衆議院

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第7号 令和8年5月13日(水曜日)

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令和八年五月十三日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 工藤 彰三君

   理事 井原  巧君 理事 小林 史明君

   理事 新谷 正義君 理事 土田  慎君

   理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君

   理事 東   徹君 理事 鈴木 義弘君

      石坂  太君    伊藤信太郎君

      伊藤 達也君    井原  隆君

      今岡  植君    岩崎 比菜君

      内山 こう君    金澤 結衣君

      こうらい啓一郎君    小森 卓郎君

      今  洋佑君    斉木 武志君

      鈴木 淳司君    世耕 弘成君

      園崎 弘道君    田中 昌史君

      中川こういち君    永田磨梨奈君

      新田 章文君    東田 淳平君

      古井 康介君    細野 豪志君

      松下 英樹君    丸川 珠代君

      水野よしひこ君    三原 朝利君

      武藤 容治君    山下史守朗君

      山田 美樹君    山本 左近君

      山本 裕三君    落合 貴之君

      河野 義博君    原田 直樹君

      吉田 宣弘君    阿部  司君

      若狹 清史君    丹野みどり君

      伊藤 恵介君    牧野 俊一君

      河合 道雄君

    …………………………………

   経済産業大臣       赤澤 亮正君

   内閣府副大臣       岩田 和親君

   経済産業大臣政務官    小森 卓郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鎌谷 陽之君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局官房総括審議官)     塚田 益徳君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局官房審議官)       向井 康二君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            新発田龍史君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局参事官)            田部 真史君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   岡田 智裕君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        恩田  馨君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           今井 裕一君

   政府参考人

   (文化庁審議官)     梶山 正司君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大隈 俊弥君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         佐々木啓介君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           河野 太志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           今村  亘君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官)           佐々木雅人君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          畠山陽二郎君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局地方創生担当政策統括調整官)          宮本 岩男君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局長)            荒井 勝喜君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          野原  諭君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         木原 晋一君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        和久田 肇君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    山本 和徳君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           平嶋 壮州君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           鳥海 貴之君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           井崎 信也君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           田島 聖一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         服部 卓也君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局次長)         猪股 博之君

   政府参考人

   (国土交通省海事局次長) 河野  順君

   経済産業委員会専門員   花島 克臣君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十三日

 辞任         補欠選任

  古井 康介君     東田 淳平君

  細野 豪志君     内山 こう君

  武藤 容治君     山本 左近君

  山際大志郎君     金澤 結衣君

  山本 裕三君     今  洋佑君

  落合 貴之君     原田 直樹君

  牧野 俊一君     伊藤 恵介君

同日

 辞任         補欠選任

  内山 こう君     細野 豪志君

  金澤 結衣君     田中 昌史君

  今  洋佑君     山本 裕三君

  東田 淳平君     古井 康介君

  山本 左近君     中川こういち君

  原田 直樹君     落合 貴之君

  伊藤 恵介君     牧野 俊一君

同日

 辞任         補欠選任

  田中 昌史君     井原  隆君

  中川こういち君    新田 章文君

同日

 辞任         補欠選任

  井原  隆君     今岡  植君

  新田 章文君     三原 朝利君

同日

 辞任         補欠選任

  今岡  植君     石坂  太君

  三原 朝利君     武藤 容治君

同日

 辞任         補欠選任

  石坂  太君     山下史守朗君

同日

 辞任         補欠選任

  山下史守朗君     岩崎 比菜君

同日

 辞任         補欠選任

  岩崎 比菜君     山際大志郎君

    ―――――――――――――

四月二十八日

 原発ゼロ、石炭火力発電廃止など気候危機問題への抜本的対策に関する請願(畑野君枝君紹介)(第三八六号)

 原発を廃止し、再生可能エネルギーに転換する原発ゼロ基本法の制定に関する請願(田村智子君紹介)(第三八七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 連合審査会開会申入れに関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)


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     ――――◇―――――

工藤委員長 これより会議を開きます。

 この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。

 内閣委員会において審査中の内閣提出、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、内閣委員長と協議の上決定いたしますので、御了承願います。

     ――――◇―――――

工藤委員長 次に、内閣提出、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案の審査に資するため、去る十一日に、十五名の委員が参加し、千葉市内のJFEスチール株式会社及び産業団地の視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。

 まず、JFEスチール株式会社では、会社概要やGX戦略等について説明を聴取した後、カーボンリサイクル試験高炉等の視察を行い、同試験高炉で得られる知見の活用方針やグリーンスチールの市場形成に向けた取組の必要性について質疑応答を行いました。

 次に、産業団地であるネクストコア千葉誉田においては、視察の後、官民連携での産業用地開発を行う関係者と、企業が産業用地を選定する際に直面した課題や、行政が産業用地の整備候補地を選定する際に重要視する要件等について質疑応答を行いました。また、ネクストコア千葉生実における産業用地の造成現場の視察も行いました。

 以上が、今回の視察の概要であります。

 なお、最後に、視察に当たりまして御協力をいただきました関係者の皆様に深く感謝の意を表しまして、御報告といたします。

    ―――――――――――――

工藤委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房総括審議官佐々木啓介君外二十八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 おはようございます。中道の吉田宣弘でございます。

 本日も質疑の機会を賜りまして、心から感謝を申し上げたいと思います。

 本日、私の質疑ですけれども、この産業競争力強化法改正案始め、先日、参考人の皆様に貴重なお時間をいただいて、まさに貴重な御意見を賜ったところでございますので、その御意見に基づいて、今回、この改正案についてお聞きをしたいと思っております。また、時間が少しありますれば、その後、赤澤大臣の外交について少しお聞かせいただければと思っております。

 それでは、早速質疑に入らせていただきます。

 先日の経産委員会における参考人質疑で、私は澤田参考人に、日米戦略的イニシアチブのプロジェクトにおいてケアすべきことをお聞きをいたしました。この中で、私からは、プロジェクトが行われる地域住民とのコミュニケーションの重要性というものを指摘させていただいたところでございますけれども、澤田参考人からは、協議委員会の中、あるいはそれ以前ということになるとのことでした。そして、スクリーニングをしっかりやらないと、その後の変更リスクをバンカーや投資家が負うような悪循環になってはいけない、入口の協議会で、地元との連携などの外部条件もここで詰める、これがプロジェクトスキームの肝とおっしゃっておられました。私は、非常に重要な御意見だと思ってお聞きをしておりました。

 そこで、赤澤大臣にお聞きをいたします。

 この指摘、繰り返しですけれども、私は非常に重要だというふうに思っております。そこで、大臣の受け止めと、それから、経産省としてこの協議委員会にどのようにコミットしていくおつもりなのかについて答弁をお願いします。

赤澤国務大臣 おはようございます。

 委員御指摘のとおり、大変重要な御指摘だと思います。

 戦略的投資イニシアチブにおけるプロジェクトの選定に当たっては、委員がまさにおっしゃったように、協議委員会を通じて、収支相償、償還確実性、それから日本への裨益、メリットが見込まれることをしっかりと精査、確認を行うこととなっている、これは御案内のとおりです。

 先ほどの大変重要な委員の御指摘のとおりで、米国の地域住民との適切なコミュニケーション、これは非常に重要な要素の一つだと考えています。そのために、例えば三件発表しました第一陣のプロジェクトについても、実施に際して、事業を運営する事業者によって米国の現地住民への説明が適切に行われていることを確認をしております。

 引き続き、協議委員会を通じて日本政府の立場から確認すべき点をしっかりと確認をすることで、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながる案件の組成に取り組んでまいりたいと考えております。

吉田(宣)委員 大臣、ありがとうございます。特に、地域住民に、米国、事業者がしっかりコミットしているのかどうかについて確認をしているということは非常に安心するお話だというふうにお聞きをいたしました。

 次に、大橋参考人の御意見の中で、米国との戦略的投資イニシアチブは、我が国経済への波及効果のみならず、不可欠性を確保する上でも、リスクではなく、国内投資拡大の後押しをする機会にもつながるとおっしゃっておられました。

 また、峯村参考人は、小型モジュール炉に関するプロジェクトについて、制度が整っておる、そして市場があるアメリカでの先行投資をすることで実績を積み、技術と人材を守る、アメリカでの建設の実績を積み上げることによって、これを新たな産業につなげることができる可能性があるとお述べになられました。

 両参考人とも、この日米戦略的投資イニシアチブについて積極的に評価をされたものだというふうに私は承知をしております。

 そこで、質問に移らせていただきますが、私は、大橋参考人が述べられた不可欠性を確保することがこのプロジェクトにおいても重要であると考えております。特に、不可欠性を確保する上でも、リスクではなく、このリスクではなくというところの御意見が非常に私は重要だというふうに思っているんですね。

 そこで、この認識、不可欠性を確保するということはそもそも何なのか、経済産業省の御見解をお聞きしたいと思います。

荒井政府参考人 お答えさせていただきます。

 委員御指摘の経済安全保障の強化に向けた不可欠性の確保、これは、国際的な産業構造の中で、我が国の技術や製品などが不可欠である、そうした分野を拡大することを意味する、そのように認識をしてございます。

 例えば、戦略的投資イニシアチブの第二陣、この中には、小型原子炉、いわゆるSMRですね、この案件が含まれてございます。SMRを始めとしました次世代革新炉の開発、設置、これは我が国のエネルギー政策上大変重要なものでございまして、さらに、制御棒の駆動装置など、SMRのプロジェクトにとって不可欠な機器、部素材、これを日本企業のみが供給できる、そうしたことが期待をされてございます。

 そうした取組を通じまして、本イニシアチブにより、日本企業の輸出機会の拡大や我が国国内の原子力産業の基盤強化を実現する、そしてこの分野において日本が不可欠性を確保する、そうしたことに貢献するものであると考えてございます。

 委員御指摘のとおり、こうした不可欠性、そうした観点を十分に考慮しながら、今後、案件の形成に努めてまいりたいと考えてございます。

吉田(宣)委員 重要な御認識をいただいたというふうに思っております。この不可欠性、これが仮にないとすると、これはリスクにつながるんだろうという御意見だと思いますので、また今後ともしっかりよろしくお願いしたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 さらに、大橋参考人は、こうした国内投資の拡大の機会を地域の活性化の機会とすることで、地域が苦しむ労働力不足や人口減に対する課題の同時解決を目指す視点が重要と指摘をされておられます。これは、別に日米戦略的投資イニシアチブということではないというふうには思っておりますけれども。

 そこで、本産業競争力強化法案の改正、その成立後の運用で、地域が苦しむ労働力不足や人口減に対する課題の同時解決、これは私は意外と時間がかかるんじゃないかというふうには承知はしておるところでございますが、しかし、そのような視点で今後私自身も考えていかなければいけないというふうに感じております。

 非常に重要な視点で御意見だと感じますけれども、赤澤大臣の御所見をお聞かせいただければと思います。

赤澤国務大臣 まさに御指摘のとおり、中長期的な課題としても捉えていかなきゃいけないと思っています。

 これまでの積極的な産業政策の取組も相まって、国内投資が現在拡大している中であります。この動きを地方に引き寄せ、魅力的な仕事の創出と新たな人の流れを生み出し、地域経済の活性化につなげていく必要があります。

 実際に新たな投資による工場や事業所が地域に立地するためには、まず、その受皿となる産業用地の確保に加えて、労働力の確保が課題となっております。こうした産業の担い手の確保に資する生活基盤の維持が必要となります。

 こうした中長期的な課題に向き合うため、本法改正を通じ、設備投資促進策と併せて、産業用地の確保とエッセンシャルサービスの維持を両輪で進めるための制度的枠組みを設けることといたしました。

 経済産業省として、こういった中長期的な困難な課題から目を背けずに、自治体ともよく連携しながら、じっくりと腰を据えて取り組んでまいりたいと思います。

吉田(宣)委員 非常に重要な答弁をいただいたと思っております。制度的な枠組みとして捉えていくというふうなことでございますから、これは構造的に、恐らく労働力不足と人口減に対する課題の同時解決というものがしっかりと目指されていくんだというふうに私は確信をいたしました。どうかよろしくお願いしたいと思います。

 次に、また大橋参考人の御意見からでございますが、国内投資拡大の機会の前で、工場立地のニーズは二〇〇八年のリーマン・ショック以来低迷して久しく、工場用地の確保にノウハウを持つ人材育成も含めた新たなてこ入れが必要になっています、二〇〇八年と比べて、工場用地は水以外にも電力などが必要となり、また、データセンター立地といった新たな需要に対しても、工場用地に求められるスペックは上がってきていると言えますとお述べになられておられます。

 この点、本改正案では、地域経済牽引事業の用に供されるデータセンターに対する工業用水の供給が義務づけられるなど、大橋参考人の指摘が満たされていると評価をしております。

 大橋参考人のこの後の発言も非常に重要で、本来、こうした工業用地の造成、提供は、基礎自治体や都道府県が役割を担うものと考えられます、しかし、進出を検討する企業にとって、自治体ごとに異なる手続や仕様となるよりは、共通した一定の標準化や規格化が望ましい部分もあり、産業基盤の整備を自治体とともに国が立案、調整する仕組みが望まれますとお述べになられておられます。

 そこで、お聞きしたく存じますが、大橋参考人が述べられた、共通した一定の標準化や規格化が望ましい部分もあり、産業基盤の整備を自治体とともに国が立案、調整する仕組みが望まれるという意見に対して、本改正案はどのように応えているのか、経済産業省からお答えいただければと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 産業用地の整備に当たりましては、地域特性やインフラ整備状況を踏まえながら、どのような企業を誘致したいかを見定めることが重要であり、地域経済に密着している自治体が主体的に取り組むことが重要というふうに考えています。

 他方、産業用地整備を行う上で、自治体で共通して対応が必要となる事項について、考え方や情報を整理することも重要ということだと思います。

 今般の改正法案では、産業用地整備を行う場所の選定方法や企業誘致の進め方など、自治体において共通して対応が必要な事項の考え方を示すこととしておりまして、自治体の産業用地整備計画には基本方針との適合を求めてまいりたいというふうに考えております。

 このほか、経済産業省としましては、産業用地整備に当たり、一般的に必要となる取組や先進的な事例をまとめた「自治体担当者のための産業用地整備ガイドブック」を公表しておりまして、活用促進を図っているところであります。

 こうした取組も含めまして、産業用地整備に当たり、自治体において必要となる対応が着実に行われるよう、国としても後押しをしてまいりたいと考えております。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 リーマン・ショック後なのか、デフレ下で各自治体が工場用地、産業用地を造成するためのノウハウというのを随分失っていったというふうな歴史的な経緯があろうかと思いますので、そういったことも含めて、しっかり国と自治体が連携を取って、自治体ごとにばらばらということではなくて、一定程度、標準というふうなことも含めて、基本方針も策定をされてお示しになられるということもありましたので、是非スムーズな展開ができますように、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、大橋参考人は、今回、エッセンシャルサービスとして主務大臣が認定、支援する制度は、産業政策の地域版と言えるもので、工場立地に並んで、これまでにない取組と言えます、自治体においても、商工、労働、交通、医療、介護など、様々な課が横串で考えていく必要があり、今回の法改正における地域産業政策は、国と地方との責任分界点の在り方、行政内における所掌、分掌の在り方に対して、より実態に合った取組を促すための一石を投じるものと思いますと、積極的に評価をされておられます。

 そこで、お尋ね申し上げますけれども、本改正案ではどのように、国と地方との責任分界点の在り方、行政内における所掌、分掌の在り方に対して、より実態に合った取組を促すことができるのか、御説明をいただきたいと思います。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 エッセンシャルサービスは、産業の担い手の生活基盤として不可欠であります。その維持は、我が国の産業の持続的発展にとって非常に重要だというふうに考えております。このため、経済産業省といたしまして、少子高齢化という長期的、構造的な課題を直視し、業種横断的な政策対応を講ずることにしたものでございます。

 一方、エッセンシャルサービスの需給状況を始めとした各地域の状況は、地域の事情に精通した自治体において、より詳細に把握されているというふうに認識をしてございます。また、その供給の在り方は、生活者のニーズや供給事業者の状況を把握している市町村を始めとする自治体の判断が尊重されることが重要であろうというふうに考えてございます。

 このため、認定制度におきましては、国が実施指針において認定基準を示すとともに、地域の実情を踏まえて、需要、供給両面に近い市町村長が認定を行うことを基本としたいというふうに考えてございます。その上で、事業計画の広範さに応じて区分を設けまして、都道府県知事及び主務大臣も認定を行う行政庁という枠組みにしてございます。

 エッセンシャルサービスは小売業や公共交通など多岐にわたることでございますので、今後、更に各省の政策の連携を一層強化いたしまして、エッセンシャルサービスの供給の持続性確保のための政策の実効性を高めてまいりたいというふうに考えてございます。

吉田(宣)委員 丁寧な御説明を感謝申し上げたいと思います。非常に難しい課題に挑んでいくんだろうというふうに思っておりますので、私も地元も持っております、そういった地元の実情というものをしっかり皆様方にお伝えしながら、国政において、また県政において、市政、町政、村政において、十分に、合理的に、また効率的に展開できるようなことを、是非これからも、私も追っかけていきますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。

 次に、更に大橋参考人でございますが、今度は政策評価に関してでございます。

 経済安全保障にひもづく産業政策や地域産業政策は、どれも過去の知見が十分でなく、文献調査を踏まえても、特定の事例の効果を予測し切れるものではありません、その点で、あらゆる政策がそうであるように、未知の事象に対応する実験的な要素があります、とはいえ、実験から学べることも多くあるはずであり、評価のための評価というよりは、次の立案に生かすための評価として、政策実施の振り返りはしっかりと定量的なエビデンスを取って行っていただきたいと思っておりますとお述べになられました。そして、国会においてもEBPMの取組を包括的に監視、フォローすることも有益であるとの御指摘をいただきました。私自身、宿題をいただいたものだというふうに承知をしております。

 国会における取組というものは私ども国会議員の側に問われるべき課題ではありますが、大橋参考人は政府と国会の双方に御指導いただいたものであるというふうに推察いたします。

 そこで、赤澤大臣に答弁をお願いしたく存じますが、本改正案が成立をし執行された後には、定量的なエビデンスを取って政策評価とともに今後の政策立案に生かすべきと考えますが、お受け止めをお聞かせいただければと思います。

赤澤国務大臣 御指摘のとおりであります。今後の政策立案に生かすためにも、エビデンスをもって政策実施の振り返りを行うことは極めて重要であると承知をしております。

 今般の法改正でも、講ずる措置の政策効果を高めていくため、新設する調査規定に基づく実施状況の検証、それから、既存、新規の計画における目標の設定や、その達成状況のフォローアップを通じて、政策のPDCAを適切に回してまいりたいと思います。

 例えば、大胆な投資促進税制については、設備投資の状況に関する調査の規定に基づき、経済産業省として、投資金額や投資収益性の実績について事後的に検証を行うことを予定しております。

 本税制が企業の国内投資の増加にどの程度寄与するかについて、しっかりと把握、検証してまいりたいと思います。

吉田(宣)委員 大臣、ありがとうございます。特に税は本当にそのとおりだというふうに思っております。

 それで、私も経済産業省で仕事をさせていただいた経験から申し上げますと、やはり経済産業省というのは非常にアクティブな省で、非常に、時流に乗ったというか、時流を追っかけて、すごく積極的に、前向きに前向きにどんどん仕事をするという印象を持っておりますが、一方で、どんどんどんどん追っかけるだけで後を振り返らないというふうな、そういったイメージも、正直、歴代の先輩方、それから私自身も仕事をして感じるところでもありますので、是非ともEBPMを回し、振り返り、そして今後の政策立案というふうなことに関しては、是非とも前向きにこれに取り組んでいただければというふうに思うところでございます。

 それから、加えて、また大橋参考人の御意見からでございますが、産業政策は競争政策の補完的なツールとなっています、また、競争政策にて地域が直面する課題に対応し切れない部分を地域産業政策が補っているものと思います、そして、平成十年の中央省庁等改革基本法において競争政策は経済産業省の所管としないこととされており、こうした制度の仕切りが時代に追いついていないことが根本的にあるものと思いますと指摘をされました。

 そこで、私も中央省庁等改革基本法の条文を確認をさせていただきましたが、同法の二十一条十号には、「独占禁止政策を中心とした競争政策については、引き続き公正取引委員会が担うものとし、経済産業省の所管としないこと。」と書いてありました。なるほど、この条文を指して大橋参考人は御指摘されたのかなとも思いました。

 そこで、確認の意味でちょっと御質問させていただきますけれども、条文上は「独占禁止政策を中心とした競争政策」とありますので、その反対解釈としては、独占禁止政策を中心としない競争政策は経産省の所管とすることができるという理解でよろしいのかどうかについて、これを念のために、公正取引委員会とそれから経済産業省、両方から答弁をいただければと思います。

塚田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の中央省庁等改革基本法第二十一条第十号の規定の趣旨でございますが、経済産業省を含む事業所管省庁が、独立行政委員会である公正取引委員会の所管する独占禁止法等の運用に関して、公正取引委員会の判断を拘束したり、あるいは独占禁止法等の適用範囲ついて変更を加えたりするような政策決定を行うことは認められないというものであると承知しております。

 他方で、事業所管省庁においても、それぞれの設置法や所管する業法等に基づいて、例えば所管する産業において新規参入を促進する取組など、事業者間の競争を促進するための取組を行うことがございます。

 御指摘の中央省庁等改革基本法第二十一条第十号の規定につきましては、事業所管省庁がそのような競争活性化のための政策を講じることを妨げるものではないと承知しております。

河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。

 一般的な用語としての競争政策ということになりますと、幅が広く、その外延が必ずしも明確でないところもございますので、少し端的にお答えすることが難しい部分があるということは御理解いただけたらとは思います。

 その上で申し上げますと、今、公正取引委員会さんの方からも御説明がございましたけれども、例えば経済産業省の設置法というところで見ますと、「市場における経済取引に係る準則の整備に関すること。」という規定がございます。この規定に基づきまして、例えば不正競争防止法ですとか企業買収における行動指針といった事業者間の公正な競争に関するルールを、これは経産省の所掌事務として作っているということでございます。

 また、必要に応じて公正取引委員会とも連携しながら、いわゆる産業所管省庁として、事業者の競争環境を踏まえて、産業政策ですとか競争政策というのを行っているところでございます。

吉田(宣)委員 確認の意味で答弁いただきましたけれども、私自身は、やはりこれは法に基づく非常に構造的なお話であろうというふうに思っておりますので、何か感想を答弁するのではなくて、議事録をしっかり読ませていただいて、その上で今後の私の仕事に生かさせていただければと思いますし、私自身、先日来、この経産委員会で、国際標準化とかオープン・アンド・クローズ戦略など、経産省の政策の中で、自分の理解では国際競争に勝ち抜くための競争政策について取り組んできたというふうな思いもありましたものですから、念のため確認をさせていただいたところでございます。

 その上で、大橋参考人は、産業政策と競争政策を異なる府省の所管と切り分ける結果、エッセンシャルサービスの維持に支障の出ることがないよう、是非機会を見つけて御検討いただければと思っていますとお述べになられました。非常に重要な御指摘であるというふうに感じておりますけれども、本改正案とあえて離れてで結構でございますから、赤澤大臣からこの大橋参考人の御意見に対するお受け止めをお聞かせいただければと思います。

赤澤国務大臣 人口減少下における地域のエッセンシャルサービス業については、合併や業務提携を通じてサービス提供を維持する場合があります。そういった中で、将来的に産業政策と競争政策とのバランスの取り方が課題となることはあり得るということで認識をしております。

 地域が直面する実態に寄り添いつつ、そうしたニーズを把握した場合には、公正取引委員会とよく連携をしながら対応を検討してまいりたいというふうに思います。

吉田(宣)委員 先ほど参考人の皆様から御答弁いただいたところと、やはり、単純になのか、それとも法に抵触をするというふうなことがあり得るのかなというふうなイメージですので、そこをしっかり整理整頓をしていただいて、目的を達成していただけるように是非ともお願いしたく存じます。

 次に、今度は澤田参考人の御意見からでございます。

 冒頭も澤田参考人の御意見を質問させていただきましたけれども、澤田参考人は、我が国企業のサプライチェーンの強靱化に資する、この貿易保険法の改正、これを時宜を得たものであると考えておりまして、大いに賛同いたしますとお述べになられました。また、バンカブルなプロジェクトの組成、実施を通じて、我が国企業にとって様々なビジネスチャンスが創出されることを歓迎いたしますと、本改正案を高く評価をされておられました。

 その上で、他方、民間金融機関はドル調達を行わなければなりません、つまり、為替変動、円安へのリスクという点が実は内在しておりまして、是非とも、例えばではございますが、米国の銀行も参画できるような、そのような仕組みづくりが重要な鍵を握るのではないかと考えておりますと、貴重な御意見を賜りました。重要な鍵を握るということでございます。

 そこで、この澤田参考人の御意見に対する経済産業省の御所見をお聞かせいただければと思います。

荒井政府参考人 お答えさせていただきます。

 本イニシアチブに関するプロジェクトへの資金拠出につきましては、その進捗に応じて段階的に行うことになる、そういうものであると考えてございます。したがいまして、一度に為替に大きな影響を与えるような外貨調達が発生するものではないというふうに認識をしてございます。

 もちろん、各民間金融機関におけます具体的な外貨調達手法につきまして、経産省として詳細を把握しているわけではございませんけれども、一般論として申し上げますと、政府としても、民間金融機関が負担を感じずに安心してプロジェクトに参画できる、そうした環境を整えることが戦略的投資イニシアチブを成功に導く上で大変重要だと考えてございます。

 その上で、澤田参考人及び委員から御指摘いただきました点につきましては、米国の銀行も本イニシアチブにおける資金提供に参画可能でございます。むしろ外貨調達の観点から歓迎すべきことと考えておりまして、実際にコミュニケーションを日々取っているところでございます。

 民間金融機関の要望についてもよく話を聞きながら取り組んでまいりたいと考えてございます。

吉田(宣)委員 御答弁ありがとうございます。

 NEXIでしっかりこのような貿易保険という形で裏支えというものは行われるわけでございますが、投資をされる主体は民間なんですね。ですので、しっかり民間の投資案件を成功に導くような、そういった動きを経産省としても頑張っていただきたいと思いますし、繰り返し私は指摘しているんですけれども、これは失敗すると国民負担に跳ね返ってくるということが一番私は恐れることでありまして、そういった意味からすれば、絶対に失敗させてはいけないというふうに思っておりますので、失敗させないという意味合いにおいては私も積極的に協力をしたいというふうに思っておりますので、是非どうかその点だけよろしくお願いしたいというふうに思っております。

 次に、澤田参考人は、特に、州政府が実質的には規制あるいは対応していくことから、知事との対話を重視しておりまして、アメリカ委員長といたしましても、米国に経団連ミッションで伺う際は、議員の先生方のみならず、特に全米知事会への出席等を行っておりますとお述べになられました。経団連として、また民間として、このように本当に様々な御努力をなされていることをかいま見た気がしております。米国に投資をするに当たって、安定的かつ予見可能な投資環境の整備への御努力だというふうに思います。深く敬意を表するものであります。

 そこで、このような御努力を全て民間に任せるということではなくて、米国州法への研究や、一番最初に質問で触れさせていただきました地域住民とのコミュニケーションなど、経済産業省としても何がしかの役割を果たすことによって、今申し上げた安定的かつ予見可能な投資環境整備に資することになるのではないかというふうに私は考えておりますけれども、経済産業省からお受け止めをお聞かせいただければと思います。

荒井政府参考人 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のとおり、アメリカの州法に関する情報収集、それから米国住民とのコミュニケーション、これは大変重要なことだと考えてございます。

 こうした取組は基本的にはアメリカ側で行われることが期待されておりまして、了解覚書に基づきまして、アメリカ側が土地や水、エネルギーの提供、引取り契約といったものを行いますが、これのみならず、規制プロセスの迅速化を含めて様々な貢献を行うことというふうにされております。

 その一環として、州政府とのコミュニケーション、これも大変大事なことだと思っております。そうしたアメリカ側の貢献は、良好な投資環境の整備に直結するものでありまして、プロジェクトの成功に向けて重要であると考えてございます。

 委員から御指摘ありましたとおり、さらに、日本政府としても、全てを民間に委ねる、そういうわけではなくて、アメリカ側に州政府とのコミュニケーションを含めて必要な取組を求めていく、そうしたことに主体的に取り組んでいきたいと思っております。

 更に申し上げますと、経産省が所管するジェトロでございますが、ジェトロは、アメリカ国内に六つの事務所を持ちまして、州政府や地方政府とも日々緊密に連携をしております。委員から御指摘ありました全米知事会などとも連携をしているところでございます。

 必要に応じて、こうしたジェトロの持つネットワークも活用しながら、アメリカの連邦政府、州政府、それからその下の地方政府、それと日本企業との円滑な連携を促進をして、安定的かつ予見可能な環境整備につなげていきたいと思ってございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 アメリカの州の状況というのは私はつぶさに存じ上げているわけじゃないんですけれども、例えば日本で考え合わせたときに、やはり様々な地域住民の御意向というものがいろいろな政策に対して影響をするのは、もう御承知のとおりだと思います。知事がなかなか御理解を示してくださらないがゆえに進まないプロジェクトも、あえて申し上げませんけれども、あるわけでございまして、そういったところについてもしっかりケアを経産省として行っていただくことによって、この戦略的イニシアチブプロジェクトが成功に向かっていくんじゃないかなと思いますので、重ね重ねよろしくお願いしたいと思っております。

 それから、残りの時間がもう僅かになってまいりましたが、この僅かな時間を使って赤澤大臣の外交活動について質問をさせていただきたいと思います。

 赤澤大臣は、五月四日にサウジアラビアのファイサル外務大臣と会談をされ、五月五日にはUAEのジャーベル産業・先端技術大臣と会談をされておられます。経済産業省のホームページから概要も確認することができました。タイミング的に非常に重要な出来事として、UAEのOPEC脱退というニュースが飛び込んできた直後ということもありまして、赤澤大臣におかれましては非常に神経を使われたことであろうと推察をするところでございます。後ほど質問させていただきますが、非常に重要なエネルギー外交交渉で成果を得てこられたというふうに、私は大臣の仕事を高く評価しております。

 その上で、あえて質問をいたしますが、エネルギーを所管する経済産業省として、このUAEのOPEC脱退は日本のエネルギー政策にどのような影響があると認識しておられるのかについて、これはお答えできる範囲で結構でございますから、御答弁をお願いしたく存じます。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 UAEのOPEC脱退についての報道は承知してございますけれども、他国の決定についてコメントすることは差し控えたいと存じます。

 政府といたしましては、引き続き、国際的なエネルギー市場の動向、それから物価高を含む我が国経済に及ぼす影響について、緊張感を持って注視してまいりたいと考えてございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 次に、経産省のホームページを拝見させていただいて、UAEについてちょっとお聞きをしたいんですけれども、五項目、例えば、一つは原油等の安定的な供給拡大というものが入っているわけですが、五項目について赤澤大臣から提案をされて、全ての提案について前向きに具体化に向けた議論を進め、エネルギー強靱化に向けた協力を更に進展させる基本的な方向性について一致をしたと報告がされてありました。大変大きな成果であったのではないかというふうに感じております。感謝申し上げたいと存じます。

 もちろん、UAEの最大の原油輸出先は日本であることもあるかもしれませんし、ジャーベル大臣は、産業・先端技術大臣であると同時に、アブダビ国営石油会社、ADNOCのCEOであり、日本担当特使でもあり、大変な親日家であるということもあるかもしれません。これらの条件に加えて、UAEとは、本年三月に、日・UAE包括的経済連携協定、CEPAという名前で呼んでおりますが、これが交渉妥結に至っております。

 これからの日本のエネルギーの安定供給を確保するためにも、これら日・UAEの良好な関係性は、今のイラン情勢の緊迫化にかかわらず、これはこれからも継続をされていくべきというふうに私は考えております。

 そこで、今般の赤澤大臣のUAE訪問の具体的成果と今後のエネルギー供給に対する決意について、これはあえて、ある意味、大臣に御答弁いただきたいと思いますが、別の思いもありまして、政府参考人にちょっと答弁をいただこうかなというふうに思っております。そういうこととして、今申し上げた成果とそれから決意について御答弁いただければと思います。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 連休中、高市総理の親書を携えまして、赤澤経済産業大臣はUAEに出張したところでございます。

 UAEでは、ジャーベル大臣に、高市総理からの親書に基づきまして、原油等の安定的な供給拡大、産油国共同備蓄の迅速な補充、日本国内における原油備蓄の増加、パワー・アジアに基づくアジア各国での原油備蓄の拡大、それから、原油生産、輸送能力の回復、拡大や、代替ルートの建設に関する連携について提案を行いまして、前向きに具体化に向けた議論を進めまして、エネルギー強靱化に向けた協力を進展させる基本的な方向性について一致をできたところでございます。

 引き続き、我が国の安定供給の確保とともに、生産国と消費国との協力の下での新たなサプライチェーンの構築をリードしてまいりたいと考えてございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 実は、私はジャーベル大臣とは政務官時代に三回、一年間の間にお会いしておりまして、様々な意見交換もさせていただいたところでございます。非常にクレバーな方でございまして、UAEが、原産国ということで、これから、自国の未来について、石油、原油ということだけで生きていけるのかということに関して非常に深い問題意識をお持ちの方であるというふうに承知をしております。

 そういった意味におきまして、日本が持っているGX技術、これに深い関心を持っておられることを私はお聞きをしました。そういった意味におきましても、まだまだ、エネルギーということではなくて、GXということの取組についてもジャーベル大臣とは日本は連携ができるんじゃないかなというふうに思っておりますので、是非そういったことも含めて、私がかつて仕事をした経験に基づいて申し上げましたけれども、経産省として、また赤澤大臣としても御努力いただければというふうに思います。

 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

工藤委員長 次に、河野義博君。

河野(義)委員 中道改革連合、河野義博です。

 赤澤大臣、ゴールデンウィーク期間の御出張、大変お疲れさまでございました。大臣が外遊するという論調で新聞に書かれることがありまして、私は大変な違和感を持って見ています。やはり国のリーダーが海外に出ていかれるということは非常に大切なことであって、高市政権の各大臣が分担をしていろいろなところに行かれた、まさに国益に資する取組であろうと私は思っています。

 昔、商社に勤めていました。まだハラスメント気質が色濃く残る時代でございまして、出張申請を出しますと、報告書を書いてから行けと言われました。どういうことですかと聞くと、おまえ、成果を約束してから出ていけ、おまえを出張に出すのに幾らかかっていると思うんだと、そういうエキセントリックな上司が少なからずといいますか、たくさんいた時代でございました。

 駐在してからも、一番大変なのは会社の偉い人が現地に来ることであります。彼らも手ぶらで帰すわけにはいきませんので、来ると決まったら、何らか合意をさせて、お土産を持って帰らせないといけないということで、やはり偉い人が現地に来るということは物事を動かす上で非常に大切なテーマでありますので、こうして大臣が現地に行っていただくということは非常に大切なことだろうと私は思っています。

 その上で、改めてでありますが、今回、中東、ヨーロッパに御出張いただきましたが、その成果を端的に御報告いただければと思います。

赤澤国務大臣 中東では、サウジアラビアのファイサル外務大臣、それから、アブドルアジーズ・エネルギー大臣、UAEのジャーベル産業・先端技術大臣兼ADNOC・CEO兼日本特使と会談をいたしました。

 私から、両国に高市総理の親書を踏まえ提案をし、我が国への原油安定供給の拡大、それから日本やアジアでの備蓄協力の拡充、そして代替ルート協力という新たな連携について、前向きに具体化に向けた議論を進め、エネルギー強靱化に向けた協力を進展させる基本的な方向性について一致できたところです。特にサウジアラビアとは、協力具体化に向けたタスクフォースの立ち上げをその場で合意をし、帰国後でありますが、一昨日、十一日の月曜日に早速第一回会合を事務レベルで開き、テーマやタイムラインを議論したところです。

 中東訪問では、特定国が世界にエネルギー制約を課し、経済的威圧を行う動きに対し、生産国、消費国が総力を挙げて無効化しようという新しい構造、機運、そういったものが生まれつつあるということを認識をしました。

 欧州では、G7貿易大臣会合で、恣意的な輸出制限を含む経済的威圧、特定国がやっているものでありますが、これに対する深刻な懸念の表明を盛り込んだ閣僚声明を発出をいたしました。

 日・EUハイレベル経済対話では、経済安全保障等の幅広い分野で協力の進捗を確認したところです。また、EUの鉄鋼製品の関税引上げや産業加速法案への懸念を強く申し入れ、今後議論を継続することで一致し、共同プレスリリースを発表しました。

 また、G7重要鉱物閣僚会合、これはオンラインで行いましたが、サプライチェーンの多角化が喫緊の課題であり、代替供給源形成支援の加速が必要である旨、確認をいたしました。

 今回の出張で築いた各国の閣僚との関係性や、得られた情報、知見を生かして、我が国のエネルギー安定供給、競争力の強化という国益の実現につなげてまいりたいと考えております。

河野(義)委員 ヨーロッパの話は次の質問でもお伺いしようと思いますが、特に中東、サウジにとってもUAEにとっても、日本に原油が出せないということは彼らにとっても大変大きな影響があるんだろうと思います。

 UAEとしてはフジャイラ経由で出す、サウジからは紅海側から出す、パイプラインを使って出すんだと。経産省からは、これまで報告で、このパイプラインを使って出していく、パイプラインの確保に努めていくということを累次にわたって説明を受けています。フジャイラはフジャイラで危険な地域であります、紅の海は紅の海で日系船舶が通れないほど危ないような状況ということでありますが、この代替ルートに関して、特にサウジ側ですが、タスクフォースは立ち上げられたという成果はありますけれども、具体的な議論といいますか、どのぐらいのタイミングでどのぐらいの量を出すというのは、そういう議論というのはなされておられるんでしょうか。

赤澤国務大臣 これは必ずしも御通告があったかどうかというところなんですが、一つ是非委員に御理解いただきたいのは、どこの港湾から積み出すとか、どれぐらいの量を今後例えば増やすとか、そういう議論は具体的に余り表に出さないでくれということを産油国から言われております。恐らく、だから、攻撃している国を刺激をするということを恐れているのかなというふうに思いますが。

 そういう意味で、ここの、国会の質疑ということになると公中の公であり、オープンの中のオープンという感じでありますので、具体的な議論をどこまでしたのかというのはちょっとお話がしづらいところはありますが、ただ、先ほど、冒頭強調したとおりで、攻撃している国が例えば海峡封鎖して、中近東諸国の輸出に迷惑をかける、アジアでの原油の供給に大変な支障を生じる、サプライチェーンを毀損する、そういうことは極めてけしからぬことであって、産油国、消費国が力を合わせて、総力で無効化しようということは、機運が盛り上がってきているということは申し上げたとおりでありまして、本当に具体的なことが申し上げられないのは恐縮なんですが、かなり具体的に、こういうことをやって攻撃国の試みを今後無効化していこうということについて突っ込んだ話合いをしているということは申し上げられると思います。

河野(義)委員 ありがとうございます。

 具体的なお取組、協議がなされたということで伺いました。確認することができました。

 次の質問に移りますが、貿易に関して一問伺いたいと思っています。

 戦後、私たちの国際秩序を支えてきたのが自由貿易だったと私は考えています。現代文明の礎でもあったんだと私は考えていますが、今、その自由貿易が音を立てて揺らいで、崩れ落ちています。その担い手だったはずの超大国は、自ら掲げてきた原則を棚に上げて、露骨な自国優先に傾斜していきます。単なる通商政策の変化ではなくて、戦後秩序そのものの変質であると私は危機感を抱いています。ヨーロッパも、保護主義を本当に今強めていて、大きくかじを切っている状況。

 こうした世の中の潮流に対して、日本は、ただ従来の理念を繰り返すだけで我が国の国益が守れるとは私は思いません。むしろ、今こそ日本が主体的にルールを形成して、そして自由で開かれた経済秩序を次の世代につないでいく、こういう責任があると考えますが、今後の通商政策、どのように担って、かじ取りをされるおつもりでしょうか。

赤澤国務大臣 一言で言うとハイブリッドな通商戦略ということをG7の会合とかでも申し上げて、ほかの国からも、それは我が国のやろうとしていることも同じだというような御発言もいただいたところであります。委員の御指摘、本当に問題意識を私は共有するものでありまして、今回の中東出張を通じて、ルールベースの国際秩序の維持強化や国際連携の重要性について改めて認識をしたところであります。

 御指摘の超大国の動き、特定の国の経済的威圧もあります。そういったことへはしっかり対応せざるを得ないんですけれども、ただ、やはり、有志国と連携して、我が国あるいは、委員おっしゃるとおり、世界経済がよって立つ自由貿易と法の支配、これもしっかり推し進めていくということで、ハイブリッドな通商戦略、超大国の動きに対しては、あるいは特定国の経済的威圧に対してはきちっと対応しながら、しかしながら自由貿易と法の支配を最大限有志国と連携して実現していくハイブリッドな通商戦略、この展開が重要だと思います。

 具体的には、米国との関税交渉のように、交易条件やビジネスの予見性の観点で、我が国が他国、地域に劣後しないような、一言で言えば最恵国待遇が得られるような、そういう取組をして担保していく、あるいは、特定国による経済的威圧については、重要鉱物のサプライチェーン強靱化など、有志国による連携を強化する、そういった現実的な対応はいたします。

 一方で、ルールベースの国際秩序の維持強化のためには経済連携の強化が不可欠で、特に、委員も念頭に置いておられると思いますが、日本が主導して成立させたCPTPPの戦略的活用などが重要だと思っています。締約国の戦略的拡大に取り組むとともに、サプライチェーン強靱化といった分野での協定のアップグレードも主導していきたいというふうに思っています。

河野(義)委員 商社に勤めていましたので、外交を分かった気になっていましたが、議員になってすぐTPPの話がありました。そのときに、改めて外交というのは極めて難しいなと思いました。商売であれば、契約をして、お金を払って、物が来ればそれで終わるし、契約書の中には専属裁判所が定められていて、ニューヨークなのか、ロンドンなのか、東京なのか、そこで裁判ができるということになっていますが、外交というのは取決めがあってないようなものであります。アメリカと日本で主導してきたTPPが、まさかアメリカが出ていくなんて思ってもみませんでした。商売でそんなことをすれば莫大な損害賠償を負わされて、そんなことはあり得ないわけでありますが、外交の世界というのは、こういうことが、考えられないようなことが日々起こっていく。外交の要諦というのは、私は日本自身の国力を高めていくことなんだろうというふうに考えております。

 ちょっと前置きが長くなりましたが、法案の中身に入らせていただきたいと思います。

 前回、産業競争力強化法の質問をさせていただきました。今日は、地域未来投資促進法と貿易保険法に関して質問をさせていただきます。

 まず、地域未来投資促進法ですが、データセンターに関しましてで、データセンターに対する支援策が盛り込まれています。

 そのこと自体は非常に重要な取組でありますし、余っている工業団地に、じゃ、どう使うのか、データセンターを誘致するようにしますというコンセプト自体否定するものではありませんが、ちょっと一回立ち止まって考えた方がいいんじゃないかなと思っていまして、グランドデザインが大切だろうと思います。特に、国益に資するようなデータセンター誘致に取り組んでいくべきだと私は考えます。

 そのまず前提条件を確認したいと思いますが、データセンター市場の現状、そして今後の課題について、どのようにお考えでしょうか。

野原政府参考人 総務省が出されている情報通信白書によりますと、日本のデータセンターサービスの市場規模は、二〇二三年時点では二兆七千三百六十一億円、二〇二八年には五兆八百十二億円に達すると見込まれております。

河野(義)委員 五兆円産業といえば、我が国の規模でいいますと、鉄鋼業界でありますとか半導体産業ですとか、そういった非常に重要な産業の一つのアイテムと二〇二八年にはなるんだろうと思います。

 一方で、デジタル赤字が大幅に拡大をしております。二〇二五年では八兆円に迫る勢いでデジタル赤字が拡大をしている。二〇三〇年には十兆円を超えるデジタル赤字が増えていく。これはデータセンターだけではありません、様々なクラウドサービスを統合したものでありますが。

 日本が公金を使って開発した工業団地に内外無差別でデータセンターを誘致する。結果的に日本に裨益すればいいんですけれども、恐らく現状のまま進めるとそうはならないんだろうと私は考えています。

 また、データセンターの用地取得はかなり過熱をしております。関東近辺、元々開発が止まっていたような広大な未開発土地が海外のいわゆる大きなクラウドをやっている会社に買われていたり、これは地方にも進んでいまして、私が地元の九州でも、土地とそして電力のつなぎ込みがあれば高い値段で売買するというような、こういう用地取得の過熱状況、この件に関してはどのように分析されておられますでしょうか。

野原政府参考人 データセンターの用地取得につきましては、生成AIの普及やクラウド利用の拡大を背景にいたしまして、委員御指摘のとおり、日本の国内におきまして内外の事業者による立地検討、投資が活発化しているというふうに認識をしております。

 社会のデジタル化を推進する上では、外資企業が提供するデータセンターやクラウド基盤も上手に活用しつつ、特に機微性の高いデータを安心して処理したいときには国産のクラウド基盤やデータセンターを活用できるなど、扱いたいデータやその用途に応じて使い分けができる環境を我が国として確保することが重要であるというふうに考えております。

 そのため、経済安保推進法に基づきまして、日本国内の事業者によるAIの開発基盤となる高度なコンピューターの整備支援、これは日本のデータセンターに整備されるわけですけれども、それを行っているところでございます。

河野(義)委員 連合審査が行われますが、やはり経済安保の文脈と軌を一にしてデータセンター推進というのはやっていくべきだろうと思います。

 今、日の丸半導体、日の丸データセンターという武器が少ない中で、だだだだだっとハイパースケーラーに買われて、じゃ、もう後はどうしようもありませんというふうにならないようにしなきゃいけないと思っています。エネルギー自給率は二〇%にも満たない我が国、食料自給率も四〇%ありません。デジタル自給率もほとんどないといった状況にならないように、今まで半導体はしっかり応援してきたつもりでありますし、礎が整いましたので、日の丸半導体、そして、日の丸半導体を作った、日の丸データセンターというのを増やしていかなければならないんじゃないかなと私は思います。

 日経ビジネスの、ちょっとこれは古い記事ですが、去年の記事です。

 海外のハイパースケーラーが牽引する現在の市場は、日本のデジタルインフラをいびつな形に変えているのも事実だ。外資による国内のデータセンター市場への積極投資は、クラウドサービスやAI関連サービスを利用者により便利に使ってもらうための動きだ。結果としてこの収益は海外へと流れていく。スノーリゾートとして有名な北海道ニセコ町もホテルなどの不動産は海外資本が多く、富の多くが海外に流れている。データセンター市場も同じ構造という指摘だ。国内のデータや資金が海外に流れれば、経済安全保障の懸念も募る。

 私、このとおりだと思っています。やはり、グランドデザイン、今しっかりやっておくべきだと思いますので、大臣のリーダーシップに期待したいわけであります。

 本法律案では、支援対象が明示はされていませんけれども、当然内外無差別で支援をするということになろうと思いますが、経済安全保障との整合性をどのように取っていかれるおつもりでしょうか。

赤澤国務大臣 地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業については、地域特性の活用や高い付加価値の創出に加え、地域の事業者に対する相当の経済的効果を及ぼすものとして、都道府県知事の承認を受ける必要がございます。

 その上で、こうした要件を満たす企業であれば、今委員おっしゃったように、内外無差別で、外資であっても支援の対象になり得るという考え方であります。

 一方で、AIを始めとしたデジタルサービスが社会活動の基盤としての役割を増す中、DXやAIトランスフォーメーションの基盤であるクラウドデータセンターの国内基盤の強化は、我が国の経済成長や経済安全保障の観点から極めて重要であると思っています。

 このため、これまでも、クラウドサービスを提供する国内事業者による技術開発や高度なコンピューターの導入に対して千三百六十六億円の予算を措置し、支援をしてきたところでありまして、引き続き、国産クラウドの育成、普及を全力で進めていきたいというふうに考えています。

河野(義)委員 国産を全力でというお言葉をいただき、感謝を申し上げます。

 水に関連して伺います。

 工業用水道事業法に今回位置づけるのではなくて、地域未来投資促進法に特例として位置づけて、工業用水、工業用ダムから水を使えるようにいたします。多目的ダムにおいては、工業用水専用のダムというのは恐らく少なくて、ダムの多くは多目的ダムでありまして、水利権というのが併存しています。工業用、農業用、飲料用、様々な目的でダムというのは使われておって、その量が取決めによって分配をされているという状況。その工業用の中に直接位置づけるのではなくて、地域未来法の特例措置として工業の中に位置づけましたという仕立てになっておりまして、それ自体は、そういうことにせざるを得なかったんだろうと思うので、その件に関しては、それはそれでいいと思うんですが。

 一方で、じゃ、今後、データセンター向けの工業用水利用が拡大していった場合、既存の水利権者が、私たちの水はいざというときに使えないんじゃないかという不安があるわけであります。枯渇時には枯渇調整協議会というのが各ダムに応じて開かれまして調整を行うことになりますが、データセンターは今回法改正を経てどのような位置づけになるのでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、今回の法改正では、民間企業における今後の国内投資、立地拡大に必要な産業用地の確保を図る観点から、地域における既存産業用地の最大限の活用を支援する、これも改正目的の一つとしておりまして、工業の発展に大きく寄与するデータセンターの立地についても支援をするということとしております。

 したがいまして、このため、データセンターにおいて必要となる水を確保する観点から、地域未来投資促進法における特例として措置することといたしました。

 水利権の話につきましてですけれども、工業用水等の用途別に御指摘のとおり許可されておりますけれども、工業用水道事業者は、工業用水として許可された水利権の枠内で工業用水の供給を行っているという状況です。そのため、今回の法改正の措置によって水利権が毀損されるということはないというふうに認識しております。

 また一方で、雨不足等による渇水時には、渇水対策協議会で方針を判断した上で、受水する企業一律で取水制限等の対策が行われるため、データセンター事業者についてもそこの方針には従っていただくということになるかと考えております。

河野(義)委員 枯渇時にもほかの農業用水、飲料用水には影響はないということを確認することができました。

 水、土地、加えて重要なのが脱炭素電源であります。

 これは私が言っているだけだと思うんですけれども、再エネ電源の主力電源化というのはエネルギー基本計画にもしっかりと書き込まれております。再エネ電源の促進というのは、菅政権、岸田政権、石破政権を通じて、私はこれは国是になったものだと思っておるわけであります。

 今こそ再エネだ。アメリカですら再エネを今増やしています。今こそ再エネでありますし、また、脱炭素電源のもう一つ重要なテーマは原子力発電であります。原子力発電の再稼働が急務だという声も多く上がっておるわけであります。

 この脱炭素電源の確保に向けて、経済産業省としてどのように対応されておられますでしょうか。

赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、データセンター需要による電力需要増加が見込まれる中、脱炭素電源の確保は急務でございます。また、低いエネルギー自給率や火力発電への高い依存といった課題を克服する観点でも、再エネや原子力といった脱炭素電源を最大限活用していくことが重要であり、そういう方針を取っております。

 再エネについては、関係省庁や地方公共団体が連携して施策を強化することで、地域との共生や国民負担の抑制を図りながら導入拡大を進めてまいります。

 原子力は、安全性の確保と地域の理解を大前提に最大限活用していくこととしております。国も前面に立って、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、丁寧に説明を行うとともに、地域の実情を踏まえつつ、原子力防災の充実強化の必要な対応もしっかりと行ってまいります。

 引き続き、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合のいわゆるSプラススリーEのバランスを取りつつ、責任あるエネルギー政策を進めてまいりたいと考えてございます。

河野(義)委員 ありがとうございます。

 再エネか原子力かという議論はもう過去の議論であって、再エネも原子力も両方やらなきゃいけないという時代だと私は思っていますし、大臣がうなずいていただきました、ありがとうございます。

 次に、貿易保険法関連で伺います。

 NEXI、なじみが余りないと思うんですが、私はNEXI愛が強うございまして、二〇一一年、洋上風力発電所に投資をしました、出資、参画をしました。そのときはまだリーマン・ショック後で、ヨーロッパの金融機関というのが傷ついていまして、なかなか巨額の投資に対して融資をつけてくれない、なかなかファイナンスが厳しい時代だった。そのときにNEXIが保証をつけてくれまして、世界で初めてノンリコースのプロジェクトファイナンスを、洋上風力発電にファイナンス組成をすることができました。これはNEXIあったればこそでありまして、NEXI愛というのはその後も強く持ち続けている中で、NEXIを活用してアメリカに投資をするということでありますので、この内容について質問させていただきたいと思います。

 まず、これまでの国会の議事録も拝見させていただきました。落選中でありましたので、その期間の議事録も読ませていただきましたが、大きく今回のこの日米共同投資スキームの論点というのは二つに収れんされるんだと思います。

 一つは、ガバナンスの問題です。アメリカが何でもかんでも決めちゃうんじゃないのという懸念を払拭しておく必要があるということ。もう一つは、融資回収後の配当が一対九になることへの懸念であります。交渉事というのは相手があることでありますので、日本だけがいいスキームというのはおよそあり得ない中で、アメリカからこういう要望があった中で、議論を尽くしてこういう形になった結果でありますので、では、どうやってその実効性を高めていくかということが大事なんだろうと思います。

 MOUを拝見しました。覚書を拝見しましたところ、アメリカ側がGP出資、日本側がLP出資ということが書かれています。LP出資とは何かといえば、お金を出すだけです。GPが全部決めます。GPがコントロールライトを持って、GPが、ゼネラルパートナーシップを取った方が、GP側が全てのコントロールをする。LPは、お金だけ出して黙っておきなさいというのがいわゆるLP出資であって、私はこれを読んだときに大変不安になりました。

 LP出資、GP出資というのはよく使う手法でありますけれども、日本は何もできなくてお金を出すだけになっちゃっているんだというふうに思っていましたが、この点、その後の交渉の中でどういうふうな着地点を見出す、若しくは見出しつつあるのでしょうか。

 また、融資回収後の、一対九の配当に変わる、これも間々あるスキームだと思います。一定程度投資回収が終わったら、一、九フリップというのはある手法で、これを見たときに私は、あっ、これは弁護士がもうかるスキームだなと思いました。たくさん弁護士が入ってこのスキームをつくられたんだなと思いましたけれども、私は、JBICが融資をして投資法人をつくって、SPCに出資する、SPCが日本の製造メーカーの品物を買って建設を進めるということであって、昔、今もやっていますけれども、途上国向けのバイクレを、バイヤーズクレジットをアメリカ向けにやるんだなと。

 日本としては、メーカーさんにとっては売って終わりだし、その後も、オペレーションをやっている段階もちゃんとお金も取りっぱぐれもないし、JBICからすれば、民間銀行からしたらNEXIの保証をつけてくれてお金を出すだけですから、JBICも融資しますが、投資回収は、投資に優先して日本側の出資が回収されると思いますので、リスク的には収れんされておりますので、融資期間が五〇、五〇の配当、融資が終わったら一、九というのは、これは相手がある話ですので、苦渋の選択といいますか、ぎりぎりの交渉の中でこういうスキームになったんだろうな、その御苦労をおもんぱかると、本当に大変な交渉をやっていただいたなという感謝の思いが湧いてまいりますが。

 この二つの懸念、ガバナンスの件と収益の件、大臣の交渉、前大臣時代ですが、思い、そういうものも含めてどのようなものに仕上がっているのか、国民の懸念を払拭したいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

赤澤国務大臣 丸紅におられた経験、本当にいろいろな経験を積んでおられるなと思う御質問で、バランスの取れたといいますか、いろいろな問題点の御指摘をいただいてありがとうございます。

 一つ、まず委員の御指摘でありがたいと思ったのは、交渉事だから日本だけにいいということはないよねと。全くおっしゃるとおりで、これは実は、この戦略的投資イニシアチブも含めて何が起きたかというと、結局、米国は毎年五兆円超の関税を我が国に課すと言って、大統領は、タリフ、こうおっしゃったわけですけれども、二兆円超それを軽減をして、二兆円超関税収入が減ることは、これも含めて我慢しているといいますか、というところはあるわけです。

 なので、五兆円超の関税を課され続ければ、これは我が国の主要な自動車メーカー複数社の年間利益が飛んでしまうぐらいの関税になりますので、これは本当に基幹産業にとってあり得ないようなことだったわけです。そういうことも含めて回避をする。なおかつ、我が国は一切関税は下げないとか、いろいろ他国と比べて取れているところも多いので、ここがやはり、おっしゃるように、日本だけにいいことは起きないというのは全くそのとおりだと思うんですね。

 米国の側は、それだけのことを逆に、米国の立場からすれば、我慢した結果、俺たちは何が取れたんだと思ってこれを見るわけなので、そういう意味で、まさにおっしゃるとおりで、日本だけにそれでいいものになっていたら、米国の政府の側が国内で立っていられないということになると思います。

 そういう意味で、二点、全く真っ当な御質問だと思うんですが、ガバナンスの問題と収益配分の問題ですが、ガバナンスの問題については、ちょっとこれは前倒しでやることになっていますが、協議委員会、これは日米両政府から、私も入りますし、役人も入ります、そしてJBICやNEXIの専門家も入ります。関係者が全て入った形の中で、収支相償、償還確実性、大赤字が出るようなことには絶対にならないよね、ちゃんと赤字を出さずにやれるよねということをチェックしたり、あるいは、日本企業への裨益、ちゃんと日本にメリットがあるよねといったようなことをきちっとチェックし尽くす。しかも、法令に従ってということもチェックし尽くすということで、プロジェクトが円滑に実施されて、日米でしっかりやっていけることは確認し、加えて、それ以後も、何か問題が起きたらお互い誠実に協議しようねということで、いきなり米側が、何か起きたら米側の判断でぼんとタリフを元に戻したりというようなことができる仕組みにはなっておりません。

 それから、収益配分については、これは、了解覚書に基づき、これも委員御指摘いただいたことですけれども、JBICやNEXIからすれば、元本、それから金利、融資保証料はきちっと優先的に回収ができるということなので、JBIC、NEXIからすれば、通常やっている業務を規模を拡大してやるだけで、むしろ事業は発展したと評価できるようなものになります。

 また、プロジェクトに対して、日本企業がいろいろな、ある意味業者として納入をする、普通の商売をして、例えば、原発のプラントでも何でもいいですし、あるいはAI関係のインフラでもいいです、そういうものを納入して利益を上げる。そういうものが全部終わった後でSPVに残っているお金があれば、それは一、九でアメリカが持っていったらどうですかと。

 その心は、我々はお金を出しますけれども、米国の側は、土地、水、電力、エネルギー、こういったものは提供します、端的に言うと、連邦の土地を無償で出しますからとか、それから、オフテイク、例えば半導体であれば全部買い取ることを約束しますとか、あちらはあちら側で現物出資の形でリスクを負っているわけでありまして、そういう面も含めて全体としてはバランスが取れているというふうに考えているところでございます。

河野(義)委員 ありがとうございました。

 ちょっと細かい点の確認を役所の方にしたいと思いますが、具体的に、案件採択、そして投融資の決定時、また、建設開始から完工まで、事業開始後、オペレーション、メンテナンスということになりますが、また撤退、これは各段階において日米共同で意思決定を行う合意になっていると聞いていますが、具体的にどういうふうな形で日米共同になっているのか、確認させていただきたいと思います。

荒井政府参考人 プロジェクトのフローに沿って御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、案件の採択時、投資決定時でございます。この段階では、了解覚書に基づきまして、協議委員会で、どの案件を採択するか、それから、収支相償、償還確実性、日本企業への裨益、メリットについて日米間で協議を行うこととなってございます。第一陣の案件、第二陣の案件は、そのようなプロセスを経て、今そうした案件が選定されているところでございます。

 次に、投資決定以降、委員のおっしゃる建設、完工、事業、それからオペレーション、メンテナンス、そうした段階でございますけれども、この段階につきましても、プロジェクトが円滑に実施されるように、日米で連携して、着実にフォローアップすることとしてございます。

 そうした中で、例えば、MOUの中でも、日米の間で意見の相違、紛争等がありましたら協議委員会の枠組みを通じて解決するということになってございますし、その他、例えば計画の修正とか、プロジェクト、事業の拡大、変更、終了、万が一の場合の撤退の判断を含めまして、プロジェクトにおける重要な事項、これはSPVの意思決定を含めまして、そうした重要事項の決定につきましては、日米が対等な立場で協議を行って決定していくということに日米の間ではなってございます。

 GP、LPのお話がありましたけれども、対等の立場でということになっておりまして、アメリカ側が一方的に意思決定を行うことにはなっていないというふうに申し上げさせていただきます。

河野(義)委員 ごめんなさい、ちょっと今のが分かりづらかったので、もう一回。

 GP、LPになっているんだけれども対等なんだということでございました。プロジェクト期間開始から完工まで、プロジェクト自体で連携してフォローアップだと。だけれども、GP、LPのたてつけだとそうはならないんじゃないかと思うんですけれども、その点、もう少し教えてください。

荒井政府参考人 お答えさせていただきます。

 MOU上は、GPという言葉がございます。ただ、LPという規定はございません。

 他方、MOU上も、何かあったときには日米でしっかり協議をして、協議委員会の枠組みを通じて解決を図るということになってございます。

 さらに、その上で、個々のプロジェクトにつきましても、これは日米が対等な立場で、SPVの重要な意思決定事項については対等な立場で、ここはGP、LPという規定は一切ございませんけれども、対等な立場で協議を行って決めるということで、日米の間ではそういうことになってございます。

河野(義)委員 あくまでMOUはMOUで大きな方向性が示されているということで、個別のプロジェクトでしっかり日本側のガバナンスを取っていくということが大事だと思いますので、是非ともよろしくお願いします。

 ちょっと時間の関係で二問飛ばして、最後、大臣に伺いたいと思います。

 今回合意を得ましたSMR、小型の原子力発電所をアメリカに建設する件であります。

 これは本当に時機を得た合意であって、そして見せるタイミング的にも私はよかったと思います。今後詰めていかなきゃいけないことはたくさんあるんだと思いますが、第七次エネルギー基本計画で、我が国も、事業者内の原子力発電所のリプレースを可能にするSMRの建設を頭に入れて、こういう方針転換を行って原子力発電所を建てられるようにはしたものの、じゃ、日本ですぐSMRを建てられるところがあるかというと、そういった中にない中で、やはりアメリカで日本製の原子力発電所関連機器並びに送配電網が使われるということは、私は非常に意義深いことなんだろうと思いますが、アメリカにおいてSMR建設において日系企業が関与することをどのようにお考えでしょうか。

赤澤国務大臣 SMRは、私、しばらく前は誤解していて、何か家庭の玄関ぐらいにつくのかなと思ったら、SMRといっても、サイズはフットボール場ぐらいのサイズなんですよね。ということで、立地を考えたときにも、委員御指摘のとおりで、我が国からどんどんプロジェクトをつくって実装していくというか、なかなか難しいのかなという中で、大変大事な御指摘だと思います。

 委員お尋ねのSMRプロジェクトについては、戦略的投資イニシアチブの第二陣プロジェクトとして発表したものの中に含まれております。

 このプロジェクトについては、日立、IHI、日本製鋼所といった大企業のみならず、例えば多摩川精機とかテイエルブイといった中小企業による関連機器の供給も期待されるところであり、そして、そのプロジェクトを通じて、日米の原子力協力の推進といった定性的な言い方もできますが、今まさに挙げたような、大企業のみならず、中小企業を含む我が国企業の輸出機会の拡大、そして、先端技術を用いたプロジェクトへの参画によって知見が蓄積されて、我が国における、日本国内における原子力産業基盤の強化といった意義があるというふうに考えております。

河野(義)委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたので、通告した質問は次回以降に譲らせていただきたいと思います。ありがとうございました。

工藤委員長 次に、山岡達丸君。

山岡委員 山岡達丸です。

 質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今回、法案審議、前回に引き続きでございますが、前回は、いわゆるトランプ大統領との間の約束であります米国への五千五百億ドルの金融の支援ということで、いわゆる日米両方の戦略的投資イニシアチブに関する法改正ということで、その質疑で四十分間質疑をさせていただきましたが、今回の質疑でも、少し冒頭、その続きをさせていただきたいということでございます。

 この間、大型連休もありました。米国トランプ大統領が五月一日のSNS発信で、EUは米国との貿易合意を守っていないという、我々にしてみれば突如そうした発信があって、その上で、自動車とトラックの関税を二五%引き上げるんだということが発信をされたわけであります。

 その後、欧州委員会の委員長との電話会談もあったということもトランプ大統領の発信にありましたけれども、五月七日に、EUは関税をゼロにすると約束したのだ、七月四日の独立記念日まで猶予を与える、それを守らなければ、残念ながら、EUの関税は直ちに、はるかに高い水準に跳ね上がるという、予告のようなSNSの発信もされているということであります。

 EUは米国に対して、いわゆる農産物の関税を下げるということも含めた様々な約束をしているわけであります。EU議会あるいはEU加盟国の理事会などの手続も必要となる中で、やはりなかなか相当時間を要しているということでございます。特に、EU議会におけるトランプ大統領への反発といいますか、そうした状況は今も続いている様子だということも今伝えられているところでもございます。

 日本の結果としては、何らかの関税を下げるということにはなっていないわけであります。米国への投資プロジェクトに対して金融支援をするということは、もちろん、五千五百億ドル、これは決まっていますけれども、仮に日本も、農林水産物、これを引き下げるというような約束が含まれたとしたら、やはり国内の議会も今大変だったんだろうということを思うわけでありますし、この金融支援の枠組みは、うまく活用することができれば、前回の議論でもさせていただきましたけれども、米国やその他の国の企業の直接投資に対して、日本企業がサプライチェーンの市場等を含めて、そこに参画していくような形をつくっていくという形にもなっていくということで考えたときに、逆に滞れば、今回のトランプ大統領のキャラクターといいますか、そういうことを踏まえれば、やはりEUのようなまた案件、EUも必ずしも関税が上がるとまだ決まったわけではありませんが、そうしたことになっていくんだろうということを思いますと、うまく活用しなければいけませんし、遅滞なくプロジェクトをきちんと形成していくということが大事なんだろうと思っております。

 今日は委員の皆様にも資料をお配りさせていただきました。東洋経済、四月十五日の記事で、なかなか対米投融資のことについての不穏な記事が出ていますので、このことについて確認をさせていただきたいと思います。

 この東洋経済の記事では、国内の三つのメガバンク、五千五百億ドルの対米投融資に二の足を踏んでいるという見出しになっています。多額のドルの調達が深刻な問題だ、既存ビジネスの貸出しの余力まで奪われかねない事態にという記事が報じられているということでございます。

 とりわけ、この記事の内容では、国内金融機関のドル調達について、政府支援の枠組みでもない限り、第二弾以降、第一弾はもう発表されていますけれども、第二弾はこれから形成する、これからつくるということでこの間、日米首脳会談でも発表されたわけでありますけれども、この第二弾以降の対米融資をメガバンクとしては検討の俎上に上げることすら難しいという表現で、なかなか激しい書き方ではありますけれども、そのことは政府に既に伝えているのだということが報じられています。

 まず、経産省、荒井局長にも確認したいと思いますが、この記事にありますとおり、メガバンクはそうした懸念というのを政府に伝えているという状況なのか、ちょっと状況を御説明いただければと思います。

荒井政府参考人 日本政府といたしましては、民間金融機関とは頻繁に、かつ緊密に意見交換を行っております。そうした意見交換の中で、委員御指摘のようなドル調達、外貨調達の話を含めて様々な御意見を伺っているところでございます。

山岡委員 今のお話、私が示した話も含めて、確認しているというお話がございました。

 メガバンクが気をもみますのは、五千五百億ドル、これは為替によって少し数字が変わりますが、百五十五円換算なら八十五兆円ですし、百六十円換算なら八十八兆円ということで、こうした巨額資金を民間部分が一定程度背負うということと、全てドル建てで手当てをしなければいけないということ。長期のプロジェクトファイナンスですから、長期にわたって大規模なドルを確保する。もちろん、メガバンクも一定程度のドルの保有は既にあるということはもちろんあるんだと思いますが、もちろんそれは限りがあるわけであります。ドルの需要が高まり続けるのであれば、やはりこのプロジェクトによる資金調達がいわゆる円安・ドル高の圧力にもつながっていくとの指摘もされていることであります。

 記事にもありますが、この五千五百億ドルの内訳は、JBIC、いわゆる政府系金融機関が一に対して、民間金融機関が二、もちろんNEXIがそれに保険をつけるわけでありますけれども、民間金融機関が二だと。今回の法改正でNEXIに三兆円の交付国債が、財政基盤を強化することが、おおむねこれが二十倍であります六十兆円程度の保険をカバーできるんだというリスクの計算で、そうした説明を経産省はされているわけでありますから、八十八兆円に対して六十兆円のカバーということになれば、この記事にもありますけれども、JBIC一、民間金融機関が担う部分二という、この一対二の関係が、おおむねこの交付国債の金額からも想定されているもので一致しているんだということも言えるんだと思っています。

 メガバンクが三つだとして、三で割っても二十兆円ずつ、これまでにない規模だということで、銀行の、巨額資金の対米融資に振り向けるということは、既存の貸出計画にも影響を与えるんじゃないかという指摘もされるわけであります。

 大臣にここで伺いたいんですけれども、これまで大臣は会見などで、この五千五百億ドルのいわゆる金融支援に関して日本は一兆二千億ドルの外貨準備がある、だから五千五百億ドルの資金出資も可能だという趣旨の御発言もされているわけでありますけれども、これは、マクロで見たときに、一兆二千億の外貨準備もあって、その五千五百億ドルということでおっしゃっておられるんだろうということは思うわけでありますが、今回、五千五百億ドルのおよそ六割以上が民間部分ということであります。外貨準備は当然政府側の管理でありますから、民間部分が独自に調達するというのをNEXIが保険をつけるにしても、資金調達自体、やはり相当無理が生じるんじゃないかというのも、それはもっともな話じゃないかと思いますし、その負担がボトルネックになって、もちろん、金融に参画するかしないかはそれぞれ個社の判断になりますから、これが米国との案件生成そのものの阻害要因になるような、このことは、さきのEUの事例等を見ても、やはり資金調達がボトルネックになって遅滞するようなことというのは避けなければならないんじゃないかと思うわけであります。

 併せて申し上げますと、メガバンクは日本の金融機関だとして、このプロジェクトに、外国の金融機関でもいいのだ、外銀でもいいのだ、だから別に無理して参加しなくてもよいのだというような指摘もあるようでありますが、しかし、やはり日本がリスクの保険をつける中で日本のメガバンクが大きく関わっていかない案件というのも、これもいかがなものなのかということも言えるんだろうと思っております。

 大臣に質問させていただきたいのは、民間金融機関のドル調達そのものに対して、やはり一つは日本として支援すべきじゃないかということ。そしてもう一つは、JBIC、政府系金融機関と民融機関との融資割合、一対二だということがこの交付国債の金額からも想定され得るんだと思いますけれども、これは、一対二とかそういうことではなくて、プロジェクトごとに柔軟に変えて、きちんと調達もしやすく参画もしやすい状況をつくっていくんだ、そのことは大臣の御答弁で確認をさせていただきたいんですが、いただけますでしょうか、これは。

赤澤国務大臣 今の委員の御質問で一つ私がなるほどと思ったことは、ちょっと話がずれるんですが、合意して以降ずっと、八十兆円は赤澤が自腹で払えというSNSの投稿が多い中で、最近、八十七兆円自腹で払えというのが来るようになったので、円安が計算されているということが、先ほどおっしゃっていた百五十円、百六十円という話で、ああ、なるほどと、ぴんときたところなんですが。

 それはともかく、一対二については、アメリカでの事業実績等を勘案して決めているものでありますが、幾つか御指摘をしておきたいのは、まず、例えば原発事業とかいろいろなものがありますけれども、プロジェクトは長期にわたるものでありますので、よくあるちょっとホラーストーリーは、五千五百億ドルが一気に出ていって、一・四兆ドルあるもののうち、その三、四割に当たるものがいきなり出ていくようなことを考えているのかとか、あるいは、それをいきなりマーケットからドル調達して円を大量に市場に供給することで一気に円安が進んでとか、ちょっとかなりおどろおどろしいことを言っては大騒ぎになっちゃっているところがあるんですが。

 まず申し上げておきたいのは、ほとんどが長期のプロジェクトなので、そんなに急に五千五百億ドルに達するところまでわっとドル調達が必要な事態にはおよそなりませんので、それよりはるかに少ない、それの数%ぐらいのものがまず出てくるという世界なので、ということはまずちょっと押さえておいていただきたく。何か五千五百億ドルをいきなりマーケットから調達なんということは、およそそういうことにはなりません。それが一点であります。

 それから、当然、今委員おっしゃったように、外為特会の外貨準備から融資を受けるということであれば、それは持っているドルがそのまま使われるので、マーケットから調達することにはなりません。それ以外にも、NEXIが債務保証をつけて、例えば米銀からお金を借りることができれば、それも単に持っておられるドルを使うだけで、メガバンクの持っているドルが足りなくなってみたいな話とは無縁でありますし。

 そういう意味で、とにかく申し上げておきたいのは、我々、五千五百億ドルまで行けるという判断をしたときに、かなり細かくプロジェクトごとにどれぐらいのお金を調達しなきゃいけないかみたいなことを考えた上で、我が国の外貨準備とかああいうものも全部含めて、これはマーケットから我々がドルを調達することで円安を招いたり、ましてやそれで輸入物価が上がるような事態を招いたりなんということは起きずにやれるということは、よくシミュレーションをして考えた上で出した結論だということになります。

 そういう意味で、あともう一つだけ強調しておきたいのは、これはベッセント長官に言わせれば、日本がやった投資イニシアチブを参考に、以後、米・EU、米韓の合意ができたということで、みんな投資イニシアチブを持っているんですが、それがうまく仕組まれていないと、韓国もそうでしたしEUもそうなんですけれども、また大統領からタリフを元に戻すぞという騒ぎになるということで。

 御案内のとおり、現時点までに日本はそういう事態には立ち至らず、しっかりとキャッシュコールを受けて、第一陣のお金ももう既に、何百億という規模だったと思いますが、振り込んでいる中で、順調に進んでいる。それは、我々からすれば、事前によく周到に考えてスキームをつくり、実行可能なものにしているので、日本については考え抜かれたものに基づいて問題なく今進行しているという認識を持っているところでございます。

山岡委員 資金調達の政府系金融機関と民間の割合の柔軟な運用、ここの部分について御発言いただけなかったので、ちょっといただけますでしょうか。

赤澤国務大臣 きちっと、どれぐらいまで投資イニシアチブで資金供給するということを米側に約束していいかを考えなきゃいけませんので、過去の実績に基づいて一対二とか、あるいは私が何度か申し上げたことがあるのは、出資の部分は多分数%ですよ、いきなり五千五百億ドル、キャッシュでぼんなんということになりませんみたいことを言っていたのは過去の実績に基づくところですが。

 まさに委員御指摘のとおりで、プロジェクトごとにこれは全て考えていきますので、その時々に最適と思うやり方でやっていくということで、これについてはきっちりと、何か一対二でとかそういうものは厳格に決まっているものではなく、プロジェクトごとに柔軟に考えるべきものだということはそのとおりでございます。

山岡委員 御答弁ありがとうございます。

 ドル調達に関する懸念について、大臣の御所見でございましたけれども、いずれにしても、やはり金融機関が関わる上で懸念があるのであれば、このことは払拭していくことがプロジェクトの速やかな生成につながっていくと思っておりますので、是非、そうした懸念、誤解であるということであれば、そのこともきちんと説明しながら、よりよい形で民間金融機関との関係をつくっていただきたいということを思うわけであります。

 この日米投資イニシアチブと、日本のいわゆる国策と言われる、その整合性についても確認をしたいんです。

 この了解覚書、いわゆるMOUには、それぞれの国の関連する戦略的及び法的な考慮事項は、米国大統領の最終的な投資推薦に関わる協議体、いわゆる投資委員会にインプットしていくんだということが書かれています。法的な部分は分かりやすくて、いわゆるJBICとかNEXIが日本の企業、国内の企業に利益が裨益するんだということが保証される案件じゃないとなかなか難しいよというのが法的事項だと思うんですけれども、戦略的考慮事項というのがそんなに明確になっていないので確認をしたいんです。

 先日、大臣は北海道にも足を運んでいただいて、ラピダスの件に、また新たな解析センターの開設で、御発信もいただいて、お越しもいただいて、必ず成功させると力強い御発言もいただきましたけれども、例えばですけれども、米国の投資案件がこのいわゆる日本の国策の象徴的案件でありますラピダスプロジェクトと競合するようなことはあってはならないと思いますし、ちょっと質問をまとめて伺いたいんですけれども、あるいは、むしろラピダスの販路拡大につながるような、そうしたことを積極的につくり出していくような案件にしていかなければならないということを思うわけであります。

 このMOUに、日本としての戦略的な考慮事項はここに含まれるんだということが書かれているときに、これはまさに国益と矛盾するものじゃなくて、国益に準ずるプロジェクト、特にラピダスとかそういう案件にもプラスになっていくような案件にしていくんだと、このことについても御明確にしていただければと思います。

赤澤国務大臣 まず、先ほどちょっと舌足らずだったかもしれないので、一般論として申し上げれば、民間金融機関が負担を感じずに安心してプロジェクトに参画できる環境を整えることは、戦略的投資イニシアチブを着実に実施する上で重要でありますので、委員の御指摘もいただきながら、民間金融機関の要望についてもよく聞いて、適切に対応してまいりたいと思います。そのことは補足で申し上げさせていただきます。

 その上で、戦略的な考慮事項でありますが、これについては、確たる定義はありませんけれども、委員御指摘の、まさにプロジェクトが日本企業の競争力低下につながるおそれがないか、何かしら、恐らく御懸念は、ラピダスの客を奪っちゃわないかとかそういうようなこと、あるいは、我が国の産業政策全体としての整合性が確保されているかといったような政策上の重要な観点も、協議委員会で当然、精査、確認されることになります。

 ざくっと言ってしまえば、これからAIの時代に、その基礎になるGPU、これについてはもう幾らあっても足りないぐらいの需要が恐らくあるということを見込んで、ラピダスもそうでありますし、例えば米国で半導体工場を造ったところで、むしろそのオフテイク、全部日本が買わせてくれぐらいの、というような交渉になるかもしれませんし、そういうことも含めて、とにかく、まさに、おっしゃったラピダスプロジェクトなども念頭に置きながら、我が国全体として確実に全体がうまくいくということを考えてやっていきたいと思っています。

 協議委員会を通じて、日本政府の立場から確認すべき点をしっかり確認することで、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながる案件の形成に取り組んでいきたいと思います。

山岡委員 心強く御答弁いただいて、ありがとうございます。

 野原商務情報政策局長にも今日はお越しいただいています。ラピダスのことなので、関連して伺いたいんですけれども、国会にも進捗は報告するようということが法改正のときに規定されているところであります。やはりラピダスの進捗がいかような状況になっているかということ、あわせて、その項目の中にAI市場の、いわゆるラピダスの、デジタル市場等の発展の度合いというのが報告事項に入っていたと思いますが、やはり昨年の段階で想定していた状況よりも、民間のいろいろな個社の世界的な企業の動きを見ていますと、更にスピード速く拡大しているんじゃないかということもすごく感じるわけでございます。そのところを含めて、状況の御説明をいただけますでしょうか。

野原政府参考人 まず、ラピダスの進捗でございますが、千歳のパイロットラインで試作した二ナノ世代の半導体の動作確認、それから世界初の六百ミリ角の大きさの先端パッケージ製造技術の発表など、量産に向けた取組が順調に進捗していると認識しております。

 本年二月には、情報処理推進機構、IPAを通じまして一千億円の出資をするとともに、民間企業等から当初想定を上回る千六百七十六億円の出資が実行されました。これもラピダスに対する期待の表れというふうに認識をしております。

 加えまして、先月、外部有識者の技術開発に関する審査結果を踏まえまして、約六千三百十五億円の追加予算を承認したところでございます。

 AI関連の半導体市場の動向でございますが、非常に成長が今加速しているという状況にございます。二〇二〇年の世界半導体市場、約五十兆円だったわけですけれども、それが二〇三〇年には一兆ドル、百五十兆円になると言われていたんですが、直近の国際的な団体の予測によりますと、今年、二〇二六年には世界の半導体市場、約百五十兆円規模になるというふうな見通しになっております。非常に今成長が加速しているところでございますので、こうした半導体につきまして、我が国が自ら生産して国富を生み、世界に貢献することは大きな意義があるというふうに認識をしております。

 引き続き、経済産業省といたしまして、外部有識者の意見も踏まえつつ、プロジェクトの成功に向けて全力で取り組んでまいります。

 以上です。

山岡委員 ラピダスのプロジェクトを進めるに当たって、市場がきちんとあるのかということは議論されていたわけでありますけれども、今局長から御説明がありましたけれども、二〇三〇年想定がもう二〇二六年にはその規模に達しているというような調査も出ているというお話がございました。

 研究が順調に進んで、進捗が進んでいくのはいいことなんですけれども、他社の動き、TSMCは、二〇二九年には一・四とか一・三ナノとかいろいろ言われますが、次世代のものを生産するのだと言ってみたり、インテルは、イーロン・マスク氏とコラボを組んでテラファブ構想に参画する、二ナノの更に先を作るんだということも表明されています。

 動きの速い半導体の業界であります。これは大臣に伺うんですけれども、今想定よりも更に拡大の動きになっているということであります。もちろん、技術的に壁は乗り越えていきながらということもあるんですけれども、一つ目の工場であるIIM―1で進んでいるプロジェクト、最終的にはIIM―2、3、4と巨大な集積地を目指していくということをやっているわけでありますけれども、このスピードが、今、二〇二七年の秋の量産開始でありますけれども、簡単な話ではありませんが、市場の動向を踏まえれば、この規模の拡張あるいは研究の加速を是非進めていってほしいという思いを持つわけであります。

 大臣の御見解をいただきたいと思います。

赤澤国務大臣 現在、最先端半導体の需要は、AIの発展に伴って急速な増加を続けており、競合他社も量産に向けた取組を加速させていると承知をしております。そうした中、ラピダスも、委員御指摘のとおり、二ナノのみならず、一・四ナノあるいは一・〇といったように、どんどん加速していくと思いますけれども、それ以降、一・四ナノ以降の研究開発や量産投資を加速化させていく必要があります。

 先月、私自身、ラピダスの北海道製造拠点を訪問をして、経営陣や現場エンジニアと意見交換し、次世代半導体の量産に向けた取組が進捗していることを確認するとともに、六千三百十五億円の研究開発の追加支援も決定したところでございます。

 今後、情報処理促進法に基づき、政府から千五百億円を新たに出資する方針でもあります。これらを通じて、ラピダスの研究開発や量産投資を更に後押しをしてまいりたいと思います。

山岡委員 ありがとうございます。市場の拡大にやはり的確にキャッチアップしていってほしいという思いもございます。

 その上で、大臣にもう一つ確認をしておきたいのは、ラピダスを軸にした地域の産業クラスターの規模、これをどの程度の範囲だということで国は定めているのかということも改めて明確にしていただきたいと思っております。

 このラピダスを軸にした産業集積は、地元自治体とか民間企業、関係機関などが一体となって支えていこうということで、北海道バレービジョン協議会というのも立ち上がっておりまして、昨日は、二〇二六年度の総会が開催されまして、経産省からは西川審議官がまた御出席をいただいて、国の半導体政策の経過なども御講演いただいたというところでありますけれども、地元関係者もこの集積に向けた課題の解決に様々な知恵を出していきたいという思いは持っていますが、現実の議論のスケールは、例えば必要なインフラの整備の規模感はどうしても立地している千歳市にスポットが当たるということで、千歳市が主役になるのはもちろんなんですけれども、ただ、周辺にある恵庭とか苫小牧などとの熱量の差も指摘もされているところでもあります。

 大臣に伺いたいのは、やはりプロジェクトの旗を振っているのは経産省でございます。地元の協議体も大事なんですけれども、国としての考え方として、ラピダスを中心とした産業集積は、面的な意味で一つの市に収まるような程度になるのかどうか。周囲との連携ということが多く望まれるんだということを私は思うわけでありますが、大臣のお考えをお示しいただければと思います。

赤澤国務大臣 ラピダスを契機とした半導体投資は、北海道における半導体産業の集積を始め、地域経済に大きく波及をし、地域未来戦略における産業クラスター形成の軸になるものと考えております。

 実際、その面的な範囲ということですけれども、ラピダスが進出して以降、五十社を超える半導体関連企業が、千歳市にとどまらず、苫小牧市、恵庭市、札幌市に新たに拠点を設立をしております。

 経済産業省としても、千歳市への次世代EUV露光装置を活用した半導体の前工程に関する研究開発拠点の整備や、千歳科学技術大学への光電融合を含む半導体後工程に関する研究開発拠点の構築を進めております。

 こうした集積は、ラピダスの量産に向けた取組が進むことで更に拡大していくと考えられます。経済産業省としても、最先端半導体のエコシステムを北海道を含めて国内に構築をするべく、取り組んでまいりたいというふうに考えております。

山岡委員 ありがとうございます。

 国家プロジェクトとしての規模感ということでいえば、更に拡大していくだろうし、現時点においても周辺の自治体にも広がりがあるということも大臣からお示しをいただきました。

 様々、インフラ整備の議論もございますが、今日は国交省さんにもお越しいただいております。やはり、今、大臣からいただいた、経産省が想定している産業集積の規模感に対して、いわゆる公共交通機関、特に今回テーマとして取り上げたいのは、鉄道、JRということでありますけれども、このJRがどのような役割を果たしていけるかというのは非常に大きなポイントなんだろうということを思っております。

 この経産委員会、過去にも私はラピダスとJRの関係を質疑をしていまして、令和五年の十一月八日でございますけれども、ここで国交省さんに、このラピダスに関係してJR北海道の役割は非常に大きいんじゃないかということも問いましたところ、国交省としても、次世代半導体、まずラピダスのプロジェクトについて、デジタル化や脱炭素化の実現に不可欠であって、経済安全保障の観点からも重要な戦略物資であるのが半導体で、次世代半導体への投資を進めていくことは大変重要だということの答弁とともに、ラピダスの新工場の建設のような北海道内の事業環境の変化に的確に対応し、どのように地域に貢献できるかという視点を持つことが重要だということも当時答弁をいただいております。

 あれから更に二年半が過ぎまして、ラピダスプロジェクトは順調に進んでいることが局長からもお話がございましたけれども、半導体の位置づけも、AIとともに現政権で十七分野の重点投資の一つにも位置づけられて、国内産業クラスターの形成の軸にしていくんだということも掲げられています。やはり、公共交通機関として、鉄道はその背骨の役割を私はこのラピダスにおいても果たしていくんだということを思うわけであります。

 こうした中で、現在、新千歳空港とJRの関係でいいますと、空港の地下にある鉄道、これが単線である上に行き止まりの終点で、列車は着いたら逆方向に折り返すという運転をする関係で、空港に入る列車の数も時間当たり最大で六本だと。到着と出発が同じ線路を使うことで混雑緩和も限界を迎えているという中で、新千歳空港のアクセスをどうするのかということが議題になっているわけであります。

 取り沙汰されるのは、大規模に新千歳空港の下をスルーして苫小牧方面まで抜けていくのか、あるいは小規模なループにしていくというような議論でございますけれども、これは地元の意見とか北海道の意見とか、いろいろあると思うんですけれども、繰り返しになりますが、ラピダスプロジェクトは国家の威信を懸けて進めていくものでありまして、どの程度の規模の整備が必要なのかというのは、北海道とか地元自治体の視点では語り切れないものが私はあると思っています。国としての見識が求められるんだということを思っております。

 これは是非、この国家プロジェクト推進に当たって、国交省としてもコミットメントしていただいているという中で、新千歳空港のJRの整備、小規模なものじゃなくて、周辺の自治体を直接つなぐスルー化を軸に検討していただきたいということを、これは強く求めるところなんですけれども、国交省、御見解をいただけますか。

田島政府参考人 お答えいたします。

 JR北海道の鉄道ネットワークは、北海道の経済や生活の発展のために重要な役割を果たしております。その中でも、北海道の玄関口である新千歳空港と道内を結ぶ新千歳空港への鉄道アクセスは重要な役割を果たしていると認識をしております。

 新千歳空港については、インバウンドの増加に伴い、航空旅客がコロナ前の過去最高水準まで回復する中、鉄道の利用者数はコロナ前を上回る水準で推移をしており、ピーク時間帯等における駅や車両の混雑が指摘されております。

 加えて、北海道からは、新千歳空港の混雑緩和とラピダス等の産業集積に伴う人流増への対応のため、空港アクセス鉄道の輸送力増強や利便性向上に資する抜本的改良などに関する要望をいただきました。

 国土交通省としても、輸送力の更なる増強に向けて、令和八年度予算において、新千歳空港の最も効果的なアクセス改善策等の検討を行う調査費を計上しているところです。調査に際しては様々な観点からの検討が必要となりますが、更なるインバウンドの増加やラピダス社の工場新設による人流の増加等も含めて、しっかりとした需要が見込まれることが重要であると考えております。また、JR北海道が置かれている厳しい経営状況についても考慮が必要と考えております。

 いずれにしても、まずは地域を始め関係者の意見を伺いながら検討を進めていくことが重要であると考えております。今後とも、空港アクセスの輸送力増強について、北海道等の地元自治体、JR北海道等とも連携して調査検討を進めてまいります。

山岡委員 御答弁ありがとうございます。

 更に問いますけれども、JR北海道は確かに経営が厳しいんです、いろいろな議題が上がっていますけれども。ただ、後ろ向きなことで縮小ばかりを進めていると、こういう国家プロジェクトにキャッチアップできなくなってしまうわけであります。

 基本的に関係者の意見を聞くということでありますけれども、繰り返しになりますが、国家プロジェクトとして、国として、経産省は先頭に立っていますけれども、成功させていかなきゃいけない、この視点を是非調査の中でも含めていただきたいと思いますし、あわせて、関係者の様々なヒアリングがあるのであれば、まさに地元の千歳市のみならず、苫小牧もそうですし、恵庭も、札幌もお話がありましたけれども、やはり、ラピダス等の進出企業を含めて、関係する自治体を含めてきちんと話を聞いて進めていただきたいと思いますが、この調査の進め方についても御答弁いただけますか。

田島政府参考人 お答えいたします。

 現在北海道からいただいている要望を踏まえますと、新千歳空港の輸送需要の拡大というのが現に顕在化し、解決が必要な課題であるというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、北海道等の地元自治体、またJR北海道等とも連携をしてしっかりと調査検討を進めてまいりたいと思っております。

山岡委員 北海道との検討ということでありますけれども、関係者を多く巻き込んでやる、そのことは、じゃ、是非御答弁いただけませんか。

田島政府参考人 繰り返しで恐縮でございますけれども、北海道等の地元自治体、JR北海道等ともしっかりと連携をして調査検討を進めてまいります。

山岡委員 ありがとうございます。北海道等と地元自治体という御表現をいただきましたので、そうした趣旨で御発言いただいたものと思うところであります。

 法案に関係して引き続き質疑をしますが、工藤委員長の御采配の下、月曜日には経済産業委員会として、いわゆる今回の法案に関わる工業用地の緑地規制の緩和の一番熱のある現場ということで千葉県に伺わせていただいて、そうした委員長の、委員会の取組をしていただいたことに心から感謝を申し上げます。

 千葉では、都市部の近さと自治体の大規模な財政支援ということも相まって、工業団地を造れば造るほど事業者が集まる、足りていない、成田空港の開発も更に県が先頭に立って進んでいるということで、非常に活気あるというところでございます。

 この本改正で緑地規制を、今、二〇%は必要だというのが緩和しますと、そうした既存の工業団地の緑地部分が造成されていくということになるんだと思いますが、これはこれで大事なことなんですけれども、現行法の、改正前の下でも産業用地として活用できる、空いている既存の工業団地もまだまだあるわけでございます。

 特に、一万ヘクタール、全国でそうした用地がある中で、その五千ヘクタールが北海道であるということでございますことと、何ならその四千二百ヘクタールは苫小牧であるということもございました。さらに、今のラピダスの話もありますけれども、大臣にちょっと御答弁いただきたいのは、新たな工業用地の確保もいいんですが、やはり既存の工業用地の活用、このことにも経産省として力を入れていただく、このことを是非御答弁いただければと思います。よろしくお願いいたします。

赤澤国務大臣 一般的に、産業集積の形成は、サプライチェーン企業間の連携やインフラ活用の効率化が期待をできます。特に、既存の空き産業用地は、新たな産業用地と異なり、土地の取得や造成が不要であり、迅速な集積の形成が可能となります。

 近年、GXやAXの進展で産業構造が変化する中で、企業の立地ニーズが変化し、空き産業用地の産業集積の需要は一層増していると認識をしています。例えば、ラピダスや活発なGX、AX投資で、委員の御地元の苫小牧地域では産業集積の形成が進みつつあり、更に空き産業用地の活用が進む可能性は十分あると考えております。

 こうした認識も踏まえ、経済産業省として、空き産業用地を最大限に活用すべく、自治体の了解を得つつ、立地場所を探す事業者と空き産業用地との間のマッチングを行う事業を昨年六月から開始をしているほか、今般の改正法案では、工業用水供給によるデータセンターの立地誘導の措置を講ずることとしております。

 企業が投資タイミングを逃さず成長投資を行えるよう、空き産業用地の最大限の活用、産業集積の形成に取り組んでまいります。

山岡委員 大臣の御答弁に大変心強く思います。

 最後に、国交省さんにもう一つ伺いたいと思います。

 今お話にもございましたけれども、この地域はGXの関係もあって、もちろんラピダスの関係もそうなんですけれども、いわゆるCCUSであったりとか、グリーン水素やアンモニアとか合成燃料の関連施設の建設もこれからラッシュで進むだろうという状況がつくられてきています。

 あわせて、苫東厚真発電所という元々ある火力発電所の定期メンテナンスなど、ラピダスのIIM―2以降の建設等も見込まれる中で、あるいはデータセンターの企業進出もある中で、いろいろ建設ラッシュのピークが同時に来ることも今言われているところでございます。

 その中で、懸念として一つ言われているのは、集中期間の働き手の宿泊場所の不足が大きな課題にもなっていくんじゃないかと言われています。

 建築基準法では、工事に附帯する仮設建設物によるいわゆる宿泊施設、期間限定の宿泊施設の場合は、その建設範囲の現場内にとどめるということとか、あるいは、一つの工事が終わったら全て撤去しなければならないということが前提であるというような趣旨が法の読み取れる範囲でなっているというところでございまして、地元自治体も、やはりピーク時にきちんとした宿泊場所を確保できるのかということを懸念しています。

 これは国家プロジェクトの推進にも影響しかねませんし、この事例は全国でも起こり得ることだと思っておりますけれども、建設基準法における仮設の宿泊施設の運用の緩和、このことも是非前向きに検討いただきたいんですが、御答弁いただけますでしょうか。

井崎政府参考人 お答えいたします。

 今委員から御指摘いただきましたように、建築基準法では、工事を施工するために現場に設ける事務所などの仮設建築物につきまして、一部の基準の適用を除外するほか、建築確認、検査の手続を不要とする緩和措置を講じております。

 国土交通省といたしましては、この緩和措置の適用につきまして、地元の自治体より御相談がございましたら丁寧に対応してまいりたいと考えております。

山岡委員 ありがとうございます。

 相談に丁寧に対応いただくというところでございます。

 是非、今回の法改正全体は、国内投資、国内の産業競争力強化ということ、そして米国への投資も、日本の中小企業への裨益も含めて様々プラスにしていくという中身だと思っておりますので、前向きに進めていただきたいと思いますし、引き続きまた質疑にも取り上げさせていただければと思います。

 質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

工藤委員長 次に、落合貴之君。

落合委員 中道改革連合の落合貴之でございます。

 本日も、前回に引き続きまして、産業競争力強化法等の改正案につきまして質疑をさせていただきます。

 まず、前回できなかった質問からですが、産業競争力を高めるためには、まずしっかりと将来への設備投資を国内で増やしていくこと、それから賃上げをしっかりして中長期的な観点から人を育てていく、これが重要であるというふうに思います。

 しかし、今回も前回と同様にお配りをさせていただいております資料を御覧になっていただきましたら分かりますように、この四半世紀、日本の特に上場企業等、大きい企業は、経常利益は四倍以上に上がりました。しかし、売上げの伸びはそんなに伸びていない。更に加えて、その余り伸びていない売上げの伸びよりも、従業員の給与や設備投資が更に下回っているわけでございます。これは、売上げが余り伸びないので、お給料やそれから設備投資を節約して利益を上げていったということも言えるというふうに思います。

 最近はやっと、特にコロナ以降ぐらいからデジタル投資が盛んになってきましたので、投資の額はほんの僅かですが増えてはきています。しかし、中長期的な観点から人を育てたり投資をしてこなかったことで、残念ながら産業競争力が下がってきてしまった、国際的に比べて。これがやはり大きな問題だというふうに思います。

 私は、コーポレートガバナンス改革の間違った方向性というか、行き過ぎた方向性の結果であるというふうに、この数年、十年近く前から国会で取り上げてきてまいりました。

 まず、コーポレートガバナンス改革についてなんですが、コーポレートガバナンスというのが非常に難しい言葉ですけれども、上場企業等の利益の配分の仕方、経営の仕方の指針であると思います。これは制度として金融庁や経産省がルールを定めてきました。このルールの決め方によって世の中の流れが変わってくるわけでございます。

 バブルの前ぐらいまでは、終身雇用ですとか中長期的な観点に立った投資が評価をされてきました。しかし、九〇年代ぐらいから、特にグローバルな証券市場からもっと短期に利益を出すような経営をするべきだというような声が上がりまして、政府の施策として四半期決算も導入されて、コーポレートガバナンス改革が短期的な方向に残念ながら行ってしまった。重要な観点ではあるんですが、それが行き過ぎてしまったというふうに思います。

 したがって、これは一定のところで見直していくべきであるということで、今年の予算委員会でも、私は、短期利益の追求のし過ぎである今のコーポレートガバナンス改革の在り方、これが成長を阻害しているということで、経営指針、これを短期から中長期へ変えるべきだということを取り上げまして、片山大臣はそのとおりだというふうに答弁をされています。

 このときは時間がなくてそれだけで終わってしまいましたので、短期的経営を是正するために具体的に今何を検討されているのか、お答えをいただければというふうに思います。

岩田副大臣 お答えをいたします。

 企業が、中長期的な企業価値の向上の観点から、自社の成長段階を考慮した上で、成長により得た利益を株主への還元とともに人的投資や設備投資、研究開発投資などの成長投資に適切に振り向けていくことは重要な課題でございます。

 そのため、現在検討しておりますコーポレートガバナンス・コードの改訂案におきましても、取締役会の責務として、会社の成長の道筋を構築すべきであるという旨、また、成長投資や事業ポートフォリオの見直し等の経営資源の配分について具体的に説明をすべき旨のほか、経営資源の配分が適切なものになっているかについて不断に検証を行うべき旨も明記することなどを検討しているところです。また、成長投資に向けた会社の果断な意思決定を後押しをする観点から、取締役会において重要な責務を果たす独立社外取締役の質の確保が重要である旨も明記することを検討しております。

 政府としても、このコーポレートガバナンス・コードの改訂を通じて、企業の長期的な成長に資する人的投資や新事業投資がより積極的に行われるよう、株主への還元も含めた企業の資源配分戦略を成長志向型に変容してまいります。

落合委員 今いろいろな施策が混じっていて、必ずしも中長期的な成長につながるのかなという部分もあると思うんですが、片山大臣が一言でおっしゃったように、短期的な利益を追求するコーポレートガバナンス改革から、中長期的な利益をしっかり考えていく改革に変えていくということでよろしいですね。

岩田副大臣 申し上げましたように、企業の中長期的な企業価値の向上の観点、こういった点からコーポレートガバナンス・コードの改訂について今議論を進めているということでございます。

落合委員 いろいろなところから、特にお金をいっぱい持っているいろいろな強いところからの要求というのはかなりありますし、野党である私のところにさえいろいろと意見がそういったところから来ることは多々ありますので、是非国益を考えてルールを決めていただければというふうに思います。

 経産省も、いろいろなというか、審議会の中で同じような議論がされているというふうに思います。経産省も、このコーポレートガバナンス改革をどのように考えているか、大臣にお聞かせいただければと思います。

赤澤国務大臣 我が国の企業の業績や株価は改善傾向にある一方で、設備投資、研究開発、人的投資といった成長投資は欧米と比べてなお低い水準にあります。また、株主還元はこの十年間で大きく増加をしているところです。

 こうした中、成長投資を通じて企業価値の向上につなげていくためには、資本効率の改善に加え、事業ポートフォリオの不断の見直しや成長事業への戦略的な投資の拡大を進めていくことが重要となります。

 経済産業省としては、現在、金融庁等において改定が進められているコーポレートガバナンス・コードの議論と連動しながら、成長志向型のコーポレートガバナンスの実現に向けた実務指針の検討を進めているところでございます。

 具体的には、企業の業績や成長ステージに応じた成長投資と株主還元の適切なバランスや、成長投資の拡大に向けて企業と投資家が共有すべき内容を整理をした成長投資ガイダンス策定に向けた議論を進めてまいりたいと考えております。

落合委員 もちろん、株式市場の活性化という観点は非常に重要であるというふうに思います。だからこそ、ここのお配りしたグラフのように、しっかり配当も出すようになりました。四半世紀で十倍ぐらい出している。これにプラスして、自社株買いという形の株主還元もしっかり行っています。自社株買いも史上最高額をずっと更新している状況です。

 答弁の中にも株主への配慮というのはありますが、やはり今までの改革は両輪のうちの片輪ばかりが進んでいったことでしっかり成長できなかったというふうに思います。株式市場への配慮だけでなく、しっかり国内でお金を回していく、そして企業の中でもお金を回していく、そこに今まで以上に重点を置いていくというように考えているということでよろしいですね。

赤澤国務大臣 まさに委員が御指摘のとおり、バランスが大事だということだと思います。

 そういう意味で、人的投資あるいは設備投資、そういったものの重要性というのをやはりちょっと考え直さなきゃいけないぐらい、配当は伸びましたし、あるいは外国の株式の取得とかにはお金が使われたんだけれどもというところがやはり問題意識としてはあるということだと思います。

落合委員 そこが重要であると思います。

 今回の目玉も、戦略的投資イニシアチブも、今言及があった海外への投資なわけです。こういった政策は今までもやってきたわけなので、やはり足りないところを意識して、そちらにもしっかりと重点を置いていくべきであるというふうに思います。やはり、国内の実体経済を成長させて、国内の企業を成長させないと日本経済自体は足腰の強いものになりませんので、そこに今は注力をするべきときであるというふうに思います。

 今回、コーポレートガバナンスについていろいろ調べていて、象徴的だなと思うのが、企業名を挙げるとあれですけれども、炭素繊維を開発した会社、これは世界にはないわけで、アメリカの飛行機メーカーなどもかなりの、一兆円ですとかの大型の契約を日本の企業と結んでいます。炭素繊維は、鉄の四分の一の重さで、強度は鉄よりか十倍以上だそうです。これをこの会社が開発するのには、大きい企業ですけれども、四十年以上かかっています。したがって、この巨額の投資が行われている間は、四十年間ずっと赤字なわけでございます。それでもそれを日本の産業政策は許してきた、むしろ奨励してきた。だからこそ、今世界に誇れる分野がまだ残っているわけでございます。日本の産業政策の強みというのはそういうところであるということはやはり忘れてはならないというふうに思います。

 それから、世界の創業百年以上の企業のうち四割が日本の企業、二百年以上続く企業のうち世界の六割は日本の企業ということでございます。やはりこれが我が国の産業政策の特徴であり、競争力の源泉であるというふうに思いますので、重要な観点だということを指摘をさせていただければと思います。

 では、いろいろと重なりますけれども、戦略的投資イニシアチブにつきまして、やはり、日本の経済政策のある意味成功部分なんですが、ちょっと意見を聞き過ぎてマイナス部分が出てきているのが、海外からの要求に応え過ぎてしまって国益を毀損しているんじゃないかというふうに国民が思うような部分も今までもありました。

 今回も、八十兆円以上アメリカに投資する約束を大臣がしてきた。これはトランプさんとの関税の交渉が基ですので、交渉するのは本当に大変だったことであるというふうに思います。

 しかし、我々は、我が国の国民、国家が損をするような政策を推し進めるわけにはいきませんので、ここはしっかりと進めていかなければならない分野であると思います。

 大臣がトランプ大統領と約束をされていたことが基になって、今回の法改正案にも、貿易保険法の改正等、関連する法改正が入っているわけでございます。今までいろいろな方からいろいろな質問がありましたが、やはり、私もビジネスマンの方々と話をしていると、トランプ大統領にあれだけ強く言われたら仕方ないけれども大丈夫なのかね、やはり強い者に言われると日本の国は従わなきゃいけないのかねというような話がビジネスマンの雑談の中でも出てきます。

 今回、産業競争力を強化するという上での法改正の中にこれも入っているわけですが、今回の八十兆円以上のアメリカへの投資の約束が日本の産業を強くすることにつながるんだということを、分かりやすく御説明を改めていただければと思いますが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 委員は御案内の上でいろいろと深みのある御質問をいただいていると思いますが、基本的に、毎年五兆円超米国から関税を課されるということになりました。二五%の自動車関税、相互関税等々ですね。これを結論において日米間の合意により二兆円削減をし、我が国の基幹産業である自動車産業について見れば、この関税を二兆円超削減できたことで、複数の大きな自動車メーカーは年間利益が飛ぶというような事態を回避できたということがあります。あるいは、半導体や医薬品については最恵国待遇を確保できた。

 私自身は、かなり、米国から日本の経済成長を牽制されるプラザ合意以降の流れを変えた、ある意味で歴史の流れを変える合意ができたと思っていまして、一言で言えば、一方的にアメリカがウィンでこちらがルーズになる五兆円超関税を課されるものを、二兆円減らしてもらって、やった戦略的投資イニシアチブはウィン・ウィンだということだと思っています。

 関税負担が我が国経済に及ぼし得る影響を緩和するとともに、EUを始めとする他国に負けない交易の条件や予見可能性を確保できたというふうに考えています。

 戦略的投資イニシアチブは、我が国企業の売上げの増加やビジネス拡大にも貢献するものであり、特別なパートナーと日米がお互いに認め合って、共に利益を得られる取組です。

 御指摘の日本側のメリットについてちょっと具体的な話をすれば、六件、今のところ案件を発表していますが、第一陣のプロジェクトは、工業用人工ダイヤの製造プロジェクトで、これは、今までは日米共に特定国に一〇〇%依存しているものを、このプロジェクトをやることで依存度を大幅に下げることができるとか、経済安全保障上のメリットがあります。あるいは、原油の輸出インフラプロジェクトであれば、世界全体のエネルギー需給の安定に資するほか、緊急時に日本がオフテイクを得られるという可能性、そういったようなことが今の中東情勢を考えれば重要であります。ガス火力発電プロジェクトについては、米国内で生成AIの利活用拡大やデータセンターの急増により電力需要が高まる中で、発電所に対して日本企業が機器、設備、プラントといったものを供給することで、AI分野のサプライチェーン強靱化に資する。そういったことで日本企業は技術を磨いて、更に成長の機会を得ていくということになります。

 引き続き、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるようなプロジェクトの実施に向けて、日米間で緊密に連携していきたいと思っています。

落合委員 今、大枠は合意をして、国際間で、国と国で合意をしていますので、大枠はなかなか変えられませんが、細かいところはまだ工夫の余地はあるというふうに思います。したがって、この大枠の枠組みが個別の日本企業にとってもしっかりとプラスになっていくようにやっていかなければならないというふうに思います。

 歴史を振り返ってみますと、大臣が今おっしゃった八〇年代のプラザ合意、それから九〇年代の半導体交渉、それから金融改革も九〇年代後半以降のそうかもしれませんが、本当に我が国のためになったのかなというような国際交渉とそれから国の制度変更が、歴史が十年ごとぐらいに繰り返していますので、今回も、十年後に振り返ったときに、何であんな約束をしちゃったんだろうということにならないようにしなければならないというふうに思います。

 約束した大枠の部分なんですが、八十兆円超の投資先というのは、米国大統領が米国商務長官を議長とする投資委員会をまず設立して、その委員会から推薦された案件の中から投資先を決定する。日本は、独自の裁量により、投資に対して必要な資金を提供しないということの選択もできますが、そのような決定を行う前に米国との協議を行うということとなっています。それに加えて、それでも日本が資金提供を行わないことを選択した場合は、米国はまた関税を課すことができるという約束になっているわけで、これは交渉は大変だったと思いますが、大枠で仕組みを見ると、残念ながら不平等条約だなというふうに外から見ると思うわけですが、これは残念ながら不平等条約だというふうに言ってよろしいんでしょうか。

赤澤国務大臣 結論から申し上げれば、そのようには全く考えておりません。

 戦略的投資イニシアチブは、今御指摘の協議委員会を通じて、収支相償、償還確実性、あるいは日本企業への裨益についてしっかりと精査、確認を行っており、その協議委員会で日米が合意したものが投資委員会にかかって、大統領のテーブルの上に並ぶということでありますので、その点、しっかりきちっと確保していくことが制度上、MOU上保障されているということがあります。

 その上で、さらに、ペナルティーのお話でありましたけれども、了解覚書では、協議委員会での日米間の協議等を経て日米で実施するプロジェクトについて一致したにもかかわらず、我が国が資金提供を行わない場合は、米国が関税を引き上げることができると規定されています。

 一言で言えば、協議委員会でプロジェクトの実施について日米が一致したにもかかわらず、資金提供をしないことは基本的には想定されませんので、本イニシアチブが不平等との指摘は当たらないものと考えています。

 この辺は理解していただく上で参考になるかですけれども、結局、両国とも、合意した後で自国に戻ると、マスコミや議会において、何か譲り過ぎたんじゃないか、交渉で負けたんじゃないか、おまえは国を売ってきたんじゃないかと、日米両方ともやられているわけです、政府は。米国の側でいえば、日本は大統領令もかち得て関税を下げさせた、その見合いの八十兆円、日本がちゃんと約束を守る根拠はどこにあるんだと、トランプ大統領もラトニック商務長官もベッセント長官もいろいろなところでやられているわけです。

 そういう意味で、彼らからすれば、日本が約束を守らなければ関税を元に戻すんだということは担保しているとか、そういうことも言わないと立っていられないわけで、そういうところもちょっと含めて、お互いそういう理解の下で、お互いが立っていられるような説明の仕方を考えながらMOUを作ってやっているということについては、是非御理解をいただきたいというふうに思います。

落合委員 大臣がおっしゃるように、協議委員会で合意をするという部分はかなり重要だと思います。

 この協議委員会も、上下関係ではなくて、対等にしっかり協議して合意ができるんだというような仕組みになっているということでよろしいですね。

赤澤国務大臣 これは、やはり、先ほど委員がおっしゃったプラザ合意とかいろいろあったときに、過去、日本はGDPが米国の半分に近づいた辺りで物すごくライバル視されて、経済成長を牽制されるような流れが来たわけですけれども、今、特定国が経済的威圧をやり、それに対して日米が特別なパートナーと認め合ってしっかり対抗していこう、それはある意味、封じ込めて無効化していこうというようなことで、ある意味組んでやっていますので、そういう意味では、この投資イニシアチブの結果、日米企業が赤字に陥るようなこと、赤を出すようなことは絶対しないようにしようとか、そういうことは、少なくとも、私とラトニック商務長官の間では常に合い言葉で、黒字が必ず出るものをやろうなということを言いながらやっているところがあって、少なくとも、今の日米両政府の間では、そういう信頼関係、特別のパートナーとして、経済的威圧をやっているような特定国にしっかり対抗していく、我々は仲間だから、力を合わせて必ず目的を達成しような、こういう感じでやっているわけでありまして、そこは信頼関係があると私自身は思っております。

落合委員 この交渉は一国民ができる話ではなくて、政府がいかに、一ミリでも、小さいところでも国益を考えて最後まで交渉していくということが、続くことが重要であると思いますので、私もこれからも注視をさせていただきたいというふうに思います。

 それから、その次の質問は、山岡委員が資料を、似ているものというか、もっと専門的なものを配っていました。私はこの論文を知らないで質問通告をしたのですが、やはり、八十何兆円のお金を日本が投資をするということは、例えば、ここにもあるように、メガバンクが調達できるのかというような問題もある、ドルの調達の問題ですね。それから、メガバンクも規模の限度がありますので、余りにも、絶対この融資をアメリカに対してしてくれとなると、与信全体の枠というのがありますので、国内案件、それから海外で、ここにも例がありましたが、インドへの案件でもうかるものがあるものをやめて、アメリカにドルを使わなきゃいけないかもしれない、そういったものが出てくるのではないかという指摘が、私も元銀行員ですが、金融関係者の中ではかなりあります。

 これは、しっかり国が責任を持つというか、面倒を見るんだ、国内の投資を海外にまで回させるようなことはしない仕組みをしっかりつくっていくんだということでよろしいですね。

赤澤国務大臣 まず、日米政府の戦略的投資イニシアチブでは、JBICと民間金融機関がそれぞれドル建てで出融資を行い、資金調達することとしています。

 民間金融機関の資金調達方法の詳細は把握はしておりませんが、プロジェクトへの資金拠出は、案件の進捗に応じて段階的に行うため、一度に相応といいますか、多額の、何か円安を招くような規模の資金調達が必要になるというような事態を必ずしも認識しているわけではありません。

 JBICの資金調達について言えば、政府保証つきのドル建て債券の発行により、円を市場で売らず、直接ドルを調達するようなことも可能ですし、外為特会が、一・四兆ドルの外貨準備があるというようなお話を繰り返しさせていただいていますけれども、そのドルを貸し付けてもらうというようなことも考え得るところであります。

 一般論として、民間金融機関が負担を感じずに、安心してプロジェクトに参加できる環境を整えませんとプロジェクトはうまく進みませんので、三メガの皆様からの希望とか不安もよく聴取しながら、しっかり実現をしてまいりたいというふうに思う次第でございます。

落合委員 元々、日本の円の価値が上がらないというか、十数年前と比べるとドルに対して半分ぐらいに円の価値がなっているわけです。金利差が最近は縮まってきているにもかかわらず円安が止まらない。この原因は、投資家、個人投資家もそうですし、あと企業も、海外に投資してばかりだということがこれまでも指摘がされてきました。それから、国内の、特に国民生活に必要不可欠なデジタルですとか食料ですとかエネルギーの自給率が低過ぎる。なので、国民が普通に生活したり経済活動するだけで円安が進んでしまうということも指摘がされてきました。

 だからこそ、国内の産業を強くして自給率を高めて、それから、日本人は海外にばかり投資しないで国内に投資してください、そのためにこの法改正が行われていくんだというふうに思いますが、この全体の中に、こういった、また海外にどんどんお金が流出していくようなものが入っているわけです。ここは、産業政策が成功するかしないか、日本経済のお金の循環がうまく回っていくかどうか、ここはかなり重要なポイントだと思いますので、変な方向に行かないように注視をしていただければというふうに思います。

 それでは、国内の方、エッセンシャルサービスの件につきまして取り上げさせていただきます。

 私は、こういった政策が今回行われるのは非常にいいことだというふうに思います。この法案の中に、産業の担い手の確保に資する生活基盤の維持ということで、都市部よりも主に地方が対象になると思いますが、こういったものが法改正案の中に入っています。

 特に地方では、少子高齢化が進み過ぎてしまって、生活に必要な事業さえもなくなってきてしまっている、それが更に人の移動を生んでしまう、都会の方が便利だから引っ越そうということになってしまうということで、エッセンシャルサービスの担い手がいなくなることで過疎化というか一極集中が進んでしまうので、これを経産省の施策で何とか止めていこうというようなことを打ち出しているわけでございます。

 エッセンシャルサービスというのは、国民が生活するのに必要な物やサービスを提供する仕事でありまして、公的なものというよりも、民間企業が担っているのは、食品小売、バス、タクシーなどの交通、運輸、ガソリンスタンド等、これらの維持のために、経産省の施策として、今回、これを集約化の支援をしたりですとかするという仕組みをこの法改正の中に入れています。

 これは今まで経産省の政策にはなかったことでして、意義があると私は思うんですが、改めて経産省から、こういった支援策を入れた意義、それから、今までの経産省の政策とは違うでしょうから、その違いについても教えていただければと思います。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 少子高齢化による人手不足につきましては、労働集約的なサービス業において非常に深刻でございます。特にエッセンシャルサービスの維持が困難になるおそれがあるというふうに認識をしてございます。御指摘のとおり、エッセンシャルサービスは産業の担い手の生活基盤として不可欠であることから、その維持は我が国の産業の持続的発展にとって重要だというふうに認識をしてございます。

 御指摘のとおり、中でも、小売でありますとかガソリンスタンド、交通などは、地域の人々の生活維持にとって重要性が非常に高い一方で、民間事業者がその供給主体となっておりますので、市場経済の下で採算性が確保できなければ撤退を余儀なくされてしまいます。

 このため、経済産業省として、従来とは異なって、成長産業を支援するだけではなくて、少子高齢化という長期的、構造的な課題を直視いたしまして、地域の生活を底支えする生活基盤としてのエッセンシャルサービスの持続性確保に向けた政策対応を講じることとしたものでございます。

 また、エッセンシャルサービス事業の持続性確保の観点から、事業者の事業運営の効率化に対する金融支援を始めとした、産業政策の手法を用いた政策対応を講じることとしたものでございます。

落合委員 こういった産業は、利益率は低いと思いますが、特に地方では雇用先になっているのと、事業規模は地方経済の中ではそれなりにありますので、GDPに対する影響は物すごくあるというふうに思います。これはどこかで試算を見たんですが、エッセンシャルサービスが地方でどんどんなくなっていくと、GDPの下押し圧力、下がる圧力になるというようなことです。

 これは日本経済全体にとっても重要な施策であると思いますので、もうけるための支援だけでなくて、こういった事業の維持ということもこれからは重要になっていくんだということを私も意識をしていきたいなというふうに思います。

 では、最後、経産省それから内閣府に一問ずつですけれども、伴走支援の機関として、商工会や協同組合に加えて地域金融機関が指定をされています。これは非常に重要なことであると思います。地域金融機関は、地元の企業の声を聞いているだけでなくて、事業をするときのお金もその金融機関が提供するわけで、伴走者としては非常に重要だと思います。

 そこで、我々、選挙をやっているといろいろな事業者とお話をする機会があるわけですが、私は東京の選挙区ですが、最近、地方からも、企業から意見が来ることがあります。それは、自分の地方のある地区で、金融機関が二つあったのが一つになった、そうすると、与信枠はそのままじゃなくて少なくなっちゃうんだと。新たに設備投資しようとしてもその地区に金融機関がありません。だから、新しい事業ができない、若しくは事業拡大ができない、どんどん縮小していっちゃうんじゃないかという意見を聞くわけです。確かにそうで、しかもかなり複数から聞きますので、大臣のように地方の選挙区の議員の方々はもっと聞いている話だと思いますが。

 二十年ぐらいやってきた地域金融機関の集約化、例えば隣の県の金融機関と合併するんだったらまだ分かりますけれども、その地域、同じ地域で合併させるというのは、私は経済にとってはマイナスがあるというふうに思いますが、大臣、その点はいかがでしょうか。

赤澤国務大臣 委員からの問題提起でありますので、しっかり今後検証すべきところは検証したいと思います。

 成長型経済に向けて、中小企業、小規模事業者による設備投資を促して稼ぐ力を高めるためには、御指摘のとおり、地域金融機関の担う役割、おっしゃった伴走支援、非常に大きいと思います。

 こうした地域金融機関の役割を補完すべく、信用保証協会が民間金融機関からの借入れに対する債務保証を行う信用保証制度の措置とか、日本政策金融公庫による設備資金も含めた融資の実態を通じて、中小企業への資金供給の円滑化を図っております。

 さらに、今般の本法案において、中小企業が多いエッセンシャルサービス供給事業者が行う投資に対する金融支援として、信用保証協会による一般保証枠とは別枠での債務保証、日本政策金融公庫による特別利率での融資、中小企業基盤整備機構による債務保証についても措置することとしているところです。

 ということで、委員の御指摘の問題意識についてはしっかり共有させていただいて、必要に応じて検証してまいりたいと思いますが、引き続き、本法案で用意したようなそういう資金繰り支援などを通じて、適切な対応に万全を期してまいりたいと考えております。

落合委員 それが実際には金融機関が集約し過ぎて難しいんじゃないですかということなんですが、今日、岩田さんにいらしていただいているので、大臣との議論はまた次回に行わせていただくとしまして。

 金融庁の施策として、金融機関の財務体質の強化というのは重要だというふうに思います。特に、二〇〇〇年前後ぐらいはそれが原因で新たな資金供給ができなくなった、不良債権問題で。ですから重要だと思うんですが、集約が行き過ぎて、地域によっては金融機関が選べない、そういう事態がもう起きてしまっていると思います。

 金融庁の方針も、都会はまだ今の方針でいいと思うんですが、地方は変えていくべきである、集約化一辺倒というのは改めるべきではないか、これは日本経済の成長のためにそう思うんですが、いかがですか。

岩田副大臣 お答えをいたします。

 金融庁といたしましては、地域の金融機関が地域における幅広い金融仲介機能を継続して発揮していくためにも、経営改革に着実に取り組んでいただくことが重要であると考えておりまして、合併はあくまでそのための選択肢の一つである、このように考えているところです。

 その上で、合併を契機に金融機関の与信管理方針の見直しが図られることはあり得ますけれども、金融機関の合併によって必ずしも個別企業への与信枠が減少するものではなく、金融機関が合併することで自己資本額が総体として増強される、そして大口信用供与等の上限が引き上がるなど、経営基盤の強化を通じて幅広い金融仲介機能を発揮するに当たってのリスクテイク余力も拡大する、こういった面もあるものだ、このように認識をしております。

 また、合併や経営統合する地域金融機関に対して必要経費の一部を国が交付する制度として、資金交付制度がございます。この中で、地域金融機関による地域経済への貢献を確保する観点から、申請時に提出していただく実施計画の中で、中小企業等に対する信用供与の円滑化など地域経済の活性化に資するための方策を策定することを求めるとともに、実施計画の認定後は、半期ごとに計画の履行状況について報告をすること、こういったことも求めておるところでございます。

 同制度におきましては、先般、四月二十四日でございますが、成立をいたしました金融機能強化法等改正法におきまして期間延長と拡充が図られたところでもありまして、金融庁としては、引き続き、同制度の運用等を通じて、地域金融機関が地域経済の活性化に貢献しているかも含めて、合併や経営統合等の状況についてしっかりとモニタリングをしてまいります。

落合委員 ここら辺は大きな修正の余地があると思いますので、また改めて取り上げさせていただきます。

 ありがとうございました。

工藤委員長 次に、丹野みどり君。

丹野委員 よろしくお願いします。国民民主党、丹野みどりでございます。

 今日も、法案の質疑に入る前に、今回もまずは中東情勢とシンナーの供給不足についてから伺いたいと思います。

 前回、四月二十二日の法案審議において、地元の塗料会社の方から本当に切実なお声を伺ってまいりました。シンナーがとにかく入ってきていないんだと。そのお声のお答えとして、大臣から、本当に、川上では足りているんだ、流通の目詰まりがあるので、それを経産省を挙げて全力で取り組むので、ちょっと時間がかかるかもしれないけれども頑張ってほしいということを御回答いただきました。

 実は、この質疑の模様をインターネット審議中継で地元の方が全部御覧になっていて、大臣の答弁を聞いて、今本当にシンナーが不足していて非常に厳しいけれども、ああいう御答弁をいただいたのでとてもうれしかった、厳しいけれども頑張るというようなことをおっしゃっていただいて、本当によかったなと思ったんですが、ゴールデンウィーク中もいろいろなお声を伺っておりまして、やはりまだ厳しいというお声があったんです。なので、ちょっと一部を御紹介したいんです。

 前回はありがとうございました。しかし、依然として厳しい状況にあります。前の年に比べて、三割あればいいくらいかなという状況です。シンナーと一口に言っても、いろいろな溶剤が重なって一つの製品を作るので、これこれがあればできるみたいな状況じゃなくて、一つでもないとやはり製品として成り立つことができない、そういう状況にある。なので、いろいろ書いてもらっているんですが、とにかく足りているという実感がないというのが現状のようです。

 そこで、伺いたいと思いますが、ゴールデンウィークが明けました。このシンナーの供給状況について、最新の状況を教えてください。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 原油や石油製品については、日本全体として必要となる量を確保できており、年を越えて石油の供給を確保するめどがついております。また、シンナーの原料となるナフサについては、備蓄原油を用いて国内での精製を継続していることに加えまして、中東以外からの輸入拡大により、ポリエチレンなどの中間段階の化学製品の在庫も合わせますと、これまでの半年以上から更に延び、年を越えて継続できる見込みでございます。

 実際に、シンナーにつきましても、前年と同程度の供給を継続しておりますが、川中から川下への流通過程で供給の偏りや流通の目詰まりが一部で発生していると認識しております。

 したがって、需要家の方々に対しまして、前年同月同量を基本とした調達を呼びかけております。例えば、四月二十八日には、全国各地のホームセンターに対して顧客向けの掲示をするよう要請し、張り紙で通常量での購入の協力、情報提供窓口の活用を周知したところでございます。

 引き続き、川上の製造事業者の供給状況を確認しつつ、川中から川下の状況も丁寧に把握し、迅速に目詰まり解消に取り組んでまいります。

丹野委員 ありがとうございます。

 やはり、川上では絶対量はあるんだと。なので、本当にいろいろなところで目詰まりを起こしているので、今のお答えのように、本当に、前の月と変わらないように必ず流通してほしいというコメントはありがたいなと思いますが、やはり、地元でお聞きしておりますと、こうしたシンナーだけではなくて、本当にいろいろな業界のいろいろな業種でお声を伺うんですね。もうあれが足りない、これが足りないという状況でして。例えば、美容室に行くとカラー剤が足りないとか、建築業に行くとシンナーが足りないとか、塗料でもうできないとか、あらゆる産業が影響を被っているというのを本当に実感します。

 こうしたお声を伺っていると、一方で、もうこれは切りがないなという、正直そんな気持ちも持ってしまうんです。こういう有事の際に、供給が今どういう状況にあるかというのを、やはり皆さんが自分たちで分かって対策を取れるというか、現状の、今どういう状況かというのが分かる体制というのはやはり必要ではないかと思うんですね。

 ただ、これは難しいのは、ふだんは商売敵なわけですね。なので、なかなか全部手のうちを明かすことはできないし、いろいろな細かい流通のことまで言えないというのは認識しております。

 ただ、こうした有事の際は、やはりいろいろな産業ごとに状況も違っておりますので、こうした流通にまつわる情報共有の在り方といいますか、見える化みたいなものを少し取り組んで構築してはいかがかなと思うんですね。こういった流通の正常化に向けた今後の対応方針を、是非赤澤大臣、お願いします。

赤澤国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 まず、周知という意味では、我々が一番心がけているのは、原油や石油関連製品については日本全体として必要となる量は確保ができていると。ここをきちっと周知しないと、全体として足りないとなると、誰かが我慢しなきゃならない、それは私がなるのは嫌だからふだんの十倍注文を出すとか、そういう世界に入っていっちゃうので、そこは、一番大事な周知の部分は一生懸命やっているということだと思います。

 その上で、サプライチェーンの幅広い事業者の不安を解消できるよう、こうした全体の供給状況や、一部で生じている供給の偏りや流通の目詰まりの解消事例、一番元は児童用カテーテルの滅菌用のA重油とかいうのに始まって、ずっと目詰まりを解消した事例についても発信をしてきております。

 その上で、関係省庁に設置された情報提供窓口を通じて接着剤などのサプライチェーンの情報を集約し、供給の偏りや目詰まり箇所を特定し、一つ一つ確実に解消してきたところ、その方法について一定の知見が得られてきています。

 例えば接着剤については、三月の生産量は実は前年同期比〇・九%プラスであったのでありますが、当面の生産に大きな支障はないにもかかわらず、一部の流通、需要側が実績を超える量を発注して供給に偏りが生じていると。

 こういったことに対して、原料である溶剤メーカーに溶剤の安定供給を要請した上で、サプライチェーン間での供給見通しの共有を促す、その上で需要側にも業界団体を通じて通常量の購入を維持するように要請する。端的に言うと、ホームセンターとかにポスターを貼って、前年同月比同量を買ってください、大量発注はやめてくださいみたいなことを呼びかけたり、ということで目詰まりを順次解消してきております。

 まさに委員おっしゃってくださったように、ちょっと切りがないというようなところもないわけではなく、特に建設関係は、工務店は大体一人親方だったりするので、業界団体を通じてもなかなか声が届かなかったりして、しかもホームセンターで買われるので、そこにポスターを貼るしかないなとか、ちょっといろいろ苦労しながら、工夫しつつやっているところではあります。こうした知見を業界横断で展開することにより、流通のお困り事を一つ一つ着実に解消していきたいと思います。

 ただ、その中で一つだけ申し上げておくと、全体量は足りている中で目詰まりなんですが、そういう中でも本当に急ぐのはやはり医療関係とか、命に関わる部分は、これはもう、連絡いただいたら直ちにサプライチェーンを全部一個一個遡って必ず目詰まりを特定して、迅速に、数日以内に解消するようにしておりますので、そういう意味では、国民の皆様の命をまず守り抜く、それに加えて経済とか生活を守るということをしっかりやっていきたいと思います。

丹野委員 細かく御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 私の地元が愛知県の豊田、みよしなんですね。自動車産業が、非常に集積地ということで、中心地であります。自動車に関連して働いていらっしゃる皆さんも多いものですから、ここからは自動車産業の話を絡めてちょっと伺っていきたいんです。

 今流通の話がありましたけれども、特に、自動車を造る際に、お声として、品質管理をする、安全管理をするために、その観点から、例えばこのボディーのここの部位にはこの塗料で何番と、全部すごく細かく決まっているそうです。それが入らなくなったからといって、代替品でいくというのはできなくて、やはり安全管理、品質管理上ここはこれと決まっているものですから、それを変えようとするとすごいえらいことになっちゃって、なかなかそれができないんだと。薬だとジェネリックみたいなものがあるわけですけれども、こういった業界では、それがなかなか代替がすぐというわけにはいかないと。

 もう一つ、当然、在庫を持たないようにしていますよね。在庫を持たないようにしている、それが平常時は産業競争力の強さであり、それがビジネス上の強さであるんですけれども、一たびこういう有事になってしまうと、それが裏目に出てしまう、そういう状況にもなっております。

 なので、これは平常時と有事というところで非常に難しいんですけれども、こうした自動車産業に特化した特性があるこのサプライチェーンにおいては、この課題について経産省がどのように認識をされているのか、教えてください。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、自動車メーカーは、よい品質で、安く、タイムリーに自動車を生産するため、自動車生産の仕様を細かく定めるとともに、できるだけ在庫を少なくして、その時々に必要な部素材を調達する生産方式を採用してきました。

 一方で、そうした生産方式の下では、例えば災害時などの部素材の供給が途絶した際、生産を停止せざるを得ない事態に発展する可能性もございます。このため、必ずしも安価でなくとも、物資供給の信頼性や安定性を重視して、調達の複線化の対策を講じるといったアプローチも重要でございます。

 政府としては、例えば、重要鉱物について、鉱山開発、製錬事業への出資や助成金支援による供給源多様化に向けた取組を行うとともに、サプライチェーンの中下流に位置する事業者による調達ルートの切替え支援を行うこととしております。自動車メーカーにおいては、こうした支援措置も活用しつつ、サプライチェーンの強靱化に向けた取組を一層進めていただきたいと考えております。

丹野委員 自動車のサプライチェーンについてお答えいただきましたけれども、ちょっと広く捉えたいんですけれども、今お話ししたように、自動車ならではの特性もありまして、サプライチェーンも非常に複雑である、国際情勢も直結していて一寸先は闇である、部素材の調達も本当に容易じゃないと。もういろいろ課題が山積している中で、こういう自動車産業があるわけですね。

 高市総理の十七の分野には、自動車産業としては単独では入っておりませんが、日本経済をこれまで牽引してきたこの産業がどうして入っていないのかなと素朴に思いますし、今後、これをどう捉えて成長していくというふうに捉まえているのか、この自動車産業における中長期的な発展に向けて、経産省の考えを教えてください。

赤澤国務大臣 実は、最初説明を聞いたときに、私も委員と全く同じ疑問を持ったんです。何で自動車が入っていないのと。

 ただ、それに対する答えは、今は私も納得しているんですけれども、高市内閣の掲げる戦略十七分野は、我が国として重点的に投資を進めるべき先端技術に着目をして分野を特定したものと。だから、これを作った側としては、自動車技術というものはないのだと。ちょっと、そうなると、余りに幅広過ぎて、自動車技術と言ったときに何のことを言っているのか分からぬから、技術に着目して、例えばフュージョンの技術とかいろいろありますけれども、ということで、何か、自動車が重要性がなくなったから、今後基幹産業ではなくなるからとかいうようなことでそうしたわけでは全くないということです。

 自動車産業について言えば、様々な技術を総合して自動車を生産し、我が国の雇用の約一割、輸出の約二割を支える基幹産業として、戦略十七分野に掲げられたAIとか半導体、あるいはGXなどへの投資による成果を全部組み合わせて、自動車産業全体の競争力強化や成長につなげていくことが期待されるという考え方です。

 経済産業省としては、我が国の自動車産業が、GX、DXという大きな変革の中で、未来を見据えながら国際的な競争力を維持強化することを全力で後押しをしてまいります。

 具体的には、EVとかFCV、ハイブリッドなど多様な選択肢を追求するマルチパスウェー戦略を進めるとともに、官民で連携して半導体、ソフトウェア、自動運転等のデジタル投資を進めてまいります。

丹野委員 ありがとうございます。

 確かに、先端分野ではないというか、自動車全体で捉えるとというのは一部納得はするんですけれども、その中でも全固体電池とかe―フュエルとか、いろいろ最新技術も自動車の中にはありますので、ここもしっかり、あと力強く後押ししてほしいなと思っております。

 では、今回の法案について伺ってまいります。

 前回も申しましたけれども、やはり、個人的な印象もちょっと入るんですが、今回の大胆な投資促進税制なんですが、要件がちょっと厳しいかなと思うんですね。非常にハードルが高い印象を受けます。具体的にどういった事例を想定しているのか。特に、中小企業がなかなかイメージがつかないかなと思います。これは想定事例でも結構ですので、製造業と非製造業の事例というのを教えてください。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 大胆な投資促進税制につきましては、全業種を対象といたしまして大規模かつ高付加価値な国内投資を促進することを目的としてございます。

 御指摘の中小企業の想定事例といたしましては、例えば、製造業につきましては、成長途上の食品製造業者が、工場が手狭になってきている状況で、国内の生産能力拡大のためこの税制を活用し、工場の新設や機械装置などを一体的に投資を行い製造能力を高める事例ですとか、それから、御指摘の非製造業につきましては、例えばですけれども、小売業の事例として、地域密着型のスーパーマーケットが店舗拡充のため本税制を活用して新規出店計画を進めていく事例など、様々な活用事例があり得ると考えているところでございます。

丹野委員 ありがとうございます。

 今、事例を紹介してもらったんですけれども、大手スーパーですとかそういう余力があるところは、五億円以上とか、ROIが一五パー以上とか、そういう要件もクリアできるのかなと思う反面、やはり対象となる中小企業の投資案件が余りないんじゃないかなという印象をまだ持ってしまいます。

 中小企業投資促進をてこ入れするんだという文脈においては、本税制は余りプラスにならないんじゃないかなと思っているんですけれども、何度も済みません、中小企業について、ここはプラスになるのでしょうか。お願いします。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 大胆な促進税制、先ほど申し上げましたとおり、全業種を対象として大規模で高付加価値な国内投資を促進することを目的としておりまして、投資計画が五億円以上ということであれば、投資利益率などの要件を満たす場合に中小企業が利用可能となってございます。先ほど例でもお示ししましたけれども、例えば、中小企業が工場の新設や増設に際して建物と機械装置などを一体的に投資するような案件に御活用していただけると考えております。

 また、この税制とは別に、投資利益率が七%以上で、基本的に投資規模などの要件がない中小企業経営強化税制という既存の制度がございます。こうした税制については、大胆な投資促進税制との選択も可能となってございます。したがって、中小企業のニーズに応じて活用することが可能だというふうに考えております。

 その上で、地域の中小企業の投資促進を図ることは我々としても非常に重要だと思っておりまして、お示ししたようなこうした投資促進税制をより活用していただくためには、中小企業による制度に対する理解ですとか、あるいは申請手続の円滑化が極めて重要だと考えておりまして、今後、両税制の周知、広報にもしっかりと取り組んでいきたい、このように考えてございます。

丹野委員 ありがとうございます。

 中小企業の話をしておりますので、ちょっと続けていきたいんですけれども、取引の適正化ですとか賃上げについて伺いたいなと思っております。なのですが、ちょっと時間も来ましたので、またお昼を挟みまして、午後から中小企業について質問を続けたいと思います。

 どうもありがとうございました。

工藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。丹野みどり君。

丹野委員 引き続きよろしくお願いします。

 昨年の委員会で取適法の改正を審議しまして、今年の一月に施行されています。地元の商工会議所でも、この法改正がどういうふうに変わったかとかというセミナーを行いました。周知に努めている最中なんですけれども、私もそのセミナーに参加をしまして、この法改正でこうなりましたみたいなことを言ったんですけれども、そのセミナーが平日のお昼間に開かれました。

 感じたのは、二、三十人いらっしゃったんですけれども、平日のこの時間にいらっしゃれる方というのは、社長自らが働いていらっしゃると難しいですし、なかなかやはりこのセミナーに参加できないよなということも正直感じました。そういった社長さんは、当然、電車にも乗りませんから、車内広告で周知といっても、そういうのも難しいとか、いろいろ難しいんですよね。

 その周知方法を考えたときに、前回の質疑でもお話ししたんですけれども、中小企業の補助金というのがいっぱいあるんだけれども、その申請の仕方がとても難しくて複雑なので、補助金は欲しいんだけれども、申請書類が複雑で多過ぎて諦めている、本当に必要な人に届いていないということを指摘させてもらいました。全くこれと同じ構図だなと思っておりまして、取適法も一番必要な方に伝わっていないんじゃないかという危惧があります。

 この周知において、経産省の方は、どのような周知を実際に図っているのか、そして一番肝腎な、本当に必要な人に対してどのように届けているのか、教えてください。

山本政府参考人 お答えいたします。

 取引適正化法の実効性を確保するためには、委員御指摘のとおり、その内容を事業者の皆様にしっかりと知っていただくことが重要でありまして、周知、広報につきまして、公正取引委員会と連携し、進めているところでございます。

 具体的には、全国四十七都道府県での説明会、事業所管省庁と連携した業界向けの説明会、中小企業団体を通じた説明会、価格転嫁講習会やセミナーの開催などなど、様々な機会を捉えて大規模な周知、広報を進めておりまして、これまで、累計になりますけれども、十万人を超える方に御参加をいただいております。

 また、委員御指摘のとおり、説明会に御参加いただけない事業者もいらっしゃいます。このような方々に向けては、御都合のよい時間に視聴いただけるアーカイブ動画の配信でありますとか、ウェブ広告、ポスター、リーフレットの配布なども行っておりますほか、中小企業、小規模事業者の皆さんが日頃からやり取りをしておられる方々からのインプット、具体的には地域の金融機関や税理士といった方々と連携した周知にも取り組んできているところでございます。

 こうした取引適正化法の周知、広報を通じまして、まだまだ十分ではないところがあると存じます、小規模な事業者を含めて、価格転嫁、取引適正化をしっかり推進してまいる所存でございます。

丹野委員 ありがとうございます。いろいろな周知方法があるんだなというのが分かりました。

 もう少し、この取適法について伺っていきたいと思います。

 実効性をどう担保するかというのに、本当にもう尽きるなと思っておりまして、今回の法改正で、交渉のテーブルには着くんだけれども、着きなさいと、それは言っている。なんだけれども、実態として、話は聞くよと、聞いたんだけれども、でも、価格の転嫁はしないという、これが実情かなと思うんですね。

 地元で、これもお話を伺ってきたんですけれども、ある五十代の奥様です。御主人と二人で自動車の下請の、もう下請の下請の、孫、孫、もうずっと先ですとおっしゃっていましたが、そういう状況の工場をやっていたと。その会社の取引先が作れないものをオーダーしてくるそうです。なので、今回はこれを作ってとか、今回はこれをみたいな感じで、言われるたびに設備投資をして、注文に応じて納めているんだけれども、当然回収ができなくて、どんどん赤字が膨らんでいって、本当に朝から晩まで一生懸命働いているんだけれども、どんどん借金が膨らんでいって、つらくなってしまって、先日、工場を畳んだというんですね。その御主人は仕事を替えて、借金だけ残っているので、ほかの企業でちゃんと働いていって借金を返そうと思っていると。その奥様も、私も働いて借金を返していこうと思っていますみたいなお話がありました。

 本当に切実なお話を伺うにつけ、やはり下請法の価格転嫁をしなさいという環境は整ってはきているんだけれども、そういう実態例がある以上、やはりそこに浸透していないんだなというのをすごく感じるんです。実際、フォローアップ調査が行われていますけれども、実態としてこの法の施行後もそんなに変わっていないんじゃないかなという状況も感じるわけです。

 交渉結果が中小企業にとってしっかりと実益を伴うようにするためにどういった取組を進めているのか、そして、今後の対応方針もお示しください。

向井政府参考人 お答えいたします。

 価格転嫁及び取引の適正化を目的といたしまして、本年一月一日に施行されました改正下請法、いわゆる取適法では、新たに、協議に応じない一方的な代金決定というものが導入をされたということでございまして、これによりまして、協議をすることによりまして価格転嫁を進めていこうというものでございます。

 一方で、公正取引委員会といたしましては、取適法の対象外の取引も含めまして、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁が進むことが重要だと考えておるところでございます。そして、公正取引委員会では、価格転嫁の状況を把握するための大規模な書面調査を毎年実施しておりまして、同調査に基づきまして、違反行為の未然防止の観点から、注意喚起文書の送付等を行っておるところでございまして、今年もこのような調査を実施するところでございます。

 そして、取適法以外の分野の価格転嫁、それを推進するためにどういう取組が必要かという観点から、令和七年七月からでございますが、公正取引委員会と中小企業庁が共催をいたしました有識者会議、企業取引研究会というものでございますが、この中で議論を進めてきたところでございます。この議論を踏まえまして、独占禁止法上の優越的地位の濫用に関するガイドラインの改正案を公表いたしまして、三月十二日から四月十三日までパブリックコメントに付しておるところでございます。

 このガイドラインの改正案では、取適法が適用されない取引も含めてサプライチェーン全体で実効的な価格協議が行われるようにするため、想定例といたしまして、実効的な価格協議が行われずに対価が定められ独禁法上問題となる具体的な事例というものを追加をして、考え方を明らかにしておるところでございます。

 公正取引委員会としましては、まず、パブリックコメントで提出された意見も踏まえまして、最終版の公表に向けた作業を進めるとともに、最終版の公表後におきましては、改正されたガイドラインの周知、広報、そして法執行での活用を通じまして、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁が図られるように取り組んでまいりたいと考えてございます。

丹野委員 お取組を教えてもらって、ありがとうございます。

 先ほど申し上げました事例なんですけれども、取適法のくくりでいうと対象外かなと思うんですね。小さ過ぎてというか、零細同士で、小さ過ぎて、その枠外かなと思うんですが、取適法の枠外だと、今度は独禁法の対象になるのかなと思っていて、いずれにしろ、何らかの法ではカバーされているんだけれども、なかなか現場ではそういう知識もない。小さ過ぎる取引同士とか、逆に大き過ぎる取引同士というのは対象外なんだけれども、独禁法もあるんだけれども、なかなか難しい。今回も、価格転嫁をしてほしいと再三言ったんだけれども、今回はできないけれども、次回補償金みたいなものをつけてあげるみたいに言われたんだけれども、結局実行されなかったと。

 いずれにしても、とにかく理不尽なことを言われまくっても、そこしか取引をしていないので、もう何もそれ以上言えない。公正取引委員会が幾ら厳しく、公表するよとか、いろいろな枠組みがあっても、結局、なかなか言うに言えないというところがあります。

 こういう実態もあるなというところで、本当にこれは前進してほしいなと思うばかりなんですけれども、実態が、成果が芳しくないと、賃上げの原資もなかなか生まれてこないと思っておりまして、物価対策として税制優遇等は短期的に理解はできるんですけれども、本質的に必要なのはやはり賃上げだと思っております。

 先日発表されました二〇二六年春闘における第五回集中回答によりますと、一万六千七百四十九円で五・三二%でした。これは愛知県においても従業員の規模が三百人以上で五・五二%、三百人未満ですと五・五七%ということで、中小企業の賃上げ率というのは大企業を上回ったわけですね。こういった格差是正をした傾向というのは二〇一三年以降初めてのことだったということで、いい傾向に変わりはないわけですね。

 政府は、こうした中小企業の賃上げの動き、これを是非とも定着化させて、更に上向きにしていくことが必要と思っているんですけれども、中小企業の賃上げをどう定着させていくのか。そして、いずれにせよ、私は、日本を支える中小企業の再生なくして日本経済の底堅い再生はないと本当に思っておりまして、九割九分を占める中小企業こそ、本当に力強く賃上げできる環境になることこそ、日本の経済が本当に強くなると思っております。

 そういう意味においては、大臣は勝ち筋というお言葉をよく言われますけれども、中小企業の勝ち筋というのは一体何なのか、どうやって強くなっていくのか、お聞かせください。

赤澤国務大臣 なかなか、簡単にできるようなら皆さんがやっていると思うのであれなんですが、そういうことも含めてちょっとお話をさせていただくと、今年の春季労使交渉の第四回回答集計は、全体、中小組合、共に約五%と引き続き高い水準が維持できています。四月の月例経済報告でも、従業員五名から二十九名の小規模な事業者でも三・五%以上の賃上げが実現され、小規模事業者の賃金上昇が顕著という月例経済報告の分析になっています。地域別、業種別の詳細な分析が必要ですが、昨年の最低賃金引上げに政府が本気で取り組んだことの結果と考えています。

 また、賃上げは、優秀な人材を引きつけ、生産性向上に向けた投資を促し、企業の行動変容を促進する供給力強化に向けた取組そのものであって、成長戦略の起点だと思います。なかなか、分配政策と思われがちなんですが、賃上げそのものが成長戦略の実は起点だ、供給力強化政策になると思っています。

 その上で、中小企業が賃上げの原資を得るためには稼ぐ力の強化が必要で、中でもAX、省力化、デジタル化が重要だと思います。単なる技術導入ではなく、限られた人材での投資判断や価格戦略、人材配置の高度化など、より高い付加価値を生み出すため、経営能力を強化する観点において必要不可欠だと思います。

 新しい時代の勝ち筋ということでいうと、私自身はAIトランスフォーメーションによる経営改革が中小企業の勝ち筋かなと思っていまして、今のAIはもう、いわゆるデジタルと違って、デジタル人材も要らず、自然言語で指示が出せて、結果的に物すごく、何といいますか、的確な情報が得られたり、分析結果が得られたり。ポイントは、本当に自然言語で指示が出せて、何かデジタルというと、中小企業はデジタル人材を入れてプログラムが書ける人を雇わなきゃいけないのかとか、そういう話になりがちだったのが、全くないので。

 なおかつ、ホワイトカラーがむしろいないことが強みになる。これからAIが入ってくると大企業はホワイトカラーの方たちが端的に言うと余ると言われる時代になっていく中で、むしろそういうものが財政力とかから雇えなかった中小企業がAIトランスフォーメーションをやることで、ちょっと一気にリープフロッグというか、ということが期待できるんじゃないかというのが一つ新しい時代の勝ち筋だとは思っています。

 そういうことも含めて、経産省としては、価格転嫁、取引適正化の徹底、それから、成長投資や省力化、デジタル化、あるいはAI化といったような生産性向上支援、事業承継、MアンドAによる事業再編といった施策を着実に実行していきたいと思っています。

 今まさに訪れている労働供給制約社会では、人も中小企業も数より質が重視されざるを得ないところがあって、経済の供給力強化に向けて、強い中小企業への行動変容を促していきたいと思います。

 さっきのお話で、価格転嫁はルールを作ったので、一方的に、原材料費が上がったからといっても価格転嫁に応じないと、それは違法になるんですが、一度そういうアクションを取ったら取引先を変えられちゃうというような恐怖がやはり中小企業にあるということで、そういうのをやはり乗り越えていこうと思うと、強い中小企業に変容していっていただくということも一つ大変大事なことなのかなというふうに思います。

丹野委員 ありがとうございます。

 ちょっと本税制に話を戻したいと思うんですけれども、仮に、今回の税制を活用して、よし、じゃ、投資をしよう、拡充して供給力を高めるべくラインを造っていこうと思っても、今の状況ですと、そもそも資材がないということになりますし、以前から言われておりますけれども、工場を建設する人がいないわけですよね。

 この建設業界の人材不足について、状況をどのように認識されているのか、教えてください。

平嶋政府参考人 お答えいたします。

 建設業の従事者数は平成九年のピーク時と比較し約三割減少しており、高齢化についても五十五歳以上が約四割を占めるなど、他産業を上回るペースで進んでいる状況となっています。また、建設業は、他産業に比べ賃金が低く、就労時間も長いことから、将来的な建設人材の不足も懸念されている状況でございます。

 国土交通省としては、持続的な建設業の実現に向け、担い手の確保に必要となる処遇改善や働き方改革等を早急に進めていく必要があると考えております。

丹野委員 ありがとうございます。

 企業からすると、建設のスケジュールがどうしても遅くなってしまう日本じゃなくて、海外で建設しようかなというおそれもあるわけですね。

 なので、この人材不足に対応するための施策、今ちょっとお答えいただきましたけれども、外国人材をどうするのかとか、人材育成、すぐにはできない、時間がかかるよとか、いろいろあると思うんですけれども、この建設業における新たな人材確保の方策、それから、今の働き手をつなぎ止めるための就労環境の向上ですとか、いろいろあると思うんですけれども、そういった足下の取組と、それから今後の施策も教えてください。

平嶋政府参考人 お答えいたします。

 建設業は、社会資本の整備や維持管理を担うとともに、災害時には地域の守り手として国民の生命、財産、暮らしを守り、経済活動を支える重要な役割を担っております。その役割を将来にわたって果たし続けていくためには、賃上げなどの処遇改善や働き方改革等に取り組み、担い手を確保していくことが必要です。

 このため、昨年十二月に全面施行した建設業法等に基づき、労務費の確保と行き渡りによる処遇の改善、資材高騰分の転嫁の円滑化による労務費へのしわ寄せ防止、工期の適正化による働き方改革やICTを活用した生産性向上などの措置を講じているところです。

 また、これらの取組を行ってもなお生じる人手不足に関し、外国人材を受け入れることとしており、特定技能制度等において、建設分野独自の上乗せ措置を講じ、適正かつ円滑な受入れに取り組んでいるところです。

 今後も、国土交通省が所管する各種施策を総動員し、業界団体等関係者や関係省庁とも緊密に連携しながら、持続可能な建設業の実現に引き続きしっかり取り組んでまいります。

丹野委員 ありがとうございます。

 今お話しいただきました人材不足、この対策以外も、為替があったりとか、資材価格があったりとか、各種規制があったりと、本当に立地環境をめぐる要素は課題が様々あるかと思うんですけれども、ちょっと大きな質問になってしまいますが、大臣、日本の立地競争力をどのように高めていくのか、教えてください。

赤澤国務大臣 我が国は、優れた技術力を備えており、技術力を支える中堅・中小企業を含めたフルラインナップのサプライチェーンが存在をし、特に、AIトランスフォーメーション、いわゆるAXがあらゆる分野の産業競争力強化の鍵となる中で、フィジカルAIの基盤となる、高齢者、超高齢社会ですので高齢者のビッグデータが得られやすいということがあります、ヘルスケアであるとか、あるいは、災害がやはり多い災害大国ということで、これもビッグデータが災害で得られやすい災害対応とか、あるいは世界でここしかない廃炉の現場の技術であるとか、それから、世界で一番だと思います製造業の現場ですね、こういったところで蓄積されるデータに強みがあると思います。

 こうした強みを生かしつつ、成長戦略の肝となる危機管理投資、成長投資の推進に向けて、AX実現に向け重要な先端半導体やデータ基盤といったデジタル産業基盤の確保、あるいは、脱炭素電源を核とし、データセンターの大規模な投資の呼び込みを始め、新たな産業集積、クラスターを目指すGX戦略地域制度の推進、それから、今般の法改正で措置する、投資の受皿となる産業用地の整備や関係省庁と連携した産業クラスター形成のためのインフラ支援などなどに取り組むことで、企業の投資を引きつける立地競争力を強化してまいりたいというふうに考えています。

丹野委員 今回の大胆な投資税制、企業の新たな投資を生み出すというのはもちろんあると思うんですけれども、既に何らかの投資案件があって、設備投資を検討している企業において、その投資先を日本にするか海外にするか迷っている場合に、日本にお願いしますということを引っ張り込むためという趣旨であると理解をしておりますけれども、その場合、他国の税制等のインセンティブと比較して、本税制というのは遜色ないレベルになっているんでしょうか。教えてください。

河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。

 投資促進税制の投資インセンティブの水準でございますけれども、各国におきまして、法人実効税率ですとか税制の対象となる資産、それから措置期間などの前提が様々異なるものですから、単純な横並びでの比較は難しいということだと考えてございますけれども、米国でございますと、米国の場合、建物も含めた即時償却の措置の導入、こういったものがございます。ドイツにおきましては、償却率の引上げですとか法人税率の段階的な引下げといった、様々、欧米各国で国内の投資促進策が強化されてございますけれども、本税制は国内投資に対して強いインセンティブを付与する措置としているところでございます。

 具体的には、本税制におきましては、過去の大企業も活用可能な設備投資税制と比較しましても、まず、建物を含む設備投資に対し即時償却が可能であることに加えまして、ごく一部の措置を除けば最高水準となる七%、それから建物等は四%といった高い税額控除率を措置しております。また、三年の間に投資計画の確認を受ければ、そこから五年を経過する日までの間に事業の用に供されれば税制優遇措置を受けられるため、より長期にわたる設備投資も対象となります。さらに、認定を受けた事業者に対しましては、最大三年間の繰越税額控除を認めておるところでございます。

 このような点で、本税制は非常に強力な支援措置となっているというふうに考えてございます。

丹野委員 次に、日米戦略的投資イニシアチブについて伺いたいと思います。

 日本は、お金を出すだけではなくて、国益を最大化するのである、両国ともウィン・ウィンになるんだというのを常々おっしゃっておりますけれども、日本にとってプラスになるというのは、日米間で具体的にどういったコンセンサスが得られているのか、教えてください。

荒井政府参考人 お答えさせていただきます。

 日米戦略的投資イニシアチブが日本にとってプラスになるという点につきまして、了解覚書、MOU上の記載内容を御紹介させていただく形で御説明させていただきます。具体的には三点ございます。

 一点目は、日米両国で構成される協議委員会において、日本の戦略的な考慮事項について協議を行うことというふうに了解覚書の中で規定されてございます。これは、午前中、山岡委員にも答弁させていただきましたけれども、戦略的な考慮事項の確たる定義はございませんが、プロジェクトが日本企業の競争力につながるか、我が国の産業政策全体との整合性が確保されるかといった観点が当然含まれていると解釈をしてございます。

 二点目でございます。了解覚書の中に、この覚書のいかなる内容も、日米両国のそれぞれの関係法令と矛盾してはならないと規定されております。この関係法令というのは、JBIC、国際協力銀行法、それからNEXI、貿易保険法の中に、それぞれ、産業の国際競争力の維持、それからNEXIは告示ですけれども、日本企業への裨益といったことが規定されてございます。

 それから三点目でございますが、了解覚書の中に、可能かつ利用できる場合には、日本のベンダー、サプライヤーを選択することと規定されてございます。

 これらの規定を踏まえまして、協議委員会での協議ではしっかりと、日本の経済安全保障の確保、経済成長の促進といったことにつながるような案件を選定してまいる所存でございます。

丹野委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間もありますので、質問を二つ飛ばしたいんですけれども。

 この戦略的イニシアチブに関して、先ほど山岡委員からも同じような御質問がありましたけれども、私が思っているのは、ラピダスを始めとして、日本は半導体で頑張るんだと言っている傍らで、もしこの半導体がアメリカでも選ばれた場合に、これはお互い本当に力をそぐことになるのか、それとも高め合うことになるのか、こういったところが非常に不安でございまして、仮に半導体がこのプロジェクトに選ばれた場合に、この点はどうなのか、教えてください。

赤澤国務大臣 大変重要な御指摘で、私どもも、日米戦略的投資イニシアチブの合意になる前に、提案するに当たっていろいろな議論を中でやった中で、かなり中核的な議論だった話であります。

 戦略的投資イニシアチブのプロジェクトは、ミクロで見ると、了解覚書の中にきちっと、先ほどから事務方に説明してもらった、日米両政府の協議委員会において、法令をきちっと守る、その中身は、収支相償、償還確実性、赤字が出ないようにということ、それから日本へのメリットがあることという精査、確認を行うこととしていることはそのとおりであります。

 ただ、委員の御質問は、もっと大きな、マクロで見たときに、ラピダスのライバルをアメリカで育ててどうするのということだと思うんですね。

 そのときに、ざくっとした、ちょっと我々の結論から言うと、例えば半導体について言えば、これからAIの時代に、まさに先端半導体、例えばGPUとかああいうものの、個数でAIの性能が決まる、それはもう、製造されただけ全部欲しいぐらいの需要が各国にあるわけでして。なおかつ、我が国においては、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円の国内投資を目指すという目標については、私、前職のときにむしろ引き上げたぐらいで、国内で最大限ラピダスとかをやっていきますけれども、米国においてライバルが出てきても、何かそれでラピダスの需要が蒸発してみたいなことは起こり得ない、半導体について言えば、ということが一つ。

 あともう一つは、例えば、アメリカで半導体の工場を造るのであれば、そこの製造装置はどこから入っていくかというと、東京エレクトロンであったり、そういうところから入っていきます。そうすれば、実際、作った半導体のオフテイクはアメリカの企業に行くとしても、製造装置を納入することで更に知見が得られて、製造装置の技術革新が進む、我が国の、世界中に、半導体工場に製造装置を入れていく産業基盤が強化されていく、そういうような面もあるので、全体として私どもはこれはやるべきだ、やって、決して日本にとってマイナスにならないという判断の下に動いたということでございます。

丹野委員 ありがとうございます。

 とても不安でして、ラピダス、本当に半導体は頑張ってほしいなと思っているんですね。なので、昨年もその法案を通して、本当に日本がもう一度、半導体で世界を取るんだという思いがあったものですから、アメリカで選ばれた場合に、ああ、どうなっちゃうのかな、あれもこれもとなるといけないなと思っておりました。

 とにかく、日本にとっても国益を最大化するように、先ほどの覚書を始め、いろいろお互いになるようにと周知徹底はしているんだけれども、実際に半導体が選ばれた場合にどうなっちゃうんだろうというのは本当に不安に思っておりましたが、今の大臣の心強いお答えを聞いて少し安心しましたので、また応援していきたいと思います。

 質問がたくさん残ってしまいましたけれども、また後日、改めて御質問させていただきます。

 どうもありがとうございました。

工藤委員長 次に、河合道雄君。

河合委員 よろしくお願いいたします。チームみらいの河合道雄です。

 本日は、産業競争力強化法等の一部を改正する法律案について質問いたします。

 大きくテーマといたしましては、一つ目は、エッセンシャルサービスの担い手としての地方公務員の参画について、二つ目は、同じく労働者協同組合への支援、三つ目は、地方のエッセンシャルサービスの観点から見たときの自動運転、こちらの社会実装と産業政策について、四つ目は、今般の法改正を踏まえました中小企業基盤整備機構の役割についてお伺いいたします。

 まずは、エッセンシャルサービスの担い手としての地方公務員についての御質問をさせていただきます。

 本法案では、産業の担い手の確保に資する生活基盤の維持のための計画認定制度が創設されました。その中の支援措置の一つとして、地方公務員が事業に従事しようとする場合、行政庁はその認定に当たり、任命権者と協議し、同意を得なければならないとされています。これは、地方公務員がエッセンシャルサービスの担い手として期待されていることの表れと捉え、評価しております。

 一方、地方公務員の兼業の実態を見てまいりますと、令和六年の調査の中では、許可基準を設定している地方公共団体は六四%程度にとどまり、設定されている団体の中でも八五%が国家公務員の基準に準拠しているというような結果もございました。これをそのまま読むと、国家公務員の兼業の基準では営利企業との兼業は原則として許可されないという扱いになっておりまして、今般の法改正を経て、事業協同組合等への参加が制限されるリスクもあり得るという状況かと理解しております。

 この現状に対して、総務省さんの方で、令和七年の六月ですかね、助言通知を発出されて、地域の実情を踏まえた独自の基準の設定が可能であるという旨を明示されたというふうに認識をしております。

 まず、政府参考人にお伺いいたします。

 地方公務員の兼業許可基準の整備について、現状の認識をどう認識されていらっしゃるでしょうか。また、許可基準を未設定の自治体へのアプローチや、営利企業への参加が制限的に運用されないようにするための方針があれば御教示ください。お願いいたします。

恩田政府参考人 お答えいたします。

 総務省におきましては、近年の兼業を取り巻く環境の変化、地方公共団体等からの意見なども踏まえまして、有識者による検討を経て、令和七年六月に、議員御指摘のように、各地方公共団体に助言通知を発出したところでございます。

 具体的には、社会情勢や職員のニーズの変化も踏まえまして、国家公務員の兼業制度と異なる点に留意しつつ、各地方公共団体が許可基準を設定することが望ましい旨を助言したところでございます。

 この助言通知におきましては、地方公務員法制定時の考え方に立ち返った上で、各地方公共団体の許可基準等に即して、地方公務員が営利企業の従業員との兼業を行うことも可能と整理しておるところでございます。

 総務省といたしましては、地域の実情を反映した適切な許可基準の設定が進みますよう、兼業を促進する地方公共団体の好事例などの情報提供も図っているところでございます。

 今後とも、地方公務員が兼業しやすい環境整備を促進してまいります。

河合委員 御回答ありがとうございました。

 地方の実情に、地域の実情に即してというお話もありましたけれども、それを踏まえたそれぞれの運用が適切になされることを期待しております。

 また、さきに触れましたように、地方公務員が参画する認定計画において、行政庁は任命権者との事前協議を行うように求められております。この規定では、計画の行政庁と任命権者が異なる場合を想定していると考えられます。協議の上、しっかりとそういった公務員の皆様が適切な検討を経て兼業が認められるように支援することも重要と考えております。

 ここで、経産省の政府参考人にお伺いいたします。

 本法改正におきまして、任命権者との事前協議というプロセスを制度に組み込んだことで何を期待されているのでしょうか。また、地方公務員の事業計画への参加が認められやすいように、任命権者への働きかけをどのように進めていくお考えか、お伺いいたします。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、地方公務員は、地域の事情にも熟知されておりまして、各種事業の企画立案、運営の経験を持つということでございまして、経営や事業運営の見地から本事業の中核的役割を担っていただく方として計画に参画することが想定されているものでございます。

 地方公務員から本計画への参画の意が示された場合に円滑な調整を図るために、計画の認定において、当該地方公務員の任命権者への事前協議の規定を創設するものでございます。

 こうした本制度の趣旨について任命権者の理解が進むよう、総務省と連携してしっかり周知を行ってまいりたいと考えております。

河合委員 今回の改正においては、所轄官庁の違いもございますし、自治体間の違いもございますので、それに対して総務省さんと連携しながら働きかけていくということでしたけれども、迅速な展開、周知を期待しております。

 加えまして、エッセンシャルサービスの担い手確保の観点から見ますと、域外、地域外にお住まいの関心のある方に開かれることも有効と考えております。

 第四回地域生活維持政策小委員会において、エッセンシャルサービスの担い手確保策として、ふるさと住民登録制度のプレミアム登録との整理、連携を求める意見がございました。

 本制度は現在モデル事業を実施している段階であり、方向性や意図を改めて確認させていただきます。

 総務省の政府参考人にお伺いをいたします。

 ふるさと住民登録制度のプレミアム登録に必要な、自治体が指定する担い手活動としてはどのような活動を想定されているでしょうか。特に、今回の産競法におけるエッセンシャルサービスの担い手としての活動が制度趣旨として期待できるのか、お伺いいたします。

恩田政府参考人 お答えいたします。

 ふるさと住民登録制度でございますが、スマホのアプリでの登録を通じまして、住所地以外の地域と継続的に関わりを持つ関係人口を可視化をして、地域の担い手確保や活性化につなげることを目指す仕組みでございます。

 具体的には、登録はベーシック登録とプレミアム登録の二段階を設けまして、ベーシック登録では、関心のある自治体を誰でも登録できるものとしてございます。他方、プレミアム登録につきましては、人口減少等を背景とした担い手不足に対応する観点から、地域の担い手として一定の公共的活動をされた方を登録することとしておるところでございます。

 現時点で想定する担い手活動の例といたしましては、例えば、農業ボランティアや清掃活動等、自治体が指定するプロジェクトへの参加、自治体との協定に基づきまして、都市部の企業の社員が副業として地域に貢献する地域活性化起業人等、公共性や地域への貢献が制度によって担保される副業への従事、自治体の会議体の委員や観光大使等の公共的役職での活動、こういったものを考えているところでございます。

 御指摘のエッセンシャルサービスにつきましても、域外の方が副業等で従事されるような場合、ふるさと住民登録制度における担い手活動とも親和性があるものと考えておるところでございますが、制度としての公共性の担保も含め、具体的にどのような対応ができるかという点につきましては、経済産業省さんともよく連携し、自治体の御意見もお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 今、念頭にあられる事業の例について御説明いただきましたけれども、自治体が指定する事業が多いかなというふうに認識をいたしました。おっしゃっていただいたとおり、制度の公益性を鑑みるとそういったところも非常に重要な観点かと存じますけれども、今回のエッセンシャルサービスの担い手という趣旨自体もまた、非常に地域に対しての公益性の高さも認められると思いますので、お話しいただいたように、密な連携の下、適用の方向性の検討を深めていただければということを期待しております。

 続きまして、経済産業省にお伺いをさせていただく質問でございます。

 こういった域外の人材の方にエッセンシャルサービスの担い手となってもらうためには、今お話あったようなふるさと住民登録のような関係人口を増やしていく制度のほかにも、副業、兼業のマッチングですとか、移住支援を意図した様々な制度が活用し得ると考えております。他方、多様な制度が存在するからこそ、事業者であるとかそれを支援する自治体がこれらを適切に活用できるように導くための支援、これもまた重要ではないかと考えております。

 まず、お伺いをいたします。

 ふるさと住民登録制度を始めとする域外人材活用の仕組みについて、エッセンシャルサービスの担い手確保の観点からどのような期待を持っているか、政府参考人にお伺いをいたします。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 エッセンシャルサービスにおける域外人材の活用につきましては、この法案を検討いたしました地域生活維持政策小委員会でお示しした事例においても、例えば、移動スーパーでありますとかガソリンスタンドを運営する一般法人において、移住者の方が地元住民とともに従事しているものも存在してございました。

 このように、エッセンシャルサービスの担い手の確保につきましては、先生御指摘のとおり、域外人材の活用も非常に重要だということで認識をしておりまして、ふるさと住民登録制度を始めとする域外人材活用制度を所管する関係省庁ともしっかり連携して取組を進めてまいりたいと考えております。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。非常にその活用を期待したいところでございます。

 その上で、私自身も何地域か、非常に関わり深く町づくりですとか、そういったところに参画している地域がございますけれども、そういった地域を見ていますと、どのような制度をどういった人材で活用していくかですとかお招きするかとか、そういった制度設計がやはり巧みだなというような印象を持っております。

 その観点からお伺いをいたします。

 エッセンシャルサービスの事業者や自治体が多様な制度の中から適切なものを見つけられるようにどのような情報提供や支援を行うか、もしお考え、所感があればお伺いをいたします。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 エッセンシャルサービス供給事業者は中小零細企業が多いということでございまして、本制度の執行に先立ちまして、支援措置を含めた制度の理解を広めるための周知が非常に重要だということで認識をしてございます。

 具体的には、全国各地でのセミナーや、広くアクセスが可能で分かりやすいユーチューブでの説明動画の配信を是非実施をしていきたいなということで予定をしているところでございます。

 また、計画の作成に当たりましては、商工団体、地域金融機関といった地域の機関を支援機関として認定をいたしまして、当該認定支援機関が地域の実情や知見に基づいて情報提供や助言を行ってまいりたいということでございます。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 今お話ありましたように、多様な手段やいろいろなプレーヤーの方から支援していく形、非常に望ましいというふうに感じております。

 加えますと、今回、計画認定の制度というところで事業主体を把握していくことができるようになりますので、いわゆるプッシュ型を含めました、的確なタイミング、適時なタイミングでのメニューの御案内等も今後検討いただければというふうに期待しております。

 加えまして、今回のエッセンシャルサービスの担い手として労働者協同組合等も言及がされております。地域生活維持政策小委員会では、協同組合等の中間団体の参画を促進することの重要性が指摘され、本法案のエッセンシャルサービス関連規定の中でも、事業協同組合の設立要件緩和や事業譲渡手続の簡素化など、労働者協同組合がエッセンシャルサービスを引き受ける担い手となることを想定した措置が盛り込まれております。

 改めて政府参考人にお伺いいたします。

 労働者協同組合を本法案においてエッセンシャルサービスの担い手の一つとして位置づけた理由は何か、お伺いいたします。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の労働者協同組合には様々な可能性があるということで認識をしてございます。例えば、一つは兼業、副業で働く場となっていく、地域活動を事業化できる、フリーランスのプラットフォームになる、高齢者の生きがい、就労の場になる、事業を継承する受皿となる、こういった様々な可能性があるというふうに認識をしてございます。

 例えば、労働者協同組合が草刈りや除雪、家の片づけといった生活支援や移動支援などの地域に不可欠なサービスを一体的に担う事例がございます。

 このように、労働者協同組合は、地域の多様なニーズに応じて柔軟に事業を行い、組合員自らが主体的にサービス提供を担うため、地域のエッセンシャルサービスの供給を担う法人形態の一つとして期待をしているところでございます。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 今、参考人にもお話しいただきましたけれども、いろいろな事例を見ていきますと、本当に、地域の皆さんが、自分たちが必要とするサービスを、一つずつ事業をつくっていらっしゃる様子が非常に見受けられて、私もとてもすばらしい可能性を感じているところでございました。

 この労働者協同組合は、厚生労働省のウェブサイトに一覧としてまとめられておりますけれども、令和八年の五月一日時点で百八十法人ほどあると分かります。

 その活動の内容を見てまいりますと、福祉、介護、公共受託など、今回の改正法が想定するエッセンシャルサービスでの実績も見受けられますけれども、その多くは一方で特定の流通ネットワークにひもづいたものでもあるかなというふうに認識しておりまして、地域の一般的なエッセンシャルサービスへの参入はまだこれからという側面もあるかなというふうに考えております。これは、地域の方々がそのニーズに合わせてやっているという事業の特性上、何か一方的に促進するものではないということも承知しておりますけれども、今回の法案への措置の盛り込みを踏まえました今後のエッセンシャルサービス分野への広がりを期待しております。

 ここで、厚生労働省の政府参考人にお伺いをいたします。

 現在、労働者協同組合の設立、運営に対してどのような支援を行っているか、改めてお聞かせください。また、エッセンシャルサービスの担い手の一つとなっていくことを踏まえ、今後の展望をお伺いいたします。

大隈政府参考人 お答えいたします。

 労働者協同組合は令和八年五月一日時点で全国に百八十六法人存在しておりますけれども、エッセンシャルサービス分野の法人数は、直近一年で約三割増加しておりまして、全体の約七割を占めているところでございます。

 厚生労働省では、労働者協同組合の設立、運営を支援するため、好事例動画の発信、最新事例を紹介するオンラインセミナーの開催とともに、設立から運営までを体系的に整理した手引書の作成に取り組むなど、その普及啓発を図っているところでございます。

 さらに、神奈川、福井、長野、三重、徳島の五県におきまして令和六年度から三か年のモデル事業を実施しておりまして、食品スーパー、弁当、総菜の製造、販売、食品、日用品の配送、公共ライドシェアなど、地域の実情に応じた多様な事業が生まれているところでございます。

 労働者協同組合は、多様な働き方や人材の活躍を実現しながら、地域の課題解決や価値創造を担う有力な選択肢の一つであると考えておりまして、今後とも、エッセンシャルサービスを含む幅広い分野でその活用促進に取り組んでまいりたいと考えております。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 非常に、エッセンシャルサービスの担い手、三割ぐらいのペースで増えているということもありますけれども、今後の一層の展開を期待しておりまして、厚生労働省さんの方のモデル事業の進捗も引き続き見ていきたいと思っております。

 実際に私が事例集なども拝見させていただく中で、一つ目に留まったのが岐阜県の東白川村での事例でございました。そちらでは、労働者協同組合の方々が、地域の実情の課題を踏まえまして、今、公共ライドシェアの言及もございましたけれども、自家用の有償旅客運送に参入を目指されたというような事例が御紹介がありました。それを読んでみると、やはり、いざ参入するに当たって、手続上の困難があったというところが記載にもあったところでございます。

 この制度自体に関しては、国土交通省さんの方で手続簡便化に向かっているというお話もお伺いしておりまして、これ自体を取り上げたいというよりは、こういった労働者協同組合を支援する際には、やはり種々の行政手続の簡便化や支援といったところも重要な観点になるのではないかということを考えております。

 ここまで挙げました労働者協同組合を含めまして、エッセンシャルサービスの担い手となっていく事業者に関しては、先ほど零細傾向もあるというようなお話もありましたけれども、事務能力を強く有していないケースも想定されるかと存じます。そうなった場合、旅客輸送への参入に限らず、申請手続ですとか、場合によっては計画策定段階からの伴走支援が求められると考えられます。

 ここで、政府参考人にお伺いをいたします。

 エッセンシャルサービスの担い手として新規参入する労働者協同組合を始めとする事業者に対して、申請手続等にどのような支援を想定しているか、お伺いいたします。

佐々木(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 今後の制度運用の検討に当たりましては、対象となる事業者が、御指摘の労働者協同組合を始めとする中小零細事業者が多くなるということを踏まえまして、そうした事業者の方々が作成する計画は簡素にするといった、最大限配慮した設計にしてまいりたいというふうに考えております。その上で、例えば、事業者からのお問合せにきめ細やかに対応するため、コールセンターを設置することを検討しているところでございます。

 それから、計画の作成に当たりましては、一つは、商工団体、地域金融機関といった地域の機関を支援機関として認定をいたしまして、当該認定支援機関が地域の実情や知見に基づいて情報提供や助言を行う仕組みや、加えまして、そうした認定支援機関を支える支援協議会を自治体が主体となって組成する仕組みをこの法案で措置することとしているところでございます。

 加えまして、よろず支援拠点や税理士などの既存の支援機関による事業者の計画検討、立案への支援の在り方も検討してまいりたいと考えております。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 多様な、手続自体を簡素にしていく方針をお持ちであるということをお伺いいたしました。そういったことも含めまして、より制度が実効的に進むような手当て、是非是非、引き続き状況をモニタリングしながら取っていただければというふうに考えております。

 では、続きまして、話題は変わりまして、エッセンシャルサービスの交通、特に自動運転の社会実装についてお伺いをいたします。

 人口減少が進む地域の中では、ドライバー不足による交通空白が深刻化しております。エッセンシャルサービスを維持する観点から見ますと、こういったところを、旅客運送の観点から、自動運転というものを通して地域交通を支えていくというのは一つの有力な手段と考えられます。ここでは、いかにこの自動運転を社会実装していくかという観点から御質問をいたします。

 他方、この自動運転をいかに社会実装していくかという観点で見ますと、この委員会の経産省さんのほかにも、国土交通省さんや総務省さん、そしてデジタル庁さんや警察庁さんなどなど、多様な省庁の連携が不可欠でもございます。

 その中で、デジタル庁さんに設置されたモビリティワーキンググループが二〇二五年に発表されたモビリティ・ロードマップ二〇二五では、財政的な支援抜きで事業が成立できる状態にはまだなっていないという指摘もあったと認識しております。まだ実証フェーズでございまして、事業化して地域にしっかりと展開するまでは距離があると感じております。

 まず、デジタル庁にお伺いをいたします。

 モビリティ・ロードマップの策定主体として、自動運転が事業化にまだ結びついていない現状をどのように分析、整理されているか、お聞かせください。また、現時点での進捗と今後に向けた課題をお伺いいたします。よろしくお願いいたします。

岡田政府参考人 お答えいたします。

 我が国における自動運転の現状についてお尋ねがございました。

 多くの地域におきまして自動運転の実証が進められているところでございますけれども、その多くは、運行期間あるいはエリアが限定されていたり、運賃も徴収しないというような、試験的なものにとどまっているという現状にございます。また、運転手が乗車をいたしまして周辺状況を監視して、必要に応じて介入するレベル2の自動運転での運行がほとんどでございまして、特定条件下で運転手を必要としない無人走行が可能となるレベル4自動運転サービスの許可を取得しているのは現時点で十二件にとどまっている状況でございます。

 その理由といたしまして、初期投資を含めた運行コストの大きさ等に起因する事業採算性のほかに、特にレベル4自動運転を実現するための技術面での課題がまだ残っているということ、それから、利用者や周辺住民等が抱く安全面への懸念など社会的受容性の確立がまだ不十分である、こういったことが様々影響していると考えております。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 初期投資を含めた事業採算性、技術面の進展、そして社会受容性という三つの大きな観点をいただきました。これらをどういうふうに進めていくかということが極めて重要だというふうに考えられます。

 特に、地域での交通事情に向けた解決の観点からの自動運転の社会実装という点では、国土交通省さんの役割も非常に大きいと認識しております。

 国交省においては、第三次交通政策基本計画の中でも、自動化、遠隔化等を通じたサービスの構造変革による生産性向上等の実現を目標に掲げられており、交通分野における徹底した自動化、遠隔化技術の導入推進を新たな施策として設定をされており、一層力を入れて進めていかれる認識を有しております。また、こういった自動運転の社会実装推進事業も展開されており、その中でも地方自治体を支援されているものと認識をしております。

 ここで、国土交通省の政府参考人にお伺いをいたします。

 交通分野の中でも、特に地域交通を支える自動運転技術の社会実装に向けて、どのような取組を今後進めていくおつもりでしょうか。現時点での進捗と課題をお伺いいたします。

猪股政府参考人 お答え申し上げます。

 自動運転は、我が国が抱える少子高齢化による深刻な担い手不足の解決や安全な自動車社会を実現する上で必要不可欠なものであると考えておりまして、関係省庁と連携して社会実装を推進しているところです。

 国交省としましては、令和四年度より自動運転の導入を目指す地方自治体に対しまして車両購入等の初期投資の支援を行ってきており、昨年度は全国六十七か所の取組を支援してまいりました。

 一方で、先ほどデジタル庁から説明がありましたとおり、レベル4自動運転サービスの道路交通法上の許可を取得しているのは現時点で十二件にとどまっており、この自動運転社会実装推進事業については、令和七年六月に公表された財務省の予算執行調査の結果におきまして、今後の課題、改善点としまして、社会実装に向けて低調な取組や、取組に深化が見られないような事業への対応としては、これまでの実証実績を評価する仕組みを導入すること、また、既存の有人路線を置き換えたもの等、社会実装に向けたルートになっていることを採択時の要件とすることなどを行うべきであるとの指摘を受けております。

 これらの指摘を踏まえまして、国土交通省としましては、今年度の事業においては、採択に当たって、これまでの実証事業の実績を踏まえ、令和九年度中のレベル4自動運転の実装が具体的に計画されていること、既存バス路線への自動運転車両の導入等、地域公共交通の確保、維持、改善に資するルートであることなどを要件としたところです。

 国交省としましては、こうした見直しを通じ、より効果の高い取組への支援を重点化し、優良事例を横展開することにより、自動運転の社会実装を着実に進めてまいります。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 支援事業の趣旨に即してちゃんとその自動運転の実証事業が行われているかという観点の検証をよりしっかりとされていくという旨と承知いたしました。そういったところは非常に重要な観点かと存じます。

 加えまして、先般デジタル庁さんの方から御指摘がありました、初期投資を含めた事業性、技術開発、そして社会受容性というところ、ここをやはりより一層国土交通省さんを含め関係省庁の連携の中で深化していただくことを期待しております。

 事業性とかつ技術開発が交差したテーマの一つとして、いかに遠隔監視をしていく技術を育てるかということがございます。言い換えますと、社会実装を進めていくためには自動運転のコストが手動運転、実際に運転するよりも下がっていくということが必要なんですけれども、それを見るには、オペレーターが複数の車を見ていけるような、いわゆる一対nでの遠隔監視モデルをいかに構築していくかという課題が挙げられます。

 一人のオペレーターが複数台の自動運転車両を同時に遠隔で監視、管理する仕組みを実現することができれば、経産省の試算によれば、一対十が実現する二〇三五年に初めて手動運転のコストを下回るとされております。もちろん、複数台を同時に把握していくというオペレーターの認知的な負担ですとか通信の安定性など、いろいろな課題はあるわけではございますけれども、この比率をどうやって改善していくかということが採算化の一つの核心であると捉えております。

 経産省さんの方では、二〇二五年度中に遠隔監視ですとか運行管理の知見、要件をまとめることとされていたと承知しております。

 ここで、政府参考人にお伺いいたします。

 今触れました遠隔監視、運行管理の知見、要件の整理について、状況をお聞かせください。また、一対nの遠隔監視の実現に向けての今後の取組の見通しも併せてお聞かせください。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 ドライバー不足といった社会課題を解決するために、自動運転移動サービスを実装していく上では、事業採算性の確保が重要な課題であると認識しております。

 こうした観点からは、委員御指摘のとおり、一人の監視者が複数台の車両を遠隔監視する、いわゆる一対nの遠隔監視モデル、この実現に向けた取組がランニングコストを抑える意味でも大変重要と考えております。

 経済産業省では、令和六年補正予算事業において自動運転タクシーサービスの実証を行い、遠隔監視、運行管理に関する関係事業者間で連携が必要なデータ項目や、サービス導入の検討に資する知見を整理いたしました。

 今後、こうした知見を取りまとめて公表することとしておりまして、自動運転移動サービスの導入を検討する自治体などへの普及を進めてまいります。

 また、令和八年度当初予算事業においては、自動運転バスにおける一対nの遠隔監視を実現するための実証を行う予定でございます。

河合委員 御答弁ありがとうございます。

 令和六年度の方ではタクシー、そして今年度の当初予算ではバスを想定した一対nの監視モデルについて、実証、並びに、今回、データの公表等も進めていかれることというふうに承知いたしました。

 特に、バスの方の一対nというところが進んでいくと、先ほどの国交省の参考人のお話も踏まえますと、やはり地域交通の社会実装というところに寄与する度合いも大きいと考えられますので、引き続き注視して見ていきたいと考えております。

 さらに、自動運転技術の技術開発の支援について更にお伺いをいたします。

 自動運転には複数のAI設計方式がございます。いわゆるモジュール型AIと言われる、認識ですとか判断ですとか制御といった、車の運転に当たるいろいろな機能を個別に設計して組み合わせる方式、これはモジュール型でございますけれども、こういったものは、透明性があったりですとか、安全性について、どこどこの部分がうまくいかなかったから悪いですとか、そういった説明がしやすいという一方で、複雑な状況に対しての対応に限界があると認識しております。

 一方、EツーEモデルにおいては、センサーから操作指令までを一つのAIがまとめて学習する方式ということで、複雑な状況への対応力が高まりますけれども、大規模な走行データの蓄積が前提となったり、やや技術的にも高度であるという認識がございます。

 官民投資ロードマップの素案におかれましては、同志国のモジュール型AIを活用した、先ほどレベル4の話がありましたが、レベル4の社会実装と、同志国のEツーEのモデルを搭載した国内のレベル2車両による走行データの蓄積、これらを並行して進めた上で、さらに国産のEツーEモデルの開発、育成につなげるという方針が示されております。

 政府参考人にお伺いいたします。

 こういったモジュール型とEツーEの開発支援について、それぞれどのような形で進めていくか。特に、これらのすみ分けですね、今も段階的に書かれていたと思いますが、すみ分けについて是非考え方をお伺いさせてください。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、自動運転技術のうち、モジュール型は、認識、予測、経路判断、こういった各領域が個別のモジュールに分かれているアプローチです。

 この各モジュールごとに機械学習を活用することで複雑な交通シナリオにも対応可能ですが、高精度三次元地図が必要になるため、限られたエリアを走行する大都市部のタクシーやバス、トラックの幹線輸送などで自動運転を実現するのに有力と考えられます。

 一方、EツーE、エンド・ツー・エンドAIは、認識、予測、経路判断などを統合して一つのAIで行う新たなアプローチであり、高精度三次元地図が不要で、エリアを限定せずに走行可能です。

 こうした中で、モジュール型については、グリーンイノベーション基金を活用して、自動運転のオープン型基盤ソフトウェアの開発を支援しております。

 EツーEAI、エンド・ツー・エンドAIにつきましては、これは、AI開発支援プログラム、いわゆるGENIAC、この中で計算資源の調達を支援しておりまして、引き続き、こうした役割分担、取組を通じて、社会実装を進めてまいります。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 目的や使用場面によって最適な技術が違うという中で、それぞれに目くばせしながらしっかりと産業を育てていくということが重要だと認識いたしました。これは一層進展を期待しております。

 その上では、しっかりとやはり投資を確保することも重要でございます。

 昨年のAI基本計画の中では、自動運転は日本の勝ち筋の一つとして一層注力するAI技術の対象と言及されておりました。また、高市総理は、施政方針演説の中で、AI、先端ロボットやバイオなど、成長が見込まれ、かつ、難易度が高い技術領域の研究開発について、税制や規制改革を一体的に講ずる認定制度を創設すると述べられております。

 同件の対象について、二〇二六年の三月になりますけれども、チームみらい、我々の須田委員の方より、こちらの対象として自動運転の位置づけがどうなるかというところについてお伺いをさせていただき、今後の検討というような回答をいただいておりました。

 改めて、やはり自動運転のところに関しても非常に集中的な投資が期待されているという背景におきまして、質問させていただきます。

 政府参考人にお伺いいたします。

 研究開発認定制度への自動運転の位置づけについて、議論の検討状況についてお伺いをさせてください。

今村政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省では、産業技術力強化法の一部を改正する法律案を今国会に提出しておりまして、今後御審議いただきたいと考えております。

 同法案では、AI・先端ロボット、量子、半導体・通信などを重点産業技術として指定し、当該技術に関する研究開発計画を認定することとしております。

 御指摘の自動運転につきましては、これらの技術領域と多くの面で関連していると考えております。法案が成立した場合には、本制度の趣旨等を踏まえ、対象技術の詳細を下位法令で定めてまいりたいと考えております。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 後続する産業技術力強化法の審議の際にも是非このテーマについてお伺いしたいと存じますけれども、今、関連は深いと考えられるというところはいただきましたので、前向きに捉えていきたいと思っております。

 では、続いて大臣にお伺いをさせていただきます。

 何度も繰り返し申し上げているように、自動運転の技術をしっかりと育てていき、ビジネスとしても勝っていくですとか世界で展開していくためには、非常に日本国としてもやはりリーダーシップを持って取り組んでいくことが重要だと考えております。是非大臣にお伺いさせていただきますが、将来的に自動運転産業でビジネスとして勝っていくためにどのように取り組んでいくべきとお考えか、大臣のお考えをお聞かせください。

赤澤国務大臣 長らく日本の経済は技術で勝ってビジネスで負けると言われてきておりますので、大変大事な御指摘だと思います。

 米国や中国では、莫大なAI開発投資を背景に無人自動運転の社会実装が進み、複雑な交通シナリオに対応可能なエンド・ツー・エンドAIの開発も先行されているということです。

 一方、我が国では自動運転向けAI開発が遅れているため、経済産業省では、エンド・ツー・エンドAIの開発を加速させるべく、AI開発支援プログラム、GENIACの計算資源の調達を支援をしております。

 その上で、ビジネスで勝っていくためには、エンド・ツー・エンドAIの技術が成熟してから市場に投入するというより、スピード感を持って社会実装を進め、早くデータセットを集め始める、AIの学習に必要なデータ収集を加速させることが不可欠だと思います。

 加えて、やはり、スタートアップであれば、資金を継続的にしっかり、アーリー、ミドル、レートにわたって提供できるようにとか、いろいろ勝つために必要な検討というのは経産省においてやっているところでありますので、そういう検討結果も踏まえながら、官民で連携して取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 技術面の支援に限らず、調達環境も含めた一体としてのエコシステムを育てていくことの重要性を今大臣に言及いただいたかなと認識しておりますが、同じ考えでございまして、しっかりとここの分野で、元々自動車産業というところはやはり日本としても強みとしていたところでございますので、一層の進展を期待しております。

 ちょっと関連してなんですけれども、今ここまでは非常に自動運転の社会実装の話でお話しさせていただきましたが、こういった技術の進展の中では、並行してソフトウェア・ディファインド・ビークル、いわゆるSDV化、こちらが進んでいくと考えられます。これは、自動車をソフトウェアで定義していくような形で、単に運転をするというだけではなくて、いろいろなソフトウェアが自動車の中に乗っていくというような考え方でございまして、経産省と国土交通省が一緒にモビリティDX戦略という形で策定していると認識しております。

 一方で、このSDV化は、気をつけないとデジタル赤字の問題とも密接に関わりがあるトピックだと認識しております。経産省が二〇二五年に公表されたデジタル経済レポートにおいても、ソフトウェアやデータが製造業など他産業に与える影響を含めた広義のデジタル由来の赤字が、二〇三五年には最大四十五兆円に達する可能性もあるという試算もございました。こういったSDV化に伴い、ソフトウェア層全体の外資依存が高まれば、このデジタル赤字が更に押し上がる可能性もありまして、自動運転の社会実装が進むに当たってこの問題の重要性も増すと考えられております。

 大臣にお伺いいたします。

 自動運転を含むSDV化に伴うデジタル赤字の拡大について、どのような問題意識の下、今後どのように取り組んでいくおつもりか、お聞かせください。

赤澤国務大臣 SDV化に基づくデジタル赤字という視点は、正直言って御指摘である意味気づいたところなんですが、もっと大きな話として、やはり基幹産業ですよね。アジアを旅行すれば、日本製の車がほとんど、びっくりするというぐらい、やはり我々はそこに行けば誇りで胸がいっぱいになるということがあるんですけれども、ただ、SDV化していくと、結局、内燃機関で我々の技術は世界一で断トツだからそこの付加価値が取れるという部分が、気づくと、カーナビとかああいうものは、ティア1とか、完全にグーグルとかああいうところに押さえられてしまう。なおかつ、SDV化していくと、付加価値のかなりの部分が、半分以上はそっちに持っていかれちゃうということになると、おっしゃったようにデジタル赤字の問題も大きいんですけれども、自動車産業自体が本当に我が国の基幹産業であり続けられるかという、これが一番大きなところだと思っています。

 おっしゃるとおり、通信によるソフトウェアのアップデートで、自動運転機能といった自動車性能を継続的に向上させるSDV化がグローバルで進展をしていて、自動車のソフトウェア市場が拡大をし、特に自動運転関連市場の拡大が見込まれる。だから、自動運転技術の国産化を進めなければ、もう日本の基幹産業と言えなくなってきてしまう、付加価値のほとんどを外国に持っていかれるということだと思います。

 経産省としては、先ほど申し上げた国内における自動運転向けのAIの開発支援を全力で進めていくということがあります。

 また、我が国の自動車産業がSDV化の中でもグローバル市場をリードして、ソフトウェアにおける競争力強化がデジタル関連収支の改善にも貢献できるよう、官民連携して取り組んでいくことで、おっしゃるデジタル赤字も問題であります、加えて、やはり、我が国が自動車産業を基幹産業とし、世界のトップを走り続けるためには、どうしても解決をしていかなきゃいけない問題だというふうに思っています。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 しっかりとやはり基幹産業を支える上でも、しっかりとアップデートしていくというところに向けた御決意をお聞きすることができたかなと思います。

 それでは、時間となりましたので、質問も少し残っておりますけれども、以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

工藤委員長 次に、牧野俊一君。

牧野委員 参政党の牧野俊一でございます。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今朝方、鹿児島市長会の朝食会があって、県の様々な市長の方が、国に対する御要望ということをいろいろな分野でいただきまして、参加してきたんですけれども、その中でも、やはり特に、中東情勢に伴う混乱の中で、ナフサの由来の物品であるとかあるいは燃料油の高騰、こうした部分に対して本当に、地域の中小企業、小規模事業者が非常に厳しい状況に直面しているので、どうにかここを支えてほしいといった声とか、ほかにも様々ございましたので、そういったお声も含めて、今日の質疑の中にも含めさせていただきたいというふうに考えております。

 まず冒頭、ナフサなどの代替調達ルートを確保するということで、川上から川中の在庫の量は足下では取りあえず足りているというふうには御答弁を何度もいただいているところではあるんですけれども、末端の小さな事業者などにおいて、やはり塗料とか接着剤とかフィルムとかこういったものの入荷のめどが立たないとか、あるいは、結果的に様々なサプライチェーンの、そこから影響が出てくるといったことが続いています。

 実際に、地域のいろいろなちっちゃいお店とか個人商店とか、そういったレベルのところに行ってお話を聞きますと、政府としては、情報収集窓口を設置して、そこからいろいろな物品の目詰まりの情報を把握した上で、サプライチェーンを遡って目詰まりの解消の取組をされているということですけれども、そうした非常に小さな事業者の方々に情報収集窓口を政府がつくっているということを知っていますかというふうに聞いたら、ある程度、中規模以上の方々は知っていますよというお話なんですけれども、本当に小さな事業者の方は、いや、全然知らないという方も結構まだそれなりにいらっしゃったなというふうな印象があって。

 実際、自分自身もそんなに新聞、テレビをふだん見るというふうではないですけれども、ふとしたときに、テレビ広告とか、あるいはそういったところを眺めたりとか新聞を目にしたときに、そうしたところに、メディアの中に、政府がそういった情報収集を受け付けているというふうなことがぱっと目に飛び込んできたようなことは、自分の経験としてほとんどなかったですし、インターネットとかで、ユーチューブとかあるいはインスタグラムとかそうしたところで、政府がそうした部分の各種流通における情報収集をやっている場所があるんだというふうなことを目にする機会もほぼほぼ日常生活の中ではないというところからすると、政府として、そういった情報を集める窓口があるんですよということ自体がまだ十分に広報、周知し切れていないんじゃないかなというふうな意識を持っております。

 現状、政府としては、その情報収集窓口の存在と連絡先、これをどのような形で広報とか告知をしていらっしゃるんでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、前提になりますけれども、備蓄の放出や代替調達により、日本全体として必要となる量について確保されております。

 他方で、一部では供給の偏りや流通の目詰まりが生じていることも認識しておりまして、経済産業省に情報提供窓口を設けまして、サプライチェーンの情報を分野横断で集約して、他の流通経路からの融通支援をきめ細かく実施しております。

 この窓口の存在の周知につきましては、経済産業省及び地方経済産業局のホームページにおいて中東情勢関連対策ポータルを設置しまして、SNSも活用しながら情報発信しております。また、加えまして、全国の地方経済産業局が企業の現場の声をお聞きする中で情報窓口の存在をお伝えしてきているほか、業界団体などを通じた供給側、需要側双方に対する周知依頼も行っております。

 さらに、今般の中東情勢の影響を受ける中小企業、小規模事業者への支援として、全国約一千か所の特別相談窓口の設置も行っております。そうした際に、当該窓口においても、事業者からの御相談内容に応じて、先ほどの情報窓口を御紹介しているところでございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 今おっしゃったような様々なチャンネルにおいて周知はされているということではありますけれども、今般、中東情勢は、ある意味日本に対して物すごく、直接的ではないにせよ明らかに間接的に、もはや有事に近いような、そういう状況を生んでいると思いますので、実際に、二〇一一年の東日本大震災の直後にはテレビCMが全部ACジャパンの広告で埋め尽くされたみたいなことがあったりとか、そうした中に、政府広報だったか、あるいはACジャパンを経由してだったか忘れましたけれども、政府からの節電の呼びかけとか、そういったこともテレビとか新聞、メディアを通じて、ほっておいても嫌でも目につくぐらいなことで、量感を持って物すごく発信されていたと思うんですね。

 そんなに物すごく長い期間やる必要はないかもしれませんけれども、一時期そうやって本当にしっかりとACジャパンであるとかあるいは政府広報といったものを活用して、新聞とかテレビメディア、ラジオとか、そうした部分を通じて、特に末端で、本当に中小零細で頑張っていらっしゃるような方々、御高齢の皆さんも多くて、そうした方々は特にネットでの情報収集ということをふだん余りなさらないというところからすると、やはり、テレビや新聞、そうした旧来のメディアを通じてたくさんの量で告知を行っていくといったことがまだまだ必要なんじゃないかなと思いますが、そうした方策は取れないのかと思いますが、こちらについていかがでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 日本全体として必要となる量については確保されておりますが、国民の皆様の不安を払拭できるよう、一部で生じている供給の偏りや流通の目詰まりへの対応状況、解消事例などについてきめ細かく情報発信していくことは重要だと考えております。

 このため、具体的には、経済産業省を始めとする関係省庁のホームページやSNSでの情報発信、先ほど申しましたようにやっております。それに加えまして、経産省の広報担当官が毎日定刻にブリーフィングを実施しております。

 これらの情報は新聞やテレビなどのメディアにも報道していただいているところでございますが、引き続き、国民の皆様に幅広く情報を発信するための取組を着実に進めていきたいと考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 引き続き様々なメディアを通じて、先ほど収集窓口と言いましたけれども、正しくは情報提供窓口ですね、情報提供窓口があるんだよということを国民の皆さんにしっかりと伝わるように工夫をしていっていただきたいというふうに思います。

 あわせまして、原油に関連してなんですけれども、原油の代替調達先として、日本は今、かなりのウェートで中東にこれまでずっと依存をしてきたというところではあったわけですけれども、アメリカであるとか南米、そうしたところが一つの候補として挙がっていると思います。

 ここで、中東産の原油というものと北米、南米産の原油の油質が大分違うといったことが問題になっていると認識していまして、中東産の原油というのは非常に重質成分とか硫黄分が多くて、現在の日本の製油所の設備というのは、主にそういう中東産の重質成分が多くかつ硫黄分が多いのをいかにより分けていくかというところに特化して設備構成がつくられていると認識しています。

 しかし、アメリカ産に関して言えば、もっと軽質成分、ガソリンとかそういった軽い成分の割合が多いし、ギアナ産も軽質、それからブラジルはそのちょうど中間の中質というふうに伺っています。こうした性質が違うものを効率的に精製をできるという状況をつくっていかないと、なかなか、代替調達先を確保したところで、精製設備の内容が代替調達の足かせになってしまうといったことがやはり問題になると思います。

 現状、日本の石油製品の実際の需要においては、やはりガソリンとかそういう軽い方の、軽質の成分の需要の方が重質成分よりも多いので、どちらかというと、中東産をメインで買ってきて、それを精製すると、重油とかタールとか、そういった重質成分が余って、年間トータルで約六百五十万キロリットル程度、重質成分を輸出する、主に重油ですけれども、そういった状況が続いていると認識しています。

 相対的に軽質の成分の需要が多いという状況からすると、今後、余って輸出をするよりは、やはり精製したものを国内で使い切るということができた方が当然効率はいいわけですので、そうした方向にできるだけ近づけていけるようにする過程で調達先を多様化していければ、更にリスクヘッジもできるということになりますので、今後、国際情勢の変化で輸入する原油の比重の構成がそうした中でもいろいろと変化していくという可能性も十分に考えられますから、精製設備を代替調達のネックにしないために、現在は重いものと軽いものを一部混ぜて精製設備に投入するみたいなこともやってはいるはずですけれども、ここに、軽質油などの、今主に扱っている中東産と性質が違う原油を精製する設備に民間の事業者が安心して投資をできるという環境を国を挙げて整えていくことが非常に重要であるというふうに考えています。

 ただ、こうすると、中東産が多いという現状にあっては、軽質成分に特化した設備を造ると、それは、ある部分はふだんは使わないけれども、何か国際情勢の変化が起きて調達先が変わるとそういう設備もいつか使うかもしれないという、遊ぶ設備ができてしまうという点からすると、逆に民間の事業者からすると収益性の悪化を生むという懸念点も一方であります。

 なので、非常時にのみ稼働しますよというふうな、そういったタイプの精製の設備に対する投資とか維持管理に対して、平時から政府の一定の補助をかけて、様々な油質の成分を効率的に精製できる状況というものをこれからつくっていくということが必要なんじゃないかなと思いますが、こちらについて政府の考えをお聞かせ願えますでしょうか。

木原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、原油は産地ごとに性状が異なるために、民間事業者は、効率的に精製処理を行う観点から、原油の性状や価格、輸送日数などを勘案して最適な調達を行っているところでございます。

 原油の代替調達が進展している現在においても、元売各社は、様々な性状の原油を混合することで、混ぜることで既存の精製設備で効率的な精製を継続しているところでございます。精製設備の新設や改修が直ちに必要になる状況とは認識してございません。

 また、非常時のみに稼働する精製設備の投資、維持については、石油製品の需要が減少している状況に鑑みても経済合理性が低いことに加えて、稼働が停止したままでは設備が腐食、劣化する、さらに、大きな温度変化が生じる稼働と停止のタイミングがもっと設備に負担をかけるというようなことから、実務上の観点からも技術的な課題が多いと聞いておりまして、現状では事業者からのニーズが確認できていないということでございまして、政府の補助の検討ということには至っておりません。

 他方、御指摘のとおり、設備の制約が安定供給に支障を与えないことは非常に重要でございまして、原油調達の多角化を進めるために必要な措置については、今後、精製設備の対応を含め、あらゆる選択肢を排除せずに検討してまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 今おっしゃってくださったように、精製設備の状況というのが代替調達のネックにならないようにしていく必要が必ずあると思います。今後も安定して同じところから原油を買い続けることができるだろうという、その想定の下に立って国のエネルギーとか物資の根幹になるところの原油に関する政策というのを進めていくというのは、非常にリスクが高くて脆弱であるというふうに思いますので、ここの部分は、将来どういうふうな調達先がこれから増えていくのかという状況をしっかり見ながら、業界としっかり対話を進めながらつくっていっていただきたいというふうに思います。

 続きまして、今回の法改正における特定生産性向上設備等の基準等々についてお伺いしたいんですけれども、今回の法改正における設備の基準として、投資した設備の償却期間における平均ROIが一五%以上を認定基準とした理由というのは、全業種の事業者の上位三分の一がこの計算で一五%を超えていたからそういうふうな基準になったということですけれども、これは当該設備を用いて行った事業におけるどの利益計算のことなのか、粗利なのか営業利益なのか経常利益なのか、そこの具体的な計算式ですね、ここについて改めてちょっと明確にしていただけますでしょうか。

河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。

 本投資促進税制の投資利益率の推計でございますけれども、これは企業の全体になるんですけれども、各年度の投資利益率を計算して、それらの平均値を算出してございます。

 具体的には、今お話がございましたけれども、分子に、これは営業利益でございます、営業利益と減価償却費、これは企業の全体になりますけれども、これの増減分、分母の方には、固定資産の増減分から、これは推計になりますけれども、推計した設備投資額、これを用いて、ある種機械的に推計、算出をした、そういったものでございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 ちょっと、見てくださった方が分かりやすくなるように、簡単にこういうイメージでいいのかということを確認したいんですけれども、例えば、百億円をかけて新たな設備投資を行って、その百億円を投じた設備の償却期間が十年間でしたという場合、一年当たりの償却が十億円ずつということになりますので、一五%をクリアするには、年間、十億円の償却費プラス五億円なので、営業利益としては投資額に対して五%を満たせば、償却期間が十年の場合はこの一五%の基準を満たすというふうな、そういう理解でよろしいんでしょうか。

河野(太)政府参考人 具体的な投資利益率の計算の、先ほどのは推計、三分の一の推計のところの考え方のお答えをしましたけれども、税の認定というか、この考え方の具体的な数字の作り方については今検討しております。調整、検討しているところでございますのであれでございますけれども、今御指摘いただいたような計算なんかも一つの方向として、案として検討しているというふうに御理解いただいて構いません。

牧野委員 ありがとうございます。

 詳細についてはこれからということではあると思いますが、事業者の方がやはり分かりやすく使いやすいということがとても大事だと思いますので、その明確な分かりやすい基準というものを作ってお示しいただきたいと思います。

 とはいえ、推定される、考えられる利益率というものは、やはり、業界によって利益率を高く確保しやすい業界というものと、なかなか、頑張っても原価率がどうしても高くて利益率が高くなりづらい業界というのはどうしてもあると思うんですね。この一五%の基準を作るに当たって、今回、基本的に全業種が対象ということはやはり絶対そうすべきだと思うんですが、業種を問わず全部一律の基準になっていますので、この基準を作るに当たって、政府は、業界ごとに期待できる利益率というのが結構異なっているというふうな現状を認識してこの基準というのを定められたのでしょうか。その過程についてお伺いします。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、業種ごとに捉えた場合、投資利益率の実際の水準に一定の差が存在することは認識をしてございます。一方で、本税制は大規模かつ高付加価値な国内投資を促進するものであること、それから、平成二十六年度から三年間実施された、大企業向けに同じ基準を採用した生産性向上設備投資促進税制で幅広い業種で活用された実績があること、そして、事業者の予見可能性の確保や税制利用時の負担軽減の観点からできる限り簡素な仕組みとする必要性があることなどから、本税制では投資利益率一五%以上としているものでございます。

 その上で、中小企業につきましては、投資利益率七%以上で活用できる中小企業経営強化税制という既存の税制がございます。この既存の税制と今回の大胆な投資促進税制とは選択的に利用できる、こういうことも含めまして、多様な企業で税制を活用して国内投資を進めていただけるよう制度の周知、広報を進めていきたい、このように考えてございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 企業の規模によってそういった選択できる税制があるというのはいいことだと思いますが、実際、このゴールデンウィークに、鹿児島の方でいろいろ企業さんとかに会ってお話を聞いてきたんですけれども、特に鹿児島は、かつおぶしの生産においてシェアが全国で七〇%ございまして、特にその中でも、指宿というところと枕崎、地図でいう左下の薩摩半島の南端の方の二つの港ですね、そこが主な生産地で、プラス焼津、この三か所でほぼほぼ日本全国のシェア一〇〇%というふうに伺っています。

 特に指宿の港というのは、かつおぶしの中でも、いわゆる本枯れぶしという、乾いた、硬い、かんかんと鳴るあのふしですね、あれを作る分については日本一の生産量を誇っているそうなんですけれども、昨今、原油の価格の上昇に伴って、原料のカツオを漁で捕ってきた船が、港に入る条件として、原油を安くそこで補給させてくれるんだったら港に寄りますみたいな、そういう条件をつけられてしまって、なぜか、やはり流通経路の問題なのか、鹿児島で重油を給油するよりも焼津に行って給油した方が安いというふうな状況が起きたせいで、なかなか船が鹿児島をパスして向こうに行ってしまって、そもそも入ってくる量が減るとか。

 あるいは、遠洋漁業の船ですと、遠洋に行って、船のカツオを入れる、ためるタンクを満タンにして帰ってくるというのが今までの常であったんですけれども、このためには、当然、行った先でやはり燃料の補給が必要になると。現地での燃料の補給をすると、国内でやるのと比べて補給の燃料代がやはり倍ぐらいかかってしまうということで、燃料が高騰している中では現地での補給をしたくないから、カツオを満タンにする前に港に帰ってきてしまう。そうすると、やはりどうしても入ってくる量が減るので、必然的に生ガツオの価格が上がってしまって、元々の一・五倍ぐらいになったというふうに伺っております。

 そこから計算して、最終的な製品の荒ぶしというふうな、だしに使うような部分を作っていくと、キロ当たり、従来一キロ千五百円ぐらいで製品として販売すればオーケーだったというところが、現状だとキロ二千円ぐらいで販売しないと元が取れないというふうになっている。この状況の中で、元々たくさん在庫を抱えていた人たちがまだ千五百円で売っている中からすると、在庫のちっちゃい中小業者にしてみると、今から高い値段でカツオを仕入れて作ると、二千円で売りたいのに、千五百円が市場に出てくるから、そことの競合をさせられると逆ざやになってしまうので、操業を止めざるを得ないというふうな状況に今陥っているというふうな話なんですね。

 なので、本当に、かつおぶしというのは日本食のインフラみたいなものですから、そうしたところをきちんと支えていけるようにしなきゃいけないんですが、ここで、実際、営業利益はどれぐらい取れますかというふうに伺うと、どんなに頑張っても七%ぐらいが限界ですと。それで、大体、今の状況だったら五%ぐらい。

 さらに、水産の卸業、水産卸の市場の経営者の方にお話を聞くと、営業利益は平均〇・三から〇・五%、そういう状況で頑張っていらっしゃるということなんですね。

 なので、そうした状況の中で、今回の改正では一律一五%というのが一つの基準としてなってはいますけれども、やはり五年後に見直しが入るということですので、五年後の見直しまでに制度の利用状況というのをしっかりとモニタリングをやって、制度の活用がなかなか進んでいないような業界に関しては基準値を一定見直すとか、もう少し使いやすくする工夫をするとか、そういったことを考えていただく必要があるのではないかなと考えていますが、大臣のお考えをお聞かせください。

    〔委員長退席、土田委員長代理着席〕

赤澤国務大臣 大胆な投資促進税制は、二〇四〇年度二百兆円の官民目標の達成に向けて、大規模かつ高付加価値な国内投資を促進するため、投資計画の投資利益率が一五%以上との要件を設定しているということでございます。

 これは、平成二十六年度から三年間実施された生産性向上設備投資促進税制の大企業向け要件と同じ水準であり、製造業、サービス業を含め、幅広い業種で活用されたこと、企業の設備投資で投資利益率の高い上位約三割に相当する水準であることを踏まえたものであります。

 強い中小企業になってもらいたいということで設定をしておりますが、中小企業については、さっき、どんなに頑張っても七%ということを委員はおっしゃいましたが、その七%以上、投資利益率七%以上で、基本的に投資規模の要件がない中小企業経営強化税制が既に別途措置されており、大胆な投資促進税制との選択も可能であります。

 その上で、更に申し上げれば、これも委員おっしゃったことですが、本法案で、投資金額や投資利益率の実績を事後的に把握、検証する規定を新たに設けたこと、それから法律施行後五年をめどに、経済社会情勢の変化を勘案しつつ、施行状況について検討を加え、必要な措置を講じることとしておりますので、こうした規定も踏まえて必要な検証、措置を行っていきたいと思います。

牧野委員 ありがとうございます。

 五年後に向けて、しっかりと利用状況を見ながら、今後どういうふうに運用していくかということを考えていただきたいんですけれども、中小企業にとっての設備投資という観点でいいますと、実際、あるかつおぶし工場の中では、かなり、十億単位の投資をやって、現場、煮込むとか、あるいはいぶすとかという工程、重いものを持ち上げるところをロボット化されたところもあったんですね。

 実際、元々、救急の医療機関におりましたので、かつおぶし工場というのは、そうやって熱を使っていぶすという工程が入るものですから、夏場、それで、かつおぶし工場で熱中症で倒れましたという方が結構運ばれてくるということがあって、そこの社長さんはそうやって、しんどいとか、あるいは危険というところを機械化することによって、いわゆるだしの文化というものが分かる日本人の労働者に来てほしいという思いでそれだけ大胆な投資をされたそうなんですが、実際、それでもやはり従業員の五割の方は外国人労働者の方を使わないとどうしても現場は回らないという状況で、かつ、結果的にそれで全然売上げが増えたわけではないから、社員は喜んでいるけれども、会社としてはマイナスになってしまったというふうなこともおっしゃっていましたので、実際の利益ベースに乗っかってこなくても、そうやって従業員にとっての福利厚生が改善するとか、安全性が改善するとか、そういった部分の投資もしっかり支えられるような仕組みというものを考えていただきたいなというふうに思っています。

 ちょっと話が変わりますが、造船業というのをこれから日本、国を挙げてまた復活させていくんだということを政府の方針として掲げていらっしゃるかと思いますが、元々、世界で一位の日本の造船シェアというものが高度成長期にはあった。これが、現状、足下では、日本の世界シェアが約一〇%前後、韓国が二、三割で、中国が六、七割を取っているという状況になっています。

 我が国は海洋国家でありますので、海洋国家として海上物流を支える船を造るという能力をしっかりと支えることは、安全保障の根幹に関わる非常に重要な問題だというふうに認識していますが、現時点では、船舶を更新したいという需要があっても、そもそも日本の造船の供給能力がまだ追いついていないというような状況もある。海外にオーダーが流れ出してしまっているというところもありますので、政府は造船の再興というものを掲げていますので、しっかりとそちらは進めていただきたいと思うんですが、船というのは決して造って終わりではなくて、造った後のメンテナンスを国内で十分に行うことができなければ、そのメンテナンスの部分を海外のドックとかに依存することになる。

 現状、内航船、国内で航行する船に関してはほぼ一〇〇%日本国内でメンテナンスができているというふうに承知しておりますけれども、外航船、海外と行き来する船に関しては、やはりオーバーホールの一部で海外に依存しているところがあると思います。

 旧来型の普通の船だったら別にそれで大した問題じゃないと思うんですが、これから出てくる国が力を入れている環境対応船とか新しい技術を使って造った船に関して、整備を海外に依存するということになると、エンジンとかをオーバーホールして整備する過程で、向こうからすると本当にリバースエンジニアリングをされてしまって、技術流出につながっていってしまうわけですから、このリスクについて、政府は今どのように認識されていますでしょうか。

河野(順)政府参考人 お答え申し上げます。

 船舶修繕は、海上輸送で使用されている船舶の安全性の維持のために必須の役務であり、船舶の建造と同様、国民生活や経済活動を支える極めて重要な役割を担っています。

 我が国修繕所の多くは、自衛隊の艦船や海上保安庁の巡視船等の官公庁船及び内航船の修繕を行っており、我が国外航船の多くが海外で修繕されておりますが、我が国造船業の技術優位性の確保や経済安全保障の観点から、委員御指摘のとおり、特に環境対応船などの技術の流出などが生じないように、船舶修繕を含めた我が国造船業の基盤をしっかりと構築していく必要があると考えております。

    〔土田委員長代理退席、委員長着席〕

牧野委員 ありがとうございます。

 なので、政府の方は、二〇三五年までに建造量を倍増するというふうなロードマップを示されていると思いますけれども、現状、そのロードマップ上でしっかりメンテナンス部門も同時に育てるという、計画としては、それは計画は存在するんでしょうか。

河野(順)政府参考人 お答え申し上げます。

 高市内閣では、造船を日本成長戦略会議の戦略分野の一つに位置づけ、その主要な製品、技術等として次世代船舶と船舶修繕を選定し、造船ワーキンググループにおいてこれらの官民投資の方向性を取りまとめました。

 船舶修繕については、我が国外航船修繕の特定国への依存の解消、低減に向けて、国内の修繕能力の向上に取り組むとともに、同志国の修繕所の活用、整備などにも取り組むこととしています。

 今後、造船ワーキンググループで得られた結論を基に策定される官民投資ロードマップに基づき、船舶修繕も含め、大胆な成長投資を促進してまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 メンテナンスもしっかりその部門の中に入れていただいているということで、新しい技術を使った船というものをしっかり国内でメンテナンスをして、技術が流出しないという状況を担保していっていただきたいというふうに考えています。

 ただ、実際、鹿児島は離島が非常に多いという特徴がありますので、先般、屋久島と鹿児島市を結ぶフェリー屋久島2という船齢三十二年の結構古い船があるんですけれども、この船が動いている途中で発電機が二機とも壊れてしまって動かなくなって、漂流してしまって、約十日間船が止まってしまったという事態がございました。全く同じ船が、おととしだったと思いますが、エンジン関連のパーツが壊れて、それを輸入するのに半年かかって、半年間動かないといった事態もあって。

 船会社の方にお話を聞いて、実際に直った後に船に乗って屋久島にも行って島の方々にもお話を伺ったんですが、これが動かなくなると、やはり生活物資の半分以上がそこから来ていますので、入ってこなくなって非常に困るということで、屋久島町の方として積み上げている貯金、町の貯金を切り崩す形で代替船を別の業者からチャーターするということをやらざるを得ない。

 ただ、これが、元々この二社で競合する形で物を運んでいたからリーズナブルな価格、ある程度納得感のある価格だったものが、一隻だけ、片方が止まって、どうしてもここに頼らなきゃいけないとなると、もう言い値でやってもらうしかなくなってしまって、一回チャーターする当たり六百万円もかかるというので、どうしても島としてもやはりチャーターできる回数に限りがあって、毎日呼ぶわけにもいかないしといって、やはり島の方に聞いても、生鮮食品とか、牛乳とか、そういう島で作っていないものが全然届かなくなって困ったというお話は非常にされていました。

 この船に関して言いますと、鹿児島県旅客協会の会員が保有するフェリーが二十二隻あるそうなんですけれども、そのうち更新の基準となる減価償却期間、十一年か十五年とされているそうですが、そこが過ぎているものはやはり十隻、さっきのフェリー屋久島2はもう三十二年たっていますし、さらに、ジェットフォイル、高速船ですね、これに関しては、物によってはもう四十年オーバーというものを使い続けているというふうなところもございまして、いつ壊れても不思議じゃないというところがありますので、ここをとにかく、できれば、メンテナンスをどうにかこうにかやってつないではいますけれども、本当はやはり新しい船に更新したいというニーズが現場には絶対あるんですね。

 にもかかわらず、やはり、新造船を造るとなると、フェリー屋久島2は大体三千四百トンぐらいの船ですけれども、今の価格だとやはり五十億円程度かかるし、ジェットフォイルの方が実はちっちゃいけれども高くて、一隻当たり、昔は五十億円、今の価格だとやはり七十億円ぐらいするというところで、運航会社の単独で新しい新船を発注するような余力は全然なくて、それでこの運航会社からは、県とか国、そして屋久島町に対して、公設民営という形で、公の方で船を造って民間が運営するという形ができないかというふうな提案をされているというふうに伺っています。ただ、そこに関しては、まだ明確な回答がないというふうに船会社の方からは聞いていますが。そうやって、新造船を行政の予算で造るということも、やはり島の生活を守るという上で非常に重要だというふうに考えます。

 エッセンシャルサービスということが今回の法案のテーマにもなっていますけれども、特に島に関しては、もう船が止まるとエッセンシャルも何もあったものじゃないので、全部がそこにやはり依存していますから。

 離島航路整備法という法律において、一個の、単独の事業者が赤字航路を抱え、唯一かつ赤字という場合においてのみ、船舶の更新も含めた補助が使えるような、そういう仕組みが整えられているというのは承知していますけれども、この屋久島のように、複数の事業者が運航する路線というのは補助対象になっていないはずなんですね。

 全国各地の離島の航路で、やはり必ず同様のニーズというのはたくさんあると思います。これから国を挙げて造船業を復活させていこうという段階にあって、そうやって現場のニーズはあるんだから、しっかりそこに予算的な手当てを国から入れてあげることができれば、そこがやはり発注元となって造船業界を支えてくれるというふうにもなるわけですので、もっと更新をしやすくして内需を喚起するということをやっていくべきでないかと思いますけれども、こちらについてはいかがでしょうか。

河野(順)政府参考人 お答え申し上げます。

 離島航路は、島民の日常生活や産業、観光などの地域経済を支える交通インフラとして極めて重要な役割を担っております。このため、ナショナルミニマムを確保する観点から、委員御指摘のとおり、唯一かつ赤字の離島航路を対象に、船舶の代替建造等について、船価の一部を補助する制度を設けております。

 また、船舶更新に対する直接の補助ではありませんけれども、補助航路以外の離島航路も対象として、鉄道建設・運輸施設整備支援機構による建造資金の支援も行っております。

 さらに、補正予算も活用して、例えばキャッシュレス決済の導入や省エネ性能に優れたエンジンへの換装といった交通DX、GXを活用した離島航路事業者の経営改善に資する取組についても支援を行っております。

 国土交通省としては、離島航路を取り巻く状況を踏まえつつ、今後とも、離島住民の足の確保、維持に取り組んでまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいたような、唯一かつ赤字じゃないところに関しても一定の支援制度はあるということではあるけれども、現実使えていないわけですから、やはりそれが本当に使えるものになるように、そして、もし今の制度で使えないんだったら、ちょっと別枠で何か予算を措置するとか、そうしたことをやはり考えていく時期が来ているんじゃないかなというふうに思っております。

 あわせまして、今回の法改正では大胆な設備投資ということに焦点が当たっているわけなんですけれども、国家を挙げて大胆な人材投資ということにもしっかりと反対側で取り組んでいかなければ、この造船の業界というのはやはり人手がなかなか足りなくて、ここもやはり外国人材をどうしても入れないといけないという分野になっていますので、現場の人手不足というものをやはり十分に補っていかれないと思います。なので、工業高校に造船コースを新たに設けるであるとか、かつては日本の大きな旧帝国大学系にも造船学科というものがありましたけれども、日本の造船業の衰退に合わせて造船学科というものが消えていったという歴史がございますので、こういった造船学科を今後復活させるというふうな計画はあるのか、教育面に関して文科省の方に伺いたいと思います。

今井政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、政府全体で検討が進められている日本成長戦略において、分野横断的課題への対応の一つとして、造船を含む十七の戦略分野の成長を牽引する人材を戦略的に育成していくことが重要であると考えております。

 直近の状況で申し上げますと、例えば、令和七年度には福山大学、令和八年度には愛媛大学が造船に関連したコースを新設していると承知をしております。また、高校につきましても、愛媛県立今治工業高等学校におきまして、令和九年度から学科を再編し、既存の造船コースを造船科へ改編し、定員を拡充する方向で現在検討が進められていると承知をしております。

 文部科学省といたしましては、こうした動きを踏まえ、造船を始めとする我が国の産業基盤を支える物づくり産業や地域経済を維持発展させる観点も含め、高校から大学、大学院等を通じた人材育成システム改革を進めることとしています。

 具体的には、高校につきましては、令和七年度補正予算で高校教育改革促進基金を創設し、造船等を学べる工業高校を始めとした専門高校等を対象に、各都道府県において先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出を支援するとともに、今後、各都道府県において策定される高校改革の実行計画を着実に実施できるよう、安定財源を確保した上で、交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築に向けて検討することとしております。

 また、大学につきましては、成長分野転換基金を活用し、造船などの経済成長の実現に資する重点分野に関係します研究科、専攻、コース等の設置、増員に取り組む大学を支援することとしております。

 文部科学省としては、引き続き、経済産業省や国土交通省など関係省庁とも緊密に連携しながら、造船分野における人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。

牧野委員 お答えありがとうございます。

 引き続き、造船の分野を含めて、しっかりと人材育成という観点から教育の改革というものも取り組んでいただきたいというふうに思います。

 ここからちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、先日のこの委員会でも、エッセンシャルサービス維持の観点から北海道や四国における鉄道の再国有化の提案などをさせていただきましたが、海上交通というのも離島において非常に重要なエッセンシャルサービスの基盤になるものです。本改正では、エッセンシャルサービス維持のために計画認定制度とか支援機関の認定制度が創設されるものにはなりますけれども、やはり本気でこのエッセンシャルサービスの維持に取り組むということのためには、特に交通面では国土交通省、そして人材面では文科省とか、あるいは外国人材関連で法務省とか、こういったところとの連携が非常に重要になってくると思います。

 赤澤大臣は国交省の御出身ということでもございますので、エッセンシャルサービスの維持に向けた他省庁との連携の在り方について、現時点で大臣が認識されている何か連携における問題点はどういうものがあるか、それから、今後そこをどう課題をクリアしていくかということについてお考えがあればお聞かせください。

赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、エッセンシャルサービスは、小売業や公共交通を含め多岐にわたり、その担い手となる人材も重要であることから、その供給の持続性の確保は関係各省の政策との連携なくしては困難であります。全く御指摘のとおりです。

 しかし、これまでのところ、エッセンシャルサービスの供給の維持に関して、経済産業省の産業政策と関係各省の政策の連携は必ずしも十分とは言えないものであったと考えています。

 こうしたことから、本法案の立案は、関係各省と密接に連携しつつ進めてきたところであります。今後、更に各省の政策の連携を一層強化をし、エッセンシャルサービスの供給の持続性確保のための政策の実効性を高めるように努めてまいりたいと考えております。

牧野委員 大臣、ありがとうございます。

 今後そういった他省庁との連携をやって、本当に地域あるいは離島といったところに安心して人が住み続けることができる、この環境を是非国を挙げて守っていっていただきたいというふうに考えております。

 続きまして、先日の参考人質疑において大橋参考人が指摘されていましたように、経産省の所掌する産業政策において、企業間の協調とか再編、そして投資促進を進めたいという場面と、公正取引委員会の管轄であるところの競争政策において、カルテルとか情報交換、市場支配を止めたいという場面がよくぶつかるケースがあると。特に、大規模な投資を行うに際して独禁法に抵触しないかということで、企業の法務部門が萎縮してしまうということであるとか、あるいは、経済安保の観点から、戦略物資の供給途絶を防ぐために、サプライチェーン全体の情報交換や重要技術、製品を持つ企業間での情報交換が必要になる場合もあります。

 例えば、日本企業が世界的に何らかの分野で優位性を持っていて、そこに技術の獲得を意図した他国の企業が接近してくるというふうなケースで、ある会社Aに対して業務提携を持ちかけて、そして、反対側で会社Bに対して、A社はもう提携に前向きだから早く意思決定してくださいねみたいなことを言って、お互いに疑心暗鬼にさせた上で、どこかから技術を自分のところにもらおうというふうな、そういう戦略を取るというケースもあるというふうに聞いています。

 一社でも技術提供に応じてしまうと、日本の優位性が一気に失われて、国内生産基盤が毀損されてしまうということにもなりかねないというところがありますし、一方で、先ほどの、船が二系統あるからこそ価格が適正に抑えられているのに、一個になってしまったら言い値でめちゃくちゃ高くなるみたいな、そういうケースもありますから。

 経産省の所掌であるところの産業政策と、公取の所掌である競争政策のバランスを今後どう取っていくか、ここについて大臣のお考えをお聞かせください。

赤澤国務大臣 企業間連携が必要な場面で、独占禁止法抵触の懸念から企業が過度に萎縮しないため、予見可能性の確保が必要だと思います。そのため、脱炭素分野の共同投資について、二〇二三年に公表した公正取引委員会のグリーンガイドラインで独禁法上の考え方を示していただいたところであります。

 加えて、経済産業省、公正取引委員会、国土交通省で、昨年、経済安全保障と独占禁止法に関する事例集を公表いたしました。重要技術を守るための情報交換や重要原材料の共同調達といった経済安全保障分野の独占禁止法上の考え方を示し、企業の予見可能性確保に努めているところでございます。

 実際、こうしたガイドラインや事例集を策定して以降、企業からの相談が増加していることを見ると、萎縮して最初から諦めるというのではなくて、企業間連携を行うという動きが出てきているものと考えております。

 引き続き、産業界の実態に寄り添いながら、公正取引委員会と連携の上、産業政策と競争政策のバランスを取りながら、企業間連携を後押ししてまいりたいと考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 この部分は経済安全保障にも非常に深く関わる重要な部分になると思いますので、しっかりそこのバランスを取りながら、経済安保をしっかり確保しつつ、競争力もしっかりと国際社会で高めていける、そういった状況をつくっていっていただきたいというふうに思います。

 ここからちょっと、先日視察に行ってまいりましたので、視察に関連した質問をしたいと思います。

 GXスチールというところで、JFEスチールさんの視察に行かせていただきましたけれども、GXスチールを造るための試験炉を造っていらっしゃって、水素還元を行うために、水素を使って酸化鉄を還元すると吸熱反応で温度が下がるので、水素を入れるんじゃなくて、炉で出てきた二酸化炭素を、そこに水素を加えてメタンに変えて、メタンをもう一度炉に送り込んで、カーボンをその中でぐるぐる回して低炭素で鉄を造っていくというふうな、そういう設備を試験的に造られていて、大体百五十トン級というふうに伺いました。

 この百五十トン級の試験炉を回すために、メタネーションというメタンを作るための中型コンテナぐらいの箱を七つ置いていらっしゃるということで、もしこれを商用規模の五千トンレベルに拡張しようとすると、そのメタネーションの箱は三百個必要になるということで、なかなかちょっと非現実的でありますし、ここに多額の資金を投じてグリーンスチールを造ったところで、できてくる鉄そのものの部材としての性能というのは従来の生産方式と何も変わらないということになってしまいますので、下流のサプライチェーンの生産性の向上につながるものではないと。

 なので、現状は、GXスチールを使っていますよということが、下流の企業がそういうことを企業アピールに使うという広告の意味でGXスチールを購入するというニーズがごく一部に存在する程度にとどまっていまして、ただ、製鉄業というのは、国のCO2排出の一四%という、CO2排出のウェートを占める非常に大きな分野にはなりますので、一定削減する努力というのはやってもいいと思うんですが、国として、金属精製の分野において、GXに関する取組、ここに多額の予算を投じてやったところで、結果、その製品が高くなって、性能は変わらないのに物だけが高いという状況になってしまうと、高い車を買うとか、あるいは建築資材を使って家を建てるとかというときに、ただでさえ物価が高騰している中で、一般消費者たちは非常に更に苦しめられるという状況になって、結果的にこれがGDPを、国の生産性を上げるという方向になるんじゃなくて、過剰にGXということを推し進めてカーボンニュートラルということをやり過ぎると、逆に経済にブレーキを非常に踏んでしまうということをやはり懸念しております。

 なので、やはり、いま一度、特に金属製錬分野におけるGXに関する取組というものを国全体で今後どうしていくのかということをもう一度ちょっと立ち止まって考えるべきなんじゃないかなというふうにも考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

赤澤国務大臣 鉄鋼産業は、産業分野の中でも多量の温室効果ガスを排出し、排出削減が困難な産業であります。よくハード・トゥー・アベートという言い方をいたします。

 一方、欧州を中心に、製造時のCO2排出量が多い製品の市場参入規制を導入する動きが見られる中で、高機能かつ低炭素な鋼材を求めるように需要家の嗜好が変わりつつあるということもございます。

 そうした中で、政府としては、水素還元製鉄の技術開発や高炉から革新的な電炉への転換といった先行投資の支援、あるいは、鉄鋼事業者の取組が収益面に反映されるよう、グリーン鉄のプレミアムを見える化する評価手法の確立といった市場づくりの取組などを進めておりまして、引き続きこうした取組を推進してまいりたいというふうに考えています。

牧野委員 ありがとうございます。

 政府機関として、グリーン鉄みたいなものを公共事業に使うとか、そういったところは一定やっていっていいのかなとは思いますが、本当に全部をそっちの方向に持っていくんだとかという、余りやり過ぎは絶対によくないと思いますし、なかなかやはり設備的にも非現実的なところも出てくるのかなと思いますので、そのバランス感は見ながら進めていただきたいなというふうに思っております。

 あわせまして、この間の視察では産業用地の分譲、新しく造成しているところも見学させていただきましたけれども、まさに千葉県とかは、非常に湾岸も近くて、いろいろな産業が集積して、産業用地としてニーズが非常に高いけれども土地がないというところで、今新たに造っているところではあるんですが、この土地において、ちょっと一部質問を飛ばしますが、工業用水の供給をしっかりできるか、あるいは地下水がどれぐらい使えるか、そして使った水を排出する量が、ちゃんと排出量が確保できるか、ここが結構、用地造成の上で重要になってくると思います。

 ただ、日本の工業用水の制度というものが、契約締結後に容量を増やすということは簡単にできても、減量するとか一時中断をするということがなかなかやりづらい。これは、相当大量に使う企業が契約をすると、その契約量に合わせて、日量何万トンとか何千トンとかというのに合わせて、上流の設備自体を自治体の方でかなり高額な設備投資をしなきゃいけないというケースに関してはそうかもしれませんが、もうちょっと小規模に、ふだん地下水だけれども、ちょっとはみ出たら工業用水を使いたいとか、そういうニーズにフレキシブルに対応できるように、もうちょっと工業用水を使いやすいような制度設計にならないかなというふうに考えます。

 ここについて、経産省のお考えをお聞かせ願えますか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 工業用水道事業は、企業が実際に立地するのに先駆けて整備をする必要があることから、工業用水道事業者による先行投資的な性格を有しておりまして、したがって、先行投資のリスクを減らし、工業用水道の料金価格を維持していく観点から、責任水量制を採用している工業用水道事業者が多い、こういう実態がございます。

 ただ、一方で、工業用水道施設の布設時から長期間経過する中で、当初の契約水量と、それから実際に使っている実使用量、この間に乖離が大きくなってきていて、そのことで困っている、こういう声もいろいろ聞いておりまして、昨年度の産業構造審議会工業用水道政策小委員会でも同様の議論が実際に出てきたところでございまして、したがいまして、そういったことも踏まえまして、受水する企業全体で料金の在り方をどう見直すかとか、そういったことも今後必要と考えておりまして、また、そういったことで検討してまいりたいと思います。

牧野委員 しっかりとそこの水の使い勝手をよくしていただいて、企業が新しい工場を造ったりするのをよりやりやすいという状況をつくっていっていただきたいというふうに思います。

 以上で、時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

工藤委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。

 今日は長丁場でお疲れだと思いますが、最後のバッターになりますので、おつき合いをいただきたいと思います。

 先週、地元を回りましたら、水道の仕事をやっている会社の社長からペーパーを一枚もらったんです。これはお出しするところまではいかないと思うんですけれども、ある水道に使う建材を作っている大手さんです。これが、今年の四月で、お得意様各位ということで、実施日は六月一日から出荷分より、主な対象製品で、塩化ビニール管、五月の七日から一二%、六月一日からは一二%、合計二五%以上値上げだというんです。物によっては、五月の七日、六月の一日を入れると三二%。

 どこもかしこも、エンジンオイルもないから整備ができないとか、塗装業をやっていて、大手のハウスメーカーの下職の塗装業をやっている人で、原材料が大手さんのハウスメーカーからの支給なんですけれども、それもないんだそうです。仕事ができない。

 これは先週の委員会でも御指摘させていただいたんですけれども、自分なりに、じゃ、どうすればそれを解消できるかなと。大臣にお尋ねすれば、今年いっぱいとか来年の正月までは事足りていますよと。

 振り返ってみて、私の記憶が間違っていなければ、九年か十年ぐらい前に、高力ボルトというのがないと業界で始まったんです。鉄骨を組み立てるのにボルトが必要なんです。そのときに、ある鉄骨の事業をされているところに行ったら、いや、鈴木さん、高力ボルトがないんだと。私の知り合いのところから、じゃ、どのぐらいだったらいいか直接やってくれというので、何とかそれはしのげたんですけれども。

 一年間に作る量が大体決まっているんですよね、こういけばいいんですけれども。プラスチック製品でも医療系でも何でもそうです、足らないからとどんどんどんどん作っていくかといったら、メーカーさんも、ある程度需要を見込みながら供給を作っていく。そんなに、五割も十割も余らすようなことをしないと思うんです。だから、ちょっと先行きが不安だから、一斗缶を、一缶でいいのを二缶、三缶買うところが、一件、二件ならいいけれども、一万件、十万件出てくれば足らないとなる。それが今の状況なんだと思うんですね。

 五年か六年ぐらい前に、トラックに入れる尿素、アドブルーが足らないと。自分のところもトラックを動かしていますから、足らない、どうにかしろと言われたんですけれども、経産省に働きかけても、ないものはないんだ、こういう話なんです。ほとんど中国からの輸入だ。

 去年は米。今ぽろぽろ、報道で聞く限りは、何か余っちゃってきているんだと。今年の八月には新米が出てきますから、聞くところによれば、二百万トンぐらい余りそうだと。それでも、お米屋さんのところへ行くと五キロ四千二百円とか三千九百円の値札がついているんです。

 私の地元で、去年、農協さんが米を仕入れるのに最初に提示した金額は二万六千円。誰も持ってこないんですって。それで、一俵二万八千円に上げたんです、玄米で。誰も持ってこないんですって。最後は三万二千円にしたら出してくれたんだと。何ということはない、農協が買い上げる概算金の金額よりも高くほかで買いに来るから、誰でも売る方は高い方に行っちゃうんですよね。

 だから、今回、こういう大手のメーカーさんでも、お願いと称して、物によっては三割を超えるような価格を上げる。じゃ、どうすればこれを解消できるかなといったら、やはり需要と供給のバランスなんだと思うんです。

 政府を挙げて、大臣もあちこち駆けずり回って、原油をなるべく入れてくれ、ナフサも売ってくれと、いろいろやられていると思うんです。最終的には川上で物を作っている原材料のところとそれを加工しているところまで働きかけをして、まあ、問屋さんがどうだというのは次の話題になってくるんですけれども、少し、今まで、通年よりは二割、三割余計に物を作ってくれと。

 今の社会的な状況が収束していくと、どうしても物が余ってしまうと、それが市場に出ると価格が暴落するから、余り生産量を上げないんだと思うんです。そこのさやの部分を国が補償するからというぐらいの制度をつくって、増産してくれとやらないと、ただ働きかけました、ああ、そうですかといって終わってしまうような気がするんです。

 それで、平時に戻ってきたら、政府が持っている在庫、例えばお米だったら、去年、備蓄米を放出するということで市場の価格を抑えたんですよね。また、そうはいいながらも、新米が出てきたときは、今私が申し上げたように、三万二千円。うちの方は都市部に近いところのお米の地域ですから、そんなにたくさん取れているわけではないんですけれども、うちの地元の農協に出てくるのは大体年間三万二千トンぐらいのお米が出てきます。もっと大きい農協さんなんかは幾らでもあると思うんですね。

 だから、どこまでの種類とどこまでの分野をどのぐらい備蓄じゃないけれどもストックすればいいかというのは少しはじかなくちゃいけないと思うんですけれども、そこを政府が備蓄として抱えるんじゃなくてメーカーに抱えてもらって、その二か月分なのか三か月分なのか、二割か三割か分かりませんが、そこの部分をきちっとお金で手当てするからというような制度にしないと、物を作って出しましょうというふうにならないと思うんです。物が出てくれば価格は抑えられると思うんです。物がないから価格が上がっていく。当たり前の話ですよね。

 インフレというのは何か二通りあるんですってね。調べたら、ディマンドプルインフレというのとコストプッシュインフレ。これが、どっちが今の日本の状況なのか。両方あるよと言う人もいらっしゃるんでしょうけれども、圧倒的にコストプッシュインフレ。物がないから価格が上がる。じゃ、物を作ってもらうしかないと思うんです。だから、そこのところをやはり国が、ただ出してください作ってくださいだけでは、はい、分かりましたというふうにならないと思うんです。

 これも、一週間、二週間で考えてぱっとできるものじゃないと思うんですが、この五月、六月ぐらいが一つのターニングポイントになる。現場で仕事をしている人の話を聞くと、今は何とか高くなっても物は入ってきているところもある、これが今年の秋から冬にかけて本当に物が出てこなければもう仕事ができないと。そこのところを、ただ、今年いっぱいは足りています、来年の正月も何とかなります、数量は確保できていると言っても、現場ではやはり物が入ってこないんですよね。そこのところを、やはり、今までとはちょっと違ったような仕組みをつくって、物を作って出してもらうような形を取らないと、物不足に対応するような、いろいろな業種に影響が出てきていますので。

 この間、レクに来てもらって、ナフサ由来の化学製品の需給の見通しというので、五月には三倍ぐらいになりますよとか、化学製品の足下の在庫は一・八か月分と。一・八か月分しかない。だから、みんな、将来不安になるから抱いちゃおうとなるんだと思うんです。この一・八を、六月末までには、六か月、ちゃんと作ってもらうようにしますからと。

 例えば、期日的なもの、量的なもの、そういったものを政府が、経産省の分野で結構だと思うんですけれども、それを外に出して発表していかないと、やはり不安の払拭ができないと、いつまでたっても同じ状況で、ずるずるずるずる、蛇の生殺しみたいな形で仕事ができないという状況が続くんじゃないかと思うんですけれども、その辺についてお考えをお示しいただきたいと思います。

赤澤国務大臣 自分だったらどうするかということを今委員が言ってくださって、いつもながら、本当に傾聴に値するお話だと思うんです。

 ただ、基本的な考え方をまずちょっとお話しさせていただくと、これは、我々、繰り返し発信することが大事だと思っているので、原油や石油製品については、日本全体として必要となる量が確保できており、年を越えて石油の供給を確保するめどがついているということを申し上げています。また、ナフサについても、今まさに御紹介いただきました、備蓄原油を用いて国内の精製を続けていることに加えて、三倍と御紹介いただいた、中東以外からの輸入が三倍に拡大、それからポリエチレンなどの中間段階の化学製品の在庫は一・八か月、半年以上から更に延び、年を越えて継続できるということは申し上げているところです。

 その上で、一つ、価格も含めて、非常に我々がやってみてよかったと思うことがあって。原油なんですけれども、元売から直販する。

 卸を通していると、やはり、そこで何が起きるかというと、卸さんは、先の見通しがちょっと立たないなと思えば供給量を今から抑えちゃう。今月は普通どおり出すよと上から言われても、とにかく抑えちゃうということがあります。供給側はそういうことが起きるわけですし、今度は、需要側は需要側で、私の地元で工務店の大将が、ふだんの十倍発注したから大丈夫だとかおっしゃっていて、それは駄目ですよということなんですけれども、そういうこともあるんですが。

 だから、原油については、何か目詰まっているような、元売の方からも直接必要とするところに出しちゃうよということをやってかなり動かしたところ、やはり卸の方たちも、自分たちがしばらく持っていればもしかしたら値段が上がるかも等、いろいろ考えられるんでしょうけれども、直販のルートで商売をやられてしまうということになると、そこはちょっと考えて、価格を上げようともなかなかならないし、そこは目詰まっていてもしようがないというか、いつもどおり出す。国が言っているとおり、やはり本当に玉はあるんだなとなってくると、理解を得て、事態は大分いい方に行く。

 それをやらなかったら、今、もっとはるかに大変な状況になっていたなということは思うので、そういう努力をしているということについては理解をいただきたいと思いますし、現状を広く正確にお伝えすべく、経産省のホームページに設置した中東情勢関連対策ポータルの情報提供や、SNSを通じた発信、広報担当官による日々のブリーフィングにより、きめ細かく情報発信をしているところであります。

 今、原油についてはそういうことをお話をいたしましたが、確かに、石油製品という方になってくると、いよいよ、工務店とかになると、一人親方だったり、業界団体を通じて周知しようにもなかなか届かないというのに対しては、今、ホームセンターに張り紙を出して、いつもと同じだけ買うことにしてくださいみたいなことをお願いしたり、とにかく今一生懸命動いてその成果を見ている状況ということであります。

 実際、ゴールデンウィーク明けの十一日に、まさに全建総連とか工務店協会といったところから、そういった工務店に向けて、一人親方とかがかなり多い業界でそういう努力をしているところであります。

 なので、委員の御指摘について言えば、これは傾聴に値するという理解でありますが、当面、私どもは、直販の仕組みをうまく使うことと、更に手を伸ばして、一人親方とかにも手が届くように実際今手を打っているところなので、その状況を見ながら、引き続き、国民の皆様の命と暮らし、経済活動に支障が生じないように取り組んでまいりたいというふうに思っているということでございます。

鈴木(義)委員 スタンドの話になると、メーカーの傘下に入っているのが大体八割、二割は独立店なんですね。そこは業販物といって、結局、商社系だとか、メーカーが製油したものを買うんじゃなくて、いろいろな販売ルートがありますから、だから、そこで買っているところが物が入ってこないんです。それはそうですね、自分の系列店の、自分の看板が上がっているところのスタンドに燃料を入れるわけだから。そうじゃない、自分のところの看板が上がっていないところには物が行かないんです。だから、私がお世話になったところは、三月で六百万赤字を出して、五月のこの連休明けぐらいで店を閉めると。そういうところも出てきています。そこは独立系です。

 だから、そこのところは、流しているんだといいながらも、やはり実態を一回調査してもらった方がいいと思うんですね。

 先ほど、プラスチックの製品だとか、エチレンだとかプロピレンとかブタジエンだとか、それから今度、川中の製品で、合成ゴムだとかポリプロピレン。

 この間、農家の人に聞いたら、野菜物を梱包するビニールの袋が、千枚一パックになっているのを一人二枚までしか売ってくれないと。しようがないから、次の日また買いに行くんだそうです。

 なければないで、規制をかければ、今、ホームセンターに張り紙をしました、一人二個までとか一個までと言えば、一日一個だったら毎日買いに行きますよ、みんな自己防衛するから。だから、そこのところは、そういう対策を取ったから大丈夫だと言うことも必要なんでしょうけれども、元々、安心して買ってくださいよという体制を。これは今回だけじゃないと思うんですね。振り返ってみると、東日本大震災のときに、スタンドにみんな行列ができるんです、燃料が入ってこないから。だから、そういった過去の震災のときも踏まえて、どういうルートでどうしてと。

 目詰まりというのは、パイプの中に石ころが入っていたり、ごみが入っちゃって、水が流れないというんだったら目詰まりという言い方をするけれども、周りでみんな、中だとか上の方で抱いちゃっているのは、私は目詰まりと言わないんじゃないかと思うんだよね。

 目詰まりを取ればすっと流れるじゃないかと。じゃ、すっと流れるその目詰まっているものは何なのか、そこのところをやはりかみ砕いて言わないとなかなか納得してくれないんじゃないかというふうに思いますので、また六月か七月に経産委員会で質問に立ちますので、その後の対応を楽しみにしているというふうにお願いできればなというふうに思っております。

 それで、経産法の続きの質問になってくるんですけれども、生産量を上げたら、すぐに売れて利益が出るのか。私も小さい会社を幾つかやっていますので、新しい商品ができたからぱっと売れるかといったら、なかなかそう簡単にいかないし、得意な分野、誰もまねができないような分野で自分が事業規模を大きくしましょうといったら、すぐ売れると思うんですね。それは需要家がいっぱいいるから。だから、供給サイドを大きくすれば、需要家がいっぱいいれば、そこに売れるんです。ただ、業界によっては、需要と供給がバランスが取れちゃっていて、何が起きるかといったら、価格競争になってしまうんです。

 需要がどんどん増えていけばいいですよ。例えば、百人しかいない村のところで、一軒の床屋さんがあって、二軒目を出せるかといったら、百軒で何とか御飯が食べられているのに、二軒目を出して、五十人で一軒で計算したら採算が合わないから、出てこないですよ。

 だから、競争力強化で、法律の改正で三法あるんですけれども、競争して勝てるところは、大きな資本を持ってそれを投下できる企業じゃなければ。またそこに人が集まってしまいます。

 今私の地元で起こっているのは、区画整理をしたら大きな物流倉庫が三棟も建ったんですね。そこの倉庫をお持ちの方が一生懸命営業をかけて、これは大手さんなんですけれども、ほかのところで借りている倉庫から移り始めちゃったんです。だから、倉庫が空いちゃうんですよ。まあ、大きさがそんなに大きいわけじゃないんですけれども。どこだってそうですよね。効率化を図るんだったら、大きなところ、千平米、千平米、千平米の倉庫を三つ持つよりは、五千平米の倉庫を一個借りた方が効率がいいですよ。そこで荷さばきすればいいんだから。そうすると、ここの千平米の倉庫は空いていくんです。

 今回の競争力強化法をどんどん推し進めていったときに、後段でエッセンシャルの話はお尋ねしますけれども、それと同じような現象が起きるんじゃないかと思うんです。今でも、エッセンシャルサービスで商売をされている人方が、いろいろな業種の方がいらっしゃって、そこに例えば違う業種の人、資本を持っている人がどんと来ました、それで、いろいろな業態をそこでやれるんですとなったときに、ここの既存は立ち行かなくなっちゃう。それの一番いい例が、田んぼの真ん中にスーパーがどんとできて、旧の商店街がみんな駆逐されちゃったんです。それと同じようなことが起きるんじゃないかというのが一番危惧するところなんです。

 今申し上げたように、半導体や競争相手が少ない業態が出てきてもらえれば、それはラッキーなんだと思うんですけれども、今、労働生産人口の約七割がサービス業です。金融だとか不動産だとか旅客、小売店、物販、それに従事している人が約七割なんですね。

 今回の法律の改正をすることによって、できれば、少しイメージを湧かせるために、どの業種の何の設備をすれば該当するのかというのを教えてもらいたいんです。あわせて、ハードだけなのか、ソフトの部分、ソフトというと大体プログラムか何かなんでしょうね、それだけしかないのか。それ以外のものは想定しているのか、していないのか、そこのところをちょっと教えていただきたいと思います。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法律の中で措置しております大胆な投資促進税制につきましては、原則全業種を対象とし、御指摘の対象設備につきましては、建物、機械装置、器具備品、それからソフトウェアなど、幅広い資産を対象とすることとしておりまして、まさに御指摘のソフトウェア、プログラムも導入対象として認められることとしようということにしております。このため、製造業のみならず、サービス業など幅広い業種で利用できるものと考えております。

 まさに御指摘のサービス業ということでいいますと、物流サービス事業者が、ハード投資と併せてソフトウェア、プログラムなどを導入し、自動化された物流拠点を構築するなど、この税制を活用した省力化、最適化を行う事例など、様々な活用事例があり得ると考えております。

 このように、企業規模を問わず、また、幅広い業種、そして、設備だけではなくて、ソフトウェア、そういったものについて幅広く御活用いただけるよう、今後とも制度の丁寧な設計、運用に努めていきたいというふうに考えております。

鈴木(義)委員 私は埼玉の出身なんですけれども、埼玉の中であっても、結局、企業が進出してくるだろうというところは、田舎に行けば行くほど出てくるだろうと思ったら大間違いで、人が集められなければ出ていかないんです。全部オートメーション化すれば別ですよ。

 今私が例示を挙げたように、地元で起きているのは、物流倉庫のでかいのができたら、既存の倉庫を使っているところがどんどん空き始めちゃう。そういう現象が東京に隣接している私の市でも起きているということは、それがもう少し離れた地域になっていくと、結局、同じことが起きると、既存で、賃貸なのか倉庫業をやっているかは別にして、大きいのができればその人たちがそっちに行ってしまうだろう、そうすると、経済的にプラスになるかマイナスになるかというのは、まあ、やってみなくちゃ分からないと言われればそれで終わっちゃうんですけれども、そこら辺のことも考えて法律の改正をしているのかというお尋ねなんですよ。もう一回、もしお考えがあれば。

畠山政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の産業競争力強化法で国内の投資促進をしっかりやっていこうということで考えておりますけれども、あわせて、まさに先生も冒頭御指摘のありました、需要の方もしっかりつくっていかなければいけないというふうに考えておりまして、その意味では、需要と供給が一定のところに単に投資をしても、まさにおっしゃるようなことが起きるものですから、その意味では、これから伸び行く、勝ち筋が描ける、そういう分野、そこが特に我々としても成長投資を促していきたい分野だと考えております。

 そういったところについては、企業の予見性が立つように需要づくりということもセットで進めることで、投資した効果がちゃんと経済成長につながる、あるいは地域の経済の活性化につながるような、そういうような取組にしていきたいというふうに考えてございます。

鈴木(義)委員 じゃ、もう一点お尋ねします。

 事業適応の認定制度が設けられているんですけれども、GXとカーボンニュートラルの実現を目指すというふうにしているんですね。じゃ、DXやカーボンニュートラルの標準的な指標はできているのかということです。

 これは、二年前のGXの法律のときに私は質問申し上げたんですけれども、私の今のライフスタイルがどのぐらいのCO2を出しているのか、私の今の事業所がどのぐらいのCO2を出しているのか、それが自分で計算できるような大まかな数字、そこに変数を入れるとかなんとかというのは後から考えればいいんですけれども、何がどのぐらい出ているのか分からなくて半分減らせとか三分の一減らせといったって分からないよ。電気は東電から買って、ガスは東京ガスから入れて、燃料は経産省のお墨つきを入れている軽油を買ったりガソリンを買って仕事をやっているわけじゃないですか。それを代替しろとか何しろといったって、じゃ、今軽油を使っているのがどのぐらいCO2を出しているのか、今使っている電気がどのぐらいCO2を出しているのかが分からなければ、やりようがないと思うんですね。

 だから、カーボンニュートラルというふうに一口でおっしゃられるんですけれども、それが事業適応の認定制度の中に組み入れられているということになれば、事前にもう少し国民に、事業者に発表した方がいいんじゃないかと思うんですね。その辺のところをどう考えているか、お尋ねしたいと思います。

河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。

 既存の事業適応制度でございますけれども、この認定要件については、公表、周知はしておるところでございます。

 二つございまして、今委員の方からも御指摘がございましたが、デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革である、いわゆるDXに取り組む情報技術の事業適応、それからもう一つは、いわゆるカーボンニュートラルを実現するために取り組むエネルギー利用環境負荷低減の事業適応、この二つのタイプがございます。

 この認定の要件でございますが、様々、いろいろと複層的にあるんですけれども、具体的な例で申し上げますと、まず情報技術の方でございますが、例えば、クラウドシステム又はデータベースを活用して行うものであって、既存の内部データとセンサーなどを利用して新たに取得するデータを連携して有効に利活用するものであることや、これは一定の数値の要件がございますが、生産性が一定程度向上すること、こういったものを、例でございますが、要件としてございます。

 それから、御指摘もございました、いわゆるエネルギー利用環境負荷低減事業適応の方でございますけれども、これは、例えば、目標年度におきまして、よりCO2を排出せずに収益を伸ばすことを表す指標でございます炭素生産性の数値が、基準年度における炭素生産性の数値よりも二〇%以上上回るといったようなものを要件としているところでございます。

鈴木(義)委員 そんな専門用語を並べたって一般の人は分からないよ。だから、例えば、簡単に言えば、十キロのモーターを使っていました、インバーターという装置をつければCO2が十キロ減りました、そういうものを分かりやすく説明できなければ、なかなか自分のところで、じゃ、どう改良していいのかが分かっていかないだろうということ。

 今回前提になっているのは、全部の業種が対象ですよと一番最初に答弁されているわけだ。といっても、今、例示を挙げてくれと言ったら、ある限られた分野。じゃ、それ以外の分野はあるのかと尋ねられたときに、もう時間がないからしつこくは聞きませんけれども、そういったものもやはり必要なんじゃないかと。全業種を対象にしているんですよと言うぐらいだったら、ジャンル別で結構ですから、いろいろな例示を挙げて、こういうものが対象になっていきますというのを是非国民に周知徹底してもらえたらなというふうに思います。

 それと、もう一点。ちょっと四番のところを飛ばさせてもらいたいんですけれども、五番目のところで、実際に市町村だとか県がこの法律の改正に基づいて工業団地を造成したいという計画を立てようとしたときに、市町村では大体十年にわたる長期計画というのを立てます。それに基づいて、都市マス、都市計画マスタープランがあって、緑化計画、緑の計画というのを作ったり、それも十年の間にゾーン指定をしていくわけです、何とかゾーン、何とかゾーンと。そこのゾーン指定がしていないところを開発しようと思っても時間がかかる。その変更をしなくちゃいけないから。

 基本的に、もし都市計画を変えようとすれば、地元の市町村の都市計画審議会と併せて、農地転用をする農業委員会でいいですよというのを同時並行でやって、県に上げて、県で最終的にどうする、こういう手続が一般的なんですね。だから、これをやるだけで、半年、一年じゃできない。

 一番厄介なのは、地域によって差があります。森林が多いところ、雑木林が多いところ。埼玉のように、埼玉の東南部の地域は穀倉地帯ですから、ほとんど農地。畑とか田んぼです。じゃ、こういったところを企業誘致しようじゃないかといってやったとしても、最後に出てくるのは農林水産大臣との協議なんです。農地転用を認めるか認めないか、そこが一番の足かせじゃないけれども、協議が調わない。じゃ、それに経済産業省としてどういうアプローチをするのかということなんです。

 だから、経済産業大臣が、認定を受けたんだから農地転用は黙ってしろよと言うんだったら、それはどんどん進んでいくでしょう。森林だとか雑木林は農地じゃないから対象にはならない。沼地みたいなところは別ですよ。だから、その辺を本当にやろうとするんだったら、どこまで経産省が汗をかいてもらえるのか、それが、この法律の改正がどんどん進んでいくやはり一番の肝になるんじゃないかなと。農地の場合ですよ。その辺を、是非、答弁できれば答弁してもらいたいと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに今御指摘いただきましたように、産業用地の開発に当たっては、自治体において各種法令に基づく計画との調整が必要でございまして、そういったことを実際に行うノウハウを持つ自治体の職員もどんどん不足して、こういった調整にも支障を来している、こういう実情が生じてきていると思います。

 今回の改正法案では、大胆な投資の受皿となる大規模な産業用地整備が円滑に行われるよう、国及び地方公共団体に対し、必要な措置を講ずるよう努力義務の規定も設けているところであります。

 具体的には、この規定に基づいて、まさに事例で提示いただいた都市計画法との関係とか、そういうことを念頭に置きながら、大規模な産業用地の整備を行う際の、都道府県による都市計画法に基づく市街化区域の設定に当たっての調整の円滑化に向けた対応について、関係省庁と今調整を行っているところでございます。

 加えまして、ノウハウの部分についてもですけれども、自治体の産業用地開発について、ノウハウを有する民間事業者との連携促進や中小機構による伴走支援を行うことで、関係法律に基づく計画との調整に必要な対応を含め、ノウハウを補う措置を講ずることとしているところです。

 各種措置を通じまして、関係法令に基づく計画との調整がより円滑に進むように取り組んでまいりたいと考えております。

鈴木(義)委員 私は埼玉県の出身で、平成十一年に県会議員にお世話になったんですけれども、工業団地が売れない、売れ残っていた。バブルがはじけた後経済がこうなっちゃって、企業進出、工場進出してくる企業がほとんどいない。県の職員が大阪の方に一生懸命営業をかけて、来てくれ、来てくれ、来てくれと言っても、なかなか十年ぐらい売れなかったんですね。

 例えば、面積、土地の値段もあるんですけれども、百ヘクタールぐらいの工業団地を造ろうとすると、黙って百億円ぐらいの金を寝かすようになりますよ。それを、埼玉県あたりの規模であっても、百億の金を寝かすというのは容易じゃない。企業会計でそっちからちょろちょろ出したっていいし、国の金を財投か何かから引っ張ってきて、それで宅地造成して造っていくんですけれども、それを市町村にやれといったら、財政力があるような政令市みたいなところはいいですよ。この間の十一日の日に視察に行ったのは政令市ですよ、千葉市というのは。じゃ、小さい、財政力のないような、五万とか三万とか一万にも満たないような市とか町とか村のところに大きな工業団地を誘致しましょうといって、県や都道府県がお金を出す余裕がなければ市町村で出してくれといって、その資金自体が出せないよ。

 じゃ、小さい面積でやればいいじゃないかという話になるんですけれども、これが、先ほども申し上げたように、農地に関わるものだと、十ヘクタールより小さいやつは結局農地転用を余り認めないんだよね。市街地に隣接しているようなところだったら十ヘクタールよりも小さいやつでも認めなくはない。ただ、農地が広大にあるところでぽつんと開発をするかといったら、二十ヘクタール以上じゃないと認めないんですよ。そういう条件をつけているんですね。

 だから、その辺もやはり、連携する、協議をすると言うんだけれども、市町村や都道府県から、どうしてもここに誘致をしたいんだ、そういうことも踏まえて、じゃ、インターに近いとか港湾に近いとか飛行場に近いんだからという条件を強く経産省が言って農水省を説得させるようにしなければ、都道府県や市町村が農水省に言っても相手にしてくれないよ。

 私も過去に何回かやりましたから。全然話にならない。協議します、協議します、それで終わり。大体みんな県を通して働きかけるんですけれども、県もいろいろな自治体から工業団地の誘致だとか開発の申請が来るから、どうしても一年でできるのは何か所と優先順位をつけられちゃう。それで、次の年になればまた違う優先順位になっていく。今度、計画はしました、実際にできる、それも二年、三年じゃ利かないぐらいもっと長い時間。そうすると、景気がよくなったり悪くなったりすると、せっかく宅地造成して、さあ買ってくださいといっても買ってくれない。そうすると、そういったところに出てこられる業種だとか業態は大体限られたものになってきてしまうというのが、私のここ十年、十三年ぐらいの感覚なんですね。

 だから、その辺をやはり経産省が本当にプッシュして、産業競争力をもっと強化して、世界に打って出る企業をどんどん育てていくんだということであれば、是非その意気込みを、これは大臣にお願いした方がいいですかね、大丈夫ですか、意気込みです。じゃ、審議官。

宮本政府参考人 先ほど、大規模な産業用地整備が円滑に行われるように国及び地方公共団体に対し必要な措置を講ずるよう努力義務を設けています、それで、実際に具体的な方策について関係省庁と調整を行っていますと申し上げました。

 具体的には、例えば、一個一個の事案について、それを具体的にどうやって進めるのかというと、自治体に頑張ってくださいということではなくて、我々経産省とそれから関係省庁との間で、例えば、都市計画法に基づく市街化区域設定をする際に、市街化区域の規模の設定方法をあらかじめ明確化しておくとか、あるいは、農林漁業と適切に調和が図られているか、都道府県と地方農政局が協議する際のチェックポイントを明確化しておくとか、協議プロセスそのものを合理化する。

 どういうふうにしてこれができるのか、つまり、やり方がよく分からないがために時間がかかってしまうということをできるだけ減らすために、この辺りを明確化すべく、今関係省庁とも調整をしているところでございまして、そういった形で、もう少し時間が短く産業用地整備ができるように、我々としても頑張ってまいりたいと考えております。

鈴木(義)委員 しつこく聞いても、もうそれ以上の答弁は出てこないと思うんですけれども。

 あと、いただいた資料の中で、カーボンニュートラルといいながら、緑地規制の緩和。

 これは千葉に視察に行ったときに、ああ、そういうやり方もあるなと思ったのは、工場の敷地内の緑地は潰すけれども、違う飛び地のところの、田んぼか畑か、いいか悪いかは別にして、そこに森林を植えて新しい緑地を造るのも、市なら市、県なら県がいいと言えば、それは緩和という言い方が合っているかどうか分かりませんけれども、潰す面積と同等ぐらいの。ちょっと前に、はやったんですけれども、壁面緑化とか屋上緑化といったときがあったんですね。あとは、駐車場をコンクリートだとかアスファルトで敷くんじゃなくて、そこをプラスチックの、まあ小型車が中心になっちゃうんですけれども、そこに芝生を植えるとか、幾らでも工夫の仕方はあると思う。

 だから、なぜ地球温暖化、CO2を削減するのか。カーボンニュートラルにするんだといいながら、競争力は強化していかなくちゃいけないんだけれども、それで緑を潰したり、水はただじゃないにもかかわらずどんどん使っちゃうんだけれども、それが本当にカーボンニュートラルになっていくのかということが一番の疑念なんですね。だから、その辺を、やはり逆行しているんじゃないかと言われないように知恵を出すべきだと思うんですが、その辺、もしあれば。

宮本政府参考人 今まさに緑地のことで御質問いただきましたけれども、緑地面積規制の特例緩和に当たっては、工場の周辺地域等の生活環境の保持が必要だと考えておりますので、特例の適用を受ける工場に対して、周辺の地域の生活環境の保持を適切に図らせるべく、地域経済牽引事業計画において生活環境の保持のために必要な措置を取ることを求めているんですけれども、その取組の候補といたしまして、今幾つか御提案いただいたと思いますけれども、実際に審議会において、今も、工業敷地外での緑地等の整備、確保であったり、あるいは、環境の保全に資する設備の導入、こういった、代わりの代替措置にどんなことがあり得るかといったようなことを今まさに検討しているところでございまして、産業構造審議会工場立地法検討小委員会においてまさに議論を進めているところでございます。

鈴木(義)委員 雑木林を全部ぶった切って芝生を植えた公園を造ったからお互いバーターで行って来いですよねというのは、考え方としてはおかしいですよ、芝生は枯れちゃうから。それも、緑地という発想は、何のために今回の開発の緩和をするとかというのをやはりよく考えてやらないと、後で取り返しがつかなくなっちゃうのかなというふうに思います。

 もう一点。ひとつ進出してもらいたいというふうに思っておられると思うんですけれども、データセンターについてなんですが、データセンターを出ていきたいと。この間も視察のときに、ああ、なるほどそうだよなと思ったんですが、やみくもに工場を出ていくということはしないよね。自分のところで必要な条件を洗い出して、どのぐらいの規模でやったら採算が取れるかというのを一応計画の中で、メーカーさんというより大手さんはみんな計画しますよね。水の問題、排水の問題、電気の問題。

 こういったものをやるんですけれども、これも、私は難しいと思うのは、一年、二年でやめるということはしないと思うんです。五年、十年のスパン、もう少し先のスパンになっていったときに、どんどん技術革新をしていったときに、例えば私がデータセンターを三つ持っていました、でも、技術革新で新しいいろいろなハードだとかソフトが出てきたときに、三つで運営するよりは一つにしちゃってもできるんじゃないかとなったら、二つはやめちゃうよね。未来永劫、百年までデータセンターでやるかどうかは誰も分からない。そこに市町村だとか県が大きな投資をします。

 今は、大きい規模の物流事業者ほど、自分でお金を出して土地を買って倉庫を建てたり物流の拠点をつくることはしません。大きい規模になればなるほど。みんなリース。だから、こういう土地が出たんだけれども買ってくれませんかと言ったら、いや、鈴木さん、もう買う時代じゃないよ、リースなんだよ、こう言うんです、実際は。だから、そういう業態の土地利用も出てきている中で、全部が買ってくれるか、大きい規模になればなるほど。そういったことも想定していって、契約期間内に解除をするとなれば、手付金の放棄なのか何だか分かりませんけれども、撤退することも起こり得るということです。

 ずっとそのままデータセンターでいくということはないから、詳細をこれから詰めていかれるんだと思うんですけれども、一つは、やはり省エネを頑張ってもらうような努力を申し訳ないけれども負荷してもらうとか、水は極力使わないようにするとか、電気は省力化みたいなものを、ただ造るからいいでしょうというんじゃなくて、そういう考え方で選定をしてもらうような形を取らないと。

 やはり、先ほども答弁いただいたように、人との調和とか環境との調和とか農林水産業との調和というふうに答弁するということは、そういうことじゃないかと私は思うんですけれども、その辺のお考えをお示しいただきたいと思います。

野原政府参考人 データセンターの省エネ化の重要性は、委員御指摘のとおりでございます。

 それで、やっていることは二つありまして、一つは、データセンター業に対して高い電力使用効率の達成を求める省エネ法の規制を今年の四月一日から導入をしております。もう一つは研究開発でございまして、データセンターの冷却技術、それから光電融合技術などのデータセンターの効率を上げるための研究開発投資を支援しているところでございます。

鈴木(義)委員 熱が出るんだったら、熱を有効にするようなものも、それが地域に還元できるようなものになれば、一次産業で従事している人もプラスになるのかなというふうに思うんですけれども。ただ、それが未来永劫続かないから難しいところなんですけれどもね。

 最後にもう一つだけ、工業用水のことでお尋ねしたいんです。

 いつも潤沢に水を供給できるかというのは、今年もこれから暑くなります、今日も暑いですよね。雨が降らないと、渇水期で、どうしても水が採取できない。自治体によっては、暫定水利権、通常水利権でいったときに、取水制限がかかれば、暫定水利権を持っているところがまず最初に取水制限がかかりますよ。それでもやはり雨が降らないで水が足りないといえば、そこから通常水利権から落としていくんですけれども、そうなったときに供給がきちっとできるか。

 必ず地下水をくみ上げますよというのを、これも許可制で、私の記憶が間違っていなければ六百メーターより深ければ許可が出る。浅い井戸は地盤沈下のおそれがあるから許可をしない。これは都道府県だとかによって若干違うかもしれません、地理的要因によって。でも、最終的には、表流水を使って工業用水にするだけじゃなくて、地下水もくみ上げるのを了解するかどうかというのは都道府県だったり市町村だったりするわけですね。

 だから、そういうものを使わないと結局業ができないんだというんだったら、極力、今御答弁いただいたように、省力化ということをお願いしたところに出てきてもらうような。また、水を循環する中で使っていく。

 熊本のTSMCに視察に行ったときに説明を受けたのは、一日一万トンの水を使うんだそうです。五千トンは蒸発しちゃう。五千トンはリサイクルして使う。毎日ですよ。阿蘇山に降った水が地下水として来たものを、地下水からくみ上げてやっているんですけれども、それがずっと続けられるかどうかは、やはりなかなか分からないところもないわけじゃない。

 そこのところをやはりリスクとして、出てきてもらうときには何らかの措置、例えば受水槽は通常の大きさじゃなくてもう少し大きいものでなくちゃ認めませんよとか、排水で出たものは循環して五割六割使ってくださいねとか、そういったものを義務づけたところに出てきてもらう。まあ、そこは細かいところだし、経産省が考えることなのか国交と話をした方がいいのか、そこのところはお任せしますけれども、そういった形で、未来に向けていくような、産業競争力が強いような業態になっていってもらえればなと思うんですけれども、最後にお尋ねして終わりにしたいと思います。

宮本政府参考人 まず、渇水の時期のときのためのリスクにどういうふうにあらかじめ対応するかということ、まさに御指摘のような重要な視点はあるかと思いますけれども、その前に、まず、我々の今回の法改正、どういうことをやっているかということで、地盤沈下の話とかも含めての話、その辺りをちょっと回答させていただきます。

 今回の法改正の措置では、データセンターの新規立地に伴う水需要が生じた際は、工業用水道事業者が、工業用水の安定的な供給を行う観点から、新規水需要に対する給水能力や既存給水量等を勘案した上で、水供給の可否について判断をするということになっております。データセンターに限らず、工業用水の供給は、工業用水道事業者における受水する企業との契約水量の範囲内で行われることとなります。

 なお、雨の不足等による渇水時には、渇水対策協議会で方針を判断した上で、受水する企業一律で取水制限等の対策が行われるため、データセンター事業者にもそれには従っていただく必要があるというふうに考えています。

 また、地下水の産業利用につきましては、これは別の、工業用水法等に基づき規制されておりまして、今回の法改正では工業用水法に基づく地下水利用に係る部分は改正対象に含まれておりませんけれども、データセンターに限らず、地下水を利用する場合は工業用水法等に基づき適切な取水が求められる、そういうことと認識しております。

鈴木(義)委員 もごもごと言わないで、はっきり言ってもらって。頑張ってください。

 終わります。

工藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

工藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小林史明君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。山岡達丸君。

山岡委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。

    経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。

 一 特定生産性向上設備等の基準については、事業者の予見可能性を高める観点から、投資利益率や投資下限額等の詳細を速やかに明示するとともに、当該設備等に係る特定生産性向上設備等投資促進税制の執行状況を踏まえ、不断の見直しを行うこと。また、同税制については、投資収益性等の実績を把握した上で、その政策効果を事後的に検証し、国際社会の動向を踏まえ、他の税制その他の措置を含めた総合的な措置を講じることにより、国内への円滑かつ一層の投資が進められるよう、全力を尽くすこと。

   同税制によって民間事業者の大胆な投資を効果的に促すため、戦略分野に関する政府の投資のロードマップの策定を進めるなど、事業者の予見可能性を高める最大限の努力をすること。あわせて、業種や分野を超えた幅広い事業者が、制度の活用を積極的に検討できる環境の整備を進めること。

   同税制の投資利益率十五パーセント以上であることの確認は、基本的に提出時の投資計画によってなされることから、その計画が確実なものであるか、丁寧に手続を進めること。計画の確認後においても適時適切に事業の進捗状況を把握し、事業者が税制の趣旨に反して利益を得ることがないよう万全を期すこと。

 二 新たに創設される国際経済事情激変事業適応及び事業費上昇事業適応の計画認定制度については、足元の中東情勢の影響及びそれに起因する原材料価格やエネルギーコストの動向も注視しつつ、実施指針を可能な限り早期に策定すること。

 三 生活維持物品役務需要減等事業適応に関する指針の策定に当たっては、事業の効率化による採算性向上に資するものとなるよう考慮するとともに、同事業適応計画の実施状況を勘案し、不断の見直しを行うこと。また、同事業適応計画の認定及び支援措置の実施に当たっては、関係省庁及び地方公共団体において連携を強化するとともに、同事業適応に取り組もうと意欲を持つ事業者の申請が円滑に進められるよう、合理的な制度設計を目指すこと。あわせて、生活維持物品役務は、地域経済全体の持続的発展に不可欠であることなど、本法改正の趣旨を幅広く事業者に周知・広報し、制度の活用が広く行われるよう全力を尽くすこと。

 四 承認地域経済牽引事業用工場等の緑地面積率等については、市町村において地域の実情を反映した準則条例が制定されるよう、その基準を速やかに策定及び公表すること。また、地方公共団体間の財政力の差により、産業用地の整備及び企業誘致への取組において格差が拡大することがないよう、適時適切な措置を検討すること。同時に、現時点における未活用の工業団地の用地の活用が更に図られるよう、必要な取組を進めること。

 五 AI・デジタル市場の加速度的な拡大を見据え、住民との調和を前提に、国内におけるデータセンターの地域分散かつ集約的な設置を推進するため、本法の措置と併せ、関連インフラの整備等、投資の促進が図られるよう、政府として適切な措置を講じること。

 六 日米政府の戦略的投資イニシアティブにおいては、貿易保険法等の国内法令と矛盾せず、また、投資案件に参画する国内企業にとって利益が見込める案件が選定されるよう日米政府で十分に協議を行うとともに、案件に対し、中小企業も含めた国内企業の参画が円滑に進むよう、国によるマッチングの推進等、必要な取組を行うこと。また、案件の資金調達における株式会社国際協力銀行による出融資額と株式会社日本貿易保険が保証する民間金融機関の融資額の割合については、多額の米ドルを持続的に調達する必要があることに鑑み、民間金融機関の過度な負担となることがないよう、案件の規模や性質等に応じて柔軟に設定すること。

   長期にわたるプロジェクトの遂行に当たり、米国の政治情勢にかかわらず、日米の協議委員会の実質的な機能が維持されるよう、適切な対応を図るとともに、不測の事態による計画の遅延や費用の増大等があった場合は、事業の採算性や継続性などを改めて査定し、その結果に応じ、支援規模の縮小を含め、厳格な対応を行うこと。

 七 株式会社日本貿易保険が行う特定引受業務に係る区分経理を適切に監督し、同社が適正な保険料の下でリスクを管理し、交付国債を超える追加的な財政負担が生じることがないよう万全を尽くすこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

工藤委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、赤澤経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。赤澤経済産業大臣。

赤澤国務大臣 ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。

    ―――――――――――――

工藤委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

工藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十二分散会


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