衆議院

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第9号 令和8年4月28日(火曜日)

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令和八年四月二十八日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 古川  康君

   理事 上杉謙太郎君 理事 鈴木 英敬君

   理事 橘 慶一郎君 理事 福原 淳嗣君

   理事 渡辺 孝一君 理事 田嶋  要君

   理事 岩谷 良平君 理事 許斐亮太郎君

      浅田眞澄美君    伊藤  聡君

      今岡  植君    遠藤 寛明君

      加藤 貴弘君    神田 潤一君

      坂井  学君    島尻安伊子君

      中野 英幸君    新田 章文君

      東田 淳平君    古井 康介君

      前川  恵君    向山  淳君

      村上誠一郎君    村木  汀君

      森原紀代子君    山田 基靖君

      吉田 有理君    米内 紘正君

      神谷  裕君    金城 泰邦君

      中川 宏昌君    平林  晃君

      うるま譲司君    高見  亮君

      高沢 一基君    青木ひとみ君

      武藤かず子君

    …………………………………

   総務大臣         林  芳正君

   総務副大臣        堀内 詔子君

   総務大臣政務官      中野 英幸君

   総務大臣政務官      向山  淳君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  笹野  健君

   政府参考人

   (内閣官房行政改革・効率化推進事務局次長)    上坊 勝則君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 貫名 功二君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   三橋 一彦君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           藤田清太郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        恩田  馨君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  小川 康則君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          加藤 主税君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           長谷川 孝君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  出口 和宏君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  寺崎 秀俊君

   政府参考人

   (総務省国際戦略局長)  布施田英生君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            豊嶋 基暢君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            湯本 博信君

   政府参考人

   (消防庁次長)      田辺 康彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           江浪 武志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           渋谷闘志彦君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         山田  仁君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      久米  孝君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           豊嶋 太朗君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 大井 通博君

   総務委員会専門員     山本 麻美君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十八日

 辞任         補欠選任

  谷  公一君     山田 基靖君

  松下 英樹君     加藤 貴弘君

  中川 宏昌君     金城 泰邦君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 貴弘君     東田 淳平君

  山田 基靖君     谷  公一君

  金城 泰邦君     中川 宏昌君

同日

 辞任         補欠選任

  東田 淳平君     村木  汀君

同日

 辞任         補欠選任

  村木  汀君     松下 英樹君

    ―――――――――――――

四月二十七日

 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

古川委員長 これより会議を開きます。

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官笹野健君外二十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古川委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。今岡植君。

今岡委員 自由民主党の今岡植です。

 国会議員として初めて質問に立たせていただきます。機会をいただきました皆様に感謝を申し上げます。また、選挙区の皆様から御期待をいただき、この場に立たせていただいていることに深く感謝をしながら、早速質問に入らせていただきます。

 まず、消防団についてお伺いをいたします。

 私の選挙区である目黒区、大田区においても、消防団の皆様は、地域防災の中核として、また、各種イベントの警備や地域活動においても大変重要な役割を担っていただいております。

 近年、災害の頻発化、激甚化が進む中で、常備消防だけでは対応し切れない局面も想定される中、地域に根差した消防団の重要性は一層高まっていると認識しています。その一方で、担い手の確保や処遇、装備面など、現場からは様々な課題も指摘されております。

 そこで、第一に、消防団員の確保についてお伺いします。

 全国的に団員数の減少や高齢化が進んでいると承知しておりますが、現状、どのように認識をしているのか、また、現役世代や女性の参加を促すためにどのような具体策を講じているのか、今後の方向性も含めてお伺いします。

田辺政府参考人 大規模災害になればなるほど地域に密着した消防団の力が重要とされる中、依然として消防団員数は減少しており、若者や女性を始めとした団員の確保や実践的な災害対応力の向上等、消防団の充実強化を図ることが極めて重要と考えております。

 このため、消防庁では、令和八年度当初予算において、消防団の力向上モデル事業として、特に、若者や女性の入団促進を図る取組を重点的に支援することとしております。

 このほか、消防団員の更なる確保を図るため、消防団員の処遇の改善、若者や女性にターゲットを置いた広報、機能別消防団員制度の活用推進、企業と連携した入団促進など、様々な施策を実施しているところです。

 また、昨年一月に作成した消防団員の確保に向けたマニュアルにおいても、若者や女性の入団促進や消防団員の負担軽減等に向けて、各地域の優良事例を取り上げつつ、そのノウハウを紹介したところです。

 引き続き、こうした様々な施策を通じて、消防団員の更なる確保を始め、消防団の充実強化にしっかり取り組んでまいります。

今岡委員 御答弁ありがとうございます。

 今、処遇面についても少し言及をいただきましたけれども、今回、現場の消防団員の方々からも、報酬、そして出動手当、さらには訓練、活動に伴う負担の大きさ、特に近年では暑さ、この暑さ対策の必要性についても率直かつ切実な声を伺ったところです。

 これまでも処遇改善に取り組んできたと承知をしておりますが、その進捗と評価をどのように捉えているのか、今後、団員が誇りを持って安心して活動できる環境を整備するためにどのような施策を講じていくのか、お考えをお伺いします。

田辺政府参考人 消防庁では、令和三年四月に消防団員の報酬等の基準を定め、この基準に沿った処遇改善が実施されるよう市町村に働きかけてきた結果、令和七年四月時点で、年額報酬について基準の三万六千五百円を満たす市町村が九割を超えるなど、着実に処遇改善が図られているところです。

 また、消防団の更なる充実強化を図るためには、若者や女性を含む消防団員が活動しやすい環境を整えていくことが重要と考えております。

 そのため、消防庁では、これまで、例えば、風通しのよい環境づくりについて助言できる消防団等充実強化アドバイザーの派遣や、緊急防災・減災事業債を活用した消防団拠点施設や施設内の女性用トイレ、更衣室の整備について積極的に周知し、それらの活用を促しております。

 また、昨今の夏の大変暑い中でも活動できるよう、消防団設備整備費補助金において、冷却機能を有する高視認性の冷却衣なども補助対象とし、消防団活動に必要な資機材の整備を支援しているところです。

 引き続き、こうした様々な施策を通じ、消防団の更なる充実強化に向けて取り組んでまいります。

今岡委員 ありがとうございます。

 是非、引き続き、処遇改善については積極的に取り組んでいただくことをお願いをいたします。

 次に、第三ですが、活動の効率化、高度化という観点からお伺いをいたします。

 今後、AIを含むデジタル技術の進展により、災害対応における高度化が進むことが期待をされますが、消防団においても、こうした新技術の活用余地というものは大きいというふうに考えます。例えば、出動時の情報共有、訓練の高度化など、デジタル技術の導入についての検討状況をお伺いしたいと思います。必要な設備投資や支援策についての方針も併せてお伺いをいたします。

田辺政府参考人 消防庁では、消防団の力向上モデル事業により、出動連絡や出動報告等の事務手続をデジタル化したり、現場活動の情報共有を行うことのできる消防団アプリを始め、消防団におけるデジタル技術の導入を支援しているところです。

 また、災害発生時に有効なドローンを安全かつ効果的に運用できる人材を育成するため、消防団員に対し、全国の消防学校においてドローン操縦技術の講習を行ってきたところですが、令和八年度からは、消防団ドローン・DX推進事業により、ドローンを活用し広範囲での捜索活動に取り組むなど、より実践的な講習も行うこととしております。

 これらの取組を通じて、引き続き、自治体と連携しつつ、消防団アプリやドローンの活用を始めとした消防団におけるデジタル技術の導入、活用を支援するなど、消防団活動の高度化、効率化を図ってまいります。

今岡委員 ありがとうございます。

 消防団は、まさに地域防災の要であり、その持続可能性を確保することは極めて重要であります。担い手確保、処遇改善、そして技術活用、この三点を一体的に力強く進めていただくことを強くお願いを申し上げます。

 次に、ふるさと納税についてお伺いをいたします。

 制度開始から既に十五年以上が経過し、その活用は広く国民の間に浸透してまいりました。私自身も、愛媛県の八幡浜市という人口三万規模の自治体に出向していた経験がありますが、本来は民間企業のような競争環境に置かれていない自治体間においても、この制度を通じて、創意工夫を凝らした自治体間の競争が生まれていることを現場で実感をいたしました。実際に、地域産品のPRや販路拡大、さらには産業振興や関係人口の創出といった観点からも一定の成果を上げてきたものと考えます。

 他方で、特に都市部における減収額が年々拡大しており、地方税財源を侵食しているという事実があります。また、寄附本来の趣旨から逸脱し官製通販となっているとの指摘もされており、これまで累次の制度見直しが行われてきたものと承知をしております。

 そこで、総務省にお伺いをします。

 制度開始から一定の期間が経過した現時点において、ふるさと納税制度の意義をどのように総括しているのか、様々な指摘に対してどのような対応を講じてきたのか、お伺いします。

寺崎政府参考人 お答え申し上げます。

 ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった自治体に対する感謝の気持ちを伝えるために創設されたものでございまして、公金を使用した公的な税制上の仕組みでございます。

 制度が普及する過程で、委員の御指摘もございましたが、過度な返礼品競争が行われたことなどを背景といたしまして、寄附金の募集を適正に行う自治体をふるさと納税制度の対象とする指定制度を導入しております。これによりまして、自治体が提供する返礼品については、返礼割合を三割以下かつ地場産品に限ることといった一定のルールの下で、各自治体が取組を行っていただいているものと承知しております。

 また、三月三十一日に成立いたしました地方税法の改正法におきましては、高所得者について、特例控除額に定額の上限を設けるとともに、自治体が活用できる寄附金の割合を高めるなどの見直しを盛り込むなど、制度の健全化に向けた取組を進めております。

 今後とも、全国の自治体と納税者の皆様の御理解をいただきながら、制度の趣旨に沿って適正に運用されるよう取り組んでまいりたいと考えております。

今岡委員 ありがとうございます。

 改めて、都市部においては極めて深刻な課題となっておりますので、その点も御理解をいただき、今後とも不断の見直しをお願いして、次の質問に移ります。

 最後に、コンテンツ産業振興についてお伺いをいたします。

 私は、コンテンツ産業は、今後の日本経済を支える、まさに基幹産業であると考えております。加えて、アニメや漫画を始めとする日本のコンテンツは、幼少期から世界中の人々に親しまれ、日本文化への理解や共感を醸成するものであり、単なる経済的価値にとどまらず、国益の観点からも極めて大きな意義を有していると認識しています。

 実際、海外市場規模は、自動車の輸出額に次ぐ規模にまで急成長しており、投資対効果の高い分野でもあります。高市政権の下で、十七の戦略分野の一つにも位置づけられ、直近では政府支援も拡充されてきているものの、諸外国と比較すれば、依然として支援規模は限定的であり、グローバル市場で競争する上で十分とは言えない状況にあると考えます。

 こうした中で、世界と伍して戦う日本コンテンツに対して、いわゆるイコールフッティングを確保する観点からも、少なくとも先進国並みの支援規模を確保するとともに、コンテンツビジネスの特性を踏まえた、複数年かつ当初予算による支援など、予見可能性と事業性を確保する制度設計が重要であると考えています。

 自由民主党においては、昨年五月に、放送コンテンツ産業の強化・振興に関する緊急提言を取りまとめ、その後、総務省においても、この提言を踏まえ、実写コンテンツ展開力強化官民協議会が本年一月三十日に設置されました。さらに、直近では、四月二十日に、同協議会においてアクションプランが取りまとめられたと承知しています。

 そこで、お伺いをいたします。

 今回取りまとめられたアクションプランの具体的内容、その中で特に重点的に取り組む施策は何か、方針をお聞かせください。

豊嶋(基)政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘いただきましたアクションプランにつきましては、有識者、あるいは放送、配信事業者、番組制作会社、金融、商社など、幅広い関係者によって構成される実写コンテンツ展開力強化官民協議会での議論を踏まえ、ドラマなどの実写コンテンツに関する制作力の強化と海外展開の促進等についての具体的な取組をまとめたものでございます。

 具体的に申し上げますと、このアクションプランでは、二〇三三年に実写コンテンツの海外輸出額二千五百億円以上の実現に向けまして、海外展開、配信を目指すコンテンツの制作支援の大規模化、長期化、あるいは日本企業が参画する配信プラットフォームの海外展開に対する大規模、長期間の支援、世界に通用する実写コンテンツを制作する人材の育成、スタジオ機能を備えた実写コンテンツ人材育成トレーニングセンターの構築のほか、地域発のコンテンツの制作、配信の促進などの具体策を盛り込んでおります。

 総務省としましては、このアクションプランに盛り込まれた各施策の着実な実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

今岡委員 ありがとうございます。

 私自身も、このアクションプラン、数値も入っておりますし、非常に野心的な目標だと思いますが、実現可能な目標だと思いますので、全力で応援をさせていただきたいと思っております。

 最後に、議員として議連活動も主導しておられます林大臣に、日本のコンテンツ産業振興に向けた意気込みをお伺いをいたしたいと思います。

林国務大臣 まずは、デビュー戦、おめでとうございます。

 このコンテンツ産業、今、今岡先生からお話があったように、我が国の基幹産業に育ってまいりました。海外輸出や地域活性化、こうした付加価値を生み出すものとして、海外展開を始めとするコンテンツ産業の振興を一層進めていくことが重要でございます。

 やはり、日本発のアニメやゲームが世界で人気を博しておりまして、ドラマなどの実写コンテンツについても、海外展開に大きなポテンシャルがあると考えております。このポテンシャルをやはり最大限伸ばしていくために、最初から海外展開や配信も目指すモデルへ転換していこうということで、このアクションプランの下で、官民が連携して取組を行って、実写コンテンツの海外展開、これを強力に推進していく必要がございます。

 総務省といたしましても、我が国の実写コンテンツ産業の競争力強化及び持続的な発展の実現が図られるよう、しっかりと取り組んでまいります。

今岡委員 大臣からも力強い御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 最後に問題提起だけさせていただいて、質問を終わりたいと思っております。

 地方税の偏在是正措置についてであります。

 令和八年度の税制改正大綱においても、この点について、今後議論する方向性が示されていますが、この総務委員会においても、これまで、東京対地方という対立をつくるべきではなく、国家全体として発展していくための地方税制度の構築が望ましいという議論がされてきたと理解をしております。私もそのとおりだと思います。東京の成長を妨げる対症療法ではなく、どのような制度がパイそのものを拡大できるのか、そういった視点を持って今後も議論させていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。本日は誠にありがとうございました。

古川委員長 次に、田嶋要君。

田嶋委員 おはようございます。中道改革連合・無所属の田嶋要でございます。

 今日は私からもふるさと納税についてお尋ねしたいと思っております。今、今岡委員からもございました。

 まずお尋ねしたいんですけれども、林大臣はふるさと納税を御自身でやられたことがございますでしょうか、御家族も含めて。差し支えなければ、御答弁いただきたいと思います。

林国務大臣 ふるさと納税については、個人としての行為でございますので、過去に行ったかどうかも含めて、答弁は差し控えさせていただきます。

田嶋委員 そう来るかという感じでございますが。イエスだったら次の質問を考えて、ノーだったら次の質問を考えておったわけでございますけれども、そうですかね。これは控える必要もないような気がするんですけれども、何か、公にしない方がいいんですか。これは総務省が旗を振っている政策ですよね。どうなんですか。

林国務大臣 また個人的にゆっくりお話がしたいかもしれませんが、大臣として個人のことを申し上げると、じゃ、これはどうか、こういうふうになるというようなことではないかというふうに考えております。

田嶋委員 そう思って、質問通告に包み隠さず、その質問を一番にするよということを伝えておったんですね、不意打ちするのはあれだからね。しかし、そういうところにも、このふるさと納税というのはちょっと悩ましいなという感じを、私は思うんですね。

 今日、是非、いろいろな会派の皆さんも改めて、どうですかね、私も勉強しましたけれども、限界がありますので、どのぐらい皆さんはふるさと納税にお詳しいんですかね。どうですか、皆さん、勉強しましたか。これはなかなか複雑で、今の、首長経験者の方なんかはお詳しいかもしれないけれども。

 この間、法改正しましたよね、大臣。今日はなるべく一対一で、政治家として意見をやり取りしたいので、通告は通告として、役所に答えてもらってもいいですが、これはこの間の法改正で、どういうふうに大臣は感じているんですか。あれで欠点は大体なくして、功罪相半ばと思っていらっしゃるのか。

 というのは、私のお部屋に来られた役所の方も、大体国会議員の部屋に行くと、問題が多くて駄目だ、いろいろなことを言われるということで、否定的な意見ばかりですと言われたんですよ、レクに呼ばれた総務省の役人が。否定的な意見ばかりです、だから、何でこんなふうにしているんだといって怒られるみたいなことを言われたんですね。僕は正直だと思ったんですね。

 私は、いろいろな方が部分最適で、ここがいいんだ、地場産業の応援だとかという話もあるんですけれども、かなりまずいんじゃないかなというのが私の認識で、過去十数年、まあ二十年弱ですか、制度導入二〇〇八年ですから、やられてきたのを、一応国会図書館で全部資料を見てみたんですね。まあ、ほとんどが否定的です。

 そして、お配りしている資料の一を御覧ください。

 最初はちっちゃかったんですよ、一四年ぐらいまで。そうですよね、一四年ぐらいまで三百八十八億円。それががあっと上がってきたんです。

 例えば、そのがあっと上がるスタートぐらいの二〇一四年に、ある大学の先生、何とおっしゃっているか。この方は平成十九年の総務省ふるさと納税研究会の委員でもあられるんですが、制度創設時に描いた最悪のシナリオをたどっている、こう言っているんですよ。二〇一四年ですね。

 それから、二〇一八年にがあんと増えましたが、その年の総務大臣、林大臣、誰か分かりますか、このときの総務大臣。お分かりですか。

林国務大臣 今ちょっと記憶をたどっておりましたが、すぐに思い出せません。

田嶋委員 村上先生もいらっしゃいますけれども、当時、二〇一八年は野田聖子さんです。野田聖子さんがかなり危機感を強めた発言をなさっておるんですね。それで、相当地域からも怨嗟の声というか、それに対する批判の声も上がっている、そんなような状況なんですが、その野田さんの発言の翌年、大きな法改正がありました。そして、伸び率が落ちているんですね、その年だけすとんと。

 それが、今や一兆二千億円を超えてきている、そんな状況の中でせんだって法改正なさったわけですが、僕らも賛成しました。賛成しましたが、今、大臣の受け止めとしては、まあ、これで功罪の功の方が十分上回って、かつて、松本大臣ですかね、一兆円の大台に乗りましたと言ったんですよ。ということは、大きくなればなるほどよくて、今、一兆二千七百か何かですけれども、更にそれが大きくなっていっていい、つまり、欠点と言われた部分は今回の法改正で手当てがされた、そういう御認識で大臣はいらっしゃるのかどうか、お答えください。

林国務大臣 ふるさと納税、これは、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝え、税の使い道を自分の意思で決めるということを可能とするものとして創設された制度でございます。

 今御指摘があったように、令和六年度は一兆二千七百二十八億円と、年々増加しておりまして、ふるさと納税が国民の皆様に広く活用されるということは、地域の活性化にもつながるものと考えております。

 今お示ししていただいたように、いろいろな経緯があったということでございます。今回の見直しでいろいろな、今まで指摘されたマイナスの部分に手当てができた、そういうふうに考えております。

田嶋委員 大臣、そういうことを聞いているんじゃなくて、紙に書いてないと思うんですよ、明確には。

 だから、大臣の頭で、大臣の今のこのふるさと納税に関する認識、そして、この間の法改正で今までの批判には大体応えたから、これからも、二兆、三兆、四兆、五兆とどんどん伸びていってほしいというふうに思っていらっしゃるのか、改正は一合目、二合目であって、課題がまだ山積している、このままじゃまずいぞと今思っていらっしゃるのか、どちらですかということを聞いているんです。

林国務大臣 先ほど、最後に言った部分は書いてないことを申し上げたのでございますが、いろいろな御指摘がありましたので、与党の税制調査会でも御議論いただいて、こういう形で修正をして国会で御議決いただいた、こういうことでございます。

田嶋委員 それはいいんです。だから、この間の法改正は僕らも賛成して、悪い改正だとは思っていないんですね。上限にキャップを設けるとか、それはいいんですけれども、あれで終わりなのか。

 つまり、大体欠点に対する対策は打たれて、これから、松本さんが、一兆の大台に乗りました、やがて二兆の大台に乗ります、三兆の大台に乗ります、それでいいんですかということを問うているんです。

林国務大臣 先ほど申し上げた趣旨に沿って地域の活性化につながっていくということが大事でございまして、必ずしも数字が上がりさえすればいいというふうには考えておりません。

田嶋委員 数字はともかく、趣旨に沿った発展がこれでちゃんとできると。今までいろいろ批判が、私の受け止めは、九割以上の方が今でも批判的ですよ。だけれども、このまま順調にいってくれればいい、法改正の必要性も、もうあれで全てだというふうにお感じなんですか。どうなんですか。

林国務大臣 いろいろな御指摘がある中で、与党税制調査会、政府とともに今回は改正をして、国会で御議決いただいたということです。

 それで、今後、未来永劫これで大丈夫だということではなくて、あらゆる制度はそうですが、やはり不断の見直しというのは必要になるということではないかというふうに思っておりますが、今まさに政府・与党で御議論したものを国会でも御議決いただいているということですから、しっかりとこれに沿って執行してまいりたいと考えております。

田嶋委員 ちなみに、これは役所の方からでも結構ですけれども、国会議員が仮に最大限のふるさと納税をするとすると、一年にどれだけの返礼品がもらい得るんでしょうか。

寺崎政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、法律、せんだって成立したものがございますけれども、特例控除の割合については上限がございますが、寄附についての上限があるわけではございませんので、その意味におきまして、高く寄附金をいたしますと、その三割までの上限として返礼品の受取が可能であるということが一般的に申し上げることができるかと思っております。

 ただ、国会議員云々の話につきましては、寄附禁止等の規定もありますので、それは別途検証されるべき問題があろうかと思っております。

田嶋委員 だから、特例を利用して、返礼品を目当てに、だって、我々の歳費は公表されていますから分かりますよね、仮にそれを最大限寄附していい返礼品を手に入れたいということになったら、どのぐらいの価値のものを手に入れることができるのかという質問なんです。

寺崎政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申しましたように、特例控除額には上限がございますが、その他の所得控除について上限はございませんので、寄附金は幾らでも可能でございます。

 その前提で申しますと、仮に給与収入が二千万円程度の方でありますと、特例控除額が今三十二万円、所得税を含めた額が五十七万円になりますので、仮にその三割といたしますと、大体十五万円程度のものがもらえる。これはもちろん、給与収入が上がっていきますと特例控除額が増えますので、それによって変わってくるものでございます。仮に二千万円のケースで申し上げた次第でございます。

田嶋委員 家族構成によっても若干違うような認識でございますが、十五万円ぐらい。一年間で十五万円の金銭価値のあるものがもらえるわけですから、林大臣、それだけ聞くと、普通の合理的行動は、ふるさと納税をやるべきということですよね、十五万円お金が戻ってくるんですから。

 だから、ポイントは駄目だとか現金は駄目だとかといったって、やはり戻ってくるものは、寄附する額に連動して大変高価なものが返ってくるという仕組みになっているわけですね。私は、それはおかしなことだと思いますけれども、制度をつくっているのは総務省ですから、堂々と総務大臣にも、ふるさと納税をやっていますと答弁していただきたかったんですけれども。

 こういう今仕組みになっていて、私がやはり一番おかしいなと思うのは、同じ寄附でありながら、寄附というのは、それぞれの人の資力に応じて、やはり本人の気持ちとして出すわけで。例えば、私が駅で募金活動をよくしますけれども、学生さんからは五百円玉を入れてもらう。一万円札を入れてくれる人もいますよ。だけれども、どちらだって、対価性を前提にしていないですよね。本人の思いですよ。それを自己犠牲と言っていいのかは分かりませんけれども、本人の思いですよ。だから、五百円玉を入れてくれた大学生の気持ちも、一万円札を入れてくれた会社の経営者の気持ちも、私はどちらも重いと思っているんですね。

 だけれども、このふるさと納税は、とんでもないことになってしまっていると私は思いますけれども、大臣、その辺に関する問題意識はどうなんですか。

 寄附じゃないですよ、これ。私は、勉強して、いろいろ学んで不思議なのは、これは税なのか寄附なのかもよく分からない。ふるさと納税と言っているから納税のような感じもするけれども、場所によっては、いや、これは寄附なんですと。でも、寄附かなと思うと、対価性ですよ。電子レンジもらった、自転車もらった、バイクもらった、こういう時代もあったわけですよね。この十五年間、金持ちを喜ばせる政策を総務省は一生懸命推進してきた、私にはそういう印象なんですね。そういうことを言っている有識者はたくさんいますよ。

 大臣、今、どう思っていらっしゃいますか。今回、キャップをしました、少しは対策を取られたようですけれども、私は焼け石に水だと思っているんです。

 先週、確定申告の関係で税理士さんと地元で話したら、一番ふるさと納税をやっている職業は医者と弁護士だと言うんですよ。悪いと言っているんじゃないですよ。だけれども、やらないと損するんですよ。二千万の方で十五万だから。田嶋要は三百万ぐらい損したんですよ、この二十年間で、やらなかったから。だから、こんな制度を提供してくれたから、利用しないと損するんですよ。

 これは、前に総務大臣をされた先生の方も、合成の誤謬という言い方をしているんですけれども、一人一人は合理的な行動をしているんです。納税者、我々は、合理的な行動をすると、返礼品をもらった方がいいんですよ。二千万だったら年間で十五万円もらえるんだから。

 自治体も追い込まれるんですね。これもいろいろな方が言っています。自治体も、やらないとやられるんです、競争、奪い合いだから。この返礼品合戦に参加しないと損するんですよ、先ほどの御指摘も同じで。

 象徴的だなと思ったのは、福井県ですよね。福井県知事は、以前、西川さんでしたけれども、制度の創設に関わったんですね。特典を設けていない、返礼品を。ふるさとへの思いを形にする制度の趣旨にそぐわない、特典制度には慎重姿勢だと。これが二〇一三年の新聞記事なんですが、その数年後に参入しているんですよ。福井県は、今返礼品をやっていない全国僅か十数の自治体の一つに入っていないんですね。やらざるを得ないんです、そういう状況に追い込まれている。

 そういう中で、損を覚悟で、志高く、十幾つの団体だけは返礼品をやっていないんだけれども、ほとんど全ての全国の自治体が追い込まれて、自分の自治体を守るために、自分のところの税収を守るために、返礼品合戦に嫌々でも参入せざるを得ない、こういう状況になっているんですね。

 私は、一番問題だと思っているのは、所得の高い人ほど得をする、寄附とはとても言えない今の仕組み、おかしいと、大臣はどのぐらい危機感をお持ちなのかということを教えていただきたいと思います。

林国務大臣 ふるさと納税、これは公金を使用した公的な税制上の仕組みでございまして、今委員からるる御指摘がありましたが、インターネット通販であってはならない、そういうふうに考えております。昨年十月から、ポイントを付与するポータルサイトなどを通じて寄附を募集することを禁止する制度見直しを行ったところでございます。

 この見直しは、ポイント付与で寄附者を誘引するポータルサイト等が利用されまして、その付与率に係る競争が過熱化するということは適正なものとは言えないということで、関係者の御意見も聞いた上で実施したものでございます。

 もちろん、ポイントが付与されなければいいのかといえば、そうではないわけでありまして、ふるさと納税の対象となる団体の指定に当たっての基準ということで、各自治体が提供する返礼品については、返礼割合を三割以下、かつ地場産品に限る、こういう基準を設けております。各自治体においては、こうした基準を遵守して取組が行われている、こういうふうに承知しております。

 この返礼品の提供ですが、やはり、新たな地域資源の発掘を促して、雇用の創出ですとか地域経済の活性化にもつながっているというふうに考えております。

田嶋委員 返礼品の割合を三割にしたというのは、ないよりはいいですよ。ないよりはいいけれども、私は、ちょっと思うのは、なぜ、いっぱい払った人はいっぱいもらえるのかというところですね。対価性です。

 先ほど私は例を挙げました。募金箱に五百円玉を入れてくれる大学生も、募金箱に一万円入れるゆとりのある会社の経営者も、思いは一緒ですよ。一万円入れたからより丁重に扱うとか、どっちもやはりピュアな、そういう利他の気持ちでやっていただいている。これはそうじゃないでしょう、この仕組み。

 私は、こういうことを、まさに官製通販になっていますよね。ポイントを廃止した、ポイントだけはけしからぬといって、そういう細かい法改正の話をしているんじゃなくて、まさにやっていること全体が、十五年間、総務省は官製通販の仕切り役をやってきた。

 それで、私はこれを巨大モンスターというふうに言っているんですけれども、もはや手がつけられないモンスターになってしまって、やめるにやめられない。合成の誤謬。自治体も合理的な行動をしている、納税者も合理的な行動をしている。結果として一兆二千億を超えてきて、全国でいえば数千億単位で税収が目減りしているわけですよ。それがどこへ消えていっているか。

 地場産業を応援、それはそのとおりでしょう。だけれども、そういう応援の仕方はほかにもいっぱいあって、こんな形で寄附をゆがめて、多くの国民が、所得の高い人たちが、対価がもらえるから寄附をする。こんなのは全然寄附じゃないですよね。

 前の新潟県知事、今、自民党の先生で、泉田先生がこういうことをおっしゃっていました。自分の新潟県の場合は商品も二千円以内に収まるように選んでいると。二千円以内、つまり、幾らの寄附、関係ないんですよ。二千円だけは自己負担なんだから、お礼、お手紙、何かシンボル的なもの、二千円以内のコストで返礼する、気持ちを表す、受け取った自治体としての感謝の気持ちを表す、私はこれは真っ当だと思っていますね。今、新潟はこうしているかどうか知りませんけれどもね。さっきの福井と同じように、心変わりされたかもしれませんが。

 林大臣、どこにも書いていませんから。私は、お願いしたいのは、大臣、ちょっと僕らは一回立ち止まって考えないと本当にいけないんじゃないかなというふうに思うんです。

 配付資料の二を御覧いただきたいんですが、片山元大臣、二年前ですか、こういう寄稿をされていますが、間もなく次の寄稿が出ます。昨日お話もしました。本当に強い危機感をお持ちです。片山先生は、ふるさと納税そのものを廃止すべきだと言っています。それだけが道ではないかもしれません、もちろん。

 ただ、もう一度申し上げますが、過去十五年、二十年の資料を全部見てみますと、ほぼ否定的な意見が、特に後半の十年、広がっていますよ。今回の法改正なんというのは序の口、最初の一歩の更にその一歩ぐらいですよ。本当に深刻だと私は思います。何でこんなことをしゃかりきになって総務省がやってきたのか、負の側面が多過ぎると私は思っております。

 もう一つ申し上げたいんですが、子供の貧困を支えるようなNPOとか、そういうところへのお金が枯れ果てちゃうんじゃないですか、余裕のある人がみんなふるさと納税にラッシュして。ふるさと納税だったら電子レンジがもらえるといってやっていたわけですから。それによって、いろいろなNPO団体の寄附、条件だって全然悪い、クラウドアウトしている、そういう批判もあると思うんですが、大臣、そういう問題意識はお持ちですか。

林国務大臣 まず、その今の御質問の前に、今回は、特例控除額の定額の上限というのも定めました。どんどんどんどん定率で上がっていくということではなくて、定額上限百九十三万円ということにいたしましたので、そういうことも意識を持って取り組んでいるということでございます。

 それから、ほかの寄附金との違いということでございますが、NPOについては、平成二十三年度の税制改正によりまして、条例で指定された場合に限りまして寄附金控除の対象としたところでございますが、従来から、地域社会の会費である個人住民税については、国に対する寄附も対象外としているなど、寄附金控除の対象は限定的に認められていたという経緯がございます。

 ふるさと納税は、先ほど申し上げたとおりでございますが、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝えて、税の使い道を自分の意思で決めることを可能とするため、個人住民税の一部を実質的に自治体間で移転させる制度ということで創設されまして、NPOにも適用されている一般的な寄附金税額控除に加えて、特例控除額を加算をしているところでございます。

 ふるさと納税を含めまして、個人住民税における寄附金控除の在り方については、その適正な運用が図られるように取り組んでいく、当然のことだと思います。

田嶋委員 林大臣、お詳しいと思いますので、役所のペーパーじゃなくて、私と話をしてほしいな。私は全部知っているわけじゃないですよ、そんなに詳しく、まだ理解していない部分もたくさんあるんですが、本当に何か嫌だなという感じを持ちます、この制度を理解すれば理解するほど。それで、世の中の過去十五年、二十年のいろいろなものを読むと、そういう論調が非常に多いということ、そして、私の部屋に来られた役人が、国会議員の部屋に行くと大体怒られる、大体この制度に否定的だということを聞いて、それはまあそうだろうなと感じるわけであります。

 地場産業が栄えてよかった、そういう面は否定はしませんけれども、ちょっと今のような状況は、東京一極集中の問題と双璧だと私は思っているんですけれども、頭の痛い問題ですよ。これは本当に真剣にやらないと、いろいろな意味で、自治のこと、それから税収のこと、いろいろなことを内側から破壊していく、そんなような感じがするんですね。

 先ほど言った、返礼品を、どんなに寄附が多くても一律というのは駄目なんですか。五百円玉を入れてくれた人と一万円くれた人というのは、同じですよ、価値は。その利他的な思いは同じですよ。自己犠牲の気持ちは同じですよ。食べるのにも大変な学生さんが五百円玉を入れてくれる、僕は、ひょっとしたらその方が尊いと思っているんですよ、そういうことをやってくれた学生さんの気持ちの方が。十代の方もたくさん寄附を入れてくれる。大体小銭を入れてくれます、寄附は。だけれども、立派な格好をして、一万円入れてくれる人もいますよ。何で返礼品に差が出なきゃいけないんですか。返礼品一律じゃ駄目なんですか。どうですか。

林国務大臣 先ほど、最後につけ加えるのを忘れておりまして、NPO等の寄附ですが、ふるさと納税の影響によって減少しているのではないかという御指摘がありましたが、総務省としては、そうした事実関係については把握をしておらないところでございます。

 それから、一律でなくてはならないのかということでございますが……(田嶋委員「一律では駄目なのかです」と呼ぶ)一律の金額ということですが、必ずしも金額が増えて、比率的に上げていくということが逆に義務づけられているわけでもないというふうに理解をしております。

田嶋委員 だから、対価性ですよ。いっぱい納税している人が納税先を変えて、そこからおいしい牛肉を手にする、お米を手にするということは、本来の寄附文化とは全く関係ないですよ。人間の欲望をくすぐっているだけですよ。人間だから、自分たちだって食べていかなきゃいけないのは当たり前ですよ。だけれども、それが本当に総務省が旗を振ってやることかいということをずっと言われているんじゃないんですか、いろいろな方から。

 それで、いい例が一個見つかったんですけれども、昨日。つくばみらい市というところなんですけれども、まあ、いい例と言っていいのか分からない、人口五万人ちょっとなんですけれども、何をやっているかといったら、彼らが受け取ったふるさと納税の返礼品を、しんぐるまざあず・ふぉーらむという、母子家庭、特に、夏休みが近づいてきますけれども、御飯を抜いている家庭が全国にたくさんあるんですね、そういう家庭へ振り向ける。つまり、返礼品は要らないよ、だからお願いしますという、それをクラウドファンディング型というそうなんですが、幾らの目標といって、それをやっている例が、つくばみらい市。

 これは、昨日、大臣申入れをさせていただいたので、子供の貧困の関係で。そのときに当事者がいらっしゃったので、その方から教えていただいた、つくばみらい市から。そのきっかけは、返礼品の通販サイトをやっているところの社長さんから提案があったというんですよ、つくばみらい市に。彼らも必死だよね、潰されちゃ困るからということなんでしょう。だから、これは本当に世のため人のためのチャネルが開かれていると思うんですね。

 ただ、残念ながら、どのぐらい違うかというと、つくばみらい市が受け取っているふるさと納税の寄附は、直近で四十億円なんですって、四十億円。それに対して、そういう道を選ぶ人、そういうふうにホームページで選べるんですよ、自分は返礼品は要らない、四十億円に対して百四十七万円ですよ。百四十七万円だけが私の言うところの本当の寄附ですよ。

 生活に何にも苦労していない、普通に生活できている幸せな方々が、更に欲望、あっ、牛肉がもらえる、お米がもらえる、俺のところによこせ。何でも何でも自分のところでやるというのは本当にいいのかということを、政治のやる仕事じゃないでしょう、こんなのは。

 だから、私は、ささやかな一歩だけれども、つくばみらい市、今度聞きに行きたいと思いますが、百四十七万円は、しんぐるまざあず・ふぉーらむに行くんですよ。同じようなことを大阪の阪南市という、クリスマスケーキを届けるような仕組みという話を検討しているというか、始めるらしいですけれども。

 こういうことで、私は、返礼品、それから高額所得者が得をする仕組み、このどちらもなくしていかなきゃいけないと思います。返礼品は、なくすのがいいのか、今申し上げたようなこういう例、本当に困っている人に利他的に応援する仕組み、私も今地元で、母子家庭にお米を届けるプロジェクトを自分でやっているんですけれども、同じようなことをやってくれているんですよ、こういう自治体が。これだったらまだ許されるかなという気持ちが私はあります。ただ、残念ながら、それを人の選択に任せると、四十億円に対して百四十七万円ですよ、このぐらいしか本当の寄附にはなっていないんですね。

 どうですか、大臣。まだ全然この制度は欠陥だらけだと思いませんか。私の最後の質問は、ちょっとプロジェクトチームというか、何か立ち上げていただいて、総務省、是非研究していただいて、先ほど名前を挙げました片山前大臣ももちろんでございますが、九州大学の嶋田先生という方も、非常に詳しく、分かりやすく問題をいっぱい書いていらっしゃいますけれども、研究をもう一度、ゼロベースで、そもそも菅元総理がおっしゃっていたこと、あるいは総務大臣時代におっしゃっていたこと、福井の知事が始めたときにおっしゃっていたこと、どれだけ、全く異質なものになってしまったか。

 そして、西川当時の知事はこう言っているんです。これはいつのことかというと、二〇〇八年、制度をつくったときに、ふるさと納税は日本全体で一千億円オーダーの潜在的な可能性があるのだから、年を追うごとに納税者に信頼されるシステムとなるよう、皆さんとともに工夫し、力を合わせてくださいと。

 いいですか、一千億になる潜在力があると設計者が言っているんです。今幾らですか、一兆二千億を超えているんです。つまり、化け物なんですよ、これは。今、設計者が考えていたイメージの十倍を超えた制度になっているんです。誰が得しているんですか、一部の自治体、そして富裕者、高額納税者。そして、全体で割を食っているのは、税収が激減、東京の方々は、皆さん、自治体は怒っていますよね。本当に罪つくりなものだと思いますよ、これは。

 私は、全部やめろともここでは申し上げません。ひょっとしたら、返礼品の部分と高額所得者の部分をやってくれれば変わるのかもしれないけれども、あの法改正で、やれやれこれでという話では全くないと私は思いますよ。

 大臣、是非、それと委員長にもお尋ねしたいんですが、立法府でも研究をしなきゃいけないんじゃないかなと私は思っているんですね。ほっておけないですよ、この問題は。

 だから、大臣、総務省として、この問題の研究会、もう一度この制度設計の議論をしたときに立ち返って、本来の寄附文化を醸成し、苦しんでいる人、困っている人、被災地、貧困、そういう問題に真正面から向き合う制度に大きくかじを切る。

 野田聖子さんが、かつて大変な批判の中でああいうことを、法改正につなげてくれた。今回の法改正は焼け石に水ですよ。全然足りない。

 大臣、そういう会を検討していただくということで、お願いできませんか。

林国務大臣 ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝えて、税の使い道を自分の意思で決めるということを可能とするものということで創設をされました。その趣旨は現在においても変わっていないものと考えております。

 さきの地方税法の改正法案の審議、この国会の前半で、国会においても多くの御議論をいただきました。そうした上で制度の見直しが行われたところと承知をしておりますので、今般の見直しも踏まえて、ふるさと納税が制度の趣旨に沿って適正に運用されるように取り組んでまいります。

田嶋委員 大臣、林さん、答弁していないじゃないですか。別にいいんですよ、法改正して、趣旨にのっとってやるのは結構なんですけれども、私が申し上げているのは、もう一度、この制度を立ち上げたときの制度設計に、かんかんがくがくいろいろな議論があって、当時から心配する声もあった、そして、最悪のシナリオをたどっていると今評価している人もいる。西川さんのように、最初は返礼品競争に加わらないと言ったけれども、加わることに追い込まれるようなケースもたくさんある。奪い合いだから、これは。

 だから、もうちょっと、役所の、制度の細かいことに詳しい人じゃなくて、政治家がもう一度勉強して、本当にこんなことを続けていていいのか考え直さなきゃいけないということを言っているんですよ、大臣。何か言えませんか。

林国務大臣 先ほど申し上げましたが、地方税法の改正法案の審議、この国会で行われまして、そのときも多くの議論をいただいて、制度の見直しが行われたところでございますので、総務省といたしましては、今般の見直しも踏まえて、制度の趣旨に沿って適正に運用されるように取り組んでまいります。

田嶋委員 だから、先ほど言ったように、制度の趣旨に沿って全然適切に運用されていないんだって、まだ。ほとんどの人は返礼品が自分のところに来る仕組みを選んでいるんです。当たり前です、人間だから。だけれども、利他の気持ちで、自己犠牲で、困っている人のために、それが寄附でしょう。一%もいかないんだから、一つの自治体がそういう選択肢を作っても。

 だから、人間の欲望をくすぐるような仕組みになっているということが間違っているんですよ、この制度は。多くの人がそれを言っているんです。最初から間違っているんです、それを是非考えていただきたいと思うんです。

 最後に、委員長。立法府でも、私も勉強不足ですから、もっと勉強しなきゃいけない。この問題は深刻だと思います。理事会で検討していただくことをお願いできませんか。

古川委員長 ただいまの件については、理事会で協議いたします。

田嶋委員 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

古川委員長 次に、うるま譲司君。

うるま委員 日本維新の会のうるま譲司です。

 私の地元は、大阪府の池田市と豊中市でありまして、大阪大学があります。大阪大学の学生が、下宿している人が多くて、不在者投票もする人が多いと聞いております。

 先日の衆議院選挙で、地元の方から、不在者投票で、投票日前日のぎりぎりに滞在先の投票場所にやってきて投票する人がいるということをお聞きしました。選挙人名簿登録地への配送にかかる日数によっては、投票日の夜八時より遅れて到着した際は、その票は無効票になってしまいますが、全国でこのような無効票がどのくらいあるのかということをお聞きしたいと思います。

 あわせて、とある自治体の不在者投票の案内事例というものを見せていただいたんですけれども、投票期間についてははっきり書かれてあるものの、併せて重要な、配送される日数も十分に考慮して早めに投票してくださいという、この案内の文字は比較的小さく、分かりにくく感じました。

 選挙人名簿登録地への配送の期間をしっかりと考慮せよという十分な周知が必要かと思いますが、総務省として、各自治体や国民にどのように周知しているのか、お伺いいたします。

長谷川政府参考人 御答弁申し上げます。

 滞在地での不在者投票についてのお尋ねでございますが、滞在地の選挙管理委員会から名簿登録地の選挙管理委員会に郵便等で送付することになることから、遠隔地で投票日の前日に不在者投票を行ったような場合につきましては、投票所閉鎖時刻までに不在者投票が届かない場合も生じているところでございます。

 お尋ねの滞在地での不在者投票につきまして、投票所閉鎖時刻後に不在者投票が送致された件数でございますが、令和六年の衆議院議員総選挙におきましては千四百十七件でございます。

 また、御指摘の選挙人などへの周知につきましては、総務省といたしましては、ホームページにおいて投票に関する手続を早めに行っていただくよう周知するとともに、各選挙管理委員会に対しまして、不在者投票事由に該当すると見込まれる選挙人に早めの投票を促すことを要請するなどの対応を行っているところでございます。

 各選挙管理委員会におきましても、総務省からの要請を踏まえまして、選挙人への周知に取り組んでいただいていると承知いたしておりますが、御指摘の点も踏まえまして、早めに不在者投票を行っていただけますよう、より分かりやすく効果的な周知に引き続き努めてまいりたいと考えております。

うるま委員 御答弁のとおり、令和六年の総選挙では日本全国で千四百十七件ということで、意外と少なく感じましたが、実際、千四百十七件あることは事実であり、また、本人は無効票になったことは多分分からないと思いますので、これはできるだけゼロに近づくように努めていただくようお願い申し上げます。

 続きまして、東京都構想についてお伺いしたいと思います。

 副首都にふさわしい地方行政体制であったり大都市制度を考える上で、改めて、首都である東京都が現在の東京都制に至る変遷、いわゆる東京都構想について確認したいと思います。

 江戸幕府が崩壊後、明治時代に東京府と東京市が誕生し、昭和十八年、戦時下の防空体制確立という至上命令の中、東京府と東京市の併存、いわゆる二重行政を解消するために東京都が誕生したと認識しておりますが、東京都制、制度制定の具体的な経緯と理由をお伺いいたします。

小川政府参考人 お答えいたします。

 御質問いただきました過去の経過をひもといてまいりました。そうしましたところ、東京では、二十世紀前後から都市部が急速に拡大したため、昭和七年に、東京市域を周辺郡部まで大きく拡張するなど、東京市の拡大によってこれに対処しようといたしました。ただ、その結果、規模能力において巨大化した東京市と東京府との間の事務の重複、あるいは調整の困難さなどを指摘する意見も見られるようになった、このように経過があったと承知をしてございます。

 委員から御指摘、御紹介いただきましたとおり、昭和十八年になりますと、東京府と東京市は廃止をされまして、東京都制という法律が制定され、これに基づきまして東京都が設置されました。

 このときの東京都制の提案趣旨説明におきましては、一つに、帝都たる東京に真にその国家的性格に適応した確固たる体制を確立すること、二つに、帝都における従来の府市併存の弊を是正解消し、帝都一般行政の一元的にして強力なる遂行を期すること、三つに、帝都行政の運営につき、根本的刷新と高度の能率化を図ること、このようなことが趣旨として説明されておるところでございます。

 その背景に関しましては、当時の議事録などを見てみますと、戦時下における防空あるいは物資配給等について、府市が同じ業務に関与しているといった実態があったため、能率や実績が上がっておらず、二重行政の機構を廃止しなければならないというようなことが都制制定の大きな眼目の一つである、このような説明、質問がなされていたと承知をしておるところでございます。

うるま委員 防空体制だけかと思っておりましたが、物資配給についても二重行政を廃止するということでありました。戦時下という命を守る有事において、二重行政をなくす、つまり、同一地域に二つの広域自治体が存在する不合理を排した歴史を確認できたと思います。

 続いて、区長公選制の変遷についてお伺いしたいと思います。

 戦時下の都制移行後、区長公選制が一旦なされたものの、戦後すぐの昭和二十七年に廃止され、また再び昭和四十九年に区長公選制になったとのことです。様々な紆余曲折があったようでありますが、その経緯についてお伺いしたいと思います。

 特に、昭和三十七年や昭和四十七年の地方制度調査会答申において、当時の区長公選制廃止後の都の広域行政と基礎自治業務両方の抱え込みによる一括管理体制について詳細な評価があったと思いますが、これらも踏まえて、なぜ公選制が必要とされたのか、説明いただきたいと思います。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 御質問の順序とは逆になりますが、まず、都と特別区の事務分担につきまして御説明を差し上げます。

 事務分担に関しましては、都区制度発足以降、都は、特別区の存する区域においては、原則として、市の事務、従来であれば市が行っていた事務も都が併せ行うもの、このようなことで設計されてきたところでございます。

 その後、先ほど御紹介いただきました昭和三十七年、第八次の地方制度調査会答申におきまして、「都行政は、質量ともに複雑ぼう大となり、一つの経営体としての円滑かつ能率的な運営が期せられなくなっている」として、昭和十八年に都ができたとき、このときには従来の東京市の事務を東京都に吸い上げた、引き上げたわけでございますけれども、その方向とは逆に、都の事務の一部を特別区に移譲するということが提言されました。

 これが、昭和三十九年の地方自治法改正におきまして実際のものとされ、例えば福祉事務所の事務等が特別区に移管されるなどされたところでございます。

 これ以降、随時の制度改正を行っておりますけれども、基本的に都から特別区への事務権限の移譲を進めてきた、このような経過にあるものと承知をしてございます。

 その上で、区長の選出方法についてでございますが、これも御紹介いただきましたとおり、昭和二十七年に、当初設けられました公選制から、区議会が都知事の同意を得て区長を選任するという仕組みにされました。

 しかしながら、一部の区議会で区長が長期間選任されない事態が生じたということ、それから、先ほど述べました特別区への権限移譲、特別区の権限強化を図る流れの中で、住民の特別区行政への関心を高める必要もある、こうした観点を踏まえまして、昭和四十七年、地方制度調査会におきまして区長公選制の採用が提言され、昭和四十九年の地方自治法改正でこれが実現した、このような経過にあるものと承知をしてございます。

うるま委員 地方制度調査会の答申でありますが、これは資料としても配付させていただいており、重要な点が幾つもございます。

 当時の東京は、人口が戦後の七百万人から一千百万人、GDPは三兆円から二十七兆円へと爆増し、さらには、教育、医療、福祉業務の拡大に伴い、行政需要が質、量共に膨張していたことが考えられます。

 にもかかわらず、都が広域と基礎を一括管理したことで、巨大過ぎる組織は住民から遠くなり、きめ細やかな対応ができないばかりか、昭和三十七年の答申の、住民の批判と監視という文言からも明らかなように、住民の監視すら機能しなくなり、組織のブラックボックス化を招き、官僚機構の腐敗が蔓延したということが見て取れます。

 これらの答申及び区長公選制の変遷の歴史から、大都市制度における重要な点、二点確認できたと思います。

 一点目、大都市では広域行政と基礎自治行政を別々に切り分けて行うべきということ、二点目、基礎自治は、住民が監視できる当時の特別区という適切なサイズで、公選の区長が担うべきということであると思います。以上は今後の大都市制度の議論にも生かせる重要な教訓だと思います。

 続いて、現在の東京都について議論されている、いわゆるグレーター東京構想については、日本維新の会のマニフェストでも掲げられており、

 道州制の先駆けとして、「東京圏」と呼ばれる一都三県五政令市にまたがる通勤・通学圏を一体運営する組織体を形成します。広域自治体は経済圏に合わせた広域行政や都市戦略などに役割を特化してスリム化し、基礎自治体に徹底的に権限を移譲する、ロンドンをモデルとした「グレーター東京構想」の実現を目指します。

とあります。

 これは、都市の連続性がある地域において広域行政を一体化すべきという考え方だと思いますが、この考え方について政府の認識をお伺いいたします。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 ただいま御紹介いただきましたとおり、御党において、グレーター東京構想として、一都三県にまたがる通勤通学圏を一体運営する組織体を形成する、こうしたことを提唱されているということを承知しておるところでございます。

 こうした都道府県域を超えて一体性を有する圏域において行政施策を効率的、効果的に遂行するための体制あるいは仕組みの在り方につきましては、これまでも多くの提言がなされてきたところでございます。

 近年の地方制度調査会の答申を見ましても、例えば三十二次、三十三次の答申におきまして、人口規模が大きい東京圏において圏域全体の視点に立った戦略的な取組を進めていくための体制の必要性、これに関する提言がなされているところでございます。

 また、現下進められております取組を見ましても、大都市圏における連携といたしましては、東京圏では九都県市首脳会議の枠組みをつくり、広域的な行政課題について協議実施が行われているほか、関西圏へ参りますと、関西広域連合を設置して、広域防災等の分野で連携を進めている、こうした事例が見られるところでございます。

 委員から御紹介いただきましたグレーター東京構想につきましては、一都三県を対象として組織体を形成する、ここを明らかにして提言されている点、こういった点に特徴があるものであろう、このように受け止めておるというところでございます。

うるま委員 都市の連続性がある地域においては、行政の境界でインフラやサービスを分断させるのではなく、広域行政が一元的につなぐ方が合理的であるということが改めて確認できたのではないかと思います。

 今回質疑で得た歴史的、制度的な知見を今後の副首都法案の議論にしっかり反映させてまいりたいということを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

古川委員長 次に、許斐亮太郎君。

許斐委員 国民民主党の許斐亮太郎です。

 本日も、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 それでは、質問に移らせていただきます。

 まずは、四月二十二日に岩手県大槌町で発生いたしました大規模林野火災に関連してお伺いいたします。

 今回の火災に、総務省消防庁は、十二都道県の緊急消防援助隊を出動させて、住民の安心、安全の確保に迅速に対応していただいております。まずは、現場で今もこの瞬間も消火活動に御尽力されている皆様に敬意を表したいと思います。

 その現場で課題も浮かび上がってきましたので、林野火災への対応策について質問したいと思います。

 去年の二月に発生した大船渡市の林野火災の教訓を踏まえて、二〇二五年、去年の八月に検討会報告書や消防庁の通知で必要装備や戦術などが示されました。具体的には、大型水槽付放水車や背負い式消火水のう、簡易水槽など、林野火災に有効な車両の整備や資機材等の充実強化が必要とされています。しかし、これらの車両や資機材の整備については、今の地方財政措置だけでは調達、維持が困難な実態があると思います。

 今回の大槌町での林野火災では、消防団の皆様は、広がる火に対して、くわでたたいて消火をしている場所等もあると伺っています。消火効率や、何よりも、団員、隊員の安全に懸念があります。

 そこで質問いたします。

 林野火災対応に有効な資機材の整備への予算措置を今後どのように考えているのか。また、林野火災の激甚化、頻発化に伴って、これまでの統合機動部隊や土砂・風水害機動支援部隊、航空部隊などに加えて、新たに林野火災対応専門部隊の創設も検討すべき状況にあると思いますが、消防庁の考えをお伺いしたいと思います。

田辺政府参考人 岩手県大槌町で発生した林野火災については、現在、地元消防本部、消防団、岩手県全十二消防本部の県内応援、消防庁長官の出動指示による十二都道県の緊急消防援助隊により、陸上からの消火活動や消防防災ヘリ、自衛隊ヘリが連携した空中消火を実施しているところであり、引き続き延焼の拡大防止と早期の鎮圧、住民の安心確保に向け、全力を挙げてまいります。

 その上で、委員御指摘のとおり、消防庁としては、大規模林野火災に対応できる消防防災体制の強化は重要と考えており、令和七年度補正予算では、海や河川などの水源から遠隔地に大量送水が可能となる海水利用型消防水利システム、いわゆるスーパーポンパーや、水利の限られる山間部の火災現場において、水利確保及び効率的な放水を可能とする大型水槽付放水車、夜間監視・熱源探査ドローン等の資機材を搭載し、狭隘で傾斜のある林道にも機動的に進出可能な林野火災対策ユニット車等、緊急消防援助隊の車両資機材等を配備するために必要な予算を計上したところでございます。

 今般の林野火災においても、スーパーポンパーや大型水槽付放水車等の特殊車両を中心に編成した緊急消防援助隊の部隊を派遣しているところです。

 引き続き、林野火災等の大規模火災に効果的な車両や資機材、部隊運用等、必要に応じて見直しを図ってまいりたいと考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 ちょっと答弁にありませんでしたが、林野火災対応の専門部隊の創設というのも前向きに考えていただきたいと思います。今、大きな山火事が続いていますので、本当に前向きな検討を進めていただきたい、そのように思っております。

 続きまして、女性の活動、消防の女性活躍の推進について、様々な観点からお伺いいたします。

 二〇一五年に女性消防吏員比率五%を掲げたものの、二〇二五年度でまだ三・八%にとどまっています。国内のほか機関の、警察一一・七%、自衛官八・九%、海上保安庁九・五%と比べても、女性比率の遅れは明白だと私は思っています。

 その状況にもかかわらず、今度は、二〇二六年一月の消防庁通知では、将来的な女性消防吏員比率を一〇%程度に引き上げることを目指して、まずは採用比率を二〇三一年度までに一〇%以上とする新しい目標を掲げています。しかし、これは現状と目標の乖離が大きいと私は思っています。現状を鑑みると、抜本的施策が不可欠だと思います。

 質問です。

 二〇三一年度までの女性採用比率一〇%の目標達成に向けて、具体的に検討している施策をお示しください。よろしくお願いいたします。

田辺政府参考人 令和十三年度までに採用者に占める女性消防吏員の比率を一〇%以上とする目標の達成に向けて、まずは採用試験の応募者数を増加させていくことが必要です。

 このため、本年一月の通知において、高校生や大学生等の就職期の年齢層の女性に対する募集広報活動、小中学生やその保護者層への消防の認知度やイメージの向上のための広報、SNS等の情報発信力の高いデジタル媒体の積極的な活用、業務説明会や面談等を通じた合格者に対する丁寧なフォローなどの取組を各消防本部に通知しているほか、全国消防長会の各支部での総会等を通じて、消防庁幹部から全国の消防長に直接要請しているところでもございます。

 また、消防庁においても、ポスターの作成やウェブ説明会を実施するほか、女性消防吏員が活躍している動画を作成し、SNSに投稿するなど、消防の魅力を広報しています。

 消防庁では、これらの取組を通じ、目標の達成に向けて着実に取り組んでまいります。

許斐委員 ありがとうございます。

 当然、採用比率一〇%というのはマストだと思います。なぜならば、一〇%採用しても、どんどん辞めていったら比率はどんどん下がっていくので、本当は一五%ぐらいやったらいいんじゃないかとは思っています。

 その観点でまた質問を続けたいと思います。

 女性吏員の定着率向上には、その採用促進だけではなくて、長期的に働ける環境整備が不可欠です。

 消防庁の調査では、約四五%の女性が、定年まで働きたいと思わないと回答しています。要因の一つに、女性専用施設、更衣室、浴室、仮眠室の未整備の問題があります。消防署の三〇%、出張所では七五%が未整備になっているという統計もあります。そのため、異動や交代制勤務が制限されているのが現状です。いわんや緊援隊の職場環境をやというようなことです。

 そのような女性施設への配慮不足がキャリア制限を招いている。結果、現場経験が不足したままでの昇任や配属への不安から、キャリアアップを自らちゅうちょする、そういう悪循環が起こっています。

 母体保護への配慮をしつつ、男性と同じような様々な経験を着実に積むことが人材育成には必要不可欠だと思います。大規模本部では女性活躍のロールモデルがありますが、地方の現場では女性が将来を見据えることができないとの声がやはりあります。

 そこで質問です。

 地方を支える中小規模消防本部における女性消防吏員のキャリアパス構築支援についての見解と取組を大臣にお伺いしたいと思います。

林国務大臣 女性消防吏員が様々な現場や業務の経験を通じましてキャリアを築いていくということは、本人の活躍の観点のみならず、消防組織全体の力を高める上でも大変重要であると認識をしております。

 このため、総務省消防庁では、女性消防吏員が活躍しやすい環境を整備するため、施設の整備に要する経費について特別交付税などの財政措置を講じるほか、PR動画やガイドブックの作成、女性活躍推進アドバイザーの派遣、優良事例の横展開など、ハード、ソフト両面から各消防本部の取組を支援をしておるところでございます。

 また、各消防本部に対しましても、ロールモデルやキャリアパスイメージの提示、女性管理職員によるメンター制度の導入、幅広い業務への配置転換による能力開発、育児休業等からの復職サポート体制の整備、離職防止を目的とした研修などの積極的な取組を要請するとともに、単独の消防本部でこうした支援を行うことが難しい場合には、近隣の消防本部等と連携して実施する体制を構築するということも推奨しているところでございます。

 今後とも、意欲と適性のある職員が、幅広い経験を得て、その能力を十分に発揮できますように、各消防本部の取組をしっかりと後押しをしまして、女性消防吏員の着実なキャリア形成につながる環境整備を推進してまいります。

許斐委員 大臣、どうも、御丁寧な答弁、ありがとうございます。

 続きまして、女性専用施設の整備について、また重ねて質問したいと思います。

 専用施設には、トイレはもちろん、仮眠室や浴室、さらには、細かいですが、洗濯機も必要です。なかなかこの洗濯機と乾燥機の整備が進んでいません。女性専用の洗濯機がないところでは、やはりデリケートな問題ですので、洗濯をちゅうちょしている女性隊員もいます。

 女性活躍を進めるのであれば、様々な課題を洗い出す上でも、女性専用施設に関して調査を行った上で、現場の実態に応じた細やかな施設整備が必要だと思いますが、消防庁の見解をお伺いいたします。

田辺政府参考人 女性に消防を職業として選択していただくためには、消防署等において、更衣室や浴室などの女性専用の施設などを整備し、女性消防吏員の執務環境を整えていくことが必要不可欠と認識しております。

 そのため、消防署や出張所における女性専用の更衣室、トイレ、仮眠室、浴室といった施設の整備費に要する経費について特別交付税等の財政措置を講じているところであり、各消防本部に対し計画的な整備を要請しているところです。

 消防庁では、女性専用施設設備の整備状況について毎年調査を行っており、全国的に整備が進んできているところではございますが、引き続き、女性消防吏員を始めとする多様な人材がその能力を発揮できるよう、働きやすい職場の環境整備に取り組んでまいります。

許斐委員 ありがとうございます。

 続けます。育児休業についてお伺いいたします。

 消防力の整備指針では、人口の規模に応じて職員数の考え方が示されています。その考え方には、年休取得における人員減は考慮されていますが、育児休業などによる人員減については考慮されていない本部もあります。そのため、現場では、女性はもとより男性も育児休業が取得しにくい状況になっています。過去の通知では、休業等に備えた代替職員確保を促したものの、小規模本部では配置増が困難となっています。また、そのことが、いわゆる育休ハラスメント、さらには無言の圧力につながっています。

 やはり、消防力の維持、そして職場環境衛生、さらには、隊員のワーク・ライフ・バランス、キャリア形成の観点から、消防力の整備指針において育児休業取得を職員数算定に含めるべきだと思いますが、消防庁の見解をお伺いいたします。

田辺政府参考人 消防庁では、市町村の消防力の整備目標を示すため、必要な施設、人員等を示した整備指針を定めており、消防職員の総数については、消防用自動車等に搭乗する隊員の数や、予防事務を行う予防要員の数などを合算して得た数を基準として、勤務の体制、業務の執行体制、年次休暇及び教育訓練の日数等を勘案した数としているところです。

 これは、育児休業の取得についても含めることができるものであり、各消防本部において、地域の実情を踏まえ、必要な職員数を定めているものと承知しております。

 昨年度、整備指針に基づく各消防本部の人員や車両等の整備状況の実態調査を行ったところであり、今後、実態調査の結果を踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 この職員数の算定は、育休を取りやすい一つのパーツになっていますので、様々な対策があると思いますので、育休を取りやすい環境整備をお願いいたします。

 時間になってきましたので、質問を二つ飛ばしまして、続きまして、消防力の整備指針についてお伺いいたしたいと思います。

 この長きにわたって、整備指針のあらゆる目標が未達成となっています。いわゆる充足率ですとか、大規模消防本部と小規模消防本部で、結構、人員によって乖離しているとか、そのような状況が起こっています。

 その状況を踏まえれば、この指針の内容が妥当なのかというものを、そもそもの検証が必要であると私は考えています。昨今は、大規模災害が頻発する中で、隣接消防との連携も進んでいます。また、人口減少社会においても、消防力を確実に維持する必要があると思います。今後、見直しも含めた新たな消防力の整備指針の在り方についての検討が求められるのではないかと考えます。

 その点について、消防庁の見解をお願いいたします。

田辺政府参考人 ただいま答弁申し上げましたが、消防庁では、昨年度、消防本部における人員や車両等の実態調査を行ったところであり、この調査結果を踏まえ、今後必要な検討を行ってまいります。

許斐委員 どうもありがとうございます。

 申し上げましたが、災害の規模、人口動態、そして働き方も変わっていますので、時代に合った指針を目指していただきたいと申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 質問通告していましたが、次に回したいと思いますので、どうもありがとうございました。

 質問を終わります。

古川委員長 次に、高沢一基君。

高沢委員 おはようございます。国民民主党の高沢一基です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 まず初めに、消防におけるドローンの活用についてお聞きしたいというふうに思います。

 私の地元板橋区でも、特に民間の団体で、ドローンを活用したNPO法人だったりとか企業だったりとかが結構ございまして、様々な活動をしています。

 地元の地域の防災訓練などにもそういう民間団体に参加をしていただいて、防災関連のドローンを飛ばしていただいて、実際に見させていただいて、非常に音声もすごくよく聞こえる、高いところから放送してもらったりとか、あるいは物も運べるということもありますけれども、それ以外には、赤外線探知で、実際にいろいろな災害が起こったときにボランティアで派遣をされて、捜索の探知で、体温があるとそこは色がついて分かるというようなことでやっていますというお話も伺って、実際に見るとなかなかすごいなと思っているところがあります。

 消防庁さんにおかれましても様々な取組をされているというのを勉強させていただきました。もちろん、赤外線におけるそういった捜索であったりとか、今の林野火災、本日も今、大槌町、起こっていますけれども、そういったところでの活用、火種の捜索であったりとか、あるいは、伺っていてすごいなと思ったのは、土砂災害等でその地域にドローンが十分ほど飛んで、そこの地域を撮影をして、戻った後、そこを3Dの技術で立体化をしまして、そうすると後日であっても違う角度からまた見ることができて土砂災害に対応できる。十分の飛行だけでその後ずっと使えるというようなそういった事例もあると伺って、すばらしいなというふうに思っております。

 これは事前に伺いましたら、どうやら消防庁では、全国の消防本部七百二十消防本部中、五百六十四本部で今ドローンを導入されているということでありますし、ドローン技術指導アドバイザーというものを任命をして、四十六都道府県に百四十一名が配置をされて指導にも当たられているということも伺っております。

 まず初めに、自治体消防へのドローンの導入とドローン技術指導アドバイザー事業が今行われていますが、この現状と、あと、今後これが拡大していくのかどうかも含めてお聞かせください。

田辺政府参考人 ただいま委員から御紹介いただきましたが、災害発生時にドローンを活用することは、災害現場で人命救助を担う消防本部にとって、上空から速やかに被害状況の全体像を把握することにより迅速、的確に部隊を展開できることなどから、極めて有効と認識しております。令和七年四月一日時点で、全国七百二十の消防本部のうち五百六十四本部がドローンを導入しております。

 消防庁においては、ドローンの整備経費を緊急防災・減災事業債の対象とするとともに、ドローンを安全かつ効果的に運用できる消防本部の人材を育成するため、ドローン技術指導アドバイザーを消防本部等に派遣する事業を実施しております。

 ドローン技術指導アドバイザーは、令和七年四月一日時点で四十六都道府県に百四十一名が配置されており、令和六年度からは、更に高度で専門的な操縦技術や運用時の留意事項を助言できるよう、アドバイザーを対象として、目視外や夜間での飛行に必要な操縦資格の取得を支援しているところです。

 こうした取組を通じて、引き続き各消防本部におけるドローンの導入支援やアドバイザーの育成に取り組んでまいります。

高沢委員 どうもありがとうございます。

 拡充に向けて取り組まれているということで、是非期待をさせていただきたいところと、技術アドバイザーも、何で四十六都道府県で四十七じゃないのかなという気になるところもあるんですが、それぞれの地元の事情もあるのかもしれませんので、是非今後の充実に期待をさせていただきたいと思います。

 ドローンの導入に当たりまして、政府においては、各省庁の申合せで、政府機関等における無人航空機の調達に関する方針というのを令和二年九月に申合せをされているそうであります。主にセキュリティー上の課題で、情報漏えいや、あるいはドローンが乗っ取りされたりとかしないようにということで、調達する場合には、内閣官房と調達計画について事前に協議をして調達をされているというふうに伺っております。

 自衛隊とか警察であったりとか、そういった安全保障上重要なところも当然されているというふうに承知しておりますけれども、消防におきましては、消防庁本体だけではなくて自治体消防があるかと思います。この自治体消防において、今御紹介した申合せというのは適用されているのかどうか、確認をさせてください。

田辺政府参考人 お尋ねの関係省庁申合せは、無人航空機の情報通信機器としての性格を踏まえ、飛行、撮影情報の外部への漏えいや他人の機体の乗っ取りといったサイバーセキュリティー上の懸念について十分な対応を講じることが必要であることから、政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針について、令和二年に関係省庁で申合せを行ったものであり、本申合せは、市町村に設けられている消防本部等におけるドローンの調達に直接適用されるものではありません。

高沢委員 国の機関のところの申合せですから、自治体は違うと言われるとそのとおりなんですけれども、でも、消防庁としては、やはり自治体消防を管轄されているわけでありますから、なぜ自治体消防に適用していないのか、その理由についてお聞かせください。

田辺政府参考人 お尋ねの関係省庁申合せは、国の行政機関、独立行政法人、サイバーセキュリティ基本法に定める指定法人における調達の基本的な方針及び手続等について、関係省庁で申し合わせ、講ずべき必要な措置の明確化を図っているものであり、消防本部等を含む地方自治体の調達は対象とされていないところでございます。

高沢委員 対象はされていないのかなと思うんですけれども。

 警察庁さんに、同様に、ドローンのことで事前に調査をさせていただきましたら回答をいただきまして、調達について、警察庁ももちろん申合せなんですけれども、都道府県警察、消防と同じくあります、都道府県警察に対してどうなっていますかと伺いましたら、都道府県警察に対し、警察庁の調達、運用に準じて適切にドローンの調達、運用を行うよう指示しているところですという回答をいただいています。

 これは、消防においても当然、準じて、指示あるいは助言をしていく必要があると思うんですけれども、なぜしないんですか、今後はどうされるか、お聞かせください。

田辺政府参考人 消防庁としては、ドローンの調達等に当たり、サイバーセキュリティー上のリスクについて対策を講じることは重要と考えており、緊急消防援助隊車両、資機材の無償使用制度により消防庁が調達して消防本部に配備するドローンのほか、緊急防災・減災事業債や消防団設備整備費補助金を活用して地方公共団体が調達するドローンについては、政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針を踏まえ、サイバーセキュリティー上のリスクを考慮した調達を条件としているところでございます。

 地方公共団体の調達については、政府機関等における方針が直接適用されるものではありませんが、消防庁としては、消防本部等に対し、同方針の内容を情報提供するとともに、同方針に基づくドローンの調達仕様書の記載事項の例などをお示しし、これらを参考にしながら適切に対応いただくよう要請しているところでございます。

高沢委員 ありがとうございます。

 自治体を尊重していただいてありがたい感じもしなくもないんですが、そこはしっかりと、やはり国全体に関わる問題でありますので、警察等と同様に指導監督をしていただきたいなというふうに思うところがあります。

 一方、国産のドローンを導入できれば一番、こしたことはないとは思うんですが、なかなかそうもいかないということで、外国製の利用というものも出てくる。一応、警察に、中国製のドローンの利用状況はどうですかということをお聞きしましたら、御回答いただいた中で、サプライチェーンや経済安全保障上のリスクに十分留意しながら配備をしている、ただ、訓練のために、ドローン対処の訓練、研究目的として中国製のドローンも一部持っているというような回答もいただきました。

 そういった中で、消防においても、自衛隊や警察ももちろん安全保障上重要な組織でありますけれども、消防もそれに準じて重要な組織だというふうに認識をしております。消防のドローンの調達においても、セキュリティー面だけではなくて、今言った安全保障上の問題、サプライチェーンの問題も考えて、国産、あるいは、国産だけではなくて同盟国や同志国などの生産品に限定すべきだというふうに考えますけれども、総務大臣としての御見解をお聞かせください。

林国務大臣 消防本部などがドローンを活用して行う救助等の業務、これは人命に直結するものでございます。機微情報漏えいはもとより、操縦不能ですとか乗っ取りなどによって業務への支障等が生じることのないように、ドローンの調達等に当たってはサイバーセキュリティー上のリスクについて対策を講じる、これは大変重要だと考えております。

 先ほど次長からも答弁いたしましたが、消防庁として、政府機関等における方針を消防本部等にもお示しして、これらを参考に適切に対応いただくよう要請しているところでございます。

 今お話のございました特定の国への限定について申し上げますと、政府機関等における方針も、特定の国、企業の製品を排除することを目的としたものではないと承知をしておりますが、経済安全保障の観点からも適切に対応してまいりたいと考えております。

 また、令和六年改正の地方自治法におきまして、消防本部等を含めて、地方自治体におけるサイバーセキュリティー対策の実施が義務づけられたところでございますが、今年の夏頃を目途に、細目を省令等で提示することとしております。その中で、ドローンを含む情報システムの調達に係る必要なサプライチェーンリスク対策の実施についても位置づけていくということにいたしております。

 引き続き、関係省庁等と連携しながら、消防本部等においてサイバーセキュリティー上のリスクを考慮したドローンの調達が行われますように、取組を進めてまいります。

高沢委員 どうもありがとうございます。

 セキュリティー上、国土の重要な情報が流出するのはもちろん防がないといけませんが、それだけに限らず、消防においてもやはり安全保障の観点をしっかりとお持ちいただいて、政治主導でしっかりと整備をしていっていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。

 続いて、データセンターの整備について進めたいと思います。

 データセンターが非常に増えてきているということで、今後、整備が進んでいくという中で、今、総務省と経済産業省でワット・ビット連携ということで電力と通信の効果的な連携というものが進められております。東京、大阪への集中を、偏在を変えていこうということで、地方分散を目指すという形で、地方における電力系統の整備であったりとか、あるいは、海底ケーブルの整備などに補助金を出したりして進めていこうというふうにされています。

 これは地方分散と言われているんですが、今、民間ではもう既に、最近ですと石狩で、再エネデータセンター第一号というのが三月二十七日に北海道石狩市で竣工していたりとか、あるいは、千葉県の印西、白井エリアでは、自治体とも連携を結んで国内最大級のデータセンターの開発プロジェクトが動き出したというような報道がされております。

 こういった民間の動きがある中、ワット・ビット連携が行われているんですけれども、このワット・ビット連携においては、具体的に、どの地域に誘致していこうとかどういった形でやっていこうという地方分散に関する計画というのは作られる予定があるのでしょうか、お聞かせください。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 電力系統と通信基盤の一体的な整備を図っていく、いわゆるワット・ビット連携の推進に当たりましては、委員御指摘のとおり、国土強靱化やGX、さらには地域活性化の観点から、データセンターを脱炭素電源が豊富な地方へ立地を進めていくということが大変重要になります。

 総務省におきましては、経済産業省と連携し、通信、電力、データセンターに関連する企業や団体の方々と政府の関係者が一堂に会したワット・ビット連携官民懇談会を開催し、昨年の六月に取りまとめ一・〇を公表したところでございます。

 取りまとめにおきましては、データセンターに関わる官民の関係者で、二〇三〇年頃までの間、既存の電力インフラ等を前提とした足下のデータセンター需要に応えるための対応、また、二〇三〇年代に向け、必要な通信、電力インフラを整備しつつ、新たなデータセンター集積拠点の実現に向けた対応や、データセンターの地方分散や高度化の推進に向けた対応を行っていくことを共有したところでございます。

 総務省といたしましては、引き続き、ワット・ビット連携により、我が国におけるデータセンター整備をしっかりと促進してまいります。

高沢委員 ありがとうございます。

 整備していくとやはり電力を非常に使うということで、データセンター自体はサーバー等を冷やすために空調等も含めて非常に電力を使うという形で、今後の電力需要が増えていく見通しについては、電力広域的運営推進機関、OCCTOが、全国及び供給区域ごとの需要想定ということで、電力需要の想定を発表をしておりますけれども、その資料を見ますと、二〇二五年度全国で八千三十四億キロワットアワーの最大需要電力量であったものが、十年後の二〇三五年度においては八千四百六十一億キロワットアワーに増える。これは、四百二十八億キロワットアワー、約五%増加をするという見通しになっているんですが、そのうちのデータセンターの消費量というのが四百九十四億キロワットアワーということで、二〇二六年度データセンターが四十八億だったものが、十年後には四百九十四億ということで、その比率が非常に増えて需要の伸びる要因になっているかと思います。

 経産省にお聞きしたいんですが、データセンターによる電力需要の見通しについてどのような見解をお持ちか、お聞かせください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から詳細御紹介いただきましたとおり、電力広域的運営推進機関におきまして今後十年間の全国大での電力量需要見通しを公表しておりますけれども、まさに、データセンター等に関する需要は約五百六十八億キロワット増加する見通しでありまして、人口減少や省エネなどの進展によって需要減少をするわけですけれども、データセンター等の需要増加が上回るという想定になってございます。

高沢委員 ありがとうございます。

 半導体工場の整備も増えるということですけれども、データセンターの量がやはりかなり多いということなので、これはやはり注目されて、ワット・ビット連携も含めてやっているんだと思うんですが、ただ一方、ワット・ビット連携のいろいろ御説明を受けますと、地方への分散であるとか電力系統の整備であるとか海底ケーブルのことというのがいろいろ議論をされて、実際に補助金も出て、やられているわけでありますけれども、電力供給についての議論というのがワット・ビット連携の中では見えてこない、発電に関して。

 今後、供給できるように電力会社はやっていくわけでありますが、五十年以上たった古い発電所というのがどんどん今後増えていく中で、将来的に電力需要をちゃんと賄っていくために、やはり発電という視点も大事かと思います。それはエネルギー政策でもちろん議論されているんだと思いますが、ワット・ビット連携の中、データセンターの議論をする中で発電についてはどのような議論がされているのか、検討状況をお聞かせください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 データセンター需要が急速に拡大する中、そのインフラの整備を迅速に進める必要がございます。ワット・ビット連携官民懇談会におきましては、データセンター立地に当たって必要となる電力、通信インフラの活用や整備について必要な施策の検討を進めてまいりました。

 新規データセンターの立地に当たって、現在、電力インフラの関係では、特に大規模送電線の建設や変電所の新増設の工事に時間を要するという課題に直面してございます。同懇談会では、こうした課題をデータセンター事業者や通信事業者と共有するとともに、送配電網の効率、効果的な活用や整備の在り方、さらにはデータセンターの集積の進め方等を議論してまいりました。

 一方で、データセンター需要の増加などによりまして、委員から御指摘いただきましたとおり、将来的には電力需要の増大が見込まれる中、いかに安定供給を確保するかという課題がございます。これはデータセンターの立地に限らず、エネルギー政策上の重要な課題というふうに認識しております。

 このため、エネルギー政策を検討する審議会の場や関係府省庁との間において、様々な電源の活用の在り方について議論を進めているところでありまして、必要な供給力が確保されるよう議論を深め、しっかりと対策を講じてまいりたいと考えてございます。

高沢委員 ありがとうございます。

 目先のデータセンター整備をしていくためには、送電のところの配備とかを再構築をすることによってなるべく工期を短くしてという、もちろんそれは大事だと思うんですが、やはり十年後、二十年後、先を見たときの電力供給というのは、エネルギー政策として議論はされているんでしょうけれども、データセンターの視点としてもしっかり持っていただき、データセンター事業者を含め関係者で、やはり、発電に対する、供給に対する考え、視点というものも重要かと思いますので、今後も議論を深めていただければありがたいと思います。

 そういった中で、データセンターのエネルギーの省エネを進めていこうということで、経産省所管の省エネ・非化石転換法が、今年四月一日、施行されまして、データセンター業に対しても省エネの義務化がされて、罰則まで作るというような形で発表されています。

 そういった中で、データセンターの中でも、空冷で熱を冷ますのには非常に電気がかかりますから、液冷式で、液浸装置ということで、半導体自体を保冷液の中に入れてしまうというような技術を研究していたりとか、あるいは、光電融合ということで、光と、光回線みたいなものなんでしょうかね、光と電気を融合させて消費電力を少なくして、なおかつ高速化できる、そういったものも研究されているというように伺っております。

 こういったものについて、東京都においては、データセンター高効率化実装促進事業ということで、こういった好事例を紹介したりとかをする事業を行っている自治体もあります。その中で、国として、今、データセンターの省エネ化支援についてはどのような取組状況か、お聞かせください。

渋谷政府参考人 お答え申し上げます。

 AIの利活用拡大に伴うデータセンターの電力消費量の増加が見込まれる中、データセンターの省エネ化は非常に重要であり、経済産業省では研究開発への支援を行っております。

 具体的には、委員から御指摘をいただいたところでございますが、電気配線を光配線に置き換えることでデータセンター等における情報通信の省エネ化を実現する光電融合技術等の研究開発に対し、これまで合計で一千億円超の支援を決定しているほか、サーバーを冷却オイルに沈め、効率的な冷却を実現する液浸冷却の研究開発につきまして、まさに現在、採択に向けた審査を行っているところでございます。

高沢委員 ありがとうございます。

 省エネ技術の促進をしていただいて、将来的な電力需要を抑制していくということに努めることも、是非よろしくお願いしたいと思います。

 一方、データセンター整備については、東京の日野市などでも、急にデータセンターができ上がりまして、住民の皆さんが戸惑って、反対運動が起こってしまうような、そういった事例も報告されております。最近ですと、千葉県の流山市においても、住宅地に近接したところに大きなデータセンターができるということで、大きな反対運動が起こって、これは計画自体が頓挫してしまうというような事態も起こっております。

 そういった中、民間の団体では、そういった課題を抱えている地域の住民が、都市型データセンターあり方検討会というものも立ち上げて、様々取り組まれて、いわば迷惑施設のような位置づけで言われてしまっている状況もあります。

 しかし、データセンターは、先ほど言った、我が国の経済発展の基にもなりますし、技術革新の基にもなるだろうというところで、東京都においては、今年三月、まちと調和したデータセンターに向けたガイドラインということで、各種施策を紹介をして、地域住民とのあつれきを少なくしようというような取組、ガイドラインを示したりとか、日本データセンター協会においても独自のガイドラインを、町との調和をするガイドラインを作るというような方向が示されております。

 こういった中で、国として、こういった地域住民との調和に関したデータセンター整備に関する指針について、策定をしたりとか、支援をしたりするようなことにお考えがあるか、お聞かせください。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国におきまして数多くのデータセンターの新規建設が進められる一方で、その建設に当たりましては、委員からも御指摘ございましたとおり、一部の地域住民から、景観や日照、排熱や騒音等を心配される声があると承知しております。

 データセンターの立地に際しては、地域住民の理解を得た上で、地域との共生を図っていくことが大変重要であり、まずは、事業者におきまして、地域住民に対する説明の機会を設けるなど、丁寧な対応を進めていただくことが重要と考えているところでございます。

 昨年六月に公表したワット・ビット連携官民懇談会の取りまとめ一・〇において、データセンターの立地に当たりましては、持続可能な形での地域社会との共生が不可欠である、また、データセンター事業者において、建設計画や周囲の環境影響について立地地域に対して説明をする機会を設ける等、丁寧な合意形成に努めるとされているところでございます。

 この取りまとめを踏まえまして、現在、関係団体におきまして、データセンターの立地と地域共生に関連するガイドラインの早期取りまとめに向けた作業を進めているものと承知しているところでございます。総務省といたしましても、経済産業省とも連携しつつ、必要なサポートを行ってまいります。

高沢委員 個別の整備に対する住民との調和とか説明というのも重要だと思うんですが、それだけではなくて、やはり、データセンター自体の必要性や重要性を広く国民に伝えていくことが必要だと思います。その周知について、総務大臣の御見解を最後にお聞かせください。

林国務大臣 人口減少社会におきまして、イノベーションを創出して経済成長を実現するためには、やはりAIの利活用、これは重要でございまして、あわせて、AIの利活用のための計算資源としても、データセンター等のデジタルインフラの整備が必要不可欠になっております。

 このワット・ビット連携を鍵として、地方での整備が進展することによりまして、自動運転ですとかスマート農業といった先進的なAIサービスの利活用の早期実現につながって、地域活性化にも大きく貢献することが期待をされるところでございます。

 データセンターの新設に当たっては、地域住民との共生を図っていくという観点が大変重要であります。データセンターの立地による地域への貢献といったメリットも含めて、丁寧に御説明をすることによって、住民理解を得ていくということが肝要であると認識をしております。

 総務省としても、データセンターの整備に関する国民の一層の御理解を得るべく、ワット・ビット連携官民懇談会などの会合ですとか、ワット・ビット・コネクトフォーラムなどのシンポジウムといったデータセンターに関連する様々な場を通じて、その意義、そして正確な情報の発信に取り組んでまいります。

高沢委員 時間を超過して、大変失礼いたしました。

 以上で終わります。ありがとうございました。

古川委員長 次に、青木ひとみ君。

青木委員 参政党の青木ひとみです。

 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日は、中東情勢と地域生活についてお伺いいたします。

 中東情勢の緊迫化に伴い、石油供給不安に加えて、石油由来の化学製品の品薄が懸念されています。これは、国民生活のみならず、救急や消防といった命を守る行政機能の維持にも直結する問題です。

 今朝、ニュースでは、内服薬を一回分ずつまとめるプラスチックのシートの在庫が不足しているという報道が、私は見てきましたけれども、あとは、地元のパン屋さんから、ビニール袋が届かないなどの声とか、あとは、仲間が働く一部の医療現場では消耗品の在庫確保に苦慮していたりとか、あと、塗料の価格高騰に苦しんでいる事業者の声も届いております。こういったように、中東の緊張は、少しずつ私たちの地域経済や日常生活に影響を及ぼし始めております。

 こうした状況を踏まえてお伺いしたいのですが、今般の中東情勢の緊迫化、そして、万が一の有事の際に、燃料不足に陥った際、消防車、救急車などの燃料を確保するために、各自治体ではどのような体制を整備されているのでしょうか。また、これらの車両を最優先とする明確な基準、地域のガソリンスタンドなどとの協力体制を全国的にどのように構築されているのか、お伺いいたします。

田辺政府参考人 救急車や消防車に使用する燃料につきましては、各消防本部において、消防署敷地内に自家給油施設を設置する方法のほか、管内のガソリンスタンドと使用契約を結ぶなど、地域の実情を踏まえ、適切な給油体制を確保いただいているものと認識しております。

 また、多くの地方自治体において、災害時に燃料が不足する事態を想定し、石油組合等との間で燃料確保に関する協定を締結するなど、業務継続に向けた燃料供給体制の確保に努めており、仮に燃料の供給が滞った場合には、この協定に基づいて優先的に供給を受けることになると承知しているところです。

青木委員 御答弁ありがとうございました。備蓄体制とか協定があるということで、整備が進んでいることに安堵しました。

 私、過度に不安をあおることは本意ではございませんが、やはり災害や有事の際に最も懸念されているのは、平時には機能するはずだった仕組みが肝腎な場面では動いていないという事態を一番危惧しております。協定は、結ぶことが目的で終わるのではなくて、実際に機能してこそ意味を成すものでございますから、平時から定期的な検証とか連携をより実効力を伴ったものとして進めていただきますよう要望いたします。

 次は、国としての燃料の供給体制についてお伺いいたします。

 我が国の石油供給は、通常は民間の流通ルートに委ねられています。しかし、有事の際はもとより、平時においても、現在のように中東情勢の不安定化や物価高騰の影響により流通が滞ってしまった場合、自治体における燃料の備蓄には限度がございますから、そのような際に、消防、救急などの緊急車両への供給はもとより、国民生活に不可欠な燃料を各自治体へ確実に届けるために国としてどのような体制を整備しているのか、お聞かせください。

山田政府参考人 お答えいたします。

 中東情勢を受けた対応といたしまして、原油や石油製品につきましては、備蓄の放出や代替調達によりまして、日本全体として必要となる量を確保しているところでございます。

 他方、石油製品の供給の偏りや流通の目詰まりが生じていたことから、対策を強化したところでございまして、具体的には、消防などの公共サービスや医療、介護、農林水産業、物流などの重要施設につきまして、優先順位を判断の上、石油元売事業者に対し、直接販売を行うよう政府から要請するということとともに、石油元売事業者に対しまして、系列事業者かどうかにかかわらず、前年同月比同量を基本として販売するように要請したところでございます。

 また、災害時の対応といたしましては、先ほど消防庁の方からも御答弁がありましたけれども、これまでも多くの地方自治体が石油組合等との間で燃料確保に関する協定を締結しているほか、燃料供給が逼迫する被災地で緊急車両への優先的な給油を行う中核SSにつきまして、地域の消防署や警察署からおおむね一キロ以内で全国約千五百か所を指定をしておりまして、停電に備えた自家発電等の設備投資や実地訓練などを継続的に支援してきているところでございます。

 引き続き、国民の皆様の命と暮らしを守るべく、緊急車両等への燃料の供給に万全を期してまいりたいと考えております。

青木委員 御答弁ありがとうございました。

 国が直接販売の姿勢を示されたことは、地方の安全を守る上でもすごく大きな前進だと受け止めております。中核SSとの協定もあるということで安心しました。

 ただ一方で、価格の高騰は自治体の財政とか地域経済に大きな影響を与えておりますので、公共サービスと、あとは住民の生活、その維持にも関わってきますから、自治体や事業者に過度な負担がかからないように、財政面も含めて十分な御検討をお願いいたします。

 次に、今話題になっているナフサ供給の変動が消防と救急体制に与える影響についてお伺いいたします。

 ナフサは、皆さん御存じのとおり、石油から精製されたプラスチック製品の基礎原料であって、救急現場で不可欠な、使い捨て手袋とか注射器とか点滴バッグの、医療の資材に広く用いられております。報道によれば、ナフサは既に価格が高騰していて、一部資材にも影響が出ているという懸念がされております。こうした中で、車両の燃料が確保されていたとしても、医療の資材が不足すれば救急活動は成り立たなくなってしまいます。

 総務省といたしまして、ナフサ高騰や供給の停滞が消防救急体制に与える影響をどのように把握しているのか。また、今現在、供給目詰まりが起こっているということですが、目詰まりとか偏りによる不足が生じた場合、どのような対策を講じているのか。御見解をお伺いいたします。

田辺政府参考人 消防庁ではこれまで、新型インフルエンザ対策等のため、消防機関に対し、マスク、手袋等の救急業務に不可欠な資器材の備蓄を促してきたところです。

 消防本部に対するアンケート調査によると、約八割の消防本部においては感染防止対策用資器材の備蓄を行っており、備蓄を行っていない消防本部においても、大規模災害等の際に民間事業者から迅速な供給が可能な仕組みを導入している例もあると承知しているところです。

 今般の中東情勢を受け、幾つかの消防本部に聞いたところ、現時点で石油関連製品の調達に支障はないとのことですが、事業者から手袋の価格が上がると連絡を受けたといった消防本部もあると承知しています。

 引き続き、国際情勢を注視しつつ、必要に応じ適切に対応してまいります。

青木委員 ありがとうございます。

 一定の備えがされているということ、やはり安堵しました。その一方で、手袋の価格が上がっているということも、やはりこれはどんどん今後高くなるかもしれませんので、是非財政の措置なども、先ほども申し上げましたが、併せてお願いしたいのと、あとは、救急現場では、やはり僅かな遅れだったり医療物品の不足が、救える命を救えないということもありますから、万が一の事態が起きないように、是非、命を守るための、日頃からの資源、最後の現場まで届くように整備していただくよう、お願い申し上げます。

 続いて、情報についてお伺いいたします。

 情報ですが、過去のオイルショック、コロナ禍では、一部の誤った情報が買占めを引き起こして、社会に大きな混乱をもたらしたと承知しております。エネルギー危機のような不安な状況下では、誤った情報が人々の行動をゆがめて、事態を悪化させかねません。

 そこで、エネルギー不足に乗じたSNS上の偽情報、誤情報の拡散を始め、総務省としてはどのような方針で今現在対応を進めているのか、お伺いさせてください。

林国務大臣 SNSを始めとするインターネット上の偽・誤情報、これは、短時間で広範に流通、拡散をし、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題である、そういうふうに認識をしております。

 一般的な偽・誤情報への対応として、情報流通プラットフォーム対処法を通じました権利侵害情報の削除対応の迅速化などの制度的な対応に加えまして、幅広い世代のリテラシー向上、また、対策技術の開発などの総合的な対策を進めておるところでございます。

 また、今委員が御指摘になられました中東情勢に伴う資源エネルギー供給等に関する真偽不明の情報に対する個別の対応につきましても、経産省と連携して、主要なプラットフォーム事業者に対しまして、利用規約などを踏まえた適切な対応を行うよう要請を行っておるところでございます。

 総務省では、関係省庁と連携しながら、こうしたプラットフォーム事業者の対応を促しつつ、偽・誤情報への対応に積極的に取り組んでまいります。

青木委員 大臣、御答弁ありがとうございました。法制度とか事業者との連携について理解いたしました。

 危機の際に、誤情報が一度広まってしまうと、やはり一気に拡散してしまいまして、不安から買占めが起こって、中には、その買い占めたものを高値で転売してもうけようとする方もいらっしゃいます。そうした動きが更に混乱を助長しかねません。こうした事態を防ぐためには、国として、在庫がどれだけあって、原料調達や生産の見通し、流通にどのくらい時間がかかるかといった、具体的で細かい情報が国民の皆様に分かりやすい形で発信されることが大事でして、透明な情報発信を通じて、国と国民の皆様の信頼関係を築いて、そのような仕組みを更に丁寧に整えていただきますようお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 これまではエネルギーの供給について伺ってまいりましたが、ここでは少し視点を変えてお尋ねいたします。

 大規模な災害やサイバー攻撃によって国の行政機能が損なわれた場合でも国民を守る役割を果たし続けるために、国として業務継続についてどのように整理されているのか、お聞かせください。

貫名政府参考人 お答えいたします。

 政府におきましては、首都直下地震などの大規模災害が発生した場合に備え、首都中枢機能の維持を図り、国民生活及び国民経済に及ぼす影響を最小化することを目的とした政府業務継続計画を策定しているところでございます。

 この政府業務継続計画の中で、首都直下地震発生時に政府として維持すべき必須の機能を非常時優先業務として位置づけ、これを実施するために必要な執行体制、執務環境などを定めているところです。この政府業務継続計画に基づき、府省庁ごとに業務継続計画を策定し、対策を進めているところでございます。

 さらに、政府業務継続計画では、首都直下地震発生時において、緊急災害対策本部等の機能確保のため、官邸が使用できないといったような事態を想定いたしまして、内閣府、防衛省、立川広域防災基地の三か所を緊急災害対策本部の一時的な設置場所として位置づけているところでございます。

青木委員 御答弁ありがとうございました。

 今御答弁いただいた業務継続計画、これは行政が止まらないための重要な取組であることを承知いたしました。

 一方で、国会そのものが機能を失った場合、行政が機能していても、国会が開会できなければ、国家の運営に支障を来してしまいます。現在、緊急事態条項をめぐる憲法論が行われております。これに対しては引き続き丁寧な議論が必要であると考えますが、憲法改正を待たずとも、地方が国の機能を支えて補えるような環境を整備すること、これはすぐに着手可能な現実的な備えだと私は考えております。

 国会の仕組みについては所管外と思うんですが、やはり、国が止まった際に住民を守って国を支えるのは地方自治体です。施設、通信インフラ、警備体制などについて、国と地方が連携して国会の機能を地方で開けるような体制の整備を進めていただくことを強く要望いたします。

 本日、日本のエネルギーの供給体制と救急現場が市民生活に与える影響について伺ってまいりました。資源に乏しい我が国がこれまで難しい選択を重ねてきたことは承知しております。しかし、エネルギーを他国に依存し続ける体制で本当に国民の命を守り抜けるのか、私は強い懸念を持っております。

 自然環境を大きく損なう再生可能エネルギーの拡大だけではなくて、核融合を始めとする次世代技術への投資を加速して、我が国のエネルギー自給率、一〇%台ととても低いですから、この現状を打破すべきと考えます。

 そして、その国民の皆様を守る力をやはり最前線で担うのは地方自治体です。中央が機能不全に陥った場合でも、自治体が住民の皆様を守り抜けるように、総務省には、リーダーシップを発揮して、実効性ある備えを進めていただきたいと考えます。私の指摘を国民の切実な不安の声として受け止めていただいて、命と暮らしを守る体制の構築を強く要望いたします。

 まだちょっと時間がありますので、次に、がらっと変わりまして、選挙制度についてお伺いさせていただきます。

 民主主義は、国民一人一人が政治に参加して、多様な声が国会に反映されることで成り立ちます。しかし、衆議院議員の小選挙区の供託金三百万円は極めて高額で、海外と比べても突出しており、被選挙権が実質的に財力のある人に有利な仕組みになっているのではないでしょうか。

 この論点は、総務省でも何回か質疑があったと思うんですが、三百万円という極めて高額な供託金が乱立防止という目的になっているという御見解もありますが、さきの都知事選では過去最多の五十六人が立候補したことを踏まえると、これは十分に機能しているとは言い難いのが実態ではないでしょうか。

 海外では、供託金ではなくて署名によって候補者の適格性を担保する仕組みがございます。

 以上を踏まえまして、現行の供託金制度は被選挙権を実質的に財産で制約しているのではないか、また、乱立防止という目的は十分に機能しているのか、その制度の趣旨についてお伺いさせてください。

長谷川政府参考人 御答弁申し上げます。

 供託金制度の趣旨というお尋ねでございました。

 供託金制度は、大正十四年の衆議院議員選挙法改正による男子普通選挙の導入に際しまして、立候補を慎重ならしめ、真摯に当選を争う意思のない、いわゆる泡沫候補者が出てくることを防止するためのものとして設けられたものと承知いたしております。

青木委員 ありがとうございます。大正十四年から供託金は続いているということです。

 諸外国を見ると、韓国も金額が下がったりとか、ほかの外国でも廃止したという例があるようです。やはり今、日本の経済、私たち国民負担率、社会保険料と消費税を合わせた負担率が四六%という状況の中において、小選挙区で立候補の供託金三百万というのはすごく高額です。私自身も三百万は高いなと思いました。

 志ある市民がスタートラインに立つことすら、やはりこの金額は困難にしてきたのではないかというふうに私は思いますので、入口を狭めたまま、今比例定数の削減のお話もありますが、そうすると切り捨てられる民意は一層増えることになってしまうのではないかと私は考えております。

 今政治に求められているのは、国民の声を減らすことではなくて、やはり、政治参加の間口を広げて、国民が主役の政治、暮らしに関係ある政治に多くの皆様が参加していただけるような制度を整えていって、志ある若い人たちが誰でも挑戦できるような、その制度を実現するために、是非制度の抜本的な見直しを強く求める時期ではないかと思いますので、その私の要望をお伝えさせていただいて、質問を終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。

古川委員長 次に、中川宏昌君。

中川(宏)委員 中道改革連合の中川宏昌でございます。

 本日も質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げます。

 先月末、三月三十一日をもちましてNTTドコモのFOMA及びiモードが終了して、3G時代の幕を閉じたわけであります。また、四月一日からは約三十年ぶりに固定電話の基本料金が大幅に値上げをされました。

 地方自治体では、基幹業務システムの統一、標準化が、本格運用と移行が続く団体への支援の両面を問われる段階に入っておりまして、そのような情報基盤と通信の大きな変化を迎えているときであるというふうに思っております。

 かつて、総務省の自治体戦略二〇四〇構想研究会の報告書では、人口縮減時代の行政に対しまして、多様な主体と協力するプラットフォームビルダーへの転換を求めました。国は、AIやロボティクスを活用しまして、半分の職員数でも機能を発揮できるスマート自治体を掲げております。しかし、現場では、DXの流れの中で、地方で暮らす皆様や自治体職員が、新しい仕組みへの不安や戸惑い、また対応への不安を感じている場面もあるところであります。

 まず、お尋ねさせていただきます。

 先月末に完全終了を迎えた3Gサービスについてお伺いをいたします。

 総務省はこれまで、デジタル活用支援推進事業等を通じまして、スマートフォンへの移行支援を行ってきたと説明をしております。しかしながら、高齢者のデジタルデバイド解消を講習会の開催回数ということで評価をしてはなりません。

 優れたデジタル化の取組で知られております高知県日高村では、高齢者のスマホ普及率は、七十代で四〇%、八十代では僅か一一%でありました。その皆さんがスマホを持たない理由は、使い方がよく分からない、価格が高いという声に加えまして、必要ないという現状維持バイアスが強く働いているからだそうであります。

 そこでまず、三月三十一日を迎え四月一日の朝、いつものように御家族ですとか病院に電話をかけようとした御高齢者の方々が、突然、圏外と携帯電話が表示をされて途方に暮れるという、国は実際のこういった事態をどう防ぎ切ったと総括しているのか、お伺いしたいのが一点であります。

 そして、更に深刻と思われるのが、BトゥーB、すなわち、産業用モジュールや無人設備における3G停波の死角であります。エレベーターの遠隔監視、太陽光発電所の出力制御システム、駐車場の精算機など、私たちの社会インフラでは、いまだに3G通信モジュールが組み込まれ稼働しているものが多数存在しておりました。

 全国のたばこの自販機に設置をされている年齢識別システム、タスポでありますけれども、これは3G回線を利用していたため、先月末をもってサービスを終了せざるを得ない事態に追い込まれたわけであります。

 また、太陽光発電所の遠隔監視システムが通信不能になれば、異常発生時の通知が届かず、出力制御も行えないため、最悪の場合は売電ロス、また発電停止という重大な経済的損失、インフラの不安定化を招きます。専門家はこれを何と呼んでいるかといいますと、沈黙のインフラ、このように呼んでおりますけれども、所有者すらそこに通信回線が入っていることを忘れており、不具合が起きて初めて気づくからであります。もしエレベーターの閉じ込めが遠隔感知できなくなれば、これは人命に関わることであります。

 コンシューマー向けの携帯電話だけでなく、これら産業用3Gモジュールの未移行設備が全国にどれだけ残存していたのか、実態を正確に把握しているのかお伺いをするとともに、停波以降、これら見えない社会インフラが通信不能に陥ったことによる社会的影響に対し、総務省は所管官庁としてどのようなリスクヘッジと事後対応を行っているのか、この点につきましてお伺いをさせていただきます。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 NTTドコモの3Gサービスにつきましては、二〇〇一年十月に世界初の商用3Gサービスとして開始され、本年三月末にその提供が終了となったところでございます。

 3Gサービスの終了に先立ちまして、NTTドコモにおきましては、二〇一九年十月にサービス終了の方針を対外的に公表し、以後、ホームページ等を通じて利用者への周知に取り組んだものと承知しているところでございます。その後、二〇二四年二月に、電気通信事業法に基づき電気通信業務の廃止の周知の実施届出書が総務大臣に提出され、利用者への個別の周知を繰り返し実施してきたところでございます。

 具体的には、個人の利用者に対しましては、四半期ごとのダイレクトメール送付や電話発信時のサービス終了案内といった対応がされたものと承知しております。また、委員からもお話ございましたIoT等の産業用モジュールの用途を含む法人の利用者に対しましては、担当者が個別にそれぞれ説明を利用者に対して行いまして、代替サービスの提案などの対応がされたものと承知をしております。

 総務省におきましては、このような契約の実態、また、こうした取組の状況等についてNTTドコモから定期的な報告を受け、把握してきたところでございます。そして、その状況を注視いたしまして、結果として、特に大きな混乱もなく、本年三月末の3Gサービスの終了を迎えることができたものと認識しているところでございます。

 サービス終了後の利用者への対応につきましても、NTTドコモが問題なく適切に行うよう、引き続き総務省として対応を注視してまいります。

中川(宏)委員 ありがとうございました。

 現時点で大きな混乱が確認されていないということでございました。これは事業者また自治体も加わると思いますが、また、関係団体の皆様の周知と移行支援の成果でありまして、率直に評価をさせていただきたいというふうに思います。

 その上で、今回のこの3G停波を無事終了とだけで終わらせることなく、例えば、相談件数がどれだけであったとか、また、番号の継続の手続ですとか法人産業用設備の影響など、可能な範囲でいいので、是非とも整理をしていただいて、次の技術移行に生かしていくこと、これが大事だと思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。

 今回の知見を、今後4G、5G、またIoTの世代交代になっていくというふうに思っておりますので、是非生かしていただきたい、このように思っているところでございます。

 通信の課題は、固定電話のIP網移行に伴う災害時の脆弱性もあります。従来のアナログ電話は、電話局からの給電で動いていたため、家庭が停電しても通話が可能でした。しかし、IP化された電話は、家庭用のルーター等に依存をするため、停電すれば命綱が途絶えてしまいます。

 能登半島地震におきましても、携帯電話の基地局がダウンする中で、災害に強い特設公衆電話やアナログ回線が最後のとりでとして再評価をされました。公衆電話も、一九九〇年度の約八十三万台から現在は九万六千台へと激減をしています。

 固定電話のIP化が進む中で、大規模停電時における通信断のリスクについて、国は国民の皆様に十分な周知と代替手段の確保を行っていると言い切れるかどうか、また、通信のセーフティーネットであります特設公衆電話の避難所等への事前設置状況、そして、今後の維持拡充に向けた具体的な方針についてお伺いをさせていただきたいと思います。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、固定電話のIP化が進む中で、停電時のリスクとして、緊急通報を含む電話ができなくなるといったような問題がございます。このような状況に対処するため、電気通信事業法の消費者保護ルールにおきましては、緊急通報を含めて通話が停電時に不可能となることがある点について、契約時にその旨を説明するよう事業者に義務づけているところでございます。また、事業者はこの対応を行うとともに、ホームページ等を通じて広く周知を行っているものと承知しているところでございます。

 また、災害時に迅速な公衆電話の設置が可能となる、いわゆる事前設置型の災害時用公衆電話につきましては、災害時における通信の確保に非常に有効な手段であり、これまでも自治体からの要請に応じて、NTT東西により着実に整備が進められているものと承知しております。

 具体的には、二〇二四年度末時点で、既に九四%の自治体におきまして、合計八・八万回線が整備されているという状況でございます。

 総務省といたしましては、二〇二二年に災害時用公衆電話をユニバーサルサービスの一類型として位置づけるとともに、その維持費用について、今年度よりユニバーサルサービス交付金による補填を可能とするための制度整備を現在進めているところでございます。

 また、NTT東西におきましては、現在でも、自治体における災害訓練等の様々な機会を活用して未整備の自治体に対して働きかけを実施しているところでございまして、総務省といたしましても、災害時用公衆電話の維持拡充が更に進むよう、必要な取組を行ってまいります。

中川(宏)委員 ありがとうございます。

 能登半島地震後、総務省と事業者の間では、衛星アンテナ、ドローン、船舶、燃料融通、関係機関との連携など、災害時通信の課題が整理をされたと伺っております。

 この流れを更に進めまして、避難所、また、郵便局ですとか公民館ですとか道の駅など、そういった非常時の通信拠点等をしっかり明確にしていただいて、そして、公衆電話、充電設備、衛星通信端末、発電機等を配備していく。先ほども答弁がありましたが、実際の災害訓練で使っているということでございましたけれども、住民の皆様が実際に使えるところまでしっかり、どうしていったらいいかということを是非とも今後進めていただきたいと思っております。

 また、今、防災庁の設置が議論をされているところでございますけれども、防災庁が設置された際には、総務省と、通信政策につきまして、是非とも司令塔機能が縦割りにならないように平時から連携していただくこと、これを強く求めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、現在地方行政の屋台骨であります、自治体システム標準化とガバメントクラウドについてお伺いをさせていただきます。

 システム標準化について、国は当初、標準化によって運営経費を二〇一八年度比で少なくとも三割削減するという非常に意欲的な目標を掲げていました。しかし、現実には、中核市市長会の調査で、移行後の運用経費は平均二・三倍、五割以上の自治体で二倍以上、最大では五・七倍に増加するとされております。東京都や特別区長会の試算でも、国が目指す割引を最大限適用できたとしましても、都内全体で約一・六倍に増える見込みと伺っております。

 デジタル庁また総務省は、二重の基盤、ネットワーク管理費用や、ガバメントクラウドへの運用最適化が進んでいないことを要因に挙げております。しかし、東京都が指摘するように、運用経費全体のうち、ソフトウェア借料などの関連経費が七割弱を占めております。標準仕様書の改版ですとか、また要件数の増加に伴うベンダーの開発経費、これが自治体の運用経費に価格転嫁されていることがコスト増の大きな要因だと考えております。

 さらに、期限に追われる中で、自治体もベンダーもクラウド機能を十分に活用する余裕がなくて、既存システムをそのままクラウドに載せ換えるリフトにとどまっているため、費用は下がるどころか増えております。既存のアプリケーションの構成も大きく変えないままではコスト削減効果は得にくいとの指摘もあるところであります。

 国においては補助金や普通交付税で対応するとしておりますが、それだけでは対症療法にとどまってしまいます。クラウド最適化を行えば中長期的には下がるという説明に対しましても、東京都は、その根拠が十分に示されていないと指摘をしております。

 国は、ソフトウェア関連経費の肥大化という根本原因に対しまして、仕様の抜本的な簡素化などの具体策をいつ示すのか、また、中核市や一般市を含めまして、運用経費の増大分については国の責任におきまして措置する用意はあるのか、この点につきましてお伺いをさせていただきます。

三橋政府参考人 お答えいたします。

 自治体情報システム標準化、ガバメントクラウド移行に伴う運用経費の増加につきましては、令和七年度末までという期限内に移行するため、事業者の人員が逼迫し、自治体も現行事業者に依存せざるを得ず、十分な競争環境が働かなかったことに加えまして、機能やセキュリティーの高度化、物価高や賃金上昇等に伴うもの、さらに、短期間でのシステム開発により、ソフトウェアがガバメントクラウドに最適化されていないことなど、様々な要因があるというふうに考えております。

 デジタル庁では、昨年六月に自治体情報システムの標準化・ガバメントクラウド移行後の運用経費に係る総合的な対策を策定し、運用経費の抑制、適正化に取り組んでおりますが、その中でも、ガバメントクラウドに最適化したシステム運用管理の省力化、自動化や公共SaaS導入に向けた環境整備を推進すること、さらに、ソフトウェア経費を含めた運用経費を見える化し、自治体間で比較できるようにすることなどに取り組むこととしております。

 加えまして、委員御指摘の標準仕様の在り方につきましても、デジタル庁におきまして、システム運用、保守等の非機能要件を改定をし、自治体の規模等に応じて幅を持たせ得る項目につきましては、自治体が一定の裁量の幅で対策のレベルを選択可能とする取扱いに見直しをしてきております。

 また、各制度所管省庁が策定する標準仕様書で経過措置を設けている一部の機能につきましては、各制度所管省庁を中心に今後取扱いの検討を進めているところでございます。

 その上で、総合的な対策に基づき、各種施策を講じてもなお一時的に増加すると認められ得る運用経費につきましては、国と地方が協力して、計画的に抑制、適正化するための国庫補助事業として令和七年度補正予算におきまして補助事業を創設しておりまして、あわせまして、人件費、物価等の増加等の外的な要因などによる恒常的な経費の増加分に対する普通交付税措置も含めまして、国において必要な財政措置を講じるところでございます。

 今後は、この補助事業の申請を希望する自治体が策定する運用最適化計画におきまして取組を進めることが重要でございまして、デジタル庁としては、都道府県とも連携し、各自治体の計画策定を支援することとしており、まずは、今回の補助事業の執行を通じまして運用経費の抑制、適正化を進め、その後につきましては、その取組状況を踏まえながら検討してまいります。

中川(宏)委員 さらに、この複雑なクラウド環境を運用していくための人材が、自治体には決定的に不足をしております。総務省の調査によりますと、DXや情報関係業務を担当する職員が一名以下である状態の市区町村が全体の一二%も存在をしているそうであります。これを解決し、かつコストを劇的に下げる解決法は、単独の自治体でのシステム運用ではなく、都道府県が主導してシステムを共同利用することではないかと私は考えるところであります。

 愛知県の岡崎市と豊橋市の事例によりますと、共同利用方式によりまして、五年間で十六億円、実に四五%ものコスト削減を実現していると伺っております。インフラ費用の分担、運用管理コストの共有、そしてスケールメリットによる長期割引の活用、これが機能した結果であります。

 しかしながら、共同利用には多大な合意形成や調整コストがかかりまして、市町村の自発性だけに任せていては広がっていかないというふうに思っております。

 そこで、単なる交付税措置の拡充にとどまらず、地方自治法に基づく広域連合や連携協約をより柔軟に活用していただきまして、都道府県が共同利用コーディネーターとして管内市区町村のシステム基盤を強力に束ねるためにどのような取組を推進しているのか、この点につきましてお伺いをさせていただきます。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 今後、急速な人口減少が見込まれる中、共通性の高い業務に関しまして、委員御指摘のような都道府県を中心とした共同調達を進めることは、スケールメリットによるシステム運用費用の削減や調達業務の負担軽減などに資するものと考えてございます。また、個別調達が難しい小規模自治体を御紹介いただきましたけれども、こうしたところでもシステムを導入しやすくなるといった効果もある、こういった期待もしておるところでございます。

 政府といたしましては、令和六年に、内閣官房、デジタル行財政改革会議におきまして、国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針、これを定めておりまして、これに基づきまして、業務、システム共通化の取組を進めておるところでございます。

 足下の取組例を見ますと、例えば熊本県におきまして、AI議事録作成システムを県が一括して契約し、市町村が共同で利用する、こうした仕組みを導入することによりまして、コスト削減や契約事務手続の負担軽減を実現してございます。総務省では、こうした優良事例を事例集に掲載し、他の都道府県へも横展開をしていくといったことを進めておるところでございます。

 こうしたシステムの導入経費につきましては、令和七年度からデジタル活用推進事業債の活用を可能としておりまして、行政運営の効率化を図るための情報システムの共同調達を対象に含めたところでございます。各地方自治体において有効に活用いただきたいと考えておるところでございます。

 最後に、デジタル人材確保の課題でございますが、都道府県と市町村が連携したDX推進体制を構築し、その中で、都道府県にDX人材をプールして市町村を支援する仕組み、これを総務省として推進してございます。こうした総合的な推進体制の中で、システムの共同調達や共同利用につきましても、都道府県による市町村支援、これを推進してまいりたい、このように考えておるところでございます。

中川(宏)委員 ありがとうございます。

 標準化は、自治体の負担を増やすものではなくて軽くするための政策であるというふうに思っておりますので、現場が納得できる形、また簡素化、そして共同利用の支援、こういった様々な課題に向けて総務省が更に踏み込んで対応していただきたいということを是非お願いしたいというふうに思っております。

 次に、システム問題の根本には日本の地方が抱える圧倒的な人材不足があります。自治体戦略二〇四〇構想において、国はAIやロボティクスを使いこなし、半分の職員数でも本来の機能を発揮できるスマート自治体への転換を掲げました。

 しかし、実態は極めて深刻でありまして、技術職員、土木、建築等の採用につきまして、対象市町村の約半数が募集しても応募がほとんどないと回答をしております。また、保健師、ICT人材の不足も顕著であります。

 国は、現在、市町村におけるCIO補佐官等の外部専門人材の任用、またDX推進リーダーの育成にも手厚い特別交付税措置を講じております。しかしながら、現場の実態を見ますと、特別交付税措置という財源のメニューを用意するだけで、地方のIT人材不足が魔法のように解決するかといえば、そうではないというふうに思っております。自治体間で限られた専門人材を奪い合うのではなくて、都道府県を中心とした広域的な人材のプール機能の構築、これは急務ではないかというふうに思っております。

 現在講じている特別交付税措置は評価するところでありますけれども、自力で採用が困難な小規模自治体にとっては、絵に描いた餅でありまして、国や都道府県が直接的に専門人材を確保していって、市町村へ派遣して伴走支援を行う、広域的な人材シェアリング基盤、これをどう強化していくおつもりなのか、これにつきましては大臣の見解をお伺いしたいと思います。

林国務大臣 地域住民の暮らしを支える自治体職員の確保、これは大変重要である一方、今委員からもお話がありましたように、人口減少などによりまして、特に専門人材を中心に必要な人材を確保できていない自治体があるなど、非常に厳しい状況にある、そういう認識をしております。

 総務省としては、令和五年度に、自治体が人材育成、確保を戦略的に進めるための指針を策定いたしまして、その中で、専門人材の確保については広域での確保策を検討し、特に都道府県による支援が重要であることなどの検討事項を示したところでございます。

 これらを踏まえて、総務省においては、デジタル人材ですとか技術職員、保健師といった専門人材を都道府県等が確保して、小規模市町村等を支援する業務に従事させる取組に交付税措置を講じること、また、専門人材を含む人材育成、確保の取組の好事例集、これを作成いたしまして自治体へ普及促進をすることなど、各地域の実情に応じた人材確保の取組を支援しているところでございます。

 今後とも、自治体の御意見を丁寧に伺い、実情を把握しながら、専門人材の確保に向けてどのような取組があり得るか、不断に検討してまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 大臣、ありがとうございました。

 自治体同士で限られた人材を奪い合うのではなくて、やはり広域的に支援していくことが非常に大事ではないかというふうに思っております。その基盤づくりを、是非、総務省がリーダーシップを取って、これから種々検討していくということでありますけれども、いい方向に向かうように是非とも大臣もお力添えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 自治体戦略二〇四〇構想では、AIやロボティクスを活用しまして、従来の半分の職員数でも機能が発揮できるスマート自治体への転換が掲げられました。その一方で、住民自らが生活サービスを担う地域運営組織、いわゆるRMOや、改正地方自治法で創設をされました指定地域共同活動団体による共助の仕組みが、地域を支える重要な担い手として期待をされているところであります。

 しかし、総務省の調査によりますと、先ほども申しましたけれども、DX担当職員が一人以下の自治体が全体の一二%に上りまして、土木、建築等の技術職員につきましても、対象自治体の約半数が、募集しても応募がほとんどないという回答の状況であります。役所の専門職さえ確保が難しい地域で、インフラ、高齢者の見守り、又は除雪、こういった重い負担を住民の善意だけに委ねることには強い懸念があるところであります。共助は、盤石な公助があって初めて成り立つものだというふうに思っております。

 そこでお伺いさせていただきますが、地方自治法改正によりまして、地域コミュニティーを維持するための指定地域共同活動団体の制度が動き出しているところでありますけれども、二〇二六年四月現在、この制度は全国でどの程度活用されているのか。単なるボランティア頼みの名の下に、住民に過度な負担を強いる結果になっていないのか、この現状認識についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。

小川政府参考人 お答えいたします。

 御質問いただきました指定地域共同活動団体制度は、生活サービスの提供に資する活動を地域の多様な主体と連携して行う団体、これを市町村が指定いたしまして、その自主的な活動を支援する制度として、令和六年度の地方自治法の一部改正において創設したものでございます。

 御質問いただきました本制度の導入状況についてでございますが、導入の要否を検討している団体が今年の一月時点で約二百、このうち現在までに実際の導入に至っている団体は三団体というふうになっておるところでございます。

 また、指定に当たりましては、御質問にもありましたように、地域団体への行政責任の移替えといったことにならないように、団体の自主性、自立性を尊重する観点を尊重しまして、団体からの申請に基づいて行う、このような仕組みとしているところでございます。

 例えば、導入しております広島市におきましては、市の条例におきまして、指定地域共同活動団体が住民主体の町づくりの基盤であること、こうした位置づけを明記するとともに、団体を指定する前に、住民や地域団体に対しまして、ワークショップの開催など、丁寧に関係者の理解を醸成する取組といったことを進められておる、このように承知をしてございます。

 こうした先行事例をも参照、紹介しながら、今後、本制度を導入する市町村に対しまして、団体の自主性、自立性を尊重しながらこれを運用するように引き続き助言してまいりたい、このように考えておるところでございます。

中川(宏)委員 現時点では導入しているのは三団体だということでございますけれども、地域の担い手不足を解決するためには、もはや善意だけでは持続ができないというふうに思っております。

 現在もCIO補佐官の任用等に特別交付税措置が講じられておりますけれども、これを一歩進めまして、地域運営組織などに対し適切な対価が支払われるように、地方交付税の算定基準を更に大幅に引き上げるべきではないかと考えるところでございます。

 共助の担い手を制度的に支える決意について、お伺いをさせていただきます。

恩田政府参考人 お答えいたします。

 地域住民が中心となって地域の課題解決に取り組みます地域運営組織でございますけれども、お祭り、地域住民の交流事業、声かけ、見守りサービスを実践するなど、暮らしを支える重要な担い手となっておりまして、現在、全国で八千五百八十七団体が確認できておるところでございます。

 総務省におきましては、地方公共団体が地域運営組織に対しまして、運営費交付金等の支援を行う経費などに対し地方交付税措置を講じているところでございます。

 具体的には、地域運営組織の事務局の人件費、高齢者の見守り、買物支援等の活動に係る経費に対して普通交付税と特別交付税を組み合わせた措置を講じるほか、地域運営組織の立ち上げに要する経費等に対して特別交付税措置を講じているところでございます。

 また、財政的な支援以外にも、優良事例の紹介や各種テキストの作成、全国セミナーの開催など、ノウハウの面からも地域運営組織の持続的な運営を支援しているところでございます。

 今後とも、様々な共助の担い手の活動について支援をさせていただければというふうに思っております。

中川(宏)委員 ありがとうございます。

 地域運営組織また指定地域共同活動団体、人口減少地域の暮らしを支える私は大切な取組だというふうに思っております。

 小さい自治体に行くほど、例えば、見守りとか買物支援、また草刈りですとか、空き家の管理ですとか、災害時においては避難支援など、地域に求められる役割というのは年々重くなってきているというふうに思っております。

 これを住民の善意だけに頼れば、担い手は疲れてしまって長続きはしないというふうに思っております。そうした地方の現状を更に的確に捉えていただきながら、持続また発展できるように是非ともお願いを申し上げて、私の質問を終わりにしたいと思います。

 ありがとうございました。

古川委員長 次に、武藤かず子君。

武藤(か)委員 チームみらいの武藤かず子です。

 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日は、国民、住民にとって身近な行政サービスの担い手である地方自治体のDXをキーワードにAIインタビューを行い、五日間で、百十六時間二百六十九名の方にインタビューを行いました。また、実際につながりのある地方自治体の職員の方にもインタビューをいたしました結果、三つの課題について質問をしてまいります。

 まず初めに、政府からの調査、照会の業務により職員の負担が過多になっているという問題でございます。

 地方自治体の職員は人材不足の問題が深刻でございまして、看過できない問題かと考えております。例えば、農林系の補助金ですけれども、これは年に複数回照会が入るということです。予算の要望調査また申請、四半期ごとの経過チェック、年度末の着地確認ということで、年間を通じた照会が繰り返されます。また、照会が複数分野で重なることで、自治体職員は月に一回以上何らかの調査回答を行っているのが実情です。

 これに対して、総務省は、調査・照会(一斉調査)システムを運用されており、令和六年六月の国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針において利用拡大が改めて課題として選定されたこと自体が、現状の利用が十分でないことを示しております。実際、地方自治体職員へのヒアリングによれば、いまだにシステムを介さずメール添付によって照会が来ていることが多数あるとのことです。

 そこで、総務省に三点お伺いをいたします。

 一点目に、現在、各府省庁が地方自治体を経由して集計、分析する調査は全体で何件程度あるのか、府省庁別にお示しください。

 二点目に、農林水産省を始めとして、多くの分野でシステムが使われず、従来のメール添付等による照会が継続している実態について、総務省の御認識と、利用が広がらない主な要因をお聞かせください。

 三点目に、利用拡大を図るには、各府省庁はもちろんのこと、利用者である自治体の意見もよく聞いて進める必要があると思いますが、どのように考えるか、お聞かせください。

恩田政府参考人 お答えいたします。

 一斉通知・調査システムを通じまして各府省が行った調査、照会の件数についてでございますけれども、令和七年度実績で七百八十六件でございます。利用実績の多い省庁では、総務省が四百七十三件、厚生労働省が百二十九件、デジタル庁が五十五件などとなっているところでございます。

 また、委員御指摘があったメール添付等による照会は現在も行われているものと承知しておりますけれども、調査内容ですとか事務の性質等に応じまして本システムを利用、活用していただくことで調査業務が効率化できる部分があるということは認識しているところでございます。

 また、令和六年に閣議決定されました国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針に基づき共通化推進のために策定された経由調査の一斉調査システムの利用拡大等に係る共通化推進方針におきましては、本システムについて、認知度の不足、使いづらさといった課題が示されたところでございます。

 これを踏まえまして、本システムを所管する総務省といたしましては、令和七年三月に、過去案件の参照機能でございますとか、回答入力補助機能の追加等のシステム改修を行ったところでございます。

 また、四月には、各府省、地方公共団体を対象とした本システムの利用方法、改修内容についての説明会を開催するなど、本システムの利用方法の周知に取り組んだところでございます。

 今後とも、本システムの利便性の更なる改善のため、各府省、地方公共団体の意見も聞きながら、必要なシステムの改修に努めていきたいと考えております。

武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。

 せっかく運用いただいているシステムですので、是非皆さんに御利用いただけるように積極的に情報発信していただきたいというふうに思いますし、何よりも、利用者の方々が効果が得られるような形を取っていただきたいなというふうに思っております。

 次にお伺いしたいことですが、総務省の実態把握において、各市町村の業務システムを標準化し、データ連携により回答する方法の提示が市町村から意見として示されております。

 このような地方自治体の回答作成負担の軽減等において、令和七年六月に決定された推進方針にどのように位置づけられるのか、御教示ください。

上坊政府参考人 お答えいたします。

 令和六年六月に閣議決定されました国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針に基づく共通化すべき業務、システムの対象として、経由調査の一斉調査システムの利用拡大等が選定候補とされたところでございます。

 これを受けまして、同年十二月に、任意に選定した複数の経由調査について、当該調査で発生する業務の実態をヒアリング等したところ、事業者等へのデータ提供依頼時に調査表の加工を行う作業や、回答作成の際に参照する業務システムから抽出したデータを加工する作業などが回答作成に際し大きな負担となっているということが確認されたところでございます。

 これを踏まえまして、昨年六月に決定いたしました経由調査の一斉調査システムの利用拡大等に係る共通化推進方針では、経由調査全般につきまして、地方公共団体における調査対応の実態を把握した上で、調査フロー、調査票様式、集計ツールといった調査方法を随時見直すことが重要であること、また、その際は、回答作成負担軽減の取組として、調査票の前年度回答プレプリント、調査事項の削減、業務システムの標準化及びデータ連携を行うことなどが考えられるとされているところでございます。

 以上でございます。

武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。

 是非、書かない窓口ということをされておりますけれども、プレに、既に回答いただいたものをあらかじめ表示するといったところは、利用者にとっても非常に利便性が高いものになるかと思います。是非、継続的な改善と、その効果についても、行っていただき、成果に結びつくアクションを今後も取っていただくことを強く要望いたします。

 続きまして、書かない窓口についてお伺いをしてまいります。

 総務省が取り組まれております自治体フロントヤード改革について、住民の希望に沿った窓口の実現、また職員の時間を生み出す業務フロー、この二つを実現することを目指しているというふうに認識をしております。

 一方で、デジタル庁でも、住民の負担を減らす、また職員の業務負荷を減らしていく、この両輪を目指すこととし、書かないワンストップ窓口、すなわち窓口DXSaaSの導入を支援されておられます。

 詳細をお伺いし、大変勉強になりましたのは、行政サービスのプロセスであっても、ビジネスの場と変わらないということです。私自身も民間企業で、システムの導入とそれに伴うプロセスの改革に携わっておりました。デジタル庁の方もおっしゃられていたのは、導入自体うまくいく、つまり成果を得られた自治体もあるが、うまくいかない自治体と比較したときに、一番の要因は、BPRをいかに丁寧にできたかであるということをお聞かせいただきました。私のこれまでの経験からも、全くそのとおりであるというふうに思っております。

 そこで、デジタル庁にお伺いをいたします。

 現場支援を通じて把握した、自治体がつまずきやすい段階や、共通課題に関する知見は、総務省にどのようにフィードバックされておりますでしょうか。

三橋政府参考人 お答えします。

 デジタル庁では、各自治体が書かないワンストップ窓口を実現するためのツールとして、窓口DXSaaSを提供しておりまして、その導入に当たりましては、委員御指摘の業務の在り方を見直すBPRの実施が重要であるという観点から、効果的な取組を進めたなどの実績を持つ自治体職員等をアドバイザーとして委嘱し、各自治体のBPRを伴走支援する窓口BPRアドバイザー派遣事業を行っております。これまで延べ二百十五自治体に対しまして支援を実施してきたところでございます。

 当事業は、総務省において進められている自治体フロントヤード改革の取組に密接に関連するものであることから、事業の進捗や今後の進め方について随時情報交換や連携を行っておりまして、アドバイザーが支援において把握した課題などにつきましては、総務省が取りまとめております自治体フロントヤード改革推進手順書にも反映されているところでございます。

 今後も、総務省及びデジタル庁の取組が効率的かつ効果的に自治体のニーズに応えられるように連携を深めてまいります。

武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。

 是非、必要に応じてではなく、しっかり継続的に、定期的に連携を取っていただきたいなと思っております。

 続きまして、総務省にお伺いをいたします。

 デジタル庁から得られた知見を、総務省が推進するフロントヤード改革の横展開、また支援メニューの見直し、モデル事業の設計等にどのように活用されておりますでしょうか。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 今し方デジタル庁の方から御答弁申し上げましたとおり、デジタル庁における活動の中で得た知見につきましては、総務省に対して随時共有をいただいております。また、総務省としては、これをフロントヤード改革を推進するための手順書に反映するといったことを進めておるところでございます。

 その上で、具体例でございますけれども、例えば、デジタル庁の専門家が支援現場で行っています窓口利用体験調査、これは、自治体職員が利用者の申請手続を実際に行って、申請書に氏名等を書く回数等の現状を体験し、改善につなげる、こうした取組手法でございますけれども、こうした取組のポイントを手順書の中で紹介したりしておるところでございます。

 また、逆に、取り組むに当たりまして、つまずきやすいポイントとその対策につきましても、この手順書に具体的に記載するとともに、総務省が実施しております各年度のモデル事業において、そうしたノウハウも踏まえながら設計をする、このような転がし方、進め方をしておるところでございます。

 今後とも、デジタル庁の支援策と連携をしながら、自治体フロントヤード改革の全国への横展開、こうしたことを推進してまいりたいと考えておるところでございます。

武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。

 うまくいっている事例も確かに大事ではございますが、うまくいかない事例も非常に大事で、それこそが宝であるというふうに思います。是非、省庁間で今後も連携いただいて、よりよいサービスを提供いただけるように尽力いただけるとありがたく存じます。

 続きまして、デジタル庁と総務省で提供されている支援メニュー、これが、自治体からすると、同じところに帰結するにもかかわらず入口が分かれており、支援の体制の全体像が非常につかみにくいということが分かりました。私自身も、今回この調査のために説明を受けて、やっと理解ができたというところでございます。自治体の方々にとっては、そういった説明を聞く機会もなかなか得られないのではないかと思います。

 せっかくこんなにもすばらしい実績があり、知見がある取組ですので、できる限り多くの自治体の方に知っていただき、活用いただきたいと思っております。

 そこで、総務省にお伺いをいたします。

 この支援の見えにくさについて、現場の実態をどのように把握し、どのように対策を講じられておりますでしょうか。また、その声をどのように反映されているか。例えば、先ほどもお話にありましたBPRの手順書ですとかガイドラインですとか、そういったところの継続的な見直しをしていくことを制度的に位置づけて実施をされていく考え等々があるかどうか、是非お聞かせください。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 これまでデジタル庁そして総務省の方から御説明申し上げたような施策が、自治体目線で見たときに、入口が分かりにくい、こうした御指摘は真摯に受け止める必要があろうか、このように考えておるところでございます。

 その上で、自治体フロントヤード改革の現場の実態の把握方法の御質問でございますが、これに関しましては、モデル事業を実施している自治体との意見交換等で把握し、その対応について手順書に定期的に反映する、こうしたプロセスによって対応することとしておるところでございます。

 手順書には、フロントヤード改革支援の全体像が分かりますように、デジタル庁の窓口DXSaaSや窓口BPRアドバイザー派遣事業といった支援策を含めて一覧的に記載をすることとしております。これらを各種の説明会やポータルサイトで紹介しておりますほか、都道府県からも市町村に対して周知を図っていただいておるというところでございます。

 今後も、現場の実態を踏まえまして、手順書の定期的な見直し、それから、御指摘いただきました支援策の分かりやすい周知、こうしたことを図りながらフロントヤード改革の推進を進めてまいりたい、このように考えてございます。

武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。

 少なくとも、入口が一つであり、そこにメニューが全てリストアップされていることで自治体の方は把握しやすくなるかと思いますので、その改善策を進めていただけたらと思っております。

 次に、小規模自治体のDXがなかなか進まないという問題についてでございます。

 自治体別で比較しますと、小規模になればなるほど、自治体を、活用し切れていない、またDXが進まないことは明白でございます。

 株式会社うるる社が公表しております、地方自治体の自治体ドックランキング二〇二六年二月版ですけれども、これは、総務省が行われました令和六年度地方公共団体における行政情報化の推進状況調査に基づき作成されたものです。

 これによると、五十万人以上の規模の自治体、大阪市では、大規模の自治体で偏差値七七・二でございます。最も小さい規模、千人未満の自治体の一位は五一・三であり、約二六ポイントも差がついている状況でございます。

 そこで、総務省にお伺いをいたします。

 政府はデジタル化を推進しておられますが、規模別でこんなにもデジタル化、DX化に差がついてしまっている要因は何であると考えておられるか、また、それに対してどのような対策を講じて解決していく考えかをお聞かせください。

林国務大臣 民間の企業の方が個別に調査されたこと自体についてはコメントを差し控えさせていただきますが、その上で、自治体DXの推進、これはやはり、これを担う人材の確保が重要となる。その一方で、総務省が行いました自治体のDX・情報関係業務の担当職員数調査では、百八十九の市町村が、担当職員数一人以下、いわゆる一人情シスなどと呼んでおりますけれども、そういうふうに回答されておられまして、やはり小規模市町村を中心に体制に課題を抱えているもの、そういうふうに認識をしております。同時に、こうした市町村からは、外部から専門人材を確保することも独力では困難である、そういう声も伺っております。

 こうした状況を踏まえまして、総務省では、都道府県において市町村支援を行うための専門人材のプール機能を確保していただけますように、DX推進体制の充実を呼びかけるとともに、都道府県における人材確保に向けた採用ノウハウの提供ですとか、人件費に対する地方財政措置、これを講じておるところでございます。

 こうした取組によりまして、常勤型の職員を始めとした専門人材が市町村支援を行う一定の体制が各都道府県において取られているところでございまして、引き続き、専門人材の更なる確保により体制の充実を図っていくこととしております。

 今後とも、小規模な自治体も含めて、DX推進に必要な人材が確保され、その恩恵を全国に広げていくことができますように、着実に取り組んでまいります。

武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。既に全ての自治体で設置がなされていること、非常に評価をいたします。

 この人材プールに入ってくる方が非常に肝であるというふうに考えております。このアクセラレーターと呼ばれる人材が実際に市町村に入り込んでDXを推進していくわけでございますが、この人材の要件ですとか、どういったケーパビリティーが必要なのかといったところをまた次の機会で是非議論させていただきたく存じます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございました。

     ――――◇―――――

古川委員長 次に、内閣提出、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。林総務大臣。

    ―――――――――――――

 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

林国務大臣 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 近年、携帯通信端末向けの電気通信役務の不正な利用が多様化、巧妙化していることに鑑み、当該電気通信役務を提供する事業者が契約締結時の本人確認等を行うべき役務に音声通信役務以外の電気通信役務を追加するとともに、特定の個人が同時に利用することができる携帯通信端末の数が一定数を超えることとなる場合に当該電気通信役務を提供する事業者が役務の提供を拒むことを可能にする等の措置を講ずる必要があります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、役務提供契約の締結時の本人確認等の対象となる電気通信役務に音声通信役務以外の電気通信役務を追加することとし、これに伴い、題名を、携帯通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯通信役務の不正な利用の防止に関する法律に改めることとしております。

 第二に、携帯通信事業者が本邦内に住居を有しない外国人と役務提供契約を締結する場合に、住居に代わる事項の確認による本人確認に関する規定を整備することとしております。

 第三に、携帯通信事業者に対して、役務提供契約の締結の相手方と役務提供契約の締結の任に当たっている自然人が異なる場合に、当該自然人の権限又は地位の確認を行うことを義務づけることとしております。

 第四に、警察署長が、一定の罪に当たる行為に利用された携帯通信役務に係る契約者の本人確認等を携帯通信事業者に求めることができる制度において、その求めのために必要があると認めるときは、関係する電気通信事業者に照会して必要な事項の報告を求めることを可能とすることとしております。

 第五に、特定の個人が同時に利用することができる通信可能端末設備の数が一定数を超えることとなる場合には、携帯通信事業者がその超えることとなる部分についての電気通信役務の提供を拒否することを可能とすることとしております。

 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願いを申し上げます。

古川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る五月十二日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時六分散会


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