衆議院

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第4号 令和8年4月17日(金曜日)

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令和八年四月十七日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 工藤 彰三君

   理事 井原  巧君 理事 小林 史明君

   理事 新谷 正義君 理事 土田  慎君

   理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君

   理事 東   徹君 理事 鈴木 義弘君

      浅田眞澄美君    伊藤信太郎君

      岩崎 比菜君    小森 卓郎君

      斉木 武志君    鈴木 英敬君

      鈴木 淳司君    世耕 弘成君

      園崎 弘道君    田中 昌史君

      中川 貴元君    永田磨梨奈君

      新田 章文君    平沼正二郎君

      古井 康介君    細野 豪志君

      松下 英樹君    丸川 珠代君

      丸田康一郎君   水野よしひこ君

      三原 朝利君    武藤 容治君

      山際大志郎君    山本 左近君

      山本 裕三君    渡辺 勝幸君

      落合 貴之君    河野 義博君

      吉田 宣弘君    阿部  司君

      若狹 清史君    丹野みどり君

      牧野 俊一君    河合 道雄君

      林  拓海君

    …………………………………

   経済産業大臣       赤澤 亮正君

   経済産業大臣政務官    小森 卓郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           尾田  進君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           蒔苗 浩司君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         佐々木啓介君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           河野 太志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           竹田  憲君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           福本 拓也君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官)           佐々木雅人君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          畠山陽二郎君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局地方創生担当政策統括調整官)

   (経済産業省イノベーション・環境局イノベーション政策統括調整官)     宮本 岩男君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局長)            荒井 勝喜君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      久米  孝君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    山本 和徳君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 高城  亮君

   経済産業委員会専門員   花島 克臣君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十七日

 辞任         補欠選任

  伊藤 達也君     三原 朝利君

  こうらい啓一郎君   渡辺 勝幸君

  山際大志郎君     田中 昌史君

  山田 美樹君     岩崎 比菜君

  河合 道雄君     林  拓海君

同日

 辞任         補欠選任

  岩崎 比菜君     山田 美樹君

  田中 昌史君     新田 章文君

  三原 朝利君     鈴木 英敬君

  渡辺 勝幸君     浅田眞澄美君

  林  拓海君     河合 道雄君

同日

 辞任         補欠選任

  浅田眞澄美君     丸田康一郎君

  鈴木 英敬君     山本 左近君

  新田 章文君     山際大志郎君

同日

 辞任         補欠選任

  丸田康一郎君     こうらい啓一郎君

  山本 左近君     平沼正二郎君

同日

 辞任         補欠選任

  平沼正二郎君     中川 貴元君

同日

 辞任         補欠選任

  中川 貴元君     伊藤 達也君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)


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     ――――◇―――――

工藤委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房総括審議官佐々木啓介君外十三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小林史明君。

小林(史)委員 皆様、おはようございます。自民党、衆議院議員の小林史明です。

 本日は、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 質問に先立って、経産省の大臣、副大臣、政務官及び職員の皆さんに、まずは感謝を伝えたいと思います。今のイラン情勢の中で、本当に難しい中、原油やナフサの確保、この短期間で、代替ルートを含めて、すばらしい仕事をしていただいていると思っています。

 そして、様々不安な声が上がっていますけれども、最終的に、かなり人力でいろいろなところに連絡をして、この目詰まりを解消するということをやって、一つ一つこれを突破をしている。これは、本当に昼夜問わず頑張っていただいている方々がいらっしゃるはずです。

 私自身も、あのコロナの期間にワクチン担当の大臣補佐官をやらせていただきました。政府側の仕事というのはこんなものかと本当に思う瞬間がたくさんありまして、大臣の一つ一つの言葉をつくるのにどれぐらいの人が動いているか、一人一人の国会議員の問合せに対してどれぐらいの職員が丁寧な仕事をしているか、毎朝三時まで働きながら、本当に痛感することがありました。

 皆さんの仕事、今尊い仕事を本当にやっていただいているということを我々は強く感じていますので、是非頑張っていただきたいと思いますし、大臣始め政務の皆さんには、職員の皆さんの体調や、何より私があのとき一番うれしかったのは温かい弁当だったなと思っています、是非温かい御飯が食べられる環境はつくっていただいて、ゴールデンウィークも迫っていますので、何とかそこの中もうまく休息が取れるような環境をつくっていただきたいということをお願いしたいと思います。

 その上で、今日は質疑に移っていきたいと思います。

 この産業競争力強化法、非常に重要な政策でありまして、やはり目玉は大胆な投資促進税制だと思っています。こういった政策を考える上で、やはり今、日本の経済環境がどのような状況にあるのか俯瞰した上で、構造的な問題にきちっと着手をしていくことが重要だと思っています。それは、今のこの法案だけではなくて、今後必ず議論になるであろう、このイラン情勢に対応した経済対策、どう考えるのかというときにも、冷静に考える必要があると思っています。

 そこで、皆さんのお手元に、経済対策の考え方、二つの歯車がかみ合っている資料を私の方で作成して、お配りをしています。

 これは、左側が供給で、右側が需要です。大体、選挙になったりとか、政治の現場で議論になるのは、やはり物価高で生活が苦しいので、右側のこの六番、家計を支える政策をやろう、これで何とかこの物価高を乗り切ろうという話が注目されがちなんですけれども、この六番を頑張れば頑張るほど消費に回り、結果としては物価が上がる方向に力が働いていくわけです。ですから、最終的には、構造的な問題解決にはならない。ただ、今厳しい人たちを支える、痛み止めとしては重要な政策だと思っています。

 本来やらなければいけないのは、左側。今の日本のこの物価高の一つの大きな要因は、人口減少、人手不足による、物を作る力、サービスを届ける力、そして米を作る力、こういう供給力が落ちているということと、さらには、海外に物を売ってお金を稼いでくる、この競争力が不足していること、この二つが根本的な要因だと思っています。

 こういった俯瞰を持った上で経済政策に取り組むことが重要だと思っていまして、その中で今回のこの投資促進税制の意義とは何なのか。そして、もう一つ、日米交渉、赤澤大臣が頑張っていらっしゃいますが、アメリカは、OBBB法ということで、圧倒的な減税や補助金で国内への投資を促進するというようなこともやっています。そういった、各国が国内の供給力を強化するために投資を呼び込む競争が始まる中での、この政策の意義とはどういう意味があるのか。あわせて、赤澤大臣として、今の全体観、どう経済を捉えているのかについてお話を伺いたいと思います。

赤澤国務大臣 おはようございます。

 強い経済の実現には、物価高対策だけでなくて、まさに委員御指摘のとおり、この左側の、国内の供給力、生産性を高めていくことが、本当に本丸というか、不可欠であります。供給力の強化は、結果として物価上昇圧力の緩和にも資する面があります。その対策を強化していくことが重要だということであります。

 加えて、米国を始めとする投資の囲い込み競争が国際的に起きています。米国関税の影響を受けた設備投資の手控え、停滞や産業の海外流出を防ぎ、国内投資を促進していくことも喫緊の課題であります。

 こうした問題意識を踏まえ、私が前職で経済財政を担当していたときに、二〇四〇年度に二百兆円という官民の国内投資目標を設定をしたところで、その達成に向けて、大胆な投資促進税制を創設することとしております。本税制は、全業種を対象として、大規模かつ高付加価値な国内投資を促進するものであり、企業の供給力の強化に資するものと考えています。

 本措置も含め、高市総理が提唱されている危機管理投資、成長投資を促進し、賃上げと投資の好循環を定着させるよう取り組んでまいりたいと考えております。

小林(史)委員 赤澤大臣はずっと、特に全体を目配りしていただいていると思いますし、何より中小企業を含めた賃上げ環境の整備、ここにも取り組まれていると思いますので。本質は、投資によって供給力、競争力が上がり、さらには、賃上げ環境を整備することによって賃金が上がって物価高を乗り越えていくというのが本質だと思っていますので、是非促進をお願いしたいと思います。

 もう一つ、この大胆な投資促進税制、今回の目玉の特徴は、大規模な設備投資に当たって、建屋、工場も含まれる。しかも、そのときに組合せが可能である。即時償却と税額控除。特に、建屋については償却期間が長いですから即時償却が利くでしょうし、中の設備については税額控除が利く、こういった使い分けができるというのは本当に初めての取組だと思います。

 そして、もう一つ重要なのは、企業にとって予見性があるようにということも含めて、税額控除の繰越しができる規定が入っています。これは、今回の日米の関係で急に交易環境が変わったり、社会環境が変わる中でも、利益が圧迫されても、その翌年、翌々年もこの税制的な優遇は受けられる、こういう配慮だと思っていますが、この状況、どういうときに使えるのかということが非常に重要だと思っていまして、法律上は、予見し難い国際経済事情の急激な変化に対応して行うというふうになっています。

 まさに、何となく、日米のときはこれが対象になるのかなというイメージだったんですけれども、今や、イラン情勢も本来対応できる方がいいでしょうし、今後も様々な事案があると思いますね。どういうときにこれが使えるのかということについて明らかにしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 法律上規定いたします国際経済事情の急激な変化につきましては、特定な事象に限定してございませんで、御指摘のように、米国関税措置にとどまらず、様々な事象による変化が対象となり得る。

 その上で、個別の事業者が認定対象となるかは、国際経済事情の変動によりまして事業者の業績が悪化している度合いですとか、あるいは、事業者が国際経済事情の変動に対応した事業の高付加価値化を図っていくかを認定の基準としたいというふうに考えているところでございます。

小林(史)委員 ありがとうございます。是非柔軟に活用できるようにしていただきたいと思いますし、それはしっかり企業の皆さんにも周知をして、十分に活用いただけるようにしていただきたいと思います。

 大胆な投資を促進をして、供給力、競争力を高めていくということでこの法律があるわけですけれども、じゃ、実際にそれをやろうとすると、企業としては投資のための資金が必要になってきます。ともすると、今の政策の話を聞いていると、結構民間の方からは、たくさん補助金が出るんですよねみたいな期待があったりします。当然、各国もそういった政策を取っていますから、こういった、政府が官民で一体投資をする、補助金もやるということも重要だと思いますが、最終的には、民間の皆さんが市場から資金を、しっかりリスクマネーを調達できる環境をつくっていくことが重要だと思っています。

 そのうちの選択肢の一つが社債だと思っていますが、今回、この法律の中でも、社債管理者の設置義務について、これを免除する特例規定が設けられています。これは、今の日本の状況とアメリカ、欧州を比較すると、圧倒的に日本は社債の発行が少ないという状況があります。そのうちの一つの要因として、社債発行にかかる手間、コストが大きいので、こういう特例を規定するということになっていると思いますが、これを突破できるようになったのは一歩前進ですけれども、それは、企業の問題だけではなくて、金融市場全体での問題でもあると思っています。

 全体として、社債がうまく発行できるようになる、流通されるようになる、そしてリスクマネーが企業に流れるようになる環境整備が必要だと思いますが、経産省、いかがでしょうか。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 企業が成長投資をしっかりと実施するためには、長期性のデット資金である社債の活用が極めて大事でございますけれども、成長資金として非常に大きなウェートを社債が占めている米国などとは異なりまして、御指摘のとおり、日本の社債の発行額、残高は、米国との比較でいえば十分の一未満でございますし、特に低格付の社債は非常に小さな市場規模となってございまして、結果として、やはり、企業が成長していく際に当たって市場から調達するリスクマネー、これが十分に調達できていないという環境に日本はあるというふうに考えてございます。

 こうした状況は、社債を発行する企業と、それだけではなくて、それを購入する投資家、この双方が厚みに欠けているという、いわば鶏と卵の関係にあることが原因であるという認識をしてございまして、やはりこの両者に対する政策的なアプローチが必要であるというふうに考えてございます。

 このため、まずは、社債を発行する企業の裾野、これを拡大していくということが大事でございまして、今般の産競法の改正案におきましては、これまで融資のみが対象であった政策金融による事業者支援につきまして、新たに社債の引受け、これも対象にすることで、社債の発行を容易にするという措置を設けているところでございます。

 また、御指摘ございましたけれども、この法律案の中で、会社法上、最低投資単位が一億円未満の場合には社債管理者を設置する義務があるところ、一定の要件から特例を設けまして、企業の発行コストを低減する措置、これを講じているところでございます。

 さらに、これは法律外の施策になりますけれども、分かりやすい実務者向けのガイドブックを作成するなど、社債発行の意義、ノウハウの周知、これはしっかりと行っていこうと考えてございます。

 その上ででございますけれども、もう片方の投資家の裾野の拡大でございますけれども、例えば厚みのあるセカンダリーの市場がないという問題がございまして、これにしっかりと対応するために、これを形成するために、価格情報インフラの整備に向けた検討を民間の関係団体と進めていくというほか、大学基金などの幅広い機関投資家が、先ほど申し上げた低格付の社債も含めたバランスの取れたポートフォリオの運用を行っていくよう、関係省庁や市場関係者と連携をして働きかけを行っていきたいと考えてございます。

 いずれにしましても、今後も、企業の成長投資を支える社債市場の活性化、これに向けて、この産競法の改正案にとどまらず、必要な施策を力強く進めてまいりたいと考えてございます。

小林(史)委員 全体観を持って取り組んでいただきたいと思います。なので、十七分野の成長投資、危機管理投資をやる上では、やはり金融政策は非常に重要だと思っています。

 岸田政権から始まった資産運用立国、一番注目されたのは新NISAですね。これで個人のNISA口座が二千七百万口座を超えた。これは貯蓄から投資へということですが、やはりこの投資が国内の企業の成長投資のリスクマネーに流れていくということが非常に重要だと思っていますし、それ以外にも、先ほどの社債であったり、あとはPEファンドによる大規模な企業の事業再編、こういったことも起こる中で、全体として産業構造が強くなり、供給力、競争力が上がるように見ていく必要があると思っています。

 その辺りは、金融庁だけではなくて、やはり経済産業省も、産業政策の観点でこの金融政策も一緒に見ていただきたいと思います。特に、小森政務官は金融が元々御専門でしたから、しっかり両方カバーいただいて、チェックをいただきたいということもお願いしたいと思います。

 その上で、これまでは供給力不足の中で投資を進めるために資金の話をしてきましたけれども、続いて、人の話に移っていきたいと思います。

 国内投資をどんどんやるぞ、こう言っているわけですけれども、もう既に、今民間企業から聞こえてくるのは、現場の建設人材、電気工事、様々なエッセンシャルワーカーが不足することで、工事価格の見積りが二・五倍ぐらい出てきてしまう。しかも、それで請けてもらえるならいいけれども、そもそも工事が引き受けてもらえない。工期が大きく後ろ倒しになる。そんな実態が聞こえてきています。

 実際に、やはり現場の人材が足りないんだということはもう明らかだと思います。今ですら足りないんですけれども、更にもう少し先を見たとき、二〇四〇年の未来を経産省の方が産構審でも推計をしていますけれども、そのときには、事務系人材が四百三十七万人余り、現場人材が二百六十万人足りないということが出ている。今も既に足りないのに、将来にわたって更に大きく足りなくなるということが見えてきているわけです。

 そんな中で、まず今やらなきゃいけないのは、目の前の労働市場にいる今働いている皆さんに、是非、労働移動で動いていただくということが重要になってくると思います。

 そうなってくるときに活用できるのが、厚生労働省の政策である教育訓練給付金であります。これは三種類ありまして、資料の方でお配りしていますが、専門実践教育訓練給付金と特定一般教育訓練給付金、そして一般教育訓練給付金というふうに分かれていて、最大八〇パー、五〇パー、二〇パーのリスキリングに対する支援がつくということになっています。

 この中身を見てみるとということで次の資料を開いていただくと、八〇パーの手厚い支援がつく仕事というのはどうしても医療、社会福祉系が多く見えていて、先ほど言ったような建設とか電気工事のところはちょっと少ない。どちらかと言うと、この五〇パーのところにいるわけですね。

 恐らく、これまでの考え方の基準ではこういうふうになってしまうんだと思いますが、やはり、これから政権として十七分野に投資をするということを決めているわけですし、そこの人材が不足するということが明らかになっているので、今後、この十七分野及びその十七分野を支えるような先ほどの建設、電気工事、物流、それ以外にも様々これから見えてくると思います。こういった分野に更に手厚く支援をつけていくということが必要ではないかと思いますが、厚生労働省、いかがでしょうか。

蒔苗政府参考人 お答え申し上げます。

 教育訓練給付金は、雇用の安定と就職の促進に資する一般教育訓練給付金の対象講座を基礎として、訓練の専門性や訓練期間に応じて給付率を定める仕組みとなっております。

 先生御指摘の戦略分野を支える現場人材への教育訓練給付金の支援については、例えば、建設工事等の現場人材の育成に資する講座として、電気工事士や測量士等の資格取得のための講座であって、カリキュラムの内容が法令に定められているもの、土木や建築など職業実践専門課程として文科大臣の認定を受けた講座を専門実践教育訓練給付金の対象とし、受講料の最大八割という高率給付による支援を実施しております。

 厚生労働省としても、戦略分野を支える現場人材の育成は引き続き重要であると考えており、労働者の主体的なリスキリング機会の充実を図り、能力発揮等を通じた処遇向上が実現されるよう、労働市場改革分科会の議論も踏まえつつ、教育訓練給付金による支援にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

小林(史)委員 ありがとうございます。

 是非、柔軟に考えていただいて、機動的に対応できる制度にしていただきたいと思います。

 本来、本質は、見積金額が二・五倍になっている建設業界であれば、本当はそこで働いている方々のお給料も、二・五倍とは言わないけれども、二倍から一・五倍になっていてほしいわけですが、これもやはり業界構造の関係で、上がってはいるがそこまで行っていないんですよね。

 この問題も解いていかないと、本質的には、どんなに訓練が充実していても、やはり手取りが増えるところじゃないと行かないということですので、ここは我々としても全体で見ていきたいと思いますが、そうはいっても、メッセージ性も非常に重要ですから、この分野に行くんだったら手厚い給付がありますよというふうになれば、しっかりここは情報が届いていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 今後、厚労省さんから今お話をいただきましたが、この教育訓練給付の制度なんですけれども、そもそも対象になるのが公的な資格であったりとか、技能検定とか団体検定、これに基本的には限られているということになっています。

 ただ、これから経産省でも行うと思いますけれども、先ほど申し上げた十七分野、半導体とかAIとかというふうになってくると、結局必要な能力がこういう検定になっていないとか資格になっていない、特定のスキルがある場合があると思います。でも、こういったものを明らかにしていって、こういったスキルの取得に対してもやはり支援があるということになっていかなければ、この十七分野に対する人材育成というのもおぼつかないというふうに思っています。

 こういったものも取り入れられるように、この教育訓練給付制度の見直しが必要だと思いますが、厚生労働省、いかがでしょうか。

蒔苗政府参考人 お答え申し上げます。

 教育訓練給付金の対象講座は、資格の取得や検定合格など、客観的に受講効果を測定できるものを基本としつつ、企業等のニーズに応じて大学や専門学校が行う実践的、専門的な教育訓練、例えて申しますと、建築設備設計科でございます。こちらは、管工事施工管理技士を目標としながら理論、技術を習得する教育を二十四か月にわたって実施した場合には、資格取得を前提とせずに支援をしてございます。

 また、民間事業者が提供する高度なデジタル講座等、所管大臣の認定を受けたものなど、資格取得を前提としないスキル習得に係る訓練も、既に高率給付による八〇%の支援を行っております。

 求められるスキルの特定と、そのスキルに連動したリスキリング支援は重要な課題であると考えており、先生の御指摘を含め、労働市場改革分科会の議論も踏まえつつ、教育訓練給付金により効果的な支援ができるよう、関係省庁とも連携しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

小林(史)委員 是非検討をお願いしたいと思います。

 特にお願いをしたいのは、教育訓練を受けて、その後年収がどうなっていったのかということをしっかり追っていただいて、そのときの資格であったり講座についても、それに応じて見直しをしていくということを是非やっていただきたいと思います。

 実際に、昨年、経産省の予算で厚労省さんと一緒にやったリスキリング支援では、きちっと後を追って、一〇%以上年収が上がったというような効果が出ているというのも追えています。こういう効果検証ができる制度設計、政策づくりを是非お願いしたいと思います。

 続いて、この人手不足の中でどうやって労働市場の中で動かすかという議論もあれば、まだ実はもう少し働きたいという人たちがいるのに、なぜか働けていないという問題も解いていく必要があると思います。

 これは多分、我々も地域を回る中で、企業経営者だけではなくて、企業で働いている皆さんからも、働き方改革法案ができて施行されてから、もう全然残業ができないんだよね、これは何とかしてよという声が物すごく届きます。それがあったので、私は昨年からちょっと問題提起をして、いろいろなところから情報を集めてきたんですけれども、働き方改革の見直しは、かなり運用見直しで、まず即効性のある効果が得られるなというふうに思っています。

 それはどういうことかということなんですが、皆さんにお配りしている資料で、労働時間制度、三六協定の締結についてという資料をお配りしています。これは基本的なところから、ネットで聞いている方もいらっしゃるので、おさらいをすると、今の日本の労働法制では、法定労働時間というのは一日八時間、そして週四十時間と決まっている。それ以上残業して働きたいとするならば、働き手と雇用者側で三六協定というのを結ぶ。これを結べば、月四十五時間まで残業は可能になる。さらに、特別条項というのを結ぶと、マックス、複数月平均で月八十時間残業ができるようになる。こういうルールになっています。

 これを、働き方改革の五年後の施行見直しということで、厚労省の皆さんが事業所を全部洗って調査をした結果分かったのは、そもそもこの三六協定を結んでいない企業、つまり残業ができるというルールを結んでいない企業が四割いらっしゃるということなんですね。さらに、じゃ、特別条項を結んで四十五時間以上残業できるよというルールがあるんですけれども、実際に四十五時間以上残業している企業、二・五%しかいないということです。つまり、今の法律の中で、健康を確保しながら働き手の意思の下に働ける時間があるのにもかかわらず、ほとんど使い切られていないというのが今の実態です。

 じゃ、ここになぜこの隙間が生まれるのか。いろいろな人が働けないと言っているということで、いろいろ調べてみて、特に社労士さんたち、専門なので聞いてみると、どうもこの三六協定等を労基署に持っていったときに、法律の範囲内なのにもっと残業を減らせないんですかという指導が行われているということが明らかになりました。企業からすると労基署は怖いですから、目の前でこれはもっと残業を減らせないのと言われたら、やはりどんどんどんどん減らすということが起きていたんだと思います。

 当然、働き方改革に取り組む、そういう意思の下で、質を上げるために労働時間を抑制していく、それはもちろんいいと思いますけれども、どうしても必要だ、そして働き手を求めているんだったら、それをサポートするような姿勢に変わるべきだと思っています。

 実際に厚労省が行ったアンケートで、もっと働きたいと答えた人たちが労働者のうち一〇%いらっしゃったわけです。これはすごいことですよね。働きたいですかと言われたら、なるべく働きたくないと答えたくなるのが人の心理だと多分思います。もっと稼ぎたいですかと聞かれたら、多分、もっと稼ぎたいという人は出てくるんだと思うので、問いの立て方が若干どうかなと思うところはありますが、一方で、その中でも一〇%いる。

 さらに、副業している方々が大体三百三十万人いらっしゃるんですが、そのうちの約半数がもっと収入が欲しいからという理由で副業をされています。そういう意味では、働きたい意欲のある方々が結構な数いらっしゃるわけですね。こういった方々の思いと、そして健康確保を前提にした形で、この労基署の指導の運用を見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

尾田政府参考人 お答えいたします。

 今議員から実情についてるる御指摘いただきました。そういった現状に基づきまして、小林先生も中心的に御参画されました自民党における会合で、現行の労働時間制度の活用促進、運用改善について議論がなされ、今月十五日に総理の方に提言書を出されたというふうに承知しております。

 その提言におきましては、中小企業や小規模事業者等におきまして、三六協定、労使協定や特別条項が適切に締結されるよう、働き方改革推進支援センターあるいは労基署における相談支援、訪問支援を充実するとともに、よろず支援拠点等との連携を強化すること、労働基準監督署における対応につきまして、労働者の健康確保を重視した指導を行うこととし、時間外労働を削減することについて一律の指導を見直す、こういった内容を盛り込んでいただいたことと承知しております。

 厚生労働省といたしましては、今回の御提言は、時間外労働の実態と上限規制との間には隙間があり、現行の労働時間制度が必ずしも十分に活用されていないという問題意識の下で、現行の労働時間規制について企業や労働者の皆様が正しく理解し、適切に運用いただくために、行政としてもこれまでの運用を見直し、より一層の努力をすること、これを求めるものと認識しております。

 厚生労働省としては、いただいた御提言また議員の皆様からの様々な御指摘、これを受け止めまして、政府の日本成長戦略会議等での御議論も踏まえながら、具体的な対応を検討し、実施してまいりたいと考えております。

小林(史)委員 大変前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 この内容については、是非経産省の出先であったりとか様々関係団体も通じて周知をいただきたいと思っています。

 それでは、小森政務官に伺いたいと思います。

 これまでの議論の中で、このエッセンシャルワーカーを含めて、やはりリスキリングでの労働移動も重要ですし、何よりこれから育ってくる若者にとっては、将来の仕事がAIでなくなる仕事に向かっていくような教育でもいけないと思います。この全体を通じて、どのような人材育成、確保を行っていく思いか、お伺いしたいと思います。

小森大臣政務官 先ほど金融市場からの資金調達の重要性について言及される中で、私の名前も挙げていただきました。また、日頃より産業政策の議論をリードしていただくことと併せて御礼申し上げたいと思います。私自身、二年間、金融庁の市場課長というのを務めておりました。社債市場の発展は、リスクマネーを供給する上で大変大事な課題だと認識しておりまして、しっかり努めてまいりたいと思います。

 その上で、今の御質問でございますけれども、今ほど厚生労働省ともやり取りをしていただきましたが、労働移動につきましては、効果的なリスキリングの実現に向けまして、戦略分野等で求められるスキルの可視化、そしてまた、スキル関連情報の一体的な提供の充実にも取り組んでいるところでございます。

 そして、働き方改革に関しましては、厚生労働省の働き方改革推進支援センターと、我々も関連しておりますよろず支援拠点との連携を一層強化してまいります。

 また、教育改革につきましては、文部科学省と連携いたしまして、将来的な人材不足が懸念されます理工分野、デジタル分野を中心に、産業界と連携した大学や高専の成長分野への学部の再編や機能強化、そしてまた、普通科高校の特色化、専門高校の機能強化といったようなことに取り組んでいるところでございます。

 今後とも、関係省庁と連携しながら、日本経済の成長を支える産業人材の育成、確保に向けて全力で取り組んでまいります。

小林(史)委員 是非、文科省とも連動して前向きに進めていただきたいと思いますし、今日は佐々木さんも来ていただいていますが、産業クラスター戦略の中でも、やはり企業と地域の教育機関の連携、私は重要だと思っています。

 非常に丁寧な調整の結果、今度、新潟大学大学院で、オイシックスさんと連動してフードテック学科ができ上がっていく。そして、ここは本来、多分一人当たり数千万円ぐらいのコストになるはずだと思いますが、ここを企業版ふるさと納税も活用して、このコストをぐっと抑えて、地域の経済界と一緒に専門人材を育成する取組になると聞いています。

 こういった取組が、できれば四十七都道府県で広がっていけばうれしいなと思っていますので、この辺りも丁寧に地域の大学と一緒に進めていただきたいと思いますし、これが恐らく地域の大学改革の切り口にもなっていくんだと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 では、ちょっと、大臣、順番を変えさせていただいて、先に産業立地の話に行かせていただきたいと思います。

 これまで、投資促進のために、税制があり、そして資金が必要であり、人材が必要だという話をしましたが、物理的に土地がなくては投資ができません。私の地元、広島県福山市も、旺盛な投資意欲のある企業はたくさんいらっしゃるんですが、もう本当に工業団地が足りないと言っています。日本中、やはり同じようなことが起きているわけですね。一方で、見回してみると、工場跡地がそのままになっているというような状況があったりして、いろいろ聞いてみると、結局、土壌汚染対策の法律があるがゆえに、そう簡単に利活用ができないという課題感があると聞いています。

 この課題感、どのように経産省として認識しているのか、産業立地を進める観点ですね、どういうことを考えているのか、教えてください。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、投資の受皿となる産業用地を確保するためには、有効に活用されていない工場遊休地や跡地の活用が重要であります。

 ただし、まさに御指摘いただいたとおり、土壌汚染対策に要する費用は、事前の予見可能性が低いといった課題があると承知をしております。

 こうした課題も踏まえまして、環境省の中央環境審議会では、工場跡地などを工場の敷地として引き続き利用する場合に必要となる調査、対策を的確化すべく、土壌汚染対策法の見直しに向けた検討が進められているというふうに認識しております。

 また、経産省といたしましても、事業者が土壌汚染対策を行いながら工場跡地を活用する形で大規模な投資を行う場合、土壌汚染対策に要する費用を中堅・中小大規模成長投資補助金の補助対象経費として計上可能であることについて、今年の二月から実施した公募から明確化をしたところでございます。

 引き続き、関係省庁とも連携しまして、既存の産業用地の有効活用を促進する方策を進めてまいりたいと思います。

小林(史)委員 今日は環境省からもお越しいただいています。

 先ほどのように、やはりこの土対法がちょっと過剰にいろいろあり過ぎる中で、結果として、既存の工場だった跡地を使い直すよりも、新しく土地を切り開いた団地に造った方がいいというふうになってしまうというのは、環境政策上も若干矛盾が生じているのではないかと思っています。

 この辺り、見直しが必要だと思いますが、いかがですか。

高城政府参考人 お答え申し上げます。

 土壌汚染対策法、これにつきましては、中央環境審議会に土壌制度小委員会を設置いたしまして、令和六年九月より法の点検、見直しの審議が進められているところでございます。今年の二月には、これまでの検討内容について中間的なまとめが行われたものでございます。

 この中間まとめにおきましては、工場等として土地の使用を続ける場合などを想定し、土壌汚染による人の健康へのリスクを土地の利用状況等に照らして的確に管理する新たな制度を検討していくことが示されてございます。これは、産業用地の円滑な利活用に資するものと考えているところでございます。

 環境省といたしましては、土地の安全な管理、円滑な利活用の視点も踏まえつつ、必要な対策をしっかりと検討し、本年冬頃の答申の取りまとめ、これを目指してまいりたいと考えているところでございます。

小林(史)委員 答申の時期まで示していただいて、ありがとうございました。一生懸命応援していますので、いい整理をしていただきたいと思います。

 現実として、工場から工場に転換するのであれば、そんなに大きな変化は本来ないはずだと思っています。もちろん、必要な対策は必要だと思いますけれども、いい答えを出していただけるようにお願いをしたいと思います。

 それでは、大臣に御質問を行きたいと思います。

 日米の投資、この支援も、今回の法律にNEXIの資本増強というのが入っています。この日米投資イニシアチブについて様々な御意見、評価を聞くことがあります。

 ただ、私からすると、関税を一ミリも引き下げず、そして、この投資の案件については、まさに日本にチャンスがある形ばかりで、かなりいいとこ取りの結果だったんじゃないかなと思っています。なかなか大臣が表でそれは言いづらいと思うんですけれども、私としてはそう考えています。その点で、この日米投資イニシアチブの意義がどういうものかというのをお答えをいただきたいと思っています。

 私自身は、日本の産業から見て、アメリカへの輸出が非常に促進されるということになりますし、さらには、ほかのプロジェクトをいろいろ見ていると、中小企業にとってもビジネスチャンスになっている。あわせて、私自身、スタートアップ五か年計画に最初から関わってきましたけれども、やはり、このスタートアップの海外進出、これが非常に重要になってくるわけですが、この投資の枠組みでもかなりスタートアップにチャンスがあり、それが実績になり、その実績を基に、今度は海外の投資家から成長資金を得る機会にもなってきているのではないかなというふうに思っています。

 経産大臣として、日本産業への裨益についてどのようにお考えか、お話しいただきたいと思います。

赤澤国務大臣 ありがとうございます。

 米国の関税に関しては、今委員御指摘のとおりで、何のメリットと言われるとなかなかそのあれに触れることはできないんですけれども、確かに、二百か国ぐらいに対して米国が関税をどんと課して相手国の関税を下げさせようとしたときに、ほぼ恐らく唯一、日本は一切関税を下げぬぞということで臨んだ交渉で合意に至りましたので、そういう意味で、針の穴を通すようなところがあったなと思います。御指摘ありがとうございます。

 米国の関税に関しては、我が国に毎年五兆円超課されるはずだった関税を、日米間の合意により二兆円超削減をすることができたということで、我が国経済への影響を緩和し、予見可能性を確保することができたと思います。

 特に、仮に関税が五兆円超、二五%のままであれば、我が国の基幹産業である自動車産業について、複数の極めて名前の通ったメーカーの経営が傾きかねない事態がありました。

 また、リーマン・ショックやコロナに匹敵する経済への打撃を与える事態を招くおそれもあったんですが、結論において、一五%にそろえて、あと、通商上競争関係にある他のEUとかああいうところと比べても、最恵国待遇みたいなものが取れたので、賃上げのモメンタムも失わずに日本経済の成長を続けることができたという大きなメリットがあったと思います。

 また、戦略的投資イニシアチブにおいて、投資、融資、融資保証を行うJBICやNEXIは、元本や金利、保証料をしっかりと回収できるスキームの下で、両社の事業が数倍といった規模に拡大をするということがあるので、その事業発展も期待ができます。

 その上で、本イニシアチブについては、特別なパートナーである日米が共に利益を得られる。日本の企業にとっても裨益する。具体的には、各プロジェクトにおいて、関連機器の供給や重要物資の購入に関心を有する日本企業が確認をされており、日本企業の売上げ増加やビジネスの拡大といったメリットが見込まれ、これは大企業のみならず、サプライチェーンで部品の供給を行う中小企業、あるいは委員御指摘のスタートアップ、そういったところにも大きくチャンスを広げることができるだろうと考えています。

 引き続き、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるよう、日米間で緊密に連携して取り組んでまいりたいと思います。

小林(史)委員 ありがとうございます。

 是非、これからも精力的に政策を進めていただきたいと思います。

 今の日米の状況も含めて、WTOがなかなか機能しない、こういう時代になってきた中で、今まで、日本が多分このWTOのルールを最も真面目に守ってきたんだと思っています。

 私自身も、冒頭、コロナのときのお話をしましたが、ああいった緊急事態でも、様々なシステムを調達する、物を調達するときも、やはりWTOルールがあるので、一定の長期間、公募の期間を設けなきゃいけないみたいなことを守るのかみたいなことも議論になりました。早く物を調達して早く届けなきゃいけないのにみたいなのもあったわけですけれども、こういったことも真面目にやってきたわけですね。

 ですけれども、本当は今のWTOのルールの中でもできることはたくさんあるはずで、例えば、日本の今の産業を見たときに、鉄の業界、非常に苦しんでいます。これは、中国が非常に大量に安い鉄を生産して、それを各国に売り込んでいって、各国の製鉄業界が傷んでいる。日本もそうです。これに対しては、本来、アンチダンピングというのをどんどん打っていっていいわけですね。

 ここ数年、かなり積極的にこういった行為が行われるようになってきていますけれども、もっともっと今のルールの中でも執行力を上げていくことで、我が国の産業を強くし、そして海外からしっかり資金を呼び込んでくる、こういったことができるんだと思っています。

 この辺りは、通商もずっとやってこられた赤澤大臣だからこそいろいろ分かっていらっしゃるところがあると思いますので、是非、経済界と認識を合わせていただいて、今までの、今あるルールの中で更にお行儀よくやっていた日本の通商政策、経済政策を、ルールいっぱい使うということに転換をしていただきたいと思います。

 さらに、別の分野で、サーキュラーエコノミーの提言を今度またお届けさせていただくことになりますけれども、これも各国、もう資源獲得競争が起こっているわけですが、一次資源の獲得競争から、今、リサイクル資源、二次資源の獲得競争も明らかに起こっている。鉄スクラップとか銅とかを明らかに各国が買い占めて、囲い込み始めている。

 EUは、いろいろな理由をつけて、EU外には出さないようにしているようであります。これも理由をつけているんですよね。これもしたたかにやっています。日本も、これはそろそろやっていいと思います。

 こういった、今あるルールの中でどうしたたかにやっていくかという時代になってきたと思いますので、そういう認識で産業政策、通商政策をやっていただきたいと思います。

 一方で、今日も荒井さんがお越しですが、WTOの世界が難しくなったとはいえ、FTA、EPAの世界というのはこれからむしろ強化されていく時代になるんだと思います。各国でお互いにいろいろなプロジェクトで連携を結んでいって、連携を強化をしていく、サプライチェーンを強靱化していく。その代表例は、先日も高市総理の会議があったAZECの取組なんかはそうだと思いますが、今後はAI等でもASEANやインド等を巻き込んだプロジェクトが重要になってくると思っています。

 こういった各国を巻き込む、具体的なプロジェクトと共にした、こういった政策を進めていくことが、日本らしい自由貿易を守りながら、我々の国の利益も最大化をしていく、そしてサプライチェーンも強靱化し、経済安全保障も高めていく、そういう政策になっていくのではないかと思いますので、こういった政策推進を期待をしたいと思います。

 大体ちょうど時間になりましたので、これで私の質問を終了したいと思います。ありがとうございました。

工藤委員長 次に、水野よしひこ君。

水野委員 おはようございます。愛知三区の水野よしひこでございます。

 先般の総選挙におきまして初当選させていただきまして、今回初めて質問に立たせていただくことになりました。まずもって、今回御質問の機会を与えていただきました委員長を始め、理事の皆様方、そして委員の皆様方に厚く御礼を申し上げたいと思います。(発言する者あり)ありがとうございます。

 一年生、中身のあるなしというのを見定められるような非常に危険な場だなというふうに思いまして、その最初のファーストペンギンということでございまして、非常に緊張してございます。同期の皆さんからも、俺たち一年生の評判を落とすようなことをするなよということを、いずれからも厳しい目線で見られているんじゃないかというふうに思っておりますけれども、まずそれを自覚して、しっかりと緊張感を持って臨んでまいりたいと思っております。

 さて、一年半ほど前、私は経産省におりまして、本日は、赤澤大臣始め大先輩の幹部の皆様にお集まりしていただきまして、呼び出した形になって大変申し訳ございません。あわせて、よろしくお願い申し上げたいと思っております。(発言する者あり)ありがとうございます。

 経産省では質問を受ける側でございましたけれども、打って変わって質問させていただく側ということで、景色の違いに非常に緊張しておりますし、経産省の役人道の大先輩の皆様方からしますと、私みたいなぺいぺいの未熟だった者がこんな質問に立つなんということで、変な質問をするんじゃないぞというふうに思っておられるのではないか、大臣を困らせるようなことをするんじゃないぞということを、御心配をおかけしていると思いますが、私自身、実に、いわばキャッチャーからピッチャーに変わっておりまして、私も正反対の立場で全く違う景色に戸惑っているところでございますが、ピッチャーとキャッチャー両方いてこそ試合は進むんだというふうに思っております。よく考えますと、今気づきましたが、質疑者の私はピッチャーでもキャッチャーでもなくてバッターであったというふうに思っておりまして、済みません、ちょっと私も戸惑っておりますけれども、いずれにしましても、この場のすばらしいプレーヤーの皆様方とともに、よい試合になるように頑張ってまいりたいと思っておりますので、是非、赤澤監督、おつき合いのほどよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 それでは、まず、我が国の産業政策の大きな方向性と、本法案の位置づけについてお伺いしたいと思います。

 デフレが続きまして、過去三十年、私が役人道を歩んでまいりました三十年間、ずっと、我が国企業は、三つの過剰を解消するという守りの課題、これに多くの時間を費やしてきたのではないかなと思っております。成長投資に十分なリソースを振り向けてこなかった側面があると考えますし、また、国内市場の成長の期待の低下を背景にいたしまして、海外投資を優先し、国内での投資、これが伸び悩む状況が続いてきたんじゃないかと思います。その結果、国内での投資の不足、これが続きまして、成長の鈍化を招き、また更に将来の期待を押し下げる、それによって投資が抑制されるという、いわば負の循環に陥ったのではないかというふうに認識しております。

 しかしながら、私は、日本が持つ潜在力はまだまだ大きいのではないかと思っております。この投資の抑制と成長の鈍化という負の循環を逆回転させるように、貪欲に成長を求める企業がまだあまたあるというふうに考えております。それをしっかりと喚起して投資を促進することで、この国の経済は再び強く、また豊かになっていく、全く悲観する必要はない、そう考えております。

 実際に、足下では現在、GX、DX、それから経済安全保障の要請、サプライチェーンの再構築などを背景といたしまして、国内投資拡大の兆しが確実に見え始めていると私は確信しております。そうした認識の下で、世界では既に、米国、欧州を始めとして、各国が国家戦略として産業政策を強化して企業の投資を囲い込む、そういう動きが大きく見られております。もはや、いわば、投資を企業に任せるという時代ではなくて、国が率先して投資を後押しし、呼び込んでいく、そういう時代に入ったというふうに言えると思います。

 こうした中で、我が国としても、従来の延長線上にある、投資に対するインセンティブとして企業支援をいろいろやっていますという束ではなくて、むしろ、投資促進に向けて国が有機的に、そしてこの固い意思を示す、そういう産業政策を明確なメッセージとして企業に伝えていく、そういう必要があると考えております。そういった認識の下で、今後の産業政策の方向性、そしてその中で本法案をどのように位置づけているのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

赤澤国務大臣 緊張感あふれる御質問をいただきまして、誠にありがとうございます。しっかりお答えをさせていただきたいと思います。

 今、世界では、地政学リスクの高まりや非連続な技術革新といった構造変化、それも本当に大きな構造変化が起きていると思います。政府が主導する産業政策競争の時代であると認識をしています。政治や行政が極力経済に口を出さなければいいのだという時代とは様変わりをしてきたと思います。我が国としても、政府が一歩前に出た積極的な産業政策を展開していく必要がありますし、その用意もあるということだと思います。

 こうした状況において、米国の関税措置を始めとした国際経済事情の変化、資源価格の変動によるインフレ圧力、人口減少や少子高齢化といった我が国の社会経済情勢の変化の中、我が国の企業の事業活動を持続的に発展させるためには、産業競争力の一層の強化を図ることが決定的に重要となっています。

 そのため、本法案において、国内投資の促進により、事業の高付加価値化を後押しするための大胆な投資促進税制、海外需要開拓や安定的な原材料確保を通じた供給網の強靱化、事業活動の基盤となる産業用地の整備や、担い手の確保に資する生活維持に必要なサービスの持続性確保、これらを一体的に措置することで、企業の事業活動の持続的な発展を図ってまいりたいというふうに考えております。

水野委員 ありがとうございます。非常に心強い答弁でございます。

 続きまして、この法案、国内投資促進策、柱の一つでございます投資促進税制についてお伺いさせていただきたいと思います。

 先ほど申し上げましたように、現在、各国は長期かつ大胆な支援策を講じております。先進国におきましては、以前は、私が経産省におりました時代は法人税の引下げ競争はもう既に終わったというような声も聞かれたわけでございますけれども、トランプ政権が高関税政策とセットで打ち出した大胆な国内投資の投資減税、それからドイツでも思い切った法人税の引下げもございました。各国では、企業の投資を囲い込もうというような大きな国家間競争が行われているところでございます。

 今回の税制措置では、特に、即時償却が認められたこと、それから税額控除の七%との選択であること、そういったことの制度の上に、さらに、対象設備につきましても、機械装置だけではなくて、建物やソフトウェアなど幅広い設備まで対象となっております。

 最も私としては非常にすばらしいなと思うのは、投資計画の確認期間が三年間、そして税制措置の適用期間が五年間ということで、企業が特に投資判断を行う上で重要な政策の継続性という予見可能性を持ちながら、中長期の視点で投資計画を煮詰めることができる。いわば、企業が腹をくくりさえすればしっかりこの活用ができるというような措置が盛り込まれております。非常に時宜を得た、非常に実効性のある大胆な投資促進税制であるというふうに考えております。

 私、地元愛知県、東海地域は、基幹産業は言うまでもなく自動車産業でございますが、それを例に取りますと、米国の関税の影響もございますけれども、電動化であるとかあるいは脱炭素の対応ということで、極めて大きな構造変化に直面しているのではないかというふうに思っております。

 こうした中で、本税制が、完成車メーカーのみならず、部素材のメーカーに対しても、それも含めまして、生産ラインの刷新であるとか、あるいはEV、次世代自動車への対応の投資、また国内生産基盤の維持そして強化、そういった具体的な投資にどのように活用され得るのか、企業の実態を踏まえた具体的な活用事例の御紹介をお願い申し上げます。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 大胆な投資促進税制の活用事例ということでございますが、今お話ございました自動車産業を例に取りますと、活用が想定される事例としては、例えば完成車メーカーにつきましては、海外での工場の新設やラインの入替えなども視野に入れていた一方で、この制度の税額控除を選択することで、期待される収益率が上がって、海外ではなく国内で投資を行うというような事例が考えられたりするところでございますし、また、部品を供給する中小のサプライヤーで考えた場合は、完成車メーカーの投資に対応して設備を刷新する際、今度は税額控除ではなくて即時償却を選択することで、キャッシュフローが改善し、更なる翌年度以降の投資も継続するということができるようになる事例、こういったものがあり得るのではないかというふうに考えてございます。

 また、一定の要件を満たした場合は税額控除の繰越しの措置を設けておりますので、こういう措置も活用できるという場面があると思います。

 このように、各事業者の規模とか業種とか業況に応じまして適切な措置を柔軟に選択いただける税制となってございますので、国内投資の拡大の観点から、そういったニーズに応じて積極的に本税制を御活用いただければと考えているところでございます。

水野委員 非常に明快な答弁でございます。ありがとうございました。

 あわせまして、今回の投資促進税制でございますけれども、大企業だけじゃなくて、地域の中小企業、中堅企業についてもその挑戦をどこまで後押しできるのか、その点の効果についてもお伺いしたいと思います。

 本税制は、先ほど申し上げましたように、建物を含めて大規模投資を支援する点で、大きなチャレンジをする地域企業におきましても、その支援を後押しをする重要な制度だと思っております。

 一方で、制度が高度化しますと、その申請や認定の手続の負担が非常に増すというのは経験的にも明らかでございまして、結果として事務的な手続に追われる、特に組織体制が薄い中小企業にとりましてはなかなか使おうにも使いづらいという制度になる懸念もございます。そして、確認の基準でございますが、大臣の確認基準につきましても、投資の利益率が一五%以上であるとか、あるいは投資の規模が五億円であるとかという、なかなか中小企業にとってハードルが高い、そういう基準ではないかという指摘も出ているところでございます。

 中小・中堅企業にとりましてこの税制を絶好のチャンスとして活用する、そのためにも、制度設計上、中小・中堅企業向けに全体としていろいろな配慮がなされていると思いますが、具体的な配慮、どのような配慮があるのか、お伺いしたいと思います。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業につきましては、まず、今回の大胆な投資促進税制とは別の税制といたしまして、投資規模の要件を基本的に求めず、即時償却の措置も含みます中小企業経営強化税制という既に存在している制度がございます。こうした措置の活用も選択いただくことができるというふうに認識しているところでございます。

 そうした前提の下で、今回のこの税制でございますけれども、大規模かつ高付加価値な国内投資へのインセンティブを付与する観点から、中小企業は五億円以上の投資案件を対象とすることとしておりまして、例えば、中小企業が工場の新設や増設に際し、建物や機械設備などを一体的に投資するような案件に御活用いただけるというふうに考えてございます。

 その上で、委員御指摘のとおり、地域の中小企業も含め広く事業者に利用していただくためには、予見可能性が高く、できる限り負担の少ない手続となることが重要だというふうに認識してございます。

 この点、今回の税制につきましては、投資計画が投資利益率や投資下限額といった定量的、客観的な要件を満たすかを中心に審査する確認手続としているところでございます。これによりまして、審査基準を可能な限り明確にいたしまして、事業者の予見可能性と手続負担の軽減を共に確保する制度としているところでございます。

 今回措置いたします大胆な投資促進税制の周知、広報も含め、地域の中小企業においても広く御活用していただけるよう、今後とも制度の丁寧な設計や運用に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。

水野委員 ありがとうございます。

 定量的、客観的な基準というのは、中小企業にとっても、文章で定性的に説明するよりは非常に簡便で分かりやすいのではないかと思います。非常にありがたい制度だと思っております。また、その他の制度もいろいろあるということで、そのメニュー、私も地元でしっかりと説明してまいりたいと思っております。

 続きまして、日米政府の戦略的投資イニシアチブにつきましてお伺いさせていただきます。

 地元の有権者の声を聞いてまいりますと、本イニシアティブは何だか米国のためにやっているのではないかというような、ちょっと誤解をしている向きもございまして、私としましては、日本にとってこれは大きなビジネスチャンスになろうかというふうに思っておりまして、我が国企業の輸出機会の拡大、それから競争力強化にもつながる非常に重要なものだと期待しております。この際、そういった地元の有権者の方々にも経産省の方々から御説明を頂戴しましたということでしっかり説明するためにも、あえて以下お尋ねしたいというふうに思っております。

 有権者の方々のお声を分析しますと、現時点では、日本企業にとって何が得られるのかという十分な、具体的に見えていないものが感じられます。また、日米政府間での約束ということで、文書でしょうということで、プロジェクトを具体的に見ていく中で、具体化していく中では、そうした約束が本当に実行されるんでしょうかというような、少し確信できていない、そういう気分も見受けられるところでございます。

 そこで、現段階で差し支えない範囲で結構なんですけれども、具体的にどのようなプロジェクトにおきまして、どのような日本企業への裨益を見込んでおられるのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

赤澤国務大臣 戦略的投資イニシアチブは、日米双方が特別なパートナーとお互い認め合って、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるものであります。

 御指摘の日本企業が裨益する点としては、政府系金融機関であるJBICやNEXIがこれまでやってきた通常業務の延長線上で、その規模をかなり拡大をする。JBICであれば二倍とか三倍、あるいはNEXIであれば四倍とか、それぐらいの規模で事業を展開することになりますので、そういう意味では、政府系金融機関の事業発展といいますか、それが一つ見込めるというのがあります。

 また、より具体的に御指摘の日本企業が裨益する点としては、例えば、本年二月に発表した第一陣プロジェクトの三件について申し上げると、日米両国共に特定国に依存度が高い、これは率直に言ってしまうと一〇〇%依存をしております、半導体作製などにも必要な工業用の人工ダイヤのプロジェクトでは、特定国のみに依存しないサプライチェーン構築に資するという意味で、両国の経済安全保障上、非常に大きな意味があります。

 また、二番目に、原油輸出インフラプロジェクトでは、我が国を始め、世界全体のエネルギー需給の安定に資するほか、緊急時に原油が途絶した際、だから、まさに案件をもう決めてから今の中東情勢が生じていますけれども、このような事態に日本がオフテイクを得られる可能性があるという点があります。

 それから、ガス火力発電プロジェクトでは、米国内で生成AIの利活用拡大やデータセンター急増により電力需要が今後高まると見込まれる中、発電所に対して我が国の企業が機器、設備を供給することによって、AIインフラと言われる、AI分野のサプライチェーン強靱化に資する点が挙げられます。

 更に申し上げれば、先ほど小林委員の御質問にもあったとおり、米国に我が国の中小企業やスタートアップが進出する大きなチャンスにもなるように、そういう展開を図ってまいりたいと思っています。

 引き続き、我が国の国益に資する案件の組成に向けて、米国と緊密に連携して取り組んでまいります。

水野委員 ありがとうございます。大臣自らまとめられたこのイニシアチブにつきまして、非常に思いを持って答えていただいて、本当にありがとうございます。

 あわせて、これにつきましても、地方の中小企業にもたらす波及効果につきましてお伺いさせていただければと思います。

 やはり、この投資についても、我が国の産業競争力を支えるのはサプライチェーンの裾野の中小企業であるかと思っております。裾野まで届くかどうか、これがこのイニシアチブを昇華させた今回の政策の実効性がどこまであるのかということを決めるものだと思います。地方の中小企業にとってどのようなメリットがあるのか、具体的に御紹介いただければというふうに思います。

荒井政府参考人 お答えさせていただきます。

 地方の中小企業への裨益という大変大事な質問であると思ってございます。

 日本の中小企業、小規模事業者というのは、雇用の七割、付加価値の五割を占める日本経済の屋台骨でございます。特に、売上高百億円以上の中小企業の四割が海外展開に取り組んでいるというふうに聞いております。こうした企業こそが、地域の投資と賃上げを牽引いたしまして、技術革新や海外市場開拓を通じまして日本の競争力を高めている、そうした重要な存在だと思ってございます。

 そして、日米の戦略的投資イニシアチブでございますけれども、委員からもお話ありましたとおり、これは、日本からのファイナンスを通じまして、日本向けの、日本からの関連機器、設備、部素材などの供給、輸出に対する大きな、巨額の需要をつくる、そうしたプロジェクトでございます。八十数兆円の需要というのは大変大きなものだと思ってございます。それが日本国内の投資にもつながっていく、まさに今回の大胆な投資減税、これの活用にもつながっていく、好循環を生み出すという意味で、日本の成長戦略のど真ん中の政策だと思ってございます。

 そして、これは大企業のみならず、サプライチェーンのまさに裾野にございます多くの中小企業の利益、チャンスにつながっていくというふうに考えてございます。特に、エネルギー関連の分野は日本企業は強い競争力を持っている分野でございまして、是非中小企業の利益につなげていきたいと思ってございます。

 それから、この本イニシアチブに中小企業にどんどん参画してほしいと経産省では思ってございまして、赤澤大臣のイニシアチブで、先日、越智政務官が中心になりまして、このプロジェクトへの参画に関心を持つ中小企業、これは八社ほど参加いただきましたけれども、車座を開催いたしました。これは首都圏の企業だけではございません、地方、様々な地域の中小企業にも参加をいただきました。こうした中小企業からは、例えば、発電設備関連の部品供給とか、部品のメッキ加工、表面処理、それから制御機器とか、原子力関係の制御棒などなど、日本の中小企業が強みを持つ部品への関心が示されておりますし、設備投資拡大への支援の要望などもありました。こうしたイニシアチブへの参加が中小企業のビジネスにとってもよい機会となるというようなコメントもございました。

 引き続き、我が国の国益、地方の中小企業を含めて、国益に資する案件にしっかりと取り組んでまいりたいと思ってございます。

水野委員 ありがとうございます。

 中小企業にも目くばせしていただきまして、直接語りかけていただくなど、非常に広範な取組をしていただきましたことに本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。

 続きまして、投資の受皿となる産業用地の関連でございます。

 この関連では、幾つかございますけれども、まずは地域未来戦略の方に、ちょっと一個飛ばして、先に進めたいと思います。

 高市政権におきまして、もう御承知のとおり、地域未来戦略との連携がこの産業用地についてもあるのではないかと思っておりまして、先般の、昨年末の地域未来戦略本部におきましても高市総理から御発言がございまして、戦略産業クラスター、地場産業クラスター計画、そして地場産業成長プランといった三つのクラスター計画の推進についても進められていると承知してございます。

 こうした観点からも、産業用地の確保は重要だというふうに考えてございますが、今回の地域未来投資促進法の改正、これは、各地域の産業用地の整備という、点での取組でございます。地域未来戦略という文脈で、クラスターという面的な中にどう組み込まれていくのか、うまく連動していくことが重要ではないかと思っております。

 そこで、両者がどのような関係にあるかについてお伺いさせていただければと思います。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 地域未来戦略につきましては、強い地域経済の構築に向けまして、大胆な投資促進策とインフラ整備とを一体的に講じることで、地方に大規模な投資を呼び込みまして、各地に産業クラスターを戦略的に形成することを目指す取組でございます。

 この産業クラスターの形成に当たりましては、大規模な投資が関連するサプライチェーン企業の立地の呼び水になりますことから、その集積立地を実現する産業用地の確保は極めて重要な課題の一つだというふうに認識をしてございます。

 このように、今般の改正法案に基づきます産業用地確保を促進する措置は、我が国の立地競争力の強化につながる産業クラスター形成を強力に後押しするものだということでございます。

水野委員 ありがとうございます。クラスターとの間でもひもづいた形であるということがよく理解できました。ありがとうございました。

 産業用地につきましては、整備の話もあるんですけれども、全体として不足傾向だとは理解しておりますけれども、地元愛知県で、これは岡崎市の例なんですが、工業団地で用地にまだ空きがあるというような例も聞き及んでおります。是非、この営業をうまく生かせるような形で、産業用地の整備だけではなくて、土地の選定、それから企業ニーズへの適合、誘致活動支援といったような、総合的な対策をしていただきたいと思っております。どんな産業用地確保に取り組んでいかれるのか、方針をお伺いしたいと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 産業用地の確保に向けては、既存の産業用地の最大限活用、これが非常に重要でございますけれども、現在、多くの自治体で産業用地の枯渇が懸念される状況に対応するためには、企業ニーズを満たす新たな産業用地の整備も必要というふうに認識しております。

 他方で、長期間産業用地の整備を行っていない自治体も存在しておりまして、産業用地の整備に当たって、ノウハウを持つ職員の不足が課題として挙げられております。

 そこで、今般の法改正により、市町村又は都道府県による産業用地の整備に関する計画の承認制度を設け、承認計画に基づき、中小機構による助言、それから、官民連携を前提に、民間開発事業者に対する土地等の譲渡に係る課税特例等の措置を講じることにより、自治体による産業用地整備に係るノウハウ不足への対応を図ってまいることとしております。

 これらの措置を通じまして、自治体における産業用地整備に係る体制構築を後押しし、産業用地の確保に取り組んでまいります。

水野委員 ありがとうございます。

 産業用地の整備、確保、そして販売につきましては、これまで、自治体も手じまうことばかりが優先されておりましたので、積極的に攻めるということがなかなかできていないと思いますので、是非御支援のほどをお願いしたいと思います。

 続きまして、少し時間が超過するかもしれませんが、しっかりと質問させてください。国内投資の実効性を高めるための人材政策についてでございます。

 投資促進税制、そして産業用地の確保、産業クラスターの形成といった国内投資の環境整備について今まで議論してまいりました。投資環境の整備、それだけではやはり不足しているのではないか。やはり、そこで活躍する人材、投資の果実を収穫する、そういった人材が必要ではないかと思っております。特に、基礎科学の段階から社会実装までの期間が大幅に短くなっている、いわゆる科学とビジネスの近接化が現代の状況でございます。科学を理解しそしてビジネスに生かすことができる、経営と科学の複眼思考ができる研究者、博士人材の高度人材の活躍も重要であろうかと思っております。この点につきまして、政府の方針と施策をお伺いしたいと思います。

宮本政府参考人 御指摘のとおり、科学を理解しビジネスに生かせる研究者や博士人材等の高度人材の活躍が企業の競争力強化に重要であると考えております。

 そのため、経産省としましては、若手研究者と企業のマッチングや共同研究の支援を通じた若手研究者の育成、また、文科省と連携し、博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブックの作成、普及に取り組んでいるところであります。

 また、新しい産学連携の形として、企業が大学に対して資金、人材を提供して学科等を設置する、いわゆる契約学科の取組を支援する制度を新たに開始したところであります。

 さらに、文部科学省では、海外の優秀な若手研究者を国内大学に呼び込む取組を進めており、例えばAI分野では、名古屋大学が一流ジャーナルにも掲載実績のある若手研究者を昨年招聘したところであります。

 引き続き、産学が連携した高度人材の活躍促進に向けて取組を強力に推進してまいります。

水野委員 簡潔に御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 最後になりますけれども、エッセンシャルサービスにつきましても御質問させていただければというふうに思います。

 人手不足が深刻化する中で、日々の買物、そして買物に行くための移動手段など、エッセンシャルサービスにつきましては、過疎地のような話でもございますが、実は全国共通で課題になっていると思います。地域に暮らす人々の生活基盤になるものでございますので、企業活動を支える産業の担い手、従業員の方の生活のインフラにもなります。国内投資、産業立地を促進する、下支えするものでございまして、企業の立地判断でもこういったインフラがどこまで整っているかということも非常に影響しているというような経験もございます。

 そこで、エッセンシャルサービスは、いわば産業立地を支える見えないインフラであろうかというふうに思っております。今回の法律上の措置は重要な一歩だと考えますけれども、地域の実情、歩いてまいりますと、これにとどまらず、追加的な施策が重要であると考えてございます。是非、エッセンシャルサービスの持続性確保に向けた更なる施策につきまして、経済産業省の見解をお伺いしたいと思います。

赤澤国務大臣 大変重要な視点だと思います。

 少子高齢化による人手不足は、労働集約的なサービス業において大変深刻であります。特にエッセンシャルサービスの維持が困難になるおそれが強いです。これは、少子高齢化がより急速に進行する地方部で先行しますが、全国的な問題であります。

 エッセンシャルサービス供給事業者は中小企業が多く、事業の性質上、一般に利益率が低く、新規投資に振り向ける資金力も乏しいことから、今般の法律では金融支援を主とした支援措置を設けております。

 そして、金融支援に加えて補助金も有効であるため、経産省が実施する補助金について、本法案に基づいて認定された事業者に対する優先採択を実施することを検討しております。

 さらに、関係省庁、地方自治体と連携の上、様々な施策を動員してエッセンシャルサービスの供給の持続性確保に努めてまいりますし、また、今後AIの実装とかが進むと、地方の中小企業なども、リープフロッグじゃないですけれども、生産性で一気に大企業を追い越すような、そういう取組もしっかりできると思います。

 いずれにしても、直近、とにかく地方でエッセンシャルサービスの人手不足が極端に進行するということはもう見えておりますので、そういうことへの対応を本法案でやるのも含めて、しっかり手を打っていきたいと思います。

水野委員 直々に御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。感謝申し上げたいと思います。

 最後、締めくくりでございますけれども、本法案の質疑をいろいろ行ってまいりました。投資促進、それから日米連携を通じた成長の取組、そして産業用地、人材、基盤整備を含めまして、産業政策を総合的に前進させる極めて重要な法案であると改めて認識を新たにしております。

 その上で申し上げたいのは、今回は投資の促進ということで、資本の投入を強力に後押しするものでございます。資本投入量に加えて、労働投入量はマクロの経済を考える上では非常に重要な点ではないかと思います。労働の確保という点につきまして、今後また正面から向き合う必要があるのではないか、私はそう思っておるところでございます。

 人口減少が進む中にあって、投資と人材、資本と労働、これを一体として捉えていって持続的な成長を実現する産業政策へと進化させていくことが不可欠であるというふうに考えてございます。日本はまだ成長できると私は確信しております。投資、人材、地域、その力、その潜在力を発揮し、引き出していく。それが政治と行政に課された責任ではないかと考えてございます。

 本日の質疑は、よいプレーヤーに恵まれて、非常によい試合になったのではないかというふうに考えておりますが、是非今後とも引き続き御協力させていただければと思います。どうも皆さんありがとうございました。

工藤委員長 次に、中山展宏君。

中山(展)委員 おはようございます。自由民主党の中山展宏でございます。

 質疑の時間をいただいて、本当にありがとうございます。

 昨日、日経平均株価が最高値をまた更新をしたという状況の中で、今日も、中東情勢の緩和期待というか、そういったこともあって高値圏で推移はしているかと思いますが、何よりも、高市政権において、成長投資、危機管理投資というものを通じながら、我が国の成長軌道、この進路を、国民の皆さんが輪郭をはっきり分かっていただいた、共感していただいたことが、底堅く推移している一番の理由だと思います。

 その私たちの成長の進路を実体化させるための今般の法案だと私は考えておりまして、そういった観点から、今般の法案の四つのカテゴリーがあるかと存じますが、投資、そして貿易保険、産業用地、産業の担い手、エッセンシャルサービスについて、与党の質問ということもあって、しっかり、私たち、法案審査の上で皆さんと一緒にこれを成就させていただきたいと思いますので、今回、網羅的に背景や趣旨についてお尋ねをさせていただきたいと存じます。

 まず、投資関係についてお尋ねを申し上げますが、大胆な投資促進税制は、即時償却や高い税額控除率を措置しているだけではなくて、その措置期間についても特色があると考えています。高度な生産性向上設備はもとよりですが、今、工期の期間が長期化をしております。とりわけ造船業や医療など、投資期間が長くなりがちな業種にも対応した今般の措置であるかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の大胆な投資促進税制、これは、大規模で高付加価値な設備投資を対象に国内投資を促進する制度でございます。

 御指摘のとおり、造船業や医薬品製造業などの業種によっては、発注から納品まで長期間を要してしまう場合ですとか安全規制等の許認可の取得が必要な場合など、実際に投資決定してから、設備を取得し、生産を開始するなど事業で活用されるまでに、数年から長ければ五年程度の期間を要する場合があるというふうに承知してございます。このため、大規模で長期間を要する投資にも活用できる制度とする必要があるというところでございます。

 具体的には、本税制におきましては、事業者の大規模な投資に向けたインセンティブを高めるべく、投資計画の確認の日から五年を経過する日までの間に事業の用に供される案件を税制措置の対象として認めることで、設備投資の実施期間が長期にわたる場合にも活用できる制度としているところでございます。

中山(展)委員 是非お願いをしたいのですが、投資期間もさることながら、回収年限も事業分野によっては非常に異なります。それぞれの事業分野において、収益性を踏まえた上で、回収年限がどれぐらいになるか、そういった事業のサイクルというものも鑑みながら是非お願いをしたいと思います。

 次に、政府が掲げる二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という官民投資目標に向けて大胆な投資を後押ししていくためには、税に加えて金融支援措置も非常に重要と考えております。今般の産競法改正で措置する金融支援の内容は十分であるかどうか、どういうお考えを持っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、民間企業の積極的な投資を喚起していくためには、税制措置などに加えまして、御指摘の金融支援も重要であるという認識でございます。

 投資期間が長期にわたる大規模な投資ですとか中堅・中小企業による大規模な投資、大きな投資につきましては、貸し手の資金流動性や事業リスクといった観点から、民間金融機関の融資による調達に一定の制約が存在するため、必要な投資資金の調達に困難な状況が生じ得るというふうに考えてございます。

 そういった観点から、こうした事業について今回の本法案で認定制度を設けた上で、措置としましては、まず、民間金融機関の融資の量的な補完という観点からは、日本政策金融公庫によるツーステップローンがございます。また、民間金融機関の融資をリスク補完していくという観点からは、中小企業基盤整備機構による債務保証制度がございます。さらに、民間融資に加えまして、社債による資金調達も促進するという観点から、社債管理者設置制度の特例などを措置することとしてございます。

 こういった措置を総合的に講ずることで、成長投資のための金融面からの支援を通じて企業の資金調達を円滑化していく制度になっているというふうに理解しているところでございます。

中山(展)委員 ありがとうございます。

 事業適応認定ということがあるんだと思うんですが、その中で、国際経済事情激変型、さらには事業費上昇型への対応ということを例示されていらっしゃると思います。先ほど大臣が、離席されましたけれども、リープフロッグの話であったりとか、非連続な成長に向けてということもおっしゃっておられました。どうしても、経営環境が激化した中での金融支援というようなイメージに、この文言からは、私はそういうふうに映っております。

 まさにイノベートな、技術革新を持った中で、攻めの事業を展開する上での金融支援という側面で是非お願いをしたいと思います。

 さらには、先ほど小林理事から社債管理者の要件緩和についてもお話がありましたが、今、これは資金の出し手、リスクマネーの出し手の方ですけれども、例えば外資系のプライベートクレジットファンドの償還が制限されたりとかということもあります。旺盛な資金の出し手はあるものと存じますけれども、そういったところで、いわゆる企業向けのノンバンク融資が非常に脆弱な状況になりつつあるということも踏まえながら、また、我が国の社債市場は、御案内のとおり、個人向け社債で申し上げると、その発行体のうち四割はソフトバンク社さんであります。非常に偏ったというか、まさに社債管理者が、古い言い方ですが、直接金融、間接金融をしっかりと使い分けながら、それをうまくソフトバンク社さんはこなしていらっしゃるんだと思いますけれども、市場としてはいびつな形になっております。

 やはりバラエティーな発行体があることによって、投資される側、とりわけ個人の皆さんに御理解いただいた中でリスクマネーを供給をしていく、直接金融の中でしていくということに関しては、発行体がバラエティーであることが分散にもつながりますので、是非その点は踏まえて、事業会社が発行体としてしっかり債券市場、発行市場に向かっていけるように、これからも目配りをしていただきたいと思います。

 続きまして、貿易保険関係に移ります。

 日米政府の戦略的投資イニシアチブ、日本側からの五千五百億ドルの約八十五兆円の対米投資は、我が国経済の成長に資するものでなければならないと思います。

 今回の貿易保険法の改正は、日米政府の投資プログラムを着実に履行するための措置と承知をしていますが、改めて、貿易保険法改正の趣旨、その政策の意図をお教えいただきたいと思います。

荒井政府参考人 お答えさせていただきます。

 委員からも御質問ありましたとおり、日米戦略的投資イニシアチブにつきましては、まさに、日本経済の成長に資する成長戦略の核心であると思ってございます。輸出拡大やサプライチェーンの強靱化、経済安保の強化などに資するものでございます。

 こうした戦略的投資イニシアチブを着実に実施するためには、民間金融機関の融資というのが必須でございます。そして、そのリスクをカバーする日本貿易保険、NEXIの役割というのが大変重要になってきております。他方、NEXIが現状支援している案件、付保している総額は、規模が大体十六兆円となってございます。他方、本イニシアチブの金額規模というのは、それを大きく上回るものになるというふうに予想されるものでございます。

 そのため、本イニシアチブに参画する民間金融機関に円滑にNEXIを活用いただきまして、プロジェクトに対する融資を行っていただく、これが大変重要になってございます。そのために、NEXIの財務基盤、これは資本金と引受けにはリンクしてございますので、そのための財務基盤強化が必要となってございます。

 実際、本イニシアチブの案件につきましては、全体として非常に大きな金額のものとなることが想定されてございます。他方で、同時に、NEXIの通常業務に影響を与えることがないよう、NEXIは日本企業の新興マーケットの開拓とか輸出に大変役立っているところでございまして、そうした通常業務に影響を与えることがないように対応していくことも大変重要になってございます。

 そこで、今回の法改正におきましては、本イニシアチブへの対応に関しまして、政府が交付国債を発行し、それをNEXIに交付することができるようにすること、これは財務基盤強化につながります。それから、NEXIにおいては、きちんと通常の業務と区分して経理を行うことなどの措置を盛り込んでございます。

 法改正による措置を通じまして、本イニシアチブにおいて我が国の国益に資する案件の早期形成に取り組みまして、経済成長、経済安保の強化、産業競争力強化等につなげてまいる所存でございます。

中山(展)委員 続いて、今回の法改正によって、NEXIの財務基盤強化のために国債の交付が講じられることになりました。

 交付国債の発行の対象である特別な引受業務とはどういった業務を指すのか、また、特定引受業務はいつ終了するのか、さらには、業務終了時の交付国債の取扱いはどうなるのか、お教えいただきたいと思います。

荒井政府参考人 お答え申し上げます。

 特定引受業務につきましては、ちょっと条文を読ませていただくことになりますが、日本製品の海外の需要開拓や我が国にとって重要な物資の安定供給確保によりまして、我が国企業のサプライチェーン強靱化のために特に必要な外国政府との取決めに係る貿易保険の引受けに関連する業務となってございます。具体的には、日米政府の戦略的投資イニシアチブのプロジェクトについての保険引受けに係る業務を想定しているところでございます。

 そして、終了に関する御質問がございました。特定引受業務及びその経理を行う特別勘定の措置につきましては、本イニシアチブのプロジェクトに関する業務が全て終了するタイミングにおきまして廃止することとなってございます。その際に、交付国債につきましても、これは措置を終了して、返還するものは全て返還されるということになってございます。

中山(展)委員 NEXIは、本邦企業が海外取引、輸出なり、また投融資をするときの最後のリスクの担い手、引受手だと思います。いわゆる官民投資の、これはもう心髄を握っておられると思いますので、是非そこは、リスクに対してしっかりと皆さんが把握をしつつ、そこのリスクをテイクするということを心がけていただきたいと思います。

 世界の潮流は、まさに、一つの民間企業、一私企業で行える状況ではもうなくなってきたんだと思います。ましてや、いわゆる国家資本主義と言われるような、また、価値観が異なる安全保障上の脅威となる国が世界を展開する、覇権をしていく、そういった野望もあります。

 その中において、それこそ、かつてで申し上げると一帯一路というような試みであったりとか、今、グローバルサウスに対して開発金融を行う。開発金融で行った先は、国名を出しますが、中国系企業が開発金融で出したお金を、中国系企業が現地において、自国の金融で自国の企業が海外で汗をかく、資金がそこで回るような形。まさに、現地においては、現地の皆さんの経済発展に実際にはなかなかつながっていかないという状況になっていると思います。いわゆる不公正な開発金融が行われている。

 そういった中で、私たちは、今回は日米のプログラムを中心にだと思いますけれども、NEXIさんの、これは幅広な中堅・中小企業の皆さんの海外進出に当たっても、そういった観点で私たちのリスクをしっかりと引き受けていただいた中で後押しをしていただきたいと思います。

 そこで、足下、地政学的なリスクが高まる中で、日本企業の輸出、投融資の対外取引を支援するNEXIの役割は、改めて重要性を増しています。NEXIの通常業務における地域向けの保険商品の利用機会や与信枠が、今回の巨額案件を引受けをされることによって、特定引受業務の創設によって、従来の与信枠が、皆さん使っていらっしゃった与信枠が消耗したり圧迫されることがないようにしていかなければならないと思います。

 NEXIは今後どのような方針で従来の与信というものを考えるか、お教えいただきたいと思います。

赤澤国務大臣 御通告いただいた質問の中で、ここから続けて二問は、大変重要なあれだと思うので、私からお答えさせていただきます。

 NEXIが提供する貿易保険は、日本企業の輸出や海外向け投融資に伴い生じ得るリスクをカバーするものであり、我が国企業の海外展開や海外市場の獲得に極めて大きな役割を果たしてきておりますし、今後とも果たしていくものです。

 そのため、複数かつ巨額の日米政府の戦略的投資イニシアチブの案件が想定される中でも、NEXIの通常業務に影響を与えることなく対応していくことが極めて重要です。私の計算間違いでなければ、今までと比べると、今までのものを合わせると四倍ぐらいの事業規模に恐らくNEXIはなっていくと思います。

 こうした観点から、今回の法改正では、本イニシアチブに係る保険引受けの業務である特定引受業務については、NEXIにおいて特別勘定を設けて、委員御指摘の通常業務、しっかりできるように、ここは区分をして経理を行う措置を盛り込んでいます。これにより、万が一特定引受業務について保険金支払いが生じた場合も、特別勘定から支払われることになり、通常業務の保険引受けに対して影響を与えないこととなります。

 したがって、特定引受業務や特別勘定の措置を講じることによって、他地域向けを含む通常業務の案件の保険利用機会や与信枠が圧迫されることがないように、しっかり委員の御指摘を踏まえてまいりたいと思います。

中山(展)委員 是非、ここは別勘定でということでお願いをしたいと思います。区分をしっかり、これは果敢な政府としての、赤澤大臣が交渉した上での投資をしっかり成就させるためにも、また国内の既存の通常業務に影響がない形でお願いをしたいと思います。

 赤澤大臣は、度々、このプロジェクトのリスクは低い、しっかり審査をしていると御説明をされています。

 改めて、国民に安心してもらうために、この戦略的投資イニシアチブのプロジェクトのリスクをどのように審査をしているのか。今回の法改正で措置された交付国債が、実際に償還して保険金支払いに使った場合に、財政にも毀損を与えることになりますというか、懸念はあると思いますが、その上で、リスクをどのように審査をしているのか、改めて御説明いただきたいと思います。

赤澤国務大臣 日米政府の戦略的投資イニシアチブのプロジェクトについては、これは内閣官房のホームページにMOUをアップしてありますが、そのMOU、了解覚書に基づいて、日米両政府の協議委員会における協議を通じて、これは法令に従ってやるということをMOUに書いてありますので、法令で求められている収支相償、償還確実性が一点。それからもう一点は、日本への裨益、メリットなどがあることについて、しっかりと精査、確認し、適切なリスク管理を行うこととしており、巨額の損失が発生するような事態は基本的に想定されません。

 特に、ラトニック商務長官と私の合い言葉ですけれども、この日米の投資イニシアチブで、日米両国の企業が何か赤字を被るようなことは絶対に回避をしようということは、もうお互い、合い言葉のように言い合ってやっていますので、そういう思いで両国がしっかり協議をしてやっていくということです。

 実際、第一陣プロジェクトについては、協議委員会において、プロジェクトの採算性が見込まれることや、日本企業がサプライヤーとして参画することで売上げや収益の拡大につながる等のメリットが見込まれることについても、しっかりと精査、確認をしております。加えて、プロジェクトの実施中においても、プロジェクトが円滑に実施されるよう、日米で連携して、着実にフォローアップすることとしております。

 これは口で申し上げているだけじゃなくて、本当にJBIC、NEXIの専門家が中に入り込んで、彼らからいろいろ御指摘を受けて、ここのコストはもう含めないことにしようとか、管理費が高過ぎるとか、そういう議論を徹底的にやった上で、これなら採算が取れるとJBICやNEXIのプロが言ったときに、初めてゴーサインを出すということを厳格にやっていますので、そんなに御心配なことではないと私は思っています。

 さらに、具体的な事業の運営を担う各社に対しては、プロジェクトの進捗状況や業績に連動して各社が受け取る収益が決まるような仕組みを導入することで、インセンティブづけを行い、さらに、赤が出ないような、健全な、かつ実りあるといいますか、しっかり黒を生むような、円滑な事業運営を行うように促す仕組みも導入をしております。

 このように、第二陣以降のプロジェクトについても同様の検討を進め、適切なリスク管理を行っていきたいと思っております。

中山(展)委員 まさに大臣のお言葉で、裨益、日本企業のサプライヤーというお言葉もいただきました。

 昨年の暮れ、国会でも議論されたと思いますが、今、AIに関わる循環投資、エヌビディアさん、オープンAI、さらにはオラクル、ここで投資が循環している、外に余り出ていないですので、成長がちょっと過大評価されているんじゃないかみたいな、そういった向きもありますが、懸念もありますが、まさに世界の潮流の中で申し上げると、そういった循環をしながら自国に国富をしっかりと保つ、保持することは大事なんだと思います。

 さらに、違う観点で申し上げると、経済安全保障の視点で申し上げると、我が国の不可欠性ということも、米国での今回の投資において、我が国、本邦企業の資金であり技術がなければ、これはコーディネートも含めて、米国にとって必要だという、そういった不可欠性が生まれてくるんだと思います。

 さらには、少し古い話になりますが、私は元々、ルール形成戦略議員連盟で、甘利明会長の下、経済安全保障の概念を培わせていただきました。一七年ぐらいから議論はしていたんですけれども、二〇一九年の五月に安倍総理に提言を申し上げて、当時はまだ経済安全保障という言葉ではなかったです。安全保障経済という言い方をどちらかというと使っていました。これは、経産省で従来あった安全保障貿易管理の視点と同じであります。安全保障を前提とした経済取引の在り方を私たちは、横文字でいうとエコノミック・ステートクラフトという、そういったことがばっこされる中で、日本企業としてどのように対応していくかということでありましたけれども。

 その中で、二〇二〇年七月に、習近平国家主席が双循環、二つの循環ということを提言されました。二〇二〇年四月からは、御案内のとおり、NSS、国家安全保障局の中に経済班が正式に設置をされた。ただ、その一方で、我が国においてはコロナ禍に見舞われた最初の頃でありましたけれども、そのときに、習近平国家主席は双循環ということを提唱いたしました。

 双循環の意味は、御案内かと思いますが、海外循環と国内循環の経済発展モデルであります。国内循環においては、まさに自国で自分たちのものは供給をするということであります。海外循環においては、今まさに我が国で使っている経済安全保障の言葉でありますが、中国系企業が不可欠である、そういった振る舞いを、これは金融それから生産、様々なルールも使ってつくっていくということであります。

 これを彼らは中国製造二〇二五も踏まえた上で展開をしてきたという中において、私たちは、危機管理投資、成長投資、そして日米のプログラムにおいて、経済安全保障のサプライチェーンの強靱化という部分において大臣が先導していただいているプロジェクトが、まさに我が国の不可欠性、そして将来に自律性というものを更に強化する、そのための投資であってほしいと思っていますので、そういった視点からも、十分に大臣は汗をかいておられるというのは承知しておりますが、これからも是非よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、三つ目の産業用地関係についてお話を伺ってまいります。

 今回、産業用地の確保の観点で、緑地面積率に関わる規制の特例措置を講じています。他方、緑地面積率については、地域未来投資促進法において従来から措置もされています。今回、新たな特別措置を講ずる趣旨や背景、特に、既存の制度では対応ができなかった理由を教えてください。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 産業用地の確保に当たりましては、既存の工場敷地の最大限の活用も有効な手段と考えております。日本立地センターが実施した二〇二五年度新規事業所立地計画に関する動向調査結果でも、事業拠点の立地計画がある製造業を営む企業において、三つの選択肢、つまり、新設するか、増設するか、移転するかという三つの選択肢の中で聞いたところ、増設と回答した割合が四割と、一番多かったということでございました。

 まさに御指摘いただいた現行の緑地規制につきましては、企業が工場を立地する際に必要とされる緑地面積率は、国が一律の基準を定める国準則がございますけれども、このほか、工場立地法又は地域未来投資促進法に基づき、一定のエリア内で国が定める基準の範囲内で、市町村が条例により定めることが可能というふうになってございます。

 他方で、企業からは、工場敷地内で拡張や建て替えに当たり、これらの法律に基づく緑地面積の確保が課題という意見も上がっているところでございます。また、地方公共団体からも、この課題への対応を可能とする措置を求める声も上がってきております。

 そこで、今般の改正内容でございますけれども、地域未来投資促進法に基づいて、地域経済牽引事業の用に供する工場であって、周辺の生活環境の保持のために必要な対応を行う場合については、市町村における基準の裁量の範囲を拡大することを認めることにより、既存の工場敷地の最大限の活用による産業用地の確保を図ることとしたところでございます。

中山(展)委員 ありがとうございます。

 続いては、データセンターへの工業用水について伺います。

 データセンターの立地は地域経済にとっても今日的に大変重要であります。御案内のとおりであります。今回、工業用水道に着目した措置の背景は何か。また、現行の工業用水道事業法での課題や特例措置を講ずる趣旨、背景をお伺いしたいと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 データセンターでは、サーバーの安定稼働のために、大量に電力を消費するサーバーからの発熱を絶えず冷却する必要があり、その冷却方法については、空気で冷やす空冷式から水で冷やす水冷式に置き換わりつつあります。そのため、データセンターにおける水需要が増加しております。

 今後、データセンターの水冷式への転換や、データセンターの立地数及び規模の拡大に対応し、データセンターの適切な立地を進めるためには、低廉で安定した水の確保が重要となります。他方、現行の工業用水道事業法上、データセンターに対して工業用水の給水義務がないため、給水義務の対象となる工業、すなわち製造業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業でございますけれども、への供給が優先されるという状況になってございます。

 そこで、地域経済を牽引するデータセンターの立地を促進するため、工業用水事業法の特例措置を今回講じて、給水義務のある形で工業用水の供給を行い、低廉で安定的な水の供給の確保を図ることとしたところでございます。

中山(展)委員 ありがとうございます。とてもよく分かります。

 水資源というか水環境は、地政学ではないです、地経学の観点からも、我が国は潤沢な水の扱い方ができます。それを、決して武器にとは言いませんが、これからデータセンターを始め、もとより、半導体製造が、TSMCが熊本に来られたのも、一つは水が豊富であるということは大きな要因だったと思います。

 二〇二二年ですか、熊本で水サミットがありました。私、その当時、国土交通副大臣として最後の閉会の挨拶もさせていただきましたけれども、水が我が国にとっては貴重な、これは生活者にとってもそうですけれども、産業を育成するにおいての非常に大きな要素だと思いますので、そこをしっかりと、これは戦略的に水の戦略を考えていただければと思いますし、今回のこの措置が非常に意義があるものだと思っています。

 さらに、産業用地について伺いますが、産業用地の確保に当たっては、既存用地の活用に加えて新規の整備が重要と認識しています。整備済みの産業用地は、投資を決定してから操業を開始するまでのリードタイムを短くできるといった観点で根強いニーズがあり、地域への投資の呼び込みに非常に効果的であります。

 今回、新規の産業用地の整備を促進する上で、官民が連携する産業用地開発に対して所得税率の軽減措置を講じました。この趣旨また背景をお伺いします。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 自治体によっては、ノウハウや財源不足により、単独で産業用地整備が困難になっている状況がございます。こうした中、産業用地整備のノウハウや資金余力を有する民間ディベロッパー等と官民連携することによってこれらの課題を補って、産業用地整備を行うケースが増加しつつあるというふうに承知しております。

 しかしながら、地権者が土地等を地方公共団体に譲渡する場合には税制措置が講じられている一方、今申し上げた官民連携を行っている民間事業者への譲渡の場合には税制措置がなかったということでございました。

 こうした中、今般の法改正によって、官民連携を行っている民間事業者への土地等の譲渡においても、地権者の譲渡所得にかかる所得税等の軽減措置を講じることとしたところでございます。

 こうした措置を講じることで、地権者交渉の円滑化につなげ、迅速な産業用地整備を促してまいりたいと考えております。

中山(展)委員 ありがとうございます。

 先ほど、水野委員からも産業クラスターの話がありましたが、産業クラスターを形成していく上で産業用地は前提条件でありますから、自治体の御希望もいろいろあるかと思いますけれども、しっかりディベロッパー等と連携をしながらやっていただければと思っています。

 ちょっと時間が少なくなってきたので、一問、ごめんなさい、飛ばさせていただいて、エッセンシャルサービスについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 我が国が抱える構造的な人手不足によって、スーパーやガソリンスタンド、地域の方々の日常生活を支えるいわゆるエッセンシャルサービスの供給事業者が、地域から撤退が相次いでいます。

 本法案における措置はこうした状況を踏まえて講じられるものと承知しておりますが、認定制度の趣旨、政策的意義をまずお伺いをいたします。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 少子高齢化による人手不足は、労働集約的なサービス業において非常に深刻な状況でございます。特に日常生活の維持に必要な物品又は役務を供給するサービス、いわゆるエッセンシャルサービスで先鋭化をしているという認識でございます。

 エッセンシャルサービスの供給に不足が生じた場合、その居住する地域から人々は、住民も離れざるを得なくなるということでございまして、それは、すなわち当該地域の産業の担い手の喪失を意味するものだということで、非常に重要な課題だということで認識をしてございます。

 したがいまして、エッセンシャルサービスの供給不足は、当該地域の工場等の産業資本の機能不全や国内投資、立地促進の制約要因にもなり得るものでございます。エッセンシャルサービスの供給の持続性確保は、我が国の産業の持続的発展にとって非常に重要であるという認識でございます。

 このため、経済産業省といたしまして、エッセンシャルサービスの事業の効率化を通じた、事業採算性を確保する、そういった取組を支援することとしたものでございます。

中山(展)委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間が少なくなってきたので、二問まとめて質問させていただきたいと思いますが、その措置の、認定制度の対象となる生活維持物品役務の範囲についてお伺いをしたいのと、あと、今般の措置が産業の担い手の確保に資する施策という位置づけだとすれば、認定制度の対象となる事業者は、産業用地の近辺とか工場が立地する、その周辺に存在する事業者だけしかこれは受けられないのかどうかということをお願いします。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、対象事業の範囲ということでございますけれども、事業の範囲につきましては、法律に定められます実施指針におきまして具体化を図る予定でございますけれども、基本的な考え方といたしましては、生活の維持に日常的に必要な物品又は役務の提供を行うサービス産業を想定しているところでございます。

 主要な業種といたしましては、具体的には、スーパー、コンビニなどの食品等の卸小売、ガソリンスタンド、LPガスなど燃料小売、それから食品等の流通を担う運送、バス、タクシーといった公共交通、自家用車の維持に必要な自動車整備等が対象になるというふうに考えてございます。

 このほか、医療、介護、保育、それから、公衆浴場、理美容、洗濯、火葬等の公衆衛生に関するサービス、さらには、草刈り、雪下ろし等の生活関連サービスもまた含まれる方向で検討してございます。

 いずれにせよ、詳細については実施指針で定めていく予定でございます。

 あわせて、地域についての、限定されるのかということでの御質問をいただきました。

 この点につきましては、若干繰り返しで恐縮ですけれども、今回の措置につきましては、エッセンシャルサービスの供給が不足している地域に必要な供給の持続性を確保するための事業者の取組支援を行うというものでございまして、その地域における生活基盤を維持し、地域の産業の担い手に資する、そういった取組を進めるということでございます。

 したがいまして、本措置の対象となる事業者は、産業用地の近辺や工場が立地する地域に所在する事業者に限られず、その可能性のある地域に所在する事業者も含めて念頭に置いているところでございまして、全ての地域に所在する事業者が対象となり得るということでございます。

 したがいまして、地域を限定することなく、先ほど申し上げました業種の事業者に対しまして、供給の持続性を確保するために必要な支援をしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

中山(展)委員 ありがとうございます。

 医療が入るという、今、そういうお考えでいらっしゃるんですね。農業は、そこはまだ範疇には入っていないということですよね。地域を限定せず、医療はもちろん大事、医療分野は大事だと思いますけれども、地域限定ではないということを踏まえて、もちろん農業が盛んな地域とそうじゃない地域があるかもしれませんが、いずれにしても、自国において農業というのは大事だと思いますから、これは経済産業省さんだけでの御判断は難しいと思いますけれども、そこにも目配りをしていただければと思います。

 最後の質問になりますが、この制度において事業者が作成する生活維持物品役務需要減等事業適応の計画の内容は、事業運営の効率化として、事業の合理化、多角化、広域化を規定しておりますが、具体的にどのような事業者の取組を考えておられるか、教えてください。

佐々木(啓)政府参考人 ただいま御指摘いただきましたとおり、本法案によります改正後の産業競争力強化法第二条第三十九項におきまして、事業の効率化といたしまして、合理化、多角化、広域化を挙げさせていただいております。

 この合理化につきましては、業務効率化や省力化ということでございまして、例えば、高効率な設備やAIを始めとするデジタル技術の導入、共同調達によるコスト削減、商圏やニーズに応じた営業形態の柔軟化といった取組が想定されているところでございます。

 それから、多角化につきましては、一の事業者が複数のエッセンシャルサービスを提供することによりまして、施設の併用や顧客基盤の共通化、こういった取組を進めることに加えまして、エッセンシャルサービスの事業を維持するための他の収益事業の実施や強化が想定されるところでございます。

 広域化につきましては、同種の他の事業者との協業等によりまして、顧客基盤や労務管理システムの共通化、既存インフラの有効活用、こういった取組が想定されているところでございます。

中山(展)委員 ありがとうございます。

 もう時間がなくなりますので、最後に、赤澤大臣は農業政策をライフワークにしていらっしゃいます。今般、このイラン情勢、ホルムズ海峡の懸念から、エネルギー安全保障ということを非常に本当に皆様昼夜を分かたず御尽力していただいておりますが、もう一方の従来型の安全保障の言い方で言うと食料安全保障、これは赤澤大臣は非常に心にかけていただいております。

 少し宣伝ではありませんけれども、大臣が共同代表を務めていただいています細胞農業議員連盟、まさに食料安全保障に資する世界の動物性たんぱく質の志向に対して、日本では人口減少でありますが、世界人口が増える中で、動物性たんぱく質をどのように賄っていくか。

 ましてや、これは農業分野においても、既存の畜産業の皆さんの知財をしっかり保ちながら、これは中国はもう作っています。中国が和牛の細胞を使って、また和牛で細胞培養肉を作られると、これは大変なことになりますので、是非、その点も含めて、我が国の食料安全保障も含めて、フードテックの観点から大臣に御指導いただければとお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

工藤委員長 次に、若狹清史君。

若狹委員 日本維新の会、若狹清史です。

 本日は、貴重な時間をいただきまして、誠にありがとうございます。

 冒頭、小林理事からもお話がありましたけれども、本当に、連日連夜、大臣始め職員の皆様方には、激動、激務をお務めいただいておりますことを心から敬意を表する次第でございます。

 私も、税務そして経済産業の実務に長年携わってきた人間としまして、経済産業の政策の重要性を自分自身でも感じている一人としまして、本当に、経済産業政策がどういう方向性を持っていくのか、この一言によって、方針を示すことによって市場が動く、そして中小企業も皆さんも連動していくというところで、うまくいけばいいですけれども、そうじゃないときには本当に厳しい打撃を食らうという、とにかく大事な経済産業政策だと思っております。そういったところも私自身も理解しながら、今日、いろいろ様々な点で御質問させていただければと思いますので、明るく、未来ある御答弁をいただければと思っております。

 まず、大臣の方にお伺いしたいと思います。

 我が国の産業を取り巻く環境は、米国関税政策の急激な転換、資源、物価の高止まり、そして急速な人口減少という三重苦に直面しております。私は、こういった事態にこそ、国が産業競争力強化のための制度の土台を整え直すことが不可欠と考えております。

 本法案は、大胆な投資促進税制の整備から地域の生活基盤維持、供給網の強靱化まで、幅広い政策手段を一体化に講じる内容となっております。

 大臣に、改めて、今このタイミングで本法案を提出する戦略的な意義と、政府として最も力を入れて実現したい点をお聞かせください。

赤澤国務大臣 米国の関税措置を始めとした国際経済事情の変化、あるいは資産価格の変動によるインフレ圧力、さらに旧来から人口減少や少子高齢化といった経済社会情勢の変化の中、我が国企業の事業活動を持続的に発展させるためには、産業競争力の一層の強化を図ることが重要です。

 ピンチに見えることが多いわけですが、委員のおっしゃるように、明るく、ピンチをチャンスに変えて、さすが日本だという展開を図りたいということであります。

 そのため、本法案においては、国内投資の促進により、事業の高付加価値化を後押しするための、諸外国と比べても遜色のない大胆な投資促進税制とか、あるいは、海外需要開拓や安定的な原材料確保を通じた供給網の強靱化、それから、事業活動の基盤となる産業用地の整備や、担い手の確保に資する生活維持に必要なサービスの持続性確保を一体的に措置することで、企業の事業活動の持続的な発展を図っていきたいという趣旨の法案でございます。

若狹委員 ありがとうございます。

 本当に、複合的な経済ショックへの対応力や国内投資の底上げ、地域、中小企業まで届く政策の一体性といったところの施策の施行を強く求めて、御期待をしたいと思っております。

 次に、本法案の核心となる大胆な投資促進税制では、投資利益率が一五%以上、投資規模は三十五億以上、中小は五億ということを満たす設備を特定生産性向上設備等と定義されております。

 この要件は意欲的な水準に見えますが、数点お伺いいたします。

 まず、投資利益率一五パー、規模三十五億という要件を設定されておりますけれども、この設定された根拠、試算はどういったものに基づいているのかをお聞かせください。また、中小企業向けに五億円の特例が設けられていますけれども、現実の中小企業の設備投資規模に照らしてこの特例が十分にカバーしているのか、即時償却や税額控除七パーの繰越制度等ありますけれども、併せてどのように中小企業の投資意欲を引き出すのかをお聞かせいただければと思います。

 また、追加で、可能であればですけれども、政府が期待する投資誘発額や対象企業数等々の波及効果を、もしお示しすることが可能であればお答えいただければと思います。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業につきましては、今回の法律に盛り込んでおります大胆な投資促進税制とは別に、投資規模の要件を基本的に求めず、即時償却の措置も含みます中小企業経営強化税制が既に存在しておりまして、こうした措置の活用も選択いただくことができるものと認識をしております。

 そうした前提の下でございますけれども、この税制におきましては、大胆かつ高付加価値な国内投資へのインセンティブを付与する観点から、御指摘のように、中小企業は五億円以上、大企業につきましては三十五億円以上ということで要件を設定しております。

 この根拠でございますけれども、まず、中小企業につきましては、現行の中小企業経営強化税制におきまして建物を含む投資を対象としている類型の投資下限を上回る水準、そういう大胆な投資をしていただきたいということで、これまでの類型の投資下限を上回る水準として五億円を投資下限として設定をいたしました。それから、大企業につきましては、平均的な大企業一社当たりの年間設備投資額、これが十一・二億円ございますけれども、この約三倍に相当する金額として三十五億円、そういう要件を設定をしたところでございます。

 こうしたことで、今回の措置につきましては建屋、建物も対象にしておりまして、建物、工場と設備を一体で投資するような、そういう積極的な投資に活用をいただけるというふうに考えているところでございます。

 それから、この税制の適用規模につきましては、年間約四兆円分の国内投資を見込んでいるところでございます。この税制で、まさに投資増によって経済成長を更に上乗せをしていきたい、このように考えているところでございまして、しっかりと運用していきたい、このように考えております。

若狹委員 ありがとうございます。

 本当に、大企業はもちろんですけれども、中堅・中小企業にも恩恵が受けられるよというところをきちっとした形でメッセージを残していただきつつ、今お答えいただきましたけれども、この制度、本制度の手続の簡素化、これは内容を見させていただきまして、大臣の確認でいいと。本当に、これをもっと、使っていただく方々たちに、確認でいいんだよというところで、こういう使いやすいんだよというところをもっと訴えていただくような周知徹底をしていただければと思いますし、四兆円を是非達成できるように、財務省と協議をしていただきながら、戦っていただければと思っております。

 次の質問に移ります。

 本法案では、産業用地を譲渡する地権者への所得税、住民税の軽減措置が設けられています。

 しかし、当該年度にほかの不動産譲渡収入や事業収入が重なり、確定申告以上の所得金額が大きくなった地主にとっては、税制優遇の実質的な恩恵が薄れるケースも想定されております。実際、私もその現場を、自分が手伝った中でもこれはありました。こうしたリスクを政府はどう認識しているのか。

 また、地主が制度を正しく理解し、確定申告に適切に反映できるよう、例えば税務とか法律の専門家による事前相談体制をどのように整備しているのか、又は整備していくのかをお聞かせください。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問いただきました産業用地整備促進税制につきましては、これは、自治体が民間事業者と連携して行う産業用地整備において、地権者が民間事業者に対して土地を譲渡した場合に、譲渡所得にかかる所得税及び住民税を軽減するものとなっておりまして、中身としましては、原則、土地等の長期譲渡所得には所得税一五%と住民税五%の合わせて二〇%がかかることになっておりますけれども、この措置によって、譲渡所得二千万円以下の部分について、所得税五%と住民税一%の合わせて六%が軽減されるということになっており、土地等の政策的な活用を後押しする効果があるものと考えております。

 なお、御指摘いただきました通常の所得との関係におきましては、これは分離課税ということで、分けてこちらの方で適用するということでございます。

 それから、本税制をしっかり周知しなければいけないということの御指摘で、そのとおりでございまして、改正法の成立後、制度詳細について様々な形で自治体への説明機会を設ける方針でございますけれども、それに加えて、必要書類等についても用地整備者である自治体等から地権者に必要書類を交付するということが予定されておりますので、制度の利活用がしっかり進められるように、自治体等からもしっかり地権者等に適切に周知をするように促してまいりたい、こういうふうに考えております。

若狹委員 ありがとうございます。

 確かに、分離課税なんですけれども、実際に、地権者さんに関しては、地主さんとすれば、そこに付随する税理士もいるんですけれども、制度を理解していないと、それを使わなかったりする、普通に申告するケースがたくさんあります。これが周知されていて、一生懸命勉強している専門家だったらいいですけれども、この制度を、そうじゃなくても、実務をやられている先生だったら、これは分からない、気づかないときもやはりたくさんあるんですね。そのときに、結局恩恵が受けられないという地主さんがいる、それが後で知る、そうしたら、そこで次のときの地域未来のここの開発をやろうといったときに、何だ、俺はそんなのは嫌だよというふうになりかねないわけです。

 ですので、そうなったときに、この制度をせっかく使って、いい制度なんですから、これを周知していくために、理解していただくためにも、そういう専門家に対しても、そして地主さんに対してもやはりきめ細かなサポートをしていただいた方がこの制度はきちっとした有効活用ができるんじゃないかなと思いますので、どうかそこら辺を御検討いただければと思っております。

 次に、地域未来投資の自治体間格差についてお伺いしたいんです。

 地域経済牽引事業計画の承認は都道府県知事で行うことになっておりますけれども、積極的に取り組む自治体とそうじゃない自治体がやはりどうしても出てきてしまいます。そうすると、その自治体の中に所属して、所属というか置いている企業さんにとっては、享受できる支援措置に格差が生じる可能性があります。これでは、本改正の効果が全国的に届かないリスクということを意味してしまいます。

 国として、基本計画の策定、改定が遅れている自治体に対して具体的にどう働きをかけていくのか、そしてまた、本法案で新設されますけれども、産業用地整備に係る計画承認制度がこうした格差の是正にどのように貢献するのかをお答えください。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問いただきました、まず地域未来投資促進法につきましては、自治体が策定する基本計画に整合的な、地域の特性を生かして高い付加価値を生み出す事業を創出することを通じて、自治体の産業振興の後押しをする、こういう制度でございますけれども、これについては、二〇一七年の制定以降、全ての都道府県で基本計画の作成がなされており、これらの計画に基づいて、五千件を超える事業計画が事業者により作成されています。

 ただ、確かに、議員御指摘のとおり、地域ごとの活用数を見てみますと、最も多い新潟県では四百十一件、次いで長野県で二百九十八件といった感じで、百件以上の活用が進む都道府県もある一方で、十から二十件程度の活用にとどまる都道府県もあるなど、地域によって活用実績に差が生じているのは事実だというふうに考えております。活用の進んでいる自治体では、独自の補助金を用意するとか、そういった積極的な企業誘致活動が行われている傾向があるのかなというふうに考えております。

 制度の活用促進に向けて、経産省としては、地方経済産業局を通じた説明会の開催や計画作成のサポートに加えて、積極的に制度を活用している自治体の事例紹介、どんなことをやっているかという事例紹介や自治体間の連携促進、こういったことにも取り組んできているところでございます。

 なお、今般、この法改正で新たに措置する地域経済牽引事業用地整備計画の承認制度についても、自治体によってノウハウや資金力の状況が大きく異なる中で、制度活用実績に自治体間で大きな差が生じることがないようにも努めてまいりたいというふうに考えております。

 具体的には、自治体が行う産業用地整備の取組について、中小機構が実施する助言や融資できめ細やかにアドバイス等をするということとともに、財政力が低い自治体が企業誘致や投資促進の一環として行う固定資産税減免に対する減収補填措置を拡充することともしておりますので、こういった制度も使っていただきながら、本制度を積極的に活用いただけるように取り組んでまいりたいと思っております。

若狹委員 是非ともお願いをしたいと思っております。

 次の質問に移りたいと思います。

 米国関税の影響を受ける地方の中小企業への対応についてお伺いいたします。

 私の選挙区は長野一区となりますけれども、長野市等は、精密機械、電子部品、電気機械等の中小サプライヤーが集積する物づくりの町となっておりまして、長野県は、県内の労働人口の五人に一人が製造業に従事しております。電気機械、一般機械、精密と、県内総生産の約三分の一を支えております。

 こうした企業の多くは、電子部品、半導体関連部材を米国向け又は米国系のメーカー向けに供給しております。その結果、米国の関税措置の影響を受け始めております。これは本当にいろいろな企業さんから聞いておりますけれども、結構来始めているよということがございます。

 本法案は、こうした予見し難い国際経済事情の急激な変化に対応する取組として、国際経済事情激変事業適応を新設されていると思います。その上で、公庫のツーステップローンや整備機構の債務保証の金融支援措置をするとしておると思いますけれども、そこで、ちょっと三点お伺いいたします。

 長野のような地方は、例えば精密機械とか、いろいろな形であると思うんですけれども、直接の米国輸出ではなく、大手メーカーへの部品納入という間接的な形で関税の影響を受けている企業もたくさんあります。こうした間接被害型といいますか、こういう中小企業も本類型の認定対象となり得るのか、また、認定に当たって、直接輸出の実績がなくても申請できる設定になっているのかをお聞かせください。

 次に、申請から金融支援が実際に使えるまでのリードタイムについてです。

 資金繰りが非常に圧迫している中小企業にとっては、認定まで数か月かかるようでは間に合わないケースもございます。そういったケースを考えまして、緊急性の高いケースにおいては、申請の簡素化ができるとか仮承認等々の支援ができるとかということの可能性があるのかというところの御意見、御回答をお聞かせください。

 第三に、長野県に関しては、既に長野県物価高騰・米国関税措置支援パッケージという独自の政策を打ち出しておりますけれども、本法案の国際経済事情激変事業適応という、こうした支援策と都道府県が独自でやっている支援策の重複申請、併用ができる設定になっているのか等をお聞かせいただければと思います。お時間の関係もありますので、できるかできないか等々でお答えいただければと思います。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 国際経済事情の急激な変化、そこの考え方でございますけれども、まず、入口としては、先ほどからも議論ありましたとおり、米国関税措置の影響にとどまらず、様々な事象による変化が対象になり得るという制度の前提になってございます。

 その上で、直接間接というお話がございましたけれども、これは、最終的には個別の事業者さんごとに事情、事案を見ながらしっかり認定していくということになるので、一概になかなか言いにくいところがございますけれども、中小企業を含めたサプライチェーン構造も踏まえつつ、間接であっても、事業者の業績の悪化がどの程度国際経済事情の変動に起因しているかというところを個別に判断して、認定の基準を満たすのかどうかをしっかり確認をしていくということを考えているところでございます。

 それからもう一点、制度の迅速な活用ということでございます。

 これは、申請の制度そのもの、手続に関する制度そのものは、今詳細については検討しているところでございますので、今後の課題だというふうには考えてございますが、まず、そもそものスピードを上げないといけないということでございますので、例えば、税の前提になるような計画の確認ですとか、先ほどあった国際経済事情激変適応計画、この認定に関する規定につきましては、なるべく早くということで、法成立後三か月以内にしっかり施行していくという方針で頑張っていきたいと思っておりまして、早期の法律の施行に向けて、事前の準備はしっかりと整えていくということだと思います。この中でどういった工夫ができるかというところは、詳細は検討していくということだと思っております。

 その上で、当然、課題になるこの制度の周知、広報というのを進めていくわけでございますが、やはり受皿として、事業者さんからの申請をいただいたときに迅速に手続を進められるように準備が必要だと思っておりまして、これは本省で受けるというよりはむしろ地方経済産業局でしっかりと対応していくということだと思っていますので、事前の準備として、審査体制の整備を進めていくことで、むしろスピーディーに、迅速に制度を使っていただけるような体制づくりをしっかりと、やれることをやっていきたいというふうに思っておるところでございます。

 最後でございますが、個別の、長野県の施策のパッケージについての御指摘、御質問がございました。

 これは、県の方の施策の詳細を承知してございませんので、この両者の関係を現時点でしっかり明言することは大変難しいというところはまず御理解いただければと思います。

 政府の対応としては、例えば大胆な投資促進税制みたいなものにつきましては、都道府県などの地方自治体が行う支援措置との重複排除を行う制度にはしていないというふうに御理解いただければと思います。

若狹委員 ありがとうございました。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 次は、現行の中小企業が使う、先ほども御答弁ありましたけれども、中小企業経営強化税制、A類型、B類型、D類型、E類型というものがございまして、経営力向上計画の認定を受けると、即時償却やまた一〇%の税額控除を受けられる。でも、その一方で、今回の改正では、大胆な投資促進税制の対象となるのは、投資五億、一五%以上と、要件がより高く設定されております。

 この二つの制度について、対象企業、対象設備、優遇内容のそれぞれの違いを明確に整理し、また、中小企業が実際にどちらを優先して活用すべきか、政府として明確なガイダンスを示すお考えがあるのかについてお聞かせください。

 また、全業種対象、風俗業は除くと書いてありますけれども、ということでありますが、例えばエネルギー関係に関しまして、例えば系統用蓄電池、小水力発電所とか、今後エネルギー政策を進めていく上でも市場が動いていくところでもあるかと思うんですけれども、こういうような、本件の対象となり得る認識で間違いないかをお聞かせいただきたいと思います。

 また、次に、中企庁さんだと思うんですけれども、令和七年、昨年の四月に創設されたE類型というものがございます。こちらは、確認申請前着工は対象外とか六十日ルールの不適用など、結構厳しい要件が設けられております。施行からの確認申請認定の実績はどの程度か、また、もし申請が伸び悩んでいる場合の普及策についてお聞かせください。

河野政府参考人 まず、前段の御質問についてでございますけれども、大胆な投資促進税制でございますが、大規模かつ高付加価値な国内投資へのインセンティブを付与する観点から、投資計画の投資利益率を一五%、それから中小企業の投資下限額五億円という要件としておりますので、こういったことを考えますと、例えば、中小企業の方が工場の思い切った新設それから増設に際して、建物と機械装置などを一体的に投資するような案件には大変有効かつ御活用していただきやすいものだというふうに考えてございます。

 他方で、中小企業の経営強化税制でございますが、こちらは、投資利益率は七%以上、また、建物を除けば、基本的には投資規模などの要件はございません。このため、どちらの制度を優先すべきかというところは、これはむしろ個社の御事情によって相当異なってくると思います。これは柔軟に使っていただくということが大事なので、政府として一律にこうあるべきだということはむしろ申し上げるべきではないのではないかというふうに考えてございますけれども、むしろ、我々としましては、中小企業の皆さんの具体的なニーズや経営の状況に応じて選択可能な制度設計とするというところが大事だというふうに考えているところでございます。

 また、業種の御指摘がございましたけれども、この税制につきましては原則全業種を対象としておりますので、御指摘を頂戴したエネルギー関係の業種につきましても、本税制の要件に適合する場合は当然対象となるというふうに考えてございます。

山本政府参考人 お答えいたします。

 中小企業経営強化税制のE類型につきましては、これまでに八件の申請を受け付けており、現在二件を審査中という状況でございます。

 この現状につきましての分析ということでございますが、ただいま委員からの御指摘のあったような手続的な面も含めて、様々なお声を頂戴しております。

 他方で、本税制が利用可能であります、売上高百億円に向けて百億宣言を行った経営者でありますけれども、この一年で増加いたしまして、現在三千百を超えたところであります。こうした事業者に、中小企業庁といたしましては、本税制を積極的に御活用いただけますよう必要な対応を行い、この活用の促進にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

若狹委員 ありがとうございます。

 今、どちらを使ってもいいという御回答がまずございました。

 ただ、今お答えいただきましたが、E類型は今、八件あったけれども、二件審査中、すなわちゼロ件という回答だとは思います。私も実はその中の何件か申請させてもらっているんですけれども、何で下りないんだろうなというところがあって、なかなかE類型を使えていない現状がやはりあって、今回の大胆な方に行ってしまう可能性も高いのではないかなと思っております。そうなってきますと、E類型の立ち位置というものが中小企業の皆様方にとってどういったものに映ってしまうのかということがありますので、是非、このE類型を使い勝手よく、ちょっと精査していただければ大変ありがたく思っております。(発言する者あり)ありがとうございます。

 本税制では、大規模投資が即時償却や税額控除の恩恵を受けられますけれども、その一方で、下請や二次サプライヤーへの単価引下げ圧力はやはり強まるというのがどうしても構造的に生まれるリスクがあると思います。税制コストは国民全体が担う公費でございますので、受益企業が税制恩恵を下請、取引先への適正単価や賃金引上げとして還元することの担保をする仕組み等、例えばですけれども、計画認定の条件や事後モニタリングにおいてサプライチェーン全体への波及を求める要件等、そういったものも含めてちょっと御検討をいただければと思っております。

 時間となりますので、最後に大臣に、今こういったお話をさせていただきましたけれども、大臣御自身のお言葉で、本法案を通じて、五年後、十年後、実現したい我が国の産業の姿、そして政府の力強い御決意をいただければと思います。

赤澤国務大臣 今、世界で起きている地政学リスクの高まり、あるいは非連続な技術革新といった構造変化は、五年後も十年後も不変であると思います。特に、技術革新の方は加速しているだろうと思います。そういう時代に、産業政策の成否が国力を左右する、そういう世界が続くというふうに確信をしています。

 こうした認識の下、本法案を通じて、国内投資の促進による事業の高付加価値化と、海外需要開拓や安定的な原材料の確保を通じた供給網の強靱化を一体的に推し進めてまいります。また、国内の事業活動の基盤となる産業用地の整備や、産業の担い手の確保に資する生活基盤の維持を図ることで、産業競争力の一層の強化を実現をしてまいります。

 こうした取組を本法案により一体的に後押しをすることで、日本経済の供給力を強化をし、日本企業の稼ぐ力を高める、ひいては物価上昇を上回る賃上げにつなげていくことによって強い経済を実現していきたいと思います。

 今の時代は、十年後の世界における我が国の立ち位置を大きく左右する、いわば勝負のときだと思っています。政府が一歩前に出た積極的な、あるいは、一歩どころじゃないですね、一歩も二歩も前に出た積極的な産業政策を展開することで、こういった勝負にしっかりと勝ち切れるように全力で取り組んでまいりたいと思います。

若狹委員 御答弁ありがとうございました。

 先ほど大臣おっしゃっていましたけれども、ピンチはチャンスでもありますので、本当にこの経済を、様々な、いろいろな見方がある経済産業でございますので、大臣におかれましても、今の思いを是非とも実現すべく進んでいただきたいと思いますし、私自身も現場で企業支援や自治体支援をずっと行ってまいりましたが、日本は自由経済ではありますし、自らの経営判断で経営を行うことが大前提であり、困ったらすぐ国が手を差し伸べるというのでもなく、方向性をきちんと国が示して底上げをするという施策がとても大切だと痛感してきました。同時に、現場の声を聞きながら、目詰まり点を確実に分析し、施策に落とし込むこともまた大切であると思っております。

 どうか引き続き、日本経済を牽引すべく、今後の経済産業行政の発展の一助となるよう私も努めてまいりますので、大臣始め各委員の皆様方の御尽力を御期待申し上げ、御質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

工藤委員長 次に、東徹君。

東(徹)委員 日本維新の会の東徹でございます。

 赤澤大臣始め経済産業省の皆さんには、今回のイラン情勢について、連日連夜だと思いますけれども取り組んでいただいておりまして、本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。やはり国民の生活を守るために大変重要な役割を担っておりますので、引き続き、これが何とか鎮静化されるまで取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。

 そんな中で、今日は産業競争力強化法の質疑ということなんですが、やはり、高市政権になって、何とか強い経済をもう一度取り戻すという大事なときでありますし、そんな中で、産業競争力強化法という法律を改正して、何とか日本の経済を、もう一度成長する日本をつくっていこうというときだというふうに思っております。

 そんな中で、アメリカによるイランへの攻撃、こういったものがあって、そしてイランの情勢が今こういう現状になっていて、何とか戦闘が終結していく方向に今あるのかなというふうに思っておりますけれども、そんな期待をいたしておりますけれども、このイラン情勢についてもちょっと触れさせていただきたいというふうに思います。

 週末にまた米国とイランの協議が行われるのではないかというふうに言われておりますが、そんな中で、ホルムズ海峡を通過するとき、イランが、当初、通航料を一バレル当たり一ドル取っておったというふうな報道もありました。そして、今、米国が艦船を派遣して封鎖しております。米国に対して通航料を支払うようにというふうな報道もありました。

 そんな中で、そうなってしまうと、日本関係のタンカーがホルムズ海峡を通過するに当たって通航料の支払いが必要になった場合、その分、原油価格が上がっていくということになりますし、ガソリンだとか電気代だとか、こういったものにもまた波及してくるのではないのかというふうに懸念をいたしております。

 国民生活をやはり守っていくためにも、ここは、通航料の支払いを我が国として本当に容認するのかどうか、非常に気になるところでございまして、この点についてお伺いをしたいと思います。

赤澤国務大臣 委員には日頃から御指導いただき、特に、私は割とバッジが多いタイプと言われているんですが、委員はトゥンクトゥンクに加えてミャクミャクまでまだつけていただいているということで、何か本当に同志だなという感じがした次第でございます。済みません。

 ホルムズ海峡に関する様々な報道や関係者の発言については承知をしておりますが、これらの逐一にコメントすることは差し控えたいと思います。

 その上で、ホルムズ海峡をめぐる情勢は、我が国だけでなく国際社会全体にとって極めて重要な課題であり、我が国として、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が早期に確保されることが本当に重要だと思っています。

 エネルギーの確保は我が国にとって国家の生命線だと思います。我が国としては、状況を注視しながら、国際社会と連携しつつ、日本を含む全ての国の船舶がホルムズ海峡を自由かつ安全に通過できるよう、最大限の努力を続けていく方針でございます。

東(徹)委員 自由かつ安全に通過できるということが非常に大事でありますし、これは当然のことだというふうに思うんですけれども、なおかつ通航料がないように、是非しっかりと政府として取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。非常に気になるところでしたので、質問をさせていただきました。

 次に、電気代のことについても、もう一つ質問をさせていただきたいと思います。

 これは、政府がこの一月から三月まで電気代、ガス代の補助をしていただいておりましたので、それが終わりましたから、この四月からは電気代が約一割ぐらい上がっております。そんな中で、今回のイランの情勢を受けて、電気事業連合会の会長が、この六月から電気料金を引き上げるような報道もありました。

 これは前にも赤澤大臣には予算委員会でもちょっと質問をさせていただいたんですけれども、これまでも電気代、ガス代に対しては非常に補助を出してきておりまして、この三年間だけでも五兆九百八十四億円出してきております。非常に金額が大きいんですけれども、ちょっと内訳を言うと、令和四年度が三兆一千七十四億円、令和五年度が六千四百十六億円、令和六年度が五千三百十七億円、令和七年度が八千百七十七億円ということで、三年間のトータルが五兆九百八十四億円になっているんですね。

 これは本来、こういったものがいいのかどうか。非常に、今、日本の経済状況から考えると、賃金は少し上がってきたけれども、更にそれを物価の方が上回っていくという状況もあって、そして、そんな中で電気代の高騰ということを抑えていくために補助金を出しています。今、石油もそうなんですけれども。

 そんな中ですけれども、大臣もよくおっしゃるとおり、SプラススリーEということでよく言われます。電気の供給については、安全性というのが一番大事だというのはもう当然だと思いますし、その次には安定した供給だというふうに思います。

 今、脱炭素とかいうこともありますけれども、私は、今やはり優先すべきは、コスト、電気代を上げない工夫をありとあらゆる方法でやっていくということが非常に大事だというふうに思っておりまして、いよいよ、ひょっとしたら六月から上がるかもしれない、そうすると、七月、八月、九月、非常に暑い時期は皆さんやはり冷房をよく使われますから、非常に電気代も上がっていく、そうすることによって、また国民の負担が増えていくということになっていくわけですね。

 だから、ここは、やはりしっかりと電気代をまずは上げない工夫、できれば下げていくということをしていった方がいいと思うんですが、この点についてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

赤澤国務大臣 一般的な電気料金メニューでは、二か月前から四か月前の燃料輸入価格を参照して価格が決定されることとなります。

 そのため、委員の御指摘のとおりで、六月頃から徐々に燃料輸入価格の上昇が電気料金に反映されることが見込まれるものと承知をしています。

 その上で、電気料金については、国民負担の軽減や産業競争力強化の観点から、国際的に遜色のない価格での電気の供給の重要性も高まっているものと認識をしており、質と価格の両面で安定した電力の供給を実現していくことが重要だと考えています。

 政府としては、引き続き、中東情勢が経済に与える影響をしっかり注視しながら、委員の御指摘も踏まえ、状況に応じて必要な対応を行ってまいりたいと思います。

東(徹)委員 非常に大事だと思います。この二か月は実質賃金がプラスだというふうに聞いておりますが、私は、これは政府として電気代、ガス代を補助金を出して下げてきたからではないのかなと思っています。

 トータル的には四年間連続して実質賃金はマイナスですから、非常に我々としては電気代をやはり下げていく努力というのは必要だと思いますし、今、維新も与党になって、自民党と一緒に社会保険料を引き下げていく、そんな努力もやっていますけれども、なかなかこれも大変なんですよね。ですから、電気代につきましてもやはり下げていく努力というのは非常に私は大事だというふうに思っておりますので、是非これをやっていただきたいというふうに思います。

 そして、今回のイランの情勢を踏まえてホルムズ海峡の状況を見ておりますと、日本の原油の中東依存がいかに危ないものなのかということを改めて認識をしたわけでありますけれども、前回も質問の中であったと思うんですが、昭和のオイルショック時代と変わっていないのではないのか、五十年間何してきたんだというふうなことを、やはり私もよく経済産業省出身のOBの方から、いろいろなところで活躍されておりますので、そういったお話も聞くことがあります。

 もちろん、大事なことは中東依存を下げていくということで、今、政府としても経済産業省としても、調達先を変えていくという努力をされておられます。ですから、ホルムズ海峡以外のルートを、通るところを確保していっているという努力、これも大変大事だというふうに思いますけれども、しかし、やはり、もっと大事なことは、原油に頼らないということをやっていくべきだというふうに、これは改めて今回の状況を見て思うわけであります。

 原油に頼っていると、やはりまた同じようなことを繰り返すときが来るのではないのかというふうに思うわけでありまして、原油の依存度を下げていくという努力が必要だと思います。もちろんナフサは非常に大事ですので、こういったものは大事でありますけれども、原油の依存度をとにかく下げていくということを是非やるべきではないのかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 足下の情勢を踏まえ、中東からの原油輸入に大きく依存する我が国として、原油の調達先の多角化を進めるとともに、これまで以上に原油に頼らない産業構造に転換していくことの重要性はよく認識をしております。

 委員の御指摘で、五十年間何やってきたんだということなんですが、一つだけ申し上げると、原油を輸入する絶対量は、石油危機の当時と比べると、二〇二四年とかでもう半分になっているんですね。だから、相当原油を使わないでいい国に努力はしてきているんだけれども、ただ、まさにこれも委員御指摘のとおり、ちょっと調達先の多角化がうまくいっていない。

 一つ大きかったのは、ロシアが制裁の対象になってしまってとか、中東以外からいろいろ調達しようとして一時中東依存度を大分下げたんですが、そういったような事情があったり、あるいは、ちょっと価格が上がるとそちらに、中東に行ってしまうとか、いろいろあったと思います。

 他方で、石油は我が国の一次エネルギーの三、四割程度を占め、燃料のほか化学製品の素材としても使われており、国民生活や経済活動に不可欠で、また、災害時の供給を含めて、運びやすく貯蔵が容易といった利点も有しております。

 ただ、その上で、原油の代替を進めていくという委員の御指摘はもう方向性としては全く共通認識でございまして、脱炭素の取組が重要だと思っています。エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指すGX投資は、高市総理が唱える危機管理投資そのものでございます。

 再生可能エネルギーや原子力によって化石燃料輸入の代替を進め、エネルギー自給率を高めるとともに、自動車や化学の分野におけるGX投資を促進することで、我が国の更なる産業構造転換、産業競争力強化にもつなげてまいりたいと思います。

東(徹)委員 先ほどから大臣がピンチをチャンスにと言われていることだというふうに思うんですね。

 確かに、一九七〇年、オイルショックが二回あって、そのときから比べたら原油の使用量は半分になってきたということでありますけれども、でも、我々の生活を見ると余り変わっていないなというのがやはり実感だと思うんですね。

 そのために、じゃ、何をしていくのかということで、今ちょっとお話もありましたけれども、私はやはり、自動車であればEVだとか、そしてまたバスとかトラックであれば燃料電池、FCV、そういったものにどんどんと切替えを加速していくということが非常に大事だというふうに思います。

 二日前の報道でも、いすゞが、燃料電池トラックはトヨタと小型のトラックからやっていくとか、そういう報道も見させていただきました。そういったことで、EVだとか燃料電池、こういったものにしっかりと置き換えていくということも大事だと思いますし、先ほど、私、まだ万博ロスが続いておりまして、ミャクミャクをまだつけておりますけれども、大阪・関西万博のときには水素船という船もありました。そういったことで、水素を活用したそういう燃料電池、そういったものに切り替えていくということも非常に大事ではないのかというふうに思いますね。

 そのためにやはり電力が必要になってくるわけでありますけれども、やはり、原子力発電所再稼働は一日でも早く進めていく、安全なやつは早く進めていく、再稼働をさせていくということで、ようやく柏崎刈羽も営業が開始されましたので、本当によかったというふうに思っておりますけれども、ただ、それだけではなくて、新型の原発、安全なやつですね、より安全なやつは導入していくということも非常に大事だというふうに思いますし、そしてまた、昨年、山岡達丸議員とも一緒にドイツの方へ行ってきて地熱発電を視察させていただきましたけれども、ああいった地熱発電も非常に大事だというふうに思います。

 昨日の報道では、経済産業省が次世代の地熱発電に一千百二億円を支援していくという報道を見させていただきました。非常にいい取組をしていっていただいているというふうに思います。日本は地熱発電ができるところが非常に多いというふうにも言われておりますので、こういった取組をどんどんと進めていっていただいて、まだまだ原油の依存度を更に下げていくということを是非やっていっていただきたいなというふうに思います。それが非常にこれからの日本の経済成長にもつながっていくというふうに思っております。

 それで、今回の産業競争力強化法の中身について質問をさせていただきたいと思います。

 非常に大事な法案ですし、今回の法案に期待をいたしております。何とか、失われた三十年とよく言われておりましたけれども、その一つの原因は、海外に日本が投資をしていた、設備投資をしていたということも一つの原因だったというふうに思います。

 今回、国内に投資する大胆な投資促進税制を導入していくということで、非常に私もこれは大事な法案だというふうに思っております。ただ、これまで、この産業競争力強化法ですけれども、平成二十五年十二月に成立した後、平成三十年、令和三年、令和六年と、三回これを改正されてきているわけです。その都度重要な内容が含まれてきていたというふうに思いますし、我々もその審議に関わらせていただいたこともあります、もちろん。

 IMDの世界競争力年鑑、これもよく取り沙汰されますけれども、日本の競争力の総合順位、法律ができた平成二十五年の世界二十四位から、令和七年三十五位ということになっています。ただ、二四年から比べれば、三十七位だったんですかね、少し上がったんだと思いますけれども、まだまだ低いという状況にあるわけです。

 そういった結果を見ますと、この産業競争力強化法、どの程度日本の経済成長、競争力の強化につながってきたと、どのように評価しているのか、まずお伺いしたいと思います。

赤澤国務大臣 平成二十五年制定の産業競争力強化法は、過少投資、過当競争、過剰規制という我が国経済の三つのゆがみの是正が目的でございました。

 過少投資については、生産性向上設備投資促進税制は八万件を超える投資に適用されて、平成二十六年度からの三年間で民間企業の設備投資が八十兆円から八十七兆円まで増加したということが一つ実績かと思います。

 また、過当競争については、石油精製業や情報通信機器製造業など、幅広い分野の約百七十社が事業再編計画に基づく税制措置等を活用して、生産性向上に資する事業再編を実施しております。

 過剰規制については、グレーゾーン解消制度といった制度で約四百件の規制改革を強力に支援し、競争力強化に一定の貢献をしてきたという認識をしております。

 しかし、一方で、日本全体としてみれば約三十年間のデフレ経済ということで委員御指摘のとおりでありまして、企業がコストカットを重視する傾向に陥り、成長分野への国内投資や産業構造の転換が必ずしも十分には進んでこなかった。また、近年ではGXやAX、経済安全保障の分野に対する各国の産業政策も一層強化されているという環境の中であります。

 こうした中、我が国では、官民が連携し、二〇四〇年度二百兆円の国内投資を目指すという目標の下、投資促進策を講じていく方針であり、今回の法案は、こういった方針をしっかり具体化をするためのものとなっているところでございます。

東(徹)委員 今回の法案に私は本当に期待をして、この法案によって日本の経済が成長していくというふうになっていっていただきたいと思っております。

 その中で、次の質問に入らせていただきますけれども、現在の産業競争力強化法第十四条のところに、規制改革の推進というのが入っております。各種規制の在り方について、諸外国の規制の状況や、技術の進歩その他の事情を踏まえて検討を加え、その結果に基づき、規制の撤廃又は緩和のために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとするというふうにあります。

 規制改革というのは非常に私は大事だというふうに認識しておりまして、この規制改革のスピードを上げて、そして我が国産業の国際競争力を上げていくということは非常に大事でありますし、国民の利便性、生活水準の向上も図っていくべきだというふうに思います。

 経産省として、具体的にどのような規制に改革が必要であると、立法事実も踏まえてお答えいただければというふうに思います。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 産業競争力強化法では、新事業活動の創造につながる規制改革を推進するため、事業活動に制約を課すものを規制として広く捉えまして、事業者の方からの多様な規制改革の要望に応えながら新事業を支援しているところでございます。

 こうした問題意識の下、これを具体化する仕組みといたしましては、経済産業省におきましては、規制の適用を受けずに新技術の実証を可能にする、いわゆる規制のサンドボックス制度、それから、新事業に対する規制の適用の有無をあらかじめ確認できるグレーゾーン解消制度などを用いまして、事業者単位の規制改革を進めております。これは先ほど大臣から御答弁ございましたが、これまで約四百件の新事業展開を支援しているということであります。

 具体的には、この実績としては、フィンテックとかヘルスケアとかモビリティーなど、いろいろな分野で一つ一つ実績を出してきております。例えば、医薬品等の治験では、報告データの信頼性担保のため、薬機法におきましては人が対面で確認することを前提とした制度になっておりましたけれども、事業者からの御要望に基づきまして、このサンドボックス制度での実証を通じまして、ブロックチェーンを用いることで、対面でなくともデータの信頼性が担保できるとして社会実装に至った事例も出てきておりまして、こういったものを事業者の皆様方からいろいろと御要望、それから御相談しながら、一つずつ形にしていきたいというふうに思ってございます。

 高市政権全体におきましても、強い経済の実現、地方を伸ばし、暮らしを守るという二本柱で必要となるこの規制・制度改革、これを強力に進めていく方針と理解しておりますので、引き続き、関係省庁とも連携しながら、規制改革に取り組んでまいりたいと思っております。

東(徹)委員 しっかりと規制改革を進めていっていただきたいと思います。また、我々としましても、こういう規制をやはり何とかしなきゃいけないだろうという提案もしっかりとさせていただきたいなというふうに思います。

 続いて、今回の法案には、大胆な投資促進税制ということで、一定の場合には即時償却又は税額控除七%といった措置が含まれております。これは非常に大事ですし、私はこれに大きな期待をいたしておるわけでありますけれども。

 ただ、これまで、租税特別措置というのがありました。その成果は検証が十分僕はされてこなかったというふうに思っております。今回の投資促進税制はその効果がきちんと検証できる仕組みになるのかどうか、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 この大胆な投資促進税制につきましては、まさに今日御議論ございましたけれども、全業種を対象といたしまして、大規模で高付加価値な国内投資を促進することを目的としてございます。委員御指摘のとおり、EBPMの観点から、税制の政策の効果検証、これを行うことが極めて大事だというふうに認識しております。

 今回措置いたしますこの税制につきましては、産業競争力強化法改正案の中で新たに設備投資の状況に関する調査の規定を設けておりまして、投資金額や投資収益性の実績などを事後的に検証を行うことを予定しております。この税制が企業の国内投資の増加などにどの程度寄与するかについてしっかりと把握、検証しつつ、しっかりと投資促進を図っていきたい、このように考えております。

東(徹)委員 効果検証は非常に大事ですので、この投資促進税制によってどれぐらいの投資が進んできたのか、それによって経済がどう成長してきたのか、そういったことがしっかりと効果検証できるような仕組みを行っていっていただきたいというふうに思います。

 続きまして、日本貿易保険のことについて質問させていただきます。

 株式会社日本貿易保険、NEXIですけれども、貿易保険法に定められた政府全額出資の特殊会社で、定款では取締役の選定や解任に経済産業大臣の認可が必要となっておりまして、現在の代表取締役社長、副社長、専務取締役は全て経産省出身の方になっておるわけです。

 このNEXIという会社が今回の対米投資について非常に重要な役割を担っているというのはすごく理解をいたしておりますけれども、ただ、このNEXIの損益計算書を見ますと、経常経費の一つである営業費及び一般管理費ですけれども、令和元年、二〇一九年の五十九億九千三百万円から毎年これは増え続けておりまして、令和六年が八十九億五千六百万円まで膨らんできているわけですね。

 きちっと効率的な経営が行われていると思うんですが、この点、どうなっているのか、お伺いしたいというふうに思います。

小森大臣政務官 NEXIにつきましては、御指摘のとおり、営業費及び一般管理費の金額が増加傾向にあるというのは事実でございます。一方で、この金額の増加というのは、NEXIの保険引受けの規模が拡大することに伴うものでありまして、NEXIがニーズに沿って貿易保険業務を提供していく中で生じているものでございます。

東(徹)委員 貿易保険を行っていく中で生じているものということでありますけれども、しっかりと経営を見ていっていただきたいなというふうに思います。

 続いて、もう時間がないので最後の質問になるかと思いますけれども、SMRのことについてお伺いしたいと思います。

 日米政府の戦略的投資イニシアチブの第二弾は、最大四百ドルを投じてGEベルノバと日立製作所が米国南部のテネシー州とアラバマ州でSMR、小型モジュールの炉を建設するという内容が含まれております。

 以前、この経済産業委員会ですけれども、齋藤経産大臣のときに質問したんですが、当時の大臣の答弁では日本の地質の問題に課題が挙げられておりまして、SMRは、脱石油、脱炭素を実現していく上で、我が国でも重要な選択肢である以上、米国で先行させていくだけではなくて、日本でも進めていくということが大事だと思います。齋藤大臣の答弁は、日本の地質の問題があって、なかなか日本では行わずに海外でやっていくんだ、売っていくんだというふうなお話だったんですが、私はやはり、日本でこそこのSMRを導入して、そして海外に売っていくべきだというふうに思うんですが、この点について大臣の見解をお伺いしたいと思います。

赤澤国務大臣 御指摘の日米プロジェクトは、GEベルノバ日立が、日米の企業と協力して、テネシー州とアラバマ州において小型モジュール炉、SMRの建設を進めるものでございます。今後、更なる作業を経て投資の実施に至った際には、複数の日本企業がSMRを構成する重要な製品の供給を担うことが期待されています。

 このプロジェクトで採用される予定の炉型については、現在、国内での導入実績はないものの、カナダ・オンタリオ州では安全規制審査や建設準備が現に進んでいる先行案件が存在をいたします。今回の日米プロジェクトも、こうした先行事業で得られる知見を活用するものと考えています。

 また、国内にSMRを設置するに当たっては、日本の地震などの自然条件への対応の必要性や規制基準の明確化といった課題があるため、現在、日本企業の設計開発支援を行っているところでございます。

 加えて、今回のプロジェクトを始め、海外のSMR導入への参画で得られる知見は将来的に日本でのSMR導入にも資するものと考えておりまして、引き続き、国際連携での取組も後押しをしてまいりたいと思います。

東(徹)委員 私、最初に言いましたように、石油依存度を下げていくという意味におきましても、次世代の原発というのは非常に大事だというふうに思っております。SMRを含めて次世代の原発もしっかりと取り組んでいっていただきたいというふうに思います。そのことによって日本の経済の成長に資するように、我々としましてもしっかり取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る二十四日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る二十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三分散会


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