衆議院

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第5号 令和7年12月15日(月曜日)

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令和七年十二月十五日(月曜日)

    午前十一時一分開議

 出席委員

   委員長 伴野  豊君

   理事 大野敬太郎君 理事 勝目  康君

   理事 古川 禎久君 理事 落合 貴之君

   理事 櫻井  周君 理事 矢崎堅太郎君

   理事 浦野 靖人君 理事 臼木 秀剛君

      五十嵐 清君    石田 真敏君

      石橋林太郎君    井出 庸生君

      国定 勇人君    齋藤  健君

      坂本竜太郎君    塩崎 彰久君

      高見 康裕君    武部  新君

      中曽根康隆君    根本  拓君

      長谷川淳二君    山本 大地君

      江田 憲司君   おおたけりえ君

      下野 幸助君    高松 智之君

      太  栄志君    丸尾 圭祐君

      水沼 秀幸君    谷田川 元君

      山花 郁夫君    池下  卓君

      萩原  佳君    福田  玄君

      森ようすけ君    中野 洋昌君

      吉田 宣弘君    高井 崇志君

      塩川 鉄也君    福島 伸享君

    …………………………………

   参考人

   (中央大学法学部教授)  中北 浩爾君

   参考人

   (東京大学教授)     谷口 将紀君

   衆議院調査局第二特別調査室長           笠置 隆範君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十五日

 辞任         補欠選任

  森ようすけ君     福田  玄君

同日

 辞任         補欠選任

  福田  玄君     森ようすけ君

    ―――――――――――――

十二月十一日

 多様な民意を切り捨てる比例定数削減に反対することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第五五二号)

 同(志位和夫君紹介)(第五五三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五五四号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第五五五号)

 同(田村貴昭君紹介)(第五五六号)

 同(田村智子君紹介)(第五五七号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第五五八号)

 同(本村伸子君紹介)(第五五九号)

 同(田村智子君紹介)(第七〇六号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第七七六号)

 同(田村智子君紹介)(第七七七号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第八〇二号)

 金権腐敗政治を一掃することに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第七〇四号)

 同(田村智子君紹介)(第七〇五号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第七七五号)

 同(田村智子君紹介)(第八〇一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(大野敬太郎君外三名提出、第二百十七回国会衆法第四号)

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(古川元久君外三名提出、衆法第二号)

 政党等の政治資金の収入に関する制度の在り方に係る措置に関する法律案(長谷川淳二君外八名提出、衆法第八号)


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     ――――◇―――――

伴野委員長 これより会議を開きます。

 第二百十七回国会、大野敬太郎君外三名提出、衆法第四号、政治資金規正法の一部を改正する法律案及びこれに対する長谷川淳二君外二名提出の修正案、古川元久君外三名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び長谷川淳二君外八名提出、政党等の政治資金の収入に関する制度の在り方に係る措置に関する法律案の各案及び修正案を一括して議題といたします。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 各案及び修正案審査のため、本日、参考人として中央大学法学部教授中北浩爾君及び東京大学教授谷口将紀君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。

 念のため申し上げますが、発言する際には委員長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめどうぞ御了承いただきたいと存じます。

 それでは、まず中北参考人にお願いいたします。

中北参考人 中央大学法学部の中北でございます。よろしくお願いいたします。

 少々緊張しておりますので、お手柔らかにお願いいたします。

 本年三月十七日に本委員会にて意見を述べさせていただきましたが、その際、三月末までに企業・団体献金について結論を得るという与野党間の合意があったわけですけれども、ただ、私は、安易に結論を出さず、第三者機関的な場所で議論を深めていただきたいと主張いたしました。政治資金制度は民主主義の根幹に関わる制度でございますので、拙速な議論は禁物であります。

 しかし、あと二日でこの臨時国会も閉会という予定になっております。本年中の法改正は極めて厳しい状況でございます。自民党が公開を徹底する法案を出し、立憲民主党も国民民主、公明の制限強化案まで歩み寄り、合意形成に向かっていることは高く評価いたしますけれども、しかしながら、さすがに審議のスピードが遅過ぎると言わざるを得ません。こうした状況は国民の政治不信を高めかねません。この点について、まず苦言を呈させていただきたいと思います。

 さて、これまで繰り返し述べてきましたように、私が考える日本の政治資金制度の最大の問題は、税金丸抱えの国営政党化でございます。政治学では、市民社会の中から生まれてきた政党が、国家から、資金援助など、こういったものに依存するようになっていることを指して、カルテル政党化という言葉が使われます。実際、既存政党が党員を減らすなど、市民社会との結びつきを希薄化させていることなどを背景として、世界各国で反エリート主義的なポピュリズムが台頭しております。

 お配りした図表を見ていただきたいのですが、企業・団体献金の総額は、平成の政治改革で制限が強化されたことを受けて、一九九四年の五百七十七億円から、二〇二三年には八十五億円に、七分の一に減少しております。個人献金が増えているのかというと、そうではなくて、四百四億円から二百八十四億円に落ち込んでいます。結局、一九九四年の政治改革で導入された年間三百十五億円の政党交付金が、受取を拒否している日本共産党を除いて、各政党の財政を大きく支えております。主要政党の本部は、七から八割の収入を政党交付金に依存しています。

 現状のまま安易に企業・団体献金を禁止したり制限を強化したりすれば、国営政党化がますます進み、政党の有権者からの遊離、ポピュリズムの台頭に拍車がかかってしまいます。したがって、平成の政治改革から令和の政治改革にギアチェンジすべきときであると考えます。

 そもそも、昨年に大きな問題になった事案は、自民党の派閥による政治資金収支報告書への不記載です。これを捉えて、企業・団体献金の禁止や制限強化を行うというのは、立法事実に乏しいと言わざるを得ません。東京地裁が解散命令を行った旧統一教会がボランティアを通じて政治家に影響力を及ぼした事実を踏まえれば、むしろ、宗教団体や労働組合のボランティアを禁止、制限強化することの方が考えられるべきだと考えます。しかし、そうした議論はなされておりません。

 政党には、それぞれ独自の支持基盤、支持者がおります。企業・団体献金だけを狙い撃ちをするというのは、政党間の競争の公平上、適切とは言えません。

 とはいえ、企業・団体献金に課題があることは否定できず、だからこそ議論が行われています。議論に際しては、政治資金規正法の基本理念に定める、第二条でございますけれども、ここに立ち返ることが大切です。そこには、「政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、」と書かれています。したがって、企業・団体献金についても、極力透明化を図り、その上で判断は有権者に任せるべきです。安易な禁止や制限強化は、かえって政治資金の実態を国民に見えにくくします。

 透明化という観点から見て課題が多いのは、政党の地方組織や地方の政治家です。十一月十二日、参議院の予算委員会で立憲民主党の蓮舫議員が、自民党県連の幹事長が代表を務める政党支部について、企業・団体献金を受けながら具体的な使途が不明であると批判しました。確かに、国会議員関係政治団体に比べて、地方議員が代表を務める政党支部、政治団体の支出の公開度は低く、指摘自体は正しいと思います。

 しかし、これは自民党の責任というよりも、政治資金規正法の不備、つまり、国会で十分な議論がなされてこなかったことに起因する問題であります。自民、維新が第三者機関で政党などの政治資金に関して議論を行う法案を提出していますけれども、そこで政党の地方組織や地方政治家の資金の在り方、特に収入のみならず支出についても当事者を参考人として呼びながら議論するのであれば、私も賛成でございます。

 また、透明化という観点から見ると、自民党が、本年三月三十一日の公明党、国民民主党との実務者合意に従って、企業・団体献金を受け入れる支部をあらかじめ指定し、収支報告書のオンライン提出を義務づけるとともに、総務大臣が公表する企業・団体献金の対象にも加え、さらに、その公表の基準額を年間合計一千万円超から五万円超に引き下げるといった内容の法案を提出したことは高く評価できます。これによって、企業・団体献金については、可能な範囲での最大限の透明化が図られます。実務者合意を行った公明、国民民主両党も、私は賛成すべきだと考えております。

 もっとも、この法案が成立した場合、自民党本部には、指定政党支部に対して適切な指導監督を行う責任が生じます。自民党は、現在、八千近くの支部を抱えます。これ自体は、自民党が国民政党として社会の隅々に根を張っている事実を示しておりますけれども、その一方で、自民党本部が都道府県連やその下にある支部の実態を十分に把握し、適切なコントロールを行っているかというと、心もとないのが実情です。指定政党支部が企業・団体献金を受け取りながら不適切な処理を行っていることが発覚したら、政治不信を高めかねません。くれぐれも、自民党におかれましては、ガバナンス力の向上に努めていただきたいと存じます。

 次に、国民民主・公明案について、疑問点を述べさせていただきます。

 第一に、企業、団体に年間二千万円という個別制限を設けたり、政治団体による献金に年間一億円の総枠制限を設けたりすることなどに必要性が見出されません。これを実現した場合、国営政党化に拍車がかかるだけです。

 第二に、なぜ企業や労働組合の献金の受皿を政党本部と都道府県組織に限定するのか、なぜ市区町村支部は認められないのか、合理的な理由が示されているとは言い難いと思います。

 受皿の数を制限して透明性を高めるという理由であれば、オンライン提出を義務づけ、データベース化すれば解決できるはずであります。企業・団体献金の受皿を党本部や都道府県組織に限定する結果、基礎自治体など地域に根差した政党活動を弱め、やはり国営政党化を促進しかねないと考えます。

 第三に、企業や労働組合による政党本部、都道府県組織への寄附について、特定の政党支部向けの使途特定寄附が可能なのか不明確である点であります。

 十二月九日、本委員会の審議で、立憲民主党の櫻井議員の質問に対して、公明党の中川議員は、ある支部に交付することを前提に企業や労働組合が都道府県連に寄附を行った場合、迂回献金とみなされて虚偽記載に当たる可能性があり、裁判所などで判断されることになると述べておられます。特定の地域の政党活動の費用に充てるなどの使途特定寄附を認めるのか否かは、きちんと法律に書き込むべきだと考えます。

 私は、地域に根差した政党活動を活発にするという観点、加えて、寄附者の意思や政治活動の自由の観点から、使途特定寄附を認めるべきだと考えますが、認めた場合、自民党案との妥協点にもなり得るのではないかと考えます。是非、合意形成のために御一考ください。

 第四に、政党法についてです。

 政党法を制定し、それに適合的な政党のみが企業や労働組合の寄附を受けられるようにするということである以上、この政党法は、単なる理念法ではなく、政党の組織や運営について詳細に規制するものになるはずであります。

 しかし、日本は、戦前、治安維持法によって共産党を禁止、弾圧し、全ての政党を解散させて、大政翼賛会を結成したという歴史を持ちます。その反省から、戦後、政治活動の自由を重視してまいりました。ナチスを再び台頭させないため、反民主主義的な政党を禁止する憲法を作り、政党法を制定したドイツとは大きく異なります。

 もちろん、政党が民主的で開かれた党の組織を持ち、運営されることが大切であることは当然でありますけれども、しかし、各政党がガバナンスコードを定めるなり、自主的に行うべきであります。自民党と維新の連立政権合意書もそうですけれども、安易に政党法を語ることには慎重たるべきであって、作るとしたら理念法にとどめるべきであります。

 そもそも、政党法と企業・団体献金の受取に論理的な関係があるとは思えません。ドイツの政党法は、国庫補助の制度を設ける前提として一九六七年に制定されました。政治資金について政党法と関係づけるのであれば、企業・団体献金ではなくて、国からの政党交付金の受領の方ではないでしょうか。

 第五に、個人献金を促進するための税制上の措置についてです。

 税額控除を三割から四割に引き上げることが盛り込まれていて、方向性としては賛成なのですが、幅広い個人による献金を増やし、政治参加を後押しするには、第二百十七回国会に出された立憲、維新、有志、参政の法案のように、少額の寄附の控除率を高くする制度設計の方がよいように思われます。その上で、国民の理解を得るためには、それに見合った政党交付金の減額を行い、各政党が税金丸抱えの国営政党から脱却すべきであると考えます。

 私からは以上でございます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)

伴野委員長 中北参考人、どうもありがとうございました。

 続きまして、谷口参考人にお願いいたします。

谷口参考人 本日は、意見陳述の機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。

 ただいま議題となっております法律案、中でも自民党提出の第二百十七回国会衆法第四号の修正案及び国民民主党、公明党提出の衆法第二号は、以前よりも各党各会派のお立場が確実に接近をしていることを示しておりまして、幅広い合意形成に向けた建設的な議論が継続されることを期待しております。

 企業・団体献金の在り方をめぐりましては、当初、自民党においては、今般の問題は政治資金パーティーの開催に関する政治資金収支報告書の不記載にあるのであって、企業・団体献金そのものは論点ではないとの立場が示されました。これに対し、立憲民主党などは、この機会に企業・団体献金を全面的に禁止すべきであると主張して、与野党間に大きな見解の隔たりが存在していたところでございます。

 それが、現在では、企業・団体献金の受皿について、自民党案においては、政治資金収支報告書をオンラインで提出し、かつ、会計監査を受ける指定政党支部に限るものとし、他方、国民民主党・公明党案においては、本部及び都道府県連に限るというところまで各党の立場が近づいてまいりました。

 自民党が、国会議員候補者に係る選挙区支部のみならず、地域支部や職域支部においても、企業・団体献金を受ける以上は一定のガバナンスを確保すべきであるとの姿勢を明確にしたこと、また、立憲民主党が、企業・団体献金の全面禁止を目指す立場を維持しつつも、次善策として受皿規制にまで譲歩をしたことは、足し算として考えれば、ゼロから一、プラス一の変化に過ぎなくても、掛け算、すなわち、一がゼロの何倍であるかを考えれば、これは大きな前進であると思います。合意に向けた第一歩を踏み出すことができたのであれば、二歩目、三歩目の歩み寄りはより容易になるものと考えております。

 現在、昨年の政治資金収支報告書が公開されたことに伴い、政党支部における報告書の訂正事案が相次いで報道されております。このような事案の防止という観点からも、ガバナンスが利いた支部のみに企業・団体献金の受取を認めるという両案共通の考え方は重要であります。

 しからば、ガバナンスが利いているとは、どのような状態を指すのでしょうか。年に一度の会計監査を受けること、あるいは政治資金収支報告書をオンラインで公開することといった事後的な統制のみでは十分とは言えません。

 仮に、特定の企業から特定の政治家の政治活動を支援したいという使途指定つきの寄附がなされた場合を想定いたしますと、当該企業と当該政治家の間に癒着はないか、当該企業がそもそも寄附を禁止されていないか、量的制限を超過していないかなどをその都度確認できる体制が不可欠であります。

 そのためには、こうした点検を組織的に行う体制と責任を備えた政党単位が窓口となり、所要の確認を経た上で、当該単位の自主的かつ主体的な判断に基づき、指定された使途に適合する下部の支部に対して支部交付金として支出する仕組みが求められます。

 これこそが実質的に機能するガバナンスでございまして、下部の支部において地域の声を丁寧に受け止めるという役割とも、十分に両立し得るものであると考えます。

 こうした点検を組織的に行う体制と責任を備えた単位として、国民民主党・公明党案は都道府県連を想定したものと理解しております。もっとも、政党の組織構造は一様ではなく、政党によっては、都道府県よりも小さい単位であっても、同等あるいはそれ以上のガバナンスを利かせることが可能な場合もあるかもしれませんし、逆に、都道府県という単位であっても、必ずしも十分なガバナンスを確保できないケースもあり得ます。いかなるガバナンスが求められ、それを政党のどの単位において実効的に機能させることができるのかという観点から、今後の審議において議論が深められることを望みます。

 本委員会における議事速報を拝見いたしますと、これまで多く取り上げられてきたもう一つの論点として、政治団体間の寄附がございます。この論点に関連して、私が想起をいたしますのは、いわゆる二度の日歯連事件であります。

 まず、二〇〇四年には、日歯連からの一億円の不正な献金が問題となり、これを受けて、政治団体間の寄附について年間五千万円の個別制限が設けられました。ところが、その後、二〇一三年に、同じ日歯連が、この規制を潜脱する形で、五千万円を超える部分を別の政治団体を経由させ、最終的に同じ組織内議員の後援会に資金を流す迂回献金を行う事件が発覚いたしました。

 この事案は、手法が余りにも露骨であったために、実質的には政治団体内の資金移動にすぎないと判断され、立件に至ったものと理解しております。しかしながら、今回新たに提案されている寄附の総枠制限についても、例えば、寄附の出し手が、都道府県ごとに複数の政治団体、例えば全国○○政治連盟であったものを、何々県政治連盟と四十七個別々に設立すれば、形式上は規制を回避することが可能となります。

 政党及び政治資金団体以外の政治団体による寄附について、総枠制限を六千万円とするのが適当か、あるいは一億円とするのが妥当か、また、個別制限を二千万円とすることが適切かといった点は、確かに制度設計上の論点ではあります。規制が存在しないよりは存在する方が望ましく、また、規制が緩いよりは厳格である方がよいと評価をいたします。しかしながら、今申し上げたような事情を踏まえますと、この論点の重要性は、全体の制度設計の中では、相対的には必ずしも高いものではないと考えております。

 衆議院政治改革に関する特別委員会で私が参考人として意見を述べさせていただくのは、今回で三度目になります。初回は自民党からの御推薦、二度目は当時与党であった公明党からの御推薦、そして今回は、野党である国民民主党からの御推薦によるものでございます。

 この間、本件に関する私自身の基本的見解に特段の変更はございません。その意味で、三回にわたって与野党双方からお招きいただいたこと自体が、各党のお立場が少しずつではあっても合意に向けて前進しつつあることを示す証左ではないかと受け止めております。

 委員の皆様におかれましては、引き続き、幅広い合意形成に向けて、いま一段の御努力を賜りますようお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

伴野委員長 谷口参考人、どうもありがとうございました。

 以上で参考人お二人の御意見の開陳は終了いたしました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許可いたします。勝目康君。

勝目委員 自由民主党の勝目康でございます。

 本日は、中北参考人、そして谷口参考人、お忙しいところお運びをいただきまして、そしてまた、この委員会で累次にわたる意見陳述をお願いしておりますけれども、本当にありがとうございます。そしてまた、本日も非常にクリアな形で論点を提示していただけたかな、このように考えております。

 今、この審議の対象になっております、まさに企業・団体献金をどうしていくかという話は、政党というものの、政党、党本部のみならず、地域の支部の在り方、そしてその活動の自律性、これをどう担保していくか、それはつまり、政治活動の自由をどう確保するのかという話と、政党に対するガバナンス、これを、党本部だけではなくて、それぞれの地方組織、支部、ここに対してどのように利かせていくか。そしてこれが、企業・団体献金というものの性質に鑑みたときに、ここで整理をどうしていくというか、バランスをどう取っていくかというのがまさに今考えないといけないところなんだろう、このように感じたところであります。

 両参考人とも、政党の成り立ち、構成、これは違うのでということ、これを前提にお話をいただけたかと思っております。

 私ども自由民主党は、企業・団体献金は必要だという立場でありますけれども、そしてこれは、各地域の都道府県よりも更にきめ細かな単位で、あるいは職域という単位も含めて必要だという認識でおるわけであります。これはなぜかといいますと、単に資金の受皿を増やしたいとかそういうことでは全然なくて、我々はやはり、草の根、ボトムアップ型の政党だということだと思っています。

 それぞれの国民が個人として政治に関わっていく、これはもちろん極めて重要なことでありますし、そのための体制整備が必要なわけですが、同時に、いわば社会の中間団体としての企業や団体、これがそれぞれの単位においてしっかりと活動を支える、こういう基盤をつくることも大事なんだろうということで、今回は、我々としては企業・団体献金は引き続き必要だ、こう申し上げております。

 他方で、じゃ、ガバナンスがどうなんだというと、これは十分じゃないというのが、それぞれから御指摘をいただいたところだと思っております。

 このような政党の実態、そしてこれは、逆に、トップダウン的に、上意下達的な、そういうガバナンスの仕組みが導入されることで、それぞれの支部の自律性そのものを損ないかねないという危険もはらんでいる、このように考えています。

 そして、社会の実態を見てみれば、やはり企業、団体がお金を拠出しているというのは、事業活動以外にも様々な局面であるというのが日本の実態だと思います。

 そして、中北参考人の資料にもありました、政治資金の拠出の額の推移、これを見ても、やはりここの部分がなくなったときに一体何が起こるのかというのは深く考えないといけないと思っております。

 ということで、両参考人に、支部単位の政党の活動の自律性と企業・団体献金の在り方について、今私が申し上げた問題意識も踏まえて、いま一度御見解をいただきたいと思います。

中北参考人 お答え申し上げます。

 平成の政治改革の頃には、やはり、自民党のいわゆる利益誘導政治的なもの、企業、団体と政党の結びつきが過剰であったがゆえに様々な問題が生じた。しかし、それから長い年月がたち、現状においてはそうした結びつきがなくなってきている。日本社会は、個人化し、中間団体が衰退している。そういったところで、孤独死、孤立問題、こういったものが生じていますし、政党の方も、社会との結びつきを減らすことによる弊害、いわゆるポピュリズムの問題ということ、中抜き政治によって生じるそうした問題が顕著になっております。

 したがって、これ以上、人々と政党のつながり、とりわけその中間団体、人々がつくっている、こうしたものを断ち切ることが日本政治をよくするのかということについては、いま一度考えるべき点ではなかろうかというふうに思います。

 こうしたことを考えると、地域に根差した、あるいは職域に根差した、こうした組織をどうやって健全な形において政党と結びつけていくのか、そのためには、やはりそういった結びつきも可能な範囲で透明化していくという方向性が望ましいのではないか、私はこのように考えておるところでございます。

谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 先ほども若干申し上げたところでございますが、昨年の政治資金収支報告書が公開されておるところでございまして、政党の選挙区支部や地域支部による不適切な収支の存在が相次いで報道されております。これは、総理あるいは国務大臣が代表を務める政党支部であっても、なかなか政党のガバナンスを利かせるのが難しいということを物語っておるのではないかというふうに思います。

 国民の声を地域に密着してきめ細やかに集約をするということは、もちろん重要でございます。ただ、それと、下部の支部において企業・団体献金の受領を可能ならしめるということは、別の問題というふうに私は考えます。

 地域の企業や団体が、そこを代表する政治家を応援したいために、○○さんの政治活動のためにと目的を明らかにした上で、党本部や県連に寄附金を振り込む。そして、その党本部や県連において、不適切な癒着はないか、あるいは不適法な事項はないか、こういった所要のチェックを行った上で、その県連の自主的、主体的な判断、言葉を換えれば、党本部や県連が責任を負うということを明らかにした上で、その○○さんが代表を務める選挙区支部なり地域支部に支部交付金として交付をすればよいわけでございまして、これは決して、過度な規制であるとかあるいは迂回寄附、迂回献金ではなくて、政党として必要なガバナンスを利かせた上での使途の指定の寄附であり、地域における活発な支部の活動を可能ならしめるものではないかというふうに私は考える次第でございます。

勝目委員 ありがとうございます。

 制度としてはもしかするとそうかもしれませんが、実態として、これは上による統制を強めるということにつながりかねない要素もはらんでいるのではないかという問題意識は改めて申し上げさせていただきたいと思います。

 そして、もう一点は、この企業・団体献金が政治をゆがめるという、そういう前提でのお話がこの間、各党の方では多くあるわけでありますけれども、これはそもそも、金額の大きい個人献金と小さい企業・団体献金で、企業・団体献金の方がゆがめるというのは原理的に理解できないところでありますし、最近は票ハラスメントなんということもありますけれども、これとお金が結びつくような危険というものだって考えないといけないと思います。

 そして何より、機関紙の購読、これを企業、団体で行っているようなケースというのが、では果たしてないのかということであるとか、あるいは、政治団体への寄附というのが、事実上、これは構成員の方から入っているケースが多いんでしょうが、これも、そういう形を通じて、中間団体が政治団体化しないとお金が出せないということになってはいないか、こういう実態面も含めた検討が必要なんだろうと思います。

 という意味で、全体をやはり議論の俎上にのせることが大事だと思っておりますが、その点について、両参考人の御見解を伺いたいと思います。

中北参考人 お答え申し上げます。

 政治献金というのは、あるいは寄附というのは、政治参加の一つの方法です。それ以外にも様々な参加があります。党員になること、あるいは機関紙を購読すること、選挙のボランティアをやること、様々な参加の手段の一つとして政治献金があるということになります。そうした手段を、どれをどの政党が得意としているかというのは多様でございます。

 例えば、機関紙を得意としている政党もございますけれども、そこには企業広告が載っていたりするわけであります。先ほど、ボランティアの話で統一教会の話をしましたけれども、そういう形でも影響力というのは及ぼす、あるいは、むしろ献金以上に影響力が強いのではないかなというふうに思います。

 したがって、企業・団体献金だけ取り出して、そこをたたいていくというのは、やはり公正な政党間競争上望ましくないのではないか、全体としてどうやって健全な政治参加を促進していくか、こういう観点から議論を深めていくべきであって、企業・団体献金をたたけばいいというのは、もう平成の政治改革のロジックであって、こういう身を切る改革的な発想というものからはそろそろ私は脱却すべきだ、このように考えておるところでございます。

谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 私が申し上げようと思っていたことの半分はもう中北参考人がおっしゃいましたので、余りつけ加えることもないのでございますけれども。

 政治資金に関する問題、これだけ長く私も政治資金問題を眺めてまいりますと、次から次へと出てくるわけでございます。非常に、クリエーティブと言ったら言葉が適切ではないかもしれませんけれども、様々な方法が出てくるわけでございます。ですので、全てが解決しないと前に進めないということになってまいりますと、なかなか前進が期待できないということになってしまいますので、今机の上にのっている問題に関しては確実に片づけて、また、それが新しい問題が発生した場合にはそれに対して誠実に取り組んでいく、そういったものを、この度、制度的に可能ならしめるための一つの仕掛けが政治資金監視委員会だというふうに私は受け止めております。

 そういう意味では、着実に先生方の御議論は前進しているというふうに思いますので、このまま、引き続き、前進を止めることなく議論を続けていただきたいと考えておる次第でございます。

勝目委員 より日本の民主主義を強くするこの政治資金の在り方、先生方の御知見も基に、更に議論を深めていきたいと思います。

 本日はありがとうございました。

伴野委員長 次に、高松智之君。

高松委員 立憲民主党の高松智之です。

 質疑の機会をいただきました。党の先輩方、仲間たちに感謝申し上げたいと思います。

 政治を正さなくては日本はよくならない、恩師、松下幸之助の言葉です。松下政経塾出身の私は、この言葉を胸にこれまで政治活動に取り組んできました。まさに今、ここで、企業・団体献金の規制、政治と金の問題にきっぱりと決着をつけましょう。まず、委員の皆様方にお呼びかけをさせていただきます。

 そして、年末のお忙しい中にもかかわらず、参考人のお二人の先生方には、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。

 初めに、企業・団体献金の規制強化、個別制限の創設について、谷口参考人にお伺いをします。

 とある事例で考えます。先月、令和七年十一月二十八日に、奈良県選挙管理委員会が、令和六年分、昨年の収支報告書を定期公表いたしました。高市早苗総理大臣が代表を務める自民党奈良県第二選挙区支部、以下、高市早苗総理の政党支部と申し上げますが、この団体の収支報告書には、令和六年、二〇二四年十二月十三日、奈良県奈良市にある宗教法人から三千万円の献金を受けたことが記載されています。

 現在の政治資金規正法において、宗教団体、いわゆるその他団体から一つの政治団体に対し寄附の上限の規制はないということでありますが、この献金は、そういった意味では違法ではありません。とはいえ、特定の宗教団体から三千万円もの献金を一国の総理大臣が受けているというのは、社会的通念、常識に照らし合わせれば、大きな違和感を覚えるところであります。

 また、高市総理の政党支部は、この宗教団体の代表役員を務める個人の方から、別途、個人として、令和六年、二〇二四年七月二日に一千万円の献金を受けています。三千万円と一千万円、合わせて四千万円ものお金が、特定の一人から高市総理の政党支部に寄附されているという事実。そして、令和六年の高市総理の政党支部の総収入は一億八千四十八万余でありますから、高市総理の政党支部の総収入の何と二二%以上が、この特定の方からの寄附となっているわけであります。

 繰り返しになりますが、今回の寄附は、現在の政治資金規正法では違法とはなりません。とはいえ、四千万円という額の大きさに全く釈然としないのは私だけではないと思います。

 今回、国民、公明による衆法第二号では、企業、その他団体の寄附の規制強化として、政治活動に関する寄附の総額の限度額の五分の一、つまり二割、二〇%までに制限するという規定が盛り込まれています。寄附の個別制限を盛り込んだこの法律案を施行することができれば、高市総理の政党支部の令和六年のような、到底国民の理解を得られるとは思えないようなアンバランスな寄附を食い止めることができるわけであります。

伴野委員長 高松智之君、高松智之君、参考人の先生に御質問をお願いいたします。

高松委員 政治資金のガバナンスという観点からも、寄附の個別制限を設けることには大きな意義があると思いますが、谷口参考人の御意見、御見解を賜りたく存じます。

谷口参考人 今日は野党の参考人ですよね。どうお答えをすればよろしいのか、ちょっと分かりかねる部分もございますが。

 ただいま御指摘の事案、特定の事案につきましては、私、必ずしもつまびらかではございませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論といたしましては、特定のスポンサーなり寄附の方で成り立って政治活動をなさっておられる方もいらっしゃるでしょうし、広く浅くそういった献金を集めて活動される方というのもいらっしゃるでしょうし、これは、政治活動の、あるいは政治家の、政党の多様性ということで理解はできるのかなというふうに思いますけれども。

 そこで重要になってくるのは、特定の献金、いわゆる大口献金者によって政治活動が支えられている場合に、その寄附元に対して何らかの便宜の供与がなされていないのかというのをチェックをするということが大事でありまして、それこそがまさにこの国会の役割であり、あるいは、ただいまお尋ねの政治資金制度に関して言えば、ガバナンスを利かせるという意味で、寄附をもらった方ではそれはチェックができないわけでございますので、内部での監査の仕組みあるいはその規制というのを加えていくというのには意義があることであると考えておる次第でございます。

高松委員 次に、政党の支部の指定、数の制限の在り方について、中北参考人にお伺いをいたします。

 現在、自民党では八千近くの政党支部がある、余りにも寄附の受皿となる政党支部が多過ぎるのではないかということが、これまでこの委員会や予算委員会などでも議論になりました。

 今回、自民党提出の衆法第四号の二十一条において、寄附を受けることができる政党支部の指定と収支公開の強化がうたわれています。さすがに自民党も反省したのかなというように受け止めまして、私も条文をよく読んでみました。中身はこうした内容です。政党は、中略、寄附を受けることができる支部として、一以上の市町村の区域又は選挙区の区域を単位として設けられる支部を指定することができるとあります。

 当初、この条文を見て、私はこのように捉えました。全国の市町村が千七百四十一、衆議院の選挙区が二百八十九、参議院の選挙区は四十七、都道府県で合区が二あるので四十五、合計すると二千七十五。既に八千近くあるものが二千七十五になるのであれば、まだまだ多いが、少しは改善されるのかなと考えました。しかし、衆議院調査局に確認したところ、同一市町村の選挙区において複数の政党支部を設けることができるとも読み解けるとのこと。

 私、高松智之は練馬区が選挙区ですが、この自民党案では、練馬区で一政党支部というわけではなく、練馬区第一政党支部、練馬区第二政党支部という指定ができるわけであり、これでは幾らでも上限なく政党支部を設けることができるわけであります。

 加えて、自民党案では寄附の公開基準を年間五万円超にしていますから、五万円以下の小分けにして様々な支部に寄附をすれば、多額の献金の公開逃れができてしまうことになります。禁止よりも公開とのことですが、公開すらされない多額の献金ができる状況がまだ残ってしまうわけであります。

 それに対し、国民・公明案では、政党は、支部として、一の都道府県の区域を単位として設けられる支部を、その区域につき一に限り、指定することができるとなっていますので、つまり、寄附を受けることができる団体は、政党本部と都道府県支部の最大四十八となるわけであります。すなわち、都道府県レベルで収支の名寄せをすることができるわけでありまして、たくさんの支部に小分けをして公開するなどの抜け道を防ぐことになります。

 現状の不透明な状況に比較すれば、公開性が大きく高まると思いますが、中北参考人の御意見、御見解を承りたく思います。

中北参考人 お答え申し上げます。

 まず、五万円というのは、皆さんの方で公開基準として設定したものであって、特に自民党案になって初めて導入されたものではありません。

 私は、投票も秘密であるのと同じように、少額の献金については、秘密、名前と住所が秘匿されるということはあってもいいのではないかな、こういう前提の下で、政治活動の自由のために五万円というラインがあるわけであって、ここについて殊更自民党案を批判するのは適切ではないと考えます。

 それを前提とした上で、先ほど谷口参考人の方からも、特定の目的の、使途を限定したような寄附を都道府県連からすればいいではないかという話がありました。この点について、私は、不明確だと思いますけれども、私もこれは賛成なんです。

 しかし、そうした場合、都道府県連に企業・団体献金が入って、そしてそこからどこに行くかは、なかなか中から、見えにくくなってしまう可能性もあるわけで、むしろ、データベースにもするわけですから、様々な指定された支部に対して献金をすれば、どこの支部に対して誰が献金しているかということがつまびらかになります。

 したがって、公開性という観点からいえば、公明、国民の案よりも自民党案の方がはるかに優れているわけでありまして、ただ指定の支部の数が多くなるということだけ捉えて、これが問題だということなのかというと、私は、デジタル技術が発展をし、データベース化するという前提がある以上、また逆のことが言えるのではないか、このように考えております。

 以上です。

高松委員 最後に、個人献金、寄附の促進について、谷口参考人にお伺いします。

 今回、国民、公明による衆法第二号では、個人献金をした場合、所得税の特別控除率を現行の百分の三十から百分の四十に引き上げることが盛り込まれています。このことが日本における個人献金の促進につながると考えますが、御意見を伺います。

谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 おっしゃるとおりだというふうに思います。

 もちろん、個人献金が幾らそれによって増えるのかということについては、他の条件が等しければ、現在よりは減ることはないとは言えますが、幾ら増えるかというのは分かりかねるのでございますが。

 あともう一つ、この点について重要だと思うのは、税制優遇措置の適用対象が、御党を始めとする案では、資金管理団体、特に、都道府県議、政令市の議員及び首長に係るものに広げられたということは、先ほど来議論になっておりましたところと同じでございまして、より身近な地域の政治家に個人的に寄附をしやすくなるという点で一つのポイントになるかなというふうに受け止めておる次第でございます。

高松委員 終わります。ありがとうございました。

伴野委員長 次に、池下卓君。

池下委員 日本維新の会の池下卓です。

 本日は、この委員会に、参考人の御両人の皆様、お越しいただきまして、ありがとうございました。

 まず、我々日本維新の会、前回もそうでしたけれども、この議論されております企業・団体献金につきましては、禁止を一貫して主張させていただいております。これは、企業、団体から多額の献金を受けますと、やはり政治にゆがみが生じると思っているからでございます。政治と金につきましては、政治は金がなければ十分活動ができないという側面と、一方で、金をもらう議員がいかに政策を縛られてしまっているのか、こういう側面があると考えております。

 さきの通常国会におきまして、立憲民主党さんほか野党の皆さんと出させていただきました企業・団体献金禁止の法案、そして自民党さんが提出されておりました公開強化法案、いずれも、過半数が見込まれないということも含めまして、採決がなされなかったということでございます。

 非常に残念ではありましたが、そういう状況の下で、やはり民主主義である限りには、一歩でも前進をさせていくということが非常に大事であると我々考えておりまして、そこで、企業・団体献金、受け手の規制、また、金額の上限規制、公開の在り方など、機関紙も含めてですが、これをしっかりと議論できる協議会、スピード感を持ってやっていく仕組み、これが必要だと思っております。

 当然、有識者の方も含めました第三者委員会をつくっていくということを挙げさせていただいておりますが、改めて中北参考人の方に、この重要性そして必要性、お伺いをしたいと思います。

中北参考人 お答え申し上げます。

 これまで議論になってきたように、様々な政治参加の手段をトータルで考えて、どうやって民主主義を発展させていくのか、この観点が必要でございます。

 したがって、献金だけではなくて、ボランティア、さらには、機関紙活動もそうかもしれませんけれども、こういったことをトータルに考えていく。また、先ほど私も冒頭で発言させていただきましたように、国会議員だけではなくて、地方の首長、議員、こういったところの政治資金をどうやって調達していくのかといったような問題、あるいは使途の問題、こういったことを、私は、全体として議論していかないといけない。

 野党の先生も、しばしば、政党交付金を得られるようになったから企業・団体献金をなくしてもいい、こういう議論をされますけれども、政党交付金は国政選挙のみを対象に交付されるものであります。地方議員に行くわけではありません。地方議員は、もちろん政策活動費などのような形で地方から一定程度はあるかもしれませんけれども、極めて限定的なものであります。

 したがって、やはりトータルで考えるためには、協議体を設置をして、議論を続けていくということが必要でありまして、しばしば公開強化の法案と矛盾しているという話を出す方がいらっしゃいますけれども、決して終わりがあるわけではありませんので、やはり、自民党と維新で提案された第三者機関による継続的な議論、これをより広い形で行っていただくということは、私は必要ではないか、このように考えております。

 以上です。

池下委員 ありがとうございます。

 今年の三月のこの政治改革特別委員会におきましても、参考人の方から、中北先生ですよね、公開の徹底が必要である点、また、オンライン提出の義務づけも、データベースの公表対象も、政党本部、政治資金団体、国会議員関係団体に限ったことが原因である、与野党間で協議をして合意形成をしていただきたいという具合に述べられていたかと思います。

 ただ、私、これは問題だと思いまして、幾らオンライン提出をどれだけやったとしても、その収支報告書の基になる、ベースが、民間の常識とは異なるお小遣い帳レベルの会計帳簿で作成しているものであれば、幾ら公表しても全く意味がないものだと思っております。

 政治団体における政治資金の管理の在り方、これ自体が現代社会と大きく乖離しているんではないかなと感じておるわけなんですが、今や社会全体ではキャッシュレス化、これも非常に進んでおります。クレジットカードもそうですし、電子マネーもそうですし、オンライン決済、こういう、支払い方法が本当に多様化している状況の中で、今の政治資金規正法というものが、領収書さえあればオーケーなんですよという領収書至上主義、これに陥っている、これにとどまっているということが非常に私は問題だと思っておりまして、これがあるからこそ、お金の流れ、出どころであったりお金の流れであったり、そして支払いの処理の実態というものがつかめないというのが大きな点だと思っております。

 こうした状況を踏まえて、私たち日本維新の会は、今年の通常国会におきまして、政治資金を複式簿記でちゃんとやらなきゃいけないですよということで、法案を提出させていただきました。政治資金の基データの精度そのものをきっちりと上げていかないと、監視委員会の権限をどれほど強化したとしても実効性というのは担保できないという具合に思っている次第です。

 複式簿記を導入することで、日々の資金管理が初めて実務として成立して、常に不正や記入漏れ、これの入り込む余地をなくそうと考えております。当然、不記載の問題にしましても、日々の資金管理ができていないということが非常に問題であるというところでございます。国民の皆さんも、やはり、何で記載漏れがあるのか、事務的処理のミスでした、こういうことも、これが私は原因だと思っておる次第なんですが。

 そこで、参考人御両人にお伺いをしたいと思うんですけれども、先ほど言いましたが、現在の政治資金の監視は、領収書の存在を確認することが中心になっております。しかし、領収書は、支払いが行われたという一点、こういう事実しか示さず、その資金の性質、流れ、こういうことを把握することができません。政治資金の監視、監査、こういった、本当に実効性のあるものにするためには、領収書の確認をする監査から一歩進めて、その土台となる帳簿そのもの、これを整備化いたしまして、記載漏れや不明瞭な処理が入り込めないようにする仕組み、すなわち複式簿記化、この移行が不可欠であると考えますが、この点につきまして御両人にお伺いをしたいと思います。

中北参考人 お答えいたします。

 全く賛成でございます。

 複式簿記にする、あるいは電子的な形で支払いをすることによってきちんとデータが残るようにしていく、こういった工夫を更に進めることによって、そもそも国民の疑念を招かないように、そのようにする取組というのは貴重でございますので、今度国会に設立されると思われる第三者機関において議論するのか、それを前提として議論を進めていくのか、この点については是非御検討いただければというふうに思っております。

 以上です。

谷口参考人 お答えいたします。

 もちろん賛成でございます。

 ただし、私は初代総務省政治資金監査委員会の委員でございまして、そのときから、その議論の中でも、複式簿記の導入の可能性というのは、専門家、士業の委員の皆様からそういった御指摘があったところでございますが、オンライン提出ですらこれだけ時間がかかった、爾来もう二十年近く、ようやくこれが導入されたということでございますので、賛成ではあるのですけれども、それがどれだけフィージブルであるかというのは、これは、参考人は質問することを許されておりませんけれども、皆様の一人一人のお心にお尋ねをさせていただきたいと存じます。

池下委員 ありがとうございます。

 オンライン提出は努力義務みたいな形になっていて、これを確実に義務化すればいいだけの話だと思うので、これは私、実現できるのかなと思っています。

 最後に中北参考人にお伺いをしたいんですが、政治の資金の流れを確認する上で、税務の世界では反面調査というのをやっているんですが、これは有効な手段です。

 しかし、政治資金の場合、政治団体同士であれば、一定の調査、突き合わせというのができるんですが、政治資金規正法の範疇外であります企業、団体、個人、任意団体にまで反面調査を及ぼすことが実務上ほとんどできません。仮に政治資金の受け手規制だけを行ったとしても、出し手の確認というものが構造的にできないという具合に考えております。そこが大きな疑念になる点だと思うんです。

 そこで、反面調査が及ばない領域については、やはり帳簿を厳格化して、国民から疑われないような制度設計を行うことが必要じゃないかと思っております。政治資金における反面調査の限界、そして不正防止に向けた制度的手当てについて御意見をお伺いをしたいと思います。

中北参考人 お答え申し上げます。

 非常に重要な視点で、共産党さんの赤旗の調査というのも、恐らく突き合わせて、その結果として矛盾があるという形で明らかになってきたために、そういう形で、双方からデータが出てくる、そこまでいかなくても、きちんと残すことを義務化していくということは極めて重要であろうかというふうに思っておりますので、こういった点についても御検討いただければというふうに思います。

 以上です。

池下委員 ありがとうございます。

 以上で質問を終わりにします。ありがとうございました。

伴野委員長 次に、森ようすけ君。

森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。

 本日は、十分間の質問ですけれども、よろしくお願いいたします。

 まず、今回、国民民主党と公明党両党で法案を一つ提出をさせていただいています。基本的なところを冒頭、説明だけさせていただければと思います。

 今回、我が党、公明党の案では、受皿規制ということで、企業・団体献金を受け取ることができる主体として、政党と政党支部に限定をするというものを出しております。

 この考え方でございますけれども、平成の政治改革において、そもそも、企業、団体と個人の癒着をできるだけ少なくするべく、政治家個人ではなくて、政党支部、政党本部に対して限定をしたという経緯があると……(中北参考人「支部じゃなくて県連ですね」と呼ぶ)そうですね、都道府県連に限定をする。申し訳ございません、ありがとうございます。そうした案を出させていただいているところでございます。

 一方で、平成の政治改革の際に議論をしていたときよりも、当初の想定よりも政党支部がかなり増えていて、今、自民党さんでは七千七百を超えるような政党支部が存在していること、そして、この政党支部がやはり政治家個人のお財布になっているんではないかということで、当初想定をした、企業、団体と政治家の癒着をなるべくなくす方がいいのではないかという考え方になかなか現状はなっていない。それが、ひいては政治不信を招いているのではないかということで、今回、国民、公明でこうした案を出させていただいているところでございます。

 まず、中北参考人にお伺いさせていただきます。

 冒頭の意見陳述の中で、これまで、この企業・団体献金をめぐって、審議のスピードが余りにも遅過ぎたというふうな御批判をいただいたところでございます。

 一方で、今回、自民党と維新の会が提出をしている衆法第八号においては、令和九年の九月三十日までに結論を得るということが示されていますが、これは今から二年弱先の話なんですね。なので、この審議のスピードが遅過ぎるということを踏まえると、衆法第八号は余りにも結論を先送りし過ぎてはいないかというふうに個人的に考えているところであります。

 加えて、今、政治不信がこれだけ高まっているわけですから、一歩でもこの企業・団体献金の規制を進めることが国民が求めていることだと考えております。

 その上で、今回、私たちが出したような受皿規制も含めて、そのスピード感と受皿規制についてのお考えをお伺いできますでしょうか。

中北参考人 お答え申し上げます。

 私は、一歩でも進めるということは大賛成でございます。そうであれば、国民民主党さんも、実務者合意をしている以上、自民党案に賛成すればいいのではないか、このように考えますけれども、いかがでしょうかと聞いてしまうといけないんでしたね。それを申し述べたいというふうに思います。

 そして、続いて、政治家個人と企業、団体の癒着が問題であるという御質問をいただきましたけれども、これはなかなか、その政党によって成り立ちが違います。自民党の場合は、恐らく末端の活動というのは政治家自身が担っておられるわけで、要するに、政党であり、かつ政治家個人という側面が強いということでありまして、これは立憲民主党さん、あるいは国民民主党さんも大きくは変わらないのではないかなというふうに思っております。したがって、そうした成り立ちということをやはり前提に考えていくべきではないかと。

 平成の政治改革では、政治家本位ということがかなり強調されました。これを打破しないといけない、政党本位にしないといけないと。確かに、行き過ぎた政治家本位というのが、平成の政治改革の、批判する対象になったことは、私は理解はできます。しかし、相当程度にこれは是正をしてきまして、それなりに政党本位的な部分というのが大きく入ってきている、これは選挙制度もしかりでございます。

 選挙制度を取って考えると、国民民主党におかれましても、中選挙区制の復活ということを考えておられるわけなので、要するに、政党本位からもうちょっと政治家本位に戻していいんじゃないかという話を選挙制度についてはしておられるわけですけれども、この政治資金についていうと、なぜか政党本位の方に議論をしていくと。

 したがって、やはり、国民民主党におきましても、平成の政治改革をどのように総括するかという全体の中で政治資金の話も考えていただかなければ、政治資金の方は政党本位にします、選挙制度の方は政治家本位にしますという形で、私は、どちらを向いているのかということについては、疑問に感じているところでございます。

 以上です。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 続いて、谷口参考人にお伺いさせていただければと思います。

 今回、私たちの国民民主党、公明党の案の、政党本部と都道府県連に限定するというのは、今言ったように、政治家個人と団体の癒着を少しでも薄くするという考え方もそうなんですが、今、七千八百も政党支部がある中で、国民の不断の監視を行う上で、余りにも支部が多過ぎて監視がしんどいではないかというような論点であったりとか、あと、これも意見陳述の中でいただきましたけれども、現状、例えば最近、報道に出ておりました、企業・団体献金の上限を上回るような献金を受け取って返金をしたり、はたまた、公共工事を請け負いしている事業者が政党支部に対して寄附をしてそれを返金したり、そういったような報道がなされております。

 やはり、政党支部がこうした献金を受けると、法令遵守がなかなか難しくて、そうした責任を持って企業・団体献金を受ける体制ができていない以上、都道府県連に限定をするという考え方がいいのではないかと私たちとしては考えているんですが、改めて、この都道府県連に限定をする受皿規制についてのお考えをお伺いできますでしょうか。

谷口参考人 お答えをいたします。

 ただいま委員御指摘のとおり、いろいろなチェックというのを企業・団体献金を受け取るに当たってはしなくてはいけないのでありますけれども、政治家本人が代表を務める、秘書や知り合いが会計責任者を務めるというような政党支部では、その都度のチェックというのがなかなか難しいということが、現在報道されている事案からまさに明らかになっているわけでございますので、少なくとも、会計責任者とは別に監査役を常駐させられるような、一定以上の単位に受皿を限定する必要がある、こういう考え方に御党案は基づいておられるというふうに理解をしております。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 是非、参考人質疑の中で恐縮なんですけれども、委員長にちょっとお伺いしたいんですけれども、今回、こうしたふうに前向きな御発言も谷口参考人からいただきましたので、是非理事会で、修正協議も含めて御議論いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

伴野委員長 後刻、理事会で協議いたします。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 最後に、両参考人に一問お伺いできればと思います。

 今回、国民民主党、公明党の案では、附則に、政党法というものの検討を進めて、政党法を遵守する政党に限って企業・団体献金を受け取ることができるような検討を進めてはどうかというふうなことを、附則において検討条項として示しているところでございます。

 この政党法と企業・団体献金を結びつけることについてのお考え、説明の中でもいただきましたけれども、改めてお伺いしたいんですが、この関係、加えて、ガバナンス強化がやはり必要でありますから、企業・団体献金を受けるのであればこういったガバナンスは最低満たさないといけないよね、そうした考え方がもしございましたら、教えていただけますでしょうか。

中北参考人 お答えいたします。

 基本的に、政党法ということを結びつけるのであれば、政党交付金と結びつけるべきであって、企業・団体献金と結びつけるというのはロジックがないのではないかというのが私の考えであります。

 あわせて、政党法について事細かく規定するということは、やはり日本の戦後の歩みを考えると適切ではなく、各政党が、それぞれがガバナンスコードを作る、国民民主党さんがガバナンスコードを作っておられるのかどうか、ここを私は問うてみたいところでございますけれども、そういったことも含めて自助努力を行い、そして国民の審判を受けるというのが私は適切な政党政治ではなかろうかというふうに考えます。

 安易に国家が政党の在り方を規制するということは、これは大きな問題、禍根を残しかねないということについて、是非御自覚いただきたいというふうに思います。

 以上でございます。

谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 私も、政党法に関しましては、本来は、政党間のアコード、ソフトローとしての政党ガバナンスコードで対応することを御検討いただきたいと申し上げてきたところでございますが、もし政党法を制定するとすれば、政党助成金を受け取る政党に適用対象を絞った上で、税金を原資とする政党助成金を受け取るにふさわしいレスポンシビリティー、何をするためにどのような体制を取っているのか、それからアカウンタビリティー、その活動を国民に対してどう説明をするのか、そしてライアビリティー、不適法な事案が発生した場合に、例えば政党助成金の一部を返納するなど、そういった処理方法、こういったものは何であるかを御審議いただくことになろうかと存じます。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 いただいた御意見を踏まえながら、前向きに議論を進めていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

伴野委員長 続いて、吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘でございます。

 中北先生、また谷口先生、今日はよろしくお願いいたします。

 政治資金の問題についても、この政治改革特別委員会において、本当に、委員各位の真摯な議論、御努力で、一定程度何か広い合意が実は見えてきているのじゃないかというふうに私自身は感じているところでございます。

 国民民主党それから公明党提出の規制強化法案は、企業・団体献金の存続を前提とした自民党さんの公開強化法案と、それから、企業・団体献金そのものを禁止するというふうな、ある意味非常に厳しい考えとの、私は、橋渡しになり得るものであると、今確信をしているところです。

 これまでの、政治改革特別委員会の委員の皆様、本当に御努力をいただいて、熱心な質疑が展開されているところでございますが、この質疑の内容を聞いて、私自身が、今申し上げたように、幅広い合意というのは、私は、国民・公明案だろうというふうに思っているんですね。

 そこで、公開強化法案を今出されている自民党さんにとっても、この国民・公明案が許容できるのではないか、その可能性を探るために、まず、質問は後ほどになりますが、谷口参考人に質問をいたします。質問は最後にします。

 自民党さんが、地域をくまなく活動をして民意を酌んで政策に反映させていくために、地域ごと、職域ごとに支部を組織し、結果として七千を超える支部を組織しているのは、自らが国民政党であるゆえんであるというふうなことをお述べになられております。

 地域に密着した政治活動を継続的に行い、また、有権者の皆様から様々な声をお受けして政党本部に集約していく取組を行われているということでございまして、私は、この取組には非常に敬意を表しておきたいと思います。そして、その御活動ごとに継続して経費が発生しているということも、十分理解ができるところでございます。

 そして、私は、このような自民党さんの御実情にも、企業・団体献金の窓口を限定する国民、公明の規制法案でも何とか対応できるのではないだろうかというふうなことを考えております。

 例えば、今年の三月、本日も谷口参考人から御指摘いただいたんですけれども、三月の政治改革特別委員会では、谷口参考人から、特定の政治家に寄附をしたいのであれば、その政治家が所属する党本部に誰々議員の政治活動のためと使途を指定して寄附を行って、党本部が責任を持って分配すればいいという御指摘がございましたけれども、本日も、谷口参考人からは、ガバナンスの観点からも繰り返しこのような御意見が示されたところであるというふうに理解をしております。

 そこで、ここから質問に入ります。谷口参考人にお聞きいたします。

 自民党さんのこのような国民政党としての実情と、国民民主、公明党が提出している規制強化法案の両立の可能性について、是非、先生の御所見を賜れればと思います。

谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 端的にお答えするのであれば、十分に両立可能であるというふうに私は思っております。

 選挙区、市区町村を単位とする支部であれば、すべからく企業・団体献金を受け取れるという従来の在り方からすれば、この自民党修正案の、ガバナンスを利かせられる支部だけに限定するという今回の修正案というのは前向きに評価をすることができるわけでございます。

 ただ、先ほど来申し上げておりますとおり、オンラインで提出をする、あるいは一年に一回会計監査を受けるというだけでは、これは事後統制でございますので、現在報道されているような不適切な事案の再発を防止することは難しいということですので、この指定政党支部の要件のもう一段の強化を御検討いただきたいということでございます。

 先ほど、県連に限ってしまうと、やはり県連、上からの統制が強まってしまうというような御懸念が示されたところではございますけれども、少なくとも、私の知る自民党の組織の考え方というのは、県連が上ということではない。なぜなら、都道府県支部連合会なのであって、上部団体ではない。そういうような実態に即した運用の仕方というのは十分対応していただけるものではないのかというふうに私は期待をしておるところでございます。

吉田(宣)委員 谷口先生、ありがとうございます。

 私も地元で非常に自民党の先生と親しくおつき合いをさせていただいているところでございますけれども、そういった皆様の政治活動を、自民党さんの法案があることは重々承知はしているところでございますけれども、国民・公明案でも十分私は満たし得るのではないかということが、今、谷口参考人からお示しをいただいたところかと思いますので、是非、自民党の皆様におかれましては、やはり一つの結論を示していく、三月に結論が出るはずであったものが今になっている、結論を示して、国民の皆様にしっかりこの国会の意思を示していくということが私は非常に重要だろうと思っておりますので、是非、自民党の皆様にも、国民・公明案について真摯な御検討を賜れればというふうに思います。

 次に、日本維新の会の藤田共同代表から国民・公明案について修正協議に前向きなお考えが示されているというような報道に触れました。これまで、企業・団体献金の禁止を貫くとのお考えから、国民・公明案については相入れないというふうにお聞きをしていましたところ、正式に御提案をお受けはしておりませんので何とも申し上げることができないのではありますが、もし可能なれば、前向きな議論ができるのではないかと、私は歓迎を申し上げたく存じます。

 改めて、谷口先生に質問をいたします。

 前回、政治改革特別委員会で先生にお越しいただいたときには、国民・公明案というのは素案の段階でございました。条文をまだ示し切れていなかったという状況でございました。今国会においてようやくこの条文をお示しして、今、各党各会派の皆様の真摯な議論に付されているところでございます。

 そこで、谷口先生にお聞きをしたいんですけれども、この国民・公明案というのは幅広い合意を得る可能性が高いと私は思っておりますけれども、そういった観点から、改めて、この国民・公明案に対する先生の御評価を賜れればと思います。

谷口参考人 ありがとうございます。

 私も、これまで、企業・団体献金を受け取ることができる政党支部を絞るということを様々な場面において提言をさせていただいてきたところでございますが、これはまさしく与野党の共通の土台をお示しをするという意味で申し上げてきたわけであります。これだけが唯一の解であるというふうな傲慢なことを申すつもりは決してございませんけれども、今回、国民・公明案が示されたということによって、先ほど来申し上げておりますとおり、与野党の皆様がまさしく同じ土俵の上に立って取組を始められたということでございますので、是非この御努力を継続をしていただきたい。決して土俵から下がってしまうということはなさらないでいただきたいというふうに強く祈念をしておるところでございます。

吉田(宣)委員 時間も余りありませんが、最後に、中北参考人にお聞きをいたします。

 論点は少しずれますが、先ほど国民民主党さんの方からも質問がございます政党法でございます。

 私、もう三十年以上前ですけれども、佐藤幸治先生の憲法の教科書で、政党法をもう憲法に位置づける時代に来ているのではないかというふうな記述を読んだことがございます。憲法に位置づけるということと政党法というのは少し、法体系上、レベルが違うわけでございますけれども、この佐藤先生が、かつて、もう随分前、政党を憲法に位置づけるというふうにおっしゃられたお考えといいますか、そういった件において、憲法とこの政党法の位置づけについて、先生の御知見をいただければ幸いでございます。

中北参考人 お答え申し上げます。

 確かに、政党助成制度は設けない、政党のやはり公的な役割、国家、民主主義における役割というのがしっかりと位置づけられる必要があるという、こうした流れがあることは事実でございますけれども、しかし、そうした中でも、各国、背負ってきた歴史というのが違います。

 日本の場合というのは、戦前、政党はもちろん宗教団体も弾圧され、そうしたものの自由ということを重視してきたということは、公明党の皆さんも重々承知だというふうに思っております。したがって、現状においてわざわざ規制をするだけの必要性があるのかどうか、そういったことを冷静に判断しなければならないというふうに、このように考えております。

 したがって、佐藤先生がそのような主張をしておられるということは承知しておりますけれども、日本でそれが適切かどうかについては、現状においてきちんと議論をし、合意をつくっていただきたいというふうに思っております。

 以上です。

吉田(宣)委員 中北先生、また谷口先生、今日はありがとうございました。

 私の質問を終わります。

伴野委員長 続いて、高井崇志君。

高井委員 れいわ新選組の高井でございます。

 中北先生、谷口先生には、この政治資金だけじゃなくて、選挙制度でも何度も御登場いただきまして、本当に、もうすっかり御意見番という形で、いつもお世話になっております。

 私からお伺いしたいのは、私、これはいろいろな場面で申し上げて、この国会でも、あるいはテレビ番組なんかでも言っているんですけれども、やはり、三十年前を思い出すと、はっきり覚えているんですよ。政党交付金が導入されたときに、コーヒー一杯二百五十円払ってくださいと。私は、当時大学生、四年生でしたけれども、いや、払いたくないなと思ったけれども、当時、企業・団体献金というか、政治とお金の問題が大混乱していて、本当に汚い政治の世界を見て、やはりこれをよくしていくためだったら払おう、多くの国民がそう思ったと思うんです。

 両先生は私の同世代で、中北先生が一個先輩、それから谷口先生が一つ年下ということで、同じ大学生で、私は経済学部だったんですけれども、両先生は法学部で、政治学を勉強されていたからよく覚えているんじゃないかと思うんですが、当時の多くの国民は、やはりそう思ったからこそ二百五十円払おうと思ったのではないでしょうか、いかがですか。

中北参考人 お答え申し上げます。

 そのように考えたからこそ政党交付金という制度が導入された。また、企業・団体献金についても制限が強化された。したがって、その目標どおりに、企業・団体献金も七分の一に減ってきているということでありまして、平成の政治改革には一定の成果があったと思いますけれども、しかし、これを受けて、今どのような政治改革というのを考えるかというのは、これは令和の時代の課題でございますので、平成の政治改革と同じようなモードでやればいいかというと、ここは一考の余地があるのではないか、このように考えております。

 以上です。

谷口参考人 お答え申し上げます。

 平成の政治改革当時も、政党に対するものを含めて企業・団体献金を禁止すべきという立場を取った政党もございました。一方で、自民党、あるいは当時の細川護熙内閣の与党の中でも、制限はしても全面禁止には反対という立場を取った政党もございまして、それが平成六年法律第十二号において、同じ企業・団体献金であっても、資金管理団体に対するものと政党に対するものとで附則を書き分けたということに表れておるわけでございます。

 政党に対するものも含めて、今日、企業・団体献金を禁止することについて与野党間で幅広い合意が成立するのであれば、私といたしましても反対するものではございません。

 ただし、平成の政治改革当時から、企業・団体献金の全面禁止が自民党を含めて合意をされていたというのは、当事者の後知恵又は記憶違いで、何をおっしゃられようとも事実に反しておりまして、既定の事柄を実行しろという論法ではなくて、この間の三十年余りの政治状況の変化に基づいて、新たに一歩を踏み出すか否かという御判断になるかというふうに考えておる次第でございます。

高井委員 大学の先生のお考えとしては分かるんですけれども、やはり、一国民として見ると、あと、与党からも、文書で書いていることが全てなんだ、文書で残っていないじゃないかという発言もあります。ただ、やはり政治ですから、何か全て文書に書き残していなければいけないのか。契約書とかと違うと思うんですよね。選挙の約束というのは、そのとき訴えたことを総じて国民が受け止めた判断というのは、やはり企業・団体献金はなくしていくんだということ。

 それは、何よりやはり総総合意の当事者だった河野洋平自民党総裁が、政党交付金が実現したら企業献金は廃止しなければ絶対おかしい、企業献金が政策のゆがみを起こしているからやめようとのことだったと発言しています。これが、記憶違いとか、そういう御発言もあるんですけれども。

 しかし、やはり、事細かな、何か契約書の中身一言一句とか、それは覚えていないかもしれません。だけれども、総じて方向性を当時の自民党総裁が国民の皆さんに訴え、そして、私の記憶では、間違いなく、いろいろなテレビとか街頭演説とかで政治家はそれを訴えて、だって、そうじゃなかったら二百五十円払いませんよ。

 やはり、何か制限されるとか少なくなるということだったんじゃないかと私は思うんですけれども、改めて、いかがですか。

中北参考人 お答え申し上げます。

 企業・団体献金の廃止か否かということは非常に重要な論点でございまして、したがって、皆さんもこの場で長く議論しているわけです。このような重要なことを文書できちんと残さないわけがありません。したがって、残された文書が、これが全てです。谷口参考人がおっしゃったように、その際の合意で企業・団体献金の廃止が決まったという議論は、これはやはり当事者の記憶違いと言うしかございません。

 また、皆様は、法律を作るローメーカーでございます。法律というのは、やはり、文書によって様々なことを規定し、それゆえ安定性を持ち、国民の権利が守られるということでございますので、政治だからという発言がなされるということは、私は極めて遺憾なことだと。やはり、文書をきちんと、確認した文書にのっとって統治を行う、政治を行うというのが、これが基本線ではないかというふうに考えますので、したがって、高井先生におかれましても、当時の文書をきちんともう一度精査していただいて、お考えはよく分かりますけれども、しかし、そういうことをして御発言をいただくと、より実りある議論になるのではないか、このように考えております。

 以上です。

谷口参考人 重ねての御質問、ありがとうございます。

 企業・団体献金を、規制を強めていくという方向に関しては、当時から、委員御指摘のとおり、そのコンセンサスがあったというふうに私も存じております。

 ただ、こういう場に学者をお呼びいただきますと、政治家の皆様の往々の反応は、理屈ではそうだけれども、現実の政治はそうではないのだと。ちょっと今日は逆なのでございますけれども、そういう御意見が、全面禁止であるという御意見があったということは分かるのでありますけれども、そうでもない方もいらっしゃるからこそ、当時は、同床異夢という政治の業でもってこういうようなソリューションが図られたというふうに、法律学者ではなくて、私は政治学者でございますので、そういうふうに理解をしておるところでございます。

高井委員 これも本当は聞きたかったんですけれども。

 もう時間がないのであれですけれども、私からすると、やはりだまされたかなという感じがするんですよね。まさに同床異夢という言葉もありました。あるいは、おおむねこういうことを訴えているけれども、実は細かいことを読んでみたら、そこまで合意していませんよという、合意は確かにないんですよ、残っていないんだと思うんですよ。だけれども、世の中に総論として訴えてきたことを国民は真に受けてしまって、そして、やはり、禁止されるから二百五十円払ったんだと、私はだまされたと思うんですけれども、それ、もう一度聞きます。

 では、お二人にお願いします。

伴野委員長 時間がなかなか来ていますので、手短によろしくお願いいたします。

中北参考人 お答えします。

 お気持ちは大変分かりますけれども、しかし、これ以上のことについて私が述べることもございません。

 谷口参考人がおっしゃったように、これについては禁止が決まっていないということでありまして、だまされたというのは、確かに国民はそう思ったかもしれませんけれども、しかし、廃止を主張していた政治家が腰砕けになったということでございますので、そういった政治家がきちんとこれじゃ駄目だということを主張できなかったという、当時の力関係によるものでございますので、これは今後の糧にして進んでいかれればよろしいのではなかろうかというふうに考えております。

 以上です。

谷口参考人 時間も少のうございますので端的にお答えさせていただきますが、委員御指摘のようにお考えになる国民がいらっしゃるということに関しては、決して否定するものではございませんが、ただ、それだけが国民ではないというふうにも思っております。委員が全国民を代表されているということでは必ずしもないのではないでしょうか。

高井委員 もう時間がないので次の質問はできないと思うんですけれども、ただ、もう一つ言いたかったことは、七千七百支部、これは、私、県庁で職員もやっていたんですけれども、やはり、自民党県議会議員の力というのは物すごく強いんですよ。もう国会議員よりも力を持っていて、そして、地元の企業とすごくやはり私は癒着があると思います。許認可権なんかもやはり県庁とか市町村が持っていることが多くて、私は県庁職員でしたけれども、自民党の県議が言うことはちゃんと聞けよと、当時、上司から言われましたよ。

 だから、そういう関係がやはりあるので、そこに、七千七百支部に自民党はこだわるし、ほかはそこをなくしていくと、これが解決の鍵だということを申し上げようと思いましたが、時間ですので終わります。

 ありがとうございます。

伴野委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 お二方の先生には度々御足労いただき、本当にありがとうございます。

 最初に、谷口参考人にお尋ねします。

 一九九〇年代の政治改革におきまして、企業・団体献金については、政治家個人ではなく、政党本位、政党にという議論が行われておりました。しかしながら、現状を見ると、政治家にひもづいた多数の政党支部の存在や、また政治資金パーティーの購入という形で、政治家個人への企業・団体献金が継続しているというのは、やはり政治家個人ではなく政党にという趣旨にそぐわない事態となっているのではないかと考えますが、お考えはいかがでしょうか。

谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 一回目に参考人で伺いましたときにも同様の質問をいただいたかというふうに存じ上げておりますけれども、やはり政党支部の数を規制をしようというとき、当時の国会答弁において、同じ市区町村であっても、その同じ一つの市区町村を細分するものでなければ幾つでも政党支部をつくることができるという御党議員に対する答弁として当時行われてしまったということによって、大きな穴が空いてしまったということは否めないであろうというふうに思うのであります。

 実際、それ以降、自民党においては政党支部の数がどんどん増えてきたというところがあるわけでありまして、これは制度の、ある意味では想定外の動きであったというふうに考えることができるかと存じます。

塩川委員 想定外の抜け道というのが当初から想定されていたということでもあるのかと思います。

 中北参考人に伺います。

 冒頭の意見陳述の中でもお書きいただきました政治資金の透明化のところですけれども、政治資金規正法の二条に基づく政治資金の透明化、これも前回お聞きしたといえばお聞きしたことかもしれませんけれども、やはり、この間、収支報告書公表時期の延期や、また情報公開請求の制限、そして要旨廃止といった公開に逆行するような措置が行われてまいりました。これは透明化に逆行するのではないかと思うんですが、その点についてお考えをお聞かせください。

中北参考人 お答え申し上げます。

 この点、塩川先生が繰り返し問題提起し、私もこれは賛同しておりますけれども、要旨の公表、きちんとすること、さらには、データベースもきちんとずっと残していくような、こうしたシステムの構築というのが私は必要ではないかと思います。

 規制よりも公開をという流れ、透明化ということ、私は賛同しますけれども、やはり、そうであれば、透明化の度合い、あと、後々検証されるということも非常に重要なことですので、この点については、議論を是非、当委員会においても深めていただければというふうに考えております。

 以上でございます。

塩川委員 透明化に逆行するような法改悪を行ってきた。こういう問題こそきちっと総括をし、透明化を図るような対策こそ求められていると思います。

 次に、政党交付金、政党助成金、政治資金の在り方についてお二方にお尋ねをいたします。

 中北参考人の配付資料にもありますように、二〇二四年の政党本部の収入を見ますと、政党助成金が占める割合が、自民党が七〇%、立憲民主党が七七%、日本維新の会が七八%、国民民主党が八二%、れいわ新選組は七〇%などとなっております。

 今年三月の参考人質疑で、中北参考人は、現在の政治資金制度の最大の問題は税金丸抱えの国営政党化と指摘をし、政党交付金の総額の減額や制定時の三分の二条項の復活を挙げておられました。谷口参考人も、税金を原資とする政党交付金の増額は国民の理解を得にくいと述べておられました。

 九四年一月の細川総理と河野自民党総裁の合意では、過度に依存しないように上限は四割というのがありました。しかしながら、三月の法制化の際には三分の二ということに後退をさせ、九五年十二月にはこの歯止めも削除してしまって、一度も上限規制がかからずに交付されております。

 お二方にお尋ねしますが、多くの政党が国営政党となっている現状についてはどのように受け止めておられるでしょうか。

中北参考人 お答え申し上げます。

 私は、政党交付金自体が違憲であるという共産党の立場とは異なっておりますけれども、現在、過度の依存状況にあるという理解には立っております。

 やはり、政党というのは市民社会から生まれたわけでございます。これは自由民権運動以来です。したがって、国民によって支えられ、そして、その意思を国家機構に反映させていくというのが基本的な役割でございます。したがって、選挙の結果を基準に配分される政党交付金にのみ過度に依存するということは、やはり問題がある。

 そうした中で、ポピュリズムといったようなものが蔓延をしているというのは、これは各国で起きていることですので、令和の政治改革においては、やはりどうやって国民に根づいた政党というのをつくり上げていくのか、こういう観点から申しますと、企業・団体献金を安易に廃止したり、制限、強化したりすることは望ましくないというのが私の考えであります。

 この点についても、共産党におかれましても、多面的に御検討いただいて御判断いただければというふうに考えておるところでございます。

 以上です。

谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 政党交付金制度について、国営政党という言葉がどうかというのは別にいたしましても、当時は、企業、団体のひもつきではない原資ということで政党交付金制度が導入されたということでございまして、実際としても企業・団体献金の総額というのは減ってきているわけでございます。

 そういう意味においては、政党交付金制度には一定以上の意義があったというふうに考えておりますが、ただいま委員御指摘のとおり、これを増額するということになると、恐らく国民の理解は得られないでありましょうし、あるいは、昨今におかれても、残念ながら政党交付金を原資としたような、不適切な政治資金の使い道等が報道されておるところでございます。

 そういったときに、じゃ、それを、政党交付金を国庫に返納する等々の仕組みというのは十分に整えられていないわけでございまして、そういう意味では、政党交付金制度を廃止するとか減額するとかというのも一つのお考えではありますけれども、それをより国民の理解が得られるような使い勝手というか、国民にとって理解の得られやすいような制度にしていくためにはどうすべきかというような見直しの方向性というのは考えられるのではないかと存じます。

塩川委員 国営政党にならないようにという立場で、政党交付金はそのままで企業・団体献金を増やすというのは、それはちょっと趣旨としては、私は国民の思いに逆行するものではないのかなという思いをしております。

 最後に、今の政党交付金に関連してなんですけれども、自民・維新案におきまして、政党等の政治資金の収入に関する制度の在り方に係る措置に関する法案となって、政党の収入の在り方の検討といいながら、法案には政党助成金の検討が含まれておりません。

 収入の大半を占める政党助成金の在り方の問題についての検討が含まれていないというのはどう考えるのかということについて、それぞれお二方にお尋ねいたします。

中北参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘いただいたように、政党交付金の在り方、さらに、地方の政治家の資金の問題、収入のみならず支出の部分、こういったことをトータルにやはり検討していくべき局面ではないかというふうに考えますので、その一部として政党交付金の在り方、これについても検討するべきではないかという点については、私も賛同いたします。

 以上です。

谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 政党の収入、政党だけではなくて、政党、政治団体の収入の在り方についても幅広く考えていくというのは、一般論としては理解ができるわけでございますけれども、実際の政治過程としては、どちらかといえば、与野党それぞれにお互いの糧道を断つというような、思惑先行であるようなところもないわけではないわけでございまして、そのような、せっかく与野党合意に向けた機運が徐々に高まりつつあるところに、そういうような応酬の爪痕を残すというのはいかがなものだろうかというような気がしないわけでもございません。

塩川委員 政党収入の大半を占める政党交付金の収入の在り方についての検討は必要だとは思いますので、そのことを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

伴野委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 有志の会の福島伸享でございます。

 中北先生、谷口先生、本当に今日はありがとうございます。

 前回の通常国会の参考人質疑で、谷口先生から、いきなり企業・団体献金禁止にいくんじゃなくて、ステップ・バイ・ステップでいく道があるんじゃないかという御示唆をいただいて、そこでちょうど公明党、国民民主党の素案が出てきたということもあって、私は真っ先に、これを条文化したものをベースに折り合える点を見つけるべきじゃないかというのを、さきの通常国会で指摘をさせていただきました。

 そうした意味では、この参考人質疑を通じて、異なる立場の政党が合意に向かって進んでいるという中での今日の参考人質疑でありますので、是非とも先生方から、与党推薦、野党推薦にこだわらず、合意形成に向けた御知見をいただければと思いますので、決して国民民主党の方に自民案に乗れみたいなことはおっしゃらないでいただけたらなというふうにまず申し上げて、質問させていただきます。

 先ほど来、平成の政治改革と令和は違うんだという話はありますけれども、やはりこの問題は、平成の政治改革からの置き土産だと思うんですね。

 確かに、廃止かどうかというので熾烈な議論があって、文書にはなっていないけれども、五年後の、猶予期間の中で、政党支部にまで企業・団体献金を認めるという案を、一定の合意点には、合意点と言うのがいいか分からないですけれども、制度的な面としてやったんですけれども、どうも、先ほど谷口先生がおっしゃったように、最初、この制度が導入される前は、自民党の政党支部は五千しかなかったわけですね。それが今、八千近くまで膨らんでいるというのは、やはりこれは、企業・団体献金を受け取るために支部をつくっているんじゃないかと言わざるを得ないし、やはり私は、政党、個人にひもづくような団体に企業・団体献金が出されるというのは、そこはいろいろな問題が生じる温床になると思うから、私は、国民民主党、公明党の案というのは、かなり、一歩大きな前進だというふうに思っております。

 そうした意味で、政党支部にまで認めるというのは、やはり本来の政治改革の中で得た結論の趣旨から見ても、特に、政党本位、政策本位の政治を進めるという趣旨から見ても、おかしいんじゃないかと思うんですけれども、両先生のお考えをお伺いできたらと思います。

中北参考人 お答え申し上げます。

 福島先生は、党よりも人ということをキャッチフレーズにしておられると思いますので、やはり、人がある程度資金調達ができるということも必要なんじゃないかなというふうにも考えますけれども……(福島委員「いや、要らない。私はもらっていないもの、企業・団体献金、要らないですよ」と呼ぶ)はい。

 いずれにしても、先ほどお答えしたように、政党の成り立ちが違うわけです。やはり人がベースになって政党の末端の活動をしている政党と、組織政党、共産党や公明党のような政党とは、かなり成り立ちが違うわけであります。

 したがって、政党本位といって、ある部分、末端に行かなくすると、当然、ダメージが一定の政党に寄るわけでありますので、問題の本質は、特定の政党に対して打撃を与えることではなくて、国民が政治資金についてきちんと理解をし、国民の浄財として拠出していいんじゃないか、こういうふうに思えるような形にするということに本質があるわけでして、その点からいって、やはり透明化をきちんと進めていくということがまずは必要ではないかというふうに考えます。

 また、平成の政治改革の際には、政治家本位から政党本位という形で様々な改革がなされたことは承知しております。しかし、それが一定程度の成果を上げ、逆に、政党が強過ぎる、政治家の活動というのがかなり萎縮しているんではないかと言われることもあることは、福島先生、重々承知をしておられるというふうに考えております。

 したがって、令和の政治改革ということで、そういったことをトータルにどう考えていくのか。これは選挙制度の方で、現在の小選挙区比例代表並立制から中選挙区制的なものに戻す、同じモデルでは多分ないとは思いますけれども、こういったことは考えられているわけでして、政党と政治家個人の関係をどのようにしていくのが民主主義の発展にとって必要なのかということを全体として考えていくということが必要ではなかろうかと考えておりまして、そうした観点からいえば、平成の政治改革の積み残しという形で、政党本位の方にどんどんかじを切っていく局面なのかなという点については疑問があるということでございます。

福島委員 確かに成り立ちが違うんですよ。この委員会でも、ある自民党の若い議員の方がこういう発言をされています。都道府県連しか受皿にならないということになると、地域の政党支部への企業・団体献金を使うことによって、企業の皆さんがその政党支部にこういう政策をやってほしいというような、そういう思いを託すことができなくなってしまいますし、一方で、地域支部の方は、その声を拾って政策に反映していく、そのための原資を失ってしまうことになります。要するに、お金をもらわなきゃ話を聞いてやらない、そういう政党だったら、私は、そんな政党は、成り立ちが違うんじゃなくて、そもそも政党の在り方として間違えていると思うし、その声を拾っていくためには、その政党支部がお金を企業からもらわなきゃ、運営しなきゃならない。

 確かに、私は党より人物とやっていますけれども、個人献金と自分のパーティーで、去年やったパーティーを見たら、二千万円も個人で出してくれる人がいるわけですよ。十分活動はできるのであって、成り立ちが違うという一点でやるよりも、むしろ、私は、若い自民党の議員ですら、お金をもらわなきゃ話が聞けないという体質そのものが問題なんだと思いますけれども、先生、いかがですか。

中北参考人 お答え申し上げます。

 国民の政治参加のやり方というのは、時間がある人はボランティアをすればいい、時間がない人はお金で献金をするということでありまして、政治参加の手段というふうなことでお金の問題も考えるということが私は肝要ではないかと。お金をさも汚いことのように扱うというのは、政治資金規正法の趣旨にやはりそぐわないというふうに考えております。

 また、先ほど来、公明党、国民民主党の案について、使途、特定寄附を認めるか認めないか自体が非常に曖昧なまま議論が進んでおります。もし認めるとなれば、谷口参考人がおっしゃっておられるような、結果的には様々な支部にお金が回っていくことになるわけでして、私もそれは合意点になり得ると思いますけれども、この点をどうするかということはかなり重要な点でありまして、これが曖昧なまま、国民・公明案の方がいいとか、そうすれば流れが明確になるとかいう議論をすること自体が、私は、なかなかこれは成り立たない議論ではないかというふうに思いますので、まずは、この点を認めるのか認めないのか、しっかりと定める、特に法案の中で定めるということが必要ではないかと。

 恐らくこれは、定めるとなると、福島先生は多分反対されるということではないかと理解しておりますけれども、この点を曖昧に、何となく合意といってふわっと進んでいくということは危険ではないか、このように考えております。

 以上です。

谷口参考人 政党支部が増えたことと政党本位の関係のお尋ねでございましたね。

 先ほど塩川委員とのやり取りのところでもお答えをしたところでございますけれども、確かに、当時は、平成の政治改革においては、候補者個人本位の政治から政党本位の政治へというコンセプトで一貫をしておりまして、その下に選挙制度改革も行われ、政治資金制度改革も行われたということではございますが、そうした中で、ただいま御指摘をいただいたところ、支部の数というところは、必ずしも主たる論点になっていなかった、虚をつくような形で、国会答弁によって穴が空けられ、その後の運用においてそれが一気に広がっていったというのが歴史であったかというふうに理解をいたしております。

 ちなみに、この政党本位の政治という考え方は、これは実は、平成の政治改革で突如表れたものではございません。昭和四十五年、第七次選挙制度審議会に対する佐藤栄作総理の諮問自体も、政党本位の選挙を実現するための選挙制度全般を通ずる根本的な改善策を具体的に示されたいということであったように、中選挙区制が招く候補者個人本位の政治の在り方は我が国のあるべき姿でないという考え方は、五十年以上の歴史を持っておるということに留意が必要かと存じます。

福島委員 本当は、参考人質疑を通じて、両案がどうやって合意していくかというのを探るのがこの参考人質疑だったと思うんですけれども、残念ながら、そうした議論が余り深められなかったのが残念だと思いますけれども、また先生方の御知見を賜れればと思っております。

 以上でございます。

伴野委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。

 参考人の先生各位におかれましては、貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)

 浦野靖人君。

浦野委員 動議を提出いたします。

 各案及び修正案の質疑を終局し、直ちに採決されることを望みます。(発言する者あり)

伴野委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

伴野委員長 速記を起こしてください。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時五十一分休憩

     ――――◇―――――

    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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