたり、金利政策への影響を通じて構造的な円安要因になっているという指摘もあるわけでございます。

 財政規律の喪失というと、国家予算というのは、コロナ以前までは総額百兆円以下でありましたが、コロナで百四十七兆円まで膨らんだということでございます。今、国会に出されている当初予算は百二十二兆円。前年度から比べると七兆円加えて、赤字国債も今二十九・六兆円だと。昨年十二月に成立した補正予算も十八・三兆円で、赤字国債は十一・七兆円だということでございます。

 加えて、年末に決まりました、いわゆる教育の無償化、高校の授業料の無償化と給食費、これは〇・七兆円余りございますし、また、ガソリンと軽油引取税、軽油引取税の暫定税率の廃止はこの三月三十一日ですが、これについても財源は一・五兆円。計二・二兆円余りの恒久財源の確保が必要となるわけでありますが、私の承知している限りでは、今一・四兆円の恒久財源しか明示されていないというふうに承知をしております。〇・八兆円を先送りされていると。加えて、課税最低限百七十八万円の引上げ、これも二・九兆円かかりますが、一・三兆円の財源も未定のままというふうに承知をしております。

 責任ある積極財政というふうに言われておりますけれども、これは本当に責任あるのかどうか。二・一兆円分の恒久財源をまず明確にすることが、本当の意味での責任ある姿ではないかというふうに思いますが、この点について、財務大臣。

片山国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、百二十二・三兆円で発表いたしましたときには、最大規模だと言われて、私も質問にお答えするのもなかなか長く時間を取らせていただいたんですが、投資分野に大胆に投資するなど強い経済の実現に取り組むということを目的に掲げた百二十二・三兆円の予算ですが、予算全体のめり張りづけについては、新規国債発行額は二年連続で三十兆円未満に抑えられているだけではなくて、公債依存度自体が二四・二%まで下がっており、かつ、プライマリーバランスに至っては、二十八年ぶりに初めて達成したということはあります。

 もちろん、多々ますます弁ずの逆があるんだったら、削れば削るほどいいという考えはかつてあったわけですが、それを続けてきて強い経済になったのか、それで名目の税収が増えたのかということもありますので、今申し上げている責任ある積極財政においては、何といっても、ずっとマイナス要因もあった投資をしっかりと元気にして、税収が何しろ税率を上げることなく上がってきているという、今、足下もそうなんですけれども、その状態をつくることによって、結果的に、財政の持続可能性もしっかりと確保され、マーケットも一時言われていた金利等の問題も大分落ち着いてくるというような、そういうような状況でずっと目配りをしながら、供給構造、サプライサイドをつくりながら潜在成長率を上げていく、こういう考え方でございますので、是非、私どももその方向で努力をしておりますので、御理解を賜れればと思います。

赤羽委員 質問した、減税についての恒久財源化についてはどうですか。

片山国務大臣 今、総合的に収支尻がどうなっているかという意味で公債依存度と申し上げましたが、二・二兆円の財源につきましては、私どももしっかりと、できるだけ特例公債に頼らないで、まず租税特別措置等の見直しその他、まさに税外収入の確保、それから様々な合理化、節減等も含めまして、一・五兆円を確保し、残り約七千八百億円については、これは単に帳尻合わせの財源だけではなくて、約〇・五兆円の軽油引取税という地方の財源、地方の財源の問題もありますので、このことも含めて総合的に考えて継続検討としているということでございまして、決して二・二兆円についてきっちりと手当てをする必要がないのではなくて、むしろ非常に意識をして、一・五兆円までは確保させていただいた上に、〇・五兆円の軽油引取税という問題も含めながら継続検討にさせていただいている、こういう整理でございます。

赤羽委員 地方自治体がその結果どうなるか、大変地方自治体の財政は厳しいわけでありますので、よく御承知だと思いますけれども、責任ある対応をしていただきたい、こう思います。

 また、ちょっと確認ですけれども、この物価高の主な要因、これは円安が大きく起因しているということについてはどういう御認識ですか。

片山国務大臣 まさに、物価の上昇の要因というのは非常に難しいところがございますのですけれども、委員お尋ねの問題につきましては、足下のところ、輸入物価の動向を見ると、契約通貨ベースでは前年同月比でマイナス〇・二なんですよ。円ベースではプラス〇・五で、為替要因は約〇・七ポイントの押し上げでございますが、全体の消費者物価は一・五%上がっておりますから、確かに要因の一つではございます。

 また、他方、物価高への対応が一番の焦眉の急ということで経済対策を取っておりまして、その中で、委員御指摘のガソリンの暫定税率撤廃とそれから軽油引取税については補助金をもって引下げ、その他、電気、電力代もございまして、それは財政支出も伴っていますから、いろいろなことで消費者物価総合が一月は一・五に抑えられているという部分もあって、総合的に考えて、いつどういう形でこの対応を万全のバランスで行っていくかということもあるというふうに考えております。

赤羽委員 私は、物価高の主因は円安にあるというふうに思っておりますし、その円安を是正するためにどうしても、これは日銀の仕事かもしれませんが、金利を上げざるを得ない。

 しかし、私の懸念は、金利を上げると、当然、中小企業の経営も大変なインパクトもありますし、今、共働きで住宅ローン減税、一億円近く借りている、一%ぐらいの低金利を前提に借りている方が、三%近くになるような事態になると大変な社会不安にもなるということを、これは本当に心配をしております。

 この悪循環に陥らないようにしていくというのは、私は本当にそこは細心の財政運営をしなければいけないというふうに思っておりますが、この点についての懸念に対してどう認識をされていますか。

片山国務大臣 まさに経済対策はポリシーミックスでございまして、委員の御指摘は非常に重く踏まえております。

 私は金融担当大臣も兼ねておりますので、年末には地域金融力強化の対策で、これで終わったというわけではなくて、第一弾を出させていただいた上に、今年も年初から金融情勢について切れ目なく意思疎通を図るなど、地域において、今委員がおっしゃったような不安をお持ちになったり、あるいは問題が生じないようにということで、かなり気を配りながらポリシーミックスを考えているところでございます。

 御承知のように、日銀法三条、四条がございますので、私どもは、日々の金融オペレーションについては日銀の専管事項でございますので、ただ、政府の全体の方針と伴ってという四条もございますので、そういったことを図りながら最善の方向に行くように努力をしております。

赤羽委員 私は、これまでの状況の中でも大変なリスク要因があるんじゃないかという認識で今御質問したんですが、今回のイラン問題というのは、この状況が更に悪化してしまう。

 ロシアによる二〇二二年のウクライナ侵略で原油価格が高騰したことによって、貿易収支の悪化で円安が進んで、物価高が始まったというような背景の中で、このイラン問題、間違いなく、もう原油の価格も高騰しております。これが国内の価格に反映するのは少しタイムラグがあるかもしれませんが、暫定税率を撤廃した分なんというのは、もうあっという間に帳消しになってしまうのではないか。

 本当にこのままで庶民の暮らしというか中小企業の皆さんを守ることができるのかということになれば、当初の考えられた予算の時点と全く違う想定の事態が起こってしまって、それは短期間に収束しないというふうに私は思いますので、このことについて、もう一度予算の在り方を検討するべきではないでしょうか。

高市内閣総理大臣 中東情勢による日本経済への影響について、現時点で予断を持って判断するのは困難ですが、ただ、物価高対策ですとかエネルギー・資源安全保障の強化を盛り込んだ経済対策や令和七年度補正予算、まずはこれを着実かつ迅速に執行するということとともに、令和八年度予算及び関連法案の早期成立をお願いすることが必要だと考えております。

 その上で、既に、政府としましては、特にガソリンの価格など多くの国民の皆様が今御心配だと思いますので、先週来も検討を始めまして、打てる対策について検討いたしております。予算の組替えなどを伴うものではございませんが、しっかりと対応してまいります。

赤羽委員 私は、暫定税率を撤廃して、かつ原油価格が高騰すると、やはりもう一度、これまでやってきた予算を使って補助支援策の継続ですとか、電気代、ガス代もこの三月までですから、その後のことについて具体的な対策は取らざるを得ないと思います。

 もう一度御答弁いただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 まず、ガソリン、軽油、そして、少し、タイムラグは更にありますけれども、電気料金、ガス料金なども含めて、これからの見通し、そして政府として即座に打つべき対策などについて先週前半から検討に入っております。

 遅過ぎることなく対策を打たせていただきます。

赤羽委員 経済は生き物ですし、状況は変化しておりますので、やはり機敏な、また適切な、迅速な対応が必要だというふうに思いますので、是非今の答弁どおりしっかりやっていただきたい、こう思うところでございます。

 私、今日はもう時間が限られています、次のバッターに御迷惑をかけてはいけないのであれですけれども。

 やはり、私は、悪循環に陥らないためにも、我が国の産業体質というか競争力を強化しなければいけない。企業の九九%が中小企業であり、従業員の七割が中小企業だと。この中小企業の生産性向上、AI化を進めるですとか、働き方も、働き方は総論としては賛成なんですけれども、様々業種、業界で働き方が違うわけですから、そうしたことも一つ一つの丁寧な積み重ねをしないと、本当に大変な、私が冒頭申し上げた、悪循環に陥って手の打ちようがなくなってしまうということも頭の隅に置いて是非対応していただきたいということを強く申し上げ、時間になりましたので、続きはまた次回の機会にさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

坂本委員長 この際、後藤祐一君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。

 今日は、数少ない総理入り、テレビ入りの集中審議でございますので、できるだけ総理に、特に各省をまたぐような答弁ですとか、もうほかの大臣は一回答弁しているような話について、あるいは、トランプ大統領と何を話してくるんですかとか、総理しか答えられないようなことは必ず総理が答えていただくようお願い申し上げたいと思います。

 まず冒頭、予算案の審議ですから、花粉症対策予算について聞きたいと思います。

 今、配付資料で配付させていただきましたが、これは令和五年度予算までは一億円あるかないかぐらいの本当にかつかつの予算だったんですよ。ところが、令和五年の四月に花粉症対策議員連盟というのをつくりまして、それで令和五年度の補正予算でどんと六十億円ついて、杉を伐採して花粉の出ない苗を植えていくということで、重点地域なんかを決めて進んできております。令和五年、六年、七年と、補正で、六十億弱ぐらいの補正予算がずっとついているんですが、通常予算ではやはり一億円いかないぐらいなんですね。

 まさに総理は、補正予算の中で定常的になっている予算はできるだけ本予算に移そう、当初予算に移そうというふうにおっしゃっていましたから、是非この花粉症対策、三千万人以上の方が花粉症です、私も杉花粉です。しかも、これは出歩かなくなっちゃって経済にもマイナスがあって、この花粉症というのは一兆円以上の経済マイナス効果もありますので、お金を出す効果もありますから、是非、当初予算で花粉症対策を抜本的に強化すべきだと思いますが、総理、どうですか。

高市内閣総理大臣 花粉症対策につきましては、令和十五年度までに花粉発生源となる杉人工林の約二割減少に向けて、必要な予算を措置し、対策を推進しています。

 その上で、これら農林水産関係予算を含めて、民間事業者や地方自治体の取組を後押しするために、政府の予算の予見可能性を確保することが重要です。今委員がおっしゃっていただきましたけれども、毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成とは決別して、必要な予算は当初予算で措置してまいります。

 御指摘の花粉症対策予算についても同様でございます。私の立場から現時点で申し上げる段階にはないですが、令和九年度概算要求に向けてしっかりと取り組んでまいります。

後藤(祐)委員 かなり前向きな答弁ですね。是非、ちょっと今年度予算を本当は修正して入れていただきたいぐらいですが、少なくとも八年度は補正で積んで、九年度からは当初で入るということをかなりはっきり言った答弁だと思いますので、是非役所の皆さんもこれを踏まえて対応いただきたいと思います。

 続きまして、もはや今、第三次オイルショックに近い状況を目の前にしているという状況だと思いますけれども、まず一つ、昨日、地方公聴会で鹿児島に一つの班が行きました。長妻筆頭なんかが行かれたわけですけれども、鹿児島の志布志の備蓄基地、ここにかなり大きな原油の備蓄基地があるわけですけれども、そこでJOGMECの担当の方から、おととい、つまり昨日のおとといですから金曜日ですね、先週金曜日、経済産業省の方から備蓄放出の準備の指示があったという説明が長妻筆頭理事に対してありました。

 経産大臣に伺いますが、この備蓄原油の放出の指示を経産省はしていますでしょうか。

赤澤国務大臣 JOGMECとは日頃から密に連絡を取りながら、いつでも適切な対応を行うことができる体制を取るよう伝えているところでございます。

 JOGMECとのやり取りについて逐一お答えすることは差し控えますが、引き続き、状況を注視しつつ、あらゆる選択肢を排除せず、エネルギーの安定供給に万全を期してまいります。

後藤(祐)委員 是非準備はしておいていただきたいんですよね。本来、石油備蓄法というのは、なくならないようにするために備えているのであって価格調整のためじゃないという建前なんですが、ウクライナのときにもう価格のために出していますから、そこの解釈については我々もありだと思いますので、この第三次オイルショックに対する一つの有効な方策として是非準備をいただきたいというふうに思います。

 それと、先ほど総理の答弁の中で、赤羽委員に対する答弁の最後の方で、特にガソリン価格、あるいは電気、ガスも含めて、打つべき対策については先週から検討しているというお話がありました。是非、暫定予算の中にそれを入れちゃえばいいじゃないですか。

 例えば、暫定予算の中に予備費が入れられるのはすごく限定があるみたいな答弁が午前中にありましたけれども、必要な予算であれば暫定予算は何を入れたっていいんですよ。例えば電気、ガスの補助の話にしても、ガソリンは暫定税率が既に廃止されていますが、このままいくと二百円を突破するという話にもなりかねないわけですから、更なる補助が必要かもしれませんよね。

 これについて、本来は予算項目を立てて入れるべきだと思いますが、予備費でもいいですよ。是非、もう既に検討を開始されているんですから、今の段階で補正の検討をしているとは言えないでしょうから、暫定予算の中にガソリン、電気、ガスも含めて入れ込んだ暫定予算をつくるべきじゃないですか、総理。

高市内閣総理大臣 当初予算にないものについては暫定予算に入れられないことを御理解いただきたいと思います。

 現在は、やはり原油価格、特にWTIの上昇の状況を見ながら、今後それが、日本国内でいつ頃影響がどの程度出てくるか、こういったことをよくよく考えながら、多くの方々にとっても必要なガソリンの値段が許容範囲を超えるようなレベルにならないような対策を、現在使える基金も含めて対応を考えているということでございます。

 一般論としてですが、今後のリスクへの備えとして、令和七年度の予備費がまだ今月中はございます。それから、現在御審議いただいている令和八年度予算案に含まれる予備費というものもございます。現時点で追加の予算措置を考えているわけではございません。ただ、皆様の支援に今使えるお金をどのように使うかということについて検討しているということでございます。

後藤(祐)委員 今日、原油先物、WTIは一バレル当たり百十ドル近辺です。

 経産省、大臣でも政府委員でもいいですけれども、百十ドルとなると、大体三週間か四週間ぐらい遅れて日本国内のガソリンスタンドの現場のガソリン価格になると聞いていますが、一バレル百十ドルだったら日本の国内のガソリンスタンドでは一リットル当たり二百円をちょっと超えるぐらいになるんじゃないかと思いますけれども、どのぐらいになりますか。

赤澤国務大臣 確定的なものについて申し上げることはできませんが、少なくとも私が承知している範囲では、一バレル一ドル上がると国内のガソリンにはリッター一円ぐらい影響が出てき得るというようなことをおっしゃる方がいるのは、私は承知をしております。

後藤(祐)委員 そんな危機感じゃ困るんですよ。

 今朝のNHKのニュースで、ニッセイ基礎研究所の方が分析したあれによると、百十ドルだと日本のガソリンスタンドでは二百四円という試算がされていますよね。暫定税率が廃止された後でですよ、一リットル二百円を超えるんですよ、三週間、四週間後に。そんなのんびりしたことを言っている場合なんですか、今。第三次オイルショックですよ、これは。しかも、かなり確実な度合いで起きるんですよ。しかも、その後、ホルムズ海峡を日本のタンカーが通過できるめどは全く立っていないじゃないですか。この危機感に立ってやっていただきたいんですよ。

 予備費で何とかすると言っていますけれども、予備費には限界がありますし、本来予備費というのは繰り越せないですから、恐らく三月中に予備費を別のやつに転換するということですよね、総理がおっしゃっているのは。そういうことだと思いますが、やることをやったらいいと思いますけれども、せっかく予算委員会で審議しているんですから、もう確実に予想できることなんですから、ちゃんと予算に盛り込みましょうよ。

 その上で申し上げたいと思いますけれども、まず目の前で一番緊急性が高いのは、在外邦人の保護であります。

 これについては、実際、中東地域に住んでいらっしゃる邦人の方の救出はかなりこの週末展開をされて、民間チャーター機などで帰ってきた方もいらっしゃいますし、自衛隊機も出していただきました。これについては、通告していましたけれどもかなり進展したので、今日は割愛させていただきたいと思います。

 もう一つ邦人保護で大事なのは、タンカーに閉じ込められている人ですよ。ホルムズ海峡を越えられないわけですから、ペルシャ湾の中に日本関係船舶は、報道によると約四十五隻、乗組員二十三人程度が閉じ込められているわけですよ。この方々も、先が見えない中で大変厳しい状況にあるわけですよね。船を捨ててくるわけにもいかないわけですよ。

 これは総理に伺いたいと思います。これは外交でもあり、防衛でもあり、そして船舶に関わるから国土交通の話でもありますので、総理に伺いたいと思います。よく聞いてください。

 昨日の読売新聞によりますと、イラン軍の報道官は六日、ホルムズ海峡について、封鎖しておらず、するつもりもない、こう述べました。アメリカとイスラエルに関係しない船舶の通過を認めることを明らかにしたと。この報道官は、海峡を通過したい船舶は航行が許される、アメリカとイスラエル関係の船は攻撃する、こういう説明をしているんです。つまり、船の船籍次第で異なる対応を取るという方針を示しているんです。

 もちろん、イランという国は、中央のイラン軍と革命防衛隊、あるいは各地域ごとに、本当に全部が一体とした行動を取るかどうかは、そこはよく慎重に見なきゃいけない面はあります。ありますが、船の船籍によって対応を変えるということは、恐らく機雷がまかれることはないでしょう、機雷をまいたらもう全部一律ですから。ですから、存立事態になる可能性は低いと思うんですけれども。

 まず、総理、ホルムズ海峡で閉じ込められてしまった日本人を救うという意味でも、今、日本がアメリカを支援するために自衛隊を出すというような話をしちゃったら、出てこられなくなっちゃうじゃないですか。これは人権問題ですよ。ですから、まず、この閉じ込められちゃっている日本船舶がホルムズ海峡を出てくるまでは、日本の自衛隊はアメリカを支援するということは口に出せないと思うんですけれども、総理、いかがですか。

高市内閣総理大臣 日本関連船舶といいますと、日本籍の船舶もあれば、外国籍の船舶で日本の会社が運航しているような場合もあり、そしてまた、日本籍若しくは外国籍の船舶の中に日本人が働いておられる、そういったケースもあります。日本関連船舶というのは非常に幅広いものでございます。彼らの安全確保、その船舶の安全確保が非常に重要でございますので、今、もう各船会社とも連絡を取りながら、彼らが安全なところで待機していることも確認を取り、その安全に万全を期してまいるという姿勢でございます。

後藤(祐)委員 それが最優先ですよね。

 そうしますと、もう既に中国は、イランと協議をして、ホルムズ海峡を通過させてくれというような協議を始めているそうです。三月五日のロイターによると、中国が、ホルムズ海峡を通過する原油輸送船とカタールのLNG輸送船の安全な航行を認めるようイランと協議しているということを複数の外交筋がロイターに明らかにしたと。実際、アイアン・メイデンという船舶は、船籍を中国所有に変えた上でホルムズ海峡を既に通過したという情報もあります。

 今後、中国だけじゃなくて、アメリカを支援するということはちょっと考えにくい例えばインドとかそういった国は、同じようにイランと協議をして、うちの国、船籍そのものでないとしても関係の、日本関係船舶も含めて、イランに対して協議をして、日本関係船籍については安全に出させてくれということをイランに求めるべきじゃないですか、協議をして。かつ、その間は少なくとも、アメリカに対して、なかなかアメリカの支援という話をするのは難しいから、そこはちょっと待っていただけないかということもアメリカと話をするべきだと思いますが、総理、いかがですか。

坂本委員長 外務大臣茂木敏充君。(後藤(祐)委員「これは、ちょっと申し訳ないですけれども、外交だけじゃなくて、船に関わる、国土交通にも防衛にも関わる話だから、総理に聞いています。それに、トランプ大統領と話をする上でもこれは大事なんですよ」と呼ぶ)いや、最前線で最も正確に状況を把握している外務大臣から、まず外務大臣から概況を説明してもらいます。(発言する者あり)

 内閣総理大臣高市早苗さん。

高市内閣総理大臣 現在、イランとの間でございますが、東京においてもテヘランにおいても、いろいろな情報交換、そしてまた要請を行っているところでございます。

 ちょっと個別具体の内容は申し上げにくいのですが、必要でしたら外務大臣から答弁をさせます。

茂木国務大臣 まず、先ほども答弁申し上げたんですが、アメリカから具体的に日本に対する支援の要請というのは来ているわけではありません。

 その上で、ホルムズ海峡の安全な航行は、我が国もそうでありますが、その他も含めて極めて重要な問題でありまして、三月二日の日には、在京イラン大使に対しましても、他国への攻撃をやめること、また核開発を止めること、同時に、ホルムズ海峡の安全な航行について要請を行ったところであります。

 できればアラグチ外相とも話をしたい、こんなふうに思っておりますけれども、日本だけどうするというよりも、ホルムズ海峡の安全な航行というのは国際経済全体にも関わる問題ですから、そういった観点から日本の主張をしっかりとしていきたいと思っております。

後藤(祐)委員 総理に伺います。安全にこの四十五隻がホルムズ海峡を出るまでは、アメリカに対する支援はできないということでよろしいですね。

高市内閣総理大臣 委員のおっしゃる支援の内容が定かではございませんけれども、日本の船舶が安全であること、邦人の命が守られること、これは最優先でございます。

後藤(祐)委員 この四十五隻が無事出られたとしましょう。ですが、その後も続くわけですよ。その後、第三次オイルショックに対する対応としては、備蓄の油を放出する、これはできることでしょう。ですが、その後どうするんですか。

 中国なんかは、恐らく、イランと協議をちゃんとやって、その後、既に閉じ込められている船だけじゃなくて新たにオイルタンカーが入ってオイルを積んで出す、つまり通常の取引に戻していくんじゃないんですか。つまり、アメリカに気兼ねしないでいい国は、LNGも含めて、通常のホルムズ海峡を通過して輸入をするというところに原状回復していくんじゃないですか。日本がそれに取り残されたら、えらいことじゃないですか、総理。

 つまり、これは、四十五隻、二十三人の話だけじゃなくて、その後も続く。うかつにアメリカに対しての支援なんかを日米首脳会談で約束あるいは検討、あるいはもうちょっと軟らかい表現であっても言おうものなら、ずっと第三次オイルショックが続いてしまう可能性があるんじゃないですか。

 ですから、この先の原油価格なんかも見ながら、さっき言ったように、もう既に三、四週間後には二百円を超える見通しは極めて強いんですよ。という中で、うかつに、トランプ大統領と会ったときに、アメリカに対して支援する、あるいはそれを検討するということは言わないということでよろしいですか、総理。

高市内閣総理大臣 委員のおっしゃる支援の内容について定かではございませんけれども、日本は日本の国益を最大化し、そして国民の皆様の命、安全を守る、これに尽きると考えております。

 そしてまた、原油価格の高騰に関してですが、これが数週間なのか、何か月も続くのか、一年続くのか、それは分かりません。しかしながら、日本とイランの間ではしっかりと話合いもしている、要請もしている、そしてさらには新たに原油の調達先の拡大に向けても既に動いている、先週、私自身も動きました、そういった事実があることは御理解いただきたいと思います。

後藤(祐)委員 これで、トランプ大統領から求められてなのか、高市総理から言ったのかは分かりませんが、何らかの米軍支援をそこで検討も含めて発せられた場合、それに伴ってホルムズ海峡が通過できない状況が続いた場合、この責任は重いですからね、総理。よく考えてトランプ大統領と話をしてきていただきたいと思いますが、今、支援の意味が何かというお話があったので、その続きをやりましょう。

 これは、まさに平和安全法制ができて、いろいろできるようになりました。三つ選択肢があると思います。一つ目は、いわゆる存立事態ですが、これは今回のホルムズ海峡周辺でいうと機雷掃海の場合だけでしょうから、今現実的には機雷をイランがまくという選択肢は恐らくないでしょうし、先ほど、存立事態は現時点では該当するといった判断は行っていないという答弁がありました。もう一つ、重要影響事態、これは後方支援をアメリカに対してするということですが、これと、もう一つ実はあるんですね。重要影響事態については、既に官房長官が三月二日に、現在これらの事態に該当するといった判断は行っておりませんという答弁を既にいただいていますから、それは結構です。

 今まで触れられていないもう一つの選択肢というのが、国際平和支援法に基づいて行う国際平和共同対処事態です。浜地議員がちょっと触れておりましたけれども、これは通告しているので、そのまま聞きたいと思いますが。

 安保法制のときに、平成二十七年六月五日、皆さん、資料五というのに書いてあります、安保特委で、当時、中谷防衛大臣が、テレビを見ている人、このケースです、アフガンで戦争があったときにインド洋に米軍の艦隊がいて、そこに日本の自衛隊の船が行って、にゅうっとくっつけて油を供給したというときがありましたよね。いろいろな批判がありました、イラクに行っているんじゃないかとかいろいろな議論がありましたが、ああいったものを戦争ごとに法律を作るんじゃなくて一般法としてやりましょうということでできたのが国際平和支援法、既にあります。

 これと重要影響事態法、どっちを使うんだという議論がありまして、この平成二十七年六月五日の中谷防衛大臣は、「我が国がテロ特措法に基づく対応措置」、今のですね、「や補給支援特措法に基づく補給支援活動」、今の、油を供給するようなときですね、「を実施していたときと全く同じ状況が生起する場合におきましては、重要影響事態法ではなくて国際平和支援法に基づいて対応することとなるものと考えられます。」というふうに答弁されておられます。

 これは今でも同じでしょうか。

小泉国務大臣 仮に、我が国がテロ特措法に基づく対応措置や補給支援特措法に基づく補給支援活動を実施していたときと全く同じ状況が生起する場合には、重要影響事態法ではなく国際平和支援法に基づいて対応することとなるものと考えられます。つまり、御指摘の答弁は現在も維持されているということであります。

後藤(祐)委員 重要な答弁です。

 国際平和支援法に基づく国際平和共同対処事態は、国連決議がないとできないということでよろしいですか。

萬浪政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の法律におきましては、国連決議、「国際連合の総会又は安全保障理事会の決議が存在する場合において、」というのが要件になってございます。

後藤(祐)委員 小泉大臣、これは知っておいてくださいね。今のは一番大事な前提ですからね。

 それで、実は重要影響事態も同じ状況になっているんじゃないかというのが、これはちょっと総理にお答えいただきたいんですね。

 重要影響事態というのは、元々、周辺事態法というものが重要影響事態に安保法制のときに変わったんですけれども、この1が、日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行う米軍。これは、どっちかというと日本の近くのイメージですよね、極東のイメージですよね。これは元々の周辺事態法からできていた話。ところが、インド洋はちょっと該当しないわけですよね。

 二つ目が、国連憲章の目的の達成に寄与する活動を行う外国の軍隊。これは、今みたいなケースが潜在的にはあり得るんだけれども、重要影響事態じゃなくて平和支援法で行うという答弁がありました。いずれにせよ、この2も国連決議がないとできないわけです。

 1は極東近くでないとできないし、2も国連決議がないとできないし。つまり、総理、国連決議がないと、重要影響事態にもならないし、先ほどの国際平和共同対処事態にもならないということでよろしいですか。

高市内閣総理大臣 現在のイランをめぐる状況について、政府として重要影響事態に該当するとした判断は行っていませんので、御指摘の米軍ですが、重要影響事態法上の支援対象である、重要影響事態に対処し、日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行うアメリカ合衆国の軍隊には当たりません。

 そして、国連憲章の目的達成に寄与する活動でございますが、ここで言う国連憲章の目的の達成に寄与する活動というのは、すなわち国連憲章第一条に定める国際の平和及び安全の維持といった目的の達成に寄与する活動を指すものですから、何らかの国連決議に基づく活動を指すというものではございません。

後藤(祐)委員 2のところは、国連決議そのものでなくても、やはり国連が支持しているようなものでないと、あるいは国連の中で議論があってかなり多くの支持があるような活動でないと重要影響事態に認定できないということでよろしいですか。

高市内閣総理大臣 重要影響事態に対処し、その他の国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動を行う外国の軍隊には、現在の米軍は当たらないと考えます。

後藤(祐)委員 この後、イラン戦争をめぐって国連の安保理で決議があって、みんなでイランが悪いから軍を出してやろうみたいなことがイラクのときのように決まれば別ですけれども、そうでもない限り、これは、総理、アメリカから自衛隊を出してくれと求められても出せないということでよろしいですか、国連で決議か何かがなされるという状況にならない限りは。総理。

茂木国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、今、具体的にアメリカから何らかの協力であったりとか支援の要請というのはございません。

 また、どういった要請が仮にあるにしても、日本の国内法に合致した形でなければそういった活動はできない、このように承知をいたしております。

後藤(祐)委員 総理、もう一回伺いますけれども、存立事態にも重要影響事態にも国際平和共同対処事態にも今の時点では当たっていないということでよろしいですよね。

 それで、国連安保理で決議とかがなされない限りはこの状態はそんなに変わらないと思うんですけれども、トランプ大統領と来週会ったときにいきなり、これら三つの事態に基づいて自衛隊を出すことを例えば検討するとか、何らか軟らかい言い方も含めて、そう言うことはないということでよろしいですか。

高市内閣総理大臣 これからトランプ大統領と私は、国会がお認めいただきましたら訪米して会談をするわけですけれども、その内容について予断を持ってお答えすることはいたしません。

 ただ、お約束をできるのは、日本国の国益を最大化する、そのためにしっかりと話をしてくるということでございます。

後藤(祐)委員 日本国の国益は最初に議論しました。まず、四十五隻と二十三人です。その後も、一リットル二百円を超えてしまうガソリン代になることがかなり確実な中で、この物価高をどうするんだと。これだけで十分国益なんですよ。

 アメリカを支援すると、少なくともこの三事態のどれかをやるようなことをほのめかしたら、日本だけ取り残されるリスクがあるわけですから。それが国益ですよ、まさに。そこを踏まえてトランプ大統領と向かい合っていただきたいと思います。

 一つ、総理に確認しておきたいのは、平和安全法制のとき、尊敬される安倍総理がこういう答弁をしているんです。「仮に、ある国家が何ら武力攻撃を受けていないにもかかわらず違法な武力の行使を行うことなどは、国際法上認められない行為を行っていることとなるものであり、我が国がそのような国を支援することはありません。」。

 高市総理も同じですか。

高市内閣総理大臣 御通告いただいております、平成二十七年五月二十六日の衆議院本会議において、今御紹介いただいた当時の安倍内閣総理大臣の答弁でございますが、政府の現在の考えと変わりはございません。

後藤(祐)委員 三月二日、ルビオ国務長官は、イランの前に先制しなければより多くの負傷者と死者が出ていたと発言しています。

 今般のアメリカによるイラン攻撃は、アメリカが何ら武力攻撃を受けていないにもかかわらず武力行使を行ったものでしょうか。つまり先制攻撃でしょうか、総理。

茂木国務大臣 三月一日に行われました中東情勢に関する国連安保理の緊急会合において、米国は、イランは米国及びイスラエルを標的とした一連のいわれのない武力攻撃、国連憲章違反及び中東地域における国際の平和と安全への脅威について責任を負う、このように述べた上で、米国は、国連憲章第五十一条に基づき、これらの脅威に対処するための合法的な行為を取った、このような説明を安保理の緊急会合において行っております。

 現時点では、これ以上の公式な説明というものは行われておらず、我が国は詳細な事実関係を十分に把握する立場にありませんから、確定的な法的な評価を行うことは控えたいと思います。

後藤(祐)委員 総理、つまり、アメリカの攻撃が違法か違法でないかは今の段階で確定できないわけですよ、日本政府としては。であるとするならば、違法の可能性もあるわけですよ。とするならば、この安倍総理答弁を維持すると先ほどおっしゃいましたから、自衛隊がアメリカを支援するということは判断できないですよね。つまり、アメリカのイラン攻撃が合法であるという判断をしない限り、自衛隊が米軍の後方支援をすることはできないですよね。ですから、先ほどのこの安倍総理答弁を維持するというのは大変重い答弁だと思うんですけれども。

 国会でこうやって議論していって、アメリカに行って、やはりアメリカの攻撃は合法でありますと、そこでそういう判断をしたと言われても、国会としては困るんですよ。

 なぜならば、この三つの事態、存立事態にしろ、重要影響事態にしろ、国際平和共同支援事態にせよ、全部国会承認が必要ですから、いや、アメリカでこれは合法ですから支援することにしましたと後で言われたって、そんなの承認できませんよ、国会で。ですから、もしアメリカで、アメリカの攻撃は合法だ、だから自衛隊を出すということも検討するというようなことをおっしゃる可能性があるのであれば、その前に、例えば今のような場でちゃんと、特にこの予算委員会の場で今のような議論の続き、可能性があります、でもこういうことしかしませんとかそういう議論をしないと国会承認はできませんよ。

 その先には国会承認があるということを考えた上で、突然、アメリカで、アメリカによるイラン攻撃は合法だから、だから自衛隊が支援を行うという判断をすることはないということをお約束ください。

高市内閣総理大臣 まだトランプ大統領と私は直接話をしておりません。そして、ふだんからあらゆるレベルで、日米間で情報を共有したり交換したり、そしてまた情報提供を受けたりはいたしております。

 その上での話でございますので、まだ今回のことについて、直接お会いして、アメリカなりの理屈がありましょう、そういったことも、茂木大臣も同行いたしますので、しっかりとお話を伺います。

 その上ででございますが、重要影響事態にしても存立危機事態にしても、これは仮にということになっても閣議決定が必要で、事前の国会承認も必要でございます。そこはよくよく私も承知をいたしております。

後藤(祐)委員 最後の部分は大変意味がありますから、国会軽視にならないように、本当にやるつもりであれば、事前に国会で議論した上で臨んでいただきたいと思います。

 最後に、日米首脳会談で出るであろう話として防衛費の増額の議論がありますが、これは総理に確認したいと思います。

 これはもう小泉大臣とは何度もやっているので総理にお聞きしたいと思いますが、現時点で防衛費を、例えばGDPの三・五%といった大幅な増額は、アメリカからは現時点では求められていないということでよろしいでしょうか。そして、日本としても、今の時点ではまだ防衛費を、例えばGDP比三・五%といった、大幅に何年かかけて増額するといったことは、今の時点ではまだ考えていないということでよろしいでしょうか。

高市内閣総理大臣 現在までの時点で、米国側から私に対して、防衛費のGDP比について具体的な数字の提示があった、提案があったということは一切ございません。

 今後でございますけれども、我が国の平和というのは我が国自身で守るという考え方の下、これは主体的に我が国が、どういった種類の装備が必要なのか、どういった形で防衛力を強化するのが必要なのか、これはあくまでも主体的に日本が判断をし、そして、防衛費の金額そのものについても、それに応じて積み上げていくべきものでございます。他国から何%という数字を提示されて、それに合わせて防衛費が決まっていくという種類のものではございません。

坂本委員長 後藤君、申合せの時刻が迫っております。

後藤(祐)委員 私にと言いましたが、私だけじゃない、日本政府に対して、具体的な数字でなくても、大幅に増やしてと言われていますでしょうか。

高市内閣総理大臣 私に対してそういう報告はございません。

後藤(祐)委員 終わります。

坂本委員長 これにて小川君、赤羽君、後藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、梅村聡君。

梅村委員 日本維新の会の梅村聡です。

 本日は、厚労大臣そして財務大臣に質問させていただきますので、私の質問時間内は、高市総理におかれましては席を外していただいて結構ですので、必要でしたら御退席いただければと思います。皆さん、必要でしたら御退席いただければと思います。

 それで、早速ではありますけれども、社会保険料を下げる改革について、厚労大臣にお伺いをしたいと思います。

 我々日本維新の会は、社会保険料を下げる改革ということで、昨年の補正予算、そして医療法改正の中で、十一万床の病床削減ということを一つのテーマとして取り組んでまいりました。

 そして、この十一万床削減は、実は、日本維新の会の党内の議論の中では、私自身が最初にアイデアを出させていただきました。中身としては、一つは、日本の病床は百五十万床、人口当たりの病床としてはOECDの中では一番多い国になります。それから、病院の数も八千ということで、これもOECDの中では人口当たり二位ということであります。ですから、まず、効率的な医療を提供していくためにはどのような取組が必要か、特に社会保険料の観点からいうと病床をきちんとコントロールしていくこと、これが大事なことだと考えております。

 ただ、病床を削減することが目的化するのではなくて、昨年の十二月、自民党と維新の会の間でも、政調会長間同士の合意事項の中にも、病床を削減するに当たって、この取組により医療機関の連携、再編、集約化、これに更に取り組むんだということを合意をしております。つまり、ここからが実はスタートでありまして、我々維新の会としては、これから病床の集約化、再編を進めていきたいと考えております。

 その中で、今年の三月三日ですね、厚生労働省の有識者検討会、この中では、二〇四〇年に向けての地域医療を更に見据えて連携、再編を進めていこう、こういう報告書が出されました。

 これは非常に重要なことでして、といいますのは、これから二〇四〇年に向けて何が起こるか。これは、医療従事者もこれから人手不足が起こってまいります。要するに、今の病院は、入院患者さんに対してスタッフ、定数が決まっているのではなくて、許可病床数に対して決まっているわけでありますから、このままでいけば当然人材不足になってくる。さらには、少ない人数で医療を行おうとすれば医療の質の低下にもなってくるということから考えますと、この有識者検討会で取りまとめた提言、これを着実に進めていくことが大事じゃないかと考えております。

 この提言の中身を見ると、この取組の方向性については二〇二八年度中までに決定をして、二〇三五年までをめどに一定の成果の確保を目指すということでありますから、今、二〇二六年ですので、相当スピードアップして取り組まなければ間に合わない、私はそのように思いますが、厚労大臣の見解をお伺いしたいと思います。

上野国務大臣 お答えをいたします。

 非常に大事な御指摘をいただきました。委員御案内のとおり、新たな地域医療構想の策定にこれから取り組むわけでありますけれども、これまでと違って、病床の機能分化だけではなくて、入院、外来、在宅、また介護との連携、人材確保について取組を進めていく必要がありますので、相当スピード感を持って、各都道府県には精力的に取り組んでいただくことが必要だと考えております。

 これから各都道府県におきましては、様々な事項につきまして、医療関係者始め、自治体、保険者、住民など、丁寧に協議をしていただくわけでありますが、我々としてもその策定をしっかり応援をしていきたいというふうに考えています。今月末までにガイドラインを策定をして、それを速やかに発出をして、周知を徹底していきたいと思います。

 あと、地域との協議に必要なデータにつきましても、これも年度明けになりますが、状況に応じてどんどんと出していって、検討に資するように取り組んでいきたいと思いますし、また、医療機関の取組の推進に向けて、基金を活用した財政支援につきましても、しっかり検討して、着実に実行していきたいというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、都道府県の策定状況については我々もしっかり状況を把握をして、遅れている場合とか、あるいは難しく感じていらっしゃる場合には、しっかり寄り添いながら、適時適切に応援をして、しっかりとしたものができるように頑張っていきたいというふうに思います。

梅村委員 この地域医療構想については、結構興味深いことが提案をされています。

 具体的には、現在の地域医療区域にとらわれずに人口二、三十万人ごとに一つの急性期拠点をつくっていくんだ、あるいは、高齢者の方の救急なんかにおかれましては包括期機能の新設。ですから、高齢者救急から回復期リハビリ、これを一つの施設の中できちっと確保していこう、こういう新しい取組が提案をされています。

 ただ、こういう集約化が進むにつれて、やはり何がネックになってくるかといいますと、新しく集約化するときの予算、これが、今、建築コストも非常に高い中、なかなか確保できないということが一番大きなネックだと思います。

 その中で、合併、集約化に当たる施設の整備に使われるのが、いわゆる基金であります。地域医療介護総合確保基金、この医療分で、これが今現在では使われるのが二百億円、国費では百三十三億円積まれておりますけれども、現在の執行状況、それから、これからの見通しを教えていただきたいと思います。

上野国務大臣 基金の執行状況ですが、直近三年で申し上げますと、令和五年度は百二十二億円の交付、令和六年度で百七十六億円の交付、令和七年度は二百二十四億円の内示を行っているところでございまして、これまでは前年度繰越額が生じていたわけでございますが、令和七年度ではそれを一〇〇%使い切る形となっておりますので、今後、基金の充実等に向けてしっかり検討する必要があると考えています。

梅村委員 今年度予算としてはこの規模の積み上げでいいと思いますが、今後、集約化を加速するに当たっては、またこの積み増しの金額、しっかり検討していただければと思っております。

 それから、後半は、もう一つ質問させていただきたいと思います。この社会保険料を下げる改革の中で、我々日本維新の会と自民党との連立合意書、この中には、いわゆる後期高齢者の方の窓口負担をどのようにしていくかということ、これもテーマとして一つ掲げております。

 我々維新の会は、後期高齢者の方に当たっても、資力があれば、支払い能力があれば三割負担ということもしっかり考えていただきたい、こういうことを自民党さんに提案をしているわけでありますけれども、何のためにそれをするのかといいますと、現役世代の方の保険料、これができるだけ上がらないようにしていくということが目的になっているわけです。

 ところが、これを今見ていただきますと、後期高齢者の方の医療費の内訳です。これを見ていただきますと、窓口が一割、二割負担の方は、後期高齢者の方の財源は、自らの保険料が一割、そして現役世代からの支援が四割、公費が五割となっております。ところが、現在、後期高齢者の方で三割負担の方は、自らの保険料が一割以外は、現役世代からの支援金が九割を占めています。

 つまり何が言いたいかというと、現役世代の方の負担を下げようとして、今の制度のままで三割負担の見直しをして三割負担の方がもし増えれば、結果として現役世代の方からの負担が増えて、結果としては現役世代の負担が増えてしまうことにつながるんですけれども、この認識で間違いないのかどうか、厚労大臣にお伺いしたいと思います。

上野国務大臣 お答えをいたします。

 まさに、この表のとおり、三割負担の場合につきましては、現役世代からの仕送りによりまして財政構造が成り立っているということでございます。

 これから高齢者の医療費の窓口負担の在り方につきましては、これはまさに避けて通れない検討課題でありますので、仮にこの三割負担の対象が拡大をした場合には、本来は現役世代の負担を減らそうということでありますが、逆に増えてしまう結果になってしまうということは、まさに委員おっしゃるとおりでございますので、この制度の在り方につきましては、しっかり検討することが必要だと考えています。

坂本委員長 梅村君、申合せの時刻が迫っております。おまとめください。

梅村委員 時間が来ましたので、これで終わりにいたしますが、財務大臣に要望しておきたいことは、ここの三割負担の方への公費給付を一定やらなければ、後期高齢者の方、三割負担の方の見直しをしても、これは現役世代の保険料が上がる方向になってしまいますので、是非御配慮をお願いしたいと思います。

 私からはそのことを指摘して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて梅村君の質疑は終了いたしました。

 次に、田中健君。

田中(健)委員 国民民主党・無所属クラブの田中健です。

 本日は、予算委員会の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今日午後、多くの委員からも質問が出ておりますが、まず、イランの情勢と日本の外交、そして安全保障について伺いたいと思います。

 米国とイスラエルによるイランへの攻撃、そしてイランによる報復により中東情勢は急速に緊迫化を増しています。イランはペルシャ湾でアメリカのタンカーを攻撃したと主張し、ホルムズ海峡の封鎖も取り沙汰されています。事実上封鎖されれば、先ほど来議論もありましたが、日本経済にも重大な影響を及ぼします。

 さらに、情勢は中東にとどまらず、フランスは原子力空母シャルル・ドゴールを東地中海に派遣し、また欧州諸国も軍事展開を始めている国もあります。また、カナダのカーニー首相は、今回の米国とイスラエルによる攻撃について、一見して国際法と一致せず、国際秩序の失敗を示す例だと発言をされました。同盟国でありながら、国際法の観点から疑問を提示しているわけであります。つまり、今回の問題は、中東の紛争のみならず、戦後の国際秩序そのものが揺らいでいるのではないかという問題意識であります。

 そこで、まず総理にお伺いしたいのは、ロシアによるウクライナの侵略に続き、今回の米国による軍事行動も国連安保理の決定に基づくものではありません。こうした状況を踏まえまして、現在の大きく捉えた国際情勢というものを、どのような状態に今あるのかという認識でおられるのか、基本的な認識を伺います。

高市内閣総理大臣 ロシアによるウクライナ侵略また今般の中東情勢を含めて、国家間の対立が激化、複雑化、常態化しており、私たちが慣れ親しんできた自由で開かれた安定的な国際秩序は今日大きく揺らいでいると認識をしております。

 非常に厳しい国際情勢の中ですから、必要なことは、我が国が自ら考えてハンドルを握り、長期的目線を持ってどこに向かっていくのかを決めることだと考えております。外交と防衛、車の両輪として、我が国の独立と平和を守り抜くということとともに、分断と対立の進む世界を開放と協調に導いて、日本と世界が共に繁栄していくよう、積極的な役割を果たしたいと考えております。

田中(健)委員 ただいまの御答弁ですと、これまでの秩序が揺らいでいる、また厳しい状況だという表現がありました。つまり、今お話ししましたロシアの侵略や、また今回の安保理決議を伴わない軍事行動が続く状況は、戦後のこの国際情勢が弱体しているのか、ないしは維持されているのかという認識、どちらなのか、総理に伺います。

高市内閣総理大臣 これはイタリアも表明をしておりますけれども、やはり国際法の枠外で多くのことが起こっているように見えるということは、国際法を守るべき国連が、安全保障理事会において、国際法のルールを必ずしも尊重していない国が他国を侵略しているのを傍観しているからである、こういった指摘もあります。

 私も、ロシアによるウクライナ侵略以来ここまで起きてきた様々なこと、それに加えて、日本人にとって本当に悔しい、またつらい重大な課題である北朝鮮によるですね、まあ北朝鮮に対する制裁をきちっとチェックしていた委員会、これも一部の安保理の常任理事国の反対によって活動を停止させられた。いろいろなことが起きている。だから、国際社会全体が、国連のそのものの機能が十分に発揮されないことによって秩序を失っている、そのように感じております。

田中(健)委員 もう一点お伺いしたいんですけれども、今、国際法のルールが守られていない、秩序が揺らいでいるということであります。日本はこれまで法の支配ということを外交の柱としてきたかと思いますが、安保理決議を伴わない軍事行動が常態化するということは、法の支配の観点からは望ましいと考えるのかどうなのか、総理のお考えがあれば伺います。

高市内閣総理大臣 法の支配の観点から、望ましいことだとは思いません。

田中(健)委員 つまり、今まで守られてきた戦後の国連を中心とする集団的な自衛権、そして集団的な体制というのが大きく今揺らいでいるということかと思います。

 その中で、まさに世界の分岐点に今いる中、総理から、自ら、我が国が自ら考えて、どこへ向かっていくのかということでありましたが、まさに私たちをどういった方向に導いていこうとしているのかということを、是非、国民に明確に示していただきたいと思います。

 その中で、日本の外交姿勢についても伺いたいと思います。

 日本にとって、米国は唯一の同盟国であります。しかし、同時に、日本は長年、イランとも独自の友好関係を築いてきました。今回の軍事行動については、先ほど来あります、国際法との整合性を疑問視する声もあります。そこで、先ほども評価は控えるということもありましたけれども、米国とイスラエル、両国の軍事行動について、日本政府としてはどのような評価をしているのか、再度伺います。

高市内閣総理大臣 今の御質問は、米国及びイスラエルの軍事行動に対する法的評価だと思いますが、先ほど来答弁をしているのではございますけれども、我が国は詳細な事実関係を十分把握する立場にないことから、確定的な法的評価を行うということは困難です。

 今、何より重要なことは、事態の早期鎮静化を図ることですから、我が国としても、今、あらゆる必要な外交努力を行っている最中でございます。

田中(健)委員 法的な位置づけとしますと、確定的なことは言えないということですが、より具体的にそれでは聞きますが、同盟国として、米国をもちろん支持していく立場かと思いますが、それをしっかりと堅持する立場なのか、ないしは、外交仲介など、独自の私たち日本としてのそういった外交を重視するのか、ないしは、政府として、基本的な、失礼しました、国際法の観点から一定のしっかりと評価をしてアメリカ、そしてイスラエルとつき合うのか、さらには、外交仲介など独自の外交を重視する立場なのか。このような立場が考えられるかと思いますが、総理の考えを伺います。

茂木国務大臣 なかなかこの問題は一国だけで解決できる問題ではないというのは田中委員もよく御案内だと思います。

 事態発生翌日にはG7の外相会合も開きまして、いろいろな形で連携をしながら、問題解決に向けて連携していこうという話もしましたし、私も、その翌日にも、湾岸諸国の大使、特にイランそしてイスラエルの大使とは個別に協議も行いまして、事態の早期鎮静化が必要である、こういう話もさせていただきました。さらには、これまでこの問題で仲介の労を取ってきたカタールの首相、そしてまたオマーンの外相とも電話会談等々も行ってきているところでありまして、もちろん、日本としても、独自の外交ルート、これを持って、様々な信頼関係も生かしながら働きかけを続けていきますが、同時に、国際社会全体が連携をして、どう早期に事態を鎮静するかということが極めて重要である、こんなふうに考えております。

田中(健)委員 茂木外相がこの間、精力的に各国との連携をされていることには敬意を表したいと思いますし、大変な中かとは思いますが、総理が冒頭に、我が国が自ら考えて行動していくんだと力強い表現があったからこそ、私たちは国としてどうするんだということを是非ともお聞きをしたいと思っています。

 日本の役割について伺います。

 フランスは、空母を派遣して海上交通路の安全確保に関与しています。カナダは、外交によって鎮静化を図ろうと、今、外交努力をしています。それぞれの国が、それぞれ同盟関係を結んではいますけれども、自国の外交方針というのをしっかりと示しています。その中で、今回の事態に対して、日本はどのような役割を果たすべきだと考えているのか、総理に伺います。

高市内閣総理大臣 今、何より大切なことは、事態の早期鎮静化を図っていくことでございます。そのために、私自身も必要な外交努力を行っております。

 三月五日には、ドイツのメルツ首相と電話会談を行いました。六日には、カナダのカーニー首相と会談を行いました。本件につきましても緊密に連携していくことで一致をいたしました。また、五日には、来日したUAEの日本担当特使、本来大統領の来日予定でございましたが、このような状況の中で無理だということで、お出かけいただき、邦人の安全確保及び石油の安定供給を要請し、先方からは協力の意向が示されました。

 それぞれの会談の中で、とにかく日本のエネルギー安全保障、そして国際的な平和の回復などについて話をいたしております。あらゆる機会を捉えながら、G7及び中東諸国との連携を強化してまいります。

 当然、茂木大臣また小泉防衛大臣なども、それぞれのカウンターパートと必要な対話を行っております。

田中(健)委員 もちろんG7で協力していくのも大切ですが、日本として、先ほど国際法のルールに従うことが大切だと、それが逸脱されているということを踏まえて、イスラエル、アメリカ等の今の軍事行動をどのように評価するのかというのを、今、鋭意情報を精査していると言いましたが、やはり一日も早く、私たち国民にも示してほしいと思いますし、また国会にも示していただきたいと思っています。そこからまた議論が大きく展開をするんだと思っています。

 次に現実の問題ですが、先ほど後藤委員からも何度もホルムズ海峡のタンカーのお話がありました。

 報道によれば、アメリカはホルムズ海峡でタンカーの護衛を行うという方針を示しています。日本政府も、支援要請があった場合、先ほど、まだ何もないというお話でありましたが、様々な対応を検討しているということであります。

 先ほど来、具体的な方策についてお話をいただきましたけれども、対応策の基本的な考え方をもう一度お示しください。

高市内閣総理大臣 まず、ホルムズ海峡でのタンカー護衛に関しては、日本政府に対して米国から何ら要請はなされておりません。

 ホルムズ海峡における航行の自由及び安全の確保、これはエネルギー安全保障の観点からも極めて重要ですから、ですから、イランとも協議をしている、また要請をしている、そういう状況にございます。

 それから、やはり、エネルギー安全保障、エネルギー・資源安全保障ですね、これは私どもの危機管理投資の大きな柱でもございます。これまでも政府として、徹底した省エネルギーですとか、化石燃料の調達先の多角化、備蓄の整備、あと、再エネ、原子力といったエネルギーの安全保障に寄与する電源の最大限の活用を進めてまいりました。今の中東情勢を踏まえまして、いざというときに備えた石油の備蓄ですとか、LNGの代替調達に必要な国際協力体制の構築の重要性というのは改めて認識をいたしております。

 既に、原油調達先の拡大、また国内のガソリンなどの価格安定に向けた対応を検討するなど、内閣として動いているところではありますけれども、中東情勢の今後の推移を注視しながら、我が国のエネルギーの安定供給確保には万全を期してまいりたいと考えております。

田中(健)委員 アメリカからの要請がないのは、先ほども議論がありました。

 今、総理からは、イランと協議をしているということでありましたが、イランと何を協議されているんでしょうか。ホルムズ海峡を日本だけは通していただけるという話なのでしょうか。

 アメリカからの要請はなくても、例えば船が立ち往生した場合、私たち日本として今何ができるのか、何をすべきなのかということも大変なことだと思っていますが、イランとの協議の内容、そして、アメリカからの要請がない場合でも、日本のタンカー船が立ち往生した場合、今、日本としてどのように補助また救出をできるのか、教えていただければと思います。

茂木国務大臣 まず、イランに対しては、イランによります核兵器の開発、これは決して許容できない、こういった一貫した立場を取っております。また、今回の事態に対しまして、イランが湾岸諸国、周辺国に対して攻撃を行い、地域の不安定化を図っている、このことをやめること、さらには、ホルムズ海峡の安全な航行に向けて協力をしてほしい、こういう要請をしっかりと行っているところであります。

 もちろん、その対岸にありますオマーンであったりとかそういった国に対しても、ホルムズ海峡の航行の自由、これを確保するために連携したい、こういう話もさせていただいているところであります。

 もちろん、四十五隻のタンカー、これが一日も早くホルムズ海峡を通れるようにしていく、このための方策というのは様々に検討しておりますが、これは相手国もあることでありますし、いろいろな形の検討の詳細については、ある意味手のうちをさらすというか、そういうことにもなりますので、ここでの答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

田中(健)委員 私は、ホルムズ海峡のタンカーの話をした際に、今、総理から、イランと協議をされているという話だったので、どのような協議をイランとされているのかお聞きをしたんですが、お答えいただけますでしょうか。

高市内閣総理大臣 今、外務大臣が答えたところでございます。そのとおりでございます。

 ただ、詳細についてここで明らかにすることができないことは御理解いただきたいと思います。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 これからアメリカに行かれるということでありまして、恐らくその話も、先ほど来から議論がありますように、トランプ大統領もあるかと思います。しかしながら、アメリカと協力をする、ないしは、ホルムズ海峡においても、タンカーにおける救助を一緒にするという場合でも、先ほど来もありましたが、やはり根っこに、武力行使について国際法に合致しているか合致していないかということがまずもって前提にありませんと、先ほどの重要影響事態法やまた存立危機事態、これも議論になりません。

 そもそも、存立危機事態にしても、アメリカの軍事行動が国際法に合致する場合のみでありますから、その以前の今段階でありますから、冒頭の話に戻ってしまいますが、やはり国際法を、今、総理は、ルールに基づいて遵守していく、しかしそれが今崩れかけていると。大変に国際的な情勢が大きく今変化しているという中でありますから、冒頭、力強く、我が国の安全を、そして我が国が自ら考えて、どこへ向かっていくのかということをこれからしっかりと私たちに示していただければと思っています。

 そして、エネルギー安全保障を先に、今、答弁の中に盛り込まれまして、日本のエネルギー安全保障をどのように考えているのかということもお答えをいただいたかと思いますが、具体的にお話がなかったなと思いまして、例えば、ナフサの問題とか、電気、ガスの問題がそこに入るのかなと思ったので、更に聞かせていただきたいんですけれども。

 今回、ホルムズ海峡が閉鎖されたことで、もちろん、原油が上がっていく、電気、ガスが上がっていくという中で、私、ナフサが大変懸念があるということを言われました。なかなか私たち、身近ではありませんけれども、先日、ちょうど出光興産が、エチレンの生産をやめることがあるということを取引先に通知をしたということです。なぜかというと、ホルムズ海峡の封鎖でエチレンの原料となるナフサが中東から輸入できないと。ああ、そういうことがあるんだということで聞きました。

 そして、ナフサというのは、自動車や家電や食料品の包装品や、また医療にも使われるということでありまして、原油は、先ほど来、二百五十日近く備蓄があるからということでお話を聞きましたが、ナフサは、国内在庫は二十日程度だということであります。大変に緊急を要する話でありまして、先週から様々な対策を政府内で議論しているということを、先ほど総理からも指示をしたというふうにありましたが、例えば、もしお答えできるのであれば、ナフサ等に関する重要資源についてどのように今対応を図ろうとしているのか、お答えいただければと思います。

赤澤国務大臣 済みません、今お尋ねできるのであればとおっしゃいましたが、御通告がなかったので、手元に、どれぐらいの我々依存率がホルムズ海峡にあるのか、そういう資料を持っておりませんので、改めて御通告いただければ御説明したいと思います。

田中(健)委員 分かりました。是非、気に留めていただきたいと思います。

 さらに、電気、ガスでありますけれども、これも、先ほど来ありましたけれども、電気、ガスは三月をもって補助金が切れますし、原油価格の上昇によって恐らくこれから大きく値上がりが懸念をされています。

 まず、電気代補助の延長というのはできないのかどうかということと、先ほど後藤委員のときに、私も、しっかりと、予備費でなく今回の予算の中に入れ込むことができないかということを考えておりました。暫定予算に入れ込むことで今回の対応が素早くできるんじゃないかと思ったんですが、先ほど答弁の中では、当初予算に入れていないと暫定予算には盛り込めないという答弁がありましたけれども、それを聞いていたときに、ちょっと、先ほど時間がある限り調べたんですが、何をもって当初予算に入れることができないのか、法的根拠がすぐに出てこなかったんですけれども、何をもってそれができないというふうに先ほど御答弁されたのか、教えていただければと思います。

片山国務大臣 今、私どもの方では、再三、この八年度予算案につきまして、できるだけ年度内の御成立をお願いしているところでございますが、一般論として、暫定につきましては様々な経費は日割りで計算いたしますが、予備費を日割りで計算するということになると、その予備費について何を立てるかということに、必ずしも、電気代、ガス代といった毎年必ずその補填を予算で長年やってきた、あるいは法定されているということではないものを入れるということが余り例がないというか、元々の原則のところに立ち戻ると、その要件に一見明白に係ると考えられないという、そういう趣旨での総理のお答えと思います。

田中(健)委員 では、法的根拠はないということでよろしいんでしょうか。

高市内閣総理大臣 私は、財政法三十条を根拠にして申し上げました。

田中(健)委員 財政法三十条、済みません、私、不勉強でありますので、また国民の皆さんも見ていますので、御説明いただければと思います。

片山国務大臣 度々議論になっておりますように、財政法第三十条においては、「内閣は、必要に応じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を作成し、これを国会に提出することができる。」と書いてありまして、それ以上のものではないんですけれども、平成三年の、これも今国会で議論になっております与野党合意においては、行政運営上必要最小限の金額の計上ということで合意されているということがございまして、本与野党の合意下においては、やはり国民生活などに支障が生じないように、従来から、暫定期間中に特に必要があるものは計上するということができるので、新規のものが全て駄目ということではないですが、今申し上げました、今でも生きているというふうに考えられている平成三年の与野党合意における行政運営上必要最小限の金額というところにこれが入るのかどうか、つまり行政運営なのかということを考えると、なかなかそれは読めないのかなということではないかと思います。

田中(健)委員 法的根拠はないということでありまして、それぞれ議論の余地があるということであれば、必要に応じてということでありますれば、やはり今回大変に緊急的なものを要しています。補正予算が組めればいいですけれども、今、本予算をしているところでございますから、であるならば、暫定予算の中に入れて、私は、しっかりとこの対応、もう見えていることですから、その方がよいかと思っています。

 先ほど、予算を通して予備費というのもありましたけれども、予備費一兆円ですと、今回の例えば電気、ガスの補正予算は五千億以上かかっていますので、あっという間に一兆円を超えてしまいます。予備費というのは、今見えていないものに対してしっかりと予算を積んでおくということですから、そうしますと、例えば災害があったとき、様々なほかの予備費の活用というのが懸念されますので、予備費で対応すればというお話も今日の委員会の中でありましたけれども、やはり私は、野党も、後藤委員始め、やろうと言っていますので、与党、野党が合意をすればできることだと思いますので、是非、暫定予算の中にしっかりと今回の対応を入れ込むということも御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 先ほど第三十条のお話をしましたが、暫定予算は当該年度の予算が成立しますとそこで失効いたしますので、暫定予算に基づく支出又はこれに基づく債務の負担がある場合には、これを当該年度の予算に基づいてなしたものとみなすということがありますので、総理はその意味も含めておっしゃったと思いますが。

 いずれにしましても、今、この足下、三月、今第二週に入っておりますが、イラン情勢に関する先行きが非常に不透明でございます。つまり、今の時点において、何か月間の電気・ガス代がどのぐらい足りないということを考えるのかということを判断できる状況なのかということがあった場合に、例えば、今、八千六百億円の当年度の三月末まで執行可能な予備費がございます、八千六百億円。これは、今までの規模感を考えると、少なくとも一か月、二か月ということをこれから組むのであれば十分でございますし、それに加えまして、暫定税率が既に撤廃されたガソリンではないその他のものについてをどのぐらい考えるのかにつきましても、年度内について打てるということであればある程度のものがありますし、また、今御審議をお願いしている予算案につきましては一兆円の予備費がございますから、四月の一日から、これはもしも通していただけるならば使える予定で、補正予算ということになりますと、いかなる短縮を行いましても一定の日にちがかかるのは、これはまさに財政民主主義上当然のことでございますので、委員がおっしゃっている一日を争うとかそういうことを考えますと、そういう場合は普通は対応できるように予備費があるということの考え方ではないかと思います。

田中(健)委員 予備費はもちろんあるんですけれども、先ほども言いましたけれども、約一兆円ですと、前回の補正予算の電気、ガスの補正は五千億以上ですから、あっという間になくなってしまいます、電気、ガスだけでですね。さらに、先ほど言いましたガソリン価格やもろもろの他の不確定要素がありますので、是非御検討をいただきたいと思います。私たちは総理が言っていただければ協力をする、このことをここでお話をさせていただきます。

 済みません、時間が過ぎてしまいましたので、次に移りたいと思います。

 再審法の改正について伺います。

 私、再審法の改正議連の一員としてこれまでこの問題に取り組んできました。ルールが整っていないために、無罪の罪を晴らせないまま何十年も闘い続けている人がいます。有罪が確定した裁判をやり直していく、その再審法のルールをしっかりと整備しようというのが私たち議連の中身でありまして、そして、政府も法務省の法制審議会の中で議論をスタートし、また答申が出たということを承知をしています。

 まず、総理に伺いますが、冤罪救済というものは、制度があるだけでは不十分で、迅速に救済をされることが不可欠だと思いますが、この点については、総理の基本認識をお聞かせください。

高市内閣総理大臣 当然のことでございますが、犯人でない人を処罰することはあってはなりません。犯人でない人を有罪とする確定判決があれば、再審の手続を通じ、可能な限り速やかに是正されるべきだと考えます。

田中(健)委員 犯人でない方がいれば再審の手続をしっかり踏んでということをお話しいただきました。

 しかし、その中で、これまで再審の多くの壁、拒んできたのが検察官抗告だと言われています。この検察官の抗告が再審手続の長期化の原因であるというふうに長年言われてきました。そして、今回の再審法の改正を審議会で議論する際のスタートでもありましたが、再審法における検察官抗告が長期化の原因となっているという認識は総理はお持ちでしょうか。

高市内閣総理大臣 個々の再審事件における審理の進め方は裁判所において個別具体的な事案に応じて判断されるべき事柄ですから、内閣総理大臣として、手続に要した期間の評価を述べるということは差し控えます。

 その上で、再審開始決定に対する検察官による抗告につきましては、これが認められ、再審開始決定に至らなかった事案がある一方、抗告が認められ、再審開始決定が棄却されたものの、その後、最終的には再審が開始されたため、検察官による抗告が手続の長期化の一因になったという指摘がされている事案もあるということは承知をいたしております。

田中(健)委員 個々の事案には触れませんということでありましたが、過去の再審無罪判決を見ますと、検察官はほぼ全ての事件で機械的に不服申立てを行っています。その結果、福井女子中学生事件、これは、再審開始決定が誤って取り消されまして、十三年を要しました。私の地元静岡で起きました袴田事件でありますけれども、これも、検察官の抗告によりまして再審開始が九年遅れました。

 無罪を得るまでに長期間を要したのは、検察官が開示すべき証拠を開示せず、そしてやはり不当な不服申立てを繰り返したからでありますが、総理にはその認識はありますでしょうか。

高市内閣総理大臣 今、幾つかの事件について言及がございましたが、個別事件における裁判所の訴訟運営、検察官の活動内容に関わる事柄について、内閣総理大臣として所見を述べることは差し控えます。

田中(健)委員 それでは、先ほど、裁判官が決定するということでありましたけれども、裁判官が裁判をやり直すべきなんだといって判断をしても、いわゆる検察官抗告、検察の意思で再審が止まる制度になっています。

 これは、制度としては、冤罪の方々の救済よりも有罪の維持ではないかとまでいう指摘もありますが、総理は、この指摘、また制度について、改めて、どのようにお考えでしょうか。

高市内閣総理大臣 一般に、裁判に対する不服申立ては、違法、不当な裁判を是正する機会を確保するとともに、裁判所による慎重、適正な判断を制度的に担保しようとするものであると承知します。

 その上で、一般論として申し上げますと、再審の手続に長期間を要することで当事者の御負担となっている場合があるという認識は私も持っております。また、再審開始決定に対する検察官の不服申立ての在り方について、再審の手続に長期間を要する原因の一つとなっているという観点から否定的な御意見があることも承知いたしております。

 法制審議会において、様々な立場の構成員によって幅広い観点から精力的かつ丁寧に議論が行われた結果、再審開始決定に対する検察官の不服申立ては禁止しないこととされたと承知しております。

 政府としては、この点について、法制審議会の答申を重く受け止めつつ、今後、法律案の閣議決定前の与党内審査における様々な御意見も踏まえて、適切に判断をしてまいります。

田中(健)委員 検察官の抗告で長期化しているということもあるということも理解をしていただきましたし、また、法制審議会の答申を重く受け止めるけれども、これから党内審査もあるということであります。是非、総理には、法制審の答申にだけ沿って法案を提出するということがないようにしていただきたいと思っています。

 尊重するということでありましたけれども、そもそもこの審議を主導していたのは、検察官が要職を占めます法務省の事務担当局であり、その内容については、冤罪の被害者や家族のみならず、多くの、先ほど専門家の代表の人が議論をしたと言ったにもかかわらず、刑事法の研究者や元裁判官の人たちが声を上げて、なかなか裁判官の方が辞めてから声を上げるというのは大変まれなことだと言われていますが、二百名近い人たちがこの懸念を示されています。

 また、各自治体、私は静岡県ではありますが、全ての自治体議会においても、再審請求手続に関する刑事訴訟法の改正を求める意見書が可決をされていますし、私たち静岡県は、県知事を含む全ての首長が同様の賛同署名を行っています。これは、全国の自治体でも数多くこのような声が上がっています。

 ですので、この審議会の結果を、全て審議会の結果が正しいというのではなくて、公正性、中立性というものをいま一度総理の下でも確認をしていただきまして、そして、再審法改正を求める国民の意思から乖離をしているのじゃないかというような思いを持って一度考えていただければと思っています。

 冤罪というのは、国家の権力が誤って人を裁いてしまうという最も重大な人権侵害であります。人の人生を奪います。したがって、再審の制度というのは、国家のメンツよりも、是非、人権救済を優先する制度であるべきであると思っていますが、最後に、総理にこの考えについて伺います。

高市内閣総理大臣 一般論として申し上げますが、犯人でない人を処罰するということは、その人権を著しく侵害するものでございます。当然あってはならないことであり、また、再審制度が国家のメンツを保つための制度ではないということも当然でございます。

 その上で、再審制度の在り方については、誤判からの速やかな救済、それから法的安定性のバランスを図りながら、様々な角度から丁寧に検討する必要があると考えております。

田中(健)委員 ありがとうございます。総理とかなり共有ができたと思っています。

 超党派の議員連盟では、既にこの再審法改正において議員立法を提出しています。証拠開示の原則、証拠開示を権利にすることですね、また、今議論しました検察官の抗告禁止を盛り込んだものを既に提出しています。残念ながら、解散で一度廃案になりましたが、もう一度提出をして、閣法の議論としっかりと両建てで議論をして、いい法案に、そして、何よりも冤罪被害者を救う、そのような人たちを生まない社会をつくっていきたいと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思っています。

 最後に、ちょっと時間がなくなってしまいましたが、一問飛ばしまして、スポーツ産業化について伺いたいと思っています。

 今年は、何といっても冬季五輪がありました。現在、WBCも行われています。また、ワールドカップも行われ、世界的なスポーツの祭典イヤーの年であります。しかしながら、一方、日本においては、スポーツの産業化というのが大変に遅れています。地域のクラブもスタジアム、アスリートも、資金がないと財源不足に苦しんでいます。一方で、今、海外の違法オンラインの賭博サイトというのが大変大きな問題となっていまして、年間数兆円とも言われる資金が日本から海外に流出している、国富が流出しているとも言われています。

 政府は、これまでスポーツの市場を、産業を二〇二五年に十五兆円に拡大するということを掲げてきましたが、現在の進捗、またその評価というものをお伺いできればと思います。

松本(洋)国務大臣 文部科学省では、スポーツ市場規模十五兆円の達成に向けまして、スポーツの成長産業化に関する取組を行っておりまして、最近の数値といたしましては、二〇二一年の状況で十兆円となっているところであります。

 スポーツ市場の規模につきましては、コロナ禍でスポーツ活動が制限された結果、大きく落ち込んだところであります。そのため、市場規模十五兆円という目標につきましては、遅くとも二〇三〇年までの達成を目指すという形にさせていただいているところであります。

 そういう意味では、二〇二五年というものからしてみると、コロナの影響もあって五年間後ろ倒しではありますけれども、この目標をしっかりと達成することができるように尽くしてまいりたいと思います。

田中(健)委員 是非達成を、皆さんで力を合わせていきたいと思っているんですが、そのためには、やはり様々な手法が必要だと思っています。

 例えば、今、地域でのスタジアムの建設というのが各地で盛り上がっています。スタジアム周辺の民間の開発投資を促す税制優遇をしてみたりだとか、地方の核となるスポーツ拠点をしっかりと整備してみたり、また、スポーツビジネスに民間投資が入ってくるような、まさに総理が掲げる国内投資の循環ということですね、その促進をするだとか、そういうことによって、スポーツを補助金というものから稼ぐ産業へという転換をこの高市内閣では是非進めていただきたいと思っています。

 単なる箱物行政からスポーツを地域の経済の中核にする、総理としての決意を伺います。

高市内閣総理大臣 スタジアムやアリーナ、これは定期的に数千人から数万人の観客を集める集客施設でありますから、スポーツ振興にも寄与するものです。また、こうした施設は人の流れを生み出しますから、交流人口の拡大ですとか関連消費の拡大を通じて、地域活性化の起爆剤となる高い潜在力を持つと認識をしております。

 スタジアムやアリーナ、それからその周辺施設の整備につきましては、地域未来投資促進税制などの税制措置、それから社会資本整備総合交付金などの補助事業など、支援を行っておりますけれども、今後もこうした支援の活用を促す取組を進めてまいります。

田中(健)委員 そのためには、自立的なやはり財源というのが必要かと思っています。もちろん、積極財政でどんどんと投資を促していきたいと思うんですが、しっかりと、スポーツの中にも、toto、またWINNERというスポーツくじがあります。競技数が限定されていたり、またその収益の使途というのが限定されていたり、様々な課題がありますので、是非、今年は二十五周年、四半世紀になりますので、このスポーツくじの抜本改正や、また対象競技の拡大やスポーツの収益の再投資といった制度改革をこの際一緒になって進めていただければと思いますが、財源確保の仕組みというものについて総理の考えを伺います。

高市内閣総理大臣 スポーツ振興くじの実施によって得られる収益でございますが、これはスポーツ振興を目的とする事業への助成に活用されております。その収益を確保するために、これまで累次にわたって、対象となる競技ですとか試合の追加も行われてまいりました。

 このスポーツ振興くじの根拠となりますスポーツ振興投票法、これは議員立法で成立したものですから、これまでの法改正に当たりましても、主として議員立法によって行われてきております。その在り方についても国会において御議論いただくべきものだと思っております。

 しかしながら、御指摘のようにスポーツが自立した産業となっていくことは重要ですし、政府としては、スポーツ団体が行う収益性を高める取組というのを支援して、成長産業化を推進してまいります。

田中(健)委員 時間となりました。ありがとうございました。

坂本委員長 この際、丹野みどりさんから関連質疑の申出があります。田中君の持ち時間の範囲内でこれを許します。丹野みどりさん。

丹野委員 国民民主党、丹野みどりでございます。

 私は、先日の選挙におきまして、得票数において野党第一位、そして、女性は高市総理に次ぐ二番目でございました。高市旋風の中、このようにたくさんの票をいただいて送っていただきましたこと、本当に深く胸に刻んで仕事をしっかりしてまいります。

 今日は、建設的な野党として、そして、まだまだ少ない女性の議員として質問をしていきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

 まずは、今回の予算において質問いたします。

 予算が通ればとか関連法案が通ればという前提で、軽油の暫定税率廃止ですとか環境性能割の廃止などが予定どおり、若しくは速やかに実行される方向で動いてはおります。しかし、この解散・総選挙によって見通しが全く立たないという状況になっております。

 例えば、環境性能割の廃止においてなんですけれども、自動車販売店の方からは、三月になっているんだけれども、売上げの見通しが全く立たない、大変困っているというお声もありました。また、自動車ユーザーの方からは、例えば春から新社会人になる方、地方に行くほどどうしても車が必要なんですよね、少しでも安く買いたいんだけれども、これは待っていいのか、それとも、もうちょっと安くなるのか、今買った方がいいのかという見通しも立っていないというお声もありました。

 総理は、事業者の方の予見可能性を高めることということを常々おっしゃっておりますけれども、生活者の予見可能性もまた高めることが非常に重要と私は思っております。

 そこで、まずは質問です。軽油の暫定税率廃止、そして環境性能割の廃止について、事業者に加えて生活者の皆さんの予見可能性、御提示をお願いしたいと思います。

林国務大臣 地方税に関することでございますので、私からお答えさせていただきます。

 今委員から御指摘のありました軽油引取税、そして環境性能割、この国会に既に地方税法改正法案で提出しておりまして、四月一日から廃止する規定というのを盛り込んでおるわけでございます。今お話もありましたが、既に多くのガソリンスタンドや自動車販売業者、自動車ユーザー、自治体等が四月の廃止に向けて準備を進めているところでございまして、こうした準備の状況を、生活者というお話もありましたけれども、そういう方々も注視をしておられるんだろう、こういうふうに思っているところでございます。

 仮に法案の成立が四月以降となった場合は、社会的に大きな影響や混乱が懸念されるところでございますので、政府といたしましては、この法案の年度内成立を是非お願いしてまいりたい、そういうふうに考えております。

丹野委員 本当に国民の皆さんに支障が出ないように、熟議の上で我々も本当に協力していきたいと思っております。

 今、環境性能割の廃止といった具体的な事例を挙げたんですけれども、私の課題感は、国民の皆さんにとっても家計のロードマップみたいなものが欲しいなと思うんですね。例えば、税制はどうなっていくのかとか、負担はどう変わっていって、今ある支援はどこまで続くのか、そういった家計が読めない社会に安心はないと思っておりまして、見通しを示すことこそが最大の経済対策ではないかと私は思っております。要所要所で、事業者の方、そして生活者の方にも是非見通しを示してほしいと切に願います。

 このガソリンの暫定税率廃止、環境性能割の廃止、我々の提案を高市総理がのんでくださって、決断してくださって、本当にありがとうございます。これは大きな前進と思っております。

 しかし、依然として車には九種類、九兆円という税金がかかっております。これは、取得時、保有時、走行時という三段階で税金がかかっております。これは先進国でも非常に例外的な事象でございます。

 それでいながら、自動車産業というのが、カーボンニュートラルという世界的な課題もございます。大きな転換点を自動車自体も迎えている。海外との競争が本当に厳しくなっている。加えて、海外の要因にも敏感に反応せざるを得ない。例えばトランプ関税もしかりですし、今回の中東情勢もしかりでございます。そういう世界で勝負をしている自動車産業だからこそ、民間の枠を超えて何か踏ん張ってくれているなというのも感じることさえございます。

 そこで質問なんですが、こうした非常に厳しい環境の中でやっていく自動車産業なんですが、高市総理の成長戦略の十七の分野には直接的には入っていません。これはなぜか。そして、GDP一〇%、出荷額六十兆から七十兆、雇用が約五百五十万という産業でもあります。そして、働く人だけではなくて、自動車ユーザーという観点でいっても、多くの国民の方が利用している車、この自動車産業というものの将来の成長を総理はどのように捉えているのか、教えてください。

高市内閣総理大臣 我が国の自動車産業は、我が国の雇用の約一割、輸出の約二割を支える基幹産業でございます。我が国の経済、雇用の大黒柱と言ってもいいかと思います。

 GX、DXの大変革の中で我が国の自動車産業が国際的な競争力を維持強化するということについて、政府は全力で後押しをしてまいります。具体的には、官民で連携して、EV、FCV、ハイブリッドなど多様な選択肢を追求するマルチパスウェー戦略を進めるということとともに、半導体、ソフトウェア、自動運転などのデジタル投資を進めてまいりたいと考えております。

丹野委員 ありがとうございます。

 先ほども申しましたけれども、自動車は九種類、九兆円の税金がかかっているということがあります。私が問いたいのは、この複雑な税体系というのが果たして我が国の成長戦略と合っているのかどうかというところにおいてです。

 今お話がありました電動化とか電池の投資とか半導体の支援とか、巨額の国内投資が行われておりますけれども、企業が投資を決める際に最も重要視するのが市場の将来性、そして制度の予見可能性だと思っております。総理がおっしゃっている、先ほども申しました予見可能性、これは本当に私は大賛同いたしますけれども、であるならば、税制がとても複雑で、暫定措置も長期化する、三年後、五年後、自動車の税金がどうなっているか分からない、こういう状況は非常に厳しいなと思っておりまして、政府として全体像を示すことが成長戦略ではないかなと思っております。

 また、この自動車関連税九兆円のうち半分の四兆から五兆円ほどは地方の重要な財源にもなっておりますので、この急激な見直しというのは当然慎重であるべきということも同時に感じております。

 なのですが、この自動車の複雑な税制体系、これの整理が、合理化するべきじゃないかと思っております。財源を守りながらも、もうちょっと税体系をシンプルにしていく、これはできないんでしょうか。

高市内閣総理大臣 自動車関連諸税についてですが、自動車産業の急速な環境変化などにも対応するため、毎年の税制改正において、その時々の情勢に応じた議論をきめ細かく行っております。

 一方で、成長戦略の観点からも、予見可能性を高めるということは大事です。令和八年度与党税制改正大綱においても、自動車関係諸税の総合的な見直しについては中長期的な方針が示されたと承知しています。こうした中で、将来の全体像もお示ししながら、日本の自動車戦略などを踏まえて与党税制調査会で議論されていくと考えています。

 この自動車関係諸税については、受益者負担、原因者負担などの考え方を踏まえて現在の制度となっておりますけれども、令和八年度税制改正では、御党の御要望も踏まえまして、自動車ユーザーの取得時における負担の軽減、簡素化にも資するよう、環境性能割の廃止を行うこととしました。

 令和八年度与党税制改正大綱におきまして、日本の自動車戦略等を踏まえつつ、国、地方を通じた安定的な財源を確保することを前提に、公平、中立、簡素な課税の在り方について検討し、見直しを行うこととされております。ですから、引き続き、与党税制調査会において議論がしっかりされていくと考えています。

丹野委員 是非、シンプルな税制に向けて見直しを進めてほしいなと思っております。

 私の地元は、愛知県の豊田、みよしでございまして、トヨタ自動車を始めとする自動車産業の集積地でございます。よく地元で言われるんですけれども、我々の技術は本当に世界一である、なんだけれども、国としてバックアップしている中国にどうしても最後負けてしまう、なので、どうしても国策として日本ももっともっとバックアップしてほしいというお声を本当にたくさん伺います。

 どんな分野でも、技術開発だけじゃなくて、やはり商業ベースまで乗っていかないと厳しいのかなと思っておりまして、私は、昨年、経済産業委員会に所属をしておりまして、半導体産業に二〇三〇年までに十兆円投資をするという、この法案を審議をいたしました。その中で、これまで日本がいかに産業競争力を落としていったかという反省点がいっぱいありまして、例えば日の丸半導体しかり、液晶テレビ、白物家電、太陽光パネルもそうでございます。昔はよかったけれども今はねというものが余りにも多過ぎて、自動車産業も決してそうなってはいけないと危惧しておりますので、是非、税制含めて、今後も成長戦略としてしっかり後押しをしてほしいと切に願っております。

 では、ちょっとお時間もありますので駆け足になりますけれども、最後は、私、まだまだ政治の世界に少ない女性の議員としてお話を伺いたいと思っております。

 私が主張をし続けておりますことの一つに、女性の真の活躍ということがございます。今は、結婚は諦めない、出産も諦めない、仕事も復帰するという女性が本当に増えまして、女性初の総理という時代でもございます。ただ、全部の女性が真に活躍しているとは私は思っていないんです。

 やはり、仕事もある、家事もある、育児もある。すごく男性が手伝ってくれるんだけれども、やはり重荷が多過ぎて働き方を変えざるを得ない。若しくは、子育てが一段落してもっとばりばり働きたいと思っているんだけれども、職業はなかなか低賃金のものしかない。事ほどさように、こういう背景から、日本の非正規雇用の半数以上が女性なんですね。こういう状況というのは、女性の貧困に将来的につながっていくと思っています。

 なので、私は、どんな道を女性が選んでもいい、ばりばり働いてもいい、短く働いてもいい、専業主婦もすばらしい、だけれども、どんな道を選んでも不利にならない、そして、結婚するしない……

坂本委員長 申合せの時間が迫っておりますので、よろしくお願いします。

丹野委員 はい。

 子供がいるいないに関係なく、やはり女性が生涯、経済的に自立をする、これが非常に重要と思っています。

 最後に、総理、女性の真の活躍に向けて、お考えをお聞かせいただきたいと思っています。

坂本委員長 内閣総理大臣高市早苗さん、時間が迫っていますので、簡潔にお願いします。

高市内閣総理大臣 それぞれ女性によって、自分はばりばり働きたい方もいらっしゃれば、家庭にいてほかのことをしたい、また地域社会で活躍したい、いろいろな希望があると思います。でも、それらの希望がかなえられる、自分らしく生きられる、そういう社会をつくってまいりたいと思います。

丹野委員 御答弁ありがとうございました。

 私もしっかり尽力したいと思います。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて田中君、丹野さんの質疑は終了いたしました。

 次に、吉川里奈さん。

吉川委員 参政党の吉川里奈です。

 本日も会派を代表して質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 現在、世界では、戦争の勃発などにより国際情勢が緊迫しています。我が国としても、防衛力の強化のみならず、エネルギーや食料供給の確保など、国家として取り組むべき課題が山積しています。

 しかしながら、こういった目の前の課題の対応に加え、これからの日本の未来を担う子供たちをどのように育てていくのか、すなわち、教育の在り方、これこそが国家百年の計として不断に検討されるべき重要な課題であると認識をしています。

 だからこそ、本日は、いわゆる高校無償化、これをテーマに、高市総理と我が国の教育の在り方について御議論をさせていただきたいと考えております。

 まず、日本の教育行政においては、高等学校の授業料の実質無償化、これが家庭の経済状況にかかわらず教育機会の均等を確保することを目的として推進をされてまいりました。二〇一〇年の制度の導入以降、私立高校への支援の拡充が進められ、さらに、大阪府や東京都などといった地方自治体では、独自の上乗せの支援や所得制限の撤廃といった取組も進められております。

 こうした制度の拡充は、教育機会の確保という観点では一定の意義がある一方で、制度設計の在り方については様々な指摘がされています。特に、令和七年十月二十九日の三党合意の際から、収入要件の撤廃により、高所得世帯では教育費が塾や習い事に流れるのではといったことで、結果として教育格差につながるのではないかという懸念が示されてまいりました。

 こうした点については真摯に対応していく必要があると当時の三党合意の際から懸念が訴えられておりましたが、収入要件の撤廃に伴い、今回、これまでも指摘されてまいりました教育格差の課題の懸念についてどのような具体的な対応をしていくのか、見解をお示しください。

松本(洋)国務大臣 お答えをいたします。

 今般の制度見直しにおきましては、三党の合意も踏まえまして収入要件を撤廃することといたしましたが、その主たる目的は、我が国社会の発展を支える人材育成に資するため、経済的な状況にかかわらず、生徒一人一人の個性や可能性を最大限伸ばす教育を選択できる環境を社会全体で実現することにございます。

 また、就学支援金制度の所得制限の見直しと併せまして、授業料以外の教育費の支援をする高校生等奨学給付金につきまして、中所得層への範囲の拡大、これを図ることとしております。

 これに加えて、昨年お認めをいただきました基金の中で、高校教育改革促進基金の中で、学校と地域が連携、協働した学力向上、学習支援の取組というものも進めていくということを認めていただいておりまして、例えばこれによって、公営塾なんかをつくることによって、そうした学習支援なんかも地域の判断でいろいろとしていただけるような、そういう仕組みというものも今回創設をさせていただいているところでもあります。

 こうしたところを、制度というものをしっかりと使っていくことによりまして、家庭の経済状況にかかわらず子供たちの教育を高めていくことができるように取組を進めてまいりたいと思います。

吉川委員 ありがとうございます。

 家庭の経済状況にかかわらず均等な教育の機会の提供がなされるということは、非常に重要な点であります。

 しかしながら、興味深い資料がございますので、お手元の資料を御覧ください。

 二〇二五年二月の二十日、公益社団法人日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で、高校授業料の実質的な高校無償化の対象拡大について経済学者を対象としたアンケート調査を行い、いわゆる高校無償化についての所得制限を撤廃することが望ましいのかといった質問を尋ねたところ、回答された方の約半数がネガティブな御意見、すなわち所得制限の撤廃について望ましくないとの評価になりました。中には、教育格差の後押し、これが政治的な人気取りにすぎないのではとさえ批判がありました。

 確かに、高校の進学率は二〇二四年の時点で九八・六%、実質的には義務教育というような形になるほどの数値となっておりますが、親の所得に左右をされず教育の機会に均等性を図る、こういった御意見、先ほども申しましたように、もちろん私も重々理解をしておりますが、教育の格差の、機会ということを考えますと、高校で是正をするのではなく、幼児や初等中等教育といったもっともっと小さな頃からの教育、こういったところの、公立高校の質の向上に充てるべきではないのか、そういったところの指摘もされています。

 また、最大の皮肉は、高校無償化によって授業料が無料になった分、家計で浮いた資金が学習塾や習い事といったところにスライドしている点でありまして、これによって、学校教育そのものよりも学校外への教育投資が子供の将来を左右する傾向が強まり、結果として、教育格差は解消されるどころか、目に見えにくい形で拡大しているということも指摘をされています。

 また、教育の質について、影響する、懸念の声があります。私立高校に公費が投入されることによって行政の関与が強まり、私立だからこそ、建学の精神や宗教、こういったものの特色の教育、あるいは各学校が培ってきた教育方針、カリキュラムなどといった私立の特色が、多様性が損なわれる可能性というものも懸念されています。

 授業料が無償化になる一方で、公立高校の老朽化した校舎の修繕や教育環境の整備、さらには深刻な教員不足への対応など、教育の質を支える基盤についての投資が後回しにされるのではないかという懸念もございます。

 こうした点を踏まえ、政府として高校無償化が結果として教育の質の低下を招くことにはならないと言い切れるのか、見解をお尋ねいたします。

松本(洋)国務大臣 いろいろと御質問をいただきましたが、まず、教育環境の整備等々に影響があるのではないかということについてお話をさせていただきます。

 令和七年十月の三党合意におきまして、今回の取組を恒久的に実施するためには新たな恒久的かつ安定的な財源が必要であること、現行の教育現場での活動に支障が生じないよう、既存の教育財源を原資とすることなく、財源確保と今回の制度改正とを一体的に実施することということが示されておりまして、その考え方にのっとり予算編成がされているということでありますので、今回の措置によって、これまでの教育予算というものが何か目減りをしたりというようなことはないということはまず冒頭申し上げたいと思います。

 その上で、今般の高等学校就学支援金制度の拡充とともに、高校教育の質を確保していくことが大変重要だと考えているところであります。実際に、そういう議論が大変昨年は行われてきたところであります。また、新たな制度の運用に当たりましては、私立学校の特性に鑑みまして、自主性の尊重に留意することが引き続き必要と考えているところであります。

 文部科学省では、先般、質の向上につながる高校改革の方向性などを示したグランドデザインを公表したところであります。公立高校につきましては、特色や魅力を高めるために、令和七年度補正予算で新たに計上した約三千億円の高校教育改革促進基金、これを通じまして、改革に伴う施設設備整備を始め、先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出に取り組むこととしております。

 また、私立高校につきましては、毎年、都道府県と連携をしながら、必要な私学助成等の基盤的経費の確保に努めているところであります。

 さらに、学校における働き方改革を始めとする教師を取り巻く環境整備を一層推進することとしております。

 是非、今回の改革を通じて、公と私がお互いに高め合っていくことによって教育の質を向上させていく、そんな改革を進めていくことが肝要かと思っております。

吉川委員 大臣、ありがとうございます。

 今、公と私がしっかり連携していくというお話がありましたが、そもそも、私立の学校というものは、広報にもお金もかけられていたりとか、学校の教育にそもそも値段をかけられていたり、魅力あるものの教育が売りとなっていますので、公立の高校と比べましても、なかなか競争するというのが難しいのではないかという懸念があります。

 そもそも、ポテンシャルとして、公立の方が、ボーダーラインとして私立よりも魅力があるのかというところを考えたときに、競わせるところに立ってしまうと、無償化になってしまうと、なかなか公立高校との競争が私立に勝てないのではないか、公立高校がどんどんどんどん低迷していくのではないか、そういった懸念があるかと思うんですが、この辺り、大臣、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 御指摘の御懸念があるからこそ、今回、グランドデザインというものを作らせていただいて、そして、今、各都道府県においてそれに基づいて基本計画を作っていただいております。

 また、昨年の補正予算でお認めをいただいた三千億円の基金を使うことによって、施設や設備の整備でありますとか、また先導的な学びの在り方、こうした特色ある教育というものを進めていく、そうしたところに予算をつけさせていただいているところであります。

 こうした取組というものを通じて、是非我が国における高校教育の質の向上そのものを図っていきたいと考えております。

吉川委員 しっかりと予算をかけて、公立高校の魅力を上げていっていただきたい。もちろん、予算をかけてくださっているということは重々承知しているんですけれども、やはり私としては、公立高校、無償化は今されていますが、私立の無償化ではなくて公立を魅力あるものにするものに更なる予算をかけていただきたいというふうに思います。

 次に、定員割れに関しての懸念について御質問させていただきます。

 高校無償化を先行して導入してきた大阪府では、公立高校の志願倍率の低下や定員割れが続き、統廃合も進んでいるという指摘がなされております。例えば、かつては地域を代表する進学校であった大阪府の寝屋川高校、この志願倍率が大きく低下して、いわゆる寝屋川ショックと呼ばれる事象が地元で大きな議論となったそうです。もちろん、少子化の影響など複合的な要因はありますが、私立高校の授業料の実質無償化が公立高校の志願動向に影響を与えているのではないかという指摘もございます。

 都市部において公立高校の統廃合及び定員割れが顕著に表れている、大阪の府立高校の約半数ではもう既に定員割れを起こしているというふうに事実としてデータが出ておりますが、これについてどのようにお考えでしょうか。

松本(洋)国務大臣 一般論として申し上げますと、私立高校の授業料に対する支援を拡充し、私立高校への志願を希望する生徒が増加をした場合、公立高校への志願者数が減少する可能性があるなど、公立高校への一定の影響があるものと考えられます。実際、地方団体からは、今般の制度の見直しによりまして公立高校への影響が生じるのではないかという懸念が示されております。

 公私立どちらにかかわらず、各高校において教育の特色化、魅力化に向けた環境整備を図ることが必要でありますが、公立高校は、多様な背景を有する生徒の様々な学習ニーズに応える役割も果たすとともに、地域が求める人材育成などの観点から高校教育の普及と機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在であると考えているところであります。

 繰り返しになって恐縮でありますけれども、当然、それぞれの各都道府県、地域によって置かれている状況というものは様々であります。大阪や東京が置かれている状況と、また地方が置かれている状況というものも大きく違うということがございます。

 そうした意味では、政府の方で、昨年の基金、そして今年の令和八年度予算、こうしたところに計上している様々な予算というものを、しっかりと各都道府県ではこれをお使いいただきたいと思いますし、グランドデザインに基づいた計画策定というものをそれぞれの地域にふさわしい形で是非仕上げていただきたいし、文部科学省として、それに伴走をして支援をしてまいりたいと思います。

吉川委員 大阪府教育施策の特徴としては、定員割れが続く高校に関しては、三年続くともう統廃合の対象、高校再編整備計画に基づいて統廃合が進行して、この二十年余りで公立高校はおよそ四十校廃校となって、現在、府立高校の全日制は百五十四校まで減少をしているという状況です。特に都市部では定員割れが相次いで、公立高校の再編、統廃合が進んでおります。

 先ほども申しましたが、公立高校というのは制度上の制約も多く、そして、施設の整備や広報などの面で、資金力を持つ私立高校とは同じ条件で競争することは容易ではありません。教育の多様性というものは重要ですが、結果として公教育が弱体化することになれば、本来の政策目的とは逆の結果になりかねないのではないでしょうか。

 大学について考えますと、高校とは逆に、私立ではなく国公立の方が人気であるという側面があります。これは、もちろん学費のこともそうですが、国公立にしかない研究というものがあるからではないでしょうか。

 だからこそ、公立高校を無償化して私立と安易に競争させるのではなく、しっかりと、もちろん予算をかけていることも重々承知しておりますが、特色のある高校づくり、これを私としては先に行っていただきたいというふうに思います。

 先ほど大臣からも、都市部には都市部、地方には地方のそれぞれ抱える無償化に関しての問題点があるというふうなお話がありましたが、特に離島に関しては、そもそも島に高校が一つしかない。そういった状況がありますと、私立高校の無償化が進んで私立の学校に行きたいと志願する子供たちが増えてしまえば、もう高校の時点で島を出てしまって、島に戻る子供たちがいなくなる、つまりは若者の担い手を失ってしまう。これでは、国境離島を守る担い手というものが確保ができないのではないかというふうに感じます。

 だからこそ、私は、それぞれの地方都市に、それぞれの地域の特色、あるいは文化であったり、一次産業、技術の習得といった、就職先も、しっかり出口となるような人材育成、そういったものを行うことであったり、高校卒業後の進路、これをセットにしていくことで。プラスアルファ、やはりお給料のことも考えなければなりません。やはり大卒だったら給料が高いということで大学に進学する若者たちがたくさん増えておりますから、そういった地域それぞれの高校を卒業して技術を習得した後にも、大学卒業と同じ程度のお給料が確保できるというような、これは国としてでしか後押しはできないと思うんですね。

 なので、そういったところもしっかりと踏まえて、これでやはり若者の労働力確保をしていくということで、労働力不足の充足。今、ホワイトカラーに非常に多くの若者たちが進路として進みたいという思いがある一方で、ブルーカラーに進みたいという若者がどんどんどんどん減ってしまい、そこに外国人労働者の方をどんどんどんどん補充していこうというような国の政策も進んでおります。ですので、こういったところも踏まえて是非お考えいただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 昨年、私、石川県の能登町に行ってまいりました。そこでは、先ほどちょっと御紹介をいたしましたけれども、公営塾というものをやっておりまして、いわゆる高校生の学習支援を、町がお金を出して、ある意味塾みたいなものをつくって放課後の学習支援等を行うという施設に行ってまいりました。

 そこでお話をお聞きをしたのは、その取組によって、それまでは、能登町には残念ながら学習塾とかが人口が少なくてなかったものですから、大学受験を目指して、もう中学卒業段階から残念ながら能登町から出ていってしまう高校生が非常に多かったというお話がある中で、その公営塾というものができ上がって、そこで学校外の教育というものも受ける機会を得ることによって高校生が能登町に残るようになった、そして、その経済効果というものは税金で投入したものよりも大変大きいものがあったし、町の活性化にも大いにつながったというようなお話をいただいたところでもあります。

 こうした制度というものも是非うまく活用をしていただきたいというふうに思っておりますし、また、専門高校が一番多いのは多分宮崎県だと思いますが、畜産であったり水産であったり農業であったり、ただ、残念ながら、そういう専門高校、今、例えば農業でいえば、GPSを使って、高度な技術を使ってトラクターが無人で動いたりとか、いろいろなそういう新たな技術というものを実際の仕事をする前には身につけておくことが大変大事なわけでありますが、じゃ、そういう機械が実際にそういう専門高校に存在をしているのかというと、なかなかお金がなくてそういう整備ができていないというようなお話も聞かせていただいている中で、今回の基金、またこれからの予算を通じて、それは各都道府県の計画に基づいて、そうしたところに予算、そして、その機械でありますとか勉強のための設備というものも配備をしてもらいたい、そういうことをお話をさせていただいているところであります。

 人口が減少をしたら、子供の数が減ればその分単純に統廃合をすればいいという話ではなくて、子供たちのアクセスをどう確保していくのかというような観点もこのグランドデザインの中ではしっかりと盛り込ませていただいた上で、各都道府県には計画を策定してほしいということをお願いをさせていただいております。

 まさに今おっしゃられたような離島、また過疎地、子供たちの数が減っている、こうした様々な状況の中でも、その地元地域を維持するために必要な教育施設というものは、これからも都道府県がしっかりと計画を作った上でそれらを守り抜いていく、そして、我々も伴走をし、そして、国としてもそこに対して支援を予算面でもしっかりとやっていく。こういうことをグランドデザインの中でしっかりとお示しをした上で、今、各都道府県で計画を作っていただいているということであります。

吉川委員 ありがとうございます。

 それでは最後に、高校無償化の対象について伺います。

 今回の制度では、無償化の対象として、我が国へ定着することが見込まれない在留資格者は対象外にするとの説明がなされています。

 そこで、まず確認いたします。

 政府が言う我が国へ定着が見込まれない在留資格者とは、具体的にどの在留資格を想定しているのか、明確にお示しください。

松本(洋)国務大臣 新たな高等学校等就学支援金制度におきましては、将来の我が国社会を支え得る者になり得ると考えられる者を支援の対象として考えており、日本国籍を有する者に加え、在留期間が無期限である特別永住者や永住者等の在留資格を有する者を対象とすることとしております。

 加えて、家族滞在の在留資格を持つ者につきましては、小中学校を卒業した者であって、将来我が国で就労、定着する意思があると認められるなど一定の要件を満たすものは法律上の支援の対象とすることとしているところであります。

吉川委員 ありがとうございます。

 家族滞在の在留資格を持つ生徒のうち、将来日本で就労して定着する意思というのは、どのような基準で確認をするんでしょうか、教えてください。

松本(洋)国務大臣 その就労の意思ということでありますけれども、未来のことでありますから、それはなかなか、職業選択の自由とかいろいろなものもあって、現時点においては自己申告という形で確認をするという形を想定しております。

吉川委員 自己申告というところで、非常に今曖昧な御回答となりましたが。

 私たちとしては、今回、高市総理も、移民政策はゼロベースで見直すといったお話が総理になられる前にはあったかと思うんですけれども、前回の質問でもさせていただきましたが、特定二号の受入れに関しては上限がなしと。この特定二号は、家族帯同が可能というふうになっております。また、技人国のビザであったり、経営・管理ビザで入ってこられる方々の外国人の方にも、家族帯同というのが可能になってきます。でも、やはり、これから外国人労働者の方が増えていく中で、子供たちの数もどんどん増えていくのではないか、そういった懸念もあります。

 やはり、移民政策を取らないというふうに政府は言っておられますが、実質的には、高校の無償化に関しても、将来、我が国日本で働いていく、就労する意思がある子供たちに対しても無償化をしていくといったところで、実質的に移民政策を推進しているのではないかというふうに私は感じるんですが、この辺り、総理、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 それは、様々感じ方はあるかと思いますけれども、先ほど来文科大臣が説明をしたとおり、しっかりと意思確認。これは自己申告ではあるけれども、やはり働いていただくこと、これを前提にしているわけでございます。そして、家族の帯同でございますけれども、これについても、かなり、要はハードルの高いものでございます。

 とにかく、ちゃんと日本で税金を払い、また保険料を払っていただく、こういったことも含めて、日本人が不公平感を感じない、そういう外国人との共生の在り方をつくるために、初めて高市内閣で外国人政策の担当大臣を置き、そして、ちょうど解散の日でございましたけれども、基本的な方向性もお示しし、今できることから一つずつやっていっている、そういう状況でございますので、何か移民政策を進めている、こういう誤解を招く表現は避けていただけるとありがたいと存じます。

吉川委員 ありがとうございます。

 やはり、多くの国民の皆様が、こういった在留資格の上限を持たないことによって、たくさんの外国人の方がどんどんどんどん増えていくのではないかという御懸念がございますので、しっかりと、これから先の日本の未来のための若者の育成にもっともっとしっかり予算をかけていただくことをお願いしたいというふうに思います。

 我々参政党は、教育は単なるサービスではなく、国家の未来をつくる公共の基盤であるというふうに考えています。私たちは、教育の機会を広げることは重要である一方で、教育の質であったり、地域の公共性を守ること、そして国家人材の育成という観点から、同時にこれを守っていくということが必要であるかと考えております。

 だからこそ、この高校無償化という制度の効果と課題について、高市総理はどのように検証し、これからの日本の公教育全体の質の向上をどのように図っていくお考えか、お聞かせください。

高市内閣総理大臣 いわゆる高校無償化は、子供たちが自ら希望する高校を選択できるようにすることで、多様で質の高い教育を行うということを目指すものです。ですから、高校無償化と、高校教育の質の確保、向上、これは両輪で進めていくということは当然でございます。

 先ほど来文部科学大臣から、グランドデザインも含めて詳しい説明がありましたので、そこは割愛いたしますが、高校教育が我が国の地域や産業の発展を支える人材育成といった役割を十分果たすことができるように取組を進めてまいります。

 なお、高校無償化の実施による影響につきましては、これは検証を行いながら、必要な制度の見直しも行ってまいります。

吉川委員 ありがとうございます。

 しっかりと見直しも踏まえてやっていかないと、私としては、この公立高校、そして私立高校の無償化が、公立高校の民営化になっていくのではないのかなという懸念を感じています。

 この辺り、総理、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 民営化の意図するところがちょっとよく私は分からないものですから、どういうふうにお答えをしていいのかというのはありますけれども、引き続き、国そして自治体が責任を持って子供たちに対して教育を提供をしていく、そうした責務を果たしてまいりたいと思います。

吉川委員 先ほどから申しましたが、やはり、私立の学校と競合させることによって、公立高校が定員割れを起こしてしまったり、それぞれの地域の中での公共インフラとしての設備を守ることができなくなってしまったり、子供を守ることができなくなってしまう、そういった非常に大きな懸念点があるんですね。

 私として最後に総理にお尋ねしたいのは、これは石破政権下で三党合意になったお話だと思うんですね。総理として……

坂本委員長 申合せの時刻が迫っております。

吉川委員 この高校無償化というところについて、これは三党合意になって元々決まっていたものだから進める、いわゆる、総理として余り思い入れのない政策じゃないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

坂本委員長 内閣総理大臣高市早苗さん、簡潔に答弁をお願いします。

高市内閣総理大臣 それはもう既に進めていることでございますし、日本維新の会との連立政権の合意でもあります。真剣に取り組んでいるたくさんの方々に、思い入れがないなどと言ったら大変失礼なことになります。

 とにかく、高校の教育の質の向上、そして多くの方々の学びの機会の保障、そういった観点から取り組んでまいりたいと思っております。

吉川委員 時間なので終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて吉川さんの質疑は終了いたしました。

 次に、高山聡史君。

高山委員 委員長、ありがとうございます。

 本日は、まずエネルギー安全保障についてお伺いいたします。

 今回のイラン情勢が日本経済に与える影響として最も直接かつ深刻なのは、エネルギー供給の問題であるというふうに思います。先ほど後藤委員からも第三次オイルショックというワードもありましたが、我が国は原油輸入の九割以上を中東に依存をしており、その主たるルートであるホルムズ海峡周辺で既にタンカーへのミサイル攻撃という事態があったわけであります。石油タンカーの航路における情勢不安というのは既に現実のものになっているというふうに思います。

 そして、先日、赤澤大臣がサウジアラビア、UAE両国のエネルギー大臣との会談をされて、安定供給への協力を求めるということをされたと承知しております。両国からも前向きな回答を得ているというふうに承知をしておりまして、こういった迅速な対応というものは大変すばらしいものだと思います。ただ、これはあくまで現状の供給の継続ということを確認したもので、今後事態が長期化であるとか深刻化した場合の備えというのはまた必要なのではないかと思います。

 そこで、総理にお伺いいたします。

 今回の事態を受けて、例えば石油備蓄の積み増しであるとか、LNGの調達先の多様化支援であるとか、再生可能エネルギーや電力安定化への投資の前倒しといったエネルギー安全保障に関する予算について、現行予算であるとか予備費の枠内での対応ということはおっしゃっておりますが、それを超えた積み増しであるとか組替えが現時点では必要ないという御判断でありましょうか。仮に、今後検討に値するというケースがあるならば、そのタイミングであるとか規模感についてもお考えを伺いたいというふうに思います。

高市内閣総理大臣 我が国の最優先課題であるエネルギーの安定供給の確保のため、政府として、徹底した省エネルギーですとか、化石燃料の調達先の多角化、備蓄の整備、再エネや原子力といったエネルギー安全保障に寄与する電源の最大限の活用などを進めてまいりました。その上で、現在の中東情勢を踏まえますと、いざというときに備えた石油の備蓄、LNGの代替調達に必要な国際協力体制の構築の重要性、これを改めて認識をいたしております。

 既に高市内閣では、活発な資源外交を展開しております。そしてまた、エネルギー安全保障に資する技術の社会実装に向けた取組も進めております。我が国のエネルギー安定供給確保に万全を期していくため、まずはエネルギー・資源安全保障の強化を盛り込んだ経済対策や令和七年度補正予算を着実かつ迅速に執行するということとともに、令和八年度予算及び関連法案の早期成立をお願いしたいと考えております。

高山委員 ありがとうございます。

 エネルギー安保に係る予算というのは、危機が顕在化してから動くとしても、調達であるとか整備に時間がかかるものであるというふうに思います。是非先手で、予算措置に関する検討というのは今後も御検討をいただきたいというふうに思います。

 次に、総理の外交における役割についてお伺いしたいというふうに思います。

 二〇一九年六月、当時の安倍総理がイランを訪問されました。これは実に四十一年ぶりの日本の現職の首相による訪問で、当時、イラン側がトランプ大統領との対話に応じないという中で日本が仲介の役割を果たす、そして、同年十二月にイランの大統領が来日されるということになったというふうに記憶をしております。こういった日本とイランの長年築いてきた関係というのは大変意義深いものであるというふうに思います。

 今回の状況が過去のものと何か直接に重ね合わせられるものでないということは承知をしておりますが、対米国、対イラン、そしてカタールやオマーンを始めとする中東の諸国、そういった関係において日本固有の外交的な役割を果たすことで、何か大きな意味を持てるのではないかと私は考えております。

 そこで、総理に二点お伺いしたいと思います。

 まず一点目は、日本がこれまで長年関係を築いてきた対イランの外交チャンネルというものが足下の状況変化を踏まえてもなお有効であるのかを含め、現在の中東外交の状況というものを総理がどのように捉えられているかということ、現状認識を伺いたいと思います。

 もう一点。二点目は、対米あるいは対イランにとどまらず、G7であるとか、先ほど申し上げた中東諸国であるとか、こういった幅広い外交の文脈の中で我が国が、あるいは高市総理が果たされる外交的役割をどのように考えておられるか、そういった積極的な役割を担う思いがあられるかというところを是非お聞かせください。

高市内閣総理大臣 それでは、まずイランについて申し上げます。

 我が国は、地域の大国であり、豊富な天然資源を有するイランとの間で長年にわたる関係を築いてまいりました。

 今般の事態発生後ですが、同盟国である米国との間で緊密に意思疎通をするということもしておりますが、イラン政府との間でも、東京及びテヘランの双方で必要なやり取りを継続しております。

 他方で、現在、米国とイスラエルとイランとの間で攻撃の応酬が周辺国も巻き込む形で拡大しており、様々な人的、物的被害が発生しています。我が国としては、イランが国際社会の懸念にしっかりと応えて中東地域の平和と安定のために建設的な役割を果たすことが情勢の鎮静化につながり、ひいてはイラン国民の皆様の平穏な生活の回復にもつながっていくと考えております。こういった考え方は、様々なルートでイラン側にお伝えをしてまいりたいと思っております。

 それから、イランによる核兵器開発については、決して許されないというのが我が国の一貫した立場です。その上で、我が国は、従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してまいりました。これらの基本的価値や原則については、FOIP、自由で開かれたインド太平洋の中核的な理念であります。法の支配を重視する我が国の立場については、FOIPの推進も通じて国際社会にしっかり発信してきました。先週の首脳外交においても、ここをしっかりと確認いたしております。

 イランをめぐる情勢につきましても、こうした立場を踏まえながら、事態の早期鎮静化に向けて、国際社会と連携しながら、我が国として積極的な外交努力を行ってまいります。既に積極的に外交努力はしているつもりでございます。率直な意見交換に加えて、資源・エネルギー安全保障の観点からの交渉も続けております。

高山委員 ありがとうございます。

 積極的な役割を果たされる意思というところ、大変重い言葉をいただいたというふうに思います。紛争の状況が複雑化あるいは長期化する中で、対話のチャネルというものは非常に重要なものだと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 続いて、経済財政政策についてお伺いいたします。

 イラン情勢の長期化が仮に現実のものとなった場合、我が国経済への影響は大変深刻になるおそれがあるというふうに思います。先ほどエネルギーの話もございましたが、エネルギー価格の高騰によるコストプッシュ型のインフレ。本日時点で既に原油の価格というのが一バレル百十ドルという水準に至ったというふうに聞いておりますが、原油価格の水準が一バレル百ドルを超えるという水準が続くと、我が国経済に対しても、成長率の押し下げ効果であるとかあるいはインフレが確実に進んでいくということになるかと思います。

 もう一つ、金融市場の混乱ということも大きな懸念事項で、まだマーケットは、早期に終結するというシナリオと長期化するというシナリオ、両方、揺れるところがあるかと思いますが、長期化シナリオが織り込まれていく中で、株安のリスクもより顕在化をしていくというふうに思います。

 こうした状況が重なると、まさに物価が上がりながら実体経済も株式市場も悪化をして、いわゆるスタグフレーションと申しますか、非常に抜け出すのが難しい状況に陥りかねないということを懸念をしております。そうしたときに財政出動ということが必要になるわけですが、財政への信認が問われる形になってしまうと、更に長期金利の上昇であるとか円安が進む悪循環に陥るというリスクもございます。

 我々、来年度予算を議論する中で、元々は、実質賃金もプラスに転じて内需もしっかり回復をしていく、こういった前提の下、議論をしてきたわけでございますが、そのシナリオ自体が大きく狂うというリスクがある状況だと認識をしております。

 その上で、総理にお伺いしたいのが、仮に景気が急激に冷え込むということがあった場合に、政府として発動できる経済財政政策の余地をどう捉えておられるかというところ、例えば財政出動のタイミングであるとかその判断基準、日銀との連携等の考え方について、改めて総理の考え方を伺いたいというふうに思います。

高市内閣総理大臣 今御議論いただいております来年度予算について、この大きな方向性について変更は考えておりません。何としても強い経済をしっかりとつくっていく、そして、税率を上げずとも税収が増えていく、そういった姿をつくっていく。そうでなければ社会保障も含めて日本の国内はなかなか回っていかないと思っておりますので、その方向性をお示ししている政策については変わりません。

 ただ、中東情勢による日本経済への影響ということですが、現時点で、これが短期で終わるのか中長期化するのか、予断を持って判断するということは困難です。ですから、まずは、物価高対策、それからエネルギー・資源安全保障の強化を盛り込んだ経済対策、令和七年度の補正予算を着実かつ迅速に執行するということが重要です。エネルギー・資源安全保障の強化については、かなりしっかりとした施策を盛り込んでまいりました。それから、令和八年度予算及び関連法案の早期成立を図っていただくということについても重要だと考えております。

 その上で、政府としては、原油価格等の動向、これはしっかり見ております。また、世界経済の動向、それに伴う国際貿易、物流、エネルギー価格などを始めとした物価への影響、これをしっかり注視し、必要な対応については相当なスピード感を持って手を打ってまいります。

高山委員 ありがとうございます。

 今いただいたことに対して、是非一点御提案させていただきたいというふうに思います。まず政府内々にということでも構わないかなと思うのですが、あらかじめ、どういう状況になったらどういう打ち手を打つかというところの御検討を是非深めていただきたいというものでございます。

 例えば、今もありましたが、原油価格がどういう水準になったら何をするということであるとか、あるいは、実質賃金がどの程度低下をしたらそれに対する打ち手を打つであるとか、日銀との政策協調、どのタイミングでどういうコミュニケーションをするかであるとか、これは日頃からシミュレーションされていることとは思いますが、改めて、それが現実のものになる可能性が高まっているというふうに思いますので、そういったシナリオプランニングというところは是非お願いしたい。それを、今この場で具体的な数字をと申し上げると、よりややこしいというところもあるかと思いますので、検討をしっかりしていただいた上で、あるべき枠組みの在り方についても議論は深めさせていただきたいというふうに思います。

 加えて、もう一点。やはりそういった、スタグフレーションであるとかあるいは経済的な危機に近い状況においては、短期に対する対応ということがよりプレッシャーがかかる状況であると思いますが、来年度予算でも中長期に向けた取組ということは我々議論をしてきたわけで、それに関する御質問を続いてさせていただきたいというふうに思います。

 まず、危機的な局面で財政にも圧迫がかかると、最初によく見直しの俎上に上がりやすいのが、すぐに効果が見えづらい、ある意味での中長期的な戦略投資ではないかというふうに思います。足下の痛みが大きければ大きいほど、そして緊急度が高ければ高いほど、今すぐ効果が見えないのであれば一旦落ち着くまで後回しにするという政治的な圧力が高まるということは、これは国内外を問わず、過去、経済危機であったりとかあるいは安全保障上の緊張状態に陥った国では多く繰り返されてきたパターンではないかなというふうに思います。

 一方で、その都度そういった戦略投資が後回しにされると、危機が落ち着いた後に、その間競争力を失っていたというような国もまた多くあるのかなというふうに思います。例えば、リーマン・ショックの際も、各国の対応によってその後の競争力には差が出てきたのではないかなというふうに思います。当時、RアンドDの投資であるとかインフラ、教育、そういった投資を維持できたかどうかというところで、危機以降の回復であるとかあるいは成長というところに差が出てきたものというふうに認識をしております。そこで戦略投資を削ってしまうと、危機自体は乗り越えても総体的にじり貧になってしまうということが懸念をされる。

 高市政権においては、まさに責任ある積極投資ということで、戦略的投資はやり切るんだということをおっしゃっておられます。未来にしっかりと投資をするということは、我々チームみらいとしても強く共感をするところでございます。そして、今回のイラン情勢というものは、まさに危機管理投資の意義というものも浮き彫りにしていると思います。純粋な経済的価値、経済的な意味での投資ということに加えて、危機に際して強い日本にするということですね。

 そこで、総理にお伺いしたいと思います。

 今回、中東情勢が長期化、あるいは経済的な意味で悪化をして財政への圧力が高まるという局面が訪れたとしても、高市内閣が掲げる戦略的投資の方針は変わらないということをおっしゃっていただけますでしょうか。是非決意を伺いたいと思います。

坂本委員長 内閣総理大臣高市早苗さん、申合せの時間が迫っておりますので、簡潔にお願いいたします。

高市内閣総理大臣 中東情勢が経済に与える影響について、現時点で予断を持ってコメントすることはしません。

 その上で、我が国の経済の成長に向けて圧倒的に足りないのは資本投入量です。すなわち国内投資ですから、その促進に徹底的なてこ入れをしていく考えは変わりません。つまり、産業政策の大競争時代に世界が突入している中で、我が国が経済成長を実現するために必要な財政出動をためらうべきではないと考えております。

城内国務大臣 お答えします。

 今、高市総理がお答えしたことに尽きると思いますけれども、いろいろな具体的な中東情勢の影響について予断を持って具体的なコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、政府としては、原油価格等の動向あるいは世界経済の動向、そしてそれに伴う国際貿易、物流、エネルギー価格を始めとした物価への影響などをしっかり日々注視しておりますが、必要な対応につきましては、必要が生じたらスピード感を持って手を打っていくということであります。

 いずれにしましても、引き続き、中東情勢が経済に与える影響を注視し、経済、物価動向においてしっかり対応してまいりますし、政府としては、成長戦略、十七の分野についてやっていくということについては、この姿勢については全く現時点では変わりはございませんので、しっかり、高市内閣の成長改革の肝である危機管理投資、成長投資については取り組んでまいります。

 以上です。

高山委員 ありがとうございます。

 国内投資が足りないという状況をしっかりと変えるんだということ、そして、十七の分野の投資をやり切るという高市総理そして城内大臣のお言葉、しっかりと受け止めさせていただきたいというふうに思います。

 まさに、投資が途中で中途半端な形になるのではなく、しっかりと実施をされるということ、そして、その投資の効果に対してしっかりとした検証がなされて、次年度以降もそれが健全な形で継続をされるということが、我が国の成長に対して欠かせないものであるというふうに思います。

 チームみらいとしては、成長投資のアクセルをしっかり踏むということと、そして、その内容の科学的な検証がなされて、さらに、どこをアクセルを踏んでどこにブレーキをかけるかという議論を是非今後ともさせていただきたいというふうに思います。こういった危機に際して、それを変革のきっかけであるとか、あるいは、こういった状況においてもしっかりとやり切れるんだということを国内外に示すということに大変大きな意義があるものであると私は認識しております。今後ともよろしくお願いいたします。

 これで私の質問を終わります。

坂本委員長 これにて高山君の質疑は終了いたしました。

 次に、田村智子さん。

田村(智)委員 日本共産党の田村智子です。

 アメリカとイスラエルはイランへの大規模な攻撃を続け、子供を含む民間人が多く犠牲となっています。この無法な戦争のさなかに日米首脳会談が行われることになるでしょう。

 二日の予算委員会で総理はアメリカとイスラエルを一言も批判をしませんでしたが、しかし、私の、このイラン攻撃は国連憲章違反ではないのかという指摘を否定することはできませんでした。

 ならば、二点お聞きいたします。

 一つは、日米首脳会談でトランプ大統領にイランへの攻撃の中止を求めるべきではないのか。そして二つに、イラン攻撃に関わって日本に協力を要請された場合、アメリカの軍事行動への一切の協力を拒否すべきではないのか。総理、お答えください。

高市内閣総理大臣 これから行う日米首脳会談に関する問いでございますけれども、来る日米首脳会談においては、イラン問題を始めとする中東情勢や厳しさを増す国際情勢についても我が国の立場や考えを伝えるとともに、じっくりと議論を深めてまいりたいと思っております。

 同盟国である米国との間での緊密な意思疎通というのは極めて重要でございますから、日頃からあらゆるレベルでやり取りを行っています。その上で、立場の伝達や働きかけについては、対外的な発信だけではなく、二国間で外交上の意思疎通など様々な形があると考えますけれども、我が国としては、米国との間で、様々な国際情勢について最も適切と思われる形で意思疎通を行ってきておりますので、今後もそのようにしていきたいと考えております。

田村(智)委員 私が求めたことに対する答弁にはなっていないんですよね。

 いかなる理由があろうとも、先制攻撃で国家元首を殺害する、あるいは病院や学校を攻撃する、これはどこから見ても国連憲章、国際法違反、明らかなんですよ。平和の国際秩序を壊すな、こういうふうに求めることは、私は日本の平和を守る上でも不可欠なことだと思います。

 そして、日本には、国際紛争の解決を武力によって行ってはならないという憲法九条があります。こうした立場でアメリカに対して物を言わなければならない。その姿勢が全くない。私は、これは主権国家と言えるのかという事態だと思います。

 更にこの立場で質問を進めていきたいと思うんですけれども、今日は、米軍基地、沖縄の問題を質問したいんです。

 沖縄の普天間基地は、一九九六年の橋本・モンデール会談で日米両政府が普天間基地返還を合意してから来月十二日で三十年になります。世界で最も危険な基地だと政府も認めながら、普天間基地はアメリカ軍の勝手放題で使われていて、米軍機の墜落、深夜、早朝を含む騒音、事件、事故、この三十年間何も変わっていません。

 沖縄の地元紙は社説で、普天間騒音激化と報じています。宜野湾市の基地被害一一〇番への苦情は、二四年度は三百四十一件でしたが、二五年度は一月末までで既に九百三件、過去最多となっています。飛行機が飛ぶたびに三歳の孫が泣いている、とてもうるさくて子供たちも学校で勉強ができないと言って困っている、戦闘機が五、六機飛んでうるさくて眠れない、宜野湾市のホームページにはこうした市民の悲痛な声がたくさん掲載されています。

 総理にお聞きします。

 九六年の日米合意では、五年ないし七年以内に返還とされていたんですよ。これは当時の橋本総理大臣が沖縄に示した約束でもあります。ところが、三十年何も変わらない。一体、普天間基地はいつ返還されるんでしょうか。

小泉国務大臣 今、田村先生から様々御説明がありましたけれども、普天間飛行場をめぐる問題の原点は、市街地に位置していて、住宅や学校で囲まれていて、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の危険性を一日でも早く除去することであります。普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これは政府と地元の皆様との共通認識であると思います。

 代替施設の建設抜きに普天間飛行場の無条件撤去を求めるということは、現下の安全保障環境と抑止力の観点からは同意できませんし、今お話がありましたとおり、この普天間の危険性の除去を進めるためにも、普天間の持っている機能の三つを岩国や新田原、築城、そして辺野古、こういったところに移転をする形で、普天間の返還とそして辺野古への代替施設の建設、これを着実に進めていくというのが政府の立場であります。

田村(智)委員 質問に答えていないんです。

 九六年には五年ないし七年以内に全面返還、二〇〇六年の米軍再編ロードマップ合意では代替施設は二〇一四年までの完成が目標、二〇一三年の沖縄統合計画では二〇二二年度又はその後に返還可能と、曲がりなりにも政府は期日を示してきました。それが今やお答えにならない。いつになるか分からないということですよ。それはなぜか。辺野古が唯一だと、完成不可能な工事にしがみついているからです。

 昨年一月から大浦湾側の軟弱地盤の改良工事が始まりましたが、台風などの影響で半年間中断し、今のペースでは軟弱地盤の工事だけで十五年はかかることになります。その後も埋立土砂の投入や飛行場施設の建設などが待ち構えています。しかも、海面下九十メートルの軟弱地盤に対して地盤改良のくい打ちは海面下七十メートルまでしかできないので、完成後も沈み続けることになります。計画の破綻は明らかなんですよ。

 もう一度聞きます。普天間基地の返還はいつになるんですか。

小泉国務大臣 普天間飛行場代替施設建設事業の工期についてお答えさせていただきますが、変更後の計画に基づく工事に着手してから工事完了までに九年三か月、提供手続の完了までに約十二年、これを要する旨御説明をしてきております。

 普天間飛行場の具体的な返還時期につきましては、完成後における部隊の移転などのプロセスを考慮した上で決定されるものですが、提供手続完了後、早期に普天間飛行場の全面返還が実現できるよう、引き続きアメリカと緊密に連携してまいります。

田村(智)委員 今言われたのは、軟弱地盤の工事が半年も中断し、このペースでは十五年かかりますよという指摘の前の話なんですよ。破綻しているんですよ。破綻しているんです。

 この辺野古新基地については、アメリカの会計検査院が滑走路の長さが短いことを指摘して、国防総省は、辺野古基地完成後も別の長い滑走路が沖縄県内で確保されない限り普天間は返還されないと正式に見解を示して、沖縄県民の新たな怒りを呼んでいます。アメリカ軍にとっては、県民の命と生活が脅かされているということは関係ないんですよ。使い勝手のよい普天間基地を使い続けたい、この本音があらわになっていると思います。

 そして、日本政府は、完成のめどもなく延々とこの辺野古の工事を続けることで、どうぞ普天間をお使いくださいと、いわば県民を犠牲にしてアメリカ軍に貢献しているのと同じではないでしょうか。

 私は総理に聞いています。総理、普天間基地はいつ返還されるのか、沖縄県民に説明してください。

小泉国務大臣 まず、先ほど田村先生が、アメリカ側の最近の報道など、こういったお話をされていますが、あたかも何か新しい論点が生じたり新たな条件が付されたりしたかのように取り上げられていますが、全くそのようなことはなく、これまでと何も変わりはありません。

 また、アメリカは、二国間の合意に沿って条件に基づく米軍再編を継続するとの見解を示しております。日米間の認識に全くそごはありません。

 そして、先ほど御発言の中で、まるで延々と続けることを意図したかのような、今までの政府の取組について言及がありましたけれども……

坂本委員長 時間が迫っております。

小泉国務大臣 それは、今まで返還に向けて、基地負担軽減に向けて本当に必死の、懸命の努力を重ねてきた方々に対する少し失礼なこともあるのではないかなというふうに私は思っています。

 着実に、返還に向けて、そして基地負担軽減に向けて努力を重ねてまいりたいと思います。

高市内閣総理大臣 時期については、先ほど防衛大臣が答弁をしたとおりでございます。これは、地盤改良工事の追加等に伴う工事計画の見直しの検討結果を踏まえて、経費の概略とともに二〇一九年十二月に工期を公表したものでございます。

 普天間飛行場の具体的な返還時期についてでございますけれども、これは、先ほど見通しについて防衛大臣が答弁をしましたが、辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づいて着実に工事を進めていくということが、一日も早い全面返還を実現し、危険性を除去することにつながると考えています。

 辺野古移設反対、反対とおっしゃり続けて、しかも普天間飛行場の危険性を排除してくれというのは、なかなか困難な話であると考えます。

田村(智)委員 三月六日、名護市の野球場で少年チームが野球の練習をしているさなかに、突然、普天間基地所属の米軍ヘリが緊急着陸して子供たちが避難するという事態が起きました。いつ重大事故が起きてもおかしくない。いつまで普天間基地を使わせるのかが問われているんですよ。

 返還時期がいつかということを一切答えられない。そして、そもそも普天間基地の返還の合意は、九五年の米兵による少女暴行事件への島ぐるみの怒りが出発点だったのに、アメリカ兵による性犯罪もいまだに後を絶たない。私が聞いているのは、これが主権国家の姿なのかということなんですよ。

 普天間基地は直ちに運用を停止し、無条件で返還をするということを重ねて求めて、私の質問を終わります。

坂本委員長 これにて田村さんの質疑は終了いたしました。

 次回は、明十日午前九時から公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時散会

     ――――◇―――――

  〔参照〕

   派遣委員の鹿児島県における意見聴取に関する記録

一、期日

   令和八年三月八日(日)

二、場所

   城山ホテル鹿児島

三、意見を聴取した問題

   令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算及び令和八年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 坂本 哲志君

       石川 昭政君   石原 正敬君

       小田原 潔君   武井 俊輔君

       とかしきなおみ君   中山 泰秀君

       鳩山 二郎君   三ッ林裕巳君

       長妻  昭君   野間  健君

       池下  卓君   長友 慎治君

       石川  勝君   高山 聡史君

 (2) 意見陳述者

    鹿児島県知事      塩田 康一君

    日本労働組合総連合会鹿児島県連合会会長    海蔵 伸一君

    鹿児島経済同友会代表幹事           岡  恒憲君

    株式会社Farm―K代表取締役        亀割 浩介君

 (3) その他の出席者

    予算委員会専門員    藤井 宏治君

    財務省主計局主計官   山川 清徳君

     ――――◇―――――

    午後二時四十分開議

坂本座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の坂本哲志でございます。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。

 当委員会では、令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算及び令和八年度政府関係機関予算の審査を行っております。

 本日御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようよろしくお願い申し上げます。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。

 会議の議事は、全て衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、自由民主党・無所属の会のとかしきなおみさん、鳩山二郎君、石原正敬君、石川昭政君、小田原潔君、武井俊輔君、中山泰秀君、三ッ林裕巳君、中道改革連合・無所属の長妻昭君、野間健君、日本維新の会の池下卓君、国民民主党・無所属クラブの長友慎治君、参政党の石川勝君、チームみらいの高山聡史君、以上でございます。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 鹿児島県知事塩田康一君、日本労働組合総連合会鹿児島県連合会会長海蔵伸一君、鹿児島経済同友会代表幹事岡恒憲君、株式会社Farm―K代表取締役亀割浩介君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず塩田康一君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

塩田康一君 本日は、坂本委員長を始め委員会の皆様方におかれましては、鹿児島まで大変国会中の忙しい中お越しいただきまして、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。

 それでは、時間も限られておりますので、早速私の方から資料に基づいて御説明を申し上げます。

 資料をめくっていただきまして、本県の概況でございますが、鹿児島県は、離島を含めまして南北六百キロに及ぶ広大な県土に、雄大な桜島や世界自然遺産の屋久島、奄美大島、徳之島などの美しい自然、そしてまた、そこで育まれました豊かな食、温泉、個性ある歴史、文化など、多くの宝物を有している地域でございます。

 特に農業産出額は、令和六年は過去最高の五千六百八十九億円と、八年連続で北海道に次いで全国第二位となっております。特に最近、お茶ですけれども、令和七年産の荒茶の生産量が、昨年に引き続き日本一となっております。そのほか、和牛も全国和牛能力共進会での二大会連続の日本一、また、ブリ、カンパチ、ウナギなどの水産物や、かつおぶし、お茶など、日本一を多く有している地域でございます。

 次のページへ行きまして、こうした農林水産物につきまして、最近特に輸出に力を入れております。令和六年度は約四百七十一億円と、四年連続で過去最高になっております。右側の方に推移のグラフがございますけれども、当初は令和七年に三百億円という目標をつくっておりましたけれども、これがどんどん伸びまして、今、五百億円というふうに引き上げ、そして更に今後は八百億円の達成に向けてビジョンを作っていこうということでございます。

 ただ、四百七十一億円の半分が米国でございまして、トランプ関税の影響等も考慮しながら、米国自身は重要な市場として東部、中南部への販路開拓を進めながら、更にほかの国への多角化、あるいは品目の多角化などを図っていこうということで取り組んでおります。

 次のページでございますが、特にお茶でございますが、荒茶の生産量が日本一になっております。抹茶が世界的なブームになっておりまして、輸出額も米国、EUを中心に大きく増加しております。ただ、この抹茶も、お茶の生産量がなかなか、面積も減っている状況の中で、どういうふうに生産基盤を確保しながら販売、流通、加工、こういったところをしっかりとやっていくかということが課題になっております。

 次のページでございます。この輸出拡大に向けては、やはり販売の促進、販路拡大という取組が大事でございまして、特に新たな市場開拓に向けては、バイヤーの招聘、あるいは輸出先の市場調査、こういったものが必要になってきますので、こういったところについての予算の確保をお願いしたいと思っております。

 また、牛肉、お茶、ブリ、どれもやはり輸出先国の認証制度などがございまして、それに適した生産施設を造らなければいけないということで、食肉の施設についても、鹿児島の和牛の生産者が大分県で屠畜して米国に持っていったりというような実情もあったり、また、碾茶、抹茶の加工施設もなかなか足りない状況で今増やしております。また、水産物も、ブリの輸出などの施設整備、こういったことについての予算の確保をお願いしたいと思っております。

 また、最近、地球温暖化の影響で海水温が、鹿児島の錦江湾でも四度ぐらい平年ベースで上がっていると聞いております。そうした中で、なかなか餌の食いつきが悪かったりということで成長が遅れたりということもございまして、ここにあるような浮沈式ですね、表面よりは少し沈めた方が水温が低い、海中での給餌の技術、こういったことに取り組んでいきたいというふうに思っております。

 次は、観光関連でございます。

 鹿児島県も観光関連産業を基幹産業と位置づけておりますけれども、なかなかコロナ禍前の水準まで、特にインバウンドが戻っておりません。特に昨年は、香港における風評で香港線が運休になったというようなこともあったり、夏場のちょうど八月のお盆の時期に、大雨、台風の影響で宿泊者数が大幅に減少したということで、また更に上海線も運休になっておりまして、今後、インバウンドを中心とした旅行需要の更なる低下を懸念しております。

 次のページ、六ページでございますけれども、国内旅行を中心に、まずは宿泊割引を実施をしております。また、来年度も引き続き実施をしたいと思っております。

 これに加えまして、米国、シンガポール、タイなど、これを戦略的市場と呼んでおりますけれども、直行便以外で羽田や関空、あるいは福岡、こういった空港を利用して鹿児島に訪れるインバウンドの拡大を図りたいということで、まずは、海外の旅行予約サイトと連携して、鹿児島に来たいという人を増やしたいということで、旅前のプロモーションというのをしっかりと行っていく。その上で、羽田から来たり、関空から来たり、福岡から来たりということがあるんですが、ただ、福岡だけ、来る場合には、飛行機の乗り継ぎではなくて新幹線になるものですから、航空会社の乗り継ぎ割引がないということで、この部分については実証的に新幹線の運賃支援を行おうということにしております。

 あと、クルーズ船については、過去最高を更新して、百八十三回と好調になっております。

 こうしたことで、七ページでございますけれども、国の方でも地方の方に観光客をということでございますので、地方、そしてまた鹿児島県は大変すばらしい離島がありますので、そこへの誘客のプロモーションの強化をお願いしたいと思っております。

 また、その際には、やはり離島の航空運賃も高いものですから、交通費の低減対策ということ、それから、先ほど申し上げたようないろいろな災害の多い時期もございますので、そういったものに対応する、地域の事情により実施をするようなプロモーションへの財政支援。それから、あと、クルーズ船が増えていると申し上げましたけれども、クルーズ船に鹿児島県産の食材を供給したいということで、今年度は水産物について実証的に取組をしておりますが、非常にロットが大きくてリードタイムが短いということで、冷凍冷蔵施設などの物流体制構築への支援というのをお願いしたいと思っております。

 次に、八ページがデータセンターの関係でございますが、GX戦略地域制度というのを昨年八月に国の方で創設いただいております。本県においては、薩摩川内市において、国内最大級の三百五十メガワット超のAIデータセンター設置の計画が進みつつございます。そして、このデータセンター集積型GX戦略地域の選定ということで今申請をしておりますが、この制度ができたときにはいろいろな支援策があるということでございますので、その辺の予算措置もしっかりとお願いをしたいと思っております。

 次は、防災・減災、国土強靱化でございます。

 本県は、地理的にもシラス台地に囲まれていて、また半島、離島を多く有しているということで、非常に災害発生リスクの高い地域でございます。これまでも、台風、豪雨、地震、火山噴火など様々な災害がございます。引き続き、道路、河川、港湾整備など更なる国土強靱化対策が必要であります。

 また、特定利用空港・港湾ということで指定をされた空港、港湾が幾つかございます。これについては災害時の迅速な対応にも資するような着実な整備が進むことを期待をしておりますので、よろしくお願いをしたいと思っております。

 次の十ページのところは今申し上げたことを書いておりますが、一点だけ、志布志の国家石油備蓄基地を今日御覧いただいたかと思っておりますが、この肝属川の河口の波見港というのがございますが、航路に土砂が堆積をして支障が生じておりますので、こうした部分のしゅんせつなど、港湾の機能維持向上に係る予算確保についてもお願いをしたいということでございます。

 次が、奄美離島の関係でございますが、本県は二十八の有人離島を有しております。この離島については、様々、奄振であったり離島振興法、有人国境離島法での支援をいただいておりますが、まだまだ改善されていない格差も存在いたしますので、これについて引き続きの支援をお願いしたいと思っております。

 特に離島航路でございますけれども、港湾の整備と併せて、最近は船舶が老朽化していて故障するというものがございますし、ジェットフォイル、屋久島、種子島をつないでおりますけれども、この部分についても老朽化しておりますが、船舶の更新のための船価が非常に高額になっているということでございますので、この部分についての御支援もお願いをしたいと思っております。

 十二ページのところは、今申し上げたこととかぶりますけれども、三島、十島といった非常に財政の小さな規模の島でございますが、ここも港湾の整備というのが重要でございます。是非、御支援をいただきたいというふうに思っております。また、離島はやはり航路がございますので、物価が高く、ガソリンなど、いろいろ国の方で対策をしていただいておりますが、こうした部分についても離島という事情をよく配慮していただければと思っております。

 十三ページのところは、今申し上げたことでございますので、後で御覧いただければと思います。

 十四ページは、地方税財源の充実確保ということで、当県も財政状況が非常に厳しい状況でございますので、国の御支援を引き続きよろしくお願いしたいということでございますが、特に十五ページのところで、一般財源総額の確保充実と併せまして、地方税収の充実ということ、それから教育の無償化ということがございますけれども、制度設計においては、本県の先ほど申し上げたような離島における特殊性ということも配慮をして、安定財源の確保をお願いしたいということでございます。

 そのほか、税財源について、ガソリン税の廃止であったり環境性能割の廃止といったようなことがございます。また、今後は消費税についても議論がなされるということでございますが、消費税減税の議論等においても、地方への影響、これについてしっかりと検討していただきまして、地方の財政運営に支障が生じないように配慮をお願いしたいと思っております。

 最後、十七ページのところは、政府の予算案の成立が遅れた場合には自治体の事業執行に支障が生じることも懸念をされるということでございますので、政府の予算案、それから地方税法及び地方交付税法の改正案等の関連法案については丁寧な議論を行っていただいた上で、是非早期の成立をお願いしたい。

 以上でございます。ありがとうございます。

坂本座長 ありがとうございました。

 次に、海蔵伸一君にお願いいたします。

海蔵伸一君 御指名をいただきました連合鹿児島、海蔵でございます。

 本日は、このような場で私ども連合の意見を表明する機会をいただき、感謝を申し上げます。

 連合は、働くことを軸とする安心社会の実現を目指しておりまして、本日は、働く者、生活者の立場から意見を申し述べたいと存じます。

 初めに、二〇二六春季生活闘争について申し上げます。

 連合は、この間、経済成長や企業業績の後追いではなく、人への投資を起点に経済の好循環を力強く回すことを目指す未来づくり春闘を推進しております。その観点で二六春闘は、日本の実質賃金を一%の上昇軌道に乗せ、賃金が持続的に上昇するという賃上げノルムを確立させる正念場との位置づけでございます。

 これまでの賃上げ状況に触れますと、全体では二年連続で五%台の賃上げが実現しておりますが、労働者の七割とされる中小組合は四%台にとどまっておりまして、物価高を背景に、生活向上を実感している人は少数にとどまっているということでございます。

 このような中、連合が三月五日に公表しました要求集計結果では、中小組合の要求水準が全体を上回っています。この勢いを回答につなげ、日本全体の賃上げの裾野を広げていく、何としても実現したいと考えているところでございます。

 そのためには、中小企業における、賃上げ原資の確保に向けた適切な価格転嫁と適正取引の徹底が重要でございます。しかしながら、中小企業庁の調査では価格転嫁率はいまだ五割、労務費転嫁指針の認知度も六割にとどまっておりまして、労務費を含む適正な価格転嫁は道半ばと捉えております。

 本年一月に施行いただいた取適法の周知徹底と、労務費転嫁指針の公共調達部門も含めた浸透などにより、サプライチェーン全体の強靱化と、そこで生み出した付加価値の適正配分に向けた、取引の適正化の実現を期待しているところでございます。

 次に、公平、連帯、納得の税制改革の実現、とりわけ給付つき税額控除について申し上げます。

 私どもは、二〇一一年に連合第三次税制改革基本大綱を策定して以降、消費税の逆進性対策、税による所得再配分機能の強化、就労支援のため、一貫して給付つき税額控除の仕組み構築を求めてまいっております。有識者の中には、制度設計次第で、時間をかけずに構築が可能との意見もございます。国民会議においては、そうした有識者の意見も踏まえながら、給付つき税額控除の仕組みの早期構築に向けた検討を要請申し上げます。

 なお、給付つき税額控除構築までのつなぎとして、二年間に限り、食料品を消費税の対象から外す案があることは承知をしておりますが、期間を限定した消費税減税は、現場が混乱するだけでなく、減税期間終了後に消費税率を元に戻す際、再び物価が上昇し、実質賃金を押し下げるおそれや、飲食料品を消費税の対象としないということは、高所得者ほど減税の恩恵が大きいとの指摘がございます。給付つき税額控除構築までのつなぎとしては、消費税減税よりも真に支援を必要とする層への給付の方がふさわしいのではないかと考えるところでございます。国民会議での慎重な検討を求めたいと存じます。

 次に、二〇二六年度予算案について申し上げます。

 予算案には、燃料課税の当分の間税率廃止により地方の財政運営に支障を生じさせないための財政措置や、医療従事者の処遇改善のための診療報酬引上げなど、必要な歳出が盛り込まれていると承知をしております。

 その一方、過去最大の税収を見込むにもかかわらず、二十九・六兆円もの新規国債発行を予定するなど、政府が予算策定時に掲げた、歳出構造の平時化に配慮した予算編成とは言い難いと考えておるところでございます。

 また、昨年十二月に補正予算を編成したばかりであることや、会計検査院から、執行内容を十分考慮せずに積み増しされた基金があると指摘されていることを踏まえ、二〇二六年度予算案は、二〇二五年度補正予算と一体として考え、基金の積み増しを始め、その内容を精査し、必要な修正を行う必要があると考えております。

 同時に、利払い費の膨張が政策経費を圧迫しつつあることを踏まえ、財政運営を中期的な視点から評価、監視する独立財政機関を設置し、財政規律の強化と歳出構造の見直しに取り組む必要があると存じます。

 次に、医療、介護、保育など、社会保障サービスを担う人材の処遇改善について申し上げます。

 厚生労働省の二〇二五年の賃上げ実態調査では、賃上げの改定額、率共に医療、福祉が最も低い結果となっています。

 二〇二五年度補正予算による処遇改善策を着実に進めていただきますとともに、他産業との賃金格差の解消を目指し、物価上昇や賃上げの動向を十分に反映した予算措置をお願いしたいと存じます。二〇二六年度予算においては、医療、介護、保育などの分野が魅力ある職場となるよう、更なる処遇改善を求めます。

 次に、働き方改革の見直しについて申し上げます。

 働き方改革の出発点である二〇一七年の労使合意、これを基にした働き方改革関連法の目的は、過労死、過労自死ゼロの実現、多様な人材が活躍できる社会の構築でございます。この間、長時間労働の是正は一定進展しましたが、残念ながら、法施行後六年が経過しても、過労死などの労災請求件数が過去最多を記録しているように、働き方改革の実現にはほど遠い現状にあるのが実態でございます。

 このように、いまだ長時間労働や過労死がなくなっていないことを踏まえれば、働き方改革に逆行する緩和ではなく、時間外労働の上限規制の強化を含め、労働時間規制の実効性を高めていくことこそが喫緊の課題と認識しております。

 また、総理の施政方針演説や、一部の経済団体から拡充の声が上がっている裁量労働制については、厚生労働省調査でも長時間労働になりがちな実態が明らかになるなどの課題があることから、安易に拡充や要件緩和を行えば、長時間労働を助長しかねないと考えております。二〇二四年度改正を踏まえた本人同意、撤回手続、モニタリングの強化など適正運用の徹底こそが必要であり、対象業務の拡充や要件緩和は行うべきではないことを申し上げておきたいと存じます。

 次に、教育について申し上げます。

 教員が子供と向き合う時間を確保し、きめ細かな教育を行うには、教職員の配置増と処遇改善、部活動の地域展開、外部人材の活用を含めた負担軽減など、改正給特法を踏まえた取組を行い、学校の働き方改革を進める必要がございます。

 現在、中学校三十五人学級の実現などを盛り込んだ義務標準法の改正案が衆議院に提出されていると承知しております。学校現場が混乱したり、子供たちが困ったりすることのないよう、年度内の成立を強く求めたいと存じます。

 また、働き方改革の進捗状況の把握も不可欠です。政府は教育委員会を通じて時間外在校等時間を把握するとしておりますが、この調査は、持ち帰った業務の時間は含まれないなどの問題が指摘されています。実態を正確に把握できる教員勤務実態調査を速やかに行い、給特法を更に見直す必要がないか、検討をお願いいたします。

 以上を申し述べ、意見陳述といたします。ありがとうございました。

坂本座長 ありがとうございました。

 次に、岡恒憲君にお願いいたします。

岡恒憲君 鹿児島経済同友会代表幹事の岡でございます。

 本日は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。それでは、早速ではございますが、意見陳述に入らせていただきます。

 本県には二つの基幹産業があります。

 その一つが農業です。本県経済を支える重要な産業であり、本県は、畜産やサツマイモ、お茶など全国有数の農業県であり、二〇二五年の荒茶生産量は二年連続で日本一となりました。農業産出額の約七割を和牛、豚、鳥の畜産で占めています。こうした高い生産力と品質は本県の大きな強みであり、国内市場だけでなく海外市場への展開も一層重要となります。

 そこで、鹿児島の畜産現場が抱える課題について説明させていただきます。

 まず第一に、飼料価格の高騰による経営圧迫です。国際情勢の不安定化や円安の影響により、輸入飼料価格は依然として高止まりしています。自給飼料の確保も天候不順の影響を受けやすく、経営の先行きに不安が広がっています。

 次に、生産コストの上昇と販売価格の不安定さです。光熱費、資材費、人件費などあらゆるコストが上昇する一方、枝肉価格、子牛価格は市場動向に左右されやすく、収益が安定しません。

 最後に、担い手不足と高齢化です。畜産は、労働負担が大きく、若い世代の参入が進んでいません。後継者不在のまま廃業を選ぶ農家も増えています。採用での競争力が弱く、求人を出しても応募が集まらない状況が常態化しており、その不足を補う形で外国人材の受入れが進んでいます。特定技能外国人の受入れをしている経済同友会会員の畜産業の社長によると、日本人より頼りがいのある働きをしてくれて、単に労働力としてだけではなく、数年後には管理職も任せられるのではないかと感じるほどの外国人もいるそうです。一方で、在留期間五年を超えるには二号試験合格か救済措置要件を満たすかなど、ハードルが高いのも課題だと声が上がっております。

 地域の暮らしと文化を支える大切な産業である畜産業の経営安定を図るため、配合飼料価格安定制度の拡充や、自給飼料生産への支援強化や、ICTやロボット技術の導入コストを下げるための補助制度の充実をお願いしたいと考えます。

 次に、もう一つの基幹産業は観光です。鹿児島県は、桜島や霧島、屋久島、奄美群島など、世界に誇る自然資源を有し、さらに明治維新の歴史や食文化、温泉など、多様な魅力を持っています。

 令和七年の鹿児島県延べ宿泊者数は八百二十八万人、外国人延べ宿泊者数は七十万人となっております。近年はクルーズ船の本県への寄港回数も増え、アジア圏中心にインバウンド需要の回復が地域経済に大きな影響を与えています。

 ただ、上海、香港の国際定期便航空路については、日中関係の悪化などにより運休となっており、運航再開が期待されています。こうした中で、韓国や台湾、東南アジアなどとの交流を更に深めるとともに、欧米からの長期滞在型観光の誘致もますます重要になります。併せて、鹿児島市の東西、南北交通軸を強化し、市域への流入部や市街地部の交通混雑解消を図る骨格道路としてその整備が急務とされていますが、大型クルーズ船が寄港する重要港湾鹿児島港との接続が強化されることで、物流や観光の円滑化が図られ、地域の発展に向けた都市構造の構築につながるものであることから、期成会の総意として、引き続き強く要望いたします。

 また、鹿児島は離島が多く、それぞれが独自の自然や文化を持っています。離島に寄港するクルーズ船により、屋久島の世界自然遺産、奄美群島の豊かな生態系、さらには温泉や地域の食文化などを組み合わせることで、周辺地域への周遊体験型観光の魅力を高めることができます。

 経済同友会では、二〇二九年四月に全国大会の鹿児島開催を決定しており、分科会をサテライト方式で奄美開催を実施することで地域、離島振興の一役を担うお手伝いができるように努めております。

 観光は、単なる宿泊や飲食だけでなく、農業や文化、地域産業とも結びつき、地域全体に波及効果をもたらす産業です。自然や文化、食、温泉といった鹿児島ならではの魅力を生かした体験型観光の充実が今後の観光振興の鍵になると考えられます。

 また、観光事業者は交通アクセスの改善やデジタルを活用した情報発信を努力する一方で、人手不足対策として、スマートチェックイン、キャッシュレス化などの導入により、限られた人員でも運営できる体制を整えるための支援制度をお願いしたいと存じます。

 最後に、弊社のコアビジネスがエネルギー供給事業でございますので、米国、イスラエルのイラン攻撃での中東情勢の緊張化による原油、LPガス価格の上昇への不安と県民生活について述べさせていただきます。

 現時点でも既に次のような影響が出ております。まず、原油価格ですが、ドバイ原油の価格が、昨年十二月に一バレル六十二ドルであったものが、三月五日の時点で先物価格が八十九ドル、四三・五%上昇いたしております。また、昨日の報道によりますと、WTIが九十二ドルの高値をつけたという報道もされております。このように、今後どういう状況が起こるか非常に不明な部分はございますけれども、これに対して対応していく必要があるのであろうと思います。

 特に鹿児島県では、生活や産業において自動車利用の割合が高く、ガソリンや軽油などの燃料油価格の変動は県民生活や地域経済に直接影響いたします。また、鹿児島県は離島が多く、フェリーや船舶輸送など海上輸送に依存する地域も多いため、燃料価格の上昇は物流コストの増加として大きく影響いたします。さらに、県内の多くの産業は本土や関東、関西方面との物流によって成り立っており、輸送コストの上昇は地域企業の競争力にも影響を及ぼします。

 このようなエネルギー価格の変動は、地方では生活費だけでなく物流や産業活動全体に波及する特徴があります。今後、地方経済の安定のためには、エネルギーの安定供給の確保とともに、価格変動が地域経済に与える影響への配慮も重要であると考えております。私どもも、地域のエネルギーインフラを担う企業として、安定供給と地域経済の支えとなるよう努めてまいります。

 石油の備蓄状況からすると、すぐに直接的な影響は出てこないと見通す一方、原油高は食料品や日用品、物流費の高騰につながり、幅広く生活に跳ね返ってくる可能性がある。政府におかれては、速やかな国民支援を実施できるよう、経済活動に目配りいただきたいと存じます。

 以上で私の意見発表を終わらせていただきます。本日は、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

坂本座長 ありがとうございました。

 次に、亀割浩介君にお願いいたします。

亀割浩介君 株式会社Farm―K代表の亀割でございます。

 本日は、このような場にお招きいただきまして、また、意見をさせていただくことに非常に感謝いたします。本当にありがとうございます。

 それではまず、簡単な資料を作ってまいりましたので、資料を基に、させていただきたいと思います。会社の概要としましては、ここに書いてあるような感じです。お目通しいただければと思います。

 今回の意見陳述内容といたしまして、四点ほどさせていただきます。

 それではまず、地域の担い手、農地集積について。済みません、私、農家なものですから、農家目線で、現場目線でちょっとお話しさせていただきます。よろしくお願いします。

 当地域は、鹿児島県の北部に位置し、周りを山に囲まれた盆地になります。伊佐盆地といって、結構おいしいお米が取れるということで有名な地域でもあります。そういうところで、当市も、伊佐市になりますけれども、お米が本当にメインの地域になります。そこで今営農しております。

 当地域は、内陸盆地特有の寒暖差を生かしたおいしいお米ができる地域であります。それで、地域内も、市の中心を流れる川内川流域に平たんな土地がありまして、四方を山が囲っていますので、中山間地に囲まれた地域になります。

 当地域におきましては、全国どこの地域もだと思うんですけれども、担い手が不足しているということで、非常に問題を抱えております。これから先、農業を、営農していくに当たり、担い手の確保がどうしても必要になってくると思われます。

 国の方でも、いろいろな事業を活用して新規就農者の拡大を図っているところだとは思います。ただ、新規就農者自体、割合にしまして約半分以上が施設園芸、畑作、野菜関係ですね、そちらの方に就農されるのが多いかと思われます。また、新規就農者の中にあっても、約三割程度が離農されるという事実もあるようです。

 当地域、水稲に関しましては、なかなか新規就農者が根づかないというところであります。新規就農者が来ても、やはり優良農地は地元の農家の方々が作っているものですから、なかなかそこに入り込めないとか、そういう問題があります。特に中山間になりましては、本当に、鳥獣害の問題とか水路の維持管理、いろいろな面で手がかかって、なかなかなり手がいないという現状があります。

 そこで、今、国の中山間事業なり農地・水・環境保全事業ですか、それを活用して、農家じゃない普通の、非農家の方にもお手伝いをいただきながら、水路の維持管理、また農地の管理をしているところでありますけれども、何せ、過疎というか、高齢化のため、それをお手伝いいただく方がまた高齢化で、なかなか人が確保できないという状況にあります。

 そこで、そういう地域にどうやって担い手をつくっていくかというところで、私なりにちょっと考えたところで、やはりそういう地域を守っていけるのは、そこで育った子供であったり、そこの出身の方々なんですね。それで、今、国の事業として、新規就農事業ということで、Iターンなり、受け入れるという事業もあります。たしか年齢制限が四十九歳以下というハードルがありますけれども、そういう形で設けてはあります。ただ、でも、何せ中山間地域にはなかなか入ってきていただけないという現状の下、やはりその地元で育った、地元の人材を生かせる制度設計なり、つくっていただきたいなと思うところがあります。

 何でかというと、税金でもそうですけれども、ふるさと納税とかがあれば、ふるさとを応援したいということで税金をされるわけです。農地を守るというのも、そこで育った方々が自分の農地を守りたいということで、そこに帰ってきてしたいという、そこしかないんじゃないかなと思うんですね。確かに、採算が取れるのは容易じゃないと思います、中山間地は。だから、そこも中山間事業なりの予算を増やしていただくなり、そこを育てる形の事業をちょっとつくっていただければなと思います。

 言うなれば、何といいますか親元就農とか、新規就農じゃなくてふるさと就農とかそういう形で、年齢を撤廃して、例えば定年した、定年が六十ぐらいだったら、終わってからでもいいです、今されている人も八十ぐらいまで皆さん頑張っていらっしゃいますから。第二の人生で地元の農地を守るとかいう、そういう方々にちょっと援助をしていただけるような施策があればなと思うところです。

 続きまして、担い手問題の次、スマート農業の展開につきまして、今、全国どこもだと思うんですけれども、担い手不足なり、農地の荒廃とかそういうのが進むにつれて、スマート農業を生かした、少ない人間でどれだけ農地を守っていけるかというのが今からの課題になっていきます。

 そのスマート農業の中で、やはり一番は農地の集積、それとまた農地の一枚当たりの規模拡大というのが必須になってくると思われます。

 その中で、今、国が進めている中間管理機構、そこに重きを置いて農地の集積のお手伝いをいただけないかというところであります。地域計画なり、地域で話す機会は増えてはきていますけれども、なかなか地域では取りまとめとかそこまで行き切らない部分があります。そこを国の力をかりて、意見なり助言なり、地域に出向いていただいて、そういう場を設けていただければなと思います。

 その中で、また問題になるのが相続未登記の問題。これは、水田ならず家屋とかそういうのが全部出てくると思いますけれども、そういうところも今、現在の納税者を実質の所有者とみなして相続登記なりできるような措置は取れないのかなと思うところです。

 次に行きます。

 合理的な主食用米の価格形成につきまして、特に二枚目になりますけれども、ちょうど昨日の農業新聞にちょっと出ていましたので、まさにこのとおりなんですけれども、今、米のコスト指数が二万円になりました。これは全国平均であります。もちろん、今話をしたように、中山間地域とか条件不利地になると、これをまた上回ってくるわけであります。

 ただ、これは、食料システムの下、こういうのが提示されたとしても、これを民間企業だけに委ねてしまうと、ただの数字になってしまいかねないというところがあります。だから、やはりその辺を国を挙げて情報発信をしていただきたいというところがあります。

 続きまして、ちょっと巻きで行きますけれども、インボイスに関しまして、是非お願いしたいところがありまして。

 二枚目になりますけれども、ちょっと見にくいかもしれませんけれども、分かりやすいように、私の会社の去年の仕入れを基に作ってみました。単価、人数と、分かりやすいように切りよくまとめてありますけれども、去年の仕入れが二千三百五十俵ありました。仕入価格は税抜きの三千二百円でした。うち、インボイス事業者は一名、五百俵仕入れました。これが一千六百万、消費税で百二十八万。免税事業者、これは五十六軒の専業農家なり普通の販売農家じゃない方々、その方々から六千三百九十三万六千円買って、ここの消費税は四百七十三万六千円ありました。

 現行ではインボイスが始まっております。インボイスの中の経過措置で八割措置というのがありますので、そこを加味して、税負担が九十四万七千二百円出てしまうということ。それでまた、インボイスが廃止されますと、丸々、免税事業者の分が負担になってしまうというところがあります。是非ここは検討願いたいというか、できれば廃止していただきたいというのが現状でございます。

 ちょっともう時間がありませんので、最後、食品消費税ゼロにつきまして、これもまた新聞がありましたので記載しましたけれども、まさにこれに書いてあるとおり、免税事業者、簡易課税事業者がかなりの負担を被るのではないかという懸念があります。また、課税事業者におかれましても、中間納税なり必要になってきますので、還付が来るまでの間の資金ショートが心配されるという事案があります。そこも今から話があると思いますけれども、国会、国民会議で。その辺もまた加味されて、どうにか対応を取っていただければと思います。

 済みません、ちょっと長くなりました。ありがとうございました。

坂本座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

坂本座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。石原正敬君。

石原(正)委員 私は、自由民主党の石原正敬でございます。着座にて失礼いたします。

 四人の方から、ただいま意見陳述をいただきましたが、私の方からは、まず、消費税減税の影響について、皆さん方から、塩田様、海蔵様、岡様、亀割様にお尋ねしたいと思います。

 政府・与党は、給付つき税額控除実施までの間、食料品に係る消費税の税率をゼロ%にする減税案を検討し、社会保障国民会議で議論をスタートさせました。

 この食料品に係る消費税減税に関しては、地方財政への影響、あるいはスーパーマーケットなどの小売業者の精算機の事務コストや、あるいは農家にとっては仕入れに税金はかかるが売上げから税金が控除されないなどの、克服すべき課題が多数指摘されています。このことはまさしく、政府が社会保障国民会議と銘打っているように、今後、国民全体での議論が必要になると考えています。

 塩田様、海蔵様、岡様、亀割様の順で、消費税減税の是非及び御自身の関わる範囲で政府に対する懸念や課題を御教示願います。

塩田康一君 消費税につきましては、先ほどの資料にも書いておりますけれども、地方にとっては社会保障を支える重要な財源となっているというふうに考えております。

 今回、飲食品等について現行の八%からゼロ%に引き下げるということになりますと、本県において、機械的に算出した場合でございますが、年間に約七十億円の減収になるというふうに見積もっております。そうしたことから、この消費税減税の議論に当たっては、こうした地方への影響ということを十分に考慮していただいて、地方の財政運営に支障が生じないような配慮を是非していただきたいというふうに考えております。

海蔵伸一君 質問ありがとうございます。

 まず、消費税に対する連合の考え方ですけれども、基本的には、今後も増え続ける社会保障費を賄うための重要な財源として消費税を位置づけているということでございますので、安易な税率の引下げは実施すべきでないというのが連合の一貫した立場ということでございます。

 そういった中で、いわゆる低所得者の部分にどのように、厳しい生活をしていることに対して返していくのかということで考えたのが、いわゆる税バック方式ということでございまして、給付つき税額控除ということでございます。基本的には、消費税の逆進性の解消も含め、低所得の方へ食料品や光熱費など基礎的消費で支払った消費税の一部を還付する、これが必要だというふうに考えております。

 ただ、この導入に際しては一定期間の審議が必要なんだろうというふうに考えておりますので、足下の国民生活に大きな影響を与えております物価高対応として、短期的な消費税の減税も一つの手段ではございますが、意見陳述でも申し上げたとおり、真に必要なところへ給付でというのが望ましいのではないか、このように考えております。

岡恒憲君 一消費者の立場からすれば、消費税の減税というのはウェルカムで、非常にありがたいなと思いますが、経済界に身を置きます人間の立場として考えてみましたら、消費税をゼロにするということであれば、その財源をどこに持っていくのか、この議論がなされないまま安易に消費税額を落とすというのはいかがなものかと思います。

 ビジネスマンとして最も危惧するのは、二年間ゼロにします、そこから先また上げますと、食料品かどうかは別にしましても、需要が過大になるのと減少するのとが起こるというのは、ビジネスマンとしたら非常に痛手を被ります。コンスタントに一定のレベルで右肩上がりになっていくというのが一番平準化しやすいビジネスになりますので。そういう立場から考えましても、期間つきの消費税減税というのはいかがなものかなと私自身は思っているところです。

 以上です。

亀割浩介君 農家目線からしまして、先ほども言わせていただきましたけれども、やはり農家、食料品に直結します。

 結局、先ほども言いましたけれども、簡易課税、また免税事業者が消費税を売上げで回収できず、仕入れの方で、経費の方で払うということで、やはりちょっと苦しくなるだろうと言われております。

 あと、本則課税の方につきましても、昨日、ここで質問するに当たり大規模な肥育農家の方に話を聞いたんですけれども、日々飼料などの買入れをする、そこで消費税が出ていく、売る分に関しては消費税が入ってこないから、やはりそこでキャッシュフローが悪くなる、下手をすれば資金ショートを起こしかねないよねという話もあったりします。

 ただ、そこは今、国会の方でも話合いが進んでいるわけですから、その辺をどうにか影響がないような形でしていただければなと思います。また、二年後消費税が従来どおり戻ってきたとしても、今度はそこで実質値上げのような形になりますよね。そこはなかなか受け入れてもらうのはちょっと難しいというか、また大変じゃないかなと思うところです。

 以上です。

石原(正)委員 ありがとうございます。皆様方から貴重な御意見を賜って、今後我々の議論の参考にさせていただきたいと思います。

 続きまして、米国とイスラエルがイランに対して攻撃をしまして約一週間が過ぎようとしています。そんな中、ホルムズ海峡が事実上閉鎖されるなど、我々の日常生活にも影響を及ぼす可能性が出てまいりました。先ほども岡様から御指摘があったとおりでございます。特に、石油や天然ガスといったエネルギーなどの輸入への懸念が取り沙汰されています。

 そこで、岡様と亀割様にお尋ねいたします。

 まず、午前中に視察をしました志布志石油備蓄基地を始めとする国家備蓄、民間備蓄、産油国共同備蓄を合わせて日本には合計二百五十四日分の石油備蓄があり、政府もその放出を検討し始めたとの報道もあります。

 岡様はエネルギーの事業に関わってみえる経営者でもありますので、石油備蓄に関して、例えば備蓄放出基準の弾力化や、中東地域以外からの石油調達に対する支援、あるいは国家石油備蓄の増量など、政府に要請するエネルギー安全保障政策についてどのような見解をお持ちでしょうか、お聞かせください。

 さらに続いて、イランを始めとする中東地域は、世界の硫黄供給において極めて重要な役割を果たしている地域であります。ホルムズ海峡が事実上閉鎖されますと硫黄の供給が途絶される可能性があります。この硫黄が中国に輸出され、中国経由で日本の農業用の肥料として輸入されています。私の知り得る範囲では、中国からの硫黄関連の肥料の新規注文が停止され、価格も高騰し、輸入が混乱していると聞いています。

 そこで亀割様にお尋ねですが、このようなことが今後広がってくる可能性がありますが、現時点で受けている影響があれば教えていただきたいのと、農業用資材のサプライチェーンにおいて政府に対する支援や要望があればお聞かせ願いたいと思います。

 以上でございます。

岡恒憲君 非常に難しい問題で、私ごときの知恵で答えが出せるのかなという気がしますが、まず一点、価格につきましては、先ほど申し上げましたように、WTIの方でもう九十ドルをつけたということになれば、十中八九、百ドルは超えるんだろうと思います。百ドルを超えるということになりますと、通常のガソリン価格、昨日報道していましたテレビですと、今ガソリンの平均価格が百五十七円程度に落ちてきたというように報道されておりましたけれども、これが多分以前のように二百円を上回るというような価格になってくるんだろうと思います。

 この価格の問題もさることながら、原油の入ってくる数量が減るということで、買いだめというような問題が十中八九起こってくるんじゃないのかなという気がいたします。

 先日のニュースでも、SNSによるフェイクニュースというんでしょうか、偽情報で、原油がもう明日にでも届かなくなってくるといううわさが流れているというような報道をしておりましたけれども、私が思い出すのは五十年前のトイレットペーパーの騒ぎなんですが、あの頃も、先輩方にお聞きしますと、原油の輸入自体は滞っていないと。それが滞るだろうということでトイレットペーパーのパニックが起きて、日本からトイレットペーパーがなくなったという現象が起きたわけですけれども、今度もSNS等の情報をそのまま垂れ流しにしていくと何がどう起こってくるか、非常に危険な状態になるんだろうと思います。これを抑制するような方策が取れるかどうか。

 それから、あと、省エネというんでしょうか、石油消費の行動を国民一人一人が取っていただければ、今、二百五十四日分の備蓄がある、これを三百日程度には延ばすことは十分可能。前回の五十年前から今日に至るまでの中で、我々はコロナの対策も取れるようになりました。結局、地方では自動車に乗って出勤するという人が大半ですけれども、自宅で会社の仕事をやるというようなライフスタイルも十分取れるようになってきていますので、この辺をうまく活用しながら油の消費数量を減らしていくということを考えるべきなんじゃないかなと思います。

 サウジ以外の輸入を考えるということですが、一番埋蔵量の可能性があるのはベネズエラですけれども、まだ油が出てきていませんので、ここからの輸入というのはまず無理なんだろうと思います。それ以外のところでいきますと、大半がペルシャ湾を通って出てきている。サウジアラビアが紅海の方、スエズ運河の方から出すということを検討しているみたいですけれども、これもちょっと、相当なパイプラインを通していかなきゃならないので、早々、一朝一夕にできるのかなという気がいたします。

 そうすれば、先ほど申し上げたような省エネ対策というのでしょうか、これを政府の方で積極的に進めるということを考えた方がいいんじゃないかなと思います。

 以上でございます。

亀割浩介君 農業分野としましては、やはり以前のウクライナ情勢の悪化とかもありますけれども、間違いなく肥料は上がってくるだろうと思います、現状でいきますと。

 ただ、水稲に関しましては、春以降に作付となっていきますので、恐らくここにはまだ影響は及ばないのではないかなと思われるところです。ただ、来年度から恐らく上がるだろうということ。あと、同じく原油の問題で、施設園芸となると、ハウス関係は燃料をたかないといけませんので、そこが大分痛手を受けるだろうなと。あとは被覆資材、ビニール関係も上がっていきます。

 実質それだけ上がったのを、今度売価で賄えていくか、その辺が恐らく難しいと思いますので、やはりそこらは何か施策を取っていただければと思います。

石原(正)委員 ありがとうございます。

 それぞれの大変貴重な御意見、ありがとうございました。

 最後になります。鹿児島県知事であります塩田様は、稼ぐ力というキーワードが県政運営の一つの柱になっていると思います。特に、観光や一次産業を活性化させることを重視されている印象を持っております。私も、三重県の人口約四万人の菰野町という町の町長を十二年間やっていたこともありまして、観光と第一次産業は地方経済を活性化させる、すなわち地方創生において大きな役割を果たすと確信しています。

 しかしながら、この分野だけではありませんが、地方の中小企業や第一次産業の現場は、高齢化の進展とともに深刻な人手不足が慢性化しています。

 この問題を解決する、万能薬ではありませんが、公務員や民間企業の従業員の兼業について、塩田様、海蔵様、岡様、亀割様にお尋ねいたします。

 簡潔に申し上げますと、例えば、バスの運転手不足に起因して、朝夕の通勤通学時間帯のバスの減便を強いられた福井市のバス会社に、事業を認められた福井県や福井市の職員が兼業に就いています。また、和歌山県の有田市や山形県山形市などは、かんきつ類やサクランボの収穫時の繁忙期に公務員の兼業を許可しています。

 これは公務員の例を挙げましたが、地域経済を活性化させていくために、時には民間企業の従業員にも兼業を認めたり、若しくは企業そのものと農家が協定を締結して、一定期間業務に就くことも考えられます。また、都道府県などが観光業や第一次産業の人手不足のニーズを酌み取り、人材をマッチングするプラットフォームを提供するなどの役割もあるかもしれません。

 そこで、塩田様、海蔵様、岡様、亀割様それぞれの立場から、地方創生に資する人材活用について、政府への要望も含めてお考えをお聞かせください。

塩田康一君 地域における人材の不足ということは、いろいろな分野それぞれで顕在化してきていると思っております。そうした観点から、いろいろな省力化の投資を後押ししたりとか、外国人材確保とか、いろいろなことをやってきておりますが、そうした中で、今御指摘のような公務員の兼業、こういったことも、地域の人材を幅広く活用することで地域の維持発展に努めていくということでは大変重要な取組だと思っております。

 鹿児島県においても、職員の兼業、特に今おっしゃったような、例えば交通でありますとかエッセンシャルワーカーとして地域の発展のために寄与するというようなことについては、積極的に認めていこうという考え方でございます。

 まだそこまで実績が出てはおりませんけれども、そういったことも含めて、公務員が地域において積極的な役割を果たしていくということは、今のいろいろな、サクランボの収穫とか、そういった地域の産業発展も含めて大変重要なことだろうと思っております。

 それと少し似たような取組として、今、特定地域づくり協同組合というのがございます。これは組合で、離島を中心にいろいろなことがなされておりますけれども、こうした事業の繁閑がございますので、そういった中で安定的に人材を雇用して活用していくということで、非常に地域的にも今これが広がってきておりますので、こうした取組についても、是非国の方でも支援をお願いいただければ大変ありがたいと思っております。

海蔵伸一君 質問ありがとうございます。

 地方創生に資するというようなことでございましたが、地方が労働者にとって安心して働いて暮らせる魅力あるものでなければ、地方での定着は見込めないというふうにも思いますし、東京と地方の賃金格差の是正や、社会保障サービスの切れ目のない提供体制も必要。さらには、地域社会に根深く残っております男は仕事、女は家庭といった性別役割分担意識の払拭も重要というふうに考えております。

 御質問いただいた、兼業であったりとか副業、人材不足に対する考え方、民間の企業のところは副業などを認めるというようなところも多く出てきておりますが、連合としても、そういった兼業であったり副業であったり、人材不足に対する施策であるのであれば、一定考え方としてあるのかなというふうに思いますけれども、それは、労働者の働く環境として、例えば労働時間の規制がしっかりとそこに利いているのかどうかというような、そういった整備が前提としてあればよいのではないかなというふうに思います。

 以上です。

岡恒憲君 社員の兼業ということについての御質問でございますけれども、兼業の前に、私は、現在の残業の上限規制、これを是非、撤廃若しくは再検討していただきたいというように思います。残業しちゃいかぬと言っておきながら、副業はいいですよと、家に帰って仕事をやってください、これはどう考えても私は矛盾しているんじゃないのかなという気がいたします。同じ社員が長年培った仕事をやるのが最も効率的なわけです。それをさておいて非効率な副業をやりましょうというのは、どうも効率化の観点から私は納得がいきません。

 ですから、やみくもに残業制限を取っ払って過重な労働を押しつけるということはよくないと思いますけれども、適正な労働時間の範囲内で十二分に仕事をやっていただく、その前提に立った上で、副業、兼業という問題に取組が可能であれば取り組んでいただくということをやっていただきたいと思います。

 以上です。

亀割浩介君 私ら農業分野からすると、やはり受け入れる側になると思います。非常にありがたい話で、兼業で、人手不足の中でお手伝いいただけるというのは非常にありがたいところです。

 農業の分野でも、兼業とはいかないかもしれませんけれども、例えば、鹿児島の農業法人が北海道の方に応援に入ったりとか、北海道の冬場何もできない方が鹿児島の方に応援に来たりとか、そういう事例は多々あります。県内でも、水稲にすると早期地帯、普通期地帯と分かれていますので、そういうところで労働者の行き来があっていいのだろうと思います。

 そういう県をまたぐものに関して何かマッチング事業とかいうのがまたあれば活用して、そういうのを進められればなと思います。

石原(正)委員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

坂本座長 次に、野間健君。

野間委員 中道改革連合、地元鹿児島県選出の野間健です。今日はよろしくお願いいたします。

 今日は、坂本委員長始め委員の皆さんも鹿児島県にお越しをいただきましたことを心から感謝を申し上げます。

 それでは、ちょっとお一人ずつ御意見を頂戴したいかと思います。

 まず、塩田知事、ここ十数年、それ以上かもしれませんけれども、地方からの人口流出が止まらない、若い人が特に大都市へ出ていってしまう、鹿児島県も人口が百五十万を切るという厳しい事態になっておりますけれども、そのため、政府も、この十数年来、いわゆる地方創生ということでいろいろな政策を打ってきたと思うんですが、正直、なかなかこれもうまくいっていないのが現状だと思います。

 それで、高市政権になってから、地方創生という言葉はちょっと今余り出なくなりまして、地域未来戦略というのが言われるようになりました。地域未来基金ということで、今回も予算で四千億、基金を積んで、とりわけ地域地域に産業クラスターをつくっていこうということで、委員長の御地元の熊本県のTSMCであるとか、北海道のラピダスとか、そういうような一つの半導体なら半導体の産業、それを中心とした企業群といいますか、そういうのが形成できれば地方の活性化になる、人口の対策にもなるということで、これが今進められようとしています。

 今、九州、正直言いまして、TSMC、熊本が独り勝ちのような状況とも言えるかと思いますけれども、今、四千億のお金を積んでやるということに対して、塩田知事とすると、やはりこういうものにも手を挙げて、TSMCのまた第三工場ということもありますので、こういったものについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるかということ。

 それから、やはり鹿児島県の一番の基幹産業であります農業、とりわけ畜産業ですけれども、先ほど岡代表幹事からお話がありましたけれども、鹿児島県は北海道に次ぐ五千六百億ぐらい農業生産額がありますけれども、残念ながら、いわゆる所得が全国四十七番目のパーセントになっているということで、農業、とりわけ畜産業が非常に多いですから、その収益率が悪いということなんですけれども、これに対して、やはり国もこういう支援をしてくれればいいんじゃないか、ここはもうちょっとこういう予算が必要だということがありましたら、御意見をいただければと思います。

塩田康一君 ありがとうございます。

 地方創生の取組ということで、政府の方でこれまで地方自治体の総合戦略等の御支援をいただいて、取り組んできております。

 そうした中で、いろいろと、その時々で重点が変わったりしてきていると思いますが、今回、地域未来戦略ということで、それぞれの地域における産業クラスター、こういったものをしっかりと企業群を後押しをしていくということ。あるいは、その地域におけるいろいろな地域資源を生かした取組、こういったものも併せて後押しをしていただけるということでございますので、鹿児島県においては、やはり農林水産業、あるいは観光関係、こういったことを基幹産業としてしっかりと取り組んでいきたいと思います。また、半導体であったり、あるいはこれから期待できる宇宙関係とか、いろいろな物づくり、情報関連産業、こういったことについても、しっかり計画を作りながら、政府の方の御支援をまた引き続きいただきたいというふうに思っております。

 熊本の方のTSMCの非常に大きな動きがある中で、今のところ、まだそれが九州全体に広がっていない部分もあろうかと思いますけれども、九州一体となって、シリコンアイランド九州ということで、九州各県力を合わせてこれに取り組んでいきたいというふうに思っております。第三工場というと非常に大きい話で、土地もなかなか鹿児島県においては難しいかなというふうには思っております。

 一方で、先ほど申し上げました御地元の薩摩川内市のデータセンターのような話も、これはこれから部材の供給等も含めて非常に大きな産業の裾野の広がりというものが出てくるものだと思っておりますので、こういったものも含めて、それぞれの地域における産業資源、こういったものを生かしていきたいというふうに思っております。

 また、畜産の関係で御指摘をいただきました。鹿児島県は、五千六百八十九億円ということで、農業産出額が非常に大きい、またその七割を畜産が占めているということでありますが、この畜産が非常に今厳しい状況で、所得率という点からいいますと、なかなか難しいということで、全国的にも非常に低いレベルになっております。ただ、所得額自体で見ますと、農家の所得は全国でも上位になっておりますので、これをいかに付加価値を高めていくのかということが課題であろうと思っております。

 それと併せて、先ほど来問題になっております飼料価格の高騰、あるいは畜産の資材価格の高騰、こういったことについて今政府の方からも様々御支援をいただいておりますけれども、こういった面でもまた引き続き御支援をいただきたいと思います。やはり一時期、和牛の子牛価格あるいは枝肉価格が下がっておりましたので、こういった和牛の消費の拡大、あるいは、生産農家と一緒になって今輸出の拡大を図っておりますけれども、輸出の拡大、こういったところについてもまた政府の御支援をいただければというふうに思っております。

野間委員 ありがとうございました。

 それでは、続いて海蔵会長にお尋ねしたいと思います。

 今、私も地域を回っていますと、中小・小規模事業者の皆さん、何とか賃上げはしたいんだけれども原資がない、働く皆さんも、賃上げしてほしいけれども会社が大変だからという声も聞きます。ですから、働く側も経営者側もお互い、何とか賃上げをしたいけれどもなかなかできない実情があるかと思います。

 また、確かに賃上げはされているんですが、されたところで、やはり非常に社会保険料を始めとしたいろいろな負担がむしろ多くなってしまう。この前も、あるお母さんが、ちょっと年収が百万ぐらい多くなったがゆえに、今まで三千円ぐらいの障害を持ったお子さんのための負担がいきなり五万円ぐらいになってしまったと、ちょっと年収が上がることで負担が逆に増えてしまって困っているというようなお話を聞くわけです。

 賃上げをきちっとやっていって、その果実をちゃんと働く仲間が受けられるようにするには、幾つか今論点をおっしゃったと思いますが、これを政府がすればかなり効果があるんではないかということがありましたら、お考えをお聞かせいただきたいということと、今ちょっとお話も出たんですが、外国人材の活用ということですね。私たちも地域を回っていれば、特に例えばかつおぶしの加工とか、そういうのはもうほとんど外国人の方が入ってやっています。農業も外国人がいなければ回っていかないようになっている地域もあるわけでありまして、この辺、どういうふうに考えるべきか、御意見いただければありがたいです。

海蔵伸一君 質問ありがとうございます。

 賃上げについて政府がどういったことを支援すれば高まっていくかというところでございますが、一つ、昨年の鹿児島の状況を申し上げますが、平均賃上げ率が全国平均を上回っております。そういった意味では、県内中小企業の経営者の皆さんにも頑張っていただいている、そのように思っているところですが、課題なのは、この間の労使の努力が、物価高によって賃上げの効果を相殺をしている、ここが非常に、経営者も頑張っている、労働組合も頑張っている、ただ結果と実態にギャップが生まれている。今期の春闘は、そのギャップをどう埋めていくかというのが非常に重要な鍵というふうに思っております。

 今申し上げた物価高への対応でございますが、やはり長期化する物価高が賃上げの効果を相殺しているというのは確かです。物価高が悪とは考えておりませんが、その物価高が適正かどうかが重要だというふうに思っております。やはり政府には速やかに物価高対策をお願いしたいということと、二%水準の物価安定を求めたいというふうに考えております。

 あわせて、委員から御指摘があった社会保障ですが、これも今、税も含めたところで国民負担率は四七%ぐらいですかね、五公五民というぐらいの勢いなんですが、やはり労働者の手取り増という意味合いでは、賃金を上げても必然的に社会保障料が上がっていきますので、ここも一つ賃上げの効果を薄れさせている要因ということでございます。この点、高市総理も言及されておりますが、税と社会保障の一体改革、これは中長期的な視点で是非とも進めていただきたいというふうに思います。

 あと、外国人の活用という言い方でいいのか分かりませんが、やはりどの分野でも人材不足というのが深刻になっております。例えば技能実習であったりとかそういったところも一つの方策としてあっていいのではないかなというふうに思います。関係法令も若干見直しがこの間されてきておりますが、やはり外国人の皆さんが働く上での法整備というのはまだまだ追いついていないというようなところもございますので、現場の実態を踏まえた規制であったりとか法整備などを是非とも進めていただきたいというふうに思います。

野間委員 ありがとうございました。

 それでは、岡代表幹事にお伺いしたいと思います。

 先ほど畜産業の、今知事からもお話がありましたけれども、私も毎月子牛の競り市に行くんですが、そういった非常に手塩にかけたいい子牛が県外の、それこそ神戸とか松阪とかそういったところに行って非常に高い付加価値を持ってまた新たに売られているのを見ますと、非常にいい物を作っているのにもかかわらず、その付加価値が取れていないというところが非常に大きな、そこの収益率の低さというところになっていると思うんです。

 その辺のブランド戦略といいますか、その辺、どういう御意見を持っていらっしゃるかということと、観光は、確かに今おっしゃったように桜島とかいろいろクルーズとかあるんですが、もっともっと田舎に行けば行くほど盆踊りとか太鼓踊りとか、私も外国人に見せたら、すごく、ええっ、こういうことをしているんだ、日本の田舎は面白いねというところが結構あるものですから、もっともっと地域、地方に根差した観光というのも考えたらいいんじゃないかなと思っているんですけれども、いかがでしょうか。

岡恒憲君 まず、ブランド戦略という問題については、この話をしていいのかどうか分かりませんけれども、私は二〇〇一年に鹿児島に参りました。取引先の茶農家さんのところにお邪魔いたしましたら、こういうでっかい袋に茶を詰め替えているところでして、私はそれまで、お茶が第二位の生産量、今第一位ですけれども、当時第二位というのは知らなかった。第二位なのに私は鹿児島茶というのは見たことがないんだけれどもという質問をいたしました。茶農家さんにえらい怒られました。おまえみたいなばかがいるから困るんだ、この袋はこれから静岡に持っていくんだ、それで我が家は一家みんなが安心して暮らしていける、それを、おまえみたいなやつが一袋、百グラム何百円、何千円とかで売れなんてばかなことを言い触らすから困ってしまう、余計なことを言うなというように言われた記憶を思い出しました。

 鹿児島の方々というのは、本当に欲がないというのか何なのか分かりませんけれども、もう少しブランド戦略というのは考えるべきだと思います。後で知事に怒られるかもしれないんだけれども。鹿児島経済同友会におきましても、第一次産業の活性化、ブランド戦略をもっとしっかりしていこうよという話もどんどん進めていくべきだと思います。

 それから、観光について、もっとやり方はあるんじゃないのと。これも全く野間さんと同意見です。私は二〇〇一年に来まして、中央駅、当時の西鹿児島駅に降り立って、桜島は目の前に見えているんですけれども、観光案内所がない。それでどうやって行っていいか分からない。調べてみても、行き方は当時ありませんでした。バスで降りてからしばらく歩いていかないとフェリーに乗れないというような実情で、至って交通アクセスの便がよろしくない。これをもう少し改善すべきであろうと思います。そうすることによって、田舎にもたくさんのいいものがおっしゃるようにありますので、そこまで観光客の方々を連れていくということを、同友会は微力ではございますけれども、そういうことに取り組んでいきたいと思います。

 以上です。

野間委員 ありがとうございました。

 それでは最後に、亀割社長さんにお聞きしたいと思います。

 私も、中山間地に行けば行くほどなかなか担い手の方がいない。大体、極端に言うと八十代ぐらいの方が主流ですよね。それでも皆さん本当に元気でやっていらっしゃると思います。今の政府の新規就農の支援が四十九歳までですけれども、私たちは、前の国会でも法案を出しているのは、六十五歳までは当然働けますし元気ですから、そういう方も新規就農者としていろいろな支援を補助金も出してやるべきだということを訴えているんですけれども、それについてちょっと御意見をいただきたいということ。

 それとお米の価格ですよね。昨年、一昨年は確かにお米の価格が高くて、いまだに高いですけれども、お米農家に言わせると、三十年前はこれぐらいの値段だったときもあるし、もうずっと自分たちは赤字だった、やっとちょっとお米の値が上がって、世間は騒いでいるけれどもとんでもない話だ、これぐらいないとやっていけないんだと。先ほど二万円というコストが出ておりましたけれども、本当にそのとおりだと思うんですね。

 ただ、今よく農業新聞でも書かれていますのは、来年以降は、今まで作り過ぎたお米、作り過ぎたといいますか、在庫が積み上がっているお米が出てくると、やはり値がかなり下がるんではないか、暴落するんではないか、そういう見込みも出ております。

 このように高くなったり安くなったり、とても私はこれで農家はやってくださいということは言えないと思うんですね。こんなのだったら息子にもさせたくない、離農したいという方は現に非常に増え、この二十年で米作りの農家は四割減っているわけですから、当然そうなると思うんですが、しかし、これは食料安全保障からいっても絶対にそういうことはあってはならないことです。ということは、政府が、国がどういう政策を価格面あるいは所得面で取るべきなのかということについて御意見をいただければと思います。

亀割浩介君 それでは、まず新規就農に関しまして。やはり中山間地になりますと、野間先生も言われたように八十代という方が現役で頑張っていらっしゃいます。そのお子様世代となるとやはり六十代からになってくると思います。そういう、農地をまた今から守っていこう、帰ってきて、していただこうとした場合に、やはり、ある機械ではそれはできるけれども、ちょっと効率が悪いとか、そういうのはあったりしますので、そこにはある程度の新規就農者並みの助成がいただければありがたいところです。

 また、本当に若手が入ってこない中で、先ほども言いましたけれども、地域の農地を守るのはそこで育った方々がするのが一番手っ取り早いというか、なじみやすいというか、そういうところがあります。大体、企業を定年なさってからでも体力的には十分やっていけます。だから、第二の人生というわけではありませんけれども、そういう形で、そういう方々にも農業に参入できるような環境づくりを是非整備していただきたいなと思います。

 それとまた米の価格形成につきましてですけれども、私も高校を出ましてからもう三十年近く米の生産に携わっております。確かに、米の価格は乱高下がありまして、米が余ると下がる、足りないと上がる、まさに需要と供給なんですけれども、ここに来まして、食料システム、今、九州農政局の鹿児島拠点、窪山参事官始めいろいろな方々が、消費者の方々にもいろいろ講演とかで、この価格帯はこういう形だということで講演されているようです。また、その結果を聞くと、やはり消費者の方々も、ああ、本当にこういう感じなんだ、今までお米農家は本当に身を切って作ってこられたんだという話になります。その反面、私らも今までずっとしてきているわけですから、では、なぜその赤字の中でそれだけ生き残ってきているのという話も出ます。

 確かに、うちは米生産だけでやっていくと本当に成り立っていけません。うちは作業受託という現金を回収できるような仕事もしていますので、そこである程度カバーしてきている状態。それでも、皆さんから労働時間は何時から何時までですかとよく昔聞かれていたんですけれども、私は日の出から日の入りまでですといつも言っていました。そのくらい合わないというか、もう自分でやらないと、することが多くて、またそれに見合う人材を雇うお金もなくて、本当に厳しい時代だったと思います。

 それで、去年、おととしから米価が上がりまして、これだけあるとこんなに楽なのかと本当に身にしみて思っているところです。だから、本当に前年産、七年産は余りにも高過ぎます、農家目線でしても。こんなに高くなっちゃうと、次は下がるだろうという懸念があって、設備投資もそこまで打てない、安定して営農をできないというのが経営の中であるところです。

 だから、この食料システム法の中で、今、生産コスト二万円ということで打ち出されていますけれども、それが平均的な単価であります。地域によってはこれでは成り立たない。また、できる地域では一万五千円ぐらいでできるのかもしれません。そういうような平均単価をやはり国の方も情報発信をしていただいて、本当にこれだけないといけないんだということをしていただきたいと思います。

 また、民間レベルに委ねちゃうと、本当に確実にここに収まるのかという問題があります。それを下回るようであれば、また以前のように価格補償なりそういう農家の下支えをしていただきたいなと思うのが本音でございます。

 以上です。

野間委員 貴重な御意見ありがとうございました。

 質疑時間が終わりましたので、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

坂本座長 次に、池下卓君。

池下委員 日本維新の会の池下卓です。本日、意見陳述の皆さん、本当にありがとうございます。着座して質問させていただきます。

 それでは、質問の方をさせていただきたいと思いますが、最初の御質問は、塩田様、海蔵様、岡様、亀割様それぞれにお伺いをしていきたいという具合に思います。

 一番最初の問いは、エネルギー価格の問題というところになりますが、本日は午前中に、先ほどもありましたけれども、志布志の国家石油備蓄基地の方を拝見させていただきました。そこでJOGMECさんからもいろいろ御意見を聞いたところなんですが、ここはあえて、石油ではなくてLNG、いわゆる液化天然ガスについてお伺いをしたいという具合に思います。

 どういうことかといいますと、LNGは、御存じのように火力発電の方で使われていると思うんですけれども、これは移送するときに大体マイナス百六十二度くらいで移送してきてためていくということになるんですけれども、マイナス百六十二度で備蓄するということ自体が技術的にもコスト的にも非常に高いということで、情報によりますと三週間分くらいしか国内にないということを聞いております。

 今、日本は、このLNGというものをマレーシアであったりとかオーストラリア、こういうところからの輸入に頼っているということなんですが、一方、先ほどもありましたように、今、ホルムズ海峡が封鎖されているという状況であります。これは中東のカタールからヨーロッパの国々が輸入しているということなんですけれども、日本は今、マレーシアとかオーストラリアから輸入しているんですが、全体的にこのLNGの需給のバランスが崩れてしまいますと、当然、私が心配しているのが価格高騰、まさにこのLNGの取り合いになってしまうのではないかということを懸念をしております。

 先ほどJOGMECさんの方に、どのように購入価格というのは決まっているんですかということでお伺いをいたしました。石油と一部連動しているというところもあったんですが、LNGの購入の約六割というのが長期契約でされているということですので、ここの分につきましては、余り急遽のホルムズ海峡の影響を受けることはないんじゃないかということだったんですけれども、残りの四割というものがスポット取引ということですので、やはりここに影響が出てくるのではないかなという具合に思っております。

 当然、火力発電が不足していますと、真夏であればエアコンであったりとか、AIでも電力が要りますし、工場であったりとか、今日もハウス栽培とかというところもありましたけれども。

 そこで皆さんにお伺いしたいのが、農業を含めた地域経済や自治体への影響、これがどうなっていくのか。実質賃金や雇用への影響を含めてお伺いをしたいのと、また国への要望についてそれぞれお伺いできればなという具合に思います。

塩田康一君 LNGは火力発電に使われているということと、また、都市ガス供給においても鹿児島県内においても利用されておりますので、そういった面でのエネルギー、ガスの価格というものに影響が当然出てくるのではないかというふうに思っております。そういった意味では、一般の家庭においてもガス料金価格ということでその分が跳ね返ってくるし、また事業においても、そういったガス料金というのが価格が上がるということで、やはり物価高騰に追い打ちをかけるというようなことになるのではないかなというふうに思っております。

 そういった意味では、やはり安定的なエネルギーの供給ということで政府の方にしっかり取り組んでいただければというふうに思います。

池下委員 もし国への要望とかありましたら。

塩田康一君 国の方からは、まずはその供給の安定性というのを確保していただくということでもありますし、また、今も電気・ガス料金については一定の支援というのをしていただいておりますので、その状況によって、その支援の額の幅とか、そういったことについても配慮いただければというふうに思います。

海蔵伸一君 エネルギー価格についてですが、一つはホルムズ海峡についてですが、この事態が長期化をすれば、当然エネルギー価格にもその影響が出てくるし、当然、経済、国民生活にも影響が及ぶというふうに認識をしております。

 労働組合の立場でいえば、現下の春闘への、賃上げへの影響であったり、実質賃金を下押しをする懸念もございますので、是非政府には、今後の経済、物価の動向も見極めつつ、必要に応じた対応を遅延なく講じていただくよう求めたい、これに限るというふうに思います。

岡恒憲君 申し訳ございません、私はLNGのビジネスに携わったことがないので余り詳しいところは分かりかねるんですが、先ほどおっしゃられた六〇%が長期契約で四〇%がスポット契約、これはスポット契約の方が安いからそうしているだけの話でありまして、急々に高くなるというものじゃないのかなという気がいたします。さはさりながら、スポットですから、そのときそのときの価格になってきますので、今後じわじわじわとスポットの方は上がっていくんだろうなと思います。

 それで、LNGの使い道ですけれども、知事からもおっしゃられたように、火力発電と都市ガス、これが大きな使い先になるんだろうと思います。

 そういたしますと、都市ガスの人数とプロパンガスの人数、これは全国で大体半分ずつになっているようでございます、件数はですね。そういたしますと、約六千万人の方々は都市ガスを使っているということになりますので、この値段がいずれ上がっていくということになれば、その辺に対しての御支援をいただくようなことになるのではないのかなと思いますし、火力発電の大宗がLNGでございますので、こちらの方の価格も高騰せざるを得ない、その辺の対策が必要になってくるのかなと思います。

 以上です。

亀割浩介君 LNGに関しまして、大変申し訳ありませんけれども、私のところではこの取扱いとかはないんですが、よく施設園芸の方々に話を聞きますと、重油からガスに切り替えたとか、そういう話を聞いたりもいたします。そういうところにはガスが結局重油よりも単価が安いからということで採用されているようですけれども、そういうところには、やはりある一定程度の影響は出てくるのかなと思います。

 また、あと私らが影響を受けるとすれば、やはり電気料が上がるというところでありますが、どちらにせよ燃料価格が高騰することは間違いないでしょうから、それなりの対策はまた必要じゃないのかなと思います。

池下委員 ありがとうございました。

 次は二問目なんですけれども、塩田様、岡様、亀割様のお三人方にお伺いをしたいと思います。

 次は、外国人材についてお伺いをしたいと思います。

 私、数年前、二年ほど前ですかね、法務委員会というところに所属させていただいておりまして、いわゆる技能実習という制度から育成就労に改正されるところにちょっと携わらせていただきました。その中で、特に外国人の方々とのコミュニケーションの在り方というのと、あと、また自治体の皆様には、国への要望というのをお聞かせ願いたいなという具合に思っております。

 その法務委員会の、今日と同じような地方公聴会というのがございまして、現地の方に行かせていただいて、経営者の皆さん、そして実際に働かれている、当時、ベトナムの方だったと思うんですけれども、技能実習生の方々とお話をさせていただきました。

 そういう中で、報道とかでもあるんですけれども、なかなか外国の文化と日本の文化、ここが慣れないよねということで危惧されている方々も多分たくさんいらっしゃるかと思います。経営者の方々といいますのは、一生懸命その外国の方とコミュニケーションを図ろうということで頑張っていらっしゃるということは重々承知をしているわけなんですけれども、ただ、二十四時間一緒にいるわけでもございませんし、休日のときに一緒に何かずっとやっているというわけでもないかと思います。

 実際にこの外国の技能実習の方に聞きますと、休日何をしていますかということでお伺いすると、日本人の方と一緒にいるというよりも、やはり外国の方のコミュニティー、ここでいつもやっているんだということを言われておりました。

 そこで、外国人の方の受入れに対しては、一定ルールの下で共生をしていくということも大事なのかなという具合に思っているわけなんですけれども、まず、お三人の方々に、これからあるべき外国人の方々のコミュニケーションの在り方、これをどうやっていくのかということをお伺いをしたいと思います。

 加えて、塩田知事におかれましては、私、当時群馬県の方に行かせていただいたんですが、そのときの市長さんが、外国人とのコミュニティー、地域で暮らされているということですので、本当に、国が自治体任せになっているんじゃないんですかという、ちょっと厳しいお声を聞きました。そういう意味も踏まえて、国に対する要望なんかというのを教えていただければと思います。

 以上です。

塩田康一君 外国人材は、県内のいろいろな分野、産業においても、非常に貴重な人材として、また地域を支える人材として、大変重要な方々だというふうに思っております。

 鹿児島県においては、今約二万人くらいの方がいて、ベトナムの方が一番多くて、最近増えているところではインドネシア、フィリピンといったところが多く、今後はインド人材とか、ほかのところにも広く求めていきたいというふうに考えております。

 そうした中で、やはりコミュニケーションというのが重要だということは、現場でも非常に皆さんからよくお聞きをいたします。地域の日本人の方と外国人の方の交流というのが、おっしゃるように余り十分ではないというケースもあるということは、やはり語学の問題というのがあって、日本語をしっかりと勉強していただく必要があるというふうに思っております。

 受け入れる企業の方でそういった研修等もやられるとは思いますし、またそれぞれの地域の市町村も、そういった日本語教室などを行ったりということもございます。県の方でも、Eラーニングみたいなものを用意をして、それぞれの地域あるいは企業において日本語教育を行う、そういったことでコミュニケーションを図りながら、地域における多文化共生を実現していきたいということで、今取り組んでいるところであります。

 そういった中で、国の方でも、こうしたいろいろなルール作りとか受入れ環境の整備、こういったものについては、またいろいろな御支援等をいただければというふうに思っております。

岡恒憲君 外国人材の活用は、非常に喫緊の課題であろうかと思っております。

 鹿児島経済同友会におきましても、二年前に、インドの方に何人かメンバーを派遣いたしまして、インド人材に鹿児島に来てもらうということはできないんだろうかと、それの下調べに行かせて、インド人材は非常に優秀で、鹿児島ともどうも親和性がありそうなので、積極的に活用するようにしたらどうだろうかという方向に進んでいるところでございます。

 外国人の問題といたしまして、一旦鹿児島に来ていただいた外国人がすぐにどこかに行っちゃう、東京であったりとか大阪へ行ったりすると。この問題につきましては、おっしゃるように、外国人同士のコミュニティーというものができ上がって、いろいろ連絡を取り合っていく中で、鹿児島の賃金は安いよ、大阪、東京へ行った方がもっと稼げるよというような情報に釣られてそちらに行くというような問題も起こっているようでございます。

 こういう問題を解決するにしましても、先生おっしゃるように、外国人と我々日本人とのコミュニティーをどう取っていくかという、こっちの問題になってくるんだろうと思います。そうしますと、宿泊施設も含めて外国人に相当なものを提供するような体制を取っていかなきゃならないんだろうというように私自身は思っております。そういうものをどの程度取っていったらいいのか、経済同友会といたしましても考えながら、該当する会社の方への提案というものをやっていきたいと思っています。

 以上です。

亀割浩介君 農業の分野でも、かなりの外国人労働者が入ってきている状況です。

 当社としては、まだ今のところそういう計画もない状況の中での話になりますけれども、今雇入れをされている方、いろいろな業者に聞きますと、やはり先ほど言われたように文化の違いが一番ネックになるというのと、やはり居住地、住むところを自分たちで用意してやらないといけないとか、あとは買物に一緒に行かないといけないとか、結構手間もかかりますよという話は聞きます。

 ただ、でも、仕事的には本当に頑張ってくださるということで、私もよく圃場で会ったりとかするんですけれども、本当に日本人と仲よく仕事自体はされているように見受けられます。

 何せまだうちの方でこの雇入れがないものですから、具体的な問題点とか、客観的になってしまいますけれども、こんな感じでよろしいでしょうか。

池下委員 ありがとうございます。

 私も、去年、熊本県にたまたま行くことがありまして、その際に熊本の農地の方をちょっと見させていただきますと、若い外国人の方々が、歌を歌いながら、日本の農家の方と一緒にお仕事をなされていたというのが非常に印象的でありましたので、やはりコミュニケーションということは非常に大事なのかなと思いまして、質問をさせていただきました。

 それでは次に、ちょっと時間が余りなくなってくるわけなんですが、海蔵様の方に御質問させていただきたいという具合に思います。

 今日、御発言の中で給付つき税額控除というお話がありました。私も今、党の方で、各党協議会の方で給付つき税額控除の担当をしているわけなんですけれども、今、諸外国を見ますと、この給付つき税額控除の目的というのが、おっしゃるように、消費税の逆進性の問題であったりとか、勤労税額控除であったりとか、子育て支援の控除であったりとか、様々な目的として海外でこの給付つき税額控除というものが取り扱われていると存じております。

 その中で、やはり、今いろいろな形で御心配されているのが、公平公正な税制というものをつくっていくためには、国民の総所得をしっかりと把握していくということが大事だと思っております。今、働き方改革であったり、自由な働き方というのが進んできまして、雇用をされているだけじゃなくてフリーランスであったりとか、金融所得があったりとか、様々な事柄があるかと思うんですけれども、確実で公正な、例えば確定申告を皆さんが完璧にやってくれたらそれは問題ないかもしれないんですけれども、なかなか今の現状を見るとそこまでいっていないかと思うんです。

 そこで、今、給付つき税額控除に賛同していただけるということなんですが、インフラ整備として総所得をしっかり守っていくためにはどうしたらいいのかというアイデアがもしありましたら教えていただきたい。また、海外では、給付つき税額控除というのは非常に煩雑な手続だという具合に言われている側面もあります。ですので、低中所得の方には給付つき税額控除をやっていたというのが最初だったんですけれども、その後、非常に手間が面倒くさいですから、その対象者に対して給付をしていくという単純な形に切り替えたという国もありますけれども、そこら辺の御意見、いただければと思います。

海蔵伸一君 ありがとうございます。

 給付つき税額控除についての御質問でございますが、基本的には、所得税が非課税の方の適用税率、あるいは五%の方を対象に、食料品、あるいは電気、ガス、水道などの基礎的消費、これに係る消費税部分を還付する、このようなことが大事だというふうに思っております。

 御指摘のように、それにはやはり国民の所得をしっかり捕捉することがまず第一だろうというふうに思っています。これというようなアイデアがあるわけではございませんが、預貯金口座とマイナンバーをひもづける、こういったことを始め、やはり一定、事前の環境整備が必要だというふうに思っておりますので、ここは国会での審議などで環境整備に向けた議論を展開していただきたいというふうに思います。

池下委員 ありがとうございました。時間になりましたので、終了します。

坂本座長 次に、長友慎治君。

長友委員 国民民主党の長友と申します。

 隣の宮崎からお邪魔しております。私たち宮崎も農業が基幹産業でございますので、後段、農業の質問をさせていただきますが、よろしくお願いいたします。

 まず、塩田知事に伺いたいと思います。

 先ほどのお話の中で、データセンターの立地加速に向けた環境整備についてのお話をいただきました。国内最大級の三百五十メガワット超のAIデータセンターの設置計画をお進めいただいているということでございますが、このAIデータセンターが設置できると鹿児島に、また若しくは南九州にどのような産業が発展するということが考えられるか、描かれているのか、また、その経済波及効果等の試算等がもし御披露できる準備がございましたら、教えていただけないでしょうか。

塩田康一君 薩摩川内市のサーキュラーパーク九州というところに、三百五十メガワット超、国内最大級のAIデータセンターを今建設するということで準備をしております。このデータセンターを設置するということで、建設にかかる工事そのものもございますけれども、その後のメンテナンス、あるいは部材を一定期間ごとに取り替えて更新していくというようなことでの部材供給に向けた工場等、こういったようなことも含めて地域の中でそういった立地が期待されるというふうに思っております。

 今、データセンター集積型、GX戦略地域というものの国の制度に申請をしておりますけれども、そういった中では、最終的には一ギガまでの、更に三百五十メガを広げていくということで考えて、そういったことも視野に入れながら検討しているところであります。

 具体的にはまだ、どれぐらいの経済波及効果かというような試算についてはまだこれからというところでございます。

長友委員 ありがとうございます。

 九州の経済の牽引は半導体産業だということで今なっているわけで、私も昨年台湾に伺いまして、TSMCに出資している現地のメガバンクさんからこういうお話をいただきました。今TSMCの工場、第二工場も決まりましたけれども、さらに南九州にTSMC関連の企業が進出したいんだと。ですから、そこの地元で企業誘致をしたいという条件のお話や希望があれば、是非情報をどんどん欲しいというふうに私も言われたんですね。

 先ほど九州全体でシリコンアイランド九州というお話もありましたけれども、台湾の方がおっしゃったのは、南九州を半導体バレーのような構想を実はTSMCが持っているんだということでしたので、特にこの鹿児島川内市、豊富な脱炭素電源を生かした強みがあると思いますので、是非データセンターを核にして半導体関連産業等で更に経済を牽引していただきたいなと思うんです。そういう構想も既にもちろん動いているのかどうか等も伺えればと思うんですが、いかがでしょうか。

塩田康一君 半導体の関連では、TSMCの熊本県進出の後、いろいろな企業等からも鹿児島県への問合せとか引き合いとか、そういうのも来ております。

 ただ一方で、県の工業団地が九五%ぐらいもう売り払っていて、今すぐ使える土地というのがなかなか見当たらないということで、今、県の方では新たな産業用地の造成に向けて調査等を行っているところであります。

 あとは、リードタイムをどれぐらい台湾なりの企業が見ているかということによって、いろいろと造成をしたりするのに時間がかかるという、そういったこととの調整も必要かと思っておりますので、そういった意味では、引き続き、いろいろな土地を、情報を提供しながら、企業誘致等も県としても行っていきたいというふうに思っております。

長友委員 ありがとうございます。

 質問は塩田知事にはこれで最後になりますけれども、台湾の関係者とも是非、もう既にやられているとは思いますが情報交換等いただいて、九州の経済を牽引する非常に大きなポテンシャルだと思いますので、共に取組ができればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 岡経済同友会代表幹事に伺いたいと思います。

 先ほどの意見陳述の中で、基幹産業が農業、そして、さらに、観光だというふうにお話をいただきました。

 私の宮崎も農業が基幹産業でありますが、観光が実は弱いんですね。そういう意味では、農業、そして、それから宿泊を伴う農泊という意味で、観光と組み合わせた農泊推進というもののお取組が恐らく私の地元よりは進んでいるんじゃないかなというふうに拝察をしたんですけれども、農業と観光で外貨を稼ぐ、そのような取組事例等ありましたら教えていただきたいというのと、これは実際に農業をやられている亀割さんにも、農泊推進というような視点で何かお取組がありましたら教えていただけないでしょうか。ですので、お二人に質問をさせていただきたいと思います。

岡恒憲君 経済同友会の中で農泊についての私は情報を聞いたことが残念ながらございません。また、同友会を離れましても、農泊を積極的にされているという鹿児島県内の情報というのを私は耳にしたことがないので、申し訳ございません、この場で語れる資格がないということなんですが。

 農泊をもし鹿児島で今後できるということになったら、もう少し工夫をして、先ほど野間先生もおっしゃられた、いろいろな地方都市での行事というんでしょうか、それと農業体験と観光というようなものをセットにしたようなものを考えていった方がいいんじゃないのかなというような気がしております。

 申し訳ございません。

亀割浩介君 済みません、私の方も農泊に関しては無知というか、心当たるところ、今、鹿児島の中にはないのかなと思います。強いて言うならば、観光農業とか、そういうようなのはどこの県もしていますけれども、その程度じゃないのかな、鹿児島の方はと思うところです。

 以上です。

長友委員 ありがとうございます。

 続けて亀割さんに伺いたいと思います。

 お米の農家さんとしておいしいお米の生産に取り組んでいただいていることに敬意を表したいと思います。

 先週の予算委員会で、私も高市総理そして鈴木農林水産大臣に質問させていただきました。つまり、米政策においては増産に転じたということでいいのかということを確認しましたところ、多様な米の増産に方針を定めましたという答弁をいただいております。多様な米というのが輸出用であったり米粉であったりとか、もちろん主食用米も含めて多様な米を増産していくということなんですけれども、これは長年の減反政策を見直して、パック御飯等の輸出に向けても拡大していくということも踏まえての規模の生産性を整えていくということでございますけれども、現場の農家さんとしての受け止めというのは、多様な米の増産に踏み切るということに対しての受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。

亀割浩介君 政府の方も、石破総理のときに増産にかじを切り、今、高市政権になりましてから生産量に見合った作付という形に変わってきております。農家目線からいいますと、できた分を輸入に出せばいいとか、そういうのはなかなか難しいだろうと思います。何せ国内の米は高価格帯になりますので、海外でのよっぽどの何かがないと商機はないなということであります。

 ただ、多様な米作りとしまして、鹿児島もそうですけれども、県内は畜産業も盛んであったりします。そちらの方に飼料用米とか飼料用の稲とか外国からの穀物の輸入がなかなか入ってこなかったりとかいうときのために、価格帯の高騰とかもあるでしょうし、そういうのに備えて、主食用米もですけれども畜産用とかあるいは米粉用、だから、ある程度、何というんですか、バラエティーを持って米の増産というのはありだと思います。

 また、それに向けてスマート農業なり進めていけば、多収米とかそれ専用品種をつくっていけば、そういう活路はあるんだろうなと思うところです。

長友委員 ありがとうございます。

 増産に踏み切ったときに、では米の適正価格、先ほどもおっしゃられましたけれども、余ると安くなる、足りなくなると高くなるということなんですけれども、大体これまでの令和の米騒動の中で調査が出そろっておりまして、消費者側の米の適正価格は幾らぐらいなのかといったときに大体五キロ三千円という答えが相場で出てきております。

 生産者の方に、では五キロ幾らが再生産可能で永続できるかということでお聞きすると、五キロ三千五百円というような、こちらの新聞の記事にも三千円台後半と書いてありましたからそうなんだと思うんですけれども、そうなると、五キロの間で五百円のギャップがあるわけなんですね、消費者と生産者の間の適正価格のギャップというのが。

 このギャップを生産者としてはどうやって埋める、埋めてほしいというような思いがあるかどうかをお聞かせいただきたいのですが、いかがでしょうか。

亀割浩介君 確かに生産者サイドからしますと、これにあるように三千五百円台が適正だろうし、また市場でも競争していけるだろうなという価格であると思います。あくまでも現状のコストでいったときの話でありますけれども。ただ、消費者側が三千円を求めるというのも確かに分かります。

 米というものは、高い商品から安い商品からございます。あと、やはり業務用なんかになると三千円を切る価格帯にもなるでしょう。ただ、その範囲内でそのギャップを埋めるとなると、それ相応の価格帯の米をブレンドなりそういう形でもうける、だから、あとはもうそこは消費者に選んでもらうしかないのかなというところはあります。

 ただ、先ほども言いましたけれども、今年の米価は余りにも高過ぎるということで、本当にこの価格である、農家目線として、作った米を売るとしたら三千五百円ぐらいが妥当なのかなと思います。

 あと、中下米とか網下米、そういうのを交ぜてブレンドを作ってその価格帯をつくるのは十分可能ではないのかなと思います。

長友委員 ありがとうございます。

 続けて亀割さんにもう一つ御質問させていただきます。

 先ほど担い手不足についてのお話をいただいております。JA共済連さんのアンケート調査というのが二〇二四年十二月に発表されていまして、これは何かというと、一万人の二十代にアンケート調査をしています。一万人の二十代の男女に、将来、農業をやってみたいかというふうに聞いたところ、五二・一%、半数以上が農業をやりたいという結果になっているんですね。なぜそうなのかといったら、タイパ疲れと。最近の若い二十代の子はタイパ、タイパということで、タイムパフォーマンスの効率化をずっと迫られている中で、タイパ疲れの子たちがタイパに追われない農業に関心があるというような分析がされているんですけれども、もしかしたら、このアンケート調査をある程度うのみにしていいのであれば、若い意欲のある担い手はいるにはいるのかなと。

 ただ、実際、新規就農のハードルという部分を調べたりお話をお聞きすると、新しく新規就農しようとした子たちが一番壁にぶつかるのが、農地を取得すると、自分がやりたい品目であったり自分がやりたい場所で農業をやろうと思ってもなかなかできない現実があって、農地を取得することがネックになっているという結果も実はアンケートとして出ているんですが、実際に地元で農業もやられていらっしゃる亀割さんとしまして、この農地取得のハードルというのをどうやって解消していけるのかということについて御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

亀割浩介君 新規就農につきまして、農地の集積とかあっせん、そこは今農地自体が国の中間管理機構に委ねられていますので、そこはもうちょっと力を持ってあっせんなりするべきだろうと思います。

 それは新規就農にかかわらず大規模集約する農家に関しても言えることですけれども、個人的には、相対ではどうしても限界があります。そこを地域計画なりそういう、一応計画上は国の方も作るんですけれども、それが果たして効率よく実行されているかというところは疑問があるところです。そういうのをうまく活用というか、そういうのがうまく機能するようになれば、恐らくそういうのは解決されてくるだろうと思います。

長友委員 これは私がいろいろな方にお話を聞いて、実態の一つ、一例としてあるのが、新しく例えば施設園芸でハウスを建てようとした方が紹介された農地が、結局水につかるような農地で、毎年台風シーズンとか線状降水帯が起きてしまうと水浸しになるんですよね。でも、なぜそこを新規就農する方に勧めたんだと私は言いたくなるんですけれども、彼いわくここしか貸してもらえなかったということで、水につかるということは、水が湧くということは聞いていなかったと。

 実はこういう一例があったり、また、他県から農業がしたいと移住してきた方が農地としてあてがわれたところが、町役場から更に一時間山奥に行ったところで、大変不便なところで、そこで結婚しようと思ったけれども、そんなところには奥さんも来てくれないということで結婚もできない。こういうことが実は起きていて、農地は余っているのか、それとも足りないのか、何か実態として分からなくなるときがあるんですね。

 ですから、こういう部分を日本の農政というのは課題として持っているんだなと。本当に、農業をやる気のある若い人にこそいい農地を使っていただけるような制度にもっと変えていかなければいけないという問題意識がありますので、またいろいろと御指導をいただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、連合鹿児島の海蔵会長に伺いたいと思います。

 裁量労働制の拡充につきましての御意見をいただいております。安易な拡充については、長時間労働を助長しかねないということで、慎重にあるべきだ、それは当然そうあらなければならないと思いますが、一方で、経済の成長また賃上げをしていこうとなると、ある程度労働力の供給がないと賃上げの原資も稼げない。経営者としても、賃上げしたいけれども、原資がないからみんなで稼ごう、そうしたらみんなで働こうというマインドになってしまうのも致し方ないのかなと思ったときに、どのように労使が両立していけばいいのかということに対しての御意見をいただければと思います。

海蔵伸一君 賃上げの原資に関する御質問だというふうに思いますけれども、この間、数期、高い改善率で賃金を改善しておりますけれども、とりわけ中小企業のところの企業体力というところではいろいろ課題があるんだというふうにも思っています。価格転嫁という意味合いで、これをしっかりやらないとなかなか賃金の原資というのは生まれてこないというふうに思っています。

 価格転嫁、一定程度進展はしておりますが、製造、非製造あるいはBツーC周りとか、そういった二極化が生まれているということと、価格転嫁はしても転嫁率が低い、そういった課題もございます。やはり中小企業の価格転嫁がなかなか進まない最大の要因は、価格交渉そのものがなかなかできていない。ただ、発注企業から、いわゆる失注、転注、注文そのものがなくなってしまうとか、そういったことを危惧されてのことだというふうにも思いますが、価格交渉自体も、原材料費、エネルギー費は価格転嫁に乗るようになりましたが、労務費自体はまだなかなか理解がいただけない、こういうような声もございますので、その観点でいけば、一月に施行いただいております取適法を、徹底周知はもちろんのことでございますが、各側が実効性を高める営みが必要なのだろうというふうに思っています。

 あと、労務費という関係でいきますと、価格交渉をする際に、労務費をこれだけ上げるというエビデンスを求められる場合があるというふうに思いますけれども、とりわけ公務のところの発注が各都道府県や千七百を超える自治体にも影響しますので、そういったところで、どれだけ上げていますよ、そういったエビデンスをしっかりと示す、そういったことが大事ではないか、そういったことで交渉するということが大事ではないかというふうに思います。

 あと、適正な労働分配というところでもございますが、内部留保、各企業、もう既に六百兆円を超えているとされていますが、五百以上は大企業でございますので内部留保が賃上げに作用するというふうには思ってはいませんけれども、労働分配率という関係でいけば、サプライチェーンを構成する中で、大企業の適正分配に向けては一定政治的な働きかけというのも必要ではないかなというふうに考えているところでございます。

長友委員 質問を終わります。ありがとうございました。

坂本座長 次に、石川勝君。

石川(勝)委員 参政党の石川勝と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 参政党は、理念といたしまして、日本の国益を守り、そして世界に大調和を生む、こういう理念を掲げております。その中でも、国益を守るということでありましたら、人を育てるということがこれは一番大事だなというふうに感じておるわけでございますけれども、特に地域の、地元の人材、地元の子供たちを地元で育てていく、そしてそのためには日本文化をしっかり守っていくということが大事だというふうに考えております。そうしたことが地域一体となって取組が進めばいいなと日々思っているわけでございますが、今日まず一問目といたしましては、高校の無償化、これが予定されておりますけれども、その辺についてまず知事にお伺いをしたいんです。

 今、全国一律で私立高校の支援をするということで、例えば鹿児島でありましたら、少子化も進んでいると聞いておりますし、地域の分散、それから公立の教育インフラの維持が課題やということを県の資料をいろいろ調べさせていただきましたら、そういったことも書かれておりました。そういった意味からいきますと、無償化をしていくと公教育全体に及ぼす副作用というのが大きいんじゃないかなというふうに懸念をいたします。

 特に、私立への加算額が四十五・七万円ということの数字が今提案をされておりますけれども、鹿児島県の、県の公立高校の将来ビジョンの検討資料を見させていただきますと、県立高校の六十一校のうち三十四校が一学年で三学級以下の小規模学校だというふうに書いてありました。また、中学校の卒業者は令和七年の三月では一万五千百二十四人ということで、それが令和十六年になりますと一万二千五百八十、こういった推計も出ているというふうに伺っております。つまり、人が減っていくという中にあって、県自身が県立高校を学びのセーフティーネットとしてどう捉えていくかということを課題としているというふうにお聞きをしております。

 それから、鹿児島県の令和七年三月の中学校卒業予定者の進路希望というのを取られたようで、そこでは、高校等進学希望者が一万三千八百五十七人のうち、県内の公立高校に行きたいと言っている子が九千七百九十五人、そして私立あるいは高専などに行きたいと言っている子が四千六十二人ということで、比率でいきますと県内の公立高校に行きたいと言っている子が六七・一%おられるということなんですね。つまり、公立がなお主軸ということだと思うんですけれども、今回の無償化が進みますと、公立高校の定員の維持とか学校の配置、統廃合とかも含めて、学校の維持自体も難しくなっていくんじゃないかなということを懸念しております。その辺のところについて、知事、どのようなお考えを持っておられるかということをお聞かせいただきたいと思います。

塩田康一君 高校、特に県立高校について少子化がどんどん進んでいるというのは非常に大きな課題であります。また、本県においては地理的な要件として離島が非常に多くて、それぞれの島において高校がなくなりますと、中学校を卒業して本土なりに引っ越していかなければならないということになりますと、更に若い人たちの島外への人口流出というのも進んでしまうというような課題も生じることが懸念をされております。また、半島という地理的な要件もありまして、非常に中山間地域も多くて、県立高校の配置ということを、以前も、統廃合等もこれまでにもしてきておりますが、更に先ほど御指摘のような少人数の学級数等になっているということでございます。

 一方で、私立の状況を見ますと、非常に私立の志望者というのがこれまで増えていて、私学ですと、スクールバスで県内あちこち乗せて通学が非常に便利であるとか、あるいは施設も充実しているというような状況も出てきております。

 一方で、県立高校ですと、既に公共交通機関がない中で自転車なりバイク通学をしている地域もございますし、最近のバスの人手不足等でいわゆるスクールバス的に使われていた路線が廃止になり、通学も厳しくなる、あるいはそれに対しての費用も負担も増えているというような状況もある中で、今回、私立高校の無償化、いわゆる無償化というようなことになりますと、そこに更に拍車がかかるということは懸念をしております。

 ただ、県立高校における先ほどのような志望もありますので、そういった意味で、それぞれの地域におけるやはりセーフティーネットとして、県立高校というものを一定程度配置をしていく必要があるというふうに思っております。

 特に、先ほど申し上げたような離島など、いろいろな今工夫をして、県外からも山海留学みたいな形での生徒に来ていただいたりというようなこともしながらやっておりますし、少人数学級になりますと教科の先生方もなかなか十分ではないという中で、一緒に幾つかの高校がまとまって行ったり、オンラインを活用したりというような部分もございますし、そういった中で、できるだけ高校の魅力化を図っていくということで知恵を出し合いながら今取り組んでいるというところではございますけれども、そういった、先ほどの高校の将来ビジョンというのを今検討しておりまして、その中で、どういった配置というものがあり得るのか、あるいは私立との差別化であったり魅力化、こういったこともその中で更に議論を深めていくことになるというふうに思っております。

石川(勝)委員 ありがとうございました。

 続いて、先ほど税と社会保障の一体改革の話が出ておりましたけれども、そのときに海蔵様の方から御見解をお伺いしたんですけれども、それ以外の塩田知事、それから岡様、亀割様にもお伺いしたいと思うんです。

 先ほどもありました、国民負担率が今四五・七%ということで、非常に高い割合となっております。そもそも参政党は、消費税の一律減税若しくは廃止、これを主張してきておるんですけれども、それだけでなくて、社会保障との一体改革は進めなければならない大前提に立っております。

 その中で、積極財政への理解を求めたりとかいうことを主張しているわけでありますけれども、先ほど海蔵さんはいただきましたけれども、残りのお三方に、税と社会保障の一体改革、これにおいて国に求める御意見というか、こういうふうにした方がいいんじゃないかとかいうのがございましたら、その辺の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

塩田康一君 税のいろいろな改正ということが議論になっておりますが、地方の財政を預かる立場としては、地方の税財源総額の確保、そしてまた、地方の事業、社会保障も含めて今増嵩していく中で、そのための財源というのは安定的な財源として確保するなど、そういった地方財政への配慮というものをしっかりした上で検討をお願いしたいというふうに思っております。

岡恒憲君 税と社会保障につきまして、私はその部分は余り勉強していませんので当たっていないかもしれませんけれども、国の来年度の歳出予算をお聞きしましたら、社会保障費が三十九兆円で国債費が三十一兆円、それから地方交付税が二十一兆円、残りが三十一兆円。百二十二兆というとすごい巨額な歳出計画なんだなという反面、いわゆる国の事業費とでもいえばいいんでしょうか、それが三十一兆しかないんですかと。これじゃ、経済成長を促すようなことは何もできないんじゃないのかなというように個人的には思いました。

 私はもう高齢者の部類に入っているんですけれども、社会保障のかなりなウェートを高齢者が使っている。あと死に行く人だけのために三十九兆も必要なんでしょうか、もうちょっと次代の子供たちのために使ってもいいんじゃないでしょうか。

 それから、過去の国債費の利払いも含めたこの費用に三十一兆円。こういうものも今我々が負担せざるを得ない。そのとおりなんですが、やはりこういうものは減らしていって、若い人たちにはそういう負担のない国の財源というんでしょうか、これを確保すべきなんじゃないのかなというように思います。

 以上でございます。

亀割浩介君 済みません、そこまで詳しく税のことで分かるわけではございませんけれども、消費税に関しましては私としては必要だろうと思っております。やはりそれは、社会保障なり、少なからず農業者にも補助事業とかいろいろ税金が投入されていますので、そこは税収の立場で必要だろうと思います。

 ただ、私も先ほど意見陳述で言わせていただきましたけれども、事インボイスに関しましては、結局、消費税の観点から、預かったものをもらったものから相殺する、それ以上、預かってもいない消費税をなぜ負担しないといけないのか、本当にそこは疑問に思うところです。

 そこは必要ないんじゃないかなと思いますけれども、消費税自体は必要なんだろうなと思います。済みません、簡単な意見になりましたけれども。

石川(勝)委員 あと最後、一問聞かせていただきたいんですが、皆様にお伺いをいたします。

 今、先ほど皆さんからもありましたように、外国人材のことが出ておりました。参政党は、外国人材におけるいろいろな法制度、整備、いろいろな規定をしっかりと日本でつくっていくべきだということを主張しておりまして、そのようなお話も先ほどあったと思います。

 その中で、特に大事になるのが、質の確保というか、その辺の整備も大事ですが、量的制限というか、日本が日本であり続けるための外国人の方々に来ていただけるような量ですね、これの明確化が重要だというふうに思っております。

 特に、一つの事例を紹介させていただきますと、私も先日、北海道のニセコ町に行ってまいりまして、ニセコの辺り、倶知安町、行かせていただいて、見ておりますと、外国人の方が増えて土地の価格が異常に上がっている。ホテルの一番高いお部屋は幾らですかと聞いたら、一泊五百万円というふうに聞いています。私もレストランでラーメンをいただいたんですが、三千八百円。隣の方はハンバーガー、四千五百円ということで。到底地元の人たちは家を買えないので、そして学校もなくなっていくという現状があるんですね。まさにこれは特異な例かもしれません。しかし、ほかの、長野県のスキー場の辺りであったり、その辺りもそういったことが起こっているということがあります。

 つまり、何が言いたいかといいますと、やはり日本が日本であり続けるために、しっかりと地元を守っていくために量的制限が必要だと主張しているんですが、皆さんのその辺に関するお考えをちょっとお聞かせいただきたいなというふうに思っております。

塩田康一君 今のニセコ、倶知安の話など、鹿児島からすると大分違う話のような感じもしますけれども。

 地域では本当に人材不足で、外国の方がいなければ恐らくコンビニも今運営は厳しいような、そういう状況だと思います。そういう中で、できるだけ外国の方と共生しながら地域社会を維持し、また発展をしていこうということで、それぞれの文化についても理解をしながら、地域で活躍していただきたいというふうに思っております。

 そうした中で、それが、そういった社会をつくる上で、量の問題なのか、何らかの個別の行為規制的なものなのかということは、少しまた国の方でもよく議論をしていただければというふうに思っております。

海蔵伸一君 労働人口が減少し続けておりますので、やはり外国人の労働力というのは必要であろうというふうに思っています。そこには当然、女性の活躍であったり、国内での多様な人材の活用をしていくということが前提ということでございます。

 少し質問のあった量的な側面ですが、確かに、今申し上げたような前提があってですが、野方図に外国人労働者を受け入れていくということはどうかなというふうにも考えておりますし、あちこちで起きています外国人労働者との衝突であったりとか、そういったことが起きない環境整備というのは、やはり国のところでしっかり議論をいただくべきことかなというふうに思います。

岡恒憲君 外国人材につきましては、ある一定量というんでしょうか、頭数は必ず必要だろうと思います。現在の経済規模を最低限確保するためにも、そういう労働力というのは必要になってくると私は思います。

 これを、どういう制限をかけたらいいのか。無制限に入れるということは、大分乱暴な議論になってくるんだろうと思います。どういう制限をかけたらいいのか。量の問題なのか、質の問題なのか、それ以外のいろいろなことが関係してくるのか。この辺は国民も交えていろいろ議論して、皆さん方の了解を得られる制限というのを取っていく必要があるんだろうと思います。

 以上です。

亀割浩介君 外国人人材に関しましては、やはり労働力が不足している中では必要だろうと思います。ただ、ある程度の、一定の歯止めをかけていないと、今度は日本人が働く場所がなくなるというのが懸念されるのじゃないかなと思いますので、やはりその辺りもうまいバランスを取って、また、外国人も本当に大事な人材ですので、そこを、いいバランスと言ったらあれだな、ちょっと答えになりませんけれども、そういう感じで、やはり必要だと思います。

石川(勝)委員 誠にありがとうございました。

 大変貴重な御意見を賜りました。持ち帰らせていただきまして、しっかりと国政に反映させてまいります。

 どうもありがとうございました。終わります。

坂本座長 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史でございます。

 本日、意見陳述人の皆様、大変御多用の折、御意見いただき、誠にありがとうございます。この後、着座にて失礼いたします。本日は、是非、地元のリアルなお声を伺いたいというふうに思っております。

 早速、質問に入らせていただきます。

 まず、塩田知事にお伺いしたいと思います。

 先ほどの意見陳述の中でも、データセンターの立地のお話がございました。鹿児島は、地熱であったりとか太陽光であったりとか再生可能エネルギーのポテンシャルも大変高いというふうに聞いておりますので、このデータセンターとしての立地に大変適した場所であるというふうに認識をしております。

 また、先ほど、野間委員や長友委員の質疑の中で半導体のお話がございました。シリコンアイランド九州の動きというものも加速をしている中で、この半導体関連の経済効果が九州全体、ここ鹿児島にも波及をするということで、先ほど話題にもありましたが、TSMCの投資が九州全体にもたらす意義というのもより大きなものになるのではないかなというふうに思います。

 ここで少し広い意味で産業集積について考えてみると、データセンターの立地であるとかあるいは半導体のサプライチェーン、それぞれもちろん重要なテーマなんですが、それらがある程度有機的に連動をすることで、デジタル産業の集積拠点としての鹿児島のポジションというものはより強固にできるのではないかなというふうに思います。

 県では既に、立地促進補助金の上限を五億円に引き上げるであったり企業誘致に対して積極的に取り組んでおられると承知をしておりますが、これに加えて、先ほども、用地がある程度限られるという話がありましたが、用地の確保であるとか、ソフト面、人材面の整備といったことが鍵になるのではないかなというふうに考えております。

 少し前置きが長くなりましたが、お伺いしたいのが、データセンターの立地であるとか半導体関連企業の誘致であるとか、こういったデジタル産業の集積に向けて、インフラ、例えば通信の整備であったりとか人材育成であったりとか、あるいは、その中で、高専や工業高校との連携みたいなものであったりとか社会人のリスキリングみたいなものであったりとか、様々、環境整備というものに必要な打ち手は考えられると思うんですが、そういった中で、国に特にどういった支援を求めたいかという観点、是非、塩田知事からお伺いしたいと思います。

塩田康一君 データセンターを、今、整備計画が進んでいるということで、これを核とした一つの産業集積に今後つながっていくということを期待しているところであります。そのほかに、TSMCの立地、進出に伴って、その関係でのサプライチェーンの一角に鹿児島県内の物づくり企業も参入できるようにというような取組もし、また、人材育成に向けて、鹿児島大学を始めとする県内の理工系の人材育成のための準備、そういったようなことも進めております。

 そうした中で、国への要請ということについては、データセンターについては、先ほども申し上げたような電力系統の接続だとか通信の関係とか、そういったようなことを含めて、制度的あるいは予算面での御支援というのをお願いしたいと思っておりますし、そのほかに、半導体関連産業の集積、これは恐らく県内だけではなくて九州全体が一つの産業クラスター的な形になるのではないかというふうに思いますけれども、そういった産業クラスター、シリコンアイランド九州、そういったものに対してのいろいろな支援ということが、今後また、これは先ほどの地域未来戦略の中のプラン、計画、こういったものについて支援をお願いしていくということになるのではないかというふうに思っております。

高山委員 ありがとうございます。今いただいたようなデータセンターの話と、あとシリコンアイランド九州の話、それぞれ検討を引き続き進めさせていただければというふうに思います。

 続いて、海蔵会長にお伺いしたいと思います。

 先ほど、給付つき税額控除であるとか裁量労働制のお話がございました。働く方々の処遇の改善であるとか、そして手取りを確保していくということは、まさに今、日本が取り組むべき優先課題の一つであるというふうに思います。

 処遇改善を継続的に持続可能な形で進めていくためには、やはり企業側が生産性を向上して稼げるようにするということが不可欠であるかと思います。特に中小企業においては、限られた人員の中でいかに付加価値をつける、稼げるようにするかということが、賃上げの原資という観点でも重要だと思います。

 そういったときにデジタル技術の活用というのも一つ鍵になってくるかなというふうに思うのですが、特に、地元の中小企業の現場において、デジタル技術を導入して生産性が上がって賃上げであったりとか労働環境が改善できたという、うまいサイクルが回っている事例がどれぐらいあるかというところと、あと逆に、デジタル化が進まないところでなかなか賃上げも進まないみたいな、そういった事情があるのであるか、そういった現場の状況みたいなところをもう少し伺うことは可能でしょうか。

海蔵伸一君 ありがとうございます。

 労働組合の立場で少し申し上げますが、DXの活用好事例についてちょっと存じ上げないので言及できないんですが、そもそも鹿児島という単位で考えますと、DXのどちらかというと後進県ということになりますので、県にも、知事がいらっしゃいますけれども、それへの対処に必要な措置などをされて、今取組をされているというふうに思います。今回、予算の中にも、DXに関して予算確保はありますけれども、他国と状況を比較すると、必要な都度申請をして承認されたものが確保される、この割合が高いというふうに思っていますので、計画的、継続的な投資を前提とした取組が少ないのかなというふうに思います。

 特に、中小企業や地方の企業が変化に取り残されないように、雇用形態や企業規模にかかわらず、変化に対応するための、御指摘されたような労働者のリスキリングであったりとか企業主体の能力開発、あと、企業における人的投資、設備投資、研究開発を促進するための支援強化というのがやはり国に求めたいところでございます。

 回答になったかどうか少し分かりませんが。

高山委員 ありがとうございます。

 まさに中小の企業さんも変化に取り残さないというところ、重要性を認識いたしました。引き続きいろいろと御意見を交換させていただければというふうに思います。ありがとうございます。

 続いて、岡代表幹事にお伺いできればというふうに思います。

 先ほど、鹿児島の基幹産業として、農林水産業であるとか観光業というところを挙げておられました。この二つがより稼げるようになるということが鹿児島経済にとっても大変意義深いものであるというふうに私も思います。二つの基幹産業の競争力を高めるという観点で、先ほどブランディングというお話があったりとか、あるいは、それを国内外多くの方に知ってもらうという観点があるというところ、これまでの議論の中にもあったかなというふうに思います。

 こういったときに、例えば農林水産業であれば、データの活用であったりとか多くの人に知ってもらうためのデジタル的なマーケティングということがあったりとか、あるいは、観光業においてもインバウンドということであれば多言語対応していくであったりとか、観光においてもDXといったものがあろうかなというふうに思います。こういったことを進めていくに当たって、地元の方々が御苦労されている点、例えば、そういった新しい取組をしていく上で、デジタルを含めた活用ができる人材がまだまだ限られるというような実態があるのかであったりとか、そういった現場の状況を分かる範囲で教えていただけますでしょうか。

岡恒憲君 正直に私の気持ちを申し上げていいのかどうか分からないんですけれども、一言で言えば、もっとやる気を出してくれ、鹿児島の方々よ、これが私の気持ちになります。

 今先生おっしゃられたように、農林水産業、観光業、これをもっともっと生産性を上げるというか、効率化を図っていかなければならないと思いますし、そういう部分はたくさんあるんだろうと思います。なかなか、それに対しての取組がいま一歩遅れているのが実態じゃないのかなというように思います。

 自分のやっている仕事を、どこをどう見ていけばいいのか、それをきちっと把握していかないと、ただ単に、デジタル化、デジタル化と言われているから、この紙の、ペーパーレス化を図りましょう、これだけのことでは効率化は進んでいきませんので、一人一人の現場の方々が、どのような改善をすれば効率化につながっていくのかということを真剣に考えていただかなきゃならないんだろうと思います。それを、一人一人から、職場、会社、地域、鹿児島県全体ということで広めていく必要があるんだろうと私は思います。

 ついでにもう一つ。

 先ほど、賃上げの議論が出てきているわけですけれども、私は、賃上げは中小企業にとっては不可能であると。というのが、直近の物価高騰といいますのは、輸入資材の高騰に伴って発生している物価の高騰になります。結局、粗利部分が増えていない。この粗利部分が増えてこないと、賃上げに回す財源が出てこないということになります。

 高度成長時代は、実需が増えていました。昨日百個売れていた品物が、今日は二百個売れますと。ところが、今の物価高というのは、昨日百円で売れている品物を百十円で売るようになったんだけれども、数的には百個売れていたものが九十個しか売れていませんよ、こういう現象になっているわけですから、企業としたら、なかなかその中で賃上げに向ける財源があるということは言いにくい現象ですね。

 もう少し粗利を増やすためにも生産性を上げるということが必要になってくると思いますので、一人一人が実際的にどうやったら上がるのかというのを考えていく必要があるんだろうと思います。

高山委員 ありがとうございます。よく御状況、伝わったかなというふうに思います。

 まさにおっしゃっていただいたとおり、ただデジタルを入れればいいということではなくて、それで実際に生産性が上がったとか稼げるようになったという一つの事例が、職場全体であるとかあるいは地域に広がっていくということがすごく大事なんだろうなと。ある意味、一人の取組でも百人力みたいな好事例というのはあると思うんですよね。

 例えば、輸出を増やしていくみたいな話もありましたが、今、デジタル技術も使うことによって、アクセスできるマーケットがこれまでの商流の何倍にもなるみたいなことはやはりあり得ると思いますので、そういった使い方というものが少しずつ広がっていって、これをまねすればいいんだというふうに多くの方が思っていただくことによって一つ一つ広がっていくというステップなのかなという理解をいたしました。

 後段の賃上げのところでいただいたコメントも、稼げるように、要は百個だったものが百二十個売れるすべというものを考えていくということが大変重要であるということはよく分かりました。これも、日本国内もそうですし、海外も含めて、魅力ある産品あるいは観光体験というものをどう届けていくかということであるかなというふうに思いました。ありがとうございます。

 続いて、亀割代表にお伺いしたいというふうに思います。

 先ほど来、農業の、地域の担い手不足であるとか、あるいはスマート農業に関するお話がございました。まさにこの辺り、中山間地での農業が直面する課題であるとか、あるいはチャンスというものが多く含まれた話題であるというふうに思います。

 スマート農業のお話の中で、農地の集積というものが非常に関わってくるものであるというふうに理解をしておりまして、集積をして経営規模が大きくなることによってスマート農業も進めやすくなる。これは、投資の回収の意味合いであったりとか、あるいは自動運転型の機材を使いやすくなるといった側面があるのかなという認識をしているのですが、農地の集積が進むときに、どういう農地が集積されていくか。これは、例えば、飛び地が集まっても、ばらばらの小区画になってしまうみたいな課題があるのかなというふうに想像いたしておるのですが、農地集積がどう進んでいくと技術も入って規模の経済も利いてみたいな好循環になりやすいのか。あるいは、実際、現場では集積においてもどういう難しさがあるのかみたいなところを是非もう少し詳しく伺いたいなと思うのですが、いかがでしょうか。

亀割浩介君 農地の集積に関しまして、先ほど来言っているように、スマート農業上、どうしても農地の集積、規模拡大が不可欠と思われます。

 農業機械自体が大分デジタル化というか、進んでいまして、うちの会社も、ドローンなり自操、自動操舵のトラクターなり田植機なりは入っております。

 ただ、小さい圃場でも、一応、性能自体は、性能というか、作業自体はできるんですけれども、活用上、例えば、三十アールの田んぼが三枚連担である、それをまた中あぜを取る、そしてこれを九十アールの田んぼにするとした場合、ドローンでいいますと、ドローンを飛ばしちゃうと端から端まで一工程で終わります。これが三つに分かれていると、例えば、ここで一回回収して、また電池交換なりしてとかあります。

 それもだし、今、ロボット関係の機械も出てきていますので、人間がただ見ているだけで全部の作業をしていく機械等も出ています。そういうのを本当に有効に活用するには、やはり大規模な圃場じゃなければそれなりのメリットは出てこないのかなと思います。

 それに関しまして、農地の集積ですけれども、先ほど言われたように、集積で一番難しいのは、区画、団地化をつくるというのがなかなか難しい面がありまして、農地というのは個人個人の権利の問題があって、先祖代々作ってきた土地は自分たちで作りたいとか、そういうのがあるわけですね。

 例えばうちも、二枚続けて、間に一枚、他農家が入って、次にまたうちが作ってと、それを、やはりそこで、ここの間も集約できれば大きな経営面積でできるのにというのがあるんですけれども、かといって、そこに入ってくる農家に営農をやめてくださいと言うわけにもいかないというか、そういう方々もやはり担っていってもらわないといけないわけです。

 だから、一番根本的な理想は、先ほど来言っていますけれども、農地中間管理機構なり、そういうところが力を持って、例えばこの水系を、そこを担い切る規模の農家に任せるんだという、なので地域計画でもあるんですけれども、計画は作っても実行がどうしても伴わないということで、そういうところを強制しちゃえばちょっと問題が出ますので、そういうのはやはり地域計画の説明を、説明というか情報をいろいろな農家にも発信していただいて、そうすることによって、少ない農業者で限られた農地を守っていかないといけないわけですから、いかに、どれだけ作業効率をよくするかというのが今後の課題になると思います。

 ただ、現状、地権の問題とかがあるものですから、なかなかそれは難しいなというところではあります。

高山委員 ありがとうございます。権利の問題もありますので、簡単な話ではないということは改めて理解をいたしました。

 その上で、機材のシェアということだけではなくて、集積という形になっていくことで、生産性が上がって参加するお互いが稼げるようになるという可能性もあるのかなということが伝わっていくといいのかなという理解をいたしました。ありがとうございます。

 時間ですので、私の質問を終わります。ありがとうございました。

坂本座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 意見陳述者の皆様におかれましては、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。

 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 今日のこの審議をしっかりとこれからの予算委員会に活用してまいりたいというふうに思っております。本当にありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午後五時二十五分散会

    ―――――――――――――

   派遣委員の岩手県における意見聴取に関する記録

一、期日

   令和八年三月八日(日)

二、場所

   盛岡グランドホテル

三、意見を聴取した問題

   令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算及び令和八年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 齋藤  健君

       石橋林太郎君   勝俣 孝明君

       加藤 鮎子君   神田 潤一君

       笹川 博義君   谷川 とむ君

       福原 淳嗣君   藤原  崇君

       庄子 賢一君   中野 洋昌君

       うるま譲司君   村岡 敏英君

       川 裕一郎君   畑野 君枝君

 (2) 現地参加議員

       米内 紘正君

 (3) 意見陳述者

    滝沢市長        武田  哲君

    大船渡商工会議所会頭  米谷 春夫君

    岩手県商工会連合会会長

    八幡平市商工会会長   高橋 富一君

    岩手県立大学学長    鈴木 厚人君

 (4) その他の出席者

    財務省主計局主計官   山本 庸介君

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

齋藤座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の齋藤健でございます。

 私が会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。

 当委員会では、令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算及び令和八年度政府関係機関予算の審査を行っております。

 本日御意見をお述べいただく皆様におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、会議の運営につきまして御説明申し上げます。

 会議の議事は、全て衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと思います。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、自由民主党・無所属の会の笹川博義君、勝俣孝明君、藤原崇君、石橋林太郎君、加藤鮎子君、神田潤一君、谷川とむ君、福原淳嗣君、中道改革連合・無所属の庄子賢一君、中野洋昌君、日本維新の会のうるま譲司君、国民民主党・無所属クラブの村岡敏英君、参政党の川裕一郎君、日本共産党の畑野君枝君、以上でございます。

 なお、現地参加議員といたしまして、自由民主党・無所属の会の米内紘正君が出席されております。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 滝沢市長武田哲君、大船渡商工会議所会頭米谷春夫君、岩手県商工会連合会会長、八幡平市商工会会長高橋富一君、岩手県立大学学長鈴木厚人君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず武田哲君に御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いをいたします。

武田哲君 滝沢市長の武田と申します。

 本日は、このような機会をいただけたこと、本当に感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 我が滝沢市は、盛岡市の隣、まず、ベッドタウンとして人口が爆発的に増えてきた市であります。平成二十六年に、市町村合併ではなくて、単独で村から市に移行した。当時は人口日本一の村ということでありました。そして、平成二十六年に市制移行いたしまして、今年が十二年目を迎えているという状態にあります。

 そして、今回、たくさんの資料をいただきました。その中で私が一番気になっていること、それは、皆様にもちょっと、岩手県で毎月生まれている子供の数を示した表があると思います。その中で、我が市は、岩手県内で六番目に一年間に生まれる子供の数が多いというような状況です。

 しかし、全体の数字を見たときに、例えば、去年の令和六年度、一年間に生まれる子供の数が一桁の自治体が四つ、そして、今年は二つになりました。しかし、百人以下、二桁の自治体というのがこのように増えております。

 この結果を見ると、やはり、ちょうど令和六年度、一年間に生まれる子供の数が五千人を切ったというようなことで、新聞各社、様々な形で報道がなされました。実は、令和五年も生まれる子供の数が一桁の自治体が三つありました。子供の数は減っておりますけれども、いかに岩手県にこの子供たちを残していけるか、あるいは定住していくか、そして仕事をつくっていくか、そこのところに各市町は一生懸命取り組んでおります。是非とも、この岩手県、三十三市町ありますが、今の現状をしっかりと押さえておいていただきたいというふうに思っています。

 そして、この子供に私が着目しているというのは、私も、市長になってから、市長選挙で公約に掲げていたのがこども家庭センターをつくるということでした。これは、子育てにおいて相談窓口をしっかりと明確につくっていく、このことが一番大事であろうというふうに思っておりました。

 今、来年度、令和八年度から給食費の無償化、こういったことに政府では取り組んでいただけるということで、我々も一つ、一段階上がっていけるかなというふうに思っています。しかし、私は、実は、学校給食費の無償化より子供の教育にもっと予算を割くべきだとずっと思っておりました。

 ちょうどうちの市は、学校給食、完全給食を行っておりますので、無償化に対してはスムーズに移行していけるかなとは思っているんですが、五歳児健診、ちょうど令和七年度から取り組みました。政府で、こども家庭センターで推奨している事業ではありますけれども、この五歳児健診をやってみて、物すごく驚きました。例えば、運動機能を調べるために、片足けんけん五回ずつ、それをするために、けんけんぱをしていただくんですね、子供たちに。そうすると、けんけんぱをできる子供たちがほとんどいない。この運動機能の低下にはとても驚いたところであります。

 実際、二十代の父兄の皆さんは、けんけんぱはできるんですよ。でも、子供はできない。この現状から見えてくることは、やはり、子供とお父さん、お母さんが過ごす時間が少なくなっているんじゃないかということだというふうに思っています。

 今回の資料でいただいた中で、経済指標のところを見させていただきましたけれども、労働者の人口は毎年増えていく、そしてあと就業者の人数、増えていくということは、恐らく共働き世帯がどんどん増えていくんだろうというふうに思っています。そうした中で、子供の数は減っているんですけれども、我が市でもそうなんですが、学童あるいは保育所、これを利用する御家族というのはどんどん増えています。そこに手当てしていくために我々も本当に苦労しているわけでありますけれども、この五歳児健診、三歳児健診でも、目の斜視ですか、そういったものを調べるところ、要は、何かあれば子供に携帯電話を渡す、画面で子供の機嫌を取る、そういった状態がないかというところも調べています。

 この五歳児健診をやってみて、課題のある子供というのが約二九%、うちの市ではあります。この五歳児健診に取り組んでいるのは、全国で一四・一%の自治体しかありません。課題のある子供たち、二九%います。実際に、小学校、中学校に上がっていったときに、支援学級、そういったところに入る子供たちというのは約九%おります。

 やはり、これからお父さん、お母さんにしっかりとこの後の教育について考えていただきたい。ここの部分を、学校給食費の無償化も大事なんですが、子育て世帯への様々な予算組みよりも、子供の教育にもっと支援をいただきたいというふうに思っています。

 うちの市も、学校のスクールサポートスタッフであったり支援教員の拡充を図っていますが、人は一番お金がかかります。是非ともそういった予算をしっかりとつくって、子供の教育、これは、子供は将来の日本の知につながります、そして、子供がこの後日本を支えてくれる一番の原動力になりますから、子育て世帯への予算配分よりも、子供への、子供の教育、あるいはお父さん、お母さんをいろいろな気づきにつなげる、そういった予算を私はもっと拡充していただけないかなというふうに感じているところです。

 やはり、うちの市は岩手県内で六番目に子供が多く生まれている。これからの子供の教育、ここの部分はどうしても外せない。そして、お父さん、お母さんの子育てについての学びもしっかりとつくっていかないと、この後の親子の関係性、日本はどうつくっていくのか。そこの部分を是非とも皆様にはこの予算組みの中でしっかりと予算配分していただけないかなというのが、うちの市の現状であります。

 ほかにも、本当に今日は話したいことがたくさんあったわけですけれども、一番はこの子供の教育であります。子育て世帯への予算配分よりも、子供をどう育てていくか、日本の原動力になっていきますので、そこの部分を是非とも考えていただきたいなというふうに感じているところです。

 以上であります。

齋藤座長 ありがとうございました。

 次に、米谷春夫君にお願いいたします。

米谷春夫君 それでは、私の方からは、簡潔に何点かをお話しさせていただきたいと思います。

 政府は、地域未来戦略本部を設置して、地方創生の取組を経済効果にシフトして、地域ごとに産業クラスターを全国各地につくろうとしていると聞いております。

 私ども岩手県南の悲願といいますのは、ILC、国際リニアコライダーの誘致実現であります。ILCはもう十数年にわたって運動を展開しておりますけれども、産業クラスターの一つとしてILCを実現すれば、岩手県の東日本大震災からの真の復興がなされる、大きな変貌を遂げることができるかと思いますので、是非とも先生方の御理解、御支援をお願いしたいと存じます。

 二つ目は、東日本大震災以降、三陸自動車道が仙台から八戸までの高規格道路としてできて、交流人口が大変活発化しておりまして、改めて、高規格道路の持つ恩恵というのは大変大きいものだというふうに思っております。

 しかしながら、私ども大船渡、陸前高田の人間にとっては、内陸につながる横断道が全くないということが大変致命的でございまして、岩手県最大のコンテナ荷物等、荷揚げをしております大船渡港にとっては、この横断道の実現が大変悲願であります。

 宮古も釜石も、盛岡までの高規格道路ができて、一時間そこそこで行けるようになりましたのですけれども、私ども大船渡や陸前高田からは約二時間も相変わらず盛岡までかかるというような状況でございまして、何とぞ、内陸につながる横断道、この実現に御理解をお願いしたいと思っております。

 三つ目は、私は、東日本大震災で会社もそして自宅も大変致命的な被災を被った人間であります。いまだに母親がまだ行方不明で見つからないという状況にもありますけれども、東日本大震災で感じたことをお話をさせていただきたいと思うんです。

 一つは、大船渡、あるいは陸前高田も、あの東日本大震災によって、商品を販売するという小売店が皆無、ただ一店も残っていなかったというような状況があったわけでありますけれども、私はスーパーマーケットも経営しておりますものですから、一日も早くお客様に商品をお届けする、そういった場所をつくらなければ、陸前高田市民の方々、大船渡市民の方々が飢餓状態にまで陥るのではないかと心配をいたしました。

 そこで、一日も早くお店を造ろうとしましても、補助金の入っている中山間地域には建物は建ててはいけない、被災した場所に建物を建ててはならない、農業振興地域に指定されたところには建物を建ててはいけないということで、平常時の法律が非常時にもそのまま運用されるということで、大変困惑をしたわけであります。

 そこで、市長さんにお願いして、被災地の外れに仮設店舗を建てるということで了解をいただいて、仮設店舗を八月に造ったわけでありますが、市民の方々が集う場所が全くなくなったものですから、その場所がコミュニティーの場となり、私どもの店内でお客様方が抱き合ってお互いの生存を喜び合ったり、知人、友人の消息をそこで確認をしたりというような情報が飛び交ったわけであります。

 そこで、お願いしたいことは、特区ということで指定されることが余りにも遅過ぎる、ああいった天災が起きた場合に、特区指定というのを一日も早く施していただければ、地元の人間にとっては大変にありがたいということを申し上げたいということであります。

 そして、東日本大震災に絡んで申し上げたいのは、グループ助成金によって私ども被災者は大変大きな恩恵を受けました。中小企業が四分の三、あるいは私どもは二分の一のグループ助成金を頂戴して、復興に大きな貢献を果たしていただいたわけでありますけれども、そのグループ助成金が、何年たっても拘束条件がいろいろありまして、助成金を受けた建物あるいは設備、機械、それに一切手をつけることができない。

 例えば、私どもは気仙沼の同業者を吸収合併をいたしました、同じ会社にしました。ですから、吸収合併をした企業の本部は要らなくなったわけでありますけれども、本部を閉鎖するにも、グループ助成金の対象物だから手をつけてはならない、グループ助成金を受けた設備、機械にも一切手をつけてはいけないというような拘束条件がありまして、いわゆるひもつき補助金の、何といいましょうか、どうしようもならない問題にぶつかったわけでありまして、こういったところはもっと柔軟に対処していただきたいというお願いであります。

 さらに、東日本大震災の直後には、土木建設業にとっては大変な特需がありました。しかし、十五年たとうとする今、全く被災地には仕事がないわけであります。公共工事もないわけであります。したがって、被災地の土木建設業は、今、内陸あるいは県外に仕事を求めて出かけているわけでありますけれども、この十五年の間における格差の大きさというのには驚くばかりであります。

 被災地、直後の復興工事、この特需があることはありがたいわけでありますけれども、その後、それが途絶えてしまう、全くなくなってしまうという格差の大きさを何とかならないものだろうかということで思っておりまして、このことも申し上げておきたいと思います。

 あと、もう一つだけお話をさせていただきますと、国際法で漁獲制限というのがあります。私どもの三陸でも、マグロが大変いっぱい今捕れているわけでありますけれども、漁獲制限があるものですから、せっかく捕ったマグロも放流しなければいけないような状況であります。

 一度捕ったマグロを放流するにしても、大分死にかけているマグロといいますか、弱っているわけでありますから、それをまた放流しなければいけない、漁民にとっては大変つらいことなわけでありまして、この国際法を、一律に基準を設けるということではなくて、海域ごとに基準を設ける、そんなふうにはならないものかというふうに思っております。

 以上のことを申し上げさせていただきたいと思います。よろしくどうぞお願いをいたします。

齋藤座長 ありがとうございました。

 次に、高橋富一君にお願いいたします。

高橋富一君 本日は、このような機会を頂戴しまして、本当にありがとうございます。私から意見を述べさせていただきたいと思います。

 我が国経済は緩やかな回復基調にあるものの、中小企業、小規模事業者を取り巻く経営環境は依然として厳しい、そして不確実性が続いております。国内では、物価や金利の上昇が進行する一方で、人口減少と労働力不足により労働供給制約が常態化する社会構造へと移行しております。

 とりわけ岩手県においては、少子高齢化に加え、若年層の都市部流出が続いており、人口減少が一層加速しています。その結果、地域内需要は縮小し、地域経済の基盤そのものが弱体化しているとの強い危機感を抱いております。

 特にも、人口減少が顕著な地域では、生活に不可欠な生活物資や、除雪、介護等の役務を提供するエッセンシャルサービスの人手不足がより一方進んでおりまして、潜在化しております。これが生活環境の悪化や雇用の流出につながり、工場等の機能不全や企業立地の制約となりつつあります。

 加えて、国際情勢も近年にない緊張状態にあり、先行き不透明感が増しております。

 中小企業、小規模事業者は、原材料や労務費の上昇分を十分に価格転嫁できない状況の中で、最低賃金の大幅な引上げによる賃上げ圧力を受けており、人材確保が困難な環境下において、防衛的な賃上げを余儀なくされているのが実情であります。また、賃上げに伴う社会保険料の事業主負担増も、経営を圧迫する大きな要因となっております。さらには、経営者の高齢化が進む中で、後継者不足といった事業承継の課題も深刻化しており、経営課題は複合的に山積をしております。

 地域に人がいなくなれば、地域経済の持続的な発展は望めません。

 現在、中小企業庁では百億円企業宣言に取り組んでいますけれども、中小企業実態調査によれば、売上高一億円の企業が全体の六割を占めている。一方、売上高一億円を超える企業では、正規雇用者の割合や雇用者が大きく増加する傾向が見られます。つまり、売上高一億円超えを目指す企業を育成することが、良質の雇用が創出され、人材の地域定着が進み、地域経済の基盤強化につながるものと考えます。特に、中山間地域については、売上高一億円超企業の創出が地域経済全体の底上げに直結すると考えます。

 岩手県においても、今後、売上高一億円を目指す企業の育成を通じて、地方発の経済の好循環を生み出していきたいと考えています。そのためには、生産性向上や省力化に取り組み、稼ぐ力、これを高め、中小企業、小規模事業者への支援を一層強化することが重要です。同時に、事業者に寄り添った伴走型支援を行う支援体制の強化も不可欠であります。

 また、起業、創業促進も地域経済活性化の重要な要素です。地方で起業、創業する事業者に対し、開業支援補助金の拡充に加え、税制、金融面での優遇措置を講じるなど、都市部と地方部での支援の厚みを設けることを検討することも、考えもございます。

 商工会では、伴走支援を基本として、経営指導、創業支援、事業計画策定支援など、多様な支援を実施してございます。

 本県商工会では、東日本大震災直後の先行きの全く見えない状況下から地域経済を牽引する企業を創出しようと、小規模基本法に先んじ、経営革新計画を柱とする計画経営の普及推進に取り組んできており、経営革新計画認定件数では、直近の令和元年からの六年間で、認定支援機関のうち、県内では八二%、東北管内においても三二%を占める。支援により自走された起業の中には、フォーブスジャパンのネクスト百に選ばれるまでの企業に成長した企業もございます。

 以上を踏まえ、現在国会で審議されている令和八年度当初予算は、中小企業、小規模事業者施策にとって極めて重要な意味を持ちます。

 小規模事業者の経営発達を支援するため、伴走型小規模事業者支援推進事業は、全国千五百八十九の商工会のうち八割が活用しております不可欠な予算でもございます。また、日本政策金融公庫と連携をし、商工会の経営支援を全面から支援する経営改革資金融資制度、いわゆるマル経に係る予算も欠かせません。これらの予算については必ず年度内に成立させていただきたいと強くお願いを申し上げます。

 昨年末にはガソリン税の減税措置が講じられましたが、国内情勢の悪化により原油価格が再び上昇する兆しが見られ、減税効果が薄れる懸念もございます。これは、中小企業、小規模事業者の経営に直結する問題でもあり、支援を継続そして強化するためにも、当初予算の早期成立を強く要望いたします。

 政府の本予算における中小企業対策費は、これまで約一千億円規模で推移しており、多くの施策が補正予算によって依存してきました。総理が掲げる、必要な予算は当初予算で措置し補正予算前提の予算編成を見直す方針には大いに期待をしております。是非、実行に移していただきたいと考えます。

 現在、商工会では、中小企業、小規模事業者の経営支援に積極的に取り組んでいますが、支援を担う職員不足が大きな課題です。補正予算、施策されている事業環境変化対応型支援事業を当初予算に組み込み、安定的な相談員配置を可能とする形での拡充を強く要望いたします。

 加えて、近年は、全国各地で大規模災害が勃発していることから、被災地域に迅速に職員を派遣し、事業者支援に当たる制度として、特別経営指導員の新設を強くお願いを申し上げます。

 また、昨年十一月に閣議決定された強い経済をつくる総合経済対策の第一の柱、生活の安全保障、物価高への対応で示される、安心で、更なる地域社会の基盤整備については、エッセンシャルサービスの観点から、これに向けた提供企業等が多くの主体の参加促進をできるように、及び、商工団体を含む支援体制の構築等の対策を早急に図られるよう、お願いを申し上げたいと思います。

 以上、御出席の先生方におかれましては、本趣旨を御理解をいただき、実現に向けて特段の御尽力を賜れば幸いに思います。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

齋藤座長 ありがとうございました。

 次に、鈴木厚人君にお願いいたします。

鈴木厚人君 本日は、このような意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 私が配らせていただきました資料、これに基づいて話をさせていただきます。

 話の内容は、一点目は、人類の永遠の謎への挑戦、国際リニアコライダー、ILCの日本誘致の実現を、それから、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた岩手県立大学の在り方、この二点について話をさせていただきます。

 お配りしました資料の下の方のスライド番号でいいますと一番目です。

 ILCは、地下百メートルのところに二十キロのトンネルを掘りまして、その両端から電子と陽電子という素粒子を加速して真ん中でぶつける、そうするとエネルギーの塊ができます。エネルギーの塊というのは、まさにこれはビッグバンの最初でございます。そこから今の宇宙ができたように、宇宙の成り立ち等々含めて、課題は、そこにもありますが、宇宙は何でできているのか、宇宙はどのようにして始まったのか、この宇宙を支配する法則は何かということに関しまして研究を進めるというのが大きな目的でございます。

 装置の内容は、そこにありますように、地上から地下に行くために、行くというのは、電力もそうですし、水力も、それから空気もそうです。それから、超電導なので、液体ヘリウム等々の、そういうアクセストンネルがございまして、衝突点の上には、衝突点ホールとして実験室や研究所、コンピューターセンターができます。これを何とか実現したいというのが私どもの願いでございます。

 二ページ目に行きますけれども、実は、これは今ITERがグローバル企業として進んでおりますけれども、私どもは、二〇〇〇年の初めに、各国でもって、次はILCだ、リニアコライダーが次の素粒子の大きな施設だということで世界で競ったんですけれども、結局は、人の無駄遣い、お金の無駄遣い、それから技術の無駄遣いをやめて、まさにグローバルに集まってやろうということで、ここに書いてありますように、国際ILC技術開発組織というのをつくりました。

 これは、国際将来加速器委員会と言われる、我々はICFAと呼んでいますけれども、この下につくりまして、そして、この下の委員会には、世界の大きな研究所の所長と、それから必ず各政府機関の代表者、日本の場合にはいつも私と一緒に文科省の方々が出席して、そしてグローバルプロジェクトのILCを進めてまいりました。進めてまいりまして、二〇〇五年からグローバルに始まりまして、ところが、二〇〇八年、二〇〇九年以降、日本は急速に技術を伸ばしています。

 何でそうなったかといいますと、ちょっと済みません、そこにグラフがありますけれども、下が年代です。これは、ほとんど各年代のトップはアメリカのスタンフォード大学です。スタンフォード大学は、このマシンだけでもってノーベル賞を三人も出しています。

 そういうアメリカに対して、しばらくアメリカが続いたんですけれども、日本のトリスタンというところから始まって、次に、二〇〇〇年ぐらいから赤丸が一番てっぺんに立っていますけれども、これは日本の技術がアメリカを上回った。何かといいますと、アメリカはこれまでのような電磁石を使ったんですけれども、日本は世界に先駆けて超電導加速器を開発したんです。これが成果を出しまして、世界のトップに立った。

 ということで、ILCに関しましても、その辺からは、日本に行って技術開発をやろうということで、私はつくばにいて高エネルギー加速器研究機構の機構長をやっていましたけれども、そこで、世界中から年間二千人ぐらいの人が集まってきて、そして技術開発をやりました。そして、二〇一二年では、設計書ができ上がりまして、ほぼ、重要な技術開発は全て終わりました。あと残っているのは建設期にやればいいような開発だけということで、その技術設計書の受渡しは東京で行いました。

 その当時、世界では、電子、陽電子のトップ拠点が日本、それから陽子、陽子、これはジュネーブの郊外にある周長二十七キロぐらいの加速器でして、CERNと我々は呼んでいますけれども、欧州合同原子核研究所、これが世界のトップツーでございました。

 三ページ目ですね。これは、二〇〇九年時代に世界からつくばに集まって、要するに技術開発を行った、ILCの技術開発ですね。そこには、アメリカやイタリア、ドイツ、フランス等々もあります、それから日本と、それぞれでもって造ったその装置を組み合わせて性能を出した。二〇二二年に日本の有識者会議がまだこういうテストもしなきゃいかぬということを出しましたけれども、もうそういうのはとっくに終わっている。そして、もう残るはいつでもできる技術開発という点まで来ました。

 次に、四ページ目に行きますけれども、場所は、実は、日本は、前から日本にこれを造ろうと頑張っておりまして、土木学会の岩盤力学学会の先生方が日本各地に場所を選定してくれました。そして、ILCが、日本誘致、世界中の研究者から日本に造ってもらおうという提案があったわけですね。

 北上と背振、二つに候補地を絞りまして、そして、そこには、加速器だけじゃなくて岩盤力学の先生方、それから社会環境基盤ですね、都市計画とか様々な先生方が集まって場所を選定して、結局、北上山地を選んでもらいました。図に分かりますように、北上山地とそれから九州を比べてみますと、圧倒的に北上山地は赤い活断層が少ないんですね。

 そういうことも経まして、では予算はどうするかと。二〇一三年に予算を決めたのは、大体世界にルールがございまして、そのルールに基づきますと、全体の経費が八千億円ぐらいで、日本分担は大体約半分。大体、ホストをする国が半分というのが定例でございます、それだけプラスがありますもので。

 それで、二〇一三年の図を、値を載せたのは、このときにちょうど一ドル百円だったんですね。ですから、その後、換えて言いますと、今は一・五倍ぐらいになっていますけれども、換算しやすいんですね、ちょうど一ドル百円のときですから。そうすると、今はこれは、日本は四千億円というのが、今一・五倍で六千億円ということになります。

 今出ています日本成長戦略、これに、ILCの立ち位置というものを五ページに出しています。特に、赤く囲んだ、1新技術立国と、4の我が国が優位性を保つ技術力の外交的な後押しということと、競争力強化の中の2、成長投資の後押しや制約解消につながる基盤整備というところ、ここにILCは貢献するんじゃないかというふうに考えております。

 その貢献度を六ページ、七ページ、八ページに書いてありますが、まず、新技術立国に関しましては、様々な技術、これが加速器から始まっているのが多いです。特に放射光というのは、今、SPring8、播磨にありますけれども、最初はつくばで、KEKで開発して、そこで育った人たちが播磨ができるというので移っていった。今の理事長もKEKの准教授の人でした。このように、加速器は様々なところに応用する。それから、中性子の医学利用は、筑波大学病院とKEKが一緒になって、中性子をがん治療に役立てるということもやりました。

 それから、我が国の優位性を保つ、七ページですね、これに関しましては、当時の東大総長でありました佐々木先生が、ILCは大事だということを、先生自らこの図を描いてくれました。日本発、世界の文化の創造とか、第三の極、アジアの中心として、それから、膨大な産業、技術波及効果、それから、世界の中で日本の地位と国家安全保障。佐々木先生が一番強調されたのはここでして、今、CERNは七十年たっていますけれども、五十年、七十年もの間、世界三十か国以上の国から人が集まってきてここで生活しているということは、平和のシンボルである、これは是非、ILCを基にして、日本は世界に対してこういう立ち位置を示した方がいいんじゃないかというのが佐々木先生の御提案です。

 それで終わりにしまして、その次は、今度は、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた岩手県立大学の在り方。

 ちょっと今飛ばしましたね。済みません、九ページに戻ってもらいまして、もう一つ、競争力強化がございました。成長戦略ですね。

 ここには世界からたくさんの人が集まってきますので、そこに、グラフの中に、大体最盛期には六千人ぐらいの研究者とプラス産業関連で、合わせますと約一万人がこの地域に来る、そして、世界から頭脳や投資、人、技術が集まってくる、そして、各地域、あるいは日本の一次産業、観光、食、教育、伝統産業等々が合体しまして、輸出、インバウンド増、次世代を担う人材育成、それから新規の事業ですね、ベンチャー等々が育って、またそれを海外に送り出すというのが一つの目的でございます。

 そこで、現在、是非やっていただきたいのは、九ページですね、まず、世界から日本が、日本政府は前向きな姿勢を示してほしい。ここで日本が、今すぐ造りますということじゃなくて、とにかく世界の、国際政府間協議を始める、そのイニシアチブを日本が取ってほしいというのが二〇一二年からの強い要求です。

 ここは、若干日本と世界の違いがあります。日本は鶏が先なんですね。そこから卵をつくって育てていく。世界は違って、卵を持ってきて、そこから育てていく。そして、途中でもっておかしくなったらすぐ、ぱっとやめます、世界は。そこが日本と世界の違いであって、日本もやはり、最初は意思表示をした後に、政府間協議でもっていろいろなことを決めていく、そして、最終的にこれでよしとなったら、ILCを日本に誘致するということの決断ですね、それを大体年次を示してありまして、このような年次でもってやっていただきたいと思っております。

 次に、大学の点ですけれども、昨年二月に文科省の有識者会議から、我が国の知の総和の向上の未来像ということで、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方、これに関しまして岩手県立大学がどう対処をするかということで、そのページにありますように、紫で囲んであります、質の向上とか規模の適正化、アクセスの確保ということ、これを進めていこうと。

 特に質の向上ですね。知の総和というのは学生の数掛ける能力ですので、学生が減れば能力を上げるということがこの方針ですね。ですから、大学は、どんどん強化して、学生の能力を上げる教育研究、社会貢献をしなさいというのが方針です。

 そこで、その下にあるのは、地域のシンクタンクとしての役割を徹底的に示す、大学は、特に地方の大学は。そこに、岩手県は、幸い、いわて未来づくり機構とか、いわて高等教育コンソーシアムとか、それからいわてで働こう推進協議会等々、盛んに、県内の企業、それから市町村、それから大学等々が一体となって進んでおります。県は、いわて未来づくり機構と岩手県立大学を県のシンクタンクとしてもう指定しておりまして、これをどんどん進めていこうというのが我々の目的です。

 次に、特色のある大学ということで、実は、初代の学長は西沢先生でして、西沢先生は東北大学の総長をやりまして、ミスター半導体と言われた方です。この方が、門前町構想というのを立てまして、そして県立大学の周りに企業を誘致しようということを言われました。そこで、滝沢市の皆さんが中心になって、ここに企業が、貸しオフィスとそれから企業立地、場所ですね、用意しまして、そして進めてまいりました。私が来た頃は、貸しオフィスはほぼ満席、それから、企業立地はまだなかったんですけれども、二〇一八年ぐらいから入りまして、今はもう残り一区画ぐらい。

 企業と大学は密接であります。私は、二〇一五年に着任して考えたのは、ただ密接しただけじゃ駄目、もっともっとこれを何とか進めていきたいということで、たまたまスタンフォードのシリコンバレー創世記という本を読みまして、もっともっと密着にやるためにはということで、それで、それを読んだ後に考えたのが、企業学群という……

齋藤座長 鈴木陳述人に申し上げます。

 申合せの時間を大分超過しておりますので、おまとめいただければありがたく存じます。

鈴木厚人君 そうですか、はい。

 その企業学群を何とか進めていくということを考えております。

 以上でございます。

齋藤座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

齋藤座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤原崇君。

藤原委員 自由民主党の藤原崇でございます。

 本日は、地方公聴会ということで、陳述人の皆様方には、お忙しい中、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 時間が限られておりますので、早速質問の方をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、武田市長にお伺いをしたいと思います。

 お話の中でいろいろございましたけれども、やはり、子供への教育、これに対する支援というのが重要なのではないかと。

 この中で、具体例として、人件費がかかるということで、支援教員やスクールサポート等、やはりそういうのを手厚くというような御趣旨だったと思うんですが、逆に、それ以外で、ソフト面、ハード面、あるかもしれないんですが、どういった面で子供への教育への支援をやっていくということが重要なのかということ、これが一点。

 それからもう一点が、五歳児健診、これは一四%の自治体しかやっていないということだったんですが、滝沢市が始めた経緯とかきっかけ、そういうところがあれば、ちょっと時間も限られているので簡潔に、二点お聞かせいただければと思います。

武田哲君 まず、教育現場で、支援員、様々あるんですが、実際、学校の先生にストレスチェックをやってみたんですね。そうしましたら、小学校の教員は、実は、子供だと言っているんですよ。授業をやっている最中にふらふら出ていく子、突然いなくなる子、この子の対応に随分追われている。子供の対応が一番難しいと言われています。そこで、我々は、スクールサポートスタッフであったり、それからあと支援員を多く配置している。

 やはり教育は人なんですよ。人をしっかりと重点的に配置できる環境をつくっていかないと、学校の教育現場というのは大変になっていくんだろうなと思っています。昔はモンスターペアレントだ何だということが課題だったんですが、人の配置をもっとしっかりとやっていかないと教育現場というのはもたない、大変になっていくと思います。

 中学校に行くと、文書管理、ストレスチェックの中で一番今課題になっているのが、様々な文書を出すこと、ここのところは、IT技術であったり、いろいろなものを導入してやっていけるのではないかなと思っています。

 そして、五歳児健診、実際やってみて、課題のあるお子さんに、説明をするときに様々文書を用意するわけですけれども、その情報提供をするときに、やはりしっかりとお伝えをする環境が必要ということで、実は、青森の大学の方でその項目をきっちりとまとめて、あるいは、どういった経過でなっていくかというところのソフトはあるんですが、かなり高い、それを導入していくために。ですから、現場では手作りで、その課題抽出をしっかりとまとめながら親御さんに伝えていく。

 要は、就学前健診で、突然に何か課題がありますよと言われても、親は認めることができない。そういった環境を、まずは五歳児健診をしっかりやって、そして、小学校で先生方がしっかりと周りでサポートする。そして、中学校でもサポートする。そういった環境を連携してつくっていけるように今後やっていかないと、教育現場はますます大変な思いをするというふうに思っています。

藤原委員 ありがとうございます。

 まさしく五歳児健診、私も子を持つ親として、何かほかの子とちょっと違う特性が出たときに、やはり受容するのに時間がかかる。ただ、やはりそういうものをやっていくということが恐らくその子にとっても、特性に合った教育を受けられていく、サポートを受けていくということは非常に重要な意味があるんだろうというふうに思いました。ありがとうございます。

 続きまして、大船渡の米谷会頭にちょっとお伺いをしたいと思います。

 一つは、百七号線のことなんだろうと思うんですが、まさしく、私も行ってみると非常に内陸からの距離というのを御苦労なさっているなということは感じております。

 今回、ちょっとそれとは違うんですが、お聞きをしたいのは、震災復興から十五年が経過をしようとしております。インフラというのはほぼ完了に近い中で、心の復興であるとか、なりわいの再生、そういうものが行われておりますけれども、会頭のお立場として見ている中で、今、復興というもので、もしも何か足りないところがあればお聞かせいただければと思います。

米谷春夫君 間もなく東日本大震災から十五年を迎えようとしておりますけれども、私ども大船渡の場合を取れば、商店街が約二分の一にコンパクトになってしまったということであります。後継者がいない方、あるいは、いずれ廃業を考えていた方が東日本大震災を機にもうやめようということで、お店を畳んだりする方々が大変多くて、恐らく二分の一から三分の一近い商店がなくなった、そのぐらいコンパクトになってしまったと思っておりますけれども。

 その方々が、グループ助成金であるだとか、あるいは、津波立地補助何とかといったいろいろな恩恵を受けたんですね。ところが、その返済がもう今始まっているわけです。その返済に今追われて、さらに今、二重苦、三重苦でもって苦しんでいる経営者が大変多い。

 そこへ持ってきて、有給休暇も取らせなきゃいけない、賃上げもしなきゃいけない、介護休暇も取らせなきゃいけない、サービス残業はまかりならぬよなんということで、ここに来て、そういった働き方改革への規制も私は一気に厳しくなってきたと思うんですね。返済が二重、三重で差し迫っている、あるいは、需要が少子高齢化、人口減少で苦しんでいる中、また働き方改革にも対応しなきゃいけない。

 岩手県の三陸沿岸十二の市町村、東日本大震災の前と比べると人口が二六・九%も減っているわけです。大槌町というところでは三六%も減っている。山田町は三五%も人口が減っている。ますます人口減少が大幅になってまいりまして、今、経営というのは大変厳しい状況にある。これをどう克服していったらいいのかということで、正直、特効薬が見出せないでいるというようなのが今の現状です。

藤原委員 ありがとうございます。

 やはり、震災復興、その当時の絵とは違う事業環境になっているところもあったりするんだろうと思っていまして、そういうところは、やはり先ほど意見の中であった恐らく補助金適化法の関係だと思うんですけれども、グループ補助金を入れた当時とは違う業態にしたいというニーズということもあるんだろうと思っていまして、やはり、十年、十五年たってきて、当初の想定どおりいけばよかったけれども、いっていないところというのもやはりあるんだろうと思っていますので、今いただいたお話は、貴重なお話として私の方でもまた取り組ませていただきたいなというふうに思っております。

 続きまして、高橋富一会長にちょっとお伺いをさせていただきたいなというふうに思っております。

 岩手県で、特に中小の事業者が多い中で、売上高一億円以上の企業をつくるということ、これの重要性のお話がございました。その一方で、やはり経営環境の中で防衛的賃上げ等が非常にあるということ、国としても、しっかりこの予算を、先ほど年度内成立というお話がございましたけれども受け止めて、しっかり審議は進めていくわけですが。

 例えば、今最賃はかなり上がってきております。これはある意味で意味もあることだろうと思っておりますが、先ほどの米谷会頭の有休等の話とも絡むところだと思うんですが、やはり働く方の処遇をしっかりしていくということが重要でもあるんですが、実際に、やはり岩手県の中小・小規模事業者として、この近年の最賃を含めて、そういうものに対しての御見解ということを率直にいただければというふうに思っています。

高橋富一君 ありがとうございます。

 この売上高一億円を目指す企業を増やすということがやはり重要だろうなと。地域に安定した雇用を増やすためには、やはり力が高まってくるんだろう、そしてまた、一億円の企業では雇用が定着するんだろうな、そう思ってございます。そのためにも成長する事業者を育てることが、若い人の地域定着とか地域経済の底上げにもつながるものかなと思ってございます。

 そしてまた、この賃上げでございますが、やはり、私どもも必要性は十分理解はしてございます。ただ、価格転嫁がやはり厳しい中で賃上げだけ先行するということは、防衛的な対応になりやすく、持続性をやはり欠いてくるのかな、そう思ってございます。そのためには、やはり、価格転嫁の実効性の確保と生産性向上、省力化の投資、そしてまた相談体制の強化を一体で行っていかなければ賃上げには結びつかないのかな、そう思ってございます。

藤原委員 ありがとうございます。

 まさしく、恐らく岩手だけではなくて、全国では非常に中小企業というものの裾野が広いのでそこに対する支援ということ、それから賃金の原資をしっかり稼げるようにするということが重要なんだろうということをしっかり伺わせていただきました。

 次に、鈴木学長にお伺いをしたいと思います。

 まず一点、ILCについてお聞きをしたいと思うんですが、この件については、文科省で有識者会議をやって、技術的な面等で時期尚早であるという答申が少し前になされました。

 今、先ほど鈴木学長からは、もうそういうタイミングではないというような御趣旨のお話があったと思うんですが、有識者会議の答申が出てから少し時間がたっているんですが、ILCの技術的な面について改めて少し御見解をいただければと思います。

鈴木厚人君 基幹技術に関しましては、先ほど話をしましたように、二〇一二年には全て終わっている。あとは建設段階でもできるようなものが残っているということで、その後も、政府からも予算をいただきまして、テストが進められておりまして、かなりの部分がこれまでの御支援を通してできてきました。その意味においては、あとは政府間協議を進めるという段階に来ています。

 これは、我々の意見だけじゃなくて、有識者会議が出た後に、世界中のコミュニティーからそういう世界に対して、いや、そうでありませんというメッセージが出ていますので、それからもはっきりすると思います。

藤原委員 ありがとうございます。

 そうしますと、今の話を伺いますと、十分技術的には実用化というか、もちろん、実際に、大きい、フルサイズで造ってみないと分からない問題というのが出てくるんだとは思うんですけれども、ある程度、技術的には可能な領域まで達しているんだろうというふうに伺いました。ありがとうございます。この問題も、非常に、日本にとって重要な成長戦略に位置づけられるものなんだろうというふうに思っていますので、引き続き取り組んでいきたいと思います。

 少し時間がございますので、改めてちょっとほかの陳述人にお聞きをしたいんですが、米谷会頭に、お話には出てこなかったんですが、沿岸の被災地というのは、震災後も、台風災害であったり、様々な被害にその後も遭ってきました。そういう中で、大船渡では山林火災が大規模に先般ございました。今、国としても復旧復興に取り組んでいると思うんですが、その状況とか、そういうものについて、もし何か御意見があればお聞かせいただきたいと思います。

米谷春夫君 大船渡大規模林野火災からちょうど一年たったわけでありますけれども、全国から大変な御支援をいただきまして、義援金だけでも相当額に上る、そういったものになっております。現在、焼けた木を再利用したいというお申込みもいっぱいありまして、大変ありがたく思っております。

 ただ、そこまでの段階でありまして、これからどう伐採をしていくのか、あるいは、植林を今後どうするのかについては、まだ未定というようなことで、これからこれの検討がなされていくという段階だと思っております。

藤原委員 ありがとうございます。

 非常に大きな災害でございました。国としてもしっかりと引き続き復旧復興、取組をさせていただきたいと思っております。

 そしてもう一点、恐らく最後になるかと思うんですが、鈴木学長に、今度は、人口減少の中での県立大学の在り方という、最後のところのお話でお伺いをさせていただきたいと思っております。

 特に岩手県立大学、これは滝沢市に立地をしているわけでございまして、今後、また新たに門前町構想というか、目の前をまた広げようというような取組を準備していらっしゃるというふうには伺っていますが、実際に、この県立大学、初代の西沢学長以来、門前町構想ということをやっていると思うんですが、鈴木学長の方でそれを更に企業学群ということでやっていこうということでお取組していると思うんですが、やはり、実際にこう現場でやってみると、そういうことのメリットとか、実際どういう実績が出ているかというところを具体的に教えていただければなと思っております。

鈴木厚人君 こういう産学官の連携というのは、至るところでやってきたんですけれども、やはりどうしてももう一歩足りないんですね。それは何かと言いますと、ばらばらになっている。ここに来ましたら、もう周りに企業があるということ、そうすると、その利点は生かさなきゃいかぬ、そのとき考えたのは、もう企業も大学の一部にする、学部と同じくする、そこによって、学部の先生、それから学生と企業が一体となって進めると。

 そこにちょっと書いてあるんですけれども、シーズとニーズのマッチングというのは、私は宝くじよりも厳しいと思うんですよね。だって、シーズからニーズ、ニーズからシーズだ、必要は発明の母ってありますけれども、ニーズからシーズが出てくるので、もう合体して、そこでもってやはり育てていこうという目的でもって企業学群というのをつくりました。これは多分日本にはどこにもないかと思うんですけれども、これを今後ますます進めていって、企業も大学の一部という試みを何とか進めていきたいと思っております。

藤原委員 ありがとうございました。

 本当に、岩手県で育った子供というか、地方で育った方々がその地域で定着していただくということは、本当に大事なことだなと思っております。

 四名の方のお話で共通するのは、やはり人口減少ということなんだろうと思っています。引き続き、国の立場としても、しっかりこの人口減少の問題に取り組んでいきたいと思いますし、令和八年の予算審議を引き続き続けてまいりますが、今日の意見をしっかり踏まえて取り組んでいきたいと思います。

 今日は貴重なお時間をありがとうございました。以上です。

齋藤座長 次に、庄子賢一君。

庄子委員 今日は大変にありがとうございます。大変貴重な御意見を陳述人の皆様から賜ったというふうに思っております。

 今、藤原議員からも、米谷会頭に、特に震災後の今の状況ということについてお尋ねがあったわけですが、私も地元が仙台で、被災を体験し、この十五年間、被災地で地方議員、国会議員として関わってきた者の一人として、今日は是非、米谷会頭には、今の現在地、そして国への御要望ということについて、私からも改めて承りたいなと思って参りました。

 昨日、私、福島の南相馬に参りまして、スタートアップの企業の皆様からの御意見、あるいは被災された地元の住民の皆様との意見交換会、そして一市四町の首長の皆様との要望懇談会などを経てまいりまして、福島は、今も新たな課題が多様化しながら出てきています。けれども、宮城と岩手のそれは、報道ベースでもそうですし、多くの皆様の理解がもしかしたらそうだと思いますが、ハードの整備は終わっている、一定程度復興は区切りがついているという理解になってきつつあるのではないかと思います。ただ、冒頭の会頭のいろいろなお話を聞いておりますと、岩手も宮城もまだ進行形ということを今実感させていただきました。

 そこで、改めて、今の大船渡の商工会の会頭のお立場として、中小零細事業者の皆様の御支援、そして、本当の意味での復興に至るために、国に対して何か御提案や御要望があれば、この際ですので、率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。

米谷春夫君 ありがとうございます。

 私どもは、先ほど申し上げたとおり、一番念願とするのが、いわゆる道路網、これが一つ。もう一つがILCの実現ということであります。

 実情の御理解を更にいただきたいといいますのは、今岩手県の人口が百二十万人を割りました。この被災した三陸沿岸の十二の市町村を合計しても人口は十九万人しかいないわけです。岩手県の約二割だけがこの沿岸の十二の市町村、八割は内陸の方に集中しているわけであります。もちろん内陸も人口は減ってはおりますけれども、その三倍が、被災地の人口が減っているということであります。

 先日、あるところのデータを見ておりましたらば、赤字企業というのが、岩手県の場合は三三・七%が赤字企業なんですね。東北でワーストワンなんですね。東北六県の中で一番赤字企業の比率が高いのが岩手県の三三・七パー。全国平均が二三・八パーですから、圧倒的に岩手県の赤字企業が多い。そして、岩手県には、上場するような企業、いわゆる大企業と言われるのは五十社しかないんですよ。全国で九九%が中小企業と言われていますけれども、岩手県の場合には限りなく一〇〇%に近い、中小企業がほとんど占めているわけでありまして、この中小企業が赤字に苦しんでいる、人口が大幅に減っている、そういうようなことなわけでありまして、特にも被災地に対するいろいろな投資を政府としていろいろとお考えになっていただければ大変ありがたいと思っていますし。

 この中小企業への支援、やはり全国的には景気も緩やかな上昇ということを言われていますけれども、私はこれは大企業の話だと思っているんです。大企業には内部留保もたくさんございますし、輸出産業というところは特にいいわけです。

 ところが、ほとんど九九%以上を占める中小企業は、この緩やかな上昇というのは一体どこの話なんだろうかと思うぐらいに大変深刻な状況にあると思っておりまして、特にも地方の中小企業ですね。首都圏はまだインバウンドとかいろいろな需要がありますから、ところが、地方の中小企業こそ、今先生方に目を向けていただければ大変ありがたいと思っております。

庄子委員 都市部の大企業はもちろん大事ですけれども、地方部の中小企業、そこに多くの雇用がありますので、ここを支えていくことが極めて重要ということは、本当に御指摘をいただいたとおりだというふうに思っておりまして。

 今おっしゃった道路のお話は、実はお隣の武田市長に、ちょっと教育の問題と違って恐縮なんですが、教育がいわゆる国家百年のインフラだとすれば、道路網はやはり、日常生活や物流、経済、救急医療といった、人々の命にも関わる大事なインフラになると思うんですね。

 岩手県は、御案内のように、北海道を除いては都府県で一番大きな面積があります。四国四県に匹敵するような広大な面積があります。東京のような公共交通網があるわけではありませんので、やはり道路ネットワーク、これがないと非常に、社会経済活動も、また人々の暮らしにもいろいろな意味で影響が出てまいります。

 大きな自然災害などが発生した際には、先般の能登の地震もそうでしたが、命の道路との御指摘があるように、やはり道路ネットワークをおろそかにすることは絶対にできないなというふうに思っているんですが、市を預かっていらっしゃる首長のお立場で、今道路の必要性をどんなふうに、市長なりの言葉でおっしゃっていただけるとありがたいんですが、よろしくお願いします。

武田哲君 ありがとうございます。

 このインフラに関しては、やはり東日本大震災を経験したときに特にも強く思っていることは、このような大きな災害が起きたときには、港と港をつなぐこと。例えば秋田港と宮古港をつなぐ、これは横軸の、災害が起きたときにしっかりと連携できるような、そういった道路網というのはやはり必要だというふうに思っています。

 しかし、我が市も、国道四号線、四十六号線、それからあと二八二ですか、二百八十二号線、三つの国道が走っています。そのときに、少しでも車の移動を楽にするためにということで、盛岡以北のバイパスを造っていただきたいというような話はしていますが、でも、実際に計算してみると物すごいお金の投資がかかります。

 であれば、私は、東北自動車道、これは大型車を無料にしてもらえないかなというふうに思っているところです。新たな道路を造ってくださいというのは簡単です。しかし、実際に投資をするときに、その効果というのをどうつくっていくか。そのときに、私は、あるものをいかに活用していくかというところにつながってくるんだろうというふうに思っています。

 盛岡以北のバイパスを造るとなると、概算で六百億ぐらいかかるというふうに言われていますが、であれば、私は、高速道路無償化、これをやはり東北の一つの起爆剤として、そうすることによって、車の移動も増えます、観光客も増える、そういったところにつながっていくんじゃないかなというふうに思っています。

 まずは人を呼び込むこと、そして物流をどう考えていくか。でも、まず一番必要なことは、やはり大型車をいかに歩かせないか。これは、道路が傷んでいきます。ということは、基礎自治体にとって、かかる補修費、維持管理費、物すごく莫大になってきます。人が減っていくわけですから、そこにかかるお金、道路のメンテナンスにかかるお金というのは、やはり自治体にとってこれから大きな課題であります。でも、そこをどう解消できるか、そして、いろいろな人が納得できる環境というのはどこかとなってくると、やはり東北自動車道の無償化、ここの部分は是非ともお考えいただけないかなというところです。

庄子委員 貴重な御意見、ありがとうございます。

 やはり何事も優先順位をしっかりつけるということが大事だという御指摘かと思いました。加えて、港と港を結ぶということが非常に震災のときなんかも重要でした。今も、そういう意味でいうと、ウエストラインと言われますが、石巻と新庄、酒田、この細いところを結んだらもっといろいろな経済効果が生まれるよという御指摘なんかもありますので、よく我々も、全ての道路を一律に全部同時進行でというのは無理ですので、何が東北地方にとって優先的に進められるべきインフラ整備なのかということはよく考えさせていただき、また、現場の首長の皆様から御意見を賜りながら、検討を加えていきたいなというふうに思います。ありがとうございます。

 次なんですが、米谷会長にもう一点、賃上げのことについて、非常に、今の大船渡が置かれている現状からいうと、この賃上げというのはお聞きしにくいテーマではあるんですけれども、現状を率直に教えていただければ、こう思います。

 よく我々は、物価と賃金が両方上がっていくいい経済の循環を、こう簡単に口にしがちでもございますけれども、実際には、大企業が賃金を上げることができても、なかなか中小零細事業者というのはそう簡単ではないという実態はあります。

 特に価格転嫁、これが容易ではないという中で、先般も、経産省が去年の春ですかね、全国のフォローアップ調査をやりましたところ、価格転嫁率というのはようやく五割を超えたぐらいですので、半分は価格転嫁ができていないというのが中小企業の約六万社の皆様からのアンケートの調査で分かっておりますので、非常に賃上げの原資が出にくい構造は変わっていないなというふうに思っています。

 そこで、米谷会頭はスーパーの経営者でもおられるので、全国で政労使会議などを開いて最低賃金を引き上げていきましょうねという機運醸成を図っていきながら、今ようやく全国千円を超えるという水準にまでなってきていますが、地方を回っておりますと、中小零細事業者における賃上げもそろそろ限界があるよ、上げられる原資がないよという話も率直にお聞きをしているところでありまして、これからも持続的に地方部において賃上げを進めていくために、補助金や助成金もあるでしょう、税制もあるでしょうし、それから荷主、元請に対する様々なアプローチなどもあると思いますが、どうした対応を国に求めていかれるか、お考えを伺いたいと思います。

米谷春夫君 ありがとうございます。

 日本の賃金は安い、物価も安いというようなことで生産性も低い、だから日本の賃金も上げていかなきゃいけないということは重々承知しておりますし、消極的ながらも賃上げに対応していきたいと思っております。しかし、地方にあっても小規模企業者にとっては大変厳しい、大変つらい問題だと思っております。

 まだ地方においても、中小企業の中でも外貨を稼いでいる企業はそこそこいいんですね。地元は人口も減っています。大分景気も低迷しています。だから、地元に需要をとなるとなかなか厳しい。だから県外ということで、販路を県外に求めて、あるいは、よりグローバルな販路を設けて外貨を稼いでいる企業にとってはまあまあいいわけでありますが、いずれ消極的ながらも賃上げに対応していかなければいけないと思っていますし、現実的に、私の企業も五%以上の賃上げを今求められておりまして、これにどう対処していったらいいのかということを今考えております。

 そこで、賃上げは消極的ながらもやらざるを得ないのでありますけれども、一方で労働生産性を上げていかなければいけない。生産性を上げるために、政府とすれば一括償却を認めるなんというようなことも今あるわけで、これは私ども事業経営者にとって、いわゆる生産性向上に寄与する機器、システム等を入れれば一括償却できるよというのは大変ありがたいことなんです。でも、それ以外に生産性に寄与することはいっぱいいっぱいあるんです。これに対して、国として、いろいろな有利性のあるような法律、そういったものが、制度があれば私も大変助かるわけであって、やはり生産性を上げる方策、ハード、ソフト両面にわたって懸命にやっていきたいと思うんですよ。懸命にやっていく代わりに、国としても、それに対する、生産性向上への支援を強力にお願いしたいということであります。

庄子委員 ありがとうございます。

 労働集約型のところだと、なかなかAIとか機械化とか言われても難しい側面もあって、本当に御苦労しておられるんだというふうに思いますが、今の会頭の御指摘は本当に本質をついたお話だと思っておりますので、受け止めさせていただいて、十分検討させていただきたいというふうに思います。

 鈴木学長にお尋ねをさせていただきます。ILCについてです。

 これは大船渡の会頭からも期待する声を今お聞きをしたわけでございますが、これはどういう裨益かということについて少し具体的なお話をお聞かせをいただきたいんですけれども、特に、このILCがもし供用開始になった場合に、我が国のエネルギー安全保障、これにどう貢献でき得るのか。もう一点、環境問題。これも国際社会的にも大きな課題と言われていますが、この二点についてILCが果たす可能性がある領域、また具体的な裨益について教えていただければありがたいと思います。

鈴木厚人君 安全保障に関しましては、ちょっと、いろいろなポイントがあるんですけれども、安全保障といいますと、我が国の、一つは、例えばエネルギー問題でもよろしいですかね、原発がありますが、加速器技術が進んでくると、加速器駆動型原子炉といって、加速器が運転しているときには原子炉が動く、加速器が止まると原子炉が止まるというふうに、スイッチオン、オフの役割があります。これが今世界でも進めておりまして、ILCの加速器技術もどんどんどんどんそういうものに応用できるというのが一つポイントがあります。それから、使い済みの核燃料の半減期を下げるということに関してもリニアコライダーは進められるというふうに考えております。

 あとは、安全保障に関しましては、先ほど言いましたように、佐々木先生が言っておられる、五十年、七十年、百年にわたって、日本に世界からたくさんの国が集まってくるというのは一つの平和のシンボルであるということを示すことができると思うんですね。それが第一点だと思います。

 それから、もう一点は何でしたか。(庄子委員「環境問題」と呼ぶ)環境問題ですね。これに関しましては、実は、加速器を使った環境問題は非常に進んでおりまして、ほとんどの煙突の下に小さな加速器を造りまして、ばい煙を安全にすると。ここでいいのは、加速器を使いますと分解しちゃうんです。有害物質を無害にしちゃうので、外へ出しても平気なんですね。普通のフィルターとは違うということで、水もそうです。水に関しても、どんどん使われています。最近では、PFASをどうやって分解するかというのを、加速器を使ってPFASを安全なものにするということも今世界で進められております。そういうことでありまして、加速器技術というのはそういう面にも、環境面に関しても使われていくと思います。

 以上です。

庄子委員 ありがとうございます。

 最後の質問になると思いますが、高橋会長にお尋ねをさせていただきます。

 これは岩手に限った話じゃありません、全国どこでも人手不足に本当に苦しんでいます。労働供給の制約問題も、お話があったとおりです。

 そこで、外国人労働の皆様のお力をかりて、私は今、外国人労働者というよりも国際人材という言い方にシフトした方がいいと思っている一人なんですけれども、会長のお立場から、今、例えば建設も介護も水産加工も何でもそうですけれども、海外の皆様のお力をかりないと社会が回らないような実態がある中で、今後の外国人の労働者の受入れの問題等について何か御所見があれば、最後に伺いたいと思います。

高橋富一君 実は、外国人問題ですけれども、やはり、先ほど先生おっしゃるように、もう人材不足そしてまた労働力不足、こういうことでございますので、今、岩手県連でも、各市町村の商工会から、外国人登用について勉強したい、やはり外国人労働者を雇い入れないと会社が成っていかない時代が来る、ですから勉強したいということで、今、岩手県では、連合会を中心として、各商工会、市町村商工会、大体、二十四商工会があるわけですが、半分ぐらいの商工会が参加して、今研究の段階でございます。

 とにかく、今、外国人労働者を雇い入れる、これもやはりなかなか難しい問題だと思いますので、いろいろな先進地の勉強をしながら、連合会として組織を立ち上げまして今勉強中でございます。

庄子委員 皆さん、本当に今日はありがとうございました。大変参考になる御指摘を賜りました。しっかり国会に持ち帰らせていただいて、審議に役立ててまいりたいと思います。

 ありがとうございます。

齋藤座長 次に、うるま譲司君。

うるま委員 日本維新の会のうるまと申します。

 本日、大阪からやってまいりました。私、大阪の地元に伊丹空港がありまして、飛行機でやってまいりました。その関係で、今日は、団の皆様とは別で、タクシーに乗って、花巻空港から盛岡まではバスで、盛岡駅からここまではタクシーで参りました。

 その際に、タクシーの運転手の方に、景気はどうですかといったようなお話を聞いたところ、まあまあですといったようなことでお答えになられました。あっ、そうですか、どういった形でまあまあなんですかということをお伺いしましたところ、インバウンドと観光で結構いい感じだ、この辺には安比スキー場というのがあって、パウダースノーがあって、そこに外国の方も多く来られるといったようなことをおっしゃっておられました。さらに、国際的な雑誌にも観光地として、世界で六番目だったかな、そういうふうにも取り上げられたので、観光業が結構いい感じだということでおっしゃっておられたんですけれども、そこで、ちょっと三名の陳述人の方にお伺いしたいと思っております。

 滝沢市長の武田市長、そして米谷会頭、高橋会長の三名に続けて、併せてお伺いしたいんですけれども、このインバウンドだったり観光業というのは、一つの人口減少に対しての、対応する産業の形だと思っておるんですけれども、このインバウンドだったり観光業に対する期待だったり所感みたいなものをお伺いしたいと思います。

武田哲君 うちの滝沢市は、実は泊まる場所が、宿泊施設が国立青少年の家、場所しかありません。岩手山国立青少年の家。ほかにホテルがない。しかし、ちょうど今年、ここ数年なんですが、小岩井農場、御存じでしょうか。小岩井農場に訪れるのに、我が市に小岩井駅という木造の駅舎があるんです。この間、昨年、重要文化財に指定された木造の駅舎なんですが、そこを活用しながら、訪れる方々が今現在多くなっております。

 そして、あわせて、間もなく、四月に新たな、雫石町、小岩井農場の中に一泊一人二十四、五万のホテルが今度でき上がるんですが、そこの中で、うちの市は、チャグチャグ馬コ、農耕馬を歩かせて、ちょうどお渡しした名刺にチャグチャグ馬コという馬があるんですが、その馬を活用したアドベンチャートラベル。例えば、冬場、雪が降っている中、雪が積もっている中を馬の上に乗って歩く、そういったところで、我が市は、馬を飼っている方々、うちのチャグチャグ馬コはサラブレッド系ではなくて農耕馬、でっかいやつですので、その鼻息を聞きながら静かな雪の中を歩く。なかなか経験できないことを経験していただく。

 そういったことで、これからいろいろな形で元々ある素材をどう海外の方々に経験していただくか、そこの部分をこれからも追求してまいりたいというふうに思っています。

米谷春夫君 私ども三陸の方は、これはといった名所旧跡あるいは観光名所になるようなところが正直乏しいというような現状であります。

 しかし、静かなブームを今起こしていますのは、潮風トレイルというのがありまして、三陸沿岸をずっとリュックサックを背負ってずっと歩いて自然の景観などを楽しむ、これが今静かなブームを起こしておりまして、欧米の富裕者層が一人二人でリュックサックを背負って宮古、釜石、大船渡、陸前高田、気仙沼、何泊かで歩く。これが意外と人気を呼んでおりまして、今後これにまた期待をしております。

 それから、私どものところは元々金が取れたということで、日本遺産登録をしておりまして、みちのくGOLD浪漫、いわゆる私どもの大船渡とか陸前高田で取れた金が、平泉の金色堂を造っただとか、奈良の大仏を造ったというような言われ方がされているわけでありますが、日本遺産というのは世界遺産と違って、それを観光だとかいろいろなものに生かしていこうということができるわけですね。世界遺産はそのまま残す、残っているものを大事にするというのが世界遺産ですけれども、日本遺産というのは、いろいろな掘り起こしをして、それを観光とかいろいろなものに生かしていってもいいというのが日本遺産なわけでありまして、改めて、大船渡から陸前高田、気仙沼、それから湧谷、石巻というところまでを日本遺産、金が取れたみちのくGOLD浪漫として売り出していきたいと思っております。

 それにつけても、観光物産協会がやる、あるいは旅行代理店がやるということですと限界があるんですね。そこで、私どもは、DMO、地域観光法人を主体的につくりまして、いわゆるデスティネーション・マネジメント、いわゆるDMOという組織を民間でつくって、ハード、ソフト両面にわたって柔軟な、いわゆる観光資源の掘り起こし、それからPRをしていこうというような組織体をつくって今やっているわけでありまして、今後そういったものがますます必要になってくるんじゃないかと思っております。

高橋富一君 やはり、インバウンドについてはどうしても、宿泊だけでなくて地域全体にやはり消費を広げるというのがインバウンドだと思います。そのためにも、私、八幡平でございますけれども、インバウンドについては、地方の中小企業、やはりこれに売上げを拡大しながら、付加価値のある大きな機会だと、そう捉えております。

 そういう意味からも、八幡平のように宿泊だけではなくて、温泉そしてまたいろいろな体験、そして二次交通まで含めた、こういう形の全体的な消費拡大につなげられれば本当にいいのかなと、そういう視点で進むべきじゃないのかな、そう思っております。そのためには、やはり、私ども商工会が、小規模事業者に対しての伴走型支援、こういうのも進めていければな、そう思っていますし、そういう形でも歩み始めております。

 岩手県でもインバウンドの増加はしておりますけれども、訪日需要のやはり取り込みが、これはまだまだ余地はあると思いますので、大いに期待されるところだと私は思ってございます。

うるま委員 地域経済にしっかりと回っていくような仕組みの大切さ、お話をお伺いさせていただきました。

 あと、チャグチャグ馬コ、すごくすばらしいなと思いました。でも、二十六万の宿泊代はちょっとどうかな、難しいかもしれませんけれども、私も聞いて、すごく楽しみに、乗ってみたいなと思いました。潮風トレイルもお話を聞かせていただきましたので、またしっかり調べてみたいと思います。ありがとうございます。

 続きまして、武田市長にお伺いします。

 先ほど藤原委員からもあったんですけれども、やはり、お話を聞いておりまして、五歳児健診の重要性というもの、私もすごく重要なんだなと感じたんですけれども、この重要性について、先ほどお話しいただきましたが、ほかにもまだあれば、その重要性についてお話しいただけないかと思います。

武田哲君 この五歳児健診、やってみて、発達障害、行動障害、そして、一番これから課題になっていくのが愛着障害だというふうに思っています。

 要は、しっかりとした子育てができない親御さん、あるいは子供と触れ合う時間が取れない。やはり働き方改革、あるいは労働力として若い方々が求められている、そうした中で、子供がなおざりにされているんじゃないかなというのを感じているところです。

 特にも愛着障害、ここの部分では、やはり親子関係をつくれない御家庭が増えてきています。それが、子供に対するきつい言葉であったり、あるいは、親子の、お父さん、お母さんのけんかを見せる場面があったり。子供たちはとても感受性が強い。そうした中で、親からしっかりと愛着を受ける時間を取れない。これはやはり、働くお父さん、お母さんが増えていく中で、子供たちがやはり置いてきぼりになってきたんじゃないかなというふうに感じているところです。

 今回の資料の中にあった経済指標を見ても、労働者はもうどんどん増えていく。そういった数字を見ていく中で、やはり、この後、若い方々、会社で働いていくんだろう、でも、子供と接する時間はどうやってつくっていくのか。そういったところを今、国でしっかりと後押ししていかないと。

 子育て世帯への学校給食費の無償化、これは確かに大事かもしれません。でも、一番影響を受けるのは子供なんだ。子供をどう育てていくか、ここに着目しないと、まるで票稼ぎのような言葉だけ並ぶんじゃないかな、学校給食費無償化ですとか。そうではない。やはり子供をどう育てていくか、これが日本の将来につながっていくんだろうというふうに感じているところです。

うるま委員 ありがとうございます。

 まさに次に私が聞こうと思っていたことだったんですけれども、お話を聞いておりますと、やはり親と子の接する時間を長くすることが必要だということをおっしゃっていただきましたけれども、そうなりますと、働き方改革だとか、経済界の方々がおっしゃっていた話とはちょっと逆方向の話、働き方改革だとかが中小企業にとって非常に苦しいものになっていると先ほど米谷会頭もおっしゃっていただきましたけれども、逆行するような話になっているんですけれども、やはりここはしっかり親と子供が長く接せられるような時間をつくっていくべきだということで武田市長は思われているということでよろしいでしょうか。改めてお伺いいたします。

武田哲君 やはり今若い方々がしっかりと働く場をつくっていくこと、そこは私も確保していくのが当たり前だというふうに思っています。でも、そのはざまの中で今子供がなおざりにされているんじゃないかということであります。給食費とかそういったところの支援は大事かもしれませんが、現場でどう子供の不安に寄り添う人間を、人々をつくっていくか、それが大事ではないかなと思っています。

 タブレットの更新、これも大事です。でも、実際は、子供に手をかける人、子供の不安に寄り添う人、これが必要だと思っています。それを補うのが、実は教育現場だけではなくて、スクールガードの皆さん、そういった方々が朝、声がけをする。それからあと、交通指導員の皆さん、この地域で働く、あるいは見守ってくださる方々が、子供の不安に寄り添っていただける一つの手段だというふうに思っています。これは、子供の成長にとって、見守ってくれる大人がいる、この環境をつくっていくことが私は必要ではないかなというふうに感じています。

うるま委員 とはいえ、親と子が接する時間が多い方がいいとはいえ、両方の親も働かなければならないというところで、ほかのプロフェッショナルな大人であったり、子供と接せられる大人をもっと増やしていこうという方向性でいいんじゃないかというふうに理解させていただきました。ありがとうございます。

 鈴木学長にお伺いさせていただきたいと思います。

 県立大学ということで、実は関西の方では様々な自治体で県立大学であったり府立大学の無償化が今進んでおるんですけれども、東北の方での自治体の進める県立大学の無償化の状況と、大学の無償化、例えば大阪では、所得制限なしで全ての子供が公立大学に通えるような形になっておるんですけれども、こういった政策に関しての御所見をお伺いしたいと思います。

鈴木厚人君 確かに、無償化というのは非常に私どもも是非お願いしたいと思うんですけれども、やはり公立大学の場合は、設置団体が国じゃなくて、県やあるいは市なわけですね。そうしますと、そこの財政状況がありますので、なかなか余り、そう簡単にはいかないということは知っております。

 しかし、その分、大学が努力してそれを補うようにしないといけないということもありまして、県との関連は岩手県の場合は密接でして、最近、奨学金に関します免除ですね、これに関しましても三段階の免除ができまして、それから授業料免除も三段階、収入に応じて三段階の授業料免除と。

 こういうものは、全額免除、二分の一、三分の一としましたけれども、岩手県立大学の場合は、県が、段階をつけない、ある所得以上の場合は全部同じ、一律免除という形にしてもらいまして、さらに、ボーダーのところは、ちょっとやはり、すぐ所得が少ない場合は影響を受けるので少し拡大しまして、国の方針よりも幅広く免除が受けられるように、それも全額免除で、段階をつけないということで、県の補正予算にそれも、今回審議があると思うんですけれども、認めてもらえるだろうと思っています。

 そこにおいては、少しは、ほかの県と違って、県との連携がよいもので、そういうところは配慮してもらっている。しかし、当然、やはりこれから人が減っていくと、どうしてもやはり経済的な面もありますから、その面で無償化というところは非常に学生にとっては大きな魅力だと思うんですね。

 ですから、これに関しましては、やはり地方の活性化という意味においては、やはり国全体に対してそういう施策をやっていただきたいというふうに思っております。

 以上です。

うるま委員 鈴木学長に更にお伺いしたいと思います。

 無償化によって、これまで所得で、家庭の環境で県立大学に行けない子も行けるようになるということで、そのことによって、これまで行けなかった子がたくさん来られるようになることで、大学の学力そのものであったり、質そのものが向上する効果というのも大阪の方では見込まれるんじゃないかということで無償化を進めているんですけれども、この無償化によって、大学の質だったり生徒のレベルだったり、こういったものは向上するというふうに思われますか。

鈴木厚人君 実は、統計を見てみますと、これは文科省か何かだと思うんですけれども、縦軸に大学進学率、横軸に小学校六年生と中学生の間の国全体の試験があるんですね、その県別平均点を取りますと、県別平均点の高いところも低いところも進学率は全然関係ないんです。ところが、横軸に家庭の収入と縦軸に進学率を取りますと、きれいに相関しているんです。

 岩手県は全国の県の中の四十何番目ぐらいの低いところにあるんです、収入は。ところが、岩手県の試験の平均点というのはそんなに悪くない。最も顕著なのは、秋田県はトップの成績を取っていますけれども、進学率は岩手県よりもまだ低いんですね。

 そういうふうに、教育の機会均等なんだけれども、家庭環境に応じて今の日本全体はそういう機会均等は実現されていないという意味においても、やはりその無償化というのは大きなプラスになると思うんですね。特に東北地方の場合は、進学率の低い県は。

 以上です。

うるま委員 そうだということで認識させていただきました。ありがとうございます。

 お時間も来ましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。本日は本当にありがとうございました。

齋藤座長 次に、村岡敏英君。

村岡委員 四人の陳述人の方々、地方公聴会に御出席いただきましてありがとうございます。

 それぞれの立場で現場の実情を教えていただき、本当にありがとうございます。

 初めに、武田市長さんにお伺いいたします。

 私も、教育が岩手県の未来、日本の未来を決める大切なことだと思っております。私、さっき学長から出してもらった秋田県なんですけれども、小学生の成績が非常にいいということで全国的には有名ですが、しかし、現実に小学校の先生にいろいろお話を聞くと、とても今の体制では先生がなかなか定着しない。

 それは、先ほど言った、教室の中から出ていく子供もいる、それから授業と関係ないことをやる子供もいる。そうすると、逆に、成績がよくて真面目な子が学校を休むという現象も起きている。それで、その結果によって退職した先生が手伝いに来る、そして退職した先生が来ると新任の先生は学校を休むようになる、そういう非常に、子供たちの崩壊というより先生が崩壊するというような現象も出ています。

 そういう中で、本来であれば地方は自然豊かなところで、子供たちが伸び伸び教育を受けて、素直に育っていくというのが通常の形だと思いますが、しかし現実はそうなっていない。それは、共働きもありますし、また核家族化も進んでいます。そして、いっぱい遊ぶ自然の環境があるのに、家でユーチューブやゲームやというような形になっています。

 やはりここで、先ほど市長さんが言われるように、学校の教育の現場の先生方、この部分を充実しなければ、なかなか、子育て支援はもちろんこれからもやっていかなければなりませんが、学校の現場の充実が大切だ、こう思っていますが、市長さんはどのように思われているのでしょうか。

武田哲君 ちょうどうちの市には鈴木学長のいらっしゃる岩手県立大学、それからあと盛岡大学と二つの大学があります。ここの二つの大学に学生が四千名通っております。この若い方々を私は今後も活用していきたいというふうに思っております。

 実は、教育現場にいろいろな方々が足を運んでいただける。そして特にも盛岡大学は、小中学生あるいは幼稚園教諭、保育園の教諭、その免許を取れる環境があります。そのおかげで盛岡大学の地元就職率というのは大体六七%、要は、ほとんどの方々が岩手県内に就職していただける。そのときに、やはり今現場で起きていることを早く知ってもらう、その循環が今うちではできているかなというふうに思っています。

 そして、あと、学校教員の退職者、あとはペーパーティーチャー、要は、資格があるけれども現場で教育をしてこなかった、そういった方々にもサポートスタッフとして現場に入ってもらう。要は、やはり子供を支えるのは人なんだ、大人なんだ、その環境をつくっていくということが大事だというふうに思っています。

 そして、幼少期、恐らくお父さん、お母さんが忙しくて外で遊ぶ機会がなかった、自然の中を歩く時間が取れなかった。でも、それを、地域の皆さん、田んぼに入ることもそうです、畑に入ることもそうです、それを補ってくれるのが、先生だけではなくて、地域の皆さんが一緒になって子供たちを育てるんだ、その雰囲気づくりが必要なんだというふうに感じています。

 そして、道路のことで、うちは国道もあります。県道でひとつ盛岡からちょうど北に向かって走る県道があるんですが、そこは、一日交通量が二万台、大型車の混入率が約二〇%、その中を子供たちは三千八百人、要は、保育園と小学生、中学生を合わせるとそれだけの子供がその県道を利用して歩いています。でも、千五百日交通死亡事故ゼロです。これは、地域の皆さん、そういった方々が一緒になって交通安全を推進してくることができた。これは、うちの市にとって、やはり地域の皆さんと一つの達成感、まあ、交通死亡事故ゼロ千五百日というのは、私としてはなかなか難しいところを何とかクリアできた。

 これは、でも、地域の皆さんが一緒になってやってくれている、これがやはり、子育て環境というのは学校現場だけではない、いろいろな人たちが関わってやっていくことだというふうに思っていますので、もっと広い視野でこれからの地域づくりあるいは子育て環境というものをつくっていくことが必要だというふうに感じています。

村岡委員 大変ありがとうございました。貴重な御意見をいただきました。

 今、私の秋田も、岩手も、もちろん人口減少、その中で各市も移住なんかも求めています。本来であれば、地方で子供たちを育てることは非常に伸び伸びと健やかに育つということの中で、教育というのは本来であれば地方が一番売りにしなきゃいけないところだと思っていますので、そういう意味では、地方の教育の充実ということに向けて努力していきたい、こういうふうに思っております。

 そこで、もう一つ市長さんにお聞きしたいんですが、物価高騰対策です。昨年、補正によって、地方交付金の中で、代表的なものはお米券がありましたけれども、物価高騰対策というのは、今これだけ食料品始め全てのものが値上がりしていますから、これはやるべきだということで我々も賛成しておりますけれども、市長さんからするとどのような形が物価高騰対策として望ましいと思っていらっしゃるか、教えていただければと思います。

武田哲君 私としては、今回の物価高騰の予算、本当は住民の皆さんに一人一万円ぐらい大体配れるくらいの予算をいただいたというふうに思っています。

 でも、これまで、やはり地域経済を支えてくださっている中小企業あるいは農家の皆さんの活力をどうつくっていくかという部分では、やはり企業、あるいは現場で汗水流している人たちの支援も必要だというふうに私は考えました。

 そこで、地元で今度流通、ようやく、間もなく、四月下旬ぐらいに刷り上がるんですが、商品券を、地元だけで回る、使える商品券をつくる。そして、商工会の会員あるいは申込みがあった方々がその換金に応じることができるという仕組みで、一人当たり六千円ということで各市民の皆様には配りました。

 その中で、商工会、今、滝沢市は岩手県内で最も加入率が高い状況にあります。それは、こうした物価高騰対策、それに、しっかりと情報を得ることができるのは商工会の会員の皆さんですよとか、要は、ひもづけしながらしっかりとお金が回るように、そういうふうな形で頑張ってやっています。

 しかし、今後の物価高騰対策というのは、世界情勢の中でどう変わっていくかが全く今見えない状況にあるというふうに思っています。その中で、いかに市民の暮らしを守っていくか、あるいは企業の皆さんのなりわいを、あるいは農家の皆さんの生産意欲をつくっていくか。これは、我々だけではなくて、やはりこのような意見を聞くような場を国会議員の皆様にも設けていただいて、そしてそれを実現していく、これが国力の一つの形になっていくんじゃないかなというふうに思っております。

 是非ともいろいろなところに足を運んでいただいて、いろいろな事情が各市町あります。先ほど数字でお見せしました、生まれる子供の数が一桁の自治体、一生懸命やっています。増やそうと思ってやっています。特にも二年続けて最下位だったのが、藤原議員の御出身の西和賀町です。そこが、令和七年度、一気に二桁に増えました。いろいろな意味でまだまだ底力がありますから、そこの部分の支援、不安だけではなくて、新たな活力を生むことが今後の物価高騰対策には一番必要なことではないかなというふうに感じています。

村岡委員 ありがとうございます。

 地方には底力があるというのは共通した認識なので、そこを引き出せる政策をつくっていかなければならない、こう思っております。

 そこで、米谷会頭と高橋商工会長と共通の質問をしたいんですが、今、高市総理大臣が、国民会議ということで、消費税の食料品ゼロ%、これを目指すということで国民会議がこれから開かれていきます。この消費税ゼロ%というのは、地方経済にとってどのように捉えているか、食料品のゼロ%というのはどのように捉えているか、お二人の陳述人にお聞きしたいと思います。

高橋富一君 本当に、この消費税のゼロ%、やはり今この物価高、特にも食料品の高騰、これはなかなか国民にとっては大変な事態である、そう思っております。

 私ども商工会にしては、やはりこの消費税、これが今度、食料品の消費税がなくなることにおいて、その減った分を今度どこかにつけられるんじゃないかなというのは、一つ、我々事業者にすればあります。

 というのは、先ほども申し上げましたが、やはり納税の問題、そういうことにやはり転嫁が逆にされるのであれば、やはりこれも事業者としては大変なことになるのかな、そう思ってございます。

米谷春夫君 物価高騰というのは、私は、過度に円安が進行し過ぎているその影響が大変大きいと思っておりまして、どうしても海外からの原材料、これが高いものですから、それが値上げにかなり反映されている。円安の進行がこれ以上進むということはやはり抑えていかなければいけないだろうと思っています。

 消費税を二年間にわたってゼロにするというのは、正直言って、一般市民の方々にとってはありがたいことであって、それは、消費に回るのではなくて、恐らく預金として回っていくのであろうと思っております。

 私どものようなスーパーマーケットが、消費税がゼロになったから、じゃ、その分、お客様が買ってくださるものが増えるかというと、それは限定的なことであって、私どものようなところに恩恵はほとんどないであろう。消費税がなくなった分、それを消費に回すのではなくて、お客様方は、やはり家計の節約あるいは預金ということに回していくだろうと思っております。

 また同時に、心配しますのは、消費税がなくなりました、はい、二年後にまた復活をしますよと。そのたびにシステム投資が、私ども莫大なシステム投資がかかるわけですね。レジを、機能を変えなきゃいけない。このシステム投資に関わるコスト負担が過剰なぐらい発生するということをちょっと憂慮しておりまして、この辺の何かの制度があれば大変助かると思っております。

村岡委員 ありがとうございます。

 現実的に、食料品がゼロになるということは、システムの問題もありますし、二年後にまた戻るとなるとどういうふうになるか、そういうことを今度国民会議の中で話していかなければならないというふうに思っております。まだ出席は我々は決めていませんけれども、それを話していくべきだと思っております。

 さらには、我々が主張しているのが賃上げの問題です。中小企業が賃上げするときに価格転嫁ができない。その中で、しかし賃上げをしなきゃいけない。でも、賃上げをしたとしても、従業員の方が、ほかの負担が大きくて余り喜んでいないということも聞いています。

 そういう中に、やはり社会保険料というのが非常に大きく関わっていると思っています。物価高騰対策の中で、社会保険料の減免というのはどのように感じているか。お二人の会長、会頭にお願いしたいと思います。

米谷春夫君 社会保険料を減免となると、やはりサラリーマンとしては大変ありがたいことであろうと思っております。

 どうしても、可処分所得という点では、逆に少なくなっている面があるわけでありますから、やはり可処分所得が増えるということは、いわゆるサラリーマンにとっても大変ありがたいことだというふうに思っております。

村岡委員 座長、済みません。

 プラス、会社の社会保険料の負担も、これは減免するべきだ、こういうふうに思っております。賃上げした企業ですね。

米谷春夫君 そうしていただければ、もちろん私どもとしてはありがたいことで、この上ない、あれですね。

高橋富一君 私も、米谷さんとほとんど同じなわけですが、ここの価格転嫁できないというのが、やはり一番、今、小規模事業者の大変なところだと思ってございます。

 その意味からも、こういう形で進めてもらえれば本来は一番いいことだと思いますけれども、何といいますか、税のこと、そのことをやはり考えながら進めていただければな、そう思います。

村岡委員 大変ありがとうございます。

 財源の問題は、しっかりこれは国の政治として責任を持たなければならないですが、消費税の食料品ゼロなのか、それとも社会保険料なのか、いずれにしても、しっかりと財政の裏づけを持ってですけれども、各企業が活力になるような形での結論を政策的に出していくことが必要だということを感じさせていただきました。

 そして、最後に、学長にお聞きしたいんですが、ILC、日本の基礎技術を、しっかりと世界と一緒になってこれを、世界の中心がこの東北に来るということで非常に期待をいたしておりますが。

 私もまだ分からないのが、このILCの部分で、先ほど、かかるお金の一兆円とか、そういうのは基礎技術が世界から集まるとすれば非常に貴重なことだとは思っています。これが、でも、民間経済や民間の企業に役立っていく姿がまだちょっと見えていないんですが、学長から、どのような姿を将来描いているのか教えていただければ、こう思います。

鈴木厚人君 加速器技術は最先端の技術を使いますので、ほとんどの加速器関連等々は大企業です。現在も、東芝、日立、三菱等々も含めて、大体大きな会社が、ずっと加速器に関しては一緒になってやってきました。同時に、今はデータ解析もありますので、コンピューター関連も、これも世界トップのものが集まってきますので、そうなります。

 さらに、そういうところでも、やはり小回りの利くものというのはなかなか大企業はできないので、そういう小回りの利くものに関しましては、むしろ地域の中小企業ですね、例えば今、滝沢市にあります、名前を言っちゃ悪いですか、会社ですけれども、そこは小さな会社なんです。つくばのKEKと一緒になって、ILCに対する加速器の製品開発等に寄与しました。その会社は今、海外から受注を受けているんですね。そのように、大きな会社と、それから小さな会社が一体となって支えます。

 それから、こういう実験機は、実際に始まりますと、すぐに改善、改善、改善、改善でどんどん技術開発が進んでいきます。その意味においても、周りに企業がどんどん建っていくと。

 例えば、先ほど話をしましたスイス・ジュネーブのCERNですけれども、周りに五十社以上のベンチャーができています。しかも、そこから研究職員、技術職員が、今インターネット社会ですけれども、WWWを最初に考えた人なんです。彼らなんかは、今の社会が来るとは全く思っていなかったけれども、早く世界中にデータを送りたい、情報交換したいということでWWWを考えた。それが今のような社会をつくっているわけですね。

 そのように、新しいことをやると、必ずそこにいろいろな付随した技術等々も同時に伴いますので、是非これは、日本にそういうものを、その機会があったら非常にいいかなというふうに思っております。

村岡委員 大変貴重な御意見をいただきまして、政策に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。

齋藤座長 次に、川裕一郎君。

川委員 参政党の川裕一郎です。石川県金沢市から参りました。

 本日は、岩手県での地方公聴会に貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

 岩手県は、二〇一一年の東日本大震災からもうすぐ十五年がたとうとしております。本当に、政府も含めて、地域の方々、地方の方々が一生懸命復興を進めてきて、随分前に進んだと思うんですけれども、私、石川県でありまして、二年前に能登半島地震、私は金沢ですけれども、発生をしまして、今、甚大なる災害の中で復興に当たっているところですけれども、まだまだやはり足りない部分もありますので、本日皆さんからいただいた貴重な意見も、また地元の復興にも生かしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まずは、米谷会頭にお伺いしたいと思います。

 先ほど、問題の大きなところはやはり中小企業の赤字の問題ということで、全国よりも自分たちの地域の方が赤字企業が多いということがありましたけれども、その赤字の要因、業種によって違うと思いますし、様々な原因があると思うんですけれども、多くの赤字の原因と、それに対して、政府に対して一番何を求めたいか、お伺いしたいと思います。

米谷春夫君 赤字の原因というのは、やはり需要の減少というのが一つあると思います。それは、人口が減っておりますからパイが縮小している。だから、売上げも当然、増えていくというような要素が少ないということが一つあります。それから、経営コストがどんどん今上昇しております。燃料を始め、いろいろな、人件費もそうですし、そういった経営コストがどんどん上がっている。そんなことで、利益も減っているということで、売上げも減り、利益も減るというようなことで赤字が増えているということだろうというふうに思っております。

 でも、地方の中でも販路を、先ほども申し上げたんですけれども、外部に求めている企業は、これは伸びているところが結構あるわけですね。輸出をしてもうける、あるいは全国に販路をどんどん広げていく、そういった競争力のある商品を作って販路をどんどん外へ求めているというところは伸びているということでありまして、それが逆に、地元だけに頼っているというところがますますじり貧になっているということだと私は思っております。

川委員 ありがとうございます。

 輸出企業が今円安で利益が出ているということは間違いないと思いますし、ただ、やはり、地元で頑張って、地元で商売をして利益が出てくる、これが理想だと思います。その中で、支援を求めたい、会頭が国に対して、地元で商売をしながら利益がしっかりと出せる環境をつくるために、政府に対してどういう要望をしたいと思いますか。

米谷春夫君 一つは、私どもは地元企業なわけであります、県内の地場企業なわけでありますけれども、どの業界を問わず、大手企業の寡占化というのがどんどん進んでいるだろうと思っております。

 私どもは、いわゆる小売業の業界においては、大手全国チェーンというのが全国あちこちに出てきていまして、特に名前を言ったらあれですが、イオンさんなんかは典型的なもので、どこへ行ってもイオンさんはある。それがどんどん支配をしてきている。マーケットシェアがどんどん拡大をしている。逆に地元の企業がそれに苦しんでいるというような構図があっちこっち見られるわけでありまして、そういった意味では、地場企業というものに対する優遇措置というのが私はあってしかるべきじゃないかと思っております。

 どこの地域に行っても、よりネームバリューがある、より大手の方はみんなウェルカムウェルカムということで、また、大手企業が来るとそこにいろいろな恩恵的な措置も講ずる、行政はそういった面がなきにしもあらずなわけでありますけれども、地場企業こそやはり必要不可欠なものであるから、やはり地場企業に何かの恩恵措置があっていいのではないか。

 最後に言いますけれども、ヨーロッパの小売業というのは、上位五社、六社ぐらいで圧倒的な全国の寡占化という状況でありますよね。市場占拠率が八〇パーとか八五パー、もう大手五社、六社だけの上位寡占になっているわけですね。アメリカは、あれだけ国土が広くても、あるいはウォルマートという何十兆円も売る巨大企業があっても、まだローカルにはそれぞれ頑張っている企業があるわけでありまして、日本にしても、ヨーロッパのような構図になっちゃいけないと思うんです。アメリカのような、ローカルはローカルで生き残れる、そういうふうな構図になるようないわゆる制度であったりあるいは法的な措置を講ずるだとか、考えていくべきじゃないかと思っております。

川委員 ありがとうございます。率直な意見だと思います。本当に、大店法が改正されて、全国で大手のスーパーチェーンなどがやはり進出をして、私たちの住んでいるところも同じような状況になっておりますので、地元企業への特別な措置というのはあってしかるべきだと思いますので、私たちはその要望をしっかりと伝えていきたいと思います。ありがとうございます。

 あと、教育に関して武田市長にお伺いをしたいと思います。

 子供の支援に関しては、学校給食よりもほかにやるべきことがあるのではないかと。参政党も、子供のやはり教育に関しては、それなりに皆さんでいろいろ考えながら政策もつくってきました。今の行き過ぎた偏差値教育よりも、自分たちがしっかりと考えて行動できるような子供たちがしかるべきというふうに思っております。

 今ほど話があったとおり、子供たちの多動であるとか様々な障害というのは、やはりお父さん、お母さんからの愛情不足というのも一つあると思いますし、私たちが子供たちのときはまだ核家族化が進んでいなくて、おじいちゃん、おばあちゃんに僕自身も育てられましたし、そういう家庭がたくさんありました。今、お父さん、お母さんが共働きであれば、子供は学校に一人で行って、不登校になれば一人で家にいて、そういうことが増えているかと思います。

 そのことに関して、スクールサポートスタッフとかそういうことを充実させているという市長のお考えがありましたけれども、例えば、私たち参政党というのは、専業主婦の方にしっかりと支援をしていく、そのことによってお母さんが外に働かなくても家計が回っていくような仕組みができないかということで、十五歳までのお子さん一人当たり十万円という給付をしたいということで、これはまた予算措置は別として、そういうことをすることによって子供たちがよりよく家庭環境で育っていけるのではないかというふうに考えておりまして、そのことに関する見解などをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

武田哲君 子育て世帯への給付、これは直接的で、もらうお父さん、お母さんはいいのかもしれません。でも、実際は、現場でどういった教育環境をつくっていくか、そこに注力しないと私は駄目だと思っています。

 特にも、五歳児健診に取り組むきっかけは、要は、働いていく中で、子供たちにどういったことが起きているのか、まずは五歳児健診を各市町、市町村の皆さんにやってもらいたいというふうに私は思っています。そこから出てくる数字、それが小学校、中学校へとどうつないでいけるか。今は全国でまだ一四・一%の自治体しかやっていない健診です。これを充実させて、そして、今子供たちに何が起きているのか、そこをしっかりと洗い出す必要があるというふうに思っています。

 お父さん、お母さんに現金給付、これまでも、児童手当であったり、いろいろな手当が世帯の皆さんには配られてきたと思っています。でも、その中でも子供たちのそういった様々な状態というのは改善されていない今の現状を見ると、現金給付が正しいとは私は思っていません。まずはその教育環境、それをどう充実させていくか、あるいは学童、保育園、どうつくっていくか、あるいはそれに関わる、子供に関わる地域の皆さん、その人たちがしっかりと関わっていただくことによって、その恩恵を受けた子供たちというのは必ず地元に戻ってきますから。

 ちょうど、盛岡大学に通うある学生が自分の母校で教育実習に行った。そのとき、当時スクールガードだった人から、何々ちゃん、おはようと言われた。その瞬間にその人は、私は絶対この滝沢市の教員になる、そういうつながりをやはりつくっていく。誰に支えていただいたか、そういった循環を生んでいくことが、これからの子育て、これは学校現場、あるいはいろいろなところだけではなくて、地元の自治会の方々、いろいろな人たちが関わってやっていくことが私は一番必要じゃないかなというふうに思っています。現金給付より教育環境の改善だと私は思っています。

川委員 ありがとうございます。まさしくそうだと思います。やはり地域の住民を挙げて子供を育てていくという環境づくりが私は物すごく大事だと思います。

 五歳児健診に関してもう少しお聞きしたいんですけれども、運動能力の低下ということで、全国で一四・一%しか実施していないということでしたけれども、これは運動能力だけの、ちょっと私が知見がなくてお聞きしたいんですけれども、運動能力がなくて先ほどのけんけんぱができないのか、若しくはそういう知的な部分が、しっかりと集中できない状況になっているのか、どういう状況でできない子供たちが増えているんでしょうか。

武田哲君 恐らく、小学校の現場でも、タブレットを使ったりとか、様々な機器を使って教育がなされている。でも、遊びと経験が、恐らく、小さい頃から身についていないんじゃないかなというふうに思っています。親も忙しくて子供と外で遊ぶことができない。でも、この現状を生んだのは、もしかすると、コロナの感染、外出を控えるとか、そういったことも影響しているのかもしれないなというふうに思っています。

 まずは、これからの、今子供たちがどういった状況にあるか、この五歳児健診をうちでやってみて本当によかったので、よかったというか課題がたくさん見えてきたので、周りの自治体の方々にも、是非とも早く、早期に取り組んでくれということで、いろいろな機会を捉えて各自治体の首長さんには話しています。

 そうした中で、やはりいろいろな方々が、よし分かった、令和八年度から取り組むというふうに、要は、データをしっかりと集めること、そして、子供の今置かれている状況をしっかりと表すこと、これが必要なんだというふうに思っています。

川委員 ありがとうございます。私もしっかりと勉強させていただいて、必要性を感じたら、私自身もしっかりと広げられるようにまた努力もしていきたいと思います。ありがとうございます。

 先ほどお話があった、もう一度市長にまた質問なんですけれども、ICT教育ですよね。GIGAスクール構想で、今、子供たち、小学校一年生からタブレット端末一台持たせて勉強していくということですけれども、そこにはやはり、当然大きな予算がかかっておりますし、お金の使い方を、最初のところでも、ちょっと考えてくれということが市長からありましたので、小学校一年生からタブレット端末を使って授業することに対してどのようなお考えなのか、お聞きしたいと思います。

武田哲君 私は、別段、否定するわけではありません。でも、教育現場でタブレットをしっかりと前面に出してやっていくということは、親も、それが当たり前の教育だと思われたくない。やはり、外で遊ぶこと、汗を流すこと、人と関わること、元気いっぱい汗をかいて歩き回ること、こういったのが子供のうちに経験することが一番必要だというふうに思っています。

 そして、特にも愛着障害を持ったお子さんは、集団の中で我慢すること、人を思いやること、これを学ぶのは、実は家庭以外にも、集団生活の中で学習することができるというデータも出ています。障害、障害って、療育をいかにやっていくかですので、この療育に関わる方々というのはやはり大人なんですよ、人なんですよ。これに関わる人たちをしっかりと確保できるようなことをやっていけば、これからの未来を担う子供たちがしっかりと育っていく環境ができるんだと思っています。

 やはり、収入によって、なかなか携帯電話も持つことができない、いろいろな御家庭もあります。そうすると、いろいろな、タブレットに触ることもできない、触れることもできないというお子さんもいるかもしれません。でも、それ以上に、やはり元気な子供たちをいかに育てていくか。そして、社会って何だ、働くって何だということを連想させることであったり、自分の地域に元々ある文化って何だろうと考える子供、あるいは人を思いやる子供、これをどう育てていくかということが一番大事なのかなというふうに感じています。

川委員 ありがとうございました。

 続きまして、米谷会頭と高橋会長にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど、食品消費税、二年間限定のゼロという話の中でそれぞれの御回答をいただいたと思うんですけれども、食料品の消費税だけではやはり足りない部分も事業者としては当然あると思いますし、例えば、全体的に消費税の減税であるとかそういうことが、私たちはそういうふうに訴えてはいるんですけれども、それぞれのお立場で、消費税に対する考え方ですよね、現状の一〇%でいいのか、若しくは食料品だけ下げればいいのか、若しくは消費税全体を下げていく、なくしていく方向が望ましいと考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

高橋富一君 消費税の減税については、これは、やはり全体的に消費税が下がるということは、ただ、最終的にはその減った分の予算をどこに、今度どこから捻出するのか、国の方でもそれはなかなか難しい話だろうなと思いますけれども、この食料品の減税については、先ほども申し上げましたが、やはり税制と併せた形の施策を考えなければならないのかな、そういう形で私は思ってございます。

米谷春夫君 消費税をなくすることも、あるいは時限立法的に二年間なくすることも結構ですし、社会保険料を減免することも結構だ、それなりにやはり国民の方々が生活という点では恩恵を受けることで、結構だと思います。

 ただ、一方で、私どももやはり責任ある国民でありたいと思っております。ただただ政府に求める、そういった国民ではなくて、やはり日本の財政に対する責任の一端を私ども国民が担っているんだ、そういった自覚を持ちたいものだと思っております。

 そういった意味で、消費税をなくする、あるいは社会保険料を減免することもいいですけれども、それに代わる財源、例えば消費税の五兆円をどうするのか、その辺を明確にしてやっていただければありがたい。ある人が国債を買おうと思ったらば、いや、日本の財政が破綻になる可能性もあるから国債を買うのもどうかと言った人もいますけれども、そういった心配すら今の日本の財政というのはあるわけでありますから、そこにやはりきちっとした明確な財源等、措置等もしてやっていただければありがたいと思っております。

川委員 ありがとうございました。

 最後の質問になるかと思いますけれども、鈴木学長の方に一点だけお聞きしたいと思うんですけれども、ILCの方が実現した場合、そのときに、地元の学生の皆さんとかに対する、そういう就労の機会であるとか勉強の機会であるとかというのは、可能性はあるんでしょうか。

鈴木厚人君 これは、世界から人が集まってくるのと同時に、人も家族も集まってきますので、小学校、中学校を見ても、例えばつくばを見てみますと、いろいろな国の人たちがランドセルをしょって小学校に通っているんですね。そういう一つの国際的な社会ができます。それと同時に、ヨーロッパのCERNの場合は企業も集まってきますので、そういう意味において、少しこれまで日本にないような地域がここにできると思っております。

 これがどう発展するかはその中の取組であって、それはいろいろなやり方がありますけれども、例えば、こんなことを言っちゃ悪いんですけれども、やはり広域でやらないと、ある地域だけにそれを任せてしまうと、パンクしちゃうんですね。やはり、盛岡から仙台までの広い地域でそれぞれの分担を共有し合ってやるとなってくると将来の発展性が出てくると思うので、そういう意味においては、最初から広域でもってそれぞれのところが関与して発展するという仕組みが必要かと思っております。

川委員 ありがとうございました。

 時間になりましたので、終了させていただきます。貴重な御意見、ありがとうございました。失礼します。

齋藤座長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 本日は、地方公聴会ということで、岩手県の皆様に貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。日本共産党の畑野君枝でございます。

 東日本大震災から十五年を迎えようというこの日でございます。さらに、大津波もございましたが、二〇一六年の八月の台風十号による災害もございました。コロナ禍や、お話のあった物価高騰、そして昨年の大船渡市での林野火災、そして、主要産業である漁業がなかなか魚が捕れないということも伺ってまいりました。その中で、岩手県は、国が一年半で打ち切った被災者の医療費減免を十一年続けられるなど、県民の立場に立った復興を進めてこられました。

 政府は今年度で第二期復興・創生期間を終了し、来年度から第三期となるこの状況の中で、ハード事業はほぼ完了する一方、被災者が抱える課題は複雑化、多様化している。心のケアや災害公営住宅でのコミュニティー、医師や見守りなど、必要なところが、これらの交付金が終了になるなど、先日、我が党の調査団も岩手に伺ってお話を聞かせていただきましたが、たくさんの支援を求めるお声を聞いているところでございます。

 今日は、それを前提としながらですが、短い時間ですので、まず、教育の問題についてお二人から伺いたいと思います。

 滝沢市の武田哲市長におかれましては、熱い訴えをお話しいただきまして、ありがとうございます。私も、この予算委員会で、先日、短い時間ですが、教員不足、少人数学級の質問をさせていただきまして、本当に人に予算をつけてほしいとおっしゃる市長さんと同じ思いでございます。

 それで、私はそのときに質問の中で文部科学省に訴えをさせていただきましたのは、やはり正規の教員を配置をしていく、いろいろな支援員もいるんですが、基礎定数、乗ずる数で、どんな地方でも学校に先生を必要に応じて増やすことができるという制度が必要だと思っておりまして、全国知事会からもそういう御要望を伺っているところなんです。その上で、先生になってもらうという点で、市の状況で何か大変な点、あるいは御要望があれば伺いたいと思っております。

 あわせて、岩手県立大学の鈴木厚人学長にもその件について伺いたいのですが、教員養成をされていらっしゃると思うんですが、学生の皆さんが教員になるという点で、思っていらっしゃるような、あるいは、ここが改善されたらもっとなりたいのにというような学生の声などを御存じでいらっしゃいましたら教えていただきたいと思っております。

武田哲君 まず、教員の確保、これは全国でも教員不足が随分叫ばれております。

 その中で、我々も、うちの市では今まで、単独で村から市になってきた、村政時代から合わせると百三十七年目だったと思います、今年が。でも、この歴史以来初めて、一つ、小中学校が閉校になりました。今現在ある小中学校はこの後も数年間、数十年間、残っていくわけですけれども。

 やはり、適正な数、本当に小規模校、そこの部分にかかる人の数もすごく増えてきている。あるいは、集約化、こういったものは図っていかなければならないと思っています。要は、適正規模の学校をしっかりとつくっていく、あるいは合併をしていく。新たに小学校、中学校を合併するということもあるんですが、そのときの補助金、学校の建設にかかるお金も大変かかります。しかし、その集約を図っていくと、教員の先生もある程度減っていくという現象が出てくるというふうに思っています。

 まずは、しっかりと各自治体のその集約を進めながら、そして一番は、先ほど話したとおり、盛岡大学、教員、あるいは岩手県立大学の学生さん、特にも盛岡大学の学生は地元で教員として働いてくださる方々が約六七%いるというお話をしました。これは、地元でいろいろな経験をする、岩手の子供たちというのはこうなんだということを経験していただく、それが教師としてのやりがいにつながっていくんだろう、そういうふうに感じています。学校の中だけで学ぶのではなくて、早期に現場に出て、そしてある課題を認識する。

 でも、実際は、報道ベースで見ていると、マイナスの報道ばかりが、教員不足、あるいは働き方改革、あるいは本当に苦労が絶えない職種だ、そういった報道ばかりが多いんですが、でも、実は違うと思っているんですよ。先生方は本当にいろいろな喜びを持って教員になっていただいている。そこの部分をもっとクローズアップすることが大事ではないかなと思っています。

 やはり、人が人を育てる、これを絶対忘れてはならないんじゃないかな、それが新たな日本の歴史をつくっていく一つの階段になっていくのかなというふうに感じています。

 全然マイナスのイメージでは捉えていません。

鈴木厚人君 本学は、文学部とか経済学部とか理学部、そういう学部じゃなくて、ある意味においては特殊な専門性の学部を置いている、看護学部、社会福祉学部、総合政策学部、ソフトウェア情報学部と。看護とか社会福祉とか総合政策の人たちは、公務員を希望する人が非常に多いんですね。県内の地方公共団体に就職が多いです。なかなか、教員のところはごく一部でありまして、そこは強化しないといけないと思うんですけれども。

 ただし、一つ、ソフトウェア情報学部というのがありまして、ここが、大手に採られてほとんどは東京へ行っちゃうんですけれども、ところが、そうでなくて、地元にもこういう、ソフトウェア情報学部の、情報のあれを育てようというので、五年前ですかね、ソフトウェア情報学部の中に教員養成講座をつくりました。そうしたら、やはりそこを通して、県の教員ですね、今言ったタブレットとか最新のAIとかのような技術を使うのは小中高でやっていますので、そういう先生は今では毎年数名誕生しております。

 そういう意味においても、これから公務員の中からもそういう人が出てくるように何らかの努力はしたいと思っております。

 以上です。

畑野委員 ありがとうございました。

 武田市長に伺いたいんですが、もう本当に、地域に学校があるということが地域をつくっていく上でも大事なので、私、小さい学校でも、統廃合というよりも、その地域に残してそれを支援するというのがいいなというふうに国会でも取り組んできたんですけれども、地域の中の学校の在り方、そして、本当に先生たちも意欲を持ってやっていらっしゃるという、いい地域だなというふうに思ったんですけれども、そういう点で、先生が足りなくて困るとかいうことはないんですね。

武田哲君 先生が足りないということで困っているかどうかというと、県教委の絡みになってきますのでなかなか難しいんですが、ただ、うちは、スクールサポートスタッフであったり、元ペーパー教員、教員の資格はあるけれども教員になったことがない方、そういった方々もしっかりと積極的に活用させていただいております。あとは、OB、OGの方々。

 でも、これから私は、確かに小規模校、地域のよりどころです。必要です。でも、決断しなきゃならないときが来るんですよ。やはり、新入生が二年ぐらいゼロになりますよというときがあると思うんです。

 ましてや、先ほどお話ししました、いろいろな環境の中で、行動障害、発達障害、いろいろな療育が必要なお子さんがいる。これは、人と人との触れ合いの中で、大規模といいますか、ある程度の人と人との関わりがなければ、社会性、これが身についていかないんじゃないかなというふうに思っています。

 守るべきものは、やはりこれからの日本の将来を担う子供たちなんですよ。地域の方々も、そのよりどころで大事なんですが、しっかりと説明していくと納得してくれます。

 ましてや、うちの市で、実は、PTAの方々から、給食費の無償化、確かに一部の方からは出ますよ。でも、運営委員会とかそういったことをやっていく中で、一度も給食費の無償化というのはお願いされたことがなかったというのが現実です。社会で騒ぐよりも、しっかりと子育て環境を整えていくことによって満足感というのは上がっていくんだと思っています。

 現金給付、あるいは、子育て環境、学校教育現場でかかるお金にいただきたいということではないんですよ。親世代の人たちも、しっかりと説明をしていくと、現金を欲しいというんじゃなくて、やはり教育環境をしっかりつくっていく、そして、子供たちがどういう環境であればしっかりと成長していけるかということに気づいていただける、そういったことをしっかりとやっていくことが私は必要ではないかなというふうに思っています。

畑野委員 ありがとうございました。

 文科省の新しい実証研究でも、子供にとっても教員にとっても少人数学級が効果があるというのが出ておりまして、岩手県は国に先駆けて三十五人学級を小中学校でやっていただいているということで、是非進めて頑張っていただければというふうに思っております。ありがとうございます。

 大船渡商工会議所の米谷春夫会頭と、岩手県商工会連合会そして八幡平市商工会の高橋富一会長、お二人に伺わせていただきます。

 漁業の問題も最初にお話をさせていただきましたけれども、震災を受けて本当に御苦労されてきたと思うんです。

 先ほどグループ補助金のお話がございました。これは東日本大震災を契機につくられたものだというふうに承知をしております。個人ではなく、事業者の皆さんがグループをつくって、そして、施設や設備のための補助金の制度ということで、なりわいの再建のために使われてきたというふうに思います。

 ところが、震災前の生活をなかなか取り戻せない状況の中で、その返済が求められるということもございました。それから、先ほどの話にも関わるんですが、廃業や倒産で、補助金で買い入れた施設やそういったものを売却、処分しようとすると返還を求められるということもあるので、私たちとしては、やはり実態に即した柔軟な対応を国としてもしていただきたいということを求めているところなんです。

 このグループ補助金について、先ほどお話ししていただいた以外に加えてございましたら、お教えいただけますでしょうか。

米谷春夫君 グループ助成金については、その対象になった建物、機械、設備に手をつけられないというような、非常に柔軟な対応ができないという部分があるので、そこを何とかしていただきたいということであります。

 それからもう一つ、今回の大規模林野火災で判明しましたことは、仮設住宅を建てなければいけないというときに、そういったときにスキームがもう決まっているんですね。スキームが決まっているということは、請負業者もほとんど決まっている、そして、地元ということにとらわれずに外部から業者が来て仮設住宅を建てるというような、そういった仕組みになっているようなんですね。

 だから、仮設住宅は当然地元の建設業者がやるのであろうと思ったところが、地元の建設業者も知らない、ましてや、それぞれの地元の建設協会も知らない、建設業者も知らないということで、外部の業者が請け負って、それで特定の業者が来て仮設住宅を建てるということが判明をいたしまして、それはまずいでしょう、やはりこういったときこそ地元建設業者が請け負うべきであろうというようなことで、県の方に申出をして、ちょっとそういった措置もしていただいたのでありますけれども。

 そういった天災があったときの、既成のルールが決まっているといいますかね、それが大変疑問でありまして、そういったときに、地元への配慮ということを考えた施策をお願いをしたいというふうに思います。

 東日本大震災とはちょっと離れた話でありますけれども、そのことを申し上げておきたいと思います。

高橋富一君 東日本大震災、やはり本当に、先ほど申し上げましたように、先行きの全く見えない状態から、商工会としては、地域経済を牽引するためにも企業をどう支援するかということが、やはりそれが一番の形で進んできたわけでございますが、特にも、一八年の西日本の豪雨や二四年の能登半島の地震のときにも、商工会として、指導員さんたちを、そしてまたOB、職員を、専門家の形で派遣していろいろ指導をしてまいりました。

 それは、やはり自分たちが東日本大震災で経験した、そしてまた復旧支援をしたそのノウハウを能登半島の皆さんに支援をするということで、本当にこういう形は、今、商工会としての一番の支援の大事なところかなと。特にも、大災害が勃発している今の時代ですので、これらの支援体制をやはりきちっと商工会として進めていければな、そう思っておりますし、今後ともこういう形の支援の施策、国についてもいろいろな形で支援をお願いできればな、そう思ってございます。

米谷春夫君 座長、もう一つだけお許しを。私、今、もう一つ言い忘れたので。

 東日本大震災に絡んで、私ども、五階建てだとか三階建ての店舗が全壊をしてしまいました。したがって、これを解体しようと思ったところが、自社負担で解体をしなさいということでありました。なぜ自社負担で解体をしなければいけないんですかと聞いたところが、おまえのところは大企業だということなわけです。大企業は自社負担で解体しろ、中小企業は国が負担して解体をしてあげるということでありました。

 そこで、私は、私の会社が大企業なんて考えたことがなかったものですから、何で大企業なのかと言ったところが、中小企業の定義、中小小売店の基準というのは、資本金が五千万以下、従業員が五十人以下が中小企業の基準なんですね。ところが、私どもは資本金が五千万以上だったものですから、大企業に分類されてしまって、自社負担で解体をしろということであったわけであります。

 でも、五階建てとか三階建ての建物を解体すると、また大変なお金がかかるわけで、そういった後ろ向きのことに自社負担はしていられないということで、あえて資本金を減資にして、中小企業にして、国の負担で解体をしていただいたわけであります。

 この中小企業の定義、基準というものの見直し等が私は必要じゃないかと思っていまして、従業員五十人なんてものは、一店舗つくれば五十人以上になるんですね。ましてや、資本金が五千万というのは、私はハードルが低いと思っているんですよ。やはり、経営者として増資、増資を重ねていかなければいけないというのがある中で、あえて資本金を抑えるような法的なものはどんなものなのかという疑問を持っております。

畑野委員 時間が参りましたので、実は、先ほどからあった消費税廃止、減税、インボイス廃止の問題や、あるいは、防衛特別法人税が四月から始まりますし、防衛特別所得税も来年一月から始まろうという状況について伺おうと思いましたが、時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

齋藤座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 意見陳述者の皆様におかれましては、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。

 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午後四時十八分散会


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