衆議院

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第7号 令和8年4月24日(金曜日)

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令和八年四月二十四日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 冨樫 博之君

   理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君

   理事 高木 宏壽君 理事 武井 俊輔君

   理事 田中 良生君 理事 福重 隆浩君

   理事 住吉 寛紀君 理事 臼木 秀剛君

      浅田眞澄美君    五十嵐 清君

      伊藤 忠彦君    井上 貴博君

      上田 英俊君    小里 泰弘君

      加藤 竜祥君    菅家 一郎君

      北神 圭朗君    熊田 裕通君

      小池 正昭君    坂本竜太郎君

      繁本  護君    白坂 亜紀君

      高鳥 修一君    高橋 祐介君

      土井  亨君    中山 泰秀君

      根本  拓君    東田 淳平君

      山口  晋君    山本 左近君

      鷲尾英一郎君    渡辺 孝一君

      赤羽 一嘉君    犬飼 明佳君

      佐藤 英道君    奥下 剛光君

      美延 映夫君    小竹  凱君

      西岡 秀子君    古川 元久君

      吉川 里奈君    須田英太郎君

      畑野 君枝君

    …………………………………

   国土交通大臣       金子 恭之君

   国土交通副大臣      酒井 庸行君

   国土交通大臣政務官    加藤 竜祥君

   国土交通大臣政務官    上田 英俊君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  早田  豪君

   政府参考人

   (内閣府総合海洋政策推進事務局次長)       川崎  暁君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 服部  準君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局審議官)        小川久仁子君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   岡田 智裕君

   政府参考人

   (文化庁審議官)     梶山 正司君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総括審議官)         岡野まさ子君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         小林賢太郎君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            鶴田 浩久君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        楠田 幹人君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  中田 裕人君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        林  正道君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  沓掛 敏夫君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  宿本 尚吾君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  五十嵐徹人君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局長)          石原  大君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  新垣 慶太君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  安部  賢君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  宮澤 康一君

   政府参考人

   (観光庁次長)      木村 典央君

   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十四日

 辞任         補欠選任

  五十嵐 清君     東田 淳平君

  北神 圭朗君     繁本  護君

  白坂 亜紀君     浅田眞澄美君

  古川 元久君     小竹  凱君

同日

 辞任         補欠選任

  浅田眞澄美君     白坂 亜紀君

  繁本  護君     北神 圭朗君

  東田 淳平君     五十嵐 清君

  小竹  凱君     古川 元久君

    ―――――――――――――

四月二十三日

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

冨樫委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省大臣官房総括審議官岡野まさ子君外二十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。武井俊輔君。

武井委員 おはようございます。質問の機会をありがとうございます。武井俊輔です。

 早速質問させていただきたいと思います。

 まず、辺野古沖の転覆事故について御質問いたします。

 まず、今回の事故、私は、事件と呼んでも差し支えないのではないかと思うほどずさんなものであると思っております。改めまして、亡くなられた武石知華さん、また船長の方の御冥福をお祈りをしたいと存じます。

 事故自体については、もう既に中山先生、また犬飼先生などからもありましたので、私は、旅行業法の観点から観光庁に御質問をします。

 お手元の方に「ご旅程表」という資料をつけております。御覧をいただきたいと思います。これは、旅行会社東武トップツアーズが作成をしたものを学校が研修旅行のしおりに使用して、生徒、保護者に配付をしたものであります。

 この中のFというのが問題の行程であるわけですが、これは、公開されている知華さんのお父様の手記を見ても、美ら海水族館に行く前にボートでサンゴ礁を見るという認識だった、彼女にとっては、ただそれだけの純粋な選択だったというふうに書かれております。

 確かに、これを見れば、旅行会社が作ったものが配られているわけですから、それが普通の感覚だと思うんですよね。ここに、例えば、これが抗議船であるとか保険が掛かっていないとか、そういったようなことがちゃんと書いてあれば、それは選択を変えた人も多くいたんじゃないかと思うわけですね。つまり、あの実態を鑑みますと、旅行業法というのは消費者保護が主たる趣旨でありますから、その観点から考えると、これはやはり、私は重大な瑕疵があったと言わざるを得ないというふうに思っております。

 その後の旅行会社の対応は、お父様の手記にもありますが、社長を含めて丁寧に対応されているようではありますし、今後の責任、また補償の問題というのは、もちろん別途進められていくと思います。

 その上で、今回、このような表記が長く見過ごされて常態化していたということについては、管理監督する観光庁として、旅行業法上、また旅程管理上、私はやはり反省するべき点があると思います。これをどう考えられるか。そしてまた、あわせて、ちょっとまだ今後を述べるには早いかと思いますけれども、今後このような事態を二度と引き起こさないために観光庁としてどのような対策を行うのか、併せてお伺いします。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの研修旅行のうち、今般事故が生じた船舶での見学の手配につきましては、旅行会社は受注しておらず、学校側が直接選定し手配したものと承知しているところでございます。

 しかしながら、委員御指摘のとおり、旅行会社が作成いたしました研修旅行全体の旅程表におきましては、当該見学は学校側が独自に手配したものであることが記載されておらず、これが学校側の判断により生徒や保護者に研修旅行のしおりとして配付されたものと承知しているところでございます。

 観光庁といたしましては、旅行者に適切な情報を提供することは重要と考えておりますが、今般、旅行会社が作成した旅程表の中で、当該船舶の乗船については、学校側が手配したにもかかわらず、旅行会社が手配したと誤認された可能性もあると考えております。

 こうした状況を受けまして、観光庁では、旅行業団体に対しまして、文書にて、旅行者への必要な情報提供や助言を実施することも含め、改めて旅行中の安全確保のための取組を徹底するよう求めたところでございます。

 引き続き、旅行業団体とも連携しつつ、旅行者の安全確保や必要な情報提供などに向けた取組を徹底してまいりたいと考えているところでございます。

武井委員 もちろん、手配旅行は主催旅行とは違いますから、ここに行きたいということであれば、それを沿うようにするわけですけれども、やはりその辺が明確にならなかったことというのは、今回の非常に大きな教訓、反省にしなければいけないことだと思いますので、今後対応をお願いしたいと存じます。

 続きまして、我々は九州の人間でございますので、九州の東西間格差ということについて一点お伺いしたいと思います。

 大臣も熊本の御出身ですのでよくお分かりかと思いますが、九州の東西間というのは非常に大きな格差があります。西側は、高速も早期に二車線ですし、久留米から三車線ですね、新幹線も十五年前に開通をしたわけであります。

 ここでは私と白坂先生と二人ですけれども、一方で、東九州はどうかというと、東九州道というのは、いまだに八割は二車線で、全通もしていませんし、JR九州の日豊本線は、大分駅から鹿児島駅まで三百三十キロにわたって単線であります。これは、東京から行くと、東海道線に行けば、名古屋の手前の岡崎とか安城ぐらいまで全部単線だというぐらいの長さであります。

 加えて、鹿児島中央駅から宮崎行きの特急に乗ると二時間二十分なんですけれども、同じ時間に出発した新幹線は、もう広島まで行っている、九州を抜けて。宮崎までの距離は百二十五キロ、広島までの距離は五百六十九キロあるわけですね、四・五倍あるわけです。またさらに、宮崎から大分間も、特に、佐伯と延岡に宗太郎峠という山があるんですが、昔からスピードが遅くて、墓石の文字が読めるなんと言われるぐらいのところです。

 宮崎から大分の北の方の国東とかの方まで行くと、ネットの検索サイトで見ると、一旦、宮崎空港から伊丹空港まで飛行機で行って、そこから大分空港に行った方が早いみたいなものが出たりするわけであります。

 いろいろな発展とか競争というのを考えたときに、やはりこれではさすがに、競争力を東九州が持っていくというのはなかなか厳しいなと思うところでございまして、九州出身の大臣に万感の思いを込めてお伺いをいたしますが、この九州の東西間格差というものをどのように御認識されているか。また、あわせて、その解消の大きな鍵になる東九州の新幹線について、思いをお伺いしたいと思います。

金子国務大臣 おはようございます。

 武井委員には、大学卒業後、宮崎交通に就職をされ、特に交通関係、観光関係、大きな声で国土交通省に対しても御提言をいただき、国土交通行政に御尽力いただいており、まずは御礼を申し上げたいと思います。

 今、東西格差のお話がございました。私も九州の西側に属している熊本県でございますので、余りこのことをしっかりと答えるというのは、なかなか答えにくいわけでございますが、御指摘のとおり、九州地方の各地域によって、都市間移動のサービスレベルには違いがあると認識をしております。

 新幹線は、交流の促進、産業発展や観光立国、地方創生に重要な役割を果たすとともに、災害時の代替輸送ルートの確保など、国土強靱化の観点からも重要でございます。

 こうした重要性に鑑み、九州においても、九州新幹線の鹿児島ルートが平成二十三年、二〇一一年に全線開業するなど、順次、新幹線ネットワークの整備が進められておりますが、今後の整備は、まずは、北海道、北陸、西九州の各整備計画路線の確実な整備にめどを立てることが最優先の課題であると考えております。

 一方、基本計画路線、東九州新幹線もそうでありますけれども、基本計画路線については、全国から強い御要望をいただいているほか、各地域において様々な検討が行われております。東九州新幹線についても、委員の御地元の宮崎県において検討が行われているなどの動きがあると承知をしております。

 国土交通省といたしましては、新たな取組として、今年度に初めて基本計画路線に係るケーススタディーを実施することとしており、予算もつけさせていただきました。更なる取組を進めてまいります。

 引き続き、地域の実情も踏まえながら、必要な高速鉄道ネットワークの整備に取り組んでまいります。

 この答弁でお許しをいただきたいと思います。

武井委員 ありがとうございました。強い決意と私は理解をさせていただきます。

 宮崎県では独自に、まさに大臣の御地元ですけれども、新八代から人吉を通るルートなども検討したり、各都道府県でもいろいろな動きもあります。もちろん、基本計画の前でもありますから簡単ではないことは承知をしておりますが、様々な意見も是非適切にまた拾っていただいて、取り組んでいただきたいとお願いをしておきたいと思います。

 最後にいたしますが、観光庁の在り方についてということで、一点御質問させていただきたいと思います。

 観光庁は、二〇〇八年に発足をしました日本観光のまさに司令塔であります。本当に皆さんよく頑張っていただいていると心から私も感謝をしております。

 人員は、当初、この二〇〇八年、百三名で、今、二倍強の二百二十七名ということになっております。一方で、予算は、当初六十三億円からスタートしまして、今年度の予算で一千三百八十三億円と、約二十二倍になっているわけですね。つまり、単純計算をすると、要するに職員一人当たり六億円の予算を執行管理しているということになっております。

 今大臣からもお話を頂戴いたしましたが、私も観光に携わる議員として長く観光庁を見てまいりましたけれども、観光に特に注力された菅義偉政権以降、加速度的に予算もどっと増えてきた。しかし、これだけの巨額の公金を、少数の職員、また出向者の方も民間も含めて非常に多いわけですが、それで適時適切に管理監督するということは非常に大変だな、物理的にも困難ではないかということを感じています。つまり、私は、やはり観光庁がこのままだと補助金分配のための組織になってしまうのではないかということを非常に危惧をしております。

 事実、やはり観光庁だけではなかなか回らないので、外部に事務局を設けて運営しているものも結構あるわけですが、ちょっと資料をいただきましたけれども、五億円超の事業で、令和六年で外部に事務局を出しているものが百六十一億円。そのうち、一割の十六億円を事務の経費として出しているわけです。一年間で一社で五億円以上、この事務経費だけで受けているという会社もあります。また、直接補助をしたものでも、事業者の方が外部のコンサルなんかを入れているものもたくさんあって、大体二割から三割がその相場観だと言われているわけであります。

 ですから、結果として、非常に今、補助金ビジネスが増えているわけですね。ばっこしていると言ってもいいような、ネットでも、私なんかが観光を検索すると、いろいろな広告でも出てくるような状況であります。さらに、やはりコロナ以降、補助金に関わる不正の事案も残念ながら複数発生しているところであります。

 今まさに国際観光旅客税の増額もあります。更にこうして予算が増大する今だからこそ、一度、観光庁というのはちょっと立ち止まって、この在り方、そしてまた、外部の事業者であるとか業界であるとか、そういったようなものとの関わり方も含めて、やはりガバナンスをきちんと強化していくというタイミングではないか。今がまさに大きなターニングポイントだというふうに思っております。

 観光の司令塔が、補助金を配ってというだけではやはりもったいない。是非、政治のリーダーシップでそういった取組をお願いしたいと思います。大臣の所感をお伺いします。

金子国務大臣 武井委員から、やはり観光に物すごく今まで力を入れているからこそ、いろいろな課題が見えてきているんだろうと思います。

 そういう意味では、先ほどお話がありましたように、観光庁は、二〇〇八年に設置されて以降、観光立国の実現に向けて果たすべき役割が大きくなるにつれまして、その組織や人員、取り扱う関係予算などが充実してまいりました。

 観光庁は、中長期的な計画の策定や財源の確保、旅客税関係予算の編成等の政府の観光政策の司令塔としての役割を担っているところであり、まずはこの役割をしっかり果たせるようにすることが重要だと考えております。

 予算の執行に当たっては、事業の性質に応じて、環境省、文化庁などの関係省庁、また国土交通省内では航空局、鉄道局等の関係部局において予算を執行しており、また、観光庁においても、現在の人員の中で、外部委託による事務局の活用も含め、適切に執行するよう努めております。

 一方、御指摘のとおり、補助金を不正に受給するなどの不適切な事案があることも承知をしておりますが、これらの事案については、捜査機関に対して必要な協力を行うとともに、事実関係を確認した上で厳正に対処しているところでございます。

 今後とも、予算の適切な執行や外部との関係も含め、観光庁がよりよいガバナンスを発揮できるよう、改善を重ねてまいりたいと考えておりますし、これだけの予算をいただいているわけでありますから、しっかりと観光行政が前に進んでいくように、我々も全力で取り組んでまいりたいと思います。引き続きの御指導、よろしくお願い申し上げます。

武井委員 ありがとうございます。大臣からも御丁寧な御答弁をいただきました。

 私、観光庁の皆さんは本当によく頑張っておられると思うんですね。ただ一方で、やはり、特に国際観光旅客税が増えると、いろいろな団体とかいろいろな議連とかが、これにも使えるあれにも使える、こうしてくれとかというのがどんどん増えてきて、何か、本当は、まさに大臣がおっしゃったとおり、司令塔として在り方というものをより取り組んでいかなければいけない中で、どうしてもそういったようなものに忙殺されるということでリソースをすり減らしていくということは本当にもったいないことだと思います。

 これは、現場はどうしてもそれに対応しなければいけないわけですので、まさに、政治、大臣のリーダーシップに懸かっていると心から御期待を申し上げまして、質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

冨樫委員長 次に、福重隆浩君。

福重委員 中道改革連合の福重隆浩でございます。

 まず冒頭に、この度岩手県で発生した山林火災により被災された皆様に心よりのお見舞いを申し上げます。また、消火活動や避難対応に尽力してくださっておられる消防、関係機関の皆様に深く敬意と感謝を申し上げます。被災地の一日も早い復旧復興を心からお祈りを申し上げます。

 それでは、先週に引き続き、ナフサ不足による市中の影響についてお伺いをいたします。

 政府は、今、全体として必要量は確保している、目詰まりを一つずつ解消しているとして、四月十六日に、国交省と経産省による事務連絡「住宅建材・設備の安定供給に向けた御協力について」という要請を住宅関連団体に向けて発せられました。大手の住宅設備関連企業に伺ったところ、通常を大きく上回る新規受注がある中で、四月中旬からは出荷数量の調整や新規受注を停止している状況とのこと。

 実際に地元の工務店さんのオンライン会議に参加をさせていただき、直接聞いたお話を少し紹介をさせていただきますが、仕入れが五%から一〇%上がっている、しかしエンドユーザーに価格転嫁はできない。キッチンなどの塗装用の材料が一切入ってこない、特に屋根の防水用シンナーが入ってこない。塩ビ管も入手できず、水回りの最初の工程から着工ができない。ナフサが止まったことによって、三月中旬以降ユニットバスが入ってこない。ウッドショックのときは、未入荷品が木材に特定できたので、入手時期を回答すれば完了検査を受け、建築代金を受領できたが、今回は品目数が多過ぎるため、完工処理ができないのではないか。大手ハウスメーカーが受注して地場の工務店に発注する、このままでは地場の工務店に仕事が回らず、倒産が多発する可能性がある。今年四月から大手ハウスメーカーが軒並み値上げを行い、受注が厳しくなってきている。更に中東ショックの値上げ分が加算された場合、住宅着工件数が極端に減少するおそれがある。部材の中で、特に断熱材料は五〇%の値上げが来ている。

 まさに建設、住宅産業は内需拡大に大きな力を発揮します。

 そこで、お伺いをいたします。

 過去に、政府は、住宅資材の不足や価格高騰が起こった際、どのような支援策を講じてきたか、改めて確認をさせてください。その上で、先週からの支援や情報収集、情報提供の進捗はいかがな状況にあるのか、御答弁をお願いいたします。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 過去に起こりました住宅資材の不足などに関しましては、例えばコロナ禍において給湯器の供給が滞った際には、国土交通省と経済産業省の協力の下、給湯器メーカーに対し安定的な供給を働きかけるとともに、工務店の資金繰り支援のための相談窓口の周知や不要不急な発注の抑制など、市場の安定化に取り組んでまいりました。

 今般の中東情勢に際しては、シンナーなどの有機溶剤などの調達が困難になったということを要因とする一部設備メーカーにおける受注停止の動きがあったほか、幅広い建材、設備について価格の引上げなどが行われていると承知をしてございます。

 国土交通省といたしましては、経済産業省と緊密に連携をし、住宅建材、設備の安定的供給に向けて、流通の目詰まり解消に取り組むとともに、関係団体と関係省庁間で住宅建材、設備の需給状況に関して情報共有を図り、住宅の安定供給に向けて取り組んでいるところでございます。

 また、一部の住宅建材、設備の価格上昇や安定的な調達への懸念の声を踏まえまして、委員からも御指摘ございましたが、工務店を含む住宅生産関係団体に対しまして、既に着工している物件について価格等に影響がある場合は建築主に対してできるだけ早期に状況などを説明すること、住宅設備、建材の供給見通しなどに関する情報収集に協力することについてお願いをするとともに、資金繰りに関する特別相談窓口の設置やセーフティーネット貸付けなどの中小企業向け支援を実施していることなどを周知をしてございます。

 また、別途、建築確認におけます審査を行う特定行政庁などに対しまして、断熱材を変更する場合の建築基準法の完了検査の速やかな実施を要請していることについても併せて周知をしてございます。

 引き続き、住宅が安定して供給されますように経済産業省と連携協力をして取り組んでまいります。

福重委員 次に、四月二十日には、経団連の筒井会長からも事態の長期化に備えるべきだとの懸念が表明されております。

 そこで、大臣にお伺いをいたします。

 エンドユーザーが住宅購入、住まいの確保という人生で大きな買物を諦めることがないようにしていただきたいと思います。住宅取得や完成が今回のような不可抗力によって遅れてしまったとしても、受け入れられる補助金や減税などの申請については期間を延長するなど、柔軟な対応が必要となると思います。

 大臣を始め国交省の皆様は現場第一で関わっていただいているからこそ、是非、できるだけの対応は全てやるという意気込みを、影響を受ける業界、中小企業、消費者の皆さんへの支援は遅滞なく進めていただきたいと思いますが、その御決意をお伺いいたします。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 今般の中東情勢によりまして、ナフサ等を原料とする一部の住宅建材、設備について、価格の上昇や安定的な調達への懸念の声が上がっていることは承知をしております。

 国土交通省としては、先ほど局長からも御答弁いたしましたが、所管の業界等に対しまして目詰まり箇所の特定への協力要請やきめ細かい聞き取りを行いまして、価格を含む住宅市場の動向と国民の住宅取得への影響について注視するとともに、関係省庁、関係団体とも連携をしながら、工務店等による住宅の安定的供給と国民が安心して住宅を取得できる環境の確保に取り組んでまいります。

 事業者や建築主への支援については、引き続き、業界や現場の事業者の皆様の声を丁寧にお聞きしながら、今後の中東情勢の動向やその影響を踏まえ、しっかりと現場の声に耳を傾け、適切に対処してまいりたいと思います。

福重委員 御答弁ありがとうございました。

 先ほど局長からも、値上がった分はちゃんと施主さん、エンドユーザーに御説明をしてというようなお話がございました。

 ただ、国民にとって人生で一番大きな買物は、やはり私は住宅だと思います。そういった中にあって、五%、一〇%、二〇%上がってくるということは、やはり資金繰りの計画に大きな懸念を来しますので、そういった意味では、しっかりとそういったところに対してのフォローをしていかないと、住宅着工件数がどんどん落ちることによって地域の経済が疲弊していく、そういうおそれがありますので、しっかりとしたそういったユーザー目線の支援ということもお考えいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 続きまして、関連して、改正建築物省エネ法、建築基準法に関してお伺いをいたします。

 これも工務店社長からの声ですが、昨年の法改正で全ての新築住宅に省エネ基準への適合が義務化され、確認申請時の審査内容が大幅に強化されています。省エネ性能や構造の安全性をきちんと証明できる資料の提出が必須になっているのですが、元々一か月ぐらいであった建築確認申請の審査が、今は三か月以上かかることもある、現場では、年度末に契約をしても、確認申請が進まないため、着工がずれ込んでしまう状況になっており、中東情勢と合わせてダブルパンチだということでございます。

 個別相談窓口や対応状況について、御答弁をお願いいたします。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 令和七年四月の改正建築基準法、改正建築物省エネ法の施行によりまして、原則、全ての新築、増改築される建築物に対し省エネ基準への適合を義務化するとともに、二階建ての木造戸建て住宅などに係る建築確認における審査省略制度の見直しが行われたところであります。

 この改正によりまして、省エネルギー性能基準への適合判定が必要になるとともに、建築確認におきましても構造などの審査事項が増えますことですから、以前より建築確認手続が長期化することはある程度想定をされておりまして、建築主事が行う場合の法定処理期間を七日から三十五日に見直すとともに、施行までの約三年間の準備期間を設けまして、様々な対策を講じてまいりました。

 施行前には、申請者、審査者双方に対しまして、説明会、講習会の開催、テキスト等の作成、オンライン講座の開設や、申請図書の作成支援を行う建築士向けサポートセンターの設置などを行ってまいりました。

 また、施行後におきましては、都道府県に対して、この建築士サポートセンターや業務が逼迫していない審査機関への案内をするなど、申請先の平準化を図るよう要請するとともに、昨年十一月からは、申請図書の不備の削減を目的としまして、AIを活用した建築確認申請図書の事前チェックサービスというものの提供をしているところであります。

 今月上旬に、申請者、審査者双方に対しまして実施をいたしました実態調査によりまして、審査期間の改善は確認ができているところではありますが、依然として一部の機関におきましては長期化しているという実態も確認できました。したがいまして、引き続き状況を注視するとともに、建築確認の手続の円滑化に向けて必要な措置を講じてまいりたいと考えてございます。

福重委員 御答弁ありがとうございました。

 調査をいろいろとしていただいて、対策も打っていただいているようでございますけれども、一方で、長期化しているという実態が見えていると。こういった地場の工務店さん、もう本当に人手不足で、人がいない中で、本当に、来月から着工しようと思っていたのができなくなって、そこで人が浮いてしまう、そういうような状況というのは工務店の経営を圧迫しますので、是非そういった形の中でスピーディーな対応をお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。

 建設業界では、担い手不足が極めて深刻な状況であります。仕事があるにもかかわらず、人がいないために事業を畳む、いわゆる黒字廃業も増えています。

 東京商工リサーチの調査、二〇二五年一月発表によれば、二〇二四年の建設業の休廃業、解散件数は一万二百八十三件に上り、調査開始以来初めて一万人を突破したとのこと。これは全産業の中で最も多くなっております。そして、そのうち五〇・六%が黒字企業となっております。私の地元群馬県でも、二〇二五年に休業、廃業、解散した企業数は千十件であり、やはり件数のトップは建設業となっております。

 円安による物価高、今は中東情勢によって資材が手に入らないことに加えて、人手不足、人件費の上昇、後継者の不在が大きな要因となっております。

 二〇二五年の国土交通白書を見ても、建設技能労働者数はおよそ五年ごとに七、八%ずつ減少しており、年齢別では、その半数を五十歳以上が占めておられると記載されております。一方で、白書には、ICTスキルを生かして、建設ディレクターという新職種の活用が拡大しているとの記載がありました。まさに建設技術者の一部業務を代行すると理解しています。

 そこで伺います。

 建設産業で働きたい女性や高齢者、外国人もいる中で、国交省や関係省庁が取り組んでいる担い手拡大の支援策と実績をお伺いいたします。

上田大臣政務官 建設業において、担い手確保は喫緊の課題であり、老若男女を問わず、様々な方々に従事していただけるよう取り組んでいくことが重要であります。

 その中でも、女性の就業者については、この十年間で七十五万人から八十八万人に増加しておりますが、この流れを加速させるべく、昨年三月に建設業団体等と共同で、建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画を策定いたしました。現在、この計画に基づいて、快適なトイレや更衣室の整備、計画的な休暇取得や朝礼の運営見直しなど、女性を始め誰もが働きやすい職場環境の整備に官民一体で取り組んでいるところであります。

 また、委員から御指摘のありました建設ディレクターにつきましては、ICTスキル等により、建設技術者の業務を一部代行して工程管理や調整業務等を行う職種であり、女性や高齢者も含め、幅広い人材の活躍に寄与するものであると考えております。そのため、建設ディレクターの導入事例や効果を全国の建設業団体の会議等で紹介するなど、その周知に取り組んでいるところであります。

 さらに、このような働きやすい環境整備に向けたハード、ソフト両面での取組について、女性以外の方々も含めて広く社会に御理解いただけるよう、女性の就業継続に向けた柔軟な働き方等の事例集の作成や官民による会議等での発信、教育訓練等のリスキリングのための厚生労働省による支援策の周知などに取り組んでおります。

 引き続き、関係省庁や関係団体と緊密に連携し、女性や高齢者等の現場の声も丁寧に伺いながら、女性や高齢者等が働きやすい職場づくり、働き続けられる職場づくりにしっかりと取り組んでまいります。

 以上でございます。

福重委員 丁寧な御答弁、ありがとうございました。

 実は、私は、以前、地元のタクシー会社の女性経営者と懇談をしたときに、今ちょっとお話がございましたけれども、更衣室や女子トイレを整備したことによって、若い女性のドライバー希望者がどんどん来るようになって、今、全体のドライバーの二五%がもう女性ドライバーになって、うちの会社は人手不足を感じたことがありませんというふうに力強くおっしゃっておられました。また、今、本当に女性の方でも重機オペレーターとして頑張っておられる。そういうようなところから考えていくと、そういうような働き方を変えることによって更に人手不足を解消できる、そういうようなことが考えられると思います。

 是非、そういった女性や高齢者、働きたい高齢者、こういった方々の就職への支援だとかリスキリングだとか、そういったことを本当にしっかりと御対応していただきたいと思いますので、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。

 先日、移住希望地ランキングが発表となり、私の地元群馬県が二年連続で全国一位となりました。しかし、移住はゴールではなくスタートです。やはり、選ばれる都市として、先日も触れましたが、医、職、住、学、交の整備が重要であると思っております。

 群馬県の移住者数は、平成二十六年度が百二十四人から令和六年度には千五百六十人へと、十倍以上に増加しております。こうした移住の流れを加速し、地方への人の流れを生み出すためには、住みやすい交通の確保で魅力ある地方都市にしていくことが不可欠であると考えます。

 そこで、住まいという観点からお伺いいたします。

 大臣所信においても触れられておられましたが、現在、首都圏、とりわけ東京圏においては、住宅価格の高騰が続いています。確かに低廉な価格で入居可能な公的賃貸住宅は存在しておりますが、その供給は住宅全体の戸数に対して約五%にとどまっており、決して十分な水準とは言えません。この結果、とりわけ若年層や子育て世代を中心に、住まいの確保が大きな負担となっている現状がございます。

 加えて、公営住宅は、老朽化による建て替えや廃止、集約化、地方公共団体の財政悪化等により、供給戸数も減少傾向にあります。

 その一方で、空き家が増えており、令和五年の総務省の住宅・土地統計調査によると、空き家の総数は全国で九百万戸あり、この二十年で一・四倍になっており、そのうち、使用目的のない空き家、長期にわたって不在の住宅は木造の戸建てが多く、二百六十八万戸となっております。

 もしこれらをうまく活用することができれば、住まいの確保に役立てることができるのではないでしょうか。実際に、神奈川県の二宮団地プロジェクトでは、リフォームやリノベーションなどによって、空き室四割超でがらがらだった団地が人気物件に大変身、その地域への転入が増えているとの報道もありました。実は、地方の住宅工務店に聞くと、今は新築物件の仕事が建築単価の高騰などにより減少しているが、空き家のリノベーションやリフォームの仕事でつないでいるとのこと。

 地方自治体においては、空き家対策への支援を行っていただいている地域もありますが、国においても、東京の一極集中を地方に分散させるとともに、全国にある空き家を負の遺産から魅力ある資産へと変えていき、空き家の利活用が進むような踏み込んだ支援策が是非必要と考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

金子国務大臣 群馬の取組、本当に敬意を表したいと思います。しっかり学ばせていただきたいと思います。

 空き家については、私も熊本でありますので、空き家対策というのは非常に重要であります。

 空き家の活用というのは、子育て世帯向けの住宅やセーフティーネット住宅の供給など、様々な行政課題を解決する取組であり、委員御指摘のとおり、地方への移住や二地域居住等の推進を図る上でも重要な役割を担っていると認識をしております。

 空き家の活用を図る上で特に課題となるのが、活用可能な空き家の掘り起こしや相談対応等に取り組む人材の確保であり、国土交通省においては、空き家の所有者への相談対応等に取り組む空家等管理活用支援法人の指定を促進しているところでございます。現在、百六市区町村において百八十九団体が指定されておりまして、こうした支援法人の中には、自治体の移住支援窓口と連携をして、空き家の所有者と移住希望者とのマッチング活動をしている法人もあると承知をしております。

 また、国土交通省としては、空き家の改修等の費用に係る自治体への財政支援も講じており、移住者のための住宅の整備にも御活用いただいております。

 国土交通省といたしましては、引き続き、空き家の所有者や自治体に対しまして、これら施策の周知を図りつつ、法律、税制、予算上の様々な措置を講じまして、総合的な空き家対策を進めてまいります。

福重委員 御答弁ありがとうございました。

 次に、空き家特例についてお伺いをいたします。これは、昨年から参議院公明党の杉久武議員が取り上げており、国交省の政策にも関わることですので、質問をさせてもらいます。

 空き家対策は、政府においては、今も御答弁をいただきましたが、その一つとして空き家特例による税制の優遇措置がございます。これは、一定の要件を満たした場合は譲渡所得から最大三千万円の特別控除が適用される特例であります。本制度は、空き家の発生後、長期間放置させることを防ぎ、流通や利活用を促進するための重要な施策であると認識しております。一方で、生前に行う民事信託によって将来空き家となるかもしれない物件を管理して、その後に信託が終了して空き家となった場合には、この特例が受けられることができない場合がございます。

 この空き家特例は、二〇二七年十二月三十一日までに売却されたものが対象となっております。国交省の税制改正に向けた議論はこれから始まると思っておりますけれども、是非、空き家を放置しない、魅力的な都市再生につなげていくという意味で重要ですので、特例の延長も要望していただきたいと思いますし、民事信託も一定の要件を満たすことで可とする拡充を行っていただきたいと思います。

 国民目線から見ても分かりやすい制度にしていただいた方がより一層の利活用につながっていくと思いますが、進捗並びに検討状況をお伺いいたします。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘の税制特例措置につきましては、相続などにより空き家が放置されることを抑止する観点から、平成二十八年度の税制改正において創設をされたものでございます。

 国土交通省では、この特例の適用実績、特例の効果や影響の把握などを進めており、それらの分析も踏まえて、この特例の延長も含めて、必要な対応を検討してまいります。

 また、御指摘の信託終了によって空き家を取得した場合については、法律上の相続や遺贈には当たらず、本特例の対象にはならないものと認識をしてございます。

 一方で、生前に行う財産の管理、承継のための手法として、自らが居住している家屋を目的とした民事信託が活用される場合もあり、こうした場合についても本特例の対象に加えるべきとの御指摘もあるところであります。

 こうした御指摘を踏まえまして、国土交通省では、これまで、関係する有識者へのヒアリングなどを通じまして、民事信託が相続に際して活用される場合の実態の把握や、この特例の対象に加えた場合の効果や影響の検討などを進めているところでございます。

 引き続き、実態把握を行いつつ、必要な対応を検討してまいります。

福重委員 これは多くの関係者からも要望が強い特例でございますので、是非、拡充、延長をお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 次に、利根川水系の治水対策検討状況について、金子大臣にお伺いをいたします。

 これまで、何度も、大臣の御見解をお伺いしたいと思っておりましたが、私の質疑時間の調整がうまくいかず、お聞きすることができなくて申し訳ございませんでした。

 三月十八日に、利根川水系の治水対策で、過去に事業を中止した事業について、ダムを建設するための調査を始めるとの報道がありました。

 利根川は関東の暴れ川で、これまでも、命や暮らし、また人生が変わってしまうような水災害が何度も発生しております。直近では、二〇一九年の台風十九号も猛威を振るいました。国交省では、その都度、下流、中流、上流で様々な対策を行ってきていただいていると理解をしています。何より、日本の国土と命を守るために日々奮闘されていることに感謝をしております。

 金子大臣も、御地元熊本での御経験から、災害現場の第一線に常に足を運ばれ、御自身の目で確かめる、現場第一を貫かれていると承知しております。また、総務大臣も歴任され、地方行政と国交行政の双方に精通したエキスパートでいらっしゃいます。本当に心強いことです。

 私たち中道改革連合は、さきの衆議院選挙において五つの柱を立てました。その柱の一つの中には、防災・減災、国土強靱化の強化であります。インフラ更新、流域治水、耐震化などを備えることへの重点的な投資は、国民の生命と財産を守る根幹だと考えております。国民の日常生活が一瞬にして失われ、途方に暮れることのないように、事前防災、前倒しの計画には、与党野党関係なく、知恵を出し合って、協力できるところは手を携えて考えていかなければならないと思っています。

 改めて、利根川水系の治水計画の検討状況を含め、国民の命と暮らしを断固として守り抜くという大臣の強い御決意をお伺いいたします。

金子国務大臣 私も度々申し上げておりますが、五年八か月がたちます令和二年七月豪雨災害では、私のふるさとが球磨川の濁流にのまれました。また、昨年の八月にも豪雨災害に遭ったところであります。そういう意味では、防災・減災、国土強靱化、あるいは事前防災の重要性というのは十分に認識をしておりまして、今、川辺川、球磨川流域では、流域治水に、国、県、流域市町村とともに取り組んでいるところでございます。

 今、福重委員からお話がございました、利根川水系ということでございましたが、首都圏は、我が国の中枢機能が集中をする社会経済活動の最重要拠点であり、何としても水災害による壊滅的な被害を防止することが必要であると考えております。

 このため、首都圏を流れる利根川においては、ダム、遊水地、堤防の整備、河道掘削といったハード対策と、避難体制の強化といったソフト対策を一体的に進めているところであり、令和七年三月に河川整備計画を変更し、更なる対策強化の取組を開始したところでございます。

 具体的には、関係都県や学識者の意見を伺いつつ、国や水資源機構が管理するダムに加えて、県管理ダムや利水ダムも対象に、更なる事前放流の拡大や既存ダム間における治水、利水容量の再配分等によりまして、利根川上流域のダム群の洪水貯留機能を強化する検討を進めているところでございます。

 また、検討の過程におきまして、関係都県や有識者から、既存ダムの有効活用に加えて、過去に事業を中止したダムの活用を検討することが必要ではないかとの御意見をいただいており、これらも選択肢から排除せずに検討を進めてまいります。

 利根川においては、これらのハード対策に加え、自治体等と連携したソフト対策等の治水対策を総動員して首都圏の安全、安心の確保に努めるとともに、全国においても、国土交通省が旗振り役となって、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水を加速化、深化させ、水災害に強い国土づくりに全力で取り組んでまいります。

福重委員 本当に力強い御答弁、ありがとうございました。

 実は、治水対策に関しましては、地元市議会からも要望が上がっておりますし、そして、実は今日配付できなかったんですけれども、地元紙の上毛新聞では、中止二ダム再開へ調査、戸倉、倉渕ということで、中止ダムの検討が始まるというようなことが今日新聞に掲載をされておりました。

 予断を持たずに、本当に国民の命を守るんだという強い決意に立って今後進めていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、犬飼明佳君。

犬飼委員 中道改革連合の犬飼明佳でございます。よろしくお願いをいたします。

 まず、生活道路等の交通安全対策についてお伺いをいたします。

 ちょうどこの本年四月から、道路交通法の改正により、自転車の青切符制度が始まりました。ながら運転や信号無視などの危険行為に対する取締りが強化され、安全意識の向上が期待をされております。

 一方で、自転車は原則車道とされながらも、通行区分が分かりにくい。あるいは、自動車が自転車を追い抜く際に一メートル以上の十分な間隔を確保しなければ、安全運転義務違反に問われる可能性があるということであります。また、その際には、黄色のセンターラインの場合にははみ出して追い越すことができないとか、また、狭い道路の場合ではそうした距離を十分に保つことが難しいという場面もあります。それによって渋滞が起きたり、別の危険ということが発生する可能性もあろうかというふうに思います。多くの皆様からは、どこまでが違反になるのか分かりにくいといった戸惑いの声も私の下にも多く寄せられております。

 青切符制度の導入により自転車に対する取締りが変更され、これで三週間が経過をしたところであります。国民の皆様方にとって分かりやすく納得感のある運用をする必要があります。そこで、ルール遵守を徹底するためには国民に分かりやすい形での周知、広報が不可欠であると考えますが、警察庁としてどのように取り組んでいくのか、お答えください。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、本年四月一日から、十六歳以上の者による自転車の一定の交通違反を対象に、交通反則通告制度、いわゆる青切符が導入されたところでございます。

 警察におきましては、自転車への交通反則通告制度、青切符の導入に当たりましては、その制度の概要や自転車の交通ルールについて国民の皆様に対して丁寧に周知を行うことが重要であるというふうに考えておりまして、これまでも、自転車の基本的な交通ルールを分かりやすく解説する自転車ルールブックの作成、自転車の交通ルールなどを取りまとめた特設ポータルサイトの開設などを行い、これらを活用するなどして広報啓発を推進してきたところでございます。

 また、ただいま委員からルールが分かりづらいと御指摘をいただいたところではございますが、新たに四月一日から施行されました、自動車等が自転車等の側方を通過する際の通行方法に係る規定につきましては、自動車等と自転車の右側面が接触する交通事故が依然として多く発生していることを踏まえまして、自動車等と自転車等が相互に配慮した通行を求めるものでございます。

 自動車等が自転車等の右側を通過する場合には、自転車等の運転者の方はできるだけ左側端を走行していただき、他方、自動車等の運転者の方は、十分な間隔が取れない場合には、速度を調整して追い抜きをすることにより、自転車等の安全を確保するよう努めていただきたいと考えているものでございます。

 引き続き、自転車ルールブックなどを活用し、自転車の交通ルールの周知に向けて、関係機関、団体と連携しながら、広報啓発や交通安全教育の継続的な取組を推進してまいりたいと考えております。

犬飼委員 今お伺いをしても、十分なとか、その意味がなかなか分かりづらいというものはあろうかと思います。定着するまで、とにかく丁寧な形で周知を続けていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 次に、道路整備の観点についてお伺いします。

 交通安全対策は、ルール遵守や取締りといったソフト対策に加えて、道路構造そのものを見直すハード対策を一体的に進めることが重要であります。特に、自転車専用レーンについては、整備が進んでいる地域もある一方で、未整備や不連続な区間も多く、自転車が歩道と車道を行き来せざるを得ない状況が見受けられます。これにより、歩行者との接触のリスクや、自動車との事故のリスクということも高まる可能性もあるかというふうに思います。

 そこで、青切符制度によるルール遵守の徹底に加え、交通安全確保の観点からは、自転車専用レーンなど、自転車通行空間の整備をしていくことが極めて重要であると考えますが、大臣の見解をお伺いをいたします。

金子国務大臣 犬飼委員には、青切符制度の改正に伴った自転車通行空間の整備についての御提言をいただきまして、ありがとうございます。

 自転車の活用を推進するための基盤として、安全、安心な自転車通行空間を確保することは大変重要であり、これまでも取組を進めてきたところでございます。

 以前、衆議院の国土交通委員会の海外派遣でイギリス、オランダを訪問した際、私も自転車専用の通行空間を走り、我が国も同様な環境を整備したいと感じたところでございます。

 その経験を踏まえまして、交通安全を確保する観点から、歩行者、自転車、自動車がそれぞれ安全に通行できる、交通状況に応じて、適切に分離された通行空間の整備を実効性の確保に留意しながら進めることが重要と考えております。

 このため、自転車利用や事故の発生状況を踏まえ、優先度の高い区間における自転車専用の通行空間の整備、交差点における視認性の改善や表示の工夫などの対策を、優先順位をつけ、自治体とも連携しながら進めてまいります。

 超党派で自転車活用推進議員連盟が成立をさせた自転車活用推進法というのがあります。私はその議連の幹事長を務めているわけでございますが、その法律に基づいて、政府の自転車活用推進本部長が私、国土交通大臣で、事務局長が道路局長ということでございますので、現在策定中の新たな自転車活用推進計画の下で、引き続き、関係機関と連携しながら、安全、安心な自転車利用環境の実現にしっかりと取り組んでまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 大臣から力強い御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。まさに大臣のリーダーシップによって、自転車通行空間の整備が更に加速化することを御期待をしておりますので、よろしくお願いをいたします。

 さて、続いて、生活道路における交通安全対策としてのゾーン30プラスについて伺います。

 新年度が始まり、私の地元の小学校区でも通学路の安全点検が行われました。生活道路では、歩行者、自転車、自動車が混在をしております。速度抑制と通過交通の排除を面的に進める具体的な施策としてゾーン30プラスがあります。この推進は大変重要な取組であると思います。

 しかし、自治体からは、データ分析の不足や物理的デバイスの設置に関する技術的な課題、さらには住民の合意形成の難しさなど、様々な課題が指摘をされております。自治体のみでの解決は難しく、技術的な支援も含めて、国としての支援が必要であります。

 そこで、国交省として、こうした分野における具体的な支援の取組状況についてお答えください。

沓掛政府参考人 お答え申し上げます。

 このゾーン30プラスは、ハンプなどの物理的装置を各地区の道路や交通状況に応じて適切に配置する必要があり、その構造設計やデータ活用、地域の合意形成について専門的な知見が求められることから、国土交通省として地方公共団体への技術的支援を進めているところです。

 具体的には、ハンプなどの物理的装置の技術基準を分かりやすく解説した技術資料の周知、ETC二・〇プローブデータを活用した急ブレーキの発生状況や抜け道利用などの分析結果の提供、ハンプの試験的設置が可能な移動型のハンプの貸出し、あるいは住民との円滑な合意形成が図られた地区の事例集の提供などの技術的支援に取り組んでいるところです。

 また、こうした支援を進めるため、各地域の国道事務所に相談窓口を設置しているところであり、引き続き、地方公共団体の意見を伺いながら、技術支援の充実に努めてまいりたいと思います。

犬飼委員 今御答弁いただいたこれらの取組を進める上では、財政面での支援も極めて重要であります。特に、中小規模の自治体においては、整備費用や人手不足が大きな制約となっております。必要性を認識しながらも着手できないケースも見受けられます。技術的支援に加え、自治体の財政負担を軽減する観点から財政支援も重要であると考えますが、国交省の取組状況についてお伺いをいたします。

 また、併せて、ゾーン30プラスの取組を全国に拡大していくことが必要であると考えます。今後、取組自治体の増加に向けてどのように進めていくのか、具体的な方針をお示しください。

加藤大臣政務官 お答えいたします。

 ゾーン30プラスは、生活道路における交通事故を防止し、歩行者や自転車が安心して通行できる環境を確保するための重要な取組であり、令和三年の制度創設以降、着実に地区数が増加してきているところでございます。

 また、地方公共団体が計画的に整備を推進できるよう、国土交通省では補助制度により支援しているところであり、引き続き、必要な予算の確保に努めてまいります。

 その上で、ゾーン30プラスの取組を更に拡大していくため、従来、地域が自主的に整備計画を策定した枠組みに加え、データ等を活用して課題の多い地区を抽出し、国から地方公共団体に対して整備候補箇所を提案する、いわゆるプッシュ型の技術的支援についても検討してまいります。

 国土交通省としては、警察を始めとする関係機関と連携し、こうした取組を通じてゾーン30プラスの更なる展開を図り、生活道路における安全、安心の確保にしっかりと取り組んでまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 ゾーン30プラスのような生活道路においてはやはり道路が狭かったり、そうしたことも含めまして、いわゆる自転車利用の指導取締り、また交通安全教育ということがこうした生活道路、ゾーン30プラスの中でも必要であるというふうに考えます。

 そこで、警察庁として、こうした自転車利用の指導取締り、交通安全教育にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 自転車の交通違反に対する指導取締りにつきましては、これまでも基本的に、指導、警告を実施し、交通ルールを認識させるとともに、交通事故の原因となるような悪質、危険な違反については検挙を行うこととしておりまして、青切符の導入後もこの基本的な考え方に変更はございません。

 また、こうした指導取締りは、御指摘の生活道路を含め、自転車の交通違反や交通事故の防止が必要であるとして、各警察署が指定した自転車指導啓発重点地区・路線などで、事故が多い朝の通勤通学時間帯や日没前後の薄暗い時間帯を中心に行うこととしているところでございます。

 また、自転車利用者に対する交通安全教育につきましては、先ほど答弁申し上げた繰り返しにはなりますが、交通反則通告制度の導入に当たって、自転車の交通ルールについて丁寧に周知を行うことが重要であると考えておりまして、先ほど御紹介しました自転車ルールブック以外にも、小学生、中学生、高校生などライフステージに応じた自転車の交通安全教育の充実を図るため、昨年の十二月に、自転車の交通安全教育の充実化に向けた官民連携協議会において、自転車の交通安全教育ガイドラインを策定しておりまして、例えば、通学路に当たる生活道路の見通しの悪い交差点を確認するなど、学校教育の現場において活用されているものと承知しております。

 引き続き、交通反則通告制度や自転車の交通ルールについて、自転車の交通安全教育ガイドラインなどを活用し、広報啓発や交通安全教育の推進に取り組むとともに、交通事故防止に資する自転車の交通違反の指導取締りが適切に行われるよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

犬飼委員 ありがとうございます。

 引き続き、交通安全に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、カーボンニュートラルポートの形成推進についてお伺いをいたします。

 国際競争力に向けた今後の日本の戦略について伺います。

 私の地元の名古屋港は、自動車、航空機、鉄鋼等といった我が国の基幹産業を支える中部圏の物流拠点であります。二〇二四年の総取扱貨物量は約一億六千万トン、二十三年連続で日本一を誇るなど、我が国の経済を牽引する極めて重要な社会インフラであります。

 こうした港湾につきまして、今、国は、脱炭素化と産業競争力強化を一体で進めるカーボンニュートラルポート、いわゆるCNPの形成を推進をしており、荷役機械の電動化等、水素、アンモニアの導入など、港湾全体でのエネルギー転換を進めることとしております。

 さらに、CNP認証制度も創設をされ、コンテナターミナル単位で脱炭素の取組を評価する仕組みが導入をされました。ちょうど先週、CNP認証について、名古屋港鍋田埠頭コンテナターミナルがレベルアップし、レベル4プラスプラスとなりました。世界と戦う港として競争力が増していくことを私も喜ばしく思っております。

 そこで、国際競争力強化に向けた今後の日本の戦略について、我が国として、名古屋港を始めとする主要港湾を国際競争に勝ち抜くための脱炭素先進港としてどのように位置づけ、戦略的に展開をしていくのか、国の方針を大臣にお伺いをいたします。

金子国務大臣 私は、大臣になってから、昨年十二月に御地元の名古屋港も視察をさせていただき、直近では横浜港も見せていただきました。

 御指摘のとおり、荷主や船社において、サプライチェーンの脱炭素化の観点から港湾を選択する動きがあり、我が国港湾の国際競争力強化のためにも、カーボンニュートラルポートの形成が重要であると考えております。

 これまでに七十四の港湾において港湾脱炭素化推進計画が作成されており、御地元、名古屋港では既に、LNG燃料の船舶への供給や低炭素型荷役機械の導入など、先行した取組が進められております。

 国土交通省では、計画の実現に向けて、ターミナルゲート前の渋滞対策等、脱炭素化と他の社会課題の同時解決を図るGXの視点での促進方策の検討を進めており、今年度中の公表を予定をしております。

 また、私が座長を務めております日本成長戦略会議の港湾ロジスティクスワーキンググループにおいて、港湾荷役機械の自動化、遠隔操作化や脱炭素化について、選ばれる港湾の実現の観点からも議論を進めているところでございます。

 御指摘の脱炭素先進港という位置づけはないものの、名古屋港も取得したCNP認証制度が脱炭素化を促進する上で大変有効と考えております。

 これらを踏まえ、カーボンニュートラルポートの形成に向けた取組を計画的、戦略的に進め、港湾の国際競争力の強化につなげてまいりたいと考えております。

犬飼委員 ありがとうございます。

 大臣には、現場にも御視察をしていただきまして、大変にありがとうございます。

 今、大臣に御答弁いただいたように、荷役機械の電動化また水素化ということが今進んでいるところでありますが、こうしたことは港湾における脱炭素化の中核であり、同時に国際競争力を左右する重要な取組となっております。

 しかしながら、こうした設備投資や初期コストが極めて高く、現場の港湾事業者の方からも、採算が合わないとか更新が進まないといった声も聞かれているところであります。港湾におけるCO2排出の多くは、荷役機械やトラック等のオペレーション由来であります。現在、電動化や水素燃料化の実証が進められておりますが、導入コストも高く、民間任せでは普及が進まない現実もあります。

 そこで、荷役機械の電動化、燃料転換に対する補助制度も含め、国が責任を持ってどのように支援をされるのか、お伺いをいたします。

安部政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の港湾荷役機械の脱炭素化については、全国四十一港の港湾脱炭素化推進計画において位置づけられ、名古屋港を始め、各港湾での取組が進展しております。

 港湾荷役機械の電動化等に対する支援制度としては、国土交通省連携の下、環境省による港湾における脱炭素化促進事業のほか、国交省が支援する荷役機械の自動化、遠隔操作化により、環境性能にも優れた荷役機械の導入も可能です。さらに、一部の港湾では港湾管理者が独自の支援制度を設けているところもございます。

 今後も、社会全体の水素等の燃料転換の取組なども連携しつつ、港湾ターミナルの着実な脱炭素化のため、引き続き関係省庁と連携しながら、必要な支援を行ってまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間が迫ってきておりますので、次の質問は飛ばさせていただきまして、水素等の受入れ環境整備について端的にお伺いをさせていただきます。

 やはり、港湾の後ろには後背地というところがございます。名古屋港におきましても、産業構造の後背地として、水素、アンモニアの需要は極めて大きくございます。二〇三〇年には、中部圏では、水素二十三万トン、アンモニア百五十万トン、さらには、二〇五〇年には水素二百万トン、アンモニア六百万トン等の需要創出が見込まれております。

 また、その一方で、名古屋港におきましても、こうした産業のエネルギー転換の拠点としての役割が強く求められております。こうした、自治体、企業、経済界が連携をして、サプライチェーンの構築と並行して、水素、アンモニアの利用拡大、すなわち需要の創出ということも一体に進める必要があると思います。

 そこで、お伺いをいたします。

 こうした認識の下、水素等のサプライチェーンの構築を進めるために、港湾における水素等の受入れ環境整備が必要だと考えますが、国としての具体的な取組をお伺いをいたします。

安部政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国のCO2の排出量の約六割を占める産業の多くは港湾や臨海部に立地しており、これらの産業のエネルギー転換を進めるためには、委員御指摘のとおり、水素等の需要の創出とともに、港湾における受入れ環境の整備を同時に行うことが重要です。

 水素等の需要創出に関しては、水素社会推進法に基づき、水素等を供給及び利用する民間事業者への支援制度が経済産業省により導入されていますが、その認定に際しては、国土交通省が経済産業省と連携して事業計画の審査を行っております。

 また、水素等の受入れ環境の整備に関しては、国土交通省において、今後の施設整備等を見据え、本年三月に、港湾における水素・アンモニアの受入環境整備に係るガイドラインを公表したところです。

 国土交通省としましては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、引き続き、経済産業省を始め、関係省庁、港湾管理者、民間事業者等と連携し、水素等の需要の発掘とともに、港湾における水素等の受入れ環境の整備を推進してまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 次に、港湾の情報セキュリティー対策についてお伺いをいたします。

 二〇二三年七月、名古屋港においてコンテナターミナルの管理システムがサイバー攻撃を受け、約三日間にわたりコンテナの搬出入が停止するという深刻な事案が発生をいたしました。ランサムウェア感染によりシステム障害が発生し、三十七隻の船舶、約二万本のコンテナの搬出、搬入に影響があり、物流に大きな混乱をもたらしました。

 私は、逆にこれは三日間でよく復旧できた、すごいなと思います。関係者の皆様方の御努力に敬意を申し上げます。

 そして、その後、名古屋港では、システムの多重化やバックアップ体制の強化、関係機関との情報共有の強化など、一定の対策を講じられてきました。この事案を背景に、港湾分野は、経済安全保障推進法において特定社会基盤事業として位置づけられ、国家安全保障の観点からも、重要インフラとしてその対策強化が求められております。

 こうした認識の下、まず、専門人材による伴走型支援体制の構築と強化について伺います。

 サイバー対策は、一度システムを導入すれば終わりではありません。脆弱性の対応や監視、訓練など、継続的な運用が不可欠であります。

 しかし、現状では、国の支援はガイドライン策定や注意喚起にとどまり、現場に寄り添った実践的な支援が十分とは言えません。現場から求められていることは、専門的なスキルを持つ人材の派遣や、セキュリティーベンダーとのやり取りの際に何をどこまで対策するのかなど、こうしたことも相談ができる体制づくりなど、国が責任を持ち、伴走型で支援する必要があります。

 そこで、伺います。

 港湾分野において、専門人材が現場に入り、診断、改善、運用まで一体的に支援する伴走型支援体制を国としてどのように構築、強化していくのか、具体的にお示しください。

加藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 港湾運送事業における情報セキュリティー対策につきましては、当該事業を安定的に運営する上で不可欠な取組であると考えております。

 このため、コンテナの一元的な管理を行うターミナルオペレーションシステムを対象として、港湾運送事業法、サイバーセキュリティ基本法及び経済安全保障推進法の観点から、情報セキュリティー対策に必要な制度的措置を講じたところです。

 これらの制度的措置を円滑に導入するため、国土交通省では、港湾運送事業者に対して、システムの導入や更新、維持管理時における必要な対策やシステム障害に備えた事業継続計画の策定等について指導助言を行っております。

 また、国が実施する港湾運送事業者に対するサイバー攻撃を想定した訓練では、情報セキュリティーの専門家が直接事業者へ指導助言を行うなど、対応能力の向上を図っているところです。

 議員の御指摘の点も踏まえ、専門家による支援を含め、港湾における情報セキュリティーの確保に資する取組を進めてまいります。

犬飼委員 こうした、人材の部分と財政の支援ということがやはりセットで必要であると思います。そこで、財政支援についてもお伺いをいたします。

 サイバーセキュリティー対策は日々更新が必要であります。その時点で最適な対策であっても、将来にわたり最善とは限らないとされております。

 セキュリティー対策は一時的な設備投資ではなく、運用、更新を含めた継続的なコスト負担が不可避であります。こうした費用については、本来、利用者への価格転嫁も一つの考え方であります。

 しかし、港湾利用者、港湾利用の中心である船会社の多くは外資系企業であります。国際競争、そして港湾間競争も激しい現状の中において、こうしたセキュリティー対策の価格転嫁を求めることは現実的には極めて困難であるというふうな現場の声も伺っております。結果として、必要なセキュリティー投資が先送りされるリスクがあり、これは、名古屋港が被ったサイバー攻撃の事案を踏まえれば、国家経済にとっても看過できない問題であります。

 そこで、伺います。

 港湾のサイバーセキュリティー対策について、設備投資のみならず、運用、更新を含めた継続的な財政支援について、国の具体的な方針をお示しください。

安部政府参考人 お答え申し上げます。

 港湾運送事業者が事業を行う上で通常求められる情報セキュリティー対策については、事業運営に伴う基本的な責務として、各事業者において対応していただく必要があると考えております。

 その上で、対策の実施に当たり必要な費用を確保するためには、当該費用が適切に反映された運賃・料金を設定できる取引環境の整備が必要であり、港湾運送事業における適正取引推進のためのガイドラインを本年二月に策定、公表し、積極的な周知に取り組んでいるところです。

 また、事業者が必要な対策を的確に行うため、ターミナルオペレーションシステムの脆弱性診断を国が実施するなどの支援も行っているところです。

 今後とも、港湾運送事業者が適切にセキュリティー対策を行うことができるよう、適正取引の推進や必要な支援を行ってまいります。

犬飼委員 この価格転嫁のことについて、地元の港湾関係者の方々からは、これはコンテナ一本幾らという形で御商売をされているということであります。そのコンテナ一本幾らの中に、やはり人件費、さらには、先ほどお話がありましたCNP等の設備投資、こうしたものが入って積算をしているということであります。

 そこに、新しくといいますか、プラスアルファでセキュリティー対策等が入ってくるということは、非常に価格の交渉のハードルが上がるという声も聞いております。是非、この財政的な支援ということも検討していただきますことを重ねて要望をさせていただきまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、住吉寛紀君。

住吉委員 日本維新の会の住吉寛紀でございます。

 早速、質問の方に移らせていただきます。

 前回は、高市内閣戦略十七分野の一つでございます造船業について質問させていただきました。様々課題はあるにせよ、是非応援していきたいなというエールを込めて質問させていただいたわけです。

 これから日本の造船業の再興、これを是非目指していただきたいというわけでございますが、船が造れる体制ができても、やはりそれを受け入れる港、さらには、それを物流に乗せていく円滑なロジスティクスを完備していなければ意味がないわけでございます。

 この港湾ロジスティクスについても、高市内閣戦略十七分野の一つに数えられております。今日は、それについてお伺いしたいと思います。

 我が国の貿易量の九九・六%は港湾を通じた海上輸送が担っており、港湾は国民生活と経済活動を支える生命線です。しかし、現在、国際基幹航路の寄港回数は減少傾向にあり、他国経由への依存は物流チェーンや経済安全保障上のリスクをはらんでおります。

 この港湾ロジスティクスにおいて、政府が策定する官民投資ロードマップではどのような姿を目指すのでしょうか。リスクを最小化する危機管理投資により、他国に過度に依存しないサプライチェーンを構築しつつ、国際競争力を高める成長投資を推進すべきと考えます。

 船舶の大型化に対応した岸壁の整備、自動化、遠隔操作化技術の導入による世界最高水準の生産性と脱炭素化を両立した、荷主や船社からも選ばれる港湾としてどのような将来像を描いているのか、政府の見解をお伺いいたします。

加藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 港湾ロジスティクスは、昨年十一月に、日本成長戦略本部において十七の戦略分野の一つに位置づけられました。これを受け、取りまとめ担当大臣である金子大臣を座長としたワーキンググループを設置し、強い経済を実現するための危機管理投資、成長投資に貢献する取組について議論しています。

 我が国港湾は輸出入貨物の九九%以上を取り扱う国際貿易、物流拠点ですが、経済安全保障の観点からサプライチェーンの強靱化が重要となっている中、国際基幹航路の減少、サイバー攻撃、港湾労働者不足等による物流の遅延、機能停止、サービス低下等のリスクを抱えております。

 このため、港湾ロジスティクスの強化に向けて、自律的な港湾ロジスティクスの実現による国際競争力の強化、サイバー、フィジカル両面での港湾の強靱化、港湾ロジスティクスを支える担い手の確保、育成の三つの柱の下、講ずべき施策を検討しております。

 また、日本成長戦略会議では、戦略分野ごとに、民間投資が期待される主要な製品、技術等について官民投資ロードマップを示すこととしており、港湾ロジスティクス分野においては、四月十五日の第三回ワーキンググループにて、港湾荷役機械、サイバーポート、次世代型倉庫の三つについて、その素案を取りまとめたところです。

 例えば、港湾荷役機械については、生産機能の強化とともに、国内港湾の自動化、遠隔操作化や脱炭素化等の導入を進め、さらには、国産機械の信頼性、耐震性等の強みを生かし、海外市場の獲得にもつなげてまいります。

 港湾は、国民生活及び経済活動を支える極めて重要な役割を果たしており、ワーキンググループの検討成果も踏まえながら、危機管理投資、成長投資による強い経済の実現に貢献できる港湾政策を積極的に推進してまいります。

住吉委員 ありがとうございます。

 今ある課題に対応していくというのは非常に大事な論点だというふうに思います。一方で、この様々な課題に対応した後にどのようなビジョンを描いていくのか、これも大変重要だというふうに思います。国際競争力の強化とは、単なる効率化ではなく、日本の港をアジアの中でどういうふうに位置づけていくのか、どういうポジションに置くのか、今後KPIとかも定めるというふうに聞いておりますが、それによってかなりこの数値目標等も変わってくると思います。また、それについても是非今後議論してまいりたいというふうに思います。

 そして、国際コンテナ戦略港湾の競争力強化には迅速な意思決定と一体的な管理体制が不可欠です。オーストラリアのメルボルン港では、ポートオーソリティーが約一兆円で経営権を取得し、民営化によるスピード感を持って一元的に整備、管理を行っております。

 翻って我が国では、国、港湾運営会社、港湾管理者が連携して施策を進めておりますが、アジアの主要港と比較して、ターミナルの細分化や運用の非効率さが指摘されております。コンテナターミナルの一体化や機能集約を求める声も上がっております。

 メルボルン港のように経営権を集約し、現場のニーズを即座に投資や運営に反映できる一元的な管理体制を構築すべきことも一考だというふうに思っております。

 戦略港湾における港湾運営会社の経営基盤強化と、より踏み込んだ一体運用についての政府の見解をお伺いいたします。

安部政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国の港湾は、地方公共団体が管理することが基本となっておりますが、国際コンテナ戦略港湾においては、国が出資する港湾運営会社が一体的にコンテナターミナル等の運営を行っております。

 具体的には、港湾運営会社は、国際基幹航路の維持拡大を図るため、ポートセールスやインセンティブ等による集貨、ガントリークレーンの整備等の競争力強化等に取り組んでおります。

 一方で、倉庫、物流等も含めた一元的な管理といったところについては、更なる取組についての検討が必要であると認識しており、現在、港湾ロジスティクスワーキンググループにおいても議論を行っているところです。

 その中で、ターミナル背後におけるロジスティクスハブの形成に向けた高度物流施設の立地誘導や、物流効率化に係る関係者調整の役割拡大など、港湾運営会社の更なる機能強化について検討してまいりたいと考えております。

住吉委員 今後の検討課題ということで、法律的なハードルも重々承知しております。一方で、運営のプレーヤーがばらばらで、それぞれ皆さん自分たちの持ち場で頑張っておられるというのはよく分かりますが、トータルとして本当に最適なものをつくるには、やはり意思決定のスピードが遅かったり責任の所在も曖昧というような形があります。

 今後、どのような港を、日本における港の立ち位置を目指していくのかにも関わってくるところですので、これも是非今後とも議論していきたいというふうに思っております。

 次の質問に移りたいと思います。

 港湾の心臓部であるクレーン等の荷役機械について、経済安全保障の観点から質問いたします。

 二〇二五年の米国議会の報告書では、中国製クレーンのシェアが八割に達し、サイバースパイの疑いや国家安全保障上の懸念が指摘されております。アメリカは対中追加関税の導入や非敵対国からの代替調達を急いでおります。我が国においても、同様のリスクの認識に基づき、他国に依存しない自律的な荷役システムの構築が必要だと考えます。

 大丈夫だとは思いますが、日本において中国製のクレーンはないという理解でよろしいでしょうか。また、政府はこの報告書をどう認識しているのでしょうか。御所見をお伺いいたします。

安部政府参考人 お答え申し上げます。

 米国において、コンテナ船からコンテナターミナルにコンテナを移動させる中国製のガントリークレーンについて、セキュリティー上の懸念が示されていることは承知しておりまして、その報告書も承知しております。

 我が国におけるガントリークレーンは、港湾管理者や港湾運営会社、民間事業者が導入しているところですが、現時点においては全て日本製となっております。

住吉委員 ありがとうございます。現時点においては大丈夫だということでございます。

 先ほどございましたアメリカが中国製からの代替調達を模索しているという状況で、逆に言うと日本製の期待というのが高まっている、そういう状況だと認識しております。非常に極めて重要なマーケットだと思います。

 今後、日本の遠隔操作のクレーンなども、日本自体も導入を進めていかなければなりません。しかし、国内の生産機能は脆弱で、例えば最新機械の納期に三年以上要すというふうに聞いております。

 官民投資ロードマップにおいて、クレーンの運搬船確保や岸壁、背後ヤードの整備を含む国内生産基盤の抜本的な強化をどのように位置づけるのでしょうか。また、自動化、遠隔操作技術の実証、導入を加速させ、国産技術による高度な荷役システムを確立することで、国内港湾の強靱化のみならず海外展開を強力に後押しすべきと考えますが、政府の決意をお伺いいたします。

安部政府参考人 お答え申し上げます。

 港湾荷役機械については、海外港湾における新規需要や国内港湾における更新需要などにより、国内外において我が国企業の生産能力を上回る需要があるのに対して、委員御指摘のとおり、生産能力の不足によって通常よりも製造期間を要するケースもあるものと認識しております。

 また、世界の主要なコンテナターミナルにおいては自動化や遠隔操作化された港湾荷役機械の導入が進んでいますが、我が国ではこれらの導入が遅れています。

 こうした背景を踏まえ、港湾荷役機械に関する生産機能の強化に向け、港湾ロジスティクスワーキングにおいて、民間投資が期待される主要な製品として、港湾荷役機械の官民投資ロードマップを取りまとめました。

 この中で、港湾荷役機械の生産に必要な設備投資への支援や、港湾荷役機械の導入支援による需要創出などを政策パッケージとして予定しています。

 国土交通省としては、関係省庁との緊密な連携の下、政策パッケージの具体化を通じて、自律的な港湾ロジスティクスの実現による国際競争力の強化に取り組んでまいります。

住吉委員 是非お願いしたいと思います。

 そして、次は、先ほども犬飼委員からも御指摘がありましたサイバーセキュリティー対策。

 物流は国民生活を支える重要なインフラですが、二〇二三年、名古屋港におけるランサムウェア攻撃で、物流が三日間にわたり停滞するということがございました。

 今後、遠隔操作機械の導入やデータプラットフォーム、サイバーポートの普及には、サイバー対策というのが当然、必要不可欠になってまいります。専門人材の不足であったり、いろいろな課題があるというふうに認識をしております。

 質問自体は先ほどと全く一緒ですので、答弁も先ほど拝聴いたしましたので、この辺り、しっかりと対策をしていただきたいということを意見させていただき、次の質問に移りたいと思います。

 最後の質問になると思いますが、人手不足についてお伺いいたします。

 港湾労働者の不足は深刻な状況にあります。既に一部の港湾では、荷役作業の遅延や土日のゲートクローズを余儀なくされる事態が生じております。

 この危機を乗り越えるには様々な対策が必要であると思います。また同時に、雇用維持とDXによる生産性向上を両立させるための取引環境改善と技術支援、これも必要だと思いますが、政府の見解をお伺いいたします。

安部政府参考人 お答え申し上げます。

 港湾運送事業者の労働者不足については、不足の常態化が予想されるなど、喫緊の課題であると認識しております。

 国土交通省としては、今後講ずるべき施策を盛り込んだ港湾労働者不足対策等アクションプラン二〇二五を令和七年六月に策定、公表し、事業者団体等とも協力し、官民一体で港湾運送の魅力の発信、取引環境の改善、安全性向上、労働環境の改善について取り組んでいるところです。

 特に、誰もが働きやすく安全な労働環境に改善するため、港湾荷役機械の自動化、遠隔操作化の導入促進などに取り組むことが重要です。

 こうした取組を進める上で、雇用の維持などといった観点は重要であり、関係者の御理解を得るため、国及び国が出資する港湾運営会社が前面に立って協議を進めてまいります。

住吉委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、小竹凱君。

小竹委員 国民民主党の小竹凱です。

 本日は、国交委員会に初めての一般質疑の時間をいただき、ありがとうございます。

 今日は、建設キャリアアップシステムについて質問させていただきます。

 この制度は二〇一九年四月から始まりまして、今年で八年目ということでございますが、コンストラクションキャリアアップシステムということで、CCUSというような言い方もされております。このCCUS導入の背景と目的は何でしょうか。お答えをお願いします。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 建設業においては、高齢化が他産業を上回る高い水準で進んでおり、近い将来、高齢の建設技能者の大量離職による担い手不足が懸念をされることから、将来にわたって建設業の担い手を確保し、産業としての持続可能性を高めることが喫緊の課題となっております。

 担い手を確保する上では、技能者の処遇改善が特に重要であり、建設技能者の一人一人がその技能や経験に見合った評価や処遇を受けられる環境を整備する必要がありますが、建設業においては、一人親方を始め多くの建設技能者が、異なる事業主の下、様々な現場で日々働いていることから、その能力や経歴を全体としてきちんと評価し、処遇改善につなげるのが難しいという課題がございました。

 このため、建設業界の発意により、建設現場における就業履歴や保有資格を業界横断的に蓄積、登録する仕組みである建設キャリアアップシステム、CCUSの導入に向けた検討が開始され、平成三十一年四月にシステムがスタートしたところでございます。

 現在、建設業団体等で構成するCCUS運営協議会の下、業界全体でこのシステムの普及、活用を進め、技能者の処遇改善と担い手確保に取り組んでいるところでございます。

小竹委員 ありがとうございます。

 では、そのCCUS、現在の加入率ですね、技能者登録数と事業者の登録数、加入率を教えてください。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 まず、技能者についてですが、令和八年三月末時点で、CCUSの技能者登録数は約百八十一万人となっております。これを令和七年度の労働力調査に基づく全建設技能者数約二百九十六万人と比較すると、加入率は約六一%となります。

 また、建設業者についてですが、同じく令和八年三月末現在で、CCUSの事業者登録数は約二十万二千者となっております。これを令和七年三月末時点における一人親方を除く建設業許可保有者数約四十八万三千者と比較すると、加入率は約四二%となっております。

小竹委員 ありがとうございました。

 これは、二〇二三年から義務化ということで国交省を始め取り組まれておりますけれども、それからまた三年たちまして、今で六一%と四二%、大変低い数字となっております。

 日建連さんの毎年出されている報告書といいますか推進方針の書面の方でも一〇〇%を目指すと書いておりますが、実際のところ半分にしか行っていないというところでございまして、この加入率の低さからも分かるとおり、私も元々建設業界の人間ですけれども、これは相当評判が悪いというふうに思います。国交省とその他いわゆる業界団体という大きなところ以外、この仕組みを余り評価している人はほとんど聞いたことがなくて、その理解が及んでいないところがこの加入率の低さにつながっているというふうに思います。

 つまり、建設業界からの発議ということでもありましたが、やはり、制度をいきなりつくって、その制度に加入するメリットを実感が得られるように提示していくというのでなくて、今実際に現場で起きている労務や職場環境、労働環境に問題があってそれを解決するための制度に具体的に結びつけていかなければならない、そこになかなか結びついていないというところが現状だと思います。

 資料をお配りしましたけれども、CCUSのメリットをいろいろ出されておりましたが、特に一番当事者になります技能者についてメリットが感じられなければならないと思います。1にありますCCUS情報を活用した能力評価であったり、レベルが一から四まで四段階ありますが、レベルごとの年収目安の明確化などが書かれております。

 これは、政府として、CCUSの導入により技能者の賃金がどの程度向上したのか、具体的なデータを把握されていらっしゃるのか。また、技能レベルの評価と賃金の連動がどの程度実効性が確保されているのか。見解を求めます。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 CCUSの導入による具体の賃金上昇額の状況について、政府として定量的に把握したものはございませんけれども、CCUSのレベルに応じた手当の支給や昇給の要件への活用など、CCUSを具体の処遇改善につなげる取組が元請業者を中心に進められてきているものと承知をいたしております。

 また、技能レベルの評価と賃金との連動につきましては、昨年十二月に全面施行されました改正建設業法において、建設業者に対し、技能者の技能等の評価に基づく賃金の支払いが努力義務化されたところでございます。

 さらに、この改正建設業法に基づき、中央建設業審議会が勧告をした労務費に関する基準を踏まえまして、CCUSのレベルに応じた年収の試算として令和五年六月に公表したCCUSレベル別年収を昨年十二月に改定をいたしました。この中で、目標値と標準値の二つの水準の値を設定をした上で、適正な賃金として目標値以上の支払いを推奨するとともに、標準値を下回る支払い状況の事業者に対しては、労務費ダンピングのおそれがないか、重点的に確認するというようなことで取り組んでいるところでございます。

 今後は、改正建設業法の規定のより一層の周知徹底を図りますとともに、今申し上げたCCUSレベル別年収の活用を積極的に働きかけるなどによりまして、より多くの建設技能者の皆様にCCUSに基づく能力評価に応じた処遇改善を実感していただけるよう、しっかり取り組んでまいります。

小竹委員 ありがとうございます。

 具体的にレベルによって年収の目安を作って、それに見合うような努力を各企業に促しているということでございました。

 それから、もう一つの書かれておりますメリットのところで、三番のところですね、カードリーダータッチで日々三百十円、建退共、これは建設業界の退職金みたいなものなんですけれども、建退共掛金を積み立てしということではございますが、これは逆を返すと、このCCUSというのは、毎日現場に来て、カードリーダータッチであったり顔認証であったり、こういったところで登録していくわけでありますけれども、この出勤日、稼働日にカードリーダータッチを忘れると、この建退共、退職金の掛金が積立てできないということでよろしいのか、説明をお願いします。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 CCUSと建設業退職金共済、いわゆる建退共との連携につきましては、昨年十月から開始をされておりまして、CCUSで就業履歴を蓄積すれば、建退共において就業実績を別途登録することなく、退職金掛金を積み立てることが可能となったところでございます。

 その中で、委員御指摘の、カードリーダーのタッチを忘れた場合、すなわち就業履歴の蓄積を忘れた場合につきましては、後日、CCUS上で元請の承認を得て就業履歴の修正を行うことにより、掛金の積立てを行うことが可能な仕組みとなっております。

 CCUSと建退共の連携につきましては、これまでの証紙による掛金の積立てと比べて、建設業者の事務負担を大きく軽減する効果があると考えておりまして、国土交通省としても、引き続き、関係機関等とも連携をいたしながら、その普及拡大に向けた広報や働きかけに努めてまいります。

小竹委員 ありがとうございます。

 ということで、カードリーダータッチを忘れても、後日、主に元請側が手作業で出面を管理して登録するということで理解いたしました。

 建設マネジメント技術という雑誌のところに、二〇二五年三月号ですけれども、月間で五百六十万人を超える就業履歴の登録達成というふうに、何か五百六十万達成となるとすごいかなと思うんですけれども、一番最初に御紹介いただいたように、そのときに技能者登録数が百五十四万人でしたので、掛ける四ぐらいですね、技能者数としては月四回程度しか登録していない。では、例えば、二十二日出勤していたとしたら、大体平均四回ぐらいしかカードリーダータッチしていないということで、事実上、ほとんど元請側が再度出面を紙で手作業で確認をして、それを上げているという状況が今の状況でございまして、この建設キャリアアップシステムのメリットと書かれておりますけれども、一番も三番も実際的にどこまで実効性があるかというと分からないというところなんですね。

 その上で、次に現場負担について伺いたいと思います。

 中小零細事業者においては、この登録費用であったり更新費用、カード管理の現場などでの運用、こういった事務的負担がイニシャルコストもランニングコストもかなり大きいという指摘がございます。

 国交省に伺いますが、登録費用や更新費用、現場で生じる負担についてお示しをお願いします。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 CCUSの登録費用としては、まず、事業者については、資本金の規模に応じて、一者当たり六千円から二百四十万円、また、技能者につきましては、詳細型では四千九百円となっており、更新時においても同額の費用が必要となります。また、現場における負担としては、技能者が就業履歴を蓄積する際、一回当たり十円の現場利用料が必要となります。そのほかに、事業者が負担する費用として、管理者ID利用料がIDごとに年間一万一千四百円必要となっております。

小竹委員 これもお配りしましたけれども、なかなか細かい数字なので口頭で難しいかもしれませんが、結構あるんですね、いろいろなところに。

 意外と言われないのが、現場利用料が、元請が支払うんですけれども、一回出勤すると十円加算される。これが、百人作業員が来る現場もあれば、二百人、もっと、それから、工事期間も三年、四年と長期にわたる現場ですと、この十円のタッチだけで実は百万円ぐらい負担があるというようなことも発生するわけでありまして、これは結構負担として大きいというふうに思います。

 大臣にお伺いしたいと思いますが、こういった様々な負担について、負担が大きいという声、それからこの負担の妥当性というのはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。

金子国務大臣 小竹委員には、本当に、建設の業界におられて、現場の声をしっかり、課題をお教えいただきまして、ありがとうございます。

 建設キャリアアップシステム、CCUSは、技能や経験等に見合った処遇の実現を通じて、担い手を確保し、持続可能な建設業を実現するため、建設業界の発意でスタートし、その普及、活用に業界全体で取り組んでいるものであり、そのシステムの運営に必要な費用についても、建設業団体等で構成するCCUS運営協議会での合意も得た上で、利用する事業者の皆様に適切に御負担いただいているものと認識をしております。

 一方、建設業においては、中小事業者が九九%以上を占めていることから、CCUSの利用に関する負担についても、軽減を求める意見も含めて、様々な声が寄せられていると承知をしております。

 このため、これまで関係する省庁や団体と連携をいたしまして、カードリーダーの無償貸与、カードリーダーを導入しなくてもスマートフォンで対応できる仕組みの導入や、能力評価に関する手数料の無償化など、利用に係る様々な負担の軽減に努めてきたところでございます。

 引き続き、建設業団体だけでなく、中小事業者の皆様の現場の声についても丁寧にお伺いしながら、CCUSの利用に関する負担減の、軽減にしっかり取り組んでまいります。

小竹委員 大臣、ありがとうございます。

 団体だけではなく、中小企業の方、現場の直接の声も聞いていただけるということで大変心強く思いますが、今の答弁を振り返りますと、この技能者のメリットというところで、1も3も不確かであるということ、それから、2に関しては、自らの能力を客観的に証明可能にという、今この建設業界、本当に人手不足で、客観的に証明可能なことだけをもってこれだけの負担を求めるのかと。なかなかこれは現場から理解が得られないというふうに思いますし、本当に人手不足ですから、能力の高い方というのはもうその地域ではしっかりと浸透しているわけでありますので、そういうところは、変に仕組みをつくってそこに見合うようなメリットをわざわざ求めるのでなくて、本当に現場で困っているところを解消する、クリアする、そういう制度をつくっていただきたいなというふうに思います。

 それから、別の負担についても伺いたいと思います。

 制度が本格運用開始となった二〇一九年四月からは電話による問合せ対応、コールセンター的な機能が設けられておりましたが、二〇二〇年十月一日、制度開始から一年半に、いきなり問合せ手段がメール及び問合せフォームに限定され、電話対応は廃止されたとされています。

 実態を見ますと、中小零細事業者、特に高齢技能者においては、今後義務化となっている方針は出る一方で、お問合せがメールとかフォームによるものに限定をされて、制度の理解や登録手続に支障を来しているという声も多く寄せられておりました。

 また、社会保険加入などの様々な登録も要件もございますので必要書類も多く、その過程で生じる疑問やトラブルについても即時に対応できる手段が必要だと考えておりますが、この制度開始から僅か一年半で、制度の普及を最も図るべき段階において、むしろコールセンターを廃止し、お問合せ先を限定したこの理由についてお答えをお願いします。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の電話対応につきましては、利用者の利便を図るため、CCUSの運用を開始をいたしました平成三十一年四月に、その利用に関する問合せ窓口として設置をされたところでございます。

 電話対応開始後、電話対応に必要な六十名程度のオペレーターを常時確保するのが難しいこと、また、サービス開始から約一年で関係費用の負担が四億円以上になったことなどの課題が生じたことを踏まえまして、システムの運営経費の節減を通じた事業者の負担の抑制を図る観点から、電話対応については令和二年九月末で廃止をいたしまして、ホームページ上の問合せフォームによる対応に一本化したところでございます。

 委員御指摘のとおり、丁寧な対応ということについては引き続き意を用いてまいりたいと思います。

小竹委員 ありがとうございます。

 今答弁いただいたとおり、運用して結構赤字になったということで、様々な費用もすぐ値上げしたりとかお問合せに関しても絞ったりとか、結構、制度を始めて一年半頃、いろいろな負担増があったというふうに聞いております。そういうことも含めて、現場からいろいろな不満の声が出ているということなんですが。

 更に運用についてお聞きしますと、一つ例示として、今後CCUSに登録しなかったデメリットは何なのかということを聞いたときに、よく言われるのが、近い将来、ゼネコンや公共工事に限らず、全ての現場においてCCUS未登録の方については入場できなくなる可能性がある、これはずっと言われておりました。

 お聞きしますが、こういった事案は、国交省としてこれまでに把握されておりますでしょうか。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 公共工事におけるCCUSの活用につきましては、活用目標の達成状況に応じ、工事成績評定で加点等を行うモデル工事等の取組を進めているところでございまして、これはCCUS未登録の技能者の入場を一切認めないというようなものではございません。

 モデル工事等の実施状況につきましては、本年四月時点で、直轄工事では四十六都道府県でモデル工事が実施をされておりますほか、都道府県発注工事におきましても、全ての都道府県でモデル工事等の導入が進められているところでございます。

 なお、公共工事か民間工事かを問わず、元請業者の判断で、CCUSの活用を通じた建設技能者の処遇改善や現場管理の効率化を目的として、現場に入場する全ての建設技能者について、CCUSの技能者登録や就業履歴の蓄積を求めているケースはあるものと承知をいたしております。

小竹委員 ありがとうございます。

 結局、元請の判断によって、はいれてしまっていると。私も、まだ仲間がいるものですからいろいろ聞いたら、本当は駄目だけれども、ダマで入っているということも聞いております。実際そうなってくるというふうに思うんですね。

 やはり、現場に余り即していない状況になっているということは、課題が多く残っていると思いますし、反対ばかりするんじゃなくて、本当にしっかりやるというならいろいろ連携するところもあると思います。

 それは、今、書面とデジタルで両方横断的にやっていることをシステム内で完結できるようにするとか、例えば安全管理についても全てシステム内で完結できるようにするとか、いろいろ本当はできることはあると思いますし、例えば、先日、私は法務委員会で、技人国の在留ビザによって入国した方が実はブルーカラーの偽装就労というか不法就労されている事案を例示して、そのことについてCCUSと連携できるんじゃないかということを提案したところ、これから頑張りますというような答弁がありました。

 やはり、本当に求められているところであったりとか、デジタルを横断的に使うことによって不正を防ぐという、いいことは幾つもできると思うんですが、そういうところには手は届いていないということにおりますので、しっかり大臣、これはやるのであれば徹底的にやっていただきたいというふうに思いますし、今の状況、八年目ですけれども、まだこういった状況ですから、今のようなお金だけがかかるという状況であれば、私としては勇気ある撤退も選択肢の一つとしてやるべきであると思いますが、大臣、最後に意気込みをお願いいたします。

金子国務大臣 建設業界からの発意でできたシステムですけれども、今、様々な問題点も御指摘をいただきました。しっかりと局長とも検証しながら、よりよいものになるように努めてまいりたいと思います。

小竹委員 また時間がいただけましたら、いろいろな提案についても質問したいと思いますので、今日は終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、西岡秀子君。

西岡(秀)委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。今日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。早速質問に入らせていただきます。

 まず、航空会社が、国内線を対象に、燃料価格に応じて運賃に上乗せする燃油サーチャージを二〇二七年度に導入する方針をという報道がございます。複数の航空会社も検討しているということを聞いておりますけれども、導入前の運賃の値上げも想定されますけれども、この受け止めについて国土交通省にお尋ねいたします。

宮澤政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の国内航空ネットワークにつきましては、地域の生活や経済を支える重要な役割を担っているものと認識をしております。

 国内線につきましては、今般の燃料価格急騰を受け、委員御指摘のとおり、各社において燃油サーチャージの導入が検討をされていると聞いております。

 この燃油サーチャージは、燃料価格の変動に応じて額が上下するものであり、運賃の変動の根拠を利用者に対して透明性を持って示すことができる手段であると考えております。

 また、その導入までの間についても、運賃値上げ等の対応を検討せざるを得ない状況であるとも聞いているところでございます。

 国土交通省としては、国内線燃油サーチャージの導入や今後の運賃値上げ等については、利用者へ丁寧に説明をするよう航空会社に改めて指導しつつ、今後の燃料価格の動向や、離島航空路を始めとした公共交通としての役割を担う航空ネットワークへの影響も注視しながら、政府全体の検討の中で適切に対応してまいります。

西岡(秀)委員 今、離島航空路というお話もありましたけれども、この対応につきましては、やはり中東情勢の長期化を踏まえた対応であるというふうに認識をしておりまして、私は、やはり離島航空路についての影響、島民の皆様の負担がもっと増大していくのかということについて大変心配をいたしておりますので、今後の状況についてはしっかり私も注視をしてまいりたいというふうに思いますし、国交省としても、その部分についてはしっかりとした御対応をよろしくお願いいたします。

 続きまして、今後、燃料油の高騰が長期化することを踏まえての質問でございますけれども、離島航路の存続、確保について質問をさせていただきます。

 フェリーや高速船等の離島航路については、御承知のように、大変、島民の生活や物資輸送を担い、離島の地域経済を支えるために必要不可欠なものでございます。離島航路については燃料油の高騰以外にも様々な課題がありますけれども、今の燃料油の高騰というのが現在進行形で直面をする大変深刻な課題であると認識をいたしております。

 そもそも離島地域においては本土と比べて燃料油が元々高い状況にあった中で、ウクライナ情勢によって燃料価格が高騰し、現状では、イラン情勢によるホルムズ海峡の事実上の封鎖によりまして、今後の高騰の見通しも大変立たないという状況の中で、離島航路の減便ですとか廃止、撤退の事態が既に起きてきております。

 現状、中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置で支援をしている状況でございますけれども、長期化による更なる値上がりも想定される今の現状で、今の対策だけでは対応できない状況が生じてきているというふうに考えておりますけれども、このことに対する認識につきましてお伺いをさせていただきます。

新垣政府参考人 お答えいたします。

 フェリー、高速船等の離島航路の運航事業におきまして、燃料費は事業全体のコストの約三割程度を占めているというところでございます。

 船舶用の燃油の価格高騰につきましては、今委員御指摘のように、中東情勢を踏まえまして、経済産業省において、軽油及び重油を含めた燃油に対する緊急的激変緩和措置が行われているところでございます。

 国土交通省としましては、この燃油価格の高騰等も踏まえまして、引き続き、関係省庁と連携の上、事態に応じて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

西岡(秀)委員 見通しが立たない状況ということもありまして、今、激変緩和策でということのお話がございましたけれども、この財源についても限りがあることでございますので、今後、五月以降の状況については、私たち国民民主党としても政府に要望いたしておりますけれども、大変憂慮する状況を想定した中でのお取組が必要だというふうに考えております。

 後ほど大臣にもお尋ねをさせていただきますけれども、現状では、県ですとか市町でやはり支えることができない、私はそういう状況に来ているのだというふうに思いますので、国の新たな踏み込んだ支援ということにつきましては、後ほど大臣に質問させていただきます。

 関連いたしまして、有人国境離島法に基づく施策についてお伺いをさせていただきます。

 有人国境離島法に基づきまして、地域社会維持交付金によって、対象の離島地域を有する都府県や市町村等が実施する運賃低廉化に必要な経費の一部を補助する施策が今進められております。航路運賃についてはJR運賃並み、航空路については新幹線並みの運賃までの低廉化の方針で今取り組まれております。

 既に離島住民向けの航路については燃油サーチャージが導入されておりますけれども、運賃低廉化の対象に燃油サーチャージが今含まれておりません。私は今の状況も踏まえて対象に含まれるべきであるというふうに考えますけれども、まずこのことについての御見解をお伺いをさせていただきます。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の有人国境離島法におきましては、我が国の領海等の保全に関する活動の拠点としての機能を維持するために、特に継続的な居住が可能となる環境の整備を図る必要のある有人国境離島地域を特定有人国境離島地域としまして、同法に基づいて、航路、航空路運賃の低廉化を交付金を通じて実施させていただいております。

 御指摘のとおり、燃油サーチャージにつきましては、燃料の価格の上昇、下落によるコストの増減分の別建ての運賃でございますので、私どもの交付金の運賃低廉化事業の対象には含まれておりませんけれども、この部分につきましては、別途、物価対策で実施しております交付金等で措置をされているものと承知をしております。

 いずれにしましても、関係省庁とよく連携を取りながら対応してまいりたいと考えてございます。

西岡(秀)委員 これまでも当該自治体からも大変御要望のあっている事柄だというふうに認識をいたしておりますけれども、今、各省庁とも連携してというお話もありました。今の状況を踏まえた対応につきまして、是非引き続き御検討いただきますようお願いいたします。

 同じく、この基づく施策の中で関連をいたしまして、昨年、その改正案を野党各会派で提出をいたしましたけれども、この低廉化事業の対象には、島外からの旅行者ですとかは含まれておりませんけれども、島外の旅行者まで含めるということになりますと財源の問題もございますけれども、少なくとも、対象となる準島民の枠に、元島民の、お盆とかお正月に帰省される帰省客ですとか、その家族については対象を広げる必要があるのではないかというふうに考えますけれども、このことに対する御見解をお伺いをさせていただきます。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げました交付金の運賃低廉化事業の対象につきましては、先ほど申し上げましたとおり、継続的な居住が可能となる環境の整備を図るという観点から、対象を住民及び準住民の方々としておるところであります。具体的には、例えば、島民が扶養する島外に居住される学生さんですとか、それから、反復継続的に親元の介護に通う元島民や島民の家族の方々、そうしたところを対象とさせていただいているところであります。

 これは、内閣府としても、関係自治体としてよくお話を伺いながらさせていただきたいと思っていますし、一方で、運賃低廉化の事業の目的や趣旨、あるいは交付金の予算枠といった現実的な問題もよく踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えてございます。

西岡(秀)委員 様々、介護で通われる方については認める等の取組も進んでいるというふうにお聞きをいたしておりますけれども、この準島民の枠というものの拡大については、元島民の方を含めて、やはりしっかりとここにつきましては拡大することが必要だというふうに思っておりますし、昨年提出をいたしました野党各会派の改正案につきましては、今、中心は島民に限られているために、このままでは島民の方が島外で消費をされることを促すことにもつながっておりますので、離島の経済にも影響を与えることから、交流人口の増加を図ることを含めて、島民以外の方にも対象を拡大する必要があるのではないかという趣旨で改正案を提出をさせていただいておりますので、引き続きの御検討をお願い申し上げたいと思います。

 これまで質問をさせていただいてまいりましたけれども、有人国境離島法に基づく施策はあるものの、燃料油高騰につきましては、なかなかその施策や今の激変緩和策ではカバーできない現状が今生まれているというふうに認識をいたしております。

 航路は海の国道とも言われております。国の道路整備の取組と同様の取組が私は求められるというふうに考えるわけでございますけれども、離島航路を守るために、今直面をいたしております船舶用燃料の安定的な確保とともに、新たな、国が一歩踏み込んだ制度を導入して支援を強化する必要があるというふうに考えますけれども、金子大臣の御見解をお伺いをさせていただきます。

金子国務大臣 私の地元にも離島がございます。離島住民にとって、航路は、生活や産業を支える交通手段として必要不可欠なものであり、現下の中東情勢による厳しい状況の中でも、必要な運航を確保することが重要であると認識をしております。

 船舶用燃油の安定確保につきましては、業界団体を通じた聞き取り等によりまして船舶用燃油の供給制限の状況の把握を行った上で、経済産業省と連携をして供給の偏りや流通の目詰まりの解消を図っており、島民の生活等に必要な運航を確保しております。

 また、船舶用燃油の価格高騰対策について、先ほど政府参考人答弁で申し上げたとおり、経済産業省において緊急的激変緩和措置を行っております。

 引き続き、離島航路事業者等の生の声をしっかりお聞きしながら、離島航路を守るため経済産業省等の関係省庁と連携協力しつつ、丁寧かつ適切な対応に努めてまいります。

西岡(秀)委員 離島航路の安定的な運航については、やはりしっかりそこに対する先の見通しというものが必要だというふうに考えますので、激変緩和策での対応ということもございますけれども、やはり今のホルムズ海峡の状況を考えますと、既に今大変危機的な状況に直面しているというふうに考えますので、中長期的な視点でしっかりやはり離島航路を守る対策が今私は求められているというふうに思います。

 大臣もよく離島を、大臣の御地元にも離島がございますので、その状況は一番よく分かっておられるというふうに思いますので、その中長期的な、やはり先を見通した対策ということを取っていかなければ、離島航路を安定的に守っていくというところにはつながらないというふうに思いますので、大臣のお取組を是非御期待申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

 続きまして、観光業、特に宿泊業についてお尋ねをさせていただきます。

 同様に、今の物価高騰、燃油対策について関連する質問でございますけれども、地域の雇用を支え、また地域観光の拠点である宿泊業についても、原材料の仕入価格の高騰や光熱水費、またイラン情勢による更なるエネルギー価格の高騰を始めとする様々な物価高騰の下で、今後事業を継続していくことが大変厳しい状況に直面している事業者の皆様が多くおられます。

 事業者の方からは、燃油取引事業者からの値上げ幅が過度に、過大にならないことや、また情勢が落ち着くまでの間、事業者の負担軽減措置を実施していただけないかという大変切実なお声を私もお聞きをいたしております。

 現状についての観光庁の認識と今後の取組方針について、観光庁にお尋ねいたします。

木村政府参考人 お答えいたします。

 観光庁におきましては、宿泊関係団体を通じ、宿泊業界への影響について把握に努めているとこでございます。宿泊関係団体からは、原油価格の高騰に伴い調達コストが増加しているものの、業界全体といたしましては、例えば、燃料などの調達に支障を来している、あるいは経営危機が頻発しているといったような顕著な傾向は現時点では確認されていないと伺っているところでございます。

 観光産業は裾野が広く、三十六兆円を超える市場規模を持ち、自動車産業に次ぐ第二の輸出産業と言えるなど、地域の活性化、日本経済の発展に大きく寄与していると考えておりますが、その中核を担う宿泊業を支えていくことは、観光行政上も大変重要であると認識しているところでございます。

 中東情勢による影響に対しましては、宿泊業を含め物価上昇の影響を受ける中小企業に対する日本政策金融公庫などによるセーフティーネット貸付けの要件緩和などの支援策が現状講じられているところでございますが、引き続き、宿泊業への影響について状況を注視しつつ、政府全体の方針なども踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。

西岡(秀)委員 今、そういう声は聞いていないというお話があったんですけれども、私の地元長崎も観光立県でございますけれども、大変厳しい状況であるという事業者の皆様からのお声をいただいております。そのお声はやはりしっかりとお伝えをさせていただいた上で、日本全国の状況についてはしっかりと把握をしていただき、やはり観光産業を進めていくためには、宿泊業というのがその拠点となる大変重要な産業でございますので、しっかりとした現状把握とともに、その対策をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次の質問は、一問飛ばさせていただきまして、造船業の再生、振興についてお伺いをさせていただきます。

 予算委員会で金子大臣にもお伺いをさせていただいたところでございますけれども、今、造船業への重点投資が行われるということで、基金によりまして生産基盤が強化される方針が示されております。このことについては、日本にとっても、また地域経済にとっても、大変これから希望のある投資だというふうに期待をいたしているところでございますけれども、今あらゆる業界でそうですけれども、造船業では人手不足が大変深刻です。

 生産基盤が強化されたとしても、船を造る人材がいなければ船を造ることはできません。その意味で、人材確保、育成の取組と同時に、働く環境の整備、魅力的な職場環境を整備することは極めて重要な課題だと認識をいたしております。

 大企業においては様々な取組ができますけれども、中小企業においてその整備は難しいのが現状です。基本的に、そもそも基金については、生産基盤を整備するために活用するものであると理解をいたしておりますけれども……

冨樫委員長 約束の時間になっています。まとめてください。

西岡(秀)委員 働く環境を整備するためにこの基金を様々な工夫で活用することができないのかというふうに考えますけれども、そのことについての事例等がございましたらお答えをいただいて、私の質問を終わらせていただきます。

冨樫委員長 新垣海事局長、時間になっていますので、まとめて、短くお願いします。

新垣政府参考人 はい。

 お答えいたします。

 まず、御指摘の造船業再生基金につきましては、一千八百万総トンの船舶建造能力を確保するということを目的としておりますので、生産能力拡大に直接つながる設備投資や研究開発を対象としておりまして、寮などの生活関連施設に活用することはできません。

 しかしながら、全天候型のドックにするとか、溶接ロボットといった生産性向上に加えて、労働環境の改善に寄与するような設備投資、これは活用可能でございますので、そのような対策も工夫しながらやってまいりたいと思っております。

 また、人材確保に関する労働環境の改善に関しましては、このベストプラクティスを業界に広く伝えるということで、魅力ある職場環境の実現に向けた取組を業界内に広めていきたい、このような取組を進めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

西岡(秀)委員 時間になっておりますので、これで質問を終わります。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、吉川里奈君。

吉川委員 参政党の吉川里奈です。よろしくお願いいたします。

 本日は、いわゆる民泊制度について、制度制定時の前提と現状との乖離といった観点からお伺いをしてまいります。

 まず、制度の経緯を確認します。

 本来、宿泊業は、旅館業法に基づく許可制が原則です。衛生、安全、周辺環境への影響を事前審査した上で営業が認められてきました。

 しかし、民泊は、平成二十九年に成立し平成三十年に施行された住宅宿泊事業法により、届出制という枠組みが設けられました。制度設計の前提は、平成二十七年から二十八年のインバウンドの急増期にございます。宿泊施設の不足と無許可民泊への対応、そして東京オリンピックの需要が背景でありました。

 ところが、現在、状況は大きく変わっております。私の地元である新宿区では、三千五百件を超える全国一の民泊が集中をしており、苦情が急増をしております。この中で、賃貸運営というものが大半を占めており、この宿泊施設は、家主の同居型、家主の居住型、そして家主不在型というふうにございますが、家主不在型といった設置状況が九割近くとなっております。

 この民泊の規制が厳しくなる一方で、旅館業法の許可を取った名ばかりホテルといった、外見は普通の住宅の一室なのに、実態は、無人、遠隔運営とされる、そういったホテルも急増をしていて、同じ被害を生んでいるそうです。

 千葉県の浦安市の舞浜地区の閑静な住宅街では、民泊反対と書いた赤いのぼりが相次いで掲げられて、夜中の大型スーツケースの音、見知らぬ外国人の入れ替わり、そして深夜の物音が響き渡って、住民からは、本当に静かな普通の住宅街だったのに眠れないんだ、そして、常に緊張感が強いられているという切実な声が上がっているそうです。自治会から千葉県に、地域制限や指導強化を求める要望書が提出されているそうです。

 大阪市では、同様の被害が急増しており、浪速区や中央区などのマンションでは、オーナーの変更後に家賃が突然二倍近く上げられるケースが相次いでおり、この家賃が払えないならば退去せよと迫られている住民の方が続出しています。退去に応じられない場合は家賃を更に値上げするという通告が出され、これを裁判をして闘おうとしても裁判費用が払えないといった、高齢者の方や低所得者層の方が泣き寝入りするという事象が報告されており、結果として、住民の方の三割から四割の方が退去を余儀なくされ、空いた部屋は随時民泊に転用されるという状況となっています。

 また、目黒区でも、苦情が数倍に跳ね上がっており、区としては、先月、住民説明会の義務と従業員の常駐を義務づける条例の改正を発表したそうです。

 豊島区でも、六億円相当の違法薬物が民泊から発見されるなど、いろいろな問題が多発しており、治安への影響も深刻化しています。

 こうした現状、制度の構造自体に起因すると考えられますが、この民泊が始まった当時は宿泊施設の不足対策が主眼でしたが、今は住環境と安全のバランスが問われる段階かと思います。

 ここで伺います。

 政府は、こういった現状との乖離を制定時の想定内だったと認識しているのか、それとも新たな課題が生じていると認識しているのか、見解をお示しください。

上田大臣政務官 住宅宿泊事業の創設に当たっては、御指摘のような、いわゆる家主不在型を含めた民泊が増加することや、マナーが十分に守られず、周辺住民等からの苦情が発生する場合があるということは想定をされておりました。

 そのため、住宅宿泊事業法において、苦情が発生した場合には住宅宿泊事業者が適切かつ迅速に対応することや、住宅宿泊事業を行う住宅に自ら居住しない場合には住宅宿泊管理業者に管理を委託することを義務づけるなど、必要な措置を講じているところです。

 しかしながら、昨今の訪日外国人の増加など、我が国への宿泊需要の増大などに伴い、民泊に関する様々な課題が顕在化しており、その課題解決に向けて更なる取組を行っていく必要があるということを認識しております。

 以上でございます。

吉川委員 ありがとうございます。

 そういったマナーが守られない可能性ということは想定されていたということなんですが、先ほど、その管理業者といったところ、その民泊の管理業者の連絡先が書いてあるという標識があるんですが、そちらに電話をしても残念ながらつながらないと。この管理業者が委託されているケースというのもあるんですね。そういった場合に、結局のところ、地域住民の皆さんが、連絡がつながらなければもうどうしようもないという現状が起きているというところが実情かと思います。

 次に、制度の実効性について伺います。

 現在、こういった民泊の届出住宅数というのは増加を続けており、本年三月時点で約四万件に達しています。こうした現行制度は、届出制ということで、事前審査がなく、家主不在型の運用が広く認められている。結果、利用者の把握も困難で、管理責任も、先ほど申しましたように所在も不明確、そして短期滞在、非対面といった特性を持つ施設というのが多数存在しています。

 こうした構造というのは、現在、犯罪の温床ともなっている地域がありまして、豊島区の民泊施設では、先ほども申しましたように六億円相当の違法薬物が発見されたり、あるいは愛知県では、特殊詐欺のグループが民泊を転々とするかけ子拠点として利用されていたといった事例も報告されています。

 制度上、民泊事業者というのは、標識の掲示や連絡先の明示というものが義務とされていますが、現実には、標識のない、いわゆる無許可、無届けの違法民泊というものも一定数存在していると考えられます。このような違法民泊は、通報に基づく個別対応に依存し、指導後に形式的な対応を行うことで営業が継続されるケースがあるとの自治体からの指摘があります。結果として、現行制度の下では、違法民泊であっても特定に至らない、あるいは摘発に至らないというケースがあるのではないかという問題意識がございます。

 ここで警察庁に伺います。

 無許可営業や無届け民泊に対してどのような取締りを行っているのか、具体的に教えてください。

服部政府参考人 お答えいたします。

 民泊につきましては、所定の手続を経ずに行われている無届け民泊や、騒音などの迷惑行為が発生した際に適切な対処が行われていない民泊の問題が存在している旨の指摘があるものと認識しております。

 こうした民泊に係る問題に対しましては、第一義的には所管行政庁の指導、啓発が重要であると考えられますけれども、行政の繰り返しの指導に従わないなど悪質な事犯に対しましては、所管行政庁等と連携し厳正に対処することとしております。

 一方、こうした事案の中には、所管行政庁による実態把握が難しいものもあるように承知しております。

吉川委員 ありがとうございます。

 やはり、これは通報すると警察が動いてくれるのではないかというふうに一般人の感覚では思うんですけれども、実はそうではなくて、適切な対処ができていない場合、その悪質な場合に警察は動きますというところで、まず動くところは自治体の指導というところになっています。そうなりますと、やはり結局のところ、こういった法律のたてつけがありますけれども、その法律を執行して摘発される事例というのは、なかなか実態は少ないということを昨日警察庁からも伺いました。

 ここで、併せて厚生労働省に伺います。

 旅館業法においては、無許可営業に対して罰則が規定されているんですけれども、指導を経て届出や許可がなされることで営業が継続されるケースがあると承知をしています。このような運用の下で、違法行為に対する抑止力は十分に機能していると考えられるのか、見解をお示しください。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 旅館業法において、旅館業を営もうとする者は、都道府県知事等の許可を取得しなければならないとされており、無許可営業による違法民泊などの旅館業法の違反事例については適切に取締りを行うこととしてございます。

 こうした中で、令和八年一月には、より実効的な指導ができるよう、無許可営業者に対する罰則、命令などの適用事例を示しますとともに、自治体が営業者を指導する際に、無許可営業者に対して命令、罰則などを分かりやすく説明できるようなリーフレットを厚生労働省において作成するなどの、法違反に対する取締りが適切に実施されるよう対応してきているところでございます。

 今後とも、関係省庁とも連携し、地方自治体における指導等が適切になされるように努めてまいりたいと考えております。

吉川委員 ありがとうございます。

 そういった、周知徹底して関係省庁と取り組んでいくという取組は理解するんですけれども、先ほども申しましたように、じゃ、悪質でなければ、本来、取りあえず違法で始まったものなのに、指導をして届出を出したら、それは合法的な民泊として認められて、また引き続き利用されるということが事実起きていまして、やはり、こういった行政措置を行う自治体が、その一件一件の対応に非常に手を煩わせていらっしゃるということで、法改正の必要性を訴えているということに、是非真摯に対応をしていただきたい、むしろ、そういったところに対応されている現場に国としても足を運んでいただきたいというふうに思います。

 やはり、旅館業法では、無許可営業に明確な罰則があっても、自治体による指導を経て届出を行うだけで実質的に違法から合法的な営業継続が可能となるところは、大きな矛盾ではないかと考えますので、これは違法行為に対する真の抑止力とは到底言えないと考えますので、是非、この制度の抜本的な見直しを検討していただきたいというふうに思います。

 次に、現場の生活環境に関する課題について伺います。

 地方自治体からの声で、届出住宅一覧において、個人情報保護を理由に届出者名が記載されていない事例があったり、近隣住民の不安の観点から届出者名や管理者名の公表の在り方が課題として指摘されています。

 ごみの問題に関しても、本来、宿泊施設から排出されるごみは事業系廃棄物として適切に処理なされなければならないのですが、民泊の場合、家庭ごみの集積所に排出されていても、外形的に判断が困難であり、結果的にごみ置場の混乱や生活環境の悪化を招いているという指摘がたくさんございます。

 そこで、伺います。

 民泊から排出されているごみについて、現行制度において、家庭ごみと事業系ごみ、どのように区別してどのように適切な処理を担保しているのか、教えてください。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 住宅宿泊事業に関連して寄せられます苦情におきましては、宿泊者による騒音や住宅宿泊事業者等への連絡不通などと並びまして、ごみに関するものが多いことは承知しているところでございます。

 ごみの処理に関しましては、住宅宿泊事業法第九条に基づき、事業者から宿泊者に対して、捨てる場所や分別方法などについて説明することを義務づけるとともに、住宅宿泊事業法施行要領、いわゆるガイドラインでございますが、これにおきまして、住宅宿泊事業に起因して発生したごみの取扱いは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に従い、事業活動に伴って生じた廃棄物として事業者が責任を持って処理しなければならないとされているところでございます。

 一方で、こうしたルールを守らない事業者に対しましては、現行制度上、業務改善命令を発出し、従わない場合には罰則の適用があるなど、現行制度でも適正な対応を担保する枠組みは整備されているところでございます。

 まずは、こうした制度的枠組みをしっかり運用することが重要であると考えておりまして、政府の総合的対応策において、不適切な事業者への厳正な処分や地域の実情に応じた規制を行いやすくする手法や環境整備を検討することとしており、ごみの問題を含めて対策の検討を進めてまいりたいと考えております。

吉川委員 そういった取組はあるかと思うんですけれども、やはり、先ほども申しましたが、ごみを捨てた人が、住民なのか、あるいはそこを利用された旅行客の方なのか、それともその管理事業者なのかというのは、別に名札がついているわけでもございませんので的確にその判断をすることもできないですし、そこで何かそれは罰則をというふうにやることもなかなか難しいというところが現状かと思います。

 やはり住宅施設を民泊に利用するというところから、そういったところの地域に元々住まれている方が非常にお困りであるということが散見されておりますので、引き続き対応をお願いいたします。

 次に、無届け民泊と仲介事業者の責任について伺います。

 無届け民泊というのは、数としてはなかなか把握ができないということは承知しておりますが、自治体では、多数存在して個別対応が追いつかないと、先ほども申しましたが、あるわけです。

 集客の多くが仲介サイトを通じて行われる中で、今は無届け物件の掲載も指摘をされている。これはいろいろと政府でも取組をなされていくと伺っておりますが、無届け民泊を実効的に排除する観点から、仲介業者にどこまでの責任が課されているのか、現行制度は十分に機能していると考えているのか、御見解をお示しください。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 住宅宿泊事業法におきましては、住宅宿泊仲介業者に対する規制を既に設けているところでございます。具体的に申し上げますと、住宅宿泊事業法第五十八条におきまして違法行為のあっせんなどを禁止しているところでございまして、仲介サイトに物件を掲載する際には法令に基づく手続を行った民泊事業者であるかを確認することを求めているところでございます。仲介事業者がこのような行為を行わない場合には、行政処分の対象となるところでございます。

 一方で、届出番号を偽るなどして、住宅宿泊仲介事業者の確認を経ずに仲介サイトへの掲載に至るケースもあると承知しているところでございます。こうしたケースを含めまして仲介サイトから違法な民泊を確実に排除し得るよう、国のデータベースと仲介サイトとのデータ連携を実現すべく、システム改修の検討作業を進めているところでございます。

 法令の手続を経ない違法な民泊の抑制に向けましては、法令の遵守とともに、仲介サイトからの違法な物件の排除を徹底し、宿泊者が予約できない環境を整えることが重要であると認識しており、こうした取組を速やかに進めてまいりたいと考えております。

吉川委員 ありがとうございます。

 海外ではプラットフォームの規制というものがかなり進んでいます。フランスでは登録番号の表示義務、アメリカのニューヨークでは未登録物件の掲載制限、スペインのバルセロナ等でも同様の制裁が行われています。やはり我が国においても、そういった登録番号の厳格な確認、無届け物件の掲載禁止、違反時の措置の強化といった規制の導入というところを検討していただきたいというふうに思います。

 これまで伺ってまいりましたとおり、制度制定時の前提と現状、今の問題が多発しているという乖離、そして、届出制による管理の限界、犯罪利用のリスクやごみ問題を始めとする生活環境への影響、無届け民泊や仲介サイトを通じた流通の問題、あるいは制度のすり抜けによるトラブルの発生といった問題が各地でかなり共通して指摘をされております。

 私としては、この現行の届出制度を前提とした制度のままで、本当にこれらの課題に対応ができるのかと考えております。やはり、そういった今の住宅宿泊事業法というのは制度として想定した役割を十分に果たし切れていないのではないかと考えますので、是非、制度の抜本的な見直しとして検討を行う考えがあるのか、大臣のお考えをお聞かせください。

金子国務大臣 今、るる現場の声を聞かせていただきました。

 住宅宿泊事業法の施行状況につきましては、日頃から、観光庁の職員が自治体に状況をお伺いし、また御相談を受けることなどを通じてその把握を行っているところでございます。

 例えばお尋ねの騒音などの苦情に対して、適切に対応しない事業者も一部存在していると承知しております。このような事業者に対しましては、住宅宿泊事業法に基づき業務改善命令の発出など厳正に対処する必要がありますが、一方で、処分の根拠となる事実を押さえることが難しいため、効果的に事実を把握する手法を確立してほしいとの御要望もいただいております。

 また、閑静な住宅街に多くの民泊が立地する地域も見られており、地域の実情に応じて厳格な営業規制や広範な立地規制などを適切に行えるようにしてほしいといった要望もいただいているところでございます。

 今後とも、民泊をめぐる地域の要望や実情をよく把握しながら、対応策の検討を進めてまいりたいと考えております。

吉川委員 ありがとうございます。

 昨日も、ニュースを見ていると、ちょうど昨日開催された九都県市首脳会議、いわゆる首都圏サミット、こちらでもやはり民泊制度の適正化について提案がなされ、罰則の強化、違法行為の明確化、自治体の指導監督権限の拡充など、国への要望が決定されたと承知をしています。

 やはり、静かに暮らしていた地域住民の生活が脅かされている現状があります。こういったところを利用される方は外国人の方が多くて、団体利用による深夜のパーティーでのどんちゃん騒ぎ、文化の生活の違いから生じる騒音、ごみ、治安悪化への不安というのは本当に募るばかりであります。マンションの利用なんかでいえば、オートロックがあるにもかかわらず、そのオートロックつきのマンションが民泊に使われているとオートロックキーの意味がないじゃないかといった御指摘等もございます。

 政府が掲げているインバウンド推進の目標というものがあるかと思いますが、どれだけ観光客を増やそうとも、静かな住宅街で眠れない夜を強いられて日常の暮らしが脅かされる住民の声に耳を傾けなければ本末転倒かというふうに思います。やはり、守るべきものは国民の平穏な生活そのものかというふうに思います。

 今日全ては御紹介し切れませんでしたが、地方自治体からの声がたくさん上がってきているかと思いますので、しっかりと地方と国とで連携して、国民生活の安心、安全な暮らしを守るために国土交通省を挙げて取り組んでいっていただきたい、そして、厚労省や、あと特区民泊は内閣府ですので、そういった他省庁とも横串を通した政策を行っていただきたいことを要望いたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、須田英太郎君。

須田委員 チームみらいの須田英太郎です。

 子供の出産に伴い委員を外れておりましたが、また復帰させていただきます。新たに子育て当事者となりました目線も踏まえて、国土交通行政をよりよくできるように尽力してまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 今日は、少し順番を変えて、海上運送法に関する事業の定義の明確化から質問いたします。

 本年三月十六日、沖縄県辺野古沖で小型船舶の転覆事故が発生しました。修学旅行中の高校生お一人と船長お一人が亡くなられました。私自身、二か月前に娘を授かった身として、その命が突然奪われた御遺族の悔しさ、想像することすらできません。亡くなられたお二方、そして御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りいたしております。

 報道によれば、事故を起こした運航主体は、海上運送法に基づく一般不定期航路事業、この登録をしていなかったとされています。現在、海上保安庁において捜査が進められていることは承知しておりますので、個別の事案の当否についてはお聞きいたしませんが、本日お伺いしたいのは、この事故が浮き彫りにした制度上の課題です。どのような場合に海上運送法上の事業に該当し、登録が必要となるのか、その要件が不明確である、この問題です。

 私自身、かつて瀬戸内海の小豆島で海上タクシー事業を営んでおりました。運輸局に届出を行い、船舶の整備、保険の加入、安全運航体制の整備に取り組んでまいりました。事業者として安全を確保するためには、コストも労力もかかります。しかし、そのコストと労力こそがお客様の命を預かる者の責任であると、地元の関係者の方々に口を酸っぱく教えていただき、私自身、心に刻んで事業を行っておりました。

 登録が必要な活動と不要な活動の間の境界線が曖昧であれば、登録なく人を運ぶ方が今後も出てきてしまいます。そして、登録のない運航には、安全管理体制も行政の監督も及びません。今回の事故は、この制度の曖昧さが招いた構造的な問題であると考えます。

 そこで、国土交通省にお伺いします。

 海上運送法上、一般不定期航路事業を行う場合には登録が必要です。しかし、各地方運輸局のホームページ、これを拝見いたしますと、この事業について、非旅客船による人の運航を行う事業というような記載はございますけれども、この事業という言葉がどういう要件をもって判断されるのか、これは明記されておりません。友達を運ぶだけだったら事業じゃないのか、知らない人を無料で運んだら事業なのか、そういったことの判断がつかないわけです。

 海上運送法における一般不定期航路事業の登録が必要となる事業とは、どのような要件で判断されるのか、お聞かせください。

新垣政府参考人 お答えいたします。

 海上運送法におきましては、海上において船舶により人又は物の運送をする事業を営む場合に国土交通大臣の許可又は登録を受けることが必要となりまして、一方で、親族や知人を無償で運送する自家用運送等につきましては、事業性を有しないものとして海上運送法の適用外となっております。

 この事業性を有するかどうかの観点でございますけれども、一つは他人の需要に応じたものであるかどうか、もう一つは反復継続される事業として運送が実施されていたかといったことが判断の基準となります。

須田委員 ありがとうございます。

 今御答弁いただいたとおり、事業に該当するかどうかの判断、これには反復継続性、あとは他人の求めに応じていることということを御共有いただきました。

 ちなみに、有償、無償は問わないという理解をしておりますが、その点はよろしいでしょうか。

新垣政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおりでございまして、有償か無償かを問わずということでございます。

須田委員 ありがとうございます。

 この要件、三つですね。反復継続性、他人の求めに応じていること、そして有償、無償は問わない、この三つが非常に重要であるわけなんですけれども、各地方運輸局のホームページにはほとんど記載がございません。私が全国十の運輸局のホームページを確認しましたけれども、記載はございませんでした。

 特に、最後に御答弁いただいた、無償であっても事業に該当し得る、この点は一般にはほとんど知られていないのではないでしょうか。お金を取っていないから登録は不要だ、そのように誤解をしてしまうサービス提供者が出てくることは容易に想像ができます。そうした誤解が行政の監督が届かない運航を生み、ひいては安全性の問題につながりかねません。

 事業の定義について、全国の運輸局のホームページへの掲載やリーフレットの作成などにより、周知を徹底するべきではないでしょうか。政府の見解をお伺いいたします。

新垣政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘の周知は大変重要だと考えておりまして、今般の事故と同様の事業登録のない船舶による事故を防止するために、まずは周知をしっかり行っていくことが重要だというふうに考えております。

 例えば、大きく三つのことでございますが、一つ目、海上運送法の許可、登録が必要となる運送行為の具体例、二つ目として、無償の運送行為であっても許可、登録が必要だということ、三つ目として、観光やイベントで船舶を利用する際は、安全性の観点から、許可、登録を得ている事業者の利用が重要であること、こういったことを地方運輸局のホームページ等を通じて周知を行うことを早急に進めてまいりたいと存じます。

須田委員 ありがとうございます。

 周知徹底、是非よろしくお願いいたします。

 今、反復継続という話もございましたけれども、それはどれぐらいなのかという疑問も生まれます。その具体的な基準、つまり、年間何回、何日以上だったら反復継続と判断するのか、こういう点も本来は明確にするべきだと思います。ただ、今、辺野古の事故について海上保安庁で捜査が進められておりますので、この場でその基準を議論することは捜査に影響しかねませんので、本日はお聞きいたしません。ただ、捜査の進捗を踏まえた上で改めて議論をさせていただきたいと思います。

 一点、関連した問題意識を申し上げます。

 今お話ししていただいたような事業の定義に当てはまらないから登録が不要で、そのために行政の監督が及ばない、こういう構造は海上運送に限った問題ではないと考えます。

 例えば、自動車による高齢者の方の運送ボランティア、これは事業に該当しないがゆえに、参加者の安全に関わる活動であっても行政の監督が及ばないという領域は各分野に存在しています。

 ほかの省庁の例ですけれども、例えば、厚生労働省は、食品衛生法上の営業許可を必要としないタイプの子供食堂についても、食中毒予防の観点から衛生管理のポイントを示して注意喚起を行っています。営業の許可とか登録が必要でなくても、事故を防ぐためには行政として注意喚起やガイドラインを示す、これはできるわけです。

 このように、本来、行政の監督が及ぶべき活動でありながら、事業に該当しないから監督の外に置かれてしまう領域がございます。国土交通省におかれましては、所管分野においてそういった領域がないか、一度棚卸しをして洗い出し、注意喚起やガイドラインで安全確保を図ることができないか、一度御検討をいただけますと幸いです。

 次に、自動運転に関するデータガバナンスについて質問をいたします。

 三月十日の本委員会において、私は自動運転の社会実装を進めるために、データ、安全、監督についてのルールづくり、これが不可欠であると申し上げました。金子大臣からも御答弁をいただきまして、関係省庁と連携しながら社会実装に取り組んでいく、こういう力強い御答弁をいただき、事故時の原因究明体制の構築についてもお答えいただきました。

 その後、政府からは、日本成長戦略会議の自動運転のロードマップの素案が示され、私が求めたルール形成の方向性とも重なる部分として、サイバーセキュリティーの確保などが盛り込まれたこと、これは前進として高く評価いたします。

 一方で、自動運転車両が取得して蓄積するデータ、これをどう管理するかというデータガバナンス、この具体的な方針は依然として示されておりません。本日は、このデータガバナンスについて、それぞれの担当省庁にお伺いいたします。

 まず、事故原因究明の観点から国土交通省にお伺いします。

 自動運転車両の事故原因究明、こちらは運輸安全委員会の調査対象に自動運転車を加える方向で検討が進められていると承知をしております。二〇三〇年にサービス車両一万台という目標が掲げられていて、社会実装のスピードに原因究明の体制整備が遅れるようなことがあってはなりません。検討の現状と今後の進め方をお聞かせいただけますと幸いです。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 自動運転車両の事故時における原因究明体制の構築を進めることは、自動運転車両を社会に受け入れられる、こういうものとするため、そして安全な自動運転社会を実現するために重要だ、このように考えております。

 国土交通省におきましては、交通政策審議会の下に令和六年十月に設置した自動運転ワーキンググループにおきまして、自動運転車に係る事故調査機関として運輸安全委員会を念頭に検討を行ったところであり、昨年五月末にその体制整備の方向性等について、中間取りまとめを公表したところでございます。

 国土交通省としましては、この中間取りまとめや累次の閣議決定を踏まえまして、運輸安全委員会における事故原因究明体制を構築できるよう、現在まさに所要の検討を行っているところでございます。委員御指摘のとおり、自動運転車両の社会実装のスピードに遅れることのないよう、検討を着実に進めてまいりたいと考えております。

須田委員 石原さん、ありがとうございます。

 この事故の原因究明体制の構築、こちらは、普及状況を見据えて、普及してから体制を整えるのでは遅いです。普及に先んじて体制を整えていくための検討を迅速に進めていただけますと幸いです。

 次に、国家安全保障の観点からお伺いいたします。

 自動運転車両が取得する道路、建物、インフラの精密な三次元データは、大量に蓄積されれば、極めて機微な地理空間情報となり得ます。もちろん、過度な規制は研究開発を阻害し、日本市場の魅力を損ないます。なので、一律にこういったデータの海外への持ち出しを制限すべきだとは考えておりません。

 しかし、安全保障上のリスクに応じた適切な管理の仕組みは必要です。こういった精密な三次元データなどが外国政府や外国企業に蓄積された場合のリスクを政府としてどのように認識しておられますか、内閣官房にお伺いいたします。

早田政府参考人 お答えいたします。

 自動運転の実装に際しましては、車両が取得するデータ、それから御指摘の三次元地図データなど様々なデータが用いられるものと承知しておりまして、こうしたデータが適切に取り扱われることは、経済安全保障の観点からも重要であると認識をしてございます。また、一般論として申し上げれば、御指摘の三次元地図データを含む地理空間情報については、国の安全等の確保の観点から、例えば、国の重要な施設等のデータが悪用されるリスク等が否定できないものと認識をしてございます。

 このため、国家安全保障局といたしましては、自動運転をめぐるデータにつきまして、リスクに応じた適切な対応を取られるよう、自動運転施策に関係する各省庁とも連携をしながら、必要な検討を行ってまいりたいと考えてございます。

須田委員 早田さん、ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいたように、リスクの認識があるとのことですので、その次に必要なのは、具体的な対応を誰がどう進めるのかという役割分担とその迅速な検討です。

 そこで、デジタル庁にお伺いします。

 今の内閣官房の問題意識を踏まえて、ルール整備をどのように進めていくお考えでしょうか、お答え願います。

岡田政府参考人 お答えいたします。

 今ほど国家安全保障局から答弁がございましたとおり、自動運転の運行に当たって取得される様々なデータが適切に取り扱われることは、自動運転の社会実装を進めるに当たって大変重要であると認識をしてございます。

 デジタル庁におきましては、自動運転の社会実装、事業化を早期に実現することを目的といたしまして、関係府省庁の支援策を集中的に投入する自動運転社会実装先行的事業化地域の公募を行いまして、三月に採択結果を公表したところでございます。

 自動運転をめぐるデータの取扱いの重要性を踏まえまして、当該公募の申請に当たりましては、データの保存場所、データアクセス権限、セキュリティー対策等について必要な記載を求めた上で、この点も含めて外部有識者に審査をしていただいて、採択地域を決定したところでございます。

 今後とも自動運転をめぐるデータの管理につきましては、そのリスクに応じた適切な措置が講じられるよう、自動運転に関連する府省庁と緊密に連携いたしまして、必要な対応を検討してまいりたい、このように考えております。

冨樫委員長 須田君、申合せの時間になっています。

須田委員 ありがとうございます。

 本来であれば、経産省と個人情報保護委員会にも御質問したいなと思っていたんですけれども、時間が参りましたので、別の機会に御質問させてください。申し訳ありません。

 今申し上げましたような四つの論点、事故原因究明、そして国家の安全保障、研究開発の促進、プライバシー保護、こういう大きな論点が、自動運転のデータガバナンスという一つのテーマだけでございます。そして、複数の省庁にまたがっている。こういったテーマに関して、本日、どのような省庁がどのような方針で検討を進めていくのかの整理がされたことは非常に重要だと考えております。

冨樫委員長 時間になっています。

須田委員 省庁におかれましては、政府一体となった迅速な検討をよろしくお願いいたします。

 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 自家用ダンプの運用などと昨年改正された貨物自動車運送事業法との関わりについて伺います。

 昨年成立したいわゆるトラック適正化二法に盛り込まれた違法な白ナンバートラックに係る荷主等の取締りの規定、これは貨物自動車運送事業法第六十五条の二などですが、従前からの建設現場などで仕事をしている自家用ダンプや自ら所有する貨物を自ら運送する白ナンバートラックなどを違法とするものではないという解釈でよろしいのか、金子恭之国土交通大臣に伺います。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 トラック運送事業につきましては、一たび事故を起こすと甚大な人的、物的被害が生じかねないことから、貨物自動車運送事業法に基づく国土交通大臣の許可を必要とし、輸送の安全の確保等を確認しているものです。

 先ほど御指摘ございました、昨年六月に超党派の議員立法により成立し、そして本年四月一日から一部施行されたトラック適正化二法は、貨物自動車運送事業法に基づく許可を得ずに他人の貨物を有償で運送する、いわゆる違法白トラに運送委託を行った荷主等に対して直接罰則を科すものであり、違法な白トラ行為を行っている者に関する従前の取扱いを変更するものではございません。

畑野委員 そうしますと、違法ではないということでよろしいですか。先ほどお示しした自家用ダンプあるいは自ら所有する貨物を自ら運送する白ナンバートラックは、先ほどの法律には対象じゃない、合法だということでよろしいですか、大臣。

金子国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございます。このことを罰則とするものではございません。

畑野委員 罰則とするものではないと金子大臣からしっかりと御答弁を初めていただきました。

 ところが、建設業の現場などでは大変な事態が起きております。この間、全日本建設交運一般労働組合、建交労から現場で起こっている実態を伺ってまいりました。この法改正と国交省がこの間出した事務連絡の誤解によりまして、廃業や転職を余儀なくされた方がこの間十五件も寄せられているということなんです。

 昨日、能登半島の被災地の実態を伺いました。復興の途上にあるのに、三月三十一日をもって白ナンバーの自家用ダンプが全て排除された、これまで、大体、営業用の緑ナンバー二十台ぐらい走っていた、そして白ナンバーの自家用ダンプなどが六十台ぐらい動いていた、それが今度、白ナンバーが一気に今ゼロになっている、大混乱で工期は延びるだろうというのが能登の被災地の実態だというんです。

 今日、資料で、国交省が出したチラシを添付いたしました。1、2を見ていただきたいんです。1が表です。「令和八年四月一日から新たに荷主等が白ナンバーのトラックに有償で貨物の運送を委託した場合も、貨物自動車運送事業法違反となる可能性があります。」。裏の2で、「いかなる人も「白ナンバーのトラック」に貨物の運送を有償で委託してはいけない」と。これですと、白ナンバー全てが違法であるかのように読めてしまうんですね、大臣は違法じゃないとおっしゃっていただいた、禁止したものではないとおっしゃったんだけれども。こういうチラシが現場に一層の混乱を起こしたと言わなくてはなりません。

 全国商工団体連合会、全商連からも、一人親方の方が建設現場で運べなくなっていると、この間、奈良から御家族の方が、何とかしてほしいと訴えにも来られたんです。大臣はこうした現場で起きていることを御存じでしょうか。

 そして、能登の被災地について、これはもう直ちに実態をつかんで、白ナンバーの自家用ダンプが従来どおり復興の仕事に携われるようにするべきだと思いますが、いかがですか。

金子国務大臣 私の地元熊本でも、災害復興復旧等に白ダンプを使っている業界もおられます。そういう建設現場において自家用ダンプカーが一定数使用されているところでございますが、トラック適正化二法が施行される本年四月からその使用が一律に禁止されるなどの誤解によりまして、その使用が抑制され、工事の実施に支障が生じるのではないかとの懸念の声があることは承知をしております。

 また、委員御指摘の能登の被災地については、地元の建設業団体より、能登の被災地において、自家用ダンプカーから緑ナンバーのトラックへの運送委託に切り替えた事例はあるが、今のところ建設現場で施工に支障を及ぼすような混乱は生じていないと聞いております。

 国土交通省としては、引き続き、トラック適正化二法の適切な執行に努めるとともに、同法の趣旨について建設業者を始めとする関係者に対して丁寧に周知をしてまいります。

畑野委員 実際、能登の担当官に私聞きましたので、是非つかんでいただきたいと思います。

 この間、国交省として事務連絡を繰り返し出して、自家用ダンプやあるいは自ら所有する貨物を自ら運送する白ナンバートラックは従前どおりであるということを周知されようとしているんです。

 だけれども、はっきり言って、文章が分かりにくいんです。ゼネコンや元請は理解できても、現場で一生懸命頑張っていらっしゃる方は、こういう文書を読み込む余裕などがないということなんですね。実態を早急につかんだ上で、もっと分かりやすい表現で文書を出して周知することを含めた対応が必要ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

金子国務大臣 四月を前にして、私の地元でも、建設業界から、このままいくと白ダンプをお願いをしている中で事業ができないというお話がございました。

 そこで、正確な話として、白ダンプを使うに当たって建設業と契約関係をしっかり結んでいただくということが必要である、契約関係を結んでいないのに白ダンプを使うこと、これは駄目だということを申し上げて、そのことをしっかり広報していこうということで、建設業界とも、あるいは関係の皆さん方に広報をしたところでありますし、説明会もやらせていただいたところでございます。

 本年四月一日から一部施行されたトラック適正化二法は、違法白トラに運送委託を行った荷主等に対して直接罰則を科すものであり、違法な白トラ行為を行っている者に関する従前の取扱いを変更するものではございません。

 他方で、先ほど答弁いたしましたが、建設現場においては、自家用ダンプカーが一定数使用されている実態があると承知をしております。このため、現場における混乱を回避する観点から、関係する業界団体や地方公共団体等に対して、本年二月に事務連絡を発出をし、例えば、個人事業主が自家用ダンプカーを使用して行う運送が許可不要と判断される場合を例示するなど、貨物自動車運送事業法における自家用ダンプカーの取扱いを明確化し、周知を図ったところでございます。

 また、本年三月に、建設業団体の会員事業者向けに、先ほど申し上げました説明会を複数回開催するとともに、説明会の動画や事業者からの質問への回答を国土交通省のホームページに掲載することにより、トラック適正化二法や事務連絡の趣旨について周知徹底を図っているところでございます。

 国土交通省としては、関係省庁とも連携しながら、引き続き、関係者への制度内容の丁寧な周知をしっかりと進めていくことでございます。

畑野委員 昨日、神奈川の組合の方からも聞いたんですけれども、静岡の大きな工事現場で、やはり、適法な、合法な自家用ダンプがもう現場に入れないという状況になっている。それで、その工事現場の担当者に言ったら、あっ、そういうことなんですかと分かったと。その後に、更に大手ゼネコンが仕事をしていますから、二人の所長さんのところにも行って、分かりましたと。そこは分かっていただける、大臣がおっしゃったように。ところが、一次、二次、下請になったら、もうそんな、長い文章、何回も出ているもの、だんだん文章は短くなっているんですけれどもね、だって、こういうのが出ちゃっているわけだから、もう本当に分かりやすい徹底をしていただきたいというふうに思うんです。

 秋田県は、既に一月二十三日に、県として、本当に分かりやすい、これまでどおり問題ないんですよということで、合法的に運用されている白ナンバートラック、やっているわけですから、これはもう是非分かりやすい徹底をしていただきたいということを求めて、最後の質問をいたします。

 公共工事における十トン積みダンプトラックの東京地区の二〇二六年度の一日当たりの機械、労務、材料、損耗費のそれぞれの単価及び合計金額について、大臣に伺います。

金子国務大臣 済みません。誤解を招くといけないので、全ての白トラとか白ダンプがいいということでなくて、その点、ちょっと政府委員から説明させてもらってよろしいですか。

岡野政府参考人 失礼します。事務的なことでございますので、補足させていただきます。

 先ほど大臣の方から御説明したとおりでございますけれども、今回につきましては、今回、四月一日から施行されたトラック適正化二法につきましては、違法な白トラ行為を行っている者に関する従前の取扱いを変更するものではないということでございます。

 また、委員からお配りいただきました資料、こちらの方も、内容としましては、白ナンバーのトラックに貨物運送を有償で委託してはいけないと。ですから、委員がおっしゃったような、自家用の、自己の需要のものを白ナンバーで運ぶということは当然違法ではないということになってございますし、また、それを建設現場の方が雇用関係を結んだ上で使用するということも違法にはならないということでございます。(畑野委員「じゃ、大臣、どうぞ」と呼ぶ)

金子国務大臣 済みません。念のためにお話をさせていただきました。

 要は、白トラック、白ダンプカーが勝手に違法行為をやることでなくて、ちゃんと建設業あるいは運送業者が契約関係を結ぶことで、それをしっかり認めるということでございます。

 先ほどの御質問にお答えさせていただきます。

 国土交通省直轄工事の予定価格の算出に用いている、十トンダンプトラックの一日当たりの単価につきましては、例えば、東京地区においては、本年四月時点で、ダンプトラックの機械費用は三万五百円、運転手への労務費は二万五千六百円、タイヤ等の損耗費は七百六十九円であり、ダンプトラックの機械費用に含まれています。これらの合計は五万六千百円でございます。

 また、燃料費の単価については、同様に、東京地区における本年四月時点での単価は、一リットル当たり百十七・五円でございます。

畑野委員 今大臣からお答えいただきました金額なんですけれども、分かりました、二年に一遍の改正なので。

 それで、東京、軽油百十七・五円と。今日も見ましたけれども、もっと高いですよね。ホルムズ海峡の中東問題もありますから、是非こういったこともしっかりと対応していただきたいというふうに思います。

 自家用ダンプを始め、適法な白ナンバートラックは……

冨樫委員長 約束の時間になっています。お願いします。

畑野委員 はい、分かりました。

 建設業を始め日本の産業にとって、なくてはならない存在です。廃業などを生まないようにしっかり対応することを求めて、質問を終わります。

     ――――◇―――――

冨樫委員長 次に、内閣提出、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣金子恭之君。

    ―――――――――――――

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

金子国務大臣 ただいま議題となりました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 地域公共交通は、通学、通院などの日常生活に必要不可欠な移動を担い、観光旅客の移動も支えるなど、地方の暮らしと安全を守る基盤であり、地域の繁栄の礎です。

 しかしながら、運転者等の担い手が不足をし、バス路線等の休廃止が相次ぐなど供給が制約される一方で、高齢者の運転免許返納、学校、病院の統廃合などを背景に、地域公共交通に対する社会的需要は拡大し、全国で約二千五百の交通空白が生じております。

 こうした状況を踏まえ、地域の輸送資源のフル活用や、共同化、協業化等を推進することで、交通空白を解消するとともに、その将来的な発生を抑制し、ひいては持続可能な地域公共交通の実現を図ることが急務となっております。

 このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、交通空白等を解消するため、休廃止されたバス路線等について、地方公共団体が主導する形で、運送主体を選定し、他者からの協力のあっせん等を行うことにより、バス、タクシー、公共ライドシェアによる地域の状況や課題に適した形態での運送を確保する自動車地域旅客運送サービス再構築事業を創設することとしております。また、他の事業者からの協力を得て、旅客船の法定検査の期間中における運送の休止等の回避を図る海上運送利便確保事業を創設することとしております。これらの事業が国土交通大臣の認定を受けた場合には、関係法律の特例措置などを講ずることとしております。さらに、鉄道事業再構築事業について、事業構造の変更前に現行の事業者が行う鉄道施設の改良等に関する地方債の特例措置等を講じることとしております。

 第二に、市町村が連携、協働を図るべき地域の関係者として、教育文化、医療、福祉、商業、観光等に係る施設の利用者向け送迎サービスを提供する者を、施設利用者用運送サービス提供者として追加し、当該提供者に対し、自動車地域旅客運送サービス再構築事業の円滑な実施に協力する努力義務を課すこととしております。

 第三に、地域の関係者相互間の連絡調整、連携の促進を行う企業、団体を連携、促進する団体として位置づけ、協議会の構成員として明確化するとともに、地域公共交通計画の作成等を提案することができることとしております。

 第四に、地方公共団体が地域公共交通特定事業の実施計画を作成する際に行う公共交通事業者等への情報提供などの協力要請について、当該公共交通事業者等に対し、応諾義務を課すこととしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由です。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

冨樫委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る五月十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十一分散会


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