第5号 令和8年4月16日(木曜日)
令和八年四月十六日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 関 芳弘君
理事 小里 泰弘君 理事 河野 正美君
理事 谷 公一君 理事 簗 和生君
理事 山口 晋君 理事 中川 宏昌君
理事 青柳 仁士君 理事 田中 健君
石原 正敬君 伊藤 聡君
内山 こう君 加藤 大博君
木村 次郎君 草間 剛君
今 洋佑君 斉藤 りえ君
佐藤 主迪君 園崎 弘道君
高見 康裕君 田中 昌史君
中川こういち君 永田磨梨奈君
西田 昭二君 新田 章文君
福田かおる君 藤田 洋司君
古川 直季君 松下 英樹君
松本 泉君 三原 朝利君
山本 大地君 吉田 真次君
吉村 悠君 赤羽 一嘉君
近藤 和也君 西園 勝秀君
池下 卓君 柏倉 祐司君
黒田 征樹君 萩原 佳君
佐々木真琴君 工藤 聖子君
山田 瑛理君
…………………………………
国務大臣
(防災庁設置準備担当) 牧野たかお君
法務副大臣 三谷 英弘君
文部科学副大臣 小林 茂樹君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
総務大臣政務官 向山 淳君
財務大臣政務官 三反園 訓君
農林水産大臣政務官 山本 啓介君
国土交通大臣政務官 加藤 竜祥君
国土交通大臣政務官 永井 学君
環境大臣政務官 友納 理緒君
政府参考人
(内閣官房防災庁設置準備室次長)
(内閣府政策統括官) 横山 征成君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 由布和嘉子君
政府参考人
(内閣府広域避難・計画推進室長) 鎌原 宜文君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 服部 準君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君
政府参考人
(金融庁総合政策局参事官) 田部 真史君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 近藤 玲子君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 加藤 主税君
政府参考人
(消防庁国民保護・防災部長) 門前 浩司君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 堤 良行君
政府参考人
(文化庁審議官) 梶山 正司君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官) 佐々木昌弘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(農林水産省農村振興局整備部長) 石川 英一君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 井崎 信也君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 服部 卓也君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 林 正道君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 沓掛 敏夫君
政府参考人
(国土交通省道路局次長) 石和田二郎君
政府参考人
(海上保安庁警備救難部長) 山戸 義勝君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君
政府参考人
(防衛省統合幕僚監部総括官) 上田 幸司君
衆議院調査局第三特別調査室長 江成 友幸君
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委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
加藤 大博君 山本 大地君
木村 次郎君 新田 章文君
今 洋佑君 松本 泉君
渡辺 創君 赤羽 一嘉君
黒田 征樹君 池下 卓君
同日
辞任 補欠選任
新田 章文君 木村 次郎君
松本 泉君 石原 正敬君
山本 大地君 吉田 真次君
赤羽 一嘉君 渡辺 創君
池下 卓君 萩原 佳君
同日
辞任 補欠選任
石原 正敬君 福田かおる君
吉田 真次君 草間 剛君
萩原 佳君 黒田 征樹君
同日
辞任 補欠選任
草間 剛君 加藤 大博君
福田かおる君 今 洋佑君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
防災庁設置法案(内閣提出第一三号)
防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一四号)
――――◇―――――
○関委員長 これより会議を開きます。
議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。
本日で熊本地震の二度目の震度七の地震発生から十年が経過いたしました。改めて、お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。
これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
全員の御起立をお願い申し上げます。――黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○関委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
――――◇―――――
○関委員長 内閣提出、防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
両案審査のため、来る二十八日火曜日午前九時、参考人として宮城県気仙沼市長菅原茂君、大阪公立大学大学院文学研究科准教授菅野拓君、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授阪本真由美君、国際医療福祉大学大学院災害医療分野教授石井美恵子君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、お諮りいたします。
両案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、内閣官房防災庁設置準備室次長横山征成君外二十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○関委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。小里泰弘君。
○小里委員 おはようございます。自由民主党の小里泰弘でございます。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
高市総理は、震災の大きな犠牲の上に得られた教訓や知見を今後の災害対応に生かしていく考えを表明をいたしました。
いわゆる教科書がなく、初動対応の遅れが指摘をされた阪神・淡路大震災、大規模な広域複合災害となった東日本大震災など、過去の大災害の教訓をこれまで、特に制度設計面等においてどのように生かしてきたか、特にまた、防災庁においてどのように反映をされるか、まず大臣にお伺いいたします。
○牧野国務大臣 小里委員の御質問にお答えさせていただきます。
我が国の災害対策は、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの過去の大規模災害から得られた教訓を踏まえ、災害対策基本法などの制度改正や防災体制の改善を積み重ねてまいりました。
例えば、阪神・淡路大震災におきましては、初動対応の遅れなどの課題が明らかになったことから、災害対策本部の設置基準を見直し、迅速な本部の設置を可能といたしました。
また、東日本大震災におきましては、大規模な広域災害への対応などの課題があったことから、国と地方公共団体による積極的な情報の収集、また伝達、共有を強化するなど、大規模な広域災害に対する即応力を強化するための法改正を行いました。
あわせて、内閣府防災担当の定員をおよそ二倍に増員するなど、防災体制を強化いたしました。
防災庁では、こうしたこれまでの蓄積をしっかりと引き継ぐとともに、体制や人員を更に拡充し、平時からの徹底した事前防災と、発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応に全力で取り組んでまいります。
○小里委員 ありがとうございます。
過去の教訓を生かす観点から、具体的に伺ってまいります。
輸送ルートや交通の確保、避難所における生活環境の改善、医療や介護の確保、仮設店舗の設置や中小企業の資金繰りの問題等々、山のように被災地から課題が寄せられてまいります。
阪神・淡路大震災では、特命大臣の下に、十一の関係省庁から成る若手専門官僚による大臣特命室を構成をいたしました。日々の国会終了後の夜に大臣室にみんなが集まって、その日上がってきた重要課題が特命室員から報告をされます。これを皆で協議して大臣が方針を示す。その方針を各担当室員が自分の省庁に持ち帰って具体策を練って、それを翌日の会合に報告をし、これを大臣が裁可して対策が決定するという、二十四時間以内に対策を決定するということが原則とされてきたわけであります。
日々上がってくる課題には、対処方針が法制化等一般化をされているもの、ノウハウとして蓄積されているもの、想定外の課題、政治決断を要するものなど様々あります。特に、重要課題について、現場と司令塔との間の情報伝達、各省庁との間の連絡調整、対策の策定、実施までいかにスピーディーに運んでいくかが問われます。対策の意思決定のシステムをお伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
災害時の重要な課題に対し防災庁が司令塔となって迅速な意思決定が行われるためには、被災地の情報を迅速かつ効率的に収集、統合し、その情報に基づいて総理や防災大臣が的確な判断を行い、関係機関に対策の実施を徹底させることが重要でございます。
そのため、防災庁においては、関係災害対策機関の間で災害情報を迅速に集約、共有する新総合防災情報システムをしっかり運用してまいりたいと考えてございます。また、災害事態対処を専任とする統括官を新たに配置すること等を考えてございまして、非常災害対策要員を増員し、災害対策本部の機能を強化いたしたいと考えてございます。
これらの取組を通じまして、関係府省庁の職員等から構成される災害対策本部に被災地の情報を迅速に収集、統合し、本部長が的確な意思決定を行うことで、迅速な災害対応を実施してまいりたいと考えてございます。
○小里委員 大規模災害では想定外の事態の連続でありますので、いかなる事態にあっても迅速に的確に政策決定できる、そんなシステムを早期に確立をしていただきたいと思います。
勧告権についてお伺いをいたします。
省庁間の調整を図り、対策をスピーディーに決定をし実行していく、その上で、防災庁が持つ勧告権、これに期待をしたいと思います。
勧告された省庁には尊重義務がありますが、これを実効あるものにするためには、関係省庁の意識改革など、防災庁が指導力を発揮できる、そんな環境をいかにつくっていくかが問われると思います。そのために、平時から関係省庁と防災に係る情報共有を進め、政策のすり合わせや共同訓練などを重ねて連携を深めていく必要があると思いますが、方針をお伺いいたします。
○横山政府参考人 防災大臣が有します勧告権は、尊重義務を伴う権限ではあるものの、その運用に当たっては、前提として、個々の施策の現状や課題について関係省庁と情報を共有し、共通の認識を醸成することが重要だと考えてございます。
そのため、防災庁においては、平時から、関係省庁連絡会議や共同訓練に加え、人事交流やテーマごとの会議などを通じて関係省庁との共通理解の形成に努めるとともに、政府として決定した計画の進捗のフォローアップや、地域レベルのシミュレーションを通じて浮かび上がった弱部など、客観的根拠に基づいて施策レベルの調整を行いまして、必要に応じて勧告権の発動も視野に入れながら、府省庁の縦割りによる施策の抜けやむら、漏れをなくし、防災関係の施策を政府一体で推進してまいりたいと考えてございます。
○小里委員 防災庁設置法においては、公布の日から二年を超えない範囲内に地方防災局を置くこととしております。
平時の事前防災において地方防災局が何を担っていくのか、発災後の緊急対応や避難所対策から復旧復興まで、特に他省庁の組織や自治体との連携や役割分担においてどのように機能を発揮していくのか、お伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
防災庁の地方機関である防災局については、千島海溝地震、日本海溝地震あるいは南海トラフ地震に対する地域における事前防災対策の取組や迅速な被災地支援体制の構築などの観点を踏まえ、具体的な検討を行うこととしてございます。
防災局においては、防災庁本体とも連携しながら、平時には地域における防災対策の充実を支援してまいりたいと考えてございます。
また、発災時には、関係省庁やその地方支分部局等と緊密に連携いたしまして、復旧復興に至るまで伴走型の被災地支援を行うなど、効果的、効率的に災害対応に臨む体制を構築してまいりたいと考えてございます。
○小里委員 続いて、被災状況をいかに迅速に把握をしていくかでございます。
能登半島地震においては、道路の寸断による集落の孤立化、広範囲かつ多数発生した山腹崩壊等によりまして、被災状況の把握が困難となり、初動対応の遅れを招いたと認識をしております。
被災状況の迅速な把握と、得られた情報を集約し共有化をする技術、またシステム、こういったものが求められると思いますが、取組方針をお伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
災害発生時に的確な災害応急対策を行うためには、まず、被害の全体像を概括的に把握した上で、関係機関で共有して相互に連携して対応に当たることが重要であり、そのためには、例えば空撮画像を活用することは効果的な方法の一つだと考えてございます。
令和六年能登半島地震を踏まえた災害対応検討ワーキンググループの報告、これは能登半島地震の教訓を御議論いただいたものでございますけれども、ヘリ搭載カメラ、定点カメラなど様々な手段を用いた情報収集や民間ドローンの積極活用について御提言をいただいたところでございます。
こうしたことも踏まえまして、官民の衛星・航空写真やドローン画像を発災直後から一元的に集約して、自治体も含む各関係機関が被災状況を迅速に共有することにより、連携して災害対応に当たることができるようにする鳥の目プロジェクトと称する事業を、防災庁の設置も見据え、今年度より始めたところでございます。
こうした情報も含めまして、各関係機関の間で災害に関する情報を新総合防災情報システム上で迅速に集約、共有することにより、的確な災害応急対策を行うことができるよう取組を強化してまいりたいと考えてございます。
○小里委員 ありがとうございます。
瓦れき処理についてお伺いをいたします。
大規模災害では、被災地一帯を覆う災害廃棄物を処理せずして復旧も復興もありません。いわゆる瓦れき処理は復旧復興への第一歩と考えますが、処理すべき瓦れき、これが膨大な量に及びます。それゆえに、要員の確保、また、特に自治体にとっての財政負担は大変大きな課題になってまいります。
阪神・淡路大震災で初めて自衛隊による本格支援、これは酒田の大火における前例を参考としたものでありました。あるいはまた、半壊家屋等も含めた新たな公費負担の仕組みが適用をされました。
東日本大震災では、当時野党ながら、経験のある自民党から対策を提言していこう、そういうことで震災対策プロジェクトチームを結成をして、私がその座長となって、毎週被災地に赴きながら、被災地の声を拾って、そして党を挙げて議論をし、対策を立案をしてまいりました。
避難所対策から復旧対策まで五百七十七項目の対策、これを第一次、第二次、第三次提言と段階的に提言をしてまいりました。その多くが民主党政権によって実行されていったという経緯があります。
その中で、私どもは、いわゆる瓦れき処理特別措置法案を議員立法で提言をして、成立をいたしました。この法案においては、瓦れき処理が国の責務であることを規定をして、国が自治体に対して主体的に支援を行うことを明記をしました。さらに、被災した市町村からの要請に応じて国が廃棄物処理を代行し、費用は全額国が負担することとしました。
その後、制度の改善を重ねてきたと認識をするところでありますが、大規模災害発生時における瓦れき処理の体制、そして財政措置がどのようになっているか、お伺いをいたします。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
東日本大震災の教訓や、御指摘がございました特別措置法から得られた知見などを踏まえまして、平成二十七年七月に廃棄物処理法及び災害対策基本法の一部を改正をいたしました。
この法改正におきましては、国の主導的役割の下、関係者が連携し、災害協定の締結のほか、国による処理の代行などにより、より強固な廃棄物処理体制を構築することといたしました。
その後も、令和元年東日本台風を始めとするこれまでの災害の教訓を踏まえまして、環境省、防衛省・自衛隊、自治体等の連携協力体制について記載いたしました災害廃棄物の撤去等に係る連携対応マニュアルを防衛省と共同で策定するなど、関係者間の更なる連携強化を推進してきたところでございます。
また、財政措置につきましては、災害等廃棄物処理事業費補助金による財政支援を行っているところでございますが、特定非常災害に指定され、かつ大量の災害廃棄物の発生が見込まれる場合には、全壊家屋に加え半壊家屋も公費解体の補助対象とするなど、支援の充実を図ってきたところでございます。
さらに、これまでの特定非常災害におきましては、市町村負担分につきまして、地方財政措置をかさ上げするとともに、被災状況や財政力に鑑みて財政負担が特に過大となる場合は、災害廃棄物処理基金による更なる負担軽減を行ってきているところでございまして、直近の令和六年能登半島地震におきましては、市町村負担は最小で〇・三%程度となっているところでございます。
環境省といたしましては、引き続き、これらの制度を通じまして、被災自治体を支援し、適正かつ円滑、迅速な災害廃棄物処理を推進してまいる所存でございます。
○小里委員 廃棄物処理、急がなければなりませんけれども、阪神・淡路大震災のときに、自衛隊員が被災者の方々の思いを考えながら、例えば亡くなった家族の写真とか祖先の位牌とか、こういったものを一つ一つ丁寧に拾い出して運び出していった、その光景というものが思い浮かぶところであります。
また、一%、〇・一%の違いであっても、全体の瓦れき処理の量が膨大でありますから、自治体にとっては大変な負担であります。しっかりその辺をおもんぱかりながら、適切な運用を図っていただきたいと思います。
災害廃棄物の仮置場、仮設住宅等の用地の確保についてお伺いいたします。
大規模災害では、災害廃棄物の仮置場、仮設住宅用地、仮設店舗、仮設工場の用地など、生活や地域産業の再建に向けまして緊急に用地を確保する必要があります。これまでの災害でも困難を極めた経験があります。自治体における日頃からの備えや、関係省庁間や民間も含めた連携も必要であると考えます。
用地の円滑かつスピーディーな確保に向けまして、取組方針をお伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、大規模災害の発生時には様々な用途で土地を利用する必要が生じるところ、必要な面積や候補地の選定、調整方法を定めるなど、事前の備えが重要であると考えてございます。
例えば、御指摘の災害廃棄物の仮置場や仮設住宅の用地については、環境省や内閣府の手引におきまして、土地の状態や周辺環境など、事前の候補地選定に当たっての確認事項でございますとか、発災後の被災状況を踏まえた調整方法など、自治体の用地確保に必要な事項を示しているものでございます。あるいは、国土交通省のガイドラインにおいて、仮設住宅、仮設店舗の件に関して検討事項を示しているというようなものもございます。
防災庁が設立された際には、その司令塔機能の下で、関係省庁や自治体と更に連携して、総合的な観点から用地の確保、具体的には、防災庁において、自治体による機能配置計画の先進事例の収集などを通じまして、事前の準備としての自治体による用地確保の取組を進めて、その実効性を高めてまいりたいというふうに考えてございます。
○小里委員 用地の確保におきましては、その進捗状況は自治体によってまちまちであろうと思います。また、土地の所有権、これも絶えず変化をしていくと認識をしなければなりません。そしてまた、いざというときに工事用車両の進入路がないといった経験も多々あったところでございます。絶えず用地リストのチェックを進めて精度を高めていく、そんな努力も必要であろうということを申し上げておきたいと思います。
資材の確保についてお伺いします。
用地と同様に資材の確保、阪神・淡路大震災では、例えば仮設住宅用資材の国内在庫が約二千戸分しかない、そういった中で、応急仮設住宅メーカー、またプレハブメーカーだけでなくて、他の住宅産業界にも協力を依頼をいたしました。
応急仮設住宅の資材の円滑な確保に向けての取組方針をお伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
応急仮設住宅の円滑な供与については、阪神・淡路大震災等の経験を踏まえ、様々な取組が積み重ねられてきたものと承知してございます。
これまでの取組として、例えば、被害想定に基づく必要戸数の推計、企業や関係団体との協定の締結、ムービングハウスなど応急仮設住宅の多様化などを進めることにより、着実な供与の確保が図られてきたところでございます。
御指摘いただいた資材の確保についても、平時から調達、供給体制の整備に国、自治体、関係団体等が連携して取り組んでございます。万が一災害時に不足した場合には、自治体からの要請を受け、関係省庁が関係団体に要請する仕組みもできてございます。
今後とも、関係省庁、関係団体等と連携し、しっかりと体制整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○小里委員 特に仮設住宅につきましては、いつまでに何万戸といった目標を立てて、その進捗状況が目に見える形で進めていく、そういったことも必要であると思うところであります。
大規模災害における特例措置でありますが、大規模災害では、生活、産業、自治体、行政、全てが機能を損なって、従来の公的な手続の実施が困難となるおそれがあります。
例えば、自動車を例に引きますと、東日本大震災では、自動車を失って、新たに取得しようにも、役所が被災したり印鑑を失ったりしたために、車庫証明、住民票、印鑑証明などの提出が困難となりました。そのため、これらの書類の提出を免除する提案を我々は行いました。また、運転免許の期間延長等の措置も行われてきたところであります。
さらに、税制でいえば、車両や船舶の取得、設備投資に係る特別償却、法人事業税や法人住民税についての災害減免措置、土地や家屋に係る税制特例など、被災者の方々の負担を和らげるために多岐にわたる特例措置を求めて、実行されていきました。
このような大規模災害における特例措置がどのように法制化ないしマニュアル化をされているか、状況をお伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
大規模災害が発生したときに被災者が行政上の義務を期限までに履行できなかった場合の免責でございますとか運転免許などの権利を延長する特例措置については、阪神・淡路大震災をきっかけに制定された、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置法によって法制化されているところでございます。
税制についても、例えば東日本大震災における自動車重量税の還付など一部の特例措置は、平成二十九年の租税特別措置法の改正によって一般化されているというところでございます。
東日本大震災等に限った特例もございますが、このような経緯は、復興庁によりまして、「東日本大震災 復興政策十年間の振り返り」において整理されているようなところでございます。
これも含めまして、過去の災害対応の経験をしっかりと継承いたしまして、今後生じる災害においても、防災庁が被災地のワンストップ窓口としてニーズを集約し、関係省庁との総合調整を経て、被害状況に応じて必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えてございます。
○小里委員 いかなる事態にあっても、臨機応変に温かみのある対応をお願いしたいと思います。
被災者支援策の周知であります。
避難所対策や暮らしの支援、産業の再開に向けて数々の対策を打ち出してまいりますが、この情報がなかなか被災者に届かないんです。現地に行くたびに同じような要請をいただく、質問をいただく、そういう場面が度々あります。そこで、阪神・淡路大震災では、復興への道しるべと称して対策集を段階的に作成をして、避難所等に配付し、支援策の周知を図りました。
アナログからデジタルへ時代も移行しておりますけれども、打ち出す支援策をいかに迅速に現場に周知をしていくか、利用をしていただくか、取組方針をお伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
内閣府防災では、現在、平時より、各省庁が所管するものを含めて、被災者支援に関する様々な制度についてホームページで公表するなど、取組を進めてございます。
そして、いざ発災時には、被災者生活再建支援法の適用等について、報道発表やホームページ、SNS等を通じて迅速な周知を図っているところでございます。
発災時には、総務省において、特別行政相談窓口も設置していただいて、被災者支援制度の紹介を行っているところでございます。
防災庁におきましては、新たに情報発信を強化するために広報担当の参事官を設けることも検討してございます。自治体とか関係機関、民間とも連携して、特に発災時に被災者支援策を始めとする災害情報発信がしっかり行き渡るように、更なる充実強化に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○小里委員 大規模災害では、様々な連絡体制、連絡方法が途絶えてしまって、本当に驚くほど方策が、対策が届いていきません。是非とも努力を重ねていただきたいと思うところであります。
東日本大震災では、被災により自治体の行政機能が大きく損なわれました。そこに膨大な被災業務が加わって業務量が何倍にもなって、各業務が滞っていきました。義援金の被災者への支給が遅れたその最たる原因も、罹災証明書の発行に当たる職員の数が大きく不足をしたというところにありました。電気、ガス、水道等々、ライフラインの復旧に当たる要員をいかに確保するか、過去の災害で都度都度課題となってきたところであります。
東北では、高齢化率が高くて、高齢者の在宅率も高い中で、多くの方々が家を失いました。そのため、介護要員も大きく不足をしていったという現実がありました。
大規模災害では、自治体職員、介護要員、医療要員、インフラやライフラインの復旧要員を始め、絶対的な要員不足に陥ります。各分野にわたって足りないところを国が前に出て主導的に調整機能を果たしていく、その必要があると思いますが、方針をお伺いいたします。
○横山政府参考人 人口減少、高齢化が進み、地方自治体が人員確保は難しいという声も届くような状態になってございます。災害時に必要な要員を確保することは非常に重要な課題だというふうに考えてございます。
防災庁は、平時には、地域レベルでの災害リスク評価により明らかとなった地域における課題を踏まえまして、災害時の要員確保を含む事前防災について、勧告権も活用しながら、関係府省庁とともに自治体を支援し、個々の施策を推進してまいります。
例えば、国等から応援職員を受け入れる準備、あるいは自治体間で相互に応援するための仕組み、民間人材の育成、確保、民間との協定の支援などの取組を強化していくことを考えているところでございます。
このような事前の準備をしっかり行いながら、いざ発災時には、防災庁が被災自治体のワンストップ窓口として被災地のニーズを丁寧に酌み取り、ニーズに応じた人員が被災地で確保されるよう、関係府省庁、自治体、関係機関等と緊密に連携しながら、政府一丸となった伴走型の被災地支援を行ってまいりたいと考えてございます。
○小里委員 続いて、事前防災についてお伺いをしてまいります。
防災庁は、被害を最小化をするために、平時から、被害の予防、軽減に向けた事前防災の取組が求められてまいります。大規模災害想定区域における交通、流通網、施設設備や地域での連絡体制の在り方を始め、まちづくり、保健、医療、福祉、観光、スポーツ、教育など、日常のあらゆる場面で事前防災の取組を推進していく必要があります。
平時の課題が災害時にどのように顕在化するリスクがあるかを検証し、地域と一体となって事前防災の議論をリードしていくことが防災庁に求められると存じます。特に、自治体との連携、協働による事前防災の観点からは、防災力強化総合交付金の活用も期待をされるところであります。
こういったことも勘案しながら、事前防災における取組方針をお伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
令和八年中の防災庁設置に向け、事前防災の徹底や災害対応力の強化等を図るため、令和八年度予算において、委員御指摘のとおり、防災力強化総合交付金を創設いたしました。
防災力強化総合交付金によりまして、シミュレーションに基づく災害リスク評価を通じた実効性の高い防災計画への見直し、地方自治体間の広域的な応援・受援体制の強化に向けた防災資機材や運用体制の整備、避難生活環境の抜本的な改善に向けて被災者支援体制の実効性を高める取組など、地方自治体の防災対策への支援の抜本的強化を行ってまいりたいと考えてございます。
○小里委員 事前防災の観点から、個々にお伺いをしてまいります。
個々の河川における災害発生リスクの検証と改善は重要な課題であります。河川激特事業や県河川における大規模特定河川事業など、大きな効果を上げてきたと認識をしております。災害復旧事業における改良復旧事業の取組も進んできたと認識をするところでありますが、気候変動によって災害が激甚化をし、頻発化をしているわけでありますけれども、その気候変動のスピードに河川整備が追いついていない、そういう現況もあると思うところであります。
河川整備の進捗状況、そして今後、事前防災や再度災害防止の取組をどのように進めていくか、お伺いをいたします。
○林政府参考人 お答えいたします。
近年、気候変動による水害が激甚化、頻発化しており、災害が発生した際に、再度災害防止対策を行うことに加えて、気候変動を踏まえた事前防災対策を推進することが重要と考えてございます。
委員御地元の川内川では、平成十八年の災害を契機に、平成二十三年までに河川激甚災害対策特別緊急事業による再度災害防止対策を進め、その後も、鶴田ダムの再開発、国土強靱化予算などを活用した河道掘削等の事前防災対策を進めたことによりまして、平成十八年に匹敵する雨量を記録した令和三年の洪水において、国管理河川、国管理区間の氾濫を防ぐことができました。
一方で、全国の河川の整備の進捗状況ですが、気候変動を踏まえた中期的な治水計画の目標に対する全国の国管理河川の整備率は、令和六年度末時点で三二%にとどまり、いまだ低い水準になってございます。
そのため、災害が発生した際には、原形復旧のみならず、必要に応じて、被災していない箇所を含む一連区間の堤防のかさ上げなどを行う改良復旧による再度災害防止対策に取り組んでいるところでございます。
これに加えて、事前防災対策として、治水計画を、気候変動により予測される将来の降雨量の増加等を考慮したものに見直すとともに、流域のあらゆる関係者が協働し、ダム、遊水地、堤防等の整備、河道掘削といったハード対策、加えて、避難体制の強化といったソフト対策を総動員する流域治水に取り組み、気候変動を踏まえた対策を着実に進めてまいります。
国土交通省としては、今後とも、流域治水を加速、深化し、国民の生命、財産、暮らしを守り、強い経済を下支えする再度災害の防止や事前防災対策の推進に鋭意取り組んでまいります。
○小里委員 河川整備にとって必要な予算をいかに確保するか。と同時に、その予算の工夫も必要であろうと思うところでございます。
事前防災によって復旧費が抑制をされます。もって、財政の持続可能性というものにも大きく寄与していくと期待をするところであります。
道路における事前防災、お伺いをいたします。
避難道路や物資輸送道路としての役割を始め、災害時において道路が果たすべき役割、これは極めて大きなものがあると思います。事前防災の観点から、橋梁の老朽化対策、基幹道路の四車線化、ミッシングリンクの解消、急峻でカーブの多い基幹道路の隧道化や改良等、取り組むべき課題は多岐にわたると認識をいたします。
資材価格や人件費も高騰する中で必要な事業量を確保していかなければなりませんけれども、道路における事前防災の取組方針をお伺いをいたします。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
激甚化、頻発化する自然災害から国民の生命と財産を守るとともに、災害による社会経済活動への影響を最小化するため、平常時から、事前防災の考え方の下、災害に強い道路ネットワークを構築することは重要と考えております。
具体的には、発災時の被害を最小限に抑えるため、橋梁などの耐震補強や、道路ののり面、盛土の土砂災害防止対策などを行うとともに、発災時の円滑な避難や救援・復旧活動を支えるため、高規格道路のミッシングリンクの解消などの道路ネットワークの機能強化などに取り組んでいるところです。
国土交通省としましては、昨年六月に閣議決定された第一次国土強靱化実施中期計画に基づき、必要かつ十分な予算の継続的、安定的な確保に努め、引き続き、事前防災を含めた防災・減災、国土強靱化の取組を着実に推進してまいります。
○小里委員 円滑な災害対応のための事前準備として、道路の準備はその最たるものであろうと思います。しっかり取り組んでいきたいと思います。
農業用ため池の事前防災、お伺いをしてまいります。
事前防災の観点から、各地に展開する農業用ため池についても、地震、豪雨、劣化に備えていかなければなりません。日頃からそれぞれの重点箇所の診断を実施をし、災害時に顕在化するリスクを検証する、補修やハザードマップの作成など、ソフト、ハード両面からの備えをしていく必要があろうと思います。
取組方針をお伺いをいたします。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
農業用ため池の防災・減災対策につきましては、昨年度閣議決定されました第一次国土強靱化実施中期計画や土地改良長期計画におきまして、防災重点農業用ため池の防災工事等のハード対策やハザードマップ作成等のソフト対策の推進を図ることとしております。
具体的には、ため池工事特措法に基づき、決壊した場合の浸水想定区域に住宅や公共施設が存在し、人的被害を与えるおそれのある農業用ため池を防災重点農業用ため池に指定するとともに、これらを対象に劣化状況の評価や地震、豪雨の耐性評価を行い、その結果、ハード整備の対策が必要とされたため池の防災工事を集中的かつ計画的に推進しているところでございます。
また、ハード対策と併せまして、浸水想定区域等を記載しましたハザードマップの作成、住民への周知を行うとともに、ため池の水位等を遠隔地から安全に把握することができる水位計や監視カメラの設置等のソフト対策も推進しているところでございます。
今後とも、農業用ため池の事前防災の観点から、ハード対策、ソフト対策の両面におきまして計画的な事業の推進を図ってまいります。
○小里委員 能登半島地震では、大規模地震から復旧復興の途中にあった農地や農業用施設におきまして、その後、夏場に更に記録的な大雨が襲いました。そして被害が拡大をしていったわけであります。今後、こうした複合災害、再度災害の発生が、その頻度が高まっていくと認識をするところであります。
こうした教訓を踏まえて、農地、農業用施設の再度災害防止にどのように取り組んでいくか、お伺いをいたします。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
近年、自然災害が激甚化、頻発化する中で、被災した農地、農業用施設の復旧に当たりましては、単に原形復旧だけではなく、再度災害の防止を図るため、必要に応じた改良復旧の取組が重要であると認識しております。
このため、農地、農業用施設の災害復旧事業におきましては、例えば、崩壊しました農地ののり面をブロック積みで復旧することでのり面の安定性を向上させる、のり面が崩壊しました土水路をコンクリート水路で復旧することで水路の安定性を向上させる、このほか、豪雨で大規模に被災しました農業用ため池を現行の設計指針に基づいて復旧することで洪水吐きを近年の降雨を考慮した必要な流下能力を有するものとするなど、これまでも必要に応じた改良復旧の取組を推進してきているところでございます。
また、豪雨により被災しましたため池の堤体を改良復旧する場合には、現行の設計指針に基づいて行うことから、必要な耐震性も確保されることとなり、異なる自然災害に対しても効果を発揮することが可能となります。
今後とも、災害復旧事業の実施に当たりましては、再度災害防止のために必要に応じた改良復旧に係る制度の周知を図ることなどによりまして、再度災害防止の取組を推進してまいります。
○小里委員 以上のように、事前防災を始め、実動部隊としての関係省庁の取組も重要となると考えます。同時に、総合調整機関としての防災庁は、こうした関係省庁と平時からどのように役割分担を行い、いかに連携を図っていくかが問われます。
方針をお伺いをしてまいります。
○横山政府参考人 お答えいたします。
事前防災の推進に当たりましては、防災庁が司令塔として政策の方向性を提示し、関係省庁と共有した上で、関係省庁がこれを踏まえて各施策を実施していくことが効率的、効果的でございますし、重要な観点となると考えてございます。
具体的には、防災庁は、地域レベルで、避難、救助、医療など、具体的かつ分野横断的なシミュレーションに基づいた災害リスク評価を推進することとしてございまして、弱部を把握し、ハード、ソフトの必要な対策を明らかにしてまいりたいというふうに考えてございます。
その上で、こうした科学的なリスク評価に基づく客観的な結果を関係省庁と共有し、必要な施策の実施を促すとともに、必要に応じて勧告権も活用しながら、政府一丸となった政策の推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○小里委員 事前防災において取り組むべき課題は実に多いと認識をいたします。備えておけばよかった、そういうことにならないように、是非進めていただきたいと思うところであります。
防災庁の専門人材の育成、確保についてお伺いをいたします。
このように、発災時の緊急対応やそれぞれの行政分野における対策は、専門性や即応性を有する各府省庁等において実施することを基本としながら、防災庁には、司令塔として、より広い視野から各省庁などの防災対策を総合調整をし、推進、加速することが期待をされております。
そのため、防災庁設置に当たっては、平時から発災時、復旧復興に至る全てのフェーズにおける専門人材を十分に確保する必要があります。特に、防災に係る技術やノウハウの動向を把握をし、日頃から、関係省庁、自治体、産業界・団体、研究機関など多様な主体と情報交換をして課題やノウハウの共有を図り、いざというときに迅速に協力・協働体制をつくり得る、調整能力にたけた人材を育成、確保する必要があると思うところであります。
取組方針についてお伺いをいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
防災庁は発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔機能を担うところ、司令塔機能を発揮するためには、平時から、関係省庁、自治体、産業界、民間団体などの関係機関と顔の見える関係を構築することが重要だというふうに考えてございます。
そのため、これらの関係機関とは、人事交流を始め、平時からの関係省庁連絡会議、都道府県ごとにカウンターパートとして置きますふるさと防災職員、最新の防災技術に関するマッチングセミナー、防災推進国民大会のようなイベントなどを通じて、情報、課題、ノウハウの共有を図り、迅速な災害対応に資する連携体制の構築に努めてまいりたいと考えてございます。
防災庁においても、このように構築した連携体制を引き継ぐとともに、人材交流や、プロパー職員の採用や育成を通じて産官学民の連携を更に充実させ、調整能力にたけた防災人材を、防災庁内はもちろんでございますけれども、社会全体に確保して、育成してまいりたいというふうに考えてございます。
また、産官学民の人材を育成するための機関として、仮称ではございますけれども、防災大学校の設置についても検討してございます。このような検討もしっかりやってまいりたいというふうに考えてございます。
○小里委員 防災庁にゴールはなく、百点満点もないと思います。いついかなる事態においても国民の生命、財産、地域のなりわいを守っていく、そのために何が足りないのか常に検証し、補い、改善をしていく不断の努力が必要であると認識をいたします。
防災庁の設置及び今後の大規模災害に備える決意を大臣にお伺いをいたします。
○牧野国務大臣 お答えします。
小里委員がおっしゃるとおり、本当に防災についてゴールというのはないと思います。そういうことを考えながら、これまで我が国で起きた様々な大きな災害を教訓として、その上で、これから三十年以内に発生することが危惧されている千島海溝地震、日本海溝地震、首都直下地震、南海トラフ地震などに備える抜本的な防災体制の強化をしていかなきゃいけないと思っております。
防災庁設置法案が、御審議の上、成立した暁には、防災庁を今年中に設置いたします。
その上で、平時には、地域レベルでの災害リスクの評価を行って、防災大臣の勧告権も活用して、関係省庁の取組を進めてまいります。さらに、地域における防災対策の充実を支援し、抜け落ちだったり漏れのない事前防災の取組を推進してまいります。
また、発災時には、防災庁が中核となって関係省庁等と緊密に連携し、迅速な応急対応から復旧復興に至るまで伴走型の被災地支援を行ってまいります。
このような取組につきまして、不断の検証と改善を重ねながら、効果的かつ効率的に災害対応に臨む体制を構築いたしまして、人命、人権最優先の防災立国を目指してまいります。
○小里委員 大臣から大変力強い決意表明をいただきました。また、各質問に対して、要を得て簡潔に答弁をいただきました。ありがとうございました。
以上で質問を終わります。
○関委員長 次に、木村次郎君。
○木村委員 自由民主党、青森県三区選出の木村次郎です。
今日は、質問の機会をお与えいただき、感謝申し上げます。
日本は御案内のとおり災害大国ということでございますが、今般、防災庁設置ということで、ようやくこういう形が具現化してきたということ、石破内閣肝煎りで、我々党内においても議論してきたわけでございますが、ようやくこうやって形が見えてきたということを、私も感慨深いものがあります。昨年末閣議決定したこの基本方針においてのまさに防災立国実現のために、牧野担当大臣以下皆様方、御尽力いただければと思います。
私は、今から四十年ぐらい前、高校生のときに、青森県は、日本海側は比較的地震が少ないんですが、当時、日本海中部沖地震という大変大きな地震がありました。そういった記憶もありますし、もちろん十五年前の東日本大震災、これも、県庁当時、大きな揺れを体感したということもございます。そういったことも思いをはせながら、今日は質問に立たせていただきたいと思います。
まず、防災庁の設置法案の中で、先ほど小里委員がいろいろと論点を押さえながらかなり網羅的に御質問させていただきましたが、それ以外の部分で一点だけ。
第十五条において、研修及び研究を行う文教研修施設、仮称防災大学校を置くことを可能とするというふうな規定がございます。平時から教育あるいは訓練の強化に資するものとして、こういったところは、一つの訓練、研修を行っていくところで、大変これは期待するところが大きいのかなというふうに私は感じておるところでございます。
そこで、この文教研修施設が目指すところ、その施設の役割、そしてまた、どのような人材育成を行っていくのかということを牧野担当大臣にお伺いいたします。
○牧野国務大臣 木村次郎委員にお答えをさせていただきます。
おっしゃるとおり、地域における災害対応力というのは、防災人材の育成が何よりも重要だと思っております。
まず、現在の内閣府防災担当の状況をお話をさせていただきますが、現状でも、内閣府の防災担当では、地方自治体の職員などを派遣していただき、実務を経験していただくOJT、オン・ザ・ジョブ・トレーニング研修というのを実施しております。また、防災業務全般の知識や技能などを体系的に学ぶ研修や、地方自治体に出向き、地域の実情やニーズに応じた内容の研修も実施しております。
防災庁におきましては、こうした取組を更に充実させつつ、防災に関する幅広い経験や知識に基づき、大局的な観点から防災全体を捉え、産官学民の多様な関係者の間で高度なコーディネート、調整を行える人材を育成することが重要だと考えております。
このため、今後、国や地方自治体の職員、さらには民間人材を対象に、仮称ではありますけれども、防災大学校の設置の検討を進め、防災人材の育成の更なる強化を図ってまいります。
○木村委員 ありがとうございます。
こういった人材育成のための拠点というもの、これはある意味恒久的に当然続いていかなければならないし、いろいろな技術の進化、例えばAIもしかりだと思うんですが、そういったことにもしっかりと順応しながら、的確な人材育成ということに御尽力をいただきたいというふうに考えております。
二つ目に入らせていただきます。関連法として、災害対策基本法の一部改正についてでございます。
第二条の二において、被災者の良好な生活環境の確保ということを基本理念として追加をするということとしておりますが、これまで避難所環境改善が鋭意図られてきたということは承知しております。先般も我が党において、そういった避難所においては、段ボールベッドとか、こういったいろいろなところも披露されながら議論をされたところでございますが、この理念として、被災者の良好な生活環境確保、これをうたっている、その意図するところ、また、今後具体的にどのような活動や施策を展開していこうとしているのかをお伺いいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
災害発生時には、災害関連死を減らし被災者の健康と尊厳を守る観点から、被災者の方々の避難生活におけるストレスを少しでも軽減するとともに、一日でも早く平穏な生活に戻っていただくことが重要と考えてございます。
そこで、防災庁設置の意義の一つは避難環境の抜本的改善にあると考えまして、併せて災害対策基本法を改正して、どこで災害が起こったとしても、地理的条件や自治体の財政状況等にかかわらず、被災者が良好な避難生活を送ることができるようにすることを災害対策の基本理念として明確化することとした次第でございます。
これまで内閣府防災担当では、避難所の環境改善のため、防災庁設置も見据えまして、自治体による備蓄や資機材整備に対する支援の充実、国による物資のプッシュ型支援のための分散備蓄の推進、民間団体の登録制度などによるNPO団体等との連携強化などに取り組んでまいりました。
内閣府防災担当を発展的に改組する防災庁では、こうした取組を更に強化し、被災者に寄り添った抜け落ちや漏れのないきめ細やかな支援体制を実現していくこととしてございます。
具体的には、防災庁では、官民の専門人材の養成確保、特に、地域で避難所運営を担う官民の人材の研修、訓練の充実、新たに創設した交付金の活用による資機材や運用体制整備等、効率的、効果的な自治体の事前防災対策への支援の充実等、発災時の避難生活環境の改善に向けた備えの強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○木村委員 ありがとうございます。
特に、いわゆる生活弱者と言われる、お年寄りだとか、あるいはお体の不自由な方々、あるいは小さいお子さん方、また女性、こういったところをしっかりと目配りをしながら、怠りなく対応できるように御努力いただきたいと思っております。
今、民間の方々も巻き込みながらというお話も答弁の中にあったわけでございますが、事前防災の一環として、地域防災力の強化ということに目を当てて質問させていただきたいと思います。
地域の防災力というものを強化していくためには、もちろん一義的には自治体が現場でいろいろな取組を重ねてきているということも承知しております。私も昨年は地元の町会単位で防災教室をやっているものに参加させていただいて、地元の消防事務組合の職員が消防車を公園に持ってきて、消火器の使い方を始めいろいろな基本的な知識、こういったところの教室に参加させていただきました。
こういった中、民間団体との連携、例えば防災士、これは民間の資格でございます、私も三年前に取得させていただきましたが、様々な地域の防災力強化のために取り組まれている方々、こういったマンパワーも積極的に活用しながらやっていく必要があろうかと思いますが、国として、この地域防災力強化のためにどのような取組をされているのか、お伺いいたします。
○横山政府参考人 お答えいたします。
地域における防災力を強化していくためには、行政と民間との連携を図るとともに、防災士の資格をお持ちの方を始めとして、防災に関して関心や知見を有する人材とも手を携えて、防災を支える人材を確保していくということが重要だというふうに考えてございます。
行政と民間団体との円滑な連携を確保するためには、平時から顔の見える関係を構築することが重要でございます。国におきましては、被災者支援を行う民間団体の登録制度の運用、NPO、ボランティア等の活動支援や調整を行う災害中間支援組織の各都道府県における設置あるいは機能強化などの取組を進めてございます。
また、各地域において防災に関する専門的知識を有する人材を確保することも重要でございます。国としては、地域のボランティア人材に避難生活環境改善のための知識、ノウハウを身につけていただくための避難生活支援リーダー、サポーター研修を各地で実施してございます。さらに、地域の防災教室や小中学校への出前授業を実施するコミュニティ防災教育推進事業においても、地域の民間人材の方にも参画をいただいて取組を進めているところでございます。
こうした取組を通じて、地域全体の防災力を高めていくための環境づくりに努めてまいりたいと考えてございます。
○木村委員 ありがとうございます。
これからいろいろな目に見える形で取組が更に強化されていくんだというふうに感じたところでございます。
それぞれ、そういう防災士とかいろいろなNPO法人とかいろいろな民間団体、こういったところ、日頃から国においても自治体と連携、情報を共有しながら、日頃のこういった研修とか訓練も含め、またいざというときも含めて、しっかりと現場で対応できるように期待したいと思います。
あとは、私、先般、地元の弘前大学で、東日本大震災のときに弘前大学の学生さん方が何年かにわたって現地を支援してきた、こういったところの企画展がやっていまして、それも見に行ったところでございますが、大学とか教育機関、こういったところでも学生さんが結構頑張っておられる。サークルとか、いろいろな形としてあると思います。こういったところも一つ取り込んで情報共有をしていただくことも大事なんじゃないかなというふうに感じましたので、よろしくお願いしたいと思っています。
次に、国交省の所管になろうかと思いますが、ハザードマップのことでお尋ねします。
ハザードマップは、御案内のとおり、基礎自治体が作成しておるわけでございますが、例えば洪水を始めとして、いざというときの避難等において、やはり実効性を高めていくということが何よりも大事だと思います。十年を迎えた熊本地震も、結構災害関連死がかなり割合が高かった、こういった記録、報道もされているところでございます。
そこで、このハザードマップの利活用について、国交省としてどのような取組あるいは支援を行っているのかについてお伺いいたします。
○林政府参考人 お答えいたします。
洪水時に円滑な避難が行われるためには、住民一人一人が、お住まいの地域でどこが浸水が想定される区域であり、避難場所がどこなのかなど、あらかじめ把握して、状況に応じた適切な避難行動を取れるように防災意識を高めていただくことが重要であるというふうに認識してございます。
こうした観点から、まずはハザードマップの情報を知っていただくため、国土交通省では、住民が容易に自らの災害リスクを確認できるよう、洪水や内水、土砂災害などの災害リスク情報や指定緊急避難場所などの各種情報を一つの地図に地図上で重ねて全国どこでも閲覧できるよう、重ねるハザードマップをウェブサイトで公開してございます。
さらに、より避難の実効性を高めるためには、災害を自分事として捉えていただくことが重要であることから、ハザードマップを活用して住民一人一人が自らの災害リスクを知り、どのような避難行動をどのタイミングで取る必要があるのか、これを事前に整理するマイ・タイムラインの普及に取り組んでいるところでございます。
具体的には、住民一人一人のマイ・タイムライン作成が進むよう、マイ・タイムライン作成やワークショップ開催の手引を市町村に周知するとともに、防災・安全交付金による財政的支援、地域の河川事務所による現場に即した技術的助言を行っているところでございます。
国土交通省としては、今後とも、市町村と連携し、住民一人一人が的確に防災情報を受け止め、適切に避難行動につなげていただけるよう、こうした取組と支援を着実に実施してまいります。
○木村委員 ありがとうございます。
マイ・タイムラインの作成、いろいろな取組に感謝を申し上げたいと思います。学校の現場とか、そういったお子さん方も対象にしながら作成もしたりしているということでございますが、是非、中長期的になろうかと思いますが、義務教育に入ったら全国民がこういったところの作成を経験していただく、そしてそれを自分一人の、自分オリジナルのこれをちゃんとインプットしていただく、そういったところがしっかりと浸透されるように、教育現場も含め、今答弁にもありましたが、自治体と連携して推し進めていただくことを御期待申し上げたいと思います。
次に入らせていただきます。消防団、消防団員についてでございます。
御案内のとおり、消防団の団員が担い手不足あるいは高齢化が大変深刻化している実態があろうかと思います。このことが、ひいてはいざというときの災害の対応、そしてまた救助活動、こうしたことにも大変大きな影響が出かねないというふうに私は憂慮いたしております。
そこで、消防団員数は減少傾向にあると思いますが、その現状、そしてまた、それに対してどう受け止めているか、お伺いしたいと思います。
○門前政府参考人 お答えいたします。
消防団員数につきましては、社会全体の人口減少や少子化の進展、被用者割合の高まり、若者の価値観の変化などを背景に年々減少しており、令和七年四月一日現在で約七十三万二千人と、非常に厳しい現状にあると受け止めております。他方、近年重点的に取り組んできております女性団員、学生団員、機能別団員については増加しております。
災害が多発化、激甚化する中、地域に密着した消防団の力は一層重要となることから、若者や女性を始めとした幅広い住民の入団促進を図るなど、自治体と連携しながら団員確保に全力を挙げる必要があると認識しております。
○木村委員 総数で減少、これは少子化ということも大きな背景としてはあるのかもしれませんし、また若い方々、サラリーマンはなかなか勤めている中で携われない。私のような田舎ですと、農家とか自営業、こういった方々は結構若い方でも入っていただける。そういった、地域によってもいろいろなむらというか差があると思います。
また、あと、今答弁にありましたが、女性、学生のところはうまく取り込んでいるようなお話もいただきました。女性にあっても、例えば働く女性についてよく言われることは、産後とかあるいは子育てが落ち着いた後も、またそこをターゲットにしながら取り込んでいくとか、学生であれば、地元の大学とかで入っていただければ、そこで活動に取り組んだ方が、また将来、自分の生まれ育ったふるさとに就職なんかで戻ったときに、またその地元でそれを、意識を醸成した暁には、地元に帰ってからまた活躍いただく、こういったところもしっかりときめ細かに対応して取り組んでいく、こういったところも自治体と連携しながら進めていただければというふうにも感じたところでございます。
そこで、今お話がありましたが、消防団、特に今申し上げた若い世代、女性が消防団に魅力、やりがいを持って入団していただくためには、その働きやあるいは御努力に報いることも大変大事な観点だというふうに私は認識しております。
若い世代そしてまた女性の観点からも、いわば働きやすさの観点から、消防団の待遇改善策としてどのような取組を行っているのか、お伺いします。
○門前政府参考人 お答えいたします。
消防団員数が減少する中、消防団の更なる充実強化を図るためには、委員御指摘のとおり、若者や女性の消防団員が活動しやすい環境を整えていくことが重要と考えております。このため、消防庁では、風通しのよい環境づくりや女性の目線を生かした消防団運営について助言できる消防団等充実強化アドバイザーの自治体への派遣、女性が活動しやすい環境づくりや、アプリなどデジタル技術の活用に取り組む自治体に対する消防団の力向上モデル事業での支援、若者に人気のドローンの操縦講習の実施など、様々な施策を講じております。
また、消防団員の処遇改善につきましては、令和三年四月に消防団員の報酬等の基準を定め、市町村に働きかけてきた結果、令和七年四月現在で、年額報酬について、基準の三万六千五百円を満たす市町村が九割を超えるなど、着実に改善が図られてきているところでございます。
さらに、本年一月に全国の自治体に対して発出した通知におきましても、消防団の働き方改革や処遇改善の推進に向けた取組等について改めてお願いしたところでございまして、引き続き、こうした様々な施策を通じ、消防団の更なる充実強化に向けて取り組んでまいります。
○木村委員 ありがとうございます。
今、答弁の中でドローンということもございましたが、当然、消防の現場は、技術も進化しながら、そういったことも取り込んでいかなければならない。若い世代ほど、こういったところは操作も、学び、習得も早いと思いますので、是非そういったところを、不断の努力、見直しを行いながら進めていただければというふうにも思います。
次に、これはちょっと地元の実情も踏まえながら、以降は質問させていただきたいと思います。
私は青森県の津軽平野がほぼほぼ選挙区でございまして、日本海側は当然雪が多かったわけでございまして、今冬も、大変、昨シーズン以上の大雪に見舞われたところでございます。
農業においてもいろいろな被害がありまして、私も現地を視察してきたところでございますが、青森県は、リンゴは国内の過半を占めるリンゴ王国でございます。なかんずく私は、主力品種の「ふじ」が発祥をした藤崎町というところに生まれ育った者でございます。このリンゴの大雪によっての枝折れの被害、これも大変なものでございました。
特に山間部、例えば、地元では、西目屋村とか、弘前市の相馬地区あるいは東目屋地区、そしてまた平川市の広船とか尾崎地区とか山間部、大変な雪が、積雪はピークですと二・五メートルないし三メートル近く、つまり、リンゴの木が埋まってしまうような、それぐらいの大変な大雪でございます。そして、それが、そのときのシーズンの雪の降り方、雪の質にもよるんですが、雪が解けて枝が跳ね上がるというか、こういうところで被害が更に加速をして、今、こういう雪がほとんど解けた段階でようやくこの被害の実態が分かっている。今日も地元紙にもそういったところが報道がなされておったわけでございます。
こういった昨年以上の大雪、もちろんこれは、例えば花卉や野菜ハウスの倒壊、もうほとんどぺしゃんこになった、こういう状態でもありました。
大事なことは、市町村と県、国が連携をしながら、それぞれ必要な支援策を役目を果たして講じていくということが、農家の皆さん方が次への希望を持って取り組める環境をつくっていくということに尽きるんだと私は思っております。
そこで、国としてどのように対応し、また支援を行っていくのか、お伺いいたします。
○山本大臣政務官 お答えいたします。
委員から御紹介のあったとおり、この冬の大雪によって、果樹の枝折れや農業用ハウスの倒壊など、東北地方を中心に農業被害が発生をしております。
こうした被害状況を踏まえ、農林水産省としては、農業共済の加入者に対する共済金の早期支払いや災害関連資金による長期低利の融資、被災した果樹の改植等への支援などにより、被災された農業者の経営継続、再開を着実に後押しをしてまいります。
加えて、委員御指摘のとおり、生産者が希望を持って農業を続けていくためには、国や地方自治体が連携し、災害に強い産地づくりを推進していくことが大変重要であります。このため、特に今回の大雪で大きな被害を受けた果樹について、鈴木大臣のリーダーシップの下、東北六県の参画を得て、雪害に強い果樹産地づくり検討会を設置し、昨日十五日に開催された第一回会議において、雪害に強い栽培方法の導入拡大や改植に必要な苗木の供給力強化などに向けた検討を開始したところです。
農林水産省といたしましても、地方自治体との連携を一層深め、被災された生産者の営農意欲が途切れることがないよう、しっかり取り組んでまいります。
○木村委員 山本政務官、ありがとうございます。
リンゴに関して申し上げますと、鈴木大臣も視察にいらしたときに私も随行させていただきましたが、やはり苗木がなかなかここ二、三年入手ができなくなっている、こういう深刻な重い課題もあります。
先ほど答弁にもありましたが、やはり、リンゴ農家始め農家の皆様方が、生産量を落とさない、そしてまた生産意欲を失わぬようにして、希望を持って取り組んでいっていただけるように、農水省においても何とぞ御尽力をいただきたいと思います。
それでは、次に移らせていただきたいと思います。
国交省所管になろうかと思いますが、四年前の八月の豪雨、この津軽地域でも大変な被害がありました。国土強靱化の観点からも、今後は、それこそ想定外、想定以上の災害リスクに対応した取組が重要であると認識をいたしております。その四年前の八月の豪雨被害で、例えば、私の地元では、鰺ケ沢町というところがありまして、この中村川も氾濫をし、大変な被害を受けました。
青森県がその年の十二月に公表した緊急治水対策プロジェクト、このプロジェクトについての進捗状況、そしてまた、今後の対応についてお伺いいたします。
○林政府参考人 お答えいたします。
青森県が管理する二級河川中村川においては、令和四年八月の大雨により、鰺ケ沢町で床上浸水三百五戸、床下浸水六十二戸、浸水面積約二百ヘクタールに及ぶ大きな被害が発生いたしました。
これを受け、青森県と鰺ケ沢町では、令和四年十二月に中村川緊急治水対策プロジェクトを策定し、このうち青森県は、再度災害防止対策として、災害復旧のほか、河川激甚災害対策特別緊急事業による河道掘削など、ハード整備を行っております。また、ソフト対策として、県と町が連携し、内水ハザードマップの作成、公表を行うなど、令和八年度のプロジェクト完了に向けて取組を進めているところでございます。
また、青森県は、令和八年二月に、中村川の河川整備計画を気候変動により予測される将来の降雨量の増加などを考慮したものに見直しをして、下流部でJR鉄道橋の改築を位置づけるとともに、中上流部では、ダムなどによる洪水貯留機能を強化するための、いわゆる治水機能増強検討調査を実施することといたしました。
国土交通省としましては、引き続き、青森県と鰺ケ沢町が取り組む中村川の流域治水対策に対して激甚災害対策特別緊急事業や治水機能増強検討調査などの財政的支援を行うとともに、技術的助言を実施してまいりたいと思ってございます。
○木村委員 ありがとうございます。
御答弁の後段で、治水事業の機能増強のことが触れられておりました。こういった調査を行っていくことによって、今後の想定外に対応し得るためには必要であるとなれば、ちゅうちょなくそういった事業化に向けても御検討のほどを前向きに対応いただくようお願いしたいと思います。
特に、鰺ケ沢のような大変財政的にも厳しい自治体が地方こそ散在しているという状況がありますので、こういった財政的な支援も含めて御配慮いただくことを御期待申し上げたいと思います。
次に、もう一つ、岩木川についてでございます。
岩木川は、歴史を振り返りますと、一世紀以上連綿と改修のプロジェクトが続けられてきており、いわば国家百年の計に立った大規模プロジェクトと言っても過言ではないというふうに私は考えておりますし、また、リンゴ、お米、野菜、こういった、津軽平野を流れている、我々にとっては母なる岩木山であり岩木川ということでございます。
この岩木川については、中流・上流緊急治水プロジェクト、七年度まで実施されたこのプロジェクトの取組とこの事業の効果、また、今後の岩木川の河川改修に向けた取組についてお伺いいたします。
○林政府参考人 お答えいたします。
国土交通省が管理する岩木川では、令和四年八月の大雨により、弘前市、藤崎町、板柳町の沿川六・四キロにわたり、洪水を安全に流す高さの基準となる計画高水位、これを超過し、堤防が低い箇所では、土のう積みによる水防活動がなければ堤防から越水する水位に到達いたしました。
この大雨を受けて、国土交通省では、令和四年十二月に、青森県や流域内の市町村等とともに策定した岩木川中流・上流緊急治水対策プロジェクトに基づき、岩木川中流部の河道掘削や堤防かさ上げを進め、令和八年三月までに概成したところでございます。これにより、令和四年八月と同規模の洪水を安全に流下させることができるようになりました。
あわせて、自治体が実施する排水対策や住民一人一人が自らのリスクを知り避難の実効性を高めるマイ・タイムラインの普及促進など、被害をできるだけ軽減する取組に対して支援も行ってきたところでございます。
今後の岩木川の治水対策についてでございます。
令和六年三月に、気候変動の影響により予測される将来の降雨量の増加等に対応するため、河道掘削などのハード対策、被災後の早期復旧復興のため、ドローンを活用した迅速な被害状況把握などのソフト対策を位置づけた岩木川水系流域治水プロジェクト二・〇、これを策定し、更なる事前防災対策の取組を進めることとしてございます。
国土交通省としましては、引き続き、気候変動も踏まえ、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水を加速、深化させ、ハード対策、ソフト対策を一体的に進め、岩木川流域の安全、安心を確保できるよう取り組んでまいります。
○木村委員 ありがとうございます。
先ほどの中村川の流域治水プロジェクトもしかりでございますが、やはり、今御答弁にあったとおり、ハード面だけを整備すればいいというものではなくて、やはり、地元の自治体の職員だけではなくて、民間の方々、いろいろな団体、こういったところを巻き込みながら認識をしていただくということが大事だと思っておりますので、引き続きの御尽力をいただきたいと思います。
なお、岩木川は、私の実家がある藤崎町に平川という支川がありまして、昨年も、それこそ大雪が解けた後、土手を隔てた園地も冠水しちゃって、こういったところ、あるいは今冬の大雪の雪捨場の河川敷の利用、こういったところは、国交省青森河川国道事務所あるいは財務省も含めて、国の方にも大変現場でも御協力いただいているということにも、この場をおかりして感謝を申し上げたいと思います。
最後になりますが、道路についてでございます。
私の津軽地域は、私の古巣の青森県庁から、ちょうど太平洋側には国道四号線、そしてそこから起点に日本海側には新潟県まで国道七号線という幹線が延びております。高速道路がいかに普及しつつあるとはいえ、やはり地元にとっては、津軽地域においては一番の幹線である国道七号線でございます。もちろん、これは観光、物流、また、いざというときの緊急搬送、こういった、いわば命をつなぐ道路でもあるわけでございます。
地元の方でも、期成同盟会、首長さん方を中心に、年に一回、これについても、先ほども質問した岩木川と併せて、毎年のように国交省あるいは国土強靱化推進室、そしてまた財務省にも要望させていただいているところでございます。
そこで、国道七号線、今、鋭意、私の実家のある藤崎町を含めて四車線化が進められているところでございますが、北部の、地区的には青森市内ということになるんですが、青森市の鶴ケ坂地区においては、令和三年十二月二十七、二十八日にかけての大雪によって車が立ち往生してしまった、こういった事案がありました。この鶴ケ坂工区も、本来であれば、今鋭意工事が行われている区間と併せて、同時並行的に四車線化の工事が行われていてもおかしくはなかったはずなのでございます。
それはなぜかというと、旧民主党政権時代に、当時はコンクリートから人へというキャッチフレーズの下で、公共工事が残念ながらことごとく中止を余儀なくされた時代がありました。あの当時は、群馬の八ツ場ダムとかは結構大々的に大きく報道されたことでございますが、青森県にとっては、今申し上げました国道七号線の鶴ケ坂工区、これがその当時ストップされた象徴の区間でもございます。地元の方々も、早くこれが四車線化してほしいという切なる願い、要望があるわけでございます。
その後、国交省の皆様方の御尽力によって、防災の観点も取り込みながら事業化が進められてきたということには感謝を申し上げます。昨年の夏場において、ようやくこれから用地買収に向けて住民説明会をやった、こういったお話もいただいたところでございます。
そこで、この国道七号線、事業名としては鶴ケ坂防災事業、この進捗状況と、今後、完成に向けての取組についてお伺いいたします。
○加藤大臣政務官 お答え申し上げます。
国道七号は、青森県内において青森市、弘前市といった主要都市などを結び、地域経済を支える重要な道路であると認識をいたしております。
委員御指摘の国道七号鶴ケ坂防災については、青森市鶴ケ坂地区において、令和三年十二月の大雪によるスタックにより約十二時間の通行止めが発生したことなどから、冬期のスタック発生やカーブ区間での交通事故発生による通行止めリスク軽減などを目的に、四車線拡幅及び道路勾配の緩和を行う事業を令和五年度に事業化したところでございます。
今年度は、調査設計、用地買収を引き続き推進していくこととしており、地域の皆様方の御理解と御協力を得ながら、一日も早い完成を目指して整備を進めてまいります。
○木村委員 加藤政務官、ありがとうございます。
今のこの予算、国費でいくと、私のざっくり感でいうと、十年強ぐらいかかるんじゃないかなというふうに感じておりますが、是非、地元のこの願いを、熱意を酌み取っていただいて、十年かからないぐらいで完成していただくことを願いたいと思います。
坂道になっておりますので、青森空港に行く道路なんかは県が融雪を敷いたりして助かっている部分があるんですが、ここの坂道は本当に大雪になれば大変な状況になってしまいます。私も、先般の総選挙においては、前半は特に大雪でしたので、三日間で選挙区を大体一巡するんですが、もうスタックした車に五台出くわして、五台お助けマンをやっているという、そんなこともありましたが、この鶴ケ坂工区は本当に坂道で、隘路というか狭い状況でございます。国道がこんなに狭いのか、こんなふうな感じもいたしておりますので、是非、私たちの願いを受け止めて、積極的に、前向きに取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、ちょっと時間前ですが、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○関委員長 次に、高見康裕君。
○高見(康)委員 自由民主党の高見康裕です。
私からは、大きく分けて五つのテーマにつきまして質問させていただきたいと思います。
まず、自衛隊の災害派遣についてであります。
ますます頻発化、激甚化をしていくこの災害の現場で、人命救助や復旧復興への対応に当たっておられる自衛隊の皆様に、まず心から感謝を申し上げます。
大規模災害への対処に自衛隊の力は不可欠になっているというのは、もう国民の間に定着をした共通認識だと言ってもよいのではないかと思います。ただ、今日は、その上で、私はあえて問題提起をしなければならないというふうに思っています。それは、その仕事は本当に自衛隊じゃないとできないだろうかというケースが散見されるのではないかということであります。
自衛隊の災害派遣には三要件が定められています。この三要件とは、緊急性、公共性、非代替性、つまり代えが利かないということの三つを指していますけれども、私は、特にこの非代替性というものの要件が守られずに、ハードルが下がっているのではないかということを問題意識として持っています。
自衛隊の本来任務というのは、言うまでもなく国防であります。国を守るために日夜厳しい任務と訓練を重ねているからこそ、我が国の平和が保たれている。その任務と訓練の時間を割いて行うのが災害派遣であります。本当に自衛隊の力をかりなければならないのか、要請する側の自治体、首長の皆様にもこの認識を共有するということが私は不可欠だと考えています。
そこで、最初の質問ですけれども、自衛隊の災害派遣に当たって、三要件、特に非代替性の部分について、厳格に判断をしていくべきだと私は考えていますが、認識を伺います。また、自治体、首長の皆様に、三要件の意義と解釈、こういうことを周知徹底していくことも重要だと考えますが、お考えを伺います。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
自衛隊の災害派遣につきましては、自衛隊法第八十三条の規定に基づきまして、都道府県知事等からの災害派遣要請を受けまして、ただいま委員から御指摘ありました三要件、一つ目は、状況から見て差し迫った必要性があるかどうかといった緊急性、二番目に、公共の秩序維持という観点から妥当性があるかといった公共性、そして、御指摘の、自衛隊の部隊等が派遣される以外に他の適切な手段がないかという非代替性のこの三要件を総合的に勘案し、個別の事案に応じまして判断をしているところでございます。
特に、この非代替性につきましては、当該災害に対し関係機関等がどのような対応の状況か、こういったことも十分に考慮しつつ判断する、これが重要だと認識しております。
具体的に申し上げますと、災害対応そのものは、自治体を中心に、関係機関等が緊密に連携して行われるものでございます。自衛隊の災害派遣はあくまでその補完として実施するものという基本的な考えでございますので、非代替性を始め、こうした三要件の趣旨を踏まえて適切に運用に努めてきたところでございますし、これからも努めてまいります。
また、二つ目の御指摘として、こういった三要件、これを十分に自治体の方々、関係機関にも御理解いただくようにということでございましたが、平素からこういった自衛隊の考え方、三要件の意義や考え方について理解を深めていただくことは極めて重要であると私どもも認識しております。そのため、これまでも、例えば自治体が実施する各種防災訓練の機会等を通じて、自衛隊の災害派遣の制度や三要件も含めた運用の考え方について説明を行ってきたところでございます。
また、最近では、各自治体におきまして、防災担当者や危機管理の担当者に元自衛官、自衛官OBの方を採用いただいている自治体も多くございます。こういった方々を通じての一層の理解を深めていただくよう、こういった連携を今後とも深めてまいりたいと考えておりますし、あと、何らかの文書でそういったことを明記しようと思いまして、本年三月に改定いたしました防衛省防災業務計画にも、初めてですけれども、先ほど申し上げた三要件を明記したところでございます。
あと、先生御指摘のように、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しく複雑な状況に面しております。自衛隊の災害派遣活動、発災当初に必要とされる人命救助などの場面で全力で対処しつつ、長期化傾向にありますような支援などは、自治体や関係省庁と適切な役割分担を行って対処してまいりたい、このように考えてございます。
○高見(康)委員 様々、周知徹底の努力もしていただいているということが分かりました。自治体に元自衛官の方が災害担当、危機管理担当でというのも増えているというのも重要なことだと思っています。
それで、大事なのは、この三要件の判断をいつするのかということもあると思っていまして、この災害派遣の入口で三要件が満たされているかというのを判断して、当然、今されているわけですけれども、災害、この復旧復興のフェーズが進んでいきます。その都度都度、この非代替性、特に非代替性も条件が変わっていきます。この派遣後の各フェーズでの判断というのも適切に行っていただきたいということもお願いをしておきます。
次の質問は、今申し上げたこととも関わりますけれども、災害派遣の出口戦略の必要性についてであります。
三要件に合致をして、災害派遣をまず入口としてします。そうなると、次に意識すべきなのが、出口戦略だと私は思っております。
先日、災害派遣の指揮官を務めた経験がある自衛官の方にお話を伺いました。
ある県で大型台風による被害が発生をして、災害派遣をすることが決まりました。避難を余儀なくされた被災者の方々に給水支援をするというのがこの派遣の任務でありました。
ただ、ところが、その後、この業務をしていると、多くの民家に雨漏り被害が発生していることが分かりました。そうなると、では、今度はブルーシートを誰かが張らなければいけない。これも、自衛隊の皆さん、できますかと言われて、やることに、引き受けることにした。これは、一か所でやると、じゃ、うちもやってくれますよね、うちもできますよねということで、どんどん手が挙がる。それで、収拾がつかなくなったという苦い経験をお聞きしました。
この事例は、まさに、この三要件の中の非代替性というのが途中から満たさなくなった事例なのではないかと私は考えます。次から次へと頼まれるがままに、よかれと思って、もちろん、ニーズに応えていると、最初に感謝の気持ちが示されるわけですけれども、次第に、やってもらって当たり前のような感覚に変わっていって、しまいには、逆に、何でうちはやってくれないんだというクレームになっていく。これは本当にお互いにとってよくないことだと思います。
早い段階で出口戦略を定めておくというのは、本来任務にいつか復帰すべき自衛隊の側だけでなくて、自立して復興に歩みを進めていかなければならない自治体の皆様、住民の皆様にとっても望ましいことだと私は考えます。
そこで、災害派遣をする場合には、早い段階で出口戦略を定める、そして、それを自治体、首長の皆様と共有をしておくということが私は非常に重要だと思いますけれども、考えを伺います。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、自衛隊の災害派遣に当たりましては、早い段階、早期の段階から、活動の終了を見据えて、関係自治体等、関係機関とも認識を共有しておくというのが極めて重要であると考えてございます。
自衛隊の災害派遣は、先ほど申しましたように、こういった自治体等、関係機関の災害対応を補完するものでございますから、被災自治体がどのように対応能力を回復していくか、どのようにインフラ等の復旧をしていくか、そういった段階に応じて役割を移行していくというのが基本だと考えてございます。
特に、長期化が見込まれるような大地震ですとか大規模な災害対応につきましては、自治体と活動終了時期を調整せずに活動を続けるということは、今度は、被災自治体側においても、どういった見通しで今後の対応を進めていくか、十分な準備ができなくなるおそれもあります。そういった復旧の妨げとなるおそれもあると考えてございます。
防衛省・自衛隊といたしましては、今後も、適切なタイミングでの活動の見直し、活動の終了、こういったものを、自治体の対応状況、意向、現場の実情を十分に踏まえつつ、しっかりと調整を行って進めてまいりたいと考えてございます。
○高見(康)委員 ありがとうございます。
自衛隊の災害派遣というのは、災害の自助、共助、公助の、この公助の最たるものなのではないかと思います。そして、自衛隊の災害派遣に限らず、今回設置され強化をされるこの防災庁の取組、これも公助が強化されるという方向になると思います。
それで私は、これには、もちろん公助を強めていくことは必要なことだと思っていますが、公助が強化されるに当たって忘れてはならないのは、あくまで自助があって、共助があって、その上での公助だということではないかと私は思っています。公助を強化していって、やってくれるからと思っては、そういう考えが広まってはいけない。家庭や地域社会の自助、共助の取組が弱ってしまうようなことがあれば本末転倒だというふうに思っています。
そこで、災害対応に当たっては、公助だけにもちろん頼るのではなくて、自助、共助の取組をしっかりやるということが前提だと私は考えますが、この点の御認識を伺います。
○横山政府参考人 お答えいたします。
災害時には、委員御指摘の自衛隊の派遣も含めた国や地方公共団体が行う公助だけではなくて、国民の一人一人が自ら取り組む自助、互いに助け合う共助を組み合わせて対応しなければ、国民の生命、財産、尊厳ある生活を守ることはできないというふうに認識してございます。このため、自助、共助、公助を組み合わせて事前防災に取り組み、地域全体で防災力を高めることが重要でございます。
内閣府といたしましては、必要な公助に加えまして、国民一人一人が災害を自分事として捉え、平時から災害に対する備えを心がけるとともに、自分の命は自ら守るという意識をお持ちいただいて、行動変容につなげていただくための啓発や防災教育等を進めています。さらに、地域コミュニティー単位で、住民による自発的な防災活動を定める地区防災計画の策定、あるいは、ボランティアの活動しやすい環境の整備などを通じ、共助の取組の促進に努めているところでございます。
政府といたしましては、防災庁設置も見据えて、今後も、自助、共助、公助を組み合わせて、地域の防災力を高める取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○高見(康)委員 ありがとうございます。
次に、二つ目の大きなテーマは、海上保安庁の災害対処能力の強化についてであります。
災害派遣は、今も取り上げた自衛隊がクローズアップされていますけれども、同じく大事な役割を果たしてくださっている海上保安庁の皆様にも心から感謝を申し上げたいと思います。能登半島地震の折には、海上保安庁の無人航空機、シーガーディアンがいち早く現地に駆けつけて、捜索救助や災害対応の支援に大きな役割を果たしました。
私は、昨年は国土交通大臣政務官で海上保安庁というものも担当しておりましたけれども、そのときには鹿児島のトカラ列島で地震がずっと続くという大変な災害がありました。あのとき、私は東京の災害対策本部に詰めていましたけれども、発災間もない頃から、あのときは、村役場も本土にあって現地にないという、状況把握が非常に難しい事案だったと思いますけれども、シーガーディアンがすぐに現地に駆けつけて、リアルタイムでその映像が東京に送られてくる、そして状況把握ができる、対応も指示ができる、そういう状況でありました。
安全保障環境は複雑化をしていて、海上保安庁も対処すべき任務というものが質、量共に大きく増大をしています。一方で、海上保安庁は、自衛隊もそうでありますけれども、人材確保、育成の困難さに直面していて、割けるリソースが非常に限られているというのが現状であります。
そこでお尋ねしたいと思いますが、海上保安庁が本来任務に加えて災害対処にも有効にこの能力を発揮できるように、今御紹介した無人の航空機の導入を加速していくべきだと私は考えますけれども、政府のお考えを伺います。
○山戸政府参考人 お答え申し上げます。
海上保安庁では、新たな技術を活用した隙のない広域海洋監視能力を構築するため、令和四年から無操縦者航空機、シーガーディアンの運用を開始し、現在は、北九州空港を運用拠点としまして、五機体制による二十四時間三百六十五日の海洋監視体制を構築しております。
運用開始以来、我が国周辺海域の監視、警戒はもとより、先ほど委員から御指摘のございました令和六年能登半島地震や令和七年トカラ列島近海を震源とする地震におきまして、被害状況調査にも活用しているところでございます。
シーガーディアンでございますが、二十四時間以上の航続性能に加えまして、高性能カメラを装備するなど、昼夜を問わない高い監視能力を有しているほか、これまで海上保安庁の有人航空機で担ってきた業務の一部をこれが担うなど、業務の高度化や効率的かつ効果的な業務の遂行にその能力を発揮してございます。
海上保安庁といたしましては、引き続き、無操縦者航空機を増強し、海洋監視体制の更なる強化を図るとともに、災害対応を含め、国民の皆様の安全、安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
○高見(康)委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
今御答弁をいただきました無人機の拡充というのは、私は人材不足にも対応する上でというふうに説明をいたしましたけれども、決して人材不足の、省力化という観点だけではないと思っています。無人機の導入が進んで、この任務が広がることによって、前線で非常に極めて危険な任務に当たってくださっている海上保安官の皆様の命を守るという観点でも極めて重要な導入ということだと私は考えていますので、強力に推進をしていただきたいというふうに思います。
次に、大きく分けて三点目の質問、地方自治体との連携についてであります。
特に過疎地、中山間地域の自治体においては、災害対応に当たる役場の皆様のマンパワーというのは非常に脆弱であります。先日の読売新聞の調査によりますと、全国の自治体の二四%に当たる四百三十三の市町村で、防災の専任の職員というのはゼロであるということが明らかになりました。
私の地元の島根県には川本町という町がありまして、詳しく聞いてみましたけれども、この町は近年だけで三度も江の川が氾濫をして大きな被害を受けた、そのような町であります。そういう場所でも防災の専任の職員は一人もいない、置くことができない。
では、どういう勤務の状況なのかと聞きますと、総務財政課に所属をしている一人の職員が、地域防災計画の策定をしたり、ハザードマップを作成したり、そういう日頃の防災の業務がもちろんあります。そしてまた、実際に災害が起こるということになりますと、避難指示の発令をしたり、避難所の運営に当たったりという、こうした災害対応の仕事もある。そして、それに加えて、消防に関する業務も一手に担っている。さらには、この防災とか消防とは全く別の、自治会との連絡業務も同じ職員が一人で担っているということで、実質〇・五人弱ぐらいのボリュームじゃないかというふうに思います。この上に、今回、さらに、事前防災の取組を強化する、あるいはシミュレーションによるリスク点検をやっていく、これは非常に重要な取組だと思います、そうなると、マンパワーはもう限界を超えてしまうのではないかということを懸念しています。
そこで、例えば、今の仕組みとしては、発災後には、リエゾン、TEC―FORCEが速やかに派遣されたりして、人的リソースがない自治体を補って、非常に評価されている取組があります。今回強化される事前の防災についても、小規模自治体でもしっかりと機能するように、国による積極的な伴走支援が必要ではないでしょうか。防災とともに地方自治体の実情に非常にお詳しい古川政務官にお考えを伺いたいと思います。
○古川大臣政務官 高見委員の御指摘のとおり、防災の専門人材が十分に確保できていない市町村における事前防災の取組を支援していくことは、これは大変重要であると考えております。
昨年度より、内閣府に各都道府県のカウンターパートとなるふるさと防災職員を配置しております。平時には地域単位での丁寧なシミュレーションに基づく災害リスク評価を進め、全国どこで災害が起こったとしても、被災者の方々のニーズに沿った快適な避難環境を実現する取組などを支援しております。
防災庁設置により充実する人員、予算も活用しながら、都道府県ともしっかりと連携して、御指摘のように、小規模で、防災の専門人材の不足に悩むところも多い市町村の事前防災の取組への伴走支援を行ってまいります。また、災害発生時には、ふるさと防災職員が地域防災リエゾンとして速やかに現地に赴き、平時の伴走支援によって築いた顔の見える関係を生かして、被災状況の把握や被災自治体の支援を行ってまいります。
○高見(康)委員 古川政務官、ありがとうございます。
地方議会での豊富な御経験をお持ちの古川政務官がこのポジションにいらっしゃるというのは非常に心強いことだと思っていますので、リーダーシップをどうか発揮していただくようにお願いいたします。
次に、防災庁と自治体、首長の皆様との信頼関係をいかに築くかということについてお聞きをしたいと思います。
東日本大震災では、当時の国土交通省の東北地方整備局長の方が、自分のことは闇屋のおやじだと思って何でも言いつけてほしいという手紙を被災地の首長の皆様にお届けになって呼びかけられて、その方が首長の皆様の信頼を得て、役所の縦割りのはざまに落ちそうな案件を何でも言ってくれというふうに請け負って、実際、仮設トイレだとか燃料の調達だとか、そういったことはまだ想像がつきますけれども、それだけではなくて、例えば生理用品だとか棺おけだとか、こうしたことも何でも調達に汗をかかれたというふうに伝えられております。
そこで、災害時にこうした関係が有効に機能するためには、やはり平時から顔の見える関係を構築しておく、信頼関係を構築しておくことが不可欠だと思いますけれども、今回設置される防災庁と自治体、首長の皆様との信頼関係をどう築いていくのかという点についてお考えを伺います。
○横山政府参考人 お答えいたします。
本年中の設置を目指しております防災庁は、徹底した事前防災と、平時から発災時、復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔を担うこととしてございます。この機能を発揮するためには、平時から自治体等との顔の見える関係を構築することが重要であると考えてございまして、先ほどの大臣政務官の答弁とも重なるところがございますけれども、防災庁の設置を見据え、昨年度から、まず内閣府に四十七都道府県のカウンターパートとなるふるさと防災職員を置き、自治体の災害対応を支援する体制の強化に努めているところでございます。
防災庁においてもこうした取組を更に発展させまして、ふるさと防災職員が核となって自治体のワンストップ窓口となりまして、いざ発災した場合に、応急対応、復旧復興まで一貫した伴走型支援を行います。また、地方機関たる防災局を設置する予定になってございます。ここも生かしまして、自治体の首長さんを始めとして職員の方々と密接に連携して、効果的、効率的に災害対応に臨む体制を構築してまいりたいというふうに考えてございます。
○高見(康)委員 御答弁ありがとうございます。
私は、かつて、災害対応の陣頭指揮を執られた経験のある首長の皆様に様々お話を伺ったことがありまして、あのときは横山次長とも一緒にいろいろな議論をさせていただきました。
そうした経験を持つ首長経験者の皆様が一様におっしゃっていたのは、やはり、いざ本当に困ったというときに誰に頼むのかと本当に考えてしまうんだそうですね、こんなことまでお願いしていいのだろうかと。そういうときにやはり一番頼りになるのは、先ほども紹介した例にありますように、例えば地方整備局の皆様。というのは、日頃から用事がなくても顔を見せて、首長の皆さんあるいは役場の皆さんと直接お話をしている、こうした関係があるからこそ、もちろん携帯電話もみんなホットラインを築いている、だからこそ、こんなことまでお願いしていいでしょうかという電話をかけるそのハードルを乗り越えることができるという話をたくさんの経験者の皆様からお聞きをしました。
今回できるこの防災庁の皆様が、そういう表だけではなく、本当に深くに入ったところまで信頼関係が構築できるように、横山次長のリーダーシップを是非お願いしたいと思います。
次に、四点目の質問であります、女性の視点を生かした防災ということについて質問いたします。
過去の大規模災害の教訓としまして、避難所の運営や支援物資の供給など、こういうことを男性が中心になってやっている場合には女性が困難な状況に置かれやすい、そして、心身の健康を害してしまったり、あるいは避難そのものをためらってしまうことにもつながりかねないということが指摘をされてきました。防災、災害対応に多様な視点が生かされない場合には、困るのは決して女性だけではなくて、子供や高齢者、障害者、ひいては男性も困難な状況に置かれてしまうと私は考えています。
そこで質問ですけれども、防災や災害対応に女性の視点を生かすことの意義をどう認識していらっしゃるのか。また、具体的な取組についても伺います。
○横山政府参考人 お答えいたします。
防災、災害対応に女性の視点を生かすこと、こちらは委員に以前御指導を賜った論点かという認識でございます。
女性と男性とでは災害から受ける影響が異なり、例えば避難生活における女性特有のニーズ等もあることから、防災において女性の視点を生かすことは重要だというふうに認識してございます。
そのため、防災基本計画におきましては、防災に関する意思決定や現場における女性の参画などについて位置づけるとともに、避難所運営のガイドラインを作成し、女性がリーダーシップを発揮しやすい体制の確立、相談窓口への女性の配置、女性だけで話せる場の確保などに取り組むよう記載し、男女共同参画の視点を取り入れた防災を推進しているところでございます。
さらに、避難所運営等のリーダーを育成するために実施している研修がございますけれども、これに女性の積極的な参加を促してございまして、令和六年度の受講者の半数は女性になっているところでございます。
引き続き、男女共同参画局を始めとする関係部局、府省や自治体と連携して、防災分野における女性の参画を推進してまいりたいと考えてございます。
○高見(康)委員 ありがとうございます。
女性の視点を生かすというのは、もちろん、災害が起こってからというだけではいけません。平時にできないことは有事にはもっとできないというのが、過去の大規模災害の対応に当たった何人もの方からお聞きした教訓であります。国、地方、そして官民問わず様々なレベルで、平時の取組から女性の視点を生かすということが重要だというふうに考えています。
そこで、自治体の防災部局、危機管理部局や、あるいは地方の防災会議、自主防災組織への女性の参画拡大についての取組を教えてください。
○由布政府参考人 お答え申し上げます。
自治体の防災・危機管理部局や地方防災会議、自主防災組織への女性の参画拡大につきましては、第六次男女共同参画基本計画におきまして、地方防災会議の委員に占める女性の割合を成果目標として掲げますとともに、平常時から自治体の防災・危機管理部局の男女比率を少なくとも庁内全体の職員の男女比率に近づけるよう働きかけを行うことなどを盛り込んでおります。
また、男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドラインにおきまして、自治体に対して、自主防災組織における女性の参画を促進するとともに、女性リーダーの育成を推進し、平常時からリーダー同士の連携や情報共有を図ることなどを求めております。
これらを踏まえまして、内閣府の防災担当と男女共同参画局とが密接に連携し、防災・危機管理部局や地方防災会議に積極的に女性を登用している好事例の収集、展開、自治体職員を対象とした研修、また、取組状況の調査、公表などを通じまして、自治体の防災・危機管理部局や地方防災会議、自主防災組織への女性の参画拡大を進めてまいります。
○高見(康)委員 ありがとうございます。
個別に見ていきますと、自治体間、地域間での温度差とか意識の差、数字の差というのがかなり大きいというふうに感じています。大きな災害を経験した地域ではきちんとできているわけですけれども、できるところはできている、ただ、できていないところはまだまだ進んでいない。大きな開きがあると思っていますので、是非、個別に掘り下げていただきたいなと思っています。
例えば、県とか市町村の防災会議ですけれども、経済団体ですとか農業団体とか、各種団体の長の方がいわゆる充て職のような形でずらっと並ぶような形式が一般的によく見られると思います。そのとおりにこの会長さんたちが来られると、やはり男性がかなり多くなってしまう。
ただ、この趣旨からして、会長である必要は私はないと思うんですよね。その団体にも女性の方がいらっしゃる。この趣旨をしっかりとお伝えをして、女性の視点というものの意義を理解していただいて、会長にこだわらず、役職にこだわらずに、女性の方に一定数参画していただけるように、いかがですか、こうしたことを一声かけるだけで私は変わってくるんだと思います。そうした、少し掘り下げた呼びかけの徹底というものをお願いしたいと思います。
最後の五点目の質問は、災害時の医薬品の確保についてであります。
災害時に医薬品を確保できるかどうかというのは、言うまでもなく、災害関連死に直結しかねない極めて重要な課題です。支援物資として何日か後に医薬品は届くかもしれませんが、少なくとも発災直後からしばらくの間、地域の中で被災者の薬を賄う必要があります。
そこでお尋ねしたいと思いますが、災害時に地域の中で連携をして医薬品を提供できる体制を確保することが大事だと思いますけれども、政府の取組を伺います。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
災害時にその地域において必要な医薬品を提供できる体制の確保は重要と認識してございます。
災害発生時の医薬品供給につきましては、災害対策の中心を担う都道府県が、地域の実情に応じた方法により、必要となる医薬品等を事前に確保して災害の発生に備えるとともに、災害発生時には、被災地から依頼を受けた厚生労働省が、関係団体に対し、不足する医薬品について、例えば被災地以外からの輸送を進めるなどの協力を要請することとしているところでございます。
また、都道府県においては、厚生労働省の要領に沿って災害薬事コーディネーターが任命されており、災害発生時に医薬品等の資源及び情報の把握と現場におけるニーズとのマッチングを行うことで、必要とされる場所への医薬品等の配備と情報提供を行う体制整備を進めているところでございます。
引き続き、こうした枠組みを活用しまして、医薬品の提供体制を確保してまいりたいと考えております。
○高見(康)委員 ありがとうございます。
災害薬事コーディネーターという取組の御紹介をいただきました。非常に重要な役割だと思います。この方々がしっかりと各地に網羅的に配備をされて機能するように、この政策を進めていただきたいというふうに思います。
医薬品のことを今申し上げましたが、その中でも、特に緊急で、急いで対応しなければいけないものというのは何なのかということを考えてみたいと思います。
最近、子供のアレルギーというのは非常に増えているというふうに、周りの方、肌感覚としても非常に感じています。重度の場合、アナフィラキシーショックというものが起こる。それに対応するためには、すぐにエピペンというもので対応しなければいけない。
これはもちろん、こういう診断を受けたお子さんは家庭でも学校でも処方されたものを持っていて、自分であったりあるいは保護者の方で、そういうショックが起きたときにはエピペンで対応するということになるんですけれども、ただ、どのような状況で災害が起こるのか分かりません。持ち歩いているのがもちろん望ましいとは思いますけれども、どういう状況か分からない。こういうのが一つあります。
あるいは、今子供に多い1型糖尿病、これは、生活習慣によってなる、大人がかかる糖尿病とは別に、生まれつきであったり、あるいは本当に幼い頃に発症する1型糖尿病というものも、これも今増えているというふうに言われています。こういう場合は、一日三食、食事のたびにインスリンの治療をしなければいけませんので、もしインスリンが欠けてしまうようなことがあれば、状態が急速に悪化してしまうということも考えられるというふうに思っています。
ですので、先ほどは医薬品全体のお話を伺いましたが、特に緊急ではないかという意味で、今紹介したエピペンだったりインスリン、こうしたものは災害時にどう供給を確保していく取組をしているのかということを教えてください。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、災害発生時の医薬品供給については、都道府県が、地域の実情に応じた方法により、必要となる医薬品等を事前に確保しております。
被災地内での医薬品等の事前の確保は、主として災害から三日程度の間に必要となるものでございますが、インスリン製剤については、令和五年の事務連絡において、災害から三日程度の間に必要な医薬品と同様に扱うこととするよう周知しており、都道府県では、この事務連絡や地域的な要因等を踏まえてインスリン製剤などの医薬品等の事前の確保を行うなど、災害発生後の供給に備えているものと承知しております。
また、エピペンも含めて、不足している医薬品があれば、厚生労働省から関係業界団体へ協力を要請し、被災地へ輸送するなど、災害時の医薬品の供給体制を確保しているところでございます。
厚生労働省としては、引き続き、都道府県等と連携して、災害時における医薬品の安定供給に万全を期してまいりたいと考えております。
○高見(康)委員 ありがとうございます。
私は、近年でも、今御紹介したようなことは状況が変わっているんじゃないかというふうに思っています。今、肌感覚として、アレルギーや1型糖尿病、これは増えていると申し上げましたけれども、今回、私にこの相談をしてくださったお子さんの保護者の方、そのお子さんが通う小学校は全校生徒が七百人ぐらいいるそうなんですけれども、その中、まあ皆さん、どうお感じになるか、七百人の中で十人が重度のアレルギーで、エピペンを持っていないといけないんだそうです。そうなると、ある程度の災害が起きて避難生活が始まると、そこにはもうそういう方がいる、お子さんがいると思った方がいいですよね。
ですので、今、インスリンには少し厚めの対応をしてくださっているということが分かりましたけれども、エピペンだったり、ほかにもこれは挙げれば切りがないと思います。一昔前とは明らかにこの対象となる患者の方は増えているなというふうに感じておりますので、今御紹介したようなケースを含めて、しっかりとまずは実態を把握した上で必要な対応を進めていただきたいということを最後にお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。
どうもありがとうございました。
○関委員長 次に、青柳仁士君。
○青柳委員 日本維新の会の青柳仁士です。
まず、災害の発生時に防災庁がどういう機能を果たすのかということについて質問させていただきたいと思います。
発災時には、内閣府を始め、消防庁、国交省、防衛省がそれぞれ災害対応に当たるわけです。ここにおいて新しい省庁として司令塔機能を果たすというふうに言っているんですが、今いろいろお話を聞いていますと、結局、事務局機能みたいなものを果たすだけなのかというようにも理解できるんです。
また、発災時以前の準備はしっかりとやっていくんでしょうけれども、それらが実際の発災時にこれまでのオペレーションをどれだけ変えることになるのか、具体的にどれだけ実効力を増すことにつながっていくのか、その具体的な姿、縦割りをどう乗り越えていくのか、こういったことについて改めて大臣の方から御説明をいただければと思っております。
○牧野国務大臣 青柳仁士委員にお答えします。
防災庁については、まずは、とにかく大規模災害による被害を最小限に減らしていくというのが大きな目標でございます。そのために平時から徹底した事前防災を行う、その中で関係省庁の縦割りを排除していくことが御指摘のように重要だと思っております。
また、災害発生時から復旧復興に至るまで、防災庁が中核となって関係省庁と緊密に連携し、伴走型の被災地支援を構築していくことも重要であります。
これまで高市総理も本会議でお答えをされたりしておりますけれども、防災庁におきましては、組織、人員、予算を拡充して、今まである内閣府の防災部門とは違って、内閣直下に置かれる一段高い庁として、大臣が有する勧告権を背景に、関係府省庁の施策を推進していくことになります。これにより、防災庁が司令塔となって政府一丸で災害対応に臨む体制を構築していくことになります。
○青柳委員 御説明としてはそのとおりだと思うんですが、先ほど申し上げたとおり、消防庁、国交省、防衛省、こういったそれぞれの省庁が発災時には防災対策本部が設けられた下でそれぞれ動くことになるわけです。ですので、今御説明があったような事前からの準備、それから復興後の長期にわたる計画に基づきと言いつつも、それらをまとめていくには、ある種の政治的なと言うと言い方があれですけれども、それぞれの権限を乗り越えていくようなパワーゲームに近いことも必要になってくるんじゃないかと思うんです。実際に、この縦割りは今も問題として指摘されているところであります。
そこで、二つ目の質問ですが、それらを乗り越える非常に重要な権限として、防災庁に勧告権が今回認められております。しかしながら、この勧告権というのは、復興庁とデジタル庁にも認められているんですが、これまでに行使されたことはありません。これをなかなか使えない。
内閣官房の方とも少しお話しさせていただいたんですが、防災庁がこれを持っているだけで一定ほかの省庁に対するにらみが効くんじゃないかという御意見もあるんですが、実際には、災害が発生したときにその程度のことでは駄目で、各省庁が自分たちの権限としてはこれをやりたい、あれをやりたいというものを駄目だと言って、こうするんだと言うぐらいの強い権限がないと実効性がないと思うんですけれども、この勧告権をこれからどのように活用し得るというふうに考えているのか、これによって縦割りの行政を超えていけるのかどうか、現在大臣としてどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。
○牧野国務大臣 私は、復興大臣も兼任しております。復興大臣にも各省庁が尊重する義務がある勧告権が付与されておりまして、今度の防災大臣も同じ立場でありますが、これから審議の後に設立されることになる防災庁につきましては、先ほどから申し上げていますが、発災時から復旧復興までの一貫した司令塔になるわけですが、今私が兼任している復興大臣というのは東日本大震災が起きて翌年設立された役所でありますけれども、もうその時点で発災時ではなくて、東日本大震災の復旧復興のための役所としてできたわけで、復興も今も続いているわけです。
ですので、復興のときは、自治体だけではなくて、各府省庁と話合いをしながら調整をしていく仕事が主ですけれども、今度つくっていただく防災庁というのは発災のときから始まりますので、そういうときに、各府省庁にまたがるいろいろな発災時の対応というのがあるんですが、このときに、私は勧告権を背景に各省庁にいろいろなことを求めるということを想定していますので、その効果は勧告権を発動しなくても当然高いというふうに私は思っております。
さらに、施策を推進する必要な場合にはちゅうちょなく勧告権を行使することで、府省庁の縦割りによる施策の抜け落ちとか漏れをなくすことができると思っておりますし、とにかく、発災時の対応はスピーディーでなければいけないし、そのときには本当に政府一体となって対応しなきゃいけないものでありますので、私は防災大臣がその機能を十分果たしていただけるものと思っております。
○青柳委員 是非とも、今御答弁にもありましたとおり、最終的には大臣の政治決断になる部分もあるんじゃないかと思いますので、伝家の宝刀として抜けないものだというふうに思われないように、勧告権はきちんと発動する場合があるんだ、今まで発動した経験がなかったとしても、これに関してはきちんとあるんだということをしっかりと周知といいますか、分かるような形にしておいていただくことで縦割りを乗り越えていけるのではないかと思います。
例えば、勧告権を強める一つの手としては、防災に関する予算、各省に配分されている分を勧告権に従わない場合はストップできるような仕組みだとか、そういうことも考えてもいいのではないかと思っておりまして、それぐらい災害発生時には迅速で、「シン・ゴジラ」という映画がありましたけれども、あんなことにならないように、しっかりと勧告権を得て一丸となって取り組めるようにしていく、これが重要ではないかと思っております。
今大臣の方から復興庁の話が出ましたので先に質問を進めさせていただきますが、今、復興庁は東日本大震災について対応されているということなんですが、ここで得られた知見、経験というのはこれからの防災庁にとっても極めて重要なものであると考えております。この部分だけがいまだに別の省庁、復興庁が担当していて、それ以外の部分をこちらの防災庁でやるというのは、発災の前から、発災時から、復興から、全ての災害においてやるという想定の防災庁のたてつけからすると、ややいびつな感じがいたします。
五年後には基本的には復興庁は期限が終わるということではありますが、この省庁が例えばなくなっていく、あるいはそういうことを考える場合には、新たな立法措置が必要だというふうにも伺っております。
そういった観点から、ここからはもちろん国会での議論になると思うんですが、これは私の質問者としての私見ですけれども、やはり最終的には両省は統合していくべきではないかと考えるんですけれども、この点について、両方の省庁の知見をどのように共有していくのか、今後の組織の在り方について、これも大臣の御所見をお伺いできればと思います。
○牧野国務大臣 復興庁の今までの歴史の中で、様々な東日本大震災の復興に関わる知見はいろいろ生かされてきていると思います。熊本地震もそうだったし、能登半島地震もそうだったんですが、それぞれ問題、課題はありましたけれども、ワンストップ窓口というのは復興庁が東日本大震災で国の窓口として一本化されているということでありますが、それが災害のときにその手法がだんだん取られるようになってまいりました。
そのようにほかの災害の対応に生かされておりますけれども、元々復興庁というのは東日本大震災のためにつくられた役所でありますので、それに対して、防災庁というのはこれからつくる、発災から復旧復興まで一貫した司令塔としての機能を持つ役所でありますので、本来、それぞれのスタートと今やっている中身が違うというふうに思っております。
ですので、現時点で両方を統合するということは検討されておりませんし、この先については、そのときの状況によって政府として決めていくことだというふうに思っております。
○青柳委員 機能としては今申し上げたとおり統合してもいいのではないか、むしろ統合した方がより有機的に対応できるのではないかと思いますし、一般論としても省庁の数が増えれば増えるほど人件費、管理費、国民の税金が増えていくわけですから、そういった統合の必要性があるのではないかということについてはこの場で問題提起をさせていただきたいと思います。大臣がおっしゃるとおり、今後の議論の推移、また、政府及び立法措置がある場合は国会での議論が必要だということは承知しておりますが、そういったことは必要ではないかと考えます。
ちょっと飛ばしまして、最後の質問で一個、専門人材の確保についてお伺いしたいと思っております。これを先に質問させていただきます。
これから内閣防災庁については、防災の専門人材をいかに確保していくか、そういった方々をどう活用していくかということについて、これまでの議論の中でもあったかと思います。
そういった中において、民間資格ではあるんですが、現在、防災士という方が三十五万人おられます。そのほかにも、防災のコンサルタントのようなことをやっている方がいらっしゃいます。それから、例えば企業のBCP担当の方であるとか、総務、危機管理部門の方、工場の安全管理責任者であるとか大規模施設の防災責任者、そういった方々、いわゆる防災を自分の職業とされている方が世の中にはたくさんおられます。
例えば、防災庁の方でこういった方々を自衛隊における予備自衛官のような形で、予備防災官ではありませんけれども、登録制度のようなものをつくって、民間で勤めている防災を専門とされている方々に発災時あるいは必要なときにすぐに御協力いただけるような体制を取っていくべきではないかと考えますが、この点についてお伺いできればと思います。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
今、青柳委員が御指摘された点は、これから防災庁を更に充実させていくという意味では視点の一つだと思っております。ただ、まだ防災庁は、この御審議の後に実際に人をそろえていって組織として充実させていくというこれからできる役所でありますので、今のところは、新たな中途の採用の皆さんも含めて、そういう防災関係にお詳しい民間の方にも応募してもらって、そういう方がいれば採用していくということを続けております。
今おっしゃった防災士を始め、そういう防災の専門人材といいますか、防災に関わる方たちをこれから確保していくということに加えて、先ほどから申し上げていますけれども、仮称でありますけれども、防災大学校の設置を検討しておりまして、そういう中で防災人材の育成、確保、これは地方の職員の方、民間の方も含めてそういうことをやっていくということを考えております。
一番大事なことは、防災に知見を有する方を含みます産官学民のあらゆる関係者同士の顔の見える関係の構築、連携が平時から行えることが大事だと思っておりますので、そうしたことを通して災害への備えを万全にしていきたいと思っております。
○青柳委員 おっしゃるとおり、平時からそういった方々とつき合っていくことは非常に重要だと思います。
ここで申し上げておきたかったのは、防災の専門人材が非常にたくさんおられる中で、今大臣がおっしゃったように、そういった方を例えば雇用するような形で一緒にやる形もあるでしょうし、申し上げたとおり、登録制みたいな形で、たくさんの方にいわゆる予備自衛官のような形で登録しておいていただいて、必要なときだけ御協力いただく、こういう制度もあろうかと思いますので、この点についても是非ともこれから立ち上げていく過程において御検討いただければと思っております。
加えて、一応申し上げておきますと、発災時に必要な専門性というのは、今申し上げたような防災士を中心とする防災専門の人材だけではありませんで、災害時に社会機能を回せる専門家ということでいいますと、例えば建設とかインフラ系の技術者、ゼネコンさんですと設計者というのもありますし、防災工学、地震、気象の研究者、物流の方々、通信やITエンジニア、それから医療とか福祉系の専門職、それから、社会機能を止めないという意味では、エネルギーとかインフラの運用であったりとか、地図、データ、AI、こういった方々、そして、復興の際の金銭的な補償という意味では、保険、金融、契約、調達、こういった方々、さらにはコミュニティーのリーダーですとか、そういった人たちも発災時には非常に機動的に動けるいわゆる機能別の専門家といいますか、知見のある方々だと思います。こういった方々を全員雇用するのは当然無理だと思いますので、いろいろボランティア精神をお持ちの方もたくさんおられますので、登録制度のようなものをつくっていくのは一つの非常に重要な手段ではないかと考えております。
もう一点、これは古川政務官の方にお伺いしたいと思いますけれども、私の地元の地方自治体からもいろいろお話を聞いておりまして、有事の際、発災時に必要ないろいろな物資といいますか、例えばキッチンカーとかトイレカーとか、そういうものを現在はそれぞれ自分の自治体がここが必要だというものを自治体で買っているという状況ですから、要するに単価が高いという声があります。
例えば、これをまとめて買えば、あるいは、隣の自治体はトイレカーを持っていて、こっちの自治体はキッチンカーを持っていてという役割分担をするとか、そういうことをすればもっとコストを安く大量に調達できるのではないかと考えております。
そういったことにおいて、現在はある意味自治体に任せているというか、都道府県、市区町村の方でやっておりますが、補助金のようなものがあるというのは存じ上げておりますが、理想的には防災庁の方でトップダウンで調達してお渡しした方がよりよいのではないかと考えますが、この点についてお伺いできればと思います。
○古川大臣政務官 青柳委員にお答えさせていただきます。
防災、減災に資する資機材の整備を効率的かつ効果的に進めるため、国としても自治体間の連携を推進することは重要であると考えております。
本年度予算にて創設した防災力強化総合交付金のメニューの一つである広域連携推進事業において、発災時の地方自治体間の広域的な応援・受援体制の強化を目的に、地方自治体が連携して行う資機材や人材等を派遣する体制の整備を支援することとしています。
具体的には、トイレカーやキッチンカーを始めとする広域的な展開が可能な避難生活環境改善のための資機材の整備、整備した資機材の広域的な運用の推進に向けた方策の検討、体制整備などの取組を支援することを想定しています。
支援に当たっては、都道府県の調整の下、近隣自治体同士が役割分担しながら計画的に資機材を整備するといった取組を重点的に支援することにより、複数の地方自治体が連携した効率的、効果的な取組を促してまいります。
○青柳委員 今御答弁がありましたとおり、国からのお金があって各自治体の連携を促していくということで、それはそれで必要なことだと思うんですが、是非とも今後立ち上がった先では、本当にこれは必要だというものに関しては中央で調達してお配りするということも一つ踏み込んだ支援ではないか。都道府県に任せておきますと、例えば、トイレカーとキッチンカーのどっちが欲しいんだといったときに、我が自治体はこっちが欲しい、我が自治体はこっちが欲しい、当然そういうことになりますので、ある程度強制的にと言うとあれですけれども、防災庁の方で必要性、リスクを評価するわけですから、それに基づいた物資をお渡しするというような形も考えた方が、恐らくコストダウンにもつながるでしょうし、効率性にもつながっていくのではないかと思います。
もう一点、防災局の設置についてお伺いできればと思います。これは何度か質問させていただいているんですが、法案審議にかかりましたので、改めてこの機会に。
地方機関として防災庁に防災局をつくるということが言われております。これについては、現在まさに連立与党の中で合意書も含めて議論されている副首都というものがありまして、今はまだ案の段階ですけれども、議論している中では、首都に代わる防災上のバックアップ機能が一つの要件になっておるわけです。そういった観点からも、防災局は副首都を想定されるような地域、あるいは、そこで検討されているような首都圏の防災上のバックアップ拠点になるようなところに設置すべきと考えております。これについてどのように現状御検討されているか、また、いつから検討を始めていつ頃までにこの設置地域については決めていくのか、この法案が通りました先の見込みについてお伺いできればと思います。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきます。
今お尋ねの防災局につきましては、大規模災害の発生時における政府の災害対応の継続性の観点、また、地域における事前防災の取組や迅速な被災地支援体制の構築などの観点を踏まえて、法律の公布から二年以内の設置に向けて具体的な検討を行うことにしております。
ですので、公布から二年以内の設置ですので、当然のことながら、すぐ決めたと言ってできるわけではないですから、八年中の設置を目指している防災庁、それから、公布から二年以内ということでございますので、大体その中といっても、二年間の間のある程度手前で設置の場所については決めなければいけないと思います。
副首都構想につきましては、今御指摘がありましたように、与党による協議体におきまして協議が重ねられて、先日、法案の骨子案について合意されたと承知しております。こうした動きも踏まえながら、防災局の在り方の検討を進めてまいりたいと思っております。
○青柳委員 ありがとうございます。是非とも副首都の件も踏まえて御検討いただければと思っております。
時間が参りましたので終了します。どうもありがとうございました。
○関委員長 次に、柏倉祐司君。
○柏倉委員 日本維新の会の柏倉祐司でございます。
ただいま我が党の青柳議員から包括的な、そして本質的な議論が出されました。私は医療従事者ということで、この度の質問は災害時医療というものにある程度的を絞って質問をさせていただければというふうに思います。
災害時医療に関しては、その直後の救急医療、そして、復興早期からの慢性期医療の継続といったところ、衛生管理、併せて非常に大切になっていくわけでございます。
そういう中で、今までは、我々医療従事者の感覚からしますと、災害時医療の中心になっているのは厚生労働省、厚生労働大臣というイメージでございました。当然DMATさんが駆けつけてくれる、そして一緒に地元の医療機関と連携して救急医療に当たってくださる。当然消防の皆様そして自衛隊の皆様にも有機的に御協力をいただいて人命救助に汗を流してもらっているというのが我々医療従事者の今までの災害時医療の認識でございました。
今回、防災庁、防災大臣というものが勧告権を付与されて任命されるということでございます。防災における災害医療にどのように防災庁が関わっていくのか、勧告権を使って防災大臣が災害時医療においてもつかさになっていくのか、それとも、今までと同じように厚生労働省、厚生労働大臣が中心になってやっていくのか、そこのところをまずお伺いさせていただきたいと思います。
○横山政府参考人 お答えいたします。
防災大臣が有する勧告権は、各府省庁が担う施策の実施を推進するために関係行政機関の長に対して行使されるもので、勧告を受けた側にはその勧告を尊重する義務が課されることになるのは委員御承知のとおりでございます。
防災庁の設置によりまして、勧告権はございますけれども、それぞれの専門性と即応能力を有する各府省庁の役割を変えるものではございません。災害医療については厚生労働省が中心となって、消防庁や防衛省といった関係する省庁が有する専門性や即応性を生かして取り組んでいくことを想定しているところでございます。
一方で、防災庁が一段高い司令塔となって、厚生労働省を始めとする関係府省庁と連携して、事前防災の取組を政府一丸となって推進してまいりたいと考えてございます。
例えば、防災庁が主導し、自治体と連携して地域レベルでの災害リスク評価を推進することとしてございますけれども、医療体制の弱部を把握することも重要な課題と考えてございます。浮かび上がったハード、ソフトの課題を関係省庁とも共有し、必要に応じて防災大臣の勧告権も生かして、政府一体で地域における事前の対策を推進する体制を構築していきたいと考えてございます。
また、いざ発災した際には、デジタル技術も活用して関係機関との間で情報を迅速に共有し、効率的、効果的な災害対応全般を行うことができるようにしたいと考えてございます。災害医療に関する支援もより効果的なものとなると考えてございまして、防災庁が中核となって関係省庁と連携して体制の構築に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○柏倉委員 御答弁ありがとうございます。
災害時医療そのものに関しては変わらず厚生労働省、厚生労働大臣が音頭を取って中心となってやっていただけると認識いたしました。これに関しては現場としての認識も統一していかなければいけないと思いますので、災害時医療に関しては現在と変わらず厚生労働省が中心となってやっていくんだという通達といいますか、メッセージを是非広く浸透させていただきたいと思います。
次に、防災大学校についてお伺いをさせていただきたいと思います。
これはまだつくると一〇〇%決まったわけではないと承知しておりますけれども、是非これは積極的に、専門性を高めていくという意味合いにおきましても前向きに検討していただきたいと思います。
そこで、様々なプログラムが考えられると思うんですが、災害医療における教育、そういったものも是非組み込んでいただきたいと考えておりますけれども、まだつくると決まったわけではないと思いますけれども、政府はそこをどのように考えているか、教えていただきたいと思います。
○横山政府参考人 お答えいたします。
災害医療に関する専門的な人材育成については厚生労働省が中心となって取り組まれていると承知してございますけれども、様々な分野の防災に関する経験と知識に基づき、大局的な観点から医療分野も含めた災害対応全体を捉えて、産官学民の多様な関係者間で高度なコーディネートを行える防災人材を育成することも重要と考えてございます。
内閣府防災担当において、地方自治体職員等を対象に従来から行っている防災スペシャリスト養成研修というものがございますけれども、被災者支援をテーマとした講義において、その重要な要素として、災害医療や保健、医療、福祉部局を含む関係機関の連携の重要性を学ぶこともプログラムに入れているところでございます。
各行政分野に必要な専門性の高い人材育成自体は一義的に関係する各府省庁に分担いただきながら、内閣府防災担当を発展的に改組する防災庁においては、仮称ではありますが、防災大学校の設置について検討を進めるなどいたしまして、災害対応全体に精通し、様々な専門性を有する人材と連携して効果的な活動を行えるような実践的な能力を身につけた、様々なニーズに対応できる産官学民の防災人材の育成を更に充実させていきたいと考えてございます。
○柏倉委員 省庁横断的に必要な知識を習得していただくために、消防庁と連携したり、あるいは大学の医学部の救急医療との協力といった、重層的な幅広い知識を身につけてもらうような取組も防災大学校のプログラムに一つ入れていただければということを訴えさせていただきたいと思います。これはあくまで要望でございます。
次は、避難行動要支援者名簿について。
こちらは、平成二十五年、災害対策基本法の一部改正において、これを作成することが自治体で義務づけられていると思います。当初は個人情報の壁というものもあってなかなか進まないこともあったと認識しておりますけれども、昨今は自治体の判断で作れるというふうに認識しております。
避難行動要支援者名簿はどれぐらい現在登録されていて、何割程度が実際に介助してくれる地元の自治体とか警察、消防に情報提供されているのか、その更新の頻度と併せて教えていただきたいと思います。
○横山政府参考人 お答えいたします。
まず、避難行動要支援者名簿の更新頻度につきましては、令和七年四月時点の調査において、九割以上の市町村でおおむね一年に一回以上実施していることを確認してございます。
また、名簿情報でございますけれども、同じく令和七年四月時点のデータでございますけれども、避難行動要支援者の登録数は約六百九十万人でございます。
そして、名簿情報の共有の話でございますけれども、そのうち約四〇%に当たる約二百八十万人の要支援者について、平時から避難支援等を担っていただく関係者への情報提供が行われていると承知してございます。
○柏倉委員 この避難行動要支援者名簿ですが、性質上、実際に災害が起こったときにだけ使えるというものではないと私は思っているんです。
例えば、私は訪問診療もやっているんですけれども、訪問診療をしますと、御高齢の方が一人でお住まいになっている。元気で一人でお住まいになっているわけじゃなくて、身寄り頼りがない方が本当に多いんです。体も思うようにいかない、朝夕とヘルパーさんが入る、毎日看護師さんも入るというような患者さんが想像する以上に今物すごく増えているんです。そういった方の独居疾病者対策であったり、これは極論すれば孤独死対策というようなところにも行き着くんだと思うんですが、様々なハードルがあると思うんですけれども、汎用性の高い名簿、そして情報共有というところは、我々日常の医療従事者からしてもこれは是非更に充実させていただきたいと思うんです。まだまだ共有のパーセントが低いな、皆様が努力されているのは重々承知の上で感想を申し上げれば、もう少し上げられないかなというふうに考えております。
そこで、個人の了解がなければ介助してくれる方に情報を共有できないというふうになっていると思いますが、自治体で条例を定めればそれは可能だというふうにも聞いております。実際に日本でどれぐらいの自治体がその情報を協力者に提供する条例を作っているのか、教えてください。
○横山政府参考人 御指摘のあった自治体における個人情報保護に関する条例の関係でございますけれども、委員御指摘のとおり、避難行動要支援者名簿に係る情報の共有は、本人の同意がある場合又は市町村の条例に特別の定めがある場合に行うことができることとされてございまして、この条例が論点になってまいるところでございますけれども、令和七年四月時点で条例が制定されている市町村は百三十二市町村ございまして、割合としては七・六%というのが実態でございます。
○柏倉委員 七・六%ということで、残念ながら非常に少ないパーセンテージだと思います。様々な事情があってこのパーセンテージでとどまっているんだとは思いますが、やはり自治体がこの名簿の情報を協力者にもっともっと提供できるような体制を国全体が取り組んでいく必要があるんじゃないかと思います。その辺の国の考えを、今後の計画も含めてお答え願いたいと思います。
○横山政府参考人 お答えいたします。
発災時に円滑かつ迅速に避難行動要支援者の方々に避難していただくため、平時において名簿情報を避難支援をやっていただける関係者に共有しておくことは重要であると認識してございます。
情報の共有は、要支援者の方の命を守り、災害対応全体を円滑に行う観点から重要なことでございまして、住民や当事者の理解を得ながら既に条例を制定した自治体もありますので、そのような例も含め、引き続き、対応していない自治体へ情報提供、働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。
他方、条例がない場合でも、本人の同意があれば平時における名簿情報の提供が可能であります。何よりも御本人の安全につながるものであることから、同意をいただけるよう、御本人に丁寧な説明を行うことなどを引き続き自治体に促してまいりたいと考えてございます。
○柏倉委員 おっしゃるとおり、本人の同意があれば情報を共有できるわけですけれども、中には先ほど私が申し上げたような自分で自分の意思を明らかにすることができない方もいらっしゃるわけです。そういう方もこれからもかなり増えるということを考えれば、やはり国がもう一押し二押し、自治体にそういう権限を付与するような形で避難行動要支援者名簿の確立に邁進していただきたいと思います。
この件に関しては以上でございます。
次に、災害時の医療の情報共有。これは先刻高見委員からも医療の物品の不足の問題が提起されました。
実際に日常の医療というものは、基本的に、人それぞれ全く違った薬を飲む、そして、全く違う背景、バックグラウンドがあって健康を保っているわけでございます。そういった情報をいかにしっかりと集約して、被災時、復興期における普通の日常の医療といかに遜色のないレベルまで持っていくのかというところは、私ども医療関係者の人間もそこは常に問題意識を持って取り組んでいるところでございます。
そこで、つい最近、三月に厚生労働省が保健・医療・福祉分野の連携強化検討会で報告書を出しております。そこの災害支援システム、災害時の情報共有システム、D24Hについての言及がありまして、細かいことは申し上げませんが、統一性、操作性、セキュリティー、どれを取っても問題があるというところが結論だったと思います。本当に大丈夫なのかなというのが我々医療の現場に立つ人間の疑問点というか、ここまで行くと不安でしかありません。これは是非問題意識を更に強く持ってクリアしていただきたいところがいっぱいあるわけです。その何点か質問をさせていただきたいと思います。
済みません、時間の関係で、通告したものを少し割愛させていただきます。
まず、災害時。今はカルテそのものも結構クラウドを使ってやっているところが多いわけです。私自身もクリニックのカルテはクラウドでやっています。クラウドがちゃんとできていれば、つまり衛星通信の手段が担保されていれば、地震等々の災害が起こっても何とか診療の継続はできるわけです。物流とはまた別に、情報という面においてはそれは担保できるわけです。
大規模災害時に備えて医療機関に衛星通信の手段をしっかり備えておくということの現在の国の取組についてお伺いしたいと思います。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
大規模災害時であっても、医療機関同士の情報連携に必要な各種インターネットシステムにアクセスできる環境を確保することは重要でございます。このため、災害時における医療提供体制の中心的役割を担う災害拠点病院については、衛星電話を保有し、衛星回線インターネットが利用できる環境を整備することを指定要件として定め、国として必要な補助を行っております。
また、令和七年四月より運用を開始している新しいEMISサービスについては、これまで課題となっていたアクセス集中による稼働不安定性に対し、汎用クラウドサービスを導入することにより、安定的な運用が可能となっております。
厚生労働省としましては、EMISの通信環境改善を含め、災害時においても切れ目のない医療を提供できる体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
○柏倉委員 ありがとうございます。
災害時医療の一番の肝は、患者さんの今の状態もそうなんですが、どういう病気をなされてこういう薬を飲んでいるのか、どういう治療を受けているのか、その処方歴、手術歴も含めてヒストリーが大切になってくるわけでございます。そういったものの情報は残念ながらEMISでは組むことができない。経営の情報システムもありますけれども、当然そこには経営の情報しかないわけですから、患者さん個人の日常診療に資するような情報を収集するのはなかなか難しいわけです。
我々の今までの印象では、DMATの皆さん、そして病院の皆さん、行政の皆さん、ボランティアの皆さんが避難所を駆け回っていろいろな情報を一人一人から取って汗を流してやっているというのが今までの災害時医療の最前線の現場ではないかと思います。
最近はオンライン資格確認というものがあって、医療の情報は結構集積、集約しやすくなっていると考えておりますけれども、このオンライン資格確認等々を利用してどのようにこれから災害時の医療情報を集約して医療に役立てていくのか、現状をまずお伺いしたいと思います。
○榊原政府参考人 例えば、令和六年能登半島地震においては、オンライン資格確認等システムの災害時モードにより、マイナンバーを持たずに避難した方でも、本人の同意の下で、医療機関、薬局において患者の過去の医療情報の閲覧を可能とする措置を実施してございます。
一方、現行のオンライン資格確認等システムでは、患者個人の傷病名や検査値等の情報は閲覧することができないことから、それらの情報については、従来と同様、被災地で活動する医療従事者、DMAT等の医療支援チーム等により、本人や関係者から個別に聞き取りを行っているものと認識してございます。
○柏倉委員 このアナログの作業に頼らざるを得ないというのが現実なのかもしれません。しかし、今までこれでやってきたからこれからもこれでいくんだと言えるような状況ではないと私は思っています。人海戦術でいくなら、人をもっとどんどんそこに投入できるようなシステムを是非つくっていただきたいと思います。
実は、災害医療の最前線で、もう災害医療に行くのは嫌だというDMATの人もいると聞いております。そういった最前線の方の御苦労を鑑みて、更に災害時医療の充実を国には図っていただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○関委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後零時二分休憩
――――◇―――――
午後一時四十六分開議
○関委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。近藤和也君。
○近藤(和)委員 中道改革連合の近藤和也でございます。
能登半島地震から二年と四か月目になります。皆様には様々なお力添えをいただきまして、ありがとうございます。
そして、今日は熊本地震からちょうど十年ということで、お亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げます。
そして、今もまだ復旧復興の途上の方も恐らくたくさんいらっしゃるんだろうと思います。そして、心の傷もそう簡単には治らないところもあると思います。しっかりと国として被災された方々に寄り添い続けていける、そのような国であってほしいな、そのように思います。
私は、今日は与党の理事の皆様にも御理解いただきまして、また胸に花を着けております。エアリーフローラといいまして、石川県が開発した花でございます。フリージアの一種ですが、春に咲く花でございます。花言葉は希望ということでございますので、今日は防災庁に関しての質疑でございますが、まずは能登で今抱えている問題を中心にさせていただきます。どれだけ立派な省庁をつくったとしても、今苦しんでおられる方々を救ってこそのよりよい防災庁だというふうにも思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
そして、幾つも今日は質問いたしますが、基本的には、今までうまくいかなかった、駄目だと言われてきているものがほとんどでございます。なので、冷たい答えがあることは覚悟の上で質問いたしますが、できるだけ希望の持てるような、そういった答弁をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず最初の質問からいたします。
皆さんも見ていただければと思いますが、資料一、二、三、四枚目までが一続きになります。ちょっと授業のようなことになりますが、皆様にも御理解をいただきたいという思いで少し解説をしていきたいと思います。
まず、資料の1ですけれども、これは様々な委員会でも今までされてきました。本会議でも、財務委員会を中心にこういう議論がされてきているわけですが、雑損控除の順番を入れ替えてほしいということです。税理士さんの業界からもかなりそういった声が上がっています。
まず、一枚目のページは、これは財務省が作られた資料でございます。大体五百万円の所得金額があって、そして雑損が四百万円程度、人的控除が二百万円のモデルでございます。
現状であれば例1。一年目に四百万円の雑損控除、そして、後で人的控除二百万円を引くということで、五百万円を超えますので、課税所得金額がゼロ。そして、二年目については、もう雑損控除で四百万円を引き終わりましたので、そのまま人的控除二百万円を引いて、三百万円の課税所得金額ということになります。これをひっくり返してくれということなんですが、例2でいきます。
一年目は五百万円、そして、その他の控除、人的控除等を二百万円引いたら残りは三百万円ということで、雑損の部分の四百万円のうちの三百万円を引いて、一年目はゼロ。そして、二年目についてはまた同様に、その他の控除から引いた後、四百万円引けるのが百万円まだ残っていたので、二年目へ百万円を繰越しということで、課税所得が二百万円。三百万円と二百万円の百万円の差が生まれますよねということです。
ただ、これだと分かりづらいので、そして、能登の現状で考えますと、皆さん家を失っています。そして、一部損壊でも家を直すのに一千万円以上かかっている方がたくさんいらっしゃいます。ですから、今、四百万円ということではなくて、よりイメージしやすいように雑損を一千万円で直しました。一千万円で直しますと非常に分かりやすいと思います。
例3でいきますと、三年目から課税所得金額が三百万円に変わります。三年目、四年目、五年目で普通に通常の状態に戻るということなんですが、例4で、その他の控除、人的控除などを先に引くという形でいきますと、五百万円引く二百万円で三百万円なので、雑損の部分の一千万円の部分の三百万円を使う。一年目はゼロ。そして、二年目もまだ七百万円残っていますのでゼロ。三年目もまだ四百万円残っていますのでゼロ。ということで、四年目でようやく二百万円の課税所得金額ということになります。
くしくも、今、能登は三年目ということになります。正確にはこの雑損控除のところは期限の在り方が違いますけれども、今ちょうど能登は三年目ということであります。この3から4にやってもらえないかということです。
そして、今までこの議論の中で、例えば本会議でも、これは石破総理の答弁なんですけれども、同じ収入額、同じ損失額の納税者の間で、世帯構成によって損失の繰越額が異なり、不公平が生じます、だから駄目ですよという答弁を当時の石破総理がされておりますし、今まで政府参考人の方も同様のことを言われていらっしゃいます。
そこで、三ページ目の例5になります。この部分については、損失額は一千万円でそのままで、分かりやすいように人的控除をむしろ百万円のパターンにいたしました。それで、例5のところでは、五百万円、五百万円、そして三年目以降は、人的控除は前のパターンだと二百万円なんですが、百万円ずつということで、三年目から四百万円の課税所得金額ということになります。
そして、順番を入れ替えたらどうなるのかということですが、まず、一年目、五百万円からその他の控除百万円、人的控除の部分を百万円先に引いたら残り四百万円なので、ゼロにするためには、一千万円分の四百万円、残り六百万円の繰越控除ができるということで、二年目もゼロ。これは同じなんですが、三年目で二百万円、そして四年目から通常に戻るということになります。
これが不公平が生じるということの比較なんですけれども、確かに例5の方と例3の方を見ていただきますと一緒です。三年目から同じようにかかるという点では一緒なんですが、例6と例4を比べていただければと思いますが、例6の部分は三年目から二百万円かかる、四年目から四百万円かかる。例4の方は四年目かから二百万円、三百万円かかる。金額の多寡はあったにしても、要は、人的控除が先に来る方が控除がどんどん後ろにずれていくということです。
そもそも、この人的控除の在り方というのは、憲法二十五条の生存権、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利ということで、基礎的人的控除ということで最後に引くという位置づけで行われています。この人的控除と雑損の順番が家族構成によって違うじゃないかということが不公平だということで今までの政府の答弁なんですけれども、むしろ、家族構成が多い方を考慮してあげる方が私は公平だと思います。
そして、最後の例になります。
もう一つ、こちらについては、ほかの雑損もあるじゃないかということも今までの質疑の中でございました。そうなので、分かりやすいように、毎年百万円程度の雑損が出ますという前提で、災害損失額を九百万円という形で設定し直します。ここでやりたいことは、災害の損失部分だけを特別な災害特別損失、言い方は何とでもできると思うんですけれども、このような形であれば、ほかの雑損とは別に分けて、災害のときは大変だからちゃんと分けた方がいいのではないかということの一つのモデルでございます。
例7は今までどおりで、毎年毎年雑損が来るという計算でございますので、三年目、四年目で二百万円、二百万円という形になります。
そして、例8でいきますと、まず五百万円の所得があって、通常の災害ではない雑損で百万円引かれて、そして、その他の人的控除を引いた後、五百引く百引く二百で二百ですから、二百、二百、二百、二百ということで結果として後の方にずらしていける。要は、災害特別損失控除のような形でできるのではないかということでございます。
少し長くなりましたが、このような今までの国会の議論を受けて、次のページ、資料の5になりますけれども、ようやく昨年の所得税法の附帯決議の八「災害による担税力の喪失を勘案し、被災者の負担軽減及び実額控除の機会を拡大する観点から、個人の有する住宅、家財等につき災害により損失が生じた場合における控除の在り方について、当該損失を当該個人の所得から人的控除の後に控除することができる、独立した所得控除の制度の創設等の対応を含め必要な検討を行い、その実現に努めること。」ようやくこちらまでたどり着きましたが、現状はいかがでしょうか。
○三反園大臣政務官 お答え申し上げます。
雑損控除におきましては、災害を含め、住宅や生活に必要な資産などの生活の基盤に生じた損失を調整するものでありますので、所得税の計算上、まず先に控除することとなっております。
仮に、雑損控除を人的控除やほかの所得控除よりも後に控除することとした場合には、同じ所得金額、同じ損失の金額を有する納税者の間であっても公平性の観点から検討すべき論点もありますけれども、委員御指摘のとおり、令和七年度税制改正法案の採決に際しまして、災害により損失が生じた場合における控除の在り方について、必要な検討を行い、その実現に努める旨の附帯決議がなされておりますし、当時の加藤大臣からも、政府としても、その御趣旨を踏まえ、配意してまいりますと答弁しております。
引き続き、先ほど申し上げた観点、そしてまた専門的な見地からの御意見も踏まえながら検討してまいります。
○近藤(和)委員 検討して検討しているということなんでしょうけれども、本当に検討して進めていっていただきたいんです。
そして、私が今あえて長々とやりましたのは、政府税調そして与党の税調のプロセスを踏んでいかなくてはいけませんので、商売の方であれば、家は稼ぐためのものという位置づけで、そこに生じた損失ということで、今までは前に引いていたということでございますけれども、家が壊れてしまった、なくしてしまった。要は、もうそこは何も生まないわけですよ、これから投資していかなきゃいけないということですから、どうか真剣な検討というか、今回の能登には場合によっては間に合わない、正確には、災害が終わってから三年間ですよね、そこからスタートできるということで、能登はまだ、去年の夏ぐらいまで災害が続いている、そういう地域、位置づけのところもあるので、場合によっては能登の一部でも間に合えばいいなと思いますし、将来全国どこでも被災される可能性があるわけですから、何とかお力をかしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に参ります。
前回、クラウドファンディングの税制上の扱いについて質問いたしました。このことについて、前回はあかま防災大臣から比較的いいなという答弁をいただいたので、これについて今どういう状況になったのかということを伺いたいと思います。
簡単に申し上げますと、クラウドファンディングで集まったお金は益金とみなされて、結果的に、せっかく一億円集まっても、まだ商売が始まっていない段階だったら、せっかく集まった一億円が益金とみなされて税金を取られる、そういうことです。それを何とか圧縮記帳というやり方だとか何らかの形で別枠でできないか、法改正か運用でできないのかということに対して、あかま大臣は、「災害からの速やかな復旧復興という観点から、各省庁と、そういった点に課題があるのか、どういった点に問題というものがあるのか、それをどう超えることができるのか、これからも取り組んでまいりたいというふうに思っております。」このような答弁をいただきましたので、現状どう取り組んでいかれるのか、よろしくお願いいたします。
○三反園大臣政務官 お答え申し上げます。
委員御指摘の、いわゆるクラウドファンディングを含め、被災した法人への寄附につきましては、受け手の法人において調達された資金は益金に算入されますけれども、その一方で、災害における損失額は損金算入が可能でありまして、法人の一事業年度を通じた全体の益金の額が全体の損金の額を超えない限り所得は生じず、納付すべき法人税の額は生じません。
その上で、クラウドファンディングで集めた資金への委員御指摘の課税につきましては、政策的な措置を検討することになります。あかま大臣の答弁も今ありましたけれども、各省庁において、そういった点、課題、問題についてどう超えることができるのか、取り組んでまいりたいというふうに答弁しておりますけれども、まずは所管省庁において税制改正要望の要否の判断に向けた実態把握を行っていただく必要があると考えております。
○近藤(和)委員 どなたが答弁を書かれたか分からないんですけれども、少なくとも、例えば、一億円の建物が壊れて三千万円損失が出ましたとか五千万円損失が出ましただったら分かるんですけれども、田舎は古い建物で資産の価値がほとんどない、でも、実際にそれを造ろうと思ったら一億円以上かかる。ですから、損失が出ないんですよ。出ない部分に対して、もちろん中の機械とかは損失が数百万程度出るかもしれないですけれども、損失が出ないパターンがあるときに、せっかく全国の皆様が助けてあげようと思って入れていただいたお金が税金で取られるから何とかしてください、そういうことなんです。
私は先日は酒屋さんの例を取り上げましたけれども、酒屋さんだけではなくて、スーパーだってそうです、お菓子屋さんだってそうです。それぞれ皆様にも御地元があると思いますが、老舗と言われているところほど、むしろ古い建物が売りのようなところは、また建てようとするときに、損失が生まれていない、ほとんど出ないような計算になってしまいますので、各所に状況はどうだったのかということを聞いていただいて何とか進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
次の質問に参りますが、二重ローンの問題についてでございます。
資料の6を御覧ください。
こちらは、負債を抱えていて大変で、でも、これからまたいろいろ頑張っていきたい、生活していきたい、事業をしていきたいというときに、特定の災害のときには債務を削ってあげよう、そういう制度の手順なんですけれども、問題とすれば、これは具体的な例でいけば、ある農家さんが倉庫が壊れました、機械も壊れました、そして農林水産省に申請しました、数千万円の補助金が決まりました。ただ、この補助金は決まったんですけれども、債務もいっぱいあるから、これはいい制度なんですよ、この二重ローンを削減するという制度の手続の流れに乗っているということで、結果的に、分かりやすい例でいけば、例えば、一億円かかるとして、農林水産の事業だと九千万円まで最大マックスで出ますので、この一千万円の部分の融資ではなくて、間違いなく採択されたこの九千万円の部分も短期融資を受けてくれない、そういう状態なんです。
二重ローンの債務を削減していくところは、短くても半年、長くて一年かかります。要は、例えば農林水産省にしても経済産業省にしても、あなたたちは大変だし、よし、この補助金だという制度がせっかくあるのに、せっかく採択も出しているのに、この制度に乗ったがゆえに結果的に丸々一年ずれてしまう。
こちらも人助けのための大切な制度ではあるんですけれども、こういう実情があるということで、せめてこのラインに乗っている部分については、一億の部分の補助金以外の一千万の部分は致し方ないと思いますが、採択ということで決まっているものに対しては短期融資を受けていない、認めてくれていない実情があるので、これを何とか改善していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○金子大臣政務官 個人事業主を含めた個人の被災者の既往債務の減免を円滑に進めるべく、これまで、一般社団法人東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関におきまして、自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインの運営がなされております。
個別事案に関するお答えは差し控えさせていただきますが、金融庁としては、本ガイドラインの活用も含め、生活や事業の再建に向け、被災者に寄り添った支援に努めるよう、金融機関に対しまして累次の要請等を通じた働きかけを実施しており、引き続き、被災者支援に万全を期すべく対応してまいります。
○近藤(和)委員 万全の対応とみなされていない状況を伺っているので、複数件聞いているのでお願いしますということなので、もう既に時間はたちましたが、何とかこういうことがないようにお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に参ります。
長期避難世帯に関しての質問になります。
資料の7を御覧ください。これは、今回の能登半島地震・豪雨で起きた長期避難世帯の一覧です。
現状ですけれども、四地域が解除されまして、今、五市町で三十二地域、二百五十五世帯でございます。私もこの長期避難世帯の場所も行きましたけれども、本当に行きづらいところ、危ないところですが、やはり放置されているわけです、当たり前ですけれども。そこで住まないでねということなので、動物が入り放題。多分、ふん尿というんでしょうか、そういったものも含めて大変厳しい状況になってきています。
その中で問題としてあるのが、全壊の方であれば、全壊は全壊ですからそのままなんですけれども、一部損壊、準半壊や半壊で家がそこにある、それで長期避難世帯になった。三年、四年、五年たって、さあ解除されて戻りました。じゃ、そのときに準半壊の人はどうなるんですかということです。
確かに、被災者生活再建支援金であれば基礎支援金の百万円は出ます。ただ、解除されたら、加算支援金は全壊みなしではなくて、準半壊の方は準半壊になります。三年、四年、五年放置することで家は劣化しないんですかということです。
普通の家の劣化に対しては、そんなものに税金は出せないよ、これは分かります。しかし、地震由来で穴が空いた、そこに風雨が吹きさらし、どんどん入ってきて劣化していったという状況であれば、これは、私がその家の人の立場であれば、もう一回罹災証明を取ってくれないかなと思うのは当然だと思います。
この点について対応を改善していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○古川大臣政務官 お答えいたします。
住家の被害認定調査を経て交付される罹災証明書は、災害対策基本法において、「災害による被害の程度を証明する書面」とされております。そのため、通常の経年劣化を被害認定調査の対象とすることはできませんが、長期避難世帯の認定解除後に被害認定調査を行う場合には、発災時から相当な期間が経過している状況であり、市町村がその時点での被害を調査し、災害との関係を立証できると判断されるものについて、被害認定の対象とし、罹災証明を交付することはあり得るものと考えております。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
以前伺ったときは難しいのではないかなというお話でございましたが、自治体の皆様にもその旨を伝えていただいて、仕事が増えるので自治体の方も大変ですけれども、被災者の目線であれば、これだけたくさんの戻れない方々がいらっしゃるわけです。何とか自治体の方にもそういったところは御連絡していただきたいですし、住民の方にもそれを言っていただきたいですし、決してブレーキをかけないでというか、それはいいんですよという形で進めていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。
そして、とはいいながらも、一部損壊、準半壊の支援がもし変わらない場合は、家を直すのはやはり大変です。一部損壊、準半壊にはそもそも支援が少ないという現状を少し復興交付金で手当てしていただいた部分はございますが、その中で、今、特定長期避難世帯に係る支援金の額の特例というのがあるんです。ただ、これは、三年以上たって、そして、そこから戻ったことに対して、二年以内に再度そこに居住するということであれば七十万円出していただけるということですが、赤文字で書いてあります「区域の全部について行われた市町村」となっているんです。要は、一つの町、一つの市全域でなければこのお金は出ないんです。これを何とかしていただきたいな、できないのかな。
といいますのは、資料を一枚戻っていただきますと、輪島市だけでもこれだけの場所があるわけですよ。こういったところで一か所一か所全部きれいに戻れますということではなくて、その都度その都度ということになっていくと思いますし、もちろん、長期避難世帯になっていないところ、輪島であれば大体二百ぐらいの区、集落や町会があるわけです。ですから、全部が全部一つの市や町丸ごとというのは、これは今後の災害を考えても私は現実的ではないと思います。この点を何とか改善していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○古川大臣政務官 お答えいたします。
特定長期避難世帯の特例は、平成十二年の三宅島噴火災害を起因として、火砕流による危険な状況が継続することなどの事由により、市町村の全域に避難指示又は立入り制限が行われた市町村において、長期にわたり避難した後に当該市町村に再度居住する世帯を対象に創設されたものです。
令和六年能登半島地震等で被災した市町は当該要件には当てはまらず、制度の適用はできませんが、能登の被災地については、その実情を踏まえた対応として、被災者の生活再建に向け、被災者生活再建支援金に加えて、地域福祉推進支援臨時特例交付金や自治体独自の支援策など、被災状況に応じて様々な支援策を総合的に活用して支援しているところであり、自治体と連携して引き続きしっかりと被災者に寄り添った対応をしてまいります。
○近藤(和)委員 変えるつもりはないという御答弁だと思うんですけれども、せっかくこういうものがあるんですから、しかも、伺うと、これは三宅島の噴火のときにつくられたそうですね。もう二十年以上前ですよね。市町もそれぞれ合併していきますが、逆に、合併をどんどんどんどんしていくと、どんどんどんどんこの制度から遠ざかってしまうということにもなってしまうと思います。
今後、南海トラフ等も起きる可能性は高い、いつかはそういうことも可能性としてあるわけですけれども、自分のところに戻れない人、ようやく戻れるようになった人、そして、被害認定調査を再度やってもらったけれども、やはり一部損壊、準半壊、でも場合によっては数百万、一千万円以上お金がかかるというときに、せっかくこういう制度があって使えないというのは、私はもったいないな、何とかしていただきたいなと思うので、是非とも皆様に問題意識を持っていただければと思います。
それでは、次の質問に参ります。
これは私の事例なんですけれども、家に帰ったのは一月三日の夜でした。そして、家は普通に残っていました。ただ、壁紙等が落ちていました。そして、お風呂は一月五日以降かなり早い方だったんですけれども、入れるようになりました。家の中はぐちゃぐちゃですが、寝泊まりもできるような状態でした。これは罹災証明を取らなくてもいいかなと、私自身も忙しかったということがあったので、罹災証明を取りませんでした。
そして、一年近くたった十二月に雨漏りが発覚いたしました。そして、雨漏りはなぜか一週間後ぐらいに直ってくれていました。原因は分からないんですけれども、雪の重みのせいでというふうに当時は思っていました。
そして、それから一年たって丸二年たって、今年の一月三日か四日ぐらいに雨漏りが一か所だけではなくて五か所ぐらい出てきて、これは無理だということで、瓦屋さんに頼みました。
今はブルーシートの状態なんですが、こういうお話をすると、能登の奥の方、被害が比較的軽かった方は、うんうん、そうだそうだ、分かる分かると言うんです。要は、罹災証明を取ろうと思ったら、もう時期が終わっているわけですよ。
ちなみに、資料の9ですが、これは瓦屋さんが撮られた写真です。左上が、棟瓦のところがちょっとゆがんで見えておりますが、下の二つ、要は、こういう状態になっていたのが屋根の上だから分からないわけです。家が密集しているところであれば、あんたとこの屋根は壊れとるよとなるんですけれども、ちなみに、これは私の家の写真です、こういう状態になっていることが分かりませんでした。
次のページ。今ブルーシートをかけていただいたんですけれども、現役世代であれば修理のお金を出せるんでしょうが、現役世代ではない方は準半壊以上であれば応急修理制度が使えたりします。時間がたった後に罹災証明を取れるようにしていただきたい。もちろん、普通の劣化は駄目だというのは分かりますけれども、これは私がお願いしたいというわけじゃないんですよ、私のような例がたくさんいらっしゃるということであえて申し上げていますが、明らかに地震のせいで家が壊れたということが分かればこちらも再度罹災証明が取れるようにしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○古川大臣政務官 お答えいたします。
被害認定調査については、被災された方々が生活再建するための各種支援の根拠となることから、一般的には、できる限り迅速に実施し、罹災証明書を交付することが重要です。
罹災証明書の申請期間については、法令上の定めはないものの、災害と被害との関係が立証できるものであるかなどの状況を踏まえて、適宜市町村において判断されているところです。そのため、被災後一定期間が経過しても、市町村が被害が申告されなかったことに合理的な理由があると判断する住家については、調査を実施し、災害と被害との関係を立証できると判断されるものについて罹災証明書を交付することは差し支えございません。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。立証できれば大丈夫だということですね。ありがとうございます。
実際にはその立証が難しいのかなと思いますが、悪意をもって申し込んでくる人は少ないと思いますし、わざわざあえて壊れていないところを壊して申し込む人もいないわけですから、立証できればというところの運用を何とか軟らかく易しくしていただけたらと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に参ります。液状化についてですが、これはちょうど一年前に質問した件です。
液状化の被害認定調査が厳しいというか、思うようにならない。本当は半壊とか全壊とかだったらまだ支援もいろいろしてもらえるのに、準半壊なんだよ、一部損壊なんだよ。こんなに家が傾いている。近藤さん、うちにも来てということで、私は何軒か入って、結果的に、そういう家は一部損壊で、全く支援の対象外。義援金しかいただけない。そういう例を見てきました。中に入りましたら本当に気持ち悪いので、それを何とか見直してもらえませんかという質問をいたしましたら、これは昨年、こちらも坂井防災担当大臣ですけれども、今、能登半島地震における事例も踏まえて検証作業を進めている、そして、被害認定調査の在り方を見直すのに、今年度、予算もつけさせていただいている、そして、その上で、被害認定調査の在り方について不断に見直しを行ってまいりたい、そういった答弁をいただきました。
今どこまで進んでいるのか、お願いいたします。
○古川大臣政務官 お答えいたします。
被害認定調査の在り方については、能登半島地震における事例も踏まえ、現在検証作業を進めているところです。例えば、地震により被災した住家の調査について簡易な半壊判定基準を新たに策定するなど、改善できるものから順次実行に移しております。
委員御指摘の液状化により被災した住家の判定基準についても、被災された方々に被害認定調査の結果に納得感をお持ちいただき、早期の生活再建を実現するために必要な見直しを行うべく、引き続き速やかな検証に努めてまいります。
○近藤(和)委員 一年前も不断に見直しを行ってまいります、検証作業を進めているということで、今も速やかに進めていきますということで、要は、動いていない、変わっていないということなんですかね。何とかちゃんとしていただきたいんです、一年たちましたから。
そして、こちらについては、医療関係者等にヒアリングを行って苦痛を感じるとされている等々でこの数値を決めているわけですね。ですから、ちゃんとまた医療関係者にも入っていただいて、そして、できれば政治に関わる人も入っていただいて、これは気持ち悪いわ、ちょっとしんどいわというふうにたくさんの方がそう感じればそれが事実だと思いますから、一年後にこういう質問をしてもまた速やかに検討を進めてまいりますとなっていないように何とかお願いしたいと思います。
それでは、次に参ります。
被害認定調査については、二度でも三度でも五度でも六度でもということで、申請しやすくなりました。本当にありがとうございます。
その上で、それでも納得がいかん、マニュアルどおりにやっているのかもしれないけれども、このマニュアルがおかしいんじゃないかと言う被災者の方もいらっしゃいます。
実際にこのマニュアルを飛び越えることは、自治体の方、被害認定調査をされる方はできないと思いますので、そのときにはやはり国に関与してほしい。このマニュアルはどうなの、もうちょっと寄り添うような形でできないのかと。こういう事例がありますが、何とか住民の方々に御納得いただけるような被害認定調査の在り方、先ほどの液状化の部分もそうなんですけれども、国が関与していただきたい。どの程度できるか、若しくは、自治体の方がもうちょっと自由にやってもいいよということでできないのかなということですが、いかがでしょうか。
○古川大臣政務官 被害認定調査は、災害対策基本法に基づき、市町村長が行う自治事務とされているところです。早期の生活再建を実現するためには、被災された方々に被害認定調査の結果について納得感をお持ちいただくことが重要です。
このため、内閣府としては、市町村に対し、適宜、判定までの経過も示しながら丁寧な説明を行っていただくようお伝えしているところでございます。
引き続き、被災された方々が判定結果に納得感が得られるよう、市町村に助言を行ってまいります。
○近藤(和)委員 助言を行っていくということで、ありがとうございます。
それでは、次の質問に参ります。
今、復興公営住宅が間もなく完成、数か所、数か月後に幾つかでき始めてきていますけれども、今、仮設住宅に入られている方の中で、復興公営住宅はちょっと遠いし、たくさんの人とまたずっと混み混みで住むのはちょっとしんどいし、できれば、自分のを解体した後に、来年か再来年かその次か分からないけれども、この仮設住宅を捨てるのであれば自分のところの土地に造ってくれないか、そういう声は随分あるんです。
これは、災害救助法では使うことはできないという定めはないと聞いているんですけれども、実際はどうなんでしょうか。
○古川大臣政務官 災害救助法に基づく救助終了後における応急仮設住宅の再利用等については、同法の対象から外れるものと考えられるため、各都道府県等において、他の法令等を踏まえ、適切に判断し、実施されるものと認識しております。
内閣府においては、応急仮設住宅の再利用等について自治体から相談がありましたら、引き続き丁寧に対応してまいります。
○近藤(和)委員 自治体から相談があれば丁寧に対応していけるということは、可能だということでいいんですよね。もう一度お願いいたします。
○横山政府参考人 制度的には可能なケースがございますので、相談を承りたいということでございます。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。可能だということで、本当にこれはすごく広がるというふうに思います。実際には安全基準とかいろいろあると思うんですよ。あるとは思うんですけれども、そうすればそれぞれの方が住めるようになると思いますので、本当にありがとうございます。
次の質問です。
くしくも、今日も地元の新聞で、神社やお寺の屋根の部分、銅の部分が盗まれたと今日の記事で出ていました。
ちなみに、資料11は、これは以前の記事なんですけれども、本当にとんでもないやからが被災地に入ってきてこのような行動を行うということを私も本当に腹立たしく思っております。
ちなみに、次の12は、これは私が直接伺った家なんですが、今、主要な道路はほとんど直りました、通れるようになりましたが、今ようやく通れるようになった市道、町道などがあります。それで、この写真のお宅は、一週間前に道が直って、ようやくこの人も家に行けるようになった。そして、半壊ということで解体するようなんですけれども、荷物を運び出している数日間の間に、泥棒も道が通れるようになったというのが分かって、窓を割って中を開けて大事なものを盗まれた。こういう例が本当に残念ながら出てきてしまっています。警備を強化してもらえないかという声が出ているのですが、いかがでしょうか。
○服部(準)政府参考人 お答えいたします。
令和六年能登半島地震の被災地における犯罪被害の防止や被災された方々の不安の解消を図るため、現在、石川県警察におきましては、被災地域を中心とした街頭防犯カメラの整備、被災地における二十四時間体制での警戒警ら活動、被災地を管轄する警察署への職務質問技能に秀でた警察官の配置による各種街頭活動の強化などの治安対策を推進しているところでございます。
また、被災地域において空き家に対する侵入窃盗等の被害が増加している現状を踏まえまして、令和八年三月三十日、警察本部直轄の組織であります奥能登治安対策センターを設置し、被災地域を中心とした警戒警ら活動や移動交番車による相談対応のほか、犯罪被害防止に関する広報啓発などを集中的に実施しているところでございます。
加えて、金属盗の実態についてお話がございました。昨年成立しました金属盗対策法が本年六月までに全面施行されることから、同法も積極的に活用して金属盗の抑止及び検挙を推進してまいりたいと考えております。
引き続き、被災地における安全、安心を確保するための取組を的確に推進し、犯罪被害の防止や被災された方々の不安の解消を図ってまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 実際には石川県警も本当に頑張り続けていらっしゃいますし、今の状況で全国の皆様にまた応援に来てくださいということは難しいのかなというふうにも思いますので、現場の警察官の方々がこれを何とか改善してほしいとか、石川県からの要望も含めて柔軟にまた対応していただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
この部分はちょっと質問を飛ばしたいと思います。
次ですけれども、災害時の犯罪に対して厳罰化を求めるということに対しては、法改正ができないかということは前回取り上げました。実現するにしても時間がかかることは理解していますけれども、窃盗罪はそもそも上限が十年までであるということですが、実際は、窃盗して十年求刑ということがそもそも現実的ではない、ほとんどないわけです。初犯であれば一回目はほとんど刑にされない、猶予されているということも聞いています。
その中で、被災地の求刑を重くすると、かわいそうな方がいらっしゃる、生活に困窮して隣に入って少し物をいただいてしまう場合もあるかもしれない、だから、そういうかわいそうな例があるから重くできないんだというようなことですが、逆に、被災地で犯罪をすれば基本的に重くなるんだ、そして、かわいそうな方は情状酌量で軽くするんだ、こういう運用の方がむしろいいのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○三谷副大臣 お答えいたします。
個別の事案についてるる申し上げることはできないところでございますけれども、一般論として申し上げれば、検察当局におきましては、個別の事案ごとに、法と証拠に基づき、犯行に至る経緯や犯行態様の悪質性、被害結果の重大性等、量刑に影響を及ぼす各種の事情を総合的に考慮して適切に求刑を決しておりまして、被災地における窃盗については、御指摘のような被害者や被告人が置かれた状況等も踏まえて常に適切に求刑を行っているものと承知しております。
検察当局におきましては、引き続きこうした適切な求刑に努めていくことが肝要であると考えております。
以上です。
○近藤(和)委員 被災地感情からすると、何倍でもいいから重くしてくれと。困っているところに更にひどいことをしに来るわけですから、それの見える化はなかなか難しいというお話もいろいろやり取りはしていますが、求刑のところをそのようにしているようには思えないというか、本当の抑止になっていないんじゃないかということを是非とも受け止めていただけたらと思います。
次ですけれども、災害時の偽・誤情報については、これは十年前、二十年前は、特にSNSに関してはまだまだそこまで深刻な問題ではなかったのかな。でも、熊本地震のときのライオンが出ていないのに出たという話だとか、能登の地震のときは、被災者ではないのに助けてほしいとかお金が必要だとか、そういった点で、SNSの偽・誤情報の対策をより強化していかなくてはいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○三谷副大臣 偽・誤情報をどのように取り締まっていくか、そういったことに関する問題意識は共有しているところでございます。
そういった上でお答えさせていただきますと、一般論として申し上げれば、検察当局におきましては、個別の事案ごとに、法と証拠に基づき、量刑に影響を及ぼす各種の事情を総合的に考慮して適切に求刑を決しており、震災時におけるSNSの偽・誤情報の発信によるいわゆる偽計業務妨害については、犯行の態様等も踏まえて適切に求刑を行っているものと承知しておりまして、検察当局においては、引き続きこうした適切な求刑に努めていくことが肝要であると考えております。
○古川大臣政務官 災害時におけるSNS等を通じた誤情報等の発信は、被災地の住民等の適切な判断と行動を妨げるものであり、こうした社会的な混乱を防止することは重要であると認識しております。
内閣府としても、平時からSNSやホームページを通じて、国民の皆様に向けて、行政が発信する情報に基づき行動していただくこと、事実に基づかない情報を広めないことの注意喚起を行っており、また、発災時においては災害に関する正確な情報を広く周知、発信しているところです。
引き続き、災害時の正しい情報の発信に向けた取組を進めてまいります。
○近藤(和)委員 対策、対応は考えられておられるという御答弁ですけれども、このまままた大災害が起きたら同じようなことがまた起きるんじゃないかなと心配しています。せっかく防災庁をつくるわけですから、何とかここをもうちょっと工夫していただきたいなと思います。
そして、そもそも、偽計業務妨害罪については三年以下若しくは五十万円の罰金ですよね。能登半島の例でいけば、本当に命を助けてほしい、壊れた家の中から体が動かなくてSNSで助けてと。それで助かった方もいらっしゃったわけですよね。ただ、よからぬやからのせいでそこに人手も取られたわけで、ほかに助けられるべき命が助けられなかったんじゃないかという可能性はあると思うんです、その証明はできないにしても。
そもそも、三年以下か五十万円という偽計業務妨害罪にすることがよかったのか、若しくは、偽計業務妨害罪の刑の重さの部分を変えていくのか、若しくは、災害時は偽計業務妨害罪は場合によってはさらに変わりますよということなのか、何らかの形にしないと大変ですよね。また同じように、実際にはこの人はたった二十万円ですか、二十万円はたったかどうか分からないですけれども、愉快犯で何人も何人もやって、捕まらなければ大丈夫みたいなことをされると私は課題だと思います。
これは何とか問題意識を持っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○三谷副大臣 先ほどは大変失礼いたしました。
SNSの偽・誤情報についてどのように対処していくかということに関して様々な議論があることは承知しておりまして、現行法上、いわゆる偽計業務妨害罪というものがそういう意味では最も適切に機能していることが前提としてお答えさせていただいております。
その上で、三年あるいは二十万円等々先ほど話がありましたけれども、法定刑は五十万円以下の罰金で三年以下の拘禁刑というところが上限でございますけれども、そういったことがよいかどうかという議論はこれから深めていただくにしても、現行法上、適切に求刑して対処していると承知しております。
以上です。
○近藤(和)委員 QRコードでお金をだまし取った人は、これはお子さんだったんです。子供から大人までみんなSNSを使えるようになって、これが命を一刻も争うようなときに同様な例がないように、私も刑を重くすること以外アイデアは思いつかないんですけれども、その周知も含めて、教育も含めて、何とかお願いをしたいと思います。
次に参ります。
ボランティアの交通費補助についてですが、これは一昨年からスタートしていただいて非常にありがたいと思います。新幹線でも飛行機でも、ガソリン代も出していただけるようになって、今までは高速道路の分だけでしたよね。非常にありがたいんですが、ただ、現場の声として、手続が面倒だ、書類も大変だ、写真も撮らなければいけないということも含めて、もっともっと使っていただきたい、もっともっと改善して使っていただきたいと思いますが、現状どこまで来ているのかということを伺いたいと思います。
○古川大臣政務官 お答えいたします。
ボランティアに対する交通費補助制度については、NPO、ボランティア団体等の自主性を損なわないこと、民間資金による補助制度との役割分担に配慮しつつ、民間主体による被災地支援活動の裾野を広げ、活性化を図るために、令和七年一月に創設したものです。令和七年度において、第三回募集までに採択した延べ二百三十五件の補助事業に対する交付総額は約二千百万円となっています。
この交通費補助制度により、家屋の修繕作業等、被災者支援活動の活性化に一定の効果が得られた一方で、被災地で被災者の支援に携わる団体からは、申請に必要な書類の準備が煩雑であるといった御意見があったところです。
そうした御意見を踏まえ、本年三月から開始した第四回募集からは、申請に必要な書類を簡素化するとともに、団体の活動人数要件を緩和するなど、支援制度の目的達成に資する観点から、被災者支援団体にとってより使いやすい制度となるよう合理化を行いました。
令和八年度の募集に当たっては、学生を含む様々な団体に活用いただけるよう、引き続き、教育機関やボランティア団体のネットワークを通じ、幅広く周知に努めてまいります。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
もっともっと皆様に使っていただきたいなと思いますし、改善したつもりでも、まだ改善を求める声も間違いなくこれからも出てくると思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、耐震改修制度について伺います。
大変重要な制度でございますけれども、まだまだ認知が低いのではないかなと思います。そして、手続も面倒だと。ある方は手続をするのに十五万円お金がかかったということも具体的に聞きました。
いざ命を守るときに、家の中にいて命をなくさないということは本当に大事なことだと思いますし、家が残れば、ごちゃごちゃした避難所に行かなくても何とか自宅避難で、自宅避難の方への連絡手段をどうするんだという課題はもちろん残っているんですけれども、避難所の運営、収容のことを考えても、安全な家にとどまっていただけることは大変重要なことだと思っています。
資料の14、赤い色のところで、耐震性不十分、戸建て住宅でいけば四百五十万戸ですね。済みません、資料をいただいたときは目標が令和十二年までとなっていたんですが、これは令和十七年までということで、変えてほしいと言われましたので、令和十七年までなんですが、何とか耐震改修を進めていただきたいです。
次のページ、15です。
これは、石川県の耐震改修制度のそれぞれ自治体ごとのもの。国として百十五万まで、たしか積雪地域だと出すんですけれども、全国で恐らく石川県が一番充実しているはずですが、できれば、皆様の御地元の自治体はどうかなと。百万いっていないところはたくさんございますし、十分の十ではない、二五%ぐらいしか出さないというところもたくさんあります。
是非ともこの制度をしっかりと底上げもしていただきたいし、周知もしていただきたい。南海トラフが想定の自治体のところでも百万いっていないところは結構あるんです。確かに津波などではどうしようもできない部分はあるかもしれないですけれども、能登では、耐震をしっかりしているところでは、少なくとも崖崩れ等や火事を除けば、家が倒壊することによってその部分で亡くなられた方はいらっしゃらなかったというふうに聞いています。
本当に大事な制度だと思うので、手続の簡略化や周知、そして金額の引上げをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○永井大臣政務官 お答えします。
国土交通省においては、地方公共団体と連携して、住宅の耐震化に対する支援を行っているところであります。
住宅の所有者が耐震改修の補助制度を活用するに当たっては、その手続を工事を行う工務店等が所有者に代わって行うということが一般的です。名古屋市や横浜市など、地方公共団体においては、工務店等がこの手続を自ら円滑に行うことができるよう、手続の流れや必要書類などをまとめたマニュアルを用意するなどの取組も見られます。
国土交通省としては、地方公共団体に対してそのような取組を情報提供するとともに、手続のサポートや合理化について働きかけてまいりたいと考えております。
また、補助限度額についてですけれども、物価高騰を背景に、令和六年度の補正予算において百万円から百十五万円にその額を引き上げたところであります。また、所有者の負担軽減の観点から、高齢者が改修に取り組みやすくなるよう、住宅金融支援機構のリ・バース60を活用し、月々のローンの支払いをゼロ等にする措置を講じました。
国土交通省としては、引き続き、住宅の耐震化に取り組む地方公共団体を積極的に支援して、住宅の耐震性の確保をより一層進めてまいります。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。何とか進めていただきたいと思います。
済みません、もう時間が参りまして、各政務官、副大臣、大変申し訳ございません。指定寄附金制度の活用について、公費解体について、臨時災害放送局、コミュニティー放送局の在り方について、宅地の復旧について、避難所管理データ等について、その他の質問もすることができなくて大変申し訳ございませんが、防災庁設置に当たって、今能登が抱えている問題はこれだけたくさんあるんだということで、是非とも皆様には、親身になっていただいていることは分かりますけれども、どんどん更にできないことをできるようにしていく、答えは現場にあるんだということで、皆様のお力をかしていただきたいと思いますので、今日お越しいただいた各役所の皆様、そして政務の皆様、大変失礼いたしました。どうか今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○関委員長 次に、西園勝秀君。
○西園委員 中道改革連合の西園勝秀です。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
本日は、熊本地震から十年ということになります。改めまして、お亡くなりになられた全ての方々に哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
我が国の災害対策は、大きな災害を経験するたびに強化されてきました。私は、衆議院議員として二期目を迎え、中道改革連合の立場で活動しておりますが、かつて所属していた公明党は、大衆とともにの立党精神の下、現場の声をすくい上げ、ハード重視だった日本の防災に生活者、弱者の視点を取り入れてまいりました。
例えば、一九九五年の阪神・淡路大震災では、国会で初めて福祉避難所を提唱し、高齢者や障害を持つ方々への配慮を制度化しました。また、二〇一一年の東日本大震災後には、全国の女性議員による避難所総点検を実施し、女性ならではの細やかな視点で被災された方々のフォローをするとともに、災害対策基本法の改正を主導して、地方防災会議への女性委員の登用を事実上標準としました。さらに、災害時の液体ミルクの国内解禁や、高齢者や障害をお持ちの方など、自力での避難が困難な避難行動要支援者の方々の個別避難計画作成の努力義務化など、誰一人取り残さない防災、減災を政治の主流へと押し上げてまいりました。
しかし、近年の気候変動による風水害の激甚化や切迫する国難級の巨大地震などを前に、これまでの体制の限界も指摘されております。各実施主体の縦割りによる抜けや漏れ、避難生活における災害関連死の増加など、課題は山積しており、長年、全国知事会からも、専任の大臣を置く防災省の設置が強く求められてきました。そして、今般、防災庁設置法案が国会に提出され、事前防災から復興までの一貫した司令塔機能を担う防災庁の役割が議論されているところでございます。
四月十四日の衆議院本会議で、我が党の中川宏昌議員の質問に対し、高市首相は、内閣府防災担当を発展的に改組する防災庁を内閣の下に置き、一段高い司令塔となって関係府省や自治体と連携し、徹底的な事前防災と、効果的、効率的に災害対応に臨む体制を構築してまいりますとお答えになりました。
そこで、お伺いいたします。
これまで推進されてきた福祉や女性の視点を生かし、災害関連死ゼロの実現等を図るために、縦割りの弊害を打破し、産官学民のあらゆる力を結集する必要がございます。この度新たに防災庁を設置することによって、これまでの災害対策の体制と具体的に何が変わるのでしょうか。新組織の使命と牧野大臣の御決意をお聞かせいただければと存じます。
○牧野国務大臣 西園勝秀委員にお答えいたします。
防災庁の使命等について御質問がありました。
我が国では、風水害が頻発化、激甚化しているほかに、これから、千島海溝地震、日本海溝地震、首都直下地震、南海トラフ地震等、今後三十年以内に発生することが危惧されている大規模地震がございます。ですので、防災体制の抜本的な強化はまさに喫緊の課題だと思っております。
防災庁の使命は、発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔機能を果たすことだと思っております。
具体的に言えば、平時には、地域レベルでのリスク評価を行って、福祉や女性の視点も踏まえた避難所の運営体制の整備だったり、発災時に必要な物資の備蓄を進めるとか、地域における防災対策の支援を充実させてまいります。
また、災害時には、関係省庁と連携し、いち早く被災者の方々に必要な物資を提供するなど、良好な避難生活の実現を図ることで災害関連死の防止に取り組んでまいります。
さらに、復旧復興に至るまで、伴走型の被災地の支援を行ってまいります。そのために、防災大臣の勧告権を活用しつつ、防災庁が中核となって、縦割り行政の弊害を排除し、関係省庁と緊密に連携して取り組んでまいります。
これらの取組を進めるとともに、平時から関係省庁、自治体、産業界などの関係者と顔の見える関係を構築して、総力を結集して防災体制を抜本的に強化してまいります。
○西園委員 大臣、ありがとうございます。力強い御決意を賜りました。
激甚化する自然災害や切迫する巨大地震に備えるため、防災庁には徹底的な事前防災の推進加速の司令塔としての役割が求められております。
これまでの行政体制では、国や都道府県が死傷者数などの被害想定を算出し、それに基づいて各府省庁が個別に政策を進めてきました。しかし、トータルパッケージとして地域の防災力が本当に向上しているのかを評価し、横断的に牽引する仕組みが弱いという課題が指摘されてきました。
ここで、お手元の資料一を御覧ください。
新たに創設される防災庁の取組として、シミュレーションに基づく地域ごとの分野横断的な災害リスク評価が示されています。これは、単なる被害想定から一歩踏み込み、災害時に人がどう動くかといったシナリオに基づくシミュレーションを通じて、発災後に地域住民の命を守る、命をつなぐために必要な機能や物資の過不足を定量的に分析する画期的なアプローチです。資料の右下、赤枠内にあるとおり、この不足部分を地域の弱部としてあぶり出し、重点的に対応策を検討していく方針が打ち出されています。
そこで、お伺いいたします。
防災庁として、この地域レベルでの具体的なシミュレーションに基づく災害リスク評価は具体的にどのようなプロセスや評価内容で行われるのでしょうか。また、そのシミュレーションの結果として地域特有の弱部があぶり出された場合、それを各府省庁の施策や自治体の地域防災計画などにどのように反映させ、優先順位を持った実効性のある事前防災対策へと確実につなげていくお考えでしょうか。司令塔としての具体的な対応方針について、政府の御見解を伺います。
○鎌原政府参考人 お答え申し上げます。
南海トラフ地震などの大規模災害が発生した際にできる限り被害を防止、軽減するためには、地域レベルで科学的シミュレーションに基づいた災害リスク評価を行い、それを踏まえた事前防災対策を着実に講じていくことが重要と考えております。
災害リスク評価の具体的な手法につきましては現在検討中でありますが、例えば、地震発生時に想定される負傷者数などを算出した上で、救出活動や救急搬送の体制が十分かなどについて具体的かつ分野横断的なシミュレーションを行うことによりまして、必要な機能や資機材の不足などを定量的に把握し、その上で、最も効果的で実効性の高い対応策を検討することなどを考えてございます。
防災庁では、これらのプロセスが円滑に行われ、必要な対策が防災に関する各種計画に適切に反映されますよう、地方公共団体への伴走支援を含めて最大限支援していくとともに、国土強靱化施策とも連携し、政府一体となって対策を講じてまいりたいと考えております。
以上です。
○西園委員 ありがとうございます。防災庁が立ち上がった際には、是非ただいまの施策を進めていただければというふうに思います。
防災庁が真の司令塔として効果的な対策を打つためには、現在各府省庁に分散している多岐にわたる事前防災施策の全体像を政府として正確に把握することが出発点となります。
これまで、我が国の災害対策は、各府省庁が個別の行政分野ごとに実施してきたため、縦割りによる施策の抜け、漏れが生じやすいという課題が指摘されてきました。個々の施策の進捗や効果を客観的に把握し、優先順位の見直しや資源配分の最適化に反映させていくとともに、過去の災害対応から得られた教訓を将来の備えに確実に生かしていく実効性あるPDCAサイクルの確立が大変重要です。
防災庁設置準備アドバイザー会議においても、関係機関による事前防災対策の抜け、漏れの把握や全体の進捗管理を行うとともに、個別災害への対応を中長期的、定期的に検証し、得られた教訓を次の備えにつなげるPDCAサイクルの構築が極めて重要であると指摘されております。
そこで、お伺いします。
防災庁は、これまで各府省庁が所管してきた事前防災施策について、既に一覧としてのリスト化を進め、施策の全体像を網羅的に把握されているのでしょうか。もし未完了であれば、新組織設置に向けてどのようなプロセスと仕組みで情報の一元化を図り、分野横断的な施策の全容を把握していくおつもりか、見解をお示しください。
さらに、施策の全体像を把握した上で不可欠となるのが、それらが確実に実行され、被害の予防、軽減に結びついているかを評価する進捗管理の仕組みです。防災庁は、各府省庁や自治体が実施する事前防災施策の進捗や効果を客観的かつ定量的にどのようにモニタリング、評価していくお考えでしょうか。外部有識者を交えた定期的な調査、審議の枠組みなど、実効性のあるPDCAサイクルを機能させ、防災施策を確実に前進させるための進捗管理の在り方と具体的な体制について、政府の御見解をお聞かせ願います。
○鎌原政府参考人 お答え申し上げます。
内閣府防災担当におきましては、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震、南海トラフ地震それぞれに係る地震防災対策の基本計画を策定し、その過程において各省庁の対策を把握してきてございます。
例えば、昨年七月に南海トラフ地震防災対策推進基本計画を変更した際には、南海トラフ地震対策として今後十年間に各府省庁が講じる施策を二百五の具体的な数値目標として計画に盛り込んだところでございます。このような計画策定のプロセスは防災庁においても引き続き実施してまいります。
また、委員御指摘のとおり、計画の進捗管理は大変重要と考えております。そのため、これらの大規模地震対策の計画については、さきに申し上げた具体的な数値目標を含めて、各分野の専門家の意見をお聞きしながら各府省庁の施策の進捗状況や課題の共有などのフォローアップを定期的に実施していくほか、地方自治体などに対しましても情報提供や助言などを行っていくこととしております。
さらに、内閣府防災担当の人員などを拡充しまして発展的に改組する防災庁におきましては、勧告権を背景に、フォローアップにより一層力を入れ、各府省庁の施策の進捗状況や対策の抜け、漏れの把握などをしっかりと行ってまいりたいと考えております。
○西園委員 ありがとうございます。まさに定量的把握というのは本当に大事だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
政府の基本方針において、防災庁には、司令塔機能を発揮するため、各府省庁に対する尊重義務を伴う勧告等の権限が付与される方針が示されました。この勧告権は、平時から各府省庁の取組の抜け、漏れを把握し、縦割りの弊害を打破して防災対策を強力に進めるための極めて重要な権限と認識しております。
しかしながら、同様の権限を持つ復興庁やデジタル庁においては、これまで他省庁に対して勧告権が行使された事例はないとされています。過去の報道等では、各省庁の方が政策に詳しく、その意向を無視して使えない、出身省庁とのあつれきは避けたいといった理由が指摘されており、勧告権がいわゆる抜かずの宝刀になり、実効性を不安視する声が少なくありません。
防災庁設置準備アドバイザー会議においても、この権限の在り方が大きな論点となりました。有識者からは、縦割りの弊害で国が一丸となって動けていない現状を変えるため、防災庁が政策能力や意思決定能力を高め、勧告権をしっかり行使して、他省庁の一歩上に立つことが重要であると指摘がなされております。また、各省庁が所管する法律とバッティングし、その調整に時間がかかって災害対応が遅れる事態を防ぐ必要がある、勧告だけでなく、予算とひもづいた強力な指示、勧告でなければ他省庁は動かないといった、より踏み込んだ権限行使や実効性担保を求める厳しい意見も出ております。
防災庁が真の司令塔として意思決定を牽引するためには、この勧告権が形骸化することなく、適切かつ強力に行使される仕組みが不可欠です。
そこで、お伺いします。
防災庁に付与される勧告権について、他省庁の抵抗や出身省庁への忖度といった組織的課題を乗り越え、真に実効性を持たせるための具体的な運用方針をどのようにお考えでしょうか。他省庁の壁を打破し、必要であればちゅうちょなく勧告権を行使して防災施策を強力に牽引していくという防災担当大臣の強い決意をお聞かせください。
○牧野国務大臣 お答えをさせていただきます。
まず、あらかじめ申し上げておきますと、私は防災庁設置準備担当大臣ですので、防災大臣になったわけではありませんので、そのときの防災大臣が勧告権をどのようにお使いになるかというのはそのときの防災大臣の御判断だと思いますけれども、今想定している勧告権については、午前中にも答弁させていただきましたけれども、本会議で高市総理がお答えをされたように、内閣の直下にある防災庁、防災大臣は、ほかの省庁よりも、防災という面、また、災害が発災したときには、一段高いところに位置して、そこで、勧告権を背景に各省庁に強い要求をしたり、また、その要求に従っていただけない場合には勧告権を行使するということで、十分勧告権を生かしたそういう大臣としての仕事になるんだというふうに思っております。
そして、勧告権を行使することによって、今、西園委員がおっしゃったみたいに、施策の縦割り行政をなくして抜け落ちや漏れをなくして、とにかく政府一体となって防災関係の施策を推進していくということになるかと思います。
例えば、私もそうですけれども、御地元の静岡等で心配される南海トラフ地震でそういう被害が予想されている地域で、地域レベルでのシミュレーションを行って、政府の計画の目標を達成するには、急いで対策が求められるような弱い部分を洗い出して、その上で勧告権をその段階で各省庁に行使するということも考えられますし、そうしたことを行うことによって事前防災対策の実施や支援を関係府省庁に求めるなど、防災庁が中心となって、地方自治体も含めて関係者が一体となってそうした防災の施策を推進していくことができるというふうに思っております。
○西園委員 御答弁ありがとうございます。
本当にこの勧告権というのがまさに私は肝だと思っております。そのためにも、先ほど政府参考人の方から御答弁がありましたように、各省庁の施策が定量的に見える化されていることが私はすごく重要だと思います。定量的に把握ができていれば、例えば、進んでいないところに機械的に勧告を出すことが私はできると思いますので、そうすれば、例えば、仮に国交省が進んでいないときにも、牧野大臣も遠慮なく金子大臣に進めてくださいとはっきり言うことができる。客観的な指標こそが私は勧告権を発動する重要な指標だと思っていますので、是非よろしくお願い申し上げます。
今の防災庁の取組ですけれども、南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、今後想定される国難級の大規模災害においては、まさにこれまでの延長線上にある対策だけでは国民の命と暮らしを守り切ることは困難です。防災庁設置準備アドバイザー会議の議論においても、今後の防災戦略を考える上で、従来の想定を超えた事態にどう備えるかが強く指摘されております。
これからの巨大災害で最も恐ろしいのは、被害が単独で終わるのではなく、ドミノ倒しのように次々と連鎖し、ある限界点を超えた瞬間に社会機能が一気に崩壊してしまう現象です。自然災害による物理的な被害に、過度な人口集中、インフラの老朽化、ライフラインの複雑な相互依存といった要因が組み合わさることで、この負の連鎖は一気に加速します。
例えば、大都市で長期間の広域停電と断水が同時に発生した場合、単なる不便にとどまらず、通信の途絶、医療機関の機能停止や物流網の断絶を引き起こし、結果として災害関連死を爆発的に激増させてしまうような事態がこれに当たります。こうした限界点を超えるような被害の連鎖を事前に先読みし、劇的に被害が増大する前にそれを阻止するための対策を先取りすることが極めて重要です。
これまでの我が国の事前防災は、過去の災害の教訓に基づく対策や個別の省庁が単一の災害を前提としたものが多く、複合的な要因が引き起こす負の連鎖には十分対応し切れていない懸念があります。
そこで、お伺いします。
新たに創設される防災庁は、こうした悲劇の劇的な増大を阻止するために、従来の延長線上にはない抜本的な防災戦略・戦術を再構築する司令塔とならなければなりません。社会機能の崩壊を食い止め、複合災害を見据えた全く新たな事前防災施策として、具体的にどのような中長期的戦略や重点施策に取り組んでいくお考えでしょうか。また、それを実現するための省庁横断的なアプローチについて、政府の御見解をお伺いいたします。
○鎌原政府参考人 お答え申し上げます。
防災対策の企画立案に当たりましては、想定外を極力なくすことが重要であり、より過酷な事象や複合災害の可能性を見据えて事前防災対策を進めていくことが重要と考えております。
そのため、昨年十二月に閣議決定をされました防災立国の推進に向けた基本方針におきましては、常に最新の技術動向を見据え、大局的な観点から、固定観念にとらわれることなく、あらゆる事態を想定して起こり得る被害を先読みし、中長期的かつ総合的な基本政策や国家戦略の企画立案を行うこととされております。
具体的には、災害時に起こり得る事象の因果関係の分析などを通じた被害想定の高度化、分野横断的に実施すべき対策などについての総合的、戦略的な計画の企画立案、産官学民連携による防災技術の研究開発・社会実装の推進、勧告権も活用した各省庁の施策の着実な推進などについて取り組んでまいります。
今後、防災庁が司令塔となって、関係府省や自治体と連携し、徹底した事前防災に取り組んでまいりたいと考えております。
○西園委員 ありがとうございます。複合災害は本当にシミュレーションが難しいと思います。産官学民の力を結集しての対策をよろしくお願い申し上げます。
次に、防災教育についてお伺いいたします。
頻発する自然災害や切迫する巨大災害において、行政による公助には限界があり、国民一人一人が自ら命を守るという主体的な行動変容が不可欠です。そのためには、実践的な防災教育の推進と、現場を支える専門人材の育成が急務となります。
政府の基本方針には、体系的な防災人材育成を推進する防災大学校の設置検討が盛り込まれました。有識者会議でも、気象大学校や海上保安大学校のように、防災の専門人材を養成する機関が必要との強い要望が出ています。これに対し、事前の確認によれば、気象大学校のような年単位の修業期間とする学校を一から創設するのではなく、国や地方自治体の行政職員、さらには民間人材を対象に、ビデオ講習と実践演習を組み合わせた研修機関として検討されているとのことです。
そこで、お伺いいたします。
この防災大学校の設立に向けた具体的な構想やスケジュール、そして、多様なステークホルダーをつなぐコーディネート力を持った人材をどのように育てていくのか、その将来像について政府の現在のお考えをお聞かせください。
さらに、国民の行動変容を促す防災教育も重要です。
有識者会議では、幼児期からの防災教育が保護者や地域の大人たちの意識改革にも波及し、極めて有効であると指摘されました。牧野大臣や私の地元である静岡県では、中学生が地域の防災訓練に毎年参加する、こういう仕組みがあるわけでございますが、子供のときの実践的な訓練は、将来の地域防災の担い手育成につながる大変すばらしい取組だと思っております。
しかし、幼児教育の現場に目を向けると、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省、認定こども園はこども家庭庁と、管轄省庁の縦割りが壁となり、指導者研修などが円滑に進まない現状も浮き彫りになっております。加えて、グローバルスタンダードである子供を救助者にしてはいけないという原則や、トラウマへの配慮が必要との慎重論も交わされました。
新たに創設される防災庁は、こうした縦割りを乗り越え、関係施策を一体的に推進する司令塔としての役割が期待されます。防災庁として、幼児期からの防災教育の推進に当たり、省庁間の連携をいかに強化し、学校にとどまらず地域全体で生涯にわたる防災教育をどのように体系化していくのでしょうか。国民の防災意識を飛躍的に高め、行動変容を促すための戦略と併せて、大臣の御見解をお伺いいたします。
○牧野国務大臣 まず、防災大学関係の御質問に対してお答えいたします。
防災庁におきましては、防災に関する幅広い経験、知識に基づき、大局的な観点から防災全体を捉え、産官学民の多様な関係者間で高度なコーディネートを行える人材を育成することが重要だと考えております。このため、今後、国や地方自治体の職員、さらに民間人材を対象に、関係者間の顔の見える関係の構築や連携が推進されるよう、仮称でありますけれども、防災大学校の設置について、法案成立後、設置時期やその機能について検討を進めてまいります。
続いて、防災教育の推進についてのお尋ねでございました。
災害による被害を最小限に抑えるためには、平時から地域全体で災害に備える必要があります。特に、子供たちが災害を我が事として捉え、自ら助かる行動が取れるよう、学校や地域など様々な場で学びの機会を用意することが重要だと考えております。このため、各学校におきましては、学習指導要領に基づいて、社会科、理科などの各教科や特別活動などにおいて、各地域や学校の規模などの実情に応じた防災教育を行っているところであります。
さらに、内閣府の防災担当におきましては、コミュニティ防災教育推進事業や防災教育チャレンジプランを通じて、教育現場において地域住民や地域団体が行う防災授業や、幼児期から義務教育期を含む子供たちが楽しみながら防災について学べる機会の提供など、多様な取組への支援を行っております。
防災庁の設置に当たっては、将来の地域社会を担う子供たちに行動変容を促し、防災について自ら考え主体的に行動できるよう、関係省庁とも連携を図り、地域と教育現場のいずれの観点も踏まえて更なる取組を進めてまいる所存でございます。
○西園委員 御答弁ありがとうございます。
顔の見える関係というのは私もすごく重要だと思います。誰かがいるからその方が助けていける、そういういろいろなネットワークがすごく大事だと思いますし、さらに、そういう関係性の大切さというものをしっかり防災庁が教育課程の中で日頃から訴えていただくことが私も本当に大事だと思います。是非よろしくお願いいたします。
これまでの内閣府防災担当は、数年で異動を繰り返す各省庁からの出向が多くを占めており、過去の災害対応から得られるノウハウを蓄積し、国としての対応力を強化させることが難しいという構造的な課題を抱えておられました。新たに創設される防災庁が真の司令塔となるためには、こうした二年で異動する一般行政職員主体の組織から脱却し、災害対応の知見を継続的に蓄積、継承する専門組織へと転換することが不可欠です。
防災庁設置準備アドバイザー会議においても、被災自治体の首長から、復興庁の職員が出向元に帰ることで、現場の初動の肌感覚や記憶が失われることへの強い危機感が示され、防災の中枢に専門性を持ったプロパー職員を継続して置くことの重要性が指摘されております。
この専門性の継承において極めて重要な鍵となるのが、東日本大震災以降、被災地支援をワンストップで担ってきた復興庁の知見です。有識者や元復興事務次官からも、能登半島地震のような複合災害に対応し、中長期的な生活再建を円滑に進めるためには、復興庁の知見や機能を統合すべきとの強い意見が出ております。
私自身、かつて復興庁に勤務し、東日本大震災からの復興の教訓を取りまとめた復興政策十年史の編さんに携わりました。その経験に照らせば、震災の教訓を体系的に整理、継承してきた復興庁の知見班こそ本来防災庁に一元的に移管すべき中核的な部門であると考えます。
復興庁の主業務が今後福島の復興へと移行していく中で、これまで培ってきた震災対応のノウハウを防災庁のベースとして定着させることこそが新組織が本格的に機能するための土台につながります。しかしながら、この度の政府の基本方針には、二〇三一年三月三十一日までの時限組織である復興庁の組織の見直しは含まれておりません。
そこで、お伺いします。
防災庁を真の専門組織として機能させるため、復興庁の知見班を防災庁へ移管することも含め、復興庁が培ってきた貴重な知見やノウハウをどのように新組織へ移管し、専門組織としてのベースを定着、継承させていくか、大臣の御見解をお伺いいたします。
○牧野国務大臣 お答えいたします。
まず、西園委員が復興庁で知見班として御努力されたことは、本当に敬意を表したいと思います。
委員御指摘のとおり、復興庁がこの十四年、蓄積してきた経験とノウハウというのは非常に大きいものがあると思いますし、先ほどお答えをしたみたいに、その後、復興庁ができた後の幾つかの災害では、東日本大震災の経験を踏まえてワンストップ窓口という制度を、今の能登半島地震だったり、その前の熊本の地震だったり、そうしたときにそれを生かしてきたということがあります。ですので、防災庁の制度設計に当たっても、こうした知見を踏まえて防災庁の設計をしてきたところです。
その上で申し上げると、先ほど御提案があった復興庁の知見班を防災庁に移してはどうかということでございますけれども、復興庁は取りあえず二〇三一年まで組織として復興に携わってまいります。これからの五年間の知見もありますので、今のところ、復興庁の知見班は復興庁で頑張っていただきたいというのが復興大臣としての私の今の思いでございます。
しかしながら、先ほども申し上げたみたいに、復興庁の知見班の今までのノウハウ、経験、そして様々な蓄積については、今も内閣府防災の方にも当然のことながら役立っているし、これからつくる防災庁についても、そのノウハウ等の今申し上げた今までの経験というのは防災庁の方で生かさせていただきますが、組織とすると、復興庁が続いている中で、知見班はこれから五年間の知見も蓄えていただかなければいけないと思っておりますので、組織としては復興庁に残るということになると思います。
いずれにしましても、今、それぞれ、防災庁はまだできておりませんけれども、復興庁、そして、やがてできる防災庁、二つの組織は任務が明確に分かれておりますので、現時点では、たとえ一部の組織であっても移管の検討はしておりません。今後については、先ほどお答えしたみたいに、そのときの状況、また、政府全体としての考え方、そういったものによって今後について考えていくことになろうかと思います。
○西園委員 大臣、ありがとうございます。
私も役人でずっといた感覚からすると、例えば、私が復興庁で防災庁の職員と協力してくださいと言われると、協力はするけれども、多分責任がないんですよ。ですから、防災庁の職員には復興庁の経験を持っている方がそこでちゃんと責任を持って働いてもらいたいというのが私の願いなんです。
例えば、職員はそのまま復興庁でもいいと思うんです。ただ、いわゆる兼務をする、併任発令を出すとか、これで全然違うんです。結局、公務員ですので、与えられたミッションがそこに明確にあるとなれば、その組織でしっかり働くことができますので、組織自体の定員を動かさなくても併任発令とかだったら全然できると思います。それは大臣の一存でできますので、私は防災庁を効果的に動かすために提案させていただきますので、是非御検討いただければと思います。
次に、人間工学に基づく高台避難という、ちょっと高尚というか、少し着眼点が違う話をさせていただきます。
大津波からの高台避難ですけれども、これは政府のガイドライン等では原則徒歩避難とされております。しかし、現実には、健康な人までが車で避難してしまい、大渋滞を引き起こすという課題が各地で指摘されております。その結果、本当に車での避難が必要な高齢者や要配慮者の避難ルートが塞がれ、逃げ遅れてしまう事態が生じかねません。
マニュアルに健康な人は徒歩で避難してくださいと書くだけでは、人間の行動特性や人間工学的な観点からして誰もがそのとおりに動くわけではございません。いかにして、自分は健康だから歩いて逃げよう、車は本当に必要な人に譲ろうという住民の主体的な行動変容を引き出し、地域としての最適解を導き出すかが極めて重要かつ難しい課題となっております。
私は、この最適解に近づくための大切な切り札が、地区防災計画の策定を通じた平時からの地域コミュニティーづくりにあると考えております。計画作りの過程で隣近所の顔が見える関係が構築されれば、あのお宅には支援が必要な高齢者がいるから自分は車を使うのは我慢しようといった助け合いの精神が自然と生まれてまいります。実際、北海道の浜中町では、日頃の訓練や防災教育を通じて避難のルールが定着し、津波避難時に渋滞が生じなかったというすばらしい事例もあると承知しております。
そこで、お伺いします。
単なるマニュアルの提示や一方的な掲示にとどまらず、人間の行動特性を前提とした上で、健康な人の徒歩避難と要配慮者の車避難を両立させるような避難の在り方を政府としてどう構築していかれるのでしょうか。新たに創設される防災庁として、地区防災計画の策定促進などを通じて地域コミュニティーの助け合いの文化を醸成し、住民の主体的な行動変容を促していくための具体的なアプローチについて政府の御見解を求めます。
○鎌原政府参考人 お答え申し上げます。
政府の防災基本計画では、津波から避難を行うに当たっては、地震による道路の損傷や渋滞の発生などが考えられることから、徒歩を原則とする一方で、要配慮者の存在など、車両で避難せざるを得ない場合には、市町村において自動車で安全かつ確実に避難できる方策をあらかじめ検討するよう求めているところでございます。
市町村の取組例としましては、避難行動を事前にシミュレーションした結果を踏まえ、地域住民で議論を行い、車での避難も一部可能となるよう移動手段を設定している事例などがあり、このような事例を他の自治体にも周知しているところでございます。
また、地区防災計画に避難ルールの位置づけを検討している地域があることも承知しております。議員御指摘の地区防災計画の活用は、地域住民の主体的な自助、共助による防災活動を促す上で有効な取組であると認識しております。
内閣府では、地区防災計画の策定が促進されますよう、事例集の作成やモデル事業の実施などで支援を行っておりますが、内閣府防災担当の人員などを拡充し発展的に改組する防災庁におきましては、これらの取組に加えまして、地域への伴走支援を強化することとしておりますので、引き続き、津波からの避難が円滑に行われるよう、地方公共団体とも連携しながら取組を進めてまいりたいと考えております。
○西園委員 御答弁ありがとうございます。私は、地区防災計画がこれからの事前防災の要だと思っております。
ちょっと二問ほど飛ばさせていただいて、この地区防災計画に絡む質問に移らせていただきますが、災害時に高齢者や障害をお持ちの方など自力での避難が困難な避難行動要支援者の命を守るためには、一人一人に合わせた個別避難計画の策定が極めて重要です。
お手元の資料二を御覧ください。
これは、都道府県ごとの個別避難計画の作成状況を表したものです。災害対策基本法の改正により、市町村による個別避難計画の作成が努力義務とされましたが、全国の策定率は一四%にとどまっています。対象者が膨大である上、平時の業務に追われる自治体のマンパワーだけでは限界があり、策定が遅々として進まないのが現場の実態です。
一方で、計画の実効性を高めるヒントとなる事例もございます。
例えば、全国で唯一六〇%を超える作成率を誇る香川県においては、日頃からの地域コミュニティーの結びつきが強く、住民同士の顔の見える関係が構築されていることで、火災発生時などにも円滑な避難行動に結びついたとの報告がございます。これは、単に紙の計画を作成するだけでなく、平時からの地域における助け合いや福祉のネットワークを防災に直結させることがいかに有効かを示しております。
さらに、高松市では、避難支援者が災害時に安心して活動できるよう、市が避難支援者を対象とした保険に加入しておられます。これが市の個別避難計画作成を後押ししているとも推測されます。
政府も、令和八年度からは、計画作成が進んでいない自治体に対し、福祉の専門職を派遣する新たな支援策を講じると聞いておりますが、更なる加速が必要だと思います。
そこで、お伺いします。
新たに創設される防災庁は、自治体の大きな負担となっている個別避難計画の策定を飛躍的に促進するため、香川県のような地域コミュニティーの力を生かすモデルの横展開や、福祉専門職、専門NPOとの官民連携、さらには防災DXの活用による業務効率化など、具体的にどのような実効性ある支援策を講じていくのでしょうか。逃げ遅れによる犠牲をなくすための力強い政府の御決意と今後のアプローチについてお聞かせください。
○横山政府参考人 お答え申し上げます。
災害時に自ら避難することが困難な避難行動要支援者に対し、その状況に応じてお一人ずつ作成する個別避難計画は、平時からの災害への備えとして重要でございます。
これまで内閣府においては、委員御指摘の好事例の横展開等のほか、計画の作成手順などを示した指針や手引の周知、実際に計画作成経験のある市町村職員のまだ未対応のところに対する派遣などの取組を行ってきたところでございます。
このような取組により近年作成は着実に進んでいるところでございますけれども、御指摘があったように、令和七年四月時点における作成率は全国平均では一四%という状況でございます。更なる作成促進が必要であるというふうに考えてございます。
そこで、令和八年度からは、防災庁の設置を見据えて予算の増額を図りまして、計画の作成が進まない自治体が計画作成の専門人材などを活用できるよう、新たな支援を行うことも予定しているところでございます。防災庁が設置された暁には、人員を増やして防災の専門人材を確保、育成することとしてございます。
関係省庁、自治体などと連携を更に強化いたしまして、個別避難計画の更なる促進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○西園委員 御答弁ありがとうございます。是非、個別避難計画作成の方の応援をよろしくお願いします。
香川県が六割を超えているというのは、私は本当にすごいなと思ったんです。よくよく考えると、要は、地域の住民の六割の方がちゃんと助けられるめどが既についているというのは私はすごいことだと思います。
その中に、先ほどの高松市が保険を掛けているというのもありましたし、あと、地区防災計画をほとんどのところが作っているんです。地域防災計画は法定計画で、作ることが決まっていますけれども、地区防災計画というのは町内会単位ですから、これは自主的に作るということですから、義務化でも何でもないです。でも、それを自ら自主的に作っているがゆえに個別避難の計画がしっかり作られている。私はこういう構図になっているんじゃないかなというふうに思いますので、是非、全国でもこういう進んでいる事例がありますので、それを参考にしていただければというふうに思います。
次に、女性の視点に立った避難所運営についてお伺いをいたします。
大規模災害時における避難所生活において女性の視点やプライバシーの確保が極めて重要であることは、これまでの多くの災害の教訓から明らかです。着替えができない環境や性暴力への懸念など、避難所におけるジェンダー課題は深刻であり、劣悪な避難所生活環境の抜本的改善は急務となっています。
もちろん、政府においても、過去の経験を踏まえ、内閣府が避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針やスフィア基準に基づくガイドライン等を作成していることは承知しております。そこでは、更衣室や授乳室の設置、男女別トイレの比率を女性三、男性一とすることや、女性用品等の支援物資は女性の担当者が配布することなど、女性の視点に立った具体的な指針が示されております。
しかしながら、幾ら立派なマニュアルやガイドラインが存在していても、いざ発災した混乱のさなかで現場の被災者自身や応援職員がそれを即座に機能させるのは難しく、現場への浸透や実効性に依然として大きな課題が残されていると言わざるを得ません。
避難所運営の現場において女性の視点が確実に取り入れられた運営を行うためには、単に自治体にチェックリストを渡して確認するだけでなく、平時からの実践的な訓練や、住民自身が主体的かつ円滑に動けるような分かりやすい仕組みづくりが不可欠です。
そこで、お伺いします。
新たに創設される防災庁として、作成されたガイドラインが現場で確実に機能するよう、女性の視点を組み込んだ避難所運営の標準化をどのように進めていくのでしょうか。また、令和八年度の防災力強化総合交付金等を活用し、女性の視点を踏まえた実践的な避難所運営訓練を全国の自治体でどのように促進し、プライバシーと安全が確保された避難所生活環境を実現していくお考えか、政府の御見解をお聞かせ願います。
○横山政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、避難所運営に当たっては、発災直後から尊厳ある生活が営める環境を整備するため、女性の視点を取り入れることは大変重要なことであると認識してございます。
既に委員からも御指摘がございましたけれども、まず、御指摘いただいた避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針の内容を引き続きしっかり周知していくことは大切だと考えてございます。
ただ、それだけでは駄目ではないかという御指摘をいただいてございます。
防災庁においては、令和八年度に新たに予算措置された防災力強化総合交付金を活用いたしまして、委員御指摘のような観点も踏まえた避難所運営訓練を行うということを考えてございますけれども、しっかり自治体と連携してこの取組を強化していく。そして、防災庁設置で増加する人員も活用いたしまして、自治体等に伴走支援をしながら、先ほど申し上げました指針で示した内容をしっかり普及させて定着させていくという、この取組を強化してまいりたいと考えてございます。
○西園委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
女性の視点に立った避難所運営を現場の末端まで浸透させ、具体的に実現していくためには何が必要か。私は、政策を牽引し意思決定を行う組織の中枢に女性自身が参画することが不可欠であると確信しています。
これまでの防災行政を振り返りますと、平時からの意思決定の場に女性が少ないことが災害時の避難所におけるプライバシーの欠如やジェンダー課題への対応の遅れに直結してきたと私自身は復興庁在籍時から痛感しており、政治に関わるようになってからは、その改善を強く訴え続けてまいりました。
幾ら立派なガイドラインを作っても、それを運用する組織に多様性がなければ、真に被災者に寄り添う人命、人権最優先の支援は実現できません。新たに創設される防災庁は、公務員だけでなく、女性の観点から活動している専門NPOや民間企業などと広く協力していく司令塔となります。そうした多様な主体との連携を深め、きめ細やかな支援を展開していくためにも、防災庁の内部に女性幹部や女性専門職員が配置されていることが極めて重要であると考えます。
そこで、私からの強い要望としてお伺いいたします。
防災庁が時代の変化に柔軟に対応できる組織文化へと進化していくためには、組織編成の段階から意図的かつ積極的に女性を登用する必要がございます。防災政策の企画立案や現場支援の司令塔となる幹部ポスト、さらには専門職員において女性を積極的に登用し、組織のDNAとして女性の視点を組み込んでいくべきだと考えますが、牧野大臣の御見解をお聞かせ願います。
○牧野国務大臣 貴重な御提案をありがとうございます。
先ほど横山次長が答弁されたみたいに、既に内閣府防災部門の中にありまして、避難所の運営等につきましては、女性の声を反映させるために、内閣府の防災担当と男女共同参画局の女性職員が中心となって提言を過去に取りまとめております。
これから防災庁におきましては、女性を含めた職員が誇りややりがいを持って前向きに業務に取り組めるよう、平時から業務の効率化や休暇の取得の推進といった働き方改革を進めてまいります。
発災時におきましても、各職員の負担を考慮しつつ、交代で災害対応に当たらせるなどの負担軽減の取組も行ってまいります。
また、国の防災基本計画を決定する中央防災会議の構成員のうち、政府関係者を除いた民間、学識経験者につきましては、現在、女性委員が三分の一を占めております。
引き続き、働き方改革や防災分野における女性の参画を推進することで、女性を含む防災分野の人材の充実を図り、防災庁における女性幹部の積極的な登用にも力を入れてまいりたいと思います。
○西園委員 御答弁ありがとうございます。女性の活躍の場、まさに訓練とかにも女性の視点というのはすごく大事だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
次に、被災した公務員に対する対応について伺ってみたいと思います。
大規模災害発生時に現場の最前線に立つ基礎自治体の職員自身もまた被災者となり得ます。自らや家族が被災し、家屋を失い、あるいは避難生活を送りながら、昼夜を問わず災害対応業務に当たる地方公務員の姿は、我が国ではしばしば自己犠牲の美談として語られてきました。
しかし、先日、元イタリア市民保護庁のマレリーナ・エポジースト氏の講演録を読む機会があり、強い衝撃を受けました。エポジースト氏は、イタリアでは家族を失っても働くことが美徳とされることはまずないと明言されていました。
イタリアでは、公務員である前に一人の人間であり、家族の安全や自身の生活再建を優先する権利が尊重されるのです。心理的ショックを受けた状態で無理に働かせることは、本人にとってはもちろん、判断ミスを招き、行政サービスの質にとってもマイナスであると考えられています。そのため、有給の特別休暇や業務免除が認められ、他地域からの支援チームが迅速に投入されるなど、個人の英雄的行為ではなく、システムとしての継続性を重視した体制が構築されているとのことでした。
翻って我が国を見ると、危機管理において個人の精神力や属人的な努力に過度に依存している側面は否めません。真の事前防災とは、特定の個人がいなくても組織が機能し、業務をカバーできる代替体制や実効性あるBCPを平時から構築しておくことです。
そこで、お伺いします。
新たに創設される防災庁は、被災した公務員が休むべきときに休めるよう、彼らの人権と心身を保護する哲学を我が国の災害対応にどのように根づかせていくのでしょうか。そして、彼らが休んでも行政機能が維持され、被災者支援が滞らないための実効性ある業務継続体制と広域的な応援・受援体制の構築について政府の具体的な方針をお聞かせ願います。
○鎌原政府参考人 お答え申し上げます。
国の中央防災会議が作成しております防災基本計画では、「被災自治体の職員の安全性については、「地方公共団体は、災害対応業務に従事する職員の健康管理等を徹底するもの」としてございます。委員御指摘のとおり、被災自治体の職員が休むべきときに休んでも行政機能を維持できるようにするためには、実効性ある地方自治体の業務継続計画の作成が必要と考えております。
そのため、内閣府におきましては、大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引きを策定し、その中で、職員参集体制の整備については、職員自身の健康や、子育てや介護中であることなど、職員の希望や家庭環境へ配慮して、自宅待機の要件ですとか参集不要基準、災害対応等の交代要員の考え方について定めておくことなどを掲げております。そして、これらを実施している地方公共団体における優良事例の紹介なども行っているところでございます。
委員の御指摘のあったような広域的な応援・受援体制の整備の促進と併せて、関係省庁とも連携しまして、地方自治体の業務継続計画策定、そしてその実効性の向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○西園委員 御答弁ありがとうございます。
時間もなくなってきましたので幾つか質問を残してしまいますが、大臣並びに参考人の皆様、本日は多岐にわたる質問に対して真摯に御答弁をいただき、ありがとうございました。質疑を通じて、新たに創設される防災庁が担うべき役割の大きさとその使命の重さを改めて痛感したところでございます。
人命、人権優先の理念の下、逃げ遅れによる犠牲者、そして劣悪な避難生活による災害関連死を絶対にゼロにする、その確固たる決意を持って、防災庁が我が国の希望ある未来を切り開く強力なエンジンとなることを心から祈念申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○関委員長 次回は、来る二十三日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時四十五分散会

