衆議院

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第15号 令和8年6月12日(金曜日)

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令和八年六月十二日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大串 正樹君

   理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君

   理事 鬼木  誠君 理事 勝目  康君

   理事 古賀  篤君 理事 浜地 雅一君

   理事 伊東 信久君 理事 浅野  哲君

      上野 宏史君    内山 こう君

      衛藤 博昭君    岡本 康宏君

      尾花 瑛仁君    加藤 貴弘君

      金澤 結衣君    草間  剛君

      栗原  渉君    斉藤 りえ君

      繁本  護君    高階恵美子君

      田野瀬太道君    田畑 裕明君

      田宮 寿人君    田村 憲久君

      橋本  岳君    東田 淳平君

      藤田  誠君    丸尾なつ子君

      丸田康一郎君    山田 基靖君

      吉村  悠君    渡辺 勝幸君

      沼崎 満子君    山本 香苗君

      早稲田ゆき君    阿部 圭史君

      梅村  聡君    喜多 義典君

      岡野 純子君    日野紗里亜君

      豊田真由子君    古川あおい君

      辰巳孝太郎君

    …………………………………

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   厚生労働副大臣      仁木 博文君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           生田 知子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房長) 宮崎 敦文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官)            佐々木昌弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            森  真弘君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局長)  宮本 直樹君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           鹿沼  均君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  間 隆一郎君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江澤 正名君

   厚生労働委員会専門員   森  恭子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十二日

 辞任         補欠選任

  尾花 瑛仁君     山田 基靖君

  田宮 寿人君     内山 こう君

  藤田 洋司君     渡辺 勝幸君

  丸田康一郎君     東田 淳平君

  阿部 圭史君     喜多 義典君

同日

 辞任         補欠選任

  内山 こう君     田宮 寿人君

  東田 淳平君     丸田康一郎君

  山田 基靖君     尾花 瑛仁君

  渡辺 勝幸君     藤田 洋司君

  喜多 義典君     阿部 圭史君

    ―――――――――――――

六月十一日

 最低賃金全国一律制度の法改正を求めることに関する請願(早稲田ゆき君紹介)(第七四〇号)

 同(長友慎治君紹介)(第八〇二号)

 同(田村智子君紹介)(第八一三号)

 介護保険制度の抜本改善、大幅な処遇改善を求めることに関する請願(早稲田ゆき君紹介)(第七四一号)

 同(渡辺創君紹介)(第七七七号)

 同(長友慎治君紹介)(第七九三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第八三九号)

 ロキソニンやアレグラなどの薬の追加負担をやめるよう求めることに関する請願(大島敦君紹介)(第七四二号)

 同(有田芳生君紹介)(第八四一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第八四二号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第八四三号)

 同(田村智子君紹介)(第八四四号)

 同(畑野君枝君紹介)(第八四五号)

 障害福祉についての法制度拡充に関する請願(有田芳生君紹介)(第七四三号)

 同(池下卓君紹介)(第七四四号)

 同(奥下剛光君紹介)(第七四五号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第七四六号)

 同(輿水恵一君紹介)(第七四七号)

 同(後藤祐一君紹介)(第七四八号)

 同(許斐亮太郎君紹介)(第七四九号)

 同(斉木武志君紹介)(第七五〇号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第七五一号)

 同(階猛君紹介)(第七五二号)

 同(世耕弘成君紹介)(第七五三号)

 同(田中健君紹介)(第七五四号)

 同(中野洋昌君紹介)(第七五五号)

 同(西岡義高君紹介)(第七五六号)

 同(西田昭二君紹介)(第七五七号)

 同(西山尚利君紹介)(第七五八号)

 同(沼崎満子君紹介)(第七五九号)

 同(根本拓君紹介)(第七六〇号)

 同(野村美穂君紹介)(第七六一号)

 同(三木圭恵君紹介)(第七六二号)

 同(向山好一君紹介)(第七六三号)

 同(村木汀君紹介)(第七六四号)

 同(山岡達丸君紹介)(第七六五号)

 同(山本ジョージ君紹介)(第七六六号)

 同(山本大地君紹介)(第七六七号)

 同(笠浩史君紹介)(第七六八号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第七六九号)

 同(金子恵美君紹介)(第七七八号)

 同(神谷裕君紹介)(第七七九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第七八〇号)

 同(重徳和彦君紹介)(第七八一号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第七八二号)

 同(田村智子君紹介)(第七八三号)

 同(中川こういち君紹介)(第七八四号)

 同(野中厚君紹介)(第七八五号)

 同(畑野君枝君紹介)(第七八六号)

 同(平沢勝栄君紹介)(第七八七号)

 同(古川元久君紹介)(第七八八号)

 同(村岡敏英君紹介)(第七八九号)

 同(渡辺創君紹介)(第七九〇号)

 同(寺田稔君紹介)(第七九五号)

 同(長友慎治君紹介)(第七九六号)

 同(葉梨康弘君紹介)(第七九七号)

 同(深作ヘスス君紹介)(第七九八号)

 同(御法川信英君紹介)(第七九九号)

 同(石川昭政君紹介)(第八〇五号)

 同(西村智奈美君紹介)(第八〇六号)

 同(野村美穂君紹介)(第八〇七号)

 同(平林晃君紹介)(第八〇八号)

 同(藤原崇君紹介)(第八〇九号)

 同(田村智子君紹介)(第八一九号)

 同(西岡秀子君紹介)(第八二〇号)

 同(原山大亮君紹介)(第八二一号)

 同(落合貴之君紹介)(第八五二号)

 同(長妻昭君紹介)(第八五三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第八五四号)

 ウイルス性の肝がん・重度肝硬変患者への支援とB型肝炎ウイルスを排除する薬剤の開発に関する請願(上野宏史君紹介)(第七七〇号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第七七一号)

 同(藤田誠君紹介)(第八一〇号)

 同(田村憲久君紹介)(第八二三号)

 同(鬼木誠君紹介)(第八五六号)

 自己免疫性肝疾患患者への支援と治療薬開発に関する請願(上野宏史君紹介)(第七七二号)

 同(田村憲久君紹介)(第七七三号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第七七四号)

 公正な賃金・労働条件に関する請願(神谷裕君紹介)(第七七六号)

 同(西岡秀子君紹介)(第八二四号)

 同(有田芳生君紹介)(第八五七号)

 同(飯泉嘉門君紹介)(第八五八号)

 同(犬飼明佳君紹介)(第八五九号)

 同(落合貴之君紹介)(第八六〇号)

 同(田嶋要君紹介)(第八六一号)

 同(中山展宏君紹介)(第八六二号)

 同(西岡義高君紹介)(第八六三号)

 同(長谷川淳二君紹介)(第八六四号)

 同(山本ジョージ君紹介)(第八六五号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第八六六号)

 国立病院の機能強化に関する請願(長友慎治君紹介)(第七九四号)

 同(野村美穂君紹介)(第八〇三号)

 同(山本ジョージ君紹介)(第八〇四号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第八一七号)

 同(長妻昭君紹介)(第八一八号)

 同(畑野君枝君紹介)(第八四九号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第八五〇号)

 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(木村次郎君紹介)(第八一四号)

 同(土井亨君紹介)(第八一五号)

 同(御法川信英君紹介)(第八一六号)

 同(緒方林太郎君紹介)(第八四六号)

 同(棚橋泰文君紹介)(第八四七号)

 同(福田徹君紹介)(第八四八号)

 精神保健医療福祉の改善に関する請願(深作ヘスス君紹介)(第八二二号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第八五五号)

 従前の健康保険証を復活させるよう求めることに関する請願(山岡達丸君紹介)(第八四〇号)

 コロナ後遺症等患児・者への医療・福祉支援体制構築を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第八五一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案(内閣提出第五八号)


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     ――――◇―――――

大串委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官生田知子君、厚生労働省大臣官房長宮崎敦文君、大臣官房危機管理・医務技術総括審議官佐々木昌弘君、大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官森真弘君、医薬局長宮本直樹君、社会・援護局長鹿沼均君、保険局長間隆一郎君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官江澤正名君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大串委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。金澤結衣君。

金澤委員 自由民主党の金澤結衣です。

 二回目の質問の機会をいただき、与野党理事の皆様始め、関係者の皆様に感謝申し上げます。

 平成三十年、中国においてゲノム編集ベビーの誕生が報告され、世界中で大きな倫理的議論が巻き起こりました。

 本法律案は、ヒトゲノム編集胚等の人又は動物の胎内移植を禁止し、違反者に罰則を設けるものであり、生命倫理や安全性の観点から、個体産生につながる行為を明確に禁止する法整備は重要であると考えます。

 一方で、ゲノム編集技術は、遺伝性疾患や難病の克服につながる可能性を持つ、極めて有望な技術でもあります。

 私は、学生時代に、神経細胞に関する研究に携わってまいりました。今日の基礎研究が十年後、二十年後の未来を変えることも少なくありません。本日は、科学技術の発展を止めることなく、生命倫理との両立をどのように図っていくのか、その観点から質問させていただきます。

 まず、本法律案が研究活動に与える影響について伺います。

 本法律案では、個体産生につながるおそれがないものについては、政令で定める要件に該当する場合に限り適用除外とされています。我が国の生命科学分野における研究力を維持向上していくためにも、必要な基礎研究が過度に萎縮することは避けなければなりません。今回、生命科学や生命倫理の研究者の方々からお話を伺いましたが、基礎研究に十分配慮した制度設計ではないかとの評価が多く聞かれました。

 基礎研究は国際的な競争の中で進められており、我が国だけが過度に厳しい規制となれば、研究者や研究開発拠点が海外流出し、日本の国際競争力の低下につながることも懸念されます。基礎研究実施の要件や届出制度、適用除外の考え方について、諸外国の法制度とどのような比較検討を行ったのか、研究力や国際競争力の維持への影響について、議論の経緯をお聞かせください。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、経緯ですが、委員御指摘の平成三十年の中国の事例を踏まえ、速やかに、政府では翌年からまず科学技術・イノベーション会議、そして三府省の四つの専門委員会、審議会で議論をしました。

 その間に諸外国との比較を行いました。諸外国、米国、中国、欧州の一部の国になりますが、まず、ヒトゲノム編集胚等を用いる基礎的研究は原則として認められている中で、臨床応用は禁止されているという状況でございました。

 よって、委員御指摘のとおり、基礎的研究の国際競争力の維持は重要であるため、これらとの国際的な均衡は保たれているというふうに考えております。

金澤委員 ありがとうございます。

 生命科学やゲノム研究は、将来の医療や産業を支える重要な基盤です。科学技術の発展と倫理的な配慮を両立させながら、我が国が研究分野で世界をリードしていけるよう、適切な制度設計をお願いいたします。

 次に、患者の視点から伺います。

 日本のゲノム医療の一つに、がんゲノム医療があります。令和元年にがんゲノムパネル検査が保険適用となって以降、がんゲノム情報管理センターに登録された患者数は今年三月時点で十二万例を超えています。当初は高度な医療として位置づけられたがんゲノム医療も、今後は広く国民に届けていくべき段階に来ていると考えます。

 その中で、現場からは課題も指摘されています。現在、全てのがんゲノムパネル検査について実施が求められているエキスパートパネルには、多くの専門人材が関わり、膨大な事務作業が発生しています。現場からは、質や安全性を確保しながらも負担軽減を求める声が上がっています。

 また、がんゲノムパネル検査は、原則として標準治療終了後、かつ、生涯に一回とされていることについての課題を指摘する声もあります。私の地元でも、長期間にわたり治療を続けた末にパネル検査にたどり着いたものの、その後の治療費や御家族の負担を考えると、次の治療に進むべきか悩んでいるという切実なお話をお伺いしました。

 がんゲノムパネル検査が抱えるこれらの課題について、診療報酬体系での現状認識と対応状況についてお伺いします。

間政府参考人 お答えいたします。

 大きく二点、御質問いただいたと思います。

 まず、エキスパートパネルに関してですけれども、がん遺伝子パネル検査については、診療報酬上、得られた情報を適切に解釈した上で診療に活用する必要がありますことから、これまで、多職種の専門家による検討会であるエキスパートパネルの実施を、委員御指摘のとおり、全例に対して求めておりました。

 これに関して、医療者の負担軽減と患者への結果伝達の迅速化のため、関係学会からのエキスパートパネルを省略できる条件を検討すべきとの提言等を踏まえまして、今回の令和八年度診療報酬改定におきましては、検査の結果、薬事承認に基づいて投与可能な医薬品が特定できる場合など、一定の要件を満たす場合についてはエキスパートパネルを省略できるよう見直しを行ったところでございます。

 それからもう一点、がん遺伝子パネル検査をいつどのようにやるかということなんですが、がん遺伝子パネル検査は、現在は、有効性、安全性があり治療方法の選択に必要なものとして、標準治療がない固形がん患者や標準治療が終了又は終了見込みの固形がん患者に対して、患者一人につき一回に限り保険診療として実施することが可能となっております。

 これに対して、今委員から御指摘のありましたような標準治療終了前に実施されるがん遺伝子パネル検査あるいは複数回実施されるがん遺伝子パネル検査については、現在は、保険外併用療養制度の一つである評価療養の枠組みの中で、保険診療と組み合わせて実施できるようにした上で、保険適用に向けた科学的根拠の収集を行ってございます。

 今後、これまで実施してきた評価療養の取組から得られた有効性、安全性に係るエビデンスの分析も含めて、関連学会の学術的見解も伺いながら、保険適用に向けた議論を中央社会保険医療協議会において進めてまいりたい、このように考えております。

金澤委員 ありがとうございます。

 がんゲノム医療を必要とする皆様へ広く届く医療となるよう、引き続き取組を進めていただくことをお願いいたします。

 ヒトゲノム編集胚に関する基礎研究も、将来的には臨床研究や診療へとつながり、社会に還元されていくことが期待されています。その際には、新しい技術に対する国民理解をどのように深めていくかも重要な課題です。

 かつて試験管ベビーと呼ばれ社会的な議論となった体外受精も、現在では、日本で生まれる子供の約十人に一人が体外受精による出生です。将来世代への影響が未解明であることから現時点では規制対象とされる研究であっても、安全性や有効性に関する知見が蓄積されれば、将来、改めて社会全体で議論する時期が来るかもしれません。

 その際に重要となるのが、国民一人一人が正しい知識に基づいて判断できる環境を整えておくことだと考えます。知識に基づく理解は、漠然とした不安や誤解を和らげ、冷静な議論につながります。知識は力です。専門家へのヒアリングの中で、遺伝性疾患に悩む御家族が、正しい知識や情報を得ることで不安が和らぎ、前向きな気持ちになれたというお話を伺いました。

 そこで、伺います。

 ゲノム医療等の最先端技術に関する国民理解の促進に向けて、政府として今後どのように取り組んでいくお考えでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、これは研究者のみならず、国民的な議論が重要と考えております。つまり、サイエンスコミュニケーションをもっと図る必要があると承知しています。

 先ほどがんゲノムの御指摘をいただいたように、例えば、国立がん研究センターのホームページで、がん情報サービスといった情報提供を進めてまいりました。この法案が認められましたら、この分野に関しての情報発信も進めてまいりますし、その上で、引き続き、先ほど申し上げた三省庁の四つの専門委員会での議論をしていきながら、そして必要があると認められれば、本法案の規定に基づいて所要の措置を講じてまいりたい、こういったサイクルで回したいと考えております。

金澤委員 ありがとうございます。

 国民の皆様が正しい知識に基づいて判断できる環境づくりを進めていただきたいと思います。

 ヒトゲノム情報の管理、活用について伺います。

 昨年閣議決定されたゲノム医療施策に関する基本的な計画においても、情報蓄積及び活用に関わる基盤の整備について記載されています。

 蓄積されたヒトゲノム情報は、国民の健康や医療の発展にしっかりと還元すべきです。

 世界では、医療データを活用したAI創薬や個別化医療の競争が急速に進んでいます。一方で、ヒトゲノム情報は究極の個人情報とも言われて、極めて機微性の高いデータです。安全保障上の課題やプライバシーに配慮しながらも、公共の福祉や医療、科学技術の発展に資する形で適切な活用を進めていくことが重要だと考えます。

 そこで、今後どのようにヒトゲノム情報の利活用を進めていくお考えか、取組を伺います。

森政府参考人 委員御指摘のとおり、ゲノム情報は非常に機微性の高い情報だというふうに考えております。このため、情報流出等の個人の利益侵害の防止に十分に配慮しつつ、利活用を推進することが非常に重要です。

 昨年十一月に閣議決定したゲノム医療基本計画においても、ゲノム情報の適正な取扱いを確保するための取組とともに、ゲノム情報の利活用基盤を整備することも併せて盛り込み、御指摘のような課題も考慮しつつ、研究開発を推進する方針を示しているところでございます。

 引き続き、質の高いゲノム医療につながる研究開発を促進できるよう、ゲノム情報の利活用に取り組んでまいりたいと考えております。

金澤委員 ありがとうございます。

 国民の皆様の信頼を確保しながら、データ保護と利活用の両立を進め、日本の医療や科学技術の発展につなげていただくことを期待しております。

 最後に、大臣にお伺いいたします。

 本日は、国際競争力、患者への還元、国民理解、そしてヒトゲノム情報の利活用について質問させていただきました。ゲノム編集技術もまた、遺伝性疾患や難病に苦しむ方々に新たな希望をもたらす可能性を持つ一方で、生命倫理や安全性への慎重な配慮も求められます。国民の皆様の理解と信頼を得ながら、日本として医療や産業の基盤となるゲノム研究をどのように推進していくべきとお考えか、大臣の御所見をお伺いいたします。

上野国務大臣 ゲノム医療につきましては、がん治療等において個別化医療を可能とするなど、非常に将来性の高い領域でありますので、厚労省としても、しっかり研究開発を含め、推進をしていきたいと考えています。

 同時に、今委員からもお話がありましたとおり、国民の皆さんの疑問や不安、これにしっかり向き合っていくことも大切であります。昨年十一月に政府ではゲノム医療基本計画を決定をいたしましたが、この中では、研究開発の推進と同時に、教育や啓発を通じたゲノム医療に対する理解の促進、そうした施策も進めることとしておるところであります。

 本法案によりましてヒトゲノム編集胚等の胎内移植を禁止することで、予測をし得ない遺伝子改変によるヒト胚や人の発育、個人や社会に対する重大な影響を防ぐ、そうしたことができれば、国民の理解を得ながら適切に基礎研究を進めることもできると考えております。

 関係省庁とも連携して、しっかり進めていきたいと考えています。

金澤委員 ありがとうございました。

 科学技術の発展と生命倫理の両立を図りながら、また、教育や啓発も含め、未来の医療につなげていただけるようお願いいたします。

 時間となりましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、上野宏史君。

上野(宏)委員 自由民主党の上野宏史でございます。

 それでは、ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案について、順次質問してまいります。

 まず、法律案提出の経緯についてお伺いをしたいと思います。

 本法律案では、ヒトゲノム編集胚等を人又は動物の胎内に移植してはならないということを規定をしております。こうした行為については、これまで指針によって規制をされておりました。

 そうした中で、先ほども指摘がありました、二〇一八年に中国でゲノム編集技術を用いた受精胚による双子が誕生したという状況であったり、又は国際的にも規制の制度の整備が進んできたという状況を踏まえて、今回、法定をするということになったものだというふうに認識をしています。

 一方で、こうした遺伝子の改変の技術、ゲノム編集技術については、二〇一〇年代ぐらいから、非常に簡易かつ正確に改変をできる、編集をできるという技術が使用されるようになってきたり、先ほどの中国の双子の誕生、これからももう七年以上たっているという状況であります。

 この間も国内で、しっかり法定をすべきだ、速やかに法定すべきだという議論、御指摘もあったというふうに思いますけれども、この間どういった議論を行ってきたのか、また、どういった理由でこのタイミングでの法制化ということになったのか、お考えをお伺いをいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、我が国で法的規制が必要という議論が起こったのが、令和元年の六月の科学技術・イノベーション会議の報告書で求められました。その法的規制の在り方については、二か月後、令和元年八月から厚生労働省等において検討を重ねてまいりました。

 その過程においては、人のみならず哺乳類動物も必要なのではないかだとか、また、実効性を担保するためにはどういう規制の在り方がよいのかだとか、こうした議論を結局七年かけて議論したわけでございます。

 こうした中で、昨年十二月にまずは四専門委員会の合同会議での議論の取りまとめをいただいたところから、速やかに立法のお願いをしたという経緯でございます。

上野(宏)委員 ありがとうございます。

 経緯、そしてこの法律による規制の必要性ということについては十分理解をいたします。その上で、あわせて、ヒトゲノム編集胚等を用いた研究によって、例えば、生殖補助医療であったり、又は遺伝性疾患、先天性疾患の治療技術が開発をされるということに対する社会的な期待というのも非常に高いものがあるというふうに思います。

 今般、法律が制定をされれば、政省令、指針を制定をして具体的な制度設計をしていくということになると思います。例えば、ゲノム編集技術等の範囲を定めたり、又はゲノム編集胚等を動物の胎内に移植できる要件を決める、また、取扱いに関する具体的な内容を決める指針を策定をしていくということになると思います。こうした際に、具体的な制度設計に当たって、必要な研究の進展が妨げられないように十分に配慮をするということが必要であるというふうに思います。

 また、これまでも指針によって様々規定をされてきました。そうした指針との整理も含めて、国民また研究者に対して分かりやすく、そして速やかに具体的な制度設計を示す必要があるというふうに思いますけれども、今後の対応についてお伺いをいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、法案をお認めいただければ、速やかに政省令そして指針等についても定めてまいりますし、手続論で申しますと、委員御指摘の必要な研究が妨げられないという観点では、基礎研究の実施、取扱計画書は届出制としております、許可制ではございませんので、その意味では遅滞が生じにくいようにしております。

 その上で、これは刑罰を科す法案でございますので、十分に、今までの指針とどう違うのか、何が同じなのか、そこを、研究者のみならず、関係する様々な方々への周知は十分に図ってまいりたいと考えております。

上野(宏)委員 ありがとうございます。

 政令においては、これは非常に大事なところだと思うんですけれども、ゲノム編集技術等の範囲を定めるということになると思います。先ほど国際的な規制の状況についても若干御説明がありましたけれども、対象となる技術の範囲については、国際的に各国内で若干違いがあるということだと思います。

 事前にいただいている厚労省の資料でも、例えば、ミトコンドリア核置換術であったり、また、エピゲノム編集技術については、国によって規制の対象にするかどうかというのが異なっているということだと思います。まさにこうした技術については、科学的な線引きであったり、又は倫理的な判断も難しいという部分があるというふうに思います。

 法律の制定後、政令の検討に入るという話も伺っておりますけれども、どういった観点からこういったある種難しい問題について判断をして規定をしていくのか、お伺いをいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、今回の法案では、ゲノム編集技術そのものは規制対象とし、これは諸外国もほぼ同じ状況でございます。次は、この等に含まれる、今議員御指摘のエピゲノム編集技術やミトコンドリア核置換術につきましては、これは国によって異なります。

 これまでの検討においては、まずこの段階においての整理では、科学技術的、社会的、倫理的な課題がある、このため広くこうしたことも規制の対象とするということで意見をいただいておりますので、今後、政令等を定める際には、この広くということからまずは規制対象としたいと考えております。

上野(宏)委員 ありがとうございます。

 今お話もありましたミトコンドリア核置換術、核置換技術ですけれども、例えばイギリスにおいては、重篤なミトコンドリア病の治療に対応する場合は、所定の条件下で実施許可というふうにされています。胎内に戻すことも可能であるということだと思います。実際に、この技術を用いて、もうイギリスでは複数のお子さんが誕生していると。ミトコンドリア病がそのお子さんには発症していないという状況もあるというふうに承知をしています。

 例えば、本法案で国内において様々な規制をするわけですけれども、規制の範囲が異なる国がある。又は、日本も今回法定をするわけですけれども、規制がまだ未整備の国もあるということだと思います。例えば、国内からそういった国に渡航をしていって治療を受ける、胎内にヒトゲノム編集胚を入れるといったことも、制度上は恐らく可能なんだと思います。そうして生まれたお子さんに対して、お子さんが例えば健康上の問題が生じた場合、日本に帰ってきて、日本の保険制度の中で治療していくということにもなるんだと思います。こうした部分について、私も何人かの研究者の方々から、そうした懸念があるんだという指摘を聞いております。

 例えば、そうした状況について、本当であれば国際的な整合性も取りながら対応していく必要があるというふうに思うんですけれども、その点についての厚生労働省の考えをお伺いをいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、国際協調を図ること、これは極めて重要です。アカデミアの世界でも、国際的な学会があったからこそ、あの中国の事例も探知し得たということがございます。

 そのためには、まず、我が国はこういう規制なんだということを、法案を認めていただけますれば政省令等も確定させて、それを発信することによって、それで諸外国と日本との相対関係を明らかにすることによって、更に国際的な調和を図っていきたいと考えております。

上野(宏)委員 ありがとうございます。

 是非、実効性がある形になるように、今後の具体的な制度設計について検討いただければというふうに思います。

 それでは、最後に、我が国の研究開発力の強化についてお伺いをいたします。

 ゲノム編集については、難治性疾患の治療であったり、創薬、再生医療など、幅広い分野への応用が期待される重要な技術であるというふうに認識をしています。

 ただ、現在、例えばCRISPR―Cas9といった主要なゲノム編集技術については、海外の研究機関であったり又は企業が多くの知的財産、権利を所有しているという状況で、非常に国際的な競争環境というのも厳しくなっているのではないかというふうに思います。

 こうした中で、我が国日本においても、安全性それから生命倫理の確保と、あと、研究開発の推進というのを両立をさせながら、技術の進展と知的財産の創出を進めていくということが重要であるというふうに思います。

 我が国は、日本のゲノム編集分野における研究開発力、そして国際競争力の強化についてどのように取り組んでいくおつもりか、決意をお伺いをいたします。

栗原大臣政務官 研究開発の支援についてのお尋ねでございます。

 国際的にも広く利用されておりますゲノム編集技術は、米国が主要な特許を保有する技術でありますCRISPR―Cas9でございますけれども、我が国においても、代表的な国産技術でありますCRISPR―Cas3が臨床研究の前段階に至るなど、実用化に向けた研究開発が着実に進展している、そのように認識をしております。

 このような基幹的バイオ技術につきまして、我が国発の技術基盤を有すること、これは、医療イノベーションの推進はもちろんのことでございますけれども、健康、医療、安全保障の観点からも極めて重要である、そのように認識をしております。

 このため、政府としては、国産の遺伝子編集技術を活用した研究開発につきまして、AMED等を通じて支援をしているところでございます。

 今後とも、我が国発の革新的な医療技術の実用性を促進するために、関係府省とも連携しながら、必要な施策を着実に講じてまいりたい、そのように考えております。

上野(宏)委員 ありがとうございます。

 本法律案、大変重要な法律だと思います。成立後、先ほど来、政令、省令を含めて制度設計をしていただく、速やかに制度設計がいただけるという話がありました。

 是非、安全性、生命倫理の確保、これは大変大事でありますけれども、研究開発の進展、そしてそれが国民の医療の向上につながるという観点から、適切な議論を今後も進めていただければありがたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

大串委員長 次に、沼崎満子君。

沼崎委員 中道改革連合の沼崎満子です。

 質問の機会を頂戴しまして、ありがとうございます。

 本日は、ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案について御質問をさせていただきます。

 今までの質問の中にもどういったことが研究成果として期待されるかというお話がありましたが、まず、この現状をお聞きしたいと思います。この法案の対象となるような研究、国内において、現在、ヒトゲノム編集胚に関連する研究は、どのような目的でどういった機関において行われているか、また計画されているのか、把握状況をお聞きしたいと思います。御答弁お願いいたします。

生田政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案第二条第三号で定義されるゲノム編集技術等が指し示す具体的な技術の範囲は、法案をお認めいただいた場合に政令で定めることとしていますので、あくまで参考となりますが、現行の、法律に基づかない指針の下で行われているヒト胚等に関する研究としては、大学、医療機関、民間企業等において、ヒトの発生、分化の解明等を目的とする研究や、生殖補助医療の向上に資する基礎的研究が行われています。

沼崎委員 ありがとうございます。

 まだ疾患の研究というところまではいっていなくて、どちらかというと発生であったりとか生殖医療に関することというふうな理解をいたしました。

 また、機関が割と、私は印象としては大学等あるいは専門機関というふうに思っていたんですけれども、比較的広い範囲での場所で研究をされているということですので、よりこの法案で、しっかり実効性を持った法案にしていくことが非常に重要というふうに、今の答弁を聞いてそのように思っております。

 そこでですが、今回の法案では、ヒトゲノム編集胚等を人又は動物の胎内に移植するということが禁止されることとなっています。まず、その理由についてお伺いをいたします。

 先ほど、金澤委員の方が神経科学の研究をしていたということでしたけれども、実は私もゲノムを扱った研究をしておりまして、本当に、私がこの研究をする中でも、予想しないところで変異が起こってしまったりとか、あるいは変異を起こさせようとしても起こらなかったり、そういったことも経験をしております。こういったオフターゲット変異や、また、変異が起きない、そういった予期しない遺伝的変化が起こる可能性というのが当然まだ起こる可能性があると思います。その影響を今の時点で確実に予測することは困難というふうに思います。

 また、胎内移植によって個体が生まれた場合に、ゲノム編集胚の研究というのは、その影響は、生まれてくる子供だけではなくて、将来にわたって遺伝情報が受け継がれていく、そういったおそれがありますので、ここに関してはしっかりとした規制というのも必要であろうと思います。

 こういった安全性や将来世代の影響の観点から胎内移植を禁止する理由について、改めて御答弁をお願いいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、今委員に御指摘いただいた、科学技術的には安全性、オフターゲットがあるのではないか、社会倫理的には将来世代への影響があるのではないか、これはまさに三省庁の合同の専門会議でも御指摘いただいたところでございます。

 よって、これらの懸念に対して規制法を設けることが必要ということで今回の法案を提出させていただいた、こういう考え方、そして立法へのつながりということでございます。

沼崎委員 承知しました。改めてではありますけれども、指摘したとおりの理由だとは思います。

 そこで、ここを実効性あるものにしていくためということで質問を続けさせていただきますけれども、今回の法案では、ヒトゲノム編集胚に限らず、ゲノム編集技術等を用いて加工されたヒトの生殖細胞、これが等に当たる部分だと思いますけれども、そういったところも規制の対象にしていると理解しています。これは、精子や卵子など、生殖細胞に対する遺伝的改変は受精や発生を通じて将来世代に影響を及ぼす可能性があるからというふうに理解をしています。

 ヒトゲノム編集胚だけではなくヒト生殖細胞等も本法案の対象とした理由について、将来世代の観点という点からどのようにお考えになって定めたのかという点をお伺いしたいのと、あわせて、先ほどの御質問の中にもありましたが、危険な臨床利用というのは防止しつつも、有益な基礎研究の発展を不当に妨げるということはあってはならないと思います。この線引きを政令、指針においてどのように規定していくのか、お伺いをいたします。

佐々木政府参考人 二点お答えいたします。

 まず、一点目が、ヒト胚も規制対象とした理由でございます。この法案の中核的な内容になるのが、編集を行った場合、その遺伝情報が、受精胚、将来の世代につながっていく、この不可逆的な改変を阻止しなければならないということでございますので、そうなると、生殖細胞がそのまま受精すると同じようなリスクを負うことになりますから、ヒト胚に加え、生殖細胞も禁止の対象としたということでございます。

 そして、二点目が、では、その許容される研究の用途をどうするかですけれども、先ほど文部科学省の政府参考人からもありましたとおり、既存の指針等が既にございますので、これらとの整合性を図りながら、また、国会での御指摘等も踏まえて、新たに指針等を設ける。この作業の中で、許容される研究の用途がどこまでなのかということを、これは明確に定めたいと考えております。

沼崎委員 この目的、用途というところを明確にしていくということが恐らくこれから非常に重要になっていくと思いますので、ちょっと後ほどの質問にもつながる点ですので、改めて指摘をしておきたいと思います。

 次ですけれども、先ほど、今回、研究を妨げないために届出制にするという御答弁があったかと思います。編集胚の取扱いについては、許可制でなく届出制というふうになっております。先ほどから繰り返しになりますが、人の生命の萌芽を扱う研究で、将来世代への影響が想定されるということを踏まえると、届出制によっても十分に実効性を担保するということが非常に重要というふうに考えております。

 繰り返しになりますけれども、恐らく研究の妨げにならないようにという理由だと、先ほど御答弁いただいておりますが、許可制でなく届出制にした理由についてと、その上で、届出制であっても実効性を担保するために、届出をした後の監視体制あるいは届出された研究について、どのように確認して、継続に把握をしていくのかという点。また、届出後の監視の結果、指針に適合しない取扱いが確認された場合や、内容が実際の研究と異なる場合、いわゆる不正な届出ということがなされた場合に、政府として、どのように是正を求めていき、必要な指導監督を行っていくのかについてお伺いをします。

 また、違法な胎内移植というのは当然内密に行おうとするわけで、そもそも届出をしない可能性があります。こういった違法な胎内移植を防止するためにはどのように実効性を担保していくのか、御答弁をお願いいたします。

佐々木政府参考人 三点お答えいたします。

 まず、許可制ではなく届出制といたしましたが、じゃ、これは緩いかというとそうではありませんで、今委員が御指摘いただいたとおり、この法案の中では、指針の遵守義務を課しますし、届出後の六十日間の実施制限の間に国で届出内容を確認もいたしますし、さらには、必要に応じて計画変更命令や立入検査等も行うということにしております。

 二つ目が、じゃ、その実効的な監督、是正をちゃんと図れるのか。実際、先ほど文部科学省の政府参考人の答弁にあったとおり、大学だけではなくて、医療機関や民間企業でもこれは行い得るものでございますので、そのために、じゃ、どうするかと申しますと、まずは、取扱いを行う方に対して、取扱いに対する記録の作成を求めます。そして、指針に適合しないものであると認める場合には、これは中止等の措置を命じます。さらには、届出を受けた後でも、報告徴収に加え、立入検査を行う。こういった形で実効性を担保していきたいと考えております。

 三点目ですけれども、規制の抜け道とならないようにする、また実態と乖離しないようにする、この二つの点の両立でございますけれども、まず、研究現場の実態に対しての十分な配慮をするということは、これは、指針の作成過程においても、まさにこの指針が本当に現場で受け入れられるのかということになりますので、この過程において、医学、自然科学、生命倫理、法学等の多角的な観点から議論をすることによって指針を定めたいと思っております。それで実態と乖離しないとともに、今度は逆に、抜け道とならないような、漏れのない内容を網羅する、こういうことで担保したいと考えております。

沼崎委員 先ほどの質問にもつながりますけれども、届出というところの用途、目的というところをやはり明確にしておくことというのが、今の、規制をする、しっかり違法なものを排除するという意味でも非常に大事だと思っております。

 また、実施する機関は、どういった機関が実施をするのか、ちょっと追加でお答えをお願いいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まずは、大学等の研究機関が想定されます。一方で、内容によっては、医療機関、これはクリニックまで含めての医療機関、さらには民間企業、ここまで行い得るものということを視野に入れて、この後の作業を進めたいと考えております。

沼崎委員 済みません、ちょっとお伝えの仕方が悪くて。実施をする人はどなたか、指導監督、監査等をする人はどういったところがやるかということで御質問いたしました。済みません、分かりにくい質問で。

佐々木政府参考人 失礼いたしました。

 監督等を行う者については、これは、厚生労働省等、政府の主務大臣の下の職員が行います。

沼崎委員 ありがとうございます。

 厚労省の方が行うということですので、是非しっかりとした管理体制というのもお願いをしたいと思います。

 先ほどの質問と重なりますが、改めてお伺いをします。

 政令の規定の中で、動物の胎内に移植した場合であって、胎盤の形成を開始する可能性がないものとして政令で定める要件に該当するときを除く、胎内移植の禁止から除くということで、胎盤の形成が開始する可能性がない場合にはある意味認めるということになっております。

 この政令要件に関して、個体産生に至らない、胎盤の形成を開始する可能性がないということをどのように担保するのか、御答弁をお願いいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 最終的にはこの後の政令等で定めるわけでございますが、まず、現時点で想定し得るものといたしましては、例えば、動物に未受精卵を移植する場合であれば、雄と雌を分けて管理を行う、さらには、移植する動物にあらかじめ不妊手術を行っておく、こういう形のことを想定しております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 偶発的に形成されてしまった場合等の要件の対処の方法についても、是非、政令の中ではお定めをいただきたいと思います。偶発的な場合ということに関してもお願いいたします。

 次の質問になります。ここはちょっと、私、個人的には非常に重要な点だと思っております。国民及び当事者の意見聴取と生命倫理上の配慮、提供者の保護に関してお伺いをいたします。

 ヒトゲノム編集胚等の取扱いは、先ほどの御質問にもありましたけれども、もちろん専門家だけではなくて社会全体で議論すべき課題であります。政府は、この指針の策定や今後の制度の検討に当たっては、審議会での専門的議論に加えて、国民の意見を広くどのように聴取していくのかという点についてお伺いをします。

 また、ヒトゲノム編集胚等の取扱いに関しては、生殖補助医療を受ける方、これは先ほどの研究目的にもございました、生殖補助医療を受ける方、あるいは、今後の研究の発展性によっては遺伝性や先天性の疾患の治療につながるということもございますので、遺伝性、先天性疾患に関する医療を受ける方、またその家族、障害のある方や医療従事者、また、加えて、生命倫理の専門家など、多様な立場の意見を丁寧に聞く必要があると思います。非常に生命倫理に近い法案になりますので、是非ここはお願いをしたいところです。

 こうした幅広い当事者及び関係者の意見をどのように聴取、これはこれから政令を定めていくに当たっても聴取を続けていかれると思いますけれども、どのように聴取していくのか。

 また、さらに、ヒト胚やヒト生殖細胞の提供者については、研究目的、取扱方法、保存や廃棄、将来的な利用の可能性、そして個人情報保護法の議論のところにもつながりますけれども、個人情報の保護等について十分に説明が行われて、ここがしっかり、提供者の保護ということが十分に行われる必要があると思いますので、ここの点の担保をどのように行っていくのか。

 インフォームド・コンセントの問題、同意の撤回ができるかどうか、個人情報保護はどうやって担保されるのか、その点についてのお考えをお願いいたします。

佐々木政府参考人 二点お答えいたします。

 その大前提にあるのが倫理的配慮、これは人の尊厳、多様性及び包摂性の観点から極めて必要なことですし、十分図りたいと考えております。

 その上で、一点目の、多様な立場の方の意見をどういうふうに伺った上での指針や政令等の作成になるかでございます。

 まず、先ほど三省庁等から成る構成員で、医学、自然科学、生命倫理、法学と申し上げましたけれども、委員御指摘の、実際に、患者さん、病気で悩む方ですとか、また、広く報道する等の立場の方、こういった方を加えることによって、まずはこの指針等の議論の中で十分に御意見を伺いたいと考えておりますし、その先に、指針については科学技術・イノベーション会議に諮りますので、この場においても更に広い立場からの御意見を伺って、その上で政府としての指針策定になるものと考えております。

 二点目のインフォームド・コンセントや個人情報保護についてでございます。

 これは、この法案、この技術の信頼を得る上で非常に重要な内容になります。提供者へのインフォームド・コンセントについては、現行の指針においても、提供されるヒト胚等の取扱いや、提供により生じ得る不利益、個人情報保護の方法、その他の必要な事項を提供者に説明するよう、既に求めております。よって、この法案を認めていただいた際に作成する指針においても、こうした現行の指針の内容も十分勘案し、その上で必要な事項を定めます。

 個人情報保護の点につきましても、この法案の信頼性を担保する観点で極めて重要、これは何度も繰り返し申し上げますけれども、なので、この法案における報告徴収等の指導監督で担保をする、先ほど、どうやって監督するかということでございましたけれども。よって、届出をした者に対する個人情報の適切な管理のための必要な措置、こうしたことを通じて、届出をした者への適切な周知、またさらには指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 個人情報保護法のところで個人情報の保護というところをやっていくということになると、場合によっては、個人が特定される、情報として開示されてしまうという可能性もあるわけなので、ちょっとその点も、是非、ここの法案でゲノム情報に関してはしっかり保護ができるような、より狭い規制というのが私は必要ではないかというふうに思っています。

 また、倫理上の問題点についてですけれども、ゲノム編集技術の利用というのは、当然、いい方向に疾患を治す、そういった治療法につながるという意味合いもありますけれども、疾病や障害の有無によって人の価値が左右されるような受け止めをある意味生じさせかねない、そういった議論を生む可能性がある法案だと思っています。

 そういった意味では、多様性及び包摂性という観点から倫理的な配慮が必要であると思いますし、今よりも更に、エンハンスをさせるような、そういった技術に対する規制というのを政府の方でお考えになっているかどうか、見解をお伺いいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、様々なお考えの方に対して、様々な国民の、またどのように考えていくのかということに対して、この法案、この規制内容というものは、多くのことを投げかけるものと思います。だからこそ、先ほど申し上げた多くの立場の方に参画いただいて、指針、政令等を定めたいと考えておりますし、それに加えて、技術者、科学者だけではなくて、広く国民の皆さんにこの法案、成立すれば法律ですけれども、その内容を周知したいと考えております。

 もう一点ですけれども、じゃ、そのことを、どういう技術利用に将来つながっていく可能性があるものに対して適用していくかでございますが、現時点においてはこの規制の範囲ではございますが、いずれ今後、基礎研究が進んでそのような議論になった際には、見直し規定等の中でも定めているプロセスを経て、適切な措置を講じてまいりたいと考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 例えば、容姿をよくするであるとか、何か走るのを速くするであるとか、そういったことに利用する可能性というのも当然出てくるわけで、いわゆるこのエンハンスの部分というのは、是非、用途、目的のところでしっかり明確化をしていただきたいというふうに思います。そういったところに関しては、私はやはり一定の規制を設けるべきではないかというふうに考えております。

 先ほど国外のお話が、議論が出ておりましたけれども、まず、ヒトゲノム編集胚の国外持ち出しについてお伺いします。

 この法案が成立したとして、国内で作成あるいは保有されているヒトゲノム編集胚をまず国外に持ち出すことができるのか、また、そして、持ち出されたゲノム胚を、海外において人又は動物の胎内に移植することはできるのか、もしできるとすれば、それは防止していくのかについてお伺いをいたします。

佐々木政府参考人 簡潔にお答えいたします。

 まず、国外への持ち出しでございますけれども、これは、持ち出した際には遅滞なく主務大臣に届け出なければならないということを規定しているということは、認めているということです。

 持ち出したものを国外で使用した場合でございますけれども、この法律は国内に適用されるものですので、国外においてはその国での法律が適用される、こういう構成になっております。

沼崎委員 国外で規制するというのは非常に難しいとは思いますけれども、その限界がある中でも、やはり持ち出したものに関しては、用途を限定するとか、あるいは取扱状況の報告を受けるとか、廃棄を確認する、研究が終わった後の廃棄確認等も是非重要ではないかというふうに思っております。

 ゲノムに関しては以上で終わらせていただきまして、ちょっと先日、私の質問で残っております健康経営、女性の片頭痛、健康課題における片頭痛ということを質問の中で取り上げさせていただきました。ちょっと残りのお時間でこの点に関して、問題意識がございますので、質問をさせていただきます。

 先日この片頭痛を取り上げた際に、大臣の方から、片頭痛は有病率が女性で高く、女性の健康課題の一つであるというふうな認識を御答弁いただいたというふうに思っております。経済産業省の方で、健康経営における女性のウェルネス向上の施策の中に片頭痛を教育項目でもう既に位置づけていると承知をしております。

 前回、質問の中でもお話ししましたけれども、片頭痛は生活の質に非常に大きな影響を与えます。また、特に女性の就労という意味では、会社には行っているんだけれども、十分に働くことが、十分に能力を発揮できない、そういったことにもつながっております。

 しかし、でも、職場での理解や対応というのは、ウェルネスの政策の中で教育項目として位置づけはされているけれども、まだまだそういった認識は持たれていないというふうに思います。

 片頭痛を女性の健康課題に関する教育項目としてもう既に位置づけていらっしゃると思うんですけれども、まず、その位置づけた理由、背景をお伺いします。

 また、今後、まだまだ不十分と言えるこういった企業における理解や促進、適切な対応を広げていくためにどのように対応されていくのか、御答弁をお願いいたします。

江澤政府参考人 お答え申し上げます。

 健康経営優良法人の認定に当たっては、片頭痛を含む女性の健康課題に関する教育内容を、御指摘のとおり、評価内容としているところでございます。男性に比べると有病率が三倍以上ということでございまして、こういったところで、働く女性の活躍を支援するためにはこういった取組が必要だということが理由としては挙げられます。

 片頭痛については、まさに働く女性の業務パフォーマンスに影響を与える要因の一つでございまして、外部の有識者の検討会の確認を経て、昨年度から評価対象に盛り込んでいるところでございます。

 経済産業省では、二〇一六年度より、女性の健康課題を含む健康経営を適切に実施する法人の認定を行っていまして、本年度は、大規模法人、中小規模法人合わせて二万七千社といったところでございまして、認定が増えております。五年前は一万弱でございましたので、順調に増えている。こういったことを通じて、普及をしているわけでございます。

 しかしながら、健康経営に取り組んでいない事業者というのは引き続き多くて、特に、女性の健康課題ということでありますと、中小企業は、規模が小さいほど女性従業員の割合が高い傾向にございます。このため、経済産業省としては、引き続き、性差に基づく健康課題への対応や、中小企業による健康経営の取組の支援、こちらを強化していきたいと考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 女性の健康課題というところも中小企業さんではまだそこまで広がっていないということもございますし、その中で、片頭痛というと、恐らくまだまだ取り組んでいる企業は少ないというふうに思います。

 産業医の先生の方から、その先生が頭痛が御専門でいらっしゃって、企業の中で頭痛に関するところを取り上げたところ、頭痛に関する御相談が非常に多かったということと、非常に診療というかこの経営に関する部分というところが進んだというような、そういったいい事例もお伺いをしておりますので、是非、この健康経営に関する部分で、片頭痛というところに関しても対策を進めていただきたいと思います。

 最後の質問になりますけれども、OTC薬の適正利用というところで、健康保険法のところでもOTCに関する法改定が行われましたが、セルフメディケーションというのも政府の方で進めていっているところだと思います。

 その中で、OTC薬の適正利用というのは非常に重要で、片頭痛のところで、実はここは特に注意が必要な部分があります。なぜかというと、片頭痛というのは、ほとんどの場合が、皆さん、市販の鎮痛薬を使って治療をされている。そして、特に、病院にかかる方が三分の一しかいないという状況で、ほとんど皆さん、慢性的に市販の鎮痛薬を使っています。

 ところが、片頭痛の場合は、薬物乱用頭痛といって、鎮痛薬を漫然と使い続けることで、慢性化、あるいはより頭痛がひどくなる、そういったことがございます。一方で、こういった事実を患者さんは十分知らないままに市販薬をずっと飲み続けている、そういった実態があります。

 また、今、近年、片頭痛に関してはCGRP関連薬など新しい治療法も出てきておりまして、より治せる疾患になってきておりますので、適切な診断と治療につなげていくということが非常に重要と思います。

 自己判断による鎮痛薬の使い過ぎを防ぎ、早期受診や適正治療につなげるためには、薬剤師や登録販売者による受診勧奨というのが重要だというふうに考えておりますが、今後、片頭痛に対する情報提供をどのように進めていくのか、御答弁をお願いいたします。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘いただきましたように、OTC医薬品の販売に当たりましては、薬剤師や登録販売者による適正使用への働きかけは大変重要であると考えております。

 OTC医薬品の適正使用に向けまして、薬剤師や登録販売者は、適切な情報提供の実施や、購入希望者からの情報収集に基づく販売可否の判断や、必要に応じた受診勧奨などを行うこととされております。

 その上で、薬剤師については、関係団体による研修において、片頭痛や薬物乱用頭痛も含めたOTC医薬品に係る研修が行われているところでございます。

 また、登録販売者につきましても、その試験の出題範囲に頭痛の常態化に係る内容も含めているとともに、店舗販売業者等は従事する登録販売者に研修を毎年度受講させなければならないということにされておりまして、厚生労働省の補助事業において作成された研修プログラムの中においても、片頭痛や薬物乱用頭痛を含めているところでございます。

 今後とも、OTC医薬品の適正使用に向けまして、薬剤師や登録販売者がOTC医薬品の販売に関わる専門家として一層貢献ができるよう、必要な対応を実施してまいりたいと考えております。

沼崎委員 以上で終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、浜地雅一君。

浜地委員 浜地雅一でございます。

 まず、質問に入る前に、ちょっと委員長にお願いがございます。

 六月十日の当委員会におきまして、中道の委員でございます早稲田ゆき委員より、こういった申出がございました。

 六月四日の予算委員会において、個人情報保護法でございますけれども、長妻議員の質問に対して、総理が、懸念点について総理に説明はあったのかということに対して、ありませんでしたという答弁をした。

 そこで、早稲田議員が、その懸念点については総理にしっかりと説明をしたのかというような質疑を今枝副大臣にいたしました。今枝副大臣は、一般論として、法案を始め様々な案件につきましては総理に事前に説明をするんだということでありました。そして、閣議決定前に必要な説明をしているものと承知しておりますと、この個人情報保護法について。

 そこで、早稲田ゆき議員が、様々な医療情報に関する要配慮事項ですから、懸念点について説明をしたのか、総理はそれについて納得をしたのか、懸念点は払拭されたのか、確認をしてくださいという質問をいたしました。そこで、今枝副大臣は確認の方をさせていただきますという御答弁があった上で、委員長に対しまして、当委員会でその説明の内容について説明を求めたい、文書で総理の認識を求めたいということで、委員長にお願いしますということを言ったんですが、このときに理事会協議事項にしてくれということがはっきり表れていなかった。

 そのとき委員長はそれについて応答されませんでしたので、改めて、ここについて理事会協議事項とさせていただきたいと思いますが、まず、委員長、御見解をお願いいたします。

大串委員長 本件につきましては理事会で協議をいたします。

浜地委員 ありがとうございます。

 じゃ、質問に入りたいと思っています。

 まず、今回のヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制を行うわけでございますが、ここにいらっしゃる委員、もう皆様御案内のとおり、このゲノム編集技術は、革新的に医療を抜本的に進める、非常にチャンスのある、大事なものだと思っております。ですので、私は、どんどんゲノムの編集を進めながら、希少性がんでありますとか、また難治性のがん、難病等の解明そして治療へやはりつながることが大事だろうというふうに思っています。

 しかし、今回は、ヒト胚又はヒト生殖細胞に対してゲノム編集技術等を用いることが予測し得ない遺伝子改変をもたらす可能性があるので、これについては胎内への移植を禁止をしていこうというのが今回の法の趣旨でございます。

 そこで、今、ゲノム編集等という言葉を私は使いましたが、まず、ゲノム編集というのは、もう御案内のとおり、人の設計図そのものでありますDNAに対して切断、改変を加えることでございます。しかし、その等の中には、DNAに切断、改変を加えないエピゲノム編集技術ということもあるそうでございます、資料をつけておりますけれども。また、DNAから派生をするRNAを切断、改変するトランスクリプトーム編集、また、このRNAに対して切断、改変を加えないという技術もあるわけでございます。そしてもう一つは、細胞の核の外に存在するミトコンドリアに対して核置換を行うような技術をゲノム編集等というふうに呼んでおります。

 今回の法の趣旨であります予測し得ない遺伝子の改変をもたらす可能性は、技術によって、私は、グラデーションがあるんじゃないか、この危険性というのは濃淡があるんじゃないかと。ならば、その濃淡に合わせて、規制もやはり緩やかにしたり、若しくは厳しくしたりということがあってしかるべきだと思いますが、このリスクに応じた規制の在り方について、まず厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、委員御指摘いただいたとおり、この法の目的そのものは、予期し得ない遺伝子改変を起こすもの、それに対しての規制でございます。

 等に含まれる技術では、エピゲノム編集技術、DNA、デオキシリボ核酸上の特定の塩基配列を認識して、そこに化学的な修飾によって、結局たんぱく質に、DNA情報というのはRNAへと変換されるので、その結果、やはり次の世代への影響があるだろうと。ミトコンドリア核置換術につきましても、患者の卵子から核を取り除いて、あらかじめ核を除去したドナーの卵子に核を移植する、こういう技術でございますので、このミトコンドリアDNAについては、やはりほかのものが入るということになります。

 こういった中で、これらの技術については、ゲノム編集とは異なって、核内のDNA、デオキシリボ核酸配列の改変を意図しないものではございますが、これを議論いただいた場では、三省庁四専門委員会での議論の整理においては、DNA、メッセンジャーRNA、ミトコンドリアDNAの改変と同様に、直接塩基配列を変化させずに遺伝子発現を制御するようなエピジェネティック修飾による遺伝子改変についても、望ましくない遺伝子発現が生じ得るリスクや後世代への影響等のリスクが懸念されるため規制の範囲に含めるという見解をいただきました。

 長く申し上げましたけれども、いずれその規制の対象にするという意味では、ここでは同じ扱いにした上での規制のかけ方になる。もちろん、今後、様々科学的な知見が進めば、これらのそれぞれの濃淡というのはおのずと出てくるかと思いますが、現時点においてはこのような考え方での規制のかけ方になっております。

浜地委員 理解いたします。まず、スタートはしっかり安全を取りながら、将来的には様々考慮する余地もあろうかという御答弁だったと思います。

 先ほどミトコンドリア核置換の話が出てまいりました。私が先ほど言いましたとおり、ミトコンドリアは細胞の核の外にあるものでありまして、いわゆるDNAとかRNAのまさに遺伝子情報そのものとは少し外にあるんじゃないかという私は認識をしております。

 イギリスでは、実はここは、条件付で規制をかけていないということであります。特に、ミトコンドリア病に対する患者の皆様方に対しては、イギリスでは、既に二十二名の女性が受精卵について核置換による治療を受けて、実際にミトコンドリア病にかかっていない健常な子供さんが生まれているというものがございます。資料にもつけておりますが、イギリス以外のオーストラリアでも、このミトコンドリア核置換技術というのは許容されているということであります。

 ですので、私が最初の冒頭の質問で聞いたのが、リスクの濃淡があるんじゃないか、かつ、イギリスや又はオーストラリアでは、ミトコンドリア病のやはり抜本的な治療方法としてこちらが認められているということであります。

 日本でも一千六百七十名のミトコンドリア病の患者さんがいらっしゃるというふうに聞いておりますので、私は改めてお伺いをしたいんですが、このミトコンドリア核置換技術については、まずは規制をするということでありますが、将来的にはやはりこれは規制を緩めていくべきではないかというふうに思いますが、ここは仁木副大臣に御答弁を頂戴したいと思います。

仁木副大臣 委員の今御発言のとおりでございまして、英国においては二十二名に対して実施された結果が報告されているというふうに理解しております。

 本法の規制対象となる技術の範囲は、本法案をお認めいただいた後に厚生科学審議会等の合同会議で検討予定でありますが、同会議が昨年十二月にまとめた議論の整理では、望ましくない遺伝子発現や後世代への影響等を与え得る技術を規制の範囲に含めるとした上で、このミトコンドリア核置換術は規制対象として例示されております。

 その上で、この議論の整理では、ミトコンドリア置換術も含め、これまで治療方法がなかった難病に対する根本的な治療技術として期待するとする一方で、容認される可能性については、今後、科学技術的課題に基づいた安全性の評価に関する考え方の構築や、臨床利用に際しまして必要な社会的、倫理的課題に対応する体制の整備等が必要といった御意見をいただいております。

 こうした議論をいただけるよう、厚生労働省といたしましても、諸外国におけるミトコンドリア核置換術の実施状況を踏まえて、国際動向の情報収集などに努めてまいりたいというふうに考えております。

浜地委員 治療技術の発展と、やはり倫理上の問題であるとかまたリスクの問題というのはトレードオフの関係にありますけれども、まずはしっかりと規制から始めますが、何度も申し上げますとおり、しっかりその辺り、詳細に見て、治療の方につながるように、私はそういう意見を持っておりますので、是非今後も検討いただきたいというふうに思います。

 続きまして、今、ゲノムといいますと、コンパニオン検査、特にがんの治療におきましてそういう検査が行われ、そして、現在では、がんパネル検査というものが行われております。

 通常、ある固形がんがあるとすると、それに対して適応となる、承認を受けている薬を使うんですが、なぜかなかなか完治をしないという場合に、しっかりパネル検査をして、ゲノムの原因遺伝子を見つけ、それについて、ほかの適応症である、例えば、本当は大腸がんなんだけれども肺がんの薬が効くんじゃないかというようなことをエキスパートパネルで推奨をして、今、患者に投与されて治療が進んでいる事例があるということでございます。

 しかし、これを保険適用しようとしますと、標準治療が終了したことが要件になっている。今は若干要件が緩和をされて、標準治療の終了見込みであれば保険適用によってがんパネル検査を受けることができるというふうになっていることは承知をしています。しかし、標準治療で、やはり多くの抗がん剤やまた放射線治療を受けて、患者の皆様方の体力は非常に弱っている状態で、更にそこで新たな薬に対して治験又は未承認の薬を投与していくということになると、体力的になかなか、患者の皆さんがもたない。もう少し早いタイミングでこのパネル検査を受けることによって、まだ体力が充実しているうちにそういった適切な治療を受けたいという切実な声があることは厚労省も承知をされていると思います。

 ですので、まずは、パネル検査の実施のタイミングの問題をどう考えているのかというところが一点目の質問でございます。

 そして、パネル検査を受けた後に、エキスパートパネルで、本来はその適応の薬じゃないんだけれども、あなたのゲノム情報を見るとこのほかの薬が効くかもしれないということで推奨されますが、当該、例えばこの疾患に対する承認は受けていないので、当然、未承認の薬を使うことになるんですね。したがいまして、それは治験という形になってまいります。この治験の数だったり情報だったり、アクセスの問題ということも今問題視されますが、この二点について、どのように改善をするおつもりなのか、御答弁をいただきたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 まず、タイミングの話でございますけれども、委員も御案内のとおりでございますけれども、がん遺伝子パネル検査そのものは、現在、有効性、安全性があり治療方法の選択に必要なものとして、一つは、標準治療がない固形がん患者、そして、先ほど委員から御紹介いただきましたように、今は、標準治療が終了又は終了見込みの固形がん患者に対して、患者一人につき一回に限り保険診療として実施することが可能となっております。

 今委員御紹介いただきましたように、標準治療前にも、もっと体力が弱る前にというような御要望があることは承知をしております。

 こうした標準治療終了前に実施するがん遺伝子パネル検査につきましては、現在、保険外併用療養制度の一つである評価療養の枠組みの中で保険診療と組み合わせて実施できるようにした上で、保険適用に向けた科学的根拠の収集を進めてございます。

 今後、これまで実施してきた評価療養の取組から得られた有効性、安全性に係るエビデンスの分析も含めて、関連学会の学術的見解も伺いながら、保険適用に向けた議論を中央社会保険医療協議会において進めていきたい、このように考えております。

 もう一点。そのがん遺伝子パネル検査の結果自体は、現在、がんゲノム情報管理センターの方に集約するような形になっています。その上で、このパネル検査の結果に基づいて行われるがんゲノム医療の話につきましては、委員御指摘の、候補となる未承認薬とか治験に関する情報、こういうのがあるいはあり得るよということにつきましては、がんゲノム情報管理センターより医療機関に調査結果として提供されているところでございます。こうした取組を充実していきたい、このように考えております。

浜地委員 そうですね。特に、治験の実施については、以前、今国会ではありませんが、別の以前の国会で、しっかり治験情報というのを広く患者の皆様方にアピールしてほしい、何かそういう広報の方法も考えてほしいといった質問もあったというふうに記憶をしておりますので、そういったことと併せて、しっかり、治験の情報の周知、そして患者の皆様方がアクセスをしていただくことを図っていただきたい、そのようにお願いをさせていただきたいと思います。

 今私は、ゲノムの解析をすると、本来標準的な治療ではないほかの薬も見つけられるということを一つ、ゲノム検査の有効性として紹介をいたしました。しかし、そもそも今我が国が目指すべきは、薬を見つけるのではなくて、病気の原因遺伝子である塩基配列、塩基列をしっかりと的確に把握をし、そこを切断をしたり又は改変をすることによって、そもそもの原因遺伝子を取り除き、患者が健常な状態に戻っていく、これを目指すことこそが本来のゲノム医療の到達点である、私はそのように思っております。

 アメリカでは、そういった形で、薬を探すためのゲノムの利用ではなくて、原因遺伝子そのものを改変をし健常な体に戻すという研究も進んでおりますし、実際にそういう治療も行われるというふうに聞いておりますが、日本では、そういった、そもそもの原因遺伝子自体を正常に戻すためのゲノム編集の技術の利用ということについては、どういう方向性でどういった目標を持って取り組まれているのか、御答弁をいただきたいと思います。

森政府参考人 ゲノム編集を用いた遺伝子治療についてでございます。

 新たな技術として、国際的にもこれは研究が盛んに行われておりまして、海外においては既に薬事承認されたものもある。これが、先ほど政務官から申し上げたCRISPR―Cas9というもの等でございますが、こういうものもあるというふうに認識しております。

 我が国においても、AMED等を通じてこのような治療法に関する支援を行っておりまして、国産のゲノム編集技術を用いた遺伝子治療が臨床研究の前段階に至るなど、実用化に向けた研究開発が着実に進展しているところでございます。

 国としては、安全性の確保を前提としつつ、関係省庁と連携して、引き続き、本技術の開発支援というのを着実に行ってまいりたいというふうに考えております。

浜地委員 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。

 次に、我が国は全ゲノム解析実行計画を作りまして、令和八年に日本ゲノム医療推進機構、GeMJという機構をつくりました。ここでは、AMEDの研究班において、例えば希少性がんであるとか、小児がんであるとか、難治性がん、テーマを絞って、又は難病、それについて研究班を設けて、患者の皆様方には全てのゲノムの解析をしていただこう、そして、その結果をGeMJの方で管理をし、解析データの保存を行い、解析データの利活用につなげようという取組がございます。

 私は、非常にいい取組でありますし、こういったデータ収集がないとやはり創薬や新しい治療方法につながらないという必要性は強く認めるところでございますが、ただ、当委員会でも、個人情報の取扱いとの問題で、やはりどうしてもスポットが当たります。私が資料三に持ってきているとおり、最後は、利活用申請を企業やアカデミアが行うことによって、このデータを実際に企業やアカデミアに渡すことになります。

 そこで、今回、他委員会ではありますけれども、個人情報保護法の関係で、統計等に用いるためには生データが、顕名データが提供できるということが、この委員会でも、特に医療情報は大事ですので、質問を繰り返すということが、ほかの会派からも、我が会派からもございました。

 難しいのは、ゲノム解析のゲノムの情報自体が個人識別符号であって、このもの自体がもう情報ですので、例えば、Aさんのゲノムがこういう配列をしていますということでも個人が特定されていきますので、Aという名前を消せばいいと思うんですが、なぜかというと塩基列しか見えないわけですから、何だか分からないわけですね、三十何億個の塩基列があるわけであります。

 しかし、この塩基列のゲノム情報自体が個人識別情報でありますので、これを仮名化するとなると、その遺伝子情報自体をどこかでモザイクをかけなきゃいけなくなって、全くもって利活用が進まないという問題があります。

 しかし、私が問題にしたいのは、Aさんという方の遺伝子情報、ゲノム情報がどういうものかということを分かると、やはり個人の特定ができ、流出されるということですので、名前とゲノム情報がひもづかなければいいんだけれども、繰り返しますが、ゲノム情報自体が個人識別符号でありますので、仮名化するとなるとモザイクをかける、これじゃ意味がないということで、じゃ、生データは取れるのかというと、それは難しい。

 ですので、私は、前回の厚労委員会の豊田さんへの川崎政務官の答弁がすごく参考になったんですけれども、構造化されているものと非構造化されているもの。今回の問題のポイントは、例えば、医療情報あたりでは、きちっとエクセルのところに並んで、誰の情報か分かれば、人の名前を消したり特徴を消せばいいんですが、カルテの中に例えばなぐり書きで人の名前が書いてあったり、そういったところは非構造化情報ですから、なかなか消せないので今回の法案になっているということで、問題になっているわけでございますね。

 ですので、さあ、どうでしょうか。難しいんですよ、これ。仮名化といってしまうと意味がない。しかし、そのまま生データを出すとなると、人の名前とひもづく可能性がある。

 ですので、私は、人の名前とか、そういう個人が特定されるところを削除して、そのままゲノムデータを出すという方法がいいんじゃないかと思っていますが、現在、この利活用についての情報の処理についてどういうふうにお考えか、御答弁をいただきたいと思います。

森政府参考人 ゲノム情報の利活用は、委員御指摘のとおり大変難しい問題を抱えております。

 まず、本年の三月に、日本医療推進機構、GeMJが設立されておりまして、この機構は、全ゲノムの解析等の成果の患者還元の支援、個別化医療の推進、蓄積されたデータの利活用を推進するための情報基盤の構築、運用を行って、研究、創薬を促進し、国民へ質の高い医療を届けることを目的とするものでございます。

 GeMJの保有する情報基盤の企業、アカデミア等による利活用については、今御指摘あったとおり、ゲノムデータが個人情報保護法における個人識別符号そのものである、簡単に言ってしまうと、本人の写真みたいなものを全部見せている状態にあるという形になるわけですけれども、したがって、匿名化、仮名化に適さないものだというふうに、私どもとしては認識しております。

 そういった観点から、データ収集に当たりましては、患者本人から利活用に関する同意をきちんと得る。それを前提として、さらに、企業、アカデミア等の利用目的等の事前審査を経ること。それから、三つ目が、データ解析はGeMJが提供する安全な解析プラットフォーム上において行うこととする。これは、データをダウンロードして持っていけるようにするのではなくて、プラットフォーム上で解析できるだけにするというやり方を行うことを想定して、検討を進めているところでございます。

 可能な限り早期にルールを具体化し、国民の理解と信頼を得ながら、安全で安心なゲノムデータの利活用というのに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

浜地委員 ありがとうございます。大体、方向性が見えました。

 ただ、参考までにもう一度申し上げますと、前回の豊田議員への川崎政務官の答弁は、これは当然、個人情報保護法の特例での回答ではありますが、氏名等が不要であることが明らかであり、かつ氏名の削除が技術的に困難でない場合であると客観的に認められる場合には、本特例による氏名等の提供まではできませんということで、何となくガイドラインの中身を、これは個人情報保護法の話なんですけれども、答弁されたわけでございます。

 ですので、当然これは、個人情報保護法なのか、次世代医療基盤法なのかは分かりませんけれども、私はこういうことができるんじゃないかと思っていますね。氏名まで本当に必要かどうか、そして、氏名を削除するのは多分客観的に容易ですから、こういったことも参考にしながら、しっかりとデータの利活用と個人の情報の保護というバランスを取って、これからも検討をしていただきたいと思います。

 経産省が、またもや私、呼んでいましたが、間に合いません。次回行わさせていただきます。よろしくお願いします。

 以上で終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。

 一問目に今回の法案に関する背景をお伺いしようと思ったんですけれども、もう既に政府からも中国での平成三十一年のゲノム編集技術に用いた受精胚を胎内に移植した双子が誕生したことの事例をお話しいただいたので、ちょっと一問目は、申し訳ないですけれども、通告しましたけれども、割愛します。

 二問目に法文の方のお話をさせていただきたいとは思うんですけれども、法文を読みますと、第三条に、何人も、胎内に移植してはならないと規定しております。そのまま読み進めて、第十九条、違反した者は罰則をするということで罰則規定も入っているんですけれども、この条文の中に主体が明記されていない気がします。

 我が党の厚生労働部会でも議論になったんですけれども、誰が罰則に値する可能性があるか十分に周知する必要が、必要だという意見がございました。もちろん、これは意図的に医師なり研究者が移植をするということが刑罰に処するというのは分かるんですけれども、移植を受けた側、この移植を受けた側もケースによっては罰則がかかり得るという認識でよろしいのでしょうか。これは政府にお聞きします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、場合分けしてお答えいたします。

 御指摘の胎内移植を受けた方がどうなるかということですが、移植を受けた方が移植した胚等がヒトゲノム編集胚等と知らなかった場合は、罰則の対象とはならない。もう一つの場合ですけれども、ヒトゲノム編集胚等の移植計画に自ら関与した場合や、移植する胚等がヒトゲノム編集胚等であるとあらかじめ知りながら移植を受けた場合などは、これは共同正犯ですとか幇助の罪の対象となります。

 よって、だからこそ、研究者のみならず、国民にも広くこの法の周知は図りたいと考えております。

伊東(信)委員 最後に周知とおっしゃっていただいたので、その周知の方を本当によろしくお願いいたします。

 条文をそのまま読み進めていくと、動物の胎内に移植する場合であっても、胎盤の形成を開始する可能性がないものを定める要件とあるんです。これは研究者に対して明確に示さなければいけないんですけれども、この線引き、研究者に対する線引きということで、最後は政令になると思うんですけれども、この政令で定める要件に対して具体的に何を想起しているか、教えてください。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 胎内移植の禁止規定、これは、三月五日の予算委員会ですか、委員から御指摘いただきました。

 そのときのも含めて、改めて複数の研究者に意見ですとか確認だとかを求めたところ、まず、二つありました。一つは、動物の雄と雌を分ければ管理できるんじゃないか、これはもう明確に触れることがないので。もう一つは、触れる場合であっても、あらかじめ不妊手術をすればよいじゃないか。これは三月五日も御答弁差し上げたところですけれども。

 逆に言うと、この二つが今のところ挙がってきたケースでございますので、これらを要件とし得ることが考えられますが、いずれにせよ、この法案を認めていただいた際には、三十人を超えるメンバーになりますけれども、合同の会議の中でも様々な観点から、ちゃんとした線引きが分かるような内容を、政令等を定めたいと考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 更問いをするつもりはなかったんですけれども、ちょっと確認しておきたいんですけれども、未受精卵、これを移植する場合でもちゃんと雌雄差を分けて考えるのかどうかということ。あと、生殖細胞も今回範囲に入るんですよね。だから、精子、卵子も入るということと、あと、実験動物の不妊手術というところの有無、これに関しても。ちょっとテクニカルになりますけれども。

佐々木政府参考人 二つの要素に分かれると思います。まず、対象としていることの精子、未受精の卵子、そして受精した後の胚の状態のもの。それに対して、じゃ、動物の胎内はどこまでだったらということ。これはちゃんときっちりと区分けをして規定をしたいと思いますし、また、それを周知を図ってまいりたいと考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 冒頭、この法案の背景に関して、私の前の委員の質疑でも答弁でも十分ありましたので割愛しましたけれども、これは、ゲノム編集技術等の安全性がまだ確立していない段階であるための今回の法案であるので、胎内移植を禁止する点は理解しますけれども、先ほどの浜地議員の御質問にあったように、やはり病気の原因遺伝子というのを調べて、そこにいよいよ踏み込んでいく時代が近い将来来るのかなということも、私自身も研究者の一人として認識しています。

 これらの臨床利用を今後も本当に閉ざし続けるのか否かというのはやはり非常に課題になると思うんですけれども、委員会の議論の中ではどのようなものであったのか。そして、社会的倫理の議論ができていなければ、患者さんへの治療を届ける機会がやはり遅れてしまうということです。人の意識と科学技術との乖離というのをやはり埋めていかなければいけないと思いますけれども、大臣はどのような見方をされていますでしょうか。

上野国務大臣 まず、この法案を議論した審議会での議論の整理では、ゲノム編集技術は遺伝子により発生する疾病を修復し、その効果は次世代にわたって引き継がれることから、これまで治療方法がなかった難病に対する根本的な治療技術として期待をされている、そうした見解をいただいているところであります。

 今委員から御指摘がありましたとおり、これから技術の進歩、そして実用化、そうしたものが進んでいくわけでありますが、それが完成をした段階で、社会的な議論、倫理的な面も含めてそうしたものが不十分だということになりますと、せっかく技術が実用化をしても、それが必要な医療の提供につながらない、遅れが生じる、そうしたことがありますので、あらかじめ社会的な議論、こうしたことを進めていくことが必要だと考えております。

 先ほどもありましたけれども、このため、医学、自然科学、生命倫理、法学、様々な専門家に御参加をいただいて、また、それに加え、患者団体の皆さんやあるいは報道関係者も交えて、多角的な観点から、そうした面も含めた今後も議論を継続していくことが必要かと考えております。

 私どもとしては、そのような議論を進めるためにも、やはり、諸外国の動向であったり、あるいは技術水準の進展、そうした状況に関する情報の収集であったり、また、ゲノム医療やゲノム編集技術を取り巻く現状、課題について国民の皆さんの御理解を深めるための情報発信、そうしたことにも着実に取り組んでいく方針であります。

伊東(信)委員 大臣、ありがとうございます。

 幅広く、つまり、医療だけじゃなく、研究者でなく、社会科学をやられている方、自然科学をやられている方、プラス患者団体さんからの意見もというところで、本当に国民に寄り添っている大臣の御意見だと思います。

 その中で、ちょっと本日資料をお持ちしまして、つまりは、今回の法案というのは、いわゆるゲノム医療に関する第一歩として、逆に、規制をすることによって発展につながっていく、安全性、効率性を確立するものだということを十分承知いたしております。

 その中で、ゲノムということの本当に期待感もあれば難しさもあるところで、一つの事例というか論文を御紹介させていただこうかなと思っているんですけれども、本当に、今まで分からなかった病気がこれから原因が分かっていくのではないか、若しくは、今まで治療法がなかった病気も今後治療方法が分かっていくのではないかという、まあ、期待もある反面です。

 ちょっと哲学的な話になって申し訳ないんですけれども、人はなぜ病気になったり障害が生まれるかということを、「ゲノム医療からみえてくる病気のすがた」という著者で大阪公立大学の瀬戸俊之病院教授が紹介してくれたんですけれども、これはネイチャーというアーティクル、雑誌の論文なんですけれども、これは二〇二〇年です。

 ちょうど二〇二〇年というのは、コロナウイルス、デルタ株で、かなり日本中がこのコロナとの戦いで大変だった時代だったんです。これはスウェーデンのペーボ博士の論文なんですけれども、この論文を経て、二〇二二年にこのペーボ博士はノーベル賞を取っております。これはアブストラクトという前の要約だけを載っけておりますので、もし御興味のある方は読んでいただければと思うんですけれども。

 この話を要約しますと、新型コロナウイルスの重症化リスクを高める特定の遺伝子配列が、ペーボ博士によると発見された、同定することができたということです。昨今、いろいろなところで話題になっている約五万年前のネアンデルタール人から現代人へ受け継がれた遺伝子が関係しているということです。つまり、年齢とか基礎疾患とか関係なしに、今までは体質ということで片づけられていたものがゲノムによって分かるということです。

 私も、医師をやっておりまして、政治家をやっておりまして、両方の立場からお話しさせていただきますけれども、やはり我々は、病気に対して治療する。ということは、治療法がなければ病名もつけられないんですね。でも、治療法がない病名も、近い将来、ゲノムとかのことで、先ほど遺伝子パネルの話も浜地議員、していただきましたけれども、だんだんと分かってきます。適応外であってももしかしたら効くかもしれないということで、今後、本当に幅広く、我々としては国会内でも政府としても議論する必要があるのではないかというところを最後に示唆して。

 本当にいまだにコロナの、あえて言いますよ、コロナ後遺症という病名はございません。だけれども、コロナの重症化というのは、人の差があるということですね。不定愁訴も、今後神経的なところの解析によって分かる時代が来るかもしれないので、幅広く、国民の益に資するようなところを、本当に共に頑張ってまいりましょう。

 終わります。

大串委員長 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。よろしくお願いいたします。

 本日は、ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案についての審議ということで、先ほどからの委員の先生方の質疑も大変参考になりましたが、私からも少し、この法律がどのように線引きをするのか、そして将来のリスク、懸念に対してどう応えていくのかという視点から、本日は三十五分間、質疑をさせていただきたいと思います。

 基本的には通告の順番に従って質問させていただきますので、できるだけ、これは非常に専門的な分野でありますので、分かりやすい表現で、これを聞いている方々にも理解ができるように配慮をいただきながら答弁をいただければと思います。

 まず、一問目です。

 この法案では、ゲノム編集技術等を、遺伝子そのものを書き換える技術に加え、遺伝子の働きに影響を与える幅広い技術として定義し、その具体的範囲は政令で定めることとしています。

 将来登場する新しい技術も含める必要がある一方で、どこまでを規制対象とするのかは研究現場の予見可能性に直結すると思います。政府として、現時点で想定している具体的な技術の範囲をどのように整理をしているのか。

 また、今後、対象技術を政令で追加、拡大する際、どのような科学的、倫理的基準と手続に基づき判断し、恣意的な拡張とならないよう担保していくのか。

 これは、研究現場の皆さんから見て大変関心を集めている点でありますので、説明を求めたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、最後の方で御指摘いただいた、恣意的な運用にならないのか、これは、本当にこの法案が信頼される、研究者の方のみならず、広く国民に信頼されるために必要なものになります。なので、その手続をどれだけきっちり行うのかということをこの後お答えいたします。

 まず、ゲノム編集技術以外の技術、これは、等に含まれる内容につきましては、先ほど来の質疑の中でお答え差し上げたエピゲノム編集技術やミトコンドリア核置換術などを想定しております。

 こうした技術を含めて、この法案を提出をいただくに当たってどの場で検討いただいたかということで御説明差し上げたのが、三つの省庁、三つの審議会の四つの専門委員会、これだけ幅広い視点で、しかも、委員につきましても、先ほど大臣からお答え差し上げたような、いわゆる専門家だけではなくて、様々なお立場の方に入っていただいております。この仕組み、構成につきましては、引き続き、政令、省令、そして指針策定の際にも同様の手続を踏んでまいりたいと思います。

 今度、今後の話でございます。今後、ゲノム編集技術等の範囲の追加、拡大に当たっては、この見解をおまとめいただく過程の中でも、オフターゲットの話だとか後世代の話がありました。これも先ほど御紹介差し上げたところですが。ここから先です。御指摘の、この手続をどう更に担保するかにつきましては、三審議会、四専門委員会での議論に加えてパブリックコメントを実施いたしますので、まずこの場でも幅広く御意見をいただきますし、また、その際には、透明性のあるような形でのパブリックコメントへの返し方、最終的な制定を行いたいと考えております。

 こうした科学技術的、社会的、倫理的なものが、公開、オープンな場での議論をするということに加え、その基になる内容につきましても広く情報発信をする、このことによって、委員御指摘いただいたようなことがきっちり担保されるような様々な仕掛けを用意して、そして実施してまいりたいと考えております。

浅野委員 ちょっと更問いを一問だけさせていただきます。

 今、手続論としては、複数の審議会での議論、そしてパブリックコメントも含めた国民からの意見聴取を含めて、追加、拡大する技術については選んでいくということなんですけれども、大まかな科学的基準、技術的基準みたいなものは、やはりあらかじめ基準となる線引きをしませんと、この技術はもしかしたらゲノム編集技術等に含まれるのかなとか含まれないのかといったことが、現場では予見できない、しづらくなってしまうと思うんですね。

 ですので、特に科学的、技術的基準みたいなものを何らかの形で政府として定める、明示をする、そういった予定があるかどうか、再度確認させてください。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、この法案の目的そのものは、ゲノム編集を行ったヒト胚を通じて最終的には子供が生まれてこない、これ自体がまず法の目的でございます。

 よって、科学基礎研究を行う際に、どのような内容のものを定め、そして計画を立てなければならないのか、これこそが指針で定める内容になりますので、ある意味で、大体こういうものを確認されるのかということはその指針の中で、法律の条文の中にもこういうことというのを記載しておりますけれども、それが更により分かりやすいものになるような指針の定め方をしたいと考えております。

浅野委員 続いての質問です。

 本法案では、ヒトゲノム編集胚等を人や動物の胎内に移植することを原則禁止する一方、胎盤の形成を開始する可能性がない場合には、動物への移植を認める例外規定を設けています。この例外の運用いかんによっては、結果として、個体としての発生に近い段階まで至るおそれも否定できないのではないかという懸念があります。

 政府は、胎盤の形成を開始する可能性がないと判断するための科学的な基準をどのように設定する予定でしょうか。

 また、研究現場の実態や国際的なガイドラインを踏まえつつ、例外要件を具体化して範囲を厳格に定めるために、政令や指針でどのような工夫を行うのか、お聞かせ願います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 先ほど、この法律の狙い、目的の話の中で、子供が生まれてこない、そのために、今委員御指摘いただいたような、胎盤が形成されなければ、そもそも人そのものには、おなかに戻してはいけないわけですけれども、哺乳類動物について、おなかに入れる、ただし胎盤を形成しない、こういうことを想定しての法案になっております。

 以上を申し上げた上で、この法案では、予測し得ない遺伝子改変が生じたヒトゲノム編集胚等、等は精子、未受精の卵子でございますが、ヒト胚や人の発育に重大な影響を及ぼすおそれや、個人や社会に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、これに対する措置を講ずることが目的ですので、この法律の規定の中では、移植という行為を対象に、人については禁止、そして繰り返しになりますけれども、哺乳類については政令での規定を設けていくわけでございます。政令で定める要件としては、これはもう複数の研究者に意見等を求めて、先ほど伊東委員の答弁の中で御紹介したところでございました。

 ここから先が委員の問題の中核的な部分になると思いますが、じゃ、このおそれというのは確かに範囲が広うございますので、これをちゃんと明確に示す、どういう状態であれば動物の場合でおそれがない状態と言えるのか。

 これにつきましては、この先という言い方になってはしまいますけれども、この検討を更に深掘りをしていく三つの省庁の審議会、四専門委員会の中での議論の中で、これは委員御指摘いただいたことをきっちり論点として明らかにした上で検討いただき、最終的には指針等を定めてまいりたいと考えております。

浅野委員 現時点では、明確な基準というものを、ある種、言語化できていない状態だというふうに受け止めましたけれども、やはり、胎盤を形成する可能性がないかどうか、これは大変分かりやすい指標なのではありますけれども、ただ、動物の生態的、生物的特徴といいますか、こういったものを考えたときに、私も余り詳しくはありませんけれども、繁殖形態というのは多種ありますので、しっかりとそういったことを網羅できるように具体的な基準を定めていただきたいと思います。

 とにかく、絶対に避けなければいけないのは、個体が誕生するような状況に至らせないことでありますので、それをしっかりと予防するような工夫や対策を、研究計画の中でもしっかりと確認するといった事前にできることもあると思いますので、ここは徹底していただきたいと思います。

 続いて、第三問目になります。

 本法案はヒトゲノム編集胚等の胎内移植を一律禁止していますが、附則において施行後五年以内の見直し規定を置いており、将来的に臨床利用の是非が議論される可能性は残されています。その際、重篤な単一遺伝性疾患の予防のような医療的必要性の高い目的と、先ほどから出ていますエンハンスメント、身長や外見、能力などの向上や選考に関する目的とを明確に区別できるかどうかが、人の尊厳や将来世代の権利を守る上で極めて重要だと思っています。

 政府として、将来の検討に当たって、能力向上目的の利用を検討対象から明確に除外するという考えはあるかどうか、確認したいです。

 また、治療目的とエンハンスメント、増強目的の線引きを、どのような原則、そしてどのようなプロセスに基づいて行うのか、具体的な方針があれば教えてください。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、これは議論の過程も含めての御紹介を含めてのお答えにしたいと思います。

 まず、先ほど来申し上げております厚生科学審議会等三省庁での合同の会議では、議論の整理の中でこういう書かれ方をしております。ヒトゲノム編集胚等の臨床利用の容認の可能性に関し、今御指摘の能力向上目的、いわゆるエンハンス目的に関して、エンハンス目的に利用される可能性についても、許容するのかについての国民的議論がなされていない。まず、国民的議論がなされていないということをもって、現在、社会的、倫理的にこれは未成熟、よって、この点からもヒトゲノム編集胚の編集技術を法的規制の対象にするということもございます。

 今申し上げた観点を含めて、じゃ、今後でございますけれども、まずは、我が国と諸外国での検討状況、科学技術の進捗なども踏まえて、これはつまるところ、社会的受容性、国民の皆さんが、どれだけ治療目的、そしてエンハンス目的ということが想定される中で受容されるのか。

 まず、科学技術的なことのみならず、社会的受容性、社会的、倫理的な、このことを確認しながら、今後の、五年以内見直し規定もありますので、こうしたことを確認しながら、医学、自然科学、生命倫理、法学等の専門家に加え、だからこそ、報道関係者や患者団体の方も交えながら、この観点から今後も議論を継続していきたいと考えております。

 以上を整理いたしますと、エンハンス目的と治療目的を分けているかということについては、まず、現時点においては、いずれに対しても規制をする。将来的にどうやっていくのかというのは、過程の中での社会的受容性を見ながら、いずれ、それに基づいての整理をしての検討対象になっていくということになります。

浅野委員 済みません、更問いが多くなって恐縮なんですが、ちょっと二、三問更問いをしたいと思います。

 まず一つ目の確認は、今の答弁内容にもありましたが、今の時点では国民的議論が十分にされていないということで、要は、先ほど私が質問をさせていただきましたが、エンハンス目的の利用というものを将来的に受容するかどうかというのは、受容しないと決めているわけではないということが現状の厳密な状況なのかなというふうに理解をしました。受容するとも受容しないとも決めていないということは、すなわち、受容しないとも決めていない、可能性はゼロではないというのが今の状態だと。

 ニュートラルといえばニュートラルなんですけれども、その今の政府の基本姿勢で理解が合っているかどうか、ちょっとその一点をまず確認させてください。

佐々木政府参考人 今、委員の御指摘の表現の中で申し上げますと、まず、それについて、そもそも、それを決めているか否かということそのもの自体も、まずは現時点では対象の外という言い方になります。ちょっと曖昧な言い方になりますが、議論の整理上はこういう、今申し上げたような、そもそもの区分の、対象の外になるということになります。

浅野委員 ありがとうございます。

 聞いておいてなんなんですが、現時点では現実的な姿勢だとは思います。やはり研究開発、技術開発を推進する上では、最初からこれはやりません、やりますというのを決めてしまうと、その分野に対する研究リソース自体が枯渇してしまいますので、技術開発、研究開発という観点からいえば理解はできます。

 その上で、もう一点。

 先ほどの沼崎委員の質疑でもありましたが、エンハンス目的の遺伝子改変というものを今まだ決めていないということですけれども、先ほど答弁の中でも、規制していくことになるかと思うというような発言をされていたように聞こえたんですが、これはもう一度確認させてください。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、今の法律のたてつけにおいては、少なくとも、エンハンス目的であれ治療目的であれ、臨床応用につながるような研究、ましてや臨床の実装については規制の対象としているという言い方になりますので、これは、基礎的研究については届出の上、一方で、その先については全て一律に規制をするという意味でのお答えでございます。

浅野委員 分かりました。ありがとうございます。

 更問い、最後、三問目なんですが、私、先ほどの沼崎委員の指摘はごもっともだと思っていまして、それを規制するということですので、エンハンス目的だろうが治療目的だろうが、今の時点では規制をするというのは理解ができました。

 その上で、問題提起にもなるかもしれません。ゲノム編集ができるということは、その対象となる遺伝子情報、塩基配列が、どのような事象につながるのか、どのような病気や障害につながるのかという因果関係がある種証明された状態でなければ、ゲノム編集という行為には至りません。ということは、分析技術、解析技術が一定程度成熟していなければ、ゲノム編集という行為に至らないわけですね。つまり、分析、解析ができるということは、選び出せるということにもつながります。

 私がよく例を挙げて話しますのは、例えば、不妊治療をされている方々が精子バンクなどで、いろいろと、どういう方から採取、提供いただいたものかということを、情報はあると思うんですけれども、遺伝子的に、遺伝子レベルまでそれを分析して、どのような特性を持つ赤ちゃんが生まれるかというような分析、選別みたいなものに将来的につながる可能性があります。これは、ゲノム編集しなくても、選ぶ知見が蓄積されればそういうことが起こり得るということであります。

 やはり、そうなりますと、ある種の優生思想の拡大につながることも当然ながら懸念がされますし、こうした分析技術、解析技術についてはどのような規制、あるいは監視といいますか、規制や管理を行っていくべきなのか。ちょっと通告、更問いになりますので、お答えのできる範囲で、現時点での政府の考えを聞かせていただければと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 先ほど浜地委員から、まさに全ゲノム解析を進めようという、いわゆる通称GeMJの御質疑をいただきました。

 このように、少なくとも、ゲノム情報で、それにひもづく臨床情報や身体的特徴の情報によって、どのゲノム情報がどのような最終的な発現型になるのか、この研究そのものについては、基本的には何ら規制はかかっていないものと承知しております。

 ただ、これを利用していく過程の中で、これも先ほど御指摘いただいたような、様々な法との関係の中で、それをどのような形で二次利用をしていくのかということについては、当然、関連法との関係がありますが、委員御指摘の点が、まず、そのようなゲノムとそれに基づく様々な個人の特徴発現との研究につきましては、その個人が行う限りにおいては、少なくとも私は何らの規制というものはないものと承知しております。

浅野委員 ありがとうございます。

 私がちょっと今問題提起をさせていただきましたのは、先ほども申し上げたように、研究開発、技術開発というものは、やはり我が国においても進めていかなければならない、萎縮させてはならないと思います。

 その上で、やはり、その分析技術、解析技術をどのような分野に、どのような使途に利用するのか。この部分については、今我々が想像し得ない用途もこれから出てくるかもしれませんし、私ですら容易に想像できる分野として、やはり、いわゆる不妊治療時の好ましい遺伝子の選択みたいなところに利用される可能性は考え得るだろうと思っていますので、これは今、我が国の中に明確なガイドラインであったり、あるいは規制であったり、そういったものはないということですので、この法案が成立した暁には、こうした分野の検討についても厚生労働省の中で是非研究をしていただきたいと思います。

 続いて、次の質問に移ります。

 今、少し優生思想についての懸念も表明させていただきましたけれども、次はこの法案の政策的中立性について伺います。

 ヒトゲノム編集に関する議論では、病気や障害を減らすという表現が、当事者の方々にとっては不安や懸念の源になっていることもまた事実であります。こうしたことを避けるためにも、本法の運用や将来の見直しに際して、特定の疾病や障害、身体的特徴について誤解を与えることがないよう、政府はどのように政策の中立性を確保するんでしょうか。

 具体的には、障害当事者や遺伝性疾患の患者、御家族、生殖補助医療の利用者などを、この審議会などの意思決定プロセスに参加する仕組みなどを設ける考えがあるのか、そのことについてお考えをお聞かせください。

上野国務大臣 まず、この法案を議論した審議会の議論の整理におきましては、ヒト受精胚等に遺伝子操作を加えることによる子孫や社会への影響については、ゲノム編集技術等を受精胚等へ適用しなければ自らの子に疾患が引き継がれるという問題に直面をしている当事者のみならず、国民一人一人の認識が異なることが想定をされるとされております。また、そのため、当該技術を用いたヒト受精胚等の臨床利用を検討するためには、国民に対して十分に周知をした上で、国民的理解を得ながら議論を進める必要がある、そのような見解をいただいております。

 今後、国民的な理解を得ながら議論を進めていくという上で、御指摘のとおり、当事者の御意見もしっかりとお聞きをしながら政策の中立性を確保する、このことは大切だと考えています。

 先ほど来申し上げておりますが、医学、自然科学、生命倫理、法学等の専門家のみならず、患者団体やマスコミの関係者も交え、これまでから多角的な観点から議論をしてまいりましたけれども、今後もそうした幅広い皆様に御参画をいただきながら、議論は継続をしていきたいと考えています。

 また、我々としては、諸外国の情勢であったり技術水準の進展等の様々な情報、また、ゲノム医療やゲノム編集技術を取り巻く課題等についての国民理解を深めるための情報発信、そのようなことにも着実に取り組んでいきたいと考えています。

浅野委員 是非、当事者の方々の意見を取り込めるような仕組みづくりの中で政策推進をしていただきたいと思います。

 続いて、第五問目、こちらも大臣に伺います。

 政府のゲノム医療施策に関する基本計画では、がんや難病などを対象としたゲノム医療の推進と、倫理的、社会的課題への対応、患者、市民参画、データの適正な管理が包括的に位置づけられています。本法はその中でもヒトゲノム編集胚等の取扱いという特にセンシティブな領域を対象とする個別法ですが、現場から見れば、複数の計画や指針が縦割りで存在しているように見えており、制度全体が分かりにくくなっています。

 そこで、本法の施行状況や課題を次期以降のゲノム医療基本計画や関連指針の見直しに反映させる仕組みをどのように考えているか。

 また、研究者や医療関係者が本法を含む関係ルールについて一元的に相談や確認ができる窓口の整備や、関連する法令、指針を横断的に整理したガイダンスの作成など、ゲノム医療全体としての分かりやすく一貫したガバナンスを構築していただきたいと思いますが、それに対する大臣の見解をお聞かせ願います。

上野国務大臣 まず、ゲノム医療基本計画は昨年十一月に閣議決定をしております。この基本計画が今後も政府の総合方針として適切に機能することが必要でありますので、まずは、記載された施策の進捗状況、これを定期的にフォローアップをしていくこととしております。

 また、基本計画の改定ということも今後考えられますが、本法案が成立した場合の施行状況、それも含めましたゲノム医療に関する様々な課題、方策、こうしたものを丁寧に検証して次期改定に臨んでいきたいと考えているところであります。

 また、周知についてのお尋ねもございました。ゲノム医療を適切に推進するためには、研究者、医療関係者、こうした皆さんが関係法令等を適切に御理解をいただくということが大切でありますので、現在、基本計画の策定も踏まえまして、ゲノム医療の関係法令や指針に関する情報を整理をして、ホームページ等で公開をしているところであります。本法案が成立した場合には、このホームページ、更に分かりやすい充実した内容にしてまいりますし、研究者や医療関係者の方が関係法令を遵守をしていただいて、研究や必要な医療の提供を適切に実施をしていただけるように、分かりやすく周知をする、そのような取組を進めていきたいというふうに考えております。

 そのためには、学会等、研究者の皆さんが集まる場でそうした周知をしたり、あるいは、国立がん研究センター等が参加をするゲノム医療に関わる医療関係者の研修の場などもありますので、そうした場で分かりやすく周知徹底をしていきたいと思いますし、その際には、適切な素材を使って御理解が深まるような取組も進めていきたいと考えております。

浅野委員 是非よろしくお願いいたします。

 ここからの残された時間は、ゲノム編集技術とも関連しますが、再生医療等製品の評価について、二問ほど質問させていただきたいと思います。

 今日は、お手元に資料を準備をさせていただきました。まず、そちらのスライドの真ん中の下に十二ページ目と十三ページという数字があるんですが、十二ページというところを御覧いただきたいと思います。

 こちら、右側の絵を御覧いただきますと、従来の医薬品では、例えば抗がん剤治療とか、治療するたびに一定のコスト、治療費がかかり、またさらに、そのときには仕事を休んだりといった機会損失が生まれます。それによって、コストがどんどんどんどん累積されていくというような図が載っています。

 一方、右側、再生医療等製品は、初回には一定の、ある程度の費用をかけて治療を行ったら、それが長期間効果が続く、機会損失も起こらないといったような比較の絵が描いてあります。これをしっかりと薬価に算定すべきではないかという提案であります。

 通告した文書、少し前半は省きますけれども、こうした特徴を持つ再生医療等製品ですので、次回の薬価制度改革に向けて、政府は、再生医療等製品の長期的な効果や一度の投与で長く効くという価値、そして、それぞれが持つ固有のコスト構造を適切に評価するため、類似薬効比較方式や原価計算方式の運用をどのように見直すのか、そういった考えはありますでしょうか。

 長期の有効性データや無治療期間の提供といった価値、並びに製造、品質管理、物流等の実際の費用をより適切に価格に反映するための方策について、政府の考えをお聞かせください。

間政府参考人 お答えいたします。

 再生医療等製品の保険償還価格につきましては、その新規性を考慮して、製造や品質試験、流通に係る費用などを積み上げる原価計算方式による算定という方式や、その意味では、今委員がおっしゃったように、様々なコストを一定程度見ているということはございますが、また、一度の投与で長期的な効果が見込まれる製品については、効果の持続期間を踏まえた算定も一定程度実は行っているところでございます。

 また、再生医療等製品の特性に応じた革新的新薬の有用性に関する評価の充実を図るなど、再生医療等製品の特性を踏まえた薬価算定をこれまでも行ってきたところでございます。

 その上で、令和八年度、今回の薬価制度改革の骨子におきましても、再生医療等製品を含めた革新的新薬の評価方法等については、次期薬価制度改革において引き続き検討するとされております。

 これまでの取組も踏まえつつ、今後、関係業界の御意見も伺いながら、中央社会保険医療協議会において検討していきたい、このように考えております。

浅野委員 もう一問質問したいところなんですが、間局長に更問いを一問。

 今回の見直しの中で、次回の見直しに向けて引き続き検討するということだそうですけれども、その検討対象範囲の中に、今私が指摘させていただいたような一回の投与で長期間効く効果、すなわち頻回に治療を受けることがない、つまりは就労を休んだり、仕事を休んだりする必要性がないという価値、あるいはそれ以外にも様々な効果があると思いますけれども、そういったことをしっかりと、今、一定程度反映はしているということなんですが、その反映の仕方についても見直しの対象に加わっているという理解をしていいんでしょうか。その点、確認させてください。

間政府参考人 お答えいたします。

 先ほど、一定程度反映しているというふうに申し上げたのは、有用性加算というものがございまして、既存の治療方法に比べて効果の発現が著しく長い、まさに委員から御指摘のありましたような、そういった価値があるという点については有用性加算というのを既に行っているということでございます。

 その上で、例えば、社会的なコストの話も先ほど委員から配付いただいた資料にもございました。実は、これは別の薬剤ではあったんですけれども、費用対効果の評価をするときに、医療の方の、医療保険に対する貢献と、それから、いわば介護の方での負担軽減みたいな、そういうのをどういうふうに、医療保険で評価するのかといったようなことについて様々議論があったところでございます。

 今回、費用対効果評価制度につきましても、これを見直しに向けて議論を開始しているところでございますけれども、何かを排除するということではなくて、やはり、いい製品はよく、そうでないものはそれなりにということでございますので、こういう革新的新薬の評価方法については、様々な点、繰り返しになりますけれども、関係業界の御意見もお伺いしながらしっかり考えたいというふうに思っています。

浅野委員 よろしくお願いいたします。

 最後の質問になります。ちょっと時間が限られていますので、はしょって質問させていただきます。

 CAR―T細胞療法というのがあります。これは、患者から血液を採取して、これを一定の加工、遺伝子編集を行い、それをまた体に戻してがん治療を行うというやり方なんですが、これは再生医療等製品として今分類されているものの、当然ながら、本人から血液を採取してそれをまた戻しますので、大量生産はできませんし、このプロセスは省略できませんので、市場規模が拡大して利用者が増えようが、コストが低減するということはほぼ望めない、不可能だと言われています。

 こうしたものに対しては市場拡大再算定の適用の在り方を見直してほしいという、あるいは、しっかりと配慮してほしいという声が当事者、業界からも届いておりますけれども、こうした適用の在り方を見直す考えはあるか、改善していく考えはあるか、最後にこの点、伺わせてください。

間政府参考人 お答えいたします。

 現時点では、再生医療等製品において、市場拡大再算定の適用を受けた品目はないというのが事実でございます。

 その上で、再生医療等製品に対する市場拡大再算定の適用の在り方については、昨年の中央社会保険医療協議会の議論の中で、ただいま委員から御紹介いただきましたように、既存医療用医薬品とは異なり、大量生産できないという点も考慮して、対象から除外すべきという意見が業界団体からございました。その一方で、大量生産できない状況において、予想販売額を大きく上回るという事態が起きるのか、状況をよく見ていく必要があるという意見もございました。

 そこで、令和八年度の薬価制度改革の骨子において、再生医療等製品の特徴等を踏まえながら、次期薬価制度改革において引き続き検討することとされておりますので、こうした方針に沿って、様々な議論を聞きながら検討していきたいというふうに思います。

浅野委員 是非また議論させてください。

 終わります。

大串委員長 次に、豊田真由子君。

豊田委員 参政党の豊田真由子でございます。

 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 今日も、様々、委員の方から御議論、御提案がありましたけれども、まさにこのゲノム、特に医療の分野におきましては、大きな福音をもたらす可能性がございます。国におきましても本当に目まぐるしい動きがございまして、昨年にはゲノム医療推進の国の基本計画、また、本年四月にはがんセンターの中に、ゲノムの、特に難病、がん患者の方の全ゲノムを解析する日本ゲノム医療推進機構が発足したと承知をしております。

 ただ、そうした中で、やはり光と影の両方がクローズアップをされている状況でもございます。そうした中で、今回の法案は、技術革新が起こったゆえに新たに発生が懸念されるようになった様々な課題に対して法的な抑止力、そしてそれをどう担保していくかという、まさに我々にとっても、これからの人類にとっても非常に大事な議論をする場だというふうに認識をしております。

 まず、今回、法案を作られたんですけれども、海外と比較した場合に、法的な枠組みを設定したのがちょっと遅かったのではないかという点についてお伺いをしたいと思います。

 と申しますのは、今回のヒトゲノム編集胚等を人又は動物の胎内に移植することを禁止することにつきましては、同様の法的規制は、既に先進諸国、英国、フランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国は一九九〇年代に法的規制を設けておりました。もちろんこれは、各国の歴史的あるいは宗教的背景など、様々な理由はあると思いますが、日本におきましては、本法案が成立するまでは、指針はありましたけれども、法的な規制はない、罰則もないということで、いわゆるデザイナーベビーがつくれる国となっていた。そういう意味において、海外からも、それを、じゃ、日本だったらできるんだというふうにお越しになっている方がいないとも限らないという状況でございました。

 本来であれば、こうしたゲノム編集技術の進展を見越して、時機を逸することなく適切に法制化を検討してくるべきだったというふうに思うんですけれども、今回、特にこういう、三十年ぐらいタイムラグがあるんですけれども、これはもっと早期に検討できたのではないか。このタイミングになった理由と、そして、そのことによってデメリット、顕在化はなかなかしないかもしれませんが、なかったのかという点について、お伺いをしたいと思います。

上野国務大臣 御指摘のとおり、法律による規制、欧州よりも遅れていたのは事実です。ドイツやイギリスでは一九九〇年、フランスでは一九九四年ということになっております。

 ただ、これまで我が国においては、研究者が遵守するべき指針において胎内移植禁止が規定されていることで、一定の抑止力、一定の抑止は行われていたと考えております。

 こうした中、政府では、令和元年の六月に総合科学技術・イノベーション会議において、法的規制の必要性を求める報告書が取りまとめられました。これを受けて、令和元年の八月から厚労省を中心に有識者会議で検討を重ね、今回の法的規制に関する法案の提出に至ったものであります。

 これまで国内で胎内移植が行われたなどの問題は生じていないと考えておりますので、デメリットは認められないと考えておりますが、いずれにいたしましても、本法案をお認めいただいた際には、着実な施行に向けて努力していきたいと考えています。

豊田委員 ありがとうございます。

 私は上野大臣のコメントには余り突っ込みを入れないことにしておるんですけれども、やはり今回は、伺っても、どうして遅かったのかなというところがちょっと私は理解ができないところでございます。もちろん遅きに失するということはないんですけれども、ほかの、法規制も含めて、やはり海外の情勢は適時適切に見極めていただいて、キャッチアップをしていただきたいというふうにお願い申し上げます。

 次に、特に、法律の中でも、刑罰実効性も含めた担保についてお伺いをしたいと思います。

 今回、規制が新たに法的に入るということ、そして、拘禁刑十年以下などのものがございますが、こうしたことが、法的な抑止効果だけではなくて、実際にそれがどれぐらいの実効性を持って担保されるのかという点が気になっております。

 例えば、ヒトゲノム編集胚等が胎内に移植されたかどうか、先ほどのお話とも通じますけれども、実際にどのように確認をすることができるのか。例えば、研究機関ですとか企業ですとか、特に研究者の方は、やはり、新しいテクノロジーを是非試してみたいというのは、中国の例を見るまでもなく、全世界共通なのではないかと思いまして、そういうときに、内密になされた場合、それは本法律に新しく違反するんですけれども、その端緒をどうやってつかんでいくのかという点が私はやはり大変心配でございまして、その点についてお伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 ちょっと簡潔にお答えいたします。

 まず、これはDNA等の痕跡が残りにくいものですから、だからこそ、委員御指摘のような、きっちりとした体制を整えることが、実効性の担保が必要になります。

 そのためには、まず指針を具体的に定める、それに対して届出、確認、そして、その先においても、報告徴収だとか立入検査ができるという直接的な効果もありますし、これを広く研究者、国民に知らせることによって、そのような動きがあった場合に探知しやすいような環境、社会をつくることによって、この実効性の担保を更に進めてまいりたいと考えております。

豊田委員 私も、法律ができることはすばらしいことだと思うんですけれども、届出をしたらいろいろな規制が及びます。そういう人は多分届出をしない、あるいは、届出をしてもこっそりやっちゃう場合はどうするのかなということだったので、ちょっと分からないままかなと思います。

 また、沼崎委員などからも御指摘ありましたけれども、やはり遺伝子とかゲノムというのは予期せずして変異することもあるということでございますので、故意ではなくてうっかりなんだけれども、この法律に抵触するようなことが起こり得るのかどうかということもございますが、やはり、そんなに悪い方はいないと私は信じておりますので、国内外の研究者などの方にこういったこともしっかり、新しく入るよというようなことも周知を進めていただくことが必要なのではないかと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、今、法律があっても、こっそり隠れてやったら分からないですよねというお話を申し上げたんですが、更に言えば、日本も含めて、まだ法律がない国というのも世界には多数ございまして、そういう意味では、グローバル化が進んでボーダーレスでございますので、そういったことで、一国だけとか、規制がある国だけでは、これはやはり実効性がなかなか保てないんじゃないかというふうに思っております。

 国際的な、例えば条約などを締結するなど、全世界的な、こういうことは駄目だよという取組が必要なのではないかと思うんですけれども、その点についてちょっとお伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 国際的にということでございますので、まず、これは国際的な協調が必要であることは言うまでもありませんし、そのために、ジュネーブにあるWHO、世界保健機関においても、二〇二一年に専門家組織が三つの様々な報告書を出しました。

 世界の各国が協調するに当たり、我が国においても今回の法規制はこのようにやったんだということを周知を図ることによって、さらに、他国においても同様の立法が進み、それによって結果的に国際協調が進む、世界の中でも抜け穴、抜け道がないようにする、このようなことを考えていきたいと考えております。

豊田委員 私もWHOで仕事をしておりました。それで考えると、やはり、特にこういう非常に新しいテクノロジーについては、国によって、特に先進国と途上国の間の乖離みたいなものも大きゅうございますので、多分、途上国では全然そんなことをやれる状況にないというところが多いんだとは思います。ただ、やはりWHOのような場で、全加盟国が集まってそういった討議をするということによって、情報というか周知が図られていくところもあると思いますので、そこは非常に大事なのではないかと思いますので、引き続き国際機関への働きかけなども行っていただきたいと思います。

 次に、画期的な治療法について何点かお伺いをしたいと思います。

 今日も複数の委員からも御指摘ございましたが、当然、ゲノム編集の技術革新というのは著しいものがございまして、二〇一二年のCRISPR―Cas9を用いた鎌状赤血球症の治療法が、英国、米国では既に二〇二三年に薬事承認をされております。

 このように、たくさんの新しいテクノロジーが飛躍的にこれからも出てくるという中で、例えば、難治性のがんに用いますCAR―T療法なども出てきているわけですね。そうすると、こうした画期的な治療法、どんどん新しく出てくるものについて、今回の法案との、どういうふうな取扱いになるのか、その関係性についてお伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、今CAR―Tとかにも触れていただきましたけれども、これはこの法案のかなり中核的な部分でございます。つまり、今回の法規制の対象は、次の世代に及ぶ生殖細胞系列と呼ばれるものでございます。それに対して、CAR―T療法は、これは体細胞という生殖細胞の反対側の細胞の種類でございますけれども、こちらに行くものでございます。こうしたものは既に臨床的にも実用し、薬としての開発も進んでおります。

 よって、まずこの法律に対しての規制の範囲を明確にすることによって、一方で、科学の果実、ゲノムサイエンスの果実であるところについては、この体細胞領域に対しての治療、さらには新薬開発については、これはしっかりと進むように様々な仕掛けを講じてまいりたいと考えております。

豊田委員 その見極めというかバランスを取るということが、本当に、非常にこの新しい技術の光と影をどうコントロールをしていくかという点なんだと思いますけれども。今回の法案は、あくまでも生殖細胞、胚が対象ということでございますので、それは確かに各国も禁止をしておりますし、長期的な影響ですとか子孫への続いていく影響などがまだ不明であるということなどから、エビデンスが積み上がっていない状況では禁止だということはよく理解をいたします。

 また一方で、おっしゃられたとおり、体細胞に関する研究開発自体については実績も出ていることでございますので、人の命を救う、疾病を治す、あるいは予防する、あらかじめ起こらないようにするということにおいて、やはりある意味の福音だというふうに思いますので、そういったゲノム編集の技術自体が中止となる、あるいは消極的にならざるを得ないというようなことにならないように、適切に説明をしていただく必要があると思います。

 また、次に、基礎研究についてお伺いをしたいというふうに思います。

 基礎研究と臨床研究、ございますけれども、日本におきまして、特にゲノム編集技術を用いた基礎的な研究の普及の程度、あるいは、今回の法律におきまして、こういった基礎研究につきましても新たに法的な枠組みの対象になってコントロールをするという意味合いであるというふうに捉えてよろしいのかというところをまずお伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、基礎研究に対してのところにつきましては、文部科学省の政府参考人からお答え差し上げたとおり、今までは指針に基づいて行っている、今回の法規制によって法的な位置づけが明確になる、こういう性格を有する法律になります。

豊田委員 まさに技術の進展度合いというのは日進月歩でございますので、それのきちんと情報を収集してキャッチアップをするということが極めて大事でございます。それは国内だけではなくて、国外も含めまして、こういった進展を常に把握するように努めていただき、そしてまた、事実に基づいて迅速に、今駄目にしていても、これが有効であって安全であるとなれば、禁止の対象から外すことも必要だと思いますので、ブレーキとアクセルを、今の状況がどんどん変わっていくんだという前提で、フレキシブルな御対応をいただきたいというふうに思います。

 次に、臨床研究についてお伺いをいたしたいと思います。

 これは浜地議員からも御指摘ありましたけれども、ミトコンドリア核置換術。ミトコンドリア病、これは難病指定されておりますが、我が国におきましても約千五百人ほどの方がこの指定を受けていらっしゃる。そして、軽くて症状が出ない、あるいは、ちょっと出ていてもこの難病だと気づかないという方は結構たくさんいらっしゃるというふうに伺っております。

 そうした中で、遺伝的なものもありまして、ミトコンドリア病の方がお子様を持ちたいと思われたときに、この生殖細胞、胚の段階でミトコンドリアを入れ替えるということをすれば、理論的には生まれてくるお子さんがミトコンドリア病にならない可能性が高いということもあって、これも大いに期待をされるところではないかと思うんですが。

 具体的には、このミトコンドリア核置換技術は、英国、オーストラリアでは既に臨床応用できる法的枠組みとなっているというふうに承知をしているんですけれども、我が方においては、今回この法案が成立した際の、このミトコンドリア核置換術は、禁止対象であるゲノム編集技術等に該当して駄目だということになるのかをちょっとお伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 最終的には政令の段階でのお答えを差し上げることになりますが、今までの議論の過程においては、規制の対象になるものでございます。

豊田委員 そうすると、ここでやはり国際的に見たときのそごが生じる。英国、オーストラリアではいいんだけれども、日本では駄目だということの判断の違いが何だったのか、ちょっと更問いになってしまうんですが、お伺いできますでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、今回の法規制を議論いただいている過程の中で、大前提にあるのは、科学技術的な不確定性、そして、社会倫理的にまだ十分に国民的な合意がなされていない、その前段の部分において、科学技術的なところの中で、ミトコンドリア核置換術、確かに、先ほど来にありました英国のレポート、豪州での状況というのがありますが、これに関しては国際的にもう確立されていてというものにはまだ至っていない、だから、広く規制の対象の中に含める、こういう検討過程でございました。

豊田委員 私も、例えばこれが人種的な違いが安全性とか有効性においてあるのかとか、ちょっとそういったことまでは承知をしていないんですけれども。

 これはやるべきだと一義的に申し上げているわけではないんですが、他国において実施されていて、それが実際に、ミトコンドリア病に本当に苦しまれている方について将来のお子さんへの希望などがつながるのであれば、やはり、安全性、有効性について、引き続き、厳しくある必要はあろうと思いますが、ウォッチをしていただいて、判断を変えていくということも視野に入れていただきたいというふうには思います。

 次に、胎内移植解禁の筋道について、ちょっとお伺いをいたしたいと思います。

 今回の法案によりましてグローバルスタンダードになるということだと思いますけれども、それはやはり光と影がある。そしてまた、先端的な分野にも我が国は果敢に挑戦をしていって、ある意味、先陣を切るぐらいの、iPS細胞を成したのもありましたが、なかなか、いろいろな研究がなされていますけれども、それが実装につながっていかないとか、世界の潮流から見てまだどうなんだみたいなこともあると思いますので、研究開発の御支援というのもそうでございますし、今のような法的枠組みをきちんとつくった上で、普及が実際に行われていくようにするということも、非常に考えなければいけないなというふうに思っております。

 そういう中で、今回のゲノム編集技術の応用というのは、生殖補助医療でありますとか、遺伝性、先天性疾患などの治療技術の開発などにつながる可能性というところも大いに期待をされているところでありますけれども、将来的に、ヒトゲノム編集胚などを人の胎内に戻すということも、今は禁止なんですけれども、これを解禁されることも想定をしていらっしゃるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

上野国務大臣 まず、この法案を議論した審議会の議論の整理では、将来的に臨床利用が容認されるためには、様々な科学技術的な課題に基づいた安全性の評価に関する考え方の構築や、社会的、倫理的課題に対応する体制の整備等が必要だとされております。また、我が国と諸外国での検討状況や科学技術の進捗なども踏まえ、社会的受容性を確認しながら、継続的に検討することが必要とされているところであります。

 まずは、本法案をお認めいただいた際には、本法案の施行を着実に実施をしていくことが必要ではございますが、さらに、将来に向けては、先ほど来お話のある合同会議等において、多角的な観点から今後も議論が継続していくものだと考えております。

 厚労省としては、こうした議論に資するように、諸外国の動向であったり、あるいは国民の理解を深めるための情報発信に着実に取り組んでいきたいと考えています。

豊田委員 ありがとうございます。

 新しい技術の負の側面としては、今回の基本計画でも懸念が示されておりますけれども、やはり、生殖医療なんかの場面におきましては差別につながる可能性があるのではないかとか、あるいは、今進んでおります、特定の遺伝子が特定の疾病につながる可能性があるということになりますと、早めに治療をできるということもありますけれども、また一方で、それが分かってしまっているがゆえに、就職ですとか結婚ですとか、そういうところでの差別につながるのではないかとか、本当に考えなければいけないことはたくさんございます。

 倫理的にもございますし、また、非常に高額な医療であるということもありますので、それを保険適用はどうするのかとか、いろいろな社会全体での含めた価値判断の展開が必要な場面だというふうに思いますので、そういったいろいろなところにきめ細やかに配慮をしながら、目配りをしながら、新しい技術だからいいんだということだけでもありませんので、そこに傷つく方がいないか、埋もれる方がいないか、そういうところに一隅を照らして、光を当てていって、それとともに、やはり新しい技術によって救われる命がある、助かる暮らしがあるということで、そのバランスを俯瞰して見ていただきたいというふうに思います。

 これで終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、古川あおい君。

古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいです。

 本日は、ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案について質問させていただきます。

 本日は、この法案について、主に研究開発への影響、見直しの仕組み、そして施行に伴う行政の体制という三つの観点からお伺いしてまいります。

 まず、一点目、研究開発への影響についてお伺いいたします。

 こちらはほかの委員の方からも御指摘ありましたので、簡潔にお伺いできればと思いますけれども、ゲノム編集技術というのは、生殖補助医療や遺伝性難病の治療法などの研究開発に大きく資することも期待されている技術でございます。それだけに、今回の法案による規制というのが我が国の研究開発を遅らせることにならないかという懸念もございます。

 そこで、まず、副大臣にお伺いいたします。

 今回の法案は、胎内移植などは厳格に禁止をしつつも、生殖補助医療や難病等の研究に資するような、そういった研究開発については必ずしもこれを妨げるものではないというふうに理解しておりますが、その認識でよろしいでしょうか。現場の研究者などに、事務手続の負担も含めて、過度な規制、過度な負担を負うものではないのかという点について、まず、副大臣からお答えいただければと思います。

仁木副大臣 お答えします。

 基礎研究においては、まず、主務大臣に対しまして、許可制ではなく、届出をいただいた上で、指針に基づく研究を可能とする規制の枠組みとしているところでございます。

 また、動物への胎内移植につきましても、ヒトゲノム編集胚等を動物の胎内に移植する場合で、その胎内において胎盤の形成を開始する可能性のないものについては容認しているところでございます。

 こうしたことから、本法案によって規制を定めたとしても、研究開発が適切に行われるものというふうに理解しております。

 また、本法案をお認めいただいた後には、指定の策定に当たって、厚生科学審議会等の合同会議において御議論いただくとともに、指針の策定後は、その内容を更に細かく指定した、実務に当たってガイダンス文書の作成、公表、そしてまた関連する学会や大学等の研究機関に対する説明会等の実施を想定しております。

 このように、本法案の運用においては、委員御指摘のとおり、研究現場にとって予見性、透明性のある制度設計を行ってまいりたいというふうに考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 今後、指針が作られる、そしてその指針に関して説明会なども開かれるということで、是非そういった予見可能性、透明性の観点から進めていただければと思います。

 ちょっと関連して、元々一問目としてまとめて伺うと言っていたところなんですけれども、先ほどちょっと副大臣からも御回答ありましたけれども、実際、最終的な、何が規制の対象となるのかというところについては、政令であったり指針であったりで決まっていくということになると思います。

 これから、こちらはもちろん法案が通ってから決めていくということになるとは思うんですけれども、こういう研究開発においては、年単位で準備であったりとか予算の確保であったりとか、そういった形で動いている研究者の方もいらっしゃると思います。その立場からいたしますと、何がどこまで認められるのかというところですとか、そういった方向性というのがいつ定まるのかというところについては、早く知っておきたい、なるべくはっきり知っておきたいというニーズがあるものと承知をしております。

 こちら、厚労省の参考人の方からでいいんですけれども、こうした、副大臣からのお答えと重なる部分もあるかもしれませんけれども、指針の内容ですとか政令の内容ですとかといったものが、いつ頃どのように公表されるのかという点ですとか、また、現行も、基礎研究の話もありましたが、今も一定こうした研究については指針であったりとかガイドラインであったりがあって、既存のものに従わなくてはいけないと思いますけれども、今回この法律ができて、新しいルールであったり指針であったりができることによって、研究者の方たちは新しく追加的に何か従っていかなくてはいけないのか、それとも、その分、既存の指針を見直したりとかして、こっちの負担は減るといったような形で取り組まれるのか、そういった点について、厚労省のお考えをお聞かせ願います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず考え方、鍵になるところでございますが、この法律によって罰則がかかることになります。となると、きっちり理解してもらい、御指摘いただいたような、予見できるような、つまり準備をより早いうちに進められるようにする、この考え方でこの後取り組んでまいります。

 具体的には、この関連分野につきましては既に関連する指針がございますので、まず、それの中のどこがどうなったのか、また、先ほどの御指摘にもありましたけれども、ちょっとそれがいっぱいあって分からないということがないように、きっちり整理した上での指針の定め方にしたいと考えております。

 その上で、実際に、その届出の様式だとかも、これはきっとたくさんまだ改善できる余地はあるかと思いますので、その辺りも含めて、この法施行は公布後一年ですので、できるだけ早め早めに周知が図れるように、しかも、これは研究者のみならず国民の皆さんにもという考え方で進めてまいりたいと考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 くれぐれも現場の研究者の方であるとか、研究の妨げとならないように、しっかりと、事務負担という点も含めて、必要な手続等については定めていただければと思います。

 続いて、見直しの規定についてお伺いをいたします。

 本法案の附則においては、施行後五年以内に見直しをすることが定められております。しかし、ゲノム編集をめぐる技術の進歩というものは極めて速く、規制がその変化についていけるのかという点が問われるかと思います。

 私が気にしておりますのは、見直しを検討する、適切な見直しが適切なタイミングで行われるかという点でございます。規定上は、見直しを検討するとされておりますが、例えば、厚労省の中だけでちょっと検討しただけで、外部から、どのような検討をしてどういった理由で見直しをするしないという判断がなされたのかということが記録として残らなければ、その判断が適切だったかどうかというのは後から誰にも分からないということになってしまいます。

 この点、今回の法律案を作成するに当たりましても、厚生労働省においては、審議会などで、有識者の方だったりとか専門家の方の意見を踏まえて、検討を踏まえて、今回の法律が立案されたものと承知をしておりますが、この法案が成立後のこの法律自体の見直しにつきまして、五年以内となっておりますが、それについては、どのような体制で、見直す、見直さない、法改正をする、しないの判断をされるのかという点についてお伺いしたいのと、また、これは規定上は五年以内となっておりますので、技術の進歩のスピードなどを踏まえれば、五年以内に見直しをすることもあるかと思いますが、そういった可能性についてお伺いできればと思います。

佐々木政府参考人 三点、お答えいたします。

 まず一つ目が、基本的な考え方ですけれども、これは適時適切、つまり適切なタイミングで、しかも透明性のある検討過程を国民の皆さんと共有していく、この考え方で進めます。

 二つ目ですけれども、そのためにはですけれども、基本的には、今まで三省庁の下での四専門委員会合同会議でしたので、この場を活用することによって、議論も継続的になるし、資料を、御覧になったと思いますけれども、結構たくさん出しますので、それも本当は整理した上でなんですけれども、必要な情報は発信してまいりたいと考えております。それとともに、先ほど来御指摘いただいている国際的な情報収集も進めていきたいと思います。

 最後、三点目ですけれども、この規定そのものでございますけれども、五年以内の中で、当然、十分な議論を行って、対応が必要であれば、その対応レベルに応じた様々な対応を取ってまいりたいと考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 専門家の方とかも含めてしっかりと検討されていくというところで、そこは是非お願いしますというところと、御発言の中にもあったように、大量に資料があるとかえって一般国民にとっては分かりにくいということもあるので、今後、技術の発展であるとか、エンハンスメント的な話も含めた、まだ国民的な議論が進んでいない点について議論が喚起されたりであるとか、国民に正しい知識、正しい状況を理解してもらうというようなことも必要になっていくかと思いますので、是非、専門家の方たちと検討というのはしっかり進めていただくとともに、国民に対しての分かりやすい情報発信というところも心がけていただければと思います。

 続いて、本法案の施行による行政の事務負担の増加についてお伺いをいたします。

 今回のこの法律案におきましては、新たな指針と届出が必要になってくるわけですけれども、届出を受け付け、そしてその六十日以内に指針に適合しているかどうかを審査するという、期限のついた、しかも中身をしっかり理解しないといけない専門性の高い事務というのが新たに行政の義務になる設計となっているかと思います。さらに、変更の届出でありますとか、偶然の事由による生成の届出、輸入などについても届出であったりとか、また、場合によっては報告徴収、立入検査など、様々な事務が新たに発生をいたします。

 こちら、厚生労働省とか、その他関係省庁ということになっているかと思いますけれども、例えば、厚生労働大臣の権限については地方厚生局にも委任し得ると理解をしております。

 そこで、厚生労働省にお伺いしたいのですが、今回のこの法案の施行によって、年間どの程度こういった届出があるのか、どれぐらいの事務負担、新たな作業量というのが厚生労働省又は厚生局に生じるというふうに見積もられているのか、お考えをお伺いいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、件数、業務量、役務のこの二つになりますけれども、これまで、先ほど文部科学省の政府参考人からお答え差し上げましたけれども、現実的には、今までの研究の状況からすると、件数ベースでいうと当分は対応できると思います。ただ、これはどんどん進んでいくので、あるところからすると急に増えるということも想定しなければなりません。

 ここで、業務量、役務ですけれども、件数が増えてくると、同時に様々なノウハウも蓄積されます。しかも、それは人だけじゃなくて、AIの活用等によって業務の効率化も図れます。

 ですので、ちょっとどうしても、お答えの仕方からすると、その業務量に応じて適切な業務内容の配置、そして必要な人員の確保という言い方のお答えになってしまいますけれども、まず今の件数については今までのベースからすると当分は、そして、将来的に件数が増えた際には、様々なノウハウの蓄積、そしてそれを周知することによって、届出いただく方に対しても、またそれがより効率的にちゃんと、言い方はあれですけれども、確認の際に漏れがないような内容で届出いただける、こういうサイクルを回していきたいと考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 今までの実績などを踏まえるとそんなに多くはないだろうということで、当面は対応できるだろうということで承知をいたしました。

 ただ、おっしゃられていたように、今後、急に増えたりであるとかということもあると思いますし、業務が増えた際に、例えば、それまでは厚労省で見ていたけれども、ちょっと件数が増えてきたから厚生局に渡そうかなということにもなるかと思うので、件数が増えたからノウハウもたまるから効率的になるねというほどまで楽観的には見られないのかなと思います。

 ただ、審査系の業務については、おっしゃられたように、AIなどの活用なども一策かとは思いますので、そういったことも含めて御担当の部署には検討いただきたいと思います。

 続いて、厚生労働省全体の業務という観点からもお伺いをしたいと思います。

 今回はゲノムに関する部署において恐らく対応されることと思いますけれども、件数もそんなに多くはないと。ただ、こうした一件一件、今回の法律案に伴う事務の発生というのはそこまで多くなくても、今後、別の法律ができて、別の制度ができて、別の届出ができて、指針が変わってという形で、徐々に徐々にやらなくてはいけない事務の作業が増えていく、事務の量が増えていくということは考えられる話でございます。

 なので、一件一件は少なくても、それが積み重なったときに、これはもう本当は専門家を一人雇った方がいいねとか、また、業務が増えているから残業代をもっとちゃんと確保しなきゃいけないんじゃないかとか、そういったことが起こり得る話だと思っております。

 そこで、厚生労働省にお伺いしたいのですが、このように、何らか新しい制度ができて、所掌する業務が増加していく中で、職員の適正な業務量を維持していくために、業務量の把握ですとか人員配置の適正化といったものをどのように行っているのか、厚労省にお伺いいたします。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 適正な業務量に見合った人員配置をしていくということは大変重要ですし、また同時に非常に難しい課題でありまして、日々苦労しているところがございます。

 大きな枠組みとしては、厚生労働省の各部局あるいは地方機関等における所掌事務について、これは組織令や組織規則などでまず定めておりますので、その所掌事務に沿って必要な人員の配置を行うというのが基本ではありますけれども、今委員が御指摘のように、業務量自体は、想定していたものから徐々に増えていくようなことですとか、急に増えたりですとか、いろいろなことがあり得ますので、平時、厚生労働省内各部局における業務量等の状況については、人事課が様々なレベルで、それぞれの部局からコミュニケーションを図りながら把握をするように努めているところでございます。

 その上で、新たな事務が増えるような場合には、あらかじめ、必要に応じて人員配置の見直しですとか所掌事務を定めた規定の見直しを行うことのほか、毎年度、内閣人事局への定員要求を行って必要な定員の確保を図ることとしておりますし、そうした枠組みを定めた上で、さらに、柔軟な配置といいますか、業務量に見合った配置ができるように、各部局とのコミュニケーションの下で把握された課題に沿って、ある部局からある部局に一時的あるいは恒常的に人を配置をするとか、いろいろな工夫をしながら、業務量に見合った適切な人員配置に努めているところでございます。こうしたコミュニケーションというのは、各部局とずっと日々やっていく必要があるというふうに思っているところでございます。

古川(あ)委員 お答えありがとうございます。

 ちょっとふわっとしたお答えだなという感じで、おっしゃるとおり、もちろん、明確に何か、例えば、こども庁ができたから厚労省のこの事務をこども庁に移しますみたいな大きなことがあれば、大規模な組織規則などの改正ということになると思いますけれども、こういった、今回の改正に伴う事務レベルのものというのがどこまでそういった文書で規定されているのかなというところにちょっと関心がございます。

 もちろん、今回の改正はまだ法律案の段階ですので、今後、その法律が成立してから、じゃ、どれだけの体制が必要なのかというところの話というのは正式にスタートすることと思いますけれども、少しの事務かもしれないけれども、確実にやらなきゃいけないことが一個増えているんだよというところは、何らか省内での文書にしっかり残ることだと思いますので、今後も、じゃ、この法律が施行されてどうなったのというところ、関心があって、聞いてフォローアップしていこうと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

 終わります。

大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 ヒトゲノム取扱い規制法案については賛成ですが、確認をしたいと思います。

 今回、基礎研究については、主務大臣が指針を定め、研究者に研究計画の届けを求め、その計画が指針に適合しない場合や、実際に開始した研究においてヒトゲノム編集胚の取扱いが指針に適合していない場合に措置命令を出すことができます。

 指針は、明確に定めたとしても、必ず曖昧な部分が生じます。その際に、措置命令を出す官公庁において実際の運用に照らして指針の解釈を示すなど、丁寧な相談体制がなければ、危うきに近寄らずとなって、基礎研究が萎縮することになりかねないと思います。

 そのような体制づくりをどのように考えているのか、お答えください。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、委員御指摘のとおり、刑罰を科す以上、曖昧な部分はできるだけ小さくする、ないのがいいということはそのとおりでございますので、まずは指針の策定において、先ほど来申し上げているような対応をいたしますし、相談する窓口を設けるという点につきましても、当然ながらこの届出も受けるわけですから、それに応じての相談体制の構築をします。

 さらには、御相談があった場合、厚生労働省にとどまらず、主務官庁であるほかの省庁とも連携しながら、ここは丁寧に対応してまいりたいと考えております。

辰巳委員 しっかりやっていただきたいと思います。

 さて、六月十日の質疑で、私は、通勤や通院等のために認められた生活保護世帯の自動車の保有を他の用途で利用することが緩和をされた、この問題を取り上げました。しかし、生活保護における自動車は資産とみなされて、原則売却するなどして、資産活用をすることが求められております。

 今日は、生活保護を利用する一人親家庭の自動車保有をめぐる問題について聞いていきたいというふうに思います。

 まず、厚労省に確認しますけれども、生活保護における自立の概念とはどういうものでしょうか。

鹿沼政府参考人 お答えいたします。

 生活保護制度における自立の概念につきましては、二〇〇四年に取りまとめられた社会保障審議会生活保護制度の在り方に関する専門委員会報告書、こういったものでも記載がございまして、就労による経済的自立のみならず、それぞれの被保護者の能力やその抱える問題等に応じ、身体や精神の健康の回復、維持や、生活管理等により日常生活において自立した生活を送る日常生活自立や、社会的なつながりを回復、維持するなど地域社会において自立した生活を送る社会生活自立があるというふうに整理されております。

辰巳委員 そうなんですね。生活保護における自立というのは、単に生活保護制度を利用することがなくなったということではないわけですね。

 車なしでは、今答弁があったような日常生活自立や社会的自立が困難な地域が存在をいたします。NPO法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会の一人親家庭千九百六十七人が回答したアンケート調査で、七九・二%、約八割の一人親家庭が自動車を保有していると回答をしています。子供の中学校、高校、部活の送り迎え、子供の通院などに使われて、毎日自動車を使うという人が七割に上ります。自動車は、生活全般を支えて、社会とつながるための欠かせないものとなっていることが分かると思います。

 ところが、この調査では、生活保護を利用している母子世帯のうち、車を保有しているのは三一・二%ということも分かりました。今日、資料に二ページ目以降につけていますけれども。そういうことなんですね。つまり、一人親全体では八割の方が自動車を保有しているのに、生活保護利用世帯は三割しか持っていない。

 それは、泣く泣く手放しているんじゃないかと私は思うんですね。つまり、そもそも車の保有が原則認められない、あるいはハードルが高いからと、本来は生活保護利用の権利があるにもかかわらず生活保護申請を諦める母子家庭、一人親家庭が相当数いるのではないかと推測されるデータなんですよ。それを裏づけるように、この調査では、福祉事務所に行ったにもかかわらず生活保護の申請を諦めたという人の中で、一番多かった理由が、生活保護を利用すると車の保有ができないと説明されたからということなんですね。

 自動車の普及率が高い地域というのがあるわけですけれども、まずそれだけ生活上のニーズがそういう地域にはあるからですよね。鉄道やバスなどの公共交通機関が縮小する中、誤解を恐れずに言うならば、車なしでは暮らしていけないという地域が存在するわけです。車があるからこそ、地域社会において対人関係を保ったり、また子供に教育も含めた様々な経験を体験をさせることもできます。このことを、困窮者であり、生活保護制度を利用したい側から見ますと、自動車の保有が認められないと生活が脅かされ、もっと言えば、社会との断絶を余儀なくされるということになるわけでございます。

 そこで、今日、一枚目の資料ですね。グラフを作ってみました。驚くべきことが分かりました。

 これは都道府県ごとの、横軸が自動車の普及率です、縦軸が母子家庭の生活保護利用率ですね。都道府県ごとです。

 これを見ますと、自動車の普及率が高い都道府県であればあるほど、母子家庭の生活保護利用率が低くなっているんですよ。ちなみに、これは決定係数というんですけれども、決定係数は〇・七四ですから、母子世帯の保護利用率の分布を自動車保有の状況で七四%が説明できるということなんですね。つまり、これはかなり相関性が高いということなんですよ。

 大臣、これを見ていただいて、このデータから強く推認されることは、自動車を処分しなければならないというこの原則の要件が、自動車がなければ生活もできない、そういう地域において、これは強烈な水際作戦として作用しているということではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

上野国務大臣 ちょっと水際作戦という意味がよく分かりませんでしたが、生活保護制度では、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが要件とされております。また、その維持費が生計を圧迫することも踏まえ、原則として自動車の保有は認めていないところであります。

 その上で、障害のある方、あるいは、公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住する者が通勤、通院、通所又は通学のために自動車を必要とする場合などであって一定の要件を満たす場合には例外的にその保有を認めているところであり、その考え方につきましては、先般のこの委員会で局長の方から御説明をさせていただいているとおりであります。

 こうした考え方の下で、申請時に自動車の保有を認めるかどうかについては、地域の交通事情や個々の世帯等の状況を勘案して、保護の実施機関において適切に判断をしていただく必要があるものと考えております。

辰巳委員 水際作戦というのは、申請をさせないように仕向けていくということなんですけれどもね。これは度々、申請権の侵害として問題になってきたわけです。

 先ほどのデータから分かることは、所得の状況から見れば、本来は申請すれば生活保護が利用できるにもかかわらず、車の保有が原則認められない、例外的にしか認められないことで、車なしでは生活できないということで、まさに申請には至らないということなんですね。

 ちなみに、母子世帯も含めた全世帯の保護利用率でのデータも、私、作ったんですけれども、こちらは決定係数が〇・四一なんですよ。つまり、母子世帯だけの利用率のデータの方が保護利用率が低い。強い相関を示しているんですね。つまり、母子家庭、子育て中の世帯には、自動車の原則処分というのはより強い水際作戦として作用していると。それだけ申請権が侵害されているとも言えると思うんですね。

 私は、この自動車保有については、もう制限を撤廃するべきじゃないか、原則認めるべきじゃないかというふうに思います。

 大臣、今答弁あったんですけれども、だけれども、やはりデータを見たら、もう一度答弁いただきたいんですけれども、少なくとも公共交通機関の利用が著しく制限された地域で、そして子供がいてる一人親家庭であれば、原則自動車の保有を認める、そういう方向に向かうべきじゃないかというふうに思いますけれども、どうでしょう。

鹿沼政府参考人 お答えいたします。

 まず、先生の議論のベースになっている資料でございますけれども、この手の数字を見るときには、いろいろ慎重に議論しなければいけないと思っております。

 都市部であれば、一般的に、一人親の方が仕事を見つけるために来られるというケースが多くなってきて、被保護率が高まるということがございます。一方で、地方の方が一世帯当たりの車の台数というのは当然多い、駐車場代も安いですし、持家率も高いということなので、それが先生のおっしゃっていることの因果関係なのか、そうではないのかというのは、議論があろうかと思っています。

 ちなみに、私どもの方でも、先生からこういうものをいただきましたので、母子世帯の保護率と、世帯当たりではなくて車の保有率というデータの相関を見ましたが、基本的にそのような高い相関はないというふうに理解をしております。

 その上で申し上げれば、先ほど大臣も答弁をさせていただいたとおりでございますけれども、現行の取扱いにおいて、公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住する者が通勤、通院、通所又は通学のために自動車を必要とする場合で一定の要件を満たす場合には、その保有を認めているところでございます。

 御指摘のように、用途等を限定せず自動車保有の取扱いを緩和することについては、生活保護制度の基本原理の一つである保護の補足性の原理ですとか、また、自動車の維持費は生計を圧迫する側面もあることから、最低生活の需要を超えない範囲で保護を行うという生活保護法の趣旨との関係、こういったことを踏まえ、慎重な検討が必要だというふうに考えております。

辰巳委員 今局長からあったデータ、これはデータをお持ちだと思いますので、委員会への提出を求めたいと思います。委員長。

大串委員長 理事会で協議いたします。

辰巳委員 いや、私、因果関係とまでは言っていないんですよ。強い相関関係があるということを言っているわけですよね。だって、データを見れば明らかじゃないですか。議論しましょうよ。だったら議論するべきですよ、この問題は。

 維持費が大変だとおっしゃるんですけれども、だったら加算をつけましょうよ。加算をつけたらいいんですよ。障害加算、母子加算、いろいろな加算がありますよ。車がなければ生活できないところに住んでおられるんだったら、そういう加算をつけて、保護利用者をきちっと、社会的な自立、経済的な自立だけではなくて、厚労省が掲げる自立の助長、自立のためにやるべきですよ、日常生活自立。

 かつて、エアコンも、ぜいたく品だといって生活保護世帯は認められてこなかった時期があったんですよね。

 九〇年代に、ある埼玉のところで、エアコンを取り上げられて、七十九歳の女性が熱中症で入院されたということが問題になって、厚生労働省は、一般家庭の大体七割で普及しているんだったら認めようじゃないかという方針に、エアコンについては変わったじゃないですか。

 自動車で八割、九割認めているんだったら、その地域は自動車が必要なんですよ。そういう方針に変えていく。大臣も、先ほど、今、うんうんとうなずいてくれましたけれどもね。大臣も滋賀県出身じゃないですか。自動車がなければなかなか生活できないじゃないですか。生活保護世帯だったら自動車は要らないとか、やはりそういう劣等処遇の考え方を改めて、原則認めていく、一人親家庭は認めていく、困難な地域は認めていく、そういう方針に変えるべきだということを改めて提起して、私の質問を終わります。

 またやりますので、よろしくお願いします。

 以上。

大串委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

大串委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

大串委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

大串委員長 この際、本案に対し、鬼木誠君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。沼崎満子君。

沼崎委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

    ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 ゲノム編集技術等の技術の範囲及びヒトゲノム編集胚等の取扱いに係る具体的運用については、急速な技術の進展の動向を的確に把握し、専門的知見を十分に踏まえ、政令、指針等において適切に定めること。

 二 違法な胎内移植が内密に遂行されることを防止するため、ヒトゲノム編集胚等の取扱いに係る届出が確実に行われるよう周知を徹底すること。また、報告徴収等により得られた情報を最大限活用しつつ、研究機関における法令及び指針の遵守状況並びに研究の実施状況を適切に把握し、取扱いの適切な是正及び必要な指導監督を行うこと。さらに、無届又は違法な取扱いに関する情報を適切に把握するため、相談及び通報を受け付ける体制を整備するとともに、関係省庁間の情報共有を図り、必要に応じて捜査機関その他の関係機関と連携すること。

 三 動物の胎内に移植する場合で、その胎内において胎盤の形成を開始する可能性がないものとして政令で定める要件については、研究機関におけるヒトゲノム編集胚等の取扱いの実態と乖離したものとならないよう、専門的知見を踏まえ十分に検討した上で、胎盤の形成を開始する可能性がないことが科学的に担保され、かつ、個体産生に至ることがない適切な要件を定めること。

 四 指針の策定及び変更に当たっては、総合科学技術・イノベーション会議の意見のほか、国民の意見を十分聴取すること。

 五 ヒトゲノム編集胚等の臨床利用に関しては、安全性の評価に関する考え方の構築、社会的倫理的課題に対応する体制の整備等が必要であることを踏まえ、諸外国の動向や技術水準の進展等を十分に把握し、それらも考慮しつつ、社会的受容性を確認しながら継続的に検討を行い、その結果に基づき、必要に応じて制度上の対応を適時適切に講ずること。

 六 ヒトゲノム編集胚等の臨床利用に関する検討に当たっては、生殖補助医療や遺伝性・先天性疾患に対する医療を受ける者の意見を十分に聴くとともに、特定の疾病、障害又は身体的特徴を有する者及びその家族、医療従事者、生命倫理に関する専門家その他の幅広い当事者及び関係者の意見を十分に聴くこと。また、本法により届け出られる基礎的研究の内容も最大限活用すること。

 七 ヒトゲノム編集胚等の取扱いに関する制度の運用及び今後の検討に当たっては、人の尊厳及び生命倫理を尊重するとともに、将来世代への影響に十分留意し、また、多様性及び包摂性に十分配慮し、国民の理解の促進及び社会的信頼の確保に努めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

大串委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

大串委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、上野厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。上野厚生労働大臣。

上野国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいります。

    ―――――――――――――

大串委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

大串委員長 次回は、来る十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時六分散会


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