衆議院

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第13号 令和8年6月11日(木曜日)

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令和八年六月十一日(木曜日)

    午後一時二十一分開議

 出席委員

   委員長 古川  康君

   理事 上杉謙太郎君 理事 鈴木 英敬君

   理事 橘 慶一郎君 理事 福原 淳嗣君

   理事 渡辺 孝一君 理事 田嶋  要君

   理事 岩谷 良平君 理事 許斐亮太郎君

      浅田眞澄美君    伊藤  聡君

      今岡  植君    遠藤 寛明君

      加藤 貴弘君    神田 潤一君

      坂井  学君    島尻安伊子君

      谷  公一君    辻 由布子君

      中野 英幸君    新田 章文君

      古井 康介君    前川  恵君

      松下 英樹君    向山  淳君

      村上誠一郎君    森原紀代子君

      吉田 有理君    米内 紘正君

      神谷  裕君    中川 宏昌君

      平林  晃君    うるま譲司君

      高見  亮君    高沢 一基君

      深作ヘスス君    青木ひとみ君

      土橋 章宏君

    …………………………………

   総務大臣         林  芳正君

   総務大臣政務官      中野 英幸君

   総務大臣政務官      向山  淳君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  藤野  克君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           藤田清太郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        恩田  馨君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  菅原  希君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  小川 康則君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            豊嶋 基暢君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       牛山 智弘君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            湯本 博信君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 堤  良行君

   参考人

   (日本郵政株式会社代表執行役副社長)       加藤 進康君

   参考人

   (日本郵政株式会社常務執行役)          西口 彰人君

   総務委員会専門員     山本 麻美君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十一日

 辞任         補欠選任

  今岡  植君     加藤 貴弘君

  前川  恵君     辻 由布子君

  高沢 一基君     深作ヘスス君

  武藤かず子君     土橋 章宏君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 貴弘君     今岡  植君

  辻 由布子君     前川  恵君

  深作ヘスス君     高沢 一基君

  土橋 章宏君     武藤かず子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件

 郵政事業に関する件

 郵政民営化法等の一部を改正する法律案起草の件

 郵政事業に係る基本的な役務の確保等に関する件


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     ――――◇―――――

古川委員長 これより会議を開きます。

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、お手元に配付いたしておりますとおり、本日、参考人として日本郵政株式会社代表執行役副社長加藤進康君外一名の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官藤野克君外八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古川委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。古井康介君。

古井委員 自由民主党、北陸信越ブロック、富山出身の古井康介です。

 大臣、委員長、そして理事を始め関係各位の皆様、質問の御機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 今日は、ふるさとを思う気持ちをどういうふうに形にしていくか、また、地方自治体がより発展をしていくためにどのような制度設計を進めていくべきか、議論をさせていただきたいと思います。

 まずは政府に質問をさせていただきます。

 私自身もまさにそうだったんですけれども、十八歳まで、私の場合は富山県富山市、いわゆる地方で生まれ育ちました。青春時代を過ごして、今は家族も住んでいる、そういったふるさとになります。上京したときに思ったことですが、やはり、自分の血縁がいて、いつか帰りたいなというふうに思う、その故郷のために何か応援することはできないかな、何か力になれることはないかなということは常々私考えておりました。

 東京で就職をしまして、働いて東京で税金を納める、これはもう、上京した私にとっては当たり前のことではありましたが、自分が働いて稼ぐことができるのもふるさとのおかげですし、自分自身が残してきた家族がいる、そういったふるさとにもしっかりと貢献をしたい。例えば、ふるさとに一定の寄附を行うとその額がそのまま住民税から控除される、そういった制度があればいいのではないかというふうに考えたこともありました。

 まさにこういった思いを、二〇〇四年、私の地元の富山市の森雅志市長とかが、ふるさと思いやり減税として提言もされています。出身地を応援したいという思いで寄附をした場合に住民税の税額控除を受けることができる、故郷への恩返しの制度です。これがまさにふるさと納税の根幹にある思想だと私は思っております。

 こういった、出身者のふるさとを思う気持ちに応えていくということは、地域活性化の取組という点では非常に重要だと思っておりますが、そのために知恵を絞っていくこと、これは大事だと思います。政府のお考えはいかがでしょうか。お答えください。

恩田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、地域活性化に当たりましては、その地域に暮らす住民のみならず、出身者の方、仕事や趣味等で関わりを持った方なども含めまして、多くの方々に地域に思いを寄せていただき、関わりを深めていくことが重要であると考えておるところでございます。

 総務省といたしましては、これまでも、地域おこし協力隊や地域活性化起業人など、地域に思いを寄せる方々が様々な地域に貢献できる施策を進めておるところでございまして、一定の成果も出ているものと認識しているところでございます。

 今後も、持続可能で活力ある多様な地域社会と、そこで営まれる一人一人の暮らしを支えるため、各自治体が地域づくりの取組をしっかりと進められるよう支援してまいります。

古井委員 御答弁ありがとうございます。

 まさに今お話をいただいたように、そうした思いに応えていく取組の一つとして、今年度から、ふるさと住民登録制度のモデル事業、こういったものが始まっているというふうに承知をしております。これは、関係人口を可視化して、ふるさとを思う気持ちを形にしていく、大変すばらしい制度だと私自身思っております。

 私の地元富山県においても、関係人口一千万人というものをかけ声として、富山に関わりたい、富山に関わろう、そういった方々を広く呼びかける取組をこれまでも行ってまいりました。私自身も、地方出身者の一人として、今は住民票はまた地元に戻っておりますが、もっと早くこういったものが始まっていれば、是非是非、学生のうちから登録したかっただろう、そういったふうに思う、非常に意義深い施策だと考えております。

 是非、多くの方にこのふるさと住民登録制度を知っていただきたいなというふうに思っておりますので、この制度の概要と現在の取組状況を政府の方に教えていただきたいと思います。

恩田政府参考人 お答えいたします。

 ふるさと住民登録制度でございますが、住所地以外で継続的に関わる地域をスマホのアプリで登録する仕組みを導入することで、関係人口を可視化し、地域の担い手確保や活性化につなげることを目指すものでございます。今年度中に開始できるよう準備を進めているところでございます。

 具体的には、登録区分にベーシック登録とプレミアム登録、この二段階を設けることとしておりまして、ベーシック登録では、登録者の関心事項に応じた地域の様々な情報を提供いたしますとともに、地域で担い手活動等によって一定貢献された方々をプレミアム登録と位置づけ、活動をサポートする施策を提供することを考えておるところでございます。

 このような仕組みの中で、各自治体ならではのイベント情報等の発信、担い手活動の募集など、魅力的なコンテンツを登録者が見られるようになることで、地方への人の流れの創出、拡大につなげてまいりたいと考えております。

 こうした制度に関する内容、自治体の取組事項等をまとめましたガイドラインを昨年度末に発出したところでございまして、全国の自治体において制度開始に向けた準備を進めていただきたいと考えておるところでございます。

 また、制度の本格的なスタートに先立ちまして、モデル事業を実施しているところでございます。この中で、アプリの利便性向上に向けた実証を行いますとともに、全国の自治体が取組を進める際の参考となるよう、制度を活用した効果的な事例の創出を図っていくこととしております。

 今後とも、制度の実効性を高め、多くの関係人口を地域に呼び込む取組が全国に広がるよう、取組を進めてまいります。

古井委員 御答弁ありがとうございました。

 まさに大変心強い取組だというふうに改めて思います。

 今、ベーシック登録とプレミアム登録の二段階での関わりという話もありましたが、こういった実際の関わりに応じた仕組みをつくっていくことで、非常に期待をしております。

 さて、ここからふるさと住民登録制度を更に発展をさせていくに当たって、例えば、私、幾つか考えられることがあるんじゃないかなというふうに思っております。

 まさに、こうやって情報をもらって、実際に町に戻ってということが一つあると思いますが、それに加えて、例えば、ふるさと住民登録の登録者数、こういったものを地方交付税の算定基準に勘案していくということが、一つ、いかがでしょうかということです。

 例えば、関係人口が増えていけば増えていくだけ当該の自治体の地方交付税が増えていく、そういった関係人口の多さが実際の自治体の財政にもプラスになっていく、そういった施策のアイデアです。

 もう一つは、例えば、プレミアム登録をされている方、実際に関わりを深く持っていらっしゃる方ですね、こういった方々は、ふるさと納税の控除枠、こういったものがより広がるといった、ふるさと納税の仕組みの中でのふるさと住民登録を活用していくということです。

 例えば、プレミアム登録をしていれば、ある意味、第二の住民票を持っているような町でございますから、ふるさと納税の上限を超えてもなお、寄附をすればその分控除が受けられる。ある種、住民目線でいえば、より分割納税のような制度が進められていくというようなアイデアでございます。

 こういった形でふるさと住民登録制度がふるさとへの思いを届けるインフラになっていくということは、私は、これは、返礼品の競争とはまた違う、いい行政サービスがしっかりと評価をされていく、そういった姿だと思っております。

 実際、競争にちょっと否定的な首長にもお話を私は伺ってみたんですが、あくまでも、過剰な自治体間の競争というのは、返礼品競争を避けたいというような話が多くて、行政サービスを評価されての競争まで否定しているものではないというふうに私も理解をしております。

 実際に、私の周りでも、ふるさと納税をする際には、やはり使途の部分で子育てというものがある自治体に寄附をしたいな、そういった声も多いです。

 実際にこういった動きを踏まえて、大臣にお伺いをさせてください。

 ふるさと住民登録制度をより活性化をさせていって、ふるさとを思う気持ちに応えていく制度設計、こういったものを進めていくことについて、大臣のスタンスをお聞かせください。

林国務大臣 まずは、古井委員におかれましては、総務委員会でデビューということで、おめでとうございます。

 地域に様々な形で思い入れを委員のように持つ方々がたくさんいらっしゃると思われますけれども、日常において具体的な行動に向けたきっかけがなくて、思いはあるものの形にならない、こういう課題があると思います。

 そうした思いに応えられるように、この制度を通じて、地域のトピックですとかイベントの開催、さらには担い手の募集情報などの様々な情報をお届けできるということになりますので、地域への愛着が深まるとともに、実際の訪問とか地域貢献といった形につながっていくことを期待しております。

 その先の税財政制度の在り方、大変示唆に富む御意見をいただきました。まずは、柔軟かつ間口の広い仕組みとして創設をいたします。その上で、各種税財政制度の議論については、制度の定着を図って、関係人口をどうやって定着していくか、増えていくか、こういうことを踏まえながら検討する必要があると考えております。

 今後も、自治体や関係者の御意見も丁寧に伺いながら、この制度が、先ほど御披露いただいたような地域に対する思い、これに応えて、多くの自治体や国民の皆様に活用いただける制度となるように、しっかりと取り組んでまいります。

古井委員 ありがとうございました。

 今大臣の方からもいただいた話がありましたが、とにかく、地方、ふるさとを思う気持ちというものが、ネガティブに何か作用させながら地方に財源を移すということではなくて、やはり、ポジティブに応援したいな、何とかしたいなという思いを形にしていくことが非常に重要だと思っております。中央からポジティブにお金が流れていくような仕組みも含めて、このふるさと住民登録制度をしっかりと進めていただければと思っております。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

古川委員長 次に、平林晃君。

平林委員 中道改革連合・無所属の平林晃です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 まず、本委員会で度々質問してきております情報流通プラットフォーム対処法、いわゆる情プラ法の施行状況についてお伺いをいたします。

 昨年四月の法施行を受け、指定された大規模プラットフォーム事業者九社から、五月末までに削除対応の状況が初めて公表されました。今回の公表は、法施行後の制度運用状況を検証する上で重要な第一歩であり、利用者保護の観点からも大きな意味を持つものと考えております。

 公表された内容を見ますと、申請に基づく削除件数は、数百件規模の事業者から数十万件規模の事業者まで大きな開きがあり、削除率についても同様に開きがございます。実際、最も高い事業者では四六%である一方、最も低い事業者では〇・一%にとどまっています。

 この差が、各事業者の運用方針や対応姿勢の違いによるものなのか、それとも集計方法や算出方法の違いによるものなのか、公表データの受け止め方は大きく変わってまいります。利用者にとって分かりやすく透明性の高い制度としていくためには、まず、公表された数値がどの程度比較可能なものなのかを確認することが重要であると考えます。

 そこで、まずお伺いをいたします。

 今回公表された申請件数や削除件数の集計基準は各社で統一されているのでしょうか。また、公表されている数値は、事業者間で単純に比較できるものと考えてよいのでしょうか。総務省の見解を伺います。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 大規模なプラットフォーム事業者に対し、削除対応の迅速化及び運用状況の透明化の義務を課す情報流通プラットフォーム対処法の下、現在、同法の適用を受ける事業者として、九の事業者を指定しております。

 適用を受ける各事業者は、年度ごとに、投稿の削除やアカウントの停止等の措置の運用状況を公表することが義務づけられておりまして、法の施行後、初年度の状況について、五月末までに各事業者から公表されたところでございます。

 その上で、委員御指摘の集計基準の統一性、数値の比較可能性については、例えば、大規模事業者は、総務省令において、削除申出件数及び削除件数に関し、同法に基づき削除が申し出られた件数、七日以内に削除された又は削除されなかった件数、七日を超えて削除された又は削除されなかった件数といったことを公表することが求められておりまして、各事業者間で対応状況の比較も一定程度可能かと考えております。

 一方、削除申出件数及び削除件数については、例えば名誉毀損の侵害やプライバシーの侵害など、申出があった理由ごとの件数の公表を求めているところ、大規模事業者が提供するサービスごとの設計や特性が異なることから、申出があった理由の内訳等につきましては、各事業者自ら判断し、公表することとしております。

 公表内容につきましては、各事業者間での比較が一定程度可能なものとそうでもないものが想定されますが、いずれにしましても、総務省としましては、各事業者の公表内容を分析しまして必要な対応を検討してまいります。

平林委員 大変微妙な御答弁で、比較できるものもあるし、できないものがあるしと、そういうお話でございました。結局、だから、全体的にはなかなか、我々サイドとしては単純には比較できないのかな、こういう印象を持つところでございまして、数字の評価というのは容易ではないなと思うところでございます。

 そもそも令和六年の改正は、名称も変わって情プラ法になったわけですけれども、SNS上の誹謗中傷や権利侵害への対応について、削除対応の迅速化と運用の透明化を図ることを目的として行われたと認識をしております。SNS上の誹謗中傷が社会問題化し、痛ましいこともあったと記憶してございます。その被害の深刻さが広く認識される中で制度整備が進められてきた経緯も含めますと、法の施行状況を理解するためには、今、冒頭申し上げている統計情報だけではなくて、個別の対応、一つ一つの対応状況に目を向けていく、この点も重要であると考えているところでございます。

 その上で、情プラ法は、権利侵害への迅速な対応という観点と表現の自由の確保という憲法上の要請とのバランスの上に成り立つ制度であるということも理解をしております。その意味で、削除を申請した側から見れば、迅速かつ適切に対応してもらえた、こういう点が重要ですし、一方で、削除を求められた側から見れば、十分な説明や異議申立ての機会が確保されているのか、こういう観点も重要であると考えます。

 また、別の観点で申し上げると、令和六年改正には五年後の見直し規定も設けられているということも認識をしております。

 そこで伺いますが、総務省として、削除の申請者及び被申請者が実際の対応をどう受け止めているのか、これをどのように把握をして、今後の制度運用の改善や検証に反映していくお考えなのか、見解を伺います。

藤田政府参考人 御指摘のとおり、情報流通プラットフォーム対処法に基づく大規模事業者の対応状況について、サービスの利用者からの実際の意見を把握することは大変重要だと考えております。

 そこで、情報流通プラットフォーム事業者による削除対応の迅速化や運用状況の透明化に関する義務の履行状況に関して、利用者からの報告を受け付けるため、総務省では、昨年十一月以降、総務省委託により運用されている相談窓口、違法・有害情報相談センターに利用者からの報告フォームを設置しております。このフォームでは、削除申出を行った利用者と削除申出された発信者の双方の報告を受け付けております。

 総務省としましては、削除申出を行った利用者、削除申出された発信者のそれぞれから報告された内容等も把握しつつ、情報流通プラットフォーム対処法の実効性向上に努めてまいります。

平林委員 このセンターの取組は本当に重要だというふうに認識をさせていただいております。寄せられる声をしっかりと分析をしていただいて、件数とともに、削除率とともに、その内容もしっかりと精査をしていただきたい、このように考えているところでございます。

 その上でですけれども、大臣にお聞きできればと思うんですけれども、今回公表された内容を見ますと、法令上は同じ規律の対象でありながら、事業者ごとの対応状況には相当の差が見られると感じているところでございます。

 その背景には、サービス内容や利用実態の違い、さらには集計方法の違いもあるのかとも考えられますけれども、利用者の目線から見れば、事業者によって対応に大きな差があるように映ることも事実ではないかなと思うところでございます。

 こうした状況を見ますと、現在、総務省において検討が進められているSNS利用時の本人確認や年齢確認、これもずっと取り扱ってまいりましたが、このことについて、各事業者に一律の対応を求めることの難しさを改めて感じるところでございます。

 これまでも指摘させていただいてきましたように、SNSの利用時における本人確認や年齢確認は、青少年保護や利用者保護の観点から極めて重要な課題でありますけれども、その制度設計に当たっては、実効性をどのように担保していくのか、この点が極めて大事であると考えております。

 大臣にお聞きしたいことは、今回公表された削除対応状況をどのように受け止めておられるのかという点に加えまして、また、今後の本人確認、年齢確認制度の検討にどのような示唆が得られたと考えておられますか。この二点をお願いいたします。

林国務大臣 プラットフォーム事業者に対して様々な課題への対応を求める場合の基本的な考え方につきましては、事業者が提供するSNS等のサービス、これがやはり一様でございません。したがって、様々な設計、特性が見られるわけでございまして、サービスごとに異なる設計や特性を考慮に入れるということが重要なポイントの一つだろうと考えております。

 こうした考え方の下で、この対処法の関係法令に基づいて大規模事業者に公表を義務づけている事項の中には、提供するサービスの設計、特性を踏まえて、事業者自らが具体的な記載ぶりを判断して公表することとしているものも含まれておるわけでございまして、それがさっき、ちょっと分かりにくい答弁だったかもしれませんが、数字で出るところと、記述式になっている、こういうふうになっているわけでございます。

 いずれにしても、公表結果については、一部の事業者に対しては報告徴収を行いながら、現在精査を進めているところでございます。

 SNS等における情報流通をめぐる諸課題への対応の在り方については、以前もこの委員会で委員と議論させていただいておりますけれども、青少年の保護ですとか犯罪対策、それぞれ政策目的がございますので、そうした目的を踏まえて、事業者に対する過度な負担や規制にならないようにしつつも、申し上げた政策目的、これをしっかりと達成していくためにどのような方策が望ましいかについて適切に検討していきたいと考えております。

平林委員 ありがとうございます。

 本当に、過度な負担にはならないけれども、ちゃんとやっていくというお話であったかと思います。そういった意味で、サポート体制も非常に大事になるんじゃないかなと考えておりますので、いろいろな関係省庁の知見を結集しながら、実効性のある対策の検討を進めていただくことを期待申し上げておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 続きまして、話を変えまして、郵政民営化法改正案に関しまして、この後提出されることとなっていると思いますので、質問させていただけたらと思っております。

 郵政民営化から約二十年が経過しようとしております。この間、郵便物数は大幅に減少して、そして、人口減少や高齢化も進展をするなど、郵政事業を取り巻く環境は、民営化の当時と比べて大きく変化をしていると認識をしております。

 また、近年は、郵便、貯金、保険といった従来の役割に加えて、地域社会を支える拠点としての郵便局への期待も高まっていると認識をしております。

 そこでまた、続けて大臣にお聞きできればと思いますけれども、政府は、郵便局を今後どのような存在として位置づけようとされているのか、また、現在提出が予定されている議員立法に関しまして、どのような意義を有するものと認識をしておられるのか、大臣の御見解をお願いいたします。

林国務大臣 全国約二万四千局のネットワークを持つ郵便局でございますが、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスを提供してきておりまして、また、これに加えて、自治体窓口業務の取扱いなど、地域の実情やニーズに合わせた取組を行うなど、我が国の地域社会において重要な生活インフラとしての役割を担っている、そういうふうに考えております。

 少子高齢化ですとか人口減少、そして過疎化などを背景として、自治体の支所の統廃合等が進んでおります。こうした中で郵便局が、こういった、住民に身近な存在、最後のとりでという言葉もございますけれども、地域を支える役割というのは、ますます重要なものになってきております。

 そして、現在各党で御議論されている郵政民営化法等の改正につきましてでございますが、先ほど申し上げたような、少子高齢化ですとか人口減少、過疎化等によって、郵政事業の状況ですとか郵便事業を取り巻く社会経済情勢が大きく変化しておりまして、こうしたことを踏まえて、郵政三事業のユニバーサルサービスの確保、そして、郵便局ネットワーク等の活用による地域住民の生活の支援に向けて制度の見直しを行おうとするもの、そういうふうに承知しておりまして、我が国が直面する課題の解決に向けて時宜を得たもの、そういうふうに認識をしております。

平林委員 ありがとうございます。

 私も、大臣の御地元を含みます中国地方で活動をさせていただいておりますので、今大臣がおっしゃられた最後のとりでという言葉は本当に実感をするということでございます。北の方に上っていくと、そういうエリアをいろいろ私も歩かせていただいておりますので、本当に共感をしております。

 そういう意味で、郵便局のネットワークの維持の重要性には同感しまして、そのネットワークというのは、単なる郵便サービスの提供拠点にとどまらず、地域社会を支える重要な基盤として期待をされている、その点もおっしゃるとおりだなというふうに思っております。

 それでは、その前提として、現在の制度がどのような考え方に基づいて設計されているのか、この点を確認をさせていただけたらと思います。

 平成二十四年の郵政民営化法改正においては、郵便事業会社と郵便局会社が統合され、日本郵便株式会社が設立をされております。その一方で、郵便貯金会社と郵便保険会社、現在のゆうちょ銀行とかんぽ生命については別会社としての位置づけが維持をされている。郵便部門については統合されながら、金融、保険部門については独立をした会社として位置づけることとされているのはなぜなのか、その趣旨について、総務省の見解を伺います。

藤野政府参考人 お答えいたします。

 郵便貯金会社と郵便保険会社の分社につきましては、平成十九年の当初の民営化で行われたものでございますけれども、金融事業と非金融事業との間で経営上のリスクを遮断する必要がある等の理由から行われたというふうに承知してございます。

 これに対しまして、郵便事業会社と郵便局会社の統合、これは平成二十四年の議員立法による郵政民営化法等の改正で行われたものでございますけれども、これは、郵便事業会社と郵便局会社が分かれていたことについて、利用者利便を損なわないかということなんですけれども、例えば、配達郵便物の問合せを郵便局に要領よく行うことができない、これは別の会社だから、別の事業をやっているからというような声があったために、こういったことを是正するために行われたものと承知してございます。

平林委員 リスクの分離とかそういった考えに基づいて今のような体制になっているということでございました。

 その一方でですけれども、今回の議員提出予定の法案におきましては、日本郵便と関連銀行、保険会社との間の窓口業務契約について、現行の届出制から認可制へと変更することとされている。

 時間がなくなりましたので、まとめて次の質問をさせていただけたらと思います。

 こういう観点とともに、あと、また、日本郵政に対して、銀行と保険会社の株式を三分の一超保有することを義務づける内容が盛り込まれているということでございます。

 この二つの措置を同時に実施することによって、金融と保険のユニバーサルサービスの確保に対してどのような効果が期待されると考えているのか。また、併せてですけれども、平成二十四年改正において、金融、保険部門については独立した会社形態を維持した趣旨との関係も踏まえながら、郵政民営化の理念との関係でどのように整理をされているのか。この二点について、総務省の見解をお伺いいたします。

藤野政府参考人 まずは、届出制から認可制への関係でございますけれども、現行法上は、御案内のように、銀行窓口業務契約、それから保険窓口業務契約の締結、変更につきましては総務大臣への届出制となっておりますので、こういったものの締結、変更等については、総務大臣の事前の審査なく行われているわけでございます。

 これに対しまして、現在御議論いただいているような内容の日本郵便株式会社法の改正が行われた場合、事実関係で申し上げますと、申し上げた窓口業務契約の締結、変更で、これは認可制なので、総務大臣が事前に、郵便、銀行、保険の三つの役務を郵便局で一体的かつあまねく全国において公平に利用できるようにする観点から適当か、そういう審査を行うということになりますので、端的に申しますと、金融のユニバーサルサービスの確保の観点から適当と認められないような契約の締結、変更、廃止ができなくなるというふうに理解してございます。

 それから、もう一つの方でございますけれども、三分の一超の株式の保有の関係でございますが、現在御議論いただいているような郵政民営化法の改正が行われた場合について申し上げますと、日本郵政が、当分の間、関連銀行、関連保険会社の三分の一超の株式を保有するということでございますけれども、これにつきましては、同じ郵政民営化法の改正の中で、日本郵政がこれらの金融二社の株式の全部を処分してもユニバーサルサービスの責務の履行が確保されるかについて、政府に検討を求め、その結果に基づいて、新設される三分の一超の保有義務の廃止その他の措置を講ずるものとされてございます。

 つまり、当分の間、三分の一超の保有を義務づけるということは、日本郵政が金融二社の全株式処分を行っても郵政事業のユニバーサルサービスの責務の履行が確保されるかどうか検証、検討する必要があるため取られるということでございますから、その意味で、ユニバーサルサービスの責務の履行への影響を勘案しながら株式を処分、これは現行法の考え方ですけれども、この考え方から離れるものではないというふうに承知してございます。

 それから、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式の全部処分を目指し、できる限り早期に処分するという、これは現行の郵政民営化法第七条に規定がございますけれども、これは変更はないということでございますので、その意味でも、現行の郵政民営化法の理念を変更するものではないと承知しているところでございます。

平林委員 時間になりましたので終わりますけれども、やはりこのユニバーサルサービスを維持するという観点は、私も非常に重要だと思っておりますので、そういった意味でも、しっかりと進めていけたらと思っております。

 以上で終わります。ありがとうございました。

古川委員長 次に、神谷裕君。

神谷委員 中道改革連合の神谷裕でございます。

 本日も質問の機会をいただきましたこと、改めて感謝申し上げたいと思います。

 早速質問に入らせていただきたいと思います。

 私も郵政についてお話をさせていただければ、聞かせていただければと思っているところでございますが、まず最初に、この郵政改革なんですが、二〇〇五年に行われております。その後、数次にわたる法改正を経まして、郵政事業は現在の形に至っているわけでございますが、そもそも、小泉内閣のときに、様々この郵政改革について説明されてきた郵政の在り方、これが果たして本当に当時の説明どおりに進んでいるんでしょうかということをまず聞きたいと思います。

 メールやSNSとか、そういったソーシャルメディアの普及などの影響や、コロナ等でのダイレクトメールの減少等、想定外のことは割り引いたとしても、当時、武部幹事長でございましたか、あすなろ村のこともおっしゃっていましたけれども、あのときのあすなろ村のようにはなっていないんじゃないかな、少なくとも私はそう思えるのですが、まずは、この郵政改革の御評価について大臣に伺いたいと思います。いかがでしょうか。

林国務大臣 私も、この答弁の資料を見ながら、紙芝居があったなというふうに懐かしく思い出しておりましたけれども、当時の、二〇〇七年ですが、郵政民営化に際して、郵便局は、地域密着型の地域活性化の拠点として、集客力を発揮し、多様な新規サービスを提供することが可能になると期待されていたということでございます。

 この「あすなろ村の郵便局」の紙芝居では、郵政民営化後の郵便局で期待される新規サービスとして、物販、介護サービス、コンサートチケットの予約、旅行の手配等が例示されていたということでございます。

 民営化後の日本郵政グループにおいては、チケットの予約や旅行の手配というのは実際には提供されませんでしたが、物販ですとか、介護施設・バリアフリーリフォームへの仲介、こうした新規サービスは実現しております。

 また、日本郵政グループで、自治体の窓口の事務ですとか、買物支援、みまもりサービス、オンライン診療など地域住民の生活を支援する新規サービス、こういうものを行っておりまして、こういった取組も含めて、国民の皆様の利便性、これは総じて向上している、そういうふうに認識をしております。

神谷委員 大臣、答弁ありがとうございます。

 あのときに、いろいろな説明がありました、今おっしゃっていただいたとおり、実現した部分、実現しなかった部分はあったと思うんですけれども、いわば民営化という改革の流れの中で来た、その間、現在までに至って、果たしてそのときに考えていたバラ色のような郵便局、あるいは郵政の在り方だったかなというと、私はそこにはいささか疑問が残っております。

 仮に、まあ、民営化そのものがよかったとしましょう。としても、ここまでの間、残念ながら新しい事業というのはそんなにそんなになかった。民間会社としてのダイナミズムは果たして生まれたのかというと、ここにいささか問題があるんだろうなというふうに思っていますし、現に、そういった意味において、果たして本当にユニバーサルサービスも維持できるのかなんていうことも今心配がされているわけでございます。

 もちろん、郵政事業というのは、どんな地域のどんな場所でも信書を送達し、あるいはポストから郵便物を回収し、そして身近な金融や保険などを提供してきたわけです。ネットなどが存在しない時代にも、歩いて行けるぐらいの範囲で、窓口に行けば、送金や年金の受取、保険の説明など、暮らしに必要なインフラとしてユニバーサルサービスを提供してきたわけでございます。

 しかし、国がサービスを提供してきた時代ならばともかく、厳しい経営状況の中で民間会社が経営努力の下で提供していくとなれば、やはりコストも相当かかっているし、このコスト負担を今の経営の中で果たして全うできるのか、私にはこれが疑問でならないわけでございます。

 もちろん、これからもあまねくサービスを提供していただかなければならないということになると思うんですが、だとするならば、この経営の中で解決できないとするなら、誰が果たしてこのユニバーサルサービスのコストを負担すべきなのか、今そういったことを考えなければいけない岐路に近づきつつあるのかなと思います。これについて大臣の所感を伺いたいと思います。

林国務大臣 郵便、貯金、保険の郵政事業のユニバーサルサービス、これは関係法令によって、日本郵政及び日本郵便に対して、郵便局で一体的に、あまねく全国において公平に利用できるようにする責務、これが課されているわけでございます。まずは、両者において、その責務を果たすべく、しっかり取り組んでほしいと考えております。

 総務省といたしましては、このネットワークを維持して、郵政事業のユニバーサルサービスが確保されますように、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険から拠出金を徴収し、日本郵便に交付金として交付する交付金、拠出金制度の運用、これを平成三十一年四月から行っているところでございます。

 今後とも、交付金、拠出金制度を適切に運用するとともに、郵政事業のユニバーサルサービスの重要性に鑑みまして、郵政事業を取り巻く環境が変化している中において、これをどう維持していくかについて不断の検討が必要であると考えております。

神谷委員 ありがとうございます。

 そういった意味においても、本日起草されるであろう法案が非常に重要になってくるのかなというふうに改めて思うところでございますが、やはり、本来であれば、民間会社に果たしてユニバーサルサービスをどれだけ全うしていただけるか、これをやはり考えなきゃいけない部分もあるのかなと思います。

 ましてや、株式が公開された後、株主という方々が出てきたときに、このユニバーサルサービスに対しての負担をどう考えるのか、こういったこともやはりいろいろあるんだろうというふうに思います。そういった意味においても、やはり誰が負担をすべきなのかということはしっかり考えていかなきゃいけないかなと思います。もちろん政府もその責任が、逃れられないということもあるんでしょうけれども、負担金を出していただいていることについては、本当に大事なことだと思っているところでございます。

 そういった意味において、先ほど、一番最初に、郵政民営化から現在までの来し方が果たしてどうだったのか、私も申し上げたんですけれども、そこにおいて、いわゆる上乗せ規制、この上乗せの規制というのが非常に重い足かせになったんじゃないかなというふうに思っているところでございます。

 いわゆる上乗せ規制については、金融二社についての根拠は郵政民営化法の第八章第三節及び第九章第三節ということだと思うんですけれども、これでよいのか、改めて伺いたいと思います。また、なぜこのような上乗せ規制を設けたのか、これについて改めて理由を問いたい、このように思います。

 また、普通にこの法律を読んでおりますと、特に百五条なり百三十五条がそうなんですけれども、議決権保有割合が五〇%を下回れば上乗せ規制を廃止することが可能であるとも取れるんですけれども、これについて、事実関係、政府委員の方にお伺いをしたいと思います。いかがでしょうか。

藤野政府参考人 お答えいたします。

 金融二社に対するいわゆる上乗せ規制の根拠規定でございますけれども、これにつきましては、ゆうちょ銀行については、先生今おっしゃったようなことですけれども、郵政民営化法第八章第三節、第百三条から百二十五条まででございまして、それから、かんぽ生命につきましては、同じ法律の九章三節、第百三十三条から第百五十三条までがございます。

 ここに規定されております上乗せ規制は、趣旨としては、郵政民営化法の第八条で「同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するために必要な制限を加える」とございますけれども、この考え方を具体化したものというふうに考えてございます。

 現行法上、この上乗せ規制の適用の終了につきましては、ゆうちょ銀行について申し上げますと、郵政民営化法の第百四条それから第百五条がございますけれども、日本郵政がゆうちょ銀行の株式を全部処分した日又は内閣総理大臣と総務大臣が上乗せ規制の適用をしない旨の決定を行った日のいずれか早い日になされると規定されてございます。

 この後者の方、内閣総理大臣と総務大臣の決定につきましては、今御指摘いただきましたような、日本郵政がゆうちょ銀行の株式の二分の一以上を処分した後であることが要件の一つでございまして、あとは、この両大臣が、内外の金融情勢を踏まえまして、郵政民営化法百五条に規定する事情とあるんですけれども、競争関係の影響ですとか郵政グループの経営状況なんかを指すんですけれども、これを考慮し、そして、ゆうちょ銀行と他の金融機関等との間の適正な競争関係それから利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認めた場合に行うとなってございます。

 今のはゆうちょ銀行について申し上げましたけれども、かんぽ生命につきましてもこの上乗せ規制は規定がございまして、郵政民営化法第百三十四条、第百三十五条でございますけれども、同様な内容のことが規定されてございます。

神谷委員 今伺ったとおりでございますけれども、果たして今の、この上乗せ規制は本当に必要だったのかなということ、私には実は疑問でなりません。民間会社ということでございます。確かに、国が保有しているということであれば、いわば国の信用みたいなことは当時言われていたなというふうに記憶をしているんですけれども、果たして、国が株式を保有している、あるいは議決権を持っているということが対等な競争条件にないというふうに考えるべきなのかどうか、やはりここは疑問があると思うんです。

 この対等な競争条件というのはどういうことを指したのか、改めて審議官、いかがですか。

藤野政府参考人 お答えいたします。

 対等な競争条件としてかなり考えられたものは、国の間接保有にあるということですね。これをもって考えられたというのが一つ大きな要素としてはあったということでございます。

神谷委員 普通に民間会社にしたとしたら、ここにあえて上乗せする規制をかけるということそのものがやはりおかしいんじゃないかなというふうに私自身は思っていまして、それがあったからこそ現在の経営状況になっているんじゃないかというふうにも実は思っているところでございます。

 そういった意味において、今回、郵政に関する議員立法が議案として提出されるとなるわけでございますけれども、法案の提出の最大の事由は、郵政事業の経営状況がやはり厳しくなっている中で、いかにしてユニバーサルサービスを全うし、国民の重要なインフラを守っていくべきなのかということに尽きると私は思うんです。

 その上で、改めて考えると、この上乗せ規制が、実質的に金融二社の経営の自由度を奪ってしまって、結果として経営を大変に厳しくさせてしまっている一因ではないかと思うんです。

 そうなったときに、果たしてこの上乗せ規制というのが合理的な規制と言えたのかどうか、これを大臣に伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

林国務大臣 上乗せ規制でございますが、貯金残高ですとか保険金額に限度額を設けるなど、経営に一定の制限を設けるものであります。

 この上乗せ規制が設けられている趣旨は、先ほど政府参考人が答弁したとおりでございますが、第八条に「同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するために必要な制限を加える」、こういうふうになっております。

 したがって、この上乗せ規制については、こういった他の金融機関等との間の競争関係、それから利用者への役務の提供の適切性、これを考慮して適切に運用等をしてまいらなければならないと思っております。

神谷委員 大臣、結果として、この上乗せ規制の結果、今、保険事業の方は独り負けの状況と言っていいと思います。また、貯金量もどんどんどんどん減っているというのが現状だと思います。これだけ金利が上がってくると余計に、貯金の限度があるということが大きいんじゃないかなと思います。

 そういった意味において、やはり今の郵政事業を見るにつけ、本来、民間会社にしたら、自由度も上げて、そして民間会社としてのダイナミズムを発揮してもらってしっかり稼いでもらって、よってもって国民の皆さんにユニバーサルサービスを提供していただこうじゃないかという発想だったんじゃないかなと私は思います。しかしながら、今回、ずっとこの間見てみると、名称そのものは民営化、あるいは民間会社になりましたが、自由度は奪い、結果として今の状況が生まれているんじゃないかと思います。果たして、この上乗せ規制というのは合理的な規制と言えるのかどうか、私には疑問でなりません。

 そんな意味において、やはり民間会社としてしっかりやっていただく、立っていただく、できることであればもうけていただくということを考えたときに、この上乗せ規制というのは早期に廃止すべきなんじゃないかと思います。大臣、お考えはいかがでしょうか。

林国務大臣 この上乗せ規制の適用の終了につきましては、条文を先ほど政府参考人が答弁いたしましたが、日本郵政が金融会社の株式を全部処分した日又は内閣総理大臣と総務大臣が上乗せ規制を適用しない旨の決定を行った日、このいずれか早い日に行う、こうなっておりますので、他の金融機関等との間の競争関係ですとか、利用者への役務の提供の適切性、これを考慮して適切に対応してまいりたいと考えております。

神谷委員 大臣、今の状況で、果たして他の金融機関との競争関係は公正と言えるのかどうか。私には、公正にあるようには思えません。むしろ、金融部門もそうでしょう、かんぽもそうですけれども、今、かえって足かせをかけてしまって、いわば郵政だけが対等な条件にないというふうにも見えるわけなんです。ですので、今の独り負けの状況があるんじゃないかと私には見えてならないんです。

 そういう意味において、全株というか、話もあったんですけれども、法文上、先ほど申し上げたように、過半で、五〇%を切ればいい部分もあるものですから、そういった意味においても、もう既に、多分二分の一は切っているはずなんです。

 早急にこの部分、上乗せ規制を取るべきだと思うんですけれども、いかがですか、再度。

林国務大臣 まさに、先ほど申し上げた内閣総理大臣と総務大臣の決定というのは、ゆうちょの場合は、日本郵政がゆうちょ銀行の株式の二分の一以上を処分した後、内閣総理大臣と総務大臣が、内外の金融情勢を踏まえて云々、こうなっておりますので、まず二分の一以上を処分をする、その上で判断をする、こういう法律になっておりますので、そこに書いてある、適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認めた場合に行う、こういう法律でございますので、それを踏まえてしっかりと対応していかなければならないと考えております。

神谷委員 済みません、ちょっとうろ覚えなんですけれども、これは事前に通告していないので、審議官が分かったらなんですけれども、今、既にかんぽ生命も郵便も、双方共に二分の一を切っているんじゃなかったでしたか。

藤野政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおりでございまして、どちらも今、四九%の後半のところに来てございます。

神谷委員 大臣、今聞いたように、実はもう二分の一を切っております。ですので、そういう意味においての条件はある意味超えているというふうに思います。あとは政府が、あるいは大臣が御判断をどういうふうにしていただけるかというところまで来ていると思いますので、是非。いわば郵便事業というものをしっかり支えていかなきゃいけない局面にもはやなっているんだということ、これを是非御理解をいただきたいと思います。

 確かに、競争相手であるところの銀行さんであるとか保険事業の方、そういう皆さんからすると、依然かんぽにしてもゆうちょにしても脅威かもしれませんが、それはいわば競争相手でありますから、いずれにしても、ここはどうしても消えないかと思います。

 だとするならば、むしろこういう状況の中で、独り負けの状況もあり、そして最大の足かせは何かといったらこの上乗せ規制だと思いますので、是非、早期のこの部分の廃止を御検討いただきたいということを改めて御要請を申し上げたいと思います。

 その上で、次の質問なんですが、郵政会社の金融二社に対する議決権保有割合について改めて伺いたいと思うんです。

 現行法制では、日本郵政に関する政府の株式保有を、特別決議を阻止できる三分の一を保有することを規定して、また、金融二社については全株処分を規定するとなっておりますが、現在の経営を見るに、金融二社からの委託手数料収入が、日本郵便そして日本郵政の経営にとって極めて重要になっているというふうに思います。

 本来、郵政事業は国民共有の財産であったわけで、今後もユニバーサルサービスを維持していくためにも一体的な経営が重要であるというふうに思います。そこで、日本郵政による一定の議決権保有が今後も必要だと私は思うんですけれども、これについて大臣の所感を伺いたいと思います。

林国務大臣 日本郵政が保有する金融二社の株式の処分でございますが、郵政民営化法第七条第二項において、金融二社の経営状況やユニバーサルサービスの責務の履行への影響を勘案しつつ行うとされておるところでございます。

 総務省は、令和八事業年度の日本郵政の事業計画の認可に際しまして、郵便局ネットワークを維持して三事業のユニバーサルサービスを確保するということを要請をしておるところでございます。

 日本郵政においては、ユニバーサルサービスの維持を確保しつつ、適切に株式の処分について対応していただきたい、そういうふうに考えております。

神谷委員 先ほども申しましたけれども、今後株主さんが出てくる。株主さんにしてみれば、やはり配当収入というのか、そちらを最大化してほしいみたいなこともあるかもしれません。しかしながら、現状でいえば、金融二社の仕送りというか手数料がなければ、郵便事業そのものが経営できるような状況にはなっていない。だからこそ、三分の一超という形での特別議決権を最低限やはり保有しておくことが私は必要だと思います。

 そのことも御要請を申し上げさせていただいて、お時間になりましたので、私からの質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

古川委員長 次に、うるま譲司君。

うるま委員 日本維新の会のうるま譲司です。

 郵政民営化法等改正法案について、日本郵政にお伺いしたいと思います。

 今後、日本郵便への経営支援や義務の見直しがなされた場合でも、日本郵政としては、金融二社、ゆうちょ、かんぽの完全売却という民営化を後退させることなく、株式売却を着実に進めていくものであるという認識でよろしいでしょうか。お伺いいたします。

加藤参考人 お答え申し上げます。

 当社はこれまでも、郵政民営化法の趣旨にのっとり、当社が保有する金融二社の株式処分を順次行ってまいりました。その結果、現在、当社における金融二社の株式保有比率は五〇%を若干下回る水準となっております。

 今後、仮に郵政民営化法が改正された場合につきましても、当社としては、引き続き、民営化を後退させることなく、法律の趣旨にのっとり、金融二社の株式の売却を進めてまいる考えです。

うるま委員 将来的に金融二社の株が全て売却されたとしても、全国あまねくユニバーサルサービスの責務が確実に履行されるよう、日本郵政は、今から、具体的な経営戦略や代替方策を検討し、郵政民営化委員会へ報告し、検証に協力すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

加藤参考人 御指摘の金融のユニバーサルサービスを提供する日本郵便と金融二社との関係は、郵便局ネットワークを通じた商品、サービスの提供の受委託という関係とそれに対する手数料により相互に支え合う関係にあり、一体的なビジネスモデルを構成しております。

 このビジネスモデルは、当社による金融二社の株式の売却により直ちに変わるものではないと考えておりますが、当社としては、このビジネスモデルを強化し、郵便局ネットワークを通じたユニバーサルサービス責務が確実に履行されるよう、具体的な方策を検討し、将来的にも全国あまねくサービスを提供できる体制の維持に努めてまいります。

 なお、郵政民営化委員会の検討に際しては必要な報告をするとともに、当該検証に協力してまいります。

うるま委員 残念ながら、現場では、非公開金融情報の不適切利用や、郵便物の放棄、隠匿といった不適切な事案が相次いで発生しております。日本郵政が親会社として、日本郵便のコンプライアンス体制やガバナンス強化にこれまで以上に真摯にかつ厳しく取り組むようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

加藤参考人 日本郵便の一連の不祥事により、お客様を始めステークホルダーの皆様に御不安、御心配をおかけしていることを深くおわび申し上げます。

 当社としては、一連の不祥事を極めて重く受け止めており、各事案への適切な対応に加えまして、グループ全体のコンプライアンス、ガバナンス体制の強化を経営の最重要事項と位置づけ、再発防止に取り組んでおります。

 具体的には、個別事案の対処にとどまらず、その背景にある管理体制や牽制機能の課題、それから組織風土の問題などの真因を分析し、原因に即した実効性ある再発防止策の策定とその有効性の検証などを監督官庁に報告の上で進めております。

 当社としては、日本郵便がコンプライアンス、ガバナンス強化にこれまで以上に徹底して取り組むよう、親会社として必要な指導、支援を行い、グループ全体でお客様から信頼が得られるよう、しっかりと取り組んでまいります。

うるま委員 今後、経営効率化を図るとともに様々な事業展開を進めることで、時代に即した強靱な郵政へと改革を継続すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

加藤参考人 郵便物の減少とか来客数の減少によって当社グループは大変厳しい経営状況にありますので、郵便局ネットワークを通じたユニバーサルサービスを持続的に提供するためには、徹底した業務効率化等の改革に取り組んでいく考えです。

 加えまして、今後、事業として成長が見込まれる分野への事業展開も併せて進めてまいりたいと考えておりまして、不動産事業の拡大や、企業間物流への参入、時代に即して変化するお客様や地域ニーズを踏まえた生活サポートサービスの拡充を進めて、経営基盤の強化を図ってまいります。

うるま委員 今回、法改正がもしなされた場合、ユニバーサルサービスの維持に真に必要な費用のコスト、内訳を国民が適切に把握できるよう、詳細かつ分かりやすく情報公開すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

加藤参考人 現行法令下におきましても、郵政事業のユニバーサルサービスの安定的、継続的な提供を確保するための交付金、拠出金制度が設けられておりまして、ユニバーサルサービスの維持に不可欠な費用については、法令の定めの下、算定したコストの内訳を現在でも情報公開を行っているところでございます。

 今後、御指摘のような改正があった場合にも、引き続き、法令等に基づいて、詳細かつ国民にも分かりやすい情報公開に努めてまいります。

うるま委員 自治体業務等の基盤的サービス提供業務が本来業務に位置づけられた場合、本業である郵便・物流事業の遂行に支障を生じさせないことは当然でありますが、自治体業務等の基盤的サービス提供業務が効率的な経営の下で確実に事業として自立し、採算が成立する仕組みが構築されるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

加藤参考人 お答え申し上げます。

 当社としては、現在も、郵政民営化法の定めにより、民間企業として効率的な経営を行うことが求められておるものと承知しております。

 御指摘の公的業務の受託も含め、各種事業を行うに当たっては、法律の趣旨を踏まえ、事業として自立し、採算が確保されることが必要であるとの認識の下、効率的な事業運営に取り組んでまいります。

うるま委員 続きまして、話題を変えまして、オンラインカジノのアクセス規制についてお伺いしたいと思います。

 総務省のオンラインカジノに係るアクセス規制の在り方に関する検討会において、違法オンラインカジノ対策としてのブロッキングの有効性や、今後の包括的な対策の方向性についてどう取りまとめられたのか、お伺いいたします。

湯本政府参考人 お答えを申し上げます。

 今委員からお話がございました検討会につきましては、現在、報告書案についての意見募集を行っている段階にございます。

 報告書案におきましては、政府全体で引き続き包括的な対策を講じるべきだとした上で、特にブロッキングに関しては、通信の秘密や知る自由等に抵触し得ることから、他のより権利制限的ではない対策が十分に尽くされたか検証が必要であること、また、現在のインターネット利用環境に照らせば、若年層やカジュアルユーザー保護の観点から、対策としての有効性は否定できないことといった方向性が示されたところでございます。

 また、昨年九月に公表された中間論点整理におきましては、刑法上の賭博罪の保護法益は勤労の美風であり、これのみで通信の秘密の侵害を正当化することは困難であるとされたことを踏まえ、報告書案では、仮に実施する場合の目的につきましては、主として違法オンラインカジノに係るギャンブル等依存症やこれを生み出す違法オンラインカジノの流通、蔓延防止とするのが適当であること、加えて、違法な行為による国富の流出防止、スポーツ健全性の確保等を踏まえる必要があること、許容性を具体的に検討するに当たっては、違法オンラインカジノに係るギャンブル等依存症の危険性や違法オンラインカジノの実態を踏まえた検討が必要であることといった方向性が示されたところでございます。

うるま委員 御答弁のとおり、賭博罪の保護法益を勤労の美風のみとせず、例えば、依存症による自死や家族崩壊、そして国富流出など、そういったもので再構成して重くすれば、アクセス規制を始めとしたギャンブル依存症対策はより一層進むのではないかと思いますが、これは法務省に見解を求めたいと思います。

堤政府参考人 お答えいたします。

 最高裁判例におきましては、賭博行為について、「健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらある」と判示されているものと承知しております。

 他方で、賭博罪の法定刑は五十万円以下の罰金又は科料、常習賭博罪の法定刑は三年以下の拘禁刑とされており、組織的犯罪処罰法におきましては、常習賭博罪に当たる行為が、団体の活動として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、法定刑を加重して、五年以下の拘禁刑に処することとされております。

 このように、現行法におきましても、賭博に関する罪については、その悪質性に応じて相応に重い処罰が可能となっております上、賭博に関する罪につきましては、裁判所による宣告刑が法定刑の上限に集中している状況は見られず、現時点におきまして法定刑を引き上げなければ適正な科刑ができないような状況にあるとは言えないことからしますと、その法定刑の引上げに関しては慎重な検討を要するものと考えております。

 いずれにしましても、検察当局におきましては、個別具体の事実関係を踏まえ、悪質と認められる事案につきましては厳正に対処するものと承知しております。

うるま委員 現状を踏まえまして慎重な検討ということでありますが、よろしくお願いしたいと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

古川委員長 次に、深作ヘスス君。

深作委員 国民民主党・無所属クラブの深作ヘススです。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 この総務委員会において質問するのは初めてでございますが、林大臣、よろしくお願いをいたします。

 今回、本日の委員会の最後に郵政民営化等の一部を改正する法律案が起草をされるということでありますので、私はこの点一点に絞って、本日は質問をさせていただきたいと思います。

 今回は委員長提出ということで、この後、質疑がないと。各会派、既に読み込んだ上でということでありますが、まずは総括をした上で、質問に入っていきたいと思います。

 今回、郵便局を生活インフラとして法的な再定義を行い、自治体等から委託によって公共サービス等を提供する基盤的サービス提供業務、これが本来業務に明記された、位置づけられたということは評価をされるべきだと思っています。

 続いて、ネットワーク維持に向けた財源スキームの構築として、金融二社株式の売却益を原資とする地域貢献基金の創設、そして、権利消滅をした旧郵便貯金などを活用する新たな交付金制度の整備、それだけではなく、完全分離路線への転換とデジタル化の推進、こういったことが一つの評価をされるべきだと思いますが、幾つか、やはり課題もあると思っています。

 まず一つは、収益力の改善と担い手不足をどう改善をしていくのかという課題です。

 郵便物が構造的な減少による収益悪化に加え、簡易郵便局では受託者の高齢化等による一時閉鎖、こういったことも増加をしていて、地域を支える人材確保にどう対応していくのか、これは郵便業界だけでなく、様々な分野でも同じ状況がありますが、これにどう対応していくのかということをより真剣に考えていかなければいけないと思います。

 そして、続いては、組織再編の行方についてです。

 公布後二年を目途とした日本郵政と日本郵便の合併等に関する積極的な検討が附則に盛り込まれていると承知をしていますが、今後のグループ体制の構築が大きな論点となる中で、ここがまだ不明瞭な中で、どのようにこれが進んでいくのか、これをどのようにこれから明らかにしていくのかということは一つの課題であると思っています。

 その上で、今回、実は私、これがこの委員会で質疑をされるということを聞いて、もちろん、いつもこういった議論をするときに、エンドユーザー、最後にこの受益者たる国民の皆さんがどういうふうなサービスを受け続けることができる環境を維持するのかという視点、ある意味で、受益者の視点と、そして経営側の視点、この視点が議論をされますが、本来であれば、その間にいる郵便局員であったり、汗してこのサービスを守ろうと、今回、これが提出をされ可決をされれば、今までやってきたことと、変わっていくその業務を実際に担う郵便局員の皆さんの視点ということもしっかりと受け止めなければいけないという視点、思いを持って今回質疑に立たせていただいています。

 実は私、神奈川十九区という川崎市と横浜市にまたがった選挙区から来ていますが、今回、この選挙区にある宮前区十一局、そして横浜市の都筑区十三局全てに、この法案がもし可決をされた場合、どういった影響を感じているのか、又はどういった部分で不安を感じているのか、局員の皆さん、局長の皆さんからも御意見をいただいてまいりました。是非、その視点から、これを実際にマネジメントしていく皆さんの視点から、いろいろと質問をさせていただきたいと思いますので、お答えをいただきたいと思います。

 まず一つは、郵便局における人材確保についてであります。

 これを現場から聞くと、やはり要員不足により、休暇取得、これは今いるメンバーの休暇取得でさえも困難になってきている。業務量が増加をする一方で人員が全く追いついていないといった声がほとんどの郵便局から寄せられています。

 郵便局における人材確保の現状をどのように認識をしているのか、また、郵便局ネットワーク維持のためにどのような対応が必要と考えているのか、どのようなことを今後、策として講じていくのか、是非、まずはそこを参考人からお聞かせください。

西口参考人 お答えさせていただきます。

 先生御指摘のとおり、ある意味、日本郵便というのは人で成り立っている会社でございまして、そういった中で人材をしっかり確保をしていくというのは、最大の、最重要の経営課題だというふうに認識しております。

 その一方で、やはり人口減少等々、労働市場の多様化もあるんだと思いますけれども、なかなか採用できないといったようなところとか、過疎地においては要員の配置になかなか困難を要しているといった点がございます。

 したがいまして、社を挙げていろいろな対策を打っておりまして、離島とか過疎地の問題であれば、グループ内の社内公募で、一定期間、年数を限って、過疎地、田舎で働いていただける社員を募ってみたり、あと、世の中一般に対する応募を、郵便局で働いていただくような方々を探す努力も継続的にやっております。

 いずれにしましても、いろいろなことを細かくやっておるんですけれども、必要な人材を確保するというのが最も重要なことだと考えておりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

深作委員 今回、デジタル化ということも取り入れられて、そういう意味では、人員が少なくなっても体制を維持するための施策というものが盛り込まれているとは思いますが、今、本当に参考人がおっしゃったように、やはり、人があってこそこのサービスが成り立っているということを考えれば、やはり実際に働く人たちに着目をしながら、それをどのように環境をよくしていくのか、又は人員を充足させるのか、この議論なくして今回の改正案の実施ということもできませんので、是非引き続き力強く取り組んでいただきたいと思います。

 続いて、ユニバーサルサービスと経営の持続可能性について大臣にお伺いをいたします。

 郵便局は、全国あまねくサービス提供が求められている一方で、民間企業としての経営、これも求められているわけであります。現場からは、ユニバーサルサービスの維持そして経営の両立、これがなかなか、背中を押すのと髪を引っ張るのとが一緒に合わさっているようで、本当にどういうふうにバランスを取っていけばいいのか難しい局面があるというような声もあります。

 大臣、先ほども平林委員からも、最後のとりでであると。特に大臣御出身の山口でも、私の川崎と宮前とはまた違う景色があるとは思いますが、とはいえ、政令市である川崎と横浜でもこういった声が上がっている中において、大臣御自身は現在の郵便局ネットワークの経営環境をどのように認識をしているのか、是非、大臣の御見解をまずはいただきたいと思います。

林国務大臣 まずは、深作委員におかれましては、総務委員会での初質問、おめでとうございます。

 川崎や宮前ですか、何度か行ったことがございますが、何と都会だなというのが、私のようなところの選挙区のところから見るとそうなんでございますが、そこでもそういう状況があると。

 私のところは、恐らくは、特に田舎の方に行きますと合併前の名前が残っている、昭和の合併、前の地域の、それぞれ集落とか部落とか言っておりますが、そういうものの名前が残っている最後の公的な施設、こういうことでございまして、まさに本当に最後のとりでである、こういうふうに思っております。

 それに、過疎とか人口減少、それからデジタル化、さらには人件費、物価の上昇、経営環境は更に厳しくなっておるわけですが、そうした中で、ユニバーサルサービスを安定的に提供していくために、やはり経営の健全化に向けた取組を進める、これが重要であると思っております。

 日本郵便は、今後三年間にわたる収支改善計画というのを作成しておりますが、要員配置の適正化ですとか集配拠点の集約などのコスト削減の取組、それから郵便の利用促進ですとか荷物のサービス改善などの利益拡大の取組を進めることとしております。

 日本郵便の令和八事業年度事業計画の認可に際しましても、この収支改善計画を着実に実施していただいて、その状況を四半期ごとに報告してくださいということで同社に要請をしているところでございまして、今後は、こうした要請に基づく報告におきまして、収支改善の状況をしっかりと確認しながら、日本郵便の経営の健全化に向けた取組が着実に進みますようにしっかりと監督してまいりたいと考えております。

深作委員 ありがとうございます。

 本当に、ここにいらっしゃる委員の皆さん、各地域において状況は違うと思いますが、とはいえ、共通する課題についてはしっかりと政策として盛り込んでいただき、取組を進めていただきたいと思います。

 続いて、郵便、貯金、保険の三事業一体提供についてお伺いをいたします。

 地域の郵便局局長からは、郵便局ネットワークを維持するためにこの三事業を一体的に提供する体制が重要であるというような認識が寄せられています。政府として、この三事業一体によるサービス提供の意義、これをどのように評価をしているのか、また、本日起草される法案の検討事項である日本郵政グループの組織の在り方について、どのような観点から検討を進めるというようなお考えなのか、政府の見解をお聞かせください。

藤野政府参考人 お答えいたします。

 まず、三事業の件でございますけれども、郵政民営化法の第七条の二、それから日本郵政株式会社法や日本郵便株式会社法に規定がございますけれども、そこで、日本郵政それから日本郵便は、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスを郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する、そうされているところでございまして、郵便局における三事業一体でのユニバーサルサービスの提供は、地域住民の生活を支える基盤として重要なものと考えてございます。

 その上で、議員から御指摘いただきました日本郵政グループの組織の在り方についてでございます。

 少子高齢化、人口減少、それから過疎化、こういったものが進展してございまして、手紙の利用の減少、郵政事業を取り巻く社会情勢、これも大きく変化しているところでございます。御指摘いただいているような、現在各党で御議論されております郵政民営化法の改正によって、政府での検討について御指示をいただくのでございますれば、こういった環境変化の中で、郵政事業のユニバーサルサービスを一体として確保する観点から、どのような組織の在り方が最も適切であるかという見地から検討するということを理解してございます。

深作委員 ありがとうございます。

 次の質問に移りたいと思います。

 本法案では、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命に係る規制の在り方について検討することとされています。現場からは、利用者利便性向上の観点から上記規制の見直しを求めるというような声も上がっています。こういった声が届いているのかということと、そういった声に対して、政府として今後、どのような観点から検討していくお考えがあるのか、お聞かせください。

藤野政府参考人 お答えいたします。

 御指摘いただきましたいわゆる上乗せ規制でございますけれども、現行の郵政民営化法第八条におきまして、「同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するために必要な制限を加える」という規定がございますけれども、この考え方を具体化したものと理解をしてございまして、また、同じ条文では、「郵政民営化に関する状況に応じ、これを緩和する」となっているものでございます。

 今御議論いただいておりますのは、郵政民営化法の改正によって、これについて政府での検討の御指示をいただくのでございますれば、その際には、関係団体それから日本郵政グループから意見等を聴取いたしまして、この上乗せ規制が、ゆうちょ銀行やかんぽ生命と同種の業務を営む事業者との間の競争関係、それからゆうちょ銀行やかんぽ生命の経営、こういったものに及ぼす影響について検証を行い、郵政事業の状況、そして、郵政事業を取り巻く社会経済情勢の変化等を勘案して、この上乗せ規制の在り方について検討を行ってまいります。

深作委員 ありがとうございます。そういった声が現場からもあるということでありますので、是非取組を進めていただきたいと思います。

 続いて、地域貢献業務と財源についてお伺いをいたします。

 この法案では、郵便局による地域住民の生活支援、そして、地域貢献業務の拡充が図られるということが述べられていますが、これに対しても地元からは、地域貢献業務、これ自体は大変意義を感じるし、これはやりがいがある、重要であるという声も聞かれる一方で、では、一体誰が費用を負担をするのか、これを明確にしてほしいというような意見も寄せられています。是非、郵便局に対する期待と、そして、その実施に必要な財源をどのように確保していくのか、これについてもお聞かせください。

西口参考人 お答え申し上げます。

 日本郵便といたしましても、郵便局が地域における生活サポート拠点として最後のとりでといった役割を果たすということは、弊社における社会的使命であるというふうに認識しておりまして、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

 具体的なサービス、役割としても、マイナンバーカードの関連事務などの地公体事務を受託とか、もろもろ、いろいろなサービスをやっているということ、中期経営計画を先般発表しましたけれども、その中でも掲げさせていただいております。

 その上で、では、その費用をどういうふうに負担するのかといった御質問でございますけれども、基本的な考え方としては、例えば、先ほどのマイナンバー関連事務におきましても、郵便局での人件費や一定のシステム利用料などを地公体の方からいただいて、ある意味、必要な対価をいただきながら地域の生活サポート拠点としての役割を果たさせていただいているといったところでございまして、今後とも、日本郵便として適切な収益を確保しつつ、しっかりと役割を果たしていけるよう取り組んでまいりたいと思っております。

深作委員 ありがとうございます。

 では、最後に、また大臣にお伺いをしたいと思います。郵便局のネットワークの維持についてお伺いをいたします。

 先ほど来もう既に議論をしてまいりましたが、人口減少、過疎化が進む中で、地域によっては、行政窓口、金融機関、商業施設等がどんどん撤退をしている状況があります。最後のとりでという言葉がありましたが、そういった役割を果たしている中において、郵便局が提供する郵便、貯金、保険サービス、このどれも国民生活には欠かせない基盤的なサービスでありますが、大臣御自身は、郵便局ネットワークの社会的意義、これをどのように認識しておられるのか。

 そして、この法案がもし仮に可決をされていった場合に、それを実際に守っていく郵便局の皆さんがいらっしゃるわけです。是非、そういった人たち、現場で今までと違う取組をしないといけない中でも、是非大臣の言葉で鼓舞をしていただき、その後押しをしていただくような思いをお伝えいただければと思います。

林国務大臣 郵便局は、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスの拠点であることに加えまして、地域の実情やニーズを踏まえたサービスの拠点としての機能も果たしております。まさに地域の重要な生活インフラとしての役割を担っているわけでございます。

 総務省といたしましては、平成三十一年の四月に施行されております交付金、拠出金制度、これを確実に運用するとともに、関係法令によって規定されている郵便局の設置義務、これを確実に履行するように適切に監督をすることで、ネットワークの水準が維持されるように取り組んでおるところでございます。

 また、郵便局においてオンライン診療ですとか買物サービスなどの実証事業を行うこと、これは、私の地元の山口県の離島でもオンライン診療の実証実験をやって大変好評だったわけでございますが、郵便局ネットワークを活用した地域貢献、この後押しをしてきたところでございます。

 まさにこうした取組を着実に実施しながら、郵便局ネットワークを維持して、郵便局がまさに最後のとりでとして地域の期待に応える拠点となるように、引き続きしっかりと取り組んでまいります。

深作委員 ありがとうございます。

 時間になりましたので終わらせていただきますが、今日は、現場の声としてお届けをさせていただきました。是非、サービスを受ける側、そして、皆さん、運営する側だけではなく、そこの間で汗をかいて、機能を維持をしようとしている方々にも是非光を当てていただきながら取組を進めていただきたいと思いますし、先ほどうるま委員からも御指摘がありましたが、やはりコンプライアンス、これは国民の理解を得ていかなければいけない部分もありますので、様々なコンプライアンスに対する部分も取組を深めていただきたいと思います。

 以上、質問を終わります。ありがとうございました。

古川委員長 次に、青木ひとみ君。

青木委員 参政党の青木ひとみです。

 本日も質問の機会をいただきました。ありがとうございます。

 本日は、再エネに関して御質問をさせていただきます。

 総務省の行政評価局が令和六年三月に経済産業省に対して勧告しました太陽光発電設備等の導入に関する調査結果についてお伺いさせてください。

 まず、本調査の経緯についてです。

 平成二十四年のFIT制度の開始以降、太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーは急速に普及した一方で、事業者による住民への説明不足、土砂災害リスクなど、各地で深刻な問題が発生しております。

 こうした中で、総務省として本調査に踏み切った問題意識ときっかけ、そして、特に自治体や現場の住民の皆様から寄せられた具体的な声についてお聞かせください。

菅原政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の調査は、全国で太陽光発電設備等の導入が拡大する一方、一部の太陽光発電設備等に関し、地域住民への説明が十分になされないまま事業が開始されたり、発電設備の設置後に土砂が流出するなどのトラブルが発生していたことから、令和五年の再エネ特措法の改正も踏まえ、地域と共生を図りつつ、太陽光発電設備等の適正な導入が円滑に進められるための仕組みや運用の改善策を検討することを目的として実施したものでございます。

 自治体や住民から寄せられた具体的な声といたしましては、例えば、太陽光発電設備について、地域住民から市に対し、造成工事の現場で土砂が流出しているとの相談があり、市が現地確認を行った上で発電事業者に対し防災工事の実施について助言を行った事例、あるいは、風力発電設備について、地域住民から市に対し、風車の回転により生じている音について相談があり、市が発電事業者に対し、地域住民からの相談内容を伝えて対応するよう依頼したところ、発電事業者において、一定の時間帯は回転数を下げて運用することや、隣接する民家に防音措置を講ずるなどの対応が行われた事例、あるいは、地域住民から市に対し、柵が途中までしか設置されておらず、子供が発電設備の敷地内に入ってしまわないか心配であるとの相談があり、市から発電事業者に柵の設置を完了するよう依頼したが、事業者が対応しなかったため、市が経済産業局に通報したところ、その後、柵の設置が完了された事例などがございまして、これらは調査結果報告書に記載しているところでございます。

青木委員 御丁寧な御答弁ありがとうございます。

 地域の皆様の声を総務省が拾っていただいて、きちんと結果につなげていただいたということ、これは、地方の皆様の声が国を動かしたという証左として高く評価いたします。

 その上でお伺いいたしますが、先ほどおっしゃっていただきましたように、様々な地域からの皆様の声、そして、柵がなかったとか住民への説明不足だったとか、トラブルが報告書には書かれておりますけれども、このような様々な調査結果を総務省といたしましてどのように評価し、今後、各関係省庁に、どのように連携して制度改善につなげていくのか、御見解をお聞かせください。

 令和六年三月に勧告が行われた今でもトラブルは各地で頻発しておりまして、例えば、先月は北海道の函館市で、風力発電の事業者から住民への説明不足、内容の食い違いがあるということで、市長や市議会、そして住民の皆様から問題提起が強くなされておられます。

 総務省といたしまして、勧告後の改善状況を現在どのように把握されていらっしゃるのでしょうか。また、本調査結果に基づく勧告に対して、第二回目のフォローアップも予定されているのかどうか、その辺りもお聞かせいただけますでしょうか。

菅原政府参考人 お答えいたします。

 まず、調査結果と改善策でございますけれども、一つ目として、異なる地域で同一の事業者によるトラブルがあり、市町村による事業者への助言では改善されず、市町村からの通報を受けた経済産業局が現地調査を行った上で対応したことで改善が図られた事例がございましたので、トラブル等の未然防止に向け、経済産業省による現地調査を強化すること、二つ目として、経済産業省のホームページで公表されている発電設備に関する情報や、地方公共団体から経済産業局への通報手段として設けられている情報提供フォームについて、これらを知らないとする市町村が相当数あったことから、地方公共団体に対し、設備情報や情報提供フォームを周知すること、三つ目といたしまして、長期間改善が行われていないが、文書による指導を行っていないなど、経済産業局による対応がまちまちであったことから、再エネ特措法改正により交付金の留保措置が新設されたことを踏まえ、法令違反への指導を着実に実施し、改善されない場合は交付金の留保などの措置を的確に実施することなどの改善措置を講ずるよう、経済産業省に対して勧告を行ったところでございます。

 次に、勧告後の改善状況でございますが、令和七年三月にフォローアップ結果を公表しており、経済産業省による現地調査については、トラブルの発生後だけでなく、トラブルの発生前にも実施することとし、令和七年一月時点で千二百九十五設備に対して実施したこと、設備情報や情報提供フォームについては、地方公共団体が出席する各種説明会等の機会を通じて周知したこと、交付金の留保については、法令違反の状態が改善されない事業者に対して、令和六年四月に九件、八月に三百四十二件、十一月に十九件の一時留保措置を実施したことなどの改善措置を確認したところでございます。

 総務省といたしましては、経済産業省による改善措置の実施状況を踏まえ、二回目のフォローアップを実施してまいりたいと考えております。

青木委員 ありがとうございます。しっかりと地域の皆様の声を拾っていただいて、ちゃんと勧告、そして措置までつなげていただいたということを本当に心強く感じております。

 是非、ガイドラインも作成されたというふうに聞いておりますので、しっかり、ガイドラインを作成した後もやはりトラブルは続いておりますので、より実効性の高い形で、二回目のフォローアップもしていただくということですので、地域を守る皆様の声を確実に政策の方に、制度の方につなげていただきたいと思います。

 最後に、林大臣にお伺いいたします。

 林大臣が生まれ育ったところ、山口県下関、とても緑が多くあって、そして、山、川、海が、とても自然豊かなふるさとだと思うんですけれども、脱炭素の名の下で再生可能エネルギーの導入が進む一方で、各地において自然の環境の損失、そして住民の皆様の不安が顕在化しております。土砂災害のリスクが現実のものとなれば、その影響と負担は、自治体そして住民の皆様に影響が及ぶこととなります。

 こうした現状を踏まえて、地域の安心、安全の確保が大前提であるとは思われますけれども、国の再生可能エネルギーの推進、それとの両立について、林大臣はどのような御認識でおられるのか、御所見をお聞かせください。

林国務大臣 下関についてお褒めの言葉を賜りまして、大変恐縮でございます。

 再生可能エネルギーの普及、これは脱炭素社会の実現に向けた重要な政策課題となっております。その一方で、今、青木委員からお話がありましたように、地域の現場では様々なトラブルも発生していると承知をしております。

 こうした状況を踏まえまして、令和五年に再エネ特措法が改正されまして、地域と共生した再生可能エネルギーを導入するための規律、これが強化されたところでございまして、総務省としても、先ほど来答弁させましたように、令和六年三月に経済産業省に勧告を行って、現在、同省において必要な対応が進められているところでございます。

 昨年十二月に関係閣僚会議で取りまとめました大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ、これに基づきまして、経産省と環境省、そして地方三団体と再エネ地域共生連絡会議を開催いたしまして、施策の実行状況などを説明するなど、自治体との連携強化を図ってきております。

 引き続き、関係省庁や自治体と連携して、地域との共生を図りながら、再生可能エネルギーの導入、これが促進されるように取り組んでまいりたいと考えております。

青木委員 時間が過ぎてしまったので、短く最後に一言お伝え申し上げますと、是非、地域の皆様の声を守るのが総務省でありますから、強いリーダーシップで各省庁と連携して、地域の皆様の安心、安全をこれからも守っていっていただきたいと思います。

 私の質問を終わりにいたします。ありがとうございました。

古川委員長 次に、土橋章宏君。

土橋委員 皆さん、初めまして。チームみらいの土橋章宏です。

 本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まずは、プッシュ型行政サービスの進捗についてお伺いいたします。

 昨年十一月二十五日の参議院総務委員会において、チームみらいの安野貴博議員が、プッシュ型行政サービスの実現と自治体の事務負担軽減についてお伺いいたしました。その際、林大臣から、フロントヤード改革を推進しており、横展開を図っているとの御答弁をいただきましたが、あれから約六か月が経過いたしました。

 総務省は、二〇二七年度末までに総合的なフロントヤード改革に取り組む自治体数三百四十団体という目標を掲げておられます。

 そこで、二点お伺いいたします。

 第一に、現時点での取組団体数をお聞かせください。

 第二に、書かない窓口は、あくまで申請に行くことを前提とした改革であり、支援が最も必要な、高齢者や障害のある方、乳幼児を抱える親御さんにとっては、窓口に行くこと自体が依然として大きな負担です。公金受取口座の登録が二〇二六年三月時点で約六千三百三十七万口座と人口の約半数に達し、インフラが整いつつある今、書かない窓口のその先にある、行かない窓口、つまりプッシュ型行政サービスの実現に向けて、総務省として、次にどのような具体策を検討されていますでしょうか。大臣、よろしくお願いいたします。

林国務大臣 総務省におきましては、住民の利便性向上と自治体業務の効率化を両立をするということで、今、土橋委員からお話のありました総合的なフロントヤード改革、これに取り組む自治体の目標値を、御紹介いただきましたように、二〇二七年度までに三百四十団体にするということにしております。二〇二五年の四月時点で二百六十三団体ということになっております。

 そして、政府では、デジタル社会を形成するための基本原則といたしまして、個々の手続、サービスを全てデジタルで完結するデジタルファースト、これを掲げておりますが、委員御指摘のあったプッシュ型の行かない窓口と同じところを目指しているというふうに考えております。

 総務省の進めるフロントヤード改革の取組におきましては、給付等の行政サービスの通知をプッシュ型で受けられるようにしている事例ですとか、一度登録を行いますと継続的な給付を自動的に受けられるというような事例、こういうものも見られておりまして、全国の自治体に自治体DX推進参考事例集ということで広く周知をしておるところでございます。

 今後、関係府省庁とも連携いたしまして、住民の利便性の向上に資するこれらの取組の普及を図りまして、政府全体としてデジタル社会の実現を目指してまいります。

土橋委員 御答弁ありがとうございます。

 改革が推進されているとのことで、大変心強い思いがいたします。

 これはサービスの方ですけれども、自治体側の努力だけではなくて、国民側、つまりサービスを受ける側でも、例えば、スマホにAIエージェントの搭載されたものを使いますと、AIエージェントが代理人として、ネットワークを通じて役所の方に情報を取りに行くということなども可能ですので、一方からだけではなく、両方から、情報を与えに行ったり、こっちから取りに行ったりというのを活用していただいて、更に進めていただければと思います。

 次に、時間の方がかなり短くなっていますので、二番の方を飛ばしまして、三番ですね。要するに、ユニバーサルサービスをどう維持していくかということが大変問題になっていると思うんですけれども、郵便局の配送網を活用した道路情報収集の現状と法的課題についてお尋ねします。

 自動運転の社会実装に向けては、道路情報の継続的な収集が不可欠です。その点、日本郵便の配送ネットワークは、道路状況を日常的に把握できる貴重なインフラです。これはかなり宝でございまして、AIの発達に伴いまして、そういうデータというのが非常に重要になっております。

 そういうときに、郵便配達車両にカメラやレーザーセンサーを搭載し、道路の劣化状況や標識の視認性などのデータを収集する取組については大変可能性があると思っているんですけれども、その可能性について伺います。

 第一に、日本郵便として、道路情報収集、提供に向けた現在の取組状況はいかがでしょうか。

 次に、こうしたデータ収集に対して、個人情報保護法の問題や所有権、提供の法的根拠など、現行法上のハードルについてどのようにお考えか、お聞かせください。

西口参考人 お答え申し上げます。

 道路データの取得につきましては、これまでも、郵便車両、軽四とかトラックにドライブレコーダーを装着して、東京や新潟、石川県の能登地方でも道路の損傷箇所とか道路標識の検出に係る実証実験を行ってきておりまして、技術的にデータ自体の取得可能性は確認できております。

 ただ、一方で、個人情報保護もさることながら、郵便配達を行いながら取得した道路データの外部への提供につきましては、郵便法の八条に定められます信書の秘密との関係が問題になる可能性がございまして、データの加工等の対応が求められる可能性もある場合もあるといったところでございます。

 こうした郵便法の制約を受ける可能性があるようなデータの取得につきましては、関係機関とも相談をさせていただいて、しっかりと問題ない形での対応を模索するとともに、配達業務とは切り離してデータを取得して、これを柔軟な形で利活用していくといったようなことも検討してまいりたいと考えております。

土橋委員 御答弁ありがとうございました。

 やはりそういったユニバーサルとか、地方の、過疎地域の郵便というのはなかなか大変なんですけれども、それをいろいろな手を使って黒字化していけば、またそのサービスも維持できると思います。それに、自動運転技術のデータの取り方やデータ管理を海外でどんどん売っていくということもまた考えられますので、こういったところを是非是非検討していただければと思います。

 次に、最後の質問ですけれども、日本コンテンツの海外展開についてお伺いいたします。

 日本のコンテンツ産業は我が国の基幹産業であり、政府は二〇三三年までに二十兆円市場に拡大するという目標を掲げています。

 総務省では現在、NTTドコモを請負事業者として、タイの大手映像配信プラットフォーム上にレミノ・ジャパニーズ・コレクションを開設し、ローカル局、番組制作会社を含む全国七十六社、約千四百七十エピソードの日本の実写コンテンツを本年三月二十五日より配信する実証事業をしていると承知しております。

 コンテンツを海外へ配信する国産プラットフォームというのが日本は大変弱いわけですが、このような配信は、タイの大手映像配信プラットフォームの中に更に日本のプラットフォームをつくるといった、こういった試みというのは、一つのブレークスルーだと思いますので、大変応援しております。

 しかし、この事業では、ローカル局及び番組制作会社の提供エピソード数は百八十五本と、全体の約一三%にとどまっております。これは、どのように公募、採択されたのでしょうか。また、今年度も同様の公募を行う予定はあるかどうか、お聞かせください。

豊嶋政府参考人 お答えいたします。

 総務省では、ただいま委員から御紹介いただきました日本のドラマなどの実写コンテンツの海外展開を推進するため、昨年度よりタイにおける実証事業に取り組んでございます。

 この実証事業におきましては、タイにおいて配信を行うだけではなくて、その先の海外展開をより推進する観点から、配信により得られた視聴データについて、コンテンツ提供者への共有ということも併せて取り組んでいるところでございます。

 また、総務省としては、様々な事業者がこの事業に参画いただけるよう、事業開始に先立って公募した結果、ローカル局、ケーブルテレビ事業者、番組制作会社など五十九社から応募がございまして、全社を選定し、旅、グルメ番組など合計百八十五エピソードの配信を進めております。

 この事業につきましては、今年度も公募を実施し、配信コンテンツの拡充を図る予定でございまして、ドラマ、バラエティー、ドキュメンタリーなどの実写コンテンツの海外配信の機会をより多くの事業者に提供するために引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

土橋委員 御答弁ありがとうございます。

 私も脚本家、作家でありますので、関係している各コンテンツ団体に全力で参加を呼びかけたいと思っております。こういった事業はコンテンツを世界に広めていくために重要な取組と思いますので、是非応援と声援を送って、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

古川委員長 次に、郵政事業に関する件について調査を進めます。

 郵政民営化法等の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、各党間の協議の結果、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得た次第であります。

 この際、委員長から、本起草案の趣旨及び内容について御説明申し上げます。

 まず、本起草案の趣旨について御説明申し上げます。

 郵政民営化から十九年が経過しようとしており、少子高齢化や過疎化、デジタル化の進展を始めとして、郵政事業を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しております。本起草案は、このような変化に対応して、郵政三事業のユニバーサルサービスの確保を確実にするとともに、少子高齢化や過疎化によって地方が厳しい状況に直面する中で、郵便局ネットワークの活用により地域住民の生活を支援するほか、日本郵便株式会社の経営の適正かつ効率的な実施を図るため、郵政民営化法等の改正を行うものであります。

 次に、本起草案の内容について御説明申し上げます。

 第一に、日本郵便株式会社に対して、常に経営を適正かつ効率的に行う努力義務を課すほか、当分の間、経営の適正かつ効率的な実施に係る方針の事業計画への記載を義務づけております。

 第二に、郵政三事業のユニバーサルサービスの確保を確実にするための改正を行うこととしています。

 まず、日本郵政株式会社に、当分の間、郵便貯金銀行及び郵便保険会社、いわゆる金融二社の株式の三分の一超の保有を義務づけることとしております。

 次に、日本郵便株式会社が関連銀行及び関連保険会社とそれぞれ締結する銀行窓口業務契約及び保険窓口業務契約について、届出制から認可制に改めることとしております。

 また、日本郵政株式会社は、日本郵便株式会社、関連銀行及び関連保険会社に対し、必要な協議を求めることができることとしております。

 第三に、郵便局ネットワークの活用により地域住民の生活を支援するための改正を行うこととしています。

 まず、基盤的サービス提供業務、すなわち、委託を受けて、郵便の業務等に係る経営資源を活用して行う、公共サービスその他の地域住民が日常生活及び社会生活を営む基盤となるサービスの提供に係る業務を、日本郵便株式会社が他の本来業務の遂行に支障のない範囲内で行う本来業務として追加しております。

 次に、日本郵便株式会社による地域貢献業務の実施を努力義務とし、日本郵政株式会社に、地域貢献業務の費用の一部に充てるため、金融二社の株式の売却益等を原資とする地域貢献基金を設置することとしております。

 また、郵便局ネットワークの維持及び活用の支援のため、新たな交付金を日本郵便株式会社に交付することとして、その交付金の財源として、1政府保有の日本郵政株式会社の株式の配当を減額した額に相当する額の拠出金及び2権利消滅した旧郵便貯金の一部の繰入金を充てることとしております。これにより、郵便事業全体の負担が軽減され、郵便事業の安定的かつ持続的な運営にも資すると考えております。

 第四に、検討条項について、政府は、三年ごとの郵政民営化委員会の検証の際に、金融二社の株式の保有義務を見直すとともに、金融二社の業務に関する規制の在り方を検討することとしております。また、この法律の公布後二年を目途として、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び金融二社の組織の在り方並びに郵便局ネットワークの維持費用に係るこれらの株式会社の間の負担の在り方等を検討するとともに、郵便事業の安定的かつ持続的な運営の確保策を検討することとしております。

 以上のほか、所要の規定の整備をすることとしております。

 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 郵政民営化法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

古川委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。林総務大臣。

林国務大臣 ただいま意見の聴取の求めがありました郵政民営化法等の一部を改正する法律案につきましては、政府としては異議はございません。

古川委員長 お諮りいたします。

 郵政民営化法等の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古川委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古川委員長 この際、鈴木英敬君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、チームみらいの六派共同提案による郵政事業に係る基本的な役務の確保等に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。田嶋要君。

田嶋委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

    郵政事業に係る基本的な役務の確保等に関する件(案)

  政府は、郵政民営化法等の一部を改正する法律の施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。

  本法の施行後三年ごとに、それぞれの法律の施行の状況、郵政事業を取り巻く社会経済情勢の変化等を勘案し、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法第十八条の六第一項の郵便窓口等関連交付金に関する制度の在り方について、国民の理解を得られるようにするとの観点を踏まえつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

古川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古川委員長 起立総員。よって、本動議のとおり、郵政事業に係る基本的な役務の確保等に関する件を本委員会の決議とするに決しました。

 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。林総務大臣。

林国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

古川委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十六分散会


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