第16号 令和8年7月15日(水曜日)
令和八年七月十五日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 工藤 彰三君
理事 井原 巧君 理事 小林 史明君
理事 新谷 正義君 理事 土田 慎君
理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君
理事 東 徹君 理事 鈴木 義弘君
伊藤信太郎君 伊藤 達也君
上原 正裕君 岡本 康宏君
長田紘一郎君 門 寛子君
こうらい啓一郎君 小森 卓郎君
斉木 武志君 鈴木 淳司君
世耕 弘成君 園崎 弘道君
辻 秀樹君 辻 由布子君
永田磨梨奈君 古井 康介君
細田 健一君 細野 豪志君
松下 英樹君 丸川 珠代君
水野よしひこ君 三原 朝利君
武藤 容治君 山田 美樹君
山田 基靖君 山本 裕三君
米内 紘正君 渡辺 勝幸君
落合 貴之君 河野 義博君
近藤 和也君 吉田 宣弘君
阿部 司君 若狹 清史君
丹野みどり君 牧野 俊一君
河合 道雄君
…………………………………
経済産業大臣 赤澤 亮正君
経済産業大臣政務官 小森 卓郎君
政府参考人
(内閣官房日本成長戦略本部事務局次長) 鈴木 恭人君
政府参考人
(内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官) 北尾 昌也君
政府参考人
(内閣府知的財産戦略推進事務局長) 中原 裕彦君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 恒藤 晃君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 馬場 貴成君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 原 克彦君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局官房審議官) 向井 康二君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 堤 良行君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 竹林 俊憲君
政府参考人
(外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官) 花田 貴裕君
政府参考人
(財務省主計局次長) 中山 光輝君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 今井 裕一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 生田 知子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 佐藤 大作君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 熊木 正人君
政府参考人
(農林水産省大臣官房総括審議官) 押切 光弘君
政府参考人
(経済産業省大臣官房長) 片岡宏一郎君
政府参考人
(経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官) 伊藤 禎則君
政府参考人
(経済産業省大臣官房商務・サービス審議官) 井上 博雄君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 河野 太志君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 竹田 憲君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 小見山康二君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 福本 拓也君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 奥家 敏和君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浅井 俊隆君
政府参考人
(経済産業省製造産業局長) 伊吹 英明君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局長) 野原 諭君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 山田 仁君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 和久田 肇君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 久米 孝君
政府参考人
(特許庁総務部長) 亀井 明紀君
政府参考人
(中小企業庁次長) 山本 和徳君
政府参考人
(国土交通省鉄道局次長) 小林 太郎君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君
経済産業委員会専門員 花島 克臣君
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委員の異動
七月十五日
辞任 補欠選任
こうらい啓一郎君 門 寛子君
斉木 武志君 米内 紘正君
鈴木 淳司君 細田 健一君
細野 豪志君 長田紘一郎君
武藤 容治君 岡本 康宏君
山際大志郎君 三原 朝利君
山田 美樹君 辻 由布子君
落合 貴之君 近藤 和也君
同日
辞任 補欠選任
岡本 康宏君 武藤 容治君
長田紘一郎君 細野 豪志君
門 寛子君 渡辺 勝幸君
辻 由布子君 山田 美樹君
細田 健一君 鈴木 淳司君
三原 朝利君 山田 基靖君
米内 紘正君 辻 秀樹君
近藤 和也君 落合 貴之君
同日
辞任 補欠選任
辻 秀樹君 斉木 武志君
山田 基靖君 上原 正裕君
渡辺 勝幸君 こうらい啓一郎君
同日
辞任 補欠選任
上原 正裕君 山際大志郎君
―――――――――――――
六月二十三日
原発ゼロと再生可能エネルギーへの転換を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一〇二七号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第一〇二八号)
同(田村智子君紹介)(第一〇二九号)
同(畑野君枝君紹介)(第一〇三〇号)
七月十日
原発ゼロと再生可能エネルギーへの転換を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一三〇七号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第一三〇八号)
同(田村智子君紹介)(第一三〇九号)
同(畑野君枝君紹介)(第一三一〇号)
同(畑野君枝君紹介)(第一四〇〇号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
経済産業の基本施策に関する件
私的独占の禁止及び公正取引に関する件
――――◇―――――
○工藤委員長 これより会議を開きます。
経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
両件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房長片岡宏一郎君外三十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山本裕三君。
○山本(裕)委員 おはようございます。
今回、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。静岡三区選出の新人の山本裕三でございます。(発言する者あり)ありがとうございます。全力で挑ませていただきます。
では、早速始めます。
我が国のエネルギー問題は、イラン情勢を始めとする国際情勢の不安定化だけではなく、そもそも資源に乏しいという構造的な課題を抱えております。
戦後、原子力発電が導入された背景には、将来世代に安定したエネルギー基盤を残したいという先人たちの思いがありました。しかし、現在においては、日本のエネルギー供給は海外への依存度が高く、その脆弱性は十分に解消されたとは言えません。世界で脱炭素化が進みエネルギー転換が加速する中であっても、石油製品を直ちに代替することは容易ではありません。
こうした状況において、製油所は、我が国のエネルギー安全保障を支える最後のとりでともいうべき存在です。しかし、需要減少、設備の老朽化、技術者不足、採算悪化など、製油所を取り巻く環境は年々厳しさを増しております。
また、自然災害の多い我が国においては、燃料なくして救助活動も復旧活動も成り立ちません。製油所は、単なる民間施設ではなく、国民生活と国家機能を支える重要なインフラでございます。
まずはホルムズ海峡の正常化が強く望まれるところですが、今回の事態から得た教訓を今後のエネルギー政策に確実に反映していかなければなりません。
以上を踏まえ、見解を伺います。
石油政策の方向性と国家としての位置づけを伺います。
石油は、我が国の生命線とも言える極めて重要な資源です。一九九六年に特石法、二〇〇一年に石油業法廃止に伴う自由化から現在に及ぶまで、政策は、国として将来像を明確に示すというより、大手元売企業の経営判断に委ねられてきた側面があったのではないでしょうか。
カーボンニュートラルを掲げる我が国においても、石油は依然として重要なエネルギーであります。今後、石油をどのように位置づけ、将来的な国内消費量をどのように見通していくのか、また、原油調達先の多角化などについて、危機管理として、国としても積極的に関与すべきと考えますが、政府の見解を伺います。
○山田政府参考人 お答えいたします。
石油は、運輸、民生、電源等の幅広い燃料用途や化学製品などの素材用途に利用されることに加えまして、平時のみならず緊急時のエネルギー供給に貢献する、国民生活、経済活動に不可欠なエネルギー源であると認識をしております。
第七次エネルギー基本計画と併せてお示しした二〇四〇年度のエネルギーミックスでは、二〇四〇年度の石油の一次エネルギー供給量は〇・九から一・二億キロリットル程度となる見通しを示しておりまして、これは全体の一次エネルギー供給量である四・二から四・四億キロリットル程度のうち二から三割程度を占めていることから、中長期的に見ても、石油はエネルギー源として引き続き重要でございます。
今般の中東情勢も踏まえ、石油の安定供給に向けて、ホルムズ海峡を通過する原油への依存度を低減すべく、調達主体となる石油元売事業者とも連携しながら、具体的な対応について検討を進めていきたいと考えております。
○山本(裕)委員 ありがとうございます。
今後ホルムズ海峡が正常化した際にも中東依存に戻らないように、是非、国としても方向性を示していただきたいと思います。
では、次の質問に移ります。
日本の石油精製業の現状と今後について伺います。
我が国はこれまで、消費地精製主義の下、国内供給体制の維持を重視した政策を進めてまいりました。しかし、現在、多くの製油所は老朽化が進み、平均で築五十年以上、中には戦中に建設された設備が改修を重ねながら稼働している状態でございます。また、稼働率は近隣国に比べて低く、石油製品の直接輸入も増加するなど、供給体制の脆弱化が懸念をされております。
今後、人口減少や環境対応によって国内需要の減少が見込まれる中、企業が巨額の投資を伴う設備投資に踏み切れないことも理解はできます。しかし、このままでは、国家としての危機管理上、大きな問題です。老朽化、そして輸入先の多角化が進む中、製油所の建て替えは避けて通れない課題であると考えます。危機管理投資としても、政府としてどのような支援や取組が可能なのか、伺います。
○山田政府参考人 お答えいたします。
委員の御指摘のとおり、国内における石油製品の生産能力や供給体制の維持は、エネルギーの安定供給を確保する上で非常に重要でございます。
製油所の老朽化に伴う設備の更新投資は、一義的には元売事業者が適切に判断して行うべきものと承知をしております。例えば、ドローンによる外面腐食や超音波などによる内面腐食の確認、定期修繕のタイミングでの配管やポンプなど老朽化が進んでいる各種機器の交換といった対策が行われていると承知をしております。
その上で、政府としても、製油所の強靱化や防災の観点から、これまでに、製油所の製品受入れ配管の改造工事や、製油所設備の耐震補強工事といった取組を支援してきております。
足下で原油の代替調達が進む中でも、既存の精製設備で様々な性状の原油を混合し、効率的な精製を継続しております。精製設備の新設や改修が直ちに必要になるとは認識しておりませんが、今後とも、元売事業者のニーズを見極めながら必要な取組を行ってまいりたいと考えております。
○山本(裕)委員 ありがとうございます。
今御答弁をいただきましたが、かなり老朽化が進んでいるという状態は、これは現実でございますので、その点もしっかりと調査をいただいて、今後の方針を示していただきたいと思います。
では、次の質問に移ります。
日本の製油政策の在り方と外需対応の可能性について伺います。
日本はこれまで、内需中心の政策を進めてまいりました。一方で、韓国は、大規模かつ最新鋭の製油所を整備し、国内需要を大きく上回る石油製品を生産し、その多くを輸出する戦略を展開をしております。
我が国も、高度な精製技術という強みを持っています。世界にも、産油国でありながら十分な製油能力を持たない国が多く存在し、オーストラリアもその一例と聞いております。最新の製油所へ更新することで、原油を輸入し、高付加価値の石油製品として輸出する新たな国際分業の形も考えられるのではないでしょうか。
重質油をガソリンやナフサなどへ効率的に転換できる、日本の技術力を生かした外需対応の可能性について、政府の見解を伺います。
○赤澤国務大臣 おはようございます。
委員御指摘のとおり、我が国はこれまで、重質な原油を効率的に精製できる設備の装備率を向上させるなど、原油を最大限有効利用し、石油の安定供給の維持に取り組んでまいりました。原油の安定、安価な調達の確保に向けた資源外交を通じて、引き続き、国内石油精製業の競争力ある供給を支援したいと考えています。
加えて、元売事業者が海外の製油所や石油流通網に投資する事案など、国内事業者によるアジア展開も進みつつあります。
そんな中、今般の中東情勢を踏まえて、アジアにおける石油の安定供給の確保の必要性が認識をされました。今回のような緊迫化した状態であっても、アジアの諸国が今よりもはるかに多くの備蓄を持っていれば、そういったイランの行動とかを無効化できるといったような考え方が基本にあります。高市総理の提唱するパワー・アジアのイニシアチブの下、アジアにおける原油、石油製品等の調達やサプライチェーン維持のための支援にも力を入れて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○山本(裕)委員 赤澤大臣、昨日、ナフサの貯蔵のお話も発信をされていたということで伺っておりますので、是非私からは、今後の方針を明確に示していただきたい、その議論を深めていただきたいということをお願いをいたしたいと思います。
では、次の質問に移ります。
国内の供給ネットワークについて伺います。
地域のガソリンスタンドは、住民生活を支える極めて重要な社会インフラです。今回の供給不安の際にも、政府だけではなく、現場で支えた地域のガソリンスタンドがございました。ホルムズ海峡封鎖後に燃料調達が困難となった事業者を支援したのも地域のガソリンスタンドであったと聞いております。また、能登半島地震の際にも、ガソリンや灯油を届け続けたのは、地域に根差した事業者の皆様でした。
しかし、近年は、競争激化の中で、経営環境が厳しさを増しています。特に過疎地や中山間地では、ガソリンスタンドがなければ給油や灯油配送が困難となり、高齢者の日常生活にも深刻な影響を与えます。災害時の対応力、そして住民生活を守る観点から、過疎地のガソリンスタンド維持について、政府の見解を伺います。
○山田政府参考人 お答えいたします。
地域のガソリンスタンド、SSでございますが、住民生活や経済活動にとって不可欠な地域の燃料供給を担う最後のとりででございまして、そのネットワークを維持することは重要な課題と認識をしております。
こうした観点から、経済産業省では、SSの災害対応能力強化や経営力の強化に資する設備投資等への支援を行っております。
また、SSが三か所以下といった市町村をSS過疎地と定義をし、SSの設備投資支援の補助率をかさ上げするとともに、自治体の地域燃料供給計画の策定や、計画に基づくSSの設備更新等への支援も行っております。
こうした取組を通じ、引き続き、SSネットワーク維持にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○山本(裕)委員 ありがとうございます。
昨日、郵政民営化法の改正が行われました。やはり、これまで様々自由化してきた中でも、いま一度この三十年を振り返ってみて、必要なことは必要で、やっていくという方針が必要かと思いますので、引き続きよろしくお願いをいたします。
では、次の質問に移ります。
原子力発電の今後について伺います。
私は、浜岡原子力発電の立地地域を代表する議員として、今回の事態が原子力政策全体への信頼を揺るがしかねないことに強い憤りを感じております。同時に、全国の皆様に御心配をおかけしていることを大変心苦しく思っております。
浜岡原子力発電所は、停止から十五年、地元では再稼働に向けて真摯な対話が続けられ、現場の職員の皆様も住民理解のため努力を重ねてこられました。私自身も幾度となく現地を訪れ、安全対策を確認してまいりました。それだけに、今回の事態は残念であり、悔しい思いですが、いつかは安全な再稼働をとも思っております。同じ思いを抱く住民や職員がいることを地元の声として知っていただきたいと思い、この場をかりお伝えをさせていただきました。
では、質問に入ります。
政府は、将来、原子力設備容量が大幅に不足するとの見通しを示しています。二〇四〇年代には二基から五基、二〇五〇年代には十一基から十四基分の原子力設備容量が不足すると見込んでいます。
しかし、建て替えは容易でありません。規制基準の明確化、社会的信頼の回復、事業環境の整備などの課題に対し、政府としてどのような対応をし、どのような支援を行っていくのか、伺います。
○赤澤国務大臣 我が国の低いエネルギー自給率や火力発電への高い依存といった課題克服には、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することが不可欠であり、安全性の確保と地域の御理解を大前提に、原子力を最大限活用していくこととしております。
次世代革新炉の開発、設置に向けては、研究開発の支援、あるいは、投資環境整備や、産業、人材基盤の維持強化、規制予見性の向上のための事業者による規制当局との意見交換の充実、円滑化などを進めてまいります。
その上で、国も前面に立って、立地自治体等関係者の御理解と御協力を得られるよう、原子力の必要性について丁寧に説明を行うとともに、地域の実情を踏まえつつ、原子力防災の充実強化といった必要な対応をしっかり行っていくこととしております。
なお、委員御指摘の中部電力、原子力発電所の不正事案については、委員もまさに御指摘のとおり、原子力の利用の大前提である安全性に対する国民の信頼を大きく損なう、あってはならないものであると考えています。私にとっても大変遺憾であり、重く受け止めているところでございます。電気事業法に基づく報告徴収の結果を踏まえて、厳正に対処してまいりたいと考えております。
○山本(裕)委員 ありがとうございました。私も受け止めます。
今後、AIのデータセンターだったりリニア新幹線の開通等を含めて、電力需要はこれから増えてまいりますので、着実に進めていただきたいと思います。
では、次の質問に移ります。
系統用蓄電池事業について伺います。
エネルギー庁の資料によれば、系統用蓄電池の接続検討に対して、契約申込みは一五%にとどまっているということでございます。この乖離は、接続検討時に土地の利用許諾や地権者の同意が不要であることにより、開発意思のない事業者が他人の土地の地番を使って容量枠を空押さえする事態が発生したことも一因と考えられます。
GX投資が著しく阻害されている現状に対し、事業確度の高い蓄電池を迅速に連系できるよう、どのような対策が可能か、伺います。
○小林(大)政府参考人 お答えいたします。
系統用蓄電池の送電網への接続申込件数が急増し、接続に時間がかかる案件も生じていることは、資源エネルギー庁としても認識をしております。また、申込みの中には必ずしも事業確度の高くない案件も含まれていることも課題として認識しております。
このため、事業確度の高い案件が迅速に送電網に接続できる環境を整備する観点から、送電網への接続手続に関する規律を強化する措置を講じております。
具体的には、関係審議会で議論の上、本年一月には、事業用地に関する登録簿等の確認書類の提出を求めることとし、また、本年四月には、送電網への申込みの際に必要となる保証金の支払い額の引上げといった対策を実施しているところでございます。
蓄電池は、再エネの主力電源化と系統の安定化を進める上で重要でございます。その迅速な送電網への接続に向け、これまで実施してきた対策の効果を確認しながら、必要に応じて追加的な対応を講じるなど、引き続き対策を進めてまいりたいと考えております。
○山本(裕)委員 是非前向きに進めていただきたいと思います。
第八次エネルギー基本計画には、様々今経験をしています、こうした経験と教訓を十分に反映し、どのような事態が起こっても国民生活と産業を守り抜き、アジア各国との協力、きずなを更に深め、日本が高市総理の掲げるインド太平洋の輝く灯台として世界の平和と繁栄にも寄与する計画となることを大いに期待し、質問を終わります。
ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河野義博君。
○河野(義)委員 河野義博です。よろしくお願いします。
大臣、今国会九回目の質問でございます。恐らく最後になるんだろうとは思っておりますが、今日も胸をおかりして論議させていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
これまでの質問の中でも、これはもう度々繰り返し申し上げてきたところでありますが、やはり、ホルムズ海峡の影響を受けて、今こそエネルギー構造を転換していかなければいけない、国産、そのためには、単なる脱炭素という手段を超えて、国家存亡の柱とも言える再生可能エネルギーを普及、拡大させていかなければならないということを私はるるお訴えをさせていただきました。大臣からも再エネをしっかり進めていきますという答弁をいただき、本当に力強い思いを持って今日も質問に立たせていただいております。
再エネ推進の一つの柱というよりは、最大の鍵は、資金調達ができるかということだと私は思っています。その案件自体がいわゆるバンカブルであるか、金融機関が融資可能であると判断できる制度であり、事業であるということが何より大切なんだろうと思っています。
その中で、再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とします。事業期間も二十年を超える長期の事業であります。そのため、事業そのものが生み出すキャッシュフロー自体を担保として資金を調達する、いわゆるプロジェクトファイナンス、案件ベースの調達というのは再エネ導入を支える極めて重要な資金調達手法であり、これが円滑に組成されることが再エネ拡大の大前提となるわけであります。
しかしながら、FIT制度、固定価格買取り制度から、FIP制度、案件に対してプレミアムを支払うという、FIT制度からFIP制度への移行を進めているわけでありますが、FIP制度を前提としたプロジェクトファイナンスの組成は極めて低調であるというふうに聞いています。特に、風力発電事業は、発電量だけではなく、売電価格も市場価格によって変動するために、金融機関の融資姿勢はより一層厳しくなって、新規案件のファイナンス組成は難しくなっているという声を耳にします。
役所からすれば、FITからFIPに変えれば、より柔軟性を持って、収入も、今まで収入がキャップをはめられていたものがなくなって、売り方によっては収入が増えるので、案件自体のリターンはよくなりますというものの、これは理解はできるものの、金融機関からすれば、今まで固定買取り制度の中で一つ変数を減らして固定されていたものが変動化するということで、一つリスクが増えるとの見立てがあるのではないかなと私は考えています。
政府は、FIP制度導入後のプロジェクトファイナンスの組成状況についてどのように認識しておられますでしょうか。特に、風力発電事業においてFIP制度を前提としたプロジェクトファイナンス組成が極めて少ないとの指摘をどのように受け止められているでしょうか。金融機関が安心して融資できる環境を整備するため、価格変動リスクの軽減や制度の改善など、どのような対策を講じられるおつもりでしょうか。所見をお伺いします。
○赤澤国務大臣 二〇二四年四月より開始したFIP制度は、電力市場価格に連動したFIP交付金の交付を通じて、再エネ発電事業への投資インセンティブを確保しつつ、電力市場への統合を促すものでございます。
二〇二五年十二月末時点のFIP認定量は約六・八ギガワットであり、着実に増加はしております。委員御指摘の風力発電は、このうち約四ギガワットを占め、他の電源と比べてFIP制度の活用が進んでいると認識をしております。
その上で、認定基準として特定の資金調達方法を指定はしておらず、プロジェクトファイナンスの案件数の推移を一概に把握することは困難でございますが、御指摘のとおり、プロジェクトファイナンスは非常に重要な資金調達方法であると認識をしております。
こうした認識に基づき、これまでも、発電事業者や金融機関に対して、FIP制度の活用事例や、FIP交付金の値を計算するためのシミュレーションツールを公表するといった情報提供には努めてきております。
今回の御指摘も踏まえながら、FIP制度の利用実態や課題の確認に引き続き努めるとともに、発電事業者や金融機関との連携の下、FIP制度の更なる活用を促していきたいと考えております。
○河野(義)委員 金融機関との対話を是非お願いしたいと思います。
FIT制度で高い価格だったときは余り四の五の言わず借りられたんです。だけれども、事業採算性が悪くなってくるという中で、変動数が多い風力発電事業でお金が借りられなくなっているというのは、これは事実だと思います。しっかり実態を把握していただいて、制度がバンカブルでなければお金はつきませんので、何より大事なことは制度がバンカブルだということでありますので、是非、金融機関との対話もより一層深めていただいて、制度の足らざる点があれば適宜補っていただきたいというふうに思います。
加えて、FIT、FIP制度における物価変動の反映条項について伺いたいと思います。
FIT、FIP制度は、再エネ事業の長期的な予見可能性を確保して、民間投資を促進するための制度であります。
一方で、御案内のとおり、近年、資材価格、人件費、金利、輸送費が大幅に上昇しておりまして、発電設備の建設費はもとより、長期にわたる維持管理費用も当初の想定を大きく上回っています。一方で、FIT、FIP制度には物価変動条項がついていませんので、二十年間決まった値段しか価格の算定根拠がないという実態にございます。
ほかの国では、私の肌感覚ですが、多くの国では変動条項はついていると思います。二十年間ストレートナンバーで買い上げますというのは恐らく少ないんじゃないかなというふうに考えておりますが、政府としてはどのように把握をしておられますでしょうか。
この制度ができたのが二〇一二年ですが、そのときはデフレの真っただ中で、物価が上がるということは想定をしていない、金利もゼロ。なのでこれでよかったんですけれども、時代が全く変わってきています。政府方針も、骨太の中にも書いてありますけれども、やはり物価や金利を反映した世の中に変えていこうと言っている中で、このままFIT、FIPが二十年間固定して上がらないということが果たしていいことなのか。もちろん、下げてもいいと思っています、物価、金利が下がれば下げてしかるべきだと思いますが、上がったときには上げてあげないと非常に大変なんじゃないかなというふうに思います。
少なくとも、事業者の責めに帰すことのできない急激な物価上昇について、FIP、FITの調達価格若しくは基準価格に一定のインデックス条項を導入するべきではないでしょうか。消費者物価指数だけではなく、建設工事デフレーター、鋼材価格、為替、金利、それぞれしっかりと把握していただきながら、柔軟性を持たせるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、英国を始め一部の国においては、物価変動に対する価格調整を行う事例も存在しているものと承知をしております。
我が国では、通常の物価変動については再エネ発電事業者が負うべき一般的な事業リスクと考えておりますが、再エネ特措法上、調達価格等は適正な利潤等を勘案して算定した上で、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生じるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、調達価格等を改定することができるとされております。
再エネ特措法に基づくFIT、FIP制度は、再エネ電気を長期固定価格で買い取ることにより投資回収の予見可能性を担保する制度でありますので、その長期というところ、制度趣旨を踏まえれば、直ちに調達価格等に毎年の物価変動に対する価格調整を行う方式を採用することは適当ではないのではないかと考えておりますが、引き続き、諸外国における制度の実態把握に努めてまいりたいというふうに考えます。
○河野(義)委員 二〇一二年につくった制度で、今、世の中が全然変わっております。当時、優遇したプレミアム、リターンを乗せて価格等算定委員会で値段をつくりましたとはいえ、その状況、前提条件が全く変わっている中で、政府全体としてもインデックスをつけていこうという中で、この制度だけが取り残されたのでは、先ほどとも連携しますが、バンカブルな制度ではない、海外の投資家も来ない、金融機関からも見放される、結局案件が組成できないということになりかねませんので、是非とも諸外国の制度をしっかり研究していただきたいと思います。外注した資料を斜め読みしましたが、網羅的でもありませんし、本当にこれで判断して大丈夫かなというふうに不安になりました。しっかり調査していただいて、今後事業が進めやすくなるようにしていただけたらというふうに思います。
次に、系統連系費用に関して伺います。
いわゆる募集プロセスの中で、一般送配電事業者が負担する一般負担に対しては、制度上、発電設備の出力に応じた上限価格が設けられています。一方で、上限を超える費用負担については発電事業者が負担をいたします。これを特定負担といいますが、特定負担には上限がありません。系統増強工事の長期化、資材価格の高騰、人件費の上昇によって工事費が増加した場合、その追加負担は全て発電事業者が持つということになっています。
これも、募プロが始まったときに取れた案件の工事が今まさに始まろうとしている中で、当初の想定していた価格の一・五倍から一・八倍ぐらい、二倍近くなっていく中で、一般電気事業者に対してはその負担は抑制されているけれども、その後の負担は青天井で事業主が持たなければならない。かつ、何で回収するかといえば、FITやFIP制度で回収するわけですが、そのFIT、FIPには価格変動条項、物価スライド条項がないということで、これはいわば非対称な制度に私はなっているというふうに思っています。
一般負担の上限額、特定負担の対象範囲、工事費が当初見込みを超過した場合の負担方法、複数の事業者に分ける費用分配などについて、発電事業者側に過度な負担とならないように、先ほどのFIP、FIT制度の物価スライド条項ともこれはリンクする話でありますが、系統接続費用における負担上限の在り方を一体的に検証して、公平で予見可能性の高い制度にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
発電等設備の設置に伴う系統設備の費用負担につきましては、受益者負担を基本としており、受益の範囲に応じて発電事業者が負担する特定負担と一般送配電事業者が負担する一般負担の割合が決まる仕組みとなっております。
一般負担は最終的には需要家の負担となるところ、発電設備の規模に照らして著しく多額とならないよう、負担抑制のために上限額が設定されております。電源募集プロセスに基づく系統整備も含めて、上限額はキロワット当たり四・一万円で固定されておりまして、一般負担を除く費用については特定負担となっております。
御指摘の系統整備の工事費につきましては、一般論として、物価や人件費の上昇、設備の需給バランスを始めとする理由により工事費が上昇していることは認識しておりますが、個別の事業により状況が異なるため、工事費の変化について一概にお答えすることは難しいと考えております。
いずれにしても、工事費の増額に伴う発電事業者や系統整備への影響について、具体的な実態把握を進めたいと考えております。その上で、必要な対応について検討してまいりたいと考えております。
○河野(義)委員 そうですね。費用も言い値ですから、事業者側からはもう反論の余地がない。こうなりました、工期も二年延長されましたと言われると、一方的に言われて、はいと言うしかない制度になっていますので、実態把握を是非進めていただいて、必要な策を講じていただきたいと思います。
再エネは、単なる脱炭素の手段ではなく、産業政策としても私は非常に重要だと思います。
先日の質問の中でも、世界最大の風力発電メーカー、老舗メーカー、ベスタス社、これは日本企業への誘致を経済産業省が主導となって進めていただいて、本当に大臣のおかげでベスタスが日本に来る。そして、先日、GXサプライチェーン補助金の採択を受けたということで、これは非常に大きな話題になり、かつ希望になっているわけでありますが、国内の洋上風力発電産業の基盤構築に向けた大きな一歩だと考えています。本当にすばらしい成果だと思います。
部品メーカーも含めますとアイテム数三万点と言われていまして、自動車産業にも匹敵するような大きな産業であります。産業の裾野も広い。また、工事、建設にわたっては建設業者やマリコン業者も仕事が非常にあるということで、港湾業者、保守、人材育成まで含めた地域産業基盤の構築が私は重要だと考えていますが、今後の取組方針はいかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 お答えする前に、私が問い一で、FIP制度の開始年を正しくは二〇二二年四月なのを二〇二四年と申し上げたようですので、申し訳ございません、ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。
委員御指摘のとおり、洋上風力の国内産業基盤を構築することは、電力の安定供給のみならず、将来のコスト低減や地域経済への波及の観点からも極めて重要であり、まさに委員御指摘のとおり、産業政策としての側面があるということだと思います。
国内の産業基盤を構築していくため、経済産業省としては、風車や関連部品等を製造する事業者の設備投資や専門人材を育成するための人材育成拠点の整備といった取組を支援をしており、ベスタス社についても、七月十日に、設備投資を支援するGXサプライチェーン構築支援事業に採択したところでございます。
引き続き、関係省庁と連携しつつ、こうした取組をしっかり行っていくことで、国内に洋上風力の産業基盤を構築してまいりたいというふうに考えております。
○河野(義)委員 洋上風力発電事業、大分逆風でありましたが、これは流れを変える反転攻勢の是非端緒としていくべきだと思います。しっかりフォローしていただきたいというふうに思います。
この逆風が吹いたのは、取りも直さずラウンドワンの全面撤退でありました。その後の第二ラウンド、第三ラウンドも、非常に事業採算性が厳しくなって、これは次に本当に進めるかどうかという今瀬戸際にあるというふうに承知をしています。洋上風力産業の信頼回復、これが不可欠であります。
昨日開かれた総合エネルギー調査会、経産相の諮問機関でありますが、そこで、第二ラウンド、第三ラウンド案件について、長期脱炭素電源オークションへの参加が認められ、上限価格や採択要件などの制度設計が示されました。
昨日の示された内容というのが洋上風力発電事業の実態を十分踏まえたものになっていくのか、非常に関心が高い分野でございますので、御説明をいただけたらというふうに思います。
○赤澤国務大臣 昨日開催されました委員御指摘の審議会において、次回、二〇二七年一月の長期脱炭素電源オークションにおける洋上風力の入札条件についてまさに議論が行われたところでございます。
入札の上限価格といった入札条件の設定に当たっては、洋上風力のコストや稼働率について、発電事業者からのヒアリングで得られた情報や過去の実績データ、物価変動も考慮した上で、国民負担の抑制の観点も踏まえつつ設定をしており、洋上風力の実態に即したものになっていると私どもは考えております。
今回設定した条件の下で、黎明期にある我が国の洋上風力の導入が進むことを期待をしております。
○河野(義)委員 ありがとうございました。
本当に国家存立の基盤だと私は考えていますので、再エネ政策、是非とも引き続き御支援をお願いしたいと思います。
次に、創薬エコシステムと経産省の役割についてお伺いしたいと思っています。
二〇一九年から二〇二四年までの変化でいきますと、国内の医薬品、医療品の生産額というのは一〇%伸びている一方で、この五年間で輸入の金額というのは四四%伸びています。このことは我が国の創薬力の低下を表しているのではないかという問題意識がございます。
先般の産業技術強化法でも、研究機関と一緒になって開発をすればその開発費を大幅に税額控除しよう、こうやって創薬エコシステムを含めて日本版のエコシステムを回していこうということをこの委員会でも議論させていただいたわけでありますが、創薬スタートアップの役割は一層重要になっていると思います。しかし、創薬は、非臨床試験から臨床試験、認証、承認、上市まで長時間を有しまして、各段階で多額の資金を必要とします。今、イノベーションの谷をどう乗り越えるかということも先般議論させていただきました。
経済産業省は、認定ベンチャーキャピタルによる出資を要件としまして、AMEDが創薬ベンチャーの実用化開発を支援する事業を実施しています。この仕組みは、国が研究費を補助するだけでなくて、民間投資家の目利きとハンズオン支援を活用して、官民で開発リスクを分担する点に私は大きな意義があると思っています。
初期段階への投資を拡充しても、その後資金供給が途絶えれば、国内で育成してきた技術や企業は花開くことなく、我が国に研究開発機能や事業価値が蓄積されない可能性が高い。こういった中で、大臣にお伺いしたいことは、創薬ベンチャーエコシステム強化事業についてどのような成果が今上がっているのか、また、今後、創薬全体のエコシステム形成に経済産業省としてどのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか。
○赤澤国務大臣 委員御指摘の創薬ベンチャーエコシステム強化事業では、これまでに四十四件の創薬ベンチャーによる研究開発を採択、支援しており、本年三月には支援対象ベンチャーのIPOが決定するなど、創薬エコシステムの形成に資する成果を着実に積み重ねてきていると認識をしております。
また、今後の創薬エコシステム形成に向け、成長戦略における合成生物学・バイオ分野の担当省庁として、バイオ医薬品・再生医療等製品等の官民投資ロードマップ策定に向けて政府内の議論をリードしてまいりました。
今後は、成長戦略を踏まえつつ、関係省庁と連携をしてAIを活用した基盤技術開発による創薬加速化に取り組むとともに、創薬エコシステムの形成を通じた医薬品産業の発展に向けた更なる施策を検討してまいりたいというふうに考えております。
○河野(義)委員 残りの時間で、知財と関連する点に関して創薬のテーマで伺います。
日本製薬工業会の中に知的財産委員会という委員会がありまして、様々な提言を行っています。一つは、新薬承認申請のために企業が提出した臨床試験などのデータを、一定期間、第三者の後発医薬品申請への利用から保護する制度の確立であります。第二の提言としては、パテントリンケージの問題を提起しておられます。現行制度は、行政が特許の有効性や侵害の有無を判断しないと明確化し、先発品の特許状況は申請者が自ら確認をし、必要な情報を厚労省へ届けるということを求めています。製薬協は、現行の枠組みを維持しつつも、後発品、バイオ後続品の申請段階で情報を開示し、特許権者との事前調整を早期化することを求めています。
先発品と後発品との特許調整というのは非常に難しい課題であって、創薬の保護と後発薬の円滑な供給、国民負担の低減という非常にかじ取りが難しいテーマと思いますけれども、厚生労働省の現状認識と今後の取組を教えていただきたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
新医薬品の再審査期間につきましては、承認後に医療現場で使用された安全性等のデータを収集するための期間として設けられてございます。当該期間中は後発医薬品の承認申請を認めておらず、実質的にデータ保護期間と同じ効果を有しております。
一方、再審査期間とは別にデータ保護期間を制度化する産業界からの御要望をいただいておりまして、本年六月に公表された知的財産推進計画二〇二六におきましても、引き続き調査、分析をすることが求められるとされておりまして、厚生労働省といたしましても、引き続き業界団体での議論を注視しております。
また、パテントリンケージ制度につきましては、後発医薬品の承認に際して先発医薬品の特許抵触の有無を確認する制度でございまして、医薬品特許に関する専門家から意見を聴取する制度を昨年十一月から試行的に導入してございます。
本制度につきましては、産業界からも後発医薬品企業と事前調整の早期化を御要望されているものと承知してございます。一方、参照できる裁判例が豊富にあるとは言い難い状況の中で運用改善を図っている状況でもございまして、実施状況を踏まえて、今後の運用について必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○河野(義)委員 先ほどの知財委員会はこうも述べています。物質特許や用途特許の存続期間中であるにもかかわらず後発医薬品の参入が発生している現状の状況に対して、強い懸念を表明する、我が国における創薬、研究開発投資の予見可能性を確保し、革新的な新薬を患者に届け続けるためには、特許期間延長制度がその本来の趣旨に沿って運用され、知的財産が適切に保護されることが不可欠であるという声明を発表しております。
知財の保護は、時として、安価な医薬品の安定供給や国民医療費の削減という従来の厚労省や財務省の目標と相克する場合もあると考えられます。これまでの議論にあった特許権を延長する制度は特許法に基づくものと承知をしておりますけれども、特許庁においてはどのように現状を認識しているのか、創薬に限らず、国内の競争力の強化には知財の保護に係る取組が非常に重要と私は考えていますが、どのような取組を行っていくのか、最後に伺います。
○亀井政府参考人 お答え申し上げます。
医薬品につきましては、製造販売の承認等を受けるために相当の期間を有するということですから、特許発明の実施による利益を受けられない期間の回復のため、特許法上、五年を限度といたしまして特許権の存続期間を延長できる制度を設けてございます。
本制度の活用状況といたしましては、二〇二四年は約四百件の延長登録が認められ、特許権の存続期間が延長されてございます。特許庁といたしましては、この制度による存続期間の延長によりまして、医薬品に係る特許発明の実施による利益が確保されることが重要だと考えております。
また、委員御指摘のとおり、国内の競争力の強化には知的財産の保護に係る取組は非常に重要だと認識をしております。特許庁といたしましては、制度の適切な運用とともに、分野に限らず、例えば中小企業等への知財の取得だとか経営への生かし方に関する助言を行うことで、知的財産の保護、活用を通じた稼ぐ力の向上を促していくということに努めてまいりたいと考えております。
○河野(義)委員 終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 おはようございます。中道改革連合、吉田宣弘でございます。
質問に入らせていただきます。
日本は言うまでもなく資源に乏しい国家でございます。その中で、日本は戦後、自国の技術を武器に、加工貿易によって経済成長を成し遂げてきたというふうに承知をしております。バブルの崩壊以降、様々な国際情勢の変化の中でも、私は、日本のこのような技術を武器とした物づくり国家としての仕事、そういう中で経済成長を成し遂げてきたんだろうというふうに思っております。恐らく、これからも日本は、自国の技術、これを武器にして世界市場の中で経済成長を遂げていかなければならないのだろうと思っております。
ただ、昨今の国際情勢の変化はすさまじくて、これからも加速度的に変化していくと考えておかなければならないし、そのような変化に対応するために、国家として経済活動の在り方を絶えず考えておかなければならないというふうに思います。その一つが、かつて言葉で表せることがなかった経済安全保障という考えであろうと思いますし、この経済安全保障は経済活動全般にわたって適用されていくものだろうと思います。また、その前提としての情報の取得、管理、活用などといったインテリジェンス機能の強化、これも非常に避けては通れないんだろうというふうに思います。
このような観点も含めて、本日は、資源に乏しい日本が今後どのようにして資源を獲得していかなければならないかという問題意識の下、サーキュラーエコノミー、循環経済について質問をしていきたく思います。
現行の骨太二〇二五を見ると、サーキュラーエコノミー、循環経済については、再生材利用拡大と製品の効率的利用を促進する動静脈連携のための制度や太陽光パネルの廃棄、リサイクル制度の検討、プラスチック、アルミ等の金属の再資源化を含め、研究開発や設備投資の支援を行うとともに、国際協力やルール形成を推進すると記載がございます。
この動静脈連携といった、私にとっては一見分かりにくい表現も見られるんですが、おおむね端的に分かりやすく記載されておりますし、私は、目指すべき方向性は間違っていないと評価をいたします。
そこで、まず、せっかくの機会ですので、私自身が分かりにくいだけかもしれませんけれども、動静脈連携について、この骨太方針に記載があるんですけれども、この動静脈という表現が使われている、これはなぜこのような表現が使われているかについて、まず経済産業省から御説明いただければと思います。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員から御指摘いただきましたサーキュラーエコノミー、循環経済につきましては、大変多岐にわたる事業者、そして国、自治体等が関与しておりますところ、一般に、製造業が資源を使って製品を生み出し、そして社会に送り出す流れを動脈、使用済製品や廃棄物を回収、再資源化し、再び製造業に戻す資源循環産業の流れを静脈と称すると承知してございます。
サーキュラーエコノミーの実現に当たりましては、こうした動脈産業と静脈産業がしっかりと連携をいたしまして、物づくりの段階からリサイクルしやすい製品設計を行うなど、再生材市場の拡大を進めながら資源を効率的に循環させることが不可欠であることから、動静脈連携という表現が用いられていると認識してございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
私も、リサイクルの仕事をされている方とよくおつき合いがありまして、お話を聞くんですけれども、やはり、新しいものもしっかりどんどんどんどん作って出してもらわないと僕たちは仕事にならないんだということも聞いたことがあるんですね。そういった意味での連携ということで、新しく作る人たち、そして、作られて、使われたものを更に再利用する人たちがしっかり連携をするということで動静脈というふうな言葉が使われているというふうに理解いたしました。ありがとうございました。
さて、サーキュラーエコノミーとは、資源を効率的に循環させて、持続可能な社会と経済成長を同時に目指す循環経済という考え方と理解をしております。
資源が少ない日本においては、経済安全保障の観点からも、このサーキュラーエコノミーに率先して取り組む必要があると考えます。資源が少ない事情を抱える国家は何も日本だけではないと思います。日本におけるサーキュラーエコノミーの取組は必ず他国のお手本になるでしょうし、資源循環システムがビジネスとして確立されれば、国際標準化などの取組を通じて国際貢献にもつながると考えます。そのためにも、自国における取組を正確に自分自身で認識しておくことというのが非常に大切だろうと思っております。
そこで、政府はこのサーキュラーエコノミーをどのように意義づけ、日本におけるサーキュラーエコノミーの推進にはどのような特徴があるかについて御答弁いただきたく存じます。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
我が国が進めておりますサーキュラーエコノミーは、資源を効率的に循環させることで、環境負荷の低減と、そして経済成長を両立し、資源制約や経済安全保障上の課題にも対応する、まさに成長戦略であると認識してございます。政府として、第五次循環型社会形成推進基本計画等におきまして、二〇三〇年までに八十兆円、そして二〇五〇年には百二十兆円までこのサーキュラーエコノミー関連ビジネス市場規模の拡大を目指しておりまして、サーキュラーエコノミーを新たな成長分野として育成していく方針を定めているところでございます。
特に我が国におきましては、家電や、そして自動車などのリサイクル法等に基づきまして、分別、回収、再資源化の仕組みが整備されるとともに、自治体、事業者、そして国民の皆様の協力によりまして、資源循環のエコシステムが築かれてきた経緯がございます。
こうした基盤の下で培われた回収、選別、再資源化の技術や、製品設計を含む我が国の物づくりの技術力は、サーキュラーエコノミーを経済成長につなげていく上での強みであり、引き続きしっかりと後押ししてまいりたいと存じます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
市場規模も莫大なものが今後予想されておりますので、こういった市場規模における経済活動の中で日本の経済が成長していく可能性は非常に高いというふうに期待をできるところでございますので、以後の質問も含めて、この循環経済というものを推進する、そういったことを頑張っていければというふうに思っております。
ところで、循環経済の活動主体は企業さんなんですね。現在、企業が主体となって循環経済の実践に取り組んでおられると承知をしております。ただ、個々の企業が独自に単独で取り組んでも、得られる効果というのは非常に限定的なんだろうというふうに思います。そこで、そのような企業さんが集まって協会や機構をつくって共通の目的に向かって歩みを進める動きがあることも承知をしておりますし、私もそういった皆様とおつき合いがあるところです。
加えて重要なことは、循環経済の実践がビジネスとして成り立っていくことであろうと思います。広く国民の皆様の御協力も得ていくところではございますが、資源を循環させるためには手間も費用もかかっているのが現状でありまして、多くの企業が取り組むためには、企業間連携を進めるだけではなくて、そこに経済合理性がしっかり確保されていかなければならないだろうというふうに思っております。これは課題なんだと思います。
そこで、経済産業省として、このサーキュラーエコノミーにおける企業間の連携をどのように促進していくのか、また、多くの企業が取り組むためには経済合理性の確保も課題であると思いますが、この点について御所見も併せてお示しいただければと思います。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘いただきましたとおり、サーキュラーエコノミーの推進には、製造業と資源循環産業を始めとする企業間の連携を進めるとともに、再生材利用の経済合理性を確保していくことが重要であると認識してございます。
このため、産官学の連携の場でありますサーキュラーパートナーズを立ち上げ、動静脈連携による高度な資源循環プロジェクトの組成や実証事業を進めるとともに、企業間のマッチングを後押ししているところでございます。
加えまして、高度選別や再資源化の技術開発、設備導入を支援するとともに、本年四月に施行いたしました改正資源有効利用促進法に基づきまして、まずはプラスチックを対象として製造事業者等に再生材の利用計画の策定を求めるなど、コスト低減につながる再生材の需要拡大を図る制度整備を進め、そして、引き続き資源循環ビジネスの事業性向上と市場形成に取り組んでまいりたいと存じます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
次に、全国津々浦々、使用済みの廃棄物は消費者が実際に暮らしている地域で発生をしているんだと思うんですね。したがって、このサーキュラーエコノミーの推進には、地方自治体や消費者の協力も私は欠かせないというふうに思います。
そこで、今日は環境省からもお越しいただきまして、ありがとうございます。このサーキュラーエコノミーの推進に当たって地方自治体や消費者の皆様との協力をどのように図っていくかについて、答弁をいただければと思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、サーキュラーエコノミーを推進していくためには、地方自治体と連携した取組や消費者への効果的な普及啓発など、様々な関係者の御協力を得ながら取り組んでいくことが重要であると考えております。
環境省におきましては、例えば食品ロス削減のほか、リユースやサステーナブルファッションの促進などに取り組んでいるところでございます。
具体的な取組を申し上げますと、食品ロス削減につきましては、飲食店での食べ残しを持ち帰るmottECOの取組や、小売店の廃棄予定食品を子供食堂等に有償で提供する実証事業、自治体等が住民から余っている食品を集めフードバンク等に寄附するフードドライブ活動などについて、地方自治体や事業者等の支援や消費者への啓発活動に取り組んでいるところでございます。
また、リユースにつきましては、本年三月に策定、公表いたしましたリユース等の促進に関するロードマップに基づきまして、例えば遺品整理や学用品が不要になるタイミングなど、消費者がリユースに取り組む機会の創出につながるような自治体等の取組を促すモデル事業を今後実施する予定でございます。
さらに、衣類の資源循環の実現に向けまして、これまでも使用済衣類回収のシステムを構築するためのモデル事業を実施し、地方公共団体や事業者等を支援しているところでございます。
具体的な例といたしましては、商業施設等での回収ボックスの設置と住民への行動変容を促す啓発活動により、生活者、事業者、行政が一体となった持続可能な衣類回収システムを構築する自治体の取組を支援しているところでございます。
今後は、本年三月に策定、公表いたしましたサステナブルファッションの推進に向けたアクションプランに基づきまして、自治体や民間による衣類回収の好事例等をまとめた回収ガイドラインの策定や、マッピングによる全国の衣類回収拠点の見える化の促進等に取り組んでまいります。
環境省が昨年度から開催しております資源循環自治体フォーラムにおきましては、これらの分野等につきまして、自治体、製造業、廃棄物処理業等のほか、消費者が参加し地域の資源循環を進める上での課題や解決策等について意見交換を実施しているところでございます。
引き続き、経済産業省や総務省など、関係省庁や地方自治体、消費者等の御協力をいただきながら、サーキュラーエコノミーへの移行を推進してまいりたいと考えているところでございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
最後にお述べいただいた省庁連携、これは非常に重要だと思いますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。
今まで質問をしてまいりましたこのサーキュラーエコノミーの基礎となる廃棄物から取り出される再生資源は、既に獲得競争の時代に突入しているというふうに承知をしております。
政府が本年四月二十一日に取りまとめた循環経済行動計画の基本的な考え方の中には、中国が重要鉱物の輸出管理を強化し、官民出資の中国資源循環集団を設立し、国内の資源リサイクルに注力と記載がありますし、また、EUでは、電子プラスチック等の域外への輸出の厳格化、新型車両への再生プラスチック使用義務化など、世界的に再生資源というものは、ある意味、囲い込む、また、奪い合うと言うと言い方はあれですけれども、取り合うというふうな非常に激しい競争の環境が今生じてきているというふうに思っています。世界的な潮流だと思うんですね。同計画の記載のとおり、もはや、一次資源、天然資源のみならず、二次資源、いわゆる今テーマとしています再生資源の獲得競争の時代に突入をしているということだと思います。
ここで私が重視するのは、やはり経済産業省の取組だと思っているんですね。まさに、経済産業省の出番だと私は思っております。再生資源を活用するのは、恐らく天然資源と比べて再生資源を使うことはコストだと私は思うんですね。ちょっと割高ということだと思うんですよ。
ただ、再生資源にするためにも恐らく技術的な過程が入っているんだと思うんですね。このコストや課題を技術で逆手に取る、そして経済成長につなげるというふうなことが、すなわち、私はもうしつこくしつこく、ここの委員会でも質問してきましたけれども、トランスフォーメーションだと思うんですね。コストや政策課題を逆手に取って、いわゆる利益に変えていくというふうな。
なので、現時点でこの再生資源についてトランスフォーメーションする言葉というものは端的にないものですから、私が勝手に再生資源トランスフォーメーション、再生資源Xと私は言いたいんですけれども、この再生資源X、再生資源トランスフォーメーションについて、今までのやり取りをお聞きいただいた上で、赤澤大臣の御見解をいただければと思います。
○赤澤国務大臣 まず、サーキュラーエコノミーについては、もはや環境保全にとどまらず、経済安全保障や産業競争力の強化につながる国家戦略であると考えており、委員と問題意識を共有をしております。
委員御指摘の再生資源X、再生資源トランスフォーメーションとは、再生資源を単なる廃棄物やコストではなく、技術で新たな付加価値や産業競争力の源泉へと転換していくという御趣旨であると認識をしております。
政府としても、本年四月に関係閣僚会議において取りまとめた循環経済行動計画を踏まえ、我が国が強みを有する再資源化技術の活用や、製造業と資源循環業との連携強化といった取組を通じて、資源循環の課題を新たなビジネスや産業競争力へと転換するべく、関係省庁とも連携して取組を進めているところでございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
改めて、この循環経済行動計画が取りまとめられた関係閣僚会議における議事要旨を見させていただいたんですが、そこでは、木原官房長官から、行動計画の大きな柱は五つある、その一つが再生資源供給サプライチェーンの強靱化、二つが日本をハブとする国際資源循環ネットワークの構築、三つに地域経済資源の徹底活用による地域活性化、四つ目に資源循環分野の国際ルールの形成、五つ、循環経済を国民運動としたところである、この五つを有機的に組み合わせつつ、政策リソースを集中投下することで、循環経済への移行を加速し、我が国としての勝ち筋を見出すべきタイミングだと認識をしている、行動計画については、この夏に取りまとめられる日本成長戦略や骨太方針にもしっかりと反映していくよう連携をお願いするというふうに報告をされているところでございます。
私は、この五つの柱全てにおいて鍵となるのが、廃棄物から再生資源を取り出す技術だというふうに思っております。
すなわち、再生資源供給サプライチェーンの強靱化というものについては、恐らく国内外を通じて、外国も取り混ぜてサプライチェーンを構成していくものだと考えられますけれども、再生資源化するための日本の技術を海外に提供することによって私は強化できるんじゃないかというふうに思っております。
また、日本をハブとする国際資源循環ネットワークの構築という部分においても、一定程度の再資源化は海外に提供をしてやっていただいて、最後のところだけ日本に持ってきていただいて、この最後のところだけやらないと再生資源とならないみたいなシステムを構築できれば、ありとあらゆる再生資源が日本に入ってくるというふうなシステムにもなるんだろうというふうに思いますし、その鍵がやはり技術なんだろうと思います。
また、地域循環資源の徹底活用による地域活性化も、既に取り組まれている現場での技術とノウハウに大きく関わってくるだろうと思います。
また、資源循環分野の国際ルールの構築、これは、現に現行の骨太二〇二五でも示されているところではございますけれども、日本の再資源化技術の国際標準化と切り離して考えることはできないというふうに思っております。
また、循環経済を国民運動とする点においても、国民の皆様にいかに負担を少なく協力をしてお手伝いしていただくのか、これも私は技術によるところが大きいと思っております。例えば、家庭では使用済みの食用油の廃棄が結構手間なんですけれども、こういったものについて何かもっと簡単な方法はないかとか、既に市場で展開されているものもありますし、また、運搬の方法、金属類の分別の方法など、私が素人感覚で思いつくままちょっと申し上げましたが、ほかにもあるかもしれません。
そうであるならば、私は、やはり政府に求められることというのは、国際競争を勝ち抜くための廃棄物を再資源化するための技術開発支援であったり、また、技術者や、そういったシステム、いろいろな機械もあるでしょう、そういったものをオペレートするための人材育成になるのではないかというふうに思いますので、その点につき赤澤大臣のお受け止めをお聞かせいただくとともに、今取りまとめが急ピッチで進んでいるであろう日本成長戦略や骨太方針に、今私が委員会で質問させていただいた流れの中で、記載できる文言に限りがあることはよくよく承知をしておりますけれども、このサーキュラーエコノミーに対する考え方、また経済成長につなげていくものの道筋、そういったものを反映すべきではないかというふうに御提案申し上げたく存じますが、併せて赤澤大臣から御答弁をいただければと思います。
○赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、サーキュラーエコノミー分野を我が国の国際競争力につなげていくためには、高度な再資源化技術の開発に加え、その技術を支える技術者やオペレーターなどの人材育成が重要であると認識をしております。
政府としては、産官学連携の下、解体や選別など再資源化プロセスの自動化、高度化につながる技術開発を進めるとともに、設備導入への支援を進めているところであり、裾野の広い資源循環産業の基盤強化にも取り組んでまいりたいと思っております。
現在策定を進めております日本成長戦略や骨太方針においても、サーキュラーエコノミーを我が国の成長につなげるという循環経済行動計画の考え方をしっかりと反映をし、関係省庁と連携しながら、技術開発や人材育成を始めとした必要な施策を力強く推進してまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 よろしくお願いしたいと思います。
残りの時間を使いまして、サーキュラーエコノミーから少し外れますが、とはいえ無関係ではないテーマについて、私なりの私見を今から申し上げていきたいと思っています。
それは、コストにおける国際競争という観点において、国際競争ですから、すなわち競争の前提である土台というものは私は公平公正でなければいけないというふうに思っているんですね。では、今、国際競争の前提が公平公正になっているのかということについて、少し私見を述べさせていただければと思います。
サプライチェーンの流通は、これは流通の過程ということでございますが、個々の場所において、製造コストなどがどの程度必要なのかによって価格設定も行われていると思うんですね。仕入れコストや製造コスト、送達コストなど、いろいろなコストがあって、そこに価格がそういうふうにして乗っているんだと思うんです。
その場面で、費やされる人件費のコストや、例えばそこで働いておられる方々の職場の環境が劣悪というふうな下で、ある意味、お給料に見合わないような、そういうふうな仕事を課せられているというふうなところで、何か、いわゆる人件費コストが価格に乗らずに安くなっているというふうなことがあって、公平公正ないわゆる国際競争と、私はちょっと崩れるんだろうというふうに思うんですね。
したがって、最近、世界各国で取り組まれている人権デューデリジェンスの考え方は私は重視されるべきであろうと思いますし、具体的には、人権に関するコストは当然に価格に反映されておかなければいけないと思います。仮に人権侵害のようなことがあって、それが価格の低コスト化につながっているような要因があるのであれば、サプライチェーンから私は排除されなきゃいけないというふうに思うんです。競争にすら参加できないようにしなきゃいけないんじゃないかというふうにも思います。もはや、そのようなビジネススタイル、企業の中でそういうことが起きていたら、それはもうビジネスたり得ないというふうなことを世界の共通認識にすべきじゃないかというふうにすら思います。
次に、コストが増加する要因に、環境に対する配慮というものが費用としてかかっている点があると思います。
私はもう二十年以上前に、山口県のとある化学工場に実は見学に行ったことがあったんですけれども、そこでは、工場内の水路に金魚が泳いでいました。すなわち、自分たちの工場からは決して生命に劣悪な有害物質は出しませんよということを見ていただくということだったんだと思うんですね。もうこれは二十年以上前の話なんですけれども。
すなわち、そんな設備を造るためにはそれ相応の投資も必要であるであろうし、それを維持するためにはそれ相応の費用もかかるんだと思うんです。こういうふうなお金というのは、恐らく自分たちで一生懸命作ったものの製品の価格に乗っていると思うんですよ。これを乗せていないような事例というのは、恐らく日本の過去の公害の歴史にあるんだろうと思います。
環境に有害な物質をやはり工場の外に出してしまって、ひいては健康被害が生じるようなことも日本の苦い歴史の経験だと思います。したがって、日本はその経験を生かして、環境にしっかり配慮するようなことについても、コストに乗せてやってきているんだと思います。
これを一切無視して、環境を汚し放題、人体に対する悪影響みたいなことも放置して、これを経済活動として、結果、価格が安くなって競争力を持っているというのは私はとても不公平な話じゃないかなというふうに思いますから、そう考えれば、そのような環境に対する基本的にやはり許されないような負荷をかけることによって競争力を保とうとしているようなビジネススタイルについてはサプライチェーンから排除される必要もあるだろうし、競争にすら参加すべきでない、もはやビジネスたり得ないということを私は世界の共通認識とすべきだろうと思います。
環境も守って経済も成長させるというのが、一番のこれからの、日本は当然、今もう既にそういうふうにやっていますけれども、国際的にそうであるべきだというふうに思います。その一つの現象が、世界各国でGX技術革新に取り組んでいる状況に表れていると思います。
このほかにも、これからの課題だと思いますが、PFOSやPFOAなどの規制、こういったものも環境への配慮から出てくるんだろうと思われます。まだまだ知見が積まれておりませんから、どの程度、何を規制するかというのは恐らくこれからの研究にも懸かってくるかと思いますが、これを仮に規制する必要性があるのであれば、除去する技術みたいなことだって日本でやれば、それは世界に提供して、それが既に、経済成長のキーにもなるというふうなことも考えられます。
経済の目的というのは、私は人間の幸福な生存のためにあるんだろうと思います。経済を成長させて環境が悪化して人体に悪影響というふうな歴史が繰り返されてはいけないし、また、環境を守ることの目的というのは、人間の安心、安全な生存にあると思います。私どもの今の仕事というのは、我々の後継にしかるべき環境を提供する義務があるんだろうというふうに思います。
今のお話を、申し訳ありません、私の勝手な私見だったかもしれませんが、お聞きいただいて、赤澤大臣のお受け止めを最後にお聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 今のお話の委員の問題意識は、私も共有をいたします。
委員御指摘のとおり、人権や環境といった価格以外の要素が評価された財・サービスの市場を創出することは、公平な競争環境の実現に資するというふうに思います。このため、サプライチェーンにおける人権尊重の取組を世界共通の課題として進めることが重要であると思います。
経産省では、関係省庁と連携し、企業に人権デューデリジェンスを促すためのガイドラインを策定、周知を行ってまいりました。その中で、例えば、調達する製品、サービスの価格が不当に廉価でないか、廉価である場合には留意せよという、そういう働きかけをしているところであります。さらに、政府調達においても、企業に対して本ガイドラインを踏まえるよう求めているところでございます。
このような取組を世界市場に広げていくことが重要でございます。信頼できる同志国とも連携をして、価格以外の要素を踏まえた公平な競争条件の実現に向けて、国際連携などの取組を進めてまいりたいというふうに考えます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございました。
終わります。
○工藤委員長 次に、山岡達丸君。
○山岡委員 山岡達丸です。
また質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
本日は、なかなかこれまで政治の議論の分野としては未開拓の分野であると思われる、水素の、特に国内の地中にある天然水素のことについて少し取り上げていきたいと思っております。
赤澤大臣は、先日、ナフサの備蓄を検討するというお話を発表されました。備蓄というのはなかなかナフサは簡単ではないというのはよく言われていることでもありますし、おおむねできることといえば、原油のまま多く備蓄するのか。ただ、これは連産品も生まれますから、今それではカバーできないから輸入しているのであって、なかなか抜本的にナフサだけを特定することが難しいし、ナフサそのものの備蓄は、揮発性の問題で長期間は難しい。ナフサからその後の素材に生成し直すということも一つの手だと思いますが、そうすると、元に戻すことが難しいですから、特定のものにした後、それをそれぞれ備蓄するということになると、それぞれのメーカーがまたコスト等をどうしていくのかとか、それぞれの需要にちゃんと合った備蓄ができるのかとか、いずれも様々課題はあると思うんですけれども。
やはり、これほどの社会問題になった状況を見れば、備蓄というのを考えていく、模索していくということは正しい方向だと私も思いますし、それは法改正も含めて様々な検討をしていただきたいと思うし、国会の中での議論も、その必要があれば、私たちもまた法改正の議論等も含めてしっかりやっていかなければならない、その思いであります。
その中で、今回、ナフサそのものに代替する、そうした素材もこれは模索していかなきゃいけないんじゃないかという観点で、この水素を取り上げさせていただきたいと思っております。
水素とCO2を組み合わせて合成されるe―メタノールは、燃料として利用できるということももちろんありますけれども、エチレンとかプロピレンなどの基礎化学品の製造、ここにもつながっていく。ということは、プラスチックとか医療用品、断熱材など、国民生活に不可欠な製品の製造につながっていくということになっていくというふうに思っています。これまでナフサを必要としていた石油関連製品と言われていたものが、ナフサ以外からも作れるということであります。
まず経産省に確認をしていきたいと思いますけれども、このe―メタノールを始めとする、水素を活用した合成燃料もそうですが、この素材、国内で安定して製造できるようになれば、これは、ナフサから生成される基礎化学品と同等の素材を生成して、ナフサ代替の有力な手段の一つになり得るんじゃないかと思いますが、御答弁いただけますか。
○伊吹政府参考人 お答え申し上げます。
ナフサの代替として、先生御指摘のように、メタノールを原料として、エチレンとかプロピレン、こういった化学製品を作るということは技術的には可能というふうに考えています。
他方、こうした技術を実用化していくには二つ課題がありまして、一つは、安定的に原料であるメタノールをきちんと確保していくこと、それからもう一つは、メタノールからエチレンとかプロピレンを作るときの生産の効率、これをしっかり改善をしていく必要があると思っております。
元々、グリーンイノベーション基金、CO2を減らす、化学メーカーはCO2を減らすべき大事な産業でございますので、それで、二つプロジェクトをやっています。今の二つの課題に対応した、原料であるメタノールを作る製造技術の開発をしっかりやるということ、それからもう一つは、メタノールから先ほど申し上げた化学品を生産する生産の効率の改善をするための技術開発をしっかりするということをやっております。
こうした取組をやっていくことによって、将来的にナフサ代替の手法としてこれが位置づけられて、安定供給に寄与するということは十分期待をできるというふうに考えてございます。
○山岡委員 ありがとうございます。今、明快に御答弁をいただきました。将来的にはなり得ると。ただ、他方で、今お話もありましたけれども、安定的な確保と、そして、化学品でありますから、効率よく、コスト面も踏まえた素材の生成等ができればそれも可能なんだというお話でございます。
水素とCO2を組み合わせると申し上げましたが、CO2もCO2で、これは簡単ではないんですけれども、ただ、CO2は、地中に取り込むCCSの技術、北海道苫小牧でもこれは相当実証も進めてきて、これから本格的になろうという手前でありますけれども、このCCSに連動するといいますか、それに関連するCCUという、CO2を取り出して使っていこうという、ここの研究も進められているわけであります。これも、コスト面とか様々課題はあるものの、国内で確保するという点においては、CO2はあまたあるという状況であります。
他方で、水素は、特にカーボンニュートラルの実現に重要なグリーン水素等、現実的には海外から輸入していくことが基本的には主になっていくというふうな見立てが今立てられているところでもあります。製造に大量の電気を必要とする、水を電気分解することが原則ですが、日本国内の脱炭素電力の供給力の限界もありますので、コストを踏まえると、国内製造というのはハードルがまだまだ高いという状況でもあります。
工場の生成過程で副次的に生まれる副生水素等も、ほかにも水素はあるわけでありますけれども、全体として、安定確保等、コスト面でも様々課題があるという国内の環境もございます。
経産省は、二年前に成立した水素社会推進法で、輸入水素もそうですし、国内水素もそうなんですけれども、当面、コスト支援を行って、そして、国内サプライチェーンの形成と価格の低減を目指していくということになるわけでありますけれども、これはこれで重要な取組なので進めていただきたいんですが、他方で、国内の地中にも、天然の水素、これを、いろいろな呼び方があるそうですが、ホワイト水素とか、あるいはゴールド水素とか、ブルー水素、グリーン水素に並ぶ呼び方等で様々な呼ばれ方をするそうですが、国内の天然水素というものが存在しているということにも注目していかなければならない、注目していくべきだと思います。
この天然水素が仮に国内資源として開発が進むのであれば、自然由来であれば電力投入量も抑えられますし、コストも、これは低コストで入手できる可能性が見出せるということも、期待のレベルでありますけれども、これは模索していくべきものだと思っております。
経産省に改めてまた伺いますけれども、天然水素は日本国内に相当な埋蔵量があるんじゃないかと、その可能性も指摘をされているところであります。日本は資源がない国ともされますけれども、天然水素が開発、実用化が進むのであれば、それは画期的なことなんじゃないかと思うわけでありますけれども、天然水素の国内資源開発、あるいは資源量を評価するための基礎調査も含めて、これは早急に進めていくべきだというふうに私は思いますが、御見解をいただけますか。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の天然水素でございますけれども、これは、地下で地質学的反応により生成されまして、地中に賦存する水素分子でございます。主として、かんらん岩の蛇紋岩化反応、それから水の放射線分解等によって生成されることが知られてございます。
我が国におきましては、蛇紋岩等が全国的に分布しているほか、一部地域では温泉水等から水素が観測された事例もございます。したがって、地下において水素が生成されている可能性があるというふうに認識をしてございます。
現在、JOGMECにおきましては、天然水素の生成、貯留プロセスの解明、それから賦存可能性の評価、こういった調査を進めているところでございます。
今後、民間事業者の関心等も踏まえながら、経済的に利用可能な資源となり得るか、また実用化に資する技術が確立できるかにつきまして調査をしっかり進めてまいりまして、可能性を見極めてまいりたいと考えてございます。
○山岡委員 御答弁をいただきましたが、今お話にもありましたけれども、日本国内でも水素が観測されている場所があるというところであります。お話にもありました、かんらん岩が水と反応して、その際に蛇紋岩に変わると、同時に水素も生成するというところで、例えば長野県の白馬村の温泉地域では、そうしたものが発生している、蛇紋岩が相当出ているというところも見つかっているところであります。
他方で、水素が生成されるといっても、そこが、貯留される場所がその地形上あるかとか、幾つもの要素はあるわけでありますけれども、ただ、かんらん岩の埋蔵地域というのが天然水素を有する場所として地理条件の重要な要素になってくるわけであります。その中で、やはり地域の中で様々そういう場所というのがあるということのお話の中で、今、調査を含めて、経済性を見極めていくんだというお話をいただきました。
かんらん岩ということでいうと、おおむね分布も出ているわけでありますけれども、北海道の日高地域、様似町というところにアポイ岳というのがありますが、アポイ岳とその周辺の地域は、地下数十キロのマントルを構成するかんらん岩がプレートの衝突によって地表を丸ごと突き出している、世界的にも珍しい場所だということで、ユネスコの世界ジオパークにも認定をされている場所でもあります。
地球の内部を直接見ることができる学術的な貴重な場所ということで、そういう世界的な注目をされているわけでありますけれども、私は、将来的に、純国産のクリーンエネルギー産出の場所にも、あるいはそうした可能性も、期待を寄せることができるんじゃないかというふうに思うわけであります。
事実、名古屋大の研究グループも、二〇二四年十月にアポイ岳の周辺の幌満かんらん岩体エリアで局地的に有意な水素濃度の異常を捉えることに成功したんだということを、翌年の二〇二五年、昨年ですけれども、三月に発表されています。論文という形にはなっていないので、発表というところにとどまっているわけでありますけれども、ただ、こうした学術的な場所が新たな資源の可能性があるということは、よく、十分に注目していくべきだと思っているんです。
経産省に伺いますけれども、アポイ岳、学術的にも大変重要な場所でもあり、また自然公園にも認定をされているところでもありますけれども、私は天然水素を探査していく上で極めて重要な地域なんじゃないかと思いますが、政府は、天然水素の確保もそうですし、基礎的な調査も含めて、アポイ岳やその周辺の持つポテンシャルをどのようにお考えか、御答弁をいただけますか。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
委員お尋ねの北海道のアポイ岳でございますけれども、これは産業技術総合研究所による事前調査が行われてございます。それによりますと、蛇紋岩等の分布が確認されております。
一般論として申し上げますと、特定の環境状況下におきまして、かんらん岩の蛇紋岩化反応に伴い天然水素が生成されることが知られておりますので、蛇紋岩等が分布する地域においては、これは天然水素が生成している可能性はあるというふうに認識をしてございます。
他方、現時点においてでございますけれども、天然水素の生成とか貯留プロセスの解明がいまだ研究段階にあるということから、当該地域における天然水素の賦存状況や埋蔵量等について確たる評価を行うことは、現時点では困難と考えてございます。
今後、民間事業者の関心も踏まえながら、経済的に利用可能な資源となり得るか、実用化に資する技術が確立できるかについて調査を進めて、その可能性はしっかり見極めてまいりたいと考えてございます。
○山岡委員 最初にも申し上げましたけれども、政治の議論でも相当これは新しい分野でもありますので、まさにこれから様々可能性を模索していくんだと思っておりますが、ナフサの様々な状況の中で、あるいは国内の資源の確保という観点から、是非、今のお話にもあったように、これはしっかりと調査、見極めをしていっていただきたいと思っております。
水素ということでございますと、先日、南アフリカの経済産業の議員団の皆様が議会へ表敬訪問いただいて、委員長を先頭に我々理事も含めて意見交換をさせていただく機会もありましたけれども、やはり、南アフリカの議員団の皆さんも、これは天然水素ということだけじゃありませんけれども、自国で産出される水素の輸出等も議題に上げられ、日本との資源開発の技術協力の可能性も模索していきたいという意思も伝えていただきました。アフリカ諸国ということでいうと、マリでは天然水素を採掘するというような動きにもなっているということも伝えられているところでございます。
かなりアフリカ諸国は広大な大地がありますから、例えば、太陽光パネルを敷き詰めれば、その中でグリーン水素を作ることも可能なんでしょうし、あるいは広大な資源も内陸に有するのかもしれないということで、こうした国々と友好な関係を日本が築いていって資源確保を安定的に整えていくということは極めて重要ですから、そのことはしっかり進めていただきつつ、日本国内における天然資源の産出という可能性についても、これは積極的に進めていくべきだと思っています。
地方創生という観点からいえば、広大に広がる、地方にある自然由来の産物こそその軸となるという中で、これまで再生可能エネルギーはその一端を担ってきたというふうに思いますが、しかし、地中の資源も役割を果たすんだというふうに思っております。
ここで大臣にお伺いしたいと思いますけれども、ナフサの備蓄の検討も非常に重要だと思っております、ナフサ代替の製品という経済安全保障の観点もそうですし、地方創生とか地方の新たな可能性という視点から、この天然水素の調査、経産省、資源エネルギー庁の所管として大きく進めていただきたいというふうに思っております。仮に、調査という、試掘も含めて本気でやっていくのであれば、例えば鉱業法の改正等の論点の整理も必要だと思っております、今そうしたことに水素は規定されておりませんので。必要なら、そうした議論も含め、その調査を進めていただきたいと思っておりますが、大臣に御見解をいただけますでしょうか。
○赤澤国務大臣 ナフサ以外の原料を用いた石油化学製品の製造は、中長期にわたって経済安全保障を確保する観点から重要です。
メタノール合成の原料にもなる天然水素については、地質的なポテンシャルの詳細において未解明な点が多いため、まずは、経済的に利用可能な資源や技術があるのか引き続き調査を行い、しっかりと見極めていきたいと考えております。
その上で、海外においては、天然水素の適切な資源開発を図るため、天然水素を鉱物資源として明確化する動きや規制対象として分類する国もございます。
こうした動きも踏まえ、我が国においても、天然水素の適切な資源開発を図るための方策を検討してまいります。
○山岡委員 今後また議論をさせていただきたいと思っておりますが、進捗に応じてということになりますけれども、是非いろいろな可能性を模索していただきたいと思っております。
次に、バイオ・ヘルスケアのことについて伺いたいと思います。
この分野は、加速度的な発展を遂げているということであります。
新型コロナウイルスで注目されたメッセンジャーRNAの技術も、今、がん治療にも応用されつつあるということ、人間本来の免疫システムにがん細胞を攻撃させるような画期的な治療法として、個別化がんワクチンなども研究が進められているということであります。
認知症の対応においても、血液検査によって簡易に発症前からその兆候を確認できる可能性が今出てきている。そうなると、早期対策もそうですし、今後は、膨大なサンプルデータが収集できて、その研究が一層加速するんじゃないかということも期待されます。
京都大学の山中教授が発見したiPS細胞についても、今年三月に、再生医療製品として、条件付、期限付ではありますけれども、承認されて、心臓の虚血性心筋症の回復やパーキンソン病の治療などについて、実用化のフェーズにもいよいよ入ってくるのかななんていう期待も寄せられるような状況にもなってきています。
健康分野、医療環境の向上は、全世界の関心事、私たちの関心事でもありますし、研究は未開の分野がまだまだ存在していますから、逆に言えば、市場は大きくこれから広がっていくということになります。もちろん、乗り越えなければならない壁はたくさんあるわけでありますけれども、そこに日本の国内企業が日本の研究基盤を持ってどれだけコミットメントできるのか、これがまた政策の大きな後押しが必要なんだろうと思っています。
今国会で成立をした産業技術力強化法でバイオ・ヘルスケアの分野も重要産業技術への指定が見込まれているところでありますけれども、この法律に基づけば、製薬関係の事業者の研究開発においても、国が認定する国内の大学や研究機関との連携した研究においては試験研究費の五〇%を税額控除する、しかも、五年間にわたってその恩恵にあり、単年度で控除し切れない分があれば三年間までは繰り越せるという、かつてないレベルの減税の措置となっているところであります。
日本が創薬の国として長期にわたって地位を確保していくためには、事業者と国内の研究機関とか大学病院を含む大学がアカデミアの連携で研究を蓄積していくということが中長期的には極めて重要な中で、今回の制度は是非この分野においても十分に活用されていっていただきたいと思うところであります。
本日、厚労省さんにも来ていただいていますけれども、厚労省自身として、創薬力強化の観点から、今回の産業技術力強化法のこの制度をどのように評価して、どのように有効に活用していきたいと考えているか、御答弁をいただけますか。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
創薬は、国民の生命、健康を守るという健康医療安全保障の観点からも、また、日本の経済成長を担う成長産業、基幹産業という観点からも重要であると考えております。
高市内閣では、創薬・先端医療を十七の戦略分野の一つに位置づけ、世界有数の日本の創薬力を基盤として、大きく拡大する世界市場を着実に取り込み、革新的新薬を国民と世界の患者に届けられるよう、また、民間投資のボトルネックの解消に向けて取り組むべき施策などについて、成長戦略の取りまとめに向けて議論を深めてまいりました。
具体的に、本年六月二十四日の第五回日本成長戦略会議で公表しました官民投資ロードマップにおいて、講じるべき政策パッケージとして、研究開発税制の戦略技術領域型の活用を含め、創薬人材の育成、確保や研究開発力の強化など、様々な政策を総合的に講じるべき旨が盛り込まれました。
こうした点について、令和八年度の税制改正大綱に基づきまして、バイオ・ヘルスケア分野を含む我が国の戦略技術領域につきまして、研究開発を促進する戦略技術領域型の控除率四〇%の税制が令和九年度から創設されるところでございまして、革新的な医薬品の開発に向けた投資が更に促進されることを期待しております。
税制を含む様々な政策ツールを活用しながら、引き続き、我が国の創薬力の向上に向けて必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
○山岡委員 今、御答弁で四〇%の税額控除と申し上げましたが、私が特にここでお願いしたいのは、五〇%の控除の、国内の研究機関との連携の研究の推進であります。それによって国内の研究基盤に研究の成果が蓄積されていくということになるわけであります。
経産省に伺いますけれども、法律施行は来年四月ですから、三年の税制の期間の一年間はもうなくなってしまうというふうに見込まれています。残りの二年の中でこの制度に乗れれば五年間の様々な税額控除にあずかれるわけでありますけれども、これは、来年の四月から二年間のうちにということを考えると、やはり施行前から、やるべき準備、やれることを進めていって、四月一日の段階では、意欲ある研究機関とか企業が大いに制度に乗れるようにしていただきたいと思いますけれども、この部分についてどのような努力をしていただけるか、御答弁いただけますか。
○福本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、改正産業技術力強化法の制度の円滑な実施に向けまして、七月八日に開催した審議会において、有識者委員あるいは関係団体のオブザーバーから強化法の下位法令また運用に関わる御意見をいただいたところでございます。
来年四月の制度開始に向けましては、事業者の予見可能性を確保する観点から、まず第一に、秋頃には申請に必要な様式などを公開をいたしまして、次に、年内には事前相談の受付窓口を設置することとしております。そして、今年度中には、認定予定の、先ほどありました研究開発機関の候補を公表するということを予定をしております。
引き続き、関係省庁と緊密に連携しながら、企業の投資判断をしっかり後押しできるよう、速やかに準備を進めてまいります。
○山岡委員 経産省は全体の制度の責任を持っていますから、その中でやれる努力を全力でやっていくというお話もいただきましたが、厚労省さんに伺いますけれども、この分野について、今のお話もありますけれども、来年の四月の施行までの間、これは、国立研究機関も持っておられますし、今までのアカデミアのつながりもあるでしょうから、マッチング等、大胆な減税制度を最大限活用するために最大の努力をしていただきたいと思いますが、厚労省として御答弁いただけますか。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
革新的な医薬品の開発に向けた投資を促進するに当たりまして、本税制について多くの皆様に御活用いただくことが重要でございまして、そのために、制度施行前から産業界や研究機関の方々に本税制を広く知っていただくことが必要だと考えております。
こうしたことから、厚労省でも、製薬企業等が主催する説明会等の機会を捉まえ、経済産業省とも協力しながら制度の理解を深めるとともに、所管する独立行政法人等に対しても本税制についての周知を行っているところでございます。
また、創薬エコシステムを構築する様々な関係者にしっかりと本税制の内容、趣旨が伝わるよう、これまでの産業界に対する説明会だけでなく、アカデミア等に対する働きかけについてもしっかり対応してまいりたいと考えております。
○山岡委員 是非お願いいたします。
せっかくの税制なので、いろいろな事例がこの制度ででき上がってこないと、租税特別措置の存在意義も問われることになりますが、これは、事例が増えていけば更によくしていける、更にいろいろな改善の議論がしていけると思っております。
併せて伺います。
薬価についても伺いますけれども、薬価制度は日本の公的医療制度にも関わるから簡単ではありませんが、他方で、そうした新薬開発ということに関しては、やはり、一般に多額のコストをかけている中で、開発コストに見合う適切な価格で販売できれば投資回収できるんですけれども、現状、そこが十分になっていないんじゃないかという、その視点からの議論もあるわけであります。
近年、もちろん、画期性とか有用性など、イノベーションの部分の評価も厚労省はしていただいていると思っておりますが、しかし、本当に日本が創薬の地となっていくためには、更に踏み込んだ薬価制度の改革が必要だというふうに私は思います。これも是非前向きな御答弁をいただきたいと思いますが、お願いできますか。
○熊木政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど担当の政府参考人から、創薬というものは、健康医療安全保障の観点及び成長産業、基幹産業という観点から大変重要であるという認識が示されました。私ども薬価担当としても同じ認識でございます。
薬価制度につきましては、市場実勢価格の適時適切な反映によって国民負担を軽減するといった要請がございますが、創薬イノベーションの推進、そして医薬品の安定供給の確保、こういった要請についてバランスよく対応する必要があると認識しております。
特に、イノベーションを推進する観点で申し上げますと、先生の御指摘にありました革新的新薬については、特許期間中の薬価を原則として維持するほか、製品の特性に応じた有用性の評価の充実を行ってございます。
加えまして、令和八年度薬価制度改革におきましては、市場が予想以上に拡大した場合の価格を引き下げるという措置、これを市場拡大再算定と申しますが、それを類似品に適用すること、いわゆる共連れ、この措置を、企業の予見性を高めるという観点で廃止するといった対応を行ったところでございます。
さらに、先ほど紹介のありました官民投資ロードマップ案におきまして、革新的新薬のイノベーションの更なる評価の検討、こうしたことを記載し、様々な政策を総合的に講じるように、今、取りまとめに向けて調整を進めているところでございます。
厚生労働省におきましては、創薬イノベーション推進の観点を踏まえ、革新的な新薬に係る薬価制度について、関係業界の御意見も賜りながら、中央社会保険医療協議会において引き続き検討してまいりたいと思います。
○山岡委員 前向きな御答弁をありがとうございます。
最後に、大臣からも一言いただければと思います。
経済産業政策ですから、市場を確保するという視点でありますけれども、国内企業がやはり国内研究基盤を基にそのシェアを確保していくという視点で、これは是非政策的な後押しを経産省としてもしっかり進めていくべきだと思いますが、大臣に最後に御答弁いただけますか。
○赤澤国務大臣 健康・医療分野は、世界規模での拡大が見込まれております。その市場を獲得することが非常に重要であると認識をしております。
特に、世界に先駆けて超高齢社会を迎える我が国においては、高齢者の健康や医療に関するデータや知見を大量に保有しており、今後も獲得できるということでありますので、こうしたビッグデータにAIをかけ合わせることで新たなイノベーションを創出することが我が国の勝ち筋であると認識をしております。
例えば、医療・介護分野では、AIとビッグデータを用いた効率的かつ正確な画像診断支援を可能にする医療機器の開発や、介護AIトランスフォーメーション、介護AXを通じた医療・介護提供体制の持続可能性向上の支援、あるいは、予防、健康づくりといったヘルスケア分野では、運動、睡眠、食事といった日々のデータに対して、AIを活用した新たなサービス開発支援、そして、医薬品分野においてもAIが重要であり、AIを活用した基盤技術開発における創薬加速化や創薬ベンチャーの研究開発支援、バイオ医薬品、再生医療等製品の製造拠点の整備などなどについて、関係省庁と連携しながら取組を進めてまいりたいと考えております。
○山岡委員 また議論をさせていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○工藤委員長 次に、近藤和也君。
○近藤(和)委員 中道改革連合、そして石川県能登半島の近藤和也でございます。
能登半島地震から二年と七か月が経過をいたしました。経産省、そして中小企業庁、中小企業基盤整備機構を始めとした関係の皆様には大変お世話になりまして、ありがとうございます。小森政務官も、一緒に、どうもありがとうございます。
改めまして、今日は、なりわい補助金、持続化補助金のことについて伺いたいんですけれども、今、なりわい補助金だと約一千四百件、そして持続化補助金だと二千八百件、かなりの数の採用といいますか件数、今、事業が進んできています。
大臣、通告にないんですけれども、これだけの件数、二千八百件、一千四百件、本当に、経産省並びに関係の皆様、石川県の方にも頑張っていただいたんですけれども、商工会、商工会議所の皆さんも相当頑張っていただきました。自分たちの事務所がなくなったような方々、違うところで間借りをしながらも、自分が被災者でありながらも、事業者の方々を助けようということで頑張っていただいています。これらの方に対して何か一言いただければと思いますが、お願いいたします。
○赤澤国務大臣 防災が私のライフワークであるということを委員が恐らく知っておられてお尋ねになったのかと思います。
私自身は、本当に、災害について言うと、誰よりも憎んでいると思いますし、自分たちの愛する家族とかお知り合いにさようならを言ういとまも与えてもらえずに突然別れが訪れるとか、本当に理不尽の極致であるものが災害だと思っております。
そういう被害を受けた中で、自分も被害を受けた、あるいは場合によって家族の安否も分からない中で、人のために何かしら行動を起こすというような方たちが本当に被災地には多くおられるんです。そういう人たちの力になりたいという思いで、私は防災をライフワークとしておりますし、経済産業省も、そういう意味では本当に、現場に行く職員、私もよく観察をしておりますけれども、寄り添って、やろうということで全力で力を尽くしているところでございます。
なかなかすぐに被災された方たちが旧に復するような生活を取り戻せたり、あるいは心のケアが十分に行き届いたりというようなことはないわけでありますけれども、そういう中でも、少しでも力になれるように、私も経産省職員も、今後とも先生の御指導もいただきながら、全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
持続化補助金についてもなりわい補助金についても、かなり柔軟に変化をしてきていただいています。この制度が変化していくことのありがたさと、一方で現場ではこの制度の変化についていかなくてはいけない、そして、申請者の皆様からの、ある意味板挟みというか、何でできないんだということでずっと苦闘していただいてきています。本当に、この感謝の気持ちというか、一緒に持ってまた私も頑張っていかなくてはいけないなと思います。
その上で、それでもやはり制度を変えていかなきゃいけない、柔軟にできないですかという質問を今日はずっとしたいと思うんですけれども、まず、持続化補助金、そしてなりわい補助金の関係について、何とか対処していただきたいなという事例を取り上げたいと思います。
資料の一枚目ですが、一番右上、お店が壊れました。そして、仮設店舗、今かなりこちらも造っていただいてきていますが、仮設店舗で今事業を再開しています。ただ、仮設店舗はそれほど大きくありません。
そして、冷蔵庫等も、以前あった規模のものだと入り切らないし、そこまで今は商売し切れないということで小規模なものを買い入れた。その中で、持続化補助金、正確には災害支援枠、こちらを使ってちっちゃなものを買って、そして後々なりわい補助金等でちゃんと従来のものを、原状復旧したところでちゃんとしたものを買い直したいという場合で、例えば、一千万の冷蔵庫、仮で、一千万円のものを、持続化補助金で買いました、そして後々なりわい補助金でお店を建て直したときにちゃんとした規模の冷蔵庫を買いたいというときに、持続化補助金から持続化補助金、これは今、持続化補助金は次で最後ということですからもう間に合わないと思いますが、例えば、持続化補助金で冷蔵庫を、百万円のものを買いました、その後になりわい補助金で、残りの九百万円の枠で一千万円のなりわい補助金を使えないかということですが、まずこちらから伺います。
○小森大臣政務官 ありがとうございます。
先ほど、今委員が配っていただいたイメージ図を拝見いたしました。
高市政権発足以来、十一月には赤澤大臣に随行いたしまして、そしてまた十二月には高市総理大臣とも随行いたしまして、仮設店舗も訪問させていただきました。
個別のケースにつきましては、ちょっと詳しい情報も必要でありますので、この場で確たることをお答えすることはできないんですけれども、一般論としてお答えをいたしますと、他の補助金の対象となった施設や設備については、また違う補助金の補助の対象とすることはできないというようなことでありまして、同一の経費に対して重複して補助するということは原則としてはできないというような考えでございます。
○近藤(和)委員 現状ではできないと。
それでは、百万円の冷蔵庫を持続化補助金で買いましたということを返納して、結果として一千万円のものをなりわい補助金でということはできるでしょうか。
○小森大臣政務官 御指摘の点でございますけれども、仮に補助額を事後的に返納したとした場合でございましても、このなりわいの補助金の対象というのは被災した施設設備の復旧ということであります。この持続化補助金の補助によりまして当該設備が既に復旧しているということでありますので、なりわい再建支援補助金の補助対象とすることは困難であろうというふうに考えております。
○近藤(和)委員 最初から駄目だと分かっていたら持続化補助金で冷蔵庫を買わなかったという話もありますし、いやいや、それでも、本当に全部失ってしまったから、やはり百万でも持続化補助金は当面欲しいという声もありましたので、何とか本当は柔軟に対応していただきたいなと思います。
この件については最後にいたしますけれども、それでは、持続化補助金の災害枠で冷蔵庫を百万円で買いましたという後で、この持続化補助金については通常枠がございますよね、こちらを、一番右下の、新たななりわい補助金で造ったお店のところの冷蔵庫で、通常枠で、プラスアルファでこちらを使うことはできるでしょうか。
○小森大臣政務官 小規模事業者持続化補助金の災害支援枠でありますけれども、こちらは被災した小規模事業者が事業を再建をするための取組に対して補助をするものでございます。一方で、通常枠でありますけれども、こちらは小規模事業者の販路開拓等の取組が対象となっております。両者はそれぞれ目的、そしてまた補助の対象が異なるものとして位置づけられております。
したがいまして、同じ方でありましても、一回事業再建のために災害支援枠を活用してその事業が完了した後に、新しい事業を行うために販路開拓を実施する取組ということを行うということであれば、この通常枠を活用するということはあり得るものでございます。
○近藤(和)委員 災害枠を使った後でも、何らかのハードルはあったにしても、通常枠が使えるということですね。マックス二百五十万だと聞いていますけれども、何とか柔軟に対応していただきたいと思いますし、そもそものところも一歩踏み込んでいただければなというふうに思います。
それでは、次に参ります。
なりわい補助金、こちらも今までの質疑でも度々出てきていたと思いますが、なりわい補助金の申請時から交付決定、発注時の大幅な価格上昇への対応が必要だと考えます。
具体的に申し上げれば、まず申請する前に見積りを取らなければいけません、見積りを取りました、そして申請をします、申請から交付決定、大体最短でも二か月ぐらいかかるというふうに聞いていますが、そこから発注。見積りのときには例えば三千万だったのが、発注する段階になって例えば四千万になっていた、一千万円プラスアルファで外枠になってしまうということが今現状で起きていると聞いていますが、この点についての対応を何とかしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 中東情勢の影響等による建築費高騰が進む中でも、能登半島地震などからの復興に向け、なりわい再建支援補助金による支援を着実に進める必要があると考えております。
そのため、石川県と連携をし、工事が完了をし、費用が確定してから交付申請を行うこともできる事前着手や、工程ごとに分割して交付申請する分割申請の活用、さらには交付決定直前での最新の見積りへの差し替えの推奨により、交付決定額が実際の工事費に近くなるよう対応しているところでございます。
また、交付決定後の建築費増額についても、石川県の要請に基づき、中東情勢等による建築費高騰を増額変更の対象とすることを認めることとし、今週から石川県が相談の受付を開始しております。
引き続き、能登半島地震等の被災地のなりわい再建支援に全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。
○近藤(和)委員 増額への対応をしていくということで、石川県も今週から動いていただいて、本当にありがとうございます。
それでは、次ですけれども、じゃ、変更が可能だ、対応が可能だというところで、その次の段階ですね。
交付決定しました、見積りの部分も変えました、発注をします、発注をして工事にかかりました、引渡しがあります、引渡しがあってから実績報告書というものを県に提出しなければいけない、県でそれを審査をする、現地確認をする、申請者へ額の確定通知が行く、そこからこの確定通知を持って事業者の方が補助金請求書を提出をする、そして補助金が来る。実際には、引渡しの段階で事業者が施工者にお金を払うということもあると思いますし、途中の段階もあると思いますが、いろいろな過程、工程があって、こちらも時間がかかると言われています。
今、大型の案件が残っていて、特になりわい補助金ですね、数千万、億単位のもの、特にこれからは旅館等が入ってきますけれども、たとえ、四分の三が交付決定されて必ず来るからということでつなぎ融資をもう受けている事業者の方もいらっしゃいますが、このつなぎ融資の部分だけでも、二年前、三年前の金利が低い状況だったら、つなぎ融資、数か月間はそんなに大した金額じゃない、でも、今、事業者によっては、二百万、三百万、つなぎ融資だけでも負担が増えている、そういうお話を聞いています。
実際には、四分の三の部分ではなくて、自己負担の四分の一については利子補給等をしていただいている部分もあると思いますが、四分の三の部分の、つなぎ融資の金利負担の部分も相当重いということで、こちらも何とか考えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 なりわい再建支援補助金における事業者負担分の借入れ、四分の三のところですね、貸付け後三年間は無利子となるよう、経済産業省が中小企業基盤整備機構を通じて利子補給を実施をしております。
資金繰りが厳しい事業者への支援として、支払い時期に合わせて、工事が完了した部分までの補助金の概算払いを認めることとしておりまして、支払いのための借入額を抑制できるように工夫していることから、立替え分への利子補給は残念ながら想定をしておりません。東日本大震災におけるグループ補助金等においても立替え分への利子補給は措置されていないと承知をしております。
さらに、本補助金においては工程ごとに分割して交付申請を行う分割申請を導入したほか、石川県では立替え分にも充当できる五年間無利子の制度融資を措置するなど、事業者の負担軽減に努めてきたところでございます。
引き続き、事業者の負担軽減に努めつつ、被災事業者の復旧を着実に支援していきたいと考えております。
○近藤(和)委員 今、東日本大震災のとき、そして、二年前、三年前、熊本地震のときも含めて、ずっとほぼゼロに近いような、張りついていた金利の世界とはがらりと変わった。価格上昇もそうですけれども、金利もかなり上がってきていますので、何とか事業者を助けるという観点でお力添えをいただきたいと思います。
それでは、次ですけれども、スナック、バー、そしてアパート、マンション等、こちらがなりわい補助金の対象になっていないということについての質問、何とかしていただきたいということについて質問いたしたいと思います。
資料の二を御覧ください。
こちら、皆様も見ていただければと思いますが、ちなみにこれは風営化法の許可、届出の対象となる事業者の一覧、業種の一覧です。
コロナのときには、下の段の性風俗関連特殊営業の部分は、持続化給付金はこの部分は出ませんでした。一番下の、深夜営業のところは出ました、一番下のところと一番上のところはコロナのときには持続化給付金がいただけたんですけれども、なりわい補助金に関しては、青色の部分、持続化給付金がいただけたところでも、丸がついているところはなりわい補助金の対象となっていますが、そうではないところは対象になっていないという状況です。
スナックやバー、これは法律で定義されているわけではないですけれども、風営法第二条第一項第一号の業種、一番上の段、こちらの例えばキャバレー等がなぜ対象にならないのか、何とかしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 経済産業省では、現場の実態をよく知る都道府県の意向を最大限尊重しつつ、関係省庁とも緊密に連携をして、被災地域が早期の復興を果たせるよう取り組んでいるところでございます。
なりわい再建支援補助金の補助対象業種についても、被災自治体における被災状況や復興の道筋を踏まえて検討することが重要と考えております。
本件については、実施主体である石川県とも相談をさせていただいたところ、補助制度を開始してから相当程度の期間がたったところで対象範囲の拡大という制度の根幹に関わる変更を行うと、公平性を欠くことにもなり、現場の混乱を招くという認識を石川県と共有するに至っているところでございます。
なお、スナック、バーを名のっていたとしても、風営法の許可が必要となる社交飲食店に該当しない事業者も数多く存在していると伺っており、こうした事業者は実は補助対象となるところであります。
そのため、本制度における対象範囲の変更は難しいものの、どのような場合にスナック、バーがなりわい再建支援補助金の補助対象となるかについて、今後ともより一層の周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
○近藤(和)委員 現場の混乱ということもあると思いますが、本当に、次のページでありますように、上段のところ、風営法許可、届出で、元々関係ないところは大丈夫ですよ、そして、届出、許可のところでも、補助対象外のところであれば、下のところ、前のページの深夜営業のところは大丈夫ですよ、そして、業務形態として、料理店は大丈夫ですよ、社交飲食店、接待を伴うところであったとしても、三ページ目の一番下の方ですけれども、接待を伴わないということで許可を取り消すということであればできますよということで、かなり柔軟に対応していただいたと思いますが、それでも、接待を伴うところはまだだということでございますし、例えば、二ページ目に戻っていただきますと、マージャン店、パチンコ店ですね、パチンコ店でもやはり駄目だった。駄目なんですよね、実際には。
パチンコ店もマージャン店も接待を伴うようなお店であっても地域経済の一員ですから、何とかこれは、現状では公平性ということで能登半島地震のときにはもしできないということになったとしても、未来の被災地のためにも何とかこの枠組みを取り外していただけるようにお力をかしていただきたい。先ほど石川県との相談をしながらということもありましたが、次なる被災地の方々の都道府県の方も、やはり地域経済を守っていくためには皆さんを守っていきたいというところは全く同じだと思いますので。石破総理も、去年の予算委員会で、スナック、バー、ラブホテル等、経産省におきまして適切に対応することになろうかと思いますという答弁もいただいていますので、全部申し上げるとちょっと時間がないのですけれども、何とか対応していただきたいなと思います。
そして、次に参りますが、最後です。
アパート、マンション、こちらは今でも復旧復興の足かせになっています。工事関係者の方々が七尾だとか羽咋、金沢からずっと通い続けて、そして、石川県としても、中小企業基盤整備機構等にお力添えをいただいて、能登空港のところですとか、幾つか宿泊所を造っています。そして、国交省、環境省始め、この工事関係者の宿泊所を造ることに対してのお金も上乗せして出していただいているということがございます。
このアパート、マンションは、そもそも地域経済の、経営している方にとってみればそれこそ商売、なりわいの一部でもございますし、こういった方々がなりわい補助金を使って自分のアパート、マンションを直して、そして工事関係者の方々に入ってもらう、若しくは、避難所から仮設住宅ではなくて、なりわい補助金で直したアパート、マンションに入る、その方も広いところで住めますし、被災をされたオーナーの方々にとっても商売が早期に再開するということにつながっていくんですね。
商品に対しては補助はしないということを今まで答弁としていただいています。そして、事業と生活再建は違うんだということも、そして主体は違うということも聞いているんですけれども、地域経済再生ということがなりわい補助金、グループ補助金の原点だったというふうに思います。
こちらについても、今更能登半島地震のところで何とかしてくださいということは私も難しい注文だと思っていますけれども、今後のために、今回は課題だったんじゃないか、何とかすべきだと私は考えるんですが、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 なりわい再建支援補助金は、大規模な災害により被災した中小・小規模事業者が、要件としては二つといいますか、事業に不可欠であることと、あと二つ目に、原則として自ら用いる施設設備の復旧を行う際にその費用を補助するものでございます。このため、賃貸目的の施設は原則補助対象としておりません。
ただし、中小・小規模事業者に事業用として貸し付けられていた施設であって、借主である中小・小規模事業者の皆様が復旧後も継続して事業を行う上で不可欠な場合には、借主である事業者を支援する観点から、例外的に補助対象としているところでございます。
引き続き、被災地域が早期の復興を果たせるよう、委員の本日の御指摘も踏まえながら、個別の事情を踏まえつつ、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 赤澤大臣は十分御承知の上で御答弁いただいていると思いますが、個別で対応していただけている部分、確かに改善していただいた部分はあるんですけれども、個別じゃ、結局は個別のままなんですよね。全体としてこれはルールとしてやっていくんだということでも何とか一歩踏み出していただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、阿部司君。
○阿部(司)委員 日本維新の会、阿部司です。本日もよろしくお願いいたします。
まず、決済代行業者の破綻に伴う加盟店保護についてお伺いをしてまいりたいと思います。
七月六日、クレジットカード売上げの早期決済代行サービスを手がける株式会社全東信が大阪地裁より破産手続開始決定を受けました。負債総額は約千二百五十九億円と、決済代行業界として過去最大規模の破綻であります。同社の早期決済サービスは、中小零細の飲食店の皆さんにとって、日々の資金繰りを支える基盤でありました。突然の入金停止で多数の加盟店が売上代金を失って、連鎖倒産の危機に直面しかねない状況であります。
政府が直ちにセーフティーネット貸付け、保証等の資金繰り支援を打ち出したことは本当によかったと敬意を表したいと思いますけれども、あわせて、なぜ防げなかったのかという検証が必須であると思います。
そこで、お伺いいたします。
同種の業務形態を取る決済代行事業者はほかにも存在するのか、それらの財務健全性について、政府として業界横断的に実態を把握されているのか、不十分であるならば速やかに実態調査に着手すべきと考えますけれども、御見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 全東信と同種の業務形態を取る決済代行業者がほかにも存在すると承知をしております。
その上で、割賦販売法では、クレジットカードの利用者に与信を行うことから、カード会社に対して財務基盤や業務運営体制を要件とした登録制が設けられています。
これに対して、今般の全東信のような決済代行業者は、カード会社から加盟店に支払われる立替金を代理で受領するということを前提に、金融機関から融資を受けた上で個々の加盟店に先んじて支払う事業を行っているということです。結論から申し上げると、消費者に対する与信は行っていないことから、割賦販売法において財務状況を監督する対象となっておらず、財務健全性の状況等についても把握をしておりません。
ただ、今回のような事案を踏まえ、委員の御指摘も踏まえ、クレジットカード決済に関わる決済代行業者の実態について把握をするべく、関係省庁とも連携し、調査を行う方向で検討しております。
○阿部(司)委員 大臣、ありがとうございます。しっかり把握をしていただけるとのこと、うれしく思います。
その上で、その実態把握と並行しまして、加盟店への手当てというのも大事になってくるかと思います。
キャッシュレス決済比率の上昇に伴って、多くの中小事業者が決済代行事業者を通じて売上代金を受け取っております。しかし、契約の段階で相手方の財務健全性ですとか破綻リスクを判断するための情報が必ずしも十分でない。今回のように帳簿上は黒字を装っていた場合、加盟店がリスクを見抜くことは困難だと思います。
加盟店側のリスク認識も総じて低いというのが実情でありますけれども、そこでお伺いをしたいんですが、中小事業者が決済代行事業者を選択する際の留意点ですとか、あとは契約時に確認すべき事項、これらについて、経産省として、加盟店に向けた情報発信、こちらを強化すべきではないかと思いますけれども、御見解をお伺いいたします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、キャッシュレス決済の普及に伴いまして、中小・小規模事業者が主として利用する決済代行業者が提供するサービス、これは拡大しているものと認識しております。
今、赤澤大臣御答弁ありましたとおり、経産省といたしましては、クレジットカード決済に関わる決済代行業者の実態について把握すべく、関係省庁とも連携し、調査を行う方向で検討しております。
今後調査を行う場合には、その結果等を踏まえまして、決済代行業者と契約する加盟店に対してどのような情報提供等が求められるかについても検討し、業界団体とも必要に応じて連携しながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
何をどう伝えていくかというのは難しい部分はあると思うんですけれども、カード会社を通じた要請など、できることをやっていただきたいと思います。
さて、ここまで、実態把握そして情報発信の検討をしていただきたいとお伺いをしてまいりましたけれども、そもそも今回のような事態を防ぐ枠組みが現行法上どうなっているのか、確認をさせていただきたいと思います。
割賦販売法上、決済代行事業者に対する規律というのは、クレジット番号等の適切な管理、そして加盟店調査を中心としたものであります。他方で、事業者の財務健全性、そして、加盟店から預かる立替金の分別管理ですとか、事業者破綻時に加盟店を保護するための供託義務といった事項については直接規定されていないと承知をしておりますけれども、この認識でよろしいでしょうか。
○井上政府参考人 御指摘のとおりでございます。
○阿部(司)委員 現行法上、今の御答弁でそうした直接の規定がないことが確認できました。つまり、今回の破綻というのが、一企業の不正にとどまらずに、法制度上の空白の中で起きた事案であると思います。
ここからは政務官に、小森政務官、本日お越しいただいていますけれども、お伺いしますが、決済代行事業、今や我が国のキャッシュレス社会を支える基幹インフラの一角を担っていると思います。しかし、現行の割賦販売法上の規律は、その社会的機能に見合う水準とはちょっと言い難い、そして、事業者の破綻が中小事業者の資金繰りを直撃する事態を防ぐ仕組みというのが整備されていない状態であります。
加盟店から預かる立替金の分別管理義務ですとか供託義務、事業者の財務健全性報告制度の導入などを含め、割賦販売法の仕組みを抜本的に見直す時期が来ていると思うんですけれども、産業構造審議会割賦販売小委員会での議論の着手なども含め、政務官の御見解をお伺いいたします。
○小森大臣政務官 委員御指摘のとおり、このサービスというのが拡大してきているという状況にあるわけでございまして、今回の事案を踏まえまして、先ほど来答弁がございましたように、決済代行事業者の実施について把握すべく、関係省庁とも連携して調査を行う方向で検討しているところでございます。
その上で、先ほど大臣からも答弁があったところでありますけれども、消費者に対する与信を行っていないということで、現行法におきましては、財務状況等を監督する対象にはなっていないという状況でございます。
仮に、決済代行業者に対して加盟店への未払いを予防するための規制を導入した場合には、例えば、加盟店手数料の引上げ、あるいは支払いサイクルの長期化、こうしたことによる資金繰りへの支障等が生じるおそれもあるというふうに考えておりまして、現時点におきましては、監督の強化に関しては慎重に検討すべきだと考えております。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。しっかり実態把握も含めて御検討いただけるとのことでありました。
規制のコストが加盟店に直接跳ね返ってしまうリスクもあるという御指摘も理解はいたしますが、あえて申し上げますが、政府による事後的な資金繰り支援というのは必要な対応なんですが、やはり、事後の救済に頼る前に事前に最低限の規律を整えておくこと、これが、ひいては社会全体のコストというのも小さくなってくると思いますので、その基幹インフラに見合った規律というものが必要になってくると思いますので、しっかり真っ正面から向き合っていただければと思います。
その上で、法制度の見直しというのは時間がかかりますので、当面の対応についてお伺いをしてまいりたいと思います。
割賦販売法上、決済代行事業者について、認定割賦販売協会である日本クレジット協会への加入というのが義務化されておりませんで、同協会の自主規制の対象も、セキュリティー対策ですとか加盟店調査が中心で、財務健全性や加盟店保護の観点は含まれていないと承知をしております。
法改正を待たずともできることとしまして、業界全体への同協会加入の促進、そして、自主規制の対象を財務健全性ですとか加盟店保護にまで拡充していくこと、これを経産省として同協会と連携して進めていくことは有効な手段と考えておるんですけれども、政務官の御意見をお伺いします。
○小森大臣政務官 クレジット取引の健全な発展、そして利用者等の利益保護を図る観点からは、今お話もありました、法に基づいて認定されております日本クレジット協会との連携による取組は有効な手段であろうというふうに認識をしております。
このため、先ほど申し上げた調査を行う場合には、その結果を踏まえまして、クレジット協会への決済代行業者の加入促進を含めて、決済代行業者への必要な対応について検討して、同協会と連携して取り組んでまいりたいと思っております。
○阿部(司)委員 ありがとうございました。
業界団体との連携というのは法改正を待たず行える非常に有効な手段だと思いますので、実態把握と併せまして、両輪で速やかに進めていただけるようにお願いを申し上げます。
資金繰りを、しっかり中小事業者の皆さんのこれを守っていくことというのは、キャッシュレス社会の信頼を守っていくことにもつながると思いますので、よろしくお願いします。
続きまして、生成AIとコンテンツ産業についてお伺いをしてまいりたいと思います。
生成AI技術の進展に伴って、その利活用と、あと、知的財産の在り方、規制をめぐる議論というのが活発化しておりまして、検討が進んでいると承知をしておりますが、ここに忘れてはならない視点としまして、我が国のコンテンツ産業の世界的競争力というのは、プロのクリエーターだけではなくて、同人誌ですとかファンアートですとか、あとはパロディーといった二次創作文化、また、コミックマーケットに象徴されるアマチュア、セミプロの極めて分厚い創作層がこの土台にあると思っていまして、プロの多くの皆さんもここで腕を磨いて世に出てきたというふうに承知をしております。
まさにこれは次世代のクリエーターの育成基盤だと思っておるんですが、この規制の線引きを誤ると、寛容に育まれてきた二次利用の創作文化、二次創作文化まで萎縮させて、我が国の強みというのを、根を絶ちかねないというふうにも思っております。
なので、政府の知財政策の司令塔である知的財産戦略推進事務局にお伺いしますが、生成AIをめぐる知的財産の制度、プリンシプルコードの検討に当たって、プロクリエーターだけではなくて、それを支える広範な創作層への影響ですとか、コンテンツ産業のエコシステム全体への影響について、政府としてどのような調査、分析を行っているのか、お伺いをいたします。
○中原政府参考人 お答え申し上げます。
現在、御指摘のありましたプリンシプルコードの点におきましては、私どもの方におきまして、生成AI技術の進歩の促進と、それから、知的財産権の適切な保護、権利者そして利用者にとって安心、安全な利用環境を確保するということを目的とすることを旨としまして、制定に向けた取組を進めているところでございます。
そして、それに合わせて、クリエーター等への対価還元に向けた環境構築も促進することとしております。
そして、このプリンシプルコードの策定作業におきましては、パブリックコメント等を通じまして委員御指摘のような多様なクリエーターの皆さんの御要望も伺うこととしておりまして、こうしたクリエーターの皆様の権利の保護とともに、独自に創作したというような立場をどのようにして守っていくのかというようなことの両方に焦点を当てながら、関係層のコンセンサスを得るべく、私どもも成案の策定に向けて取組を進めているというところでございます。
○阿部(司)委員 是非、アマチュアですとかセミプロの皆さんのことも考えた調査、分析をお願いを申し上げたいと思います。
そして最後に、大臣、お伺いをします。
ともすれば、生成AIをめぐる法制度というのが権利者保護の観点でのみ設計されがちですけれども、グレーゾーンの中で寛容に許容されてきた創作文化まで取締りの対象となりかねない、そうすると、次世代の担い手というのが生まれてこなくなってきてしまう。なので、これは著作権法の問題であると同時に産業政策の問題でもあると思います。
コンテンツ産業を所管する経済産業省こそ、権利保護一辺倒ではなくて、エコシステム全体を守る観点から声を上げていただきたいと思っております。次世代クリエーターの育成基盤を守るための声を関係省庁の議論の中に明示的に反映させていくべきと考えますが、大臣、御見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 委員がおっしゃるエコシステム、非常に大事だと思います。次世代のプロクリエーターの育成という視点をしっかり取り入れてエコシステムを構成あるいは構築をしていく、あるいは今あるエコシステムを毀損しないようにする、非常に大事だと思います。
我が国のコンテンツ産業の競争力は、二次創作といった草の根的な活動によって支えられてきた実態もまさにあるだろうと認識をしております。
このため、生成AIの進展を踏まえた知的財産法制度を考える上では、こうした二次創作活動が我が国におけるコンテンツ産業の競争力強化に対して果たす役割を適切に踏まえることが重要であると考えております。
経済産業省としては、クリエーターを含む産業界の実態を把握するとともに、関係省庁と情報を共有するなど連携を図ってまいりたいと考えます。
○阿部(司)委員 終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、丹野みどり君。
○丹野委員 国民民主党、丹野みどりでございます。よろしくお願いいたします。
今日は、中堅・中小企業に対する支援について教えてほしいと思います。現状に関する質問と提言を行ってまいります。
まずは、適正な取引についてでございます。
取適法、関連法の改正、昨年行われました。労働の価値というものがしっかりと認めることができる、そういう社会を構築していく、これは本当に前進でございますし、その取組を進めていくことは大賛成でございます。違反している企業は大企業であっても忖度なく実名で公表する、そういうことをもってしても健全な経済社会、産業力をつくっていくんだという意気込みも感じます。日頃、公正取引委員会の皆様始め、本当に関係者の皆様、ありがとうございます。
ただ、これはいい流れではありますけれども、現場の実情、とりわけ取引の多段階、階層が奥深くに行けば行くほど、やはりその実現度は低いということがありまして、この実効性の担保を奥深くに行った取引においてもどうしみ渡らせるかというのが大きな課題だと思っております。
公正取引委員会と中小企業庁の令和七年五月の調査によりますと、これは「下請法・下請振興法改正法の概要」ということでございまして、価格交渉促進月間である二〇二四年九月の段階の調査結果になります。これに基づきますと、やはり四次請けに進んでいくほど比例して転嫁率が低いというデータが出ておりました。これは当然、改正前でございますから、この後、法改正が行われたわけですね。法改正が実施されて、その後また調査もあったと思うんですけれども。
では、最初の質問です。
最新の調査におきまして、受注側企業の取引段階と価格の転嫁率、これを調べた結果、どうなっていたのか、教えてください。
○山本政府参考人 お答えいたします。
中小企業庁が先月二十六日に公表いたしました中小企業三十万社に対する二〇二六年三月の調査によりますと、一次請けの企業の転嫁率は五五・二%であるのに対し、四次請け以上の企業は四五・五%と、受注側企業の取引段階が深くなるにつれて価格転嫁率が低くなる傾向は引き続き見られております。
一方で、今言及いただきました二〇二四年九月と最新の二〇二六年三月の調査結果を比較いたしますと、いずれの取引段階におきましても、転嫁率は上昇傾向にあります。例えば、四次請け以上の企業の転嫁率は四〇・二%から五・三ポイント上昇しておりますし、また、四次請け以上の企業と一次請け企業の転嫁率の差でありますけれども、一三・四%から九・七%と、三・七ポイント縮小ということになってございます。
取引段階の深い層まで価格転嫁が浸透いたしますよう、引き続き粘り強く取り組んでまいる所存でございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今のデータは本当に前進しているなと思います。確かに、四次請け以上、これが四五ということで上がっていますし、差も縮まっています。ですから、本当に前進はしているなという感じなんですが、ただ、取引段階が深くなるにつれて、やはり転嫁がまだまだ進んでいないという現状もまだ残っています。
これは時間の経過でこのように上がってきたわけですから、関係省庁としては、今回の法改正だけをもってして、時がたっていけば自然にこれは改善されていくとお考えなのか。いやいや、これは、時間がたっても、その間にも潰れていく企業も当然ありますし、時間との勝負ということもありますので、もっと早く改善すべき方策がありましたら教えてください。
○向井政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、価格転嫁及び取引適正化を更に進めていくために、本年一月に施行された取適法では、新たに、協議に応じない一方的な代金決定を禁止する規定などが盛り込まれたところでございます。
公正取引委員会では、毎年、価格転嫁の状況等に関する特別調査を実施してきているところでございまして、この調査の結果によれば、価格交渉の状況について一定の進展が見られる状況にはあるわけですが、御指摘のとおり、サプライチェーンの深い層になるほど価格転嫁が進んでいない状況が残念ながらうかがわれるということでございまして、価格転嫁の状況につきましては道半ばという形で認識しております。
そのため、取適法の対象外の取引を含めたサプライチェーン全体での取引適正、転嫁のための環境整備や支払い条件の適正化等の更なる対応のため、先月、独占禁止法上の特殊指定の新設や、優越的地位の濫用に関するガイドラインの改正を行ったところでございます。これらのルールが実効的なものになりますように、引き続き周知徹底を図っていきたいと考えてございます。
さらに、公正取引委員会は本年度も、価格転嫁状況の調査に基づきまして、調査をしてございますので、問題がある事業者がございますと、注意喚起文書を送付するなどの対応を取っていきたいと考えてございます。
その上で、やはり違反行為を摘発いたしまして世の中に明らかにするということが重要でございますので、引き続き、いろいろな情報を集めまして、それに基づきまして積極的な法運用に努めていきたいと考えてございます。
○丹野委員 今回の私の課題感は、やはり奥深くに行くところをどうするかという、ここの支援なんですよね。
いろいろお話を伺ってまいりますと、新しくなった今回の法律がこう変わりましたよみたいな周知の研修とか勉強会、そういったものは例えば商工会議所であったりとかそういうところで行われているので、それ自体はいいんですけれども、これは誰に、どこに、どうしっかり伝えるかというのをセットにしないと、この勉強会や研修会や周知においてもやはり実効性が担保されないと思っているんですね。
中小零細企業同士とか三次、四次と奥深くに行くと、そもそも先輩とか前任者から引き継いで営業としてやっているので、悪気がないというか、双方悪意がないというか、これが当たり前として引き継いでいる業務という感覚も結構ありまして、こうした、悪意がないんだけれども当たり前に繰り返されている商習慣、これこそ実は根が深いかなと思っているんですね。なので、悪意がないんだけれども当たり前と思い込んでしまっている、こういう方々へのしっかりした周知徹底、落とし込みというのが非常に重要かなと思っております。
そこで、質問です。
このティアの深い階層、奥深くの現場担当の方にしっかりと下ろしていく、これは、当然、国や地方自治体、受託中小企業振興協会とか商工会議所、関係者が一体となって取り組んでいくべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
取適法の実効性を高めるためには、委員御指摘のとおり、取引段階の深い階層のまさに現場担当者までしっかりと浸透させていくことが重要と考えております。
そうした問題意識に基づきまして、本年六月には、受託中小企業振興法、いわゆる振興法でありますけれども、振興法に基づく振興基準を改正し、適切な価格転嫁、取引適正化に取り組んだ調達部門等の担当者が正当に評価される人事評価制度の整備に努める旨を新たに規定いたしたところでございます。
この振興基準の遵守につきましては、十万を超える企業が代表者名で宣言しているパートナーシップ構築宣言や、約百団体が策定しております自主行動計画に盛り込まれているところでございます。
こうした点を含め、様々な層への広報といたしまして、全国四十七都道府県での説明会、事業所管省庁と連携した業界向け説明会、商工会議所などの中小企業団体を通じた説明会、価格交渉講習会やセミナーの開催、取引かけこみ寺での御相談の対応といった様々な機会を通じまして、取引段階の深い階層の現場の担当者の方にも価格転嫁、取引適正化について御理解いただけるよう、引き続き取り組んでまいる所存でございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今、お話で、振興法のお話がありましたけれども、この振興法の中に、委託事業者と受託中小企業者が計画を協力して作りましょう、協力して、いろいろな先々を見越した協力した計画を作成したものが認められたら、日本政策金融公庫による低利融資を受けることができる、そういう内容だったかなと思うわけですね。
この協力して計画を作ろうというのは、動き自体はこれも前進だと思っておりまして、とてもいいと思うんですけれども、先ほどから申し上げておりますように、やはり、取引段階の深くになるほど転嫁しにくいという現状を鑑みると、計画を作ることはもちろんいいんだけれども、そのサプライチェーンの上にある委託事業者が、直接自分と取引がある会社だけではなくて、その先、その先、先々の取引先まで含めた価格転嫁を行いやすくすることが重要だと思っておりまして、当然その一環として今回の計画があるわけですけれども、その計画を作るときに、促すような計画を作るだけではなくて、もうちょっと踏み込んで、その計画を作る際に、先々までしっかり話を聞いて、把握をして、数値まで分かってみたいなこともすると、よりその計画が実効性を持つよなと思うわけです。
ところが、これは難しい面がありまして、事業者側からは、直接の取引先はいいんだけれども、自分が取引をしていない更に先とかその先の人とコミュニケーションを取ること自体がいけないよとか、いろいろ把握して聞くと独占禁止法の優越的地位の濫用に当たる、そういうおそれがあって萎縮してしまうとか、聞いちゃいけないんじゃないかとか、そういうおそれもあると。
公正取引委員会では、独禁法のよくある質問コーナーというところに、こういったことに関してのQアンドAを追加されております。あるんですけれども、しかし、これは、一般的であったり抽象的な回答があっただけでして、実際にどういった場面であれば問題とはならないのかということを、なかなかこれを見ただけでは判断が難しいんですね。なので、事業者が行動変容する、しっかり聞いて把握するというところにはなかなか結びついておりません。
こういった、ちょっとやっちゃ駄目なんじゃないかみたいな不安はありながら、抱えている現場において、多段階取引はある、だけれども、法を犯しては駄目だしという、こういうところの課題を抱えながら、奥深くの価格転嫁を進めていくために、例えば公正取引委員会において事例を追加するとか、より具体的な解釈をお示しいただけるとありがたいです。
○向井政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、公正取引委員会のウェブサイトでは、独占禁止法のよくある質問コーナー、その中にQアンドAを設けているわけでございまして、今御懸念の点につきまして、考え方を明らかにしているところでございます。
さらには、いわゆる労務費転嫁指針というものがございまして、この中には、発注者として取るべき行動、求められる行動というものをまとめておりますが、その中の四といたしまして、直接の取引先やその先の取引先を含めた、適切な価格転嫁による適切な価格設定をサプライチェーン全体で定着させる必要性について明記をしているところでございます。
そして、この指針につきましては、本年の一月から改正をしてございますが、その中には、グッドプラクティスという形で、具体的な好事例というものを追加をしているところでございます。具体的に申し上げますと、受注者と共存共栄を図るため、二次受注者やその先の受注者の存在を意識した価格交渉を行っており、一次受注者に対して、二次受注者やその先の受注者のコスト上昇分を含めた価格要請をするよう声がけをしておると。そのほか、受注者に工事全体の施工状況を確認できる資料を提出してもらい、受注者の取引先を業務ごとに把握している、さらに、受注者からその取引先への価格転嫁の状況についても確認しておりまして、サプライチェーン全体で価格転嫁がなされるように配慮しておるというような好事例を追加をしたというところでございます。
公正取引委員会といたしましては、この指針等が実効的なものになりますように、引き続き周知広報に努めてまいりたいと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今の好事例は本当にいいなと思います。こういう事例を見ると、知ると、やはり、先々のことをしっかり知っても、それは、さっきお言葉がありましたが、共存共栄のためであって、その知ることによって何か悪用しようとか、遡って買いたたこうとか、そういう悪意があるんだったら当然独禁法に違反するけれども、こういう先々のことも考えて把握して、ちゃんと共存共栄するためなんだという意思があれば、それは例外的に、ちゃんといいことなのであるという事例を示していただいているということですから、これは周知を徹底をしていきたいなと思っております。ありがとうございます。
続いて、補助金制度について教えてください。
以前、この委員会でも、補助金制度の申請における、とにかく複雑なので簡便化してほしいという話を取り上げました。地元に帰ると、本当に補助金にまつわるお声というのがとても多いので、今回も取り上げたいと思います。
今日は、まずは、その補助金の中身についてから伺っていきたいと思います。
現在、中小企業に対する国の補助金は一体幾つあるのでしょうか。また、その中で、既存の設備の更新、すなわちその老朽化対策ですね、老朽化対策に対する補助金というのはあるんでしょうか。例えば、DXするとか省力化する、そういう補助金を、その解釈を変えて使えますよ、そういうものではなくて、既にある設備の老朽化対策、更新に直結するような補助金というのはあるのか、教えてください。
○山本政府参考人 お答えいたします。
中小企業向けの補助金は、物価高の影響など苦しい状況にありましても一歩を踏み出し、本気で強い中小企業を目指して挑戦する経営者を応援するという考え方の下で整備をしてございます。例えば、現状維持ではなく、新たな分野への進出を後押しする新事業・ものづくり補助金、人手不足を乗り越え、賃上げと成長の実現を後押しする省力化投資補助金、大学、公設試等と連携した中小企業の研究開発や試作品開発等を支援するゴーテック事業など、成長投資、生産性向上を進める目的で八つの補助金を措置しているところでございます。
これらの補助金は、お尋ねの老朽化した既存設備の更新自体を支援するものではございませんけれども、価格転嫁、取引適正化の徹底や、生産性向上支援センターを通じた収益力の強化といったソフト面での支援、また金融支援など、様々な施策を通じ、中小企業の経営力を高めることで、老朽化した設備の更なる活用や、またその更新にも対応できるようにしていくことが重要であると考えてございます。
こうした方策を通じまして、引き続き、現状維持ではなく、変化に挑む企業や人が報われる形に軸足を移し、筋肉質な強い中小企業への支援を行ってまいりたいと存じます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今の中で、やはり何か新しく始めるというときの補助金はある、DXとか、AI活用とか、イノベーションを生むための新しいものをやるという補助金はあるんだけれども、そして、それを充実していくことはすばらしいと思うんですけれども、一方で、現実は、やはり既存の設備が老朽化していて、それが不具合を起こして止まってしまう、その保守をする人もなかなかいないので、そういう不具合が起きるたびに一旦その工程を止めて、現場の方が見に行って直して、それで復旧に当たるみたいな、だから、とても、極めて非効率な仕事をされているということになります。
今、直接的なものはやはりないということでございましたけれども、こうしたことからも、既存ラインの設備の老朽化に対する直接的な補助金もやはり必要と思っておりますし、こういった検討も是非してほしいと思っておりますし、その補助金ができるまでにおいても対策とか支援をどう考えているのか、もう一度教えてください。
○山本政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員が例として挙げていただいたようなケースにつきましては、老朽設備の更新自体を支援するものではございませんけれども、例えば、省力化に対する支援ということで、生産プロセスの改善など抜本的な省力化を図る場合におきましては支援の対象となり得るものということで認識しております。
先ほどのお答えの繰り返しにはなりますけれども、様々なハード面での補助金、またソフト面での支援を通じて、これらの組合せにもよりまして、老朽設備の更なる活用や、またその更新にも対応していくということが有効であると存じます。
いずれにしても、経済産業省といたしましては、現状維持ではなく、本気で強い中小企業を目指して挑戦する経営者を全力で応援してまいる所存でございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
続いて、数字をちょっと御紹介します。
尼崎信用金庫さんのあましんビジネス情報誌「TeToTe」というところの特別調査なんですが、二〇二五年五月十四日から六月四日に行われました。これは、中小企業向けの補助金ですとか助成金の活用状況について千五百七十二社にアンケートを行って、有効回答は四百八社だったそうです。
ちょっとこの答えを見ていきたいんですけれども、まず、これまでに補助金や助成金を活用したことがありますかという質問に対して、二四・五%が一度も活用したことがないと答えています。まず、この数字を押さえます。
続いて、同じ問いに対して、過去に複数回活用したことがあると答えた割合が五三・四%なんです。五三・四%も複数回利用しているのか、多いなと思うんですが、あっ、そういうことかと思うのが次の数字でございます。複数回活用した会社は今の五三%であるんですけれども、一度だけ活用しましたというのは一四・五%。すなわち、補助金申請に慣れている会社は何度も何度も繰り返して活用しているんだけれども、たった一度きりだったり、かつて一回も利用したことがないという会社がいかに多いかということが分かるわけですね。
アンケートによって、次の質問があるんですけれども、補助金や助成金を活用する際にどのような課題を感じますかという質問に対して、最も多い五八・六%、六割近くが、とにかく申請手続の負担が大きいと答えています。これは、この間の話もありましたね。二番目の理由として、自分の会社にどれが合っているか分からないという答えもありますし、ほかに並んでいるものは、とにかく補助金とかに関する情報が少ないとか、受給した後の報告も大変煩雑であるというお答えも多いです。
これは、アンケートをいろいろまとめていきますと、補助金申請、本当に慣れている企業は何回でも何回でも活用している、だけれども、そうではない会社は一回きり若しくは一度も活用していないという現状が非常に多いわけですね。その理由は、やはり申請の手続がとても煩雑であるということ、これに尽きます。
当然、我々の大切な税金を投入するわけですね。その公的な支援である以上、不正を防ぐという意味においては、やはり難しくなっていくということは非常に理解できます。ただ、その結果、本当に必要な人に申請が行かないというのは、詳しい人を雇えるとか、担当できる部署があるとか、慣れている会社とか、そういうところばかりに偏ってしまって、本当に必要な方にこの支援、補助金が届かないということになっている状況は、とても本末転倒と思います。
目の前の稼働で精いっぱいの経営者が、申請なんてできないと思うんですね。こういう状況に困るので、じゃ、コンサルタント、プロを雇おうということになると、これは笑い話みたいなんですけれども、コンサル料が百万円だ、補助金は百二十万円だった、もう本当に残り僅かだったみたいな、そういう話もあるんです。なので、とにかく手続を簡素化してほしいです。先ほどのアンケートに戻りますけれども、どういったサポートが必要かということに関して、やはり簡素化が一番です。
よく、簡素化してほしいというお声の中に、国の申請というのが県に比べるととても複雑で多くて大変だというお声も非常に聞くんです。これはちょっと教えてほしいんですけれども、実際に、県と比べた場合に、国が求める事務手続における書類の数ですとか項目、こういったものが一体幾つあるのか、本当に多いのかというのを教えてください。
○山本政府参考人 お答えいたします。
補助金につきましては、委員からも言及がございましたけれども、国民の皆様の納める税金で措置するものである以上、適切な審査を通じ、賃上げを始め付加価値が大きく、地域への波及効果が高い案件を採択することが求められておりまして、そのバランスが重要であると考えるところでございます。
お尋ねの県の補助金につきましては、これらを網羅的に把握するものではございませんけれども、例えば経営力強化に係る補助金を比較したところ、例えば経営戦略、市場分析、資金計画など、基本的には国の求める項目と同様の内容を県の方でも求められているものと認識をしてございます。
しかしながら、委員御指摘のとおり、多忙な中小企業経営者の御負担を減らすため、補助金申請に係る手続や書類を簡素化していくことは重要な視点でございますので、必要にして十分なものになるよう、引き続き努めてまいる所存でございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
ちょっと時間が少なくなってきましたので、質問の八番と九番をちょっと飛ばしまして十番の方に行きたいと思います。
とにかく、今お答えもありましたけれども、この手続を簡素化してほしい、これが一番の理由でございます。情報提供もしてほしい、サポートをしてほしいということなんですよね。
私も、地元に帰ったときに、ある中小零細企業の方からお話を伺いました。もう本当に、五人、十人でやっている会社なので、申請はしたいんだけれどもなかなかできない、なんだけれども、この間、めちゃくちゃ頑張って申請をしたそうです。ところが、受けたんだけれども、その後、六年間かな、事後報告というか、それをしなくちゃいけなくて、また、その報告をする書類がめちゃくちゃ難しくて、とても私は書けないレベルでしたみたいなお声もありました。なので、申請するときも難しいし、受け取った後もやはり報告がとても難しいということもお声としてあります。
最後に、大臣にちょっとお答えいただきたいんですけれども、今いろいろお話しいただきました。当然、手続を簡素化することもしていきたい、相談所もあります、情報提供もしていきます、様々な取組をしていただいてはいるんですけれども、現場の声がこうだということは、やはりこれは全く現場には届いていない、つながっていないというあかしだと思っています。
これは、私はナフサのときと同じと思っていて、やはりどこで目詰まりをしているのかとか、何が原因なのかとか、こんなにメニューがいっぱいあるのに現場には全然届いていないとか、同じ状況と思っておりまして、これは是非大臣として旗を振っていただいて、この状況を改善してほしいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 中小企業向け補助金は、苦しい状況にあっても一歩を踏み出し、本気で強い中小企業を目指す経営者の皆様を支援するものであり、使い勝手を向上するため、これまで最大限の簡素化、効率化に努めてまいりました。
一方で、補助金は国民の皆様の税金が原資である以上、適切な審査を通じて不正を防止するとともに、賃上げを含め、政策効果が高いものを支援することも重要と考えます。
このため、経営状況や事業性を評価する上で必要となる書類やデータは着実に御提出いただく必要がございますが、引き続き、全国のよろず支援拠点や商工会、商工会議所、地域金融機関と連携をし、申請に係る御負担を減らせるよう努めてまいりたいと思います。
また、中小企業向けの補助金について、特段の情報の目詰まりが生じているという認識は現時点においてございませんが、引き続き、中小企業基盤整備機構とも連携しながら、きめ細やかに目くばせをしてまいりたいと思います。
もし具体的な目詰まりの事例等があれば、是非共有いただければ真摯に対応させていただきます。
○丹野委員 ありがとうございます。
最後に心強いお言葉をありがとうございます。
では、最後に、ちょっと駆け足になりますけれども、人材について伺ってまいります。
文部科学省の令和七年度の学校基本調査によりますと、工業高校の生徒の数が、二〇〇五年に比べて、二十年前と比べて、二〇二五年の段階で六五・四%に減っているんですね。政府は半導体とかGXとかAXを進めておりますけれども、その現場を支えていく工業高校の生徒がこのように減っているわけです。こういった現状を政府としてどういった認識をして、そして、この上で、工業高校の魅力を向上していく、それから設備を更新していく、産業界と連携していく、これにどういうふうに取り組んでいくのか、教えてください。
○今井政府参考人 お答え申し上げます。
工業高校は、我が国の物づくり産業を担う人材を育成するとともに、地域社会や経済を支える重要な役割を果たしていただいておりますが、委員御指摘のとおり、近年、工業高校の生徒数の大幅な減少に加えまして、経済産業省よりお示しをいただいております二〇四〇年の就業構造推計におきましては、今後、工業科の高卒人材不足といった需給ギャップが生じる可能性が指摘されていることは大変大きな課題であると認識をしております。
このため、文部科学省では、本年二月に公表した高校教育改革のグランドデザインにおきまして、工業高校を始めとする専門高校の機能強化、高度化を重要施策の柱の一つに位置づけますとともに、昨年末の補正予算で各都道府県に創設をしていただきました高校教育改革促進基金を通じ、工業高校等を対象に、地元産業界とも連携、協働しながら教育内容を刷新、開発するなど、先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出に向けた取組を現在進めさせていただいているところであります。
また、今年度からは、地方債の一つとして新たに創設されました高等学校教育改革等推進事業債がございます。これにつきましては、工業高校など専門高校の機能強化、高度化に資する施設設備の整備等への活用が期待されているところでもございます。
文部科学省といたしましては、今後も、工業高校を始めとする専門高校が社会からより高く評価され、選ばれる存在となるよう、経済産業省など関係省庁とも緊密に連携をさせていただきながら、引き続き様々な支援に取り組んでまいりたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。
このテーマに関連して、私は、ものづくり基盤技術振興基本法、これを見直すことを提案したいと思います。
もちろん、我が国では、半導体とかAIとかGXなどへの投資が進められておりますけれども、それの人材不足というのが、今ずっとお話ししてきたように不足している。現行のものづくり基盤技術振興基本法というのが、やはり制定されてから二十年以上たっているわけですね。ですので、この法律の当初は、今のようなAIとかデータセンターとか量子技術というのは当然想定されておりません。
なので、政府として、現代の産業構造の変化を踏まえて、この物づくりの概念ですとか人材育成の在り方、こういったものを見直していくお考えはあるかどうか、お願いします。
○伊吹政府参考人 お答え申し上げます。
委員から御指摘があったとおり、ものづくり基盤技術振興基本法、二つ目的がありまして、一つは技術の振興、もう一つは人材の育成ということでございます。これも委員から御指摘がありましたとおり、製造業、AI等デジタル技術が発展しているので、その産業構造は大きく変わっているので、それを踏まえた人材育成をしなきゃいけないというのはそのとおりだと思います。
ものづくり基盤技術というのは、特に何かこれは駄目ということが定義されているわけではありませんので、経産省としては、例えば半導体とかAIについては、半導体であれば高度設計人材、それからAIであればAI開発人材の育成というのにしっかり取り組んでおりますので、引き続き、産業構造が変わっていく中でも、必要な人材育成というのはしっかり取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時五十七分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 最後の質問になるかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。
国民民主党の鈴木義弘です。
今日、前任の方も中東の関係の話があったと思うんですが、何回かこの委員会でも質問に立たせてもらったんですけれども、また何かきな臭くなってきたなというのが正直な話なんですね。
それで、原油の放出だとか、ナフサの調達、シンナー製造業者から直接の販売ルートの確立、民間備蓄の必要性、情報発信等を、対策を取られていると思います。
私も、手前みそですけれども、幾つか御提案した中で、民間備蓄も必要じゃないかというのが、二か月ぐらい前にお話ししたかなというふうに思います。
結局、フローとストックのところの関係だと思うんですね。バブルがはじけるまでは、製造業者が約七割、卸が一割、小売店が二割で大体いろいろなものが流通していた。この一割のマージンを取る卸業者が、一次、二次、三次とかという問屋がいろいろな業界であったのが、バブルがはじけたがために、ほとんど、一次問屋は残っているけれども、二次、三次はみんな統廃合されちゃった。メーカーから直接販売するとか、流通形態がやはりこの三十年間で大きく変わったんだと思います。ですから、どこかでストックしていた状況が、ストックしなくなってしまったんだと思うんです。
ワンストップサービスというのがはやり言葉のようにいろいろな業界で出てきていますから、オーダーが来たら作って納品する、そういうスタイルにどんどん変わってきてしまった。これは、石油関係じゃなくて、いろいろな業種。中には、業態によっては、予約をしないと仕事をやらないというところがここ何年かの間で増えてきたように感じるんですね。要するに、お客様からオーダーが来ないと物を作らない、当たり前なんですけれども。在庫としてストックしておくというのを極力しないようにしている。
大手のメーカーさんなんかは特にそうですね。組立てをやっているようなところは、一次、二次とか三次の下請に部品をストックさせておいて、さあラインを流すから持ってこいと言って、十万個でも二十万個でも。それを繰り返しやっている。だから、大手のメーカーになればなるほど、自分のところで部品をストックしない。それでなるべくコストを圧縮して利益を出そうというのが、今の私の感じている、大手メーカーさん、製造業なんかは特にそうかなというふうに感じています。
ですから、毎回同じような御質問になるんですけれども、どこまでがどうなのかというある程度のスケジュール感と、このときここまでやりますよというのをやはり経産省が情報発信していくことで安心感を示していくということが大事だと思っています。
例えば、これはデータをいただいたんですけれども、石油の備蓄に関しては、私も、今回のイランとアメリカの戦争で、二月の二十八日だったと記憶しているんですけれども、じゃ、日本の備蓄はどのぐらいあるんですかと聞いたら、政府が備蓄しているのが百八十日、民間が六十日、あとは、細かい数字なんですけれども、産油国の共同備蓄というのが六日とか七日とかというのがあった。トータル二百五十日分ぐらいあるんですね。
これは、毎日毎日の備蓄の状況をいただいた資料があるんですけれども、一番最初のスタートだと、三月の十九日、これが放出し始めたんだと思うんですけれども、三月の十七日で二百四十二日分、国家備蓄が百四十六日分、民間備蓄が九十日、産油国の共同備蓄が六日間、トータルで二百四十二日。これが、どんどんどんどんあって、七月の十三日です、国家備蓄が百四、民間備蓄が九十三、産油国の共同備蓄が四日、トータル二百一日分。まあ、大丈夫だというお考えなんだと思うんですけれども。
では、今回のことを教訓にして、約二百五十日分の備蓄で足りるのか足りないのか、そこのところを考え直されて、もう少し民間備蓄に、例えば、設備費の補助金を出すとか、何か特別な融資をするとか、九十日ストックしてある分を百日にするとか二百日にするとか、例えば、民間備蓄じゃなくて、国家の方は、今百四日分しかないものを、いろいろなところで調達してこられる努力は承知するんですけれども、では、それを増やしていく考えがあるのか。これだって、今決めたからといっても、備蓄のタンクを造ったり、船から荷揚げするような装置だ何だと入れていったときに、それは三年や五年はかかっちゃうと思うんですよね。
若しくは、日本と友好国に、まあODAでもいいんですけれども、お金を出すことによって、特に東南アジアの国は備蓄が少ないんだ、日本ほど持っていない、三十日とか六十日というのがあったと思うんですけれども、その辺のところをサポートしてあげるような考えはあるのか。これから協議するといえば協議するでいいんですけれども。特に、TPPの11というんですか、CPTPP、舌をかんじゃうんですけれども、そういう国で、一緒の価値観でこれからも世界の経済を支えていこうというのであれば、そういったところにサポートをするというのも一つの在り方だと思うんですね。
ただ、有事が起きたときに、シーレーンを止められたらもう物は入ってこない。今ホルムズで止まっていますけれども、結局、マラッカはどうするんだとか、日本に近くなったところで南沙諸島のところはどうするんだとか、いろいろ課題が出てきていると思うんです。その辺をやはりトータルで考え方を変えていく時期に来ているんじゃないかなと思うんですけれども、大臣にお尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 いつもながら示唆に富む大変重要な御質問をいただいたと思います。
まず、フローとストックの話は大変重要で、国家備蓄については、これは一度ためたら基本的に置いておく、民間については、フローというかローリングストックになっているということであります。その組合せの妙で、私自身は割とうまくできた制度だと思うところもあります。
一方で、おっしゃるとおりで、備蓄は多ければ多いほど、いざというときはいいんですけれども、まさに経済原理に基づくと、大手企業は、極力在庫とかはなしにして、必要なときに持ってこいと。コスト的には一番それがいいということだと思うので、要はバランスの問題だと思います。
そんな中で、まず客観的な事実として申し上げると、IEAは各国に原油の備蓄を、大体九十日分だったと思います、推奨しております。そういうのに対して、我が国は八か月分持っている。今回、いろいろな国のあれで分かったのは、例えばフィリピンなんかだと、一月半ぐらいしかなかった、直ちにエネルギー非常事態宣言か何かを出す事態に至ったということで、諸外国と比べても、我が国は、恐らく韓国と並んでですかね、比較的備蓄はしっかり持っている方であるということもあり、しかも、現在に至るまで、繰り返し申し上げていますけれども、国全体としては必要な量は足りておるのだ、ただ、供給の偏りと流通の目詰まりが起きているので、そこは全力で対応いたしますというやり方でやってきています。
そういうことで、取りあえず、他国との比較とか現状起きていることを考えると、実際それなりの備えはしていたという評価はできるとまず思っています。
ただ、その上で、委員がまさにおっしゃったように、またきな臭くなってきたとかいうことがあり、現実問題として見通しが立たないということがあり、実際に、ナフサ、そこから作られてくるようなトルエンからできるシンナーとかあるいは潤滑油は、そういったものの、また外から出てきますけれども、大変な供給の偏りや流通の目詰まりが起きて国民の皆様に不安や不便をおかけしたということがあると、何かしら、揮発性が高くて長期保存に向かないナフサを何とかして持っていなきゃいけない、輸入に頼っている部分は極力減らしたいということになると、結局は、在庫を多く持つか、それも商流の中で事業者さんたちに持ってもらうか、あるいは原油の備蓄を増やすか以外、なかなか手がないんですね。
そういう意味では、ちょっとまだ事態が落ち着いておりませんので、すぐに、どれぐらいの備えをしなきゃいけないのかについての議論も、始めたところで結論は出ないと思うんですが、今申し上げたようなことをよく考えた上で、正直申し上げて、客観的にはかなりの備えをしていて足りていたという評価が今のところできるんじゃないかと思っていますが、委員の御指摘も踏まえながら、最終的にどういう形にするのかは、ちょっと事態の推移を見ながら、これがなかなか落ち着かないと結論が出ないと思うので、よく考えていきたいというのが今思っていることでございます。
○鈴木(義)委員 原油から日本の国内でナフサを作っているのは三九%だった、中東から入れているナフサが四〇%、韓国を含めてほかの国から調達しているのは二〇%、こういう説明は受けました。この四〇、二〇が入ってこなければ日本の国内にある原油を精製していくしかないので、それは過去にも質問しましたけれども。
中東から来ているのは、中間ぐらいの原油の質というんですか、重質なのか軽質なのかといったら、中間ぐらい。それに合わせたようなコンビナートの造り方をしているから、違うところの重質のやつを持ってきてもそれは対応できない。じゃ、どうするのと聞いたら、混ぜてやるしかないんだと。そういうことをやるわけですよね。だから、そこの発想でいいんじゃないかと思うんですね。軽質のものをどんどん入れるんだったら、じゃ、今ある原油と混ぜればいいじゃないのと。まあ、一日何十万キロリットルも使うわけだから、それは簡単にはいかないと思うんですけれども。
じゃ、一か月分がいいのか、二か月分がいいのかですね。プラスですよ、今の二百五十日分プラス三十日なのか六十日なのか。そこのところは、落ち着いてから考えるんじゃなくて、やはり今考えるしかないし、今二百日分しかないということになってホルムズがまた止まったという話になれば、どこかから調達しなければ、来年の三月までは調達できたとしても、その先はどうするというのは、必ずまた同じような議論になってしまうと思うんです。そこのところを。
あとは、お金を出すばかりじゃなくて、棚卸資産でやるんだったら、そこのうち、税金のかけ方だと思うんですね。棚卸資産に税金をかけるだけじゃなくて、揮発してしまうんだったら、そこは、物が変わらないというんだったらいいけれども、じゃ、減価償却という考え方をそこに入れてもらってもいいんじゃないかということです。例えば、一億円分の原油がありました、ナフサでもいいです、それで、揮発性が高いからといって、日数がたてばたつほど揮発しちゃうというのであれば、誰のせいでもないよね、元々のものがそうなんだから。だったら、建物を建てるとか機械装置を使うのと同じように、減価償却という概念をそこに入れれば、その部分は経費で落としてもらう。
そういったことも踏まえて、ミックスで、物理的なものと、やはり制度上の中でストックできるようなものも併せて考えて。
答弁する方はいつも、連携を取る、連携を取る、緻密な連携を取るというふうに答弁されるんだよね。じゃ、財務省だどこだといって必要なところと連携を取って、いい案をやはり出すしかないんじゃないかなというふうに思います。だから、くどいようですけれども、スケジュール感が大事だと思います。
例えば、前にも質問した、アドブルーというのがない、ないというのが五年ぐらい前に大騒ぎになったんですけれども、いつの間にかアドブルーがないと言わなくなっちゃった。今回もちょっと、目減りというより調達困難だ。じゃ、エンジンオイルはどうする、ブレーキオイルはどうする、シンナー、ラッカーばかりじゃなくて。中には、車は車検制度がありますから、まあ、車検を通るときはブレーキオイルを交換しなくてもいいんですけれども、いつか交換しなくちゃいけない。そういう制度が別の省庁であるわけですね。でも、物がなければ、エンジンオイルも交換できません、ブレーキオイルも交換できません。じゃ、事故が起きたときに誰が責任を取るのかという話になりますよね。
だから、もう一度やはり精査していただいて、じゃ誰が持つのかというのは、これは議論が必要になると思うんです。例えば、レアメタル、レアアースは、国の外郭団体が責任を持ってそれをストックしてあるわけですね。どのぐらいストックしてあるのかというと、日本がある物質を持っています、どのぐらい持っていますというのを公表しちゃうと値段が乱高下をするからオープンにできません。でも、ストックしているんですよね。
この間も地元を回ったら、金型の仕事をやっている製造業者さんなんですけれども、金型を作るのにタングステンが必要なんだそうです。硬度を出すためだと思うんです。中国がもう出しませんよと言われちゃったら、さあ慌てて品薄だ品薄だという話になるわけです。それは前にも止められたときがあったんだから、十年もうちょっと前に、なぜ、この十年間、そういうことが起こり得るだろうということで国が責任を持って国家備蓄みたいなものを増やすということをしなかったのかということです。
それは、ストックしておけば経費がかかりますよ。去年の米と一緒です。去年、決算委員長をやらせてもらっているときに、資料をずっとひっくり返して見たら、米も含めて大豆とトウモロコシで約八百億円のストックがあって、それを保管するだけで三百四十四億円の金をかけているんですよね。それだけかけちゃっている。それで五年分の米を百万トンストックしていた、それを去年放出したわけですけれども。
それと同じような発想で、経済安全保障というふうに大上段で構えるんだったら、今回の件を契機に、原油ばかりじゃなくて、レアメタル、レアアースもそうだろうし、あとはベースメタル。銅線が高止まりしちゃって、どこに行っちゃっているのかというぐらい、高い値段で取引しています。だから盗難に遭うわけですよね。じゃ、どうするといったら、銅線じゃなくてアルミに換えた方がいいんじゃないかと言い始めましたよね。それがイノベーションにつながっていくかもしれませんけれども。そういったものを、やはり、石油製品だけじゃなくて、今回の産業政策全般をつかさどっている経産省であれば、そこのところを、違う鉱物も含めて一回見直しをかけて、ストックするものはストックしていく、新たに調達する先は、民間任せばかりじゃなくて、国がいざというときには出ていくぐらいな道筋をつけていくべきだと思うんですけれども、再度お尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 まず、ちょっと国民の安心に関わる部分なので、一つだけ申し上げておきたかったのは、委員が先ほど来年の三月までもつというおっしゃり方をしたんですが、原油について言うと、二〇二八年の三月末まで我々は代替調達が整っているのでということで、正確に言うと再来年の三月ということは、これは今、記録のためにもちょっと申し上げておきたいと思います。それが一点です。
それから、これもちょっと客観的な事実から申し上げますと、我が国は、先進国の中で、民間の重要鉱物の備蓄、JOGMECがやっているわけですけれども、これを一九八三年からやっている、本当にほぼ唯一の国であります。韓国が国家備蓄をやっておられたかもしれませんが、ということで、そういう意味でも、原油の備蓄について言えば外国と比べて最も長い期間の備蓄を持ち、それから重要鉱物についても、今、欧米諸国が、アメリカも含めて、日本に学ぼう、JOGMECのやり方を学ぼうというぐらいなので、それも、相応のといいますか、外国と比べて決して劣後することのない備えはしてきたということは申し上げたいと思います。
その上で、まず、先ほど価格が乱高下するからなかなか言えないということもおっしゃって、そのとおりなんですけれども、中身の詳細をやはり言えないのは、特に重要鉱物を威圧のために使う特定の国がありますので、内容を知らせると、弱いところを狙われるとか、そこを世界中で山から押さえにかかられるとか、いろいろなことがありますので、そこを気をつけて、情報は出しません。
ただ、これは何と言っていいのか、表現が急にがたっとくるとあれなんですけれども、アヒルの水かき方式で、かなり一生懸命水はかいております。ということで、こちらについても、ずっと続いている話でありますが、大分前から特定の国からそれをやられておりますので、格段に力を入れてそれなりの取組はしている、ただ、なかなか具体的な詳細は申し上げづらいけれどもということで、ちょっと取りあえずお許しをいただきたいと思います。
○鈴木(義)委員 なかなか、国民に理解を得られるのには、やはり見える化というのが、どこまで見える化させるかというのはあるんですけれども、それが必要だと思います。それが不安を払拭することで安心して仕事ができるし製品も作れるということを常に念頭に考えてもらって、いざ何か起きたときにどうするじゃなくて、いざ何か起きるときに備えていくということが大事なんだと思います。是非、今後の検討を、どういう方向でやるかというのが分かった段階でまたお知らせいただきたいというふうに思います。
毎回毎回AIの話をしていくんですけれども、どうしてもやはり、私、十年前からAIの質問をしてきたんですけれども、推進という方は一生懸命やるんですけれども、規制をかけようという議論がなかなか出ていかない。
一つは、国全体としての流れとすれば、政府が、十七項目のうちの一つがAI、量子だとか宇宙だとかいろいろ項目を挙げていますけれども、そういうことを推進していくのは理解できるんですけれども、まだまだ対策を同時に組み入れないと、AIの社会的な依存が高まっちゃっているんですね。
私もこれは、そこまでやはり考える人がいるんだなと思うのは、データを入れてAIで一つの答えを出すんですけれども、AI自体を直列でつなげるんだそうですね。並列でやるのもあるんですって。将来的には、AI同士でネットワークを組むように考える人が出てくるんじゃないかと思うんですね。
いろいろなところからデータを取ってくるんですけれども、今は人間がAIに対してデータを入れるような形になっていますけれども、これが日進月歩、どんどんどんどん、日にちがたてばたつほど、例えばAI自体がデータを自ら取りに行くようなAIがもし出てきたときに、今申し上げたように直列でつないだり並列でつないだりネットワークをつくるようになれば、あらゆるところからデータを入手するようになっていくと、もうこれは全然止められなくなっちゃうと思うんです。人間が関与するというのはまず無理だと私は思うんですね。
そこで、一つは、AIの活用はデータに大きく今依存しているというのは申し上げています、セキュリティーリスクが常につきまとっていて、情報漏えいの危険性の対策はどうしているのかというのが一つ。
二点目が、AIが意思決定を行った際に、もし誤りや事故が発生した場合、誰が責任を取るべきかという点がまだ曖昧なんだ。システムの開発者、導入した企業、利用者のいずれが責任を負うべきか不明確であり、トラブル時の対応が難しくなっている。
三点目。AIの中でディープラーニングを基盤としたモデルは出力結果に至るまでの過程がブラックボックス化されていて、そのロジックを人間が理解するのが難しいと言われています。そのため、判断根拠を説明できない、説明責任の欠如が大きな問題だと。聞くところによりますと、このブラックボックス化をされているディープラーニングのところを、また違うソフトを使って解析できるようなことを開発している話も聞きます。要するに、AIが一億なら一億のデータの中で一つを導き出すんですけれども、どういう過程でその一つを導き出したのか検証できるようなプログラムを開発している話も聞きます。ただ、現実にできたかというのは私が知らないだけかもしれませんけれども。それが三点目です。
四点目。AIを過度に活用し続けると人間の判断や直感的な意思決定能力が低下してしまう可能性があり、特に、ビジネス現場や教育現場でAIに依存し続けると人材育成や業務遂行に悪影響を与えるリスクがあるなど、まだまだ課題が山積しているんですけれども、こういったことに対処するようなことを取っているかというのが問題なんだと思います。
AIは技術進化が速いために、ちょっと、五年先か十年先かなというのが、すごいスピードで活用されているし、私たちの社会の中に入ってきていると思うんですけれども、法制度や倫理の議論が追いついていないという課題があります。
EUではAI規制法案が進められているというふうに聞くんですけれども、日本としての、推進法じゃなくて規制をかけるような法案作成を進めるべきと考えるんですが、少し遅いかなと。私、十年前から言っているんですけれども、規制をかけようという方向には全然まだ向いていないんですね。今の状況で御所見を伺いたいと思います。
○恒藤政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、昨今のAIをめぐる技術革新は、生産性の向上や労働力不足の解消など、様々なメリットをもたらすということが期待される一方で、様々なリスクも存在するということは認識してございます。
これに対応するため、昨年五月に成立したAI法におきましては、イノベーションの促進とリスク対応の両立を理念として掲げまして、イノベーションを阻害する過剰な規制は避けつつ、リスク対応のための措置を講じるとされたところでございます。
具体的には、そのAI法におきましては、AIの開発、利用の適正性の確保を図るため、AIを開発、提供する者が配慮すべき事項等を示した指針を整備をし、事業者等に対応を促すとともに、国が、AIの開発や利用の動向を調査をし、国民の権利利益の侵害が生じたなどの悪質なケースについては指導、助言、情報提供するなどの措置を講じるとされておりまして、これに基づきまして適切に今対応を図っているところでございます。
その上で、今御指摘になりましたとおり、更なる技術の進展により、今後AIのリスクがより複雑化、深刻化するというおそれがございます。
こういったことも踏まえまして、昨日閣議決定いたしました第二期となりますAI基本計画におきましては、AI法を含めた制度などを能動的かつ不断に見直すとしているところでございます。
こうした取組を通じて、引き続きAIのリスクに対して適切に対応してまいります。
○鈴木(義)委員 昨日、計画が閣議決定されたんですかね。
去年の十二月の十九日に、人工知能戦略本部の決定というのでガイドラインが示されているんだな、指針。これは昨日いただいたんですけれども。ここにはいろいろなリテラシーの話があったり何なりしているんですけれども。
ちょっと三番を飛ばして、四番のところに。
人間の存在を根底から覆すような衝撃と経済的な混乱をAIが引き起こせば、文明は持ちこたえられないおそれがある、先行きが不透明なら準備をしておくべきであり、現実に甘んじるべきではない。まあ、不断の見直しをしていくというふうにおっしゃっているんですけれども。
一つ目は、機材が重大な決断を下す世界を想定しておく必要があるだろうということですね。AIが出した答えに関して、人間がそれをよしとするのかしないのかというのは必ず問いかけられる。今は、一つのツールとして使っている場合には、便利だから使いましょう、コストが安いからとか、早く答えが出るからということで出すんですけれども、それは人間が考えつく答えがAIを使って出てきたからそれをジャッジしているだけの話で、じゃ、もし人間がジャッジできないような答えをAIが出してきたときにどうするかということですね。ちょっと抽象的で分かりづらいですかね。
一つは、戦争や生物学的な研究などに関連して、時には深刻極まりない帰結を伴う決断が下されるだろう、そうした決断の最終責任は、先ほども申し上げたように、AIのプログラマーなのか、製品を売る企業経営者なのか、AIを使う組織の意思決定者としての人間が負わなければならないとこの人は指摘しているんですね。AIによって引き起こされた損害は、企業などの組織を所有したり、経営したり、管理したりする人間が民事上、刑事上の責任を負うべきだというふうにこの人は述べているんですけれども。
その件に関して、法務省になるんですかね、刑事だ民事だとなったときに、損害賠償を訴えるとか、事故が起きたときに当事者間でトラブルが起きれば裁判に訴えるとかという話になるんだと思うんですね。それについての法務省としての御見解をいただきたいと思います。
○竹林政府参考人 お答えいたします。
まず、私からは、民法を所管する立場から、現行民法について申し上げます。
民法第七百九条は、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定してございます。
AIの判断の結果といたしまして他人に損害が生じた場合におきましても、個別具体的な事実関係に即し、当該AIの開発、利用等に関与した者等の行為が民法第七百九条の要件を満たすときは、その者はその損害を賠償する責任を負うこととなると考えてございます。
○堤政府参考人 刑事責任の点についてお答えいたします。
お尋ねにつきましては、検察当局において、個別の事案に応じて、法と証拠に基づいて判断すべき事柄でありまして、法務当局として所見を述べることは差し控えさせていただきます。
その上で、一般論として申し上げますと、御指摘のような刑法上の犯罪行為に該当する事象を引き起こしたAIの開発者の行為や、当該AIを用いて事業を行った当該事業の経営者の行為について、当該事象に関して刑法上の犯罪を犯したと認められる場合には、その者は処罰の対象となり得るものと承知しております。
いずれにしましても、検察当局におきましては、個別の事案ごとに、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対応するものと承知しております。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
例えば、具体的な例でいくと、今推奨しようとしているフィジカルAI、ロボットのアームでも二足でもいいんですけれども、そこにAIを積みました。それを工場現場に使って製造業でしていったときに、AIを積んでいるわけですね、ロボットのアームで動かしますとなったときに、じゃ、それは誰が責任を取るのかという、簡単に言えばそういうことですね、一つの事例でいくと。それは業務上過失致傷なのか致死なのか分かりませんけれども、それで、たまたま作業員がいたときに、誤作動か何かが起きてその作業員が亡くなってしまったとかという事案が出たときにどう対応するかといったときに、AIを作った人なのか、組み込んだロボットのアームを作った人なのか、それを使っている人なのか。
そこのところが、個別具体的な事象と言われちゃうと、あくまでも、それを納入した人にも責任はあるだろうし、使っている側にも責任があるだろうというのをやはりきちっと言わないと、何だかよく分からないでつっかけもちして。
じゃ、例えば、自動運転の車がAIで動いていました、私がもしそこに乗っていて、私はハンドルも何も触っていないんです、でも、車が勝手に行きたいところに、私が指示したところに行ってもらって、事故を起こしました。もしかしたら、人が飛び出てきてはねてしまいました。じゃ、それは、同乗している私に責任があるのか、車を造った人なのか、買った私がいけないのかと、あらかじめやはり、もう遅いぐらいですよ、議論をしておかないと。それを今お尋ねしているんですね。
二番目のところで、AI開発者の倫理観と自制心に頼ることはできないと識者は言っています。私たちはSNSで痛い目を見てきた、うそやインチキの拡散がよいビジネスになり得る、更に醜いことに、人々の生活を耐え難くするような投稿の拡散がよいビジネスになり得る、AIはあらゆる種類の完璧なインチキを創出することで、人類共通の窮状を一段と悪化させそうだというふうに述べているんですね。
また、適切な検査を通らなければ医薬品を市場に出さない制度は大いに理にかなっている、AIソフトウェアの新製品も同様の制度を適用することが望ましいというふうにこの人は指摘しているんです。
一つのルールを作りましょうということですね。そういう考えがあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○恒藤政府参考人 今御指摘いただきました点でございますが、AIによるリスクとして、AIを用いた偽情報、誤情報の拡散や、犯罪を目的としたAIの悪用等があるというのは、私どもも認識をしてございます。
昨日閣議決定いたしました第二期となるAI基本計画においては、御指摘の偽情報を含むAIを悪用したディープフェイクにつきまして、引き続きAI法に基づく調査などを機動的に運用するとともに、AI生成コンテンツを判別する技術や、電子透かしなどのAIの制御機能などの開発を支援をするということにしてございます。
また、AIを開発する事業者に対しては、適正性確保のための指針に基づきまして不適切な出力を抑制する仕組みを導入するなど、安全性確保の取組を適切に講じるよう引き続き求めていくこととしてございます。
さらに、極めて高性能なAIの登場などにより、今後更にAIのリスクが複雑化、深刻化するおそれがございますので、今後の状況を踏まえまして、必要があれば、AI法も含めた制度等についても見直しの検討を進めてまいりたいと考えております。
○鈴木(義)委員 もう時間が来たので、最後に、大臣、見通しだけちょっと御答弁いただいて、終わりにしたいと思います。
○赤澤国務大臣 なかなか、私自身がAIの担当閣僚ではありませんので、確たることは申し上げづらいところがあります。
その上で申し上げれば、これは国ごとにいろいろ規制のやり方が違って、比較的EUは厳格に法律で規制をつくり、我が国は比較的開発とリスクのバランスを取ろうという考え方を取っていると思っています。それぞれがやはりいいところ、悪いところがあって、しかもAI自体がどんどん進化する中で我々が判断していかなきゃいけないので、なかなか確たる見通しということは難しいのでありますが、しかしながら、とにかくおっしゃるような様々なリスクがあることは間違いないと思います。
私自身も、サイバーセキュリティーの問題もあれば、創薬などでもかなりリスクはあるでしょうし、一番やはり気になるのは人間がコントロールできなくなるリスクですよね。これはもう究極でありまして、こうなると、責任とか言っていても、AIを発明しちゃった人が悪いのかという話は、最後、何かなかなか行き着く答えがないように思います。
理念としては、AI法においてイノベーション促進とリスク対応の両立を理念として掲げておりますが、こうした観点から、経産省としては、AI事業者ガイドラインの公表を始めとした事業者の適切なAIガバナンスの構築を後押しする取組を行っています。
あと、私自身のテリトリーとしては、五月一日に、重要インフラ事業者のトップに対して、発電とかあるいはガスとかもそうですけれども、トップ主導のリソース確保、脆弱性情報の早期把握と対応、内部システムのあらゆる挙動を常に確認する、いわゆるゼロトラストへの移行を要請をいたしました。
ただ、言うはやすく行うは難しでありまして、引き続き、関係省庁と連携しながらAIがもたらすリスクに対して適切に対応するとともに、各分野でのAIトランスフォーメーションを進めてまいりたいというのが今考えていることでございます。
○鈴木(義)委員 ありがとうございました。終わります。
○工藤委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野俊一です。
本日も、質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。
今日は、先日政府の方で取りまとめられました日本成長戦略案、まだ案なので正式閣議決定ではないと思いますけれども、この案に基づいて質問をさせていただきます。
まず、日本成長戦略案の中では、六十二の主要な製品、技術等について、二〇四〇年度までに官民の国内投資総額三百七十兆円超ということで、これは年平均に来年度からで直しますと、年平均二十六・四兆円。これがもし全額新たな資金需要となる場合には、名目GDPを六百五十兆円とした場合の約四%相当という部分の投資が想定されていると思います。
この三百七十兆円につきまして、官民投資というふうに言ってはいますけれども、実態が民間任せになってしまうと、成長戦略とは言っているものの、期待表明にすぎないみたいな状況になってしまいますので、特に、政府が一歩前に出ると書いてある以上、民間任せではなくて、政府自身がどれだけ呼び水として投資をするのかということが非常に重要になってくると思うんですが、現時点で政府側の投資規模が総額幾らくらいになるかはまだ未定だというふうに承知はしていますけれども、少なくとも、この三百七十兆円のうち、既に民間企業が予定している投資を単に足し上げた部分と、政府の新たな政策によって追加的に誘発される部分という想定を分けて提示すべきではないかと思いますが、お考えをお願い申し上げます。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
官民ロードマップにつきましては、目指すべき投資の方向性、規模感といったものを示すことを目的としております。この趣旨を踏まえまして、現時点で想定される官民全体の投資額を算出しているものでございます。
このうち、官による投資につきましては、主な製品、技術等ごとに、研究開発、実証、本格商品化、量産化といった発展のステージが今後どのような時間軸で立ち上がっていくのかというシナリオによりまして、官の関与度合いが異なってまいります。その一定の機械的な前提を想定いたしまして算出したものでございます。
今後の予算編成に予断を与えないためにも、官民の内訳については具体的なお答えはできないという状況でございます。
その上で、官民投資額として算定した想定額につきましては、政策的な措置がなくても実施される投資というものも含まれ得るものではございますけれども、その額につきましては個々の企業の経営判断によっても異なるというものでございますので、どの部分が追加的に誘発されたものか、どの部分が元々の、政策的措置がなくても実施されるものかということを厳密に切り分けることは非常に困難なものであるということに御理解をいただければというふうに思っております。
以上です。
○牧野委員 ありがとうございます。
確かに、今おっしゃっていただいたように、どこまでが政府の呼び水によって民間が誘発されるものなのか、どこからはほっておいても出たものなのかというのを現時点で厳密に切り分けは難しいとは思うんですけれども、先ほども、いろいろなシナリオがあるかもしれない幅の中で、一定の機械的な前提を置いて試算したものだとおっしゃっているわけですから、一定の前提を何らか置いた上で、ざっくり、これぐらいまでは政府の支出によってやるというおおよその想定ぐらいはつくと思いますので、一定、そういう辺りも、もし可能でしたら、今後、明示していただけるような方向性でやっていただければというふうに思います。
日本成長戦略案では、六十二の主要な製品、技術等について、先ほどの三百七十兆円がありますけれども、この内訳というものを見ますと、AI・半導体で百一・六兆円、クラウド・データセンター、蓄電池で三十二・七兆円、次世代ワイヤレス技術二十・五兆円、バイオ、創薬合わせて四十・八兆円、ゲーム分野で二十四・五兆円といった、既に、一定、市場規模とか民間投資の見通しが比較的達しやすい分野の比重が数字としてはでかくなっているように見えます。
一方で、防衛産業、航空・宇宙、海洋、造船、マテリアルとか、防災・国土強靱化、交通インフラ、それから次世代先端加速器ですね、大型加速器といった、そういうものも含めて、政府が需要をつくっていくことで初めて民間投資が本格化するような分野の投資額は、相対的にこの表の中では小さく見えます。
官民投資額の算出方法というのを見ると、原則として、政府担当部局が主要企業や団体にヒアリングをし、今後の投資予定、見通しを積み上げたとされています。また、投資予定が明確でない将来については、市場や投資の伸び率、傾向などを用いて、先ほどおっしゃっていただいたように、一定の機械的前提を置いて算出するということになっています。
しかし、この方法だと、既に市場が見えている分野ほど投資額が大きく出て、政府調達とか公共インフラ、全国で劣化が進んでいる下水道の更新等もそこに含まれると思いますけれども、そういった、政府による支出が先にないとなかなか民間投資が出にくい分野というのが比較的に過小評価されるのではないかというふうな懸念がございます。
なので、民間ヒアリングの積み上げだけではなくて、政府がこういう産業をつくるんだというふうな意思を持って投資をするという部分の額について更に積極的に積み増すべきではないかというふうに考えますが、ここについてのお考えをお願いします。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘いただきました官民投資額につきましては、主要な製品、技術等ごとに、公共調達ですとか規制改革などを通じまして需要、市場を創出したり形成していく、そういうような政策を含めました政策パッケージを提示いたしまして、それを基に、必要となる官民投資額につきまして、今委員、既に御指摘いただきましたとおりですが、主要企業、団体へのヒアリングにより算出しているものでございます。
その上で、分野ごとに官民投資額については異なっております。それは御指摘のとおりでございますが、これは、六十二の主要な製品、技術等について、国内のリスクの低減の必要性ですとか海外市場の獲得の可能性、関係技術の革新性などの観点から元々選定したものでございまして、それぞれの分野につきまして、私どもは粒度と申しておりますけれども、六十二の区分の捉え方ですとか大きさですとか、そういう状況が現時点でも異なっております。
それから、それぞれの分野ごとに、その分野が、これも委員御指摘いただいたとおりですけれども、研究開発段階にあるのか、それから実証段階にあるのか、既に本格商品化が進んでいるものなのか、量産化がなされているのかというような状況につきまして、現状の発展ステージが異なっているというような、様々な要因が背景にあるものということで考えているところでございます。特定の分野につきまして過小評価しているというものではないというふうに私どもとしては考えております。
いずれにいたしましても、官民投資ロードマップにつきましては、成長戦略の項目を取りまとめまして、その取りまとめ後のPDCAサイクルを通じて不断に見直しを行っていくものでございます。その過程で、官民投資の額につきましても、見直し、精緻化を行ってまいりたいというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたように、分野によって、今、本当に研究が始まったばかりなのか、もう実用化の一歩手前まで来ているのかによって、大分また見え方の解像度が違ってくると思います。今後、年数がたっていけば、当然、元々の想定よりも早く実用化に向かって進んだ分野もあれば、全然まだまだ時間がかかるとなってしまった分野もあると思いますので、やはり、都度都度見直しをしっかりかけていただいて、必要な額を必要であれば積み増すということをやっていただきたいというふうに思います。
続きまして、ちょっと財務省の方に質問したいんですけれども、この日本成長戦略案の中では、強く豊かな日本投資枠というものを新たに創設して、そして、要求上限、いわゆるシーリングというものを設けずに、事項要求も含めて必要額を適切に要求できる仕組みにするというふうにされております。しかし、各省庁がシーリングなしで概算要求できても、その後の予算編成過程において財務省が過度に査定を行ってしまいますと、結局は従来どおりの緊縮予算になってしまうということになるんですね。
この予算枠について、この新たな強く豊かな日本投資枠について、通常の歳出査定とは異なって、将来の供給力の増加であるとか、民間投資誘発効果、税収の増加効果、そして経済安全保障上の必要性等々を評価に含めるような、従来の予算の査定とはまたちょっと違った、査定に対する新たな態度で臨むことになるのかどうか、ここについて考えをお願い申し上げます。
○中山政府参考人 お答えさせていただきます。
御指摘の強く豊かな日本投資枠につきましては、先日の経済財政諮問会議におきまして総理から御発言がありましたように、日本成長戦略や地域未来戦略などを踏まえ、国内民間設備投資や潜在成長率を大きく引き上げる効果の高い措置を対象とし、真に効果的な投資支援策を取り込めるよう、要求上限を設けず、事項要求を含めて必要な額を適切に要求できるようにするとされているところでございます。
これに併せまして、同会議におきまして総理からは、重要なのは財政支出のGDP成長に与える効果であり、予算編成プロセスでは、成長への寄与、民間投資の誘発効果などを精査し、真に効果的な施策に重点的に措置するといった方針が示されたところでありまして、財務省といたしましても、この方針に沿って、予算編成過程におきまして適切に対処してまいりたいと考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
財政支出がGDPの成長に与える効果がしっかり出るように計上するということでありますけれども、原則、そもそも、政府が何らかの財政支出をした瞬間に、それはどこかで必ず使われるわけですから、イコール、その額そのものは必ずGDPに乗っかるわけですよね。ですので、そこに追加で、プラス、それをきっかけにどれだけ民間が伸びるかというふうな考えになるわけだと思いますけれども、しっかりやはり、今までとはちょっと考え方を変えて、その査定に対して臨んでいただきたいというふうに要望いたします。
その上で、赤澤大臣にお伺いしたいんですけれども、この日本成長戦略案を受けて編成される予算の概算要求においては、従来の予算の組み方ですと、前年度予算の項目を引っ張り出してきて、どの項目をどれぐらい増やすとか削るとか、そういった考えで増減するというふうなのが今までの基本的なやり方だったというふうに思いますけれども、そのつくり方を根本的に転換して、成長に必要な予算を各省庁が新たに組み起こすという必要があると思います。
なので、過去三十年来とは抜本的な発想の転換、概算要求の時点での各省庁の側の発想も変えていく必要があると思いますけれども、経産省としては、いろいろな、基本的に全ての産業分野にわたって所管しているわけですから、先ほど言った、相対的に今の時点では投資額が低く出ているような、そういった、政府が先にお金を使わなければなかなか民間が立ち上がってこないような分野、インフラ投資とか鉄道とか、あるいは次世代加速器等も含めて、そういった部分に関して、どのような体制で新たな概算要求作成に取り組もうとされているのか、大臣のお考えをお願いいたします。
○赤澤国務大臣 おっしゃったような、これまでついている予算をどれぐらい増やすかとか、そういう発想ではなくて、強い経済をつくるために、総理が危機管理投資や成長投資とおっしゃっているものですけれども、必要な投資をやるということなので、私自身も、今、政府として試行錯誤中ですけれども、これまでとは、予算編成とか、その実施の物の考え方を少し変えながらやっていこうということは、委員と全く認識は一緒であると思います。
そんな中で、来年度予算の概算要求の方針はまだ政府決定されてはおりませんけれども、経済財政諮問会議におけるこれまでの議論では、令和九年度概算要求において強く豊かな日本投資枠を創設をする、委員御指摘のとおりで、国内民間設備投資や潜在成長率を大きく引き上げる効果の高い措置を対象とすると。だから、今までやってきたことの延長線上で、少しずつ積み増すとか、そういう発想ではなかろうということもありますし、あと、結果を出すという意味で、複数年度の計画に基づくものを基本とすると。単年度主義で、来年はこれだけ増やすじゃなくて、強い経済をつくり上げるために、結果を出すためには何年間かけてこれぐらいという、結果をとにかく出すことを非常に強く念頭に置いた物の考え方をする、必要な額を適切に要求できるようにするという考えが示されております。
経済産業省としても、日本成長戦略会議の議論において、例えばAI・半導体分野等における主要な製品、技術ごとの勝ち筋、あるいは、その実現に必要な施策や、賃上げ環境の整備を始めとする分野横断的課題への対応等について整理を行ったところでありまして、ちょっと委員の御発言にお言葉を返すわけでもないんですが、こういう新しい分野は、やはり思い切って、何年間で結果を出そうみたいな。
インフラ整備みたいな分野は、なかなか、政府がやらないととおっしゃったんですけれども、過去の経験からいって、実際、老朽化してどれぐらい必要かとかいうのも見通しも立ちやすいところもあり、やはりある意味で、蛮勇と言っていいかあれですけれども、挑戦しない国に未来はないということで、新しい分野こそ、やはりこういうのを頑張っていかなきゃいけないなというのは私は思っていまして、稼ぐ力の強化と賃上げの好循環を実現するための施策を中心に、今後の概算要求に向けた検討を進めてまいりたいというふうに考えています。
○牧野委員 ありがとうございます。
今大臣におっしゃっていただいたように、全く新しい挑戦的な分野と、ある程度、過去の経験に基づいて、これぐらいやったらこうなる、これぐらいがいずれ時間的に必要になってくるという見通しが立つ分野、当然ちょっと考え方は違ってくるとは思いますけれども、そういったところに、必要だから予算をつけるんだけれども、それがやはり、査定されて大分少なくされてしまったら、やりたかったことができなくなってしまうわけですので。もし要求は自由で査定は従来どおりということになると、看板をかけ替えただけという形になってしまいますので。
もし、必要だからつけたのに、その予算額が財務省査定でがっさり削られるようなことがあった場合には、よりちょっと上位の政策判断でそこをしっかり守るような仕組みというのも後々必要になるんじゃないかと思いますが、ちょっとこの話は通告していませんけれども、もし何かお考えがあればお願いします。
○赤澤国務大臣 国民の税金を預かってその使い道を決めるという意味では、なかなか、一定のルールの下にきちっとやった方が説明責任を果たせるだろうというのは、私、理解できるところではあるんです。
ということなので、やはりそこは、財務省も果たさなきゃいけない機能がありますので、私どもとしては、政府が考えているルールの中でしっかり議論を尽くして、もちろん査定もあるんだけれども、我々はそれを乗り越えるだけのエビデンスを持って、これには意味があるということを説得し切れないと、端的に言うと、財務省を説得できないようであれば国民の納得されるようなものは多分つくれない、それが合理的だということを我々は国民の皆さんに理解いただけないということだと思うので、その辺は政府の中でしっかり議論を尽くして、だけれども、強い経済をつくる、技術で勝ってビジネスでも勝ち切るということを目指してまいりたいというふうに思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
しっかり、今積極的な御答弁をいただきましたので、技術で勝ってビジネスでも勝ち切るという方向で、財務省もしっかり説得でき、そして国民にも納得できる、そういった概算要求のつくり方というのを一緒にやっていっていただきたいというふうに要望いたします。
続きまして、日本成長戦略では、十七の戦略分野、六十二の主要製品、技術等を中心に勝ち筋を見出すというふうにされています。これは、地域未来戦略において、企業の大規模投資を起点として産業クラスターを形成する戦略産業クラスター計画に該当する部分だというふうに承知していますが、この地域未来戦略という中には、ほかにあと二類型、都道府県が主体となって産業クラスターを形成する地域産業クラスター計画というものと、市町村、都道府県が、地域に根差す農林水産業、食品加工業、伝統工芸、観光業など、地域資源を活用した多様な産業の発展を促す地場産業成長プランの二つがあります。
そこで確認なんですけれども、一次産業とか食品加工、地域の伝統産業といったものは、半導体とかAIのように短期で大規模な投資が見えにくいからといって、勝ち筋がないというふうに判断されて、投資対象から外れてしまったりとか優先順位が劣後されてしまうという、こういった心配はないのかどうか、内閣官房の担当からお願いいたします。
○北尾政府参考人 お答えいたします。
高市内閣では、日本列島を強く豊かにすること、すなわち、四十七都道府県のどこに住んでいても安全に生活することができ、必要な医療や福祉や質の高い教育を受けることができ、働く場所がある、こうした日本の姿を目指しております。そのために何より重要なことは強い地域経済の構築でありまして、地域未来戦略を推進してまいります。
具体的には、成長戦略における十七の戦略分野に関連する企業の大規模投資を起点として産業クラスターを形成する戦略産業クラスター計画のみならず、都道府県が主体となって産業クラスターを形成する地域産業クラスター計画や、市町村等が、その地域に根差す農林水産業、食品加工業、観光、スポーツビジネス、伝統工芸品など、一次産業などを当然含む地域資源を活用した多様な産業の発展を促す地場産業成長プランの三類型の計画を推進してまいります。
国としましても、地域発のアイデアに基づく地場産業成長プラン等を強力に推進するため、地域未来交付金を拡充して、地方自治体が主体的に行う投資促進、販路拡大支援、経営力向上のためのソフト支援策などを支援し、地域の方々の日々の暮らしや未来への不安を希望へと変え、強く豊かな日本列島を実現すべく取り組んでまいります。
○牧野委員 ありがとうございます。
今お言葉をいただきましたように、それぞれの地域が自分たちのところにある足下の資源をしっかり活用して、よりその地域に長く住み続けられる、そしてそこに住みたいと思ってくれる人が増える、そういった産業振興を打っていっていただきたいというふうに思います。
日本成長戦略の十七の戦略分野を中心とした国内投資によって日本が目指す二つの成長軌道として、危機管理投資と成長投資というものが挙げられています。危機管理投資の対象としましては、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー・資源安全保障、健康医療安全保障などが挙げられています。そうであるならば、一次産業に対する投資というのも、単なる地方振興という目線だけではなくて、食料安全保障のための危機管理投資そのものではないかというふうに思います。
実際に、今ちょっと下がりつつありますが、消費者側から考える米の適正売価は大体五キロ三千円、そして逆に、農家、生産者が考える適正売価は五キロ三千五百円というふうなアンケート結果がありまして、この間には約五百円の乖離がございます。
現在の生産量でこの差額をもし政府支出等で補填すると考えた場合、必要な予算は約一・三兆円ほどになる計算ですが、こうした生産者に対する所得支援によってしっかり農業を続けていけるようにするということであったりとか、あるいは、民間、政府備蓄の規模、可能であれば都道府県単位でも、今般、政府のところにどんといっぱい備蓄を持っていたせいで、それを、いざ備蓄放出だといっても、末端に届くまでの間にいろいろなところで流通の目詰まりがあって、届いた頃にはもう足りていますみたいな、そういう状況になってしまったわけです。だから、法改正をやって、それぞれの民間レベルでも備蓄を持ちましょうというふうになったわけですけれども。
とはいえ、トータルで見たら、まだちょっと本当に十分な量とは言えないんじゃないかなというふうに思っているところではありますので、もうちょっと、民間と政府の中間のところ、各都道府県単位でもしっかり備蓄を持っていけるような、そういった制度の拡大等に必要な予算も含めて、危機管理投資の一部として、成長戦略の投資対象として明確に位置づけるべきではないかというふうに思いますが、ここでちょっと、内閣官房と農水省、それぞれの立場から御回答をお願い申し上げます。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
まず、日本成長戦略における考え方なんですけれども、食料安全保障、経済安全保障など、世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラを開発し、国内外に提供することで日本の成長につながることが期待される、そういった分野につきまして危機管理投資としておりまして、また、イノベーションを通じて日本の成長や国際的地位の確保につながるということが期待される分野として成長投資というふうに位置づけまして、その危機管理投資と成長投資に関する分野として十七の戦略分野を選定したというところでございます。
今般、その戦略分野の一つといたしましてはフードテックを位置づけているところでございまして、フードテックの中では、植物工場や陸上養殖といった製品、技術等につきまして官民投資ロードマップに基づいて各種の支援策を講じることで、国内外の市場を獲得するとともに、食料安全保障の確保にも貢献していく、そういうことを目指しているところでございます。
〔委員長退席、土田委員長代理着席〕
○押切政府参考人 農林水産省としましては、農地の大区画化ですとか中山間地域におけますきめ細かな整備、共同利用施設の再編、集約、合理化といった農業構造転換への集中投資によります生産性の抜本的向上や、植物工場、陸上養殖などのフードテックへの投資の促進を進め、農業の持続的な発展、ひいては食料安全保障の確保を図っていきたいと考えてございます。
なお、農業者に対する所得補償につきましては、様々な御意見があり得るところだと思いますが、税金が原資であることも踏まえますと、国民の皆様の御理解を得るために慎重な検討を要するものと考えてございます。
また、政府備蓄米の適正水準につきましては、百万トンを適正水準としておるところでございます。その水準を設定しました平成十三年と比べまして人口は減少しているものの、災害への対応ですとか急激な需要増などを考慮する必要があること、現行の水準でも相応の財政負担が生じていること、こういうことなどを総合的に考慮し、民間備蓄も含めまして、引き続きその水準とすることが適切と考えておるところでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
今、それぞれの立場からお話をいただきましたけれども、フードテックとか陸上養殖とかあるいは植物工場等々、新しい分野もありますけれども、とはいえ、幾らそれをやったところで、全体の食料の必要なキャパに含めれば、まだまだほんの僅かな部分でありますので、やはり、今、所得補償には税金が原資だから慎重な検討が必要だというお話もありましたけれども、とはいえ、こんな、農業をやっていても全然もうからないから、これはもう次世代に継げないわといってどんどん撤退されてしまったら、もう作る人がいなくなったらおしまいですから、そうならないように、そこはしっかり対策を考えていただきたいというふうに思います。
続きまして、ちょっと鉄道建設等の分野についてもインフラ整備の観点から伺いたいんですけれども、日本成長戦略では、港湾ロジスティクスについては、サプライチェーンを支える基幹インフラとして位置づけられています。また、防災・国土強靱化においては、電力、通信、交通、医療の強靱化に触れていて、先日の経済財政諮問会議・日本成長戦略会議合同会議における高市総理の取りまとめ発言においても、戦略産業クラスター計画に関しては、官民投資ロードマップ記載の危機管理投資、成長投資を起爆剤に、それを支えるインフラ整備や、産業クラスター形成に必要な鉄道や造船ドック、ロケット射場のような民間クラスター拠点の整備を既存の予算とは別枠で大胆に進めるというふうに総理自身が御発言されています。
であるならば、全国を結ぶ高速鉄道網、特に新幹線についても、地方の産業立地や人流、物流、観光、防災、そして国土強靱化、代替交通ネットワーク、さらに、波及効果として、素材、電力、そして通信技術への波及という観点から、成長投資や危機管理投資に位置づけられるべきものではないかというふうに思うわけですけれども、なぜ新幹線、次世代高速鉄道網については、六十二の主要製品、技術等の中にそのインフラが含まれていないのか、この考え方について説明をお願いします。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
十七の戦略分野につきましては、官民の戦略的な国内投資を加速するためという目的を持って、世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラを開発して国内外に提供することで日本の成長につながること、あるいは、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保につながること、こういうことが期待できる分野につきまして、危機管理投資、成長投資から特定の分野を選定したということでございます。
その上で、さらに、六十二の主要な製品、技術等につきましては、十七の戦略分野の中でも特に、国内のリスク低減の必要性ですとか海外市場の獲得可能性、関係技術の革新性といった観点から戦略的に選定をしたものでございます。
こうした中で、委員御指摘のとおり、十七の戦略分野には鉄道は含まれておらず、したがいまして、新幹線ですとか高速鉄道インフラにつきましては、六十二の主要な製品、技術等には含まれていないところではございますが、まずは、戦略的に選定いたしましたこの十七の戦略分野につきまして、官民の連携の下で、今般取りまとめることとしております官民投資ロードマップの実現に向けた取組を進めるということが重要であると考えております。
その上で、いずれにいたしましても、十七の戦略分野における官民投資ロードマップにつきましては、成長戦略の取りまとめの後におきましても、定期的なPDCAのプロセスを通じまして、内外の経済情勢、技術の開発動向、今後の支援施策の実行の状況等を踏まえまして、必要な見直しを図っていくこととしてまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
今後、状況を見ながら、また具体的な対象製品等変わってくる可能性もあるということですが、ちょっとここで整備新幹線について国土交通省に確認したいと思います。
整備新幹線は、鉄道・運輸機構が施設を建設、保有してJRが運行する上下分離方式となっていて、建設費は線路貸付料を除いた分の国が三分の二、地方が三分の一を負担する仕組みとなっています。地方については、各都道府県を何キロメートル通るかという属地主義というものが採用されているわけですが、また、そして着工には、着工五条件といって、安定的な財源の見通し、収支採算性、投資効果、JRの同意、そして並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意の確認が必要であるとされています。
しかし、この整備新幹線の仕組みというのは、今の人口減少とか地方財政の制約が強くなっているという状況において、JRの経営判断、並行在来線問題等々、いろいろな工事費の高騰もありまして、この整備新幹線というスキーム自体が時代に合わなくなってきているところがあるんじゃないかなというふうに懸念しています。
特に、北陸新幹線の敦賀以遠の延伸について、今朝の与党の会合で小浜・京都案の桂川ルートに決まったというふうな報道が先ほどございましたけれども、この中で、どうしても、並行在来線の扱いをどうするかとか、あるいは自治体負担をどうするか、そして、京都仏教会が何か反対しているとか京都市も余り歓迎でないとか、いろいろな問題がまだ解決できていないところもございます。
滋賀県については、並行在来線の経営分離という話も、元々、新幹線と在来線は同じ都道府県を通るという前提で仕組みが設計されているので、今回、並行在来線に当たる湖西線が滋賀県、新幹線が京都府というふうに、通る都道府県が違ってしまうという点で、滋賀県からすると、新幹線も何も来ないのに、ただただJRから切り離した分の赤字を負担させられるみたいなことになってしまいますので、過去に滋賀県は、敦賀以遠の延伸について、着工五条件のうち安定的な財源見通しや並行在来線の経営分離に係る沿線自治体の同意というものが課題で、そして、敦賀以西には並行在来線は存在しないという趣旨の考えを示していると承知しています。
新幹線というのは国土全体の成長投資に関わるものですから、並行在来線の経営分離というものも、今は地方自治体の同意と負担に委ねるという現行制度ですけれども、それが今後のネットワークをつくっていく部分での足かせになっていないかどうかということも含めて、国として、今後、新幹線建設に関わるスキームというものを新たにまたちょっと検討し直すべきときなんじゃないかというふうに思いますが、国交省からの意見をお願いします。
○小林(太)政府参考人 お答え申し上げます。
整備新幹線の新たな区間の着工に当たりましては、今まさに先生が御指摘いただきましたとおり、累次の政府・与党申合せにおきまして、安定的な財源見通しの確保、収支採算性、投資効果、営業主体であるJRの同意、並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意といった、いわゆる着工五条件を確認することとされておりまして、北陸新幹線の敦賀―新大阪間の着工に当たりましても、この着工五条件を確認するということとなると考えてございます。
この着工五条件のうち安定的な財源見通しの確保を確認する中で、地方負担を含めた整備財源の在り方について検討していくということとなりますけれども、北陸新幹線を含む整備新幹線の整備財源というのは、法令上、貸付料等を除いた額について、これも御指摘ありました、国と地方で二対一の割合で負担するということとされておりますので、まずは貸付料をしっかり確保するということが肝要であると考えているところでございます。
このため、こうした貸付料について、継続的に適正な額を確保できるよう、現在、交通政策審議会の下に設置した小委員会におきまして、その在り方を、議論を進めているというところでございます。
また、並行在来線の取扱いについても御質問いただきましたけれども、これは、先ほど申し上げましたとおり、並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意というものが着工五条件の一つとされております。北陸新幹線敦賀―新大阪間が開業した場合における並行在来線の取扱いにつきましては、現時点では決まったものはございません。まずはJR西日本において適切にその取扱いについて検討がなされるというふうに認識をしているところでございます。
北陸新幹線敦賀―新大阪間の整備に向けた諸課題につきまして、着工五条件の議論の中で沿線自治体の御意見も踏まえつつ検討が深められていくこととなると考えておりまして、国土交通省としても適切に対応してまいりたいと考えております。
今後とも、北陸新幹線の一日も早い全線開業に向けまして、鉄道・運輸機構とともに丁寧かつ着実に取り組んでまいりたいと考えてございます。
〔土田委員長代理退席、委員長着席〕
○牧野委員 ありがとうございます。
今、貸付料をしっかり確保できるようにというお話がございましたが、北陸新幹線の延伸も含めて、今課題になっている東九州新幹線とか四国新幹線、あるいは山陰新幹線、こういったものは、単なる地域要望ではなくて、国土軸の強靱化であって、そして、既存交通網の代替補完とかいろいろな役割があります。なので、人がいないところに通すと、どうしても、JRがどれぐらいもうかるかという、そのもうけに応じて貸付料が決まりますから、人が少ないところに通すと貸付料が下がらざるを得ないところはありますけれども、人がいないから引かないじゃなくて、人が少ないところにこそしっかり引いて、そこに人がちゃんと住めるようにする、この発想でもってやっていただきたいというふうに考えています。
であるならば、通常の整備新幹線の予算の枠内で国、自治体、JRの合意というものを待つというだけではなくて、強く豊かな日本投資枠という別枠予算をせっかく新たにつくるんですから、それを新幹線建設等にもしっかり投じて、そして早期に建設を進めるべきであると思いますし、この高速交通インフラというものを成長戦略のPDCAの中で追加的検討の対象に入れるべきではないかと思いますが、内閣官房のお考えをお願いします。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
強く豊かな日本投資枠につきましては、先ほど財務省からの答弁がございましたが、六月二十四日の日本成長戦略会議におきまして、高市総理から、日本成長戦略や地域未来戦略などを踏まえまして、官民投資ロードマップや分野横断的課題に対応していく取組の形で示されたような、国内民間設備投資や潜在成長率を大きく引き上げる効果の高い措置を対象とするよう御指示をいただいているところでございます。
まずは、十七の戦略分野につきまして、官民連携の下、今般取りまとめる官民投資ロードマップの実現に向けた取組を進めることが重要であると考えているところでございます。
その上で、現時点では整備新幹線や次世代高速交通インフラにつきまして具体的な検討を行っているものではございませんけれども、いずれにいたしましても、十七の戦略分野における官民投資ロードマップについては、成長戦略の取りまとめの後におきましても、PDCAを通じて、内外の経済情勢、技術の動向、今後の支援施策の実行動向等を踏まえまして、繰り返しになりますが、必要な見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございました。
今後は、必要な見直しは随時やはり行っていくというお話をいただきましたので、しっかりこういう高速交通インフラ等も含めて御検討いただきたいというふうに思います。
最後に大臣に、今までいろいろ議論いたしましたが、ちょっと一問飛ばさせていただきまして、今回のこの三百七十兆円、官民合わせて三百七十兆円という数字が上がっていますけれども、これを本当の意味で実効性あるものにするためには、やはり、政府が一歩前に出てと言っているからには、民間任せではなくてしっかりと、危機管理投資とかという観点も含めて、そういう鉄道、そしていろいろな、食料安全保障の面も含めて、先端産業の社会実装というところから一次産業まで含めた日本全体の供給能力をしっかり安定的に高めていくために、この強く豊かな日本投資枠を本当に実効性のあるものにする、その覚悟を大臣から伺いたいと思います。お願いします。
○赤澤国務大臣 世界中を眺めて、地政学リスクが非常に高まっているとか、AIも含めて、非連続な技術革新といった構造変化が起きております。恐らく私の感覚ではここ四十年続いたあの新自由主義的な経済の発想から全く隔絶されて、産業政策の成否が国力を左右する時代が到来をしたという理解を私はしております。今こそ政府が一歩前に出て、積極的に政策を展開することが重要だと思います。
強く豊かな日本投資枠に関しては、民間の予見可能性を高めるべく、複数年度の計画に基づくものを基本とし、国内民間設備投資や潜在成長率を大きく引き上げる効果の高い措置を対象とすることとされています。
経済産業省としても、日本成長戦略の下で策定してきた官民投資ロードマップをより実効性のあるものとすべく、引き続き産業界との対話を進め、真に有効な政策を策定していきたいと思います。
加えて、昨年十月の日銀の展望レポートで、最低賃金の上昇への対応として設備投資による合理化に取り組む企業は約四割存在をします。
今の労働供給制約社会ということが、国内で、何というか、もうそういう状態になっておりますけれども、賃上げは、まさに国民生活を豊かにするとともに、今申し上げたように、最低賃金が上がったから投資をするという意思決定が例えばなされていくわけで、生産性向上投資を促す、企業の行動変容を促進する、まさに今求められている供給力強化政策そのもので、国の成長戦略の起点であると私は理解をしています。
なので、稼ぐ力の強化といったようなことは先ほど申し上げた強い経済を実現していく中でしっかりやっていきますが、それと賃上げの好循環、稼ぐ力の強化と賃上げの好循環に資する様々な政策を着実に実行することが強い経済の実現にとって不可欠であるし、それをやれば必ず実現できると考えている次第でございます。
○牧野委員 ありがとうございました。
やはり、賃上げをしっかりしていくということは非常に重要になると思います。賃上げ促進税制とかもありますが、やはり我が党としては、消費税を全体的に下げることこそ究極の中小企業支援策であり賃上げ促進策だと思っていますので、そういったことも含めて今後も議論していきたいと思います。
今日はありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 チームみらいの河合道雄です。
本日も一般質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
一つ目のテーマは、合成核酸の受託合成におけるバイオセキュリティーの確保についてです。
本年六月十日のこの委員会で、私はこの問題を取り上げました。その際、赤澤経済産業大臣からも、バイオセキュリティーへの危機感を御共有いただくとともに、米国や英国での制度化の動きを注視しながら、国産の配列スクリーニング基盤の整備、国際的な共通基盤への参画を、内閣府を始めとする関係省庁や産業界と連携して検討していくとの答弁をいただきました。
その後、本年七月に公表された官民投資ロードマップの政策パッケージでは、バイオセーフティー、セキュリティーへの対応として、DNAスクリーニング等の検査能力の構築や、開発、製造設備の国内整備、そして条件づけによる活用促進が明記されました。前進として歓迎いたします。
ただ、この問題は楽観できません。今年には、AIのたんぱく質設計ツールで毒素の配列を改変し、既存のスクリーニングを計算上すり抜けられることが実証されたとの報告もありました。既存のスクリーニング技術だけでは危険を排除し切れない可能性を示すものです。
そのため、まず、できることを早急に進める必要があります。参考になるのは米国の進め方です。米国では、核酸合成スクリーニングの枠組みを定め、生命科学研究に資金を出す連邦の各機関が、交付の条件として、スクリーニングを遵守する事業者からのみ合成核酸を調達することを求めるような仕組みを実施しております。この取組の要点は、新たな立法ではなく資金の交付条件という形で、今発注の入口を実質的に塞いでいる点にございます。
このように、立法や追加の予算を待たずして、今着手できる先行策があるのではないかという問題意識の下、お伺いいたします。
政府参考人にお伺いいたします。
バイオセキュリティーの具体策として、経済産業省所管のバイオ物づくり支援事業等の交付要綱に配列スクリーニング等の遵守を組み込むこと、又は、関連分野での競争的研究費の研究採択、交付の要件に同様の遵守を組み込むことが考えられるかと存じますが、こうした打ち手について政府の見解をお伺いいたします。
○馬場政府参考人 お答えいたします。
内閣府では、核酸合成サービスを通じた危険な遺伝子配列の入手に関する国内のリスク対応について、関係省庁や民間企業と意見交換を行っているところでございます。
議員に御指摘いただいた点に関しましては、米国の連邦研究資金では、危険な遺伝子配列のスクリーニングを実施しているプロバイダーの利用を要件化する動きがあるといったところは承知してございます。
こうしたことも選択肢としつつ、今後、内閣府に設置しているバイオエコノミー戦略に関する有識者の会議で、国際的な動向や関係者の声も踏まえながら、関係省庁とともに必要な対応の検討を進めているところでございます。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。まずはしっかりと有識者会議等の会議体で検討を進めていただきたいと存じます。
その上で、この問題の非常に難しい点は二点あると考えております。
一つ目は、危険性の高い合成核酸を今や誰もが作り得るようになりつつあるということです。もう一つは、こういう配列という情報の流通そのものは非常に制限がかけにくいということです。ですので、だからこそ、現時点で講じ得る対策はまず着実に進めていただいた上で、あわせて、まさにおっしゃっていただいたように、国際的な動向に目を向けていただきながら、対策を一歩一歩進めていただきたいと考えております。
前回御紹介いたしました書簡においても、オープンAIの社長ですとかノーベル化学賞を受賞した研究者らの合同で出した書簡ですけれども、合成する装置の製造業者と合成DNAの受託企業の双方に対して審査ですとか顧客の確認を求めるべきだという趣旨でございました。これは、上流と下流をしっかりと押さえるというかなり強い提案でございますけれども、そういった主張もあるという動きを踏まえながら、必要な対策を機動的に講じていただくことを期待しております。
続いて、中小企業のAX、AIトランスフォーメーションについてお伺いいたします。
中小企業庁は、今年の六月二十四日に稼ぐ力強化戦略を公表いたしました。二〇四〇年に働き手が約一千百万人不足するという民間試算を背景に、付加価値労働生産性を五年間で一〇%向上させるということで、七本の柱の一個に省力化AXを据えたものと承知しております。
このAXの柱では、AIを導入したい中小企業とAIに詳しい人材やサービス提供者を地域ごとにつなぐ、中小企業AX促進ネットワーク構想が掲げられています。地道ではございますけれども、こうしたつながりをつくりながら裾野を広げていく方向性には共感をしております。
その一方で、二〇二六年版の中小企業白書によれば、AIを活用していない企業の六三・四%が、その理由として、活用する業務がイメージできないということを挙げています。個社の支援を組み立てる前提として、このイメージできない層の実態を踏まえた進め方が求められると考えます。
中小企業と言えるか分からないんですけれども、私たちチームみらいの中でも、実は党の中でAI勉強会というものを開いております。私たち議員もそうですし、秘書もエンジニアというわけではないんですけれども、それぞれの分野でどういうふうに使っていくかとか、業務の中でどういうふうに使っていくかというところを、一緒にAIを触りながら少しずつ習得するということを党内でもやっているんですね。
その中では、かなりここの業界での経歴も長い秘書のメンバーでも、かなりAIを使っているというようなことになっておりまして、こういった日々の業務が実際にどれぐらい楽になるかということを一人一人が体感できるような仕立てということが、AIの活用を促す上では非常に重要だと肌感覚でも感じております。その意味では、こういったAXの取組の中では、業種や業務の特性に応じて、使いどころまでしっかりと橋渡しをしていくということが重要だと考えております。
その上で、大臣にお伺いをいたします。
中小企業のAX、AIトランスフォーメーションについて、このイメージできない層を対象に、業種、領域ごとの特性を踏まえたアプローチを含め、導入支援をどのように進めていくべきと考えるか、見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 私自身、必ずしも本業がトランプ関税だったり中東情勢対応ではないわけでありまして、本当に国のためになることをやろうと思えば、このAIはど真ん中だろうというふうに思っています。
個人的にもいろいろその関係で調べ物をしたり、実際にAIを使ってちょっといろいろな調査をかけたりということをやっています。そういうのも若干御披露すると、まず、経営者がやる気になっているところと、下が頑張ってやっているところで、全くその浸透が違うということがありますので、まず、おっしゃったように、AIを活用するイメージができていない、個人利用止まりの企業を洗い出して、そこの経営者に向かって強く働きかける。実際に効果が実感できるところまで、場合によってはカスタマイズしたりして伴走してくれる伴走者、何も給料がすごく高い人を専属で雇う必要もないので、そういう形で取り組んでいくということが必要だと思います。
それから、調べて分かることは、これは言っちゃっていいのかあれなんですけれども、例えば、JAはかなり中を紙で仕事を処理しています。JAに限らないんですが、紙でいろいろなことをやっていて、少なくともデジタル化されていないところについて言うと、端的に言うと、AIレディーでないんです。全く成果が変わってきてしまうので、そういう意味では、イメージができない事業者の中でも、農業関係、中山間地になると、紙の呪縛というのがあって、それは乗り越えなきゃいけないということがあります。
それから、費用についても分かってきたことは、今まさにおっしゃったことが鍵で、効果が実感できると一気に進むので、支援をやる場合も毎年幾らじゃなくて、初年度にどんと支援を例えばする形で、後はもう逓減していくというような進め方とか、ちょっと個人的にはいろいろ自分で調べて物を考えながらやっている中で、今ぐらいのことをちょっと気づいているというようなことを共有させていただきました。
以上です。
○河合委員 大臣、実際に御自身が手を動かしてやられたことをお伝えいただき、ありがとうございます。
まさに、こういったところで効果実感をしながら、自身がその価値を感じている経営者をいかに増やすかというところがポイントだというふうにおっしゃっていただきましたけれども、そこに向けてアプローチいただきたいというところと、まさに、紙みたいなプロセスが入ると、一気に業務フロー自体を変えていくということが難しいということになると思いますので、そういった一体となった企業風土ですとか業務慣習をどうやって変えていくかというところまで取り組む必要があるというふうに考えております。ありがとうございます。
こういった取組は、どうしても広く薄くなる危険性もあると思いますので、しっかりと、まさに業務フロー自体が変わっていくところまで追っていただくことで、有効なお金の使い道としていただきたいと思います。
続いて、今大臣もお話しいただきました補助制度についてもお伺いをしていきます。
政府は、本年、従来のIT導入補助金をデジタル化・AI導入補助金に改称し、登録されたITツールのクラウド利用料を最大二年分補助対象とするとともに、令和七年度からは、定着、活用を支える活用支援の費用も補助対象に加えるなど、利用型の運用費を支援する方向に踏み出されたと承知しております。この前進は評価しております。
もっとも、この補助は導入支援のたてつけでございまして、補助対象期間が最大二年にとどまり、中小企業がその後も継続してITツールやAIを活用し、業務に定着させていけるかが大きな課題となるというところと認識しております。
他方、AIサービスの中には、業務に深く組み込んで活用すればするほど、利用量に応じたトークン従量で費用が増えるものもございます。例えば、AIを社内システムにAPIで組み込み、扱うデータや処理が増えるほど費用が伸びる使い方や、高度な推論モデルを使い込む場合がこれに当たります。
象徴的なのはAIによるコーディング支援ツールで、これは、定額から利用量に応じた従量課金へ移行する動きが続いております。まさに、稼ぐ力が目指しているところにある、業務フローに組み込んで深く使えば使うほど、従量課金が費用の本体になり得るという費用構造の変化というものが表れつつあるということだと思います。
ここで重要なのは、この戦略が掲げる深い業務改革を目指せば目指すほど、現行の定額補助の仕組みがマッチしない可能性があるということです。
もちろん、現時点では定額のAIサービスを使っている方がほとんどだと私も承知しております。ただ、定額サービスの範囲ですと、例えば翻訳ですとか要約などの一部業務の代替にとどまり、業務全体の変革にはつながりにくい面も指摘できるかと考えます。今後、業務フローへ本格的に組み込んでいくことを考えるのならば、トークン従量という費用構造にどう向き合うかも考える必要があると考えます。
この点を踏まえまして、二点、政府参考人にお伺いいたします。
第一に、補助期間の終了後も、中小企業が継続してこういったITツールやAIを活用、定着させる仕立てとなっているか、そのための支援は十分とお考えになっているか、お伺いいたします。
第二に、今後、トークンなどの使用量に応じた従量課金を含むAIサービスが本制度の下で実際に活用され、支援の対象になり得るか、また、深い活用に進めば進むほど従量が費用の本体となる局面を制度としてどのように捉えているかについて、見解をお伺いいたします。
○山本政府参考人 お答えいたします。
中小企業のAXは、単なる生産性向上ではなく、委員御指摘のとおり、経営そのものを高度化する上で不可欠と認識しております。まずは、より多くの中小企業の経営者にAIを試してもらうことが重要であると考えておりまして、その導入のきっかけとなるよう、デジタル化・AI導入補助金を措置しております。
この際、経営者にとって使い勝手のよいものとすることが重要でありまして、例えばチャットGPT、Gemini、クロードなど、汎用的なAIを対象としております。その際、御指摘がございましたけれども、補助金を適切に運用する観点からは、従量制のサービスは対象とはしておりませんけれども、定額の契約であれば同様のサービスを活用いただけるよう、補助対象を柔軟に解釈し、運用上の工夫を凝らしているところでございます。
この補助金を用いまして、最大二年の補助対象期間の間に経営にAIを実装していただき、経営力を高め、その後、自らがAI投資を継続していただくことを経営者の皆様には期待するものであります。
したがいまして、導入後、継続的に補助金により支援をするものではございませんけれども、言及いただきました補助対象期間後の定着を促すため、コンサル費用の支援を行っているほか、AI導入の成功事例の共有など総合的に支援をすることによりまして、中小企業経営においてAI活用が当たり前となるよう進めてまいる所存でございます。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。
こういった、実際にコンサルティングも含めて、事後にしっかりと生産性が向上し、経営が高度化するところまでコミットする仕組みというところは非常に評価できるところでございますので、ばらまきにならないように、しっかりと成果等も注視していただきたいと思います。
また、従量課金について現時点で制度がないことは理解いたしますけれども、例えば業務効率化による経費削減などを望むのであれば、そういった削減幅に連動するなど、いろいろな仕組みの可能性はあると思いますので、今後の検討に是非のせていただければというふうに考えております。ありがとうございます。
では、続いて、三つ目のテーマとして、フィジカルAIのためのAIレディーなデータセットについてお伺いいたします。
政府は、AIロボティクス戦略において、我が国の強みである高品質な現場データを核に、データ獲得、モデル改善、横展開の循環を確立することを勝ち筋と位置づけています。
現場データが我が国の強みであることはそのとおりと考えております。また、政府は、マルチモーダル基盤モデル開発事業やGENIACを通して、国産基盤モデルそのものの構築にも多層的に取り組んでいると承知しております。
もっとも、そもそも論として、フィジカルAIがどのように実用に堪える水準に到達できるのか、その道筋は世界的に見てもまだ見定まっていない状況かと思います。また、基盤モデルの開発においても、現場データを核に据えれば届くのか、それとも、汎用的で多様なデータを大量に用いる方が利くのか、この点についても、いろいろな研究がある中で、後者を支持する研究知見も出てきたところでもあり、専門家の見方も一つに収束していないのが実情と承知しております。
つまり、ここはあらかじめ正解が見えている領域ではございません。だとすれば、特定の勝ち筋に最初から決め打ちするだけではなくて、検証を通じて何が利くのかが見えてきた段階で機動的に戦略を張り替えていくというようなアプローチ、この柔軟さも重要と考えております。本戦略においても、この不確実性を前提に、汎用データの重要性をどの程度重く見ているのかという点が問われると考えております。
ここで、政府参考人にお伺いいたします。
政府が本戦略において高品質な現場データをどのように生かすかを検討してこられたのか、また、基盤モデルを構築する観点に照らすと汎用的なデータも活用すべきとの指摘についてどう考えるか、見解をお伺いいたします。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。
今回開発するマルチモーダル基盤モデルには、汎用的な性能を持たせる必要があると考えております。したがいまして、テキストデータや音声、画像など、様々な汎用性のあるデータは当然学習させます。
一方で、今回のマルチモーダル基盤モデルは、大規模言語モデルとは異なり、フィジカルAIを実現するためのAIモデルであります。したがいまして、テキストなどのデータだけでなく、触覚、摩擦などの物理特性データなどの様々なユニークなデータも学習させることが必要だと思っています。
こうした物理特性などに関するデータについては、日本には、製造業などの現場の高品質なデータ、高齢者のヘルスケア、災害対応、廃炉などのユニークなデータが蓄積しておりまして、こうした様々なデータを活用することで、実社会を理解し、物理的なタスクを行うフィジカルAIの実現に結びつけていきたいというふうに考えています。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。
多様なデータというところで、まさにいろいろなデータを使いながらこれから社会実装を進めていく上で、テストベッドの整備について重ねてお伺いをいたします。
AIロボティクス戦略では、中核拠点にテストベッドを整備するとしています。テストベッドとは、導入現場に近いモックアップや試験設備といった物理の空間と、計算資源、データ基盤、シミュレーションといったサイバー空間を一体で運用し、学習、検証、改善を高速で回すための実証と実験の場です。
実装ロードマップでは、市場規模、導入ニーズ、技術の成熟度、導入の容易性などを総合的に評価し、対象となる産業を横断で整理し、短期に共通する八つのタスクを選定しています。
もっとも、現実にどの領域から絞り込んでいくか、まだ具体化されていないと承知しております。分野の選定においては、人手不足が最も深刻で、社会的必要性が一方、事故の許容度ですとか合意形成の難しさから、民間の取組だけでは進みにくい課題先進の領域、例えば介護や防災、恐らく、おっしゃっていただいた廃炉なども含まれるかと思いますけれども、こういった領域においては、政府がリーダーシップを発揮して取り組む意義が大きいと考えております。
ここで、政府参考人にお伺いいたします。
テストベッドの整備と対象領域の選定を今後どのような考えで進めるのか、とりわけ、成功が見込みやすい領域に偏らず、社会的必要性の高い課題先進領域に政府がリーダーシップを発揮して取り組む考えはあるか、政府の見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 なかなか面白い議論だと思っていまして、成功が見込みやすい製造業というおっしゃり方をしたのですが、私自身はちょっとまた別の見方をしているところがあるので、答弁をさせていただきたいと思います。
先月末に改訂版を公表したAIロボティクス戦略では、AIロボティクスの社会実装を加速する政策の柱の一つとして、AIロボティクスの中核拠点、センター・オブ・エクセレンス、COEの整備を掲げております。
同戦略では、製造、介護、物流などの十八分野において二〇四〇年までに一千万台導入することを目標に掲げ、そのうち今六分野、製造、物流、建設・土木、建築、小売、警備の六分野を先行的に社会実装を進める分野として位置づけています。
これの裏にある考え方でもないんですが、加えて、私自身は、ビッグデータ掛けるAIの時代なので、勝ち筋はかなりはっきりしていて、一言で言えば、我が国が超高齢社会で、かつ災害大国だということだと思います。
高齢者、あるいは災害。高齢者の方が多いということは、これ自体はハッピーですけれども、財政負担という意味でいえばピンチかもしれない。災害大国であること、これは明らかにピンチでありますが、そこのビッグデータは他国を圧倒できるということだと思うんです。あと、世界一の製造現場があり、あるいは世界で唯一の過酷環境の廃炉の現場がある。あれだけ線量が高いところで自由に動くロボットとかセンサー、カメラのすり合わせとかそういうことというのは、あそこでしかある意味できない。
こうした様々な現場で蓄積されたデータ、産業用ロボット等の技術基盤は我が国のまさに勝ち筋であって、COEでは、こうした観点も踏まえて対象とする領域の選定を進めているという考え方であります。
詳細については、産官学の関係者とよく議論をしながら、世界に誇れるAIロボティクスの中核拠点となるよう、更に検討してまいりたいと考えております。
○河合委員 大臣、御答弁いただき、ありがとうございます。
日本の置かれている状況をまさに課題先進国として捉えて強みとしていくというアプローチ、非常に共感をいたします。
重ねて、データの観点でちょっとお伺いをしていきたいんですけれども、まさにこういった難しい現場でのデータもありますし、まさに強みとして伸ばしていこうという製造業の現場におけるデータ活用も非常に大きな課題があるというふうに認識をしております。まさに大臣がおっしゃっていただいたように、フィールドとしての日本は非常に豊かな可能性があると思いますけれども、世界に目を向けてみますと、フィジカルAIの領域におけるデータ集め、これは年々苛烈さを増しています。
まさに、先ほど参考人もおっしゃっていただきましたけれども、言語データだけじゃないデータをどうやって集めていくかというところにいろいろな事業が今集積してきておりまして、データを取ること自体を事業とする企業がアメリカで高い評価で調達をしていたりですとか、あるいは人件費の安いところでデータを集めながら、それを商品として販売していくというようなモデルも出てきたりしているところだと認識をしております。
また、データを取るということ自体も専用のツールが必要だったりもしておりまして、例えばですが、3Dプリンターで出したようなグリッパーと言われるようなつかむツールにカメラをつけて、人間がしている作業を、そこでいろいろな情報を入れながら収集していくことで人間の動作をロボットに学んでもらおうというような、UMIという装置を使って集めていったりですとか、製造業の現場に目を向けてみましても、既存の設備に更に加えてセンサーですとかカメラなどを後づけする必要も出てきているというところで、事業者さんからは新たにデータを取っていくための負担みたいなお声も聞こえてきております。
そうなってきますと、データを集めるということに目を向けましても、現場の側に追加の投資が必要でしたりだとか、その規模が当初の想定を上回るという可能性もあり得るのではないかと思います。加えて、既存のデータの取扱い、権利関係ですとかデータ提供のスキームの整備も欠かせません。
ここで、政府参考人にお伺いいたします。
現場データをしっかりと集めるために必要な投資の規模をしっかりと把握されているのか、また、こういったところを、政府自らの投資に限らず、参加するインセンティブ設計を含めてどのような制度設計となっているか、お伺いをいたします。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。
まず、競争力があるフィジカルAIの開発には、現場で蓄積された物理特性などの様々なデータの活用が不可欠ということで、るるお話をさせていただきました。
経済産業省においては、AI開発の支援プログラム、GENIACなどにおいて、製造業などの現場データをAIの学習などに利用することができるようにするためのまずデータの整備手法、これを確立してそれを標準化する、さらに、その手法を活用してデータセットの構築を進める、こういった支援を進めています。この中には、当然のことながら、設備を導入するようなことも含めて支援対象に入ってくるということです。
これらの事業においては、例えばシート状の特殊な触覚センサーとか、若しくは肩がけ型の画像、音声収集先端デバイス、こういった現場の実データを適切に収集するためのセンサーなどの機材を必要に応じて導入して、データセットを整備するということを支援しています。
また、どう使えるようにするのか、これは権利関係とかいろいろ難しいところもございますが、少なくとも私たちがこうやって支援をさせていただいて作っているデータセット、これは先ほど御紹介させていただきましたが、マルチモーダル基盤モデル、これの開発には使わせてくださいねということで、構築したデータセットの提供などを、まさにマルチモーダル基盤モデルの開発に協力することを条件として支援をするということで、スムーズに利用できる環境を整えています。
こうした取組を通じて、フィジカルAIの開発に必要なデータを質、量共に確保していくということを進めていきたいと考えています。
○河合委員 ありがとうございます。
マルチモーダル基盤モデルに使っていくことを条件にしつつというところで、積極的に集めていくような取組を目指されているということで、方向性、非常に共感いたしますので、一層ここを推進いただければと思います。
加えまして、こういったデータだとか研究の観点でいうと、先日、アメリカの取組であるジェネシス・ミッションのパートナーシップに日本も参加したことについてお伺いをしたいと思います。
ジェネシス・ミッションは、米国が二〇二五年十一月に大統領令で立ち上げたものでございますけれども、AIで科学の発見を加速するための国家的な取組です。日本はこのジェネシス・ミッションに参加する初の国際パートナーとなって、本年六月四日に文科省、エネルギー省、経済産業省の三者で日米の戦略パートナーシップの合意締結を署名、公表したと認識しております。
まず、ここで政府参考人にお伺いいたします。
ジェネシス・ミッションに初の国際パートナーとして参画する意義と、この連携を通して日本が期待する成果について、お伺いをいたします。
○生田政府参考人 お答えいたします。
本年六月に発表した日本のAI・フォー・サイエンスの取組と米国のジェネシス・ミッションとの連携に向けた日米戦略的パートナーシップにおいて、日米は先進的なAIを活用して研究開発の在り方を根本的に変革することを目指し、様々な先端科学技術分野での協力を拡大、強化することとしています。
日米両国は長年にわたり、互いの強みを生かしながら科学技術分野で補完的なパートナーシップを築いてまいりました。特にAIについては、米国は世界トップレベルの研究力を持ち、大規模なデータや計算資源環境を保有、整備する一方、日本にはAI開発に不可欠な質の高い研究データが豊富に存在するなど、本パートナーシップにおいても両国にとって互恵的な連携が期待されております。
その上で、本パートナーシップに基づく国際共同研究においては、日米の研究者が互いの国の計算資源をそれぞれの国の研究者と同じ条件で利用できる旨が盛り込まれており、日本としても、世界でも有数の大規模計算資源にアクセスできる可能性が広がることは有益だと考えております。
また、国際共同研究により、高精度な科学基盤モデルの開発など、世界を先導する研究成果の創出や若手研究者の育成も期待されます。
さらに、米国の国立研究所が今後整備する計算資源環境について、例えば、日本企業が半導体や通信装置などを納入することで更なる知見の蓄積や技術革新が進み、結果として我が国の産業基盤の強化にもつながると考えられます。
引き続き、日米の関係研究機関の研究者が参加する十一領域のワーキンググループにおける議論の深化や、AI・フォー・サイエンス革新的研究推進事業、ARiSEなども通じ、本パートナーシップの具体化の取組を進め、我が国の研究力向上や産業競争力の強化につなげてまいります。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございました。
本取組は、まさに計算資源の共有というところもありますけれども、AI・フォー・サイエンスですとか共同研究の文脈で、データ等も共有しながら、一層の研究開発の推進に期待しております。
その上では、先ほども大臣がおっしゃっていただきましたけれども、政府としてしっかりと、研究ですとか産業界のためにデータセットを構築していったりだとか、共有できるようにするような、積極的なリーダーシップを必要としていると考えておりまして、この取組の一層の進展を期待しております。
それでは、時間となりましたので、以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○工藤委員長 本日の質疑は以上でございます。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時五十分散会

